0041◎仏説ぶっせつ0287無む量りょう寿じゅ経きょう 巻かん下げ

曹そう魏ぎ天竺てんじくの三蔵さんぞう康僧鎧こうそうがいの訳やく

二 Ⅱ ⅱ c 摂衆生【衆生往生因】
        イ 摂凡夫
          (一)住正定聚益【第11願成就】

【22】◎^▼仏ぶつ、 *阿あ難なんに告つげたまはく、 「△それ衆しゅ生じょうありて、 かの国くにに生うまる生ず るものは、 みなことごとく▼正しょう定じょうの聚じゅに住じゅうす。 ゆゑはいかん。 かの仏国ぶっこくのなか└  中  ┘にはもろもろの邪聚じゃじゅおよび不ふ定じょう聚じゅなければなり。

◎○仏0043告ゲタマハク↢阿難ニ↡、▼其レ有リテ↢衆生↡生ズル↢彼ノ国ニ↡者ハ、皆悉ク住ス↢於正定之聚ニ↡。所以者何ン。彼ノ仏国ノ中ニハ▼無ケレバナリ↢諸ノ邪聚及ビ不*定聚↡。

二 Ⅱ ⅱ c イ (二)念仏往生益
            (Ⅰ)諸仏讃嘆【第17願成就】

^△十方じっぽう恒沙ごうじゃの諸仏しょぶつ如来にょらいは--、 みなともに無む量りょう寿じゅ仏ぶつの威い神じん功く徳どくの--不可ふか思議しぎなるを讃歎さんだんしたまふ。

○▼十方恒沙ノ諸仏如来ハ、皆共ニ讃↢歎シタマフ無量寿仏ノ威神功徳ノ不可思議ナルヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ c イ (二)(Ⅱ)願成就【第18願成就】

^△あらゆる▼衆しゅ生じょう、 ▼その名みょう号ごうを聞ききて信心しんじん歓かん喜ぎ└せんこし  と┘、 ▼乃ない至し*一念いちねんせん。 ▼*至し心しんに--回え向こうしたまへり。 かの国くにに生うまれ生ぜ んと願がんずれば、 すなはち往おう生じょうを得え、 不ふ退たい転てんに住じゅうせんす  。 ただし五ご逆ぎゃくと誹ひ謗ほう正しょう法ぼうとをば除のぞく」 と--。

○▼諸有ル衆生▼聞キテ↢其ノ名号ヲ↡、▼信心歓喜シテ、▼乃チ至ルマデ↢一念ニ↡。至シ↠心ヲ廻向シテ、▼願ズレバ↠生ゼムト↢彼ノ国ニ↡、▼即チ得↢往生ヲ↡、住ス↢不退転ニ↡。●▼唯除クト↢五逆ト誹謗正法トヲバ↡。

二 Ⅱ ⅱ c イ (三)諸行往生益【三輩往生】〔第19願成就〕
            (Ⅰ)総標

【23】^△仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 「十方じっぽう世せ界かいの諸天しょてん・人民にんみん、 それ心こころしむ を至いたしてかの国くにに生うまれ生ぜ んと願がんずることあらん。 おほよそす 三輩さんぱいあり。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、十方世界ノ諸天・人民、其レ有ルニ↢至シテ↠心ヲ願ズルコト↟生ゼムト↢彼ノ国ニ↡、凡ソ有リ↢三輩↡。

二 Ⅱ ⅱ c イ (三)(Ⅱ)別説
              (ⅰ)上輩
                (a)正説

^▼それの 上じょう輩はいといふは、 └家いえを捨すて欲よくを 捨家棄欲し  棄すて┘て沙門しゃもんとなり、 菩ぼ提だい心しんを発おこして▼一向いっこうにもつぱら無む量りょう寿じゅ仏ぶつを念ねんじたてまつり----------、 もろもろの功く徳どくを修しゅしてかの国くにに生うまれ生ぜ んと願がんぜんず  。

○▼其レ上輩トイフ者、▼捨テ↠家ヲ棄テテ↠欲ヲ而作リ↢沙門ト↡、▼発シテ↢菩提心ヲ↡、▼一向ニ専ラ念ジタテマツリ↢無量寿仏ヲ↡、▼修シテ↢諸ノ功徳ヲ↡、▼願ズ↠生ゼムト↢彼ノ国ニ↡。

^▼これらの衆しゅ生じょう、 └寿いのち0042終おわらん時ときに臨寿終時に 臨のぞんで┘、 無む量りょう寿じゅ仏ぶつは--、 も0288ろもろの大衆だいしゅとともに------その人ひとの前まえに└現あらわれたず まふ┘。 ^すなはちかの仏ぶつに随したがひてその国くにに往おう生じょうす。 すなはち七宝しっぽうの--華はなのなか└  中  ┘より自じ然ねんに化け生しょうして不ふ退たい転てんに住じゅうせんす  。 智慧ちえ勇ゆう猛みょうにして------神通じんずう自じ在ざいならんり  。

○此等ノ衆生▼臨ミテ↢寿終ル時ニ↡、▼無量寿仏ハ与ニ↢諸ノ大衆ト↡現ジタマフ↢其ノ人ノ前ニ↡。○即チ随ヒテ↢彼ノ仏ニ↡*往↢生ス其ノ国ニ↡。便チ於リ↢七宝ノ華ノ中↡自然ニ化生シテ住ス↢不退転ニ↡。智慧勇猛ニシテ神通自在ナリ。

二 Ⅱ ⅱ c イ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)結勧

^◆このゆゑに▼阿あ難なん、 それ衆しゅ生じょうありて、 今こん世ぜにおいて無む量りょう寿じゅ仏ぶつを見みたてまつらんと欲おもはば、 無む上じょう菩ぼ提だいの心しんを発おこし功く徳どくを修しゅ行ぎょうしてかの国くにに生うまれ生ぜ んと願がんずべし」 と--。

○是ノ故ニ阿難、其レ有リテ↢衆生↡、欲セバ↧於テ↢今世ニ↡見タテマツルラムト↦無量寿仏ヲ↥、応シト↧発0044シ↢無上菩提之心ヲ↡修↢行シテ功徳ヲ↡、願ズ↞生ゼムト↢彼ノ国ニ↡。

二 Ⅱ ⅱ c イ (三)(Ⅱ)(ⅱ)中輩
                (a)上輩に簡ぶ

【24】^◆仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 「それの 中ちゅう輩はいといふは、 十方じっぽう世せ界かいの諸天しょてん・人民にんみん、 それ心こころしむ を至いたしてかの国くにに生うまれ生ぜ んと願がんずることありて、 行ぎょうじて沙門しゃもんとなりて、 大おおきに功く徳どくを修しゅすることあたはずといへども.、

○仏*語リタマハク↢阿難ニ↡、其レ中輩トイフ者、十方世界ノ諸天・人民、其レ有リテ↢至シテ↠心ヲ願ズルコト↟生ゼムト↢彼ノ国ニ↡、▼雖モ↠不ト↠能ハ↧行ジテ作リテ↢沙門ト↡大ニ修スルコト↦功徳ヲ↥、

二 Ⅱ ⅱ c イ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)正説

^◆まさに無む上じょう菩ぼ提だいの心しんを発おこして▼一向いっこうにもつぱら無む量りょう寿じゅ仏ぶつを念ねん└じたてまず  つる┘べし。

○◆当ニシ↧▼発シテ↢無上菩提之心ヲ↡、▼一向ニ専ラ念ジタテマツル↦無量寿仏ヲ↥。

^◆多た少しょう、 善ぜんを修しゅして、 *斎戒さいかいを奉持ぶじし、 塔像とうぞうを起き立りゅうし、 沙門しゃもんに飯食ぼんじきせしめ、 *└繒ぞうを懸かけ灯とう懸繒燃灯を燃ともし┘、 └華けを散さんじ香こうを 散華焼香し  焼たき┘て、 これをもつて回え向こうしてかの国くにに生うまれ生ぜ んと願がんぜんず  。

○▼多少修シテ↠善ヲ奉↢持シ斎戒ヲ↡、▼起↢立シ塔像ヲ↡、▼飯↢食セシメ沙門ニ↡、▼懸ケ↠繒ヲ然トモシ↠灯ヲ、散ジ↠華ヲ焼キテ↠香ヲ、▼以テ↠此ヲ廻向シテ願ゼム↠生ゼムト↢彼ノ国ニ↡。

^▼その人ひと、 終おわりに臨のぞみて、 無む量りょう寿じゅ仏ぶつは--その身しんを化け現げん└したます  ふ┘。 光こう明みょう・相好そうごうは--つぶさに*真仏しんぶつのごとし。 もろもろの大衆だいしゅとともに------その人ひとの前まえに└現あらわれた現ず まふ┘。 すなはち化け仏ぶつに随したがひてその国くにに往おう生じょうして不ふ退たい転てんに住じゅうせんす  。 功く徳どく・智慧ちえは--、 次ついで上じょう輩はいのもののごと└くならし  ん┘」 と--。

○其ノ人▼臨ミテ↠終ニ、▼無量寿仏ハ化↢現シタマフ其ノ身ヲ↡。光明相好ハ具ニ如クシテ↢真仏ノ↡、与ニ↢諸ノ大衆ト↡現ジタマフ↢其ノ人ノ前ニ↡。即チ随ヒテ↢化仏ニ↡往↢生シテ其ノ国ニ↡住ス↢不退転ニ↡。功徳・智慧ハ、次イデ如シト↢上輩ノ者ノ↡也。

二 Ⅱ ⅱ c イ (三)(Ⅱ)(ⅲ)下輩
                (a)中輩に簡ぶ

【25】^▼仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 「それの 下げ輩はいといふは、 十方じっぽう世せ界かいの諸天しょてん・人民にんみん、 そ0043れ心こころしむ を至いた0289してかの国くにに生うまれ生ぜ んと欲ほっすることありて、 たとひもろもろの功く徳どくをなす つくる ことあたはざれども、

○仏*告ゲタマハク↢阿難ニ↡、其レ下輩トイフ者、十方世界ノ諸天・人民、其レ有リテ↢至シテ↠心ヲ欲スルコト↟生ゼムト↢彼ノ国ニ↡、仮使 タトヒ ▼不レドモ↠能ハ↠作スコト↢諸ノ功徳ヲ↡、

二 Ⅱ ⅱ c イ (三)(Ⅱ)(ⅲ)(b)正説

^◆まさに無む上じょう菩ぼ提だいの心しんを発おこして▼一向いっこうに意こころをもつぱらにして、 乃ない至し十じゅう念ねん、 ▼無む量りょう寿じゅ仏ぶつを念ねんじたてまつりて、 その国くにに生うまれ生ぜ んと願がんずべし。

○▼当ニシ↧発シテ↢無上菩提之心ヲ↡、▼一向ニ専ニシテ↠意ヲ、▼乃チ至ルマデ↢十念ニ↡念ジタテマツリテ↢無量寿仏ヲ↡、願ズ↞生ゼムト↢其ノ国ニ↡。

^◆もし深法じんぼうを聞ききて歓かん喜ぎ信しん楽ぎょうし疑ぎ惑わくを生しょうぜずして、 乃ない至し一念いちねん、 かの仏ぶつを念ねんじたてまつりて、 至し誠じょう心しんをもつてその国くにに生うまれ生ぜ んと願がんぜんず  。

○若シ聞キテ↢深*法ヲ↡歓喜信楽シ、不シテ↠生ゼ↢疑惑ヲ↡、▼乃チ至ルマデ↢一念ニ↡念ジタテマツリテ↢於彼ノ仏ヲ↡、▼以テ↢至誠心ヲ↡願ゼム↠生ゼムト↢其ノ国ニ↡。

^▼この人ひと、 終おわりに臨のぞんで、 夢ゆめのごとくにかの仏ぶつを見みたてまつりて、 また往おう生じょうを得う。 功く徳どく・智慧ちえは--、 次ついで中ちゅう輩はいのもののごと└くならし  ん┘」 と--。

○此ノ人▼臨ミテ↠終ニ、夢ノゴトクニ見タテマツリテ↢彼ノ仏ヲ↡、▼亦得↢往生ヲ↡。功徳・智慧ハ、次イデ如シト↢中輩ノ者ノ↡也。

二 Ⅱ ⅱ c ロ 摂聖人
          (一)摂他土
            (Ⅰ)長行
              (ⅰ)諸仏勧讃〔第17願成就〕

【26】^仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 「△無む量りょう寿じゅ仏ぶつの、 威い神じん└極きわまりな无極なり し┘。 十方じっぽう世せ界かいの--無む量りょう無む辺へん不可ふか思議しぎの諸仏しょぶつ如来にょらい、 かれを------*称しょう歎たん└したませ  は┘ざることは  なし。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、無量寿仏ノ威神無シ↠極リ。十方世界ノ無量無辺不可思議ノ諸仏如来、莫シ↠不ルハ↢称歎シタマハ↡彼。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅰ)(ⅱ)聖衆往詣

^かの▼東方とうぼう恒沙ごうじゃの仏国ぶっこくのより無む量りょう無む数しゅの諸しょ菩ぼ薩さつ衆しゅ、 みなことごとく無む量りょう寿じゅ仏ぶつの所みもとに往詣おうげいして、 *恭く敬ぎょうし--供く養よう└したてますることつり┘、 もろもろの菩ぼ薩さつ・声しょう聞もんの--大衆だいしゅに及およぼさん。して、  *経きょう法ぼうを聴ちょう受じゅし、 *道どう化けを宣せん布ぷす。 南西なんざい北方ほっぽう・四し維ゆい・上じょう下げ ˆの菩ぼ薩さつ衆しゅˇ、 またまたかくのごとし」 と--。

○於リ↢彼ノ東方*恒沙仏国↡無量無数ノ諸ノ菩薩衆、皆悉ク往0045↢詣シテ無量寿仏ノ所ニ↡、恭敬シ供養シタテマツリ、及ボサム↢諸ノ菩薩・声聞ノ*大衆ニ↡。聴↢受シ経法ヲ↡、宣↢布ス道化ヲ↡。○南○西○北方・○四維・○上下モ亦復如シト↠是クノ。▼

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)偈頌【往覲偈】
              (ⅰ)標

【27】^▼その時ときに、 世せ尊そん、 しかも頌じゅを説ときてのたまはく、

○爾ノ時ニ世尊、而モ説キテ↠頌ヲ曰ク、

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)正偈頌
                (a)菩薩往覲

^「東方とうぼうの諸仏しょぶつの--国くに、 その数かず恒沙ごうじゃのごとし。

○東方ノ諸仏ノ国其ノ数如シ↢恒沙ノ↡

^かの土どの菩ぼ薩さつ衆しゅ、 往ゆいて*無む量りょう覚かくを覲みたてまつる。

 彼ノ土ノ*菩薩衆往キテ覲タテマツル↢無量覚ヲ↡

0044^南西なんざい北ほく・四し維ゆい・上じょう下げ ˆの仏国ぶっこくˇ、 またまたしかなり。

0290○南西北・四維・上下モ亦復然ナリ

^▼かの土どの菩ぼ薩さつ衆しゅ、 往ゆいて無む量りょう覚かくを覲みたてまつる。

 彼ノ土ノ菩薩衆往キテ覲タテマツル↢無量覚ヲ↡

^▼一切いっさいの└もろも諸 ろの┘菩ぼ薩さつ、 おのおの天てんの妙みょう華け・

○一切ノ諸ノ菩薩各ノ齎モチテ↢天ノ妙華・

^宝香ほうこう・*無価むげの--衣ころもを齎もつて、 無む量りょう覚かくを供く養ようしたてまつる。

 宝香・無価ノ衣ヲ↡供↢養シタテマツル無量覚ヲ↡

^▼*咸然げんねんとして天てんの楽がくを奏そうし、 和雅わげの音こえを*暢ちょう発ほつして、

○咸然トシテ奏シ↢天ノ楽ヲ↡暢↢発シテ和雅ノ音ヲ↡

^*最さい勝しょうの尊そんをと *歌か歎たんして、 無む量りょう覚かくを供く養ようしたてまつる、

 歌↢歎シテ最勝ノ尊ヲ↡供↢養シタテマツル無量覚ヲ↡

^ª神通じんずうと慧えとを*究く達だつして、 *深じん法門ぼうもんに遊ゆ入にゅうし、

○究↢達シテ神通ト慧トヲ↡遊↢入シ深法門ニ↡

^功く徳どく蔵ぞうを具ぐ足そくして、 妙みょう智ち、 *等倫とうりんなし。

 具↢足シテ功徳蔵ヲ↡妙智無シ↢等倫↡

^▼*慧え日にち、 世せ間けんを照てらして、 生しょう死じの雲くもを消しょう除じょ└したます  ふ┘º と--。

○▼慧日*照シテ↢世間ヲ↡消↢除スト生死ノ雲ヲ↡

^恭く敬ぎょうして繞めぐること*三帀さんぞうして、 無む上じょう尊そんを稽首けいしゅしたてまつる。

 恭敬シテ繞ルコト三帀シテ稽↢首シタテマツル無上尊ヲ↡

^▼かの厳ごん浄じょうの--土どの、 微み妙みょうにして------└思し議ぎしがた 難思議なる  き┘を見みて、

○見テ↣彼ノ厳浄ノ土ノ微妙ニシテ難キヲ↢思議シ↡

^よりてちなんで *無む上じょう心しんを発おこしてす。 、 ねがはくはわが国くにもまたしかならんと願がんず----。

 因リテ発シテ↢無*上心ヲ↡願ズ↢我ガ国モ亦然ラムト↡

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)弥陀授記説法を頌す相
                  (イ)現相

^▼時ときに応おうじて無む量りょう尊そん、 容みかおを動うごかし欣ごん笑しょうを発おこ└したます。ひ、┘

○応ジテ↠時ニ無量尊動シ↠容ミカオヲ発シタマヒ↢欣笑ヲ↡

^口くちより無む数しゅの光ひかりを出いだして、 あまねく十方じっぽう国こくを照てら└したます  ふ┘。

 口ヨリ出シテ↢無数ノ光ヲ↡徧ク照シタマフ↢十方国ヲ↡

^▼└光ひかりを回めぐら 廻光  して┘身みしんを囲い繞にょうすること、 三帀さんぞうして*頂いただきより入いる。

○廻ラシテ↠光ヲ囲↢繞スルコト身ヲ↡三帀シテ従リ↠頂入ル

0045^一切いっさい0291の--天てん・人衆にんしゅ、 踊ゆ躍やくしてみな歓かん喜ぎす。

 一切ノ天人衆踊躍シテ皆歓喜ス

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)上首請問

^*大だい士じ観かん世ぜ音おん、 服ぶくを整ととのへ稽首けいしゅして問とうて、

○大士観世音整ヘ↠服ヲ稽首シテ問ヒテ

^仏ぶつにまうさく、 ªなんの縁えんありてか笑えみたまふや--。 やや、 しかなり。 願ねがはくは意こころを説ときたまへº と。

 白サク↠仏ニ何ノ縁アリテカ笑ミタマフヤ唯然ナリ願クハ説キタマヘト↠意ヲ

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ハ)授記説法

^▼ˆ仏ぶつのˇ*梵ぼん声しょうはなほ------└雷いかずちの震ふる 雷震の ふが┘ごとく、 八音はっとんは--└妙たえなる妙響響ひびき┘を暢のぶ、

○梵声ハ猶ク↢雷ノ震フガ↡八音ハ暢ブ↢妙ナル響ヲ↡

^ªまさに菩ぼ薩さつに記きを授さずくべし。 いま説とかん。 なんぢあきらかに聴きけ。

 当ニシ↠授ク↢菩薩ニ記ヲ↡今説カム仁ナンヂ諦ニ聴ケ

^▼十方じっぽう└より来きた来のれる┘*正しょう士じ、 われことごとくかの願がんを知しれりる  。

○十方ヨリ来レル正士吾悉ク知ル↢彼ノ願ヲ↡

^厳ごん浄じょうの--土どを志求しぐしす 、 *受じゅ決けつし決をうけ てまさに└仏ぶつとな 作仏す る┘べし。

 志↢求シ厳浄ノ土ヲ↡受決シテ当ニシ↠作ル↠仏ト

^一切いっさいの法ほう仏 は、 なほし*夢ゆめむ ・幻まぼろし ぐゑん ・響ひびかうき--のごとしと覚かく了りょうすれども、

○0046覚↣了シ一切ノ法ハ猶如シト↢夢・幻・響ノ↡

^もろもろの└妙たえなる 妙願 願ねがい┘を満足まんぞくして、 かならずかくのごときの*刹くにせちを成じょうぜんず  。

 満↢足シテ諸ノ妙ナル願ヲ↡必ズ成ゼム↢如キノ↠是クノ刹ヲ↡

^法ほうは電でん・影ようのごとしと知しれども、 菩ぼ薩さつの道どうを究く竟きょうし、

●知リ↣法ハ如シト↢電・影ノ↡究↢竟シ菩薩ノ道ヲ↡

^もろもろの功く徳どくの本もとほんを具ぐして、 受決じゅけつし決をうけ てまさに└仏ぶつとな 作仏す る┘べし。

 具シテ↢諸ノ功徳ノ本ヲ↡受決シテ当ニシ↠作ル↠仏ト

^▼*諸法しょほうの性しょうは、 一切いっさい、 空くう無我むがなりと通達つうだつすれども、

●通↢達シ諸法ノ*性ハ一切空・無我ナリト↡

^もつぱら浄きよき--仏ぶつ土どを求もとめて、 かならずかくのごときの刹くにせちを成じょうぜんず  º と--。

 専ラ求メテ↢浄キ仏土ヲ↡必ズ成ゼムト↢如キノ↠是クノ刹ヲ↡

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(c)諸仏勧讃
                  (イ)讃徳発遣

^諸仏しょぶつは、 菩ぼ薩さつに告つげて、 *安あん養にょう仏ぶつを覲みせしむ、

○諸仏ハ告ゲテ↢菩薩ニ↡令ム↠覲セ↢安養仏ヲ↡

0046^ª▼法ほうを0292聞ききて楽ねがひて*受じゅ行ぎょうして、 疾とく*清浄しょうじょうの--処ところを得えよ。

 聞キテ↠法ヲ楽ヒテ受行シテ疾ク得ヨ↢清浄ノ処ヲ↡

^▼かの*厳ごん浄じょうの--国くにに至いたらばりて 、 すなはちすみやかに神通じんずうを得え、

○至ラバ↢彼ノ厳浄ノ*国ニ↡便チ速ニ得↢神通ヲ↡

^かならず無む量りょう尊そんにおいて、 記きを受うけて等覚とうがくを成ならんる  。

○必ズ於テ↢無量尊ニ↡受ケテ↠記ヲ成ゼム↢等覚ヲ↡

・破地獄文〔願17成就〕

^△その仏ぶつの本願ほんがん力りき、 ▼名みなを聞ききて往おう生じょうせんと欲おもへば、

○▼其ノ仏ノ本願力▼聞キテ↠名ヲ欲スレバ↢往生セムト↡

^みなことごとくかの国くにに到いたりて、 おのづから不ふ退たい転てんに致いたる。

▼皆悉ク到リテ↢彼ノ国ニ↡自ラ致ル↢不退転ニ↡

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(c)(ロ)命を受け往詣す〔第9願成就〕

^△菩ぼ薩さつ、 *至し願がんを興おこしてす。 、 ねがはくはおのれが国くにも異ことなること--------なから└ け ┘んと願ねがふ----。

○菩薩興シテ↢*至願ヲ↡願ズ↢己ガ国モ無カラムト↟異ナルコト

^あまねく一切いっさいを度どせんとことを念ねんじ、ず。 名な、 顕あらわれて十方じっぽうに達たっせん。

 普ク念ジ↠度セムト↢一切ヲ↡名顕レテ*達セム↢十方ニ↡

^▼億おくの如来にょらいに奉事ぶじするに、 飛化ひけして└もろも諸 ろの┘刹くにせちに遍へんし、

○奉↢事スルニ億ノ如来ニ↡飛化シテ徧シ↢諸ノ刹ニ↡

^恭く敬ぎょうし--歓かん喜ぎして去さりて、 還かえりて安あん養にょう国こくに到いたる。

 恭敬シ歓喜シテ去リ還リテ到ラム↢安養国ニ↡

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(d)釈迦勧讃
                  (イ)難信の所以を明す
                    [一]能信の本縁を示す

^▼もし人ひと善本ぜんぽん└なけれきは ば┘、 この経きょうを聞きくことを得えず。

○▼若シ人無ケレバ↢善*本↡不↠得↠聞クコトヲ↢此ノ経ヲ↡

^清浄しょうじょうに戒かいを有たもてるもの、 いまし正しょう法ぼうを聞きくことを獲う。

 清浄ニ有タモテル↠戒ヲ者乃チ獲↠聞クコトヲ↢正法ヲ↡

^▼曽更むかし*世せ尊そんを見みたてまつりしる  ものは--、 すなはちよく*この事じを信しんじず。、

○曽更 ムカシ 見タテマツレバ↢世尊ヲ↡則チ能ク信ジ↢此ノ事ヲ↡

^▼*謙けん敬きょうに--ヘリヰウヤマフして*聞ききて奉ぶ行ぎょうし、 踊ゆ躍やくして大おおきに歓かん喜ぎす。

 謙敬ニシテ聞キテ奉行シ踊躍シテ大ニ歓喜ス

^▼憍きょう慢まんと*弊へいと懈け怠だいとは、 もつて*この法ほうを信しんずること難かたし。

○▼憍慢ト弊ト懈怠トハ難シ↣以テ信ズルコト↢此ノ法ヲ↡

^▼*宿しゅく世せに諸仏しょぶつを見みたてまつりしる  ものは--、 ▼楽このんでねがひて かくのごときの教きょうを聴きかんく  。

▼宿世ニ見タテマツレバ↢諸仏ヲ↡ 楽コノミテ聴ク↢如キノ↠是クノ教ヲ↡

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(d)(イ)[二]所信の深広を讃ず

0047^▼声しょう聞もん0293あるいは菩ぼ薩さつ、 よく*聖しょう心しんを究きわむることなし。

○▼声聞或イハ菩薩莫シ↣能ク究ムルコト↢聖心ヲ↡

^*たとへば生うまれてより盲めしひたるものの、 行ゆいて人ひとを*開導かいどうせんと欲おもは欲せ んがごとし。

 譬ヘバ如シ↤従リ↠生レテ盲タルモノノ欲スルガ↣行キテ開↢導セムト人ヲ↡

^▼如来にょらいの智慧ちえ海かいは、 深広じんこうにして涯底がいたいなし。

○▼如来ノ智慧海ハ深広ニシテ無シ↢*涯底↡

^*二に乗じょうの測はかるところにあらず。 ただ仏ぶつのみ独ひとり└あきらかに了さとり明了なり たまへり┘。

 ▼二乗ノ非ズ↠所ニ↠測ル▼唯仏ノミ独リ明カニ了サトリタマヘリ

^たとひ一切いっさいの--人ひと、 具ぐ足そくしてみな道どうを得え、

○仮使 タトヒ 一切ノ人具足シテ皆得↠道ヲ

^浄じょう慧え、 *本空ほんくうを知しりて、 億劫おくこうに仏ぶっ智ちを思おもひて、

 浄慧ヲモテ*知リ↢本空ヲ↡億劫ニ思ヒ↢仏智ヲ↡

^力ちからを窮きわめて、 *└講こう説せつを極きわ極講説し め┘て、 寿いのちを尽つくすとも、 なほし知しらじ。

○0047窮メ↠力ヲ極メテ↢*講説ヲ↡尽ストモ↠寿ヲ猶不↠知ラ

^仏ぶっ慧ては辺際へんざいなくして、 かくのごとく清浄しょうじょうに致いたる。

 仏慧ハ無クシテ↢辺際↡如ク↠是クノ致ルト↢清浄ニ↡

二 Ⅱ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(d)(ロ)徳を挙げ結勧す

^▼寿じゅ命みょうはなはだ得えがたくし 、 *仏ぶっ世せまた値もうあひがたし。

○寿命甚ダ難ク↠得仏世モ亦難シ↠値ヒ

^人ひと、*信しん慧ねあること難かたし。 もし ˆ法ほうをˇ 聞きかば精しょう進じんして└ に ┘求もとめよ。

▼人有ルコト↢信慧↡難シ若シ聞カバ精進シテ求メヨ

^▼法ほうを聞ききてよく忘わすれず、 ▼*見みて敬うやまひ、得えて大おおきに慶よろこばばぶは 、

○▼聞キテ↠法ヲ能ク不↠忘レ▼見テ敬ヒ得テ大ニ慶ババ

^すなはち▼わが善よき親しん友ぬなり。 このゆゑにまさに*意こころを発おこすべし。

 則チ我ガ善キ親友ナリ是ノ故ニ当ニシ↠発ス↠意ヲ

^▼たとひ世せ界かいに満みてらん火ひをも、 かならず過すぎて要もとめてかならず 法ほうを聞きかばけ。 、

○▼設ヒ満テル↢世界ニ↡火アルモ必ズ過ギテ要モトメテ聞ケ↠法ヲ

^▼かならずまさに仏道ぶつどうを成じょうじて、 広ひろく*生しょう死じの流ながれる を済すくふ度す べしº」 と--。

 会ズ当ニシト↧成ジテ↢仏道ヲ↡広ク*済フ↦生死ノ流ヲ↥

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)摂自国【衆生往生果】
            (Ⅰ)広く諸徳を嘆ず
              (ⅰ)総じて内外の徳を嘆ず
                (a)其の位を明す〔第22願成就〕

【004828】^0294仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 「△かの国くにの菩ぼ薩さつは--、 みなまさに一いっ生しょう補ふ処しょを究く竟きょうすべし。 その本願ほんがん、 衆しゅ生じょうのためのゆゑに、 弘ぐ誓ぜいの功く徳どくをもつてみづから荘しょう厳ごんして、 あまねく一切いっさい衆しゅ生じょうを*度ど脱だつせんと欲おもふをば除のぞく。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、彼ノ国ノ菩薩ハ、皆当ニシ↣究↢竟ス一生補処ヲ↡。除ク↫其ノ本願アリテ、為ノ↢衆生ノ↡故ニ、以テ↢弘誓ノ功徳ヲ↡而自ラ荘厳シテ、普ク欲スルヲバ↪度↩脱セムト一切衆生ヲ↨。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)其の身光を明す
                  (イ)通明

^▼阿あ難なん、 かの仏国ぶっこくのなか└  中  ┘のもろもろの声しょう聞もん衆しゅのは 身光しんこうは--*一尋いちじんなり。 菩ぼ薩さつの光こう明みょうは、 百ひゃく由ゆ旬じゅんを照てらす。

○阿難、彼ノ仏国ノ中ノ諸ノ声聞衆ノ身光ハ一尋ナリ。菩薩ノ光明ハ照ス↢百由旬ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)別して上首を明す
                    [一]略標

^▼└ふたり二  の┘菩ぼ薩さつありて最尊さいそん第一だいいちなり。 威い神じんの光こう明みょうは--あまねく三千大千さんぜんだいせん世せ界かいを照てらす」 と--。

○▼有リテ↢二ノ菩薩↡最尊第一ナリ。威神ノ光明ハ普ク照スト↢三千大千世界ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)[二]問答して本因を示す

^阿あ難なん、 仏ぶつにまうさく、 「かの└ふたり二  の┘菩ぼ薩さつ、 その号ないかん」 と--。

○▼阿難白サク↠仏ニ、彼ノ二ノ菩薩、其ノ号ナ云何ト。

^仏ぶつのたまはく、 「ひとり└  一  ┘をば観かん世ぜ音おんと名なづけ、 ふたり└  二  ┘をば大だい勢せい至しと名なづく。 この└ふたり二  の┘菩ぼ薩さつは--、 ▼この国こく土どにおいし  て菩ぼ薩さつの行ぎょうを修しゅして、 └命いのち終おわり 命終  て┘*転てん化けしてかの仏国ぶっこくに└生うまれたま生ず へり┘。

○◆仏言ク、一ヲバ名ケ↢観世音ト↡、二ヲバ名ク↢大勢至ト↡。○*是ノ二ノ菩薩ハ於テ↢*此ノ国土ニ↡修シテ↢菩薩ノ行ヲ↡、命終シ転化シテ生ジタマヘリ↢彼ノ仏国ニ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(c)其の具相を明す〔第21願成就〕

^阿あ難なん、 それ衆しゅ生じょうありて、 △かの国くにに生うまる生ず るものは、 みなことごとく三さん十じゅう二に相そうを具ぐ足そくす。

○阿難、其レ有リテ↢衆生↡生ズル↢彼ノ国ニ↡者ハ、皆悉ク具↢足ス三十二相ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)其の功徳を明す〔第41願成就〕

^△智慧ちえ成じょう満まんして深ふかく----諸法しょほうに入いり 深入し 、 *要よう妙みょうを究く暢ちょうし、 神通じんずう無礙むげにして*諸根しょこん明みょう利りなり。

○智慧成満シテ深ク入リ↢諸法ニ↡、究↢暢シ要妙ヲ↡、神通無礙ニシテ諸根明利ナリ。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(e)得忍の不同を判ず

^▼その鈍根どんこんのものは*二に忍にんを成じょう就じゅし、 その利り根こんのものは不可ふか計けの無む生しょう法忍ぼうにんを得う。

○其ノ鈍根ノ者ハ成↢就シ二忍ヲ↡、其ノ利根ノ者ハ得↢*不可計ノ無生法忍ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(f)不更悪趣を明す〔第2・5願成就〕

^△またかの菩ぼ薩さつ、 乃ない至し成じょう仏ぶつまで悪趣あくしゅに更かえらず。 △神通じんずう自じ在ざいにしてつねに宿命しゅくみょうを識さとる。 他た方ほうの五ご濁じょく悪あく世せに生しょうじて、 示じ現げんして*かれに同どうずること、 *わが国くにのごとくなるをば除のぞく」 と--。

○又彼ノ菩薩、乃チ至ルマデ↢成仏ニ↡不↠*更カヘラ↢悪趣ニ↡。○神通自在ニシテ常ニ識サトル↢宿命ヲ↡。除クト↧生ジテ↢他方ノ五濁悪世ニ↡、示現シテ同ズルコト↠彼ニ如クナルヲバ↦我ガ国ノ↥也。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)別して供仏聞法の徳を嘆ず
                (a)供養他方相
                  (イ)往詣速疾を嘆ず〔第23願成就〕

 ^△仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 「かの国くにの菩ぼ薩さつは--、 仏ぶつの威い神じん ˆ力りきˇ を承うけて、 一いち食じき0049のあひだに十方じっぽう無む量りょうの世せ界かいに往詣おうげいして、 諸仏しょぶつ世せ尊そんを恭く敬ぎょうし--供く養ようしたてまつらん。

○仏*告ゲタマハク↢阿難ニ↡、彼ノ国ノ菩薩ハ承ケテ↢仏ノ威神ヲ↡、一食之*頃ニ往↢詣シテ十方無量ノ世界ニ↡、恭↢敬シ供0048↣養シタテマツル諸仏世尊ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)供具如意を嘆ず〔第24願成就〕
                    [一]正明

^△心こころしむ の所念しょねんに随したが0295ひて、 華け香こう・伎ぎ楽がく・繒蓋ぞうがい・幢幡どうばん、 無む数しゅ無む量りょうの供く養ようの具ぐ、 自じ然ねんに--化け生しょうして念ねんに応おうじてすなはち至いたらんる  。

○随ヒテ↢心ノ所念ニ↡、華香・伎楽・*繒蓋・幢旛、無数無量ノ供養之具、自然ニ化生シテ、応ジテ↠念ニ即チ至ル。

^珍ちん妙みょう殊特しゅどくにして、 世よの所しょ有うにあらず。 すなはちもつて└もろも諸 ろの┘仏ぶつ・菩ぼ薩さつ・声しょう聞もんの--大衆だいしゅに*奉ぶ散さんせんす  。

○珍妙殊特ニシテ、非ズ↢世ノ所有ニ↡。*輒スナハチ以テ奉↢散スルニ諸ノ仏・*菩薩・声聞ノ*大衆ニ↡、

^▼ˆ散さんぜし華はなはˇ 虚こ空くうのなかにありて、 化けして*華け蓋がいとなる。 光色こうしき*昱いく爍しゃくして--、 香こう気け└あまねく 普熏す 熏くんず┘。 その華はなの--周しゅう円えんにして、 四し百ひゃく里りなるものあり。 かくのごとく*うたた倍ばいしてすなはち三千さんぜん大千だいせん世せ界かいに覆おおへり。 その*前ぜん後ごに随したがひて、 次ついでをもつて化け没もつす。

○在リテ↢虚空ノ中ニ↡化シテ成ル↢華蓋ト↡。光色*昱*爍トシテ、香気普ク熏ズ。其ノ華ノ*周円、四百里ナル者アリ。如ク↠是クノ転タ倍シテ乃チ覆ヘリ↢三千大千世界ニ↡。随ヒテ↢其ノ前後ニ↡、以テ↠次デヲ化没ス。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)[二]聞法歓喜を明す

^▼その└もろも諸 ろの┘菩ぼ薩さつ、 *僉然せんねんとして欣悦ごんえつす。 虚こ空くうのなかにおいし  てともに天てんの楽がくを奏そうし、 微み妙みょうの音こえをもつて仏徳ぶっとくを歌か歎たんす。 経きょう法ぼうを聴ちょう受じゅして歓かん喜ぎすること--------無む量りょうなり。

○其ノ諸ノ菩薩、僉然トシテ欣悦ス。於テ↢虚空ノ中ニ↡共ニ奏シ↢天ノ楽ヲ↡、以テ↢微妙ノ音ヲ↡歌↢歎シ仏徳ヲ↡、聴↢受シテ経法ヲ↡*歓喜スルコト無量ナリ。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ハ)還来速疾を嘆ず

^▼仏ぶつを供く養ようしたてまつる----------こと----已おわりていまだ食じきせざるの--前さきに、 *忽然こつねんとして*軽きょう挙こしてその*本国ほんごくに還かえる」 と--。

○供↢養シタテマツルコト仏ヲ↡已リテ未ダル↠食セ之前ニ、忽然トシテ軽挙シテ還ルト↢其ノ本国ニ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)自土法楽相
                  (イ)弥陀説法相

【29】^仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 「▼無む量りょう寿じゅ仏ぶつ、 もろもろの声しょう聞もん・菩ぼ薩さつの--大衆だいしゅのために法ほうを*班はん頒 宣せんしたまふ時とき、 すべてことごとく七宝しっぽうの講堂こうどうに集しゅう会えして、 広ひろく*道どう教きょうを宣のべ妙みょう法ほうを*演えん暢ちょう└したます。ふに、┘ ˆ聞きくものˇ 歓かん喜ぎしせざることなし、 └心こころに解さとり、 道どう心解得道す。 を得え┘ざること--------なし----。

○仏語リタマハク↢阿難ニ↡、無量寿仏為ニ↢諸ノ声聞・菩薩ノ*大衆ノ↡*班↢宣シタマフ法ヲ↡時、都テ悉ク集↢会シテ▼七宝ノ講堂ニ↡、広ク宣ベ↢道教ヲ↡演↢暢シタマフニ妙法ヲ↡、莫シ↠不ルハ↢歓喜シ心ニ解シ得↟道ヲ。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)聖衆供養相

^ ▼即そく時じ すなはちのときに四し方ほうより自じ然ねんにの 風かぜ起おこりて└ たち ┘、 あまねく宝樹ほうじゅを吹ふくにいて 、 *五いつつの音おん声じょう0050を出いだし、 無む量りょうの妙みょう華けを└雨あめふらす ふる  ┘。 風かぜに随したがひて周しゅう遍へんして自じ然ねんに供く養ようすること、 かくのごとくして絶たえず。

○即時ニ四方ヨリ自然ニ風起リテ、*普ク吹クニ↢宝樹ヲ↡、出シ↢*五ノ音声ヲ↡、*雨ラス↢無量ノ妙華ヲ↡。随ヒテ↠風ニ*周徧シテ自然ニ供養スルコト如クシテ↠是クノ不↠絶エ。

^一切いっさいの諸天しょてん、 みな天てん上じょうの百ひゃく千せんの華け香こう・万種まんじゅの伎ぎ楽がくを齎もつて、 その仏ぶつおよび└もろも諸 ろの┘菩ぼ薩さつ・声しょう聞もんの--大衆だいしゅを供く養よう└したてます  つる┘。 あまねく華け香こうを散さんじ、 もろもろの音楽おんがくを奏そうし、 す。 前ぜん後ご0296に来往らいおうして、 └かはるが さらに はる┘あひ*開かい避ひす。 この時ときに当あたりて ˆ大衆だいしゅのˇ *熙怡きい快け楽らくすること--------、 勝あげていふべからず」 と--。

○一切ノ諸天、皆齎モチテ↢天上ノ百千ノ華香・万種ノ伎楽ヲ↡、供↢養シタテマツル其ノ仏及ビ諸ノ菩薩・声聞ノ*大衆ヲ↡。普ク散ジ↢華香ヲ↡、奏シ↢諸ノ音楽ヲ↡、前後ニ来往シテ、更カハルガハル相開避ス。当リテ↢斯之時ニ↡▼熙*怡快楽スルコト不ト↠可カラ↢勝アゲテ言フ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)一切智徳を説く
                  (イ)総標〔第25願成就〕

【30】^仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 「△かの仏国ぶっこくに生うまる生ず る└もろも諸 ろの┘菩ぼ薩さつ等とうは--、 *講説こうせつすべきところにはつねに正しょう法ぼうを宣のべ、 智慧ちえに随ずい順じゅんして違いなく失しつなし。

○仏*語リタマハク↢阿難ニ↡、生ズル↢彼ノ仏国ニ↡諸ノ菩薩等ハ、所ニハ↠可キ↢講説ス↡、常ニ宣ベ↢正法ヲ↡、随↢順シテ智慧ニ↡無ク↠違無シ↠失。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)正明
                    [一]先づ其の内徳を嘆ず
                      [Ⅰ]法に約して別して嘆ず
                        [ⅰ]其の心念を嘆ず
                          [a]不着万物〔第10願成就〕

^△その国こく土どの└あらゆ 諸有の る┘万物まんもつにおいて我が所しょの心しんなく、 染ぜん着じゃくの心しんなし。 ▼└去ゆくも来かえるも、 進すすむ  去来進止に  も止とどまるも┘、 情じょうに係かくるところなくし。、 ▼└意こころに随したが随意 ひて┘自じ在ざいにして*適ちゃく莫まくするところなし。 彼ひなく我がなく、 競きょうなく訟じゅなし。

○於テ↢其ノ国土ノ所有ル万物ニ↡無ク↢我所ノ心↡、無シ↢染著ノ心↡。去ユクモ来カヘルモ進ムモ止ルモ、情ニ無ク↠所0049↠係クル、随ヒテ↠意ニ自在ニシテ無シ↠所↢適莫スル↡。無ク↠彼無ク↠我、無ク↠競無シ↠訟。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[一][Ⅰ][ⅰ][b]悲済衆生

^もろもろの衆しゅ生じょうにおいて大だい慈悲じひ*饒にょう益やくの心しんを得えたり。 ^*柔にゅう軟なん調じょう伏ぶくにして忿恨ふんごんの心しんなく、 し。  *離り蓋がい清浄しょうじょうにして厭怠えんだいの心しんなし。 *等とう心しん・*勝しょう心しん・*深心じんしん・*定じょう心しん、 *愛法あいほう・楽ぎょう法ほう・喜き法ほうの心しんのみ----なり。 もろもろの煩悩ぼんのうを滅めっして--悪趣あくしゅの心しんを離はなる。

○於テ↢諸ノ衆生ニ↡得タリ↢大慈悲饒益之心ヲ↡。柔*軟調伏ニシテ無ク↢忿恨ノ心↡、離蓋清浄ニシテ無シ↢厭怠ノ心↡。等心・勝心・深心・定心、愛法・楽法・喜法之心ノミナリ。滅シテ↢諸ノ煩悩ヲ↡離ル↢悪趣ノ心ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[一][Ⅰ][ⅱ]其の具徳を嘆ず
                          [a]総標〔第36願成就?〕

^△一切いっさい菩ぼ薩さつの所しょ行ぎょうを究く竟きょうして、 無む量りょうの功く徳どくを具ぐ足そくし成じょう就じゅせりす  。

○究↢竟シテ一切ノ菩薩ノ所行ヲ↡、具↢足シ成↣就ス無量ノ功徳ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[一][Ⅰ][ⅱ][b]別嘆
                            [イ]定慧兼備〔第6~9願成就〕

^△深ふかき--禅ぜん定じょうと・ └もろも諸 ろの┘*通つう明みょう慧えを得えて、

○得テ↢深キ禅定ト諸ノ通明慧ヲ↡、

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[一][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]具足道品

^志こころざしを*七覚しちかくに遊あそばしめ、 心こころしむ に仏法ぶっぽうを修しゅす。

○遊バシメ↢志ヲ七覚ニ↡、修ス↢心ニ仏法ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[一][Ⅰ][ⅱ][b][ハ]具足五眼〔第6願成就〕

^△*肉眼にくげんは、 清しょう徹てつにして分ふん了りょうならせ  ざることなし。 天眼てんげんは、 通達つうだつして無む0051量りょう無む限げんなり。 法眼ほうげんは、 観察かんざつして諸道しょどうを究く竟きょうす。 し、 慧え眼げんは、 真しんを見みてよく彼ひ岸がんに度どす。 仏眼ぶつげんは、 具ぐ足そくして法ほっ性しょうを覚かく了りょうす。

○肉眼ハ清徹ニシテ靡シ↠不ルハ↢分了ナラ↡。天眼ハ通達シテ無量無限ナリ。法眼ハ観察シテ究↢竟ス諸道ヲ↡。慧眼ハ見テ↠真ヲ能ク度ス↢彼岸ニ↡。仏眼ハ具足シテ覚↢了ス法性ヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[一][Ⅰ][ⅱ][b][ニ]智弁無礙〔第29・30願成就〕

^△*無礙むげの--智ちをもつて人ひとのために ˆ法ほうをˇ 演説えんぜつす。 ^等ひとしく三界さんがいの空くう・無む所しょ有うなるを観かんじて仏法ぶっぽうを志求しぐし、 もろもろの弁才べんざいを具ぐして衆しゅ生じょうの煩悩ぼんのうの患うれへを除滅じょめつす。 *如にょより来らい生しょうして法ほうの如々にょにょを解さとり、 よく*習じゅう滅めつの音おん声じょうの--方便ほうべんを知し0297りて*世語せごを欣ねがはず、 楽ねがひ正しょう論ろんにあり。

○以テ↢無礙ノ智ヲ↡為ニ↠人ノ演説ス。等シク観ジテ↢三界ノ空・無所有ナルヲ↡志↢求シ仏法ヲ↡、具シテ↢諸ノ*弁才ヲ↡除↢滅ス衆生ノ煩悩之患ヲ↡。従リ↠如来生シテ解シ↢法ノ如如ナルヲ↡、善ク知リテ↢*習滅ノ音声ノ方便ヲ↡不↠欣バ↢世語ヲ↡、楽ヒテ在リ↢正論ニ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[一][Ⅰ][ⅱ][b][ホ]真俗双融〔第44願成就?〕

^△もろもろの善本ぜんぽんを修しゅして、 志こころざし仏道ぶつどうを崇あがむ。 一切いっさいの法ほうはみなことごとく寂じゃく滅めつなりと知しりて、 *生しょう身じん・煩悩ぼんのう、 *二余によともに尽つくせりす  。 ^甚深じんじんの法ほうを聞ききて心こころしむ に疑懼ぎくせず、 つねによくその大悲を修しゅ行ぎょうするものなり。

○修シテ↢諸ノ善本ヲ↡、志崇ム↢仏道ヲ↡。知リテ↢一切ノ法ハ皆悉ク寂滅ナリト↡、生身ト煩悩トノ二余倶ニ尽ク。聞キテ↢甚深ノ法ヲ↡心ニ不↢疑懼セ↡、常ニ能ク修行ス。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[一][Ⅰ][ⅱ][b][ヘ]悲智双運

^その----大だい悲ひは------深遠じんのん微み妙みょうにして*覆ふ載さいせずといふことなし。 ▼一いち乗じょうを究く竟きょうして ˆ衆しゅ生じょうをˇ 彼ひ岸がんに至いた└らしり、む。┘ 疑ぎ網もうを決断けつだんして、 慧え、 心しんによりて出いづ。 *仏ぶつの教きょう法ぼうにおいて該かい羅らして----外ほかなし無外なり 。

○▼其ノ大悲者深遠微妙ニシテ靡シ↠不ルハ↢覆載セ↡。▼究↢竟シテ一乗ヲ↡至ラシム↢于彼岸ニ↡。決↢断シテ疑網ヲ↡、慧由リテ↠心ニ出ヅ。於テ↢仏ノ教法ニ↡該羅シテ無シ↠外。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[一][Ⅱ]譬に約して総嘆す

^ˆ浄じょう土どの菩ぼ薩さつのˇ ▼智慧ちえは、 大海だいかいのごとくし。、 ^三昧さんまいは、 *山王せんのうのごとし。 ^▼慧え光こうは、 明浄みょうじょうにして日月にちがつに超ちょう踰ゆせり。

○智慧ハ如ク↢大海ノ↡、○三昧ハ如シ↢山王ノ↡。○慧光ハ明浄ニシテ超↢*踰シ日月ニ↡、

^*清白しょうびゃくの法ほう具ぐ足そくし円満えんまん└するこ せり。と、┘ ^なほし雪山せっせんのごとし、 もろもろの功く徳どくを照てらすこと等一とういつにして浄きよきがゆゑに。

○清白之法具足シ円満セリ。猶如シ↢雪山ノ↡、照スコト↢諸ノ功徳ヲ↡等一ニシテ浄キガ故ニ。

^なほし大だい地じのごとし、 浄じょう穢え・好悪こうあく、 *異い心しんなきがゆゑに。

○猶如シ↢大地ノ↡、浄穢・好悪無キガ↢異心↡故ニ。

^なほし浄じょう水すいのごとし、 *塵労じんろうもろもろの*垢く染ぜんを洗除せんじょするがゆゑに。

○猶如シ↢浄水ノ↡、洗↢除スルガ塵労諸ノ垢染ヲ↡故ニ。

^▼なほし*火か王おうのごとし、 一切いっさいの--煩悩ぼんのうの薪たきぎを焼しょう滅めつするがゆゑに。

○猶如シ↢火王ノ↡、焼↢滅スルガ一切ノ煩悩ノ薪ヲ↡故ニ。

^なほし大風だいふうのごとし、 もろもろの世せ界かいに行ぎょうずるに障しょう礙げなき0052がゆゑに。

○猶如シ↢大風ノ↡、行クニ↢諸ノ世0050界ヲ↡無キガ↢障礙↡故ニ。

^なほし虚こ空くうのごとし、 *一切いっさいの有うにおいて所しょ着じゃくなきがゆゑに。

○猶如シ↢虚空ノ↡、於テ↢一切ノ有ニ↡無キガ↢所著↡故ニ。

^▼なほし蓮れん華げのごとし、 もろもろの世せ間けんにおいて汚わ染ぜんなきがゆゑに。

○猶如シ↢蓮華ノ↡、於テ↢諸ノ世間ニ↡無キガ↢*汚染↡故ニ。

^▼なほし*大だい乗じょうのごとし、 群萌ぐんもうを運載うんさいして生しょう死じを出いだすがゆゑに。

○猶如シ↢大乗ノ↡、運↢載シテ群萌ヲ↡出スガ↢生死ヲ↡故ニ。

^なほし重じゅう雲うんのごとし、 大法だいほうの雷いかずちらい を震ふるひて未み覚かくを覚かくせしむるがゆゑに。

○猶如シ↢重雲ノ↡、*震ヒテ↢大法ノ雷ヲ↡覚セシムルガ↢未覚ヲ↡故ニ。

^なほし大だい雨うのごとし、 甘かん露ろの法ほうを└雨あめふらふり し┘て衆しゅ生じょうを潤うるおすがゆゑに。

○猶如シ↢大雨ノ↡、雨ラシテ↢甘露ノ法ヲ↡潤スガ↢衆生ヲ↡故ニ。

^*金剛こんごう山せんのごとし、 衆しゅ0298魔ま・外げ道どう、 動うごかすことあたはざるがゆゑに。

○如シ↢金剛山ノ↡、衆魔・外道モ不ルガ↠能ハ↠動スコト故ニ。

^梵天ぼんてん王のうのごとし、 もろもろの善法ぜんぼうにおいて最さい上じょう首しゅなるがゆゑに。

○如シ↢梵天王ノ↡、於テ↢諸ノ善法ニ↡最上首ナルガ故ニ。

^*尼拘にく類るい律 樹じゅのごとし、 あまねく一切いっさいを覆おおふがゆゑに。

○如シ↢尼*拘*類樹ノ↡、普ク覆フガ↢一切ヲ↡故ニ。

^*優う曇どん鉢ば華けのごとし、 希有けうにして遇もうあひがたきがゆゑに。

○▼如シ↢優曇鉢華ノ↡、希有ニシテ難キガ↠遇ヒ故ニ。

^*金こん翅じ鳥ちょうのごとし、 外げ道どうを威い伏ぶくするがゆゑに。

○如シ↢金翅鳥ノ↡、威↢伏スルガ外道ヲ↡故ニ。

^もろもろの遊ゆ禽きんのごとし、 *蔵ぞう積しゃくするところなきがゆゑに。

○如シ↢衆ノ遊禽ノ↡、無キガ↠所↢蔵積スル↡故ニ。

^なほし牛ご王おうのごとし、 よく勝かつものなきがゆゑに。

○猶如シ↢牛王ノ↡、無キガ↢能ク勝ルルモノ↡故ニ。

^なほし象王ぞうおうのごとし、 よく調じょう伏ぶくするがゆゑに。

○猶如シ↢象王ノ↡、善ク調伏スルガ故ニ。

^獅子しし王おうのごとし、 畏おそるるところなきがゆゑに。

○如シ↢師子王ノ↡、無キガ↠所↠畏ルル故ニ。

^▼曠ひろきこと虚こ空くうのごとし、 大だい慈じ、 等ひとしきがゆゑに。

○▼*曠キコト若シ↢虚空ノ↡、大慈等シキガ故ニ。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[二]正しく説法の徳を嘆ず

^ˆ菩ぼ薩さつはˇ 嫉心しっしんを摧滅さいめつす、 勝まされ すぐる るを忌そねまざるがゆゑに。 もつぱら法ほうを└楽ねがひ求もと 楽求し め┘て、 心しんに*厭足えんそくなし。 つねに広説こうせつを欲おもひふ て、 志こころざし疲ひ倦けんなし。 法ほう鼓くを撃うち、 法幢ほうどうを建たて、 慧え日にちを曜かがやかし、 *痴ち闇あんを除のぞく。 六ろく和わ敬きょうを修しゅしてつねに法ほう施せを行ぎょうず。 志し勇ゆう精しょう進じんにして心しん退たい弱にゃくせず。

○摧↢滅シテ嫉心ヲ↡、不ルガ↠*忌ソネマ↠勝ルルヲ故ニ、専ラ楽ヒ↢求メテ法ヲ↡、心無シ↢厭足↡。常ニ欲シテ↢広ク説カムト↡、志無シ↢疲倦↡。○撃チ↢法鼓ヲ↡、建テ↢法幢ヲ↡、曜カシ↢慧日ヲ↡、除キ↢痴闇ヲ↡、修シテ↢六和敬ヲ↡、常ニ行ジ↢法施ヲ↡、志勇精進ニシテ心不↢退弱セ↡。

^世よせ の灯とう明みょうとなりし  て最さい勝しょうの*福田ふくでんなり。 つねに導どう師し0053となりて、 等ひとしくして憎愛ぞうあいなし。 ただ正しょう道どうを楽ねがひて余よの*欣ごん戚しゃくなし。 もろもろの*欲よくの--刺とげし を抜ぬいてもつて群ぐん生じょうを安やすんず。 *功慧くえ、 殊しゅ勝しょうにして尊そん敬きょうせられ----ざることなし。

○為リテ↢世ノ灯明ト↡、最勝ノ福田ナリ。常ニ為リ↢*導師ト↡、等シクシテ無シ↢憎愛↡。唯楽ヒテ↢正道ヲ↡無シ↢余ノ欣*戚↡。抜キテ↢諸ノ欲ノ刺ヲ↡以テ安ズ↢群生ヲ↡。功・*慧殊勝ニシテ莫シ↠不ルハ↢尊敬セラレ↡。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[三]総じて威力を嘆ず(二十力)

^三さん垢くの--障さわりしやうを滅めっし、 もろもろの神通じんずうに遊あそぶ。 *因力いんりき・*縁力えんりき・*意い力りき・*願力がんりき・*方便ほうべんの之 力ちからりき ・*常じょう力りき・*善力ぜんりき・*定じょう力りき・*慧え力りき・*多た聞もんの之 力ちからりき 、 *施せ・戒かい・忍辱にんにく・精しょう進じん・禅ぜん定じょう・智慧ちえの之 力ちからりき 、 *正しょう念ねん・正しょう観かん・└もろも諸 ろの┘通つう明みょうの--力ちからりき 、 └法ほうのごとくもろもろの衆しゅ0299生じょう如法調伏諸衆生力  を調じょう伏ぶくする力ちから┘、 かくのごときらの力ちからりき 、 一切いっさい具ぐ足そくせり。

○滅シ↢三垢ノ障ヲ↡、遊ブ↢諸ノ神通ニ↡。因力・縁力・意力・願力・方便之力・常力・善力・定力・慧力・多聞之力、施・戒・忍辱・精進・禅定・智慧之力、正念・*正観・諸ノ通明ノ力、如ク↠法ノ調↢伏スル諸ノ衆生ヲ↡力、如キ↠是クノ等ノ力、一切具足セリ。

二 Ⅱ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)結嘆〔第42願成就?〕

^身色しんじき・相好そうごう・功く徳どく・弁才べんざいを--具ぐ足そくし荘しょう厳ごんして、 ともに等ひとしきものなし。 △無む量りょうの諸仏しょぶつを恭く敬ぎょうし--供く養ようしたてまつりて、 つねに諸仏しょぶつのためにともに称しょう歎たんせらる。 菩ぼ薩さつの└もろも諸 ろの┘波羅はら蜜みつを究く竟きょうし、 *空くう・無む相そう・無む願がん三昧ざんまいと--、 *不ふ生しょう不ふ滅めつ ˆ等とうのˇ └もろも諸 ろの┘三昧さんまい門もんを修しゅして、 声しょう聞もん・縁覚えんがくの地じを遠おん離りす。

○身色・相好・功徳・*弁才ヲ具足シ荘厳シテ、無シ↢与ニ等シキ者↡。恭↢敬シ供↣養シタテマツリテ無量ノ諸仏ヲ↡、常ニ為ニ↢諸仏ノ↡所ル↢共0051ニ称歎セ↡。▼究↢竟シ菩薩ノ諸ノ波羅蜜ヲ↡、修シテ↢空・無相・無願三昧ト、不生不滅ノ諸ノ三昧ノ門ヲ↡、遠↢離ス声聞・縁覚之地ヲ↡。

二 Ⅱ ⅲ 総結

^阿あ難なん、 かのもろもろの菩ぼ薩さつ、 かくのごときの無む量りょうの功く徳どくを成じょう就じゅせり。 われただなんぢがために略りゃくしてこれを説とくまくのみ。 もし広ひろく説とかば、 百ひゃく千万せんまん劫ごうにも窮ぐ尽じんすることあたはじ」 と--。

○阿難、彼ノ諸ノ菩薩成↢就ス如キノ↠是クノ無量ノ功徳ヲ↡。我但為ニ↠汝ガ略シテ*説ク↠之ヲ耳。若シ広ク説カバ者、百千万劫ニモ不ト↠能ハ↢窮尽スルコト↡。

二 Ⅲ 世尊別して勧めて欣厭を生ぜしむるを明す【釈迦指勧】
    ⅰ 総じて浄穢相対し欣厭を勧む【浄穢欣厭】
      a 略して浄土を嘆じ欣求せしむ
        イ 前を牒して後を起す

【31】^仏ぶつ、 弥み勒ろく菩ぼ薩さつと・ └もろも諸 ろの┘天てん・--人等にんとうに告つげたまはく、 「無む量りょう寿じゅ国こくの声しょう聞もん・菩ぼ薩さつの、 功く徳どく・智慧ちえは--、 称しょう説せつすべからず。 またその国こく土どは--、 微み妙みょう安楽あんらくにして清浄しょうじょうなることかくのごとし。

○仏告ゲタマハク↢弥勒菩薩ト諸ノ天人等ニ↡、無量寿国ノ声聞・菩薩ノ功徳・智慧ハ不↠可カラ↢称説ス↡。又其ノ国土ハ、微妙安楽ニシテ清浄ナルコト若シ↠此クノ。

二 Ⅲ ⅰ a ロ 正しく欣求を勧む
          (一)証果を勧む

^なんぞつとめて善ぜんをなして、 道どうの自じ然ねんなるを念ねん0054じて、 *上下じょうげなく洞達どうだつして辺際へんざいなきことを著あらわさざらん。

○▼何ゾ不ラム↫力ツトメテ為シテ↠善ヲ、▼念ジテ↢道之自然ナルヲ↡、▼著サ↪於無ク↢上下ト↡洞達シテ無キコトヲ↩辺際↨。

二 Ⅲ ⅰ a ロ (二)往生を勧む
            (Ⅰ)正勧〔第11願成就〕

^よろしくおのおの└つとめ勤  て┘精しょう進じんして、 つとめてみづからこれを求もとむべし。

○宜シクシ ↢各ノ*勤テ精進シテ、努力 ツトメ テ自ラ求ム↟之ヲ。

^△かならず ˆ迷まよひの世せ界かいをˇ 超ちょう絶ぜつして去すつることを得えて安あん養にょう国こくに往おう生じょうして、 せよ。  ▼*横よこさまおう に五ご悪趣あくしゅを截きり、 悪趣あくしゅ自じ然ねんに閉とぢ、づ。 ◗道どうに昇のぼるに窮極ぐうごくなからん└  し  ┘。

○▼必ズ得テ↢▼超絶シテ去スツルコトヲ↡往↢生シテ安*養国ニ↡、▼横ニ截リ↢五悪*趣ヲ↡、▼悪*趣自然ニ閉ヂ、▼昇ルニ↠道ニ無シ↢窮極↡。▼

二 Ⅲ ⅰ a ロ (二)(Ⅱ)如来傷嘆

^ˆ安あん養にょう国こくはˇ ▼*往ゆき易やすくして人ひとなし。 *その国くに逆ぎゃく違いせず、 自じ然ねんの牽ひくところなり。

○▼易クシテ↠往キ而無シ↠人。其ノ国不↢逆違セ↡、自然之所ナリ↠牽ク。

二 Ⅲ ⅰ a ロ (三)結勧

^なんぞ世事せじを棄すてて勤ごん行ぎょうして*道徳どうとくを求もとめざらん。 極ごく長じょうの生しょうを獲えて、 └寿いのちの楽たの寿楽 しみ┘極きわまりあることなかるべし。

○何ゾ不ラム↧棄テテ↢世事ヲ↡*勤行シテ求メ↦道徳ヲ↥。可シ↧*獲テ↢極長ノ生ヲ↡、▼寿ノ楽ミ無カル↞有ルコト↠極リ。▼

二 Ⅲ ⅰ b 広く穢苦を挙げ厭離せしむ
        イ 総標

^しかるに世よ0300の--人ひと、 薄俗はくぞくにしてともに*不ふ急きゅうの事じを諍あらそふ。

○然ルニ世ノ人薄俗ニシテ共ニ諍フ↢不急之事ヲ↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ 正明
          (一)貧富営務苦
            (Ⅰ)総挙

^この劇悪ぎゃくあく極ごっ苦くのなかにして、 身みの営よう務むを勤つとめてもつてみづから給きゅう済さいす。 尊そんと--なく卑ひと--なく、 貧びんと--なく富ふともなく、し。 ◗少長しょうちょう・男女なんにょともに銭財ぜんざいを憂うれふ。 有無うむ同然どうねんにして、 憂思うし└まさに等ひと適等なり し┘。 *屏びょう営ようとして------愁しゅう苦くして、 *└念おもいを累かさね、 慮おもんぱか累念積慮す。りを積つみて、┘ ˆ欲よくˇ 心しんのために走はしり使つかはれて、 安やすき時ときあることなし。

○於テ↢此ノ劇悪極苦之中ニ↡、勤メテ↢身ノ営務ヲ↡以テ自ラ給済ス。無ク↠尊ト無ク↠卑ト、無ク↠貧ト無ク↠富ト、少長・男女共ニ憂フ↢銭財ヲ↡。有モ無モ同然ニシテ、憂思スルコト適ニ等シ。*屏営トシテ愁苦シ、累ネ↠念ヲ積ミテ↠慮リヲ、為ニ↠心ノ走リ使ハレテ、無シ↠有ルコト↢安キ時↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (一)(Ⅱ)別明
              (ⅰ)富貴の苦を示す
                (a)有財苦

^田たあれば あるものは 田たに憂うれへ、 宅いえあれば あるものは 宅いえに憂うれふ。 牛馬ごめ六畜ろくちく・奴婢ぬひ・銭財ぜんざい・衣え食じき・*什じゅう物もつ、 またともにこれをに 憂うれふ。 └思しを重かさね息そくを 重思累息し 累つみて┘、 憂う念ねん愁しゅう怖ふす。

○有レバ↠田憂ヘ↠田ニ、有レバ↠宅憂フ↠宅ニ。牛馬六畜・奴婢・銭財・衣食・什物、復共ニ憂フ↠之ヲ。重ネ↠思ヲ累ツミテ↠息ヲ、憂念愁怖ス。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(b)失財苦

^横よこさまに非ひ常じょうの水すい火か・盗賊とうぞく・怨おん家げ・債主さいしゅのために└焚やかれ、 焚漂漂ながされ┘、 劫奪こうだつせられ└  し  ┘、 消しょう散さんし--磨ま滅めつせば、らる。 憂う毒どく*忪々しゅじゅとして解とく をこた る時ときあることなし。 憤いきどおりを心しん中ちゅうに結むすびて、 憂う悩のうを離はなれず。 └心しん堅かたく意い固かた 心堅意固にして く┘、 まさに*縦じゅう捨しゃすることなし。

○横ニ為ニ↢非常ノ水火・盗賊・怨家・債主ノ↡焚カレ*漂ナガサレ劫奪セラレ消散シ磨滅セバ、憂毒忪忪トシテ無シ↠有ルコト↢*解クル時↡。結ビテ↢憤ヲ心中ニ↡、不↠離レ↢憂悩ヲ↡。心堅ク意固ク、適ニ無シ↢縦捨スルコト↡。

^あるい0055は*摧砕さいさいによりて└身み亡ほろび命いのち終おわ 身亡命終す。れば、┘ これを棄き捐えんして去さるに、 たれも随したがふものなし。

○或イハ坐ヨリテ↢摧0052砕ニ↡身亡ビ命終セバ、棄↢捐シテ之ヲ↡去ルニ、莫シ↢誰モ随フ者↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(c)結

^尊そん貴き・豪ごう富ふも--またこの患うれへあり。 *憂懼うく万端まんたんにして、 勤ごん苦くすること--------かくのごとし。 もろもろの*寒熱かんねつを結むすびて痛いたみとともに居こす。

○尊貴・豪富モ亦有リ↢斯ノ患↡。憂懼万端ニシテ、*勤苦スルコト若シ↠此クノ。結ビテ↢衆ノ*寒熱ヲ↡与↠痛ミ共ニ*居ス。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)貧賎の苦を示す
                (a)無財苦

^貧びん窮ぐ・--下げ劣れつ└のもの にして は┘、 困乏こんぼうして----└つねに無かけ常無なり たり┘。 田たなければ なきものは  、 また憂うれへて田たあらんことを欲おもふ。 宅いえなけ なきれば ものは  、また憂うれへて宅いえあらんことを欲おもふ。 牛馬ごめ六畜ろくちく・奴婢ぬひ・銭財ぜんざい・衣え食じき・什じゅう物もつなければ なきものは  、また憂うれへてこれあらんことを欲おもふ。

○貧窮・下劣ノモノハ、困乏シテ常ニ無シ。無ケレバ↠田亦憂ヘテ欲シ↠有ラムト↠田、無ケレバ↠宅亦憂ヘテ欲シ↠有ラムト↠宅、無ケレバ↢牛馬六畜・奴婢・銭財・衣食・什物↡亦憂ヘテ欲ス↠有ラムト↠之。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(b)求財苦

^たまたま一ひとつあればまた一ひとつ少かけく 、 これあればこれを--少かく。 *斉等ざいとうに0301あらんと思おもふ。 たまたまつぶさ└ とも ┘にあらんと欲おもへ 欲すれ ば、 すなはちまた*糜み散さんす。 かくのごとく憂苦うくしてまさにまた求ぐ索しゃくすれども------、 時ときに得うることあたはず。 *思し想そうするも------益やくなくし、 身心しんしんともに労つかれ労し て、 坐起ざき安やすからず、 憂う念ねんあひ随したがひて勤ごん苦くすること--------かくのごとし。

○適マ有レバ↠一復少カキ↠一ヲ、有レバ↠是少カク↠是ヲ。思ヒ↢有ルコト斉等ナラムト↡、適マ欲セバ↢具ニ有ラムト↡、便チ復糜散ス。如ク↠是クノ憂苦シテ、当ニシ↢復求索スレドモ不ル↟能ハ↢時ニ得ルコト↡。思想スルモ無ク↠益、身心倶ニ労ツカレテ、坐起不↠安カラ、憂念相随ヒテ*勤苦スルコト若シ↠此クノ。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)(c)結

^またもろもろの寒熱かんねつを結むすびて痛いたみとともに居こす。

○亦結ビテ↢衆ノ寒熱ヲ↡与↠痛ミ*共ニ*居ス。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (一)(Ⅲ)総じて無常に帰すを示す

^ある時ときはこれによつて身みを終おへ、 命いのちを夭ほろぼす。 あへて善ぜんをなし つくり 道どうを行ぎょうじて--徳とくに進すすまず。 寿いのち終おわり、 身み死ししてまさに独ひとり遠とおく去さるべし。 趣向しゅこうするところあれども、 *善悪ぜんあくの道どうみちよく知しるものなし。

○或ル時ハ坐ヨリテ↠之ニ終ヘ↠身ヲ、*夭ホロボス↠命ヲ。不↢肯テ為シ↠善ヲ行ジテ↠道ヲ進マ↟徳ニ。寿終リ身死シテ、当ニシ↢独リ遠ク去ル↡。有レドモ↠所↢趣向スル↡、善悪之道莫シ↢能ク知ル者↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (二)眷属別離苦
            (Ⅰ)正明
              (ⅰ)和睦の徳を挙ぐ

^世せ間けんの人民にんみん、 父子ぶし・兄きょう弟だい・夫ふう婦ふ・*家け室しつ室家・*中ちゅう外げの--親属しんぞく、 まさにあひ敬きょう愛あいしてあひ憎嫉ぞうしつすることなかるべし。 *有無うむあひ通つうじて貪とん惜じゃくを得うることなく、 *言色ごんしきつねに和わしてあひ*違い戻らいすることなか0056れ。

○世間ノ人民、父子・兄弟・夫婦、*家室・中外ノ親属、当ニシ↣相敬愛シテ無カル↢相憎嫉スルコト↡。有無相通ジテ、無ク↠得ルコト↢*貪惜ヲ↡、言色常ニ和シテ莫レ↢相違戻スルコト↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)不和の過を挙ぐ

^ある時ときは心こころしむ 諍あらそひて恚怒いぬするところあり。 ▼今こん世ぜの恨うらみの意こころは微すこしきあひ憎嫉ぞうしつすれども、 後世ごせにはうたた劇はげしくしていたりて大おおきなる怨あだとなるに至いたる------。 ゆゑはいかんとなれば--------、。 世せ間けんの事じたがひにあひ*患害げんがいす。 即そく時じに急きゅうにあひ破はすべからずといへども、 しかも毒どくを含ふくみ怒いかりを畜たくわへて憤いきどおりを精しょう神じんに結むすび、ぶ。 ◗自じ然ねんに*剋こく識ししてあひ離はなるることを得えず。 みなまさに*対たい生しょうしてたがひにあひ報復ほうぶくすべし。

○或ル時ハ心諍ヒテ有リ↠所↢恚怒スル↡。今世ノ恨ノ意ハ微シク相憎嫉スレドモ、後世ニハ転タ劇シクシテ、至ル↠成ズルニ↢大キナル怨ヲ↡。所以者何ントナレバ。世間之事更カハルガハル相患害シ、雖モ↠不ト↣即時ニ応カラ↢急ニ*相破ス↡、然モ含ミ↠毒ヲ畜ヘテ↠怒ヲ結ビ↢憤ヲ精神ニ↡、自然ニ剋識シテ不↠得↢相離ルルコトヲ↡。皆当ニシ↢対生シテ更カハルガハル相報復ス↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅲ)生死変化の相を明す

^人ひと、 世せ間けん愛欲あいよくのなかにありて、 独ひとり生うまれ生じ 独ひとり死しし、 独ひとり去さり独ひとり来きたる。 *└行ぎょうに当あたまさにゆいり┘て苦く楽らくの地じ0302に└至いたり至趣趣おもむすべしく┘。 身みみづからこれを当うくるに----、 代かわるものあることなし。 善悪ぜんあくの変へん化げして----、 *殃福おうふく└処ところを異ことに異処にして し┘、 あらかじめ厳きびしく待まちてまさに独ひとり趣しゅ入にゅうすべし。 遠とおく他た所しょに到いたりぬれば*よく見みるものなし。

○人在リテ↢世間ノ愛欲之中ニ↡、独リ生ジ独リ死シ、独リ去リ独リ来ル。▼当ニシ↣行キテ至リ↢趣ク苦楽之地ニ↡。身自ラ当リテ↠之ニ、無シ↠有ルコト↢代ル者↡。善悪変化シテ、殃福異ニシ↠処ヲ、宿予アラカジメ厳シク待シテ当ニシ↢独リ趣入ス↡。遠ク到レバ↢他所ニ↡莫シ↢能ク見ル者↡。

^善悪ぜんあく自じ然ねんにして行ぎょうを追おうゆくにしたがひ て生しょうずるところなり。 *窈々ようよう冥々みょうみょうとして別べつ離り└久ひさしく長なが久長なり し┘。 道どう路ろ└同おなじから 不同に  ず┘して会あひ見みること期ごなし。 はなはだ難かたく、 └はなはだ難かた 甚難に ければ┘、 またあひ値あふことを得えんやたり 。

○善悪自然ニシテ追ヒテ↠行ヲ所0053ナリ↠生ズル。窈窈冥冥トシテ別離久シク長シ。道路不シテ↠同ジカラ会ヒ見ルコト無シ↠期。甚ダ難ク甚ダ難ケレバ、*復得ムヤ↢相値フコトヲ↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (二)(Ⅱ)結勧

^なんぞ衆しゅ事じを棄すてざらん。 おのおの強健ごうごんの時ときに曼およびて└ あへり ┘、 つとめて└善ぜんを勤修ごんしゅし精しょう勤精進して善を修し進じんし┘て*度世どせを願ねがひ 願ぜよ 、 *極ごく長じょうの生しょうを得うべし。 いかんぞが 道どうを求もとめざらん。 いづくんぞすべからく待まつべきところある----。、 なん いづれ の楽らくをか欲ほっするや。

○▼何ゾ不ラム↠棄テ↢衆事ヲ↡。各ノ*曼オヨビテ↢強健ノ時ニ↡、努力 ツトメテ *勤↢*修シ善ヲ↡精進シテ願ジ↢度世ヲ↡、可シ↠得↢極長ノ生ヲ↡。如何ゾ不ラム↠求メ↠道ヲ。安クンゾ所アラム↠須クキ↠待ツ。欲セム↢何ノ楽ヲカ↡*哉。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (三)五趣流転苦
            (Ⅰ)其の因を挙ぐ
              (ⅰ)不信の過を挙ぐ
                (a)総じて其の相を列ぬ

^かくのごときの世せ人にん、 └善ぜんをな作善して┘善ぜんを得え、 └道どうをな為道して┘道どうを得うることを信しんぜず。 人ひと死ししてさらに0057生しょうじ、 恵施えせして福ふくを得うることを信しんぜず。 善悪ぜんあくの事じすべてこれを信しんぜずして----、 これをしからずと謂おもうてつひに是ぜすることあることなし。

○如キノ↠是クノ世ノ人、不↠信ゼ↢作シテ↠善ヲ得↠善ヲ為シテ↠道ヲ得ルコトヲ↟道ヲ。不↠信ゼ↢人死シテ更ニ生ジ恵施シテ得ルコトヲ↟福ヲ。善悪之事都テ不シテ↠信ゼ↠之ヲ、謂ヒテ↢之ヲ不ト↟然ラ、終ニ無シ↠有ルコト↠是スルコト。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (三)(Ⅰ)(ⅰ)(b)其の所由を明す
                  (イ)総明

^ただ*これによるがゆゑに、 またみづからこれを見みる。 たがひにあひ*瞻せん視じして*先せん後ご└同おなじく同然しか┘なり。 うたたあひ*承じょう受じゅするに----、父ちちの余のこせる--------*教令きょうりょうを└もつて のこす す┘。

○但坐ヨルガ↠此ニ故ニ、且マタ自ラ見テ↠之ヲ、更カハルガハル相瞻視シテ先後同ジク然ナリ。転タ相承受スルニ父ノ余ノコセル教令ヲモテス。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (三)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)別して先人の迷執を明す

^*先人せんにん・祖父そぶもとより善ぜんをなさず、 道徳どうとくを識しら さとら ず、 身み愚おろかに神たましい闇くらく、 心こころしむ 塞ふさがり意こころ閉とぢて、 死し生しょうの趣おもむき、 善悪ぜんあくの道どう、 みづから見みることあたはず、 語かたるものあることなし。 吉きっ凶きょう・禍か福ふく、 競きおひておのおのこれをなすに--、 ひとりも怪あやしむものこと な0303し。

○先人・祖父素ヨリ不↠為サ↠善ヲ、不↠識ラ↢道徳ヲ↡、身愚ニ神タマシヒ闇ク、心塞リ意閉ヂテ、死生之趣、善悪之道、自ラ不↠能ハ↠見ルコト、無シ↠有ルコト↢語ル者↡。吉凶・禍福、競ヒテ各ノ作スニ↠之ヲ、無シ↢一モ怪ムモノ↡也。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (三)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)迷執を破す

^*生しょう死じの常つねの道みち、 うたた*あひ嗣つぎて--立たつ。 あるいは父ちち、 子こに哭こくし、 あるいは子こ、 父ちちに哭こくす。 兄きょう弟だい・夫ふう婦ふたがひにあひ哭こっ泣きゅうす。 *顛てん倒どう上じょう下げ└するこしてとは┘、 無む常じょうの根本こんぽんなり。 みなまさに└過すぎ去さ 過去す る┘べくし 、 つねに保たもつべからず。 ˆ道どう理りをˇ 教きょう語ごし--開導かいどうすれども└ るに ┘、 これを信しんずるものは少すくなし。 ここをもつて生しょう死じの流る転てんし--、 休止くしすることあることなし。

○生死ノ常ノ道、転タ相嗣ギテ立ツ。或イハ父哭シ↠子ニ、或イハ子哭シ↠父ニ、兄弟・夫婦更カハルガハル相哭泣ス。顛倒上下スルコトハ無常ノ根本ナリ。皆当ニク↢過ギ去ル↡、不↠可カラ↢常ニハ保ツ↡。教語シ開導スレドモ、信ズル↠之ヲ者ハ少シ。是ヲ以テ生死流転シ、無シ↠有ルコト↢休止スルコト↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (三)(Ⅰ)(ⅱ)造業の相を明す
                (a)総じて傷嘆を挙ぐ

^かくのごときの人ひと、 *矇もう冥みょう抵突たいとつして経きょう法ぼうを信しんぜず、 心こころしむ に*遠とおき慮おもんぱかりな└くしし。て、┘ おのおの意いこころを快こころよくせんと欲おもへりふ  。 *愛欲あいよくに痴ち惑わくせられて道徳どうとくを達さとらず、 瞋しん怒ぬに迷没めいもつし*財色ざいしきを貪狼とんろうす。 これによつて道どうを得えず、 まさに悪趣あくしゅの苦くに更かえり、るべし。生しょう死じ窮きわまりやむことなかるべ------し。 哀あわれなるかな、 はなはだ傷いたむべし。

○如キ↠此クノ之人、*矇冥*抵突シテ不↠信ゼ↢経法ヲ↡、心ニ無クシテ↢遠キ慮リ↡各ノ欲シ↠快クセムト↠意ヲ、痴↢惑セラレテ*於愛欲ニ↡不↠達セ↢於道徳ニ↡、迷↢没シ於瞋怒ニ↡貪↢狼ス於財色ヲ↡。坐ヨリテ↠之ニ不↠得↠道ヲ、当ニシ↧更カヘリテ↢悪趣ノ苦ニ↡生死無カル↦窮リ已ムコト↥。哀レナル哉、甚ダ可シ↠傷ム。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (三)(Ⅰ)(ⅱ)(b)別挙
                  (イ)愚痴の業

^ある時ときは*室しっ家けの--父ぶ子し0058・兄きょう弟だい・夫ふう婦ふ、 ひとりは死ししひとりは生いき生じ て、 たがひにあひ哀愍あいみんしす 、 恩愛おんない思慕しぼして憂う念ねん ˆ身心しんしんをˇ 結縛けつばくす、 心しん意い*痛つう着じゃくしてたがひにあひ顧こ恋れんす。 日ひを窮きわめ歳としを卒おへて、 解とけやむことあることなし。

○或ル時ハ室家ノ父子・兄弟・夫婦、一ハ死シ一ハ生キテ更カハルガハル相哀愍シ、*恩愛思慕シテ憂念結縛シ、心意痛著シテ迭タガヒニ相顧恋ス。窮メ↠日ヲ卒ヘテ↠歳ヲ、無シ↠有ルコト↢解ケ已ムコト↡。

^道徳どうとくを教きょう語ごすれども└ るに ┘心しん開かい明みょうせならず、 *恩好おんこうを思し想そうして情じょう欲よくを離はなれず。 *昏矇こんもう閉塞へいそくして愚ぐ惑わくに覆おおはれたり。 深ふかく思おもひ、 つらつら計はかりて、 └心こころみづ心自 から┘端たん正じょうにして*専せん精しょうに道どうを行ぎょうじて世事せじを決断けつだんすることあたはず。 *└便べん旋せんとしすなはち て┘竟おわりにめぐり至いたる。りて、 年寿ねんじゅ終おわり尽つきぬれば、 道どうを得うることあたはず、 いかんともすべきことなし。

○教↢語スレドモ道徳ヲ↡心不↢開明セ↡、思↢想シテ恩好ヲ↡不↠離0054レ↢情欲ヲ↡。*昏*矇閉塞シテ愚惑ニ所タリ↠覆ハ。不↠能ハ↣深ク思ヒ熟ツラ計リ、心自ラ端正ニシテ専精ニ行ジテ↠道ヲ決↢断スルコト世事ヲ↡。便旋トシテ至リ↠竟ニ、年寿終リ尽キヌレバ、不↠能ハ↠得ルコト↠道ヲ、無シ↠可キコト↢奈何 イカン トモス↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (三)(Ⅰ)(ⅱ)(ロ)貪欲の業

^*総猥そうわい憒かい擾にょうにしてみな愛欲あいよくを貪むさぼる 貪ず  。 道どう0304に惑まどへるものは衆おおく、 これを悟さとるものは寡すくなし。 世せ間けん*怱々そうそうとして*憀りょう頼らいすべきものこと なし。

○総猥憒擾ニシテ皆貪ル↢愛欲ヲ↡。惑フ↠道ニ者ハ衆オホク、悟ル↠之ヲ者ハ*寡シ。世間怱怱トシテ、無シ↠可キモノ↢*憀頼ス↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (三)(Ⅰ)(ⅱ)(ハ)瞋恚の業

^尊そん卑ぴ・上じょう下げ・貧ひん富ぷ・貴き賎せん、 勤ごん苦く*怱そう務むしておのおの*殺毒せつどくを懐いだく。 *悪あく気け窈よう冥みょうにして└ためにみだ 妄のために りに┘事じを興おこす。 天てん地ちに違い逆ぎゃくし、 人心にんしんに従したがはず。

○尊卑・上下・貧富・貴賎、*勤苦怱務シテ各ノ懐ク↢殺毒ヲ↡。悪気窈冥トシテ為ニ*妄ニ興ス↠事ヲ。違↢逆シ天地ニ↡、不↠従ハ↢人心ニ↡。

二 Ⅲ ⅰ b ロ (三)(Ⅱ)感業の相を明す

^自じ然ねんの*非ひ悪あく、 まづ随したがひてこれ└に与くみしをあたふ。、┘ ほしいままに所しょ為いを聴ゆるしてその└罪つみの極きわ罪極まる┘を待まつ。 その寿いのちいまだ尽つきざるに、 すなはち└たちま頓に ち┘にこれを奪うばふ。 悪道あくどうに└下くだり入い 下入し り┘て*累るい世せに勤ごん苦くす。 そのなかに展転てんでんして数しゅ千億せんおく劫こうも--出いづる期ごあることなし。 痛いたみいふべからず、 はなはだ哀愍あいみんすべし」 と--。

○自然ノ非悪、先ヅ随ヒテ与シ↠之ニ、恣ニ聴シテ↢所為ヲ↡待ツ↢其ノ罪ノ極ルヲ↡。其ノ寿*未ダルニ↠尽キ、便チ頓チニ奪ヒ↠之ヲ、下リ↢入リテ悪道ニ↡累世ニ*勤苦ス。展↢転シテ其ノ中ニ↡数千億劫ニモ無シ↠有ルコト↢出ヅル期↡。痛ミ不↠可カラ↠言フ。甚ダ可シト↢哀愍ス↡。

二 Ⅲ ⅱ 別して時会の大衆を教誡す
      a 上を牒して勧む
        イ 総勧

【32】^仏ぶつ、 弥み勒ろく菩ぼ薩さつと・ └もろも諸 ろの┘天てん・--人にん等とうに告つげたまはく、 「われいまなんぢに0059世せ間けんの事じを語かたる。 人ひとこれをもつてのゆゑに坐とどまりて道どうを得えず。 まさにつらつら思おもひ計はかりて衆悪しゅあくを遠おん離りし、 その善ぜんのものを択えらびてつとめてこれを行ぎょうずべし。 ▼愛欲あいよく・栄えい華がつねに保たもつべからず、 みなまさに別べつ離りすべし。 楽たのしむべきものなし。 仏ぶつの--在ざい世せに曼およびて まふあへり 、 まさに└つとめ勤  て┘精しょう進じんすべし。

○▼仏告ゲタマハク↢弥勒菩薩ト諸ノ天人等ニ↡、我今語レリ↢汝ニ世間之事ヲ↡。人用テノ↠是ヲ故ニ坐トドマリテ不↠得↠道ヲ。当ニシ↧熟ツラ思ヒ計リテ遠↢離シ衆悪ヲ↡、択ビテ↢其ノ善ノ者ヲ↡*勤メテ而行ズ↞之ヲ。愛欲・栄華不↠可カラ↢常ニハ保ツ↡。皆当ニシ↢別離ス↡。無シ↢可キ↠楽ム者↡。*曼オヨビテ↢仏ノ在世ニ↡、当ニシ↢*勤テ精進ス↡。

二 Ⅲ ⅱ a ロ 別して願生を勧む

^▼それ至し心しんに安楽あんらく国こくに生うまれ生ぜ んと願がんずることあるものは、 智慧ちえ└あきらかに 明達し  達さとり┘、 功く徳どく殊しゅ勝しょうなることを得うべし。 心こころしむ の所欲しょよくに随したがひて、 *経きょう戒かいを虧負きぶして、 人ひとの--後しりえにあることを得うることなかれ。 もし疑うたがいの--意こころありて経きょうを└解さとらざる 解せず もの┘は、 つぶさに仏ぶつに└問とひたて問すまつる┘べし。 まさにためにこれを説とくべし」 と--。

○其レ有ル↢至シテ↠*心ヲ願ズルコト↟生ゼムト↢安楽国ニ↡者ハ、可シ↠得↢智慧明カニ達シ功徳殊勝ナルコトヲ↡。勿レ↠得ルコト↧随ヒテ↢心ノ所欲ニ↡、*虧↢負シテ経戒ヲ↡、在ルコトヲ↦人ノ後ニ↥也。儻モシ有リテ↢疑ノ意↡不ハ↠解セ↠経ヲ者、可シ↢具ニ問ヒタテマツル↟仏ニ。当ニシト ↢為ニ説ク↟之ヲ。

二 Ⅲ ⅱ b 弥勒領解を述ぶ【弥勒領解】
        イ 総領

 ^弥み0305勒ろく菩ぼ薩さつ、 *長じょう跪きしてまうさく、 「仏ぶつはの 威い神じん尊そん重じゅうにして、 └説ときたまふところ所説快善なり快こころよく善よし┘。

○弥勒菩薩、長跪シテ白シテ言ク、仏ハ威神尊重ニシテ、所↠説キタマフ快ク善シ。

二 Ⅲ ⅱ b ロ 別して人法に約して領す
          (一)所説の法を領す

^仏ぶつの経きょう語ごを聴ききたてまつり----------て、 心こころしむ に貫つらぬきい てこれを思おもふに、 世せ人にんまことにしかなり。 仏ぶつの└のたまふ所言ところ┘のごとし。 いま仏ぶつ、 *慈じ愍みんして大道だいどうを顕けん示じしたまふに、 耳に目もく開かい明みょうにして長ながく度ど脱だつを得うえつ。

○聴キタテマツリテ↢仏ノ経*語ヲ↡、貫キテ↠心ヲ思フニ↠之ヲ、世ノ人実ニ爾ナリ。如シ↢仏ノ所ノ↟言フ。今仏慈愍シテ顕↢示シタマフニ大道ヲ↡、耳*目開明ニシテ長ク得↢度脱ヲ↡。

^仏ぶつの所説しょせつを聞ききたてまつりて歓かん喜ぎせざることなし。 諸天しょてん・人民にんみん、 *蠕動ねんどうの類たぐいるい 、 みな慈じ恩おんを蒙こうぶりて憂苦うくを解げ脱だつす。 ^仏ぶつ語ごの教きょう誡かいは、 └はなはだ深ふかくはな甚深甚善なり はだ善よし┘。

○聞キタテマツリテ↢仏ノ所説ヲ↡莫0055シ↠不ルハ↢歓喜セ↡。諸天・人民・蠕動之類、皆蒙リテ↢慈恩ヲ↡解↢脱ス憂苦ヲ↡。仏語ノ教*誡ハ甚ダ深ク甚ダ善シ。

二 Ⅲ ⅱ b ロ (二)能説の人を領す

^智慧ちえあきらかにみて、 八方はっぽう上じょう下げ、 *去こ来今らいこんの事じを見みそなはして------------、 *究く暢ちょうせざるずといふことなし。

○智慧ハ明カニ見ソナハシテ↢八方上下、去来今ノ事ヲ↡、莫シ↠不ルハ↢究暢セ↡。

^いまわれ衆等しゅとう、 度ど脱だつを得うることを0060蒙こうぶるゆゑは、 みな仏ぶつの--前ぜん世せに--求ぐ道どうの時とき*謙けん苦くせしが致いたすところなり。 恩徳おんどくあまねく ˆ衆しゅ生じょうをˇ 覆おおひて*福禄ふくろく巍々ぎぎたり。 光こう明みょう徹てっ照しょうして空くうを達さと達すること、極きわまりなし。 ˆ人ひとをしてˇ *泥洹ないおんに開入かいにゅうせしめ└  し  ┘、 *典攬てんらんを教きょう授じゅし、す 。◗*威い制せい消しょう化けして十方じっぽうを感動かんどう└せしめたする まふ┘こと無む窮ぐう無む極ごくなり。

○今我衆等ノ所↢以ハ蒙ル↟得ルコトヲ↢度脱ヲ↡、皆仏ノ前世ニ求道之時謙苦セルノ所ナリ↠致ス。恩徳普ク覆ヒテ福禄巍巍タリ。光明徹照シテ達スルコト↠空ニ無シ↠極リ。開↢入セシメ泥洹ニ↡、教↢授シ典攬ヲ↡、威制消化シテ感↢動セシメタマフコト十方ヲ↡、無窮無極ナリ。

^仏ぶつは*法王ほうおうたり として 、 └尊とうときこ 尊にして と┘衆しゅ聖しょうに超こえたまへり。 あまねく一切いっさいの--天てん・人にんの師しとなりし  て、 ˆ人々ひとびとのˇ 心こころしむ の所願しょがんに随したがひて、みな└道どうを得えしめた 得道せしむ  まふ┘。

○仏ハ為リ↢法*王↡。尊キコト超エタマヘリ↢衆聖ニ↡。普ク為リテ↢一切ノ天人之師ト↡、随ヒテ↢心ノ所願ニ↡皆令メタマフ↠得↠道ヲ。

二 Ⅲ ⅱ b ロ (三)総じて能所を領す

^いま仏ぶつに値もうああ ひたてまつることを得え、 また無む量りょう寿じゅ仏ぶつの声みこえみな を聞き└きたてまく つりて┘、 歓かん喜ぎせざるものこと なし。 心しん開かい明みょうなることを得えたり」 と--。

○今得↠値ヒタテマツルコトヲ↠仏ニ、復聞キタテマツリテ↢無量寿*仏ノ声ヲ↡靡ク↠不ルハ↢歓喜セ↡、心得タリト↢開明ナルコトヲ↡。

二 Ⅲ ⅱ c 重ねて開誨す
        イ 前説を印可す
          (一)総標

【33】^仏ぶつ、 弥み勒ろく菩ぼ薩さつ----に告つげたまはく、 「なんぢが└いへるこ ことば とは┘是ぜなり。

○仏告ゲタマハク↢弥勒*菩薩ニ↡、汝ガ言ヘルコトハ是也。

二 Ⅲ ⅱ c イ (二)別説
            (Ⅰ)能説の人を領し印す

^もし仏ぶつを慈じ敬きょうすることあらばるは 、 実じつまことに大善だいぜんなりとす。 天てん下げに久々くくにしていましまた仏ぶつまします。 いまわれこの世よ0306において仏ぶつとに なりて、 経きょう法ぼうを演説えんぜつし、 道どう教きょうを宣せん布ぷして、 もろもろの疑ぎ網もうを断たち断じ 、 愛欲あいよくの本もとほんを抜ぬき、 衆悪しゅあくの源みなもとを杜ふさぐ。 三界さんがいに*遊歩ゆぶするに*拘礙くげするところなし。

○若シ有ラバ↣慈↢敬スルコト於仏ヲ↡者、実ニ為ス↢大善ナリト↡。天下ニ久久ニシテ乃チ復有ス↠仏。今我於テ↢此ノ世ニ↡作リテ↠仏ト、演↢説シ経法ヲ↡、宣↢布シテ道教ヲ↡、断チ↢諸ノ疑網ヲ↡、抜キ↢愛欲之本ヲ↡、杜フサグ↢衆悪之源ヲ↡。遊↢歩スルニ三界ニ↡無シ↠所↢*拘礙スル↡。

^典攬てんらんの智慧ちえは、 衆道しゅどうの要ようなり。 *綱維こうゆいを執しゅう持じして昭しょう然ねん分ぶん明みょうなり。 五ご趣しゅを開かい示じして└いまだ度どせ 未度の  ざる┘ものを度どしす 、 生しょう死じと・ 泥洹ないおんの道どうを決けっ正しょうす。

○典攬ノ智慧ハ衆道之要ナリ。執↢持シテ綱維ヲ↡*昭然分明ナリ。開↢示シテ五趣ヲ↡度シ↢未ダル↠度セ者ヲ↡、決↢正ス生死ト泥洹之道トヲ↡。

二 Ⅲ ⅱ c イ (二)(Ⅱ)所説の法を領し印す

^弥み勒ろくまさに知しるべし、 なんぢ無む数しゅ劫こうよりこのかた菩ぼ薩さつの行ぎょうを修しゅして衆しゅ生じょうを度どせんと欲ほっするに、 それすでに久く遠おんなり。 なんぢに従したがひて道どうを得え└ 得道し ┘、 泥洹ないおんに至いた0061るもの、 └称はかり数かぞ 称数す ふ┘べからず。

○弥勒、当ニシ↠知ル。汝従リ↢無数劫↡来コノカタ修シテ↢菩薩ノ行ヲ↡欲スルニ↠度セムト↢衆生ヲ↡、其レ已ニ久遠ナリ。従ヒテ↠汝ニ得↠道ヲ、至ルモノ↢于泥洹ニ↡、不↠可カラ↢称リ数フ↡。

^▼なんぢおよび十方じっぽうの諸天しょてん・人民にんみん、 一切いっさいの--四し衆しゅ、 永劫ようごう└よりこの已来 かた┘五ご道どうに展転てんでんしてす  、 憂畏うい勤ごん苦くつぶさにいふべからず。 乃ない至し今こん世ぜまで生しょう死じ絶たえず。 仏ぶつとあひ値おうて経きょう法ぼうを聴ちょう受じゅし、 またまた----無む量りょう寿じゅ仏ぶつを聞きくことを得えたりつ  。 └快こころよき甚哉かな┘、 └はなはだ甚善なり善よし┘。 われ、 なんぢを助たすけて喜よろこばしむ。

○汝及ビ十方ノ諸天・人民、一切ノ四衆、永劫ヨリ已来タ展↢転シテ五道ニ↡、憂畏*勤苦スルコト不↠可カラ↢具ニ言フ↡。乃チ至ルマデ↢今世ニ↡生死不ルニ↠絶エ、与↠仏相値ヒテ聴↢受シ経法ヲ↡、又復得タリ↠聞クコトヲ↢無量寿仏ヲ↡。快キ哉甚ダ善シ。吾助ケテ↠爾ナンヂヲ喜バシム。

二 Ⅲ ⅱ c ロ 正重誨
          (一)仏重誨
            (Ⅰ)厭欣を勧む
              (ⅰ)厭離を勧む

^なんぢいままたみづから生しょう死じ老ろう病びょうの--痛つう苦くを厭いとふべし。 *悪露おろ不ふ浄じょうにして楽たのしむべきものなし。

○汝今亦可シ↣自ラ厭フ↢生・死・老0056・病ノ痛苦ヲ↡。悪露不浄ニシテ無シ↢可キ↠楽ム者↡。

二 Ⅲ ⅱ c ロ (一)(Ⅰ)(ⅱ)欣浄を勧む

^よろしくみづから決断けつだんし、すべし。└身みを端ただしくし行おこな端身正行にひを正ただしく┘して、 ますます└もろも諸 ろの┘善ぜんをなし つくり 、 └おのれを修おさめて体たいを 修己潔体にして  潔いさぎよくし┘、 心しん垢くを洗除せんじょし、 言ごん行ぎょうに*忠ちゅう信しんにしあり て表ひょう裏り相応そうおうすべし。└  し、  ┘ └人ひとよくみづ人能自度から度ど┘して└うたた転相あひ┘*拯じょう済さいし、 *精明しょうみょうに--求ぐ願がんして善本ぜんぽんを積しゃく累るいせよ。

○宜シクシ ↧自ラ決断シ、端シクシ↠身ヲ正シクシテ↠行ヲ益マス作シ↢諸ノ善ヲ↡、修シテ↠己ヲ潔クシ↠*体ヲ、洗↢除シ心垢ヲ↡、言行忠信ニシテ表裏相応ス↥。人能ク自ラ度シテ転タ相拯済シ、精明ニ求願シテ積↢累セヨ善本ヲ↡。

二 Ⅲ ⅱ c ロ (一)(Ⅰ)(ⅲ)益を挙げて勧修す

^▼*一いっ世せにの 勤ごん苦く└すといへは  ども┘須しゅ臾ゆのあひだなりといへども、 後のちに無む量りょう寿じゅ仏ぶつ国こくに生うまれ生じ て快け楽らく└極きわまりな無極なり し┘。 長ながく*道徳どうとくと合ごう明みょうして 合してあきらかに 永ながく生しょう死じの根本こんぽんを抜ぬき、く 。 また貪とん・恚い0307・愚痴ぐちの、 苦く悩のうの患うれへなくし。、 寿いのち一劫いっこう・百ひゃく劫こう・千万せんまん億劫おくこうならんと欲おもへば、 自じ在ざいに--└意こころに随したが 随意に ひて┘みなこれを得うべし。

○▼雖モ↢▼一世ニ勤苦スト↡須臾之間ニシテ、後ニ生ジテ↢無量寿*仏国ニ↡快楽無シ↠極リ。長ク与↢道徳↡合明シテ*永ク抜キ↢生死ノ根本ヲ↡、無シ↢復貪・恚・愚痴ノ苦悩之患↡。○欲スレバ↢寿一劫・百劫・千*万億劫ナラムト↡、自在ニ随ヒテ↠意ニ皆可シ↠得↠之ヲ。

二 Ⅲ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)信疑の得失を示す

^ˆ浄じょう土どはˇ *無為むい自じ然ねんにして泥洹ないおんの道どうに次ちかし ちかづけり。 なんぢら、 よろしくおのおの精しょう進じんして心こころしむ の所願しょがんを求もとむべし。 ˆ仏ぶっ智ちをˇ 疑ぎ惑わくし--*中ちゅう悔けして、 みづから*過咎かぐをなして、 かの辺へん地じの--七宝しっぽうの宮く殿でんに生うまれ生じ て、 五ご百ひゃく歳さいのうちに└もろも諸 ろの┘*厄わざわいを受うくることを--得うることなかれ0062」 と--。

○▼無為自然ニシテ次チカシ↢於泥洹之道ニ↡。▼汝等宜クシ↣各ノ精進シテ求ム↢心ノ所願ヲ↡。無レト↠得ルコト↧疑惑シテ中悔シテ、自ラ為シテ↢過咎ヲ↡、生ジテ↢彼ノ▼辺地ノ七宝ノ宮殿ニ↡、五百歳ノ中ニ受クルコトヲ↦諸ノ厄ヲ↥也。

二 Ⅲ ⅱ c ロ (二)弥勒信受

^弥み勒ろく、 仏ぶつにまうしてまうさく、 「仏ぶつの*重じゅう誨けを受うけてつ。専せん精しょうに--修学しゅがくし、 └教おしえのご如教 とく┘奉ぶ行ぎょうして、 あへて疑うたがふこと└  ひ  ┘あらじ」 と--。

○弥勒白シテ↠*仏ニ*言ク、受ケテ↢仏ノ重誨ヲ↡専精ニ修学シ、如ク↠教ノ奉行シテ、不ト↢敢テ有ラ↟疑フコト。

二 Ⅲ ⅲ 広く此世の修善を嘆勧す【五善五悪】
      a 総勧

【34】^仏ぶつ、 弥み勒ろくに告つげたまはく、 「なんぢらよくこの世よにして、 └心こころを端ただしくし意い端心正意に を正ただしく┘して衆悪しゅあくをなさ つくら ざれば└ ずは ┘、 はなはだ至し徳とくなりとす。 十方じっぽう世せ界かいにもつとも*倫匹りんひつなけんし  。 ゆゑはいかん。 諸仏しょぶつの--国こく土どの天てん・人にんの類るいは、 自じ然ねんに善ぜんをなして大おおきに悪あくを└なさざれ つくらずは ば┘、 開かい化けすべきこと易やすし。

○仏告ゲタマハク↢弥勒ニ↡、汝等能ク於テ↢此ノ世ニ↡、端シクシ↠心ヲ正シクシテ↠意ヲ不レバ↠作サ↢衆悪ヲ↡、甚ダ為ス↢至徳ナリト↡。十方世界ニ最モ無カラム↢倫匹↡。所以者何ン。諸仏ノ国土ノ天人之類ハ、自然ニ作シテ↠善ヲ不レバ↢大ニ為サ↟悪ヲ、易ケレバナリ↠可キコト↢開化ス↡。

二 Ⅲ ⅲ b 別して五悪を捨て五善を修すを勧む
        イ 総標

^いまわれこの世せ間けんにおいし  て仏ぶつになりて五ご悪あく・*五ご痛つう・*五ご焼しょうのなかに処しょすること----、 もつとも劇ぎゃく苦くなりとす。 群ぐん生じょうを教きょう化けして五ご悪あくを捨すてしめ、 五ご痛つうを去さらしめ、 五ご焼しょうを離はなれしめむ 、 その意こころを*降ごう化けして五ご善ぜんを持たもたしめて、 その福徳ふくとく・度世どせ・長ちょう寿じゅ・泥洹ないおんの道どうを獲えしめんむ  」 と--。

○今我於テ↢此ノ世間ニ↡作リテ↠仏ト、処スルコト↢於五悪・五痛・五焼之中ニ↡為ス↢最モ劇苦ナリト↡。教↢化シテ群生ヲ↡令メ↠捨テ↢五悪ヲ↡、令メ↠去ラ↢五痛ヲ↡、令メ↠離レ↢五焼ヲ↡、降↢化シテ其ノ意ヲ↡令メテ↠持タ↢五善ヲ↡、獲シメムト↢其ノ福徳・度世・長寿・泥洹之道ヲ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ロ 微起

^仏ぶつのたまはく、 「なんらをか五ご悪あくとする、 なんらをか五ご痛つうとする、 なんらか五ご焼しょうなる----。 なんらか五ご悪あくを消しょう化けして五ご善ぜんを持たもたしめて、 その福徳ふくとく・度世どせ・長ちょう寿じゅ・泥洹ないおんの道どうを獲えしむる」 と--。

○仏言ク、何*等カ五悪、何等カ五痛、何等カ五焼ナル。何等カ消↢化シテ五悪ヲ↡令メテ↠持タ↢五善ヲ↡、獲シムルト↢其ノ福徳・度世・長寿・泥洹之道ヲ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ 列釈
          (一)殺生を誡む
            (Ⅰ)其の過失を挙ぐ
              (ⅰ)標

【35】^*仏ぶつ0308のたまはく、 「その一ひとつの悪あくといふは、

○*仏0057言ク、其ノ一ノ悪ト者、

二 Ⅲ ⅲ b ハ (一)(Ⅰ)(ⅱ)正明
                (a)作悪の相を明す
                  (イ)正明

^諸天しょてん・人民にんみん、 蠕動ねんどうの類たぐいるい 、 衆悪しゅあくをなさ つくら んと欲おもへり 欲して  、 みなしからざるはなし。 強つよきものは弱よわきを伏ぶくしす。、 うたたあひ*剋賊こくぞくし、 残害ざんがい殺戮せつろくしてたがひにあひ*呑噬ノミスフとんぜいす。

○諸天・人民・蠕動之類、欲シテ↠為サムト↢衆悪ヲ↡、莫シ↠不ルハ↢皆然ラ↡。強キ者ハ伏シ↠弱キヲ、転タ相剋賊シ、残害殺戮シテ、*迭タガヒニ相呑噬ス。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (一)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)現果を以て過因を推す

^善ぜんを修しゅすることを知しらず、 悪あく逆ぎゃく無む道どうに0309して、 後のちに*殃罰おうばつを受うけて、 自じ然ねんに ˆ悪道あくどうにˇ 趣向しゅこうす。

○不↠知ラ↠修スルコトヲ↠善ヲ、悪逆無道ニシテ、後ニ受ケテ↢殃罰ヲ↡、自然ニ趣向ス。

^*神じん明みょうは--*記識きしして、 犯おか0063せるものを赦ゆるさず。 かるがゆゑに貧びん窮ぐ・下げ賎せん・*乞丐こつがい・孤こ独どく・聾ろう・盲もう・*瘖おん瘂あ・愚痴ぐち・*弊悪へいあくのものありて、 *おう・狂きょう・*不ふ逮たいの属たぐいあるに至いたる。 また尊そん貴き・豪ごう富ふ・高才こうざい・明みょう達だつなるものあり。 みな宿しゅく世せにの 慈じ孝きょうありて、 └善ぜんを修しゅし徳とく修善積徳を積つむ┘の└致いたすと所致ころ┘によるなり----。

○神明ハ記識シテ、犯セバ者ヲ不↠赦サ。故ニ有リテ↢貧窮・下賎・乞丐・孤独・聾盲・瘖*瘂・愚痴・*弊悪ナルモノ↡、至ル↠有ルニ↢・狂・不逮之属↡。又有リ↢尊貴・豪富・高才・明達ナルモノ↡。皆由ルナリ↢宿世ニ慈孝アリテ修シ↠善ヲ積メルノ↠徳ヲ所ニ↟致ス。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (一)(Ⅰ)(ⅱ)(b)現在の痛苦を明す

^世よに常じょう道どうの*王法おうぼうの牢獄ろうごくあれども└  り  ┘、 あへて畏おそれ慎つつしまず。 悪あくをなし つくり 罪つみに入いりてその殃罰おうばつを受うく。 解げ脱だつを求ぐ望もうすれども、 └免まぬがれ出いづ免出 ること┘を得えがたうることかたし。 世せ間けんに、 この└目もく前ぜんに見みるこ 目のまへの現事  と┘あり。

○世ニ有レドモ↢常道ノ王法ノ牢獄↡、不↢肯テ畏レ慎マ↡、為シ↠悪ヲ入リテ↠罪ニ受ク↢其ノ殃罰ヲ↡。求↢望スレドモ解脱ヲ↡難シ↠得↢*免レ出ヅルコトヲ↡。世間ニ有リ↢此ノ目前ニ*見ル事↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (一)(Ⅰ)(ⅱ)(c)死後の焼苦を明す
                  (イ)現在を以て未来を暁す

^└寿いのち終おわ寿終しり┘て後世ごせに ˆ受うくるところの苦くるしみはˇ もつとも深ふかく、 もつとも劇はげし。 くして、その*幽ゆう冥みょうに入いりて、 生しょうを転てんじて身みを受うくること------、。 たとへば王法おうぼうの痛つう苦く極ごく刑ぎょうなす るがごとし。

○寿終リテ後世ニ尤モ深ク尤モ劇シ。入リ↢其ノ幽冥ニ↡、転ジテ↠生ヲ受クルコト↠身ヲ、譬ヘバ如シ↢王法ノ痛苦極*刑ナルガ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (一)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)正明
                    [一]三塗の苦報を明す

^かるがゆゑに自じ然ねんの三さん塗ず無む量りょうの苦く悩のうありて--、。 うたたその身みを貿かへ、 形かたちを改あらため、 ˆ生しょう死じ輪りん廻ねしてˇ 道どうを易かへて、 受うくるところの寿じゅ命みょう、 あるいは長ながく、 あるいは短みじかし。 *魂神ごんじん精しょう識しき、 自じ然ねんにこれに趣おもむく。

○故ニ有リテ↢自然ニ三塗ノ無量ノ苦悩↡。転タ*貿カヘ↢其ノ身ヲ↡、改メ↠形ヲ易カヘテ↠道ヲ、所ノ↠受クル寿命、或イハ長ク或イハ短クシテ、魂神精識、自然ニ趣ク↠之ニ。

^まさに独ひとり値あひ向むかひ、 あひ従したがひてともに生うまれ生じ て、 たがひにあひ報復ほうぶくしてすべし、絶たえやむことあることなか--るべ----し。 *殃悪おうあくいまだ尽つきざれば、 あひ離はなるることを得えず。 そのなかに展転てんでんして出いづる期ごあることなくし。、 解げ脱だつを得えがたし。 痛いたみいふべからず。

○当ニシ↢独リ値ヒ向ヒ、相従ヒテ共ニ生ジ、更カハルガハル相報復シテ無カル↟有ルコト↢*絶エ已ムコト↡。殃悪未ダレバ↠尽キ、不↠得↢相離ルルコトヲ↡。展↢転シテ其ノ中ニ↡無ク↠有ルコト↢出ヅル期↡、難シ↠得↢解脱ヲ↡。痛ミ不↠可カラ↠言フ。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (一)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)[二]因果自然を明す

^天てん地ちのあひだに自じ然ねんに*これあり。 即そく時じににはかに善悪ぜんあくの道どうに至いたるべからずといへども、 かならずまさ当  にこれに└帰きすべ いたる し┘。

○天地之間ニ自然ニ有リ↠是。雖モ↠不ト↢即時ニ卒暴 ニハカ ニ応カラ↟至ル↢善悪之道ニ↡、会ズ当ニシ↠帰ス↠之ニ。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (一)(Ⅰ)(ⅲ)結

^これを一ひとつ0310の大悪だいあく・一ひとつの----痛つう・一ひと0064つの----焼しょうとす。 勤ごん苦くかくのごとし。 たとへば大だい火かの人身にんじんを焚ぼん焼じょうするがごとし。

○是ヲ為ス↢一ノ大悪・一ノ痛・一ノ焼ト↡。*勤苦スルコト如シ↠是クノ。譬ヘバ如シ↣大火ノ焚↢焼スルガ人身ヲ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (一)(Ⅱ)正しく修善を勧む

^人ひとよく*なかにおいて一心いっしんに--└意こころを制せい 制意  し┘、 └身みを端ただしくし行おこな端身正行にひを正ただしく┘して、 独ひとり└もろも諸 ろの┘善ぜんをなして衆悪しゅあくをなさ つくら ざれば、 身み独ひとり度ど脱だつして、 その福徳ふくとく・度世どせ・上じょう天てん・泥洹ないおんの道どうを獲えん└ う ┘。 これを一ひとつの大善だいぜんとす」 と--。

○人能ク於テ↠中ニ一心ニ制シ↠意ヲ、端シクシ↠身ヲ正シクシテ↠行ヲ、独リ作シテ↢諸ノ善ヲ↡不レバ↠為サ↢衆悪ヲ↡者、身独リ度脱シテ、獲ム↢其ノ福徳・度世・上天・泥洹之道ヲ↡。是ヲ為スト↢一ノ大善ト↡也。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)偸盗を誡む
            (Ⅰ)其の過失を挙ぐ
              (ⅰ)標

【36】^仏ぶつのたまはく、 「その二ふたつの悪あくといふは、

○仏0058言ク、其ノ二ノ悪ト者、

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)正明
                (a)作悪の相を明す
                  (イ)先づ造業の因縁を明す
                    [一]人に約す
                      [Ⅰ]総じて身口の悪を標す

^世せ間けんの人民にんみん、 父子ぶし・兄きょう弟だい・室しっ家け・夫ふう婦ふ、 すべて義理ぎりなくして*法ほう度どに順したがはず。 *奢婬しゃいん・*憍縦きょうじゅうに--しておのおの意いこころを快こころよくせんと欲おもへり。 心こころしむ に任まかせてみづからほしいままにたがひにあひ欺ご惑わくす。 ▼心しん口く└おのお各異の異こと┘にして、 言念ごんねん実まことなし。 *佞にょう諂てん不ふ忠ちゅうにして、 *巧きょう言ごん諛媚ゆみなり。 賢けんを嫉そねみ善ぜんを謗そしりて、 *怨枉おんおうに└陥おとし入い 陥入す る┘。

○世間ノ人民、父子・兄弟・室家・夫婦、都テ無クシテ↢義理↡不↠順ゼ↢法度ニ↡。奢婬憍縦ニシテ、各ノ欲シ↠快クセムト↠意ヲ、任セテ↠心ニ自ラ恣ニ更カハルガハル相欺惑ス。▼心口各ノ異ニシテ、言念無シ↠実。佞諂不忠ニシテ、巧言*諛媚ナリ。嫉ミ↠賢ヲ謗リテ↠善ヲ、陥シ↢入ル怨枉ニ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(イ)[一][Ⅱ]別して君臣に約す

^*主しゅ上じょうあきらかならずして、 臣しん下げをに 任用にんようすれば----、 臣しん下げ自じ在ざいにして*機偽きぎ└多た端たんなり はしおほし ┘。 *└度どを践ふみよく践度能行し 行おこなひ┘てその形ぎょう勢せいを知しる。 位くらいにありて正ただしからざれば└  ず  ┘、 それがために欺あざむかれる。、 みだりに忠良ちゅうりょうを損そんじて*天てんの心しんに当あたらず。

○主上不シテ↠明カナラ、任↢用スレバ臣下ヲ↡、臣下自在ニシテ機偽多端ナリ。践ミ↠度ヲ能ク行ヒテ知ルモ↢其ノ形勢ヲ↡、在リテ↠位ニ不レバ↠正カラ、為ニ↠其ガ所↠欺カ、妄ニ損ジテ↢忠良ヲ↡不↠当ラ↢天ノ心ニ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(イ)[一][Ⅲ]結責

^臣しんはその君くんを欺あざむき、 子こはその父ちちを欺あざむく。 兄きょう弟だい・夫ふう婦ふ・中ちゅう外げ・*知ち識しき、 たがひにあひ欺ご誑おうす。して、

○臣ハ欺キ↢其ノ君ヲ↡、子ハ欺キテ↢其ノ父ヲ↡、兄弟・夫婦・中外・知識、更カハルガハル相欺誑ス。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(イ)[二]心に約す
                      [Ⅰ]総じて意の三悪を標ず

^おのおの貪欲とんよく・瞋しん恚に・愚痴ぐちを懐いだきてく。 、

○各ノ懐キテ↢貪欲・瞋恚・愚痴ヲ↡、

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(イ)[二][Ⅱ]別して欲悪の相を申ず
                        [ⅰ]通じて過失を明す

^みづからおのれを厚あつくせんと欲おもひへり、 多おおくあることを欲貪よくとんす。 尊そん卑ぴ・上じょう下げ、 心こころしむ ともに同おなじくしかなり。 家いえを破やぶり身みを亡ほろぼして、 前ぜん後ごを顧かえりみず、 親属しんぞく内ない外げこ0311れによりて滅ほろぶ。

○欲シ↢自ラ厚クセムト↟己ヲ、欲↢貪ス多ク有ラムト↡。尊卑・上下、心倶ニ同ジク然ナリ。破リ↠家ヲ亡ボシ↠身ヲ、不↠顧ミ↢前後ヲ↡、親属内外坐ヨリテ↠之ニ*而滅ブ。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ]其の行相を明す

^ある時ときは室しっ家け0065・知ち識しき・*郷きょう党とう・*市里じり・愚ぐ民みん・野や人にん、 うたたともに事じに従したがひてたがひにあひ*利り殺 害がいし、 忿いかりて怨結おんけつをなす。

○或時ハ室家・知識・郷党・市里・愚民・野人、転タ共ニ従ヒテ↠事ニ更カハルガハル相*利害シ、忿リテ成ズ↢怨結ヲ↡。

^富有ふうなれども--------*慳けん惜じゃくしてあへて施与せよせず。 └宝たからを愛あいして貪むさぼる 愛宝貪重にして こと重おもく┘、 心しん労ろうし--└身み苦くるし 身苦す む┘。

○富有ナレドモ慳惜シテ不↢肯テ施与セ↡。愛シテ↠*宝ヲ貪ルコト重ク、心労ツカレ身苦ム。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(イ)[二][Ⅲ]結責

^かくのごとくして、 竟おわりに至いたりて*恃怙じこするところなし。 独ひとり来きたり独ひとり去さり、 ひとりも随したがふものなけん。 善悪ぜんあく・禍か福ふく、 *命みょういのちを追おひふ て生しょうずるところなり。 あるいは*楽処らくしょにあり、 あるいは*苦く毒どくに入いる。 しか しかう るして 後のちに、 いまし悔くゆともまさにまたなんぞ及およぶべき。

○如クシテ↠是クノ至リテ↠竟ニ無ク↠所↢恃怙スル↡、▼独リ来リ独リ去リ、無カラム↢一モ随フ者↡。善悪・禍福追ヒテ↠命ヲ所ニシテ↠生ズル、或イハ在リ↢楽処ニ↡、或イハ入ル↢苦毒ニ↡。然シテ後ニ乃チ悔ユトモ当ニキ↢復何ゾ及ブ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)正しく盗悪を明す

^世せ間けんの人民にんみん、 心こころしむ 愚おろかにして└智ち少すくな無智なりし┘。 善ぜんを見みては└憎にくみ謗そし 憎謗し り┘て、 └慕したひ及およば慕及する ん┘ことを思おもはず、 ただ悪あくをなさんとつくることを 欲おもひ欲し て、 みだりに非ひ法ほうをなす。 つねに盗心とうしんを懐いだきて他たの利りを悕け望もうす。 消しょう散さんし--*糜み磨 尽じんしてしかもまた求ぐ索しゃくす。 邪心じゃしんにして正ただしからざれば└  ず  ┘、 人ひとの色しることあ└らんこる  と┘を懼おそる。 あらかじめ思おもひ計はからずして、 事じこと至いた りていまし悔くゆ。

○世間ノ人民、心愚カニシテ*少↠智ナリ。見テハ↠善ヲ憎ミ謗リテ、不↠思ハ↢慕ヒ及ブコトヲ↡、但欲シテ↠為サムト↠悪ヲ、*妄ニ作ス↢非法ヲ↡。常ニ懐キテ↢盗心ヲ↡悕↢望シ他ノ利ヲ↡、消散シ*糜尽シテ而モ復求索ス。邪心ニシテ不レバ↠正カラ、懼ル↢人ノ有ルヲ↟色シルコト。不シテ↢*予メ思ヒ計ラ↡、事至リテ乃チ悔ユ。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)現在痛苦

^今こん世ぜに現げんに王法おうぼうの牢獄ろうごくあり。 罪つみに随したがひて趣向しゅこうしてその殃罰おうばつを受うく。 その前ぜん世せに道徳どうとくを信しんぜず、 善本ぜんぽんを修しゅせざるによりていままた悪あくをなさ つくれ ば、 天神てんじん、 *剋こく識ししてその*名籍みょうじゃくを別わかつ。

○今世ニ現ニ有リ↢王法ノ牢獄↡。随ヒテ↠罪ニ趣向シテ受ク↢其ノ殃罰ヲ↡。因リテ↧其ノ前世ニ不↠信ゼ↢道徳ヲ↡、不↠修セ↢善本ヲ↡、*今復為スニ↞悪ヲ、天神ハ剋識シテ別ツ↢其ノ名籍ヲ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)死後焼苦

^寿いのち終おわり、 神たましい逝ゆきて悪道あくどうに└下くだり入い 下入す る┘。

○寿終レバ神逝キテ下リ↢入ル悪0059道ニ↡。

^かるがゆゑに自じ然ねんの三さん塗ずの--無む量りょうの苦く悩のうあり。 そのなかに展転てんでんして世々せせに--└劫こうを累かさね 累劫に  て┘出いづる期ごあることなくし 、 解げ脱だつを得えがたし。 痛いたみいふべからず。

○故ニ有リ↢自然ニ三塗ノ無量ノ苦悩↡。展↢転シテ其ノ中ニ↡世世ニ*累ネテ↠劫ヲ無ク↠有ルコト↢出ヅル期↡、難シ↠得↢解脱ヲ↡。痛ミ不↠可カラ↠言フ。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)結

^これを二ふた0312つの大悪だいあく・二ふたつの----痛つう・二ふたつの----焼しょうとす0066。 勤ごん苦くかくのごとし。 たとへば大だい火かの人身にんじんを焚ぼん焼じょうするがごとし。

○是ヲ為ス↢二ノ大悪・二ノ痛・二ノ焼ト↡。*勤苦スルコト如シ↠是クノ。譬ヘバ如シ↣大火ノ焚↢焼スルガ人身ヲ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (二)(Ⅱ)正しく修善を勧む

^人ひとよくなかにおいて一心いっしんに--└意こころを制せい 制意  し┘、 └身みを端ただしくし行おこなひ 端身正行  を正ただしく┘して、 独ひとり└もろも諸 ろの┘善ぜんをなして衆悪しゅあくをなさ つくら ざれば、 身み独ひとり度ど脱だつして、 その福徳ふくとく・度世どせ・上じょう天てん・泥洹ないおんの道どうを獲えんう  。 これを二ふたつの大善だいぜんとす」 と--。

○人能ク於テ↠中ニ一心ニ制シ↠意ヲ、端シクシ↠身ヲ正シクシテ↠行ヲ、独リ作シテ↢諸ノ善ヲ↡不レバ↠為サ↢衆悪ヲ↡者、身独リ度脱シテ、獲ム↢其ノ福徳・度世・上天・泥洹之道ヲ↡。是ヲ為スト↢二ノ大善ト↡也。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (三)邪淫を誡む
            (Ⅰ)其の過失を挙ぐ
              (ⅰ)標

【37】^仏ぶつのたまはく、 「その三みつの悪あくといふは、

○仏言ク、其ノ三ノ悪ト者、

二 Ⅲ ⅲ b ハ (三)(Ⅰ)(ⅱ)正明
                (a)作悪の相を明す

^世せ間けんの人民にんみん、 └あひよ相因 り┘寄き生しょうしてともに天てん地ちのあひだに居こす。 ▼*処年しょねん寿じゅ命みょう、 よくいくばくなることなし。 上かみに賢げん明みょう・長ちょう者じゃ・尊そん貴き・豪ごう富ふあり。 下しもに貧びん窮ぐ・*廝し賎せん・*劣おうれつ・愚夫ぐふあり。 なかに不ふ善ぜんの人ひとありてつねに邪悪じゃあくを懐いだけりく  。

○世間ノ人民、相因リ寄生シテ共ニ居ス↢天地之間ニ↡。処年寿命、無シ↠能タヘルコト↢幾何モ↡。上ニ有リ↢賢明・長者・尊貴・豪富↡。下ニ有リ↢貧窮・*廝賎・劣・愚夫↡。中ニ有リテ↢不善之人↡。常ニ懐キテ↢邪悪ヲ↡、

^ただ*婬妷いんいつを念おもひて、 煩わずらひ胸むねのうちに満みち、 愛欲あいよく交きょう乱らんして坐起ざき安やすからず。 貪とん意い*守しゅ惜しゃくして、 ただいたづらに得えんことを欲おもふ。ひて、 *細色さいしきを眄睞めんらいして*邪態じゃたいほかにほしいままにす。 自じ妻さいをば厭いとひ憎にくみて、 ひそかにみだりに入出にゅうしゅつ出入  す。 家け財ざいを費ひ損そんして、 事じこと非ひ法ほうをなすし、。

○但念ズ↢*婬*妷ヲ↡。煩ヒ満チ↢胸ノ中ニ↡、愛欲交乱シテ坐起不↠安カラ。貪意守惜シテ、但欲ス↢唐イタヅラニ得ムコトヲ↡。眄↢睞シテ細色ヲ↡邪態外ニ逸ホシイママニシ、自妻ハ厭ヒ*憎ミテ、私ヒソカニ妄ニ*入出ス。費↢損シテ家財ヲ↡、事為ス↢非法ヲ↡。

^*交きょう結けつ聚じゅ会えして師いくさを興おこしてあひ伐うつ。 └攻せめ劫うば攻劫 ひ┘殺戮せつろくして強奪ごうだつすること--------不ふ道どうなり。 悪心あくしんほかにありて*みづから業ごうを修しゅせず。 盗窃とうせつして趣わずかに└得うれえてば┘、 *欲よく繋けして事じをなす。 *恐く熱ねつ勢 迫はっ愶きょうして妻さい子しに*帰き給きゅうす。 心こころをほしいままにし、 意いこころを快こころよくしす 、 身みを極きわめて つからかし 楽たのしみをなす。 あるいは親属しんぞくにおいて*尊そん卑ぴを避さけら ず。 家け室しつ・中ちゅう外げ患うれへてこれに苦くるしむ。

○交結聚会シテ興シテ↠師イクサヲ相伐ツ。攻メ劫ウバヒ殺戮シテ強奪スルコト*不道ナリ。悪心在リテ↠外ニ不↢自ラ修セ↟業ヲ。盗窃シテ趣ワズカニ得レバ欲*繋シテ成ジ↠事ヲ、恐*熱迫*愶シテ帰↢給ス妻子ニ↡。恣ニシ↠心ヲ快クシ↠意ヲ、極メテ↠身ヲ作ス↠楽シミヲ。或イハ於テ↢親属ニ↡不↠避ケ↢尊*卑ヲ↡、家室・中外患ヘテ而苦ム↠之ニ。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (三)(Ⅰ)(ⅱ)(b)現在痛苦

^またまた----王法おうぼうの0067禁きん0313令りょうを畏おそれず。 かくのごときの悪あくは、 *人にん・鬼きに著しるされる 、 日月にちがつも--照しょう見けんし、 神じん明みょうも--記識きしす。

○亦復不↠畏レ↢王法ノ禁令ヲ↡。如キ↠是クノ之悪ハ著サレ↢於人鬼ニ↡、日月モ照見シ、神明モ記識ス。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (三)(Ⅰ)(ⅱ)(c)死後焼苦

^かるがゆゑに自じ然ねんの三さん塗ずの--無む量りょうの苦く悩のうあり。 そのなかに展転てんでんして世々せせに--└劫こうを累かさね 累劫に  て┘出いづる期ごあることなくし 、 解げ脱だつを得えがたし。 痛いたみいふべからず。

○故ニ有リ↢自然ニ三塗ノ無量ノ苦悩↡。展↢転シテ其ノ中ニ↡世世ニ累ネテ↠劫ヲ無ク↠有ルコト↢出ヅル期↡、難シ↠得↢解脱ヲ↡。痛ミ不↠可カラ↠言フ。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (三)(Ⅰ)(ⅲ)結

^これを三みつの大悪だいあく・三みつの----痛つう・三みつの----焼しょうとす。 勤ごん苦くかくのごとし。 たとへば大だい火かの人身にんじんを焚ぼん焼じょうするがごとし。

○是ヲ為ス↢三ノ大悪・三ノ痛・三ノ焼ト↡。*勤苦スルコト如シ↠是クノ。譬ヘバ如シ↣大火ノ焚↢焼スルガ人身ヲ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (三)(Ⅱ)正しく修善を勧む

^人ひとよくなかにおいて一心いっしんに--└意こころを制せい 制意  し┘、 └身みを端ただしくし行おこな端身正行にひを正ただしく┘して、 独ひとり└もろも諸 ろの┘善ぜんをなして衆悪しゅあくをなさ つくら ざれば、 身み独ひとり度ど脱だつして、 その福徳ふくとく・度世どせ・上じょう天てん・泥洹ないおんの道どうを獲えんう  。 これを三みつの大善だいぜんとす」 と--。

○人能ク於テ↠中ニ一0060心ニ制シ↠意ヲ、端シクシ↠身ヲ正シクシテ↠行ヲ、独リ作シテ↢諸ノ善ヲ↡不レバ↠為サ↢衆悪ヲ↡者、身独リ度脱シテ、獲ム↢其ノ福徳・度世・上天・泥洹之道ヲ↡。是ヲ為スト↢三ノ大善ト↡也。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (四)口過を誡む
            (Ⅰ)其の過失を挙ぐ
              (ⅰ)標

【38】^仏ぶつのたまはく、 「その四よつの悪あくといふは、

○仏言ク、其ノ四ノ悪ト者、

二 Ⅲ ⅲ b ハ (四)(Ⅰ)(ⅱ)正明
                (a)作悪の相を明す

^世せ間けんの人民にんみん、 └善ぜんを修しゅせ 修善を んと┘念おもはず、 うたたあひ*教きょう令りょうしてともに衆悪しゅあくをなす つくる 。 *両りょう舌ぜつ・悪あっ口く・妄言もうごん・綺語きご、 *讒賊ざんぞく闘乱とうらんす。して、

○世間ノ人民不↠念ゼ↠修スルコトヲ↠善ヲ、転タ相教令シテ共ニ為ス↢衆悪ヲ↡。▼両舌・悪口・妄言・綺語、讒賊闘乱ス。

^善人ぜんにんを憎嫉ぞうしつし、 賢げん明みょうを敗はい壊えして、 傍かたわらにして快喜けきす。 二に親しんに孝きょうせず、 師し長ちょうを軽きょう慢まんし、 朋ぼう友うに信しんまことなくして----、 誠じょう実じつを得えがたし。 *尊そん貴き自じ大だいにしておのれに--道どうみちありと謂おもひふ 、 横よこさまに威い勢せいを行ぎょうじて人ひとを*侵しん易いアナヅルしす 、 みづから知しることあたはず。 悪あくをなし つくり て恥はづることなし。 みづから強健ごうごんなるをもつて、 人ひとの*敬きょう難なんせん----こと----を欲おもへりひて、。

○憎↢嫉シ善人ヲ↡、敗↢壊シテ賢明ヲ↡、於テ↠傍ニ快喜ス。不↠孝セ↢二親ニ↡、軽↢慢シ師長ヲ↡、朋友ニ無クシテ↠信、難シ↠得↢誠実ヲ↡。尊貴自大ニシテ謂ヒ↢己ニ有リト↟道、横ニ行ジテ↢威勢ヲ↡侵↢易ス於人ヲ↡。不↠能ハ↢自ラ知ルコト↡、為シテ↠悪ヲ無シ↠恥ヅルコト。自ラ以テ↢強健ナルヲ↡欲ス↢人ノ敬難スルコトヲ↡。

^天てん地ち・神じん明みょう・日月にちがつをに 畏おそれず、 あへて善ぜんをなさ つくら ず、 降ごう化けすべきこと難かたし。 └みづからもほしいまゝにつて┘*偃えんけんして、 つね0314にしかるべしと謂おもひ、へり。 憂懼うくするところなく、 つねに0068憍きょう慢まんを懐いだけり。

○不↠畏レ↢天地・神明・日月ヲ↡、不↢肯テ作サ↟善ヲ、難シ↠可キコト↢降化ス↡。自ラ用テ偃*シテ、謂ヒ↠可シト↢常ニ爾ル↡、無ク↠所↢憂懼スル↡、常ニ懐ク↢憍慢ヲ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (四)(Ⅰ)(ⅱ)(b)現在痛苦

^かくのごときの衆悪しゅあく、 天神てんじん記識きしす。 その前ぜん世せに*すこぶる福徳ふくとくをなせる└ つくる ┘によりて、 小しょう善ぜん*扶ふ接しょうし*営よう護ごしてこれを助たすく。 今こん世ぜに悪あくをなし つくり て福徳ふくとく└ことごと尽滅 く滅めっ┘しぬれば、 もろもろの善ぜん鬼き神じん、 おのおのともに└ さりて ┘これを離はなる。 身み独ひとり空むなしく立たちて、 またよるところなし。

○如キノ↠是クノ衆悪、*天神記識ス。頼ヨリテ↣其ノ前世ニ頗ル作セルニ↢福徳ヲ↡、小善扶接シ営護シテ助クルモ↠之ヲ、今世ニ為シテ↠悪ヲ福徳尽ク滅スレバ、諸ノ善*鬼神各ノ*共ニ離レ↠之ヲ、身独リ空シク立チテ無シ↠所↢復依ル↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (四)(Ⅰ)(ⅱ)(c)死後焼苦

^寿じゅ命みょう└終おわり尽つ 終尽し き┘て諸悪しょあくの帰きするところなり。自じ然ねんに*迫促はくそくしてともに趣おもむきてこれにを 頓いたる うばふ 。

○寿命終リ尽キテ諸悪ノ所↠帰スル自然ニ迫促シテ共ニ趣キ*頓イタル↠*之ニ。

^またその名籍みょうじゃく、 記きして神じん明みょうにあり。 *殃おう咎ぐ牽引けんいんして、 まさに往ゆいて└ ひとり ┘ ˆ悪道あくどうにˇ 趣向しゅこうすべし。 罪報ざいほう自じ然ねんにして従したがひて捨しゃ離りすることなし。 ただ前すすみ行ゆいて*火か鑊かくに入いることを得えて、 身心しんしん摧砕さいさいし精しょう神じん痛つう苦くす。 この時ときに当あたりて悔くゆともまたなんぞ及およばん。 *天道てんどう自じ然ねんにして、 *蹉さ跌でつすることを得えず。

○又其ノ名籍、記シテ在リ↢神明ニ↡。▼殃咎牽引シテ当ニシ↢*往キテ趣向ス↡。罪報自然ニシテ、無シ↢従ヒテ捨離スルコト↡。但得↧前ニ行キテ入リ↢於火鑊ニ↡、身心摧砕シテ精神痛苦スルコトヲ↥。当リテ↢斯之時ニ↡悔ユトモ復何ゾ及バム。天道*自然ニシテ、不↠得↢蹉跌スルコトヲ↡。

^かるがゆゑに自じ然ねんの三さん塗ずの--無む量りょうの苦く悩のうあり。 そのなかに展転てんでんして、 世々せせに--└劫こうを累かさね 累劫に  て┘出いづる期ごあることなくし 、 解げ脱だつを得えがたし。 痛いたみいふべからず。

○故ニ有リ↢自然ニ三塗ノ無量ノ苦悩↡。展↢転シテ其ノ中ニ↡世世ニ累ネテ↠劫ヲ無ク↠有ルコト↢出ヅル期↡、難シ↠得↢解脱ヲ↡。痛ミ不↠可カラ↠言フ。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (四)(Ⅰ)(ⅲ)結

^これを四よつの大悪だいあく・四よつの----痛つう・四よつの----焼しょうとす。 勤ごん苦くかくのごとし。 たとへば大だい火かの人身にんじんを焚ぼん焼じょうするがごとし。

○是ヲ為ス↢四ノ大悪・四ノ痛・四ノ焼ト↡。*勤苦スルコト如シ↠是クノ。譬ヘバ如シ↣大火ノ焚↢焼スルガ人身ヲ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (四)(Ⅱ)正しく修善を勧む

^人ひとよくなかにおいて、 一心いっしんに└意こころを制せい 制意  し┘、 └身みを端ただしくし行おこな端身正行にひを正ただしく┘して、 独ひとり└もろも諸 ろの┘善ぜんをなして衆悪しゅあくをなさ つくら ざれば、 身み独ひとり度ど脱だつして、 その福徳ふくとく・度世どせ・上じょう天てん・泥洹ないおんの道どうを獲えんう  。 これを四よつの大善だいぜんとす」 と--。

○人能0061ク於テ↠中ニ一心ニ制シ↠意ヲ、端シクシ↠身ヲ正シクシテ↠行ヲ、独リ作シテ↢諸ノ善ヲ↡不レバ↠為サ↢衆悪ヲ↡*者、身独リ度脱シ、獲ム↢其ノ福徳・度世・上天・泥洹之道ヲ↡。是ヲ為スト↢四ノ大善ト↡也。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (五)飲酒を誡む
            (Ⅰ)其の過失を挙ぐ
              (ⅰ)標

【39】^仏ぶつのたまはく、 「その五いつつの悪あくといふは、

○仏言ク、其ノ五ノ悪ト者、

二 Ⅲ ⅲ b ハ (五)(Ⅰ)(ⅱ)正明
                (a)作悪の相を明す
                  (イ)其の人を責む

^世せ間けんの人民にんみん、 *徙倚しい懈惰けだにして、 あへ0069て善ぜん0315をなしつくらず、身みを治おさめ業ごうを修しゅせず----して、 家け室しつ眷属けんぞく、 飢き寒かん困こん苦くす。 父母ぶも、 教きょう誨けすればるに 、 └目まなこを瞋いからいかりてみ し┘怒いかりて譍こたふ。 言ごん令りょう└和やわらかなら 不和にして、 ず。┘ 違い戻らいし--反ほん逆ぎゃくすること、------。 たとへば怨おん家げのごとし。 子こなきからんにはしかずじ 。

○世間ノ人民、徙倚懈*惰ニシテ、不シテ↢肯テ作シ↠善ヲ治メ↠身ヲ修セ↟業ヲ、*家室・眷属、飢寒困苦ス。▼父母教誨スレバ、瞋イカラシ↠目ヲ怒リテ*譍コタヘ、言令ニ不シテ↠和セ、違戻シ反逆スルコト、譬ヘバ如シ↢怨家ノ↡。不↠如カ↠無キニハ↠子。

^取しゅ与よするに*節せつなくして└ はかることなし ┘、 衆しゅともに患うれへ厭いとふ。 恩おんにを 負そむき義ぎに違いして*報ほう償しょうの心しんムクヒツグノフコヽロあることなし。

○取与ニ無クシテ↠節、衆共ニ患ヘ厭フ。負ソムキ↠恩ニ違シテ↠義ニ、無シ↠有ルコト↢報償之心↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (五)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)正しく飲酒の相を明す

^貧びん窮ぐ困乏こんぼうにしてまた得うることあたはず。 *辜こ較かく縦じゅう奪だつして└ほしいま放恣 まに┘*遊ゆ散さんす。 └しばしばいたづらに 串数唐得し 得うるに*串ならひ┘て、 もつてみづから*賑しん給きゅうす。 └酒さけに耽ふけり、 美うまき 耽酒嗜美にし を嗜たしなみ┘て、 飲食おんじき、 --* 度ど はかることなし。 └心こころをほしい 肆心  ままに┘蕩逸とういつして*魯扈ろこ牴突たいとつすし、。 ^人ひとの--情こころを識しさとらずして、 しひて抑制おくせいせんと欲おもふ。

○貧窮困乏ニシテ不↠能ハ↢復得ルコト↡。辜較縦奪シテ放恣ホシイママニ遊散ス。串ナラヒテ↢数バ唐イタヅラニ得ルニ↡、用テ自ラ*賑給ス。耽リ↠酒ニ嗜ミテ↠美ウマキヲ、飲食無シ↠度。肆ホシイママニシ↠心ヲ蕩逸シテ、魯扈*牴突ス。不↠識ラ↢人ノ情ヲ↡、強ヒテ欲シ↢抑制セムト↡、

二 Ⅲ ⅲ b ハ (五)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ハ)広く造罪の相を明す

^人ひとの善ぜんあるを見みて、 └義ぎなく礼らいな 无義无礼に  く┘して ˆわが身みをˇ └顧かえりみ難はばか顧難する る┘ところなし。 └みづから自用もつて┘*職当しきとうして*諌かん暁ぎょうすべからず。 六親ろくしん眷属けんぞくの--*所しょ資しの有無うむ、 憂う念ねんすることあたはず。 父母ぶもの恩おんを惟おもはず、 師友しうの義ぎを存そんせず。 心こころしむ につねに悪あくを念おもひ、 口くちにつねに悪あくをいひ、 身みにつねに悪あくを行ぎょうじて、 かつて一善いちぜんも--なし。

○見テハ↢人ノ有ルヲ↟善、*憎嫉シテ悪ニクム↠之ヲ。無ク↠義無クシテ↠礼、無シ↠所↢顧ミ*難ハバカル↡。自ラ用テ*職当シテ不↠可カラ↢諌暁ス↡。六親眷属ノ所資ノ有無、不↠能ハ↢憂念スルコト↡。▼不↠惟ハ↢父母之恩ヲ↡、不↠存ゼ↢師友之義ヲ↡。心ニ常ニ念ヒ↠悪ヲ、口ニ常ニ言ヒ↠悪ヲ、身ニ常ニ行ジテ↠悪ヲ、曽テ無シ↢一善モ↡。

^先せん聖しょう・諸仏しょぶつの経きょう法ぼうを信しんぜず、 道どうを行ぎょうじて度世どせを得うべきことを信しんぜず、 死しして後のちに--*神じん明みょうさらに生しょうずることを信しんぜず。 善ぜんをなせばつくりて 善ぜんを得え、 悪あくをなせばつくりて 悪あくを得う└ることと  を┘信しんぜず。 *真人しんにんを殺ころせちし、 *衆僧しゅそうを闘乱とうらんせんと欲おもひ欲し 、 父母ぶも・兄きょう弟だい・眷属けんぞくを害がいせんと欲おもふ欲す 。 六親ろくしん、 憎ぞう悪おしてそれをして死しせしめんと願ねがふ願ず 。

○不↠信ゼ↢先聖・諸仏ノ経法ヲ↡、不↠信ゼ↢行ジテ↠道ヲ可キコトヲ↟得↢度世ヲ↡、不↠信ゼ↢死シテ後ニ神明ノ更ニ生ズルコトヲ↡、不シテ↠信ゼ↢作セバ↠善ヲ得↠善ヲ、為セバ↠悪ヲ得ルコトヲ↟悪ヲ、欲シ↧殺シ↢真人ヲ↡、闘↦乱セムト衆僧ヲ↥、▼欲ス↠害セムト↢父母・兄弟・眷属ヲ↡。六親憎悪シテ願ズ↠令メムト↢其ヲシテ死セ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (五)(Ⅰ)(ⅱ)(b)現在痛苦

^かくのごと0070きの世せ人にん、 心しん意いともにしかなり。 愚痴ぐち*矇昧もうまいにしてみづから智慧ちえありと以おもう0316て、 生しょうのじて従じゅう来らいするところ、 死しのして趣向しゅこうするところを知しらず。 *└仁にんならず、 順じゅん不仁不順にしてならず┘、 天てん地ちに悪あく逆ぎゃくして└ す。┘そのなかにおいて*└僥きょう倖ぎょうを悕望僥倖悕け望もう┘して、 長生じょうしょうを└求もとめん求欲と欲ほっ┘すれども、 かならずまさに死しに帰きすべし。

○如キノ↠是クノ世ノ人、心意倶ニ然ナリ。愚痴*矇昧ニシテ而自ラ以ヒテ↢智慧アリト↡、不↠知ラ↧生ノ所↢従来スル↡、死ノ所ヲ↦趣向スル↥。不↠仁ナラ不↠順ナラ、*悪↢逆シテ天地ニ↡而於テ↢其ノ中ニ↡悕↢望シ僥倖ヲ↡、欲スレドモ↠求メムト↢長生ヲ↡、会ズ当ニシ↠帰ス↠死ニ。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (五)(Ⅰ)(ⅱ)(c)死後焼苦
                  (イ)其の迷情を責む
                    [一]臨終悔𢣷

^慈じ心しんをもつて教きょう誨けして、 それをして善ぜんを念ねんぜしめ、 *生しょう死じ・善悪ぜんあくの趣しゅ、 自じ然ねんにこれあることを開かい示じすれども、 しかもあへてこれを信しんぜず。 └心こころを苦くだ苦心にきて┘ともに語かたれ 語すれ ども、 その人ひとに益やくなし。 心しん中ちゅう閉塞へいそくして意こころ開かい解げせず。

○慈心ヲモテ教誨0062シテ、令メ↢其ヲシテ念ゼ↟善ヲ、開↢示スレドモ生死・善悪之趣、自然ニ有ルコトヲ↟是而モ不↢*肯テ信ゼ↟之ヲ。苦↠心ネンゴロニ与ニ語レドモ、無シ↠益スルコト↢其ノ人ヲ↡。心中閉塞シテ意不↢開解セ↡。

^*大だい命みょうまさに終おわらんとするに、 *悔懼けく└こもごまじはりも┘至いたる。 あらかじめ善ぜんを修しゅせずして、 └窮きわまる をはり ┘に臨のぞんでまさに悔くゆ。 これを後のちに----悔くゆとものちにをいてまさになんぞ及およばんや。

○大命将ニルニ↠終ラムト悔懼交コモゴモ至ル。不シテ↢*予メ修セ↟善ヲ、臨ミテ↠窮ルニ方ニ悔ユ。悔ユトモ↢之ヲ於後ニ↡将ニ何ゾ及バム乎。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (五)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(イ)[二]死後受苦

^天てん地ちのあひだに五ご道どう ˆの輪りん廻ねの道どう理りˇ、 分ぶん明みょうなり。 *恢廓かいかく窈よう窕ちょうとして*浩々こうこう茫々もうもうたり。 善悪ぜんあく報応ほうおうし、 禍か福ふく└あひ承う 相承し け┘て、 身み--みづからこれにを 当あたるうく 。 たれも代かわるものなし。 *数ことわりの自じ然ねんなり。ること、 その所しょ行ぎょうに応おうじてず。、 殃おう咎ぐ苦 、 命みょういのちを追おうて、 縦じゅう捨しゃを得うることなし。

○天地之間ニ五道分明ナリ。恢廓窈*窕トシテ浩浩茫茫タリ。▼善悪報応シ、禍福相承ケテ、身自ラ当ル↠之ニ。無シ↢誰モ代ル者↡。数コトワリ之自然ナリ。応ジテ↢*其ノ所行ニ↡、殃*咎追ヒテ↠命ヲ無シ↠得ルコト↢縦捨ヲ↡。

^善人ぜんにんは善ぜんを行ぎょうじて、 楽らくより楽らくに入いり、 明みょうより明みょうに入いる。 悪人あくにんは悪あくを行ぎょうじて、 苦くより苦くに入いり、 *冥みょうより冥みょうに入いる。 たれかよく知しれるものぞ--、 独ひとり仏ぶつののみ知しりたま ふ へりまくのみ。 教きょう語ご開かい示じすれども└ るに ┘、 信用しんようするものは少すくなし。 生しょう死じ休やまず、 悪道あくどう絶たえず。 かくのごときの世せ人にん、 つぶさに ˆ述のべˇ 尽つくすべきこと難かた0071し。

○◆善人ハ行ジテ↠善ヲ、従リ↠楽入リ↠楽ニ、従リ↠明入ル↠明ニ。悪人ハ行ジテ↠悪ヲ、▼従リ↠苦入リ↠苦ニ、従リ↠冥入ル↠冥ニ。誰カ能ク知ル者アラムヤ。独リ仏ノ知リタマフ耳。教語シ開示スレドモ信用スル者ハ少シ。生死不↠休マ、悪道不↠絶エ。如キノ↠是クノ世ノ人難シ↠可キコト↢具ニ尽ス↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (五)(Ⅰ)(ⅱ)(c)(ロ)正明

^かるがゆゑに自じ然ねんの三さん塗ずの--無む量りょうの苦く悩のうあり。 そのなかに展転てんでんして世々せせに--└劫こうを累かさ累劫にねて┘出いづる期ごあることなくし、 解げ0317脱だつを得えがたし。 痛いたみいふべからず。

○故ニ有リ↢自然ニ三塗ノ無量ノ苦悩↡。展↢転シテ其ノ中ニ↡世世ニ累ネテ↠劫ヲ無ク↠有ルコト↢出ヅル期↡、難シ↠得↢解脱ヲ↡。痛ミ不↠可カラ↠言フ。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (五)(Ⅰ)(ⅲ)結

^これを五いつつの大悪だいあく・五いつつの----痛つう・五いつつの----焼しょうとす。 勤ごん苦くかくのごとし。 たとへば大だい火かの人身にんじんを焚ぼん焼じょうするがごとし。

○是ヲ為ス↢五ノ大悪・五ノ痛・五ノ焼ト↡。*勤苦スルコト如シ↠是クノ。譬ヘバ如シ↣大火ノ焚↢焼スルガ人身ヲ↡。

二 Ⅲ ⅲ b ハ (五)(Ⅱ)正しく修善を勧む

^人ひとよくなかにおいて一心いっしんに--└意こころを制せい 制意  し┘、 └身みを端ただしくし念おもい端身正念に を正ただしく┘して、 言行ごんぎょうあひ副かなひ、 └なすと所作ころ┘誠まことを至いたしす。、 └語かたると所語ころ┘語ことばご のごとく、 心しん口く転てんぜずして、 独ひとり└もろも諸 ろの┘善ぜんをなして衆悪しゅあくをなさ つくら ざれば、 身み独ひとり度ど脱だつして、 その福徳ふくとく・度世どせ・上じょう天てん・泥洹ないおんの道どうを獲えんう  。 これを五いつつの大善だいぜんとす」 と--。

○人能ク於テ↠中ニ一心ニ制シ↠意ヲ、端シクシ↠身ヲ正シクシテ↠念ヲ、言行相副カナヒ、所↠作ス至シ↠誠ヲ、所↠語ル如クシ↠語ノ、心口不シテ↠転ゼ、独リ作シテ↢諸ノ善ヲ↡不レバ↠為サ↢衆悪ヲ↡*者、身独リ度脱シテ、獲ム↢其ノ福徳・度世・上天・泥洹之道ヲ↡。是ヲ為スト↢五ノ大善ト↡也。

二 Ⅲ ⅳ 弥勒に嘱して教誡せしむ
      a 仏勅
        イ 前を牒して教誨す
          (一)前を牒して後を起す

【40】^仏ぶつ、 弥み勒ろくに告つげたまはく、 「われなんぢらに語かた└りしごる とく┘、 この世よの五ご悪あく、 勤ごん苦くかくのごとし。 五ご痛つう・五ご焼しょう、 展転てんでんして└あひ生しょう相生ず ず┘。

○仏告ゲタマハク↢弥勒ニ↡、吾語レリ↢汝等ニ↡。是ノ世ノ五悪、*勤苦スルコト若シ↠此クノ。五痛・五焼、展転シテ相生ズ。

二 Ⅲ ⅳ a イ (二)正しく教誨す
            (Ⅰ)五悪を制す
              (ⅰ)其の悪・痛・焼の相を明す

^ただ衆悪しゅあくをなし つくり て善本ぜんぽんを修しゅせざれば、 みなことごとく自じ然ねんにもろもろの悪趣あくしゅに入いる。

○但作シテ↢衆悪ヲ↡不レバ↠修セ↢善本ヲ↡、皆悉ク自然ニ入ル↢諸ノ悪趣ニ↡。

^あるいはそれ今こん世ぜにまづ*殃おう病びょうを被かぶりてる。 、 死しを求もとむるに得えず。、 生しょうを求もとむるに得えず。 罪悪ざいあくの招まねくところ衆しゅうに示しめしてこれを見みせしむ。 身み死しして行ぎょうに随したごうて三さん悪道まくどうに入いりて、 苦く毒どく無む量りょうにして└ なり。┘みづからあひ*燋しょう然ねんす。

○或イハ*其レ今世ニ先ヅ被リテ↢殃病ヲ↡、求ムルニ↠死ヲ不0063↠得、求ムルニ↠生ヲ不↠得。罪悪ノ所↠招ク、示シテ↠衆ニ見セシム↠之ヲ。身死シテ随ヒテ↠行ニ入リテ↢三悪道ニ↡、苦毒無量ニシテ自ラ相燋然ス。

二 Ⅲ ⅳ a イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)造悪の所由を明す

^その久ひさしくして後のちに至いたりて-------- ˆ再ふたたび人間にんげん界かいに生しょうじˇ ともに怨結おんけつをなしすにいたりて、 *小しょう微みより起おこりてつひに大悪だいあくとをなるす 。 みな財色ざいしきに貪とん着じゃくしするによりて施恵せえすることに  あたはざるず  によりて--------なり----。 *痴ち欲よくに迫せめられて心こころしむ に随したごうて思し想そう0072す。 煩悩ぼんのう結縛けつばくして解とけやむことあることなし。

○至リテ↢其ノ久シクシテ後ニ↡共ニ作シ↢怨結ヲ↡、従リ↢小微↡起リテ遂ニ成ズ↢大悪ヲ↡。皆由リテナリ↧貪↢著シテ財色ニ↡不ルニ↞能ハ↢施*恵スルコト↡。痴欲ニ所レテ↠迫メ随ヒテ↠心ニ思想シ、煩悩結縛シテ無シ↠有ルコト↢解ケ已ムコト↡。

^おのれを厚あつくし利りを諍あらそひて*省しょう録ろくするところなし。 富貴ふき・栄えい華が、 時ときに当あたりて└意いを快こころよ快意  く┘して忍辱にんにくすることあたはず。 └つとめて善ぜんを修しゅせ修善をいとなまず ざれば┘、 威い勢せいい0318くばくも--なくして、 随したがひてもつて磨ま滅めつすし、。 身しん坐とどまりて労ろう苦くす。 久ひさしくして後のちに大おおきに劇はげし。

○厚クシ↠己ヲ諍ヒテ↠利ヲ無シ↠所↢省録スル↡。富貴・栄華、当リテ↠時ニ快クシテ↠意ヲ、不↠能ハ↢忍辱スルコト↡、不レバ↢務メテ修セ↟善ヲ、威勢無クシテ↠幾クモ、随ヒテ以テ磨滅ス。身*坐ヨリテ↢労苦ニ↡久シクシテ後ニ大ニ劇シ。

二 Ⅲ ⅳ a イ (二)(Ⅰ)(ⅲ)受報自然を結嘆す

^*天道てんどう、 施し張ちょうして自じ然ねんに*糺挙くこし、 *綱こう紀きの--羅ら網もう、 上じょう下げに相応そうおうす。 *煢々けいげい忪々しゅじゅとして、 まさにそのなかに入いるべし。 古こ今こんにも これあり。 痛いたましきかな、 傷いたむべし」と--。

○天道施張シテ自然ニ糾挙シ、綱*紀ノ羅網、上下相応ス。煢煢忪忪トシテ、当ニシ↠入ル↢其ノ中ニ↡。古今ニ有リ↠是。痛マシキ哉可シト↠傷ム。

二 Ⅲ ⅳ a イ (二)(Ⅱ)五善を修すを勧む
              (ⅰ)仏化の勝益を標す

^仏ぶつ、 弥み勒ろくに語かたりたまはく、 「世せ間けんかくのごとし。 仏ぶつみなこれを哀あわれみたまひてふに 、 威い神じん力りきをもつてす。衆悪しゅあくを摧滅さいめつしてことごとく善ぜんに就つかけ し└めたまむ  ふ┘。 *所しょ思しを棄き捐えんし、 *経きょう戒かいを奉持ぶじし、 道法どうほうを受じゅ行ぎょうして違い失しつするところなくは、└ し。 ┘ つひに度世どせ・泥洹ないおんの道どうを得えんう  」 と--。

○仏語リタマハク↢弥勒ニ↡、世間如シ↠是クノ。仏皆哀ミタマヒテ↠之ヲ、以テ↢威神力ヲ↡摧↢滅シテ衆悪ヲ↡悉ク令メタマフ↠就カ↠善ニ。棄↢捐シ所思ヲ↡、奉↢持シ経戒ヲ↡、受↢行シテ道法ヲ↡無クハ↠所↢違失スル↡、終ニ得ムト↢度世・泥洹之道ヲ↡。

二 Ⅲ ⅳ a イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)正勧
                (a)総勧

^仏ぶつのたまはく、 「なんぢいまの--諸天しょてん・人民にんみん、 および後世ごせの人ひと、 仏ぶつの経きょう語ごを得えて、 まさにつらつらこれを思おもひて、 ふべし。 ◗よくそのなかにおいて└心こころを端ただしくして行おこなひを端心正行して、 正ただしくすべし。┘

○仏言ク、汝今ノ諸天・人民及ビ後世ノ人、得テ↢仏ノ経語ヲ↡、当ニシ↧熟ツラ思ヒテ↠之ヲ、能ク於テ↢其ノ中ニ↡端シクシテ↠心ヲ正シクス↞行ヲ。

二 Ⅲ ⅳ a イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)別して主上を勧む

^主しゅ上じょう善ぜんをなして、 その下しもを*率そっ化けして*うたたあひ勅令ちょくりょうし、 おのおのみづから└端ただしく守まも端守して り┘、 聖しょう ˆ者じゃˇ を尊とうとび、 善ぜん ˆ人にんˇ を敬うやまひ、 仁にん慈じ博愛はくあいに--して、 仏ぶつ語ごの教きょう誨けあへて*虧負きぶすることなかれ。 まさに度世どせを求もとめて生しょう死じ衆悪しゅあくの本もとほんを抜断ばつだんすべし。 まさに三さん塗ずの無む量りょうの--憂畏うい苦く痛つうの道どうを離はなるべし。

○主上為シテ↠善ヲ、率↢化シテ其ノ下ヲ↡転タ相勅令シ、各ノ自ラ端シク守リ、尊ビ↠聖ヲ敬ヒ↠善ヲ、仁慈博愛ニシテ、仏語ノ教誨無レ↢敢テ虧負スルコト↡。当ニシ↧求メテ↢度世ヲ↡抜↦断ス生死衆悪之本ヲ↥。*当ニシ↠離ル↢三塗ノ無量ノ憂*畏苦痛之道ヲ↡。

二 Ⅲ ⅳ a イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(c)修善の益を挙ぐ

^なんぢら▼ここにおいし  て広ひろく0073*徳本とくほんを植うゑて、 恩おんを布しき恵えを施ほどこして、 道禁どうきんを犯おかすことなかれ。 忍辱にんにく・精しょう進じん・し、一心いっしん・智慧ちえをもつてうたたあひ教きょう化けし、 徳とくをなし善ぜんを└立たてよ 立して、 。┘◗└心こころを正ただしくし意い 正心正意  を正ただしく┘して--、 斎戒さいかい清浄しょうじょうなること一日いちにち一いち夜やすれば、 無む量りょう寿じゅ国こくにありて善ぜんをなすこと百ひゃく歳さいせんする に勝すぐれたり。

○汝等於テ↠是ニ広ク*植エテ↢徳本ヲ↡、布キ↠恩ヲ施シテ↠*恵ヲ、勿レ↠犯スコト↢道禁ヲ↡。忍辱・精進・一心・智慧ヲモテ転タ相教化シ、為シ↠徳ヲ立テヨ↠善ヲ。正シクシ↠心ヲ正シクシテ↠意ヲ斎戒清浄ナルコト一日一夜スレバ、勝レタリ↧在リテ↢無量寿国ニ↡為スコト↠善ヲ百歳スルヨリモ↥。

^◆ゆ0319ゑはいかん。 ▼かの仏国ぶっこく土どは無為むい自じ然ねんにして、 みな衆善しゅぜんを積つんで*毛髪もうほつの悪あくも--なければなり。

○所以者何ン。▼彼ノ仏国土ハ無為自然ニシテ、皆積ミ↢衆善ヲ↡、無ケレバナリ↢毛髪之0064悪モ↡。

^◆*ここにして善ぜんを修しゅすること十じゅう日にち十じゅう夜やすれば、 他た方ほうの諸仏しょぶつ国こく土どにして善ぜんをなすこと千歳せんざいするに勝すぐれたり。

○於テ↠此ニ修スルコト↠善ヲ十日十夜スレバ、勝レタリ↧於テ↢他方ノ諸仏ノ国*土ニ↡為スコト↠善ヲ千歳スルヨリモ↥。

^ゆゑはいかん。 他た方ほうの仏国ぶっこくは、 善ぜんをなすものは多おおく悪あくをなすものは少すくなし。 福徳ふくとく自じ然ねんにして造悪ぞうあくの地ところなければなり。

○所以者何ン。他方ノ仏国ハ、為ス↠善ヲ者ハ多ク為ス↠悪ヲ者ハ少シ。福徳自然ニシテ無ケレバナリ↢造悪之地↡。

^ただ*このあひだのみ悪あく多おおくして、 自じ然ねんなることあることなし。 勤ごん苦くして----└欲よくを求もと求欲してめ┘、 うたたあひ*欺ご紿だいし、 *心しん労ろうし--└形かたち困くるし形困し み┘て、 苦くを飲のみ毒どくを食くらふ└ 食す ┘。 かくのごとくきの怱そう務むして----、 いまだかつて むかしにも *寧にょう息そくせず。

○唯此ノ間ノミ多クシテ↠悪、無シ↠有ルコト↢自然ナルコト↡。*勤苦シテ求メ↠欲ヲ、転タ相欺*紿シ、心労ツカレ形困クルシミテ、飲ミ↠苦ヲ食ラフ↠毒ヲ。如ク↠是クノ*怱務シテ、未ダ↢嘗テ寧息セ↡。

二 Ⅲ ⅳ a ロ 正教誨
          (一)仏世の勝益を明す
            (Ⅰ)教法の勝

^われなんぢら天てん・人にんの類るいを哀あわれみて、 └ねんご苦心 ろ┘に誨喩けゆし、 教おしへて善ぜんを修しゅせしむ。 *器うつわに随したがひて開導かいどうして、 経きょう法ぼうを授じゅ与よするに承じょう用ようせざることなし。 意こころの所願しょがんにあり まかせ てみな道どうを得え└ 得道せ ┘しむ。

○吾哀ミテ↢汝等天人之類ヲ↡、苦心ネンゴロニ誨喩シ、教ヘテ令メム↠修セ↠善ヲ。随ヒテ↠*器ニ開導シ、授↢与スルニ経法ヲ↡莫シ↠不ルハ↢承用セ↡。在リテ↢意ノ所願ニ↡皆令メム↠得↠道ヲ。

二 Ⅲ ⅳ a ロ (一)(Ⅱ)国土の勝

^仏ぶつの*遊履ゆり└したまする ふ┘ところの*国邑こくおう・*丘く聚じゅ、 化けを蒙こうぶらざるはなし。 天てん下げ和わ順じゅんし日月にちがつ清明しょうみょうなり。 風ふう雨う時ときをもつてし、 *災厲さいれい起おこらず、 国くに豊ゆたかに民たみ安やすくして、 *兵ひょう戈が用もちゐることなしく、。 ˆ人民にんみんˇ 徳とくを崇あがめ仁にんを興おこして、 つとめて└ まつりごと ┘*礼らい譲じょうを修しゅすおこなふ0074」 と--。

○仏ノ所ノ↢遊履シタマフ↡国邑・丘聚、靡シ↠不ルハ↠蒙ラ↠化ヲ。*天下和順ニシテ日月清明ナリ。風雨以テシ↠時ヲ、災厲不↠起ラ。国豊カニ民安カニシテ、兵戈無シ↠用ヰルコト。○崇メ↠徳ヲ興シ↠仁ヲ、務メテ修スト↢礼譲ヲ↡。

二 Ⅲ ⅳ a ロ (一)(Ⅲ)護念の勝

^仏ぶつのたまはく、 「われなんぢら諸天しょてん・人民にんみんを哀愍あいみんすること、 父母ぶもの子こを念おもふよりもはなはだし。 いまわれこの世せ間けんにおいて└仏ぶつとな作仏してり┘、 五ご悪あくを降ごう化けし、 五ご痛つうを消しょう除じょし、 五ご焼しょうを絶滅ぜつめつして、 善ぜんをもつて悪あくを攻せめ、 生しょう死じの苦くを抜ぬいて*五ご徳とくを獲えしめて、 *無為むいの安やすあんき--に昇のぼらし0320む。

○仏言ク、我哀↢愍スルコト汝等諸天・人民ヲ↡、甚ダシ↢於父母ノ念フヨリモ↟子ヲ。今*我於テ↢此ノ世*間ニ↡作リ↠仏ト、降↢化シ五悪ヲ↡、消↢除シ五痛ヲ↡、絶↢滅シテ五焼ヲ↡、以テ↠善ヲ*攻メ↠悪ヲ、抜キテ↢生死之苦ヲ↡、令メム↧獲シメ↢五徳ヲ↡*昇ラ↦無為之安キニ↥。

二 Ⅲ ⅳ a ロ (二)滅後の劣相を明す

^われ世よを去さりて後のち、 経きょう道どうやうやく滅めっし、 人民にんみん*諂てん偽ぎにしてまた衆悪しゅあくをなしつくりて、 五ご痛つう・五ご焼しょう還かえりて前さきの法ほうのごとくならん、。 久ひさしくして後のちにうたた劇はげしからんこと、 ことごとく説とくべからず。 われただなんぢがために略りゃくしてこれをいふまくのみ」 と。

○吾去リテ↠世ヲ後、経道漸ク滅シ、人民諂偽ニシテ復為シ↢衆悪ヲ↡、五*痛・五焼還リテ如ク↢前ノ法ノ↡、久シクシテ後ニ転タ劇シカラムコト。不↠可カラ↢悉ク説ク↡。我但為ニ↠汝ガ略シテ言フ↠之ヲ耳ト。

二 Ⅲ ⅳ a ロ (三)上を結して正しく嘱す

^仏ぶつ、 弥み勒ろくに語かたりたまはく、 「なんぢらおのおのよくこれを思おもひふて、 うたたあひ教きょう誡かい し すること、 仏ぶつの経法きょうぼうのごとくして└犯おかすこ犯を と┘得うることなかれ」 と--。

○仏*語リタマハク↢弥勒ニ↡、汝等各ノ善ク思ヒ↠之ヲ、転タ相教誡シ、如クシテ↢仏ノ経法ノ↡、無レト↠得ルコト↠犯スコトヲ也。

二 Ⅲ ⅳ b 弥勒領受

^ここにおいて------弥み勒ろく菩ぼ薩さつ、 合がっ掌しょうしてまうさく、 「仏ぶつの所説しょせつ、 はなはだ└ねんごろよし なり┘。 世せ人にんまことにしかなり。 如来にょらいあまねくき └慈いつくしみ 慈をもて て┘哀愍あいみんして、 ことごとく度ど脱だつせし└めたまむ  ふ┘。 仏ぶつの重じゅう誨けを受うけてつ、あへて違い失しつせじ」 と--。

○於テ↠是ニ弥勒菩薩合掌シテ白シテ言ク、仏ノ所説甚ダ*苦ネンゴロナリ。世ノ人実ニ爾ナリ。如来普ク慈シミテ哀愍シ、悉ク令メタマフ↢度脱セ↡。受ケテ↢仏ノ重誨ヲ↡不ト↢敢テ違失セ↡。

二 Ⅳ 現土証誠【霊山現土】
    ⅰ 見土方法
      a 仏教令

【41】^仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 「なんぢ起たちてさらに衣え服ぶくを整ととのへ、 合がっ掌しょうし--恭く敬ぎょうして無む量りょう寿じゅ仏ぶつを礼らい└したてませよ つれ┘。 ▼十方じっぽう国こく土どの諸仏しょぶつ如来にょらいは--、 つねにともにかの仏ぶつの無む着じゃく・無礙むげなるを称しょう揚ようし讃歎さんだん└したまへす ばなり┘」 と--。

○▼仏告ゲタマハク↢阿*難ニ↡、汝起チテ更ニ整ヘ↢衣服ヲ↡、合掌シ恭敬シテ礼シタテマツレ↢無量寿仏ヲ↡。十方国土ノ諸仏如0065来ハ、常ニ共ニ称↢揚シ讃↣歎シタマヘバナリト彼ノ仏ノ無著・無礙ナルヲ↡。

二 Ⅳ ⅰ b 阿難受命

^ここにおいて------阿あ難なん起たちて衣え服ぶくを整ととのへ、 身みを正ただしくし面おもてを西にしにして、 恭く敬ぎょうし--合がっ掌しょうして--、 五ご体たいを地じに投な0075げて、 無む量りょう寿じゅ仏ぶつを礼らいしたてまつりてまうさく、 「世せ尊そん、 願ねがはくは、かの仏ぶつ・安楽あんらく国こく土ど、 およびもろもろの菩ぼ薩さつ・声しょう聞もんの--大衆だいしゅを見みたてまつらん」 と。

○於テ↠是ニ阿難起チテ整ヘ↢衣服ヲ↡、正シクシ↠身ヲ西ニシテ↠*面ヲ、恭敬シ合掌シテ、五体ヲ投ゲテ↠地ニ、礼シタテマツリテ↢無量寿仏ヲ↡白シテ言ク、世尊、願クハ見タテマツラムト↢彼ノ仏・安楽国土及ビ諸ノ菩薩・声聞ノ大衆ヲ↡。

二 Ⅳ ⅱ 現土妙相
      a 正現

^この語ごを説ときをはるに、 ▼即そく時じに無む量りょう寿じゅ仏ぶつは--、 大だい光こう明みょうを放はなちてあまねく一切いっさい諸仏しょぶつの世せ界かいを照てらしたまふ。 *金剛こんごう囲い山せん、 須しゅ弥み山せん王のう、 大だい小しょう0321の諸山しょせん、 一切いっさいの--└あらゆるものみ諸有皆同 な同おなじく┘一色いっしきなり。

○説キ↢是ノ語ヲ↡已ルニ、即時ニ無量寿仏ハ放チテ↢大光明ヲ↡普ク照シタマフ↢一切諸仏ノ世界ヲ↡。金剛囲山、須弥山王、大小ノ諸山、一切ノ所有ルモノ皆同ジク一色ナリ。

二 Ⅳ ⅱ b 譬に約し其の相を明す

^▼たとへば*劫水こうすいの世せ界かいに*弥み満まんするに、 そのなかの万物まんもつ、 沈没ちんもつして現あらわれ└ 現ぜ ┘ず、 *滉瀁こうよう浩汗こうかんとしてただ大水だいすいをのみ見みるがごとし。 かの仏ぶつの光こう明みょうもまたまたかくのごとし。 声しょう聞もん・菩ぼ薩さつの一切いっさいの光こう明みょう、 みなことごとく隠蔽おんぺいして、 ただ仏光ぶっこうの*明みょう曜よう顕赫けんかくなるを見みたてまつる。

○譬ヘバ如シ↧劫水ノ弥↢満スルニ世界ニ↡、其ノ中ノ万物沈没シテ不↠現ゼ、滉瀁浩汗トシテ唯見ルガ↦大水ノミヲ↥。彼ノ仏ノ光明モ亦復如シ↠是クノ。声聞・菩薩ノ一切ノ光明、皆悉ク隠蔽シテ唯見ル↢仏ノ光ノ明曜顕赫ナルヲ↡。

二 Ⅳ ⅱ c 彼此相見

^その時ときに阿あ難なん、 すなはち無む量りょう寿じゅ仏ぶつを見みたてまつるにれば 、 威い徳とく*巍々ぎぎとして、 須しゅ弥み山せん王のうの、 高たかくして一切いっさいの└もろも諸 ろの┘世せ界かいの上うえに出いづでたるがごとし。 相好そうごう ˆより放はなつˇ 光こう明みょうの照しょう曜ようせざることなし。 *この会えの四し衆しゅ、 一いち時じにことごとく見みたてまつ--------る。 *かしこにして----この土どを見みること、 またまたかくのごとし。

○爾ノ時阿難即チ見タテマツルニ↢無量寿仏ヲ↡、威徳巍巍トシテ、如シ↣須弥山王ノ高クシテ出ヅルガ↢一切ノ諸ノ世界ノ上ニ↡。相好ノ光明ノ靡シ↠不ルハ↢照曜セ↡。此ノ会ノ四衆一時ニ悉ク見タテマツリ、○彼ノ見ルコトモ↢此ノ土ヲ↡亦復如シ↠是クノ。

二 Ⅳ ⅲ 広く真化を判じ信疑の得失を証す【胎化得失】
      a 真化の二土を弁定す
        イ 真土
          (一)浄土を証定す

【42】^その時ときに仏ぶつ、 阿あ難なんおよび慈氏じし菩ぼ薩さつ (弥勒) に告つげたまはく、 「なんぢかの国くにを見みるに、 地じより以い上じょう浄じょう居ご天てんに至いたるまで、 そのなかの└あらゆ諸有 る┘微み妙みょう厳ごん浄じょうなる自じ然ねんの物もの、 ことごとく見みるとやせんや、いなや」 と--。

○爾ノ時仏告ゲタマハク↢阿難及ビ慈氏菩薩ニ↡、汝見ルニ↢彼ノ国ヲ↡、従リ↠地已上至ルマデ↢浄居天ニ↡、其ノ中ノ所有ル微妙厳浄ナル自然之物、為スヤ↢悉ク見タリト↡不ヤト。

^阿あ難なん対こたへてまうさく、 「*やや0076、 しかなり。 すでに見み└たてまつたまへつれり┘」 と。

○阿難対ヘテ曰ク、唯然ナリ、已ニ見タリト。

二 Ⅳ ⅲ a イ (二)法身を証定す

^「なんぢむしろまた無む量りょう寿じゅ仏ぶつの大音だいおん、 一切いっさい世せ界かいに宣せん布ぷして、 衆しゅ生じょうを化け└したまする ふ┘を聞きくやいなや」 と--。

○汝寧ネンゴロニ復聞ケリヤ↧無量寿仏ノ大音ノ宣↢布シテ一切世界ニ↡化シタマフヲ↦衆生ヲ↥不ヤト。

^阿あ難なん対こたへてまうさく、 「やや、 しかなり。 すでに聞きき└たてまつたまへつれり┘」 と。

○阿難対ヘテ曰ク、唯然ナリ、已ニ聞ケリト。

二 Ⅳ ⅲ a イ (三)摂衆生を証定す

^「かの国くにの人民にんみん、 百ひゃく千せん由ゆ旬じゅんの七宝しっぽうの宮く殿でんに乗じょうじて障しょう礙げあること└ するところ ┘なく、 あまねく十方じっぽうに至いたりて諸仏しょぶつを供く養ようするを--、 なんぢまた見みるやいなや」 と--。

○彼ノ国ノ人民乗ジテ↢百千由旬ノ七宝ノ宮殿ニ↡無ク↠*有ルコト↢障礙↡、徧ク至リテ↢十方ニ↡供↢養シタテマツル諸仏ヲ↡。汝復見タリヤ不ヤト。

^対こた0322へてまうさく、 「すでに見み└たてまつたまへつれり┘」 と。

○対ヘテ曰ク、已ニ見タリト。

二 Ⅳ ⅲ a ロ 化土
          (一)正報を証定す

^「かの国くにの人民にんみんに、胎たい生しょうのものあり。 なんぢまた見みるやいなや」 と--。

○彼ノ国ノ人民ニ有リ↢胎*生ノ者↡。汝復見タリヤ不ヤト。

^対こたへてまうさく、 「すでに見み└たてまつたまへつれり┘」 と。

○対ヘテ曰ク、已ニ見タリト。

二 Ⅳ ⅲ a ロ (二)依報を証定す

^「▼その胎たい生しょう└のものといふはの┘処しょするところの宮く殿でんは--、 あるいは百ひゃく由ゆ旬じゅん、 あるいは五ご百ひゃく由ゆ旬じゅんなり。 おのおのそのなかにして、 もろもろの快け楽らくを受うく└るこ。と┘忉と う利り天てん上じょうのごとくにして------、 またみな自じ然ねんなり」 と--。

○▼其ノ胎0066生ノ者ノ所ノ↠処スル宮殿ハ、或イハ百由旬、或イハ五百由旬ナリ。各ノ於テ↢其ノ中ニ↡受クルコト↢諸ノ快楽ヲ↡如クニシテ↢忉利天*上ノ↡、亦皆自然ナリト。

二 Ⅳ ⅲ b信疑の得失を証す
        イ 弥勒請問

【43】^▼その時ときに、 慈氏じし菩ぼ薩さつ (弥勒)、 仏ぶつにまうしてまうさく、 「世せ尊そん、 なんの因いん、なんの縁えんありてか、 かの国くにの人民にんみん、 胎たい生しょう・化け生しょうなる」 と。

○爾ノ時ニ慈氏菩薩白シテ↠仏ニ言ク、世尊、▼何ノ因何ノ縁アリテカ彼ノ国ノ人民、胎生・化生ナルト。

二 Ⅳ ⅲ b ロ 仏開示
          (一)正しく因縁を答ふ
            (Ⅰ)化土因縁
              (ⅰ)其の因を挙ぐ

^▼仏ぶつ、 慈氏じしに告つげたまはく、 「▼もし衆しゅ生じょうありて、 疑ぎ惑わくの心しんをもつてもろもろの功く徳どくを修しゅして、 かの国くにに生うまれ生ぜ んと願ねがはん└ 願ず ┘。 *仏ぶっ智ち・不ふ思議しぎ智ち・不可ふか称しょう智ち・大だい乗じょう広こう智ち・無む等とう無む倫りん最さい上じょう勝しょう智ちを了さとら了せ ずして----、 ▼この諸しょ智ちにおいて疑ぎ惑わくして信しんぜず。しかるになほ罪福ざいふくを信しんじ0077、 善本ぜんぽんを修しゅ習じゅうして、 その国くにに生うまれ生ぜ んと願ねがふ願ず 。

○仏告ゲタマハク↢慈氏ニ↡、若シ有リテ↢衆生↡、▼以テ↢疑惑ノ心ヲ↡修シテ↢諸ノ功徳ヲ↡願ゼム↠生ゼムト↢彼ノ国ニ↡。▼不シテ↠了サトラ↢仏智・▼不思議智・▼不可称智・▼大乗広智・▼無等無倫最上勝智ヲ↡、▼於テ↢此ノ諸智ニ↡▼疑惑シテ不↠信ゼ。然ルニ猶信ジ↢罪福ヲ↡修↢習シテ善本ヲ↡、願ズ↠生ゼムト↢其ノ国ニ↡。

二 Ⅳ ⅲ b ロ (一)(Ⅰ)(ⅱ)其の果を明す〔第20願成就〕

^△このもろもろの衆しゅ生じょう、 かの宮く殿でんに生うまれ生じ て、 寿いのちじゆ 五ご百ひゃく歳さい、 つねに仏ぶつを見みたてまつらず、 経きょう法ぼうを聞きかず、 菩ぼ薩さつ・声しょう聞もんの--聖しょう衆じゅを見みず。

○◆此ノ諸ノ衆生、▼生ジテ↢彼ノ宮殿ニ↡▼寿五百歳、常ニ不↠見タテマツラ↠仏ヲ、不↠聞カ↢経法ヲ↡、不↠見↢菩薩・声聞ノ聖衆ヲ↡。

二 Ⅳ ⅲ b ロ (一)(Ⅰ)(ⅲ)其の名を結す

^◆このゆゑに、 かの国こく土どにおいてこれを胎たい生しょうといふ。

○◆是ノ故ニ於テ↢彼ノ国土ニ↡謂フ↢之ヲ胎生ト↡。

二 Ⅳ ⅲ b ロ (一)(Ⅱ)真土因縁
              (ⅰ)凡夫往生

^▼もし衆しゅ生じょうありて、 ▼あきらかに仏ぶっ智ち乃ない至し勝しょう智ちを信しんじ、 もろもろの功く徳どくをなして信心しんじん回え向こうすればせん。、 このもろもろの衆しゅ生じょう、 七宝しっぽうの--華はなの--なか中  において自じ然ねんに化け生しょうして、 *跏趺かふして坐ざし、 須しゅ臾ゆのあひだに身相しんそう・光こう明みょう・智慧ちえ0323・功く徳どく、 もろもろの菩ぼ薩さつのごとく具ぐ足そくし--成じょう就じゅせん。

○若シ有リテ↢衆生↡、明カニ信ジ↢仏智乃至勝智ヲ↡、作シテ↢諸ノ功徳ヲ↡信心廻向スレバ、此ノ諸ノ衆生、▼於リ↢七宝ノ華ノ中↡▼自然ニ化生シ、*跏趺シテ而坐シ、須臾之*頃ニ身相・光明・智慧・功徳、如ク↢諸ノ菩薩ノ↡具足シ成就ス。

二 Ⅳ ⅲ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)聖人往生

【44】^また次つぎに慈氏じし (弥勒)、 他た方ほう仏国ぶっこくの諸しょ大だい菩ぼ薩さつ、 発心ほっしんして無む量りょう寿じゅ仏ぶつを見みたてまつりて恭敬供養すること、 ˆ無む量りょう寿じゅ仏ぶつˇ および------もろもろの菩ぼ薩さつ・声しょう聞もんの衆しゅうをに 恭く敬ぎょうし-------供く養ようせ------およばんと└欲おもは欲すん┘。 かの菩ぼ薩さつ等とう、 └命いのち終おわ命終しり┘て無む量りょう寿じゅ仏国こくに生しょうずることを得えて、 七宝しっぽうの--華はなの--なか中  └においより て┘自じ然ねんに化け生しょうせんす  。

○復次ニ慈氏、他方*仏国ノ諸ノ大菩薩、発心シテ欲セム↧見タテマツリ↢無量寿仏ヲ↡、恭敬シ供養シテ、及ボサムト↦諸ノ菩薩・声聞*之衆ニ↥。彼ノ菩薩等、命終シテ得テ↠生ズルコトヲ↢無量*寿国ニ↡、於リ↢七宝ノ華ノ中↡自然ニ化生ス。

二 Ⅳ ⅲ b ロ (二)其の得失を判ず
            (Ⅰ)正明

^▼弥み勒ろくまさに知しるべし、 かの化け生しょうのものは智慧ちえ勝すぐれたるがゆゑなり。 その胎たい生しょうのものはみな智慧ちえなし。 五ご百ひゃく歳さいのなかにおいてつねに仏ぶつを見みたてまつら----------ず、 経きょう法ぼうを聞きかず、 菩ぼ薩さつ・└もろも諸 ろの┘声しょう聞もんの--衆しゅうを見みず、 仏ぶつを供く養ようするに由よしなし。 ▼*菩ぼ薩さつの法式ほっしきを知しらず、 *功く徳どくを修しゅ習じゅうすることを得えず。

○弥勒、当ニシ↠知ル、彼ノ化生ノ者ハ智慧勝レタルガ故ナリ。其ノ胎生ノ*者ハ皆無シ↢智慧↡。於テ↢五百歳ノ中ニ↡常ニ不↠見タテマツラ↠仏ヲ、不↠聞カ↢経法ヲ↡、不↠見↢菩薩・諸ノ声聞ノ衆ヲ↡、無シ↠由↣供↢養シタテマツルニ於0067仏ヲ↡。不↠知ラ↢菩薩ノ法式ヲ↡、不↠得↣修↢習スルコトヲ功徳ヲ↡。

^まさに知しるべし、 この人ひとは--宿しゅく世せの時とき、 智慧ちえあることなくして疑ぎ惑わくせしする が致いたすとこ0078ろなり」 と--。

○当ニシ↠知ル、此ノ人ハ宿世之時ニ、▼無クシテ↠有ルコト↢智慧↡疑惑セルノ所ナリト↠致ス。

二 Ⅳ ⅲ b ロ (二)(Ⅱ)別して譬を設けて化土の劣相を明す
              (ⅰ)正しく譬を設く
                (a)仏問

【45】^▼仏ぶつ、 弥み勒ろくに告つげたまはく、 「たとへば転輪てんりん聖じょう王おうのごとき、 別べつに七宝しっぽうの*宮く室しつにありて、 種々しゅじゅに荘しょう厳ごんし*床帳じょうちょうを張ちょう設せつし、 もろもろの繒幡ぞうばんを懸かく。 もしもろもろの小しょう王おう子じありて罪つみを王おうに得うれば、 すなはちかの宮く中ちゅうに内いれて、 繋つなぐに金こん鎖さをもつてす。

○仏告ゲタマハク↢弥勒ニ↡、▼譬ヘバ如シ↣転輪聖王ニ*別ニ有ルガ↢*七宝ノ*宮室↡。種種ニ荘*厳シ、張↢設シ床帳ヲ↡、懸ク↢諸ノ繒*旛ヲ↡。若シ有リテ↢諸ノ小王子↡得レバ↢罪ヲ於王ニ↡、輒スナハチ内イレテ↢彼ノ*宮中ニ↡、繋グニ以テス↢金鎖ヲ↡。

^飲食おんじき・衣え服ぶく・*床じょう褥のく・華け香こう・妓ぎ楽がくを供く給きゅうせんこと、 転輪てんりん王のうのごとくして乏ぼう少しょうするところなけん。 意こころにおいていかん。 このもろもろの王おう子じ、 むしろかの処ところを楽ねがふひてんやいなや」 と--。

○◆供↢*給スルコト*飲食・衣服・床*褥・華香・妓楽ヲ↡、如クシテ↢転輪王ノ↡無カラム↠所↢乏少スル↡。於テ↠意ニ云何。此ノ諸ノ王子、寧ロ楽フヤ↢彼ノ処ヲ↡不ヤト。

二 Ⅳ ⅲ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)弥勒答

^対こたへてまうさく、 「いななり。 ただ種々しゅじゅに方便ほうべんして、 もろも0324ろの大力だいりき ˆある人ひとˇ を求もとめてみづから└免まぬかれ出いで 免出する  ん┘ことを欲おもふ 欲せん 」 と--。

○対ヘテ曰ク、不也。▼但種種ニ方便シテ、求メテ↢諸ノ大力ヲ↡欲スト↢自ラ*免レ出デムト↡。

二 Ⅳ ⅲ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)法合
                (a)正合

^▼仏ぶつ、 弥み勒ろくに告つげたまはく、 「このもろもろの衆しゅ生じょうも、 またまたかくのごとし。 仏ぶっ智ちを疑ぎ惑わくせしする をもつてのゆゑに、 かの ˆ胎たい生しょうのˇ 宮く殿でんに生しょうじてず。 、 刑ぎょう罰ばつ乃ない至し一念いちねんの悪あく事じも--あることなし。 ただ▼五ご百ひゃく歳さいのうちにおいて三宝さんぼうを見みたてまつら----------ず、 ˆ諸仏しょぶつをˇ 供く養ようしてもろもろの善本ぜんぽんを修しゅすることを得えず。 これをもつて苦くとす。 余よの楽らくありといへども、 なほしかの処ところを楽ねがはず。

○仏告ゲタマハク↢弥勒ニ↡、▼此ノ諸ノ衆生モ亦復如シ↠是クノ。以テノ↣疑↢惑セルヲ仏智ヲ↡*故ニ、生ズ↢*彼ノ▼宮殿ニ↡。○無ケレドモ↠有ルコト↢*刑罰乃至一念ノ悪事モ↡、但於テ↢五百歳ノ中ニ↡不↠見タテマツラ↢三宝ヲ↡、不↠得↣供養シタテマツリテ修スルコトヲ↢諸ノ善本ヲ↡。以テ↠此ヲ為ス↠苦ト。雖モ↠有リト↢余ノ楽↡、猶不↠楽ハ↢彼ノ処ヲ↡。

二 Ⅳ ⅲ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)罪滅し仏を見る相を明す

^▼もしこの衆しゅ生じょう、 その*本もとの--罪つみを識しさとりて、 深ふかくみづから*悔け責しゃくして、 かの処ところを離はなれんことを求もとめば、 すなはち意こころのごとくなることをえて、 無む量りょう寿じゅ仏ぶつの--所みもとに往詣おうげいして恭く敬ぎょうし--供く養ようしせん。たてまつる----------ことを------得え0079、 ----またあまねく無む量りょう無む数しゅの諸しょ余よの仏ぶつの--所みもとに至いた り ることをえて、 もろもろの功く徳どくを修しゅ└することせ  を得え┘ん。

○▼若シ此ノ衆生、識リテ↢其ノ本ノ罪ヲ↡、深ク自ラ悔*責シテ、求ムレバ↠離ルルコトヲ↢彼ノ処ヲ↡、即チ得↧如ク↠意ノ往↢詣シテ無量寿*仏ノ所ニ↡恭敬シ供養シタテマツルコトヲ↥、亦得ム↧徧ク至リテ↢無量無数ノ諸*余ノ仏ノ所ニ↡、修スルコトヲ↦諸ノ功徳ヲ↥。

二 Ⅳ ⅲ b ロ (三)総結し疑を誡め信を勧む

^▼弥み勒ろくまさに知しるべし、 ▼それ菩ぼ薩さつありて疑ぎ惑わくを生しょうずるものは、 大だい利りを失しっすとす。 このゆゑに、 まさにあきらかに*諸仏しょぶつ無む上じょうの智慧ちえを信しんずべし」 と--。

○弥勒、当ニシ↠知ル、▼其レ有リテ↢菩薩↡▼生ズル↢疑惑ヲ↡者ハ、為ス↠失スト↢大利ヲ↡。是ノ故ニ応ニ当シト↣明カニ信ズ↢諸仏ノ無上ノ智慧ヲ↡。

二 Ⅴ 十方来生の相を述ぶ【十方来生】
    ⅰ 弥勒請問

【46】^▼弥み勒ろく菩ぼ薩さつ、 仏ぶつにまうしてまうさく、 「世せ尊そん、 この世せ界かいにおいて、 いくばくの*不ふ退たいの菩ぼ薩さつありてか、 かの仏国ぶっこくに生しょうぜん」 と--。

○弥勒菩薩白シテ↠仏ニ言ク、世尊、於テ↢此ノ世界ニ↡、有リテカ↢幾所イクバクノ不退ノ菩薩↡、生ズルト↢彼ノ仏国ニ↡。

二 Ⅴ ⅱ 仏開示
      a 正列
        イ 此土往生を記す

^▼仏ぶつ、 弥み勒ろくに告つげたまはく、 「▼この世せ界かいにおいて六ろく十じゅう七億しちおくの不ふ退たいの菩ぼ薩さつありて、 かの国くにに往おう生じょうせん すべし 。 一々いちいちの菩ぼ薩さつは--、 すでにかつて むかし  無む数しゅの諸仏しょぶつを供く養よう└したてまつす  ること┘、 *次ついで弥み勒ろくのごときくなるものなり。▼もろもろの*小行しょうぎょうの菩ぼ薩さつおよび少しょう功く徳どくを修しゅ習じゅうせんする もの、 称しょう計げすべからず。ざる、 みなまさに往おう生じょうすべ0325し」 と--。

○仏告ゲタマハク↢弥勒ニ↡、於テ↢此ノ世界ニ↡*有リテ↢六十七億ノ▼不退ノ菩薩↡、往↢生ス彼ノ国ニ↡。一一ノ菩薩ハ已ニ曽0068テ供↢養シタテマツルコト無数ノ諸仏ヲ↡。▼次イデ如キ↢弥勒ノ↡*者也。諸ノ小行ノ菩薩及ビ修↢習スル少功徳ヲ↡者、不↠可カラ↢称計ス↡。皆当ニシト↢往生ス↡。

二 Ⅴ ⅱ a ロ 他土往生を記す
          (一)標

^仏ぶつ、 弥み勒ろくに告つげたまはく、 「ただわが刹くにのもろもろの菩ぼ薩さつ等とうのみかの国くにに往おう生じょうするにあらず、 ▼他た方ほうの仏ぶつ土ど ˆの菩ぼ薩さつ等とうˇ も、 またまたかくのごとし。

○仏告ゲタマハク↢弥勒ニ↡、不ズ↣但我ガ刹ノ諸ノ菩薩等ノミ往↢生スルニ彼ノ国ニ↡。他方ノ仏土モ亦復如シ↠是クノ。

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)正列
            (Ⅰ)別列

^◆その第一だいいちの仏ぶつを名なづけて遠おん照しょうといふ。 かしこに百ひゃく八はち十じゅう億おくの菩ぼ薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第一ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢遠照ト↡。彼ニ有リ↢百八十億ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第だい二にの仏ぶつを名なづけて宝蔵ほうぞうといふ。 かしこに九く十じゅう億おくの菩ぼ薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第二ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢宝蔵ト↡。彼ニ有リ↢九十億ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第三だいさんの仏ぶつを名なづけて無む量りょう音おんといふ。 かしこに二に百ひゃく二に十じゅう億おくの菩ぼ薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第三ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢無量音ト↡。彼ニ有リ↢二百二十億ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第だい四しの仏ぶつを名なづけて甘かん露ろ味みといふ。 かしこに二に百ひゃく五ご十じゅう億おくの菩ぼ0080薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第四ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢甘露味ト↡。彼ニ有リ↢二百五十億ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第だい五ごの仏ぶつを名なづけて龍勝りゅうしょうといふ。 かしこに十じゅう四し億おくの菩ぼ薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第五ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢龍勝ト↡。彼ニ有リ↢十四億ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第六だいろくの仏ぶつを名なづけて勝しょう力りきといふ。 かしこに万まん四し千せんの菩ぼ薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第六ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢勝力ト↡。彼ニ有リ↢万四千ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第七だいしちの仏ぶつを名なづけて師子ししといふ。 かしこに五ご百ひゃく億おくの菩ぼ薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第七ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢師子ト↡。彼ニ有リ↢五百*億ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第八だいはちの仏ぶつを名なづけて離垢りく光こうといふ。 かしこに八はち十じゅう億おくの菩ぼ薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第八ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢離垢光ト↡。彼ニ有リ↢八十億ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第だい九くの仏ぶつを名なづけて徳首とくしゅといふ。 かしこに六ろく十じゅう億おくの菩ぼ薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第九ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢徳首ト↡。彼ニ有リ↢六十億ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第だい十じゅうの仏ぶつを名なづけて妙みょう徳山とくせんといふ。 かしこに六ろく十じゅう億おくの菩ぼ薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第十ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢妙徳山ト↡。彼ニ有リ↢六十億ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第だい十じゅう一いちの仏ぶつを名なづけて人王にんのうといふ。 かしこに十じゅう億おくの菩ぼ薩さつあり、 みなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第十一ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢人王ト↡。彼ニ有リ↢十億ノ菩薩↡、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第だい十じゅう二にの0326仏ぶつを名なづけて無む上じょう華けといふ。 かしこに無む数しゅ不可ふか称しょう計げのもろもろの菩ぼ薩さつ衆しゅあり、 みな不ふ退たい転てんにして智慧ちえ勇ゆう猛みょうなり。 すでにかつて むかし  無む量りょうの諸仏しょぶつを供く養ようしたてまつりて------------、 七日しちにちのうちにおいてすなはちよく百ひゃく千億せんおく劫こうに大だい士じの└修しゅすると所修ころの┘*堅けん固ごの法ほうを摂取せっしゅす。 これらの菩ぼ薩さつみなまさに往おう生じょうすべし。

○其ノ第十二ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢無上華ト↡。彼ニ有リ↧無数ニシテ不ル↠可カラ↢称計ス↡諸ノ菩薩衆↥、皆不退転ニシテ智慧勇猛ナリ。已ニ曽テ供↢養シタテマツリテ無量ノ諸仏ヲ↡、於テ↢七日ノ中ニ↡即チ能ク摂↢取ス百千億劫ニ大士ノ所↠修ノ堅固之法ヲ↡。斯等ノ菩薩、皆当ニシ↢往生ス↡。

^◆その第だい十じゅう三さんの仏ぶつを名なづけて無畏むいといふ。 かしこに七しち百ひゃく九く十じゅう億おくの大だい菩ぼ薩衆さつしゅ、 もろもろの*小しょう菩ぼ薩さつおよび*比丘びく等とうの称しょう計げすべからざるあり、 みなまさに往おう生じょうすべし」 と--0081。

○其ノ第十三ノ仏ヲ名ケテ曰フ↢無畏0069ト↡。彼ニ有リ↢七百九十億ノ大菩薩衆、諸ノ小菩薩及ビ比丘等ノ不ル↟可カラ↢称計ス↡、皆当ニシト↢往生ス↡。

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)広く無数を明す

^仏ぶつ、 弥み勒ろくに語かたりたまはく、 「▼ただこの十じゅう四し仏国ぶっこくのなかのもろもろの菩ぼ薩さつ等とうのみまさに往おう生じょうすべきにあら└ざるなず  り┘。 十方じっぽう世せ界かい無む量りょうの仏国ぶっこくより、 その往おう生じょうするものまたまたかくのごとし、 └はなはだ多おお甚多 くして┘無む数しゅなり。

○仏語リタマハク↢弥勒ニ↡、不ズ↣但此ノ十四仏国ノ中ノ諸ノ菩薩等ノミ当ニキニ↢往生ス↡也。十方世界ノ無量ノ仏国ヨリ、其ノ往生スル者モ亦復如シ↠是クノ。甚ダ多クシテ無数ナリ。

二 Ⅴ ⅱ b 総結

^◆われただ十方じっぽう諸仏しょぶつの名みょう号ごうと--、 および ˆそれらの仏国ぶっこくのˇ 菩ぼ薩さつ・比丘びくのかの国くにに生しょうずるものを説とかんに くこと  、 昼ちゅう夜や一劫いっこうすとも、なほいまだ竟おわることあたはじ。 われいまなんぢがために略りゃくしてこれを説とくまくのみ」 と--。

○我但説カムニ↧十方諸仏ノ名号ト及ビ菩薩・比丘ノ生ズル↢彼ノ国ニ↡者ヲ↥、昼夜一劫ストモ尚未ダ↠能ハ↠*竟ルコト。我今為ニ↠汝ガ略シテ説ク↠之ヲ耳ト。▼

三 流通分
  Ⅰ 法を嘆じて付嘱す【弥勒付属】
    ⅰ 総じて所詮の宗要を讃ず

【47】^▼仏ぶつ、 弥み勒ろくに語かたりたまはく、 「▼それかの仏ぶつの名みょう号ごうを聞きくことを 得えうることありて、 歓かん喜ぎ踊ゆ躍やくして--乃ない至し一念いちねんせんことあらん----------。 ▼まさに知しるべし、 この人ひとは大だい利りを得うとす。 すなはちこれ無む上じょうの功く徳どくを具ぐ足そくするなり------と--。

○▼仏*語リタマハク↢弥勒ニ↡、▼其レ有リテ↠得ルコト↠聞クコトヲ↢彼ノ仏ノ名号ヲ↡、▼歓喜踊躍シテ乃チ至ルマデセム↢一念ニ↡。▼当ニシ↠知ル、此ノ人ハ為ス↠得ト↢大利ヲ↡。則チ是具↢足スルナリト▼無上ノ功徳ヲ↡。

三 Ⅰ ⅱ 能詮の教法を讃ず
      a 難きを挙げ聞信を勧む
        イ 正しく難きを挙げ勧む

^このゆゑに弥み勒ろく、 ▼たとひ大だい火かありて三千さんぜん大千だいせん世せ界かいに充じゅう満まんすとも、 かならずまさにこれを過すぎて、 この経きょう法ぼうを聞ききて歓かん喜ぎ信しん楽ぎょうし、 受じゅ持じ読誦どくじゅして└説せつのごと 如説に  く┘修しゅ行ぎょうすべし。

○是ノ故ニ弥勒、設ヒ有リテ↢大火↡充↢満ストモ三千大千世界ニ↡、要ズ当ニシ↧過ギテ↠此ヲ、聞キテ↢是ノ経法ヲ↡歓喜信楽シ、受持シ読誦シテ如ク↠説ノ修行ス↥。

三 Ⅰ ⅱ a ロ 其の所以を明す
          (一)聞経難きを明す

^◆ゆゑはいかん。 多おおく菩ぼ薩さつありてこの経きょうを聞きかん0327と欲ほっすれども、 得うることあたは└ざればず なり┘。

○所以者何ン。多ク有リテ↢菩薩↡欲スレドモ↠聞カムト↢此ノ経ヲ↡而不レバナリ↠能ハ↠得ルコト。

三 Ⅰ ⅱ a ロ (二)其の勝益を明す

^◆もし衆しゅ生じょうありて、 この経きょうを聞きくものは、 無む上じょう道どうにおいてつひに退転たいてんせず。 このゆゑにまさに専心せんしんに信受しんじゅし、 持じ誦じゅし、 ----説せつ行ぎょうすべし」 と--。

○若シ有リテ↢衆生↡聞ク↢此ノ経ヲ↡者ハ、於テ↢無上道ニ↡終ニ不↢退転セ↡。是ノ故ニ応ニ当シト↢専心ニ信受シ持誦シ説行ス↡。

三 Ⅰ ⅱ a ハ 除疑生信を勧む

^仏ぶつのたまはく、 「われいまもろもろの衆しゅ生じょうのためにこの経法きょうぼうを説ときて、 無む量りょう寿じゅ仏ぶつおよびその国こく土どの一切いっさいの--0082所しょ有うを見みせしむ。 まさに*なすべきところのものは、 みなこれを ˆ尋たずねˇ 求もとむべし。 ▼わが滅めつ度どの後のちをもつて、 また疑ぎ惑わくを生しょうずることを得うることなかれ。

○*仏言ク、吾今為ニ↢諸ノ衆生ノ↡説キテ↢此ノ経法ヲ↡、令メム↠見セ↢無量寿仏及ビ其ノ国土ノ一切ノ所有ヲ↡。所ノ↠当ニキ↠為ス者ハ皆可シ↠求ム↠之ヲ。無レ↠得ルコト↧以テ↢我ガ滅度之後ヲ↡復生ズルコトヲ↦疑惑ヲ↥。

三 Ⅰ ⅱ b 哀愍特留益【特留此経】

^▼*当来とうらいの世よに*経きょう道どう滅尽めつじんせんに、 われ慈悲じひをもつて哀愍あいみんして、 特ことに此この経きょうを留とどめて止し住じゅうすること*百ひゃく歳さいせん。 それ衆しゅ生じょうありて、 この経きょうに値もうあふものは--、 意こころの所願しょがんに随したがひてみな*得とく度どすべし」 と--。

○▼当来之世ニ経道滅尽セムニ、我以テ↢慈悲ヲ↡哀愍シテ、*特ニ留メテ↢此ノ経ヲ↡止住スルコト百歳セム。其レ有リテ↢衆生↡値フ↢斯ノ経ニ↡者ハ、随ヒテ↢意ノ所願ニ↡皆可シト↢得度ス↡。

三 Ⅰ ⅱ c 信受の難きを讃ず
        イ 総じて諸難を列ぬ

^◆仏ぶつ、 弥み勒ろくに語かたりたまはく、 「▼如来にょらいの*興こう世せに--値もうあひがたく、 見みたてまつること難かたし。 諸仏しょぶつの経きょう道どう、 得えがたく聞ききがたし。 菩ぼ薩さつの勝しょう法ぼう、 諸しょ波羅はら蜜みつ、 聞きくことを得うることまた難かたし。 ▼善ぜん知ぢ識しきに遇あひ、 法ほうを聞きき、 よく行ぎょうずること、 これまた難かたしとす。

○▼仏語リタマハク↢弥勒ニ↡、▼如来ノ興世ニ、難ク↠値ヒ難シ↠見マミエ。諸仏ノ経道、難ク↠得難シ↠聞キ。菩薩ノ勝法0070諸波羅蜜、得ルコト↠聞クコトヲ亦難シ。▼遇ヒ↢善知識ニ↡、▼聞キ↠法ヲ能ク行ズルコト、此モ亦為ス↠難シト。

三 Ⅰ ⅱ c ロ 別して今経の信を嘆ず

^▼もしこの経きょうを聞ききて信しん楽ぎょう受じゅ持じすることは--、 ▼難なんのカタキガなかの難なん、カタシ これに過すぎたる難なんは--なカタキコト けん。

○▼若キハ↧聞キテ↢斯ノ経ヲ↡信楽シ受持スルガ↥、▼難ノ中之難ニシテ▼無シ↢過ギタル↠此ニ難ハ↡。

三 Ⅰ ⅲ 総結して信行を勧む

^▼このゆゑにわが法ほうは--かくのごとくなし、 かくのごとく説とき、 かくのごとく教おしふ。 まさに信順しんじゅんして法ほうのごとく修しゅ行ぎょうすべし」 と--。

○是ノ故ニ我ガ法ハ、如ク↠是クノ作シ、如ク↠是クノ説キ、如ク↠是クノ教フ。応ニ当シト↢信順シテ如ク↠法ノ修行ス↡。

三 Ⅱ 時会得益
    ⅰ 正しく得益を明す

【48】^その時ときに、 世せ尊そん、 この経きょう法ぼうを説ときたまふに、 無む量りょうの衆しゅ生じょう、 みな*無む上じょう正しょう覚がくの心しん0328を発おこしきす  。 万まん二に千せん那な由他ゆたの--人ひと、 *清浄しょうじょう法眼ほうげんを得え、 二に十じゅう二に億おくの諸天しょてん・人民にんみん、 *阿那あな含ごん果かを得えう。、 八はち十じゅう万まんの比丘びく、 *漏ろ尽じん意解いげしす。、 四し十じゅう億おくの菩ぼ薩さつ、 不ふ退たい転てんを得えう。、 *弘ぐ誓ぜいの功く徳どくをもつてみづから荘しょう厳ごんして、 将しょう来らいの--世よにおいてまさに正しょう覚がくを成なる0083べし。

○爾ノ時ニ世尊説キタマフニ↢此ノ経法ヲ↡、無量ノ衆生、皆発シキ↢無上正覚之心ヲ↡、万二千那由他ノ人、得↢清浄法眼ヲ↡、二十二億ノ諸天・人民、得↢阿那含*果ヲ↡、八十万ノ比丘、漏尽意解シ、四十億ノ菩薩、得タリ↢不退転ヲ↡。以テ↢弘誓ノ功徳ヲ↡而自ラ荘厳シ、於テ↢将来ノ世ニ↡当ニシ↠成ズ↢正覚ヲ↡。

三 Ⅱ ⅱ 満会霊相

^その時ときに、 三千さんぜん大千だいせん世せ界かい、 *六種ろくしゅに震動しんどうしす。、 大光だいこうあまねく十方じっぽう国こく土どを照てらす。 百ひゃく千せんの音楽おんがく、 自じ然ねんにしてなし、 無む量りょうの妙みょう華け、 *紛々ふんぷんとして降くだる。

○爾ノ時ニ三千大千世界六種ニ震動シ、大光普ク照シ↢十方ノ国土ヲ↡、百千ノ音楽自然ニシテ而作リ、無量ノ妙華*紛紛トシテ而降ル。

三 Ⅲ 信受奉行

^仏ぶつ、 経きょうを説ときたまふこと已おわりて、 弥み勒ろく菩ぼ薩さつおよび十方じっぽうより来きたれる└もろも諸 ろの┘菩ぼ薩さつ衆しゅ、 長ちょう老ろう阿あ難なん、 もろもろの大だい声しょう聞もん、 一切いっさいの--大衆だいしゅ、 仏ぶつの所説しょせつを聞ききたてまつり----------て、 歓かん喜ぎせざるはずといふことなし。

○仏説キタマフコト↠経ヲ已リタマフニ、弥勒菩薩及ビ十方ヨリ来レル諸ノ菩薩衆、長老阿難、諸ノ大声聞、一切ノ大衆、*聞キタテマツリテ↢仏ノ所説ヲ↡、靡シ↠不ルハ↢歓喜セ↡。▼

仏説ぶっせつ無む量りょう寿じゅ経きょう 巻かん下げ

**貞和三歳 丁亥 林鐘仲旬候以聖人御点秘本延写于仮名令授与之訖

願主空善

 

延書の底本は兵庫県毫摂寺蔵乗専書写本。 ○無量寿経延書 (浄聖全Ⅲ) の底本と同一だが、 標準化されているので、 参考までに○との相違を下に細字で示した。 なお、 --は延書にない語句。
至心に回向したまへり 通常は 「至心に回向して」 と読む。 親鸞聖人は如来回向の義をあらわすために、 このように読みかえた。
真仏 上輩の臨終に現れる仏を指す。
経法 阿弥陀仏が説く教法。
道化を宣布す 阿弥陀仏の教法を、 十方衆生の人々に広く説きのべるという意。
無価の衣 →無価むげ衣え
最勝の尊 阿弥陀仏のこと。
深法門に遊入し 深い真理をさとること。
頂 頭。
大士観世音 観かん世ぜ音おん菩ぼ薩さつのこと。
夢幻響き 次々行の 「電・影」 と合せて五喩を出す。 すなわち、 あらゆる存在は因縁いんねんにより生ずるものであり、 実体がないことを、 夢・幻・こだま・いなずま・かげに喩える。
刹 刹 (せつ) は梵語クシェートラ(kṣetra)の音写。 国土・世界の意。ここでは阿弥陀仏の浄土のこと。
諸法の性 あらゆる存在の本性。
安養仏 阿弥陀仏のこと。
清浄の処・厳浄の国 阿弥陀仏の浄土を指す。
世尊 諸仏のこと。
この事・この法 阿弥陀仏の本願を指す。
聞きて奉行し 聞いた教えのままに行じて。
たとへば… →補註14
見て…慶ばば 見は聞見のこと。 名みょう号ごうのいわれを聞きひらき、 信を得て法を敬い深く心によろこべば。
意 菩ぼ提だい心しんのこと。
生死の流 流る転てん輪りん廻ねしている迷いの世界を指す。
一尋 尋は長さの単位。 両腕を左右に広げた時の長さを一尋とする。
転化 娑しゃ婆ば世界の身を転じて、 浄土へ化け生しょうすること。
要妙を究暢し 経典の本旨を究め尽し、 通達すること。
諸根明利 眼げん・耳に・鼻び・舌ぜつ・身しん・意いの六根ろっこんが明朗で利発であること。 六神通ろくじんずうを得て自在であることをいう。
二忍 三法さんぼう忍にんの中の音響忍おんこうにんと柔順忍にゅうじゅんにんの二つ。
かれに同ずること 五濁の悪世間の人々と同じ相をとること。
わが国のごとくなる 釈尊みずからがこの娑婆世界に応化して、 衆しゅ生じょう済度するのと同じであるという意。
前後に… 現れた順序に従って、先のものから次々に消えるという意。
軽挙 神通力じんずうりきによって身軽く飛ぶこと。
本国 阿弥陀仏の浄土を指す。
班宣 班は分かつの意で、 仏が相手の能力に応じて、 法を分けのべること。
五つの音声 宮きゅう・商しょう・角かく・徴ち・羽うの五音階。 →五ご音いん七声しちせい
熙怡快楽 心身ともにやわらぎよろこぶこと。
講説 教えを説きのべること。
柔軟調伏 心をやわらかく保ち、 自制すること。
離蓋 真実を覆う煩悩ぼんのう (蓋) を離れること。
愛法楽法喜法の心 仏法を愛楽あいぎょうし歓喜する心。
通明慧 通は六神通ろくじんずう、 明は三明さんみょうのこと、 慧はその六神通と三明を貫く智慧ちえのこと。
肉眼… →五眼ごげん
無礙の智 →四無礙智しむげち
如より来生して… →従じゅう如来にょらい生しょう。
習滅の音声の方便 善を習い悪を滅する教誡 (音声) を衆しゅ生じょうに会得させる種々の手だて。
世語 仏道修行にとって利益にならない世間の俗論。
生身煩悩 迷いの果としての肉体と、 迷いの因としての煩悩。
二余 生身の苦しみと煩悩との二つの余習。
覆載せずといふことなし 仏の大悲は、 天が一切万物を差別なく覆い、 地が残すことなく載せるように、 衆しゅ生じょうに対してわけへだてしないという意。
仏の教法… 仏教のすべてに精通していて余すところがない。
火王 盛んに燃える火。
一切の有 あらゆる存在。
大乗 大きな乗物。
金剛山 鉄囲山てっちせんのこと。
蔵積するところなき 遊禽 (小鳥) は食べ物をたくわえない、すなわち足ることを知って欲を離れているという意。
欲の刺 貪欲とんよくの煩悩ぼんのう。
因力 直接の原因となる業の力。 ここでは過去に修めた善根ぜんごん力の意。
縁力 因を育てて果を結ばせる間接的な力。 ここでは諸仏・善ぜん知ぢ識しきの教導の力を指す。
意力 さとりを求める意志力。
願力 衆しゅ生じょう救済を願う力。
方便の力 修行のことを方便という場合と衆生救済の手段を方便という場合とがある。
常力 常に怠ることなく修行する力。
善力 悪をなさず善をなす力。
定力 精神統一によって得る力。
慧力 智慧の力。
多聞の力 多くの教えを聞いて心にさとった力。
施…智慧の力 六ろっ波羅ぱら蜜みつの力。
正念正観…通明の力 正しく教法を念ずる力と真実の道理を正しく見る力、 および六神通ろくじんずうと三明さんみょうの力。
上下なく洞達して 上下の別なくさとりを得ること。
横に… →横截おうぜつ
往き易くして… →易い往おう而に無む人にん
その国…牽く 浄土は真実信心の行者をたがうことなく、 願力の自じ然ねんによりひきよせるとの意。
不急の事 急がなくてもよいこと。 急ぐべき出しゅつ離り生しょう死じに対し、 世俗の欲望をみたそうとするすべての事柄をいう。
念を累ね慮りを積み 過去をおもい、 未来をおもんぱかる。
摧砕 盗賊・水火等の災難が身を打ち砕くこと。
憂懼万端 憂いや恐れが数かぎりなくあること。
思想 思い悩むこと。
善悪の道 善悪因果の道理。
中外の親属 内外の親属。 父方の親類を内、 母方の親類を外という。
有無あひ通じて 衣食金銭等をたがいに融通し合って。
言色 言葉と表情。
対生 二人が同じ世界にあい対して生れること。
行に当りて… 自己のなす善悪の行業に従って、 その苦楽の果か報ほうを得るという意。
よく見るものなし 業報ごうほうにより境界きょうがいを異にするため、 愛し合った者同士でも再びめぐり会うことはできない。
窈々冥々 奥深く暗いさま。
極長の生 涅ね槃はんの常楽のこと。
これ 善悪因果の道理を信じない邪見を指す。
先後 先祖と子孫。
生死の常の道 生と死を繰り返すという不変の道。
あひ嗣ぎて立つ 生と死が次々に続いて絶えることがないという意。
顛倒上下 ここでは老少不定のこと。 老人が先に死に、 若者が後で死ぬとは限らないこと。
矇冥抵突 心が愚かでくらいために、 道理に背くこと。
遠き慮り 将来を思いはかること。 後世を心にかけること。
愛欲に痴惑せられて 欲望にまどわされて。
財色を貪狼す 財欲・色欲をむさぼる。
痛着 悲嘆にくれること。
恩好を思想して 先立ったものに対する恩愛とよしみを思い出して。
昏矇閉塞 心がくらく閉じふさがること。
総猥憒擾 世の中がすべて濁り、 心煩わずらわしく乱れること。
殺毒 殺生せっしょうのもとである瞋しん恚に (いかり) を毒に喩えていう。
悪気窈冥 内に悪意を含み外に顕さないこと。
経戒を虧負して 仏の戒めを守らず、 それに背いて。
去来今 過去・未来・現在。
福禄巍々たり 仏果 (仏のさとり) の福徳ふくとくが高くすぐれている。
典攬を教授し 経典の要義を取ってこれを学ばせるという意。
威制消化 仏の威光をもって、 外げ道どうを制伏し、 邪見を消して教え導くこと。
悪露不浄 醜悪さがあらわれて汚いこと。
精明 専精明信。 ひたすら明瞭な心でつとめること。
一世 一生。
道徳と合明して 仏道に相応し智慧ちえが明らかなこと。
厄 三宝さんぽうを見聞できないことや、 有う情じょう利り益やくができないことなどを指す。 自利利他の行ができないことが辺地のわざわいである。
仏のたまはく… 以下の 「五善五悪」 の経文は、 従来 「五ご悪あく段だん」 と称して布教されてきたものである。 →補註5
記識して (罪を) 記録して忘れず。
これ 因果必然の道理を指す。
なかにおいて 五濁の世の中において。
佞諂不忠 こびへつらって、 誠実さがないこと。
巧言諛媚 言葉たくみに相手にとりいること。
怨枉に陥し入る 人を恨んで無実の罪におとし入れる。
機偽多端 いろいろなからくりを設けて偽ること。
度を践み… よく法度を実践し、 天下の大勢を知る。
天心に当らず 天地のことわりに背く。
知識 友人。 知人。
利害 自分の利益をはかり、 他人に害を加えること。
命を追ひて 自己のなす業に従って。
楽処 人天を指す。
苦毒 地獄・餓鬼がき・畜ちく生しょうの三悪道さんまくどうを指す。
名籍を別つ 罪相とその名前を名簿にはっきりと書き記すこと。
処年寿命 生をうけてから死ぬまでの年月。
細色を眄睞して 美しい人に流し目を送って。
交結聚会 同心のものがより集まり徒党を組むこと。
みづから業を修せず 自分の正当の仕事を怠る。
欲繋して事をなす 欲にかられてより大きな悪事をはたらくようになるという意。
恐熱迫愶 悪事をするため心は落ちつかず、 熱の出たようにみずから恐れながらも、 他人を脅迫し財宝を奪い取ること。
帰給 支給すること。
尊卑を避けず 上下の区別を顧みないで礼儀を乱す。
人鬼に著され 人にも知られ鬼き神じんにも見られ。
教令 ここでは教えそそのかすという意。
両舌悪口妄言綺語 十じゅう悪あくのうちの口く業ごうの四悪。
讒賊闘乱す 人をそしり害し、 仲違いさせて争わせること。
尊貴自大 わが身ほど尊いものはないと思いあがること。
偃 おごりたかぶること。 ここでは善事をなそうとせずに、 横着をきめこむこと。
天道 業の道理、 因果の道理のこと。
蹉跌することを得ず ここでは業の道理に少しもくい違いがないという意。
節 節度。
報償の心 恩をかえそうとする心。 恩義に報いる心。
徙倚懈惰 心が落ち着かず、 おこたりなまけること。
辜較縦奪 利益を独占し、 ほしいままに他人のものを奪うこと。
串ひて 慣れて。 習慣となって。
賑給 口腹を満たし養うこと。 すなわち、 ぜいたくな生活をすること。
度 節度。
魯扈牴突 自己の愚かさを顧みず、 人と衝突すること。
職当 うぬぼれて自己をあくまでも主張すること。
所資 生活の資。 衣食などの資材。
衆僧を闘乱せん 僧伽そうぎゃ (仏教教団) の和を乱すという意。
矇昧 心がくらく道理をわきまえないこと。
仁ならず順ならず 他人に対しておもいやりがなく柔順でない。
生死善悪の趣 生死輪りん廻ねや善悪因果の道理。
悔懼こもごも至る 後悔と恐怖が入り混じっておこる。
恢廓窈窕 広大で、 奥深いさま。
浩々茫々 広大として果てしのないさま。
数 道理。 ここでは善悪因果の道理のこと。
冥 暗闇の世界。
省録 悪事を反省し、 善事を進んで行うこと。
天道施張して 五道の因果の道理が網の目のように天地の間に張りめぐらされているという意。
綱紀の羅網上下相応す 大綱小綱からなる業道の網が八方上下に張りめぐらされ、 それからのがれることができないという意。
煢々忪々 孤独で頼るものがなく、 心がおののきみだれること。
所思を棄捐し 五悪をなそうとする思いを棄て去るという意。
経戒 仏の戒め。 ここでは五善の教え。
うたたあひ勅令し 国王より人々へ次々と戒めを伝えていくという意。
徳本 功く徳どくの本である六ろっ波羅ぱら蜜みつ (六度) のこと。 次下の 「恩を布き恵を施す」 は布施ふせ、 「道禁を犯すことなかれ」 は持じ戒かい、 「一心」 は禅定ぜんじょうにあたる。
毛髪の悪 毛すじほどの少しの悪。
ここ 娑しゃ婆ば世界。
このあひだ 娑婆世界。
心労し形困しみて 身心ともに疲労して。
器 器量。 機根。 人それぞれの性質。
五徳 五善を修めて得た五つの功く徳どく。
無為の安き 無為涅ね槃はんの安楽。
金剛囲山 鉄てっ囲ち山せんのこと
明曜顕赫 光り輝き鮮明にあらわれているさま。
この会 霊山 (霊鷲山りょうじゅせん、 耆ぎ闍しゃ崛山くっせん) での説法の会座えざ。
かしこ 阿弥陀仏の浄土を指す。
仏智… 阿弥陀仏の五智ごち。
跏趺して坐し 結けつ跏か趺坐ふざのこと。
菩薩の法式 菩薩のなすべき自利利他の行法。 すなわちみずから菩提を求め衆生を化け益やくすること。
功徳 大乗の菩薩の修すべき六ろっ波羅ぱら蜜みつ (六度) のこと。
宮室 宮殿。 宋そう版大蔵経等には 「牢獄」 とある。
床帳を張設し 坐臥する床を設け、 その上に幕 (帳) を張りめぐらして。
本の罪 仏智を疑惑した罪。
諸仏無上の智慧 先に説く阿弥陀仏の五智を略して諸仏無上の智慧という。 すなわち、 阿弥陀仏のすぐれた智慧のこと。 阿弥陀仏は、 すべての仏を仏たらしめる諸仏の本源であるから、 阿弥陀仏の智慧を諸仏の智慧ともいう。
不退の菩薩 不退転の位を得た菩薩。 親鸞聖人は真実信心の行者とする。
次いで弥勒… 「次なること弥勒のごときもの」 とも読む。 →次し如にょ弥み勒ろく
小行の 菩薩および少功徳を修習せんもの 行の劣った菩薩たちや、 わずかな功徳を修めた人々。 親鸞聖人は自力の行者とする。
堅固の法 菩薩が勇猛ゆうみょう精しょう進じんして修する利他大悲の尊い行。
比丘 ここでは少功徳を修習するものをいう。
なすべきところのもの 釈尊が説いた教法についての疑念、 不審におもう事柄についての質疑。
百歳 満数の意。 いつまでもということ。
無上正覚の心 菩ぼ提だい心しんのこと。
清浄法眼 声しょう聞もんの修道しゅどう階位である四果の最下位、 須しゅ陀だ洹おん果かに入って得る四し諦たいの理をさとる智慧ちえの眼。
漏尽意解し 煩悩ぼんのうを滅し尽して智慧を得、 声聞の修道階位である四果の最高位、 阿羅あら漢かん果かに達するという意。
弘誓の功徳 衆しゅ生じょう済さい度どの誓願せいがんを立て、 その誓いに応じて修行し、 種々の善根ぜんごん功徳を積むこと。
底本は◎本派本願寺蔵版¬校点浄土三部経¼本。 Ⓐ高麗版(再雕本)¬大蔵経¼所収本、 Ⓑ宋版(思溪版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓒ元版(普寧寺版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓓ明版(万歴版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓔ京都府清浄華院蔵平安時代書写本、 Ⓕ本派本願寺蔵正平六年書写本、 Ⓖ愛知県祐誓寺蔵建仁四年刊本 と対校。 ª全部対校º 人天→ⒷⒸⒹ天人、 硨磲→ⒶⒺⒻⒼ車
勤→Ⓖ懃
定→Ⓐ定[之]
往→Ⓔ住
語→ⒷⒸⒹ告
告→Ⓐ語
法→Ⓑ生
恒→ⒷⒸⒹ恒[河]
大→ⒷⒸⒹ之
菩薩衆→Ⓐ諸菩薩
照→ⒷⒸⒹ朗
上→ⒶⒷⒸⒹ量
性→Ⓐ門
国→Ⓐ土
至→Ⓐ志
達→ⒸⒹ満
本→ⒸⒹ心
涯→ⒶⒷⒺⒼ崖
知→Ⓐ如
講→Ⓒ称
済→ⒷⒸⒹ度→Ⓕ度(濟スクフイと左傍註記)
是→ⒷⒸⒹ此
此→ⒷⒸⒹ是
不可計→Ⓐ阿僧祇
更→ⒷⒸⒹ受
告→ⒶⒷⒸⒹ語
頃→Ⓖ項
繒→ⒷⒸⒹ衣
輒→ⒶⒻ転
菩→ⒷⒸⒹ[及諸]菩
大→ⒷⒸⒹ之
昱→Ⓐ晃→Ⓖ煜
爍→Ⓐ曜
周→Ⓔ同
歓→ⒷⒸ歎
大衆→ⒷⒸⒹ天人
班→ⒶⒷⒸⒹⒻ頒
普吹→ⒷⒸⒹ吹七
五→Ⓕ其
雨 ⒷⒸⒹになし
周徧→ⒷⒸⒹ四散
怡→Ⓐ然
語→Ⓐ告
軟→ⒷⒸⒹ潤
弁→ⒺⒻⒼ辦
習→ⒸⒹ集
汚染→ⒶⒷⒸⒹ染汚
踰→ⒷⒸ喩
震→ⒷⒸⒺⒼ振
拘→ⒺⒼ狗
類→Ⓕ律
曠→ⒺⒼ広 Ⓕ廣イと左傍註記
忌→Ⓐ望→Ⓑ要→ⒺⒻⒼ忘
導師→ⒶⒷⒸⒹ師導
戚→Ⓐ慼→Ⓕ蹙
慧→Ⓐ徳
正→ⒶⒷⒸⒹⒼ止
説→ⒶⒷⒸⒹ言
養→ⒷⒸⒹ楽
趣→ⒷⒸⒹ道
獲→ⒷⒸⒹ得
屏→Ⓑ并
漂→ⒷⒸⒺⒼ
解→ⒺⒻⒼ懈
寒→Ⓔ塞
居→Ⓐ倶
共→Ⓔ苦
夭→Ⓓ天
家室→室家
貪→Ⓔ貧
相→ⒷⒸⒹ想
復→ⒸⒹ今
曼→ⒹⒻ遇
修善精進→Ⓕ精進修善
哉→ⒶⒷⒸⒹ乎
矇→ⒷⒸⒹⒺⒼ蒙
抵→Ⓕ牴
於 ⒷⒸⒹになし
恩→Ⓒ貪
昏→Ⓐ惛
矇閉→ⒷⒸⒹ蒙闇
寡→ⒷⒸⒹ少
憀→ⒶⒷⒸⒹ聊
妄→ⒷⒸ忘
未→ⒷⒸⒹ未[終]
勤→Ⓐ懟→Ⓖ懃
心 ⒶⒷⒸⒹになし
虧→ⒷⒸ戯
語→Ⓐ者
目→Ⓒ自
誡→ⒷⒸⒹⒻⒼ戒
王→Ⓕ主
仏 ⒶⒷⒸⒹⒺⒼになし
Ⓕ佛字本无イ入之と左傍註記
菩薩 ⒶⒷⒸⒹになし
拘→ⒷⒸⒹ罣→Ⓔ
昭→ⒺⒼ照
体→ⒸⒹ浄
仏 ⒷⒸⒹになし
永→Ⓖ求
万億→ⒶⒷⒸⒹ億万
言 Ⓐになし
等→ⒶⒻ等[為]
仏言 ⒶⒷⒸⒹⒺⒼになし
Ⓕ仏言二字本无但入之と上欄註記
迭→ⒺⒼ遞
瘂→ⒺⒼ唖
弊→Ⓐ憋
免→ⒷⒸⒹ勉
見→ⒶⒷⒸⒹ現
Ⓕ本現イ合點と左傍註記
刑→Ⓑ形
貿→Ⓔ資
絶→ⒶⒷⒸⒹ止
諛→ⒷⒼ諭
而滅→ⒶⒷⒸⒹ滅族
利→Ⓐ剥→Ⓑ殺
宝→ⒶⒷⒸⒹ保
少→Ⓕ無(少本但入無イ云々スクナクシテと左傍註記)
妄→Ⓖ忘
糜→ⒶⒷⒸⒹ麿→Ⓕ麿(糜本但麿イ云々合點と左傍註記)
予→Ⓐ預
今→Ⓕ令 今イ云々と左傍註記
累→Ⓔ界
廝→ⒷⒸⒹⒼ斯
婬→Ⓒ泆
妷→Ⓑ佚→Ⓓ泆
憎→Ⓔ僧
入出→ⒶⒷⒸⒹⒻ出入
不→ⒷⒸⒹ無
繋→ⒶⒷⒸⒹⒼ撃
熱→ⒶⒷⒸⒹⒻ勢
愶→ⒶⒷⒸⒹⒼ脅
卑→Ⓕ貴
→ⒶⒷⒸⒹⒺⒼ蹇
天→Ⓔ夭
鬼神→Ⓐ神鬼
共→ⒶⒷⒸⒹⒻ去
頓→ⒶⒹⒻ奪
之→ⒷⒸ乏
往→Ⓕ独
自→ⒷⒸⒹ冏
勤→ⒷⒼ懃
者 ⒶⒷⒸⒹになし
惰→ⒺⒼ堕
家室→Ⓕ室家
譍→ⒶⒷⒸⒹ応
賑→ⒷⒺⒼ振
牴→ⒶⒷⒸⒹⒺⒼ抵
憎→ⒸⒹ妬→Ⓔ僧
難→Ⓐ録
職→ⒷⒸⒹ識
矇→ⒷⒸⒹ蒙
悪逆→Ⓐ逆悪
肯 Ⓐになし
予→Ⓐ預
窕→ⒶⒷⒸⒹ冥
其→ⒷⒸⒹ期
咎→Ⓔ各
者 ⒷⒸⒹⒺⒼになし
其→Ⓓ有
恵→Ⓐ慧
坐→Ⓐ生
紀→Ⓓ維
当→Ⓐ永
畏→ⒷⒸⒹ怖
植→ⒶⒷⒸⒼ殖
恵→Ⓐ慧
土→ⒶⒷⒸⒹ中
紿ⒶⒷⒸⒹⒺ殆
怱→ⒷⒸⒹ悪
器→ⒷⒸⒹ宜
天→Ⓖ大
我→Ⓐ吾
間 ⒶⒷⒸⒹになし
攻→Ⓔ改→Ⓖ政
昇→ⒷⒸⒹ升
痛五焼→ⒶⒷⒸⒹⒺⒼ焼五痛
語→Ⓐ告
苦→ⒶⒷⒸⒹ善→Ⓕ善(苦ネンゴロナリ本善但善イ合点と左傍註記)
難→Ⓖ歎
面→Ⓐ向
有→ⒶⒷⒸⒹⒻ所
生→Ⓒ住
上 Ⓐになし
跏→Ⓐ加
頃→Ⓖ項
仏国 ⒶⒷⒸⒹⒺⒼになし
Ⓕ二字點本无但入イ云々合點と左傍註記
之→ⒷⒸⒹ聖
寿→Ⓕ寿[仏]
者 ⒷⒸⒹになし
別 ⒷⒸⒹになし
七宝宮室種種→Ⓐ宮室七宝
宮室→ⒷⒸⒹ牢獄
厳→Ⓐ飾
幡→ⒷⒸ蓋
宮→ⒷⒸⒹ獄
給→ⒷⒸⒹ養→Ⓔ終
飲→ⒷⒸⒹ飯
褥→ⒶⒷⒸⒹⒺⒼ蓐
免→ⒶⒷⒸⒹ勉
故 Ⓐになし
彼→ⒷⒸⒹ彼[七宝]
刑→Ⓑ形
責→Ⓑ憤
仏 ⒷⒸⒹになし
余仏→Ⓐ如来
有 ⒷⒸⒹになし
者也 ⒺⒼになし
Ⓕ二字无但入イ云々と左傍註記
億 ⒷⒸⒹになし
竟→ⒷⒸⒹ尽
語→ⒷⒸⒹ告
仏言 ⒶⒷⒸⒹⒺⒼになし
Ⓕ二字无但入イ合點と左傍註記
特→Ⓔ持
果 Ⓐになし
紛紛→ⒶⒷⒸⒹⒺⒼ芬芬
聞仏所説 ⒷⒸⒹになし
宗祖加点本による延書〔毫摂寺蔵貞和三年乗専書写本〕の奥書。