0394◎観かん経ぎょう0499定じょう善ぜん義ぎ 巻かん第三だいさん

沙門しゃもん*善導ぜんどう集しゅう記き

一 総評定正宗
  Ⅰ 標指

【1】 ◎^これより以下いげは、 次つぎに△*正宗しょうしゅうを弁べんず。 すなはちその*十じゅう六ろくあり。 また一々いちいちの観かんのなかにつきて、 文もんに対たいして*料りょう簡けんす。 労わずらはしくあらかじめ顕あらわさず。

◎▲従0720リ↠此 レ已下ハ、次ニ弁ベムズ↢正宗ヲ↡。即チ有リ↢其ノ十六↡。†還タ就ツキテ↢一一ノ観ノ中ニ↡、対タイシテ↠文ニ料簡ス。不ズ↢労イタハシク預アラカジメ顕サ↡。

一 Ⅱ 弁定

^いま正宗しょうしゅうを定さだめ立りゅうすること、 *諸しょ師しと同おなじからず。

~今定メ↢立スルコト正宗シユヲ↡、与ト↢諸師↡†不↠同ジカラ。

^いまただちにもつて法ほうにつきて定さだめば、 日観にっかんの初はじめの句くより下しも下げ品ぼん下げ生しょうに至いたるこのかたは、 これその正宗しょうしゅうなり。 日観にっかんより以い上じょうは多義たぎの不ふ同どうありといへども、 この文勢もんせいを看みるに、 ただこれ*由ゆ序じょなり、 知しるべし。

~今直タダチニ以テ就キテ↠法ニ定†メバ者、従リ↢日観ノ初ノ句ク↡下至ル↢下品下生ニ↡已来タハ、是其ノ正宗ナリ。従リ↢日観↡已上ハ雖モ↠有リト↢多タ義ノ不同↡、看ミルニ↢此ノ文勢セイヲ↡、但是由ユ序ジヨ也ナリ、応ベシ↠知ル。△

二 別解釈定善
  Ⅰ 正釈
    ⅰ【日観】
      a 標

【2】 ^初はじめの*日観にっかんのなかにつきて、 *先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその五ごあり。

▲就キテ↢初ノ日観ノ中ニ↡、先ヅ挙アコ ゲ、次ニ弁ベムジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ五↡。

二 Ⅰ ⅰ b 釈
        イ 釈総告総勧文
          (一)科節

^一いちに ▲「仏告ぶつごう韋い提だい」 より下しも 「想そう於お西方さいほう」 に至いたるこのかたは、 まさしく総そうじて告つげ、 総そうじて勧すすむることを明あかす。

一ニ従リ↢「仏告韋提」↡下至ル↢「想於西方ニ」↡已来タハ、▲正シク†明ス↢総ジテ告ゲ総ジテ勧ムルコトヲ↡。

二 Ⅰ ⅰ b イ (二)述意

^これは*韋い提だい▲前さきに弥陀みだ仏国ぶっこくを請しょうじ、 ▲また*正しょう受じゅの行ぎょうを請しょうずるに、 如来にょらい (*釈尊) 時ときに当あたりてすなはち許ゆるしてために説ときたまふことを明あかす。

~此ハ明ス↧韋提前ニ請ジ‡↢弥陀仏国ヲ↡、又請ズルニ↢正受之ノ行ヲ↡、如来当アタリテ↠時ニ即チ許ユルシテ為ニ説キタマフコトヲ↥。

・未聞之益

^*ただ機き縁えんいまだ備そなはらざれば、 行ぎょうを顕あらわすこといまだあまね0395からざるをもつて、 さらに▲*三福さんぷくの因いんを開ひらきて、 もつて*未み聞もんの益やくをなし、 また如来にょらいかさねて告つげて*流る通ずうを勧発かんぽつしたまふ。 この法ほう聞ききがたければ、 広ひろく開かい悟ごせしむ。

~†但以テ↢機縁未ダレバ↠備ソナハラ顕スコト‡↠行ヲ未ザ ダルヲ↟周アマネカラ、更ニ†開キテ↢三福之ノ因ヲ↡、以テ作ナシ↢未ミ聞之ノ益ヲ↡、△▲又如来重カサネテ告ゲテ勧↢発シタマフ流通ヲ↡。此ノ法難†ク↠聞キ、広ク令シム↢開悟ゴセ↡。

二 Ⅰ ⅰ b イ (三)釈文

・告勧

^「▲仏告ぶつごう韋い提だい汝にょ及ぎゅう衆しゅ生じょう」 といふは、 これ告勧ごうかんを明あかす。 もし等ひとしく*塵労じんろうを出いでて仏国ぶっこくに生しょうずることを求もとめんと欲ほっせば、 よろしくすべからく意こころを励はげますべし。

▲言フ↢「仏告韋提汝及衆生ト」↡者ハ、此明ス↢告勧ヲ↡。若シ欲ホチセバ↧等シク出デテ↢塵労ヂンラウヲ↡求メムト↞生ズルコトヲ↢仏国ニ↡者ハ、宜ヨロシク↢須スベカラベ  クシ↠励ハゲマス↠意ヲ也。

・衆生散動

^▲「応当おうとう専心せんしん」 といふ以下いげは、 これ▲衆しゅ生じょう散動さんどうして識しき、 猿猴えんこう0500よりも劇はげしく、 心しん六塵ろくじんに遍へんしてしばらくも息やむに由よしなきことを明あかす。 ただおもんみれば*境きょう縁えん一いちにあらず、 目めに触ふれて*貪とんを起おこし想おもいを乱みだす。 心しんを三昧さんまいに安やすんずること、 なんぞ得うべけん。 *縁えんを捨すて静じょうに託たくするにあらざるよりは、 相続そうぞくして心しんを注とどめんや。

言フ↢「応当専心ト」↡已下ハ、▲此明ス↧衆生散動ドウシテ識†劇シク↢猨ヱム猴コウ0721ヨリモ↡、心遍ヘムシテ↢六塵ニ↡無キコトヲ↞由ヨシ↢暫シバラクモ息ヤムニ↡。†但以オモムミレバ境キヤウ縁非ズ↠一ニ、触フレテ↠目メニ起†シ↠貪ヲ†乱ス↠想ヲ。安ズルコト↢心ヲ三昧ニ↡、何ナンゾ容↢可 ベ †ケム得ウ↡。自ヨリハ↠非†ザル↢捨ステ↠縁ヲ託タクスルニ↟静ジヤウニ、相続シテ注トドメム†ヤ↠心ヲ。

・直指西方

^▲ただちに西方さいほうを指さすは、 *余よの九く域いきを簡えらぶ。 ここをもつて身みを一いつにし、 心しんを一いつにし、 回え向こうを一いつにし、 処しょを一いつにし、 境きょう界がいを一いつにし、 相続そうぞくを一いつにし、 帰依きえを一いつにし、 正しょう念ねんを一いつにす。 これを想そう成じょう就じゅして*正しょう受じゅを得うと名なづく。 此し世せ・後ご生しょう、 心しんに随したがひて解げ脱だつす。

~直タダチニ指サス†ハ↢西方ヲ↡、簡ブ‡↢余ヨノ九†域ヲ↡。是ヲ以テ一ニシ↠身ミヲ、一ニシ↠心ヲ、一ニシ↢廻向ヲ↡、一ニシ↠処ヲ、一ニシ↢境界ヲ↡、一ニシ↢相続ヲ↡、一ニシ↢帰依ヲ↡、一ニス↢正念ヲ↡。是ヲ名ク↣想成就ジユシテ得ウト↢正受ジユヲ↡。†此世・後ゴ生‡、随ヒテ↠心ニ解脱ス也。

二 Ⅰ ⅰ b ロ 釈牒所観事文
          (一)科節

^二にに ▲「云うん何が作さ想そう」 より下しも 「皆見かいけん日没にちもつ」 に至いたるこのかたは、 まさしく所観しょかんの事じを*牒でっすることを明あかす。

二ニ従リ↢「云何作想ト云」↡下至ル↢「皆見日没モチニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↠牒デウスルコトヲ↢所観ノ事ヲ↡。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (二)述意

^これもろもろの衆しゅ生じょう等とう久ひさしく*生しょう死じに流ながれて、 安心あんじんを解さとらず。 西方さいほうを指さすといへども、 いかんが作意さいするといふことを知しらず。 ゆゑに如来にょらいために反問はんもんを生しょうじ疑ぎ執しゅうを遣除けんじょせしめ、 もつて正しょう念ねんの方ほうを示しめしたまふこと0396を明あかす。

~此明ス↪諸ノ衆生等久シク流ナガレテ↢生死ニ↡、不ズ↠解サトラ↢安心ヲ↡、雖モ↠指スト↢西方ヲ↡、不ズ↠知ラ↢云何ガ作意イ†スルトイフコトヲ↡、故ニ†使メ↧如来為ニ生ジ↢反問ハンモンヲ↡遣↦除セ疑ギ執シフヲ↥、以テ示シメ†シタマフコトヲ↩正念之ノ方ヲ↨。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (三)釈文

・牒前顕後

^「▲凡ぼん作さ想そう」 といふは、 これ総そうじて前さきの意こころを牒でっして、 後のちの入にゅう観かんの方便ほうべんを顕あらわすことを明あかす。

言フ↢「凡作想ト」↡者ハ、▲此明ス↧総ジテ牒シテ↢前ノ意ヲ↡†顕スコトヲ↦後ノ入観之ノ方便ヲ↥。

・得生之類

^「▲一切いっさい衆しゅ生じょう」 といふは、 総そうじて*得とく生しょうの類るいを挙あぐ。

言フ↢「一切衆生ト」↡者、▲総ジテ挙アグ↢得生之類ルイヲ↡。

・機堪不堪

^▲「自非じひ↓生しょう盲もう」 といふ以下いげは、 これ*機きの堪かんと不ふ堪かんとを簡えらぶことを明あかす。

▲言フ↢「自非生盲マウト」↡已下ハ、此明ス↠簡ブコトヲ↣機キノ堪カント与トヲ↢不堪↡。

^「↑*生しょう盲もう」 といふは、 母も胎たいのなかより出いでて、 眼まなこすなはち物ものを見みざるものを名なづけて生しょう盲もうといふ。 この人ひとには教おしへて日観にっかんをなさしむることを得えず。 日輪にちりんの光相こうそうを識しらざるによるがゆゑなり。

~言フ↢「生盲ト」↡者、従リ↢母胎ノ中↡出デテ、†眼‡即チ不ザル↠見ミ↠物ヲ者ヲ名ケテ曰フ↢生盲ト↡。此ノ人ニハ不ズ↠得↣教ヘテ作ナ†サシムルコトヲ↢日観ヲ↡。由ヨルガ↠不ザルニ↠識ラ↢日輪リンノ光相ヲ↡故†ナリ。

^生しょう盲もうを除のぞきて以外いげ、 縁えんに遇あひて患うれふるものには教おしへて日観にっかんをなさしむるに、 ことごとく成じょう就じゅすることを得う。 いまだ眼まなこを患うれへざる時とき、 その日輪にちりんの光こう明みょう等とうの相そうを識しるによりて、 いま目めを患うれふといへども、 ただよく日輪にちりん等とうの相そうを取とらしめて、 正しょう念ねんに堅けん持じして時じ節せつを限かぎらざれば、 かならず成じょう就じゅすることを得う。

~除ノゾキテ↢生盲ヲ↡以イ外、遇アヒテ↠縁ニ患ウレフル者モノニハ教ヘテ作ナサシムルニ↢日観ヲ↡、尽コトゴトク得ウ↢成就スルコトヲ↡。由ヨリテ↣未ザ †ダル↠患ウレヘ↠†眼ヲ時、識シルニ↢其ノ日輪ノ光明等ノ相ヲ↡、今雖モ↠患ウレフト↠目ヲ、但令シメテ↣善ヨク取トラ↢日輪等ノ相ヲ↡、正念ニ堅ケンカタク持ヂシテタモツ 不ザレバ↠限カギラ↢時節ヲ↡、必ズ得ウ↢成就スルコトヲ↡。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)料簡
            (Ⅰ)問

 ^問とひていはく、 韋い提だい▲上かみの請しょうには極楽ごくらくの境きょうを見みんと願がんず。 如来にょらいの許こ説せつしたまふに及至いたりて、 すなはち先まづ教おしへて心しんを住とどめて日ひを観かんぜしむるは、 なんの意こころかあるや。

~問ヒテ曰ク、韋提ノ上ノ請ニハ願ズ↠見ミムト↢極楽之ノ境ヲ↡。†及↢至 イタ リテ如来ノ許コユルシ説シタマフニ↡、即チ先ヅ教ヘテ†住メテ↠心ヲ観ゼシムルハ↠日ヲ、有ル↢何ノ意カ↡也。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)答
              (ⅰ)標挙

^答こたへていはく、 これに三さんの意こころあり。

~答ヘテ曰ク、此 レニ有リ↢三ノ意↡。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)列釈
                (a)知方

^一いちには衆しゅ生じょうをして境きょうを識しり心しんを住とどめしめんと欲ほっして、 *方ほうを指さすことあることあり。 冬とう夏げの両りょう0501時じを取とらず、 ただ春秋しゅんじゅうの二に際さいを取とる。 その日ひ正しょう東とうより出いでて直西じきさいに没もっす。 弥陀みだ仏国ぶっこくは日没にちもつの処ところに当あたりて0397、 直西じきさい十じゅう万億まんおくの*刹せつを超ちょう過かす。 すなはちこれなり。

~一ニ者欲ホシテ↠令シメムト↢衆生ヲシテ識†リ↠境ヲ†住メ↟心ヲ、指サスコト↠方ヲ有リ↠在アルコト。▼不ズ↠取トラ↢冬トウ夏ゲノ両時ジヲ↡、唯タダ取ト0722ル↢春秋ノ二際サイキハヲ↡。其ノ日ヒ正東トウヨリ出デテ直西ヂキサイニ没モツス。弥陀仏国ハ当アタリテ↢日没イルノ処ニ↡、†直西超↢過†ス十万億ノ刹セチヲ↡。即チ是ナリ。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)知業
                  (イ)総標

^二にには衆しゅ生じょうをして自じの*業ごっ障しょうに軽重きょうじゅうあることを識しき知ちせしめんと欲ほっす。

~二ニ者ハ欲ホス↠令シメムト↤衆生ヲシテ識↣知セ†自ラノ業障シヤウニ有ルコトヲ↢軽重↡。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)徴問

^いかんが知しることを得うる。

~云何 イカン ガ得ル↠知ルコトヲ。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ハ)略答

^教おしへて心しんを住とどめて日ひを観かんぜしむるによる。

~由ヨ†ル↢教ヘテ†住メテ↠心ヲ観ゼシムルニ↟日ヲ。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)広述
                    [一]明観相
                      [Ⅰ]明住心方
                        [ⅰ]標挙

^▽はじめて心しんを住とどめんと欲ほっする時とき、

~初テ欲スル↠†住メムト↠心ヲ時、

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[一][Ⅰ][ⅱ]弁明
                          [a]教身威儀

^教おしへて*跏趺かふ正しょう坐ざせしむ。 右みぎの脚あし、 左ひだりのももの上うえに着つけてほかと斉ひとしくし、 左ひだりの足あし、 右みぎのももの上うえに安おきてほかと斉ひとしくし、 左ひだりの手て、 右みぎの手ての上うえに安おきて、 身みをして正しょう直じきならしめ、 口くちを合がっして歯ははあひ近ちかづくことなかれ。 舌したは上うえのあごを柱ささへよ。 咽喉いんこうおよび鼻び中ちゅうの気き道どうをして宣通せんつうせしめんがためのゆゑなり。

~教ヘテ令シム↢跏趺カフ正坐ザセ↡。△右ノ脚‡著ツケテ↢左ノモモノ上ニ↡与ト↠外斉ヒトシクシ、左ノ足‡安オキテ↢右ノモモノ上ニ↡与ト↠外斉ヒトシクシ、左ノ手テ‡安オキテ↢右ノ手ノ上ニ↡、令メ‡↢身ヲシテ正直ナラ↡、合ガフシテ↠口ヲ歯ハハ勿ナカレ↢相 ヒ近チカヅクコト↡。舌ハ柱ササヘヨ↢†上ノアギヲ↡。為ノ↠令メムガ↢咽喉エンコウノド及ビ†鼻中ノ†気道ヲシテ宣セム通セ↡故ナリ。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[一][Ⅰ][ⅱ][b]教心作相

^また身しんの四し大だいの内ない外げともに空くうにして、 すべて一物いちもつもなしと観かんぜしめよ。

又†令メヨ↠観ゼ↣†身ノ四大ノ内外倶トモニ空クウニシテ、都スベテ無シト↢一物モ↡。

^身しんの地じ大だいの皮ひ・肉にく・筋きん・骨こつ等とう、 心しんに想おもへ。 西方さいほうに散向さんこうして、 西方さいほうの際きわを尽つくすに、 乃ない至し一塵いちじんの相そうを見みずと。

身之ノ地ヂ大†ノ皮ヒカハ・肉ニク・シシムラ筋キムスヂ・骨コツホネ等トウ‡、心ニ想オモヘ。散↢向シテ西方ニ↡、尽ツクスニ↢西方ノ†際ヲ↡、乃至不ズト↠見↢一塵ヂン之ノ相ヲ↡。

^また想おもへ。 身しんの水大すいだいの血けつ・汗かん・津しん・涙るい等とう、 心しんに想おもへ。 北方ほっぽうに散向さんこうして、 北方ほっぽうの際きわを尽つくすに、 乃ない至し一塵いちじんの相そうを見みずと。

又想ヘ。†身之ノ水大†ノ血クヱツチ ・*汗カンアセ・津シンツ ・涙ルイナミダ等‡、心ニ想ヘ。散↢向シテ北方ニ↡、尽スニ↢北方ノ†際ヲ↡、乃至不ズト↠見↢一塵之相ヲ↡。

^また想おもへ。 身しんの風大ふうだい東方とうぼうに散向さんこうして、 東方とうぼうの際きわを尽つくすに、 乃ない至し一塵いちじんの相そうを見みずと。

又†想ヘ。身之風大散↢向シテ東方ニ↡、尽スニ↢東方ノ際ヲ↡、乃至不ト↠見↢一塵之相ヲ↡。

^また想おもへ。 身しんの火か大だい南方なんぽうに散向さんこうして、 南方なんぽうの際きわを尽つくすに、 乃ない至し一塵いちじんの相そうを見みずと。

又†想ヘ。身之火大散↢向シテ南方ニ↡、尽スニ↢南方ノ際ヲ↡、乃至不ト↠見↢一塵之相ヲ↡。

^また想おもへ。 身しんの空大くうだいすなはち十方じっぽうの虚こ空くうと一合いちごうして、 乃ない至し一塵いちじん不ふ空くうの相そうを見みずと。

又想ヘ。身之空大即チ与ト↢十方ノ虚空↡一合シテ、乃至不ズト↠見↢一塵不空之ノ相ヲ↡。

^また想おもへ。 身しんの五ご大だいみな空くうにして、 ただ識大しきだいのみありて*湛然たんねん凝住ぎょうじゅうす、 なほ円えん鏡きょうのごとく、 内ない外げ明照みょうしょうにして朗ろう然ねん0398として清浄しょうじょうなりと。

▲又想ヘ。身之五大†皆空ニシテ、唯タダ有リテ↢識大ノミ↡湛タンフカシ 然ネン アマネシ凝ギヨウトドム住ヂユス、†猶如†ク↢円鏡キヤウノ↡、内外明照ニシテ朗ラウホガラカ然トシテ清浄ナリト。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[一][Ⅱ]結前生後

^この想おもいをなす時とき、 乱想らんそう除のぞこることを得えて、 心しんやうやく*凝定ぎょうじょうす。

~作ナス↢此ノ想ヲ↡時、乱想得エテ↠除ノゾコルコトヲ、心漸ヤウヤク凝ギヨウ定ス。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[一][Ⅲ]正明日観

^しかして後のち、 徐々じょじょとして心しんを転てんじて、 あきらかに日ひを観かんず。 その*利り根こんのものは一いち坐ざにしてすなはち明みょう相そう現前げんぜんするを見みる。 境きょうの現げんずる時ときに当あたりて、 あるいは銭ぜにの大おおきさのごとく、 あるいは鏡きょう面めんの大おおきさのごとし。

~然シカウシテ後、徐徐ジヨジヨトシテ転テンジテ↠心ヲ、諦アキラカニ観ズ↢於日ヲ↡。△▲其ノ利根コンノ者ハ一坐ニシテ即チ†見ル↢明相現前スルヲ↡。当アタリテ↢境キヤウノ現ズル時ニ↡、或イハ如†ク↢銭ゼニノ大キサノ↡、或イハ如シ↢†鏡面ノ大キサノ↡。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[二]示業相
                      [Ⅰ]標挙

^この明みょうの上うえにおいてすなはちみづから↓業ごっ障しょう軽重きょうじゅうの相そうを見みる。

~於テ↢此ノ明ノ上ニ↡即チ自ラ見ル↢業障ノ軽重之ノ相ヲ↡。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[二][Ⅱ]列明

^一いちには黒こく0502障しょう、 なほ黒雲こくうんの日ひを障さふるがごとし。 二にには黄おう障しょう、 また黄雲おううんの日ひを障さふるがごとし。 三さんには白障びゃくしょう、 白びゃく雲うんの日ひを障さふるがごとし。

~▼一ニ者黒コク障、猶‡†如シ↢黒雲0723ノ障フルガ↟日ヲ。二ニ者黄ワウ障、*又†如シ↢黄雲ノ障フルガ↟日ヲ。三ニ者白障、如↢似 ゴト シ白雲ノ障フルガ↟日ヲ。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[二][Ⅲ]釈成

^この日ひなほ雲くもの障さふるがごとくなるがゆゑに、 *朗然ろうねんとして顕けん照しょうすることを得えず。 衆しゅ生じょうの業ごっ障しょうもまたかくのごとし。 浄じょう心しんの境きょうを*障しょう蔽へいして、 心しんをして明照みょうしょうならしむることあたはず。

~此ノ日猶ゴトクナルガ↢雲クモノ障サ†フルガ↡故ニ、不ズ↠得↢朗ラウ然トシテ顕照セウスルコトヲ↡。衆生ノ業障モ亦如シ↠是クノ。障↢蔽ヘイシテ浄心之境ヲ↡、不ズ↠能ハ↠令†ムルコト↢心ヲシテ明照ナラ↡。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[三]教懴悔
                      [Ⅰ]明方法

^行ぎょう者じゃもしこの相そうを見みば、 すなはちすべからく道どう場じょうを*厳飾ごんじきし、 仏像ぶつぞうを安あん置ちし、 清浄しょうじょう洗浴せんよくし、 浄じょう衣えを着じゃくし、 また名みょう香こうを焼やきて諸仏しょぶつ・一切いっさい*賢げん聖じょうに表白ひょうびゃくし、 仏ぶつの形ぎょう像ぞうに向むかひて、 現在げんざい一いっ生しょうに無始むしよりこのかた、 すなはち身しん口意くい業ごうに造つくるところの十じゅう悪あく・五ご逆ぎゃく・四し重じゅう・謗法ほうぼう・闡提せんだい等とうの罪つみを懴さん悔げすべし。

~行者若シ見バ↢此ノ相ヲ↡、即チ須スベカラベ  クシ↧厳ゴン↢飾ジキシ道場ヲ↡、安↢置チシ仏像ヲ↡、清浄‡洗浴セムヨクシ、著ヂヤクシ↢浄衣ヲ↡、又†焼キテ↢名香ヲ↡表ヘウ↢白ビヤクシ諸仏・一切賢聖ニ↡、向ヒテ↢仏ノ形像ニ↡、現在一生ニ懴↦悔ス無始シヨリ已来タ、乃チ身口意業†ニ†所ノ↠造ル十悪・五逆・四重・謗法・闡セム提等ノ罪ヲ↥。

^きはめてすべからく悲ひ涕ていして涙なみだを雨あめふらし、 深ふかく慚ざん愧ぎを生しょうじて、 うち心髄しんずいに徹とおり、 骨ほねを切きりてみづから責せむべし。

~極テ須 ラベ クシ↧悲ヒ涕テイナクシテ†雨ラシ↠涙ナミダヲ、深ク生ジテ↢慚愧ザングヰヲ↡、内 チ†徹リ↢心髄ズイニ↡、切キリテ↠骨ホネヲ自ラ†責ム↥。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[三][Ⅱ]示滅障

^懴さん悔げしをはりて、 還かえりて前さきの坐ざ法ほうのごとく安心あんじんして境きょうを取とれ。 境きょうもし現げんずる時ときは、 前さきのごとき*三さん障しょう0399ことごとく除のぞこりて、 所観しょかんの浄境じょうきょう朗然ろうねんとして明浄みょうじょうなり。 これを頓とんに障さわりを滅めっすと名なづく。 あるいは一懴いっさんしてすなはち尽つくすものを利り根こんの人ひとと名なづく。

~懴悔シ已リテ、還カヘリテ如ク‡↢前サキノ坐法ノ↡安心シテ取トル↠境ヲ。境若シ現ズル時ハ、如キノ↠前ノ三障尽コトゴトク除ノゾコリテ、所シヨ観ノ浄境朗ラウ然トシテ明浄ナリ。此ヲ名ク↢頓トムニ滅ス‡ト↟障サハリヲ也。或イハ一懴ザンシテ即チ尽ツクス者ヲ‡名ク↢利根コンノ人ト↡也。

^あるいは一懴いっさんしてただ黒こく障しょうを除のぞき、 あるいは一懴いっさんして黄おう・白びゃく等とうの障さわりを除のぞくことを得う。 あるいは一懴いっさんしてただ白障びゃくしょうを除のぞく。 これを*漸除ぜんじょと名なづけ、 *頓滅とんめつと名なづけず。

~或イハ一懴シテ但除†キ↢黒コク障ヲ↡、或イハ一懴シテ得ウ↠除ノゾクコトヲ↢黄・白等ノ障 リヲ↡。或イハ一懴シテ但除ノゾク↢白障ヲ↡。此ヲ名†ケ↢漸除ゼンヂヨト↡、不ズ↠名ケ↢頓滅トムヂヨト↡也。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[三][Ⅲ]結勧誠

^すでにみづから↑業相ごっそうのかくのごとくなるを識しらば、 ただすべからく勤心ごんしんに懴さん悔げすべし。 日にち夜や三さん時じ・六ろく時じ等とうにただ憶おくしてすなはち懴さんすることを得うるものは、 もつともこれ*上じょう根こん上行じょうぎょうの人ひとなり。 たとへば湯とう火かの身みを焼やくに、 また覚かくすればすなはち却さるがごとし。 あにいたづらに時ときを待まち、 処ところを待まち、 縁えんを待まち、 人ひとを待まちてまさにはじめて除のぞくべけんや。

~既ニ自ラ†識ラバ↢業相ノ如クナルヲ↟是クノ、唯タダ須 ラベ クシ↢勤ゴン心ニ懴悔ス↡。日夜三時・六時等ニ但憶オクシテ得ル↢即チ懴サンスルコトヲ↡者 ノハ、最モトモ是 レ上根上行ノ人也。譬タトヘバ如シ↢湯タウ火ノ焼ヤクニ↠身ヲ、亦†覚スレバ即チ却サルガ↡。豈アニ容ベケム↢徒イタヅラニ待マチ↠時ヲ待チ↠処ヲ、待チ↠縁ヲ待チテ↠人ヲ、方マサニ始ハジメテ除ノゾク↡也ヤ。△

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅱ)(c)知光

^三さんには衆しゅ生じょうをして弥陀みだの依え正しょう二に報ほう種々しゅじゅの荘しょう厳ごん・光こう明みょう等とうの相そうの内ない外げ照しょう曜ようして、 この日ひに超ちょう過かせること百ひゃく千せん万倍まんばいなることを識しき知ちせしめんと欲ほっす。 行ぎょう者じゃ等とう、 もしかの境きょうの光相こうそうを識しらずは、 すなはちこの日輪にちりんの光こう明みょうの相そうを看みて、 もしは*行住ぎょうじゅう坐臥ざがに礼念らいねんし*憶想おくそう0503して、 つねにこの解げをなせ。 久ひさしからざるあひだにすなはち定じょう心しんを得えて、 かの浄じょう土どの事じ、 快け楽らくの荘しょう厳ごんを見みん。

▲三ニ者欲ホス↠†令シメムト↧衆生ヲシテ識↦知セ弥陀ノ依正二報種種ノ荘厳光明等ノ相ノ内外照セウテリ曜ヨウシテカガヤク、超↢過セルコト此ノ日ニ↡百千万倍ナルコトヲ↥。行者†等、若シ†不ハ↠識ラ↢彼ノ境ノ光相ヲ↡者、即チ看ミテ↢此ノ日輪ノ光明之ノ相ヲ↡、若シハ行住坐臥ニ礼念シ憶想シテ、常ニ作ナセ↢此ノ解ゲヲ↡。不ザル↠久シカラ之間 ダニ即0724チ得エテ↢定心ヲ↡、見ミム↢彼ノ浄土之ノ事ジ、快楽ノ荘厳ヲ↡。

二 Ⅰ ⅰ b ロ (四)(Ⅱ)(ⅲ)総結

^この義ぎのためのゆゑに、 世せ尊そん先まづ教おしへて日想にっそう観かんをなさしめたまふ。

~為ノ↢此ノ義ノ↡故ニ、世尊先ヅ教ヘテ作ナサシメタマフ↢日想観ヲ↡也。

二 Ⅰ ⅰ b ハ 釈正教観察文
          (一)科節

 ^三さんに ▲「当とう起き想念そうねん」 より下しも 「状じょう如懸にょげん鼓く」 に至いたるこのかたは、 まさしく教おしへて観かん察ざつ0400せしむ。

三ニ従リ↢「当タウ起キ想念ト云」↡下至ル↢「状ジヤウ如懸クヱン鼓クニ」↡已来タハ、▲正シク教ヘテ観察セシム。

二 Ⅰ ⅰ b ハ (二)述意

^これ*身みの威儀いぎを正ただし、 面おもてを西方さいほうに向むかへて、 境きょうを守まもりて心しんを住とどめ、 堅けん執しゅうして移うつらざれば、 所しょ期ごみな応おうずることを明あかす。

~此‡明ス↧正シ‡↢身ノ威儀ヰギヲ↡、面 テヲ向ヘテ↢西方ニ↡、守マモリテ↠境ヲ†住メ↠心ヲ、堅執ケンシフシテ不ザレバ↠移ウツラ、所期ゴ皆応ズルコトヲ↥。

二 Ⅰ ⅰ b ニ 釈弁観成相文
          (一)正釈観成相
            (Ⅰ)科節

^四しに ▲「既き見日けんにち已い」 より下しも 「明了みょうりょう」 に至いたるこのかたは、 観かん成じょうの相そうを弁べんず。

四ニ従リ↢「既キ見日已イト云」↡下至ル↢「明了ニ」↡已来タハ、▲弁ベンズ↢観成ノ相ヲ↡。

二 Ⅰ ⅰ b ニ (一)(Ⅱ)述意

^これ心しんを標ひょうして日ひを見みるに、 想おもいを制せいし縁えんを除のぞきて念々ねんねんに移うつらざれば、 浄じょう相そう*了りょう然ねんとして現げんずることを明あかす。

~此明ス↢標ヘウシテ↠心ヲ見ルニ↠日ヲ、制セイシ‡↠想ヲ除ノゾキテ↠縁ヲ念念ニ不ザレバ↠移ウツラ、浄相了然トシテ而現ズルコトヲ↡。

二 Ⅰ ⅰ b ニ (二)弁得失邪正

^▽また行ぎょう者じゃはじめて定じょう中ちゅうにありて、 この日ひを見みる時ときすなはち三昧さんまい定じょう楽らくを得えて、 *身心しんしん内ない外げ融液ゆうえきして不可ふか思議しぎなり。

~又行者初 メテ在アリテ↢†定中ニ↡、見ル↢此ノ日ヲ↡時‡即チ得テ↢三昧定楽ヲ↡、身心内外融ユウトヲル液エキシテ不可思議ナリ。

^これを見みる時ときに当あたりて、 よくすべからく心しんを摂せっして、 定じょうをして*上じょう心しんの貪取とんしゅを得えざらしむべし。 もし貪心とんしんを起おこせば、 心水しんすいすなはち動どうず。 心しん動どうずるをもつてのゆゑに浄境じょうきょうすなはち失しっす。 あるいは動どう、 あるいは闇あん、 あるいは黒こく、 あるいは青しょう・黄おう・赤しゃく・白びゃく等とうの色いろにして安あん定じょうすることを得えず。

~当アタリテ↢見ル↠此ヲ時ニ↡、好ヨク須 ラベ クシ↣†摂シテ↠心ヲ、令シム↢定ヲシテ不ザラ↟得エ↢上心†ノ貪取トムシユ‡ヲ↡。若シ起オコセバ↢貪心ヲ↡、心水即チ動ドウズ。以テノ↢心動ズルヲ↡故ニ浄境即チ失シツス。或イハ動或イハ闇、或イハ黒或イハ青・黄・赤シヤク・白等ノ色イロ†ニシテ不ズ↠得↢安定スルコトヲ↡。

^この事じを見みる時ときすなはちみづから念言ねんごんせよ。 「これらの境きょう相そう揺動ようどうして安やすからざることは、 わが貪心とんしんの動念どうねんによりて、 浄境じょうきょうをして動滅どうめつせしむることを致いたす」 と。 すなはちみづから安心あんじん正しょう念ねんにして、 還かえりてもとより起おこせば、 動相どうそうすなはち除のぞこりて、 静じょう心しん還かえりて現げんず。 すでにこの過とがを知しらば、 さらに*増ぞう上じょうの貪心とんしんを起おこすことを得えざれ。

~見ル↢此ノ事ジヲ↡時即チ自ラ念言セヨ。此等ラノ境相揺エウ動シテ不ザルコト↠†安カラ者ハ、由リテ↢我ガ貪心ノ動念ニ↡、致スト↠使シムルコトヲ↢浄境ヲシテ動滅メツセ↡。即チ自ラ安心正念ニシテ、還 ヘリテ†従リ↠本起オコ†セバ、動相即チ除ノゾコリテ、静心還リテ現ズ。既ニ知シ†ラバ↢此ノ過トガヲ↡、更ニ不ザレ↠得↠起オコスコトヲ↢増ゾウ上ノ貪心ヲ↡也。△

^以下いげの諸観しょかんの邪じゃ正しょう得失とくしつ、 もつぱらこれに同おなじ。

▲已下ノ諸観ノ邪ジヤ正得失シチ、†一ラ同ジ↠此ニ也。

^日ひを観かんじて日ひを見みるは、 *心しん境きょう相応そうおうす。 名なづけて正しょう観かんとなす。 日ひを観かんずるに日ひを見みずしてすな0401はち余よの雑ぞう境きょう等とうを見みるは、 心しん境きょう相応そうおうせず。 ゆゑに邪じゃと名なづく。

~†観ジテ↠日ヲ見†ルハ↠日ヲ、心境相応ス。名ケテ為ス↢正観ト↡。†観ズルニ↠日ヲ不シテ↠見↠日ヲ乃チ見ルハ↢余ヨノ雑境等ヲ↡、心境不ズ↢相応セ↡。故ニ名ク↠邪ト也。

二 Ⅰ ⅰ b ニ (三)総結日観由

^これすなはち*娑しゃ婆ばの闇宅あんたくには、 事じに触ふれてもつて比ひ方ほうすべきことなし。 ただ朗日ろうにちの輝ひかりを舒のぶるのみありて、 想おもいを寄よせて遠とおく極楽ごくらくを標ひょうす。

~斯コレ乃チ娑婆之闇宅タクニハ、触フレテ↠事ジニ無ナシ↢以テ比ヒ方ホウスベキコト↡。唯タダ有リテ↢朗ラウ日ノ舒ノブルノミ↟輝ヒカリヲ、寄ヨセテ↠想ヲ遠トオク標ヘウス↢於極楽ヲ↡。△

二 Ⅰ ⅰ b ホ 釈総結観名文

^五ごに ▲「是為ぜい」 より以下いげは総そうじて結けっす。

五ニ従リ↢「是為ヰト云」↡已下ハ、▲総ジテ結ケツス。

二 Ⅰ ⅰ c 結

^上じょう来らい五句ごくの不ふ同どうありといへども、 広ひろく日観にっかんを明あかしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢五句ノ不同↡、広ク明シ↢日観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅱ【水観】
      a 標

【3】 ^二に0504に*水観すいかんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその六ろくあり。

▲二0725ニ就キテ↢水観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙コ ゲ、次ニ弁ジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ六↡。

二 Ⅰ ⅱ b 釈
        イ 釈総標地体文
          (一)正釈
            (Ⅰ)科節

^一いちに ▲「次作しさ水想すいそう」 より下しも 「内ない外げ映徹ようてつ」 に至いたるこのかたは、 総そうじて地じの体たいを標ひょうす。

一ニ従リ↢「次シ作水想ト云」↡下至ル↢「内外映徹エイテチニ」↡已来タハ、▲総ジテ標ヘウス↢地ヂノ体タイヲ↡。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)料簡
              (ⅰ)料簡所由
                (a)水観所由
                  (イ)正明水観所由

 ^問とひていはく、 前さきに教おしへて日ひを観かんぜしむるは、 *業相ごっそう等とうを知しらしめんがためなり。 ゆゑに日ひを観かんぜしむ。 いまこの観かんのなかに、 また教おしへて水みずを観かんぜしむるは、 なんの所以ゆえんかある。

▼問ヒテ曰ク、前ニ†教ヘテ観ゼシムルハ↠日ヲ、為ナリ↠知シ†ラシメムガ↢業相等ヲ↡。故ニ令ム↠観ゼ↠日ヲ。今此ノ観ノ中ニ、又†教ヘテ観ゼシムルハ↠水ヲ、有ル↢何ノ所以 ユヘ カ↡。

^答こたへていはく、 日輪にちりんつねに照てらし、 もつて極楽ごくらくの*長じょう暉きを表ひょうす。 またかの地じ、 平たいらかならずして、 この*穢え国こくの*高こう下げに類るいすることを恐おそる。 ただおもんみれば娑しゃ婆ばの闇宅あんたくには、 ただ日ひのみよくあきらかなり。 この界さかいには丘く坑きょうありていまだ高こう下げなき処ところあらず。 よく平たいらかなるものを取とらんと欲ほっするに、 水みずに過すぎたるはなし。 この可か平びょうの相そうを示しめして、 かの*瑠璃るりの地じに況きょうす。

~◆答ヘテ曰ク、日輪リム常ニ照†シ、以テ表ヘウス↢極楽之長暉クヰヲ↡。復†恐ル↣彼ノ地ヂ不ズシテ↠平タイラカナラ、類ルイスルコトヲ↢此ノ穢国之高下ニ↡。†但以オモムミレバ娑婆ノ闇宅ニハ、†唯日ノミ能ク明†カナリ。此ノ界ニハ丘クオカ坑キヤウアナ †アリテ†未ダ↧無キ↢高下↡之処アラ↥。欲スルニ↠取トラムト↢能ク平タイラカナル之者ヲ↡、無シ↠過スギタル†ハ↢於水ニ↡。示シメシテ↢斯コノ可カ平ヒヤウ之相ヲ↡、況クヰヤウタクラブ†ス↢彼ノ瑠璃之地ニ↡也。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(a)(ロ)更決相似分斉

 ^また問とひていはく、 この界さかいの水みずは湿うるおひてかつ軟やわらかなり。 いぶかし、 かの地じま0402たこの水みずに同どうずるや。

~又問ヒテ曰ク、此ノ界之ノ水ハ湿ヒテ而†且ツ軟ヤハラカナリ。未審イブカシ、彼ノ地ヂ亦†同ズル↢此ノ水ニ↡也ヤ。

^答こたへていはく、 この界さかいの平びょう水すい、 もつてかの地じの等ひとしくして高こう下げなきに対たいす。

~答ヘテ曰ク、此ノ界之平ヒヤウ水、以テ対タイス↣彼ノ地ノ等シ†クシテ無キニ↢高下↡。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(b)氷想所由

^▲また水みずを転てんじて氷こおりとなすは、 かの瑠璃るりの地じの内ない外げ*映徹ようてつせるに対たいす。 これ弥陀みだ*曠劫こうごうに等ひとしく行ぎょうじて、 *偏へんなく、 *正習しょうじゅうともに亡もうじて、 よく*地じ輪りんの映徹ようてつせるを感かんずることを明あかす。

~又転テンジテ↠水ヲ成ナス↠氷コホリト者ハ、対タイス↢彼ノ瑠璃之地ノ内外映徹エイテツセルニ↡也。此 レ‡明ス↣弥陀曠クワウ劫ニ等ヒトシク行ジテ、無ナク↠偏ヘム、正・習ジフ倶トモニ亡マウジテ、能ク感カムズルコトヲ↢地輪リン之映徹セルヲ↡。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)料簡作法
                (a)問

 ^また問とひていはく、 すでに教おしへて水みずを想おもひてもつて心しんを住とどめしめ、 水みずを転てんじてもつて氷こおりとなし、 氷こおりを転てんじてもつて瑠璃るり地じとなすといはば、 いかんが作さ法ほうして境きょうをして現げんぜしむる。

~又問ヒテ曰ク、既スデニ教ヘテ想オモヒテ↠水ヲ以テ†住メシメテ↠心ヲ、転テンジテ↠水ヲ以テ成ナシ↠氷コホリト、転ジテ↠氷ヲ以テ成†ストイハバ↢瑠璃ルリノ地ヂト↡者、云何ガ作サ法シテ而令†ムル↢境ヲシテ現ゼ↡。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)答
                  (イ)正教観作法
                    [一]明住心威儀

^答こたへていはく、 *住じゅう身しんの威儀いぎのごときは、 もつぱら△前さきの日観にっかんのなかの法ほうに同おなじ。

~答ヘテ曰ク、若ゴトキハ↢住身ノ威儀ノ↡、†一ラ同ジ↢前ノ日観ノ中ノ法ニ↡。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]明住心作法
                      [Ⅰ]標意

^また水みずを観かんじてもつて定じょう心しんを取とらんと欲ほっせば、 還かえりてすべからく相そう似じの境きょうに対たいして観かんずべし。 すなはち定じょうを得うべきこと易やすし。

~又†欲セバ↣観ジテ↠水ヲ以テ取トラムト↢定心ヲ↡者、還リテ須 ラベ クシ↧対タイシテ↢相似ジ之境ニ↡而観ズ↥。即チ易ヤスシ↠可ベキコト↠得ウ↠定ヲ。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ]正明

^行ぎょう者じゃ等とう静じょう処しょにおいて一いち↓椀わんに↓水みずを取とりて、 床ゆかの前まえの地じの上うえに着おきてよくこれに満みたし盛もり、 自じ身しんは床ゆかの上うえにありて坐ざし、 自じの眉み間けんに当あて、 一いちの白しろき物ものの豆まめばかりの大おおきさのごとくなるを着つけて、 頭こうべを低たれ面おもてを水みずの上うえに臨のぞめて、 一心いっしんにこの白しろき処ところを照てらし看みて、 さらに異い縁えんすることなかれ。

~行者等†於テ↢静処ニ↡取トリテ↢一椀ワン†ニ水ヲ↡、†著オキテ↢床ユカノ前マヘノ地ノ上ニ↡好ヨク†満シ↢盛リ‡之ニ↡、自ジ身シンハ在リテ↢床ノ上ニ↡坐ザシ‡、当テ↢†自ノ眉ミ間ニ↡、著ツケテ↣一ノ白キ物ノ如クナルヲ↢豆マメ許バカリノ大キサノ↡、低タレ↠頭カウベヲ臨ノゾメテ↢面ヲ水ノ上ニ↡、一心ニ照テラシ↢看ミテ此ノ白キ処ヲ↡、更ニ莫ナカレ↢異イ縁スルコト↡。

^また水みず初はじめ地じにありて↓波は浪ろう住とどまらざるとき、 面おもてを臨のぞめてこれを観かんずるに、 面像めんぞう0505を見みず。

~又水初ハジメ‡在アリテ↠地ヂニ波ハ浪ラウ†不ルトキ↠住マラ、臨ノゾメテ↠面†ヲ†観ズルニ↠之ヲ、不ズ↠見↢面メン像ヲ↡。

^観かんをなすこと休やまざれば、 ↓*漸々ぜんぜんに面おもて現げんず。 初はじめの時とき面相めんそう住とどまらずして、 たちまちに長ながく、 たちまちに短みじかく、 た0403ちまちに寛ひろく、 たちまちに狭せまく、 たちまちに見みえ、 見みえず。

~†為0726スコト↠観ヲ不ザレバ↠休ヤマ、漸漸ゼムゼムニ面 テ現ズ。初 メノ時面メン相不ズシテ↠†住マラ、乍タチマチニ長ナガク乍タチマチニ短ミジカク、乍タチマチニ寛ヒロク乍タチマチニ狭セバク、乍タチマチニ見エ不↠見エ。

^この相そう現げんずる時とき、 さらにすべからく極細ごくさいに用心ようじんすべし。 久ひさしからざるあひだに水すい波は微み細さいにして、 動どうずるに似にて動どうぜず、 ↓面相めんそうやうやくあきらかに現げんずることを得う。 面上めんじょうの眼げん・耳に・鼻び・口く等とうを見みるといへども、 またいまだ取とるを須もちゐず、 また妨さまたぐるを須もちゐず。 ただ身心しんしんをほしいままにして、 ありと知しりて取とることなかれ。

~此ノ相現ズル時‡、更ニ須 ラベ クシ↢極細ゴクサイニコマカナリ用ヨウ心ス↡。不ザル↠久シカラ之間アヒダニ水波ハナミ微ミ細ニシテコマカナリ、似ニテ↠動ドウズルニ不ズ↠動ゼ、面相漸ヤウヤク得ウ↢明カニ現ズルコトヲ↡。雖モ↠見ルト↢面上ノ眼・耳ニ・鼻ビ・口ク等ヲ↡、亦†未ダ↠須ヰ↠取ルヲ、亦†不↠須ヰ↠妨グルヲ。但タダ縦ホシキママニシテ↢身心ヲ↡、†知リテ↠有リト勿 カレ↠取トルコト也。

^ただ白しろき処ところを取とりて*了々りょうりょうにこれを観かんじて、 正しょう念ねんに守しゅ護ごして、 *失しつ意い異い縁えんせしむることなかれ。 これを見みる時ときに当あたりて、 心しんやうやく住とどまることを得えて、 水すい性しょう*湛然たんねんなり。

~唯 ダ取トリテ↢†白キ処ヲ↡了了ニアキラカニ観ジテ↠之ヲ、正念ニ守シユ護ゴシテ、勿レ↠令シムルコト↢†失意異イ縁セ↡。当リテ↢見ル↠此ヲ時ニ↡、心漸ヤウヤク得エテ↠†住マルコトヲ、水性湛タム然也ナリ。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)約譬教用心
                    [一]標意

^また行ぎょう者じゃ等とう自じ心しんのなかの水みずの波は浪ろう住とどまらざることを識しき知ちせんと欲ほっせば、 ただこの水みずの動どう不ふ動どうの相そうを観かんじて、 すなはち自じ心しんの境きょうの現げん不ふ現げん・明みょう闇あんの相そうを知しれ。

~又行者等†欲セバ↣識↢知セムト自心ノ中ノ水ノ波ハ浪ラウ不ザルコトヲ↟†住マラ者、但タダ観ジテ↢此ノ水ノ動ドウ不動之ノ相ヲ↡、即チ知シレ↢自心ノ境ノ現不現・明闇之ノ相ヲ↡也。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]譬説

^また水みずの静しずかなる時ときを待まち、 一いちの米こめばかりなるを取とりて、 水すい上じょうに当あてて手てに信まかせてこれを水みずのなかに投なぐれば、 その水すい波はすなはち動どうじて椀わんのうちに遍へんす。 自じの面おもて上うえに臨のぞめてこれを観みるに、 その白しろきものすなはち動どうず。

~又待マチ↢水ノ静シヅカナル時ヲ↡、取トリテ↢†一ノ米許バカリナルヲ↡、当テテ↢水上ニ↡信マカセテ↠手テニ投ナグレバ↢之ヲ水ノ中ニ↡、其ノ†水波即チ†動0727ジテ遍ヘムス↢於椀ワムノ内ニ↡。†自ノ面 テ臨ノゾメテ↠上ウヘニ観ルニ↠之ヲ、其ノ白キ者モノ即チ動ズ。

^さらに豆まめばかりなるを着つけてこれを水みずに投なぐるに、 波なみさらに大だいにして、 面めん上じょうの白しろきもの、 あるいは見みえ、 見みえず。 乃ない至し棗なつめ等とう、 これを水みずに投なぐるに、 その波なみ*うたた大だいにして、 面めん上じょうの白しろきものおよび自じ身しんの頭ず面めん、 総そうじてみな隠没おんもつして現げんぜず。 水みずの動どうずるによるがゆゑな0404り。

~更ニ著ツケテ↢豆マメ許バカリナルヲ↡投ナグルニ↢之ヲ水ニ↡、波ナミ更ニ大ニシテ、面メン上ノ白キ者 ノ、或イハ見ミエ不ズ↠見ミエ。乃至棗ナツメ等、投グルニ↢之ヲ於水ニ↡、其ノ波転ウタタ大ニシテ、面上ノ白キ者 ノ及ビ自ジ身ノ頭面、総ソウジテ皆 ナ隠没オンモツシテ不ズ↠現ゼ。猶ヨルガ↢水ノ動ズルニ↡故ユヘ也ナリ。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[三]合法

^「↑椀わん」 といふはすなはち身しん器きに喩たとふ。 「↑水みず」 といふはすなはち自じの心しん水すいに喩たとふ。 「↑波は浪ろう」 といふはすなはち乱想らんそうの煩悩ぼんのうに喩たとふ。 「↑漸々ぜんぜんに波は浪ろう息やむ」 といふは、 すなはちこれ衆縁しゅえんを*制捨せいしゃして、 心しんを一いっ境きょうに住とどむるなり。

~言フ↠椀ワント者ハ即チ喩タト†フ↢身器キニ↡也。言フ↠水ト者ハ即チ喩†フ↢†自ノ心水ニ↡也。言フ↢波ハ浪ラウト↡者ハ即チ喩フ↢乱想ラムサウノ煩悩ニ↡也。言フ↢漸ゼン漸ニ波浪†息ムト↡者ハ、即チ是 レ制セイ↢捨シテステテ衆縁ヲ↡、†住ムル↢心ヲ一境ニ↡也。

^「↑水みず静しずかにして境きょう現げんず」 といふは、 すなはちこれ*能縁のうえんの心しん乱みだるることなければ、 *所縁しょえんの境きょう動どうぜず、 内ない外げ*恬怕てんぱくにして所しょ求ぐの相そう*顕然けんねんなり。 また*細さい想そうおよび*粗そ想そうあれば、 心水しんすいすなはち動どうず。 心水しんすいすでに動どうずれば、 静境じゃくきょうすなはち失しっす。 また*細塵さいじんおよび*粗そ塵じん、 これを寂静じゃくじょうの水みずのなか0506に投なぐるに、 その水みずの波は浪ろうすなはち動どうず。

~言フ↢水静シヅカニシテ境現ズト↡者ハ、即チ是 レ能ノウ縁之ノ心無ナ†ケレバ↠乱ミダルルコト、所縁之ノ境†不↠動ゼ、内外恬怕タンパクシヅカナリニシテ所求グ之ノ相顕然ナリ。又細想サイサウ及ビ麁ソ想サウアレバ、心水即チ動ズ。心水†既ニ動ズレバ、静ジヤウシヅカ境即チ失シツス。又 細コマカナリ塵ジンチリ及以 オヨビ 麁ソ塵ジン、投ナグルニ↢之ヲ寂ジヤク静ノ水ノ中ニ↡、其ノ水ノ波浪即チ動ズ。

二 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[四]結成

^また行ぎょう者じゃ等とうただこの水みずの動どう不ふ動どうの相そうを看みて、 すなはち自じ心しんの住じゅう不ふ住じゅうを識しれ。 また境きょう現げんの失しつ不ふ失しつ・邪じゃ正しょう等とう、 もつぱら△前さきの日観にっかんに同おなじ。

~又行者等但タダ看ミテ↢此ノ水ノ動・不動ノ相ヲ↡、即チ識シ†レ↢自ジ心ノ住・不住ヲ↡也。又境現ノ失シチ不失・邪ジヤ正等、†一ラ同ジ↢前ノ日観ニ↡也。

二 Ⅰ ⅱ b イ (二)偈讃

 ^また天親てんじんの讃さん (*浄土論) にいはく、

「▲かの世せ界かいの相そうを観かんずるに、 三界さんがいの道どうに勝しょう過がせり。
◆究く竟きょうして虚こ空くうのごとく、 広大こうだいにして辺際へんざいなし」 と。

~又天親ノシタシ讃サンニ云ク、

「観ズルニ↢彼ノ世界ノ相ヲ↡勝↢過セリ三界ノ道ニ↡
究竟シテ如†ク↢虚空ノ↡広大ニシテ無シト↢辺際↡」

^これすなはち総そうじてかの国くにの地じの分ぶん量りょうを明あかす。

~此 レ即チ総ソウジテ明ス↢彼ノ国ノ地ヂ之ノ分ブン量ヲ↡†也。△

二 Ⅰ ⅱ b ロ 釈地下荘厳文
          (一)正釈

^二にに ▲「下有げう金剛こんごう七宝しっぽう」 より下しも 「不可ふか具ぐ見けん」 に至いたるこのかたは、 まさしく地下じげの荘しょう厳ごんを明あかす。 すなはちその七しちあり。

二ニ従リ↢「下有金剛七宝ト云」↡下至ル↢「不可具グ見ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢地下ノ荘厳ヲ↡。即チ有リ↢其ノ七↡。

・幢

^▲一いちには*幢どうの体たい等ひとしくこれ無漏むろの金剛こんごうなることを明あかす。

▲一ニハ明ス↢幢ドウノ体タイ等ヒトシク是 レ無漏ムロノ金剛ナルコトヲ↡。

・擎

^▲二にには地じを擎ささげ0405てあひ顕映けんようせる荘しょう厳ごんを明あかす。

▲二ニハ明ス↢擎ササゲテ↠地ヂヲ相 ヒ顕映エイテリ†セル荘厳ヲ↡。

・方楞

^▲三さんには*方ほう楞りょう具ぐ足そくして円相えんそうにあらざることを表あらわすことを明あかす。

▲三ニハ明ス↢方ホウ楞リヨウカド 具ツブサ足シテタレリ †表スコトヲ↟非ザルコトヲ↢円相エムサウニ↡。

・百宝

^▲四しには百ひゃっ宝ぽう合ごう成じょうして、 量りょう*塵沙じんじゃに出いでたることを明あかす。

▲四ニハ明ス↣百宝合成シテ、量出デタルコトヲ↢塵沙ヂンジヤニ↡。

・千光

^▲五ごには宝たから千光せんこうを出いだして、 光ひかり無む辺へんの際きわにあまねきことを明あかす。

▲五ニハ明ス↧宝タカラ出シテ↢千光ヲ↡、光 リ周アマネシユ キコトヲ↦無辺之ノ†際ニ↥。

・異色

^▲六ろくには光ひかりに異い色しき多おおくして色いろ他た方ほうを照てらし、 機きに随したがひて変現へんげんし、 時ときとして益やくせざることなきことを明あかす。

▲六ニハ明ス↧光ニ多クシテ↢異イ色↡色照テラシ‡↢他方ヲ↡、随ヒテ↠機ニ変現シ、無ナキコトヲ↦時トキトシテ†不ルコト↞益セ也。

・衆光

^▲七しちには衆光しゅこう彩いろを散さんじて日輪にちりんを映絶ようぜつし、 *新往しんおうのものこれを覩みてにはかに*周しゅう悉しつしがたきことを明あかす。

▲七ニハ明ス↧衆光散サムジテ↠彩イロヲ映エイ↢絶ゼツ†シ日輪リムヲ↡、新シム往ノ者 ノ覩ミテ↠之ヲ卒ニハカニ難ガタキコトヲ↦周悉シユシチシ↥。

二 Ⅰ ⅱ b ロ (二)偈讃

^¬讃さん¼ にいはく (*礼讃)、

「▼地下じげの荘しょう厳ごん七宝しっぽうの幢どう、 無む量りょう無む辺へん無む数しゅ億おくなり。
八方はっぽう八面はちめん百ひゃっ宝ぽうをもつて成じょうず。 かれを見みれば無む生しょう自じ然ねんに悟さとる。
無む生しょうの宝国ほうこく永ながく常じょうたり。 一々いちいちの宝たから無む数しゅの光ひかりを流ながす。
行ぎょう者じゃ心しんを傾かたむけてつねに目めに対たいして、 *神じんを騰あげ踊ゆ躍やくして西方さいほうに入いれ」 と。

▲¬讃サムニ¼云ク、

「地下ノ荘厳七宝ノ幢ハタボコ無量無辺ニシテ無数億ナリ
八方八面ニシテ百宝ヲモテ成ズゼリ見レバミルニ ↠彼ヲ無生自然ニ悟ル
無生ノ宝国永ク為リ↠常一一ノ宝流ス↢無数ノ光ヲ↡
行者傾カタブケテ↠心ヲ常ニ対シテ↠目ニ騰ゲアゲテ↠神ヲ踊アガリ躍シテオドル 入レトル  ↢西方ニ↡

^また*讃さんにいはく、

▼「西方さいほうは▼*寂静じゃくじょう無為むいの楽らくなり。 ▼畢ひっ竟きょう逍しょう遥ようして有無うむを離はなれたり。
▼大だい悲ひ、 心しんに薫くんじて法界ほうかいに遊あそぶ。 身みを分わかちて*物ものを利りすること等ひとしくして殊ことなることなし。

▼あるいは神通じんずうを現げんじて法ほうを説とき、 あるいは相好そうごうを現げんじて*無余むよに入いる。
0406▼変現へんげんの荘しょう厳ごん意こころに随したがひて出いづ。 ▼*群ぐん生じょう見みるもの罪つみみな除のぞこる」 と。

▲又讃†ジテ云ク、

▼西方ハ▼寂ジヤク静‡無為ノ†楽ナリ畢ヒツ竟逍遥セウエウシテ離レタリ↢有無ヲ↡
大悲薫クムジテ↠心ニ遊†ブ↢法界ニ↡分チテ↠身ヲ利リスルコト↠物ヲ等ヒトシクシテ無シ↠†殊ナルコト
▼或イハ現ジテ↢神通ヲ↡而説トキ↠法ヲ或イハ現ジテ↢相好ヲ↡入ル↢無余ヨニ↡
変現ノ荘厳随ヒテ↠意ニ出イヅ群生見ル者 ノ罪皆 ナ除ノゾコルト

^◆また*讃さんにいはく、

「▼*帰去来いざいなん、 *魔ま郷きょうには停とどまるべからず。
▼曠劫こうごうよりこのかた流る転てんして、 六道ろくどうことごとくみな経へたり。
▼到いたる処ところに余よの楽らくなし、 ただ0507愁しゅう歎たんの声こえを聞きく。
▼この*生平しょうびょうを畢おへて後のち、 かの涅ね槃はんの城みやこに入いらん」 と。

▲又讃ジテ云ク、

†帰去来イザイナム▼魔マ郷キヤウニハ不ズ↠可ベカラ↠停トドマル
曠劫ヨリ来コノカタ流転シテ六道尽コトゴトク皆 ナ*経ヘタリ
到イタル処 ロニ‡無シ↢余ヨノ楽ラク↡▼唯タダ聞ク↢愁シウウレエ歎タムノ声ヲ‡↡
畢ヘテ↢此ノ生平ヲ↡後▼入ラムト↢彼0728ノ涅槃ノ城ミヤコジヤウニ↡

二 Ⅰ ⅱ b ハ 釈地上荘厳文
          (一)正釈
            (Ⅰ)科節

^三さんに ▲「瑠璃るり地じ上じょう」 より下しも 「分斉ぶんざい分ぶん明みょう」 に至いたるこのかたは、 まさしく地じ上じょうの荘しょう厳ごん*顕けん標ぴょう殊しゅ勝しょうなることを明あかす。

三ニ従リ↢「瑠璃地上ト云」↡下至ル↢「分斉ブンザイキハ分明ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢地上ノ荘厳顕標ペウ殊シユ勝ナルコトヲ↡。

二 Ⅰ ⅱ b ハ (一)(Ⅱ)述意

^これ*依持えじ円えん浄じょうを明あかす。 七宝しっぽうの池ち林りん等とうはこれ*能のう依え、 瑠璃るりの宝ほう地じはこれ*所しょ依えなり。 地じはこれ*能のう持じ、 池ち・台だい・樹じゅ等とうはこれ*所しょ持じなり。 これ弥陀みだの*因いん行ぎょう周しゅう備びせるによりて、 *感報かんぽうをして円えん明みょうならしむることを致いたす。 明浄みょうじょうの義ぎはすなはち無漏むろを体たいとなす。

~此‡明ス↢依持エヂ円浄‡ヲ↡。七宝ノ池林等ハ是 レ能ノウ依エ‡、瑠璃ルリノ宝地チハ是 レ所依ナリ。地ハ是 レ能持ヂ、池チ・台ダイ・樹ジユ等ハ是 レ所持ナリ。此 レ由ヨリテ↢弥陀ノ因イム行周シユ備ビセルニ↡、致ス↠使シムルコトヲ↢感カン報ヲシテ円明ナラ↡。明浄之ノ義ハ即チ無漏ロヲ為ス↠体ト也。

二 Ⅰ ⅱ b ハ (二)偈讃

^讃さんにいはく、

^「宝ほう地じの荘しょう厳ごん比ひ量りょうなし。 処々しょしょの光こう明みょう十方じっぽうを照てらす。
宝閣ほうかく・華け台だいみな遍満へんまんす。 *雑色ざっしき玲瓏れいろうとして量はかるべきこと難かたし。
宝雲ほううん・宝蓋ほうがい、 空くうに臨のぞみて覆おおひ、 聖しょう衆じゅ飛ひ通つうしてたがひに往来おうらいす。
宝幢ほうどう・幡蓋ばんがい、 風ふうに随したがひて転てんじ、 宝楽ほうがく輝きを含ふくみて念ねんに応おうじて回めぐる。

▲讃†ジテ云ク、

宝地ノ荘厳無シ↢比ヒ量↡処処ノ光明照ス↢十方ヲ↡
宝閣カク・華台ダイ皆 ナ遍満ヘンマンス雑色ザツシキ*玲レイ瓏リヨウトシテ難ガタシ↠可ベキコト↠量ハカル
宝雲ウン・宝蓋ガイ臨ノゾミテ↠†空ニ覆オホヒ聖衆†飛通シテ互タガヒニ往来ス
宝幢バムハタ・幡蓋随ヒテ↠風ニ転テンジメグル宝楽ガク†含ミテ↠輝ヲ応ジテ↠念ニ廻ル

^0407▼惑わく疑ぎを帯たいして生しょうずるもの、 華はないまだ発ひらけず。 合がっ掌しょう*篭々ろうろうたること*胎たいに処しょするに喩たとふ。
うちに*法楽ほうらくを受うけて微苦みくなし。 障さわり尽つきて須しゅ臾ゆに華はなおのづから開ひらく。
耳に目もく精明しょうみょうにして身み金色こんじきなり。 菩ぼ薩さつ徐々じょじょとして宝ほう衣えを授さずく。
光ひかり体たいに触ふるるに*三忍さんにんを成じょうずることを得う。 すなはち仏ぶつを見みたてまつらんと欲ほっして金台こんだいより下くだる。
*法侶ほうりょ迎むかへ将いて*大だい会えに入いる。 尊顔そんげんを*瞻仰せんごうして*善哉ぜんざいと讃さんず」 と。

帯タイシテトドマル↢惑ワク疑ギヲ↡生ズルモノ‡華ハナ未ズ ダ↠発ヒラケ合掌‡篭篭ロウロウタルコト喩タトフ↠処スルニ↠胎ニ
内ニ受ウケテ↢法楽ヲ↡無シ↢微苦ミク↡障サワリ尽ツキテ須シユ臾ユニ華自 ヅカラ開ク
耳ニ目モク精シヤウタマシヒ明ニシテ身金色ナリ菩薩徐徐ジヨジヨヤウヤクトシテ授サヅク↢宝衣ヲ↡
光触フルルニ↠体タイニ得ウ↠成ズルコトヲ↢三忍ヲ↡即チ欲ホシテ↠見タテマツラムト↠仏ヲ†下ル↢金台ヨリ↡
法侶リヨトモ迎ヘ‡将ヰテ入ル↢大会エニ↡瞻セム↢マボリ仰シテアフグ 尊顔ゲンヲミカヲ↡†讃ズト↢善哉ザイト↡△

二 Ⅰ ⅱ b ハ (三)追釈

^▲「金こん縄じょう」 といふ以下いげは、 まさしく黄金おうごんを道みちとなし、 状かたち金こん縄じょうに似にたることを明あかす。

言フ↢「金縄ジヨウト」↡已下ハ、▲正シク明ス↣黄金ヲ†作シ↠道ト、状似タルコトヲ↢金縄ニ↡也。

^あるいは雑宝ざっぽうをもつて地じとなし、 瑠璃るりを道みちとなせり。 あるいは瑠璃るりをもつて地じとなし、 白玉びゃくぎょくを道みちとなせり。 あるいは紫し金こん・白びゃく銀ごんをもつて地じとなし、 百ひゃっ宝ぽうを道みちとなせり。 あるいは不可ふか説せつの宝たからをもつて地じとなし、 また不可ふか説せつの宝たからをもつて道みちとなせり。 あるいは千万せんまん宝ぼうをもつて地じとなし、 二に・三宝さんぽうを道みちとなせり。

或イハ以テ↢雑ザツ宝ヲ↡為シ‡↠地ト、瑠璃ルリヲ作ナ†セリ↠道ト。或イハ以テ↢瑠璃ヲ↡為シ‡↠地ト、白ハク玉 クタマヲ作セリ↠道ト。或イハ以テ↢紫シ金・白銀ゴムヲ↡為シ‡↠地ト、百宝ヲ作セリ↠道ト。或イハ以テ↢不可説ノ宝ヲ↡為シ‡↠地ト、†還タ以テ↢不可説ノ宝ヲ↡作セリ↠道ト。或イハ以テ↢千万宝ヲ↡為シ‡↠地ト、二三宝ヲ作セリ↠道ト。

^かくのごとくうたたあひ*間雑けんぞうし、 うたたともに合ごう成じょうし、 うたたあひ照しょう曜ようし、 うたたあひ顕発けんぽつして、 光々こうこう色々しきしきおのおの不ふ同どうにして、 雑乱ぞうらんすることなし。

如ク↠是クノ転ウタタ相 ヒ間雑ケンザフシ‡、転ウタタ共トモニ合成シ、転タ相 ヒ照曜セウヨウシ、転タ相 ヒ顕発ポツシテ、光光クワウクワウ色色シキシキ†各各不同ニシテ而無ナシ↢雑乱ザフラムスルコト↡。

^行ぎょう者じゃ等とうただ金道こんどうのみありて、 余よ0508宝ほうを道みちとなすことなしといふことなかれ。

▲行者等莫ナカレ↠言フコト↧但タダ有リテ↢金道ノミ↡而無ナシト↦†余宝ヲ†作スコト↞道ト也。

二 Ⅰ ⅱ b ニ 釈空裏荘厳文
          (一)科節

^四しに ▲「一一いちいち宝ほう0408中ちゅう有う五ご百ひゃく色光しきこう」 より下しも 「楽がっ器き以為いい荘しょう厳ごん」 に至いたるこのかたは、 まさしく*空くう裏りの荘しょう厳ごんを明あかす。 すなはちその六ろくあり。

四ニ従リ↢「一一宝中有五百色光ト云」↡下0729至ル↢「楽ガク器キ以イ為荘厳ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢空裏クリノ荘厳ヲ↡。即チ有リ↢其ノ六↡。

・多光

^▲一いちには宝たから多た光こうを出いだすことを明あかす。

▲一ニハ明ス↣宝出スコトヲ↢多光ヲ↡。

・光相

^▲二にには喩たとへをもつてその相そうを顕あらわすことを明あかす。

▲二ニハ明ス↣喩タトヘヲモテ顕スコトヲ↢其ノ相ヲ↡。

・光台

^▲三さんには光ひかり変へんじて台だいとなることを明あかす。

▲三ニハ明ス↢光変ヘンジテ成ナルコトヲ↟†台ト。

・光楼

^▲四しには光ひかり変へんじて楼閣ろうかくとなることを明あかす。

▲四ニハ明ス↣光変ジテ成ルコトヲ↢於楼閣ロウカクト↡。

・光幢

^▲五ごには光ひかり変へんじて華け幢どうとなることを明あかす。

▲五ニハ明ス↣光変ジテ成ルコトヲ↢於華幢クヱドウト↡。

・光楽

^▲六ろくには光ひかり変へんじて宝楽ほうがくの音こえとなることを明あかす。

▲六ニハ明ス↣光変ジテ成ルコトヲ↢於宝楽之ノ音コエト↡。

二 Ⅰ ⅱ b ニ (二)釈義

^また▲地じ上じょうの雑宝ざっぽう、 一々いちいちにおのおの五ご百ひゃく色しきの光ひかりを出いだす。 ▲一々いちいちの色光しきこう上かみ空くう中ちゅうに湧わきて一いちの光台こうだいとなる。 ▲一々いちいちの台だいのなかに宝楼ほうろう千万せんまんなり。 おのおの一いち・二に・三さん・四し、 乃ない至し不可ふか説せつの宝たからをもつて、 もつて荘しょう厳ごん合ごう成じょうをなすことを明あかす。

▲又†明ス↧地上ノ雑ザツ宝、一一ニ各オノオノ出ス↢五百色シキノ光ヲ↡、一一ノ色光、上カミ*†湧キテ↢空中ニ↡作ナル↢一ノ光台ト↡、一一ノ台ノ中ニ宝楼千万ナリ、各 ノ以テ↢一・二・三・四乃至不可説ノ宝ヲ↡、以テ為スコトヲ↦荘厳合成ヲ↥也。

^「▲如にょ華又けう如にょ星しょう月がつ」 といふは、 仏ぶつ慈悲じひをもつて人ひとの識しらざることを畏おそれたまふがゆゑに、 喩たとへを借かりてもつてこれを顕あらわす。

~言フ↢「如華又ウ如星シヤウ月ト」↡者ハ、仏以テ↢慈悲ヲ↡畏オソレタマフガ↢人ノ不ザルコトヲ↟識シラ故ニ、借カリテ↠喩タトヘヲ以テ顕ス↠之ヲ。

^「▲於お台だい両りょう辺へん各かく有う百ひゃく億おく華け幢どう」 といふは、 宝ほう地じ衆しゅ多たにして光こう明みょう無む量りょうなり。 一々いちいちの光ひかり等ひとしく化けして光台こうだいとなりて、 空くう中ちゅうに遍満へんまんす。 行ぎょう者じゃ等とう行住ぎょうじゅう坐臥ざがにつねにこの想おもいをなせ。

言フ↢「於ヲ台両辺各有百億華幢ト」↡者ハ、▲宝地衆多タニシテ光明無量ナリ。一一ノ光等シク化シテ作ナリテ↢光台ト↡、遍ヘン↢満マムス空中ニ↡。行者等行住坐臥ニ常ニ作ナセ↢此ノ想 ヒヲ↡。

二 Ⅰ ⅱ b ホ 釈楽音説法文
          (一)正釈

^五ごに ▲「八種はっしゅ清しょう風ふう」 より下しも 「無我むが之し音おん」 に至いたるこのかたは、 まさしく光ひかり、 楽音がくおんと変へんじ、 転てんじて説法せっぽうの相そうを成じょうずといふことを明あかす。 すなはちその三さんあり。

五ニ従リ↢「八種清風ト云」↡下至ル↢「無我之シ音オムニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧光ヒカリ変ジ‡↢楽音ガクオムト↡、転テンジテ†成ズトイフコトヲ↦説法之ノ相ヲ↥。即チ有リ↢其ノ三↡。

・八風

^▲一いちには*八風はっぷう光ひかりより出いづることを明あかす。

▲一ニハ明ス↢八風従リ↠光 リ而出ヅルコトヲ↡。

・鼓楽

^▲二にには風光ふうこうすなはち出いでて、 すなはち楽がくを鼓うち音こえを発おこすことを明あかす。

▲二ニハ明ス↢風光即チ出イデテ、即チ鼓ウチ↠楽ガクヲ発オコスコトヲ↟音ヲ。

・説法

^▲三さんには*四し倒とう・*四し真しん、 恒沙ごうじゃ等とうの法ほう0409を顕説けんぜつすることを明あかす。

▲三ニハ明ス↣顕↢説スルコトヲ四*倒タフ・四真、恒ゴウ沙等ノ法ヲ↡。

二 Ⅰ ⅱ b ホ (二)偈讃

^讃さん (浄土論・意) にいはく、

「▲安楽あんらく国こくは清浄しょうじょうにして、 つねに無垢むくの輪りんを転てんず。
▲一念いちねんおよび一いち時じに、 ▲もろもろの群ぐん生じょうを利り益やくす。
▲仏ぶつのもろもろの功く徳どくを讃さんずるに、 分別ふんべつの心しんあることなし。
▲よくすみやかに功く徳どくの大だい宝海ほうかいを満足まんぞくせしむ」 と。

▲讃ニ云ク、

「安楽国ハ清浄ニシテ常ニ転テムズ↢無垢クノ輪リムヲ↡
一念及ビ一時ニ利↢益ス諸ノ群生ヲ↡
讃ズルニ↢仏ノ諸ノ功徳ヲ↡無シ↠有ルコト↢分別ベチノ心↡
能ク令シムト↣速スミヤカニ満↢足セ功徳ノ大宝海ヲ↡」

二 Ⅰ ⅱ b ヘ 釈総結観名文

^六ろくに ▲「是為ぜい」 より下しもは総そうじて結けっす。

六ニ従リ↢「是ゼ為ト云」↡下ハ▲総ソウジテ結クヱチムスブス。

二 Ⅰ ⅱ c 結

^上じょう来らい六ろっ句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく水観すいかんを明あかしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢六句ノ不同↡、広ク明シ↢水観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅲ【地観】
      a 標

【4】 ^三さん0509に*地じ想観そうかんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその六ろくあり。

▲三ニ就キテ↢地想観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙アゲ、次ニ弁ベムジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ六↡。

二 Ⅰ ⅲ b 釈
        イ 釈結前生後文

^一いちに ▲「此し想そう成じょう時じ」 よりは、 まさしく前さきを結けっし後のちを生しょうずることを明あかす。

一ニ従リ↢「此シ想成時ジト云」↡者ハ0730、▲正シク明ス↢結ケチシ↠前サキヲ生ズルコトヲ↟後ヲ。

二 Ⅰ ⅲ b ロ 釈弁観成相文
          (一)科解

^二にに ▲「一一いちいち観かん之し」 より下しも 「不可ふか具ぐ説せつ」 に至いたるこのかたは、 まさしく観かん成じょうの相そうを弁べんずることを明あかす。 すなはちその六ろくあり。

二ニ従リ↢「一一観之シト云」↡下至ル↢「不可具グ説ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↠弁ベンズルコトヲ↢観成ノ相ヲ↡。即チ有リ↢其ノ六↡。

・心標一境

^▲一いちには心しんに一いっ境きょうを標ひょうして、 *総雑そうぞうしてこれを観かんずることを得えざれといふことを明あかす。

▲一ニハ明ス↧心ニ標ヘウシテ↢一境ヲ↡、†不ザレトイフコトヲ↞得エ↢総雑ソウザフシテ観ズルコトヲ↟之ヲ。

・必令明了

^▲二ににはすでに一いっ境きょうをもつぱらにすれば、 境きょうすなはち現前げんぜんす。 すでに現前げんぜんすることを得うれば、 かならず明了みょうりょうならしむることを明あかす。

▲二ニハ明ス↧既スデニ専 ラニスレバ↢一境ヲ↡、境即チ現前ゼンス、既ニ得レバ↢現前スルコトヲ↡、必ズ令シムルコトヲ↦明了ナラ↥。

・守令莫失

^▲三さんには境きょうすでに心しんに現げんずれば、 目めを閉とぢ目めを開ひらくに守まもりて失しっすることなからしむることを明あかす。

▲三ニハ明ス↢境既ニ現ズレバ↠心ニ、閉トヂ↠目メヲ開クニ↠目ヲ守マモリテ令シムルコトヲ↟莫ナカラ↠失シツスルコト。

・憶持不捨

^▲四しには身みの四し威儀いぎに0410昼ちゅう夜やつねに念ねんじて、 ただ睡すい時じを除のぞきて*憶おく持じして捨すてざることを明あかす。

▲四ニハ明ス↧身ミノ四威儀ニ昼チウ夜常ニ念ジテ、唯タダ除ノゾキテ↢睡スイ時ジヲ↡憶オク持ヂシテ不ザルコトヲ↞捨テ。

・凝心不絶

^▲五ごには心しんを凝こらすこと絶たえざれば、 すなはち浄じょう土どの相そうを見みることを明あかす。 これを想心そうしん中ちゅうの見けんと名なづく、 なほ*覚想かくそうあるがゆゑなり。

▲五ニハ明ス↣凝コラスコト↠心ヲ不ザレバ↠絶タエ、即チ見ルコトヲ↢浄土之ノ相ヲ↡。此ヲ名ク↢想心ノ中ノ見ケント↡、猶ナホ有ルガ↢覚想↡故†ナリ。

・正受相応

^▲六ろくには想心そうしんやうやく微みにして覚念かくねんたちまちに除のぞこり、 *正しょう受じゅ相応そうおうして三昧さんまいを証しょうし、 真しんにかの境きょうの*微み妙みょうの事じを見みる、 なにによりてかつぶさに説とかんやといふことを明あかす。

▲六ニハ明ス↧想心漸ヤウヤク微ミニシテ覚念†頓チニ除ノゾコリ、正受ジユ‡相応シテ証シ↢於三昧ヲ↡、真ニ見ル↢彼ノ境ノ微ミ妙之ノ事ヲ↡、何ナニニ由ヨリテカ具ツブサニ説カムヤトイフコトヲ↥。

二 Ⅰ ⅲ b ロ (二)結勧

^これすなはち地じ広ひろくして無む辺へんなり。 宝幢ほうどう一いちにあらず。 衆珍しゅちん彩いろを曜かがやかして、 転変てんぺんいよいよ多おおし。 ここをもつて ˆ仏ぶつはˇ 物ものを勧すすめて心しんを傾かたむけ、 つねに目めに対たいするがごとくならしむ。

~斯コレ乃チ地ヂ広クシテ無ム辺ナリ。宝幢非ズ↠一ニ。衆珍チム曜カガヤカシテ↠彩イロヲ、転変テムペン弥イヨイヨ多オホシ。是ヲ以テ勧ススメテ↠物モノヲ傾カタブケ‡↠心ヲ、恒ニ如ゴト†クナラシム↠†対スルガ↠†目ニ。

二 Ⅰ ⅲ b ハ 釈総結観名文

^三さんに ▲「是為ぜい」 より下しもは総そうじて結けっす。

三ニ従リ↢「是為ト云」↡下ハ▲総ソウジテ結ス。

二 Ⅰ ⅲ b ニ 釈勧発流通文

^四しに ▲「仏告ぶつごう阿あ難なん」 より下しも 「説せつ是ぜ観かん地じ法ほう」 に至いたるこのかたは、 まさしく*流る通ずうを勧発かんぽつして、 縁えんに随したがひて広ひろく説とかしむることを明あかす。 すなはちその四しあり。

四ニ従リ↢「仏告阿難‡」↡下至ル↢「説是観地法ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧勧↢発シテ流通ヲ↡、随ヒテ↠縁ニ広ク説トカシムルコトヲ↥。即チ有リ↢其ノ四↡。

・告命

^▲一いちには*告ごう命みょうを明あかす。

▲一ニハ明ス↢告ガウ命ヲ↡。

・勧持仏語

^▲二にには仏ぶつ語ごを勧かん持じして、 広ひろく未み来らいの大衆だいしゅのために前さきの観かん地じの益やくを説とかしむることを明あかす。

▲二ニハ明ス↧勧↢持ヂシテ仏語ヲ↡、広ク為ニ↢未来ノ大衆ノ↡説カシムルコトヲ↦前サキノ観地之ノ益ヲ↥。

・急為説之

^▲三さんには機きの受うくるに堪たへ信しんずるに堪たへたるを*簡えらび、 この娑しゃ婆ば生しょう死じの身みの八はっ苦く・五苦ごく・三さん悪道まくどうの苦く等とうを捨すつることを得えんと欲ほっして、 聞ききてすなはち信しん行ぎょうするものには、 身しん命みょうを惜おしまず、 急きゅうにためにこれを説とけといふことを明あかす。

▲三ニハ†明ス↧簡†ビ↢機ノ堪タヘ↠受ウクルニ堪ヘタルヲ↟信ズルニ、欲シテ↠得エムト↠捨スツルコトヲ↢此ノ娑婆生死之身ミノ八苦ク・五苦・三悪アクマク道ノ苦等ヲ↡、▲聞キキテ即チ信行†スル者 ノニハ、不ズ↠惜オシマ↢身命ヲ↡、急キウニ為ニ説ケトイフコトヲ↞之ヲ。

^▼もし一人いちにんも苦くを捨すてて生しょう死じを出いづることを得うれば、 これを真しんに仏恩ぶっとんを報ほうずと名なづく。 なにをもつて0411のゆゑに。 諸仏しょぶつ世よに出いでて種々しゅじゅの方便ほうべんをもつて衆しゅ生じょうを勧かん化けしたまふは、 ただ悪あくを制せいし福ふくを修しゅ0510して、 人天にんでんの楽らくを受うけしめんと欲ほっするにはあらざればなり。

~若シ†得レバ↣一人モ捨テテ↠苦ヲ出ヅルコトヲ↢生死ヲ↡者、是ヲ名ク↣†真ニ報ズト↢仏恩オンヲ↡。何ヲ以テノ故ニ。諸仏出デテ↠世ニ種種ノ方便ヲモテ勧↢化シタマフ衆生ヲ↡者ハ、†不ザレバ↠欲スルニハ↤直令メムト↣制セイシ↠悪ヲ修シテ↠福ヲ、受ウケ↢人天ノ楽ラクヲ↡也。

^人天にんでんの楽らくはなほ電光でんこうのごとし。 須しゅ臾ゆにすなはち捨すてて、 還かえりて三悪さんまくに入いりて長じょう時じに苦くを受うく。 この因縁いんねんのために、 ただ勧すすめてすなはち浄じょう土どに生しょうずることを求もとめて*無む上じょう菩ぼ提だいに向むかはしめたまふ。 このゆゑに▼いまの時ときの*有う縁えん、 あひ勧すすめて誓ちかひて浄じょう土どに生しょうぜしむるは、 すなはち諸仏しょぶつの本願ほんがんの意こころに称かなふ。

~▼人天之ノ楽ハ猶ナホ如シ↢電デム光イナビカリノ↡。須臾ニ即チ†捨テテ、還リテ入リテ↢三悪ニ↡長0731時ニ受ク↠苦ヲ。為ニ↢此ノ因縁ノ↡、但勧メテ即チ令シ†メタマフ↧求メテ↠生ズルコトヲ↢浄土ニ↡向ムカハ↦無上菩提ニ↥。是ノ故ニ今ノ時ノ有縁、相 ヒ勧メテ誓チカヒテ生ゼシムル↢浄土ニ↡者ハ、即チ称カナフ↢諸仏ノ本願ノ意ニ↡也。

^もし信しん行ぎょうを楽ねがはざるものは、 ¬*清浄しょうじょう覚がく経きょう¼ (四意) にのたまふがごとし。 「▲もし人ひとありて浄じょう土どの法門ほうもんを説とくを聞ききて、 聞きけども聞きかざるがごとく、 見みれども見みざるがごとくなるは、 まさに知しるべし、 これらははじめて三さん悪道まくどうより来きたりて、 罪ざい障しょういまだ尽つきず。 これがために*信向しんこうすることなきのみ。 仏ぶつのたまはく、 ªわれ説とかく、 この人ひとはいまだ解げ脱だつを得うべからずº」 と。

~若シ不ザル↠楽ネガハ↢信行ヲ↡†者ハ、如†シ↢¬清浄覚経ニ¼云フガ↡。「若シ有リテ↠人聞キテ↠説クヲ↢浄土ノ法門ヲ↡、聞キケドモ如ク‡↠不ザルガ↠聞カ、見†レドモ如ク†ナルハ↠不ルガ↠見ミ、当ニシ↠知ル、此 レ等ラハ始ハジメテ従リ↢三悪道↡来リテ、罪障未ズ ダ↠尽ツキ。†為ニ↠此ガ無†キ↢信向スルコト↡†耳。仏ノ言‡ク、我 レ説ト†カク、此ノ人ハ未ズ ダト↠可ベカラ↠得ウ↢解脱ヲ↡也。」

^この ¬経きょう¼ (平等覚経・四意) にまたのたまはく、 「▲*もし人ひと浄じょう土どの法門ほうもんを説とくを聞きき、 聞ききてすなはち悲喜ひき交まじはり流ながれ、 身みの毛け為竪いよだつものは、 まさに知しるべし、 この人ひとは過去かこにすでにかつてこの法ほうを修しゅ習じゅうして、 いまかさねて聞きくことを得えてすなはち歓かん喜ぎを生しょうじ、 正しょう念ねんに修しゅ行ぎょうしてかならず生しょうずることを得う」 と。

~此ノ¬経ニ¼又云ク、「若シ人聞キ↠説クヲ↢浄土ノ法門ヲ↡、聞キキテ即チ悲喜ヒキ交マジハリ流ナガレ、身ノ毛ケ為竪 イヨダ ツ者 ノハ、当ベ ニシ↠知ル、此ノ人ハ▼過去ニ已ニ曽カツテ修シユ↢習ジフシテ此ノ法ヲ↡、今得エテ↢重カサネテ聞クコトヲ↡即チ生ジ↢歓喜ヲ↡、正念ニ修行シテ必ズ得ウト↠生ズルコトヲ也。△」

・教観住心

^▲四しにはまさしく教おしへて宝ほう地じを観かんじてもつて心しんを住とどめ0412しむることを明あかす。

▲四ニハ明ス↧正シク教ヘテ観ジテ↢宝地ヲ↡以テ†住メシムルコトヲ↞心ヲ也。

二 Ⅰ ⅲ b ホ 釈顕観利益文

^五ごに ▲「若にゃく観かん是地ぜじ者しゃ」 より下しも 「心得しんとく無疑むぎ」 に至いたるこのかたは、 まさしく観かんの利り益やくを顕あらわすことを明あかす。 すなはちその四しあり。

五ニ従リ↢「若観是地者ト云」↡下至ル↢「心得無疑ギニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↠顕スコトヲ↢観ノ利益ヲ↡。即チ有リ↢其ノ四↡。

・指法

^▲一いちには法ほうを指さすことを明あかす。 ただ宝ほう地じを観かんじて余よ境きょうを論ろんぜず。

▲一ニハ明ス↠指サスコトヲ↠法ヲ。唯タダ観ジテ↢宝地ヲ↡不ズ↠論ロンゼ↢余ヨ境ヲ↡。

・除罪

^▲二にには無漏むろの宝ほう地じを観かんずるによりて、 よく有漏うろ多た劫こうの罪つみを除のぞくことを明あかす。

▲二ニハ明ス↧因ヨリテ↠観ズルニ↢無漏之宝地ヲ↡、能ク除クコトヲ↦有漏ロノ多タ劫ノ罪ヲ↥也。

・必生浄土

^▲三さんには捨身しゃしん以後いごかならず浄じょう土どに生しょうずることを明あかす。

▲三ニハ明ス↣†捨身已後必ズ生ズルコトヲ↢浄土ニ↡。

・不得雑疑

^▲四しには因いんを修しゅすること正しょう念ねんにして、 疑うたがいを雑まじふることを得えざれといふことを明あかす。

▲四ニハ明ス↢†修スルコト↠因ヲ正念ニシテ不ザ†レトイフコトヲ↟得エ↠雑マジフルコトヲ↠疑 ヒヲ。

^往おう生じょうを得うといへども、 ▼華はなに含ふくまれていまだ出いでず。 あるいは*辺界へんがいに生しょうじ、 あるいは*宮く胎たいに堕だす。

~雖モ↠得ウト↢往生ヲ↡、▼含フクマレテ↠華ニ†未ダ↠出デ。▼或イハ生ジ↢辺界ニ↡、▼或イハ堕ダス↢▼宮胎ニ↡。

^あるいは大だい悲ひ菩ぼ薩さつ (観音) の*開かい華け三昧ざんまいに入いりたまふによりて疑ぎ障しょうすなはち除のぞこり、 *宮華くけ開発かいほつし身相しんそう*顕然けんねんなり。 *法侶ほうりょ携たずさへ将いて*仏ぶつ会えに遊あそばしむ。 これすなはち心しんを注とどめて宝ほう地じを見みるに、 すなはち*宿障しゅくしょうの*罪ざいけんを滅めっす。 願がん行ぎょうの業ごうすでに円まどかにして、 命いのち尽つきて往ゆかざることを疑うたがふことなし。

~或イハ因ヨリテ↣大悲ノ菩薩ノ入リタマフニ↢開華三昧ニ↡疑ギ障シヤウ乃チ除ノゾコリ‡、宮華開発シ身相顕然ナリ。法侶リヨ携タヅサヘ将ヰテ遊アソバシム↢於仏会ヱニ↡。斯コレ乃チ注トドメテ↠心ヲ見ルニ↢於宝地ヲ↡、即チ滅ス↢宿シユク障ノ罪ケントガヲ↡。願行之ノ業已ニ円カニシテ、命イノチ尽ツキテ無シ↠疑フコト↠不ザルコトヲ↠往ユカ。

^いますでにこの0511*勝しょう益やくを覩みる、 さらに勧すすめて邪じゃ正しょうを弁べん知ちせしむ。

~今 マ既ニ*覩ミル↢斯コノ勝益ヲ↡、更ニ勧メテ弁ベム↢ワキマヘ知チシルセシム邪ジヤ正ヲ↡。△

二 Ⅰ ⅲ b ヘ 釈弁観邪正文

^六ろくに ▲「作是さぜ観かん」 より以下いげは、 まさしく観かんの邪じゃ正しょうを弁べんずることを明あかす。 邪じゃ正しょうの義ぎは△前さきの日観にっかんのなかにすでに説とけり。

六ニ従リ↢「作是観‡」↡已下ハ、▲正シク明ス↠弁ベムズルコトヲ↢観ノ邪正ヲ↡。邪正0732ノ義者ハ前サキノ日観ノ中ニ已ニ説ト†ケリ。

二 Ⅰ ⅲ c 結

^上じょう来らい六ろっ句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく地じ観かんを明あかしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢六句ノ不同↡、広ク明シ↢地観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅳ【宝樹観】
      a 標

【5】 ^四しに*宝樹ほうじゅ観かんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなは0413ちその十じゅうあり。

▲四ニ就キテ↢宝樹観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙ゲ、次ニ弁ジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ†十↡。

二 Ⅰ ⅳ b 釈
        イ 釈仏告等文

^一いちに ▲「仏告ぶつごう阿あ難なん」 より下しも 「次し観かん宝樹ほうじゅ」 に至いたるこのかたは、 まさしく告ごう命みょうして総そうじて観かんの名なを挙あげて、 前さきを結けっして後のちを生しょうずることを明あかす。

一ニ従リ↢「仏告阿難ト云」↡下至ル↢「次シ観宝樹ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧告命シテ総ソウジテ挙アゲテ↢観ノ名ナヲ↡、結シテ↠前ヲ生ズルコトヲ↟後ヲ。

二 Ⅰ ⅳ b ロ 釈観宝樹等文
          (一)科節

^二にに 「▲観かん宝樹ほうじゅ」 といふは、 かさねて観かんの名なを牒でつす。

二ニ言フ↢「観宝樹ト」↡者ハ、▲重 ネテ牒デツタタム†ス↢観ノ名ヲ↡也。

二 Ⅰ ⅳ b ロ (二)述意

^▲「一一いちいち観かん之し」 といふ以下いげは、 後のちの観かんの相そうを生しょうじてまさしく*儀ぎ則そくを教おしふ。 これ弥陀みだの浄じょう国こく広闊こうかつにして無む辺へんなることを明あかす。 宝樹ほうじゅ・宝林ほうりん、 あに七行しちごうをもつて量りょうとなさんや。

言フ↢「一一観之シト」↡已下ハ、▲生ジテ↢後ノ観ノ相ヲ↡正シク教フ↢儀則ソクヲ↡。此‡明ス↢弥陀ノ浄国広闊クワツニシテ無辺ナルコトヲ↡。宝樹・宝林、豈アニ以テ↢七行ヲ↡†為サム↠量ト也ヤ。

二 Ⅰ ⅳ b ロ (三)釈文

・七重

^いま 「▲*七しち重じゅう」 といふは、 あるいは一樹いちじゅあり、 黄金おうごんを根ねとなし、 紫し金こんを茎くきとなし、 白びゃく銀ごんを枝えだとなし、 碼め碯のうを条こえだとなし、 珊さん瑚ごを葉はとなし、 白玉びゃくぎょくを華はなとなし、 真珠しんじゅを菓このみとなす。 かくのごとき七しち重じゅうたがひに根こん・茎きょう、 乃ない至し華け・菓か等とうをなせば、 七々しちしち四し十じゅう九く重じゅうなり。

~今言フ↢「七重ト」↡者ハ、或イハ有リ↢一樹↡、黄金ヲ為シ↠根ネト、紫シ金ヲ為シ↠茎クキト、白銀ゴンヲ為シ↠枝エダト、碼メ碯ナウヲ為シ↠条コエダト、珊サム瑚ゴヲ為シ↠葉ハト、白ハク玉ヲ為シ↠華ハナト、真珠ジユヲ為ス↠菓コノミト。如†キ↠是クノ七重互タガヒニ為†セバ↢根コン・茎キヤウ乃至華・菓クワ等ヲ↡、七七四十九重ヂウ也ナリ。

^あるいは一宝いっぽうを一樹いちじゅとなすもの、 あるいは二に・三さん・四し、 乃ない至し百ひゃく千せん万億まんおく不可ふか説せつの宝たからを一樹いちじゅとなすものあり。 この義ぎ、 ¬*弥陀みだ経きょう義ぎ¼ のなかにすでに広ひろく論ろんじをはりぬ。 ゆゑに七しち重じゅうと名なづく。

或イハ†有リ↧一宝ヲ為†ス↢一樹ジユト↡者、或イハ二・三・四乃至百千万億不可説ノ宝ヲ為†ス↢一樹ト↡者↥。▲此ノ義¬弥陀経義ノ¼中ニ已ニ広ク論ロンジ竟リヌ。故ニ名†ク↢七重ト↡也。

・行

^「▲行ごう」 といふは、 かの国くにの林樹りんじゅ多おおしといへども、 *行々ごうごう整しょう直じきにして雑乱ぞうらんなし。

~言フ↢「行ト」↡者ハ、彼ノ国ノ林樹雖モ↠多シト、行行 整シヤウトトノヲリ直ヂキニシテナヲシ  而無シ↢雑乱ザフラム↡。

・想

^「▲想そう」 といふは、 いまだ*真観しんかんを閑ならひて自じ在ざいに心しんに随したがはざれば、 かならず*仮け想そうによりてもつて心しんを住とどめて、 まさによく益やくを証しょうす。

~言フ↢「想サフト」↡者ハ、未ザ ダレバ↧閑ナラヒテ↢真観ヲ↡自在ニ随ハ↞心ニ、要カナラズ藉ヨリテ↢仮ケ想ニ↡以テ†住メテ↠心ヲ、方マサニ能ク証†ス↠益ヲ也。△

二 Ⅰ ⅳ b ハ 釈明樹体量文
          (一)科節

^三さんに ▲「一一いちいち」 より下しも 「由ゆ旬じゅん」 に至いたるこのかたは、 まさしく樹じゅの体たいと↓量りょうとを明あかす。

三ニ従リ↢「一一ト云」↡下至ル↢「由ユ旬ジユンニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢†樹之ノ体ト量トヲ↡。

二 Ⅰ ⅳ b ハ (二)述意

^これもろもろの宝ほう林りん樹じゅ、 みな弥陀みだ無漏むろの心しん中ちゅうより流る出しゅつすることを明あかす。 仏心ぶっしんこ0414れ無漏むろなるによるがゆゑに、 その樹じゅまたこれ無漏むろなり。

~†此明ス↧諸ノ†宝林樹、皆従リ↢弥陀†無漏ノ心中↡流ル出スルコトヲ↥。由ヨルガ↢仏心是無漏ロナルニ↡故ニ、其ノ樹‡亦是 レ無漏也ナリ。

二 Ⅰ ⅳ b ハ (三)述讃

^讃さん (浄土論) にいはく、

「▲正しょう道どうの大だい慈悲じひ、 出しゅっ世せの善根ぜんごんより生しょうず。
◆浄じょう0512光こう明みょうの満足まんぞくせること、 鏡かがみと日月にちがつ輪りんとのごとし」 と。

~讃ニ云ク、

「正道ノ大慈悲出世ノ善根ヨリ生ズ
浄光明ノ満足†セルコト如シト↢鏡カガミト日月輪リムトノ↡」△

二 Ⅰ ⅳ b ハ (四)釈量

^「↑量りょう」 といふは、 一々いちいちの樹じゅの高たかさ三さん十じゅう二に万まん里りなり。 また老ろう死しのものなく、 また小生しょうしょうのものなく、 また初しょ生しょう漸ぜん長ちょうのものなし。 起きすることすなはち同どう時じにたちまちに起おこりて、 量りょう数しゅ等斉とうざいなり。 なんの意こころぞしかるとならば、 かの界さかいは位くらいこれ無漏むろ無む生しょうの界さかいなり。 あに生しょう死じ漸ぜん長ちょうの義ぎあらんや。

▲言フ↠量ト者ハ、一一ノ樹ノ高サ三十二万里リナリ。亦無ナク↢老死シ0733ノ者 ノ↡、亦無†ク↢小生ノ者 ノ↡、亦無シ↢初シヨ生漸ゼム長ノ者 ノ↡。起キスルコトオコル   即チ同時ニ†頓チニ起オコリテ、量数シユ等斉ザイナリ。何ナニノ意ゾ†然シカルトナラバ者、彼ノ界ハ位クラヰ是 レ無漏無生之ノ界サカヒナリ。豈アニ有ラム↢生死ジ漸ゼム長之ノ義↡也ヤ。

二 Ⅰ ⅳ b ニ 釈雑樹雑厳飾文
          (一)科節

^四しに ▲「其ご諸しょ宝樹ほうじゅ」 より下しも 「以為いい映飾ようじき」 に至いたるこのかたは、 まさしく*雑樹ぞうじゅ・雑厳ぞうごん・雑飾ぞうじきの異い相そうを明あかす。 すなはちその四しあり。

四ニ従リ↢「其ゴ諸宝樹ト云」↡下至ル↢「以為映飾エイジキニカザル」↡已来タハ、▲正シク明ス↢雑ザフ樹・雑厳ゴム・雑マジヘ飾ジキノカザル異イ相ヲ↡。即チ有リ↢其ノ四↡。

・華葉

^▲一いちには林樹りんじゅの華け葉よう間雑けんぞうして不ふ同どうなることを明あかす。

一ニハ明†ス↢林樹ノ華葉エウ間雑ケンザフシテ不同ナルコトヲ↡。

・根茎枝条菓

^▲二にには一々いちいちの根こん・茎きょう・枝し・条じょう・菓か等とうみな衆宝しゅぼうを具ぐせることを明あかす。

二ニハ明ス↣一一ノ根コン・茎キヤウ・枝シ・条デウ・菓クワ等皆 ナ具グセルコトヲ↢衆宝ヲ↡。

・転相間雑

^▲三さんには一々いちいちの華け葉よううたたたがひに不ふ同どうにして、 *瑠璃るりの色いろのなかより金色こんじきの光ひかりを出いだす。 かくのごとくうたたあひ間雑けんぞうすることを明あかす。

三ニハ明ス↧一一ノ華葉エウ転ウタタ互タガヒニ不同ニシテ、瑠璃ルリノ色イロノ中ヨリ‡出ス↢金色ノ光ヲ↡、如ク↠是クノ転ウタタ相 ヒ間雑ケンザフ†スルコトヲ↥。

・雑宝厳飾

^▲四しにはさらに一切いっさいの雑宝ざっぽうをもつてこれを厳飾ごんじきせることを明あかす。

四ニハ明ス↧更ニ将モテ↢一切ノ雑宝ヲ↡而厳↦飾ジキセルコトヲ之ヲ↥。

二 Ⅰ ⅳ b ニ (二)述讃

^また讃さん (浄土論) にいはく、

「▲もろもろの珍宝ちんぽうの性しょうを備そなへて、 妙みょう荘しょう厳ごんを具ぐ足そくせり。
◆無垢むくの光炎こうえん熾さかりにして、 明浄みょうじょうにして世せ間けんを曜かがやかす」 と。

又▲讃ニ云ク、

「備ソナヘテ↢諸ノ珍チン宝ノ性ヲ↡具↢足セリ妙荘厳ヲ↡
無垢クノ光炎エン熾サカリ†ニシテ明浄ニシテ†曜カスト↢世間ヲ↡」

^ま0415た*讃さんにいはく、

「弥陀みだの浄じょう国こく、 宝樹ほうじゅ多おおし。
四し面めんに条じょうを垂たれて、 天てん衣え挂かかり繞めぐれり。
▼*宝雲ほううん蓋がいを含ふくみ、 *化け鳥ちょう声こえを連つらね、
▼*旋転せんでんして空くうに臨のぞみ、 法音ほうおんを奏そうして*会えに入いる。
*他た方ほうの聖しょう衆じゅ、 響ひびきを聴ききてもつて心しんを開ひらき、
*本国ほんごくの能人のうにん、 形かたちを見みて悟さとりを取とる」 と。

▲又讃†ジテ云ク、

弥陀ノ浄国‡宝樹多オホシ
四面メンニ垂タレテ↠†条コエダヲ天衣挂カカリ遶メグレリ
宝雲ウン含フクミ↠蓋ガイヲ化鳥連ツラネ‡↠声ヲ
旋転センデムシテ臨ミ‡↠空ニ奏ソウシテ↢法音ヲ↡而入ル↠会ヱニ
他タ方ノ聖衆‡聴キキテ↠響ヒビキヲ以テ開キ↠心ヲ
本国ノ能人‡見テ↠形カタチヲ而取トルト↠悟サトリヲ

二 Ⅰ ⅳ b ホ 釈明樹上荘厳文

^五ごに ▲「妙みょう真珠しんじゅ網もう」 より下しも 「色しき中上ちゅうじょう者しゃ」 に至いたるこのかたは、 まさしく樹じゅ上じょうの空くう裏りの荘しょう厳ごんの相そうを明あかす。 すなはちその七しちあり。

五ニ従リ↢「妙真珠ジユ網マウ」↡下至ル↢「色中上者ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢樹上ノ空裏リウチノ荘厳ノ相ヲ↡。即チ有リ↢其ノ七↡。

・珠網

^▲一いちには*珠網しゅもう空くうに臨のぞみて樹じゅを覆おおへることを明あかす。

一ニハ明ス↢珠網ジユマウ臨ノゾミテ↠†空ニ覆オホ†ヘルコトヲ↟†樹ヲ。

・網有多重

^▲二にには網あみに多た重じゅうあることを明あかす。

二ニハ明ス↣網ニ有ルコトヲ↢多重↡。

・宮殿

^▲三さんには宮く殿でんの多た少しょうを明あかす。

三ニハ明ス↢宮殿ノ多少ヲ↡。

・童子

^▲四しには一々いちいちの宮く内ないにもろもろの童どう子じ多おおきことを明あかす。

四ニハ明ス↣一一ノ宮内ナイニ多キコトヲ↢諸ノ童ドウ子ジ↡。

・服珠瓔珞

^▲五ごには童どう子じの身みに珠たまの*瓔珞ようらくを服ぶくせることを明あかす。

五ニハ明ス↣童子ノ身ニ服ブクセルコトヲ↢珠タマノ瓔珞ヤウラクヲ↡。

・瓔珞光照

^▲六ろくには瓔珞ようらくの光こう照しょうの遠近おんごんを明あかす。

六ニハ†明ス↢瓔珞ノ光照ノ遠近ヲ↡。

・光超上色

^▲七しちには光ひかり上じょう色しきに超こえたることを明あかす。

七ニハ†明ス↣光超エタルコトヲ↢上色ニ↡。

二 Ⅰ ⅳ b ヘ 釈此諸宝樹等文

^六ろくに ▲「此し諸しょ宝林ほうりん」 より下しも 「有う七宝しっぽう菓か」 に至いたるこのかたは、 その林樹りんじゅ多おおしといへども0513雑乱ぞうらんなく、 華け実じつ開ひらくる時ときうちより出いでざることを明あかす。 これすなはち*法蔵ほうぞうの因いん深ふかくして、 自じ然ねんにしてあらしむることを致いた0416す。

六ニ従リ↢「此諸宝林ト云」↡下至ル↢「有七宝菓クワニ」↡已来タハ、▲†明ス↧其ノ林樹雖モ↠多シト而無ク↢雑乱↡、華実開クル時不ルコトヲ↦従リ↠内出デ↥。斯コレ乃チ法蔵ノ因イム深クシテ、致ス↠使シムルコトヲ↢自然ニシテ而有アラ↡。

二 Ⅰ ⅳ b ト 釈明華葉色相文

^七しちに ▲「一一いちいち樹葉じゅよう」 より下しも 「婉転えんでん葉間ようけん」 に至いたるこのかたは、 まさしく華け葉ようの色相しきそうの不ふ同どうなることを明あかす。 すなはちその五ごあり。

七0734ニ従リ↢「一一樹葉エウト云」↡下至ル↢「婉転エンデム葉エウ間ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢華葉ノ色シキ相ノ不同ナルコトヲ↡。即チ有リ↢其ノ五↡。

・葉量

^▲一いちには葉よう量りょうの大だい小しょう等ひとしくして差別しゃべつなきことを明あかす。

一ニハ明†ス↣葉エウ量ノ大小等シクシテ無キコトヲ↢差シヤ別↡。

・光色

^▲二にには葉ようより光色こうしきを出いだす多た少しょうを明あかす。

二ニハ明ス↧葉†ヨリ出ス↢光色ヲ↡多少ヲ↥。

・喩顕

^▲三さんには疑うたがひて識しらざることを恐おそれて、 喩たとへを借かりてもつて顕あらわすに、 *天てんの瓔珞ようらくのごとしといふことを明あかす。

三ニハ明ス↧恐オソレテ↢疑ウタガヒテ不ザ†ルコトヲ↟†識ラ、借カリテ↠喩タトヒヲ以テ顕スニ、如†シトイフコトヲ↦天ノ瓔珞ノ↥。

・妙華

^▲四しには葉ように妙みょう華けありて、 色いろ*天金てんごんに比ひし、 相かたち*火か輪りんに喩たとふることを明あかす。

四ニハ明ス↧葉エウニ有リテ↢†*妙華↡、色比ヒシ↢天金ニ↡、†相カタチ喩フルコトヲ↦火輪リムニ↥。

・婉転

^▲五ごにはたがひにあひ顕けん照しょうして、 葉ようのあひだに婉転えんでんすることを明あかす。

五ニハ明ス↣迭タガヒニ相 ヒ顕照シテ、婉エン↢転デムスルコトヲ葉エウノ間ニ↡。

二 Ⅰ ⅳ b チ 釈明菓徳用文

^八はちに ▲「湧ゆ生しょう諸しょ菓か」 より下しも 「亦やく於お中ちゅう現げん」 に至いたるこのかたは、 まさしく菓このみに不ふ思議しぎの徳用とくゆうの相そうあることを明あかす。 すなはちその五ごあり。

八ニ従リ↢「*湧ユワク生諸菓クワ」↡下至ル↢「亦於中現ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣菓ニ有ルコトヲ↢不思議ノ徳用ユウ之ノ相↡。即チ有リ↢其ノ五↡。

・自然湧出

^▲一いちには宝ほう菓かの生しょうずる時とき、 自じ然ねんに湧ゆ出じゅつすることを明あかす。

一ニハ明ス↢†宝菓ノ生ズル時、自然ニ*湧ユ出スルコトヲ↡。

・菓相

^▲二にには喩たとへを借かりてもつて菓このみの相そうを標ひょうすることを明あかす。

二ニハ明ス↣借カリテ↠喩 ヘヲ以テ標ヘウスルコトヲ↢菓コノミノ相ヲ↡。

・神光

^▲三さんには菓このみに*神光じんこうありて、 化けして幡蓋ばんがいとなることを明あかす。

三ニハ明ス↧菓ニ有リテ↢神光↡、化シテ†成ルコトヲ↦幡蓋バムガイト↥。

・宝蓋

^▲四しには宝蓋ほうがい円えん明みょうにして、 うちに*三千さんぜんの界さかいを現げんずるに、 *依え正しょうの二に厳ごん種々しゅじゅの相そう現げんずることを明あかす。

四ニハ明ス↧宝蓋円エン明ニシテ、内ニ現ズルニ↢三千之ノ界ヲ↡、依正ノ二厳ゴム種種ノ相現ズルコトヲ↥。

・十方浄土

^▲五ごには十方じっぽうの浄じょう土どあまねく蓋がいのなかに現げんじて、 かの国くにの人天にんでん*覩と見けんせざるはなきことを明あかす。

五ニハ明ス↧十方ノ浄土普ク現ジテ↢蓋ノ中ニ↡、彼ノ国ノ人天無ナキコトヲ↞†不ルハ↢*覩ト見セ↡。

^またこの樹じゅの量りょういよいよ高たかく、 *縦じゅう広こういよいよ闊ひろく、 華菓けか衆しゅ多たにして、 *神変じんぺん一いちにあらず。 一いちの樹じゅすでにしかり。 かの国くにに*遍満へんまんせるあらゆる諸しょ樹じゅの菓このみ衆しゅ多たにして、 ことごとくみなかくのごとし、 知しるべし。 一いっ0417切さいの行ぎょう者じゃ、 行住ぎょうじゅう坐臥ざがにつねにこの想おもいをなせ。

又此ノ樹ノ量弥イヨイヨ高ク、縦ジユウ広弥イヨイヨ闊ヒロク、華菓衆多ニシテ、神変非ズ↠一ニ。一ノ樹既ニ然シカ‡リ。遍ヘン↢満セル彼ノ国ニ↡†所有ル†諸樹之ノ菓コノミ衆多†ニシテ、尽コトゴトク皆如シ↠此クノ、応ベシ↠知シル。一切ノ行者、行住坐臥ニ常ニ作ナセ↢此ノ想ヲ↡。

二 Ⅰ ⅳ b リ 弁観成相

^九くに ▲「見けん此し樹じゅ已い」 より下しも 「分明ぶんみょう」 に至いたるこのかたは、 観成かんじょうの相そうを弁べんず。 すなはちその三さんあり。

九ニ従リ↢「見此樹已イト云」↡下至ル↢「分明ニ」↡已来タハ、▲弁ズ↢観成ノ相ヲ↡。即チ有リ↢其ノ三↡。

・結観成相

^▲一いちには観かん成じょうの相そうを結けっすることを明あかす。

一ニハ明ス↠結ケチスルコトヲ↢観成ノ相ヲ↡。

・次第観之

^▲二にには次し第だいにこれを観かんじて、 雑乱ぞうらんすることを得えざれといふことを明あかす。

二ニハ明ス↢次第ニ観ジテ↠之ヲ、不†レトイフコトヲ↟得↢雑乱スルコトヲ↡。

・無不明了

^▲三さんには一々いちいちに心しんを起おこして境きょうに住とどめて、 先まづ樹根じゅこんを観かんじ、 次つぎに茎きょう・枝し、 乃ない至し華け・菓かを想おもひ、 次つぎに*網もうと*宮くとを想おもひ、 次つぎに童どう子じと瓔珞ようらくとを想おもひ、 次つぎに葉ようの量りょう・華菓けかの光色こうしきを想おもひ、 次つぎに幡蓋ばんがいに広ひろく*仏ぶつ事じ0514を現げんずることを想おもひ、 すでによく一々いちいちに次し第だいにこれを観かんずるものは、 明了みょうりょうならざるはなきことを明あかす。

三ニハ†明ス↧一一ニ起オコシテ↠心ヲ住メテ↠境ニ、先ヅ観ジ↢樹根コムヲ↡、次ニ想ヒ↢茎キヤウ枝シ乃至華菓ヲ↡、次ニ想ヒ↢網マウト宮トヲ↡、次ニ想ヒ↢童子†ト瓔珞トヲ↡、次ニ想ヒ↢葉エウノ量・華菓ノ光色 キヲ↡、次ニ想†ヒ↣幡蓋ニ広ク現ズルコトヲ↢仏事ジヲ↡、既ニ能ク一一ニ次第ニ†観ズル↠之ヲ者ハ、無キコトヲ↞不ルハ↢明了ナラ↡也。

二 Ⅰ ⅳ b ヌ 釈総結文

^十じゅうに ▲「是為ぜい」 より下しもは総そうじて結けっす。 これすなはち宝樹ほうじゅ暉ひかりを連つらぬ、 *網もう簾れんの空くうに*殿でんあり。 華はな千色せんじきを分わかち、 菓このみ他た方ほうを現げんず。

十ニ従リ↢「是為ト云」↡下ハ▲総ソウジテ結ス。斯コレ乃チ宝樹連ツラ0735†ヌ↠暉ヒカリヲ、†網簾ノ空ニ殿アリ。華†分チ↢千色ヲ↡、菓コノミ現ズ↢他方†ニ↡。

二 Ⅰ ⅳ c 結

^上じょう来らい十じっ句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく宝樹ほうじゅ観かんを明あかしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢十句ノ不同↡、広ク明シ↢宝樹観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅴ【宝池観】
      a 標

【6】 ^五ごに*宝ほう池ち観かんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその七しちあり。

▲五ニ就キテ↢宝池観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙ゲ、次ニ弁ベンジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ七↡。

二 Ⅰ ⅴ b 釈
        イ 釈総挙観名文
          (一)科節

^一いちに ▲「次し当とう想水そうすい」 より以下いげは、 総そうじて観かんの名なを挙あぐ。 すなはちこれ前さきを牒でつして後のちを生しょうず。 これ宝樹ほうじゅ*精しょうなりといへども、 もし池ち水すいなくは、 またいまだ好こうと名なづけざることを明あかす。

一†ニ従リ↢「次シ当想水ト云」↡已下ハ、▲総ジテ挙アグ↢観ノ名ヲ↡。即チ是 レ牒デフシテ↠前サキヲ生ズ↠後ヲ。此‡明ス↧▼宝樹雖モ↠精セイナリト、若シ無ナクハ↢池水↡、亦未ザ ダルコトヲ↞名ケ↠好カウト。

二 Ⅰ ⅴ b イ (二)述意

^一いちには世せ界かいを空むなしくせざらしめんがため、 二にには依え報ほうを荘しょう厳ごんせんがためなり。 この義ぎのためのゆゑに、 この*池渠ちこの観かん0418あり。

~◆一ニハ為 メ↠不ザラシメムガ↠空ムナシ†クセ↢世界ヲ↡、二ニハ為ナリ↣荘↢厳セムガ依報ヲ↡。為ノ↢斯ノ義ノ↡故ニ、有リ↢此ノ池渠コミゾノ観↡也。

二 Ⅰ ⅴ b ロ 釈明池数出処文
          (一)科釈

^二にに ▲「極楽ごくらく国こく土ど」 より下しも 「如にょ意い珠王しゅおう生しょう」 に至いたるこのかたは、 まさしく池ち数しゅを明あかし、 ならびに出しゅっ処しょを弁べんず。 すなはちその五ごあり。

二ニ従リ↢「極楽国土」↡下至ル↢「如意珠王生ニ」↡已来タハ、▲正シク明シ↢池チ数シユヲイケノカズ↡、并ナラビニ弁ベンズ↢出処ヲ↡。即チ有リ↢其ノ五↡。

・所帰

^▲一いちには*所しょ帰きの国くにを標ひょう指しすることを明あかす。

一ニハ明ス↣標ヘウ↢指シスルコトヲ所帰之ノ国ヲ↡。

・八池

^▲二にには池いけに八数はっしゅの名なあることを明あかす。

二ニハ明†ス↣池イケニ有ルコトヲ↢八数之名ナ↡。

・宝水

^▲三さんには一々いちいちの池ち岸がん七宝しっぽうをもつて合ごう成じょうせることを明あかす。 まさしく宝光ほうこう映徹ようてつし通つう照しょうするによりて、 ↓八徳はっとくの水みず雑宝ざっぽうの色いろに一同いちどうなり。 ゆゑに宝水ほうすいと名なづく。

三ニハ明ス↢一一ノ池岸ガムキシ七宝ヲモテ合成セルコトヲ↡。正シク由ヨリテ↢宝光映エイテリ徹テツシトヲル通照セウスルニ↡、八徳之ノ水ミヅ一↢同ナリ雑宝之ノ色ニ↡。故ニ名ク↢宝水ト↡也。

・衆宝柔軟

^▲四しにはこのもろもろの衆宝しゅぼう体たい性しょう柔軟にゅうなんなることを明あかす。

四ニハ明ス↢是ノ諸ノ衆宝体性柔軟ニウナムヤハラカナリナルコトヲ↡。

・如意水

^▲五ごには八はっ池ちの水みずみな如にょ意い宝ほうのなかより出いでて、 すなはち如にょ意い水すいと名なづくることを明あかす。

五ニハ明ス↧八池チ之ノ水ミヅ皆 ナ従リ↢如意宝ノ中↡†出デテ、即チ名クルコトヲ↦如意水ト↥。

二 Ⅰ ⅴ b ロ (二)因弁

^この水みずにすなはち↑*八種はっしゅの徳とくあり。 一いちには清浄しょうじょう潤沢にんたく、 すなはちこれ*色しき入にゅうの摂しょうなり。 二にには臭くさからず、 すなはちこれ*香こう入にゅうの摂しょうなり。 三さんには軽かろし。 四しには冷すずし。 五ごには軟やわらかなり、 すなはちこれ*触そく入にゅうの摂しょうなり。 六ろくには美うまし、 これ*味み入にゅうの摂しょうなり。 七しちには飲のむ時とき調適じょうちゃくす。 八はちには飲のみをはりて患うれひなし、 これ*法ほう入にゅうの摂しょうなり。 この八徳はっとくの義ぎはすでに ¬*弥陀みだ義ぎ¼ のなかにありて広ひろく説ときをはりぬ。

▲此ノ水ニ即チ有リ↢八種之ノ徳↡。▼一ニ者清浄潤沢ニムタク、即チ是 レ色シキ入ノ摂セフナリ。二ニ者不ズ↠臭クサカラ、即チ是 レ香カウ入ノ摂ナリ。三ニ者軽カロシ。四ニ者冷スズシ。五ニ者軟ヤハラカナリ、即チ是 レ触ソクフルル入ノ摂ナリ。六ニ者†美ウマシ、是 レ味ミ入ノ摂ナリ。七ニ者飲ノム時調デウ適チヤクス。八ニ者飲ノミ已リテ無シ↠患ウレヘ、是 レ法入ノ摂ナリ。此ノ八徳之義ハ已ニ在アリテ↢¬弥陀義ノ¼中ニ↡広ク説キ竟リヌ。

二 Ⅰ ⅴ b ロ (三)偈讃

^また*讃さんにいはく、

「極楽ごくらく荘しょう厳ごん安あん養にょう国こくには、 八徳はっとくの宝ほう池ち流なが0515れて遍満へんまんせり。
四し岸がん暉ひかりを含ふくみて七宝しっぽうを間まじへ、 水色すいしき分ぶん明みょうにして宝光ほうこうに映ようず。
体たい性しょう柔にゅう軟なんにして堅触けんそくなし。 菩ぼ薩さつおもむろに行ゆきて宝香ほうこうを散さんず。
0419宝香ほうこう・宝雲ほううん、 宝蓋ほうがいとなり、 宝蓋ほうがい空くうに臨のぞみて宝幢ほうどうを覆おおふ。

~又讃†ジテ云ク、

極楽‡荘厳‡安養国ニハ八徳ノ宝池流ナガレテ遍満セリ
四岸ガム含フクミテ↠暉ヒカリヲ間マジヘ↢七宝ヲ↡水色分明ニシテ映エイズ↢宝光ニ↡
体性柔軟ニシテ無ナシ↢堅ケムカタク触ソク↡フルル菩0736薩†徐ニ行ユキテ散サムズ↢宝香ヲ↡
宝香・宝雲成ナ†リ↢宝蓋ト↡宝蓋臨ノゾミテ↠†空ニ覆オオフ↢宝幢†ヲ↡

宝幢ほうどうの厳ごん儀ぎ、 宝殿ほうでんを囲かこめり。 宝殿ほうでんの宝ほう鈴りょう、 珠網しゅもうに垂たる。
宝網ほうもうの*宝楽ほうがく千せん重じゅうに転てんじ、 機きに随したがひて*宝ほう宮く楼ろうを讃歎さんだんす。
一々いちいちの宮く楼ろうに仏ぶつ会えあり。 恒沙ごうじゃの聖しょう衆じゅ坐ざして思し量りょうす。
願ねがはくはこの*有う縁えんつねに憶念おくねんして、 捨しゃ命みょうして同おなじくかの法堂ほうどうに生しょうぜん」 と。

宝幢ノ厳儀†囲メリ↢宝殿ヲ↡宝殿ノ宝鈴リヤウ‡垂タ†ル↢珠網†ニ↡
宝網ノ宝楽千重ニ転†ジ随ヒテ↠機ニ讃サム↢歎ス宝宮楼ロウヲ↡
一一ノ宮楼ニ有リ↢仏会ヱ↡恒沙ノ聖衆坐ザシテ思シ量ス
願クハ此ノ有縁常ニ憶念シテ†捨命シテ同ジク†生ゼムト↢彼ノ法堂ダウニ↡△

二 Ⅰ ⅴ b ハ 釈明異溜分注文

^三さんに ▲「分ふん為い十じゅう四し支し」 より下しも 「以為いい底沙たいしゃ」 に至いたるこのかたは、 まさしく池いけ分わかれて*溜るを異ことにし、 *旋還せんげんして乱みだるることなきことを明あかす。 すなはちその三さんあり。

三ニ従リ↢「分為十四支シト云」↡下至ル↢「以イ為底テイ沙ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢池イケ分ワカレテ異ニシ‡↠†溜ヲ、旋センメグリ還グヱンシテ無キコトヲ↟乱ミダルルコト。即チ有リ↢其ノ三↡。

・渠数

^▲一いちには*渠こ数しゅの多た少しょうを明あかす。

一ニハ明ス↢渠コミゾ数ノ多少ヲ↡。

・渠岸

^▲二にには一々いちいちの渠こ岸がん黄金おうごんの色いろをなすことを明あかす。

二ニハ明ス↣一一ノ渠コ岸ガム作ナスコトヲ↢黄金ノ色ヲ↡。

・底沙

^▲三さんには渠下こげの底沙たいしゃ雑宝ざっぽうの色いろをなすことを明あかす。 ▼「金剛こんごう」 といふはすなはちこれ無漏むろの体たいなり。

三ニハ▼明ス↣渠コ下ノ底テイ沙作スコトヲ↢雑ザフ宝ノ色ヲ↡。言フ↢「金剛ト」↡者ハ▲即チ是 レ無漏ロ之ノ体也ナリ。

二 Ⅰ ⅴ b ニ 釈明水用文

^四しに ▲「一一いちいち水すい中ちゅう」 より下しも 「尋樹じんじゅ上じょう下げ」 に至いたるこのかたは、 まさしく水みずに不ふ思議しぎの*用ゆうあることを明あかす。 すなはちその五ごあり。

四ニ従リ↢「一一水中ト云」↡下至ル↢「尋ジム樹上下ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣水ニ有ルコトヲ↢不思議ノ用↡。即チ有リ↢其ノ五↡。

・渠名

^▲一いちには別べつして渠みぞの名なを指さして、 かの荘しょう厳ごんの相そうを顕あらわすことを明あかす。

一ニハ明ス↧別ベチシテ指サシテ↢渠ミゾノ名ナヲ↡、顕スコトヲ↦彼ノ荘厳之ノ相ヲ↥。

・宝華

^▲二にには渠こ内ないの宝ほう華けの多た少しょうを明あかす。

二ニハ明ス↢渠コ内ノ宝華ノ多少ヲ↡。

・華量

^▲三さんには華け量りょうの大だい小しょうを明あかす。

三ニハ明ス↢華量ノ大小ヲ↡。

・宝水

^▲四しには*摩尼まにの宝ほう水すい、 華はなのあひだに流る注ちゅうすることを明あかす。

四ニハ明ス↣†摩尼マニノ宝水流ル↢注シユスルコトヲ華ノ間ニ↡。

・尋樹

^▲五ごには宝水ほうすい渠みぞより出いでてもろもろの宝樹ほうじゅを尋たずねて、 上じょう下げするに礙さわりなし。 ゆゑに如にょ意い水すいと名なづくることを明あかす。

五ニハ明ス↧宝水従ヨリ↠渠ミゾ而出イデテ尋タヅネテ↢諸ノ宝樹ヲ↡、上下スルニ†無シ↠礙、故ニ名クルコトヲ↦如意水ト↥也。

二 Ⅰ ⅴ b ホ 釈明水徳文

^五ごに ▲「其ご声しょう微み妙みょう」 より下しも 「諸しょ0420仏ぶつ相好そうごう者しゃ」 に至いたるこのかたは、 まさしく水みずに不可ふか思議しぎの徳とくあることを明あかす。 すなはちその二にあり。

五ニ従リ↢「其ゴ声微妙ト云」↡下至ル↢「諸仏相好者ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣水ニ有ルコトヲ↢不可思議ノ徳↡。即チ有リ↢其ノ二↡。

・妙声

^▲一いちには宝水ほうすい華はなのあひだに流る注ちゅうして、 *微波みはあひ触ふるるにすなはち妙声みょうしょうを出いだし、 声こえのなかにみな妙みょう法ほうを説とくことを明あかす。

▲一ニハ明ス↧宝水華ノ間ニ流ル注シユシテ、 微ミチヰサシ波ハナミ相 ヒ触フ†ルルニ即チ出シ‡↢妙声ヲ↡、声ノ中ニ皆説クコトヲ↦妙法ヲ↥。

・妙法

^▲二にには宝水ほうすい岸きしに上のぼりて、 樹じゅの枝し・条じょう・華け・葉よう・菓か等とうを尋たずねて、 あるいは上のぼり、 あるいは下くだり、 中ちゅう間げんにあひ触ふるるにみな妙声みょうしょうを出いだし、 声こえのなかにみな妙みょう法ほうを説とく。 あるいは衆しゅ生じょうの苦く事じを説ときて菩ぼ薩さつの大だい悲ひを覚かく0516動どうして、 勧すすめて他たを引ひかしめ、 あるいは*人天にんでん等とうの法ほうを説とき、 あるいは*二に乗じょう等とうの法ほうを説とき、 あるいは*地じ前ぜん・地じ上じょう等とうの法ほうを説とき、 あるいは*仏ぶつ地じ三身さんしん等とうの法ほうを説とくことを明あかす。

▲二ニハ†明ス↧宝水†上リテ↠岸キシニ、尋タヅネテ↢†樹ノ枝シ・条デウ・華・葉エウ・菓クワ等ヲ↡、或イハ上ノボリ或イハ下リ、中間ニ相 ヒ触†ルルニ皆 ナ出シ↢妙声ヲ↡、声ノ中ニ皆 ナ説ク↢妙法ヲ↡、或イハ説キテ↢衆生ノ苦クノ事ジヲ↡覚↢動ドウシテ菩薩ノ大悲ヲ↡、勧メテ令シメ↠†引カ↠他タヲ、或イハ説キ↢人天等ノ法ヲ↡、或イハ説キ↢二乗等ノ法ヲ↡、或イハ説キ↢地ヂ前・地0737上等ノ法ヲ↡、或イハ説クコトヲ↦仏地三身等ノ法ヲ↥。

二 Ⅰ ⅴ b ヘ 釈明摩尼神徳文

^六ろくに ▲「如にょ意い珠王しゅおう」 より下しも 「念仏ねんぶっ法僧ぽうそう」 に至いたるこのかたは、 まさしく摩尼まに多おおく*神徳じんとくあることを明あかす。 すなはちその四しあり。

六ニ従リ↢「如意珠王ト云」↡下至ル↢「念仏法僧ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣摩尼マニ多ク有ルコトヲ↢神徳↡。即チ有リ↢其ノ四↡。

・金光

^▲一いちには珠王しゅおうのうちより金光こんこうを出いだすことを明あかす。

▲一ニハ明ス↣珠*王ノ内ヨリ出スコトヲ↢金光ヲ↡。

・化鳥

^▲二にには光ひかり化けして百ひゃっ宝ぽうの鳥とりとなることを明あかす。

▲二ニハ明ス↣光化シテ作ナルコトヲ↢百宝之鳥トリト↡。

・鳥声

^▲三さんには鳥声ちょうしょう*哀あい雅げにして天てんの楽がくも、 もつて比ひ方ほうすることなきことを明あかす。

▲三ニハ明ス↣鳥テウ声 哀アヒアワレミ 雅ガウタウニシテ天ノ楽ガクモ、無キコトヲ↢以テ比ヒ方ハウスルコト↡。

・讃歎

^▲四しには*宝ほう鳥ちょう音こえを連つらねて同どう声しょうに*念ねん↓仏ぶっ↓法ぽう↓僧そうを讃歎さんだんすることを明あかす。

▲四ニハ明ス↣宝鳥連ツラネテ↠音ヲ同声ニ讃サム↢歎スルコトヲ念仏法僧ソウヲ↡。

・釈仏

^しかるに 「↑仏ぶつ」 はこれ衆しゅ生じょう無む上じょうの大だい師しなり。 邪じゃを除のぞきて正しょうに向むかはしむ。

~然シカルニ仏ハ是 レ衆生無上ノ大師ナリ。除ノゾキテ↠邪ジヤヲ向ムカハシ†ム↠正ニ。

・釈法

^「↑法ほう」 はこれ衆しゅ生じょう無む上じょうの良薬りょうやくなり。 よく煩悩ぼんのうの毒病どくびょうを断だんじて法身ほっしん清浄しょうじょうならしむ。

~法ハ是 レ衆生無上ノ良薬ラウヤクナリ。能ク断ダムジテ↢煩悩ノ毒病ビヤウヲ↡法身清浄†ナラシム。

・釈僧

^「↑僧そう」 はこれ衆しゅ生じょう無む上じょうの*福田ふくでんなり。 ただ心しんを傾かたむけて*四し事じ0421疲ひ労ろうを憚はばからざれば、 *五ご乗じょうの依果えか自じ然ねんに念ねんに応おうじて*所須しょしゅしかも至いたる。

~僧ソウハ是衆生ノ無上ノ福田ナリ。†但使 タダ 傾カタブケテ↠心ヲ四事シジ不ザレバ↠憚ハバカラ↢疲ヒ労ラウヲ↡、五乗ジヨウノ依果自然ニ応ジテ↠念ニ所須シユ而モ至ル。

^その宝珠ほうしゅ、 前さきには*八はち味みの水みずを生しょうじ、 後のちには種々しゅじゅの金光こんこうを出いだす。 ただ闇あんを破はし昏こんを除のぞくのみにあらず、 到いたる処ところによく仏ぶつ事じを施ほどこす。

~其ノ宝珠、前サキニハ生ジ↢八味ミ之ノ水ヲ↡、後ニハ出ス↢種種ノ金光ヲ↡。非ズ↢†直破ハシ↠闇ヲ除ノゾクノミニ↟昏コムヲクラシ、到イタル処 ロニ能ク†施ス↢仏事ヲ↡。△

二 Ⅰ ⅴ b ト 釈総結文

^七しちに ▲「是為ぜい」 より下しもは総そうじて結けっす。

七ニ従リ↢「是為ト云」↡下ハ▲総ジテ結ス。

二 Ⅰ ⅴ c 結

^上じょう来らい七しち句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく宝ほう池ち観かんを明あかしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢七句ノ不同↡、広ク明シ↢宝池観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅵ【宝楼観】
      a 標

【7】 ^六ろくに*宝楼ほうろう観かんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその十じゅう一いちあり。

▲六ニ就キテ↢宝楼観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙ゲ、次ニ弁ジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ十一↡。

二 Ⅰ ⅵ b 釈
        イ 釈総挙観名文

^初はじめに 「▲衆宝しゅぼう国こく土ど」 といふは、 すなはちこれ総そうじて観かんの名なを挙あげて、 前さきを牒でつして後のちを生しょうず。

初 メニ言フ↢「衆宝国土ト」↡者ハ、即チ是 レ総ソウジテ挙ゲテ↢観ノ名ヲ↡、牒デツシテ↠前サキヲ生ズ↠後ヲ。

^これ浄じょう土どに宝ほう流る潅かん注ちゅうすることありといへども、 もし宝楼ほうろう・宮く閣かくなくは、 またいまだ精しょうとなさざることを明あかす。 これがために依え報ほうの荘しょう厳ごん種々しゅじゅに円えん備びす。

▼此‡明ス↧浄土ニ雖モ↠有リト↢宝流潅クワンソソギ注シユソソグスルコト↡、若シ無クハ↢宝楼・宮閣カク↡、亦未ザ ダルコトヲ↞†為サ↠精セイト。為ニ↠此ガ依報ノ荘厳種種ニ円備ビソナフス†也。

二 Ⅰ ⅵ b ロ 釈明宝楼住処文

^二にに 「▲一一いちいち界かい上じょう」 といふは、 まさしく宝楼ほうろうの住じゅう処しょを明あかす。 地じ界かいかの国くにに遍へんすれば、 楼ろうまた無む窮ぐうなり。

二ニ言フ↢「一一界上ト」↡者、▲正シク†明ス↢宝楼ノ住処ヲ↡。地界遍スレバ↢於彼ノ国ニ↡、楼亦無窮也。

二 Ⅰ ⅵ b ハ 釈正顕其数文

^三さんに 「▲有う五ご百ひゃく億おく」 といふは、 まさしくその数かずを顕あらわす。 一界いっかいの上うえすでにしかり。 かの国くにに遍満へんまんしてまたみなかくのごとし、 知しるべし。

三ニ言フ↢「有五百億ト」↡者、▲正シク顕ス↢其ノ数ヲ↡。一界之ノ上 ヘ既ニ然シカ‡リ。遍ヘン↢満シテ彼ノ国ニ↡亦皆如シ↠是クノ、応ベシ↠知ル。

二 Ⅰ ⅵ b ニ 釈明閣内荘厳文

^四しに ▲「其ご楼ろう0517閣かく中ちゅう」 より下しも 「作さ天てん伎ぎ楽がく」 に至いたるこのかたは、 まさしく閣内かくないの荘しょう厳ごんを明あかす。

四ニ従リ↢「其ゴ楼閣カク中ト云」↡下至ル↢「作天伎ギ楽ガクニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢閣内ノ荘厳ヲ↡。

二 Ⅰ ⅵ b ホ 釈明楼外荘厳文

^五ごに ▲「又有うう楽がっ器き」 より下しも 「不ふ鼓く自じ鳴みょう」 に至いたるこのかたは、 まさしく楼ろう外げの荘しょう厳ごんを明あかす。 *宝楽ほうがく空くうに飛とびて、 声こえ*法ほう響こうを流ながす。 昼ちゅう夜や六ろく時じに天てんの宝幢ほうどうのごとく、 思おもいなくして自じ事じを成じょうず。

五ニ従リ↢「又有ウウ楽ガク器キト云」↡下0738至ル↢「不鼓ク自ミ 鳴ミヤウニ」↡已*来タハ、▲正シク明ス↢▼楼外ノ荘厳ヲ↡。宝楽ガク飛トビテ↠†空ニ、声流ナガス↢法響カウヲヒビキ↡。昼夜六時ニ如†ク↢天ノ宝幢ノ↡、無ナクシテ↠思オモヒ†成ズ↢自事ヲ↡也。

二 Ⅰ ⅵ b ヘ 釈楽有説法能文

^六ろくに ▲2此し衆音しゅおん中ちゅう」 より下しも0422 「念ねん比丘びく僧そう」 に至いたるこのかたは、 まさしく*楽がくに識しきなしといへども、 すなはち説法せっぽうの*能のうあることを明あかす。

六ニ従リ↢「此シ衆音中ト云」↡下至ル↢「念比丘ビク僧ソウニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣楽ガクニ雖モ↠無シト↠識シキ、即チ有ルコトヲ↢説法之ノ能ノウ↡。

二 Ⅰ ⅵ b ト 釈顕観成相文

^七しちに ▲「此し想そう成じょう已い」 より下しも 「宝ほう池ち」 に至いたるこのかたは、 まさしく観かん成じょうの相そうを顕あらわすことを明あかす。 これ心しんをもつぱらにして境きょうに住とどめ、 宝楼ほうろうを見みんと悕ねがひて、 *剋念こくねんして移うつらざれば、 上かみよりの荘しょう厳ごん総そうじて現げんずることを明あかす。

七ニ従リ↢「此想成†已」↡下至ル↢「宝池ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↠顕スコトヲ↢観成ノ相ヲ↡。此‡明ス↧専 ラニシテ↠心ヲ†住メ↠境ニ、悕ネガヒテ↠見ムト↢宝楼ヲ↡、†剋シテ↠念ヲ不ザレバ↠移ウツラ、自ヨリノ↠上 ミ荘厳総ジテ現ズルコトヲ↥。

二 Ⅰ ⅵ b チ 釈総結文

^八はちに ▲「是為ぜい」 より下しもは総そうじて結けっす。

八ニ従リ↢「是為ト云」↡下ハ▲総ジテ結ス。

二 Ⅰ ⅵ b リ 釈牒前生後文

^九くに ▲「若にゃく見けん此し者しゃ」 よりは、 前さきの観かんの相そうを牒でつして後のちの利り益やくを生しょうず。

九ニ従リハ↢「若見此†者」↡、▲牒デツシテ↢前サキノ観ノ相ヲ↡生ズ↢後ノ利益ヲ↡。

二 Ⅰ ⅵ b ヌ 釈必往無疑文

^十じゅうに ▲「除じょ無む量りょう」 より下しも 「生しょう彼ひ国こく」 に至いたるこのかたは、 まさしく法ほうによりて観察かんざつすれば、 障さわりを除のぞくこと多た劫こうなり。 身しん器き清浄しょうじょうにして仏ぶつの本心ほんしんに応かなひ、 捨身しゃしんして他世たせにかならず往ゆくこと疑うたがいなきことを明あかす。

十ニ従リ↢「除無量ト云」↡下至ル↢「生彼国ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧依ヨリテ↠法ニ観察スレバ、除ノゾクコト↠障サハリヲ多劫ナリ、身器キ清浄ニシテ†応カナヒ↢仏ノ本心ニ↡、†捨身シテ他世ニ必ズ往ユクコト無キコトヲ↞疑 ヒ。

二 Ⅰ ⅵ b ル 釈弁観邪正文

^十じゅう一いちに ▲「作是さぜ観者かんしゃ」 より下しも 「邪観じゃかん」 に至いたるこのかたは、 観かんの邪じゃ正しょうの相そうを弁べんず。

十一ニ従リ↢「作是観者ト云」↡下至ル↢「邪観ニ」↡已来タハ、▲弁ベムズ↢観ノ邪正之ノ相ヲ↡。

二 Ⅰ ⅵ c 結

^上じょう来らい十じゅう一いっ句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく宝楼ほうろう観かんを明あかしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢十一句ノ不同↡、広ク明シ↢宝楼観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅶ【華座観】
      a 標

【8】 ^七しちに*華座けざ観かんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその十じゅう九くあり。

▲七ニ就キテ↢華座観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙ゲ、次ニ弁ジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ十九↡。

二 Ⅰ ⅶ b 釈
        イ 釈勅聴許説文

^一いちに ▲「仏告ぶつごう阿あ難なん」 より下しも 「除じょ苦く悩のう法ほう」 に至いたるこのかたは、 まさしく*勅聴ちょくちょう許こ説せつしたまふことを明あかす。 すなはちその三さんあり。

一ニ従リ↢「仏告阿難ト云」↡下至ル↢「除苦悩法ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢勅チヨク聴チヤウキキ 許コユルシ説シタマフコトヲ↡。即チ有リ↢其ノ三↡。

・告命

^▲一いちには*二に人にんに告ごう命みょうすることを明あかす。

▲一ニハ明ス↣告↢命スルコトヲ二人ニ↡。

・勅聴

^▲二にには勅ちょくして聴きかしめ、 これをしてあきらかに受うけ、 正しょう念ねんに修しゅ行ぎょうせしむることを明あかす。

▲二ニハ明ス↣†勅シテ聴カシメ、令シ†ムルコトヲ↢之ヲシテ諦アキラカニ受ウケ‡、正念ニ修行セ↡。

・許説

^▲三さんには仏ぶつために華座けざの観法かんぽうを説ときたまふ。 た0423だよく心しんを住とどめて縁念えんねんすれば、 罪ざい苦く除のぞこることを得うることを明あかす。

▲三ニハ明ス↧仏為ニ説キタマフ↢華座ノ観法ヲ↡、但能ク住トドメテ↠心ヲ縁エム念スレバ、罪苦ク得ウルコトヲ↞除†コルコトヲ。

二 Ⅰ ⅶ b ロ 釈勧発流通文
          (一)科節

^二にに ▲「汝等にょとう憶おく持じ」 より下しも 「解げ説せつ」 に至いたるこのかたは、 まさしく*流る通ずうを勧発かんぽつ0518したまふことを明あかす。

二ニ従リ↢「汝等憶持ヂト云」↡下至ル↢「解ゲ説セチニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣勧↢発†シタマフコトヲ流通ヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ b ロ (二)述意

^これ観法かんぽうは深要じんようにして、 すみやかに*常じょう没もつを救すくふ。 衆しゅ生じょう、 妄愛もうあいの迷心めいしんをもつて六道ろくどうに漂ひょう流るす。 なんぢこの観かんを持たもちて処々しょしょに観修かんしゅし、 あまねく知ち聞もんすることを得えしめ、 同おなじく解げ脱だつに昇のぼらしめよといふことを明あかす。

▲此明ス↧観法ハ深要†ニシテ、†急カニ救スクフ↢†常没ヲ↡、衆生、*妄愛マウアイノ迷メイ心ヲモテ漂ヘウ↢タダヨイ流ルスナガル六道ニ↡、汝持タモ0739チテ↢此ノ観ヲ↡処処ニ観修シ‡、普ク得エ†シメ↢知聞スルコトヲ↡、同ジク昇ノボ†ラシメヨトイフコトヲ↦解脱ニ↥。

二 Ⅰ ⅶ b ハ 釈弥陀応現文

^三さんに ▲「説せつ是語ぜご時じ」 より下しも 「不ふ得とく為比いひ」 に至いたるこのかたは、 まさしく娑しゃ婆ばの化け主しゅ (釈尊) は物もののためのゆゑに想おもいを西方さいほうに住とどめしめ、 安楽あんらくの慈じ尊そん (阿弥陀仏) は*情じょうを知しるがゆゑにすなはち東域とういき (娑婆) に*影臨ようりんしたまふことを明あかす。

三ニ従リ↢「説是語時ト云」↡下至ル↢「不得為比ヒニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧娑婆ノ化主ハ為ノ↠物モノノ故ニ住トド†メシメ↢想 ヒヲ西方ニ↡、安楽ノ慈尊ハ知シルガ↠†情ヲ故ニ則チ†影↦臨シタマフコトヲ東トウ域ヰキニ↥。

^これすなはち*二に尊そんの許こ応おう異ことなることなし。 ただ*隠顕おんけん殊ことなることあるは、 まさしく*器き朴ぼくの類たぐい万差まんじゃなるによりてたがひに*郢えい・匠しょうたらしむることを致いたす。

~斯コレ乃チ二尊ノ*許コハカリゴト応オウカナウ無シ↠異イ ナルコト。†直以 タダ 隠顕有ルハ↠殊ナルコト、正シク由ヨリテ↢器キ朴ボクスナヲ之ノ類タグヒ万マムヨロヅ差ジヤシヤナルニ↡致ス↠使シムルコトヲ↣互タガヒニ為タラ↢郢エイ匠シヤウ↡。

^「説せつ是語ぜご時じ」 といふはまさしく明あかす、 この意こころのなかにつきてすなはちその七しちあり。

▲言フ↢「説是語時ト」↡者ハ正シク明ス、就キテ↢此ノ意ノ中ニ↡即チ有リ↢其ノ七↡。

・時

^▲一いちには二に人にんに告勧ごうかんする時ときを明あかす。

~一ニハ明ス↧告↢勧スル二人†ニ↡時ヲ↥也。

・弥陀応現

^▲二にには弥陀みだ声こえに応おうじてすなはち現げんじ、 往おう生じょうを得うることを証しょうしたまふことを明あかす。

~二ニハ†明ス↢弥陀▼応ジテ↠声ニ即チ現ジ、証シタマフコトヲ↟得ルコトヲ↢往生ヲ↡也。

・住立空中尊

^▲三さんには弥陀みだ空くうにましまして立りゅうしたまふは、 ただ心しんを回めぐらし正しょう念ねんにしてわが国くにに生しょうぜんと願がんずれば、 立たちどころにすなはち生しょうずることを得うることを明あかす。

~三ニハ†明ス↧弥陀在 マシテ↠空ニ而†立シタマフ者ハ、†但使 タダ 廻 ラシ‡↠心ヲ正念ニシテ願ズレバ↠†生ゼムト↢我ガ国ニ↡、立タチドコロニ即チ得ルコトヲ↞生ズルコトヲ也。

 ^0424問とひていはく、 仏徳ぶっとく尊高そんこうなり、 *輒ちょう然ねんとして*軽きょう挙こすべからず。 すでによく本願ほんがんを捨すてずして来応らいおうせる大だい悲ひ者しゃなれば、 なんがゆゑぞ*端たん坐ざして*機きに赴おもむかざるや。

~問ヒテ曰ク、仏徳尊高ナリ、不ズ↠可ベカラ↢輒テウ然トシテ軽キヤウ挙コス↡。既ニ能ク不ズシテ↠捨テ↢本願ヲ↡†来応セル大悲者ナレバ、何ナムガ故ゾ不ザル↢端タム坐ザ†シテ而赴オモムカ↟機ニ也ヤ。

^答こたへていはく、 これ如来にょらい (阿弥陀仏) 別べつに*密みつ意いましますことを明あかす。

~答ヘテ曰ク、此‡明ス↣如来別ベチニ有スコトヲ↢密ミチ意↡。

^ただおもんみれば娑しゃ婆ばは苦く界かいなり。 雑悪ぞうあく同おなじく居こして、 八はっ苦くあひ焼やく。 ややもすれば違い返ほんを成じょうじ、 詐いつわり親したしみて笑えみを含ふくむ。 六賊ろくぞくつねに随したがひて、 三悪さんまくの*火か坑きょう臨々りんりんとして入いりなんと欲ほっす。 もし足あしを挙あげてもつて迷まよひを救すくはずは、 *業ごう繋けの牢ろうなにによりてか勉まぬかるることを得えん。 この義ぎのためのゆゑに、 *立たちながら撮とりてすなはち行ゆく。 端たん坐ざしてもつて機きに赴おもむくに及およばざるなり。

~但タダ以オモムミレバ娑婆ハ苦界ナリ。雑ザフ悪‡同ジク居コシテ八苦相 ヒ焼ヤク。動ヤヤモスレバ†成ジ↢違ヰ返ヘムヲ↡、詐イツハリ親シタシ†ミテ含フクム↠笑エミヲ。六賊ゾク常ニ随ヒテ、三悪ノ火坑キヤウ臨臨リムリムトシテ欲ホス↠入†リナムト。若シ不ズハ↢挙アゲテ↠足ヲ以テ救スクハ↟迷マドヒヲ、業ゴウ繋ケ之ノ牢ラウ何ナニニ由ヨリテカ得エム↠勉マヌカルルコトヲ。為ノ↢斯コノ義ノ↡故ニ、立タチナガラ撮トリテ即チ行ユク。†不ル↠及バ↢端坐シテ以テ赴 ムクニ↟機ニ也。

・侍者

 ^▲四しには観音かんのん・勢せい至しもつて侍じ者しゃとなし、 余よ衆しゅなきことを表ひょうすることを明あかす。

~四ニハ明ス↧観音・勢至以テ為シ‡↢侍ジ者ト↡、表ヘウスルコトヲ↞無キコトヲ↢余ヨノ衆↡也。

・光明踰盛

^▲五ごには*三尊さんぞん身心しんしん*円えん浄じょうにして、 光こう明みょういよいよ盛さかりなることを明あかす。

~五ニハ明ス↢三尊身心円浄ニシテ、光明踰イヨイヨ盛サカリナルコトヲ↡也。

・朗照十方

^▲六ろくには仏身ぶっしんの光こう明みょう朗ほがらかにして十方じっぽうを照てらす。 垢く障しょうの凡ぼん夫ぶ、 なんぞよくつぶさに覩みんといふことを明あかす。

~六ニハ明ス↧仏身ノ光明朗ホガラカニシテ照テラス↢十方ヲ↡、垢クアカ障シヤウノ凡夫、何ナムゾ能ク具ツブサニ覩ミムトイフコトヲ↥。

・無漏光

^▲七しちには仏身ぶっしん無漏むろなれば、 光ひかりもまた同おなじくしかなり。 あに有漏うろの天金てんごん0519をもつてこれに比ひ方ほうせんといふことを明あかす。

~七ニハ明ス↧仏身無漏ロナレバ、光モ亦同ジク然シカナリ、豈アニ将モテ↢有漏ロ之ノ天金ヲ↡比ヒ↦方セムトイフコトヲ之ニ↥也。△

二 Ⅰ ⅶ b ニ 釈見仏得益文
          (一)科節

^四しに ▲「時じ韋い提だい希け見けん無む量りょう」 より下しも 「作さ礼らい」 に至いたるこのかたは、 まさしく韋い提だいは実じつにこれ*垢く凡ぼんの女質にょぜつなり、 いふべきに足たらず。 ただおもんみれば*聖しょう力りき冥みょうに加かして、 かの仏ぶつ現げんじたまふ時とき0425、 *稽首けいしゅすることを蒙こうむることを得うることを明あかす。

四ニ従リ↢「時韋提希見無量ト云」↡下至ル↢「作礼ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢韋提0740ハ実ニ是 レ垢ク凡ボムノ女質ゼツスガタナリ、†不↠足タラ↠可ベキニ↠言フ、†但以 ミレバ聖力冥ミヤウクラキニ加カシテ、彼ノ仏現ジタマフ時、得ルコトヲ↟蒙カウムルコトヲ↢稽ケツク首シユカウベヲスルコトヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ b ニ (二)述意

^これすなはち▲序じょには浄じょう国こくに臨のぞみて、 喜き歎たんしてもつてみづから勝たふることなし。 いまはすなはちまさしく弥陀みだを覩みたてまつりて、 さらにますます心しん開ひらけて*忍にんを悟さとる。

~斯コレ乃チ序ジヨニハ臨ノゾ†ミテ↢浄国ニ↡、喜キ歎タムシテ無シ↢以テ自ラ勝タ†フルコト↡。今ハ乃チ正シク覩タテマツリテ↢弥陀ヲ↡、更ニ益マスマス心開ケテ悟サトル↠忍ヲ。

二 Ⅰ ⅶ b ホ 釈領荷仏恩文
          (一)科節

^五ごに ▲「白びゃく仏ぶつ言ごん」 より下しも 「及ぎゅう二に菩ぼ薩さつ」 に至いたるこのかたは、 まさしく夫ぶ人にん仏恩ぶっとんを*領りょう荷がし、 物もののために疑うたがいを陳のべて後のちの問といを生しょうずることを明あかす。

五ニ従リ↢「白仏言」↡下至ル↢「及二菩薩ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧夫人領リヤウ↢アヅカリ荷ガシニナフ‡仏恩オムヲ↡、為ニ↠物 ノノ†陳ベテ↠疑 ヒヲ生ズルコトヲ↦於後ノ†問ヲ↥。

二 Ⅰ ⅶ b ホ (二)述意

^これ夫ぶ人にんの意こころは、 仏ぶつ (釈尊) いま現げんにましませば、 尊そんの加か念ねんを蒙こうむりて弥陀みだを覩みたてまつることを得うるも、 仏ぶつ滅めつ後ごの衆しゅ生じょうはいかにしてか見みたてまつるべきといふことを明あかす。

~此 レ‡明ス↧夫人ノ意者ハ、仏今 マ現ニ在マシマセバ、蒙カウムリテ↢尊ノ加カ念ヲ↡得†ルモ↠覩ミタテマツルコトヲ↢†弥陀ヲ↡、仏滅後ノ衆生ハ云何 イカ ニシテカ可ベキトイフコトヲ↞見タテマツル也。

二 Ⅰ ⅶ b ヘ 釈為物置請文

^六ろくに ▲「未み来らい衆しゅ生じょう」 より下しも 「及ぎゅう二に菩ぼ薩さつ」 に至いたるこのかたは、 それ夫ぶ人にん物もののために請しょうを置もうけて、 おのれに同おなじく見みしむることを明あかす。

六ニ従リ↢「未来衆生ト云」↡下至ル↢「及二菩薩ニ」↡已来タハ、▲明ス↣†其夫人為ニ↠物モノノ置マウケテ↠請シヤウヲ、使シムルコトヲ↢同ジク↠己オノレニ見‡↡。

二 Ⅰ ⅶ b ト 釈総告許説文
          (一)科節

【9】 ^七しちに ▲「仏告ぶつごう韋い提だい」 より下しも 「当とう起き想念そうねん」 に至いたるこのかたは、 まさしく*総告そうごう許こ説せつの言ごんを明あかす。

七ニ従リ↢「仏告韋提ト云」↡下至ル↢「当起キ想念ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢†総告許説之言ヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ b ト (二)問答

 ^問とひていはく、 夫ぶ人にんの請しょうを置もうくるは、 おのれに通つうじて生しょうのためにす。 如来にょらいの酬しゅう答とうしたまふに及至いたりては、 ただ韋い提だいを指さして生しょうに通つうぜざるや。

~問ヒテ曰ク、夫人置マウクル†ハ↠請ヲ、通ジテ↠己ニ為ニス↠生ノ。及↢至 イタ リテハ如来ノ†酬答シタマフニ↡、但指サシテ↢韋提ヲ↡不ザ†ル↠通ゼ↠生ニ也。

^答こたへていはく、 仏身ぶっしん化けに臨のぞみて法ほうを説とき、 もつて機きに*逗とうず。 請しょうぜざるすら、 なほみづからあまねく弘ひろめたまふ。 なんぞ別べつして指さして等ひとしく備そなへざることを論ろんぜん。 ただ文もん略りゃくを0426もつてのゆゑになし。 兼かねてこれがためにする心しんかならずあり。

~答ヘテ曰ク、仏身臨ノゾ†ミテ↠化ニ説キ‡↠法ヲ、以テ逗トウ†ズ↠機ニ。不ザルスラ↠請ゼ尚ナホ自ラ普ク弘ヒロメタマフ。何ナムゾ†論ロンゼム↣別シテ指シテ而不ルコトヲ↢等ヒトシク備ソナビ ヘ↡。但以テノ↢文略‡ヲ↡故ニ†無シ。兼ネテ為ニスル↠之ガ心必ズ有リ†也。△

二 Ⅰ ⅶ b チ 釈教観方便文
          (一)科節

 ^八はちに ▲「七宝しっぽう地じ上じょう」 より下しも 「華け想そう」 に至いたるこのかたは、 まさしく観かんの方便ほうべんを教おしふることを明あかす。

八ニ従リ↢「七宝地上」↡下至ル↢「華想ニ」↡已来タハ、▲正シク†明ス↠教フルコトヲ↢観ノ方便ヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ b チ (二)問答

 ^問とひていはく、 衆しゅ生じょう*盲闇もうあんにして、 想おもいを逐おひて労ろうを増ます。 目めに対たいして冥くらきこと夜遊やゆするがごとし。 遠とおく浄境じょうきょうを標ひょうするに、 なにによりてか*悉つくすべき。

▲問ヒテ曰ク、衆生盲闇マウアム†ニシテ、†逐ヒテ↠想ヲ増マス↠労ラウヲ。イタハシク対タイシテ↠目メニ冥クラキミヤウコト若ゴトシ↢夜ヤヨル遊ユウアソブスルガ↡。遠トヲク標ヘウスルニ↢浄境ヲ↡、何ナニニ由ヨリテカ可ベキ↠†悉ス。

^答こたへていはく、 もし衆しゅ生じょうの*惑わく障しょう動念どうねんに望のぞまば、 いたづらにみづから疲ひ労ろうせん。 仰あおぎて*聖しょう力りきのはるかに加かするを憑たのめば、 所観しょかん、 みな見みしむることを致いたす。

~答ヘテ曰ク、若シ望ノゾ†マバ↢衆生ノ惑ワク障動ドウ念ニ↡、徒イタヅラニ自ラ疲ヒツカレ労ラウイタム†セム。仰アオギテ†憑メバ↢聖力ノ遥ハルカニ加スルヲ↡、致ス↠使ムルコトヲ↢所観‡皆見‡↡。

・修観作法

^いかんが作さ法ほうして心しんを住とどめて見みることを得えしむるや。 作さ法ほうせんと欲ほっせば、 もろもろの行ぎょう者じゃ等とう先まづ仏ぶつ0520像ぞうの前まえにおいて心しんを至いたして懴さん悔げして、 所造しょぞうの罪つみを発はつ露ろし、 きはめて慚ざん愧ぎを生しょうじ、 悲ひ泣きゅうして涙なみだを流ながせ。

~云何ガ作サ法シテ†住メテ↠心ヲ而令シムル↠得エ‡↠見ルコトヲ也。†欲セバ↢作法セムト↡者、諸ノ行者等先ヅ†於テ↢仏像ノ前ニ↡†至シテ↠心ヲ懴悔シテ、発ヒラキ↢露ロシアラハス所造ザウ之ノ罪ヲ↡、極テ生ジ↢慚ザムハヂ愧ハヅヲ↡、悲泣キウシテ流†セ↠涙ヲ。

^悔過けかすることすでに竟おわりて、 また心しん口くに釈しゃ迦か仏ぶつ・十方じっぽう恒沙ごうじゃ等とうの仏ぶつを請しょうじ、 またかの弥陀みだの本願ほんがんを念ねんじていへ。 「弟子でし某甲それがし等とう生しょう盲もうにして罪つみ重おもく、 *障隔しょうきゃく処ことわり深ふかし。 願ねがはくは仏ぶつの慈悲じひをもつて摂しょう受じゅ護ご念ねんし、 *指し授じゅし開かい悟ごせしめて、 所観しょかんの境きょう、 願ねがはくは成じょう就じゅすることを得えしめたまへ。 いまたちまちに身しん命みょうを捨すて、 仰あおぎて弥陀みだに属ぞくす。 見けんと不ふ見けんと、 みなこれ仏恩ぶっとんの力りきなり」 と。

~悔クヱ過クワスルコト既ニ竟オハリテ、又心口ニ請シヤウジ↢釈0741迦仏・十方恒沙等ノ仏ヲ↡、又念ジテ↢彼ノ弥陀ノ本願ヲ↡言イヘ。弟子†某甲ソレガシ等生盲マウニシテ罪 ミ重オモク、†障隔†処深シ。願クハ仏ノ慈悲ヲモテ摂受護ゴ念シ‡、†指シ授ジユシ開悟セシメテ、所観之境、願クハ得シメタマヘ↢成就スルコトヲ↡。今†頓チニ捨テ↢身命ヲ↡、仰アオギテ属ゾクスト↢弥陀ニ↡。見ト†以ト↢不見↡、皆是 レ仏恩オムノ†力ナリト。

^この語ごをいひをはりて、 さらにまた心しんを至いたして懴さん悔げしをはりて、 すなは0427ち静じょう処しょに向むかひて、 面おもてを西方さいほうに向むかへて*正しょう坐ざ跏趺かふすること、 もつぱら△前さきの法ほうに同おなじ。 すでに心しんを住とどめをはりなば徐々じょじょに心しんを転てんじ、 かの宝ほう地じの雑色ざっしき分ぶん明みょうなるを想おもへ。

~噵イヒ↢此ノ語ヲ↡已 ハリテ、更ニ復†至シテ↠心ヲ懴悔シ竟已 ヲハ リテ、▼即チ向ヒテ↢静処ニ↡、面オモテヲ向ヘテ↢西方ニ↡正坐跏趺カフスルコト、†一ラ同ジ↢前ノ法ニ↡。既ニ†住メ↠心ヲ已オハリナバ徐徐ジヨジヨ†ニ転ジ‡↠心ヲ、†想ヘ↢彼ノ宝地ノ雑色分明ナルヲ↡。

^▽はじめて想おもはんには多た境きょうを乱想らんそうすることを得えざれ、 すなはち定じょうを得えがたし。 ただ方寸ほうすん・一いっ尺しゃく等とうを観かんぜよ。 あるいは一日いちにち・二に日にち・三日さんにち、 あるいは四し・五ご・六ろく・七日しちにち、 あるいは一月いちがつ・一年いちねん・二に・三年さんねん等とう、 日にち夜やを問とふことなく、 行住ぎょうじゅう坐臥ざがに身しん口意くい業ごうつねに定じょうと合がっせよ。

~◆初 メテ想ハムニハ不ザレ↠得エ↣乱↢想スルコトヲ多境†ヲ↡、即チ難カタシ↠得エ↠定ヲ。唯タダ観ゼヨ↢方寸ホウスン・一尺等ヲ↡。或イハ一日・二日・三日、或イハ四・五・六・七日、或イハ一月・一年・二・三年等、無ナク↠問トフコト↢日夜ヲ↡、行住坐臥ニ身口意業常ニ与ト↠定合ガフセヨ。

^ただ万まん事じともに捨すてて、 なほ失しつ意い・聾盲ろうもう・痴ち人にんのごとくなれば、 この定じょうかならずすなはち得えやすし。 もしかくのごとくならざれば、 三業さんごう縁えんに随したがひて転てんじ、 定じょう想そう波なみを逐おひて飛とぶ。 ▼たとひ千年せんねんの寿じゅを尽つくせども、 *法眼ほうげんいまだかつて開ひらけず。

~◆唯万事ジ倶トモニ捨テテ、†由ナホ如ク†ナレバ↢失シツウシナウ意イ・聾レウミミシヰ盲マウ・メシヰ痴チ人ノ↡者、此ノ定必ズ即チ易ヤスシ↠得エ。若シ不ザレバ↠如クナラ↠是クノ、三業ゴフ随ヒテ↠縁ニ転テムジ、定想†逐ヒテ↠波ヲ飛トブ。縦タトヒ尽ツクセドモ↢千年ノ寿ヲ↡、法眼未ズ ダ↢曽カツテ開ケ↡。

^もし心しんに定じょうを得うる時ときは、 あるいは先まづ明みょう相そう現げんずることあり、 あるいは先まづ宝ほう地じ等とうの種々しゅじゅに分ぶん明みょうなる不ふ思議しぎのものを見みるべし。 二に種しゅの見けんあり。 一いちには想見そうけん。 なほ*知ち覚かくあるがゆゑに、 浄境じょうきょうを見みるといへどもいまだ多おおく明了みょうりょうならず。 二ににはもし内ない外げの覚かく滅めっしてすなはち*正しょう受じゅ三昧ざんまいに入いれば、 見みるところの浄境じょうきょうすなはち想見そうけんの*比ひ校きょうをなすことを得うるにあらず。

~◆若シ心ニ得ル↠定ヲ時ハ、或イハ先ヅ有リ↢明相現ズルコト↡、或イハ可ベシ↣先ズ見ル↢宝地等ノ種種ニ分明ナル不思議ノ者 ノヲ↡。有リ↢二種ノ見↡。一ニ者想見。†猶有ルガ↢知覚↡故ニ、雖モ↠見ルト↢浄境ヲ↡未ズ ダ↢多ク明了ナラ↡。二ニ者若シ内外ノ覚滅シテ即チ入レバ↢正受三昧ニ↡、所 ロノ↠見ル浄境即チ†非ズ↢想見ノ得ルニ↟為スコトヲ↢比校ヲ↡也。△

二 Ⅰ ⅶ b リ 釈法華荘厳文
          (一)科節

 ^九くに ▲「令りょう其ご蓮れん華げ」 より下しも 「八万はちまん四し千光せんこう」 に至いたるこのかたは、 まさしく宝ほう華けに種々しゅじゅの荘しょう厳ごんあることを明あかす。 すなはちその0521三さんあり。

九ニ従リ↢「令リヤウ其ゴ蓮華ト云」↡下至ル↢「八万四千光ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣宝華ニ有ルコトヲ↢種種ノ荘厳↡。即チ有リ↢其ノ三↡。

・華葉

^▲一いちには一々いちいちの華け葉よう衆宝しゅぼうの色いろ0428を備そなへたることを明あかす。

▲一ニハ明ス↣一一ノ華葉ヱウ備ソナビ ヘタルコトヲ↢衆宝ノ色ヲ↡。

・宝脈

^▲二にには一々いちいちの葉ように衆しゅ多たの宝ほう脈みゃくあることを明あかす。

▲二ニハ明ス↣一一ノ†葉ニ有ルコトヲ↢衆多タノ宝脈ミヤクスヂ ↡。

・光色

^▲三さんには一々いちいちの脈みゃくに衆しゅ多たの光色こうしきあることを明あかす。

▲三ニハ明ス↣一一ノ†脈ニ有ルコトヲ↢衆多ノ光色↡。

二 Ⅰ ⅶ b リ (二)述意

・総標次第

^これ行ぎょう者じゃをして心しんを住とどめて一々いちいちにこれを想おもはしめて、 ことごとく心眼しんげんをして見みることを得えしむ。

此‡†令0742メテ↢行者ヲシテ住メテ↠心ヲ一一ニ想ハ↟之ヲ、悉コトゴトク令シム↢心眼ヲシテ得‡↟見ルコトヲ。

・正明観相

^すでに華け葉ようを見みをはりなば、 次つぎに葉ようのあひだの衆宝しゅぼうを想おもひ、 次つぎに宝たからより多た光こうを出いだすに、 光ひかり宝蓋ほうがいとなることを想おもひ、 次つぎに華け台だい・台だい上じょうの衆宝しゅぼうおよび珠網しゅもう等とうを想おもひ、 次つぎに台だい上じょうの*四し柱ちゅうの宝幢ほうどうを想おもひ、 次つぎに幢どう上じょうの*宝幔ほうまんを想おもひ、 次つぎに幔まん上じょうの宝珠ほうしゅ光こう明みょう雑色ざっしきにして虚こ空くうに遍満へんまんして、 おのおの異い相そうを現げんずることを想おもへ。

既ニ見↢華葉ヱウヲ↡已リナバ、次ニ想ヒ↢†葉ノ間ノ衆宝ヲ↡、次ニ想†ヒ↧宝 ラヨリ出スニ↢多タ光ヲ↡光成ナルコトヲ↦宝蓋ト↥、次ニ想†ヒ↢華台ダイ・台ダイ上ノ衆宝及ビ*珠網等ヲ↡、次ニ想ヒ↢台上ノ四柱チウノ宝幢ヲ↡、次ニ想†ヒ↢幢上ノ宝幔マンヲ↡、次ニ想ヘ↧幔上ノ宝珠光明雑色ニシテ遍ヘム↢満シテ虚コ空ニ↡、各オノオノ現ズルコトヲ↦異イ相ヲ↥。

・観成義相

^かくのごとく次し第だいに一々いちいちに心しんを住とどめて捨すてざれば、 久ひさしからざるあひだにすなはち定じょう心しんを得う。 すでに定じょう心しんを得うれば、 かのもろもろの荘しょう厳ごん一切いっさい顕現けんげんす、 知しるべし。

如ク↠是クノ次第ニ一一ニ†住メテ↠心ヲ不ザレバ↠捨テ、不ザル↠久シカラ之間ニ即チ得ウ↢定心ヲ↡。既ニ†得レバ↢定心ヲ↡、彼ノ諸ノ荘厳一切顕現ス、応ベシ↠知ル。

二 Ⅰ ⅶ b ヌ 釈弁観成相文

^十じゅうに ▲「了了りょうりょう」 より下しもは観かん成じょうの相そうを弁べんず。

十ニ従リ↢「了了ト云」↡下ハ▲弁ベンズ↢観成ノ相ヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ b ル 釈華葉荘厳文

^十じゅう一いちに ▲「華け葉よう小しょう者しゃ」 より下しも 「遍へん覆ふ地じ上じょう」 に至いたるこのかたは、 まさしく*葉々ようように種々しゅじゅの荘しょう厳ごんあることを明あかす。 すなはちその六ろくあり。

十一ニ従リ↢「華葉小者ト云」↡下至ル↢「遍覆フ地上ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣*葉葉ヱウヱウニ有ルコトヲ↢種種ノ荘厳↡。即チ有リ↢其ノ六↡。

・華葉大小

^▲一いちには華け葉ようの大だい小しょうを明あかす。

一ニハ明ス↢華葉ノ大小ヲ↡。

・華葉多少

^▲二にには華け葉ようの多た少しょうを明あかす。

二ニハ明ス↢華葉ノ多少ヲ↡。

・葉間珠映

^▲三さんには葉間ようけんの珠映しゅようの多た少しょうを明あかす。

三ニハ明†ス↢葉間ノ珠映ノ多少ヲ↡。

・珠有千光

^▲四しには珠たまに千光せんこうあることを明あかす。

四ニハ†明ス↣珠ニ有ルコトヲ↢千光↡。

・変成宝蓋

^▲五ごには一々いちいちの珠たまの光ひかり変へんじて宝蓋ほうがいとなることを明あかす。

五ニハ明ス↣一一ノ珠タマノ光ヒカリ変ヘンジテ成ナルコトヲ↢宝蓋ト↡。

・変成上下

^▲六ろくには宝蓋ほうがい上かみ虚こ空くうを照てらし、 下しも宝ほう地じを覆おおふことを明あかす。

六ニハ明ス↧宝蓋、上カミ照テラシ↢虚空ヲ↡、下覆オホフコトヲ↦宝地ヲ↥。

二 Ⅰ ⅶ b ヲ 釈台上荘厳文

^十じゅう二にに ▲「釈しゃ迦か毘び楞りょう伽が」 より下しも 「以為いい交きょう飾じき」 に至いたるこのかたは、 まさしく台だい上じょうの荘しょう0429厳ごんの相そうを明あかす。

十二ニ従リ↢「釈迦毘ビ楞レウリヨウ伽ガト云」↡下至ル↢「以為交ケウマジヘ飾ジキニカザル」↡已来タハ、▲正シク明ス↢台ダイ上ノ荘厳之ノ相ヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ b ワ 釈幢上荘厳文

^十じゅう三さんに ▲「於其おご台だい上じょう」 より下しも 「妙みょう宝珠ほうしゅ以為いい映飾ようじき」 に至いたるこのかたは、 まさしく幢どう上じょうの荘しょう厳ごんの相そうを明あかす。 すなはちその四しあり。

十三ニ従リ↢「於ヲ其台上ト云」↡下至ル↢「妙宝珠シユ以イ為映飾ジキニカザル」↡已来タハ、▲正シク明ス↢†幢上ノ荘厳之ノ相ヲ↡。即チ有リ↢其ノ四↡。

・四幢

^▲一いちには台だい上じょうにおのづから*四し幢どうあることを明あかす。

一ニハ明ス↣台上ニ自オノヅカラ有ルコトヲ↢四幢↡。

・体量

^▲二にには幢どうの体たい量りょうの大だい小しょうを明あかす。

二ニハ明ス↢幢之ノ体量ノ大小ヲ↡。

・宝幔

^▲三さんには幢上どうじょうにおのづから宝幔ほうまんありて、 状かたち*天てん宮ぐに似にたることを明あかす。

三ニハ明ス↧幢上ニ自 カラ有リテ↢宝幔マム↡、状カタチ似ニタルコトヲ↦天宮ニ↥。

・宝珠

^▲四しには幢どう上じょうにおのづから衆しゅ多たの宝珠ほうしゅありて、 輝き光こう映飾ようじきすることを明あかす。

四ニハ明ス↧幢上ニ自 カラ有リテ↢衆多ノ宝珠↡、輝クヰ光カガヤク映飾エイジキスルコトヲ↥。

二 Ⅰ ⅶ b カ 釈珠光徳用文

^十じゅう四しに ▲「一一いちいち宝珠ほうしゅ」 より下しも 「施作せさ0522仏ぶつ事じ」 に至いたるこのかたは、 まさしく珠光しゅこうに不ふ思議しぎの徳用とくゆうの相そうあることを明あかす。 すなはちその五ごあり。

十四ニ従リ↢「一一宝珠ト云」↡下至ル↢「施セ作仏事ジニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣珠光ニ有ルコトヲ↢不思議ノ徳用之ノ相↡。即チ有リ↢其ノ五↡。

・多光

^▲一いちには一々いちいちの珠たまに多た光こうあることを明あかす。

一ニハ明ス↣一一ノ珠タマニ有ルコトヲ↢多光↡。

・異色

^▲二にには一々いちいちの光ひかりおのおの異い色しきをなすことを明あかす。

二ニハ明ス↣一一ノ光ヒカリ各オノオノ作ナスコトヲ↢異イ色ヲ↡。

・遍於宝土

^▲三さんには一々いちいちの光色こうしき宝ほう土どに遍へんすることを明あかす。

三ニハ明ス↣一0743一ノ光色遍ヘンスルコトヲ↢於宝土ニ↡。

・異種荘厳

^▲四しには光ひかりの至いたるところの処ところ、 おのおの異い種しゅの荘しょう厳ごんをなすことを明あかす。

四ニハ明ス↣光ノ所 ロノ↠至ル処 ロ、各オノオノ作スコトヲ↢異種ノ荘厳ヲ↡。

・遍満十方

^▲五ごにはあるいは金台こんだい・珠網しゅもう・華け雲うん・宝楽ほうがくとなりて十方じっぽうに遍満へんまんすることを明あかす。

五ニハ明ス↧或イハ作ナリテ↢金台・珠網・華雲・宝楽ガクト↡遍↦満スルコトヲ十方ニ↥。

二 Ⅰ ⅶ b ヨ 釈総結観名文

^十じゅう五ごに ▲「是為ぜい」 より下しもは総そうじて観かんの名なを結けっす。

十五ニ従リ↢「是為」↡下ハ▲総ジテ結ス↢観ノ名ナヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ b タ 釈願力所成文

^十じゅう六ろくに ▲「仏告ぶつごう阿あ難なん」 より下しも 「比丘びく願力がんりき所しょ成じょう」 に至いたるこのかたは、 まさしく*華座けざ得とく成じょうの所しょ由ゆを明あかす。

十六ニ従リ↢「仏告阿難」↡下至ル↢「比丘願力所成ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢華座得成ノ所由ユヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ b レ 釈重顕観儀文

^十じゅう七しちに ▲「若にゃく欲念よくねん彼ひ仏者ぶつしゃ」 より下しも 「自じ見けん面像めんぞう」 に至いたるこのかたは、 まさしくかさねて*観かんの儀ぎを顕あらわすことを明あかす。 △前さきのごとく次し第だいに心しんを住とどめて雑乱ぞうらんすることを得えざれ。

十七ニ従リ↢「若欲念彼ヒ仏者ト云」↡下至ル↢「自ジ見面像ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣重カサネテ顕スコトヲ↢観ノ儀ギヲ↡。如ク↠前ノ次シ第ニ†住メテ↠心ヲ不ザレ↠得エ↢雑マジハリ乱ミダルスルコトヲ↡也。

二 Ⅰ ⅶ b ソ 釈結観成相文

^十じゅう八はちに ▲「此し想そう成じょう者しゃ」 より下しも 「生しょう極楽ごくらく世せ界かい」 に至いたるこのかた0430は、 まさしく観かん成じょうの相そうを結けっすることを明あかす。 すなはち二にの益やくあり。

十八ニ従リ↢「此シ想成者ト云」↡下至ル↢「生極楽世界ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↠結スルコトヲ↢観成ノ相ヲ↡。即チ有リ↢†二ノ益↡。

・除罪

^▲一いちには除罪じょざいの益やくを明あかす。

▲一ニハ明†ス↢除罪ノ益ヲ↡。

・得生

^▲二にには得とく生しょうの益やくを明あかす。

▲二ニハ明ス↢得生ノ益ヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ b ツ 釈弁観邪正文
          (一)科節

^十じゅう九くに ▲「作是さぜ観者かんしゃ」 より下しも 「名みょう為い邪観じゃかん」 に至いたるこのかたは、 まさしく観かんの邪じゃ正しょうの相そうを弁べんずることを明あかす。

十九ニ従リ↢「作是観者」↡下至ル↢「名為邪観ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↠弁ベムズルコトヲ↢観ノ邪ジヤ正ノ相ヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ b ツ (二)略頌

^これすなはち華はなは宝ほう地じにより、 葉ようは奇き珍ちんを間まじへ、 台うてなは*四し幢どうを瑩みがき、 光ひかりは仏ぶつ事じを施ほどこす。

~斯コレ乃チ華ハナハ依ヨリ↢宝地ニ↡、†葉ハ間マジヘ↢奇キ珍チンヲ↡、台ウテナハ瑩ミガキ↢四幢ヲ↡、光ハ施ホドコス↢仏事ヲ↡。

二 Ⅰ ⅶ c 結

^上じょう来らい十じゅう九く句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく華座けざ観かんを明あかしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢十九句ノ不同↡、広ク明シ↢華座観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅷ【像観】
      a 標

【10】^八はちに*像観ぞうかんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその十じゅう三さんあり。

▲八ニ就キテ↢像ザウ観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙ゲ、次ニ弁ベムジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ十三↡。

二 Ⅰ ⅷ b 釈
        イ 釈結前生後文

^一いちに ▲「仏告ぶつごう阿あ難なん」 より下しも 「次し当とう想仏そうぶつ」 に至いたるこのかたは、 まさしく前さきを結けっし、 後のちを生しょうずることを明あかす。 「▲所しょ以い者しゃ何が」 といふは、 これその問といなり。 仏ぶつを想おもふべき所以ゆえんはいかんとなり。

一ニ従リ↢「仏告阿難」↡下至ル↢「次シ当想仏ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢†結シ↠前ヲ生ズルコトヲ↟後ヲ。言フ↢「所以者何ト」↡者ハ、▲是 レ其ノ†問也ナリ。†所↢以†須キ↟想フ↠仏ヲ者何イカントナリ。

二 Ⅰ ⅷ b ロ 釈応心即現文
          (一)科節

^二にに ▲「諸仏しょぶつ如来にょらい」 より下しも 「心想しんそう中ちゅう」 に至いたるこのかたは、 まさしく諸仏しょぶつの大だい慈じ、 ˆ衆しゅ生じょうのˇ 心しんに応おうじてすなはち現げんじたまふことを明あかす。 この勝しょう益やくあるがゆゑに、 なんぢを勧すすめてこれを想おもはしむ。

二ニ従リ↢「諸仏如来」↡下至ル↢「心想中ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢諸仏ノ大慈ジ、応ジテ↠心ニ即チ現ジタマフコトヲ↡。有ルガ↢斯コノ勝益↡故ニ、勧メテ↠汝ナンヂヲ想ハシム↠之ヲ。

二 Ⅰ ⅷ b ロ (二)問答

 ^問とひていはく、 韋い提だいの▲上かみの請しょうにはただ弥陀みだを指さ0523す。 いぶかし、 如来にょらい (釈尊) いま総そうじて諸仏しょぶつを挙あげたまふ、 なんの意こころかあるや。

~問ヒテ曰ク、韋提ノ†上ノ請ニハ唯タダ指サス↢弥陀ヲ↡。未審イブカシ、如来今 マ総ソウジテ挙アゲタマフ↢諸仏ヲ↡、有ル↢何ナンノ意カ↡也ヤ。

^答こたへていはく、 諸仏しょぶつは三身さんしん同おなじく証しょうし、 *悲智ひちの果か円まどかなること等斉とうざいにして二になく、 *端身たんじん一いち坐ざにして*影現ようげんすること*無む方ほうなり。 意こころ、 有う縁えんに赴おもむく時とき、 ↓法界ほうかいに臨のぞむことを顕あらわさんと欲ほっす。

~答ヘテ曰ク、欲ス↠顕サムト↧諸仏†ハ三身同0744ジク証シ、悲ヒ・智チノ果クワ円マドカナルコト等斉ザイ ヒトシ ニシテ†無ク↠二、端タム身一坐ニシテ影ヤウカゲ現スルコト無方ナリ、意ココロ赴オモムク↢有縁ニ↡時、臨ノゾムコトヲ↦法界ニ↥。△

二 Ⅰ ⅷ b ロ (三)釈文

・是法界身【法界身義】

 ^0431「↑法界ほうかい」 といふは三さん義ぎあり。 一いちには心しん遍へんするがゆゑに法界ほうかいを解げす。 二にには身しん遍へんするがゆゑに法界ほうかいを解げす。 三さんには*障しょう礙げなきがゆゑに法界ほうかいを解げす。 まさしくは心しん到いたるによるがゆゑに、 身しんまた随したがひて到いたる。 身しんは心しんに随したがふがゆゑに 「▲是ぜ↓法界ほうかい↓身しん」 といふ。

▲言フ↢「法界ト」↡者ハ有リ↢三ノ義↡。一ニ者ハ心遍ヘムスルガ故ニ†解ス↢法界ヲ↡。二ニ者†身遍スルガ故ニ†解ス↢法界ヲ↡。三ニ者無ナキガ↢障シヤウ礙ゲサワリ↡故ニ†解ス↢法界ヲ↡。正シクハ由ヨルガ↢心到イタルニ↡故ニ、†身亦随ヒテ到ル。†身ハ随フガ↢於心ニ↡故ニ言フ↢「是法界身ト」↡†也。

^▼「↑法界ほうかい」 といふはこれ*所しょ化けの境きょう、 すなはち衆しゅ生じょう界かいなり。 「↑身しん」 といふはこれ*能のう化けの身しん、 すなはち諸仏しょぶつの身しんなり。

~言フ↢「法界ト」↡者ハ是 レ所化之ノ境、即チ衆生界也ナリ。言フ↢「身ト」↡者ハ是 レ能化之ノ身、即チ諸仏ノ身也ナリ。

・入衆生心想中

^「▲入にゅう衆しゅ生じょう心想しんそう中ちゅう」 といふは、 すなはち衆しゅ生じょう念ねんを起おこして諸仏しょぶつを見みたてまつらんと願がんずるによりて、 仏ぶつすなはち*無礙むげ智ちをもつて知しり、 すなはちよくかの想心そうしんのうちに入いりて現げんじたまふ。 ただもろもろの行ぎょう者じゃ、 もしは想念そうねんのうち、 もしは夢む定じょうのうちに仏ぶつを見みたてまつるは、 すなはちこの義ぎを成じょうずるなり。

言フ↢「入ニウ衆生心想中ト」↡者ハ、▲乃チ由ヨリテ↢衆生起オコシテ↠念ヲ願ズルニ↟見タテマツラムト↢諸仏ヲ↡、*仏即チ以テ↢無礙ゲサハリノ智チヲ↡†知リ、即チ能ク入リテ↢彼ノ想心ノ中ニ↡現ジタマフ。†但諸ノ行者、若シハ想念ノ中、若シハ夢ムユメ定ノ中ニ見タテマツル↠仏ヲ者ハ、即チ成ズル↢斯コノ義ヲ↡也ナリ。

二 Ⅰ ⅷ b ハ 釈結勧利益文
          (一)科節

^三さんに ▲「是故ぜこ汝等にょとう」 より下しも 「従じゅう心想しんそう生しょう」 に至いたるこのかたは、 まさしく利り益やくを結勧けつかんすることを明あかす。

三ニ従リ↢「是故汝等ト云」↡下至ル↢「従ジユ心想生ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣結↢勧スルコトヲ利益ヲ↡。

二 Ⅰ ⅷ b ハ (二)述意

^これ▽心しんを標ひょうして仏ぶつを想おもふことを明あかす。 ただ*仏ぶつ解げをなして頂いただきより足あしに至いたるまで心しんに想おもひて捨すてず、 一々いちいちにこれを観かんじてしばらくも休く息そくすることなかれ。 あるいは*頂ちょう相そうを想おもひ、 あるいは眉み間けんの*白びゃく毫ごう乃ない至し足そく下げ*千輪せんりんの相そうを想おもへ。 この想おもいをなす時とき、 仏像ぶつぞう端厳たんごんにして相好そうごう具ぐ足そくし、 了りょう然ねんとして現げんじたまふ。

▲此 レ明ス↢標ヘウシテ↠心ヲ想フコトヲ↟仏ヲ。但作ナシテ↢仏解ゲヲ↡従ヨリ↠頂イタダキ至ルマデ↠足ニ心ニ想ヒテ不ズ↠捨テ、一一ニ観ジテ↠之ヲ無レ↢暫シバラクモ休クヤスミ息ヤスムスルコト↡。或イハ想ヒ↢頂チヤウ相ヲ↡、或イハ想ヘ↢眉ミ間ノ白毫ガウ乃至足ソク下ノ千輪リム之ノ相ヲ↡。作ナス↢此ノ想ヲ↡時、仏像 端タムウルハシ厳ゴムイツクシニシテ相好具足シ了然†トアキラカナリシテ而現†ジタマフ。

二 Ⅰ ⅷ b ハ (三)釈文

・是心即是

^すなはち心しん一々いちいちの相そうを縁えんずるによるがゆゑに、 すなはち一々いちいちの相そう現げんず。 心しんもし縁えんぜずは衆相しゅそう見みるべからず。 ただ自じ心しんに想そう作さすれ0432ば、 すなはち心しんに応おうじて現げんず。 ゆゑに 「▲是ぜ心即しんそく是ぜ三さん十じゅう二に相そう」 といふ。

乃チ由ヨルガ↣心縁エムズルニ↢一一ノ相†ヲ↡故ニ、即チ一一ノ相現ズ。心若シ不ズハ↠縁エンゼ衆相不ズ↠可ベカラ↠見ル。†但自ジ心ニ想作サスレバ即チ応ジテカナウ ↠心ニ而現ズ。故ニ言フ↢「是心即是三十二相ト」↡†也。

・八十随形好

^「▲八はち十じゅう随ずい形ぎょう好こう」 といふは、 *仏相ぶっそうすでに現げんずれば、 *衆好しゅこうみな随したがふ。 これまさしく如来にょらいもろもろの想者そうしゃを教おしへて具ぐ足そくして観かんぜしめたまふことを明あかす。

言フ↢「八十随形好ト」↡者ハ、▲仏相既ニ現ズレバ、衆好皆 ナ随フ†也。此 レ正シク明ス↧如来教ヘテ↢諸ノ想者ヲ↡具足シテ観ゼシメタマフコトヲ↥也。

・是心作仏

^「▲是ぜ心しん作さ仏ぶつ」 といふは0524、 自じの信心しんじんによりて相そうを縁えんずるは作さのごとし。

言フ↢「是心作仏ト」↡者ハ、▲依ヨリテ↢†自ラノ信心ニ↡†縁ズルハ↠相ヲ†如シ↠作ノ也。

・是心是仏

^「▲是ぜ心しん是ぜ仏ぶつ」 といふは、 心しんよく仏ぶつを想おもへば、 想おもいによりて仏身ぶっしん現げんず。 すなはち▼この心しん仏ぶつなり。 この心しんを離はなれてほかにさらに異い仏ぶつなければなり。

言フ↢「是心是仏ト」↡者ハ、▲心能ク想ヘバ↠仏ヲ、依ヨリテ↠想ニ仏身而現ズ。即0745チ†是ノ心仏也ナリ。離ハナレテ↢此ノ心ヲ↡外ニ更ニ無ナ†ケレバ↢異イ仏↡者也ナリ。

・諸仏正遍知

^「▲諸仏しょぶつ正しょう遍へん知ち」 といふは、 これ諸仏しょぶつは*円満えんまん無む障しょう礙げ智ちを得えて、 作意さいと不ふ作意さいとつねによくあまねく法界ほうかいの心しんを知しりたまへり。 ただよく想おもいをなせば、 すなはちなんぢが心想しんそうに従したがひて現げんじたまふこと、 生しょうずるがごとしといふことを明あかす。

言フ↢「諸仏正遍知ト」↡者ハ、▲此 レ‡明ス↧諸仏ハ得エテ↢円満マンノ無障シヤウ礙智ゲチヲ↡、作意サイト不作意ト‡常ニ能ク遍アマネク†知リタマヘリ↢法界之心ヲ↡、†但能ク作ナセバ↠想ヲ、即チ†従ヒテ↢汝ナムヂガ心想ニ↡而現ジタマフコト、似↦如 ゴト シトイフコトヲ生ズルガ↥也。

二 Ⅰ ⅷ b ハ (四)簡非

・標異解

^あるいは行ぎょう者じゃありて、 この一門いちもんの義ぎをもつて*唯識ゆいしき法身ほっしんの観かんとなし、 あるいは*自じ性しょう清浄しょうじょう仏ぶっ性しょうの観かんとなすは、 その意こころはなはだ錯あやまれり。 絶たえて少しょう分ぶんもあひ似にたることなし。

▲或イハ有リテ↢行者↡、将モテ↢此ノ一門之ノ義ヲ↡作ナシ↢唯ユイ識法身之ノ観†ト↡、或イハ作ス↢自ジ性清浄仏性ノ観†ト↡者ハ、其ノ意甚ハナハダ錯アヤマレリ。絶タエテ無シ↢少分セウブンモ相 ヒ似タルコト↡也。

・牒経文

^すでに像そうを想おもへといひて三さん十じゅう二に相そうを仮け立りゅうせるは、 *真如しんにょ法界ほうかいの身しんならば、 あに相そうありて縁えんずべく、 身しんありて取とるべけんや。 しかも法身ほっしんは無む色しきにして眼対げんたいを絶ぜっす。 さらに類るいとして方ならぶべきなし。 ゆゑに虚こ空くうを取とりてもつて法身ほっしんの体たいに喩たとふ。

~既ニ言ヒテ↠想ヘト↠像ザウヲ仮ケ↢立セル三十二相ヲ↡者ハ、真如法界ノ身ナラバ、豈アニ有リテ↠相而可ベク↠縁ズ、有リテ↠身而可ベケム↠取トル也ヤ。然シカモ法身ハ†無色ニシテ†絶ス↢於眼対ゲンタイヲ↡。更ニ無シ↢類ルイトシテ可ベキ‡↟方ナラブ。故ニ取トリテ↢虚空ヲ↡以テ喩タトフ↢法身之ノ体ニ↡也。

・示今経〔指方立相〕

^またいまこの*観門かんもんは等ひとしくただ*方ほうを指さし相そうを立たてて、 心しんを住とどめて境きょうを取とらしむ。 総そうじて*無む相そう離り念ねんを明あかさず。

~▼又今此ノ観門ハ等シク唯タダ指サシ↠方ヲ▼立テテ↠相ヲ、†住メテ↠心ヲ而取トラシム↠境ヲ。†総ジテ不ズ↠明アカサ↢▼無相離リ念ヲ↡也。

・示所由

^▼如にょ0433来らい (釈尊) はるかに末代まつだい罪ざい濁じょくの凡ぼん夫ぶの相そうを立たてて心しんを住とどむるすらなほ得うることあたはず、 いかにいはんや相そうを離はなれて事じを求もとむるは、 *術じゅつ通つうなき人ひとの空くうに居こして舎しゃを立たつるがごとしと知しりたまへり。

~如来懸ハルカニ知シリタマヘリ↧末代マツダイ罪濁ノ凡夫ノ立タテテ↠相ヲ†住スルスラ↠心ヲ尚ナホ†不↠能ハ↠得ウルコト、何ニ況 ハムヤ離ハナレテ↠相ヲ而求モト†ムル↠事ジヲ者ハ、如↦似 ゴト シト無ナキ↢術ジユツ通ツウ↡人ノ居コシテ↠空ニ立タ†ツルガ↞舎ヲ也。△

二 Ⅰ ⅷ b ニ 釈展転教観文

【11】^四しに ▲「是故ぜこ応当おうとう」 より下しも 「三仏さんぶっ陀だ」 に至いたるこのかたは、 まさしく前さきのごとき所益しょやく、 専せん注ちゅうすればかならず成じょうず、 *展転てんでんしてあひ教おしへ、 勧すすめて*かの仏ぶつを観かんぜしむることを明あかす。

四ニ従リ↢「是故応当ト云」↡下至ル↢「三仏陀ニ」↡已来タハ、▲正シク†明ス↣如キ↠前ノ所益、専注スレバ必ズ成ズ、展テン転シテ相 ヒ教 シヘ、勧メテ観ゼシムルコトヲ↢彼ノ仏ヲ↡也。

二 Ⅰ ⅷ b ホ 釈想彼仏者等文

^五ごに ▲「想そう彼ひ仏ぶつ」 よりは前さきを牒でつして後のちを生しょうず。 「▲先当せんとう想像そうぞう」 といふは所観しょかんの境きょうを定さだむ。

五ニ従リ↢「想彼仏ト云」↡者ハ▲牒デツシテ↠前ヲ生ズ↠後ヲ。言フ↢「先セム当想像ザウト」↡者ハ▲定ム↢所観ノ境ヲ↡。

二 Ⅰ ⅷ b ヘ 釈弁観成相文

^六ろくに ▲「閉目へいもく開目かいもく」 より下しも 「如観にょかん掌中しょうちゅう」 に至いたるこのかたは、 まさしく観かん成じょうの相そうを弁べんずることを明あかす。 すなはちその四しあり。

六ニ従リ↢「閉ヘイ目開目ト云」↡下至ル↢「如観掌シヤウ中ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↠弁ズルコトヲ↢観成ノ相ヲ↡。即チ有リ↢其ノ四↡。

・金像

^▲一いちには身みの四し威儀いぎ、 眼まなこの開合かいごうに一いちの金像こんぞうを見みること、 目めの前まえに現げんずるがごとくに、 つねにこの想おもいをなせといふことを明あかす。

一ニハ†明ス↧身ノ四威儀、眼マナコ之ノ開合ガウニ見ルコト↢一ノ金像ヲ↡、似ゴトクニ↠現ズルガ↢目ノ前ニ↡常ニ作セトイフコトヲ↦此ノ想ヲ↥。

・華座

^▲二に0525にはすでによく像ぞうを観かんずれば、 像ぞうすなはちすべからく坐ざ処しょあるべし。 すなはち▲前さきの華座けざを想おもひ、 像ぞう上うえにましまして坐ざしたまふと想おもへといふことを明あかす。

二ニハ†明ス↧既スデニ能ク観ズレバ↠像ヲ、像即チ須クシ↠有ル↢坐処↡、即チ想ヒ↢前ノ華座ヲ↡、想ヘトイフコトヲ↦像在マシマシテ↠上ウヘニ而坐シタマフト↥。

・心眼即開

^▲三さんには像ぞうの坐ざせるを想見そうけんしをはりて、 心眼しんげんすなはち開ひらくることを明あかす。

三ニハ明ス↧想↢見0746シ像ノ坐セルヲ↡已 ハリテ、心眼即チ開クルコトヲ↥。

・了然無礙

^▲四しには心眼しんげんすでに開ひらけて、 すなはち金像こんぞうおよびかの極楽ごくらくのもろもろの荘しょう厳ごんの事じを見みるに、 地じ上じょう・虚こ空くう了りょう然ねんとして礙さわりなきことを明あかす。

四ニハ明ス↧心眼既ニ開ケテ即チ見ルニ↢金像及ビ彼ノ極楽ノ諸ノ荘厳ノ事ヲ↡、地ヂ上・虚空了然トシテ無キコトヲ↞礙サワリ。

^また像ぞうを観かんずる住じゅう心しんの法ほうはもつぱら△前さきの説せつのごとし。 頂いただきより一いち0434々いちにこれを想おもへ。 面めんの眉み・毫相ごうそう・眼げん・鼻び・口く・耳に・咽いん・項こう・肩けん・臂ひ・手しゅ・指しを。 また心しんを抽ぬきて上うえに向むかひて胸きょう・腹ふく・臍ざい・陰おん・脛きょう・膝しつ・せん・足そく・十じっ指し・*千輪せんりん等とうを想おもへ。 一々いちいちにこれを想おもひて、 上かみより下しもに向むかふを順じゅん観かんと名なづけ、 下しもの千輪せんりんより上かみに向むかふを逆ぎゃく観かんと名なづく。

▲又観ズル↠像ヲ住心之ノ法ハ一モハラ如シ↢前ノ説ノ↡。▼従ヨリ↠頂 キ一一ニ想ヘ↠之ヲ†。†面ノ眉ノ毫相・眼・鼻・口・耳・咽ノド・項クヰヤウウナジ ・肩ケンカタ・臂ヒヒヂ・手シユ・指シヲ。又†抽キテ↠心ヲ向†ヒテ↠†上ニ†想ヘ↢胸クムネ・腹フクハラ・臍サイホゾ・陰オム・脛キヤウハギ ・膝シツヒザ・ハクヒザガハラ・足ソク、十指シ・千輪リン等ヲ↡。一一ニ想†ヒテ↠之ヲ、従ヨリ↠上 ミ向†フヲ↠下ニ名†ケ↢順観ト↡、従リ↢下ノ千輪リム↡向†フヲ↠上ニ名ク↢逆ギヤク観ト↡。

^かくのごとく逆順ぎゃくじゅんに心しんを住とどむれば、 久ひさしからずしてかならず成じょうずることを得う。 また仏身ぶっしんおよび華座けざ・宝ほう地じ等とうもかならずすべからく上じょう下げ通観つうかんすべし。 しかも十じゅう三さん観がんのなかに、 この宝ほう地じ・宝ほう華け・金像こんぞう等とうの観かんもつとも要ようなり。 もし人ひとを教おしへんと欲ほっせば、 すなはちこの法ほうを教おしへよ。 ただこの一法いっぽう成じょうじぬれば、 余よの観かんすなはち自じ然ねんにあきらかなり。

~◆如ク↠是クノ逆順ニ†住ムレバ↠心ヲ、不ズシテ↠久シカラ必ズ得ウ↠成ズルコトヲ也。又仏身及ビ華座・宝地等モ必ズ須 ラベ クシ↢上下通観ス↡。然シカモ▼十三観ノ中ニ、†此ノ宝地・宝華・金像等ノ観最モトモ要エウナリ。若シ†欲セバ↠教ヘムト↠人†ヲ、即チ教ヘヨ↢此ノ法ヲ↡。但此ノ一法成ジ†ヌレバ者、余ヨノ観即チ自然ニ†了ラカ也。

二 Ⅰ ⅷ b ト 釈結前生後文

^七しちに ▲「見けん此し」 より以下いげは、 上かみの像身ぞうしん観かんを結けつ成じょうして、 後のちの*二に菩ぼ薩さつ観かんを生しょうず。

七ニ従リ↢「見此」↡†已下ハ、▲結ケチ↢成シテ上 ミノ像身観ヲ↡、生ズ↢後ノ二菩薩ノ観ヲ↡也。

二 Ⅰ ⅷ b チ 釈明二身観文

^八はちに ▲「復ぶ当とう更きょう作さ一いち大蓮だいれん華げ」 より下しも 「坐右ざう華座けざ」 に至いたるこのかたは、 まさしく上かみの*三身さんしん観かんを成じょうじて後のちの*多た身しん観かんを生しょうずることを明あかす。

八ニ従リ↢「復ブ当更キヤウ作一大蓮華ト云」↡下至ル↢「坐右ザウ華座ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧成ジテ↢上ノ三身観ヲ↡生ズルコトヲ↦後ノ多タ身観ヲ↥。

^この二に菩ぼ薩さつ (観音・勢至) を観かんぜんと欲ほっするものは、 もつぱら仏ぶつを観かんずる法ほうのごとくすべし。

~†欲スル↠観ゼムト↢此ノ二菩薩ヲ↡者ハ、一 ハラ如クスベシ↢観ズル↠仏ヲ法ノ↡也。

二 Ⅰ ⅷ b リ 釈明多身観文

^九くに ▲「此し想そう成じょう時じ」 より下しも 「遍満へんまん彼ひ国こく」 に至いたるこのかたは、 まさしく上かみの多た身しん観かんを結けつ成じょうして、 後のちの説法せっぽうの相そうを生しょうずることを明あかす。

九ニ従リ↢「此想成時ト云」↡下至ル↢「遍満彼国ト云ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧結↢成シテ上ノ多タ身観ヲ↡生ズルコトヲ↦後ノ説法ノ相ヲ↥。

^これもろもろの行ぎょう者じゃ等とう、 行住ぎょうじゅう坐臥ざがにつねにかの国くにの一切いっさいの宝樹ほうじゅ、 一切いっさいの宝楼ほうろう、 華け、 池ち等とうを縁えんずることを明あかす。 もしは礼念らいねんし、 もしは観想かんそうして、 つ0435ねにこの解げをなせ。

~此 レ‡明ス↣諸ノ行者等行住坐臥ニ常ニ縁エムズルコトヲ↢彼ノ国ノ一切ノ宝樹†、一切ノ宝楼・華・池等ヲ↡。若シハ礼念シ‡、若シハ観想シテ、常ニ作ナセ↢此ノ解ヲ↡也。

二 Ⅰ ⅷ b ヌ 釈明説法相文

^十じゅうに ▲「此し想そう成じょう時じ」 より下しも 「憶おく持不じふ捨しゃ」 に至いたるこのかたは、 まさしく定じょうによりて極楽ごくらく0526の荘しょう厳ごんを見みることを得え、 また一切いっさいの荘しょう厳ごんみなよく妙みょう法ほうを説とくを聞きくことを明あかす。

十ニ従リ↢「此シ想成時ト云」↡下至ル↢「憶持ヂ不捨ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↫因ヨリテ↠定ニ得エ↠見ルコトヲ↢極楽ノ荘厳ヲ↡、又聞キクコトヲ↪一切ノ荘厳皆 ナ能ク説クヲ↩於妙法ヲ↨。

^すでにこれを見聞けんもんしをはりて、 つねに持たもちて失しっすることなきを定じょう心しんを守まもると名なづく。

~既ニ見↢聞シ此ヲ↡已リテ、恒ニ持タモチテ莫ナキヲ↠†失スルコト名ク↠守マモ0747ルト↢定心ヲ↡也。

二 Ⅰ ⅷ b ル 釈弁観邪正文

^十じゅう一いちに ▲「令りょう与よ修しゅ多羅たら合ごう」 より下しも 「見けん極楽ごくらく世せ界かい」 に至いたるこのかたは、 観かんの邪じゃ正しょうの相そうを弁べんず。

十一ニ▼従リ↢「令リヤウ与ヨ修多羅合ガフト云」↡下至ル↢「見極楽世界ニ」↡已来タハ、▲弁ベンズ↢観ノ邪正之ノ相ヲ↡。

二 Ⅰ ⅷ b ヲ 釈総結観名文

^十じゅう二にに ▲「是為ぜい」 より下しもは総そうじて結けっす。

十二ニ従リ↢「是為」↡下ハ▲総ソウジテ結ス。

二 Ⅰ ⅷ b ワ 釈明観利益文

^十じゅう三さんに ▲「作是さぜ観者かんしゃ」 より下しも 「得とく念仏ねんぶつ三昧ざんまい」 に至いたるこのかたは、 まさしく剋念こくねんして観かんを修しゅすれば、 現げんに利り益やくを蒙こうむることを明あかす。 これすなはち群ぐん生じょう障さわり重おもくして、 真仏しんぶつの観かん階かなひがたし。 ここをもつて大だい聖しょう (釈尊) 哀あわれみを垂たれて、 しばらく心しんを形ぎょう像ぞうに注とどめしめたまふ。

十三ニ従リ↢「作是観者」↡下至ル↢「得念仏三昧ニ」↡已来タハ、▼正シク明ス↣剋コク念シテ†修スレバ↠観ヲ、現ニ蒙カウブルコトヲ↢利益ヲ↡。▼斯 レ乃チ群グム生障サハリ重クシテ、真仏之ノ観難ガタシ↠階カナヒ。是ヲ以テ大聖垂タレテ↠哀アハレミヲ、且シバラク遣シメタマフ↠注メ↢心ヲ形カタチ像ニスガタ↡。

二 Ⅰ ⅷ c 結

^上じょう来らい十じゅう三さん句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく像観ぞうかんを明あかしをはりぬ。

上来雖モ↠有リト↢十三句ノ不同↡、広ク明シ↢像観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅸ【真身観】
      a 標

【12】^九くに*真身しんしん観かんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその十じゅう二にあり。

▲九ニ就キテ↢真身観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙ゲ、次ニ弁ジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ十二↡。

二 Ⅰ ⅸ b 釈
        イ 釈結前生後文

^一いちに ▲「仏告ぶつごう阿あ難なん」 より下しも 「身相しんそう光こう明みょう」 に至いたるこのかたは、 まさしく告ごう命みょうして前さきの像観ぞうかんを結けつ成じょうして、 後のちの真身しんしんの観かんを生しょうずることを明あかす。

一ニ従リ↢「仏告阿難」↡下至ル↢「身相光明ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧告命シテ結↢成シテ前ノ像観ヲ↡、生ズルコトヲ↦後ノ真身之ノ観ヲ↥也。

二 Ⅰ ⅸ b ロ 釈明身色文

^二にに ▲「阿あ難なん当とう知ち」 より下しも 「金色こんじき」 に至いたるこのかたは、 まさしく真仏しんぶつの身相しんそう天金てんごんの色いろに踰こえたることを顕あらわすことを明あかす。

二ニ従リ↢「阿難当知」↡下至ル↢「金色ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↠顕スコトヲ↣真仏之ノ身相踰コエタルコトヲ↢天金之ノ色イロニ↡也。

二 Ⅰ ⅸ b ハ 釈明身量文

^三さんに ▲「仏身ぶっしん高こう六ろく十じゅう」 より下しも 「由ゆ旬じゅん」 に0436至いたるこのかたは、 まさしく身しん量りょうの大だい小しょうを明あかす。

三ニ従リ↢「仏身高六十ト云」↡下至ル↢「由ユ旬ジユンニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢身量ノ大小ヲ↡。

二 Ⅰ ⅸ b ニ 釈総観身相文

^四しに ▲「眉み間けん」 より下しも 「菩ぼ薩さつ為い侍じ者しゃ」 に至いたるこのかたは、 まさしく総そうじて身相しんそうを観かんずることを明あかす。 すなはちその六ろくあり。

四ニ従リ↢「眉ミ間」↡下至ル↢「菩薩為侍ジ者ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣総ソウジテ観ズルコトヲ↢身相ヲ↡。即チ有リ↢其ノ六↡。

・毫相

^▲一いちには毫相ごうそうの大だい小しょうを明あかす。

▲一ニハ明ス↢毫ガウ相ノ大小ヲ↡。

・眼相

^▲二にには眼相げんそうの大だい小しょうを明あかす。

▲二ニハ明ス↢眼相ノ大小ヲ↡。

・毛孔光

^▲三さんには毛もう孔く光こうの大だい小しょうを明あかす。

▼三ニハ明ス↢毛孔ク光ノ大小ヲ↡。

・円光

^▲四しには円光えんこうの大だい小しょうを明あかす。

▲四ニハ明ス↢円光ノ大小ヲ↡。

・化仏

^▲五ごには化け仏ぶつの多た少しょうを明あかす。

▲五ニハ明ス↢化仏ノ多少ヲ↡。

・侍者

^▲六ろくには侍じ者しゃの多た少しょうを明あかす。

▲六ニハ明ス↢侍者ノ多少ヲ↡。

二 Ⅰ ⅸ b ホ 釈明別相光益文
          (一)解釈文相

^五ごに ▲「無む量りょう寿じゅ仏ぶつ」 より下しも 「摂取せっしゅ不ふ捨しゃ」 に至いたるこのかたは、 まさしく身しんの*別相べっそうを観かんずるに、 光ひかり*有う縁えんを益やくすることを明あかす。 すなはちその五ごあり。

五ニ従リ↢「無量寿仏ト云」↡下至ル↢「摂取不捨ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧観ズルニ↢†身ノ別相ヲ↡、光益スルコトヲ↦有縁ヲ↥。即チ有リ↢其ノ五↡。

・相

^▲一いちには相そうの多た少しょうを明あかす。

▲一ニハ明ス↢相ノ多少ヲ↡。

・好

^▲二にには好こうの多た少しょうを明あかす。

▲二ニハ明ス↢好ノ多少ヲ↡。

・光

^▲三さんには光ひかりの多た少しょう0527を明あかす。

▲三ニハ明ス↢光ノ多少ヲ↡。

・光照

^▲四しには▼光こう照しょうの遠近おんごんを明あかす。

▲四ニハ明ス↢光照ノ遠近ヲ↡。

・蒙摂益

^▲五ごには光ひかりの及およぶところの処ところ、 ひとへに*摂しょう益やくを蒙こうむることを明あかす。

▲五ニハ明ス↣光ノ所 ロノ↠及ブ処トコロ、偏ヒトヘニ蒙カウブルコトヲ↢摂益ヲ↡。

二 Ⅰ ⅸ b ホ (二)料簡義意

 ^◆問とひていはく、 つぶさに衆しゅ行ぎょうを修しゅして、 ただよく回え向こうすればみな往おう生じょうを得う。 なにをもつてか仏ぶっ光こうあまねく照てらすにただ念仏ねんぶつのもののみを摂せっする、 なんの意こころかあるや。

▼問ヒテ曰ク、備ツブサニ修シユ0748シテ↢衆行ヲ↡、但能ク廻向スレバ皆得ウ↢往生‡ヲ↡。何ヲ以テカ仏ノ光普ク照テラスニ唯タダ摂セフスル↢†念仏ノ者ノミヲ↡、有ル↢何ナニノ意カ↡也。

・三縁釈

^◆答こたへていはく、 これに三さん義ぎあり。

~◆答ヘテ曰ク、此 レニ有リ↢三義↡。

・三縁釈 ・親縁

^◆一いちには親縁しんえんを明あかす。 衆しゅ生じょう行ぎょうを起おこして▼口くちにつねに仏ぶつを称しょうすれば、 仏ぶつすなはちこれを聞ききたまふ。 ▼身みにつねに仏ぶつを*礼らい敬きょうすれば、 仏ぶつすなはちこれを見みたまふ。 心しんにつねに仏ぶつを念ねんずれば、 仏ぶつすなはちこれを知しりたまふ。 衆しゅ生じょう仏ぶつを憶念おくねんすれば、 仏ぶつもまた衆しゅ生じょうを憶念おくねんしたまふ。 ▼*彼ひ0437此しの三業さんごうあひ捨しゃ離りせず。 ゆゑに親縁しんえんと名なづく。

~◆一ニハ明ス↢親シム縁ヲ↡。衆生起オコシテ↠行ヲ口ニ常ニ称シヨウスレバ↠仏ヲ、仏即チ聞キキタマフ↠之ヲ。身ニ常ニ†礼↢敬スレバ仏ヲ↡、*仏即チ見タマフ↠之ヲ。心ニ常ニ念ズレバ↠仏ヲ、仏即チ知シリタマフ↠之ヲ。衆生憶↢念†スレバ仏ヲ↡者、仏モ亦憶↢念シタマフ衆生ヲ↡。▼彼此ヒシノ三業不ズ↢相 ヒ捨シヤ離リセ↡。故ニ名ク↢親縁ト↡也。

・三縁釈 ・近縁

^◆二にには近縁ごんえんを明あかす。 衆しゅ生じょう仏ぶつを見みたてまつらんと願がんずれば、 仏ぶつすなはち念ねんに応おうじて現げんじて目めの前まえにまします。 ゆゑに近縁ごんえんと名なづく。

~二ニハ明ス↢近ゴム縁ヲ↡。▼衆生願ズレバ↠見タテマツラムト↠仏ヲ、仏即チ応ジテ↠念ニ現ジテ在マシマス↢目ノ前 ヘニ↡。故ニ名ク↢近縁ト↡也。

・三縁釈 ・増長縁

^◆三さんには増ぞう上じょう縁えんを明あかす。 衆しゅ生じょう称念しょうねんすれば、 すなはち多た劫こうの罪つみを除のぞく。 命いのち終おわらんと欲ほっする時とき、 仏ぶつ、 聖しょう衆じゅとみづから来きたりて*迎こう接しょうしたまふ。 ▼*諸しょ邪業じゃごう繋けもよく礙さふるものなし。 ゆゑに増ぞう上じょう縁えんと名なづく。

~三ニハ明ス↢増ゾウ上縁ヲ↡。▼衆生称念スレバ、即チ除ク↢多劫ノ罪ヲ↡。命欲スル↠終オハラムト時、仏与ト↢聖衆↡自ラ来リテ迎接カウセウシタマフ†。▼諸ノ邪業繋ケモ▼無シ↢能ク礙サフル者 ノ↡。故ニ名ク↢増上縁ト↡也。

・念仏三昧

^▼自余じよの衆行しゅぎょうはこれ善ぜんと名なづくといへども、 もし念仏ねんぶつに比くらぶれば、 まつたく比ひ校きょうにあらず。 このゆゑに諸経しょきょうのなかに処々しょしょに広ひろく念仏ねんぶつの*功く能のうを讃ほめたり。

~▼自余ジヨノ衆行‡雖モ↠名クト↢是 レ善ト↡、若シ比クラ†ブレバ↢念仏ニ↡者全マタク非ズ↢比ヒ校ケウタクラブニ↡也。是ノ故ニ諸経ノ中ニ処処シヨシヨニ広ヒロク讃ホメタリ↢念仏ノ功ク能ヲ↡。

^◆¬無む量りょう寿じゅ経きょう¼ の四し十じゅう八はち願がんのなかのごときは、 ▲ただもつぱら弥陀みだの名みょう号ごうを念ねんじて生しょうずることを得うと明あかす。

~▼如キハ↢¬無量寿経ノ¼四十八願ノ中ノ↡、唯タダ明†ス↧†専ラ念ジテ↢弥陀ノ名号ヲ↡得ト↞†生ズルコトヲ。

^◆また ¬弥陀みだ経きょう¼ のなかのごときは、 ▲一日いちにち七日しちにちもつぱら弥陀みだの名みょう号ごうを念ねんじて▲生しょうずることを得うと。 また▲十方じっぽう恒沙ごうじゃの諸仏しょぶつの*証誠しょうじょう虚むなしからずと。

~◆又如キハ↢¬弥陀経ノ¼中ノ↡、一日七日専 ハラ念ジテ↢弥陀ノ名号ヲ↡得ウト↠†生ズルコトヲ。又十方恒沙ノ諸仏ノ証誠不ズト↠虚シカラ也。

^◆またこの ¬経きょう¼ (観経) の定じょう散さんの文もんのなかに、 ▲ただもつぱら名みょう号ごうを念ねんじて生しょうずることを得うと標ひょうせり。

~▼又此ノ¬経ノ¼定散ノ文モンノ中ニ‡、▼唯タダ標ヘウ†セリ↧専 ハラ念ジテ↢名号ヲ↡得ト↞生ズルコトヲ。

^◆この例れい一いちにあらず。 ◆広ひろく念仏ねんぶつ三昧ざんまいを顕あらわしをはりぬ。

~◆此ノ例レイ非ズ↠一ニ也。広ク顕 ハシ↢念仏三昧ヲ↡竟リヌ。△

二 Ⅰ ⅸ b ヘ 釈結少顕多文

【13】^六ろくに ▲「其ご光こう相好そうごう」 より以下いげは、 少しょうを結けっして多たを顕あらわす。 たやすく観かんぜんと欲ほっするものは、 *周しゅう悉しつすることをなしがたし。

六ニ従リ↢「其ゴ光相好ト云」↡已下ハ、▲結ケチシテ↠少ヲ顕ス↠多ヲ。輒タヤスク†欲スル↠観ゼムト者ハ、難ガタシ↠為ナシ↢周シユ悉シツスルコトヲ↡。

二 Ⅰ ⅸ b ト 釈勧憶想見文

^七しちに ▲「但当たんとう憶想おくそう」 より以下いげは、 まさしく荘しょう厳ごん微み妙みょうにして*凡ぼん境きょうに出しゅっ過かせることを明あかす。 いまだ目めの前まえに証しょうせずとい0438へども、 ただまさに憶想おくそうして心眼しんげんをして見みたてまつらしむべし。

七ニ従リ↢「但タム当憶想ト云」↡已下ハ、▲正シク明ス↣荘厳微ミ妙ニシテ出↢過セルコトヲ凡境†ニ↡。雖 ドモ↠未ズ ダト↠証セ↢目メノ前 ヘニ↡、但タダ当ベ ニシ↣憶想シテ令シム↢心眼ヲシテ見†タテマツラ↡也。

二 Ⅰ ⅸ b チ 釈明観益得成文

^八はちに ▲「見けん此事しじ者しゃ」 より下しも0528 「摂しょう諸しょ衆しゅ生じょう」 に至いたるこのかたは、 まさしく功こう呈あらわれて失しっせず、 観かんの益やく成じょうずることを得うることを明あかす。 すなはちその五ごあり。

八ニ従リ↢「見此事シジ者ト云」↡下至ル↢「摂セフ諸衆生ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢功クウコウ呈アラハ†レテ不ズ↠失セ、観ノ益得ウルコトヲ↟成ズルコトヲ。即チ有リ↢其ノ五↡。

・見十方諸仏

^▲一いちには観かんによりて十方じっぽうの諸仏しょぶつを見みたてまつることを得うることを明あかす。

▲一ニハ明ス↢因ヨ0749リテ↠観ニ得ルコトヲ↟見タテマツルコトヲ↢十方ノ諸仏ヲ↡。

・成念仏三昧

^▲二にには諸仏しょぶつを見みたてまつるをもつてのゆゑに、 念仏ねんぶつ三昧ざんまいを結けつ成じょうすることを明あかす。

▲二ニハ明ス↧以テノ↠見タテマツルヲ↢諸仏ヲ↡故ニ、結↦成スルコトヲ念仏三昧ヲ↥。

・観一切仏身

^▲三さんにはただ一仏いちぶつを観かんじてすなはち一切いっさいの仏身ぶっしんを観かんずることを明あかす。

▲三ニハ明ス↧但観ジテ↢一仏ヲ↡即チ観ズルコトヲ↦一切ノ仏身ヲ↥也。

・即見仏心

^▲四しには仏身ぶっしんを見みたてまつるによるがゆゑに、 すなはち仏心ぶっしんを見みたてまつることを明あかす。

▲四ニハ明ス↧由ヨルガ↠見タテマツルニ↢仏身ヲ↡故ニ、即チ見タテマツルコトヲ↦仏心ヲ↥也。

・普摂一切

^▲五ごには仏心ぶっしんは慈悲じひを体たいとなし、 この平びょう等どうの大だい慈じをもつてあまねく一切いっさいを摂せっしたまふことを明あかす。

▲五ニハ明ス↧仏心ト†者慈悲ヲ為†シ↠体ト、以テ↢此ノ平等ノ大慈ジヲ↡普ク摂セフ†シタマフコトヲ↦一切ヲ↥也。

二 Ⅰ ⅸ b リ 釈明得生益文

^九くに ▲「作此さし観者かんしゃ」 より下しも 「得とく無む生しょう忍にん」 に至いたるこのかたは、 まさしく捨身しゃしんして他世たせにかしこに生しょうずる益やくを得うることを明あかす。

九ニ従リ↢「作此観者ト云」↡下至ル↢「得無生忍ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣†捨身シテ他世ニ†得ルコトヲ↢†生ズル↠彼カシコニ益ヲ↡也。

二 Ⅰ ⅸ b ヌ 釈結勧修観利益文

^十じゅうに ▲「是故ぜこ智ち者しゃ」 より下しも 「現前げんぜん授じゅ記き」▲ に至いたるこのかたは、 かさねて修観しゅかんの利り益やくを結勧けっかんすることを明あかす。 すなはちその五ごあり。

十ニ従リ↢「是故コ智者ト云」↡下至ル↢「現前授ジユ記キニ」↡已来タハ、▲重 ネテ明ス↣結↢勧スルコトヲ修観ノ利益ヲ↡。即チ有リ↢其ノ五↡。

・簡能修観人

^▲一いちには*能のう修しゅ観かんの人ひとを簡えらび出いだすことを明あかす。

▲一ニハ明ス↣簡エラビ↢出スコトヲ†能修観ノ人ヲ↡。

・観無量寿仏

^▲二にには心しんをもつぱらにしてあきらかに無む量りょう寿じゅ仏ぶつを観かんずることを明あかす。

▲二ニハ明ス↣専ニシテ↠心ヲ諦アキラカニ観ズルコトヲ↢無量寿仏ヲ↡。

・衆相自然現

^▲三さんには相好そうごう衆しゅ多たなり。 *総雑そうぞうして観かんずることを得えず。 ただ白びゃく毫ごうの一相いっそうを観かんずることを明あかす。 ただ白びゃく毫ごうを見みたてまつることを得うれば、 一切いっさいの衆相しゅそう自じ然ねんに現げんず。

▲三ニハ明ス↧相好衆多ナリ、不ズ↠得エ↢総雑ソウザフシテ而観ズルコトヲ↡、唯観ズルコトヲ↦白ビヤク毫ガウケ ノ一相ヲ↥。但タダ†得レバ↠見タテマツルコトヲ↢白毫ケ ヲ↡者、一切ノ衆相自然†ニ而現ズ也。

・見十方仏

^▲四しにはすでに弥陀みだを見みたて0439まつれば、 すなはち十方じっぽうの仏ぶつを見みたてまつることを明あかす。

▲四ニハ明ス↧既ニ見タテマツレバ↢弥陀ヲ↡、即チ見タテマツルコトヲ↦十方ノ仏ヲ↥也。

・得蒙授記

^▲五ごにはすでに諸仏しょぶつを見みたてまつれば、 すなはち定中じょうちゅうにおいて授じゅ記きを蒙こうむることを得うることを明あかす。

▲五ニハ明ス↧既ニ見タテマツレバ↢諸仏ヲ↡、即チ†於テ↢定中ニ↡得ウルコトヲ↞蒙カウブルコトヲ↢授ジユ記キヲ↡也。

二 Ⅰ ⅸ b ル 釈総結文

^十じゅう一いちに ▲「是為ぜい遍観へんかん」 より以下いげは総そうじて結けっす。

十一ニ従リ↢「是為遍ヘム観」↡已下ハ▲総ソウジテ結ス。

二 Ⅰ ⅸ b ヲ 釈弁観邪正文

^十じゅう二にに ▲「作此さし観かん」 より以下いげは、 まさしく観かんの邪じゃ正しょうの相そうを弁べんずることを明あかす。

十二ニ従リ↢「作此観」↡已下ハ、▲正シク明ス↠弁ベムズルコトヲ↢観ノ邪正之ノ相ヲ↡。

^これすなはち*真しん形ぎょう量りょう遠とおくして、 *毫ごう五ご山せんのごとし。 *震響しんこう機きに随したがひ、 光ひかり*有う識しきを沾うるおす。 ˆ釈しゃく尊そんはˇ *含霊がんれいをして帰き命みょうし、 注ちゅう想そうして遺のこりなく、 仏ぶつ (阿弥陀仏) の*本ほん弘ぐに乗じょうじて斉ひとしくかの国くにに臨のぞましめんと欲ほっす。

~斯コレ乃チ真形量遠トオクシテ、毫ガウケ 若ゴトシ↢五山ノ↡。震響シムカウ随ヒ‡↠機ニ、光 リ沾ウルホス↢有識ヲ↡。欲ス↠使シメムト↧含霊ガムレイヲシテ帰命シ注チユ想シテ無ナク↠遺ノコリ、乗ジヨウジテ↢仏ノ本弘グウニ↡斉ヒトシク臨ノゾマ↦彼ノ国ニ↥。

二 Ⅰ ⅸ c 結

^上じょう来らい十じゅう二に句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく真身しんしん観かんを明あかしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢十二句ノ不同↡、広ク明シ↢真身観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅹ【観音観】
      a 標

【14】^十じゅうに*観音かんのん観かんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその十じゅう五ごあり。

▲十ニ就キテ↢観音観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙アゲ、次ニ弁ジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ十五↡。

二 Ⅰ ⅹ b 釈
        イ 釈結前生後文

^一いちに ▲「仏告ぶつごう阿あ難なん」 より下しも0529 「菩ぼ薩さつ」 に至いたるこのかたは、 まさしく前さきの真身しんしん観かんを結けつ成じょうして、 後のちの菩ぼ薩さつ観かんを生しょうずることを明あかす。

一ニ従リ↢「仏告阿難」↡下至ル↢「菩薩ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧結ケツ↢成シテ前ノ真身観ヲ↡、生ズルコトヲ↦後ノ菩薩観ヲ↥。

二 Ⅰ ⅹ b ロ 釈総標身相文

^二にに ▲「此し菩ぼ薩さつ身しん長じょう」 より下しも 「皆かい於お中ちゅう現げん」▲ に至いたるこのかたは、 まさしく総そうじて身相しんそうを標ひょうすることを明あかす。 すなはちその六ろくあり。

二ニ従リ↢「此シ菩薩0750身長ト云」↡下至ル↢「皆於オ中現ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣総ソウジテ標ヘウスルコトヲ↢身相ヲ↡。即チ有リ↢其ノ六↡。

・身量

^▲一いちには身しん量りょうの大だい小しょうを明あかす。

▲一ニハ明ス↢身量ノ大小ヲ↡。

・身色

^▲二にには身色しんじき、 ▲仏ぶつと同おなじからざることを明あかす。

▲二ニハ明ス↢身色与ト↠仏†不ルコトヲ↟同ジカラ。

・肉髻

^▲三さんには*肉髻にくけい、 ▲仏ぶつの*螺ら髻けいと同おなじからざることを明あかす。

▲三ニハ†明ス↧肉髻与↢仏ノ*螺髻↡不ルコトヲ↞同ジカラ。

・円光

^▲四しには円光えんこうの大だい小しょうを明あかす。

▲四ニハ明ス↢円光ノ大小ヲ↡。

・侍者

^▲五ごには化け仏ぶつの侍じ者しゃの多た少しょうを明あかす。

▲五ニハ明ス↢化仏ノ侍ジ者ノ多少ヲ↡。

・五道衆生

^▲六ろくには0440身光しんこうにあまねく*五ご道どうの衆しゅ生じょうを現げんずることを明あかす。

▲六ニハ明ス↣身光ニ普ク現ズルコトヲ↢五道ノ衆生ヲ↡。

二 Ⅰ ⅹ b ハ 釈冠内化仏文

^三さんに ▲「頂上ちょうじょう毘び楞りょう伽が」 より下しも 「二に十じゅう五ご由ゆ旬じゅん」 に至いたるこのかたは、 まさしく*天冠てんがんのうちの化け仏ぶつの殊しゅ異いを明あかす。

三ニ従リ↢「頂チヤウ上毘ビ楞リヨウレウ 伽ガ」↡下至ル↢「二十五由旬ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢天冠グワン之ノ内ノ化仏ノ殊シユ異イヲ↡。

二 Ⅰ ⅹ b ニ 釈明面色文

^四しに ▲「観音かんのん」 より以下いげは、 まさしく面色めんしきと▲身色しんしきと同おなじからざることを明あかす。

四ニ従リ↢「観音」↡已下ハ、▲正シク明ス↧面メン色ト与ト↢身色↡不ルコトヲ↞同ジカラ。

二 Ⅰ ⅹ b ホ 釈毫光転変文

^五ごに ▲「眉み間けん」 より下しも 「蓮れん華げ色しき」 に至いたるこのかたは、 まさしく*毫光ごうこう転変てんぺんして十方じっぽうに遍満へんまんし、 化侍けじいよいよ多おおくしてさらに紅ぐ蓮れんの色いろに比ひすることを明あかす。 すなはちその五ごあり。

五ニ従リ↢「眉ミ間」↡下至ル↢「蓮華色ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧毫ガウ光転テム変シテ遍↢満†シ十方ニ↡、化侍ジ弥イヨイヨ多クシテ更ニ比ヒスルコトヲ↦紅蓮グウレン之ノ色 ロニ↥。即チ有リ↢其ノ五↡。

・七宝色

^▲一いちには毫相ごうそう七宝しっぽうの色いろをなすことを明あかす。

▲一ニハ明ス↣毫ガウ相作スコトヲ↢七宝ノ色 ロヲ↡。

・毫光

^▲二にには毫光ごうこうの多た少しょうを明あかす。

▲二ニハ明ス↢毫光ノ多少ヲ↡。

・化仏

^▲三さんには光ひかりに化け仏ぶつまします多た少しょうを明あかす。

▲三ニハ明ス↧光ニ有マシマス↢化仏ノ↡多少ヲ↥。

・侍者

^▲四しには侍じ者しゃの多た少しょうを明あかす。

▲四ニハ明ス↢侍者ノ多少ヲ↡。

・変現

^▲五ごには化侍けじ変現へんげんして十方じっぽうに遍満へんまんすることを明あかす。

▲五ニハ明ス↣化侍ジ変現シテ遍↢満スルコトヲ十方ニ↡。

二 Ⅰ ⅹ b ヘ 釈明光瓔文

^六ろくに ▲「有う八はち十じゅう億おく光こう明みょう」 より下しも 「荘しょう厳ごん事じ」 に至いたるこのかたは、 まさしく身みに服ぶくせる*光瓔こうよう、 衆宝しゅぼうの作さにあらざることを明あかす。

六ニ従リ↢「有八十億光明ト云」↡下至ル↢「荘厳事ジニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣†身ニ服セル光瓔ヤウ非ザルコトヲ↢衆宝ノ作サニ↡。

二 Ⅰ ⅹ b ト 釈明手用文

^七しちに ▲「手しゅ掌しょう作さ五ご百ひゃく億おく」 より下しも 「接しょう引いん衆しゅ生じょう」 に至いたるこのかたは、 まさしく手みてに慈悲じひの用ゆうあることを明あかす。 すなはちその六ろくあり。

七ニ従リ↢「手シユ掌シヤウ作サ五百億」↡下至ル↢「接引セウイム衆生ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣手テニ有ルコトヲ↢慈悲之ノ用↡也。即チ有リ↢其ノ六↡。

・雑蓮色

^▲一いちには手しゅ掌しょう雑蓮ぞうれんの色いろをなすことを明あかす。

▲一ニハ明ス↣手掌‡作スコトヲ↢雑ザフ蓮之ノ色ヲ↡。

・印文

^▲二にには一々いちいちの指ゆびの端はしに八万はちまんの印文いんもんあることを明あかす。

▲二ニハ明ス↣一一ノ指ユビノ端ハシニ有ルコトヲ↢八万ノ印文イムモン↡。

・八万余色

^▲三さんには一々いちいちの文もんに八万はちまん余よの色いろあることを明あかす。

▲三ニハ明ス↣一一ノ文ニ有ルコトヲ↢八万余ヨノ色イロ↡。

・八万余光

^▲四しには一々いちいちの色いろに八万はちまん余よの光ひかりあることを明あかす。

▲四ニハ明ス↣一一ノ色ニ有ルコトヲ↢八万余ノ光 リ↡。

・光体柔軟

^▲五ごには光体こうたい柔にゅう軟なんにして等ひとしく一切いっさいを照てらすことを明あかす。

▲五ニハ明ス↣光体柔軟ヤハラカニシテ等ヒトシク照テラスコトヲ↢一切ヲ↡。

・接引有縁

^▲六ろくにはこの宝光ほうこうの手みてをもつて有う縁えんを接しょう引いんしたまふことを明あかす。

▲六ニハ明ス↧以テ↢此ノ宝光之ノ手ヲ↡接セウ↦引イン†シタマフコトヲ有縁ヲ↥也。

二 Ⅰ ⅹ b チ 釈明足用文

^八はち0441に ▲「挙こ足そく時じ」 より下しも 「莫まく不弥ふみ0530満まん」 に至いたるこのかたは、 まさしく足あしに徳用とくゆうの相そうあることを明あかす。

八ニ従リ↢「挙コ足時」↡下至ル↢「莫マク不フ弥ミ満マムト云ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣足アシニ有ルコトヲ↢徳用之ノ相↡。

二 Ⅰ ⅹ b リ 釈指同仏文

^九くに ▲「其余ごよ身相しんそう」 より以下いげは指さして仏ぶつ ˆの相そうˇ に同どうず。

九ニ従リ↢「其余ヨ身相」↡已下ハ▲指サシテ同ズ↢於仏ニ↡。

二 Ⅰ ⅹ b ヌ 釈二相有虧文

^十じゅうに ▲「唯ゆい頂上ちょうじょう」 より下しも 「不ふ及ぎゅう世せ尊そん」 に至いたるこのかたは、 まさしく*師徒しと位くらい別べつにして、 *果か願がんいまだ円まどかならず。 *二に相そうをして虧かけたることあらしむることを致いたして、 不ふ足そくの地じに居こすることを表ひょうすることを明あかす。

十0751ニ従リ↢「唯頂上」↡下至ル↢「不及世尊ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧▼師徒ト位クラヰ別ベチニシテ、果願未ズ ダ↠円カナラ、致シテ↠使シムルコトヲ↢二相ヲシテ有ラ↟虧カケタルコト、表ヘウスルコトヲ↞居コスルコトヲ↢不足之地ニ↡也。

二 Ⅰ ⅹ b ル 釈総結文

^十じゅう一いちに ▲「是為ぜい」 より下しもは総そうじて結けっす。

十一ニ従リ↢「是為」↡下ハ▲総ソウジテ結ス。

二 Ⅰ ⅹ b ヲ 釈結前生後文

^十じゅう二にに ▲「仏告ぶつごう阿あ難なん」 より下しも 「当とう作是さぜ観かん」 に至いたるこのかたは、 まさしくかさねて前さきの文もんを結けっし、 その後のちの益やくを生しょうずることを明あかす。

十二ニ従リ↢「仏告阿難」↡下至ル↢「当作是観ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧重カサネテ結シ‡↢前ノ文ヲ↡、生ズルコトヲ↦其ノ†後ノ益ヲ↥。

二 Ⅰ ⅹ b ワ 釈勧観利益文

^十じゅう三さんに ▲「作是さぜ観者かんしゃ」 より下しも 「何が況きょう諦観たいかん」 に至いたるこのかたは、 まさしく観かんの利り益やくを勧すすむることを明あかす。

十三ニ従リ↢「作是観者」↡下至ル↢「何ガ況クヰヤウ諦タイ観ニ」↡已来タハ、▲正シク†明ス↠勧ムルコトヲ↢観ノ利益ヲ↡。

二 Ⅰ ⅹ b カ 釈重顕観儀文

^十じゅう四しに ▲「若にゃく有う欲観よくかん観音かんのん」 より下しも 「如観にょかん掌中しょうちゅう」 に至いたるこのかたは、 まさしくかさねて*観かんの儀ぎを顕あらわして物ものを勧すすめ、 心しんを傾かたむけて*両りょう益やくに沾うるおさしむることを明あかす。

十四ニ従リ↢「若有欲観観音」↡下至ル↢「如観掌シヤウ中ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧重テ顕シテ↢観ノ儀ヲ↡、勧メ↠物ヲ傾カタブケテ↠心ヲ使シムルコトヲ↞沾ウルヲ†サ↢*両益ニ↡。

二 Ⅰ ⅹ b ヨ 釈弁観邪正文

^十じゅう五ごに ▲「作是さぜ観かん」 より以下いげは、 まさしく観かんの邪じゃ正しょうの相そうを弁べんずることを明あかす。

十五ニ従リ↢「作是観」↡已下ハ、▲正シク明ス↠弁ベムズルコトヲ↢観ノ邪正ノ相ヲ↡。

^これすなはち観音かんのん願がん重おもくして十方じっぽうに影現ようげんし、 宝手ほうしゅ輝ひかりを停とどめて機きに随したがひて引いん接じょうしたまふ。

~斯コレ乃チ観音願重オモクシテ†影↢現シ十方ニ↡、宝手シユ停トドメテ↠輝ヒカリヲ随ヒテ↠機ニ引接イムセウ†シタマフ。

二 Ⅰ ⅹ c 結

^上じょう来らい十じゅう五ご句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく観音かんのん観かんを明あかしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢十五句ノ不同↡、広ク明シ↢観音観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅺ【勢至観】
      a 標

【15】^十じゅう一いちに*勢せい至し観かんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその十じゅう三さんあり。

▲十一ニ就キテ↢勢至観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙アコ ゲ、次ニ弁ジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ十三↡。

二 Ⅰ ⅺ b 釈
        イ 釈総挙観名文

^一いちに ▲「次し観かん大勢だいせい至し」 より以下いげは、 総そうじて観かんの名なを挙あぐ。

一ニ従リ↢「次シ観大勢至」↡已下ハ、▲総ソウジテ挙アグ↢観ノ名ナヲ↡。

二 Ⅰ ⅺ b ロ 釈弁観相文

^二に0442に ▲「此し菩ぼ薩さつ身しん量りょう大だい小しょう」 より以下いげは、 次つぎに観かんの相そうを弁べんず。 すなはちその五ごあり。

二ニ従リ↢「此シ菩薩身量大小」↡已下ハ、▲次ニ弁ベムズ↢観ノ相ヲ↡。即チ有リ↢其ノ五↡。

^▲一いちには▲身しん量りょう観音かんのんに等類とうるいすることを明あかす。

▲一ニハ明ス↣身量等↢類スルコトヲ観音ニ↡。

^二にには▲身色しんじき観音かんのんに等類とうるいすることを明あかす。

~二ニハ明ス↣身色等↢類スルコトヲ観音ニ↡。

^三さんには▲面相めんそう観音かんのんに等類とうるいすることを明あかす。

~三ニハ明ス↣面メム相等↢類スルコトヲ観音ニ↡。

^四しには▲身光しんこう・▲相好そうごう観音かんのんに等類とうるいすることを明あかす。

~四ニハ明ス↣身光・相好等↢類スルコトヲ観音ニ↡。

^五ごには▲毫相ごうそう光ひかりを舒のべて転変てんぺんすること観音かんのんに等類とうるいすることを明あかす。

~五ニハ明ス↣毫ガウケ 相舒ノベテ↠光ヲ転変スルコト等↢類スルコトヲ観音ニ↡。

二 Ⅰ ⅺ b ハ 釈明円光不同文

^三さんに ▲「円光えんこう面各めんかく百ひゃく二に十じゅう五ご由ゆ旬じゅん」 より以下いげは、 まさしく円光えんこう等とう観音かんのんに同おなじからざる相そう0531を明あかす。 すなはちその四しあり。

三ニ従リ↢「円光面各カク百二十五由旬」↡已下ハ、▲正シク明ス↧円光†等不ザル↠同ジカラ↢観音ニ↡之相ヲ↥。即チ有リ↢其ノ四↡。

・円光

^▲一いちには円光えんこうの大だい小しょうを明あかす。

▲一ニハ明ス↢円光ノ大小ヲ↡。

・光照

^▲二にには光こう照しょうの遠近おんごんを明あかす。

▲二ニハ†明ス↢光照ノ遠近ヲ↡。

・化仏

^▲三さんには化け仏ぶつの多た少しょうを明あかす。

~三ニハ明ス↢化仏ノ多少ヲ↡。

・侍者

^▲四しには化け仏ぶつの侍じ者しゃの多た少しょうを明あかす。

~四ニハ明ス↢化仏0752ノ侍ジ者ノ多少ヲ↡。△

二 Ⅰ ⅺ b ニ 釈明身光照益文

^四しに ▲「挙こ身しん光こう明みょう」 より下しも 「名みょう大勢だいせい至し」 に至いたるこのかたは、 まさしく身光しんこう遠とおく備そなへて有う縁えんを照しょう益やくし、 等ひとしく他た方ほうに及および、 みな紫し金こんの色いろをなすことを明あかす。 すなはちその八はちあり。

四ニ従リ↢「挙コ身光明」↡下至ル↢「名大勢至ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧身光遠トオク備ソナヘテ†照↢益シ有縁ヲ↡、等シク†及ビ↢他方ニ↡、皆作スコトヲ↦紫シ金之ノ色ヲ↥。即チ有リ↢其ノ八↡。

・総別

^▲一いちには身光しんこうの総別そうべつの不ふ同どうを明あかす。

▲一ニハ明ス↢身光ノ総別ソウベチノ不同ヲ↡。

・光照

^▲二にには光照こうしょうの遠近おんごんを明あかす。

▲二ニハ明ス↢光照ノ遠近ヲ↡。

・光触

^▲三さんには光ひかりの触ふるるところの処ところ、 みな紫し金こんの色いろをなすことを明あかす。

▲三ニハ明ス↣光ノ所 ロノ↠触フルル処 ロ皆 ナ作スコトヲ↢紫金之色ヲ↡。

・有縁者得覩

^▲四しにはただ勢せい至しと宿しゅく業ごう縁えんあるもののみすなはちこの光ひかりを覩と触そくすることを得うることを明あかす。

▲四ニハ明ス↫但タダ†与ト↢勢志↡宿業有ル↠縁者 ノノミ即チ得ルコトヲ↪覩トミル↩触ソクスルコトヲ此ノ光ヲ↨。

・見諸仏身光

^▲五ごにはただ一毛いちもう孔くの光ひかりを見みれば、 すなはちよく多おおく諸仏しょぶつの浄妙じょうみょうの身光しんこうを見みることを明あかす。 これすなはち少しょうを挙あげてもつて多た益やくを顕あらわして、 これを行ぎょうずるものをして*悕け心しん渇仰かつごうして、 入にゅう観かんしてもつてこれを証しょうせしめ0443んと欲ほっす。

▲五ニハ明ス↧但見†レバ↢一毛モウ孔クノ光ヲ↡、即チ能ク多ク見ルコトヲ↦諸仏ノ浄妙ノ身光ヲ↥。此 レ即チ挙アゲテ↠少ヲ以テ顕シテ↢多益ヲ↡、欲ス↠使シメムト↢行†ズル↠之ヲ者ヲシテ悕ケネガフ心渇仰カツガウアウグシテ、入観シテ以テ証セ↟之ヲ。

・依光以立名

^▲六ろくには光ひかりによりてもつて名なを立たつることを明あかす。

▲六ニハ明ス↢依ヨリテ↠光ニ以テ立ツルコトヲ↟名ヲ。

・光之体用

^▲七しちには光ひかりの*体たい・用ゆうを明あかす。 すなはち無漏むろを体たいとなすがゆゑに智慧ちえ光こうと名なづく。 またよく十方じっぽう三悪さんまくの苦くを除息じょそくするを無む上じょう力りきと名なづく。 すなはち用ゆうとなす。

▲七ニハ明ス↢光之体タイ用ヲ↡。即チ無漏ムロヲ為スガ↠体ト故ニ名ク↢智慧サトル光ト↡。又能ク除ヂヨ↢息ソクスルヲ十方三悪之ノ苦クヲ↡名ク↢無上力ト↡。即チ為ス↠用ト也。

・依徳立名

^▲八はちには大勢だいせい至しと名なづくることは、 これすなはち徳とくによりて名なを立たつることを明あかす。

▲八ニハ明ス↧名クルコト↢大勢志シト↡者ハ、此 レ即チ依リテ↠徳ニ立ツルコトヲ↞名ヲ也。

二 Ⅰ ⅺ b ホ 釈明天冠荘厳文

^五ごに ▲「此し菩ぼ薩さつ天冠てんがん」 より下しも 「皆かい於お中ちゅう現げん」 に至いたるこのかたは、 まさしく*天冠てんがんの荘しょう厳ごんの相そう、 観音かんのんと同おなじからざることを明あかす。 すなはちその四しあり。

五ニ従リ↢「此シ菩薩天冠クワ カブリト云」↡下至ル↢「皆於中現ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧天冠ノ*荘厳之ノ相、与ト↢観音↡†不ルコトヲ↞同ジカラ。即チ有リ↢其ノ四↡。

・冠上宝華

^▲一いちには冠かん上じょうの宝ほう華けの多た少しょうを明あかす。

▲一ニハ明ス↢†冠上ノ宝華ノ多少ヲ↡。

・華上宝台

^▲二にには一々いちいちの華け上じょうの宝台ほうだいの多た少しょうを明あかす。

▲二ニハ明ス↢一一ノ華上ノ宝台ノ多少ヲ↡。

・台中映現

^▲三さんには一々いちいちの台だいのなかに十方じっぽう諸仏しょぶつの浄じょう土どを映現ようげんすることを明あかす。

▲三ニハ明ス↣一一ノ台ノ中ニ映エイ↢現スルコトヲ十方ノ諸仏ノ浄土ヲ↡。

・都無増減

^▲四しには他た方ほうの土ど現げんずれども、 彼此ひしすべて増減ぞうげんなきことを明あかす。

▲四ニハ明ス↣他方ノ土現ズレドモ、彼此ヒシ都スベテ無キコトヲ↢増減ゾウゲム↡。

二 Ⅰ ⅺ b ヘ 釈肉髻宝瓶文

^六ろくに ▲「頂上ちょうじょう肉髻にくけい」 より下しも 「普ふ現げん仏ぶつ事じ」 に至いたるこのかたは、 まさしく肉髻にくけいの宝ほう瓶びょうの相そうを明あかす。

六ニ従リ↢「頂上肉ニチ髻ケ」↡下至ル↢「普現仏事ジニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢肉ニチ髻ケノ宝瓶ビヤウ之ノ相ヲ↡。

二 Ⅰ ⅺ b ト 釈指同観音文

^七しちに ▲「余よ諸しょ身相しんそう」 より以下いげは指さして観音かんのんに同どうず。

七ニ従リ↢「余ヨ諸身相」↡已下ハ▲†指シテ同ズ↢観音ニ↡也。

二 Ⅰ ⅺ b チ 釈行不同相文

^八はちに ▲「此し菩ぼ薩さつ行ぎょう時じ」 より下しも 「如にょ極楽ごくらく世せ界かい」 に至いたるこのかたは、 まさしく行ぎょう0532じたまふに観音かんのんと同おなじからざる相そうを明あかす。 すなはちその四しあり。

八ニ従リ↢「此シ菩薩行時」↡下至ル↢「如極楽世界ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧行ジタマフニ与ト↢観音↡不ザル↠同ジカラ相ヲ↥。即チ有リ↢其ノ四↡。

・行不同相

^▲一いちには行ぎょうの不ふ同どうの相そうを明あかす。

▲一ニハ明ス↢行†ノ不同ノ相ヲ↡。

・震動遠近相

^▲二にには震動しんどうの遠近おんごんの相そうを明あかす。

▲二ニハ明ス↢震シム動ノ遠近ノ相ヲ↡。

・華現多

^▲三さんには震動しんどうするところの処ところ、 華はな現げんずること多おおきことを明あかす。

▲三ニハ明ス↧所 ロノ↢震動0753スル↡処 ロ‡、華ハナ現ズルコト多オホキコトヲ↥。

・華高而顕

^▲四しには所現しょげんの華はな高たかくしてかつ顕あらわれ、 多おおくのもろもろの*瑩飾ようじきもつて極楽ごくらくの荘しょう厳ごんに類るいすることを明あかす。

▲四ニハ†明ス↣所現之華ハナ高クシテ而†且ツ顕 ハレ、多クノ諸ノ瑩飾以テ類スルコトヲ↢極楽ノ荘厳ニ↡也。

二 Ⅰ ⅺ b リ 釈明坐不同相文
          (一)科釈

^九く0444に ▲「此し菩ぼ薩さつ坐時ざじ」 より下しも 「度苦どく衆しゅ生じょう」 に至いたるこのかたは、 まさしく坐ざしたまふに観音かんのんに同おなじからざる相そうを明あかす。 すなはちその七しちあり。

九ニ従リ↢「此菩薩坐時」↡下至ル↢「度苦ク衆生ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧坐ザシタマフニ不ザル↠同ジカラ↢観音ニ↡相ヲ↥。即チ有リ↢其ノ七↡。

・坐相

^▲一いちには坐ざする相そうを明あかす。

▲一ニハ明ス↢坐ザスル相ヲ↡。

・先動本国相

^▲二にには先まづ本国ほんごくを動どうずる相そうを明あかす。

▲二ニハ明ス↧先ヅ動ズル↢本国ヲ↡相ヲ↥。

・動他方相

^▲三さんには次つぎに他た方ほうを動どうずる遠近おんごんの相そうを明あかす。

▲三ニハ明ス↧次ニ動ズル↢他方ヲ↡遠近ノ相ヲ↥。

・動下上相

^▲四しには下げ上じょうの仏刹ぶっせつを動揺どうようする多た少しょうの相そうを明あかす。

~四ニハ明ス↧動↢揺エウスル下上ノ仏刹セツヲ↡多少ノ相ヲ↥。

・分身雲集相

^▲五ごには弥陀みだ・観音かんのん等とうの分身ぶんしんの雲うん集じゅうする相そうを明あかす。

▲五ニハ明ス↢弥陀・観音等ノ分身ノ雲集ウムジユスル相ヲ↡。

・臨空側塞

^▲六ろくには空くうに臨のぞみて側塞しきそくしてみな宝ほう華けに坐ざしたまふことを明あかす。

▲六ニハ明ス↣臨ノゾミテ↠空ニ側塞ソクソクシテ皆坐シタマフコトヲ↢宝華ニ↡。

・臨空側塞

^▲七しちには分身ぶんしんの説法せっぽうおのおの*所しょ宜ぎに応おうずることを明あかす。

▲七ニハ明ス↣分身ノ説法各オノオノ応ズルコトヲ↢所シヨ宜ニ↡。

二 Ⅰ ⅺ b リ (二)料簡

 ^問とひていはく、 ¬弥陀みだ経きょう¼ にのたまはく、 「▲かの国くにの衆しゅ生じょう衆しゅ苦くあることなし。 ただもろもろの楽らくを受うく。 ゆゑに極楽ごくらくと名なづく」 と。 なんがゆゑぞ、 この ¬経きょう¼ (観経) に分身ぶんしん、 法ほうを説ときてすなはち苦くを度どすとのたまへるはなんの意こころかあるや。

~▼問ヒテ曰ク、¬弥陀経ニ¼云ク、「彼ノ国ノ衆生無シ↠有ルコト↢衆苦↡。但タダ受ウク↢諸ノ楽ヲ↡。故ニ名クト↢極楽ト↡。」何ナンガ故ゾ此ノ¬経ニ¼分身説キテ↠法ヲ乃チ云イヘル↠†度スト↠苦ヲ者、有ル↢何ノ意カ↡也ヤ。

^答こたへていはく、 いま苦く楽らくといふは二に種しゅあり。 一いちには↓三界さんがいのなかの苦く楽らく、 二にには↓浄じょう土どのなかの苦く楽らくなり。

~◆答ヘテ曰ク、今 マ言フ↢苦ク楽ト↡者ハ有リ↢二種↡。一†ニ者三界ノ中ノ苦楽、二†ニ者浄土ノ中ノ苦楽ナリ。

^↑三界さんがいの苦く楽らくといふは、 苦くはすなはち三さん塗ず・八はっ苦く等とう、 楽らくはすなはち人天にんでんの五ご欲よく・放逸ほういつ・繋け縛ばく等とうの楽らくなり。 これ楽らくといふといへども、 しかもこれ大だい苦くなり。 かならずつひに一念いちねん真実しんじつの楽らくあることなし。

~▼言フ↢三界ノ苦楽ト↡者ハ、▼苦ハ則チ三塗ヅ・八苦ク等、楽ラクハ則チ人天ノ五欲ヨク・放逸ハウイチ・繋ケ縛バク等ノ楽ナリ。雖 ドモ↠言フト↢是 レ楽ト↡、然シカモ是 レ大苦クナリ。必ズ竟ツイニ無シ↠有ルコト↢一念ノ真実ノ楽↡也。

^↑浄じょう土どの苦く楽らくといふは、 苦くはすなはち*地じ前ぜんを*地じ上じょうに望のぞめて苦くとなし、 地じ上じょうを地じ前ぜんに望のぞめて楽らくとなす。 *下智げち証しょうを*上じょう智ち証しょうに望のぞめて苦くとなし、 上じょう智ち証しょうを下智げち証しょうに望のぞめて楽らくとなす。 こ0445の例れい一いちを挙あぐるに知しるべし。

~◆言フ↢浄土ノ苦楽ト↡者ハ、苦クハ則チ地ヂ前ゼンヲ望ノゾメテ↢地上ニ↡為シ↠苦ト、地上ヲ望メテ↢地前ニ↡為ス↠楽ト。下智証ヲ望メテ↢上智証ニ↡為シ↠苦ト、上智証ヲ望メテ↢下智証ニ↡為ス↠楽ト。此ノ例レイ挙アグルニ↠一ヲ可ベシ↠†知ル也。

^いま 「▲度苦どく衆しゅ生じょう」 といふは、 ただ下位げいを進すすめて上じょう位いに昇のぼらしめ、 下げ証しょうを転てんじて上証じょうしょうを得えしめんがためなり。 本もとの所しょ求ぐに称かなふをすなはち名なづけて楽らくとなす。 ゆゑに度苦どくといふ。 もししからずは、 浄じょう土どのなかの一切いっさいの聖しょう人にん0533はみな無漏むろをもつて体たいとなし、 大だい悲ひを用ゆうとなす。 畢ひっ竟きょう常住じょうじゅうにして*分段ぶんだんの生しょう滅めつを離はなれたり。 さらになんの義ぎにつきてか名なづけて苦くとなさんや。

~◆今 マ言フ↢「度苦ドク衆生ト」↡者ハ、但タダ為 メナリ↧進ススメテ↢下位ヰヲ↡令シメ↠昇ノボラ↢上位ニ↡、転テムジテ↢下証ヲ↡令メムガ↞得エ↢上証ヲ↡。称カナフヲ↢本ノ所求グニ↡即チ名ケテ為ス↠楽ト。故ニ言フ↢度苦ト↡也。若シ不ハ↠然シカラ者、浄土之中ノ一切ノ聖人ハ皆 ナ以テ↢無漏ムロヲ↡為シ↠体ト、大悲ヲ為ス↠用ト。畢ヒチ竟常住ニシテ離ハナレタリ↢於分段ブンダン之生滅ヲ↡。更ニ就ツキテカ↢何ノ義ニ↡名0754ケテ†為サム↠苦ト也。△

二 Ⅰ ⅺ b ヌ 釈弁邪正分斉文

 ^十じゅうに ▲「作此さし観者かんしゃ」 より下しも 「十じゅう一いち観かん」 に至いたるこのかたは、 まさしく観かんの邪じゃ正しょうを弁べんじ、 総そうじて*分斉ぶんざいを結けっすることを明あかす。

十ニ従リ↢「作此観者ト云」↡下至ル↢「十一観ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧弁ジ↢観ノ邪正ヲ↡総ソウジテ結スルコトヲ↦分斉ヲ↥。

二 Ⅰ ⅺ b ル 釈明観利益文

^十じゅう一いちに ▲「観かん此し菩ぼ薩さつ者しゃ」 より以下いげは、 まさしく修観しゅかんの利り益やく、 罪つみを除のぞくこと多た劫こうなることを明あかす。

十一ニ従リ↢「観此菩薩者」↡已下ハ、▲正シク明ス↢修シユ観ノ利益除クコト↠罪 ミヲ多劫ナルコトヲ↡。

二 Ⅰ ⅺ b ヲ 釈重明利益文

^十じゅう二にに ▲「作此さし観者かんしゃ」 より下しも 「浄妙じょうみょう国こく土ど」 に至いたるこのかたは、 まさしく総そうじて前さきの文もんを結けっし、 かさねて後のちの益やくを生しょうずることを明あかす。

十二ニ従リ↢「作此観者」↡下至ル↢「浄妙国土ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧総ジテ結シ↢前ノ文ヲ↡、重テ生ズルコトヲ↦後ノ益ヲ↥。

二 Ⅰ ⅺ b ワ 釈牒二身弁観成文

^十じゅう三さんに ▲「此し観かん成じょう」 より以下いげは、 まさしく総そうじて二に身しんを牒でつして観かん成じょうの相そうを弁べんずることを明あかす。

十三ニ従リ↢「此観成†」↡已下ハ、▲正シク明ス↧総ジテ牒デツシテ↢二身ヲ↡弁ズルコトヲ↦観成ノ相ヲ↥。

^これすなはち勢せい至し、 威い高たかくして、 坐ざしたまふに他た国こくを揺ゆるがし、 よく分身ぶんしんをして雲うん集じゅうして、 法ほうを演のべて*生しょうを利りせしむ。 永ながく*胞胎ほうたいを絶たちてつねに法界ほうかいに遊あそばしむ。

斯乃チ勢志シノ威ヰ高クシテ、坐†シタマフニ†揺ガシ↢他タ国ヲ↡、能ク†使ム↢分身ヲシテ雲集シテ、演ノベテ↠法ヲ利セ↟生ヲ。永ナガク絶†チテ↢胞ハウヱナ 胎ハラミヲ↡ハラム常ニ遊バシム↢法界ニ↡。

二 Ⅰ ⅺ c 結

^上じょう来らい十じゅう三さん句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく勢せい至し観かんを解げしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢十三句ノ不同↡、広ク解ゲシ↢勢至観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅻ【普観】
      a 標

【16】^十じゅう二にに*普ふ観かんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなは0446ちその六ろくあり。

▲十二ニ就キテ↢普観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙ゲ、次ニ弁ジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ六↡。

二 Ⅰ ⅻ b 釈
        イ 釈牒前生後文

^一いちに ▲「見けん此事しじ時じ」 より以下いげは、 まさしく前さきを牒でつして後のちを生しょうずることを明あかす。

一ニ従リ↢「見此事シジ時」↡已下ハ、▲正シク明ス↢牒デウシテ↠前ヲ生ズルコトヲ↟後ヲ。

二 Ⅰ ⅻ b ロ 釈明作自生想文

^二にに ▲「当とう起き自じ心しん」 より下しも 「皆演かいえん妙みょう法ほう」▲ に至いたるこのかたは、 まさしく心しんを凝こらし観かんに入いりて、 すなはちつねに*自じ往おう生じょうの想おもいをなすことを明あかす。 すなはちその九くあり。

二ニ従リ↢「当起キ自心」↡下至ル↢「皆演エン妙法ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↣凝コラシ‡↠心ヲ入イリテ↠観ニ、即チ常ニ作スコトヲ↢†自往生ノ想ヲ↡。即チ有リ↢其ノ九↡。

・自生想

^▲一いちには*自じ生しょうの想おもいを明あかす。

▲一ニハ明ス↢†自生ノ想ヲ↡。

・向西想

^▲二にには西にしに向むかふ想おもいを明あかす。

▲二ニハ明ス↢向ムカフ↠西ニ想ヲ↡。

・坐華想

^▲三さんには華はなに坐ざする想おもいを明あかす。

▲三ニハ明ス↢坐ザスル↠華ニ想 ヒヲ↡。

・華合想

^▲四しには華はなの合がっする想おもいを明あかす。

▲四ニハ明ス↢華ノ合スル想ヲ↡。

・華開想

^▲五ごには華はなの開ひらくる想おもいを明あかす。

▲五ニハ明ス↢華ノ開クル想ヲ↡。

・照身想

^▲六ろくには宝光ほうこう来きたりて身みを照てらす想おもいを明あかす。

▲六ニハ明ス↢宝光来キタリテ照ス↠身ヲ想ヲ↡。

・眼開想

^▲七しちにはすでに光こう照しょうを蒙こうむりて、 眼まなこ開ひらくる想おもいをなすことを明あかす。

▲七ニハ明ス↧既ニ蒙カウブリテ↢†光照ヲ↡、作ナスコトヲ↦眼マナコノ開クル想ヲ↥。

・見仏想

^▲八はちには眼目げんもくすでに開ひらけて、 仏ぶつ・菩ぼ薩さつを見みたてまつる想おもいをなすことを明あかす。

▲八ニハ明ス↧眼目既スデニ開ケテ、作スコトヲ↦見タテマツル↢仏・菩薩ヲ↡想ヲ↥。

・聞法想

^▲九くには法ほうを聞きく想おもいを明あかす。

▲九ニハ明ス↢聞ク↠法ヲ想ヲ↡。

二 Ⅰ ⅻ b ハ 釈明定散守心文

^三さんに ▲「与よ十じゅう二に部ぶ経きょう合ごう」 より下しも 「不ふ失しつ」 に至いたるこのかたは、 まさしく定じょう散さんに遺わするることなく、 心しんを守まもりてつねに憶おくすることを明あかす。

三ニ従リ↢「与ヨ十二部ブ経合」↡下至ル↢「不フ失シツニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢定散ニ無ク↠遺ワスルルコト、守マモリテ↠心ヲ常ニ憶スルコトヲ↡。

^一いちにはすなはち観心かんしん明浄みょうじょうなり。 二ににはすなはち諸悪しょあく生しょうぜず。 内うちに法楽ほうらくと相応そうおうし、 外そとにすなはち*三さん0534邪じゃの障さわりなきによりてなり。

~一ニハ則チ観心明浄ナリ。二ニハ則チ諸悪不ズ↠生ゼ。由ヨリテナリ↧内ニ与ト↢法楽↡相応シ、外ニ則チ無ナキニ↦三邪ジヤ之障サハリ↥。

二 Ⅰ ⅻ b ニ 釈明観成益文

^四しに ▲「見けん此事しじ」 より以下いげは観かん成じょうの益やくを明あかす。

四ニ従リ↢「見此事」↡†已下ハ、▲明ス↢観成之ノ益ヲ↡。

二 Ⅰ ⅻ b ホ 釈総結観名文

^五ごに ▲「是為ぜい」 より下しもは総そうじて結けっす。

五ニ従リ↢「是為」↡下ハ▲総0755ジテ結ス。

二 Ⅰ ⅻ b ヘ 釈明護念益文

^六ろくに ▲「無む量りょう寿じゅ」 より下しも 「常じょう来らい至此しし行ぎょう人にん之し所しょ」 に至いたるこのかたは、 まさしくかさねて能観のうかんの人ひとを挙あげて、 すなはち弥陀みだ等とうの*三身さんしん護ご念ねんの益やくを蒙こうむることを明あかす。

六ニ従リ↢「無量寿」↡下至ル↢「常来至此シシ行人之シ所ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧重 ネテ挙アゲテ↢能観之ノ人ヲ↡、即チ蒙カブルコトヲ↦弥陀等ノ三身護ゴ念之ノ益ヲ↥。

^これすなはち群ぐん生じょう念ねんを注とどめて西方さいほうの*依え正しょう二に厳ごんを見みんと願がんずれば0447、 了々りょうりょうにつねに眼まなこに見みるがごとし。

~斯コレ乃チ群グン生†注トドメテ↠念ヲ願ズレバ↠見ムト↢西方ノ依正二厳ゴンヲ↡、了了ニ常ニ如シ↢†眼ニ見ルガ↡。

二 Ⅰ ⅻ c 結

^上じょう来らい六ろっ句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく普ふ観かんを解げしをはりぬ。

上来雖モ↠有リト↢六句ノ不同↡、広ク解シ↢普観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅰ ⅼ【雑想観】
      a 標

【17】^十じゅう三さんに*雑想ざっそう観かんのなかにつきて、 また先まづ挙あげ、 次つぎに弁べんじ、 後のちに結けっす。 すなはちその十じゅう一いちあり。

▲十三ニ就キテ↢雑ザフ想観ノ中ニ↡、亦先ヅ挙ゲ、次ニ弁ジ、後ニ結ス。即チ有リ↢其ノ十一↡。

二 Ⅰ ⅼ b 釈
        イ 釈告命結勧生後文

^一いちに ▲「仏告ぶつごう阿あ難なん」 より以下いげは、 まさしく*告ごう命みょう結勧けっかんして後のちを生しょうずることを明あかす。

一ニ従リ↢「仏告阿難」↡已下ハ、▲正シク明ス↢告命結勧シテ生ズルコトヲ↟後ヲ。

二 Ⅰ ⅼ b ロ 釈明観像想水文

^二にに ▲「先せん当観とうかん於お一いち丈じょう六ろく」 より以下いげは、 まさしく*像ぞうを観かんじてもつて*真しんを表ひょうし、 水みずを想おもひてもつて地じを表ひょうすることを明あかす。

二ニ従リ↢「先セン当観於オ一丈ヂヤウ六」↡已下ハ、▲正シク明ス↢観ジテ↠像ザフヲ以テ表ヘウシ↠真ヲ、想ヒテ↠水ミヅヲ以テ表スルコトヲ↟地ヲ。

^これはこれ如来にょらいもろもろの衆しゅ生じょうを教おしへて境きょうを易かへ、 心しんを転てんじて観かんに入いらしめたまふ。 あるいは池ち水すいの華はなの上うえにましまし、 あるいは宝ほう宮く・宝閣ほうかくのうちにましまし、 あるいは宝林ほうりん・宝樹ほうじゅの下もとにましまし、 あるいは宝台ほうだい・宝殿ほうでんのなかにましまし、 あるいは虚こ空くう・宝雲ほううん・華け蓋がいのうちにまします。 かくのごとき等らの処ところに一々いちいちに心しんを住とどめてこれを想おもひて、 みな化け仏ぶつの想おもいをなさしむ。 *機き・境きょうあひ称かなひて成じょうずることを得えやすからしめんがためのゆゑなり。

▲此ハ是 レ如来教ヘテ↢諸ノ衆生ヲ↡†易カヘ↠境ヲ、転ジテ↠心ヲ†入ラシメタマフ↠観ニ。或イハ†在シ↢池チ水ノ華ノ上ニ↡、或イハ†在シ↢宝宮・宝閣カクノ内ニ↡、或イハ†在シ↢宝林・宝樹ノ下ニ↡、或イハ†在シ↢宝台ダイ・宝殿デンノ中ニ↡、或イハ†在ス↢虚空・宝雲ウム・華蓋ガイ之ノ内ニ↡。如キ↠是クノ等ノ処 ロニ一一ニ住トドメテ↠心ヲ想ヒテ↠之ヲ、皆 ナ作ナ†サシム↢化仏ノ想ヲ↡。為ノ↠令シメムガ↢機境相 ヒ称カナヒテ易ヤスカラ↟得エ↠†成ズルコトヲ故ユヘ也ナリ。

二 Ⅰ ⅼ b ハ 釈真観難成文

^三さんに ▲「如先にょせん所説しょせつ」 より下しも 「非ひ心力しんりき所しょ及ぎゅう」 に至いたるこのかたは、 まさしく境きょう大だいに心しん小しょうにしてにはかに成じょう就じゅしがたし。 *聖しょう意い悲ひ傷しょうして、 勧すすめて小しょうを観かんぜしむることを致いたすことを明あかす。

三ニ従リ↢「如先セン所説」↡下至ル↢「非心力所及ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↧境大ニ心†小ニシテ卒ニハカニ難ガタシ↢成就シ↡、致イタスコトヲ↞使シムルコトヲ↣聖意悲傷シヤウイタムシテ、勧メテ観ゼ↢於小ヲ↡。

二 Ⅰ ⅼ b ニ 釈明願力得成文

^四しに ▲「然ねん彼ひ如来にょらい」 より下しも 「必得ひっとく成じょう就じゅ」 に至いたるこのかたは、 まさしく凡心ぼんしん狭小きょうしょうにして、 *聖量しょうりょういよいよ寛ひろ0448く、 想おもいを注とどむるに由よしなし。 成じょう就じゅしがたきことを恐おそれたまふことを明あかす。

四ニ従リ↢「然彼ヒ如来」↡下至ル↢「必得成就ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢凡ボム心狭ケツ小ニシテ、聖量弥イヨイヨ寛ヒロ†ク、注トドムルニ↠想ヲ無シ↠由ヨシ、恐オソレタマフコトヲ↟難ガタキコトヲ↢成就シ↡。

^これすなはち小しょうをもつてのゆゑに成じょうじがたきにあらず、 大だいによるがゆゑに現げんぜざるにあらず。 ただこれ弥陀みだの願がん重おもくして、 *想者そうしゃをしてみな成じょうぜしむることを致いたす。

~斯 レ乃チ不アラズ↢以テノ↠小ヲ故ニ難キニ↟成ジ、†不ズ↢由ルガ↠大ニ故ニ不ルニ↟現ゼ。†直是 レ弥陀ノ願重オモクシテ、致ス↠使シムルコトヲ↢想者ヲシテ皆成ゼ↡。

二 Ⅰ ⅼ b ホ 釈明比校顕勝文

^五ごに ▲「但想たんそう仏像ぶつぞう」 より下しも 「具ぐ0535足そく身相しんそう」 に至いたるこのかたは、 まさしく比ひ校きょうして*勝しょうを顕あらわすことを明あかす。

五ニ従リ↢「但タン想仏像」↡下至ル↢「具足身相ニ」↡已来タハ、▲正シク明ス↢比ヒ校ケウシテ顕スコトヲ↟†勝ヲ。

^像ぞうを想おもふすらなほおのづから福ふくを得うること無む量りょうなり、 いかにいはんや真仏しんぶつを観かんずるものの益やくを得うる功こうさらにはなはだし。

~想フスラ↠像ヲ尚ナホ自ラ得ルコト↠福ヲ無量ナリ、何ニ況ヤ観ズル↢於真仏ヲ↡者0756ノ得ウル↠益ヲ之功コウ更ニ甚ハナハダシ。

二 Ⅰ ⅼ b ヘ 釈明大小皆真文

^六ろくに ▲「阿あ弥陀みだ」 より下しも 「丈じょう六ろく八はっ尺しゃく」 に至いたるこのかたは、 まさしくよく所観しょかんの仏像ぶつぞうを観かんずるに、 身しんに大だい小しょうありといへども、 あきらかにみなこれ真しんなることを明あかす。 すなはちその三さんあり。

六ニ従リ↢「阿弥陀」↡下至ル↢「丈六八尺ニ」↡已来タハ、▲正シク†明ス↧能ク観ズルニ↢所観ノ仏像ヲ↡雖モ↣身ニ有リト↢大小↡、明カニ皆是真ナルコトヲ↥。即チ有リ↢其ノ三↡。

・随意遍周

^▲一いちには弥陀みだの*身通しんつう無礙むげにして、 意こころに随したがひて*遍へん周しゅうすることを明あかす。

▲一ニハ明ス↢弥陀ノ身通ツウ無礙ゲニシテ、随ヒテ↠意ニ遍周ヘンシユスルコトヲ↡。

^▼「▲如にょ意い」 といふは二に種しゅあり。 一いちには衆しゅ生じょうの意こころのごとし。 かの心念しんねんに随したがひてみな応おうじてこれを*度どす。 二にには弥陀みだの意こころのごとし。 *五ご眼げん円まどかに照てらし、 *六通ろくつう自じ在ざいにして、 機きの度どすべきものを観みそなはして、 一念いちねんのうちに前ぜんなく後ごなく、 身心しんしん等ひとしく赴おもむき、 三輪さんりんをもつて開かい悟ごせしめて、 おのおの益やくすること同おなじからず。

▲言フ↢「如意ト」↡者ハ有リ↢二種↡。一ニ者▼如シ↢衆生ノ意ノ↡。随ヒテ↢彼ノ心念ニ↡皆応ジテ度ド†ス↠之ヲ。二ニ者如シ↢弥陀之意ノ↡。五眼円カニ照テラシ、六通自在ニシテ、†観ソナハシテ↢機ノ可ベキ↠度ドス者 ノヲ↡、一念之中ニ無ナク↠前無ク↠後、身心等ヒトシク赴オモムキ‡、三輪リムヲモテ開悟ゴ†セシメテ、各オノオノ益スルコト†不↠同ジカラ也。

・現大小身

^▲二ににはあるいは大身だいしんを現げんじ、 あるいは小しょう身しんを現げんずることを明あかす。

▲二ニハ明ス↧或イハ現ジ↢大身ヲ↡、或イハ現ズルコトヲ↦小身ヲ↥。

・皆作金色

^▲三さんには身しん量りょうに大だい小しょうありといへども、 みな真金しんこんの色いろをなすことを明あかす。 これすなはちその邪じゃ0449正しょうを定さだむ。

~三ニハ明ス↧身量ニ雖モ↠有リト↢大小↡、皆作ナスコトヲ↦真金之ノ色ヲ↥。此 レ即チ定†ム↢其ノ邪正ヲ↡也。

二 Ⅰ ⅼ b ト 釈明光相与真斉文

^七しちに ▲「所現しょげん之し形ぎょう」 より以下いげは、 まさしく身みは大だい小しょう殊ことなることありといへども、 光相こうそうすなはち真しんと異ことなることなきことを明あかす。

七ニ従リ↢「所現之シ形」↡已下ハ、▲正シク明ス↧身ハ雖モ↢大小有リト↟†殊ナルコト、光相即チ与ト↠真無ナキコトヲ↞†異ナルコト。

二 Ⅰ ⅼ b チ 釈指同前観文

^八はちに ▲「観かん世ぜ音おん菩ぼ薩さつ」 より以下いげは、 まさしく指さして前さきの観かんに同どうずることを明あかす。 仏ぶつ大だいなれば*侍じ者しゃまた大だいなり。 仏ぶつ小しょうなれば侍じ者しゃまた小しょうなり。

八ニ従リ↢「観世音菩薩」↡已下ハ、▲正シク明ス↣指サシテ†同ズルコトヲ↢前ノ観ニ↡。仏大ナレバ侍ジ者亦大ナリ。仏小ナレバ侍ジ者亦小ナリ。

二 Ⅰ ⅼ b リ 釈初観二別文

^九くに ▲「衆しゅ生じょう但観たんかん首相しゅそう」 より以下いげは、 まさしく勧すすめて二に別べつなることを観かんぜしむることを明あかす。 いかんが二に別べつなる。 観音かんのんの頭ず首しゅの上うえには一いちの立たちたまへる*化け仏ぶつましまし、 勢せい至しの頭ず首しゅの上うえには一いちの宝ほう瓶びょうあり。

九ニ従リ↢「衆生但タン観首シユ相」↡已下ハ、▲正シク明ス↣勧メテ観ゼシムルコトヲ↢二別ナルコトヲ↡。云何ガ二別ナル。観音ノ頭ヅ首シユ之ノ上ニハ有†シ↢一ノ立チタマヘル化仏↡、勢志シノ頭ヅ首シユ之上ニハ有リ↢一ノ宝瓶ビヤウ↡。

二 Ⅰ ⅼ b ヌ 釈明二士助化文

^十じゅうに ▲「此し二に菩ぼ薩さつ」 より以下いげは、 まさしく弥陀みだ・観音かんのん・勢せい至し等とう宿しゅく願がんの縁えん重おもく、 誓ちかい同おなじくして、 悪あくを捨すてて等ひとしく菩ぼ提だいに至いたるまで、 *影響ようこうのごとくあひ随したがひて*遊ゆ方ほう化け益やくすることを明あかす。

十ニ従リ↢「此二菩薩」↡已下ハ、▲正シク明ス↧弥陀・観音・勢志等宿シウ願ノ縁重オモク、誓チカヒ同ジクシテ捨ステテ↠悪ヲ等シク至†ルマデ↢菩提ニ↡、影ヤウカゲ響 カウ ヒビキ†ノゴトク相 ヒ随 ガヒテ遊ユ方化益†スルコトヲ↥。

二 Ⅰ ⅼ b ル 釈総結観名文

^十じゅう一いちに ▲「是為ぜい」 より下しもは総そうじて結けっす。

十一ニ従リ↢「是為」↡下ハ▲総ジテ結ス。

二 Ⅰ ⅼ c 結

^上じょう来らい十じゅう一いっ句くの不ふ同どうありといへども、 広ひろく雑想ざっそう観かんを解げしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢十一句ノ不同↡、広ク解シ↢雑ザフ想観ヲ↡竟リヌ。

二 Ⅱ 総結
    ⅰ 結酬請義

 ^上かみ0536日観にっかんより下しも雑想ざっそう観かんに至いたるこのかたは、 総そうじて世せ尊そん前さきの韋い提だいの▲第だい四しの請しょうに、 「教きょう我が思し惟ゆい正しょう受じゅ」 といへる両りょう句くに答こたへたまふことを明あかす。

▲上 ミ従リ↢日観↡下至ル↢雑想観ニ↡已来タハ、総ソウジテ†明ス↧世尊答ヘタマフコトヲ↦前 キ†ノ韋提ノ第ダイ四†ノ請ニ、云ヘル↢「教我0757思シ惟ユイ正受ト」↡両リヤウ句ク†ニ↥。

二 Ⅱ ⅱ 総讃結示

【18】^総そうじて讃さんじていはく、

▲総ジテ讃サンジテ云ク、

^初はじめに日観にっかんを教おしへて昏闇こんあんを除のぞかしめ、 水みずを想おもひて氷こおりとなして内心ないしんを浄きよむ。
地下じげの*金幢こんどうあひ*映発ようほつし、 地じ上じょうの荘しょう厳ごん億万おくまん重じゅうなり。

初 メニ教ヘテ↢日観ヲ↡除ノゾカシメ↢昏コンクラシ闇ヤミヲ↡想ヒテ↠水ヲ成ナシテ↠氷コホリト浄キヨム↢内ナイ心ヲ↡
地下ヂゲノ金幢相 ヒ映発エイホチ†シ地上ノ荘厳億万重ヂウナリ

^0450宝雲ほううん・宝蓋ほうがい空くうに臨のぞみて転てんじ、 人天にんでんの音楽おんがくたがひにあひ尋つげり。
宝樹ほうじゅ瓔ようを垂たれて菓このみに間雑けんぞうし、 池いけ*徳水とくすいを流ながして華はなのなかに注そそぐ。

宝雲ウム・宝蓋ガイ臨ノゾミテ↠空ニ転テム†ジ人天ノ音楽オムガク互タガヒニ相 ヒ尋ツゲリ
宝樹垂タレテ↠†瓔ヲ†間↢雑シ菓ニ↡池イケ流ナガシテ↢徳水ヲ↡注ソソグ↢華ハナノ中ニ↡

^宝楼ほうろう・宝閣ほうかくみなあひ接せっし、 光々こうこうあひ照てらして等ひとしくして蔭かげなし。
*三さん華け独ひとりはるかに衆しゅ座ざに超こえ、 *四し幢どう、 *縵まんを承うけて*網珠もうじゅ羅つらなれり。

宝楼ロウ・宝閣カク皆相 ヒ接セウ†シミチビク光光相 ヒ照テラシテ等シクシテ無ナシ↠†蔭
三華独ヒトリ迥ハルカニ超コエ‡↢衆座ザニ↡四幢承ウケテ↠縵マンヲ網珠マウシユ羅ツラナレリ

^*稟識ほんじきの心しん迷まよひてなほいまだ暁さとらず、 心しんを住とどめ像ぞうを観かんずるに、 静しずかにかしこに坐ざしたまふ。
一念いちねん心しん開ひらけて真仏しんぶつを見みたてまつる。 身光しんこう・相好そうごううたたいよいよ多おおし。

稟ホン識ノ心迷マドヒテ由ナヲ未ズ ダ↠暁サトラ住メ‡↠心ヲ観†ズルニ↠像ザウヲ、静シヅカニ坐ザ†シタマフ↠†彼ニ
一念ノ心開ケテ見タテマツル↢真仏ヲ↡身光相好転ウタタ弥イヨイヨ多シ

^苦くを救すくひたまふ観音かんのん、 法界ほうかいを縁えんじ、 時ときとして変へんじて娑しゃ婆ばに入いらざるはなし。
勢せい至しの威い光こうよく震動しんどうし、 縁えんに随したがひて照摂しょうしょうして弥陀みだに会えせしむ。

救スク†ヒタマフ↠苦クヲ観音縁†ジ↢法界ヲ↡無ナシ↤時トシテ†不ルハ↣変ヘンジテ入イラ↢娑婆ニ↡
勢志シノ威光能ク震動†シ随ヒテ↠縁ニ照摂セウセフシテ会†セシム↢弥陀ニ↡

^帰去来いざいなん、 極楽ごくらくは身みを安やすんずるに実じつにこれ精しょうなり。
正しょう念ねんに西にしに帰きして華はな含ふくむと想おもへ。 仏ぶつの荘しょう厳ごんを見みたてまつるに説法せっぽうの声こえあり。

◆†帰去来 イザイナム 極楽ハ†安ズルニ↠身ヲ†実ニ是精セイナリ
正念ニ西ニ帰クヰシテ華ハナ†含フクムト想ヘ†見タテマツルニ↢仏ノ荘厳ヲ↡説法ノ声アリ

^また衆しゅ生じょうありて心しんに*惑わくを帯たいして、 真しんの上境じょうきょうを縁えんずるに成じょうじがたきことを恐おそれて、
如来にょらい*漸観ぜんかんを開ひらかしむることを致いたす。 華池けちの*丈じょう六ろく等とうの金こん形ぎょう、

復マタ有リテ↢衆生↡心ニ帯タイシテ↠惑ワクヲ縁ズルニ↢真ノ上境ヲ↡†恐レテ↠難ガタ†キコトヲ↠成ジ
致ス↠使シ†ムルコトヲ↣如来開カ↢漸観ヲ↡華池チノ丈六等ノ金形‡

^*変現へんげんの霊りょう儀ぎ大だい小しょうありといへども、 物ものの時宜じぎに応おうじて有う情じょうを度どす。
0451あまねく*同どう生しょうの知ち識しき等とうを勧すすむ。 専心せんしんに念仏ねんぶつして西にしに向むかひて傾かたむけ。

変現ノ霊レイ儀ギ雖 ドモ↢大小†アリト↡応ジテ↢物モノノ時宜ジギニ↡度ス↢有情ジヤウヲ↡
普ク勧ススム↢同生ノ知識等ヲ↡専心ニ念仏シテ向ムカヒテ↠西ニ傾カタブケ

二 Ⅱ ⅲ 重結定善

【19】^また前さきの請しょうのなかにつきて、 初はじめ日観にっかんより下しも華座けざ観かんに至いたるこのかたは総そうじて依え報ほうを明あかし、 二にに像観ぞうかんより下しも雑想ざっそう観かんに至いたるこのかたは総そうじて正しょう報ぼうを明あかす。

~又就キテ↢前ノ請ノ中ニ↡、初ハジメ従リ↢日観↡下至ル↢華座ザ観ニ↡已来タハ、総ジテ明†シ↢依報ヲ↡、二ニ従リ↢像ザウ観↡下至ル↢雑想観ニ↡已来タハ、総ジテ明ス↢正報ヲ↡。△

^上じょう来らい依え正しょう二に報ほうの不ふ同どうありといへども、 広ひろく定じょう善ぜん一いち0537門もんの義ぎを明あかしをはりぬ。

上来‡雖モ↠有リト↢依正二報ノ不同↡、広ク明シ↢定善一門ノ義ヲ↡竟リヌ。

観かん経ぎょう定じょう善ぜん義ぎ 巻かん第三だいさん

 

延書の底本は高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本ˆ原漢文の底本と同一ˇ。
正宗 正宗しょうしゅう分ぶんのこと。
十六 定じょう善ぜん十三観、 散善さんぜん三観の計十六観をいう。
諸師 浄じょう影よう寺じ慧え遠おん (523-592)、 天てん台だい大師智顗ちぎ (538-597)、 嘉か祥じょう大師吉蔵きちぞう (549-623) などを指す。
日観 日想にっそう観かんの略。
先づ挙げ… まず観の名を挙げ、 次に解釈し、 終りに文を結ぶ。 善導ぜんどう大師は定善十三観のすべてにこの三科があるとする。
正受の行 三昧さんまいを得るための行法で、 ここでは定善の行法のこと。
ただ機縁… (定善の行法だけでは) 教えを受けるべき者のすべてをおさめ尽すことができないので。
三福の因 往生の因であるところの散善さんぜん三福さんぷくの行。
未聞の益 いままでに聞いたことのないすぐれた利り益やく。
流通を勧発し 教えの伝持流布を勧め。
縁を捨て静に託する 心を乱す境縁を離れて、 静かなところに安んずること。
余の九域 東・南・北・東南・西南・西北・東北・上・下の九つの方角。
正受を得 三昧さんまいを成就すること。
得生の類 往生浄土を得る機類。
機の堪と不堪とを簡ぶ 行者が行ずるに堪たえるか堪えないかを区別するという意。
方 西方。
跏趺正坐 結けっ跏か趺坐ふざに同じ。
湛然凝住 いささかの動揺もなく、 静かにとどまっているさま。
利根のもの 素質能力のすぐれた者。
朗然として… あきらかに照らすことができない。
漸除 (業ごっ障しょうを) 漸次に滅除すること。
頓滅 (業障を) すみやかに滅除すること。
上根上行の人 高度の行を修める根機のすぐれた人。 →根こん機き
身の威儀を正し 結けっ跏か趺坐ふざし。
身心内外融液して 身 (外) と心 (内) とがとけあって、 安楽になることをいう。
上心の貪取 禅定ぜんじょう心の中のむさぼりの心。
増上の貪心 「上心の貪取」 に同じ。
心境相応す 観ずる心と観の対象とが完全に合致する。
娑婆の闇宅 娑しゃ婆ば世界を無む明みょうの闇におおわれた家に喩えていう。
水観 水想すいそう観かんの略。
業相 業ごっ障しょう軽重の相。
瑠璃の地 青色の宝石でできた大地。
偏 かたより。
地輪 大地の意。
住身の威儀 身をたもつ作法。 跏趺かふ正しょう坐ざの作法。
失意異縁 他事に心を移して正しょう念ねんを失うこと。
能縁の心 行者の観ずる心。
所縁の境 観によって現れるところの境界。
細想・粗想 心の動きの微細なものと粗雑なもの。
細塵・粗塵 色しき・声しょう・香こう・味み・触そく・法ほうの六塵 (六境) によって生じる心の乱れの微細なものと粗雑なもの。
幢 浄土の大地を支える宝でできた柱。
方楞具足して 方は側面、 楞は角の意。 ¬観経¼ に 「八方八楞具足」 とあるのをうける。 宝幢が八角柱の形をなしているということ。
新往のもの 新たに浄土に往生した者。
讃にいはく この讃文と同様の意を表した文言は ¬法ほう事讃じさん¼ ¬般舟讃はんじゅさん¼ にみられる。
寂静無為の楽 煩悩ぼんのうを滅し尽した生滅変化のない絶対のさとりの世界。 浄土のこと。
讃にいはく この讃文と同様の意を表した文言は ¬法ほう事讃じさん¼ ¬礼讃らいさん¼ ¬般舟讃はんじゅさん¼ にみられる。
依持円浄 地と地上の荘しょう厳ごんとが相離れず円まどかに成立しているさまを依 (能依・所依) と持 (能持・所持) の観点からいうもの。 十八円浄の一。
因行周備 因いん位にの修行が完全無欠であること。
雑色玲瓏 種々の色彩が美しく光り輝くさま。
胎 母の胎内。
法侶 ここでは浄土の聖者のこと。
総雑して… すべてを一緒にまじえて観じてはならない。
正受相応 観ずる心と観の対象とが完全に合致した状態をいう。
流通を勧発して 教えの伝持流布を勧めて。
簡び 区別して。
有縁 (往生浄土の教えに) 縁ある人々。
もし人浄土の… 引用文と同様の義は ¬大阿弥陀経¼ (下) および ¬大経¼ にみられる。
iv>
法侶 仏法のなかま。 ここは浄土の聖者のこと。
儀則 (観想の) 方法のこと。
七重… 七重は元来、 七列の意。 善導ぜんどう大師はこれを根・茎・枝・条・葉・華・菓の七が具足していることと解釈する。
行々整直… 規則正しく並んで乱れがない。
真観 真実の観法。 三昧さんまいを成就した観法。
仮想 真観に対し、 三昧成就以前の思惟分別をはたらかせる段階の観法。
雑樹雑厳雑飾 ここでの雑は種々様々の意。 種々の樹が様々にかざられているさま。
讃にいはく この讃文と同様の意を表した文言は ¬般はん舟讃じゅさん¼ にみられる。
宝雲蓋を含み 宝の雲が (宝樹の上を) 蓋のようにおおって。
他方の聖衆 他方の世界より来訪した菩薩衆。
本国の能人 極楽に往生する人々 (菩薩衆) のこと。
法蔵の因 法蔵ほうぞう菩ぼ薩さつの因いん位にの誓願。
天の瓔珞 諸天が身に着けている瓔珞 (宝玉をつらねた装身具)。
三千の界 三千さんぜん大千だいせん世せ界かいのこと。
依正の二厳 依え正しょう二に報ほうの荘厳。
網 宝樹の上空にひろがる真珠の網。
宮 宮殿。
殿 宮殿。
所帰の国を… 帰するところの国土 (の名) を挙げて示す。
八種の徳 →八はっ功く徳どく水すい
色入の摂 視覚におさまるという意。
香入の摂 臭覚におさまるという意。
触入の摂 触覚におさまるという意。
味入の摂 味覚におさまるという意。
法入の摂 意識におさまるという意。
弥陀義 ¬弥陀みだ経きょう義ぎ¼ のこと。
讃にいはく この讃文は ¬弥陀経義¼ によったものか。
宝楽 宝網より流れ出る音楽。
宝宮楼 宝でできた宮殿・楼閣ろうかく。
溜 支流のこと。
渠 渠は支流の意。 宝池より流れ出る支流。
摩尼の宝水 摩尼まに珠より流れ出る水。 如意水のこと。
人天等の法 五ご戒かい・十じゅう善ぜんなどの教え。
二乗等の法 四し諦たい・十二じゅうに因いん縁ねん等の教え。
地前地上等の法 初しょ地じ以前、 初地以上の菩薩の教え。 六ろっ波羅ぱら蜜みつ等の教え。
仏地三身等の法 仏の境界であるところの三身 (法ほっ身しん・報身ほうじん・応身おうじん) 等の教え。
念仏法僧 仏法僧の三宝を憶念すること。
五乗の依果 五乗は人・天・声しょう聞もん・縁覚えんがく・菩薩のこと。 依果は業によって報われた環境世界。
八味の水 八はっ功く徳どく水すいのこと。
宝楽 空中の音楽。
楽に識なし 楽器には意識 (こころ) がないという意。
能 はたらき。
勅聴許説 (阿あ難なん・韋い提だい希けに) 聴くことを命じ、 (苦悩を除く法を) 説くに至るという意。
二人 阿難と韋提希を指す。
流通を勧発し 教えの伝持流布を勧め。
情 (韋い提だい希けの) 心情。
二尊の許応 釈迦仏の許説と阿弥陀仏の応現。
隠顕 ここでは、 一仏が隠れ退き、 他仏が顕れるという意。
器朴 器は完成したうつわ、 朴は未完成のうつわ。 人の素質能力に利鈍があるということの喩え。
機 一般に衆しゅ生じょう、 人間のこと。 ここでは韋い提だい希けを指す。
業繋の牢 悪業によってつなぎとめられた牢獄のようなこの世界のこと。
立ちながら… →立撮りっさつ即そく行ぎょう
三尊 阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩。
垢凡の女質 →補註10
忍 無む生しょう法忍ぼうにんのこと。
総告許説 総じて告げて許して説く。
逗ず 対応する。 「逗」 は目標に合うように与えるの意。
悉す 知り尽す、 見定めるという意。
正受三昧 観ずる心と観の対象とが完全に合致した観想の境地。
四柱の宝幢 蓮華台の四方にある宝でできた柱。
葉々 蓮華のはなびら。
四幢 四柱の宝幢のこと。
天宮 夜摩やま天てんの宮殿。
華座得成の所由 華座成就の拠よりどころ。 ¬観経¼ には、 それを 「法蔵比丘びくの願力の所成しょじょうなり」 と説いている。
観の儀 観察かんざつの作法、 方法。
四幢 四柱の宝幢のこと。 蓮れん華げ台だいの四方にある宝でできた柱。
悲智の果円かなること 慈悲と智慧ちえよりなる仏果の徳が欠けるところなくそなわっていること。
端身一坐にして 一処に姿勢をととのえてすわったままで。
無方 自由自在であること。
所化の境 教化を受ける境界。
能化の身 教化を行う身体。
仏解をなし 仏のすがたを心に思いうかべる意。
頂相 無見頂相。 頂上ちょうじょう (成) 肉髻相にくけいそうのこと。
千輪の相 千輻輪相せんぷくりんそうの略。
仏相 仏の三さん十じゅう二に相そうのこと。 →相好そうごう
衆好 八はち十じゅう衆好しゅこうのこと。 →相好そうごう
円満無障礙智 円満で無礙自在の智慧ちえ。
唯識法身の観 阿弥陀仏の法身が、 自己の識を離れて、 他に存在しないと観ずること。
自性清浄仏性の観 衆しゅ生じょうが本来具する仏性は、 煩悩ぼんのうの泥中にあっても、 けがれることなく本質的に清浄であると観ずること。 ここでは、 自性清浄なる自己の仏性を観ずることを阿弥陀仏を観ずることとする説のこと。
真如法界の身 無む色しき無形むぎょうの真如しんにょ法ほっ性しょうの法身。
観門 観察かんざつの法門。 定じょう善ぜん観のこと。
方を指し相を立て →指し方ほう立相りっそう
かの仏 阿弥陀仏。
千輪 千輻輪相せんぷくりんそうの略。
二菩薩観 觀音・勢至を観ずること。
三身観 阿弥陀仏・觀音・勢至を観ずること。
多身観 極楽浄土に遍満する無数の三身を観ずること。
別相 仏身の一部分のすがた。 総相に対す。
有縁 念仏の衆しゅ生じょうを指していう。
摂益 摂取せっしゅ不ふ捨しゃの利り益やくのこと。
諸邪業繋 種々のよこしまな業の障り。
凡境 凡ぼん夫ぶの知り得る境界。
能修観の人 観察かんざつを行い得る人。
総雑して… すべてを一緒にまじえて観ずることはできない。
真形量遠くして 阿弥陀仏の真身の量ははなはだ大きいという意。 ¬観経¼ にはその真身を 「六十万億那由なゆ他た恒ごう河が沙しゃ由ゆ旬じゅん」 と説く。
毫五山のごとし ¬観経¼ に阿弥陀仏の真身の白びゃく毫ごうが 「五つの須しゅ弥み山せんのごとし」 と説いていることをうけたもの。
震響 阿弥陀仏の説法の響き。
本弘 本ほん弘ぐ誓ぜい願がんの略。 阿弥陀仏が因いん位ににおいて弘く一切の衆生を救おうと誓われた願。
天冠のうちの化仏 觀音の頭上の冠にいただく弥陀の立化仏りゅうけぶつ。
光瓔 光り輝く瓔珞ようらく。
印文 印となる文様。
師徒 師は阿弥陀仏、 徒 (弟子) は觀音を指す。
二相 頂上の肉髻にくけいの相と無む見頂相けんちょうそうのこと。
両益 現世と来世の二世の利り益やく。
悕心渇仰して のどの渇いた人が水を求めるように願い求めて。
体用 体は本体、 用ははたらきのこと。
天冠の… 觀音の天冠には弥陀の立化仏りゅうけぶつ、 勢至の天冠には宝華があり、 肉髻の上に宝瓶ほうびょうがあると ¬観経¼ には説かれている。
所宜に応ず 根こん機き (素質能力) に相応する。
地前・地上 菩薩の修道階位のうち、 初しょ地じ以前を地前、 それ以上を地上という。
下智証・上智証 下智証は十地のうちの七地以下の位、 上智証はそれ以上の位をいう。 →十地じゅうじ
分段の生滅 分段ぶんだん生しょう死じのこと。
生 衆しゅ生じょうのこと。
自往生の想・自生の想 みずからが往生する想い。
三邪の障 身しん口意くいの三業の悪の障りのこと。
三身 阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩を指す。
依正二厳 依え正しょう二報にほうの荘厳。
告命結勧 (阿あ難なん・韋い提だい希けに) 告げて、 (定じょう善ぜん十三観を) 結び勧めること。
像 像身。 一丈六尺の阿弥陀仏の像。
真 真身。
機境 行者の根こん機き (素質能力) と観察かんざつの対象のこと。
聖量 仏身の量をいう。
度す 済さい度どする。 迷いの世界 (此岸) の衆しゅ生じょうをさとりの世界 (彼岸) にわたすこと。
想者 観察かんざつの行者。
勝 勝益しょうやく。 すぐれた利り益やく。
身通無礙 仏身の神通じんずうが自在であること。
遍周 あまねく出現するという意。
侍者 常に仏に随侍ずいじする者。 脇士きょうじに同じ。 阿弥陀仏の脇士は觀音・勢至である。
化仏 阿弥陀仏の化仏。
影響 影かげや響ひびきのこと。
遊方化益 十方の世界を訪れて、 教化利益を施すこと。
縵 幔幕。
網珠 珠網に同じ。 宝珠をちりばめた飾りあみ。
漸観 順序を立てて次第に観察かんざつする方法のこと。
丈六 一丈六尺の仏像のこと。 一丈六尺は人間の身長八尺 (周尺) の倍量。
変現の霊儀 現れ出るところの尊いすがた。
底本は◎高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本ˆただし訓は○浄聖全三巻の宗祖加点本と全同ではなく大幅に標準化されているため、 相違を†、 加を‡、 減を灰で示したˇ。 Ⓐ大谷大学蔵鎌倉時代刊本、 Ⓑ龍谷大学蔵(写字台旧蔵)室町時代刊本、 Ⓒ本派本願寺蔵版¬七祖聖教¼所収本 と対校。 ª全部対校º 辯→Ⓒ辨
汗→Ⓑ汚
又→Ⓑ之
経→Ⓒ逕
玲瓏→ⒶⒷⒸ朎朧
湧→Ⓒ涌
倒→ⒶⒷⒸ到
目→◎Ⓐ日
覩→ⒷⒸ観
妙→Ⓑ如
覩→Ⓒ都
王→Ⓑ玉
来→Ⓒ下
妄→Ⓒ忘
許→◎Ⓐ計
珠→Ⓒ衆
葉→Ⓒ華
仏 ◎ⒶⒷになし
仏 ◎ⒶⒷになし
螺→Ⓒ蠃
両→Ⓐ雨
荘→Ⓐ住
還タ→○還カヘリテ
還タ→○還カヘリテ
不↠同ジカラ→○不同ナリ
メバ者→○メ者バ
明ス↢総ジテ告ゲ総ジテ勧ムルコトヲ↡。→○明ス↠総ジテ。告ゲ↢総ジテ勧ムルコトヲ↡、
○テ
但→○但タヾシ
○ヲ
開キ→○開シ
ク→○ケレバ
劇シク→○劇ハナハダシク
シ↠貪ヲ→○ス↠貪ヲ。
乱ス↠想ヲ。安ズルコト↢心ヲ三昧ニ↡→○乱想ノ安心三昧
ケム→○キ
ザル→○ズ
ヤ→○ト
ハ→○ニ
○ナリ
域→○域クヰヤウサカイ
此世→○此ノ世
○ニ
○ト云
スル→○セム
使メ↧…生ジ↢…↡遣↦除セ…↥→○使シメテ↣…生ゼ↢…↡遣シメ↠除カ↢…↡
シタマフ→○ス
顕ス→○顕セム
眼→○眼メ
サシムル→○ス
ナリ→○ニ
ル→○リシ
及↢至 イタ リテ…↡→○及ビ↢至リテ…↡
住メ→○住シ
リ→○ル
住メ→○住セ
直西→○直タヾチニ西ニ
ス→○スル
自→○自ラ
ル…。→○リテ…、
上→○上 ミ
鼻中→○鼻ハナノ中
気道→○気イキノ道
令メヨ↠観ゼ↣…四大ノ…無シト↢一物モ↡。→○令シム↠観ゼ↢…四大ヲ。…無ナクシテ↢一物↡、
身→○身ミ
ノ→○ハ
際→○際サイノゾコル
際→○際サイ
想ヘ。身之風大→○想ヘ↢身之風フウ大ヲ↡。
想ヘ。身之火大→○想ヘ↢身之火大ヲ↡。
皆空→○皆カイ空ク
猶→○猶ナホシ
ク→○シ
見ル↢明相現前スルヲ↡→○見テ明相現前ゼンス
鏡面→○鏡ノ面 テ
○シ
如シ↢黒雲ノ障フルガ↟日ヲ→○如クシテ↢黒雲ノ↡障サフ↠日ヲ
如シ↢黄雲ノ障フルガ↟日ヲ→○如クシテ↢黄雲ノ↡障フ↠日ヲ
如↢似 ゴト シ白雲ノ障フルガ↟日ヲ→○如↢似 ゴト クシテ白雲ノ↡障フ↠日ヲ
フル→○ヘタル
ムル→○メム
焼→○焼タ
ニ→○ノ
所ノ↠造ル→○所造ザウノ
雨→○雨フ
徹リ→○徹トホシ
責ム→○責ス
○シテ
○ル
○バ
キ→○ク
ケ→○ク
識ラバ→○識サトリナバ
覚スレバ→○覚サトリヌレバ
令メムト↧…識↦知セ…相ノ…百千万倍ナルコトヲ↥→○令シメムト↣…識↢知セ…相ヲ↡。…百千万倍ナリ
等→○等ラ
不ハ↠識ラ…者→○不ズ↠識サトラ…者ハ
○ハ
○クシテ
定中→○定ノ中
摂シ→○摂オサメ
ノ→○ニ
○スルコト
ニシテ→○ナルハ
安カラ→○安アンゼ
従リ↠本→○従シタガヒテ↠本ニ
セバ→○ス
ラバ→○ムナバ
一ラ同ジ↠此ニ→○一↢同ナリ此 レニ↡
観ジテ→○観ルニ
ルハ→○レバ
観ズル→○観ル
教ヘテ観ゼシムルハ↠日ヲ→○教フルハ↠観ゼヨト↠日ヲ
ラシメム→○ラム
教ヘテ観ゼシムルハ↠水ヲ→○教フ↠観ゼヨト↠水ヲ
シ→○ス
恐ル↣→○恐ラクハ
唯→○唯タヾシ
カナリ。→○カニ、
アリテ→○ニシテ
未ダ↧無キ↢高下↡之処アラ↥。→○未ダ無キ↢高下↡之処 ロ、
ハ→○モノ
ス…也→○スル…也
ス…也→○スル…也ナリ
且ツ→○且マタ
同ズル→○同ジカラム
クシテ→○キ
ストイハバ…者→○サ…者バ
ムル→○メム
一ラ同ジ↢…↡→○一↢同ナリ…↡
欲セバ…者→○欲オモハ…者バ
於テ→○於シテ
著オキ→○著ツケ
満シ→○満ミチ
不ルトキ↠住マラ→○不ズ↠住ヂユセ
ヲ→○ニ
為スコト↠観ヲ→○為ニ観ミルコト
未ダ↠須ヰ↠取ルヲ→○未ザダレバ↠須 ラベ クカラ↠取ル
不↠須ヰ↠妨グルヲ→○不ズ↠須ベ クカラ↠妨サマタグ
知リ→○知シ
ル→○リ
白処→○白シロキ処 ロ
失意→○失シツシ↠意ヲ
住マル→○住スル
一ノ米→○一米ベイ
水波→○水ノ波ナミ
動ジ→○動オゴキ
フ…也→○フル…也ナリ
自ノ心水→○自心ノ水
息ム→○息ソクヤ スム
住ムル→○住セシムル
ケレバ→○ク
不→○不ザレバ
既ニ→○既スナワチ
レ…也→○ル…也ナリ
也→○也ナリ
セル→○スル
表ス→○表ヘウスル
不ル→○不ズト云
ジテ→○ニ
○ニシテ
楽→○楽ミヤコ
ブ→○ビ
殊ナルコト→○殊シユ
帰去来イザイナム→○帰カヘリナム↢去来 イザヤ ↡
○ノミ
○ナルコト
空→○空ソラ
飛通シテ→○飛トバシテ↠通ヲ
含ミテ↠輝ヲ→○含ガムジテフクム ↠輝ヒカリヲ
○ノゴトクシテ
下ル→○下オリ
讃ズ→○讃ホメラル
作シ…、状→○作ナセル…状カタチ
セリ…。→○シ…、
各各→○各各カクカク
余宝→○余ヨノ宝
作ス→○作スル
台→○台ウテナ ダイ
明ス↧…出ス↢…↡、…為スコトヲ↦荘厳合成ヲ↥→○明ス↣出スコトヲ↢…↡。…為ナセリ↢荘厳合成スルコトヲ↡
湧キ→○湧ユウシアガリ
成ズ→○成ナス
不レトイフコトヲ↞得→○不ザルコトヲ↞得エシメ
○ト
頓チ→○頓トム
クナラシム→○シ
対スル→○対ムカヘル
ビ→○ブニ
明ス↧…欲シテ↠…苦等ヲ↡、…説ケトイフコトヲ↞→○明ス↧…欲スルコトヲ↞…苦等ヲ↡。…説トケ↠
得レバ…者→○得エシメタレバ…者ハ
真→○真マコト
不ザレバ↠欲スルニハ↤直令メムト↣…↢…↡→○不ズ↠欲ホセ↤直タヾチニ令シメムトハ↣…↢…↡
捨テテ→○捨ツレバ
メタマフ→○ム
者ハ→○者ハ
シ…。→○ク…、
○ニシ
レドモ→○ルトモ
ナルハ→○ニスルハ
為ニ↠此ガ→○為↠此ノ
キ→○シ
耳→○耳マクノミ
○マハ
カク→○ク
住メシム→○住セシムル
捨身已後→○捨テ↠身ヲ已 ハテ後
修スルコト↠因ヲ→○修因イム
レトイフ→○ル
未ダ…。→○未ザ ダレバ…、
ケリ→○イツ
十→○十トヲ
為サム→○為セム
ス→○セル
有リ↧…者、…者↥→○有リ↧…者モノ↥、…者 ノアリ
ク…也→○クル…也ナリ
樹→○樹ウヘキ
此→○此ノ
宝→○宝 ラノ
無漏ノ心中→○無漏ロ心ノ中
○モ
セルコト→○ニシテ
然ルトナラバ者→○然シカルトナラ者バ
ス…。→○シ…、
スル→○セル
ニシテ→○ナリ
曜カス→○曜テラス
条→○条コエダ
空→○空 ラ
ヘル→○フ
樹ヲ→○樹ウエキニ
明ス↢…光照ノ遠近ヲ↡→○明ス↣…光照テラスコトヲ↢遠近ヲ↡
明ス↣光超エタルコトヲ↢上色ニ↡→○明ス↢光超テウ上ノ色イロナルコトヲ↡
明ス↧…無ク↢雑乱↡、…不ルコトヲ↦…出デ↥→○明ス↣…無ナキコトヲ↢雑乱↡、…不ズ↢…出デ↡
ヨリ→○ノ
ル→○ラム
識ラ→○識サトラ
シトイフ→○クナル
↢…妙華↡、色→○↢…妙華色シキ↡、
相カタチ喩フルコトヲ↦→○相 ヒ↦喩フルコトヲ
宝菓ノ→○宝 ラノ菓コノミ
成ル→○成ズル
不ルハ→○不ズト云コト
○ナ
所有ル→○所有ノ
諸→○諸ノ
レトイフ→○ル
明ス↧…住メテ↠…、…無キコトヲ↞不ルハ…→○明ス↢…住スルコトヲ↟…。…無シ↠不ズト云コト…
ト→○ノ
ヒ…、→○ヘ…。
観ズル…者ハ→○観ズレ…者バ
ヌ→○ネ
網簾ノ空ニ殿アリ→○網マウアミ簾スグレタリ空ノ殿ニ
分チ↢千色ヲ↡→○分レ↢千色ニ↡
ニ→○ヲ
ニ→○ハ
クセ→○カラ
出デテ→○出ヅレバ
美ウマシ→○美ヨシ
○セル
徐ニ→○徐ヤウヤク
空→○空ソラ
囲メリ→○囲メグル
ル→○レタリ
ジ→○ズ
捨命シテ→○捨テヽ↠命ヲ
生ゼム→○生ゼシム
溜→○溜シタヽリ
摩尼ノ宝水→○摩尼マニ宝ノ水ミヅ
無シ↠礙、故ニ→○無礙ゲナルガ故ニ、
明ス↧…出シ↢妙声ヲ↡、…説クコトヲ↦仏地三身等ノ法ヲ↥→○明ス↧…出スコトヲ↦妙声ヲ↥。…説ク↢仏地三身等ノ法ヲ↡
ルルニ→○レテ
上リテ→○上アガテ
樹→○樹キ
引カ→○引イムゼ
ム…。→○メ…、
ナラシム→○ナリ
直→○直タヾチニ
施ス→○施セス
為サ→○為セ
明ス↢宝楼ノ住処ヲ↡。地界遍スレバ↢於彼ノ国ニ↡、楼亦無窮→○明ス↧宝楼住処、地界遍ヘンシテ↠於ニ↢彼ノ国 ニ↡、楼ロウ亦無窮グウナルコトヲ↥
空→○空 ラ
ク…、→○シ…。
成ズ↢自事ヲ↡→○成ナス↢自 ラノ事ジヲ↡
従リ↢「此想成已」↡下→○従↢「此想成ト云」↡已下
剋シテ↠念ヲ→○剋コク念シテ
従リハ↢「若見此者」↡→○従リハ↢「若見此ト云」↡者ハ
応カナヒ→○応ジテ
捨身シテ→○捨テヽ↠身ヲ
勅シテ聴カシメ→○勅聴シテ
コル→○ク
シタマフ→○スル
ニシテ→○ナリ
急カニ→○急キウニ
救フ↢常没ヲ↡、衆生→○救スクウ↢常没ノ衆生ヲ↡、
シメ→○テ
ラシメヨトイフ→○ル
メシメ→○ムル
情→○情コヽロ
影臨シタマフ→○影カゲ臨ノゾム
直以 タダ 隠顕有ルハ↠殊ナルコト→○直タヾチニ以テ↢隠顕有ルコトヲ↟殊シユ
明ス↢…現ジ、証シタマフコトヲ↟得ルコトヲ↢…↡→○明ス↣…現ジ下ヘバ証↢得スルコトヲ…↡
明ス↧…得ルコトヲ↞…→○明ス…得ル↠…
立シタマフ→○立タチ下ヘル
但使 タダ →○但使 タヾシ
生ゼ→○生レ
来応セル大悲者ナレバ→○来キタリテ応ゼ↢大悲ニ↡者バ
シテ而→○而シテ
成ジ→○成ナシ
ミテ→○ムニ
リナム→○ラム
不ル…也→○不ズ…也
明ス↢…不↠…、…得ルコトヲ↟…→○明ス↢…不ザルコトヲ↟…。…得ウ↠…
ミテ→○ムデ
フル→○ユル
陳ベ→○陳チムシ
問→○問モム
ルモ→○タリ
↢弥陀ヲ↡、仏→○↢弥陀仏ヲ↡、
其→○其ノ
○セ
総告許説→○総ジテ告ツゲ許ユルス↠説ヲ
酬答シ→○酬答 コタ ヘ
ル→○ラム
ミテ→○ムデ
ズ→○シ下
論ゼム↣別シテ指シテ而不ルコトヲ↢…↡→○論ロンジテ↢別ベツシテ指サスコトヲ↡而不ザラム↢…↡
無シ。兼ネテ為ニスル↠之ガ→○無シ↢兼カネテ為ニスルコト↟之ガ。
也→○也ヤ
明ス↠教フルコトヲ↢観ノ方便ヲ↡→○明ス↢教フル↠観ヲ方便ヲ↡
逐ヒテ↠想ヲ→○逐シタガヒテ↠想ニ
悉ス→○悉シツス
マバ→○ムレバ
セム→○シナム
憑メバ↢…ヲ↡→○憑ヨテ…ニ↡
至シテ↠心ヲ→○至心ニ
セ…。→○シ…、
某甲ソレガシ→○某ム甲カウソレガシ
障隔→○障サハリ隔ヘダテヽ
処→○処トコロ
指授シ開悟セシメテ、所観之境→○指シ↢授ジユシ開↣悟ゴセシメテ所観之ノ境ヲ↡
以ト↢不見↡→○以テ↢不フ見トヲ↡
力→○力 ラ
ニ→○トシテ
想ヘ↢彼ノ宝地ノ雑色分明ナルヲ↡→○想ヘ↢彼ノ宝地ヲ↡、雑色ザフシキ分明ナリ
由ナホ→○由ナホシ
ナレバ…者→○ナレ…者バ
逐ヒテ↠波ヲ→○逐シタガヒテ波ナミノゴトクニ
猶有ルガ↢知覚↡故ニ、→○猶ゴトシ↠有ルガ↢知チ覚↡、故ニ
非ズ↢想見ノ得ルニ↟為スコトヲ↢比校ヲ↡也→○非ズ↢想見ニ↡、得エムヤ↠為ナスコトヲ↢比ヒ校ケウヲ↡也
葉→○葉ハ
脈→○脈スヂ
令メテ↢行者ヲシテ住メテ↠心ヲ一一ニ想ハ↟之ヲ→○令シテ↢行者ヲ↡住セシメテ↠心ヲ一一ニ想ヘバ↠之ヲ
ヒ…、→○ウベシ…。
住メ→○住セシメ
得→○得エツ
明ス↣珠ニ有ルコトヲ↢千光↡→○明ス↢珠有千光ヲ↡
幢上→○幢ノ上ウヘ
二→○二 ツ
明ス↢結シ↠前ヲ生ズルコトヲ↟後ヲ→○明ス↢結前ケチゼン生後ゴヲ↡
問→○問モン
所↢以…者→○所↢以 ユヘ ハ…者
須キ→○須スベカベ ラクキ 
上ノ請→○上ニ請ズル
ハ→○ノ
無ク↠二→○無二ナリ
解ス→○解サトル
知リ、即チ能ク→○知シリ下ヘリ↢即チ能ク↡。
トシテ而→○ト而シテ
ジタマフ→○ズ
自→○自 ラ
縁ズルハ↠相ヲ→○縁エム相スレバ
如シ↠作ノ也→○如ク↠作サノ也ナリ
是ノ→○是 レ
ケレバ…者→○キ…者 ノ
明ス↧…知リタマヘリ↢法界之心ヲ↡、…似↦如 ゴト シトイフコトヲ生ズルガ↥→○明ス↧…知シリ下ヘルコトヲ↦法界之心ヲ↥。…似タリ↠如クニ↠生ズルガ
従ヒテ→○従ヨリ
ト→○ヲ
無色ニシテ→○無シ↠色
絶ス…ヲ→○絶タヘタリ…ニ
○コト
総ジテ→○総スベテ
住スル→○住セシムル
不→○不ジ
ツル→○テム
明ス↣如キ↠前ノ所益、専注スレバ必ズ成ズ、…観ゼシムルコトヲ↢彼ノ仏ヲ↡→○明ス↧如ク↢前ノ所益ノ↡、専注シテ必ズ成ズレバ、…観ゼシムルコトヲ↦彼ノ仏ヲ↥
明ス↧…見ルコト↢…↡、似ゴトクニ↠現ズル↢…↡…作セトイフコトヲ↦…↥→○明ス↣…見ルコトヲ↢…↡、似ニタリ↠現ズルニ↢…↡。…作ナセ↢…↡
明ス↧…観ズレバ…、…須クシ↠有ル…、…想ヒ↢前ノ華座ヲ↡、想ヘトイフコトヲ↦…坐シタマフト↥→○明ス↢…観ズ…、…須 ラベ クキコトヲ↟有ル…。…想ヘ、前ノ華座ニ想ヘ↢…坐シ下コトヲ↡
。→○、
面眉ノ毫相→○面眉毫相
抽キテ→○抽ヌキイデ
ヒ→○ヘ
上→○上 ミ
想ヘ↢…等ヲ↡→○想ヘ、…等ヲ
ヒ→○フ
フ→○フル
住ム→○住ス
此ノ→○此 レ
欲セバ→○欲ハヾ
ヌレバ者→○ヌレ者バ
了ラカ→○了サトル
↢「見此」↡已→○↢「見此已ト云」↡
欲スル…者ハ→○欲ハ…者バ
、→○・
失スル→○失ワスルヽ
修スレバ↠観ヲ、→○修観シテ
スルコト
念仏ノ者ノミ→○念仏者
礼↢敬スレバ仏ヲ↡→○礼スレバ↠敬ヒ↠仏ヲ
スレバ…者→○スレ…者バ
。→○ニ、
ブレバ…者→○ブレ…者バ
ス→○セリ
専ラ念ジテ↢…↡→○専↢念シテ…↡
生ズル→○生ルヽ
セリ→○ス
欲スル…者ハ→○欲ハ…者バ
タテマツラ→○セ
レ→○シ
者→○者イハ
シタマフ→○スル
得ル→○得ム
能修観ノ人→○能修ノ観人
得レバ…者→○得エツレ…者バ
ニ而→○而ニ
明ス↢…不ルコトヲ↟同ジカラ→○明ス↢…不同ナルコトヲ↡
明ス↧肉髻与↢仏ノ螺髻↡不ルコトヲ↞同ジカラ→○明ス↢肉ニク髻ケ与ト仏ノ螺髻ラケ不同ナルコトヲ↡
身ニ服セル→○身服ノ
シタマフ→○スル
後ノ益→○後ゴ益
明ス↠勧ムルコトヲ↢観ノ利益ヲ↡→○明ス↢勧スヽムル↠観ヲ利益ヲ↡
サ→○ハ
影↢現シ…↡→○影カゲ現ジ↢…↡
シタマフ→○スルコトヲ
等→○等シク
明ス↢光照ノ遠近ヲ↡→○明ス↣光 リ照テラスコトヲ↢遠近ヲ↡
照↢益シ…↡、等シク→○照↢益スル…↡等ラ、ヒトシ
及ビ↢他方ニ↡→○及ビ他タ方ニシテ
与↢勢志↡宿業→○与ト↢勢志シ宿業シウゴフ↡
レバ→○ルハ
ズル→○ゼム
↧…不ルコトヲ↞同ジカラ→○↧…不同ナルコトヲ↥
冠上ノ→○冠カブリノ上
指シテ同ズ↢…↡→○指サシテ↢同ドウズ…↡
ノ→○ジ下ニ
明ス↣…、多クノ諸ノ瑩飾…類スルコトヲ↢極楽ノ荘厳ニ↡→○明ス↧…、多クシテ↢諸ノ瑩ケイミガキ飾シヨクカザル↡…類スルコトヲ↦極楽ノ荘厳ニ↥
且ツ→○且マタ
云ヘル↠度スト↠苦ヲ者→○云イヘル↠度スト↢苦者シヤヲ↡
ニ者→○ニハ者
知ル→○知シムヌ
為サム→○為セム
↢「此観成」↡已下→○↢「此観成已」↡下
シタマフ→○スル
揺ガシ→○揺ウゴカシ
使ム↢…雲集シテ、…利セ↟…。→○使メ↢…雲集セ↡、…利シ↠…、
チ→○ヘ
自→○自 ラノ
自生ノ→○自 ラ生ズル
光照→○光ノ照スコト
↢「見此事」↡已→○↢「見此事已イト云」↡
注トドメ→○注セシメ
易カヘ↠境ヲ→○易イ境キヤウニ
入ラシメタマフ↠観ニ→○入観シ下
在シ→○在アリ
在シ→○在リ
在ス→○在リ
サシム→○セ
成ズル→○成ナル
小ニ→○小チヰサク
不ズ↢由ルガ↠大ニ故ニ不ルニ↟現ゼ→○不ルガ↠由ヨラ↠大ニ故ニ不ズ↠現ゼ
勝→○勝タルコト
明ス↧能ク観ズルニ↢所観ノ仏像ヲ↡…、明カニ…↥→○明ス↢能観ヲ↡、所観ノ仏像…、明ス↢…↡
ス→○シ下
観ソナハシ→○観ジ
セシメ→○シ
不↠同ジカラ也→○不同也ナリ
ム…也→○ムル…也ナリ
異ナルコト→○異イ
同ズル→○同ジキ
ルマデ→○リテ
ノゴトク→○シテ
スル→○シ下
明ス↧世尊答ヘタマフコトヲ↦…↥→○明シ、世尊答ヘ下フ↧…↥
ノ請ニ→○ニ請シヤウジテ
瓔→○瓔タマ
間↢雑シ菓ニ↡→○間マジヘ↢雑マジフ菓コノミヲ↡
蔭→○蔭クモリ
○タリ
ズルニ→○ジ
シタマフ→○セシム
彼→○彼 レ
ヒタマフ→○フ
不ルハ→○不ズト云コト
セシム→○ス
帰去来 イザイナム →○帰↢去カヘンナム来↡ イザハヤ
安ズルニ…→○安ヤスクス…、
実→○実マコト
含ムト想ヘ→○含フクムデ想オモヘバ
見タテマツルニ↢仏ノ荘厳ヲ↡説法ノ→○見ミ↢仏ヲ↡荘厳説法ノ
恐レテ↠→○恐オソラクハ
キ→○カラム
ムル→○メ下
アリ→○ナリ