0599◎観念0645阿弥陀仏相海三昧功徳法門 一巻
比丘*善導集記
一【三昧行相分】
Ⅰ 標列
【1】 ◎^↓¬*観経¼ によりて観仏三昧の法を明かす一。
◎0871依リテ↢¬観経ニ¼↡明ス↢観仏三昧ノ法ヲ↡一。
↓¬*般舟経¼ によりて念仏三昧の法を明かす二。
依リテ↢¬般舟経ニ¼↡明ス↢念仏三昧ノ法ヲ↡二。
↓*経によりて入道場念仏三昧の法を明かす三。
依リテ↠経ニ明ス↢†入道場念仏三昧ノ法ヲ↡三。
↓経によりて道場内懴悔発願の法を明かす四。
依リテ↠経ニ明ス↢道場内‡懴悔発願ノ法ヲ↡四。
一 Ⅱ 随釈
ⅰ 明観仏法【観仏三昧法】
a 標
【2】 ^↑¬観経¼ によりて観仏三昧の法を明かす。
依リテ↢¬観経ニ¼↡明ス↢観仏三昧ノ法ヲ↡。
一 Ⅱ ⅰ b 弁
イ 正明観仏行法
(一)略明
(Ⅰ)標依経
^¬観経¼・¬*観仏三昧海経¼ に出でたり。
出デタリ↢¬観経¼・¬観仏三昧海経ニ¼↡。
一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)定観境
^阿弥陀仏の真金色の身、 *円光徹照し端正無比なるを観ずべし。
†観ズベシ↢阿弥陀仏ノ真金色ノ身、円光徹照シ、端正無比ナルヲ↡。
一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅲ)明観想
^行者等、 一切の時処、 昼夜につねにこの想をなし、 *行住坐臥にもまたこの想をなせ。 つねに意を住めて西に向かひて、 かの*聖衆、 一切の雑宝荘厳等の相に及ぶまで、 目前に対するがごとくせよ、 知るべし。
行者等、一切ノ時処‡、昼夜ニ常ニ作シ↢此ノ想ヲ↡、行*住坐臥ニモ亦作セ↢此ノ想ヲ↡。毎常ニ†住メテ↠意ヲ向ヒテ↠西ニ、及ブマデ↢彼ノ聖衆、一切ノ雑宝荘厳等ノ相ニ↡、如クセヨ↠対スルガ↢†目前ニ↡、応シ↠知ル。
一 Ⅱ ⅰ b イ (二)広弁
(Ⅰ)明身儀
【3】 ^また行者、 もし坐せんと欲せば、 先づすべからく*結跏趺坐すべし。 左の足0600、 右のの上に安きてほかと斉しくし、 右の足、 左のの上に安きてほかと斉しくせよ。 右の手、 左の手掌のなかに安きて、 二大指の面あひ合せよ。 次に身を端し正坐して、 口を合し、 眼0646を閉ぢよ。 開くに似て開かず、 合するに似て合せざれ。
又行者若シ†欲セバ↠坐セムト、先ヅ須クシ↢結跏趺坐ス↡。左ノ足†安キテ↢右ノノ上ニ↡与↠外斉シ†クシ、右ノ足†安キテ↢左ノノ上ニ↡与↠外斉シ†クセヨ。右ノ手†安キテ↢左ノ†手掌ノ中ニ↡、二大指ノ面相†合セヨ。次ニ†端シ↠身ヲ正坐シテ、†合シ↠口ヲ、閉0872ジヨ↠眼ヲ。似テ↠†開クニ不↠†開カ、似テ↠合スルニ†不レ↠合セ。
一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)明観想
(ⅰ)観仏身
(a)正観相海
1. 頭頂荘厳
^すなはち心眼をもつて、 先づ▼仏の頂上の*螺髻よりこれを観ぜよ。 頭皮は金色をなし、 髪は紺青色をなす。 一髪一螺巻きて頭上にあり。 頭骨は雪色をなして内外明徹す。 脳は*玻瓈色のごとし。
即チ以テ↢心眼ヲ↡、先ヅ従リ↢仏ノ頂上ノ*螺髻↡観ゼヨ↠之ヲ。頭皮ハ作シ↢金色ヲ↡、髪ハ作ス↢紺青‡色ヲ↡。一髪一*螺‡巻キテ在リ‡↢頭上ニ↡†。頭骨ハ作シテ↢雪色ヲ↡内外明徹ス。†脳ハ如シ↢玻瓈‡色ノ↡。
^次に脳に十四の脈あり、 一々の脈に十四道の光あり、 髪根の孔よりほかに出でて*髪螺を繞ること*七帀して、 還りて毛端の孔のなかより入ると想へ。
次ニ†想ヘ↧脳ニ有リ↢十四ノ脈↡、一一ノ脈ニ有リ↢十四道ノ光↡、従リ↢†髪根ノ孔↡出デテ↠外ニ繞‡ルコト↢髪*螺ヲ↡七*帀シテ、還リテ従リ↢毛端ノ孔ノ中↡入ルト↥。
^次に前の光二の眉の毛根の孔のなかより出でてほかに向かふと想へ。
次ニ†想ヘ↧前ノ光‡従リ↢二ノ眉ノ毛根ノ孔ノ中↡出デテ向フト↞外ニ。
2. 額広平正
^次に▼額広くして平正なる相を想へ。
次ニ想ヘ↢†額広クシテ平正ナル相ヲ↡。
3. 眉高長相
^次に眉高くして長き相を想へ。 なほ*初月のごとし。
次ニ想ヘ↢†眉高クシテ而長キ相ヲ↡。由‡如シ↢初月ノ↡。
4. 眉間白毫
^次に▼眉間の*白毫相を想へ。 巻きて眉間にあり、 その毛白く外実内虚にして金色の光を出し、 毛端よりして出でてただちに自身を照らし来る。
次ニ†想ヘ↢眉間ノ白毫‡相ヲ↡。巻キテ在リ↢眉間ニ↡、其ノ毛白†ク外実内虚ニシテ出†シ↢金色ノ光ヲ↡、従リシテ↢毛端↡而出デテ直ニ照シ‡↢自身ヲ↡来ル‡。
^¬*観仏三昧経¼ (意) に説きたまふがごとし。 「もし人ありて一須臾のあひだも白毫相を観ずれば、 もしは見、 もしは見ざるも、 すなはち九十六億那由他恒河沙*微塵数劫の生死の重罪を除却す」 と。 つねにこの想をなせば、 はなはだ障を除き罪を滅す。 また無量の功徳を得て、 諸仏歓喜したま0601ふ。
如シ↢¬観仏三昧経ニ¼説キタマフガ↡。「若シ有リテ↠人一須臾ノ頃モ観ズレバ↢白毫‡相ヲ↡、若シハ見、若シハ不†ルモ↠見、即チ除↢却スト九十六億那由他恒河沙微塵数劫ノ生死ノ重罪ヲ↡。」常ニ作セバ↢此ノ想ヲ↡、太†除キ↠障ヲ滅ス↠罪ヲ。又†得テ↢無量ノ功徳ヲ↡、諸仏歓喜†シタマフ。
5. 二眼広長
^次に▼二の眼広長にして黒白分明なり、 光明徹照すと想へ。
次ニ†想ヘ↢二ノ眼広長ニシテ黒白分明ナリ、光明徹照スト↡。
6. 鼻修高直
^次に▼鼻修く高く直きこと、 鋳たる*金鋌のごとしと想へ。
次ニ†想ヘ↣†鼻修ク高ク直キコト、如シト↢†鋳タル金鋌ノ↡。
7. 面部平満
^次に▼*面部平満にして*唱あることなしと想へ。
次ニ想ヘ↢面部平満ニシテ無シト↟有ルコト↢唱↡。
8. 耳輪垂
^次に▼*耳輪垂して孔に七毛あり、 光毛内より出でてあまねく仏身を照らすと想へ。
次ニ†想ヘ↧耳輪垂*シテ孔ニ有リ↢七毛↡、光従リ↢毛内↡出デテ遍ク照スト↦仏身ヲ↥。
9. 脣色赤好
^次に▼唇色赤好にして光明潤沢なりと想へ。
次ニ†想ヘ↢脣色赤好ニシテ光明潤沢ナリト↡。
10. 歯白斉密
^次に▼歯白く斉密にして、 白きこと*珂月のごとくして内外*映徹すと想へ。
次ニ†想ヘ↧†歯白ク斉密ニシテ、白キコト如クシテ↢珂月ノ↡内外映徹スト↥。
11. 舌薄広長
^次に▼舌薄く広長にして柔軟なりと想へ。 舌根の下に二の道あり、 津液注ぎて咽筒に入りてただちに*心王に入る。
次ニ†想ヘ↢†舌薄ク広長ニシテ柔軟ナリト↡。舌根ノ下ニ有リ↢†二ノ道↡、津液注ギテ入†リテ↢咽ノド筒ツヽニ↡直ニ入ル↢心王ニ↡。
^*仏心は紅蓮華のごとし、 開して開せず、 合して合せず。 八万四千の*葉あり、 葉々あひ重なる。 一々の葉に八万四千0647の脈あり、 一々の脈に八万四千の光あり、 一々の光百宝の蓮華をなす。 一々の華の上に一の十地の菩薩あり、 身みな金色なり、 手に香華を持して心王を供養し、 異口同音に心王を歌讃す。
仏心ハ如シ↢紅蓮華ノ↡、開†シテ而不↠開セ、合†シテ而不↠合セ。有リ‡↢八万四千ノ葉↡、葉葉相重ナ†ル。一一ノ葉ニ有リ‡↢八万四千ノ脈0873↡、一一ノ脈ニ有リ‡↢八万四千ノ光↡、一一ノ光作ス↢百宝ノ蓮華ヲ↡。一一ノ華ノ上ニ有リ‡↢一ノ十地ノ菩薩↡、身皆金色ナリ、手ニ持シテ↢香華ヲ↡供↢養†シ心王ヲ↡、異口同音ニ歌↢讃ス心王ヲ↡。
^行者等この想をなす時、 罪障を除滅し無量の功徳を得、 諸仏・菩薩歓喜し、 天神・鬼神も歓喜す。
行者等作ス↢此ノ想ヲ↡時、除↢滅シ罪障ヲ↡得↢無量ノ功徳ヲ↡、諸仏・菩薩歓喜シ、天神・鬼神モ歓喜ス。
12. 咽項肩円
^また心を抽きて上に向かひて、 次に▼咽項の円かなる相、 ▼二の肩の円かなる相を想へ。
又†抽キテ↠心ヲ向ヒテ↠上ニ、次ニ†想ヘ↢咽項ノ円カナル相、二ノ肩ノ円カナル相ヲ↡。
13. 両臂円
^次に▼両臂のく円かなる相を想へ。
次ニ想ヘ↢†両臂ノク円カナル相ヲ↡。
14. 手相荘厳
^次に▼二の手掌平満にして*千輻輪の相あり、 十指繊長にして指間に*網縵の相あり、 甲赤銅の色をなせる相を想へ。
次ニ†想ヘ↧†二ノ手掌平満ニシテ千輻輪ノ相アリ、十指繊長ニシテ指間ニ網縵ノ相アリ、甲作セル↢赤銅ノ色ヲ↡相ヲ↥。
15. 胸前平満
^また心を抽きて上に向かひて、 次に▼仏の胸前平満の相を0602想へ。 *万徳の字朗然なり。
又†抽キテ↠心ヲ向ヒテ↠上ニ、次ニ†想ヘ↢仏ノ胸前平満ノ相ヲ↡。万徳之字朗然ナリ。
16. 腹平不現
^次に*腹平不現の相を想へ。
次ニ†想ヘ↢腹平不現ノ相ヲ↡。
17. 臍円孔深
^次に*臍円孔深の相を想へ。 光明内外につねに照らす。
次ニ†想ヘ↢臍ホゾ円孔深ノ相ヲ↡。光明内外ニ常ニ照ス。
18. 陰蔵平満
^次に▼*陰蔵の相を想へ。 平満にしてなほ十五日の夜の月のごとし、 また腹背のごとく平処にして別なし。
次ニ†想ヘ↢陰蔵ノ相ヲ↡。平満ニシテ由‡如シ↢十五*日ノ夜ノ月ノ↡、亦如†ク↢腹ハラ背ノセナカ↡平処ニシテ無シ↠別。
^▼仏のたまはく、 「もし男子・女人ありて多く色を貪欲するもの、 すなはち如来の陰蔵の相を想へば、 欲心すなはち止みて、 罪障除滅し無量の功徳を得、 諸仏歓喜し、 天神・鬼神好心をもつて*影護して、 長命安楽にして永く病痛なし」 (観仏三昧経・意) と。
仏†言ク、若シ有リテ↢男子・女人↡多ク†貪↢欲スル色ヲ↡者、即チ想ヘ†バ↢如来ノ陰蔵ノ相ヲ↡者、欲心即チ止ミテ、罪障除滅シ‡得↢無量ノ功徳ヲ↡、諸仏歓喜†シ、天神・鬼神‡好心ヲモテ影護シテ、長命安楽†ニシテ永ク無シト↢病痛↡。
19. 膝円満
^次に両の、 膝、 膝骨円満なりと想へ。
次ニ†想ヘ↢両ノ†膝・膝骨円満ナリト↡。
20. 鹿王相
^次に▼二の脛鹿王ののごとしと想へ。
次ニ†想ヘ↣二ノ†脛如シト↢鹿王ノ*†ノ↡。
21. 足跟𦟛満
^次に▼二の*足跟象王の鼻のごとしと想へ。
次ニ†想ヘ↣二ノ足跟クビス如シト↢象王ノ鼻ノ↡。
22. 足趺平生
^次に▼二の*足趺高きこと亀王の背のごとしと想へ。
次ニ†想ヘ↣二ノ足趺高†キコト如シト↢亀王ノ†背ノ↡。
23. 足指網縵
^次に▼足の十指長くして▼指間に網縵あり、 甲赤銅の色をなすと想へ。
次ニ†想ヘ↧足ノ†十指長クシテ指間ニ有リ↢網縵↡甲作スト↦赤銅ノ色ヲ↥。
24. 結跏趺坐
^次に仏の結跏趺坐の相を想へ。 左の足、 右のの上に安きてほかと斉しくし、 右の足、 左のの上に安きてほかと斉しと。
次ニ†想ヘ↢仏ノ結跏趺坐ノ相ヲ↡。左ノ足†安キテ↢右ノノ上ニ↡与↠外斉シ†クシ、右ノ足†安キテ↢左ノノ上ニ↡与↠外斉シト。
25. 足下平満
^次に▼二の足の下平らかにして▼千輻輪相あり、 *輻輞具足し、 みな光明ありてあまねく十方の*刹を照らすと想へ。
次ニ†想ヘ↧二ノ足ノ下平ニシテ有†リ↢千輻輪‡相↡、輻ヤ 輞ヒラ具足シ‡、皆有リテ↢光明↡遍ク照スト↦十方ノ刹ヲ↥。
一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)結示
^頂上より下足の千輻0648輪相に至るこのかたを、 名づけて 「具足して仏の色身荘厳功徳を観ず」 となす。 これを*順観と名づく。
従リ↢頂上↡下至ル↢足ノ千輻輪0874相ニ↡已来タヲ、名ケテ為ス↣具足シテ観ズト↢仏ノ色身荘厳功徳ヲ↡。是ヲ名ク↢順観ト↡。
一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)観華座
(a)標挙
【4】 ^また次に*華座の法を想へ。
又次ニ想ヘ↢華座ノ法ヲ↡。
一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)別弁
・華台
^次に華台の相を想へ。
次ニ想ヘ↢華台ノ相ヲ↡。
・華葉
^次に華葉を想へ。 葉々あ0603ひ重なりて八万四千重なり、
次ニ†想ヘ↢華葉ヲ↡。葉葉相重ナリテ八万四千重ナリ、
・華上宝光
^一々の葉の上に百億の宝王ありて荘厳し、 一々の宝のなかに八万四千の光明ありて、 上仏身を照らすと想へ。
一一ノ葉ノ上ニ†想ヘ↧有リテ↢百億ノ†宝王↡荘厳シ、一一ノ宝ノ中ニ有リテ↢八万四千ノ光明↡、上照スト↦仏身ヲ↥。
・華茎
^次に宝華の茎八面にして、
次ニ†想ヘ↧宝華ノ茎八面ニシテ、
・茎厳放光
^一々の方面に百千の衆宝をもつて荘厳し、 大光明を放ちて上下ともに照らすと想へ。
一一ノ方面ニ百千ノ衆宝ヲモテ荘厳シ、放チテ↢大光明ヲ↡上下倶ニ照スト↥。
・地上光照
^次に華の茎の下宝地により、 地上の衆宝はみな八万四千の光明を放ち、 一々の光明は仏身を照らし、 および十方の六道を照らすと想へ。
次ニ†想ヘ↧華ノ*茎ノ下依†リ↢宝地ニ↡、地上ノ衆宝ハ皆放†チ↢八万四千ノ光明ヲ↡、一一ノ光明ハ照シ↢仏身ヲ↡、及ビ照スト↦十方ノ六道ヲ↥。
・照触自身
^また一切の光明、 行者の自身を照触して来ると想へ。
亦想ヘ↧一切ノ光明、照↢触シテ行者ノ自身ヲ↡来ルト↥。
一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)結利益
(a)現益
^この想をなす時、 罪障を除滅し無量の功徳を得、 諸仏・菩薩歓喜し、 天神・鬼神もまた喜びて、 日夜に身に随ひて行者を影護す。 行住坐臥につねに安穏を得、 長命富楽にして永く病痛なし。 仏の教に準ずれば、 浄土のなかの事を見ることを得。 もし見ば、 ただみづから知りて人に向かひて説くことを得ざれ。 すなはち大きに罪ありて、 横に悪病・短命の報を招く。
作ス↢此ノ想ヲ↡時、除↢滅シ罪障ヲ↡†得↢無量ノ功徳ヲ↡、諸仏・菩薩歓喜シ、天神・鬼神モ亦†喜ビテ、日夜ニ随ヒテ↠身ニ影↢護ス行者ヲ↡。行住坐臥ニ常ニ得↢安穏ヲ↡、長命富楽ニシテ永ク無シ↢†病痛↡。準ズレバ↢仏ノ教ニ↡、得↠見ルコトヲ↢浄土ノ中ノ事ヲ↡。若シ見バ但自 ラ知リテ不レ↠得↢向ヒテ↠人ニ説クコトヲ↡。即チ大ニ有リテ↠罪、†横ニ招ク↢悪病短命之報ヲ↡。
一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)当益
^もし教門に順ずれば、 命終の時に臨みて▼阿弥陀仏国に*上品往生す。
若シ順ズレ†バ↢教門ニ↡者、†臨ミテ↢命終ノ時ニ↡†上↢品往↣生ス阿弥陀仏国ニ↡。
一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅲ)勧要観
^▼かくのごとく上下、 前によりて▼*十六遍観じて、 しかして後心を住めて眉間の白毫に向かひて、 きはめてすべからく心を捉へて正しからしむべし。 さらに雑乱することを得ざれ。 すなはち定心を失して三昧成じがたし、 知るべし。
如ク↠是クノ上下、依リテ↠前ニ十六遍観ジテ、然シテ後住メテ↠心ヲ向ヒテ↢眉間ノ白毫ニ↡、極テ須クシ↢†捉ヘテ↠心ヲ令ム↟正シカラ。更ニ不レ↠得↢雑乱スルコトヲ↡。†即チ失シテ↢定心ヲ↡三昧難シ↠成ジ、応シ↠知ル。
一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅳ)結得名
^これを観仏三昧の観法と名づく。
是ヲ名ク↢観仏三昧ノ観法ト↡。
一 Ⅱ ⅰ b イ (三)結顕実義
^一切の時中につねに回すれば浄土に0604生ず。 ただ ¬観経¼ の*十三観によりて、 安心してかならず疑はざることを得よ。
一切ノ時中ニ常ニ廻スレバ生ズ‡↢浄土ニ↡。但依リテ↢¬観経ノ¼十三観ニ↡、安心シテ必ズ得ヨ↠不ルコトヲ↠疑ハ。
一 Ⅱ ⅰ b ロ 重勧念仏易行
【5】 ^またまうさく、 行者浄土に生ぜんと欲せば、 ただすべからく持戒・念仏し、 ¬*弥陀経¼ を誦すべし。 *日別に十五遍すれば二年0649に一万を得、 日別に三十遍すれば一年に一万なり。
又†白サク、行者†欲セバ↠生ゼムト↢浄土ニ↡、唯須クシ↣†持戒・念仏シ、誦ス↢¬弥陀経ヲ¼↡。日別ニ十五遍スレバ二年ニ得0875↢一万ヲ↡、日別ニ三十遍スレバ一年ニ一万ナリ。
^▼日別に一万遍仏を念ぜよ。 またすべからく時によりて浄土の荘厳の事を*礼讃すべし。 大きにすべからく精進すべし。 あるいは▼三万・六万・十万を得るものは、 みなこれ上品上生の人なり。 自余の功徳もことごとく回して往生せよ、 知るべし。
日別ニ念ゼヨ↢一万遍仏ヲ↡。亦須クシ↣依リテ↠時ニ礼↢讃ス浄土ノ荘厳ノ事ヲ↡。大ニ須クシ↢精進ス↡。或イハ得ル↢三万・六万・十万ヲ↡†者ハ、皆是上品上生ノ人ナリ。自余ノ功徳モ尽ク†廻シテ往生セヨ、応シ↠知ル。
一 Ⅱ ⅰ c 結
^以前は観仏三昧の法を明かす。
已前ハ明ス↢観仏三昧ノ法ヲ↡。
一 Ⅱ ⅱ 明念仏法【念仏三昧法】
a 標
【6】 ^↑¬般舟三昧経¼ の 「*請問品」 (意) に、 七日七夜入道場念仏三昧の法を明かしたまふ。
¬般舟三昧経ノ¼「請問品ニ」†明シタマフ↢七日七夜入道場念仏三昧ノ法ヲ↡。
一 Ⅱ ⅱ b 弁
イ 略明
(一)標依経
^¬般舟三昧経¼ に出でたり。
出デタリ↢¬般舟三昧経ニ¼↡
一 Ⅱ ⅱ b イ (二)正引文
(Ⅰ)標名許説
^「仏、 跋陀和に告げたまはく、 ª三昧あり、 *十方諸仏悉在前立と名づく。 よくこの法を行ぜば、 なんぢの所聞ことごとく得べしº と。
「仏告ゲタマハク↢跋陀和ニ↡、有リ↢三昧↡、名ク↢十*方諸仏悉在前立ト↡。能ク行ゼバ↢是ノ法ヲ↡、汝†之所*聞悉ク可シト↠得也。
一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)嘆益楽聞
^跋陀和、 仏にまうさく、 ª願はくはためにこれを説きたまへ。 *過度するところ多くして十方を安穏ならしめん。 もろもろの衆生のために*大明相を現じたまへº と。
跋陀和白サク↠仏ニ、願クハ為ニ説キタマヘ↠之ヲ。多クシテ↠所↢過度スル↡安↢穏ナラシメム十方ヲ↡。為ニ↢諸ノ衆生ノ↡現ジタマヘト↢大明相ヲ↡。
一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅲ)勧修彰徳
^仏、 跋陀和に告げたまはく、 ª三昧あり、 *定意と名づく。 学者つねにまさに守りて習持して、 ま0605た余法に随ふことを得ざるべし。 功徳のなかにもつとも第一なりº」 と。
仏告ゲタマハク↢跋陀和ニ↡、有リ↢三昧↡、名ク↢定意ト↡。学者常ニ当ニシ↢守リテ習持シテ、不ル↟得↣復随フコトヲ↢余法ニ↡。功徳ノ中ニ†最モ第一ナリト。」
一 Ⅱ ⅱ b ロ 広引
(一)明能念修相
(Ⅰ)長行
【7】 ^次に 「行品」 (般舟三昧経・意) にのたまはく、 「仏、 跋陀和菩薩に告げたまはく、 ª疾くこの定を得んと欲せば、 つねに大信を立て法のごとくにこれを行ぜばすなはち得べし。 疑想、 毛髪のごときばかりもあることなかれ。 この定意の法を、 名づけて «菩薩の*超衆行» となす。
次ニ「行品ニ」云ク、「仏告ゲタマハク↢跋陀和菩薩ニ↡、†欲セバ↣疾ク得ムト↢是ノ定ヲ↡者、常ニ立†テ↢大信ヲ↡†如クニ↠法ノ行ゼ†バ↠之ヲ則チ可シ↠得也。勿レ↠有ルコト↧疑*想†如キ↢毛髪ノ↡許モ↥。是ノ定意ノ法ヲ、名ケテ為ス↢菩薩ノ超衆‡行ト↡。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)偈頌
(ⅰ)明定意法
(a)総示
^*一念を立して この法を信じ
所聞に随ひて *その方を念じ
よろしく念を一にして 諸想を断ずべし
^定信を立して 孤疑することなかれ
精進に行じて *懈怠することなかれ
一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(b)別顕
(イ)正誡諸念
^想を有と無とに 起すことなかれ
進を念ずることなかれ 退を念ずることなかれ
^前を念ずることなかれ 後を念ずることなかれ
左を念ずることなかれ 右を念ずることなかれ
^無を念ずることなかれ 有を念ずることなかれ
0606遠を念ずることなかれ 近を念ずることなかれ
^痛を念ずることなかれ 痒を念ずることなかれ
0650飢を念ずることなかれ 渇を念ずることなかれ
| 0876勿レ↠念ズルコト↠飢ヲ | 勿レ↠念ズルコト↠渇ヲ |
^寒を念ずることなかれ 熱を念ずることなかれ
苦を念ずることなかれ 楽を念ずることなかれ
^生を念ずることなかれ 老を念ずることなかれ
病を念ずることなかれ 死を念ずることなかれ
^命を念ずることなかれ 寿を念ずることなかれ
貧を念ずることなかれ 富を念ずることなかれ
^貴を念ずることなかれ 賎を念ずることなかれ
色を念ずることなかれ 欲を念ずることなかれ
^小を念ずることなかれ 大を念ずることなかれ
長を念ずることなかれ 短を念ずることなかれ
^好を念ずることなかれ 醜を念ずることなかれ
悪を念ずることなかれ 善を念ずることなかれ
^0607瞋を念ずることなかれ 喜を念ずることなかれ
坐を念ずることなかれ 起を念ずることなかれ
^行を念ずることなかれ 止を念ずることなかれ
経を念ずることなかれ 法を念ずることなかれ
^是を念ずることなかれ 非を念ずることなかれ
捨を念ずることなかれ 取を念ずることなかれ
^想を念ずることなかれ 識を念ずることなかれ
断を念ずることなかれ 着を念ずることなかれ
^空を念ずることなかれ 実を念ずることなかれ
軽を念ずることなかれ 重を念ずることなかれ
^難を念ずることなかれ 易を念ずることなかれ
深を念ずることなかれ 浅を念ずることなかれ
^広を念ずることなかれ 狭を念ずることなかれ
| 勿レ↠念ズルコト↠広ヲ | 勿レ↠念ズルコト↠狭ヲセバシ |
父を念ずることなかれ 母を念ずることなかれ
^妻を念ずることなかれ 子を念ずることなかれ
0608親を念ずることなかれ 疎を念ずることなかれ
^憎を念ずることなかれ 愛を念ずることなかれ
得を念ずることなかれ 失を念ずることなかれ
^成を念ずることなかれ 敗を念ずることなかれ
| 勿レ↠念ズルコト↠成ヲ | 勿レ↠念ズルコト↠敗ヲヤブルヽ |
清を念ずることなかれ 濁を念ずることなかれ
^諸念を断ちて 一期の念
意乱るることなかれ
一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)重勧精勤
^つねに精進にして
歳計することなかれ 日に倦むことなかれ
| 勿レ↢†歳計スルコト | 勿レ↢日ニ倦ムコトオコタルコト↡ |
^*一念を立して *中忽することなかれ
睡眠を除きて その意を精にせよ
一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)明助道行
^つねに独り処して *聚会することなかれ
| 常ニ独リ処シテ | 勿レ↢聚 アツマリ会アフスルコト↡ |
悪人を避け 善友に近づき
^*明師に親しみて 視ること仏のごとくせよ
その志を執りて つねに柔弱なれ
0651^平等を 一切に観ぜよ
0609郷里を避け 親族を遠ざけ
^愛欲を棄てて 清浄を履み
無為を行じて 諸欲を断じ
^乱意を捨てて *定行を習ひ
*文慧を学すること かならず禅のごとくせよ
^*三穢を除き *六入を去れ
*婬色を絶ち 衆愛を離るべし
^財を貪じて 多く畜積することなかれ
*知足を念じて 味を貪ることなかれ
^衆生の命 つつしみて食することなかれ
衣は法のごとくにして *綺飾することなかれ
| 衣ハ如クニシテ↠法ノ | 勿レ↢綺イロエ飾スルコトクワエカザル↡ |
^*調戯することなかれ 憍慢することなかれ
| 勿レ↢調トヽノエ戯スルコトタハブルヽ ↡ | 勿レ↢憍慢スルコト↡ |
*自大することなかれ *貢高することなかれ
^もし経を説かば まさに法のごとくすべし
身の本を了するに なほ幻のごとし
| †了スルニ↢身ノ本ヲ↡ | 由‡如†シ↠幻 グヱン ノ |
^0610*受陰することなかれ *入界することなかれ
*陰は賊のごとし *四は蛇のごとし
^無常となし *怳忽となす
常の主なし *本無なりと了す
^因縁をもつて会し 因縁をもつて散ず
ことごとくこれを了するに 本無なりと知れども
^慈哀を 一切に加へ
貧窮に施し *不還を済ふ
一 Ⅱ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅲ)結
^これを定となす 菩薩行の
至要の慧なり 衆行に超えたりº と
一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)明所念現前
(Ⅰ)修行相貌
(ⅰ)承上起下
【8】 ^(般舟三昧経・意) ▼仏、 跋陀和に告げたまはく、 ªこの行法を持てばすなはち三昧を得て、 現在の諸仏ことごとく前にましまして立ちたまふ。
仏告ゲタマハク↢跋陀和ニ↡、持テバ↢是ノ行法ヲ↡便チ†得テ↢三昧ヲ↡、現在ノ諸仏悉ク在シテ↠前ニ†立チタマフ。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)明其修相
^◆それ比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷ありて、 法のごとく修行せんとせば、 持戒まつたく具し、 独り一処に止まりて西方の阿弥陀仏を念ぜよ。 いま現にかしこにまします。 所聞に随ひてまさに念ずべし。 ここを去ること十万億の*仏刹なり、 その国を*須摩提と名づく0611。
†其有リテ↢比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷↡、如ク↠法ノ修行セムトセバ、持戒完ク具シ、†独リ一処ニ止リテ念†ゼヨ↢▼西方ノ阿弥陀仏ヲ↡。今現ニ在†ス↠彼ニ。随ヒテ↢所聞ニ↡当ニシ↠念ズ。去ルコト↠此ヲ十万億ノ仏刹ナリ、其ノ国ヲ名ク↢須摩提ト↡。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)三昧得成
^◆一心にこれを念ずること一日一夜、 もしは七日七夜すべし。 七日を過ぎをはりて後これを見たてまつらん。 たとへば人の夢のうちに見るところのごとし。 昼夜を知らず、 また内外を知らず。 冥きなかにありて*蔽礙するところあるがゆゑに見ざるがごとくにはあらず。
一心ニ念ズルコト↠之ヲ一日一夜、若シハ七日七夜スベシ。†過ギ↢七日ヲ↡已リテ後見†タテマツラム↠之ヲ。譬ヘバ†如シ↢人ノ夢ノ中ニ所ノ↟見ル。不↠知ラ↢昼夜ヲ↡、亦不↠知ラ↢内外ヲ↡。不ズ↠由クニハ↧在リテ↢冥キ中ニ↡有ルガ↠所↢蔽礙スル↡故ニ不ルガ↞見。
^◆跋陀和0652、 四衆つねにこの念をなす時、 諸仏の境界のなかのもろもろの大山・須弥山、 そのあらゆる*幽冥の処、 ことごとくために*開避して蔽礙するところなし。 この四衆は天眼を持ちて徹視するにあらず。 天耳を持ちて徹聴するにあらず、 神足を持ちてその仏刹に到るにあらず、 この間において終りてかの間に生ずるにあらず、 すなはちここにおいて坐してこれを見るº と。
跋陀0878和、四衆常ニ作ス↢是ノ念ヲ↡時、諸仏ノ境界ノ中†ノ諸ノ大山・須弥山、其ノ有ル幽冥之処‡、悉ク†為ニ開避シテ無シ↠所↢蔽礙スル↡。是ノ四衆ハ不ズ↧持チテ↢天眼ヲ↡†徹視スルニ↥。不ズ↧持チテ↢天耳†ヲ↡†徹聴スルニ↥。不ズ↧持チテ↢神足ヲ↡到ルニ↦其ノ仏刹ニ↥、不ズ↧†於テ↢此ノ間ニ↡終リテ†生ズルニ↦彼ノ間ニ↥、便チ†於テ↠此ニ坐シテ見ルト↠之ヲ。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)定中咨決
^◆仏のたまはく、 ª四衆この間の国土にて阿弥陀仏を念ぜよ。 もつぱら念ずるがゆゑにこれを見たてまつることを得。 すなはち問へ。 «いかなる法を持ちてかこの国に生ずることを得る» と。 阿弥陀仏報へてのたまはく、 «来生せんと欲せば、 まさにわが名を念ずべし。 休息することあることなくは、 すなはち来生することを得ん»º と。
仏‡言ク、四衆†於テ↢此ノ間ノ国土ニ↡念†ゼヨ↢阿弥陀仏ヲ↡。†専ラ念ズルガ故ニ得↠見タテマツルコトヲ↠之ヲ。即チ*問ヘ。持チテカ↢†何ナル法ヲ↡得ルト↠生ズルコトヲ↢此ノ国ニ↡。阿弥陀仏報ヘテ言ク、†欲セバ↢来生セムト↡者、当ニシ↠念ズ↢我ガ名ヲ↡。莫†クハ↠有ルコト↢休息スルコト↡、即チ†得ムト↢来生スルコトヲ↡。
一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)今仏重釈
^◆仏のたまはく、 ª専念するがゆゑに往生を得。 つねに、 仏身には三十二相・*八十種好ありて、 巨億の光明徹照し、 *端正無比にして、 菩薩僧のなかにましまして法を説きたまふことを念ずべし。 色を0612壊することなかれ。 なにをもつてのゆゑに。 色を壊せざるがゆゑに、 仏の色身を念ずるによるがゆゑに、 この三昧を得º」 と。
仏言ク、専念スルガ故ニ得↢往生ヲ↡。常ニ念ズベシ↧仏身†ニハ三十二相・八十種好アリテ、巨億ノ光明徹照シ、端正無比ニシテ、在シテ↢菩薩僧ノ中ニ↡説キタマフコトヲ↞法ヲ。莫レ↠壊スルコト↠色ヲ。何ヲ以テノ故ニ。不ルガ↠壊セ↠†色ヲ故ニ、由ルガ↠念ズルニ↢仏ノ色身ヲ↡故ニ、得ト↢是ノ三昧ヲ↡。」
一 Ⅱ ⅱ c 結
^◆以上は念仏三昧の法を明かす。
已上ハ明ス↢念仏三昧ノ法ヲ↡。
一 Ⅱ ⅲ 合示入道場等法
a 正明別時法【入道場法】
イ 択浄舎
【9】 ^↑▼三昧の道場に入らんと欲する時は、 もつぱら仏教の方法によれ。 先づすべからく道場を*料理し、 尊像を安置して、 香湯をもつて*掃灑すべし。 もし仏堂なきも、 浄房あらばまた得たり。 掃灑すること法のごとくし、 一の仏像を取りて西の壁に安置せよ。
†欲スル↠入ラムト↢三昧ノ道場ニ↡時ハ、†一ラ依†レ↢仏教ノ方法ニ↡。先ヅ須クベ シ↧料↢理シシツラフ‡道場ヲ↡、安↢置シテ尊像ヲ↡、香湯ヲモテ掃灑ス↥。若シ無†キモ↢仏堂↡有ラバ↢浄房↡亦†得タリ。掃灑スルコト如クシ‡↠法ノ、取リテ↢一ノ仏像ヲ↡西ノ壁ニ安置†セヨ。
一 Ⅱ ⅲ a ロ 示時節
^◆行者等、 ▼月の一日より八日に至り、 あるいは八日より十五日に至り、 あるいは十五日より二十三日に至り、 あるいは二十三日より三十日に至るまで、 月を四時に別つは*佳なり。 行者等みづから*家業の軽重を量り、 この時のうちにおいて浄に入りて道を行ぜよ。
行者等従リ↢月ノ一日↡至リ↢八日ニ↡、或イハ従リ↢八日↡至リ↢十五日ニ↡、或イハ従リ↢十五日↡至リ↢二十三日ニ↡、或イハ従リ↢二十三日↡至†ルマデ↢三十日ニ↡、†月ヲ別ツハ↢四時ニ↡佳ナリ。行者等自ラ量リ‡↢家業ノ軽重ヲ↡、於テ↢此ノ時ノ中ニ↡†入リテ↠浄ニ行ゼヨ↠道ヲ。
一 Ⅱ ⅲ a ハ 明資用
^◆もしは一日よりすなはち七日に至るまで、 ことごとく浄衣を須ゐ、 *鞋靺もまた新浄なるを須ゐよ。 七日のうちみな、 *一食長斎を須ゐよ。 軟餅・粗飯、 随時の醤菜は*倹素*節量すべし。
若シハ一日†ヨリ乃チ至ルマデ↢七日ニ↡、尽ク†須ヰ↢浄衣ヲ↡、鞋靺モ亦須ヰヨ↢新浄ナルヲ↡。七日之中皆、須ヰヨ↢一食長斎ヲ↡。軟餅・麁飯、随時ノ醤菜†ハ倹素節量スベシ。
一 Ⅱ ⅲ a ニ 正修三昧
^◆道0653場のなかにおいて、 昼夜に心を束ね、 相続して専心に阿弥陀仏を念ぜよ。 心と声と相続して、 ただ坐し、 ただ立し、 七日のあひだ睡眠することを得ざれ。 また時によりて仏を礼し、 経を誦すべからず。 数珠もまた捉るべからず。 ▼ただ合掌して0613仏を念ずと知り、 念々に見仏の想をなせ。
†於テ↢道場ノ中0879ニ↡、昼夜ニ束ネ‡↠心ヲ、相続シテ専心ニ念†ゼヨ↢阿弥陀仏ヲ↡。心ト与↠声相続シテ、唯坐シ、唯立シ‡、七日之間‡不レ↠得↢睡*眠スルコトヲ↡。亦不↠須カラ↢依リテ↠時ニ†礼シ↠仏ヲ、誦ス↟経ヲ。数珠モ亦不↠須カラ↠捉ル。但†知リ↢合掌シテ念ズト↟仏ヲ、念念ニ作セ↢見仏ノ想ヲ↡。
^◆仏のたまはく、 「阿弥陀仏の真金色の身、 光明徹照し、 端正無比にして、 心眼の前にましますと想念せよ」 と。
仏‡言ク、†想↣念セヨト阿弥陀仏ノ真金色ノ身、光明徹照シ、端正無比ニシテ、在スト↢心眼ノ前ニ↡。
^◆まさしく仏を念ずる時、 もし立せばすなはち立して一万・二万を念じ、 もし坐せばすなはち坐して一万・二万を念ぜよ。 道場のうちにおいては、 頭を交へてひそかに語ることを得ざれ。
正シク†念ズル↠仏ヲ時、若シ立セバ即チ立シテ念ジ↢一万・二万ヲ↡、若シ坐セバ即チ坐シテ念ゼヨ↢一万・二万ヲ↡。†於テハ↢道場ノ内ニ↡、不レ↠得↢交ヘテ↠頭ヲ窃ニ†語ルコトヲ↡。
一 Ⅱ ⅲ a ホ 明懴悔発願
【10】^↑◆昼夜あるいは*三時・六時に、 諸仏、 一切の*賢聖、 *天曹・*地府、 一切の*業道に表白して、 一生よりこのかた*身口意業の所造の衆罪を*発露懴悔せよ。
昼夜‡或イハ三時・六時ニ、表↢白シテ諸仏、一切ノ賢聖、天曹・地府、一切ノ業道ニ↡、発↢露懴↣悔†セヨ一生ヨリ已来タ‡身口意業ノ所造ノ衆罪ヲ↡。
^◆事、 実によりて懴悔しをはりて、 また法によりて仏を念ぜよ。 所見の境界はたやすく説くことを得ず。 善ならばみづから知り、 悪ならば懴悔せよ。 酒・肉・*五辛は、 誓ひて願を発して手に捉らざれ、 口に喫らはざれ。 もしこの語に違せば、 すなはち身口にともに悪瘡を着けんと願ぜよ。
†事依リテ↠実ニ懴悔シ竟リテ、†還タ依リテ↠法ニ†念ゼヨ↠仏ヲ。所見ノ境界†ハ†不↠得↢輒ク説クコトヲ↡。善ナラバ者自ラ知リ、悪ナラバ者懴悔†セヨ。酒・肉・五辛ハ、誓ヒテ†発シテ↠願ヲ手ニ不レ↠捉ラ、口ニ不レ↠喫ハ。若シ違セバ↢此ノ語†ニ↡即チ願ゼヨ↣身口ニ倶ニ著†ケムト↢悪瘡ヲ↡。
^◆あるいは ¬*阿弥陀経¼ を誦すること十万遍を満たさんと願ぜよ。 日別に仏を念ずること一万遍、 経を誦すること日別に十五遍、 あるいは誦すること二十遍・三十遍、 力の多少に任すべし。 浄土に生ずることを誓ひ、 仏の*摂受を願ぜよ。
或イハ†願ゼヨ↧誦スルコト↢¬阿弥陀経ヲ¼↡満タサムト↦十万遍ヲ↥。日別ニ†念ズルコト↠仏ヲ一万遍、誦スルコト↠経ヲ日別ニ十五遍‡、或イハ誦スルコト二十遍・三十遍、任スベシ↢力ノ多少ニ↡。誓ヒ↠生ズルコトヲ↢浄土ニ↡、願ゼヨ↢仏ノ摂受ヲ↡。
一 Ⅱ ⅲ b 因弁終時儀【臨終行儀】
イ 明行儀
【11】^▼また行者等もしは病み、 病まざるも、 命終せんと欲する時、 もつぱら上0614の念仏三昧の法によりて、 身心を正当にして、 面を回らして西に向かへて、 心もまた専注して阿弥陀仏を観想し、 心口相応して声々絶ゆることなく、 決定して往生の想、 *華台の聖衆来りて*迎接する想をなせ。
又行者等若シハ病ミ、不†ルモ↠病マ、†欲スル↢命終セムト↡時、一ラ依リテ↢上ノ念仏三昧ノ法ニ↡、†正↢当ニシテ身心ヲ↡、廻シテ↠面ヲ向ヘテ↠西ニ、心モ亦†専注シテ観↢想シ阿弥陀仏ヲ↡、心口相応シテ声声莫†ク↠絶スルコト、決定シテ†作セ↢往生ノ想、華台ノ聖衆来リテ迎接スル想ヲ↡。
一 Ⅱ ⅲ b ロ 験得失
^◆病人もし前の境を見ば、 すなはち看病の人に向かひて説け。 すでに説くを聞きをは0654らば、 すなはち説によりて録記せよ。 また病人もし語ることあたはずは、 看病の人かならずすべからくしばしば病人に問ふべし、 いかなる境界をか見たると。 もし罪相を説かば、 傍人すなはちために念仏し、 助けて同じく懴悔してかならず罪滅せしめよ。 もし罪滅することを得ば、 華台の聖衆念に応じて現前したまはん。 前に準じて抄記すべし。
病人若シ見バ↢前ノ境ヲ↡、即チ向ヒテ↢看病ノ人ニ↡説ケ。既ニ聞キ↠説クヲ已0880†ラバ、即チ依リテ↠説ニ録ロク記セヨ。又病人若シ不†ハ↠能ハ↠語ルコト者、看病ノ人必ズ須クベ シ↣数数問フ↢病人ニ↡、見タルト↢何ナル境界ヲカ↡。若シ説カバ↢罪相ヲ↡、傍‡人即チ為ニ念仏シテ助ケ、同ジク懴悔シテ必ズ令メヨ↢罪滅セ↡。若シ得バ↢罪滅スルコトヲ↡、華台ノ聖衆応ジテ↠念ニ現前シ†タマハム。準ジテ↠前ニ*抄記†スベシ。
一 Ⅱ ⅲ b ハ 避障縁
^◆また行者等、 *眷属*六親もし来りて看病せば、 酒・肉・五辛を食せる人をあらしむることなかれ。 もしあらば、 かならず病人の辺に向かふことを得ざれ。 すなはち正念を失ひ、 鬼神交乱し、 *病人狂死して三悪道に堕せん。 願はくは行者等よくみづからつつしみて仏教を奉持し、 同じく見仏の因縁をなせ。
又行者等、眷属六親若シ来リテ看病セバ、勿レ↠令ムルコト↠有ラ↧食†セル↢酒・肉・五辛ヲ↡人ヲ↥。若シ有ラバ必ズ不レ↠得↠向フコトヲ↢病人ノ辺ニ↡。即チ†失ヒ↢正念ヲ↡、鬼神交乱シ、病人狂死シテ堕†セム↢三悪道ニ↡。願クハ行者等好ク自 ラ謹慎ミテ奉↢持シ‡仏教ヲ↡、同ジク作セ↢見仏ノ因縁ヲ↡。
一 Ⅱ ⅲ c 結
^以前はこれ入道場および看病人の法用なり。
已前ハ是入道場及ビ看病人ノ法用ナリ。
二【五縁功徳分】
Ⅰ 標章目
【12】^経によりて*五種増上縁の義を明かす一巻。
依リテ↠経ニ明ス↢五種‡増上縁ノ義ヲ↡一巻。
二 Ⅱ 釈章門
ⅰ 標経述意
・標経
¬*無量寿経¼ による一。
依ル↢¬無量寿経ニ¼↡一。
0615¬*十六観経¼ による二。
依†ル↢¬十六観経ニ¼↡二。
¬*四紙阿弥陀経¼ による三。
依†ル↢¬四紙ノ阿弥陀経ニ¼↡三。
¬*般舟三昧経¼ による四。
依†ル↢¬般舟三昧経ニ¼↡四。
¬*十往生経¼ による五。
依†ル↢¬十往生経ニ¼↡五。
¬*浄土三昧経¼ による六。
依†ル↢¬浄土三昧経ニ¼↡六。
【述意】
【13】^つつしみて釈迦仏の教、 六部の往生経等によりて、 阿弥陀仏を称念して浄土に生ぜんと願ずるもの、 現0655生にすなはち*延年転寿を得て、 *九横の難に遭はざることを顕明す。 一々つぶさには▽下の五縁義のなかに説くがごとし。
謹 ミテ依リテ↢釈迦仏ノ教、六部ノ往生経等ニ↡、顕↧明ス称↢念シテ阿弥陀仏ヲ↡願ズル↠†生ゼムト↢浄土ニ↡者、現0881生ニ即チ得テ↢延年転寿ヲ↡、不ルコトヲ↞遭ハ↢九横之難ニ↡。一一具ニハ如シ↢下ノ五縁義ノ中ニ説クガ↡。
二 Ⅱ ⅱ 問答列名
・問
^問ひていはく、 仏、 一切の衆生に菩提心を発して西方の阿弥陀仏国に生ぜんと願ぜよと勧めたまふ。
問ヒテ曰ク、仏†勧メタマフ↧一切ノ衆生ニ発シテ↢菩提心ヲ↡願ゼヨト↞生ゼムト↢西方ノ阿弥陀仏国ニ↡。
^また阿弥陀の像を造りて*称揚・礼拝し、 香華供養し、 日夜観想して絶えざれと勧めたまふ。
又†勧メタマフ↧造リテ↢阿弥陀ノ像ヲ↡称揚礼拝シ、香華供養シ、*日夜‡観想シテ不レト↞絶エ。
^▼またもつぱら弥陀仏の名を念ぜよと勧めたまふに、 一万・二万・三万・五万、 乃至十万するものあり、 あるいは ¬弥陀経¼ を誦せよと勧めたまふに、 十五・二十・三十・五十、 乃至一百して、 十万遍を満つるものあり。
又†勧メタマフニ↣専ラ念ゼヨト↢弥陀仏ノ名ヲ↡、一万・二万・三万・五万、乃至十万スル者アリ、或イハ†勧メタマフニ↠誦セヨト↢¬弥陀経ヲ¼↡、十五・二十・三十・五十、乃至一百シテ、満†ツル↢十万遍ヲ↡者†アリ。
^現生になんの功徳をか得る。 百年捨報の以後、 なんの利益かある。 浄土に生ずることを得やいなや。
現生ニ得ル↢†何ノ功徳ヲカ↡。百年捨報ノ†已後、有ル↢†何ノ利益カ↡。得‡ヤ↠生ズルコトヲ↢浄土ニ↡以不ヤ。
・答
^答へていはく、 現生および捨報に決0616定して大功徳利益あり。
答ヘテ曰ク、現生及ビ捨報ニ決定シテ有リ↢大功徳利益↡。
二 Ⅱ ⅲ 正釈義門
^仏教に准依して△五種の増上利益の因縁を顕明せん。
准↢依シテ仏教ニ↡顕↢明セム五種ノ増上利益ノ因縁ヲ↡。
^一には↓滅罪増上縁、 二には↓護念得長命増上縁、 三には↓見仏増上縁、 四には↓摂生増上縁、 五には↓証生増上縁なり。
一ニ者滅罪増上縁、二ニ者護念得長命増上縁、三ニ者見仏増上縁、四ニ者摂生増上縁、五ニ者証生増上縁ナリ。
二 Ⅱ a【滅罪縁】
イ 標章
【14】^↑*滅罪増上縁といふは、
言フ↢滅罪増上縁ト↡者、
二 Ⅱ ⅲ a ロ 釈引
(一)下三品文
・下品上生
^すなはち ¬観経¼ の▲下品上生の人のごときは、 一生つぶさに十悪の重罪を造る。 その人病を得て死せんと欲するに、 善知識の、 教へて弥陀仏を称すること一声せしむるに遇ふ。 ▲すなはち五十億劫の生死の重罪を除滅す。 すなはちこれ現生滅罪増上縁なり。
▲即チ如キハ↢¬観経ノ¼下品上生ノ人ノ↡、一生具ニ造ル↢十悪ノ重罪ヲ↡。其ノ人得テ↠病ヲ欲スルニ↠死セムト、遇†フ↧善知識ノ教ヘテ称スルコト↢弥陀仏ヲ↡一声セシムルニ↥。即チ除↢滅ス五十億劫ノ生死ノ重罪ヲ↡。即チ是現生滅罪増上縁ナリ。
・下品中生
^また▲下品中生の人のごときは、 一生つぶさに仏法のなかの罪を造る。 *斎を破し戒を破し、 仏法僧物を食用して懴愧を生ぜず。 その人病を得て死せんと欲するに、 地獄の衆火一時にともに至る。 善知識の、 ために弥陀0656仏の身相功徳、 国土の荘厳を説くに遇ふ。 ▲罪人聞きをはりてすなはち八十億劫の生死の罪を除き、 地獄すなはち滅す。 またこれ現生滅罪増上縁なり。
又如キハ↢下品中生ノ人ノ↡、一生具ニ造ル↢仏法ノ中ノ罪ヲ↡。破シ↠斎ヲ破シ↠戒ヲ、食↢用シテ仏法僧物ヲ↡†不↠生ゼ↢*懴愧ヲ↡。其ノ人得テ↠病ヲ欲スルニ↠死セムト、地獄ノ衆火一時ニ倶ニ至ル。遇†フ↣善知識ノ為ニ説クニ↢弥陀0882仏ノ身相功徳、国土ノ荘厳ヲ↡。罪人聞キ已リテ即チ除キ‡↢八十億劫ノ生死之罪ヲ↡、地獄即チ滅ス。亦是現生滅罪増上縁ナリ。
・下品下生
^また▲下品下生の人のごときは、 一生つぶさに*五逆極重の罪を造る。 地獄を*経歴して苦を受くること窮まりなし。 罪人病を得て死せんと欲するに、 善知識0617の、 教へて弥陀仏の名を称すること十声せしむるに遇ふ。 ▲声々のうちにおいて八十億劫の生死の重罪を除滅す。 これまたこれ現生滅罪増上縁なり。
▲又如キハ↢下品下生ノ人ノ↡、一生具ニ造†ル↢五逆極重之罪ヲ↡。経↢歴シテ地獄†ヲ↡受クルコト↠*苦ヲ無†シ↠窮リ。罪人得テ↠病ヲ欲スルニ↠死セムト、遇フ↧善知識ノ、教ヘテ称スルコト↢弥陀仏ノ名ヲ↡十声セシムルニ↥。於テ↢声声ノ中ニ↡除↢滅ス八十億劫ノ生死ノ重罪ヲ↡。此亦是現生滅罪増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ a ロ (二)観想滅罪文
・依変起想
【15】^またもし人ありて、 ¬観経¼ 等によりて*浄土荘厳の変を画造して、 日夜に宝地を観想すれば、 現生に念々に八十億劫の生死の罪を除滅す。
又若シ有リテ↠人、依リテ↢¬観経¼等ニ↡画↢造†シテ浄土‡荘厳ノ変ヲ↡、日夜ニ観↢想スレ†バ宝地ヲ↡者、現生ニ念念ニ除↢滅ス八十億劫ノ生死†之罪ヲ↡。
・就境修観 ・宝樹観等
^また経によりて変を画き、 宝樹・宝池・宝楼の荘厳を観想すれば、 現生に無量億阿僧祇劫の生死の罪を除滅す。
又依リテ↠経ニ画シ↠変ヲ、観↢想スレ†バ宝樹・宝池・宝楼ノ荘厳ヲ↡者、現生ニ除↢滅ス無量億*阿僧祇劫ノ生死之罪ヲ↡。
・就境修観 ・華座荘厳観
^また*華座荘厳観によりて、 日夜に観想すれば、 現生に念々に五十億劫の生死の罪を除滅す。
又依リテ↢華座荘厳‡観ニ↡、日夜ニ観想スレ†バ者、現生ニ念念ニ除↢滅ス五十億劫ノ生死之罪ヲ↡。
・就境修観 ・像観等
^また経によりて*像観・*真身観、 *観音・勢至等の観を観想すれば、 現生に念々のうちにおいて無量億劫の生死の罪を除滅す。
又依リテ↠経ニ観↢想スレバ像観・真身観・観音・勢至等ノ観ヲ↡、現生ニ於テ↢念念ノ中ニ↡除↢滅ス無量億劫ノ生死之罪ヲ↡。
^上の所引のごときは、 ならびにこれ現生滅罪増上縁なり。
如キハ↢上ノ所引ノ↡、並ニ是現生滅罪増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ b【護念縁】
イ 標章
【16】^0657また▼↑*護念増上縁といふは、
又0883▼言フ↢護念増上縁ト↡者、
二 Ⅱ ⅲ b ロ 釈引
(一)観経普観文
^すなはち*第十二の観 (観経・意) のなかに説きてのたまふがごとし。 「もし人ありて、 一切の時処、 日夜に心を至して弥陀の浄土の*二報荘厳を観想し、 もしは見、 見ざるも、 ▲無量寿仏無数の化仏を化作し、 観音・大勢至また無数の化身をなして、 つねにこの行人の所に来至したまふ」 と0618。 またこれ現生護念増上縁なり。
即チ如シ↢第十二ノ観ノ中ニ説キテ云フガ↡。若シ有リテ↠人、一切ノ時処、日夜ニ至シテ↠心ヲ観↢想シ‡弥陀ノ浄土ノ二報荘厳ヲ↡、若シハ見、不ルモ↠見、無量寿仏†化↢作シ無数ノ化仏ヲ↡、観音・大勢至‡亦作シテ↢無数ノ化身ヲ↡、常ニ来↢至†シタマフト此ノ行人之所ニ↡。亦是現生護念増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ b ロ (二)流通文
^▼また ¬観経¼ (意) の下の文のごとし。 「もし人ありて、 心を至してつねに阿弥陀仏および二菩薩を念ずれば、 ▲観音・勢至つねに行人のために*勝友知識となりて*随逐影護したまふ」 と。 これまたこれ現生護念増上縁なり。
又如†シ↢¬観経ノ¼下ノ文ノ↡。「若シ*有リテ↠人至シテ↠心ヲ常ニ念ズレバ↢阿弥陀仏及ビ二菩薩ヲ↡、観音・勢至常ニ与ニ↢行人ノ↡、作リテ↢勝友知識ト↡、随逐影護†シタマフト。」此亦是現生護念増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ b ロ (三)真身観文
^また第九の*真身観 (観経・意) に説きてのたまふがごとし。 「弥陀仏は金色の身なり。 *毫相の光明あまねく十方の衆生を照らす。 身の毛孔の光またあまねく衆生を照らす。 *円光またあまねく衆生を照らす。 八万四千の相好等の光またあまねく衆生を照らす。
▲又如†シ↢第九ノ真身観ニ説キテ云フガ↡。「弥陀仏ハ金色ノ身ナリ。毫相ノ光明遍ク照ス↢十方ノ衆生ヲ↡。身ノ毛孔ノ光亦遍ク照ス↢衆生ヲ↡。円光亦遍ク照ス↢衆生ヲ↡。八万四千ノ相好等ノ光亦遍ク照ス↢衆生ヲ↡。
^▼また前のごとき身相等の光、 一々にあまねく十方世界を照らすに、 ▲ただもつぱら阿弥陀仏を念ずる衆生のみありて、 ▼かの仏の心光つねにこの人を照らして、 *摂護して捨てたまはず」 と。 ▼総じて*余の雑業の行者を照摂することを論ぜず。 これまたこれ現生護念増上縁なり。
又†如キ↠前ノ身相等ノ光一一ニ遍ク照ス†ニ↢十方世界ヲ↡、▼但有リテ↧†専ラ念ズル↢阿弥陀仏ヲ↡衆生ノミ↥、▼彼ノ仏ノ心光常ニ照シテ↢是ノ人ヲ↡、摂護シテ不ト↠捨テタマハ。」総ジテ不↠論ゼ↣照↢摂スルコトヲ余ノ雑業ノ行者ヲ↡。此亦是現生護念増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ b ロ (四)十往生経文
【17】^▼また ¬十往生経¼ (意) に説きたまふがごとし。 「仏、 山海慧菩薩および*阿難に告げたまはく、 ªもし人ありてもつぱら西方の阿弥陀仏を念じて往生を願ずれば、 われいまより以去、 ▲つねに*二十五の菩薩をして行者を影護せしめて、 悪鬼・悪神をして行者を悩乱せしめず、 日夜につねに安穏なることを得しむ0619º」 と。 これまたこれ現生護念増上縁0658なり。
又如†シ↢¬十往生経ニ¼説キタマフガ↡。「仏告ゲタマハク↢山海慧菩薩及以阿難ニ↡、若シ有リテ↠人†専ラ念ジテ↢西方ノ阿弥陀仏ヲ↡†願ズレバ↢往生ヲ↡者、我従リ↠今已去、常ニ使メテ↣二十五ノ菩薩ヲシテ影↢護セ行者ヲ↡、不↠令メ↣悪鬼・悪神ヲシテ悩↢乱セ行者ヲ↡、日夜ニ常ニ†得シムト↢安穏ナルコトヲ↡。」此亦是現生護念増上0884縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ b ロ (五)弥陀経文
【18】^▼また ¬弥陀経¼ (意) に説きたまふがごとし。 「もし男子・女人ありて、 七日七夜および一生を尽して、 一心にもつぱら阿弥陀仏を念じて往生を願ずれば、 ▲この人、 つねに六方恒河沙等の仏、 ともに来りて護念したまふことを得。 ゆゑに護念経と名づく」 と。 護念経の意は、 またもろもろの*悪鬼神をして*便りを得しめず、 また横病、 横死、 横に厄難あることなく、 一切の災障自然に消散す。 至心ならざるを除く。 これまたこれ現生護念増上縁なり。
▲又如†シ↢¬弥陀経ニ¼説キタマフガ↡。「若シ有リテ↢男子・女人↡、七日七夜、及ビ尽シテ↢一生ヲ↡、一心ニ†専ラ念ジテ↢阿弥陀仏ヲ↡願ズレ†バ↢往生ヲ↡者、此ノ人、常ニ得↢六方恒河沙等ノ仏共ニ来リテ護念†シタマフコトヲ↡。故ニ名クト↢護念経ト↡。」護念経ノ意者、亦不↠令メ↢諸ノ悪鬼神ヲシテ得↟便ヲ、亦無ク↣横病・横死、横ニ有ルコト↢厄難↡、一切ノ災障自然ニ消散ス。除ク↠†不ルヲ↢至心ナラ↡。此亦是現生護念増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ b ロ (六)般舟経文
【19】^▼また ¬般舟三昧経¼ の 「行品」 (意) のなかに説きてのたまふがごとし。 「仏、 跋陀和に告げたまはく、 ªもし人ありて、 七日七夜道場のうちにありて、 諸縁の事を捨て、 睡臥を除去し、 一心にもつぱら阿弥陀仏の真金色の身を念じて、 あるいは一日・三日・七日、 あるいは二七日・五・六・七七日、 あるいは百日に至り、 あるいは一生を尽して、 心を至して観仏し、 および口称心念すれば、 仏すなはち摂受したまふº」 と。 すでに摂受を蒙る。 さだめて知りぬ、 罪滅して浄土に生ずることを得。
又如†シ↢¬般舟三昧経ノ¼「行品ノ」中ニ説キテ云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢跋陀和ニ↡、若シ有リテ↠人、七日七夜在リテ↢道場ノ内ニ↡、捨テ‡↢†諸縁ノ事ヲ↡、除↢去シ‡睡臥ヲ↡、一心ニ†専ラ念ジテ↢阿弥陀仏ノ真金色ノ身ヲ↡、或イハ一日・三日・七日、或イハ二七日・五・六・七七日、或イハ至リ↢百日ニ↡、或イハ尽シテ↢一生ヲ↡、†至シテ↠心ヲ観仏シ、及ビ口称・心念スレ†バ者、仏即チ摂受シタマフト。」既ニ蒙†ル↢摂受ヲ↡。定メテ知リヌ、罪滅シテ得‡↠生ズルコトヲ↢浄土ニ↡。
^「▼仏のたまはく、 ªもし人もつぱらこの念弥陀仏三昧を行ずれば、 つねに一切の諸天および*四天大王・竜神八部の随逐影護し、 *愛0620楽相見することを得て、 永くもろもろの悪鬼神、 災障・厄難をもつて横に悩乱を加ふることなしº」 (般舟三昧経・意) と。 つぶさに 「*護持品」 のなかに説きたまふがごとし。 これまたこれ現生護念増上縁なり。
「仏‡言ク、若シ人専ラ行ズレ†バ↢此ノ念弥陀仏三昧ヲ↡者、常ニ†得テ↢一切ノ諸天及ビ四天大王・竜神八部ノ随逐影護シ愛楽相見スルコトヲ↡、永ク無†シト↣諸ノ悪鬼神、災障・厄難ヲモテ横ニ加フルコト↢悩乱ヲ↡。」具ニ如シ↢「護持品ノ」中ニ説キタマフガ↡。此亦是現生護念増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ b ロ (七)潅頂経文
【20】^▼また ¬*潅頂経¼ によるに、 第三巻 (意) に説きてのたまはく、 「もし人*三帰*五戒を受持すれば、 仏、 *天帝に勅したまはく、 ªなんぢ、 天神六十一人を差はして日夜年月に受戒の人を随逐し守護して、 もろもろの悪鬼神0659をして横にあひ悩害することを獲しむることなかれº」 と。 これまたこれ現生護念増上縁なり。
又依†ルニ↢¬潅*頂経ニ¼↡、第三巻ニ説キテ云ク、「若シ人受↢持スレ†バ三帰・五戒ヲ↡者、仏勅†シタマハク↢天帝ニ↡、汝†差0885シテ↢天*神六十一人ヲ↡日夜年月ニ随↢逐シ守↣護シテ受戒之人ヲ↡、勿レト↠令ムルコト↠獲↢諸ノ悪鬼神ヲシテ横ニ相悩害スルコトヲ↡。」此亦是現生護念増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ b ロ (八)浄土三昧経文
【21】^▼また ¬*浄度三昧経¼ に説きてのたまふがごとし。 「仏、 瓶沙 (*頻婆娑羅) 大王に告げたまはく、 ªもし男子・女人ありて、 月々の*六斎日および*八王日において、 天曹・地府、 一切の業道に向かひて、 しばしば過を首して斎戒を受持すれば、 仏、 *六欲天王に勅したまはく、 «おのおの二十五の善神を差はして、 つねに来りて持戒の人を随逐し守護せしむ。 またもろもろの悪鬼神の横に来りて悩害することあらしめず。 また横病・死亡・災障なく、 つねに安穏を得しむ»º」 と。 これまたこれ現生護念増上縁なり。
又如シ↢¬浄度三昧経ニ¼説キテ云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢瓶沙大王ニ↡、若シ有リテ↢男子・女人↡、於テ↢月月ノ六斎日及ビ八王日ニ↡、向ヒテ↢天曹・地府、一切ノ業道ニ↡、数数首シテ↠過ヲ受↢持スレ†バ斎戒ヲ↡者、仏勅†シタマハク↢六欲天王ニ↡、各ノ差シテ↢二十五ノ善神ヲ↡、常ニ来リテ随↢逐シ守↣護セシム持戒之人ヲ↡。亦不↠令メ↠有ラ↢諸ノ悪鬼神†ノ横ニ来リテ悩害スルコト‡↡。亦無ク↢横病・死*亡・災障↡、常ニ得シ†ムト↢安穏ヲ↡。」此亦是現生護念増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ b ロ (九)承上重述文
【062122】^▼またもろもろの行者にまうさく、 ただ今生に日夜相続してもつぱら弥陀仏を念じ、 もつぱら ¬弥陀経¼ を誦し、 浄土の聖衆・荘厳を称揚し礼讃して生ずることを願ぜんと欲するものにして、 日別に経を誦すること十五遍、 二十・三十遍以上のもの、 あるいは誦すること四十・五十・百遍以上のものは、 願じて十万遍を満たせ。
又白サク↢諸ノ行者ニ↡、但欲†スル↧今生ニ日夜相続シテ専ラ念ジ↢弥陀仏ヲ↡、専ラ誦シ↢¬弥陀経ヲ¼↡、称↢揚シ礼↣讃シテ浄土ノ聖衆荘厳ヲ↡願ゼムト↞生ズルコトヲ者ニシテ、日別ニ†誦スルコト↠経ヲ十五*遍、二十・三十遍已上ノ者、或イハ誦スルコト四十・五十・百遍已上ノ者ハ、願ジテ満†タセ↢十万遍ヲ↡。
^また弥陀の浄土の依正二報の荘厳を称揚し礼讃し、 また▼三昧の道場に入るを除きて、 日別に弥陀仏を念ずること一万して、 *畢命相続するものは、 すなはち弥陀の加念を蒙りて罪障を除くことを得。 また仏、 聖衆とつねに来りて護念したまふことを蒙る。 ▼すでに護念を蒙りぬれば、 すなはち延年転寿、 長命安楽なることを得。
又称↢揚シ礼↣讃シ弥陀ノ浄土ノ依正二報ノ荘厳ヲ↡、又除キテ↠入ルヲ↢三昧ノ道場ニ↡、日別ニ念ズルコト↢弥陀仏ヲ↡一万シテ、畢命相続スル者ハ、即チ蒙リテ↢弥陀ノ加念ヲ↡得↠除クコトヲ↢罪障ヲ↡。又蒙ル↧仏与↢聖衆↡常ニ来リテ護念シタマフコトヲ↥。既ニ蒙リヌレバ↢護念ヲ↡、即チ得↢延年転寿、長命安楽ナルコトヲ↡。
^◆因縁の一々つぶさには ¬*譬喩経¼・¬*惟無三昧経¼・¬浄度三昧経¼ 等に説きたまふがごとし。 これまたこれ現生護念増上縁なり。
因縁ノ一一具ニハ如シ↢¬譬喩経¼・¬惟無三昧経¼・¬浄度三昧経¼等ニ説キタマフガ↡。此亦是現生護念増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ c【見仏縁】
イ 標章
【23】^また↑*見仏三昧増上縁といふは、
又0886言フ↢見仏三昧増上縁ト↡者、
二 Ⅱ ⅲ c ロ 正釈
(一)総釈見仏義
(Ⅰ)先出経証
^すなはち ¬観経¼ (意) に説きてのたまふがごとし。 「▲*摩竭提国王の夫人を韋0660提希と名づく。 ▲つねに宮内にありて、 つねに仏 (釈尊) を見たてまつらんと願じて、 ▲はるかに耆闍崛山に向かひて、 ▲悲泣して敬礼す。 ▲仏はるかに念を知りて、 すなはち耆山より没して王宮に出現したま0622ふ。
即チ如シ↢¬観経ニ¼説キテ云フガ↡。「摩竭提国‡王ノ夫人ヲ名ク↢韋提希ト↡。毎ニ在リテ↢宮内ニ↡、願ジテ↢常ニ†見タテマツラムト↟仏ヲ、遥ニ向ヒテ↢耆闍崛山ニ↡、悲泣シテ敬礼ス。仏遥ニ†知リテ↠念ヲ、即チ於リ↢耆山↡†没シテ王宮ニ出現†シタマフ。
^◆夫人すでに頭を挙げてすなはち世尊を見たてまつるに、 身紫金色にして宝蓮華に坐したまひ、 目連・阿難左右に*立侍し、 釈・梵空に臨みて華を散じて供養す。 ◆夫人、 仏を見たてまつりて、 身を挙げて地に投げ、 号泣して▲仏に向かひて哀れみを求めて懴悔す。 ◆ªただ願はくは如来 (釈尊)、 われを教へて清浄業処を観ぜしめたまへº」 と。
夫人已ニ挙ゲテ↠頭ヲ即チ見タテマツル†ニ↢世尊ヲ↡、身紫金色ニシテ坐シ†タマヒ↢宝蓮華ニ↡、目連・阿難立↢侍†シ左右ニ↡、釈・梵臨ミテ↠空ニ散ジテ↠華ヲ供養ス。夫人見タテマツリテ↠仏ヲ挙ゲテ↠身ヲ投†ゲ↠地ニ、号泣シテ向ヒテ↠仏ニ†求メテ↠哀ミヲ懴悔ス。唯願クハ如来、†教ヘテ↠我ヲ観ゼシメタマヘト↢於清浄業処ヲ↡。」
二 Ⅱ ⅲ c ロ (一)(Ⅱ)正釈申
・就文総示
^またこの経証のごときは、 ただ夫人のみ心至りて見仏するにあらず、 また未来の凡夫のために教を起せり。 ただ心に見たてまつらんと願ずるものありて、 もつぱら夫人によりて心を至して仏を憶すれば、 さだめて見たてまつること疑なし。 これすなはちこれ弥陀仏の↓三念願力ほかに加するがゆゑに見仏せしめたまふことを得。
又如キハ↢此ノ経証ノ↡、非ズ↢†直夫人ノミ心‡至リテ見仏スルニ↡、亦与ニ↢未来ノ凡夫ノ↡起†セリ↠教ヲ。†但使有リテ↢心ニ願ズル↠見タテマツラムト者↡、一ラ依リテ↢夫人ニ↡至シテ↠心ヲ憶スレバ↠仏ヲ、定メテ見タテマツルコト無シ↠疑。此即チ是弥陀仏ノ三念願力‡外ニ加スルガ故ニ得↠令メタマフコトヲ↢見仏セ↡。
・別出三力
^↑▽三力といふは、 すなはち ¬般舟三昧経¼ (意) に説きてのたまふがごとし。 「▼一には大誓願力をもつて念を加したまふがゆゑに見仏することを得。 二には三昧定力をもつて念を加したまふがゆゑに見仏することを得。 三には本功徳力をもつて念を加したまふがゆゑに見仏することを得」 と。
▲言フ↢三力ト↡者、即チ如シ↢¬般舟三昧経ニ¼説キテ云フガ↡。一ニ者以テ↢大誓願力ヲ↡†加シタマフガ↠念ヲ故ニ得↢見仏スルコトヲ↡。二ニ者以テ↢三昧定力ヲ↡†加シタマフガ↠念ヲ故ニ得↢見仏スルコトヲ↡。三ニ者以テ↢本功徳力ヲ↡†加シタマフガ↠念ヲ故ニ得ト↢見仏スルコトヲ↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (一)(Ⅲ)例下文
^以下の見仏縁のなかも、 この義に例同す。 ゆゑに見仏三昧増上縁と名づく。
已下ノ見仏縁ノ中モ、例↢同ス此ノ義ニ↡。故ニ名ク↢見仏三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)別引経証
(Ⅰ)問答略示
【24】^問ひていはく、 夫人は福力強勝にして、 仏の加念を蒙るがゆゑに見仏す。 末0623法の衆生は*罪深重なり、 なにによりてか夫人と同例することを得ん。 またこの義は甚深広大なり。 一々につぶさに仏経を引きてもつて明証となせ。
問ヒテ曰ク、夫人ハ福力強勝ニシテ、蒙ルガ↢仏ノ加念ヲ↡故ニ見仏ス。末法ノ衆生ハ罪深重ナリ、何ニ由リテカ得ム↧与↢夫人↡同例スルコトヲ↥。又此ノ義者甚深広大ナリ。一一ニ具ニ引キテ↢仏経ヲ↡以テ†為セ↢明証ト↡。
^答へていはく、 仏はこれ*三達の聖人、 *六通無障なり。 機を観じて教を備へ、 浅深を択びたまはず。 ただまことに帰すれば、 なんぞ見たてまつらざることを疑はん。
答ヘテ曰ク、仏ハ是三達ノ聖人、六通無障ナリ。観ジテ↠機ヲ備†ヘ↠教ヲ、不↠択†ビタマハ↢浅深ヲ↡。†但使帰スレバ↠誠ニ、何ゾ疑ハム↠不0887†ルコトヲ↠見タテマツラ。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)広引諸文
(ⅰ)観於西方文
^すなはち ¬観経¼ (意) の下に説きてのたまふがごとし。 「▲仏、 韋提を讃じたまはく、 ª快くこの事を問へり。 ◆阿難、受持して広く多0661衆のために仏語を宣説すべし。 ◆如来 (釈尊) いま韋提希および未来世の一切衆生を教へて西方極楽世界を観ぜしむ。 ◆仏願力をもつてのゆゑにかの国土を見ること、 明鏡を執りてみづから面像を見るがごとくならんº」 と。
即チ如シ↢¬観経ノ¼下ニ説キテ云フガ↡。「仏†讃ジタマハク↢韋提ヲ↡、快ク問ヘリ↢此ノ事ヲ↡。阿難、†受持シテ広ク為ニ↢多衆ノ↡宣↢説スベシ仏語ヲ↡。如来今者教ヘテ↢韋提希及ビ未来世ノ一切衆生ヲ↡観ゼシ†ム↢於西方極楽世界ヲ↡。以テノ↢仏‡願力ヲ↡故ニ見ル†コト↢彼ノ国土ヲ↡、如クナラムト↧執リテ↢明鏡ヲ↡自ラ見ルガ↦面像ヲ↥。」
^またこの経をもつて証す。 またこれ弥陀仏の△三力ほかに加するがゆゑに見仏することを得。 ゆゑに見仏浄土三昧増上縁と名づく。
又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是弥陀仏ノ三力‡外ニ加スルガ故ニ得↢見仏スルコトヲ↡。故ニ名ク↢見仏浄土三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)見彼国土文
【25】^また下の ¬経¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「▲仏、 韋提に告げたまはく、 ªなんぢはこれ凡夫にして心想また劣なり、 遠く見ることあたはず。 諸仏如来に*善方便ましまして、 なんぢらをして見しむることを致すº と。 ◆夫人、 仏にまうしてまうさく、 ªわれいま仏力によるがゆゑにかの国土を見たてまつる。 ◆仏0624滅後のもろもろの衆生等のごときは、 濁悪不善にして五苦に逼めらる。 いかんが極楽世界を見ることを得んº と。
又如シ↢下ノ¬経ニ¼云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢韋提ニ↡、汝ハ是凡夫†ニシテ心想又劣ナリ、不↠能ハ↢遠ク見ルコト↡。致スト↠使ムルコトヲ↧諸仏如来†ニ有シテ↢*善方便↡、令テ↢汝等ヲ↡見‡↥。夫人白シテ↠仏ニ言ク、我今因ルガ↢仏力ニ↡故ニ見タテマツル↢彼ノ国土ヲ↡。†若キハ↢仏滅後ノ諸ノ衆生等ノ↡、濁悪不善ニシテ五苦ニ所†ル↠逼メ。云何†ガ†得ムト↠見ルコトヲ↢極楽世界ヲ↡。
^◆仏すなはち告げてのたまはく、 ª韋提、 なんぢおよび衆生、 専心に念を計けて、 西方の*瑠璃地下の一切の*宝幢、 地上の衆宝、 室内の荘厳等を想ふべしº」 と。 専心に意を注むれば、 また上の夫人に同じて見ることを得べし。
仏即チ†告ゲテ言ク、韋提、汝及ビ衆生専心ニ†計ケテ↠念ヲ、想フベシト↢於西方ノ瑠璃地下ノ一切ノ宝幢、*地上ノ衆宝、室内ノ荘厳等ヲ↡。専心ニ†注ムレバ↠意ヲ、亦†同ジテ↢上ノ夫人ニ↡†得ベシ↠見ルコトヲ。
^すなはちのたまはく (観経・意)、 「▲一々にこれを観じてきはめて了々ならしめよ。 閉目開目にみな見ることを得しむ。 ◆ かくのごとく想ふものを名づけて粗見となす。 これを*覚想中の見といふ。 ゆゑに粗見といふ。 ▼もし定心三昧および▼口称三昧を得れば、 心眼すなはち開けてかの浄土の一切の荘厳を見ること、 説くとも窮尽することなし」 と。
即チ云ク、一一ニ観ジテ↠之ヲ極テ令メヨ↢了了ナラ↡。閉目開目ニ皆令ム↠得↠見ルコトヲ。如ク↠此クノ想フ者ヲ名ケテ為ス↢†粗見ト↡。此ヲ謂フ↢覚想‡中ノ見ト↡。故ニ云フ↢粗見ト↡。▲若シ†得レバ↢定心三昧及ビ*口称三昧ヲ↡者、*心眼即チ開ケテ見ルコト↢彼ノ浄土ノ一切ノ荘厳ヲ↡、説クトモ無†シト↢窮尽スルコト↡也。」
^またこの経をもつて証す。 一切の凡夫ただ心を傾くれば、 さだめて見の義あり、 知るべし。 たとひ見聞のものありとも、 *驚怪するを須ゐず。 なにをもつてのゆゑに。 すなはち弥陀仏の△三昧力ほかに加するによるがゆゑに見ることを得。 ゆゑに見仏浄土三昧増上縁と名づく。
~又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。一切ノ凡夫†但使傾クレバ↠心ヲ、定メテ有リ↢見ノ義↡、応シ↠知ル。設ヒ有リトモ↢見聞ノ者↡、不↠†須ヰ↢驚怪スルヲ↡也。何ヲ以テノ故ニ。乃チ由ルガ↢弥0888陀仏ノ三昧力‡外ニ加スルニ↡故ニ得↠見ルコトヲ。故ニ名ク↢見仏浄土三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)得見無量寿文
【26】^0662また下の華座観 (観経・意) のなかに説きてのたまふがごとし。 「仏、 阿難・韋提に告げたまはく、 ª▲仏まさになんぢがために苦悩を除く法を説くべし。 ◆な0625んぢまさに広く大衆のために分別し解説すべしº と。 ◆この語を説きたまふ時、 無量寿仏、 観音・勢至声に応じて来現して空中に住立したまふ。
又如†シ↢下ノ華座観ノ中ニ説キテ云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢阿難・韋提ニ↡、仏当ニシ↧為ニ↠汝ガ説ク↦除ク↢*苦悩ヲ↡法ヲ↥。汝当ニシト↧広ク為ニ↢大衆ノ↡分別シ解説ス↥。説†キタマフ↢是ノ語ヲ↡時、無量寿仏、観音・勢至応ジテ↠声ニ来現シテ住↢立†シタマフ空中ニ↡。
^▲韋提見たてまつりてすなはち礼す。 礼しをはりて◆釈迦仏にまうしてまうさく、 ªわれいま仏力によるがゆゑに無量寿仏および二菩薩を見たてまつることを得たり。 ◆仏滅後のもろもろの衆生等のごときは、 いかんが阿弥陀仏および二菩薩を観見したてまつるべきº と。
韋提見タテマツリテ即チ礼ス。礼シ已リテ白シテ↢釈迦仏ニ↡言ク、我今因ルガ↢仏力ニ↡故ニ得タリ↠見タテマツルコトヲ↢無量寿仏及ビ二菩薩ヲ↡。†若キハ↢仏滅後ノ諸ノ衆生等ノ↡、云何†ガ観↢見シタテマツルベキト阿弥陀仏及ビ二菩薩ヲ↡。
^◆仏すなはち告げてのたまはく、 ªなんぢおよび衆生かの仏を観たてまつらんと欲せば、 まさに想念を起すべし。 ◆七宝の地の上に蓮華の想をなせ。 ▲華想成じをはりなば、 次にまさに仏 (阿弥陀仏) を想ふべし。 ▲仏を想ふ時、 この心すなはち三十二相になると想へ。 頂上より下*跏趺坐に至るこのかた、 *一々の身分またみなこれを想へ。 心想に随ひて、 時に仏身すなはち現ずº」 と。
仏即チ告ゲテ言ク、汝及ビ衆生†欲セバ↠観タテマツラムト↢彼ノ仏ヲ↡者、当ニシ↠起ス↢想念ヲ↡。七宝ノ地ノ上ニ作セ↢蓮華ノ想ヲ↡。華想成ジ已リナバ、次ニ当ニシ↠想フ↠仏ヲ。想フ↠仏ヲ時、是ノ心即チ想ヘ↠作ルト↢三十二相ニ↡。従リ↢頂上↡下至ル↢跏趺坐ニ↡已来タ、一一ノ身分亦皆想ヘ↠之ヲ。†随ヒテ↢心想ニ↡、時ニ仏身即チ現ズト。」
^これはこれ弥陀の△三力ほかに加してすなはち見仏することを得。 また見仏三昧増上縁と名づく。
此ハ是弥陀ノ三力‡外ニ加シテ即チ得↢見仏スルコトヲ↡。亦名ク↢見仏三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅳ)先当想像文
【27】^また下の ¬経¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「▲かの仏を想ふものは、 先づまさに像を想ふべし。 ◆一の金像を見るに、 かの華上に坐したまへり。 すでに想見しをはりて、 心眼すなはち開き、 了々分明にかの国の一切の荘厳を見る0626に及ぶ」 と。 これまたこれ弥陀の△三力ほかに加するがゆゑに見仏す。 ゆゑに見仏三昧増上縁と名づく。
又如シ↢下ノ¬経ニ¼云フガ↡。「想フ↢彼ノ仏ヲ↡者ハ、先ヅ当ニシ↠想フ↠像ヲ。見ルニ↢一ノ金像ヲ↡、坐†シタマヘリ↢彼ノ華上ニ↡。既ニ想見シ已リテ、心眼即チ開†キ、了了分明ニ†及ブト↠見ルニ↢彼ノ国ノ一切ノ荘厳ヲ↡。」此亦是弥陀ノ三力‡外ニ加スル†ガ故ニ見仏ス。故ニ名ク↢見仏三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅴ)次想二菩薩等文
^また下の ¬経¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「▲次に二菩薩 (観音・勢至) およびもろもろの光明を想へ。 了々として見る。 ▲この事を見る時、 行者すなはち三昧定中において、 まさに水流・光明・荘厳等の説法の声を聞くべし。 出定・入定に、 行者つねに妙法を聞く」 と。 これまたこれ弥陀仏の△三力ほかに加するがゆゑに見仏す。 ゆゑに見仏三昧増上0663縁と名づく。
又如シ↢下ノ¬経ニ¼云フガ↡。「次ニ想ヘ↢二菩薩及ビ諸ノ光明ヲ↡。了了†トシテ而見ル。見ル↢此ノ事ヲ↡時、行者即チ於テ↢三昧定‡中ニ↡、当ニシ↠聞ク↢水流・光明・荘厳等ノ説法之声ヲ↡。出定・入定†ニ、行者0889常ニ聞クト↢妙法ヲ↡。」此亦是弥陀仏ノ三力‡外ニ加スルガ故ニ見仏ス。故ニ名ク↢見仏三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅵ)真身観文
【28】^また下の真身観 (観経・意) のなかに説きてのたまふがごとし。 「▲仏、 阿難に告げたまはく、 ª像観成じをはりて、 次にさらに無量寿仏の身の真金色、 眉間の毫相、 円光の化仏および相好等の光を観ずべし。 ▲ただまさに憶想して、 心眼をもつて見たてまつらしむべし。 ◆見をはりて、 すなはち十方一切の諸仏を見たてまつる。 ゆゑに念仏三昧と名づくº」 と。
又如シ↢下ノ真身観ノ中ニ説キテ云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、像観成ジ已リテ、次ニ更ニ観ズベシ↢無量寿仏ノ身ノ真金色‡、眉間ノ毫相、円光ノ化仏及ビ相好等ノ光ヲ↡。但当ニシ↣憶想シテ[、]令ム↢心眼ヲ†モテ見タテマツラ↡。見已リテ、即チ見タテマツル↢十方一切ノ諸仏ヲ↡。故ニ名クト↢念仏三昧ト↡。」
^この文をもつて証す。 またこれ弥陀仏の△三力ほかに加するがゆゑに見仏す。 ゆゑに見仏三昧増上縁と名づく。
以テ↢此ノ文ヲ↡証ス。亦是弥陀仏ノ三力‡外ニ加スルガ故ニ見仏ス。故ニ名ク↢見仏三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅶ)但観白毫文
^また下の ¬経¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「仏のたまはく、 ª▲このゆゑに智者一心にあきらかに無量寿仏を観ぜば、 ◆一の相好より入れ。 ただ眉間の白毫0627を観じてきはめて明了ならしむれば、 八万四千の相好自然にこれを見る。 ◆見をはりて、 すなはち十方一切の諸仏を見たてまつる。 諸仏の前において次第に授記せらるº」 と。
又如シ↢下ノ¬経ニ¼云フガ↡。「仏‡言ク、是ノ故ニ智者一心ニ諦ニ観†ゼバ↢無量寿仏ヲ↡、従リ↢†一ノ相好↡入レ。但観ジテ↢眉間ノ白毫ヲ↡極テ令ムレ†バ↢明了ナラ↡者、八万四千ノ相好自然ニ見ル↠之ヲ。見已リテ、即チ見タテマツル↢十方一切ノ諸仏ヲ↡。†於テ↢諸仏ノ前ニ↡次第ニ授記セラルト。」
^またこの経をもつて証す。 またこれ弥陀仏の△三力ほかに加するがゆゑに、 凡夫をして専心に想はしむることを得れば、 さだめて見仏することを得。 また見仏三昧増上縁と名づく。
又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是弥陀仏ノ三力‡外ニ加スルガ故ニ、得レ†バ↠令ムルコトヲ↢凡夫ヲシテ専心ニ想ハ↡者、定メテ得↢見仏スルコトヲ↡。亦名ク↢見仏三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅷ)定散見仏文
【29】^また*観音・勢至・普・雑等の観、 および下の九品の人のごとし。 「一生起行しすなはち七日・一日、 十声・一声等に至るまで、 命終らんと欲する時仏を見たてまつらんと願ずるもの、 もしは現生にすなはち善知識に遇ひ、 行人みづからよく心口に弥陀仏を称念すれば、 ▲仏、 すなはち聖衆・華台と来現したまふ。 行人、 仏を見たてまつり、 また聖衆・華台等を見ん」 (観経・意) と。
又如シ↢観音・勢至・普・雑等ノ観、及ビ下ノ九品ノ人ノ↡。「一生起行シ†乃チ至ルマデ↢七日・一日、十声・一声等ニ↡、†命欲スル↠終ラムト時願ズル↠†見タテマツラムト↠仏ヲ者、若シハ現生ニ†乃チ遇†ヒ↢善知識ニ↡、行人自ラ能ク心口ニ称↢念スレバ弥陀仏ヲ↡、仏即チ†与↢聖衆・華台↡来現シタマフ。行人†見タテマツリ↠仏ヲ、亦見0890†ムト↢聖衆†・華台等ヲ↡。」
^またこの経をもつて証す。 またこれ弥陀仏の△三力ほかに加するがゆゑに見仏することを得。 ゆゑに見仏0664三昧増上縁と名づく。
又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是弥陀仏ノ三力‡外ニ加スルガ故ニ得↢見仏スルコトヲ↡。故ニ名ク↢見仏三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅸ)観経流通文
【30】^また下の ¬経¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「▲仏、 阿難に告げたまはく、 ªこの経を観極楽国土無量寿仏及観世音大勢至菩薩経と名づく。 ◆なんぢまさに受持して忘失せしむることなかるべし。 この三昧を行ずるものは、 現身に無0628量寿仏および二菩薩を見たてまつることを得º」 と。
又如シ↢下ノ¬経ニ¼云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、此ノ経ヲ名ク↢観極楽国土無量寿仏及観世音大勢至菩薩経ト↡。汝当ニシ↢受持シテ無カル↟令ムルコト↢忘失セ↡。行†ズル↢此ノ三昧ヲ↡者ハ、現身ニ得ト↠見タテマツルコトヲ↢無量寿仏及ビ二菩薩ヲ↡。」
^またこの経をもつて証す。 またこれ弥陀仏の△三力ほかに加して、 凡夫の念ずるものをして*自の三心力に乗ずるがゆゑに見仏することを得しむることを致す。 ▼*至誠心・信心・願心を内因となし、 また弥陀の*三種の願力を藉りてもつて外縁となす。 外内の因縁和合するがゆゑにすなはち見仏することを得。 ゆゑに見仏三昧増上縁と名づく。
又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是弥陀仏ノ三力‡外ニ加†シテ、致ス↠†使ムルコトヲ↧凡夫ノ念ズル者ヲシテ乗ズルガ↢†自ノ三心力ニ↡故ニ得↦見仏スルコトヲ↥。至誠心・信心・願心ヲ為シ↢内因ト↡、又†藉リテ↢弥陀ノ三種ノ願力ヲ↡以テ為†ス↢外縁ト↡。外内ノ因縁和合スルガ故ニ即チ得↢見仏スルコトヲ↡。故ニ名ク↢見仏三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅹ)般舟経文
・行品文
【31】^また ¬般舟三昧経¼ (意) にのたまふがごとし。 「仏、 跋陀和菩薩に告げたまはく、 ª三昧あり、 *十方諸仏悉在前立と名づく。 もし疾くこの三昧を得んと欲するものは、 つねにまさに守りて習持して疑想毛髪のごときばかりもあることを得ざるべし。
又如シ↢¬般舟三昧経ニ¼云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢跋陀和菩薩ニ↡、有リ↢三昧↡、名ク↢十方諸仏悉在前立ト↡。若シ†欲スル↣疾ク得ムト↢是ノ三昧ヲ↡者ハ、常ニ当ニシ↢†守リテ習持シテ不ル↟得↠†有ルコトヲ↧疑想如キ↢毛髪ノ↡許モ↥。
^もし比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷この三昧を行学せんと欲するものは、 七日七夜睡眠を除去して、 もろもろの乱想を捨て、 独り一処に止まりて、 西方の阿弥陀仏の身、 真金色にして三十二相あり、 光明徹照して端正無比なるを念ずべしº と。 一心に観想して心念口称し、 念々に絶えざるものは、 仏のたまはく、 ª七日以後にこれを見るº と。
若シ比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷†欲スル↣行↢学セムト是ノ三昧ヲ↡者ハ、七日七夜除↢去シテ睡眠ヲ↡、捨テ‡↢諸ノ乱想ヲ↡、独リ一処ニ止リテ、念ズベシト↢西方ノ阿弥陀仏†ノ身、真金色ニシテ三十二相アリ、光明徹照シテ端正無比ナルヲ↡。一心ニ観想シテ心念口称シ、念念ニ不ル↠絶エ者ハ、仏‡言ク、七日已後ニ見ルト↠之ヲ。
・四事品文
^たとへば人ありて夜星宿を観るがごとし。 一星すなはちこれ一仏なり。 もし四衆ありてこの観をなさば、 一切の星を見るがごとく、 すなはち一切の仏を見たてまつらん」 と。
譬ヘバ如シ↣有リテ↠人夜観ルガ↢星宿ヲ↡。一星‡即チ是一仏ナリ。若シ有リテ↢四衆↡作0891†サ†バ↢是ノ観ヲ↡者、見ルガゴトク‡↢一切ノ星ヲ↡、即チ見タテマツ†ラムト↢一切ノ仏ヲ↡。」
・結証
^またこの経0629をもつて証す。 またこれ弥陀仏の△三力0665ほかに加するがゆゑに見仏す。 ▼「三昧」 といふは、 すなはちこれ念仏の行人心口に称念してさらに雑想なく、 念々心を住め声々相続すれば、 心眼すなはち開けて、 かの仏*了然として現じたまふを見たてまつることを得。 すなはち名づけて定となし、 また三昧と名づく。 まさしく見仏する時、 また聖衆およびもろもろの荘厳を見る。 ゆゑに見仏浄土三昧増上縁と名づく。
又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是弥陀仏ノ三力‡外ニ加スルガ故ニ見仏ス。▲言フ↢三昧ト↡者、即チ是念仏ノ行人心口ニ称念シテ更ニ無ク↢雑想↡、念念‡住メ‡↠心ヲ声声相続スレバ、心眼即チ開ケテ、得↠見タテマツルコトヲ↢彼ノ仏‡了然トシテ而現ジタマフヲ↡。即チ名ケテ為†シ↠定ト、亦名ク↢三昧ト↡。正シク見仏†スル時、亦見ル↢聖衆及ビ諸ノ荘厳ヲ↡。故ニ名ク↢見仏浄土三昧増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅺ)月灯三昧経文
【32】^また ¬*月灯三昧経¼ にのたまふがごとし。
又如シ↢¬月灯三昧経ニ¼云フガ↡。
^「仏の相好および徳行を念じて よく*諸根をして乱動せざらしめ
| 「念ジテ↢仏ノ相好及ビ徳行ヲ↡ | 能ク使メ‡↣諸根ヲシテ不ラ↢乱動セ↡ |
心に迷惑なく法と合して 聞くことを得れば知を得ること大海のごとし
| 心ニ無ク↢迷惑↡与↠法合シテ | 得レバ↠聞クコトヲ 得ルコト↠知ヲ如シ↢大海ノ↡ |
^智者この三昧に住して 念を摂して行ずれば *経行の所において
| 智者住シテ↢於是ノ三昧ニ↡ | †摂シテ↠念ヲ行†ズレバ 於テ↢経行ノ所ニ↡ |
よく千億のもろもろの如来を見たてまつり また無量恒沙の仏に遇ひたてまつる」 と
| 能ク見†タテマツリ↢千億ノ諸ノ如来ヲ↡ | 亦遇ヒタテマツルト↢無量恒沙ノ仏ニ↡」 |
^またこの経をもつて証す。 またこれ見仏三昧増上縁なり。
又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是見仏三昧増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅻ)文殊般若経文
【33】^また ¬*文殊波若経¼ (意) にのたまふがごとし。 「文殊、 仏にまうしてまうさく、 ªいかんが*一行三昧と名づくるº と。 仏のたまはく、 ªもし男子・女人*空閑の処にありて、 もろもろの乱意を捨て、 仏の*方所に随ひて身を端し正向し0630て、 *相貌を取らずもつぱら仏名を称して、 念休息することなければ、 すなはち念のうちにおいてよく過・現・未来の三世の諸仏を見たてまつるº」 と。
又如シ↢¬文殊*波若経ニ¼云フガ↡。「文殊白シテ↠仏ニ言ク、云何ガ名[クルト]↢一行三昧ト↡。仏‡言ク、若シ男子・女人在リテ↢空*閑ノ処ニ↡、捨テ↢諸ノ乱意ヲ↡、随ヒテ↢仏ノ方所ニ↡端シ‡↠身ヲ†正向シテ、不↠取ラ↢相貌ヲ↡†専ラ称シテ↢仏名ヲ↡、†念無ケレバ↢休息スルコト↡、即チ於テ↢念ノ中ニ↡能ク見タテマツルト↢過・現・未来ノ三世ノ諸仏ヲ↡。」
^またこの経をもつて証す。 すなはちこれ諸仏*同体の大悲、 念力*加備して見しめたまふ。 これまたこれ凡夫の見仏三昧増上縁なり。
又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。即チ是諸仏同体ノ大悲‡、念力‡加備シテ令†メタマフ↠見。此亦是凡夫見仏三昧増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ d【摂生縁】
イ 標章
【34】^また▼↑*摂生増上縁といふは、
又0892▼言フ↢摂生増上縁ト↡者、
二 Ⅱ ⅲ d ロ 釈引
(一)大経本願文
^◆すなはち *¬無量寿経¼ (上・意) の四十八願のなかに説きたまふがごとし。 「仏のたまはく、 ª▲もしわれ成仏せんに、 十方の衆生、 わが国に生ぜんと願じて、 わが*名字を称すること、 下十声に至るまで、 わが願力に乗じて、 もし生0666ぜずは、 正覚を取らじº」 (第十八願) と。 これすなはちこれ往生を願ずる行人、 命終らんと欲する時、 願力摂して往生を得しむ。 ゆゑに摂生増上縁と名づく。
即チ◆如シ↢¬無量寿経ノ¼四十八願ノ†中ニ説キタマフガ↡。「仏‡言ク、▼若シ我成仏セムニ、十方ノ衆生、願ジテ↠†生ゼムト↢我ガ国ニ↡、称スルコト↢我ガ名字ヲ↡、下至ルマデ↢十声ニ↡、乗ジテ↢我ガ願力ニ↡、若シ不†ハ↠†生ゼ者、不ト↠取ラ↢正覚ヲ↡。」此即チ是願ズル↢往生ヲ↡行人、命欲スル↠終ラムト時、願力摂シテ得シ†ム↢往生ヲ↡。故ニ名ク↢摂生増上縁ト↡。
二 Ⅱ ⅲ d ロ (二)皆乗大願等文
^またこの ¬経¼ (大経) の上巻 (意) にのたまはく、 「▲もし衆生ありて西方の無量寿仏国に生ずることを得るものは、 ▲みな弥陀仏の大願等の業力に乗じて増上縁となす」 と。 すなはち証となす。 またこれ摂生増上縁なり。
又此ノ¬経ノ¼上巻ニ云ク、「若シ有リテ↢衆生↡得ル↠生ズルコトヲ↢西方ノ無量寿仏‡国ニ↡者ハ、皆乗ジテ↢弥陀仏ノ大願等ノ業力ニ↡為スト↢増上縁ト↡。」即チ為ス↠証ト也。亦是摂生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ d ロ (三)三輩往生文
^▼またこの ¬経¼ (大経) の下巻 (意) の初めにのたまはく、 「▲仏説きたまはく、 ª一切衆生の*根性不同にして*上・中・下あり。 その根性に随ひて、 仏 (釈尊)、 ▲み0631な勧めてもつぱら無量寿仏の名を念ぜしめたまふ。 ▲その人、 命終らんと欲する時、 仏 (阿弥陀仏)、 聖衆とみづから来りて迎接して、 ことごとく往生を得しむº」 と。 これまたこれ摂生増上縁なり。
▲又此ノ¬経ノ¼下巻ノ初ニ云ク、「仏説キタマハク、一切衆生ノ根性不同ニシテ有リ↢上・中・下↡。随ヒテ↢其ノ根性ニ↡、仏皆勧メテ†専ラ念ゼシメタマフ↢無量寿仏ノ名ヲ↡。其ノ人命欲スル↠終ラムト時、仏与↢聖衆↡自ラ来リテ迎接シテ、尽ク得シ†ムト↢往生ヲ↡。」此亦是摂生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ d ロ (四)観経往生文
【35】^また ¬観経¼ の第十一観および下の九品のごとし。 みなこれ仏の自説なり。 *定散二行を修する人、 命終の時、 一々にことごとくこれ▲弥陀世尊、 みづから聖衆・華台とともに授手迎接して、 往生せしめたまふ。 これまたこれ摂生増上縁なり。
▲又如シ↢¬観経ノ¼第十一観及ビ下ノ九品ノ↡。皆是仏ノ自説ナリ。修スル↢定散‡二行ヲ↡人、命終ノ時、一一ニ尽ク是弥陀世尊、自ラ†与ニ↢聖衆・華台ト↡授手迎接シテ、往生セシ†メタマフ。此亦是摂生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ d ロ (五)弥陀経往生文
【36】^また ¬*四紙弥陀経¼ (意) のなかに説きたまふがごとし。 「▲仏のたまはく、 ªもし男子・女人ありて、 あるいは一日七日、 一心にもつぱら弥陀仏の名を念ずれば、 ◆その人、 命終らんと欲する時、 阿弥陀仏、 もろもろの聖衆とみづから来り迎接して、 すなはち西方極楽世界に往生することを得しめたまふº と。 釈迦仏のたまはく、 ªわれこの利を見るがゆゑにこの言を説くº」 と。 すなはち証となす。 これまたこれ摂生増上縁なり。
▲又如シ↢¬四紙弥陀経ノ¼中ニ説†キタマフガ↡。「仏言ク、若シ有リテ↢男子・女人↡、或イハ一日・七日、一心ニ†専ラ念ズレバ↢弥陀仏ノ名ヲ↡、其ノ人†命欲スル↠終ラムト時、阿弥陀仏与↢諸ノ聖衆↡自ラ来リ‡迎接シ†テ、即チ†得0893シメタマフト↣往↢生スルコトヲ西方極楽世界ニ↡。釈迦仏‡言ク、我見ルガ↢是ノ利ヲ↡故ニ説クト↢此ノ言ヲ↡。」即チ†為ス↠証ト也。此亦是摂生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ d ロ (六)大経第十九願文
【37】^0667また四十八願 (大経・上意) のなかに説きてのたまふがごとし。 「▲たとひわれ仏を得たらんに、 十方の衆生、 菩提心を発し、 もろもろの功徳を修し、 心を0632至して発願してわが国に生ぜんと欲せん。 命終の時に臨みて、 われ大衆とその前に現ぜずは、 正覚を取らじ」 (第十九願) と。 これまたこれ摂生増上縁なり。
▲又如シ↢四十八願ノ中ニ説キテ云フガ↡。「設ヒ我得タラムニ↠仏ヲ、十方ノ衆生、発シ↢菩提心ヲ↡、修シ↢諸ノ功徳ヲ↡、至シテ↠心ヲ発願シテ欲セム↠†生ゼムト↢我ガ国ニ↡。臨ミテ↢†命終ノ時ニ↡、我不†ハ↧与↢大衆↡現ゼ↦其ノ前ニ↥者不ト↠取ラ↢正覚ヲ↡。」此亦是摂生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ d ロ (七)第二十願文
^また下の願 (大経・上意) にのたまふがごとし。 「▲たとひわれ仏を得たらんに、 十方の衆生、 わが名号を聞きて、 念をわが国に計け、 心を至して回向してわが国に生ぜんと願ぜん。 果遂せずは、 正覚を取らじ」 (第二十願) と。 これまたこれ摂生増上縁なり。
▲又如シ↢下ノ願ニ云フガ↡。「設ヒ我得タラムニ↠仏ヲ、十方ノ衆生、聞キテ↢我ガ名号ヲ↡、†計ケ↢念ヲ我ガ国ニ↡、†至シテ↠心ヲ廻向シテ願ゼム↠†生ゼムト↢我ガ国ニ↡。不†ハ↢†果遂セ↡者、不ト↠取ラ↢正覚ヲ↡。」此亦是摂生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ d ロ (八)第三十五願文
(Ⅰ)正引
^また下の願 (大経・上意) にのたまふがごとし。 「▲たとひわれ仏を得たらんに、 十方世界に、 それ女人ありて、 わが名字を聞きて、 歓喜信楽し、 菩提心を発して、 女身を厭悪せん。 命終の後に、 また女身とならば、 正覚を取らじ」 (第三十五願) と。
▲又如シ↢下ノ願ニ云フガ↡。「設ヒ我得タラムニ↠仏ヲ、十方世界†ニ、其レ有リテ↢女人↡、聞キテ↢我ガ名字ヲ↡、歓喜信楽シ、発シテ↢菩提心ヲ↡、厭↢悪セム女身ヲ↡。命終之後ニ、復為ラ†バ↢女身ト↡者不ト↠取ラ↢正覚ヲ↡。」
二 Ⅱ ⅲ d ロ (八)(Ⅱ)釈義
^義にいはく、 ▼すなはち弥陀の本願力によるがゆゑに、 女人、 ▼仏の名号を称すれば、 まさしく命終の時すなはち*女身を転じて男子となることを得。 弥陀手を接し、 菩薩身を扶けて宝華の上に坐せしむ。 仏に随ひて往生し、 仏の*大会に入りて無生を証悟す。
義ニ曰ク、▼乃チ由ルガ↢弥陀ノ本願力ニ↡故ニ、女人称スレバ↢仏ノ名号ヲ↡、正シク命終ノ時‡即チ転ジテ↢女身ヲ↡得↠成ルコトヲ↢男子ト↡。弥陀接シ↠手ヲ、菩薩扶ケテ↠身ヲ坐†セシム↢宝華ノ上ニ↡。随ヒテ↠仏ニ往生シ、入リテ↢仏ノ大会ニ↡証↢悟ス無生ヲ↡。
^▼また一切の女人もし弥陀の*名願力によらずは、 千劫・万劫・恒河沙等の劫にも、 つひに女身を転ずることを得べからず、 知るべ0633し。 いまあるいは*道俗ありて、 女人浄土に生ずることを得ずといはば、 これはこれ妄説なり、 信ずべからず。 またこの経をもつて証す。 またこれ摂生増上縁なり。
又▼一切ノ女人若シ不†ハ↠因ラ↢弥陀ノ名願力ニ↡者、千劫・万劫・恒河沙等ノ劫ニモ、終ニ不↠可カラ↠*得↠転ズルコトヲ↢女身ヲ↡、応シ↠知ル。今或イハ有リテ↢道俗↡、†云ハバ↢女人不ト↟得↠生ズルコトヲ↢浄土ニ↡者、此ハ是妄説ナリ、†不↠可カラ↠信ズ也。又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是摂生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ e【証生縁】
イ 標章
【38】^また↑*証生増上縁といふは、
▲又0894言フ↢証生増上縁ト↡者、
二 Ⅱ ⅲ e ロ 正釈
(一)総料簡二縁
(Ⅰ)明正為凡夫
(ⅰ)問
^問ひていはく、 いますでに弥陀の四十八願、 一切衆生を摂して浄土に生ずることを得しむといはば、 いまだ知らず、 ▽なんらの衆生を摂してか生ずることを得しむる。 またこれ何人か*得生を保証するや。
~問ヒテ曰ク、今既ニ†言ハバ↧弥陀ノ四十八願、摂シテ↢一切衆生ヲ↡得シムト↞生ズルコトヲ↢浄土ニ↡者、未ズ ダ↠知ラ、摂シテカ↢何等ノ衆生ヲ↡得シムル↠生ズルコトヲ。又是何人カ保↢証スル得生ヲ↡也。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅰ)(ⅱ)引経答
^答へていはく、 すなはち0668 ¬観経¼ (意) に説きてのたまふがごとし。 「▲仏、 韋提に告げたまはく、 ªなんぢいま知るやいなや。 阿弥陀仏、 ここを去りたまふこと遠からず。 なんぢまさに念を計けてあきらかにかの国を観ずべし。 浄業成ずるものなり。 ◆また未来世の一切の凡夫をして、 西方極楽国土に生ずることを得しめんº」 と。 いまこの経をもつて証す。 ただこれ仏滅後の凡夫、 仏願力に乗じてさだめて往生を得。 すなはちこれ証生増上縁なり。
~答ヘテ曰ク、即チ如シ↢¬観経ニ¼説キテ云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢韋提ニ↡、汝今知†ルヤ不ヤ。阿弥陀仏去リタマフコト↠此ヲ不↠遠カラ。汝当ニシ↣†計ケテ↠念ヲ諦ニ†観ズ↢彼ノ国ヲ↡。浄業成ズル者ナリ。亦令†メムト↢未来世ノ一切ノ凡夫ヲシテ得↟生ズルコトヲ↢西方極楽国土ニ↡。」今以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。但是仏滅後ノ凡夫、乗ジテ↢仏願力ニ↡定メテ得↢往生ヲ↡。即チ是証生増上縁ナリ。△
二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)明善悪二性
(ⅰ)問
【39】^また問ひていはく、 釈迦教を説きて衆生を*示悟したまふ。 ▽なんがゆゑぞ一種の仏法にすなはち信不信ありて、 ともにあひ*譏毀するはなんの所以かある。
又問ヒテ曰ク、釈迦†説キテ↠教ヲ示↢悟†シタマフ衆生ヲ↡。何ガ故ゾ一種ノ仏法ニ即チ有リテ↢信不信↡、共ニ相譏毀スル者有ル↢何ノ所以カ↡。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)答
(a)正答
^答へていはく、 ▼凡夫の*機性にその二種あり。 一には善性人、 二には悪性人なり。
答ヘテ曰ク、凡夫ノ機性ニ有リ↢其ノ二種↡。一ニ者善性‡人、二ニ者悪性‡人ナリ。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)釈二性
・善性
^そ0634の善性人とは、 一には聞きてすなはち悪を捨てて善を行ずる善人、 二には邪を捨てて正を行ずる善人、 三には虚を捨てて実を行ずる善人、 四には非を捨てて是を行ずる善人、 五には偽を捨てて真を行ずる善人なり。
其ノ善性‡人ト‡ハ、†一ニハ聞キテ即チ捨テテ↠悪ヲ行ズル↠善ヲ善人、二ニ者捨テテ↠邪ヲ行ズル↠正ヲ善人、三ニ者捨テテ↠虚ヲ行ズル↠実ヲ善人、四ニ者捨テテ↠非ヲ行ズル↠是ヲ善人、五ニ者捨テテ↠偽ヲ行ズル↠真ヲ善人ナリ。
^この五種の人もしよく仏に帰すれば、 すなはちよく自利利他す。 家にありては孝を行じ、 ほかにありてはまた他人を利し、 *望にありては信を行じ、 *朝にありては君子と名づけ、 君に事へてはよく忠節を尽す。 ゆゑに自性善人と名づくるなり。
此ノ五種ノ人若シ能ク帰†スレバ↠仏ニ、即チ能ク自利利他ス。在リテハ↠家ニ行ジ↠孝ヲ、在リテハ↠外ニ亦利†シ↢他人ヲ↡、在リテハ↠望ニ行ジ↠信ヲ、在リテハ↠朝ニ名†ケ↢君子ト↡、事ヘテハ↠君ニ能ク尽ス↢忠節ヲ↡。故ニ名クル↢自性‡善人ト↡也。
・悪性
^▽悪性人といふは、 一にはすなはち真を謗じて偽を行ずる悪人、 二には正を謗じて邪を行ずる悪人、 三には是を謗じて非を行ずる悪人、 四には実を謗じて虚を行ずる悪人、 五には善を謗じて悪を行ずる悪人なり。
言フ↢悪性人ト↡者、一ニハ即チ謗ジテ↠真ヲ行ズル↠偽ヲ悪人、二ニ者謗ジテ↠正ヲ行ズル↠邪ヲ悪人、三ニ者謗ジテ↠是ヲ行ズル↠非ヲ悪人、四ニ者謗ジテ↠実ヲ行ズル↠虚ヲ悪人、五ニ者謗ジテ↠善ヲ行ズル↠悪ヲ悪人ナリ。
^またこの五種の人もし願じて仏に帰せんと欲するも、 自利することあたはず、 また他人を利せず。 また家にありては不孝、 望にありては信なく、 朝にありては小児と名づけ、 君に事へてはすなはちつねに*諂佞を懐く。 これを不忠といふ。 またこの人等、 他の賢徳善人の身の上において、 ただよく是を敗り非を成じ、 ただ他0669の悪のみを見る。 ゆゑに自性悪人と名づくるなり。
又此ノ五種ノ人若シ†欲スルモ↢願ジテ帰セムト↟仏ニ、不↠能ハ↢自利0895†スルコト↡、亦不↠利セ↢他人ヲ↡。又在リテハ↠家ニ不孝‡、在リテハ↠望ニ無†ク↠信、在リテハ↠朝ニ名†ケ↢小児ト↡、事ヘテハ↠君ニ則チ常ニ懐ク↢諂佞ヘツラフヲ↡。謂フ↢之ヲ不忠ト↡。又此ノ人等、於テ↢他ノ賢徳善人ノ身ノ上ニ↡、唯能ク敗リ↠是ヲ成†ジ↠非ヲ、但†見ル↢他ノ悪ノミヲ↡。故ニ名クル↢自性悪人ト↡也。
^また上は諸仏・賢聖より、 人天・六道一切の良善に至るまで、 これらの悪人をば譏りて恥辱するところなり、 もろもろの有智のもの、 知0635るべし。
又上ハ†至ルマデ↢諸仏・賢聖ヨリ、人天・六道一切ノ良善ニ↡、此等ノ悪人ヲバ所↢譏リテ恥辱スル↡也、諸ノ有智ノ者、応シ↠知ル。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(c)結示
^いま一々につぶさに善悪二性の人を引く。 道理*顕然なり。 △上の問に答へをはりぬ。
今一一ニ具ニ引ク↢善悪‡二性ノ人ヲ↡。道理顕然ナリ。答ヘ↢上ノ問†ニ↡竟リヌ。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)別就当縁明
(Ⅰ)十三総告文
【40】^また下の ¬経¼ (観経・意) にのたまはく、 「仏、 韋提に告げたまはく、 ªなんぢおよび衆生、 専心に念を一処に計けて、 ▲西方の地下の*金幢、 ▲地上の衆宝荘厳を想ふべしº」 と。 下*十三観に至るこのかたは、 総じて上の*韋提の二請に答へ、 もつて明証となす。 ˆ釈尊はˇ ▼善悪の凡夫をして回心し起行して、 ことごとく往生を得しめんと欲す。 これまたこれ証生増上縁なり。
又下ノ¬経ニ¼云ク、「仏告ゲタマハク↢韋提ニ↡、汝及ビ衆生、†専心ニ†計ケテ↢念ヲ一処ニ↡、想フベシト↢於西方ノ地下ノ金幢、地上ノ衆宝荘厳ヲ↡。」下至ル↢十三観ニ↡已来タハ、総ジテ答ヘ↢上ノ韋提ノ二請†ニ↡、以テ為†ス↢明証ト↡。欲ス↠使メムト↣善悪ノ凡夫ヲシテ廻心シ起行シテ、尽ク得↢往生ヲ↡。此亦是証生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅱ)宝楼観文
^また下の ¬経¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「▲衆宝国土に五百億の宝楼あり。 ◆その楼閣のなかに無量の天人ありて、 天の伎楽をなす。 ▲この衆音のなかに、 みな*仏法僧を念ずることを説く。 ◆この想成じをはれば、 ▲命終らんと欲する時、 さだめてかの国に生ず」 と。 またこの経をもつて証す。 またこれ証生増上縁なり。
又如シ↢下ノ¬経ニ¼云フガ↡、「衆*宝国土ニ有リ↢五百億ノ宝楼↡。其ノ楼閣ノ中ニ有リテ↢無量ノ天人↡、作ス↢天ノ伎楽ヲ↡。此ノ衆音ノ中ニ、皆説ク↠†念ズルコトヲ↢仏法僧ヲ↡。此ノ想成ジ已レバ、†命欲スル↠終ラムト時、定メテ生ズト↢彼ノ国ニ↡。」又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是証生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅲ)華座観文
^また下の ¬経¼ (観経・意) にのたまふがごとし。 「▲仏、 阿難に告げたまはく、 ªかくのごとき妙華はこれ本法蔵比丘の願力の所成なり。 ◆もしかの仏を念ぜんと欲せば、 まさに先づこの華座の想をなすべし。 一々にこれを観じてみな分明0636ならしめよ。 ▲この想成ずるものは、 必定してまさに極楽世界に生ずべしº」 と。 またこの経をもつて証す。 またこれ証生増上縁なり。
又如シ↢下ノ¬経ニ¼云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、†如キ↠此クノ妙華ハ是本法蔵比丘ノ願力ノ所成ナリ。若シ†欲セ†バ↠念ゼムト↢彼ノ仏ヲ↡者、当ニシ↣先ヅ作ス↢此ノ華座ノ想ヲ↡。一一ニ観ジテ↠之ヲ皆令メヨ↢分明ナラ↡。此ノ想成ズル者ハ、必定シテ当ニシト↠生ズ↢極楽世界ニ↡。」又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是証生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅳ)大経下巻文
【41】^また ¬無量寿経¼ (下・意) にのたまふがごとし。 「▲仏、 阿難に告げたまはく、 ªそれ衆生ありてかの国に生ずるものは、 みなことごとく正定の聚に住す。 ▲十方の諸仏みなともにかの仏を讃歎したまふ。 ▲もし衆生ありて、 その名号を聞きて、 信心歓喜0670し、 すなはち一念に至るまでせん。 かの国に生ぜんと願ずれば、 すなはち往生を得て不退転に住すº」 と。 またこの経をもつて証す。 またこれ証生増上縁なり。
又0896如シ↢¬無量寿経ニ¼云フガ↡。「仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、其レ有リテ↢衆生↡†生ズル↢彼ノ国ニ↡者ハ、皆悉ク住ス↢於正定之聚ニ↡。十方ノ諸仏皆共ニ讃↢歎†シタマフ彼ノ仏ヲ↡。若シ有リテ↢衆生↡、聞キテ↢其ノ名号ヲ↡、信心歓喜シ‡、†乃チ至ルマデセム一念ニ。願ズレバ↠生ゼムト↢彼ノ国ニ↡、即チ得テ↢往生ヲ↡住スト↢不退転ニ↡。」又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是証生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅴ)観経九品文
【42】^また ¬観経¼ の九品にのたまふがごとし。 一々の品のなかに告ぐるところの衆生は、 みなこれ▼もしは仏の在世、 もしは仏滅後の五濁の凡夫なり。 善知識の、 勧めて信を生ぜしむるに遇ひて、 持戒・念仏し、 *誦経・礼讃して▲決定して往生す。 仏願力をもつてことごとく往生を得。 これまたこれ証生増上縁なり。
又如シ↢¬観経ノ¼九品ニ云フガ↡。一一ノ品ノ中ニ所ノ↠告グル衆生者、皆是若シハ仏ノ在世、若シハ仏滅後ノ五濁ノ凡夫ナリ。遇ヒテ↢善知識ノ、勧メテ令ムルニ↟生ゼ↠信ヲ、持戒[シ]念仏シ誦経[シ]礼讃シテ、決定シテ往生ス。以テ↢仏‡願力ヲ↡尽ク得↢往生ヲ↡。此亦是証生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅵ)弥陀経文
(ⅰ)正引
【43】^▼また ¬弥陀経¼ (意) にのたまふがごとし。 「六方におのおの恒河沙等の諸仏ましまして、 みな舌を舒べてあまねく三千世界に覆ひて、 誠実の言を説きた0637まはく、 ª▼もしは仏 (釈尊) の在世、 もしは仏滅後の一切の造罪の凡夫、 ただ心を回らして阿弥陀仏を念じて、 浄土に生ぜんと願ずれば、 ▼上百年を尽し、 下七日・一日、 十声・三声・一声等に至るまで、 ▲命終らんと欲する時、 仏、 聖衆とみづから来り迎接して、 すなはち往生を得しむº」 と。
▲又如シ↢¬弥陀経ニ¼云フガ↡。「六方ニ各ノ有シテ↢恒河沙等ノ諸仏↡、皆舒ベテ↠舌ヲ遍ク覆ヒテ↢三千世界ニ↡、説†キタマハク↢誠実ノ言ヲ↡、若シハ仏ノ在世、若シハ仏滅後ノ一切ノ造罪ノ凡夫、但廻シテ↠心ヲ念ジテ↢阿弥陀仏ヲ↡、願ズレバ↠生ゼムト↢浄土ニ↡、上尽シ↢百年ヲ↡、下至†ルマデ↢七日・一日、十声・三声・一声等ニ↡、†命欲スル↠終ラムト時、仏与↢聖衆↡自ラ来リ‡迎接シテ、即チ得シムト↢往生ヲ↡。」
^◆上の六方等の仏の舒舌のごときは、 さだめて凡夫のために証をなしたまふ。 罪滅して生ずることを得と。 ▼もしこの証によりて生ずることを得ずは、 六方諸仏の舒舌、 一たび口より出でて以後、 つひに口に還り入らずして、 自然に*壊爛せん。 これまたこれ証生増上縁なり。
如キハ↢上ノ六方等ノ仏ノ舒舌ノ↡、定メテ為ニ↢凡夫ノ↡作†シタマフ↠証ヲ。罪滅シテ得ト↠生ズルコトヲ。若シ不†ハ↧依リテ↢此ノ証ニ↡得↞生ズルコトヲ者、六方‡諸仏ノ†舒舌、一タビ出デテ↠口ヨリ†已後、終ニ不シテ↣還リ↢入ラ口ニ↡、自然ニ壊爛セム。此亦是証生増上縁ナリ。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (二)(Ⅵ)(ⅱ)述意
【44】^また敬ひて一切の往生人等にまうす。 もしこの語を聞かば、 すなはち声に応じて悲しみて涙を雨らし、 *連劫累劫に▼身を粉にし骨を砕きて仏恩の由来を報謝して、 *本心に称ふべし。 あにあへてさらに毛髪も憚る心あらんや。
▲又敬ヒテ白†ス↢一切ノ往生人等ニ↡。若シ聞カバ↢此ノ語ヲ↡、即チ応ジテ↠声ニ悲シミテ†雨ラシ↠涙ヲ、連劫‡累劫ニ‡粉ニシ↠身ヲ砕0897キテ‡↠骨ヲ報↢謝シテ仏恩ノ由来ヲ↡、称フベシ↢本心ニ↡。豈ニ敢テ更ニ有ラムヤ↢毛髪モ†憚ル之心↡。
二 Ⅱ ⅲ e ロ (三)結凡聖通入
^またもろもろの行人等にまうす。 一切罪悪の凡夫すらなほ罪滅を蒙り、 摂して生ずることを得しむと証す、 いかにいはんや聖人生ぜんと願じて去0671くことを得ざらんや。
~又*白†ス↢諸ノ行人等ニ↡。一切罪悪ノ凡夫スラ尚蒙リ↢罪滅ヲ↡証ス↢摂シテ†得シムト↟生ズルコトヲ、何ニ況ヤ聖人‡願ジテ↠生ゼムト†而不ラム↠得↠去クコトヲ也‡。
^上来総じて前の問に、 「△なんらの衆生を摂してか浄土に生ずることを得しむる」 といふことに答ふ。
~上来‡総ジテ†答フ↧前ノ問ニ、摂シテカ↢何等ノ衆生ヲ↡得シムルトイフコトニ↞生ズルコトヲ↢浄土ニ↡。
二 Ⅲ 総結義
^*五種増上縁の義竟りぬ。
~五種増上縁ノ義竟リヌ。△
三【結勧修行分】
Ⅰ 総明信謗損益
ⅰ 問
【063845】^問ひていはく、 ▼釈迦出現して五濁の凡夫を度せんがために、 すなはち慈悲をもつて、 *十悪の因、 三塗の苦を報果することを開示したまひ、 また平等の智慧をもつて、 人天回して弥陀仏国に生ずることを悟入せしめたまふ。 ▼諸経に*頓教の文義歴然なり。
問ヒテ曰ク、▼釈迦出現シテ、為ニ↠度セムガ↢五濁ノ凡夫ヲ↡、即チ以テ↢慈悲ヲ↡、開↣示シタマヒ十悪之因[、]報↢果スルコトヲ三塗之苦ヲ↡、又以テ↢平等ノ智慧ヲ↡、悟↣入セシ†メタマフ人天廻シテ生ズルコトヲ↢弥陀仏国ニ↡。諸経ニ頓教ノ文義*歴然†ナリ。
^▽いますなはち人ありて公然として信ぜず、 ともにあひ*誹毀するものは、 いまだ知らず、 この人現生および死後になんの罪報をか得る。 つぶさに仏経を引きて、 それがために証をなして*改悔を生じ、 仏の大乗を信じ、 回して浄土に生ぜしめて、 すなはち利益をなせ。
*今乃チ有リテ↠人公然トシテ不↠信ゼ、共ニ相誹毀スル者ハ、未ダズ ↠知ラ、此ノ人現生及ビ死後ニ得ル↢†何ノ罪報ヲ†カ↡。具ニ引キテ↢仏経ヲ↡、与ニ↠其ガ作シテ↠*証ヲ令メテ↧生ジ↢改悔ヲ↡、信ジ‡↢仏ノ大乗ヲ↡、廻シテ生ゼ↦浄土ニ↥、即チ†為セ↢利益ヲ↡也。
三 Ⅰ ⅱ 答
a 略答
^答へていはく、 仏経によりて答ふれば、 またこの悪人は△上の五悪性分のなかにすでに説きをはるがごとし。
答ヘテ曰ク、依リテ↢仏経ニ↡答フレバ者、又此ノ悪人ハ†如シ↢上ノ五悪性分ノ中ニ已ニ説キ竟ルガ↡。
三 Ⅰ ⅱ b 引経
^いまただちに仏経を引きてもつて明証となさん。 すなはち ¬十往生経¼ (意) にのたまふがごとし。
今†直ニ引キテ↢仏経ヲ↡以テ†為サム↢明証ト↡。即チ如シ↢¬十往生経ニ¼云フガ↡。
・勧持勧説
^「仏、 山海慧菩薩に告げたまはく、 ªなんぢいま一切衆生を度せんがために、 まさにこの経を受持すべしº と。 仏、 また山海慧に告げたまはく、 ªこの経を名づけて*観阿弥陀仏色身正念解脱三昧経となす。 また*度諸有流生死八難有縁衆生経と名づく。 かくのごとく受持すべし。
「仏告ゲタマハク↢山海慧菩薩ニ↡、汝今為ニ↠度セムガ↢一切衆生ヲ↡、†応ニ当シト↣受↢持ス是ノ経ヲ↡。仏又告ゲタマハク↢山海慧ニ↡、是ノ経ヲ名ケテ為ス↢観阿弥陀仏色身正念解脱三昧経ト↡。亦名ク↢度諸有流生死八難有縁衆生経ト↡。如ク↠是クノ受持スベシ。
・利益広大
^衆生のいまだ念仏三昧の縁あらざるものには、 この経よくために大三昧門を開することをなす。 この経よく衆生のために地獄の門を閉づ。 この経よく衆生のために人を害0639する悪鬼を除き*殄滅して、 *四向ことごとくみな安穏なりº と。 仏、 山海慧に告げたまはく、 ªわが所説のごときは、 その義かくのごとしº と。
衆生ノ未ザ ダル†↠有ラ↢念仏三昧ノ縁↡者ニハ、是ノ経能ク与ニ作ス↠†開スルコトヲ↢大三昧門ヲ↡。是ノ経能ク与ニ↢衆生ノ↡閉ヅ↢地獄ノ門ヲ↡。是ノ経能ク与ニ↢衆生ノ↡†除キ↢害スル↠人ヲ悪鬼ヲ↡殄滅シテ、四向悉0898ク皆安穏ナリト。仏告ゲタマハク↢山海慧ニ↡、如†キハ↢我ガ所説ノ↡、其ノ義如シ↠是クノ。
・毀謗罪重
^山海慧、 仏にまうしてまうさく、 ª未来の衆生多く誹謗することあらん。 かくのごとき人、 後においていかんº と。
山海慧白シテ↠仏ニ言ク、未来ノ衆生多ク有†ラム↢誹謗スルコト↡。如†キ↠是クノ之人於テ↠後ニ云何ント。
^仏のたまはく、 ª後において閻浮提に、 あるいは比丘・比丘尼、 もしは男、 もしは女ありて、 この経を読誦することあるを見て、 あるいはあひ瞋恚し、 心に誹謗を懐かん。 この謗正法0672によるがゆゑに、 この人現身にもろもろの悪重病を得て、 *身根具せず。 あるいは聾病・盲病・失陰病・鬼魅・邪狂・風冷・熱痔・水腫・失心を得ん。
仏‡言ク、†於テ↠後ニ*閻浮提ニ、或イハ有リテ↢比丘・比丘尼、若シハ男若シハ女↡、見テ↠有ルヲ↣読↢誦スルコト是ノ経ヲ↡、或イハ相瞋恚シ、心ニ懐カム↢誹謗ヲ↡。縁ルガ↢是ノ謗正法ニ↡故ニ、是ノ人現身ニ得テ↢諸ノ悪重病ヲ↡、身根†不↠具セ。或イハ得†ム↢聾病・盲病・失陰病・鬼魅・邪狂・風冷・熱痔・水腫・失心ヲ↡。
^かくのごとき等のもろもろの悪重病、 世々に身にあらん。 かくのごとく苦を受けて、 坐臥安からず。 大小便利またみな通ぜず。 生を求め、 死を求むるに得ず。 この経を謗ずるがゆゑに、 苦を受くることかくのごとし。
如キ↠是クノ等ノ諸ノ悪重病、世世ニ在ラム↠身ニ、如ク↠是クノ受ケテ↠苦ヲ、坐臥‡不↠安カラ。大小便利亦皆不↠通ゼ。求メ↠生ヲ求†ムルニ↠死ヲ†不↠得。謗ズルガ↢是ノ経ヲ↡故ニ、受クルコト↠苦ヲ如シ↠是クノ。
^ある時は死して後に地獄に堕して八万劫のうちに大苦悩を受け、 百千万世にもいまだかつて水食の名を聞かざらん。 この経を謗ずるがゆゑに、 罪を得ることかくのごとし。
或時ハ†死シテ後ニ†堕シテ↢於地獄ニ↡八万劫ノ中ニ受ケ‡↢大苦悩ヲ↡、百千万世ニモ†未ダラム↣曽テ聞カ↢水食之名ヲ↡。謗ズルガ↢是ノ経ヲ↡故ニ、得ルコト↠罪ヲ如シ↠是クノ。
^ある時は出づることを得て、 生れて人中にあるも、 牛・馬・猪・羊となりて、 人のために殺されて大苦悩を受けん。 この経を謗ずるがためのゆゑなり。
或時ハ得テ↠出ズルコトヲ、生レテ在†ルモ↢人中ニ↡、作リテ↢牛・馬・猪・羊ト↡、為ニ↠人ノ所テ↠殺サ受ケム↢大苦悩ヲ↡。為ノ↠謗ズルガ↢是ノ経ヲ↡故ナリ。
^後に人身を得るも、 つねに下賎に生じて百千0640万世にも自在を得ず、 百千万世にも三宝の名字を見ざらん。 この経を謗ずるがためのゆゑに、 苦を受くることかくのごとし。
後ニ得†ルモ↢人身ヲ↡、常ニ生ジテ↢下賎ニ↡百千万世ニモ不↠得↢自在ヲ↡、百千万世ニモ†不ラム↠見↢三宝ノ名字ヲ↡。為ノ↠謗ズルガ↢是ノ経ヲ↡故ニ、受クルコト↠苦ヲ如シ↠是クノ。
・簡弁弘説
^このゆゑに無智の人のなかにしてこの経を説くことなかれ。 正観・正念なるかくのごとき人には、 しかして後にために説け。 *彼此この経を敬はざれば、 地獄に堕す。 彼此敬重すれば、 正解脱を得て阿弥陀仏国に往生すº」 と。
是ノ故ニ無智ノ人ノ中ニシテ莫レ↠説クコト↢是ノ経ヲ↡。正観・正念ナル如†キ↠是クノ之人ニハ、然シテ後ニ与ニ説ケ。彼此不レバ↠敬ハ↢是ノ経ヲ↡、堕ス†↢於地獄ニ↡。彼此敬重スレバ、得テ↢正解脱ヲ↡往↢生スト阿弥陀仏国ニ↡。」
三 Ⅰ ⅱ c 結証
^いままたこの経をもつて証す。 ゆゑに知りぬ、 *毀敬のもの、 仏記の損益虚しからず、 知るべし。 つぶさに△前の問に答へをはりぬ。
今又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。故ニ知リヌ、毀敬之者、仏記ノ損益不↠虚シカラ、応シ↠知ル。具ニ答ヘ↢前ノ問†ニ↡竟リヌ。
三 Ⅱ 別勧依経修行
ⅰ 明念仏功能超絶
a 問
【46】^また問ふ。 もし仏滅後の一切善悪の凡夫、 菩提心を発して弥陀仏国に生ぜんと願ずるものは、 日夜に心を計けてこの一生を畢るまで、 *称・観・礼・讃し、 香華をもつて阿弥陀仏および観音聖衆、 浄土の荘厳を供養し、 念々に観想して、 三昧あるいは成じ、 いまだ成ぜざるものも、 現生になんの功徳をか得る。 つぶさに仏経を引きてもつて明証となせ。 修学の行人をして歓喜愛楽し、 信受奉行せしめんと欲す。
又問フ。若シ仏滅後ノ一切善悪ノ凡夫、発シテ↢菩提心ヲ↡願ズル↠生ゼムト↢弥陀仏国ニ↡者ハ、日夜ニ計0899ケテ↠心ヲ畢ルマデ↢此ノ一生ヲ↡、†称・観・礼・讃シ、香華ヲモテ供↢養シ阿弥陀仏及ビ観音聖衆[、]浄土ノ荘厳ヲ↡、念念ニ†観想シテ、三昧或イハ成ジ、未ダザル↠成ゼ者モ、現生ニ得ル↢†何ノ功徳ヲカ↡。具ニ引キテ↢仏経ヲ↡以テ†為セ↢明証ト↡。†欲ス↠令メムト↢修学ノ行人ヲシテ歓喜愛楽シ[、]信受奉行セ↡。
三 Ⅱ ⅰ b 答
イ 先嘆所問
^答へていはく、 快くこの義を問へり。 ▼すなはちこれ六道生死の因行を閉絶0673して、 永く常楽浄土の*要門を開く。 ただ弥陀の願に称ふのみにあらず、 またすなはち諸仏あまねくみな同じく慶びたまふ。
答ヘテ曰ク、快ク問ヘリ↢斯ノ義ヲ↡。即チ是閉↢絶シテ六道生死之因行ヲ↡、永ク開ク↢常楽浄土之要門ヲ↡也。非ズ↢直‡弥陀ノ称フノミニ↟願ニ、亦乃チ諸仏普ク皆同ジク慶†ビタマフ。
三 Ⅱ ⅰ b ロ 正引経証
^いま経により0641てつぶさに答ふれば、 ▼すなはち ¬般舟三昧経¼ (意) に説きたまふがごとし。
今依リテ↠経ニ具ニ答†フレバ者、即チ如シ↢¬般舟三昧経ニ¼説キタマフガ↡。
・法説
^「仏、 跋陀和菩薩に告げたまはく、 ª▼この念仏三昧のなかにおいて、 四事の供養あり。 飲食・衣服・臥具・湯薬なり。 それを助けて歓喜せしめよ。 ▼過去の諸仏もこの念阿弥陀仏三昧を持ちて、 四事をもつて助けて歓喜せしめてみな成仏を得たまへり。 現在十方の諸仏もまたこの念仏三昧を持ちて、 四事をもつて助けて歓喜せしめてみな作仏を得たまへり。 未来の諸仏もまたこの念仏三昧を持ちて、 四事をもつて助けて歓喜せしめてみな作仏を得たまふº と。
「仏告ゲタマハク↢跋陀和菩薩ニ↡、於テ↢是ノ念仏三昧ノ中ニ↡、有リ↢四事ノ供養↡。飲食・衣服・臥具・湯薬ナリ。助ケテ↠其ヲ歓喜†セシメヨ。過去ノ諸仏モ持チテ↢是ノ念阿弥陀仏三昧ヲ↡、四事†ヲモテ助ケテ歓喜セシメテ皆得†タマヘリ↢成仏ヲ↡。現在十方ノ諸仏モ亦持チテ↢是ノ念仏三昧ヲ↡、四事†ヲモテ助ケテ歓喜セシメテ皆†得タマヘリ↢作仏ヲ↡。未来ノ諸仏モ亦持チテ↢是ノ念仏三昧ヲ↡、四事†ヲモテ助ケテ歓喜セシメテ皆得†タマフト↢作仏ヲ↡。
・譬説
^仏、 跋陀和に告げたまはく、 ªこの念阿弥陀仏三昧四事助歓喜は、 われこの三昧のなかにおいて、 その少喩を説きて念仏の功徳に*比校せん。 たとへば人寿百歳ならん、 また生れてよりすなはちよく行走すること老に至るまで疾風に過ぎたるがごとし。 人ありてよくその*道里を計るやいなやº と。 跋陀和まうさく、 ªよく計るものなしº と。
仏告ゲタマハク↢跋陀和ニ↡、是ノ念阿弥陀仏三昧四事助歓喜†ハ、我於テ↢是ノ三昧ノ中ニ↡、説キテ↢其ノ少喩ヲ↡†比↢校セム念仏ノ功徳ニ↡。譬ヘバ如†シ↣†人寿百歳ナラム、亦生レテヨリ即チ能ク行走スルコト至ルマデ↠老ニ過ギタ†ルガ↢於疾風ニ↡。有リテ↠人能ク計ルヤ↢其ノ道里ヲ↡以不ヤト。跋陀和言ク、無†シト↢能ク計ル者↡。
^仏のたまはく、 ªわれさらになんぢおよびもろもろの菩薩等に語る。 もし善男子・女人、 この人の行処、 なかに*著満せる珍宝を取りてもつて布施するに、 得るところの功徳は、 人ありてこの念阿弥陀仏三昧を聞きて、 四事をもつて供養して助けて歓喜せしむる功徳にはしかず。 上の布施するものに過0642ぎたること千万億倍なり。 また*比校にあらずº と。
仏言ク、我故ニ語ル↢汝及ビ諸ノ菩薩等ニ↡。若シ善男子・女人、†取リテ↧是ノ人ノ行処、著↢満セル中ニ↡珍宝ヲ↥以用テ布施†スルニ、†所ノ↠得ル功徳ハ、†不↠如カ↧有リテ↠人聞キテ↢是ノ念阿弥陀仏三昧ヲ↡、四事†ヲモテ供養シテ助ケテ歓喜セシムル功徳ニハ↥。過ギタルコト↢上0900ノ布施†スル者ニ↡千万億倍ナリ。亦非ズト↢比校ニ↡。
・因縁説
^仏のたまはく、 ª乃往久遠、 *不可計阿僧祇劫に仏ましましき、 号して私訶提といひ、 国を跋陀和と名づく。 転輪王あり、 名づけて斯琴といふ。 仏所に往至したてまつる。 仏、 王の意を知りて、 すなはちためにこの念仏三昧四事助歓喜を説きたまふ。 王聞きて歓喜して、 すなはち種々の珍宝を持ちてもつて仏0674の上に散ず。 王みづから願じてまうさく、 «この功徳を持ちて、 十方の人天をしてみな安穏を得しめん»º と。
仏言ク、乃往久遠、不可計阿僧祇劫ニ有シキ↠仏、号シテ曰ヒ↢私訶提ト↡、国ヲ‡名ク↢跋陀和ト↡。有リ‡↢転輪王↡、名ケテ曰†フ↢斯琴ト↡。往↢至†シタテマツル仏所ニ↡。仏知リテ↢王ノ意ヲ↡、即チ為ニ説†キタマフ↢是ノ念仏三昧四事助歓喜ヲ↡。王聞キテ歓喜シテ、即チ持チテ↢種種ノ珍宝ヲ↡以テ散ズ↢仏ノ上ニ↡。王自ラ願ジテ言ク、持チテ↢是ノ功徳ヲ↡、令メムト↣十方ノ人天ヲシテ皆得↢安穏ヲ↡。
^仏のたまはく、 ªその王終りて後、 またみづからその家に生れて太子となる。 梵摩達と名づく。 時に比丘あり、 名づけて珍宝といふ。 つねに*四部の弟子のためにこの念仏三昧を説く。 時に王これを聞きて四事をもつて助けて歓喜せしむ、 すなはち宝物をもつて比丘の上に散ず。 また衣服を持ちてもつてこれを供養す。 王、 千人と比丘の所において出家して、 この念仏三昧を学することを求めて、 つねに千人とともにその師に*承事す。 八千歳を経て日夜に懈ることなし。
仏言ク、其ノ王終リテ後、†還タ自ラ生レテ↢其ノ家ニ↡作ル↢太子ト↡†也。名ク↢梵摩達ト↡。時ニ有リ↢比丘↡、名ケテ曰フ↢珍宝ト↡。常ニ為ニ↢四部ノ弟子ノ↡説ク↢是ノ念仏三昧ヲ↡。時ニ王聞キテ↠之ヲ四事†ヲモテ助ケテ歓喜セシム、即チ以テ↢宝物ヲ↡散ズ↢比丘ノ上ニ↡。又持チテ↢衣服ヲ↡以テ供↢養ス之ヲ↡。王与↢千人↡†於テ↢比丘ノ所ニ↡出家シテ、求メテ↠学†スルコトヲ↢是ノ念仏三昧ヲ↡、常ニ与↢千人↡共ニ承↢事†ス其ノ師ニ↡。経テ↢八千歳ヲ↡日夜ニ無†シ↠懈ルコト。
^ただ一度この念仏三昧を聞くことを得て、 すなはち高明智に入り、 かへりて後さらに六万八千の諸仏を見たてまつる。 一々の仏所においてみなこの念仏三昧を聞きて仏果を成ずることを得たりº と。
唯得テ↣一度聞クコトヲ↢是ノ念仏三昧ヲ↡、即ニ入†リ↢高明智ニ↡、†却リテ後更ニ見タテマツル↢六万八千ノ諸仏ヲ↡。†於テ↢一一ノ仏所ニ↡皆聞キテ↢是ノ念仏三昧ヲ↡†得タリト↠成ズルコトヲ↢仏果ヲ↡。
・重勧求学
^仏のたまはく、 ªもし人百里・千里・四千0643里なるも、 この念仏三昧を聞かんと欲せばかならず往きてこれを求むべし。 いかにいはんや近くして学を求めざらんものをやº」 と。
仏言ク、若シ人百里・千里・四千里†ナルモ、†欲セバ↠聞カムト↢是ノ念仏三昧ヲ↡必ズ往キテ求ムベシ↠之ヲ。何ニ況ヤ近クシテ†而不ラム↠†求メ↠学ヲ者ヲヤト。」
三 Ⅱ ⅰ b ハ 結釈
^またもろもろの往生人等にまうす。 上来所引の仏教をもつて明証となすものなり。 一々つぶさには 「*四事供養功徳品」 のなかに説きたまふがごとし。
又白†ス↢諸ノ往生人等ニ↡。上来†所引ノ仏教ヲ以テ†為ス↢明証ト↡者ナリ。一一具ニハ如シ↢「四事供養‡功徳品ノ」中ニ説キタマフガ↡。
三 Ⅱ ⅱ 明懴悔滅罪方法
a 問
【47】^問ひていはく、 仏教に准依して*精勤苦行して、 日夜六時に礼念・行道・観想・転誦し、 斎戒して一心に生死を*厭患し、 三塗の苦を畏れて、 この*一形を畢へて浄土の弥陀仏国に生ぜんと誓ふもの、 またおそらくは*残殃尽きずして、 現に十悪と相応せん。 この障ありと覚せば、 いかんが除滅せん。 つぶさに仏経を引きてその方法を示せ。
問ヒテ曰ク、准↢依シテ仏教ニ↡精勤苦行シテ、日夜六時ニ礼念・行道・観想・転誦シ、斎戒シテ一心ニ厭↢患シ生死ヲ↡、畏レテ↢三塗ノ苦ヲ↡、†畢ヘテ↢此ノ一形ヲ↡誓†フ↠生ゼムト↢浄土ノ弥陀仏国ニ↡者、又恐クハ残殃0901不シテ↠尽キ、現ニ与↢十悪↡相応セム。覚†セバ↠有リト↢斯ノ障↡者、云何†ガ除滅†セム。具ニ引キテ↢仏経ヲ↡示セ↢其ノ方法ヲ↡。
三 Ⅱ ⅱ b 答
イ 明至誠懴悔相
^答へていはく、 仏経によりて答ふれば、 すなはち ¬*観仏三昧海経¼ (意) に説きたまふがごとし。
答ヘテ曰ク、依リテ↢仏経ニ↡答†フレバ者、即チ如シ↢¬観仏三昧海経ニ¼説キタマフガ↡。
^「仏、 父王およびもろもろの大衆のために説きたまふ。 ª過去に仏ましましき、 名づけて空王といふ。 像法住世の時四比丘あり、 戒を破し*重を犯す。 時0675に空王仏、 夜空中において声を出して四比丘に告げてのたまはく、 «なんぢの犯すところを*不可救と名づく。 罪を滅せんと欲せば、 わが塔中に入りてわが形像を観じて、 心を至して懴悔すべし、 この罪を滅すべし» と。
「仏為ニ↢父‡王及ビ諸ノ大衆ノ↡説キタマフ。過去ニ有シキ↠仏、名ケテ曰†フ↢空王ト↡。像法住世ノ時有リ‡↢四‡比丘↡、†破シ↠戒ヲ犯ス↠重ヲ。時ニ空王仏†於テ↢夜空中ニ↡出シテ↠声ヲ告ゲテ↢四比丘ニ↡言ク、汝之†所ヲ↠犯ス名ク↢不可救ト↡。†欲セバ↠滅セムト↠罪ヲ者、可シ↧入リテ↢我ガ塔‡中ニ↡†観ジテ↢我ガ形像ヲ↡、至シテ↠心ヲ懴悔ス↥、可シト↠滅ス↢此ノ罪ヲ↡。
^時に四比丘万事ともに捨てて、 一心に教を奉けて塔に入0644り、 仏像の前においてみづから撲ち懴悔すること太山の崩るるがごとく、 地に*婉転して号哭して、 仏 (空王仏) に向かひて日夜相続して死に至るを期となす。 捨命以後、 空王仏国に生ずることを得たりº」 と。 いまこの経をもつて証す。 行者等、 懴悔せんと欲する時、 またこの教の法門によれ。
時ニ四比丘万事倶ニ捨テテ、一心ニ奉ケテ↠教ヲ入リ‡↠塔ニ、†於テ↢仏像ノ前ニ↡自ラ撲チ懴悔†スルコト如ク↢*太山ノ崩ルルガ↡、婉↢転シテ†於地ニ↡号哭シテ、向†ヒテ↠仏ニ日夜‡相続シテ至ルヲ↠死ニ為ス↠期ト。捨命已後、得タリト↠生ズルコトヲ↢空王仏‡国ニ↡。」今以テ↢此ノ経ヲ↡†証ス。行者等欲†スル↢懴悔セムト↡時‡、亦依レ↢此ノ*教ノ法門ニ↡。
三 Ⅱ ⅱ b ロ 明由懴滅重罪
^「仏のたまはく、 ªもしわが滅後の仏のもろもろの弟子、 諸悪を捨離し*少語の法を楽ひて、 日夜六時に、 よく一時において分ちて少時となして、 少分のうち、 須臾のあひだにおいても仏の白毫を念ずるものは、 もしは見ずとも、 かくのごとき等の人九十六億那由他恒河沙微塵劫の生死の罪を除却せん。 もしまた人ありてこの白毫を聞きて、 心驚疑せず歓喜信受せば、 この人また八十億劫の生死の罪を除かん。
「仏‡言ク、若シ我ガ滅後ノ仏ノ諸ノ弟子、捨↢離シ諸悪ヲ↡楽ヒテ↢少語ノ法ヲ↡、日夜六時ニ、能ク於テ↢一時ニ↡分チテ為シテ↢少時ト↡、少分之中‡、於テモ↢須臾ノ間ニ↡念†ズル↢仏ノ白毫ヲ↡者ハ、若シハ不トモ↠見、如†キ↠是クノ等ノ人除↢却セム九十六億那由他恒河沙微塵劫ノ生死之罪ヲ↡。若シ復有リテ↠人聞キテ↢是ノ白*毫ヲ↡、心不↢驚疑セ↡歓喜信受セバ、此ノ人亦除カム↢八十億劫ノ生死之罪ヲ↡。
^▼もしはもろもろの比丘・比丘尼、 もしは男・女人、 *四の根本・十悪等の罪、 五逆罪および*謗大乗を犯さん。 かくのごとき諸人もしよく懴悔すること日夜六時に身心息まず、 五体地に投ずること太山の崩るるがごとく、 号泣して涙を雨らし、 合掌して仏に向かひて、 仏の眉間の白毫相の光を念ずること一日より七日に至らば、 前の四種の罪軽微なることを得べし。
若シハ諸ノ比丘・比丘尼、若シハ男・女人、†犯サム↢四ノ根本†・十悪等ノ罪、五逆罪及ビ謗大乗ヲ↡。如キ‡↠是クノ諸人若シ能ク懴悔†スルコト日夜六時ニ身心不↠息マ、五体投†ズルコト↠地ニ如ク↢*太山ノ崩ルルガ↡、号泣シテ†雨ラシ↠涙ヲ、合掌シテ向ヒテ↠仏ニ、念†ズルコト↢仏ノ眉間ノ白0902毫相ノ光ヲ↡一日ヨリ至ラバ↢七日ニ↡、前ノ四種ノ罪可シ↠得↢軽微ナルコトヲ↡。
^◆白毫を観ずるに、 闇くして見えずは、 塔中に入りて眉間の白毫を観ずべし。 一日より三日に至るまで合掌して0645啼泣せよ。 またしばらく聞くも、 また三劫の罪を除くº と。
観†ズルニ↢白毫ヲ↡、*闇クシテ†不ハ↠見エ者、†応シ↧入リテ↢塔‡中ニ↡観ズ↦眉間ノ白毫ヲ↥。一日ヨリ至ルマデ↢三日ニ↡合掌シテ啼泣セヨ。又暫ク聞ク‡モ、亦除クト↢三劫之罪ヲ↡。
^仏、 父王に告げ、 および阿難に勅したまはく、 ªわれいまなんぢがためにことごとく身相・光明を現ず。 もしは不善0676心あるもの、 もしは仏の禁戒を毀るもの、 仏を見たてまつることおのおの不同なりº と。
仏告ゲ↢父‡王ニ↡、及ビ勅†シタマハク↢阿難ニ↡、吾今為ニ↠汝ガ悉ク現ズ↢身相光明ヲ↡。若シハ有ル↢不善‡心↡者、若シハ毀ル↢仏ノ禁戒ヲ↡者‡、見タテマツルコト↠仏ヲ各ノ不同ナリト。
^時に五百の*釈子、 仏の色身を見たてまつることなほ*灰人のごとし。 比丘千人、 仏を見たてまつることなほ赤土のごとし。 十六の居士、 二十四の女人、 仏を見たてまつること純黒なり。 もろもろの比丘尼、 仏を見たてまつること銀色のごとし。 時にもろもろの四衆、 仏にまうさく、 ªわれいま仏の妙色を見たてまつらずº と。 みづから頭髪を抜き、 身を挙げ地に投じて、 啼泣して涙を雨らし、 みづから撲ち婉転す。
時ニ五百ノ釈子、見タテマツルコト↢仏ノ色身ヲ↡猶‡如シ↢灰人ノ↡。比丘千人見タテマツルコト↠仏ヲ由‡如シ↢赤土ノ↡。十六ノ居士、二十四ノ女人、見タテマツルコト↠仏ヲ純黒ナリ。諸ノ比丘尼見タテマツルコト↠仏ヲ如シ↢銀色ノ↡。時ニ諸ノ四衆白サク↠仏ニ、我†今者不ト↠見タテマツラ↢仏ノ妙色ヲ↡。自ラ抜†キ↢頭髪ヲ↡、挙ゲ‡↠身ヲ投ジテ↠地ニ、啼泣シテ†雨ラシ↠涙ヲ、自ラ撲チ婉転ス。
^仏のたまはく、 ª善男子、 如来の出現はまさしくなんぢらが罪咎を除滅せんがためなり。 なんぢいま*過去の七仏を称し、 仏のために礼をなすべし。 なんぢが先世邪見の罪を説かん。 なんぢまさにもろもろの大徳僧衆に向かひて発露*悔過し、 仏語に随順して、 仏法衆のなかにおいて五体地に投ずること太山の崩るるがごとく、 仏に向かひて懴悔すべし。 すでに懴悔しをはらば、 心眼開くることを得て、 仏の色身を見たてまつりて、 心大きに歓喜せんº と。
仏‡言ク、善男子、如来ノ出現ハ正シク為ナリ↣除↢滅セムガ汝等ガ罪咎ヲ↡。汝今可シ↧称シ‡↢過去ノ七仏ヲ↡、為ニ↠仏ノ作ス↞礼ヲ。説カム↢汝ガ先世‡邪見之罪ヲ↡。汝当ニシ↧向ヒテ↢諸ノ大徳‡僧衆ニ↡†発露悔過シ、随↢順シテ仏語ニ↡、於テ↢仏法衆ノ中ニ↡五体‡投†ズルコト↠地ニ如†ク↢*太山ノ崩ルルガ↡、向ヒテ↠仏ニ懴悔ス↥。既ニ懴悔シ已†ラバ、心眼得テ↠開クルコトヲ、見タテマツリテ↢仏ノ色身ヲ↡、心大ニ歓喜セムト。
^仏、 もろもろの比丘に告げたまはく、 ªな0646んぢら先世無量劫の時、 邪見にして師を疑ひ、 無戒にして虚しく*信施を受けたり。 この因縁をもつてのゆゑに、 餓鬼・地獄に堕して八万歳苦を受け、 いま出づることを得といへども、 無量世において諸仏を見たてまつらず、 ただ仏の名を聞くのみ。 いま仏身を見たてまつること赤土色のごとし、 まさしく長五尺なりº と。
仏告ゲタマハク↢諸ノ比丘ニ↡、汝等先世‡無量劫ノ時、邪見ニシテ疑ヒ↠師ヲ、無戒ニシテ虚シク受†ケタリ↢信施ヲ↡。以テノ↢此ノ因縁ヲ↡故ニ、堕シテ↢餓鬼・地獄ニ↡八万歳‡受†ケ↠苦ヲ、今雖モ↠得ト↠出ヅルコトヲ、於テ↢無量世ニ↡不↠見タテマツラ↢諸仏ヲ↡、但‡聞クノミ↢仏ノ名ヲ↡。今見タテマツルコト↢仏身ヲ↡如シ↢赤土‡色ノ↡、正シク長五尺ナリト。
^仏、 語を説きをはりたまふに、 千の比丘等仏に向かひて懴悔し、 五体地に投ずること太山の崩るるがごとく、 悲号して涙を雨らすに、 なほ風吹きて重雲四もに散ずるがごとくにして、 *金顔を顕発す。 すでに仏を見たてまつりをはりて、 比丘歓喜し菩提心を発す。
†仏†説キ↠語ヲ已リタマフニ、千ノ比丘等向ヒテ↠仏ニ懴悔†シ、五体‡投†ズルコト↠地ニ如†ク↢*太山ノ崩ルルガ↡、悲号シテ†雨ラスニ↠涙ヲ、猶‡如クニシテ↢風0903‡吹†キテ重雲‡四モニ散ズルガ↡、顕↢発ス金顔ヲ↡。既ニ見†タテマツリ↠仏ヲ已リテ、比丘歓喜シ‡発†ス↢菩提心ヲ↡。
^仏、 父王に告げたまはく、 ªこの千の比丘*慇懃に法を求めて、 心に*懈息なし。 仏、 授記を与へて、 同じく南無光照如来と号すº」 (意) と。
仏‡告ゲタマハク↢父‡王ニ↡、此ノ千ノ比丘慇懃ニ求メテ↠法ヲ、心ニ無シ↢懈息↡。仏与ヘテ↢授記ヲ↡、同ジク号スト↢南無光照如来ト↡。」
^以前の懴悔の法は ¬観仏三昧海経¼ の第二・第三巻に出でたり。
已前ノ懴悔ノ法ハ出デタリ↢¬観仏三昧海経ノ¼第二・第三巻ニ↡。
三 Ⅱ ⅱ b ハ 重引三経勧発
(一)観仏経文
【48】^0677¬仏説観仏三昧海経¼ 「密行品」 第十二巻第十 (意) にのたまはく、
¬仏説観仏三昧海経¼「密行品」第十二巻第十ニノタマハク、
^「仏、 阿難に告げたまはく、 ª未来の衆生、 それこの念仏三昧を得んとするもの、 仏のもろもろの相好を観ぜんとするもの、 *諸仏現前三昧を得んとするものあらば、 まさにこの人に教ふべし。 身口意を密にして*邪命を起すことなかれ。 *貢高を生ず0647ることなかれ。 もし邪命および貢高の法を起さば、 まさに知るべし、 この人はこれ*増上慢なり。 仏法を破滅し、 多く衆生をして不善心を起さしむ。 和合僧を乱して、 *異を顕し衆を惑はす。 これ悪魔の伴なり。
「仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、未来ノ衆生、其レ†有ラバ↧得ムトスル↢是ノ念仏三昧ヲ↡者、観ゼムトスル↢仏ノ諸ノ相好ヲ↡者、得ムトスル↢諸仏現前三昧ヲ↡者↥、当ニシ↠教フ↢是ノ人†ニ↡。密ニシテ↢身口意ヲ↡莫レ↠起スコト↢邪命ヲ↡。莫レ↠†生ズルコト↢貢高ヲ↡。若シ起サバ↢邪命及ビ貢高ノ法ヲ↡、当ニシ↠知ル、此ノ人ハ是増上慢ナリ。破↢滅シ仏法ヲ↡、多ク使ム↣衆生ヲシテ起サ↢不善‡心ヲ↡。乱†シテ↢*和合僧ヲ↡、顕シ↠異ヲ惑ハス↠衆ヲ。是悪魔ノ伴ナリ。
^かくのごとき悪人また念仏すといへども、 甘露の味はひを失す。 この人の生処は貢高をもつてのゆゑに、 身つねに卑小にして下賎の家に生ず。 貧窮諸衰にして無量の悪業をもつて厳飾となす。 かくのごとき種々衆多の悪事まさにみづから防護して、 永く生ぜざらしむべし。 もしかくのごとき邪命の業を起さば、 この邪命の業はなほ狂象の蓮華の池を壊するがごとく、 この邪命の業もまたかくのごとく善根を壊敗せんº と。
如キ‡↠是クノ悪人‡雖モ↢復念仏スト↡、†失ス↢甘露ノ味[失ス]ヲ↡。此ノ人ノ生処ハ以テノ↢貢高ヲ↡故ニ、身恒ニ卑小†ニシテ生ズ↢下賎ノ家ニ↡。貧窮諸衰ニシテ無量ノ悪業ヲ以テ為†ス↢厳飾ト↡。如キ‡↠此クノ種種衆多ノ悪事当ニシ↣自ラ防護シテ[、]令ム↢永ク不ラ↟生ゼ。若シ起†セバ↢如キ↠是クノ邪命ノ業ヲ↡者、此ノ邪命ノ業ハ猶‡如†ク↣狂象ノ†壊スルガ↢蓮華ノ池ヲ↡、此ノ邪命ノ業モ亦復†如ク↠是クノ壊↢敗†セムト善根ヲ↡。
^仏、 阿難に告げたまはく、 ª念仏することあるものは、 まさにみづから防護して、 *放逸せしむることなかるべし。 念仏三昧の人もし防護せずして貢高を生ぜば、 邪命の悪風憍慢の火を吹きて善法を焼滅せん。 善法とはいはゆる一切無量の禅定、 もろもろの念仏の法にして、 心想より生ず。 これを功徳蔵と名づくº と。
仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、有†ル↢念仏スルコト↡者ハ、当ニシ↢自ラ防護シテ勿ル↟令ムルコト↢放逸セ↡。念仏三昧ノ人、若シ不シテ↢防護セ↡†生ゼバ↢貢高ヲ↡者、邪命ノ悪風吹キテ↢憍慢ノ火ヲ↡焼↢滅†セム善法ヲ↡。善法ト†者、†所謂ル一切無量ノ禅定、諸ノ念仏ノ法ニシテ、従リ↢心想↡生ズ。是ヲ名クト↢功徳蔵ト↡。
^仏、 阿難に告げたまはく、 ªこの経を*繋想不動と名づく。 かくのごとく受持すべし。 また観仏白毫相と名づく。 かくのごとく受持すべし。 また*逆順観如来身分と名づけ、 また*一々毛孔分別如来身分と名づけ、 また*観三十二相八0648十随形好諸智慧光明と名づけ、 また観仏三昧海と名づけ、 また念仏三昧門と名づけ、 また*諸仏妙華荘厳色身経と名づく。 なんぢよく受0678持して、 つつしみて忘失することなかれº」 と。
仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、此ノ経ヲ名ク↢繋想不動ト↡。如ク↠是クノ受持スベシ。亦0904名ク↢観仏白毫相ト↡。如ク↠是クノ受持スベシ。亦名ケ↢逆順観如来身分ト↡、亦名†ケ↢一一毛孔分別如来身分ト↡、亦名†ケ↢観三十二相八十随形好諸智慧光明ト↡、亦名†ケ↢観仏三昧海ト↡、亦名†ケ↢念仏三昧門ト↡、亦名ク↢諸仏妙華荘厳色身経ト↡。汝好ク受持シテ、慎ミテ勿レト↢忘失スルコト↡。」
三 Ⅱ ⅱ b ハ (二)大集経文
【49】^また ¬*大集経¼ の 「済竜品」 (意) に説きたまふがごとし。 「時に娑伽羅竜王、 仏を請じて宮に入れたてまつりて、 供を設く。 仏、 竜の請を受けたまふ。 仏、 聖衆と食しをはりたまへり。 時に大竜王、 また説法を請ふ。 時に竜王の太子あり、 名づけて華面といふ。 みづから仏前に起ち*四支を地に布きて、 悲声をもつて懴悔す。 ª過去になんの罪業を作りてかこの竜身を受けたるº」 と。
又如シ↢¬大集経ノ¼「済竜品ニ」説キタマフガ↡。「時ニ娑伽羅竜王、請ジテ↠仏ヲ入レタテマツリテ↠宮ニ設ク↠供ヲ。仏受†ケタマフ↢竜ノ請ヲ↡。仏与↢聖衆↡食シ訖†リタマヘリ。時ニ大竜王†、又†請フ↢説法ヲ↡。時ニ竜王ノ太子アリ、†名ケテ曰フ↢華面ト↡。自ラ起チ‡↢仏前ニ↡四支ヲ布キテ↠地ニ、悲声ヲモテ懴悔ス。過去ニ作リテカ↢†何ノ罪業ヲ↡受ケタルト↢此ノ竜身ヲ↡。」
^またこの経をもつて証す。 またこれ懴悔至誠の方法なり、 知るべし。 一切の経内にみなこの文あり。 広く録すべからず。 いま*三部の経を略抄して、 もつて後学に示す。 至心ならざるを除く。 なすものはみな知れ。 仏は虚言したまはず。
又以テ↢此ノ経ヲ↡証ス。亦是懴悔至誠ノ方法ナリ、応シ↠知ル。一切ノ経‡内ニ皆有リ↢此ノ文↡。不↠可カラ↢広ク録ス↡。今略↢*抄シテ三部ノ経ヲ↡、以テ示ス↢後学†ニ↡。除ク↠†不ルヲ↢至心ナラ↡。†作ス者ハ皆知レ。仏ハ不↢虚言†シタマハ↡。
三 Ⅱ ⅱ b ハ (三)木槵経文
【50】^また ¬*木槵経¼ (意) に説きたまふがごとし。 「^▼時に難陀国の王あり、 波瑠璃と名づく。 使ひをして仏所に来到せしむ。
又如シ↢¬木槵経ニ¼説キタマフガ↡。「時ニ有リ‡↢難陀国ノ王↡、名ク↢波瑠璃ト↡。†遣ム↣使ヲシテ来↢到セ仏所ニ↡。
^*仏足を頂礼して、 仏にまうしてまうさく、 ª世尊、 わが国辺小にして*頻歳寇賊あり。 *五穀踊貴し疫疾流行して人民困苦す。 われつねに安臥することを得ず。 如来の*法蔵は多く、 ことごとく深0649広なり。 われ憂務ありて修行することを得ず。 ただ願はくは世尊、 ことに*慈愍を垂れてわれに*要法を賜ひ、 われをして日夜に易く修行することを得、 未来世のなかに衆苦を遠離せしめたまへº と。
頂↢礼シテ仏足ヲ↡、白シテ↠仏ニ言ク、世尊、我ガ国辺小ニシテ頻歳寇賊アリ。五穀踊貴シ疫疾流行シテ人民困苦ス。我恒ニ不↠得↢安臥スルコトヲ↡。如来ノ法蔵ハ多ク‡悉ク深広†ナリ。我有リテ↢憂務↡不↠得↢修行スルコトヲ↡。唯願クハ世尊、特ニ垂レテ↢慈愍ヲ↡賜ヒ‡↢我ニ要法ヲ↡、†使メタマヘト↧我ヲシテ日夜ニ易ク得↢修行スルコトヲ↡、未来世ノ中ニ遠↦離セ衆苦ヲ↥。
^仏、 使ひに告げてのたまはく、 ªなんぢが大王に語れ。 もし*煩悩障・報障を滅せんと欲せば、 まさに*木槵子一百八を貫きて、 もつてつねにみづから随ふべし。 もしは行、 もしは坐、 もしは臥に、 つねにまさに心を至して分散の意なく、 口に*仏陀・達磨・僧伽の名を称してすなはち一の木槵子を過ぐるべし。
仏告ゲテ↠使ニ言ク、語レ↢卿ガ大王ニ↡。若シ†欲セバ↠滅セムト↢煩悩障・報障ヲ↡者、当ニシ↧貫キテ↢木槵子一百八ヲ↡、以テ常ニ自 ラ随フ↥。若シハ行、若シハ坐、若シハ臥、恒ニ当ニシ↧至シテ↠心ヲ無0905ク‡↢分散ノ意↡、口ニ称シテ↢仏陀・達磨・僧伽ノ名ヲ↡†乃チ†過グル↦一ノ木槵子ヲ↥。
^かくのごとくもしは十、 もしは二十、 もしは百、 もしは千、 乃至百千万せよ。 もしよく二十万遍を満てて身心乱れずしてもろもろの*諂曲なくは、 捨命して*第三の炎摩天に生ずることを得て、 衣食自然にしてつねに安楽を受けん。 百八の*結業を除断することを得て、 生死0679の流に背き涅槃の道に趣きて、 無上の果を獲んº と。
如ク↠是クノ若シハ十、若シハ二十、若シハ百、若シハ千、乃至百千万セヨ。若シ能ク満テテ↢二十万遍ヲ↡、身心†不シテ↠乱レ†無クハ↢諸ノ諂曲↡者、†捨命シテ得テ↠生ズルコトヲ↢第三ノ炎摩天ニ↡、衣食自然ニシテ常ニ受ケム↢安楽ヲ↡。得テ↣除↢断スルコトヲ百八ノ結業ヲ↡、背キ↢生死ノ流†ニ↡趣キテ↢涅槃ノ道ニ↡、獲ムト↢無上ノ果ヲ↡。
^使ひ還りて王にまうす。 王大きに歓喜して、 頭面をもつて仏を礼してはるかに世尊にまうさく、 ª尊教を頂受して、 われまさに奉行すべしº と。
使還リテ啓ス↠王ニ。王大ニ歓喜シテ、頭面†ヲモテ礼シテ↠仏ヲ遥ニ白†サク↢世尊ニ↡、頂↢受シテ尊教ヲ↡我当ニシト↢奉行ス↡。
^すなはち吏民に勅して木槵子を*営弁して、 もつて千具となし、 六親*国戚にみな一具を与ふ。 王つねに誦念して、 軍旅に親しむといへどもまた廃捨せず。
即チ勅シテ↢吏民ニ↡営↢辨シテ木槵子ヲ↡、以テ為†シ↢千具ト↡、六親国戚ニ皆与フ↢一具ヲ↡。王常ニ誦念†シテ、雖モ↠†親シムト↢軍旅 イクサ ニ↡亦不↢廃捨セ↡。
^またこの念をなす。 ª世尊の大慈あまねく一切に応ず。 も0650しわれこの善をもつて長く苦海に淪むことを免るることを得ば、 如来まさに現じてわがために法を説きたまふべしº と。
又作ス↢是ノ念ヲ↡。世尊ノ大慈普ク応ズ↢一切ニ↡。若シ我†此ノ善ヲモテ得バ↠免ルルコトヲ↣†長ク淪ムコトヲ↢苦海ニ↡、如来当ニシト↢現ジテ為ニ↠我ガ説キタマフ↟法ヲ。
^王、 *願楽をもつて心を逼めて三日食せず。 仏すなはち身を現じて、 もろもろの聖衆と宮内に来入して、 王のために法を説きたまふ」 と。
王以テ↢願楽ヲ↡、逼メテ↠心ヲ三日不↠食セ。仏即チ現ジテ↠身ヲ、与↢諸ノ聖衆↡†来↢入シテ宮内ニ↡、為ニ↠王ノ説キタマフト↠法ヲ。」
^またこれをもつて証す。 ただこれ王の心真実なれば、 念々に障除こり、 仏、 罪滅を知りたまひて、 念に応じて現じたまふ、 知るべし。
又以テ↠此ヲ証ス。直‡是王ノ心真実ナレバ、念念ニ障除コ†リ、仏知リタマヒテ↢罪滅ヲ↡、応ジテ↠念ニ†而現ジタマフ、応シ↠知ル。
観念阿弥陀仏相海三昧功徳法門経 一巻
経 ¬般舟三昧経¼ 等の諸経を指す。
髪螺 髪のうずまき。
七帀 七周。
唱あることなし 言葉でいいあらわせないという意。
耳輪垂して 耳たぶが垂れさがって。
珂月 雪のように白く光る貝。
心王 心臓。
仏心 仏の心臓。
葉 はなびら。
腹平不現 腹が平らで出ていないこと。
臍円孔深 へそがまるくて、 そのあなが深いこと。
上品往生 ¬観経¼に説く
九品の往生のうちの上品上生・上品中生・上品下生の三を指す。
十六遍 ¬観仏三昧経¼ に順観・逆観の観想を十六遍反覆すべきことを説いているのを承けていう。
請問品 現行の ¬般舟三昧経¼ (一巻本) では、 「問事品」。
大明相 般舟三昧が成就したありさまを指していう。
定意 般舟三昧の異名。
超衆行 すべての行法に超えすぐれたもの。
一念を立して 専一のおもいをおこして。 あるいは、 真実心をもって、 という意。
その方 西方浄土。
文慧 経典の文を開いて生ずる智慧。
六入 眼・耳・鼻・舌・身・意の六根。 または、 色・声・香・味・触・法の六境のこと。 六根を内の六入といい、 六境を外の六入という。
婬色 性欲。
知足を念じて 異本には 「食知足」 (食は足ることを知りて) とある。
受陰 五陰を受用して、 自我にとらわれること。
怳忽 かりそめのものであること。
不還 迷いの凡夫の意。
佳 よいこと。
三時六時 三回あるいは六回。
華台の聖衆 蓮華の台にのった浄土の菩薩たち。
勝友知識 正しい道に導くすぐれた友人。
随逐影護 影が形につきしたがうように、 行者の身を離れずまもること。
便り 機会。 関係を持つこと。
愛楽相見 慈愛をもって行者とあいまみえること。
護持品 現行の ¬般舟三昧経¼ では、 「擁護品」。
三帰五戒 仏法僧の三宝に帰依し、
五戒を受けること。
八王日 立春・春分・立夏・夏至・立秋・秋分・立冬・冬至のこと。 は地節日ともいう。 中国では、 この八日は天地の諸神・陰陽の交代の日とみなされていた。
畢命相続 命がおわるまで行じ続けること。
善方便 すぐれた方法。 異本には 「異方便」 とある。
覚想中の見 精神をはたらかせて浄土のありさまを思いうかべている状態。 三昧の前段階。
驚怪するを須ゐず (当然のことであるから) 驚きあやしむにおよばない。
一々の身分 仏の三十二相のひとつひとつのすがた。
観音…雑等の観 定善十三観の第十・十一・十二・十三観。 →
定善
自の三心力 次行の至誠心・信心・願心を指す。
三種の願力 三力 (大誓願力・三昧定力・本功徳力) のこと。
望にありては 野にあってはの意。
朝にありては 朝廷にあってはの意。
連劫累劫 幾劫をもつらねかさねるほどの長い時間。 →
劫
本心 仏のみこころ。
頓教 ここでは往生浄土の法門を指していう。
四向 東西南北の四方。
彼此 誰であっても。
毀敬の… (往生浄土の法門を) そしり破る者と敬いを致す者とについて、 仏が利益を示されることはむなしくない。
比校にあらず 比べものにならない。
四事供養功徳品 一巻本 ¬般舟三昧経¼ 「勧助品」 第七を指す。
重 重罪。
不可救 救うことができない。
少語の法 言葉数を少なくする生活。
謗大乗 大乗の教えをそしること。
釈子 釈迦族の人々。
灰人 灰色の人。
金顔 仏の金色の顔。
繋想不動 想いをかけて動かないという意。
逆順観如来身分 如来の身分を順観・逆観するという意。 順観は如来の身を上から下に観想すること、 逆観はその反対に下から上に観想することをいう。
一々毛孔分別如来身分 ひとつひとつの毛孔に如来の身をみきわめるという意。
諸仏… 諸仏の
妙なる華で
色身をかざる経という意。
頻歳寇賊 毎年のように賊の侵入があること。
五穀踊貴 穀物の値段が高くなること。
木槵子 むくろじの種子。
住→Ⓑ往
螺→Ⓒ蠃
帀→Ⓒ市
→Ⓒ
日→Ⓑ白
→Ⓒ膊
茎→Ⓑ華
方→Ⓑ万
聞→ⒶⒷⒸ問
想→Ⓒ相
聞→Ⓑ間
狐→ⒷⒸ孤
念→Ⓒ食
問→Ⓑ間
眠→Ⓑ眼
抄→Ⓒ鈔
日→Ⓑ目
懴→Ⓒ慚
苦→Ⓑ若
阿→◎何
有人→Ⓑ右又
頂→Ⓒ項
神→Ⓒ人
亡→Ⓑ士
遍→Ⓒ偏
善→Ⓒ異
地→Ⓒ池
口→Ⓑ曰
心眼→Ⓑ己力
苦→ⒷⒸ若
波→Ⓒ般
閑→Ⓒ間
得転→◎ⒶⒷ転得
宝→Ⓑ実
白→Ⓑ自
歴→Ⓑ所
今→Ⓑ令
証→Ⓑ諸
閻→Ⓑ間
太→Ⓒ大
教→Ⓒ経
毫→◎ⒶⒷ毛
闇→Ⓑ間
太→ⒷⒸ大
和→Ⓑ種
失ス→○失フ
失→Ⓑ尖
抄→Ⓒ鈔
不シテ↠乱レ→○不乱ニシテ
不→Ⓑ木
↢入道場念仏三昧ノ法ヲ↡→○↠入ルコトヲ↢道場念仏三昧法ニ↡
○ノ
観ズベシ↢…身、円光徹照シ、端正無比ナルヲ↡。→○観ズベシ↢…身ヲ↡、…徹ニ↢照シ端正無比ナルヲ↡、
○ニ
住メ→○住シ
目前→○目ノ前
欲セ→○欲ハ
安キ→○安ジ
クシ→○メ
クセヨ。→○メ、
手掌→○手ノ掌
合セ→○合ハセ
端シ↠身ヲ→○端身
合シ→○合ハセ
開ク→○開スル
開カ→○開セ
不レ→○不
○トシテ
○テ
。→○、
脳→○脳
想ヘ↧…入ルト↥→○想ヘ、…入ル
髪根→○髪ノ根
○レ
想ヘ↧…向フト↞…→○想ヘ、…向フト↠…
額広クシテ平正ナル→○額広平正ノ
眉高クシテ而長キ→○眉高而長ノ
○シ
想ヘ↢…相ヲ↡→○想ヘ、…相ヲ
ク→○シ、
シ…、→○ス…。
○テ
○ト
ルモ→○レドモ
除キ↠障ヲ滅ス↠罪ヲ→○除障滅罪ス
得テ→○得
シタマフ→○ス
想ヘ↢…徹照スト↡→○想ヘ、…徹照ス
想ヘ↣…如シト↢…↡→○想ヘ、…如シ↢…↡
鼻修ク高ク直キコト→○鼻修高直ニシテ
鋳タル金鋌→○鋳ヰモノ金鋌
想ヘ↧…照スト↦…↥→○想ヘ、…照スト↢…↡
想ヘ↢…潤沢ナリト↡→○想ヘ、…潤沢ナリ
想ヘ↧…映徹スト↥→○想ヘ、…映徹スト
歯白ク斉密ニシテ→○歯白斉密ニシテ
想ヘ↢…柔軟ナリト↡→○想ヘ、…柔軟ナリ
舌薄ク広長ニシテ→○舌薄広長ニシテ
↢二ノ道↡、津液→○↢二道ノ津液↡
リテ→○ル…、
シテ而→○而
ル→○レリ
シ→○ス
抽キ→○抽デ
想ヘ↢…相ヲ↡→○想ヘ、…相ヲ
両臂ノク円カナル→○両臂ヒヂ円ノマリラカナリ
想ヘ↧…相アリ、…相アリ、…相ヲ↥→○想ヘ、…相、…相、…相
二ノ手掌平満ニシテ→○二手ノ掌平満セル
想ヘ↢…相ヲ↡→○想ヘ、…相
ク…→○シ…、
言ク→○言ク
貪↢欲スル色ヲ↡→○貪ゼン↢欲色ヲ↡
バ…者→○…者
シ、→○ス。
○モ
ニシテ→○ナリ。
想ヘ↢…円満ナリト↡→○想ヘ、…円満セリ
膝→○モヽ膝
脛→○脛
→○
キコト→○クシテ
背→○背
想ヘ↧…作スト↦…↥→○想ヘ、…作セリ↢…↡
十指長クシテ指間→○十指長指ノ間
想ヘ↧…照スト↦…↥→○想ヘ、…照ス↢…↡
リ…、→○ル…。
想ヘ↢華葉ヲ↡。…、→○想ヘ、華葉、…。
想ヘ↧…照スト↦仏身ヲ↥→○想ヘ、…照スト↢仏身ヲ↡
↢…宝王↡荘厳シ→○↢…宝王荘厳↡
想ヘ↧…/…照スト↥→○想ヘ、…/…照ス
想ヘ↧…照スト↦…↥→○想ヘ、…照ス↢…↡
チ…、→○ツ…。
得…、→○得…。
喜ビテ、→○喜ス。
病痛→○病痛
横→○横
臨ミテ↢命終ノ時ニ↡→○臨命終時ニ
上↢品往↣生ス…↡→○上品ニ往↢生ス…↡
捉ヘテ→○捉リテ
即チ失シテ↢…↡→○即↢失シテ…↡
白サク、行者→○白サク↢行者ニ↡、
持戒・念仏シ→○持チテ↠戒ヲ念ジ↠仏ヲ
者ハ→○者
廻シテ往生セヨ→○廻セヨ↢往生ヲ↡
明シタマフ↢七日七夜入道場念仏三昧ノ法ヲ↡→○明ス↢七日七夜↡、入ル↢道場ノ念仏三昧ノ法ニ↡
之→○ガ之
最モ第一→○最第一
欲セバ…者→○欲ハ…者
テ…→○ツ…。
如クニ↠法ノ→○如法ニ
バ…→○ヨ…、
↧…如キ↢毛髪ノ↡許モ↥→○…↣如クモ↢毛髪許ノ↡
痒→○痒カヨシ
断チ→○断ジ
意→○意
歳計スル→○歳ニ計ル
キ→○ケ
↢…於一切ニ↡→○↣…於↢一切↡
ケ→○カリ
履ミ→○履ヒ
畜積スル→○畜エ積ム
↠貪ルコト↠味ヲ→○↢貪味↡
○ヲ
了スル→○了ル
シ→○ク
↢受陰スルコト↡→○↠受クルコト↠陰ヲ
↢入界スルコト↡→○↠入ルコト↠界ニ
ト→○ヲ
了ス↢本無ナリト↡→○了スルニ本無ナリ
了スルニ↠是ヲ→○了スルニ是
知レドモ↢本無ナリト↡→○知リテ↢本無ト↡
加ヘ↢慈哀ヲ 於一切ニ↡→○加ヘテ↢慈哀ヲ↡ 於テ↢一切ニ↡
至要ノ慧ナリ 超エタリト↢衆行ニ↡→○至ノ要慧 超衆ノ行ナリ
立チタマフ→○立ス
其→○其ノ
独リ一処ニ止リテ→○独一処止シテ
ゼヨ→○ズベシ
ス…。→○スニ…、
過ギ↢…↡已リテ後→○過ギテ↢…↡已後
タテマツラム→○ル
如シ↢人ノ夢ノ中ニ所ノ↟見ル。…。不ズ↠由クニハ↧…有ルガ↠…故ニ不ルガ↞見→○如シ↪人夢中ノ所見、…、不ルガ↩由ルガ↧…有ルニ↞…故ニ不ルニ↝見
ノ→○ニ
為ニ開避シテ→○為シテ↢開キ避ヲ↡
徹視スル→○徹シトホシ視ル
ヲ→○ニ
徹聴スル→○徹シ聴ク
於テ→○於テ
生ズル→○生ルヽ
於テ↠此ニ→○於↠此
ゼヨ→○ズベシ
専ラ念ズル→○専念スル
何ナル→○何ノ
欲セバ…者→○欲ハン…者ハ
クハ→○カレ
得ム→○得
ニハ…アリテ→○ノ…
色→○色
欲スル→○欲ハム
一ラ→○一ツ
レ…。→○リテ…、
キモ→○クシテ
得タリ。掃灑スルコト→○得↢掃灑スルコト、
セヨ→○スベシ
ルマデ→○リ
月ヲ別ツハ↢四時ニ↡佳ナリ→○月別ニ四時佳シ
入リテ↠浄ニ行ゼヨ↠道ヲ→○入レ↢浄行ノ道ニ↡
ヨリ乃チ至ルマデ↢七日ニ↡→○乃至七日
須ヰ↢浄衣ヲ↡、鞋靺モ→○須ヰヨ↢浄衣鞋靺ヲ↡、
ハ→○、
ゼヨ…。→○ジテ…、
礼シ↠仏ヲ、誦ス↟経ヲ→○礼仏誦経ス
知リ↢合掌シテ念ズト↟仏ヲ、→○知レ↢合掌ヲ↡、念ジテ↠仏ヲ
想↣念セヨト…、端正無比ニシテ、在スト↢…↡→○想↢念シ…端正無比ヲ↡、在ケ↢…↡
念ズル↠仏ヲ→○念仏ノ
語ル→○語フ
事→○事
還タ→○還テ
念ゼヨ↠仏ヲ→○念仏セヨ
ハ→○ヲ
不→○不レ
発シテ↠願ヲ→○発願シテ
ニ→○ヲ
ケ→○カ
願ゼヨ↧…満タサムト↦…↥→○願ジテ…満ツベシ↢…↡
念ズルコト↠仏ヲ→○念仏
○ス
ル→○ラムニ
正↢当ニシテ身心ヲ↡→○正シテ当リ↢身心ニ↡
専注シテ観↢想シ…↡→○専↢注観↣想シテ…↡
ク→○カレ
作セ↢往生ノ想、…迎接スル想ヲ↡→○作セヨ↢往生想ヲ↡、…迎↢接スル想ヲ↡
ラバ→○リテ
ハ…者→○…者
タマハム。→○テ、
スベシ→○セヨ
セル→○スル
失ヒ…、→○失ス…。
セム→○ス
ル→○リテ
生ゼ→○生レ
勧メタマフ↧一切ノ衆生ニ…願ゼヨト↞…→○勧メ下フ↢一切衆生ヲ↡、…願ゼヨ↠…
勧メタマフ↧…不レト↞…→○勧メ下フ、…不レト↠…
勧メタマフニ↣…↢…↡→○勧メテ…↢…↡
勧メタマフニ↠…→○勧メ下フ…
ツル→○テン
アリ。→○、
何ノ→○何ナル
已後→○已後
○ル
フ→○ハン
不→○不ラム
フ→○ハム
ル…。→○リテ…、
シ→○ケム
シテ…、→○スル…。
之→○ノ之
バ者→○者
化↢作シ無数ノ化仏ヲ↡→○、化作無数ノ化仏
○、
シタマフト→○ス
シ…。→○キハ…、
○ノ、
ニ…、→○…。
如キ↠前ノ身相等ノ光→○如キ↢前ノ身相等ノ光ノ↡、
専ラ念ズル↢…↡→○専↢念スル…↡
専ラ念ジテ↢…↡→○専↢念シテ…↡
願ズレバ…者→○願ズル…者
得シムト→○得
シタマフ→○スル
↠不ルヲ↢至心ナラ↡→○↢不至心ヲ↡
諸縁ノ事→○諸ノ縁事
至シテ↠心ヲ→○至心
ル…。→○リテ…、
○ベシト
得テ…、→○得…。
シト→○ク
ルニ→○リテ
シタマハク…、→○ス…。
差シテ→○差シテ
ノ→○ヲシテ
ム→○メヨ
スル→○セム
誦スルコト↠経ヲ→○誦経
タセ…。→○テ…、
↢…見タテマツラムト↟仏ヲ→○↢…見仏ヲ↡
知リ→○知シ
没シテ王宮ニ→○没シテ↢王宮ニ↡
ニ…、→○…。
タマヒ…、→○下エリ…。
ゲ…、→○グ…。
求メテ↠哀ミヲ→○求哀シ
教ヘテ↠我ヲ観ゼシメタマヘト↢於清浄業処ヲ↡→○教エ下ヘ↢我ニ観シムルコトヲ↟於↢清浄ノ業処↡
直→○直ニ
セリ→○ス
但使有リテ↢…願ズル↠見タテマツラムト者↡、…憶スレバ↠仏ヲ→○但使メヨ↧有ラム↢…願ズルコト↟見上ラムト者ハ、…憶セ↞仏ヲ
加シタマフガ↠念ヲ→○加念スルガ
加シタマフガ↠念ヲ→○加念スル
為セ→○為ヨ
ヘ→○フ
ビタマハ→○バ
但使帰スレバ↠誠ニ→○但使メヨ↠帰セ↠誠ヲ
ル→○ラム
讃ジ→○讃メ
受持シテ広ク→○受持シテ↢広ク↡
ム→○メン
コト→○ベシ
ニシテ→○ナリ、
ニ→○ハ
○セ
若キハ↢…ノ↡→○若シ…
ル→○レン
ガ→○シテカ
得ム→○得ベキ
告ゲテ…、韋提→○告ゲテ↢…韋提ニ↡
計ケテ↠念ヲ→○計念シテ
注ムレバ↠意ヲ→○注意セバ
同ジテ→○同ジク
得ベシ→○得ム
粗見→○粗見ル
得レバ…者→○得ツレ…者
シ→○ケン
但使傾クレバ→○但使ムレバ↠傾ケ
不↠須ヰ↢驚怪スルヲ↡→○不↠須クカラ↢驚怪ス↡
シ…。→○キハ…、
キタマフ→○ク
若キハ↢…ノ↡→○若シ…ハ
随ヒテ↢…↡、時ニ→○随フ↢…↡時
シタマヘ→○セ
キ、→○ク。
及ブト↠見ルニ→○及見ル
ガ→○ニ
トシテ而→○ト而
ニ、→○ノ
○ナリ
モテ→○シテ
ゼバ…、→○ズベシ…。
一→○一ツ
乃チ至ルマデ↢…ニ↡→○乃至…マデ
命欲スル↠終ラムト時→○命欲終時ニ
↠見タテマツラムト↠仏ヲ→○↢見仏ヲ↡
乃チ→○乃シ
ヒ…、→○ハム…。
与↢聖衆・華台↡→○与↢聖衆↡華台ヲ
見タテマツリ↠仏ヲ→○見仏シ
ム→○ル
・→○ノ
ズル…者ハ→○ズレ…者
シテ→○シ下ヘル
致ス↠使ムルコトヲ↧凡夫ノ念ズル者ヲシテ…得↦見仏スルコトヲ↥→○致ス↠使ムルコトヲ↢凡夫ヲシテ念ゼ↡者ナリ。…得↢見仏ヲ↡
自→○自
藉リテ↢…ヲ↡→○藉リテ↢…ニ↡
ス…。→○シテ…、
欲スル…者ハ→○欲ハ…者
守リテ習持シテ→○守習シ持シテ
有ルコトヲ↧疑想如キ↢毛髪ノ↡許モ↥→○有ルコトヲ↢疑想↡、如キモ↢毛髪許ノ↡
ノ身、…相アリ、…無比ナルヲ↡→○ヲ↡。身…相マシマス、…無比ナリト
○ハ
サ→○セ
○シテ
ラム→○ル
スル→○ノ
摂シテ↠念ヲ→○摂念シテ
ズレ→○ゼ
タテマツリ→○ム
正向シテ→○正ク向テ
専ラ称シテ↢…↡→○専↢称シ…↡
念→○念ジテ
令メタマフ↠見→○令ム↠見上ラ
中ニ説キタマフガ→○中ノ説ノ
ム→○メ下
専ラ念ゼシメタマフ→○専念セシム
与ニ↢聖衆・華台ト↡授手→○与↢聖衆↡華台ヲ授手シテ
メタマフ→○ム
専ラ念ズレバ↢…↡→○専↢念スレバ…↡
テ→○下フ
得シメタマフ→○得
為ス→○為ル
命終ノ→○命終ラム
ハ→○トイハヾ
計ケ↢念ヲ…ニ↡→○計↢念シテ…ヲ
ハ…者→○ト云…者
果遂セ→○果シ遂ゲ
ニ→○ノ
セシム…。→○シテ…、
云ハバ↢…不ト↟…者→○云ク、…不ト云↠…者
不…也→○不ル…也
言ハバ↧…得シムト↞…者、…得シムル↠生ズルコトヲ。…保↢証スル得生ヲ↡也→○言フ↧…得シムト↠…者、…得シメ↠生ズルコトヲ、…保↦証スルト得生ヲ↥也
観ズ↢彼ノ国ヲ↡。浄業成ズル者ナリ→○観ズ↢彼国ノ浄業成ゼル者ヲ↡
メム→○ム
説キテ↠教ヲ→○ノ説教
シタマフ→○セシム
○云
一ニハ→○一タビ
スレバ→○シテハ
ケ→○ク
欲スルモ↢願ジテ帰セムト↟仏ニ→○欲スレドモ↠願ズ↠帰セムト↠仏ニ
スルコト→○ニ
ク→○シ
ジ→○ズ
見ル↢他ノ悪ノミヲ↡。故ニ→○見テ↠他ヲ悪ムガ故ニ
至ルマデ↢諸仏・賢聖ヨリ、人天・六道一切ノ良善ニ↡→○至リ↢諸仏・賢聖ニ↡、人天・六道ニテ一切ノ良善
専心ニ→○専ニシ↠心ヲ
計ケテ↢念ヲ→○計↢念シテ
↠念ズルコトヲ↢仏法僧ヲ↡→○↢念仏法僧ヲ↡
如キ↠此クノ→○如キノ↠此ノ
生ズル→○生ム
乃チ至ルマデセム一念ニ。→○乃至一念シテ、
キタマハク…、→○ク…。
ルマデ→○リテ
舒舌→○舒ベテ舌ヲ
ス…。→○サク…、
雨ラシ→○雨リ
○ニモ
憚ル之心→○憚ル之ニ↠心
↢…得シムト↟生ズルコトヲ→○↢…得生セシムト↡
而→○而モ
答フ↧前ノ問ニ、摂シテカ↢何等ノ衆生ヲ↡得シムルトイフコトニ↞生ズルコトヲ↢浄土ニ↡。/五種増上縁ノ義→○答ス↢前ノ問ノ摂何等衆生得生浄土ノ/五種増上縁ノ義ヲ↡、
ナリ→○タリ
カ→○ヤ
為セ↢…ヲ↡→○為ル↢…ト↡
如シ↢上ノ五悪性分ノ中ニ已ニ説キ竟ルガ↡→○如シ↢上ノ五悪性分ノ中ノ↡已ニ説キ竟リヌ
直→○直
為サム→○為ム
応ニ当シ↣受↢持ス…↡→○応シ↣当ニ受↢持ス…↡
…者ニハ→○ニ…者
開スル→○開ク
除キ↢害スル↠人ヲ悪鬼ヲ↡殄滅シテ→○除ク↢害人悪鬼殄滅ヲ↡
キ→○ク
ラム→○ルベシ
キ→○クノ
於テ↠後ニ閻浮提ニ→○於テ↢後ニ閻浮提ニ↡
不↠具セ→○不具ナラム
ム…。→○テ…、
ムル→○メン
不→○不
死シテ後→○死後
堕シテ↢於地獄ニ↡→○堕ツ↠於↢地獄↡
○ン
未ザダラム→○未ジ ダ
ルモ→○リテ
ルモ→○レドモ
不ラム→○不
↢於…ニ↡→○↠於↢…↡
称・観・礼・讃シ、香華ヲモテ供↢養シ…↡→○称↢観シ礼↣讃シ、香↤華供↯養シ…↡
観想シテ、三昧→○観↢想シテ三昧ヲ↡
欲ス→○欲フ
ビタマフ→○ブ
フレバ者→○エ者
セシメヨ→○スベシ
ヲモテ助ケテ歓喜セシメテ→○助歓喜シテ
タマヘリ→○タリ
得タマヘリ→○得
タマフ→○ム
ハ→○シテ
比↢校セム念仏ノ功徳ニ↡→○比校シテ念ゼム↢仏ノ功徳ヲ↡
シ→○キ
人寿→○人ノ寿
ル→○ラム
シ→○ケン
取リテ↧是ノ人ノ行処、著↢満セル中ニ↡珍宝ヲ↥→○取リテ↢是人行処ニ、著ケテ満チララム↠中ニ珍宝ヲ↡
スルニ、→○セム。
所ノ↠得ル→○所得ノ
ヲモテ供養シテ助ケテ歓喜セシムル→○供養助歓喜セム
スル→○ノ
○バ
フ→○ヒキ
シタテマツル→○ス
還タ→○還リテ
也→○也
ヲモテ助ケテ歓喜セシム→○助歓喜ス
於テ↢比丘ノ所ニ↡出家シテ→○於テ↣比丘所ニ↢出家スル↡
却リテ→○却リテ
得タリ→○得
ナル→○オ
↠求メ↠学ヲ→○↢求学セ↡
ス→○サク
所引ノ→○ニ所ノ引ク
畢ヘテ↢此ノ一形ヲ↡→○畢ハテ↢此ノ一形↡
セバ…者→○セム…者ハ
ガ→○ヤ
セム→○スベキ
フレバ者→○エ者
フ→○ヒキ
○キ
破シ↠戒ヲ犯ス↠重ヲ→○破戒犯重ナリ
所ヲ↠犯ス→○所犯ヲ
観ジ→○観
スルコト如ク↢…↡、→○ス、如シ↢…。
↢…於地ニ↡→○↢…於↟地
ヒテ→○ヒ上テ
証ス→○証トス
ズル→○ゼム
犯サム→○犯セラム
・→○ノ
スルコト→○シテ
ズルコト→○ジテ
ズルコト→○ジテ
ズル→○ゼン
不ハ↠見エ者→○不↠見者
応シ↧…観ズ↦眉間ノ白毫ヲ↥。…啼泣セヨ→○応シ↧…観ジテ↢眉間ノ白毫ヲ↡、…啼泣ス↥
シタマハク→○ス
今者→○今者
キ→○クト
発露悔過シ、随↢順シテ仏語ニ↡→○発↢露悔↣過シ随↤順シテ仏語ヲ↡
ズルコト→○ジテ
ラバ→○リナバ
ケタリ→○ケキ
ケ…、→○ケキ…。
仏→○仏
説キ…已リタマフニ→○説キ下フコト…已リテ
雨ラスニ↠涙ヲ、→○雨涙ス。
キテ→○クニ
タテマツリ→○ルコト
ス→○シキ
有ラバ↧得ムトスル↢…↡者、観ゼムトスル↢…↡者、得ムトスル↢…↡者↥→○有ラム↠得ルコト↢…↡者、観ゼム↢…↡者、得ム↢…↡者
生ズル→○生ス
シテ→○リ
ニシテ→○ナリ、
ス→○セリ
セバ…者→○サ…者
ク…、→○シ…。
壊スル→○壊ル
如ク↠是クノ→○如シ↠是ノ、
生ゼバ…者→○生セ者
者→○者
所謂ル→○所↠謂ハユ
ケタマフ→○ク
リタマヘリ。→○リ下ヒテモ、
、→○ニ
請フ→○請ズ
名ケテ→○名オバ
↠不ルヲ↢至心ナラ↡→○↢不至心ヲ↡
作ス者ハ→○作者
シタマハ→○セ
遣ム↣使ヲシテ来↢到セ…↡→○遣シテ↠使ヲ来↢到セシム…↡
ナリ。→○ナレドモ、
使メタマヘト↧…易ク…、…遠↦離セ衆苦ヲ↥→○使メヨ↢…易カラ↟…、…遠↢離セム衆苦ヲ>↡
不乱ニ
命ヲ捨テ
欲セバ…者→○欲ハ…者
乃チ→○乃シ
過グル→○過ス
無クハ…者→○無レ…者
捨命シテ→○捨テヽ↠命ヲ
ヲモテ→○ニ
サク→○シテ
シテ→○ス
親シム→○親ヅク
此ノ善ヲモテ→○此善ク
↣長ク淪ムコトヲ↢苦海ニ↡→○↢長淪苦海ヲ↡
来↢入シテ…↡→○来リテ入シテ↢…↡