^*¬称しょう讃さん浄じょう土ど教きょう¼ にのたまはく、 玄げん奘じょう三蔵さんぞうの訳やくなり

^「たとひ百ひゃく千せん倶く胝てい那由他なゆた劫こうを経へて、 それ無む量りょう百ひゃく千せん倶く胝てい那な由他ゆたの舌したをもつて、 一々いちいちの舌したの上うえに無む量りょうの声こえを出いだして、 その功く徳どくを讃ほめむに、 また尽つくることあたはじと。」 文

 

0555◎浄じょう 土ど 和わ 讃さん

 

○冠頭讃

◎(1) 勧信

▲*弥陀みだの名みょう号ごうとなへ​つつ

◗信心しんじんまことに​うる​ひと​は

◗憶念おくねんの心しんつねに​して

◗仏恩ぶっとん報ほうずる​おもひ​あり

(2) 誡疑

▲*誓願せいがん不ふ思議しぎを​うたがひ​て

◗御名みなを称しょうする往おう生じょうは

▲*宮く殿でんの​うち​に五ご百ひゃく歳さい

◗むなしく​すぐ​と​ぞ​とき​たまふ

○徳号列示

^0556¬讃さん阿あ弥陀みだ仏ぶつ偈げ¼ にいはく 曇鸞どんらん御ご造ぞう

^▲南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつ *釈しゃくして ¬無む量りょう寿じゅ傍ぼう経きょう¼ と名なづく、 讃ほめたてまつりてまた安あん養にょうといふ。

^▲成じょう仏ぶつよりこのかた十劫じっこうを歴へたまへり、 寿じゅ命みょうまさに量はかりあることなし、 法身ほっしんの光輪こうりん法界ほうかいに遍へんして、 世せの盲もう冥みょうを照てらしたまふ、 かるがゆゑに頂ちょう礼らいしたてまつる。

・阿弥陀三十七号

^また ▲1無む量りょう光こうと ▲2真実しんじつ明みょうと号なづく、 また ▲3無む辺へん光こうと ▲4平びょう等どう覚かくと号なづく、 また ▲5無礙むげ光こうと ▲6難なん思じ議ぎと号なづく、 また ▲7無む対たい光こうと ▲8畢ひっ竟きょう依えと号なづく、 また ▲9光炎こうえん王のうと ▲10大だい応おう供ぐと号なづく、 また ▲11清しょう浄じょう光こうと号なづく、 また ▲12歓かん喜ぎ光こうと ▲13大だい安あん慰にと号なづく、 また ▲14智慧ちえ光こうと号なづく、 また ▲15不ふ断だん光こうと号なづく、 また ▲16難なん思じ光こうと号なづく、 また ▲17無む称しょう光こうと号なづく、 ▲18超ちょう日月にちがつ光こうと号なづけたてまつる。

^▲19無む等等とうどう ▲20広大こうだい会え ▲21大心だいしん海かい ▲22無む上じょう尊そん ▲23平びょう等どう力りき ▲24大心だいしん力りき ▲25無む称しょう仏ぶつ ▲26婆伽婆ばがば ▲27講堂こうどう ▲28清浄しょうじょう大だい摂しょう受じゅ ▲29不可ふか思議しぎ尊そん ▲30道どう場じょう樹じゅ ▲31真しん無む量りょう ▲32清浄しょうじょう楽がく ▲33本願ほんがん功く徳どく聚じゅ ▲34清浄しょうじょう勲くん ▲35功く徳どく蔵ぞう ▲36無む極ごく尊そん ▲37南な無も不可ふか思議しぎ光こう 以い上じょう略抄りゃくしょうなり。

^¬十住じゅうじゅう毘婆びば娑しゃ論ろん¼ にいはく

▲自じ在ざい人にん 我が礼らい ▲清浄しょうじょう人にん 帰き命みょう ▲無む量りょう徳とく 称しょう讃さん 以い上じょう

○讃弥陀偈讃

讃さん0557阿あ弥陀みだ仏ぶつ偈げ和わ讃さん

愚ぐ禿とく親鸞しんらん作さく

 南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつ

 Ⅰ 仏の成道

(3) 十劫成道

▲弥陀みだ成じょう仏ぶつの​このかた​は

◗いまに十劫じっこうを​へ​たまへ​り

◗法身ほっしんの光輪こうりんきは​も​なく

◗世せの盲もう冥みょうを​てらす​なり

ヨノ  メシヰクラキモノ

 Ⅱ 如来の荘厳
  ⅰ 無量光

(4)

▲智慧ちえの光こう明みょうはかり​なし

◗有う量りょうの諸相しょそうことごとく

ヨロヅノ  シユジヤウナリ

◗光こう暁きょうかぶら​ぬ​もの​は​なし

2真実しんじつ明みょうに帰き命みょうせよ

  ⅱ 無辺光

(5)

▲解げ脱だつの光輪こうりんきは​も​なし

◗光触こうそくかぶる​もの​は​みな

◗有無うむを​はなる​と​のべ​たまふ

4平びょう等どう覚かくに帰き命みょうせよ

  ⅲ 無礙光

(6)

▲光雲こううん無礙むげ如にょ虚こ空くう

ヒカリクモノゴトクシテサハリナキコトコクノゴトシ

◗一切いっさいの有礙うげに​さはり​なし

ヨロズノサハリアルコト

◗光沢こうたくかぶら​ぬ​もの​ぞ​なき

6難なん思議じぎを帰き命みょうせよ

  ⅳ 無対光

(7)

▲清浄しょうじょう光こう明みょうならび​なし

◗遇ぐ斯し光こうの​ゆゑ​なれば

ミダ仏ニマウアヒヌルユヘニ

◗一切いっさいの業ごっ繋けも​のぞこり​ぬ

ツミノナハニシバラルヽナリ

8畢ひっ竟きょう依えを帰き命みょうせよ

  ⅴ 光炎王

(80558)

▲仏光ぶっこう照しょう曜よう最さい第一だいいち

◗光炎こうえん王のう仏ぶつと​なづけ​たり

◗三さん塗ずの黒闇こくあんひらく​なり

ジゴクガクヰチフシヤウ

クラキヤミナリ

10大だい応おう供ぐを帰き命みょうせよ

ミダニヨライナリ

  ⅵ 清浄光

(9)

▲道光どうこう明みょう朗ろう超ちょう絶ぜつせり

ミダノヒカリアキラカニスグレタリトナリ

◗清浄しょうじょう光こう仏ぶつと​まうす​なり

◗ひとたび光こう照しょうかぶる​もの

ヒカリニテラサルトナリ

◗業ごっ垢くを​のぞき解げ脱だつを​う

アクゴフボムナウナリ

サトリヲヒラクナリ

  ⅶ 歓喜光

(10)

▲慈じ光こうはるかに​かぶら​しめ

◗ひかり​の​いたる​ところ​には

◗法ほう喜きを​う​とぞ​のべ​たまふ

ミノリヲヨロコブナリ

13大だい安あん慰にを帰き命みょうせよ

  ⅷ 智慧光

(11)

▲無む明みょうの闇あんを破はする​ゆゑ

ヤミニテクラシ

ヤブルナリ

◗智慧ちえ光こう仏ぶつと​なづけ​たり

◗一切いっさい諸仏しょぶつ・三さん乗じょう衆しゅ

◗ともに嘆たん誉よし​たまへ​り

ホメホムルナリ

  ⅸ 不断光

(12)

▲光こう明みょうてらし​て​たえ​ざれ​ば

◗不ふ断だん光こう仏ぶつと​なづけ​たり

◗聞光もんこう力りきの​ゆゑ​なれば

ミダノオンチカヒヲシンジマヒラスルナリ

◗心しん不ふ断だんにて往おう生じょうす

ミダノセイグワンヲシンゼルコヽロタヘズシテワウジヤウストナリ

  ⅹ 難思光

(13)

▲仏光ぶっこう測しき量りょうなき​ゆゑに

◗難なん思じ光こう仏ぶつと​なづけ​たり

◗諸仏しょぶつは往おう生じょう嘆たんじ​つつ

ホムルナリ

◗弥陀みだの功く徳どくを称しょうせしむ

  ⅺ 無称光

(140559)

▲神光じんこうの離り相そうを​とか​ざれ​ば

ムゲクワウブチノオンカタチヲイヒヒラクコトバシトナリ

◗無む称しょう光こう仏ぶつと​なづけ​たり

◗因光いんこう成じょう仏ぶつの​ひかり​をば

ヒカリキハナカラントチカヒタマイテムゲクワウブチトナリテオハシマストシルベシ

◗諸仏しょぶつの嘆たんずる​ところ​なり

ホメタマフナリ

  ⅻ 超日月光

(15)

▲光こう明みょう月つき日ひに勝しょう過がして

スグレタルナリ

◗超ちょう日月にちがつ光こうと​なづけ​たり

◗釈しゃ迦か嘆たんじて​なほ​つき​ず

ホメタマフナリ

19無む等等とうどうを帰き命みょうせよ

 Ⅲ 聖衆の荘厳
  ⅰ 果徳の殊勝

(16)

▲弥陀みだ初しょ会えの聖しょう衆じゅは

ミダノブチニナリタマヒシトキアツマリタマヒシシヤウジユノオホキコトナリ

◗算数さんじゅの​およぶ​こと​ぞ​なき

◗浄じょう土どを​ねがは​ん​ひと​は​みな

20広大こうだい会えを帰き命みょうせよ

(17)

▲安楽あんらく無む量りょうの大だい菩ぼ薩さつ

◗一いっ生しょう補ふ処しょに​いたる​なり

◗普ふ賢げんの徳とくに帰きして​こそ

ダイジダイヒヲマフスナリ

◗穢え国こくに​かならず化けする​なれ

(18)

▲十じっ方ぽう衆しゅ生じょうのために​とて

◗如来にょらいの法蔵ほうぞうあつめ​て​ぞ

◗本願ほんがん弘ぐ誓ぜいに帰きせ​しむる

21大だい心海しんかいを帰き命みょうせよ

(19)

▲観音かんのん・勢せい至しもろともに

◗慈じ光こう世せ界かいを照しょう曜ようし

◗有う縁えんを度どして​しばらく​も

◗休く息そくある​こと​なかり​けり

ヤスムコトナシトナリ

(200560)

▲安楽あんらく浄じょう土どに​いたる​ひと

◗五ご濁じょく悪あく世せに​かへり​ては

◗釈しゃ迦か牟尼むに仏ぶつの​ごとくに​て

◗利り益やく衆しゅ生じょうは​きは​も​なし

(21)

▲神力じんりき自じ在ざいなる​こと​は

◗測しき量りょうす​べき​こと​ぞ​なき

ハカリハカルコトナシトナリ

◗不ふ思議しぎの徳とくを​あつめ​たり

22無む上じょう尊そんを帰き命みょうせよ

(22)

▲安楽あんらく声しょう聞もん・菩ぼ薩さつ衆しゅ

◗人にん天でん智慧ちえほがらかに

◗身相しんそう荘しょう厳ごんみな​おなじ

◗他た方ほうに順じゅんじて名なを​つらぬ

シタガヒテニンアリテンアリトイフ

(23)

▲顔容げんよう端たん正じょうたぐひ​なし

◗精しょう微み妙みょう躯く非ひ人天にんでん

タヘナルミナリ

ニンニアラズテンニアラズ

◗虚無こむ之し身しん無む極ごく体たい

ホフシンニヨライナリ

23平びょう等どう力りきを帰き命みょうせよ

  ⅱ 因法の殊勝

(24)

▲安楽あんらく国こくを​ねがふ​ひと

◗正定しょうじょう聚じゅに​こそ住じゅうす​なれ

◗邪じゃ定じょう・不ふ定じょう聚じゅくに​に​なし

◗諸仏しょぶつ讃嘆さんだんし​たまへ​り

(25)

▲十じっ方ぽう諸しょ有うの衆しゅ生じょうは

◗阿あ弥陀みだ至し徳とくの御名みなを​きき

◗真実しんじつ信心しんじんいたり​なば

◗おほきに所聞しょもんを慶きょう喜きせん

シンズルコトヲエテヨロコブナリ

(260561)

▲若にゃく不ふ生しょう者じゃの​ちかひ​ゆゑ

モシムマレズハトチカヒタマヘルナリ

◗信しん楽ぎょうまことに​とき​いたり

◗一念いちねん慶きょう喜きする​ひと​は

シンヲエテノチニヨロコブトナリ

◗往おう生じょうかならず​さだまり​ぬ

 Ⅳ 国土の荘厳
  ⅰ 国土の讃嘆

(27)

▲安楽あんらく仏ぶつ土どの依え正しょうは

◗法蔵ほうぞう願力がんりきの​なせ​る​なり

◗天てん上じょう天てん下げに​たぐひ​なし

24大だい心力しんりきを帰き命みょうせよ

  ⅱ 超絶の功徳

(28)

▲安楽あんらく国こく土どの荘しょう厳ごんは

◗釈しゃ迦か無礙むげの​みこと​にて

◗とく​とも​つき​じ​と​のべ​たまふ

▲25無む称しょう仏ぶつを帰き命みょうせよ

  ⅲ 往生の無数

(29)

▲已い今当こんとうの往おう生じょうは

クワコニムマルコムジヤウニムマルミライニムマルヽナリ

◗この土どの衆しゅ生じょうのみ​なら​ず

◗十じっ方ぽう仏ぶつ土どより​きたる

◗無む量りょう無む数しゅ不ふ可計かけなり

 カゾフベカラズトナリ

(30)

▲阿あ弥陀みだ仏ぶつの御名みなを​きき

◗歓かん喜ぎ讃仰さんごう*せしむれ​ば

ヨロコビホメアフグトイフ

◗功く徳どくの宝ほうを具ぐ足そくして

◗一念いちねん大だい利り無む上じょうなり

(31)

▲たとひ大千だいせん世せ界かいに

◗みて​らん火ひをも​すぎ​ゆき​て

◗仏ぶつの御名みなを​きく​ひと​は

◗ながく不ふ退たいに​かなふ​なり

(320562)

▲神力じんりき無む極ごくの阿あ弥陀みだは

◗無む量りょうの諸仏しょぶつほめ​たまふ

◗東方とうぼう恒沙ごうじゃの仏国ぶっこくより

◗無む数しゅの菩ぼ薩さつゆき​たまふ

(33)

▲自余じよの九く方ほうの仏国ぶっこくも

コヽノツノハウノブチドヨリゴクラクニムマルヽナリ

◗菩ぼ薩さつの往覲おうごんみな​おなじ

ワウジヤウシホトケヲミタテマツル

◗釈しゃ迦か牟尼むに如来にょらい*偈げを​とき​て

◗無む量りょうの功く徳どくを​ほめ​たまふ

(34)

▲十じっ方ぽうの無む量りょう菩ぼ薩さつ衆しゅ

◗徳本とくほんうゑ​ん​ため​に​とて

◗恭く敬ぎょうを​いたし歌か嘆たんす

ホメホムルナリ

◗みな​ひと▲26婆伽婆ばがばを帰き命みょうせよ

ホトケノミナナリ

  ⅳ 真化二土

(35)

▲七宝しっぽう講堂こうどう道どう場じょう樹じゅ

◗方便ほうべん化け身しんの浄じょう土どなり

ヘンヂケマンコクナリ ギハクタイシヤウノジヤウドナリ

◗十じっ方ぽう来らい生しょうきは​も​なし

27講堂こうどう30道どう場じょう礼らいす​べし

(36)

▲妙みょう土ど広大こうだい超ちょう数限しゅげん

◗本願ほんがん荘しょう厳ごんより​おこる

28清浄しょうじょう大だい摂しょう受じゅに

◗稽首けいしゅ帰き命みょうせしむ​べし

(37)

▲自利じり利他りた円満えんまんして

◗帰き命みょう方便ほうべん巧ぎょう荘しょう厳ごん

◗こころ​も​ことば​も​たえ​たれば

29不可ふか思議しぎ尊そんを帰き命みょうせよ

(380563)

▲神力じんりき本願ほんがん及ぎゅう満足まんぞく

◗明了みょうりょう堅けん固ご究く竟きょう願がん

◗慈悲じひ方便ほうべん不ふ思議しぎなり

▲31真しん無む量りょうを帰き命みょうせよ

  ⅴ 宝林の讃嘆

(39)

▲宝林ほうりん・宝樹ほうじゅ微み妙みょう音おん

◗自じ然ねん清しょう和わの伎ぎ楽がくにて

◗哀婉あいえん雅が亮りょうすぐれ​たり

アハレニスミタヾシクサエタリ

▲32清浄しょうじょう楽がくを帰き命みょうせよ

(40)

▲七宝しっぽう樹林じゅりんくに​に​みつ

◗光耀こうようたがひに​かがやけ​り

◗華け・菓か・枝し・葉ようまた​おなじ

33本願ほんがん功く徳どく聚じゅを帰き命みょうせよ

(41)

▲清しょう風ふう宝樹ほうじゅを​ふく​とき​は

◗いつつ​の音おん声じょういだし​つつ

◗宮商きゅうしょう和わし​て自じ然ねんなり

34清浄しょうじょう*薫くんを礼らいす​べし

  ⅵ 宝蓮の讃嘆

(42)

▲一々いちいちの​はな​の​なか​より​は

*三さん十じゅう六ろっ百ぴゃく千億せんおくの

◗光こう明みょうてらし​て​ほがらかに

◗いたら​ぬ​ところ​は​さらに​なし

(43)

▲一々いちいちの​はな​の​なか​より​は

◗三さん十じゅう六ろっ百ぴゃく千億せんおくの

◗仏身ぶっしんも​ひかり​も​ひとしく​て

◗相好そうごう金山こんぜんの​ごとく​なり

(440564)

▲相好そうごうごと​に百ひゃく千せんの

◗ひかり​を十じっ方ぽうに​はなち​て​ぞ

◗つねに妙みょう法ほうとき​ひろめ

◗衆しゅ生じょうを仏道ぶつどうに​いら​しむる

  ⅶ 宝池の讃嘆

(45)

▲七宝しっぽうの宝ほう池ちいさぎよく

◗八はっ功く徳どく水すいみち​みて​り

▲無漏むろの依果えか不ふ思議しぎなり

35功く徳どく蔵ぞうを帰き命みょうせよ

(46)

▲三さん塗ず苦く難なんながく​とぢ

◗但たん有ぬ自じ然ねん快け楽らく音おん

◗この​ゆゑ安楽あんらくと​なづけ​たり

36無む極ごく尊そんを帰き命みょうせよ

  ⅷ 弥陀功徳の結讃

(47)

▲十じっ方ぽう三さん世ぜの無む量りょう慧え

◗おなじく一如いちにょに乗じょうじ​て​ぞ

◗二智にち円満えんまん道どう平びょう等どう

◗摂せっ化け随縁ずいえん不ふ思議しぎなり

(48)

▲弥陀みだの浄じょう土どに帰きし​ぬれ​ば

◗すなはち諸仏しょぶつに帰きする​なり

◗一心いっしんをもちて一仏いちぶつを

◗ほむる​は無礙むげ人にんを​ほむる​なり

(49)

▲信心しんじん歓かん喜ぎ慶きょう所聞しょもん

▲乃曁ないかい一念いちねん至し心しん者しゃ

▲37南無なも不可ふか思議しぎ光こう仏ぶつ

◗頭ず面めんに礼らいし​たてまつれ

(500565)

▲仏ぶっ慧て功く徳どくを​ほめ*しめ​て

◗十じっ方ぽうの有う縁えんに​きか​しめ​ん

◗信心しんじんすでに​え​ん​ひと​は

◗つねに仏恩ぶっとん報ほうず​べし

以い上じょう四し十じゅう八首はっしゅ   愚ぐ禿とく親鸞しんらん作さく

▽*阿あ弥み陀だ如にょ来らい 観かん世ぜ音おん菩ぼ薩さつ
大だい勢せい至し菩ぼ薩さつ
◗釈しゃ迦か牟尼むに如来にょらい 富楼那ふるな尊者そんじゃ
大目だいもく犍連けんれん
阿あ難なん尊者そんじゃ
◗頻びん婆ば娑しゃ羅ら王おう 韋い提だい夫ぶ人にん
耆婆ぎば大臣だいじん
月光がっこう大臣だいじん
◗提だい婆ば尊者そんじゃ 阿あ闍じゃ世せ王おう
雨う行ぎょう大臣だいじん
守門しゅもん者しゃ

○大経讃

浄じょう土ど和わ讃さん     愚ぐ禿とく親鸞しんらん作さく

¬大だい経きょうの¼ 意こころ

二に十じゅう二に首しゅ

 Ⅰ 阿難の請問

(51)

▲尊者そんじゃ阿あ難なん座ざより​たち

◗世せ尊そんの▲威い光こうを▲瞻仰せんごうし

ミタテマツル

▲生しょう希有けう心しんと​おどろかし

アリガタキコヽロトイフ

▲未み曽ぞう見けんとぞ​あやしみ​し

イマダムカシミタテマツラズ

(52)

▲如来にょらいの光瑞こうずい希有けうにして

ヒカリアリガタシトナリ

▲阿あ難なんはなはだ​こころよく

▲如にょ是ぜ之義しぎと​とへ​り​し​に

▲*出しゅっ世せの本ほん意いあらはせ​り

ホトケコノヨニイデタマフトナリ

 Ⅱ 釈尊の応答

(530566)

▲大だい寂定じゃくじょうに​いり​たまひ

◗如来にょらいの▲光顔こうげんたへに​して

◗阿あ難なんの▲慧え見けんを​みそなはし

▲問もん斯し慧義えぎと​ほめ​たまふ

(54)

▲如来にょらい興こう世せの本ほん意いには

ヨニイデタマフコヽロハトイフ

▲本願ほんがん真実しんじつひらき​て​ぞ

▲難なん値ち難見なんけんと​とき​たまひ

マウアヒガタクミタテマツリガタシトナリ

▲猶ゆ霊瑞れいずい華けと​しめし​ける

ウドムグノサクコトノマレナルガゴトクトナリ

 Ⅲ 本願の超異

(55)

▲弥陀みだ成じょう仏ぶつの​このかた​は

◗いまに十劫じっこうと​とき​たれ​ど

◗塵点じんでん久く遠おん劫ごうより​も

◗ひさしき仏ぶつと​みえ​たまふ

(56)

南無なも不可ふか思議しぎ光こう仏ぶつ

▲饒にょう王おう仏ぶつの​みもと​にて

▲十じっ方ぽう浄じょう土どの​なか​より​ぞ

◗本願ほんがん▲選せん択じゃく▲摂取せっしゅする

 Ⅳ 弥陀真実の利益

(57)

▲無礙むげ光こう仏ぶつの​ひかり​には

◗清浄しょうじょう・歓かん喜ぎ・智慧ちえ光こう

▲その徳とく不可ふか思議しぎにして

◗十じっ方ぽう諸しょ有うを利り益やくせ​り

(58) ª本願ノコヽロ第十八ノ選択本願ナリº

▲至し心しん・信しん楽ぎょう・欲よく生しょうと

◗十じっ方ぽう諸しょ有うを​すすめ​て​ぞ

◗不ふ思議しぎの誓願せいがんあらはし​て

▲真実しんじつ報ほう土どの因いんと​する

(590567)

▲真実しんじつ信心しんじんうる​ひと​は

◗すなはち定じょう聚じゅの​かず​に​いる

◗不ふ退たいの​くらゐ​に​いり​ぬれ​ば

◗かならず滅めつ度どに​いたら​しむ

ネチハンノサトリヲヒラクナリ

(60) ª三十五ノ願ノコヽロナリº

▲弥陀みだの大だい悲ひふかけれ​ば

◗仏ぶっ智ちの不ふ思議しぎを​あらはし​て

◗変へん成じょう男なん子しの願がんを​たて

◗女人にょにん成じょう仏ぶつちかひ​たり

 Ⅴ 第十九願の意

(61) ª十九ノ願ノコヽロ諸行往生ナリº

▲至し心しん・発願ほつがん・欲よく生しょうと

◗十じっ方ぽう衆しゅ生じょうを方便ほうべんし

▲*衆善しゅぜんの仮け門もんひらき​て​ぞ

▲*現げん其ご人前にんぜんと願がんじ​ける

(62)

▲臨りん終じゅう現前げんぜんの願がんに​より

▲釈しゃ迦かは諸善しょぜんを​ことごとく

~¬観かん経ぎょう¼ 一いち部ぶに​あらはし​て

▲定じょう散さん諸しょ機きを​すすめ​けり

(63)

諸善しょぜん万まん行ぎょうことごとく

▲至し心しん発願ほつがんせ​る​ゆゑに

▲往おう生じょう浄じょう土どの方便ほうべんの

~善ぜんと​なら​ぬ​は​なかり​けり

 Ⅵ 第二十願の意

(64) ª二十ノ願ノコヽロナリ自力ノ念仏ヲ願ジタマヘリº

▲至し心しん・回え向こう・欲よく生しょうと

▲十じっ方ぽう衆しゅ生じょうを方便ほうべんし

~*名みょう号ごうの真門しんもんひらき​て​ぞ

▲不果遂者と願じ​ける

ツヰニハタシトゲントナリ

(650568)

▲果か遂すいの願がんに​よりて​こそ

▲釈しゃ迦かは善本ぜんぽん・徳本とくほんを

~¬弥陀みだ経きょう¼ に​あらはし​て

*一いち乗じょうの機きを​すすめ​ける

(66)

定じょう散さん自じ力りきの称名しょうみょうは

◗果か遂すいの​ちかひ​に帰きし​て​こそ

ハタシトグベシ

▲をしへ​ざれ​ども自じ然ねんに

~真如しんにょの門もんに転てん入にゅうする

ウツリイルトイフ

 Ⅶ 疑惑の過失

(67)

▲安楽あんらく浄じょう土どを​ねがひ​つつ

◗他た力りきの信しんを​え​ぬ​ひと​は

◗仏ぶっ智ち不ふ思議しぎを​うたがひ​て

▲辺へん地じ▲懈け慢まんに​とまる​なり

 Ⅷ 弥陀法の難信

(68)

▲如来にょらいの興こう世せに​あひ​がたく

ヨニイデタマフコトカタシトナリ

◗諸仏しょぶつの経きょう道どうきき​がたし

◗菩ぼ薩さつの勝しょう法ぼうきく​こと​も

◗無む量りょう劫こうにも*まれら​なり

(69)

▲善ぜん知ぢ識しきに​あふ​こと​も

◗をしふる​こと​も​また​かたし

◗よく​きく​こと​も​かたけれ​ば

◗信しんずる​こと​も​なほ​かたし

(70)

▲一代いちだい諸しょ教きょうの信しんより​も

~弘ぐ願がんの信しん楽ぎょうなほ​かたし

▲難なん中ちゅう之し難なんと​とき​たまひ

カタキガナカニカタシトナリ

▲無過むか此し難なんと​のべ​たまふ

コレニスギテカタキコトナシトナリ

 Ⅸ 聖浄の二門

(710569)

▼念ねん仏ぶつ成じょう仏ぶつこれ真しん宗しゅう

◗万まん行ぎょう諸善しょぜんこれ仮け門もん

◗権実ごんじつ真しん仮けを​わか​ず​して

◗自じ然ねんの浄じょう土どを*え​ぞ​しら​ぬ

(72)

聖しょう道どう権ごん仮けの方便ほうべんに

◗衆しゅ生じょうひさしく​とどまり​て

◗諸しょ有うに流る転てんの身みと​ぞ​なる

*悲ひ願がんの一いち乗じょう帰き命みょうせよ

以い上じょう ¬大だい経きょうの¼ 意こころ

○観経讃

¬観かん経ぎょうの¼ 意こころ

九く首しゅ

 Ⅰ 韋提の別選

(73)

◗恩徳おんどく広大こうだい釈しゃ迦か如来にょらい

◗韋い提だい夫ぶ人にんに勅ちょくし​て​ぞ

▲光台こうだい現国げんこくの​その​なか​に

▲安楽あんらく世せ界かいを​えらば​しむ

 Ⅱ 阿闍世の逆害

(74)

▲頻びん婆ば娑しゃ羅ら王おう勅ちょくせ​しめ

▲宿しゅく因いんその期ごを​また​ず​して

*仙人せんにん殺害せつがいの​むくひ​には

▲*七しち重じゅうの​むろ​に​とぢ​られ​き

(75)

▲阿あ闍じゃ世せ王おうは瞋しん怒ぬして

オモテノイカリ

コヽロノイカリ

▲我母がも是ぜ賊ぞくと​しめし​て​ぞ

◗無む道どうに母ははを害がいせ​ん​と

ソコナフトナリ

◗つるぎ​を​ぬき​て​むかひ​ける

(760570)

▲耆婆ぎば・月光がっこうねんごろに

▲是ぜ旃せん陀羅だらと​はぢ​しめ​て

▲不宜ふぎ住じゅう此しと奏そうし​て​ぞ

コヽニトヾマルベカラズトマフシケルナリ

◗闍王じゃおうの逆ぎゃく心しんいさめ​ける

(77)

▲耆婆ぎば大臣だいじんおさへ​て​ぞ

▲却行きゃくぎょう而に退たいせ​しめ​つつ

シリゾキユカシメキ

▲闍王じゃおうつるぎ​を​すて​しめ​て

▲韋い提だいを​みや​に禁きんじ​ける

イマシメシナリ

 Ⅲ 聖衆の善化

(78)

△弥陀みだ・釈しゃ迦か方便ほうべんして

◗阿あ難なん・目連もくれん・富楼那ふるな・韋い提だい

◗達だっ多た・闍王じゃおう・頻びん婆ば娑しゃ羅ら

◗耆婆ぎば・月光がっこう・行ぎょう雨う等とう

(79)

*大だい聖しょうおのおの​もろともに

◗凡ぼん愚ぐ底てい下げの​つみびと​を

◗逆ぎゃく悪あくもらさ​ぬ誓願せいがんに

◗方便ほうべん引いん入にゅうせしめ​けり

(80)

◗釈しゃ迦か韋い提だい方便ほうべんして

▲*浄じょう土どの機き縁えん熟じゅくすれば

▲雨う行ぎょう大臣だいじん証しょうとして

◗闍王じゃおう逆ぎゃく悪あく興こうぜしむ

 Ⅳ 廃立の経意

(81)

▲定じょう散さん諸しょ機き各別かくべつの

▲自じ力りきの三心さんしんひるがへし

▲如来にょらい利他りたの信心しんじんに

ホンガンシンジチノシンジムナリ

◗通つう入にゅうせん​と​ねがふ​べし

0571以い上じょう ¬観かん経ぎょうの¼ 意こころ

○弥陀経讃

¬弥陀みだ経きょうの¼ 意こころ

五ご首しゅ

 Ⅰ 弥陀の名称

(82)

▲十じっ方ぽう微み塵じん世せ界かいの

◗念ねん仏ぶつの衆しゅ生じょうをみそなはし

◗摂取せっしゅして​すて​ざれ​ば

オサメトリタマフトナリ

◗阿あ弥陀みだと​なづけ​たてまつる

 Ⅱ 諸仏の讃嘆

(83)

▲恒沙ごうじゃ塵数じんじゅの如来にょらいは

▲*万まん行ぎょうの少しょう善ぜんきらひ​つつ

◗名みょう号ごう不ふ思議しぎの信心しんじんを

◗ひとしく​ひとへに​すすめ​しむ

(84)

◗十じっ方ぽう恒沙ごうじゃの諸仏しょぶつは

▲*極ごく難信なんしんの​のり​を​とき

◗五ご濁じょく悪あく世せの​ため​に​とて

◗証誠しょうじょう▲護ご念ねんせしめ​たり

(85)

◗諸仏しょぶつの護ご念ねん証誠しょうじょうは

*悲ひ願がん成じょう就じゅの​ゆゑ​なれば

◗金剛こんごう心しんを​え​ん​ひと​は

◗弥陀みだの大恩だいおん報ほうず​べし

 Ⅲ 濁世の出要

(86)

▲五ご濁じょく悪あく時じ悪あく世せ界かい

◗濁じょく悪あく邪見じゃけんの衆しゅ生じょうには

◗弥陀みだの名みょう号ごうあたへ​て​ぞ

◗恒沙ごうじゃの諸仏しょぶつすすめ​たる

0572以い上じょう ¬弥陀みだ経きょうの¼ 意こころ

○諸経讃

諸しょ経きょうのこころによりて弥陀みだ和わ讃さん

九く首しゅ

 Ⅰ 仏徳の讃嘆

(87)

▼無む明みょうの大たい夜やを​あはれみ​て

◗法身ほっしんの光輪こうりんきは​も​なく

ヒカリナリ

◗無礙むげ光こう仏ぶつと​しめし​て​ぞ

◗安あん養にょう界かいに影現ようげんする

アラハレタマフ

(88)

◗久く遠おん実じつ成じょう阿あ弥陀みだ仏ぶつ

◗五ご濁じょくの凡ぼん愚ぐを​あはれみ​て

◗釈しゃ迦か牟尼むに仏ぶつと​しめし​て​ぞ

*迦耶がや城じょうには応現おうげんする

(89)

▲百ひゃく千せん倶く胝ていの劫こうを​へ​て

◗百ひゃく千せん倶く胝ていの​した​を​いだし

◗した​ごと無む量りょうの​こゑ​をして

◗弥陀みだを​ほめ​ん​に​なほ​つき​じ

 Ⅱ 行者の証悟

(90)

▲大だい聖しょう易い往おうと​とき​たまふ

シヤカ仏ナリ

ユキヤスシトナリ

◗浄じょう土どを​うたがふ衆しゅ生じょうをば

◗無む眼げん人にんと​ぞ​なづけ​たる

マナコナキヒトヽイフ

◗無耳むに人にんと​ぞ​のべ​たまふ

ミヽナキヒトヽイフ

(91)

▲無む上じょう上じょうは真しん解げ脱だつ

マコトニサトリヒラクナリ

◗真しん解げ脱だつは如来にょらいなり

◗真しん解げ脱だつに​いたり​て​ぞ

◗無む愛あい無疑むぎと​は​あらはるる

ヨクノコヽロナシウタガフコヽロナシトナリ

(920573)

▲*平びょう等どう心しんを​うる​とき​を

◗一いっ子地しじと​なづけ​たり

◗一いっ子地しじは仏ぶっ性しょうなり

◗安あん養にょうに​いたり​て​さとる​べし

(93)

▲如来にょらいすなはち涅ね槃はんなり

◗涅ね槃はんを仏ぶっ性しょうと​なづけ​たり

◗凡ぼん地じにして​は​さとら​れ​ず

◗安あん養にょうに​いたり​て証しょうす​べし

(94)

▲信心しんじんよろこぶ​その​ひと​を

◗如来にょらいと​ひとし​と​とき​たまふ

▲大だい信心しんじんは仏ぶっ性しょうなり

◗仏ぶっ性しょうすなはち如来にょらいなり

(95)

▲衆しゅ生じょう有礙うげの*さとり​にて

ヨロヅノコトサヘラルヽコヽロナリ

◗無礙むげの仏ぶっ智ちを​うたがへ​ば

◗曽ぞう婆羅ばら頻びん陀羅だら地じ獄ごくにて

◗多た劫こう衆しゅ苦くに​しづむ​なり

以い上じょう諸しょ経きょうの意こころ

○現世利益讃

現げん世ぜ利り益やく和わ讃さん

十じゅう五ご首しゅ

 Ⅰ 鎮護国家の益

(96)

◗阿あ弥陀みだ如来にょらい来らい化けして

キタリテアハレミタマフ

◗息災そくさい延命えんめいのために​とて

シチナンヲトヾメイノチヲノベタマフナリ

◗¬金光こんこう明みょう¼ の 「寿じゅ量りょう品ぼん」

コノジユリヤウホムハミダノトキタマヘルナリ

◗とき​おき​たまへ​る​みのり​なり

(970574)

◗山さん家げの伝でん教ぎょう大だい師しは

◗国こく土ど人民にんみんを​あはれみ​て

*七難しちなん消しょう滅めつの誦文じゅもんには

◗南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふ​べし

 Ⅱ 罪障消滅の益

(98)

▲一切いっさいの功く徳どくに​すぐれ​たる

◗南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふれ​ば

◗三さん世ぜの重障じゅうしょうみな​ながら

オモキツミナリ

◗かならず転てんじて軽きょう微みなり

カロクナシスクナクナスウスクナス

(99)

◗南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふれ​ば

◗この世よの利り益やくきは​も​なし

◗流る転てん輪りん廻ねの​つみ​きえ​て

◗定じょう業ごう中ちゅう夭ようのぞこり​ぬ

 Ⅲ 諸衆護念の益

(100)

▲南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふれ​ば

◗梵王ぼんのう・帝たい釈しゃく帰き敬きょうす

◗諸天しょてん善神ぜんじんことごとく

◗よる​ひる​つねに​まもる​なり

(101)

◗南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふれ​ば

*四し天てん大王だいおうもろともに

◗よる​ひる​つねに​まもり​つつ

◗よろづ​の悪あく鬼きを​ちかづけ​ず

アシキオニナリ

(102)

◗南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふれ​ば

◗堅牢けんろう地祇じぎは尊そん敬きょうす

◗かげ​と​かたち​と​の​ごとくに​て

◗よる​ひる​つねに​まもる​なり

(1030575)

◗南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふれ​ば

*難なん陀だ・跋難ばつなん大だい竜りゅう等とう

◗無む量りょうの竜りゅう神じん尊そん敬きょうし

◗よる​ひる​つねに​まもる​なり

(104)

◗南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふれ​ば

◗炎えん魔ま法王ほうおう尊そん敬きょうす

◗五ご道どうの冥みょう官かんみな​ともに

◗よる​ひる​つねに​まもる​なり

(105)

◗南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふれ​ば

◗他化たけ天てんの大だい魔ま王おう

◗釈しゃ迦か牟尼むに仏ぶつの​みまへ​にて

◗まもら​ん​と​こそ​ちかひ​し​か

(106)

◗天神てんじん・地祇じぎは​ことごとく

◗善ぜん鬼き神じんと​なづけ​たり

◗これら​の善神ぜんじんみな​ともに

◗念ねん仏ぶつの​ひと​を​まもる​なり

(107)

◗願力がんりき不ふ思議しぎの信心しんじんは

◗大だい菩ぼ提だい心しんなり​けれ​ば

◗天てん地ちに​みて​る悪あく鬼き神じん

◗みな​ことごとく​おそる​なり

(108)

▲南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふれ​ば

◗観音かんのん・勢せい至しは​もろともに

◗恒沙ごうじゃ塵数じんじゅの菩ぼ薩さつと

◗かげ​の​ごとくに身みに​そへ​り

(1090576)

◗無礙むげ光こう仏ぶつの​ひかり​には

◗無む数しゅの阿あ弥陀みだましまし​て

◗化け仏ぶつおのおの​ことごとく

◗真実しんじつ信心しんじんを​まもる​なり

(110)

▲南無なも阿あ弥陀みだ仏ぶつを​となふれ​ば

◗十じっ方ぽう無む量りょうの諸仏しょぶつは

◗百ひゃく重じゅう千せん重じゅう囲い繞にょうして

◗よろこび​まもり​たまふ​なり

以い上じょう現げん世ぜ利り益やく

○勢至讃

¬首しゅ楞りょう厳ごん経ぎょう¼ によりて大だい勢せい至し菩ぼ薩さつ和わ讃さんしたてまつる

八はっ首しゅ

 Ⅰ 念仏の円通

(111)

◗勢せい至し念ねん仏ぶつ円通えんずうして

*五ご十じゅう二に菩ぼ薩さつもろともに

◗すなはち座ざより​たた​しめ​て

◗仏足ぶっそく頂ちょう礼らいせしめ​つつ

(112)

◗教きょう主しゅ世せ尊そんに​まうさ​しむ

◗往おう昔じゃく恒ごう河が沙しゃ劫こうに

◗仏ぶつ世よに​いで​たまへ​り​き

◗無む量りょう光こうと​まうし​けり

(113)

*十じゅう二にの如来にょらいあひ​つぎ​て

◗十じゅう二に劫こうを​へ​たまへ​り

◗最さい後ごの如来にょらいを​なづけ​て​ぞ

◗超ちょう日月にちがつ光こうと​まうし​ける

 Ⅱ 念仏三昧の徳

(1140577)

◗超ちょう日月にちがつ光こう*この身みには

◗念ねん仏ぶつ三昧ざんまいをしへ​しむ

◗十じっ方ぽうの如来にょらいは衆しゅ生じょうを

◗一いっ子しの​ごとく憐念れんねんす

(115)

◗子この母ははを​おもふ​が​ごとくに​て

◗衆しゅ生じょう仏ぶつを憶おくすれ​ば

*現前げんぜん当来とうらいとほから​ず

◗如来にょらいを拝見はいけんうたがは​ず

(116)

◗染香ぜんこう人にんの​その身みには

◗香こう気けある​が​ごとくなり

◗これ​を​すなはち​なづけ​て​ぞ

◗香光こうこう荘しょう厳ごんと​まうす​なる

 Ⅲ 自利利他の徳

(117)

◗われ​もと*因いん地じに​あり​し​とき

◗念ねん仏ぶつの心しんを​もち​て​こそ

◗無む生しょう忍にんには​いり​しか​ば

◗いま​この娑しゃ婆ば界かいにして

(118)

◗念ねん仏ぶつの​ひと​を摂取せっしゅして

◗浄じょう土どに帰きせしむる​なり

◗大だい勢せい至し菩ぼ薩さつの

◗大恩だいおんふかく報ほうず​べし

以い上じょう大だい勢せい至し菩ぼ薩さつ

*源空げんくう聖しょう人にん御ご本ほん地じなり。

 

底本は◎龍谷大学蔵文明五年蓮如上人開版本(文明本)。 Ⓐ石川県専光寺蔵永享九年存如上人書写本、 Ⓑ本派本願寺蔵文安六年蓮如上人書写本、 Ⓒ本派本願寺蔵版本 と対校されている。
称讃浄土教… この引文は註釈版にない。 聖典全書 (中段・国宝本) の原文より有国が書き下した。
弥陀の名号… 冠頭の二首の和讃は、 念仏する者の中に、 本願を信じて称える者と、 疑いながら称える者があることを示して、 信を勧め疑を誡められたものである。
誓願不思議 阿弥陀仏の誓願せいがんは人間の思慮分別や議論を超えているので不思議という。
宮殿 辺へん地じ (方便化土けど) 七宝の宮殿。 本願疑惑の行者はこの宮殿に生れて五百年の間、 三宝を見聞せず、 有う情じょうを利り益やくすることができないという。
釈して…安養といふ 通常は 「釈して無量寿と名づく。 経に傍そへて奉讃す。 また安養ともいふ」 と読む。 ¬讃弥陀偈¼ を経典と同等とみて、 本文のように読み改めたのであろう。
せしむれば したてまつれば。
偈 ¬大経¼ (下) の 「往覲おうごん偈げ」 のこと。
薫 「薫」 は底本には 「勲」 とある。
三十六百千億 浄土の蓮れん華げには百千億の花びらがあり、 その花びらに青・白・玄・黄・朱・紫の六光があって相互に照らし合うから六六三十六の百千億の光になる。 一即一切、 一切即一という無礙むげの相をあらわしている。
しめて たてまつりて。
阿弥陀如来… 以下は ¬観経¼ に出る二尊と十三の聖者 (雨行大臣は ¬涅槃経¼ に出る) を列挙したもの。
出世の本意 釈尊がこの世に出現した本意、 真の目的。
衆善の仮門 諸善万行を修めて往生を願う権ごん仮けの法門。
現其人前 臨終にその人の前に仏が現れる。 来迎らいこうの意。
名号の真門 名号を自己の善根ぜんごんとして称える自力念仏の法門。
一乗の機を… 本願一乗の法を受けとることのできるものに育てたという意。
まれらなり めったにない。
一代諸教 釈尊が一生の間に説いた教法。
えぞしらぬ とうてい知ることができない。
悲願の一乗 大悲の願によって成就された、 万人を平等に成仏せしめる唯一絶対の教法。
仙人殺害 仙人は三年後には頻びん婆ば娑しゃ羅ら王おうの太子として生れかわるべく定まっていたが、 王は早く太子が欲しいばかりにその時期をまたないで仙人を殺害した。
七重のむろ 七重に囲まれ閉ざされた部屋。
却行而退 「却行して退く」 あとずさりすること。
大聖 前首に列挙した人々が還相げんそうの聖しょう者じゃであることを示す。
浄土の機縁 浄土教が説き明かされる機縁。 阿あ闍じゃ世せの逆悪を指す。
万行の少善 念仏を多た善根ぜんごん多た功く徳どくというのに対し、 それ以外のあらゆる行 (万行) を少善とする。
極難信ののり きわめて信じ難い教法。 →難信なんしんの法ほう
悲願 第十七願を指す。
平等心 愛情をこえた怨親おんしん平等の心をいう。
さとり 了見。 考え。
七難… ¬七難しちなん消しょう滅めつ護ご国こく頌じゅ¼ に七難等の滅除に言及して 「依正安穏にして念仏を修せん」 とある。
四天大王 →四し天王てんのう
難陀跋難 八大竜王の中の二竜王。 竜王は仏法を守護する鬼き神じん。
五十二菩薩 勢至菩薩とともに ¬首楞厳経¼ の会座えざに列なった菩薩たち。
十二の如来 →十じゅう二に光こう
この身 勢至菩薩を指す。
現前当来 現在と未来。 この世と浄土。
因地 ここでは勢至菩薩がまだ無生法忍の果を得ていない時の意。
源空聖人… 法然ほうねん上人は勢至菩薩の化け身しんと信じられていた。