0100りょう寿じゅきょう優婆うば提舎だいしゃがんしょうちゅう かん

 

解義分を釈す【解義分】
    科節

【44】 ^ろんじてはく。

0487ジテ0383

 ^これはこれ*解義げぎぶんなり。 このぶんのなかに、 十重じゅうじゅうあり。 いちには*がんたいには*かんしょうしんさんには*かんぎょう体相たいそうには*浄入じょうにゅう願心がんしんには*ぜんぎょうせっろくには*だいしょうしちには*じゅんだいもんはちには*みょう摂対せったいには*がんじょうじゅじゅうには*ぎょう満足まんぞくなり。

解義分ナリ。此、義↢十重↡。一[ニ]者願偈大意、二[ニ]者起観生信、三[ニ]者観行体相、四[ニ]者浄入願心、五[ニ]者善巧摂化、六[ニ]者離菩提障、七[ニ]者順菩提門、八[ニ]者名義摂対、九[ニ]者願事成就、十[ニ]者利行満足ナリ

二 Ⅱ 文釈
      標語を釈す

^ろん」 とは*なり。 いふこころは所以ゆえんするなり。 「わつ」 とはことばなり。 しもしょす。 これはしゃくすることばなり。 ゆゑに 「ろんじてはく」 といふ。

「論[ト]議也。フココロハスル↢偈所以 ユヘ ↡也。「曰[ト]コトバ也。指↢下諸句↡。議↢釈スルコトバ也。故↢「論[ジテ][ク]ト」↡。

二 Ⅱ ⅱ 正章を釈す
        願偈大意章

【45】^がんたいとは、

願偈大意[ト]

^このがんはなんのをかかす。 かの安楽あんらくかいかんじて弥陀みだ如来にょらいたてまつることをげんす。 かのくにしょうぜんとがんずるがゆゑなり。

[ノ]願偈↢何ヲカ↡。示↧現ジテ↢彼安楽世界↡見タテマツルコトヲ↦阿弥陀如来↥。願ズルガ↠生[ゼム]ト↢彼ナリ

二 Ⅱ ⅱ b 起観生信章
          (一)章を標し科を分つ

【46】^かんしょうしんとは、 このぶんのなかにまたじゅうあり。 いちには*念力ねんりきしめす。 0101*念門ねんもんいだす。

起観生信[ト]、此又有[リ]↢二重↡。一[ニ]者示↢五念力↡。二[ニ]者出↢五念門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)文を出し義を釈す
            (Ⅰ)五念力を示す

【47】^念力ねんりきしめすとは、

[ス]ト↢五0488念力0384

^いかんがかんじ、 いかんが信心しんじんしょうずる。 もし善男ぜんなんぜん女人にょにん念門ねんもんしゅしてぎょうじょうじゅしぬれば、 *ひっきょうじて安楽あんらくこくしょうじて、 かの弥陀みだぶつたてまつることを

云何云何ズル↢信心↡。若善男子・善女人修シテ↢五念門↡行成就シヌレバ、畢竟ジテ↧生ジテ↢安楽国土↡、見タテマツルコトヲ↦彼阿弥陀仏↥。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)五念門を出す
              (ⅰ)科目を牒し論文を出す

【48】^ねんもんいだすとは、

[スト]↢五念門↡者、

^なんらかねんもんいちには礼拝らいはいもんには讃嘆さんだんもんさんにはがんもんには観察かんざつもんにはこうもんなり。

五念門。一[ニ]者礼拝門、二[ニ]者讃嘆門、三[ニ]者作願門、四[ニ]者観察門、五[ニ]者廻向門ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)論文を釈す
                (a)総釈

 ^もん」 とは入出にゅうしゅつなり。 ひともんればすなはち入出にゅうしゅつ*無礙むげなるがごとし。 さきねんはこれ安楽あんらくじょうもんなり。 のち一念いちねんはこれ慈悲じひきょうづるもんなり。

「門[ト]入出義也。如↢人得レバ↠門[チ]入出无ナルガ↡。前四念↢安楽浄土↡門ナリ。後一念[ヅ]ル↢慈悲教化↡門ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)随釈
                  (イ)礼拝を釈す
                    [一]行相
                      [Ⅰ]論文

【49】 ^いかんが礼拝らいはいする。 身業しんごうをもつて弥陀みだ如来にょらい*おうしょうへん*礼拝らいはいしたてまつる。

云何礼拝[スル]。身業ヲモテ礼↢拝シタテマツル阿弥陀如来・応・正遍知↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[一][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]総釈

 ^諸仏しょぶつ如来にょらいに、 とくりょうあり。 とくりょうなるがゆゑに*徳号とくごうまたりょうなり。 もしつぶさにだんぜんとほっせば、 ひつすることあたはず。 ここをもつてしょきょうに、 あるい0102*十名じゅうみょうげ、 あるいは三号さんごうげたり。 けだし*しゅうぞんずるのみ。 あにここにつくさんや。 ^いふところの三号さんごうは、 すなはちこれ如来にょらいおうしょうへんなり。

諸仏如来↢无量↡。徳无量ナルガ徳号亦无量ナリ。若セバ↢具ゼムト↡紙筆不↠能[ハ]↠載[スルコト]也。是[ヲ][テ]諸経、或[イハ]↢十名↡、或[イハ]ゲタリ↢三号↡。蓋[シ][ル]↢至宗而已。豈[ニ]クサム。所↠言[フ]三号、即[チ]如来正遍知也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅱ]如来を釈す

^如来にょらい」 とは、 *法相ほっそうのごとくさとり、 法相ほっそうのごとくき、 諸仏しょぶつ*安穏あんのんどうよりきたるがごとく、 このぶつもまたかくのごとくきたりて、 また*後有ごうのなかにらず。 ゆゑに如来にょらいづく。

「如来[ト]、如↢法相[ノ]サト、如↢法相[ノ]↡説、如↢諸仏[ノ]穏道ヨリルガ↡、此亦如[ク]↠是[クノ][リ]テマタ↠去↢後有↡。故↢如来↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅲ]応を釈す

^おう」 とはおうなり。 ぶつ*けっ使除尽じょじんして一切いっさい智慧ちえて、 まさ一切いっさいてんしゅじょうようくべきがゆゑにおうといふなり。

「応[ト]応供也。仏結使除尽シテ↢一切[ノ][ヲ]↡、キガ↠受↢一切[ノ]天地衆生供養↡故↠応也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅳ]正遍知を釈す

^しょうへん」 とは、 一切いっさい諸法しょほうじつ不壊ふえそうにしてぞうげんなりとる。 いかんが不壊ふえなる。 *しんぎょう処滅しょめつし、 *ごんどうぎたり。 諸法しょほうはんそうのごとくにしてどうなり。 ゆゑにしょうへんづく。

「正0489遍知0385[ト]、知↢一切諸法[ハ]不壊ニシテ不増不減ナリト↡。云何[ガ]不壊ナル。心行処滅言語ギタリ。諸法シテ↢涅槃↡不動ナリ。故↢正遍知↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅴ]別号を釈す

^無礙むげこうは、 さきのなかにするがごとし。

无光、如↢前スルガ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]弁意
                      [Ⅰ]論文

【50】 ^かのくにしょうずるこころ*なすがゆゑなり。

スガ↧生ズル↢彼↡意↥故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ]註釈

 ^なんがゆゑぞこれをいふとなれば、 さつほうは、 つねにひるさんよるさんをもつて十方じっぽう一切いっさい諸仏しょぶつらいす。 かならずしもがんしょうこころあるにあらず。 いまつねにがんしょうこころをなすべきがゆゑに、 弥陀みだ如来にょらいらいしたてまつるなり。

フトナレバ↠此、菩薩之法、常ヒル三時三時↡礼↢十方一切諸仏↡。↣必ズシモルニ↢願生意↡。今応キガ↣常↢願生↡故、礼シタテマツル↢阿弥陀如来↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)讃嘆を釈す
                    [一]総示
                      [Ⅰ]論文

【51】 ^いかんがさんだんする。 ごうをもつて*讃嘆さんだんしたてまつる。

云何讃嘆スル。口業ヲモテ讃嘆シタテマツル

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[一][Ⅱ]註釈

 ^さん」 とは讃揚さんようなり。 「たん」 とはたんなり。 讃嘆さんだんくちにあらざればべず。 ゆ0103ゑに 「ごう」 といふなり。

「讃[ト]讃揚也。「嘆[ト]歌嘆也。讃嘆[ハ][ザ]レバ↠口↠宣[ベ]。故↢「口業」↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]別顕
                      [Ⅰ]論文

【52】 ^*かの如来にょらいみなしょうするに、 かの如来にょらいこうみょうそうのごとく、 かのみょうのごとく、 如実にょじつしゅぎょうして相応そうおうせんとほっするがゆゑなり。

スルニ↢彼如来↡、如↢彼如来光明智相↡、如↢彼名義↡、欲[スル]ガ如実修行シ[テ]相応セムト↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]称名を釈す

 ^かの如来にょらいみなしょうす」 とは、 いはく、 無礙むげこう如来にょらいみなしょうするなり。

スト↢彼如来↡」、謂スル↢无光如来↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]光明を釈す

^かの如来にょらいこうみょうそうのごとく」 とは、 ぶつこうみょうはこれ智慧ちえそうなり。 このこうみょう十方じっぽうかいらしたまふに*しょうあることなし。 よく十方じっぽうしゅじょうみょう黒闇こくあんのぞくこと、 にちがつ珠光しゅこうのただ空穴くうけつのなかのあんをのみするがごときにはあらず。

クト↢彼如来光明智相↡」、仏光明相也。此光明シタマフニ↢十方世界↡无↠有[ル]コト↢障↡。能クコト↢十方衆生无明黒闇↡、非↠如キニハ↣日月珠光但破スルガ↢空穴ヲ[ノミ]↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ]相応を釈す
                          [a]所相応を標す【名号破満

^かのみょうのごとく、 如実にょじつしゅぎょうして相応そうおうせんとほっす」 とは、 かの無礙むげこう如来にょらいみょうごうは、 よくしゅじょう一切いっさいみょうし、 よくしゅじょう一切いっさい*がんてたまふ。

↢彼名義↡、欲スト↢如実修行シテ相応セムト↡」、彼无光如来名号、能↢衆生一切无明↡、能テタマフ↢衆生03860490志願↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][b]能相応を弁ず
                            [イ]不相応を簡ぶ
                              ª一º不相応行を標す

^しかるにみなしょう憶念おくねんすれども、 みょうなほありて所願しょがんてざるものあり。 なんとなれば、 如実にょじつしゅぎょうせず、 みょう相応そうおうせざるによるがゆゑなり。

[ル]ニ↧称↠名憶念スレドモ而无明ナホリテ而不↠満[テ]↢所願↡者↥。何トナレバ者由[ル]ガ不↢如実[ニ]修行↡、↢名義↡不ルニ↦相応也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][b][イ]ª二º不相応心を弁ず
                                ªⅠº聞不具足に約す

^いかんが如実にょじつしゅぎょうせず、 みょう相応そうおうせざるとなすとならば、 いはく、 如来にょらいはこれ*実相じっそうしんなり、 これ物身もつしんなりとらざればなり。

云何[ガ]ストナラバ不↢如実[ニ]修行↡、↢名義↡不ルト↦相応↥、謂レバナリ↠知↢如来実相ナリ、是為物身ナリト↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][b][イ]ª二ºªⅡº信不具足に約す【三不知三不信】

^また*三種さんしゅ相応そうおうあり。 いちには信心しんじんあつからず、 *ぞんずるがごとくもうずるがごときゆゑなり。 には信心しんじんいちならず、 けつじょうなきがゆゑなり。 さんには信心しんじん相続そうぞくせず、 ねんへだつるがゆゑなり。

又有[リ]↢三種不相応↡。一信心↠淳[カラ]ゴト↠存[ズ]ルガ↠亡[ズ]ルガナリ。二[ニ]者信心↠一ナラ、无キガ↢決定↡故ナリ。三[ニ]者信↢相続↡、余念ツルガナリ

^このさんてん0104でんしてあひじょうず。 信心しんじんあつからざるをもつてのゆゑにけつじょうなし。 けつじょうなきがゆゑにねん相続そうぞくせず。 またねん相続そうぞくせざるがゆゑにけつじょうしんず。 けつじょうしんざるがゆゑにしんあつからざるべし。

三句展転シテ。以[テ]ノ↢信心不ルヲ↟淳[カ]ラ↢決定↡。无キガ↢決定↡故↢相続↡。亦可↧念不ルガ↢相続[セ]↡故↠得↢決定[ル]ガ↠得↢決定↡故心不↞淳[カラ]

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][b][ロ]能相応を明す

^これとそうせるを 如実にょじつしゅぎょう相応そうおうす」 とづく。

相違セルヲ↢「如実[ニ]修行[シ]相応[ス]ト」↡。

^このゆゑに論主ろんじゅ (*天親)、 「一心いっしん」 と建言こんごんす。

論主建↢言「我一心」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][c]問答料簡【名法相即】
                            [イ]

 ^ひていはく、 をばほうゆびとなす。 ゆびをもつて*つきすがごとし。 もしぶつみょうごうしょうするにすなはちがんつることをといはば、 つきゆび、 よくあんすべし。 もしつきゆびあんすることあたはずは、 ぶつみょうごうしょうすとも、 またなんぞよくがんてんや。

[ヒテ][ク]、名ヲバ↢法↡。↢指ヲモテスガ[ヲ]。若[シ]スルニ↢仏名号便[チ]トイハバ↠満[ツル]コトヲ↠願者、ユビ、応↢能↟闇。若[シ]ユビ↠能[ハ]↠破[スル]コト↠闇、称ストモ↢仏名号↡、亦何テム↠願耶。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][c][ロ]

^こたへていはく、 諸法しょほう万差まんじゃなり。 一概いちがいすべからず。 *ほうそくするあり。 ほうするあり。

[ヘテ][ク]、諸法万差ナリ↠可[カ]ラ↢一ガイ↡。有↢名スル↟法。有↢名スル↟法

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][c][ロ]ª一º名の法に即する

^ほうそくするとは、 諸仏しょぶつさつみょうごう般若はんにゃ波羅はらみつ、 および陀羅尼だらにしょう*禁呪きんじゅおんとうこれなり。

[スルト]↠法、諸仏菩薩名号、般若波羅蜜、及[ビ]陀羅尼[ノ]章句、禁[ノ]音辞等是也。

^禁腫きんじゅことばに、 「*にっしゅつ東方とうぼうしゃくおうとうをいふがごとし。 たとひ*酉亥ゆうがいきんぎょうじて、 にっしゅつあずからざれども、 しゅゆることを

禁腫キムシユコトバフガ↢日出東方乍赤乍黄等↡。仮使[タトヒ]酉亥イウガイジテ↠禁、不レドモアヅカ↢日出↡而腫[イ][ユ]ルコトヲ

^またいくさくにじんむかひてただひとたびもせっのなかに 「*りんぴょう闘者とうしゃかい陣列じんれつぜんぎょう」 とじゅするがごとし。 このじゅするに*ひょうあたらざるところなり。 ¬*抱朴ほうぼく¼ これを*要道ようどうといふものなり。

亦如クニイクサヒテ↠陣タビモスルガ↢臨兵闘者皆陣列前行↡。誦[ス]ルニ↢此九字↡五兵之所ナリ↠不アタ。¬抱朴ハウボク¼↢之要道↡者也。

^また転筋こむらがえりくるしむもの、 木瓜ぼけをもつててこれを*すにすなはち0105えぬ。 またひとありて、 ただ木瓜ぼけぶにまたえぬ。 わがにそのしるしるなり。

クルシム転筋コブラガヘリ↡者、以↢木[ヲ]↡対↠火[ニ]スニ↠之[チ]0387エヌ。復0491[リテ]↠人但ブニ↢木↡亦愈[エ]ヌ↢其シルシ↡也。

^かくのごとき*ごんけんにともにれり。 いはんや不可ふか思議しぎきょうがいなるものをや。 *滅除めつじょやくつづみたとへ、 またこれいちなり。 このたとへはすでにさきあらわすゆゑにかさねてかず。

[キ]↠斯[クノ]近事[ハ]世間レリ。況不可思議境界ナル。滅除薬↠鼓、復一事ナリ。此アラハ↢於前↡故↢重[カ]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][c][ロ]ª二º名の法に異する

^ほうするありとは、 ゆびつきすがごときなり。

[リ]ト↢名スル↢指スガ名也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ハ)作願を釈す
                    [一]論文

【53】 ^いかんががんする。 *しんにつねにがんし、 一心いっしんにもつぱらひっきょうじて安楽あんらくこくおうじょうせんとねんず。 如実にょじつしゃ摩他またしゅぎょうせんとほっするがゆゑなり。

云何[ガ]作願スル↠願、一心↣畢竟ジテ往↢生セムト安楽国土↡。スルガ如実修↢行セムト奢摩他ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ハ)[二]註釈
                      [Ⅰ]総釈

 ^しゃ摩他また」 をやくして 「」 といふ。 「」 とは、 しんを一しょとどめてあくをなさず。

シテ↢「奢摩他」↡曰[フ]↠止。止[ト][メ]テ↢心一処↡不↠作↠悪也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ハ)[二][Ⅱ]別弁
                        [ⅰ]漢語の浮漫を弁ず

^このやくみょうはすなはちたいそむかざれども、 においていまだたず。 なにをもつてこれをいふとならば、 *しんたんとどむるがごときをもまたづけてとなす。 *じょうかんとんとどめ、 *慈悲じひかんしんとどめ、 *因縁いんねんかんとどむ。 かくのごときをもまたづけてとなす。 ひとのまさにかんとしてかざるがごときをもまたづけてとなせばなり。

訳名[チ]レドモソム↢大意↡、於↠義↠満。何[フ]トナラバ↠之、如キヲモ↠止[ムル]ガ↢心鼻端↡亦名[ケ]テ↠止。不浄観[メ]↠貪、慈悲観[メ]↠瞋、因縁観[ム]↠痴。如[キ]↠是[クノ]ヲモ亦名[ケテ][ス]↠止キヲモ↢人↠行[カム]トルガ↟行亦名[ケテ]セバナリ↠止

^ここにりぬ、 ことば*まんにしてまさしくしゃ摩他またずと。 *椿ちんしゃりゅうのごときをみなづくといへども、 も0106しただといふときは、 いづくんぞりゅうんや。

[リ]ヌコトバ浮漫[ニ]シテ[ト]↣正シク得↢奢摩他↡也。如[キ]ヲ↢椿柘楡ニレ↡雖[モ]↢皆名[ク]ト↟木、若[シ]フトキハ↠木イヅクンゾ[ム]↢楡柳

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ハ)[二][Ⅱ][ⅱ]今論の止義を明す

^しゃ摩他また」 をといふは*ふくみてさんあり。

奢摩他[フ]↠止↢三義↡。

^いちには一心いっしんにもつぱら弥陀みだ如来にょらいねんじてかのしょうぜんとがんずれば、 この如来にょらいみょうごうおよびかのこくみょうごう、 よく一切いっさいあくとどむ。

[ニ]者一心[ラ]ジテ↢阿弥陀如来↡願[ズ]レバ↠生[ゼム]ト↢彼↡、此如来名号及[ビ]国土名号能↢一切↡。

^にはかの安楽あんらく三界さんがいどうぎたり。 もしひとまたかのくにしょうずれば、 ねんしん口意くいあくとどむ。

[ニ]者彼安楽土[ギ]タリ↢三界↡。若人亦生ズレバ↢彼↡、自然↢身口意↡。

^さんには弥陀みだ如来にょらいしょうがくじゅうちからねんしょうもんびゃくぶつもとむるしんとどむ。

[ニ]者阿弥陀如来[ノ]正覚住持、自然↧求ムル↢声聞・辟支仏↡心↥。

^このさんしゅ如来にょらい如実にょじつどくよりしょうず。 このゆゑに 「如実にょじつしゃ摩他またしゅぎょうせんとほっするがゆゑなり」 といへり。

三種↢如来[ノ]如実功徳↡生。是[ニ]ヘリ↢「欲如実修行奢摩他」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)観察を釈す
                    [一]能観を明す
                      [Ⅰ]論文

【54】 ^いかんが観察かんざつする。 智慧ちえをもつて*観察かんざつし、 しょうねんにかしこをかんず。 如実にょじつ毘婆びばしゃしゅぎょうせんとほっするがゆゑなり。

0492云何0388[ガ]観察スル。智ヲモテ観察、正念↠彼スルガ如実修↢行セムト毘婆舎那↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[一][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]総じて漢語の浮漫を明す

 ^毘婆びばしゃ」 をやくして 「かん」 といふ。 ただひろかんといふには、 またいまだたず。 なにをもつてこれをいふとならば、 しんじょうくう無我むが*そうとうかんずるがごときをも、 みなづけてかんとなせばなり。 またかみ椿ちんしゃざるがごとし。

シテ↢「毘婆舎那」↡曰↠観。但ヒロ[フ]ニハ↠観、義亦未↠満。何[テ]フトナラバ↠之、如キヲモ↠観[ズルガ]↢身无常・苦・空・无我・九想等↡、皆名[ケ]テセバナリ↠観。亦↢上ルガ↟得↢椿柘[ヲ]↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[一][Ⅱ][ⅱ]別して今論の観義を顕す

^毘婆びばしゃ」 をかんといふはまたあり。

毘婆舎那[フ]↠観者亦有↢二義↡。

^いちには、 ここにありてそうをなしてかの三種さんしゅしょうごんどくかんずれば、 このどく如実にょじつなるがゆゑに、 しゅぎょうするものもまた如実にょじつどく如実にょじつどくとは、 けつじょうしてかの0107しょうずることをるなり。

[ニ]者在[リ]テコヽ[シ]テ↠想ズレバ↢彼三種荘厳功徳↡、此功徳如実ナルガ修行スル↢如実功徳↡。如実功徳[ト]、決定シテルナリ↠生[ズルコト]ヲ↢彼↡。

^には、 またかのじょうしょうずることをれば、 すなはち弥陀みだぶつたてまつり、 *しょうじょうしんさつひっきょうじて*びょうどう法身ほっしんしょうすることを*じょうしんさつ*じょうさつと、 ひっきょうじておなじく*じゃくめつびょうどうるなり。

[ニ]者亦得レバ↠生[ズルコト]ヲ↢彼浄土↡、即[チ]タテマツリ↢阿弥陀仏↡、未証浄心菩薩、畢竟ジテ得↠証スルコトヲ↢平等法身↡。↢浄心菩薩↡↢上地[ノ]菩薩↡畢竟ジテ[ジ]ク[ルナリ]↢寂滅平等↡。

^このゆゑに 「如実にょじつ毘婆びばしゃしゅぎょうせんとほっするがゆゑなり」 といへり。

ヘリ↢「欲如実修行毘婆奢那」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[二]所観を出す
                      [Ⅰ]論文

【55】 ^かのかんざつさんしゅあり。 なんらかさんしゅいちにはかの仏国ぶっこくしょうごんどく観察かんざつす。 には弥陀みだぶつしょうごんどく観察かんざつす。 さんにはかのしょさつしょうごんどく観察かんざつす。

観察[リ]↢三種↡。何三種。一[ニ]者観↢察仏国土荘厳功徳↡。二[ニ]者観↢察阿弥陀仏荘厳功徳↡。三[ニ]者観↢察諸菩薩荘厳功徳↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[二][Ⅱ]註釈

 ^しんにそのえんずるを 「かん」 といふ。 *観心かんじんぶんみょうなるを 「さつ」 といふ。

[ズル]ヲ↢其[ノ]↢「観」↡、観心分明ナルヲ↢「察」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ホ)回向を釈す
                    [一]論文

【56】 ^いかんが*こうする。 一切いっさいのうしゅじょうてずして、 しんにつねにがんし、 こうしゅとなす。 だいしんじょうじゅすることを*んとするがゆゑなり。

云何[ガ]廻向スルシテ↠捨[テ]↢一切苦悩衆生↡、心[シ]、廻向↠首ムトスル↣成↢就[スル]コトヲ大悲心↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ホ)[二]註釈
                      [Ⅰ]標列【往還回向

 ^こう」 にしゅそうあり。 いちには往相おうそうには還相げんそうなり。

「廻向」有↢二種相↡。一[ニ]者往相、[ニ]者還相ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ホ)[二][Ⅱ]随釈
                        [ⅰ]往相

^往相おうそう」 とは、 おのがどくをもつて*一切いっさいしゅじょう回施えせして、 ともにかの弥陀みだ如来にょらい安楽あんらくじょうおうじょうせんとがんするなり。

往相[ト]者、以功徳↡廻↢施シテ一切衆0493↡、0389作↣願スルナリ往↢生セムト阿弥陀如来安楽浄土↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ホ)[二][Ⅱ][ⅱ]還相

^還相げんそう」 とは、 かのしょうじをはりて、 しゃ摩他また毘婆びばしゃ方便ほうべんりきじょうじゅすれば、 しょう*ちゅうりんにゅうして一切いっさいしゅじょうきょうして、 ともに*仏道ぶつどう*かふなり。

還相[ト]者、生[ジ]↢彼↡已[リ]テ得↢奢摩他・毘婆舎那↡、方便力成就スレバ、廻↢入シテ生死稠林↡教↢化シテ一切衆生↡、共ムカフナリ↢仏道↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ホ)[二][Ⅲ]結示

^もしはおう、 もしはげん、 みなしゅじょうきてしょうかいせん0108がためなり。 このゆゑに 「こうしゅとなす。 だいしんじょうじゅすることをんとするがゆゑなり」 といへり。

[シ]ハ往若[シ]ハ還、皆ナリ↧抜[キ]テ↢衆生↡渡[セム]ガ↦生死海↥。是[ノ][ニ]ヘリ↢「廻向為就大悲心」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ 観察体相章
          (一)章を標し科を分つ

【57】^*観察かんざつ体相たいそうとは、 このぶんのなかにたいあり。 いちには*たいには*しゅじょうたいなり。

観察体相[ト]、此[リ]↢二体↡。一[ニ]者器体、二[ニ]者衆生体ナリ

^ぶんのなかにまたさんじゅうあり。 いちにはこく*体相たいそうには自利じり利他りたげんす。 さんには第一だいいちたいるなり。

[ノ]又有[リ]↢三重↡。一[ニ]者国土体相。二[ニ]者示↢現自利利他↡。三[ニ]者入ル[ナリ]第一義諦↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)文を出し義を釈す
            (Ⅰ)器体
              (ⅰ)国土体相
                (a)科目を標す

【58】^こく体相たいそうとは、

国土体相[ト]者、

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)正しく文を釈す
                  (イ)総嘆
                    [一]論文

^いかんがかの仏国ぶっこくしょうごんどく観察かんざつする。 かの仏国ぶっこくしょうごんどく不可ふか思議しぎりきじょうじゅせるがゆゑなり。 かの摩尼まににょほうしょうのごときにそう相対そうたいほうなるがゆゑなり。

云何観↢察スル仏国土荘厳功徳↡。彼仏国土荘厳功徳者成↢就セルガ不可思議力↡故ナリキニ↢彼摩尼如意宝[ノ]↡相相対ナルガナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(イ)[二]註釈
                      [Ⅰ]釈法

 ^不可ふか思議しぎりき」 とは、 そうじてかの仏国ぶっこくじゅうしちしゅしょうごんどくりきの、 思議しぎすることをべからざるをすなり。 しょきょうべてのたまはく、 *しゅ不可ふか思議しぎあり。 いちにはしゅじょうしょう不可ふか思議しぎには業力ごうりき不可ふか思議しぎさんにはりゅうりき不可ふか思議しぎにはぜんじょうりき不可ふか思議しぎには仏法ぶっぽうりき不可ふか思議しぎなり。

「不可思議力[ト]」者、総ジテ↢彼仏国土十七種荘厳功徳力[ノ]ルヲ↟可[カラ]↢思議[スル]コトヲ↡也。諸経ベテノタマハク、有↢五種可思議↡。一[ニ]者衆生多少不可思議、二[ニ]者業力不可思議、三[ニ]者竜力不可思議、四[ニ]者禅定力不可思議、五[ニ]者仏法力不可思議[ナリ]

^このなかのぶつ不可ふか思議しぎしゅりきあり。 いちには業力ごうりき、 いはく、 法蔵ほうぞうさつしゅっ善根ぜんごん大願だいがん業力ごうりきしょじょうなり。 にはしょうがく*弥陀みだ法王ほうおうぜんじゅうりきしょしょうなり。 この不可ふか思議しぎしもじゅうしちしゅ0109のごとし。 一々いちいちそうみな不可ふか思議しぎなり。 もんいたりてまさにしゃくすべし。

仏土不可思議[リ]↢二種力↡。一[ニ]者業力、謂法蔵菩薩出世善根、大願業力所成ナリ。二[ニ]者正覚阿弥陀法王善住持力04940390ナリ。此不可思議↢下十七種↡。一一相皆不可思議ナリ。至[リ]テ↠文↠釈

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(イ)[二][Ⅱ]釈譬
                        [ⅰ]如彼摩尼を釈す

^かの摩尼まににょほうしょうのごときにそう相対そうたい」 といふは、 かの摩尼まににょほうしょうりて、 安楽あんらくぶつ不可ふか思議しぎしょうしめすなり。

「如キニ↢彼摩尼如意宝↡相似相対トイフ」者、借[リ]テ↢彼摩尼如意宝↡、示[ス]↢安楽仏土可思議↡也。

^諸仏しょぶつ*にゅうはんとき方便ほうべんりきをもつて*砕身さいしんしゃとどめてもつてしゅじょうふくす。 しゅじょうふくきぬれば、 このしゃへんじて摩尼まににょ宝珠ほうしゅとなる。 このしゅおお大海だいかいのなかにあり。 だいりゅうおう、 もつてくびかざりとなせり。

諸仏入涅槃時、以↢方便力↡留[メ]テ↢砕身舎利↡以↢衆生↡。衆生福尽[キヌ]レバ舎利変ジテ↢摩尼如意宝珠↡。此↢大海↡。大竜王以[テ]セリ↢首カザリ↡。

^もし転輪てんりんじょうおうづるときは、 慈悲じひ方便ほうべんをもつてよくこのしゅて、 えんだいにおいて*だいにょうやくをなす。 もしぶく飲食おんじきとうみょうがくこころ所欲しょよくしたがひて種々しゅじゅものもちゐるときに、 おうすなはち*潔斎けっさいして、 しゅじょう竿かんはしきてがんおこしていはく、 「もしわれじつにこれ転輪てんりんのうならば、 ねがはくは宝珠ほうしゅ、 かくのごときものあめふらして、 もしはいちへんし、 もしはじゅう、 もしはひゃくに、 わが心願しんがんしたがへ」 と。

転輪聖王出[ヅ]ルトキハ↠世、以↢慈悲方便↡能↢此↡、於↢閻浮提↡作↢大饒益↡。若[シ]モチヰル↧衣服・飲食・灯明・楽具、随[ヒ]テ↢意所欲↡種種↥時、王便スナハシテキテ↢珠於長竿カンサヲハシ↡発シテ↠願[ヲ]、若我実是転輪王ナラバ者、願[ク]ハ宝珠、ラシテ↢如[キ]↠此[クノ]之物↡、若[シ]ハ↢一里↡、若[シ]ハ十里、若[シ]ハ百里、随ヘト↢我心願↡。

^そのときにすなはち、 くうのなかにおいて種々しゅじゅものあめふらして、 みな*所須しょしゅかなひててん一切いっさいにんがん満足まんぞくせしむ。 このほうしょうちからをもつてのゆゑなり。

[ノ]即便[チ]↢虚空ラシテ↢種種↡、皆カナヒテ↢所↡満↢足セシム天下一切[ノ]↡。以テノ↢此宝性↡故ナリ

^かの安楽あんらくぶつもまたかくのごとし。 安楽あんらくしょう種々しゅじゅじょうじゅせるをもつてのゆゑなり。

安楽仏土亦如↠是[ク]ノ。以[テ]ノ↢安楽性種種成就セルヲ↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ]相似相対を釈す

^そう相対そうたい」 とは、 かの宝珠ほうしゅちからじきもとむるには、 よくじきとうものあめふらしてもとむるもののこころかなふ。 これもとめざるにはあらず。 かのぶつはす0110なはちしからず。 しょう満足まんぞくじょうじゅせるがゆゑに、 ぼうしょうするところなし。 かのしょう片取へんしゅしてたとへとなす。 ゆゑにそう相対そうたいといへり。

「相似相対[ト]、彼宝珠[ム]ルニ↢衣食、能ラシテ↢衣食等カナ↢求[ムル]↡。非[ル]ニハ↟求。彼仏土[チ]不↠然[ラ]。性満足成就[セ]ルガ、无↠所↢乏少[スル]↡。片↢取シテ↡為↠喩。故ヘリ↢相似相対↡。

^またかのほうは、 ただよくしゅじょうじきとうがんあたふるも、 しゅじょう*じょうどうがんあたふることあたはず。 またかのほうは、 ただよくしゅじょう一身いっしんがんあたふるも、 しゅじょう*りょうしんがんあたふることあたはず。 かくのごときりょう差別しゃべつあるがゆゑにそうといへり。

又彼但能フ[ルモ]↢衆生衣食等↡、↠能↠与[フル]コト↢衆生无上道↡。又彼但能フ[ルモ]↢衆生一身↡、↠能↠与[フル]コト↢衆生无量身↡。有ルガ↢如[キ]↠是[クノ]无量差別↡故ヘリ↢相似↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)挙章【器世間】
                    [一]論文

【59】 ^かの仏国ぶっこくしょうごんどくじょうじゅ観察かんざつすとはじゅうしちしゅあり。 るべし。 なんらかじゅうしち

0495観↢察0391[ス]ト仏国土荘厳功徳成就、有↢十七種↡。応↠知。何十七。

^いちにはしょうごん清浄しょうじょうどくじょうじゅにはしょうごん*りょうどくじょうじゅさんにはしょうごんしょうどくじょうじゅにはしょうごんぎょうそうどくじょうじゅにはしょうごん種々しゅじゅどくじょうじゅろくにはしょうごんみょうしきどくじょうじゅ

[ニ]者荘厳清浄功徳成就、二[ニ]者荘厳量功徳成就、三[ニ]者荘厳性功徳成就、四[ニ]者荘厳形相功徳成就、五[ニ]者荘厳種種事功徳成就、六[ニ]者荘厳妙色功徳成就、

^しちにはしょうごんそくどくじょうじゅはちにはしょうごん三種さんしゅどくじょうじゅにはしょうごんどくじょうじゅじゅうにはしょうごんこうみょうどくじょうじゅじゅういちにはしょうごん妙声みょうしょうどくじょうじゅじゅうにはしょうごんしゅどくじょうじゅ

[ニ]者荘厳触功徳成就、八[ニ]者荘厳三種功徳成就、九[ニ]者荘厳雨功徳成就、十[ニ]者荘厳光明功徳成就、十一[ニ]者荘厳妙声功徳成就、十二[ニ]者荘厳主功徳成就、

^じゅうさんにはしょうごん眷属けんぞくどくじょうじゅじゅうにはしょうごん受用じゅゆうどくじょうじゅじゅうにはしょうごん諸難しょなんどくじょうじゅじゅうろくにはしょうごんだいもんどくじょうじゅじゅうしちにはしょうごん一切いっさいしょ満足まんぞくどくじょうじゅなり。

十三[ニ]者荘厳眷属功徳成就、十四[ニ]者荘厳受用功徳成就、十五[ニ]者荘厳无諸難功徳成就、十六[ニ]者荘厳大義門功徳成就、十七[ニ]者荘厳一切所求満足功徳成就ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)[二]註釈

 ^*しょうもんげ、 つぎつづきて*ていしゃくす。

↢章門↡、次キテ提釈

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)提釈
                    [一]清浄功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

011160】 ^しょうごん清浄しょうじょうどくじょうじゅとは、 に 「かんかいそう しょう三界さんがいどう」 といへるがゆゑなり。

荘厳清浄功徳成就[ト]、偈ヘルガ↢「観彼世界相勝過三界道」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[一][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 ぼんにんありて煩悩ぼんのうじょうじゅするもまたかのじょうしょうずることをれば、 三界さんがい*ごうひっきょうじてかず。 すなはちこれ煩悩ぼんのうだんぜずして*はんぶん いづくんぞ思議しぎすべきや。

云何不思議ハカルナルリテ↢凡夫人↡煩悩成就スルモ亦得レバ↠生[ズル]コトヲ↢彼浄土↡、三繋業、畢竟ジテ不↠ケン[チ]是不シテ↠断↢煩悩↢涅槃分↡。イヅクンゾキヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[二]量功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【61】 ^しょうごんりょうどくじょうじゅとは、 に 「きょうにょくう 広大こうだい辺際へんざい」 といへるがゆゑなり。

荘厳量功徳成就[ト]、偈ヘルガ↢「究竟如虚空広大无辺際」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[二][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]広狭無礙を明す

 ^これいかんが思議しぎなる。 かのくに人天にんでん、 もしこころ殿でん*楼閣ろうかく、 もしはひろいちじゅん、 もしはひゃくじゅん、 もしはせんじゅんˆそのかずˇ 千間せんげん万間まんげんならんとほっすれば、 しんしたがひてじょうずるところなり。 ひとおのおのかくのごとし。

0496云何0392[ガ]不思議ナル。彼人天、若[シ]スレバ↢宮殿楼閣、若[シ]ハ一由旬、若[シハ]百由旬、若[シハ]千由旬、千間万間ナラムト↡、随[ヒテ]↠心ナリ↠成ズル。人各[ノ]↠此[ク]ノ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[二][Ⅱ][ⅱ]受用無尽を示す

^また十方じっぽうかいしゅじょうおうじょうがんずれば、 もしはすでにうまれ、 もしはいまうまれ、 もしはまさにうまるべし。 いち一日いちにちのあひだをも*算数さんじゅするに、 そのしょうることあたはざるところなり。 しかもかのかいつねにくうのごとし。 *迫迮はくさくそうなし。

又十方世界衆生願[ズレバ]↢往生↡者、若[シ]ハ、若[シ]ハ今生、若[シ]ハ。一時一日之アヒダ[ヲモ]算数ナリ↠不↠能[ハ]↠知[ル]コト↢其多少↡。世界常ゴト↢虚空↡。无 ヒツセマリ サクセマル相↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[二][Ⅱ][ⅲ]志願広大を顕す

^かしこのなかのしゅじょう、 かくのごときりょうのなかにじゅうして、 がん広大こうだいにしてまたくうのごとくしてげんりょうあることなからん。 かのこくりょう、 よくしゅじょう*しんぎょうりょうじょうず。 なんぞ思議しぎすべきや0112

衆生、住シテ↢如[キ]↠此[クノ]↡、志願広大ニシテ亦如[ク]シテ↢虚空カラム↠有[ル]コト↢限量↡。彼国土量、能↢衆生心行↡。何キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[三]性功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【62】 ^しょうごんしょうどくじょうじゅとは、 に 「しょうどうだい慈悲じひ しゅっ善根ぜんごんしょう」 といへるがゆゑなり。

荘厳性功徳成就[ト]者、偈ヘルガ↢「正道大慈悲出世善根生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[三][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 たとへば*迦羅から求羅くらちゅうの、 そのかたちしょうなれども、 もし大風だいふうれば大山だいせんのごとし。 かぜだいしょうしたがひておのが身相しんそうとなすがごとし。

云何[ガ]不思議ナル。譬[ヘ]バ↧迦羅求羅虫微小ナレドモ、若レバ↢大風↡身[ハ]↢大山[ヒ]テ↢風大小スガ身相↥。

^安楽あんらくしょうずるしゅじょうもまたかくのごとし。 かの*しょうどうかいしょうずれば、 すなはち*しゅっ善根ぜんごんじょうじゅして正定しょうじょうじゅること、 またかのかぜの、 にあらずしてなるがごとし。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

ズル↢安楽↡衆生亦復如[シ]↠是[ク]ノ。生[ズ]レバ↢彼正道世界↡、即[チ]成↢就シテ出世善根↡入[ル]コト↢正定聚↡、亦如↢彼ズシテ↠身而身[ナルガ]↡。イヅ ンゾキヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[四]形相功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【63】 ^しょうごんぎょうそうどくじょうじゅとは、 に 「じょうこうみょう満足まんぞく にょきょう日月にちがつりん」 といへるがゆゑなり。

荘厳形相功徳成就[ト]者、偈ヘルガ↢「浄光明満足如鏡日月輪」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[四][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 それ忍辱にんにく*たんじょう。 わがしん*影響ようこうなり。 ひとたびかしこにしょうずることをれば、 *しんにんことなりなし。 人天にんでん*色像しきぞうびょうどうみょうぜつなり。 けだしじょうこうちからなり。 かのひかりしんぎょうにあらずしてしんぎょうをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

云何[ガ]不思議ナル忍辱↢端正↡。我[ガ]嚮也。タビレバ↠生[ズル]コトヲ、无↢瞋忍之殊[ナリ]↡。人天色像[ハ]平等妙絶ナリ。蓋浄光之力也。彼[ハ][ズ]↢心行[ニ]シテ↢心行之事↡。イヅクンゾキヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[五]種々事功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【64】 ^しょうごん種々しゅじゅどくじょうじゅとは、 に 「しょ珍宝ちんぽうしょう そくみょうしょうごん」 といへる0113がゆゑなり。

荘厳種種事功徳成就[ト]者、偈ヘルガ↢「備諸珍宝性具足妙荘厳」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[五][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 かの種々しゅじゅ、 あるいは一宝いっぽう十宝じっぽうひゃく千種せんじゅほうしんしたがこころかなひてそくせざるはなし。 もしなからしめんとほっすれば、 *しゅくえんとして*もつす。 しんざいること神通じんずうえたることあり。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

0497云何0393[ガ]不思議ナル。彼種種事、或[イ]ハ一宝、十宝、百千種宝、↠心カナヒテ↠意↠不↢具足↡。若[シ]スレバ↠令メムト↠无カラ、儵焉トシテ化没。心[ル]コト↢自在↡有エタルコト↢神通↡。イヅクンゾキヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[六]妙色功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【65】 ^しょうごんみょうしきどくじょうじゅとは、 に 「無垢むく光炎こうえん 明浄みょうじょうようけん」 といへるがゆゑなり。

荘厳妙色功徳成就[ト]者、偈ヘルガ↢「无垢光炎熾明浄曜世間」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[六][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 そのひかり*かがやかすにすなはちひょう*映徹ようてつす。 そのひかりしんかがやかすにすなはちつひにみょうつくす。 ひかり*ぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

云何不思議ナル。其光曜カスニ↠事[チ]映↢徹表裏↡。其光曜スニ↠心[チ]ツイ↢无明↡。光↢仏事↡。焉[ン]ゾキヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[七]触功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【66】 ^しょうごんそくどくじょうじゅとは、 に 「ほうしょうどくそう にゅうなん左右さうせん 触者そくしゃしょうしょうらく 旃隣せんりん」 といへるがゆゑなり。

荘厳触功徳成就[ト]者、偈[ニ]ヘルガ↢「宝性功徳草柔軟左右旋触者生勝楽過迦旃隣陀」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[七][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]正釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 それたかられい堅強けんごうなり。 しかるにこれはにゅうなんなり。 *そくらくじゃくすべし。 しかるにこれは*どうす。 あいおなじ。 なんぞ思議しぎすべきや。

云何不思議ナル堅強ケンガウナリ。而ルニ柔軟ナリ。触[ノ]↠著。而ルニ↠道↢愛作↡。キヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[七][Ⅱ][ⅱ]追釈

^さつあり、 あいなづく。 ぎょうようたんじょうにしてひと*ぜんじゃくしょうず。 ¬きょう¼ (*大宝積0114経・意) にのたまはく、 「これにぜんするものは、 あるいはてんじょうしょうじ、 あるいはだいしんおこす」 と。

↢菩薩↡、ナヅ↢愛作↡。形容端正ニシテ↢人染著↡。¬経¼ノタマハク、「スル↠之、或[イ]ハ↢天上↡、或[イ]ハスト↢菩提心↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八]三種功徳を釈す
                      [Ⅰ]標列
                        [ⅰ]論文

【67】 ^しょうごん三種さんしゅどくじょうじゅとは、 さんしゅあり。 るべし。 なんらかさんしゅいちにはすいにはさんにはくうなり。

荘厳三種功徳成就[ト]、有↢三種事↡。応↠知[ル]。何三種。一[ニ]者水、二[ニ]者地、三[ニ]者虚空ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅰ][ⅱ]註釈

 ^この三種さんしゅあわせていふ所以ゆえんは、 同類どうるいなるをもつてのゆゑなり。 なにをもつてかこれをいふとなれば、 いちには六大ろくだいたぐいなり。 いはゆるくうしきすいふうとなり。 には*分別ふんべつたぐいなり。 いはゆるすいふうくうなり。

三種所↢以 ユヘ セテ、以[テ]ノ↢同類ナルヲ↡故也。何[テ]カフトナレバ↠之、一[ニ]者六大ナリ所謂虚空トナリ。二[ニ]者无分別ナリ所謂地・水・火・風・虚空ナリ

^ただ三類さんるいといふは、 しき一大いちだいしゅじょうけんぞくするがゆゑに、 一大いちだいはかしこのなかになきがゆゑに、 ふうありといへどもふうるべからざるがゆゑに、 じゅうしょなきがゆゑなり。 ここをもつて六大ろくだい*るいのなかに、 ありてしょうごんすべきをりて、 さんしゅあわせてこれをいふ。

但言[フ]↢三類[ト]0498、識0394一大スルガ↢衆生世間↡故、火一大キガ、雖↠有[リ]ト↠風風ル[ガ]↠可[カラ]↠見、无キガ↢住処↡故ナリ。是六大五類リテリテ而可キヲ↢荘厳↡、三種セテ↠之

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ]随釈
                        [ⅰ]水功徳
                          [a]論文

【68】 ^しょうごんすいどくじょうじゅとは、 に 「ほう千万せんまんじゅ 弥覆みふ池流ちるせん ふうどうよう きょうさくこう乱転らんでん」 といへるがゆゑなり。

荘厳水功徳成就[ト]者、偈[ヘル]ガ↢「宝花千万種弥覆池流泉微風動花葉錯光乱転」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅰ][b]註釈
                            [イ]正釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 かのじょう人天にんでん*水穀すいこくにあらず。 なんぞみずもちゐるや。 清浄しょうじょうじょうじゅしてせんじょくもちゐず。 またなんぞみずもちゐるや。 かしこのな0115かには*四時しじなし。 つねに*調適じょうちゃくにしてねつわずらはず。 またなんぞみずもちゐるや。 もちゐずしてなることは、 まさに所以ゆえあるべし。

此云何[ガ]不思議ナル。彼浄土人天↢水コク↡。何モチヰル↠水。清浄成就シテモチ↢洗濯↡。復何[ヰル]↠水[ヲ]。彼ニハ↢四時↡。常調適[ニ]シテ↠熱復何[ヰ]ル↠水[ヲ]シテ而有ナルコトハ↠有↢所以↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅰ][b][ロ]引経

^¬きょう¼ (大経・上) にのたまはく、 「かのもろもろのさつおよびしょうもん、 もしほうりて、 こころみずをしてあしひたさしめんとほっすれば、 みずすなはちあしひたす。 ひざいたらしめんとほっすれば、 みずすなはちひざいたる。 こしいたらしめんとほっすれば、 みずすなはちこしいたる。 くびいたらしめんとほっすれば、 みずすなはちくびいたる。 そそがしめんとほっすれば、 ねんそそぐ。 還復げんぶくせしめんとほっすれば、 みずすなはち還復げんぶくす。

¬経¼言ハク、「彼菩薩及[ビ]聞、若[リ]テ↢宝池[ニ]↡、意スレバ↠令[メム]ト↢水ヲシテヒタ[サ]↟足、水即[チ]ヒタ↠足スレバ↠令[メムト]↠至[ラ]↠膝、水即[チ][ル]↠膝。欲[スレバ]↠令[メムト]↠至[ラ][ニ]、水即[チ][ル]↠腰[ニ]。欲[スレバ]↠令[メムト]↠至[ラ]↠頚[ニ]水即[チ][ル]↠頚。欲[スレバ]↠令[メムト]↠潅[ガ]↠身、自然↠身。欲[スレバ]↠令[メム]ト↢還復[セ]↡、水スナハ還復

^*調じょうりょうなんにしてねんこころしたがひて、 ^*じんひらたいよろこばしむ。 しん蕩除とうじょし、 清明しょうみょうちょうけつにしてきよきことかたちなきがごとし。 ˆていのˇ 宝沙ほうしゃ映徹ようてつしてふかきをもらさざることなし。

調和冷煖[ニシテ]自然[ヒ]テ↠意、開↠神バシム↠体。蕩↢除心垢↡、清明澄潔ニシテキヨキコトゴト↠无[キガ]。宝映徹シテ[シ]↢深[キ]ヲモルコト

^らん回流えるしてうたたあひかんちゅうす。 あんじょうとしてやうやくきて、 おそからずはやからず。

灡廻流シテウタジユ。安トシテヤウヤキテ↠遅[カラ]↠疾[カラ]

^なみりょうねん妙声みょうしょうぐ。 その*所応しょおうしたがひてかざるものなし。 あるいはぶつみこえき、 あるいはほうこえき、 あるいはそうこえき、 あるいは寂静じゃくじょうこえくう無我むがこえだい慈悲じひこえ波羅はらみつこえき、 あるいはじゅうりき無畏むい不共ふぐほうこえ諸通しょつうこえしょこえ不起ふきめつこえしょうにんこえないかんかんじょう、 もろもろのみょうほうこえく。 かくのごときこえは、 その所聞しょもんかな0116かんりょうなり。

[ハ]↢无量自然妙声↡。随[ヒ]テ↢其所応↡莫↢不↠聞[カ]↡。或[イハ]↢仏ミコヱ↡、或[イハ]↢法↡、或[イ]ハ↢僧↡、或[イ]ハ↢寂静声、空无我声、大慈悲声、波羅蜜↡、或[イハ]↢十力・无畏・不共法声、諸通声、无所作声、不起滅声、无生忍声、乃至甘露潅頂、衆04990395[ヲ]↡。如[キ]↠是[クノ][ハ]カナヒテ↢其所聞↡歓喜无量ナリ

^ˆくひとはˇ 清浄しょうじょうよくじゃくめつ真実しんじつずいじゅんし、 三宝さんぼうˆじゅうˇ りきしょ不共ふぐほうずいじゅんす。 つうさつしょうもんしょぎょうどうずいじゅんす。

随↢順清浄・離欲・寂滅・真実之義↡、随↢順三宝・力・无所畏・不共之法↡。随↢順[ノ]菩薩・声聞[ノ]所行之道↡。

^さんなんあることなし。 ただねんらくおんのみあり。 このゆゑにそのくにづけて安楽あんらくといふ」 と。

↠有[ル]コト↢三塗苦難之名↡。但有↢自然快楽之音[ノミ]↡。是[ケ]テフ[ト]↢安楽↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅰ][b][ハ]結示

^このみずぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

水為↢仏事↡。イヅクンゾキヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅱ]地功徳
                          [a]論文

【69】 ^しょうごんどくじょうじゅとは、 に 「殿でんしょ楼閣ろうかく かん十方じっぽう無礙むげ 雑樹ぞうじゅ光色こうしき 宝欄ほうらんへんにょう」 といへるがゆゑなり。

荘厳地功徳成就[ト]者、偈ヘルガ↢「宮殿諸楼閣観十方无雑樹異光色宝蘭遍囲遶」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅱ][b]註釈
                            [イ]正釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 かの種々しゅじゅ、 あるいは一宝いっぽう十宝じっぽうひゃっぽうりょうほうしんしたがこころかなひてしょうごんそくせり。 このしょうごんは、 浄明じょうみょうきょうのごとく、 十方じっぽうこくじょう諸相しょそう*善悪ぜんあく業縁ごうえん一切いっさいことごとくげんず。 かしこのなかの人天にんでん、 このるがゆゑに、 *探湯たんとうぎゅうじょうねんじょうじゅす。

云何[ガ]不思議ナル。彼種種事、或[イ]ハ一宝、十宝、百宝、无量宝、随↠心カナヒテ↠意荘厳具足セリ。此荘厳↢浄明鏡↡、十方国土浄穢諸相、善悪業縁、一切悉。彼人天、見[ル]ガ↢斯↡故不及之情自然成就

^またもろもろのだいさつほっしょうとうらすたからをもつてかんとなせば、 この宝冠ほうかんのなかにみな諸仏しょぶつたてまつり、 また一切いっさい諸法しょほうしょうりょうだつするがごとし。

亦如↪諸[ノ]大菩薩↧照↢法性等↡宝セバ↠冠、此宝冠皆見[タテ]マツリ↢諸仏↡、又了↩達スルガ一切諸法之性↨。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅱ][b][ロ]引例

^またぶつ、 ¬*法華ほけきょう¼ をきたまひしときけんひかりはなちて東方とうぼうまん八千はっせんらすにみな金色こんじきのごとく、 *阿鼻あびごくよりかみ*ちょういたるまで、 もろもろのかいのなかの六道ろくどうしゅじょうしょうおもむくところ、 善悪ぜんあく業縁ごうえん受報じゅほう好醜こうしゅ、 ここにことごとくるがごとし。 けだしこ0117たぐいなり。

又如↧仏説[キ]タマヒシ↢¬法華経¼↡時、放[チ]テ↢眉間↡照スニ于東方万八千土↡皆如↢金色↡、↢阿鼻獄↡カミ[ハ][ル]マデ↢有頂↡、諸世界六道衆生[ノ]生死所↠趣、善悪[ノ]業縁、受報好醜、↠此ルガ↥。蓋類也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅱ][b][ハ]結示

^この*かげぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

↢仏事↡。ンゾキヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅲ]虚空功徳
                          [a]論文

【70】 ^しょうごんくうどくじょうじゅとは、 に 「りょうほうきょうらく もうへんくう 種種しゅじゅりょう発響ほっこう せんみょう法音ほうおん」 といへるがゆゑなり。

荘厳虚空功徳成就[ト]者、偈[ヘル]ガ↢「无量宝交絡羅網遍虚空種種鈴発05000396宣吐妙法音」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅲ][b]註釈
                            [イ]引経

 ^これいかんが思議しぎなる。 ¬きょう¼ (大経・上) にのたまはく、 「りょう宝網ほうもうぶつ弥覆みふし、 みなこん真珠しんじゅひゃくせん雑宝ざっぽうみょうちんなるをもつてしょうごんきょうじきして、 めんしゅうそうせり。 るるにほうりょうをもつてす。 光色こうしき晃耀こうようしてことごとくきはめて厳麗ごんらいなり。

此云何不思議ナル。¬経¼言ハク、「无量宝網、弥↢覆[シ]仏土↡、皆以↢金縷、真珠、百千雑宝[ノ]奇妙珍異ナルヲ↡荘厳挍飾シテ、周↢帀セリ四面↡。ルヽニテス↢宝鈴↡。光色晃耀シテ厳麗ナリ

^ねん徳風とくふうやうやくおこりてどうす。 そのかぜ調じょうにしてさむからずあつからず。 おんりょうにゅうなんにしておそからずはやからず。 もろもろのもうおよびもろもろの宝樹ほうじゅきて、 りょうみょう法音ほうおん演発えんぽつし、 万種まんじゅおん徳香とくこう流布るふす。 それぐことあるものは、 塵労じんろうじゅうねんおこらず。 かぜそのるるにみならく」 と。

自然徳風ヤウヤ[リ]テ微動。其風調和ニシテ不↠寒[カラ]不↠暑[カラ]。温涼柔軟ニシテ不↠遅[カラ]不↠疾[カラ]。吹[キ]テ↢諸羅網及[ビ]宝樹↡、演↢発无量微妙法音↡、流↢布万種 オンアタヽカニヤワラカ徳香↡。其グコト、塵労[ノ]習自然↠起[ラ]。風触[ル]ルニ↢其↡皆得快楽↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅲ][b][ロ]結示

^このこえぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

↢仏事↡。ンゾキヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[九]雨功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【71】 ^しょうごんどくじょうじゅとは、 に 「華衣けえしょうごん りょうこうくん」 といへるがゆゑなり。

荘厳雨功徳成就[ト]者、偈[ニ][ヘル]ガ↢「雨花衣荘厳无量香普」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[九][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]引経

 ^これいかんが思議しぎなる。 ¬きょう¼ (大経・上) にのたまはく、 「かぜきてはならしてあまねくぶつつ。 いろだいしたがひて雑乱ぞうらんせず。 にゅうなん光沢こうたくにしてきょうこう0118芬烈ふんれつなり。 あしそのうえむにくだることすんあしげをはるにしたがひて、 還復げんぶくすることもとのごとし。 はなもちゐること已訖おわりぬれば、 はすなはち開裂かいれつして、 *いでをもつてもつし、 清浄しょうじょうにしてのこりなし。 そのせつしたがひて、 かぜきてはなさんずること、 かくのごとく六反ろっぺんす。

此云何[ガ]不思議ナル。¬経¼言ハク、「風吹[キ]テ[ラシ]テ↠花↢仏土↡。ヒテ↢色次第↡而↢雑乱↡。柔軟光沢ニシテ馨香芬烈ナリ。足ムニ↢其ルコト四寸、随[ヒ]テ↢挙↠足[ル]ニ↡、還復スルコトモト。花用ヰルコト已訖 オハ リヌレバ、地[ハ]スナハ開裂シテ、以↠次[デ]ヲ化没、清浄ニシテノコ。随[ヒ]テ↢其時節↡、風吹[キ]テズルコト↠花、如↠是[クノ]

^また衆宝しゅほうれんかいしゅうへんせり。 一々いちいちほうひゃく千億せんおく*ようあり。 そのようこうみょうりょうしゅいろなり。 あおいろにはあおひかりしろいろにはしろひかりげんおうしゅ光色こうしきもまたしかなり。 よう煥爛かんらんとして日月にちがつよりも明曜みょうようなり。

又衆宝蓮花、周↢セリ世界↡。一一宝花百千億アリ。其[ノ]光明、无量種ナリ。青ニ[ハ][キ]光、白ニ[ハ][キ]光、玄黄朱紫[ノ]光色亦然ナリカヾヤクエフクワンミダルトシテ明↢曜ナリ日月ヨリモ↡。

^一々いちいちはなのなかよりさんじゅうろっぴゃく千億せんおくひかりいだす。 一々いちいちひかりのなかよりさんじゅうろっぴゃく千億せんおくぶついだす。 いろこんにして相好そうごう殊特しゅどくなり。 一々いちいち諸仏しょぶつまたひゃくせんこうみょうはなちて、 あまねく十方じっぽうのためにみょうほうく。 かくのごとき諸仏しょぶつ、 おのおのりょうしゅじょうぶつしょうどうあんりゅうせしめたまふ」 と。

一一ヨリ↢三十六百千億↡。一一ヨリ↢三十六百千億05010397↡。身[ハ]紫金ニシテ相好[ハ]殊特ナリ。一一諸仏又放[チ]テ↢百千光明↡、普↢十方↡説↢微妙↡。如[キ]↠是[クノ]諸仏、各各安↢立セシメタマフ[ト]无量衆生於仏正道↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[九][Ⅱ][ⅱ]結示

^はなぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

花為[ス]↢仏事↡。ンゾキヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十]光明功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【72】 ^しょうごんこうみょうどくじょうじゅとは、 に 「ぶっ明浄みょうじょうにち じょ世痴せちあんみょう」 といへるがゆゑなり。

荘厳光明功徳成就[ト]者、偈[ヘル]ガ↢「仏恵明浄日除世痴闇冥」↡ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 かのこうみょうは、 如来にょらい智慧ちえほうよりおこれり。 これにるれば、 みょう黒闇こくあんつひにかならずしょうじょす。 こうみょうにあらずしてよく0119ゆうをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。彼光明↢如来報↡起レリ。触[ル]レバ↠之者、无明黒闇終[ズ]消除。光明[ハ][ズ]シテ[ニ]↡。焉ンゾキヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]妙声功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【73】 ^しょうごん妙声みょうしょうどくじょうじゅとは、 に 「ぼんしょう深遠じんのん みょうもん十方じっぽう」 といへるがゆゑなり。

荘厳妙声功徳成就[ト]者、偈[ニ][ヘルガ]↢「梵声悟深遠微妙聞十方[ト]」↡故[ナリ]

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]引経

 ^これいかんが思議しぎなる。 *きょうにのたまはく、 「もしひと、 ただかのこく清浄しょうじょう安楽あんらくなるをきて、 *剋念こくねんしてしょうぜんとがんずれば、 またおうじょうて、 すなはち正定しょうじょうじゅる」 と。

云何不思議ナル。¬経¼言ハク、「若人但聞[キ]テ↢彼国土清浄安楽ナルヲ↡、剋念シテズレバ↠生[ゼム]ト、亦↢往生↡、ル[ト]↢正定聚↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ][ⅱ]結示

^これはこれこくみょうぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

是国土名字↢仏事↡。イヅクンゾ[キ]ヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]主功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【74】 ^しょうごんしゅどくじょうじゅとは、 に 「しょうがく弥陀みだ 法王ほうおうぜんじゅう」 といへるがゆゑなり。

荘厳主功徳成就[ト]者、偈[ニ][ヘルガ]↢「正覚阿弥陀法王善住持[ト]」↡故[ナリ]

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]正釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 しょうがく弥陀みだ思議しぎにまします。 かの安楽あんらくじょうは、 しょうがく弥陀みだ善力ぜんりきのために*じゅうせられたり。 いかんが思議しぎすることをべきや。

云何不思議ナル。正覚阿弥陀不思議ニマシマス。彼安楽浄土、為↢正覚[ノ]阿弥陀善力↡住持セラレタリ。云何[ガ]↠得↢思議[スル]コトヲ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ][ⅱ]追釈

^じゅう」 は不異ふいめつづく。 」 はさんしつづく。 *きゅうやくをもつてしゅりて、 みずくに*みだれず。 くにこがれず。 因縁いんねんてすなはちしょうずるがごとし。 なにをもつてのゆゑに。 きゅうやくちからなるがゆゑなり。

「住」名↢不異不滅↡。「持」名↢不散不失↡。如↧以↢不キウリテ↢種子↡、クニタヾクニ↠火コガ↢因縁[チ]ズルガ↥。何[テ]ノ。不朽薬ナルガナリ

^もしひとひとたび安楽あんらくじょうしょうずれば、 のちときに、 こころ三界さんがいしょうじてしゅじょうきょうせんとがん0120て、 じょういのちてて、 がんしたがひてしょうずることをて、 三界さんがい*ざっしょうのなかにしょうずといへども、 *じょうだい*しゅひっきょうじてちず。 なにをもつてのゆゑに。 しょうがく弥陀みだ*ぜんじゅうるをもつてのゆゑなり。

人一タビズレバ↢安楽浄土↡、後[ニ]ジテ↧生[ジ]テ↢三界↡教↦化セムト衆生↥、捨テヽ↢浄土05020398↡、随[ヒ]テ↠願↠生[ズルコト]ヲ、雖[モ]↠生[ズ]ト↢三界雑↡、无上菩提種子[ハ]畢竟ジテ↠朽[チ]。何[テ]ノ。以[テ]ノルヲ↢正覚[ノ]阿弥陀住持↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]眷属功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【75】 ^しょうごん眷属けんぞくどくじょうじゅとは、 に 「如来にょらいじょうしゅ しょうがくしょう」 といへるがゆゑなり。

荘厳眷属功徳成就[ト]者、偈[ニ][ヘルガ]↢「如来浄花衆正覚花化生[ト]」↡故[ニ]

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]三界雑生を明す

 ^これいかんが思議しぎなる。 おほよそこれざっしょうかいには、 *もしはたい、 もしはらん、 もしは湿しつ、 もしは眷属けんぞくそこばくなり。 らく*万品まんぼんなり。 *雑業ぞうごうをもつてのゆゑなり。

云何不思議ナル。凡是雑生世界ニハ、若[シハ]胎、若[シハ]ラン、若[シハ]湿シフ、若[シハ]化、眷属ソコバクナリ。苦楽万品ナリ。以[テ]ノ↢雑業↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ][ⅱ]浄土化生を顕す

^かの安楽あんらくこくはこれ弥陀みだ如来にょらい*しょうがくじょうしょうするところにあらざるはなし。 どういつ念仏ねんぶつしてべつみちなきがゆゑなり。 とおつうずるにそれ*かいのうちみなきょうだいたり。 ˆじょうのˇ 眷属けんぞくりょうなり。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

安楽国土↠非[ザ]ルコト↣是阿弥陀如来正覚浄花之所↢化生スル↡。同一念仏シテキガ↢別道↡故ナリ。遠ズルニ四海之内皆↢兄弟↡也。眷属无量ナリイヅクンゾキヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]受用功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【76】 ^しょうごん受用じゅゆうどくじょうじゅとは、 に 「あいぎょう仏法ぶっぽう ぜん三昧ざんまいじき」 といへるがゆゑなり。

荘厳受用功徳成就[ト]者、偈[ヘルガ]↢「愛楽仏法味禅三昧為食」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 じきせずしていのちたすく。 けだしたすくるところゆえあるなり。 あにこれ如来にょらい本願ほんがんてたまへるにあらずや。 仏願ぶつがんじょうずるをわがいのちとなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何[ガ]不思議ナル。不↠食[セ]シテ↠命。蓋所↠資クルユヱ也。豈如来満[テ]タマヘルニ↢本願。乗ズルヲ↢仏願↡為↢我↡。焉[ン]ゾキヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]無諸難功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

012177】 ^しょうごん諸難しょなんどくじょうじゅとは、 に 「よう身心しんしんのう 受楽じゅらくじょうけん」 といへるがゆゑなり。

荘厳無諸難功徳成就[ト]者、偈[ニ][ヘ]ル[ガ]↢「永離身心悩受楽常无間」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 *きょうにのたまはく、 「しん*苦器くきとなし、 しん*悩端のうたんとなす」 と。 しかるにかしこにしんありしんありて、 らくくることひまなし。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。¬経[ニ]¼言、「身苦器↡、心ス[ト]↢悩端↡」。而[ルニ][リ]↠身有[リ]↠心[クル]コト↠楽ヒマンゾキヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]大義門功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文
                        [ⅰ]牒偈

【78】 ^しょうごんだいもんどくじょうじゅとは、 に 「だいじょう善根ぜんごんかい とうげんみょう *女人にょにんぎゅう根欠こんけつ じょうしゅしょう」 といへるがゆゑなり。

荘厳大義門功徳成就[ト]者、偈[ニ]ヘルガ↢「大乗善根界等无譏嫌名女人及0503根欠0399二乗種不生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅰ][ⅱ]釈義
                          [a]総じて二過を標す

^じょうほうしゅ*譏過きかはなれたり、 るべし。 いちにはたいにはみょうなり。

浄土果報レタリ↢二種↡、応[シ]↠知[ル]。一[ニ]者体、二[ニ]者名ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅰ][ⅱ][b]別して二過を明す
                            [イ]

^たいさんしゅあり。 いちにはじょうにんには女人にょにんさんには諸根しょこん不具ふぐにんなり。 このさんとがなし。 ゆゑにたい*げんはなるとづく。

↢三種↡。一[ニ]者二乗人、二[ニ]者女人、三[ニ]者諸根不具人ナリ。無↢此トガ↡。故ルト↢体譏嫌↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]

^みょうにまたさんしゅあり。 たださんたいなきのみにあらず、 ないじょう女人にょにん諸根しょこん不具ふぐさんしゅみょうかず。 ゆゑにみょうげんはなるとづく。

三種アリ。非↣但無[キ]ノミニ↢三体↡、乃至↢二乗女人諸根不具三種↡。故ルト↢名譏嫌↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅰ][ⅱ][c]等の一字を釈す

^とう」 とはびょうどう一相いっそうのゆゑなり。

[ト]平等一相ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 それ*諸天しょてんうつわをともにすれども、 ぼん随福ずいふくいろあり。 *あしゆびあんずるにすなはちこんりゃくむねつまびらかにす。 しかるにおうじょうがんずるもの、 *もとはすなはち三三さんざんほんなれども、 いまはいちことなりなし。 また*0122じょういちなるがごとし。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何[ガ]不思議ナル諸天ニスレドモ↠器↢随福之色↡。足ユビズルニ↠地[チ]カニス↢金礫之旨↡。而[ルニ]ズル↢往生、本[チ]三三之品ナレドモ、今↢一二之殊[ナリ]↡。亦如ジヨウ 食陵[ノ] 一味ナルガ↡。焉[ン]ゾキヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]一切所求満足功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【79】 ^しょうごん一切いっさいしょ満足まんぞくどくじょうじゅとは、 に 「しゅじょう所願しょがんぎょう 一切いっさいのう満足まんぞく」 といへるがゆゑなり。

荘厳一切所求満足功徳成就[ト]者、偈[ニ]ヘルガ↢「衆生所願楽一切能満足」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 かのくに人天にんでん、 もしほうかいりょう*仏刹ぶっせつきて諸仏しょぶつさつようせんと欲願よくがんせんに、 *所須しょしゅようおよぶまで、 がんかなはざるはなからん。 またかしこの寿じゅみょうててこくかひて、 しょうじて*修短しゅたんざいならんとほっせんに、 がんしたがひてみな。 いまだ*ざいくらいかなはずして、 ざいゆうおなじからん。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。彼人天、若[シ]欲↧願セム[ニ][キ]テ↢他方世界无量仏刹↡供↦養セムト諸仏菩薩↥、ブマデ↢所須供養之具↡、カラム↠不コトカナ↠願。又セムニ↧捨テヽ↢彼寿命↡向[ヒ]テ↢余国↡、生ジテ短自在ナラムト↥、随[ヒ]テ↠願。未シテカナ↢自在之位↡而同ジカラム↢自在之用↡。焉ン[ゾ][キ]ヤ↢思議[ス]↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)【示現二利】
                (a)科目を牒す

【80】^自利じり利他りたげんすとは、

示↢現[ス]ト自利利他

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)論文を出す

^りゃくしてかの弥陀みだ仏国ぶっこくじゅうしちしゅしょうごんどくじょうじゅく。 如来にょらいしんやくだいどくりきじょうじゅと、 やくどくじょうじゅとをげんせんがゆゑなり。

シテ↢彼阿弥陀仏国土十七種荘厳功徳成就↡。示↢現セムガ如来自身利0504益大0400功徳力成就利益他功徳成就ト[ヲ]↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)文句を釈す

 ^りゃく」 といふは、 かのじょうどくりょうにして、 ただじゅうしちしゅのみにあらざることをあらわすなり。 それしゅ芥子けしり、 もう大海だいかいおさむ。 あに山海せんかい*じんならんや。 もうちからならんや。 *能神のうじんのひとのじんなるのみ。 このゆゑにじゅうしちしゅ利他りたといふといへども、 自利じり*炳然へいねんたり、 るべし。

[フ]↠「略アラハ↣彼浄土功徳[ハ]无量ニシテ[ザル]コトヲタヾ十七種ノミニ↡也。須弥之入↢芥子↡、毛孔之オサ↢大海↡。豈山海之神ナラム。毛芥之力ナラム。能神ヒト[ナル]耳。是十七種[ハ]↠曰フ[ト]↢利他↡、自利之義ヘイゼンアキラカナリタリ、可↠知

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)【入第一義諦】
                (a)科目

012381】^にゅう第一だいいちたいとは、

入第一義諦[ト]

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(b)論文

^かのりょう寿じゅ仏国ぶつこくしょうごん第一だいいちたいみょうきょうがいそうなり。 じゅうろっおよびいっだいしてけり、 るべし。

無量寿仏国土荘厳[ハ]第一義諦妙境界相[ナリ]。十六句及[ビ]次第シテケリ↠知

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)註釈
                  (イ)第一義諦を釈す

 ^第一だいいちたい」 とはぶつ (阿弥陀仏)*因縁いんねんほうなり。 この 「たい」 はこれ*きょうなり。 このゆゑにしょうごんとう*じゅうろっしょうして 「みょうきょうがいそう」 となす。 このにゅう一法いっぽっもんいたりてまさにさらにしゃくすべし。

「第一義諦[ト]因縁法也。此ナリ。是荘厳等十六句シテ↢「妙境界相」↡。此義至[リ]テ↢入一法句↡当↢更解釈↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)総別次第
                    [一]略して文意を解す

^およびいっだい」 とは、 いはく、 *じょうとうかんずるなり。 *総別そうべつじゅうしちかんぎょうだいなり。

「及句次第」者、謂ズルナリ↢器浄等↡。総別十七句観行次第也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二]広く起次を弁ず
                      [Ⅰ]釈疑
                        [ⅰ]疑を出す

^いかんがつぎおこす。 ^*こんしょうに 「みょう無礙むげこう如来にょらいがんしょう安楽あんらくこく」 といへり。 ^このなかにうたがいあり。 うたがひていはく、 ^しょう」 はもと*衆累しゅるいもとたり。 しょうててしょうがんず、 しょうなんぞくべきと。

云何[ガ]↠次建章ヘリ↢「帰命无光如来願生安楽国」↡。此↠疑。疑[ヒ]テ、生↢有本、衆累之モト↡。テヽ↠生↠生、生何キト↠尽

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ]疑を釈す
                          [a]総句に依りて正しく疑を釈す
                            [イ]

^このうたがいしゃくせんがために、 このゆゑにかのじょうしょうごんどくじょうじゅかんず。

↠釈セム[ガ]↢此↡、是↢彼浄土荘厳功徳成就↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][a][ロ]
                              ª一º総示【生即無生】

^かのじょうはこれ弥陀みだ如来にょらい清浄しょうじょう本願ほんがん*しょうしょうなり。 さんもうしょうのごときにはあらざることをかすなり。

↢彼浄土是阿弥陀如来清浄本願无生之生ナリザルコトヲ↟如キニハ↢三有虚妄↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][a][ロ]ª二º別釈
                                ªⅠº正しく生の理を明す

^なにをもつてこれをいふとならば、 それほっしょう清浄しょうじょうにしてひっきょうしょうなり。 しょうといふはこれとくしょうのひとのこころなるのみ。 しょうまことにしょうなれば、 しょうなんぞくるところあらん。

フトナラバ↠之法性[ハ]清浄ニシテ畢竟无生ナリ。言[フ]↠生[ト]是得生ヒトコヽロ[ナル]耳。生マコト无生ナレバ、生何05050401アラム↠尽[ク]ル

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][a][ロ]ª二ºªⅡº彼の偏執を斥す

^かのしょうつくさば、 かみ*無為むいのうしんしっし、 しも*三空さんくうくうやまい はいなり。 やまいなり すいなり ひなん。 *根敗こんぱいなが0124もうじて、 さけ*三千さんぜんふるはす。 *へんぶくここにおいてはじまねく。

サバ↡者、上↢无為能為之身↡、下ヒナム[ナリ]亡善[ノ] 三空不空之ヤマヒ癈也病也工路[ノ]。根敗ジテサケフルハス↢三千↡。无ヘンフクコヽマネ↠恥

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][a][ロ]ª二ºªⅢº今の生を結示す

^*かのしょうたいする、 これをじょうといふ。 ^じょうたくはいはゆるじゅうしちこれなり。

スル↢夫↡、↢之↡。浄土之宅所謂十七句是也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b]諸句に就いて起次を弁ず〔観行次第〕
                            [イ]総じて総別次第を弁ず

^じゅうしちのなかに、 総別そうべつとなす。 はじめのはこれ*総相そうそうなり。 いはゆるこれ清浄しょうじょうぶつは、 三界さんがいどうぎたり。 かしこの、 三界さんがいぐるにいかなるそうかある。 しもじゅうろくしゅしょうごんどくじょうじゅそうこれなり。

十七句、総別為↠二。初是総相ナリ所謂是清浄仏土[ハ]、過ギタリ↢三界↡。彼[ノ]グルニ↢三界↡有↢何ナル↡。下十六種荘厳功徳成就相是也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]諸句の起次を弁ず

^いちにはりょうきょうしてくうのごとし。 広大こうだいにして辺際へんざいなきがゆゑなり。

[ニ]者量、究竟シテ↢虚空↡。広ニシテキガ↢辺際↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª一º量→性

^すでにりょうりぬ。 このりょうなにをもつてかほんとなす。 このゆゑにしょうかんず。 しょうはこれほんなり。 かのじょうしょうどうだい慈悲じひしゅっ善根ぜんごんよりしょうぜり。

[リ]ヌ↠量。此量以テカ↠何↠本。是↠性。性是本ナリ。彼浄土↢正道大慈悲出世善根↡生ゼリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª二º性→形相

^すでにしゅっ善根ぜんごんといへり。 この善根ぜんごんはなんらのそうをかしょうぜる。 このゆゑにつぎしょうごんぎょうそうかんず。

ヘリ↢出世善根↡。此善根ゼル↢何等ヲカ↡。是↢荘厳形相↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª三º形相→種々事

^すでにぎょうそうりぬ。 よろしくぎょうそうはなんらのたいなるかをるべし。 このゆゑにつぎ種々しゅじゅかんず。

[リ]ヌ↢形相↡。宜[シ]ク↠知↢形相何等ナルヲカ↡。是[ニ]↢種種↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª四º種々事→妙色

^すでに種々しゅじゅりぬ。 よろしく種々しゅじゅみょうしきるべし。 このゆゑにつぎみょうしきかんず。

[リ]ヌ↢種種↡。宜[シ]クシ ↠知↢種種[ノ]妙色↡。是[ニ]↢妙色↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª五º妙色→触

^すでにみょうしきりぬ。 このしきいかなるそくかある。 このゆゑにつぎそくかんず。

リヌ↢妙色↡。此色有ナル↡。是[ノ][ニ][ニ]↠触

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六º触→三種

^すでにしんそくりぬ。 眼触げんそくるべし。 このゆゑにつぎすいくうしょうごんさんかんず。

リヌ↢身↡。応[シ]↠知↢眼触↡。是[ノ][ニ][ニ]↢水・地・虚空荘厳三事↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª七º三種→雨

^すでに眼触げんそくりぬ。 そくるべし。 このゆゑにつぎ香薫こうくんかんず。

リヌ↢眼触↡。応[シ]↠知[ル]↢鼻触↡。是[ノ][ニ][ニ]衣花香薫↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª八º雨→光明

^すでにげんとうそくりぬ。 すべからくぜんはなるることをるべし0125。 このゆゑにつぎぶっのあきらかにらすをかんず。

[リ]ヌ↢眼鼻等↡。須↠知↠離[ルヽ]コトヲ↠染。是[ノ][ニ][ニ]↢仏[カ]ニ[ス]ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª九º光明→妙声

^すでにこうじょうりきりぬ。 よろしく声名しょうみょう遠近おんごんるべし。 このゆゑにつぎぼんしょうとおきこゆることをかんず。

[リ]ヌ恵光浄力↡。宜[シ]クシ ↠知↢声名遠近↡。是[ノ][ニ][ニ]↢梵声[ユル]コトヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十º妙声→主

^すでに声名しょうみょうりぬ。 よろしくたれをかぞうじょうとなすといふことをるべし。 このゆゑにつぎしゅかんず。

[リ]ヌ↢声名↡。宜[シ]クシ ↠知↣誰[ヲ]カストイフコトヲ↢増上↡。是[ノ][ニ][ニ]↠主

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十 º主→眷属

^すでにしゅあるをりぬ。 たれをかしゅ眷属けんぞくとなす。 このゆゑにつぎ眷属けんぞくかんず。

[リ]ヌ↠有[ルヲ]↠主。誰[ヲカ]↢主眷属↡。是[ノ][ニ][ニ]↢眷属↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十 º眷属→受用

^すでに眷属けんぞくりぬ。 よろしくこの眷属けんぞくはいかんが受用じゅゆうするといふことをるべし。 このゆゑにつぎ受用じゅゆうかんず。

[リ]ヌ↢眷属↡。宜[シ]クシ ↠知↢此眷属若為 イカ[ン] 受用[スルトイフ]コトヲ↡。是[ノ][ニ][ニ]↢受用↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十 º受用→無諸難

^すでに受用じゅゆうりぬ。 よろしくこの受用じゅゆうなんなんるべし。 このゆゑにつぎ諸難しょなんかんず。

0506[リ]ヌ↢受用0402↡。宜[シ]クシ ↠知↢此[ノ]受用有難无難↡。是[ノ][ニ][ニ]↢无諸難↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十 º無諸難→大義門

^すでに諸難しょなんりぬ。 なんのをもつてのゆゑに諸難しょなんなき。 このゆゑにつぎだいもんかんず。

[リ]ヌ↢无諸難↡。以[テ]ノ↢何↡故↢諸難↡。是[ニ]↢大義門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十 º大義門→所求満足

^すでにだいもんりぬ。 よろしくだいもんまんまんるべし。 このゆゑにつぎしょ満足まんぞくかんず。

[リ]ヌ↢大義門↡。宜[シ]クシ ↠知↢大義門満不満↡。是[ニ][ニ]↢所求満足↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅱ]生信

^またつぎに、 このじゅうしちはただうたがいしゃくするにあらず。 このじゅうしちしゅしょうごんじょうじゅかんずれば、 よく真実しんじつじょうしんしょうじて、 ひつじょうしてかの安楽あんらくぶつしょうずることを

復次十七句↢但釈スルニ↟疑。観ズレバ↢此[ノ]十七種荘厳成就↡、能ジテ↢真実浄信↡、必定シテ↠生[ズルコト]ヲ↢彼安楽仏↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[三]問答して料簡す
                      [Ⅰ]〔実生願生〕

【82】^ひていはく、 かみに、 しょうしょうなりとるといふは、 まさにこれ*じょうぼんしょうのものなるべし。 もし下下げげぼんにんの、 じゅうねんじょうじておうじょうするは、 あにじつしょうるにあらずや。 ただじつしょうらば、 すなはちしゅうしなん。 いちには、 お0126そらくはおうじょうざらん。 には、 おそらくはさらにしょうずとも*まどひをしょうぜん。

[ヒテ][ク]、上[フ]ハ↠知[ル]ト↢生无生[ナリ]ト↡、当↢是上品生ナル↡。若下下品ジテ↢十念↡往生スルハ、豈[ズ]↠取[ル]ニ↢実。但取ラバ↢実↡、即[チ]シナム↢二執↡。一ニハ[ク]ハラム↢往生↡。二[ニハ][クハ]ズトモゼム

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[三][Ⅱ]
                        [ⅰ]能生の因に就いて論ず

^こたふ。 たとへば*じょう摩尼まにしゅを、 これをじょくすいけば、 みずすなはち清浄しょうじょうなるがごとし。 もしひとりょうしょうざいじょくにありといへども、 かの弥陀みだ如来にょらいごくしょう清浄しょうじょう宝珠ほうしゅみょうごうきて、 これをじょくしんぐれば、 念々ねんねんのうちにつみめっしてしんきよまり、 すなはちおうじょう

[フ]。譬[ヘ]バ↧浄摩尼[ケ]バ↢之濁水↡水即[チ]清浄ナルガ↥。若[シ]人雖↠有[リ]ト↢无量生罪濁↡、聞[キ]テ↢彼阿弥陀如来至極无生清浄宝珠↡、投グレバ↢之濁心↡、念念之中罪滅シ[テ]心浄マリ、即[チ]↢往生↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[三][Ⅱ][ⅱ]所生の土に約して語る

^またこれ摩尼まにしゅ玄黄げんおうきぬをもつてつつみて、 これをみずぐれば、 みずすなはち玄黄げんおうにしてもつぱらものいろのごとくなり。 かの清浄しょうじょうぶつ弥陀みだ如来にょらいじょう宝珠ほうしゅまします。 りょうしょうごんどくじょうじゅきぬをもつてつつみて、 これをおうじょうするところのひとの心水しんすいぐれば、 あに*しょうけんてんじて*しょうとなすことあたはざらんや。

是摩尼珠↢玄クロクキナリキヌツヽミテ、投[グレ]バ↢之於水↡、水即[チ]玄黄ニシテモハクナリ↢物↡。彼清浄仏土 シマ↢阿弥陀如来无上珠↡。以↢无量[ノ]荘厳功徳成就[ノ]ツヽ[ミ]テ、投[グレバ]↧之於所↢往生スル↡者心水↥、豈ラム↠能↧転ジテ↢生見↡為スコト↦无生

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[三][Ⅱ][ⅲ]能所生に通じて談ず【氷上燃火】

^またこおりうえに、 たけければすなはちこおりく。 こおりくればすなはちめっするがごとし。 かのぼんにんほっしょうしょうらずといへども、 ただぶつみょうしょうするちからをもつておうじょうこころをなして、 かのしょうぜんとがんずるに、 かのはこれしょうさかいなれば、 けんしょうねんめっするなり

又如コホリ[ノ]ク[ニ]↠火、火タケケレバ[チ][ケ]レバ[チ]火滅スルガ↡。彼下品[ノ]人、雖↠知↢法性无生↡、但以↧称スル↢仏名↡力↥作シテ↢往生↡、願[ズ]ルニ↠生[ゼム]ト↢彼↡、彼[ハ]是无生ナレバ、見生之火、自然而滅スルナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)衆生体【衆生世間】
              (ⅰ)分科

【83】^しゅじょうたいとは、 このぶんのなかにじゅうあり。 いちには観仏かんぶつにはかんさつなり。

0507生体0403、此↢二重↡。一[ニ]者観仏、二[ニ]者観菩薩ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)正釈
                (a)観仏【仏】
                  (イ)科目

【84】^観仏かんぶつとは、

観仏

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)正文
                    [一]仏徳体相
                      [Ⅰ]標数
                        [ⅰ]論文

^0127いかんがぶつしょうごんどくじょうじゅかんずる。 ぶつしょうごんどくじょうじゅかんずとは、 八種はっしゅあり、 るべし。

云何[ガ]ズル↢仏荘厳功徳成就↡。ズト↢仏荘厳功徳成就↡者、有[リ]↢八種↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅰ][ⅱ]註釈

 ^このかんはすでにさきあらわせり。

アラワセリ↢前↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅱ]列門

【85】 ^なんらか八種はっしゅいちにはしょうごんどくじょうじゅにはしょうごん身業しんごうどくじょうじゅさんにはしょうごんごうどくじょうじゅにはしょうごん心業しんごうどくじょうじゅにはしょうごん*しゅどくじょうじゅろくにはしょうごんじょうしゅどくじょうじゅしちにはしょうごんしゅどくじょうじゅはちにはしょうごん虚作こさじゅうどくじょうじゅなり。

八種。一[ニ]者荘厳座功徳成就、二[ニ]者荘厳身業功徳成就、三[ニ]者荘厳口業功徳成就、四[ニ]者荘厳心業功徳成就、五[ニ]者荘厳衆功徳成就、六[ニ]者荘厳上首功徳成就、七[ニ]者荘厳主功徳成就、八[ニ]者荘厳不虚作住持功徳成就ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ]提釈
                        [ⅰ]座功徳
                          [a]論文

【86】 ^なんとなればしょうごんどくじょうじゅとは、 に 「りょうだい宝王ほうおう みょうじょうだい」 といへるがゆゑなり。

トナレバ者荘厳座功徳成就[トハ]、偈ヘルガ↢「無量大宝王微妙浄花台」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅰ][b]註釈

 ^もしかんぜんとほっせば、 まさに ¬*かんりょう寿じゅきょう¼ によるべし。

セバ↠観[ゼム]ト↠座、当↢¬観无量寿経¼↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅱ]身業功徳
                          [a]論文

【87】 ^なんとなればしょうごん身業しんごうどくじょうじゅとは、 に 「相好そうごうこう一尋いちじん 色像しきぞうちょうぐんじょう」 といへるがゆゑなり。

[トナレバ]者荘厳身業功徳成就[トハ]、偈[ニ][ヘ]ルガ↢「相好光一尋色像超群生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅱ][b]註釈

 ^もし仏身ぶっしんかんぜんとほっせば、 まさに ¬かんりょう寿じゅきょう¼ によるべし。

[シ]セバ↠観[ゼ]ムト↢仏身↡、当↠依↢¬観无量寿経¼↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅲ]口業功徳

^なんとなればしょうごんごうどくじょうじゅとは、 に 「如来にょらいみょうしょう 梵響ぼんこうもん十方じっぽう」 といへるがゆゑなり。

[トナレバ]者荘厳口業功徳成就[トハ]、偈[ヘル]ガ↢「如来微妙声梵響聞十方」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ]心業功徳
                          [a]論文

^0128なんとなればしょうごん心業しんごうどくじょうじゅとは、 に 「どうすいふう くう分別ふんべつ」 といへるがゆゑなり。 ^分別ふんべつ」 とは分別ふんべつしんなきがゆゑなり。

[トナレバ]者荘厳心業功徳成就[トハ]、偈[ニ][ヘルガ]↢「同地水火風虚空无分別」↡故ナリ。无分別キガ↢分別心↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b]註釈
                            [イ]総じて三業の利益を明す
                              ª一º総示

 ^*ぼんしゅじょうしん口意くい三業さんごうつみつくるをもつて、 三界さんがい輪転りんでんしてきわまりむことあることなからん。 このゆゑに諸仏しょぶつさつは、 しん口意くい三業さんごうしょうごんして、 もつてしゅじょう*おう三業さんごうするなり。

05080404衆生身口意三業↠造ルヲ↠罪、輪↢転シテ三界↡无カラム↠有[ル]コトムコト↡。是諸仏菩薩[ハ]、荘↢厳シテ身口意三業↡用スル↢衆生虚誑三業↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][イ]ª二º別釈
                                ªⅠº身業

^いかんがもつてす。 ^しゅじょう*身見しんけんをもつてのゆゑにさんしんせんしんしゅうしん八難はちなんしんてんしんく。

云何[ガ]。衆生[テ]ノ↢身見↡故↢三塗身・卑賎身・醜陋身・八難身・流転↡。

^かくのごときしゅじょう弥陀みだ如来にょらい相好そうごうこうみょうしんたてまつれば、 かみのごとき種々しゅじゅ身業しんごう*ばく、 みなだつて、 如来にょらいいえりてひっきょうじてびょうどう身業しんごう

↠是[クノ]衆生、見[タテ]マツレバ↢阿弥陀如来相好光明↡者、如[キ]↠上[ノ]種種身業[ノ]繋縛、皆↢解脱↡、入[リ]テ↢如来↡畢竟ジテ↢平等身業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][イ]ª二ºªⅡº口業

^しゅじょうきょうまんをもつてのゆゑに、 しょうぼうほうし、 *げんじょう*毀呰きしし、 そんちょう そんくんなり。 ちょうとくにんおよびきょうとうなり*えんす。

衆生[ハ][テ]ノ↢憍慢↡故、誹↢謗正法↡、毀↢呰賢聖↡、捐↢尊長尊者君父師也長者有徳之人及[ビ]兄党也

^かくのごときひと抜舌ばつぜつおん*ごんきょうぎょう*みょうもんくべし。 かくのごとき種々しゅじゅしょしゅじょう弥陀みだ如来にょらい*とくみょうごう説法せっぽうおんじょうけば、 かみのごとき種々しゅじゅごうばく、 みなだつて、 如来にょらいいえりてひっきょうじてびょうどうごう

↠是[クノ]之人、応↠受↢抜舌苦・瘖瘂苦・言教不行苦・无名聞↡。如[キ]↠是[クノ]種種諸苦衆生、聞[ケ]バ↢阿弥陀如来至徳名号説法音声↡、如[キ]↠上種種口業[ノ]繋縛、皆得↢解脱↡、入[リ]テ↢如来↡畢竟ジテ↢平等口業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][イ]ª二ºªⅢº意業

^しゅじょう邪見じゃけんをもつてのゆゑに、 しん分別ふんべつしょうず。 もしは、 もしは、 もしは、 もしは、 もしはこう、 もしはしゅう、 もしはぜん、 もしはあく、 もしは、 もし0129、 かくのごとき種々しゅじゅ分別ふんべつあり。 分別ふんべつをもつてのゆゑにながさんしずみて、 種々しゅじゅ分別ふんべつ取捨しゅしゃけて、 なが*だいねて、 づるあることなし。

衆生[ハ][テ]ノ↢邪見↡故↢分別↡。若[シ]ハ有若[シ]ハ无、若[シ]ハ非若[シ]ハ是、若[シ]ハ好若[シ]ハ醜、若[シ]ハ善若[シ]ハ悪、若[シ]ハ彼若[シ]ハ此、有↢如[キ]↠是[クノ]種種分別↡。以テノ↢分別↡故[ミ]テ↢三有↡、受[ケ]テ↢種種分別苦・取捨↡、長ネテ↢大夜↡、无↠有[ル]コト↢出[ヅ]ル期↡。

^このしゅじょう、 もしは弥陀みだ如来にょらいびょうどうこうしょうひ、 もしは弥陀みだ如来にょらいびょうどうごうけば、 これらのしゅじょうかみのごとき種々しゅじゅごうばく、 みなだつて、 如来にょらいいえりてひっきょうじてびょうどうごうるなり。

衆生若[シハ]↢阿弥陀如来平等光照↡、若[シ]ハ[ケ]バ↢阿弥陀如来平等[ノ]意業↡、衆生如[キ]↠上種種意業繋縛、皆得↢解脱↡、入[リ]テ↢如来↡畢竟ジテルナリ↢平等意業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]別して心業の無知を弁ず
                              ª一º初に仏の無知を明す
                                ªⅠº

 ^ひていはく、 しんはこれかくそうなり。 いかんがすいふうおなじく分別ふんべつなきことをべきや。

[ヒテ][ク]、心是覚知ナリ。云何↧同[ジ]ク↢地・水・火・風↡无[キ]コトヲ↦分別↥

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]ª一ºªⅡº

^こたへていはく、 しんそうなりといへども、 *実相じっそうればすなはち無知むちなり。

[ヘテ][ク]、心↢知ナリト↡、入[レ]バ↢実相↡則[チ]无知也。

^たとへばじゃしょうまがれりといへども、 たけつつるればすなはちなおきがごとし。 またひとの、 もしははりし、 もしははちすにはすなはちかくあり。 もしは*いしひるみ、 もしは*甘刀かんとうくにすなはちかくなきがごとし。

[ヘバ]↧蛇0509[ハ]0405↠曲[レリ]ト、入[ル]レバ↢竹↡則[チ]ナホキガ↥。又如↧人、若[シハ]、若[シハ]スニハ [ノ][チ]↢覚知↡シ[ハ]ヒル 之一[ノ] 、若[シハ]甘刀クニ[チ][キ]ガ↦覚知↥。

^かくのごとき*有知うち無知むち因縁いんねんにあり。 もし因縁いんねんにあればすなはちにあらず、 無知むちにあらず。

[キ]↠是[クノ]有知・无知[ハ]于因縁↡。若[シ]レバ↢因縁↡則[チ][ズ]↠知[ザ]ル↢无知↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]ª二º無知而知を明す
                                ªⅠº

 ^ひていはく、 しん実相じっそうれば無知むちならしむべし。 いかんが*一切いっさいしゅあることをるや。

[ヒテ][ク]、心入[レ]バ↢実相↡可↠令无知ナラ↡。云何↠有[ル]コトヲ↢一切種智↡

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]ª二ºªⅡº

^こたへていはく、 凡心ぼんしん有知うちなれば、 すなはちらざるところあり。 *しょうしん無知むちなるがゆゑにらざるところなし。 無知むちにしてなればすな0130はち無知むちなり。

[ヘテ][ク]、凡心有知ナレバ[チ]↠不。聖心无知ナルガ↠不↠知。无知ニシテナレバ、即无知也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]ª三º無知を明す
                                ªⅠº

 ^ひていはく、 すでに無知むちなるがゆゑにらざるところなしといふ。 もしらざるところなければ、 あにこれ種々しゅじゅほうるにあらずや。 すでに種々しゅじゅほうれば、 またいかんが分別ふんべつするところなしといふや。

[ヒテ][ク]、既↢无知ナルガシト↟所↠不↠知ケレバ↠所↠不↠知者、豈↣是知[ル]ニ↢種種。既[レ]バ↢種種[ノ]之法↡、復云何↠无[シ]ト↠所↢分別[スル]

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]ª三ºªⅡº

^こたへていはく、 諸法しょほう種々しゅじゅそうはみな*げんのごとし。 しかるにげんぞうながくびはなあしことなることなきにあらざれども、 しゃこれをて、 あにさだめてぞう、 これを分別ふんべつすることありといはんや。

[ヘテ][ク]、諸法種種[ハ]皆如↢幻化↡。然[ル]ニ幻化像・馬、非[ザ]レドモ↠无[キ]ニ↢長クビ・鼻・手ルコト↡而、智者観↠之、豈[ハ]ム↤定[メ]テ[リ]ト像・馬分↢別スルコト

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅴ]大衆功徳

【88】 ^なんとなればしょうごん大衆だいしゅどくじょうじゅとは、 に 「天人てんにんどうしゅ 清浄しょうじょうかいしょう」 といへるがゆゑなり。

[トナレバ]者荘厳大衆功徳成就[トハ]、偈ヘルガ↢「天人不動衆清浄智海生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅵ]上首功徳

^なんとなればしょうごんじょうしゅどくじょうじゅとは、 に 「にょしゅ山王せんのう 勝妙しょうみょう無過むかしゃ」 といへるがゆゑなり。

[トナレバ]者荘厳上首功徳成就[トハ]、偈[ニ][ヘル]ガ↢「如須弥山王勝妙无過者」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅶ]主功徳

^なんとなればしょうごんしゅどくじょうじゅとは、 に 「天人てんにんじょうしゅ ぎょうにょう瞻仰せんごう」 といへるがゆゑなり。

[トナレバ]者荘厳主功徳成就[トハ]、偈[ニ][ヘルガ]↢「天人丈夫衆恭敬繞瞻仰」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ]不虚作住持功徳
                          [a]正説を釈す
                            [イ]論文

【89】 ^なんとなればしょうごん虚作こさじゅうどくじょうじゅとは、 に 「かんぶつ本願ほんがんりき ぐうくうしゃ のうりょうそく満足まんぞく どくだい宝海ほうかい」 といへるがゆゑなり。

[トナレバ]者荘厳不虚作住持功徳成就[トハ]、偈[ニ][ヘルガ]↢「観仏本願力遇无空過者能令速満足功徳大宝海」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][a][ロ]註釈
                              ª一º総示

 ^0131虚作こさじゅうどくじょうじゅ」 とは、 けだしこれ弥陀みだ如来にょらい本願ほんがんりきなり。

「不虚作住持功徳成就[ト]、蓋是阿弥陀如来本願力也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][a][ロ]ª二º別釈
                                ªⅠº虚作を挙げて反顕す

^いままさにりゃくして虚作こさそうじゅうすることあたはざるをしめして、 もつてかの虚作こさじゅうあらわすべし。 ^*ひとさんとど なり めてやしなふに、 あるいはきんふねのなかにおこり、 こがねみてくらてれども、 餓死がしまぬかれざることあり。 かくのごときるるにみなこれなり。 れどもるとなすにあらず、 あれどもあるをまもるにあらず。 みなもうごうなるによりてじゅうすることあたはず。

↧略シテ[シ]テ↢虚0510作之0406[ノ][ル]ヲ↟能[ハ]↢住持[スルコト]↡、用↦彼不虚作住持之義↥。人トドメテ止也貞劣[ノ]ヤシナフニ↠士、或[イ]ハ起↢舟↡、積[ミ]テ↠金テレドモ↠庫而不ルコト↢餓死↡。如[キ]↠斯[クノ]之事触[ルル]ニ↠目皆是ナリレドモ↠作[ス]ニ↠得ルト、在レドモ↠守[ル]ニ↠在ルヲ。皆リテ↢虚妄ナルニ↡不↠能[ハ]↢住持スルコト↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][a][ロ]ª二ºªⅡº正しく不虚作を釈す

^いふところの 「虚作こさじゅう」 とは、 もと法蔵ほうぞうさつじゅうはちがんと、 今日こんにち弥陀みだ如来にょらい*ざい神力じんりきとによるなり。 *がんもつてりきじょうず、 りきもつてがんく。 がん*ねんならず、 りき*せつならず。 りきがんあひかなひてひっきょうじてたがはざるがゆゑに 「じょうじゅ」 といふ。

↠言[フ]不虚作住持[ト]、依[ル]ナリ法蔵菩薩四十八願、今日阿弥陀如来在神力トニ↡。願以[テ]↠力、力以[テ]↠願。願ゼンナラ↡、力↢虚設ナラ↡。力願相カナヒテ畢竟ジテルガタガ↢成就↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b]追釈を解す
                            [イ]論文

【90】 ^すなはちかのぶつたてまつれば、 しょうじょうしんさつひっきょうじてびょうどう法身ほっしんしょうすることをて、 じょうしんさつじょうのもろもろのさつひっきょうじておなじくじゃくめつびょうどうるがゆゑなり。

[チ]タテマツレバ↢彼↡、未証浄心菩薩畢竟ジテ↠証スルコトヲ↢平等法身↡、↢浄心菩薩↡↢上地菩薩↡畢竟ジテジクルガ↢寂滅平等ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]註釈
                              ª一º所得の人法を顕す
                                ªⅠº人法相成を示す

 ^びょうどう法身ほっしん」 とは、 *はちじょう*ほっしょうしょうじんさつなり。 じゃくめつびょうどう」 とは、 すなはちこの法身ほっしんさつしょしょうじゃくめつびょうどうほうなり。 このじゃくめつびょうどうほう0132をもつてのゆゑにづけてびょうどう法身ほっしんとなす。 びょうどう法身ほっしんさつ所得しょとくなるをもつてのゆゑにづけてじゃくめつびょうどうほうとなすなり。

「平等法身[ト]、八地已上法性生身菩薩也。「寂滅平等[ト]、即[チ]法身菩薩所証寂滅平等之法也。以[テ]ノ↠得[ル]ヲ↢此寂滅平等↡故[ケ]テ↢平等法身↡。以[テ]ノ↢平等法身菩薩所得[ナル]ヲ↡故[ケ]テ[ス]↢寂滅平等↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª一ºªⅡº所得の三昧を明す

^このさつ*ほうしょう三昧ざんまいて、 三昧さんまい*神力じんりきをもつて、 よく一処いっしょにして一念いちねんいち十方じっぽうかいへんして、 種々しゅじゅ一切いっさい諸仏しょぶつおよび諸仏しょぶつ*だいしゅかいようし、 よくりょうかい*仏法ぶっぽうそうなきところにおいて、 種々しゅじゅげんし、 種々しゅじゅ一切いっさいしゅじょうきょう*だつして、 つねにぶつをなせども、 はじめより往来おうらいおもいようおもいだつおもいなし。

[ノ]菩薩得↢報生三昧↡、以[テ]↢三昧神力[ヲ]↡、能一処ニシテ一念一時シテ↢十方世界↡、種種供↢養一切諸仏及[ビ]諸仏大会衆海↡、能↧无量世界↢仏法僧↡処↥、種種示現、種種教↢化度↣脱シテ一切衆生↡、常セドモ↢仏事↡、初ヨリ↢往来想・供養想・度脱想↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª一ºªⅢº人法不二を結す

^このゆゑに、 このしんづけてびょうどう法身ほっしんとなし、 このほうづけてじゃくめつびょうどうほうとなすなり。

[ケ]テ↢平等法身↡、此[ノ][ケテ]↢寂滅平等也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª二º能得の分位を弁ず

^しょうじょうしんさつ」 とは、 しょじょうしちげんのもろもろのさつなり。 このさつまたよくしんげんじて、 もしはひゃく、 もしはせん、 もしはまん、 もしはおく、 もしはひゃく千万せんまんおくぶつこくぶつ施作せさすれども、 かならず*しんもちゐて三昧さんまいる。 すなはちよくしんせざるにはあらず。 しんをもつてのゆゑにづけてとくじょうしんとなす。

「未証浄心菩薩0511[ト]0407、初地已上七地已還菩薩也。此菩薩亦能ジテ↠身、若[シ]ハ百若[シ]ハ千、若[シハ]万若[シハ]億、若[シ]ハ百千万億无仏国土施↢作ス[レドモ]仏事↡、要モチヰテ↢作心↡入↢三昧↡。乃[チ]↠不ルニハ↢作心↡。以[テ]ノ↢作↡故[ケテ]↢未得浄心↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三º畢竟同得を釈す
                                ªⅠº正釈
                                  ªⅰº見仏の益を明す

^このさつがんじて安楽あんらくじょうしょうずれば、 すなはち弥陀みだぶつたてまつる。 弥陀みだぶつたてまつるとき*じょうのもろもろのさつひっきょうじてしんひとしくほうひとし。

菩薩、ジテズレバ↢安楽浄土↡即[チ][タテ]マツル↢阿弥陀仏↡。見[タテマ]ツル↢阿弥陀仏↡時、↢上地菩薩↡畢竟ジテ身等シクヒト

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅠºªⅱº願生の例を引く

^*りゅうじゅさつ*婆藪ばそばんさつ (天親)ともがら、 かしこにしょうぜんとがんずるは、 まさにこれがためなるべきのみ。

龍樹菩薩・婆藪槃頭菩薩、願ズル↠生[ゼム]ト↠彼、当ナル↠此耳。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡº問答
                                  ªⅰº

 ^0133ひていはく、 ¬*じゅうきょう¼ をあんずるに、 さつ*進趣しんしゅかいきゅう、 やうやくりょうくんありておおくの劫数こうしゅ、 しかしてのちにすなはちこれを。 いかんが弥陀みだぶつたてまつるときひっきょうじてじょうのもろもろのさつしんひとしくほうひとしきや。

[ヒテ][ク]、案ズルニ↢¬十地経¼↡、菩薩進趣階級、漸[リ]テ↢无量功勲↡逕↢多[ク]ノ劫数↡、 カフシテ得↠此。云何[ガ][タテマツル]↢阿弥陀仏↡時、畢竟ジテ↢上地菩薩↡身等シク法等シキ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱº
                                    ªaº畢竟等に約して縦答す
                                      ªイº所難を会す

^こたへていはく、 「ひっきょう」 とはいまだ即等そくとうといふにはあらず。 ひっきょうじてこのひとしきことをうしなはざるがゆゑに 「とう」 といふのみ。

[ヘテ][ク]、畢竟[ト]フニハ↢即等↡也。畢竟ジテルガ↠失↢此シキコトヲ↡故↠等耳。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªaºªロº余疑を通ず
                                        ˆ一ˇ

 ^ひていはく、 もし即等そくとうにあらずは、 またなんぞさつといふことをたん。 ただしょのぼれば、 もつてやうやく増進ぞうしんして、 ねんにまさにぶつひとしかるべし。 なんぞじょうさつひとしといふことをらん。

[ヒテ][ク]、若ズハ↢即等↡、復タム↠言フコトヲ↢菩薩↡。但登レバ↢初地↡、以増進シテ、自然↠仏等[シ]カル↡。何ラム↠言フコトヲ↢上菩薩↡ヒトシト↥。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªaºªロºˆ二ˇ

^こたへていはく、 *さつしちのうちにおいて*だいじゃくめつれば、 かみ諸仏しょぶつもとむべきをず、 しもしゅじょうすべきをず。 仏道ぶつどうてて*実際じっさいしょうせんとほっす。 そのときに、 もし十方じっぽう諸仏しょぶつ神力じんりき*かんずは、 すなはちめつしてじょうことなることなからん。 さつもし安楽あんらくおうじょうして弥陀みだぶつたてまつれば、 すなはちこのなんなし。 このゆゑにすべからく 「ひっきょうじてびょうどうなり」 といふべし。

[ヘテ][ク]、菩薩↢七地↡得[レ]バ↢大寂滅↡、上↠見↢諸仏キヲ↟求、下↢衆生[キ]ヲ↟度。欲↧捨テヽ↢仏道↡証セムト↦於実際[ヲ]↥。爾[シ]↢十方諸仏神力加勧↡、即便[チ]滅度シテ↢二乗↡カラム↠異[ル]コト。菩薩若往↢生シテ安楽↡見[タテマツ]レバ↢阿弥陀仏↡、即[チ]↢此難↡。是↢畢竟ジテ平等ナリト↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbº即等に就きて奪答す
                                      ªイº願力を明す
                                        ˆ一ˇ願文

^またつぎに ¬りょう寿じゅきょう¼ (上) のなかに、 弥陀みだ如来にょらい本願ほんがん (第二十二願) にのたまはく、 「たとひわれぶつんに、 ほうぶつのもろもろのさつしゅ、 わがくにらいしょうせば、 きょうしてかならずいっしょうしょいた0134ん。 その本願ほんがんざいせんとするところありて、 しゅじょうのためのゆゑに、 ぜいよろい徳本とくほんしゃくるいし、 一切いっさいだつし、 諸仏しょぶつくにあそびてさつぎょうしゅし、 十方じっぽう諸仏しょぶつ如来にょらいようし、 恒沙ごうじゃりょうしゅじょうかいして、 じょうしょうしんどうりゅうせしめんをばのぞく。 *じょうりんしょぎょう超出しょうちゅつし、 現前げんぜん*げんとくしゅじゅうせん。 もししからずは、 しょうがくらじ」 と。

復次[ニ]¬无量寿経¼中[ニ]、阿弥陀如来本願ノタマハク、「設[ヒ]我得ムニ↠仏[ヲ]、他方仏土菩薩衆、来↢生セバ↡、究竟シテ[ズ]ラム↢一生補処↡。除↧其本願0408[ノ]自在0512アリテ↠化[セント]スル、為↢衆生↡故↢弘誓↡積↢累徳本↡、度↢脱一切↡、遊ビ[テ]↢諸仏↡修↢菩薩↡、供↢養十方[ノ]諸仏如来↡、開↢化シテ恒沙无量衆生↡、使メムヲバ↞立↢无上正真之道↡。超↢出常倫諸地之行↡、現前修↢習セム普賢之徳↡。若[シ]↠爾↠取↢正覚↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbºªイºˆ二ˇ不共

^このきょうあんじてかのくにさつすいするに、 あるいはいちよりいちいたらざるべし。

ジテ↢此↡推スルニ↢彼菩薩↡、或[イ]ハ↠不↢一地↡至↦一地↥。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbºªロº権実を弁ず
                                        ˆ一ˇ権実を分別す

^じゅうかいといふは、 これしゃ如来にょらいの、 えんだいにおけるいち*おうどうなるのみ。 ほうじょうはなんぞかならずしもかくのごとくならん。 しゅ思議しぎのなかに仏法ぶっぽうもつとも不可ふか思議しぎなり。

↢十地階次[ト]、是釈迦如来[ノ]ケル↢閻浮提↡一応化道[ナル]耳。他方浄土[ズシモ]クナラム↠此[クノ]。五種不思議仏法最不可思議ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbºªロºˆ二ˇ漸に執して頓を疑ふを斥す
                                          ˆⅠˇ

^もしさつかならずいちよりいちいたりてちょうおつなしといはば、 いまだあへてつまびらかならず。

[シ]ハヾ↧菩薩必[ズ]↢一地↡至[リ]テ↢一地↡无[シ]ト↦超越之理↥、未↢敢カナラ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbºªロºˆ二ˇˆⅡˇ

^たとへばあり、 づけて*好堅こうけんといふ。 このしょうずるに*ひゃくすなはちせり。 一日いちにちちょうずることたか百丈ひゃくじょうなるがごとし。 日々にちにちにかくのごとし。 ひゃくさいたかさをはかるに、 あに*しゅしょうるいせんや。 まつ生長しょうちょうするをるに、 すんぎず。 かの好堅こうけんきて、 なんぞよく即日そくにちうたがはざらん。

[ヘ]バ↧有、名[ケ]テ↢好堅ズルコト囲乃セリ一日ズルコト百丈ナルガ↥。日日↠此[クノ]。計ルニ↢百歳之サヲ↡、豈セムシユシヨウ。見[ル]ニ↢松生長スルヲ↡、日↠過↠寸。聞[キ]テ↢彼好堅↡、何ラム↠疑↢即日↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbºªハº権に執すを斥す

^ひとありて、 しゃ如来にょらい*かんいっちょうしょうし、 *しょう終朝しゅうちょうせいするをきて、 これ*しょうゆうごんなり、 *しょうじつせつにあらずといひて、 このろんきてまたまさにしんぜざるべし。 それ*0135じょうことばじょうにんみみらず。 これをしからずとおもふは、 またそれ*むべなり。

[リ]テ↠人聞[キ]テ↧釈迦如来[ノ]↢羅漢於一聴↡、制スルヲ↦无生終朝↥、謂ヒテ接誘之ナリ、非ズト↢称実之説↡、聞[キ]テ↢此論事↡亦当↠不↠信非常之言↠入↢常人之耳↡。オモフ[ハ]↢之↟然、亦也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二]示現二利
                      [Ⅰ]論文

【91】 ^りゃくしてはっきて、 如来にょらい自利じり利他りたどくしょうごんだいじょうじゅしたまへることをげんす、 るべし。

[シテ][キ]テ↢八句↡、示↢現如来自利利他功徳荘厳、次第成就シタマヘルコトヲ↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]依正の次第を明す

 ^これはいかんがだいする。 さきじゅうしちは、 これしょうごんこくどくじょうじゅなり。 すでにこくそうりぬ。 こくしゅるべし。 このゆゑにつぎぶつしょうごんどくかんず。

云何次第スル。前十七句是荘厳国土功徳成就ナリ。既[リ]ヌ↢国土↡。応↠知↢国土之主↡。是[ノ][ニ][ニ]↢仏荘厳功徳↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]八句の生起を弁ず

^かのぶついかんがしょうごんし、 いづれのところにおいてかしたまふ。 このゆゑにかんず。

若為 イカン 荘厳、於テカ↢何↡坐シタマフ。是05130409↠座

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][a]座→身業

^すでにりをはりぬ。 よろしくしゅるべし。 このゆゑにつぎぶつしょうごん身業しんごうかんず。

↠座[リ]ヌ。宜シクシ ↠知↢座↡。是[ノ][ニ]↢仏厳身業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][b]身業→口業

^すでに身業しんごうりぬ。 いかなる声名しょうみょうかましますとるべき。 このゆゑにつぎぶつしょうごんごうかんず。

[リ]ヌ↢身業↡。応↠知[ル]マシマストナル声名[カ]↡。是[ノ][ニ][ニ]↢仏荘厳口業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][c]口業→意業

^すでに*みょうもんりぬ。 よろしくとくみょう所以ゆえんるべし。 このゆゑにつぎしょうごん心業しんごうかんず。

[リ]ヌ↢名聞↡。宜[シ]クシ ↠知↢得名所以 ユヘ ↡。是[ニ][ニ]↢荘厳心業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][d]意業→大衆

^すでに三業さんごうそくして人天にんでんだいたるべきことをりぬ。 *くるにへたるひとはこれたれぞ。 このゆゑにつぎ大衆だいしゅどくかんず。

リヌ↢三業具足シテキコトヲ↟為↢人天大師↡。堪ヘタル↠受クルニ↠化是誰↡。是[ノ]↢大衆功徳↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][e]大衆→上首

^すでに大衆だいしゅりょうどくあることをりぬ。 よろしく上首じょうしゅはたれぞとるべし。 このゆゑにつぎじょうしゅかんず。 じょうしゅはこれぶつ (阿弥陀仏) なり。

[リ]ヌ↣大衆[ニ][ル]コトヲ↢无量功徳↡。宜シクシ ↠知↢上首ゾト↡。是[ノ]↢上首↡。上首是仏ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][f]上首→主

^すでにじょうしゅりぬ。 *ちょうようどうずることをおそる。 このゆゑにつぎしゅかんず。

[リ]ヌ↢上首↡。↠同ズルコトヲチヤウヤウ↡。是[ノ][ニ]↠主

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][g]主→不虚作住持

^すでにこのしゅりぬ。 しゅにいかなる*ぞうじょうかまします。 こ0136のゆゑにつぎしょうごん虚作こさじゅうかんず。 ^はっだいじょうじをはりぬ。

[リ]ヌ↢是↡。主[ニ]マシマ↢何ナル増上↡。是[ノ][ニ]↢荘厳不虚作住持↡。八句次第リヌ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)観菩薩【菩薩】
                  (イ)標章

【92】^さつかんずとは、

[ズト]↢菩薩

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)正釈
                    [一]総標
                      [Ⅰ]論文

^いかんがさつしょうごんどくじょうじゅ観察かんざつする。 さつしょうごんどくじょうじゅ観察かんざつすとは、 かのさつかんずるに*しゅしょうしゅぎょうどくじょうじゅあり、 るべし。

云何観↢察スル菩薩荘厳功徳成就↡。観↢察スト菩薩荘厳功徳成就[ヲ]、観ズルニ↢彼菩薩↡有[リ]↢四種正修行功徳成就↡、応[シ]↠知

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[一][Ⅱ]註釈

 ^真如しんにょはこれ諸法しょほうしょうたいなり。 *にょたいしてぎょうずれば、 すなはちこれぎょうなり。 ぎょうにしてぎょうずるを如実にょじつしゅぎょうづく。 たいはただ一如いちにょなれども、 をもつてわかちてとなす。 このゆゑにぎょういちしょうをもつてこれをぶ。

真如是諸法正体ナリ。体ニシテ而行ズレバ、則[チ]是不行ナリ。不行ニシテ而行ズルヲ↢如実修行↡。体唯一如ナレドモ而義ヲモテ[チ]テ↠四。是↢一↠之

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]別釈
                      [Ⅰ]不動而至
                        [ⅰ]論文

【93】 ^何者なにものをかとなす。 いちにはいちぶつにおいて動揺どうようせずして十方じっぽうへんして、 種々しゅじゅおうして如実にょじつしゅぎょうし、 つねにぶつをなす。 ^に 「安楽あんらくこく清浄しょうじょう じょうてん無垢むくりん ぶつさつにち にょしゅじゅう」 といへるがゆゑなり。 ^もろもろのしゅじょうの、 *でいひらくがゆゑなり。

ヲカ↠四。一[ニ]↢一仏土↡身シテ↢動揺↡而遍シテ↢十方↡、種種応化シテ如実修行、常↢仏事↡。偈[ニ]ヘルガ↢「安楽国清浄、常転无垢輪、化仏菩薩日、如須弥住持」↡故ナリ。開クガ↢諸衆生[ノ]デイ↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ]註釈
                          [a]句義を釈す

 ^はちじょうさつ*つねに三昧さんまいにありて、 三昧さんまいりきをもつて、 本処ほんしょどうぜずして、 よくあまねく十方じっぽういたりて諸仏しょぶつようし、 しゅじょうきょうす。

0514地已0410菩薩[ハ]リ[テ]↢三昧[ニ]↡、以↢三昧力↡、身[ハ]シテ↠動↢本処↡而能[リ]テ↢十方↡供↢養諸仏↡、教↢化衆生↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b]文意を解す
                            [イ]第二句を釈す

^*無垢むくりん」 とは*ぶつどくなり。 ぶつどくは、 *じっ煩悩ぼんのうなければなり。 ぶつ (阿弥陀仏)、 もろもろのさつのために、 つねにこの*法輪ほうりんてんず。 諸大しょだいさつもまたよくこのほうりん0137をもつて一切いっさい開導かいどうすること、 ざんそくすることなし。 ゆゑに 「じょうてん」 といふ。

「无垢輪、仏地功徳也。仏地功徳ケレバナリ↢習気煩悩垢↡。仏↢諸菩薩↡、常↢此法輪↡。諸大菩薩[モ]亦能↢此法輪↡開↢導スルコト一切↡、无↢蹔時休息スルコト↡。故↢「常転」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]三四句を釈す

^法身ほっしんのごとくして、 おうしんひかりもろもろのかいへんするなり。 「」 といふにはいまだもつてどうかすにらざれば、 また 「にょしゅじゅう」 といへるなり。

法身クシテ↠日[ノ]而応化身スル↢諸世界↡也。フニハ↠「日レバ↠足↣以スニ↢不動↡、復言[ヘ]ル↢「如須弥住持」↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ハ]淤泥華を釈す

^でい」 といふは、 ¬きょう¼ (*維摩経) に、 「高原こうげんろくにはれんしょうぜず。 *湿しゅうでいにすなはちれんしょうず」 とのたまへり。 これはぼん煩悩ぼんのうどろのなかにありて、 さつのために開導かいどうせられて、 よくぶつしょうがくはなしょうずるにたとふ。 まことにそれ三宝さんぼう紹隆しょうりゅうしてつねにえざらしむ。

デイトイフ、¬経¼言ヘリ↧「高原陸地ニハ↠生[ゼ]↢蓮花卑湿[ノ]デイズト↦蓮花[ヲ]↥」。此↧凡夫在[リ]テ↢煩悩↡、為↢菩薩↡開導セラレテ、能ズルニ↦仏正覚↥。マコトツグリウタツシテ三宝↡常使↠不

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]一念遍至
                        [ⅰ]論文

【94】 ^にはかのおうしん一切いっさいときぜんならずならず、 一心いっしん一念いちねんだいこうみょうはなちて、 ことごとくよくあまねく十方じっぽうかいいたりてしゅじょうきょうす。 種々しゅじゅ方便ほうべんしゅぎょうし、 なすところ一切いっさいしゅじょう滅除めつじょするがゆゑなり。 ^に 「無垢むくしょうごんこう 一念いちねんぎゅういち しょう諸仏しょぶつ やくしょぐんじょう」 といへるがゆゑなり。

[ニ]者彼応化身、一切[ニ]↠前ナラ↠後ナラ、一心一念[チ]テ↢大光明↡、悉[ク][リ]テ↢十方世界↡教↢化衆生↡。種種方便修行所↠作滅↢除スルガ一切衆生↡故ナリ。偈[ニ]ヘルガ↢「无垢荘厳光、一念及一時、普照諸仏会、利益諸群生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]註釈

 ^かみどうにしていたるといふは、 あるいはいたることぜんあるべし。 このゆゑにまた一念いちねんいちにしてぜんなしといへるなり。

[フ]ハ↢不動ニシテ而至[ル]ト↡、↣或[イ]ハ[ル]コト↢前後↡。是復言[ヘ]ル↣一念一時ニシテ[シ]ト↢前後↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅲ]無相供養
                        [ⅰ]論文

【95】 ^さんにはかれ一切いっさいかいにおいてあますことなく、 諸仏しょぶつ*大衆だいしゅらして0138あますことなく、 広大こうだいりょう諸仏しょぶつ如来にょらいどくよう*ぎょう讃嘆さんだんす。 ^に 「天楽てんがく華衣けえ みょう香等こうとうよう さん諸仏しょぶつどく 無有むう分別ふんべつしん」 といへるがゆゑなり。

[ニ]↢一切世界↡无↠余[スコト]シテ↢諸仏大衆↡无↠余[スコト]、広大无量供↢養恭↣敬讃↤嘆諸仏如来功徳↡。偈[ニ]ヘルガ↢「雨天楽花衣、妙香等供養、讃諸仏功徳、无有分別心」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅲ][ⅱ]註釈

 ^あますことなく」 とは、 あまねく一切いっさいかい一切いっさい諸仏しょぶつだいいたりて、 いちかいにもいちぶつにもいたらざることあることなきをかすなり。

0515クト↠余0411スコト↧遍[リ]テ↢一切世界一切諸仏大会↡、无キヲ↞有[ル]コト↢一世界ニモ一仏会ニモルコト↟至也。

^じょうこう (*僧肇) のいはく (註維摩経)、 「*法身ほっしんかたちなくしてしゅぎょうならおうじ、 *いんことばなくして*玄籍げんせきひろけり。 *みょうごんはかりごとなくして、 どうじてかなふ」 と。 ^けだしこのこころなり。

肇公デウコウ、「法身クシテカタチ殊形、至韻クシテ↠言而玄籍ヒロケリ。冥権无クシテハカリゴト而動ジテ↠事フト」。蓋意也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅳ]示法如仏
                        [ⅰ]論文

【96】 ^にはかれ十方じっぽう一切いっさいかい三宝さんぼうなきところにおいて、 仏法ぶっぽう僧宝そうぼうどく大海だいかいじゅうしょうごんして、 あまねくしめして如実にょじつしゅぎょうさとらしむ。 ^に 「とうかい 仏法ぶっぽうどくほう がんかいおうじょう 仏法ぶっぽう如仏にょぶつ」 といへるがゆゑなり。

[ニ]↧十方一切世界↢三宝↡処↥、住↢持荘↣厳シテ仏法僧宝功徳大海↡、遍[シ]テサト↢如実修行↡。偈ヘルガ↢「何等世界无、仏法功徳宝、我願皆往生、示仏法如仏」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅳ][ⅱ]註釈

 ^かみさんへんといふといへども、 みなこれぶつこくなり。 もしこのなくは、 すなはちこれ法身ほっしんほうならざるところあらん。 じょうぜんぜんならざるところあらん。 ^*かんぎょう体相たいそうおわりぬ。

三句↠言[フ]ト↢遍至↡、皆是有仏国土ナリ。若クハ↢此句↡、便[チ]是法身、有ラム所↠不↠法ナラ。上善有ラム所↠不↠善ナラ。観行体相竟[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ b 浄入願心章
          (一)起下

【97】^以下いげはこれ解義げぎのなかのだいじゅうづけて浄入じょうにゅう願心がんしんとなす。

已下是解義第四重[ケ]テ↢浄入願心↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)標章

^浄入じょうにゅう願心がんしん0139は、

浄入願心

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)正釈
            (Ⅰ)願心荘厳を釈す
              (ⅰ)論文

^またさきしょうごんぶつどくじょうじゅしょうごんぶつどくじょうじゅしょうごんさつどくじょうじゅとを観察かんざつすることをけり。 このさんしゅじょうじゅは、 願心がんしんをもつてしょうごんせり、 るべし。

サキケリ↣観↢察スルコトヲ荘厳仏土功徳成就荘厳仏功徳成就荘厳菩薩功徳成就[ト]ヲ↡。此三種成就願心ヲモテ荘厳セリ、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅰ)(ⅱ)註釈

 ^るべし」 とは、 このさんしゅしょうごんじょうじゅは、 もとじゅうはちがんとう清浄しょうじょう願心がんしんしょうごんしたまへるところなるによりて、 *いんじょうなるがゆゑにじょうなり。 *いんいんにはあらざるをるべしとなり。

シト↠知、応シト↠知↧此三種荘厳成就、由[リ]テモト四十八願等清浄願心ナルニ↢荘厳シタマヘル↡、因浄ナルガ果浄ナリザルヲ↦无因他因ニハ↥也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)広略相入を釈す
              (ⅰ)略門を明す
                (a)総じて一句を標す
                  (イ)論文

【98】 ^りゃくして一法いっぽっることをくがゆゑなり。

シテクガ↠入コトヲ↢一法句↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(a)(ロ)註釈
                    [一]総標

 ^かみこくしょうごんじゅうしちと、 如来にょらいしょうごんはっと、 さつしょうごん四句しくとをこうとなす。 一法いっぽっるをりゃくとなす。

05160412荘厳十七句、如来荘厳八句、菩薩荘厳四句[ト]ヲ↠広ルヲ↢一法句↠略

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(a)(ロ)[二]別釈

^なんがゆゑぞ*こうりゃくそうにゅうげんするとなれば、 諸仏しょぶつさつしゅ法身ほっしんまします。 いちには*ほっしょう法身ほっしんには*方便ほうべん法身ほっしんなり。 ほっしょう法身ほっしんによりて方便ほうべん法身ほっしんしょうず。 方便ほうべん法身ほっしんによりてほっしょう法身ほっしんいだす。 この法身ほっしんにしてわかつべからず。 いちにしてどうずべからず。 このゆゑにこうりゃくそうにゅうして、 ぶるにほうをもつてす。

示↢現スルトナレバ広略相入↡、諸仏菩薩マシマ↢二種法身↡。一[ニ]者法性法身、二[ニ]者方便法身ナリ。由[リ]テ↢法性法身↡生↢方便法身↡。由[リ]テ↢方便法身↡出↢法性法身↡。此法身ニシテ↠可[カラ]↠分。一ニシテ↠可[カラ]↠同。是広略相入シテブルニテス↢法↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(a)(ロ)[三]結示

^さつもしこうりゃくそうにゅうらざれば、 すなはち自利じり利他りたすることあたはざればなり。

菩薩若レバ↠知[ラ]↢広略相入↡、則レバナリ↠能↢自利利他スルコト↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)転釈して体を顕す
                  (イ)論文

014099】 ^一法いっぽっといふはいはく、 清浄しょうじょうなり。 清浄しょうじょうといふはいはく、 真実しんじつ智慧ちえ無為むい法身ほっしんなるがゆゑなり。

一法句[トイフ]清浄句ナリ。清浄句[トイフ]真実恵无為法身ナルガナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)註釈
                    [一]三句の相入を略示す

 ^この*さん*展転てんでんしてそうにゅうす。 なんのによりてか、 これをづけてほうとなす。 清浄しょうじょうをもつてのゆゑなり。 なんのによりてか、 づけて清浄しょうじょうとなす。 真実しんじつ智慧ちえ無為むい法身ほっしんなるをもつてのゆゑなり。

三句展転シテ相入。依[リ]テカ↡、名[ケ]テ↠之↠法。以[テ]ノ↢清浄↡故ナリ。依[リテ]カ↡、[ケ]テ↢清浄↡。以[テ]ノ↢真実恵无為法身[ナル]ヲ↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二]第三の一句を広釈す
                      [Ⅰ]即空に約す
                        [ⅰ]真実智慧を釈す

^真実しんじつ智慧ちえ」 とは、 実相じっそう智慧ちえなり。 実相じっそうそうなるがゆゑに、 *しん無知むちなり。

「真実智、実相恵也。実相[ハ]无相ナルガ、真智无知也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ]無為法身を釈す

^無為むい法身ほっしん」 とはほっしょうしんなり。 ほっしょうじゃくめつなるがゆゑに、 法身ほっしんそうなり。

「无為法身、法性身也。法性[ハ]寂滅ナルガ、法身无相也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]不空に約す
                        [ⅰ]法身

^そうのゆゑによくそうならざるはなし。 このゆゑに相好そうごうしょうごんはすなはち法身ほっしんなり。

无相コト↠相ナラ。是[ノ]相好荘厳[ハ][チ]法身也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]真智

^無知むちのゆゑによくらざるはなし。 このゆゑに一切いっさいしゅはすなはち真実しんじつ智慧ちえなり。

无知↠不[ル]コト↠知。是一切種[ハ][チ]真実恵也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅲ]中道に約す
                        [ⅰ]二辺を離るを明す
                          [a]真智

^真実しんじつをもつて智慧ちえなづくることは、 智慧ちえにあらず、 非作ひさにあらざることをかすなり。

↢真実↡而ナヅクルコトハ↢智↡、明↣智↠作[ザル]コトヲ↢非作[ニ]↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅲ][ⅰ][b]法身

^無為むいをもつて法身ほっしんあらわすことは、 法身ほっしんしきにあらず、 しきにあらざることをかすなり。

[テ]↢无為↡而アラハスコトハ↢法身↡、明↣法身[ズ]↠色[ザル]コトヲ↢非色↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅲ][ⅱ]中に着せざるを明す

^するは、 あにするのよくならんや。 けだしみする、 これをといふ。 みづからにしてたいすることなきも、 またにあらず。 にあらず、 にあらず、 *ひゃったとへざるところなり。

スル↢于非、豈スル↠非ナラム。蓋ナミスル↠非↠是也。ニシテキモ↠待スルコト復非[ザ]ル↠是也。非↠是、非↠非、百非之所ナリ↠不[ヘ]

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[三]二三の相入を結示す

^このゆゑに清浄しょうじょうといふ。 「清浄しょうじょう」 とは、 真実しんじつ智慧ちえ無為むい法身ほっしんをいふなり。

↢「清浄句」↡。清浄句[ト]↢真実智恵无為法身↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)広門を明す
                (a)標数
                  (イ)論文〔二種清浄〕

0141100】 ^この清浄しょうじょうしゅあり、 るべし。

05170413清浄[リ]↢二種↡、応↠知[ル]

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)註釈

 ^かみてんにゅうのなか、 一法いっぽうつうじて清浄しょうじょうり、 清浄しょうじょうつうじて法身ほっしんる。 いままさに清浄しょうじょうわかちてしゅいださんとするがゆゑに、 ことさらに、 「るべし」 といふ。

転入句、通ジテ↢一法↡入↢清浄↡、通ジテ↢清浄↡入↢法身↡。今将ル[ガ]ワカチテ↢清浄↡出ムト↦二種↥故[ラ]ニ↠「応シト↠知[ル]」。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)列釈
                  (イ)論文
                    [一]標列

【101】 ^なんらかしゅいちにはけん清浄しょうじょうにはしゅじょうけん清浄しょうじょうなり。

二種。一[ニ]者器世間清浄、二[ニ]者衆生世間清浄ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]器世間清浄

^けん清浄しょうじょうとは、 さきくがごときじゅうしちしゅしょうごんぶつどくじょうじゅなり。 これをけん清浄しょうじょうづく。

器世間清浄[ト]サキクガ↡十七種荘厳仏土功徳成就ナリ。是↢器世間清浄↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[三]衆生世間清浄

^しゅじょうけん清浄しょうじょうとは、 さきくがごときはっしゅしょうごんぶつどくじょうじゅしゅしょうごんさつどくじょうじゅとなり。 これをしゅじょうけん清浄しょうじょうづく。

衆生世間清浄[ト]、如サキ[ク]ガ↡八種荘厳仏功徳成就四種荘厳菩薩功徳成就[トナリ]。是↢衆生世間清浄↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[四]摂二種

^かくのごとく一法いっぽっしゅ清浄しょうじょうせっす、 るべし。

[ク]↠是[クノ]一法↢二種↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)註釈
                    [一]直釈
                      [Ⅰ]依止の一異を弁ず

 ^それしゅじょう*別報べっぽうたいとなし、 こく*共報ぐうほうゆうとなす。 たいゆういちにあらず。 ゆゑに 「るべし」 といふ。 しかるに諸法しょほうしんをもつてじょうず。 きょうがいなし。 しゅじょうおよび、 またなることをず、 いちなることをず。 いちならざればすなはちをもつてわかつ。 ならざればおなじく 「清浄しょうじょう」 なり。

衆生↢別報之体↡、国土↢共報之用↡。体↠一。所以「応[シトイフ]↠知[ル]」。然[ル]ニ諸法ヲモテ。无↢余境界↡。衆生及[ビ]器、復↠得↠異[ナルコト]ヲ、不↠得↠一[ナルコト]ヲ。不レバ↠一[ナラ][チ]ヲモテ。不レバ↠異[ナラ]ジク清浄ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[一][Ⅱ]二浄の相成を明す

^」 とはゆうなり。 いはく、 かのじょうは、 これかの清浄しょうじょうしゅじょう受用じゅゆうするところなるがゆゑにづけ0142となす。 じょうじきじょうもちゐれば、 じょうなるをもつてのゆゑにじきまたじょうなり。 じょうじきじょうもちゐれば、 じきじょうなるがゆゑにまたじょうなるがごとし。 かならずともにきよくしてすなはちじょうしょうすることを。 ここをもつていち清浄しょうじょうにかならずしゅせっするなり。

「器[ト]用也。謂浄土、是彼清浄衆生之所ナルガ↢受用スル↡故[ケ]テ↠器。如↧浄食[ヰレ]バ↢不浄↡、以[テ]ノ↢器不浄ナルヲ↡故食亦不浄ナリ不浄[ヰレ]バ↢浄器↡、食不浄ナルガ器亦不浄ナルガ↥。要二倶クシテ↠称[スル]コトヲ↠浄。是清浄[ズ]スルナリ↢二種

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]問答
                      [Ⅰ]

 ^ひていはく、 しゅじょう清浄しょうじょうといふは、 すなはちこれぶつ (阿弥陀仏)ˆじょうのˇ さつとなり。 かのもろもろの人天にんでんも、 この清浄しょうじょうかずることをやいなや。

[ヒテ][ク]フハ↢衆生清浄↡、則[チ]是仏ナリ↢菩薩↡。彼人天[モ][ル]↠入[ル]コトヲ↢此清浄↡不

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]

^こたへていはく、 清浄しょうじょうづくることをれども、 じつ清浄しょうじょうにあらず。

[ヘテ][ク]、得レドモ↠名[クル]コトヲ↢清浄↡、非↢実清浄↡。

^たとへばしゅっしょうにんは、 煩悩ぼんのうぞくころすをもつてのゆゑにづけて比丘びくとなし、 ぼんしゅっのものの、 かいかいもみな比丘びくづくるがごとし。

[ヘ]バ↧出家聖人[テ]ノ↠殺[ス]ヲ↢煩悩↡故[ケ]テ↢比丘↡、凡05180414出家持戒・破戒[モ]皆名[ク]ルガ↦比丘↥。

^また*かんじょうおうしょしょうときに、 さんじゅうそうしてすなはち*七宝しっぽうぞくするところとなる。 いまだ転輪てんりんのうをなすことあたはずといへども、 また転輪てんりんのうづくるがごとし。 それかならず転輪てんりんのうとなるべきをもつてのゆゑなり。

又如↧潅頂王子初生之時、具シテ↢三十二相↡即[チ]↢七宝↟属スル↠未↠能↠為[ス]コト↢転輪王↡、亦名クルガ↦転輪王↥。以[テ]ノ[ズ]ルベキヲ↢転輪王↡故ナリ

^かのもろもろの人天にんでんも、 またかくのごとし。 みなだいじょう*正定しょうじょうじゅりて、 ひっきょうじてまさに清浄しょうじょう法身ほっしんべし。 まさにべきをもつてのゆゑに清浄しょうじょうづくることをるなり。

人天[モ]、亦復如↠是[クノ]。皆入[リ]テ↢大乗正定之聚↡、畢竟ジテ↢清浄法身↡。以[テ]ノ↠当キヲルナリ↠名クルコトヲ↢清浄↡。

二 Ⅱ ⅱ b 善巧摂化章
          (一)標章

【102】^ぜんぎょうせっとは、

善巧摂化[ト]

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)釈文
            (Ⅰ)自利の成就を明す
              (ⅰ)柔軟心を釈す
                (a)論文

^0143かくのごとくさつは、 しゃ摩他また毘婆びばしゃこうりゃくしゅぎょうしてにゅうなんしんじょうじゅす。

↠是[ク]ノ菩薩[ハ]、奢摩他[ト]毘婆舎那[ヲ]広略修行シテ成↢就柔軟心↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)註釈

 ^にゅうなんしん」 とは、 いはく、 こうりゃく*かん、 あひじゅんしゅぎょうして*不二ふにしんじょうずるなり。 たとへばみずをもつてかげるに、 しょうじょうとあひたすけてじょうじゅするがごとし。

「柔軟心[ト]、謂広略止観、相順修行シテズル↢不二↡也。譬[ヘ]バ[シ]↢水ヲモテルニ↠影タスケテ而成就スルガ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅰ)(ⅱ)如実知を釈す
                (a)論文

【103】 ^如実にょじつこうりゃく諸法しょほうる。

如実↢広略諸法↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)註釈

 ^如実にょじつる」 とは、 実相じっそうのごとくにるなり。 こうのなかのじゅうりゃくのなかのいっ実相じっそうにあらざるはなし。

如実ルト、如ク[ニ]↢実相↡而知[ル]也。広廿九句、略一句、莫↠非[ザ]ルコト↢実相↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)利他の行相を顕す〔巧方便回向〕
              (ⅰ)
                (a)論文

【104】 ^かくのごとくしてぎょう方便ほうべんこうじょうじゅす。

[クシテ]↠是[クノ]成↢就巧方便廻向↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)註釈

 ^かくのごとく」 とは、 ぜんこうりゃくみな実相じっそうなるがごとくとなり。 実相じっそうるをもつてのゆゑに、 すなはち三界さんがいしゅじょうもうそうるなり。 しゅじょうもうなるをれば、 すなはち真実しんじつ慈悲じひしょうずるなり。 真実しんじつ法身ほっしんれば、 すなはち真実しんじつ帰依きえおこすなり。 慈悲じひ帰依きえと、 ぎょう方便ほうべんとはしもにあり。

「如[ク]ト↠是[クノ]、如[クト]↢前後広略皆実相ナルガ↡也。以[テ]ノ[ル]ヲ↢実相↡故、則[チ][ル]↢三界衆生虚妄↡也。知レバ↢衆生虚妄ナルヲ↡、則[チ]ズル↢真実慈悲↡也。知レバ↢真実法身↡、則[チ]↢真実帰依↡也。慈悲↢帰依↡、巧方便[ト]ハ↠下

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)
                (a)論文

【105】 ^何者なにものさつぎょう方便ほうべんこうさつぎょう方便ほうべんこうとは、 いはく、 ける礼拝らいはいとうしゅしゅぎょうをもつて、 あつむるところの一切いっさいどく善根ぜんごんは、 しんじゅうらくもとめず、 一切いっさいしゅじょうかんとほっするがゆゑに、 一切いっさいしゅじょう0144摂取せっしゅして、 ともにおなじくかの安楽あんらく仏国ぶつこくしょうぜんとがんするなり。 これをさつぎょう方便ほうべんこうじょうじゅづく。

05190415菩薩巧方便廻向。菩薩巧方便廻向者、謂[ケル]礼拝等五種修行ヲモテ、所アツムル一切功徳善根↠求↢自身住持↡、スルガ↠抜[カム]ト↢一切衆生↡故、作↧願スルナリ摂↢取シテ一切衆生↡共ジク[ゼム]ト↦彼安楽仏国↥。是↢菩薩巧方便廻向成就↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)註釈
                  (イ)菩提心を明す【菩提心釈】
                    [一]経を引きて正明す

 ^王舎おうしゃじょう所説しょせつの ¬りょう寿じゅきょう¼ (下)あんずるに、 三輩さんぱいしょうのなかに、 ぎょうれつありといへども、 みな*じょうだいしんおこさざるはなし。 このじょう提心だいしんとは、 すなはちこれがん仏心ぶつしんなり。 がん仏心ぶつしんとは、 すなはちこれしゅじょうしんなり。 しゅじょうしんとは、 すなはちしゅじょう摂取せっしゅしてぶつこくしょうぜしむるしんなり。 このゆゑにかの安楽あんらくじょうしょうぜんとがんずるものは、 かならずじょう提心だいしんおこすなり。

ズルニ↢王舎城所説¬无量寿経¼↡、三輩生、雖↣行[リ]ト↢優劣↡、莫↠不ルハ↣皆↢无上菩提之心↡。此无上菩提心トハ、即[チ]是願作仏心ナリ願作仏心[ト]ハ[チ]度衆生心ナリ。度衆生心[ト]ハ、即[チ]摂↢取シテ衆生↡生ゼシムル↢有仏国土↡心ナリ。是ズル↠生[ゼム]ト↢彼安楽浄土、要↢无上菩提心↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]論を挙げて貼合す

^もしひとじょう提心だいしんおこさずして、 ただかのこくらくくることひまなきをきて、 らくのためのゆゑにしょうずることをがんずるは、 またまさにおうじょうざるべし。 このゆゑに、 「しんじゅうらくもとめず、 一切いっさいしゅじょうかんとほっするがゆゑに」 といへり。

[シ]シテ↠発[サ]↢无上菩提心↡、但聞[キ]テ↢彼国土[クル]コト↠楽キヲヒマ、為↠楽ズルハ↠生[ズルコト]ヲ、亦当↠不↠得↢往生↡也。是ヘリ↧「↠求[メ]↢自身住持之楽↡、欲スルガ↠抜カムト↢一切衆生↡故ニト」↥。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)本論の文を釈す
                    [一]住持楽を釈す

^じゅうらく」 とは、 いはく、 かの安楽あんらくじょう弥陀みだ如来にょらい本願ほんがんりきのためにじゅうせられて、 らくくることひまなし。

「住持[ノ]、謂安楽浄土↢阿弥陀如来本願力↡之所レテ↢住持↡、クルコト↠楽ヒマ也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]回向義を釈す

^おほよそ 「こう」 のみょうしゃくせば、 いはく、 おのがあつむるところの一切いっさいどくをもつて一切いっさいしゅじょう*施与せよして、 ともに仏道ぶつどうかふなり。

セバ↢廻向名義↡、謂↠集ムル一切功徳↡施↢与シテ一切衆生↡、共フナリ↢仏道↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[三]巧方便を釈す
                      [Ⅰ]通途に約す

^ぎょう方便ほうべん」 とは、 いはく、 さつがんずらく、 おのが智慧ちえをもつて一切いっさいしゅじょう煩悩ぼんのう草木そうもくかんに、 もしいちしゅじょうとしてじょうぶつせざる0145ことあらば、 われぶつせじと。 しかるに、 かのしゅじょういまだことごとくじょうぶつせざるに、 さつすでにみづからじょうぶつす。

「巧方便[ト]、謂菩薩願ズラク、以[テ]カム[ニ]↢一切衆生煩悩草木↡、若ラバ↣一衆生トシテルコト↢成仏↡、我↢作仏↡。而[ル]ニ衆生ルニ↢尽成仏↡、菩薩已ミヅカラ成仏

^たとへば*てんをして一切いっさい草木そうもくみてきてつくさしめんとほっするに、 草木そうもくいまだきざるに、 てんすでにくるがごとし。 そのあとにして、 しかもさきだつをもつてのゆゑにぎょう方便ほうべんづく。

[ヘ]バクワテム[ヲ]シテ 聴念[ノ] スルニミテ[ノ] 一切草木↡焼[キ]テ0520使メムト0416ツク↥、草木未ルニ、火テムクルガ↨。以[テ]ノニシテ↢其↡而サキダツヲ↥故巧方便↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[三][Ⅱ]別途に約す

^このなかに 「方便ほうべん」 といふは、 いはく、 一切いっさいしゅじょう摂取せっしゅして、 ともにおなじくかの安楽あんらく仏国ぶつこくしょうぜんとがんす。 かの仏国ぶっこくはすなはちこれひっきょうじょうぶつどうじょう方便ほうべんなり。

[フ]↢方便、謂作↧願摂↢取シテ一切衆生↡、共[ジ]クゼムト↦彼安楽仏国↥。彼仏国[チ]是畢竟成仏道路、无上方便也。

二 Ⅱ ⅱ b 離菩提障章
          (一)標章

【106】^*しょうだいもんとは、

障菩提門

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)釈文
            (Ⅰ)総標

^さつかくのごとくよく*こうりてじょうじゅすれば、 三種さんしゅだいもんそうほうおんす。 なんらか三種さんしゅ

菩薩如↠是[クノ]リテ↢廻向↡成スレバ、遠↢離三種菩提門相違↡。何三種。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)別釈
              (ⅰ)智慧門
                (a)論文

^いちにはもんによりてらくもとめず。 しんしんとんじゃくすることをおんするがゆゑなり。

[ニ]者依[リ]テ↢智恵門↠求[メ]↢自楽↡。遠↣離スルガ我心ヲモテ貪↢着スルコトヲ自身↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)註釈

 ^*すすむをりて退しりぞくをまもるを 「」 といふ。 *くう*無我むがるを 「」 といふ。 によるがゆゑにらくもとめず。 によるがゆゑに、 しんしんとんじゃくすることをおんす。

[リ]テ↠進[ム]ヲルヲ↠退[ク]ヲ↠「智」。知ルヲ↢空・无我↠「」。依ルガ↠智↠求[メ]↢自楽↡。依[ル]ガ遠↣離我心ヲモテ貪↢着スルコトヲ自身↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅱ)慈悲門
                (a)論文

【107】 ^にはもんによりて一切いっさいしゅじょうく。 しゅじょうやすんずることなきしん0146おんするがゆゑなり。

[ニ]者依[リ]テ↢慈悲門↡抜↢一切衆生↡。遠↧離スルガ↠安ズルコト↢衆生↡心↥故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)註釈

 ^くを 「」 といふ。 らくあたふるを 「」 といふ。 によるがゆゑに一切いっさいしゅじょうく。 によるがゆゑにしゅじょうやすんずることなきしんおんす。

[ク]ヲ↠苦↠「慈」。与[フ]ルヲ↠楽[フ]↠「悲」。依ル[ガ]↠慈[ニ]↢一切衆生↡。依[ル]ガ↠悲[ニ]遠↧離↠安ズルコト↢衆生↡心↥。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅲ)方便門
                (a)論文

【108】 ^さんにはほう便べんもんによりて一切いっさいしゅじょう*憐愍れんみんするしんなり。 しんようぎょうするしんおんするがゆゑなり。

[ニ]者依[リ]テ↢方便門憐↢愍スル一切衆生↡心ナリ。遠↧離スルガ供↢養恭↣敬スル自身↡心↥故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)註釈

 ^*しょうじきを 「ほう」 といふ。 *外己げこを 「便べん」 といふ。 しょうじきによるがゆゑに一切いっさいしゅじょう憐愍れんみんするしんしょうず。 外己げこによるがゆゑにしんようぎょうするしんおんす。

正直↠「方」。↠「便」。依ルガ↢正直↡故↧憐↢愍スル一切衆生↡心↥。依ルガ↢外[ニ]↡故遠↧離供↢養恭↣敬スル自身↡心↥。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅲ)結示

^これをさんしゅだいもんそうほうおんすとづく。

05210417↣遠↢離ス[ト]三種菩提門相違↡。

二 Ⅱ ⅱ b 順菩提門章
          (一)標章

【109】^じゅんだいもんとは、

順菩提門

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)釈文
            (Ⅰ)総標

^さつはかくのごときさんしゅだいもんそうほうおんして、 *さんしゅだいもんずいじゅんするほう満足まんぞくるがゆゑなり。 なんらかさんしゅ

菩薩[ハ]遠↢離シテ↠是[クノ]三種菩提門相違↡、得[ル]ガ↧三種随↢順スル菩提門↡法満足↥故ナリ。何等三種。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)別釈
              (ⅰ)無染清浄心
                (a)論文

^いちにはぜん清浄しょうじょうしんなり。 しんのために諸楽しょらくもとめざるをもつてのゆゑなり。

[ニ]者无染清浄心[ナリ]。以[テ]ノ↠不ルヲ↧為↢自身↡求↦諸楽↥故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)註釈

 ^だいはこれぜん清浄しょうじょうところなり。 もしのためにらくもとむれば、 すなはちだいせり。 このゆゑに 「ぜん清浄しょうじょうしん」 は、 これだいもんじゅんずるなり。

菩提是无染清浄ナリ。若↠身[ムレ]バ↠楽、即[チ]セリ↢菩提↡。是「无染清浄心」是ズルナリ↢菩提門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)安清浄心
                (a)論文

【110】 ^にはあん清浄しょうじょうしんなり。 一切いっさいしゅじょうくをもつてのゆゑなり。

[ニ]者安清浄心[ナリ]。以[テ]ノ↠抜[ク]ヲ↢一切衆生↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)註釈

 ^0147だいはこれ一切いっさいしゅじょう安穏あんのんにする清浄しょうじょうしょなり。 もししんをなして、 一切いっさいしゅじょうきてしょうはなれしめざれば、 すなはちだいせり。 このゆゑに 「一切いっさいしゅじょうく」 は、 これだいもんじゅんずるなり。

菩提是安↢穏[ニ]スル一切衆生↡清浄処ナリ。若[シ]レバ↧作シテ↠心[ヲ][キ]テ↢一切衆生↡離レ[シメ]↦生死↥、即便[チ]セリ↢菩提↡。是[ノ]「抜クハ↢一切衆生↡」是ズルナリ↢菩提門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)楽清浄心
                (a)論文

【111】 ^さんにはらく清浄しょうじょうしんなり。 一切いっさいしゅじょうをしてだいだいしむるをもつてのゆゑなり。 しゅじょう摂取せっしゅしてかのこくしょうぜしむるをもつてのゆゑなり。

[ニ]者楽清浄心[ナリ]。以[テ]ノ↠令[ムル]ヲ↣一切衆生ヲシテ↢大菩提↡故ナリ。以[テ]ノ↧摂↢取シテ衆生↡生[ゼ]シムルヲ↦彼国土↥故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)註釈

 ^だいはこれ*ひっきょうじょうらくところなり。 もし一切いっさいしゅじょうをしてひっきょうじょうらくしめざれば、 すなはちだいせり。 このひっきょうじょうらくはなにによりてかる。 だいじょうもんによる。 だいじょうもんといふは、 いはく、 かの安楽あんらくぶつこくこれなり。 このゆゑにまた 「しゅじょう摂取せっしゅしてかのこくしょうぜしむるをもつてのゆゑなり」 といへり。

菩提是畢竟常楽ナリ。若レバ↠令↣一切衆生ヲシテ↢畢竟常楽↡、則[チ]セリ↢菩提↡。此[ノ]畢竟常楽[リ]テカ↠何而得。依↢大乗門↡。大乗門トイフ、謂安楽仏国土是也。是[ノ]ヘリ↩「以[テ]ノ↧摂↢取シテ衆生↡生ゼシムルヲ↦彼国土↥故ナリト」↨。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)結示

^これをさんしゅだいもんずいじゅんするほう満足まんぞくづく、 るべし。

05220418↧三種随↢順スル菩提門↡法満足↥、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b 名義摂対章
          (一)標章

【112】^みょう摂対せったいとは、

名義摂対

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)釈文
            (Ⅰ)権実相摂を明す
              (ⅰ)論文

^さき智慧ちえ慈悲じひ方便ほうべんとのさんしゅもんは、 般若はんにゃ摂取せっしゅし、 般若はんにゃ方便ほうべん摂取せっしゅす、 るべし。

サキ[ク]慈悲方便トノ三種摂↢取般若↡、般若[ハ]摂↢取方便↡、応[シ]↠知

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅰ)(ⅱ)註釈
                (a)二智を釈す

 ^般若はんにゃ」 といふは、 *にょたっするなり。 「方便ほうべん」 といふは、 *ごんつうずるしょうなり。 にょたっすればすなはち*しんぎょうじゃくめつなり。 ごんつうずればすなはちつぶ0148さにしゅ*かえりみる。 かえりみる、 つぶさにおうじてしかも*無知むちなり。 じゃくめつ、 また無知むちにしてつぶさにかえりみる。

「般若トイフ、達スル↠如[ニ]ナリ。「方便トイフ、通ズル↠権之智ナリ。達スレバ↠如[ニ][チ]心行寂滅ナリ。通[ズ]レバ↠権[ニ][チ]ミル↢衆機↡。ミル↠機之智、備ジテ无知ナリ。寂滅之恵、亦无知ニシテツブサミル

^しかればすなはち智慧ちえ方便ほうべんとあひえんじてどうじ、 あひえんじてじょうなり。 どうじょうしっせざることは智慧ちえこうなり。 じょうどうはいせざることは方便ほうべんちからなり。 このゆゑに智慧ちえ慈悲じひ方便ほうべんとは般若はんにゃ摂取せっしゅし、 般若はんにゃ方便ほうべん摂取せっしゅす。

レバ[チ]智恵方便ジテ而動、相縁ジテ而静ナリ。動[ノ]ルコトハ↠失↠静智恵之功也。静[ノ]ルコトハ↠癈[セ]↠動方便之力也。是智恵慈悲方便ト[ハ]摂↢取般若↡、般若[ハ]摂↢取方便↡。

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)応知を釈す

^るべし」 といふは、 いはく、 智慧ちえ方便ほうべんとはこれさつ父母ぶもなり。 もし智慧ちえ方便ほうべんとによらずは、 さつほう、 すなはちじょうじゅせずとるべしとなり。 なにをもつてのゆゑに。 もし智慧ちえなくしてしゅじょうのためにするときは、 すなはち顛倒てんどうす。 もし方便ほうべんなくしてほっしょうかんずるときは、 すなはち実際じっさいしょうす。 このゆゑに 「るべし」 といふ。

シトイフ↠知、謂シ[トナリ]↠知↧智恵方便トハ是菩薩父母ナリ[シ]↠依↢智恵方便トニ↡、菩薩法則[チ]↦成就↥。何[テ]ノ。若クシテ↢智恵↡ニスル↢衆生↡時、則[チ]↢顛倒↡。若[シ][ク]シテ↢方便↡観ズル↢法性↡時、則[チ]↢実際↡。是シトイフ↠知」。

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅱ)違順相対を示す
              (ⅰ)無障心を明す
                (a)論文

【113】 ^さきしんおんしてしんとんじゃくせざると、 しゅじょうやすんずることなきしんおんすると、 しんようぎょうするしんおんするとをけり。 このさんしゅほうだいふるしんおんす、 るべし。

サキケリ↪遠↢離シテ我心↡不ルト↠貪↢着自身↡、遠↧離スルト↠安ズルコト↢衆生↡心↥、遠↩離スルトヲ供↢養恭↣敬スル自身↡心↨。此三種遠↧離フル↢菩提↡心↥、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)註釈

 ^諸法しょほうにおのおの*しょうそうあり。 ふうはよくじょうへ、 はよくすいへ、 湿しつはよくふるがごとし。 あくじゅうあく人天にんでんふ。 顛倒てんどうしょうもんふ。 このなかのさんしゅおんは、 だいふるしんなり。

諸法[ノ]↢障相↡。如↢風↠静、土↠水、湿フルガ↟火。五悪・十悪[フ]↢人天↡。四顛倒↢声聞↡。此三種不遠離、障[フ]ル↢菩↡心ナリ

^るべし」 といふは、 もし0149ふることなきことをんとほっせば、 まさにこのさんしゅしょうおんすべしとなり。

シトイフ↠知、若0523セバ0419[ム]ト↠无[キ]コトヲ↠障[フル]コト、当シト↣遠↢離三種障↡也。

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅱ)(ⅱ)勝真心を明す
                (a)論文

【114】 ^さきぜん清浄しょうじょうしんあん清浄しょうじょうしんらく清浄しょうじょうしんけり。 このさんしゅしんは、 一処いっしょりゃくして*みょうらくしょうしんしん*じょうじゅす、 るべし。

ケリ↢无染清浄心・安清浄心・楽清浄心↡。此三種シテ↢一処↡成↢就妙楽勝真心↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)註釈

 ^らくさんしゅあり。 いちにはらく、 いはくしきしょしょうらくなり。 には内楽ないらく、 いはく*初禅しょぜんぜん三禅さんぜんしきしょしょうらくなり。 さんには*法楽ほうがくらく、 いはく智慧ちえしょしょうらくなり。

[リ]↢三種↡。一[ニ]者外楽、謂五識所生ナリ。二[ニ]者内楽、謂初禅・二禅・三禅[ノ]意識所生ナリ。三[ニ]者法楽 五角[ノ]魯各[ノ]、謂[ク]恵所生ナリ

^この智慧ちえしょしょうらくは、 ぶつ (阿弥陀仏)どくあいするよりおこれり。 これしんおんすると、 あんしゅじょうしんおんすると、 ようしんおんするとなり。 このさんしゅしん清浄しょうじょうにして増進ぞうしんするを、 りゃくしてみょうらくしょうしんしんとなす。

智恵所生↠愛スル↢仏功徳↡起レリ是遠↢離スルト我心↡、遠↢離スルト无安衆生心↡、遠↢離スルトナリ自供養心↡。是三種、清浄ニシテ増進スルヲシテ↢妙楽勝真心

^みょう」 のごんは、 それこうなり。 このらくぶつえんじてしょうずるをもつてのゆゑなり。 「しょう」 のごんは、 三界さんがいのなかのらく勝出しょうしゅつせり。 「しん」 のごんは、 虚偽こぎならず顛倒てんどうせず。

。「妙」言ナリ。以[テ]ノ↢此[ジテ]↠仏[ヲ]ズルヲ↡故ナリ。「勝」言、勝↢出セリ三界↡。「真」言↢虚偽ナラ↡不ルナリ↢顛倒↡。

二 Ⅱ ⅱ b 願事成就章
          (一)標章

【115】^がんじょうじゅとは、

願事成就

二 Ⅱ ⅱ b リ (二)釈文
            (Ⅰ)一心の成就を明す
              (ⅰ)論文

^かくのごとくさつ智慧ちえしん方便ほうべんしんしょうしんしょうしんしんをもつて、 よく清浄しょうじょう仏国ぶっこく*しょうず、 るべし。

[ク]↠是[クノ]菩薩[ハ]智恵心・方便心・无障心・勝真心ヲモテ、能↢清浄仏国土↡、応[シ]↠知

二 Ⅱ ⅱ b リ (二)(Ⅰ)(ⅱ)註釈

 ^るべし」 といふは、 いはく、 このしゅ清浄しょうじょうどくをもつて、 よくかのしょう0150じょう仏国ぶっこくしょうずることを。 これえんをもつてしょうずるにはあらずとるべしとなり。

シトイフ↠知、謂シト↠知↧此四種清浄功徳ヲモテ、能得↠生[ズルコト]ヲ↢彼清浄仏国土ズト他縁ヲモテ而生ズルニハ↥也。

二 Ⅱ ⅱ b リ (二)(Ⅱ)五行の成就を明す
              (ⅰ)論文

【116】 ^これをさつ摩訶まかさつしゅ法門ほうもんずいじゅんし、 しょこころしたがひてざい*じょうじゅすとづく。 さき所説しょせつのごとき身業しんごうごうごうごう方便ほうべんごうは、 法門ほうもんずいじゅんするがゆゑなり。

↧菩薩摩訶薩随↢順五種法門↡、所作随[ヒ]テ↠意自在成就スト↥。如サキ0524↡身0420業・口業・意業・智業・方便智業随↢順スルガ↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b リ (二)(Ⅱ)(ⅱ)註釈

 ^こころしたがひてざいに」 とは、 このしゅどくりきをもつて、 よく清浄しょうじょうぶつ*しょうずれば*しゅつもつざいなるをいふなり。 「しんごう」 とは礼拝らいはいなり。 「ごう」 とは讃嘆さんだんなり。 「ごう」 とはがんなり。 「ごう」 とは観察かんざつなり。 「方便ほうべんごう」 とはこうなり。 このしゅごうごうすれば、 すなはちこれおうじょうじょう法門ほうもんずいじゅんしてざいごう*じょうじゅするをいふなり。

ヒテ↠意自在ニト↧此五種功徳力ヲモテ、能ズレバ↢清浄仏土↡出没自在ナルヲ↥也。「身業[ト]礼拝也。「口業[ト]」者讃嘆也。「意業[ト]」者作願也。「智業[ト]」者観察也。「方便智業[ト]」者廻向也。フナリ↧此五種業和合スレバ、則[チ]是随↢順シテ往生浄土法門↡自在業成就スルヲ↥。

二 Ⅱ ⅱ b 利行満足章
          (一)標章

【117】^ぎょう満足まんぞくとは、

利行満足者、

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)釈文
            (Ⅰ)正釈論文
              (ⅰ)五門の入出を明す
                (a)標数

^またしゅもんありて、 ぜんしゅどく*じょうじゅす、 るべし。

復有[リ]テ↢五種門↡漸次成↢就五種功徳↡、応[シ]↠知[ル]

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)列目
                  (イ)論門

^何者なにものもんいちには近門ごんもんにはだいしゅもんさんには宅門たくもんには屋門おくもんには園林おんりん遊戯ゆげもんなり。

五門。一[ニ]者近門、二[ニ]者大会衆門、三[ニ]者宅門、四[ニ]者屋門、五[ニ]者園林遊戯地門ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)註釈

 ^このしゅは、 *入出にゅうしゅつだいそう*げんす。

五種示↢現入出次第↡。

^にゅうそうのなかに、 はじめにじょういたるは0151、 これごんそうなり。 いはく、 だいじょう正定しょうじょうじゅりて、 のく多羅たらさんみゃくさんだいちかづくなり。 じょうりをはれば、 すなはち如来にょらい (阿弥陀仏)だいしゅかずるなり。 しゅかずりをはれば、 まさにしゅぎょう安心あんじんたくいたるべし。 たくりをはれば、 まさにしゅぎょうしょ*おくいたるべし。 しゅぎょうじょうじゅしをはれば、 まさに*きょういたるべし。 きょうはすなはちこれさつ*自娯じごらくなり。

入相、初ル[ハ]↢浄土↡、是近[ノ]ナリ。謂リテ↢大乗正定聚↡、近ヅクナリ↢阿耨多羅三藐三菩提↡。入↢浄土↡已レバ、便[チ]ルナリ↢如来大会衆↡。入↢衆↡已レバ、当↠至↢修行安心之宅↡。入[リ]↠宅[レ]バ、当↠至↢修行所居オク尤挙[ノ]。修行成就レバ、当↠至↢教化地↡。教化地[チ]是菩薩自娯楽ナリ

^このゆゑにしゅつもん園林おんりん遊戯ゆげもんしょうす。

出門↢園林遊戯地門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(c)総判
                  (イ)論文

【118】 ^このしゅもんは、 はじめのしゅもんにゅうどく*じょうじゅし、 だいもんしゅつどく*じょうじゅす。

五種、初四種成↢就功徳↡、第五門成↢就功徳↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(c)(ロ)註釈

 ^この入出にゅうしゅつどくは、 何者なにものかこれや。 しゃくしていはく、

05250421功徳シテ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)別釈
                  (イ)近門
                    [一]論文

^にゅう第一だいいちもんとは、 弥陀みだぶつ礼拝らいはいし、 かのくに*しょうぜんとなすをもつてのゆゑに、 安楽あんらくかいしょうずることを*。 これをにゅう第一だいいちもんづく。

入第一門、以[テ]ノ↧礼↢拝[シ]阿弥陀仏↡、スヲ↞生[ゼムト]↢彼↡故↠生[ズルコト]ヲ↢安楽世界↡。是↢入第一門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(イ)[二]註釈

 ^ぶつらいして仏国ぶっこくしょうぜんとがんず。 これはじめのどくそうなり。

シテ↠仏↠生[ゼム]ト仏国↡。是功徳ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ロ)大会衆門
                    [一]論文

【119】 ^にゅうだいもんとは、 弥陀みだぶつ讃嘆さんだんし、 みょうずいじゅんして如来にょらいみな*しょうし、 如来にょらいこうみょうそうによりてしゅぎょうするをもつてのゆゑに、 だいしゅかずることを*。 これをにゅうだいもんづく。

入第二門[ト]、以[テ]ノ↧讃↢嘆阿弥陀仏↡、随↢順[シテ]名義↡称↢如来↡、依[リ]テ↢如来光明智相↡修行[スル]ヲ↥故↠入[ル]コトヲ↢大会衆↡。是↢入第二門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ロ)[二]註釈

 ^0152如来にょらいみょうによりて讃嘆さんだんす。 これだいどくそうなり。

[リ]テ↢如来名義↡讃嘆第二功徳相ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ハ)宅門
                    [一]論文

【120】^にゅう第三だいさんもんとは、 *一心いっしん専念せんねんにかのくにしょうぜんとがんし、 しゃ摩他また寂静じゃくじょう三昧ざんまいぎょうしゅするをもつてのゆゑに、 れんぞうかいることを*。 これをにゅう第三だいさんもんづく。

入第三門[ト]者、以[テ]ノ一心専念作↣願ゼムト↢彼↡、修スルヲ↦奢摩他寂静三昧↥故↠入[ル]コトヲ↢蓮花蔵世界↡。是↢入第三門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ハ)[二]註釈

 ^寂静じゃくじょうしゅせんがためのゆゑに、 一心いっしんにかのくにしょうぜんとがんず。 これ第三だいさんどくそうなり。

↠修セム[ガ]↢寂静止↡故、一心↠生[ゼム]ト↢彼↡。第三功徳相ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ニ)屋門
                    [一]論文

【121】^にゅうだいもんとは、 *専念せんねんにかのみょうしょうごん観察かんざつし、 毘婆びばしゃしゅするをもつてのゆゑに、 *かのところいたりて種々しゅじゅほうらく受用じゅゆうすることを。 これをにゅうだいもんづく。

入第四門[ト]者、以[テ]ノ専念観↢察妙荘厳↡、修[スル]ヲ毘婆舎那↥故得↧到リテ↢彼受↦用スルコトヲ種種法味楽↥。是↢入第四門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ニ)[二]註釈

 ^種々しゅじゅほうらく」 とは、 毘婆びばしゃのなかに、 *観仏かんぶつこく清浄しょうじょう*しょうじゅしゅじょうだいじょう*ひっきょうじゅう虚作こさ*るい事起じきぎょう願取がんしゅぶつあり。 かくのごときりょうしょうごん仏道ぶつどうあるがゆゑに 「種々しゅじゅ」 といふ。 これだいもんどくそうなり。

「種種法味楽、毘婆舎那、有↢観仏国土清浄味・摂受衆生大乗味・畢竟住持不虚作味・類事起行願取仏土味↡。有ルガ↢如↠是[クノ]无量[ノ]04220526仏道味↡故↢「種種」↡。是第四功徳相ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ホ)園林遊戯地門
                    [一]論文

【122】 ^しゅつだいもんとは、 だい慈悲じひをもつて一切いっさいのうしゅじょう観察かんざつして、 おうしんしめして、 しょうその煩悩ぼんのうはやしのなかににゅうして遊戯ゆげし、 神通じんずうもつてきょういたる。 本願ほんがんりきこうをもつてのゆゑなり。 これをしゅつだいもん0153く。

出第五門、以↢大慈悲↡観↢察シテ一切苦悩衆生↡、示[シ]テ↢応化身↡、廻↢入シテ生死ソノ、煩悩遊戯、神通モテ↢教化地↡。以[テ]ノ↢本願力廻向↡故ナリ。是↢出第五門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ホ)[二]註釈
                      [Ⅰ]示身を釈す

 ^おうしんしめして」 とは、 *¬法華ほけきょう¼ のもんげんたぐいのごとし。

シテト↢応化身↡」、如[シ]↢¬法花経¼普門示現之類[ノ]↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ホ)[二][Ⅱ]遊戯を釈す

^遊戯ゆげ」 にあり。 いちにはざいなり。 さつしゅじょうすることは、 たとへば獅子しし鹿しかつがごとく、 なすところかたからざること遊戯ゆげするがごとし。 には*度無どむしょなり。 さつしゅじょうかんずるにひっきょうじてしょなし。 りょうしゅじょうすといへども、 じついちしゅじょうとしてめつるものなし。 しゅじょうするをしめすこと遊戯ゆげするがごとし。

遊戯↢二義↡。一[ニ]者自在[ナリ]。菩薩度[スル]コトハ↢衆生↡、譬[ヘ]バ師子ツガ↟鹿、所↠為ルコト↠難カラ如↢似 ゴト 遊戯スルガ↡。二[ニ]者度无所ナリ。菩薩ズルニ↢衆生↡畢竟ジテ↢所有↡。雖↠度[ス]ト↢无量衆生而実↧一衆生トシテ↢滅度↥。示[ス]コト↠度スルヲ↢衆生如↢似 ゴト 遊戯スルガ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ホ)[二][Ⅲ]願力を釈す

^本願ほんがんりき」 といふは、 だいさつ法身ほっしんのなかにおいて、 つねに三昧さんまいにましまして、 種々しゅじゅしん種々しゅじゅ神通じんずう種々しゅじゅ説法せっぽう*げんずることをしめす。 みな本願ほんがんりきをもつておこせり。 たとへばしゅきんするものなしといへども、 いんぎょくねんなるがごとし。 これをきょうだいどくそうづく。

↢「本願力」↡、示↧大菩薩↢法身↡、常シテ↢三昧↡而現ズルコトヲ↦種種身・種種神通・種種説法↥。皆以↢本願力↡起セリ。譬[ヘ]バ↧阿修羅↠无[シ]トスル↡而イムギヨク自然ナルガ↥。是↢教化地第五功徳相↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)行成得果を顕す
                (a)二利行成を結す
                  (イ)自利成就を結す
                    [一]論文

【123】 ^さつ*にゅうしゅもんをもつて自利じりぎょうじょうじゅす、 るべし。

菩薩[ノ]四種ヲモテ自利行成就、応↠知[ル]

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(イ)[二]註釈

 ^じょうじゅ」 とは、 いはく、 自利じり満足まんぞくなり。 「るべし」 といふは、 いはく、 自利じりによるがゆゑにすなはちよく利他りたす。 これ自利じりすることあたはずしてよく利他りたするにあらずとるべしとなり。

「成就[ト]、謂自利満足也。「シトイフ↠知、謂シト↠知↧由ル[ガ]↢自利↡故[チ][ク]利他ズトシテ↠能[ハ]↢自利スルコト↡而能利他スルニ↥也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)利他成就を結す
                    [一]論文

【124】 ^さつ*しゅつだいもんこうをもつてやくぎょうじょうじゅす、 るべし。

菩薩[ノ]第五門廻向[ヲモテ]利益他行成就、応[シ]↠知

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)[二]註釈

 ^0154じょうじゅ」 とは、 いはく、 こういんをもつてきょうしょうす。 もしはいん、 もしはいちとして利他りたすることあたはざることあることなし。 「るべし」 といふは、 いはく、 利他りたによるがゆゑにすなはちよく自利じりす。 これ利他りたすることあたはずしてよく自利じりするにはあらずとるべしとなり。

「成0527[ト]0423、謂↢廻向↡証↢教化地↡。若[シ]ハ因若[シ]ハ果、无↠有[ル]コト↢一事トシテルコト↟能[ハ]↢利他スル↡。「シトイフ↠知、謂シト↠知↧由ルガ↢利他[ニ]↡故[チ]自利ズトシテ↠能[ハ]↢利他スルコト↡而能自利[スル]ニハ↥也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)速得菩提を明す
                  (イ)論文

【125】 ^さつはかくのごとく*念門ねんもんぎょうしゅして自利じり利他りたす。 すみやかにのく多羅たらさんみゃくさんだいじょうじゅすることを*るがゆゑなり。

菩薩[ハ]↠是[クノ]シテ↢五念門↡自利利他。速↣成↢就スルコトヲ阿耨多羅三藐三菩提↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)註釈
                    [一]総釈

 ^ぶつ所得しょとくほうづけてのく多羅たらさんみゃくさんだいとなす。 このだいるをもつてのゆゑにづけてぶつとなす。 いま 「すみやかにのく多羅たらさんみゃくさんだい」 といふは、 これはやぶつすることを*るなり。

所得[ケ]テ↢阿耨多羅三藐三菩提↡。以[テ]ノ↠得[ル]ヲ↢此↡故[ケ]テ↠仏。今フハ↣「↢阿耨多羅三藐三菩提↡」、ハヤ作仏スルコトヲ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]別釈
                      [Ⅰ]略解

^」 はづく、 「のく多羅たら」 はじょうづく、 「さんみゃく」 はしょうづく、 「さん」 はへんづく、 「だい」 はどうづく。 べてこれをやくして、 づけて 「じょうしょうへんどう」 となす。

↠无、耨多羅↠上、三藐↠正、三↠遍、菩提↠道ベテ而訳シテ↠之、名[ケ]テ↢无上正遍道↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]広釈
                        [ⅰ]無上を釈す

^じょう」 とは、 いふこころは、 このどうは、 *きわしょうつくしてさらにぎたるひとなし。 なにをもつてかこれをいふとなれば、 「しょう」 をもつてのゆゑなり。

无上[ト]フコヽロハ[ハ]↠理シテ↠性↢過[ギ]タルヒト↡。何[ヲ][テ]カフトナレバ↠之、以[テ]ノ↠正ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]正を釈す

^しょう」 とはしょうなり。 *法相ほっそうのごとくしてるがゆゑにしょうしてしょうとなす。 ほっしょうそうのゆゑにしょう無知むちなり。

[ト]聖智也。如クシテ↢法相[ノ]↡而知ルガシテ↢正↡。法性无相聖智[ハ]无知也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ]遍を釈す

^へん」 にしゅあり。 いちには*しょうしんあまねく一切いっさいほうろしめす。 0155には法身ほっしんあまねく法界ほうかいつ。 もしはしん、 もしはしんへんせざるはなし。

↢二種↡。一[ニ]者聖心遍シロシメ↢一切↡。二[ニ]者法身遍↢法界↡。若[シ]ハ身若[シ]ハ心、无コト↠遍也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅳ]道を釈す

^どう」 とは無礙むげどうなり。 ¬きょう¼ (*華厳経・意) にのたまはく、 「*十方じっぽう無礙むげにん一道いちどうよりしょう」 と。 「一道いちどう」 とはいち無礙むげどうなり。 「無礙むげ」 とは、 いはく、 しょうすなはちこれはんるなり。 かくのごとき*にゅう不二ふに法門ほうもんは、 無礙むげそうなり。

[ト]无道也。¬経¼ノタマハク、「十方[ノ]无人、一道ヨリヅト↢生死↡¼。一道[ト]一无道也。无[ト]、謂ルナリ↢生死即[チ]是涅槃↡。如[キ]↠是[クノ][ノ]入不二法門、无相也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)問答料簡
              (ⅰ)

【126】^ひていはく、 なんの因縁いんねんありてか 「すみやかにのく多羅たらさんみゃくさんだいじょうじゅすることを」 といへる。

[ヒテ][ク]、有[リ]テカ↢何因縁↡ヘル↤「↣成↢就スルコトヲ阿耨多羅三藐三菩提↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)
                (a)略答
                  (イ)論文を引きて直ちに答ふ

^こたへていはく、 ¬ろん¼ (浄土論) に 「もんぎょうしゅして、 *自利じり利他りたじょうじゅするをもつてのゆゑなり」 といへり。

0528[ヘテ]0424[ク]、¬論¼ヘリ↧「修シテ↢五門↡、以[テ]ノ↢自利利他成就スルヲ↡故ナリ[ト]」↥。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)摂末帰本に約す【覈求其本

^しかるに*まこともともとむるに、 弥陀みだ如来にょらい*ぞうじょうえんとなす。

[ル]ニマコト[ム]ルニ↢其↡、阿弥陀如来↢増上縁↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ハ)以本奪末に約す【他利利他】

^*他利たり利他りたと、 だんずるに*左右さうあり。 もしぶつよりしていはば、 よろしく利他りたといふべし。 しゅじょうよりしていはば、 よろしく他利たりといふべし。 いままさに仏力ぶつりきだんぜんとす。 このゆゑに 「利他りた」 をもつてこれをいふ。 まさにこのるべし。

他利↢利他↡談ズルニ↢左右↡。若リシテ↠仏而ハヾ、宜シクシ ↢利他↡。リシテ↢衆生↡而言ハヾ、宜シクシ ↢他利↡。今将↠談ゼムト↢仏力↡。是↢「利他」↡↠之。当↠知↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)広く如来願力を明す
                    [一]総明

^おほよそこれかのじょうしょうずると、 およびかのさつにんてんしょしょぎょうとは、 みな弥陀みだ如来にょらい本願ほんがんりきによるがゆゑなり。 なにをもつてこれをいふとなれば、 もし仏力ぶつりきにあらずは、 じゅうはちがんすなはちこれ*せつならん。

[ズル]ト↢彼浄土↡、及[ビ]薩人天所起諸行[ト]ハ、皆縁ルガ↢阿弥陀如来本願力ナリ。何[ヲ]フトナレバ↠之、若[ズ]ハ↢仏力↡、四十八願便[チ]徒設ナラム

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]別顕
                      [Ⅰ]総標【三願的証】

^*いまあきらかに三願さんがんりて、 もつてこころしょうせん。

アキラカ[リ]テ↢三願↡、用セム↢義↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ]別釈
                        [ⅰ]第十八願
                          [a]引願

^がん0156 (第十八願) にのたまはく、 「たとひわれぶつんに、 十方じっぽうしゅじょうしんいたしてしんぎょうしてわがくにしょうぜんとほっして、 すなはちじゅうねんいたるまでせん。 もししょうずることをずは、 しょうがくらじ。 ただぎゃくほうしょうぼうとをのぞく」 と。

ノタマハク、「設ムニ↠仏、十方衆生、シテ↠心信楽シテシテ↠生[ゼム]ト↢我↡、ルマデセム↢十念↡。若↠生[ズルコト]ヲ者、↠取↢正覚↡。唯除クト↢五逆誹謗正法トヲ↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅰ][b]結証

^ぶつ願力がんりきによるがゆゑにじゅうねん念仏ねんぶつをもつてすなはちおうじょうおうじょうるがゆゑに、 すなはち三界さんがい輪転りんでんまぬかる。 輪転りんでんなきがゆゑに、 ゆゑにすみやかなることをいちしょうなり。

ルガエントスルガ仏願力↡故十念念仏ヲモテ便得↢往生↡。得ルガ↢往生↡故、即[チ]マヌカ↢三界輪転之事↡。无キガ↢輪転↡故所以↠速[ナル]コトヲ証也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ]第十一願
                          [a]引願

^がん (第十一願) にのたまはく、 「たとひわれぶつんに、 くにのうちの人天にんでん正定しょうじょうじゅじゅうしてかならずめついたらずは、 しょうがくらじ」 と。

ノタマハク、「設[ヒ]我得ムニ↠仏、国人天、↧住シテ↢正定聚↡必[ズ]↦滅度↥者、↠取↢正覚↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ][b]結証

^ぶつ願力がんりきによるがゆゑに正定しょうじょうじゅじゅうす。 正定しょうじょうじゅじゅうするがゆゑに、 かならずめついたりて、 もろもろの*ぶくなんなし。 ゆゑにすみやかなることをしょうなり。

[ルガ]↢仏願力[ニ]↡故↢正定↡。住スルガ↢正定聚↡故、必[ズ][リ]テ↢滅度↡、无↢諸廻伏之難↡。所以↠速[ナルコト]ヲ証也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅲ]第二十二願
                          [a]引願

^がん (第二十二願) にのたまはく、 「たとひわれぶつんに、 ほうぶつのもろもろの薩衆さつしゅ、 わがくにらいしょうせば、 きょうしてかならずいっしょうしょいたらん。 その本願ほんがんざいするところありて、 しゅじょうのためのゆゑに、 ぜいよろい徳本とくほんしゃくるいし、 一切いっさいだつし、 諸仏しょぶつくにあそびてさつぎょうしゅし、 十方じっぽう諸仏しょぶつ如来にょらいようし、 恒沙ごうじゃりょうしゅじょうかいして、 じょうしょうしんどうりゅうせしめんをばのぞく。 *じょうりんしょぎょう超出ちょうしゅつし、 現前げんぜんげんとくしゅじゅうせん。 もししからずは、 しょうがく0157らじ」 と。

ノタマハク、「設[ヒ]我得[ム]ニ↠仏、他方仏土菩薩衆、来↢生セバ↡、究竟シテ[ズ]ラム↢一生補処↡。除↧其本願自在アリテ↠化[セムト]スル、為↢衆生↡故↢弘誓ガイ↡積↢累徳本↡、度↢脱一切↡、遊[ビ]テ↢諸仏↡修↢菩薩↡、供↢養十方諸仏如来↡、開↢化シテ恒沙无量衆生↡、使メムヲバリフ↢无上正真之道↡。超↢出常倫0529諸地0425之行↡、現前修↢習セム普賢之徳↡。若[シ]↠爾[ラ]者、↠取↢正覚↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅲ][b]結証

^ぶつ願力がんりきによるがゆゑに、 *じょうりんしょぎょう超出ちょうしゅつし、 現前げんぜんげんとくしゅじゅうせん。 じょうりんしょぎょう超出ちょうしゅつするをもつてのゆゑに、 ゆゑにすみやかなることをさんしょうなり。

[ル]ガ↢仏願力↡故超↢出常倫諸地之行↡、現前修↢習セム普賢之徳↡。以[テ]ノ超↢出スルヲ常倫諸地↡故所以↠速[ナルコト]ヲ証也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[三]結示

^これをもつてすいするに、 りきぞうじょうえんとなす。 しからざることをんや。

↠斯而推スルニ、他力↢増上縁↡。得↠不[ル]コトヲ↠然

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)二力の不同を略弁す【自力他力】
                    [一]総標

 ^まさにまたれいきて、 りきりきそうしめすべし。

↣復引[キ]テ↠例↢自力他↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]別釈
                      [Ⅰ]自力を明す

^ひとさんおそるるがゆゑに禁戒きんかいじゅす。 禁戒きんかいじゅするがゆゑによくぜんじょうしゅす。 ぜんじょうをもつてのゆゑに神通じんずうしゅじゅうす。 神通じんずうをもつてのゆゑによくてんあそぶがごとし。 かくのごときづけてりきとなす。

↧人[ルヽ]ガ↢三塗[ヲ]↡故受↢持禁戒受↢持スルガ禁戒↡故↢禅定[テ]ノ↢禅定↡故修↢習神通[テ]ノ↢神通↡故[ク]ブガ↦四天下↥。如↠是[クノ][ケ]テ↢自力↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]他力を明す

^またれっ*またがりてのぼらざれども、 転輪てんりんのうみゆきしたがひぬれば、 すなはちくうじょうじててんあそぶに、 しょうするところなきがごとし。 かくのごときづけてりきとなす。

又如↧劣夫マタガリテレドモノボシタガヒヌレバ↢転輪王↡、便ジテ↢虚空↡遊ブニ↢四天下↡、无キガ↢障スル↡。如[キ]↠是[クノ][ケテ]↢他力↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[三]勧誡

^*おろかなるかな、 のち学者がくしゃりきじょうずべきことをきて、 まさに信心しんじんしょうずべし。 みづから*きょくぶんすることなかれ。

オロカナルカナ、後学者、聞[キ]テ↢他力[キ]コトヲ↟乗、当↠生↢信心↡。勿ミヅカキヨクブンハヾカルコトスルコト↡也。

二 Ⅱ ⅱ 結文を釈す【総結釈】
        論文

【127】 ^りょう寿じゅしゅ多羅たら優婆うば提舎だいしゃがんしょうりゃくしてしをはりぬ。

無量寿修多羅婆提舎願生偈、略シテ↠義[リ]ヌ

二 Ⅱ ⅱ c 註釈

 ^きょうはじめに 「にょ」 としょうするは、 しん*のうにゅうとなすことをあらわす。 すえに 「ぎょう」 といふは、 *服膺ぶくようおわることをあらわす。 ¬ろん¼ (浄土論)はじめに 「*らい」 するは、 しゅう0158よしあることをかす。 おわりに 「きょう」 といふは、 所詮しょせんおわることをしめす。 *じゅつさくひとことなれども、 ここにおいてれいじょうず。

ス[ルハ]↢如是↡、↣信スコトヲ↢能入↡。末↢奉行↡、ブクヰヨウ事已ルコトヲ↡。¬論¼初スル、明↢宗旨[ニ]ルコトヲユヘフハ↢義竟↡、↢所詮理畢ルコトヲ↡。述作ヒトナレドモ、於↠茲↠例

りょう寿じゅきょう優婆うば提舎だいしゃがんしょうちゅう かん

 

曇鸞法師者、并州汶水県人也。魏スヱセイ初、ナホ↢神智高ヱンニシテ三国↡知聞セラルホガラカ キラカニシテ↢衆経↡、ヒトリタリ↢人外↡。梁国天子サウ王、恒↠北ツル↢曇鸞菩薩↡。注↢解シテ往生論↡裁↢両巻↡。事出タル↢釈迦才三巻浄土論↡也。

 *建長八歳丙辰七月廿五日 愚禿親鸞 八十四歳 加点了

 

延書の底本は本派本願寺蔵鎌倉時代刊本(宗祖加点本)ˆ原漢文の底本と同一ˇ。
解義分 ¬浄土論¼ のじょうごう の部分。
 すじ道を通して説き明かすこと。 順序だてて解釈していくこと。
五念力 ねんもんのはたらきのことで、 信を生ぜしめるはたらきのあることをいう。
礼拝したてまつる 親鸞聖人は 「礼拝したまひき」 (加点本訓) と読まれた。
十名 如来にょらいじゅうごうのこと。
心行処滅し 心の行処の止滅。 心で思いわけることができないという意。
言語の道過ぎたり 言葉で言い表すことができない。
なすが 親鸞聖人は 「なさせんが」 (加点本訓) と読まれた。
讃嘆したてまつる 親鸞聖人は 「讃嘆したまひき」 (加点本訓) と読まれた。
かの如来の名を… →補註5
志願 往生し成仏しようとする願い。
三種の不相応あり… →補註7
存ずるがごとく… ときには有り、 ときには無くなる。 半信半疑の状態をいう。 →にゃくぞんにゃくもう
 底本には 「日」 とあるが、 異本およびこの譬喩ひゆの典拠となっている ¬だい智度ちどろん¼ 巻九等の文では、 「月」 となっているのでこれを改めた。 以下、 同じ。
名の法に即するあり 名と名によって示されるもの (法) のはたらきとが一体であるという意。
禁呪の音辞 悪やわざわいをとどめるための呪文。
日出東方… 中国に古くから伝わる呪文の一種と考えられる。
酉亥に… 酉亥は午後五時頃から午後十一時頃までのこと。 日の出とは関係のないこの時刻に 「日出…」 の呪文をとなえても、 腫物がひくという意。
臨兵闘者… ¬抱朴ほうぼく¼ に出る呪文。
熨す 上から下へじわじわとおさえていく。
滅除薬を鼓に塗る喩へ ¬しゅ楞厳経りょうごんぎょう¼ に出る喩え。 人が毒矢をうけても滅除薬を塗った鼓の音を聞けば、 矢は抜け毒も除かれるというもの。
心に…ゆゑなり 親鸞聖人は 「心につねに作願したまへりき。 一心に専念して畢竟じて安楽国土に往生して、 実の如く奢摩他を修行せんとおもふがゆゑにのたまへり」 (加点本訓) と読まれた。
心を鼻端に止むる 出入の息を数えて心の散乱をとどめるという数息観しゅそくかんのこと。 五停心観ごじょうしんかんの一。
不浄観 身や三界さんがいの不浄を観じて貪欲を離れる観法。 五停心観の一。
慈悲観 すべてのしゅじょうを観じて慈悲のおもいを生じ、 いかりをとどめる観法。 五停心観の一。
因縁観 すべての事物がみな因縁によって生じるという道理を観じて、 愚かさをとどめる観法。 五停心観の一。
椿柘楡柳 つばき・やまぐわ・にれ・やなぎ。
 異本には 「今」 とある。
観察し 親鸞聖人は 「観察したまへりき」 (加点本訓) と読まれた。
観心分明 観ずるこころが明らかな状態。
回向する 親鸞聖人は 「回向したまへる」 (信文類訓) と読まれた。
得んとする 親鸞聖人は 「得たまへる」 (加点本訓) と読まれた。
一切…作願するなり 親鸞聖人は 「一切衆生に回施したまひて、 作願してともにかの阿弥陀如来の安楽浄土に往生せしめたまふなり」 (信文類訓) と読まれた。
向かふなり 親鸞聖人は 「向かへしむるなり」 (加点本訓)、 「かえらしめたまふなり」 (信文類訓) などと読まれた。
器体 器世間の体相。 ここでは浄土の荘厳のこと。 →しゅけん
衆生体 衆生世間の体相。 ここでは仏および菩薩の荘厳のこと。 →しゅけん
体相 体はものがらの意。 観の対境となる荘厳相のこと。
五種の不可思議 →五不思ごふし
阿弥陀法王善住持力 阿弥陀仏の浄土をよくささえたもつはたらき。
砕身の舎利 仏の分骨を指していう。 →しゃ
大饒益 大きなやく
所須に称ひて 必要に応じて。
無上道の願 この上ないさとりを求め願う心。 だいしんのこと。
無量身の願 我身だけでなく、 一切のしゅじょうを済度して浄土に往生させようと願う心。
 ¬浄土論¼ (底本) には 「無量」 とある。
章門 前に掲げた十七種の浄土のしょうごんの分類を指す。
出世の善根 迷いの世間を超え出た煩悩ぼんのうのけがれのない善。
影響 うつりあらわれたすがた。
瞋忍 しん (いかり) と忍辱にんにく (たえしのぶ)。
触の楽 接触による快楽。
道を増す 仏道に向かう心を増進させる。
無分別の類 分別の意識のないもの。
五類 すいふうくう。 五大ともいう。
水穀の身 水を飲み穀物を食べて生きる身。
所応 おもいのぞむところ。
善悪の業縁 善悪の行為によって、 苦楽の果報を得ること。
探湯不及の情 悪をさけ善を求めるこころ。 悪を見れば熱湯に手を入れてすぐひっこめるようにこれをさけ、 善を見れば及ばずとも求めたいと思うこと。 もと ¬論語¼ 季氏きしへんに出る。
 極楽のしょうごんにうつしだされる十方世界のすがた。
馨香芬烈 香気をつよく放っていること。
次いでをもつて… 順序正しく華が消え去り。
 はなびら。
 引用は ¬大経¼ の第十八願成就文および ¬だい阿弥陀あみだきょう¼ ¬びょう等覚どうがくきょう¼ 等の取意の文。
剋念…往生を得て 親鸞聖人は 「剋念して生ぜんと願ぜんものと、 また往生を得るものとは」 (加点本訓) と読まれ、 現生げんしょう正定聚しょうじょうじゅの意を示された。
不朽薬 ものを朽ちさせない薬。
瀾れず くさらない。
善住持 浄土をよくささえたもつはたらき。
もしは胎… →四生ししょう
 引用は ¬ほっ譬喩ひゆきょう¼ ¬しゅつようきょう¼ 等の取意の文。
苦器 苦しみの容器。
悩端 悩みのはじめ、 糸口。
女人及根欠二乗種不生 →補註10
譏過 ¬浄土論¼ (底本) には 「譏嫌過」 とある。
諸天の器を… 六欲天等の天界では、 同じ器に同じ食物を盛っても、 食するものの福徳の因縁いんねんによって色が変化するという。 もと ¬ゆいぎょう¼ に出る。
足の指… 不浄な心をもつものにはれきにしか見えない世界も、 仏眼ぶつげんをもって見れば黄金の世界であることを、 釈尊が足の指で地をおさえて見せられたこと。 もと ¬ゆいぎょう¼ に出る。
本は… →本則ほんそく三三さんざんほん
所須の供養の具 供養に必要な品。
自在の位 さつじゅうの位のうち八地以上の位をいう。
能神のひと 神通じんずうりきをもつ人。 阿弥陀仏のこと。
 境は対境の意。 智慧ちえによって観知される対象のこと。
十六句 第一のしょうごん清浄しょうじょう功徳をのぞく荘厳量功徳などの十六の荘厳をいう。
器浄 国土荘厳の清浄。
総別 国土荘厳十七種のうち、 第一の荘厳清浄功徳を総とし、 他の十六を別という。
建章 「願生偈」 の発端の章。
無為能為の身 無為むいにしてす身。 空理に達してしかも利他を行ずる仏身。
三空不空の痼 空、 無相、 無願 (三空) の空理にとらわれることは、 真の空ではないこと (不空) をいう。 真空しんくう妙有みょううを知らない小乗を批判したもの。
根敗 大乗の無上のさとりを求める心がすたれることを、 草木の根がくさることに喩えていうもの。
三千 三千さんぜん大千だいせんかいの略。
無反無復… 思いかえしてふたたび大乗のさとりをもとめる心をおこすことがないこと。 ¬ちゅうゆいぎょう¼ に 「ぼんに反復の名あり、 二乗に根敗の恥あり」 などとあるのによるか。
かの生の理を体する 無生の生の道理を体得する境界が浄土であるという意。
総相 全体に通ずる普遍的な性質。
上品生 ¬観経¼ に説かれる九品往生のうち、上品上生、上品中生、上品下生のものをいう。 →ぼん
惑ひ 実体的なしょうめつがあるという惑い。
浄摩尼珠 摩尼まに宝珠ほうしゅのこと。
生見 実の生ありとする生にとらわれる心。
無生の智 不生ふしょうめつの理をさとる智慧ちえのこと。 →しょう
 ¬浄土論¼ (底本) には 「大衆」 とある。
凡夫の衆生は… →補註6
身見 自己を実体視する誤った見解。
言教不行の苦 自己の主張が、 他人に受けいれられない苦。
無名聞の苦 名声があがらない苦。
実相に入れば… 無相の実相じっそうにかなう心は分別ふんべつ (無知) である。
石の蛭 山蛭やまひる
甘刀 よく切れる刀。 利刀。
有知無知 知覚があるかないか。
聖心 聖者の心。 凡心 (ぼんの心) に対す。
人餐を輟めて… 人が自らの食事を節約して士を養っても、舟の中でそのものに殺されるという血なまぐさいできごとが起るということ。 もと ¬えつ春秋しゅんじゅう¼ ¬春秋しゅんじゅう¼ に出る 「けいの故事」 を引いたもの。 きん (血ぬる) の俗字。
自在神力 自由自在の不思議な力。
願もつて… いんの願は果上の力を成就し、 かつ果上の力は因位の願のままにはたらくという意。
八地 菩薩の階位の第八地。 →じゅう
上地 ここでは八地以上の菩薩のこと。 →じゅうさつ
菩薩七地の… さつの陥るしち沈空ちんくうなんをいう。
大寂滅 一切の法は本来くうじゃくであるという空理。
常倫…修習せん 「常倫諸地の行」 とは、 常なみの菩薩が漸次に経過するじゅうのそれぞれの修行のこと。 親鸞聖人は 「常倫に超出し、 諸地の行現前し、 普賢の徳を修習せん」 (加点本訓) と読まれた。
百囲 囲は長さの単位。 一囲は両手を広げてひと囲みの長さ。 なお、 異本には 「囲」 の字を 「歳」 とするものもある。
羅漢を一聴に証し 一度の説法で阿羅漢果あらかんかを得させたことをいう。 ¬大智度論¼ に出る。
無生を終朝に制する 終朝は夜明けから朝食までの間のこと。 朝のあいだにしょう法忍ぼうにんに至らせる。
宜なり しかたのないことである。
 阿弥陀仏の教化。
長幼に同ずることを恐る 長幼は年長者と年少者の順序。 阿弥陀仏と聖者の関係は、 長幼の序というようなものでないことを注意したもの。
四種の正修行功徳成就 てんじん菩薩の ¬浄土論¼ では、 国土しょうごん十七種と仏荘厳八種については個々の荘厳の名称が付されているが、菩薩荘厳四種については名称が付されていない。 なお、 後世に付された名称として第一 「どう而至にし功徳」、 第二 「一念いちねんへん功徳」、 第三 「そうよう功徳」、 第四 「ほう如仏にょぶつ功徳」 がある。
如を体して… 真如しんにょの本体のままに行ずるので、 すでにみずから行ずるというとらわれの意識を離れた行である。
つねに三昧にあり ねん禅定ぜんじょうが得られること。 常住三昧、 報生ほうしょう三昧ざんまいに同じ。
卑湿の淤泥 湿ったどろ。
法身は… 無相の法身は一定のかたちにとらわれず、 あらゆる形をあらわしてすべてに応じてという意。
玄籍弥く布けり 玄籍は幽玄な書籍の意で、 ここでは仏教の経典のこと。 仏の教説が広く行きわたること。
冥権謀なくして… 冥権は仏・菩薩のはかりしれない権 (てだて)。 はからいをせずとも、 すべてにかなうはたらきをするということ。
観行の体相 観察かんざつの対象となる浄土、 仏および菩薩の荘厳相しょうごんそうを明かす。
無因と…あらざる 浄土は清浄しょうじょう願心によって成就したのだから無因ではなく、 願心以外に因はないから、 他因の有でもない。 願心荘厳の正縁起しょうえんぎの世界であることをあらわす。 なお親鸞聖人は 「因なくして他の因のあるにはあらざるなり」 (加点本訓) と読まれた。
三句 いっぽっ清浄しょうじょう真実しんじつ智慧ちえ無為むい法身ほっしんを指す。
真智は無知なり 真智はじっ、 如実智ともいい、 ふんべっのこと。 すべてのものの本質ありのままが平等で不二であることをさとる智。 無知とは、 すべていんねんによって生じたものは実体がなくくうであるから、 対象的に知るということもないという意。
百非の喩へざるところ 言語で表現することができないということ。 相対的に論じられないという意。
正定の聚 →正定しょうじょうじゅ
不二の心 広(有)略(くう) 不二の実相をさとる智慧ちえ。 それはまた観ぜられる対象 (境) の徳すなわち実相じっそうと、 観ずる心とが境智不二となった心でもある。
施与…向かふなり 親鸞聖人は 「施与したまひて、ともに仏道に向かへしめたまふなり」 (信文類訓) と読まれた。
回向を知りて成就すれば 親鸞聖人は 「回向成就したまへるを知れば」 (証文類訓) と読まれた。
進むを知りて退くを守る →しんしゅ退たい
憐愍する心なり 親鸞聖人は 「憐愍したまふ心なり」 (証文類訓) と読まれた。
三種の…得るがゆゑなり 親鸞聖人は 「三種の随順菩提門の法満足することを得たまへるがゆゑに」 (証文類訓) と読まれた。
畢竟常楽の処 究極的な常住安楽の境地。
省みる 省察する。 知る。
成就す 親鸞聖人は 「成就したまへりと」 (証文類訓) と読まれた。
初禅二禅三禅 色界しきかいぜんてんのうちの初めの三。 このぜんじょうに入る時にはこころに楽を生ずるが、 第四禅天になると不苦不楽であるという。
生ず 親鸞聖人は 「生ぜしめたまへりと」 (証文類訓) と読まれた。
成就す 親鸞聖人は 「成就したまへり」 (証文類訓) と読まれた。
生ずれば 親鸞聖人は 「生ぜしめて」 (証文類訓) と読まれた。
出没自在 しゅじょうを救うために、 自由自在に十方世界へあらわれることができるということ。 また自利利他が自在であるということ。
成就するをいふなり 親鸞聖人は 「成就したまへりとのたまへりと」 (証文類訓) と読まれた。
成就す 親鸞聖人は 「成就したまへりと」 (証文類訓) と読まれた。
入出 入とは浄土に入ること。 出とは衆生を救うために他方世界に出ること。 入は自利じり、 出は利他りたにあたる。
示現す 親鸞聖人は 「示現したまふなり」 (加点本訓)、 「示現せしむ」 (証文類訓) などと読まれた。
自娯楽の地 衆生の教化をみずからの楽しみとする地位。
成就し 親鸞聖人は 「成就したまへり」 (証文類訓) と読まれた。
成就す 親鸞聖人は 「成就したまへり」 (証文類訓) と読まれた。
生ぜんとなす 親鸞聖人は 「生ぜしめんがためにする」 (証文類訓) と読まれた。
 親鸞聖人は 「得しむ」 (証文類訓) と読まれた。
称し 親鸞聖人は 「称せしめ」 (証文類訓) と読まれた。
 親鸞聖人は 「得しむ」 (証文類訓) と読まれた。
一心…修する 親鸞聖人は 「一心に専念し作願して、 かしこに生じて奢摩他寂静三昧の行を修する」 (証文類訓) と読まれた。
 親鸞聖人は 「得しむ」 (証文類訓) と読まれた。
専念に…修する 親鸞聖人は 「かの妙荘厳を専念し観察して、 毘婆舎那を修せしむる」 (証文類訓) と読まれた。
かの処に…得 親鸞聖人は 「かの所に到ることを得て、 種々の法味の楽を受用せしむ」 (証文類訓) と読まれた。
観仏国土清浄味 ほっしょうにかなった浄土の清浄な徳 (清浄しょうじょうどく) を観ずる法味。
摂受衆生大乗味 しゅじょうをおさめとって大乗のさとりを得させる徳 (だいもんどく) を観ずる法味。
畢竟住持不虚作味 浄土に生まれた者が仏のもうならざる力用りきゆうによって安らかに保持されている徳 (虚作こさじゅうどく) を観ずる法味。
類事起行願取仏土味 諸仏をようし、 衆生を化度けどし、 無仏の世界に三宝さんぼうをひろめる菩薩の徳 (さつしゅどく) を観ずる法味。
法華経の普門示現 ¬きょう¼ 「普門品ふもんぼん」 に観音菩薩がしゅじょうの諸難を救い、 諸願を満たすに、 三十三身等の種々の形を現して説法されるとある教説を指す。
度無所度 大菩薩は、 衆生が本来空であることをさとるから、 衆生をさいしても済度しているというとらわれの思いが全くないということ。
現ずる 親鸞聖人は 「現じたまふ」 (行文類訓) と読まれた。
入の…成就す 親鸞聖人は 「四種の門に入りて自利の行成就したまへりと」 (行文類訓) と読まれた。
出の…成就す 親鸞聖人は 「第五門に出でて回向利益他の行成就したまへりと」 (行文類訓) と読まれた。
五念門 ¬浄土論¼ (底本) には 「五門」 とある。
得る 親鸞聖人は 「得たまへる」 (行文類訓) と読まれた。
得る 親鸞聖人は 「得たまへる」 (行文類訓) と読まれた。
理を窮め性を尽して ねんの理法や人間の本性を知りつくすこと。 もと ¬易経えききょう¼ のせつに出る。 ここではしんにょほっしょうの理をきわめ尽すという意。
法相のごとくして 存在のありのままのすがたにかなって。
十方の無礙人 十方世界の諸仏を指していう。
自利…ゆゑなり 親鸞聖人は 「もって自利利他成就したまへるがゆゑに」 (行文類訓) と読まれた。
覈に… 以下は古来、 「かくほんじゃく」 と呼ばれ、 他力の本義を示すものとして重要視される。
他利と利他 如来の救済をしゅじょうからいえば他 (仏) が利すといい、 仏からいえば他 (衆生) を利すという。 ここでは仏の方から語るので利他というと釈したのである。
左右 相違。 区別。
いま的しく… 「三願さんがんてきしょうの文」 といわれる。 第十八・十一・二十二願をあげて、 衆生の往生成仏の因も果も他力によるものであることを示す。
常倫…修習せん 親鸞聖人は 「常倫に超出し、 諸地の行現前し、 普賢の徳を修習せん」 (加点本訓) と読まれた。
 ろば。
愚かなるかな 異本には 「遇かな (まうあへるかな・さいはひなるかな)」 とある。
能入 信によってこそ仏法に入ることができるという意。
服膺の事已ることを表す 仏説を信受しおえたという意。
帰礼 みょう礼拝らいはい
述作の… 経を述べる人と論を作った人はことなるが、 巻首と巻末の形式が相応じているということを示す例である。
底本は◎本派本願寺蔵鎌倉時代刊本(宗祖加点本)[ただし訓は○浄聖全三巻の宗祖加点本と全同ではなく大幅に標準化されているため、 相違を†、 加を‡、 減を [ ] で示した]。 Ⓐ高野山寶壽院蔵鎌倉時代書写本(上巻)、 Ⓑ大阪府金剛寺蔵保延四年書写本(下巻)、 Ⓒ山口県常満寺蔵室町時代刊本、 Ⓓ本派本願寺蔵版¬七祖聖教¼所収本 と対校。
ジテ→○論曰
→Ⓓ曰[已下]
示↧現…見タテマツルコトヲ↦…↥。願ズルガ↠…→○示↧現スルガ…見タテマツリ↢…↡、願ズルコトヲ↞…
トナリ
 ◎Ⓒになし
云何礼拝スル→○云何ナルガ礼拝
ヲモテ→○ヲシテ
シタテマツル→○シタマヒキ
如来→○如来
→○
→○
而已→○而已ナラクノミ
→○
→○
→ⒷⒸ
→Ⓒ ○と上書訂記
→Ⓒ
キガ↠受…故→○ゼリ↠受[クル]ニ…。故
言語道過ギタリ→○言語道過セリ
→Ⓑ
クシテ↢涅槃↡不動ナリ→○↢涅槃不動ナル
スガ→○サセムガ
ズル→○ゼム
→○何故ニカ
↣必ズシモルニ↢…↡→○↣必有↢…↡
シタテマツル→○シタテマツレト
→○ナルカ
スルニ→○
如実→○↠実
スト↢彼如来→○称彼如来名
スル→○セヨト
クト↢彼如来光明智相→○如彼如来光明智相
↢彼名義↡、欲スト↢如実修行シテ相応セムト→○如彼名義欲如実修行相応
→○[ザ]ル
↧…憶念スレドモ而…者↥。→○↢…憶念コトドモ…者、
リテ→○ゾンジテ
→Ⓑ
→○ルト
ストナレバ→○ルトナラバ
レバナリ→○[ル]ナリ
為物→○↠物
→○
ナリ→○
 Ⓑになし
建↢言→○ハジメノタマヘリ
如指 Ⓑになし
スガ→○オシフルガ
→Ⓓ
便→Ⓑ使
トイハバ…者→○
→○フル
→○オシフル
テム→○タム
↣…云フガ↢…句↡。→○[シ]↢…云↡、…句ナリ
→Ⓑ(呪歟と右傍註記)
→Ⓑ
→Ⓑ
→ⒸⒹ
 Ⓑになし
イフ
→Ⓑ法[異]
↢於前→○↠於↠前
↢…指スガ↟日→○↢…指[フル]↠日
↠願→○作願シタマヘリキ
↣…往↢生セムト…↡。→○専念シテ…往↢生シテ…↡、
スルガ→○フガ
ナリ→○ニノタマヘリ
キヲモ↢人…不ルガ→○如人…不ルオモ
セバナリ→○
 Ⓑになし
→Ⓓ
ズレバ→○[ジ]ヌレバ
ヲシテ
ヘリ→○ノタマヘリト
→Ⓒ ○と上書訂記
タマヘリキ
…。→○ズルコトハ…、
→Ⓓ
セバナリ→○
↢…名ルガ↟…→○↢…名↡不↠…
スル→○スレ
如実功徳 Ⓑになし
タテマツリ…、→○[タテ]マツル…。
得↠証スルコトヲ↢…→○得↢証
ヘリ→○ノタマヘリ
ナルヲ→○ナル
↠…。→○シテ↠…、
ムトスルガ→○タマヘルガ
ナリ→○ニト
→Ⓒ
→○
作↣願スルナリ…往↢生セムト…↡→○作願シテ…往↢生セシメムトナリ…↡
得↢…毘婆舎那↡、…成就スレバ→○↢…毘婆舎那…成就スルコトヲ
→Ⓑ
フナリ→○ヘシムルナリ
 ◎Ⓒになし ○右傍補記
→Ⓑ
ナリ→○
キニ↢…性↡…法ナルガ→○キノ↢…性…法ナルガ
 Ⓑになし
ベテ→○ジテスベテ
 Ⓑになし
→○
所摂ナリ→○レタリ↠摂
「如キニ↢…性↡…相対トイフ」者→○「如[キ]ト↢…性[ノ]…相対[ノ]↡」イフハ
↢衆生→○トス↢衆生
ベキ
→Ⓒ
キテ↢…於…→○[キ]テ↣…↢…↡
→○
竿→Ⓑ
ラシテ→○[フ][リ]テ
→Ⓑ如此
→Ⓑ
セシム→○
片↢取シテ…↡→○カタハラ[リ]テ↢…↡
→○
 Ⓑになし
 Ⓑになし
→Ⓑ
満足 Ⓑになし
→Ⓑ不[可]
キテ提釈→○ゾクツグテイシテササグ 
リテ↢…人↡…成就スルモ→○[リ]テ↢…人…成就セル
 Ⓑになし
ヘルガ→○ノタマヘルガ
→Ⓒ
 Ⓑになし
スレバ→○オモヘバ
→Ⓓ
→○[レ]ム
→○[ル]ヲ
→○
ヘルガ→○ タマヘルガ
レバ→○ツレバ
→ⒷⒹと上書訂記
→Ⓒ
 Ⓑになし
スレバ↠令メムト↠无カラ、儵焉トシテ化没→○ヘバ↠令メムト↠无[カ]ラ儵焉タチマチ化没↡、
→Ⓑ有[為]
→○
ナリ。而ルニ→○ナレドモ
…。而ルニ→○ケ[レ]ドモ
→○コト
→○イカン
スル…者→○スレ
セテ→○ベテ
所謂→○
リテ↣有リテ而可キヲ↢荘厳→○↠有[ヲ]↢荘厳
セテ→○シテ
→○
→○
↠有↢所以↡→○↠有所以 ユヘ ナリ
→◎
→Ⓑ
 Ⓑになし
→Ⓒ聞[衆]
→Ⓑ
水即至頚 Ⓑになし
→◎Ⓒ
→Ⓓ
→Ⓓ
↢无量自然妙声↡。→○ガ[リ]テ无量ナリ。自然妙声
→○ⒷⒹ
→ⒸⒹ
 Ⓑになし
荘厳具足セリ。此荘厳→○荘厳↢具足セリ↣此荘厳↡。
。彼人天、→○↢彼人天↡。
探湯 ○探湯称揚と右傍註記
→Ⓑ
不及→○不↠及
→○コヽロ
↧照↢法性等↡宝→○[シ]テ↢法性等
セバ→○レバ
↢于東方万八千土→○↢東方万八千土↡
所↠趣→○所趣
↠此→○コヽ
→ⒸⒹ ○と下欄註記
→Ⓑ
→○
→◎Ⓒ
ナリ
→Ⓓ
ナリ→○セリ
ルコト→○クボルコト
→Ⓓ
→Ⓓ
→ⒷⒹ
→ⒸⒹ
煒燁→Ⓓ暐曄
→ⒷⒹ
安↢立セシメタマフト…於仏正道→○安↣立セシメタマフ↢仏正道↡
ナリ→○ニト
→Ⓑ則[則] ○と上欄訂記
ズレバ→○ゼンモノト
→○ルモノトハ
→Ⓓ
→Ⓑ
→ⒷⒹ
→Ⓒ
→Ⓓ生[水]
→◎Ⓒ
↢兄弟↡→○↢兄弟
所↠資クル→○所資
→○
→Ⓑ
→○カレ
 ○と上書訂記
↠離ルト↢体譏嫌→○↢離体譏嫌
↠離ルト↢名譏嫌→○↢離名譏嫌
三種アリ→○↢三種↡ は上欄補記
ニスレドモ↠器→○共器ニハ
 Ⓑになし
ズルニ↠地→○アンジテ↠地
→Ⓑ→Ⓓ
→Ⓑ Ⓓと左傍註記
 Ⓓ水名と左傍註記
ブマデ↢…→○
カラム→○ケム
セムニ→○ハム
→◎Ⓒ食[石]
→Ⓑ
…。→○キテ…、
セムガ→○スルガ
須弥之→○須弥
→○
毛孔之→○毛孔
→○ナラクノミ
タリ→○ナリ
 Ⓑになし
次第シテケリ→○次第[キ]ツ
→○ハジメ
→○フココロハ
キト→○キヤ
 ◎ⒷⒸになし
↢…非ザルコトヲ↟…也→○アキラケシ…非…也
→○ クノミ
ナレバ→○ナリ
→○
→Ⓒ
ハス→○
→Ⓑ
→○
スル↢夫→○体夫↠理ヨリ
トイヘリ
グルニ→○[グル]トイフニ
→○
→○[ゼ]ヨ
ナルヲカ→○
→○ゼヨ
ナル→○ ヅレ
衣花香薫→○衣花香
→Ⓑ
ストイフコトヲ→○ルコトヲ
→○[ス]ルト
 Ⓑになし
トナリ
→Ⓑ
ラバ→○[ル]ハ
コトヲ
ズトモゼム↠惑→○ゼムヲヤ↢生マドヒ と上書訂記
→◎Ⓒ
→ⒷⒹ ○と上書訂記
 ○と上書訂記
マリ→○[ク]シテ
→Ⓓ死[之]
→Ⓑ如浄 ○とあるを抹消し如浄と右傍補記
(是…)如クナリ↢…↡→○(如↧…)如クナルガ↦…↥
於水→○↟水
→Ⓒ
(投↧)…於所↢往生スル↡者心水→○(投↣)…↢所往生ヒト心水↡
スコト→○ルコト
→Ⓓ種[相]
ズト↢仏荘厳功徳成就→○観仏荘厳功徳成就
トナレバ→○
セバ→○ハヾ
→Ⓑ
→Ⓑ
→Ⓐ
↠造ルヲ↠…→○ヲシテ以造[リ]テ↠…
 Ⓑになし
↢于因縁→○↢因縁↡
→Ⓑ
。衆生→○ストイフハ↢衆生
→○
→◎ⒷⒸ→○ケンキラヒ
→Ⓑ→○ペンキラフ
→○マウア
→Ⓑ是[諸]
→◎Ⓒ
レバ↢因縁→○ルハ↢因縁↡
↢无知ナラ→○↠无[カ]ラ↠知
→○
有知ナレバ→○[レ]バ↠知
→○ナラ
 Ⓑになし
ナレバ、即无知也→○ナリ、知即无知ナリ
↢…无シト↟所↠不↠知。若ケレバ↠所↠不↠知→○↧…无↢所トシテ[ル]コト↟知[ラ]、若无シト↦所トシテルコト↞知
→Ⓓ
→Ⓑ
→○[ル]ニ
↧…顕↦…義→○…顕↢…義
↧…起↢…↡、…不ルコト↞…→○↣…ツミオコスコト…↡、…↠…
フニ→○
レドモ→○
ルト→○[ル]ヲ
レドモ→○[リ]テ
…。→○[ザ]ルコト…、
リテ↢…業ナルニ↡不↠…也→○リテ↢…業ヲシテシテ[ル]ニ↟…也
→Ⓑ
徒然 左Ⓑイタヅラ シカラシム
→Ⓓ
タテマツレバ→○[ソナハ]セバ
↠証スルコトヲ→○得↢証シテ
ルガ→○シムルガ
→○マシマサヌ
 Ⓑになし
 Ⓑになし
→Ⓑ心[為]
ジテズレバ→○[ジ]テ↠生[ゼ]ムト
→○
 Ⓑになし
逕…、→○…。
→○イマシ
→ⒷⒹ曰[言] ○と右傍補記
→○
→○ナラクノミ
ズハ↢即等→○↢即[シカ]ラ
タム↠言フコトヲ→○チテカ[フ]
→Ⓑ地[諸]
ラム↠言フコトヲ→○[ハ]ムヤ
→○ヲシテ
カラム→○ケム
ムニ→○[タ]ラムニ
シテ
アリテ→○
ビテ→○
超↢出常倫諸地之行↡、現前→○超↢出常倫↡諸地之行現前
ケル→○
ズルコト→○ヨリジテ
→ⒷⒹ ○ナラムと左傍訂記
セリ→○
ズルコト→○タケ
→ⒷⒹ ○タケと右傍訂記
↢…於一聴→○↣…↢一聴↡
↧…↦…於終朝→○↫…↪…↩終朝↨
→○ミコト
ウベ→○ヨロシカル
スル→○ナル
→○セル
ナル→○
リヌ↢…具足シテキコトヲ↟為↢人天大師↡。堪ヘタル↠受クルニ↠化是誰→○[リ]ヌ↢…具足セルコトヲ↡、応シト↢為人天大師トシテエタル↠受[クル]ニ↠化ヒトナル
→○クハ
ズルコトヲ→○ジキコトヲ
リヌ→○ゼルナリ と上書訂記
↢一→○↠一正[シ]ク
→○
→Ⓑ
→Ⓑ厳[身業已知]
→Ⓑ
レバ↣以スニ↢不動→○、以↢明[カ]ニシテ不動ナルヲ
→◎
所↠作→○所作
シテ↢諸仏大衆→○↢諸仏↡。大衆
→◎ⒶⒷⒸ
クト↠余スコト→○无余トイフ
↧…无キヲ↞…→○…无↠…
殊形→○コトニス↠形
、至韻→○ナラビ↢応↢至ヰン↡。
フト→○
↢三宝↡→○无三宝
↠所↠不↠法ナラ→○↢所トシテルコト↟法ナラ
↠所↠不↠善ナラ→○↢所トシテルコト↟善[ナラ]
ケリ↣観↢察スルコトヲ→○キツ↢観察…
シト↠知→○応知トイフ
シタマヘル→○シタマフ
ザルヲ↦无因他因ニハ→○ザルナリト↦无[ク]シテ↠因他[ル]ニハ
シテクガ↠入コトヲ→○略説シテルガ
ルヲ↢一法句→○入一法句
→○ルナリ
→○ニカ
スルトナレバ→○シタマフトナレバ
ブルニ→○ツウズルニ
レバ→○
レバナリ→○
スルコト→○
→○ナル
ナリ→○
→Ⓑ名[之]
→Ⓑ
ナルガ→○
→Ⓑ
スル↢于非→○非↠↠非
スル↠非→○非非
ナミスル↠非→○↠非
キモ↠待スルコト→○ツコト
→Ⓑ
清浄句 Ⓑになし
↢…法身→○…法身
→○
デムト→○ダサムト
 Ⓑになし
→○フコヽロハ
 ◎○ⒷⒸになし
(如↢…)説クガ↡十七種荘厳仏土功徳成就ナリ→○…説キツ↢十七種荘厳仏土功徳成就
→◎ 上書訂記
衆生世間清浄者 Ⓑになし
 Ⓑになし
→Ⓓ浄[義]
→◎Ⓒ
 Ⓑになし
…。所以→○[ザ]ル…所以
得一不 Ⓑになし
。无↢余境界↡→○↢无余境界
レバ→○ルハ
ナリ→○ナレバナリ
スルナリ→○スト
レドモ→○ルハ
→○
→○
持戒破戒皆→Ⓑ
↢七宝↟属スル→○↢七宝↠属
相順→○相順
ズル→○ゼル
→ⒷⒹ如[以]
如実ルト→○如実知トイフ
 Ⓑになし
→○
レバ→○
レバ→○[リ]ヌレバ
 Ⓑになし
→○ヲシテ
スルナリ→○セリ
→○
トハ→○トイフハ
願作仏心 Ⓑになし
右傍補記
→○
→○スル
ヘリ↧…欲スルガ↠…故ニト→○[フ]ガ↧…欲フト↞…故ニト
クルコト↠楽→○受楽
→○
→Ⓑ凡[夫]
↠集ムル→○所集
ラバ↣…不ルコト↢成仏→○[ラ]バ↢…不ルコト↟成[ラ]↠仏
↢作仏→○↠作[ラ]↠仏
 Ⓑになし
 ⒷⒹになし
ルニ↢尽成仏↡、→○、成仏セバ
→○セ[ム]ト
スルニ→○
→◎ⒷⒸ
→Ⓑ
クルガ→○キムガ
ニシテ…而→○シテ
ダツヲ→○トスルヲ
 Ⓑになし
リテ↢廻向↡成就スレバ→○[リ]テ↢廻向成就
我心ヲモテ→○
↧无↠安ズルコト↢衆生↡心→○↢无安衆生心
→Ⓓ就[即能] ○即能と右傍補記
ベシ
憐愍スル…心ナリ→○憐愍シテ…、心
スルガ→○セルガ
↧…随↢順スル菩提門↡法…↥→○↢…随順菩提門法…↡
 左Ⓓホカニス
→○スルコトヲ
ズルナリ↢菩提門→○ズル↢菩提↡門ナリ
ズルナリ↢菩提門→○順菩提門ナリ
セリ→○
国土 Ⓑになし
ヘリ↩「…故ナリト」↨→○「…故ニト
随↢順ズル菩提門↡法→○随順菩提門
→Ⓒ
ミル→○ハブ
→○
ジテ→○ジテ
シトイフ↠知→○応知トイフ
シトイフ↠知→○応知トイフト
ケリ↪遠↢離シテ我心↡不ルト↠貪↢着自身↡、遠↧離スルト↠安ズルコト↢衆生↡心↥、遠↩離スルトヲ供↢養恭↣敬スル自身↡心→○キツ↢遠離我心不貪着自身、遠離无安衆生心、遠離供養恭敬自身心
遠↧離フル↢菩提↡心→○遠↢離スルナリ障菩提心
ルナリ
→○
→Ⓑ→Ⓓ
→○
三種不遠離、…心ナリ→○三種↧遠↦離…心
→Ⓑ
シト→○
 Ⓑになし
ケリ→○[キ]ツ
スルヲ→○スレバ
ヲモテ→○
→○シム
→→Ⓑ而[能]
是遠↢離スルト我心↡、遠↢離スルト无安衆生心↡、遠↢離スルトナリ自供養心→○遠離我心、遠離无安衆生心、遠離自供養心ナリ
↧…随↢順五種法門↡…↥→○↢…随順五種法門…↡
スト→○セリト
随↢順スルガ法門→○随順法門ナルガ
 Ⓑになし
ヒテ↠意自在ニト→○随意自在トイフ
↧…自在ナルヲ→○フコヽロハ…自在ナル
ズレバ→○[ジ]テ
フナリ↧…成就スルヲ→○フコヽロハ…成就セルナリ
→○シタマフナリ
リテ→○
レバ→○[リ]テ
 Ⓑになし
→◎Ⓒ
→○セルナリ
シテ、入第一門→○↢入第一門
スヲ→○ルヲ
→Ⓑ
タテマツリテ
一心専念→○一心専念
作↣願ゼムト↢…↡→○作願シテ[ジ]テ↢…↡
 Ⓑになし
 Ⓑになし
専念観↢察…↡→○専↢念観↣察シテ…↡
→◎
得↧到リテ…受↦用スルコトヲ…↥→○↠到[ル]コトヲ…受↢用…↡
 Ⓑになし
 ○抹消 ⒷⒹになし
遊戯、神通モテ→○遊↢戯神通↡、
シテト↢応化身→○示応化身トイフ
↢…ツガ↟…所↠為ルコト↠難カラ→○↢…ツニ↠…所為不ルガハヾカ
→Ⓓ
スルガ→○
 Ⓑになし
ズルニ↢衆生↡…无↢所有↡。→○ジテ↣衆生…无シト↢所有↡、
↠度スルヲ↢衆生→○↢度衆生
セリ→○スナリ
者謂応知 Ⓑになし
スル→○
→Ⓑ
→○シタマヘリト
→○シテ
スルコトヲ→○シタマヘルコトヲ
↣速↢阿耨多羅三藐三菩提→○↢速得阿耨多羅三藐三菩提
→○タマヘルガ
↢…作仏スルコトヲ→○↢…作[ルコトヲ]↟仏[ト]
ベテ→○
、→○
イヘリ
 Ⓑになし
→Ⓑ提[是]
→Ⓒ
→Ⓑ等[二]
ヘル→○ノタマフヤ
↤速↣成↢就スルコトヲ阿耨多羅三藐三菩提→○↢速得成就阿耨多羅三藐三菩提
ヘリ→○ハク
リシテ↠仏而→○オノヅカラシテ
リシテ↢衆生↡而→○オノヅカラ衆生シテ
↢此→○、此
利他→Ⓑ他利
→Ⓑ
アキラカ→○ヒトシク
シテ↠心→○至心
シテ→○オモフテ
ルマデセム↢十念→○乃至十念セム
十念念仏ヲモテ→○十念。念仏スレバ
→○
→Ⓓ
所以→○所以コノユヘ
 Ⓑになし
来生→Ⓑ生来
セバ→○シテ
超↢出常倫諸地之行↡、現前→○超↢出常倫↡諸地之行現前
↣超↢出スルヲ常倫諸地→○↧超↢出常倫↡諸地
↧人…遊ブガ↦…↥→○如人…遊↢…↡
 Ⓑになし
→◎Ⓒ
→Ⓑ不[不]
→Ⓒ
→○アルキ
ブニ→○[ブ]コト
→ⒷⒹ
→ⒷⒹ
→Ⓑ
↣信スコトヲ↢…↡→○アラハシテ↠信↢…↡
コト
↢…事已ルコトヲ→○↢…事↡已[リ]ヌ
 ◎ⒷⒸになし
→Ⓑ
↢…理畢ルコトヲ→○↢…理↡畢[リ]ヌ
ナレドモ→○
○以下、 宗祖真筆の跋文
 ○右傍補記