0625◎浄0577土三経往生文類
一 大経往生
Ⅰ 略明義
ⅰ 標
【1】 ◎^▲大経往生といふは、
一 Ⅰ ⅱ 弁
a 明往生体
イ 総
^如来選択の本願、 *不可思議の願海、 これを他力と申すなり。
一 Ⅰ ⅱ a ロ 別
^これすなはち*念仏往生の願因にタネトイフよりて、 *必至滅度の願果をうるなり。
一 Ⅰ ⅱ b 明往生相
イ 約即往生
^現生にコノヨヲイフ 正定聚の位に住して、 かならず真実報土にいたる。
一 Ⅰ ⅱ b ロ 約証大涅槃
^これは阿弥陀如来の↓往相回向の真因マコトノなるインナリがゆゑに、 無上涅槃のさとりをひらく。
一 Ⅰ ⅲ 結
^▲これを ¬大経¼ の宗致ムネトストとナリす。 このゆゑに大経往生と申す、 また難思議往生と申すなり。
一 Ⅱ 広引文
ⅰ 正約往相回向
a 正引
イ 経文
(一)列引
(Ⅰ)顕真実行文
(ⅰ)標挙
【05782】 ^▲この如来の↑往相回向につきて、 真実の行業あり。 ▲すなはち諸仏称名の悲願 (第十七願) にあらはれたり。
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅰ)(ⅱ)引文
(a)称名悲願文
^◆称名の悲願は ¬大無量寿経¼ (上) にのたまはく、
^「▲たとひわれ仏を得んに、 十方世界の無量の諸仏、 ことごとく咨嗟し、 わが名を称せずは、 正覚を取らじ」 と。 文
「◆設ひ我得むに↠仏を、十方世界の無量の諸仏、不↣悉く咨嗟ヨロヅノホトケニホメラルヽナリし、称せ↢我が名を↡者、不と↠取ら↢正覚を↡。」 文
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅰ)(ⅱ)(b)行信成就文
^*称名・信楽の悲 本 願 (第十七・十八願) 成就の文、 ¬経¼ (大経・下) にのたまはく、
^「▲十方恒沙の諸仏如来、 みなともに無量寿仏の威神功徳不可思議なるを0626讃嘆したまふ。 ^◆あらゆる衆生、 その名号を聞きて信心歓喜して、 乃至一念せん。 至心回向したまへり。 かの国に生れんと願ずれば、 すなはち往生を得、 不退転に住せん。 ただ五逆と正法を誹謗するを除く」 と。 文
「十方恒沙の諸仏如来、皆共に讃↢嘆したまふ无量寿仏の威神功徳不可思議なるを↡。諸有衆生、聞きて↢其の名号を↡信心歓喜して、乃至一念せむ。至心廻向したまへり。願ずれば↠生れむと↢彼の国に↡、即ち得↢往生を↡、住せむ↢不退転に↡。唯除くと↣五逆と誹↢ソシリ謗すソシルるを正法を↡。」 文
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅱ)顕真実信文
(ⅰ)標挙
【3】 ^▲また真実信心あり。 ▲すなはち念仏往生の悲願 (第十八願) にあらはれたり。
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)引文
(a)大経
^ ◆至心信楽の悲 本 願はの文 ¬大経¼ (上) にのたまはく、
^「たとひわれ仏を得たらんに、 十方の衆生、 至心信楽して、 わが国に生れんと欲うて、 乃至十念せん。 もし生れずは、 正覚を取らじと。 ただ五逆と正法を誹謗せんを除かん」 と。 文
「◆設ひ我得0579たらむに↠仏を、十方の衆生、至心信楽して欲ふて↠生れむと↢我が国に↡、乃至十念せむ。若し不↠生れ者、不と↠取ら↢正覚を↡。唯除かむと↣五逆と誹↢謗せむを正法を↡。」 文
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)寿会
^同本異訳 至心信楽本願文、の ¬無量寿如来会¼ (上) にのたまはく、
^「▲もしわれ無上覚を証得せんとき、 余の仏刹のうちのもろもろの有情類、 わが名を聞きをはりて、 所有の善根、 心々回向して、 わが国に生れんと願じて、 乃至十念せん。 もし生れずは、 菩提を取らじと。 ただ無間悪業を造り、 正法およびもろもろの聖人を誹謗せんを除かん」 と。 文
「若し我証↢得せむ无上覚を↡時、余の仏刹の中クニトイフの諸の有情類、聞き↢我が名を↡已りて、所有の善根、心心廻向して、願じて↠生れむと↢我が国に↡、乃至十念せむ。若し不↠生れ者、不と↠取ら↢菩提を↡。唯除かむと↧造り↢无間悪業を↡、誹↦謗せむを正法及び諸の聖人を↥。」 文
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅲ)顕真実証文
(ⅰ)標挙
【4】 ^▲また真実証果あマコトノサトリり。 ヲイフナリ▲すなはち必至滅度の悲願 (第十一願) にあらはれたり。
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅲ)(ⅱ)引文
(a)因願
(イ)大経
^◆証果の悲必至滅度願文願、 ¬大経¼ (上) にのたまはく、
^「▲たとひわれ仏を得たらんに、 国のうちの人天、 定聚に住し、 かならず滅度に至らずは、 正覚を取らじ」 と。 文0627
「◆設ひ我得たらむに↠仏を、国の中の人天、不↧住し↢定聚に↡、必ず至ら↦滅度に↥者、不と↠取0580ら↢正覚を↡。」 文
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅲ)(ⅱ)(a)(ロ)寿会
^▼同本異訳 必至滅度願文、 の ¬無量寿如来会¼ (上) にのたまはく、
^「▲もしわれ成仏せんに、 国のうちの有情、 もし決定して*等正覚を成り大涅槃を証せずは、 菩提を取らじ」 と。 文
「◆若し我成仏せむに、国の中の有情、若し不↧決定して成り↢等正覚を↡証せ↦大涅槃を↥者、不と↠取ら↢菩提を↡。」 文
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅲ)(ⅱ)(b)成就
(イ)寿会本願成就
^ 本願成就文、¬無量寿如来会¼ (下) にのたまはく、
^「▲他方仏国の諸有の衆生、 無量寿如来の名号を聞きてよく一念の浄信を発して*歓喜愛楽せん。 あらゆる善根回向して無量寿国に生れんと願ぜば、 願に随うてみな生れて、 不退転乃至無上正等菩提を得んと。 五無間と正法を誹謗し、 および聖者を謗ぜんをば除かん」 と。
「他方仏国の諸有の衆生、聞きて↢无量寿如来の名号を↡能く発して↢一念の浄信を↡歓喜愛楽せむ。所る↠有ら善根廻向して願ぜ↠生れむと↢无量寿国に↡者、随ふて↠願に皆生れて、得むと↢不退転乃至无上正等菩提を↡。除かむと↧五无間と誹↢謗し正法を↡、及び謗ぜむをば↦聖者を↥。」
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅲ)(ⅱ)(b)(ロ)大経証願成就
0581^必至滅度・証大涅槃の願 (第十一願) 成就の文、 ¬大経¼ (下) にのたまはく、
^「▲それ衆生あつて、 かの国に生れんもの、 みなことごとく正定の聚に住せん。 ゆゑはいかんとなれば、 かの仏国のうちにはもろもろの邪聚および不定聚はなければなり」。 文
「其れ有て↢衆生↡、生れむ↢彼の国に↡者、皆悉く住せむ↠於↢正定之聚↡。所以者何んとなれば、彼の仏国の中には无ければなり↢諸の邪聚ジリキノ及びモロモロノゼンニンナリ不定聚はジリキノネムブチシヤナリ↡。」 文
一 Ⅱ ⅰ a イ (一)(Ⅲ)(ⅱ)(b)(ハ)寿会証願成就
^ また 必至滅度願成就文、¬如来会¼ (下) にのたまはく、
^「▲かの国の衆生と、 もしまさに生れんものは、 みなことごとく無上菩提を究竟し、 涅槃の処に到らん。 なにをもつての0628ゆゑに。 もし邪定聚および不定聚は、 かの因を建立せることを了知することあたはざるがゆゑなり」 と。 以上抄要
「彼の国の衆生と、若し当マサに生れむ者は、皆悉く究↢竟し无上菩提を↡、到らむ↢涅槃の処に↡。何を以ての故に。若し邪定聚及び不定聚は、不るが↠能は↤了↢知すること建↢立せることを彼の因を↡故なりと。」 已上抄要
一 Ⅱ ⅰ a イ (二)釈成
(Ⅰ)直就大経釈
【5】 ^▼この真実の称名と真実の信楽をえたる人は、 すなはち正定聚の位に住せしめんと誓ひたまへるなり。
一 Ⅱ ⅰ a イ (二)(Ⅱ)転就寿会釈
(ⅰ)正釈
^▲この正定聚に住するを、 等正を成るとものたまへるなり。 等正覚と申すは、 ▲す0582なはち補処の弥勒菩薩とおなじ位となると説きたまへり。
一 Ⅱ ⅰ a イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)引証
^▼しかれば、 ¬大経¼ (下) には 「▲次如弥勒」ツイデミロクノゴトシ とトナリのたまへり。
一 Ⅱ ⅰ a ロ 論文
(一)妙声眷属功徳
^¬浄土論¼ (論註・下) にいはく、
^「▲ª荘厳妙声功徳成就は、 偈に «梵声悟深遠 微妙聞十方» とのたまへるがゆゑにº と。
「荘厳妙声功徳成就者、偈に言へるが↢梵声悟深遠微妙聞十方と↡故にと。
^◆これいかんぞ不思議なるや。 ¬経¼ にのたまはく、 ªもし人、 ただかの国土の清浄安楽なるを聞きて、 剋念して生れんと願ずると、 また往生を得ると、 すなはち正定聚に入るº。 ◆これはこれ、 国土の名字、 仏事をなす。 いづくんぞ思議すべきや。 乃至
此云何ぞ不思議なるや。経に言はく、若し人但聞て↢彼の国土の清浄安楽なるを↡、剋念して願ずると↠生れむと、亦得ると↢往生を↡、即ち入る↢正定聚に↡。此は是国土の名字為す↢仏事を↡。安んぞ可きや↢思議す↡。 乃至
^▲ª荘厳眷属功徳成就は、 偈に «如来浄華衆 正覚華化生》とのたまへるがゆゑにº と。
荘厳眷属功徳成就者、偈に言へるが↢如来浄華衆正覚華化生と↡故にと。
^◆これいかんぞ不思議なるや。 おほよそこれ雑生の世界は、 もしは胎もしは卵もしは湿もしは化、 眷属そこばくなり。 苦楽万品なり。 雑業をもつてのゆゑに。 ◆かの安楽国土は、 これ阿弥陀如来の正覚浄華の化生する所にあらざるこ0629となし。 同一に念仏して別の道なきがゆゑに。 遠く通ずるにそれ四海のうちみな兄弟とするなり。 眷属無量なり。 いづくんぞ思議すべきや」。
此云何ぞ不思議なるや。凡そ是雑生の世界は、若しは胎若しは卵若しは湿若しは化、眷属若干なり。苦楽万品なり。以ての↢雑業を↡故に。彼の安楽国土は、莫し↠非ざること↣是阿弥陀如来の正覚浄華之所に↢化生する↡。同一に念仏して无きが↢別の道↡故に。遠く通ずるに夫れ四海之内皆為る↢兄アニ 弟とオトヽ↡也。眷0583属无量なり。焉んぞ可きや↢思議す↡。」
一 Ⅱ ⅰ a ロ (二)大義門功徳
^またのたまはく (論註・下)、
^「▲往生を願ずるもの、 本はすなはち三三の品なれども、 いまは一二の殊なることなし。 また淄澠の一味なるがごとし。 いづくんぞ思議すべきや」。 以上
「願ずる↢往生を↡者、本は則ち三三之品なれども、今は无し↢一二之殊ること↡。亦如し↢ 淄ミヅナリ澠のミヅナリ 食陵の反 一味なるが↡。焉んぞ可きや↢思議す↡。」已上
一 Ⅱ ⅰ a ロ (三)清浄功徳
^また ¬論¼ (論註・下) にいはく、
^「▲ª荘厳清浄功徳成就は、 偈に «観彼世界相 勝過三界道» とのたまへるがゆゑにº と。
「荘厳清浄功徳成就者、偈に言へるが↢観彼世界相勝過三界道と↡故にと。
^◆これいかんぞ不思議なるや。 凡夫人の煩悩成就せるあつて、 またかの浄土に生を得るに、 三界の繋業畢竟じて牽かず。 すなはちこれ煩悩を断ぜずして涅槃の分を得。 いづくんぞ思議すべきや」。 以上抄要
此云何ぞ不思議なるや。有て↢凡夫人の煩悩成就せる↡、亦得るに↠生を↢彼の浄土に↡、三界の繋業畢竟じて不↠牽か。則ち是不して↠断ぜ↢煩悩を↡得↢涅槃の分を↡。焉んぞ可きや↢思議す↡。」 已上抄要
一 Ⅱ ⅰ b 結示
【6】 ^▲この阿弥陀如来の往相回向の選択いまこの真文をよくよく本願をこゝろえて、 みたてまつるなり。 これを▲難思議往生と申す。の義をしるべしとなり。▲これをこころえて、 ▼他力には義なきを義とすとしるべ0584し。
一 Ⅱ ⅱ 因約還相回向
a 論文
イ 標
【7】 ^▲二つに還相の回向といふは、
一 Ⅱ ⅱ a ロ 引
◆¬浄土論¼ にいはく、
^「▲本願力の回向をもつてのゆゑに、 これを*出第五門と名づく」 といへり。
「◆以ての↢本願力の廻向を↡故に、是を名づくといへり↢出第五門と↡。」
一 Ⅱ ⅱ a ハ 結
^◆これは還相の回向なり。
一 Ⅱ ⅱ b 経文
イ 標
^▲一生補処の悲願 (第二十二願) にあらはれたり。
一 Ⅱ ⅱ b ロ 引
0630^◆大慈大悲の願 (第二十二願) 、 ¬大経¼ (上) にのたまはく、
^「▲たとひわれ仏を得たらんに、 他方仏土のもろもろの菩薩衆、 わが国に来生すれば、 究竟してかならず一生補処に至る。 その本願の自在の所化、 衆生のためのゆゑに、 弘誓の鎧を被て、 徳本を積累し、 一切を度脱し、 諸仏の国に遊びて、 菩薩の行を修し、 十方の諸仏如来を供養し、 恒沙無量の衆生を開化して無上正真の道を立せしめんをば除かんと。 常倫に超出し、 諸地の行現前し、 普賢の徳を修習せん。 もししからずは、 正覚を取らじ」 と。 文
「◆設ひ我得たらむに↠仏を、他方仏土の諸の菩薩衆、来↢生キタリムマルすれば我が国に↡、究竟して必ず至る↢一生補処に↡。除かむと↧其の本願の自在の所化、為の↢衆生の↡故に、被て↢弘誓の鎧をヨロイ↡、積↢累し徳本を↡、度↢脱し一切を↡、遊びて↢諸仏の国に↡、修し↢菩薩の行を↡、供↢養し十方の諸仏如来を↡、開↢化して恒沙无量の衆生を↡使めむをば↞立せ↢无上正真之道を↡。超↢出し常倫に↡、諸地之行現前し、修↢習せむ普賢之徳を↡。若し不↠爾ら者、不と↠取ら↢正覚を↡。」 文
一 Ⅱ ⅱ b ハ 結
^◆この悲願は、 如来の還相回向の御ちかひなり。
一 Ⅱ ⅲ 通結他力回向
a 正明
【8】 ^如来の二種の回向によりて、 ▲真実の*信楽をうる人0585は、 かならず正定聚の位に住するがゆゑに他力と申すなり。
一 Ⅱ ⅲ b 引証
^▼しかれば、 ¬無量寿経優婆提舎願生偈¼ にいはく、
^「▼いかんが回向したまへる。 一切苦悩の衆生を捨てずして、 心につねに作願すらく、 回向を首として大悲心を成就することを得たまへるがゆゑに」 とのたまへり。
「◆云何が廻向したまへる。不して↠捨て↢一切苦悩の衆生を↡、心に常に作願すらく、廻向を為て↠首と得たまへるが↠成↢就することを大悲心を↡故にとのたまへり。」
一 Ⅲ 総結
^△これは ¬大無量寿経¼ の宗致ムネトストとナリしたまへり。 これを難思議往生と申すなり。
二 観経往生
Ⅰ 略明義
ⅰ 標
【9】 ^▲観経往生といふは、
二 Ⅰ ⅱ 弁
a 約発願
^▲修諸功徳の願 (第十九願) により、 ▲至心発願のちかひ0631にいりて、 万善諸行の自善を回向して浄土を欣ネガフ慕せシタフコしヽロむるなり。
二 Ⅰ ⅱ b 約開説
^▲しかれまた ば、 ¬無量寿仏観経¼ には、 定善・散善 を分別し、 三福九品の諸善、 あるいは自力の称名念仏を説きて、 九品往生0586をすすめたましむ、 へり。
二 Ⅰ ⅱ c 示宗致
^▲これは他力のなかに の 自力 なり。 これを ¬観経¼の宗致としす。たまへり。
二 Ⅰ ⅲ 結
^▲このゆゑに観経往生と申すいふ。 は、 これみな方便化土の往生なり。 これを双樹林下往生と申すなり。
二 Ⅱ 広引文
ⅰ 経文
a 至心発願之願
イ 因願
(一)大経
【10】^至心発願の修諸功徳願文 願 (第十九願)、 ¬大経¼ (上) にのたまはく、
^「▲たとひわれ仏を得んに、 十方の衆生、 菩提心を発し、 もろもろの功徳を修して、 至心発願してわが国に生れんと欲はん。 寿終らん時に臨まんに、 たとひ大衆と囲繞してその人の前に現ぜずは、 正覚を取らじ」 と。 文
「設ひ我得むに↠仏を、十方の衆生、発し↢菩提心を↡、修して↢諸の功徳を↡、至心発願して欲はむ↠生れむと↢我が国に↡。臨まむに↢寿終らむ時に↡、仮令不↧与↢大衆↡囲繞してカコミメグル現ぜ↦其の人の前に↥者、不と↠取ら↢正覚を↡。」 文
二 Ⅱ ⅰ a イ (二)悲華経
^ また修諸功徳願文、 ¬悲華経¼ 「*大施品」 にのたまはく、
^「▲願はくは、 われ阿耨多羅三藐三菩提を成りをはらんに、 その余の無量無辺阿僧祇の諸仏世界の所有の衆生、 もし阿耨多羅三藐三菩提心を発し、 もろもろの善根を修して、 わが界に生れんと欲はば、 臨終の時、 われまさに大衆と囲繞してその人の前に現ずべし。 その人、 われを見て、 すなはちわが前にして心に歓喜を得て、 われを見るをもつてのゆゑに、 もろもろの障礙を離れてすなはち身を捨ててわが界に来生せし0632めん」 と。 文
「願はくは我成り↢阿耨多羅三藐三菩提を↡已らむに、其の余の无量无辺阿僧祇の諸仏世界の所有の衆生、若し発し↢阿耨多羅三藐三菩提心を↡、修して↢諸の善根を↡、欲は↠生れむと↢我が界に↡者、臨終之時、我当ベ にシ↧与↢大衆↡囲繞して現ず↦其の人の前に↥。其の人見て↠我を、即ち於て↢我が前に↡得て↢心に歓喜を↡、以ての↠見るを↠我を故0587に、離れて↢諸の障閡を↡即便ち捨てゝ↠身を来↢生せしめむと我が界に↡。」 文
二 Ⅱ ⅰ a ロ 成就
^▲至心発修諸功徳願の願 (第十九願) 成就の文、 ¬大経¼ (下) にのたまはく、
^「▲仏、 阿難に告げたまはく、 ª十方世界の諸天・人民、 それ心を至してかの国に生れんと願ずることあらん。 おほよそ三輩あり。 ◆その上輩は、 家を捨て欲を棄てて沙門となり、 菩提心を発して一向にもつぱら無量寿仏を念じ、 もろもろの功徳を修してかの国に生れんと願ぜん。 ◆これらの衆生、 寿終らん時に臨みて、 無量寿仏、 もろもろの大衆とその人の前に現ぜん。
「仏告げたまはく↢阿難に↡、十方世界の諸天・人民、其れ有らむ↢至して↠心を願ずること↟生れむと↢彼の国に↡。凡そ有り↢三輩↡。其の上輩者トモガラ、捨て↠家を棄て↠欲を而作り↢沙門と↡、発して↢菩提心を↡一向に専ら念じ↢无量寿仏を↡、修して↢諸の功徳を↡願ぜむ↠生れむと↢彼の国に↡。此等の衆生、臨みて↢寿終らむ時に↡、无量寿仏、与↢諸の大衆↡現ぜむ↢其の人の前に↡。
乃至
即ち随ふて↢彼の仏に↡往↢生せむ其の国に↡。便ち於て↢七宝華の中に↡自然に化生し住せむ↢不退転に↡。智慧勇猛にして神通自在ならむ。是の故に
^▲阿難、 それ衆生あつて、 今世において無量寿仏を見たてまつらんと欲うて、 無上菩提の心を発し功徳を修行してかの国に生れんと願ずべし。º
阿難、其れ有て↢衆生↡、欲ふて↧於て↢今世に↡見たてまつらむと↦无量寿仏を↥、応し↧発し↢无上菩提之心を↡、修↢行して功徳を↡願ず↠生れむと↢彼の国に↡。
^◆仏、 阿難に語りたまはく、 ªそれ中輩は、 十方世界の諸天・人民、 それ心を至してかの国に生れんと願ずることあらん。 行じて沙門となり、 大きに功徳を修することあたはずといへども、 ◆まさに無上菩提の心を発して一向にもつぱら無量寿仏を念じ、 ◆多少、 善を修し、 斎戒を奉持し、 塔像を起立し、 沙門に飯食せしめ、 繒を懸け灯を燃し、 華を散じ香を焼くべし。 これをもつて回向してかの国に生れんと願ぜん。 ◆その人、 終りに臨みて、
仏語りたまはく↢阿難に↡、其れ中輩者、十方世界の諸天・人民、其れ有らむ↢至して↠心を願ずること↟生れむと↢彼の国に↡。雖も↠不と↠能は↧行じて作り↢沙門と↡、大きに修0588すること↦功徳を↥、当ベ にシ↧発して↢无上菩提之心を↡、一向に専ら念じ↢无量寿仏を↡、多少修し↠善を、奉↢持し斎戒を↡、起↢立し塔像を↡、飯↢食せしめ沙門に↡、懸け↠繒を燃し↠灯を、散じ↠華を焼く↞香を。以て↠此を廻向して願ぜむ↠生れむと↢彼の国に↡。其の人臨みて↠終に、
乃至
无量寿仏化↢現して其の身を↡、光明・相好
^つぶさに真仏のごとく、 もろもろの大衆とその人の前に現ぜん。º
具に如く↢真仏の↡、与↢諸の大衆↡現ぜむ↢其の人の前に↡。
乃至0633
即ち随ふて↢化仏に↡往↢生し其の国に↡住せむ↢不退転に↡。功徳・智慧、次いで如くらなむと↢上輩の者の↡也。
^▲仏、 阿難に告げたまはく、 ªそれ下輩は、 十方世界の諸天・人民、 それ心を至してかの国に生れんと欲ふことあらん。 たとひもろもろの功徳をなすことあたはずとも、 ◆まさに無上菩提の心を発して一向に意をもつぱらにして、 乃至十念、 無量寿仏を念じて、 その国に生れんと願ずべし。 ◆もし深法を聞きて歓喜信楽して疑惑を生ぜず、 乃至一念、 かの仏を念じて、 至誠心をもつてその国に生れんと願ぜん。 ◆この人、 終りに臨みて、 *夢にかの仏を見たてまつり、 また往生を得ん。 功徳・智慧、 次いで中輩のもののごとくならんとなりº」 と。 以上略抄
仏告げたまはく↢阿難に↡、其れ下輩者、十方世界の諸天・人民、其れ有らむ↢至して↠心を欲ふこと↟生れむと↢彼の国に↡。仮使不とも↠能は↠作すこと↢諸の功徳を↡、当ベ にシ↧発して↢无上菩提之心を↡、一向に専らにして↠意を、乃至十念、念じて↢无量寿仏を↡、願ず↞生れむと↢其の国に↡。若し聞て↢深法を↡フカキミノリ歓喜信楽して不↠生ぜ↢疑ウタガフ惑をマドフ↡、乃至一念、念じて↠於↢彼の仏↡、以て↢至誠心を↡願ぜむ↠生れむと↢其の国に↡。此の人臨みて↠終に、夢のごとくに見たてまつり↢彼の仏を↡、亦得む↢往生を↡。功徳・智慧、次いで如くならむと↢中輩の者の↡也と。」 已上略抄
二 Ⅱ ⅰ b 道場樹願
イ 因願
0589^ 道場樹願文、¬大経¼ (上) にのたまはく、
^「▲たとひわれ仏を得たらんに、 国のうちの菩薩、 乃至少功徳のもの、 その道場樹の無量の光色あつて、 高さ四百万里なるを知見することあたはずは、 正覚を取らじ」 と。 文
「設ひ我得たらむに↠仏を、国の中の菩薩、乃至少功徳の者、不↠能は↣知↢見すること其の道場樹の无量の光色あて、高さ四百万里なるを↡者、不と↠取ら↢正覚を↡。」 文
二 Ⅱ ⅰ b ロ 成就
^道場樹の願 (第二十八願) 成就の文、 ¬経¼ (大経・上) にのたまはく、
^「▲また無量寿仏、 その道場樹の高さ四百万里ならん。 その本周囲五十由旬ならん。 枝葉四に布きて二十万里ならん。 一切の衆宝自然に合成せり。 月光摩尼・持海輪宝の衆宝の王たるをもつてして、 これを荘厳せり。 ◆条のあひだに周帀して、 宝の瓔珞を垂れたり。 百千万色にして種々に異変す。 無量の光炎0634、 照耀極まりなし。 珍妙の宝網その上に羅覆せり。
「又无量寿仏、其の道場樹の高さ四百万里ならむ。其の本周囲五十由旬ならむ。枝エダ葉ハ 四に布きて二十万里ならむ。一切の衆宝自然に合成せり。以て↢月光摩尼・持海輪宝の衆宝之王たるを↡而荘↢厳せり之を↡。周↢帀して条の間に↡、垂れたり↢宝の瓔珞を↡。百千万色にして種種に異変す。无量の光炎、照耀无し↠極まり。珍妙の宝網羅コメ覆オホエせりリ其の上に↡。
乃至
一切の荘厳、随ふて↠応に而現ず。微風徐く動いて吹くに↢諸の枝葉を↡、演↢出す无量の妙法の音声を↡。其の声流布して徧す↢諸仏の国に↡。其聞け↠音を者、得↢深法忍を↡住せむ↢不退転に↡。至るまで↠成るに↢仏道を↡、耳根清徹にして不↠遭は↢苦患に↡。目に覩↢其の色を↡、耳に聞き↢其の音を↡、鼻に知り↢其の香を↡、舌に嘗め↢其の味を↡、身に触れ↢其の光を↡、心に以て↠法を縁じ、
^▲一切みな*甚深の法忍を得て不退転に住せん。 仏道を成るに至るまで、 六根清徹にしてもろもろの悩患なけん」 と。 以上略出
一切皆得て↢甚深の法忍を↡住せむ↢不退0590転に↡。至るまで↠成るに↢仏道を↡、六根清キヨク徹にしてトホリテ 无けむと↢諸の悩患↡。」 已上略出
二 Ⅱ ⅱ 釈文
^首楞厳院 (源信) の ¬要集¼ (下) に、 感禅師 (懐感) の釈 (群疑論) を引きていはく、
^「▲問ふ。 ¬菩薩処胎経¼ の*第二に説きたまへり。 ª^西方この閻浮提を去ること十二億那由他に懈慢界ありと。 乃至 ▲意を発す衆生、 阿弥陀仏国に生れんと欲ふもの、 深く懈慢国土に着して、 前進みて阿弥陀仏国に生るることあたはず。 億千万の衆、 時に一人あつて、 よく阿弥陀仏国に生ずº といへり。 ^◆この経をもつて准難するに、 生を得べしや。
「問ふ。¬菩薩処胎経の¼第二に説きたまへり。西方去ること↢此の閻浮提を↡十二億那由他に有りと↢懈慢界↡。 乃至 発す↠意を衆生欲ふ↠生れむと阿弥陀仏国に↡者、深く著して↢懈慢国土に↡、不↠能は↣前進みて生るゝこと↢阿弥陀仏国に↡。億千万の衆、時に有て↢一人↡、能く生ずと↢阿弥陀仏国に↡云云ウンウンリ。以て↢此の経を↡准難ナズラヘナするにンズト、イフ可しや↠得↠生を。
^◆答ふ。 ¬群疑論¼ に善導和尚の前の文を引きて、 この難を釈せり。 またみづから助成していはく、 ª^この経の下の文にのたまはく、 «なにをもつてのゆゑに、 みな懈慢して執心牢固ならざるによつてなり»。 ◆ここに知りぬ、 雑修のものは執心牢からざるの人とす。 かるがゆゑに懈慢国に生ずるなり。 もし雑修せずして、 もつぱらこの業を行ずるは、 これすなはち執心牢固にして、 さだめて極楽国に生ず。 乃至 ◆また報の浄土の生はきはめて少なし。 化の浄土のなかに生ずるものは少なからず。 か0635るがゆゑに経の別説、 まことに相違せざるなり」 と。 以上略出
答ふ。¬群疑論に¼引き↢善導和尚の前の文を↡而釈せり↢此の難を↡。又自ら助成して云く、此の経の下の文に言はく、何を以ての故に。皆0591由てなり↣懈慢して執心不るに↢牢固ならカタクカタシ↡。是に知りぬ、雑修之者は為↢執心不る↠牢から之人と↡。故に生ずる↢懈慢国に↡也。若し不して↢雑修せ↡、専ら行ずるは↢此の業を↡、此即ち執心牢固にして、定めて生ず↢極楽国に↡。 乃至 又報の浄土の生者極めて阿弥陀仏少し。化の浄土の中に生ずる者は不↠少から。故に経の別説、実に不る↢相違せ↡也と。」 已上略出
二 Ⅲ 結示
【11】^これらの文のこころにて、 双樹林下往生と申すことを、 よくよくこころえたまふべし。
三 小経往生
Ⅰ 略明義
ⅰ 標
【12】^▲弥陀経往生といふは、
三 Ⅰ ⅱ 弁
a 修因
イ 挙法体
^▲植諸徳不果遂者本の誓願 (第二十願) によりて不果遂植諸徳本者の▲真門にいりる、 、 諸善万行を貶して 少善根となづけたり。▲*善本徳本の名号を選びて万善諸行の少多善根多功徳とのたまへり。 善をさしおく。
三 Ⅰ ⅱ a ロ 明機失
^しかりといしかるにへども、 ▲定散自力の行係念我国の人、 人は、 ▲不可思議の仏智 力 を疑惑して信受せず。 、 如来善本徳本の尊号をおのれが善根と0592してす 、 みづから浄土に回向してせしむ、 果遂のこれを弥陀経ちかひの宗とす。 をたのむ。
三 Ⅰ ⅱ b 感果
^不可思議の名号を称念しながら、 不可称不可説不可思議の大悲の誓願を疑ふ。 その罪ふかくおもくして、 七宝の牢獄にいましめられて、 いのち五百歳のあひだ、 自在なることあたはず、 三宝をみたてまつらず、 つかへたてまつることなしと、 如来は説きたまへり。
このゆへに弥陀経往生といふ、 他力の中の自力なり。
三 Ⅰ ⅲ 結釈名義
^しかれども、 如来の尊号を称念するゆゑに、 胎宮にとどまる。 徳号によるがゆゑに難思往生ジリキノネムブチシと申ヤナリ すなり。 不可思議の誓願、 疑ウタガフ惑すマドフ る罪によりて難思議往ホングワンタリキ生とはノワウジヤウト申さマフス ずと知るべきなり。
尊号を称するゆへに疑城胎宮にむまるといゑども、 不可称不可説不可思議の他力をうたがふそのつみおもくして、 牢獄にいましめられていのち五百歳なり。 尊号の徳によるがゆへに、 難思往生とまふすなり。
三 Ⅱ 広引文
ⅰ 経文
a 因願
イ 大経
【13】^植諸徳本の願文、 ¬大経¼ (上) にのたまはく、
^「▲たとひわれ仏を得んに、 十方の衆生、 わが名号を聞きて、 念をわが国に係けて、 もろもろの徳本を0636植ゑて、 心を至し回向してわが国に生れんと欲はん。 果遂せずは、 正覚を取らじ」 と。 文
「設ひ我得たらむに↠仏を、十方の衆生、聞て↢我が名号を↡、係けて↢念を我が国に↡、植えて↢諸の徳本を↡、至0593し↠心を廻向して欲はむ↠生れむと↢我が国に↡。不↢果遂せ↡者、ハタシトゲズハトイフ不と↠取ら↢ハツイニハタサム正トナリ覚を↡。」 文
三 Ⅱ ⅰ a ロ 寿会
^*同本異訳植諸徳本願文、 の ¬無量寿如来会¼ (上) にのたまはく、
¬无量寿如来会に¼言はく、
^「▲もしわれ成仏せんに、 無量国のうちの所有の衆生、 わが名を説かんを聞きて、 おのれが善根をもつて極楽に回向せん。 もし生れずは、 菩提を取らじ」 と。 文
「若し我成仏せむに、无量国の中の所有の衆生、聞て↠説かむを↢我が名を↡、以て↢己が善根を↡廻↢向せむ極楽に↡。若し不↠生れ者、不と↠取ら↢菩提を↡。」 文
三 Ⅱ ⅰ b 成就
イ 大経
^願 (第二十願) 成就の文 又 、 ¬経¼ (大経・下) にのたまはく、
^「▲それ胎生のものの処するところの宮殿、 あるいは百由旬、 あるいは五百由旬なり。 おのおのそのなかにして、 もろもろの快楽を受くること、 忉利天上のごとし。 またみな自然なり。
「其れ胎生の者の所の↠処ヰルする宮殿、或は百由旬、或は五百由旬なり。各於て↢其の中に↡、受くること↢諸の快楽を↡如し↢忉利天上の↡。亦皆自然なり。
^◆その時に、 慈氏菩薩 (*弥勒)、 仏にまうしてまうさく、 ª世尊、 なんの因なんの縁にか、 かの国の人民、 胎生・化生なるº と。
爾の時に慈氏菩薩白して↠仏に言さく、世尊、何の因何の縁にか、彼の国の人民、胎生・化生なると。
^◆仏、 慈氏に告げたまはく、 ªもし衆生あつて、 疑惑の心をもつてもろもろの功徳を修し、 かの国に生れんと願じて、 仏智・不思議智・不可称智・大乗広智・無等無倫最上勝智を了らずして、 この諸智において疑惑して信ぜず。 しかるになほ罪福を信じて、 善本を修習して、 その国に生れんと願ぜん。
仏告げたまはく↢慈氏に↡、若し有て↢衆生↡、以て↢疑惑の心を↡修し↢諸の功徳を↡、願じて↠生れむと↢彼の国に↡、不して↠了ら↢仏智・不思議智・不可称智・大乗広智・无等无倫最上勝智を↡、於0594て↢此の諸智に↡疑 ウタガフ惑してマドフ 不↠信ぜ。然に猶信じて↢罪福を↡、修↢習して善本を↡、ミダノミヤウガウ願ぜむ↠生れむと↢其の国に↡。
^◆このもろもろの衆生、 かの宮殿に生れて、 寿五百歳ならん。 つねに仏を見たてまつらず、 経法を聞か0637ず、 菩薩・声聞聖衆を見ず。 ◆このゆゑにかの国土、 これを胎生といふ。 乃至
此の諸の衆生、生れて↢彼の宮殿に↡、寿五百歳ならむ。常に不↠見たてまつら↠仏を、不↠聞か↢経法を↡、不↠見↢菩薩・声聞聖衆を↡。是の故に彼の国土、謂ふ↢之を胎生と↡。 乃至
^▲弥勒まさに知るべし、 かの化生のものは智慧勝れたるがゆゑに。 その胎生のものはみな智慧なしº。 乃至
弥勒当ベ にシ↠知る、彼の化生の者は智慧勝れたるが故に。其の胎生の者は皆无し↢智慧↡。 乃至
^▲仏、 弥勒に告げたまはく、 ªたとへば転輪聖王に七宝の牢獄あり。 種々に荘厳し床帳を張設し、 もろもろの繒幡を懸けたらん。 もしもろもろの小王子、 罪を王に得たらん、 すなはちかの獄のうちに内れて、 繋ぐに金の鎖をもつてせんがごとしº。乃至
仏告げたまはく↢弥勒に↡、譬えば如し↧転輪聖王に有り↢七宝の牢獄↡。種種に荘厳し張↢設し床帳を↡、懸けたらむ↢諸の繒幡を↡。若し諸の小王子、得たらむ↢罪を於↟王、輒ち内れて↢彼の獄の中に↡、繋ぐに以てせむが↦金の鎖を↥。 乃至
^▲仏、 弥勒に告げたまはく、 ªこのもろもろの衆生、 またまたかくのごとし。 仏智を疑惑するをもつてのゆゑに、 かの胎宮に生ず。 乃至
仏告げたまはく↢弥勒に↡、此の諸の衆生、亦復如し↠是の。以ての疑↢惑するを仏智を↡故に生ず↢彼の胎宮に↡。 乃至
^▲もしこの衆生、 その本の罪を識りて、 深くみづから悔責してかの処を離れんと求めよ。 乃至
若し此の衆生、識りて↢其の本の罪を↡、深く自ら悔クヰ責セメテして求めよ↠離れむと↢彼の処を↡。 乃至
^▲弥勒まさに知るべし、 それ菩薩あつて疑惑を生ずるは、 大利を失ふとすº」 と。 略抄
弥勒当ベ にシ↠知る、其れ有て↢菩薩↡生ずれ↢疑惑を↡者、為と↠失ふと↢大利を↡。」ネチハンノサトリ 略抄
三 Ⅱ ⅰ b ロ 寿会
0595^また ¬無量寿如来会¼ (下) にのたまはく、
^「▲仏、 弥勒に告げたまはく、 ªもし衆生あつて、 疑悔に随うて善根を積集して、 仏智・普遍智・不思議智・無等智・威徳智・広大智を希求せんに、 みづからの善根において信を生ずることあたはず。 ◆この因縁をもつて、 五百歳において宮殿のうちに住すと。 乃至
「仏告げたまはく↢弥勒に↡、若し有て↢衆生↡、随ふて↠於↢疑悔↡ウタガフコヽロ積↢集ツミアツム して善根を↡、希↢求せむに仏智・普徧智・不思議智・无等智・威徳智・広大智を↡、於て↢自の善根に↡不↠能は↠生ずること↠信を。以て↢此の因縁を↡、於て↢五百歳に↡住すと↢宮殿の中に↡。 乃至
^▲阿逸多 (弥勒)、 なんぢ殊勝智のものを観そなはすに、 かの広慧の力によるがゆゑ0638に、 *かの化生を受く。 蓮華のなかにおいて結跏趺坐す。 なんぢ下劣の輩を観そなはすに、 乃至 もろもろの功徳を修習することあたはざるがゆゑに、 因なくして無量寿仏に奉事せん。 このもろもろの人等、 みな昔疑悔せんによつて致すところとするなりº と。 乃至
阿逸多、ミロクボサチナリ汝観すに↢殊勝智の者を↡、彼の因るが↢広慧の力に↡故に、受く↢彼の化生を↡、於て↢蓮華の中に↡結跏趺坐す。汝観すに↢下劣之輩を↡、 乃至 不るが↠能は↣修↢習すること諸の功徳を↡故に、无くして↠因奉↢事せむ无量寿仏に↡。是の諸の人等、皆為るなりと↧昔縁て↢疑 ウタガフ悔せしに↡所と↞致す。 乃至
^▲仏、 弥勒に告げたまはく、 ªかくのごとし、 かくのごとし。 もし疑悔に随うて、 もろもろの善根を種ゑて、 仏智乃至広大智を希求することあらん。 みづからの善根において信を生ずることあたはず。 仏の名を聞きて信心を起すによるがゆゑに、 かの国に生るといへども、 蓮華のうちにおいて出現することを得ず。 かれらの衆生、 華胎のうちに処すること、 園苑宮殿の想のごとしº」。 乃至略出
仏告げたまはく↢弥勒に↡、如し↠是の如し↠是の。若し有らむ↧随ふて↠於↢疑悔に↡、種えて↢諸の善根を↡、希↦求すること仏智乃至広大智を↥。於て↢自らの善根に↡不↥能は↥生ずること↥信を。由るが↧聞て↢仏の名0596を↡起すに↦信心を↥故に、雖も↠生ると↢彼の国に↡、於て↢蓮華の中に↡不↠得↢出現することを↡。彼等の衆生処すること↢華胎の中に↡、猶↢如し 園ウシロノソノ 苑マヘノソノ宮殿之想の↡。」 乃至略出
三 Ⅱ ⅱ 釈文
a 光明
^光明寺 (善導) の釈 (定善義) にいはく、
^「▲華に含んでいまだ出でず。 あるいは辺界に生じ、 あるいは宮胎に堕す」 と。 以上
「含んで↠華に未ズ だ↠出で。或は生じ↢辺界に↡、或は堕すと↢宮胎に↡。」已上
三 Ⅱ ⅱ b 憬興
^憬興師ジヤウドノニンシナリ(述文賛) のいはく、
^「▲仏智を疑ふによつて、 かの国に生るといへども、 辺地にあつて聖化の事を被らず。 もし胎生せば、 よろしくこれを重く捨つべし」 と。 以上
「由て↠疑ふに↢仏智を↡、雖も↠生ると↢彼の国に↡、而在て↢辺地に↡不↠被ら↢聖化の事を↡。若し胎生せば、宜ベ くシト↢之を重く捨つ↡。」已上
三 Ⅲ 結示
【14】^これらの真文にて、 難思往生と申すことを、 よくよくこころえさせ う たま0639ふべし と。
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
*康元二年三月二日これを書写す。
愚禿親鸞八十五歳
*建長七歳乙卯八月六日
愚禿親鸞 八十三歳 書之
不可思議の願海 本願が衆生の思慮を超えたものであることを広大な海に喩えていう。
念仏往生の願因 念仏往生の願 (第十八願) に誓われている往生の因。 すなわち真実の
行信をいう。
必至滅度の願果 必至滅度の願 (第十一願) に誓われている証果。 すなわち
大涅槃のさとりをいう。
大施品 引用の文は 「大施品」 になく 「諸菩薩本授記品」 にある。
夢に ¬三経往生文類¼ (略本) では 「夢のごとくに」 と読んでいる。
第二 「西方…生ず」 の文は現行の ¬菩薩処胎経¼ では第三 (巻三) にある。
善本徳本 自力の念仏のこと。 名号には因位の法蔵菩薩の万善をおさめるから善本といい、 果位の阿弥陀仏の万徳を具するから徳本という。 自力念仏の人は名号の多善根性にとらわれ、 多く称えて善根を積み、 救われようとするからとくにこの名を立てる。
聖化の事を被らず 阿弥陀仏の教化、 導きを受けることがない。
本願成就文… 略本では十八願成就文のみが必至滅度の願文の次にある。
植諸徳本就文… 略本では大経成就文の次にある。