往生礼讃
沙門善導集記
◎前序
【1】 一切衆生を勧めて、 西方極楽世界の阿弥陀仏国に生ぜんと願ぜしむる六時礼讃の偈。
勧↢一切衆生↡、願↠生↢西方極楽世界阿弥陀仏国↡、六時礼讃偈。
つつしみて ¬*大経¼、 および*龍樹・*天親、 この土 (中国) の*沙門等の所造の往生礼讃によりて、 集めて一処に在き、 分ちて*六時を作る。 ただ相続して心を係けて*往益を助成せんと欲す。 また願はくは*未聞を暁悟して、 遠く*遐代を沾さんのみ。
往益 往生浄土の利益。
未聞を暁悟して 未信の人々を教え導いて。
遐代 はるか後の世。
謹依↢¬大経¼及龍樹・天親、此土沙門等所造往生礼讃↡、集在↢一処↡分作↢六時↡。唯欲↣相続係心助↢成往益↡。亦願暁↢悟未聞↡、遠沾↢遐代↡耳。
何者ぞ。 第一につつしみて ¬大経¼ に釈迦および十方の諸仏、 *弥陀の十二光の名を讃歎して、 「*称・礼・念すればさだめてかの国に生ず」 と勧めたまふによりて、 十九拝、 *日没の時に当りて礼す。
弥陀の十二光の名 ¬大経¼ (上) に説かれる阿弥陀仏の十二種の異名。 →
十二光
称礼念 称名し礼拝・憶念すること。
何者。第一謹依↫¬大経¼釈迦及十方諸仏、讃↢歎弥陀十二光名↡、勧↪称礼念定生↩彼国↨、十九拝、当↢日没時↡礼。
第二につつしみて*¬大経¼ によりて要文を採集して、 もつて礼讃の偈となす。 二十四拝、 *初夜の時に当りて礼す。
大経に… ¬大経¼ (下) の 「往覲偈」 に主によっている。
第二謹依↢¬大経¼↡採↢集要文↡、以為↢礼讃偈↡、二十四拝、当↢初夜時↡礼。
第三につつしみて龍樹菩薩の願往生礼讃の偈 (十二礼) によりて、 十六拝、 *中夜の時に当りて礼す。
第三謹依↢龍樹菩薩願往生礼讃偈↡、十六拝、当↢中夜時↡礼。
第四につつしみて天親菩薩の願往生礼讃の偈 (*浄土論) によりて、 二十拝、 *後夜の時に当りて礼す。
第四謹依↢天親菩薩願往生礼讃偈↡、二十拝、当↢後夜時↡礼。
第五につつしみて**彦琮法師の願往生礼讃の偈によりて、 二十一拝、 *晨朝の時に当りて礼す。
彦琮法師の… ほぼ同文の偈文が、 ¬聖武天皇宸翰雑集¼ にみられる。
第五謹依↢彦琮法師願往生礼讃偈↡、二十一拝、当↢晨朝時↡礼。
第六に沙門善導の願往生礼讃の偈、 つつしみて*十六観によりて二十拝を作る。 *午時に当りて礼す。
十六観 ¬観経¼ に説かれる定善十三観と散善三観のこと。
午時 正午頃。
第六沙門善導願往生礼讃偈、謹依↢十六観↡作、二十拝、当↢午時↡礼。
【2】 ▼問ひていはく、 いま人を勧めて往生せしめんと欲せば、 いまだ知らず、 いかんが*安心・*起行・*作業してさだめてかの国土に往生することを得るや。
問曰。今欲↢勧↠人往生↡者、未↠知、若為安心・起行・作業定得↢往生彼国土↡也。
◎前序 ○安心
答へていはく、 かならずかの国土に生ぜんと欲せば、 ¬観経¼ に説きたまふがごときは、 三心を具してかならず往生を得。 なんらをか三となす。 ▼一には至誠心。 いはゆる身業にかの仏を礼拝し、 口業にかの仏を讃歎称揚し、 意業にかの仏を専念観察す。 *おほよそ三業を起さば、 かならずすべからく真実なるべし。 ゆゑに至誠心と名づく。 ▼二には深心。 すなはちこれ真実の信心なり。 自身はこれ煩悩を具足する凡夫、 善根薄少にして三界に流転して火宅を出でずと信知し、 いま弥陀の*本弘誓願は、 名号を称すること下*十声・一声等に至るに及ぶまで、 さだめて往生を得と信知して、 すなはち一念に至るまで疑心あることなし。 ゆゑに深心と名づく。 三には回向発願心。 所作の一切の善根ことごとくみな回して往生を願ず。 ゆゑに回向発願心と名づく。 この三心を具すれば、 かならず生ずることを得。 *もし一心も少けぬれば、 すなはち生ずることを得ず。 ¬観経¼ につぶさに説くがごとし、 知るべし。
おほよそ…名づく 親鸞聖人は 「おほよそ三業を起すに、 かならず真実を須ゐるがゆゑに至誠心と名づく」 (化身土文類訓) と読まれた。
本弘誓願 阿弥陀仏が因位において弘く一切の衆生を救おうと誓われた願。 ここでは四十八願の中のとくに第十八願を指す。
十声一声等 智昇撰 ¬集諸経礼懺儀¼ 所収の ¬礼讃¼ では、 「十声等」 (高麗版)、 「十声聞等」 (宋版) などとなっている。 親鸞聖人は 「信文類」 において 「十声聞等」 とある ¬集諸経礼懺儀¼ 所収本をとくに引用されている。
もし一心も少けぬれば 至誠心・深信・回向発願心のうちの一つでも欠けたならばの意。 親鸞聖人は ¬唯信鈔文意¼ では、 この文の 「一心」 を三心即一の一心 (真実信心) と解釈されている。
答曰。必欲↠生↢彼国土↡者、如↢¬観経¼説↡者、具↢三心↡必得↢往生↡。何等為↠三。一者至誠心、所謂身業礼↢拝彼仏↡、口業讃↢歎称↣揚彼仏↡、意業専↢念観↣察彼仏↡。凡起↢三業↡必須↢真実↡故名↢至誠心↡。二者心、即是真実信心。信↧知自身是具↢足煩悩↡凡夫、善根薄少流↢転三界↡、不↞出↢火宅↡。今信↪知弥陀本弘誓願、及↧称↢名号↡、下至十声・一声等↥、定得↩往生↨、乃至↢一念↡無↠有↢疑心↡、故名↢心↡。三者回向発願心、所作一切善根、悉皆回願↢往生↡、故名↢回向発願心↡。具↢此三心↡必得↠生也。若少↢一心↡即不↠得↠生。如↢¬観経¼具説↡。応↠知。
◎前序 ○起行
【3】 また天親の ¬*浄土論¼ にいふがごとし。 もしかの国に生ぜんと願ずることあるものには、 勧めて*五念門を修せしむ。 五門もし具すれば、 さだめて往生を得。
五念門 天親菩薩の ¬浄土論¼ では、 五念門は礼拝・讃嘆・作願・観察・回向の順序であるのに対し、 ¬礼讃¼ では、 第三が観察、 第四が作願となっている。
又如↢天親¬浄土論¼云↡。若有↠願↠生↢彼国↡者、勧修↢五念門↡。五門若具定得↢往生↡。
何者をか五となす。 一には身業礼拝門。 いはゆる一心にもつぱら恭敬を至して、 合掌し香華供養して、 かの阿弥陀仏を礼拝す。 礼するにはすなはちもつぱらかの仏を礼して、 畢命を期となして*余礼を雑へず。 ゆゑに礼拝門と名づく。
余礼 阿弥陀仏以外の仏・菩薩等を礼拝すること。
何者為↠五。一者身業礼拝門、所謂一心専至、恭敬合掌香華供養、礼↢拝彼阿弥陀仏↡。礼即専礼↢彼仏↡、畢命為↠期不↠雑↢余礼↡。故名↢礼拝門↡。
二には口業讃歎門。 いはゆる意をもつぱらにして、 かの仏の身相・光明、 一切の聖衆の身相・光明、 およびかの国中の一切の宝荘厳・光明等を讃歎す。 ゆゑに讃歎門と名づく。
二者口業讃歎門、所謂専↠意、讃↢歎彼仏身相・光明、一切聖衆身相・光明及彼国中一切宝荘厳・光明等↡。故名↢讃歎門↡。
三には意業憶念観察門。 いはゆる意をもつぱらにして、 かの仏および一切の聖衆の身相・光明、 国土の荘厳等を念観す。 ¬観経¼ に説きたまふがごとく、 ただ睡時を除きて、 この事等をつねに憶しつねに念じつねに想しつねに観ず。 ゆゑに観察門と名づく。
三者意業憶念観察門、所謂専↠意念↢観彼仏及一切聖衆身相・光明・国土荘厳等↡。如↢¬観経¼説↡、唯除↢睡時↡、恒↢憶恒↣念恒↤想恒↯観此事等↡。故名↢観察門↡。
四には作願門。 いはゆる心をもつぱらにして、 もしは昼、 もしは夜、 一切時、 一切処に、 *三業・四威儀の所作の功徳、 初・中・後を問はず、 みなすべからく真実心のうちに発願して、 かの国に生ぜんと願ずべし。 ゆゑに作願門と名づく。
三業四威儀 身口意の三業および行住座臥の四威儀。
四者作願門、所謂専↠心、若昼若夜、一切時一切処、三業四威儀所作功徳、不↠問↢初中後↡、皆須↢真実心中発願、願↟生↢彼国↡。故名↢作願門↡。
五には回向門。 いはゆる心をもつぱらにして、 もしは自作の善根、 および一切の三乗・五道、 一々の*聖凡等の所作の善根に深く*随喜を生じ、 諸仏・菩薩の所作の随喜のごとく、 われもまたかくのごとく随喜して、 この随喜の善根およびおのが所作の善根をもつて、 みなことごとく衆生とこれをともにしてかの国に回向す。 ゆゑに回向門と名づく。 またかの国に到りをはりて六神通を得て*生死に回入して、 衆生を教化すること*後際を徹窮して心に*厭足なく、 すなはち成仏に至るまでまた回向門と名づく。
聖凡 聖者と凡夫。 上の 「三乗」 (声聞・縁覚・菩薩) を聖者とし、 「五道」 (地獄・餓鬼・畜生・人・天) を凡夫とする。
生死に回入して 生死輪廻の迷いの世界にもどって。
後際を徹窮して 未来際を尽して。 未来永劫に。
五者回向門、所謂専↠心、若自作善根、及一切三乗五道、一一聖凡等所作善根、生↢随喜↡。如↢諸仏・菩薩所作随喜↡、我亦如↠是随喜、以↢此随喜善根、及己所作善根↡、皆悉与↢衆生↡共↠之、回↢向彼国↡。故名↢回向門↡。又到↢彼国↡已、得↢六神通↡、回↢入生死↡、教↢化衆生↡、徹↢窮後際↡心無↢厭足↡、乃至成仏亦名↢回向門↡。
五門すでに具しぬれば、 さだめて往生を得。 一々の門上の三心と合して、 随ひて業行を起せば、 多少を問はず、 みな真実の業と名づく、 知るべし。
五門既具定得↢往生↡。一一門与↢上三心↡合、随起↢業行↡、不↠問↢多少↡、皆名↢真実業↡也。応↠知。
◎前序 ○作業
【4】 ▼また勧めて四修の法を行ぜしめて、 もつて三心・五念の行を策ましてすみやかに往生を得しむ。 何者をか四となす。
又勧行↢四修法↡、用策↢三心・五念之行↡、速得↢往生↡。何者為↠四。
一には恭敬修。 いはゆるかの仏およびかの一切の聖衆等を*恭敬礼拝す。 ゆゑに恭敬修と名づく。 ▼*畢命を期となして誓ひて中止せざる、 すなはちこれ長時修なり。
畢命を期となして 命がおわる時を限りとして。
一者恭敬修、所謂恭↢敬礼↣拝彼仏及彼一切聖衆等↡。故名↢恭敬修↡。畢命為↠期誓不↢中止↡、即是長時修。
二には無余修。 いはゆる▼もつぱらかの仏の名を称して、 かの仏および一切の聖衆等を専念し、 専想し、 専礼し、 専讃して、 *余業を雑へず。 ゆゑに無余修と名づく。 畢命を期となして誓ひて中止せざる、 すなはちこれ長時修なり。
二者無余修、所謂専称↢彼仏名↡、専↢念専↣想専↤礼専↯讃彼仏及一切聖衆等↡、不↠雑↢余業↡。故名↢無余修↡。畢命為↠期誓不↢中止↡、即是長時修。
三には無間修。 いはゆる相続して恭敬礼拝し、 称名讃歎し、 憶念観察し、 回向発願し、 ▼心々相続して余業をもつて来し間へず。 ゆゑに無間修と名づく。 また*貪瞋煩悩をもつて来し間へず。 *随犯随懺して、 念を隔て時を隔て日を隔てしめず、 つねに清浄ならしむるをまた無間修と名づく。 畢命を期となして誓ひて中止せざる、 すなはちこれ長時修なり。
貪瞋煩悩 貪欲 (むさぼり) や瞋恚 (いかり) などの煩悩。
随犯随懺して 罪を犯せば、 すぐ懺悔して。
三者無間修、所謂相続恭敬礼拝称名讃歎憶念観察廻向発願、心心相続不↧以↢余業↡来間↥、故名↢無間修↡。又不↧以↢貪瞋煩悩↡来間↥。随犯随懺、不↠令↢隔↠念隔↠時隔↟日、常使↢清浄↡、亦名↢無間修↡。畢命為↠期誓不↢中止↡、即是長時修。
また菩薩すでに生死を免れて、 所作の善法*回して仏果を求むるは、 すなはちこれ自利なり。 衆生を教化して*未来際を尽すは、 すなはちこれ利他なり。 しかるにいまの時の衆生ことごとく煩悩のために*繋縛せられて、 いまだ悪道生死等の苦を免れず。 縁に随ひて行を起して、 一切の善根つぶさにすみやかに回して、 阿弥陀仏国に往生せんと願ぜよ。 かの国に到りをはりて、 さらに畏るるところなし。 上のごとき四修*自然任運にして、 自利利他具足せざるはなし、 知るべし。
未来際 未来の果て。
繋縛 つながれ、 しばりとどめられること。
自然任運 おのずから。 ひとりでに。
又菩薩已免↢生死↡、所作善法回求↢仏果↡、即是自利。教↢化衆生↡尽↢未来際↡、即是利他。然今時衆生、悉為↢煩悩↡繋縛未↠免↢悪道生死等苦↡。随↠縁起↠行、一切善根具速回願↣往↢生阿弥陀仏国↡。到↢彼国↡已、更無↠所↠畏。如↠上四修、自然任運自利・利他無↠不↢具足↡。応↠知。
【5】 ▼また ¬*文殊般若¼ (意) にのたまふがごとし。 「*一行三昧を明かさば、 ただ独り*空閑に処してもろもろの乱意を捨て、 心を一仏に係けて*相貌を観ぜず、 もつぱら名字を称することを勧む。 すなはち念のうちにおいて、 かの阿弥陀仏および一切の仏等を見たてまつることを得」 と。
空閑 静かなところ。
又如↢¬文殊般若¼云↡。「明↢一行三昧↡、唯勧独処↢空閑↡捨↢諸乱意↡、係↢心一仏↡不↠観↢相貌↡、専称↢名字↡即於↢念中↡、得↠見↢彼阿弥陀仏、及一切仏等↡。」
▼問ひていはく、 なんがゆゑぞ、 観をなさしめずしてただもつぱら名字を称せしむるは、 なんの意かあるや。
問曰。何故不↠令↠作↠観、直遣↣専称↢名字↡者、有↢何意↡也。
▼答へていはく、 ▼すなはち衆生障重くして、 *境は細に心は粗なるによりて、 *識颺り神飛びて、 観成就しがたし。 ここをもつて大聖 (釈尊) 悲憐して、 ただ勧めてもつぱら名字を称せしむ。 まさしく称名は易きによるがゆゑに、 相続してすなはち生ず。
境は細に心は粗なる 観念の対象は微妙で細やかであるのに、 観念する心の方は粗雑である。
識颺り神飛びて 心のはたらきがうわつき、 精神がつねに動揺して。
答曰。乃由↣衆生障重、境細心麤、識颺神飛、観難↢成就↡也。是以大聖悲憐直勧専称↢名字↡。正由↢称名易↡故、相続即生。
▼問ひていはく、 すでにもつぱら一仏を称せしむるに、 なんがゆゑぞ、 *境現ずることすなはち多き。 これあに*邪正あひ交はり、 *一多雑現するにあらずや。
境現ずること… 一行三昧によって諸仏が現前することを指している。
邪正あひ交はり 邪境と正境が混ざり合うこと。
一多雑現 一仏と多仏が混在して現れること。
問曰。既遣↣専称↢一仏↡、何故境現即多。此豈非↢邪正相交一多雑現↡也。
▼答へていはく、 仏と仏と斉しく証して、 形二の別なし。 たとひ一を念じて多を見ること、 なんの大道理にか乖かんや。
答曰。仏仏斉証形無↢二別↡。縦使念↠一見↠多乖↢何大道理↡也。
▼また ¬観経¼ にのたまふがごとし。 仏、 *坐観・礼念等、 ▼みな面を西方に向かふるを須ゐるは最勝なりと勧めたまふ。 樹の先より傾けるは倒るるに、 かならず曲れるに随ふがごとくなるがゆゑなり。 かならず事の礙ありて西方に向かふに及ばずは、 ただ西に向かふ想をなすもまた得たり。
坐観礼念 座って観察し、 礼拝・念仏すること。
又如↢¬観経¼云↡。仏勧↢坐観・礼念等↡、皆須↧面向↢西方↡者最勝↥、如↢樹先傾倒必随↟曲、故必有↢事礙↡不↠及↠向↢西方↡、但作↢向↠西想↡亦得。
▼問ひていはく、 一切の諸仏三身同じく証し、 *悲智の果円かにしてまた無二なるべし。 方に随ひて一仏を礼念し課称せんに、 また生ずることを得べし。 なんがゆゑぞ、 ひとへに西方を歎じて、 勧めて礼念等をもつぱらにせしむるは、 なんの義かあるや。
悲智の果円かにして 慈悲と智慧よりなる仏果の徳が欠けるところなくそなわって。
問曰。一切諸仏三身同証、悲智果円亦応↠無↠二、随↠方礼↢念課↣称一仏↡、亦応↠得↠生。何故偏歎↢西方↡、勧↢専礼念等↡、有↢何義↡也。
・ 光号摂化
▼答へていはく、 諸仏の所証は平等にしてこれ一なれども、 もし願行をもつて来し収むるに因縁なきにあらず。 しかるに弥陀世尊、 本深重の誓願を発して、 ▼光明・名号をもつて十方を*摂化したまふ。 ただ信心をもつて求念すれば、 上*一形を尽し下十声・一声等に至るまで、 仏願力をもつて易く往生を得。 このゆゑに釈迦および諸仏勧めて西方に向かはしむるを*別異となすのみ。 またこれ余仏を称念して障を除き、 罪を滅することあたはざるにはあらず、 知るべし。
摂化 おさめとって教化すること。
別異 相違。
答曰。諸仏所証平等是一、若以↢願行↡来収、非↠無↢因縁↡。然弥陀世尊、本発↢重誓願↡、以↢光明・名号↡摂↢化十方↡。但使↢信心求念↡、上尽↢一形↡下至↢十声・一声等↡、以↢仏願力↡易↠得↢往生↡。是故釈迦及以諸仏、勧向↢西方↡為↢別異↡耳。亦非↧是称↢念余仏↡、不↞能↢除↠障滅↟罪也。応↠知。
◎前序 ○専雑得失
【6】 ▼もしよく上のごとく念々相続して、 *畢命を期となすものは、 十はすなはち十ながら生じ、 百はすなはち百ながら生ず。 なにをもつてのゆゑに。 *外の雑縁なくして正念を得るがゆゑに、 仏の本願と相応することを得るがゆゑに、 教に違せざるがゆゑに、 仏語に随順するがゆゑなり。
畢命を期となす 命がおわる時を限りとする。
外の雑縁 外からのさまざまな妨げ。
若能如↠上念念相続畢命為↠期者、十即十生、百即百生。何以故、無↢外雑縁↡、得↢正念↡故、与↢仏本願↡得↢相応↡故、不↠違↠教故、随↢順仏語↡故。
▼もし*専を捨てて*雑業を修せんと欲するものは、 百は時に希に一二を得、 千は時に希に三五を得。 なにをもつてのゆゑに。 すなはち雑縁乱動するによりて正念を失するがゆゑに、 仏の本願と相応せざるがゆゑに、 教と相違せるがゆゑに、 仏語に順ぜざるがゆゑに、 *係念相続せざるがゆゑに、 *憶想間断するがゆゑに、 回願慇重真実ならざるがゆゑに、 *貪・瞋・諸見の煩悩来り間断するがゆゑに、 慚愧・懺悔の心あることなきがゆゑなり。
専 念仏を専修すること。
係念相続せざる 浄土に想いをかけることが相続しない。
憶想間断 仏をおもう心がとだえる。
若欲↣捨↠専修↢雑業↡者、百時希得↢一二↡、千時希得↢三五↡。何以故、乃由↣雑縁乱動失↢正念↡故、与↢仏本願↡不↢相応↡故、与↠教相違故、不↠順↢仏語↡故、係念不↢相続↡故、憶想間断故、回願不↢慇重真実↡故、貪瞋諸見煩悩来間断故、無↠有↢慚愧懺悔心↡故。
懺悔に三品あり。 一には要、 二には略、 三には広なり。 下につぶさに説くがごとし。 意に随ひて用ゐるにみな得たり。 ▼また相続してかの仏恩を念報せざるがゆゑに、 心に*軽慢を生じて業行をなすといへども、 つねに*名利と相応するがゆゑに、 *人我おのづから覆ひて同行善知識に親近せざるがゆゑに、 楽ひて雑縁に近づきて、 往生の正行を*自障障他するがゆゑなり。
人我 我執。 自己にとらわれること。
自障障他 みずからさまたげ、 他人をもさまたげること。
懺悔有↢三品↡。一要、二略、三広。如↢下具説↡。随↠意用皆得。又不↣相続念↢報彼仏恩↡故、心生↢軽慢↡、雖↠作↢業行↡常与↢名利↡相応故、人我自覆不↣親↢近同行善知識↡故、楽近↢雑縁↡自↢障障↣他往生正行↡故。
▼なにをもつてのゆゑに。 余、 このごろみづから諸方の道俗を見聞するに、 *解行不同にして専雑異なることあり。 ただ意をもつぱらにしてなせば、 十はすなはち十ながら生ず。 雑を修して至心ならざれば、 千がなかに一もなし。 この二行の得失、 前にすでに弁ぜるがごとし。
何以故。余比日自見↢聞諸方道俗↡、解行不同、専雑有↠異。但使↢専↠意作↡者、十即十生。修↠雑不↢至心↡者、千中無↠一。此二行得失、如↢前已弁↡。
▼仰ぎ願はくは一切の往生人等*よくみづから思量せよ。 すでによく今身にかの国に生ぜんと願ずるものは、 *行住坐臥にかならずすべからく心を励まし、 おのれを剋して昼夜に廃することなく、 畢命を期となすべし。 上一形にありては少苦に似如たれども、 前念に命終して後念にすなはちかの国に生じ、 長時永劫につねに*無為の法楽を受く。 すなはち成仏に至るまで生死を経ず。 あに快きにあらずや、 知るべし。
よく…願ずるものは 親鸞聖人は 「よくみづからおのれが能を思量せよ。 今身にかの国に生ぜんと願はんものは」 (信文類訓) と読まれた。
無為の法楽 無為
涅槃のさとりの楽しみ。 →
無為
仰願一切往生人等、善自思↢量已能↡。今身願↠生↢彼国↡者、行住坐臥、必須↢励↠心剋↠己昼夜莫↟廃。畢命為↠期、上在↢一形↡、似↢如少苦↡、前念命終後念即生↢彼国↡、長時永劫常受↢無為法楽↡。乃至成仏不↠経↢生死↡、豈非↠快哉。応↠知。
◎日没讃
・ 十二光名
【7】 第一につつしみて ¬大経¼ (上) に釈迦仏、 阿弥陀仏の十二光の名を礼讃して往生を求願せよと勧めたまふによりて、 一十九拝、 日没の時に当りて礼す。 中・下の懺悔を取るもまた得たり。
第一謹依↫¬大経¼釈迦仏勧↪礼↢讃阿弥陀仏十二光名↡求↩願往生↨、一十九拝。当↢日没時↡礼。取↢中下懺悔↡亦得。
【8】 釈迦牟尼仏等の一切の三宝に南無したてまつる。 われいま*稽首して礼し、 回して無量寿国に往生せんと願ず。
南↢無釈迦牟尼仏等、一切三宝↡。我今稽首礼、回願↣往↢生無量寿国↡。
この一仏 (釈尊) は現にこれ今時道俗等の師なり。 「三宝」 といふはすなはちこれ*福田無量なり。 もしよくこれを礼すること一拝すれば、 すなはちこれ師恩を念報して、 もつておのが行を成ず。 この一行をもつて回して往生を願ず。
此之一仏、現是今時道俗等師、言↢三宝↡者、即是福田無量。若能礼↠之一拝、即是念↢報師恩↡、以成↢己行↡。以↢斯一行↡回願↢往生↡。
十方三世の*尽虚空遍法界の*微塵刹土中の一切の三宝に南無したてまつる。 われいま稽首して礼し、 回して無量寿国に往生せんと願ず。
微塵刹土 微塵は仏教でいう物質の最小単位。 刹は梵語クシェートラ (kşetra) の音写で国土の意。 微塵のように無数の国土。
南↢無十方三世、尽虚空遍法界、微塵刹土中一切三宝↡。我今稽首礼、回願↣往↢生無量寿国↡。
しかるに十方虚空無辺にして、 三宝無尽なり。 もし礼すること一拝すれば、 すなはちこれ福田無量なり、 功徳無窮なり。 よく心を至してこれを礼すること一拝すれば、 一々の仏の上、 一々の法の上、 一々の菩薩・聖僧の上、 一々の*舎利の上に、 みな身口意業に*解脱分の善根を得、 来りて行者を資益し、 もつておのが業を成ず。 この一行をもつて*回して往生を願ず。
解脱分 順解脱分のこと。 さとりへと方向づけられた階位。
然十方虚空無辺、三宝無尽。若礼一拝、即是福田無量、功徳無窮。能至↠心礼↠之一拝、一一仏上、一一法上、一一菩薩聖僧上、一一舎利上、皆得↢身口意業解脱分善根↡、来資↢益行者↡、以成↢己業↡。以↢斯一行↡、回願↢往生↡。
【9】 西方極楽世界の阿弥陀仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界阿弥陀仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ*頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
問ひていはく、 なんがゆゑぞ阿弥陀と号けたてまつる。
問曰。何故号↢阿弥陀↡。
答へていはく、 ¬弥陀経¼ および ¬観経¼ にのたまはく、 「かの仏の光明は無量にして十方国を照らすに*障礙するところなし。 ▼ただ念仏の衆生を観そなはして、 *摂取して捨てたまはざるがゆゑに阿弥陀と名づけたてまつる。 かの仏の寿命およびその人民も無量無辺阿僧祇劫なり。 ゆゑに阿弥陀と名づけたてまつる」 と。
答曰。¬弥陀経¼及¬観経¼云。彼仏光明無量、照↢十方国↡無↠所↢障礙↡。唯観↢念仏衆生↡、摂取不↠捨故名↢阿弥陀↡。彼仏寿命、及其人民無量無辺阿僧祇劫。故名↢阿弥陀↡。
また釈迦仏および十方の仏、 弥陀の光明に*十二種の名あることを讃歎し、 あまねく衆生を勧めたまへり。 称名し礼拝し相続して断えざれば、 現世に無量の功徳を得、 命終の後さだめて往生を得。
又釈迦仏及十方仏讃↣歎弥陀光明有↢十二種名↡、普勧↢衆生↡。称名礼拝相続不↠断者、現世得↢無量功徳↡、命終之後定得↢往生↡。
¬無量寿経¼ (上・意) に説きてのたまふがごとし。 「それ衆生ありてこの光に遇ふものは、 三垢消滅して身意柔軟なり。 *歓喜踊躍して善心生ず。 もし三塗勤苦の処にありて、 この光明を見たてまつれば、 また苦悩なし。 寿終りて後みな解脱を蒙る。 無量寿仏の光明*顕赫にして十方を照耀して、 諸仏の国土は聞えざるはなし。 ただわれのみいまその光明を称するにあらず、 一切諸仏、 声聞、 縁覚、 もろもろの菩薩衆ことごとくともに*歎誉したまふこと、 またかくのごとし。 もし衆生ありて、 その光明の威神功徳を聞きて、 日夜に称説して、 心を至して断えざれば、 その所願に随ひてその国に生ずることを得。 つねにもろもろの菩薩、 声聞の衆のためにともに歎誉してその功徳を称せらる。 仏 (釈尊) のたまはく、 ªわれ、 無量寿仏の光明の威神*巍々殊妙なるを説かんに、 昼夜一劫すとも、 なほ尽すことあたはずº」 と。
歓喜踊躍 よろこんで踊りあがること。
顕赫 盛んに輝くさま。
巍々 けだかくおごそかに輝くさま。
如↢無¬量寿経説¼云↡。「其有↢衆生↡遇↢斯光↡者、三垢消滅身意柔輭。歓喜踊躍善心生焉。若在↢三塗勤苦之処↡、見↢此光明↡無↢復苦悩↡。寿終之後、皆蒙↢解脱↡。無量寿仏光明顕赫照↢耀十方諸仏国土↡、莫↠不↠聞焉。不↣但我今称↢其光明↡、一切諸仏・声聞・縁覚、諸菩薩衆、咸共歎誉亦復如↠是。若有↢衆生↡、聞↢其光明威神功徳↡、日夜称説至↠心不↠断者、随↢其所願↡、得↠生↢其国↡。常為↢諸菩薩・声聞之衆↡、所↤共歎↢誉称↣其功徳↡。仏言。我説↢無量寿仏光明威神巍巍殊妙↡、昼夜一劫尚不↠能↠尽。」
もろもろの行者にまうす。 まさに知るべし、 弥陀の身相・光明は、 釈迦如来一劫に説きたまふとも、 尽すことあたはざるものなり。
白↢諸行者↡。当↠知、弥陀身相光明、釈迦如来、一劫説不↠能↠尽者。
¬観経¼ にのたまふがごとし。 「一々の光明あまねく十方世界を照らし、 念仏の衆生を摂取して捨てたまはず」 と。
如↢¬観経¼云↡。「一一光明徧照↢十方世界↡、念仏衆生摂取不↠捨。」
いますでに ¬観経¼ にかくのごとき*不思議増上の勝縁ありて、 行者を*摂護したまふ。 なんぞ相続して*称・観・礼・念して往生を願ぜざらんや、 知るべし。
不思議増上の勝縁 はかり知ることのできないすぐれた功徳の因縁。
摂護 おさめとって、 まもること。
称観礼念 称名・観察・礼拝・憶念。
今既¬観経¼有↢如↠此不思議増上勝縁↡摂↢護行者↡。何不↣相続称観礼念願↢往生↡也。応↠知。
【10】西方極楽世界の無量光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界無量光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の無辺光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界無辺光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の無礙光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界無礙光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の無対光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界無対光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の炎王光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界炎王光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の清浄光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界清浄光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の歓喜光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界歓喜光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の智慧光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界智慧光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の不断光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界不断光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の難思光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界難思光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の無称光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界無称光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の超日月光仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界超日月光仏↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
【11】西方極楽世界の阿弥陀仏に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界阿弥陀仏↡
われを*哀愍して*覆護し、 *法種をして増長せしめたまへ。
覆護 慈悲をもってまもりそだてること。
哀↢愍覆↣護我↡ 令↢法種増長↡
此世および後生に、 願はくは仏つねに*摂受したまへ。
此世及後生 願仏常摂受
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の観世音菩薩に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界観世音菩薩↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
西方極楽世界の大勢至菩薩に南無したてまつる。
南↢無西方極楽世界大勢至菩薩↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
この二菩薩は一切衆生の命終の時に臨みて、 ともに*華台を持して行者に授与し、 阿弥陀仏は大光明を放ちて、 行者の身を照らしたまふ。 また無数の化仏・菩薩・声聞大衆等と一時に授手して、 *弾指のあひだのごとくにすなはち往生を得。 仏恩を報ぜんがためのゆゑに、 心を至してこれを礼すること一拝す。
此二菩薩、一切衆生臨↢命終↡時、共持↢華台↡授↢与行者↡、阿弥陀仏放↢大光明↡照↢行者身↡。復与↢無数化仏・菩薩・声聞大衆等↡、一時授↠手如↢弾指頃↡即得↢往生↡。為↠報↢仏恩↡故。至↠心礼↠之一拝。
西方極楽世界のもろもろの菩薩・*清浄大海衆に南無したてまつる。
清浄大海衆 清浄で海のように広大な浄土の聖者たち。
南↢無西方極楽世界諸菩薩清浄大海衆↡
願はくは衆生とともにことごとく帰命せん。 ゆゑにわれ頂礼してかの国に生ぜん。
願共↢衆生↡咸帰命 故我頂礼生↢彼国↡
これらのもろもろの菩薩、 また仏 (阿弥陀仏) に随ひ来りて、 行者を*迎接したまふ。 恩を報ぜんがためのゆゑに、 心を至してこれを礼すること一拝す。
此等諸菩薩、亦随↠仏来迎↢接行者↡。為↠報↠恩故、至↠心礼↠之一拝。
【12】あまねく師僧・父母および善知識、 法界の衆生、 三障を断除して、 同じく阿弥陀仏国に往生することを得んがために、 帰命し懺悔したてまつる。
普為↫師僧・父母及善知識、法界衆生、断↢除三障↡、同得↪往↩生阿弥陀仏国↨、帰命懺悔。
心を至して懺悔す。
至心懺悔
十方の仏に南無し懺悔したてまつる。 願はくは一切のもろもろの罪根を滅したまへ。
南無懺悔十方仏 願滅↢一切諸罪根↡
いま*久近に修するところの善をもつて、 *回して自他安楽の因となす。
久近に 過去から今日まで。
今将↢久近所↠修善↡ 回作↢自他安楽因↡
つねに願はくは一切臨終の時、 *勝縁・勝境ことごとく現前せん。
勝縁勝境 仏菩薩が来迎したり、 奇瑞が現れたりするようなすぐれたありさま。
恒願一切臨終時 勝縁勝境悉現前
願はくは弥陀大悲主、 観音・勢至・十方尊を覩たてまつらん。
願覩↢弥陀大悲主 観音・勢至・十方尊↡
仰ぎ願はくは*神光授手を蒙りて、 仏の本願に乗じてかの国に生ぜん。
仰願神光蒙↢授手↡ 乗↢仏本願↡生↢彼国↡
懺悔し回向し*発願しをはりて