標挙

*諸仏しょぶつ称名しょうみょうがん **じょう真実しんじつぎょう せんじゃく*本願ほんがんぎょう

 

題目

けんじょう真実しんじつぎょう文類もんるい 

*禿とくしゃく*親鸞しんらんしゅう

正説
  正しく大行を顕す【大行釈】
    通じて行信を標す

【1】 ^つつしんで*往相おうそう*こうあんずるに、 *だいぎょうあり、 *大信だいしんあり。

ルニ↢往相廻向↡、有↢大行↡、有↢大信↡。

一 Ⅰ 別して大行を釈す
      直釈【出体出願】
        出体

^だいぎょうとはすなはち*無礙むげこう如来にょらいみなしょうするなり。

大行者則ナリ↢无光如来↡。

一 Ⅰ ⅱ a 弁徳

^このぎょうはすなはちこれ*もろもろの*善法ぜんぽうせっし、 もろもろの*徳本とくほんせり。 *極速ごくそく円満えんまん*真如しんにょ一実いちじつどく宝海ほうかいなりゆゑにだいぎょうづく。

是摂↢諸善法↡、具セリ↢諸徳本↡。極速円満、真如一実功徳宝海ナリ。故↢大行↡。

一 Ⅰ ⅱ a 正しく出願を明かす

^しかるにこのぎょうだいがん (第十七願) よりでたり。

行者出↢大悲願↡。

一 Ⅰ ⅱ a 願の異名を挙ぐ

^すなはちこれ諸仏しょぶつ*しょうようがんづく、 また諸仏しょぶつ称名しょうみょうがんづく、 また諸仏しょぶつ*しゃがんづく、 また往相おうそうこうがんづくべし、 またせんじゃく称名しょうみょうがんづくべきなり。

是名↢諸仏称揚之願↡、復名↢諸仏称名之願↡、復名↢諸仏咨嗟之願↡、亦可↠名↢往相廻向之願↡、亦可↠名↢選択称名之願↡也。

一 Ⅰ ⅱ 引証【引文】
        正引
          (一)経説
            (Ⅰ)引文
              (ⅰ)本経
                (a)正依
                  (イ)因願
                    [一]¬大経¼二文

1.第十七願文

【2】 ^*諸仏しょぶつ称名しょうみょうがん、 ¬*だいきょう¼ (上) にのたまはく、

諸仏称名願 第十七願 ¬大経¼言

^たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうかいりょう諸仏しょぶつ、 ことごとく*しゃして、 わが*しょうせずは、 しょうがくらじ」 と。

我得タラムニ↠仏、十方世界无量諸仏、不↣悉咨嗟シテ、称↢我↡者、不↠取↢正覚↡。」

2.重誓(名号摂化)

【3】 ^またのたまはく (大経・上)

又言

^われ*仏道ぶつどうらんにいたりて、 *名声みょうしょう十方じっぽうえん。 きょうして*きこゆるところなくは、 ちかふ、 *しょうがくらじと。

「我至↠成ムニ↢仏道名声超↢十方
究竟クハ↠所↠聞ユル↠成↢正覚

^しゅうのために*宝蔵ほうぞうひらきて、 ひろ*どくほうせん。 つねに大衆だいしゅのなかにして、 説法せっぽう*獅子吼ししくせん」 と。

↠衆↢宝蔵↢功徳
↢大衆説法師子吼コト。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅰ)(ⅰ)(a)(ロ)成就
                    [一]¬大経¼三文

1.第十七願成就文

【4】 ^がん (第十七願) じょうじゅもん、 ¬きょう¼ (大経・下) にのたまはく、

願成就文、¬経¼言

^十方じっぽう*恒沙ごうじゃ諸仏しょぶつ如来にょらい、 みなともに*りょう寿じゅぶつ*じんどく*不可ふか思議しぎなるを*讃嘆さんだんしたまふ」 と。

「十方恒砂諸仏如来、皆共讃↢嘆タマフ无量寿仏威神功徳不可思議ナルヲ↡。」

2.諸仏称嘆

【5】 ^またのたまはく (大経・下)

又言

^りょう寿じゅぶつ*じんきわまりなし。 十方じっぽうかいりょうへん不可ふか思議しぎ諸仏しょぶつ如来にょらいかれをしょうたんせざるはなし」 と。

「无量寿仏威神无↠極。十方世界无量无辺不可思議諸仏如来、莫シト↠不ルハ↣称↢嘆↟彼。」

3.聞名往生

【6】 ^またのたまはく (大経・下)

又言

^そのぶつ*本願ほんがんりきみなきて*おうじょうせんとおもへば、 みなことごとくかのくにいたりて、 おのづから*退転たいてんいたる」 と。

「其本願力↠名ヘバ↢往生ムト
皆悉↢彼ルト↢不退転↡」

一 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅰ)(ⅰ)(b)異訳
                  (イ)¬如来会¼二文

1.万徳回施(重誓偈)

【7】 ^¬*りょう寿じゅ如来にょらい¼ (上) にのたまはく、

¬无量寿如来会¼言

^いま如来にょらいたいして*ぜいおこせり。 *まさに*じょうだいいんしょう (しょうげんなり) すべし。 もしもろもろの*じょうがん満足まんぞくせずは、 *じゅうりきとうそんらじと。

「今対↢如来↡発セリ↢弘誓↠証ソウ字 験也 无上菩提
↣満↢足上願↠取↢十力无等尊

^*こころ、 あるいは*常行じょうぎょうへざらんものにせん。 ひろびんすくひてもろもろのまぬかれしめ、 けん*やくして安楽あんらくならしめんと。

心或ラムモノ↠堪↢常行↡施↢貧窮↡免シメ↢諸
利↢益世間↡使メムト↢安楽ナラ↡。

 ^*さいしょうじょうしゅぎょうしをはりて、 かのびんにおいて*伏蔵ぶくぞうとならん。 善法ぜんぽう円満えんまん*等倫とうりんなけん。 大衆だいしゅのなかにして獅子吼ししくせん」 と。 以上抄出

最勝丈夫修行

↢彼貧窮ナラ↢伏蔵
円↢満善法↡无ケム↢等倫↡↢大衆↡師子吼ムト已上抄出

2.諸仏称讃(成就文)

【8】 ^またのたまはく (如来会・下)

又言

^*なん、 この*義利ぎりをもつてのゆゑにりょうしゅ不可ふか思議しぎ無有むう等等とうどうへんかい諸仏しょぶつ如来にょらい、 みなともにりょう寿じゅぶつしょどくしょうさんしたまふ」 と。

「阿難、以↢此義利↡故无量无数不可思議无有等等无辺世界諸仏如来、皆共称↢讃タマフト无量寿仏所有功徳↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)¬大阿弥陀経¼

【9】 ^¬*仏説ぶっせつ*諸仏しょぶつ弥陀みださんさんぶつ薩楼さるぶつだん過度かど人道にんどうきょう¼ (上) ¬だい弥陀みだきょう¼ といふ、 ¬じゅうがんきょう¼ といふ にのたまはく、

¬仏説諸仏阿弥陀三那三仏楼仏檀過度人道経¼ ¬大阿弥陀経¼云¬廿四願経¼ト云

^だいがんずらく、 ªそれがしぶつせしめんとき、 わが*みょうをもつてみな、 八方はっぽうじょう*おうしゅ仏国ぶっこくかしめん。 みな諸仏しょぶつおのおの*比丘びくそう大衆だいしゅのなかにして、 わがどくこくぜんかしめん。 諸天しょてん人民にんみん*けん*蠕動ねんどうたぐいわがみょうきて*しんせざるはなけん*かんやくせんもの、 みなわがくにらいしょうせしめ、 このがんていましぶつせん。 このがんずは、 つひにぶつせじº」 と。

「第四ラク、使メム↢某作仏↡時、令メム↣我ヲモテ皆聞↢八方上下无央数仏国↡。皆令メム↧諸仏各↢比丘僧大衆↡、説↦我功徳・国土之善↥。諸天・人民、動之類、聞↢我名字↡莫ケム↠不ルハ↢慈心↡。歓喜踊躍者、皆令↣来↢生↡、得↢是↡乃作仏。不↠得↢是↡、終↢作仏↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)¬平等覚経¼四文

1.称名信楽願(第十七・十八願意)

【10】^¬*りょう清浄しょうじょうびょうどうがくきょう¼ のかんじょうにのたまはく、

¬无量清浄平等覚¼巻上

^ªわれぶつせんときわがをして八方はっぽうじょうしゅ仏国ぶっこくかしめん。 諸仏しょぶつおのおの弟子でししゅのなかにして、 わがどくこくぜんたんぜん。 諸天しょてん人民にんみん*蠕動ねんどうたぐい、 わがみょうきてみなことごとくやくせんもの、 わがくにらいしょうせしめん。 しからずはわれぶつせじº と。

「我作仏時、令メム↣我ヲシテ↢八方上下无数仏国↡。諸仏各↢弟子衆↡、嘆↢我功徳・国土之善↡。諸天・人民蠕動之類、聞↢我名字↡皆悉踊躍ムモノ、来↢生シメム我国↡。不↠爾者、我不↢作仏↡。

2.聞名果遂願(第二十願意)

^ªわれぶつせんときほう仏国ぶっこく人民にんみんぜん*あくのためにわがみょう、 およびまさしく*どうのためにわがくにらいしょうせんとおもはん。 寿いのちへてみなまた*さん悪道まくどうかえらざらしめて、 すなはちわがくにうまれんこと、 こころ所願しょがんにあらん。 しからずはわれぶつせじº と。

我作仏時、他方仏国人民、前世↠悪↢我名字↡、及↠道↣来↢生ムト↡。寿終皆令メテ↠不↣復更↢三悪道↡、則ムコト↢我↡、在↢心所願↡。不↠爾者我不↢作仏↡。

3.聞経宿縁

^*じゃおうたいおよびひゃくちょうじゃ*りょう清浄しょうじょうぶつじゅうがんきて、 みなおおきにかんやくして、 しんちゅうにともにがんじていはまく、 ªわれらまたぶつせんとき、 みなりょう清浄しょうじょうぶつのごとくならしめんº と。

阿闍世王太子及五百長者子、聞↢无量清浄仏二十四願↡、皆大歓喜踊躍、心中、令メムト↣我等復作仏時、皆如クナラ↢无量清浄仏↡。

^ぶつすなはちこれをろしめして、 もろもろの比丘びくそうげたまはく、 ªこのじゃおうたいおよびひゃくちょうじゃのち*おうしゅこうりて、 みなまさにぶつしてりょう清浄しょうじょうぶつのごとくなるべしº と。

仏則シロシメシ↠之、告タマハク↢諸比丘僧↡、是阿闍世王太子及五百長者子、サリ↢後无央数劫↡、皆当ニ シト↣作仏クナル↢无量清浄仏↡。

^ぶつののたまはく、 ªこのじゃおうたいひゃくちょうじゃ*さつどうをなしてこのかたおうしゅこうに、 みなおのおのひゃくおくぶつようしをはりて、 いままたきたりてわれをようせり。 このじゃおうたいおよびひゃくにんとう、 みなぜん*しょうぶつとき、 わがために弟子でしとなれりき。 いまみなまたしてこれともにあひへるなりº と。

、是阿闍世王太子・五百長者子、作↢菩薩↡以来央数劫、皆各供↢養四百億仏↡已、今復来供↢セリ↡。是阿闍世王太子及五百人等、皆前世迦葉仏時、為↠我レリキ↢弟子↡。今皆復是共也。

^すなはちもろもろの比丘びくそうぶつみこときて、 みなこころやくしてかんせざるものなけんと。

比丘僧、聞↢仏ミコト↡、皆心踊躍ケムト↧不↢歓喜↡者↥。

4.聞名利益

^ªかくのごときのひとぶつみなきて、 こころよ安穏あんのんにしてだいん。 われらがたぐいとくん。 もろもろのこの*くにきところをん。

キノ↠是人聞↢仏安穏ニシテ↢大利
吾等類得↢是↠所↠好

^*りょうかくその*けつさずけん。 «われぜん*本願ほんがんあり。 一切いっさいひとほうくをかば、 みなことごとくわがくにらいしょうせん。 ^わががんずるところみなそくせん。 もろもろのくによりらいしょうせんもの、 みなことごとくこのけん来到らいとうして、 いっしょう*退転たいてんん» と。

无量覚授↢其我前世↢本願↡
一切人聞↠説クヲ↠法皆悉来↢生セム
所↠願皆具足↢衆国↡来生
皆悉来↢到一生↢不退転

^すみやかにえて、 すなはち*安楽あんらくこくかいいたるべし。 *りょうこうみょういたりて、 しゅぶつようせん。

便↠到安楽国之世界
↢无量光明土供↢養於无数

^このどくあるにあらざるひとは、 このきょうくことをず。 ただ清浄しょうじょうかいたもてるもの、 いましかえりてこのしょうぼうく。

↠有↢是功徳↡人不↠得↠聞コトヲ↢是
タモテ↢清浄↡者↢斯正法

^あく*きょうまん*へい*だいのものは、 もつて*このほうしんずることかたし。 *宿しゅくときぶつたてまつれるものこのんでそんきょう*ちょうもんせん。

驕慢懈怠ノモノハ↣以コト↢於此
宿シユウ時見マツレル↠仏コノム聴↢ユルサレテキクシンジテキク世尊

^ひといのちまれべし。 ぶつにましませどもはなはだもうあひがたし。 *しんありていたるべからず。 もし聞見もんけんせば*しょうじんしてもとめよ。

人之命希↠得仏在セドモ↠世↠値
↢信慧↡不↠可↠致聞見精進コノミススムメヨ

^このほうきてわすれず、 すなはち*うやまおおきによろこばば、 すなはちわが*親厚しんこうなり。 これをもつてのゆゑに*どうほっせよ。 ^たとひかいてらんにも、 このなかをぎてほうくことをば、 かならずまさにそんとなりて、 まさに一切いっさいしょうろうせんとすべしº」 と。

↢是不↠忘便ババ
之善ナリ↠是セヨ↢道意
設令ラム↢世界↡火ニモ↢此↡得↠聞コトヲ↠法
ニ シト↧作↢世尊ムト↢一切生老死↡」

一 Ⅰ ⅱ b イ (一)(Ⅰ)(ⅱ)末教
                (a)¬悲華経¼

【11】^¬*悲華ひけきょう¼ の 「*だいぼん」 のかんにのたまはく、 *どんしん三蔵さんぞうやく

¬悲華経¼「大施品」之二巻 曇無讖三蔵

^ねがはくは、 われ*のく多羅たらさんみゃくさんだいりをはらんに、 りょうへん*そうぶつかいしょしゅじょう、 わがかんもの、 もろもろの*善本ぜんぽんしゅしてわがかいしょうぜんとおもはん。 ねがはくは、 それいのちててののちひつじょうしてしょうしめん。 ただ*ぎゃくしょうにん*ほうせんと、 *しょうぼうはいせんとをのぞかん」 と。

「願クハ我成↢阿耨多羅三藐三菩提↡已ムニ、无量无辺阿僧祇余仏世界所有衆生、聞↢我↡者、修↢諸善本↡欲↠生↢我↡。願クハ命之後、必定シテシメム↠生。唯除ムト↧五逆誹↢謗ムト聖人↡、廃↦ムトヲ正法↥。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)述成【称名破満】

【12】^しかれば、 みなしょうするに、 よくしゅじょう一切いっさい*みょうし、 よくしゅじょう*一切いっさいがん*てたまふ。 *称名しょうみょうすなはちこれさいしょうしんみょう*しょうごうなり。 しょうごうはすなはちこれ*念仏ねんぶつなり。 念仏ねんぶつはすなはちこれ*南無なも弥陀みだぶつなり。 南無なも弥陀みだぶつはすなはちこれ*しょうねんなりと、 るべしと。

ルニ↠名↢衆生一切无明↡、能テタマフ↢衆生一切志願↡。称名是最勝真妙正業ナリ。正業是念仏ナリ。念仏是南无阿弥陀仏ナリ。南无阿弥陀仏是正念也、可シト↠知

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)師釈
            (Ⅰ)引文
              (ⅰ)南天引意(¬十住毘婆娑論¼九文)
                (a)「入初地品」

1.入初地相

【13】^¬*十住じゅうじゅう毘婆びばしゃろん¼ (*入初地品) にいはく、

¬十住毘婆沙論¼曰

^「あるひとのいはく、 *般舟はんじゅ三昧ざんまいおよび*だい諸仏しょぶついえづく。 このほうよりもろもろの如来にょらいしょうず。 このなかに般舟はんじゅ三昧ざんまいちちとす、 まただいははとす。 またつぎ般舟はんじゅ三昧ざんまいはこれちちなり、 *しょうぼうにんはこれははなり。

「有、般舟三昧及大悲↢諸仏↡。従↢此二法↡生↢諸如来↡。此般舟三昧↠父、又大悲為↠母。復次般舟三昧是父ナリ、无生法忍是母ナリ

^¬*じょだい¼ のなかにくがごとし。 ª^般舟はんじゅ三昧ざんまいちちだいしょうはは一切いっさいのもろもろの如来にょらい、 このほうよりしょうずº と。

↢¬助菩提¼中↡。

般舟三昧大悲无生
一切如来↢是二法↡生

1.入初地相 ・無有過咎

^いえ過咎かぐなければいえ清浄しょうじょうなり。 ゆゑに清浄しょうじょうとは*ろっ波羅ぱらみつ*どくしょなり。 *方便ほうべん*般若はんにゃ波羅はらみつぜんなり。 般舟はんじゅ三昧ざんまいだい諸忍しょにん、 この諸法しょほう清浄しょうじょうにしてとがあることなし。 ゆゑにいえ清浄しょうじょうづく。 このさつ、 この諸法しょほうをもつていえとするがゆゑに、 過咎かぐあることなし。

ケレ咎↡家清浄ナリ。故清浄者六波羅蜜・四功徳処ナリ。方便・般若波羅蜜善慧ナリ。般舟三昧・大悲・諸忍、是諸法清浄ニシテ↠有コト↠過。故↢家清浄↡。是菩薩、以↢此諸法↡為ルガ↠家、无ケム↠有コト↢過咎↡。

1.入初地相 ・転凡入聖

^けんどうてんじてしゅっじょうどうるものなり。

↢於世間道↡入↢出世上道↡者ナリ

^けんどうをすなはちこれ*ぼんしょぎょうどうづく。 *てんじてそくづく。 ぼんどうきょうして*はんいたることあたはず、 つねに*しょう往来おうらいす。 これをぼんどうづく。 しゅっけんは、 このどうによりて*三界さんがいづることをるがゆゑに、 しゅっけんどうづく。 じょうみょうなるがゆゑにづけてじょうとす。 にゅうはまさしくどうぎょうずるがゆゑにづけてにゅうとす。 このこころをもつて*しょるを*かんづくと。

世間道↢即是凡夫所行↡。転休息↡。凡夫道者不↠能↣究竟コト↢涅槃↡、常往↢来生死↡。是↢凡夫道↡。出世間者、因↢是↡得ルガ↠出コトヲ↢三界↡故↢出世間道↡。上者妙ナルガ為↠上。入者正ルガ↠道為↠入。以↢是↡入↢初地↡名クト↢歓喜地↡。

2.名歓喜地

 ^うていはく、 しょなんがゆゑぞづけてかんとするやと。

、初地何ルヤ↢歓喜↡。

 ^こたへていはく、 ª*しょきょうしてはんいたることをるがごとし。 さつこのれば、 こころつねにかんおおし。 ^*ねん諸仏しょぶつ如来にょらいしゅぞうじょうすることを。 このゆゑにかくのごときのひとを、 賢善げんぜんしゃづくることをº と。

↠得ルガ↣於初果究竟コトヲ↢涅槃
菩薩得レバ↢是心常↢歓喜↡
自然得↠増↢長コトヲ諸仏如来
キノ↠此↣名コトヲ↢賢善者

^ªしょるがごとしº といふは、 ひと*しゅおんどうるがごとし。 よく*さん悪道まくどうもんづ。 ほうほうり、 ほう堅牢けんろうほうじゅうして*きょうどうすべからず、 きょうしてはんいたる。 *見諦けんたい所断しょだんほうだんずるがゆゑに、 こころおおいにかんす。 たとひ睡眠すいめん*らんなれども*じゅういたらず。

シトイフ↠得ルガ↢初果↡者、如↣人ルガ↢須陀洹道↡。善↢三悪道↡。見↠法↠法↠法堅牢↡不↠可↢傾動↡、究竟↢涅槃↡。断ルガ↢見諦所断↡故、心大歓喜。設使睡眠懶堕ナレドモ不↠至↢二十九有↡。

^一毛いちもうをもつてひゃくぶんとなして、 *一分いちぶんもうをもつて大海だいかいみずわかるがごときは、 さんたいすでにめっせんがごとし。 大海だいかいみずのいまだめっせざるもののごとし。 さんたいのごときこころおおきにかんせん。

キハ↧以↢一毛ナシ↢百分↡、以↢一分↡分↦取ルガ大海↥、若↢二三渧苦已ムガ↡。如↢大海↠滅↡。如↢二三渧↡心大歓喜セム

^さつもかくのごとし、 ^しょをはるを如来にょらいいえしょうずとづく。 一切いっさい*てんりゅうしゃ乾闥けんだつ *しょうもん*びゃくとう、 ともによう*ぎょうするところなり。 なにをもつてのゆゑに、 このいえ過咎かぐあることなし。 ゆゑにけんどうてんじてしゅっけんどうる。 ただぶつ*楽敬ぎょうきょうすれば、 どくしょろっ波羅ぱらみつほうん。

菩薩↠是、得↢初地↡已ルヲ↠生↢如来↡。一切天・竜・夜叉・乾闥婆、 声聞・辟支等、所ナリ↢共供養恭敬↡。何家无↠有コト↢過咎↡。故↢世間道↡入↢出世間道↡。但楽↢敬レバ↡、得↢四功徳処↡、得↢六波羅蜜果報↡。

^滋味じみもろもろの*仏種ぶっしゅたざるがゆゑにこころおおきにかんす。 *このさつしょさん水渧すいたいのごとし。 ひゃくせんおくこうのく多羅たらさんみゃくさんだいといへども、 *無始むししょうにおいてはさん水渧すいたいのごとし。 めっすべきところの大海だいかいみずのごとし。 このゆゑにこのづけてかんとす」 と。

滋味不ルガ↠断↢諸仏種↡故心大歓喜。是菩薩所有↢二三水渧↡。雖↣百千億劫↢阿耨多羅三藐三菩提↡、於テハ↢无始生死↡如↢二三水渧↡。所↠可↠滅↢大海↡。是↢歓喜↡。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)「地相品」

1.歓喜所由

 (*地相品) ^うていはく、 しょかんさつ、 こののなかにありてかんづく。 もろもろのどくることをなすがゆゑにかんとす。 ほうかんすべし。 なにをもつてかんするやと。

、初歓喜地菩薩、在↢此↡名↢多歓喜スガ↠得コトヲ↢諸功徳↡故歓喜為↠地。法↢歓喜↡。以↠何而歓喜ルヤ

 ^こたへていはく、 ª*つねに諸仏しょぶつおよび諸仏しょぶつ大法だいほうねんずれば、 ひつじょうして希有けうぎょうなり。 このゆゑにかんおおしº と。

レバ↢於諸仏諸仏
必定希有ナリシト↢歓喜↡

^かくのごときらのかん因縁いんねんのゆゑに、 さつしょのなかにありてこころかんおおし。

↠是歓喜因縁菩薩在↢初地↡心↢歓喜↡。

^ª諸仏しょぶつねんずº といふは、 *燃灯ねんとうとう過去かこ諸仏しょぶつ弥陀みだとう現在げんざい諸仏しょぶつ*ろくとうしょうらい諸仏しょぶつねんずるなり。 つねにかくのごときの諸仏しょぶつそんねんずれば、 げんまえにましますがごとし。 三界さんがい第一だいいちにしてよくすぐれたるひとましまさず。 このゆゑにかんおおし。

ズトイフ↢諸仏↡者、念ルナリ↢然灯等過去諸仏、阿弥陀等現在諸仏、弥勒等将来諸仏↡。常レバ↢如キノ↠是諸仏世尊↡、如↢現スガ↟前。三界第一ニシテサズ↢能タルヒト↡。是↢歓喜↡。

^ª諸仏しょぶつ大法だいほうねんぜばº、 りゃくして諸仏しょぶつ*じゅう不共ふぐほうかんと。 ひとつにはざいぎょうこころしたがふ、 ふたつにはざいへんほとりなし、 つにはざい所聞しょもん無礙むげなり、 つにはざいりょうしゅもんをもつて一切いっさいしゅじょうしんろしめすと。

↢諸仏大法、略ムト↢諸仏四十不共法↡。一ニハ自在飛行随↠意、二自在変化无↠辺、三自在所聞无ナリ、四自在↢无量種門↡知シメスト↢一切衆生↡。

^ª*ねんひつじょうのもろもろのさつº は、 もしさつのく多羅たらさんみゃくさんだい*つれば、 *ほう*しょうにんるなり千万せんまんおくしゅ*軍衆ぐんしゅらんすることあたはず。 だいしん*大人だいにんぽうじょうず。 これをねんひつじょうさつづく。

念必定菩薩者、若菩薩得ツレバ↢阿耨多羅三藐三菩提↡、入↢法位↡得ルナリ↢无生忍↡。千万億数魔之軍衆不↠能コト↡。得↢大悲心↡成↢大人法↡。 ↢念必定菩薩↡。

^ª希有けうぎょうねんずº といふは、 ひつじょうさつ*第一だいいち希有けうぎょうねんずるなりこころかんせしむ。 一切いっさいぼんおよぶことあたはざるところなり。 一切いっさいしょうもんびゃくぶつぎょうずることあたはざるところなり。 仏法ぶっぽう*無礙むげだつおよび*薩婆さはにゃかいす。 また*じゅうのもろもろのしょぎょうほうねんずれば、 づけてしんかんとす。 このゆゑにさつしょることをれば、 づけてかんとすと。

ズトイフ↢希有↡者、念ルナリ↢必定菩薩、第一希有↡。令↢心歓喜↡。一切凡夫ナリ↠不↠能↠及コト。一切声聞・辟支仏ナリ↠不↠能↠行コト。開↢示仏法无解脱及薩婆若智↡。レバ↢十地所行↡、名↢心多歓喜↡。是菩薩得レバ↠入コトヲ↢初地↡、名↢歓喜↡。

2.歓喜差別

 ^うていはく、 ぼんにんのいまだ*じょう道心どうしんほっせざるあり、 あるいは発心ほっしんするものあり、 いまだかんざらん、 このひと諸仏しょぶつおよび諸仏しょぶつ大法だいほうねんぜんと、 ひつじょうさつおよび希有けうぎょうねんじて、 またかんんと。 しょさつかんとこのひとと、 なんの差別しゃべつかあるやと。

、有↢凡夫人↟発↢无上道心↡、或↢発心者↡、未ダ ラム↠得↢歓喜地↡、是人念ムト↢諸仏及諸仏大法↡、念↢必定菩薩及希有↡、亦得ムト↢歓喜↡。得↢初地↡菩薩歓喜↢此人↡、有↢何差別↡。

 ^こたへていはく、 ªさつしょば、 そのこころかんおおし。 諸仏しょぶつりょうとく、 われまたさだめてまさにべしº と。

菩薩↢初地心多↢歓喜↡
諸仏无量我亦定ニ ↠得

^しょひつじょうさつは、 諸仏しょぶつねんずるにりょうどくいます。 われまさにかならずかくのごときのべし。 なにをもつてのゆゑに。 われすでにこのしょひつじょうのなかにれり。 はこのこころあることなけん。 このゆゑにしょさつおおかんしょうず。 はしからず。 なにをもつてのゆゑに。 諸仏しょぶつねんずといへども、 このねんをなすことあたはず、 われかならずまさにぶつすべしと。

↢初地↡必定菩薩、念ルニ↢諸仏イマ↢无量功徳↡。我当↣必得↢如↠是之事↡。何。我已得↢此初地↡、入レリ↢必定↡。余ケム↠有コト↢是心↡。是初地菩薩多↢歓喜↡。余者不↠爾。何。余者雖↠念↢諸仏↡不↠能↠作コト↢是↡、我必ニ シト↢作仏↡。

^たとへば転輪てんりんじょうの、 *転輪てんりんのういえうまれて、 転輪てんりんのうそうじょうじゅして、 過去かこ転輪てんりんのうどくそんねんじて、 このねんをなさん。 われいままたこのそうあり。 またまさにこのごうそんべし。 こころおおきにかんせん。 もし転輪てんりんのうそうなければ、 かくのごときのよろこびなからんがごとし。

↧転輪聖子、生↢転輪王↡、成↢就転輪王↡、念↢過去転輪王功徳尊↡、作↢是我今亦有↢是相↡亦当↠得↢是豪富尊貴心大歓喜ケレ↢転輪王相↡、无ラムガ↦如キノ↠是↥。

^ひつじょうさつ、 もし諸仏しょぶつおよび諸仏しょぶつだいどく威儀いぎそんねんずれば、 われこのそうあり。 かならずまさにぶつすべし、 すなはちおおきにかんせん。 はこのあることなけん。

必定菩薩、若レバ↢諸仏及諸仏大功徳・威儀・尊貴↡、我有↢是相↡。必↢作仏↡、即歓喜セム。余者无ケム↠有コト↢是事↡。

^じょうしんふか仏法ぶっぽうりてしんどうずべからず」 と。

定心者深↢仏法↡心不↠可↠動。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(c)「浄地品」

1.信力増上

【14】^*またいはく (*浄地品)

^「ª信力しんりきぞうじょうº はいかん。 *聞見もんけんするところありてかならずけてうたがいなければぞうじょうづく、 しゅしょうづくと。

「信力増上者。名↧有↠所↢聞見↡、必レバ↠疑増上↥、名クト↢殊勝↡。

 ^うていはく、 しゅぞうじょうあり。 ひとつにはふたつにはしょうなり。 いまのせつなにものぞやと。

、有↢二種増上↡。一者多、二者勝ナリ。今説何者

 ^こたへていはく、 このなかの二事にじともにかん。 さつしょればもろもろのどくあじはひをるがゆゑに、 信力しんりき転増てんぞうす。 この信力しんりきをもつて諸仏しょぶつどくりょうじんみょうなるを*籌量ちゅうりょうしてよく信受しんじゅす。 このゆゑにこのしんまたなり、 またしょうなり。

、此二事倶。菩薩入レバ↢初地↡得ルガ↢諸功徳↡故信力転増。以↢是信力籌↢量諸仏功徳无量深妙ナルヲ↡能信受。是心亦多ナリ亦勝ナリ

2.深行大悲

^ªふかだいぎょうじº とは、 しゅじょう*愍念みんねんすること*骨体こったいてつにゅうするがゆゑにづけてじんとす。 一切いっさいしゅじょうのために仏道ぶつどうもとむるがゆゑにづけてだいとす。

↢大悲↡者、愍↢念コト衆生徹↢入ルガ骨体↡故↠深。為↢一切衆生↡求ルガ↢仏道↡故為↠大。慈心者常↢利事↡安↢穏衆生↡。

^しんはつねに*利事りじもとめてしゅじょう安穏あんのんす。 *三種さんしゅあり」 と。

↢三種↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)「易行品」

1.難易二道

【15】^またいはく (*易行品)

又曰

^仏法ぶっぽうりょうもんあり。 けんどうなんあり、 あり。 *陸道ろくどうぎょうはすなはちくるしく、 *水道すいどうじょうせんはすなはちたのしきがごとし。 さつどうもまたかくのごとし。 あるいは*ごんぎょう*しょうじんのものあり、 あるいは*しん方便ほうべんぎょうをもつて*ゆいおっいたるものあり。

「仏法↢无量門↡。如↢世間↠難有↠易陸道歩行、水道乗船キガ↡。菩薩亦如↠是。或懃行精進ノモノ↡、或↧以↢信方便易行↡疾阿惟越致フタイノクライナリ↡者↥。

2.弥陀易行 ・十仏章

^ªもしひと退転たいてんいたらんとおもはば、 *ぎょうしんをもつて*しゅうして*みょうごうしょうすべしº。

人疾↠至ムト不退転地
↧以↢恭敬執持↦名号

2.弥陀易行 ・十仏章 ・十方仏

^もしさつ、 このにおいてゆいおっいたることをのく多羅たらさんみゃくさんだいらんとおもはば、 まさにこの*十方じっぽう諸仏しょぶつねんずべし。 みょうごうしょうすること ¬*宝月ほうがつどう所問しょもんぎょう¼ の ªゆいおっぼんº のなかにくがごとしと。

菩薩欲↧於↢此↡得↠至コトヲ↢阿惟越致地↡、成ムト↦阿耨多羅三藐三菩提、応↢是十方諸仏↡。称コト↢名号↡如シト↢¬宝月童子所問経¼阿惟越致品クガ↡。

2.弥陀易行 ・十仏章 ・西方無量明

^ª西方さいほうぜんかいぶつりょうみょうごうす。 *身光しんこう智慧ちえあきらかにして、 らすところ辺際へんざいなし。 それみなくことあるものは、 すなはち退転たいてんと。

西方善世界↢无量明
身光智慧ニシテ所↠照↢辺際↡
↠聞コト↠名↢不退転

2.弥陀易行 ・十仏章 ・過去海徳仏

^過去かこしゅこうぶつまします。 *海徳かいとくごうす。 このもろもろの現在げんざいぶつ、 みなかれにしたがつてがんおこせり。

過去无数劫↠仏 号↢海徳
現在皆従↠彼セリ↠願

^寿じゅみょうはかりあることなし。 こうみょうらしてきわまりなし。 こくはなはだ清浄しょうじょうなり。 みなきてさだめてぶつにならんº と。

寿命无↠有コト↠量光明照↠極
国土甚清浄ナリ↠名ムト↠仏

2.弥陀易行 ・百七仏章(与門)

 ^うていはく、 ただこのじゅうぶつみょうごうきてしゅうしてこころけば、 すなはちのく多羅たらさんみゃくさんだい退たいせざることを。 またぶつさつみなましまして、 ゆいおっいたることをとやせんと。

、但聞↢是十仏名号↡執持ケバ↠心、便得↠不コトヲ↠退↢阿耨多羅三藐三菩提↡。マタシテ↢余仏・余菩薩名↡、得↠至コトヲ↢阿惟越致↥。

 ^こたへていはく、 ª弥陀みだとうぶつおよびしょ*だいさつみなしょう一心いっしんねんずれば、 また退転たいてんることかくのごとしº と。

阿弥陀等諸大菩薩
↠名一心レバ亦得コト↢不退転↡ 如↠是

^弥陀みだとう諸仏しょぶつ、 またぎょう礼拝らいはいし、 そのみょうごうしょうすべし。

阿弥陀等諸仏、亦応↣恭敬礼拝↢其名号↡。

2.弥陀易行 ・弥陀章(奪門)

^*いままさにつぶさに*りょう寿じゅぶつくべし。 ^*ざいおうぶつ ないそのぶつまします この諸仏しょぶつそん現在げんざい十方じっぽう清浄しょうじょうかいに、 みなみなしょう弥陀みだぶつ本願ほんがん憶念おくねんすることかくのごとし。 ª^もしひとわれをねんしょうしておのづからすれば、 すなはち*ひつじょうりてのく多羅たらさんみゃくさんだい^このゆゑにつねに憶念おくねんすべしº と。

今当↣具↢无量寿仏↡。世自在王仏 乃至有余仏諸仏世尊、現在十方清浄世界、皆称↠名憶↢念コト阿弥陀仏本願↡如↠是。若人念↠我↠名スレバ、即↢必定↢阿耨多羅三藐三菩提↡、是シト↢憶念↡。

3.偈讃 ・無量光明慧

^*をもつてしょうさんせん。

↠偈称讃

^ª*りょうこうみょう*真金しんこんやまのごとし。 われいましん口意くいをして、 がっしょう*稽首けいしゅらいしたてまつると。

无量光明慧↢真金
我今身口意ヲシテ合掌稽首マツルト

3.偈讃 ・即時入必定

^ひとよくこのぶつりょうりきどくねんずれば、 そくときひつじょうる。 このゆゑにわれつねにねんじたてまつる。

人能レバ↢是无量力功徳
↢必定我常マツル

3.偈讃 ・帰命本願力

^もしひとぶつにならんとがんじて、 こころ弥陀みだねんじたてまつれば、 ときおうじてためにげんじたまはん。 このゆゑにわれ、 ^かのぶつ本願ほんがんりきみょうす。 十方じっぽうのもろもろのさつも、 きたりてようほうく。 このゆゑにわれ稽首けいしゅしたてまつると。

人願↠作ムト↠仏マツレバ↢阿弥陀
↠時タマハム↠身我帰↢
本願力十方菩薩
供養↠法我稽首マツルト

3.偈讃 ・信心清浄華開

^もしひと*善根ぜんごんゑてうたがへば、 すなはちはなひらけず。 *信心しんじん清浄しょうじょうなるものは、 はなひらけてすなはちぶつたてまつる。

人種↢善根華不↠開
信心清浄ナル華開マツル↠仏

^十方じっぽう現在げんざいぶつ種々しゅじゅ因縁いんねんをもつて、 かのぶつどくたんじたまふ。 われいまみょうらいしたてまつると。

十方現在↢種種因縁
タマフ↢彼功徳我今帰命マツルト

3.偈讃 ・乗船度海

^かの*八道はちどうふねじょうじて、 よく*なんかいす。 みづからし、 またかれをせん。 われ*ざいにんらいしたてまつる。

↢彼八道↢難度海
亦度↠彼我礼マツル↢自在人

^諸仏しょぶつりょうこうにそのどく讃揚さんようせんに、 なほつくすことあたはじ。 *清浄しょうじょうにんみょうしたてまつる。

諸仏无量劫讃↢ムニ功徳
猶尚不↠能↠尽コト帰↢命マツル清浄人

^われいままたかくのごとし。 りょうとくしょうさんす。 このふく因縁いんねんをもつて、 ねがはくはぶつ、 つねにわれをねんじたまへº」 と。

我今亦如↠是称↢无量
↢是因縁クハ仏常タマヘト↠我」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)北天引意(¬浄土論¼三文)
                (a)成上起下の偈

【16】^¬*じょうろん¼ にいはく、

¬浄土論¼曰

・如実修行

^われ*しゅ多羅たら真実しんじつどくそうによりて、 *がんそうきてぶっきょう相応そうおうせりと。

「我依↢修多羅真実功徳相
↢願偈総持↢仏教↡相応リト

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)不虚作住持功徳の偈

・速満宝海

^ぶつ本願ほんがんりき*かんずるに、 *もうおうてむなしくぐるものなし。 よくすみやかに*どくだい宝海ほうかい満足まんぞくせしむ」 と。

ズルニ↢仏本願力↢空者↡
ムト↣速満↢足功徳大宝海↡」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)利行満足章の終文

【17】^またいはく (浄土論)

又曰

・自利利他

^さつ*しゅもんりて*自利じりぎょうじょうじゅ*たまへりと、 るべし。 さつ*だいもんでて*こうやくぎょうじょうじゅしたまへりと、 るべし。

「菩薩↢四種↡自利行成就タマヘリト、応↠知。菩薩↢第五門↡回向利益他行成就タマヘリト、応↠知

^さつはかくのごとくもんぎょうしゅして*自利じり利他りたしてすみやかにのく多羅たらさんみゃくさんだいじょうじゅすることをたまへるがゆゑに」 と。

菩薩↠是↢五門↡自利利他タマヘルガ↣成↢就コトヲ阿耨多羅三藐三菩提↡故ニト。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅲ)雁門引意(¬論註¼四文)
                (a)序題興由

【18】^¬*ろんちゅう¼ (上) にいはく、

¬¼曰

・二祖一致 ・龍樹論判

^つつしんで*りゅうじゅさつの ¬十住じゅうじゅう毘婆びばしゃ¼ をあんずるにいはく、 ªさつ*阿毘あびばっもとむるにしゅどうあり。 ひとつには*なんぎょうどうふたつには*ぎょうどうなり。

「謹↢龍樹菩薩¬十住毘婆沙¼↡云、菩薩求ルニ↢阿毘跋致↡有↢二種道↡。一難行道、二者易行道ナリ

・二祖一致 ・龍樹論判 ・難行道(五難)

^なんぎょうどうとは、 いはく、 *じょくぶつときにおいて、 阿毘あびばっもとむるをなんとす。 このなんにいましおおくのみちあり。 ほぼ*さんをいひてもつてこころしめさん。 ^ひとつには*どう*しょうぜんさつほうみだる。 ふたつには*しょうもん*自利じりにしてだい慈悲じひふ。 つには*無顧むこ悪人あくにんしょうとくす。 つには顛倒てんどうぜんよく*ぼんぎょうす。 いつつにはただこれ*りきにして*りきたもつなし^これらのごときのるるにみなこれなり。 たとへばろくぎょうはすなはちくるしきがごとし。

難行道、謂↢五濁之世无仏↡、求ルヲ↢阿毘跋致↠難。此↢多途↡。粗↢五三↡以↢義↡。一者外道シヨウ 修醤反↢菩薩↡。二者声聞自利ニシテ↢大慈悲↡。三者無悪人破↢他勝徳↡。四者顛倒善果能↢梵行↡。五者唯是自力ニシテ↢他力↡。如キノ↢斯↡事、触ルルニ↠目皆是ナリ。譬↢陸路歩行キガ↡。

・二祖一致 ・龍樹論判 ・易行道

^ぎょうどうとは、 いはく、 ただ*信仏しんぶつ因縁いんねんをもつて*じょうしょうぜんとがんず。 仏願ぶつがんりきじょうじてすなはちかの清浄しょうじょうおうじょうしむ。 仏力ぶつりきじゅうしてすなはち*だいじょう*正定しょうじょうじゅる。 正定しょうじょうはすなはちこれ阿毘あびばっなり。 たとへばすいふねじょうじてすなはちたのしきがごとしº と。

易行道者、謂但以↢信仏因縁↡願↠生ムト↢浄土↡。乗↢仏願力↡便シム↣往↢生清浄↡。仏力住持↢大乗正定之聚↡。正定是阿毘跋致ナリ。譬↢水路↠船キガ↡。

・二祖一致 ・本論分斉

^この ¬りょう寿じゅきょう優婆うば提舎だいしゃ¼ は、 けだし*じょうえんごく*退たい風航ふうこうなるものなり。

¬无量寿経優婆提舎¼、蓋上衍 衍字カン反 口且反楽也 之極致、不退之風ナル 航字 ホナリ 者也。

・二祖一致 ・随順仏教

^ªりょう寿じゅº はこれ*安楽あんらくじょう如来にょらい別号べつごうなり。 *しゃ牟尼むにぶつ*王舎おうしゃじょうおよび*しゃこくにましまして、 大衆だいしゅのなかにしてりょう寿じゅぶつしょうごんどくきたまふ。 すなはちぶつみょうごうをもつてきょう*たいとす。

无量寿是安楽浄土如来別号ナリ。釈迦牟尼仏、在シテ↢王舎城及舎衛国↡、↢大衆之中↡説タマフ↢无量寿仏荘厳功徳↡。即↢仏名号↢経↡。

^のちしょうじゃ*婆藪ばそばんさつ (天親)如来にょらいだいきょう*服膺ぶくようして、 きょうへてがんしょうつくれり」 と。

聖者婆藪槃頭菩薩、服↢ 一升反 如来大悲之教↡、傍↠経レリト↢願生↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(b)建章偈註

【19】^またいはく (論註・上)

又云

・易行修相

^また所願しょがんかろからず。 もし如来にょらいじんせずは、 まさになにをもつてかたっせん。 神力じんりきこつす。 このゆゑにあおいでげたまへり。

「又所願不↠軽カラ。若如来不↢威神↡、将乞↢加神力↡。所以コノユヘタマヘリ

・易行修相 ・我一心

^ª一心いっしんº とは天親てんじんさつ*とく (とくかんなり、 そつなり、 しょうなり)ことばなり。 いふこころは*無礙むげこう如来にょらいねんじて安楽あんらくしょうぜんとがんず。 *心々しんしん相続そうぞくしてそう間雑けんぞうすることなし

我一心天親菩薩 督字 勧也 ヒク也 正也 俗作 之詞ナリイフココロ↢无光如来↡願↠生ムト↢安楽↡。心心相続他想間雑ルコト↡。

・仏教相応

^ªみょうじん十方じっぽう無礙むげこう如来にょらいº とは、 ª*みょうº はすなはちこれ*礼拝らいはいもんなり、 ª*じん十方じっぽう無礙むげこう如来にょらいº はすなはちこれ*讃嘆さんだんもんなり。

帰命尽十方无光如来者、帰是礼拝門ナリ尽十方无光如来是讃嘆門ナリ

・仏教相応 ・礼拝門

^なにをもつてからん、 みょうはこれ礼拝らいはいなりとは。

帰命礼拝ナリトハ

りゅうじゅさつ弥陀みだ如来にょらいさんつくれるなかに、 あるいは ª稽首けいしゅらいº といひ、 あるいは ªみょうº といひ、 あるいは ªみょうらいº といへり。 この ¬ろん¼ (浄土論)*じょうごうのなかにまた ªねんもんしゅすº といへり。 *ねんもんのなかに礼拝らいはいはこれひとつなり。 天親てんじんさつすでにおうじょうがんず、 あにらいせざるべけんや。 ゆゑにんぬ、 みょうはすなはちこれ礼拝らいはいなりと。

龍樹菩薩造レル↢阿弥陀如来↡中、或↢稽首礼↡、或↢我帰命↡、或↢帰命礼↡。此¬論¼長行亦言↠修スト↢五念門↡。五念門礼拝ナリ。天親菩薩↢往生↡、豈ケムヤ↠不↠礼。故帰命是礼拝ナリト

^しかるに礼拝らいはいはただこれぎょうにして、 かならずしもみょうならず。 みょうはこれ礼拝らいはいなり。 もしこれをもつてすいするに、 みょうじゅうとす。 *しんぶ、 よろしくみょう (みょう使なり、 きょうなり、 どうなり、 しんなり、 けいなり、 しょうなり) といふべし。 ¬ろん¼ に偈義げぎするに、 ひろ礼拝らいはいだんず。 *彼此ひしあひじょうず、 においていよいよあらわれたり。

礼拝但是恭ニシテ、不↢必シモ帰命ナラ↡。帰命是礼拝ナリ。若↠此ルニ、帰命↠重。偈↢己心↡、宜↠言↢帰命命字 病反 使也 教也 道也 信也 計也 召也。¬論¼解ルニ↢偈義↡、汎↢礼拝↡。彼此相成、於↠義レタリ

・仏教相応 ・讃嘆門

^なにをもつてからん、 ªじん十方じっぽう無礙むげこう如来にょらいº はこれ讃嘆さんだんもんなりとは。

尽十方无光如来賛嘆門ナリトハ

しもじょうごうのなかにいはく、 ª^いかんが讃嘆さんだんする。 いはく、 かの如来にょらいみなしょう (しょう軽重きょうじゅうるなり。 ¬*説文せつもん¼ にいはく、 せんなり、 なり、 とうなり、 ぞくはかりつくる、 きんりょうただすをいふなり) す。 かの如来にょらい*こうみょうそう*のごとく、 かの*みょうのごとく、 じつのごとくしゅぎょう相応そうおうせんとおもふがゆゑにº と。

長行、云何讃嘆。謂称字 処リヨウ反 知↢軽重↡也 ¬説文¼曰ハカリコレ也 等也 ハカリ 云正ハカリシヨウヨウ反 昌リョウ如来↡。如↢彼如来光明智相↡、如↢彼名義↡、欲フガ↢如↠実修行相応ムト↡故ニト

^天親てんじん、 いま ªじん十方じっぽう無礙むげこう如来にょらいº とのたまへり。 すなはちこれかの如来にょらいみなによりて、 かの如来にょらいこうみょうそうのごとく讃嘆さんだんするがゆゑに、 んぬ、 このはこれ讃嘆さんだんもんなりとは。

天親今言ヘリ↢尽十方无光如来↡。即是依↢彼如来↡、如↢彼如来光明智相↡讃嘆ルガ、此是賛嘆門ナリトハ

・仏教相応 ・作願門

^ªがんしょう安楽あんらくこくº とは、 このいっはこれ*がんもんなり、 天親てんじんさつみょうこころなり。

願生安楽国者、此一句是作願門ナリ、天親菩薩帰命之意也。

・仏教相応 ・願生問答

 ^うていはく、 だいじょうきょうろんのなかに、 処々しょしょに ªしゅじょう*ひっきょうしょうにして*くうのごとしº ときたまへり。 いかんぞ天親てんじんさつ ªがんしょうº とのたまふやと。

、大乗経論、処処タマヘリ↣衆生畢竟无生ニシテシト↢虚空↡。云何天親菩薩言↢願生

 ^こたへていはく、 ªしゅじょう*しょうにしてくうのごとしº とくにしゅあり。

、説クニ↣衆生无生ニシテシト↢虚空↡有↢二種↡。

^ひとつには、 ぼんじつしゅじょうおもふところのごとく、 ぼん所見しょけんじつしょうのごとし。 この所見しょけんひっきょうじて*所有あらゆることなけん、 *もうのごとし、 くうのごとしと。

者如↢凡夫オモ↢実衆生↡、如↢凡夫所見生死↡。此所見事、畢竟ケムユルコト、如↢亀毛↡、如シト↢虚空↡。

^ふたつには、 いはく、 *諸法しょほう因縁いんねんしょうのゆゑに、 すなはちこれしょうにして、 所有あらゆることなきことくうのごとしと。 ^天親てんじんさつがんしょうするところはこれ*因縁いんねんなり。 因縁いんねんなるがゆゑにかりしょうづく。 ぼんじつしゅじょうじつしょうありとおもふがごときにはあらざるなりと。

者謂諸法因縁生、即是不生ニシテ、无コト↠所有如シト↢虚空↡。天親菩薩所↢願生是因縁ナリ。因縁ナルガ↠生。非↠如キニハ↢凡夫フガ↟有リト↢実衆生実生死↡也

・仏教相応 ・往生問答

 ^うていはく、 なんのによりておうじょうくぞやと。

、依↢何↡説クゾヤ↢往生↡。

 ^こたへていはく、 このけん*みょうにんのなかにおいてねんもんしゅせしむ。 *前念ぜんねんねんいんとなる。 *穢土えどみょうにんじょうみょうにんけつじょうしていちず、 けつじょうしてず。 前心ぜんしんしんまたかくのごとし。 なにをもつてのゆゑに。 もしいちならばすなはちいんなけん、 もしならばすなはち相続そうぞくにあらず。 この*いちかんずるもんなり、 ろんのなかに*きょくなり。

、於↢此仮名↡修シム↢五念門↡。前念↢後念↡↠因。穢土仮名人、浄土仮名人、不↠得↢決定↡、不↠得↢決定↡。前心・後心亦如↠是。何。若ナラバケム↢因果↡、若ナラバ↢相続↡。是義観ズル↢一異↡門ナリ、論ナリ

^第一だいいちぎょう*三念さんねんもんしゃくしをはんぬと。

↢第一ゴウ三念門↡竟ヌト

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)成上起下偈註

・依

 ^ª^*しゅ多羅たら 真実しんじつどくそう せつがんそう ぶっきょう相応そうおうº とのたまへりと。

我依修多羅真実功徳相説願偈総持与仏教相応トノタマヘリト

^いづれのところにかる、 なんのゆゑにかる、 いかんがると。 いづれのところにかるとならば、 *しゅ多羅たらるなり。 なんのゆゑにかるとならば、 如来にょらいすなはち*真実しんじつどくそうなるをもつてのゆゑに。 いかんがるとならば、 ねんもんしゅして相応そうおうせるがゆゑにと。

レノニカ、何ニカ、云何ルト。何、依ナリ↢修多羅↡。何、以↢如来即真実功徳ナルヲ↡故云何、修↢五念門↡相応ルガニト

・修多羅

^ªしゅ多羅たらº は*じゅう二部にぶきょうのなかの*直説じきせつのものをしゅ多羅たらづく。 いはく、 *ごん*三蔵さんぞうとうのほかのだいじょうしょきょうをまたしゅ多羅たらづく。 このなかに ªしゅ多羅たらº といふは、 これ三蔵さんぞうのほかのだいじょうしゅ多羅たらなり、 ごんとうきょうにはあらざるなり。

修多羅者十二部経直説↢修多羅↡。謂四阿含・三蔵等大乗諸経亦名↢修多羅↡。此↢依修多羅↡者、是三蔵大乗修多羅ナリ、非↢阿含等ニハ↡也。

・真実功徳

^ª真実しんじつどくそうº とは、 しゅどくあり。 ひとつには*有漏うろしんよりしょうじて*ほっしょうじゅんぜず。 いはゆるぼん人天にんでん諸善しょぜん人天にんでんほう、 もしはいん、 もしは、 みなこれ*顛倒てんどうす、 みなこれ虚偽こぎなり。 このゆゑにじつどくづく。

真実功徳相者有↢二種功徳↡。一者従↢有漏心↡生不↠順↢法性↡。所↠謂凡夫、人天諸善、人天果報、若因若果、皆是顛倒、皆是虚ナリ。是↢不実功徳↡。

^ふたつにはさつ智慧ちえ清浄しょうじょうごうよりおこりて*ぶつしょうごんす。 ほっしょうによりて清浄しょうじょうそうれり。 このほう顛倒てんどうせず、 虚偽こぎならず、 真実しんじつどくづく。 いかんが顛倒てんどうせざる。 ほっしょうにより*たいじゅんずるがゆゑに。 いかんが虚偽こぎならざる。 しゅじょうせっして*ひっきょうじょうるるがゆゑなり。

者従↢菩薩智慧清浄業↡起荘↢厳仏事↡。依↢法性↡入レリ↢清浄↡。是法不↢顛倒↡、不↢虚偽ナラ↡、名↢真実功徳↡。云何↢顛倒↡。依↢法性↡順ルガ↢二諦↡故。云何↢虚偽ナラ↡。摂↢衆生↡入ルガ↢畢竟浄↡故ナリ

・総持

^ªせつがんそうぶっきょう相応そうおうº とは、 ªº はさんしつづく、 ªそうº はしょうをもつてせっするにづく。 ªがんº はよくぎょうおうじょうづく。 ªぶっきょう相応そうおうº とは、 たとへば*函蓋かんがいそうしょうするがごとしと。

説願偈総持与仏教相応者、持↢不散不↡、総↢以↠少ルニ↟多↢欲楽往生↡。 与仏教相応者、譬シト↢函蓋相称ルガ↡也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(d)起観生信章

・他力回向

 (論註・下) ^ªいかんが*こうする。 一切いっさいのうしゅじょうてずして、 こころにつねに*がんすらく、 こう*しゅとしてだいしんじょうじゅすることを*たまへるがゆゑにº とのたまへり。

云何廻向スル。不シテ↠捨↢一切苦悩衆生↡、心作願ラク、廻向↠首タマヘルガ↣成↢就コトヲ大悲心↡故ニトノタマヘリ

^こうしゅそうあり。 ひとつには*往相おうそうふたつには*還相げんそうなり。 往相おうそうとは、 おのれがどくをもつて一切いっさいしゅじょう*回施えせして、 *がんしてともに弥陀みだ如来にょらい安楽あんらくじょうおうじょうせしめたまへるなり」 と。

廻向↢二種相↡。一者往相、二者還相ナリ。往相者、以↢己功徳↡廻↢施一切衆生↡、作願往↢生シメタマヘルナリト阿弥陀如来安楽浄土↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅳ)西河引意(¬安楽集¼四文)
                (a)正しく念仏三昧の徳を明かす
                  (イ)第一大門中宗旨不同

・念仏功能

【20】^¬*安楽あんらくしゅう¼ (上) にいはく、

¬安楽集¼云

^「¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ にいはく、 ª^*ちちおうすすめて*念仏ねんぶつ三昧ざんまいぎょうぜしめたまふ。

「¬観仏三昧経¼云、令タマフ↧勧↢父↡行↦念仏三昧↥。

^ちちおうぶつにまうさく、 «*ぶつとく*真如しんにょ*実相じっそう*第一だいいちくう、 なにによりてか弟子でしをしてこれをぎょうぜしめざる» と。

王白↠仏、仏地果徳、真如実相第一義空、何テカルト↢弟子ヲシテ↟之

^ぶつちちおうげたまはく、 «諸仏しょぶつとくりょうじんみょうきょうがい*神通じんずう*だつまします。 これぼんしょぎょうきょうがいにあらざるがゆゑに、 ちちおうすすめて念仏ねんぶつ三昧ざんまいぎょうぜしめたてまつる» と。

仏告タマハク↢父、諸仏果徳、有↢无量深妙境界、神通解脱↡。非ルガ↢是凡夫所行境界↡故↢父↡行シメタテマツルト↢念仏三昧↡。

^ちちおうぶつにまうさく、 «念仏ねんぶつこう、 そのかたちいかんぞ» と。

王白↠仏、念仏之功、其カタチ云何ゾト

^ぶつちちおうげたまはく、 «*らんりんほうじゅう*じゅんならんに、 いっ*牛頭ごず栴檀せんだんあり。 こんありといへどもなほいまだつちでざるに、 そのらんりんただくさくしてこうばしきことなし。 もしその華菓けか*だんすることあらば、 きょうほっしてせん。 のちとき栴檀せんだんこんやうやく生長しょうちょうして、 わづかににならんとす。 こう昌盛しょうじょうにして、 つひによくこのはやし改変かいへんしてあまねくみなこうならしむ。 しゅじょうるものみな希有けうしんしょうぜんがごとし» と。

仏告タマハク↡、如↧伊蘭林方四十由旬ナラムニ、有↢一科牛頭栴檀↡↠有リト根芽↡猶未ダ ルニ↠出↠土、其伊蘭林唯クシテ↠香キコトコト↢其華菓↡、発↠シテ栴檀根芽漸漸生長、纔↠成ムト↠樹香気昌ニシテ、遂改↢変↡普皆香ナラシム衆生見者皆生ムガ↦希有↥。

^ぶつちちおうげたまはく、 «一切いっさいしゅじょうしょうのなかにありて念仏ねんぶつしんもまたかくのごとし。 ただよくねんけてまざれば、 さだめて仏前ぶつぜんしょうぜん。 ひとたびおうじょうれば、 すなはちよく一切いっさい諸悪しょあく改変かいへんしてだい慈悲じひじょうぜんこと、 かの香樹こうじゅらんりんあらたむるがごとし»º と。

仏告タマハク↢父↡、一切衆生、在↢生死↡念仏之心亦復如↠是。但能↠念レバ↠止、定↢仏前↡。一タビレバ↢往生↡、即改↢変一切諸悪↡成ムコト↢大慈悲↡、如↣彼香樹ルガ↢伊蘭林↡。

^いふところの ªらんりんº とは、 しゅじょううち*三毒さんどく*さんしょうへんじゅうざいたとふ。 ª栴檀せんだんº といふは、 しゅじょう念仏ねんぶつしんたとふ。 ªわづかにとならんとすº といふは、 いはく、 一切いっさいしゅじょうただよくねんみてえざれば*業道ごうどうじょうべんするなり。

↠言伊蘭林者、喩↢衆生毒・三障无辺重罪↡。言↢栴檀↡者、喩↢衆生念仏之心↡。纔トイフ↠成ムト↠樹、謂一切衆生但能↠念レバ↠断業道成也。

 ^うていはく、 いちしゅじょう念仏ねんぶつこうはかりてまた一切いっさいるべしなにによりてか一念いちねんりきよく一切いっさいしょしょうだんずることひとつの香樹こうじゅの、 じゅうじゅんらんりんあらためて、 ことごとくこうならしむるがごとくならんやと。

一衆生念仏之功↡亦応↢一切↡。何テカ一念之功力能コト↢一切諸障↡、如クナラム↧一香樹↢四十由旬伊蘭林↡、悉使ルガ↦香美ナラ

 ^こたへていはく、 *しょだいじょうによりて念仏ねんぶつ三昧ざんまい*のう不可ふか思議しぎなるをあらわさんとなり。

、依↢諸大乗↡顕ムト↢念仏三昧功能不可思議ナルヲ↡也。

^いかんとならば ¬*ごんぎょう¼ にいふがごとし。 ª^たとへばひとありて、 獅子ししすじもちゐて、 もつてこととせんに、 おんじょうひとたびそうするに一切いっさいことごとくみなだんするがごとし。 もしひと*だいしんのなかに念仏ねんぶつ三昧ざんまいぎょうずれば、 一切いっさい*煩悩ぼんのう一切いっさいしょしょう、 ことごとくみな断滅だんめつすと。

何者イカントナラバ↢¬華厳経¼云フガ↡。譬↧有↠人、↢師子↡以ムニ↢琴↡、音声一タビルニ一切絃悉皆断壊ルガ↥。若人菩提心ズレ↢念仏三昧、一切煩悩、一切諸障、悉皆断滅スト

^またひとありて、 よう驢馬ろめ一切いっさいのもろもろのちち*しぼりていっのなかにかんに、 もし獅子ししちち*一渧いったいをもつてこれをぐるに、 ただちにぎてはばかりなし、 一切いっさいしょにゅうことごとくみな破壊はえしてへんじてしょうすいとなるがごとし。 もしひとただよくだいしんのなかに念仏ねんぶつ三昧ざんまいぎょうずれば、 一切いっさいあくしょしょうただちにぐるにはばかりなしº と。

亦如↧有↠人シボ↢取牛・羊・驢馬一切↡置ムニ↢一器↡、若↢師子乳一渧ルニ↠之、直ハバカリ、一切諸乳悉皆破壊ルガ↦清水↥。若人但能菩提心ズレ↢念仏三昧、一切悪魔諸障直ルニ↠難。

^またかの ¬きょう¼ (華厳経) にいはく、 ª^たとへばひとありて、 *翳身えいしんやくをもつて処々しょしょぎょうするに一切いっさいぎょうこのひとざるがごとし。 もしよくだいしんのなかに念仏ねんぶつ三昧ざんまいぎょうずれば、 一切いっさい悪神あくじん一切いっさいしょしょう、 このひとず、 もろもろの処々しょしょしたがひてよく*しゃしょうすることなきなり

又彼¬経¼云、譬↧有↠人持翳身薬↡処処遊行ルニ、一切余行不ルガ↞見↢是↡。若菩提心ズレ↢念仏三昧、一切悪神、一切諸障、不↠見↢是↡、随↢諸処処↡无↢能遮障コト↡也。

^なんがゆゑぞとならば、 よくこの念仏ねんぶつ三昧ざんまいねんずるは、 すなはちこれ一切いっさい*三昧さんまいのなかのおうなるがゆゑなりº」 と。

ゾトナラバルハ↢此念仏三昧↡、即是一切三昧ナルガ故也。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅳ)(a)(ロ)第四大門中第三問答解釈

【21】^またいはく (安楽集・下)

又云

・諸障皆除

^¬*摩訶まかえん¼ のなかにきていふがごとし。 ª^しょ三昧さんまい三昧さんまいならざるにはあらず。

「如↢¬摩訶衍¼中フガ↡。諸余三昧↠不ルニハ↢三昧ナラ↡。

^なにをもつてのゆゑに、 あるいは三昧さんまいあり、 ただよく*とんのぞいて*しん*のぞくことあたはず。 あるいは三昧さんまいあり、 ただよくしんのぞいてとんのぞくことあたはず。 あるいは三昧さんまいあり、 ただよくのぞいてしんのぞくことあたはず。 あるいは三昧さんまいあり、 ただよく現在げんざいさわりのぞいて過去かこらい一切いっさいしょしょうのぞくことあたはず。

。或↢三昧↡、但能↠貪不↠能↠除コト↢瞋痴↡。或↢三昧↡、但能↠瞋不↠能↠除コト↢痴貪↡。或↢三昧↡、但能↠痴不↠能↠除コト↠瞋。或↢三昧↡、但能↢現在↡不↠能↠除コト↢過去・未来一切諸障↡。

^もしよくつねに念仏ねんぶつ三昧ざんまいしゅすれば、 現在げんざい過去かこらい一切いっさいしょしょうふことなくみなのぞくなりº」 と。

レバ↢念仏三昧↡、无↠問コト↢現在・過去・未来一切諸障↡皆除。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅳ)(a)(ハ)第五大門中修道延促

【22】^またいはく (安楽集・下)

又云

・具足功徳

^¬だいきょうさん¼ (*讃弥陀偈) にいはく、

「¬大経¼賛

^ªもし弥陀みだ*徳号とくごうきてかん讃仰さんごうしん帰依きえすれば、 しも一念いちねんいたるまでだい。 すなはちどくほうそくすとす。

↢阿弥陀徳号歓喜賛仰 心帰依レバ
下至マデ↢一念↡得↢大利↣具↢足スト功徳

^たとひ*大千だいせんかいてらんをも、 またただちにぎてぶつみなくべし。 弥陀みだかばまた*退たいせず。 このゆゑにしんいたして稽首けいしゅらいしたてまつるº」 と。

ラム↢大千世界↡火ヲモ亦応↣直↢仏
↢阿弥陀↡不↢復退↠心稽首マツルト

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅳ)(b)易行を結勧す(第三大門中第四引教勧信)

【23】^またいはく (安楽集・上)

・証誠勧信

^また ¬*目連もくれん所問しょもんぎょう¼ のごとし。 ª^ぶつ*目連もくれんげたまはく、 «たとへば万川ばんせん長流ちょうりゅう草木そうもくありて、 まえうしろをかえりみず、 うしろはまえかえりみず、 すべて大海だいかいするがごとし。 けんもまたしかなり。 ごうらくざいなることありといへども、 ことごとくしょうろうびょうまぬかるることをず。 ただぶっきょうしんぜざるによりて、 *後世ごせひととなつて、 さらにはなはだ*こんぎゃくして*せんぶつこくしょうずることをることあたはず。

「又如↢¬目連所問経¼↡。仏告タマハク↢目連↡、譬↧万川長流↢草木↡、前不↠顧↠後、後不↠顧↠前、都ルガ↦大海↥。世間亦爾ナリ。雖↠有リト↢豪貴富楽自在ナルコト↡、悉不↠得↠勉コトヲ↢生老病死↡。只由↠不ルニ↠信↢仏経↡、後世↠人、更不↠能↠得コト↠生コトヲ↢千仏国土↡。

^このゆゑにわれかく、 "りょう寿じゅ仏国ぶっこくやすやすくして、 ひとしゅぎょうしておうじょうすることあたはず、 かへつて*じゅうしゅ邪道じゃどうつかふ" と。 われこのひときて*まなこなきひとづく、 みみなきひとづく»º と。

我説カク、无量寿仏国↠往↠取シテ人不↠能↢修行往生コト↡、反↢九十五種邪道↡。我説↢是↡名↢无↠眼人↡、名クト↢无↠耳人↡。

^経教きょうきょうすでにしかなり。 なんぞなんてて*ぎょうどうによらざらん」 と。

経教既ナリ。何ラムト↣捨↠難↢易行道↡矣。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)終南引意
                (a)まさしく宗師を挙ぐ
                  (イ)引文
                    [一]¬礼讃¼五文

1.前序(一行三昧) ・称名易行 ・不簡機類

【24】^*こうみょうしょう (*善導) のいはく (*礼讃)

光明寺和尚

^また ¬*文殊もんじゅ般若はんにゃ¼ にいふがごとし。 ª^*いちぎょう三昧ざんまいかさんとおもふ。 ただすすめて、 ひと*空閑くうげんしょしてもろもろのらんてて、 こころ一仏いちぶつけて*そうみょうかんぜず、 もつぱら*みょうしょうすれば、 すなはちねんのなかにおいて、 かの弥陀みだぶつおよび一切いっさいぶつとうことをº といへり。

又如↢¬文殊般若¼云フガ↡。欲↠明ムト↢一行三昧↡。唯勧、独↢空↡捨↢諸乱意↡、係↢心一仏↡不↠観↢相↡、専レバ↢名字↡、即↢念↡得トイヘリ↠見コトヲ↢彼阿弥陀仏及一切仏等↡。

 ^うていはく、 なんがゆゑぞかんをなさしめずして、 ただちにもつぱらみょうしょうせしむるは、 なんのこころかあるやと。

、何シテ↠令↠作↠観、直ムル↣専↢名字、有↢何

 ^こたへていはく、 いまししゅじょうさわりおもくして、 *きょうさいなり、 しんなりしきあがり、 じんびて、 かんじょうじゅしがたきによりてなり。 ここをもつてだいしょう (釈尊) れんして、 ただちにすすめてもつぱらみょうしょうせしむ。 まさしく称名しょうみょうやすきに (ぎょうなり、 きょうなり、 じゅうなり、 ゆうなり) るがゆゑに、 相続そうぞくしてすなはちしょうずと。

、乃↣衆生障クシテ、境ナリナリタマシイ神飛、観難キニ↢成就↡也。是大聖悲、直シム↢名字↡。正ルガ 由字 以周反 行也 経也 従ヨル也 用也 称名易キニ↡故、相続

1.前序(一行三昧) ・称名易行 ・不問多少

 ^うていはく、 すでにもつぱらいちぶつしょうせしむるに、 なんがゆゑぞ*きょうげんずることすなはちおおき。 これあに*じゃしょうあひまじはり、 *いっ雑現ぞうげんするにあらずやと。

、既ムルニ↣専↢一仏↡、何境現コト。此↢邪正相、一多雑現ルニ

 ^こたへていはく、 ぶつぶつひとしくしょうしてかたちべつなし。 たとひいちねんじてること、 なんのだいどうにかそむかんや。

、仏形无↢二別↡。縦使↠一コト↠多、乖↢何大道理

^また ¬*かんぎょう¼ にいふがごとし。 ^すすめてかん礼念らいねんとうぎょうぜしむ。 みなすべからくおもて西方さいほうかふはさいしょうなるべし。 さきよりかたぶけるがたおるるに、 かならずまがれるにしたがふがごとし。 ゆゑにかならずことさわりありて西方さいほうかふにおよばずは、 ただ西にしかふおもいをなす、 またたりと。

又如¬観経¼云フガ↡。行シム↢勧座観礼念等↡。皆須↧面↢西方最勝ナル↥。如↢樹ヨリカタブケルガタフルヽニフガ↟曲ルニ。故↢事↡不↠及↠向フニ↢西方、但作↢向↠西↡、亦得タリ

1.前序(一行三昧) ・称名易行 ・別願因縁

 ^うていはく、 一切いっさい諸仏しょぶつ*三身さんしんおなじくしょうし、 *悲智ひちえんにしてまた*無二むになるべし。 ほうしたがひていちぶつ礼念らいねんしょうせんに、 またしょうずることをべし。 なんがゆゑぞひとへに*西方さいほうたんじてもつぱら礼念らいねんとうすすむる、 なんのかあるやと。

、一切諸仏、三身同、悲智果円ニシテ↢无二ナル↡。随↠方礼↢念課↣称ムニ一仏↡、亦応↠得↠生コト。何↢西方↡勧↢専礼念等↡、有↢何

 ^こたへていはく、 諸仏しょぶつしょしょうびょうどうにしてこれいちなれども、 もしがんぎょうをもつてきたおさむるに因縁いんねんなきにあらず。

^しかるに弥陀みだそんもとじんじゅう誓願せいがんおこして、 こうみょうみょうごうをもつて十方じっぽう*せっしたまふただ信心しんじんをしてねんせしむれば、 かみ*いちぎょうつくし、 しもじっしょういっしょうとういたるまで、 仏願ぶつがんりきをもつておうじょうやす。 このゆゑに*しゃおよび諸仏しょぶつすすめて西方さいほうかふるを*べつとすならくのみ。 またこれぶつしょうねんしてさわりのぞき、 つみめっすることあたはざるにはあらざるなりと、 るべし。

、諸仏所証平等ニシテ是一ナレドモ、若↢願行↡来↠无キニ↢因縁↡。然弥陀世尊、本発↢深重誓願↡、以↢光明・名号↡摂↢化タマフ十方↡。但使レバ↢信心ヲシテ求念↡、上尽↢一形↡、下至マデ↢十声一声等↡、以↢仏願力↡易↠得↢往生↡。是釈迦及以諸仏、勧ルヲ↢西方↢別異。亦非↧是称↢念余仏↡不ルニハ↞能↢除↠障コト↟罪、応↠知

1.前序(一行三昧) ・専修勝徳

^もしよくかみのごとく念々ねんねん相続そうぞくして、 *ひつみょうとするものは、 *じっそくじっしょうひゃくそくひゃくしょうなり。 なにをもつてのゆゑに、 *ぞうえんなし、 *しょうねんたるがゆゑに、 ぶつ*本願ほんがん相応そうおうすることをるがゆゑに、 きょうせざるがゆゑに、 *ぶつずいじゅんするがゆゑなり」 と。

↠上念念相続畢命↠期、十即十生、百即百生ナリ。何。無↢外雑縁↡得タルガ↢正念↡故↢仏本願↡得ルガ↢相応コト↡故、不ルガ↠違↠教、随↢順ルガ仏語↡故ナリト。」

2.日没讃(摂取不捨)

【25】^またいはく (礼讃)

^ただ念仏ねんぶつしゅじょうそなはして、 *摂取せっしゅしててざるがゆゑに、 弥陀みだづく」 と。

「唯ミソナハシ↢念衆生↡、摂取ルガ↠捨クト↢阿弥陀↡。」

3.初夜讃(名号摂化)

【26】^またいはく (礼讃)

又云

^弥陀みだ*がんかいは、 深広じんこうにして涯底がいたいなし。 みなきておうじょうせんとおもへば、 みなことごとくかのくにいたる。

「弥陀智願海深広ニシテテイ
↠名ヘバ↢往生ムト皆悉↢彼

^たとひ*大千だいせんてらんにも、 ただちにぎてぶつみなけ。 みなきてかんさんずれば、 みなまさにかしこにしょうずることをべし。

ラム↢大千↡火ニモ↢仏
↠名歓喜レバ皆当↠得↠生コトヲ

^*万年まんねん*三宝さんぼうめっせんに、 *このきょうじゅうすることひゃくねんせん。 そのとききて一念いちねんせん。 みなまさにかしこにしょうずることをべし」 と。

万年三宝滅ムニ経住コト百年セム
時聞一念セム皆当シト↠得↠生コトヲ↠彼

4.後序(求願往生)

【27】^またいはく (礼讃)

又云

^げんにこれしょうぼんざいしょうじんじゅうにして*六道ろくどう*りんせり。 くるしみいふべからず。 いま*ぜんしきひて弥陀みだ本願ほんがんみょうごうくことをたり。 一心いっしんしょうねんしておうじょうがんせよ。 ねがはくはぶつ慈悲じひほんぜいがんてたまはざれば、 弟子でし*しょうじゅしたまへり」 と。

「現是生死凡夫、罪障深重ニシテ輪↢回セリ六道↡。苦不↠可↠言。今遇↢善知識↡得タリ↠聞コト↢弥陀本願名号↡。一心称念求↢願セヨ往生↡。願クハ慈悲、不レバ↠捨タマハ↢本弘誓願↡、摂↢受タマフベシ弟子↡。」

5.後序(四種増上縁)

【28】^またいはく (礼讃)

又云

^うていはく、 弥陀みだぶつしょうねん礼観らいかんして、 げんにいかなるどくやくかあるやと。

「問、称↢念礼↣観阿弥陀仏↡、現世↢何ナル功徳利益↡。

5.後序(四種増上縁) ・滅罪縁

 ^こたへていはく、 もし弥陀みだぶつしょうすること*いっしょうするに、 すなはちよく*はちじゅうおくこうしょうじゅうざい除滅じょめつす。 礼念らいねん以下いげもまたかくのごとし。

、若コト↢阿弥陀仏↡一声スルニ、即除↢滅八十億劫生死重罪↡。礼念已下亦如↠是

5.後序(四種増上縁) ・護念縁 一

^¬*じゅうおうじょうきょう¼ にいはく、 ª^もししゅじょうありて、 弥陀みだぶつねんじておうじょうがんずれば、 かのぶつすなはち*じゅうさつつかはして、 ぎょうじゃようして、 もしはぎょうもしは、 もしはじゅうしは、 もしはちゅうもしは一切いっさい一切いっさいしょに、 あく悪神あくじんをしてその便たよりをしめざるなりº と。

¬十往生経¼云、若↢衆生↡、念↢阿弥陀仏↡願ズレ↢往生、彼仏即↢二十五菩薩オウ↢護行者↡、若行若座、若住若臥、若昼若夜、一切時・一切処、不↠令↣悪鬼・悪神ヲシテ得↢其便↡也

5.後序(四種増上縁) ・護念縁 二

^また ¬かんぎょう¼ にいふがごとし。 ª^もし弥陀みだぶつしょう礼念らいねんしてかのくにおうじょうせんとねがへば、 かのぶつすなはちしゅぶつしゅ観音かんのんせいさつつかはして、 ぎょうじゃ*ねんしたまふ。 またさきじゅうさつとう百重ひゃくじゅうせんじゅうぎょうじゃ*にょうして、 *行住ぎょうじゅう坐臥ざが一切いっさいしょ、 もしはちゅうもしははず、 つねにぎょうじゃはなれたまはずº と。

又如↢¬観経¼云フガ↡。若↢礼↣念阿弥陀仏↡願↣往↢生ムト、彼仏即↢无数化仏、无数化観音・勢至菩薩↡、護↢念タマフ行者↡。復↢前二十五菩薩等↡百重千重囲↢繞行者↡、不↠問↢行住坐臥、一切時処、若昼若↡、常↠離タマハ↢行者↡。

^いますでにこの*しょうやくまします。 たのむべし。 ねがはくはもろもろのぎょうじゃ、 おのおの*しんもちゐてくことをもとめよ。

今既↢斯勝益↡。可↠憑。願クハ行者、モチヰ↢至心↡求メヨ↠往コト

5.後序(四種増上縁) ・摂生縁

^また ¬*りょう寿じゅきょう¼ にいふがごとし。 ª^もしわれじょうぶつせんに、 十方じっぽうしゅじょうわがみょうごうしょうせん。 しもじっしょういたるまで、 もしうまれずは、 しょうがくらじº と。

又如↢¬无量寿経¼云フガ↡。若我成仏ムニ、十方衆生、称↢我名号↡。下至マデ↢十声↡、若不↠生、不↠取↢正覚↡。

^かのぶついまげんにましましてじょうぶつしたまへり。 まさにるべし、 本誓ほんぜい*じゅうがんむなしからずしゅじょうしょうねんすればかならずおうじょうと。

仏今現シテ成仏タマヘリ。当↠知、本誓重願不↠虚カラ、衆生称念レバ↢往生↡。

5.後序(四種増上縁) ・証生縁

^また ¬*弥陀みだきょう¼ にいふがごとし。 ª^«もししゅじょうありて、 弥陀みだぶつくをきて、 すなはち*みょうごうしゅうすべし。 もしは一日いちにち、 もしはにちない七日しちにち一心いっしんぶつしょうしてみだれざれ。 いのちおわらんとするとき弥陀みだぶつ、 もろもろのしょうじゅげんじてそのまえにましまさん。 このひとおわらんときしん顛倒てんどうせず、 すなはちかのくにおうじょうすることをん» と。 ^ぶつ*しゃほつげたまはく、 «われこのるがゆゑにこのごんく。 もししゅじょうありて、 このせつかんものは、 まさにがんおこし、 かのくにしょうぜんとがんずべし»º と。

又如¬弥陀経¼云フガ↡。若↢衆生↡、聞↠説↢阿弥陀仏↡、即↣執↢持名号↡。若一日若二日乃至七日、一心↠仏↠乱。命↠終ムト時、阿弥陀仏↢諸聖衆↡現サム↢其↡。此人終時、心不↢顛倒↡、即↣往↢生コトヲ↡。仏告タマハク↢舎利弗↡、我見ルガ↢是↡故↢是↡。若↢衆生↡聞↢是↡者、応↢当↠願↟生ムト↢彼↡。

^次下つぎしもきていはく、 ª^東方とうぼうにょ*ごうしゃとう諸仏しょぶつ南西なんざい北方ほっぽうおよびじょう一々いちいちほうごうしゃとう諸仏しょぶつのごとき、 おのおの本国ほんごくにしてその*舌相ぜっそういだして、 あまねく*三千さんぜん大千だいせんかいおおひてじょうじつごんきたまはく、 «なんだちしゅじょう、 みなこの一切いっさい諸仏しょぶつねんしたまふところのきょうしんずべし» と。

次下、東方如恒河沙等諸仏、南西北方及上下一一↢恒河沙等諸仏↡、各↢本国↡出↢其舌相↡、徧↢三千大千世界↡説タマハク↢誠実↡、汝等ナンダチ衆生、皆応↠信↧是一切諸仏↢護念タマフ↡経↥。

^いかんが «ねん» とづくると。 もししゅじょうありて、 弥陀みだぶつしょうねんせんこと、 もしは七日しちにち一日いちにち下至げしいっしょうないじっしょう一念いちねんとうおよぶまで、 かならずおうじょうと。 この*証誠しょうじょうせるがゆゑにねんぎょうづくº と。

ガ名クルト↢護↡。若↢衆生↡、称↢念ムコト阿弥陀仏↡、若七日、及マデ↢一日下至一声乃至十声一念等↡、必↢往生↡。証↢成ルガ↡故↢護念経↡。

^次下つぎしももんにいはく、 ª^もしぶつしょうしておうじょうするものは、 つねに六方ろっぽうごうしゃとう諸仏しょぶつのためにねんせらる。 ゆゑにねんぎょうづくº と。

次下、若↠仏往生、常↢六方恒河沙等諸仏之↡↢護念↡。故↢護念経↡。

^いますでにこのぞうじょう誓願せいがんいます、 たのむべし。 もろもろのぶっとう、 なんぞこころはげましてかざらんや」 と。

今既イマ↢此増上誓願↡、可↠憑。諸仏子等、何ラム↢励↠意。」

*しょうほっの ¬*しゅうしょきょう礼懴らいさん¼ のかん善導ぜんどうしょうの ¬礼讃らいさん¼ なり。 これによる。

智昇法師¬集諸経礼懴儀¼下巻者善導和尚¬礼懴¼也。依

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(イ)[二]「玄義分」二文

【29】^またいはく (*玄義分)

又云

1.弘願釈(全託法体)

^*がんといふは ¬だいきょう¼ のせつのごとし。 一切いっさい善悪ぜんあくぼんしょうずることをるは、 みな弥陀みだぶつ*大願だいがん業力ごうりきじょう (じょうなり、 しょうなり、 とうなり、 しゅなり、 ふくなり) じて*ぞうじょうえんとせざるはなし」 と。

「言↢弘願↡者如↢¬大経¼説↡。一切善悪凡夫得↠生コト、莫↠不ルハ↧皆乗 乗字 食陵反 又宝証反 ノル也 勝也 登也ノボル  守也マモル  覆也オヽフ  阿弥陀仏大願業力↦増上縁↥也。」

2.六字釈(願行具足)

【30】^またいはく (玄義分)

又云

^*南無なもといふは、 すなはちこれ*みょうなり、 またこれ*発願ほつがんこうなり。 弥陀みだぶつといふは、 すなはちこれそのぎょうなり。 このをもつてのゆゑにかならずおうじょう」 と。

「言↢南无↡者、即是帰命ナリ、亦是発願回向之義ナリ。言↢阿弥陀仏↡者、即是其ナリ。以↢斯↡故↢往生↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(イ)[三]¬観念法門¼二文

【31】^またいはく (*観念法門)

又云

1.摂生増上縁

^*せっしょうぞうじょうえんといふは、 ¬りょう寿じゅきょう¼ のじゅうはちがんのなかにくがごとし。 ªぶつののたまはく、 «もしわれじょうぶつせんに、 十方じっぽうしゅじょう、 わがくにしょうぜんとがんじて、 わがみょうしょうすること、 しもじっしょういたるまで、 わが願力がんりきじょうじて、 もしうまれずはしょうがくらじ»º と。 これすなはちこれおうじょうがんずるぎょうにんいのちおわらんとするとき願力がんりきせっしておうじょうしむ。 ゆゑにせっしょうぞうじょうえんづく」 と。

↢摂生増上縁↡者、如↢¬无量寿経¼四十八願↡。仏、若我成仏ムニ、十方衆生、願↠生ムト↢我国↡、称コト↢我名字↡、下至マデ↢十声↡、乗↢我願力↡、若不↠生、不↠取↢正覚↡。此是願↢往生↡行人、命↠終ムト時、願力摂シム↢往生↡。故↢摂生増上縁↡。」

2.証生増上縁

【32】^またいはく (観念法門)

又云

^善悪ぜんあくぼん*しん*ぎょうして、 ことごとくおうじょうしめんとほっす。 これまたこれ*証生しょうしょうぞうじょうえんなり」 と。

「欲↠使メムト↣善悪凡夫、回起行、尽得↢往生↡。此亦是証生増上縁ナリト。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(イ)[四]¬般舟讃¼

【33】^またいはく (*般舟讃)

又云

・念仏真宗

^門々もんもんどうにして*八万はちまんなり。 みょう**業因ごういんとをめっせんための*けんは、 すなはちこれ弥陀みだみななり。 いっしょうしょうねんするにつみみなのぞこると。

「門門不同ニシテ八万四ナリ↠滅↢无明業因トヲ
利剣是弥陀ミナナリ一声称念ルニ罪皆除コルト

^*じんごう*ずいめっす。 おしへざるに真如しんにょもんてんにゅうす。

微塵故業随智ルニオシ 覚字 教音 転↢入真如

^*しゃじょうごうなんまぬかるることをることは、 ことに*しきしゃおんかぶれり。 種々しゅじゅ*りょうぎょう方便ほうべんをもつて、 えらびて弥陀みだぜいもんしめたまへり」 と。 以上抄要

コトハ↠免コトヲ↢娑婆長劫レリ↢知識釈迦
種種思量巧方便ヲモテシメタマヘリ↢弥陀弘誓↡」 已上

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(ロ)解釈【六字釈

【34】^しかれば、 *南無なも」 のごん*みょうなり。 「」 のごんは、 なり、 また*えつなり、 せつは、 えつこえなり。 また*さいなり、 せつは、 さいこえなり。 えつさいふたつのこえつぐるなり、 のぶるなり、 ひとこころせんじゅつするなり。 みょう」 のごんは、 ごうなり、 しょういんなり、 使なり、 きょうなり、 どうなり、 しんなり、 はからうなり、 めすなり。 ここをもつて みょう」 は*本願ほんがんしょうかんちょくめいなり

南无之言帰命ナリ。帰 至也エチヨリタノムナリセチ エチヨロコブナリ 又帰サイヨリカヽルナリ、説 サイナリ エチサイツグルノブ宣↢ノブル↡也 業也 マネキ メス ヒク也 使也 教也 道也 信也 ハカラフメス帰命本願マネクヨバウ オホセ命也。

^*発願ほつがんこう」 といふは、 如来にょらいすでに発願ほつがんしてしゅじょうぎょう*回施えせしたまふのしんなり

↢発願回向↡者、如来已発願回↢施タマフ衆生↡之心也。

^そくぎょう」 といふは、 すなはち*せんじゃく本願ほんがんこれなり

↢即是其行↡者、即選択本願是也。

^必得ひっとくおうじょう」 といふは、 *退たいくらいいたることをることをあらわすなり。 ¬きょう¼ (大経) には 「即得そくとく」 といへり、 しゃく (易行品) には 「ひつじょう」 といへり。そく」 のごん願力がんりきくによりて*ほう真因しんいんけつじょうする*こく極促ごくそく*光闡こうせんするなり。 「ひつ」 のごんつまびらかなり、 しからしむるなり、 わかちきわむるなり、 *金剛こんごうしんじょうじゅかおばせなり。

↢必得往生↡者、彰↠獲コトヲ↠至コトヲ↢不退↡也。¬経ニハ¼言ヘリ↢「即得」↡、釈ニハヘリ↢「必定」↡。即↠聞クニ↢願力↡光↢闡報土真因決定キワム極促↡也。必 ツマビラカ アキラカシカラシムル分極也 金剛心成就之カヲバセ也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(b)衝州を引く
                  (イ)法照¬五会法事讃¼八文

・長行 1.序分(念仏最勝)

【35】^¬*じょう五会ごえ念仏ねんぶつりゃくほうさん¼ にいはく、

¬浄土五会念仏略法事儀讃¼云

^それ如来にょらいきょうもうけたまふに、 *こうりゃく*こんしたがふ。 つひに*実相じっそうせしめんとなり。 しん*しょうんものには、 たれかよくこれをあたへんや。 しかるに念仏ねんぶつ三昧ざんまいは、 これしんじょうじんみょうもんなり。 弥陀みだ法王ほうおう*じゅうはちがんみょうごうをもつて、 *ここほとけ願力がんりきこととしてしゅじょうしたまふ。

「夫如来設タマフニ↠教、広略随↠根。終シメムトナリ↢実相↡。得↢真无生↡者ニハ、熟↢於此。然念仏三昧、是真无上深妙ナリ矣。以↢弥陀法王四十八願名号↡、焉仏事トシテ↢願力↡度タマフ↢衆生↡。

・長行 2.五会念仏釈(極成其義)

^如来にょらいつねに三昧さんまいかいのなかにして、 *網綿もうめんげたまひて、 *ちちおうにいうてのたまはく、 ª^おういまぜんしてただまさに念仏ねんぶつすべし。 *あにねんどうじて*ねんもとめんや。 しょうはなれて*しょうもとめんや。 相好そうごうはなれて*法身ほっしんもとめんや。 もんはなれて*だつもとめんやº と。

如来常↢三昧海↡、挙タマヘルヲ綿↢父↡曰、王今座禅但当ニ ↢念仏↡。豈ジテ↢離念↡求メムヤ↢无念↡。離↠生メム↢於无生。離↢相好↡求メムヤ↢法身↡。離↠文メムヤ↢解脱↡。

・長行 3.荘厳文(易修易証)

^それおおいなるかな、 至理しり真法しんぽう*一如いちにょにしてものし、 ひとす。 *ぜい各別かくべつなるがゆゑに、 わがしゃ*じょくおうしょうし、 弥陀みだじょうしゅつげんしたまふ。 ほうじょうりょうしゅなりといへどもやく斉一さいいちなり。 もししゅやすしょうやすきは、 まことにただじょうきょうもんなり。 しかるにかの西方さいほうしゅみょうにしてそのこくならびがたし。 またかざるにひゃっぽうはちすをもつてす。 *ぼんひらいてもつてひとおさむること、 それぶつみょうごうなりと。

ナル哉、至真法、一如ニシテ↠物↠人。弘誓各別ナルガ、我釈迦応↢生於濁世↡、阿弥陀出↢現タマフ於浄土↡。方↢穢浄両ナリト↡利益斉一ナリ。若↠修キハ↠証、真唯浄土教門ナリ。然西方殊妙ニシテ↠比↢其国土↡。マタルニテス↢百宝↡。ヒライ↢九品↡以ムルコト↠人、其名号也

・偈頌 1.浄土楽讃(念仏最勝)

 ^¬*しょうさんじょうきょう¼ による。 しゃく*ほっしょう

↢¬称讃浄土経¼↡。 釈法照

^ª如来にょらい*尊号そんごうは、 はなはだぶんみょうなり。 十方じっぽうかいにあまねくぎょうせしむ。 ただみなしょうするのみありて、 みなくことを*観音かんのん*せいおのづからきたむかへたまふ。

如来尊号分明ナリ十方世界流行シム
但有↠称ルノミ↠名皆得↠往コトヲ観音・勢至タマフ

^弥陀みだ本願ほんがんことにちょうしゅせり。 慈悲じひ方便ほうべんしてぼんく。 一切いっさいしゅじょうみな*だつす。 みなしょうすれば、 すなはちつみしょうじょすることを

弥陀本願特セリ慈悲方便↢凡夫
一切衆生皆度脱レバ↠名得↢罪消除コトヲ

^ぼんもし西方さいほういたることをれば、 *曠劫こうごう*塵沙じんじゃつみしょうもうす。 *ろく神通じんずうざいながろうびょうのぞ*じょうはなるº。

凡夫若レバ↠到コトヲ↢西方曠劫塵沙罪消亡
↢六神通↡得↢自在↢老病↡離↢无常

・偈頌 2.正法楽讃(決真宗義)

 ^¬*ぶつほんぎょうきょう¼ による。 ほっしょう

↢¬仏本行経¼↡。 法照

^ªなにものをかこれをづけて*しょうぼうとする。 もし*どうによらばこれ*しんしゅうなり。 好悪こうあくいまときすべからく*けっちゃくすべし。 一々いちいちさい*もうりょうすることなかれ。 しょうぼうよく*けん超出ちょうしゅつす。

何者ヲカ↠之↢正法ヨラ↢道理↡是真マコトムネナリ
好悪今時須↢決択エラブ一一子細莫↢朦クラシコモルコト
正法超↢出世間

^*かいぜんしょうぼうづく。 念仏ねんぶつじょうぶつはこれしんしゅうなり。 仏言ぶつごんらざるをば*どうづく。 *いん*はつするけん*くうとす。 しょうぼうよくけん超出ちょうしゅつす。

持戒・座禅↢正法念仏成仏是真宗ナリ
ルヲバ↠取↢仏言↡名↢外道スツ↢无因果為↠空
正法能超↢出

^ぜんりついかんぞこれしょうぼうならん。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいこれしんしゅうなり。 しょうしんさとるはすなはちこれぶつなり。 いかんがどう相応そうおうせざらんº。

禅・律如何是正法ナラム念仏三昧是真宗ナリ
見↠性ルハ↠心便是仏ナリ如何道理不ラム↢相応

・偈頌 3.西方楽讃(西方易証)

 ^¬*弥陀みだきょう¼ による。

↢¬阿弥陀経¼↡。

^ª*西方さいほうどうすすむこと*しゃすぐれたり。 *よくおよびじゃなきによつてなり。 じょうぶつにもろもろの善業ぜんごう*いたわしくせず。 *だいたんして弥陀みだねんじたてまつる。

西方コト↠道レタリ↢娑婆テナリ↠无キニ↢五欲及邪魔↡
成仏不↠イタハシクセ↢諸善業華台ウルワシマツル↢弥陀

^じょくしゅぎょうおお退転たいてんす。 念仏ねんぶつして西方さいほうくにはしかず。 かしこにいたればねんしょうがくる。 *かい還来かえりて*しんりょうとならん。

五濁修行退転不↠↣念仏ニハ↢西方
レバ↠彼自然↢正覚還↢来苦界↡作↢津ヤナ

^*まんぎょうのなかにきゅうようとす。 迅速じんそくなること*じょうもんぎたるはなし。 ただ*ほんこんせつのみにあらず。 十方じっぽう諸仏しょぶつともにつたしょうしたまふ。

万行之中為↢急イソガハシトシナルコトスミヤカ  ↠過タルハ↢浄土門
アラ↢但本師金口ノミニ十方諸仏共タマフ

^このかい一人いちにんぶつみなねんずれば、 西方さいほうにすなはちひとつのはちすありてしょうず。 ただいっしょうつねにして退たいならしむれば、 ひとつのはなこのけんかえいたつてむかへたまふとº。

一人念レバ↢仏西方便↢一蓮↡生
使レバ↢一生常ニシテ不退ナラ華還↢到此間↡迎タマフ

・偈頌 4.般舟三昧楽讃(勧発)

 ^¬*般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ による。 *みんしょう

↢¬般舟三昧経¼↡。 慈愍和尚

^ª今日こんにち*どうじょう諸衆しょしゅとう恒沙ごうじゃ曠劫こうごうよりすべてかえれり。 この人身にんじんはかるにぐうしがたし。 たとへば*どんのはじめてひらくがごとし。

今日道場諸衆恒沙曠劫ヨリカヘレリ
ハカルニ↢此人身↡難↢値遇↢優曇華クガ

^まさしくまれにじょうきょうくにもうあへり。 まさしく念仏ねんぶつ法門ほうもんひらけるにもうあへり。 まさしく弥陀みだぜい*ばひたまふにもうあへり。 まさしく大衆だいしゅ信心しんじんありてするにもうあへり。

ヘリ↣希クニ↢浄土ヘリ↢念仏法門ルニ
ヘリ↢弥陀弘誓タマフニヘリ↢大衆信心アリテスルニ

^まさしく今日こんにちきょうによりてさんずるにもうあへり。 まさしくちぎり*じょうだいむすぶにもうあへり。 まさしくどうじょう魔事まじなきにもうあへり。 まさしくびょうにしてすべてよくかえれるにもうあへり。

ヘリ↢今日依↠経ルニヘリ↠結ブニ↢契上華台
ヘリ↣道場キニ↢魔事↡ヘリ↢无病ニシテカヘレルニ

^まさしく七日しちにちこうじょうじゅするにもうあへり。 じゅうはちがんかならずあひたずさふ。 あまねくどうじょうどうぎょうのひとをすすむ。 *ゆめゆめしんして*帰去来いざいなん

ヘリ↢七日功成就ルニ四十八願要
↢道場同行ヒト努力ユメユメ回心帰去来イザイナム

^借問ふ。 *きょうはいづれのところにかある。 *極楽ごくらくいけのうち*七宝しっぽううてななり。 かのぶついんちゅうぜいてたまへり。 みなきてわれをねんぜばすべてむかかえらしめん。

借問カル  家郷ニカ極楽中七宝ナリ
因中タマヘリ↢弘誓↠名↠我シメム

^びん富貴ふきとをえらばず、 下智げち高才こうざいとをえらばず、 もんじょうかいたもてるとをえらばず、 かい罪根ざいこんふかきとをえらばず。

不↠簡↣貧窮マサ↢富貴トヲ不↠簡↣下智↢高才↡
不↠簡↣多聞ルトヲ↢浄戒不↠簡↢破戒罪根深

^ただしんしておお念仏ねんぶつせしむれば、 よくりゃくをしてへんじてこがねさんがごとくせしむ。 ことば現前げんぜん大衆だいしゅとうす。 同縁どうえんらんひとはやくあひたずねん。

但使レバ↢回心念仏↢瓦礫ヲシテムガゴトクセ↟金
↢語現前大衆等同縁去スツヒト

^借問ふ。 いづれのところをあひたずねてかかんと。 こたへていはく、 弥陀みだじょうのうちへ。 借問ふ。 なにによりてかかしこにしょうずることをん。 こたへていはく、 念仏ねんぶつおのづからこうじょうず。

借問↢尋テカユカムト弥陀浄土
借問テカ↠生コト念仏↠功

^借問ふ。 こんじょうざいしょうおおし、 いかんぞじょうにあへてあひらんや。 こたへていはく、 みなしょうすればつみしょうめつす、 たとへばみょうとうあんちゅうるがごとし。

借問今生↢罪障↡如何浄土アヘイラムヤ
レバ↠名罪消滅↣明灯ルガ↢闇中

^借問ふ。 ぼんしょうずることをやいなや、 いかんぞ一念いちねんあんちゅうあきらかならんや。 こたへていはく、 うたがいのぞきておお念仏ねんぶつすれば、 弥陀みだけつじょうしておのづから親近しんごんしたまふº と。

借問凡夫得↠生コト如何一念闇中明ナラムヤ
↠疑念仏レバ弥陀決定親近タマフト

・偈頌 5.観経楽讃(追釈勝易)

 ^¬*しんりょう寿じゅかんぎょう¼ による。 ほっしょう

↢¬新无量寿観経¼↡。 法照

^ª*じゅうあく*ぎゃくいたれるにん永劫ようごう沈淪ちんりんして*じんにあり。 一念いちねん弥陀みだみなしょうとくして、 かしこにいたれば、 かえりてほっしょうしんどうずº」 と。

十悪・五逆至レル愚人永劫沈淪↢久塵
一念称↢得弥陀レバ↠彼ズト↢法性身↡」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(ロ)憬興¬述文賛¼十文

1.二種因果

【36】^*きょうごうのいはく (*述文賛)

憬興師

^*如来にょらい広説こうせつふたつあり。 はじめにはひろ如来にょらいじょういん、 すなはち*しょぎょうしょじょうきたまへり。 のちにはひろしゅじょうおうじょういん、 すなはち*しょしょう所益しょやくあらわしたまへるなり」 と。

「如来広説↠二。初ニハタマヘリ↢如来浄果、即所行・所成↡也。後ニハタマヘル↢衆生往生因果、即所摂・所益↡也。」

2.弥陀因果

【37】^*またいはく、

^¬*悲華ひけきょう¼ の ªしょさつほんじゅぼんº にいはく、 ª^そのときに、 *宝蔵ほうぞう如来にょらい*転輪てんりんのうめていはく、 «いかないかな、 大王だいおう、 なんぢ西さいほうるにひゃくせんまんおくぶつぎてかいあり、 尊善そんぜん無垢むくづく。 かのかいぶつまします、 尊音そんのんおう如来にょらいづく。

「¬悲華経¼諸菩薩本授記品、爾宝蔵如来、讃↢転輪王↡言、善哉善哉、 大王、汝見ルニ↢西方↡過↢百千万億仏土↡有↢世界↡、名↢尊善无垢↡。彼↠仏、名↢尊音王如来↡。

^いま現在げんざいにもろもろのさつのためにしょうぼうく。 じゅんいつだいじょう清浄しょうじょうにしてまじはることなし。 そのなかのしゅじょう等一とういつ*しょうす。 また女人にょにんおよびそのみょうなし。 かのぶつかいしょどく清浄しょうじょうしょうごんなり。 ことごとく大王だいおう所願しょがんのごとくしてなけん。 いまなんぢがあざなをあらためてりょう清浄しょうじょうとす»º と。

今現在↢諸菩薩↡説↢於正法↡。 純一大乗清浄ニシテ↠雑コト。其衆生、等一化生。亦无↢女人及名字↡。彼仏世界所有功徳、清浄荘厳ナリ。悉クシテ↢大王所願↡无ケム↠異。 今改↢汝↡為↢无量清浄↡。

 ^¬りょう寿じゅ如来にょらい¼ (上) にいはく、 ª^ひろくかくのごときだいぜいがんおこして、 みなすでにじょうじゅしたまへり。 けん希有けうなり。 このがんおこしをはりて、 じつのごとくあんじゅうして種々しゅじゅどくそくして、 とく広大こうだい清浄しょうじょうぶつしょうごんしたまへりº」 と。

¬无量寿如来会¼云、広↢如↠是大弘誓願↡、皆已成就タマヘリ。世間希有ナリ。発↢是↡已、如↠実安住種種功徳具足、荘↢厳タマヘリト威徳広大清浄仏土↡。」

3.回施功徳

【38】^またいはく (述文賛)

^*ふくごんじょうじゅしたまへるがゆゑに、 *つぶさにひとしくしゅじょうぎょうほどこしたまへるなり。 おのれが所修しょしゅをもつて、 しゅじょうしたまふがゆゑに、 どくじょうぜしめたまへり」 と。

「福智二厳カザリ成就タマヘルガ、備タマヘル↢等衆生↡也。以↢己所修↡利タマフガ↢衆生↡故、令タマヘリト↢功徳成↡。」

4.宿因聞法

【39】^またいはく (述文賛)

又云

^おんいんによりて、 ぶつもうあひ、 ほうきてきょうすべきがゆゑに」 と。

ヨリ↢久遠↡、値↠仏↠法キガ↢慶喜↡故ニト。」

5.正勧往生

【40】^またいはく (述文賛)

又云

^にんしょうに、 くにたえなり。 たれかちからつくさざらん。 ぜんをなしてしょうがんぜよ、 *ぜんによりてすでにじょうじたまへる、 おのづからざらんや。 ゆゑにねんといふ。 せんえらばず、 みなおうじょうしむ。 ゆゑに ª*ちょじょうº といふ」 と。

「人聖、国妙ナリ。誰ラム↠尽↠力。作↠善ゼヨ↠生、因↠善タマヘル、不ラムヤ獲↟果。故↢自然↡。不↠簡↢貴賎↡、皆得シム↢往生↡。故フト↢著无上下↡。」

6.傷嘆重勧

【41】^またいはく (述文賛)

又云

^「ª*おうにん こくぎゃく ねん所牽しょけんº と。 ^いんしゅすればすなはちく、 しゅすることなければしょうずることすくなし。 いんしゅしてらいしょうするに、 つひにぎゃくせず。 すなはちおうなり」 と。

「易往而无人其国不逆違自然之所牽。修レバ↠因、无レバ↠修コトコト。修↠因来生ルニ、終不↢違逆↡。即易往也。」

7.願力釈

【42】^またいはく (述文賛)

又云

^「ª本願ほんがんりきº といふは、 すなはち*くこと誓願せいがんちからなり。 ª満足まんぞくがんº といふは、 がんとしてくることなきがゆゑに。 ª明了みょうりょうがんº といふは、 これをもとむるにむなしからざるがゆゑに。 ªけんがんº といふは、 えんとしてやぶることあたはざるがゆゑに。 ªきょうがんº といふは、 かならずはたぐるがゆゑに」 と。

「本願力トイフハコト誓願之力ナリ 満足願故トイフハトシテキガ↠欠コト 明了願故トイフハルニ↠之ルガ↠虚カラ 堅固願故トイフハトシテルガ↠能↠壊コト 究竟願故トイフハルガ

8.勝聖共生釈

【43】^またいはく (述文賛)

又云

^そうじてこれをいはば、 *ぼんしょうをしてよくおうじょうこころさしめんとおもふがゆゑに、 すべからくかのすぐれたることをあらわすべし」 と。

総而 スベ ハバ↠之、欲↠令メムト↣凡小ヲシテ↢欲往生之意↡故、須ク シト↠顕↢彼タルコトヲ↡。」

9.此土修行釈

【44】^またいはく (述文賛)

又云

^「すでに ª*このにしてさつぎょうしゅすº とのたまへり。 すなはちんぬ、 *じょうおうこのほうにましますことを。 *宝海ほうかいもまたしかなり」 と。

「既↢此↡修スト↦菩薩↥。即、无諍王在スコトヲ↢於此↡。宝海亦然ナリト。」

10.聞名不退

【45】^またいはく (述文賛)

又云

^ぶつとく広大こうだいくがゆゑに、 退転たいてんるなり」 と。

「聞↢仏威徳広大↡故、得↢不退転↡也。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(ハ)宗暁¬楽邦文類¼

・易行捷径

【46】^¬*楽邦らくほう文類もんるい¼ にいはく、

¬楽邦文類¼云

^総官そうかん*ちょうりんいはく、 ª^仏号ぶつごうはなはだたもやすし、 じょうはなはだやすし。 *八万はちまんせん法門ほうもん、 この*捷径せつけいにしくなし。 ただよく*しょうじん俛仰めんごういとまめて、 つひに永劫ようごう不壊ふえたすけをなすべし。 これすなはちちからもちゐることは、 はなはだにして、 こうおさむることいましくることあることなけん。 しゅじょうまたなんのくるしみあればか、 みづからててせざらんや。

「総官張掄云、仏号甚↠持、浄土甚↠往。八万四千法門、無↢是セフ トキ スヽチ↡。但能ヤメ↢清晨アシタ ノケフス仰之暇↡、遂↠為↢永劫不壊ヤブルタスケ↡。是コトハ↠力シテ、収コト↠功ケム↠有コト↠尽コト。衆生亦何ミアレバカラム

^ああ、 げんにしてしんにあらず。 *寿じゅようにしてたもちがたし。 きゅうのあひだにすなはちこれらいしょうなり。 ひとたび人身にんじんうしなひつれば万劫まんごうにもふくせず。 このときさとらずは、 ぶつもししゅじょうをいかがしたまはん。 ねがはくは、 ふかじょうねんじて、 いたづらに後悔こうかいのこすことなかれと。 じょうらく居士こじちょうりんえんすすむº」 と。

噫夢ユメニシテマボロシ ↠真。寿夭シテモロシ  ↠保呼吸之頃是来生ナリ。一タビツレバ↢人身↡万劫ニモ不↠復カヘル。此時不↠悟、仏モシ衆生ガシタマハム。願クハ↢於无常↡、勿レト↣徒ノコスコト↢於後悔↡。浄楽居士張掄勧ムト↠縁。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(ニ)慶文

・念仏勝徳

【47】^*たいきょう (*天台)祖師そし山陰さんいん *慶文けいぶんほっ のいはく、

臺教祖師山陰 慶文法師

^「まことにぶつみょう*真応しんおうしんよりしてこんりゅうせるがゆゑに、 慈悲じひかいよりしてこんりゅうせるがゆゑに、 誓願せいがんかいよりしてこんりゅうせるがゆゑに、 智慧ちえかいよりしてこんりゅうせるがゆゑに、 法門ほうもんかいよりしてこんりゅうせるによるがゆゑに、 もしただもつぱらいちぶつみょうごうしょうするは、 すなはちこれつぶさに諸仏しょぶつみょうごうしょうするなり。 どくりょうなればよくざいしょうめっす。 よくじょうしょうず。 なんぞかならずうたがいしょうぜんや」 と。

「良ルガ↧仏名↢真応身↡シテ建立セルガ、従↢慈悲海↡シテ建立セルガ、従↢誓願海↡シテ建立セルガ、従↢智慧海↡シテ建立セルガ、従↢法門海↡シテ建立セルニ↥故、若但専スルハ↢一仏名号↡、則是具スルナリ↢諸仏名号↡。功徳无量ナレバ↢罪障↡。能↢浄土↡。何↠疑。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(ホ)元照¬観経義疏¼¬阿弥陀経義疏¼計七文

1.信心正因

【48】^*りっしゅう祖師そし*がんじょうのいはく (*観経義疏)

律宗祖師元照

^「いはんやわがほとけだいじょうかいして慇懃おんごんにあまねく*しょだいじょう勧嘱かんぞくしたまへり。 みみきてことにほうしょうじて、 みづからあまちんにゃくして*超昇ちょうしょうねがはず。 如来にょらいきて*憐憫れんびんすべきもののためにしたまへり。 まことにこのほうひと*じょうことなることをらざるによりてなり。

「況大慈、開↢示浄土↡慇懃勧↢スヽメタマヘリツゲテ   諸大乗↡。目見耳↢疑謗↡、沈溺不↠ネガ↢超昇↡。如来説ニシタマヘリ↧可↢憐憫↡者↥。良テナリ↠不ルニ↠知↣此ヒトコトヲ↢常途↡。

^けんえらばず、 *緇素しそえらばず、 しゅぎょうごんろんぜず、 造罪ぞうざい重軽じゅうきょうはず、 ただけつじょう信心しんじんすなはちこれおうじょう因種いんしゅならしむ」 と。

不↠択↢賢愚↡、不↠簡↢緇素↡、不↠論↢修行久近↡、不↠問↢造罪重軽↡、但令ムト↢決定信心即是往生因種ナラ↡。

2.此法無魔

【49】^またいはく (観経義疏)

又云

^「いまじょう諸経しょきょうにならびにをいはず。 すなはちんぬ、 このほうなきことあきらけしと。 山陰さんいん*慶文けいぶんほっの ª*しょうしん法門ほうもんº にこれをべんずること、 はなはだつまびらかなり。 いまためにつぶさにかのといきていはく、

「今浄土諸経不↠言↠魔。即コト↠魔明ケシト矣。山陰慶文法師正信法門コト↠之カナリ。今為↢彼↡曰

^ªあるいはひとありていはく、 «*りんじゅうぶつさつひかりはなち、 うてなしたまへるをたてまつり、 天楽てんがくきょう*来迎らいこうおうじょうす。 ならびにこれ魔事まじなり» と。 このせついかんぞや。

↠人云、臨終マツリ↢仏・菩薩↠光、持シタマヘルヲ↟台、天楽異香来迎往生。並是魔事ナリト。此説如何ゾヤ

^こたへていはく、 ¬*しゅりょうごん¼ によりて三昧さんまいしゅじゅうすることあり。 あるいは*おん発動ほつどうす。 ¬*摩訶まかえんろん¼ によりて三昧さんまいしゅじゅうすることあり、 あるいは*外魔げま (てんをいふなり)発動ほつどうす。 ¬*かんろん¼ によりて三昧さんまいしゅじゅうすることあり、 あるいは*時魅じみ発動ほつどうす。

、有↧依↢¬首楞厳¼↡修↦習コト三昧発↢動陰魔↡。有↧依↢¬摩訶衍論¼↡修↦習コト三昧↥、或発↢動外魔↡。↢天魔↡也↧依↢¬止観論¼↡修↦習コト三昧↥、或発↢動時魅↡。

^これらならびにこれぜんじょうしゅするひと、 そのりきやくしてまづしゅあり、 さだめてぎゃくほつかぶるがゆゑにこのげんず。 もしよくあきらかにりておのおの*たいもちゐれば、 すなはちよく除遣じょけんせしむ。 もし*しょうさとりをなせば、 みなしょうかぶるなりと。 かみにこのほうにゅうどうかす、 すなはち魔事まじほっす。

此等並是修スル↢禅定↡人、約↢其自力↡先↢魔種↡、カブルガ↢定撃発↡故↢此↡。儻レバ↢対治↡、即除遣シム。若↢聖↡、皆被ルナリト↢魔障↡。↢此入道↡則↢魔事↡。

^いま所修しょしゅ念仏ねんぶつ三昧ざんまいやくするに、 いまし仏力ぶつりきたのむ。 帝王たいおうちかづけばあへて干犯おかすものなきがごとし。 けだし弥陀みだぶつだい慈悲じひりきだい誓願せいがんりきだい智慧ちえりきだい三昧さんまいりきだいじんりき*だい摧邪さいじゃりき*だいごうりき*天眼てんげん遠見おんけんりき*てん遥聞ようもんりき*しん徹鑑てっかんりきこうみょうへんじょう摂取せっしゅしゅじょうりきましますによりてなり。

今約ルニ↢所修念仏三昧↡、乃↢仏力↡。如↧近ケバ↢帝王↡無キガ↦敢干犯 ヲカ スモノ↥。蓋テナリ↣阿弥陀仏有スニ↢大慈悲力・大誓願力・大智慧力・大三昧力・大威神力・大摧邪力・大降魔力・天眼遠見力・天耳遥聞力・他心徹鑑力・光明徧照摂取衆生力↡。

^かくのごときらの不可ふか思議しぎどくちからまします。 あに念仏ねんぶつひと護持ごじして、 りんじゅうときいたるまでしょうなからしむることあたはざらんや。

↢如↠是不可思議功徳之力↡。豈ラム↠能↧護↢持念仏之人↡、至マデ↢臨終↡令コト↞無↢障↡

^もし護持ごじをなさずは、 すなはち慈悲じひりきなんぞましまさん。 もししょうのぞくことあたはずは、 智慧ちえりき三昧さんまいりきじんりき摧邪さいじゃりきごうりき、 またなんぞましまさんや。 もし鑑察かんざつすることあたはずして、 さわりをなすことをかぶらば、 天眼てんげん遠見おんけんりきてん遥聞ようもんりきしん徹鑑てっかんりき、 またなんぞましまさんや。

不↠為↢護持、則慈悲力何サム。若不↠能↠除コト↢魔障、智慧力・三昧力・威神力・摧邪力・降魔力、復何サム。若シテ↠能↢鑑察コト↡、被↢魔為コトヲ↟障、天眼遠見力・天耳遥聞力・他心徹鑑力、復何サム

^¬きょう¼ (観経) にいはく、 «^弥陀みだぶつ*相好そうごうこうみょうあまねく十方じっぽうかいらす。 念仏ねんぶつしゅじょうをば摂取せっしゅしててたまはず» (意) と。 ^もし念仏ねんぶつしてりんじゅうしょうかぶるといはば、 こうみょうへんじょう摂取せっしゅしゅじょうりき、 またなんぞましまさんや。 いはんや念仏ねんぶつひとりんじゅう感相かんそうしゅきょうよりでたり。 みなこれぶつみことなり。 なんぞへんしてきょうとすることをんや。 いまためにじゃけっす。 まさにしょうしんしょうずべしº」 と。 以上彼文

¬経¼云、阿弥陀仏相好光明徧↢十方世界↡。念仏衆生ヲバ摂取↠捨タマハ。若↣念仏臨終ルト↢魔障、光明徧照摂取衆生力、復何サム。況念仏臨終感相、出タリ↠自↢衆経↡。皆是仏ミコトナリ。何↣貶コトヲ↢魔境。今為決↢破邪疑↡。当シト↠生↢正信↡。」 已上彼文

3.法体円成

【50】^また がんじょうりっの ¬*弥陀みだきょう¼ のもん いはく、

昭律師¬弥陀経義¼文

^*いちじょうごくしょう*しゅうことごとく*楽邦らくほうす。 まんぎょう円修えんしゅさいしょうひと*ごうゆずる。 まことにもつていんよりがんつ。 こころざしぎょうきわめ、 *塵点じんでんごう*済衆さいしゅにんいだけり。 *芥子けし*捨身しゃしんところにあらざることなし。 *悲智ひちろくせっしてもつてのこすことなし。 *ないりょうざいもとむるにしたごうてかならずおうず。 えんじゅくし、 ぎょうまんこうなり、 いちまどかに*三身さんしんしょうす。 万徳まんどくすべて*四字しじあらわる」 と。

「一乗極唱、終↢楽邦↡。万行円修、最勝ユヅ↢果号↡。良↠因建↠願↠志↠行、歴↢塵点劫↡懐↢済タスク衆之仁アワレミ↡。無↣芥子コト↢捨身之処↡。悲智六度摂化↠遺コト。内外両財随↠求。機↠縁熟、行満功成、一時↢於三身↡。万徳総ルト↢於四字↡。」

4.至徳具徳

【51】^またいはく (阿弥陀経義疏)

又云

^「いはんやわが弥陀みだをもつて*ものせっしたまふ。 ここをもつてみみくちじゅするに、 へんしょうとく*識心しきしん*らんにゅうす。 なが仏種ぶっしゅとなりてとんおくこうじゅうざいのぞき、 *じょうだい獲証ぎゃくしょうす。 まことにんぬ、 しょう善根ぜんごんにあらず、 これどくなり」 と。

「況弥陀↠名タマフ↠物ルニ、无辺聖徳攬↢入識心↡。永リテ↢仏種↡頓↢億劫重罪↡、獲↢証无上菩提↡。↢少善根↡、是多功徳也。」

5.臨終勝益

【52】^またいはく (阿弥陀経義疏)

又云

^*しょうねんのなかに、 凡人ぼんにんりんじゅう*識神しきじんあるじなし。 善悪ぜんあく業種ごうしゅ発現ほつげんせざることなし。 あるいは悪念あくねんおこし、 あるいは*邪見じゃけんおこし、 あるいは*れんしょうじ、 あるいは猖狂しょうきょう悪相あくそうほっせん。 もつぱらみな顛倒てんどういんづくるにあらずや。 さきぶつじゅしてつみめっし、 さわりのぞこり、 *じょうごううちくんじ、 こうほかせっして、 まぬからくることいっ*せつのあひだなり。 *しももんしょうすすむ、 そのここにあり」 と。

「正念、凡人臨終、識神无↠主。善悪業種無↠不コト↢発現↡。或↢悪念↡、或↢邪見↡、或↢繋恋↡、或↢猖狂悪相↡。非ズヤ↣一皆名クルニ↢顛倒↡。前↠仏罪滅障除コリ、浄業内、慈光外、脱↠苦コト↠楽一刹那ナリ。下↠生、其利在リト↠此。」

6.古釈勧信

【53】^(元照観経義疏)

^*うんほっ 天竺てんじくじゅんしき のいはく、 ª^ただあんにょうじょうごう*捷真せっしんなり、 しゅすべし。 もし*しゅありて、 またすみやかにみょうし、 ながぎゃくじゅうあく重軽じゅうきょうとうつみめっせんとおもはば、 まさにこのほうしゅすべし。 ^*だいしょう戒体かいたいとおくまた清浄しょうじょうなることをしめ、 念仏ねんぶつ三昧ざんまいしめ、 さつしょ波羅はらみつじょうじゅせんとおもはば、 まさにこのほうがくすべし。

「慈雲法師 天竺寺遵式、唯安養浄業捷真ナリ、可↠修。若↢四衆↡、欲ハバ↧復速↢无明↡、永ムト↦五逆・十悪重軽等↥、当↠修↢此↡。欲ハバ↧得シメ↢大小戒体、遠復清浄ナルコトヲ↡、得シメ↢念仏三昧↡、成↦就ムト菩薩諸波羅蜜↥、当↠学↢此↡。

^*りんじゅうにもろもろの怖畏ふいはなれしめ、 身心しんしんあんにしてしゅしょう現前げんぜんし、 授手じゅしゅしょういんせらるることを、 はじめて*塵労じんろうはなれてすなはち退たいいたり、 じょうごうず、 すなはち*しょうんとおもはば、 まさにこのほうとうがくすべしº と。 ^*けんほうによくしたがふことなからんや。

ハバ得↧臨終シメ↢諸怖畏↡、身心安快ニシテ衆聖現前、授手接引ラルルコトヲ↥、初↢塵労↡便↢不退↡、不↠歴↢長劫↡、即ムト↩无生↨、当シト↠学↢此法等↡。古賢法語ラム↠従コト

^じょうもん綱要こうよう略標りゃくひょうす。 自余じよつくさず、 くはしくしゃくもんにあり。

已上五門、略↢標綱要↡。自余不↠尽、委↢釈文↡。

^¬*開元かいげん蔵録ぞうろく¼ をあんずるに、 この ¬きょう¼ におほよそりょうやくあり。 前本ぜんぽんはすでにもうじぬ。 いまのほんはすなはち*畺良きょうりょうしゃやくなり。 ¬*僧伝そうでん¼ にいはく、 ª畺良きょうりょうしゃはここにはしょうといふ。 *そうげんはじめに、 *きょうおうはじめたり。 *文帝ぶんていのときº」 と。

ルニ↢¬開元蔵録¼↡、此¬経¼凡↢両訳↡。前本。今畺良邪舎ナリ。¬僧伝¼云、畺良邪舎ニハ↢時称↡。宋元嘉ハジメタリ↢于京邑↡。文帝ノトキ。」

7.結嘆 ・遵式

【54】^*うん じゅんしきなりさんにいはく、

慈雲 遵式也

^*りょうのなかのりょうなり。 *円頓えんどんのなかの円頓えんどんなり」 と。

「了義了義ナリ円頓円頓ナリト

7.結嘆 ・元照

【55】^だい がんじょうりっなり となへていはく (元照観経義疏)

大智 元照律師也

^*円頓えんどんいちじょうなり。 じゅんいつにしてぞうなし」 と。

「円頓一乗ナリ純一ニシテシト雑」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(ヘ)戒度¬観経義疏正観記¼

・仏名万徳

【56】^*りっしゅう*かい がんじょう弟子でしなり のいはく (*正観記)

律宗戒度 元照之弟子也

^ぶつみょうはすなはちこれこうんで*薫修くんじゅし、 その万徳まんどくる、 すべて四字しじあらわる。 このゆゑにこれをしょうするにやくること、 あさきにあらず」 と。

「仏名是積↠劫薫修、攬↢其万徳↡、総↢四字↡。是ルニ↠之コト↠益ズト↠浅キニ。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(ト)用欽二文

1.功徳具足

【57】^*りっしゅう*用欽ようきん がんじょう弟子でしなり のいはく、

律宗用欽 元照之弟子也

^「いまもしわがしんをもつていちぶつ*ごうしょうねんすれば、 すなはちいんよりいたるまで、 りょうどくそくせざることなし」 と。

「今若↢我心口↡称↢念レバ一仏嘉号↡、則↠因至マデ↠果、无量功徳无シト↠不コト↢具足↡。」

2.不思議功徳

【58】^またいはく、

又云

^一切いっさい諸仏しょぶつ*じんごう実相じっそうりょうして、 *一切いっさいざるがゆゑに、 *そう大願だいがんおこして、 *しゅするに妙行みょうぎょうじゅうすることなし。 しょうするにだいることなし。 じゅうするにこくしょうごんするにあらず。 げんずるに神通じんずう神通じんずうなきがゆゑに、 *舌相ぜっそう大千だいせんにあまねくしてせつせつしめす。 ゆゑにこのきょう勧信かんしんせしむ。 あにこころおもひ、 くちはかるべけんや。

「一切諸仏、歴↢微塵劫↡了↢悟実相↡、不ルガ↠得↢一切↡故、発↢无相大願↡、修ルニ↠住コト↢妙行↡。証ルニ↠得コト↢菩提↡。住ルニ↣荘↢厳スルニ国土↡。現ルニキガ↢神通之神通↡故、舌相クシテ↢於大千↡示↢无説之説↡。故勧↢信シム↡。豈ケム↢心

^わたくしにいはく、 諸仏しょぶつ思議しぎどく*しゅ弥陀みだ*ほうしょうごんおさむ。 *みょうぎょうほうはかの諸仏しょぶつのなかに、 またすべからく弥陀みだおさむべきなり」 と。

諸仏不思議功徳、須臾↢弥陀二報荘厳↡。持名行法諸仏、亦須↢於弥陀↡也。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(チ)嘉祥¬観経義疏¼

・無量功徳

【59】^*三論さんろん祖師そし*じょうのいはく (*観経義疏)

三論祖師嘉祥

^ふ。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいはなにによりてか、 よくかくのごときざいめっすることをるやと。 ^していはく、 ぶつりょうどくいます。 ぶつりょうどくねんずるがゆゑに、 りょうつみめっすることをしむ」 と。

「問。念仏三昧テカ、能↠滅コトヲ↢如↠此多罪。解、仏イマ↢无量功徳↡。念ルガ↢仏无量功徳↡故、得シムト↠滅コトヲ↢无量↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(リ)法位¬大経義疏¼

・称名称徳

【60】^*法相ほっそう祖師そし*ほうのいはく (*大経義疏)

法相祖師法位

^諸仏しょぶつはみなとくほどこす。 しょうするはすなはちとくしょうするなり。 とくよくつみめっふくしょうず。 もまたかくのごとし。 もしぶつみょうしんずれば、 よくぜんしょうあくめっすることけつじょうしてうたがいなし。 称名しょうみょうおうじょうこれなんのまどひかあらんや」 と。

「諸仏皆徳↠名。称ルハ↠名ルナリ↠徳。徳能↠罪↠福。名亦如↠是。若レバ↢仏名↡、能↠善コト↠悪決定↠疑。称名往生此有ムヤト↢何↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅴ)(a)(ヌ)飛錫¬念仏三昧宝王論¼

・三昧王

【61】^*ぜんしゅう*しゃくのいはく (*念仏三昧宝王論)

禅宗飛錫

^念仏ねんぶつ三昧ざんまいぜん、 これさいじょうなり。 まんぎょう元首げんしゅなるがゆゑに、 三昧さんまいおうといふ」 と。

「念仏三昧善、之最上ナリ。万行元首ナルガ、曰フト↢三昧王↡焉。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅵ)横川引意(¬往生要集¼四文)
                (a)念仏証拠門

1.衆機斉入

【62】^¬*おうじょうようしゅう¼ (下) にいはく、

¬往生要集¼云

^¬*双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)*三輩さんぱいごう浅深せんじんありといへども、 しかるにつうじてみな ª*一向いっこう専念せんねんりょう寿じゅぶつº といへり。

「¬双巻経¼三輩之業、雖↠有↢浅深↡、然皆云↢一向専念无量寿仏↡。

^つにじゅうはちがんのなかに、 念仏ねんぶつもんにおいてべっしてひとつのがんおこしてのたまはく、 ª*ないじゅうねん にゃくしょうじゃ しゅしょうがくº と。

四十八願、於↢念仏門↡別↢一↡云、乃至十念若不生者不取正覚

^つに ¬かんぎょう¼ には ªごくじゅう悪人あくにん方便ほうべんなし。 ただ弥陀みだしょうして極楽ごくらくしょうずることをº」 と。

¬観経ニハ¼極重悪人无↢他方便↡。唯称↢弥陀↡得↠生コト↢極楽↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅵ)(b)正修念仏門

2-1.六種功徳

【63】^またいはく (往生要集・上)

又云

^¬*しんかんぎょう¼ の六種ろくしゅどくによるべし。 ひとつにはじょうだいどくでんふたつにはじょうだい恩徳おんどくつにはそくそくおよびそくしゅじょうのなかのそんなり。 つにはきはめてぐうしがたきこと、 *どんのごとし。 いつつにはひと*三千さんぜん大千だいせんかいでたまふ。 つには*しゅっけん*どく円満えんまんせり。 つぶさにかくのごときらの六種ろくしゅどくによる。 つねによく一切いっさいしゅじょうやくしたまふ」 と。

「応↠依↢¬心地観経¼↡六種功徳↡。一ニハ无上大功徳田、二ニハ无上大恩徳、三ニハ无足・二足及以足衆生ナリ。四キコト↢値遇↡如↢優曇華↡。五タマフ↢三千大千界↡。六世・出世間功徳円満セリ。義依↢具↠此六種功徳↡。常利↢益タマフト一切衆生↡。」

2-2.六応念

【64】^この六種ろくしゅどくによりてしんしょう (*源信) のいはく (往生要集・上)

↢此六種功徳↡、信和尚

^ひとつにはねんずべし、 *いっしょう南無なもぶつかいじょう仏道ぶつどうのゆゑに、 われ*じょうどくでんみょうらいしたてまつる

「一ニハ↠念、一称南无仏皆已成仏道我帰↢命マツル↣无上功徳田↡。

^ふたつにはねんずべし、 げんをもつてしゅじょうそなはすこと、 びょうどうにしていっのごとし。 ゆゑにわれごくだい慈悲じひみょうらいしたてまつる。

↠念、慈眼ヲモテミソナハスコト↢衆生↡、平等ニシテ↢一子↡。故我帰↢命マツル↣極大慈悲母↡。

^つにはねんずべし、 十方じっぽうしょだい弥陀みだそんぎょうしたてまつるがゆゑに、 われ*じょうりょうぞくそんみょうらいしたてまつる。

↠念、十方諸大士恭↢敬マツルガ弥陀尊↡故我帰↢命マツル↣无上両足尊↡。

^つにはねんずべし、 ひとたびぶつみょうくことをること、 どんよりもぎたり。 ゆゑにわれ*極難ごくなんぐうしゃみょうらいしたてまつる。

↠念、一タビコト↠聞コトヲ↢仏名↡、過タリヨリモ↢優曇華↡。故我帰↢命マツル↣極難値遇者↡。

^いつつにはねんずべし、 *いっぴゃく*ていかいにはそんならんででたまはず。 ゆゑにわれ希有けう大法だいほうほうみょうらいしたてまつる。

↠念、一百倶胝界ニハ二尊不↢並タマハ↡。故我帰↢命マツル↣希有大法王↡。

^つにはねんずべし、 仏法ぶっぽう衆徳しゅとくかいさんおなじく一体いったいなり。 ゆゑにわれ*えんにゅう万徳まんどくそんみょうらいしたてまつる」 と。

↠念、仏法衆徳海三世同一体ナリ。故我帰↢命マツル↣円融万徳尊↡。」

3.一念大利

【65】^またいはく (往生要集・上)

又云

^*波利はりしっじゅはな一日いちにちころもくんずるに、 *瞻蔔せんぶく*波師迦はしか千歳せんざいくんずといへども、 およぶことあたはざるところなり」 と。

「波利質多樹華、一日薫ルニ↠衣、瞻蔔華・波師迦華、雖↢千歳薫ズト↡、所ナリ↠不↠能↠及コト。」

4.悪機得生

【66】^またいはく (往生要集・下)

又云

^一斤いっこん*せきじゅう、 よく千斤せんごんあかがねへんじてこがねとなす。

「如↧一斤石汁、能↢千斤↡為↠金

^*雪山せっせんくさあり、 づけて*忍辱にんにくとす。 うしもしじきすればすなはち*だい

雪山↠草、名↢忍辱牛若得↢醍醐

^*尸利しりしゃ*昴星ぼうせいればすなはちじついだすがごとし」 と。

利沙見レバ↢昴星↡則↦菓実↥。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅶ)吉水引意(¬選択集¼二文)
                (a)正しく集文を引く

1.念仏為本

【67】^¬*せんじゃく本願ほんがん念仏ねんぶつしゅう¼ *源空げんくうしゅう にいはく、

¬選択本願念仏集¼ 源空集

^南無なも弥陀みだおうじょうごう念仏ねんぶつほんとす」 と。

「南无阿弥陀仏 往生之業念仏↠本

2.三選之文

【68】^またいはく (選択集)

又云

^それすみやかにしょうはなれんとおもはば、 しゅしょうぼうのなかに、 しばらく*しょうどうもんさしおきて、 えらんで*じょうもんれ。 じょうもんらんとおもはば、 しょうぞうぎょうのなかに、 しばらくもろもろの*ぞうぎょうなげうちて、 えらんで*正行しょうぎょうすべし。 正行しょうぎょうしゅせんとおもはば、 しょうじょごうのなかに、 なほ*助業じょごうかたわらにして、 えらんで正定しょうじょうをもつぱらにすべし。

「夫ハバ↠離ムト↢生死↡、二種勝法↢聖道門↡、選↢浄土門↡。欲ハバ↠入ムト↢浄土門↡、正雑二行↢諸雑行↡、選↠帰↢正行↡。欲ハバ↠修ムト↢於正行↡、正助二業猶傍ニシテ↢於助業↡、選↠専ニス↢正定↡。

^*正定しょうじょうごうとはすなはちこれぶつみなしょうするなり。 称名しょうみょうはかならずしょうずることをぶつ本願ほんがんによるがゆゑに」 と。

正定之業是称ルナリ↢仏名↡。称名得↠生コト。依↢仏本願↡故ニト。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅶ)(b)略釈

【69】^あきらかにんぬ、 これ*ぼんしょう*りきぎょうにあらず。 ゆゑに*こうぎょうづくるなり

是非↢凡聖自力之行↡。故クル↢不回向之行↡也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅶ)(c)勧帰
                  (イ)正勧

・念仏成仏釈

^*だいしょうしょうにん重軽じゅうきょう悪人あくにん、 みなおなじくひとしくせんじゃくだい宝海ほうかいして念仏ねんぶつじょうぶつすべし。

大小聖人・重軽悪人、皆同↧帰↢選択大宝海↡念仏成仏↥。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅶ)(c)(ロ)引証(¬論註¼)

・同一念仏

【70】^ここをもつて ¬ろんちゅう¼ (下) にいはく、

¬論¼曰

^かの安楽あんらくこくは、 弥陀みだ如来にょらい*しょうがくじょうしょうするところにあらざることなし。 *同一どういつ念仏ねんぶつしてべつみちなきがゆゑに」 とのたまへり。

「彼安楽国土、莫↠非コト↣阿弥陀如来正覚浄華之所↢化生スル↡。同一念仏キガ↢別道↡故ニトノタマヘリ。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)釈成
              (ⅰ)行信の利益を明かす【行信利益】

1.正説

【71】^しかれば、 真実しんじつ*ぎょうしんれば、 こころ*かんおおきがゆゑに、 これを*かんづく。 これを*しょたとふることは、 しょしょうじゃ、 なほ睡眠すいめんらんなれども*じゅういたらずいかにいはんや*十方じっぽう*ぐんじょうかいこのぎょうしんみょうすれば*摂取せっしゅしててたまはず。 ゆゑに弥陀みだぶつづけたてまつると。 これを*りきといふ。

↢真実行信、心キガ↢歓喜↡故↢歓喜地↡。是コト↢初果、初果聖者、尚睡眠懶堕ドモ不↠至↢二十九有↡。何十方群生海、帰↢命スレ行信摂取不↠捨タマハ。故マツルト↢阿弥陀仏↡。是↢他力↡。

2.引証

^ここをもつてりゅうじゅだいは 「*そくにゅうひつじょう(易行品) といへり。 曇鸞どんらんだいは 「*にゅう正定しょうじょうじゅじゅ(論註・上) といへり。 あおいでこれをたのむべし。 もつぱらこれをぎょうずべきなり。

龍樹大士↢「即時入必定」↡。曇鸞大師↢「入正定聚之数」↡。仰↠憑↠斯。専↠行↠斯也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)行信の交際を弁ず【両重因縁

1.正釈

【72】^まことにんぬ、 *徳号とくごう慈父じふましまさずは*のうしょういんけなん。 *こうみょう悲母ひもましまさずは*しょしょうえんそむきなん。 能所のうじょ因縁いんねんごうすべしといへども、 *信心しんじん*業識ごっしきにあらずはこうみょういたることなし。 真実しんじつしん業識ごっしき、 これすなはち内因ないいんとす。 こうみょうみょう父母ぶも、 これすなはちえんとす。 ない因縁いんねんごうして*ほう*真身しんしんとくしょうす。

マシマサズ↢徳号慈父↡能生因闕ナムマシマサズ↢光明悲母↡所生縁乖ナム。能所因縁雖↠可シト↢和合↡、非ズハ↢信心業識↡无↠到コト↢光明土↡。真実信業識、斯則為↢内因↡。光明・名父母、斯則為↢外縁↡。内外因縁和合得↢証報土真身↡。

2.引証

^ゆゑにしゅう (善導) は、 「こうみょうみょうごうをもつて十方じっぽうせっしたまふ、 ただ信心しんじんをしてねんせしむ」 (礼讃) とのたまへり。 ^また 「念仏ねんぶつじょうぶつこれしんしゅう(*五会法事讃) といへり。 ^また 「しんしゅうひがたし」 (*散善義) といへるをや、 ^るべしと。

宗師ヘリ↧「以↢光明・名号↡摂↢化タマフ十方↡、但使ムト↦信心ヲシテ求念↥。」又云↢「念仏成仏是真宗」↡、又云ルヲ↢「真宗叵シト↟遇、可↠知

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)行信一念を明かす【行一念釈】
                (a)総標

【73】^おほよそ*往相おうそうこうぎょうしんについて、 ぎょうにすなはち一念いちねんあり、 またしん一念いちねんあり。

↢往相回向行信↡、行↢一念↡、亦信↢一念↡。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)別釈
                  (イ)正しく一念を釈す
                    [一]正釈
                      [Ⅰ]直釈

^*ぎょう一念いちねんといふは、 いはく、 称名しょうみょう遍数へんじゅについて*せんじゃく*ぎょうごく顕開けんかいす。

↢行之一念↡者、謂↢称名徧数↡顕↢開選択易行至極↡。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)(イ)[一][Ⅱ]出文
                        [ⅰ]正出
                          [a]¬大経¼

【74】^ゆゑに ¬*大本だいほん¼ (大経・下) にのたまはく、

¬大本¼言

^ぶつ*ろくかたりたまはく、 ªそれかのぶつみょうごうくことをて、 *かんやくしてない一念いちねんせんことあらん。 まさにるべし、 このひとだいとす。 すなはちこれじょうどくそくするなりº」 と。

「仏語タマハク↢弥勒↡、其↧得↠聞コト↢彼名号↡、歓喜踊躍乃至一念セムコト↥。当↠知、此為↠得↢大利↡。則是具↢足ナリト无上功徳↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅰ][b][d](終南)

【75】^こうみょうしょう (善導) は 「下至げし一念いちねん(散善義・意) といへり。 また 「いっしょう一念いちねん(礼讃) といへり。 また 「専心せんしん専念せんねん(散善義・意) といへり。

光明寺和尚↢「下至一念」↡。又云↢「一声一念」↡。又云↢「専心専念」↡。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅰ][e]¬集諸経礼懴儀¼

【76】^しょうの ¬*しゅうしょきょう礼懴らいさん¼ のかんにいはく、

智昇師¬集諸経礼懴儀¼下巻

^*深心じんしんはすなはちこれ真実しんじつ信心しんじんなりしんはこれ煩悩ぼんのうそくせるぼん善根ぜんごんはくしょうにして三界さんがい*てんして*たくでずとしんす。 いま弥陀みだ*ほんぜいがんは、 みょうごうしょうすること*下至げしじっしょうもんとうおよぶまで、 さだめておうじょうしむとしんして一念いちねんいたるにおよぶまでしんあることなし。 ゆゑに深心じんしんづく」 と。

「深心是真実信心ナリ。信↧知自身是具↢足煩悩↡凡夫、善根薄少ニシテ流↢転三界↡不↞出↢火宅↡。今信↪知弥陀本弘誓願、及マデ↧称コト↢名号↡下至十聞等↥、定シムト↩往生↨、及マデ↠至ルニ↢一念↡无↠有コト↢疑心↡。故クト↢深心↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅱ]解釈
                          [a]乃至を釈す

【77】^¬きょう¼ (大経) に 「ない」 といひしゃく (散善義) に 「下至げし」 といへり。 ないそのことばことなりといへども、 そのこころこれひとつなり。 ^またないとは*いっ包容ほうようことばなり

↢「乃至」↡、釈↢「下至」↡。乃下其↠異リト、其コレ一也。復乃至者一多包カヌ容之イルヽ ナリ

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅱ][b]大利無上を釈す

^だい」 といふはしょうたいせるのことばなり。じょう」 といふはじょうたいせるのことばなり。 まことにんぬ、 だいじょう*いちじょう*真実しんじつやくなり。 しょうじょうはすなはちこれ八万はちまんせん*もんなり。

↢大利↡者対セル↢小利↡之言ナリ。言↢无上↡者対セル↢有上↡之言也。マコト大利无上者一乗真実之利益也。小利有上者則是八万四千カリニ門也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅱ][c]一念を釈す

^しゃく (散善義) に 「専心せんしん」 といへるはすなはち*一心いっしんなり、 しんなきことをあらわすなり。 専念せんねん」 といへるはすなはち*いちぎょうなり、 ぎょうなきことをあらわすなり。

↢専心↡者即一心ナリアラハ↠无キコトヲ↢二心↡也。云↢専念↡者即一行ナリ、形↠无キコトヲ↢二行↡也。

^いま*ろくぞくの 「一念いちねん」 はすなはちこれいっしょうなり。 いっしょうすなはちこれ*一念いちねんなり。 一念いちねんすなはちこれいちぎょうなり。 いちぎょうすなはちこれ*正行しょうぎょうなり。 正行しょうぎょうすなはちこれ*しょうごうなり。 しょうごうすなはちこれ*しょうねんなり。 しょうねんすなはちこれ*念仏ねんぶつなり。 すなはちこれ*南無なも弥陀みだぶつなり。

今弥勒付嘱之一念是一声ナリ。一声即是一念ナリ。一念即是一行ナリ。一行即是正行ナリ。正行即是正業ナリ。正業即是正念ナリ。正念即是念仏ナリ。則是南无阿弥陀仏也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)(イ)[二]結嘆

【78】^しかれば、 だい*願船がんせんじょうじてこうみょう広海こうかいうかびぬればとくかぜしずかにしゅなみてんず。 すなはちみょうあんし、 すみやかに*りょうこうみょういたりて*だいはつはんしょうす、 *げんとくしたがふなり、 るべしと。

↢大悲願船↡浮ヌレバ↢光明広海↡、至徳風静衆禍波転。即↢无明↡、速↢无量光明土↡証↢大般涅槃↡、遵↢普賢之徳↡也、可シト↠知

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)(ロ)因みに十念を釈す

【79】^¬安楽あんらくしゅう¼ (上) にいはく、

¬安楽集¼云

^*じゅうねん相続そうぞくとは、 これ*しょうじゃひとつのかずならくのみ。 すなはちよくねんみ、 おもいらして他事たじえんぜざれば、 *業道ごうどうじょうべんせしめてすなはちみぬ。 また*いたわしくこれが*しゅせざれと。 またいはく、 もしぎょうひとねんは、 おおくこれによるべし。 もし*ぎょうひとねんは、 かずする、 また。 これまた聖教しょうぎょうによるなり」 と。

「十念相続者、是聖者数之名。即↠念、凝↠思レバ↠縁↢他事↡、使↢業道成スナハチ↡便。亦不レト↣労↢之ハシ↡也。又、若久行、多↠依↠此。若始行念者、記スル↠数亦好。此亦依ルナリト↢聖教↡。」

一 Ⅰ ⅱ b 結示

【80】^これすなはち真実しんじつぎょうあらわ明証みょうしょうなり。

斯乃↢真実↡明証ナリ

一 Ⅰ ⅱ 結嘆

^まことにんぬ、 *せんじゃく*摂取せっしゅ*本願ほんがんちょう希有けう勝行しょうぎょう*えんにゅうしんみょうしょうぼうごく無礙むげ*だいぎょうなり、 るべしと。

選択摂取之本願、超世希有之勝行、円融真妙之正法、至極无之大行也、可シト↠知

要義を追釈する【追釈】
    他力を釈す【他力釈】
      正標

【81】^りきといふは如来にょらい*本願ほんがんりきなり。

↢他力↡者如来本願力也。

一 Ⅱ ⅰ 引証
        ¬論註¼利行満足章
          (一) 略明

・標示本願力

【82】^¬論¼ (論註・下) にいはく、

¬論¼曰

^本願ほんがんりきといふは、 *だいさつ*法身ほっしんのなかにして、 つねに*三昧さんまいにましまして、 種々しゅじゅしん種々しゅじゅ神通じんずう種々しゅじゅ説法せっぽうげんじたまふことをしめす。 みな本願ほんがんりきよりおこるをもつてなり。 たとへば、 *しゅきんするものなしといへども、 しかもいんぎょくねんなるがごとし。 これを*きょう*だいどくそうづく。

「言↢本願力↡者、示↧大菩薩↢法身↡、常シテ↢三昧↡而タマフコトヲ↦種種身、種種神通、種種説法↥。皆以ナリ↢本願力ヨリ↡。譬↧阿修羅↠无↢鼓者↡、而音曲自然ルガ↥。是↢教化地第五功徳相↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二) 広釈
            (Ⅰ) 仏の修成を弁ず

・法体成就 ・二利満足 ・入

 ^ªさつ*しゅもんりて、 自利じりぎょうじょうじゅしたまへりと、 るべしº と。 ªじょうじゅº とは、 いはく自利じり満足まんぞくせるなり。 ªおうº といふは、 いはく自利じりによるがゆゑにすなはちよく利他りたす。 これ自利じりにあたはずしてよく利他りたするにはあらざるなりとるべし。

菩薩↢四種↡自利行成就タマヘリト、応↠知。成就者、謂自利満足セル也。応知トイフ者、謂↠知↩由↢自利↡故利他↧是不↠能↢自利シテ利他ルニハ↥也↨。

・法体成就 ・二利満足 ・出

 ^ªさつ*だいもんでてこうやくぎょうじょうじゅしたまへりと、 るべしº と。 ªじょうじゅº とは、 いはくこういんをもつてきょうしょうす。 もしはいん、 もしはいちとして利他りたにあたはざることあることなきなり。 ªおうº といふは、 いはく利他りたによるがゆゑにすなはちよく自利じりす、 これ利他りたにあたはずしてよく自利じりするにはあらざるなりとるべし。

菩薩↢第五門↡廻向利益他行成就タマヘリト、応↠知。成就者、謂↢回向↡証↢教化地↡。若因若果、无↠有コト↢一事トシテコト↟能↢利他↡也。応知トイフ者、謂↠知↧由↢利他↡故自利、非ナリト↦是不↠能↢利他シテ自利ルニハ↥也

・法体成就 ・成就菩提

 ^ªさつはかくのごときもんぎょうしゅして、 自利じり利他りたして、 すみやかに*のく多羅たらさんみゃくさんだいじょうじゅすることをたまへるがゆゑにº と。 ぶつ所得しょとくほうを、 づけてのく多羅たらさんみゃくさんだいとす。 このだいたまへるをもつてのゆゑに、 づけてぶつとす。 いま ª速得そくとくのく多羅たらさんみゃくさんだいº といへるは、 これはやくぶつになることをたまへるなり。

菩薩↠是↢五門↡、自利利他、速タマヘルガ↣成↢就コトヲ阿耨多羅三藐三菩提↡故。仏所得、名為↢阿耨多羅三藐三菩提↡。以↠得タマヘルヲ↢此菩提↡故、名為↠仏。今言ルハ↢速得阿耨多羅三藐三菩提↡、是得タマヘル↢早コトヲ↟仏也。

^ªº をばづく、 ªのく多羅たらº をばじょうづく、 ªさんみゃくº をばしょうづく、 ªさんº をばへんづく、 ªだいº をばどうづく、 ねてこれをやくして、 づけて ªじょうしょうへんどうº とす。

ヲバ↠无、耨多羅ヲバ↠上、三藐ヲバ↠正、三ヲバ↠徧、菩提ヲバ↠道カネ↠之、名為↢无上正徧道↡。

^ªじょうº は、 いふこころは、 このどう*きわめ、 しょうつくすこと、 さらにぎたるひとなけん。 なにをもつてかこれをいはば、 ªしょうº をもつてのゆゑに。

无上者、イフココロ道、窮↠理コト↠性、更ケム↢過タルヒト↡。何↠之、以↠正

^ªしょうº はしょうなり。 *法相ほっそうのごとくしてるがゆゑに、 しょうしてしょうとす。 ほっしょうそうなきゆゑにしょう無知むちなり。

正者聖智也。如↢法相シテ、称為↢正智↡。法性↠相故聖智无知也。

^ªへんº にしゅあり。 ひとつには*しょうしん、 あまねく一切いっさいほうろしめす。 ふたつには*法身ほっしん、 あまねく*法界ほうかいてり。 もしは、 もしはこころへんせざることなきなり。

↢二種↡。一者聖心、徧メス↢一切↡。二者法身、徧↢法界↡。若身若心、无↠不コト↠徧也。

^ªどうº は無礙むげどうなり。 ¬きょう¼ (*華厳経) にいはく、 ª十方じっぽう*無礙むげにん一道いちどうよりしょうでたまへりº と。 ª一道いちどうº はいち無礙むげどうなり。 ª無礙むげº は、 いはく、 *しょうすなはちこれはんなりとるなり。 かくのごときらの*にゅう不二ふに法門ほうもん無礙むげそうなり。

道者无道也。¬経¼言、十方无人、一道ヨリタマヘリ↢生死↡。一道者、一无道也。无者、謂ナリ↢生死即是涅槃ナリト↡。如↠是入不二法門无相也。

・往還因果 ・問

 ^うていはく、 なんの因縁いんねんありてか ª速得そくとくじょうじゅのく多羅たらさんみゃくさんだいº といへるやと。

、有テカ↢何因縁↡言ルヤ↢速得成就阿耨多羅三藐三菩提↡。

・往還因果 ・答 ・引論

 ^こたへていはく、 ¬ろん¼ (浄土論) に ªもんぎょうしゅしてもつて自利じり利他りたじょうじゅしたまへるがゆゑにº といへり。

、¬論¼言↧修↢五門↡以自利利他成就タマヘルガニト↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ) 本願力を釈す

・往還因果 ・答 ・略標

^しかるに*まこともともとむれば、 弥陀みだ如来にょらい*ぞうじょうえんとするなり。

レバ↢其↡、阿弥陀如来ナリ↢増上縁↡。

・往還因果 ・答 ・弁名

^*他利たり利他りたと、 だんずるに左右さうあり。 もしぶつよりしていはば、 よろしく利他りたといふべし。 しゅじょうよりしていはば、 よろしく他利たりといふべし。 いままさに仏力ぶつりきだんぜんとす、 このゆゑに利他りたをもつてこれをいふ。 まさにるべし、 このこころなり。

他利↢利他↡、談ルニ↢左右↡。若 シテ、宜↠言↢利他↡。 衆生シテ、宜↠言↢他利↡。今将ス  ↠談ムト↢仏力↡、是↢利他↡言↠之。当↠知、此意也。

・往還因果 ・答 ・反顕

^おほよそこれかのじょうしょうずると、 およびかのさつにんてんおこすところのしょぎょうは、 みな弥陀みだ如来にょらい本願ほんがんりきによるがゆゑに。 なにをもつてこれをいはば、 もし仏力ぶつりきにあらずは、 じゅうはちがんすなはちこれいたづらにもうけたまへらん。

ルト↢彼浄土↡、及菩薩・人・天諸行、皆ヨル↢阿弥陀如来本願力↡故。何↠之、若ズハ↢仏力↡、四十八願便是徒タマヘラム

・往還因果 ・答 ・引証(三願的証

^*いまひとしく三願さんがんりて、 もつてこころしょうせん。

ヒトシ↢三願↡、用↢義↡。

・往還因果 ・答 ・引証(三願的証) ・第十八願

 ^(第十八願) にのたまはく、 ªたとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうしゅじょうこころいたしんぎょうしてわがくにしょうぜんとおもうて、 ないじゅうねんせん。 もしうまれずは、 しょうがくらじと。 ただぎゃく*ほうしょうぼうとをばのぞくº と。

、設我得タラムニ↠仏、十方衆生、至↠心信楽↠生ムト↢我↡、乃至十念。若不↠生者、不↠取↢正覚↡。唯除クト↢五逆誹謗正法トヲバ↡。

^仏願ぶつがんりきによるがゆゑにじゅうねん念仏ねんぶつしてすなはちおうじょうおうじょうるがゆゑに、 すなはち三界さんがい*輪転りんでんまぬかる。 輪転りんでんなきがゆゑに、 このゆゑにすみやかなることをひとつのしょうなり。

↢仏願力↡故十念念仏便得↢往生↡。得↢往生↡故↢三界輪転之事↡。无キガ↢輪転↡故所以コノユヘニ↠速コトヲ証也。

・往還因果 ・答 ・引証(三願的証) ・第十一願

 ^(第十一願) にのたまはく、 ªたとひわれぶつたらんに、 くにのうちの人天にんでんじょうじゅじゅうし、 かならず*めついたらずは、 しょうがくらじº と。

、設我得タラムニ↠仏、国人天、不↧住↢定聚↡必↦滅度↥者、不↠取↢正覚↡。

^仏願ぶつがんりきによるがゆゑに*正定しょうじょうじゅじゅうせん。 正定しょうじょうじゅじゅうせるがゆゑにかならずめついたらん。 もろもろの*ぶくなんなし、 このゆゑにすみやかなることをふたつのしょうなり。

↢仏願力↡故↢正定聚↡。住ルガ↢正定聚↡故↢滅度↡。无↢諸回伏之難↡、所以コノユヘニ↠速コトヲ証也。

・往還因果 ・答 ・引証(三願的証) ・第二十二願

 ^(第二十二願) にのたまはく、 ªたとひわれぶつたらんに、 ほうぶつのもろもろのさつしゅ、 わがくにらいしょうして、 きょうしてかならず*いっしょうしょいたらしめん。 その本願ほんがんざいしょしゅじょうのためのゆゑに、 *ぜいよろいて、 徳本とくほんしゃくるいし、 一切いっさいだつして、 諸仏しょぶつくにあそび、 さつぎょうしゅして、 十方じっぽう諸仏しょぶつ如来にょらいようし、 恒沙ごうじゃりょうしゅじょうかいしてじょうしょうしんどうりゅうせしめんをばのぞく。 *じょうりん超出ちょうしゅつし、 *しょぎょう現前げんぜんし、 げんとくしゅじゅうせん。 もししからずは、 しょうがくらじº と。

、設我得タラムニ↠仏、他方仏土菩薩衆、来↢生↡、究竟シメム↢一生補処↡。除↧其本願自在所化、為↢衆生↡故↢弘誓ガイヨロイ↡、積↢累徳本↡、度↢脱一切↡、遊↢諸仏↡、修↢菩薩↡、供↢養十方諸仏如来↡、開↢化恒砂无量衆生↡使メムヲバ↞立↢无上正真之道↡。超↢出常倫↡、諸地之行現前、修↢習普賢之徳↡。若不↠爾者、不↠取↢正覚↡。

^仏願ぶつがんりきによるがゆゑに、 じょうりん超出ちょうしゅつし、 しょぎょう現前げんぜんし、 げんとくしゅじゅうせん。 じょうりん超出ちょうしゅつし、 しょぎょう現前げんぜんするをもつてのゆゑに、 このゆゑにすみやかなることをつのしょうなり。

↢仏願力↡故超↢出常倫↡、諸地之行現前、修↢習普賢之徳↡。以↧超↢出常倫↡、諸地之行現前スルヲ↥故所以コノユヘニ↠速コトヲ証也。

・往還因果 ・答 ・結成

^これをもつてりきすいするにぞうじょうえんとす。 しからざることをんやと。

↠斯而推ルニオシテオモフ↢他力↡為↢増上縁↡。得↠不コトヲ↠然

・往還因果 ・答 ・例示

 ^まさにまたれいきてりきりきそうしめすべし。 ひと*さんおそるるがゆゑに*禁戒きんかいじゅす。 禁戒きんかいじゅするがゆゑによくぜんじょうしゅす。 ぜんじょうしゅすをもつてのゆゑに神通じんずうしゅじゅうす。 神通じんずうをもつてのゆゑによく*てんあそぶがごとし。 かくのごときらをづけてりきとす。

↣復引↠例↢自力・他力↡。如↧人畏ルルガ↢三塗↡故受↢持禁戒受↢持ルガ禁戒↡故↢禅定↠修スヲ↢禅定↡故修↢習神通↢神通↡故ブガ↦四天下↥。如↠是為↢自力↡。

^またれっ*またがつてのぼらざれども、 *転輪てんりんのうくにしたがへば、 すなはちくうじょうじててんあそぶにしょうするところなきがごとし。 かくのごときらをづけてりきとす。

又如↧劣夫↠驢ドモ↠上、従ヘバ↢転輪王クニ↡、便↢虚空↡遊ブニ↢四天下↡无キガ↞所↢障↡。如↠是為↢他力↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (三) 結勧

^*おろかなるかなのち学者がくしゃりきじょうずべきをきてまさに信心しんじんしょうずべし。 みづから*きょくぶん (きょく、 せばし、 ちかし、 かぎる) することなかれ」 と。

ナル哉後之学者、聞↢他力キヲ↟乗↠生↢信心↡。勿レト局字 古玉反 セバシ チカシ カギルコト↡也。」

一 Ⅱ ⅰ b 元照¬観経義疏¼

【83】^がんじょうりっのいはく (*観経義疏)

元照律師

^「あるいは*このほうにしてわくしんしょうすれば、 すなはちりきはこぶがゆゑに、 *だいしょうしょきょうだんず。 あるいはほうきてほうどうさとるは、 すべからくりきたのむべきがゆゑに、 おうじょうじょうく。 彼此ひしことなりといへども*方便ほうべんにあらざることなし。 しんさとらしめんとなり」 と。

「或↢此↡破↠惑レバ↠真、則ブガ↢自力↡故、談↢大小諸経↡。或↢他方↡聞↠法ルハ↠道、須キガ↠憑↢他力↡故、説↢往生浄土↡。彼此雖↠異リト↠非コト↢方便↡。令メムトナリト↠悟↢自心↡。」

一 Ⅱ 一乗海を釈す【一乗海釈】
      正釈
        牒標

【84】^*いちじょうかい」 といふは、

↢一乗海↡者、

一 Ⅱ ⅱ a 釈義
          (一)一乗を釈す
            (Ⅰ)直釈
              (ⅰ)異名を会合す

^いちじょう」 はだいじょうなり。 だいじょう*ぶつじょうなり。

一乗者大乗ナリ。大乗者仏乗ナリ

一 Ⅱ ⅱ a ロ (一)(Ⅰ)(ⅱ)一乗の力を釈す

^いちじょうるはのく多羅たらさんみゃくさんだいるなり。 のくだいはすなはちこれはんがいなり。 はんがいはすなはちこれ*きょう法身ほっしんなり。 きょう法身ほっしんるはすなはちいちじょうきょうするなり。 *如来にょらいましまさず、 法身ほっしんましまさず。 如来にょらいはすなはち法身ほっしんなり。 いちじょうきょうするはすなはちこれ*へんだんなり。

↢一乗↡者得ナリ↢阿耨多羅三藐三菩提↡。阿耨菩提者即是涅槃界ナリ。涅槃界者即是究竟法身ナリ。得ルハ↢究竟法身↡者則究↢竟ルナリ一乗↡。サズ↢異コト如来↡、无サズ↢異コト法身↡。如来法身ナリ。究↢竟一乗↡者即是无辺不断ナリ

一 Ⅱ ⅱ a ロ (一)(Ⅰ)(ⅲ)対弁・出体

^だいじょうじょうさんじょうあることなし。 じょうさんじょういちじょうらしめんとなり。 いちじょうはすなはち第一だいいちじょうなり。 ただこれ*誓願せいがん一仏いちぶつじょうなり。

大乗↠有コト↢二乗・三乗↡。二乗・三乗者入シメムトナリ↢於一乗↡。一乗者即第一義乗ナリ。唯是誓願一仏乗也。

一 Ⅱ ⅱ a ロ (一)(Ⅱ)引文
              (ⅰ)正引
                (a)¬涅槃経¼四文

1.聖行品

【85】^¬*はんぎょう¼ (*聖行品) にのたまはく、

¬涅槃経¼

^善男ぜんなん*実諦じったいづけてだいじょうといふ。 だいじょうにあらざるは実諦じったいづけず。 善男ぜんなん実諦じったいはこれぶつ所説しょせつなり。 所説しょせつにあらず。 もしこれせつ仏説ぶっせつにあらざれば、 実諦じったいづけず。 善男ぜんなん実諦じったい一道いちどう清浄しょうじょうにしてふたつあることなし」 と。

「善男子、実諦者名↢大乗↡。非↢大乗↡者不↠名↢実諦↡。善男子、実諦者是仏所説ナリ。非↢魔所説↡。若是魔説レバ↢仏説↡不↠名↢実諦↡。善男子、実諦者一道清浄ニシテ↠有コト↠二也。」

2.徳王品

【86】^またのたまはく、 (涅槃経・*徳王品)

又言

^「いかんがさつ*一実いちじつしんじゅんする。 さつ一切いっさいしゅじょうをしてみな一道いちどうせしむとりょうするなり。 一道いちどうはいはくだいじょうり。 諸仏しょぶつさつしゅじょうのためのゆゑに、 これをわかちてつとす。 このゆゑにさつ*ぎゃくしんじゅんす」 と。

「云何菩薩信↢順一実↡。菩薩了↣知ルナリ一切衆生ヲシテ皆帰シムト↢一道↡。一道者謂大乗也。諸仏・菩薩為↢衆生↡故、分↠之為↠三。是菩薩信↢順スト不逆↡。」

3.師子吼品(畢竟)

【87】^またのたまはく (涅槃経・*師子吼品)

又言

^善男ぜんなん*ひっきょうしゅあり。 ひとつには*しょうごんひっきょうふたつには*きょうひっきょうなり。 ひとつには*けんひっきょうふたつには*しゅっひっきょうなり。 しょうごんひっきょうろっ波羅ぱらみつなり。 きょうひっきょう一切いっさいしゅじょうるところのいちじょうなり。

「善男子、畢竟↢二種↡。一者荘厳畢竟、二者究竟畢竟ナリ。一者世間畢竟、二者出世畢竟ナリ。荘厳畢竟者六波羅蜜ナリ。究竟畢竟者一切衆生所↠得一乗ナリ

^いちじょうづけて*ぶっしょうとす。 このをもつてのゆゑに、 われ*一切いっさいしゅじょうしつぶっしょうくなり。 一切いっさいしゅじょうことごとくいちじょうあり。 *みょうおおへるをもつてのゆゑに、 ることをることあたはず」 と。

一乗者名為↢仏性↡。以↢是↡故我説ナリ↢一切衆生悉有仏性↡。一切衆生悉↢一乗↡。以↢无明覆ルヲ↡故↠能↠得コト↠見コトヲ。」

4.師子吼品(一非)

【88】^またのたまはく (涅槃経・獅子吼品)

又言

^「いかんがいちとする。 一切いっさいしゅじょうことごとくいちじょうなるがゆゑに。 いかんがいちなる。 さんじょうくがゆゑに。 いかんがいち非非ひひいちなる。 *しゅほうなるがゆゑなり」 と。

「云何↠一。一切衆生悉一乗ナルガ。云何非一ナル。説↢三乗↡故。云何非一・非非一ナル。无数ナルガナリト。」

一 Ⅱ ⅱ a ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)(b)¬華厳経¼

【89】^¬*ごんぎょう¼ (*明難品・晋訳) にのたまはく、

¬華厳経¼言

^*文殊もんじゅほうはつねにしかなり。 *法王ほうおうはただ一法いっぽうなり。 一切いっさい無礙むげにん一道いちどうよりしょうでたまへり。

「文殊ナリ法王唯一法ナリ
一切无人一道ヨリタマヘリ↢生死

^一切いっさい諸仏しょぶつしん、 ただこれいち法身ほっしんなり。 一心いっしんいち智慧ちえなり。 *りき無畏むいもまたしかなり」 と。

一切諸仏唯是一法身ナリ
一心一智慧ナリ力・无畏亦然ナリト

一 Ⅱ ⅱ a ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)示意

【90】^しかれば、 これらのかくは、 みなもつて*あんにょう*じょうせつだい仏願ぶつがんなんとくなり。

斯等覚悟、皆以安養浄刹之大利、仏願難思之至徳也。

一 Ⅱ ⅱ a ロ (二)海を釈す

【91】^かい」 といふは、 おんよりこのかた、 ぼんしょう所修しょしゅ*雑修ざっしゅ雑善ぞうぜん川水せんすいてんじ、 *ぎゃくほう*闡提せんだい恒沙ごうじゃみょう海水かいすいてんじて、 本願ほんがんだい智慧ちえ真実しんじつ恒沙ごうじゃ万徳まんどくだい宝海ほうかいすいとなる。 これをうみのごときにたとふるなり。 まことにんぬ、 *きょうきて 「煩悩ぼんのうこおりけてどくみずとなる」 とのたまへるがごとし。

↠海者、従↢久遠↡已来↢凡聖所修雑修雑善川水↡、転↢逆謗闡提恒沙无明海水↡、成↢本願大悲智慧真実恒沙万徳大宝海水↡。喩↢之キニ↟海也。良↤経ルガ↣「煩悩氷解ルト↢功徳↡。」

 ^願海がんかい*じょう*雑善ぞうぜん*ちゅうがい宿やどさず。 いかにいはんや人天にんでん虚仮こけじゃ善業ぜんごう雑毒ぞうどく雑心ざっしんがい宿やどさんや。

願海者不↠宿↢二乗雑善中下屍骸↡。何宿↢人天虚仮邪偽善業、雑毒雑心屍骸

一 Ⅱ ⅱ a ロ (三)引証
            (Ⅰ)¬大経¼

【92】^ゆゑに ¬大本だいほん¼ (大経・下) にのたまはく、

¬大本¼言

^しょうもんあるいはさつ、 よくしょうしんきわむることなし。 *たとへばうまれてよりめしひたるものの、 いてひと開導かいどうせんとおもはんがごとし。

「声聞或菩薩↣能コト↢聖心
↤従↠生タルモノヽムガ開↢導ムト

^如来にょらい智慧ちえかいは、 深広じんこうにして涯底がいたいなし。 じょうはかるところにあらず。 ただぶつのみひとりあきらかにさとりたまへり」 と。

如来智慧海深広ニシテ↢涯底↡
二乗↠所ハカ唯仏ノミタマヘリト

一 Ⅱ ⅱ a ロ (三)(Ⅱ)¬論註¼二文

1.不虚作住持功徳

【93】^¬じょうろん¼ (論註・下) にいはく、

¬浄土論¼曰

^ªなにものかしょうごん*虚作こさじゅうどくじょうじゅに、 «^ぶつ*本願ほんがんりきかんずるに、 もうおうてむなしくぐるものなし。 よくすみやかにどくだい宝海ほうかい満足まんぞくせしむ» といへるがゆゑにº とのたまへり。

「何者荘厳不虚作住持功徳成就、偈↧観ズルニ↢仏本願力↡、遇↢空者↡トイヘルガ↣速満↢足功徳大宝海↡故ニト↥。

 ^ª虚作こさじゅうどくじょうじゅº とは、 けだしこれ弥陀みだ如来にょらい本願ほんがんりきなり。 いままさにりゃくして虚作こさそうじゅうにあたはざるをしめして、 もつてかの虚作こさじゅうあらわす。

不虚作住持功徳成就者、蓋是阿弥陀如来本願力也。今当↢虚空之相ルヲ↟能↢住持↡、用↢彼不虚作住持之義↡。

^いふところの虚作こさじゅうは、 もと*法蔵ほうぞうさつ*じゅうはちがんと、 今日こんにち*弥陀みだ如来にょらいざい神力じんりきとによる。 がんもつてりきじょうず、 りきもつてがんく。 がん*ねんならず、 りき*せつならず。 力願りきがんあひかのうて、 ひっきょうじてたがはず。 ゆゑにじょうじゅといふ」 と。

↠言不虚作住持者、依↢本法蔵菩薩四十八願、今日阿弥陀如来自在神力トニ↡。願以↠力、力以↠願。願不↢徒イタヅラ ナラシカラシム↡、力不↢虚設ナラ↡。力願相カナヒ畢竟不↠タガ。故↢成就↡。」

2.大衆功徳

【94】^またいはく (論註・上)

又曰

^ªかいº とは、 いふこころは、 ぶつ*一切いっさいしゅ深広じんこうにしてきしなしじょう雑善ぞうぜんちゅうがい宿やどさず、 これをうみのごとしとたとふ。 このゆゑに、 ª^天人てんにんどうしゅ 清浄しょうじょうかいしょうº (浄土論) といへり。

「海者、イフココロ一切種智深広ニシテ↠涯、不↠宿↢二乗雑善中下屍骸↡、喩ルカ↢之シト↟海。是↢天人不動衆清浄智海生↡。

^ªどうº とは、 いふこころは、 かのてんにん*だいじょうこんじょうじゅして*きょうどうすべからざるなり」 と。

不動者、イフココロ天・人、成↢就大乗根↡不↠可↢傾動↡也。」

一 Ⅱ ⅱ a ロ (三)(Ⅲ)「玄義分」

【95】^こうみょう (善導) のいはく (玄義分)

光明師

^われ*さつぞう*とんぎょういちじょうかいとによる」 と。

「我依↢菩薩蔵頓教一乗海トニ↡」

一 Ⅱ ⅱ a ロ (三)(Ⅳ)「般舟讃」

【96】^またいはく (般舟讃)

又云

^¬*瓔珞ようらくきょう¼ のなかには*ぜんぎょうけり。 万劫まんごうこうしゅして*退たいしょうす。 ¬かんぎょう¼・¬弥陀みだきょう¼ とうせつは、 すなはちこれとんぎょうなり、 *だいぞうなり」 と。

「¬瓔珞経¼中ニハ↢漸教万劫↠功↢不退
¬観経¼・¬弥陀経¼等是頓教ナリ 菩提蔵ナリト

一 Ⅱ ⅱ a ロ (三)(Ⅴ)¬楽邦文類¼

【97】^¬楽邦らくほう文類もんるい¼ にいはく、

¬楽邦文類¼云

^*宗暁しゅうぎょうぜんのいはく、 ª*還丹かんたんいちりゅうくろがねへんじてこがねす。 しん一言いちごん悪業あくごうてんじて善業ぜんごうすº」 と。

「宗釈禅師、丹一粒ジテ↠鉄↠金。真理一言↢悪業↡成スト↢善業↡。」

一 Ⅱ ⅱ 対顕【二経二機対】
        教に約す
          (一)対論して勝を顕す

【98】^しかるに*きょうについて念仏ねんぶつ諸善しょぜん*きょう対論たいろんするに、 1なんたい2頓漸とんぜんたい3横竪おうじゅたい*4超渉ちょうしょうたい5順逆じゅんぎゃくたい6だいしょうたい7しょうたい8しょうれつたい9しんたい10近遠ごんおんたい

↠教念仏諸善比校対論ルニ、有↢難易対、頓漸対、横竪対、超渉対、順逆対、大小対、多少対、勝劣対、親疎対、近遠対、

11深浅じんせんたい12ごうにゃくたい13重軽じゅうきょうたい14こうきょうたい15じゅんぞうたい*16きょうたい*17しょうたい18通別つうべつたい19退たい退たいたい*20直弁じきべんいんみょうたい

深浅対、強弱対、重軽対、広狭対、純雑対、径迂対、捷遅対、通別対、不退退対、直弁因明対、

21みょうごうじょうさんたい*22じんじんたい*23かんかんたい24けんけんたい25だんだんたい26相続そうぞくぞくたい27じょうじょうたい28じょうじょうたい29思議しぎたい*30いんぎょうとくたい

名号定散対、理尽非理尽対、勧無勧対、無間間対、断不断対、相続不続対、无上有上対、上上下下対、思不思議対、因行果徳対、

*31せつせつたい*32こうたい33不護ふごたい34しょうしょうたい35さんさんたい36ぞくぞくたい37りょう了教りょうきょうたい*38かんかんたい39せんせんたい40しんたい

自説他説対、回不回向対、護不護対、証不証対、讃不讃対、付嘱不嘱対、了不了教対、機堪不堪対、選不選対、真仮対、

41仏滅ぶつめつめつたい*42法滅ほうめつ不利ふりたい43りきりきたい44がんがんたい45しょうしょうたい46入定にゅうじょうじゅにゅうたい*47ほうたいあり。 ^このかくのごとし。

仏滅不滅対、法滅利不利対、自力他力対、有願無願対、摂不摂対、入定聚不入対、報化対↡。斯義如↠斯

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)一乗に帰結す

^しかるに本願ほんがんいちじょうかいあんずるに、 えんにゅう満足まんぞく極速ごくそく無礙むげ*絶対ぜったい不二ふにきょうなり

ルニ↢本願一乗海↡、円融満足極速无絶対不二之教也。

一 Ⅱ ⅱ b 機に約す
          (一)対論して勝を顕す

【99】^また*について対論たいろんするに、 1しんたい2善悪ぜんあくたい3しょうじゃたい4是非ぜひたい5じったい6しんたい7じょうたい8どんたい9*奢促しゃそくたい10豪賎ごうせんたい11みょうあんたいあり。 ^このかくのごとし。

亦就↠機対論ルニ、有↢信疑対、善悪対、正邪対、是非対、実虚対、真偽対、浄穢対、利鈍対、奢促対、豪賎対、明闇対↡。斯義如↠斯

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)一乗に帰結す

^しかるにいちじょうかいあんずるに、 *金剛こんごう信心しんじん絶対ぜったいなりるべし。

ルニ↢一乗海之機↡、金剛信心絶対不二之機也↠知

一 Ⅱ ⅱ 嘆徳【一乗嘆徳】
        略明
          (一)正明

【100】^うやまつて一切いっさいおうじょうにんとうにまうさく、 ぜいいちじょうかいは、 無礙むげへんさいしょうじんみょう不可ふかせつ不可ふかしょう不可ふか思議しぎとくじょうじゅしたまへり

↢一切往生人等↡、弘誓一乗海者、成↢就タマヘリ无无辺最勝深妙不可説不可称不可思議至徳↡。

一 Ⅱ ⅱ c イ (二)所由

^なにをもつてのゆゑに、 *誓願せいがん不可ふか思議しぎなるがゆゑに。

。誓願不可思議ナルガ

一 Ⅱ ⅱ c 広嘆

1がんはたとへばたいくうのごとし、 もろもろのみょうどくこうへんなるがゆゑに。

悲願↢太虚空↡、諸妙功徳広无辺ナルガ

2なほ大車だいしゃのごとし、 あまねくよくもろもろのぼんしょう運載うんさいするがゆゑに。

猶如↢大車↡、普運↢載ルガ凡聖↡故

3なほみょうれんのごとし、 一切いっさいけんほうぜんせられざるがゆゑに。

猶如↢妙蓮華↡、不ルガ↠染ラレ↢一切世間↡故

4*善見ぜんけん薬王やくおうのごとし、 よく一切いっさい煩悩ぼんのうやまいするがゆゑに。

↢善見薬王↡、能ルガ↢一切煩悩↡故

5なほけんのごとし、 よく一切いっさい*きょうまんよろいつがゆゑに。

猶如↢利剣↡、能ツガ↢一切驕慢↡故

6*ゆうしょうどうのごとし、 よく一切いっさいのもろもろのぐんぶくするがゆゑに。

↢勇将幢↡、能ルガ↢一切魔軍↡故

7なほ利鋸りこのごとし、 よく一切いっさいみょうるがゆゑに。

猶如↢利鋸↡、能ルガ↢一切无明↡故

8なほ利斧りふのごとし、 よく一切いっさいしょえだるがゆゑに。

猶如↢利斧↡、能ルガ↢一切諸苦↡故

9*ぜんしきのごとし、 一切いっさいしょうばくくがゆゑに。

↢善知識↡、解クガ↢一切生死↡故

10なほ*どうのごとし、 よくぼん*しゅつようどうらしむるがゆゑに。

猶如↢導師↡、善ルガ↠知↢凡夫出要↡故

11なほせんのごとし、 智慧ちえみずいだしてじんすることなきがゆゑに。

猶如↢涌泉↡、出↢智慧↡无キガ↢窮尽コト↡故

12なほれんのごとし、 一切いっさいのもろもろのざいぜんせられざるがゆゑに。

猶如↢蓮華↡、不ルガ↠染ラレ↢一切罪垢↡故

13なほ疾風しっぷうのごとし、 よく一切いっさいしょしょうきりさんずるがゆゑに。

猶如↢疾風↡、能ルガ↢一切諸障↡故

14なほ好蜜こうみつのごとし、 一切いっさいどくあじはひを円満えんまんせるがゆゑに。

猶如↢好蜜↡、円↢満ルガ一切功徳↡故

15なほしょうどうのごとし、 もろもろのぐんじょうをしてじょうらしむるがゆゑに。

猶如↢正道↡、令ルガ↣諸群生ヲシテ↢智城↡故

16なほしゃくのごとし、 本願ほんがんいんふがゆゑに。

猶如↢磁石↡、吸フガ↢本願↡故

17*えんだんごんのごとし、 一切いっさい*有為ういぜん映奪ようだつするがゆゑに。

↢閻浮檀金↡、映↢奪ルガ一切有為↡故

18なほ*伏蔵ぶくぞうのごとし、 よく一切いっさい諸仏しょぶつほうせっするがゆゑに。

猶如↢伏蔵↡、能ルガ↢一切諸仏↡故

19なほだいのごとし、 さん十方じっぽう一切いっさい如来にょらい出生しゅっしょうするがゆゑに。

猶如↢大地↡、三世十方一切如来出生ルガ

20日輪にちりんひかりのごとし、 一切いっさいぼんあんしてしんぎょう出生しゅっしょうするがゆゑに。

↢日輪↡、破↢一切凡愚痴闇↡出↢生ルガ信楽↡故

21なほ君王くんのうのごとし、 一切いっさい上乗じょうじょうにん勝出しょうしゅつせるがゆゑに。

猶如↢君王↡、勝↢出セルガ一切上乗人↡故

22なほげんのごとし、 一切いっさいもろもろのぼんしょう訓導くんどうするがゆゑに。

猶如↢厳父↡、訓↢導ルガ一切諸凡聖↡故

23なほ悲母ひものごとし、 一切いっさいぼんしょうほう真実しんじついん長生じょうしょうするがゆゑに。

猶如↢悲母↡、長↢生ルガ一切凡聖報土真実↡故

24なほにゅうのごとし、 一切いっさい善悪ぜんあくおうじょうにん養育よういくしゅしたまふがゆゑに。

猶如↢乳母↡、養↢育守↣護タマフガ一切善悪往生人↡故

25なほだいのごとし、 よく一切いっさいおうじょうたもつがゆゑに。

猶如↢大地↡、能ツガ↢一切往生↡故

26なほ大水だいすいのごとし、 よく一切いっさい煩悩ぼんのうあかすすぐがゆゑに。

猶如↢大水↡、能グガ↢一切煩悩↡故

27なほだいのごとし、 よく一切いっさい諸見しょけんたきぎくがゆゑに。

猶如↢大火↡、能クガ↢一切諸見↡故

28なほ大風だいふうのごとし、 あまねくけんぎょうぜしめてふるところなきがゆゑに。

猶如↢大風↡、普ゼシメテ↢世間↡无キガ↠所↠フル

一 Ⅱ ⅱ c 結勧

^よく*さん*ばくしろいだして、 よく*じゅうもんづ。 よく*真実しんじつほうしめ、 よくじゃしょうどうべんず。 よく愚痴ぐちかいかわかして、 よく願海がんかいにゅうせしむ。 一切いっさいせんじょうぜしめて、 もろもろのぐんじょうかいうかぶ。 *ふくぞう円満えんまん*方便ほうべんぞう開顕かいけんせしむ。 まことに*奉持ぶじすべし、 ことにちょうだいすべきなり。

シテ↢三有繋縛↡、能↢二十五有↡。能シメ↢真実報土↡、能↢邪正道路↡。能カワカシ↢愚痴海↡、能流↢入シム願海↡。乗シメテ↢一切智船↡、浮↢諸群生海↡。円↢満福智蔵↡、開↢顕シム方便蔵↡。良↢奉持↡、特↢頂戴↡也。

偈頌
  序説【偈前序説】
    経意を述ぶ
      総標

【101】^おほよそ誓願せいがんについて真実しんじつぎょうしんあり、 また方便ほうべんぎょうしんあり。

↢誓願↡有↢真実行信↡、亦有↢方便行信↡。

二 Ⅰ ⅰ 別明
        正明

^その真実しんじつぎょうがんは、 諸仏しょぶつ称名しょうみょうがん (第十七願) なり。 その真実しんじつしんがんは、 しんしんぎょうがん (第十八願) なり。 これすなはち*せんじゃく本願ほんがんぎょうしんなり。 そのはすなはち一切いっさい善悪ぜんあくだいしょうぼんなり。 おうじょうはすなはち*なん思議じぎおうじょうなり。 ぶつはすなはち*報仏ほうぶつ*ほうなり。

真実願者、諸仏称名ナリ。其真実願者、至心信楽ナリ。斯選択本願之行信也。其機者則一切善悪大小凡愚也。往生者則難思議往生也。仏土者則報仏・報土也。

二 Ⅰ ⅰ b 結示

^これすなはち誓願せいがん不可ふか思議しぎ*一実いちじつ真如しんにょかいなり。 ¬だいりょう寿じゅきょう¼ の*しゅう*りき*しんしゅうしょうなり。

誓願不可思議一実真如海ナリ。¬大无量寿経¼之宗致、他力真宗之正意也。

二 Ⅰ 釈文を引く

 ^ここをもつて*おん報徳ほうとくのためにしゅう (曇鸞)しゃく (論註・上)ひらきたるにのたまはく、 「^それさつぶつす。 こう父母ぶもし、 ちゅうしん君后くんこうして、 *どうじょうおのれにあらず、 *しゅつもつかならずゆえあるがごとし。 おんりてとくほうよろしくまづ*けいすべし。 また所願しょがんかろからず、 もし如来にょらいじんしたまはずは、 まさになにをもつてかたっせんとする。 神力じんりきこつす、 このゆゑにあおいでぐ」 とのたまへり。

↢知恩報徳ヒラキタルニ↢宗師↡言、「夫菩薩↠仏。如↧孝子之帰↢父母↡、忠臣之帰↢君后↡、動静非↠己、出没必アルガ↥。知↠恩↠徳、理宜↢先↡。又所願不↠軽カラ、若如来不↠加シタマハ↢威神↡、将↢何ムト↡。乞↢加神力↡、所以コノユヘニグトノタマヘリ。」

二 Ⅰ 造意を明かす

 ^しかれば、 だいしょう (釈尊)*真言しんごんし、 *たいしゃくえっして、 仏恩ぶっとん深遠じんのんなるをしんして、 「*しょうしん念仏ねんぶつ」 をつくりていはく、

↢大聖真言↡、閲↢大祖解釈↡、信↢知仏恩深遠ルヲ↡、作↢「正信念仏偈」↡曰

正讃【正信偈

1.総讃

【102】 ^りょう寿じゅ如来にょらいみょうし、 ^不可ふか思議しぎこう南無なもしたてまつる。

帰↢命无量寿如来南↢无マツル不可思議光

2.依経段 a.弥陀章 ・因願

^*法蔵ほうぞうさつ*いんのとき、 ^*ざいおうぶつみもとにましまして

法蔵菩薩因位シテ↢世自在王仏ミモト

^諸仏しょぶつじょういん^こく人天にんでん善悪ぜんあく*けんして、

覩↢見諸仏浄土国土人天之善悪

^*じょうしゅしょうがんこんりゅうし、 ^希有けうだいぜいちょうほつせり。

建↢立无上殊勝超↢発希有大弘誓

^*こうこれをゆいして*しょうじゅす。 ^かさねてちかふらくは、 *名声みょうしょう十方じっぽうきこえんと。

五劫思↢惟↡摂受ラクハ名声聞エムト↢十方

2.依経段 a.弥陀章 ・果成

^あまねく*りょうへんこう^無礙むげたい光炎こうえんのう

↢无量・无辺光无・无対・光炎王

^清浄しょうじょうかん智慧ちえこう^だんなんしょうこう

清浄・歓喜・智慧光不断・難思・无称光

^ちょうにち月光がっこうはなちて*塵刹じんせつらす。 ^一切いっさい*ぐんじょう*こうしょうかぶる。

超日月光↡照↢塵刹一切群生蒙↢光照

^本願ほんがんみょうごう*正定しょうじょうごうなり。 ^しんしんぎょうがん (第十八願)いんとす。

本願名号正定ナリ至心信楽為↠因

^*等覚とうがくだいはんしょうすることは、 ^ひっめつがん (第十一願) じょうじゅなり。

↢等覚↡証コトハ↢大涅槃必至滅度願成就ナリ

2.依経段 b.釈迦章 ・出世本懐

^如来にょらいこうしゅつしたまふゆゑは、 ^ただ弥陀みだ本願ほんがんかいかんとなり。

如来所↣以興↢出タマフ唯説ムトナリ弥陀本願海

^*じょくあく*ぐんじょうかい^如来にょらい*如実にょじつみことしんずべし。

五濁悪時群生海↠信如来如実

2.依経段 b.釈迦章 ・一念大利

^よく*一念いちねんあいしんほっすれば^*煩悩ぼんのうだんぜずして*はんるなり

レバ↢一念喜愛シテ↠断↢煩悩↡得ナリ↢涅槃

^*ぼんしょう*ぎゃくほうひとしく*にゅうすれば ^衆水しゅすいうみりて*いちなるがごとし。

凡聖・逆謗斉回入レバ↢衆水入↠海一味ルガ

^*摂取せっしゅ*心光しんこう、 つねにしょうしたまふ。 ^すでによく*みょうあんすといへども、

摂取心光常照護タマフ↠破スト↢无明

^*貪愛とんない*瞋憎しんぞううん^つねに*真実しんじつ信心しんじんてんおおへり。

貪愛・瞋憎之雲霧↢真実信心

^たとへば日光にっこううんおおはるれども、 ^うんしたあきらかにしてやみなきがごとし。

↧日ドモ↢雲霧雲霧之下明ニシテキガ↞闇

^しんうやまおおきに*きょうすれば、 ^すなはち*おう*悪趣あくしゅちょうぜつす。

見敬大慶超↢截五悪

^一切いっさい善悪ぜんあく*ぼんにん^如来にょらいぜいがん聞信もんしんすれば、

一切善悪凡夫人聞↢信レバ如来弘誓願

^ぶつ*広大こうだいしょうのひととのたまへり。 ^このひと*ふん陀利だりづく

仏言↢広大勝解ヒト↢分陀利華

2.依経段 b.釈迦章 ・慈悲教誡

^弥陀みだぶつ本願ほんがん念仏ねんぶつは、 ^*邪見じゃけん*きょうまんあくしゅじょう

弥陀仏本願念仏邪見・驕慢悪衆生

^*しんぎょうじゅすることはなはだもつてかたし。 ^なんのなかのなんこれにぎたるはなし。

信楽受持コト中之難无↠過タルハ↠斯

3.依釈段 a.総嘆

^いん西天さいてんろん^ちゅう (中国)日域じちいき (日本)高僧こうそう

印度西天之論家中夏・日域之高僧

^だいしょう (釈尊) *こうしょうあらわし、 ^如来にょらい*本誓ほんぜいおうぜることをかす。

↢大聖興世正意↢如来本誓応ゼルコトヲ↟機

3.依釈段 b.七祖 ・龍樹

^しゃ如来にょらい*りょうせんにして、 ^しゅうのためにごうみょうしたまはく

釈迦如来楞伽山ニシテ↠衆告命タマハク南天竺

^なん天竺てんじく (南印度)*りゅうじゅだい世にでて、 ^ことごとくよく*有無うむけん*さいせん。

龍樹大士出↢於世摧↢破有無

^*だいじょうじょうほう宣説せんぜつし、 ^*かんしょうして*安楽あんらくしょうぜんと。

宣↢説大乗无上↢歓喜地↡生ムト↢安楽

^*なんぎょうろくくるしきことをけんして、 ^*ぎょう水道すいどうたのしきことをしんぎょうせしむ。

顕↢示難行陸路苦キコトヲ信↢楽シム易行水道楽キコトヲ

^弥陀みだぶつ本願ほんがん*憶念おくねんすれば、 ^ねんそくとき*ひつじょうる。

憶↢念レバ弥陀仏本願自然時入↢必定

^ただよくつねに如来にょらいみなしょうして、 ^だいぜいおんほうずべしといへり。

唯能↢如来ミナシトイヘリ↠報↢大悲弘誓

3.依釈段 b.七祖 ・天親

^*天親てんじんさつ ¬論¼ (*浄土論)つくりてかく、 ^*無礙むげこう如来にょらいみょうしたてまつる。

天親菩薩造↠¬論¼説カク帰↢命マツル无光如来

^*しゅ多羅たらによりて*真実しんじつあらわして、 ^*おうちょうだい誓願せいがん*光闡こうせんす。

↢修多羅↡顕↢真実光↢闡横超大誓願

^ひろ*本願ほんがんりきこうによりて、 ^ぐんじょうせんがために*一心いっしんあらわす。

↢本願力回向↠度ムガ↢群生↡彰↢一心

^*どくだい宝海ほうかい*にゅうすれば、 ^かならず*だいしゅかずることを

帰↢入レバ功徳大宝海獲↠入コトヲ↢大会衆

^*れんぞうかいいたることをれば、 ^すなはち*真如しんにょ*ほっしょうしんしょうせしむと。

レバ↠至コトヲ↢蓮華蔵世界シムト↢真如法性

^煩悩ぼんのうはやしあそんで*神通じんずうげんじ、 ^しょうそのりて*おうしめすといへり。

↢煩悩↡現↢神通↢生死↡示ストイヘリ↢応化

3.依釈段 b.七祖 ・曇鸞

^*ほん*曇鸞どんらんは、 *りょうてん^つねにらん (曇鸞)ところかひてさつらいしたてまつる。

本師曇鸞天子↢鸞↡菩薩マツル

^*三蔵さんぞう流支るし*浄教じょうきょうさずけしかば、 ^*せんぎょうぼんじょうして*楽邦らくほうしたまひき。

三蔵流支授ケシカバ↢浄教焚↢焼仙経↡帰タマヒキ↢楽邦

^天親てんじんさつ¬ろん¼ (浄土論)ちゅうして、 ^*ほういん誓願せいがんあらわす。

天親菩薩¬論¼註解報土因果顕↢誓願

^*往還おうげんこうりきによる。 ^正定しょうじょういんはただ信心しんじんなり。

往還回向↢他力正定之唯信心ナリ

^*惑染わくぜんぼん信心しんじんほっすれば、 ^しょうすなはちはんなりとしょうせしむ。

惑染凡夫信心発レバ証↢知シム生死即涅槃ナリト

^かならず*りょうこうみょういたれば、 ^*しょしゅじょうみなあまねくすといへり。

レバ↢无量光明土諸有衆生皆普ストイヘリ

3.依釈段 b.七祖 ・道綽

^*どうしゃく*しょうどうしょうしがたきことをけっして、 ^ただ*じょうつうにゅうすべきことをかす。

道綽決↢聖道キコトヲ↟証唯明↣浄土キコトヲ↢通入

^万善まんぜん*りき勤修ごんしゅへんす。 ^円満えんまん*徳号とくごうせんしょうすすむ。

万善自力貶↢勤修円満徳号勧↢専称

^*さん三信さんしんおしえ*慇懃おんごんにして、 ^*像末ぞうまつ法滅ほうめつおなじく*いんす。

三不・三信誨慇懃ニシテ像末・法滅同悲引

^*いっしょうあくつくれども、 ぜいもうあひぬれば^*あんにょうかいいたりて*みょうしょうせしむといへり。

一生造ドモ↠悪ヌレバ↢弘誓↢安養界↡証シムトイヘリ↢妙果

3.依釈段 b.七祖 ・善導

^*善導ぜんどうひとぶつしょうをあきらかにせり。 ^*じょうさん*ぎゃくあくとを*矜哀こうあいして

善導独↢仏正意矜↣哀定散↢逆悪↡

^*こうみょうみょうごう因縁いんねんあらわす。 ^本願ほんがんだいかいかいにゅうすれば、

光明・名号顕↢因縁開↢入レバ本願大智海

^ぎょうじゃまさしく*金剛こんごうしんけしめ、 ^きょう一念いちねん相応そうおうしてのち

行者正シメ↢金剛心慶喜一念相応シテ

^*だいひとしく*三忍さんにん^すなはち*ほっしょうじょうらくしょうせしむといへり。

↢韋提↡等↢三忍シムトイヘリ↢法性之常楽

3.依釈段 b.七祖 ・源信

^*源信げんしんひろ一代いちだいきょうひらきて、 ^ひとへにあんにょうして一切いっさいすすむ。

源信広↢一代↢安養↡勧↢一切

^*専雑せんぞうしゅうしん浅深せんじんはんじて、 ^*ほう二土にどまさしくべんりゅうせり。

専雑執心判↢浅深報化二土正弁立

^ごくじゅう悪人あくにんはただぶつしょうすべし。 ^われまたかの摂取せっしゅのなかにあれども、

極重悪人唯称ベシ↠仏我亦在ドモ↢彼摂取

^煩悩ぼんのうまなこ*へてたてまつらずといへども、 ^だい*ものうきことなくしてつねにわれをらしたまふといへり。

煩悩障↠眼↠不↠見マツラ大悲无↠倦コトタマフトイヘリ↠我

3.依釈段 b.七祖 ・源空

^ほん*源空げんくうは、 ぶっきょうにあきらかにして、 ^善悪ぜんあくぼんにん*憐愍れんみんせしむ。

本師源空カニシテ↢仏教憐↢愍シム善悪凡夫人

^*しんしゅう教証きょうしょう*へんしゅうおこす。 ^*せんじゃく本願ほんがんあくひろむ。

真宗教証興↢片州選択本願弘↢悪世

^*しょう*輪転りんでんいえ還来かえることは、 ^けっするに*じょうをもつて*しょとす。

還↢来 カヘル コトハ生死輪転ルニ↢疑情↡為↢所止

^すみやかに*寂静じゃくじょう*無為むいみやこることは、 ^かならず信心しんじんをもつて*のうにゅうとすといへり。

コトハ↢寂静无為ミヤコ↢信心↡為トイヘリ↢能入

3.依釈段 c.結勧

^きょう*だい*しゅうとう^へんごくじょくあく*じょうさいしたまふ。

弘経大士・宗師等拯↢済タマフ无辺極濁悪

^*道俗どうぞく*しゅともに同心どうしんに、 ^ただこの高僧こうそうせつしんずべしと。

道俗時衆共同心唯可シト↠信↢斯高僧

 ^ろくじゅうぎょうすでにおわりぬ。       いっぴゃくじっなり。

 六十ゴウ 一百二十句ナリ

けんじょう真実しんじつぎょう文類もんるい 二

 

浄土真実の行… 諸仏讃嘆のみょうごうが往生浄土の真実の行であり、 その名号がせんじゃく本願 (第十八願) の 「乃至十念」 の称名となってあらわれているということを示す。 →補註10
浄土 真跡本では右傍に補記されている。 真仏上人書写本にはない。
本願 真跡本では右傍に補記されている。 真仏上人書写本には 「選択本願之行」 全体がない。
回向 →補註12
もろもろの善法を… みょうごう大行にはあらゆる善根ぜんごんどくがおさまっているということを示す。
極速円満す きわめて速やかに往生の因が満足する。 名号大行のはたらきがすぐれていることを示す。
真如一実の… 名号大行は真如にかなった法であることを示す。 →真如しんにょ一実いちじつ
称揚・咨嗟 讃嘆の意で、 ほめたたえること。
 称揚の意で、 名号をほめたたえること。
聞ゆるところなくは 聞えないところがあるならという意。
功徳の宝 阿弥陀仏のみょうごうのこと。
まさに無上菩提の因を証すべし 「この誓願せいがんが私 (ほうぞう菩薩) の無上菩提の因となることを証明したまえ」 あるいは 「衆生を無上菩提に至らせるための因を成就するであろう」 という意か。 ただし経の原文では 「無上菩提を証する日に当たりて」 と読む。
上願 すぐれた願。 四十八願のこと。
十力無等尊 仏のこと。 十種の力をそなえたこの上なく等い者の意。 →じゅうりき
心…安楽ならしめんと 通常は 「心あるいはつねに施を行じ、 広く貧窮をすくひ、 もろもろの苦を免れしめ、 世間を利益し、 安楽ならしむるに堪へずは…」 と読む。
常行…施せん 行を修めることができないものに (真実のどくを) 回施えせしようという意。 底本の訓点では 「常行の施にへざらんものに」 と読む。
最勝丈夫 最もすぐれた勇気ある者。
等倫 等しい者。
諸仏 ¬開元かいげんろく¼ 巻三に示された経名にはこの二字がある。 ¬浄土和讃¼ (六十) の異本左訓には、 ¬諸仏阿弥陀…¼ の経名を釈して 「弥陀を諸仏とまうす。 過度人道 (経) のこころなり」 とある。
悪のために… 仏教をそしるためやみょうもんようのためにみょうごうの法を聞くという意か。 あるいは 「悪をなして」 と読み、 悪をなしたことが縁となって名号を聞くという説もある。
阿闍世王太子 じゃ王の太子、 和休わくとする説と、 阿闍世王自身のこととする説とがある。
 刹 (せつ) は梵語クシェートラ(kṣetra)の音写。 国土・世界の意。
無量覚 阿弥陀仏のこと。
 未来に必ず仏となることを予言すること。 に同じ。
この法 阿弥陀仏の本願を指す。
聴聞 「ゆるされてきく、 信じてきく」 (左訓)
信慧… 信心の智慧ちえを得ることはむずかしい。
精進 「このみすすむるなり」 (左訓)
見て…慶ばば 見は聞見のこと。 みょうごうのいわれを聞きひらき、 信を得て法を敬い深く心によろこべば。
親厚 親しい友人。
道意 だいしんのこと。
大施品 引用の文は 「大施品」 になく 「しょさつほんじゅぼん」 にある。
一切の志願 往生成仏の願を根本とする一切の願。
満てたまふ 「たまふ」 は尊敬の意。 無明を破し、 志願を満たすのは、 阿弥陀仏の力によることをあらわす。
転じて休息と名づく 通常は 「転とは休息に名づく」 と読む。
見諦所断の法 無漏むろをもってたいの道理をみる時に断ちきられる煩悩ぼんのう
懶堕 おこたりなまけること。
一分…歓喜せん 通常は 「一分の毛をもつて大海の水の二三渧のごときを分ち取るがごとし。 苦のすでに滅するは大海の水のごとし。 余のいまだ滅せざるものは二三渧のごときなれば心大いに歓喜す」 と読む。 「渧」 はしずくの意。 親鸞聖人は 「信心の行者は煩悩ぼんのう具足の身であって、 滅した苦しみは、 大海の水の二三滴ほどでしかないが、 それでもなお歓喜する」 という意に転じ、 原文を読み改めた。
天竜… はちじんのうちの四種。
楽敬 よろこび敬うこと。
この菩薩所有の… 信心の行者のもつ滅すべき罪苦は、 大海の水のごとくであるが、 本願力によって転ぜられるのであるから、 行者にとっては二三の水渧に等しいという意であろう。
つねに諸仏…行なり 通常は 「つねに諸仏および諸仏の大法と、 必定と稀有の行とを念ず」 と読む。
四十不共法 仏のみにそなわっている四十種のすぐれた特質。
念必定のもろもろの菩薩 他力信心の行者のこと。 通常は 「必定のもろもろの菩薩を念ず」 と読む。
大人法 菩薩の自利利他の法、 あるいは仏のさとりの法の意か。
無礙解脱 無礙道 (無間道) と解脱道。 前者は煩悩ぼんのうを断ずる位、 後者は煩悩を断じ終って無為むいを得る位。
またいはく… 【14】の文は、 ¬十住じゅうじゅう毘婆びばしゃろん¼ (浄地品) の原文では 「信力はうたた増上し、 深く大悲を行じ、 しゅじょうの類を愍念し、 善を修めて心に倦むことなし」 というじゅを註解したものである。
聞見…殊勝と名づく 通常は 「聞見するところありてかならず受けて疑なきに名づく。 増上とは殊勝に名づく」 と読む。
籌量 思いはかること。
骨体に徹入する 骨身にまでしみとおる。
利事 衆生をやくすること。
慈に三種あり 衆生縁・法縁・無縁の三種の慈悲を指す。 →三縁さんえん
陸道の歩行 陸路を徒歩で行くこと。 なんぎょうどうを喩えていう。
水道の乗船 水路を船に乗って渡ること。 ぎょうどうを喩えていう。
恭敬 つつしみ敬う心。 ここでは他力の信心のこと。
十方諸仏 「易行品」 の原文では、 東方無憂世界の善徳仏をはじめとする十方十仏。 親鸞聖人はそのうち西方善世界の無量明仏のみをここに示している。
いま…か 通常は 「いままさにつぶさに説くべし。 無量寿仏・世自在王仏…この諸仏世尊、 現に十方の清浄世界にまします。 みな名を称し憶念おくねんすべし。 阿弥陀仏の本願はかくのごとし」 と読む。 親鸞聖人は 「諸仏はすべて阿弥陀仏のみょうごうを称揚讃嘆する」 という意に転じ、 原文を読み改めた。
真金の山 しゅせんのこと。
修多羅 親鸞聖人は ¬銘文¼ で浄土三部経のこととする。
願偈総持を説きて 願偈は ¬浄土論¼ の 「願生偈」 のこと。 総持は親鸞聖人の解釈では 「無礙むげこう智慧ちえ」 (¬銘文¼) の意。 阿弥陀仏の智慧を 「願生偈」 として説くということ。
観ずる ¬一多証文¼ に 「観は願力をこころにうかべみると申す。 またしるといふこころなり」 とある。
遇うて あいたてまつりて。 「遇ふ」 について ¬一多証文¼ に 「まうあふと申すは、 本願力を信ずるなり」 とある。
四種の門 ねんもんの中のらいはい讃嘆さんだんがん観察かんざつの前四門。
たまへり ¬浄土論¼ の当分は願生行者の自利利他行の成就であるが、 親鸞聖人は法蔵ほうぞう菩薩の自利利他行の成就に転意し、 「たまへり」 と敬語を付した。
第五門 ねんもんの第五、 こうもんのこと。
回向利益他 しゅじょうどくを施して利益を与えること。
五三 少しばかりの意。
不退の風航 不退の位に向かって順風を得た船。
服膺 受けいれたもつこと。
心々相続して… 一心帰命の信が持続して他の思い (自力疑心) がまじらないという意。
己心 自己のりょう。 みずからの信心。
彼此…顕れたり じゅで 「帰命」 といい、 じょうごうで 「礼拝」 ということによって、 帰命には礼拝の意が含まれ、 如実の礼拝は帰命からあらわれるという信心と礼拝の関係がいよいよ明らかとなる。
説文 ¬説文せつもんかい¼ のこと。 かん許慎きょしんの撰。 中国最古の部首別字書。
のごとく 「…にかなって」 「…のままに」 の意味。
畢竟無生 究極において無生であるということ。 →しょう
所有なけん 通常は 「しょなし」 と読む。
諸法は…虚空のごとし すべての現象は固有の実体を持つ事物の集合としてあるのではなく、 関係によって仮に生じたものにほかならないから、 不生であり、 くうのようなものである。 →うん
前念と後念と因となる 通常は 「前念は後念のために因となる」 と読む。
一異を…論のなかに 通常は 「一異の門を観ずる論のなかに」 と読む。 「一異の門を観ずる論」 とは、 りゅうじゅ菩薩の ¬中論¼、 あるいは ¬因縁いんねん心論しんろん¼ の異訳 ¬じゅう因縁いんねんろん¼ を指すか。
委曲 詳しいこと。
我依修多羅… 「われ修多羅真実功徳相によりて、 願偈総持を説きて仏教と相応せり」 (行巻訓)
畢竟浄 完全に煩悩ぼんのうを浄化した究極のさとりの境地。
作願 しゅじょう救済を願うこと。
首として 第一にして。 中心にして。
得たまへるがゆゑに 通常は 「得んとするがゆゑに」 と読む。 ここでは阿弥陀仏のこうに転意している。
作願して…たまへるなり 通常は 「ともにかの阿弥陀如来の安楽浄土に往生せんと作願するなり」 と読む。
父の王 釈尊の父、 じょうぼんのう
仏地の果徳 仏のさとりにそなわるどく
第一義空 究極の真理である空。 もうなるぼんの認識を離れた絶対的境地。
噉する 口にする。 食べる。
業道成弁 ごうじょうべんに同じ。
諸部の大乗 諸種の大乗経典。
搆り 底本には 「搆し」 とある。
一渧 一滴。 ひとしずく。
摩訶衍 りゅうじゅ菩薩の ¬だい智度ちどろん¼ のこと。
退せず 退転たいてんの位に入ることをいう。
困劇 悩み苦しむこと。
千仏の国土 数多くの仏が出現する国土。
九十五種の邪道 じゅうしゅどうに同じ。
眼なき人… →補註14
空閑 静かなところ。
境は細なり心は粗なり 観念の対象は細やかであるのに、 観念する心の方は粗雑である。
境現ずること… 一行三昧によって諸仏が現前することを指す。
邪正あひ交はり よこしまな観法と正しい観法とがまじり合うという意。
一多雑現 一仏と多仏とが入りまじって現れるという意。
悲智果円にして 慈悲とよりなる仏果 (仏のさとり) の徳が欠けるところなくそなわっていて。
無二なるべし 異本では「ならびなかるべし」と読まれている。
別異 相違。
十即十生百即百生 十人は十人ながら、 百人は百人ながらみな往生するという意。
外の雑縁 外からのさまざまなさまたげ。
摂取して捨てざる →摂取せっしゅしゃ
智願海 阿弥陀仏の智慧ちえから起った本願 (智願) の広大で深遠な徳を海に喩えていう。
万年に… 末法まっぽうの時代 (教のみがあって行・証のない時代) が一万年続いた後は、 仏法僧の三宝さんぼうが滅する法滅の時代に入るという。
この経… 法滅 (三宝めつじん) の時代になっても、 ¬大経¼ に説かれた念仏の教えだけは、 この世にいつまでもとどまりのこる。 「百年」 は満数の意、 いつまでもということ。
摂受したまへり 大谷派本願寺蔵本 (坂東本) では 「摂受したまはんと」 とあったのを 「摂受したまふべし」 と改めている。
八十億劫…除滅す ¬観経¼ 下下品に説かれているところにもとづく。
勝益 すぐれたやく
至心…求めよ 「阿弥陀仏の真実をもちいて」 を意味する読み方。 通常は 「すべからく心を至して往くことを求むべし」 と読む。
舌相を出して 仏の舌は広く長いのでこうじょう舌相 (さんじゅうそうの一) といわれる。 仏が舌を出すのは教説が真実であることを証明するという意味を持つ。
八万四 八万四千 (多数の意) の法門。 仏の説いた教法全体のことであるが、 親鸞聖人は本願 (第十八願) の法以外の自力方便の教えの意とする。 「化身土巻」 394頁6行以下参照。
 しょうの苦果。
業因 生死の苦果をまねく因となる行為。
微塵の故業 無数の古い業。 無始むし (永遠の昔) 以来のあくごう
随智と滅す 随智は自力の智慧ちえの意か。 通常は 「智にしたがひて滅す」 と読む。
思量巧方便 思慮たくみなてだて。
帰説 「たよりのむといふ」 (右訓) 「よりたのむなり」 (左訓)
帰説 「よりかかるなり」 (左訓)
即得 第十八願成就文の 「即得往生住不退転 (すなはち往生を得、 不退転に住せん)」 を指す。
時剋の極促 時間のきわまり。 聞信の一念に往生浄土の因が定まることをいう。
広略根に随ふ 広く詳しく説くか簡略に説くかは、 教えを受ける者の素質能力にしたがう。
焉に…事として ¬五会ごえほうさん¼ の原文には 「仏事を為し、 願力、 衆生を度す」 とある。
網綿 仏の三十二相の一、 手足しゅそく網縵もうまんそう (指のあいだに水かきがある) のこと。
父の王 釈尊の父、 じょうぼんのう
あに離念に… 念を離れて無念を求めることがどうしてできるであろうか。
度脱 だつに同じ。 迷いの世界をわたり、 そこから脱すること。
朦朧 曖昧あいまいなこと。 はっきりしないこと。
撥無 払いのけて用いないこと。 否定すること。
 空見くうけんのこと。
労しくせず つとめる必要がない。
津梁 津は渡し場、 梁は橋。
本師金口の説 釈尊の口から出た教説。
喚ばひ 「よばふ」 は呼びつづけるの意。
上華台 すぐれたれんの台座 (うてな)。
ゆめゆめ 努めて。
帰去来 さあ帰ろう。 とうえんめい (365-427) の 「きょらいのじ」 の中の言葉。 故郷に帰る決意を述べたものであるが、 ここでは浄土に生れたいという意をあらわす。
家郷 ふるさと。
久塵にあり ながく煩悩ぼんのうの塵にまみれていること。
如来の広説… ¬大経¼ の大綱を示す。
所行所成 法蔵ほうぞう菩薩の願行とその成就のありさま。
所摂所益 阿弥陀仏がしゅじょうを救いとり、 やくするありさま。
またいはく… 以下の ¬悲華ひけきょう¼ と ¬如来にょらい¼ の文は ¬じゅつ文賛もんさん¼ にはない。 おそらく【44】【45】の意を明確にするためにあげたのであろう。
転輪王 阿弥陀仏のいんじょう念王ねんおうのこと。
福智の二厳 福方便と智方便。 ¬述文賛¼ の原文では、 ¬大経¼ 法蔵ほうぞう修行の 「三宝さんぼうぎょうす」 を福方便、 「師長に奉事す」 を智方便とする。
つぶさに…たまへるなり 通常は 「施等のもろもろの聖行を備ふ」 (¬述文賛¼ の原文では、 「生」 は 「聖」 の字) と読む。 ここでは如来こうの意をあらわすために読み改めた。
善によりて…たまへる 通常は 「因の善すでに成ずれば」 と読む。 ここでは如来の徳をあらわすために読み改めた。
著無上下 「上下なきことを著す」 ¬大経¼ (下) 取意の文。
易往而無人… 「往き易くして人なし。 その国逆違せず、 自然のくところなり」 ¬大経¼ (下) の文。 「易往而無人」 は、 阿弥陀仏の本願力によるから浄土に往生することは容易であるが、 自力の心を捨てて真実信心を得る人は少ないから、 浄土に往生する人はまれであるという意。
往くこと… 原文の 「往誓願」 は通常 「むかしの誓願」 と読む。 ここでは往生は本願力によることをあらわす。
この土 しゃ世界を指す。
無諍王 じょう念王ねんおうのこと。
宝海 宝海ほうかいぼんのこと。
捷径 近道。
清晨俛仰の暇を輟めて 明け方のわずかの時間をさいて。
寿夭 命がはかなくもろいこと。
台教の祖師山陰のいはく… 引用の出典不明。 山陰はかいけいざんの北 (現在の中国浙江せっこうしょうこう) の地域。 ここでは慶文けいぶんほっの称。
真応の身 報身ほうじんのこと。 真を法・報の二身、 応を応身とする説もある。
諸大乗 いろいろな大乗経典。
超昇 迷いを超えてさとりに至ること。
憐憫すべき…したまへり 通常は 「憐憫すべきものとなす」 と読む。
常途 通常。 一般。
正信法門 慶文の ¬浄土文¼ の中の一篇か。
首楞厳 ¬しゅりょうごんぎょう¼ のこと。
摩訶衍論 ¬だいじょうしんろん¼ のこと。
時魅 時魅鬼 (時媚鬼) のこと。 昼夜十二時 (一日の十二区分) の各時間帯によって種々にあらわれる鬼。 老少、 男女、 禽獣などの姿となって、 修行者を魅惑し悩ませるという。
聖の解 みずからしょうじゃになったと思うこと。
大摧邪力 邪悪を打ちくだく大いなる力。
大降魔力 魔を降伏ごうぶくさせる大いなる力。
天眼遠見力 遠くをみとおす天眼通の力。 →ろく神通じんずう
天耳遥聞力 遠くの声を聞きわける天耳通の力。 →ろく神通じんずう
他心徹鑑力 すべての者の心を知りぬく他心通の力。 →ろく神通じんずう
一乗の極唱 一乗教の至極の説法。
終帰 究極的なよりどころ。
塵点劫 はかりしれない長い時間。
済衆の仁 しゅじょうを救済しようとする慈悲の心。
芥子の地 けしの粒ほどの小さな場所。
悲智六度 布施ふせかいにんにくしょうじんぜんじょう智慧ちえの六度 (ろっ波羅ぱらみつ) の中、 前五は慈悲の行、 後一は智慧の行で、 六度は悲智にとうしょうされる。
内外の両財 布施をする財宝を内財と外財に分けたもの。 内財とはみずからの身心をいい、 外財とは物質的な財宝をいう。
四字 阿弥陀仏の四字。
識心 衆生の心。
攬入 入り満ちること。
識神 心。
繋恋 愛着の情。
下の文 ¬小経¼ の 「われこの利を見るがゆゑに、 この言を説く。 もししゅじょうありて、 この説を聞かんものは、 まさに発願ほつがんしてかの国土に生るべし」 という文を指す。
捷真 真実の近道。
大小の戒体 大乗戒や小乗戒の戒体。 戒体とは、 受戒によって得られる防悪のはたらきで、 それを戒の本体とみる。
臨終…得 Ⓐでは 「臨終に得、 もろもろの怖畏を離れしめ、 身心衆聖現前し授手接引せらるることを安快ににして」 と返点されている。
古賢の法語 古賢はうんを指す。 以下はがんじょうの語。
宋の元嘉 424-453。 りゅうそうの三代、 文帝ぶんていの年代。
京邑に建めたり 元照の ¬観経義疏¼ の原文では 「建」 は 「達」 となっている。 みやこに来たという意。
慈雲の讃にいはく… 引用は ¬楽邦らくほう文類もんるい¼ 巻四所収の慈雲 「往生浄土決疑門」、 がんじょう ¬観経義疏¼ 所引の慈雲同書の文等によるか。
薫修 くんじゅうに同じ。 ものに香りが移りしみこむように、 功徳がわが身に移りつくこと。
律宗の用欽のいはく… 【57】【58】の引用は用欽の ¬弥陀みだきょうしょちょうげん¼ の文ともいわれるが、同書は現存しない。
一切を得ざるがゆゑに 一切を固定的な実体として認識しないがために。 あらゆる執着を離れた立場であることを示す。
無相の大願 実体的なすがたはないということをさとって発された願。
修するに…神通なき 通常は 「無住の妙行を修し、 無得の菩提を証し、 非荘厳の国土に住し、 無神通の神通を現ず」 と読む。
舌相を大千にあまねくして 諸仏が舌を出して、 あまねく三千大千世界をおおい、 念仏の教えが真実であることを証明したことをいう。
二報荘厳 しょうぼう (仏身ぶっしん) とほう (仏国土) の荘厳。 →しょうほう
持名の行法 みょうごうをたもつぎょうごう。 称名のこと。
一向専念… 「一向にもっぱら無量寿仏を念ず」
乃至十念… 「乃至十念せん。 もし生れずは、 正覚を取らじ」 (行巻訓)
三千大千界 三千さんぜん大千だいせんかいのこと。
世出世間の功徳 世間の功徳 (世俗の倫理的な善) と出世間の功徳 (さとりの世界の功徳)。
功徳…による ¬おうじょうようしゅう¼ の現行本は 「功徳円満して、 一切の義の依たり。 かくのごとき等の六種功徳を具して」 となっている。
一称南無仏… 「ひとたび南無仏と称するに、 みなすでに仏道を成ぜり」 ¬法華ほけきょう¼ 「方便品」 の文。
無上両足尊 人の中にあってこの上なく尊い方の意。 阿弥陀仏のこと。
極難値遇者 遇うことがきわめてむずかしい方の意。 阿弥陀仏のこと。
一百倶胝界 三千さんぜん大千だいせんかいおなじ。
円融万徳尊 完全自在であらゆる徳をそなえた尊い方の意。 阿弥陀仏のこと。
波師迦華 波師迦は梵語ヴァールシカ (vārṣika) の音写。 雨時華と漢訳する。 雨季に咲く香気の強い花。
石汁 錬金術に用いる薬の名。
昴星 スバルのこと。
正定の業 正定しょうじょうごうのこと。
大小の聖人 大乗の聖者と小乗の聖者。
正覚浄華の化生 阿弥陀仏と同体のさとりをひらくこと。 浄華とは仏の座のことで、 如来正覚の仏座に化生するという意。
即時入必定 「即の時に必定に入る」信心をぎゃくとくすると同時に、 必ず仏になることに定まったくらいに入ること。
入正定聚之数 「正定聚の数に入る」 ¬論註¼ の原文には 「入大乗正定之聚」 とある。
能生の因・所生の縁 父母を能生と所生に分けたのは、 父は生ませる側 (子種を下す下種)、 母は生ませられる側 (子種をたもち育てる持種) であるという俗説によっている。 また因と縁に分けたのは、 みょうごう正定しょうじょう業因ごういんとなり、 こうみょうせっしゅの外縁となるからである。 ただし光明と名号は別なものではなく、 しばらく因と縁に配当しただけである。
下至十声聞等 高田派専修寺蔵宗祖加点 ¬礼讃らいさん¼ には 「下至十声一声等」 とある。 親鸞聖人は 「聞」 の語を示すために ¬礼讃¼ を直接引用せず、 ¬礼懴らいさん¼ を引用したのであろう。
一多包容の言 一念も他念も包みいれるという意味をあらわす言葉。
弥勒付属の一念 ¬大経¼ ずうぶんの弥勒付属の文に 「乃至一念」 とあるのを指す。 仏が弥勒に付属した一声の称名のこと。
聖者 仏のこと。
労しく わずらわしく。
頭数 回数の意。
円融真妙の正法 万物一如いちにょという完全にして最高の真理にかなった行法。
大菩薩 ¬論註¼ の当分は、 浄土に往生した菩薩のことであるが、 親鸞聖人は法蔵ほうぞう菩薩のこととみなすから、 以下の引文は 「現じたまふ」 「成就したまへり」 等と、 敬語を付している。
第五の功徳相 五功徳門の第五、 園林おんりん遊戯ゆげもんのこと。 →しゅどく
四種の門 ねんもんの中のらいはい讃嘆さんだんがん観察かんざつの前四門。
第五門 ねんもんの第五、 こうもんのこと。
理を窮め性を尽す 自然の理法や人間の本性を知り尽すこと。 もと ¬えききょう¼ のせっに出る。 ここでは真如しんにょほっしょうの理をきわめ尽すという意。
法相のごとく 存在のありのままのすがたにかなって。
無礙人 しょうそくはん煩悩ぼんのうそくだいという無礙の智を得た諸仏のこと。
覈に… 以下は古来、 「かくほんじゃく」 と呼ばれ、 他力の本義を示すものとして重要視される。
他利と利他 如来の救済をしゅじょうからいえば他 (仏) が利すといい、 仏からいえば他 (衆生) を利すという。 ここでは仏の方から語るので利他というと釈したのである。
いま的しく… 「三願さんがんてきしょうの文」 といわれる。 第十八・十一・二十二願をあげて、 衆生の往生成仏の因も果も他力によるものであることを示す。
誹謗正法 仏の正しい教法をそしり、 その真実性を否定すること。
弘誓の鎧 しゅじょうさいせいがんが堅固なことをよろいに喩える。
常倫に…現前し 通常は 「常倫諸地の行を超出し、 現前に」 と読む。 常倫はつねなみ、 普通一般の意。
諸地の行 じゅうの菩薩が行う自利利他の修行。
禁戒を受持す 五戒・十善戒などを持って、 悪をとどめ善を修すること。
 ろば。
愚かなるかな 現行の ¬論註¼ には 「愚」 の字が 「遇」 となっているものもある。 この場合は 「あへるかな」 「さいはひなるかな」 と読む。
局分 分をかぎること。 はからうこと。
この方 しゃ世界。
大小 だいじょう小乗しょうじょうのこと。
底本では 「異なること如来にましまさず、 異なること法身にましまさず」 と訓点されている。
究竟法身 しきぎょうほっしょう真如しんにょそのもの。 法性法身のこと。 →補註1
無辺不断 空間と時間を超越すること。
誓願一仏乗 阿弥陀仏の誓願によって成就された南無阿弥陀仏は、 生きとし生けるものを平等に成仏せしめる絶対唯一の教法であるという意。
実諦 究極的な真実。 真如しんにょ実相じっそうのこと。
不逆に信順す 通常の訓点では 「信順して逆はず」 と読む。 親鸞聖人の訓点によると 「不逆」 は 「一実」 の意。
荘厳畢竟 仏果 (仏のさとり) を得るための因行であるろっ波羅ぱらみつのこと。
究竟畢竟 因果をこえた究極的な真理そのものであるぶっしょうをいう。
世間畢竟・出世畢竟 世間畢竟は荘厳畢竟、 出世畢竟は究竟畢竟を指すという説、 また世間畢竟・出世畢竟は荘厳畢竟を二種に開いたものとする説がある。
無数の法 一とか三といった数であらわせない絶対の法門のことで、 一乗の本質をいう。
文殊の法はつねにしかなり 文殊の法は念仏の教えを指す。 念仏は智慧ちえの法であるから、 智慧を象徴する菩薩である文殊の法としたものか。 通常は 「文殊よ、 法はつねにしかなり」 と読む。
力無畏 じゅうりきしょのこと。
雑修雑善 自力心で修するさまざまな善。
 経名不明。 ¬おうじょうようしゅう¼ の文によるものか。
中下の屍骸 中は縁覚えんがく乗、 下はしょうもん乗。 縁覚・声聞は利他の心を持たない小乗の根性 (性質) だからこれを死骸に喩える。 ただし次の引文では声聞と菩薩を二乗とする。 この場合は果仏に対する因人を指す。
たとへば… →補註14
荘厳不虚作住持功徳成就 仏荘厳八種の第八荘厳。 阿弥陀仏の願力はもうなものではなく、 しゅじょうを完全に救いとげるものであるということを示す。
徒然 いたずらであること。 むだであること。
虚設 むなしくもうけること。 空転すること。
大乗根 大乗の根性。 大乗にふさわしい素質。
菩提蔵 仏のさとりに至る道を説く教え。 さつぞうに同じ。
還丹 錬金術に用いる薬の名。
超渉対 念仏は迷いをとびこえる (超) が、 諸善は歩いて渡る (渉) ようなものである。
径迂対 念仏はさとりを得る近道 (径) であるが、 諸善はまわり道 (迂) である。
捷遅対 念仏ははやく成仏できる法であるが、 諸善はおそい法である。
直弁因明対 念仏は往生の要行として直ちに説かれたものであるが、 諸善は自力の機に応じて因みに明かされた法である。
理尽非理尽対 念仏は道理を尽すが、 諸善は道理を尽さない。
勧無勧対 念仏は諸仏が勧めるが、 諸善は勧めない。
因行果徳対 念仏は阿弥陀仏の果上の徳がおさまる果分の行であるが、 諸善は仏になるために積む因分の行である。
自説他説対 念仏は阿弥陀仏がみずから往生行として説いたものであるが、 諸善はそうでない。 ¬愚禿鈔¼ では 「自説不説対」 として出る。
回不回向対 念仏はしゅじょうから回向する行ではないが (不回向)、 諸善は衆生から回向する行である (回向)。
機堪不堪対 念仏は衆生のこん (素質能力) に適するが、 諸善は適しない。
法滅利不利対 念仏は法滅 (三宝さんぼう滅尽めつじん) の時代にもやくがあるが、 諸善は利益がない。 ¬愚禿鈔¼ と対応して法滅不滅対 (念仏は滅しないが、 諸善は滅する) 利不利対 (念仏は利益があるが、 諸善は利益がない) の二対のこととする説もある。
報化対 念仏は真実ほうに往生する法であるが、 諸善は方便化土けどに往生する法である。
絶対不二 絶対は比較すべきものがないという意。 不二は唯一無二の意。
奢促対 念仏の行者はすみやかに (促) さとりに至るが、 諸善の行者はおそい (奢)。
勇将幢 たいしゃくてんが魔と戦うときのはたぼこ
出要の道 しょうしゅつするためのかなめの道。
宗致 経典に説かれた法義の最も肝要なことがら。
動静おのれにあらず 身勝手な立居振舞をしない。
出没 出入り。
啓す 申し上げる。
大祖の解釈 しち高僧こうそうの論釈。 前の文をうけ、 曇鸞どんらんだいの ¬論註¼ を指すという説もある。
無上殊勝の願 この上なくすぐれた本願ほんがん。 →補註17