0335かんぎょう0458序分じょぶん かんだい

沙門しゃもん*善導ぜんどう集記しゅうき

通裁節一経【一経大科】
  承上総標

【1】 ^これより以下いげもんにつきてりょうけんするに、 りゃくして*もんつくりてかす。

0680キテ↠文料簡スルニ、略シテ[リ]テ↢五門アカ↠義

随標分章
    明王宮四分
      分文
        序分

^いちにょもん」よりしも五苦ごく所逼しょひつうんけん極楽ごくらくかいいたるこのかたは、 その*序分じょぶんかす。

↢「如是我聞」↡[ル]↢「五所逼ウン見極楽世界」↡已来[タ]ハ、明↢其ジヨ↡。

一 Ⅱ ⅰ a 正宗分

^日観にっかんはじめの仏告ぶつごうだいにょぎゅうしゅじょう」よりしもぼんしょういたるこのかたは、 *正宗しょうしゅうぶんかす。

↢日観[ノ]「仏告韋提汝及衆生」↡下至↢下品下生↡已来[タ]ハ、明↢正シユ↡。

一 Ⅱ ⅰ a 得益分

^さんせつ是語ぜご」よりしも諸天しょてん発心ほっしんいたるこのかたは、 まさしく*得益とくやくぶんかす。

↢「説是語時」↡下至↢「諸天発心」↡已来[タ]ハ、正[シ]ク↢得益分↡。

一 Ⅱ ⅰ a 流通分

^なんびゃくぶつ」よりしもだいとうかんいたるこのかたは、 *通分ずうぶんかす。

[ニ]↢「阿難白仏」↡下至↢「韋提等歓喜」↡已来[タ]ハ、明↢流通分↡。

一 Ⅱ ⅰ 示会

^このぶつ*おうにましますいちしょうせつなり。

四義[ハ]マシマ↢王宮↡一正説ナリ

一 Ⅱ 明耆闍一分

^なんしゃ大衆だいしゅのために伝説でんせつする」 よりはまたこれ*いちなり。 また*三分さんぶんあり。 いち爾時にじそんそくくうげんしゃ崛山くっせん」 よりこのかたは、 その序分じょぶんかす。 なんこう大衆だいしゅせつ如上にょじょう」よりこのかたは、 正宗しょうしゅうぶんかす。 さん一切いっさい大衆だいしゅかんぎょう」よりこのかたは、 通分ずうぶんかす。

[ニ]リハ↧「阿難為シヤ大衆デンスル」↥復一会ナリ亦有↢三分↡。一[ニ]↢「爾時世尊ソク虚空グヱン闍崛山」↡已来[タ]ハ、明↢其序分↡。二[ニ]↢「阿難広為大衆説如上事」↡已来[タ]ハ、明↢正宗分↡。三[ニ]↢「一切大衆歓喜」↡已来[タ]ハ、明↢流通分↡。

摂五帰三
    述三分義

^しかるににはかならずゆえあり、 ゆゑにじょかす。 *じょすでにおこりぬればまさし0336所説しょせつぶ。 つぎ*正宗しょうしゅうかす。 ためにくことすでにおわりて、 所説しょせつをもつて末代まつだいでんせしめんとほっして、 *しょうたんじてがくすすむ。 のちずうかす。

ルニクヱ[ニ]ハユヱ、故ジヨジヨスデリヌレバ[シ]ク↢所説↡。次↢正宗↡。為[ク]コトヲハリテシテ↧以↢所説↡伝↦持セシメムト末代↥、歎ジテ↠勝↠学。後↢流通↡。

一 Ⅲ 結示摂帰

^じょうらい五義ごぎどうありといへども、 りゃくしてじょしょうずう0459りょうけんしをはりぬ。

上来↠有リト↢五義不同↡、略シテ料↢簡序・正・流通0681↡竟リヌ

別解釈序分
  標科

【2】 ^またさきじょのなかにつきてまたわかちてとなす。 いちには にょもん」よりいっづけて*しょうしんじょとなす。 には いち」よりしもうんけん極楽ごくらくかいいたるこのかたは、 まさしく*ほっじょかす。

キテサキジヨ↡復ワカチテ↠二。一[ニハ]↢「如是我聞」↡[ケ]テ↢証信序↡。二[ニハ]↢「一時」↡下至↢「云何見極楽世界」↡已来[タ]ハ[シ]ク↢発起序↡。

随釈
    【証信序】
      双釈二意
        述意

【3】 ^はじめにしょうしんといふはすなはち二義にぎあり。

ハジメ↢証信↢二義↡。

・如是

^いちにはいはく、 「にょ」 の二字にじはすなはちそうじてきょうしゅ (*釈尊)ひょうす。 *能説のうせつにんなり。

ニハイハ「如」二ソウジテヘウ↢教主↡。能説ナリ

・我聞

^にはいはく、 「もん」 のりょうはすなはちべつして*なんす。 *のうちょうにんなり。 ゆゑににょもんといふ。 これすなはちならべてこころしゃくす。

[ニハ]イハ「我聞」両字シテ↢阿難↡。能チヤウナリ。故↢「如是我聞」↡。ナラベテ↡也。

二 Ⅱ ⅰ a 釈文
          (一)釈如是
            (Ⅰ)第一釈

^また 「にょ」 といふはすなはちほうす。 *じょうさんりょうもんなり。 「」 はすなはちさだむることばなり。 ぎょうずればかならずやくす。 これは如来にょらい所説しょせつごん*さくびゅうなきことをかす。 ゆゑににょづく。

又言↢如是↠法。定散両門ナリ。是[ハ]ムルコトバナリ。機行ズレバ。此↣如来所説[ニ]キコトヲシヤクメウ↡。故↢如是↡。

二 Ⅱ ⅰ a ロ (一)(Ⅱ)第二釈

^また 「にょ」 といふはしゅじょうこころのごとし。 しん*しょぎょうしたがひて、 ぶつすなはちこれをしたまふ。 *きょう相応そうおうするをまたしょうして 「」 となす。 ゆゑににょといふ。

↠如↢衆生↡也。随[ヒ]テ↢心ゲウ↡仏即[シ]タマフ↠之教相応スルヲ復称シテ。故↢如是↡。

二 Ⅱ ⅰ a ロ (一)(Ⅲ)第三釈

^また 「にょ」 といふは、 如来にょらい所説しょせつは、 ぜんくことぜんのごとく、 とんくこととん0337ごとく、 そうくことそうのごとく、 くうくことくうのごとく、

又言↢如是、欲↠明[サム]ト↧如来所説[ハ]クコトゼン↠漸、説[ク]コト↠頓↠頓、説[ク]コト↠相↠相、説[ク]コト↠空↠空

^*人法にんぼうくこと人法にんぼうのごとく、 *天法てんぽうくこと天法てんぽうのごとく、 *しょうくことしょうのごとく、 *だいくことだいのごとく、

[ク]コト↢人法↡如↢人法↡、説[ク]コト↢天法↡如↢天法↡、説[ク]コト↠小↠小、説[ク]コト↠大↠大

^ぼんくことぼんのごとく、 しょうくことしょうのごとく、 いんくこといんのごとく、 くことのごとく、

[クコ]ト↠凡↠凡、説[クコ]ト↠聖↠聖、説[クコ]ト↠因↠因、説[クコ]ト↠果↠果

^くことのごとく、 らくくことらくのごとく、 おんくことおんのごとく、 ごんくことごんのごとく、

[クコ]ト↠苦↠苦、説[クコ]ト↠楽↠楽、説[クコ]トオン↠遠、説[クコ]トゴン↠近

^どうくことどうのごとく、 べつくことべつのごとく、 じょうくことじょうのごとく、 くことのごとく、

[ク]コト↠同[ク]↠同[ノ]、説[クコト]↠別[ヲ][ク]↠別、説[クコト]↠浄[ヲ][ク]↠浄[ノ]、説[クコト]↠穢[ヲ][ク]↠穢[ノ]

^一切いっさい諸法しょほう千差せんじゃ万別まんべつなるをきたまふに、 如来にょらいかん*歴々れきれき了然りょうねんなることをかさんとほっす。 *随心ずいしん起行きぎょう*各益かくやくどう*ごう法然ほうねんたる、 すべて*錯失さくしつなきをまたしょうしてとなす。 ゆゑににょといふ。

[キ]タマフ[ニ]↢一切諸法千差万別ナルヲ↡、如来[ノ]観知歴歴レキレキネンナルコトヲ↥。随心起行、各益不同、業果[ノ]法然タルスベキヲ↢錯失↡又称シテ。故↢如是↡。

二 Ⅱ ⅰ a ロ (二)釈我聞

^もん」 といふは、 なんはこれぶつしゃにして、 つねにぶつしたがひてもんこう0460しきなり。 座下ざげのぞみてよくきよくたもちて、 きょうしたしくくることをかして、 伝説でんせつあやまりなきことをひょうせんとほっす。 ゆゑにもんといふ。

↢我聞↩明シテ↧阿難[ハ]ニシテ、常[ヒ]テ↢仏後↡多聞広識ナリノゾミテ0682↡能タモ[チ]テ、教シタシククルコトヲ↥、表セムトキコトヲデンアヤマ↡。故↢我聞↡也。

二 Ⅱ ⅰ 就阿難解

^また 「しょうしん」 といふは、 なんぶっきょう*ほんじょうして末代まつだいでんするに、 しゅじょうたいするがためのゆゑにかくのごとき観法かんぽう、 われぶつしたがひてくといふことをかして、 *しん証誠しょうじょうせんとほっす。 ゆゑにしょうしんじょづく。 これはなんにつきてす。

又言↢証信↪明シテ↧阿難ホンジヨウシ[テ]仏教デンスルニダイ↡、タイスルガ↢衆生↡故↠是クノ観法ヒテ↠仏クトイフコトヲ↥、証↩誠セムト可信↨。故↢証信序↡。[ハ]キテ↢阿難也。

二 Ⅱ 【発起序】
      標章

03384】 ^ほっじょのなかにつきてくわしくわかちてしちとなす。

キテ発起序クハシクワカ[チ]テ↠七

・化前序

^はじめに いち仏在ぶつざい」 よりしも法王ほうおう而為にいじょうしゅいたるこのかたは、 *ぜんじょかす。

[ニ]↢「一時仏在」↡下至↢「法王子シユ」↡已来[タ]ハ、明↢化ゼムジヨ↡。

・禁父縁

^王舎おうしゃだいじょう」 よりしも顔色げんしきえついたるこのかたは、 まさしくほっじょ*ごんえんかす。

[ニ]↢「王舎大城」↡下至↢「顔色ゲンシキエチ」↡已来[タ]ハ、正[シ]ク↢発起序キム↡。

・禁母縁

^さんじゃ」 よりしもりょうすいいたるこのかたは、 *ごんえんかす。

[ニ]↢「時阿闍世」↡下至↢「リヤウ」↡已来[タ]ハ、明キム↡。

・厭苦縁

^だい幽閉ゆうへい」よりしも共為ぐい眷属けんぞくいたるこのかたは、 *えんえんかす。

[ニ]↢「時韋提希幽閉ユウヘイ」↡下至[ル]↢「為眷属」↡已来[タ]ハ、明エン[ノ]↡。

・欣浄縁

^唯願ゆいがん為我いが広説こうせつ」よりしもきょうしょうじゅいたるこのかたは、 その*ごんじょうえんかす。

[ニ]↢「唯願為我広説」↡下至↢「教我正受」↡已来[タ]ハ、明↢其ゴン↡。

・散善顕行縁

^ろく爾時にじそん即便そくべんしょう」 よりしもじょうごうしょういんいたるこのかたは、 *散善さんぜんけんぎょうえんかす。

[ニ]↢「爾時世尊即便セウ」↡下至↢「浄業正因」↡已来[タ]ハ、明↢散善顕行縁↡。

・定善示観縁

^しち仏告ぶつごうなんとう諦聴たいちょう」よりしもうん得見とくけん極楽ごくらくこくいたるこのかたは、 まさしく*じょうぜんかんえんかす。

[ニ]↢「仏告阿難等諦聴」↡下至↢「云何得見極楽国土」↡已来[タ]ハ、正[シ]ク↢定善観縁↡。

^じょうらい七段しちだんどうありといへども、 ひろほっじょ*りょうけんしをはりぬ。

上来↠有リト↢七ダン不同↡、広[ク]料↢簡発起序↡竟[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ 随釈
        【化前序】
          (一)牒標

【5】 ^*つぎぜんじょせば、 このじょのなかにつきてすなはちそのあり。

[ニ]↢↡化前序↡者、就[キ]テ↢此↡即[チ]↢其四↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)随釈
            (Ⅰ)釈時
              (ⅰ)約義旨釈
                (a)牒科

^はじめに 「いち」 といふはまさしく*起化きけときかす。

↢「一時」↡、正[シ]ク↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)述意

^ぶつまさに説法せっぽうせんとするに、 *しょたくしたまふ。 ただしゅじょうかいかならず因縁いんねんによるをもつて、 しゅ (釈尊) のぞみてしょちたまふ。

ルニ↢説法セムト↡、先タクシタマフ於時処↡。但以衆生開悟必ルヲ↢因縁↡、化主ノゾミテチタマフ於時処↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(c)釈文

^また 「いち」 といふは、 あるいはにちじゅう年月ねんがつ四時しじとうく。 これみな0461これ如来にょらいおうじて*せっしたまふとき0339り。

又言↢一時、或[イ]ハ↢日夜十二時、年月四時等↡。如来0683ジテ↠機摂化シタマフナリ

^しょ」 といふは、 かのしょしたがひて如来にょらい説法せっぽうしたまふ。 あるいは山林せんりんしょにましまし、 あるいはおう*聚落じゅらくしょにましまし、 あるいはこう*塚間ちょけんしょにましまし、 あるいはしょう人天にんでんしょにましまし、 あるいはしょうもんさつしょにましまし、 あるいははちにん天王てんのうとうところにましまし、 あるいは*じゅんぼんもしはいちとのところにましまし、 あるいは*純聖じゅんしょうもしはいちとのところにまします。

↠処、随[ヒ]テ↢彼シヨ↡如来説法シタマフ。或[イ]ハマシマ↢山林処↡、或[イ]ハマシマ↢王宮・聚落ジユラク↡、或[イ]ハマシマクワウ塚間チヨケン↡、或[イ]ハ[シ]↢多少人天処↡、或[イ]ハ[シ]↢声聞・菩薩処↡、或[イ]ハ[シ]↢八・人・天王等↡、或[イ]ハ[シ]ジユンボンシハ一二トノ↡、或[イ]ハ[ス]↢純聖シハ一二トノ↡。

^そのしょしたがひて如来にょらいかんしてぞうせずげんぜず、 えんしたがひてほうさずけておのおの*しょやくす。 これすなはち*こうしょうひびくといへども、 かならずたたくをちてまさにる。 だいしょう (釈尊)れたまふこと、 かならず*しょうちてまさにくべし。 ゆゑにいちづく。

[ヒ]テ↢其時処↡如来観知[シテ]不↠増不↠減、随[ヒテ]↠縁ケテ↠法[ノ]ヤク↢所↡。コレ洪鐘コウシユヒヾクト、必チ[テ]タヽクヲ而方。大聖[ノ]レタマフ[コト]↠慈、必チ[テ]↠請マサ↠説[ク]。故↢一時↡也。

・以下形上

^また 「いち」 とは、 *じゃまさしく*ぎゃくおこときぶついづれのところにかまします。 このいちあたりて、 如来にょらいひとしゅ (声聞・菩薩) とかの*しゃにまします。 これすなはちしもをもつてかみあらわこころなり。 ゆゑにいちといふ。

又一時者、阿闍世正[シ]クギヤク、仏在イヅレニカ↡。アタ[リ]テ↢此一時↡、如来ヒト与↢二衆↡在↢彼シヤ↡。↠下アラハ↠上コヽロナリ。故↢一時↡。

・以上形下

^また 「いち」 といふは、 ぶつしゅいちのうちにおいて、 かのしゃにましまして、 すなはちじゃのこのあくぎゃくおこ因縁いんねんきたまふ。 これすなはちかみをもつてしもあらわこころなり。 ゆゑにいちといふ。

又言↢一時、仏与↢二衆↡↢一時↡、在シテ↢彼耆闍↡、即キタマフ↧阿闍世[ノ]↢此悪逆↡因縁↥。↠上アラハシモコヽロナリ。故↢一時↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)釈主

^に 「ぶつ」 といふは、 これすなはちしゅ*標定ひょうじょうす。 ぶつ*けんしてひとしゃあらわこころなり。

[ニ]↢「仏」↡ヘウヂヤウシユ↡。簡↢シテ余仏ヒト↢釈迦↡意ナリ

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅲ)釈処

^さんざい王舎おうしゃじょう」より以下いげは、 ま0340さしく如来にょらい*遊化ゆげところかす。 すなはちそのあり。 いちにはおうじょう聚落じゅらくあそびたまふは、 在俗ざいぞくしゅうせんがためなり。 には*せんとうところあそびたまふは、 しゅっしゅうせんがためなり。

[ニ]↢「在王舎城」↡已下[シク]如来↡。即↢其二↡。一[ニハ]アソビタマフハ↢王城・聚落ジユラク↡、為ナリクヱセムガ↢在ゾク↡。二[ニハ]アソビタマフハ↢耆山等↡、為ナリ↠化セムガ↢出家シユ↡。

・在家

^またざいといふは、 よくとんすること相続そうぞくしてこれつねなり。 たとひしょうしんおこせども、 なほみずえがくがごとし。 ただおもんみればえんしたがひてあまねくやくし、 だいてたまはざれども、 *道俗どうぞくかたちことなればともにじゅうするによしなし。 これを*きょうがいじゅうづく。

又在家トイフ者、トンスルコト五欲↡相ゾクシテナリタト[セ]ドモ↢清心↡、ナホヱガクガミヅ。但レバ[ヒ]テ↠縁ヤクレドモテ[タマハ]↢大悲↡、道俗カタチコトナレバヨシトモヂユスルニ↡。キヤウヂユ↡也。

・出家

^またしゅっといふは、 もういのちて、 よくだんしんす。 しん金剛こんごうのごとくえんきょう等同とうどうなり。 *ぶつ悕求けぐしてすなはちひろ0462やくす。 もし*囂塵ごうじんぜつするにあらずは、 このとくしょうすべきによしなし。 これを*依止えじじゅうづく。

又出家[トイフ]マウ↠身↠命↠欲↠真。心若[ク]↢金剛↡等↢同ナリキヤウ↡。↢求シテ仏地↡即↢自他↡。若ズハゼチスルニ0684ガフ↡、此徳無ヨシキニ↠証。此依止エジヂユ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)釈衆
              (ⅰ)牒文標科

^だい比丘びくしゅ」よりしも而為にい上首じょうしゅ」 にいたるこのかたは、 ぶつしゅかす。

[ニ]↢「大比丘衆」↡シモ↢「為上シユ」↡已来[タ]ハ↢仏シユ↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)列釈二衆
                (a)標列

^このしゅうのなかにつきてすなはちわかちてとなす。 いちにはしょうもんしゅにはさつしゅなり。

キテ↢此[ノ]↡即[チ]ワカ[チ]テ↠二。一[ニ]声聞衆、二[ニ]菩薩シユナリ

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)随釈
                  (イ)声聞衆
                    [一]

^しょうもんしゅのなかにつきてすなはちそのあり。

[キ]テ↢声聞衆[ノ]↡即[チ]↢其九↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(イ)[二]
                      [Ⅰ]標列文義

^はじめに 「」 といふは仏身ぶっしんしゅうぬ。 ゆゑにづけてとなす。 *には*総大そうだいさんには*相大そうだいには*衆大しゅだいには*年大ねんだいろくには*数大しゅだいしちには*そん宿しゅくだいはちには*ない実徳じっとくだいには*しょうだいなり。

↢「与」↡仏身↠衆。故[ケ]テ↠与。二[ニ]ソウ大、三[ニ]相大、四[ニ]衆大、五[ニ]ネム大、六[ニ]者数大、七[ニ]者尊宿シフ大、八[ニ]者内有実徳大、九[ニ]者果証大[ナリ]

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ]問答料簡
                        [ⅰ]料簡標数
                          [a]正釈標数
                            [イ]

 ^ひていはく、 一切いっさいきょうはじめにみなこれらのしょうもんありて、 もつて*猶置ゆちとなせ0341るはなんの所以ゆえんかある。

[ヒテ][ク]、一切[ノ]ハジメ皆有[リ]テ声聞↡、以[テ]セルハ猶置ユチ↡有ナン所以↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅰ][a][ロ]

^こたへていはく、 これに*べっあり。 いかなるかべっ。 これらのしょうもんおおくはこれどうなり。 ¬*げんきょう¼ (意)きたまふがごとし。

[ヘテ][ク]、此↢別意↡。云何ナルカ別意。此等声聞多ク[ハ]外道ナリ。如↢¬ゲン¼説[キタマフ]ガ↡。

^*優楼うるびんしょうは、 ひゃく弟子でしりょうして邪法じゃほうしゅす。 *伽耶がやしょうは、 ひゃくじゅう弟子でしりょうして邪法じゃほうしゅす。 *だいしょうは、 ひゃくじゅう弟子でしりょうして邪法じゃほうしゅす。 そうじて一千いっせんあり。 みな*ぶっけて*かんどうたり。

優楼ウルビン迦葉[ハ]リヤウシテ↢五百弟子↡修↢ジヤ↡。伽耶迦葉[ハ]シテ↢二百五十弟子↡修↢事邪法↡。提迦葉[ハ]シテ↢二百五十[ノ]弟子↡修↢事邪法↡。総ジテ↢一千↡。皆ケテ↢仏化↡得[タ]リ↢羅カン↡。

^そのひゃくじゅうといふは、 すなはちこれ*しゃ*目連もくれんとの弟子でしなり。 ともに一処いっしょりょうして邪法じゃほうしゅす。 またぶっけてみな*どうたり。 これらのしゅがっして一処いっしょとなす。 ゆゑにせんひゃくじゅうにんあり」 と。

二百五十[トイフ]、即舎利目連トノ弟子ナリトモシテ↢一処シユ邪法↡。亦ケテ↢仏化↡皆得[タ]リ↢道果↡。四衆シテ↢一処↡。故リ[ト]↢千二百五十人↡也。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅰ][b]弁総標意
                            [イ]

 ^ひていはく、 このしゅうのなかにまたどうにあらざるものあり。 なんがゆゑぞそうじてひょうする。

[ヒテ][ク]、此亦有ザル↢外道↥。ナンソウジテヘウスル

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅰ][b][ロ]

^こたへていはく、 ¬きょう¼ (賢愚経・意) のなかにきたまふがごとし。 「このもろもろのどうつねにそんしたがひてあひしゃせず」 と。 しかるに*けつじゅういえとく*えらる。 ゆゑにみょうあり。 これどうなるものはおおく、 あらざるものはすくなし。

[ヘテ][ク]、如↢¬経¼中[キタマフ]ガ↡。「此外道[ヒ]テ↢世尊[ト]シヤ↡。」然結集ケツジフイヘエラ外徳↡。故名↡。外道ナルアラザルスクナ

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ]弁常随意
                          [a]

 ^またひていはく、 いぶかし、 これらのどうつねにぶつしたがへるは、 なんのこころかあるや。

又問[ヒテ][ク]未審イブカシ、此等外道常ヘルハ↢仏後↡、有ナニ[ノ]コヽロ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ][b]

^こたへていはく、 するに二義にぎあり。 いちにはぶつ0463につきてす。 には0342どうにつきてす。

[ヘテ][ク]スルニ↢二義↡。一[ニハ][キ]テ↠仏。二[ニハ][キ]テ↢外道↡解

・就仏解

^ぶつにつきてすとは、 このもろもろのどう邪風じゃふうひさしくあおぐこと、 これいっしょうのみにあらず。 *真門しんもんるといへども、 *じゅうなほあり。 ゆゑに如来にょらいかくして*外化げけせしめざらしむ。 しゅじょうしょうけんこんそんじ、 悪業あくごうぞうじょうして、 此世しせしょうじつおさめざることをおそるればなり。 この因縁いんねんのためにせっしてみづからちかづかしめて、 *やくゆるしたまはず。 これすなはちぶつにつきてしをはりぬ。

[キ]テ↠仏0685スト者、外道ジヤヒサシクアフグコト、非一生ノミニ↡。雖↠入ルト↢真門↡、ジフナホ。故使↢如来知覚シテ↟令↢外化↡。ルレバナリソン↢衆生[ノ]正見コン↡悪業ゾウシ[テ]此世シセルコトヲオサ↢果実↡。為↢此因縁セフシテメテ↢自ヅカ↡、不↠聴シタマハ↢外益↡。キテ↠仏[リ]ヌ

・就外道解

^つぎどうにつきてすとは、 しょうとうこころ、 みづからただ曠劫こうごうよりひさしくしょうしず六道ろくどう*じゅんかんして、 くるしみいふべからず。 愚痴ぐち悪見あくけんにして邪風じゃふう*ふうしゅうし、 *みょうはずしてながかいながる。 ただ*宿しゅくえんをもつてたまたまそん (釈尊)ふことをることあり。 *法沢ほうたくわたくしなし。 わがともがらにんこうむり、 ぶつ恩徳おんどくじんするに、 *砕身さいしんごく*惘然もうねんたり。 したしく*りょうつかへて、 しばらくもかわるによしなからしむることをいたす。 これすなはちどうにつきてしをはりぬ。

キテ↢外道スト者、迦葉等コヽロ、自タヾ曠劫ヨリヒサシクシヅ↢生死ジユグヱンシテ六道↡、クルシカラ↠言愚痴グチ・悪見ニシテシフ邪風ジヤフウ↡、シテメイナガナガ↢於↡。タヾ宿シウ↡有[リ]タマタルコトフコトヲ↢慈尊↡。法タクワタクシトモガラカブ[リ]ウルオヒ尋↢思スルニオン↡、砕身之極惘然バウゼンナリイタ使ムルコトヲシクツカヘテレイ↡、カラヨシシバラクモカハルニ↡。[キ]テ↢外道↡解[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ]料簡嘆徳
                          [a]

 ^またひていはく、 これらのそん宿しゅくいかんが衆所しゅしょしきづくる。

又問[ヒテ][ク]尊宿ソンシフ云何クルシユシヨ知識↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ][b]

^こたへていはく、 とくたかきをそんといひ、 ねんなるを宿しゅくといふ一切いっさい*ぼんしょうかの内徳ないとくの、 ひとぎたることをり、 そのそうしゅなるをる。 ゆゑに衆所しゅしょしきづく。

[ヘテ][ク]、徳タカキヲ↠尊オイタルネムナルヲ宿シウ。一切凡聖↢彼内徳[ノ]ギタルコトヲ↟人↢其外相[ノ]シユナル↡。故↢衆所知識↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(イ)[三]

 ^じょうらい九句くくどうありといへども、 しょうもんしゅしをはりぬ。

上来↠有[リ]ト↢九不同↡、解↢声聞衆↡竟[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(ロ)菩薩衆
                    [一]

^つぎさつしゅす。 こ0343しゅうのなかにつきてすなはちそのしちあり。

↢菩薩衆↡。就[キ]テ↢此↡即↢其七↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]
                      [Ⅰ]標列文義

^いちにはそうひょうす。 にはしゅひょうす。 さんにはくらいひょうす。 にはひょうす。 にはとくひょうす。 ろくにはべつして*文殊もんじゅ高徳こうとくくらいあらわす。 しちにはそうじてけっす。

[ニ]ヘウ↠相。二[ニ]ヘウ↠数。三[ニ]者標。四[ニ]者標↠果。五[ニ]者標[ス]↠徳。六[ニ]ベチシテ↢文殊高徳クラヒ。七[ニ]ソウジテケツ

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]広嘆衆徳
                        [ⅰ]総嘆

^またこれらのさつりょうぎょうがんし、 一切いっさいどくほうあんじゅうす。 十方じっぽう遊歩ゆぶして*ごん方便ほうべんぎょうじ、

又此等菩薩↢無量行願↡、アンヂユ一切[ノ]功徳↡。シテ十方↡行ゴム方便↡、

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]別嘆
                          [a]約果嘆

^ぶつ法蔵ほうぞうりてがんきょうす。 りょうかいにおいて、 して*等覚とうがくじょうず。 こうみょう*顕曜けんようにしてあまねく十方じっぽうらす。 りょうぶつ*六種ろくしゅ震動しんどうす。

[リ]テ↢仏[ノ]法蔵↡究↢竟ガン↡。於↢無量世界↡、化シテ↢等覚↡。光明顕曜[ニ]シテ十方↡。無量仏土六種震動

^えんしたがひてかいしてすなはち*法輪ほうりんてん0464ず。 ほうたたき、 法剣ほうけんり、 ほうらいふるひ、 ほうあめふらし、 ほうぶ。 つねに法音ほうおんをもつてもろもろのけんかくせしむ。 *邪網じゃもう掴裂かくれつし、 *諸見しょけんしょうめつし、 もろもろの*塵労じんろうさんじ、 もろもろの*欲塹よくぜんやぶり、 *清白しょうびゃくけんみょうし、 仏法ぶっぽう*こうし、 しょう*せんす。

[ヒ]テ↠縁開示シテテン↢法輪↡。扣↢法↡、↢法剣↡、フル↢法ライ↡、ラシ↢法雨0686↡、↢法施↡。常↢法オンセシム↢諸世間↡。クワクツカミレチサク邪網ジヤマウアミ↡、消↢滅諸見↡、サン↢諸塵労ヂンラウ↡、ヤブ↢諸欲塹ヨクゼム↡、顕↢明清白↡、光↢仏法↡、セン正化↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][b]約因嘆

^しゅじょうみんしょうしていまだかつて*まんせず。 びょうどうほうりょうひゃくせん三昧ざんまいそくす。 一念いちねんのあひだにおいてしゅうへんせざるはなし。 *ぐんじょう荷負かぶしてこれをあいすることのごとし。 一切いっさい*善本ぜんぽんみながんす。

ミンシヤウシテ衆生↡未カツマム↡。[テ]↢平等↡具↢足無量百千三昧↡。オイ↢一念アヒダ↡無ルハ周遍シユヘン↡。シテグンアイスルコト↠之。一切善本、皆度↢彼岸↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ]結嘆

^ことごとく諸仏しょぶつりょうどくて、 智慧ちえ開朗かいろうなること思議しぎすべからず。

↢諸仏無量[ノ]功徳↡、智慧開ラウナルコト不↠可カラ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(ロ)[三]

^しちどうありといへども、 さつしゅしをはりぬ。

↠有リト↢七不同↡、解↢菩薩衆オハ[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)総結

^じょうらいしゅどうありといへども、 ひろぜんじょかしをはりぬ。

上来↠有リト↢二シユ不同↡、広化前ジヨ↡竟[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b 【禁父縁】
          (一)

03446】 ^ごんえんのなかにつきてすなはちそのしちあり。

[ニ][キテ]禁父↡即[チ]↢其七↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)
            (Ⅰ)釈王舎大城文
              (ⅰ)科節

^いち爾時にじ王舎おうしゃ大城だいじょう」より以下いげは、 そうじて起化きけところかす。

[ニ]↢「爾時王舎大城」↡以下、ジテ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)釈文
                (a)釈名

・王舎

^これおう*ひゃくせい、 ただじょうちゅうしゃつくるにすなはちてんのためにかる。 もしこれおう舎宅しゃたくには、 ことごとくちかづくことなし。 のちときひゃくせいともにおうそうす。 「しんたくつくればしばしばてんのためにかる、 ただこれ*王舎おうしゃのみことごとくちかづくことなし。 なんの所以ゆえんかあるといふことをらず」 と。

↧往シヤウタヾ城中ツクルニシヤ[チ]↢天クワ王家タクニハ、悉チカヅクコト百姓トモソウ↢於王シン等造レバ↠宅シバシ↢天火、但ノミ[ヅ]クコト[ト]↠知↠有[ルトイフ]コトヲナン所以[カ]

^おう*奏人そうにんげたまはく、 「いまより以後いごなんぢらたくつくとき、 ªただわれいまおうのためにしゃつくるº といふべし」 と。 奏人そうにんおのおのおうちょくうけたまわりて、 帰還かえりてしゃつくるにさらにかれず。 これによりて相伝そうでんして、 ことさらに王舎おうしゃづくることをかす。

ゲタマハクソウ↡、↠今以後イゴナンヂ等造↠宅之時タヾフベシト↠王ルト↟舎奏人オノオリテ↢王チヨク↡、帰還 カヘ [リ]テルニ↠舎サラ[リ]テ相伝シテラニクルコトヲ↦「王舎」↥。

・大城

^だいじょう」 といふは、 このしろきはめてだいにして、 *みんおくなり。 ゆゑに王舎おうしゃだいじょうといふ。

↢「大城」↡、此城極ニシテミン九億ナリ。故↢王舎大城也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)弁義

^起化きけところといふはすなはちそのあり。

起化キケ↡者、即二↡。

・機相

^いちにはいはく、 *闍王じゃおうあくおこしてすなはち父母ぶもきんずるえんあり。 きんによりてすなはちこのしゃいとひて、 *無憂むうかいたくせんとがんず。

[ニハ]イハ闍王オコシテ↠悪キンズル↢父母[ヲ]↡之縁↥。[リ]テ↠禁イトヒテ↢此娑婆↡、タクセムト無憂之世界↡。

・法益

^にはすなはち如来にょらい (釈尊) しょうおもむき、 ひかりへんじてだいとなりて*りょうよう0465げんしたまふに、 にんすなはち安楽あんらくしょうずることをもとむ。 またしんかたむけてぎょうひ、 ぶつ*三福さんぷくいんひらきたまふ。 しょうかんはすなはちこれ*じょうもんなり。 さらに*しょうやくあらわ0345す。 この因縁いんねんのためのゆゑに起化きけところづく。

[ニハ]如来オモムシヤウヘンジテ[リ]テダイヤウ↢現シタマフニレイ0687↡、夫人即モト↠生[ズル]コトヲ↢安楽↡。又カタブケテ↠心↠行、仏[ハ]キタマフ↢三福イン↡。正観定門ナリ。更↢九シヤウ↡。為↢此因縁↡故起化キケ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)釈随順悪友文
              (ⅰ)科節

^いったい」よりしもあくきょう」 にいたるこのかたは、 まさしく闍王じゃおう*怳忽こうこつのあひだに悪人あくにんあやまるところを信受しんじゅすることをかす。

[ニ]↢「有一太子」↡下至↢「悪」↡已来[タ]ハ[シク]↣闍王クヤウコツ信↢受スルコトヲ悪人↟悞

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)釈文
                (a)弁位釈名

・太子

^たい」 といふはそのくらいあらわす。 「じゃ」 といふはそのあらわす。 また じゃ」 といふはすなはちこれ*西国さいこくしょうおんなり。 *この往翻おうほんには*しょうおんづけ、 またせっづく。

↢「太子」↡アラハ↢其クラヰ也。↢「阿闍世」↡↢其↡也。又阿闍世トイフ者乃西国オンナリ。此ホンニハオン↡、亦名セフ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)問答料簡
                  (イ)

 ^ひていはく、 なんがゆゑぞ 「しょうおん」 とづけ、 および 「せっ」 とづくるや。

[ヒテ][ク]ナン↢未生怨↡、及クル↢折指

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)

^こたへていはく、 これみなしゃくにち因縁いんねんぐ。 ゆゑにこのあり。

[ヘテ][ク]シヤクニチ因縁↡。故↢此↡。

・折指

^ˆ「せっ」 のˇ 因縁いんねんといふは、 元本もとちちおうそくあることなし。 処々しょしょ*じんもとむれども、 つひにることあたはず。

↢因縁元本 モト 王無↠有ルコトソク↡。処処シヨシヨレドモ↠神ツイ↠能↠得ルコト

^たちまちに*そうありて、 おうそうしてまうさく、 「しんれり。 やまのなかにいち仙人せんにんあり。 ひさしからずして寿いのちて、 命終みょうじゅうしをはりてのちかならずまさにおうのためにとなるべし」 と。

タチマチ[リ]テ↢相師↡而ソウシテ↠王サクシンレリ。山↢一仙人↡。シテヒサシカラ寿命終リテ後必[ニ]シ[ト]タメ↠王↟子

^おうきてかんす。 「このひといづれのときにかしゃみょうする」 と。 そうおうこたふ。 「さらに三年さんねんてはじめて命終みょうじゅうすべし」 と。 おういはく、 「われいまとしいてくに*けいなし。 さらに三年さんねんつるまでなにによりてかつべき」 と。

キテ歓喜。此イヅレニカ捨命スル。相師答↠王。更↢三年ハジメシ[ト]↢命終↡。王イテケイ↡。更ツルマデ↢三年ナニ[リ]テカ[ト]

^おうすなはち使つかひをつかはしてやまらしめ、 きて仙人せんにんしょうじていはしむ。 「大王だいおうなく、 けて*じょうけいなし。 処々しょしょじんもとむる0346に、ることあたはざるにくるしむ。 すなはちそうありて大仙だいせん瞻見るに、 ひさしからずしてしゃみょうして、 おうのためにとなるべしと。 ねがはくは大仙だいせんおんれてはやきたまへ」 と。

王即ツカハシテ使ツカヒラシメ↠山キテジテ↢仙人↡曰ハシム。大王無↠子、ケテゼウケイ↡。処処シヨシヨルニ↠神クルシ↠不ルニ↠能↠得ルコト[リ]テ↢相師↡瞻↢見ルニ大仙↡、シテ↠久[シ]カラ捨命シテタメ↠王ルベシト↠子クハ大仙レテオンハヤキタマヘト

^使にんきょうけてやまり、 仙人せんにんところいたりて、 つぶさにおうしょう因縁いんねんく。 仙人せんにん使しゃこたへていはく、 「われさらに三年さんねんてはじめて命終みょうじゅうすべし。 おうのすなはちけとちょくするは、 この不可ふかなり」 と。

使人ケテ↠教[リ]↠山イタ[リ]テ↢仙人↡、ツブサ王請因縁↡。仙人コタヘテ使シヤ↡言、我更↢三年ハジメ↢命終↡。王スル↢即ケト↡者、是不可フカナリ[ト]

^使つかひ、 せんきょうけて、 かえりて大王だいおうほうずるに、 つぶさにせんこころぶ。 おういはく、 「われはこれ一国いっこくあるじなり。 あらゆる0466人物にんもつみなわれにぞくす。 いまことさらにれいをもつてあひくっするに、 すなはちわがこころけざるや」 と。

使ツカヒケテ↢仙↡、カヘ[リ]テズルニ↢大王↡、ツブサ↢仙コヽロ↡。王、我一国ナリ所有人物皆クヰゾク↡。0688コトサラニレイクツスルニ、乃ルヤ↢我↡。

^おうさらに使しゃちょくす。 「なんぢきてかさねてしょうぜよ。 しょうぜんにもしずは、 まさにすなはちこれをころすべし。 すでに命終みょうじゅうしをはりなば、 わがためにとならざるべけんや」 と。

王更使シヤ↡。ナンヂキテカサネシヤウゼヨゼムニ、当↢即コロ↟之スデ命終ヲハリナバケムタメ↠我

^使にんちょくけて、 仙人せんにんところいたりて、 つぶさにおうこころをいふ。 仙人せんにん使つかひのせつくといへども、 こころにまたけず。

使人ケテチヨク、至[リ]テ↢仙人↡、ツブサ↢王コヽロ↡。仙人雖クト使ツカヒ↡、コヽロ

^使にんちょくけてすなはちこれをころさんとほっす。 仙人せんにんいはく、 「なんぢまさにおうかたるべし。 ªわがいのちいまだきざるに、 おう*しんをもつてひとをしてわれをころさしむ。 われもしおうのためにとならば、 またしんをもつてひとをしておうころさしめんº」 と。 せんにん0347このをいひをはりてすなはちく。

使人奉[ケ]テ↠勅コロサムト↠之。仙人曰ナンヂカタ↠王。我ルニ、王以↢心↢人ヲシテ↟我タメ↠王ラバ者、↢心メムト↢人ヲシテ↟王。仙人↢此[リ]テ↠死

^すでにしをはりて、 すなはちおうたくしてしょうく。 そのよるあたりてにんすなはち*しんすとおぼゆ。 おうきてかんす。

[シ][リ]テ、即タクシテ↢王宮↠生アタ[リ]テ↢其[ノ]↡夫人即[チ]オボ有身スト↡。王キテ歓喜

^てんけてすなはちそうびて、 もつてにんしむ。 これおとこなりやこれおんななりや。 そうをはりておうこたへていはく、 「このおんなにあらず。 この*おうにおいてそんあるべし」 と。 おういはく、 「わがこくはみなこれを*捨属しゃぞくすべし。 たとひそんずるところありとも、 われまたおそれなし」 と。 おうこのきて憂喜うきまじはりいだく。

テンケテビテ↢相師↡、以シム↢夫人↡。ナリヤ[ナリ]ヤ。相師[リ]テコタヘテ↠王↠女。此オイ↠王ルベシトソン。王曰、我之国土シヤゾクスベシ↡。タトリトモソンズルワレ亦無シ[ト]オソ。王キテ↢此憂喜ウキマジハイダ

^おうにんにまうしてまうさく、 「われにんとともにひそかにみづから*平章びょうしょうせん。 そうわれにおいてそんあるべしといふ。 にんこれをちて、 高楼こうろううえにありててんじょうのなかにあたりてこれをみ、 ひとをしてらしむることなかれ。 おとしてにあらんに、 あにせざるべけんや。 われまたうれふることなく、 *もまたあらわれじ」 と。

王白シテ↢夫人↡言サクトモ↢夫人ヒソカ平章セム。相師↢児オイルベシトソン。夫人[チ]テ↢生↠之↡、[リ]テ高楼カウロウアタ[リ]テ↢天井↡生[ミ]↠之ナカムルコト↢人ヲシテ↡。シテラムニ↢於地↡、アニケム↠不[ル]↠死ワレフルコトコヘマタ[ト]アラハ

^にんすなはちおうはかりごととし、 そのときにおよびてもつぱらさきほうのごとくす。 みをはりてつるに、 いのちすなはちえず、 ただしょうそんず。 よりてすなはち*にんおなじくとなへて 「せったい」 といふ。

夫人即[ト]シ↢王ハカリゴト↡、[ビ]テ↢其↡一[ク]スサキ↡。[リ]テツルニ、命便タヾソン↢手小指↡。[リ]テグワイニン[ジ]クトナヘテセツ太子↡也。

・未生怨

^しょうおん」 といふは、 これ*だいだっあくしんおこすがゆゑにかのたいたいしてしゃくにち悪縁あくえん顕発けんぽつするによる

オンアダ↧提婆達多スガ↢悪ソネム↡故シテ↢彼太子↡顕↦発スルニシヤクムカシニチ悪縁↥。

^いかんがしんして悪縁あくえんおこ0348す。 だいあくしょうにして、 *為人ひととなりきょうもうなり。 また0467しゅっすといへども、 つねにぶつみょうもんようねたむ。

云何シテオコ↢悪縁↡。提婆悪性ニシテ為人ヒトトナリクヰヨウアシク マウタケシナリ。雖↢復出家スト↡、恒常 ツネ ↢仏名聞利養↡。

^しかるにちちおうはこれぶつ*檀越だんおつなり。 いちのうちにおいておおようをもつて如来にょらいじょうす。 いはく、 こんごん七宝しっぽうみょうじょうぶくひゃくじきとう一々いちいち色々しきしきみなひゃくしゃなり。 こう*がくし、 ひゃく千万せんまんしゅう讃歎さんだん*にょうして*ぶつ送向そうこうして、 ぶつおよびそうほどこす。

ルニ0689檀越ダンオチナリ。於↢一時↡多ヤウ奉↢上如来↡。イハ金・ゴム・七宝・名衣・上服・百菓食クワジキ、一一色色五百シヤナリカウクヱガク、百千万シユ讃歎サンダンネウシテ送↢向シテ仏会↡、↢仏及ソウ↡。

^とき調じょうだつ (提婆達多) をはりてしんさらにさかりなり。 すなはち*しゃほつところかひて*身通しんつうがくせんともとむ。 尊者そんじゃかたりていはく、 「なんぢしばらく念処ねんじょがくせよ。 身通しんつうがくすべからず」 と。 すでにしょうずれどもしんげず。 さらに尊者そんじゃへんかひてもとむ。 ないひゃく弟子でしとうことごとくひととしておしふるものなし、 みな念処ねんじょがくせしむ。

調達デウダチ[リ]テ心更サカリナリ。即ムカ[ヒ]テ↢舎利弗↡求ガクセムシン↡。ソンカタ[リ]テ人者 ナンヂ シバラガクセヨ↢四念処↡。[ト]カラ↠学シン↡也。スデシヤウズレドモ↠心。更[ヒ]テ尊者ヘンホトリモト。乃至五百弟子等悉↢人トシテフルモノ↡、皆↠学↢四念処↡。

^しょうずることむことをずして、 つひになんへんかひてがくす。 なんかたりていはく、 「なんぢはこれわがおとうとなり。 われつうがくせんとほっす。 一々いちいちだいにわれにおしへよ」 と。 しかるになん*しょたりといへども、 いまだ*しんしょうせず。 *きょうのひそかにつうがくして、 ぶつみもとにおいて*悪計あくけいおこさんとほっすることをらず。 なんつひにすなはちびてじょうしょかひて、 だいにこれをおしふ。

ズルコトシテ↠得↠ムコト[ヲ]ツイ[ヒ]テ↢阿難↡学。語[リ]テ↢阿難↡言ナンヂオトヽナリ↠学セムト↠通。一一次第ヘヨト↠我。然ルニ阿難雖↠得タリト初果シヨクワ↡、未↠証↡。不↠知クヰヤウ私密 ヒソカ シテ↠通スルコトヲ↢仏オコサムト↩於悪計↨。阿難ツイビテ[ヒ]テ↢静処↡、次第↠之

^*跏趺かふしょうせしめて、 しんをもつてぐることをおしふ。 うごくにたりとおもへ。 ること一分いちぶん一寸いっすんするとおもへ。 いっしゃくいちじょうするとおもへ。 しゃいたるに、 *くう無礙むげおもいをなし、 ただちにぎてくうちゅうのぼるとおもへ。 またしんせっしてくだり、 もとしょいたるとおもへ。

跏趺カフ正坐セシメテ、先↢将↠心グルコトヲ↟身タリト↠動クニルコト一分・一スン[スル]トオモ。一尺・一ヂヤウ[スル]ト。至ルニシヤ、作↢空無↡、タヾチギテノボルト空中↡想セフシテ↠心、至ルトシヨ↡想

^つぎをもつてしんげ、 はじめのときること0349一分いちぶん一寸いっすんするとう、 またさきほうのごとくせよ。 をもつてしんげ、 しんをもつてぐるに、 またしたがひてすでにいたる。 くうのぼりをはりて、 また*摂取せっしゅしてくだり、 もとしょいたれ。

↠身↠心ハジメルコト↠地一分・一寸[スル]等、亦如セヨ↢前↡。以[テ]↠身↠心、以↠心[グ]ルニ↠身、亦随[ヒ]テ。上↠空リテセフシユシテ↡下、至↡。

^つぎ身心しんしんがっしてぐとおもへ。 またさきほうおなじく、 一分いちぶん一寸いっすんするとうおわりてまたはじめよ。

↢身心ガフシテグト↡。[ジ]ク↢前↡、一分・一寸スル等、ヲハリテ而復ハジメヨ

^つぎ身心しんしん一切いっさい*ぜつ*しききょうのなかにるとおもひ、 ぜつおもいをなせ。 つぎ一切いっさいせんだいとうしきしん0468のなかにるに、 くうのごとく*無礙むげにして色相しきそうずとおもへ。

↣身心入ルト↢一切ゼツサヘ サヘラルシキキヤウ↡、ゼツ↡。次↧一切山・・大地等色入ルニ↡、如↠空ニシテ↢色相↡。

^つぎしん、 あるいはだいにしてくう*遍満へんまんして坐臥ざがざいなり、 あるいはし、 あるいはして、 をもつて日月にちがつうごかすとおもへ。 あるいはしょうしんとなりて*じんのなかにるに、 一切いっさいみな無礙むげおもいをなせと。

↧自身[イ]ハニシテヘン↢満シテ虚空0690グワナリ、或[イ]ハ[イ]ハシテ、以[テ]↠手↦動スト日月↥。或[イ]ハ[リ]テ↢小身↡入[ル]ニヂン↡、一切皆作セ[ト]無礙ムゲ↡。

^なんかくのごとくだいおしへをはりぬ。 とき調じょうだつ (提婆達多) すでにほう受得じゅとくしをはりて、 すなはちべつしてじょうしょかひて七日しちにちしち一心いっしんせんちゅうして、 すなはち身通しんつうたり。 一切いっさいざいにしてみなじょうじゅすることをたり。

阿難如↠是[ク]ノ次第[リ]ヌ。時調達ダウダツジユ↢得[リ]テ、即シテムカ[ヒ]テ↢静処↡七日七夜一心専チユシテ、即タリ↢身通↡。一切自在ニシテタリ↢成就スルコトヲ↡。

^すでにつうをはりてすなはちたい殿でんまえかひて、 くうちゅうにありてだい神変じんぺんげんず。 しんじょうよりいだ0350し、 しんよりみずいだす。 あるいはへんみずいだし、 へんいだす。 あるいは大身だいしんげんじ、 あるいはしょうしんげんず。 あるいはくうちゅう坐臥ざがし、 こころしたがひてざいなり。

↠通[リ]テ[ヒ]テ↢太子殿デンマヘ↡、[リ]テ↢於空↡現↢大神ペン↡。身上ヨリ↠火身下ヨリ↠水。或[イ]ハヘン↠水、右辺↠火。或[イ]ハ↢大身↡、或[イ]ハ↢小身↡。或[イ]ハグワ空中↡、随[ヒ]テ↠意自在ナリ

^たいをはりて左右さうひていはく、 「これはこれ何人なんぴとぞ」 と。 左右さうたいこたへてまうさく、 「これはこれ尊者そんじゃだいなり」 と。

太子[リ]テ[ヒ]テ↢左右↡曰ナニ[ト]。左右答ヘテ↢太子↡言尊者提婆ナリ[ト]

^たいきをはりてしんおおきにかんす。 つひにすなはちげてびていはく、 「尊者そんじゃなんぞくだきたらざる」 と。 だいすでにぶををはりてすなはちしてようとなり、 ただちにたいひざうえかふ。 たいすなはちいだきて、 くちひてこれをもてあそび、 またくちのなかにつばきはく。 ようつひにこれをむ。 しゅかえりて本身ほんしんぶくす。 たいすでにだい種々しゅじゅ神変じんぺん*うたた敬重きょうじゅうくわふ。

太子[リ]テ歓喜ツイ[チ]ゲテ↠手ビテ、尊者ナンル[ト]↢下キタ↡。提婆既ブヲ[リ]テ[チ]シテ[リ]ヤウ↡、タヾチ↢太子ヒザ↡。太子即イダキテシテ↠口モテアソ↠之、又ツバキハク↢口↡。エウツイ↠之シユカヘ[リ]テブク↢本身↡。太子既↢提婆種種神変ウタクハキヤウヂウ↡。

^すでにたいしん敬重きょうじゅうせるををはりて、 すなはちちちおうよう因縁いんねんく。 「色別しきべつひゃくじょうくるませ、 ぶつみもとかひてぶつおよびそうにたてまつる」 と。 たいきをはりてすなはち尊者そんじゃかたる。 「弟子でしまたよくしきおのおのひゃくしゃととのそなへて、 尊者そんじゃようし、 および衆僧しゅそうほどこすこと、 かれのごとくならざるべけんや」 と。 だいいはく、 「たい、 このこころおおきにし」 と。

↢太子敬重ナルヲ↡已[リ]テ、即↢父因縁↡。色別シキベチ[ニ]五百乗、向[ヒ]テ↢仏[ノ]↢仏及↡。太子[リ]テ↢尊者↡。弟子亦能トヽノソナヘテ五百車↡、供↢養尊者↡、及スコト衆僧シユソウ↡、ケム↠如クナラ↠彼。提婆言、太子、此意大シ[ト]

^これより以後いごおおきにようしんうたた高慢こうまんなり。 たとへばつえをもつてあくはなつに、 うたたあくすがごとし。 これまた0351かくのごとし。 たいいま*ようつえ0469をもつてだい貪心とんしんはなつに、 うたたあくすことさかりなり。 これによりてそうし、 仏法ぶっぽうかいあらためて、 きょうかいどうなり。

↠此已後↢供養↡、心ウタ高慢カウマンナリアナヅルタトヘバ↧以ツエツニ悪狗ハナ↡、ウタスガ↥。亦如↠是[ク]ノ。太子今↢利養ツエツニ↢提婆トムハナ↡、ウタスコト↠悪サカリナリ。因[リ]テ↠此↠僧アラタメテ↢仏法[ノ]↡、教戒不同0691ナリ

^ぶつあまねくぼんしょう大衆だいしゅのためにほうきたまふときちて、 すなはち*ちゅうきたりてぶつしたがひ、 *しゅならびにもろもろの*法蔵ほうぞうことごとくわれにぞくしたまへともとむ。 「そんとしまさに老邁ろうまいしたまへり。 よろしくじょうないにつきてみづから*しょうようしたまふべし」 と。 一切いっさい大衆だいしゅだいがこのきて、 *がくとしてたがひにあひてはなはだ*きょうしょうず。

[チ]テ↧仏普↢凡聖大衆キタマフ↠法之時↥、即[チ]キタ[リ]テシタガ↠仏↣於徒衆ナラビ法蔵コトゴト付↢嘱シタマヘト↡。世尊[ハ]トシサラ老邁ラウマイシタマヘリヨロシクシ[ト]キテジヤウナイ↡自将養シタマフ↥。一切大衆キテ↢提婆↡、ガクサハイデトシテ迭互 タガヒ ハナハキヤウオドロキクヱアヤシム

^そのときそん、 すなはち大衆だいしゅたいしてだいかたりてのたまはく、 「しゃ目連もくれんとうのすなはちだい*ほうしょうなるすら、 われなほ仏法ぶっぽうをもつてぞくせず、 いはんやなんぢにんつばきらへるものをや」 と。

[ノ]時世尊、即タイシテ↢大衆カタ[リ]テ↢提婆↡言、舎利・目レン大法シヤウナルスラワレナヲ↢仏法↡付嘱↥。イハムクラヘルツバキ[ト]

^ときだいぶつの、 しゅうたいして*にくしたまふをき、 なほ*毒箭どくせんむねるがごとし、 さらにきょうこころおこす。 この因縁いんねんによりてすなはちたいところかひてともに悪計あくけいろんず。 たいすでに尊者そんじゃて、 きょうしんをもつてじょうもんしていはく、 「尊者そんじゃ今日こんにち顔色げんしきしょうすいせること、 おうじゃくおなじからず」 と。

提婆↢仏シテ↠衆クヰニクタマフヲ↡、ナホ毒箭ルガムネ、更ワウ↡。[リ]テ↢此因縁↡即[ヒ]テ↢太子トモロン悪計↡。太子既↢尊者↡、キヤウヲモテジヨウモンシテ、尊者、今日ゲンカヲノシキセウスイカシケ セルコト↠同[ジ]カラワウジヤク↡。

^だいこたへていはく、 「われいましょうすいすることはまさしくたいのためなり」 と。

提婆答[ヘテ][ク]、我今憔悴セウスイスルコトハ[シ]ク為↢太子ナリ[ト]

^たいうやまひてはく、 「尊者そんじゃ、 わがためになんのこころかあるや」 と。

太子ウヤマ[ヒ]テハク、尊者、為↠我[ガ]ナニ[ノ]

^だいすなはちこたへていはく、 「たいるやい0352なや。 そんとしいて*堪任かんにんするところなし。 まさにこれをのぞきてわれみづからぶつるべし。 ちちおうとしいたり。 またこれをのぞきてたいみづからしょうすべし。 新王しんおう新仏しんぶつ治化じけせんに、 あにたのしからざらんや」 と。

提婆即[ヘテ][ク]、太子知ルヤイナ。世尊トシイテ堪任カンニンスル↡。当ノゾキテ↠之我自↟仏。父王年老イタリ。亦ノゾキテ↠之太子自↢正↡。シン新仏セム[ニ]アニラムタノシカラ[ト]

^たいこれをきてきはめておおきにしんして、 「このせつをなすことなかれ」 といふ。

太子キテ↠之シンシテ、勿レトイフスコト↢是↡。

^またいはく、 「たいいかることなかれ。 ちちおうたいにおいてまつたく恩徳おんどくなし。 はじめてたいしょうぜんとほっせしときちちおうすなはちにんをして百尺ひゃくしゃくろううえにありててんじょうのなかにあたりてしょうぜしめて、 すなはちおとしてせしめんとのぞむ。 まさしくたい福力ふくりきをもつてのゆゑにみょうこんえず、 ただしょうそんず。 もししんぜずは、 みづからしょうたまへ。 もつてげんとなすにれり」 と。

又言、太子ナカイカルコト。父オイ↢太子マタオム徳↡。セシ↠生ゼムト↢太子↡時、父王即メテ↧夫人ヲシテ[リ]テ↢百シヤクロウアタ[リ]テ↢天ジヤウ↡生↥、即↢堕[シ]テ↠地メムト↟死。正[シ]ク[テ]ノ↢太子福力↡故ミヤウコンタヾソン↢小指↡。若↠信者、自タマヘ↢小↡。レリ[ト]↢以スニ

^たいすで0470にこのきて、 さらにかさねてあきらめていはく、 「じつにしかりやいなや」 と。

太子既キテ↢此↡、更カサネアキラメテ、実爾已 シカリ ヤ[ト]

^だいこたへていはく、 「これもしじつならば、 われことさらにきたりて*まんをなすべけんや」 と。

提婆答ヘテ不実ナラバケムコトサラニキタ[リ]テマンミダレガハシキ[ト]

^このによりをはりてつひにすなはちだい悪見あくけんはかりごと信用しんようす。

↢此[リ]テツイ0692信↢ヨウ提婆悪見 ゴト↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(c)結示順教

^ゆゑに 「ずいじゅん調じょうだつあくきょう」 といふ。

↢「随順調達悪友之教」↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)釈父王幽禁文
              (ⅰ)科節

 ^さん収執しゅうしゅうおう」よりしもいち得往とくおう」にいたるこのかたは、 まさしくちちおうのために幽禁ゆうきんせらるることをかす。

[ニ]↢「収執シユシフ」↡下至↢「一不得往」↡已来[タ]ハ[シク]王為↠子幽禁エウキンセラルルコトヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)(ⅱ)述意

^これじゃだい悪計あくけいりて、 たちま0353ちに父子ぶしじょうつることをかす。 ただ*罔極もうごくおんしっするのみにあらず、 *ぎゃくひびきこれによりてみちてり。

↧闍世[リ]テ↢提婆悪計↡、タチマチニツルコトヲ父子フシ↥。非スルノミニ↢於罔極之オン↡。ギヤクヒヾ[リ]テコレテリミチ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)(ⅲ)釈文

・収執

^たちまちにおうおおふを 「しゅう」 といひ、 すでにてざるを 「しゅう」 といふ。 ゆゑに収執しゅうしゅうづく。

タチマチオホフヲ↢王シユ、既ルヲシフ。故↢「収執シユシフ」↡也。

・父王

^」 といふはべつしてしんごくあらわす。 「おう」 とはそのくらいあらわす。 「びん」 とはそのあらわす。

↢「父」↡者ベチシテシン マリ↡也。「王アラハ↢其クラヰ↡也。「ビン↢其↡也。

・幽閉

^幽閉ゆうへいしちじゅう室内しつない」 といふは、 しょすでにおもし、 またかろきにあらず。 あさ*人間にんげんきんずべからず、 まつたくしゅなければなり。 ただおう*こうとして*にんつとも、 ただ群臣ぐんしんあればすなはちひさしきよりこのかた*じょうせるをもつて、 もし厳制ごんせいせずはおそらくは*じょうつうあらん。 ゆゑにないをしてまじはりをたしめて、 ぢてしちじゅうのうちにく。

↢「幽閉エウヘイ七重室内」↡シヨ事亦非カロキニカラ↣浅↢人間↡、マタケレバナリシユ↡。タヾ↧王宮閤トシテツトモグワイジン↡、タヾレバ群臣グンシン↡則ヒサキヨリコノカジヨウセルヲ↥、若ゴンキビシクセイオソラクハラムコヽロノカヨウ↡。故使↢内外[ヲシテ]マジハリヲヂテ↢七重ウチ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)釈夫人奉食文
              (ⅰ)科節

^国大こくだいにん」よりしもみつじょうおう」にいたるこのかたは、 まさしくにんひそかにおうじきをたてまつることをかす。

[ニ]↢「国大夫人」↡下至↢「ミチ上王」↡已来[タ]ハ、正[シク]↣夫人ヒソカルコトヲ↢王ジキ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)(ⅱ)釈文

・国大夫人

^国大こくだいにん」 といふは、 これ最大さいだいなることをかす。 「にん」 といふはそのくらいひょうす。 「だい」 といふはそのあらわす。

↢「国大夫人」↡サイナルコトヲ↡也。↢夫人ヘウ↢其↡也。言↢「韋提」↡↢其↡也。

・恭敬大王

^ぎょう大王だいおう」 といふは、 これにんすでにおうきんぜらるるをるに、 もんきはめてかたくして、 音信いんしんつうぜず、 おそらくはおうしんみょうつことを。

↢「敬大王」↡↧夫人スデルニ↢王ルルヲキン、門キワメカタクシテイムオムシン↠通オソラクハツコトヲ↢王[ノ]身命

^つひにすなはち香湯こうとう*滲浴しんよくしてをして清浄しょうじょうならしめて、 すなはち*みつりてづそのり、 のち*かんしょうりてはじめてみつうえき、 すなはち0354じょうてこれをおおひて、 外衣げえうえにありてはじめて*瓔珞ようらくること、 つね0471服法ぶくほうのごとくにして、 *にんをしてあやしまざらしむ。

ツイ香湯カウタウ滲浴シンヨクシテメテ↢身ヲシテ清浄ナラ↡、即[リ]テミチ↢其↡、後[リ]テ乾麨ハジメミチ↡、即ジヤウオホヒテ[リ]テグヱル[コト]瓔珞ヤウラク↡、如ク[ニ]シテ↢常ブクキモノ↡、グワイジンヲシテアヤシ

^また瓔珞ようらくりてあないち*ろうをもつてこれをふさぎ、 いちあなのなかにどう*漿しょうりて、 てをはりてまたふさぐに、 ただこれ瓔珞ようらくなり。 ことごとくみなかくのごとくす。

[リ]テ瓔珞↡孔一頭以ラウフサ↠之、一アナリ[テ]ダウ漿↡、[リ]テフサグニタヾ瓔珞ナリ↠此[ク]ノ

^しょうごんすることすでにおわりて、 *やうやくあゆみてりて、 おうとあひまみゆることをかす。

荘厳0693[スルコト]スデオハ[リ]テヤウヤアユミテ[リ]テミヤ↠王マミユルコトヲ↥。

 ^ひていはく、 しょしんちょくけておうまみゆることをゆるさず。 いぶかし、 にん*もんせいせずしてほしいままにることをしむるは、 なんのこころかあるや。

[ヒテ][ク]シム[ハ]チヨクユルマミユルコトヲ↠王未審イブカシ、夫人シテセイホシイママムル↠得↠ルコトヲ者、有ナニ[ノ]

^こたへていはく、 諸臣しょしんことなりて、 またこれ*にんなり。 じょうつうあることをおそれて、 きびしくじゅうせいくわへしむることをいたす。 またにんこれ女人にょにんにして、 しん*けいなし。 おう*宿しゅくえんごうおもくして、 ひさしくちかづきてさいなり。 別体べったい同心どうしんにして、 ひとをしてりょなからしむることをいたす。 ここをもつてりて、 おうとあひまみゆることをしむ。

[ヘテ][ク]諸臣シヨシンコトナリテ、復ジンナリ。恐↠有[ル]コトヲ↢情通↡、イタ使ムルコトヲシククハ重制ヂウセイ↡。又夫人是女人ニシテ、心異計↡。↠王宿シフゴフオモクシテヒサシクチカヅキテサイナリ別体同心ニシテ、致使ムルコトヲ↣人ヲシテカラ外慮グヱリヨ↡。コヽシム[リ]テマミユルコトヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅴ)釈父王請法文
              (ⅰ)科節

 ^爾時にじ大王だいおうじきしょう」よりしもじゅ八戒はっかい」にいたるこのかたは、 まさしくちちおうきんによりてほうしょうずることをかす。

[ニ]↢「大王食麨ジキセウ」↡下至↢「ジユ我八戒」↡已来[タ]ハ、正[シク]↢父[リ]テキンシヨウズルコトヲ↟法

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅴ)(ⅱ)述意

・王得食

^これにんすでにおうまみえをはりて、 すなはちしんじょう*けずりて、 *しょうだんをもつておうじゅす。 おうてすなはちじき0355しょうじきすることすでにおわりて、 すなはちないにおいてにんじょうすいもとて、 おうあたへてくちすすがしむ。

↧夫人既マミ↠王[リ]テ、即リテ身上↡、麨団セウダンモテジユスルコトセウオハ[リ]テ、即宮内↡夫人求↢得浄水↡、アタヘテ↠王スヽガシム↠口

・請求加護

^くちきよめをはりてむなしくときくべからず。 *ちょうしんるところなし。 ここをもつて*けんがっしょうして、 おもてめぐらしてしゃかひ、 きょう如来にょらいいたして*加護かごしょうすることをかす。

キヨ↠口已竟 ヲハ [リ]テ↠可[カ]ラムナシク↟時テウシバラクコヽケンツヽシミキヤウ合掌シテメグラシテオモテムカ↢於シヤ↡、致シテキヤウ如来シヤウスルコトヲ加護カゴ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅴ)(ⅲ)釈文
                (a)正釈

・身業敬

^これ身業しんごうきょうかす、 またつうじてごうあり。

↢身業↡、亦通ジテ業↡也。

・口業請

^而作是にさぜごん以下いげは、 まさしくごうしょうかす、 またつうじてごうあり。

作是言」已下[ハ]、正[シク]↢口業↡、亦通ジテ↢意業↡也。

・目連親友

^大目連だいもくれん是吾ぜごしん」 といふはその二意にいあり。 ただ目連もくれんぞくにありてはこれおう*別親べっしんなり。 すでにしゅってすなはちこれ*もんなり。 こう往来おうらいすることすべて*しょうなし。 しかるにぞくにありてはしんとなし、 しゅっしてはづく。 ゆゑにしんづく。

↢「大目連是シン」↡↢其二意↡。但目連[リ]テハゾク別親ベチシンナリ。既↢出家↡即ナリワウライスルコトカクスベシヤウ↡。ルニ[リ]テハゾクシン、出家シテハ。故↢親友↡也。

・授我八戒

^願興がんこう慈悲じひじゅ八戒はっかい」 といふは、 これちちおうほう0472うやまじょうふかくして、 ひとおもんずることおのれにぎたることをかす。 もしいまだ*幽難ゆうなんはずは、 仏僧ぶっそうじょうするにかたしとなすにらず。 いますでにとらはれて*くついたすによしなし。 ここをもつてただ目連もくれんしょうじて八戒はっかいく。

↢「願コウ慈悲ジユ我八戒」↡↢父ウヤマ↠法フカクシテズルコト↠人[ギタル]コトヲ ノレ。若幽難エウナン↡、奉↢請スルニソウスニ↠難シトトラシフセヨシ↠致スニクツ。是タヾジテ↢目連↢於八戒↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅴ)(ⅲ)(b)料簡

・礼世尊請目連意

 ^ひていはく、 ちちおうはるかにうやまふには、 そんらいし、 その受戒じゅかいおよびてすなはち目連もくれんしょうずるは、 なんのこころかあるや。

[ヒテ][ク]、父ハルカウヤマキヤウフニハ、先ライ↢世尊0694↡、及[ビ]テ↢其受戒↡即ズル[ハ]↢目連↡、有ナニ[ノ]

^こたへていはく、 ぼんしょう極尊ごくそんぶつぎたるはなし。 しんかたむけてがんおこすにはすなはちだい (釈尊)らい0356かいはこれしょうえんなり。 ここをもつてただ目連もくれんきたりてさずくることをしょうず。 しかるにおうこころとうとぶこと得戒とくかいぞんず。 すなはちこれあまねし。 なんぞいたわしくげてそんくっせんや。

[ヘテ][ク]、凡聖ゴクギタルハ↢於仏↡。カタブケテ↠心スニハ↠願↢大師↡。戒エンナリ。是タヾ↢目連リテサズクルコトヲ↡。然[ル]ニタントブコトゾン↢得戒↡。即アマネナンイタハシクゲテクツセム↢世尊↡也。

・請八戒不請余意

 ^ひていはく、 如来にょらい戒法かいほうすなはちあることりょうなるに、 ちちおうただ八戒はっかいのみをしょうじてしょうぜずや。

[ヒテ][ク]、如来戒法ルコト無量ナルニ、父タヾジテ↢八戒[ノミ]ヲ不↠請

^こたへていはく、 かいはややひろくして*せつじょうおんなり。 おそらくはちゅうげん失念しつねんしてしょうてんすることを。 その八戒はっかいとは*ぶっきょうきたまふがごとし。 ざいひとしゅっかいたもつ。 このかい*しん極細ごくさいごくきゅうなり。 なんのこころぞしかるとなれば、 ただせつややつづまりて、 ただ一日いちにちいちかぎりてほうしてすなはちつ。

[ヘテ][ク]、余ヤヤヒロ[ク]シテ時節長オンナリ恐畏オソラク中間シチシテ流↢転スルコトヲ生死↡。其八戒者如仏経キタマフガ↡。在家タモ↢出家↡。此極細極急ナリナニ[ノ]シカルトナラバ者、タヾ時節ヤヤツヅマ[リ]テタヾリ[テ]↢一日一夜シテ

^いかんがこのかい*用心ようじんぎょうとの*さいなることをる。 *戒文かいもんのなかにつぶさにあらわしていふがごとし。 「*ぶっ*今旦こんたんより*みょうたんいたるまで一日いちにちいち諸仏しょぶつせっしょうしたまはざるがごとくよくたもつやいなや」 と。 こたへていはく、 「よくたもつ」 と。

云何 イカン ↢此ヨウ[ト]トノナルコトヲ↡。如↢戒文ツブサシテ[フ]ガ↡。仏子今旦コンタン↡至マデ↢明タン↡一日一夜、↣諸仏ルガ↢殺生シタマハツヤ。答ヘテ、能ツト

^だいにまたいはく、 「ぶっ今旦こんたんよりみょうたんいたるまで一日いちにちいち諸仏しょぶつの、 ちゅうとうせず、 いんぎょうぜず、 もうせず、 飲酒おんじゅせず、 ふんることをず、 歌舞かぶしょうしおよびきてかんちょうすることをず、 高広こうこうだいじょうのぼることをたまはざるがごとくすべし」 と。

第二又云、仏今旦コンタン↡至ルマデ↢明旦↡一日一夜、如[ク]スベシ[ト]↧諸仏偸盗チウタウ↡、↠行インマウ↡、飲酒オンジユサケ ↡、フンルコトヲ↟身↠得↢ウタイマウシヤウトナフギカクキテミルチヤウキク スルコト[ヲ]↡、ルガ[タマハ]ノボルコト[ヲ]カウクワウシヤウユカ ↡。

^このかみはちはこれかいにしてさいにあらず。 *ちゅう0357ぎてじきすることをず、 このいちはこれさいにしてかいにあらず。 これらの諸戒しょかいみな諸仏しょぶつきてしょうとなす。 なにをもつてのゆゑに。 ただぶつぶつとのみ*正習しょうじゅうともにつくしたまへり。 ぶつのぞきてげん*あくじゅうとうなほあり0473。 このゆゑにきてしょうとなさず。 ここをもつてることを。 このかい用心ようじんぎょうときはめてこれ*さいきゅうなり。

ニシテサイ不↠ギテ↠中ジキスルコト[ヲ]↡、此ニシテ↠戒。此等諸戒皆キテ↢諸仏↡為↠証[テ]ノタヾノミ↠仏正ジフトモツクシタマヘリ。除[キ]テ↠仏已還ジフナホ。是キテ↟証也。是得↠知[ル]コトヲ。此用心ヨウジン[ト][ト]細急サイキウナリ

^またこのかいには、 ぶつ八種はっしゅ*しょうぼうありときたまへり。 もしひと一日いちにちいちつぶさにたもちておかさざれば、 所得しょとくどくにんてんじょうきょうがいちょうせり。 *きょうひろきたまふがごとし。 このやくあるがゆゑに、 ちちおうをして日々にちにちにこれをけしむることをいたす。

ニ[ハ]仏説[キ]タマヘリ↠有リト↢八種勝法↡。若人一日一夜ツブサタモ[チ]テレバシヨ功徳テウクワセリ人・天・二乗境界↡。如↢経0695[キタマフ]ガ↡。有[ル]ガ益↡故、致↠使[ム]ルコトヲ↢父[ヲシテ]日日↟之

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅵ)釈父王受法文
              (ⅰ)科節

 ^ろくだい目連もくれん」よりしもおう説法せっぽう」にいたるこのかたは、 そのちちおうしょうによりてしょうぼうこうむることをることをかす。

[ニ]↢「時大目連」↡下至↢「為王説法」↡已来[タ]ハ、明↢其[リ]テ↠請[ル]コトヲカブルコトヲ↢聖法↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅵ)(ⅱ)述意

^これ目連もくれんしんてはるかにちちおうしょうりて、 すなはち神通じんずうおこして*だんのあひだのごとくにおうところいたることをかす。

↧目連得ハルカ[リ]テ↢父↡、即シテ↢神通↡如クニダンアヒダイタルコトヲ↦於王↥。

^またおそらくはひと神通じんずうそうらざらん。 ゆゑに*おうきてたとへとなす。 しかるに目連もくれん通力つうりきは、 一念いちねんのあひだにてんめぐることひゃくせんそうなり。 あにおうるいをなすことをんや。 かくのごとき*きょうはすなはちしゅあり。 つぶさにくべからず。 ¬げんきょう¼ につぶさにきたまふがごとし。

オソクハラム↠識↢神通↡。故キテ快鷹↡為タトヒルニ目連通力、一念アヒダメグルコト↢四天下↡百千サウナリアニスコトヲ也。如↠是[ク]ノケウ↢衆多↡。↠可[カ]ラツブサ↡。如↢¬ゲン¼具[キタマフ]ガ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅵ)(ⅲ)釈文

・受戒

^にち0358にちにょ授王じゅおう八戒はっかい」 といふは、 これちちおういのちべて、 目連もくれんしばしばきたりてかいけしむることをいたすことをかす。

↢「日日如是ジユ王八戒」↡↧父ベテイノチスコトヲ↞使[ムル]コトヲ↢目連シバシキタ[リ]テ↟戒

 ^ひていはく、 八戒はっかいすでにすぐれたりといふは、 ひとたびくるにすなはちりぬ。 なんぞ日々にちにちにこれをくるをもちゐん。

[ヒテ][ク]、八戒既スグレタリト、一[タ]ビクルニリヌナンヰム↢日日クルヲ↟之

^こたへていはく、 やまたかきをいとはず、 うみふかきをいとはず、 かたなきをいとはず、 あかきをいとはず、 ひとぜんいとはず、 つみのぞこるをいとはず、 げんとくいとはず、 ぶつしょういとはず。

[ヘテ][ク]、山イトタカ↠厭フカカタナ↠厭、日↠厭↠明[キ]ヲ、人↠厭ゼンヨキ↠厭ノゾコルヲケンカシコシ不↠厭[ハ]↠徳、仏不↠厭[ハ]↠聖

^しかるにおうこころはすでにしゅうきんせられて、 さらにしんこうむらず。 念々ねんねんのうちにひところすことをおそる。 これがためにちゅうしんかたむけ、 あおぎて八戒はっかいたのむ。 ぜんむことますますたかきことを望欲もうよくして*来業らいごうせんとす。

ルニレテ囚禁シユキンイマシメ↡、更カブ↢進↡。念念オソ↢人コロスコトヲ↡。為昼夜カタブ↠心アオギテタノ↢八戒↡。望↢欲シテムコト↠善キコトヲ↡擬↠資セムト↢来業↡。

・説法

 ^そん亦遣やくけん富楼那ふるなおう説法せっぽう」 といふは、 これそん慈悲じひこころおもくして、 おう愍念みんねんしたまふに、 たちまちにしゅうろうひて、 おそらくはすいしょうずることを。

↢「世尊亦ケン富楼那フルナ為王説法」↡↧世尊慈悲オモクシテミン↢念シタマフニ[ノ]↡、タチマチヒテシユイマシメ ラウワヅラフ↡、オソラクハズルコトヲ↢憂悴

^しかるに*富楼那ふるなしょう弟子でし0474のなかにおいてもつともよく説法せっぽうし、 よく方便ほうべんありてひとしん開発かいほつす。 この因縁いんねんのために、 如来にょらい*発遣はっけんしておうのためにほうきて、 もつてのうのぞかしめたまふことをかす。

ルニ富楼フルオイ↢聖弟モト説法[リ]テ↢方便↡開↢発↢此イン↡、如来発遣ハチケンシテ↠王キテ↠法、以[テ]カシメタマフコトヲナウ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅶ)釈多日不死文
              (ⅰ)科節

^しちにょけん」よりしも顔色げんしきえつ」にいたるこのかたは、 まさしくちちおうじき聞法もんぼうとによりてにちせざること0359かす

[ニ]↢「如是時間」↡下至↢「顔色ゲンシキエチ」↡已来[タハ][シ]ク↧父[リ]テジキモントニ↡多日ルコトヲ↞死

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅶ)(ⅱ)述意

^これまさしくにん多時たじじきをたてまつりて、 もつてかつのぞき、 しょう (目連・富楼那) また戒法かいほうをもつてうちにたすけてよくおうこころひらく。 じきはよくいのちべ、 戒法かいほう*じんやしなひて、 しっうれひをもうじて、 顔容げんようえつならしむることをいたすことをかす。

[シク]0696↧夫人多時[リ]テ↠食ノゾカツ↡、二聖又以↢戒法タスケテ↢王ジキ↠命、戒法ヤシナヒテジンシチマウジテウレヘ、致スコトヲ↞使ムルコトヲ顔容ゲンヨウエチナラ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (三)

^じょうらいしちどうありといへども、 ひろごんえんかしをはりぬ。

上来雖↠有リト↢七不同↡、広キン↡竟[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b 【禁母縁】
          (一)

【7】 ^さんごんえんのなかにつきてすなはちそのはちあり。

[ニ]キテキン↡即↢其八↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)
            (Ⅰ)釈問父音信文
              (ⅰ)科節

^いちには じゃ」よりしも存在ぞんざい」にいたるこのかたは、 まさしくちち音信いんしんふことをかす。

[ニハ]↢「時阿闍世」↡下至↢「ゾン」↡已来[タ]ハ[シ]ク↠問[フ]コトヲ↢父イム↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)述意

^これ闍王じゃおうちちきんずること日数にっしゅすでにおおし。 ひとまじはりすべてえ、 水食すいじきつうぜずして*しち有余うよなり。 いのちおわるべし。 このねんをなしをはりて、 すなはちもんいたりて守門しゅもんのものにひて、 「ちちおういまなほ存在ぞんざいせりや」 といふことをかす。

↧闍王キンズルコト↠父日数既オヽマジハ、水ジキシテ↠通二七有余ウヨナリ↠終↢是[リ]テ[リ]テ宮門キウモン↡問ヒテ↢守門↡、父今者 イマ 猶存在セリトイフコトヲ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)料簡
                (a)

 ^ひていはく、 もしひと一餐いちざんいいじきして、 かぎ七日しちにちいたりぬればすなはちす。 ちちおう*三七さんしちたるをもつてはかるに、 いのちゆべきことうたがいなし。 闍王じゃおうなにをもつてかただちにひて、 「もんちちおういましをはれりや」 といはずして、 いかんぞいたして「なほ存在ぞんざいせりや」 とへるは、 なんのこころかあるや。

[ヒテ][ク]、若ジキシテ↢一ザム↡、カギ[リ]ヌレバ↢七日↡即。父王以タルヲ↢三七ハカルニキコト↡無。闍王ナニテカシテタヾチ[ヒ]テ↢門家、父今者 イマ オハレリ↡、云何イタシテヘルナホ存在セリヤト↡者、有[ノ]↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(b)

^こたへていはく、 これはこれ闍王じゃおう*みつといなり。 ただおもんみれば*ばんしゅなれば、 *0360どうずいなるべからず。 ちちおうすでにこれてんしょうこころしたし、 いひて 「せりや」 とふべきことなし。 おそらくはとがとうにありて、 もつて*譏過きかじょうずることを。 ただおもんみれば内心ないしんひょうして、 くちに 「ありや」 とへるは、 なが*あくぎゃくめんとほっするがためなり。

[ヘテ][ク]闍王ミチナリレバマムナレバドウカラ↢随宜ナル↡。父王既セイコヽロシタ、無キコトヒテ↟死セリヤトオソラクハトガ[リ]テタウ↡、以ズルコトヲソシリクワトガ↡。但オモムミレバ内心ヘウシテアラハス ↠死、口ヘルリヤトタメホツスルガメムトナガ悪逆↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)釈門家具答文
              (ⅰ)科節

 ^守門しゅもんにんびゃくごん」よりしも不可ふか禁制きんぜい」にいたるこのかた0475は、 まさしくもんをもつてつぶさにこたふることをかす。

[ニ]↢「時守門人白ゴン」↡下至↢「不可禁制キンゼイ」↡已来[タハ][シ]ク↢門家以ツブサコタフルコトヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)述意

^これじゃさきに 「ちちおうありや」 とへば、 いまつぎもんとうすることをかす。

↧闍世ヘバ↢父[ノ]王在リヤト↡者、門家ホウタウスルコトヲ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅲ)釈文

・奉食事

^びゃくごん大王だいおう国大こくだいにん」 といふ以下いげは、 まさしくにんひそかにおうじきをたてまつるに、 おうすでにじきじきよくいのちべて、 にちといへどもちちいのちなほぞんず。 これすなはちにんこころにして、 このもんとがにはあらずといふことをかす。

「白言大王国大夫人トイフ」已下[シク]↧夫人ヒソカル[ニ]↢王ジキ↡、王既得↠食食能ベテ↠命、雖↢多日↡父0697ナホ夫人ニシテ、非ズトイフコトヲ門家之トガニハ↥。

 ^ひていはく、 にんじきをたてまつるに、 うえしょうりてころもしたひそかにおおふ。 出入しゅつにゅう往還おうげんするに、 ひとることをることなし。 なんがゆゑぞもんつぶさににんじきをたてまつるあらわす。

[ヒテ][ク]、夫人奉ルニ↠食、身リ[テ]セウシタヒソカ。出入往ユキカヘルスルニ、無↢人[ノ][ル]コト↟見[ル]コト[ヲ]。何門家ツブサ↢夫人↠食↡。

^こたへていはく、 一切いっさい*みつひさしくぎょうずべからず。 たとひたくみにかたかくせども、 かえりて彰露あらわる。 ちちおうすでにきんぜられてないにあり、 にん日々にちにち往還おうげんす。 もしひそかにしょうちてじきせしめずは、 おういのち0361くることるによしなし。

[ヘテ][ク]、一切私密↠可[カ]ラ↢久[シ]ク↡。タトタクミカタカクセドモカヘ[リ]テ彰露 アラハ アラハレアラハル。父王既キンゼラレテ↢宮内↡、夫人日日往還。若ヒソカ[チ]テセウジキセシメ↡、王ヨシ↠得ルニクルコト

^いま 「みつ」 といふは、 もんのぞめてにんこころぶるなり。 にんかくして*にんらずとおもへども、 そのもんことごとくもつてこれをさとらざらんや。 いますでにきわまりて、 あひかくすによしなし。 ここをもつて一々いちいちつぶさにおうかひてく。

ミツノゾメテ↢門家ブル↢夫人↡也。夫人オモヘドモカクシテグワイジン↟知ラムヤ↢其門家コトゴトサト↟之リテ、無ヨシカクスニ↡。是一一ツブサ[ヒ]テ↠王

・説法事

 ^沙門しゃもん目連もくれん」 といふ以下いげは、 まさしくしょう (目連・富楼那) くうあがりてらいし、 もんによらず。 日々にちにち往還おうげんしておうのためにほうく。 大王だいおうまさにるべし。 *にん進食しんじきさきおうきょうけず、 ゆゑにあへて*遮約しゃやくせず。 しょうくうじょうず、 これまた*門制もんせいによらずといふことをかす。

↢「沙門目連」↡已下、正[シク]↧二聖ノボ[リ]テ↠空ライ↢門日日往還シテ↠王[ノ]↠法大王当↠知夫人進食サキ↢王↡、所以不↢アヘシヤサヘギリヤクトヾメズ二聖ジヨウ↠空トイフコトヲ↢門セイ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅲ)釈闍王瞋怒文
              (ⅰ)科節

^さんじゃもん此語しご」よりしも欲害よくがい其母ごも」にいたるこのかたは、 まさしくおうしんかす。

[ニ]↢「時阿闍世聞此」↡下至↢「欲ガイ」↡已来[タハ][シク]↢世王瞋怒↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅲ)(ⅱ)述意

^これ闍王じゃおうすでにもん*分疏ぶんしょきをはりて、 すなはちにんにおいてしんあくおこし、 くちあくぶることをかす。

↧闍王既↢門家シヨオハ[リ]テ、即↢夫人↡心オコ↢悪↡、口ブルコトヲ悪辞↥。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅲ)(ⅲ)釈文

・逆悪

^また三業さんごうぎゃく三業さんごうあくとをおこす。 父母ぶもののしりてぞくとなすをごうぎゃくづく。 沙門しゃもんののしるをごうあくづく。 けんりてははころさんとするを身業しんごうぎゃくづく。 しんしょしんをもつてしゅとなすを、 すなはち0476ごうぎゃくづく。 また*ぜん方便ほうべんあくとなし、 *のち正行しょうぎょうぎゃくとなす。

オコ↢三業三業トヲ↡。リテ↢父母スヲゾクナヅ↢口業ギヤク↡。ルヲ↢沙門者名↢口業↡。[リ]テケンサムトスルヲ↠母↢身業↡。身口所為以↠心ス[ヲ]シユ、即↢意業↡。又復ゼン方便↠悪、後[ノ]正行↠逆

・罵其母

^我母がもぞく」 といふ以下いげは、 まさしくくちあくいだすことをかす。 いかんぞははののしりて、 「ぞく0362なり、 ぞくともなればなり」 となす。 ただ闍王じゃおうもとしんあだちちいたし、 はやおわらざることをうらむに、 ははすなはちしてためにかてすすむるがゆゑにせざらしむ。 このゆゑにののしりて、 「わがはははこれぞくなり、 ぞくともなればなり」 といふ。

↢「我母是ゾク」↡已下[ハ][シク]↣口スコトヲ悪辞↡。云何リテ↠母↢賊ナリ賊之伴ナレバナリト↡也。但闍王[ノ]モト心致於父↡、ムニ↠不ルコトヲハヤオハ↡、母シテムルガカテ↠死0698。是リテ↢我ゾクナリゾクトモ[ナレバ]ナリト也。

・瞋二聖

^沙門しゃもん悪人あくにん」 といふ以下いげは、 これじゃははじきすすむることをいかり、 また*沙門しゃもんおうのためにらいすることをきて、 さらに瞋心しんしんおこさしむることをいたすことをかす。 「ゆゑになんのしゅじゅつありてか悪王あくおうをしてにちせざらしむ」 といふ。

↢「沙門悪人」↡已下[ハ]↧闍世瞋↢母ムルコトヲ↟食、復キテ↢沙門タメ↠王ライスルコトヲ↡、致スコトヲ↞使[ムル]コトヲ↣更シン↡。故↧有[リ]テカジユジユツ↡而↦悪王ヲシテ多日↞死

・欲害母

^そくしゅうけん」 といふ以下いげは、 これおういかさかりにして、 ぎゃくははおよぶことをかす。 なんぞそれいたましきかな。 こうべりてけんす。 しんみょうたちまちにしゅにあり。 *慈母じもがっしょうしてこうべれ、 *く。 にんそのときあつあせあまねくながれて、 *心神しんじん悶絶もんぜつす。 あああわれなるかな、 *怳忽こうこつのあひだにこのなんへること。

↢「ソクシツケン」↡已下[ハ]↣世王イカリサカリニシテギヤクオヨブコトヲ↢於母↡。何ソレイタマシキカナリテカウベケン。身命タチマチニシユ↡。慈母合掌シテ↠身↠頭↡。夫人爾[ノ]アツアセアマネナガレテ、心神悶絶モンゼツ嗚呼アハレナルカナクヰウコツヘル[コト]ナン↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅳ)釈二臣切諌文
              (ⅰ)科節

^しんみょうわつ月光がっこう」よりしも却行きゃくぎょう退たい」にいたるこのかたは、 まさしくしん (*月光・*耆婆) *切諌せっかんしてゆるさざることをかす。

[ニ]↢「時有一シン名曰月光」↡下至↢「キヤク退」↡已来[タ]ハ[シク]↢二シン切諌セツカンオシフシテルコトヲユル

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅳ)(ⅱ)述意

^これしんはすなはちこれくにしょう立政りっせいこうなり。 万国ばんこくげ、 *八方はっぽう*ほうじゅうすることをんとのぞむ。 たちまちに闍王じゃおう*ぼつぎゃくおこして、 けんりてそのははころさんとほっするをて、 このあくるにしのびず。 つひに耆婆ぎば*かおおかしてかんもうくることを0363かす。

↩二臣[ハ]相、立政リウセイマツリゴトカウオホツナナリノゾ↠得ムトバン↠名、八方昉習ハウジフスルコトヲタチマチ↧闍王シテ↢於ボツニワカニギヤク[リ]テ↠剣スルヲ↞殺サムト↢其↡、不↠忍↠見[ル]ニ悪事ツイ耆婆ギバオカシテカホマウクルコトヲカンイサミ也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅳ)(ⅲ)釈文

^」 といふは、 闍王じゃおうははころさんとほっするときあたれり。 「いち大臣だいじん」 といふはそのくらいあらわす。 「月光がっこう」 といふはそのあらわす。 「そうみょう多智たち」 といふはそのとくあらわす。

↢「時」↡レリ↢闍王欲スルコロサムト↠母↡也。言↢「一大臣」↡アラハ↢其↡也。言↢「月光」↡↢其↡也。言↢「ソウ明多」↡↢其↡也。

^ぎゅう耆婆ぎば」 といふは、 耆婆ぎばはまたこれちちおうにして、 *にょなり。 たちまちに*きょうははにおいてぎゃくおこすをて、 つひに月光がっこうおなじくいさ0477む。

↢「ギウ耆婆ギバ」↡、耆婆[ハ][ニシテ]ナリタチマチキヤウ アニ オイ↠母スヲ↟逆ツイ↢月光↡同[ジ]ク[ム]

^おうらい」 といふは、 おほよそ*大人だいにん*かんせんとほっするほうは、 かならずすべからくはいもうけて、 もつてしんきょうあらわすべし。 いまこのしん (月光・耆婆) もまたしかなり。 しんきょうもうけておうしん覚動かくどうし、 おさげてまさにほんぶ。

↢「為王作礼」↡オホヨスルトブラヒカンセムトオソフ  ニン↡之ハフカナラスベカラベシ マウケテハイ、以ヘウ↢身キヤウ↡。今此シン[モ]シカナリ。先ケテ↢身敬カクドウ↡、オサ↠手ゲテマサ↢本意↡也。

^また 「びゃくごん大王だいおう」 といふは、 これ月光がっこうまさしくことばべんとほっして、 闍王じゃおうしんひら*ちょうらんすることをんとのぞむことをかす。 この因縁いんねんのためのゆゑに、 づ 「びゃく」 をもちゐる。

又「白言大王トイフ↢月光正[シ]クシテベムトコトバノゾムコトヲムト↢闍王開↠心チヤウ キヽ 0699ランミルスルコトヲ↡。為↢此因縁↡故ヰル↢先↡。

^臣聞しんもん毘陀びだろんきょうせつ」 といふは、 これひろ*こんしょ歴帝れきていもんくことをかす。 じんいはく、 「いふことてんあずからざるはくんづるところなり」 と。 いますでにかんかろからず、 あにごんをもつて妄説もうせつすべけんや。

↢「シンモン毘陀論経説」↡↣広クコトヲコムシヨフミ歴帝レキテイブンシルス↡。イニシヘジンフコトルハアヅカテンクンナリ[ト]ヅル諌事カロカラアニ[ケ]ムヤゴンヲモテマウ↡。

^劫初こうしょらい」 といふはそのときあらわす。

↢「劫初コフシヨライ」↡↢其↡也。

^しょ悪王あくおう」 といふは、 これそうじてれいぼうぎゃくひとひょうすることをかす。

↢「諸悪王」↡ソウジテスルコトヲレイアラキ↡也。

^貪国とんごく位故いこ」 といふは、 これ*非意ひいちちしょ貪奪とんだつするところをかす。

↢「トム」↡非意ヒイトンダツウバウスル坐処↡也。

^殺害せつがい其父ごぶ」 といふは、 こ0364れすでにちちにおいてあくおこすことはひさしくとどむべからず。 ゆゑにすべからくいのちだんずべしといふことをかす。

↢「殺害セチガイ其父ゴブ」↡↧既オイ↠父コトハ↠悪↠可[カ]ラ↢久シクトヾシトイフコトヲ↠命也。

^一万いちまん八千はっせん」 といふは、 これおういまちちころすことは、 かれと類同るいどうすることをかす。

↢「一万八千」↡此明↢王今殺スコト[ハ]↠父カレルイスルコトヲ↡也。

^曽聞ぞうもん有無うむ道害どうがい」 といふは、 これいにしえよりいまいたるまで、 ちちがいしてくらいることは*じゃくややだんずるも、 くにとんじてははころすことはすべてせるところなきことをかす。 もし劫初こうしょらいろんぜば、 悪王あくおうくにとんぜしに、 ただそのちちころして慈母じもくわへず。

[フ]↢「ゾウ聞有無道ガイ」↡此明イニシヘルマデ↠今、害シテ↠父ルコトハ↠位ジヤクヤヤズルモトムジテ↠国[ヲ]スコトハ↠母スベ[キ]コトヲセル↡。若ロンゼバ劫初已来↡、悪王ゼシニ↠国タヾシテ↢其クワ↢慈母↡。

^これすなはちいにしえいまことなるをく。 大王だいおういまくにとんじてちちころす。 ちちはすなはちくらいとんずべきことあり。 いにしえ類同るいどうせしむべし。 はははすなはちくらいもとむべきなし。 よこさまぎゃくがいくわふ。 ここをもつていまをもつてむかしす。

↢古ナルヲ↟今。大王今者 イマ ジテ↠国[ヲ]↠父。父クラヰキ[コト]トム使ルイ↢同イニシヘ↡。母↢位モトクワギヤク↡。コヽ↠今ムカシ也。

^おういまこのせつをなさば、 せつしゅけがさん」 といふ。 「せつ」 といふは、 すなはちこれしょう高元こうげん王者おうじゃしゅなり、 代々だいだいそうじょうす。 あに凡砕ぼんさいおなじからんや。

↧「王今サバ↢此セチ↡者、汚サムトセツシユ↥」也。[フ]↢「刹利」↡、乃シヤウグヱン モト 、王ジヤ[ナリ]代代ダイダイジヨウアニジカラムヤ↢凡砕↡。

^しん忍聞にんもん」 といふ0478は、 おうあくおこして宗親そうしん損辱そんにくするをば、 あくしょう流布るふせん。 わがしょうもうざんするにところなし。

[フ]↢「シン忍聞」↡↣王起シテ↠悪損↢辱スルヲ宗親↡、悪声流布セム。我[ガ]セイバウノゾム恥慚スルニトコロ

^せん陀羅だら」 といふはすなはちこれしょう下流げるなり。 これすなはちしょうきょうあくいだきてじんならはず。 ひとかわたりといへども、 おこなきんじゅうおなじ。 おうじょうぞくして、 してばんのぞしゅなり。 いますでにあくおこしておんくわふ、 かの下流げるとなんぞこと0365ならんや。

↢「是旃陀羅」↡四姓リウナリセイイダキテクヰヨウアシクナラジム↡。雖タリト↢人カハ↡、行[ヒ]禽獣キンジユ↡。王シテ↢上ゾクヤカラ↡、シテノゾ万基↡之主ナリ。今既オコシテ↠悪クワオム0700↢彼リウ↡何コトナラム

^不宜ふぎじゅう」 といふはすなはち二義にぎあり。 いちにはおういまあくつくりて*風礼ふうれいぞんぜず。 *きょうおうしんしゅう、 あにせん陀羅だらをしてしゅたらしめんや。 これすなはちじょうひんしゅつするこころなり。 にはおうくににありといへどもわが宗親そうしんそんせば、 とおほうひんしてなが*もんたんにはしかず。 ゆゑに不宜ふぎじゅうといふ。

↢「不宜フギ住此」↡[チ]↢二義↡。一[ニ]者王今造リテ↠悪ゾン↢風礼↡。ケイキヤウヲフサトシフアニメムセン陀羅ヲシテ↟主シユ。此即[チ]ヒンヤリ↢出スルイダス 宮城↡意ナリ。二[ニ]者王雖↠在リト↠国セバ↢我[ガ]宗親ソウシム↡、不↠如トヲヒンシテ↢他方ナガタムニハ聞之↥。故↢「不宜フギ住此」↡也。

^大臣だいじんせつ此語しご」 といふ以下いげは、 これしん (月光・耆婆)直諌じきかんせつにして、 ことばきはめてあらくして、 ひろこんきて、 おうしんかいすることをんとのぞむことをかす。

[フ]↢「時二大臣説此語」↡已下↧二臣[ノ]直諌セツニシテコトバメテアラクシテヒロキテコム↡、ノゾムコトヲムト↢王心開スルコトヲ↡。

^しゅ按剣あんけん」 といふは、 しんみづからしゅちゅう*けんあんずるなり。

↢「シユ按剣アムケン」↡シンズル↢手中↡也。

 ^ひていはく、 *かんあくにしてかおおかすことをけず、 君臣くんしんすでにそむけり。 なにをもつてかめぐらしてただちにらずして、 すなはち*却行きゃくぎょう退たいすといふや。

[ヒテ][ク]カンコトバニシテ不↠避オカスコトヲ君臣クンシン義既ソムケリ。何[ヲ][テ]カシテシテ↠身↡、乃↢「キヤク退タイ[ス]ト」↡

^こたへていはく、 ごんおうさからふといへども、 がいしんむることをのぞむ。 またおそらくは*瞋毒しんどくいまだのぞこらず、 けたるけんおのれをあやふくすることを。 ここをもつてけんあんじてみづからふせぎて、 却行きゃくぎょうして退しりぞく。

[ヘテ][ク]アラキゴンフト↠王ノゾ↠息ムルコトヲ害母之心↡。又オソラクシンイカリドク↠除コラケタルアヤウスルコトヲオノレコヽジテ↠剣フセギテキヤクシテ退シリゾ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅴ)釈世王生怖文
              (ⅰ)科節

 ^じゃきょう」よりしもにょ不為ふい我耶がや」にいたるこのかたは、 まさしくおうおそれをしょうずることをかす。

[ニ]↢「時阿闍世 驚オドロキ オソル」↡下至↢「ニヨ為我」↡已来[タ]ハ、正[シク]↢世王生ズルコトヲ↟怖

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅴ)(ⅱ)述意

^これじゃすでにしんかんせつなるを、 またけんあんじてるをて、 しんわれをそむきてかのちちおうかひてさらに*けいしょう0366ることをおそれ、 *じょうをしてやすからざらしむることをいたすことをかす。

↩闍世既見↢二シン[ノ]カンセツナルヲ↡、又ジテ↠剣ルヲ↡、恐↧臣背キテ↠我ヒテ↢彼↡更ズルコトヲ↦異計↥、致スコトヲ↝使[ムル]コトヲ↢情ヲシテヤスカラ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅴ)(ⅲ)釈文

^ゆゑに 「こう」 としょうす。 かれすでにわれをつ、 たれがためにすといふことをらず。 しんうたがひてけっせず。 つひ0479にすなはちくちひてこれをつまびらかにす。 ゆゑに 「耆婆ぎばにょ不為我ふいが」 といふ。

シヨウワウオノヽキヲツ↡。↠我↠知↠為ニスト[イフコトヲ]タレ。心ウタガ[ヒ]テクヱツツイ[ヒ]テカニス↠之。故↢「耆婆ニヨ不為我也」↡。

^耆婆ぎば」 といふはこれおうおとうとなり。 じんいはく、 「いえすいあるときは、 しんにあらざればすくはず」 と。 なんぢすでにこれわがおとうとなれば、 あに月光がっこうどうぜんや。

↢耆婆オトヽ也。イエ[ル]トキハ衰禍スイクワワザワイ↡、非ザレバシン[ト]スクオトヽナレバ者、アニゼム↢月光

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅵ)釈二臣重諌文
              (ⅰ)科節

^ろく耆婆ぎばびゃくごん」よりしもしん莫害まくがい」にいたるこのかたは、 しん (月光・耆婆) かさねていさむることをかす。

[ニ]↢「耆婆白言」↡下至↢「シンマク害母」↡已来[タ]ハ、明二臣カサネムルコトヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅵ)(ⅱ)述意

^これ耆婆ぎばまことをもつて大王だいおうこたふることをかす。 「もしわれらを*しょうとなさんとほっせば、 ねがはくはははがいすることなかれ」 となり。 ここに直諌じきかんすることおはりぬ。

↣耆婆マコトヲモテ[フル]コトヲ↢大王↡。若セバ↧得↢我等↡為0701サムト↞相者、願クハナカレ[ト]↠害[スル]コト↠母也。直諌スルコト[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅶ)釈闍王受諌文
              (ⅰ)科節

^しち王聞おうもん此語しご」よりしも止不しふがい」にいたるこのかたは、 まさしく闍王じゃおうかんけてはは*ざんみょうゆるすことをかす。

[ニ]↢「王聞此語シゴ」↡下至↢「不害母」↡已来[タ]ハ[シク]↣闍王ケテカンイサムユルスコトヲ↢母残命ザンメイ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅶ)(ⅱ)述意

^これおうすでに耆婆ぎばかんをはりて、 しんこんしょうじ、 さき所造しょぞうぢて、 すなはちしんかひてあわれみをもといのちふ。 よりてすなはちははゆるしてなんのがれしめ、 しゅちゅうけんもとはこげんすることをかす。

↧世王既↢耆婆[リ]テ、心クヱクヰコンウラミ↡、ヂテ所造シヨザウ↡、即[ヒ]テ↢二シム↡求アハレミヲ↠命[リ]テユルシテ↠母ノガレシメ↢於死ナム↡、手中還↦帰スルコトヲハコ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅷ)釈闍王禁母文
              (ⅰ)科節

^はちちょく内官ないかん」よりしもりょうすい」にいたるこのかたは、 そのおうしんははきんずることをかす。

[ニ]↢「チヨク語内クワン」↡下至↢「不令復出」↡已来[タ]ハ↢其世王イカルキンズルコトヲ↟母

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅷ)(ⅱ)述意

^これおうしんかんけてははゆるすといへども、 なほしん0367ありてほかにあらしめず。 内官ないかんちょくじんへいして、 さらにいだしてちちおうとあひまみえしむることなきことをかす。

↩世王雖ケテシンユルスト↞母ナヲ[リ]テ↢余瞋↡ホカ勅↢語内官閉↢置シテジム↡、更キコトヲムルコト↧出シテ↢父王↡マミ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (三)

^じょうらいはっどうありといへども、 ひろごんえんかしをはりぬ。

上来↠有[リ]ト↢八句不同↡、広↢禁母[ヲ]↡竟[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b 【厭苦縁】
          (一)

【8】 ^えんえんのなかにつきてすなはちそのあり。

[ニ][キ]テエンイトフ↡即[チ]↢其四↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)
            (Ⅰ)釈為子幽禁文
              (ⅰ)科節

^いちには だい」よりしも憔悴しょうすい」にいたるこのかたは、 まさしくにんのために幽禁ゆうきんせらるることをかす。

[ニハ]↢「時韋提」↡下至↢「憔悴セウスイ」↡已来[タハ][シク]↢夫人為↠子幽禁エウキンセラルルコトヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅰ)(ⅱ)述意

^これにんなんまぬかるといへども、 さらにじんかれて、 *守当しゅとうきはめてかたくしてづることをるによしなし。 ただ念々ねんねんうれひをいだくことのみありて、 ねんしょうすいすることをかす。

此明[ス]↧夫人雖マヌカルト↢死ナン↡、更カレテジムフカキミヤ↡、シユマモルタウメテカタクシテヨシ↠得[ル]ニ↠出[ヅルコ]トヲタヾ[リ]テ↢念念イダクコトノミウレエ、自然セウカシケスイヲトロフスルコトヲ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅰ)(ⅲ)傷歎

^しょうたんしていはく、 「わざわいなるかな今日こんにち闍王じゃおうびてじんちゅうげんつなぎ、 またじんなん遇値ふ」 と。

シヤウタンシテワザワイナルカナ今日苦、遇↧値 ア 闍王ビテジムチウツナ、復↢深宮ナン↥。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅰ)(ⅳ)料簡

 ^ひていはく、 にんすでにまぬかれて0480ることを。 よろしく*らくすべし、 なにによりてかかへりてさらにしゅうするや。

[ヒ]テ、夫人既得↢マヌカレテ↠死[ル]コトヲ↟宮ヨロシクイサミラク↡、ナニリテカカヘ[リ]テシユウレヘ ウレフスル也。

^こたへていはく、 すなはちさんどうあり。

[ヘテ][ク]、即↢三不同↡。

^いちにはにんすでにみづからぢられて、 さらにひとじきすすめておうあたふるなし。 おうまたわがなんにあるをきてうたたさらにしゅうせん。 いますでにじきなくしてうれひをくわへば、 おうしんみょうさだめてひさしからざるべきことをかす。

[ニハ]↧夫人既レテ、更↢人スヽメテ↠食アタフル↟王王又キテ↢我ルヲナンウタ愁憂セム今既クシテ↠食クワウレヘ者、王身命定メテキコトヲヒサシカラ

^にはにんすでにしゅうなんこうむる、 いづれのときにかさらに如来にょらい (釈尊)みかおおよびも0368ろもろの弟子でしたてまつらんといふことをかす。

[ニハ]↧夫人既シユイマシメナン↡、イヅレニカタテマツラムトイフコトヲ↦如来0702弟子↥。

^さんにはにんきょうけてきんぜられてじんにあり。 内官ないかん守当しゅとうして*水泄すいせつすらつうぜず。 *旦夕たんせきのあひだ、 ただ死路しろのみをうれふることをかす。

[ニハ][ス]↧夫人ケテ↠教キンゼラレテジム内官守当シユタウシテ水泄スラ↠通タンアシタセキユフベタヾウレフルコトヲ死路シロ[ノミ]ヲ↥。

^このさんありて身心しんしん切逼せっぴつす。 しょうすいすることなきことをんや。

[リ]テ義↡セツヒツ身心↡。↠無[キ]コトヲ憔悴セウスイスルコト↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅱ)釈夫人請仏文
              (ⅰ)科節

 ^遥向ようこうしゃ崛山くっせん」よりしも挙頭こずきょう」にいたるこのかたは、 まさしくにんきんによりてぶつしょうじ、 こころぶるところあることをかす。

[ニ]↢「遥向エウカウ闍崛山」↡下至↢「挙頭コヅクヰヤウ」↡已来[タハ][シ]ク↢夫人[リ]テキン↠仏、意[ル]コトヲブル

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅱ)(ⅱ)述意

^これにんすでにしゅうきんにありて、 しん仏辺ぶっぺんいたることをるによしなし。 ただ*単心たんしんのみありて、 おもてしゃかへ、 はるかにそんらいしたてまつりて、 「ねがはくはぶつ慈悲じひ弟子でししゅうこころ*ひょうしたまへ」 といふことをかす。

↧夫人既[リ]テ囚禁シウキン↡、自身無ヨシ↠得ルニイタルコト[ヲ]↢仏ペンタヾ[リ]テタンノミ↡、↢耆闍↡、ハルカ[シ]タテマツリテ↢世尊↡、願クハ慈悲、ヘウシタマヘトイフコトヲ弟子愁憂↥。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅱ)(ⅲ)釈文

^如来にょらいざいしゃく之時しじ」 といふ以下いげは、 これに二義にぎあり。

↢「如来在シヤク之時シジ」↡已下[ハ][ニ]↢二義↡。

^いちにはちちおういまだきんぜられざるときは、 あるいはおうおよびわがしたしく仏辺ぶっぺんいたるべし、 あるいは如来にょらいおよびもろもろの弟子でししたしくおうしょうくべし。 しかるにわれおよびおうともにしゅうきんにありて、 因縁いんねん断絶だんぜつし、 *彼此ひしこころそむけることをかす。

[ニハ][ス]↧父王未↠禁トキ、或[イ]ハ↣王及シタシクイタ↢仏辺↡、或[イ]ハ↣如来及弟子[シ]ク↢王ルニトモ[リ]テシユ↡、因縁断絶ダンゼツ彼此ヒシコヽロソムケルコトヲ↥。

^にはちちおうきんにありてよりこのかた、 しばしばそんなんつかはしてきたりてわれをもんせしめたまふことをこうむることをかす。 いかんがもんする。 ちちおうしゅうきんせらるるをるをもつて、 ぶつにん0369のうすることをおそれたまふ。 この因縁いんねんをもつてのゆゑにもんせしめたまふ。

[ニハ]↫父[リ]テヨリ↠禁[ニ]コノシバシバカウムルコトヲ↪世尊ツカハシテ↢阿難キタリテコシラヘモンセシメタマフコトヲ↨。云何慰問スル。以↠見[ル]ヲ↢父囚禁セラルルヲ↡、仏レタマフ↢夫人[ノ]ウレヘナウナヤムスルコトヲ↡。テノ↢是因縁↡故メタマフコシラヘ↡也。

^そんじゅう無由むゆ得見とくけん」 といふは、 これにんうちにみづからけんして、 ぶつ弟子でしそんす。 「*ぜつ女身にょしん*福因ふくいん尠薄せんぱくなり。 仏徳ぶっとくたかし、 かろがろしくるるによしなし。 ねがはくは目連もくれんとう0481つかはしてわれとあひまみえしめたまへ」 といふことをかす。

↢「世尊ヂウ無由ムユ得見」↡此明↧夫人ウチケンシテクヰ↢尊於仏弟子ゼツ女身、福因フクイン センスクナクパクウスシナリ仏徳[ハ]タカ、無ヨシカロガロタヤスクシクルルニクハツカハシテ↢目連等与↠我マミエシメタマヘトイフコトヲ↥。

 ^ひていはく、 如来にょらいはすなはちこれしゅなり。 *時宜じぎうしなはざるべし。 にんなにをもつてか*たびしょうくわへずして、 すなはち目連もくれんとうぶはなんのこころかあるや。

[ヒテ][ク]、如来化主ナリウシナ トガ 時宜ジギ↡。夫人テ[カ]シテタビ↡、乃ブハ↢目連等↡有↢何[ノ]

^こたへていはく、 仏徳ぶっとく尊厳そんごんなり。 しょうえんをもつてあへてたやすくしょうぜず。 ただなんて、 ことばつたへて、 きてそんにまうさしめんとほっす。 ぶつわがこころりたまはば、 またなんをしてぶつことばつたへて、 われに*じゅせしめたまはん。 このをもつてのゆゑになんんとねがふ。

[ヘテ][ク]、仏徳[ハ]ゴンナリ。小縁ヲモテアヘタヤス↡。タヾ↢阿難↡、ツタヘテキテサ[シメ]ムト↢世尊↡。仏知リタマハバ↢我[ガ]↡、復使メタマハム↧阿難ヲシテツタヘテ↢仏↡、サシジユサヅク於我↥。以0703テノ↡故ムト↢阿難↡。

 ^作是さぜ語已ごい」 といふはそうじてさきこころきをはるなり。

↢「作是語」↡ソウジテ↢前ナリ

^きゅうるい」 といふは、 これにんみづからただつみおもし。 ぶつあいしょうずるに、 きょういたこころふかくしてるいてり。

↢「キウナクルイナンダ」↡此明[ス]↧夫人自タヾツミオモ[ズ]ルニ↢仏アイアハレミ↡、致キヤウコヽロフカクシテルイテリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅱ)(ⅳ)結意

^ただりょう*渇仰かつごうするをもつて、 またますますはるかにらいし、 いただきたたきて*じょし、 しばらくいまだげざることをかす。

タヾカツガウスルヲレイ↡、復マスマスハルカライタヽキテ跱須臾シバラクルコトヲ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅲ)釈如来赴請文
              (ⅰ)科節

^さん爾時にじそん」よりしもてんゆうよう」 にいたるこのかたは、 まさしくそんみづからきたりてしょうおもむ0370くことをかす。

[ニ]↢「爾時世尊」↡下至↢「天華ヨウヨウ」↡已来[タハ][シク]↢世尊自キタ[リ]テクコトヲ↟請

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅲ)(ⅱ)述意

^これそんしゃにましますといへども、 すでににん心念しんねんこころることをかす。

此明↧世尊雖マシマスト↢耆闍↡、スデルコトヲ↦夫人心念↥。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅲ)(ⅲ)釈文

^ちょくだい目連もくれんとうじゅうくうらい」 といふは、 これにんしょうおうずることをかす。

↢「チヨク大目連等ジユ」↡此明↠応ズルコトヲ↢夫人也。

^ぶつじゅうせんもつ」 といふは、 これにんない禁約きんやくきはめてかたし。 ぶつもしげんじてらいしたまはば、 おそらくはじゃもんしてさらに*なんしょうずることを。 この因縁いんねんをもつてのゆゑに、 すべからく*ここにもっして*かしこにでたまふべきことをかす。

↢「仏ジユモツ」↡此明↧夫人宮ナイヤクメテカタ仏若ジテ↠身ライシタマハバオモムク   恐畏オソラク闍世モンシテズルコトヲトヾマルナンテノ↢是因縁↡故、須キコトヲ↦此モツシテカシコデタマフ↥也。

^だいらい挙頭こず」 といふは、 これにんきょういたときかす。

↢「時韋提ライアゲカウベ」↡此明↢夫人キヤウ之時↡也。

^けんぶつそん」 といふは、 これそんちゅうにすでにでて、 にんをしてこうべげてすなはちしむることをいたすことをかす。

↢「見仏世尊」↡此明↢世尊宮中スデデテ、致[ス]コトヲ↟使[ムル]コトヲ↢夫人ヲシテゲテカウベ↡。

^しゃ牟尼むにぶつ」 といふはぶつ*けんす。 ただ諸仏しょぶつみなつうじ、 身相しんそうことならず。 いまことさらにしゃ*標定ひょうじょうしてうたがいなからしむ。

↢「釈迦牟尼仏」↡ケン余仏↡。但諸仏ミナ、身相↠異ナラコトサラヘウヂヤウ アラハス シテ釈迦使↠無カラ也。

^しん金色こんじき」 といふはそのそうあらわさだむ。 「ひゃっぽう」 といふは余座よざけんす。 目連もくれん侍左じさとうといふ0482は、 これさらにしゅうなくして、 ただそう (目連・阿難) のみあることをかす。

↢「身金色」↡サダ↡也。言↢「百宝華」↡ケン余座ヨザ↡也。言↢「目連侍左ジサ」等↧更クシテシユ↡、タヾ[ル]コトヲ↦二僧[ノミ]↥。

^しゃくぼん護世ごせ」 といふは、 これ天王てんのうしゅとうぶつそんかくれておうあらわれたまふをるに、 「かならず*希奇けきほうきたまはん、 われらてんにんだいによるがゆゑに*もんやくくことをん」 と。 おのおの本念ほんねんじょうじてあまねくくうじゅうりんして、 てんはるかにさんして、 0371あめふらしてようすることをかす。

↢「釈梵」↡此明↧天王シユ等、見ルニ↣仏世尊カクレテレタマフヲ↢王宮↡、必キタマハム希奇ケキ↡、天・人ルガ↢韋提↡故ム[ト]クコトヲモン[ノ]ジテ↢本念↡普ヂユリンシテ↡、天ハルカサンシテアデハウラシテ↠華[ヲ]スルコトヲ↥。

^また 「しゃく」 といふは、 すなはちこれ*天帝てんたいなり。 「ぼん」 といふは、 すなはちこれ色界しきかい*梵王ぼんのうとうなり。 「護世ごせ」 といふは、 すなはちこれ天王てんのうなり。 「諸天しょてん」 といふは、 すなはちこれしき欲界よくかいとう天衆てんしゅなり。 すでに天王てんのう仏辺ぶっぺんきたかへるをて、 かのもろもろの天衆てんしゅまたおうしたがひてきたりて、 ほうきてようす。

又言↠釈、即0704タイナリ。言↠梵、即色界梵王等ナリ。言、即四天王ナリ。言↢「諸天」↡、即シキヨク界等シユ[ナリ]。既↣天王キタムカヘルヲペン↡、彼天衆マタシタガ[ヒ]テ↠王[リ]テキテ↠法

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅳ)釈夫人傷歎文
              (ⅰ)科節

^だいけんそん」よりしもだい共為ぐい眷属けんぞく」 にいたるこのかたは、 まさしくにんこうべげてぶつたてまつり、 ごんしょうたんし、 怨結おんけつこころふかきことをかす。

[ニ]↢「時韋提希見世尊」↡下至↢「為眷ゾク」↡已来[タハ][シク]↢夫人挙[ゲ]テ↠頭タテマツリ↠仏[ヲ]、口言[ニ]シヤウイタミ タンナゲキオンアダケツコヽロキコトヲ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)(Ⅳ)(ⅱ)釈文

^ぜつ瓔珞ようらく」 といふは、 これにんかざりの瓔珞ようらくなほあいしていまだのぞかず、 たちまちに如来にょらいたてまつりてぢてみづからつことをかす。

[フ]↢「ゼツ瓔珞ヤウラク」↡此明↧夫人身カザリ[ノ]瓔珞ナホアイシテノゾタチマチタテマツリテ↢如来ヂテツコトヲ↥。

 ^ひていはく、 いかんぞみづからつや。

[ヒテ][ク]、云何

^こたへていはく、 にんはすなはちこれのなかのそんのなかのそんなり。 威儀いぎおおくのひときゅうし、 たるところのぶくみな傍人ぼうにん使つかふ。 いますでにぶつたてまつりてづるこころふかくして、 *鉤帯こうたいによらず、 たちまちにみづからく。 ゆゑにぜつといふ。

[ヘテ][ク]、夫人貴、尊ナリ。身威儀ヰギクノキウタルブク使ツカバウ↡。[タテマツリ]テ↠仏ヅルコヽロフカクシテコウクサリタイヲビ↡、チニ。故ゼツ↡也。

 ^しんとう」 といふは、 これにん内心ないしん*かんけつしておんへがたし。 ここをもつてよりおどらしてりゅうし、 りゅうせるよりおどらしてぐることをかす。 こ0372れすなはち歎恨たんごんことわりふかくして、 さらに礼拝らいはい威儀いぎこととせず。

↢「シントウ」↡此明↢夫人内心感結カンケツシ[テ]オムアダガタコヽラシテ↠身リウリウ[セル]ラシテ↠身グルコト[ヲ]ナゲキ タン ウラミ コム コトワリフカクシテ、更コトトセ↢礼拝[ノ]威儀↡也。

^ごうきゅう向仏こうぶつ」 といふは、 これにん仏前ぶつぜん*婉転えんでんし、 悶絶もんぜつ号哭ごうこくすることをかす。

[フ]↢「テイキウカウ」↡↧夫人エンデン仏前↡、モムイキドヲリゼツサケブコクナクスルコトヲ↥。

^びゃくぶつ」 といふ以下いげは、 これにん婉転えんでん涕哭ていこくすることややひさしくして、 すこしきめて0483はじめて*威儀いぎただしくして、 がっしょうしてぶつにまうすことをかす。 「われいっしょうよりこのかた、 いまだかつてその大罪だいざいつくらず。 いぶかし、 宿しゅくごう因縁いんねん、 なんの*おうありてかこのとともに母子もしたる」 と。

↢「白仏」↡已下[ハ][ス]↧夫人婉転テイナクコクナキスルコトヤヤヒサシク[シテ]スコメテハジメマサシクシテ↢身威儀↡、合掌シテ[ス]コトヲ↞仏。我↢一生↡已来 ノ タ、未カツ↢其大罪↡。未審イブカシ宿シユク因縁有[リ]テ[カ]ナンアフ↢此児↡トモル[ト]↢母↡。

^これにんすでにみづからさわりふかくして*宿しゅくいんらず。 いまがいこうむる。 これよこさまきたれりとおもひて、 「ねがはくはぶつ慈悲じひ、 われに*けいしめしたまへ」 といふことをかす。

↧夫人既サワリフカクシテ宿シユクカウムガイオモヒテキタレリト↡、願クハ慈悲、シメシタマヘトイフコトヲ↦我ケイ↥。

^そん復有ぶうとう因縁いんねん」 といふ以下いげは、 これにんぶつかひてちんす。 「われはこれぼんなり。 罪惑ざいわくきざれば、 この悪報あくほうあり。 この*甘心かんしんす。 そん曠劫こうごうどうぎょうじて、 正習しょうじゅうともにもうじたまへり。 しゅ朗然ろうねんとしてまどかなるをぶつなづけたてまつる。 いぶかし、 なんの因縁いんねんありてかすなはちだいとともに眷属けんぞくとなりたまふ」 といふことをかす。

↢「世尊復有イン」↡已下[ハ]0705[ス]↧夫人向ヒテ↠仏陳訴凡夫[ナリ]ワクマドヒレバ、有ホウカン世尊曠劫ジテ↠道[ヲ]ジフトモマウジ[タマヘリ]衆智朗然ラウネントシテクワマドカナルヲケタテマツルブチ未審イブカシ[リ]テカナン因縁↡乃↢提婆↡トモリタマフトイフコトヲクヱンゾク↥。

^このこころあり。 いちにはにんあだいたすことをかす。 たちまちに父母ぶもにおいてたぶれてぎゃくしんおこせばなり。 にはまたうらむらくはだい、 わがじゃおしへてこの悪計あくけいつくらしむ。 もしだいによらずは、 わがつひにこのこころなからんと0373いふことをかす。 この因縁いんねんのためのゆゑにこのといいたす。

↠二。一[ニハ]↣夫人致スコトヲ於子↡。タチマチオイ↢父母タブレテオコセバナリ↢逆心↡。二[ニハ][ス]↧又ウラムラクハ提婆教ヘテ↢我闍世↡造ラシムケイハカリゴト↢提婆↡者、我[ガ]ツイカラムトイフコトヲ↦此意↥也。為↢此因縁↡故↡。

^またにんぶつひて 「だい眷属けんぞく」 といふはすなはちそのあり。 いちにはざい眷属けんぞくにはしゅっ眷属けんぞくなり。

又夫人問[ヒ]テ↠仏↢「提婆眷属」↡↢其[ノ]二↡。一[ニ]在家眷属、二[ニ]出家眷属[ナリ]

^ざいといふは、 ぶつはくしゅくにそのにんあり。 ぶつはすなはちこれ白浄びゃくじょうおう (浄飯王)こんびゃくぼんのうだい斛飯こくぼんのうしゃくなんはこれかんぼんのうなり。 これをざい眷属けんぞくづく。

↢在家、仏ハクヲヂシク↢其四人↡。仏者即ビヤク浄王、金者白飯王児、提婆者コクボム児、釈魔ナン甘露ボム[ナリ]。此↢在家グヱ眷属也。

^しゅっ眷属けんぞくといふは、 ぶつのために弟子でしとなる、 ゆゑにない眷属けんぞくづく。

↢出家眷属タメ↠仏↢弟子、故ナイ眷属↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)

^じょうらい四句しくどうありといへども、 ひろえんえんかしをはりぬ。

上来↠有[リ]ト↢四不同↡、広↢厭苦[ノ]↡竟[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b 【欣浄縁】
          (一)

【9】 ^ごんじょうえんのなかにつきて、 すなはちそのはちあり。

[ニ]キテゴン[ノ]↡、即[チ]↢其八↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)
            (Ⅰ)釈通請所求文
              (ⅰ)科節

^いち唯願ゆいがんそん為我いが広説こうせつ」 よりしもじょくあく0484世也せや」 にいたるこのかたは、 まさしくにんつうじて*しょしょうじ、 べつしてかいひょうすることをかす。

[ニ]↢「唯願世尊為我広説」↡下至↢「濁悪世」↡已来[タハ][シク]↧夫人通ジテシヤウシヨ↡、ベチシテヘウスルコトヲ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅰ)(ⅱ)述意

^これにんしんひて、 *じょうさとるに、 六道ろくどうおなじくしかなり。 安心あんじんところあることなし。 ここにぶつじょうしょうなるをきたまふをきて、 しんててかの無為むいらくしょうせんとがんずることをかす。

↫夫人ヒテ↢自身[ノ]サトルニ↡、六道同[ジ]クシカナリ↠有ルコト安心之トコロキテ↣仏説キタマフヲ↢浄土無生ナルヲ↡、願ズルコトヲテテ↡証セムト↩彼無為之楽↨。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)釈挙所厭境文
              (ⅰ)科節

^じょくあくしょ」よりしもけん悪人あくにん」 にいたるこのかたは、 まさしくにん所厭しょえんきょうすいすることをかす。

[ニ]↢「濁悪処」↡下至↢「不見悪ニン」↡已来[タハ][シク]0706↣夫人挙↢出スルコトヲ所厭シヨエムキヤウ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)述意

^これ*えんはすべてあくにして、 いまだ一処いっしょとしてとんずべきことあらず。 ただ幻惑げんわく愚夫ぐふなるをもつて、 このじょう0374といふことをかす。

↧閻浮ジテニシテ、未↠有↢一シヨトシテキコトトム但以グヱンワク愚夫グフナルヲ↡、飲ムトイフコトヲ↦斯↥。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅲ)釈文

^じょくあくしょ」 といふはまさしくかいかす。 また器世きせけんかす。 またこれしゅじょうほうところなり。 またしゅじょうしょところづく。

↢「濁悪処」↡[シク]↡也。又明世間↡。亦衆生トコロナリ。亦名↢衆生所依↡也。

^ごくとうといふ以下いげは、 *三品さんぼんあくもつともおもければなり。

↢「地獄」等已下、三品悪果モトオモケレバナリ

^盈満ようまん」 といふは、 この*さんじゅはただひとえんすのみにあらず、 しゃもまたみなあまねくあり。 ゆゑに盈満ようまんといふ。

↢「盈満ヤウマン」↡、此[ノ]ジユ[ハ]タヾヒトス[ノミ]ニ閻浮↡、娑婆マタアマネ。故↢盈満↡。

^多不たふ善聚ぜんじゅ」 といふは、 これ三界さんがい六道ろくどうどうにして種類しゅるい恒沙ごうじゃなるは、 しん差別しゃべつしたがふことをかす。 *きょうにのたまはく、 「ごうよくしきかざり、 世々せせ処々しょしょにおのおのおもむきて、 えんしたがひてほうけ、 対面たいめんすれどもあひらず」 と。

↢「善聚」↡↣三界・六道不同ニシテルイ恒沙ゴウジヤナルハ、随フコトヲ↢心差別↡。経、「業能カザ↠識、世世処処オノオノオモムキテ、随[ヒテ]↠縁↢果報↡、対面タイメンスレドモ[ト]↡。」

^がんらい」 といふ以下いげは、 これにん真心しんしん徹到てっとうしてしゃいとひ、 らく無為むいねがひてながじょうらくすることをかす。 ただ無為むいきょう*きょうとしてすなはちかなふべからず。 のうしゃ*ちょうねんとしてはなるることをるによしなし。 金剛こんごうこころざしおこすにあらざるよりは、 ながしょうもとたんや。 もししたしくそん (釈尊)したがはずは、 なんぞよくこのじょうたんまぬかれん。

↢「願我未来」↡已下↧夫人真心テツトヲリタウイタリシテイト↡、ネガヒテ↢楽無為ナガクヰスルコトヲ↦常楽↥。但無為キヤウ↠可[カ]ラケイカロガロシトシテカナ↡。ナウ娑婆、無ヨシテウトシテルニハナルルコトヲリハ↠非ザル↠発スニ↢金剛コヽロザシ↡、ナガタムヤ↢生死↡。若シタシクシタガ↡、ナンマヌカレム↢斯タンナゲキ↡。

^しかして 「がんらいもんあくしょう悪人あくにん」 とは、 これ闍王じゃおう調じょうだつ (提婆達多) がごとき、 ちちころそうするもの、 およびあくしょうとうねがはくはまたかず、 ざらんといふことをかす。 ただ闍王じゃおうはすでにこれしんしょうなるも、 かみ父母ぶもにおいてせっ0485しんおこす。 いか0375にいはんやうとひとにしてあひがいせざらんや。 このゆゑににんしん*えらばず、 そうじてみなたちまちにつ。

シテ「願我未来不聞悪声悪人者、↧如↢闍王・調達↡、コロ↠父ス[ルモノ]↠僧、及悪声等、願クハ↠聞ラムトイフコトヲ↞見。但闍王[ハ]シムナルモオイ↢父母オコ↢於セツ↡。何ウト[ニシテ]ラムヤガイ↡。是夫人エラシム↡、ソウジテチニ

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅲ)釈求哀懴悔文

^さん今向こんこうそん」よりしもさん」 にいたるこのかたは、 まさしくにんじょうみょうしょぜんにあらずはしょうぜず、 おそらくは*けんありてへてくことをざることを。 ここをもつてあいしてさらにすべからくさんすべきことをかす。

[ニ]↢「コムカウ世尊」↡下至↢「懴悔」↡已来[タ]ハ[シク][ス]↧夫人浄土妙処ズハ↠善↠生オソラクハ[リ]テケンツミトガヘテルコトヲ↠得↠クコトヲコヽアヒシテスベカラベ  キコトヲ↦懴悔↥。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅳ)釈通請去行文
              (ⅰ)科節

^唯願ゆいがん仏日ぶつにち」よりしも清浄しょうじょう業処ごっしょ」 にいたるこのかたは、 まさしくにんつうじて*ぎょうしょうずることをかす。

[ニ]↢「ユイ願仏日」↡下至↢「清浄業処」↡已来0707[タハ][シク]↣夫人ツウジテシヤウズルコトヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅳ)(ⅱ)述意

^これにんかみにはすなはちつうじて*しょうじょしょうじ、 いままたつうじて*とくしょうぎょうしょうずることをかす。

此明↧夫人上ニ[ハ]ジテ↢生処↡、今亦通ジテズルコトヲ↦得生↥。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅳ)(ⅲ)釈文

^仏日ぶつにち」 といふはほうならべてひょうす。 たとへばでて衆闇しゅあんことごとくのぞこるがごとく、 ぶっひかりかがやかして、 みょうよるのごとくにほがらかなり。

↢「仏日」↡法・タトヘナラベテヘウ也。タトヘバデテアムヤミコトゴトノゾコルガ↡、仏智カガヤカシテヒカリ無明夜日ノゴトクホガラカナリ

^きょうかん清浄しょうじょう」 といふ以下いげは、 まさしくすでによくいとじょうねが。 いかんが安心あんじんちゅうそうして清浄しょうじょうところしょうずることをるといふことをかす。

↢「教我観於清浄」↡已下[ハ][シク]↢既イト↠穢ネガ↠浄若為 イカン 安心アンジム注想チユサウシテルトイフコトヲ↟生[ズル]コトヲ↢清浄↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅴ)【光台現国】
              (ⅰ)科節

^爾時にじそんほうけんこう」よりしもりょうだいけん」 にいたるこのかたは、 まさしくそんひろじょうげんじてさきつうしょうこたへたまふことをかす。

[ニ]↢「爾時世尊ハウ間光」↡下至↢「リヤウ韋提ケム」↡已来[タハ][シク]↧世尊広ジテ↢浄土コタヘタマフコトヲ↦前通請↥。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅴ)(ⅱ)述意

^これそんにんひろじょうもとむることをたまへるをもつて、 如来にょらいすなはちけんひかりはなちて十方じっぽうこくらし、 ひかりをもつてくにせっし、 頂上ちょうじょう還来げんらいしてして金台こんだいとなるに、 しゅせんのごとし。

↧世尊以↠見タマヘルヲ↣夫人[ノ]モトムルコトヲ↢浄土↡、如来即ハナ[チ]テテラ↢十方↡、以↠光セフ↠国還↢来シテチヤウ↡化シテルニ↢金ダイ↡、如↢須弥山

^にょ」 のごん0376り、 しゅせんたり。 このやまこしほそく、 かみひろし。 あらゆる仏国ぶっこく*ならびになかにおいてげんじ、 種々しゅじゅどうにしてしょうごんことなることあり。 ぶつ*神力じんりきのゆゑに*了々りょうりょうとしてぶんみょうなり。 だい*加備かびしてことごとくみなることをしむることをかす。

ニヨゴンナリタリ↢須弥山ヤマコシホソヒロ所有仏国ナラビオイ↠中、種種不同ニシテ荘厳有コトナルコト神力了了[トシテ]分明ナリシテ韋提コトゴトシムルコトヲ↞見ルコトヲ

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅴ)(ⅲ)料簡

 ^ひていはく、 だいかみには 「わがためにひろ無憂むうところきたまへ」 としょうず。 ぶついまなんがゆゑぞためにひろきたまはずして、 すなはちために金台こんだいにあまねくげんずるはなんのこころかあるや。

[ヒテ][ク]、韋提上ニ[ハ]シヤウ↠我キタマヘト↢無憂之処↡。仏ナンシテ↢為キタマハ↡、乃金台ズルナン

^こたへていはく、 これ如来にょらい*みつあらわす。 しかるにだいごんおこしてしょういたすは、 すなはちこれひろじょうもんひらけとなり。 もしこれがためにそうじて0486かば、 おそらくはかれずしてしんなほまどひをいたすことを。 ここをもつて一々いちいち顕現けんげんしてかの眼前げんぜんたいして、 かの*所須しょしゅまかせてしんしたがひみづからえらばしむ。

[ヘテ][ク]、此アラハ↢如来ミチ也。ルニ韋提発シテイタス[ハ]↠請、即[チ][ケト]ナリ↢浄土↡。若コレソウジテカバオソラクハシテナホイタスコトヲマドヒ。是一一顕現シテタイシテ↢彼眼前↡、マカセテ↢彼所須シヨシユ↡随[ヒ]↠心エラバシム

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅵ)釈総領所現文
              (ⅰ)科節

 ^ろくだいびゃくぶつ」よりしもかいこうみょう」 にいたるこのかたは、 まさしくにんそうじて*所現しょげんりょうして、 仏恩ぶっとん*かんすることをかす。

[ニ]↢「韋提白仏」↡下至↢「皆有光明」↡已来[タハ][シク]↧夫人ソウジテリヤウシテ↢所現↡、カンエタリニナウスルコトヲオン↥。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅵ)(ⅱ)述意

^これにんそうじて十方じっぽう仏国ぶっこくるに、 ならびにことごとく*しょうなれども、 極楽ごくらくしょうごんせんとほっするに、 まつたくきょうにあらざることをかす。 ゆゑに 「こん楽生ぎょうしょう安楽あんらくこく」 といふ。

↧夫人総ジテ[ル]ニ↢十方[ノ]仏国↡、ナラビセイクワナレドモスルニセムト↢極楽荘厳↡、マタザルコトヲキヤウ↥。故0708↢「我コム楽生安楽国」↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅵ)(ⅲ)料簡

 ^0377ひていはく、 十方じっぽう諸仏しょぶつ*断惑だんわくことなることなく、 ぎょうおわまどかなること、 またなかるべし。 なにをもつてか一種いっしゅじょうにすなはちこのれつあるや。

[ヒテ][ク]、十方諸仏断惑ダンワクナルコト、行オハクワカナルコト、亦カル↠二。何[テ]カ一種浄土マサリレツオトル也。

^こたへていはく、 ぶつはこれ法王ほうおう神通じんずうざいなり。 れつ*凡惑ぼんわくるところにあらず。 隠顕おんけんしたがひて*やくぞんずることをのぞむ。 あるいはことさらにかのとなすことをかくして、 ひと西方さいほうあらわしてしょうとなすべし。

[ヘテ][ク]、仏法王、神通自在ナリレツ凡惑ボムワク↟知オン顕随[ヒテ]ノゾスルコトヲ↢化益↡。或[イ]ハコトサラカクシテ↢彼スコトヲ↟優ヒトシテ↢西方↡為シヨウ

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅶ)釈別選所求文
              (ⅰ)科節

 ^しちこん楽生ぎょうしょう弥陀みだ」 より以下いげは、 まさしくにん*べっしてしょえらぶことをかす。

[ニ]↢「我今楽生弥陀」↡已下[ハ][シク]↣夫人ベチシテエラブコトヲ↢所求↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅶ)(ⅱ)述意

・総標

^これ弥陀みだ本国ほんごくじゅうはちがんよりす。

↧弥陀[ノ]本国[ハ]四十八願ヨリス

・別顕

^願々がんがんみな*ぞうじょうしょういんおこし、 いんによりて勝行しょうぎょうおこし、 ぎょうによりてしょうかんじ、 によりてしょうほうかんじょうし、 ほうによりて極楽ごくらくかんじょうし、 らくによりて*悲化ひけ顕通けんつうし、 悲化ひけによりて智慧ちえもん顕開けんかいす。

願願↢増上イン[リ]テ↢於勝行↡、依[リ]テ↠行↢於勝果↡、依[リテ]↠果感↢成勝報[ヲ]↡、依[リテ]↠報感↢成極楽↡、依[リテ]↠楽顕↢通悲化↡、[リ]テ↢於悲化↡顕↢開智慧

・一代化儀

^しかるにしんじんなれば、 もまたぐうなり。 *悲智ひちそうぎょうしてすなはちひろ*かんひらく。 これによりて*法潤ほうにんあまねくぐんじょうせっす。

シカルニ悲心無尽ナレバ、智[モ]グウナリ悲智ヒチサウシテ↢甘露[リ]テコレニンセフグン↡也

・末仏勧讃

^しょきょうてんすすむるところいよいよおおし。 *しゅしょうしんひとしくしてみなおなじく*さんす。

諸余テンスヽムルイヨイヨ衆聖ヒトシクシテ↠心[ジ]クサン

・別選所由

^この因縁いんねんありて、 如来にょらいひそかににんつかはして、 べつしてえらばしめたまふことをいたすことをかす。

[リ]テ↢此因縁↡、致スコトヲ↞使メタマフコトヲ↧如来ヒソカツカハシテ↢夫人ベチシテ↥也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅷ)釈請求別行文
              (ⅰ)科節

^はち唯願ゆいがんそん」 より以下いげは、 まさしくにん*べつぎょうしょうすることをかす。

[ニ]↢「唯願世尊」↡已下[ハ][シク]↣夫人シヤウスルコトヲ別行↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅷ)(ⅱ)述意

^これだいすでにとくしょうところえらびて、 かえりてべつぎょうしゅして、 おのれをはげまししんとどめて、 か0378ならず*往益おうやくのぞむことをかす。

此明↧韋提既[ビ]テ↢得生トコロ↡、カヘ[リ]テシユシテ↢別行↡、ハゲマヲノレトヾメテ↠心ノゾムコトヲ↦往益↥。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅷ)(ⅲ)釈文

・教我思惟

^きょうゆい」 といふは、 すなはち0487これ*じょうぜん方便ほうべん、 かのくにしょうほう*しゅしょうごんそう憶念おくねんするなり。

↢「教我思オモヒハカラウ、即[チ]ヂヤウ前方便、↢想[シ]憶↣念スル依正二報・四種荘厳↡也。

・教我正受

^きょうしょうじゅ」 といふは、 これさきそう漸々ぜんぜんさいにして、 *覚想かくそうともにもうずるによりて、 ただじょうしんのみありて*ぜんきょうがっするをづけてしょうじゅとなすことをかす。 このなかにりゃくしてすでにりょうけんす。 *しも観門かんもんいたりてさらにまさにひろべんずべし、 るべし。

↢「教我正受」↡者、リテ↢前思想漸漸ゼンゼムサイニシテ覚想カクサウトモズルニ↡、タヾ[リ]テ↢定心ノミ前境↡ガフスルヲ[ケ]テスコトヲ↦正受↥。此シテスデレウ。至[リ]テ↢下観門↡更↢広ベム↡、↠知

二 Ⅱ ⅱ b ホ (三)

^じょうらいはっどうありといへども、 ひろごんじょうえんかしをはりぬ。

上来↠有[リ]ト↢八句不同↡、広ゴム[ノ]↡竟[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b 【散善顕行縁】
          (一)

【10】^ろく散善さんぜんけんぎょうえんのなかにつきてすなはちそのあり。

0709[ニ][キ]テ↢散善顕行縁[ノ]↡即[チ]↢其五↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)
            (Ⅰ)釈光益父王文
              (ⅰ)科節

^いち爾時にじそん即便そくべんしょう」よりしもじょうごん」 にいたるこのかたは、 まさしくひかりちちおうやくすることをかす。

[ニ]↢「爾時世尊即便スコシエム」↡下至↢「成ゴム」↡已来[タ]ハ[シク]スルコトヲ↢父↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅰ)(ⅱ)述意

^これ如来にょらいにん極楽ごくらくしょうぜんとがんじ、 さらにとくしょうぎょうしょうずるをたまふに、 ぶつ本心ほんしんかなひ、 また弥陀みだがんあらわすをもつて、 このしょうによりてひろじょうもんひらけば、ただだいのみくことをるにあらず、 *しきこれをきてみなく。 このやくあるがゆゑに、 ゆゑに如来にょらいしょうしたまふことをかす。

↭如来以↪見タマフニ↧夫人↠生ゼムト↢極楽↡、更ズルヲ↦得生之行↥、カナ↢仏本心↡、又顕スヲ↩弥陀↨、[リ]テ二請↡広ケバ↢浄土↡、非直韋提ノミクコトヲ、有識キテ↠之[ル]ガ益↡故所以如来微笑シタマフコトヲ↬也。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅰ)(ⅲ)釈文

・光益所由

^色光しきこうじゅうぶつしゅつ」 といふは、 これ一切いっさい諸仏しょぶつしんつね*威儀いぎ*ほうとしておほよそいだすところのひかりかならずやくあることをかす。

↢「五色光ジユウ仏口出」↡↣一切諸仏ツネ威儀ヰギ、法トシテオホヨ↠出ルコトヲ↢利益↡。

・唯照頻婆

^一一いちいちこうしょうびんちょう」 といふは、 まさしくくちひかりほうらさずして、 ただおうちょうらすことを0379かす。

↢「一一光セウビンチヤウ」↡[シク]↧口シテテラ↡、唯照[ス]コトヲワウチヤウ↥。

^しかるにぶつひかりしゅっしょしたがひてかならずみなやくあり。 ぶつみあししたよりひかりはなてば、 すなはちごくどうしょうやくす。 もしひかりひざよりづれば、 ちくしょうどうををしょうやくす。 もしひかり*陰蔵おんぞうよりづれば、 じんどうしょうやくす。 もしひかりほぞよりづれば、 しゅどうしょうやくす。 ひかりむねよりづれば、 人道にんどうしょうやくす。 もしひかりくちよりづれば、 じょうひとしょうやくす。 もしひかりけんよりづれば、 だいじょうひとしょうやくす。

ルニ[ノ]光随[ヒテ]↢身出処↡必[リ]↠益。仏ヨリハナテバ↠光、即[チ]セウ↢益地獄道↡。若ヒザヅレバ、照↢益畜生道↡。若オム蔵↡出[ヅレ]バ、照↢益鬼神道↡。若ホゾ[ヅレ]バ、照↢益修羅道↡。[リ]ムネ[ヅレ]バ、照↢益於人道↡。若↠口出[ヅレ]バ、照↢益二乗之ヒト↡。若間↡出[ヅレ]バ、照↢益大乗↡。

^いまこのひかりくちよりでてただちにおうちょうらすは、 すなはちその*しょうさず0488くることをかす。 もしひかりけんよりでてすなはちぶっちょうよりるは、 すなはちさつ*さずくるなり。 かくのごときこうにしてりょうなり、 つぶさにぶべからず。

↧此↠口デテタヾチ↢王頂、即[チ]クルコトヲ↦其小果↥。若↢眉間↡デテ[チ]↢仏頂↡、即[チ]クル↢菩薩ナリ。如クノクワウニシテ無量ナリ↠可[カ]ラツブサジユムス

・頻婆得益

^爾時にじ大王だいおう雖在すいざい幽閉ゆうへい」 といふ以下いげは、 まさしくちちおうひかりいただきらすことをこうむりて心眼しんげんひらくることをて、 *障隔しょうきゃくおおしといへどもねんにあひる。 これすなはちひかりによりてぶつたてまつるは、 こころするところにあらず、 きょういた帰依きえするにすなはち*第三だいさんちょうしょうすることをかす。

↢「爾時大王スイ幽閉エウヘイ」↡已下[シ]ク↧父カム[リ]テ[ス]コトヲ↟頂イタヾキゲン↠開[クル]コトヲシヤウキヤクヘダツ↠多シト自然コレ[リ]テ↠光タテマツル[ハ]↠仏、非↢意↟期スル、致キヤウクヰカヘシスルニ超↦証スルコトヲ第三↥。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)釈酬請許説文
              (ⅰ)科節

^爾時にじそん」 よりしも広説こうせつしゅ」 にいたるこのかたは、 まさしくさきにんべつして*しょぎょうえらぶにこたふることをかす。

[ニ]↢「爾時世尊」↡下至↢「広0710シユ」↡已来[タハ][シク][フル]コトヲ↣前夫人ベチシテブニ↢所求之行↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅱ)述意

^これ如来にょらいかみしゃもっしておうでをはるよりこのもんいたるまで、 そん*黙然もくねんとしてして、 そうじていまだ言説ごんせつしたまはざることを0380す。

↧如来↢上耆闍モツシテカクレテ王宮[デ]↡至ルマデ↢此モン↡、世尊嘿然モクネントシテシテジテルコトヲゴムシタマハ↥。

^ただちゅうげんにんさんしょうもん放光ほうこう現国げんごくとうは、 すなはちこれなんぶつしたがひておうにしてこの因縁いんねんて、 おわりてやまかえり、 つたへてしゃ大衆だいしゅかひてかみのごときくに、 はじめてこのもんあり。 またこれときぶつなきにあらず、 るべし。

タヾ中間チウゲン夫人懴悔・シヤウ問・ハウ光・現国等、乃阿難シタガ[ヒ]テ↠仏王宮ニシテ因縁↡、オハ[リ]テカヘ[リ]↠山ツタヘテ[ヒ]テ↢耆闍大衆↡説[ク]ニ↢如[キ]↠上↡、ハジメ↢此文↡。亦非[キ]ニ↢時也、↠知[ル]

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅲ)釈文

・告命許説

^爾時にじそんごうだい」 といふ以下いげは、 まさしく*ごうみょうせつかす

↢「爾時ニジ世尊ガウ韋提」↡已下[ハ][シク]↢告命ユルス也。

・去此不遠

^弥陀みだぶつおん」 といふは、 まさしく*きょうひょうしてもつてしんとどむることをかす。 すなはちそのさんあり。

↢「阿弥陀仏オン」↡[シク]ヘウシテ↠境トドムルコトヲ↟心。即↢其三↡。

^いちには*分斉ぶんざいとおからず。 これよりじゅう万億まんおくせつちょうして、 すなはちこれ弥陀みだくになることをかす。

[ニハ]分斉ブンザイトヲカラテウコヘクワスグ シテ十万億↡、即[チ]弥陀クニナルコトヲ↥。

^には*どうはるかなりといへども、 とき一念いちねんにすなはちいたることをかす。

[ニハ]↢道ハルカナリト時一念[ニ][チ]イタルコトヲ↡。

^さんにはだいとうおよびらいえんしゅじょうしんとどめて観念かんねんすれば*定境じょうきょう相応そうおうして、 ぎょうにんねんにつねにることをかす

[ニハ]↢韋提等未来有縁衆生、トヾメテ↠心観念スレバ、定境相応シテ、行人自然ルコトヲ↡。

^このさんあるがゆゑにおんといふ。

[ル]ガ↡故オン也。

・浄業成

^汝当にょとうねん」 といふ以下いげは、 まさしく凡惑ぼんわくさわりふかくして、 しんおお散動さんどうす。 もしたちまちに*攀縁へんえんてずは、 *浄境じょうきょうげんずることをるによしなきことをかす。 これすなはちまさしく安心あんじん住行じゅうぎょうおしふ。 もしこのほうによるをづけて 「*じょう0489ごうじょう」 となす。

↢「ニヨタウ」↡已下[ハ][シク]凡惑ボムワクサハリ[ク]シテ心多散動サンドウチニヘム↡、浄境キコトヲヨシ↠得[ル]ニゲンズルコト[ヲ][シク]↢安心住行↡。若ルヲ↢此↡名[ケ]テ↢浄業成ズト也。

・自開散善

^こんにょ」 といふ以下いげは、 これえんいまだせず、 ひとへに*じょうもんくべからず、 ぶつさらにかんじて、 みづから三福さんぷくぎょうひらきたまふことをかす。

↢「コムニヨ」↡已下↠具↠可[カ]ラヒトヘ↢定門↡、仏更ジテ、自キタマフコトヲ↦三福↥。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅲ)釈挙機勧修文
              (ⅰ)科節

^さんやくりょうらい」よ0381しも極楽ごくらくこく」 にいたるこのかたは、 まさしくげてしゅすすめ、 やくることをかす。

[ニ]↢「ヤク令未来世」↡下至↢「極楽国土」↡コノ[タ]ハ[シク]ゲテ↠修、得ルコトヲ↟益

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅲ)(ⅱ)述意

^これにんしょうずるところ、 やくいよいよふかくして、 らいおよぶまでしんすればみないたることをかす。

此明↧夫人↠請ズル、利益イヨイヨフカク[シテ]、及[ブ]マデ↢未来↡廻心スレバイタルコトヲ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅳ)釈勧修三福文
              (ⅰ)科節

^よくしょうこくしゃ」 よりしもみょうじょうごう」 にいたるこのかたは、 まさしくすすめて三福さんぷくぎょうしゅせしむることをかす。

[ニ]↢「ヨク生彼国シヤ」↡下至↢「名為浄業」↡已来[タハ][シク]メテセシムルコトヲ↢三福0711↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅳ)(ⅱ)述意

^これ一切いっさいしゅじょうしゅあり。 いちには*じょうには*さんなり。 もし定行じょうぎょうによれば、 すなはち*しょうせっするにきず。 ここをもつて如来にょらい (釈尊) 方便ほうべんして三福さんぷく顕開けんかいして、 もつて散動さんどうこんおうじたまふことをかす。

↧一切衆生↢二種↡[ニ]者定、二[ニ]者散[ナリ]レバ↢定行↡、即[チ]セフスルニ↠生如来方便ベンシテ顕↢開シテ三福↡、以ジタマフコトヲ↦散ドウコン↥。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅳ)(ⅲ)釈文

・所帰

^よくしょうこく」 といふはしょひょうす。

↢「欲生彼国」↡ヘウシヨクヰ↡也。

・行門

^当修とうしゅ三福さんぷく」 といふはそうじてぎょうもんひょうす。 いかんがさんづくる。

↢「当修タウシユ三福」↡ソウジテ↢行門↡也。云何クル↠三

・行門 ・世福

^一者いっしゃきょうよう父母ぶも」、 すなはちそのあり。

「一者孝養父母」、即↢其四↡。

・行門 ・世福 ・孝養父母

^いちに 「きょうよう父母ぶも」 といふは、 これ一切いっさいぼんみなえんによりてしょうずることをかす。

[ニ]↢「孝養父母」↡↢一切凡夫皆[リ]テ↠縁而生ズルコトヲ↡。

^いかんがえんによる。 あるいは*しょうあり、 あるいは湿しっしょうあり、 あるいはらんしょうあり、 あるいは*たいしょうあり。 このしょうのなかにおのおのにまたしょうあり。 *きょうひろきたまふがごとし。

云何↠縁。或[イ]ハ↢化生↡、或[イ]ハ[リ]湿シツウルヲス生↡、或[イ]ハランカイコ生↡、或[イ]ハ↢胎ハラマル生↡。此各各復有↢四生↡。如↢経キタマフガ↡。

^ただこれあひよりてしょうずればすなはち父母ぶもあり。 すでに父母ぶもあればすなはち大恩だいおんあり。 もしちちなくは*のうしょういんすなはちけ、 もしははなくは*しょしょうえんすなはちそむきなん。 もしにんともになくはすなはちたくしょうところうしなはん。 かならずすべからく父母ぶもえん0382して、 まさに受身じゅしんことわりあるべし。

[リ]テ而生ズレバ、即↢父母↡。スデレバ↢父母↡即↢大恩↡。若クハ↠父者能生イン、若クハ↠母者所生縁即ソムキナム。若二人トモクハウシナハムタクトコロ↡。カナラスベカラベ  ↣父母エンシテマサジユコトワリ↡。

^すでにけんとほっするに、 みづからの*業識ごっしきをもつて内因ないいんとなし、 父母ぶもしょうけつをもつてえんとなして因縁いんねんごうするがゆゑにこのあり。 このをもつてのゆゑに父母ぶもおんおもし。

スルニケムト、以↢自ラノ業識↡為内因ナイイン↡、以↢父母セイクヱツ↡為シテ↢外縁↡、因縁和合スルガ↢此身↡。以[テ]ノ↡故父母オンオモ

^はは懐胎かいたいしをはりてつきるまで、 *行住ぎょうじゅう坐臥ざがにつねにのうしょうず。 また0490さんときなんうれふ。 もししょうじをはりぬれば、 三年さんねんるまでつねにねむ尿にょうす。 *じょうぶくみなまたじょうなり。

ハワクワイハラミタイハラムオハ[リ]テルマデ↢於十月[ヲ]↡、行住坐臥[ニ]シヤウナウ↡。復ウレサン[ノ]ナン↡。若[ジ][リ]ヌレバルマデ↢於三年[ヲ]恒常 ツネ ネム尿ネウ床被・衣服マタ不浄ナリ

^そのちょうだいおよびてあいしたしみて、 父母ぶもところにおいてかへりて憎疾ぞうしつしょうじ、 おんきょうぎょうぜざるものはすなはちちくしょうことなることなし。

オヨ[ビ]テ↢其長大アイシタシミテオイ↢父母トコロリテゾウシチ↡、↠行恩孝オンカウ↡者↢畜生↡無コトナルコト也。

^また父母ぶもけん*福田ふくでんきわみなり。 ぶつはすなはちこれ*しゅっ福田ふくでんきわみなり。

又父母世間福田ナリ。仏出世福田也。

^しかるにぶつざいときねん*けんせるに遇値ひて、 ひとみな餓死がしして白骨はっこつ*じゅうおうなり。 もろもろの比丘びくとう*乞食こつじきするにがたし。 ときそん比丘びくとうりぬるのちちて、 ひとりみづからしろりて乞食こつじきしたまふ。 あしたよりひるいたるまで門々もんもんひたまへども、 じきあたふるものなし。 ぶつまたはちむなしくしてかえりたまふ。

シカルニ仏在世時、遇↢値 ア ヒテ時年カツヘケンウヘセルニ↡、人ウヘシニシテハクシロキコツホネ ジユタヽサマ ワウナリヨコサマ 。諸比丘等コツコフジキスルニガタ0712↠時世尊待[チ]テ↢比丘等[ノ]リヌルノチ↡、ヒトリテ乞食コツジキシタマフ。従アシタ[ル]マデヒル門門ヒタマヘドモ、無アタフル↠食モノ↡。仏ムナシクシテハチカヘリタマフ

^明日あくるひまたきて、 またたまはず。 のちまたきたまふに、 またたまはず。

明日アクルヒキテ又還 マタ ↠得タマハ日復キタマフニ、又亦↠得[タマハ]

^たちまちにいち比丘びくありて、 みちひてぶつたてまつるに、 顔色げんしきつねよりもことにしてそうましますにたり。

タチマチ[リ]テ↢一比丘↡、道ヒテ[タテマツル]ニ↠仏ゲンカオ シキシヨクコトニシテツネヨリモタリスニウヘ相↡。

^すなはちぶつひたてまつりてまうさく0383、 「そんいますでにじきしをはりたまへりや」 と。

ヒタテマツリテ↠仏、世尊ジキオハリタマヘリ

^ぶつのたまはく、 「比丘びく、 われ三日さんにちてよりこのかた、 乞食こつじきするにいちをもず。 われいま飢虚きこにしてちからなし、 よくなんぢとともにかたらんや」 と。

ノ下ハ、比丘、テヨリ↢三日↡已来[タ]コツコフジキスルニ↠得↢一匙ヲ[モ]↡。飢虚ケコニシテ、能トモナンヂラムヤ[ト]

^比丘びくぶつきをはりて、 るいしてみづからふることあたはず。 すなはちみづから念言ねんごんすらく、 「ぶつはこれじょう福田ふくでんしゅじょう*覆護ふごなり。 われこの*さんばいきゃくして、 一鉢ひとはちいいりてぶつじょうせん、 いままさしくこれときなり」 と。

比丘↢仏語↡已[リ]テルイシテナミダ ↠能↢自フルコト↡。即ゴンスラク、仏無上福田、衆生フクオヽフナリマモル 我此三衣売却シテ[リ]テ一鉢ジヤウ タテマツル セム於仏↡。[シ]クナリ

^このねんをなしをはりてすなはち一鉢ひとはちいいて、 すみやかにもつてぶつにたてまつる。

↢是↡已[リ]テ↢得一鉢↡、スミヤカタテマツ↠仏

^ぶつろしめして、 ことさらにひてのたまはく、 「比丘びくねんけんにしてひとみな餓死がしす。 なんぢいまいづれのところにしてかこの一鉢ひとはちじゅんしきいいきたれる」 と。

シロシメシテコトサラ[ヒ]テハク、比丘、ネンケンニシテ餓死ガシイヅレトコロニシテ[カ]↢此一鉢ジユンシキキタレル[ト]

^比丘びくさきのごとくつぶさにそんにまうす。 ぶつまたのたまはく、 「比丘びくさんはすなはちこれさん諸仏しょぶつ*幢相どうそうなり。 この因縁いんねんきはめてとうとく、 きはめておもく、 きはめておんあり。 なんぢいまこのいいてわれにあたふることは、 おおきになんぢ0491好心こうしんりょうすれども、 われこのいいしょうせず」 と。

比丘如↠前ツブサ↢世尊↡。仏又、比丘三衣[チ]是三世諸仏ドウナリ。此衣因縁極メテタムトメテオモメテアリアタフルコト↠我、大キニリヤウスレドモナンヂ好心カウシム↡、↠消↢此↡也。

^比丘びくかさねてぶつにまうしてまうさく、 「ぶつはこれ三界さんがい福田ふくでんしょうのなかのごくなるに、 なほしょうせずといはば、 ぶつのぞきて以外いげはたれかよくしょうせんや」 と。

比丘カサネテシテ↠仏サク、仏是三界福田、聖ナルニノ下ハバ↠消者、除[キ]テ↠仏已外タレセム[ト]

^ぶつのたまはく、 「比丘びく、 なんぢ父母ぶもありやいなや」 と0384こたへてまうさく、 「あり」 と。 「なんぢもつて父母ぶもようれ」 と。

ハク、比丘、リヤ↢父母↡已不 イナ ヤ[ト]。答[ヘ]テサク、有リ[ト]↢養シテ父母レ[ト]

^比丘びくまうさく、 「ぶつなほしょうせずとのたまふ、 わが父母ぶもあによくしょうせんや」 と。

比丘言サク、仏ナホノ下↠消、我[ガ]父母アニセム[ト]

^ぶつのたまはく、 「しょうすることを。 なにをもつてのゆゑに。 父母ぶもよくなんぢがしょうぜり。 なんぢにおいてだいじゅうおんあり。 これがためにしょうすることを」 と。

仏言ハク得↠スルコトヲ。何[テ]ノ。父母能ゼリナンヂ↡。オイナムヂ↢大重恩ヂウオン↡。為コレ[ト]スルコトヲ

^ぶつまた比丘びくひたまはく、 「なんぢが父母ぶもぶつしんずるしんありやいなや」 と。 比丘びくまうさく、 「すべて信心しんじんなし」 と。

仏又問[ヒタマ]ハク↢比丘↡、汝父母有リヤ↢信0713ズル↠仏心↡イナヤ[ト]。比丘言ハクスベシ[ト]↢信心↡。

^ぶつのたまはく、 「いましんずるしんあるべし。 なんぢのいいあたふるをおおきにかんしょうじて、 これによりてすなはち信心しんじんおこさん。 おしへてさん帰依きえけしめよ。 すなはちよくこのじきしょうせん」 と。

仏言ハク、今有ルベシズル心↡。見↢汝アタフルヲジテ↢歓喜↡、[リ]テサム↢信心[ヲ]↡。先ヘテケシメヨ↢三帰↡。即セム[ト]↢此ジキ↡也。

^とき比丘びくすでにぶつおしえけて*愍仰みんごうしてりぬ。

比丘既ケテ愍仰ミンガウシテリヌ

^このをもつてのゆゑに、 おおきにすべからく父母ぶもきょうようすべし。

[テ]ノ↢此↡故、大ケウ↢養[ス]父母↡。

^また*ぶつ*摩耶まやぶつしょうじて七日しちにちをはりてすなはちして、 とうてんしょうず。 ぶつのちじょうどうしたまひて、 がつじゅうにちいたりてすなはちとうてんかひ、 いちははのために説法せっぽうしたまふ。 つき懐胎かいたいおんほうぜんがためなり。 ぶつすらなほみづからおんおさめて父母ぶもきょうようしたまふ、 いかにいはんやぼんにしてきょうようせざらんや。

ブチ摩耶マヤジテ↠仏↢七日[リ]テシテ、生↢忉利天↡。仏成道シ[タマヒ]テ、至[リ]テ↢四月十五日↡即↢忉利天↡、一ナツ↠母説法シタマフタメナリホウゼムガ↢十月クワイオン↡。仏[スラ]ナヲオサメテ↠恩孝↢養シタマフ父母↡、何イハム凡夫[ニシテ]ラム[ヤ]↢孝養↡。

^ゆゑにりぬ、 父母ぶもおんふかくしてきはめておもし。

リヌ、父母オムフカク[シテ]也。

・行門 ・世福 ・奉事師長

^奉事ぶじちょう」 とは、 これ礼節らいせつきょうして学識がくしきとくじょうじ、 *いんぎょうくる0385ことなくすなはちじょうぶついたるは、 これなほぜんりきなり。 この大恩だいおんもつともすべからく敬重きょうじゅうすべきことをかす。

奉事ブジ師長↧教↢シ[テ]礼節レイセツ学識ガクシキ↠徳インクルコトルハ↢成仏↡、此ナホチカラナリ此之大恩モトスベカラベ  キコトヲキヤウヂウ↥。

^しかるに父母ぶもおよび*ちょうづけて*敬上きょうじょうぎょうとなす。

ルニ父母及者名[ケ]テ↢敬上↡也。

・行門 ・世福 ・慈心不殺

^しんせつ」 といふは、 これ一切いっさいしゅじょうみないのちをもつてほんとなすことをかす。

↢「心不セツ」↡↢一切衆生スコトヲ↟本

^もし悪縁あくえんて、 おそはしかくくるは、 ただいのちまもらんがためなり。

↢悪縁オソハシカククルタヾタメマボラムガ↠命也。

^¬きょう¼ (涅槃経・意) にのたまはく、 「一切いっさいのもろもろのしゅじょう寿じゅみょうあいせざるはなし。 ころすことなかれ、 じょうぎょう0492ずることなかれ。 おのれを*いかるにさとしをなすべし」 と。 すなはちしょうとなす。

¬経¼云ハク、「一切衆生ルハ↠愛↢寿命↡。ナカコロスコト、勿↠行ズルコトジヤウイカルニオノレシ[ト]。」即也。

・行門 ・世福 ・修十善業

^しゅじゅう善業ぜんごう」 といふは、 これじゅうあくのなかに殺業せつごうもつともあくなることをかす。

↢「シユ十善業」↡此明↢十悪殺業セツゴフモトナルコトヲ↡。

^ゆゑにこれをつらねてはじめにく。 *じゅうぜんのなかには長命じょうみょうもつともぜんなり。 ゆゑにこれをもつてそうたいす。 以下いげあくぜんは、 しもぼんのなかにいたりて、 つぎひろぶべし。

ツラネテ↠之ハジメ十善之中ニハ長命モトナリ。故↠之相対也。已下九悪九善、至[リ]テ↢下九品↡、次↢広↡。

^これぜんかす。 また*慈下じげぎょうづく。

↡。又名也。

・行門 ・戒福 ・受持三帰

^に 「じゅさん」 といふは、 これぜんきょうにして*感報かんぽうつぶさならず。 *戒徳かいとく巍々ぎぎとしてよくだいかんずることをかす。

[ニ]↢「受持三帰」↡、此明↣世善キヤウニシテ感報カムポウツブサナラ戒徳巍巍グヰグヰトシテカムズルコトヲ↢菩提之果↡。

^ただしゅじょうしんあさきよりふかきにいたる。 *さんけしめ、 のち衆戒しゅかいおしふ。

但衆生帰信0714アサ[ル]↠深[キニ]。先ケシメ↢三帰↡、後↢衆戒↡。

・行門 ・戒福 具足衆戒

^そく衆戒しゅかい」 といふは、 しかるにかいしゅあり。 あるいは*さんかい、 あるいは*かい*八戒はっかい*じゅう善戒ぜんかい*ひゃくじゅうかい*ひゃくかい*しゃかい、 あるいはさつ*さん聚戒じゅかい*じゅうじんかいとうなり。 ゆゑに0386そく衆戒しゅかいづく。

↢「具足衆戒」↡ルニ↢多種↡。或[イ]ハ三帰戒、或[イ]ハ五戒・八戒・十善戒・二百五十戒・五百戒・沙弥戒、或[イ]ハ菩薩[ノ]三聚戒・十無尽戒等ナリ。故↢具足衆戒也。

^また一々いちいち*戒品かいほんのなかにまた*しょうぶんかい分戒ぶんかいぜん分戒ぶんかいあり。

又一一戒品亦有少分セウブン戒・多ブン戒・ゼン分戒↡也。

・行門 ・戒福 ・不犯威儀

^ぼん威儀いぎ」 といふは、 これしん口意くいごう行住ぎょうじゅう坐臥ざがによく一切いっさいかいのために方便ほうべん威儀いぎをなすことをかす。

↢「不ボン威儀」↡、此明↧身口意業行住坐臥タメ↢一切スコトヲ↦方便威儀↥也。

^もしは軽重きょうじゅうさいみなよく護持ごじして、 おかせばすなはち悔過けかす。 ゆゑにぼん威儀いぎといふ。 これを戒善かいぜんづく。

シハキヤウヂウサイ護持ゴヂシテセバ悔過クヱクワ。故↢不犯威儀↡。此↢戒善也。

・行門 ・行福 ・発菩提心

^さんに 「ほつだいしん」 といふは、 これしゅじょう*欣心ごんしん*だいおもむく。 あさ*しょういんおこすべからず。 ひろ*しんおこすにあらざるよりは、 なんぞよくだいとあひすることをんといふことをかす。

[ニ]↢「発菩提心」↡↧衆生ゴンオモム↠大不↠可カラアサ↢小インリハ↠非ザル↣広[ス]ニ↢弘心↡、何ムトイフコトヲ↢菩提↡スルコトヲ↥。

^ただねがはくはわがくうおなじくしん法界ほうかいひとしく、 しゅじょうしょうつくさん。 われ身業しんごうをもつてぎょうよう礼拝らいはいし、 *らい迎送こうそうして*うんしてつくさしめん。 またわれごうをもつて讃歎さんだん説法せっぽうして、 みなわが*けて、 ことばもと*どうるもの、 つくさしめん。 またわれごうをもつて入定にゅうじょう観察かんざつし、 法界ほうかい分身ぶんしんしておうじて0493して、 いちとしてつくさざるはなからん。

タヾクハ身、身[ハ][ジ]ク↢虚空↡心[ハ]ヒトシク↢法界↡、ツクサム↢衆生[ノ]シヤウ↡。↢身業↡ 恭ツヽシミ[シ]ウヤマテ マウク礼拝 オガム カウムカヘ↢送オクルシ[テ]ライウンハコビシテメムツク。又↢口業讃歎サンダン[シ]説法シテケテ↡、コトバ[ル]↠道メム↠尽。又↢意業↡入定観察↢身法界↡応ジテ↠機シテカラムトシテルハ↟尽

^われこのがんおこす。 運々うんうんぞうじょうしてなほくうのごとく、 しょとしてへんせざるはなく、 ぎょうじんにして*さいてつし、 *けんなくしん*厭足えんそくなからん。

↢此↡。運運ウンウンゾウシテナホ↢虚空↡、↢処トシテヘン、行ジンニシテテツサイ↡、身ツカレクヱンモノウシ↡心カラムエムアクコトソク↡。

^また 「だい」 といふはすなはちこれぶっなり。 また 「しん」 といふはすなはちこれしゅじょう*のうしんなり。 ゆゑにほつだいしんといふ。

又言↢菩提仏果ナリ。又言↠心[チ]是衆生ノウナリ。故↢発菩提心也。

・行門 ・行福 ・深信因果

^に 「深信じんしんいん」 といふはすなはちそのあり。

[ニ]↢「ジム信因果」↡二↡。

^いち0387にはけんらくいんかす。 もしいんつくればすなはちかんじ、 もしらくいんつくればすなはちらくかんず。 *いんをもつてでいいんするに、 いんこわれてもんじょうずるがごとし。 うたがふことをず。

[ニハ]↢世ケン因果↡。若ツクレバイン↡即[チ]カムクワ↡、若レバラク↡即[チ]カム↢楽↡。如↢似 ゴト インインスルニデイイン0715文成ズルガ↡。不↠得↠フコトヲ也。

・行門 ・行福 ・読誦大乗

^読誦どくじゅだいじょう」 といふは、 これ経教きょうきょうはこれをたとふるにかがみのごとし。 しばしばみしばしばたずぬれば、 智慧ちえ開発かいほつす。 もし智慧ちえまなこひらけぬれば、 すなはちよくいとひてはんとうごんぎょうすることをかす。

↢「読誦ドクジユ大乗」↡[ス]↧経教タトフルニ↠之カヾミシバシバシバシバタヅヌレバ、開↢発智慧智慧マナコヒラケヌレバ、即[チ]イトヒテゴンゲウスルコトヲ涅槃等↥也。

・行門 ・行福 ・勧進行者

^勧進かんじんぎょうじゃ」 といふは、 これほうどくのごとく、 悪法あくほうとうのごとし。 さんてんしてしゅじょう損害そんがいす。 いますでにぜん明鏡みょうきょうのごとく、 ほうかんのごとし。 かがみはすなはちしょうどうらしてもつてしんし、 かんはすなはちほうそそぎてくることなく、 *含霊がんれいをしてにんけ、 ひとしくほうせしめんとほっすることをかす。 この因縁いんねんのためのゆゑにすべからくあひすすむべし。

フ[ハ]↢「勧進行」↡、此明ドク、悪法流↢転シテ三有ソンガイ衆生今既↢明キヤウ↡、法↢甘アマキツユカヾミ[チ]テラシテ↢正道↡以クヰ↠真、甘露[チ]ソヽギテ↢法↡而無クルコト、欲スルコトヲ使メムト含霊ガンレイヲシテヒトシク↢法リウ↡。タメ↢此因縁↡故スベカラベ  スヽ↡。

・結行

^にょさん」 といふ以下いげは、 そうじてかみぎょうけつじょうす。

↢「如三事」↡已下ジテケツ↢成↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅴ)釈引聖励凡文
              (ⅰ)科節

^仏告ぶつごうだい」よりしもしょういん」 にいたるこのかたは、 それしょうきてぼんはげますことをかす。

[ニ]↢「仏告韋提」↡下至↢「正因」↡已来[タ]ハキテ↠聖ハゲマスコトヲボム

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅴ)(ⅱ)述意

^ただよくけつじょうしてしんとどむれば、 かならずくことうたがいなし。

タヾ決定アキラメシテトヾムレバ↠心、必クコト

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (三)

^じょうらい五句ごくどうありといへども、 ひろ散善さんぜんけんぎょうえんかしをはりぬ。

上来雖[モ]↠有[リ]ト↢五不同↡、広↢散善顕行縁↡竟[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b 【定善示観縁】
          (一)

【11】^しちじょうぜんかんえんのなかにつきてすなはちそのしちあり。

[ニ]キテ↢定善観縁↡即↢其七↡。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)
            (Ⅰ)釈勅聴許説文
              (ⅰ)科節

^いち仏告ぶつごうなん」 よ0388しも清浄しょうじょうごう」 にいたるこのかたは、 まさしく*勅聴ちょくちょうせつかす。

[ニ]↢「仏告阿難」↡下至↢「清浄業」↡已来[タ]ハ[シク]チヨクチヤウ キヽ ユルス↡。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅰ)(ⅱ)述意

^これだいさき極楽ごくらくしょうぜんとがんずることをしょうじ、 またとくしょうぎょうしょうずるに、 にょ0494らいすでにゆるしたまへり。 いまこのもんにつきてまさしく*しょうじゅ方便ほうべん開顕かいけんせんとほっすることをかす。

↫韋提サキシヤウ↠願ズルコトヲゼムト↢極楽↡、又請ズ[ルニ]↢得生↡、如来スデユルタマヘリキテ↢此↡正[シク][ス]ルコトヲ↪開↩顕セムトジユ方便↨。

^これすなはち因縁いんねん極要ごくようにしてやくするところふかし。 曠劫こうごうにもくことまれなり。 いまはじめてく。 こののためのゆゑに、 如来にょらいそうじて*にんめいぜしむることをいたす。

因縁極要ゴクエウニシテ利益[スル]。曠劫ニモマレナリコト如今 イマ ハジメ。為↡故、致使ムルコトヲ↣如来総ジテミヤウ↢二人[ニ]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅰ)(ⅲ)釈文

^ごうなん」 といふは、 「われいまじょうもん開説かいせつせんとほっす。 なんぢよくでんして遺失ゆいしつせしむることなかれ」 となり。

↢「告阿難」↡↣開↢説セムト浄土↡。デンシテナカレ[トナリ]ムルコトシチ↡。

^ごうだい」 といふは、 「なんぢはこれ請法しょうぼうひとなり。 われいまかんとほっす。 なんぢよくつまびらかにき、 りょう*諦受たいじゅして、 *錯失さくしつせしむることなかれ」 となり。

↢「告韋提」↡ナンヂ請法ナリ↠説[カム]トカニ諦受タイジユシテナカレ[トナリ]↠令[ムル]コトシヤクシチ↡。

^らい一切いっさいしゅじょう」 といふは、 ただ如来にょらいのぞみたまふことは、 ひとへに*じょうもつしゅじょうのためなり。 いますでにひとしくうんきて、 あまねく*来潤らいにんうるおさんと望欲もうよくす。

↢「0716来世一切衆生」↡但如来ノゾミタマフコトハクヱヒトヘナリ↢常モツシヅム衆生↡。今既ヒトシクキテウン↡、マウノゾミヨクウルオサム↢来ニン↡。

^煩悩ぼんのう賊害ぞくがい」 といふは、 これぼんさわりおもく、 妄愛もうあいまよふかくして、 三悪さんまく*きょうくらくしてひとそくにあることをおもはず。 えんしたがひてぎょうおこして、 *進道しんどうりょうとなさんとするも、 なんぞそれ*六賊ろくぞくもんし、 きおきたりておかうばふ。 いますでにこの法財ほうざいうしなふ、 なんぞ憂苦うくなきことをんやといふことをかす。

↢「煩悩ゾク」↡、此[ス]↧凡夫サハリオモ妄愛マウアヒマドフカクシテオモ↣三悪キヤウクラクシテルコトヲ↢人足下[ヒテ]↠縁シテ↠行スルサムト進道シンダウリヤウ↡、ナンゾクモンキオキタ[リ]テシ ダツ今既ウシナ↢此法財↡、何キコトヲ憂苦ウク↡也トイフコトヲ↥。

^せつ清浄しょうじょうごう」 といふ0389は、 これ如来にょらいしゅじょうつみたまふをもつてのゆゑに、 ためにさんほうき、 相続そうぞくして断除だんじょせしめ、 *ひっきょうじてなが清浄しょうじょうならしめんとほっすることをかす。 また 「清浄しょうじょう」 といふは、 *しも観門かんもんによりて専心せんしん念仏ねんぶつし、 おもい西方さいほうとどむれば、 念々ねんねんつみのぞこるがゆゑに清浄しょうじょうなり。

[フ]↢「説清浄業」↡↫如来以[テ]ノ↠見[タマフ]ヲ↢衆生↡故、為↢懴悔↡、スルコトヲ↪令[メ]↢相ゾクシテダン↡、ヒチジテナガメムト↩清浄ナラ↨。又言↢清浄[リ]テ↢下観門↡専心念仏トヾムレバオモヒ西方↡、念念ツミノゾコル[ガ]清浄ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅱ)釈如来可問文

^善哉ぜんざい」より以下いげは、 まさしくにんとい*しょうあたれることをかす。

[ニ]↢「善ザイ」↡已下[ハ][シク]↣夫人アタレルコトヲ↢聖↡。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅲ)釈勧持勧説文
              (ⅰ)科節

^さんなん汝当にょとうじゅ」よりしも宣説せんぜつぶつ」 にいたるこのかたは、 まさしくかん勧説かんせつとをかす。

[ニ]↢「阿難汝当受」↡下至↢「セン説仏」↡已来[タハ][シク]↢勧持[ト]勧説[ト]ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅲ)(ⅱ)述意

^このほう深要じんようなり、 よくすべからく流布るふすべし。 これ如来にょらいさきにはすなはちそうじてげて安心あんじんちょうじゅせしむ。 このもんはすなはちべつしてなんちょくして、 じゅしてわするることなく、 ひろにんところにして、 ためにきてぎょうせしむることをかす。

深要ジムエウナリスベカラベ  流布ルフ↡。此明↧如来サキニハジテゲテアンチヤウジユベチシテシテ↢阿難↡、受持シテワスルルコト、広ニンニシテ、為キテセシムルコトヲ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅲ)(ⅲ)釈文

^ぶつ」 といふは、 これ如来にょらいこう0495ごうにすでにくちとがのぞきたまひて、 言説ごんせつあるにしたがひて一切いっさいくもののねんしんしょうずることをかす。

↢「仏語」↡↧如来クワウスデキ[タマヒ]テ↢口トガ↡、随[ヒ]テ↠有ルニ↢言説↡一切自然[ズル]コトヲ↞信

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅳ)釈勧修得益文
              (ⅰ)科節

^如来にょらい今者こんしゃ」よりしもとくしょうにん」 にいたるこのかたは、 まさしく勧修かんしゅ得益とくやくそうかす。

[ニ]↢「如来今者コムジヤ」↡下至↢「得無生忍[ニ]」↡已来[タ]ハ[シ]ククワンシユ得益↡。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅳ)(ⅱ)述意

^これ如来にょらいにんおよび*らいとうのためにかん方便ほうべんあらわして、 おもい西方さいほうとどめしめて、 しゃ*捨厭しゃえん極楽ごくらく*貪欣とんごんせしめんとほっすることをかす。

↫如来欲[ス]ルコトヲ↪為↢夫人及未来等↡顕シテ↢観[ノ]方便↡、トヾメ[シメ]テオモヒ西方↡、シヤステエンイトフ娑婆トムゴムセシメムト極楽↨。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅳ)(ⅲ)釈文

^仏力ぶつりき」 といふ以下いげは、 これしゅじょう*ごっしょうるるに*しょうもうなれば、 たなごころすにとおしとおもひ、 ほう*竹ちくこんへだつるにすなはち0390これをせんゆとす。 あにいはんやぼんぶん諸仏しょぶつきょうないしんうかがはんや。 *しょうりきみょうするにあらざるよりは、 かのくになにによりてかることをんといふことをかす。

↢「仏力」↡已下[ハ]此明↧衆生シヤウルルニマウナレバスニタナゴヽロトオシトツルニ↢竹↡即[チ]ユ[トス]↢之アニ凡夫0717分外諸仏キヤウナイハムヤ↠心リハ↠非ザル↢聖力ミヤウスルニ↡、彼ナニ[リ]テカムトイフコトヲルコトヲ

^にょしゅう明鏡みょうきょうけん面像めんぞう」 といふ以下いげは、 これにんおよびしゅじょうとうにゅうかんしてしんとどめ、 *じんこらしててざれば、 *しんきょう相応そうおうしてことごとくみな顕現けんげんすることをかす。 きょうげんずるときあたりて、 かがみのなかにものるにことなることなきがごとし。

↢「ニヨシユキヤウ自見面像メムザウ」↡已下[ハ]此明↢夫人及衆生等ニウシテ↠心コラシテ↠神レバ、心キヤウ相応シテケンスルコトヲ↡。アタ[リ]テ境現ズル↡、如↢似 ゴト カヾミ[ル]ニ↠物キガナルコト也。

・得忍相

^しんかん得忍とくにん」 といふは、 これ弥陀みだぶっこく清浄しょうじょうこうみょう、 たちまちに眼前げんぜんげんず、 なんぞ*やくへん。 このによるがゆゑに、 すなはち*しょうにんることをかす。 また*にんづけ、 また*にんづけ、 また*信忍しんにんづく。 これすなはちはるかにだんじていまだ*得処とくしょひょうせず、 にんとうをしてしんにこのやくねがはしめんとほっす。 *ゆうみょうせんしょうにしてしんぶつを〕おもひてとき、 まさににんさとるべし。 これおおくこれ*十信じっしんのなかのにんにして、 *ぎょうじょうにんにはあらず。

↢「心歓喜得忍」↡、此明↧阿弥陀仏[ノ]清浄光明、タチマチ眼前↡、ナンヘムヤク[ニ]ルガ↡故、即[チ][ル]コトヲ↦無生↥。マタ↡、亦名↡、亦名↢信忍↡。此乃ハルカグヱンダンカタラウジテヘウアラハス↢得シヨ↡、メムト↣夫人等ヲシテネガ↢心↡。ミヤウタケシセンシヤウニ[シテ][ニ]ヒテ時、マササト↠忍。此多是十信ニシテ、非ニハ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅴ)釈仏力観成文
              (ⅰ)科節

^仏告ぶつごうだい」よりしもりょうにょ得見とくけん」 にいたるこのかたは、 まさしくにんはこれ*ぼんにして*しょうにあらず。 しょうにあらざるによるがゆゑに、 あおぎておもんみればしょうりきみょうして、 かのくにはるかなりといへどもることをることをかす。

[ニ]↢「仏告韋提」↡下至↢「リヤウニヨ得見」↡已来[タハ][シク]↢夫人[ハ]ボムニシテ↠聖ルガ↠非ザルニ↠聖アオギテオモムミレバリキミヤウシテ、彼国雖ハルカナリト[ル]コトヲルコトヲ

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅴ)(ⅱ)述意

^これ如来にょらいしゅじょうまどひをきて、 *にんはこれしょうにしてぼんにあらずといひて0391うたがいおこすによるがゆゑにすなはちみづから*こうにゃくしょうじ、 しかるにだいげんにこれさつにしてかりに凡身ぼんしんしめ0496す、 われら罪人ざいにんぎゅうするによしなしといふことをおそる。 このうたがいだんぜんがためのゆゑに 「にょぼん」 とのたまふことをかす。

此明↪如来↧衆生キテマドヒ謂↢言ヒテ夫人ニシテズト↟凡ルガオコスニカウニヤクヨハシ ↡、ルニ韋提菩薩ニシテカリシメボム↡、我罪人シトイフコトヲヨシ比及スルニダムゼムガ↢此↡故[フ]コトヲニヨ是凡夫也。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅴ)(ⅲ)釈文

・心想羸劣

^心想しんそう羸劣るいれつ」 といふは、 これぼんなるによるがゆゑにかつてだいなし。

↢「心想羸劣ルイレツ」↡ルガボムナルニ↡故カツ大志↡也。

・未得天眼

^とく天眼てんげん」 といふは、 これにん肉眼にくげんるところの遠近おんごんごんをなすにらず、 いはんやじょういよいよはるかなり、 いかんぞるべきといふことをかす。

↢「得天眼」↡↢夫人ニク[ノ]トコロ↠見遠近オンゴン[ハ]スニ、況浄土イヨイヨハルカナリ、云何キトイフコトヲ

・異方便

^諸仏しょぶつ如来にょらい有異うい方便ほうべん」 といふ以下いげは、 これもししんによりてるところのこくしょうごんは、 なんぢぼんのよく*しつするにあらずと、 こうぶつすることをかす。

↢「諸仏如来有異ウイ方便」↡已下↧若[リ]テ↠心↠見国土荘厳者、非ズ[ト]ナンヂボム普悉スルニ↡、クヰスルコトヲコウ於仏↥也。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅵ)釈牒前起後文
              (ⅰ)科節

^ろくだいびゃくぶつ」よりしもけんこく」 にいたるこのかたは、 それにんかさねて*さきおん*でつし、 のちといしょうせんとほっするこころかす。

[ニ]↢「時韋提0718白仏」↡下至↢「見彼国土」↡已来[タハ]夫人カサネデフ↢前オン↡、欲スル↣生↢セムト↡之意↥。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅵ)(ⅱ)述意

^これにんぶつりょうするに、 かみ光台こうだい所見しょけんのごときは、 これすでによくさきたりとおもひき、 そんかいしたまふに、 はじめてこれぶつ方便ほうべんおんなりとる。 もししからば、 ぶついまににましませば、 しゅじょうねんこうむりて西方さいほうることをしむべし。 ぶつもしはんしたまひて加備かびこうむらざるものは、 いかんがることをんやといふことをかす。

此明↧夫人リヤウスルニ仏意↡、ゴトキ[ハ]↢上ダイ所見↡、オモヒキサキタリト↡、世尊開シタマフニハジメ方便ナリトラバ者、仏今セバ↠世、衆生蒙リテ↠念↠使↠得↠見ルコトヲ↢西方仏若涅槃シタマヒテ↠蒙↢加備↡者、云何↠見ルコトヲトイフコトヲ↥。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅶ)釈悲心為物文
              (ⅰ)科節

^しちにゃく仏滅ぶつめつ」よりしも極楽ごくらくかい」 にいたるこのかたは、 まさしくにんしん*もの0392のためにすること、 おのがおうじょうおなじく、 ながしゃきて、 なが安楽あんらくあそばしめんといふことをかす。

[ニ]↢「若仏滅後」↡下至↢「極楽世界」↡已来[タ]ハ[シク]↧夫人シムニスルコト、同[ジ]ク往生↡、ナガキテ↢娑婆↡、ナガアソバシメムトイフコトヲ↦安楽↥。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅶ)(ⅱ)述意

^これ如来にょらいしんしたまふうんは、 さいてつしていまだやすまず。 ただかわときうつりて、 ぐんじょう*浅促せんそくなるをもつてのゆゑに、 如来にょらいをしてようしょう寿じゅげんじ、 *じょうごう*みんじてもつて*人年にんねんるいし、 きょうまんせっせんとしてもつてじょうしめし、 剛強こうごうせんとしておなじく*めつせしむることをかす。 ゆゑににゃく仏滅ぶつめつといふ。

↫如来シタマフ↠心ウンハコブ[ハ]テツシテサイ↡而未但以テノカハウツ[リ]テグン浅促センソクナルヲ↡故使ムルコトヲ↪如来[ヲシテ]ゲンヰヤウ寿↡、ジテ↢長劫↡以ルイ人年ニンネン↡、摂[セムト]シテケウオゴルマンアナドルシメ↢無常↡、化セムトシテガウコハクガウコハシ↡同[ジ]ク↩於磨滅↨。故↢「若仏滅」↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)(Ⅶ)(ⅲ)釈文

^諸衆しょしゅじょう」 といふは、 これ如来にょらいめたまはば、 しゅじょう帰依きえするにところなし。 *蠢々しゅんしゅん周慞しゅうしょうして、 じゅうおう六道ろくどうはしることをかす。

↢「諸衆生」↡、此明↧如来タマハバ↠化、衆生無トコロ↢帰依[スルニ]蠢蠢シユンシユンシユシヤウシテジユウワウハシルコトヲ於六道↥。

・濁悪不善

^じょくあくぜん」 といふは、 これじょくかす。 いちにはこう0497じょくにはしゅ生濁じょうじょくさんにはけんじょくには煩悩ぼんのうじょくにはみょうじょくなり。

↢「ジヨク悪不善」↡↢五濁↡也。一[ニ]劫濁、二[ニ]者衆生濁、三[ニ]者見濁、四[ニ]者煩悩濁、五[ニ]者命濁ナリ

・劫濁

^こうじょく」 といふは、 しるにこうじつにこれじょくにあらず、 こうげんずるときあたりて諸悪しょあくぞうす。

↢劫濁ルニジチ↡、アタ[リ]テ劫減ズル↡諸悪加ゾウ也。

・衆生濁

^しゅじょうじょく」 といふは、 こうもしはじめてじょうずるときしゅじょうじゅんぜんなり、 こうもしまつなるときしゅじょうじゅうあくいよいよさかりなり。

↢衆生濁↡者、劫若ズルトキハ衆生ジユンモハラナリ、劫若ナル衆生十悪イヨイヨサカリナリ

・見濁

^けんじょく」 といふは、 しん衆悪しゅあくそうじてへんじてぜんとなし、 うえなきをばならずとなす。

↢見濁↡者、自身衆悪ジテヘンジテ↠善キヲ[バ]↠是ナラ也。

・煩悩濁

^煩悩ぼんのうじょく」 といふは、 当今とうこん劫末こうまつしゅじょうあくしょうにしてしたしみがたし。 六根ろっこん随対ずいたいして*貪瞋とんじんきおおこる。

↢煩悩濁当今タウコム[ノ]コウマチ衆生悪性ニシテガタシタシズイタイシテコン貪瞋トムジムキヲオコ也。

・命濁

^命濁みょうじょく」 といふは、 さきけんのうじょくによりておお殺害せつがいぎょうじて、 いつくしみ恩養おんようすることなし。 すでに0393*だんみょういんぎょうじ、 じょうねんけんとほっするも、 なにによりてかべき。

↢命濁[リ]テ見・ナウ0719↡多ジテセツ↡、↢慈シミ恩養スルコト↡。既ダン↡、スルモケムト↢長年↡者、ナニ[リ]テカ也。

^しかるにじょく*たいこれぜんにあらず。 いまりゃくしてじょくしめしをはりぬ。

ルニタイ是善↡。リヤクシテ[シ]↢五濁↡竟[リ]ヌ

・五苦所逼

^五苦ごく所逼しょひつ」 といふは、 はっのなかにしょうろうびょう死苦しく*愛別あいべつりて、 これを五苦ごくづく。 さらにさんくわふればすなはちはっとなるいちには*おんじょうには*求不ぐふとくさんには*怨憎おんぞう会苦えくそうじてはっづく。

↢「五ヒツ」↡、八苦[リ]テ↢生苦・老苦・病苦・死苦・アイベチワカレクルシミ[ヲ]↢五苦也。更クハフレバ↢三苦↡即↢八苦↡。一[ニ]オムジヤウ、二[ニ]不得苦、三[ニ]オンアダ ゾウソネミ苦、ソウジテ↢八↡也。

^このじょく五苦ごくはっとう六道ろくどうつうじてく、 いまだなきものあらず。 つねにこれを*逼悩ひつのうす。 もしこのけざるものは、 すなはち*凡数ぼんじゅしょうにあらず。

五濁・五苦・八苦等[ハ]ツウジテ↢六道、未↠有↡。常ヒツナウ↡。若↢此、即凡数ボムジユセフオサム↡也。

^うん当見とうけん」 といふ以下いげは、 これにん*苦機くきすいして、 これらの*罪業ざいごうきはめてふかくして、 またぶつたてまつらず、 加備かびこうむらずは、 いかんがかのくにるべきといふことをかす。

↢「ウンタウ」↡已下[ハ]、此明↧夫人挙↢出シテ苦機クキ↡、罪業キワメクシテ、又[タテマツラ]↠仏カム加備カビ↡、云何ルベキトイフコトヲ↦於彼↥也。

二 Ⅱ ⅱ b ト (三)

^じょうらいしちどうありといへども、 ひろじょうぜんかんえんかしをはりぬ。

上来↠有リト↢七句不同↡、広↢定善↡竟[リ]ヌ

総結

【12】^はじめには*しょうしんじょかし、 つぎには*ぜんじょかし、 のちには*ほっじょかす。

ハジメニ[ハ]↢証信ジヨ↡、次ニ[ハ]↢化前序↡、後ニ[ハ]↢発起序↡。

^じょうらい三序さんじょどうありといへども、 そうじてじょ0498ぶんかしをはりぬ。

上来↠有[リ]ト↢三ジヨ不同↡、ソウジテ↢序分↡竟リヌ

かんぎょう序分じょぶん かんだい

 

延書の底本は高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本ˆ原漢文の底本と同一ˇ。 ただし返点については本派本願寺蔵版によるか。
五門 五分。 じょうようおん (523-592)・嘉祥かじょう大師吉蔵きちぞう (549-623) 等の諸師は ¬観経¼ に三分 (序分じょぶん正宗しょうしゅうぶんずうぶん) を立てて解釈するが、 善導ぜんどう大師は、 五分 (序分・正宗分・得益とくやく分・流通分・しゃ分) を立てて解釈する。
得益分 その経の教えによってやくを得ることを示す部分。
王宮にまします一会 王宮会のこと。 仏が王舎城おうしゃじょうなんだいのために説法した会座。
一会 しゃのこと。 阿難がしゃ崛山くっせんの大衆のために王宮会での仏の説法を再説した会座。 「散善義」 では耆闍分ともよぶ。
三分 善導大師は全四十五字の耆闍会 (耆闍分) にも序分・正宗分・流通分の三分があるとする。
正宗 正宗しょうしゅうぶんのこと。
勝を歎じて (¬観経¼ の教説が) すぐれていることを讃嘆さんだんして。
能説の人 教えを説く人。
能聴の人 教えを聞く人。
天法 天に生ずるための教え。 じゅうぜんの法。
 小乗しょうじょうの教え。
 だいじょうの教え。
歴々了然 きわめて明らかであること。
随心の起行 (しゅじょうが) その心にしたがって行をおこすこと。
各益の不同 (その行によって得る) やくはそれぞれ同じではないということ。
業果の法然 業因によって果報を得ることが道理として自然にあること。
可信を証誠せん 信ずべきことを証明しよう。
禁父の縁 じゃが父のびん婆娑羅ばしゃら王を幽閉する因縁。
禁母の縁 阿闍世が母のだいを幽閉する因縁。
厭苦の縁 韋提希が苦悩の穢土えどを厭う因縁。
欣浄の縁 韋提希が浄土を願い求める因縁。
散善顕行縁 散善行を顕す序文。 親鸞聖人は 「散善は行を顕す縁なり」 (化身土文類訓) と読み、 「自力の散善は他力念仏を顕す縁」 と転意した。
定善示観縁 定善観を示す序文。 親鸞聖人は 「定善は観を示す縁なり」 (化身土文類訓) と読み、 「定善は他力の信心 (観) を示す縁」 と転意した。
 化前序の七段を指してならばこれは 「一」 の誤りと思われる。【4】の標列を一と考えて二としたものか。(有国)
起化の時 説法教化をおこす時。
純凡 ぼんのみ (がいる場所)。
純聖 聖者のみ (がいる場所)。
 父王を殺すという逆罪。
耆闍 しゃ崛山くっせんのこと。
耆山 耆闍ぎしゃ崛山くっせんのこと。
二には… 以下、 「大比丘びく衆」 の大についていう。
総大 以下の七大の総句。
相大 すがたがすぐれていること。
衆大 僧衆が巧みに和合していること。
耆年大 長老の比丘であること。
数大 比丘の数が多いこと。
尊宿大 高徳の長老であること。
内有実徳大 内に尊い徳をそなえていること。
果証大 すぐれた証果を得ていること。
猶置 安置の意。 あるいは由致 (由序) の意か。
羅漢道 阿羅漢果。 →阿羅あらかん
舎利 しゃ利弗りほつのこと。
道果 阿羅漢果。 →阿羅あらかん
結集の家 経を結集けつじゅうした人。
簡び 区別して。
真門に入る 真実の教えである仏法に帰入すること。
気習 じっに同じ。
砕身の極 仏の恩徳は身を砕いてもなお報じがたいほど深いという意。
六種に振動す →六種ろくしゅ震動しんどう
邪網を掴裂し よこしまな教えの網を切り裂いて。
百姓 (王舎城中の) 人民。
王舎 王家の舎宅。
無憂の世界 いかなる憂いもない極楽世界。
霊儀を影現し 釈尊が十方の仏の尊いありさまをだいに示したことをいう。
三福の因 往生の因であるところの散善さんぜん三福さんぷくの行。
定門 じょうぜんの法門。
九章の益 ぼんの散善のやく
この地の往翻には 中国語の意訳では。
未生怨 出生以前より既に父に怨を懐いた者という意。
継祀 先祖の祭祀をうけつぐこと。 ここでは王位を相続する者の意。
心口をもつて 心に殺意をいだき、 口に命令を発して。
王において… 王に害を加えるであろう。
捨属 (生れてくる子に) 与えること。
平章 正しく明らかにすること。 ここでは適切な処置をとるという意。
 風聞。 うわさ。
外人 王族以外の人々。
為人匈猛 性格が凶暴であること。
仏会 釈尊の説法の会座。
身通 神足通じんそくつうのこと。 →ろく神通じんずう
他心 他心通たしんつうのこと。 →ろく神通じんずう
跏趺正坐 けっ趺坐ふざに同じ。
空無礙の想 くうを自由自在に行く想い。
摂取 おさめとること。
堪任するところなし (教団を率いてゆく) 能力がない。
罔極の恩 極まりない恩。
逆の響き 逆罪を犯したという噂。
人間 人の出入りするところ。
外人 他の人々。
 蜜蝋のこと。 蜂蜜の巣を精製してつくった蝋。
漿 汁。
門家 守門の者。 門番のこと。
異計 特別なはかりごと。
宿縁業 過去の因縁いんねん
 酥蜜のこと。 牛乳を精製してつくった乳酥に蜂蜜を加えたもの。
麨団 乾麨のこと。 炒った麦をひいた粉。 麦こがし。
朝心 王の心の意か。
別親 母方の親類。
門師 びんしゃ王家の師匠。
幽難 幽閉の難。
 屈請くっしょう。 尊い人の来臨を請うこと。
時節長遠 (戒をたもつべき) 時間が長いこと。
余の仏経 ¬じゅじゅう善戒ぜんかいきょう¼ などを指す。
持心極細極急 戒をたもつ心が細密で精励であること。
用心 (戒をたもつ) 心がまえ。
 細密。
戒文 戒を説く律文。 ¬分律ぶんりつ¼ ¬分律ぶんりつ¼ など。
仏子 かいの人。 仏弟子。
今旦・明旦 今朝・明朝。
 正午。
悪習 悪の余残の気分。
 ¬じゅじゅう善戒ぜんかいきょう¼ などの経。
快鷹 空を早く飛ぶ鷹。
来業を資せんと擬す 来世の果報を招く業因の資糧にしたいと望む。
発遣 (富楼那ふるなを) 派遣すること。
二七有余 十四日余り。 ¬観経¼ には 「三七日」 とある。
三七 二十一日間。
意密の問 本心を隠した問いかけ。
万基の主 国を統治する者。 国王。
挙動… 行動が気ままであってはならない。
悪逆の声 悪逆を犯したという評判。
 乾麨のこと。 炒った麦をひいた粉。 麦こがし。
夫人の… だい夫人が食物をもちこむことができたのは、 じゃがあらかじめこれを禁じていなかったからである。
門制 宮殿の出入りについての制禁。
後の正行 行為そのもの。
沙門 目連もくれん富楼那ふるなのこと。
慈母 だいのこと。
 じゃのこと。
八方 四方およびゆい。 ここではすべての民衆のこと。
顔を犯して 遠慮しないという意。
家兄 じゃのこと。
古今の書史歴帝の文記 古今の歴史書や歴代帝王の記録。
京邑神州 京邑は都、 神州は国土の美称。 ここではおう舎城しゃじょう摩竭陀まがだこくを指す。
無聞の地 たよりの聞えないようなところ。
剣を按ずる 剣のつかに手をおく。
諌辞 (じゃを) いさめることば。
却行而退 後向きに退くこと。
異計 (阿闍世を追放するための) 陰謀。
情地 心地。 気持ち。
 大臣。
訝楽 憩いたのしむこと。
水泄すら通ぜず 水も漏らさないように厳重に警備するという意。
彼此 彼は釈尊、 此はだいびんしゃ王を指す。
穢質の女身 →補註10
福因尠薄なり 過去の善根ぜんごんの因がとぼしい。
三たび致請 仏を懇請こんせいすること。 三度請をかさねることは仏を請ずるときの礼法。
ここ 耆闍崛山。
かしこ 王舎城おうしゃじょうの王宮。
未聞の益 いままでに聞いたことのないすぐれたやく
鉤帯 瓔珞のとめひも。
婉転 ころびたおれること。
身の威儀を正しくして 身だしなみをととのえて。
径路 (じゃ王が逆罪をおこすに至った) 道筋。
甘心 甘んじて受けるの意か。 またここでの甘を厭の義と解する説もある。
by>とじっのこと。
別して… →だい別選べっせん
増上の勝因 この上なくすぐれた原因。
三本の悪果 地獄・餓鬼がきちくしょうの三悪道の果報。
三の苦聚 三悪道さんまくどうのこと。
経にのたまはく… 引用は ¬華厳経¼ 等の諸経の取意の文か。
簡ばず 区別しない。
生処 往生すべき浄土。
得生の行 往生を得るための行業。
意密 密意みっちに同じ。 仏の深いみこころ。
所現 金台に現れた十方仏国のありさま。
甘露 ここでは浄土の法門を甘露に喩える。 →かん
衆聖 数多くの聖者たち。 ここでは諸仏のこと。
指讃 阿弥陀仏の浄土を指し示してほめたたえること。
別行 阿弥陀仏の浄土に往生するための特別な行。
 じょうぜんに入るためのてだて。
四種の荘厳 定善十三観をほうしょうぼうに分け、 そのそれぞれに通と別とを分つので、 四種のしょうごんとなる。
前境 所観の境としての正二報しょうにほう荘厳相そうごんそう
下の観門 定善十三観のこと。
威儀 ふるまい。 作法。
記を授く →じゅ
第三の果 声聞乗しょうもんじょうの修道階位である四向四果のうちの阿那含果のこと。 →阿那あなごん
所求の行 阿弥陀仏の浄土に往生するための行。
告命許説 告命は仏が韋提希に告げること。 許説は仏が韋提希の願いをききいれて法を説くこと。
 所観の境。 観想の対象となるところの浄土。
分斉遠からず ここでの分斉は程度の意。 十万億刹は二十万億刹、 三十万億刹等の距離に比べれば遠くないということ。
道里 (西方浄土への) みちのり。
定境相応して 定心と所観の境が合致して。
浄境 清浄しょうじょうなる境界であるところの浄土のありさま。
定門 じょうぜんの法門。
定・散 じょうぜんの機と散善さんぜんの機。
生を摂するに尽きず すべてのしゅじょうをおさめとることはできない。
 ¬さつ処胎しょたいきょう¼ 等の諸経を指す。
能生の因・所生の縁 父は子種を下すから子をく生ずる因といい、 母は子種をたもち育てるから子を生ずる所の縁であるという。
飢倹 飢饉。
縦横 至るところにあること。
幢相 はたじるし。 袈裟は煩悩ぼんのうの敵を破るはたじるしに喩えられる。
仏母… 以下の説は ¬だいほう便べんぶつ報恩ほうおんぎょう¼ に出る。
敬上の行 かみを敬う行為。
 異本には 「恕」 とある。
慈下の行 しもを慈しむ行為。
戒徳巍々として 戒をたもつ徳はおごそかである。
少分戒… 少分戒は戒のうちのいくつかをたもつこと。 多分戒は戒の過半をたもつこと。 全分戒は戒のすべてをたもつこと。
 だいじょうのこと。
弘心 大乗のさとりを求める心。
来去を迎送して 来る者を迎え、 去る者を送って。
後際を徹窮し 未来永遠に。
印を… 臘印を熱い泥土におすと臘印は壊れるが文字のみが残る。
勅聴許説 勅聴は仏がだいに聞くことを命じること。 許説は仏が韋提希の願いに応じて法を説くこと。
正受の方便 じょうぜんかんの方法。
二人 なんと韋提希を指す。
来潤 未来のしゅじょう。 潤は法のうるおいを受くべき者の意。
進道の資糧 さとりの道をあゆむためのかて。
下の観門 じょうぜん十三観。
未来 未来世のしゅじょう
貪欣 ねがい求めること。
竹 竹の皮を薄く編んだものの意か。 異本には 「竹篾」 (竹の皮の意) とある。
心境相応して 観ずる心と観の対象とが完全に合致して。
無生の忍 しょう法忍ぼうにんのこと。
得処 無生法忍を得るところ。 善導ぜんどう大師はだいが無生法忍を得るのは第七華座けざかんのはじめに住立じゅうりゅうくうちゅうそんがあらわれるところにおいてであるとする。
勇猛専精 いさましく一筋にはげむこと。
十信の… 無生法忍は十信じっしん位のぼんの得るやくであって、 じゅうじゅう十行じゅうぎょう以上の高位の菩薩の得る利益ではないとするのが善導大師の理解である。
解行以上 (十信に続く) じゅうじゅう十行じゅうぎょう以上の位。
凡・聖 凡夫、 聖者。
夫人は… じょうようおん (523-592) 等の諸師が韋提希を高位の聖者としたことを受けていう。
普悉 あまねく知るの意か。
前の恩 仏の力によって光台のうちに十方諸仏の国土を見ることができたことを指す。
浅促 心が浅く寿命が短いという意。
泯じて 減らして。
人年 人間の寿命。
磨滅 死。
蠢々周慞して うごめきあわてて。
断命の苦因 苦の原因となる殺生せっしょう
愛別苦 愛別あいべつ離苦りくのこと。
苦機 苦悩の機類。
底本は◎高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本[ただし訓は○浄聖全三巻の宗祖加点本と全同ではなく大幅に標準化されているため、 相違を†、 加を‡、 減を [ ] で示した]。 Ⓐ大谷大学蔵鎌倉時代刊本、 Ⓑ龍谷大学蔵(写字台旧蔵)室町時代刊本、 Ⓒ本派本願寺蔵版¬七祖聖教¼所収本 と対校。 ª全部対校º 辯→Ⓒ辨
→Ⓑ
→Ⓒ即[此]
→Ⓑ
→Ⓒ
→Ⓑ
→Ⓒ
→Ⓒ
→◎ⒶⒷ
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓒ
→◎
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓒ者[者]
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓑ
ト云
マデ
→○
リヌレバ→○コウジテ
→○チン
ヲハリテ→○アマネ
シテ…伝↦持セシメムト末代↥、…勧↠学→○シテデンシテ末代↡、…クワンセムト↧、
…也→○スル…也
[ココロ]→○二意
ムル→○レル
ズレバ→○ジテ
→○
→○スルコトヲ
[ゴン]→○コトバ
シタマフ…。→○[シ]玉フニ…、
→○
シテ
随心起行→○↠心スニ↠行
→○スルコト
不同→○[ジカ]ラ
タル→○トシテ
キヲ↢錯失↡→○シヤクアヤマリシチ
↩明シテ↧…、…、…承クルコトヲ↥、表セムト↝…→○↠明[サム]ト↧…、…、…ケテヘウスルコトヲ↞…
↪明シテ↧…、…従ヒテ↠仏クトイフコトヲ↥、証↩誠セムト可信→○↠明[サム]ト↧…、…↠仏イテ、証誠スルコトキコトヲシンジツ
スルニ→○シテ
→○
→○スルナリ
…者→○
[ス]ルニ↢説法セムト→○↠説[キ]下ハムト↠法
↢於時処→○↢時シヨ
衆生開悟→○衆生カイスルコト
↢於時処→○↢時処↡
説法シタマフ→○[キ]下フコト↠法
シハ一二トノ→○若多一二処
不↠増不↠減→○セズ↠増ゼズ↠減
ケテ→○サヅ
→○イフハ
→○シヽ
→○ナリ
…。→○[シ]テ…、
[ト]↢二衆↡→○トモ↢二衆
[オイ]→○
キタマフ→○カシメ下[フ]
↢此悪逆↡因縁→○オコスコトヲ↢此悪逆因縁
…。→○…、
ビタマフハ→○ンデ
ビタマフハ→○ン下フ
トイフ→○
スルコト五欲→○五欲
レバ→○ミレバ
レドモ→○
ナレバ→○ニシテ
→○
…。→○シテ…、
↢…↡→○↢益…↡
ズハ→○ザレバ
→○
→○ネタリ
所以[ユエン]→○所以 ユヘ 
云何ナルカ→○云何
ナル
…。→○…、
→○
シテ↢一処→○シテ一処ニシテ
ザル↢外道→○↢外道ナラ
→○
→○
スト→○
→○
シテ→○セシメテ
ルレバナリ↧…、ルコトヲ…。→○オソラクハ↧…、ルコトヲオサ…、
メテ↢自ヅカ↡、不↠聴シタマハ↢…→○↢自チカヅケテユル
スト→○
ヨリ→○
…。[リ]テ…、
→○レタリ
フコトヲ→○ヒ下フコト
尋↢思スルニ…↡→○イデオモフニ↢…↡
砕身之極→○クダキワマリ
ナリ→○タリ
シク→○マノアタ
→○
→○
ギタル→○グレタル
コト
…。→○スルニ…、
…。→○…、
→○
十方↡。無量仏土→○十方無量仏土↡。
→○シテ
シテ→○
…。→○…、
[アメフ]ラシ→○ラシテ
…。→○ベテ…、
セシム…。→○サトラシメ…、
…、→○…。
ルハ→○ト云コト
…。→○…、
ナルコト→○ニシテ
不↠可カラ↢思議→○可思議ナリ
化前→○サキ
禁父→○キンズル↠父
城中→○
ラク
↠今→○コン
ナンヂ→○卿等 ナンヂ
→○ラム
フベシト↢…ルト[シヤ]→○ルトイヘ
リテ→○ケテ
相伝シテ→○ツタヘテ
↧…/……故ラニクルコトヲ↦…↥→○↧…/…故名 ナヅ ケタルコトヲ↦…↥
ナリ→○アリ
→○
→○ナリ
…者→○
→○
ズル
→○
無憂→○ウレヘ
シタマフニ…、→○…。
→○ズルニ
↟悞→○ルコトヲアヤマ
トイフ→○イハ
→○ニハ
レドモ→○ルニ
→○ツベシ
命終リテ→○イノチオハ
捨命スル→○ツベキ↠命
…。→○フラク…、
ラシメ→○[リ]テ
キテ→○カシメテ
ハシム→○
ルニ→○レドモ
クルシ↠不ルニ↠…→○タシナンデ↠…
→○イマ
捨命シテ→○テヽ
云リ
[ユ]キタマヘト→○オモムキ下ヘ
使人→○使人 ツカヒ
王請→○シヤウズル
スル↢即ケト↡者→○チヨクオモブ
[アルジ]→○ヌシ
所有→○シヨ
ルヤ→○
…。→○スラク…、
ゼムニ→○ハムニ
…。→○スルニ…、
↢人ヲシテ↟我→○ツカハシテ↠人セツ↠我
ラバ…者→○
→○カヘ[リ]テ
メムト↢人ヲシテ↟王→○シテ↠人コロサム↠王
→○ケツ
有身スト→○有身 ハラ ミヌト
→○ナン
→○ニシテ
ルベシト→○ラム
→○イテ
平章セム。相師→○ビヤウシヤウセム[ヲ]
→○ヘリ
シテラムニ↢…↡→○チテカバ↢…↡
フルコト→○ウレヘ
→○メル
→○
ツルニ→○チテ
小指→○ユビ
↧…起スガ↢…↡対シテ↢…↡顕↦発スルニ…↥。→○ルガ↣…起スニ↢…↡ムカヒテ↢…↡顕↢発…↡。
[ネタ]→○ソネ
奉↢上→○奉↢上タテマツ
名衣→○アルコロモ
上服→○スグレタルキモノ
ニシテ
送↢向シテ…↡→○オク[リ]テムカヘテ↢…↡
→○
→○コトヲ
人者 ナンヂ →○人者 キミ ナンヂ
↢人トシテフルモノ→○↠人↠教[フ]ル
→○ホトリ
→○
ヘヨト→○[ヘ]玉ヘヨ[ト]
不…。→○シテ…、
↢仏→○↢仏シヨ
悪計→○ハカリゴト
ビテ→○ヨバ[ヒ]テ
セシメテ→○シテ
↢…挙グルコトヲ↟身→○ヘテゲテ↠身
タリト↠動クニ→○タラシム動想ドウソウ
…、→○…。
空中→○
…、→○ゲヨ…。
セヨ→○スベシ
ルニ…、→○ベシ…。
。上↠空リテ→○↠上ソラオハリナバ
→○ルベシ
→○ホン
↣…入ルト↢…↡、作↢…想→○、…入[ラ]シム↢…↡、スコトヲ↢…
↧…、…不↞…→○、…、…ルコトヲ↠…
↧…自在ナリ、…、…捉↦動スト…↥→○、…ナルコトヲ、…、…ウゴカスト…↡
→○ナル
シテ→○
タリ…。→○…、
タリ→○
身上→○
身下→○
…。→○…、
→○ヨバ
→○ヨバ
→○
→○
→○
ナル→○スル
→○コトヲ
…。→○ラク…、
→○カク
→○
→○セム
↠如クナラ→○ザル↠如
ツニ→○テバ
悪狗→○シキイヌ
→○イヌ
→○シキコト
ナリ→○ニス
キタマフ↠法→○説法
↣於徒衆…付↢嘱シタマヘト→○モト↢於シユ↡…↢嘱[シタマ]ヘト
将養シタマフ→○マサヤシナヒ上ル
→○コトバ
タマフ→○下ヘル
→○[ク]ニシテ
毒箭→○ドク
シテ→○
今日→○今日 ケフ 
セルコト→○セリ
スル→○セル
→○[レ]リ
スル→○セル
イタリ→○[イ]玉ヘリ
→○シ玉ウ
→○ハジメ
メテ↧夫人ヲシテ…生→○ツカハシテ↢夫人↡…生ゼシメテ
…。→○メシカドモ…、
メムト→○ムルコト[ヲ]
→○セリ
ノミ
…者→○
タマヘ→○
→○
→○シルシ
不実ナラバ→○↠実ナラ
↢随順調達悪友之教→○↣随スト↢順調達悪
→○父王
セラルル→○スル
→○
悪計→○ ゴト
→○ナサケ
→○タヾチ
スル→○ウシナウ
罔極→○キワマ
テリ→○ツコトヲ
→○
↢父↡者→○
→○ マリ
→○ フハ
→○コト
カラ↣…禁↢…↡…無ケレバナリ↢…↡→○カラ↧…禁ジテ…↡…無カル↦…↥
トシテツトモ↢…↡→○オサメテヘタリ↢…↡
レバ→○[リ]テ
→○
コトヲ
スルコト
…、→○…。
→○
→○タム
乾麨→○カハケルセウ
ヒテ→○
↢瓔珞↡孔一頭→○↢瓔珞アナハシ
→○イデ
漿→○漿コムヅ
マミユル→○
→○
下ハ[リ]
マミユルコトヲ↠王→○[ル]コトヲ↠王
→○ヲバ
…者→○
ナリテ→○
→○
シク→○イツクシク
ニシテ→○ナリ
異計→○コトナハカリゴト
クシテ→○
別体同心ニシテ→○ベチナレドモタイ
マミ↠王→○見↠王
→○ネブベキ
身上→○
モテ→○シテ
ルニ
→○
ルコトヲ
→○
宮内→○
→○ヘテ
ト云ヨリ
コト→○
シテハ→○セルヲ
→○コヽロ
ズル→○オモクスル
奉↢請スルニ…↡→○ルニ↠請ジ↢…↡
受戒→○ルニ↠戒
ナルコト
スニハ→○シテ
→○
イタハシク→○ワヅラハシク
ルコト無量ナルニ→○スデ
→○
スル→○セム
→○イハ
仏経キタマフガ→○仏経説
→○
極細極急ナリ→○メテコマカナリメテキフナリ
トノナル→○サイナリト云
→○[リ]テ
↣諸仏ルガ↢殺生シタマハ→○↢諸仏↢殺生↡、
→○ノウナラム
ツト→○テ□□
ルマデ→○[リ]テ
→○シ下ハ
→○
已還→○已還コノカタ
→○ヒトシク
→○
得…。→○ルニ…、
→○
→○ボン
ラム→○
快鷹→○タカ
→○タカ
→○タグヒ
→○
[ヲ]シテ
ヰム…受クルヲ↟…→○スベカラベ  ↟…
→○ヨバ
→○サム
望↢欲シテムコト↠善キコトヲ↡擬↠資セムト↢来業→○マウヨクシヤク増高ゾウカウニシテスルコトヲセムコトヲ来業ライゴフ
↧…、愍↢念シタマフニ…↡、/…除カシメタマフコトヲ↦…↥。→○↣…、ミン↢念[シ]玉フコトヲ…↡。/…除↢…↡。
ズル→○ゼム
説法→○
→○カシメ
↧…、…開↢…↡、…、…、…、…、致スコトヲ↞使ムルコトヲ↢…↡→○↧…、…開クコトヲ↦…↥。…、…、…、…、致↠使[ムル]コトヲ↢…↡
→○ナイヨリ
ナリ
↧…、…、…、…応↠終也、…、…、…猶存在セリトイフコトヲ→○↢…、…、…、…キコトヲ↟終也。…、…、…猶存在セリ
→○ソウジテ
ヒテ→○ハク
今者 イマ →○
→○ボンイヒ
→○
云何→○云何 イカヾ
→○
→○シカ
セリヤ→○セルカ
→○モン
→○タヾ
レバ…主ナレバ→○