1060おうじょうようしゅう かん

天台てんだい*しゅりょうごんいん沙門しゃもん*源信げんしんせん

念仏利益

【58】^大文だいもんだいしちに、 *念仏ねんぶつやくかさば、 おおきにわかちてしちあり。 いちには滅罪めつざいしょうぜんにはみょうとく護持ごじさんには現身げんしん見仏けんぶつには当来とうらいしょうには弥陀みだ別益べつやくろくには引例いんれい勧信かんしんしちには悪趣あくしゅやくなり。 そのもんおのおのおおし、 いまりゃくしてようぐ。

1171文第七サバ念仏利益↡者、大チテ↠七。ニハ滅罪生善ニハ護持↡。ニハ現身タテマツルニハ当来勝利ニハ弥陀別益ニハキテ勧信スルニハ悪趣利益ナリ。其、今略シテ↠要

二 Ⅶ 滅罪生善

【59】^第一だいいち*滅罪めつざいしょうぜんといふは、

第一滅罪生善トイフ者、

・滅罪

^¬*観仏かんぶつきょう¼ のだいにのたまはく、 「いちのなかにおいてわかちてしょうぶんとなして、 しょうぶんのなかによくしゅのあひだもぶつびゃくごうねんじて、 しんをして*了々りょうりょうならしめ、 びゅうらんおもいなく、 ぶんみょう*正住しょうじゅうにして、 こころくることまずしてびゃくごうねんずるものは、 もしは相好そうごう、 もしはることをずとも、 かくのごときひとは、 じゅうろくおく那由なゆごうしゃ塵数じんしゅこうしょうつみじょきゃくせん。

¬観仏経¼第二、「於↢一時↡分チテ↢少分↡、少分之中須臾ジテ↢仏白毫↡、令↢心ヲシテ了了ナラ↡、無↢謬乱想↡、分明正住ニシテコト↠意シテ↠息ズル↢白毫↡者、若シハ見↢相好↡、若シハトモ↠得↠見ルコトヲ、如↠是クノ、除↢却セム九十六億那由他恒河沙微塵数劫生死之罪↡。

^たとひまたひとありて、 ただびゃくごうきてこころきょうせず、 かん信受しんじゅせん。 このひともまたはちじゅう億劫おくこうしょうつみけん」 と。

復有リテ↠人、但聞キテ↢白毫↡心不↢驚疑↡、歓喜信受セム。此ケムト↢八十億劫生死之罪↡。」

^またのたまはく (観仏経)、 「ぶつ1061りたまひてのち三昧さんまいしょうじゅしてぶつ*ぎょうおもふものは、 また千劫せんごうごくじゅう悪業あくごうのぞかん」 と。 ぶつぎょうそうは、 かみ助念じょねん方法ほうほうもんのごとし。

又云、「仏去リタマヒテ↠世後、三昧正受ハム↢仏↡者、亦除カムト↢千劫極重悪業↡。」行歩、如↢上助念方法門

^またのたまはく (観仏経)、 「ぶつ*なんげたまはく、 ªなんぢ、 今日こんにちより如来にょらいたもちて、 あまねく弟子でしげよ。 ぶつめつのちに、 ぎょうぞうつくりて、 身相しんそうをしてそくせしめ、 またりょうぶつ色像しきぞうおよび*通身つうしんしきつくり、 および*ぶっしゃくえがき、 みょういとおよび*頗梨はりしゅをもつてびゃくごうところきて、 もろもろのしゅじょうをしてこのそうることをしめよ。 ただこのそうしんかんをなさば、 このひとひゃくおく那由なゆごうしゃこうしょうつみじょきゃくせんº」 と。

又云、「仏告ゲタマハク↢阿難↡、汝従↢今日↡持チテ↢如来↡、遍ゲヨ↢弟子↡。仏滅度、造リテ↢好形像↡、令1172↢身相ヲシテ具足↡、亦作↢无量化仏色像及通身↡、及↢仏跡↡、以↢微妙絲及頗梨珠キテ↢白毫↡、令メヨ↢諸衆生ヲシテ得↟見ルコトヲ↡。但見↢此↡心サバ↢歓喜↡、此除↢却セムト百億那由他恒河沙劫生死之↡。」

^またのたまはく (観仏経)、 「老女ろうにょの、 ぶつて、 邪見じゃけんにしてしんぜざるすら、 なほよくはちじゅう万億まんおくこうしょうつみじょきゃくしき。 いはんや、 またこころをもつてぎょう礼拝らいはいせんをや」 と。 *須達しゅだついえ老女ろうにょ因縁いんねんは、 かの ¬きょう¼ (同) にひろくがごとし。

又云、「老女↠仏、邪見ニシテルスラ↠信、猶能除↢却シキ八十万億劫生死之罪↡。況復善ヲモテ恭敬礼拝セムヲヤト。」須達老女因縁、如¬経¼広クガ

^またのたまはく (観仏経)、 「もろもろのぼんおよび*四部しぶ弟子でし*方等ほうどうきょうそしり、 ぎゃくざいつくり、 じゅうきんおかし、 そうもつぬすみ、 比丘びくいんし、 はっ戒斎かいさいやぶり、 もろもろのあくをなし、 種々しゅじゅ邪見じゃけんあらん。 かくのごときひと、 もしよくしんいたして一日いちにちいちねん在前ざいぜんして、 ぶつ如来にょらいいち相好そうごうかんぜば、 もろもろのあくざいしょうも、 みなことごとく尽滅じんめつしなん」 と1062

又云、「諸凡夫及四部弟子、謗↢方等経↡、作↢五逆罪↡、犯↢四重禁↡、偸↢僧祇物↡、婬↢比丘尼↡、破↢八戒斎↡、作↢諸悪事↡、種々邪見アラム。如↠是クノ人、若シテ↠心一日一夜繋念在前シテ、観ゼバ↢仏如来相好↡者、諸悪・罪障、皆悉尽滅シナムト。」

^またのたまはく (観仏経)、 「もしはぶつそん帰依きえすることあるもの、 もしはみなしょうするものは、 ひゃくせんごう煩悩ぼんのう重障じゅうしょうのぞく。 いかにいはんや、 しょうしん*念仏ねんぶつじょうしゅせんをや」 と。

又云、「若シハ↣帰↢依スルコト仏世尊↡者、若シハスル↠名、除↢百千劫煩悩重障↡。何正心セムヲヤトイヘリ↢念仏定↡。」

^¬*ほうしゃくきょう¼ のだいにのたまはく、 「宝珠ほうしゅあり、 種々しゅじゅしきづく。 大海だいかいのなかにあり、 りょうしゅはやながれありて大海だいかいるといへども、 しゅちからをもつてみずをしてしょうめつせしめて、 盈溢よういつせざらしむるがごとく、 かくのごとく*如来にょらいおうしょう等覚とうがくだいしょうしをはりて、 智火ちかちからによりて、 よくしゅじょう煩悩ぼんのうをしてしょうめつせしめたまふことも、 またかくのごとし。

¬宝積経¼第五、「如↪有↢宝珠↡、名↢種々色↢大海↡、雖↧有リテ↢無量衆多ハヤ流↡入ルト↦於大海↥、以↢珠火↡令メテ↢水ヲシテ銷滅↡、而シテ↩盈溢↨、如↠是クノ如来・応・正等覚↢菩提↡已リテ、由リテ↢智↡能メタマフコトモ↢衆生煩悩ヲシテ消滅↡、亦復如↠是クノ

^もしまたひとありて、 日々にちにちのうちにおいて如来にょらいみょうごうどくしょうせつせば、 このもろもろのしゅじょうはよく黒闇こくあんはなれて、 ぜんにまさにもろもろの煩悩ぼんのうくことをべし。 かくのごとくして ª南無なもぶつº としょうねんするもの、 ごうむなしからじ。 かくのごときごうを、 *だいりてよく煩悩ぼんのうくとづく」 と。

復有リテ↠人、於↢日々↡称↢説セバ如来名号功徳↡、是衆生レテ↢黒闇↡、漸次↠得↠焼コトヲ↢諸煩悩↡。如クシテ↠是クノ称↢念スル南無仏↡者、語業不↠空シカラ。如↠是クノ語業、名クト↧執リテ大炬↡能クト↦煩悩↥。」

^¬*遺日ゆいにち摩尼まにきょう¼ にのたまはく、 「さつは、 また数千しゅせん億万おくまんごう愛欲あいよくのなかにありてつみのためにおおはれたりといへども、 もしぶっきょうきて一反いっぺんぜんねんずれば、 つみすなはちしょうじんす」 と。 じょうのもろもろのもん滅罪めつざいなり。

¬遺日摩尼経1173¼云、「菩薩↧復数千巨億万劫在リテ↢愛欲↡為↠罪マヘリト↞覆、若キテ↢仏経↡一反ズレバ↠善、罪即スト。」已上滅罪ナリ

・生善

^¬*だいきょう¼ のだいにのたまはく、 「もし三千さんぜん大千だいせんかいのなかにてらんしゅおん斯陀しだごん阿那あなごん阿羅あらかんを、 もし善男ぜんなんぜんにょにん1063ありて、 もしは一劫いっこう、 もしは*げん一劫いっこう、 もろもろの種々しゅじゅ*しょう一切いっさいらくをもつて、 ぎょうそんじゅう*けんしてようせん。

¬大悲経¼第二、「若三千大千世界テラム↠中須陀洹・斯陀含・阿那含・阿羅漢、若リテ↢善男子・善女人↡、若シハ一劫、若シハ減一劫、以↢諸種々称意一切楽具↡恭敬尊重謙下シテ供養セム

^もしまたひとありて、 諸仏しょぶつみもとにして、 ただひとたびたなごころあわせ、 ひとたびみなしょうせん。 かくのごとき福徳ふくとくを、 さき福徳ふくとくくらぶるに、 ひゃくぶんにしていちにもおよばず。 ひゃく千億せんおくぶんにしていちにもおよばず。 *迦羅からぶんにしていちにもおよばず。 なにをもつてのゆゑに。 ぶつ如来にょらいはもろもろの*福田ふくでんのなかにさいじょうたるをもつてなり。 このゆゑにぶつするはだいどくじょうず」 と。

復有リテ↠人、於↢諸仏↡但タビ↠掌、一タビセム↠名。如↠是クノ福徳ブルニ↢前福徳↡、百分ニシテ不↠及↠一ニモ。百千億分ニシテ不↠及↠一ニモ。迦羅分ニシテ不↠及↠一ニモ。何テノ。以テナリ↣仏如来福田マシマ↢最无上↡。是スルハ↠仏ズト↢大功徳↡。」

^りゃくしてしょうす。 三千さんぜんかいてるびゃくぶつをもつて*校量きょうりょうすることまたしかり。

シテ。以↧満テル↢三千世界↡辟支仏↥挍量スルコト亦爾

^¬*ようきょう¼ のにのたまはく、

¬普曜経¼偈

^一切いっさいしゅじょうの、 縁覚えんがくとならんに、 もしようすること億数おくしゅこうにして、
飲食おんじきぶくじょう臥具がぐ*梼香とうこう雑香ざっこうおよび名華みょうけをもつてすることあらんも、

「一切衆生レラムヲ↢縁覚ラム↢供養スルコト億数劫ニシテ
飲食衣服床臥具梼香雑香及名華ヲモテスルコト

^もししんいちにしてじゅうゆびあざへ、 しんをもつぱらにしてみづからいち如来にょらいしたてまつり、
くちにみづからごんおこして ª南無なもぶつº といふことあらば、 このどくふくをばさいじょうなりとなす」 と。

↧一ニシテ↠心アザ↢十ニシテ↠心シタテマツリ↢一如来
シテ↠言南無仏トイフコト功徳ヲバ↢最上ナリト↡」

^¬*般舟はんじゅきょう¼ に念仏ねんぶつ三昧ざんまいにのたまはく、

¬般舟経¼説↢念仏三昧↡偈

^1064「たとひ一切いっさいみなぶつとなりて、 しょう清浄しょうじょうにして第一だいいちならん。
みな億劫おくこうよりそのしゅぐすまで、 いちどく講説こうせつし、

仮使 タトヒ 一切皆為リテ↠仏聖智清浄ニシテ慧第一ナラム
皆於↢億劫↡過グスマデ↢其講↢説スルコト一偈↡之功徳

^*泥洹ないおんいたるまで*ふく誦詠じゅようし、 しゅ億劫おくこうにことごとく嘆誦たんじゅすとも、
そのどくきわつくすことあたはじ。 この三昧さんまいいちにおいてするを、

ルマデ↢於泥洹↡誦↢詠無数億劫嘆誦ストモ
不↠能↣究↢尽スコト功徳↢是三昧一偈

^一切いっさい仏国ぶっこくのあらゆるほうぐうおよびじょうの、
なかにてらん珍宝ちんぽうをもつて布施ふせし、 もちゐてぶつ*てんちゅうてんようせんも、

一切仏国所有四方四隅及上下
テラム↠中珍宝布施トシテヰテ供↢養セム仏天中

^もしこの三昧さんまいくことあるものは、 その*福祐ふくゆうること、 かれにぎたらん。

*安諦あんたい*じゅ説講せっこうするものは、 たとへをくともどくたとふべからず」 と。

ラム↠聞クコト↢是三昧↡者ルコト↢其福祐↡過ギタラム↢於彼
安諦諷誦説講セム1174クトモ↠譬功徳不↠可カラ↠喩

^一仏いちぶつせつして*じんとなして、 一々いちいちじんりて、 またくだくこと、 いち仏刹ぶっせつ塵数じんじゅにおいてするがごとくして、 このいちじんをもつていち仏刹ぶっせつとなして、 そこばくの仏刹ぶっせつの、 なかにてらん珍宝ちんぽう諸仏しょぶつようせん。 これをもつてとなせり。 じょうしょうぜん

シテ↢一仏↡為シテ↠塵リテ↢一々↡、亦砕クコト、如クシテ↢一仏刹塵数ニオイテスルガ↡、以↢此一塵↡為↢一仏刹↡、若干ソコバク仏刹、満テラム↠中珍宝供↢養セム諸仏↡。以↠之↠比也。已上生善

・滅罪生善

^¬*諸仏しょぶつきょうがいきょう¼ にかく、 「もしもろもろのしゅじょうの、 如来にょらいえんじて、 もろもろのぎょうしょうずるものは、 しゅこうごくちくしょう餓鬼がきえんおうしょうだんず。 もししゅじょうありて、 一念いちねん*作意さいして如来にょらいえんずるものは、 所得しょとくどく限極げんごくあることなし1065称量しょうりょうすべからず。 ひゃくせん万億まんおく那由なゆのもろもろのだいさつの、 ことごとく不可ふか思議しぎだつじょうんも、 *きょうしてその辺際へんざいることあたはじ」 と。

¬度諸仏境界経¼説カク、「若衆生ジテ↢於如来↡生ズル↢諸↡者、断↢無数劫地獄・畜生・餓鬼・閻魔王↡。若リテ↢衆生↡、一念作意シテズル↢如来↡者、所得功徳無↠有ルコト↢限極↡。不↠可カラ↢称量↡。百千万億那由他大菩薩、悉タル↢不可思議解脱定↡、不↠能↣計挍シテルコト↢其辺際↡。」

^¬観仏かんぶつきょう¼ に、 「ぶつなんげたまはく、 ªわれはんしなんのちに、 諸天しょてんにん、 もしわがしょうし、 および «南無なも諸仏しょぶつ» としょうせば、 るところの福徳ふくとくりょうへんならん。 いはんやまたねんして諸仏しょぶつねんずるものは、 しかももろもろのしょう滅除めつじょせざらんやº」 と。 じょう滅罪めつざいしょうぜん。 そのかみしょうしゅ念仏ねんぶつもんのごとし。

¬観仏¼、「仏告ゲタマハク↢阿難↡、我涅槃シナム、諸天・世人、若↢我↡、ムハ↢南無諸仏↡、所↠獲福徳無量无辺ナラム。況復繋念シテゼム↢諸仏↡者、而ラム↣滅↢除障礙↡耶。」已上滅罪生善。其↢上正修念仏門

二 Ⅶ 冥得護持

【60】^だい*みょうとく護持ごじといふは、

第二トイフ護持者、

^¬*身呪しんじゅきょう¼ (意) にのたまはく、 「*さんじゅうろく神王しんのうに、 万億まんおく恒沙ごうじゃじんありて眷属けんぞくとなして、 *さんけたるものをまも」 と。

¬護身呪経¼云、「卅六部神王リテ↢万億恒沙鬼神↡為↢眷属↡、護ルト↧受ケタル↢三帰↡者↥。」

^¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「*こうしょうするときに、 この三昧さんまいたもてるさつは、 たとひこののなかにつとも、 すなはちためにめっしなんこと、 たとへば、 おおきなる*もたいみずの、 しょうめっするがごとし。

¬般舟経¼云、「劫尽壊焼セム、持タム↢是三昧↡菩薩者、正 使 タトヒ ツトモ↢是↡、火即シナムコトヘバ↣大ナルモタヒスルガ↢小火↡。

^ぶつばつ陀和だわげたまはく、 ªわがかたるところはあることなし。 このさつは、 この三昧さんまいたもてるに、 もしは帝王たいおう、 もしはぞく、 もしは、 もしはすい、 もしはりゅう、 もしはじゃ、 もしは*閲叉えつしゃじん、 もしは猛獣みょうじゅう もしはひとぜんやぶり、 ひとねんうばふものも、 たとひこのさつやぶらんとほっせば、 つひにやぶることあたはじº と。

仏告ゲタマハク↢跋陀和↡、我所語↠有ルコト↠異。是菩薩者、持タバ↢是三昧↡、若シハ帝王、若シハ賊、若シハ火、若シハ水、若シハ竜、若シハ蛇、若シハ閲叉・鬼神、若シハ猛獣、シハヤブ↢人↡奪フモノ↢人↡、設セバヤブラムト↢是菩薩↡者、終↠能ヤブラムコト

^ぶつののたまはく、 ªわ1066かたるところのごときはあることなし。 その宿命しゅくみょうをばのぞきて、 そのはよくやぶるものあることなしº」 と。

、如キハ↢我所語↡無↠有ルコト↠異。除キテ↢其宿命ヲバ↡、其シト↠有ルコト↢能ヤブ者↡。」

^ (般舟経) にのたまはく、

^じん*けんともにようし、 諸天しょてん人民にんみんもまたかくのごとくせん。
ならびに*須輪しゅりん摩睺まごろくも、 この三昧さんまいぎょうぜば、 かくのごときことをん。

「鬼神乾陀共擁護セム諸天人民亦如クセム↠是クノ
アハセテ阿須輪摩1175睺勒セムゼバ↢此三昧↡得↠如キコトヲ↠是クノ

^諸天しょてんことごとくともにそのとくめ、 てんにん竜神りゅうじん*けん陀羅だら
諸仏しょぶつも、 *嗟嘆しゃたんしてがんのごとくならしめたまはん。 きょうじゅきてひとのためにせんがゆゑなり。

諸天悉セム↢其天人竜神甄陀羅
諸仏嗟嘆シテメタマハム↠如クナラ↠願諷↢誦キテ↣経↡為ニセムガ↠人ナリ

^国々くにぐにあひちてたみ荒乱こうらんし、 きんしきりにいたりて苦窮くぐいだくとも、
つひにそのいのち*中夭ちゅうようせじ。 よくこのきょうじゅしてひとするものは、

国々相民荒乱飢饉シキリイタクトモ↢苦窮
不↣於↢其シテ↡化セム↠人

^ゆうみょうにしてもろもろの魔事まじ*降伏ごうぶくし、 しんおそるるところなくいよだたじ。
そのどくぎょう不可ふかならん。 この三昧さんまいぎょうずるものは、 かくのごときことをん」 と。

勇猛ニシテ降↢伏セム魔事↢所畏↡毛不↠竪
功徳行不可議ナラムゼバ↢此三昧↡得ムト↠如キコトヲ↠是クノ

^¬*十住じゅうじゅうしゃ¼ に、 これらのもんきをはりていはく、 「ただ*業報ごうほうかならずくべきものをばのぞく」 と、 云々うんぬん

¬十住婆¼引↢此等↡已リテ、「唯除クト↢業報必↠受ヲバ↡」云々

^¬*じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

¬十二仏名経¼偈

^「もしひとぶつみなたもてば、 しゅおよび*じゅん
1067行住ぎょうじゅう坐臥ざがところに、 その便たよりをることあたはじ」 と。

「若人持テバ↢仏衆魔及波旬
行住坐臥↠能↠得ルコト↢其便↡」

二 Ⅶ 現身見仏

【61】^だいさん*現身げんしん見仏けんぶつといふは、

第三現身タテマツルトイフ者、

^¬*文殊もんじゅ般若はんにゃきょう¼ のかんにのたまはく、 「ぶつののたまはく、 ªもし善男ぜんなんぜん女人にょにん*いちぎょう三昧ざんまいらんとおもはば、 *空閑くうげんしょしてもろもろのらんて、 *そうみょうらずして、 しん一仏いちぶつけて、 もつぱらみょうしょうすべし。 ぶつ*方所ほうしょしたがひてなおくしてただしくかひて、 よく一仏いちぶつにおいて念々ねんねん相続そうぞくせよ。 すなはちねんのうちにおいて、 よく過去かこらい現在げんざい諸仏しょぶつたてまつらんº」 と。

¬文殊般若経¼下巻、「仏、若善男子・善女人欲ハバ↠入ラムト↢一行三昧↡、応↧処シテ空閑↡捨↢諸乱意↡、不シテ↠取↢相貌↡繋ケテ↢心一仏↡、専↦名字↥。随ヒテ↢仏方所ナホクシテ↠身シクシテヒテ、能↢一仏↡念々相続セヨ。即↡、能タテマツラムトイヘリ↢過去・未来・現在諸仏↡。」

^どうぜん (*善導) しゃくしていはく (*礼讃・意)、 「しゅじょうさわりおもくして、 かんじょうじゅしがたし。 ここをもつてだいしょう (釈尊) れんして、 ただもつぱらみょうしょうせよとすすめたまふ」 と。

導禅師釈シテ、「衆生障重クシテ、観難↢成↡。是大聖悲憐シテ、直メタマフト↣専セヨト↢名字↡。」

^¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「さきかざるところのきょうかんを、 このさつ、 この三昧さんまいたもてるじんをもつて、 ゆめのうちにことごとくみづからそのきょうかんて、 おのおのことごとく、 ことごとくきょうかん。 もしちゅうじつずは、 もしはよるゆめのうちにしてことごとくぶつたてまつることをん。

¬般舟経¼云、「前↠不↠聞経巻、是菩薩持↢是三昧↡威神、夢↢其経巻↡、各々悉見、悉カム↢経↡。若昼日↠得者、若シハ夜於↢夢↡悉↠見タテマツルコトヲ↠仏

^ぶつばつ陀和だわげたまはく、 ªもしは一劫いっこう、 もしは一劫いっこうぎて、 われ、 このさつの、 この三昧さんまいたもてるものをき、 そのどくかんに、 つくしをはるべからず。 いかにいはんや、 よくこの三昧さんまいもとたるものをや1068º」 と。

仏告ゲタマハク↢跋陀和↡、若シハ一劫、若シハギテ↢一劫↡、我説↧是菩薩タム↢是三昧↡者↥、説カムニ↢其功徳↡、不↠可カラ↢尽↡。何ムト↢是三昧1176↡者ヲヤト。」

^またどうきょうにのたまはく、

又同ジキ¬経¼偈

^*弥陀みだくにさつの、 *央数おうしゅひゃくせんぶつたてまつるがごとく、
この三昧さんまいたるさつもしかなり。 まさにしゅひゃくせんぶつたてまつるべし。

「如↣阿弥陀菩薩タテマツルガ↢无央数百千
タル↢是三昧↡菩薩ナリ↠見タテマツル↢無数百千

^それこの三昧さんまい誦受じゅじゅすることあらば、 すでにまのあたりひゃくせんぶつたてまつるとなす。
たとひさいだい恐懼くくにおいても、 この三昧さんまいたもたばおそるるところなからん」 と。

ラム↣誦↢受スルコト三昧マノアタタテマツラム↢百千
仮使 タトヒ 最後大恐懼ニオイテモタバ↢此三昧↡無ムト↠所↠畏ルル

^¬*念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう¼ のだいにのたまはく、

¬念仏三昧経¼第九

^「もしはことごとく一切いっさいぶつ現在げんざいらいおよび十方じっぽうんとほっし、
あるいはまた*みょう法輪ほうりんてんずることをもとめんには、 またづこの三昧さんまいしゅじゅうせよ」 と。

「若セバタテマツリ↢一切現在・未来及十方
イハ復求メムゼムコトヲ↢妙法輪亦先修↢習セヨト三昧↡」

^¬じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

¬十二仏名経¼偈

^「もしひとよくしんいたして、 七日しちにちぶつじゅせば、
清浄しょうじょうまなこて、 よくりょうぶつたてまつらん」 と。

「若人能シテ↠心七日誦セバ↢仏
↢於清浄タテマツラムト↢無量↡」

二 Ⅶ 当来勝利

106962】^だい*当来とうらいしょうといふは、

第四当来勝利トイフ者、

・離悪趣

^¬*ごん¼ のにのたまはく、

¬華厳¼偈

^「もし如来にょらいしょうどくをもねんじ、 ない一念いちねんしんにも専仰せんごうしたてまつらば、
もろもろの悪道あくどうおそれ、 ことごとくながのぞこり、 げんはここにおいてよくふかさとれり」 と。 げん天王てんのうじゅなり。

「若↢如来功徳乃至一念ニモ専仰セムハ
悪道コリナム智眼↠此レリト
智眼天王ナリ

^¬般舟はんじゅきょう¼ のにのたまはく、

¬般舟経¼偈

^「そのひとつひにごくせじ。 餓鬼がきどうおよびちくしょうはなれん。
世々せせうまるるところにて宿命しゅくみょうらん。 この三昧さんまいがくせば、 かくのごときことをてん」 と。

「其人終不↠堕↢地獄レム↢餓鬼道及畜生
世々↠生レムラム↢宿命セバ三昧↡得テムト↠如キコトヲ↠是クノ

^¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「もししゅじょうありて、 ひとたびも仏身ぶっしんの、 かみのごときどく相好そうごうこうみょうかば、 億々おくおくせんこうにも悪道あくどうちず、 邪見じゃけんぞうところうまれず、 つねにしょうけんて、 勤修ごんしゅすることまざらん。 ただぶつみなくに、 かくのごときふく。 いかにいはんや、 ねん観仏かんぶつ三昧ざんまいけんをや」 と。

¬観仏経¼云、「若リテ↢衆生↡一タビモカバ↢仏身↠上功徳・相好・光明↡、億々千劫不↠堕↢悪道不↠生↢邪見・雑穢之処↢正見↡、勤修シテラム↠息。但聞クニ↢仏↡、獲↢如↠是クノ↡。何ズルヲヤト。」

^¬*安楽あんらくしゅう¼ (上) にいはく、 「¬*大集だいじっきょう¼ にのたまはく、 ª諸仏しょぶつでたまふに、 しゅほうありて、 しゅじょうしたまふ。 なんらをかとなす。

¬安楽集¼云、「¬大集経¼云、諸仏出デタマフニ↠世、有リテ↢四種法↡度シタマフ↢衆生↡。何等ヲカ↠四

^いちには、 くちじゅうきょうきたまふ。 すなはちこれ、 ほうをもつてしゅじょうしたまふなり。

者口キタマフ↢十二部経↡。即是法施ヲモテシタマフナリ↢衆生↡。

^には1070諸仏しょぶつ如来にょらいにはりょうこうみょう相好そうごうまします。 一切いっさいしゅじょう、 ただよくしんけて観察かんざつすれば、 やくずといふことなし。 すなはちこれ、 身業しんごうをもつてしゅじょうするなり。

者諸仏如来↢無量光明・相好↡。一切衆生1177、但能ケテ↠心観察スレバ、无↠不トイフコト獲↠益。即是身業ヲモテスルナリ↢衆生↡。

^さんには、 りょう徳用とくゆう神通じんずう道力どうりき種々しゅじゅ神変じんぺんまします。 すなはちこれ、 神通じんずう道力どうりきをもつてしゅじょうするなり。

者有↢無量徳用・神通道力・種々神変↡。即是神通道力ヲモテスルナリ↢衆生↡。

^には、 諸仏しょぶつ如来にょらいにはりょうみょうごうまします。 もしはそう、 もしはべつなり。 それしゅじょうありて、 しんけてしょうねんすれば、 さわりのぞき、 やくて、 みな仏前ぶつぜんうまれずといふことなし。 すなはちこれ、 みょうごうをもつてしゅじょうするなりº」 と。

者諸仏如来↢無量名号↡。若シハ総若シハナリ。其リテ↢衆生↡繋ケテ↠心称念、莫↠不トイフコト↣除↠障↠益皆生↢仏前↡。即是名号ヲモテスルナリ↢衆生↡。」

^*あるがいはく、 「¬*しょうぼうねんぎょう¼ にこのもんあり」 と。

ルガ、「¬正法念経¼有リト↢此文↡。」

^¬じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

¬十二仏名経¼偈

^「もしひとぶつみなたもてば、 *こうにゃくしんしょうぜず、
智慧ちえありて*諂曲てんごくなきは、 つねに諸仏しょぶつまえにあり。

「若人持↢仏不↠生↢怯弱
アリテ↢諂曲↡↢諸仏

^もしひとぶつみなたもてば、 七宝しっぽうはなのなかにしょうず。
そのはな千億せんおくようにして、 こうそうそくせり」 と。

人持テバ↢仏七宝
華千億ニシテアリテ威光相具足セリト

^じょう諸文しょもんなが悪趣あくしゅはなれてじょうおうじょうするなり

已上諸文、永レテ↢悪趣↡往↢生ルナリ浄土

・得菩提

^¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「もしよくしんいたして、 ねんうちにあり、 *たん*しょうじゅしてぶつ色身しきしんかんぜば、 まさにるべし、 このひとしんぶつしんのごとくにして1071ぶつことなることなからん。 煩悩ぼんのうありといへども、 もろもろのあくのために*へいせられじ。 らい大法だいほうあめあめふらさん」 と。

¬観仏経¼云、「若シテ↠心、繋念在↠内、端坐正受シテムハ↢仏色身↡、当↠知、是↢仏与↠仏無↠異ナルコト。雖↠在リト↢煩悩↡不↧為↢諸↡之所↦覆蔽↥。於未来世ムト↢大法↡。」

^¬*だいじゅう念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう¼ のだいしちにのたまはく、 「まさにるべし、 かくのごとき念仏ねんぶつ三昧ざんまいは、 すなはち一切いっさい諸法しょほうそうしょうすることをなす。 このゆゑに、 かのしょうもん縁覚えんがくじょうきょうがいにあらず。 もしひと、 しばらくもこのほうくをかば、 このひと*当来とうらいけつじょうしてぶつになることうたがいあることなからん」 と。

¬大集念仏三昧経¼第七、「当↠知、如↠是クノ念仏三昧、則↣総↢摂スルコトヲ一切諸法↡。是↢彼声聞・縁覚、二乗境界↡。若人暫カム↠説カム↢此↡者、是当来決定シテラムコト↠仏ムト↠有ルコト↠疑也。」

^だいにのたまはく (大集経)、 「ただよくみみにこの三昧さんまいかば、 たとひどくせずじゅせず、 じゅせずせず、 しゅせずじゅうせず、 のためにてんぜず、 のためにかず、 またひろ分別ふんべつしゃくすることあたはずとも、 しかもかのもろもろの善男ぜんなんぜん女人にょにん、 みなまさにだい*のくだいじょうじゅすべし」 と。

第九、「但能キテ↢此三昧↡、仮令 タトヒ 不↠読不↠誦、不↠受不↠持、不↠修不↠習、不↢為↠他↡、不↢為↠他↡、亦復不トモ↠能↢広分別スルコト↡、然善男子・善女人、皆当シト↣次第成↢阿耨菩提↡。」

^どうにのたまはく、

ジキ

^「もしもろもろのみょうそう円満えんまんし、 もろもろのこうじょうしょうごんそくせんとおもひ、
および清浄しょうじょうところてんしょうすることをもとめんものは、 かならずづこの三昧さんまいじゅせよ」 と。

ハバ円↢満妙相具↢足好上荘厳
メム1178↩生スルコトヲ清浄受↢持セヨト三昧↡」

^またある ¬きょう¼ (*倶舎論) にのたまはく、

又有¬経¼言

^「もしぶつ福田ふくでんにおいて、 よくしょうぶんぜんゑつれば、
1072はじめには*しょう善趣ぜんしゅのちにはかならずはん」 と。

「若↢仏福田ヱツレバ↢少分
ニハ獲↢勝善趣ニハ↢涅槃↡」

^¬*だい般若はんにゃきょう¼ にのたまはく、 「ぶつうやまおもふによりて、 かならずしょうでてはんいたる。 これをきて、 ないぶつようせんがために、 いっをもつてくうさんずるもまたかくのごとし。 またこれをきて、 もし善男ぜんなんぜん女人にょにんとうしもひとたび ª南無なもぶっだい慈悲じひしゃº としょうするにいたらば、 この善男ぜんなんぜん女人にょにんとうは、 しょうきわきわむるまで善根ぜんごんくることなくして、 てんにんのなかにしてつねにらくけ、 ないさいには*はつはんん」 と。

¬大般若経¼云、「依リテスルニ↠仏、必デテ↢生死↡至↢涅槃キテ↠此、乃至為↣供↢養セムガ↡以↢一華↡散ズルモ↢虚空↡亦如↠是クノ。又置キテ↠此善男子・善女人等、下至ルマデセム↣一タビスルニ↢南謨仏陀大慈悲者善男子・善女人等、窮ムルマデ↢生死↡善根無クシテ↠尽クルコト、於↢天人↡恒↢富楽↡、乃至最後ニハムト↢般涅槃↡。」

^りゃくしてしょうす。 ¬だいきょう¼ のだい、 これにおなじ。 ¬ほうしゃくきょう¼ 以下いげなり。

シテ。¬大悲経¼第二、同↠之。¬宝積経¼已下麁

^¬ほうしゃくきょう¼ にのたまはく、 「もししゅじょうありて、 如来にょらいみもとにしてぜんおこさば、 *さいつくすまで*ひっきょうじてせず」 と。

¬宝積経¼云、「リテ↢衆生↡於↢如来↡起↢微善↡者、尽スマデ↢於苦際↡畢竟ジテ↠壊。」

^またのたまはく (宝積経)、 「もしさつありて、 *しょうぎょうをもつてよくわがところにおいてちちおもいおこさば、 かのひとはまさに如来にょらいかずることをて、 わがごとくにしてことなることなからん」 と。

又云、「若リテ↢菩薩↡、以↢勝意楽↡能↢我↢父↡、彼↠入ルコトヲ↢如来クシテ↠我ムト↠異ナルコト。」

^¬じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

¬十二仏名経¼偈

^「もしひとぶつみなたもたば、 世々せせしょしょうところに、
*身通しんつうをもつてくうあそび、 よくへんせついたりて、

「若人持ムハ↢仏世々所生
身通ヲモテ↢虚空リテ↢無辺

^まのあたり諸仏しょぶつたてまつりて、 よく甚深じんじんふ。
1073ために*みょうほうきて、 かれに*だいさずけたまふ」 と。

マノアタタテマツリテ↢於諸仏↢甚深
キテ↢微妙ケタマフト↢彼菩提↡」

^¬*法華ほけきょう¼ のにのたまはく、

¬法華経¼偈

^「もしひと散乱さんらんしんにして、 *とうびょうのなかにり、
ひとたび ª南無なもぶつº としょうすれば、 みなすでに仏道ぶつどうじょうず」 と。

「若人散乱ニシテ↢於塔廟
タビセシ↢南無仏皆已リニキ↢仏道↡」

^¬だいきょう¼ のだいさんに、 「ぶつなんげたまはく、 ªもししゅじょうありて、 ぶつみなかば、 われかく、 «この人は*畢定ひつじょうしてまさにはつはんることをべし»º」 と。

¬大悲経¼第三、「仏告ゲタマハク↢阿難↡、若リテ↢衆生↡聞カバ↢仏↡者、我説カク、是畢定シテシト↠得↠入ルコトヲ↢般涅槃↡。」

^¬ごんぎょう¼ の法幢ほうどうさつにのたまはく、

¬華厳経¼法幢菩薩

^「もしもろもろのしゅじょうありて、 いまだ提心だいしんおこさざらんも、
ひとたびぶつみなくことをば、 けつじょうしてだいじょうぜん」 と。

「若リテ↢諸衆生↡ラム↠発↢菩提心
タビ↠聞クコトヲ↢仏決定シテムト↢菩提↡」

^じょうのもろもろのもんだいることなり。

已上文、得ルコトナリ↢菩提

^ただみょうごうくすら、 *しょうかくのごとし。 いはんやしばらくも相好そうごうどく観念かんねんし、 あるいはまたいっいっこうようせんをや。 いはんやいっしょう勤修ごんしゅするどく、 つひにむなしからじ。 すなはちりぬ、 仏法ぶっぽうひ、 仏号ぶつごうくことは、 これしょうえんにあらず。

但聞スラ↢名号↡勝利如↠是クノ。況1179観↢念相好・功徳↡、或イハ復供↢養セムヲヤ一華・一香↡。況一生勤修セム功徳、終不↠虚シカラ。則リヌ、値↢仏法↡、聞クコトハ↢仏号↡、非↢是少縁↡。

^このゆゑに ¬ごんぎょう¼ の真実しんじつさつにのたまはく、

¬華厳経¼真実慧菩薩

^「むしろごくくとも、 諸仏しょぶつみなくことをよ。
1074りょうらくくとも、 ぶつみなかざることなかれ」 と。

「寧ケテ↢地獄↠聞クコトヲ↢諸仏
↧受ケテ↢無量而不ハアラ↞聞↢仏↡」

^じょう*もんは、 そうじて諸仏しょぶつねんずるやくかす。 そのなかに、 ¬観仏かんぶつきょう¼ にはしゃをもつてはじめとなす。 ¬般舟はんじゅきょう¼ はおお弥陀みだをもつてはじめとなす。 じつにはともに一切いっさい諸仏しょぶつつうず。 ¬*念仏ねんぶつきょう¼ はさん諸仏しょぶつつうず。

已上、総ジテ↧念ズル↢諸仏↡之利益↥。其¬観仏経ニハ¼以↢釈迦↡為ハジメ。¬般舟経¼多↢弥陀↡為↠首。理実ニハ↢一切諸仏↡。¬念仏経¼通↢三世諸仏↡。

 ^ふ。 ¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「このひとしんは、 ぶつしんのごとくにして、 ぶつことなることなし」 と。

。¬観仏経¼云、「是↠仏与↠仏無シト↠異ナルコト。」

^また ¬*かんぎょう¼ にのたまはく、 「ぶつなんげたまはく、 ª諸仏しょぶつはこれ法界ほうかいしんなり、 一切いっさいしゅじょう心想しんそうのうちにりたまふ。 このゆゑに、 なんぢらしんぶつおもとき、 このしんすなはちこれさんじゅうそうはちじゅうずいぎょうこうなり。 しんぶつる。 しんこれぶつなり。 諸仏しょぶつしょうへんかいは、 心想しんそうよりしょうじたまふº」 と。

又¬観経¼云、「仏告ゲタマハク↢阿難↡、諸是法界ナリ、入リタマフ↢一切衆生心想之中↡。是汝等ナムダチ↠仏時、是心即是卅二相・八十随形好ナリ。是心作↠仏。是心是仏ナリ。諸仏正遍知海、従↢心想↡生ジタマフトイヘリ。」

^このいかん。

義云何

^こたふ。 ¬おうじょうろん¼ (天親の浄土論)*こうの ¬しょ¼ にこのもんしゃくしていはく、 「しゅじょうしんぶつおもときあたりて、 ぶつ身相しんそうみなしゅじょうしんのなかに顕現けんげんす。 たとへば、 みずきよければすなはち色像しきぞうげんず。 しかもみずぞうとは、 いちならずならざるがごとし。 ゆゑにいふ、 ぶつ相好そうごうしんは、 すなはちこれ心想しんそうなりと。

。¬往生論¼智光¬疏¼釈シテ↢此↡云、「当リテ↢衆生↠仏↡、仏相皆顕↢現衆生↡。譬ヘバ↢水清レバ色像現↠像不↠一ナラルガ↟異ナラ。故、仏相好、即是心ナリト

^ªしんぶつº とは、 しんよくぶつるなり。 ªしんぶつº とは、 しんがほかにぶつなきなり。 たとへば、 よりづれども、 はな1075ることをず、 はなれざるをもつてのゆゑに、 すなはちよくきてとなる。 けば、 すなはちこれたるがごとし」 と。

是心作仏者心能ルナリ↠仏。是心是仏者心キナリ↠仏。譬ヘバシト↢火↠木出ヅレドモ不↠得↠離ルルコトヲ↠木、以テノ↠不ルヲ↠離↠木、即キテ↠木↠火キツルハ↠木、即是火ルガ↡。」

^またしゃくあり。 学者がくしゃさらにかんがへよ。

亦有↢余釈↡。学者更ヘヨ

^わたくしにいはく、 ¬大集だいじつきょう¼ の 「日蔵にちぞうぶん(意) にのたまはく、 「ぎょうじゃ、 このねんをなさく、 これらの諸仏しょぶつりてきたるところなし。 りていたるところなし。 ただわがしんなり。 三界さんがいのなかにおいて、 このしん因縁いんねんなり。 ただこれしんなり。

、¬大集経¼「日蔵分」云、「行者作サク↢是↡、是等諸仏↠所↢従↡。去リテ↠所↠至。唯1180ナリ。於↢三界↡、是因縁唯是心ナリ

^われ、 *覚観かくかんしたがひて、 ほっすればしょうほっすればしょうる。 諸仏しょぶつ如来にょらいは、 すなはちこれわがしんなり。 なにをもつてのゆゑに。 しんしたがひてるがゆゑに。 しん、 すなはちわがしんなり。 すなはちこれくうなり。

我随ヒテ↢覚観↡欲スレバ↠多見↠多、欲スレバ↠少↠少。諸仏如来是我ナリ。何テノ。随ヒテ↠心ルガ。心即ナリ。即是虚空ナリ

^われ、 覚観かくかんによりてりょうぶつたてまつる。 われ、 覚心かくしんをもつてぶつたてまつり、 ぶつる。 しんしんず、 しんしんらず。 われ、 法界ほうかいかんずるに、 しょうろうなることなし。 一切いっさい諸仏しょぶつはみな覚観かくかん因縁いんねんよりうまれたまふ。 このゆゑに、 ほっしょうはすなはちこれくうなり、 くうしょうもまたこれくうなり」 と。

我因リテ↢覚観↡見タテマツル↢無量↡。我以↢覚心↡、見タテマツリ↠仏↠仏。心不↠見↠心、心不↠知↠心。我観ズルニ↢法界↡、性無↢牢固ナルコト↡。一切諸仏皆従↢覚観因縁↡而生レタマフ。是法性是虚空ナリ、虚空之性亦復是空ナリト。」

^このもんこころ ¬かんぎょう¼ におなじ。 こう (智光)しゃくまたたがふことなし。

意同↢¬観経¼↡。光師釈亦無↠違フコト

 ^ふ。 しんぶつることをるに、 なんのしょうかある。

。知ルニ↢心作ルコトヲ↟仏、有↢何勝利↡。

^こたふ。 もしこのかんずれば、 よくさん一切いっさい仏法ぶっぽうりょうす。 ないひとたびもかば、 すなはちさん1076なんだつすることを

。若ズレバ↢此↡、能↢三世一切仏法↡。乃至一タビモクニ、即得↣解↢脱スルコトヲ三途苦難↡。

^¬ごんぎょう¼ の如来にょらいりんさつにのたまふがごとし。

↢¬華厳経¼如来林菩薩フガ↡。

^「もしひとさん一切いっさいぶつらんとよくせば、
まさにかくのごとくかんずべし。 しんもろもろの如来にょらいつくる」 と。

「若人欲↣求セバラムト三世一切
↢如↠是クノ心造ルト↢諸如来↡」

^¬*ごんでん¼ にいはく、 「*文明ぶんめい元年がんねんに、 *けいにんしょうおう、 そのしっせり。 すでにかいぎょうなく、 かつてぜんしゅせず。 やまいによりていたす。 にんかれてごくもんまえいたりぬ。

¬華厳¼曰、「文明元年、京師人、姓王、失セリ↢其↡。既↢戒行↡不↠修↠善。因リテヤマヒ↠死。被↢二人↡至リヌ↢地獄↡。

^ればいちそうあり。 これ*ぞうさつなりといふ。 すなはちおうおしへて、 *このいちじゅせしむ。 これにかたらひていはく、 ªこのじゅては、 よくごくはらひてんº と。

レバ↢一僧↡。云↢是地蔵菩薩ナリ↡。乃ヘテ↢王氏↡、誦セシム↢此↡。カタラヒテ↠之、誦↢得テハ↡能ヒテムト↢地獄↡。

^おうつひにりてえんおうまみゆ。 おう、 このひとふ、 ªどくありやº と。 こたへていはく、 ªただいち四句しくじゅせりº と。 つぶさにかみくがごとし。 ˆえんˇ おう、 つひに ˆおうをˇ *放勉ゆるしつ。

王氏遂リテマミ↢閻羅王↡。王問↢此↡、有ヤト↢功徳↡。答ヘテ唯受↢持セリト四句↡。具↢上クガ↡。王遂ナホ放勉 マノカ レヌ

^このじゅするときあたりて、 こえおよぶところのじゅにんはみなだつすることをつ。 おうさんにちありてはじめてよみがえりぬ。

リテ↧誦スル↢此↡時↥、声受苦之人皆得↢解脱スルコトヲ↡。王氏、三日アリテリヌ

^この*おくして、 もろもろの沙門しゃもんかひてこれをく。 もんげんするに、 まさにりぬ、 これ ¬ごんぎょう¼ のだいじゅうかんの ª夜摩やまてんりょうしょさつうんじゅう説法せっぽうぼんº なり。 おうみづから、 空観くうかん1077そうじょうほっかひて、 きてしかりといふ」 と。

憶↢持シテ↡、向ヒテ↢諸沙門↡説キテ↠之リヌ、是¬華厳経¼第十二巻夜摩天宮無量諸1181菩薩雲集説法品ナリ。王氏自ヒテ↢空観寺僧定法師↡、説キテフト↠然リト也。」

二 Ⅶ 弥陀別益

【63】^だい弥陀みだねんずる別益べつやくをいはば、

第五ズル↢弥陀↡別ヲイハバ者、

^ぎょうじゃをしてそのしんけつじょうせしめんがためのゆゑに、 べつにこれをかす。 滅罪めつざいしょうぜんみょうとく護持ごじ現身げんしん見仏けんぶつしょうらいしょうとは、 いでのごとし。

↠令メムガ↢行者ヲシテ心決定↡故、別↠之滅罪生善冥得護現身見仏将来勝利↠次デノ

・滅罪生善

^¬かんぎょう¼ の*像想ぞうそうかんきてのたまはく、 「このかんをなすものは、 りょう億劫おくこうしょうつみのぞきて、 現身げんしんのなかに念仏ねんぶつ三昧ざんまい」 と。

¬観経¼キテ↢像想観↡云、「作↢是↡者、除キテ↢無量億劫生死之罪↡、於現身↢念仏三昧↡。」

^またのたまはく (観経)、 「ただぶつ (阿弥陀仏)みなさつ (観音・勢至)みなくに、 りょうこうしょうつみのぞく。 いかにいはんや憶念おくねんせんをや」 と。

又云、「但聞クニ↢仏名二菩薩↡、除↢無量劫生死之罪↡。何憶念セムヲヤト。」

^またのたまはく (観経)、 「ただ仏像ぶつぞうおもふに、 りょうふく。 いはんやまたぶつそくせる身相しんそうかんぜんをや」 と。

又云、「但想フニ↢仏像↡得↢無量↡。況復観ゼムヲヤト↢仏具足身相↡。」

^¬*弥陀みだゆいきょう¼ にのたまはく、 「もし転輪てんりんのう千万せんまんざいのうちにてんてる七宝しっぽうをもつて十方じっぽう諸仏しょぶつ布施ふせせんも、 *苾蒭びっしゅ*苾蒭びっしゅ優婆うばそく優婆うばとうの、 ひとたび*だんするあひだもぜんして、 びょうどうしんをもつて一切いっさいしゅじょう憐愍れんみんして、 弥陀みだぶつねんずるどくにはしかじ」 と。 じょう滅罪めつざいしょうぜん

¬阿弥陀思惟経¼云、「若転輪王、千万歳↢四天下↡七宝ヲモテ布↢施シタテマツラムハ十方諸仏↡、不↠如↧苾蒭・苾蒭尼・優婆塞・優婆夷等、一タビ弾指セム坐禅シテ、以↢平等心↡憐↢愍シテ一切衆生↡、念ゼム↢阿弥陀仏↡功徳ニハ↥。」已上滅罪生善

・冥得護持

^¬*しょうさんじょうきょう¼ にのたまはく、 「あるいは善男ぜんなん、 あるいはぜん女人にょにんりょう寿じゅ極楽ごくらくかい清浄しょうじょうぶつどくしょうごんにおいて、 もしはすでにがんおこし、 もしはまさにがんおこすべく、 もしはいまがんおこすは、 かならずかくのごとく、 十方じっぽうめんじゅうしたま1078へるじゅうごうしゃ諸仏しょぶつそんの、 しょうじゅしたまふところたらん。 せつのごとくぎょうずるものは、 一切いっさいさだめてのくだいにおいて退転たいてんせざることを一切いっさいさだめてりょう寿じゅぶつ極楽ごくらくかいうまれん」 と。

¬称讃浄土経¼云、「或イハ善男子或イハ善女人於↢無量寿極楽世界清浄仏土功徳荘厳↡、若シハ↠願、若シハ↠発↠願、若シハ今発スハ↠願、必ラム↧如↠是クノシタマヘル↢十方↡十兢伽沙諸仏世尊之所↦摂受シタマフ↥。如↠説ズル、一切定メテ↢阿耨菩提↡得↠不ルコトヲ↢退転↡。一切定メテレムト↢無量寿仏極楽世界↡。」

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「こうみょうあまねく十方じっぽうかい念仏ねんぶつしゅじょうらして、 摂取せっしゅしててたまはず」 と。

¬観経¼云、「光明遍シテ↢十方世界念仏衆生↡、摂取シテ↠捨テタマハ。」

^またのたまはく (観経)、 「りょう寿じゅぶつしんしゅにして、 かんおん大勢だいせいと、 つねにこのぎょうにんところらいしたまふ」 と。

又云、「無量寿仏化身無数ニシテ、与↢観世音・大勢至↡常来↢至シタマフト行人之所↡。」

^¬*じゅうおうじょうきょう¼ (意) に、 しゃくそん弥陀みだぶつどくこくしょうごんとうきをはりてのたまはく、 「*しょうしん*しょう信女しんにょ、 このきょう読誦どくじゅし、 このきょう流布るふし、 このきょうぎょうし、 このきょうほうぜず、 このきょうしんぎょうし、 このきょうようせん。

¬十往生経¼釈尊説↢阿弥陀仏功徳・国土1182荘厳等↡已リテ、「清信士・清信女、読↢誦↡、流↢布↡、恭↢敬↡、不↠謗↢是↡、信↢楽↡、供↢養

^かくのごときひとともがらは、 このしんきょうによりて、 われ、 今日こんにちよりつねにさきじゅうさつをしてこのひと護持ごじせしめ、 つねにこのひとをしてやまいなくなやみなく、 あく悪神あくじん、 またちゅうがいせず。 またこれをなやまさず、 また便たよりをざらしめん」 と。

↠是クノ、縁リテ↢是信敬↡、我従↢今日↡常使↣前廿五菩薩ヲシテ護↢持使メムヲシテ↠病無カラ悪鬼・悪神、亦不↢中害↡。亦不↠悩マサ↠之、亦不↠得↠便。」

^じょうない*すい行住ぎょうじゅうしょところ、 みなことごとく安穏あんのんならしめん、 云々うんぬん

已上乃至睡寤・行住・所至之処、皆悉安穏ナラシメ、云々

^*とう (中国)しょのいはく、 「じゅうさつ弥陀みだぶつねんじ、 おうじょうねがふものをようせん」 と。 これまたかの ¬きょう¼ (十往生経)こころたがはず。

唐土諸師、廿五菩薩擁↧護セムトイヘリ↢阿弥陀仏↡、願↢往生↡者↥。 此亦不↠違↢彼¬経¼意↡也。

^じゅうさつとは、 かんおんさつ大勢だいせいさつ薬王やくおうさつやくじょうさつげんさつほうざいさつ師子しし1079さつ陀羅だらさつくうぞうさつ徳蔵とくぞうさつ宝蔵ほうぞうさつ金蔵こんぞうさつ金剛こんごうぞうさつこうみょうおうさつ山海さんかいさつごんおうさつ衆宝しゅぼうおうさつ月光がっこうおうさつにっしょうおうさつ三昧さんまいおうさつじょうざいおうさつだいざいおうさつびゃく象王ぞうおうさつだいとくおうさつ辺身へんしんさつなり。

廿五菩薩者、観世音菩薩・大勢至菩薩・薬王菩薩・薬上菩薩・普賢菩薩・法自在菩薩・師子吼菩薩・陀羅尼菩薩・虚空蔵菩薩・徳蔵菩薩・宝蔵菩薩・金蔵菩薩・金剛蔵菩薩・光明王菩薩・山海慧菩薩・華厳王菩薩・衆宝王菩薩・月光王菩薩・日照王菩薩・三昧王菩薩・定自在王菩薩・大自在王菩薩・白象王菩薩・大威徳王菩薩・无辺身菩薩也

^¬*双巻そうかんぎょう¼ (大経・上) に、 かのぶつ本願ほんがん (第三十七願) にのたまはく、 「諸天しょてん人民にんみん、 わがみょうきて、 たいげて、 稽首けいしゅらいをなして、 かんしんぎょうして、 さつぎょうしゅせば、 諸天しょてんにんきょういたさずといふことなからん。 もししからずは、 しょうがくらじ」 と。 じょうみょうとく護持ごじ

¬双巻経¼彼本願、「諸天・人民、聞キテ↢我名字↡、五体ゲテ↠地、稽首シテ↠礼、歓喜信楽シテ、修セバ↢菩薩↡、諸天・世人、莫↠不トイフコト↠致↠敬。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。」已上冥得護持

・見仏

^*¬大集だいじつきょう¼ の 「げんぶん」 にのたまはく、 「善男ぜんなんぜん女人にょにんたんねんし、 しんをもつぱらにして、 かの弥陀みだ如来にょらいおう*とうしょうがくおもひ、 かくのごとき相好そうごう、 かくのごとき*威儀いぎ、 かくのごとき大衆だいしゅ、 かくのごとき説法せっぽうを、 くがごとくねんし、 一心いっしん相続そうぞくしてだいみだれず、 あるいは一日いちにち、 あるいはまたいちせん。 かくのごとくして、 あるいは七日しちにちいたるまで、 わが所聞しょもんのごとくそくしてねんぜんがゆゑに、 このひと、 かならず弥陀みだ如来にょらいおうとうしょうがくたてまつらん。

¬大集経¼「賢護分」云、「善男子・善女人、端坐繋念ニシテ↠心↢彼阿弥陀如来・応供・、如↠是クノ相好、如↠是クノ威儀、如↠是クノ大衆、如↠是クノ説法、如シテ↠聞クガ繋念一心相続シテ次第不↠乱、或イハ経↢一日↡、或イハ復一夜クシテ↠是クノイハルマデ↢七日七夜↡、如↢我所聞↡具足シテゼムガ、是人、必タテマツラム↢阿弥陀如来・応供・等正覚↡。

^もしひるときたてまつることあたはずは、 もしはぶんにおいて、 あるいはゆめのうちに、 弥陀みだぶつはかならずまさにげんじたまふべし」 と。

於昼↠能↠見タテマツルコト者、若シハ↢夜分↡、或イハマレ、阿弥陀仏シト↠現ジタマフ也。」

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「けんびゃくごうるものは、 はち1080まんせん相好そうごうねんにまさにつべし。 りょう寿じゅぶつるものは、 すなはち十方じっぽうりょう諸仏しょぶつたてまつるなり。 十方じっぽうりょう諸仏しょぶつたてまつることをるがゆゑに、 諸仏しょぶつ現前げんぜんじゅせん。 これをあまねく一切いっさい色相しきそうかんずとなす」 と。 じょう見仏けんぶつ

¬観経¼云、「見↢眉間白毫↡者、八万四千相好、自然↠見1183。見↢無量寿仏↡者、即タテマツルナリ↢十方無量諸仏↡。得ルガ↠見タテマツルコトヲ十方無量諸仏↡故、諸仏現前授記セム。是↣遍ズト↢一切色相↡。」已上見仏

・将来勝利

^¬*おんじょうおうきょう¼ にのたまはく、 「じゅうにちじゅうろくねんをもつぱらにし、 たいげてかのぶつ*らいきょうし、 けんしょうねんにしてことごとく散乱さんらんのぞき、 もしはよくしんねんじ、 念々ねんねんえずは、 じゅうにちのうちにかならずかの弥陀みだぶつたてまつることを*ならびに十方じっぽうかい如来にょらいおよびしょじゅうところたてまつらん。 ただ重障じゅうしょう鈍根どんこんひとをばのぞく。

¬鼓音声王経¼云、「十日十夜、六時ニシ↠念、五体ゲテ↠地礼↢敬↡、堅固正念ニシテ↢散乱↡、若シハ心念々↠絶、十日之中テムタテマツルコトヲ↢彼阿弥陀仏↡、アハセルコトヲ十方世界如来及所住↥。唯↢重障・鈍根之人ヲバ↡。

^いまのしょうにおいてたてまつることあたはざるところなり。 一切いっさいのもろもろのぜんをみなことごとくこうして、 安楽あんらくかいおうじょうすることをんとがんぜば、 おわらんとするに、 弥陀みだぶつ、 もろもろの大衆だいしゅとそのひとまえげんじて、 *あん*しょうぜんしたまはん。 このひと、 すなはちのときにはなはだきょうえつをなさん。 この因縁いんねんをもつて、 その所願しょがんのごとく、 すなはちおうじょうすることをん」 と。

↢今少時↡所ナリトモ↠不↠能↠覩タテマツルコト一切皆悉廻向シテ、願ゼバ↠得ムト↣往↢生スルコトヲ安楽世界↡、↠終ラムト之日、阿弥陀仏与↢諸大衆↡現ジテ↢其↡、安称善シタマハム。是人即チノサム↢慶悦↡。以↢是因縁↡、如↢其所願↡、即ムト↢往生スルコトヲ↡。」

^¬*びょう等覚どうがくきょう¼ (三) にのたまはく、 「ぶつののたまはく、 ªかならずまさに斎戒さいかいして、 一心いっしん清浄しょうじょうにしてちゅうにつねにねんじ、 りょう清浄しょうじょうぶつくにうまれんとおもひて、 じゅうにちじゅう断絶だんぜつせざるべし。 われ、 みなこれを1081みんして、 ことごとくりょう清浄しょうじょうぶつくにしょうぜしめんº」 と。 ない一日いちにちいちもまたかくのごとし。 あるいは、 このもんをもつてしもしょぎょうもんのなかにくべし。

¬平等覚経¼云、「仏、要↧斎戒シテ一心清浄ニシテ昼夜、欲ヒテ↠生レムト↢無量清浄仏↡、十日十夜不↦断絶↥。我皆慈↢愍シテ↡、悉メムト↠生↢無量清浄仏↡。」乃至一日一夜亦如↠是クノ。或イハ、可↧以↢此↡置↦下諸行門

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)にのたまはく、

¬双巻経¼偈

^そのぶつ本願ほんがんりきありて、 みなきておうじょうせんとおもへば、
みなことごとくかのくにいたりて、 おのづから退転たいてんいたる」 と。

「其本願力アリテ↠名フハ↢往生セムト
皆悉リテ↢彼ルト↢不退転↡」

^¬かんぎょう¼ のぼん上生じょうしょうにんは、 命終みょうじゅうときのぞみて、 *たなごころあわあざへて 「南無なも弥陀みだぶつ」 としょうすれば、 ぶつみなしょうするがゆゑに、 じゅう億劫おくこうしょうつみのぞき、 ぶつしりえしたがひて、 ほうのなかにうまる。

¬観経¼下品上生、臨ミテ↢命終↡、合↠掌アザヘテ↠手スレバ↢南無阿弥陀仏↡、称スルガ↢仏↡故、除↢五十億劫生死之罪1184↡、従ヒテ↢化仏↡、生↢宝池↡。

^おなじきほん中生ちゅうしょうにんは、 命終みょうじゅうときのぞみて、 ごくみょういちにともにいたらんに、 弥陀みだぶつじゅうりきとくこうみょう神力じんりきかいじょうだつけんけば、 はちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞき、 ごくみょうして清涼しょうりょうかぜとなりて、 もろもろのてんはなく。 はなうえにみなぶつさつましまして、 このひとこうしょうして、 すなはちおうじょうすることをしめたまふ。

ジキ中生、臨命終、地獄猛火一時キテ↢弥陀仏十力威徳、光明神力、戒・定・慧・解脱・知見↡、除↢八十億劫生死之罪↡、地獄猛火化シテリテ↢清涼↡、吹↢諸↡。華皆有シテ↢化仏・菩薩↡、迎↢接シテ↡、即シメタマフ↢往生スルコトヲ↡。

^おなじきほんしょうにんは、 命終みょうじゅうときのぞみて、 められてぶつねんずることあたはず。 ぜんおしえしたがひて、 ただしんいたしてこえをしてえざらしめ、 じゅうねんそくして 「南無なもりょう寿じゅぶつ」 としょうすれば、 ぶつみなしょうするがゆゑに、 念々ねんねんのうちにはちじゅう1082億劫おくこうしょうつみのぞき、 一念いちねんのあひだのごときにすなはちおうじょうすることを

ジキ下生、臨ミテ↢命終↡、苦レテ不↠能↠念ズル↠仏。随ヒテ↢善友↡、但シテ↠心↢声ヲシテ↟絶、具↢足シテ十念↡称スレバ↢南無無量寿仏↡、称スルガ↢仏↡故、於念々↢八十億劫生死之罪↡、如キニ↢一念アヒダ↡即↢往生スルコトヲ↡。

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・上) に、 かのぶつ本願ほんがんにのたまはく、 「ª諸仏しょぶつかいしゅじょうたぐい、 わがみょうきて、 さつしょう法忍ぼうにん、 もろもろの深総じんそうずといはば、 しょうがくらじº (第三十四願) と。 ªほうこくのもろもろのさつしゅ、 わがみょうきて、 すなはち退転たいてんいたることをずといはば、 しょうがくらじº (第四十七願)」 と。

¬双巻経¼、彼本願、「諸仏世界衆生之類、聞キテ↢我名字↡、不トイハバ↠得↢菩薩無生法忍、諸深総持↡者、不↠取↢正覚↡。他方国土菩薩衆、聞キテ↢我名字↡、不トイハバ得↟至ルコトヲ↢不退転↡者、不↠取↢正覚↡。」

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「もしぶつねんずるものは、 まさにるべし、 このひとはこれにんちゅうふん陀利だりなり。 かんおんさつ大勢だいせいさつ、 そのしょうとならん。 まさにどうじょうし、 諸仏しょぶついえうまるべし」 と。 じょうしょうらいしょうなり。 かみべつ念仏ねんぶつもんのごとし。

¬観経¼云、「若ズル↠仏、当↠知、此是人中分陀利華ナリ。観世音菩薩・大菩薩、為ラム↢其勝友↡。当シト↧坐↢道場↡、生↦諸仏↥。」已上将来勝利ナリ。余↢上別時念仏門

二 Ⅶ 引例勧信

【64】^だいろく*引例いんれい勧信かんしんといふは、

第六引例勧信トイフ者、

^¬観仏かんぶつきょう¼ のだい(意) に、 ぶつ、 もろもろの*しゃくげてのたまはく、 「*毘婆尸びばしぶつ像法ぞうぼうのうちにいちちょうじゃありき、 づけて月徳がっとくといひき。 ひゃくありき、 おなじくおもやまいへり。

¬観仏経¼第三、仏告ゲテ↢諸釈子↡言フハ、「毘婆尸仏像法リキ↢一長者↡、名ケテヒキ↢月徳↡。有リキ↢五百子↡、同ジクヘリ↢重↡。

^ちちまえいたりて涕涙ているいがっしょうして、 もろもろのかたらひていはく、 ªなんぢら、 邪見じゃけんにしてしょうぼうしんぜず。 いまじょうかたな、 なんぢがむとも、 なんのたのむところありとかせん。 ぶつそんまします、 毘婆尸びばしづく。 なんぢ、 ぶつしょうすべしº と。

リテ↢子↡涕涙合掌シテ、語ラヒテ↢諸↡言ヒシ、汝等邪見ニシテ不↠信↢正法↡。今無常刀截トモ↢何アリトカタノ。有↢仏世尊↡、名↢毘婆尸↡。汝可シト↠称↠仏

^1083ろもろのきをはりて、 そのちちうやまふがゆゑに ª南無なもぶつº としょうしき。 ちちまたげていはく、 ªなんぢ、 ほうしょうすべし、 なんぢ、 そうしょうすべしº と。

子聞リテ、敬フガ↢其↡故シキ↢南無仏↡。父復告ゲテ、汝可↠称↠法、汝可シト↠称↠僧

^いまだたびしょうするにおよばずして、 その命終みょうじゅうしき。 ぶつしょうせしをもつてのゆゑに天王てんのうところうまれき。 てんじょう寿じゅきて、 さき邪見じゃけんごうをもつてだいごくちき。 獄率ごくそつせつ熱鉄ねつてつひしをもつてそのまなこやぶりき。 このけしときに、 ちちちょうじゃきょうせしところのおくして、 ぶつねんぜしをもつてのゆゑに、 かえりてにんちゅうしょうじき。

シテ↠及↢三タビスルニ↡、其子命終シキ。以テノ↠称セシヲ↠仏レキ↢四1185天王↡。天上寿尽キテ、前邪見ヲモテチキ↢大地獄↡。獄卒羅刹以↢熱鉄ヒシ↡刺ヤブリキ↡。受ケシ↢是↡時、憶シテ↧父長者↢教誨セシ↡事↥、以テノ↠念ゼシヲ↠仏、還リテジキ↢人中↡。

^*尸棄しきぶつでたまへりしに、 ただぶつみなきて、 ぶつかたちたてまつらざりき。 ない*しょうぶつときにもまたそのみなきき。 *六仏ろくぶつみなきし因縁いんねんをもつてのゆゑに、 われ (釈尊)おなじくしょうぜり。

尸棄仏デタマヘリシニ、但聞キテ↢仏↡、不リキ↠覩タテマツラ↢仏↡。乃至迦葉仏ニモ亦聞キキ↢其↡。以テノ↧聞キシ↢六仏↡因縁↥故、与↠我同ジクゼリ

^このもろもろの比丘びくぜんときに、 悪心あくしんをもつてのゆゑにぶつしょうぼうほうぜしも、 ただちちのためのゆゑに ª南無なもぶつº としょうせしをもつて、 生々しょうじょうにつねに諸仏しょぶつみなくことをないこんにわがでたるにぐうして、 もろもろのさわりのぞこるがゆゑに阿羅あらかんとなれり」 と。

比丘、前世之時、以テノ↢悪心↡故ジキ↢仏正法但為↠父セシヲモテ↢南無仏↡、生々得↠聞クコトヲ↢諸仏↡、乃至今世値↢遇シテデタルニ↡、諸障除コルガレリト↢阿羅漢↡。」

^またのたまはく (観仏経・意)、 「*燃灯ねんとうぶつ末法まっぽうのうちにいちかんありき。 そのせん弟子でしかんせつきて、 しん瞋恨しんごんしょうじき。 寿じゅ*修短しゅたんしたがひておのおの命終みょうじゅうせんとほっせしに、 かんおしへて ª南無なも諸仏しょぶつº としょうせしめき。 すで1084ぶつしょうしをはりてとうてんしょうずることをてき。 らいにまさにぶつることをべし、 南無なもこうしょうごうせん」 と。

又云、「燃灯仏末法之中リキ↢一羅漢↡。其弟子聞キテ↢羅漢↡、心ジキ↢瞋恨↡。随ヒテ↢寿修短セシニ↢命終ムト↡、羅漢教ヘテセシメキ↢南無諸仏↡。既↠仏リテテキ↠生ズルコトヲ↢忉利天↡。↢未来世↡当↠得↠作ルコトヲ↠仏セムト↢南無光照↡。」

^だい七巻しちかん (観仏経・意) に、 *文殊もんじゅみづからけり、 過去かこほうとくぶつぐう礼拝らいはいせしことを。 「そのときに、 *しゃもんぶつさんじてのたまはく、 ªきかな、 きかな。 文殊もんじゅ師利しり、 すなはちむかしときひとたびぶつらいせしがゆゑに、 そこばくのしゅ諸仏しょぶつふことをてき。 いかにいはんや、 らいにわがもろもろの弟子でしの、 つとめてぶつかんずるものをやº と。

第七巻、文殊自カク於値↢遇礼↣拝シキ過去宝威徳仏↡。「爾、釈迦文仏讃ジテ、善哉善哉。文殊師利、乃タビセシガ↠仏スラ、得テキ↠値フコトヲ爾許ソコバク無数諸仏↡。何未来弟子、勤メテゼム↠仏ヲヤト

^ぶつなんちょくしたまはく、 ªなんぢ、 文殊もんじゅ師利しりたもちて、 あまねく大衆だいしゅおよびらいしゅじょうげよ。 もしはよく礼拝らいはいするもの、 もしはよくぶつねんずるもの、 もしはよくぶつかんずるもの、 まさにるべし、 このひとは、 文殊もんじゅ師利しりひとしくしてことなることあることなからん。 てて、 他世たせに、 文殊もんじゅ師利しりとうのもろもろのだいさつ、 その和上わじょうとなりたまはんº」 と。

仏勅シタマハク↢阿難↡、汝持チテ↢文殊師利コト↡、遍ゲヨ↢大衆及未来世衆生↡。若シハ礼拝スル者、若シハズル↠仏者、シハズル↠仏者、当↠知、此与↢文殊師利↡等シクシテ↠有ルコト↠異ナルコト。捨テテ↠身他世文殊師利等大菩薩、為リタマハムト↢其和上↡。」

^またのたまはく (観仏経・意)、 「ときに、 十方じっぽうぶつきたりて*跏趺かふしてしたまへり。 東方とうぼう善徳ぜんとくぶつ大衆だいしゅげてのたまはく、 ªわれ、 過去かこりょうときおもへば、 ぶつの、 でたまへることありき。 ほうとく上王じょうおうぶつごうしき。

又云、「時十方仏来リテ跏趺シテシタマヘリ。東方善徳仏告ゲテ↢大1186↡言、我念ヘバ↢過去無量世↡、有リキ↢仏デタマヘルコト↟世。号シキ↢宝威徳上王↡。

^とき比丘びくありき。 弟子でし*仏塔ぶっとう往詣おうげいして、 仏像ぶつぞう礼拝らいはいしき。 いち宝像ほうぞう厳顕ごんけんにしてかんじつべきをて、 らいしをはりて、 あきらかに1085て、 きて讃嘆さんだんしき。 のちとき命終みょうじゅうして、 ことごとく東方とうぼうほうとく上王じょうおうぶつくにうまれて、 だいれんのなかにけっ趺坐ふざして、 忽然こつねんとして化生けしょうしき。

リキ↢比丘↡。与↢九弟子↡往↢詣シテ仏塔↡、礼↢拝シキ仏像↡。見↢一宝像厳顕ニシテキヲ↟観ジツ、礼リテ、説キテ↠偈讃嘆シキ。後命終シテ、悉レテ↢東方宝威徳上王仏↡、大蓮華シテ結跏趺坐シテ、忽然化生シキ

^これより以後のち、 つねにぶつふことを諸仏しょぶつみもとにしてきよ*梵行ぼんぎょうしゅし、 念仏ねんぶつ三昧ざんまいてき。 三昧さんまいをはりしかば、 ぶつ、 ためにじゅしたまひき。 «十方じっぽうめんにおのおのぶつになることをん» と。

↠此已後、恒↠値フコトヲ、於↢諸仏↡浄↢梵行↡、得テキ↢念仏三昧↡。得↢三昧↡已リシカバ、仏為授記シタマヒキ。於十方ムト↠成ルコトヲ↠仏

^東方とうぼう善徳ぜんとくぶつはすなはちわがこれなり。 東南方とうなんぽう無憂むうとくぶつ南方なんぽう栴檀せんだんとくぶつ西南方さいなんぽうほうぶつ西方さいほうりょうみょうぶつ西北方さいほっぽうとくぶつ北方ほっぽう相徳そうとくぶつ東北方とうほっぽうさん乗行じょうぎょうぶつじょうほう広衆徳こうしゅとくぶつほう明徳みょうとくぶつ、 かくのごときじゅうぶつは、 過去かことうらいし、 ぞうかんじ、 一をもつて讃嘆さんだんせるによりて、 いま十方じっぽうにしておのおのぶつになることをたるなりº と。

東方善徳仏者則身是ナリ。東南方憂徳仏、南方旃檀徳仏、西南方宝施仏、西方無量明仏、西北方華徳仏、北方相徳仏、東北方三乗行仏、上方広衆徳仏、下方明徳仏ナリ↠是クノ十仏、由リテ↢過去↠塔、観↠像、一偈ヲモテ讃嘆セルニ↡、今於↢十方タルナリト↠成ルコトヲ↠仏

^このきをはりて、 しゃもんぶつ問訊もんじんしたまふ。 すでに問訊もんじんしをはりて、 だいこうみょうはなちて、 おのおの本国ほんごくかえりたまひぬ」 と。

↢是コト↡已リテ、問↢訊シタマフ釈迦文仏↡。既問訊リテ、放チテ↢大光明↡、リタマヒヌト↢本国↡。」

^またのたまはく (観仏経)、 「*ぶつそんそらよりくだりてしゃもんぶつゆかして、 さんじてのたまはく、 ªきかな、 きかな。 すなはちよくらいとき濁悪じょくあくしゅじょうのために、 さんぶつびゃくごうこうみょうきて、 もろもろのしゅじょうをしてざいめっすることをしめたまふ。

又云、「四仏世尊従↠空而下リテシテ↢釈迦文仏↡、讃、善哉善哉。乃↢於未来之時濁悪衆生↡、説キテ↢三世白毫↡、令メタマフ↢諸衆生ヲシテ得↟滅スルコトヲ↢罪咎↡。

^所以ゆえんはいかん。 われ昔曽むかしをおもんみれば、 空王くうおうぶつみもとにしてしゅっしてどうがくしき。 とき1086比丘びくあり。 ともに同学どうがくとなりて、 ぶつしょうぼうならひき。 煩悩ぼんのうしんおおひて、 かた仏法ぶっぽう宝蔵ほうぞうたもつことあたはず、 ぜんごうおおくして、 まさに悪道あくどうつべし。

所以者何オモンミレバ↢我昔↡、ムカシ空王仏ニシテ出家シテシキ↠道。時比丘アリリテ↢同学↡、習ヒキ↢仏正法↡。煩悩覆ヒテ↠心、不シテ↠能↣堅ツコト↢仏法宝蔵↡、多クシテ↢不善業↡、当カリ↢悪道↡。

^くうちゅうこえありて、 比丘びくかたりていはく、 «空王くうおう如来にょらいはまた*はんしたまひにき。 なんぢが所犯しょぼんすくふものなしとおもへりといへども、 なんぢら、 いまとうりてぞうかんずべし。 ぶつざいひとしくしてあることなからん» と。

リテ↠声、語リテ↢比丘↡言、空王如来↢復涅槃シタマヒニキ之所1187ヘリト↟無シト↢救者↡、汝等今可↢入リテ↠塔↟像。与↢仏在世↡等シクシテムト↠有ルコト↠異。

^われ、 そらこえしたがひてとうり、 ぞうけんびゃくごうかんじて、 すなはちこのねんをなさく、 «如来にょらいざいこうみょう色身しきしんは、 これとなんぞことならん。 ぶつ大人相だいにんそうねがはくはわがつみのぞきたまへ» と。 このをなしをはりて、 大山だいせんくずるるがごとくにしてたいげて、 もろもろのつみさんしき。

我従ヒテ↢空↡入↠塔、観ジテ↢像眉間白毫↡、即サク↢是↡、如来在世光明色身、与↠此何ナラム。仏大人相、願クハキタマヘト↢我↡。作↢是コト↡已リテ、如クニシテ↢大山ルルガ↡五体ゲテ↠地、懴↢悔シキ↡。

^これより以後のちはちじゅうおくそうこう悪道あくどうちず、 生々しょうじょうにつねに十方じっぽう諸仏しょぶつたてまつり、 諸仏しょぶつみもとにして甚深じんじん念仏ねんぶつ三昧ざんまいじゅしき。 三昧さんまいをはりて、 諸仏しょぶつ現前げんぜんして、 われに*べつさずけたまひき。

↠是已後、八十億阿僧祇劫リキ↠堕↢悪道↡、生々タテマツリ↢十方諸仏↢諸仏↡受↢持シキ甚深念仏三昧↡。得↢三昧↡已リテ、諸仏現前、授ケタマヒキ↢我記別↡。

^東方とうぼうみょうこく*しゅくぶつは、 すなはち第一だいいち比丘びくこれなり。 南方なんぽうかんこく宝相ほうそうぶつは、 すなはちだい比丘びくこれなり。 西方さいほう極楽ごくらくこくりょう寿じゅぶつは、 だいさん比丘びくこれなり。 北方ほっぽうれんしょうごんこくみょうしょうぶつは、 だい比丘びくこれなりº と。

東方妙喜国阿閦仏、即第一比丘是ナリ。南方歓喜国宝相仏、即第二比丘是ナリ。西方極楽国無量寿仏、第三比丘是ナリ。北方蓮華荘厳国微妙声仏、第四比丘是ナリト

^ときに、 如来にょらいおのおのみぎみてべて、 なんいただきで、 げて1087のたまはく、 ªなんぢ、 ぶつたもちて、 ひろらいのもろもろのしゅじょうのためにけº と。 たびこれをきをはりて、 おのおのこうみょうはなちて、 本国ほんごくげんしたまひにき」 と。

如来ベテ↢右↡、↢阿難↡、告ゲテ、汝持チテ↢仏語↡、広↢未来衆生↡説ケト。三タビタマフコト↠此リテチテ↢光明↡、還↢帰シタマヒニキト本国↡。」

^またのたまはく (観仏経)、 「財首ざいしゅさつぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 われ過去かこりょうときおもへば、 ぶつそんましましき、 またしゃ牟尼むにづけたてまつりき。 かのぶつめついちおうありき、 づけて金幢こんどうといひき。 きょうまん邪見じゃけんにしてしょうぼうしんぜざりき。 *しき比丘びくありき、 じょうざいづくるもの、 おうげていはく、 «仏像ぶつぞうまします、 衆宝しゅぼうをもつて*厳飾ごんじきせり。 しばらくとうりて、 ぶつぎょうぞうかんずべし» と。

又云、「財首菩薩白シテ、世尊、我念ハバ↢過去無量世↡、シキ↢仏世尊↡、亦名ケタテマツリキ↢釈迦牟↡。彼滅後リキ↢一王子↡、名ケテヒキ↢金幢↡。憍慢邪見ニシテリキ↠信↢正法↡。知識比丘クルモノ↢定自在↡、告ゲテ↢王子↡言ヒシ、世↢仏像↡、衆宝ヲモテ厳飾セリ。可シト↣暫リテ↠塔↢仏形像↡。

^ときにかのおうぜんしたがひて、 とうりてぞうかんじき。 ぞう相好そうごうて、 比丘びくにまうさく、 «仏像ぶつぞう端厳たんごんなること、 なほかくのごとし。 いはんやぶつ真身しんしんをや» と。 比丘びくげていはく、 «なんぢ、 いまぞうるに、 らいすることあたはずは、 まさに "南無なもぶつ" としょうすべし» と。

王子随ヒテ↢善友コト↡、入リテ↠塔ジキ↠像。見↢像相好↡、白シテ比丘、仏像端厳ナルコト猶尚如↠此クノ。況真身ヲヤト。比丘告ゲテヒシ、汝今見ルニ↠像、不↠能スルコト者、当シト↠称↢南無仏1188↡。

^このときに、 おうがっしょうぎょうして、 "南無なもぶつ" としょうしき。 かえりて、 ねんけてとうのなかのぞうねんずるに、 すなはち*後夜ごやゆめ仏像ぶつぞうき。 仏像ぶつぞうしがゆゑに、 しんおおきにかんし、 邪見じゃけんしゃして、 三宝さんぼう帰依きえしき。

、王子合掌恭敬シテシキ↢南無仏↡。還リテ↠宮、繋ケテ↠念ズルニ↢塔↡、即於後夜↢仏像↡。見シガ↢仏像↡故、心大歓喜、捨↢離レテ邪見↡、帰↢依シキ三宝↡。

^寿じゅみょうおわるにしたがひて、 さきとうりて "南無なもぶつ" としょうせし因縁いんねんどくによりて、 ひゃく1088万億まんおく那由なゆぶつひて、 甚深じんじん念仏ねんぶつ三昧ざんまい*逮得たいとくせり。 三昧さんまいりきのゆゑに、 諸仏しょぶつ現前げんぜんして、 それがためにさずけたまひき。 これよりこのかた百万ひゃくまんそうこう悪道あくどうせざりき。 ない今日こんにち甚深じんじん*しゅりょうごん三昧ざんまい獲得ぎゃくとくせり。 そのときおうは、 いまのわれ、 財首ざいしゅこれなりº」 と。

ヒテ↢寿命終ルニ↡、由リテ↧前リテ↠塔セシ↢南無仏↡因縁功徳↥、値ヒテ↢九百万億那由他↡、逮↢得セリ甚深念仏三昧↡。三昧力、諸仏現前シテ↠其ケタマヒキ↠記。従↠是已来百万阿僧祇劫、不リキ↠堕↢悪道↡。乃至今日、獲↢得セリ甚深首楞厳三昧↡。爾王子、今我、財首是也。」

^またのたまはく (観仏経)、 「ぶつののたまはく、 ªわれ、 *賢劫げんごうのもろもろのさつと、 むかし過去かこ栴檀窟せんだんくつぶつみもとにして、 この諸仏しょぶつ色身しきしんへん観仏かんぶつ三昧ざんまいかいけり。 この因縁いんねんどくりきをもつてのゆゑに、 ひゃく万億まんおくそうこうしょうつみ超越ちょうおつして、 この賢劫げんごうにしてだいぶつになる。 かくのごとく、 十方じっぽうりょう諸仏しょぶつもみなこのほうによりて*さんだいじょうじたまふº」 と。

又云、「仏、我与↢賢劫菩薩↡、ムカシ↢過去旃檀窟仏↡、聞キテ↢是諸仏色身・変化、観仏三昧海テノ↢是因縁功徳力↡故、超↢越シテ九百万億阿僧祇劫生死之罪↡、於↢此賢劫↡次第↠仏↠是クノ、十方無量諸仏皆由リテ↢此↡成ジタマフト↢三菩提↡。」

^¬*しょうきょう¼ (意) にのたまはく、 「むかし過去かこおんそうこうに、 ぶつでたまへることありき。 ごうしてこうみょうとまうしき。 *にゅうはんのちに、 いちさつありき。 だいしょうじんづけき。 としはじめてじゅうろくにして、 *婆羅ばらもんしゅなり。 たんじょうなることならびなし。

¬迦葉経¼云、「昔過去久遠阿僧祇劫、有リキ↢仏出デタマヘルコト↟世。号シテシキ↢光明↡。入涅槃、有リキ↢一菩薩↡。ケキ↢大精進↡。年始メテ十六ニシテ、婆羅門種トシテ端正ナルコトナラビ

^いち比丘びくありて、 白畳びゃくじょううえぶつぎょうぞうえがきて、 たもちてしょうじんあたへき。 しょうじんそうて、 しんおおきにかんして、 かくのごときごんをなさく、 ª如来にょらいぎょうぞうすら妙好みょうこうなること、 なほしかり。 いはんやまたぶつしんをや。 ねがはくは、 われ、 らいにまたかくのごとき妙身みょうしんじょうじゅすることをんº と。

リテ↢一比丘↡、於白畳キテ↢仏形像↡、持チテヘキ↢精進↡。精進見↠像心大歓喜シテ、作サク↢如↠是クノコト↡、如来形像スラ妙好ナルコトナホ。況復仏ヲヤ。願クハ我、未来亦得ムト↣成↢就スルコトヲ↠是クノ妙身↡。

^いひをはりて1089ねんすらく、 ªわれもしいえにあらば、 このることかたしº と。 すなはち父母ぶもにまうして、 あわれみをもとめ、 しゅっせんとせしに、 父母ぶもこたへていはく、 ªわれいまとしいたり、 ただなんぢいっあるのみ。 なんぢもししゅっしなば、 われらまさにぬべしº と。

リテ思念セシ、我若ラバ↠家、此カタケム↠得ルコト。即マウシテ↢父母↡、求シキ出家セムコトヲ↡。父母答ヘテ、我今年老イタリ、唯汝一子アルノミナリ。汝若出家シナバ、我1189等当シト↠死

^父母ぶもにまうさく、 ªもしわれをゆるしたまはずは、 われ今日こんにちよりおんせじ、 じきせじ、 じょうのぼらじ、 また言説ごんせつせじº と。 このちかいをなしをはりて、 一日いちにちじきせずして、 すなはち六日ろくにちいたる。 父母ぶもしき八万はちまんせんのもろもろの*婇女さいにょとうどうきゅうして、 だいしょうじんらいして、 いでしゅっゆるしき。

子白サク↢父母↡、若ユルシタマハ↠我者、我従↢今日↡不↠飲、不↠食、不↠昇↢床座↡、亦不↢言説↡。作↢是↡已リテ、一日不シテ↠食、乃至六日マデニス。父母・知識・八万四千婇女等、同時悲泣シテ、礼シテ↢大精進↡、ギテユルシキ↢出家↡。

^すでにしゅっすることをぞうしてやまり、 くさりてとなし、 ぞうまえにありてけっ趺坐ふざし、 一心いっしんにあきらかにかんぜり。 ªこのぞう如来にょらいことならず。 ぞうかくにあらず、 にあらず。 一切いっさい諸法しょほうもまたかくのごとし。 そうなく、 そうはなれたり。 たいしょうくうじゃくなりº と。

↢出家コトヲ↡、持シテ↠像↠山リテ↠草↠座、在リテ↢画像↡結跏趺坐、一心、観ジキ画像ルコトヲナラ↢如来↡。像者↠覚、非↠知。一切諸法亦復如↠是クノ。无↠相、離レタリ↠相。体性空寂ナリト

^このかんをなしをはりてにちて、 *つうじょうじゅし、 *りょうそくし、 *無礙むげべん*こう三昧ざんまいて、 だいこうみょうせり。

↢是↡已リテ↢於日夜↡、成↢就五通↡、具↢无量↡、得↢无礙↡、得↢普光三昧↡、具↢大光明

^じょう天眼てんげんをもつて東方とうぼうそうぶつたてまつり、 じょうてんをもつてぶつ所説しょせつきて、 ことごとくよくちょうじゅしき。 七月しちがつ満足まんぞくするまで、 をもつてじきとなしき。 一切いっさい諸天しょてんはなさんじてようしき。

↢浄天眼↡見タテマツリ↢於東方阿僧祇↡、以↢浄天耳↡聞キテ↢仏所説↡、悉聴受シキ。満↢足スルマデ七月↡、以↠智↠食。一切諸天散ジテ↠華供養シキ

^やまよりでて村落そんらくらいして、 ひとのためにほう1090くに、 まんしゅじょう提心だいしんおこし、 りょうそうにんは、 しょうもん縁覚えんがくどくじゅうし、 父母ぶも親眷しんけんもみな、 *退たいじょうだいじゅうしき。

シテ↠山而出デテ来↢至シテ村落↡、為↠人↠法、二万衆生発↢菩提心↡、无量阿僧祇↢於声聞・縁覚功徳父母・親眷、皆住シキ↢不退無上菩提↡。

^ぶつしょうげたまはく、 ªむかしだいしょうじんは、 いまのわがこれなり。 このぞうかんぜしによりて、 いまぶつになることをたり。 もしひとありて、 よくかくのごときかんがくせば、 らいにかならずまさに*じょうどうじょうずべしº」 と。

仏告ゲタマハク↢迦葉↡、昔大精進、今身是ナリ。由リテ↢此ゼシニ↟像、今得タリ↠成ルコトヲ↠仏。若リテ↠人能セバ↢如↠此クノ↡、未来シトイヘリ↠成↢无上道↡。」

^¬*譬喩ひゆきょう¼ のだいにのたまはく、 「むかし比丘びくありき。 そのははせんとほっせしに、 ははすでにみょうしぬ。 すなはち*道眼どうげんをもつててんじょうにんちゅう*擒狩きんしゅ*薜茘へいれいのなかにしゃくするに、 つひにこれをず。 *ないかんずるに、 ははがなかにあるをて、 すなはち*懊惋おうえんあいして、 ひろ方便ほうべんもとめて、 そのだっせんとおもひき。

¬譬喩経¼第二、「昔有リキ↢比丘↡。欲シキ↠度セムト↢其母已命過シヌ。便↢道眼↡天上・人中・擒狩・薜茘求索スルニツヒ不↠見↠之。観ジテ↢於泥↡、見↢母ルヲ↟中便懊惋悲哀シテ、広メテ↢方便↡、欲ヒキ↠脱セムト↢其↡。

^ときへんきょうおうありき。 ちちがいしてくにうばひてき。 比丘びく、 このおういのちあま七日しちにちありて、 つみくるところは、 比丘びくははおなじく一処いっしょにあらんとりて、 よる*安靖あんせいときに、 おうねむれるところいたりて、 かべ穿うがちて半身はんしんげんず。 おうぢてかたなきてかしらる。 かしらすなはちちぬれども、 そのところもとのごとし。 これをること数反しゅへんするに、 *かしらつれども、 比丘びくうごかず。

辺境リキ↠王。害シテ↠父ヒテキ↠国。比丘知リテ↧此↢七日↡、受クル↠罪1190トコロ与↢比丘母↡同ジクラムト↦一処↥、夜安靖、到リテ↢王レル↡、穿チテ↠壁↢半身↡。王ヂテキテツルギ↠頭。頭即チヌレドモ↠地モト。斫ルコト↠之数反スルニ、化頭満チヌ↠地比丘不↠動

^おうこころにすなはちさとりて、 その*じょうなることをりぬ。 *こうべたたきてとがしゃす。 比丘びくのいはく、 ªおそるることなかれ、 づることなかれ。 あひせん1091ほっするのみ。 なんぢ、 ちちがいしてくにうばへりやいなやº と。 こたへていはく、 ªじつにしかり。 ねがはくは慈救じくせられよº と。

王意サトリテ、知リヌ↢其非常ナルコトヲ↡。叩キテ↠頭↠過。比丘ヒシ↠恐ルルコト、莫↠怖ヅルコト。欲フラク↢相度セムト↡耳。汝害シテ↠父ヘリヤ↠国不耶。対ヘテ、実。願クハレヨト↢慈救↡。

^比丘びくのいはく、 ªだいどくをなすとも、 おそらくはあひおよばざらんか。 おう、 まさに南無なもぶつしょうすべし。 七日しちにちえずは、 すなはちつみまぬかるることをてんº と。 かさねて、 これにげていはく、 ªつつしみてこのほうわするることなかれº と。 すなはちびてりぬ。

比丘、作ストモ↢大功徳↡、恐クハラムカ↢相及↡。王当シトシテ↢南無仏↡七日不↠絶、便テムルルコトヲ↠罪。重ネテゲテ↠之、慎ミテレト↠忘ベキコト↢此↡。即便ビテリヌ

^おうすなはち*あざへて一心いっしんに ª南無なもぶつº としょうせつすること、 ちゅうおこたらず、 七日しちにちありて命終みょうじゅうして、 ˆおうのˇ *魂神ごんじんないもんかひて ª南無なもぶつº としょうす。 ないのなかのひとぶつといふおんじょうきて、 みないちに ª南無なもぶつº といひしかば、 ないすなはちめにき。

王便アザヘテ↠手一心シテ称↢シテ南無仏↡、昼夜シテオコタ、七日アリテ命終シテ、魂神向ヒテ↢泥↡称↢南無仏↡。泥人聞キテ↢仏トイフ音声↡皆一時ヒシカバ↢南無仏↡、泥梨即メニキ

^比丘びく、 ためにほうきしかば、 比丘びくははおう、 およびないのなかのひと、 みなだつき。 のちおおきにしょうじんして、 しゅおんどうき」 と。 じょう諸文しょもんりゃくしてしょうす。

比丘為キシカバ↠法、比丘母・王及人、皆得↢度脱↡。後精進シテ、得キト↢須陀洹道↡。」已上諸文、シテ

^*¬優婆うばそくかいきょう¼ にのたまはく、 「善男ぜんなん、 われもとむかし邪見じゃけんいえちたりき、 *惑網わくもうおのづからわれをおおへり。 われ、 そのときこうといへり。 つまみょうにょにして、 しょうじんゆうみょうだつすることりょうにして、 じゅうぜんをもつてどうしき。 われそのときに、 しん殺猟せつりょうをなしき。 酒肉しゅにくとんし、 らんだいにして、 しょうじんすることあたはざりき。

¬優婆塞戒経¼云、「善男子、我本往 ムカシ チタリキ↢邪見↡、セラレタリキ自我ミヅカラ。我ヲバ↢爾↡名ケテ↢広利ヲバケキ女精進↡。勇猛ナリキ、度脱スルコト無量ナリキ。十善ヲモテ化導シキ。我於シキ↢殺猟↡。貪↢嗜酒肉↡、懶堕懈怠ニシテリキ↠能↢精進スルコト↡。

^つまときにわれにかたらはく、 ªそのりょうせつとどめ、 いましめて1092酒肉しゅにくち、 つとめてしょうじんくわへて、 ごくのううれひをだっして、 てん上生じょうしょうして、 一処いっしょくみすることをよº と。

妻時ラハク↠我、止↢其猟殺↡戒テト↢酒肉↡、勤メテヘテ↢精進↡、得ヨト↧脱シテ↢地獄苦悩之ウレヒ↡、上↢生シテ天宮↡与スルコトヲ↦一処↥。

^われそのときにおいても殺心せっしんまず、 酒肉しゅにく美味びみをも割捨かっしゃすることあたはず、 しょうじんしんらんにしてすすまず、 てんのぞみをめ、 ごくぶんけたり。 われそのとき*聚落じゅらくのうちにし、 *そう伽藍ぎゃらんちかくして、 しばしばかねつをきき。

我於↢爾↡殺心不↠止、酒肉美味ヲモ不↠能↢割捨スルコト↡、精進之心ニシテ不↠スス、天↠意、地獄ケタリ。我於↢聚落↡、近ヅケリキ↢僧伽藍キキ1191ツヲ

^つまわれにかたりていはく、 ª事々じじあたはずは、 *けんしょうこえくとき、 たびだんしてひとたびぶつしょうせよ。 おさめてみづからかしこまり、 きょうまんしょうずることなかれ。 そのはんのごときも、 このほうはいすることなかれº と。

妻語リテ↠我ヒシ、事々↠能コト↡、三タビ弾指シテタビセヨ↠仏ヲサ↠身カシコマ、莫↠生ズルコト↢憍↡。如↢其夜半↡此法莫レト↠癈スルコト

^われすなはちこれをもちゐて、 また捨失しゃしつすることなかりき。 じゅうねんて、 そのつま命終みょうじゅうして、 とうてんうまれき。 かへりてのちさんねんありて、 われまた寿じゅきて、 *だんきょうせしに、 われをはんじてつみれて、 ごくもんかへき。

我即ヰテ↠之、無カリキ↢復捨失スルコト↡。経↢十二年↡其妻命終シテ、生レキ↢忉利天↡。却リテ後三年アリテ、我亦寿尽キテ経↢セシニ断事↡、判ジテ↠我レテ↠罪、向ヘキ↢地獄↡。

^もんときあたりて、 かねさんしょうきしに、 われすなはち住立じゅうりゅうして、 しんかんをなし、 あいぎょうしていとはず。 ほうのごとくたびだんして、 ながこえをもつてぶつとなへき。 こえごとにみな慈悲じひありて、 *梵音ぼんのんほがらかにとおれりき。

リテ↢入↠門キシニ三声↡、我即住立シテ、心↢歓喜↡、愛楽シテシテ↠厭↠法タビ弾指シテ、長ヲモテヘキ↠仏。声ゴトニ皆慈悲ニシテ梵音朗カニレリキ

^*しゅきをはりて、 しんはなはだ*かんすらく、 ªこれしんさつなりけり。 いかんぞあやまりてはんぜるº と。 すなはち*遣追けんつい還送げんそうして、 てんじょうかしめき。

主事聞リテ、心甚愧感セシ、此真菩薩ナリケリ。云何リテゼルト。即遣追シテシテ、往カシメキ↢天上↡。

^すでにき、 いたりをは1093りて、 たいげて、 わがつまらいきょうして、 まうさく、 ªだいさいわひにして大恩だいおんけて、 いま済抜さいばつせらる。 すなはちだいいたるまで教勅きょうちょくたがはじº」 と。

リテ、五体ゲテ↠地、礼↢敬シテ↡白シテイヒシ、大師、幸シテクシテ大恩モテレタリ↢済抜↡。乃至菩提マデニ↠違↢教勅↡。」

^また震旦しんたん (中国) には、 *東晋とうしんよりこのかた*とうちょういたるまで、 弥陀みだぶつねんじてじょうおうじょうせるもの、 *道俗どうぞく男女なんにょあわせてじゅうにんなり。 そうじゅうさんにんろくにんしゃにんざい男女なんにょあわせてじゅうにん。 ¬*じょうろん¼ ならびに ¬*瑞応伝ずいおうでん¼ にでたり。

又震ニハ、東晋ヨリ已来ルマデ↢于唐朝↡、念ジテ↢阿弥陀仏↡往↢生セル浄土↡者、道俗・男女、合セテ五十余人ナリ僧廿三人、尼六人、沙弥二人、在家男女合セテ廿四人。出ダセリ↢¬浄土論¼并¬瑞応¼↡。

^わがちょうおうじょうせるもの、 またそのかずあり。 つぶさには*けいの ¬*ほんおうじょう¼ にあり。 いかにいはんや、 ちょうにありてとくかくし、 山林せんりんのがれたるもの、 ひとしゅしてひとる、 たれかることをんや。

往生セル者亦有↢其数↡。具ニハ↢慶氏¬日本往生¼↡。何朝市アリテ↠徳山林レタル↠名之者、独シテ、誰↠知ルコトヲ耶。

 ^*ふ。 下下げげぼんにんひゃくしゃくとは、 りんじゅうおなじくねんじたるに、 しょうちんなんぞべつなる。

。下下品、五百釈子トハ、臨終ジクゼリ昇沈何コトナル

^こたふ。 ¬*ぐんろん¼ にしていはく、 「ひゃくしゃくは、 ただちちおしえによりてひとたびぶつねんぜしかども、 しかも提心だいしんおこじょううまるることをもとめて、 慇懃おんごんざんせざりき。 またかれはしんいたさず、 またただ一念いちねんにしてじゅうねんせざるがゆゑなり」 と。

ラク¬群疑論¼会シテ、「五百釈子、但依リテ↡一タビゼシカドモ↠仏、而リキ↧発↢菩提心↡求↠生レムコトヲ↢浄土↡慇懃慚愧↥。又彼不↠至↠心、復唯一念ニシテルガ↠具↢十念↡故ナリトイヘリ。」

二 Ⅶ 悪趣利益

【65】^だいしち悪趣あくしゅやくかさば、

1192サバ↢悪趣利益↡者、

^¬だいきょう¼ のだいにのたまはく、 「もしまたひとありて、 ただしんぶつねんじてひとたびもきょうしんをなさば、 われかく、 このひと1094はまさにはんて、 はんきわつくすべし。 なん、 しばらくにんちゅう念仏ねんぶつどくをばきて、 もしちくしょうありて、 ぶつそんにおいてよくねんをなすものをば、 われまたかく、 その善根ぜんごん福報ふくほう、 まさにはんべし」 と。

¬大悲経¼第二、「若復有リテ↠人、ジテ↠仏タビモサバ↢敬信↡、我説カク、是↧得↢涅槃↡、尽↦涅槃↥。阿難、且キテ↢人中念仏功徳ヲバ↡、若リテ↢畜生↡於↢仏世尊↡能サム↠念ヲバ、我亦説カク、其善根福報、当シト↠得↢涅槃↡。」

 ^ふ。 なんらかこれなるや。

。何等ナル耶。

^こたふ。 どうきょうだいさんに、 ぶつなんげたまはく、 「過去かこだいしょうしゅありき。 もろもろの商人あきびと大海だいかいりしに、 そのふね、 にはかに*かつ大魚たいぎょのために、 きたりてらはれんとす。

。同ジキ¬経¼第三、仏告ゲタマハク↢阿難↡、「過去リキ↢大商主↡。↢諸商人於入↢大海ニハカ↢摩竭大魚↡欲シキ↢来リテクラハレムト

^そのときに、 しょうしゅおよびもろもろの商人あきびとしんおどろいよだちて、 おのおのみなかなしみきて、 *嗚呼おこす。 ªあやしきかな、 かのえんだいはかくのごとくたのしむべく、 かくのごとく*希有けうなり。 けん人身にんじん、 かくのごとくがたし。 われいままさに父母ぶもべつしぬ。 まい婦児ふにしんしゃくぼうにもべつして、 われさらにざるべし。 またぶつほう衆僧しゅそうをもたてまつることをまじくなりぬº と。 きはめておおきにこくしき。

、商主及商人、心驚イヨダチテ皆悲キテ、嗚呼アヤシキ哉、彼閻浮提↠是クノ↠楽、如↠是クノ希有ナリ。世間人身如↠是クノ↠得。我今当↧与↢父母↡離別シヌ姉妹・婦児・親戚・朋友ニモ別離シテ、我更↞見。亦不クナリヌト↠得↠見タテマツルコトヲ↢仏・法・衆僧ヲモ↡。極悲哭シキ

^そのときに、 しょうしゅひとへにみぎかたあらわし、 みぎひざけて、 ふねうえじゅうして、 一心いっしんぶつねんじ、 たなごころあわせて礼拝らいはいして、 こえたかくしてとなへていはく、 ª南無なも諸仏しょぶつ*得大とくだい無畏むいしゃだい慈悲じひしゃ*憐愍れんみん一切いっさいしゅじょうしゃº と。 かくのごとくたびしょうするときに、 もろもろの商人あきびと、 またどうにかくのごとくたびしょうしき。

、商主偏アラハ↢右↡、右ケテ↠地、住シテ↢於船↡、一心シテ↠仏、合セテ↠掌礼拝シテ、高クシテ↠声ヘテ、南無諸仏、得大無畏者、大慈悲者、憐愍一切衆生者。如↠是クノタビスル、諸商人、亦復同時↠是クノタビシキ

^とき竭魚かつぎょぶつみょうごう1095礼拝らいはいおんじょうきて、 だいあいきょうをなし、 きてすなはちくちぢてき。 そのときに、 しょうしゅおよびもろもろの商人あきびと、 みなことごとく安穏あんのんにして、 うおなんまぬかるることをてき。

摩竭魚聞キテ↢仏名号、礼拝音声↡、↢大愛敬↡、聞キテヂテキ↠口。爾、商主及商人皆悉ニシテ、得テキ↠免ルルコトヲ↢魚↡。

^とき竭魚かつぎょぶつおんじょうきて、 しんらくをなし、 さらにのもろもろのしゅじょうをも食噉じきだんせざりき。 これによりて命終みょうじゅうしてにんちゅううまるることをてき。 そのぶつみもとにして、 ほうき、 しゅっして、 ぜんしきちかづきて、 阿羅あらかんてき。

渇魚聞キテ↢仏音声↡心↢喜楽↡、更リキ↣食↢衆生ヲモ↡。因リテ↠是命終シテテキ↠生ルルコトヲ↢人中↡。於↢其↡聞↠法、出家シテヅキテ↢善知識↡、得テキ↢阿羅漢↡。

^なん、 なんぢ、 かのうおの、 ちくしょうどううまれて、 ぶつみなくことをぶつみなきをはりて、 ないはんせることをかんぜよ。 いかにいはんや、 ひとありて、 ぶつみなくことをしょうぼうちょうもんせんをや」 と。

阿難、汝観ゼヨ↧彼レテ↢畜生道↡、得↠聞クコトヲ↢仏1193↡、クコト↢仏↡已リテ、乃至涅槃セルコトヲ↥。何リテ↠人得↠聞クコトヲ↢仏↡、聴↢聞セムヲヤト正法↡。

^また ¬*さつ処胎しょたいきょう¼ の 「はち斎品さいぼん」 にのたまはく、 「りゅう*こんちょうのために、 *じゅきていはく、

又¬菩薩処胎経¼「八斎品」云、「竜子与↢金翅鳥↡而説キテ↠頌

^ªせつはこれぜんぎょうなり。 寿じゅみょうげんじて*ちゅうようあり。
は、 *ちょうむしの、 ひかりてすなはち命終みょうじゅうするがごとし。

是不善ナリジテ↢寿命↡中夭アリ
↢朝露↠光命終スルガ

^かいたもぶつほうずれば、 ちょう寿じゅてんうまるることをて、
*累劫るいこう福徳ふくとくみて、 ちくしょうどうちず。

↠戒タモ↢仏語↠生ルルコトヲ↢長寿天
累劫ミテ↢福徳不↠堕↢畜生道

^いまのりゅうしんたれども、 戒徳かいとく清明しょうみょうにしてぎょうず。
1096*六畜ろくちくのなかにせりといへども、 かならずみづからさいすることをのぞまんº と。

↢竜身戒徳清明ニシテ
↠堕セリト↢六畜ムト↢自済度セムコトヲ

^このときに、 りゅう、 このじゅときに、 りゅうりゅうにょしんかいして、 寿じゅおわりてのちに、 みなまさに弥陀みだぶつくにうまるべし」 と。 じょうはっ斎戒さいかいりゅうなり。

子説↢此↡時、竜子・竜女、心意開解シテ寿終リテ之後、皆当シト↠生↢阿弥陀仏↡。」已上八斎戒子也

^*しゅの、 ぶつしんじてじょううまるること、 これになぞらへよ。 ごくやくは、 さき国王こくおう因縁いんねん、 ならびにしもしん妙果みょうかのごとし。

余趣ジテ↢仏語↡生ルルコト↢浄土↡、准ヘヨ↠之。地獄利益↢前国王因縁、アハセ麁心妙果↡。

^しょやくは、 しも念仏ねんぶつのうのごとし。

諸余利益↢下念仏↡。

念仏証拠

【66】^大文だいもんだいはちに、 *念仏ねんぶつしょうといふは、

大文第八念仏証拠トイフ者、

・第一問答

^ふ、 一切いっさい善業ぜんごうはおのおのやくあり、 おのおのおうじょうすることをてん。 なんがゆゑぞ、 ただ念仏ねんぶつ一門いちもんすすむる。

一切善業↢利益↡、テム↢往生スルコトヲ↡。唯勧ムル↢念仏一門↡。

^こたふ。 いま念仏ねんぶつすすむることは、 これ種々しゅじゅ妙行みょうぎょう*しゃするにはあらず。 ただこれ、 男女なんにょせん行住ぎょうじゅう坐臥ざが*えらばず、 しょ諸縁しょえんろんぜずして、 これをしゅするにかたからず、 ないりんじゅうおうじょうがんするに、 その便びんたるは念仏ねんぶつにはしかじ。

今勧ムルコトハ↢念仏↡、非↣是遮スルニハ↢余種々妙行↡。只是、男女・貴賎、不↠簡↢行住坐臥↡、シテ↠論↢時処諸縁↡、修スルニ↠之不↠難カラ、乃至臨終願↢求スルニ往生↡、得タルハ↢其便宜↡不↠如↢念仏ニハ↡。

^ゆゑに ¬*木槵もくげんきょう¼ にのたまはく、 「なんこく波瑠璃はるりおう使つかひをつかはして、 ぶつにまうしてまうさく、 ªただねがはくは、 そん、 ことに*みんれて、 われに*要法ようぼうたまひて、 われをしてにちしゅぎょうすることをやすく、 らいのうち1097にもろもろのおんせしめたまへº と。

¬木槵経¼云、「難陀国波瑠璃王マダシテ↠使シテ↠仏、唯願クハ世尊、特レテ↢慈愍↡、賜ヒテ↢我要法↡、使メタマヘト↧我ヲシテ日夜得↢修行スルコトヲ↡、未来世遠↦離↥。

^ぶつげてのたまはく、 ª大王だいおう、 もし煩悩ぼんのうしょうほうしょうめっせんとおもはば、 まさに木槵もくげんいっぴゃくはちつらぬきて、 もつてつねにみづからしたがへて、 もしはぎょう、 もしは、 もしはに、 つねにまさにしんいたして分散ふんさんこころなくして、 ぶっだつそうぎゃしょうしては、 すなはちいち木槵もくげんぐすべし。 かくのごとくして、 もしはじゅう、 もしはじゅう、 もしはひゃく、 もしはせんないひゃく千万せんまんせよ。

仏告ゲテ、大王、若ハバ↠滅セムト↢煩悩障・報障↡者、当キテ↢木槵子一百八↡、以ヘテ、若シハ行、若シハ坐、若シハ、恒↧至シテ↠心クシテ↢分散意↡、称シテハ↢仏陀・達摩・僧1194↡、乃グス↦一木槵子↥。如クシテ↠是クノ、若シハ十、若シハ廿、若シハ百、若シハ千、乃至百千万セヨ

^もしよくじゅう万遍まんべんてんに、 身心しんしんみだれず、 もろもろの諂曲てんごくなくは、 いのちててだいさんえんてんうまるることをて、 じきねんにして、 つねに安楽あんらくなることをけん。

テムニ↢廿万遍↡、身心不↠乱クハ↢諸諂曲↡者、捨テテ↠命↠生ルルコトヲ↢第三摩天↡、衣食自然ニシテ、常ケム↢安楽ナルコトヲ↡。

^もしまたよくいっぴゃく万遍まんべんたさば、 まさにひゃくはち結業けつごう除断じょだんすることをて、 しょうながれそむきて、 はんどうおもむき、 じょうべしº」 と。

復能テテハ↢一百万遍↡者、当シト↧得↣除↢断スルコトヲ百八結業↡、背キテ↢生死↡、趣↢涅槃↡、獲↦无上↥。」

^いはんやまた、 もろもろの聖教しょうぎょうのなかに、 おお念仏ねんぶつをもつておうじょうごうとなせり。 そのもん、 はなはだおおし。 りゃくしてじゅうもんいださん。

聖教、多↢念仏↡為↢往生↡。其文甚。略シテサム↢十↡。

^いちには、 ¬*占察せんざつきょう¼ のかんにのたまはく、 「もしひとほう現在げんざい浄国じょうこくうまれんとおもはば、 まさにかのかいぶつみょうしたがひて、 こころをもつぱらにして誦念じゅねんすべし。 一心いっしんみだれずしてかみのごとく観察かんざつせば、 けつじょうしてかのぶつ浄国じょうこくうまるることを善根ぜんごんぞうじょうして、 すみやかに退たいじょうぜん」 と。

ニハ¬占察経¼下巻、「若人欲ハバ↠生レムト↢他方現在浄国↡者、応↧随ヒテ↢彼世界仏之名字↡、専ニシテ↠意誦念↥。一心シテ↠乱↠上観察セバ者、決定シテテム↠生ルルコトヲ↢彼浄国善根増長シテ、速ムト↢不退↡。」

^かみのごとき観察かんざつ」 とは、 ぞうさつ1098法身ほっしんおよび諸仏しょぶつ法身ほっしんと、 おのがしんと、 びょうどう無二むににして、 しょうめつなり、 じょうらくじょうなり、 どく円満えんまんせりとかんずるなり。 またしんじょうなること、 まぼろしのごとし、 いとふべしとかんずるなり。

↠上観察者、観ズルナリ↧於地蔵菩薩法身及諸仏法身、与↢己自身↡平等无二ニシテ、不生不滅ナリ、常楽我浄ナリ、功徳円満セリト↥。又観ズル↢己身无常ナルコト↠幻、可シト↟厭等也。

^には、 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)さんぱいごう浅深せんじんありといへども、 しかもつうじてみな 「一向いっこうにもつぱらりょう寿じゅぶつねんじたてまつれ」 とのたまへり。

ニハ¬双巻経¼三輩之業雖↠有リト↢浅深↡、然ジテ皆云ヘリ↣「一向ジタテマツレト↢无量寿仏↡。」

^さんには、 じゅうはちがんのなかに、 念仏ねんぶつもんにおいてべついちがんおこしてのたまはく (大経・上意)、 「ないじゅうねんせん。 もししょうぜずは、 しょうがくらじ」 (第十八願) と。

ニハ八願↢念仏門↡別シテ↢一↡云、「乃至十念セン↠生者、不↠取↢正覚↡。」

^には、 ¬かんぎょう¼ (意) に、 「ごくじゅう悪人あくにんは、 方便ほうべんなし。 ただぶつしょうねんして、 極楽ごくらくしょうずることを」 と。

ニハ¬観¼、「極重悪人クシテ↢他方便↡唯称↢念シテ↡得↠生ズルコトヲ↢極楽↡。」

^には、 どうきょうにのたまはく、 「もししんいたして西方さいほううまれんとおもはば、 づまさにいちじょうろくぞうの、 いけみずうえにましますとかんずべし」 と。

ニハジキ¬経¼云、「若ハバ↣至シテ↠心レムト↢西方者、先シト↠観↣於一丈六スト↢池↡。」

^ろくには、 どうきょうにのたまはく、 「こうみょうあまねく十方じっぽうかい念仏ねんぶつしゅじょうらして、 摂取せっしゅしててたまはず」 と。

ニハジキ¬経¼云、「光明遍シテ↢十方世界念仏衆生↡、摂取シテ↠捨テタマハ。」

^しちには、 ¬*弥陀みだきょう¼ にのたまはく、 「しょう善根ぜんごん福徳ふくとく因縁いんねんをもつて、 かのくにしょうずることをべからず。

ニハ¬阿弥陀経¼云、「不↠可カラ↧以↢少善根福徳因縁↡、得↞生ズルコトヲ↢彼↡。

^もし善男ぜんなんぜん女人にょにんありて、 弥陀みだぶつくをきて、 みょうごう執持しゅうじして、 もしは一日いちにち もしは七日しちにちすること、 一心いっしんみだれずは、 そのひと命終みょうじゅうときのぞみて、 弥陀みだぶつ、 もろもろのしょうじゅげんじて、 そのまえにましまさん。 このひとおわときに、 しんてん1099どうせずしてすなはちおうじょうすることをてん」 と。

リテ↢善男子・善女人↡、聞キテ↠説クヲ↢阿弥陀仏↡、執↢持シテ名号↡、若シハ一日 1195七日スルコト一心シテ↠乱、其人臨命終、阿弥陀仏与↢諸聖衆↡現ジテシテ↢其人終ラム、心不シテ↢顛倒↡即テムト↢往生スルコトヲ↡。」

^はちには、 ¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「弥陀みだぶつののたまはく、 ªわがくに来生らいしょうせんとおもはば、 つねにわれをねんぜよ。 しばしば、 つねにおもいをもつぱらにしてそくあることなかれ。 かくのごとくせば、 わがくに来生らいしょうすることをんº」 と。

ニハ¬般舟経¼云、「阿弥陀仏ハバ↣来↢生セムト↡者、ゼヨ↠我。数数ニシテ↠念↠有ルコト↢休息↡。如クセバ↠是クノ、得ムト↣来↢生スルコトヲ↡。」

^には、 ¬*おんじょうきょう¼ にのたまはく、 「もししゅありて、 よくまさしくかのぶつみょうごうじゅせば、 このどくをもつて、 おわらんとほっするときのぞみて、 弥陀みだ、 すなはち大衆だいしゅとこのひとところきて、 それをしてることをしめ、 をはりていでしょうぜん」 と。

ニハ¬鼓音声経¼云、「若リテ↢四衆↡能シク受↢持セバ名号↡、以↢此功徳↡、臨ミテ↢欲セム↠終ラムト↡、阿弥陀即与↢大衆↡往キテ↢此↡、令↢其ヲシテ得↟見ルコトヲ、見已リテギテゼムト。」

^じゅうには、 ¬おうじょうろん¼ (天親の浄土論・意) に、 「かのぶつ*しょうどく観念かんねんするをもつて、 おうじょうごうとなせり」 と。

ニハ¬往生論¼、「以↣観↢念スルヲ依正功徳↡為リト↢往生↡。」

^このなかに、 ¬かんぎょう¼ の下下げげぼん・¬弥陀みだきょう¼・¬おんじょうきょう¼ は、 ただみょうごうねんずるをもつておうじょうごうとなせり。 いかにいはんや、 相好そうごうどく観念かんねんせんをや。

、¬観経¼下下品・¬阿弥陀経¼・¬鼓音声経¼、↠念ズルヲ↢名号↡為↢往生↡。何観↢念セムヲ相好・功徳↡耶。

・第二問答

 ^ふ。 ぎょうに、 いづくんぞ勧信かんしんもんなからんや。

カラム↢勧信文↡耶。

^こたふ。 そのぎょうほうは、 ちなみにかのほう種々しゅじゅのうかす。 そのなかにおのづからおうじょうくなり。 ただちにおうじょうようべんずるに、 おおく 「念仏ねんぶつ」 といふがごとくにあらず。 いかにいはんや、 ぶつみづからすでにのたまへり、 「まさにわれをねんずべし」 と。 ま1100ぶつこうみょうぎょうにん摂取せっしゅすとはいはず。

行法、因↢彼種々功能↡。其クナリ↢往↡。↠如クニ↧直ズルニ↢往生之要↡、多フガ↦念仏↥。何仏自ヘリ、当シト↠念↠我乎。亦不↠云↣仏光明摂↢取ストハ行人↡。

^これらのもんぶんみょうなり。 なんぞかさねてうたがいをなさんや。

此等文分明ナリ。何ネテサム↠疑耶。

・第三問答

 ^ふ。 しょきょう所説しょせつは、 したがひて*万品まんぼんなり。 なんぞ*管見かんけんをもつていちもんしゅうせんや。

。諸経所説ヒテ↠機万品ナリ。何↢管見↡執セム↢一↡耶。

^こたふ。 *馬鳴めみょうさつの ¬*だいじょうしんろん¼ (意) にいはく、 「またつぎに、 しゅじょうはじめてこのほうがくせんに、 そのしんこうにゃくにして、 信心しんじんじょうじゅすべきことかたきことを*懼畏くいして、 こころに、 退たいしなんとほっせば、 まさにるべし、 如来にょらい*しょう方便ほうべんましまして、 信心しんじんしょうしたまふ。 したがひてしんをもつぱらにしてぶつねんずる因縁いんねんをもつて、 がんしたがひて、 ほうぶつおうじょうすることをるなり。

馬鳴菩薩¬大乗起信論¼云、「復次、衆生初セムニ↢是↡、其心怯ニシテ懼↢畏シテ信心難キコトヲ↟可キコト↢成↡、意セバ↠退シナムト者、当↠知、如来シテ↢勝方便↡摂↢護シタマフ信心↡。ヒテ↢専ニシテ↠心ズル↠仏因縁↡、随ヒテ↠願ルナリ↣往↢生スルコトヲ他方仏土↡。

^*しゅ多羅たらくがごとし。 ªもしひともつぱらにして西方さいほう弥陀みだぶつねんじて、 しょ善業ぜんごうをもつてこうして、 かのかいうまれんとがんすれば、 すなはちおうじょうすることをº」 と。

↢修多羅クガ↡。若人専ニシテジテ↢西方阿弥陀仏↡、所作善業ヲモテ廻向1196シテ、願↣求レムト↢彼世界↡、即テム↢往生スルコトヲ↡。

^あきらかにりぬ、 *かいきょうに、 おお念仏ねんぶつをもつておうじょうようとなせり。 もししからずは、 *さつはすなはち*じんにあらじ。

カニリヌ契経↢念仏↡為↢往生↡。若↠爾者、四依菩薩↢理尽↡。

往生諸行

【67】^大文だいもんだいに、 *おうじょうしょぎょうかさば、 いはく、 極楽ごくらくもとむるものは、 かならずしももつぱらぶつねんぜず。 すべからくぎょうかしておのおのの*ぎょうよくまかすべし。 これにまたあり。 はじめには、 べっしてしょきょうもんかす。 つぎには、 そう1101じて諸業しょごうけっす。

大文第九サバ往生諸行↡者、謂ムル↢極楽↡者不↢必ズシモ↟仏。須↧明シテ↢余↡任↦各楽欲↥。此亦有↠二。ニハシテ↢諸経↡。次ニハジテ↢諸業↡。

二 Ⅸ 明諸経

【68】^第一だいいちしょきょうかすといふは、 *¬じゅうごんぎょう¼ のげんがん、 ¬*三千さんぜんぶつみょうきょう¼・¬*無字むじほうきょうきょう¼・¬*法華ほけきょう¼ とうしょだいじょうきょう、 ¬*ずい¼・¬*そんしょう¼・¬*無垢むくじょうこう¼・¬*にょりん¼・¬*阿嚕あろりき¼・¬*くうけんじゃく¼・¬*こうみょう¼・¬*弥陀みだ¼、 および*りゅうじゅ所感しょかんおうじょうじょうとうしゅなり。 これらの顕密けんみつしょだいじょうのなかに、 みなじゅ読誦どくじゅとうをもつて、 おうじょう極楽ごくらくごうとなせり。

第一ストイフ↢諸経↡者、¬華厳経¼普賢願・¬三千仏名経¼・¬無字宝篋経¼・¬法華経¼等諸大乗経、¬随求¼・¬尊勝¼・¬無垢浄光¼・¬如意輪¼・¬阿嚕力迦¼・¬不空羂索¼・¬光明¼・¬阿弥陀¼、及龍樹所感往生浄土等ナリ此等顕密諸大乗、皆以↢受持・読誦等↡為↢往生極↡也。

^¬*だい弥陀みだきょう¼ (下) にのたまはく、 「まさに斎戒さいかいし、 一心いっしん清浄しょうじょうにして、 ちゅうにまさにねんじて弥陀みだぶつくにうまれんとほっすべし。 じゅうにちじゅう断絶だんぜつせずは、 われみなこれをみんしてことごとく弥陀みだぶつくにおうじょうせしめん。 たとひしかするにあたはずは、 みづからゆいし、 よくきょうせよ。

¬大阿弥陀経¼云、「当斎戒、一心清浄ニシテ、昼夜↢念ジテ↟生レムト↢阿弥陀仏↡。十日十夜不↢断絶↡、我皆慈↢愍シテ↡悉メム↣往↢生阿弥陀仏↡。殊使 タトヒ ↠能↠爾スルニ、自思惟校計シテ

^だつせんとほっするものは、 まさにねんつべからず。 あいりて、 家事けじおもふことなかれ。 にょゆかおなじくすることなかれ。 みづから身心しんしんなおただしくして、 愛欲あいよくだんじて、 一心いっしん斎戒さいかい清浄しょうじょうにして、 せん弥陀みだ仏国ぶっこくうまれんとねんじて、 一日いちにちいち断絶だんぜつせずは、 寿じゅじゅうしてみなそのくにおうじょうして、 七宝しっぽうよくれんのなかにありてしょうせん」 と。 この ¬きょう¼ (大阿弥陀経) はかいをもつてしゅとなせり。

セム↣度↢脱セムト↡者、不↠当カラ↠絶↠念。去リテ↠愛、勿↠念フコト↢家事↡。莫↧与↢婦女↡同ジクスルコト↞床。自ナホ↢正シクシテ身心↡、断ジテ↢於愛欲↡、一心斎戒清浄ニシテ、至シテラヲゼムレムトシテ↢阿弥陀仏国↡一日一夜不↢断絶↡者、寿終シテ皆往↢生シテ↡、在リテ↢七宝浴池蓮華↡化生セムト。」¬経¼以↢持戒↡為↠首

^¬*じゅうおうじょう弥陀みだ仏国ぶっこくきょう¼ (意) にのたまはく、 「われいま、 な1102んぢがためにく、 じゅうおうじょうあり。 いかなるかじゅうおうじょう

¬十往生弥陀仏国経¼云、「吾今為↠汝、有↢十往生↡。云何ナルガ往生。

^いちにはかんじてしょうねんにして、 つねにかんいだきて、 飲食おんじきぶくをもつてぶつおよびそうほどこせば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

1197ジテ↠身正念ニシテキテ↢歓喜↡、以↢飲食・衣服↡施セバ↢仏及↡、往↢生阿弥陀仏↡。

^にはしょうねんにして、 みょうりょうやくをもつていちびょう比丘びくおよび一切いっさいしゅじょうほどこせば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、世妙良薬ヲモテセバ↢一病比丘及以 オヨビ 一切衆生↡、往↢生阿弥陀仏↡。

^さんにはしょうねんにして、 いち生命しょうみょうをもがいせず、 一切いっさい慈悲じひすれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、不↠害↢一生命ヲモ↡慈↢悲於一切↡、往↢生阿弥陀仏↡。

^にはしょうねんにして、 ところしたがひてかいけ、 *じょうをもつて*ぼんぎょうしゅし、 しんにつねによろこびをいだけば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、従ヒテケタルアリテ↢梵行↡、心↠喜、往↢生阿弥陀仏↡。

^にはしょうねんにして、 父母ぶも孝順きょうじゅんちょう敬重きょうじゅうし、 きょうまんしんいだかざれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、孝↢順於父母↡敬↢重於師長↡、不↠懐↢憍慢↡、往↢生阿弥陀仏↡。

^ろくにはしょうねんにして、 僧房そうぼう往詣おうげいとうぎょうし、 ほうきていちをもさとれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、往↢詣於僧↡恭↢敬於塔寺↡、聞キテ↠法サト↢一ヲモ↡、往↢生阿弥陀仏↡。

^しちにはしょうねんにして、 *一日いちにちいっ宿しゅくのうちにはっ戒斎かいさいじゅし、 一日いちにちいっ宿しゅくのうちにじゅしていちやぶらざれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、一日一宿受↢持八戒斎↡、一日一宿受持シテ↠破↠一、往↢生阿弥陀仏↡。

^はちにはしょうねんにして、 もしよく斎月さいがつ斎日さいにちのうちに房舎ぼうしゃおんしてつねにぜんいたれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、若斎月・斎日遠↢離シテ於房舎↡常↢於善師↡、往↢生阿弥陀仏↡。

^にはしょうねんにして、 つねによくじょうかいたもち、 勤修ごんしゅしてぜんじょうねがひ、 ほうまもあっせず、 もしよくかくのごとくぎょうずれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、常↢浄戒↡、勤修シテ↢禅定↡、護↠法不↢悪口↡、若↠是クノ、往↢生阿弥陀仏↡。

^じゅうにはしょうねんにして、 もしじょうどうにおいてほうしんおこさず、 しょうじんしてじょうかいたもちて、 また1103のものをおしへてこのきょうぼう流布るふし、 りょうしゅうきょうす。 かくのごときもろもろのひと、 ことごとくみな弥陀みだぶつくにおうじょうすることを」 と。

者正念ニシテ、若↢無上道↡不↠起↢誹謗↡、精進シテチテ↢浄戒↡、復教ヘテ↢無智↡流↢布経法↡教↢化無量↠是クノ人等、皆得イヘリ↣往↢生スルコトヲ阿弥陀仏↡。」

^¬*ろくもんきょう¼ にのたまはく、 「ぶつきたまへるところのごとく、 弥陀みだぶつどくやくがんじて、 もしよくじゅうねん相続そうぞくして、 だんぶつねんずるものは、 すなはちおうじょうすることを。 まさにいかんがねんずべし。 ぶつののたまはく、 ªおほよそじゅうねんあり。 なんらをかじゅうとなす。

¬弥勒問経¼云、「如↢仏↟説キタマヘル、願ジテ↢阿弥陀仏功徳・利益↡、若十念相続シテズル↠仏、即↢往生スルコトヲ↡。当↢云何↡。仏、凡↢十念↡。何等ヲカ↠十

^いちには、 もろもろのしゅじょうにおいて、 つねにしんしょうじてそのぎょうやぶらざること、 もしそのぎょうやぶればつひにおうじょうせず。

者於↢諸衆生↡常ジテ↢慈心↡不コトヤブ↢其1198↡、若ヤブレバ↢其↡終不↢往生↡。

^には、 もろもろのしゅじょうにおいて、 つねにしんおこして残害ざんがいこころのぞくこと、

者於↢諸衆生↡常シテ↢悲心↡除コト↢残害

^さんには、 法心ほうしんおこしてしんみょうしまざること、 一切いっさいほうにおいてほうをなさざること、

者発シテ↢護法心↡不ルコト↠惜↢身命↡、於↢一切↡不コト↢誹謗↡、

^には、 忍辱にんにくのなかにおいてけつじょうしんしょうずること、

者於↢忍辱↡生ズルコト↢決定心↡、

^には、 深心じんしん清浄しょうじょうにしてようぜんせざること、

者深心清浄ニシテコト↠染↢利養↡、

^ろくには、 一切いっさいしんおこして日々にちにちにつねにねんじて、 廃忘はいもうあることなきこと、

者発シテ↢一切智↡日々ジテコト↠有ルコト癈忘↡、

^しちには、 もろもろのしゅじょうにおいて、 そんじゅうしんおこし、 *まんしんのぞき、 けんして言説ごんせつすること、

者於↢諸衆生↡起↢尊重↡、除↢我慢↡、謙下言説スルコト

^はちには、 *談話たんかいにおいてじゃくをなさざること、

者於↢世談話↡不コト↢味著↡、

^には、 かくちかづき、 ふか種々しゅじゅ善根ぜんごん因縁いんねんおこし、 *かいにょう散乱さんらんしんおんすること、

者近ヅキ↢於覚ヲモテ↢種々善根因縁↡、遠↢離スルコト憒鬧・散乱之心↡、

^じゅうには、 しょうねんにしてぶつかんじて諸想しょそうじょすることなりº」 と1104

者正念ニシテジテ↠仏除↢去スルコトナリト諸想↡。」

^¬ほうしゃくきょう¼ のだいじゅうに、 ぶつまたこのじっしんをもつてろくといこたへたまへり。 そのなかのだいろくしんにいはく、 「*ぶつしゅもとめて、 一切いっさいときにおいて忘失もうしつするしんなし」 と。 そのしゅは、 もんすこことなりといへども、 こころさきの ¬きょう¼ (弥勒問経)おなじ。

¬宝積経¼第九十二、仏亦以↢此十心↡答ヘタマヘリ↢弥勒↡。其第六、「求メテ↢仏種智↡、於↢一切↡無トイヘリ↣忘スルコト。」其九種、文雖↢少ナリト↡、意↢前¬経¼↡。

^ただ ¬きょう¼ (宝積経)もんにのたまはく、 「もしひと、 このじっしゅしんのうちにおいて、 したがひて一心いっしんじょうじて、 かのぶつかいおうじょうせんとぎょうよくせんに、 もししょうずることをずといはば、 このことわりあることなからん」 と。 あきらけし、 かならずしもじゅうしておうじょうごうとなすにはあらざるなり。

¬¼文、「若人於↢此十種↡、随ヒテジテ↢一心↡楽↣欲セムニ往↢生セムト世界↡、若トイハバ↠得↠生ズルコトヲ、無ムトイヘリ↠有ルコト↢是コトワリ↡。」ケシザル↣必ズシモシテ↠十ニハ↢往生↡也。

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「かのくにうまれんとおもはば、 まさにさんぷくしゅすべし。 いちには父母ぶもきょうようし、 ちょう奉事ぶじし、 しんをもつてせっせず、 じゅう善業ぜんごうしゅすること、 にはさんじゅし、 衆戒しゅかいそくし、 威儀いぎぼんせざること、 さんには提心だいしんおこし、 ふかいんしんじ、 だいじょう読誦どくじゅし、 ぎょうじゃ勧進かんじんすることなり。 かくのごときさんづけてじょうごうとなす。

¬観経¼云、「欲ハバ↠生レムト↢彼↡者、当↠修↢三↡。一者孝↢養父母↡、奉↢事師長↡、慈心ヲモテ不↠殺、修スルコト↢十善業↡、二者受↢持三帰↡、具↢足衆戒↡、不コト↠犯↢威儀↡、三者発↢菩提心↡、深↢因果↡、読↢誦大乗↡、勧↢進スルコトナリ行者↠此クノ三事ケテ↢浄業↡。

^ぶつだいげたまはく、 ªなんぢいまるやいなや。 この三種さんしゅごうは、 過去かこらい現在げんざいさん諸仏しょぶつ浄業じょうごうしょういんなりº」 と。

仏告ゲタマハク↢韋提希↡、汝今知ルヤ。此三種過去・未来・現在三世諸仏浄業正因ナリト。」

^またのたまはく (観経・意)、 「じょうぼん上生じょうしょうといふは、 もししゅじょうありて、 かのくにしょうぜんとがんぜば、 三種さんしゅしんおこして即便すなわちおうじょうす。 なんらをかさんとなす。 いちにはじょうしんには深心じんしんさんにはこう発願心ほつがんしんなり。 さんしんせるものはかならずかのくにうまる。

又云、「上品上生トイフ者、若リテ↢衆生↡願ゼバ↠生ゼムト↢彼↡者1199、発シテ↢三種↡即便往生。何等ヲカ↠三。一者至誠心、二者深心、三者廻向発願心ナリ。具セル↢三心↡者↢彼↡。

^また三種さんしゅしゅじょうありて、 まさにおうじょうすることをべし。 なんらをかさんとなす。 いち1105にはしんにしてせっせず、 もろもろのかいぎょうすること、 にはだいじょう方等ほうどうきょうてん読誦どくじゅすること、 さんには六念ろくねんしゅぎょうして、 こう発願ほつがんしてかのくにうまれんとがんずることなり。 このどくすること、 一日いちにちない七日しちにちにして、 すなはちおうじょうすることを

復有リテ↢三種衆生↡、当↠得↢往生スルコトヲ↡。何等ヲカ↠三。一者慈心ニシテ不↠殺、具ルコト↢諸戒行↡、二者読↢誦スルコト大乗方等経典↡、三者修↢行シテ六念↡、廻向発願シテズルコトナリ↠生レムト↢彼↡。具スルコト↢此功徳↡一日乃至七日スルハ↢往生スルコトヲ↡。

^じょうぼん中生ちゅうしょうといふは、 かならずしも方等ほうどうきょうてんじゅせざれども、 よくしゅさとりて、 第一だいいちにおいてしんきょうどうせず、 ふかいんしんだいじょうほうぜず。 このどくをもつて、 こうして極楽ごくらくこくうまれんとがんするなり。

上品中生トイフ者、不シテ↣必ズシモ受↢持方等経典↡、善サトリテ↢義趣↡、於↢第一義↡心不↢驚動↡、深↢因果↡不シテ↠謗↢大乗↢此功徳↡廻向シテ願↣求スルナリレムト↢極楽国↡。

^じょうぼんしょうといふは、 またいんしんだいじょうほうぜず。 ただじょうどうしんおこして、 このどくをもつて、 こうして極楽ごくらくうまれんとがんするなり。

上品下生トイフ者、亦信↢因果↡不シテ↠謗↢大乗但発シテ↢无上道↡、以↢此功徳↡廻向シテ願↣求スルナリレムト↢極楽↡。

^ちゅうぼん上生じょうしょうといふは、 もししゅじょうありて、 かいじゅし、 はっ戒斎かいさいたもち、 もろもろのかいしゅぎょうしてぎゃくつくらず、 もろもろのげんなからん。 この善根ぜんごんをもつて、 こうしてがんするなり。

中品上生トイフ者、若リテ↢衆生↡受↢持五戒↡、持↢八戒斎↡、修↢行↡、不↠造↢五逆↡、无クシテ患↡↢此善根↡廻向願求スルナリ

^ちゅうぼん中生ちゅうしょうといふは、 もししゅじょうありて、 もしは一日いちにちいちはっ戒斎かいさいけ、 もしは一日いちにちいちしゃかいたもち、 一日いちにちいちそくかいたもち、 威儀いぎくることなし。 このどくをもつて、 こうしてがんするなり。

中品中生トイフ者、若リテ↢衆生↡若シハ一日一夜受↢八戒斎↡、若シハ一日一夜持沙弥↡、一日一夜持↢具足戒↡、威儀无クシテ↠欠クルコト↢此功徳↡廻向シテ願求スルナリ

^ちゅうぼんしょうといふは、 もしぜん1106なんぜん女人にょにんありて、 父母ぶもきょうようし、 にんぎょうずるなり。

中品下生トイフ者、若リテ↢善男子・善女人↡孝↢養父母↡、行ズルナリ↢世仁慈↡。

^ぼん上生じょうしょうといふは、 あるいはしゅじょうありて、 もろもろの悪業あくごうつくらん。 方等ほうどうきょうてんほうせずといへども、 かくのごときにんおおくもろもろの悪法あくほうつくりてざんあることなからん。 おわりにのぞみてじゅうきょう首題しゅだいみょうき、 およびがっしょうして ª南無なも弥陀みだぶつº としょうするなり。

下品上生トイフ者、或イハリテ↢衆生↡作↢衆悪業↠不↣誹↢謗方等経典↡、如↠此クノ愚人、多リテ↢衆悪法↡無カラム↠有ルコト↢慚愧↡。臨ミテ↠終↢十二部経首題名字↡、及合掌シテスルナリ↢南無阿弥陀仏↡。

^ぼん中生ちゅうしょうといふは、 あるいはしゅじょうありて、 かいはっかいおよびそくかいぼんせらん。 かくのごときにんいのちおわらんとほっするときに、 ごくしゅいちにともにいたらん。 ぜんしきの、 だい慈悲じひをもつて、 ために弥陀みだぶつじゅうりきとくき、 ひろくかのぶつこうみょう神力じんりきき、 またかいじょうだつけんさんずるにはん。 このひときをはりてはちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞくなり。

下品中生トイフ者、或イハリテ↢衆生↡毀↢犯セラム五戒・八戒及1200具足戒↡。如↠此クノ愚人、命欲セム↠終ラムト、地獄衆火一時ラム。遇ヒテ↧善知識↢大慈悲↡為↢阿弥陀仏十力威徳↡、広↢彼光明神力↡、亦讃ズルニ↦戒・定・恵・解脱・知見人聞リテクナリ↢八十億劫生死之罪↡。

^ぼんしょうといふは、 あるいはしゅじょうありて、 善業ぜんごうたるぎゃくじゅうあくつくり、 もろもろのぜんせん。 かくのごときにん悪業あくごうをもつてのゆゑに悪道あくどうつべからん。 命終みょうじゅうときのぞみて、 ぜんしきひて、 ぶつねんずることあたはずといへども、 ただしんいたしてこえをしてえざらしめて、 じゅうねんそくして ª南無なもりょう寿じゅぶつº としょうせん。 ぶつみなしょうせんがゆゑに、 念々ねんねんのうちにはちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞくなり」 と。

下品下生トイフ者、或イハリテ↢衆生↡作↢不善業タル・五逆・十悪↡、具↢諸不善↡。如↠此クノ愚人、以テノ↢悪業↡故カラム↠堕↢悪道↡。臨↢命終ヒテ↢善知識↡、雖↠不↠念ズルコト↠仏、但至シテ↠心メテ↢声ヲシテ↟絶、具↢足シテ十念↡称セム↢南無無量寿仏↡。称スルガ↢仏↡故、於↢念々↡除クナリト↢八十億劫生死之罪↡。」

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)さんぱいごうもまたこれをでず。

¬双巻経¼三輩亦不↠出↠此

^¬かんぎょう¼ に1107は、 *じゅうろっかんをもつておうじょういんとなせり。

¬観経ニハ¼以↢十六観↡為↢往生↡。

^¬ほうしゃくきょう¼ にかく、 仏前ぶつぜんれんしょうするに、 因縁いんねんありと。 (同) にのたまはく、

¬宝積経¼説カク、仏前ニシテ蓮華ヨリ化生スルニリト↢四因縁↡。偈

^こうをもつてぶつおよび*だいさんずると、 がいせざると、 ならびにぞうつくると、
だいだいにおいてふかしんするとは、 れんしょして仏前ぶつぜんうまるることを」 と。

「華香ヲモテジテ↢仏及支提ルト↠害↢於他↡并ルト↠像
↢大菩提↡深信解スルトイヘリ↧処シテ↢蓮華↡生ズルコトヲ↦仏前↥」

^しげいださず。

不↢↡。

二 Ⅸ 総結諸業

【69】^だいそうじて諸業しょごうけっすといふは、 ˆじょうようˇ *おんほっじょう因要いんよういだせるに、 あり。 「いちにはかんしゅしておうじょうすること、 じゅうろっかんのごときなり。 にはごうしゅしておうじょうすること、 さん福業ぷくごうのごときなり。 さんにはしんしゅしておうじょうすること、 じょうとうさんしんなり。 にはこうしておうじょうする、 じょうきてこうし、 しょうねんし、 讃嘆さんだんすることなり」 (観経義疏・意) と。

第二ジテストイフ↢諸業↡者、恵遠法師出↢浄土↠四。「一ニハシテ↠観往生スルコト、如キナリ↢十六観↡。二ニハシテ↠業往生スルコト、如キナリ↢三福業↡。三ニハシテ↠心往生スルコト、至誠等ナリ。四ニハ帰向シテ往生スル、聞キテ↢浄土↡帰向、称念、讃嘆スルコト等也イヘリ。」

^いまわたくしにいはく、 しょきょうぎょうごうそうじてこれをいへば、 *¬梵網ぼんもう¼ 戒品かいぼんでず。 べっしてこれをろんずれば、 ろくでず。 くわしくそのそうかせば、 そのじゅうさんあり。

今私諸経行業、総ジテ而言ヘバ↠之、不↠出↢¬梵網¼「戒品」↡。別シテ而論ズレバ↠之、不↠出↢六度↡。クハシク↢其↡、有↢其十三↡。

^いちには*ざいほうとうにはさんかいはっかいじっかいとうしょうかいぎょうさんには忍辱にんにくにはしょう1108じんにはぜんじょうろくには般若はんにゃ第一だいいちしんずることこれなり。 しちには提心だいしんおこすこと、 はちには六念ろくねんしゅぎょうすること、 ぶつぽうそうかいてん、 これを六念ろくねんといふ。 じゅうろく想観そうかんはまたこれをでず。 にはだいじょう読誦どくじゅすること、 じゅうには仏法ぶっぽうしゅすること、 じゅういちには父母ぶも孝順きょうじゅんちょう奉事ぶじすること、 じゅうにはきょうまんをなさざること、 じゅうさんにはようぜんせざることなり。

者財・法等者三帰・五戒・八戒・十戒多少戒行者忍辱1201ニハ精進ニハ禅定ニハ般若ズルコト↢第一義↡等是也。七ニハコト↢菩提心ニハ修↢行スルコト六念↡、仏・法・僧・戒・施・天、謂↢之六念↡。十六想観亦不↠出↠之ニハ読↢誦スルコト大乗↡ニハ守↢護スルコト仏法十一ニハ孝↢順父母↡奉↢事スルコト師長十二ニハコト↢憍慢↡。十三ニハコト↠染↢利養↡也。

^*¬だいじゅう¼ の 「月蔵がつぞうぶん」 のにのたまはく、

¬大集¼「月蔵分」偈

^このみしげければ、 すみやかにみづからがいするがごとし。 ちくむすぶもまたかくのごとし。
*にんかいすれば、 しんほろぼすがごとし。 無智むちにしてもとむるもまたしかり。

「如↢樹菓繁レバスルガブモ↠実亦如↠是クノ
↣任騾ハラメルボスガ↢自身無智ニシテムルモ↠利亦復然

^もし比丘びくありて、 ようようぎょうかたじゃくするものは、
においてさらにかくのごときあくはなし。 ゆゑにだつどうざらしむ。
^かくのごとくしてようとんするものは、 すでにどうをはりぬれども、 かえりてまたうしなふ」 と。

リテ↢比丘↡得↢供養楽↢求利養↡堅スル
↠世↢如↠此クノ↠不↠得↢解脱
クシテ↠是クノ貪↢求スル利養↡者得↠道リヌレドモリテ復失フト

^また ¬*仏蔵ぶつぞうきょう¼ に、 *しょうぶつしてのたまはく、 「しゃ牟尼むにぶつおおよう1109たまはんがゆゑに、 ほうまさにめっすべし」 と。

又¬仏蔵経¼、迦葉仏記シテ、「釈迦牟尼仏ケタマハムガ↢供養↡故、法当シト↢疾↡。」

^如来にょらいなほしかり。 いかにいはんやぼんをや。 大象だいぞうまどづるに、 つひにいちのためにへらる。 ぎょうにんいえでたれども、 つひに*みょうのためにばくせらる。 すなはちりぬ、 しゅつさいあだは、 みょうよりだいなるものはなし。

如来尚爾。何凡夫ヲヤ。大象出ヅルニ↠窓、遂↢一↡所↠礙。行人出デタレドモ↠家、遂↢名利↡所↠縛。則リヌ出離最後之怨↧大ナル↢名利ヨリ↡者↥也。

^ただ浄名じょうみょうだい (*維摩詰) は、 いえにあれどもしんいえで、 *薬王やくおうほんは、 *塵寰じんかんりて*雪山せっせんせり。 いまのぎょうにんもまたかくのごとくすべし。 みづから*こんじょうはかりて、 これをしんせよ。 もしそのしんせいすることあたはずは、 なほすべからくそのるべし。 *あさのなかのよもぎ*へんうまやこういづれにかよれるや。 ¬仏蔵ぶつぞうきょう¼ を是非ぜひるべし。

浄名大士、身リテ↠家タリ↠家薬王、本事リテ↢塵寰↡居セリ雪山↡。今行人亦応↠如クス↠是クノ。自ハカリテ↢根性↡而シテ進↢止セヨ↡。若↠能↠制スルコト↢其↡、猶須↢於其↡。麻中之蓬、屠辺之キサ、好悪由レル↠何レニカ乎。↧見↢¬仏蔵経¼↡知↦是

問答料簡

【70】^大文だいもんだいじゅうに、 *問答もんどうりょうけんといふは、 りゃくしてじゅうあり。 いちには極楽ごくらくしょうにはおうじょうかいさんにはおうじょうしょうにはじんじょう念相ねんそうにはりんじゅう念相ねんそうろくにはしんみょうしちにはしょぎょうしょうれつはちにはしん因縁いんねんには助道じょどうえんじゅうには助道じょどう人法にんぼうなり。

大文第十問答料簡セバ者、略シテ↢十事↡。ニハ極楽依正ニハ往生階位ニハ往生多少ニハ尋常念相ニハ臨終念相ニハ麁心妙果ニハ諸行勝劣ニハ信毀1202因縁ニハ助道資縁ニハ助道人法ナリ

二 Ⅹ 極楽依正

【71】^第一だいいち極楽ごくらくしょうといふは、

第一極楽依正トイフ者、

^ふ、 弥陀みだぶつ極楽ごくらくじょうは、 これいづれのしん、 いづれのぞや。

阿弥陀仏極楽浄土是何レノ身何レノ耶。

^こたふ。 天台てんだい (*智顗) のいはく (観経天台疏・意)、 「応身おうじんぶつ*どうなり」 と。

。天臺、「応身仏、同居ナリト。」

^*おんほっ (浄影寺*慧遠) のいはく、 「これ応身おうじんおうなり1110」 と。

遠法師、「是応身応土ナリト。」

^しゃくほっ (*道綽) のいはく、 「これ報仏ほうぶつほうなり。 きゅう、 あひつたへて、 みな ª化土けどしんなりº といふ。 これをおおきにしっせりとなす。 ¬*だいじょうどうしょうきょう¼ によりていはく、 ªじょうのなかにしてじょうぶつするものは、 ことごとくこれ報身ほうじんなり。 穢土えどのなかにしてじょうぶつするものは、 ことごとくこれしんなりº と。

綽法師、「是報仏報土ナリ。古旧等相伝ヘテ、皆云↢化土化身ナリ↡。此↢大セリト↡。依リテ↢¬大乗同性経¼↡云、浄土ニシテ成仏スル是報身ナリ。穢土ニシテ成仏スル是化身ナリト

^またかの ¬きょう¼ (大乗同性経) にのたまはく、 ª弥陀みだ如来にょらいれんかいしょうおう如来にょらいりゅうしゅ如来にょらい宝徳ほうとく如来にょらいとうの、 もろもろの如来にょらい清浄しょうじょう仏刹ぶっせつにして、 げん得道とくどうするもの、 まさに得道とくどうすべきもの、 かくのごとき一切いっさいはみなこれ報身ほうじんぶつなり。 何者なにもの如来にょらいしんとならば、 なほ今日こんにち踊歩ゆぶごん如来にょらい恐怖くふ如来にょらいとうのごときなりº」 と。 じょう ¬安楽あんらくしゅう¼ (上・意)。

又彼¬経¼云、阿弥陀如来・蓮花開敷星王如来・竜主如来・宝徳如来等、諸如来清浄仏刹ニシテ得道スル者、当↢得道シタマフ↡者、如↠是クノ一切皆是報身仏也。何者如来化身トナラバナホキナリト↢今日踊歩健如来・魔恐怖如来等↡。」已上¬安楽集¼

 ^ふ。 かのぶつじょうどうしたまひて、 すでに久如いくひさしとかせん。

。彼仏成道シタマヒテ、為↢已久如イクヒサシトカ↡。

^こたふ。 *しょきょうに 「じっこう」 とのたまひ、 ¬だい弥陀みだきょう¼ (上) には 「じっしょうこう」 とのたまひ、 ¬びょう等覚どうがくきょう¼ (一) には 「じゅうはちこう」 とのたまひ、 ¬しょうさんじょうきょう¼ には 「じゅう大劫だいこう」 とのたまへり。 じゃしょうりがたし。 ただ ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経)*きょうごうの ¬しょ¼ (*述文賛) に、 ¬びょうどうきょう¼ をしていはく、 「じゅうはちこうとは、 それしょうの、 そのなかのてんけっせるなり」 と。

。諸ヘリ↢十劫¬大阿弥陀経ニハ¼云ヘリ↢「十小劫」↡¬平等覚経¼云ヘリ↢「十八劫」↡¬称讃浄土経¼云ヘリ↢「十大劫」↡。邪正難↠知。但¬双巻経¼憬興師¬疏¼、会シテ↢¬平等経¼↡云、「十八劫者、其セルナリトイヘリ↢其↡矣。」

 ^1111ふ。 らい寿じゅはいくばくぞ。

。未来寿幾何イクバク

^こたふ。 ¬*小経しょうきょう¼ に、 「りょうへんそうこう」 とのたまへり。

。¬小経¼云↢「无量无辺阿僧祇劫」↡。

^¬*観音かんのんじゅきょう¼ (意) にのたまへり、 「弥陀みだぶつ寿じゅみょうりょうひゃく千億せんおくこうにして、 まさにしゅうごくあるべし。 ぶつはんのちに、 しょうぼうじゅうすること、 ぶつ寿じゅみょうひとしからん。

¬観音授記経¼云ハク、「阿弥陀仏寿命無量百千億劫ニシテ、当↠有↢終極↡。仏涅槃正法セムコト↠世、等シカラム↢仏寿命↡。

^善男ぜんなん弥陀みだぶつしょうぼうめっしてのちに、 *ちゅうぶんぐしてみょうそうづるときに、 かんおんさつだいじゅにしてとうしょうがくじょうじ、 こうどく山王せんのう如来にょらいごうせん。 そのぶつこくには、 しょうもん縁覚えんがくあることなからん。 そのぶつこくを、 衆宝しゅぼうじゅうしょうごんごうせん。

善男子、阿弥陀仏正法シテ、過グシテ↢中夜↡明相1203デム、観世音菩薩於↢菩提樹下↡成ラム↢等正覚セム↢普光功徳山王如来↡。其国土ニハ、無↠有ルコト↢声聞・縁覚之名↡。其国土セム↢衆宝普集荘厳↡。

^こうどく如来にょらいはんしたまひて、 しょうぼうめっしてのちに、 大勢だいせいさつ、 すなはちそのくににしてじょうぶつし、 ぜんじゅうどく宝王ほうおう如来にょらいごうせん。 こくこうみょう寿じゅみょうないほうじゅうすること、 ひとしくしてことなることあることなからん」 と。

普光功徳如来涅槃シタマヒテ、正法シテ、大勢至菩薩即↢其↡成ラムセム↢善住功徳宝王如来↡。国土・光明・寿命、乃至法セムコト、等シクシテムト↠有ルコト↠異ナルコト。」

 ^ふ。 ¬*どう性経しょうきょう¼ には 「報身ほうじん」 とのたまひ、 ¬*じゅきょう¼ には 「にゅうめつ」 とのたまふ。 きょうそうしょいかんが*する。

。¬同性経ニハ¼云↢「報身」↡¬授記経ニハ¼云↢「入滅」↡。二相違諸師何スル

^こたふ。 しゃくぜん (道綽)¬じゅきょう¼ をしていはく (安楽集・上)、 「これはこれ報身ほうじんの、 隠没おんもつそうげんずるなり。 めつにはあらず」 と。

綽禅師会シテ↢¬授記経¼↡云、「此是報身ズルナリ↢隠没↡。非↢滅度ニハ↡也。」

^*ざい¬どう性経しょうきょう¼ をしていはく (浄土論)、 「じょうのなかにしてぶつになるをはんじてほうとなすことは、 これ*受用じゅゆうしんなり。 じつ報身ほうじんにはあ1112らず」 と。

迦才会シテ↢¬同性経¼↡云、「浄土ニシテルヲ↠仏ジテコト↠報者、是受用事身ナリ。非ズト↢実報身ニハ↡也。」

 ^ふ。 何者なにものをかしょうとなすや。

。何者ヲカ↠正耶。

^こたふ。 ざいのいはく (浄土論)、 「しゅじょうぎょうにすでに*せんじゅあれば、 おうじょうしてることまた万別まんべつあるなり。 もしこのつくらば、 しょきょうろんのなかに、 あるいははんじてほうとなし、 あるいははんじてとなすこと、 みな妨難ぼうなんなし。 ただ諸仏しょぶつしゅぎょう、 つぶさにほうかんずることをれ。

迦才、「衆生起行レバ↢千殊↡、往生シテルコト↠土亦有↢万別↡也。若ラバ↢此↡者、諸経論イハジテ↠報、或イハジテコト↠化、皆無↢妨難↡也。但知↣諸仏修行具ズルコトヲ↢報・化↡也。

^¬*しょうろん¼ のごときには ª*ぎょうかんず、 しょうたいほうかんずº といへり。 *もしはほう、 もしは、 みなしゅじょうじょうじゅせんとほっすなり。 これすなはち、 むなしくもうけず、 ぎょうむなしくしゅせず。 ただぶつしんじて、 きょうによりてせんにしてねんずれば、 すなはちおうじょうすることを。 またすべからくほうとを図度はかるべからず」 と。

キニハ↢¬摂論¼↡加行↠化、正体ズトイヘリ↠報。若シハ報若シハ化、皆欲スナリ↣成↢セムト衆生↡。此則不↢虚シク↡、行不↢空シク↡。但信ジテ↢仏語↡依リテ↠経スルニ、即得↢往生スルコトヲ↡。亦不↠須カラ図↢度  ハカ  之与↟化也。」

^このしゃくし。 すべからくもつぱらにしてしょうねんすべし。 いたわしく分別ふんべつすることなかれ。

釈善矣。須↢専ニシテ称念↡。勿イタハシク分別スルコト↡。

 ^ふ。 かのぶつ相好そうごう、 なにをもつてかどうなる。

。彼相好何テカ不同ナル

^こたふ。 ¬観仏かんぶつきょう¼ に、 諸仏しょぶつ相好そうごうきてのたまはく、 「にんそうどうずるがゆゑに*さんじゅうき、 もろもろのてんすぐれたるがゆゑに*はちじゅうこうく。 もろもろのさつのためには、 八万はちまんせんのもろもろのみょう相好そうごうく」 と。 かのぶつこれになぞらへよ。

。¬観仏経¼キテ↢諸仏相好↡云、「同ズルガ↢人↡故↢卅二レタルガ↢諸↡故↢八↡。為ニハ↢諸菩薩↡説クトイヘリ↢八万1204四千妙相好↡。」 仏准ヘヨ↠之

 ^1113ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・上) にのたまはく、 「かのぶつ*道樹どうじゅたかひゃくまんなり」 と。 *¬ほうしゃくきょう¼ にのたまはく、 「道樹どうじゅたかじゅうろくおくじゅんなり」 と。 ¬じゅうおうじょうきょう¼ にのたまはく、 「道樹どうじゅたかじゅうまんじゅんなり。 じゅ獅子ししあり、 たかひゃくじゅんなり」 と。 ¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「ぶつ身量しんりょうろくじゅう万億まんおく那由なゆごうしゃじゅんなり」 と。 *じゅ仏身ぶっしんと、 なんぞあひかなはざる。

。¬双巻経¼云、「彼道樹四百万里ナリ。」¬宝積経¼云、「道樹十六億由旬ナリ。」¬十往生経¼云、「道樹万由旬ナリ。樹下↢師子座↡、高五百由旬ナリト。」¬観経¼云、「仏量六十万億那由他恒河沙由旬ナリト。」仏身↢相カナ↡。

^こたふ。 異解いげどうなり。 あるいはしゃくすらく、 「*ぶつきょうがいだいしょうあひへず」 と。 あるいはしゃくすらく、 「*応仏おうぶつせてじゅりょうき、 真仏しんぶつせてしんりょうく」 と。 またおおくのしゃくあり。 つぶさにぶべからずと。

。異解不同ナリ。或イハスラク、仏境界大小不↢相礙↡。或イハスラク、寄セテ↢応仏↡説↢樹量セテ↢真仏↡説クト↢身量↡。又有↢多クノ釈↡。不↠可カラ↢具↡。

 ^ふ。 ¬ごんぎょう¼ (意) にのたまはく、 「しゃかい一劫いっこう極楽ごくらくこく一日いちにちいちとなす」 といへり。 これによりてまさにるべし、 じょうぼん中生ちゅうしょうの、 宿しゅくはなひらくるは、 このけん半劫はんこうあたれり。 ない下下げげしょうじゅうこうは、 このけんごうしゃ塵数じんじゅこうあたれり。 なんぞ極楽ごくらくづけん。

。¬華厳経¼云、「娑婆世界一劫↢極楽国一日一夜↡」等イヘリリテ↠此↠知、上品中生↠宿華開クルハ、当レリ↢此半劫↡。乃至下々生十二劫、当レリ↢此河沙塵数↡。何ケム↢極楽↡。

^こたふ。 たとひ恒沙ごうじゃこうれんひらけずとも、 すでにすこしきなし、 あに極楽ごくらくにあらずや。

。設↢恒沙劫↡蓮花不トモ↠開、既↢微苦↡、豈ズヤ↢極楽↡。

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) にのたまふがごとし、 「その*たいしょうのもののところするところの殿でんは、 あるいはひゃくじゅん、 あるいはひゃくじゅんなり。 おのおのそのなかにしてもろもろのらく1114くること、 とうてんのごとし」 と。

↢¬双巻経¼云フガ↡、「其胎生↠処スル宮殿、或イハ百由旬、或イハ五百由旬ナリ↢其↡受クルコト↢諸快楽↡如シト↢忉利天↡。」

^あるのいはく、 「*たいしょうは、 これ*ちゅうぼんぼんなり」 と。

、「胎生是中品下ナリト。」

^あるはいはく、 「*ぼんせっせざるところなり」 と。

、「九品ナリト↠不↠摂。」

^せつありといへどもらくべつならず。 いかにいはんや、 かのぼんるところのにちはんずること、 しょどうなるをや。 かんきょうとうしょは、 かのこくにち劫数こうしゅなりとゆるすは、 まことにむるところにあたれり。 あるのいはく、 「*ぶつ、 このにちをもつて、 これをきて、 しゅじょうをしてらしめたまふ」 と。

↠有リト↢異説↡快楽不↠別ナラ。何ズルコト↢彼九品所逕日時↡、諸師不同ナリ。懐感・智憬等諸師、許↢彼国土日夜劫数ナリトレリ↠所↠責ムル。有、「仏以日夜↡説キテ↠之、令メタマフト↢衆生ヲシテ↡。」

^いまいはく、 のちしゃくとがなし。 しばらくれいをもつて*じょじょうせん。

今謂、後釈無↠失。且↢四↡助成セム

^いちには、 かのぶつしんりょう、 そこばくじゅんといふは、 かのぶつぶんをもつて、 かさねてかのじゅんとなせるにあらず。 もししからずは、 しゅせんのごときちょうだいにんの、 いち毛端もうたんをもつて、 そのゆびふしとなさんにたるべし。 ゆゑにりぬ、 ぶつゆびりょうをもつて仏身ぶっしんちょうたんかずといふことを。 なんぞかならずしも、 じょう*こくをもつてはなひらくるそくかんや。

者彼身量若干ソコバク1205、不↧以↢彼↡畳ムデ↦彼由旬↥也。若↠爾者、応↠似タル↧如↢須弥山↡長大之人↢一毛端↡為ムニ↦其↥。故リヌトイフコトヲ↧以↢仏↡説↦仏身長短↥。何ズシモ↢浄土時剋↡説カム↢華クル遅速↡耶。

^には、 ¬*そんしょう陀羅だらきょう¼ にくがごとし。 「とうてんじょうぜんじゅうてんそらこえぐるをくに、 ªなんぢ、 まさに七日しちにちありてぬべしº と。 とき*てんたいしゃくぶつ教勅きょうちょくけて、 かのてんをして七日しちにち勤修ごんしゅせしむ。 七日しちにちぎてのちに、 寿じゅみょうぶることをたり」 と。

者如↢¬尊勝陀羅尼経¼説クガ↡。「忉利天上善住天子、聞↢空グルヲ↡、汝当シト↢七日アリテ↡。時天帝釈、承ケテ↢仏教勅↡、令↢彼天子ヲシテ七日勤修↡。過ギテ↢七日↡後寿命得タリト↠延ブルコトヲ。」

^これはこれ、 にんちゅうにち1115をもつてけるなり。 もしてんじょう七日しちにちによらば、 にんちゅうしちひゃくさいあたれり。 *ぶつはちじゅうねんのうちに、 そのけつりょうすべきにあらず。 ぼんにちもまたこれにおなじかるべし。

是人中日夜ヲモテ而説ケルナリ。若ラバ↢天上↡、当レリ↢於人中七百歳↡。不↠応キニ↣仏世八十年、決↢了↡。九品日夜亦応↠同カル↠之

^さんには、 *ほう所訳しょやくの ¬きょう¼ にのたまはく、 「たいしょうにんは、 ひゃくさいぎてぶつたてまつることを」 と。 ¬びょう等覚どうがくきょう¼ (三) にのたまはく、 「れんのなかに*しょうして、 しろのなかにあり。 このけんひゃくさいにして、 づることをることあたはず」 と。

者法護所訳¬経¼云、「胎生之人ギテ↢五百歳↡得↠見タテマツルコトヲ↢於仏↡。」¬平等覚経¼云、「於↢蓮華中↡化生シテ、在↢城↢是五百歳↡不↠能↠得ルコト↠出ヅルコトヲ。」

^きょうごうとう、 このもんをもつて、 このほうひゃくさいなりといふことをしょうす。 いまいはく、 かのたいしょう歳数さいしゅ、 すでにこのけんによりてく。 ぼんこく、 なんのべつありてか、 かれにおなじからざらんや。

憬興等師以↢此↡証↢此五百歳ナリトイフコトヲ↡也。今云、彼胎生歳数既リテ↢此↡説。九品時剋有リテカ↢何別義↡不ラム↠同カラ↠彼耶。

^には、 もしかのさかいによりてぼんけりとせば、 じょうぼん中生ちゅうしょういっ宿しゅくじょうぼんしょう一日いちにちいちは、 すなはちこのさかい半劫はんこう一劫いっこうあたれり。 もししかなりとゆるさば、 たいしょうしんのものすら、 なほしゃひゃくさいて、 すみやかにぶつたてまつることをるに、 じょうぼんしんぎょうのもの、 あに半劫はんこう一劫いっこうぎて、 おそれんひらかんや。 このことわりあるがゆゑに、 のちしゃくとがなし。

者若リテ↢彼↡説↢九品↡者、上品中生一宿、上品下生一日一夜、即レリ↢此半劫・一劫↡。若サバ↠爾ナリト者、胎生疑心スラ↢娑婆五百歳↡而速ルニ↠見タテマツルコトヲ↠仏上品信行者豈ギテ↢半劫・一劫↡而遅カム↢蓮華↡耶。有ルガ↢此理↡故↠失。

 ^ふ。 もしこのさかいにちこくをもつてかのそうかば、 かの上上じょうじょうぼんは、 かのくにうまれをはりて、 すなはちしょう法忍ぼうにんさとるべからず。 しかる所以ゆえんは、 この1116さかい少時しょうじしゅぎょうをばすぐれたりとなし、 かのくに多時たじ善根ぜんごんをばれつなりとなす。

。若↢此日夜時剋↡説カバ↢彼↡者、彼上々品、生↢彼↡已リテ、不↠応カラ↣即↢无生1206法忍↡。所↢以然↡者、此少時修行ヲバ↠勝レタリト多時善根ヲバ↠劣ナリト

^すでにしからば、 上上じょうじょうぼんにんは、 このかいにして、 一日いちにちより七日しちにちいたるまで、 *さん福業ぷくごうそくするに、 なほしょう法忍ぼうにんしょうすることあたはざりき。 いかんぞ、 かしこにうまれて、 ほうきてすなはちさとらんや。 ゆゑにりぬ、 かのこくじょうおんこくて、 しょうにんさとるなり。

ラバ、上々品、於↢此世界↡一日ヨリルマデニ↢七日↡具↢足スルニ三福業↡、尚不リキ↠能↠証スルコト↢無生法忍↡。云何レテ↠彼キテ↠法ラムヤ。故リヌ↢彼国土長遠時剋↡、悟ルナリ↢無生忍↡。

^しかも、 かしこにやくして、 すなはちさとるとづくるも、 ここにのぞむれば、 すなはち億千おくせんざいなり。 あるいは上上じょうじょうにんは、 かならずこれ*方便ほうべんしんぎょう円満えんまんせるものなるべし。 もししからずは、 諸文しょもん*じゅんせん。

シテ↠彼クルナリ↢即ルトムレバ↠此億千歳ナリ。或イハ↢上々是方便後心行円満ナル↡。若↠爾者、諸文桙楯ナリ

^こたふ。 いまだ、 かのくにぜんれつなり、 このさかいしょうぜんすぐれたりといふことをらず。

。未↠知↢彼多善ナリ、此少善レタリトイフコトヲ↡。

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)かく、 「ここにしてひろ徳本とくほんゑ、 おんほどこし、 道禁どうきんぼんすることなく、 忍辱にんにくし、 しょうじんし、 一心いっしんし、 智慧ちえありて、 うたたあひきょうして、 ぜんりゅうし、 こころただしくし、 斎戒さいかい清浄しょうじょうにして一日いちにちいちすれば、 りょう寿じゅぶつくににありて、 ぜんをなすことひゃくさいするにすぐれたり。 所以ゆえんはいかん。 かのぶっこく無為むいねんにして、 みなもろもろのぜんみて毛髪もうはつあくもなし。 ここにしてぜんしゅすることじゅうにちじゅうすれば、 ほう諸仏しょぶつくにのなかにしてぜんをな1117すこと千歳せんざいするにすぐれたり」 と。

。¬双巻経¼説カク、「於↠是↢徳↡、↠恩、勿↠犯スルコト↢道禁↡、忍辱精進一心アリテ、転相教化シテ、立↠善シクシ↠意、斎戒清浄ニシテ一日一夜、勝レタリ↧在リテ↢无量寿仏ツクコト↠善百歳スルニ↥。所以者何。彼仏国土無為自然ニシテ、皆積ミテ↢衆↡无↢毛髪之悪↡。於↠此スルコト↠善十日十夜ルハ、勝レタリト↧於↢他方諸仏↡為コト↠善スルニ↥。」

^これそのしょうれつなり。

是其勝劣ナリ

^こたふ。 かい善根ぜんごん*剋対こくたいするにはしかるべし。 しかも、 ぶつえんすぐれたれば、 すみやかにさとるにとがなし。 あるいはこの ¬きょう¼ (大経・下) は、 ただしゅぎょうなんあらわし、 善根ぜんごんしょうれつあらわすにはあらず。 たとへば、 貧賎びんせんなるものの一銭いっせんするをば、 しょうすべしといへども、 しかもしゅべんぜず、 富貴ふき千金せんきんつるはしょうすべからずといへども、 しかもよくまんべんずるがごとし。 かいしゅぎょうもまたかくのごとし。

。二界善根剋対スルニハ↠爾。然値仏縁勝レタレバ、速ルニ↠失。或イハ¬経¼但顕スナリ↢修行難易↠顕スニハ↢善根勝劣↡。譬ヘバ↧貧賎ナルモノスルヲバ↢一銭↡雖↠可シト↢称美↡、而不↠↢衆事↡、富貴ツルハ↢千金↡雖↠不↠可カラ↠称、而ズルガ↦万事↥。二界修行亦復如↠是クノ

^¬*金剛こんごう般若はんにゃきょう¼ (意) にのたまへるがごとし。 「*ぶっにしてしんするをば、 いまだすぐれたりとなすにらず。 めつをばすぐれたりとなす」 と。

↢¬金剛般若経¼云ヘルガ↡。「仏世ニシテ信解スルヲバ↠足↠為↠勝レタリト。滅後ヲバ↠勝レタリト。」

^あるいはあり。 *きょくすることあたはず。

イハ↢余義↡。不↠能↢委曲スル↡。

 ^ふ。 しゃぎょういんしたがひて、 極楽ごくらくかいべつあるがごとく、 所感しょかん福報ふくほうもまたべつありや。

。如↧随ヒテ↢娑婆行因↡極楽階位ルガ↞別、所感福報亦有↠別耶1207

^こたふ。 *たいべつなきも、 *細分さいぶんしゃあり。

。大都↠別細分ナム↠差。

^¬*陀羅尼だらにじっきょう¼ のだいにのたまふがごとし。 「もしひとこうじきとうをもつてようせざるものは、 かのじょううまれたりといへども、 しかもこうじきとう種々しゅじゅようほうず」 と。 このもんは、 かのぶつ本願ほんがんたがへり。 さらにこれをしゃくせよ。

↢¬陀羅尼集経¼第二フガ↡。「若人不↧以↢香花・衣食等↡供養↥者、雖↠生レタリト↢彼浄土↡、而イヘリ↠得↢香花・衣食等種々供養之報↡。」ヘリ↢彼本願↡。更思↢セヨ↡。

^*玄一げんいち*いんほっおなじくいはく、 「*じつやくしてろんずれば、 またしょうれつあり。 しかもそのかたちそうせるがゆゑに1118好醜こうしゅなしとく」 と。

玄一師・因法師同ジク、「約シテ↠実ズレバ、亦有↢勝劣↡。然状相似セルガクト↠無シト↢好醜↡。」

 ^ふ。 極楽ごくらくかいは、 ここをることいくばくぞ。

。極楽世界ルコト↠此幾処イクバク

^こたふ。 ¬*きょう¼ にのたまはく、 「ここより西方さいほうに、 じゅう万億まんおくぶつぎて極楽ごくらくかいあり」 と。

。¬経¼云、「従↠此西方ギテ↢十万億仏土↡有リト↢極楽世界↡。」

^ある ¬きょう¼ (称讃浄土経) にのたまはく、 「これより西方さいほうに、 このかいることひゃくせんてい那由なゆぶつぎてぶつかいあり。 づけて極楽ごくらくといへり」 と。

¬経¼云、「於↠是西方ルコト↢此世界↡過ギテ↢百千倶胝那庾多仏土↡有↢仏世界↡。名ケテリト↢極楽↡。」

 ^ふ。 きょう、 なんがゆゑぞどうなる。

。二経何不同ナル

^こたふ。 ¬ろん¼ (浄土論)*こうの ¬しょ¼こころにいはく、 「ていといふは、 ここにはおくとなす。 那由なゆといふは、 このけんがいかずあたれり。 ぞくにいはく、 じゅうせんまんといひ、 じゅうまんおくといひ、 じゅうおくちょうといひ、 じっちょうけいといひ、 じっけいがいといふ。 がいはなほこれ大数だいしゅなり。 ひゃくせんていはすなはちじゅう万億まんおくなり。 おくくらいあり。 いちにはじゅうまんには百万ひゃくまんさんには千万せんまんには万万まんまんなり。 いまおくといふはすなはちこれ万万まんまんなり。 このあらわさんがために那由なゆぐ」 と。

。¬論¼智光¬疏¼意、「言↢倶胝↡者、此ニハ↠億也。那庾多トイフ者、当レリ↢此↡也。世俗、十↠万十万↠億十億↠兆十兆猶是大数也。百千倶胝十万億ナリ。億↢四位↡。一者十万、二者百万、三者千万、四者万々ナリ。今言↠億者即是万々ナリ。為↠顕サムガ↢此↡挙グト↢那庾多↡。」

^このしゃくおもふべし。

釈可↠思

 ^ふ。 かのぶつ*しょはただ極楽ごくらくとやせん、 またありとやせん。

。彼所化↢唯極楽トヤ↡、為↢亦有リトヤ↟余。

^こたふ。 ¬大論だいろん¼ (*大智度論) にいはく、 「弥陀みだぶつにもまたごんじょうごんじょうあること、 *しゃもんのごとし」 と。

。¬大論¼云、「阿弥陀仏ニモ亦有ルコト↢厳浄・不厳浄土↡如シト↢釈迦↡。」

 ^1119ふ。 なんらかこれなるや。

。何等ナル耶。

^こたふ。 極楽ごくらくかいはすなはちこれじょうなり。 しかも、 その ˆ弥陀みだぶつのˇ 穢土えどはいまだいづれのところなるかをらず。 ただしどうしゃくとうしょ、 ¬おんじょうきょう¼ の所説しょせつこくをもつてかの穢土えどとなす。

。極楽世界是浄土ナリ。然穢土↠知↢何レノ↡。但道綽等諸師以↢¬鼓音声経¼所説国土↡為↢彼穢土↡。

^かの ¬きょう¼ (鼓音声経) にのたまふがごとし。 「弥陀みだぶつしょうもんとともなり。 そのくにごうして*しょうたいといふ。 じょうおうむところなり。 そのしろじゅうこうじゅうせんじゅんなり。 なかにおいて*せつしゅじゅうまんせり。

↢彼¬経¼云1208フガ↡。「阿弥陀仏与↢声聞↡倶ナリ。其シテ↢清泰↡。聖王所住ナリ。其広十千由旬ナリ。於↠中充↢満シメタ刹利之種↡。

^弥陀みだぶつ如来にょらいおうしょうへんちち月上がつじょう転輪てんりんじょうおうづく。 そのははづけてしゅしょうみょうげんといふ。 *がつみょうづく。 *奉事ぶじ弟子でし無垢むくしょうづく。 *智慧ちえ弟子でしづけて攬光らんこうといふ。 *神足じんそく精勤しょうごんのものをづけてだいといふ。 そのときおうづけてしょうといふ。 だいだっあり、 づけてじゃくといふ。 弥陀みだぶつだい比丘びく六万ろくまんひととともなり」 と。

阿弥陀仏・如来・応・正遍知↢月上転輪聖王↡。其ケテ↢殊勝妙顔↡。子↢月明↡。奉事弟子↢無垢称↡。智慧弟子ケテ↢攬光↡。神足精勤ノモノヲケテ↢大化↡。爾魔王ケテ↢無勝↡。有↢提婆達多↡、名ケテ↡。阿弥陀仏与↢大比丘六万人↡ナリトイヘリ。」

 ^ふ。 かのぶつしょは、 ただ極楽ごくらくしょうたいとのくにとのみやせん。

。彼所化、為↢唯極楽・清泰トノトノミヤ↡。

^こたふ。 きょうもんは、 えんしたがひてしばらく一隅いちぐうぐ。 その実処じっしょろんずれば不可ふか思議しぎなり。

。教文ヒテ↠縁↢一↡。論ズレバ↢其実処↡不可思議ナリ

^¬ごんぎょう¼ のにのたまふがごとし。

↢¬華厳経¼偈フガ↡。

^さつもろもろの願海がんかいしゅぎょうして、 あまねくしゅじょうしん所欲しょよくしたがふ。
しゅじょう*しんぎょうひろくしてへんなれば、 さつこく十方じっぽうへんせり」 と。

「菩薩修↢行シテ願海↢衆生所欲
衆生心行広クシテ無辺ナレバ菩薩国土セリト↢十方↡」

^1120たのたまはく (華厳経)

又云

^如来にょらいしゅつげんしたまひて十方じっぽうへんし、 一々いちいちじんのなかにりょうあり。
そのなかのきょうがいまたりょうなるに、 ことごとくへんじんこうじゅうしたまふ」 と。

「如来出現シタマヒテタマフ↢十方一々無量
境界亦無量ナルニシタマフト↢無辺无尽↡」

 ^ふ。 如来にょらい*施化せけは、 ひとおこりたまはず。 かならずえんたいす。 なんぞ十方じっぽうへんする。

。如来施化、事不↢ヒトリリタマハ↡。要↢機縁↡。何スル↢十方↡。

^こたふ。 広劫こうごうしゅぎょうしてりょうしゅうじょうじゅしたまへり。 ゆゑにかのえん、 また十方じっぽうさかいへんせり。

。広劫修行シテ成↢シタマヘリ無量↡。故機縁、亦遍セリ↢十方↡。

^¬ごん¼ のにのたまふがごとし。

↢¬華厳¼偈フガ↡。

^おうじゃく勤修ごんしゅしたまふこと劫海こうかいにして、 よくしゅじょうじんじゅうさわりてんじたまへり。
ゆゑによくわかつこと十方じっぽうへんして、 ことごとくだい樹王じゅおうもとげんじたまふ」 と。

「往昔勤修シタマフコト多劫海ニシテジタマヘリ↢衆生深重
分身遍シテ↢十方ジタマフト↢菩提樹王↡」

二 Ⅹ 往生階位

【72】^だいおうじょうかいといふは、

第二往生階位トイフ者、

・第一問答

^ふ、 ¬*瑜伽ゆがろん¼ (意) にいはく、 「*さんさつ、 まさにじょううまる」 と。 いま*ぜんぼんしょうもんすすむるに、 なんのこころかある。

¬瑜伽論¼云、「三地菩薩方ルト↢浄土↡。」今勧ムルニ↢地前凡夫・声聞↡有↢何↡。

^こたふ。 じょう差別しゃべつあるがゆゑにとがあることなし。

。浄土差別アルガ↠有ルコト↠過。

^かん (懐感)しゃく (群疑論・意) にいふがごとし。 「もろもろのきょうろんもんに、 じょうしょうずることをくに1121、 おのおのいちによれり。 じょうすでにみょうしょうれつあれば、 しょうずることをることもまたじょう階降かいごうあり」 と。

↢感師1209フガ↡。「諸経論クニ↠生ズルコトヲ↢浄土↡、レリ↢一↡。浄土既レバ↢麁妙・勝劣↡、得ルコトモ↠生ズルコトヲ亦有リト↢上下階降↡。」

^また*道宣どうせんりっのいはく、 「さんさつ、 はじめて報仏ほうぶつじょうる」 と。

又道宣律、「三地菩薩始ルト↢報仏浄土↡。」

・第二問答

 ^ふ。 たとひほうにあらずとも、 *惑業わくごうおもきもの、 あにじょうんや。

。設ズトモ↢報土↡、惑業重者豈ムヤ↢浄土↡。

^こたふ。 天台てんだい (智顗) ののたまはく (維摩経略疏・意)、 「りょう寿じゅくにほうしゅしょうなりといへども、 りんじゅうときさん念仏ねんぶつすれば、 *ごっしょうすなはちてんじて、 すなはちおうじょう惑染わくぜんせりといへども、 願力がんりきをもつてしんたもちて、 また ˆじょうにˇ することを」 と。

。天臺、「無量寿↢果報殊勝ナリト↡、臨終之時懴悔念仏スレバ、業障便ジテ得↢往生↡。雖↠具セリト↢惑染↡、願力ヲモテチテ↠心亦得↠居スルコトヲ也。」

・第三問答

 ^ふ。 もしぼんまたおうじょうすることをゆるさば、 ¬ろくもんきょう¼ をいかんがつうせん。 ¬*きょう¼ (同) にのたまはく、 「ぶつねんずるはぼんねんにあらず。 *けっ使ぞうせずして、 弥陀みだ仏国ぶっこくうまるることを」 と。

。若サバ↣凡夫亦得↢往生スルコトヲ↡、¬弥勒問経¼如何通会セム。¬経¼云、「念ズル↠仏者非↢凡愚↡。不シテ↠雑↢結使↡、得↠生ルルコトヲ↢弥陀仏↡。」

^こたふ。 ¬*西方さいほう要決ようけつ¼ にしゃくしていはく、 「しゃなりとりてなが*染界ぜんかいするは、 すなはち*薄浅はくせんはんにあらず。 *当来とうらいぶつりて、 こころもつぱらひろく、 法界ほうかいしゅじょうせんとす。 このしょうあるがゆゑにならず。 しょうねんするときけっ使*眠伏めんぶくす。 ゆゑにけっ使ねんまじへずといふ」 と。

。¬西方要決¼釈シテ、「知リテ↢娑婆ナリト↡永レバ↢染界↡、↢薄浅↡。当来ラムトイヒ↠仏、意ヲモテニスセムトイフ↢法界衆生ルガ勝解↡故非↠愚ナラ也。正念スル結使眠伏。故フト↢不雑結使念↡也。」

^こころのいはく、 ぼんぎょうにんの、 このとくせるなり。

、凡夫行人セル↢此↡也。

・第四問答

 ^1122ふ。 かのくにしゅじょうはみな退転たいてんなり。 あきらかにりぬ、 これぼん生処しょうじょにあらずといふことを。

。彼衆生皆不退転ナリ。明カニリヌズトイフコトヲ↢是凡夫生処↡。

^こたふ。 いふところの退たいとは、 かならずしもこれしょうとくにあらじ。

。所↠言不退者非↢必ズシモ是聖↡。

^¬要決ようけつ¼ (西方要決) にいふがごとし。 「いま退たいかすに、 そのしゅあり。 ¬*十住じゅうじゅう毘婆びばしゃ¼ にいはく、

↢¬要決¼云フガ↡。「今明スニ↢不退↡、有↢其四種↡。¬十住毘婆¼云

^ªいちには退たい、 すなはちいんしゅすること万劫まんごうありて、 また、 *悪律あくりつぎょう退たいしょうてんせざるなり。

ニハ位不退、即スルコト↠因万劫アリテ、不ルナリ↧復退↢堕悪律儀↡流↦転生死↥。

^にはぎょう退たい、 すでにしょて、 利他りたぎょう退たいせざるなり。

ニハ行不退、已↢初地↡利他行不ルナリ↠退

^さんにはねん退たい*はち以去いこゆうにして、 こころざいるがゆゑに。

ニハ念不退、八地已去無功用ルガ↢自在↡故

^にはしょ退たいもんしょうなしといへども、 やくしてもつてじょうず。 いかんとならば、 てんのなかにれば、 すなはち退たいるがごとく、 じょうまたしかなり。 いのちながくしてやまいなく、 すぐれたるとも提携ていけいし、 純正じゅんしょうにしてじゃなく、 ただじょうにしてぜんなく、 つねにしょうそんつかへまつる、 このえんによりてそのところ退しりぞくことなしº」 と。 以上略抄

ニハ処不退、雖↠無シト↢文証↡、約シテ↠理。何トナラバ者、如↢天レバ↠果、即ルガ↟不コトヲ退、浄土亦爾ナリ。命長クシテ↠病、勝レタル提携、純1210ニシテ↠邪、唯浄ニシテ↠染、恒ツカヘマツル↢聖尊↡、由リテ↢此↡其シト↠退クコト。」 已上略抄

・第五問答

 ^ふ。 ぼんかい異解いげどうなり。

。九品階位、異解不同ナリ

^*おんほっ (浄影寺慧遠) のいふがごとし。 「じょう上生じょうしょう*ろくなり。 じょう中生ちゅうしょう*しょさんなり。 じょうしょう*ぜんさんじっしんなり」 と。

↢遠法師フガ↡。「上上生四・五・六地ナリ。上中生初・二・三地ナリ。上下生地前卅心也。」

^*りきほっのいはく、 「上上じょうじょう*ぎょうこうなり、 上中じょうちゅう*じゅうなり、 じょうじっしんなり」 と。

力法師、「上々行・向ナリ、上中十解ナリ、上下十信ナリト。」

^*基師きしのいはく、 「上上じょうじょうじゅうこう上中じょうちゅう*ぎょうなり1123じょうじっしんなり」 と。

基師、「上々十廻向、上中解・行ナリ、上下十信ナリト。」

^あるがいはく、 「上上じょうじょう十住じゅうじゅう初心しょしんなり、 上中じょうちゅうじっしんしんなり、 じょうじっしんしょなり」 と。

ルガ、「上々十住初心ナリ、上中十信後心ナリ、上下十信初位ナリト。」

^あるがいはく、 「上上じょうじょうじっしんおよびぜんの、 よくさんしんおこして、 よく*さんぎょうしゅするものなり。 上中じょうちゅうじょうは、 ただじっしんぜんの、 提心だいしんおこして、 ぜんしゅするぼんる。 ぎょう浅深せんじんにより、 もつてほんわかつ」 と。

ルガ、「上々十信及以前シテ↢三↡、能スル↢三行↡者也。上中・上下、唯取↧十信以前シテ↢菩提心↡修スル↠善凡夫↥。起行浅深ヨリツト二品↡也。」

^しょ所判しょはんどうなる所以ゆえんは、 しょうにんくらいどうなるをもつてのゆゑなりと。 *¬*仁王にんのうきょう¼ には、 しょうにんしちはちにあり。 諸論しょろんには、 しょにあるいは*にんにあり。 ¬*本業ほんごう瓔珞ようらくきょう¼ には、 十住じゅうじゅうにあり。 ¬ごんぎょう¼ には、 じっしんにあり。 ¬占察せんざつきょう¼ には、 *いちぎょう三昧ざんまいしゅしてそうしょう法忍ぼうにんるものをけり。 ゆゑにしょおのおのいちによるなり。

所↢以諸師所判不同ナル↡者、以テノ↢無生忍不同ナルヲ↡故ナリ。¬仁王経ニハ¼无生忍↢七・八・九地↡。諸論ニハ↢初地イハ忍位↡。¬本業瓔珞経ニハ¼在↢十住↡。¬花厳経ニハ¼在↢十信↡。¬占察経ニハ¼説ケリ↧修シテ↢一行三昧↡得↢相似無生法忍↡者↥也。故諸師↢一↡也。

^ちゅうぼんさんしょうは、 おん (浄影寺慧遠) のいはく、 「中上ちゅうじょうはこれ*ぜんさんなり、 中中ちゅうちゅうはこれ*しち方便ほうべんなり、 ちゅうはこれ*だつぶんぜんゑたるひとなり」 と。 りきほっこれにおなじ。

中品三生、遠、「中上是前三果ナリ、中々是七方便ナリ、中下是種ヱタル↢解脱分↡人ナリト。」力法師同↠之

^ほっのいはく、 「中上ちゅうじょう*善根ぜんごん中中ちゅうちゅう*さんげんちゅう*方便ほうべんまえひとなり」 と。

法師、「中上四善根、中々三賢、中下方便ナリト。」

^あるがいはく、 「いでのごとく、 *にんちょうなんなり」 と。

ルガ、「如↠次デノ忍・頂・ナリト。」

^あるがいはく、 「*さんしょうはならびにこれだつぶん善根ぜんごんゑたるひとなり」 と。

ルガ、「三生是種ヱタル↢解脱分善根↡人也。」

^じょう六品ろくほんにまたしゃくあり。 かんぜん (懐感) の ¬ろん¼ (群疑論)、 龍興りゅうこうの ¬¼ (観無量寿経記) とうえたり。

已上六品亦有↢余釈↡。見エタリ感禅師¬論¼、龍興¬記¼等

^1124ぼんさんしょうべつかいなし。 ただこればく造悪ぞうあくにんなり。

下品三生↢別階位↡。但是具縛造悪人也。

^あきらけし、 おうじょうにんはそのくらいかぎりあり。 いかんぞ、 なほこれわれらがぶんなりとはるや。

ケシ、往生位有↠限イカン↢猶是我等ナリ↡耶。

^こたふ。 じょうぼんにんかいたとひふかくとも、 ぼんさんしょう、 あにわれらがぶんにあらざらんや。 いはんや、 かののちしゃくに、 すでにじっしんぜんぼんりてじょうぼんさんとなせるをや。

。上品之人1211階位設クトモ、下品三生豈ザラム↢我等↡耶。況、既リテ↢十信以前凡夫↡為ルヲヤ↢上品↡。

^また ¬かんぎょう¼ の善導ぜんどうぜんの 「げん(*玄義分) に、 だい小乗しょうじょう*方便ほうべんぜんぼんをもつてぼんくらいはんじて、 しょ所判しょはん深高じんこうなることをゆるさず。 またきょうろんは、 おおもんによりてはんず。 いまの ¬きょう¼ (観経)所説しょせつじょうさんぼんごうを、 なんぞかならずしもしゅうしてじんぎょうとなさんや。

又¬観経¼善導禅師「玄義」、以↢大小乗方便以前凡夫↡判ジテ↢九品↡、不↠許↢諸師所判深高ナルコトヲ↡。又経論リテ↠文↠義。今¬経¼所説三品、何ズシモシテ↢深位↡耶。

・第六問答

 ^ふ。 もししからば、 かしこにしょうじて、 はやしょう法忍ぼうにんさとるべからず。

。若ラバジテ↠彼不↠応カラ↣早↢無生法忍↡。

^こたふ。 天台てんだいにはしょうにんくらいあり。 もし*べっきょうにんならば、 りゃくこうしゅぎょうしてしょうにんさとり、 もし*えんぎょうにんならば、 ない悪趣あくしゅしんにしてまたとんしょうするものあり。 穢土えどなほしかなり、 いかにいはんやじょうをや。 かのしょをば、 しょれいすることなかれ。

。天臺ニハ↢二無生忍位↡。若別教歴劫修行シテ↢无生忍円教、乃至悪趣ニシテ亦有↢頓スル者↡。穢土尚ナリ浄土ヲヤ。彼諸事ヲバ↠例スルコト↢余処↡。

^いづれのところにか、 一切いっさいぼん、 いまだそのくらいいたらざるに、 つひに退たいすることなく、 いづれのところにか、 一切いっさいぼん、 ことごとく神通じんずうみょうゆう無礙むげならんや。 しょうそくれいしてまたしかるべし。

レノ一切凡夫、未ルニ↠至↢其↡、終キヤ↢退堕スルコトレノ一切凡夫、悉↢五神通↡妙用无礙耶。証果遅速、例シテ亦可↠然

・第七問答

 ^1125ふ。 じょうぼんしょうにんの、 得益とくやく*早晩そうばん一向いっこうにしかるか。

。上品生得益早晩、一向耶。

^こたふ。 ¬きょう¼ (観経) のなかにはしばらく一類いちるいぐるなり。

。¬経¼中ニハグルナリ↢一類↡。

^ゆゑに ˆじょうようˇ おんしょうの ¬かんぎょう義記ぎき¼ (観経義疏) にいはく、 「ぼんにんの、 かのくにうまれをはりて、 やく劫数こうしゅは、 すぐれたるによりてく。 またこれにぎたるものもあるべし」 と。

恵遠和尚¬観経義記¼云、「九品↢彼↡已リテ↠益之劫数、依リテ↠勝レタルニ而説。理亦有ルベシト↢過ギタル↠之↡。」

^いまいはく、 ひろくぼんろんぜば、 あるいはまたしょうぶんこれよりすみやかなるものもあるべし。

今謂ゼバ↢九品↡、或イハ復可↠有↧少分速ナル↢於此ヨリ↡者↥。

・第八問答

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経) のなかに、 またろくとうのごとき、 もろもろのだいさつの、 まさに極楽ごくらくしょうずべきあり。 ゆゑにりぬ、 ¬きょう¼ (観経) のなかのぼん得益とくやくれつなるによりてしかもけるなり。 いかんぞ 「すぐれたるによる」 とはいふや。

。¬双巻経¼中、亦有↧如↢弥勒等↡諸大菩薩↞生↢極楽↡。故リヌ¬経¼中九品得益リテ↠劣ナルニケルナリ。何↠依ルトハ↠勝レタルニ耶。

^こたふ。 かのくにうまれてはじめてしょうさとる、 ぜん早晩そうばんやくして、 これを 「すぐれたるによる」 といふなり。 さらにかのじょうだいをばろんぜず。 しかも、 かのだいぼんのなかにおいてしょう不摂ふしょうとを、 べつちゃくすべし。

シテ↧生ジテ↢彼↡始↢無生↡前後早晩↥、謂フナリ↢之ルト↟勝レタルニ。更不↠論↢彼上位大士ヲバ↡。然大士於↢九品↡摂↢不摂↡別↢思択↡。

・第九問答

 ^ふ。 もしぼんやからもまたおうじょうすることをば、 いかんぞ、 近代ごんだい、 かのこくにおいてもとむるものは千万せんまんなるも、 ることはいちもなきや。

。若凡下亦得↢往生1212スルコトヲ云何、近代於↢彼国土↡求ムル千万ナリルコトハ↢一二↡。

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) のいはく (安楽集・上意)、 「信心しんじんふかからずして、 ぞんぜるがごとく、 もうぜる1126がごときゆゑに。 信心しんじんいちならずして、 けつじょうせざるがゆゑに。 信心しんじん相続そうぞくせずして、 ねんへだつるがゆゑに。 このさん相応そうおうせざるものは、 おうじょうすることあたはざるなり。 もしさんしんしておうじょうせずといはば、 このことわりあることなからん」 と。

。綽和尚、「信心不シテ↠深カラ、若↠存ゼルガ↠亡ゼルガ。信心不シテ↠一ナラ、不ルガ↢決定↡故。信心不シテ↢相続↡、余念マジハルガ。此三不↢相応↡者ルナリ↠能↢往生スルコト↡。若シテ↢三心↡不トイハバ↢往生↡者、无ムト↠有ルコト↢是コトワリ↡。」

^どうしょう (善導) のいはく (礼讃)、 「もしよくかみのごとく念々ねんねん相続そうぞくしていのちふるをとなすものは、 じゅうはすなはちじゅうしょうじ、 ひゃくはすなはちひゃくしょうず。 もしせんてて雑業ぞうごうしゅせんとほっするものは、 ひゃくにしてときまれいちせんにしてときまれさん」 と。 かみのごとく」 といふは、 らいさんとう念門ねんもんじょうとうさんしんじょうとうしゅすなり。

導和尚、「若↠上念々相続シテフルヲ↠命↠期、十十生、百百生。若セム↣捨テテ↠専スルコトセムト↢雑業↡者、百ニシテ↢一二ニシテ↢三五↡。」↢如上↡者指↢礼・讃等五念門、至誠等三心、長時等四修↡也

・第十問答

 ^ふ。 もしかならずいのちふるをとなさば、 いかんぞ、 かんしょう (懐感) の、 「じょうたんしゅしょうしゅ、 みなおうじょうすることを(群疑論) といへるや。

。若スル↠命↠期者、如何感和尚ヘル↣「長時・短時、多修・少修、皆得↢往生スルコトヲ↡」耶。

^こたふ。 *業類ごうるいいちにあらざるがゆゑに、 ともにとがなし。 しかも、 いのちふるをとなして、 勤修ごんしゅしておこたることなくは、 ごうをしてけつじょうせしむるに、 これを*ちょうほんとなす。

。業類非ザルガ↠一師倶↠過。然フルヲ↠命↠期、勤修シテシテ↠怠スルコト、令ムル↢業ヲシテ決定↡、是↢張本↡。

・第十一問答

 ^ふ。 *¬*さつ処胎しょたいきょう¼ のだいかく、 「西方さいほうにこのえんだいることじゅうおく那由なゆしてまんがいあり。 こくらくにして、 *しょうがくつくり、 衣被えび服飾ぶくじきこう1127もつてしょうごんせり。 七宝しっぽう転開てんかいゆかあり。 げてひがしれば、 ほうじょうしたがひててんず。 きた西にしみなみるにもまたかくのごとくてんず。

。¬菩薩処胎経¼第二カク、「西方ルコト↢此閻浮提↡十二億那由他シテ懈慢界↡。国土快楽ナリ倡妓楽↡、衣被・服飾・香花ヲモテ荘厳セリ。七宝転開アリ。挙ゲテ↠目レバ、宝床随ヒテ。北視西視南ルニモ亦如↠是クノ

^ぜんこころおこせるしゅじょうの、 弥陀みだ仏国ぶっこくうまれんとほっするもの、 みなふかまんこくじゃくして、 前進ぜんしんして、 弥陀みだこくうまるることあたはず。 おく千万せんまんしゅうとき一人いちにんありてよく弥陀みだぶつくにしょうず」 と。

前後セル↠意衆生スル↠生レムト↢阿弥陀仏国↡者、皆深シテ↢懈慢国土↡、不↠能↣前進シテルルコト↢阿弥陀国↡。億千万衆、時リテ↢一人↡能ズト↢阿弥陀仏↡。」

^この ¬きょう¼ (菩薩処胎経) をもつてじゅんずるに、 しょうずることをべきことかたし。

↢此¬経¼↡ズルニ、難↠可キコト↠得↠生ズルコトヲ

^こたふ。 ¬ぐんろん¼ に、 善導ぜんどうしょう*さきもんきて、 このなんしゃくして、 またみづからじょじょうしていはく、 「この ¬きょう¼ (菩薩処胎経)しももんにのたまはく、 ªなにをもつてのゆゑに。 みな*まんによりて*しゅうしんろうならずº と。

。¬群疑論¼、引キテ↢善導和尚↡而釈セリ↢此又自助成シテ、「此¬経¼下、何テノ。皆由ルナリト懈慢シテ執心不ルニ↢牢ナラ↡。

^ここをもつてりぬ、 雑修ざっしゅのものはしゅうしんろうにんとなすなり。 ゆゑにまんこくしょうず。 もし雑修ざっしゅせずして、 もつぱらにしてこのごうぎょうぜば、 これすなはちしゅうしんろうにして、 さだめて極楽ごくらくこくしょうぜん。

ヲモテリヌ雑修1213之者ナリ↢執心不牢之人↡。故↢懈慢国↡也。若シテ↢雑修↡専ニシテズルハ↢此↡、此即執心牢固ナルナリ、定メテ↢極楽国↡。

^また*ほうじょううまるるものはきはめてすくなし。 *じょうのなかにうまるるものすくなからず。 ゆゑにきょうべつけり。 じつにはそうせず」 と。

又報浄土ルル。化浄土ルル者不↠少カラ。故ケリ。実ニハ↢相違↡也。」

・第十二問答

 ^ふ。 たとひさんしんせずといへども、 いのちふることをせずといへども、 かのひとたびみなくすら、 なほぶつになることを。 いはんやしばらくもしょうねんする1128、 なんぞ*唐捐とうえんならんや。

。設↠不↠具↢三心↡、雖↠不↠期↠畢フルコトヲ↠命、彼タビスラ↠名、尚得↠成ルコトヲ↠仏。況称念スル、何唐捐ナラム耶。

^こたふ。 しばらくは唐捐とうえんなるにたれども、 つひには*せつならず。

。暫タレドモ↢唐捐ナルニ↡、終非↢虚設ナラ↡。

^¬ごん¼ のに、 きょうくものの、 てんしょうやくきてのたまふがごとし。

↧¬花厳¼偈、説キテ↢聞経者転生↡云フガ↥。

^「もしひとくに堪任かんにんせるものは、 大海だいかいおよび、
*劫尽こうじんのなかにありといへども、 かならずこのきょうくことをん」 と。 大海だいかい」 とは、 これりゅうかいなり。

「若人堪↢任セルモノクニ↠在リト↢於大海
劫尽↠聞クコトヲ↢此↡」 大海者是竜界ナリ

^しゃくしていはく (*探玄記・意)、 「ごうによるがゆゑにかの難処なんしょうまる。 *さきしんによるがゆゑにこの*こんじょうぜり」 と。

シテ、「由ルガ↢余↡故↢彼難処↡。由ルガ↢前↡故ゼリト↢此根器↡。」

^¬ごん¼ をしんずるもの、 すでにかくのごとし。 念仏ねんぶつしんずるもの、 あにこのやくなからんや。 かのいっしょう悪業あくごうつくりて、 りんじゅうぜんひて、 わづかにたびぶつねんじて、 すなはちおうじょうすることを。 かくのごときたぐいは、 おおくこれぜんに、 じょうごんしてかのぶつねんぜるものの、 *宿しゅくぜんうちにじゅくしていま開発かいほつするのみ。

ズル↢¬花厳¼↡者既而如↠是クノ。信ゼム↢念仏↡者豈カラムヤ↢此益↡。彼一生リテ↢悪業↡、臨終ヒテ↢善友↡、纔タビジテ↠仏、即↢往生スルコトヲ↠是クノ、多是前世欣↢求浄土↡念ゼル↢彼↡者、宿善内シテ今開発スル耳。

^ゆゑに ¬*じゅう¼ にいはく、 「りんじゅうぜんしきひてじゅうねんじょうじゅするものは、 ならびにこれ宿しゅくぜんこわくして、 ぜんしきじゅうねんじょうじゅするなり」 と。

¬十疑¼云、「臨終ヒテ↢善知識↡十念成スル、並是宿善コハクシテ、得↢善知識↡十念成スルナリトイヘリ。」

^かん (懐感)こころもまたこれにおなじ。

感師亦同↠之

・第十三問答

 ^ふ。 下下げげぼんにん、 もし宿しゅくぜんによらば、 じゅうねんしょう本願ほんがん (第十八願)、 すなはち1129ありてじつなからん。

。下々品人若ラバ↢宿善↡、十念生本願即リテ↠名無↠実。

^こたふ。 たとひ宿しゅくぜんありとも、 もしじゅうねんなくは、 さだめて*けんち、 じゅきわまりなからん。 あきらけし、 りんじゅうじゅうねんこれおうじょうしょうえんなり。

。設レド↢宿善↡、若クハ↢十念↡、定メテ↢無間↡受苦无↠窮。明ケシ、臨終十念是往生勝縁ナリ

二 Ⅹ 往生多少

【73】^だいさん*おうじょうしょうといふは、

往生多少トイフ者、

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下意) にのたまはく、 「ぶつ*ろくげたまはく、 ªこのかいより、 ろくじゅうしちおく退たいさつありて、 かのくにおうじょうす。 一々いちいちさつは、 すでにかつてしゅ諸仏しょぶつようして、 いでろくのごとし。 もろもろの小行しょうぎょうさつおよびしょうどくしゅせるものも、 しょうすべからず。 みなまさにおうじょうすべし。

¬双巻経¼云、「仏告ゲタマハク↢弥勒↡、於↢此世界↡六十七億1214不退菩薩アリテ往↢生↡。一々菩薩、已ムカシ供↢養シテ無数諸仏↡、次ギテキナリ↢弥勒↡。諸小行菩薩及セル↢少功徳↡者、不↠可カラ↢称計皆当↢往生↡。

^ほうぶつもまたかくのごとし。 そのおんしょう仏国ぶっこくひゃくはちじゅうおくさつ宝蔵ほうぞう仏国ぶっこくじゅうおくさつりょう仏国ぶっこくひゃくじゅうおくさつかん露味ろみ仏国ぶっこくひゃくじゅうおくさつ竜勝りゅうしょう仏国ぶっこくじゅうおくさつしょうりき仏国ぶっこくまんせんさつ師子しし仏国ぶっこくひゃくさつ離垢りくこう仏国ぶっこくはちじゅうおくさつ徳首とくしゅ仏国ぶっこくろくじゅうおくさつみょう徳山とくせん仏国ぶっこくろくじゅうおくさつ人王にんのう仏国ぶっこくじゅうおくさつ

他方仏土亦復如↠是クノ。其遠照仏国百八十億菩薩、宝蔵仏国九十億菩薩、无量意仏国二百廿億菩薩、甘露味仏国二百五十億菩薩、竜勝仏国十四億菩薩、勝力仏国万四千菩薩、師子仏国五百菩薩、離垢光仏国八十億菩薩、徳首仏国六十億菩薩、妙徳山仏国六十億菩薩、人王仏国十億菩薩、

^じょう仏国ぶっこくしゅ不可ふかしょう退たいのもろもろのさつ智慧ちえゆうみょうにして、 すでにかつてりょう諸仏しょぶつようしたてまつり、 七日しちにちのうちに、 すなはちよくひゃく千億せんおくこうだい所修しょしゅけんほう摂取せっしゅす。 無畏むい仏国ぶっこくしちひゃくじゅうおくだいさつしゅ、 もろもろのしょうさつおよび比丘びくとうは、 しょうすべからず。 みなまさにおうじょうすべし。

無上華仏国无数不可称計不退菩薩、智慧勇猛ニシテ、已ムカシ供↢養シタテマツリ无量諸仏↡、於七日摂↢取百千億劫大士所修堅固之法↡。無畏仏国七百九十億大菩薩衆、諸小菩薩及比丘等、不↠可カラ↢称計皆当↢往生↡。

^ただこのじゅうぶつくに1130のなかのもろもろのさつとうの、 まさにおうじょうすべきのみにあらず。 十方じっぽうかいりょう仏国ぶっこくより、 そのおうじょうするものもまたかくのごとく、 はなはだおおくしてしゅなり。 われ、 ただ十方じっぽう諸仏しょぶつみょうごうおよびさつ比丘びくのかのくにうまるるものをかば、 ちゅうにして一劫いっこうすともなほいまだおわることあたはじº」 と。

↣但此十四仏菩薩等ノミキノミニ↢往生↡也。十方世界无量仏国ヨリ往生スル亦復如↠是クノクシテ无数ナリ。我但カバ↧十方諸仏名号及菩薩・比丘ルル↢彼↡者↥、昼夜ニシテ一劫ストモ尚未↠能↠竟ルコト。」

^この諸仏しょぶつのなかに、 いまのしゃかいしょうぜんしゅして、 まさにおうじょうすべきものあり。 われら、 いまさいわひにしゃくそん遺法ゆいほうひて、 億劫おくこうときひとたびたまたましょうぜんおうじょうながれあずかれり。 いそぎて勤修ごんしゅすべし。 ときうしなふことなかれ。

諸仏、今娑婆世界↧修シテ↢少善↡当↢往生↡者↥。我等今幸ヒテ↢釈尊遺法↡、億劫タビレリ↢少善往生トモ↡。応イソギテ勤修↡。莫↠失フコト↠時焉。

 ^ふ。 もししょう善根ぜんごんまたおうじょうすることをば、 いかんぞ、 ¬きょう¼ (小経) に 「しょう善根ぜんごん福徳ふくとく因縁いんねんをもつて、 かのくにうまるることをべからず」 とはのたまへる。

。若少善根亦1215↢往生スルコトヲ↡、如何¬経¼云ヘル↠「不トハ↠可カラ↧以↢少善根・福徳因縁↡得↞生ルルコトヲ↢彼↡。」

^こたふ。 これに異解いげあり、 しげいだすことあたはず。 いまわたくしにあんじていはく、 だいしょうさだまれることなし。 相待そうたいしてだいさつのぞむれば、 これをしょうぜんづくと。 りんごうのぞむれば、 これをづけてだいとなす。 このゆゑに、 *きょうがいせず。

。此↢異解↡、不↠能↢繁コト↡。今私ジテ、大少↠定マレルコト。相待シテ得↠名。望メテ↢大菩薩↡名クト↢之少善↡。望ムレバ↢輪廻↡名ケテ↠之↠大。是二経義不↢違害↡。

二 Ⅹ 尋常念相

【74】^だい*じんじょう念相ねんそうかさば、 これにしゅあり。 おおきにわかちてとなす。

第四サバ↢尋常念相↡者、此↢多種↡。大チテ↠四

^いちにはじょうごう、 いはく、 ぜん入定にゅうじょうしてぶつかんずるなり。

ニハ定業、謂坐禅入定シテズルナリ↠仏

^には散業さんごう、 いはく、 ぎょう1131じゅう坐臥ざがに、 散心さんしんぶつねんずるなり。

ニハ散業、謂行住坐臥散心ズルナリ↠仏

^さんにはそうごう、 いはく、 あるいは相好そうごうかんじ、 あるいはみょうごうねんじて、 ひとへに穢土えどいとひて、 もつぱらにしてじょうもとむるなり。

ニハ有相業、謂イハ↢相好↡或イハジテ↢名号↡、偏ヒテ↢穢土↡、専ニシテムルナリ↢浄土↡。

^にはそうごう、 いはく、 ぶつしょうねんじょうごんすといへども、 しかもしんすなはちひっきょうくうにして、 まぼろしのごとくゆめのごとし、 たいそくしてくうなり、 くうなりといへどもなり、 非有ひうくうなりとかんじて、 この無二むに通達つうだつして、 しん第一だいいちるなり。 これをそうごうづく。 これさいじょう三昧さんまいなり。

ニハ无相業、謂↧称↢念↡欣↦求スト浄土↥、而ジテ↢身土即畢竟空ナリ、如↠幻↠夢、即シテ↠体而空ナリ、雖↠空ナリト而有ナリ、非有非空ナリト↡、通↢達シテ无二↡、真ナリ↢第一義↢無相↡。是最上三昧ナリ

^ゆゑに ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) に、 弥陀みだぶつののたまはく、

¬双巻経¼阿弥陀仏

^諸法しょほうしょうは、 一切いっさいくう無我むがなりと通達つうだつすれども、
もつぱらじょうぶつもとめて、 かならずかくのごときせつじょうぜん」 と。

「通↢達シテ諸法一切空无我ナリト
ムル↢浄仏土↢如↠是クノ↡」

^また ¬*かん¼ の常行じょうぎょう三昧ざんまいのなかに、 さんだんもんあり。 つぶさにはかみべつぎょうのなかにくがごとし。

又¬止観¼常行三昧↢三段文↡。具ニハ↢上別行クガ↡。

 ^ふ。 じょうさん念仏ねんぶつは、 ともにおうじょうするや。

。定散念仏往生耶。

^こたふ。 おんじゅうしんをもつてねんずれば、 おうじょうせずといふことなし。

。慇重ヲモテルハ、無↠不トイフコト↢往生↡。

^ゆゑにかん (懐感)念仏ねんぶつ差別しゃべつきていはく (群疑論・意)、 「あるいはじん、 あるいはせんじょうつうさんつうず。 じょうといふはすなはちぼんよりじゅうおわる。 *善財ぜんざいどうの、 *どくうん比丘びくところにして念仏ねんぶつ三昧ざんまいまな1132しごとき、 これすなはち甚深じんじんほうなり。 さんといふはすなはち一切いっさいしゅじょうの、 もしはぎょう、 もしは一切いっさいしょにみなぶつねんずることをて、 しょさまたげず、 ない命終みょうじゅうにまたそのぎょうじょうずるなり」 と。

感師説キテ↢念仏差別↡云、「或イハ深或イハ浅、通↠定↠散。定トイフハ於凡夫ヨリ↢于十地↡。如↧善財童子↢功徳雲比丘↡請↦学念仏三昧↥、此即甚深法也。散トイフハ一切衆生、若シハ行若シハ坐、一切時処皆得↠念ズルコトヲ↠仏不↠妨↢諸務↡、乃至命終亦成ズルナリ↢其↡。

 ^ふ。 そうそうごうは、 ともにおうじょうすることをるや。

。有相・无相1216↢往生スルコトヲ↡耶。

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) のいはく (安楽集・上)、 「もしがくのものは、 いまだそうすることあたはず、 ただよくそうによりてせんせば、 おうじょうせずといふことなし。 うたがふべからず」 と。

。綽和尚、「若シテ↠能↠破スルコト↠相、但能リテ↠相専至スルニ↠不トイフコト↢往生↡。不↠須カラ↠疑也。」

^またかんしょう (懐感) のいはく (群疑論)、 「おうじょうすでに*品類ほんるい差殊しゃしゅなれば、 修因しゅいんまた浅深せんじんありて各別かくべつなり。 ただいふべからず、 ただ*所得しょとくしゅしておうじょうすることを所得しょとくしんしょうずることをず」 と。

又感和尚、「往生既品類差殊ナレバ、修因亦有↢浅深各別ナルコト。不↠可カラ↢但言↡、唯シテ↢無所得↡而シテ得↢往生スルコトヲ↡、有所得↠得↠生ズルコトヲ也。」

 ^ふ。 もししからば、 いかんぞ *¬仏蔵ぶつぞうきょう¼ (意)かく、 「もし比丘びくありて、 比丘びくおしへて、 ªなんぢまさに*ぶつねんじ、 ほうねんじ、 そうねんじ、 かいねんじ、 ねんじ、 てんねんずべし。 かくのごときゆいをもつて、 はん安楽あんらくじゃくめつなることをかんじ、 ただはんひっきょう清浄しょうじょうなることをあいせよº と。 かくのごとくおしふるものをづけてじゃきょうとなし、 *あくしきづく。 このひとづけて、 われをほうしてどうたすくとなす。 かくのごとき悪人あくにんは、 われすなはち一飲いちおんみずをも1133くることをゆるさず」 と。

。若ラバ、如何¬仏蔵経¼説カク、「若リテ↢比丘↡教マク↢余比丘↡、汝当↢念↠仏↠法↠僧↠戒↠施↟天。如↠是クノ思惟ヲモテ↢涅槃安楽寂滅ナルコトヲ↡、唯愛セヨト↢涅槃畢竟清浄ナルコトヲ↡。如↠是クノフルケテ↢邪教↢悪知識↡。是ケテ↧誹↢謗シテ於我↡助クト↦於外道↥。如↠是クノ悪人、我乃ユル↠受ケムコトヲ↢一飲↡。」

^またのたまはく (仏蔵経)、 「むしろぎゃくじゅうあくじょうじゅすとも、 けんしゅじょうけん寿見じゅけんみょうけんおんにゅうかいけんとうをばじょうじゅせざれ」 と。 以上略抄

又言、「寧成↢ストモ五逆重悪↡、不レト↣成↢我見・衆生見・寿見・命見・陰入界見等ヲバ↡」耶。 已上略抄

^こたふ。 かん (懐感) しゃくしていはく (群疑論・意)、 「ある聖教しょうぎょう (*無上依経) にまたのたまはく、 ªむしろけんおこすことしゅせんのごとくにすとも、 空見くうけんおこすこと芥子けしばかりのごとくもせざれº と。 かくのごときしょだいじょうきょうに、 *くうし、 *だいさん*しょうさんずること、 ならびにすなはち*とうじてどうなり。

。感師釈シテ、「有聖教復言ヘルコト、寧サムコト↢我見↡如クニストモ↢須弥山↡、不レト↧起スコト↢空見↡如クモセ↦芥子バカリ↥。如↠是クノ諸大乗経、訶↠有↠空、讃↠大ズルコト↠小、並ジテ↠機不同ナルナリ

^またある ¬きょう¼ (大集経) にのたまはく、 ªいま弥陀みだ如来にょらいおうしょう等覚とうがくは、 つぶさにかくのごときさんじゅうそうはちじゅうずいぎょうこうまします。 身色しんじきこうみょう聚金じゅこんけたるがごとし。 かくのごとくおもひて、 ない、 かの如来にょらいねんぜず。 またかの如来にょらいざれ、 すでにかくのごとくしてだいくう三昧ざんまいº と。

又有¬経¼言今者 イマ 阿弥陀如来・応・正等覚、具↢如↠是クノ卅二相・八十随形好↡。身色光明アツメタルガ金融。如クオモヒテ↠是クノ、乃至不↠念↢彼如来↡。亦不ルコト↠得↢彼如来↡已リテシテ↠是クノ次第イヘリ↢空三昧↡。

^また ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ にのたまはく、 ª如来にょらいにまた法身ほっしんじゅうりき無畏むい三昧さんまいだつ、 もろもろの神通じんずうまします。 かくのごときみょうしょは、 なんぢぼんさとるところのきょうがいにあらず。 ただまさに深心じんしんにしてずいおもいおこすべし。 このおもいおこしをはりて、 まさにまたねんけてぶつどくねんずべしº と。

又¬観仏三昧経¼云、如来亦有↢法身・十力・無畏・三昧・解脱、諸神通事↡。如↠此クノ妙処、非↢汝凡夫↠覚境界↡。但当↣深1217ニシテ↢随喜↡。起↢是↡已リテ、当シトイヘリ↣復繋ケテ↠念↢仏功徳↡。

^ゆゑにりぬ、 初学しょがくともがらはかの色身しきしんかんじ、 がくともがら法身ほっしんねんずるなり。 ゆゑに、 ªかくのごとくしてだい1134くう三昧ざんまいº といへり。 まさにすべからくよくきょうこころすべし、 さんしんをなすことなかれ。 たえる、 だいしょう (釈尊)たくみにこんとうじたまへることを」 と。 じょう、 ¬観仏かんぶつきょう¼ のだいに、 ぶつの一もうかんじ、 ないそく色身しきしんかんずることをきをはりて、 くところのじゅうりき無畏むい三昧さんまいとうもんあり。

リヌ初学之輩↢彼色身↡、後学之徒ズル↢法身↡也。故ヘリ↣如クシテ↠是クノ次第↢空三昧↡。当↣須↢経↡、勿スコト↢毀讃之心↡。妙レト大聖タマヘル↢根機↡者。」已上¬観仏経¼第九カク、観↢仏一毛↡、乃至観ズルコト↢具足色身↡已リテ、有↢所↠引之十力・无畏・三昧等文↡

 ^ふ。 念仏ねんぶつぎょうは、 ぼんのなかにおいては、 これいづれのほんしょうぞ。

。念仏之行テハ↢九品↡、是何レノ

^こたふ。 もしせつのごとくぎょうずるは、 *上上じょうじょうあたれり。 かくのごとくして、 そのしょうれつしたがひてぼんわかつべし。 しかも ¬きょう¼ (観経)所説しょせつぼんぎょうごうは、 これ一端いったんしめすなり。 じつにはりょうなり。

。若↠説ズルハ、理当レリ上々↡。如クシテ↠是クノヒテ↢其勝劣↡応↠分↢九品↡。然¬経¼所説九品行業、是示スナリ↢一端↡。理実無量ナリ

 ^ふ。 もしじょうさんともにおうじょうすることをるがごとく、 また現身げんしんにともにぶつたてまつるとせんや。

モシ↣定散倶ルガ↢往生スルコトヲ↡、亦モシ現身↠仏耶。

^こたふ。 *きょうろんおおく、 「三昧さんまいじょうじゅして、 すなはちぶつたてまつることを」 とけり。 あきらかにりぬ、 散業さんごうたてまつることをべからずといふことを。 ただ別縁べつえんをばのぞく。

。経論ケリ三昧成シテ、即↠見タテマツルコトヲ↠仏。明カニリヌ散業トイフコトヲ↠可カラ↠得↠見タテマツルコトヲ。唯↢別縁ヲバ↡。

 ^ふ。 *そうそうかん、 ともにぶつたてまつることをるや。

。有相・无相観、倶↠見タテマツルコトヲ↠仏耶。

^こたふ。 そうの、 ぶつたてまつることは、 うたがはざるにあり。 そのそうかんも、 あるいはまたぶつたてまつる。 ゆゑに ¬かんぎょう¼ とう色相しきそうかんずることをすすめたり。

。無タテマツルコト↠仏、理在↠不ルニ↠疑。其有相、或イハ亦見タテマツル↠仏。故¬観経¼等メタリ↠観ズルコトヲ↢色相↡。

 ^1135ふ。 もしそうかんまたぶつたてまつらば、 いかんぞ ¬ごんぎょう¼ のに、

。若有相観亦見タテマツラ↠仏者、云何¬花厳経¼偈ヘリ

^ぼん諸法しょほうること、 ただそうしたがひててんず。
ほうそうりょうせず、 これをもつてぶつたてまつらざるなり。

「凡夫ルコト↢諸法但随ヒテ↢於相↡転
不↠了↢法无相↠是ルナリ↠見タテマツラ↠仏

^ることあるをばすなはち*となす。 これはすなはちいまだるとなさず。
諸見しょけんおんし、 かくのごとくしてすなはちぶつたてまつる」

とのたまひ、

ルヲバ↠見ルコト↠垢↠為↠見ルト
遠↢離セル於諸見クシテ↠是クノタテマツルト↞仏

^また (華厳経)

又云

^一切いっさいほう*自性じしょうしょなりと了知りょうちする、
かくのごとくほっしょうすれば、 すなはち*しゃたてまつる」

とのたまひ、

「了↢知スル一切自性无所有ナリト
↠是クノスル↢法性タテマツルト↢盧舎那↡」

^また ¬*金剛こんごうきょう¼ に、

又¬金剛経¼云

^「もししきをもつてわれをおんじょうをもつてわれをもとむるは、
このひと邪道じゃどうぎょうじて、 如来にょらいたてまつることあたはず」

とのたまへるや。

「若↠色見↠我↢音声↡求ムルハ↠我
↢邪道↠能↠見タテマツルコト↢如来↡」

^こたふ。 ¬要決ようけつ¼ (西方要決)つうじていはく、 「だい (釈尊) の、 きょうきたまふことは、 もんあり。 おのおの時機じきかなひ、 ひとしくしてしゃなし。 ª般若はんにゃきょうº はおのづからこれ一門いちもんなり。

。¬要決¼通ジテ、「大師キタマフコト↠教↢多門↡。カナフコト↢時↡等シクシテ↢差1218異↡。般若経是一門ナリ

^*¬弥陀みだ¼ とうきょうもまたいちなりとなす。 なんとならば、 一切いっさい諸仏しょぶつにならびにさんしんまします。 *法仏ほうぶつにはぎょうたい1136なく、 しきしょうなし。 まことにじょうおよびしょうさつの、 さんしん不異ふいなりときたまふをきて、 すなはちおなじくしきしょうありとおもひて、 ただしん色相しきそうて、 つひに法身ほっしんもまたしかなりとしゅうするがためのゆゑに、 きてじゃとなす。

¬弥陀¼等復為↢一理ナリト↡。何トナラバ者一切諸仏↢三身↡。法仏↠形体非↢色声↡。マコト↧二乗及少菩薩キテ↠説キタマフヲ↢三身不異ナリト↡、即ヒテ↣同ジクリト↢色声↡、但↢化身色相↡遂スルガ↦法身亦爾ナリト↥故、説キテ↠邪

^¬弥陀みだきょう¼ とうに、 ぶつみなねんじ、 そうかんじ、 じょううまるることをもとめよとすすめたることは、 ただぼんさわりおもくして、 法身ほっしんゆうにして、 *法体ほったいえんずることかたきをもつて、 しばらくぶつねんじ、 かたちかんじ、 *礼讃らいさんせよとおしへたまふなり」 と。

¬弥陀経¼等、勧メタルコト↧念↢仏↡観↠相、求メヨト↞生レヨト↢浄土↡者、但↢凡夫障重クシテ、法身幽微ニシテ、法体難キヲ↟縁ズルコト、且ヘタマフナリ↢念↠仏↠形礼讃セヨト↡。」

 ^ふ。 ぼんぎょうじゃは、 つとめてしゅじゅうすといへども、 しん純浄じゅんじょうならず。 なんぞたやすくぶつん。

。凡夫行者、雖↢勤メテ修習スト↡心不↢純浄ナラ↡。何タヤス↠仏

^こたふ。 衆縁しゅえんがっしてるなり。 ただりきのみにはあらじ。 ¬般舟はんじゅきょう¼ に*さんえんあり。 かみじゅうにちぎょうくところの ¬かん¼ のもんのごとし。

。衆縁合シテルナリ。非↢唯自力ノミニハ↡。¬般舟経¼有↢三縁↡。如↢上九十日↠引¬止観¼文↡。

 ^ふ。 いくばくの因縁いんねんをもつてか、 かのくにうまるることをる。

。以テカ↢幾クノ因縁↡得ルルコトヲ↢彼↡。

^こたふ。 きょうによりてこれをあんずるに、 因縁いんねんす。 いち善根ぜんごん因力いんりきがん因力いんりきさん弥陀みだ本願ほんがんえん衆聖しゅしょう助念じょねんえんなり。 しゃじょ¬びょう等覚どうがくきょう¼ にでたり。 六方ろっぽうぶつねん¬しょうきょう¼ にでたり。 山海さんかいさつとう護持ごじ¬じゅうおうじょうきょう¼ にでたり。

。依リテ↠経ズルニ↠之、具↢四因縁↡。一自善根因力、二自願求因力、三阿弥陀本願縁、四衆聖助念ナリ釈迦護助デタリ↢¬平等覚経¼↡。六方護念デタリ↢¬小経¼↡。山海恵菩薩等護持デタリ↢¬十往生¼↡

二 Ⅹ 臨終念相

【75】^だい*りんじゅう念相ねんそうかさば、

第五サバ↢臨終念相↡、

^ふ、 下下げげぼんにんりんじゅうじゅうねんして、 すな1137はちおうじょうすることを。 いふところのじゅうねんは、 なんらのねんぞや。

下々品人、臨終十念シテ得↢往生スルコトヲ↡。所↠言十念何等耶。

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) のいはく (安楽集・上)、 「ただ弥陀みだぶつの、 もしは総相そうそう、 もしは別相べっそう憶念おくねんして、 所縁しょえんしたがひてかんじ、 じゅうねん念想ねんそう間雑けんぞうすることなき、 これをじゅうねんづく。

。綽和尚、「但憶↢念シテ阿弥陀仏シハ想若シハ別相↡、随ヒテ縁観スル、逕↢於十念↡无↢他間雑スルコト↡、是↢十念↡。

^またじゅうねん相続そうぞくといふは、 これしょうじゃいちかずのみ。 ただよくねんみ、 おもいらして、 えんぜざれば、 すなはち*業道ごうどうじょうべんす。 またいまだわずらはしくこれがしゅをしもせず。

又云十念相続スル者、是聖者数之名耳。但能↠念、凝シテ↠思、不シテ↠縁↢他↡、便業道成。亦未イタハシク↢之頭数ヲシモ↡也。

^またいはく、 もしぎょうにんねんは、 おおくこれによるべし。 もしぎょうにんねんは、 かずするもまたし。 これまた聖教しょうぎょうによれり」 と。

又云、若久行、多↠依↠此。若始行念者、記スルモ↠数1219。此亦依レリト↢聖教↡。」

^*あるがいはく、 「一心いっしんに ª南無なも弥陀みだぶつº としょうねんして、 このろくるあひだを一念いちねんづく」 と。

ルガ、「一心称↢念シテ南無阿弥陀仏↡、逕↢此六字↡之アヒダクト↢一念也。」

 ^ふ。 ¬*ろく所問しょもんぎょう¼ のじゅうねんおうじょうは、 かの一々いちいちねん深広じんこうなり。 いかんぞ、 いまじっしょうぶつねんじておうじょうといふや。

。¬弥勒所問経¼十念往生、彼一々念深広ナリ。如何今云↣十声念ジテ↠仏↢往生↡耶。

^こたふ。 しょしょしゃくどうなり。

。諸師所釈不同ナリ

^*じゃくほっ (義寂) のいはく、 「これは、 しんをもつぱらにしてぶつみなしょうするときに、 ねんにかくのごときじゅうそくすとくなり。 かならずしも一々いちいちに、 べつとうえんずるにはあらず。 またかのとうかぞへてじゅうとなすにはあらず。

寂法師、「此クナリ↧専ニシテ↠心スル↢仏↡時、自然具↦足スト↠是クノ↥。非↣必ズシモ一々ズルニハ↢慈等↡。亦非↧数ヘテ↢彼慈等↡為ニハ↞十

^いかんぞ、 べつえんぜざるに、 しかもじゅうそくするとならば、 かいけんとほっして*さんしょうするとき1138べつせつとうえんぜずといへども、 しかもよくつぶさに*せつとうかいるがごとし。 まさにるべし、 このなかのどうもまたしかなり。

云何ルニ↢別↡而具↢足スルトナラバ↡、如↧欲シテ↠受ケムト↠戒スル↢三帰↡時、雖↠不↣別↢離殺等↡、而ルガ↦離殺等↠知、此道理亦爾ナリ

^またじゅうねんそくして ª南無なも弥陀みだぶつº としょうすべしといふは、 いはく、 よくとうじゅうねんそくして ª南無なもぶつº としょうするなり。 もしよくかくのごとくすれば、 しょうねんするところにしたがひて、 もしはいっしょう、 もしはしょう、 みなおうじょうすることを」 と。

イフベ具↢足シテ十念トイフ↢南无阿弥陀仏↡者、謂具↢足シテ慈等十念↡称スルナリ↢南無仏↡。若クスレバ↠是クノ、随ヒテ↠所↢称念スル↡、若シハ一称ニマレシハ多称ニマレ、皆得↢往生スルコトヲ↡。」

^かんほっ (懐感) のいはく (群疑論)、 「おのおのこれ聖教しょうぎょうにして、 たがひにおうじょうじょう法門ほうもんけば、 みな*浄業じょうごうじょうず。 なにによりてか、 かれをもつてとなし、 これをしりぞけてといはん。 ただしみづからきょうさとらず、 またすなはちもろもろの学者がくしゃまどはす」 と。

感法師、「是聖教シテルナリ↢往生浄土法門皆成↢浄業↡。何リテカ↠彼↠是キラ↠此ハム↠非。但不↠サト↠経、亦乃スト↢諸学者↡。」

^ざいのいはく (浄土論)、 「このじゅうねんは、 現在げんざいときになすなり。 ¬かんぎょう¼ のなかのじゅうねんは、 命終みょうじゅうときのぞみてなすなり」 と。 こころかん (懐感)おなじ。

迦才師、「此之十念現在スナリ。¬観経¼中十念臨命終スナリト。」 意同↢感師↡。

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下意) にのたまはく、 「ない一念いちねんするに、 おうじょうすることを」 と。 これじゅうねんと、 いかんが*かくせる。

。¬双巻経¼云、「乃至一念↢往生スルコトヲ↡。」此与↢十念↡云何乖角セル

^こたふ。 かんのいはく (群疑論・意)、 「極悪ごくあくごうのものはじゅうててしょうずることをのものは、 ない一念いちねんしてもまたしょうず」 と。

。感師、「極悪業テテ↠十得↠生ズルコトヲ、余乃至一念シテモ亦生ズト。」

 ^1139ふ。 うまれてよりこのかた、 もろもろのあくつくりて一善いちぜんをもしゅせざるもの、 命終みょうじゅうときのぞみてわづかにじっしょうねんずるに、 なんぞよくつみめっして、 なが三界さんがいでて、 すなはちじょううまれん。

。生レテヨリコノカリテ↢諸↡不↠修↢一善↡者、臨命終十声念ズルニ、何シテ↠罪、永デテ↢三界↡、即レム↢浄土↡。

^こたふ。 ¬*せん比丘びく問仏もんぶつきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「とき*らんおうありて、 かん*せん比丘びくひていはく、 ªひとけんにありてあくつくることひゃくさいいたるまです。 ときのぞみてぶつねんぜば、 してのちてんうまるとは、 われこのせつしんぜずº と。 またいはく、 ªいち生命しょうみょうころさば、 してないのなかにるとは、 われまたしんぜずº と。

。如↢¬那先比丘1220問仏経¼言フガ↡。「時リテ↢弥蘭王↡問ヒテ↢羅漢那先比丘↡言、人在リテ↢世間↡作ルコト↠悪ルマデ↢百歳↡。臨ズレ↠仏、死シテトハ↠天我不↠信↢是↡。復言、殺シテ↢一生命↡、シテルト↢泥我亦不↠信也。

^比丘びくおうはく、 ªもしひとちいさきいしちて、 みずのなかに置在かば、 いしうかぶやしずむやº と。 おうのいはく、 ªいししずむº と。 せんのいはく、 ªもしいま、 百丈ひゃくじょうおおきなるいしちて、 ふねうえ置在かば、 もっしなんやいなやº と。 おうのいはく、 ªしずまじº と。

比丘問ハク↠王、如チテ↢小↡置↦在スルガ、石耶没。王、石没ムト也。那、如今持チテ↢百丈ナル↡置↦在スルガ、没シナムヤ。王、不↠没

^せんのいはく、 ªふねのなかの百丈ひゃくじょうおおきなるいしは、 ふねによりてもっすることをず。 ひともとあくありといへども、 いちぶつねんずれば、 ないもっせずしてすなはちてんじょううまるること、 なんぞしんぜざらんや。 そのちいさきいしもっするといふは、 ひとあくつくり、 きょうぼうらずして、 してのちにすなはちないるがごとし。 なんぞしんぜざらんやº と。 おうのいはく、 ªきかな、 きかなº と。

那先、船百丈ナル、因リテ↠船不↠得↠没スルコトヲ。人雖↠有リト↢本悪↡、一時ズレバ↠仏、不シテ↠没↢泥↡便ルルコト↢天上↡、何ラム↠信耶。其スルトイフ者、如↧人↠悪シテ↠知↢経法↡、死シテ便ルガ↦泥↥。何ラム↠信。王、善哉善

^1140のいはく、 ªふたりひとともにして、 一人いちにん*だいしち梵天ぼんてんうまれ、 一人いちにん*罽賓国けいひんこくうまるるがごとき、 このにんは、 遠近おんごんことなりといへども、 すればすなはちいちいたる。 ひとつがいちょうありて、 いちたかうえにしてとまり、 いちみじかうえとまらんに、 ふたつとりいちにともにぶに、 そのかげともにいたるがごときのみ。

比丘、如↧両人倶シテ、一人↢第七梵天↡、一人ルルガ↦罽賓国↥、此二人、遠近雖↠異ナリト、死スレバ一時。如↧有リテ一双ヒトツガヒ飛鳥↡、一↢高、一ミジカ、両鳥一時ブニ、其ルガ↥耳。

^にんのごときはあくつくりてつみることだいなり、 にんあくつくりてもつみることしょうなるがごとし。

キハ↢愚人↡作リテ↠悪ルコトツミナリ智人リテ↠悪ルコトツミスクナ

^けたるてつけるを、 一人いちにんけたりとれり、 一人いちにんらずして、 ふたりひとともにるに、 しかもらざるものはただるることだいにして、 れるものはすこやぶるるがごとし。 あくつくることもまたしかなり。

↢焼キテケルヲ↠地、一人レリ↠焼ケタリト、一人シテ↠知、両人倶ルニ、然↠知タダコトナリ、知レルヤブルルガルコトモ↠悪亦爾ナリ

^しゃはみづからゆることあたはざるがゆゑに、 つみることだいなり。 しゃあくつくれどもとうなりとるがゆゑに、 日々にちにちにみづからゆることをなせば、 そのつみしょうなりº」 と。

愚者ルガ↠能↢自ユルコトルコト↠殃ナリ。智者レドモ↠悪ルガ↢不当ナリト↡故、為セバ↢日ユルコトヲ↡、其スクナ。」

^じゅうねんにもろもろのつみめっして、 ぶつがんふねりて、 しゅおうじょうすることをることも、 そのまたしかるべし。

十念シテ↢衆↡、乗リテ↢仏悲願↡、須臾ルコトモ↢往生スルコトヲ↡、其理亦可↠然

^また ¬*じゅう¼ にしゃくしていはく、 「^いま三種さんしゅどうをもつて校量きょうりょうするに、 軽重きょうじゅうじょうなり。 せつごんしょうにはらず。 いかなるをかさんとなす。 いちにはしんり、 にはえんり、 さんにはけつじょうるなり。

又¬十疑¼釈シテ、「今以↢三種道理↡校量スルニ、軽重不定ナリ。不↠在↢時節近・多少1221ニハ↡。云何ナルヲカ↠三。一者在↠心、二者在↠縁、三者在ルナリ↢決定↡。

^ªしんりº といふは、 つみつくときはみづ1141からのもう顛倒てんどうしんよりしょうずるも、 念仏ねんぶつしんは、 ぜんしきしたがひて弥陀みだぶつ真実しんじつどくみょうごうくをしんよりしょうず。 いちいちじつなり。 あにあひくらぶることをんや。

リトイフ↠心者、造↠罪之時↢自ラノ妄顛倒心↡生ルモ念仏心者、従ヒテ↢善知識↡聞↠説クヲ↢阿弥陀仏真実功徳名号↡心ヨリ。一虚、一ナリ。豈ムヤ↢相比ブルコトヲ↡。

^たとへば、 万年まんねんくらしつひかりしばらくもいたりぬれば、 しかもやみたちまちにのぞこるがごとし。 あにひさしきよりこのかたのやみといひて、 あへてめっせざることあらんや。

ヘバキハ↢万年光暫リヌレバ、而暗頓コルガリテヨリコノカ之暗トイラムアヘ↡耶。

^ªえんりº といふは、 つみつくときには、 もうあんしんの、 もうきょうがいえんずる顛倒てんどうしんよりしょうずるも、 念仏ねんぶつしんは、 ぶつ清浄しょうじょう真実しんじつどくみょうごうきて、 *じょうだいえんずるしんよりしょうず。 いちしんいちなり。 あにあひくらぶることをんや。

リトイフ↠縁者、造↠罪之時ニハ、従ヒテ虚妄痴暗ズル↢虚妄境界↡顛倒ヨリルモ念仏之心ヒテクニ↢仏清浄真実功徳名号↡縁ズル↢无上菩提↡心ヨリ。一真一ナリ。豈ムヤ↢相比ブルコトヲ↡。

^たとへば、 ひとありてどくてられて、 ふかく、 どくいたましくて、 はだやぶり、 ほねいたるときに、 ひとたび滅除めつじょやくつづみこえけば、 すなはちどくのぞこるがごとし。 あに深毒じんどくなるをもつてあへてでざらんや。

ヘバ↧有リテ↠人被↢毒カブ↡、箭深イタマシクテヤブカハベルトキニ↠骨、一タビケバ↢滅除薬↡、即箭除リヌルガ↥。豈↢深毒ナルヲ↡不ラムアヘ↡也。

^ªけつじょうりº といふは、 つみつくとき*間心けんしん*有後うごしんをもつてす。 ぶつねんずるときけんしん無後むごしんをもつてし、 つひにすなはちいのちつるまで善心ぜんしんみょうなり。 ここをもつてすなはちしょうず。

リトイフ↢決定↡者、造↠罪之時↢有間心後心↡也。念ズル↠仏之時テシ↢无間クシテ後心↡、遂ツル↠命善心猛利ナリ。是

^たとへば*じゅうなわせんせいせざれども、 どうけんふるひてしゅりょうだんするがごとし。

ヘバ↢十囲之ナハ千夫シテ、童子フルヒテ↠剣須臾両段スルガ↡。

^また千年せんねんめるくさに、 おおきさまめばかりのをもつてこれをくに、 しょうにすなはちくるがごとし。

又如↧千年積メル、以↢大キサバカリノ↡焚クニ↠之、小時クルガ↥。

^またひとありて、 いっ1142しょうよりこのかた、 じゅう善業ぜんごうしゅしててんうまるることをべきに、 りんじゅうとき一念いちねんけつじょう邪見じゃけんおこさば、 すなはち阿鼻あびごくするがごとし。

又如↧有リテ↠人一生ヨリ已来シテ↢十善↡応↠得↠生ルルコトヲ↠天、臨終之時サバ↢一念決定邪見↡、即スルガ↦阿鼻地獄↥。

^悪業あくごうもうなるすらみょうなるをもつてのゆゑに、 なほよくいっしょう善業ぜんごうはらひて悪道あくどうせしむ。 あにいはんや、 りんじゅうみょうしんぶつねんずる、 真実しんじつけん善業ぜんごうをや。 無始むし悪業あくごうはらふことあたはずして、 じょううまるることをずといはば、 このことわりあることなからん」 と。

悪業虚妄ナルスラテノ↢猛利ナルヲ↡故、尚能ヒテ↢一生↡令↠堕↢悪道↡。豈臨終猛利ズル↠仏真実無間善業ヲヤシテ↠能↠排フコト↢無始悪業↡不トイハバ↠得↠生ズルコトヲ↢浄土↡者、无ムト↠有ルコト↢是コトワリ↡。」

^また ¬安楽あんらくしゅう¼ (上) に、 しちたとへをもつてこのあらわせり。

又¬安楽集¼以↢七↡顕セリ↢此1222↡。

^いちにはしょうたとへ、 さきのごとし。

「一ニハ少火喩如↠前

^には、 *あしなえなるものもふねさいすれば、 風帆ふうはんいきおひによりて一日いちにちせんいたる。

ニハアシナヘナルヤド↢載リテ↡、因リテ↢風帆↡一日↢千里↡。

^さんには、 貧人びんにん一端いったんものてもつておうたてまつるに、 おうよろこびておもしょうするに、 しばらくのあひだに、 富貴ふきのぞみにつ。

ニハ貧人獲↢一↡而シテ↠王王慶ビテルニ斯須シバラクアヒダ富貴↠望

^には、 れっも、 もし輪王りんのうみゆきしたがへば、 すなはちくうじょうじて、 とうざいなり。

ニハ劣夫ヒヌレ↢輪王↡、便ノボ↢虚空↡飛騰自在ナリ

^にはじゅうなわたとへ、 さきのごとし。

ニハ十囲ナハ喩如↠前

^ろくには、 ちんちょうみずれば魚蚌ぎょぼうことごとくぬ。 みな犀角さいかくをもつてこれにるれば、 したるものかえりてよみがえる。

ニハ鴆鳥入レバ↠水魚蚌コトゴト皆犀角ヲモテルレバシタルリテヨミガヘ

^しちには、 黄鵠こうこく、 ªあんあんº とべば、 かえりてよみがえる。 あにふん千齢せんれいさだめてよみがえるべきことなしといふことをべけんや。

ニハ黄鵠喚ベバ↢子安子↡還リテヨミガヘ。豈ケム↠得↠言フコトヲ↢墳千齢サダメシト↟可キコト↠甦也。

^一切いっさい万法まんぽうにみなりきりき自摂じしょうしょうありて、 千開せんかい万閉まんぺいりょうへんなり。 あに有礙うげしきをもつて、 かの1143無礙むげほううたがふことをんや。 また不思議ふしぎのなかには仏法ぶっぽうもつとも不可ふか思議しぎなり。 あに三界さんがいごうをもつておもしとなし、 かの少時しょうじ念法ねんぽううたがひてかろしとなさんや」 と。 以上略抄

一切万法↢自力・他力、自摂・他摂↡千開万閉、無量无辺ナリ。豈↧以↢有礙之識↡疑フコトヲ↦彼无礙之法↥乎。又五不思議ニハ仏法最不可思議ナリ。豈↢三界↡為↠重シト、疑ヒテ↢彼少時念法↡為ムヤトシト。」 已上略抄

^いまこれにくわへていはく、 いちには、 *栴檀せんだん出成しゅつじょうするときに、 よくじゅうじゅん*らんはやしへんじて、 あまねくみなこうならしむ。

今加ヘテ↠之ニハ旃檀樹出成スル、能ジテ↢由旬伊蘭↡普皆香美

^には、 獅子ししすじもちゐて、 もつてことげんとなせば、 おんじょうひとたびそうするに、 一切いっさいげん、 ことごとくみなだんしぬ。

ニハヰテ↢師子↡以↢琴↡、音声一タビスルニ、一切皆断壊シヌ

^さんには、 一斤いっこん*石汁しゃくじゅう、 よく千斤せんこんあかがねへんじてこがねとなす。

ニハ一斤汁能ジテ↢千斤↡為↠金

^には、 金剛こんごうけんなりといへども、 *羖羊こうようつのをもつてこれをたたけば、 すなはち潅然かんねんとしてこおりのごとくけぬ。 じょう滅罪めつざいたとへ。

ニハ金剛雖↢堅固ナリト↡、以↢羖羊タタケバ↠之、則潅然トシテノゴトクケヌ已上滅罪

^には、 雪山せっせんくさあり、 づけて*忍辱にんにくとなす。 うしもしじきすれば、 すなはち*だい

ニハ雪山↠草、名ケテ↢忍辱↡。牛若スレバ者即得↢醍醐↡。

^ろくには、 *しゃ訶陀かだやくにおいて、 ただることあるものは、 寿じゅることりょうなり。 ないねんずるものは*宿命しゅくみょう

ニハ↢沙訶陀薬↡但有↠見ルコト者、得ルコト↠寿无量ナリ。乃至念ズル得↢宿命智↡。

^しちには、 孔雀くじゃくいかずちこえきてすなはち*しんあることを

ニハ孔雀聞キテ↢雷↡即得↠有ルコトヲ↠身。

^はちには、 *尸利しりしゃ*昴星ぼうせいてすなはちじつ出生しゅっしょうす。 じょうしょうぜんたとへ。

ニハ尸利沙見↢昴星↡則出↢生菓実↡。已上生善

^には、 住水じゅうすいほうをもつてその瓔珞ようらくとすれば、 ふかみずのなかにれども、 しかもしずにゃくせず。

ニハ住水宝↡瓔↢珞トスレバ↡入レドモ↢深↡而不↢没↡。

^じゅうには、 *沙礫しゃりゃくすくなしといへども、 なほうかぶことあたはず。 *ばんじゃくだいなりといへども、 ふねすればよくうかぶ。 じょうそうたとへ。

ニハ沙礫雖↠少シト尚不↠能↠浮ブコト磐石雖↠大ナリト1223スレバ↠船已上総

^諸法しょほう力用りきゆうおも1144ひがたきことかくのごとし。 念仏ねんぶつりき、 これになぞらへてうたがふことなかれ。

諸法力用、難キコト↠思↠是クノ。念仏力、准ヘテ↠之↠疑フコト

 ^ふ。 りんじゅう心念しんねんは、 そのりきいくばくなればか、 よくだいじょうずる。

。臨終心念、其幾許イクラバカリアレバカ、能ズル↢大事↡。

^こたふ。 そのりきひゃくねんごうすぐれたり。

。其力勝レタリ↢百年↡。

^ゆゑに ¬大論だいろん¼ (大智度論) にいはく、 「このしんときのあひだすくなしといへども、 しかも心力しんりきみょうなること、 のごとくどくのごとくなれば、 すくなしといへどもよくだいじょうず。 これなんとするときしんも、 けつじょうして勇健ゆうごんなるがゆゑに、 ひゃくさいぎょうりきすぐれたり。

¬大論¼云、「是↢時アヒダシト↡、而心力猛利ナルコト↠火↠毒↠少シト↢大事↡。是↠死ナムト、決定シテ勇健ナルガレタリ↢百歳行力↡。

^このしんづけて大心だいしんとなす。 しんおよびもろもろのこんつるをもつて、 こときゅうなるがゆゑに。 ひとの、 じんるにしんみょうしまざるを、 づけてごんとなすがごとし。 阿羅あらかんのこのじゃくつるがゆゑに阿羅あらかんどうるがごとし」 と。

後心ケテ↢大心↡。以↠捨ツルヲ↢身及↡事ナルガ。如↧人ルニ↠陳ルヲ↠惜↢身命↡名ケテ↞健。如シト↧阿羅漢ツルガ↢是↡故ルガ↦阿羅漢↥。」

^これによりて ¬安楽あんらくしゅう¼ (上) にいはく、 「一切いっさいしゅじょうりんじゅうときには、 刀風とうふうかたちき、 死苦しくきたむるに、 だい怖畏ふいしょうじて、 ない、 すなはちおうじょうすることを」 と。

リテ↠此¬安楽集¼云、「一切衆生臨終之時ニハ、刀風解↠形、死苦来ムルニ、生ジテ↢大怖畏↡、乃至便↢往生スルコトヲ↡。」

 ^ふ。 ふか観念かんねんちからつみめっすることはしかるべし。 いかんぞ、 仏号ぶつごうしょうねんするにりょうつみめっする。 もししからば、 ゆびをもつてつきすに、 このゆびよくやみすべし。

。深観念力滅スルコトハ↠罪↠然。云何称↢念スルニ仏号↡滅スル↢无量↡。若ラバ、以↠指スニ↠月、此指応↢能↟闇

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) しゃくしていはく (安楽集・上意)、 「諸法しょほう万差まんじゃなり。 一概いちがいすべからず。 おのづからほうそくするあり。 おのづからほう1145するあり。

。綽和尚釈シテ、「諸法万差ナリ。不↠可カラ↢一概↡。自↢名即法ナル↡。自↢名異法↡。

^ほうそくするといふは、 諸仏しょぶつさつみょうごう禁呪きんじゅおんしゅ多羅たらしょうとうのごとき、 これなり。

名即法トイフ者、如↢諸仏・菩薩名号、禁呪音辞、修多羅章句等↡是也。

^禁呪きんじゅに、 ªにっしゅつ東方とうぼうしゃくおうº といはんに、 たとひ酉亥ゆうがいきんぎょうずるも、 わずらへるものまたゆるがごとし。

禁呪フガ、日出デヌレバ東方タチマチタチマチナリト仮令 タトヒ 酉亥↠禁者亦愈

^またひとありて、 いぬはるることをこうむるに、 とらほねあぶりてこれをせば、 わずらへるものすなはちゆるがごとし。 もしときほねなくは、 よくたなごころひろげてこれをりて、 くちのなかにびて、 ªらいらいº といへば、 わずらへるものまたえぬ。

又如↧有リテ↠人被ルニ↢狗ルコトヲ、炙リテ↢虎セバ↠之、患ユルガ↥。モシクハ↠骨、好ヒロゲテ↠掌リテ↠之、口ビテヘバ↢虎来虎来↡、患者亦愈エヌ

^あるいはまたひとありて、 脚転筋こむらがえりわずらはんに、 木瓜ぼけつえあぶりてこれをせば、 わずらへるものすなはちえぬ。 もし木瓜ぼけなければ、 あぶりてこれをり、 くちに ª木瓜ぼけº とべば、 わずらへるものまたえぬ。

イハ復有リテ↠人、患スル脚転筋↡、炙リテ↢木瓜セバ↠之、患者即エヌモシケレバ↢木瓜↡、炙リテ↠手↠之、口ベバ↢木瓜↡、患者亦愈エヌ也。

^ほうするといふは、 ゆびをもつてつきすがごとき、 これなり」 と。

ルトイフ↠法者、如↢以↠指1224スガ↞月ナリト。」

^¬要決ようけつ¼ (西方要決) にいはく、 「諸仏しょぶつは、 がんぎょうをもつてこのみょうじょうずれば、 ただよくごうねんずるに、 つぶさに衆徳しゅとくねたり。 ゆゑに大善だいぜんじょうず」 と。 じょう、 かのもんに ¬浄名じょうみょう¼ (*維摩経)・¬*じょうじつ¼ のもんけり。 つぶさにはかみ助念じょねん方法ほうほうのごとし。

¬要¼云、「諸仏願行ヲモテズレバ↢此↡、但能ズルニ↠号ネタリ↢衆徳↡。故ズト↢大善↡。」已上彼ケリ↢¬浄名¼・¬成実¼文↡。具ニハ↢上助念方法

 ^ふ。 もし下下げげぼんぎゃくざいつくれるもの、 たびぶつねんずるによりておうじょうすることをといはば、 いかんぞ、 *¬仏蔵ぶつぞうきょう¼ のだいさんにのたまはく、 「だいしょうごんぶつ1146めつあく比丘びくありき。 第一だいいちしょひっきょうくうほうてて、 どう*けんろんとんぎょうしき。

。若下々品レルモノ↢五逆罪↡、由リテ↢十タビズルニ↟仏トイハバ↢往生スルコトヲ↡者、云何¬仏蔵経¼第三、「大荘厳仏滅後リキ↢四悪比丘↡。捨テテ↢第一義・无所有・畢竟空↡、貪↢楽シキ外道尼健子↡。

^このひと命終みょうじゅうして阿鼻あびごくちて、 あおぎてし、 うつぶきてし、 きょうにしてし、 きょうにしてすこと、 おのおのひゃくまん億歳おくさい熱鉄ねつてつうえにしてかれ、 がれただれき。 しをはりて、 さらにごくだいごく等活とうかつごくこくじょうごくうまれて、 みなかみのごとき歳数さいしゅく。 こくじょうよりしてはかえりて阿鼻あびごくうまる。

人命終シテチテ↢阿鼻地獄↡、仰ギテウツブキテ、左脇シテ、右脇ニシテシテ九百万億歳於↢熱鉄↡焼カレガレタダレキ。死リテレテ↢灰地獄・大灰地獄・等活地獄・黒縄地獄↡、皆如クシテ↢上歳数↠苦。於↢黒縄↡死シテハリテ↢阿鼻獄↡。

^かの、 しゅっにして親近しんごんせしもの、 ならびにもろもろの*檀越だんおつ、 おほよそろっひゃく万億まんおくにん、 このとともにしょうじともにして、 だいごくにありてもろもろのしょうしょけき。 こうきてはほうごくてんしょうし、 こうじょうじてはかえりてこのけんごくうまる。

・出家親近セシモノ檀越、凡六百四万億人、与↢此師↡倶シテ、在リテ↢大地獄↡受ケキ↢諸焼煮↡。劫尽キテハ転↢生他方地獄↡、劫成ジテリテ↢此地獄↡。

^久々くくにしてごくまぬかれてにんちゅううまれては、 *ひゃくうまれてよりめしいなり。 のち一切いっさいみょうおうぶつひてしゅっして、 じゅう万億まんおくさい勤修ごんしゅしょうじんすること*ねんはらふがごとくせしかども、 *じゅんにんすらざりき。 いはんや、 *どうんや。 命終みょうじゅうしてはかえりて阿鼻あびごくうまれにき。

久々ニシテレテ↢地獄↡生レテハ↢人中↡、五百世従シテ↠生レテ而盲ナリ。後ヒテ↢一切明王仏↡出家シテ、十万億歳勤修精進コトクセシカドモ↠救フガ↢頭燃↡、不リキ↠得↢順忍ヲダモ↡。況ムヤ↢道果↡。命終シテハリテレニキ↢阿鼻地獄↡。

^のちじゅうおくぶつひても、 じゅんにんすらざりき。 なにをもつてのゆゑに。 ぶつの、 深法じんぽうきたまひしに、 このひとしんぜずして、 破壊はえぎゃくし、 *げんじょうかい比丘びく破毀はきして、 そのあくいだせるほう因縁いんねんもつて、 ほうとしてまさにしかるべし」 と。 1147じょうりゃくしてしょうす。 「比丘びく」 とはがん比丘びくさつ和多わた比丘びくしょう比丘びく跋難ばつなん比丘びくなり。

↠後ヒテモ↢九十九億↡、不リキ↠得↢順忍ヲダニモ↡。何テノ。仏キタマヒシ↢深法↡、是人不シテ↠信、破破↤毀シテ賢聖・持戒比丘↡、出セル↢其過悪↡破法因縁ヲモテトシテシト↠爾。」已上略シテ。四比丘者苦岸比丘・薩和多比丘・将去比丘・跋難陀比丘ナリ

^じゅう万億まんおくさいねんはらふがごとくせしも、 なほつみめっせずして、 かえりてごくしょうじき。 いかんぞ、 ぶつねんずることいっしょうじっしょうしてすなはちつみめっして、 じょうおうじょうすることをるや。

十万億歳如クセシ↠救フガ↢頭燃↡、尚不シテ↠滅↠罪、還リテジキ↢地獄↡。如何ズルコト↠仏一声・十声シテスルコトヲ↠罪往↢生スルコトヲ1225耶。

^こたふ。 かん (懐感) しゃくしていはく (群疑論)、 「ぶつねんずるは、 えんによるがゆゑにつみめっす。

。感師釈シテ、「念ズルハ↠仏ルガ↢五↡故↠罪

^いちには、 だいじょうしんおこえんには、 じょうしょうぜんとがんずるえん小乗しょうじょうにんは、 十方じっぽうぶつましますとしんぜざるがゆゑに。 さんには、 弥陀みだぶつ本願ほんがんえんには、 念仏ねんぶつどくえん。 かの比丘びくは、 ただ念処ねんじょかんをなせしがゆゑに。 には、 ぶつりきをもつて加持かじしたまふえんなり。 このゆゑに、 つみめっしてじょうしょうずることを。 かの小乗しょうじょうにんは、 しからざりき。 ゆゑにつみめっすることあたはず」 と。

ニハ↢大乗↡縁。二ニハズル↠生レムト↢浄土↡縁。小乗ルガ↠信↠有スト↢十方仏↡故。三ニハ阿弥陀仏本願縁。四ニハ念仏功徳縁。彼比丘セシガ↢四念処↡故。五ニハ威力ヲモテ加持ナリ。是シテ↠罪得↠生ズルコトヲ↢浄土↡。彼小乗リキ↠爾。故↠能↠滅スルコト↠罪。」

 ^ふ。 もししからば、 いかんぞ、 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・上)じゅうねんおうじょうきて、 「ただぎゃくほうしょうぼうをばのぞく」 とのたまへる。

。若ラバ云何¬双巻経¼説キテ↢十念往生↡、云ヘル↣「唯除クト↢五逆・誹謗正法ヲバ↡。」

^こたふ。 *きょうとうしょのいはく、 「もしただぎゃくつくれるものは、 じゅうねんによるがゆゑにしょうずることを。 もしぎゃくざいをもつくり、 またほうをもそしれるものは、 おうじょうすることをず」 と。

。智憬等諸師、「若唯造レル五逆↡者、由↢十念↡故得↠生ズルコトヲ。若↢逆罪ヲモ↡亦謗レル↠法ヲモ、不↠得↢往生スルコトヲ↡。」

^*あるがいはく、 「ぎゃく*じょうごうつくれるものはおうじょうすることをるも、 ぎゃく*じょうごうつくれる1148ものはおうじょうせず」 と。

ルガ、「造レルモノハ↢五逆不定業↡得ルモ↢往生スルコトヲレルモノ↢五逆定業↡不↢往生↡。」

^かくのごとくじゅうしゃくあり。 かんほっ (懐感)しょしゃくもちゐずして、 みづからいはく (群疑論)、 「もしぎゃくつくらざるひとは、 ねんしょうろんずるにあらず、 いっしょうじっしょうともにじょううまる。 もしぎゃくつくれるひとは、 かならずすべからくじゅうつべし。 いちをもけつればしょうぜず。 ゆゑに ªのぞくº といふなり」 と。

シテ↠是クノ↢十五家釈↡。感法師不シテ↠用↢諸師↡自、「若↠造↠逆↠論ズルニ↢念之多少↡。一声・十声倶↢浄土↡。レル↠逆↠満↠十。闕ケツレバ↠一ヲモ不↠生。故↠除クト。」

^いまこころみにしゃくくわへば、 *しょにはあまねくおうじょう種類しゅるいあらわすも、 本願ほんがんにはただ*定生じょうしょうにんのみをぐ。 ゆゑにいへり、 「しからずは、 しょうがくらじ」 と。

今試↠釈余処ニハ↢往生種類本願ニハ唯挙↢定生之人ノミ↡。故ヘリ、「不↠爾↠取↢正覚↡。」

^*にんじゅうねんはさだめておうじょうすることをぎゃくしゃ一念いちねんはさだめてしょうずることあたはず。 ぎゃくじゅういちとは、 みなこれじょうなり。 ゆゑに、 がん (第十八願) にはただにんじゅうねんげて、 しょには、 ねてぎゃくじゅういちとをれり。 このいまだけっせず。 べつちゃくすべし。

余人十念メテ得↢往生スルコトヲ↡、逆者一念メテ不↠能↠生ズルコト。逆トハ皆是不定ナリ。故ニハ唯挙ゲテ↢余人十念↡、余処ニハネテレリ↢逆↡。此義未↠決。別↢思↡。

 ^ふ。 ぎゃくしゃじゅうねん、 なんがゆゑぞじょうなる。

。逆者十念何不定ナル

^こたふ。 宿しゅくぜん有無うむによりて念力ねんりきべつなるがゆゑに。 またりんじゅうじんじょうと、 ねんずるときべつなるがゆゑに。

。由リテ↢宿善有无↡念力別ナルガ。又臨終尋常ズル時別ナルガ

 ^ふ。 ぎゃくはこれ*順生じゅんしょうごうなり。 ほうともにさだまれり。 いかんぞめっすることをん。

。五逆是順生ナリ。報・時倶レリ。云何↠滅スルコトヲ

^こたふ。 かん (懐感)、 これをしゃくしていはく (群疑論)、 「*九部くぶ*りょうきょうのなかには、 もろもろの*しんごうぼんのために、 *みつをもつてきて ªじょう1149ほうごうありº といふ。 もろもろのだいじょう*りょうきょうのなかには、 ª一切いっさいごうことごとくみなじょうなりº ときたまふ。

。感師釈シテ↠之1226、「九部不了ニハ、為↢諸不信業果凡夫↡、密意ヲモテキテ↠有リト↢定報業↡。於大乗了義、説キタマフ↢一切業悉皆不定ナリト↡。

^¬*はんぎょう¼ の*だいじゅうはっかんにのたまふがごとし。 *耆婆ぎば*じゃおうのためにさんほうくに、 ªつみめっすることをたりº と。

↢¬涅槃経¼第十八巻フガ↡。耆婆為↢阿闍世王↡説クニ↢懴悔↡、罪得タリト↠滅スルコトヲ

^またのたまはく (涅槃経)、 ªしんぶつせつくに、 «いち善心ぜんしんしゅすればひゃくしゅあくす» と。 すこしき毒薬どくやくのよくしゅじょうがいするがごとし。 しょうぜんもまたしかり。 よく大悪だいあくすº と。

又云、臣聞キタマフシテ↢一善心↡破ルコト↢百種↡、如↣少毒薬ルガ↢衆生少善亦爾スト↦大悪↥。

^またさんじゅういちにのたまはく (涅槃経)、 ª善男ぜんなん、 もろもろのしゅじょうありて、 *業縁ごうえんのなかにおいてしんかろんじてしんぜず。 かれをせんがためのゆゑにかくのごときせつをなしたまふ。 善男ぜんなん一切いっさいごうきょうありじゅうあり。 軽重きょうじゅうごうにまたおのおのあり。 いちにはけつじょうにはけつじょうなりº と。

卅一、善男子、有リテ↢諸衆生↡於↢業縁↡心軽ジテ不↠信。為↠度セムガ↠彼シタマフ↢如↠是クノ↡。善男子、一切作業↠軽有↠重。軽重二業↠二。一ニハ決定、二ニハ不決定ナリト

^またのたまはく (涅槃経)、 ªあるいはじゅうごうの、 きょうとなしべきことあり。 あるいはきょうごうの、 じゅうとなしべきことあり。 にんは、 智慧ちえちからをもつて、 よくごくごくじゅうごうをしてげんかろじゅせしむるも、 愚痴ぐちにんは、 げんきょうごうごくおもくº と。 じゃおうつみさんしをはりてごくらず。 *鴦掘おうくつ摩羅まら阿羅あらかんたり。

又言、或イハ↢重業コト↟得↠作ルコトヲ↠軽。或イハ↢軽業コト↟得↠作ルコトヲ↠重。有智之人、以↢智↡能ルモ↢地獄極重之業ヲシテ現世愚痴之人現世軽業シテ地獄シテシテクト。阿闍世王懴↢悔↡已リテ不↠入↢地獄↡。鴦掘摩羅タリ↢阿羅漢↡。

^*¬瑜伽ゆがろん¼ にかく、 ªいまだだつざるを、 けつじょうごうき、 すでにだつたるを、 じょうごうづくº と。 かくのごときのもろもろのだいじょうきょうろん1150には、 ぎゃくざいとうきてみなじょうづけて、 ことごとくしょうめつすることを」 と。 てんじゅうきょうじゅそうは、 つぶさに ¬*放鉢ほうはつきょう¼ にでたり。

¬瑜伽論¼説カク、未↠得↢解脱↢決定業ツレバ↢解脱↡名クトイヘリ↢不定業↡。如↠是クノ大乗経論ニハ、説キテ↢五逆罪等↡皆名ケテ↢不定↡、悉イフ↢消滅スルコトヲ↡。」転重軽受、具デタリ↢¬放鉢経¼↡

 ^ふ。 くところのもんにのたまはく、 「しゃおもきをてんじてかろくしてじゅす」 と。 ぼんしょうにんは、 ただじゅうねんしをはりてすなはちじょううまるるは、 いづれのところにしてかきょうじゅする。

。所↠引、智者ジテ↠重キヲクシテスト。下品生十念リテルハ↢浄土↡、何レノニシテカ軽受スル

^こたふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) に、 かの*たいしょうのものをきてのたまはく、 「ひゃくさいのうちに三宝さんぼうたてまつらず、 ようしたてまつりて、 もろもろの善本ぜんぽんしゅすることをず。 しかもこれをもつてとなす。 らくありといへども、 なほかのところをばねがはず」 と。

。¬双巻経¼説キテ↢彼胎生↡云、「五百歳不↠見タテマツラ↢三宝↡、不↠得↤供タテマツリテスルコトヲ善本↡。而↠此↠苦。雖↠有リト↢余楽↡猶不↠楽↢彼ヲバ↡。」

^これにじゅんずるに、 しち七日しちにち六劫ろっこうじゅうこうぶつず、 ほうかざるをもつて、 きょうじゅとなすべきのみ。

ルニ↠之↧以↢七々日・六劫・十二劫、不1227↠見↠仏↠聞↠法↡為↦軽受↥耳。

 ^ふ。 もしりんじゅうひとたびぶつみなねんずるに、 よくはちじゅう億劫おくこうのもろもろのつみめっするがごとし、 じんじょうぎょうじゃもまたしかるべきや。

モシ↧臨終タビズルニ↢仏↡能スルガ↦八十億劫↥、尋常行者亦可↠然耶。

^こたふ。 りんじゅうしんりきこわくしてよくりょうつみめっす。 じんじょうみなしょうするは、 かれがごとくなるべからず。 しかも、 もし観念かんねんじょうずれば、 またりょうつみめっす。 もしただみなしょうするのみならば、 しん浅深せんじんしたがひてそのやくること、 差別しゃべつあるべし。 つぶさにはさき1151やくもんのごとし。

。臨終コハクシテ↢无量↡。尋常スルハ↠名不↠応カラ↠如クナル↠彼。然観念成亦滅↢无量↡。若但称スル↠名、随ヒテ↢心浅深↡得ルコト↢其利益↡応↠有↢差別↡。具ニハ↢前利益門↡。

 ^ふ。 なにをもつてか、 浅心せんしん念仏ねんぶつもまたやくありとはることをる。

。何テカ↠知ルコトヲ↣浅心念仏亦有リトハ↢利益↡。

^こたふ。 ¬*しゅりょうごん三昧ざんまいきょう¼ にのたまはく、 「だい薬王やくおうあり、 滅除めつじょといふ。 もし闘戦とうせんときに、 もつてつづみりつれば、 もろもろの、 られかたなほこやぶられたるもの、 つづみこえくことをつれば、 でてどくのぞこるがごとし。 かくのごとく、 さつ*しゅりょうごん三昧ざんまいじゅうするときには、 みなくことあるものは、 *とんねんでて、 もろもろの邪見じゃけんどくみなことごとく除滅じょめつし、 一切いっさい煩悩ぼんのうまた発動ほつどうせず」 と。

。¬首楞厳三昧経¼云、「↧大薬王アリ、名↢滅除闘戦以用リツレバ↠鼓、諸↢箭射↡刀・矛タルモノヤブ、得ツレバ↠聞クコトヲ↢鼓↡箭出デテ毒除コルガ↠是クノ菩薩スル↢首楞厳三昧↡時ニハ、有↠聞クコト↠名、貪・恚・痴箭自然デテ、諸邪見毒皆悉除滅、一切煩悩不↢復発動↡。」

^じょう諸法しょほう真如しんにょ実相じっそうかんじ、 ぼんほう仏法ぶっぽう不二ふになりとる、 これをしゅりょうごん三昧ざんまいしゅじゅうすとづく。

已上↢諸法真如・実相↡、見↢凡夫仏法不二ナリト↡、是↣修↢習スト首楞厳三昧

^さつすでにしかり、 いかにいはんやぶつをや。 みなく、 すでにしかり、 いかにいはんやねんずるをや。 これによりてりぬべし、 たとひ浅心せんしんねんやくむなしからず。

菩薩既、何ヲヤ。聞↠名、何ズルヲヤリテ↠此↠知リヌ浅心益不↠虚シカラ

二 Ⅹ 粗心妙果

【76】^だいろく*しんみょうといふは、

第六麁心妙果トイフ者、

^ふ、 もしだいのために、 ぶつにおいてぜんをなすは、 みょうしょうとくすといふこと、 かならずしかるべし。 もし人天にんでんのために善根ぜんごんしゅせば、 いかんぞ。

↢菩↡於↠仏スハ↠善、証↢得ストイフコト妙果↡理必↠然。若↢人天↡修スルハ↢善根↡云何

^こたふ。 あるいは*ぜん、 あるいは*じょうぶつにおいてぜんしゅせば、 *遠近おんごんありといへどもかならずはんいたる。

。或イハ染或イハ浄、於↠仏スルハ↠善↠有リト↢遠近↡必↢涅槃↡。

^ゆゑに ¬だいきょう¼ のだいさん1152ぶつなんげてのたまはく、 「もししゅじょうありて、 しょうさんあい楽着ぎょうじゃくして、 ぶつ福田ふくでんにおいて善根ぜんごんうるもの、 かくのごときごんをなさく、 ªこの善根ぜんごんをもつて、 ねがはくはわれ*はつはんすることなからんº と。

¬大悲経¼第三、仏告ゲテ↢阿難↡言、「若リテ↢衆生↡楽↢著シテ生死三有愛果↡、於↢仏福田↡種ウル↢善根↡者、作ラマ↢如↠是クノ↡、以↢此善根↡願クハ我莫ムト↢般涅槃スルコト↡。

^なん、 このひともしはんせずといはば、 このことわりあることなからん。 なん、 このひとはんぎょうせずといへども、 しかも仏所ぶっしょにしてもろもろの善根ぜんごんゑたれば、 われく、 このひとはかならずはんん」 と。

阿難、是人若トイハバ↢涅槃↡、无↠有ルコト↢是コトワリ↡。阿難、是人雖↠不↣楽↢求涅槃↡、然↢仏所↡種1228ヱタレバ↢諸善根↡、我説、是ムト↢涅槃↡。」

 ^ふ。 しょごうがんしたがひてかんず。 なんぞ、 *ほうねがふに*しゅっん。

。所作之業ヒテ↠願ベシ↠果。何フニ↢世報↡得↢出世↡。

^こたふ。 *ごうは、 かならずしも一同いちどうならず。 もろもろの善業ぜんごうをもつて仏道ぶつどうこうするは、 これすなはちごうなれば、 しんしたがひててんず。 *けいごうをもつててんらくぎょうするは、 これすなはち悪見あくけんなれば、 ごうをしててんぜしめず。 このゆゑに、 ぶつにおいてもろもろの善業ぜんごうしゅせば、 *ぎょうことなりといへどもかならずはんいたる。

。業果之理不↢必ズシモ一同ナラ↡。以↢諸善業↡廻↢向レバ仏道↡、是即リテヒテ↠心而転。以↢鶏狗↡楽↢求スルハ↡、是即悪見不↠令↢業ヲシテ↡。是↠仏スルハ↢諸善業↡、意楽↠異ナリト↢涅槃↡。

^ゆゑにかの ¬きょう¼ (大悲経)たとへをげてのたまはく、 「たとへば、 ちょうじゃの、 ときによりてたねりょうでんのなかにくだし、 ときしたがひてそそそそぎて、 つねによく護持ごじせん。 もしこのちょうじゃときのうちに、 かの田所でんしょいたりてかくのごときごんをなさく、 ª*とつなるかな、 しゅ。 なんぢたねとなることなかれ、 しょうずるこ1153となかれ、 ちょうずることなかれº と。 しかも、 かれ、 たねゑつれば、 かならずをなすべし、 じつなきにあらざらんがごとし」 と。 取意略抄

¬経¼挙ゲテ↠譬、「譬ヘバシト↧長者リテ↠時↢種於良田↡、随ヒテ↠時ギテ、常護持セム長者於、到リテ↢彼田所↡作↢如↠是クノ↡、咄哉ヤア種子汝莫↠作ルコト↠種、莫↠生ズルコトレト↠長ズルコトヱツレバ↠種↠作↠果、非ザラムガ↞无キニ↢果実↡。」取意略抄

 ^ふ。 かれ、 いづれのときにおいてかはつはんん。

。彼於テカ↢何レノ↡得↢般涅槃↡。

^こたふ。 たとひ、 久々くくしょうりんすといへども、 善根ぜんごんもうぜずしてかならずはつはん

。設↣久々輪↢廻スト生死↡、善根不シテ般涅槃

^ゆゑにかの ¬きょう¼ (大悲経) にのたまはく、 「ぶつなんげたまはく、 ªぎょうおんがためのゆゑに、 おおきなるいけみずにありて、 こうあんして、 うおをしてはしめつ。 うお呑食どんじきしをはりて、 いけのなかにありといへども、 ひさしからずしてまさにづべきがごとし。

、彼¬経¼云、「仏告ゲタマハク↢阿難↡、如↧捕魚師為↠得ムガ↠魚、在リテ↢大ナル↡安↢置シテ鉤餌↡、令メツ↢魚ヲシテ魚呑食リテ、雖↠在リト↢池↡、不シテ↠久シカラキガ↞出

^なん一切いっさいしゅじょう諸仏しょぶつみもとにしてきょうしんしょうずることを、 もろもろの善根ぜんごんゑ、 布施ふせしゅぎょうし、 ないしんおこして、 一念いちねんしんをもれば、 またあく善業ぜんごうのためにしょうせられて、 ごくちくしょう餓鬼がきざいすといへども、

阿難、一切衆生、於↢諸仏↡得↠生ズルコトヲ↢敬信↡、種↢諸善根↡、修↢行布施↡、乃至発シテ↠心レバ↢一念↡、雖復為↢余悪・不善業↡之所レテ↢覆障↡、堕↦在スト地獄・畜生・餓鬼↥、

^諸仏しょぶつそん仏眼ぶつげんをもつてこのしゅじょう発心ほっしんすぐれたるを観見かんけんしたまふがゆゑに、 ごくよりこれをきていださしむ。 すでにいだしをはりて、 はんきしきたまふº」 と。

諸仏世尊以↢仏眼↡観↢見シタマフガ衆生発心レタルヲ↡故、従↢於地獄↡抜キテ↠之↠出。既リテ、置キタマフト↢涅槃↡。」

 ^ふ。 かくのごとき ¬きょう¼ (大悲経)こころは、 きょうしんせるをもつてのゆゑに、 つひにはんるなり。 もししからば、 ただひとたびくは、 はんいんにあらざるべし1154

。如クノ¬経¼意、以テノ↢敬信セルヲ↡故ルナリ↢涅槃↡。若ラバ但一タビクハ↠非ザル↢涅槃↡。

^すでにしからば、 いかんぞ ¬ごん¼ のにのたまふ、

ラバ云何¬華厳¼偈1229

^「もしもろもろのしゅじょうありて、 いまだ提心だいしんおこさざれども、
ひとたびぶつみなくことをれば、 けつじょうしてだいじょうず」 と。

「若リテ↢諸衆生↡レドモ↠発↢菩提心
タビレバクコトヲ↢仏決定シテ↢菩提↡」

^こたふ。 諸法しょほう因縁いんねん不可ふか思議しぎなり。 たとへば、 じゃくの、 雷震らいしんこえきてすなはちしんあることを、 また尸利しりしゃの、 さきよりぎょうぜつなけれども、 昴星ぼうせいときに、 このみすなはち出生しゅっしょうして、 ながすんるがごとし。

。諸法因縁不可思議ナリ。譬ヘバ↧孔雀キテ↢雷震↡即得↠有ルコトヲ↠身、又尸利沙果ヨリケレドモ↢形質↡、見↢昴星↡時、果則出生シテルガ↦長五寸↥。

^ぶつみょうごうによりて、 すなはち*仏因ぶついんむすぶことまたかくのごとし。 このいんよりつひにだいあらわす。 かの*尼陀にくだじゅの、 芥子けしばかりのたねよりようしょうじて、 あまねく百両ひゃくりょうくるまおおふがごとし。 浅近せんごんほうすらなほ思議しぎしがたし。 いかにいはんや、 しゅっ甚深じんじんいんをや。 ただ信仰しんごうすべし。 ねんすべからず。

リテ↢仏名号↡即ブコト↢仏因↡亦復如↠是クノ。従↢此微因↡遂↢大果↡。如↧彼陀樹↢芥子バカリ種↡生ジテ↢枝葉↡遍フガ↦五百両↥。浅近世法スラ猶難↢思議↡。何出世甚深因果ヲヤ。唯応↢信仰↡。不↠可カラ↢疑念↡。

 ^ふ。 *染心ぜんしんをもつて如来にょらいえんずるものもまたやくありや。

。以↢染心↡縁ズル↢於如来↡者亦有利益耶。

^こたふ。 ¬ほうしゃくきょう¼ のだいはちに、 *みっしゃくりきじゃくさつげていはく、 「*いきおう、 もろもろのくすりごうじゅうして、 もつて薬草やくそうりてどうかたちつくる。 たんじょうしゅみょうにして、 希有けうなり。 *しょ安諦あんたいにして、 しょきょうし、 しゅなることならびなし。 往来おうらいし、 しゅうせんし、 住立じゅうりゅうし、 あんし、 臥寐がびし、 経行きょうぎょうするに、 けつするところなく、 顕変けんぺんするところ1155ごうあり。

。¬宝積経¼第八、密迹力士告ゲテ↢寂意菩薩↡云、「耆域医王合↢集シテ↡、以リテ↢薬草↡作↢童子↡。端正殊ニシテ世之希有ナリ。所作安諦ナリ、所有究竟セリ、殊異ナルコト↠比。往来周旋住立安坐臥寐経行スルニ、无↠所↣セル所顕ズル

^あるいは大豪だいごう国王こくおうたい大臣だいじんひゃくかんしょうちょうじゃありて、 いきおうみもと来到らいとうするに、 くすりどうて、 ともにうたたわむれて、 その顔色げんしきるに、 やまいみなのぞこることをて、 すなはち安穏あんのん寂静じゃくじょうにして、 よくなることをいたす。

イハリテ↢大豪国王・太子・大臣・百官・貴性・長者↡、来↢到スルニ耆域医王↡、↢薬童子↡、与共 トモ レテルニ↢其顔色↡病皆得↠除コルコトヲ、便↢安ニシテ寂静无欲ナルコトヲ↡。

^じゃく、 しばらく、 そのいきおうの、 けんりょうするに、 その医師いしおよぶことあたはざるところをかんぜよ。 かくのごとく、 じゃく、 もしさつ*法身ほっしんぎょうすれば、 たとひしゅじょうの、 *いんさかりにして、 男女なんにょだいしょう欲想よくそうをもつてぎょうし、 すなはちともにあひらくすれども、 貪欲とんよく*塵労じんろうはことごとくそくすることを」 と。 *陰種おんしゅしょにゅうなしとしん観察かんざつするを、 すなはち 「ぎょう法身ほっしん」 とづく。

寂意且ゼヨ↧其耆域医王療↢治スルニ世間↡、其医師↞不↠能↠及ブコト也。如↠是クノ寂意、若菩薩奉↢行スレバ法身↡、仮使 タトヒ 衆生婬・怒・痴盛ニシテ男女・大小、欲ヲモテ慕楽相娯スレドモ、貪欲塵労↢休息スルコトヲ↡。」信↢解観↣察スルヲ无陰種諸入↡、則↢奉行法身↡也

^ぎょう法身ほっしんさつすらなほしかり、 いかにいはんや*法身ほっしんしょうとくせるぶつをや。

奉行法身菩薩スラ尚爾、何証得法身1230耶。

 ^ふ。 欲想よくそうをもつてえんずるに、 このやくあるがごとく、 ほうえんするもまたやくありや。

。如↣欲想ヲモテズルニルガ↢此利益↡、誹謗悪厭スルモ亦有↠益耶。

^こたふ。 すでにいんといへり。 あきらけし、 ただ欲想よくそうのみにはあらず。

。既ヘリ↢婬・怒・痴↡。明ケシ↢唯欲ノミニハ↡。

^また ¬*如来にょらい密蔵みつぞうきょう¼ のかんにのたまはく、 「むしろ如来にょらいにおいて善業ぜんごうをばおこすとも、 どう邪見じゃけんのもののところにおいてよう施作せさせざれ。 なにをもつてのゆゑに。 もし如来にょらいみもとにおいて善業ぜんごうおこさば、 まさにゆるしんありて、 きょうしてかならずはんいたることをべし。 どうけんしたがふは、 まさにごく1156餓鬼がきちくしょうつべし」 と。

又¬如来秘密蔵経¼下巻、「寧↢如来↡起ストモ↢不善業ヲバ↡、非↧於↢外道・邪見↡施↦作供養↥。何テノ。若↢如来↡起スハ↢不善業↡、当↧有リテ↢悔ユル心↡、究竟シテ得↞至ルコトヲ↢於涅槃↡。随フハ↢外道↡、当シト↠堕↢地獄・餓鬼・畜生↡。」

 ^ふ。 このもんは、 すなはちいんどうせり。 またしゅじょう妄心もうしんす。 いかんぞ、 悪心あくしんをもつて*だいはんらくんや。

。此便セリ↢因果道理↡。亦復増↢於衆生妄心↡。如何↢悪心↡得↢大涅槃楽↡耶。

^こたふ。 悪心あくしんをもつてのゆゑにさん悪道まくどうつ。 ひとたび如来にょらいえんずるをもつてのゆゑにかならずはんいたる。 このゆゑにいんどうせず。

。以テノ↢悪心↡故↢三悪道↡。以テノ↣一タビズルヲ↢如来↡故↢涅槃↡。是不↠違↢因果道理↡

^いはく、 「かのしゅじょうごくするときに、 ぶつにおいてしんしょうじ、 ついしんしょうず。 これによりて、 展転てんでんしてかならずはんいたる」 と。 ¬だいきょう¼ (意) に見えたり。

「彼衆生堕スル↢地獄↡時、於↠仏↠信、生↢追悔↡。由リテ↠此展転シテルト↢涅槃↡。」エタリ↢¬大悲経¼↡

^染心ぜんしん如来にょらいえんずるやくすらなほかくのごとし。 いかにいはんや、 じょうしんにしてひとたびもしょうせんをや。 ぶつだい恩徳おんどく、 これをもつてりぬべし。

染心ズルスラ↢如来↡利益尚↠是クノ。何ニシテタビモセムヲヤ。仏大恩徳、以↠之↠知リヌ

 ^ふ。 諸文しょもんくところのだいはんは、 さんじょうのなかにおいて、 これいづれのぞ。

。諸文↠説菩提・涅槃、於↢三乗↡是何レノ耶。

^こたふ。 はじめにはしたがひてさんじょうといへども、 きょうしてはかならずじょうぶっいたる。

。初ニハ↣随ヒテ↠機↢三乗↡、究竟シテハ↢无上仏果↡。

^¬法華ほけきょう¼ にのたまふがごとし。

↢¬法花経¼云フガ↡。

^十方じっぽうぶつのなかには、 ただいちじょうほうのみあり。
*もなくまた*さんもなし。 ぶつ方便ほうべんせつをばのぞく」 と。

「十方仏土ニハ唯有↢一乗ノミ
↠二亦無↠三クト↢仏方便ヲバ↡」

^また ¬だいきょう¼ (涅槃経) に、 如来にょらいけつじょうせつかしてのたまはく、 「いっさい1157しゅじょうはことごとくぶっしょうあり。 如来にょらい常住じょうじゅうにして*変易へんやくあることなし」 と。

又¬大経¼明シテ↢如来決定説↡云、「一切衆生↢仏性↡。如来常住ニシテシト↠有ルコト↢変易↡。」

^またのたまはく (涅槃経)、 「一切いっさいしゅじょうは、 さだめてのくだいるがゆゑに、 このゆゑに、 われ、 一切いっさいしゅじょうはことごとくぶっしょうありとく」 と。

又云、「一切衆生メテルガ↢阿耨菩提↡故、是我説クト↣一切衆生リト↢仏性↡。」

^またのたまはく (涅槃経)、 「一切いっさいしゅじょうはことごとくみなしんあり。 おほよそしんあるものは、 さだめてまさにのくだいじょうずることをべし」 と。

又云、「一切衆生皆有↠心。凡↠心者メテシト↠得1231↠成コトヲ↢阿耨菩提↡。」

 ^ふ。 なんがゆゑぞ、 諸文しょもん所説しょせつどうなる。 あるいは 「ひとたびぶつみなかば、 さだめてだいじょうず」 とく。 あるいは 「勤修ごんしゅすること、 ねんはらふがごとくすべし」 とく。

。何諸文所説不同ナル。或イハ↧一タビ↢仏↡定メテ↦菩提↥。或イハ↠応シト↢勤修スルコトクス↟救フガ↢頭燃↡。

^また ¬ごんぎょう¼ のにのたまはく、

又¬花厳¼偈

^ひとの、 たからかぞふるに、 みづから半銭はんせんぶんなきがごとく、
ほうにおいてしゅぎょうせざるは、 おおくともまたかくのごとし」 と。

「如↧人フルニ↢他キガ↦半銭分↥
↠法↢修行クトモ亦如シト↠是クノ

^こたふ。 もしすみやかにだつせんとおもはば、 つとめずはぶんなきがごとし。 もし永劫ようごういんせば、 ひとたびくともまたむなしからず。 このゆゑに、 諸文しょもんは、 そうせず。

。若フハ↢速解脱セムト↡、不↠勤↠无キガ↠分。若スルニハ↢永劫↡、一タビクトモ亦不↠虚シカラ。是諸文、理不↢相違↡。

二 Ⅹ 諸行勝劣

【77】^だいしち*しょぎょうしょうれつといふは、

第七諸行勝劣トイフ者、

^ふ、 おうじょうごうのなかには念仏ねんぶつさいとなすも、 ごうのなかにおいてもまたさいとなすや。

往生ニハ念仏スモ↠最テモ↢余↡亦為↠最耶。

^こたふ。 ぎょうほうのなかにおいても1158、 これまたさいしょうなり。

テモ↢余行法↡此亦最勝ナリ

^ゆゑに ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ に六種ろくしゅたとへあり。

¬観仏三昧経¼有↢六種譬↡。

^いちにはいはく、 ªぶつなんげたまはく、 «たとへば、 ちょうじゃの、 まさになんとすることひさしからずして、 もろもろのぞうをもつてその委付いふす。 そのをはりて、 こころしたがひて遊戯ゆげす。 たちまちにいちに、 おうなんあるにひて、 りょう衆賊しゅぞくくらものきおる。

ニハ、「仏告ゲタマハク↢阿難↡、譬ヘバ↧長者ルコト↠死ナムトシテ↠久シカラ、以↢諸庫蔵↡委↢付子得已リテヒテ↠意遊戯一時ヒテ↠有ルニ↢王難↡、無量衆賊競↢取

^ただいちこんあり。 すなはちこれ*えんだんこんにして、 おも*じゅうろくりょうなり。 *こんじょうちょうたんまたじゅうろくすんなり。 このこんいちりょうは、 たからひゃく千万せんまんりょうあたる。

↢一金↡是閻浮檀那紫金ナリ十六両ナリ長短亦十六寸ナリ一両アタ↢余百千万両

^すなはちけがらはしきものをもつて真金しんこんまつつつみて、 泥団でいだんのなかにきつ。 もろもろのぞくをはりて、 これこんらずして、 あしをもつてみてしかもりぬ。 ぞくりてのちに、 財主ざいしゅこんて、 しんおおきにかんせんがごとし。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいもまたかくのごとし。 まさにこれを密蔵みつぞうすべし»º と。

↢穢ハシキ↡纏ツツミテ真金↡、置キツ↢泥団賊見已リテ、不シテ↠識↢是金↡脚ヲモテミテリヌ賊去リテ之後財主得↠金、心大歓喜セムガ↥。念仏三昧亦復如↠是クノ。当シト↣密↢蔵↡。

^にはいはく、 ªたとへば、 貧人びんにんおう宝印ほういんりて、 はしりてのぼりぬ。 *ろくひょうこれをふに、 貧人びんにんをはりてすなはち宝印ほういんみつ。 ひょうしゅいたりて、 をしてとうびゃくせしむ。 貧人びんにんちて、 身体しんたいさんしぬれども、 ただ金印きんいんはあるがごとく、 念仏ねんぶつ心印しんいんやぶれざること、 またかくのごとしº と。

ニハ、譬ヘバ↧貧人執リテ↢王宝印↡逃リテリヌ↠樹六兵追↠之、貧人見已リテミツ↢宝印兵衆疾リテ↢樹ヲシテ倒僻貧人落チテ↠地、身体散壊シヌレドモ、唯金印ルガ↥、念仏心印ルコト↠壊亦如シト↠是クノ

^さんにはいはく、 ªたとへば、 ちょうじゃの、 まさになんとすることひさしからずして、 いちにょ1159らく、 «われいまたからあり。 たからのなかにすぐれたるものなり。 なんぢ、 このたからて、 密蔵みつぞうしてかたからしめよ。 おうをしてらしむることなかれ» と。

ニハ、譬ヘバ↧長者ルコト↠死ナムトシテ↠久シカラ、告グラク↢一女子↡、我今有1232↠宝スグレタルナリ汝得↢此カクメヨ↠堅カラレト↠令ムルコト↢王ヲシテ

^おんなちちちょくけて、 *摩尼まにしゅおよびもろもろの珍宝ちんぽうちて、 これをふんかくす。 しつだいしょう、 みなまたらず。 きんひて、 *にょしゅちて、 したがひて、 すなはちひゃく飲食おんじきあめふらす。 かくのごとくして、 種々しゅじゅこころしたがひてたからるがごとし。 念仏ねんぶつ三昧ざんまい堅心けんしんどうなることまたかくのごとしº と。

女受ケテ↢父↡持↢摩尼珠及珍宝カク↢之糞穢室家大小皆亦不↠知ヒテ↢世飢饉↡、持チテ↢如意珠ヒテ↢百味飲食クシテ↠是クノ種々ヒテ↠意ルガ↞宝。念仏三昧堅心ニシテラムコト亦復如シト↠是クノ

^にはいはく、 ªたとへば、 おおきにひでりしてあめることあたはず。 いち仙人せんにんありてしゅじゅす。 神通じんずうりきのゆゑに、 てんより*かんらし、 よりせんいだすがごとし。 念仏ねんぶつたるものは善呪ぜんじゅにんのごとしº と。

ニハ、譬ヘバ↧大ヒデリシテ不↠能↠得ルコト↠雨リテ↢一仙人↡誦↠呪神通力ヨリラシ↢甘雨↡、地ヨリスガ涌泉↥。得タル↢念仏↡者シト↢善呪↡。

^にはいはく、 ªたとへば、 りき、 しばしば王法おうぼうおかして*囹圄れいぎょ幽閉ゆうへいせらるるに、 げて海辺かいへんいたり、 もとどりみょうしゅきて、 ちてせんやとひ、 かのきしいたりて、 安穏あんのんにしておそれなきがごとし。 念仏ねんぶつぎょうずるものは大力だいりきのごとし。 心王しんのうくさりまぬかれて、 かのきしいたるº と。

ニハ、譬ヘバ↧力士数シテ↢王法↡幽↢閉セラレテ囹圄↡、逃ゲテ↢海辺↡、解キテ明珠↡、持チテ↢船師↡、到リテ↢於彼↡、安ニシテキガ↞懼ズル↢念仏↡者↢大力士↡。挽レテ↢心王↡、到ルト↡。

^ろくにはいはく、 ªたとへば、 こうきてだい*洞然どうねんするに、 ただ金剛こんごうせんのみ*さいすべからずして、 かえりて*本際ほんざいじゅうするがごとく、 念仏ねんぶつ三昧ざんまいもまたかくのごとし。 このじょうぎょうずるものは、 過去かこぶつ*実際じっさいうみのなかにじゅうº」 と。 以上略抄

ニハ、譬ヘバ↧劫尽キテ大地洞燃ニシテ、唯金剛山ノミシテ↠可カラ↢摧破↡、還リテスルガ↦本際↥、念仏三昧亦復如↠是クノ。行ズル↢是↡者、住スト↢過去実際↡。」 已上略抄

^また ¬般舟はんじゅきょう1160¼ の 「もんぼん」 に念仏ねんぶつ三昧ざんまいきてのたまはく、 「つねにまさにじゅうし、 つねにまさにまもりて、 またほうしたがはざるべし。 もろもろのどくのなかに最尊さいそん第一だいいちなり」 と。

又¬般舟経¼「問事品」説キテ↢念仏三昧↡云、「常習持、常↤守リテ↣復随↢余↡。諸功徳最尊第一ナリト。」

^また退転たいてんくらいいたるに、 なんどうあり。 ぎょうどうといふはすなはちこれ念仏ねんぶつなり。

又至ルニ↢不退転↡有↢難易道↡。言フハ↢易行道↡即是念仏ナリ

^ゆゑに *¬十住じゅうじゅうしゃ¼ のだいさんにいはく、 「けんどうなんありあり。 陸道ろくどうぎょうはすなはちくるしく、 水道すいどうじょうせんはすなはちたのしきがごとし。 だいどうもまたかくのごとし。 あるいはごんぎょうしょうじんのものあり、 あるいはしん方便ほうべんぎょうをもつて、 惟越ゆいおっいたるものあり。 弥陀みだとうぶつおよびしょだいさつみなしょうして一心いっしんねんずれば、 また退転たいてん」 と。

¬十住¼第三、「如↢世間↠難有↠易カチヨリキテ、水道リテシキガ↡。菩亦如↠是クノ。或イハ↢勤行精進スル↡、或イハ↧以信方便クシテルモノ↦阿惟越↥。 阿弥陀等仏及諸大菩薩シテ↠名一心ズレバ、亦得イヘリ↢不退転↡。」

^もんのなかに、 過去かこ現在げんざいいっひゃくぶつろく金剛こんごうぞう浄名じょうみょうじんばつ陀婆だば文殊もんじゅみょうおん師子しし香象こうぞう常精じょうしょうじんかんおんせいとういっひゃくだいさつげたり。 そのなかにひろ弥陀みだぶつさんぜり。 もろもろのぎょうのなかにおいて、 ただ念仏ねんぶつぎょうのみしゅしやすくして、 じょうしょうす。 りぬ、 これさいしょうぎょうなりといふことを。

ゲタリ↢過去・現在1233百余仏、弥勒・金剛蔵・浄名・无尽意・跋陀婆羅・文殊・妙音・師子孔・香象・常精進・観世音・勢至等一百余大菩薩↡。其ゼリ↢弥陀仏↡也。於↢諸↡、唯念仏ノミクシテ↠修↢上位↡。知リヌ是最勝ナリトイフコトヲ

^また ¬ほうしゃくきょう¼ のじゅうにのたまはく、 「もしさつありて、 おおしゅいとなみ、 七宝しっぽうとうつくること、 三千さんぜん大千だいせんかい*遍満へんまんせんに、 かくのごときさつは、 われをしてかんをなさしむることあたはず。 またわれをようぎょうする1161にもあらず。 もしさつありて、 波羅はらみつ相応そうおうほうにおいて、 ないいちじゅし、 読誦どくじゅし、 しゅぎょうして、 ひとのために演説えんぜつせん。 このひとは、 すなはちわれをようしつとなす。 なにをもつてのゆゑに。 もろもろのぶつ*だいは、 もんよりしょうず。 しゅよりはしかもしょうずることをず。

又¬宝積経¼九十二、「若リテ↢菩薩↡多↢衆務↡、造ルコト↢七宝↡遍↢満セム三千大千世界↠是クノ菩薩、不↠能↠令ムルコト↣我ヲシテ↢歓喜↡。亦非↤供↢養恭↣敬スルニ於我↡。若リテ↢菩薩↡、於波羅蜜相応之法↡、乃至受↢四句↡、読誦修行↠人演説セム。是↣供↢養シツト於我↡。何テノ。諸・菩↢多聞↡生。不↧従リハ↢衆務↡而得↞生ズルコトヲ也。

^もしいちえんだいの、 ようさつは、 いち読誦どくじゅしゅぎょう演説えんぜつさつところにおいて、 まさに親近しんごんよう*じょうすべし。 もしいちえんだいの、 読誦どくじゅしゅぎょう演説えんぜつのもろもろのさつとうは、 いち勤修ごんしゅぜんじょうさつにおいて、 またまさに親近しんごんようじょうすべし。 かくのごとき善業ぜんごうをば、 如来にょらいずいし、 如来にょらいえっしたまふ。 もし勤修ごんしゅ智慧ちえさつにおいてじょうようせば、 まさにりょう福徳ふくとくじゅべし。 なにをもつてのゆゑに。 智慧ちえごうじょうさいしょうにして、 一切いっさい三界さんがいしょぎょうしゅっすればなり」 と。

一閻浮提営事菩薩、於↢一読誦・修行・演説菩薩之所↡応↢親近供養承事↡。若一閻浮提読誦・修行・演説菩薩等、於↢一勤修禅定菩薩↡亦当↢親近供養承事↡。如↠是クノ善業、如来随喜、如来悦可シタマフ。若↢勤修智菩薩↡承事供養スルハ、当↠獲↢无量福徳之聚↡。何テノ。智恵之業无上最勝ニシテ、出↢過スレバナリト一切三界所行↡。」

^¬だいじゅう¼ の 「月蔵がつぞうぶん」 のにのたまはく、

¬大集¼「月蔵分」偈

^「もしひとひゃくおく諸仏しょぶつみもとにして、 おおくの歳数さいしゅにおいてつねにようせんに、
もしよく七日しちにち*闌若らんにゃにありて、 *こんせっしてじょうば、 ふくかれよりもおおし。

「若人百億諸仏ニシテ↢多クノ歳数↡常供養シタテマツラム
七日在リテ闌若シテ↠根↠定福多ケム↠彼ヨリモ

^げんじょう無為むいなるはぶつきょうがいなり。 かしこにおいてよくじょうだい
1162もしひと、 かのじゅうぜんのものをそしらば、 これをもろもろの如来にょらいほうすとづく。

閑静无為ナルハ境界ナリ↠彼得↢浄菩提
人謗ルハ↢彼住禅1234↣毀↢謗スト如来

^もしひととうやぶることひゃくせん、 およびひゃくせんてらぼんじょうせんに、
もしじゅうぜんのものをほうすることあらば、 そのつみはなはだおおきこと、 かれよりぎたり。

人破ルコト↠塔百千ナラム及以 オヨビ 焚↢焼セム百千
ムハ↣毀↢謗スルコト住禅罪甚キコトギタリ↢於彼ヨリ

^もしじゅうぜんのものに、 飲食おんじきぶくおよび湯薬とうやくようすることあらば、
このひとりょうつみしょうめつして、 またさん悪道まくどうせじ。

ラバ↣供↢養スルコト住禅飲食・衣服及湯薬
人消↢滅シテ无量亦不↠堕↢於三悪道

^このゆゑにわれいまあまねくなんぢにぐ、 仏道ぶつどうじょうぜんとおもはばつねにぜんにあれ。
もし*蘭若らんにゃじゅうすることあたはずは、 まさにかのひとようすべし」 と。

我今普↠汝ハバ↠成ムト↢仏道↡常↠禅
↠能↠住スルコト↢阿蘭若シトイヘリ↣供↢養於彼↡。」

^*はんぜんじょうすら、 なほすでにかくのごとし。 いはんや、 念仏ねんぶつ三昧ざんまいはこれ*おう三昧ざんまいなるをや。

汎爾オホヨソ禅定スラ尚既↠是クノ。況念仏三昧是王三昧ナルヲ耶。

 ^ふ。 もしぜんじょうごう読誦どくじゅ解義げぎとうすぐれたらば、 いかんぞ、 ¬法華ほけきょう¼ の 「分別ふんべつどくぼん」 に、 はちじゅう万億まんおく那由なゆこう所修しょしゅ*ぜん波羅はらみつどくをもつて、 ¬法華ほけきょう¼ をきて一念いちねんしんするどく校量きょうりょうして、 ひゃくせん万億まんおくぶんの一ぶんなりとする。 い1163かにいはんや、 ひろのためにかんをや。

。若禅定レタラバ↢読誦・解義等↡、云何¬法花経¼「分別功徳品」、以八十万億那由他劫所修前五波羅蜜功徳↡、挍セルキテ↢¬法花経¼↡一念信解スル功徳百千万億分之一分。何↠他カムヲ耶。

^こたふ。 これらのもろもろのぎょうに、 おのおの浅深せんじんあり。 いはく、 *偏円へんえんきょう差別しゃべつあるがゆゑに。 もし*とうきょうにてろんぜば、 しょうれつさきのごとし。 もししょきょう相対そうたいせば、 へんぎょうぜんじょうえんぎょう読誦どくじゅごうおよばず。 ¬だいじゅう¼ と¬ほうしゃく¼ とはいっきょうやくしてろんじ、 ¬ほっ¼ の校量きょうりょう偏円へんえん相望そうもうす。 このゆゑに諸文しょもんそうせず。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいもまたかくのごとし。 へんぎょう三昧さんまいとうきょうすぐれたりとなす。 *円人えんにん三昧さんまいはあまねくしょぎょうすぐれたり。

。此等↢浅深↡。謂偏円教有ルガ↢差別↡故。若当教ゼバ勝劣↠前。若相↢対セバ諸教↡、偏教禅定不↠及↢円教読誦事業↡。¬大集¼¬宝積トハ¼約シテ↢一教↡論¬法華¼挍量偏円相望。是諸文義不↢相違↡。念仏三昧亦復如↠是クノ。偏教三昧当教↠勝レタリト。円人三昧レタリ↢諸行↡。

^またじょうあり。 いち*相応そうおうじょう。 これをさいしょうなりとなす。 *暗禅あんぜん。 いまだすぐれたりとなすべからず。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいはこれはじめのしょうなるべし。

又定↠二。一者恵相応定。是↢最勝ナリト↡。二者暗禅。未↠可カラ↠為↠勝レタリト。念仏三昧↢是初ナル↡。

二 Ⅹ 信毀因縁

【78】^だいはち*しん因縁いんねんといふは、

第八信毀因縁トイフ者、

^¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「ひと一仏いちぶつみもとにしてどくつくるのみにあらず。 もしは、 もしはさん、 もしはじゅうにおいてせるにもあらず。 ことごとくひゃくぶつみもとにしてこの三昧さんまいき、 かへりて後世ごせときにこの三昧さんまいくものなり。 きょうかん書学しょがくじゅして、 さいまもること一日いちにちいちすれば、 そのふくはかるべからず。 おのづから惟越ゆいおっいたり、 がんずるところのものをん」 と。

¬般舟経¼云、「不↧独↢一仏↡作ルノミニ↦功徳↥。不↠於テセルニシハ二若シハ三若シハ↡。悉↢百仏↡聞カム↢是三昧↡、却リテ後世カム↢是三昧↡者ナリ。書↢学1235誦↣持シテ経巻↡、最後ルコト一日一夜ルハ、其福不可計ニシテ↢阿惟越致↡、所↠願ゼムムト。」

 ^ふ。 もししからば、 くものはけつじょうしてしんずべし。 なんがゆゑぞ、 くとい1164へども、 しんしんぜざるものある。

。若ラバカム決定シテ↠信。何↠聞クト↢信ルモノ↟信

^こたふ。 ¬*りょう清浄しょうじょうがくきょう¼ (四) にのたまはく、 「善男ぜんなんぜん女人にょにんありて、 りょう清浄しょうじょうぶつみなきて、 かんやくして、 いよだつことをなし、 づるがごとくなるものは、 みなことごとく宿しゅく宿命しゅくみょうに、 すでにぶつをなせるなり。 それ人民にんみんありて、 うたがひてしんぜざるものは、 みな悪道あくどうのなかよりきたりて、 殃悪おうあくいまだきざるなり。 これいまだだつざるなり」 と。

。¬無量清浄覚経¼云、「善男子・善女人アリテキテ↢无量清浄仏↡、歓喜踊躍シテ、身毛為ルコトイヨダツコトヲセム↢抜↡者、皆悉宿世宿命セルナリ↢仏事↡。其リテ↢人民↡疑ヒテラム↠信、皆従↢悪道中↡来リテ、殃悪未ルナリ↠尽。此未↠得↢解脱。」

^また ¬大集だいじつきょう¼ の*だいしちにのたまはく、 「もししゅじょうありて、 すでにりょうへんぶつみもとにしてもろもろの*徳本とくほんゑたるものは、 すなはちこの如来にょらいじゅうりきしょ不共ふぐほうさんじゅうそうくことをん。 れつにんは、 かくのごときしょうぼうくことをることあたはじ。 たとひくことをとも、 いまだかならずしもよくしんぜず」 と。

又¬大集経¼第七、「若リテ↢衆生↡已↢無量无辺↡殖ヱタルモノハ↢衆↡、乃↠聞クコトヲ↢是如来十力・四无所畏・不共之法・卅二相↡。 下劣之人不↠能↠得ルコト↠聞クコトヲ↢如↠是クノ正法↡。仮使 タトヒ トモ↠聞クコトヲ、未↢必ズシモ↡。」

^まさにるべし、 しょう因縁いんねん不可ふか思議しぎなり。 薄徳はくとくのものの、 くことをるも、 そのえんりがたし。 *烏豆うずじゅいちあおまめあらんがごとし。 ただしかれくといへどもしかもしんせず。 これはすなはち薄徳はくとくいたすところなるのみ。

↠知、生死因縁不可思議ナリ。薄徳ノモノコト↠聞クコトヲ、難↠知↢其縁↡。如↣烏豆聚ラムガ↢一アオ豆↡。但彼雖↠聞クト不↢信解↡。是薄徳之所ナル↠致耳。

 ^ふ。 ぶつおうじゃくに、 つぶさに*しょしゅしたまひしに、 なほはち万歳まんざいにこのほうきたまふことあたはざりき。 いかんぞ、 薄徳はくとくのたやすくちょうもんすることをる。 た1165とひ希有けうなりとゆるせども、 なほどうせり。

。仏往昔シタマヒシ↢諸度↡、尚於八万歳リキ↠能↠聞キタマフコト↡。云何薄徳タヤス↢聴聞スルコトヲ↡。設セドモ↢希有ナリ↡猶違セリ↢道理↡。

^こたふ。 このりがたし。 こころみにこれをあんじていはく、 しゅじょう善悪ぜんあくくらいべつあり。

。此義難↠知。試ジテ↠之、衆生善悪↢四別↡。

^いちには、 *悪用あくゆう偏増へんぞうなり。 このくらいにはほうくことなし。 ¬ほっ¼ (意) にのたまふがごとし、 「ぞうじょうまんひとひゃく億劫おくこうつねにほうかず」 と。

ニハ悪用偏増ナリ。此ニハ↠聞クコト↠法。如↢¬法華¼云フガ↡、「増上慢人二百億劫常↠聞↠法。」

^には、 *善用ぜんゆう偏増へんぞうなり。 このくらいにはつねにほうく。 *じゅうじょうだいさつとうのごときなり。

ニハ善用偏増セル↠法。如キナリ↢地・住以上大菩薩等↡。

^さんには、 *善悪ぜんあくきょうさい。 いはく、 ぼんててしょうらんとするときなり。 このくらいのなかには、 一類いちるいひとありてほうくことはなはだかたし。 たまたまきつればすなはちさとる。 *じょうたいさつ須達しゅだつ老女ろうにょとうのごとし。 あるいはのためにへられ、 あるいはみづからのまどひのためにへられて、 聞見もんけんへだつといへども、 ひさしからずしてすなはちさとる。

ニハ善悪交際。謂↢捨テテ↠凡ラムト↟聖之時ナリ。此ニハ↢一類之人1236クコト↠法。適キツレバ。如↢常啼菩薩、須達老女等↡。或イハ↠魔↠障、或イハ↢自ラノマドヒ↡障ヘラレテ、雖↠隔ツト↢聞見↡不シテ↠久シカラ

^には、 *善悪ぜんあくようなり。 このくらいには、 善悪ぜんあくおなじくこれしょうてんほうなるがゆゑに、 おおほうくことかたし。 悪増あくぞうにあらざるがゆゑに、 一向いっこうもんなるにあらず。 きょうさいするにあらざるがゆゑに、 くといへどもやくなし。 六趣ろくしゅしょう*蠢々しゅんしゅんたるたぐい、 これなり。 ゆゑにじょうにんのなかにもまたくことかたきものあり、 ぼんのなかにもまたくものあり。

ニハ善悪容預善悪ジク是生死流転ナルガ、多↠聞クコト↠法。非↢悪増↡故↢一向无聞ナル↡。非↢交際スル↡故↠聞クト↢巨益↡。六趣・四生蠢々タル類是ナリ。故上人ニモ亦有↠難キモノ↠聞クコト、凡愚之中ニモ亦有↢聞者↡。

^これまたいまだけっせず。 *げん取捨しゅしゃせよ。

↠決。後賢取捨セヨ

 ^ふ。 しんのもの、 なんの罪報ざいほうをかる。

。不信之者得↢何罪報ヲカ↡。

^こたふ。 ¬*しょうよう諸仏しょぶつどくきょう¼ のかん1166のたまはく、 「それ、 弥陀みだぶつみょうごうどく讃嘆さんだん*しょうようするをしんぜざることありて、 *ほうするものは、 こうのうちに、 まさにごくして、 つぶさにもろもろのくべし」 と。

。¬称揚諸仏功徳経¼下巻、「其リテ↠不ルコト↠信↤讃↢嘆称↣揚スルヲ阿弥陀仏名号功徳↡、而シテ謗毀セム、五劫之中シト↧堕シテ↢地獄↡、具↦衆↥。」

 ^ふ。 もし深信じんしんなくしてねんをなすものは、 つひにおうじょうせざるや。

。若クシテ↢深信↡↢疑念↡者↢往生↡。

^こたふ。 まつたくしんぜず、 かのごうしゅせず、 がんせざるものは、 としてうまるべからず。 もしぶっうたがふといへども、 しかもなほかのねがひ、 かのごうしゅするものは、 またおうじょうすることを

不↠信、不↠修↢彼↡、不↢願求↡者、理トシテ不↠応カラ↠生。若↠疑フト↢仏智↡、而猶願↢彼↡修セム↢彼↡者、亦得↢往生スルコトヲ↡。

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) にのたまふがごとし、 「もししゅじょうありて、 わくしんをもつてもろもろのどくしゅして、 かのくにうまれんとがんじて、 ぶっ思議しぎ不可ふかしょうだいじょうこうとうりんさいじょうしょうりょうせず、 このもろもろのにおいてわくしてしんぜず、 しかもなほ罪福ざいふくしんじ、 善本ぜんぽんしゅじゅうして、 そのくにしょうぜんとがんぜん。

キナリ↢¬双巻経¼云フガ「若リテ↢衆生↡以↢疑↡修シテ↢諸功徳↡、願ジテ↠生レムト↢彼↡、不↠了↢仏智・不思議智・不可称智・大乗広智・无等无倫最上勝智↡、於↢此↡疑シテトモ↠信、然猶信↢罪福↡、修↢習善本↡、願ズル↠生レムト↢其

^このもろもろのしゅじょうは、 かの殿でんしょうじて、 寿じゅひゃくさい、 つねにぶつたてまつらず、 きょうぼうかず、 さつしょうもんしゅうたてまつらず、 このゆゑにかのこくにおいては、 これを*たいしょうといふ」 と。

衆生ジテ↢彼宮殿↡寿五百歳マデニ不↠見タテマツラ↠仏、不↠聞↢経法↡、不↠見タテマツラ↢菩薩・声聞之衆↡、是↢彼国土↡謂フト↢之胎生↡。」

^ぶつ智慧ちえうたがふは、 つみ悪道あくどうあたれり。 しかもねがいしたがひておうじょうするは、 これぶつがんりきなり。

フハ↢仏↡、罪当レリ↢悪道↡。然ヒテ↠願往生スルハ、是仏悲願ナリ

^¬清浄しょうじょうがくきょう¼ (平等覚経・三) に、 このたいしょうをもつてちゅうはいはい1167にんとなせり。 しかもしょしょしゃくしげいだすことあたはず。

¬清浄覚経¼以↢此胎生↡為↢中輩・下1237↡。然諸師所釈不↠能ワヅラハシキニスコト↡。

 ^ふ。 ぶっいふは、 そのそういかんぞ。

。言フハ↢仏智等↡其相云何

^こたふ。 *きょうごうは、 ¬*ぶつきょう¼ のほうをもつて、 いまづけたり。 いはく、 清浄しょうじょう法界ほうかいぶっづけ、 *大円だいえんきょうとうをもつて、 いでのごとく思議しぎとうつるなり。 *玄一げんいちは、 ぶっさきのごとくなるも、 のちをもつて、 ぎゃく*じょう事智じちとうたいするなり。 異解いげあるも、 これをわずらはしくすべからず。

。憬興師↢¬仏地経¼五法↡、今名ケタリ↢五智↡。謂清浄法界↢仏智↡、以↢大円鏡等↡如↠次ベシトイフ↢不思議等↡也。玄一師、仏智ナルモ↠前、以↢後四智↡逆↢成事智等↡也。有↢余異解↡不↠可カラ↠煩シクス↠之

二 Ⅹ 助道資縁

【79】^だい*助道じょどうえんといふは、

第九助道資縁トイフ者、

^ふ、 ぼんぎょうにんはかならずじきもちゐる。 これしょうえんなりといへども、 よくだいべんず。 *にしてやすからずは、 *道法どうほういづくんぞあらん。

凡夫行人ヰル↢衣食此雖↢小縁ナリト↡、能↢大事↡。裸ヱテ↠安カラ、道法焉ラム

^こたふ。 ぎょうじゃあり。 いはく、 しゅっとなり。

。行者↠二。謂出家トナリ

^そのざいにんは、 ごう自由じゆにして、 餐飯さんぼんぶくあり。 なんぞ念仏ねんぶつさまたげん。 ¬木槵もくげんきょう¼ の*瑠璃るりおうぎょうのごとし。

在家、家業自由ナリ餐飯・衣服アリゲム↢念仏↡。如↢¬木槵経¼瑠璃王↡。

^そのしゅっにんにまたさんるいあり。 もし*じょうこんのものは、 そう鹿ろく一菜いっさいいっなり。 *雪山せっせんだいのごとき、 これなり。 もし*ちゅうこんのものは、 つねに乞食こつじき*糞掃ふんぞうなり。 もし*こんのものは、 檀越だんおつ*しんなり。 ただすこるところあれば、 すなはちるをる。 つぶさには ¬かん¼ のだいのごとし。 いはんやまた、 もしぶつ弟子でしにして、 もつぱらしょうどうしゅして、 とんするところなき1168ものは、 ねんえんす。

出家亦有↢三類↡。若上根草座・鹿皮、一菜・一菓ナリ↢雪山大士↡是也。若中根乞食・糞掃衣ナリ。若下根檀越親施ナリ。但リテハ↠所↠得即便↠足リヌト。具↢¬止観¼第四↡。況復若仏弟子ニシテシテ↢正道↡无↠所↢貪求スル↡者、自然↢資縁↡。

^¬大論だいろん¼ (大智度論) にいふがごとし。 「たとへば、 比丘びくとんするものはようず、 とんするところなきはすなはちともしくすくなきところなきがごとく、 しんもまたかくのごとし。 もし分別ふんべつしてそうれば、 すなはち実法じっぽうず」 と。

↢¬大論¼云フガ↡。「譬ヘバ↧比丘貪求スル不↠得↢供養↡、無キハ↠所↢貪求スル↡則キガ↞所↢乏シクスクナ↡、心亦如↠是クノ。若分別取相レバ↠得↢実法↡。」

^また ¬だいじゅう¼ の 「月蔵がつぞうぶん」 のなかに、 欲界よくかい六天ろくてん日月にちがつ星宿しょうしゅくてんりゅうはち、 おのおの仏前ぶつぜんにして誓願せいがんおこしてのたまはく、 「もしぶつしょうもん弟子でしにして、 ほうじゅうし、 ほうじゅんじ、 三業さんごう相応そうおうしてしゅぎょうするものをば、 われらみなともに護持ごじ養育よういくし、 *所須しょしゅきゅうして、 ともしきところなからしめん。 もしまたそんしょうもん弟子でしにして、 *しゃくじゅするところなからんをば護持ごじ養育よういくせん」 と。

又¬大集¼「月蔵分」中、欲界六天・日月星宿・天竜八部↢仏前↡発シテ誓願、「若声聞弟子、住↠法↠法、三業相応シテ而修行セム、我等皆共護持養育、供↢給シテ所須↡令メム↠無カラ↠所1238↠乏シキ。若復世尊声聞弟子、无カラムヲ↠所↢積聚スル↡護持養育セムト。」

^またのたまはく (大集経)、 「もしそんしょうもん弟子でしにして、 しゃくじゅじゅうし、 ない三業さんごうほう相応そうおうせざるものをば、 またまさにしゃすべし、 また養育よういくせじ」 と。

、「世尊声聞弟子、住↢於積聚↡、乃至三業与↠法不ラム↢相応↡者ヲバ、亦当↢棄捨↡、不イヘリ↢復養育↡。」

 ^ふ。 ぼんはかならずしも三業さんごう相応そうおうせず。 もしけつあらば、 *依怙えこなかるべし。

。凡夫不↢必ズシモ三業相応↡。若ラバ欠漏↡応↠无カル↢依怙↡。

^こたふ。 かくのごとき問難もんなんは、 これすなはち*だいにして*道心どうしんなきもののいたすところなり。 もしまことにだいもとめ、 じょうねがふものは、 むしろしんみょうをばつとも、 あに禁戒きんかいやぶらんや。 いっ勤労ごんろうをもつて、 永劫ようごうみょうすべし。 いはん1169やまた、 たとひかいやぶるといへどもそのぶんなきにあらず。

。如↠是クノ問難、是懈怠无道心者之所↠致也。若↢菩↡欣ハム↢浄土↡者、寧ツトモ↢身命ヲバ↡、豈ラムヤ↢禁戒↡。応↧以↢一世勤労↡期↦永劫妙果↥也。況復設↠破ルト↠戒↠无キニ↢其分↡。

^どうきょうに、 ぶつののたまふがごとし。 「ª もししゅじょうありて、 わがためにしゅっして、 鬚髪しゅほつ剃除たいじょ袈裟けさぶくせば、 たとひかいたもたずとも、 かれらはことごとくすでにはんいんのためにいんせられたり。

↢同ジキ¬経¼仏フガ↡。「若リテ↢衆生↡為↠我出家シテ、剃↢除鬚髪↡被↢服袈裟↡、設トモ↠持↠戒、彼等↢涅槃↡之所レタリ↠印也。

^もしまたしゅっして、 かいたもたざるものを、 ほうをもつて悩乱のうらんをなし、 *にく*毀訾きしし、 とうじょうをもつてしばりて、 もしははつうばひ、 および種々しゅじゅ*しょううばふことあるものは、 このひとはすなはちさん諸仏しょぶつ真実しんじつ報身ほうじんやぶり、 すなはち一切いっさいてんにん眼目げんもくくじるなり。

復出家シテラム↠持↠戒、有ラム↧以↢非法↡而シテ↢悩乱↡、罵辱毀訾、以↢手刀杖↡打リテ、若↢衣鉢↡、及フコト↦種々資生↥者、是↢三世諸仏真実報身クジルナリ↢一切天人眼目↡。

^このひとは、 諸仏しょぶつしょしょうぼう三宝さんぼうたね隠没おんもつせんとほっするがためのゆゑに、 もろもろのてんにんをして、 やくずしてごくせしめんがゆゑに、 さん悪道まくどうぞうじょう盈満ようまんせしむるがためのゆゑにº と。

↠欲スルガ↣隠↢没セムト諸仏所有正法三宝↡故、令メムガ↧諸天人ヲシテシテ↠得シメ↢利益↡堕↦地獄↥故、為↢三悪道シテ増長盈満ルガ↡故ニト

^そのときに、 また一切いっさいてんりゅうない一切いっさい*迦かたたんにんにんとうありて、 みなことごとくがっしょうして、 かくのごときごんをなさく、 ªわれら、 ぶつ一切いっさいしょうもん弟子でしにおいて、 ない、 もしはまた禁戒きんかいせずとも、 鬚髪しゅほつ剃除たいじょ袈裟けさかたはしたるものをば、 ちょうおもいをなして護持ごじ養育よういくして、 もろもろの所須しょしゅあたへて、 ぼうしょうなることなからしめん。

「爾復有リテ↢一切天・竜、乃至一切迦富単那・人・非人等↡、皆悉合掌シテ、作サク↢如↠是クノ↡、我等於↢仏一切声聞弟子↡、乃至若シハ復不トモ↠持↢禁戒↡、剃↢除鬢髪↡著タル↢袈裟↡者ヲバ、作シテ↢師長↡護持養育シテ、与ヘテ↢諸所須↡令メム↠无カラ↢乏少ナルコト↡。

^もしてんりゅうない迦かたたんとうの、 その悩乱のうらんをなし、 ない悪心あくしんにしてまなこ1170もつてこれをば、 われらことごとくともに、 かのてんりゅう*たんとうの、 しょのもろもろのそうをして欠減けつげんしゅうならしむ。 かれをして、 またわれらとともにじゅうしともにじきすることをざらしむ。 また同処どうしょにしてしょうすることをじ。 かくのごとくにして*擯罰ひんばつせんº」 と。 以上取意

天・竜、乃至迦富単那等、作↢其1239悩乱↡、乃至悪心ニシテ↠眼↠之、我等悉、令↢彼天・竜・富単那等ヲシテ所有ヲシテ欠減醜陋ナラ↡。令↫彼ヲシテ↪復得↩与↢我等↡共スルコトヲ↨。亦復不↠得↢同処ニシテ戯笑スルコトヲ↡。如クニシテ↠是クノ擯罰セムト已上取意

^またのたまはく (大集経)、 「そのときに、 そんじょうしゅろくおよび賢劫げんごうのうちの一切いっさいさつ*摩訶まかさつげてのたまはく、 ªもろもろの善男ぜんなん、 われ、 むかしさつどうぎょうぜしときに、 かつて過去かこ諸仏しょぶつ如来にょらいにおいてこのようをなし、 この善根ぜんごんをもつてわがためにさんだいいんとなせり。

又云、「爾世尊告ゲテ↢上首弥勒及賢劫一切菩薩摩訶薩↡言、諸善男子、我昔行ゼシ↢菩薩↡時ムカシ↢過去諸仏如来↡作↢是供養↢此善根↡与↠我↢三菩提↡。

^われ、 いまもろもろのしゅじょう憐愍れんみんするがゆゑに、 このほうをもつてわかちてさんぶんとなし、 一分いちぶんとどめてみづからけ、 だいぶんをば、 わがめつにおいて、 ぜんだつ三昧ざんまいけん相応そうおうするしょうもんあたへて、 ともしきところなからしめ、 だいさんぶんをば、 かのかいにして、 きょうてん読誦どくじゅし、 しょうもん相応そうおうして、 しょうぼう像法ぞうぼうに、 こうべ袈裟けさたるものにあたへて、 ともしきところなからしめん。

我今憐↢愍スルガ衆生↡故↢此果報↡分チテ↢三分メテ↢一分↡自第二ヲバ者於↢我滅後↡与ヘテ禅解脱三昧堅固相応セラム声聞↡、令↠无カラ↠所↠乏シキ第三ヲバ者、与ヘテ↧彼破戒ニシテ読↢誦経典↡、相↢応シテ声聞正法・像法、剃↠頭タル↢袈裟↡者↥、令↠无カラ↠所↠乏シキ

^ろく、 われ、 いままた三業さんごう相応そうおうのもろもろのしょうもんしゅ比丘びく比丘びく優婆うばそく優婆うばをもつて、 なんぢが寄付きふす。 ともしくすくなくどくにしておわらしむることなかれ。 および、 しょうぼう像法ぞうぼうに、 禁戒きんかい毀破きはして、 袈裟けさたるものをも、 なんぢが寄付きふす。 か1171れらをして、 もろもろの資具しぐにおいて、 ぼうしょうにしておわらしむることなかれ。 またせん陀羅だらおうありて、 ともにあひ悩害のうがいし、 身心しんしんけしむることなかれ。 われ、 いままたかのもろもろのしゅをもつて、 なんぢが寄付きふすº」 と。

弥勒、我今復以↢三業相応声聞衆、比丘・比丘尼、優婆塞・優婆夷↡、寄↢付↡。勿↠令ムルコト↢乏シクナク孤独ニシテ而終↡。及以 オヨビ 正法・像法毀↢破シテ禁戒↡著タル↢袈裟↡者ヲモ、寄↢付↡。勿↠令ムルコト↧彼等ヲシテ↢諸資具↡乏少ニシテ而終↥。亦勿↠令ムルコト↧有リテ旃陀羅王↡共相悩害、身心↞苦。我今復以↢彼施主↡寄↢付スト↡。」

^かいすらなほしかり。 いかにいはんや、 かいをや。 しょうもんすらなほしかなり。 いかにいはんや、 大心だいしんおこしてまことに念仏ねんぶつせんをや。

破戒スラ尚爾。何持戒ヲヤ。声聞ナラム尚爾ナリシテ↢大心念仏セムヲ乎。

 ^ふ。 もしかいにんもまたてんりゅうのために*ねんせられなば、 いかんぞ ¬*梵網ぼんもうきょう¼ (意) に、 「せんじんかい比丘びくあとはらふ」 とのたまひ、 ¬はんぎょう¼ (意) に、 「国王こくおう群臣ぐんしんおよびかい比丘びくは、 まさにかいのものを*苦治くじけんしゃくすべし」 とのたまふや。

。若破戒亦為↢天・竜↡所ルレ↢護念↡者、云何¬梵網経¼云ヘル↣「五千鬼神払フト↢破戒比丘」¬涅槃経¼云↰「国王1240・群臣及持戒比丘、応シト↯苦↢治駆↣遣呵↤嘖破戒↡」耶。

^こたふ。 もしのごとく苦治くじせば、 すなはちぶっきょうじゅんず。 もし非理ひりにして悩乱のうらんせばかえりて*しょうす。 ゆゑにそうせず。

シテ↠理苦治セバ↢仏教↡。若非理ニシテ悩乱セバリテ↢聖旨↡。故不↢相違↡。

^月蔵がつぞうぶん(大集経) に、 ぶつののたまへるがごとし。 「国王こくおう群臣ぐんしんは、 しゅっのものの、 だい罪業ざいごうたるだいせっしょうだいちゅうとうだいぼんぎょうだいもうおよびぜんをなすをては、 かくのごときたぐいをば、 ただまさにほうのごとく、 こくじょうおう村落そんらくひんしゅつして、 てらにあることをゆるさざれ。 またそうごうどうずることをしめじ。 ようぶん、 ことごとくともにどうぜしめざるべし。

↢「月蔵分」仏ヘルガ↡。「国王・群↢出家、作↢大罪業、大殺生、大偸盗、大非梵行、大妄語、及不善セム↠是クノヲバ、但当↧如↠法擯↢出シテ国土・城邑・村落↡、不ユル↠在ルコトヲ↠寺亦復不↠得シメ↠同ズルコトヲ↢僧事業利養之分悉↦共ゼシメ↥。

^べんすることをじ。 もしべんせば、 1172おうぜざるところなり。 またくちにくすべからず。 一切いっさい、 そのつみくわふべからず。 もしことさらにほうして、 つみめば、 このひとはすなはちだつにおいて退落たいらくし、 ひつじょうして阿鼻あびごくしゅせん。 いかにいはんや、 ぶつのためにしゅっして、 つぶさにかいたもつものをべんせんをや」 と。

不↠得↢鞭打スルコトヲ↡。若鞭打セバ者、理所ナリ↠不↠応。又亦不↠応カラ↢口罵辱↡。一切不↠応カラ↠加↢其↡。若ラニシテ↠法メバ↠罪者、是便↢解脱↡退落、必定シテ帰↢趣セム阿鼻地獄↡。何鞭↢打セムヲヤト↠仏出家↠戒↡。」

 ^ふ。 人間にんげん*ひんは、 差別しゃべつしかるべし。 にんぎょうは、 なほいまだけつりょうせず。 ¬梵網ぼんもうきょう¼ には一向いっこうあとはらふ、 ¬*月蔵がつぞうきょう¼ には一向いっこうきゅうす。 なんぞたちまちにかくせる。

。人間擯治差別可↠然。非人之行猶未↢決了↡。¬梵網経ニハ¼一向↠跡¬月蔵経ニハ¼一向供給ナン乖角セル

^こたふ。 罪福ざいふくむねらんがために、 かならずすべからくにんぎょうけっすべし。 かならずしもにんしょぎょうけっすべからず。 もしはせい、 もしはかい、 おのおのやくをなす。 あるいはまた、 にんぎょうどうなるがごとく、 にんがんぎょうもまたどうなるのみ。 学者がくしゃけっすべし。

。為↠知ラムガ↢罪福↡、要↠決↢人↡。不↠可カラ↣必ズシモ↢非人所行↡。若シハ制若シハ開、↢巨益↡。或イハ復如↢人意楽不同ナルガ↡、非人願楽亦不同ナル耳。学者応↠決

 ^ふ。 *ろんのちなみにろんをなさん、 かの犯戒ぼんかいしゅっにんにおいてよう悩乱のうらんせば、 いくばくの罪福ざいふくるや。

。因↠論サム↠論、於↢彼犯戒出家之人↡供養悩乱スルハ、得↢幾クノ罪福↡。

^こたふ。 ¬*じゅうりんぎょう¼ のにのたまはく、

。¬十輪経¼偈

^ごうしゃぶつの、 *だつ幢相どうそうたり、
これにおいて悪心あくしんおこさば、 さだめてけんごくちなん」 と。
袈裟けさづけて 「だつどう」 となす。

「被↢恒河沙解脱幢相衣
↠此スハ↢悪心メテ↢無間獄↡」
袈裟ケテ↢解脱幢衣

^がつ1173ぞうぶん(大集経) にのたまはく、 「もしかれを悩乱のうらんせば、 そのつみ万億まんおく仏身ぶっしんよりいだつみよりもおおし。 もしこれをようせば、 なほりょうそうだい福徳ふくとくじゅん」 と。

「月蔵分」云、「若悩↢乱スルハ↡、其罪多↧於出↢万億仏身ヨリ之罪ヨリモ↥。若供↢養スルハ↡、猶得1241↢无量阿僧祇大福徳聚↡。」

 ^ふ。 もししからば、 一向いっこうにこれをようすべし。 なんぞこれをしておおきなる罪報ざいほうまねくべけんや。

。若ラバ一向↣供↢養↡。何ケム↣治シテ↠之↢大ナル罪報↡耶。

^こたふ。 もしそのちからありてこれを苦治くじせずは、 かれまたざい。 これ仏法ぶっぽうおおきなるあだなり。

リテ↢其力↡不ネンゴロ↟之、彼亦得↢罪過↡。是仏法ナルナリ

^ゆゑに ¬はんぎょう¼ のだいさんにのたまはく、 「ほう比丘びくは、 かいやぶしょうぼうすることあるものをば、 すなはちけんし、 しゃく*しょすべし。 もしぜん比丘びくほうのものをて、 きて、 しゃくけんしょせずは、 まさにるべし、 このひと仏法ぶっぽうのなかのあだなり。 もしよくけんし、 しゃくしょせば、 これわが弟子でしなり、 しんしょうもんなり。

¬涅槃経¼第三、「持法比丘↧有ラム↣破↠戒スルコト↢正法↡者↥、即↢駆遣挙処↡。若善比丘見↢壊法↡、置キテ↢呵嘖駆遣挙処者、当↠知、是仏法ナリ。若駆遣呵嘖挙処スルハ、是我弟子ナリ声聞也。

^もろもろの国王こくおうおよび*四部しぶしゅうは、 まさにもろもろの*学人がくにんとう勧励かんれいして、 ぞうじょうかいじょう智慧ちえしむべし。 もしこのさんぼんほうがくせずして、 だいかいにしてしょうぼうそしるものあらば、 王者おうじゃ大臣だいじん四部しぶしゅう、 まさに苦治くじすべし」 と。

国王及四部、応↧勧↢励シテ学人等↡、令↞得↢増上戒・定・智↡。若ラバ↧不シテ↠学↢是三品↡、懈怠破戒シテ↢正法↡者↥、王者・大臣、四部之衆、応↢当シト苦治↡。」

^またのたまはく (涅槃経)、 「もし比丘びくありて、 禁戒きんかいすといへども、 ようのためのゆゑに、 かいのものとぎょうらいし、 ともにあひしんして、 そのごうおなじくせば、 これをかい1174づく。

又云、「若リテ↢比丘↡雖↠持スト↢禁戒↡、為↢利養↡故与↢破戒者↡坐、共相親附シテズル↢其事業↡、是↢破戒↡。

^もし比丘びくありて、 蘭若らんにゃしょにありて、 諸根しょこんならず、 *闇鈍あんどん瞢とうもうにしてしょうよくにして乞食こつじきし、 *説戒せっかいおよび*自恣じしときに、 もろもろの弟子でしおしへて清浄しょうじょうさんせしめ、 弟子でしにあらざるもの、 おお禁戒きんかいおかせるをては、 おしへて清浄しょうじょうさんせしむることあたはずして、 すなはちともに説戒せっかい自恣じしする、 これを愚痴ぐちそうづく」 と。 以上略抄

リテ↢比丘↡在リテ↢阿蘭若処↡、諸根不↠利ナラ闇鈍瞢ニシテ少欲ニシテ乞食、於説戒日及自恣、教ヘテ↢諸弟子↡清浄懴悔セシメ、見テハ↧非ズシテ↢弟子↡多セルヲ↦禁戒↥、不シテ↠能↣教ヘテムルコト↢清浄懴悔↡而便与共 トモ 説戒自恣スル、是クト↢愚痴僧↡。」 已上略抄

^あきらかにりぬ、 もしはぎ、 もしはおよばざるは、 みなこれぶっちょくしぬ。 そのあひだのしょうそくすべてこころるにあり。

カニリヌ、若シハシハルハ↠及、皆是違シヌ↢仏勅↡。其消息都↠得ルニ↠意

二 Ⅹ 助道人法

【80】^だいじゅう*助道じょどう人法にんぼうといふは、 りゃくしてさんあり。

第十助道人法トイフ者、略シテ↠三。

^いちには、 すべからく*みょうの、 *ないりつくして、 よく*ぼうしょう開除かいじょするに、 ぎょう承習じょうじゅうすべし。 ゆゑに ¬大論だいろん¼ (大智度論) にいはく、 「あめつるに、 やまいただきとどまらずしてかならずくだれるところするがごとし。 もしひときょうしんをもつてみずからたかくすれば、 すなはち法水ほうすいらず。 もしぜんぎょうすれば、 どくこれにす」 と。

ニハ↧明師クシテ↢内外↡、能開↢除スルニ妨障↡恭敬承習↥。故¬大論¼云、「↧雨ツルニシテ↠住↢山↡必スルガ↦下レル↥。若人憍心自高1242スルハ、則法水不↠入。若恭↢敬ルハ善師↡、功徳帰ストイヘリ↠之。」

^には、 どうぎょうの、 ともにけんわたるがごときをもちゐる。 すなはちりんじゅういたるまで、 たがひにあひ勧励かんれいせよ。 ゆゑに ¬ほっ¼ にのたまはく、 「ぜんしきはこれだい因縁いんねんなり」 と。 ^また 「なんのいはく、 ªぜんしきはこれはん因縁いんねんなりº と。 ぶつののたまはく、 ªしか1175らず、 これぜん因縁いんねんなりº」 (*付法蔵因縁伝・意) と。

ニハヰル↣同行キヲ↢共ルガ乃至臨終相勧励セヨ。故¬法花¼云、「善知識者是大因縁ナリト。」又「阿難、善知識者是半因縁ナリト。仏、不↠爾、是全因縁也。」

^さんには、 念仏ねんぶつ相応そうおうきょうもんにおいて、 つねにじゅどくじゅうがくすべし。 ゆゑに ¬般舟はんじゅきょう¼ のにのたまはく、

ニハ↢念仏相応教文↡常↢受持披読習学↡。故¬「般舟経¼偈

^「この三昧さんまいきょうしんぶつなり。 たとひ遠方おんぽうにこのきょうありとかば、
道法どうほうもちゐるがゆゑにきてちょうじゅし、 一心いっしんじゅして忘捨もうしゃせざれ。

「此三昧経仏語ナリカバ↣遠方リト↢是経↡
ヰルガ↢道法↡故キテ聴受一心諷誦シテ↢忘捨

^たとひきてもとむるにくことをずとも、 そのどくふくつくすべからず。
よくそのとく称量しょうりょうすることなからん。 いかにいはんやきをはりてすなはちじゅせんをや」 と。

仮使 タトヒ キテムルニトモ↠得↠聞クコトヲ功徳不↠可カラ↠尽
↣能称↢量スルコト徳義リテ受持セムヲヤト

じゅうひゃくせんをもつて 「遠方おんぽう」 となす。

↢四十里・百里・千里↡為↢遠方↡也

 ^ふ。 なんらの教文きょうもんか、 念仏ねんぶつ相応そうおうする。

。何等教文、念仏相応スル耶。

^こたふ。 さきくところの、 西方さいほうしょうのごときは、 みなこれそのもんなり。

。如↢前↠引西方証拠皆是其ナリ

^しかも、 まさしく西方さいほうかんぎょうならびにぼんぎょうかすことは、 ¬*かんりょう寿じゅきょう¼ いっかん*畺良きょうりょうしゃやく にはしかず。

シクスコトハ↢西方観行并九品行果↡、不↠如↢¬観无量寿経ニハ¼↡。一巻、畺良耶舎

^弥陀みだ本願ほんがんならびに極楽ごくらく細相さいそうくことは、 ¬双巻そうかん*りょう寿じゅきょう¼ かん*こう僧鎧そうがいやく にはしかず。

クコトハ↢弥陀本願并極楽細相↡、不↠如↢¬双巻无量寿経ニハ¼↡。二巻、康僧鎧

^諸仏しょぶつ相好そうごうならびに観相かんそう滅罪めつざいかすことは、 ¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ じっかんあるいははっかん*覚賢かくけんやく にはしかず。

スコトハ↢諸仏相好并観相滅罪↡、不↠如↢¬観仏三昧経ニハ¼↡。十巻或イハ八巻、覚賢

^色身しきしん法身ほっしんそうならびに三昧さんまいしょうかすことは、 ¬*般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ さんかんあるいはかん*婁迦るかやく ¬*念仏ねんぶつざん1176まいきょう¼ 六巻ろっかんあるいはかん*どくじきげんちょうとともにやくす。 にはしかず。

スコトハ↢色身・法身相并三昧勝利↡、不↠如↢¬般舟三昧経¼ 三巻或イハ二巻、支婁迦 ¬念仏三昧経ニハ¼↡。六巻或イハ五巻、功徳直共↢玄暢↡訳

^しゅぎょう方法ほうほうかすことは、 かみさんきょうならびに ¬*じゅうおうじょうきょう¼ 一巻いっかん ¬*十住じゅうじゅう毘婆びばしゃろん¼ じゅうかんあるいはじゅうかん*りゅうじゅぞう*じゅうやく にはしかず。

スコトハ↢修行方法↡、不↠如↢上三経并¬十往生経¼ 一巻 ¬十住毘婆娑論ニハ¼↡。十四巻或イハ十二巻、龍樹、羅什

^けつ総説そうせつは、 ¬*りょう寿じゅきょう優婆うば提舎だいしゃがんしょう¼ あるいは ¬じょうろん¼ とづく。 あるいは ¬おうじょうろん¼ とづく。 *しんぞう*だい留支るしやく一巻いっかん にはしかず。

結偈総説、不↠如↢¬无量寿経優婆提舎願生ニハ¼↡。イハ↢¬浄土論¼↡。或イハ↢¬往生論¼↡。世親、菩提留支訳、一

^日々にちにち読誦どくじゅは、 ¬*しょう弥陀みだきょう¼ 一巻いっかんじゅうやく にはしかず。

日々読誦、不↠如↢¬小阿弥陀経ニハ¼↡。一巻五紙、羅什

^しゅぎょう方法ほうほうは、 おおく ¬*摩訶まかかん¼ じっかん および*善導ぜんどうしょうの ¬*観念かんねん法門ぼうもん¼ ならびに ¬*ろく礼讃らいさん¼ おのおの一巻いっかん にあり。

修行方法、多↢¬摩訶1243観¼ 十巻善導和尚¬観念法門¼并¬六時礼讃¼↡。一巻

^問答もんどうりょうけんは、 おお天台てんだい (*智顗) の ¬*じゅう¼ 一巻いっかん *どうしゃくしょうの ¬*安楽あんらくしゅう¼ かん *おん (窺基) の ¬*西方さいほう要決ようけつ¼ 一巻いっかん *かんしょうの ¬*ぐんろん¼ 七巻しちかん にあり。

問答料簡、多↢天臺¬十疑¼ 一巻 道綽和尚¬安楽集¼ 三巻 慈恩¬西方要決¼ 一巻 懐感和尚¬群疑論¼↡。七巻

^おうじょうにんすることは、 おお*ざいの ¬*じょうろん¼ さんかん ならびに ¬*瑞応ずいおうでん¼ 一巻いっかん にあり。

スルコト↢往生↡、多↢迦才師¬浄土論¼ 三巻¬瑞応伝¼↡。一巻

^そのおおしといへども、 ようはこれにぎず。

↠多シト、要不↠過↠此

 ^ふ。 ぎょうにんみづからかのもろもろのもんがくすべし。 なんがゆゑぞ、 いまいたわしくこのもん (往生要集)あらわすや。

。行人自↠学↢彼↡。何イタハシク↢此↡耶。

^こたふ。 あにさきにいはずや。 がごときものは、 広文こうもんひらきがたし。 ゆゑにいささかにそのようしょうすと。

。豈↢前↡、如↠豫之者↠披↢広文↡。故スト↢其耶。

 ^ふ。 ¬大集だいじっきょう¼ (意) にのたまはく、 「あるいはきょうぼうしょうしゃするに、 もんせん1177だつし、 あるいはほうそんし、 あるいはきょう闇蔵あんぞうす。 この業縁ごうえんによりて、 いま*もうほうたり」 と。 しかるをいまきょうろんしょうするに、 あるいはおおくのもんりゃくし、 あるいはぜんみだる。 これ*しょうもういんなるべし。 なんぞがいすることをなさんや。

。¬大集経¼云、「或イハ抄↢写スル経法↡、オト↢脱文字↡、或イハ損↢壊↡、或イハマシカクリテ↢此業縁↡今得タリト↢盲↡。」ルヲ今抄スルニ↢経論↡、或イハ↢多クノ↡、或イハ↢前後↡。応↢是生盲ナル↡。何↢自害スルコトヲ↡耶。

^こたふ。 天竺てんじく (印度)震旦しんたん (中国)ろんにんきょうろんもんくに、 おおりゃくしてこころる。 ゆゑにりぬ、 きょうむね錯乱さくらんするはこれもういんたるも、 もん省略しょうりゃくするはこれもういんにあらず。

。天竺・震論師・人師、引クニ↢経論↡、多シテ↠意。故リヌ、錯↢乱スル↡、是為↢盲省↢略スルハ文字↡非↢是盲↡。

^いはんや、 いましょうするところは、 おおくはしょうもんき、 あるいはこれしょ所出しょすいもんなり。 *繁文はんもんいだすことあたはざるものにいたりては、 ちゅうして、 あるいは 「ない」 といひ、 あるいは 「略抄りゃくしょう」 といひ、 あるいは 「しゅ」 といへり。 これすなはち学者がくしゃをして本文ほんもんかんがへやすからしめんとほっしてなり。

今所↠抄スルクハ↢正文↡、或イハ是諸師所出之文也。リテハ↧不↠能↠出スコト↢繁文↡者、注シテイハ↢乃至↡、或イハ↢略抄↡、或イハヘリ↢取↡。是即↠令メムト↢学者ヲシテカラ↟勘↢本文↡也。

 ^ふ。 くところのしょうもんはまことにしんしょうずべし。 ただしばしばわたくしのことばす。 いかんぞひとそしりをまねかざらんや。

。所↠引正文↠生↠信。但シバシバ↢私↡。イカンラム↠招↡耶。

^こたふ。 正文しょうもんにあらずといへども、 をばしっせず。 もしなほあやまることあらば、 いやしくもこれをしゅうせず。 るもの、 取捨しゅしゃしてしょうじゅんぜしめよ。 もしひとへにそしりをなさば、 またあへてせず。

。雖↠非ズト↢正文↡而不↠失↠理ヲバ。若猶有ラバ↠謬ルコトイヤシク不↠執↠之。見者取捨シテメヨ↠順↢正理↡。若サバ↠謗、亦不↢敢↡。

^¬ごんぎょう¼ のにのたまふがごとし。

↢¬花厳経¼偈フガ↡。

^1178*もしさつの、 種々しゅじゅぎょうしゅぎょうするをて、
ぜんぜんしんおこすことあるを、 さつみな摂取せっしゅ
」 と。

「若ルヲ↧見↣菩薩修↢行スルヲ種々
スコト↦善不善菩薩皆摂取スト

^まさにるべし、 そしりをなすもまたこれ結縁けちえんなり。 われもしどうば、 ねがはくはかれをいんじょうせん。 かれもしどうば、 ねがはくはわれを引摂いんじょうせよ。 すなはちだいいたるまで、 たがひにていとならん。

↠知スモ↠謗亦是結1244ナリ。我若↠道、願クハ引↢摂↡。彼若↠道、願クハ引↢摂セヨ↡。乃至菩提マデニラム↢師弟↡。

 ^ふ。 *ろんのちなみにろんをなさん、 にちふでめて身心しんしんろうす。 そのこうなきにあらじ。 なんのをかするや。

。因↠論サム↠論、多日染メテ↠筆劬↢労身心↡。其功非↠无キニ。期スル↢何ヲカ↡耶。

^こたふ。

^*このもろもろのどくによりて、 ねがはくは命終みょうじゅうときに、
弥陀みだぶつへんどくしんたてまつることをん。

リテ↢此功徳クハ命終
↠見タテマツルコトヲ↢弥陀仏无辺功徳

^われおよび信者しんじゃ、 すでにかのぶつたてまつりをはらば、
ねがはくは*離垢りくまなこて、 じょうだいしょうせん。

我及信者タテマツルコト↢彼↡已
クハ↢離垢セム↢无上菩提

おうじょうようしゅう かん

 

117981】^*永観えいかんねんきのえさるふゆじゅういちがつ天台てんだいさん*えんりゃくしゅりょうごんいんにして、 このもんせんじゅうす。 くるとしなつがつに、 そのこうふ。 いちそうありてゆめみらく、 *沙門しゃもんてんふたり*丱童かんどうて、 きたげていはく、 「源信げんしんせんせるところの ¬おうじょうしゅう¼ は、 みなこれきょうろんもんなり。 一見いっけん一聞いちもんともがらは、 じょうだいしょうすべし。 すべからくしていちくわへて、 ひろ流布るふせしむべし」 と。 にちゆめかたる。 ゆゑにつくりていはく、

1245観二年甲申冬十一月、於↢天臺山延暦寺首楞厳院↡撰↢集↡。明クル夏四月↢于其↡矣。有↢一↡。毘沙門天フタリ丱童↡、来ゲテ、源信↠撰セル往生集、皆是経・論文也。一見・一聞之トモガラ↠証↢无上菩提↡。須クシテ ↧加ヘテ↢一偈↡、広↦流布↥。他日↠夢。故シテ↠偈

^すでに聖教しょうぎょうおよびしょうによりて、 しゅじょう勧進かんじんして極楽ごくらくしょうぜしむ。

ない展転てんでんしてひとたびもくもの、 ねがはくはともにすみやかにじょうかくしょうせん。

リテ↢聖教及正理勧↢進シテ衆生↡生ゼシム↢極楽
乃至展転シテタビモカムクハセム↢无上覚

 

**えんきゅうねんがつとおびょうどういん南泉なんせんぼうほんあつみあひたまひけるに、 そのなかの善本ぜんぽんをもって日野ひのてんしおはる。 そのしゅうこうごうぐうのたい殿どのをそのちょうほつとなし、 樺尾かばのおのじゃをもってこうとなす。

*じょうあん元年がんねんじゅうがつじゅう一日いちにち書写しょしゃしをはりぬ

沙門しゃもんこうほんなり

延久二年四月十日、平等院南泉房多本取集読相給ヒケルニ、其中以善本日野点畢。其衆皇后宮大夫殿其為張発、樺尾阿闍梨以為講師。

承安元年十二月十一日書写畢

沙門弘恵本也

 1246

 

ª遣1247宋消息º

 

仏子源信暫離本山頭陀于西海道諸州名巌霊窟遠客著岸之日不図会面是宿因也然猶方語未通帰朝各促更封手札述以心懐側聞法公之本朝三宝興隆甚随喜矣我国東流之教仏日再中当今剋念極楽界帰依法華経者熾盛焉仏子是念極楽其一也以本習深故著往生要集三巻備于観念夫一天之下一法之中皆四部衆何親何疎故以此文敢附帰帆抑在本朝猶慚其拙況於他郷乎然而本発一願縦有誹謗者縦有讃歎者併結共我往生極楽之縁焉又先師故慈恩大僧正 諱良源 作観音讃著作郎慶保胤作十六相続及日本往生伝前進士為憲法法華経賦同亦贈欲令知異域之有此志嗟乎一生苒々両岸蒼々後会如何泣血而已不宜以状
  正月十五日天臺楞厳院 申状
 大宋国 賓旅下
返報
大宋国臺州弟子周文徳謹啓仲春漸暖和風霞散伏惟法位無動尊体有泰不審不審悚恐悚1248恐唯文徳入朝之初先向方礼拝禅室旧冬之内喜便信啓上委曲則大府貫首豊嶋才人附書状一対奉上先畢計也経披覧歟鬱望之情朝夕不休馳慣之際遇便脚重啓達唯大師撰択往生要集三巻捧持詣天臺国清寺附入既畢則其専当僧請領状餘也爰緇素喜貴賎帰依結縁男女弟子伍佰余人各発虔心投捨財施入於国請寺忽飾造五十間廊屋彩画柱壁荘厳内外供養礼拝膽仰慶讃仏日重光法灯盛朗興隆仏法之洪基往生極楽之因縁只在於斯方今文徳忝遇衰弊之時免取衣食之難仰帝皇之恩沢未隔詔勅并日之食甑重欲積塵何避飢饉之哉伏乞大師垂照鑑弟子不勝憤念之至敬表礼代状不宣謹言
  二月十一日大宋国弟子周文徳申状
謹上 天臺楞厳院源信大師禅室 法座前

 

延書の底本は京都府青蓮院蔵承安元年書写本ˆ原漢文の底本と同一ˇ。 ただし訓はかなり異なり、 対校諸本によるか。
微塵数 無数の意。 微塵は仏教でいう物質の最小単位。
 ここでは歩く姿の意。
通身の色 光背こうはい (後光) のこと。 仏の全身から放たれるこうみょうを形象化したもの。
仏跡 仏足跡のこと。
須達が家の老女の因縁 須達長者に仕える老女きゃはものおしみの心が強く、 長者が布施ふせをするのを好まなかったが、 釈尊と羅睺羅らごらの教化によって、 聖者のさとりを得たという。
四部の弟子 しゅのこと。
減一劫 一劫に満たない期間。 一劫未満。
 福徳ふくとくのこと。
天中の天 仏の称。 諸天のうちの最勝の者の意。
 →じん
劫尽き… こうのこと。
 かめ。
阿須輪摩睺勒 しゅ羅伽らがに同じ。 →はち部鬼ぶきじん
阿弥陀の…見たてまつるべし 現存する ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ にはこの部分に相当する文はない。
妙法輪を転ずる こよなくすぐれた教えを説く。 仏の説かれた教えは、 しゅじょうぼんのうをうちくだき、 次々とひろまってゆくので、 これを車輪に喩えていう。
あるが… ざいの ¬浄土論¼ にみえる説。
勝善趣 六道のうちの人・天。
勝意楽 すぐれた意向、 望み。
菩提の記を授け →じゅ
四の門 滅罪生善・冥得護持・現身見仏・当来勝利の四。
念仏経 ¬大方等だいほうどう大集経だいじっきょうさつ念仏ねんぶつ三昧ざんまいぶん¼ のこと。 →だいじゅう念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう
智光の疏 ¬りょう寿じゅきょうろんしゃく¼ のこと。
文明元年 684年。
京師 都。
この一の偈 前引の ¬ごんきょう¼ 如来林菩薩の偈。 破地獄の文とされる。
放勉しつ 底本 (青蓮院本) には 「故放勉」 (なお放勉まのかれぬ) とある。
睡寤行住 眠る、 さめる、 歩く、 とどまること。
唐土の諸師 善導ぜんどう大師・かん禅師など。
大集経の賢護分 →だいじゅうげんきょう
等正覚 底本 (青蓮院本) には 「等覚」 とある。
掌を合せ手を叉へ 両掌を胸のあたりで組み合わせて。
六仏 過去かこ七仏しちぶつの前六。
四仏世尊 阿閦あしゅく法相ほうそう・無量寿・みょうしょうの四仏。
涅槃 ここではにゅうめつの意。
婆羅門種 婆羅ばらもんの家柄
無量 異本には 「四無量」 とある。
無礙弁 →四無碍智しむげち
普光三昧 あまねくこうみょうを放って、 すべてのものを照らし出すぜんじょうの境地。
不退の無上菩提 仏のさとりを得ることがけつじょうしていて、 迷いの世界に退転することがないという位。
化の頭 神通力じんずうりきで表し出した幻の頭。
優婆塞戒経にのたまはく… 引用に該当する文は現存の ¬優婆塞戒経¼ にはない。
 異本には 「」 「搥」 とある。
梵音 ここでは 「南無仏」 と称える声のこと。
主事 閻羅王のこと。
遣追還送 送り返すこと。
東晋 南北朝時代の南朝の一 (317-420)。
唐朝 618-907年。
慶氏 慶滋よししげの保胤やすたねのこと。
問ふ… ¬観経¼ の下下品の人と ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ の五百の釈子とは、 臨終に同じく念仏したのに、 前者は浄土に往生し、 後者は生天ののち堕獄したことを問うたもの。
得大無畏者 大無畏 (安穏でいかなるおそれもないこと) を得た者。
憐愍一切衆生者 すべてのしゅじょうをあわれみいつくしむ者。
朝露の虫 朝露のように命の短い虫。
余趣 他の悪趣あくしゅ
余趣 他の悪趣あくしゅ
前の国王の因縁 296頁 (1090頁) 以下の ¬比喩ひゆきょう¼ の引文。
 排すること。
簡ばず 区別しない。
勝方便 すぐれた方法。
修多羅 ¬大経¼ 等の経典の取意を指す。
四依の菩薩 ここでは馬鳴めみょう菩薩のこと。
四十華厳経の普賢願 四十巻本 ¬華厳経¼ に説かれる普賢菩薩の十大願。 →ごんぎょう
光明 →こうみょう真言しんごんぎょう
龍樹… ¬楽邦らくほう文類もんるい¼ 巻一にりゅうじゅ菩薩のしゅとして記すばつ一切いっさいごっしょう根本こんぽんとくしょうじょうしゅ
一日一宿 一日一夜に同じ。
弥勒問経 引用は千観せんかん (918-984) の ¬十願じゅうがん発心ほっしん¼ 所引の ¬弥勒問経¼ の文に依拠したもの。
世の談話 世間話。
仏の種智 一切いっさい種智しゅちのこと。
梵網戒品 ¬梵網ぼんもうきょう¼ に説かれる十重じゅうじゅうじゅうはちきょうかい
財宝等の施 財施 (物質的な財を施すこと)・宝施 (教えを説いて聞かせること) など。
任騾…ごとし ¬大集経¼ の原文は 「如騾懐任自喪身」 (騾の懐任すればおのずから身をうしなふがごとし)。
薬王の本事 薬王菩薩の前世の因縁いんねん
麻のなかの蓬 麻の中に生えている蓬は自然にまっすぐになるということ。
屠辺の廏 屠所の近くにつながれた象は自然と気が荒くなるということ。 ¬ほうぞう因縁伝いんねんでん¼ 巻六の説話による。
遠法師のいはく… ¬だいきょうしょ¼ ¬かんぎょうしょ¼ ¬だいじょうしょう¼ などの取意の文。
諸経 ¬大経¼ および ¬小経¼。
中夜… 夜半を過ぎて明け方になる時。
会する つうすること。
受用事身 知覚の対象となる身体。 すなわち具体的なすがたをとって現れた仏をいう。
摂論 ざいの ¬浄土論¼ における引用は、 世親せしん菩薩の ¬摂大乗論釈しょうだいじょうろんしゃく¼ の取意の文。
加行は… ¬摂大乗論釈¼ (真諦しんだい訳) では、 分別ふんべつに加行・しょうたいとくの三を立て、 加行無分別智の所得の果報を 「しん」、 正体無分別智のそれを 「応身おうじん」 としている。 なお、 同書にいう 「応身」 は三身中の第二身のことで、 報身ほうじんに同じ。
もしは報… ほうであれ、 化土であれ、 人々を救い遂げたいという意。
千殊 千のちがい。
三十二 →さんじゅうそう
八十の好 →八十はちじゅう随形好ずいぎょうこう
宝積経にのたまはく… ¬宝積経¼ 所収の ¬如来にょらい¼ (上) の取意の文。
樹と座と仏身… ここでは仏身の量が広大すぎて、 道場樹 (菩提樹) や獅子座 (仏の座る座所) の大きさとつりあわないことを問題にしている。
仏の境界は… ¬安養抄あんにょうしょう¼ 巻三所引の義寂ぎじゃく ¬りょう寿じゅ経疏きょうしょ¼ (現存せず) の説。
応仏に… きょうごうの ¬述文じゅつもんさん¼ 巻中にみえる説。
胎生は… みなもとの隆国たかくに編の ¬あん養集にょうしゅう¼ 巻七および ¬あん養抄にょうしょう¼ 巻四所引のじゃく ¬りょう寿じゅきょうじゅつ義記ぎき¼ (現存せず) の説。 同書では胎生を中品・下品としている。
中品下品 底本 (青蓮院本) には 「中品下生」 とある。
九品に… 元暁がんぎょうの ¬遊心ゆうしんあん楽道らくどう¼ 等の説。
仏この土の… 善導ぜんどう大師の 「散善義」 の説か。
天帝釈 たいしゃくてんのこと。
仏世の八十年 釈尊が世におられた八十年の間。
法護所訳の経 天台てんだい大師の撰述と伝える ¬かんりょう寿経疏じゅきょうしょ¼ やきょうごうの ¬じゅつ文賛もんさん¼ 等では、 ¬大経¼ (こう僧鎧そうがい訳) は法護の訳とされる。
三福業 ¬観経¼ に説く三福さんぷく
方便の後心の行 しょう法忍ぼうにんをさとる直前の位。
因法師 令因れいいん (霊因) のこと。 新羅しらぎきょうごう (7世紀) と同時代とされ、 著作に ¬無量寿経むりょうじゅきょうしょ¼ 一巻があったといわれる。
実に約して… 玄一の ¬りょう寿じゅきょう¼ 巻上所引の因法師の説。
 ¬大経¼ および ¬小経¼。
智光の疏 ¬りょう寿じゅきょうろんしゃく¼ 五巻のこと。 天親てんじん菩薩の ¬浄土論¼ を曇鸞どんらん大師の ¬論註¼ に依拠して註釈した書。 現存しないが、 ¬あんにょうしゅう¼ などに引用された文を集成することによって、 ほぼ復元されている。
所化 教化を行うところ。
釈迦文 しゃ迦牟尼かむにぶつに同じ。
刹利の種 刹利は梵語クシャトリヤ (kṣatriya) の音写である刹帝せつていの略。 種は家柄のこと。 古代インドの四姓制度の中の王族、 貴族、 士族の身分をいう。 →四姓ししょう
 釈尊に照らし合せていえば羅睺羅らごらにあたる。
奉事の弟子 釈尊に照らし合せていえばなんにあたる。
智慧の弟子 釈尊に照らし合せていえばしゃほつにあたる。
神足精勤のもの 釈尊に照らし合せていえば目連もくれんにあたる。
三地 菩薩十地の位のうちの第三発光はっこうとする説、 また七地門の第三清浄しょうじょう勝意しょういぎょう (十地のうちのしょに当る) とする説がある。 →十地じゅうじ
道宣律師のいはく… 引用に該当する文は、 どうせい編の ¬法苑ほうおん珠林じゅりん¼ 巻十六および ¬しょきょうようしゅう¼ 巻一にみられる。
 引用は ¬西方要決さいほうようけつ¼ 所引の ¬ろく問経もんぎょう¼ の文によったもの。
薄浅の汎にあらず あさはかなぼんの心ではないの意か。 「汎」 は異本には 「凡」 とある。
悪律儀の行 律儀は時を定め事を定めておこなう行為。 これに善悪があり、 生活のための狩猟などが悪律儀の行とされた。
八地以去は無功用にして 八地以上の菩薩は、 意志をはたらかせず、 努力をしないで、 自在に菩薩の行をすることができるので無功用という。 →十地じゅうじ
遠法師…二品を分つ ここに列挙される諸師の説は、 龍興りゅうこうの ¬かんりょう寿じゅきょう¼ 巻下の記述によったものとみられる。
四五六地・初二三地 →じゅう
地前の三十心 しょ以前の十住十行十回向の三十の位。 →さつ
力法師 伝未詳。
行向 十行十回向のこと。 →さつ
十解 十住のこと。
解行 十住十行のこと。 →さつ
三行 →三福さんぷく
仁王経には… 以下の文はかんの ¬ぐんろん¼ によったもの。
忍位 じゅうこうの位。 →さつ
前三果 声聞乗しょうもんじょう四果しかのうちの預流果よるか一来いちらいげんのこと。
解脱分の善 三賢さんげん位で修める善根ぜんごん
方便 →しち方便ほうべん
忍頂煖 善根ぜんごんの前三 (煖位・頂位・忍位)。
三生 中品上生・中品中生・中品下生。
方便以前 しち方便ほうべん以前のこと。
早晩 速い遅い。
業類 (往生を得るための) 行業ぎょうごうの種類。
菩薩処胎経の第二 引用の文は現行の ¬菩薩処胎経¼ では第三 (巻三) にある。 なお、 かんの ¬ぐんろん¼ ではこれを第二の文としているので、 源信げんしんしょうは同書によられたものとみられる。
倡妓楽 歌舞音曲。
前の文 ¬ぐんろん¼ 巻四の 「雑修ざっしゅのものは万に一も生ぜず、 専修せんじゅの人は千に一も失することなし」 という ¬礼讃らいさん¼ 取意の文を指す。
執心牢固 本願をとりたもつ心 (信心) がひとすじで強固であること。
劫尽の火 こうのこと。
前の信 前世における聞経の信。
二経 ¬大経¼ ¬小経¼。
功徳雲比丘 ¬華厳経¼ 「入法界品」 に説かれる五十三人の善知識の第二。
品類差殊 種々の階位があること。
仏蔵経に… かんの ¬ぐんろん¼ に引く ¬仏蔵経¼ の文によったもの。
仏を念じ… 以下は六念ろくねんに当る。
我見… 我見は常住なる自我を認める見解、 衆生見は実体としての衆生を認める見解、 寿見は生命を個体に所属するものとする見解、 命見は生命が個体において持続してゆくものとする見解、 陰入界見はおんじゅうにゅう・十八界 (六根ろっこんろっきょうろくしき) が永久に実在すると認める見解。
訶し 否定するの意。
大・小 大乗・小乗。
 応じる目的に合うように与えること。
上上 上品上生のこと。 →ぼん
経論 ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ ¬厳経ごんぎょう¼ などの経やりゅうじゅ菩薩の ¬だい智度ちどろん¼、 ¬善導ぜんどう大師の ¬観念法門かんねんぼうもん¼ などの論。
有相無相の観 有相の観は仏の具体的なすがたかたちを認めて、 これを観想すること。 無相の観は諸法には本来、 具体的なすがたかたちがないという理に通達したうえで、 仏の相を観想すること。
自性無所有なり 固定的な実体はないという意。
盧舎那 毘盧びるしゃ (遮) 仏の略。 毘盧舎那は梵語ヴァイローチャナ (Vairocana) の音写。 こうみょう遍照へんじょうなどと漢訳する。 ¬ごんぎょう¼ の教主。 なお、 天台てんだい宗では、 毘盧舎那仏を法身ほっしん、 盧舎那仏を報身ほうじんとする。
弥陀等の経 ¬小経¼ ¬観経¼ のこと。
三の縁 ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ (一巻本) の原文では、 ぶつりき三昧力さんまいりきほんどくりき。 ¬摩訶止まかしかん¼ ではこれをぶつじんりき・三昧力・行者本功徳力とする。
上の九十日の行… 大文第六べつ念仏ねんぶつの尋常別行の項参照。
業道成弁 ごうじょうべんのこと。
頭数 念仏の回数の意。
あるがいはく… 引用はせんかん (918-984) の ¬じゅうがんほっしん¼ の説によったもの。 ただし、 もとはじゃくの ¬りょう寿じゅきょうじゅつ義記ぎき¼ に説かれている。 千観は天台てんだい三井みいおんじょう系 (寺門) の僧で、 西方浄土を願生した。
寂法師のいはく… ¬無量寿経述義記¼ の取意の文か。
離殺等の戒 せっしょうを禁じるかい十戒じっかいなど。
弥蘭王 パーリ語ミリンダ (Milinda) の音写。 紀元前二世紀の中頃に西北インドのシャーカラに属し、 アフガニスタンからインドまで治めたギリシア人の王。 ギリシア名はメナンドロス (Menandros) という。
那先比丘 那先はパーリ語ナーガセーナ (Nāgasena) の音写の略。 紀元前二世紀のインドの僧。 ミリンダ王と問答して、 王を仏教にさせた。
第七の梵天 梵天の住する色界しきかい初禅天しょぜんてん。 六欲天の上にあるので第七天という。
罽賓国 インド西北部の古国。 カシュミールまたはガンダーラに当るという。
十疑 以下の ¬十疑論¼ の文言は、 曇鸞どんらん大師の ¬論註¼ (三在釈義) に依拠している。
十囲の索は… 十重の縄は、 千人の男がかかっても自由にすることができないが、 剣をふるえば子供でもたちまちに切ることができる。
躄なるもの →補註10
沙訶陀薬 ヒマラヤに産するというすぐれた香りの薬。
成実 →成実論じょうじつろん
仏蔵経の… かんの ¬ぐんろん¼ に引く ¬仏蔵経¼ の文によったもの。
五百世… →補註10
智憬等の諸師 ここにあげる説は、 かんの ¬ぐんろん¼ 巻三に示される十五家の説の第三にほぼ相当する。
あるがいはく… この説は前掲書に示される十五家の説の第十一に相当する。
余処 ¬観経¼ ぼん段を指す。
余人 ぎゃくざい以外の人。
順生の業 次に生れかわった生で報いを受ける業。
不了の教 完全に理を尽していない方便の教え。 →りょう
不信業果 いんの道理を信じないこと。
第十八巻 ¬ぐんろん¼ の原文には 「第十九巻」 とある。
瑜伽論に説かく 引用に該当する文は ¬瑜伽論¼ に見出せない。
染・浄 染は煩悩ぼんのうにけがれていること。 浄は煩悩のけがれのないこと。
遠近 ここでは遅い速いの意。
業果の理 善因善果、 悪因悪果の道理。
鶏狗の業 にわとりや犬のまねをする行為。
咄なるかな 呼びかける声。
密迹力士 金剛杵こんごうしょを持って仏法を守護する神。
耆域医王 耆婆ぎばのこと。
所作安諦… 身のふるまいが安らかで、 すべてがととのい、 比類なくすぐれている。
法身を奉行すれば 真如しんにょほっしょうの理を奉じて修行するならば。
陰種諸入 おんにゅうかいに同じ。 主客対立の世界を構成するすべての要素。
法身を証得せる 真如法性の理を完全にさとったという意。
大涅槃楽 大いなるさとりの楽しみ。
二・三 二乗にじょう三乗さんじょうの法のこと。
閻浮檀那紫金 →えん檀金だんごん紫磨しまごん
十六両 両は重さの単位。 一両は約十六グラム。
六兵 兵隊の総称。
本際 もとのまま。
実際の海 実際は真実の際限の意で、 はんの異名。 ここでは広大なさとりの世界を海に喩えていう。
十住婆沙の第三 龍樹菩薩造の 「ぎょうぼん」 のこと。 なお、 現行の ¬十住毘婆娑論¼ では、 「易行品」 は巻五にある。
菩提 底本 (青蓮院本) には 「菩薩」 とある。
 →六根ろっこん
汎爾 底本 (青蓮院本) では 「おほよそ」 と読む。
前五波羅蜜 布施ふせかいにんにくしょうじんぜんじょう。 →ろっみつ
偏円の教 偏教へんぎょう円教えんぎょうてんだい宗では、 仏の教説を内容のうえから、 三蔵教さんぞうきょう (小乗の教え)、 通教つうぎょう (大乗初門の教え)、 別教べっきょう (大乗特有の教え)、 円教 (完全円満な教え) の四教に分け、 そのうちの前三を偏教 (かたよった方便の教え) とする。
当教 ¬大集だいじっきょう¼ ¬ほうしゃくきょう¼ を指す。
円人 円教 (完全円満な教え) の行者。
慧相応の定 真実の智慧ちえにかなった三昧さんまいぜんじょう
暗禅 智慧をともなわない三昧禅定。
第七 現行の ¬大集経¼ では巻六。
烏豆聚 たくさんの黒豆の集まり。
諸度 度は波羅蜜の意で、 ろっ波羅ぱらみつなどのさまざまな菩薩の行。
悪用偏増 悪のはたらきのみがひとえに増す状態。
善用偏増 善のはたらきのみがひとえに増す状態。
地住 菩薩五十二位のうちの十地じゅうじ十住じゅうじゅう
善悪の交際 善と悪がいりまじる状態。 ここではぼんから聖者の位に入ろうとする時のこと。
善悪容預 善と悪とがゆるやかにはたらいている状態。
大円鏡等の四 四智しちのこと。
成事智 四智の中の成所作智のこと。
道法 仏道。
瑠璃王の行 政務のために修行に専念できない瑠璃王 (波瑠璃王) は、 釈尊の教えによって、 常に木槵子むくろじの数珠を携え、 戦場にあっても仏を念じつづけたという。
上根・中根・下根 根はこんのこと。
雪山の大士 →雪山せっせんどう
資生の具 生活用品。
論のちなみに論をなさん 因論いんろん生論しょうろん。 それではあえて反問するが、 という意。
四部の衆 しゅに同じ。
学人 修行者。
闇鈍瞢 にぶくぼんやりしていること。
助道の人法 念仏の助けとなる人と経論の教え。
内外の律 内外は大乗・小乗の意。 または内心・外相の意か。 律は教団の生活規則のこと。
妨障を開除する (仏道修行の) さまたげをとり除く。
支婁迦 支婁迦しるかせんのこと。
功徳直 中央アジアの人。五世紀後半。 玄暢げんちょうの要請によって ¬念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう¼ を訳出した。
羅什 鳩摩羅くまらじゅうのこと。
小阿弥陀経 →仏説ぶっせつ弥陀みだきょう
六時の礼讃 ¬おうじょう礼讃らいさん¼ のこと。
盲の報・生盲の因 →補註10
もし菩薩の… 親鸞聖人の ¬けんじょう真実しんじつ教行証きょうぎょうしょう文類もんるい¼ の末尾は、 この ¬ごんぎょう¼ の偈で結ばれている。
このもろもろの功徳… このもんは ¬きょういちじょうほうしょうろん¼ 巻四の末尾に説くこうもんによったもの。
離垢の眼 煩悩ぼんのうのけがれを離れた智慧ちえの眼。
以下、 「註釈版」 にはない。「真宗聖典全書」 により補う。 また奥書の延書は有国による。
底本は◎京都府青蓮院蔵承安元年書写本。 Ⓐ神奈川県最明寺蔵平安時代書写本、 Ⓑ大阪府出口順得氏蔵建保四年刊本(上巻本末)、 愛知県専光寺蔵建保四年刊本(中巻本末・下巻本末)、 Ⓒ龍谷大学蔵(写字台旧蔵)建長五年刊本、 Ⓓ龍谷大学蔵(写字台旧蔵)室町時代刊本、 Ⓔ本派本願寺蔵版¬七祖聖教¼所収本 と対校。 なお、 別の読み方がされている右訓は割愛した。
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→Ⓐ
→ⒹⒺ罪[優填王作仏形像経云作仏形像功徳无量世々所生不堕悪道後皆得生无量寿仏国作菩薩当得成仏云々略抄]
→Ⓓ
→Ⓓ
 Ⓓになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓐ
 ⒹⒺになし
→Ⓓ
→Ⓐ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 Ⓐと右傍註記
→ⒶⒹⒺ
→Ⓔ経[説]
 Ⓐになし
使→Ⓔ
→ⒶⒹ
閲叉→Ⓔ又
猛獣 Ⓐ名主と右傍註記
→ⒷⒸⒹⒺ
→Ⓐ
→ⒷⒸ
→Ⓔ
→Ⓒ
→Ⓐ[注□]十
→ⒷⒸ
云々 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒹⒺ
→Ⓐ(と右傍註記)
→ⒶⒹ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 ◎此五字注可書之と下に註記
→Ⓐ
→ⒷⒸ昧[已上]
安楽集云 ⒶⒷⒸになし
→Ⓔ
有云 ⒷⒸになし
→ⒷⒸ文[云云]
→Ⓐ
 ◎同経と上欄註記し、 さらにその左に念仏三昧経と註記→ⒹⒺ[同経]第
→Ⓐ
→ⒷⒸⒺ同[経]
 ⒹⒺになし
→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ
宝積経已下麁也 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ◎注不可書之と下に註記あり
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ起[於]
 ⒷⒸⒹⒺになし
→Ⓔ仏[如来]
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ唯[我]
 ◎故字イ本无と上欄註記 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ及[処]
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 ⒹⒺになし
22字 ⒷⒸになし
→ⒶⒷ
→ⒷⒸ
云々 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
菩薩 ⒷⒸⒹⒺになし
→ⒹⒺ
金蔵菩薩 ◎になし(金蔵菩薩落[歟]と下欄註記)
→ⒹⒺ金[光]
 Ⓐになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ等[正]
→ⒷⒸ也[已上]
十方 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒷⒸ
→ⒶⒹⒺ
→◎量[量]
→ⒸⒹⒺ
即得→Ⓐ得即
→ⒶⒷⒸⒹⒺ勢[至]
→ⒷⒸ
→Ⓔ
→Ⓐ
 ⒹⒺになし
若能観仏者 Ⓐになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
仏於諸仏→Ⓐ諸仏於
→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 ⒷⒸになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓔ
 ⒶⒷⒸⒹになし
→Ⓐ尼[仏]
→Ⓔ
→ⒹⒺ礼[念]
百万→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓒ
名大精進 ⒹⒺになし
 Ⓓになし
→Ⓔ
→ⒸⒺ足[四]
→ⒶⒹ→Ⓔ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
便 ⒷⒸになし
→ⒹⒺ寝[殿]
→ⒹⒺ
莫恐 Ⓐになし
→ⒶⒹⒺ
→Ⓐ
→◎
→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓔ
と上欄註記→ⒶⒷⒸⒹ
→ⒷⒸ
→ⒷⒸⒹ→Ⓔ
→Ⓔ
 Ⓐになし
 Ⓐになし
→ⒹⒺ
→ⒷⒸⒺ
 Ⓐになし
→Ⓔ旦[国]
19字 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒷⒸ伝[僧廿三人尼六人沙弥二人在家男女合二十四人]
→Ⓓ
→Ⓐ但[一]
於入→ⒶⒷⒸⒹⒺ入於
→Ⓔ
→◎
→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒷⒸⒹⒺ
聞仏名 ⒷⒸになし
→ⒸⒺ
 Ⓐと右傍註記
→ⒹⒺ
 ◎になし(と下欄註記)
→ⒷⒸ
→ⒷⒸ
→ⒷⒸ抄[感禅師亦同之]
→Ⓐ
→ⒹⒺ経[云]
 ⒹⒺになし
→ⒹⒺ
→ⒶⒷⒺ常[当]→ⒷⒸ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ陀[仏]
→ⒶⒷⒸⒹⒺ生[之]
→ⒷⒺ→Ⓒ
 Ⓐと右傍註記
→ⒶⒹ
→Ⓐ随[謂]→ⒷⒸ
→Ⓒ
 Ⓐになし
→ⒹⒺ
 Ⓐになし
→ⒶⒹⒺ生[阿]
→ⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓔ衆[生]
悉皆→ⒹⒺ皆悉
已上 ⒷⒸⒹⒺになし
→Ⓔ
→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓔ
→ⒶⒷⒸⒹ
 Ⓓになし
→Ⓔ戒[若]
→ⒷⒸⒹⒺ
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸ[又]観
→Ⓐ繁[不]
→Ⓔ出[私云支提者塔廟異名也]
→ⒶⒷⒸ
 ⒶⒹⒺになし
→ⒹⒺ四[者]
→ⒷⒸⒺ[念]仏
戒施→ⒶⒷⒸ施戒
→Ⓔ
→Ⓔ
 ⒶⒷⒺになし
 ◎と上欄註記→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒷⒸ非[之]→ⒹⒺ非[也]
→ⒶⒷⒸ経[多]
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 Ⓓになし
 Ⓐと右傍註記
→ⒶⒷⒺ
 Ⓓになし
→Ⓔ十[種]
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓒ
 Ⓐになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ日[者]
 Ⓓになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ⒹⒺになし
→Ⓐ生[法]
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒷⒸ
→ⒷⒸⒹⒺ
 ⒹⒺになし
→ⒹⒺ歳[等]
→Ⓒ→Ⓔ
 ◎十一字注也と上欄註記
→ⒷⒸ違[於]
→ⒶⒷⒸ
→ⒷⒸ[又]玄
→Ⓔ
→ⒷⒸ
→Ⓐ
→ⒷⒸ Ⓐと右傍註記
→ⒷⒸ牟尼
→Ⓔ
 ⒷⒸⒹⒺになし
 ⒹⒺになし
→Ⓔ寂[静]
→ⒷⒸⒺ倶[已上]
 Ⓐと右傍註記
 Ⓐになし
→Ⓐ
→ⒶⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ降[已上]
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
寿→ⒷⒸ寿[仏]
→ⒷⒸ国[已上]
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒷⒸ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓐ[功]徳
→ⒷⒸ
→Ⓐ
→ⒹⒺ
法師 ⒷⒸⒹⒺになし
 Ⓐになし
→Ⓔ
→Ⓐ
→ⒶⒹⒺ[問]明
 ⒹⒺになし
→Ⓐ
 Ⓐになし
→Ⓐ[三]悪
→ⒶⒹⒺ
→Ⓓ
→ⒹⒺ
→ⒹⒺ
→Ⓓ
→ⒷⒸⒺ陀[仏]
→Ⓓ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓓ
→ⒶⒹ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓔ
→Ⓔ
 Ⓐになし
→ⒶⒹ
 ⒹⒺになし
 Ⓐになし
→ⒶⒷⒸ上[略抄]
 ⒶⒷⒸになし
 ◎と上欄註記
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒹⒺ
 Ⓐになし
 Ⓐになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ
→ⒹⒺ文[也]
上々→ⒹⒺ上々[品]
→ⒶⒹⒺ
→ⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→Ⓔ
→Ⓓ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒷⒸ経[云云]→ⒹⒺ経[云]
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓑ
→Ⓒ
→ⒸⒺ
→ⒷⒸ也[云云]
→Ⓔ
→ⒹⒺ称[念]
 Ⓐになし
→ⒹⒺ悪[業]
→ⒶⒷⒸⒹⒺ死[即]
→ⒶⒷⒸ
→Ⓓ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸ悔[故]
 ⒶⒹⒺになし
→Ⓔ
→Ⓐ
 ⒹⒺになし
→ⒹⒺ
→Ⓔ
→ⒸⒺ
→Ⓓ
→Ⓔ皆[死]
→ⒷⒸⒹ安[子]
 ⒹⒺになし
 Ⓓになし
→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒹⒺ
→Ⓐ
 Ⓐになし
 ⒷⒸⒹⒺになし
无量 Ⓐになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒸⒹⒺ
→Ⓐ徳
→ⒸⒺ
→Ⓓ猛[力]
→Ⓓ
→Ⓐ
→ⒷⒸ為[勇]
 ⒹⒺになし
→Ⓔ
→Ⓒ
 ⒹⒺになし
→Ⓐ→ⒷⒸ
→Ⓔ
→ⒹⒺ
→Ⓔ
 ⒹⒺになし
→ⒷⒸⒹ→Ⓔ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→Ⓑ
 ⒷⒸⒹⒺになし
 ⒹⒺになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ⒷⒸⒹⒺになし
 ⒹⒺになし
→ⒹⒺ
→Ⓓ
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸ
→Ⓐ
 Ⓐになし
→ⒹⒺ[如]瑜
→Ⓔ説[名]
→Ⓔ応[知]
 Ⓓになし
→ⒷⒸ如[有]
発動→ⒶⒷⒸⒹⒺ動発
 Ⓐ經曰と左傍註記
→ⒶⒷⒸⒹⒺ観[見]
由此 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ益[亦]
→Ⓐ
→Ⓔ
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→Ⓐ
 ⒹⒺになし
→ⒶⒹⒺ
聞仏名→ⒹⒺ仏名聞
→Ⓓ→Ⓔ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒹⒺ
→Ⓔ
→ⒷⒸⒺ
→Ⓔ
→ⒶⒷⒸ相[見]
→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ心[一念]
 ⒹⒺになし
→Ⓓ衆[定]
 ⒷⒸⒹⒺになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ⒷⒸⒹⒺになし
 Ⓐと右傍註記
→ⒶⒷⒸⒹⒺ亦[復]
→Ⓐ随[其]→Ⓔ随[意]
の右傍にとあり
→ⒷⒸ
→ⒶⒹⒺ
→Ⓐ
→ⒶⒹ
→Ⓓ
→ⒷⒸⒹⒺ
→Ⓓ
→ⒷⒸⒺ
→Ⓔ
 ◎と上欄註記
→Ⓐ亦[復]
 Ⓐになし
→ⒷⒸⒹⒺ
 ⒷⒸになし
→Ⓓ
→Ⓔ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 Ⓐと右傍註記
→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ
云々 ⒷⒸⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓒ
相対諸教→ⒶⒷⒸⒹⒺ諸教相対
→ⒶⒷⒸ
 ⒷⒸⒹになし
→Ⓒ
宿世 ⒷⒸになし
 Ⓐになし
 ⒹⒺになし
→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 Ⓐと右傍註記
 Ⓔになし
 Ⓓになし
→ⒹⒺ賢[人]
→ⒶⒷⒸⒹⒺ[若]全
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓔ
→ⒶⒷⒸⒺ
→Ⓑ
 ◎と上欄註記→ⒷⒸⒹⒺ[在]家
→ⒶⒷⒸ→ⒹⒺ
→ⒹⒺ有[少有]
 Ⓐになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ若[復]
→Ⓔ
→ⒹⒺ
→Ⓐ薩誠ⒷⒸⒹⒺ提[誠]
→Ⓔ
→ⒶⒹⒺ
→ⒷⒸ作[於]
以此→Ⓔ此以以 Ⓓになし
果報→ⒷⒸ報果
→ⒹⒺ禅[定]
 Ⓓになし
→Ⓓ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 ⒹⒺになし
 ⒶⒹⒺになし
→ⒷⒸ[至]誠
 ⒹⒺになし
→Ⓐ
→Ⓐ→Ⓓ
→Ⓐ
→Ⓐ
 Ⓐと右傍註記
 ⒷⒸになし
 ⒹⒺになし
→ⒹⒺ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒷⒸⒺ
 ⒹⒺになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒷⒸ[又]如
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
 Ⓐと右傍註記
 ◎或本四百无四字と右傍註記
 ⒶⒷⒸⒹになし
 ⒷⒸになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒹⒺ
→Ⓐ
→Ⓐ
18字→ⒶⒷⒸⒹⒺ18字
→Ⓐ
→Ⓐ
五紙 ⒹⒺになし
→Ⓓ
→ⒸⒺ
→ⒶⒸⒹⒺ
→Ⓓ
→Ⓐ
 ◎と下欄註記→ⒹⒺ
→Ⓓ
 Ⓐと右傍註記
→ⒹⒺ因[或復於彼十法行中初書写行脱文是過為開解等略抄非過]
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ[又]至
→ⒷⒸ意[也]
→ⒹⒺ人[論]
已上 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 Ⓒになし
→ⒶⒷ