かんぎょう散善さんぜん かんだい

*沙門しゃもん*善導ぜんどうしゅう

正宗分
  総明大綱
    総標【総説】
      総標大宗

【1】 ^これより以下いげは、 つぎ*三輩さんぱい*散善さんぜん一門いちもんす。

↠此已下、次↢三輩散善一門之義↡。

一 Ⅰ ⅰ 別弁因行

^こののなかにつきてすなはちそのあり。 いちには*三福さんぷくかしてもつて*しょういんとなす。 には*ぼんかしてもつて*正行しょうぎょうとなす。

↢此↡即↢其二↡。一ニハ↢三福↡以↢正因↡。二ニハ↢九品↡以↢正行↡。

一 Ⅰ 別釈
      広明三福正因【三福】
       

^いま三福さんぷくといふは、

今言↢三福↡者、

一 Ⅰ ⅱ a
          (一)明行体不同

・世福

^第一だいいちふくはすなはちこれ*ぞく*善根ぜんごんなり。 むかしよりこのかたいまだ*仏法ぶっぽうかず、 ただおのづから*きょうよう*じんれいしんぎょうず。 ゆゑにぞくぜんづく。

第一是世俗善根ナリムカシヨリ↠聞↢仏法↡、但自↢孝養・仁・義・礼・智・信↡。故↢世俗↡也。

・戒福

^だいふくはこれを*戒善かいぜんづく。 このかいのなかにつきてすなはちにんてん*しょうもん*さつとう*かいあり。 そのなかにあるいは*じゅ不具ふぐじゅあり、 あるいは*具持ぐじ具持ぐじあり。 ただよく*こうすればことごとく*おうじょう

第二福者此↢戒善↡。就↢此↡即↢人・天・声聞・菩薩等戒↡。其↢具受・不具受↡、或↢具持・不具持↡。但能廻向レバ得↢往生↡。

・行福

^第三だいさんふくづけて*ぎょうぜんとなす。 これはこれ*だいじょうしんおこせる*ぼん、 みづからよく*ぎょうぎょうじ、 ねてえんすすめてあくしんたもたしめて、 *して*じょうしょうず。

第三者名↢行善↡。此是発↢大乗心↡凡夫、自↠行、兼↢有縁↡捨↠悪シメテ↠心、廻↢浄土↡。

一 Ⅰ ⅱ a ロ (二)弁受法単複

^またこの三福さんぷくのなかにつきて、 あるいは一人いちにんひとへに*ふくぎょうじて、 してまたしょうずることをるあり。 あるいは一人いちにんひとへに戒福かいふくぎょうじて、 してまたしょうずることをるあり。 あるいは一人いちにんひとへにぎょうふくぎょうじて、 してまたしょうずることをるあり。 あるいは一人いちにんかみふくぎょうじて、 してまたしょうずることをるあり。 あるいは一人いちにんしもふくぎょうじて、 してまたしょうずることをるあり。 あるいは一人いちにんつぶさに三福さんぷくぎょうじて、 してまたしょうずることをるあり。 あるいは人等にんとうありて、 三福さんぷくともにぎょうぜざるものをすなはち*じゅうあく*邪見じゃけん*闡提せんだいひとづく。

又就↢此三福之中↡、或↧一人単↢世福↡廻亦得↞生コトヲ。或↧一人単↢戒福↡廻亦得↞生コトヲ。或↧一人単↢行福↡廻亦得↞生コトヲ。或↧一人行↢上二福↡廻亦得↞生コトヲ。或↧一人行↢下二福↡廻亦得↞生コトヲ。或↧一人具↢三福↡廻亦得↞生コトヲ。或↢人等↡、三福倶↠行↢十悪・邪見・闡提↡也。

一 Ⅰ ⅱ 略指九品正行

^ぼんといふは、 もんいたりてまさにべんずべし、 るべし。 いまりゃくして三福さんぷく差別しゃべつ義意ぎい*りょうけんしをはりぬ。

↢九品↡者、至↠文↠弁、応↠知。今略料↢簡三福差別義意↡竟

別釈文義
    【上輩観】
      総料簡【文前料簡】
       

【2】 ^じゅう*じょうはいかんぎょうぜん文前もんぜんにつきて、 そうじてりょうけんしてすなはちじゅう一門いちもんとなす。

十四↢上輩観行善文前↡、総料簡↢十一門↡。

一 Ⅱ ⅰ a
          (一)列科目

・告命

^いちにはそうじて*ごうみょうかす。

者総↢告命↡。

・弁定其位

^にはそのくらいべんじょうす。

者弁↢定↡。

・総挙有縁

^さんにはそうじて*えんたぐいぐ。

者総↢有縁之類↡。

・三心正因

^には*三心さんしんべんじょうしてもつてしょういんとなす。

者弁↢定三心↡以↢正因↡。

・簡機堪不

^にはまさしく*かんかんとをえらぶことをかす。

者正↠簡コトヲ↣機↢不堪↡。

・受法不同

^ろくにはまさしく受法じゅほうどうかす。

者正↢受法不同↡。

・時節延促

^しちにはまさしく修業しゅごうせつ*延促えんそくことなることあることをかす。

者正↢修業時節延促有コトヲ↟異コトヲ

・回行願生

^はちには所修しょしゅぎょうして、 弥陀みだ仏国ぶっこくしょうぜんとがんずることをかす。

者明↧廻↢所修↡願コトヲ↞生ムト↢弥陀仏国↡。

・迎接去時

^には命終みょうじゅうときのぞみてしょうきたりて*こうしょうしたまふどうと、 *去時こじしつとをかす。

者明↧臨↢命終↡聖来迎接タマフ不同、去時遅疾トヲ↥。

・華開遅疾

^じゅうにはかしこにいたりてはなひらくるしつどうかす。

者明↢到↠彼華開遅疾不同↡。

・開後得益

^じゅういちにはかい以後いご得益とくやくことなることあることをかす。

十一者明↢華開已後得益コトヲ↟異コト

一 Ⅱ ⅰ a ロ (二)例結余品
            (Ⅰ)正例結

^いまこのじゅういちもんは、 ぼんもん約対やくたいするに、 一々いちいちほんのなかにつきてみなこのじゅういちあり。 すなはち*いっぴゃくばんとなす。 またこのじゅういちもんは、 じょうはい文前もんぜんにつきて、 そうじてりょうけんするもまたたり。 あるいはちゅうはい文前もんぜんにつきて、 おのおのりょうけんするもまたたり。

今此十一門義者、約↢対ルニ九品之文↡、就↢一一↡皆有↢此十一↡。即↢一百番↡也。又此十一門、就↢上輩文前↡総料簡ルモ亦得タリ。或↢中・下輩文前↡、各料簡ルモ亦得タリ

一 Ⅱ ⅰ a ロ (二)(Ⅱ)弁具欠

^また*このもしもんをもつてきたかんがふれば、 すなはち不具ふぐあり。 *隠顕おんけんありといへども、 もしそのどうによらばことごとくみなあるべし。 この因縁いんねんのためのゆゑに、 すべからく広開こうかいしてけんしゅつすべし。 ぎょうするものをしてさとりやすくりやすからしめんとほっす。

又此義若↠文フレバ者、即↢具・不具↡。雖↠有↢隠顕↡、若↢其道理↡悉↠有。為↢此因縁↡故、須↢広開顕出↡。欲↠令メムト↢依行ヲシテサトカラ↟識也。

一 Ⅱ ⅰ a

^じょうらいじゅういちもんどうありといへども、 ひろじょうはい三品さんぼん義意ぎいりょうけんしをはりぬ。

上来雖↠有↢十一門不同↡、広料↢簡上輩三品義意↡竟

一 Ⅱ ⅰ 別解釈
        正釈
          (一)上上品【上品上生釈】
            (Ⅰ)総標

【3】 ^次下つぎしも*じょうぼん上生じょうしょうくらいのなかにつきて、 また*げ、 つぎべんじ、 のちけっす。 すなはちそのじゅうあり。

次下↢上品上生↡、亦先、次、後。即↢其十二↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)別釈
              (ⅰ)告命

^いち仏告ぶつごうなん」 より以下いげはすなはちならべてこころひょうす。 ^いちにはごうみょうかす。

「仏告阿難」↡已下↢二↡。一ニハ↢告命↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅱ)弁成其位

^にはそのくらいべんじょうすることをかす。 これすなはち*だいじょう修学しゅがくするじょうぜんぼんにんなり。

ニハ↣弁↢定コトヲ↡。此即修↢学大乗↡上善凡夫人也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅲ)総挙有縁

^さんにゃくしゅじょう」 よりしも即便そくべんおうじょう」 にいたるこのかたは、 まさしくそうじて*しょうたぐいぐることをかす。 すなはちそのあり。

↢「若有衆生」↡下至↢「即便往生」↡已来タハ、正↣総コトヲ↢有生之類↡。即↢其四↡。

・能信人

^いちには能信のうしんひとかす。

ニハ↢能信之人↡。

・求願往生

^にはおうじょうがんすることをかす。

ニハ↣求↢願コトヲ往生↡。

・発心

^さんには*発心ほっしんしょうかす。

ニハ↢発心多少↡。

・得生益

^にはとくしょうやくかす。

ニハ↢得生之益↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)三心正因
                (a)牒文総科

^ とうさん」 よりしもひっしょうこく」 にいたるこのかたは、 まさしく三心さんしんべんじょうしてもつてしょういんとなすことをかす。 すなはちそのあり。

↢「何等為三」↡下至↢「必生彼国」↡已来タハ、正弁↢定三心↡以コトヲ↦正因↥。即↢其二↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)別釈文句
                  (イ)釈自徴

^いちには*そん*したがひてやくあらわしたまふこと*みつにしてりがたし、 ぶつのみづからひみづからあらわしたまふにあらずは、 るによしなきことをかす。

ニハ↧世尊随↠機タマフコト↠益意密ニシテ↠知、非ズハ↢仏タマフニ↡、無キコトヲ↞由↠得ルニ↠解

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)釈如来答数
                    [一]総示

^には如来にょらい (釈尊) かえりてみづからさき三心さんしんかずこたへたまふことをかす。

ニハ↣如来還タマフコトヲ↢前三心之数↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二]別釈
                      [Ⅰ]広釈三心体相
                        [ⅰ]【至誠心釈】
                          [a]牒文

【4】 ^¬きょう¼ (観経) にのたまはく、 「いちには*じょうしん」 と。

¬経¼云、「一者至誠心」。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b]釈義
                            [イ]釈名

^」 とはしんなり、 「じょう」 とはじつなり。

「至」者真ナリ、「誠」者実ナリ

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b][ロ]解義
                              ª一º就利他直釈
                                ªⅠº略示勧誡
                                  ªⅰº勧他力

^一切いっさい*しゅじょう*しん口意くいごう所修しょしゅ*ぎょう*かならずすべからく*真実しんじつしんのうちになすべきことをかさんとほっす。

↠明ムト↣一切衆生身口意業所修解行、必キコトヲ↢真実心↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b][ロ]ª一ºªⅠºªⅱº誡自力

^ほか*賢善けんぜんしょうじんそうげんじ、 うち*虚仮こけいだくことをざれ。

↠得↧外↢賢善精進之相↡内コトヲ↦虚仮↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b][ロ]ª一ºªⅡº広弁機法
                                  ªⅰº明機不実
                                    ªaº正明機相

^*貪瞋とんじんじゃかんひゃくたんにして、 *あくしょうめがたく、 こと*蛇蝎じゃかつおなじきは、 *三業さんごうおこすといへどもづけて*雑毒ぞうどくぜんとなし、 また虚仮こけぎょうづく。 真実しんじつごうづけず。

貪瞋・邪偽・奸詐百端ニシテ、悪性難↠侵、事同キハ↢蛇蝎↡、雖↠起スト↢三業↡名↢雑毒之善↡、亦名↢虚仮之行↡。不↠名↢真実↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅰºªbº重斥自力

^もしかくのごとき*安心あんじん*ぎょうをなすものは、 たとひ身心しんしんれいして、 *にちじゅうきゅう*はしきゅうになすこと、 *ねんはらふがごとくするものも、 すべて雑毒ぞうどくぜんづく。 この雑毒ぞうどくぎょうして、 かのぶつじょうしょうずることをもとめんとほっせば、 これかならず不可ふかなり。

↢如↠此安心・起行↡者、縦使苦↢励身心↡、日夜十二時急コト、如クスル↠灸フガ↢頭燃↡者、衆↢雑毒之善↡。欲↧廻↢此雑毒之行↡求メムト↞生コトヲ↢彼浄土↡者、此必不可也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅱº顕法真実

^なにをもつてのゆゑに。 まさしくかの*弥陀みだぶつ*いんちゅうさつぎょうぎょうじたまひしとき、 すなはち*一念いちねんいち*せついたるまでも、 三業さんごう所修しょしゅ、 みなこれ真実しんじつしんのうちになしたまひ、 *おほよそ*施為せいしゅしたまふところ、 またみな真実しんじつなるによりてなり。

。正テナリ↧彼阿弥陀仏因中タマヒシ↢菩薩↡時、乃マデモ↢一念一刹那↡、三業所修、皆是真実心タマヒ、凡所↢施為趣求タマフ↡、亦皆真実ナルニ↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b][ロ]ª二º分二利重弁
                                ªⅠº標列

^また真実しんじつしゅあり。 いちには*自利じり真実しんじつには*利他りた真実しんじつなり。

又真実↢二種↡。一者自利真実、二者利他真実ナリ

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b][ロ]ª二ºªⅡº随釈
                                  ªⅰº明自利真実
                                    ªaº明厭離真実

^自利じり真実しんじつといふは、 またしゅあり。

↢自利真実↡者、復有↢二種↡。

・聖道厭離

^ いちには真実しんじつしんのうちに、 自他じた諸悪しょあくおよび*こくとう*制捨せいしゃして、 *行住ぎょうじゅう坐臥ざが一切いっさいさつ諸悪しょあく制捨せいしゃしたまふにおなじく、 われもまたかくのごとくならんとおもふなり。

者真実心、制↢捨自他諸悪及穢国等↡、行住坐臥↧同↣一切菩薩制↢捨タマフニ諸悪↡、我亦如クナラムト↞是也。

・聖道欣求

^には真実しんじつしんのうちに、 自他じた*ぼんしょうとうぜん勤修ごんしゅす。

者真実心、懃↢修自他凡聖等↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b][ロ]ª二ºªⅡºªⅰºªbº明欣求真実

・口業

^真実しんじつしんのうちの*ごうに、 かの弥陀みだぶつおよび*しょうほう*讃歎さんだんす。 また真実しんじつしんのうちのごうに、 *三界さんがい*六道ろくどうとう自他じた*しょうほうあく*えんす。 また一切いっさいしゅじょう三業さんごうしょぜん讃歎さんだんす。 もし善業ぜんごうにあらずは、 つつしみてこれをとおざかれ、 また*ずいせざれ。

真実心口業、讃↢歎阿弥陀仏及依正二報↡。又真実心口業、毀↢厭三界・六道等自他依正二報苦悪之事↡。亦讃↢歎一切衆生三業所為↡。若ズハ↢善業↡者、敬ミテ而遠カレ↠之、亦不↢随喜↡也。

・身業

^また真実しんじつしんのうちの*身業しんごうに、 *がっしょうらいきょうして、 *四事しじとうをもつてかの弥陀みだぶつおよびしょうほう*よう。 また真実しんじつしんのうちの身業しんごうに、 この*しょう三界さんがいとう自他じたしょうほう軽慢きょうまん厭捨えんしゃす。

又真実心身業、合掌礼敬、四事等ヲモテ供↢養阿弥陀仏及依正二報↡。又真実心身業、軽↢慢厭↣捨生死三界等自他依正二報↡。

・意業

^また真実しんじつしんのうちの*ごうに、 かの弥陀みだぶつおよびしょうほうそう*観察かんざつ*憶念おくねんして、 まえげんずるがごとくす。 また真実しんじつしんのうちのごうに、 このしょう三界さんがいとう自他じたしょうほうきょうせん厭捨えんしゃす。

又真実心意業、思↢想観↣察憶↤念阿弥陀仏及依正二報↡、如クス↠現ルガ↢目↡。又真実心意業、軽↢賎厭↣捨生死三界等自他依正二報↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b][ロ]ª二ºªⅱº明利他真実
                                  ªaº別明

^*ぜんさんごうは、 かならずすべからく真実しんじつしんのうちにつべし。 *またもしぜん三業さんごうおこさば、 かならずすべからく真実しんじつしんのうちになすべし。

不善三業、必↢真実心↡。又若↢善三業↡者、必↢真実心↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][b][ロ]ª二ºªⅱºªbº総結

^*ないみょうあんえらばず、 みなすべからく真実しんじつなるべし。

不↠簡↢内外明闇↡、皆須↢真実ナル↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅰ][c]結名

^ゆゑにじょうしんづく。

↢「至誠心」↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ]深心釈
                          [a]牒文

【5】 ^には*深心じんしん」 と。

「二者深心」。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b]釈義
                            [イ]釈名義
                            [ロ]明信相
                              ª一º深信機法【二種深信】
                                ªⅠº標数

^深心じんしん」 といふはすなはちこれふかしんずるしんなり。 またしゅあり。

「深心」↡者即是深之心也。亦有↢二種↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª一ºªⅡº列釈
                                  ªⅰº明信機

^いちにはけつじょうしてふかく、 しんげんにこれ*罪悪ざいあくしょうぼん*曠劫こうごうよりこのかたつねにもっしつねに*てんして、 *しゅつ*えんあることなしとしんず。

者決定↢自身是罪悪生死凡夫、曠劫ヨリ已来流転、無シト↟有コト↢出離之縁↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅱº明信法

^にはけつじょうしてふかく、 かの弥陀みだぶつの、 *じゅうはちがんしゅじょう*しょうじゅしたまふこと、 うたがいなくおもんぱかりなくかの*願力がんりきじょうじてさだめておうじょうしんず。

者決定↧彼阿弥陀仏四十八願摂↢受タマフコト衆生↡、無↠疑無↢彼願力↡定↦往生↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª二º深信観経

【6】 ^またけつじょうしてふかく、 しゃぶつ、 この ¬*かんぎょう¼ の三福さんぷくぼん*じょうさんぜんきて、 かのぶつしょうほうしょうさんして、 ひとをしてごんせしめたまふとしんず。

又決定↧釈迦仏説↢此¬観経¼三福・九品・定散二善↡、証↢讃依正二報↡、使タマフト↦人ヲシテ欣慕↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª三º深信小経

^またけつじょうしてふかく、 ¬*弥陀みだきょう¼ のなかに、 *十方じっぽう*恒沙ごうじゃ諸仏しょぶつ一切いっさいぼんけつじょうしてしょうずることをしょうかんしたまふとしんず。

又決定↣¬弥陀経¼中、十方恒沙諸仏証↢勧タマフト一切凡夫決定↟生コトヲ

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª四º唯信仏語

^また深信じんしんとは、 あおねがはくは、 一切いっさいぎょうじゃとう一心いっしんにただ*ぶつしんじて身命しんみょうかえりみず、 けつじょうしてぎょうし、 ぶつてしめたまふをばすなはちて、 ぶつぎょうぜしめたまふをばすなはちぎょうじ、 ぶつらしめたまふところをばすなはちる。 これをぶっきょう随順ずいじゅんし、 ぶつ随順ずいじゅんすとづけ、 これを*仏願ぶつがん随順ずいじゅんすとづく。 これを*しんぶつ弟子でしづく。

又深信者、仰クハ、一切行者等、一心唯信↢仏語↡不↠顧↢身命↡、決定依行、仏タマフヲ↠捨者即、仏タマフヲ↠行者即、仏タマフヲ↠去ヲバ。是↧随↢順仏教↡随↦順スト仏意↥、是↣随↢順スト仏願↡。是↢真仏弟子↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª五º依観経信
                                ªⅠº総標信得

^また一切いっさいぎょうじゃだよくこの ¬きょう¼ (観経) によりてふかしんじてぎょうずるものは、 かならずしゅじょうあやまたず。

又一切行者但能↢此¬経¼↡深、必不↠悞↢衆生↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª五ºªⅡº別顕可信
                                  ªⅰº略示

^なにをもつてのゆゑに。 ぶつはこれ*だい満足まんぞくしたまへるにんなるがゆゑなり、 *じつしたまふがゆゑなり。

。仏是満↢足タマヘル大悲↡人ナルガナリ、実語タマフガナリ

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª五ºªⅡºªⅱº広顕
                                    ªaº挍説人分満

^ぶつのぞきてげんは、 *ぎょういまだたず。 その*がくにありて、 *正習しょうじゅうしょうありていまだのぞこらざるによりて、 *がんいまだまどかならず。

↠仏已還、智行未↠満。在↢其学地↡、由↧有↢正習二障↡未ルニ↞除、果願未↠円カナラ

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª五ºªⅡºªⅱºªbº挍教語虚実
                                      ªイº明因説必要果証

^これらのぼんしょうはたとひ諸仏しょぶつきょう*しきりょうすれども、 いまだけつりょうすることあたはず。 *平章びょうしょうすることありといへども、 かならずすべからくぶつしょうしょうじてじょうとなすべし。 もしぶつかなへばすなはち*いんして、 「*にょにょ」 とのたまふ。 もしぶつかなはざれば、 すなはち 「なんぢらが所説しょせつこのにょ」 とのたまふ。 いんせざるはすなはち*無記むき無利むりやくどうず。 ぶついんしたまふは、 すなはちぶつ正教しょうきょうずいじゅんす。 もしぶつのあらゆる言説ごんせつなれば、 すなはちこれ*正教しょうきょうしょう正行しょうぎょうしょうしょうごうしょうなり。

此等凡聖縦使測↢量ドモ諸仏教意↡、未↠能↢決了コト↡。雖↠有↢平章コト↡、要↧請↢仏証↡為↞定也。若カナヘ↢仏意↡、即印可↢如是如是↡。若レバカナ↢仏意↡者、即↢汝等所説是義不如是↡。不↠印者即↢無記・無利・無益之語↡。仏印可タマフ者即随↢順仏之正教↡。若所有言説ナレバ、即是正教・正義・正行・正解・正業・正智ナリ

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª五ºªⅡºªⅱºªbºªロº明果説必不要因証

^もしは、 もしはしょう、 すべてさつにんてんとうひて、 その是非ぜひさだめざれ。 もしぶつ所説しょせつなれば、 すなはちこれ*了教りょうきょうなり。 さつとうせつはことごとく了教りょうきょうづく、 るべし。

多若少、衆↧問↢菩薩・人・天等↡、定↦其是非↥也。若所説ナレバ是了教ナリ。菩薩等↢不了教↡也、応↠知

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª五ºªⅢº結示勧誡

^このゆゑにいまのときあおぎて一切いっさいえんおうじょうとうすすむ。 ただふかぶつしんじて*せんちゅうぎょうすべし。 さつとう*相応そうおうきょう信用しんようして、 もつて疑礙ぎげをなし、 *わくいだきてみづからまよひ、 おうじょう大益だいやく廃失はいしつすべからず。

時、仰↢一切有縁往生人等↡。唯可↧深仏語↡専注奉行↥。不↠可↧信↢用菩薩等不相応↡、以↢疑礙↡、抱↠惑、廃↦失往生之大益↥也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六º建立自心
                                ªⅠº略示

【7】 ^また深心じんしんは 「ふかしんなり」 といふは、 けつじょうしてしんこんりゅうして、 きょうじゅんじてしゅぎょうし、 ながさくのぞきて、 一切いっさい*べつべつぎょう*がくけんしゅうのために、 退失たいしつ*きょうどうせられざるなり。

又深心ナリトイフ者、決定建↢立自心↡、順↠教修行、永↢疑錯↡、不↧為↢一切別解・別行・異学・異見・異執↡之所↦退失傾動↥也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六ºªⅡº広説
                                  ªⅰº

 ^ひていはく、 ぼんあさく、 *わくしょうしょすることふかし。 もし*ぎょうどうひとおおきょうろんきてきたりてあひ妨難ぼうなんし、 しょうして 「一切いっさいざいしょうぼんおうじょうず」 といふにはば、 いかんがかのなん*たいして、 信心しんじんじょうじゅして、 けつじょうしてただちにすすみて、 *怯退こうたいしょうぜざらんや。

、凡夫智浅、惑障処コト。若↧解行不同人多↢経論↡来妨難、証フニ↦一切罪障凡夫不↞得↢往生↡者、云何対↢治↡、成↢就信心↡、決定、不ラム↠生↢怯退↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六ºªⅡºªⅱº
                                    ªaº明就人立信【四重破人
                                      ªイº正明
                                        ˆ一ˇ凡夫

^こたへていはく、 もしひとありておおきょうろんきてしょうして 「しょうぜず」 といはば、 ぎょうじゃすなはちこたへていへ。 「なんぢきょうろんをもつてきたしょうして ªしょうぜずº といふといへども、 わがこころのごときはけつじょうしてなんぢがけず。

、若↠人多↢経論↡証ハバ↠不↠生者、行者即仁者 ナンヂ ↧将↢経論↡来フト↞不↠生、如↢我↡者決定不↠受↢汝↡。

^なにをもつてのゆゑに。 しかるにわれまた、 これかのもろもろのきょうろんしんぜざるにはあらず。 ことごとくみな仰信ごうしん

。然我亦、不↢是不ルニハ↟信↢彼経論↡。尽皆仰信

^しかるにぶつかのきょうきたまふときは、 *処別しょべつべつ*たいべつやくべつなり。 またかのきょうきたまふときは、 すなはち ¬かんぎょう¼・¬弥陀みだきょう¼ とうきたまふときにあらず。 しかるにぶつせっきょう*そなふ、 ときまたどうなり。 かれすなはちつうじてにんてんさつぎょうく。 いま ¬かんぎょう¼ のじょうさんぜんきたまふことは、 ただだいおよび仏滅ぶつめつ*じょく*五苦ごくとう一切いっさいぼんのために、 しょうして ªしょうずることをº とのたまふ。

仏説タマフ↢彼↡時、処別・時別・対機別・利益別ナリ。又説タマフ↢彼↡時、即↧説タマフ↢¬観経¼・¬弥陀経¼等↡時↥。然説教↠機、時亦不同ナリ。彼即↢人・天・菩薩之解行↡。今説タマフコトハ↢¬観経¼定散二善↡、唯為↢韋提及仏滅後五濁・五苦等一切凡夫↡、証↠得↠生コトヲ

^この因縁いんねんのために、 われいま一心いっしんにこのぶっきょうによりてけつじょうしてぎょうす。 たとひなんぢらひゃく千万せんまんおくありて ªしょうぜずº といふとも、 ただわがおうじょう信心しんじんぞうじょうじょうじゅせん」 と。

↢此因縁↡、我今一心↢此仏教↡決定奉行。縦使汝等百千万億アリテトモ↠不↠生者、唯増↢長成↣就ムト往生信心↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六ºªⅡºªⅱºªaºªイºˆ二ˇ賢聖

^またぎょうじゃさらにかひてきていへ。 「なんぢよくけ、 われいまなんぢがためにさらにけつじょう信相しんそうかん。

又行者更仁者 ナンヂ 、我今為↠汝↢決定信相↡。

^たとひ*ぜんさつ*かん*びゃくとう、 もしはいち、 もしはない十方じっぽう*遍満へんまんして、 みなきょうろんきてしょうして ªしょうぜずº といふとも、 われまたいまだ一念いちねんしんおこさず。 ただわが清浄しょうじょう信心しんじんぞうじょうじょうじゅせん。

縦使地前菩薩・羅漢・辟支等、若一若多、乃至遍↢満十方↡、皆引↢経論↡証トモ↠不↠生者、我亦未↠起↢一念疑心↡。唯増↢長成↣就清浄信心↡。

^なにをもつてのゆゑに。 ぶつけつじょうじょうじゅりょうにして、 一切いっさいのために破壊はえせられざるによるがゆゑなり」 と。

。由ルガ↫仏語決定成就了義ニシテ、不ルニ↪為↢一切↡所↩破壊↨故ナリト

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六ºªⅡºªⅱºªaºªイºˆ三ˇ地上

^またぎょうじゃよくけ。 たとひ*しょじょうじゅうらい、 もしはいち、 もしはない十方じっぽう遍満へんまんして、 異口いく同音どうおんにみないはく、 「しゃぶつ弥陀みださんし、 三界さんがい六道ろくどう*毀呰きしし、 しゅじょう勧励かんれいし、 ª専心せんしん念仏ねんぶつし、 およびぜんしゅすれば、 この一身いっしんへてのちひつじょうしてかのくにしょうずº といふは、 これかならずもうなり、 しんすべからず」 と。 われこれらの所説しょせつくといへども、 また一念いちねんしんしょうぜず。 ただわがけつじょう上上じょうじょう信心しんじんぞうじょうじょうじゅせん。

又行者善。縦使初地已上十地已来、若一若多、乃至遍↢満十方↡、異口同音皆云、釈迦仏指↢讃弥陀↡、毀↢呰三界・六道↡、勧↢励衆生↡、専心念仏、及レバ↢余善↡、畢↢此一身↡後必定ズトイフ↢彼↡者、此必虚妄ナリ、不↠可↢依信↡也。我雖↠聞クト↢此等所説↡、亦不↠生↢一念疑心↡。唯増↢長成↣就決定上上信心↡。

^なにをもつてのゆゑに。 すなはちぶつ真実しんじつ*けつりょうなるによるがゆゑなり。 ぶつはこれじっじつ実見じっけんじっしょうにして、 これわくしんちゅうにあらざるがゆゑなり。 また一切いっさいさつけん異解いげのために破壊はえせられず。 もしじつにこれさつならば、 すべてぶっきょうせじ。

。乃ルガ↢仏語真実決了ナルニ↡故ナリ。仏是実知・実解・実見・実証ニシテ、非ルガ↢是疑惑心中↡故ナリ。又不↧為↢一切菩薩異見・異解↡之所↦破壊↥。若是菩薩ナラバ者、衆不↠違↢仏教↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六ºªⅡºªⅱºªaºªイºˆ四ˇ報化
                                          ˆⅠˇ

^またこのく、 ぎょうじゃまさにるべし。

又置↢此↡、行者当↠知

  ~ ˆ四ˇˆⅡˇ
        ˆⅰˇ出離破

^たとひぶつ*報仏ほうぶつ、 もしはいち、 もしはない十方じっぽう遍満へんまんして、 おのおのひかりかがやかし、 したきてあまねく十方じっぽうおおひて、 一々いちいちきてのたまはく、 「しゃ所説しょせつに、 あひめて一切いっさいぼん勧発かんぽつして、 ª専心せんしん念仏ねんぶつし、 およびぜんしゅして、 *がんすればかのじょうしょうずることをº といふは、 これはこれもうなり、 さだめてこのなし」 と。

縦使化仏・報仏、若一若多、乃至遍↢満十方↡、各各輝カシ↠光、吐↠舌↢十方↡、一一、釈迦所説、相勧↢発一切凡夫↡、専心念仏、及↢余善↡廻願レバトイフ↠生コトヲ↢彼浄土↡者、此是虚妄ナリ、定シト↢此事↡也。

  ~ ˆ四ˇˆⅡˇˆⅱˇ明不受
          ˆaˇ総示

^われこれらの諸仏しょぶつ所説しょせつくといへども、 *ひっきょうじて、 一念いちねん退たいしんおこしてかの仏国ぶっこくしょうずることをざることをおそ

我雖↠聞クト↢此等諸仏所説↡、畢竟、不↧起↢一念疑退之心↡畏↞不コトヲ↠得↠生コトヲ↢彼仏国↡也。

  ~ ˆ四ˇˆⅡˇˆⅱˇˆbˇ別明
           ˆイˇ
           ˆロˇ
             (一)立理
               (Ⅰ)明仏々平等

^なにをもつてのゆゑに。 一仏いちぶつ一切いっさいぶつなり、 あらゆるけんぎょうしょう果位かいだい等同とうどうにしてすこしき差別しゃべつもなし。 このゆゑに一仏いちぶつせいしたまふところは、 すなはち一切いっさいぶつおなじくせいしたまふ。 前仏ぜんぶつせっしょうじゅうあくとうつみ制断せいだんしたまひ、 ひっきょうじておかさずぎょうぜざるをば、 すなはち*じゅうぜん*じゅうぎょうにして*ろくずいじゅんすとづけたまふがごとき、 もしぶつしゅっしたまふことあらんに、 あにさきじゅうぜんあらためてじゅうあくぎょうぜしめたまふべけんや。

。一仏一切仏ナリ、所有知見・解行・証悟・果位・大悲、等同ニシテ↢少シキ差別↡。是一仏↠制タマフ、即切仏同タマフ。如↫似前仏制↢断タマヒ殺生・十悪等↡、畢竟不↠犯ルヲ↠行者、即タマフ↪十善・十行ニシテ随↩順スト六度之義↨、若ラムニ↢後仏出世タマフコト↡、豈ケム↧改↢前十善↡令タマフ↞行↢十悪↡也。

^このどうをもつて*推験すいげんするに、 あきらかにりぬ、 諸仏しょぶつごんぎょうはあひしつせざることを。

↢此道理↡推験ルニ、明、諸仏言行コトヲ↢相違失↡。

  ~ ˆ四ˇˆⅡˇˆⅱˇˆbˇˆロˇ(一)(Ⅱ)示二仏同勧

^たとひしゃ一切いっさいぼんかんして、 「この一身いっしんつくすまで専念せんねん専修せんじゅすれば、 しゃみょう以後いごさだめてかのくにしょうず」 とのたまはば、 すなはち十方じっぽう諸仏しょぶつことごとくみなおなじくめ、 おなじくすすめ、 おなじくしょうしたまはん。 なにをもつてのゆゑに。 *同体どうたいだいなるがゆゑなり。 一仏いちぶつ*しょは、 すなはちこれ一切いっさいぶつなり。 一切いっさいぶつは、 すなはちこれ一仏いちぶつしょなり。

縦令釈迦指↢勧一切凡夫↡、尽マデ↢此一身↡専念専修レバ、捨命已後定ストノタマハバ↢彼↡者、即十方諸仏悉皆同、同、同タマハム。何。同体大悲ナルガナリ。一仏所化是一切仏ナリ。一切仏是一仏所化ナリ

  ~ ˆ四ˇˆⅡˇˆⅱˇˆbˇˆロˇ(二)引証
                (Ⅰ)正引
                  (ⅰ)依正荘厳分

^すなはち ¬弥陀みだきょう¼ のなかにきたまふ。 しゃ*極楽ごくらく種々しゅじゅ*しょうごん讃歎さんだんし、

¬弥陀経¼中タマフ。釈迦讃↢歎極楽種種荘厳↡、

  ~ ˆ四ˇˆⅡˇˆⅱˇˆbˇˆロˇ(二)(Ⅰ)(ⅱ)往生行相分

^また 「一切いっさいぼん一日いちにち七日しちにち一心いっしんにもつぱら弥陀みだ*みょうごうねんずれば、 さだめておうじょう(意)すすめたまひ、

又勧タマヒ↧一切凡夫一日七日一心レバ↢弥陀名号↡、定↦往生↥、

  ~ ˆ四ˇˆⅡˇˆⅱˇˆbˇˆロˇ(二)(Ⅰ)(ⅲ)互相讃徳分

^次下つぎしももん(小経・意)、 「十方じっぽうにおのおのごうしゃとう諸仏しょぶつましまして、 おなじくしゃよくじょくあくあくかいあくしゅじょう悪見あくけんあく煩悩ぼんのう悪邪あくじゃしんさかりなるときにおいて、 弥陀みだみょうごうさんして、 ªしゅじょうしょうねんすればかならずおうじょうº と勧励かんれいしたまふをさんじたまふ」 とのたまふは、 すなはちそのしょうなり。

次下、云フハ↱十方シテ↢恒河沙等諸仏↡、同タマフト↫釈迦能↢五濁悪時・悪世界・悪衆生・悪見・悪煩悩・悪邪・無信ナル↡、指↢讃弥陀名号↡、勧↪励タマフヲ衆生称念レバ↩往生↨、即証也。

  ~ ˆ四ˇˆⅡˇˆⅱˇˆbˇˆロˇ(二)(Ⅰ)(ⅳ)諸仏証誠分

^また十方じっぽうぶつとうしゅじょうしゃ一仏いちぶつ所説しょせつしんぜざることを恐畏おそれて、 すなはちともに同心どうしんどうに、 おのおの*舌相ぜっそういだしてあまねく*三千さんぜんかいおおひて、 じょうじつごんきたまふ。 「なんぢらしゅじょう、 みなこのしゃ所説しょせつ所讃しょさんしょしょうしんずべし。 一切いっさいぼん罪福ざいふくしょう*せつごんはず、 ただよくかみひゃくねんつくし、 しも一日いちにち七日しちにちいたるまで、 一心いっしんにもつぱら弥陀みだみょうごうねんずれば、 さだめておうじょうること、 かならずうたがいなし」 と。

又十方仏等、恐↢畏 オソレ 衆生コトヲ↟信↢釈迦一仏所説↡、即同心同時↢舌相↡遍↢三千世界↡、説タマフ↢誠実↡。汝等衆生皆応↠信↢是釈迦所説・所讃・所証↡。一切凡夫不↠問↢罪福多少、時節久近↡、但能上尽↢百年↡下至マデ↢一日七日↡、一心↢念レバ弥陀名号↡、定コト↢往生↡必シト↠疑也。

  ~ ˆ四ˇˆⅡˇˆⅱˇˆbˇˆロˇ(二)(Ⅱ)結証

^このゆゑに一仏いちぶつ所説しょせつは、 すなはち一切いっさいぶつおなじくその*証誠しょうじょうしたまふ。

一仏所説、即一切仏同証↢誠タマフ↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六ºªⅡºªⅱºªaºªロº結名【就人立信】

^これを*にんきてしんつとづく。

↢就↠人ツト↟信也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六ºªⅡºªⅱºªbº【就行立信】
                                      ªイº標目
                                      ªロº正明【正雑二行】
                                        ˆ一ˇ標列

【8】 ^つぎ*ぎょうきてしんつといふは、 しかるにぎょうしゅあり。 いちには*正行しょうぎょうには*ぞうぎょうなり

↠行ツトイフ↠信者、然↢二種↡。一者正行、二者雑行ナリ

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六ºªⅡºªⅱºªbºªロºˆ二ˇ随釈

  ~   ˆⅠˇ明行相
        ˆⅰˇ正行
          ˆaˇ総示

^正行しょうぎょうといふは、 もつぱら*おうじょうきょうぎょうによりてぎょうずるは、 これを正行しょうぎょうづく。

↢正行↡者、専↢往生経↡行者、是↢正行↡。

  ~ ˆ二ˇˆⅠˇˆⅰˇˆbˇ別顕
            ˆイˇ

^何者なにものかこれなるや。 一心いっしんにもつぱらこの ¬かんぎょう¼・¬弥陀みだきょう¼・¬*りょう寿じゅきょう¼ とう*読誦どくじゅし、 一心いっしんせんちゅうしてかのくに*ほうしょうごんそう観察かんざつ憶念おくねんし、 もしらいするにはすなはち一心いっしんにもつぱらかのぶつらいし、 もしくちしょうするにはすなはち一心いっしんにもつぱらかのぶつしょうし、 もし*讃歎さんだんようするにはすなはち一心いっしんにもつぱら讃歎さんだんようす、 これをづけてしょうとなす。

何者ナル也。一心読↢誦¬観経¼・¬弥陀経¼・¬無量寿経¼等↡、一心専注思↢想観↣察憶↤念二報荘厳↡、若ルニハ一心↢彼↡、若ルニハ一心↢彼↡、若讃歎供養ルニハ一心讃歎供養、是↠正

  ~ ˆ二ˇˆⅠˇˆⅰˇˆbˇˆロˇ合【正助二業】
              (一)

^またこのしょうのなかにつきてまたしゅあり。

又就↢此↡復有↢二種↡。

  ~ ˆ二ˇˆⅠˇˆⅰˇˆbˇˆロˇ(二)
                (Ⅰ)明正業

^いちには一心いっしんにもつぱら弥陀みだみょうごうねんじて、 行住ぎょうじゅう坐臥ざがせつごんはず念々ねんねんてざるは、 これを*正定しょうじょうごうづく、 かのぶつがんじゅんずるがゆゑなり。

者一心↢弥陀名号↡、行住坐臥不↠問↢時節久近↡念念↠捨者、是↢正定之業↡、順ルガ↢彼仏願↡故ナリ

  ~ ˆ二ˇˆⅠˇˆⅰˇˆbˇˆロˇ(二)(Ⅱ)指助業

^もし*礼誦らいじゅとうによるをすなはちづけて*助業じょごうとなす。

ルヲ↢礼誦等↡即↢助業↡。

  ~ ˆ二ˇˆⅠˇˆⅱˇ雑行

^このしょうじょぎょうのぞきて以外いげ自余じよ諸善しょぜんはことごとくぞうぎょうづく。

↢此正助二行↡已外自余諸善↢雑行↡。

  ~ ˆ二ˇˆⅡˇ判得失

^もしさきしょうじょぎょうしゅすれば、 しんつねに ˆ弥陀みだぶつにˇ 親近しんごんして憶念おくねんえず、 づけて*けんとなす。 もしのちぞうぎょうぎょうずれば、 すなはちしんつねに*間断けんだんす、 こうしてしょうずることをべしといへども、 すべてぞうぎょうづく。

レバ↢前正助二行↡、心常親近憶念不↠断、名↢無間↡也。若レバ↢後雑行↡、即心常間断、雖↠可シト↢廻向得↟生コトヲ、衆↢疎雑之行↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][c]結名

^ゆゑに深心じんしんづく。

↢「深心」↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ]【回向発願心釈】
                          [a]牒文

【9】 ^さんには*こう発願ほつがんしん」 と。

「三者廻向発願心」。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b]釈義
                            [イ]明自利廻願

^こう発願ほつがんしん」 といふは、 過去かこおよびこんじょうしん口意くいごう所修しょしゅ*しゅっ善根ぜんごんと、 および一切いっさい*ぼんしょうしん口意くいごう所修しょしゅしゅっ善根ぜんごん*ずいせると、 この自他じた所修しょしゅ善根ぜんごんをもつて、 ことごとくみな真実しんじつ深信じんしんしんちゅうこうして、 かのくにしょうぜんとがんず。 ゆゑにこう発願ほつがんしんづく。

↢「廻向発願心」↡者、過去及以今生身口意業所修世・出世善根、及随↢喜ルト一切凡聖身口意業所修世・出世善根↡、以↢此自他所修善根↡悉皆真実深信心中廻向↠生ムト↢彼↡。故↢「廻向発願心」↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]明利他廻願
                              ª一º約往相
                                ªⅠº略示

^またこう発願ほつがんしてしょうぜんとがんずるものは、 *かならずすべからくけつじょう真実しんじつしんのうちにこうがんじて、 *とくしょうおもいをなすべし。 このしん深信じんしんせること金剛こんごうのごとくなるによりて、 一切いっさいけんがくべつべつぎょうにんとうのために動乱どうらん破壊はえせられず。 ただこれけつじょうして一心いっしんりて、 しょうじきすすみ、 かのひときて、 すなはち進退しんたいあり、 しん*こうにゃくしょうずることをざれ。 *回顧えこすれば*どうよりちて、 すなはちおうじょう大益だいやくしっするなり。

又廻向発願↠生ムト↣決定真実心廻向、作↢得生↡。此心深信コト↠若クナルニ↢金剛↡、不↧為↢一切異見・異学・別解・別行人等↡之所↦動乱破壊↥。唯是決定一心正直、不↠得↧聞↢彼↡即↢進退↡、心コトヲ↦怯弱↥。廻顧レバ↠道ヨリ、即↢往生之大益↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡº広説
                                  ªⅰº法説
                                    ªaº

【10】^ひていはく、 もしぎょうどう邪雑じゃぞうにんとうありて、 きたりてあひ惑乱わくらんし、 あるいは種々しゅじゅなんきて、 「おうじょうず」 といひ、 あるいはいはく、 「なんぢらしゅじょう曠劫こうごうよりこのかたおよびこんじょうしん口意くいごうに、 一切いっさいぼんしょううえにおいてつぶさにじゅうあく*ぎゃく*じゅう*謗法ほうぼう闡提せんだいかいけんとうつみつくりて、 いまだ除尽じょじんすることあたはず。 しかるにこれらのつみ三界さんがい悪道あくどう*ぞくす。 いかんぞいっしょう修福しゅふく念仏ねんぶつをもつてすなはちかの*無漏むろ*しょうくにりて、 なが*退たいくらいしょうすることをんや」 と。

、若↢解行不同邪雑人等↡、来惑乱、或↢種種疑難↡、噵↠不↠得↢往生↡、或、汝等衆生曠劫ヨリ已来及以今生身口意業、於↢一切凡聖↡具↢十悪・五逆・四重・謗法・闡提・破戒・破見等↡、未↠能↢除尽コト↡。然此等之罪繋↢属三界悪道↡。云何一生修福念仏ヲモテ↢彼無漏無生之国↡、永↣証↢悟コトヲ不退↡也

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅰºªbº
                                      ªイº明教行非一

^こたへていはく、 諸仏しょぶつ教行きょうぎょうかず*塵沙じんじゃえたり。 *稟識ほんじきえんこころしたがひていちにあらず。

、諸仏教行、数越タリ↢塵沙↡。稟識機縁随↠情↠一

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅰºªbºªロº明教益多門

^たとへばけんひとまなこるべくしんずべきがごときは、 みょうよくあんし、 くうよくふくみ、 よく*載養さいようし、 みずよく*しょうにんし、 よく*じょうするがごときなり。 かくのごときをことごとく*待対たいたいほうづく。 すなはちるべし、 千差せんじゃ万別まんべつなり。 いかにいはんや仏法ぶっぽう思議しぎちから、 あに種々しゅじゅやくなからんや。 したがひて一門いちもんづれば、 すなはちいち煩悩ぼんのうもんづ。 したがひて一門いちもんれば、 すなはちいちだつ智慧ちえもんる。

↢世間↠見キガ↟信者、如キナリ↢明能↠闇、空能↠有、地能載養、水能生潤、火能成壊ルガ↡。如↠此↢待対之法↡。即↠見、千差万別ナリ。何仏法不思議之力、豈ラム↢種種益↡也。随レバ↢一門↡者、即↢一煩悩↡也。随レバ↢一門↡者、即↢一解脱智慧↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅰºªbºªハº明随縁起行

^これがためにえんしたがひてぎょうおこして、 おのおのだつもとめよ。 なんぢ、 なにをもつてかすなはち*えんようぎょうにあらざるをもつてわれをしょうわくするや。 しかるにわが所愛しょあいは、 すなはちこれわがえんぎょうなり。 すなはちなんぢがしょにあらず。 なんぢが所愛しょあいは、 すなはちこれなんぢがえんぎょうなり。 またわがしょにあらず。 このゆゑにおのおの*しょぎょうしたがひてそのぎょうしゅすれば、 かならずだつ

↠此↠縁↠行、各↢解脱↡。汝何↠非ルヲ↢有縁之要行↡障↢惑ルヤ於我↡。然之所愛、即是我有縁之行ナリ。即↢汝所求↡。汝之所愛、即是汝有縁之行ナリ。亦非↢我所求↡。是↢所楽↡而修レバ↢其↡者、必得↢解脱↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅰºªbºªニº明解行旨異

^ぎょうじゃまさにるべし。 もし*がくせんとほっせば、 *ぼんより*しょういたり、 すなはちぶっいたるまで、 一切いっさいさわりなくみながくすることをん。 もしぎょうがくせんとほっせば、 かならずえんほうによれ。 すこしきろうもちゐるにおおやくればなり。

行者当↠知。若↠学ムト↠解、従↠凡至↠聖、乃マデ↢仏果↡、一切無↠礙皆得↠学コトヲ也。若↠学ムト↠行者、必↢有縁之法↡。少ルニ↢功労↡多レバ↠益也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅱº譬説【二河譬】
                                    ªaº正説
                                      ªイº標意

【11】^また一切いっさいおうじょうにんとうにまうさく、 いまさらにぎょうじゃのためにいち譬喩ひゆきて、 信心しんじんしゅして、 もつてじゃけんなんふせがん。 何者なにものかこれなるや。

又白↢一切往生人等↡、今更↢行者↡説↢一譬喩↡、守↢護信心↡以↢外邪異見之難↡。何者ナル也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅱºªaºªロº立譬
                                        ˆ一ˇ略喩機法

^たとへば、 ひとありて西にしかひてひゃくせんかんとほっするがごとし。 忽然こつねんとして*ちゅうかわあるをる。 いちにはこれかわみなみにあり。 にはこれみずかわきたにあり。 二河にがおのおのひろひゃく、 おのおのふかくしてそこなし。 南北なんぼくほとりなし。 まさしくすいちゅうげんいちびゃくどうあり。 ひろ四五しごすんばかりなるべし。 このみちひがしきしより西にしきしいたるに、 またながひゃくそのみずろうまじはりぎてみち湿うるおし、 そのえんまたきたりてみちく。 すいあひまじはりて、 つねにしてそくすることなし。

↤有↠人欲ルガ↣向↠西ムト↢百千之里↡。忽然トシテ中路↠有ルヲ↢二河↡。一ニハ是火河、在↠南。二ニハ是水河、在↠北。二河各百歩、各クシテ↠底。南北無↠辺。正水火中間↢一白道↡。可↢闊四五寸バカリナル↡。此道従↢東岸↡至ルニ↢西↡、亦長百歩、其波浪交湿↠道、其火焔亦来↠道。水火相ニシテ↢休息コト↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅱºªaºªロºˆ二ˇ広喩信相

  ~   ˆⅠˇ喩願生心発

^このひとすでに*空曠くうこうのはるかなるところいたるに、 さらに人物にんもつなし。 おお群賊ぐんぞくあくじゅうありて、 このひと単独たんどくなるをて、 きそきたりてころさんとほっす。 このひとおそてただちにはしりて西にしかふに、

人既ルニ↢空曠ナル↡、更↢人物↡。多↢群賊・悪獣↡、見↢此単独ナルヲ↡、競↠殺ムト。此人怖↠死フニ↠西

  ~ ˆ二ˇˆⅡˇ喩顧機疑法

^忽然こつねんとしてこのたいて、 すなはちみづから念言ねんごんす。 「このかわ南北なんぼく*辺畔へんぱんず。 ちゅうげんいちびゃくどうるも、 きはめてこれ狭小きょうしょうなり。 きしあひることちかしといへども、 なにによりてかくべき。 今日こんにちさだめてすることうたがはず。

忽然トシテ↢此大河↡、即念言。此南北不↠見↢辺畔↡。中間ルモ↢一白道↡、極是狭小ナリ。二岸相コト↠近シト、何テカ↠行。今日定コト不↠疑

  ~ ˆ二ˇˆⅢˇ喩苦慮出要

^まさしくいたかえらんとほっすれば、 群賊ぐんぞくあくじゅう*漸々ぜんぜんきたむ。 まさしく南北なんぼくはしらんとほっすれば、 あくじゅうどくちゅうきおきたりてわれにかふ。 まさしく西にしかひてみちたずねてかんとほっすれば、 またおそらくはこのすい二河にがせん」 と。 ときあたりて*こうすることまたいふべからず。

レバ↢到カヘラムト↡、群賊・悪獣漸漸。正レバ↢南北ムト↡、悪獣・毒虫競↠我。正レバ↢向↠西↠道而去カムト↡、復恐ムト↢此水火二河↡。当↠時惶怖コト不↢復可↟言

  ~ ˆ二ˇˆⅣˇ喩機熟分位

^すなはちみづからねんす。 「われいまかえらばまたせん。 とどまらばまたせん。 かばまたせん。 一しゅとしてまぬかれずは、 われ*むしろこのみちたずねてさきかひてかん。 すでにこのみちあり。 かならずわたるべし」 と。

思念。我今カヘラ亦死。住亦死。去亦死。一種トシテ不↠勉↠死者、我寧↢此↡向↠前而去。既↢此道↡。必応↢可 ベシ ↡。

  ~ ˆ二ˇˆⅤˇ喩聞名信喜
        ˆⅰˇ喩釈迦教命

^このねんをなすときひがしきしにたちまちひとすすむるこえく。 「なんぢ、 ただけつじょうしてこのみちたずねてけ、 かならずなんなからん。 もしとどまらば、 すなはちせん」 と。

↢此↡時、東↢人↡。仁者 ナンヂ 但決定↢此↡行、必ラム↢死難↡。若、即ムト

  ~ ˆ二ˇˆⅤˇˆⅱˇ喩弥陀願意

^また西にしきしうえひとありてばひていはく、 「なんぢ*一心いっしんしょうねんにしてただちにきたれ。 われよくなんぢをまもらん。 すべてすいなんすることをおそれざれ」 と。

又西↠人喚バヒテ、汝一心正念ニシテ。我能↠汝。衆レト↠畏↠堕コトヲ↢於水火之難↡。

  ~ ˆ二ˇˆⅤˇˆⅲˇ喩行者聞信

^このひとすでにここにつかはし、 かしこにばふをきて、 すなはちみづから身心しんしん正当しょうとうにして、 けつじょうしてみちたずねてただちにすすみて、 *こう退心たいしんしょうぜず。

人既↢此バフヲ↡、即正↢当ニシテ身心↡、決定↠道、不↠生↢疑怯退心↡。

  ~ ˆ二ˇˆⅤˇˆⅳˇ喩不受他破

^あるいはくこと一分いちぶんぶんするに、 ひがしきし群賊ぐんぞくばひていはく、 「なんぢ、 かえきたれ。 このみち嶮悪けんあくにしてぐることをず。 かならずすることうたがはず。 われらすべて悪心あくしんをもつてあひかふことなし」 と。 このひとばふこえくといへどもまた*回顧えこせず。 一心いっしんにただちにすすみてみちねんじてけば、

コト一分二分スルニ、東群賊等喚バヒテ仁者 ナンヂ 。此道嶮悪ニシテ不↠得↠過コトヲ。必コト不↠疑。我等衆シト↢悪心ヲモテコト↡。此人雖↠聞クト↢喚↡亦不↢廻顧↡。一心↠道而行

  ~ ˆ二ˇˆⅥˇ喩即得往生

^*しゅにすなはち西にしきしいたりて、 ながくもろもろのなんはなる。 *ぜんあひまみえてきょうらくすることむことなし。

須臾↢西↡、永↢諸↡。善友相エテ慶楽コト↠已ムコト

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅱºªaºªロºˆ三ˇ結喩

^これはこれたとへなり。

是喩也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅱºªaºªハº合法
                                        ˆ一ˇ

 ^つぎたとへをがっせば、

↠喩者、

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅱºªaºªハºˆ二ˇ
                                          ˆⅠˇ

・東岸

^ひがしきし」 といふは、 すなはちこの*しゃ*たくたとふ。

↢東↡者、即↢此娑婆之火宅↡也。

・西岸

^西にしきし」 といふは、 すなはち極楽ごくらく宝国ほうこくたとふ。

↢西↡者、即↢極楽宝国↡也。

・賊獣

^群賊ぐんぞくあくじゅういつわしたしむ」 といふは、 すなはちしゅじょう*六根ろっこん*六識ろくしき*六塵ろくじん*おん*だいたとふ。

↢群賊・悪獣詐ムト↡者、即↢衆生六根・六識・六塵・五陰・四大↡也。

・空沢

^にん*くうきょうさわ」 といふは、 すなはちつねにあくしたがひてしん*ぜんしきはざるにたとふ。

↢無人空迥↡者、即↧常↢悪友↡不ルニ↞値↢真善知識↡也。

・二河

^すい二河にが」 といふは、 すなはちしゅじょう*貪愛とんないみずのごとく、 *瞋憎しんぞうのごとくなるにたとふ。

↢水火二河↡者、即↢衆生貪愛↠水、瞋憎クナルニ↟火也。

・白道

^ちゅうげんびゃくどう四五しごすん」 といふは、 すなはちしゅじょう貪瞋とんじん煩悩ぼんのうのなかに、 よく清浄しょうじょう*がんおうじょうしんしょうずるにたと。 すなはち貪瞋とんじんこわきによるがゆゑに、 すなはちすいのごとしとたとふ。 善心ぜんしん*なるがゆゑに、 びゃくどうのごとしとたとふ。

↢中間白道四五寸↡者、即↣衆生貪瞋煩悩ルニ↢清浄願往生心↡也。乃ルガ↢貪瞋強キニ↡故↠如シト↢水火↡。善心微ナルガ↠如シト↢白道↡。

・水波

^た 「すいつねにみち湿うるおす」 といふは、 すなはち*愛心あいしんつねにおこりて、 よく善心ぜんしんぜんするにたとふ。

又水波常湿ストイフ↠道者、即↣愛心常染↢汚ルニ善心↡也。

・火炎

^また 「えんつねにみちく」 といふは、 すなはち*瞋嫌しんけんしんよくどく法財ほうざいくにたとふ。

又火焔常クトイフ↠道者、即↣瞋嫌之心能クニ↢功徳之法財↡也。

・向西

^ひとみちうえきてただちに西にしかふ」 といふは、 すなはちもろもろの*ぎょうごうしてただちに西方さいほうかふにたとふ。

↧人行↢道↡直フト↞西者、即↧廻↢諸行業↡直フニ↦西方↥也。

・勧遣

^ひがしきしひとこえすすつかはすをきて、 みちたずねてただちに西にしすすむ」 といふは、 すなはちしゃすでにめっしたまひて、 のちひとたてまつらざれども、 なほきょうぼうありてたずぬべきにたとふ。 すなはちこれをこえのごとしとたとふ。

↧東↢人スヲ↡、尋↠道西ムト↥者、即↧釈迦已タマヒテ、後人不ドモ↠見タマフヲナホ↢教法↡可キニ↞尋。即↢之シト↟声也。

・喚回

^あるいはくこと一分ぶんぶんするに群賊ぐんぞくばひかえす」 といふは、 すなはちべつべつぎょう悪見あくけんにんとう*みだりに*けんきてたがひにあひ惑乱わくらんし、 およびみづからつみつくりて退失たいしつするにたとふ。

↢或コト一分二分ルニ群賊等喚カヘス↡者、即↧別解・別行・悪見人等妄↢見解↡迭相惑乱、及↠罪退失ルニ↥也。

・喚言

^西にしきしうえひとありてばふ」 といふは、 すなはち弥陀みだがんたとふ。

↢西↠人喚フト↡者、即↢弥陀願意↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅱºªaºªハºˆ二ˇˆⅡˇ

^しゅ西にしきしいたりてぜんあひまみえてよろこぶ」 といふは、 すなはちしゅじょうひさしくしょうしずみて、 曠劫こうごうよりりんし、 迷倒めいとうして*みづからまとひて、 だつするによしなし。 あおぎてしゃ*発遣はっけんしてゆびさして西方さいほうかはしめたまふことをこうむり、 また弥陀みだしんをもつて*しょうかんしたまふによりて、 いまそん (釈尊・阿弥陀仏)みこころしんじゅんして、 すい二河にがかえりみず、 念々ねんねんわするることなく、 かの願力がんりきどうじょうじて、 しゃみょうかのくにしょうずることをて、 ぶつとあひまみえてきょうすることなんぞきわまらんといふにたとふ。

↧須臾↢西↡善友相エテブト↥者、即↧衆生久↢生死↡、曠劫ヨリ淪廻、迷倒、無↠由↢解脱ルニ↣釈迦発遣シメタマフコトヲ↢西方↡、又藉↢弥陀悲心ヲモテ招喚タマフニ↡、今信↢順二尊之意↡、不↠顧↢水火二河↡、念念ワスルコト、乗↢彼願力之道↡、捨命已後得↠生コトヲ↢彼↡、与↠仏相エテ慶喜コトラムトイフニ↥也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª一ºªⅡºªⅱºªbº結勧

【12】^また一切いっさいぎょうじゃ行住ぎょうじゅう坐臥ざが三業さんごう所修しょしゅちゅうせつふことなく、 つねにこのをなしつねにこのおもいをなすがゆゑに、 こう発願ほつがんしんづく。

又一切行者、行住坐臥三業所修、無↠問コト↢昼夜時節↡、常↢此↡常スガ↢此↡故、名↢「廻向発願心」↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅲ][b][ロ]ª二º約還相

^また 「こう」 といふは、 かのくにしょうじをはりて、 かえりてだいおこして、 *しょうにゅうしてしゅじょうきょうするをまたこうづく。

又言↢廻向↡者、生↢彼↡已、還↢大悲↡、廻↢入生死↡教↢化ルヲ衆生↡亦名↢廻向↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅳ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]略解必生彼国【三心結釈】

【13】^三心さんしんすでにすれば、 *ぎょうとしてじょうぜざるはなし。 *がんぎょうすでにじょうじて、 もししょうぜずは、 このことわりあることなからん。 またこの三心さんしんはまたつうじてじょうぜんせっす、 るべし。

三心既レバ、無↢行トシテルハ↟成。願行既、若↠生者、無ラム↠有コト↢是コトワリ↡也。又此三心亦通↢定善之義↡、応↠知

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅴ)簡機堪不

【14】^復有ぶう三種さんしゅしゅじょう」 より以下いげは、 まさしくのよくほうけ、 きょうによりてしゅぎょうするにへたるを*えらぶことをかす。

↢「復有三種衆生」↡已下、正↠簡コトヲ↣機タルヲ↢能↠法、依↠教修行ルニ↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)受法不同
                (a)総標

^ろくとうさん」 よりしも六念ろくねん」 にいたるこのかたは、 まさしく受法じゅほうどうかす。 すなはちそのさんあり。

↢「何等為三」↡下至↢「六念」↡已来タハ、正↢受法不同↡。即↢其三↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)別釈
                  (イ)明不殺具戒
                    [一]明慈心不殺
                      [Ⅰ]

^いちにはしんせつかす。

ニハ↢慈心不殺↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(イ)[一][Ⅱ]
                        [ⅰ]明殺業
                          [a]
                          [b]

^しかるに殺業せつごうしゅあり。 あるいはせつあり、 あるいは身殺しんせつあり、 あるいは心殺しんせつあり。

殺業↢多種↡。或↢口殺↡、或↢身殺↡、或↢心殺↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅰ][c]

^せつ」 といふは、 処分しょぶん許可こかするをづけてせつとなす。 「身殺しんせつ」 といふは、 身手しんしゅとううごかしじゅするをづけて身殺しんせつなす。 「心殺しんせつ」 といふは、 方便ほうべんねんして*きょうするとうづけて心殺しんせつとなす。

↢口殺者、処分許可ルヲ↢口殺↡。言↢身殺↡者、動↢身手等↡指授ルヲ↢身殺↡。言↢心殺↡者、思↢念方便↡計校↢心殺↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅰ][d]

^もし殺業せつごうろんぜば*しょうえらばず、 みなよくつみまねきてじょうしょうずることをふ。

↢殺業↡不↠簡↢四生↡、皆能↠罪↠生コトヲ↢浄土↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅱ]明不殺
                          [a]総標

^ただ一切いっさい生命しょうみょうにおいてしんおこすは、 すなはちこれ一切いっさいしゅじょう寿じゅみょう安楽あんらくほどこす。

但於↢一切生命↡起↢於慈心↡者、即是施↢一切衆生寿命安楽↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅱ][b]別釈

^またこれさいじょう勝妙しょうみょうかいなり。 これすなはちかみ初福しょふく (世福)第三だいさんに 「しんせつ」 といへるにがっす。 すなはちぎょうぜんあり。 みづからせっせざるがゆゑにぜんづく。 おしへてせっせざらしむるがゆゑにぎょうぜんづく。 自他じたはじめてだんずるをぜんづけ、 ひっきょうじてながのぞくをぎょうぜんづく。

亦是最上勝妙戒也。此即↣上初福第三ルニ↢「慈心不殺」↡也。即↢止・行二善↡。自ルガ↠殺↢止善↡。教↠他シムルガ↠殺↢行善↡。自他初ルヲ↢止善↡、畢竟クヲ↢行善↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅱ][c]結示

^*ぜんありといへども、 そうじて*慈下じげぎょうけつじょうす。

↠有↢止・持二善↡、総結↢成慈下↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(イ)[二]釈具足戒行
                      [Ⅰ]標牒
                      [Ⅱ]解釈
                        [ⅰ]標示

^しょかいぎょう」 といふは、 もしにんてんじょうやくすればすなはち*しょうかいづけ、 もし*大心だいしんだいぎょうひとやくすれば、 すなはちさつかいづく。

↢「具諸戒行」↡者、若レバ↢人・天・二乗之器↡、即↢小戒↡、若レバ↢大心大行之人↡、即↢菩薩戒↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ]別指

^このかいもしくらいをもつてやくすれば、 これじょうはいさんのものにあたれり、 すなはちさつかいづく。 まさしくにんさだまれるによるがゆゑにねんてんじょうす。 すなはちかみだいふく (戒福)戒分かいぶん善根ぜんごんがっす。

戒若↠位レバ者、当レリ↢此上輩三位↡、即↢菩薩戒↡。正ルガ↢人位定レルニ↡故自然転成。即↢上第二福戒分善根↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ロ)明読誦大乗
                    [一]標牒

^には読誦どくじゅだいじょうかす。

サバ↢「読誦大乗」↡者

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ロ)[二]解釈
                      [Ⅰ]総標

^これしゅじょう*性習しょうじゅうどうにして、 ほうることおのおのことなることをかす。

此明↢衆生性習不同ニシテ、執コト↠法コトヲ↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]別釈

^さき第一だいいちひとは、 ただしゅし、 かいたもつをもつてのうとなす。 つぎだいひとは、 ただ読誦どくじゅだいじょうをもつてとなす。 しかるにかいはすなはちよく*じょう*三仏さんぶつたもち、 ほうはすなはち*三賢さんげん*じゅうまんぎょう智慧ちえ*くんじょうす。

第一、但用↢修↠慈、持ツヲ↟戒↠能。次第二、唯将↢読誦大乗↡為↠是。然↢五乗・三仏之機↡、法薫↢成三賢・十地万行之智慧↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ロ)[二][Ⅲ]結示

^もし徳用とくゆうをもつてきたきょうせば、 おのおのいちのうあり。

↢徳用↡来比校者、各↢一能↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ロ)[三]結貼

^すなはちかみ第三だいさんぷく (行福)第三だいさんに 「読誦どくじゅだいじょう」 といへるにがっす。

↣上第三福第三ルニ↢「読誦大乗」↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ハ)釈修行六念
                    [一]標牒

^さんには*しゅぎょう六念ろくねんかす。

サバ↢「修行六念」↡者

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ハ)[二]解釈
                      [Ⅰ]総明

^いはゆるぶつほうそうねんじ、 かいしゃてんとうねんず。 これまたつうじてかみ第三だいさんぷくだいじょう意義いぎがっす。

所謂↢仏・法・僧↡、念↢戒・捨・天等↡。此亦通↢上第三福大乗之意義↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ハ)[二][Ⅱ]別釈
                        [ⅰ]釈念仏

^念仏ねんぶつ」 といふは、 すなはちもつぱら弥陀みだぶつごうどく身業しんごうどくごうどくねん一切いっさい諸仏しょぶつもまたかくのごとし。

念仏↡者、即↢阿弥陀仏口業功徳・身業功徳・意業功徳↡。一切諸仏亦如↠是

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ハ)[二][Ⅱ][ⅱ]釈念法僧

^また一心いっしんにもつぱら諸仏しょぶつしょしょうほうならびにもろもろの眷属けんぞくさつそうねんじ、

又一心↢諸仏所証之法并眷属菩薩僧↡、

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ハ)[二][Ⅱ][ⅲ]釈念戒捨

^また諸仏しょぶつかいねんじ、 および過去かこ諸仏しょぶつ現在げんざいさつとうの、 なしがたきをよくなし、 てがたきをよくて、 うちほかて、 ないつるをねんず。 これらのさつただほうねんぜんとほっして*身財しんざいしまず。 ぎょうじゃとうすでにこのねんせば、 すなはちすべからくつねにあおぎて*前賢ぜんけんしょうがくし、 しんみょうつるこころをなすべし。

又念↢諸仏之戒↡、及↢過去諸仏、現在菩薩等、難キヲ↠作、難キヲ↠捨、内、内外ルヲ↡。此等菩薩但欲↠念ムト↠法不↠惜↢身財↡。行者等既念↢知↡、即↧常↦仰↢前賢・後聖↡、捨ツル↢身命↡意↥也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ハ)[二][Ⅱ][ⅳ]釈念天
                          [a]明所念境

^また 「念天ねんてん」 とはすなはちこれ*さいしんじゅうさつなり。 これらはなんぎょうぎょうすでにぎ、 *さんこうすでにえ、 万徳まんどくぎょうすでにじょうじ、 *かんじょうくらいすでにしょうせり。

又念天者、即是最後身十地之菩薩ナリ。此等難行之行已、三祇之劫已、万徳之行已、潅頂之位已

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅵ)(b)(ハ)[二][Ⅱ][ⅳ][b]示能念意

^ぎょうじゃとうすでにねんしをはりなば、 すなはちみづからねんすべし。 わが*さいよりこのかた、 とともにどうがんおこしてあくだんじ、 さつどうぎょうじき。 はことごとくしんみょうしまず。 どうぎょうくらいすすみて、 いんまどかにじゅくして、 しょうしょうせるもの*だいじんえたり。 しかるにわれらぼん、 すなはち今日こんにちいたるまで、 *ねんとしてろうす。 煩悩ぼんのうあくしょう転々てんでんしてますますおおく、 *ふく微微みみたること、 *じゅうこんたいして明鏡みょうきょうのぞむがごとし。 たちまちにこの*そんするに、 しんおどろきてたんするにへざるものをや。

行者等既念知ナバ、即思念ベシ。我無際ヨリ已来、共↠他同時↠願↠悪、行ジキ↢菩薩↡。他不↠惜↢身命↡。行↠道↠位、因円カニ果熟、証↠聖者踰タリ↢於大地微塵↡。然我等凡夫、乃マデ↢今日↡、虚然トシテ流浪。煩悩悪障転転マス、福慧微微ナルコト、若↧対↢重昏↡之臨ムガ↦明鏡↥也。忽思↢忖ルニ↡、不↢心驚悲歎ルニ↡者哉。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅶ)廻行願生

^しちこう発願ほつがん」 より以下いげは、 まさしくおのおのさき所修しょしゅごうして、 しょところかふことをかす。

↢「廻向発願」↡已下、正↧各各廻↢前所修之業↡、向コトヲ↦所求↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅷ)修時延促
                (a)標科目

^はち具此ぐしどく」 より以下いげは、 まさしくしゅぎょう*せつ延促えんそくかす。

↢「具此功徳」↡已下、正↢修行時節延促↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅷ)(b)釈文句
                  (イ)正明修時延促

^かみ*いちぎょうつくし、 しも一日いちにちいち一念いちねんとういた。 あるいは一念いちねんじゅうねんよりいち一日いちにちいちぎょういたる。 たいは、 ひとたび*発心ほっしんして以後いごちかひてこのしょうおわるまで退転たいてんあることなし。 ただじょうをもつてとなす。

上尽↢一形↡下至↢一日・一時・一念等↡。或↢一念・十念↡至↢一時・一日・一形↡。大意者、一タビ発心已後、誓マデ↢此↡無↠有コト↢退転↡。唯以↢浄土↡為↠期

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅷ)(b)(ロ)釈具此功徳

^また 「具此ぐしどく」 といふは、 あるいは一人いちにんにして*かみし、 あるいは一人いちにんにして*しもし、 あるいは一人いちにんにして三種さんしゅことごとくす。 あるいはひとありて三種さんしゅぶんなきを、 づけて*ひとかわたるちくしょうとなす、 ひとづくるにあらず。

又言↢「具此功徳」↡者、或一人ニシテ↢上↡、或一人ニシテ↢下↡、或一人ニシテ三種尽。或↠人三種無キヲ↠分者、名↧著タル↢人↡畜生↥、非↠名ルニ↠人也。

^またさん不具ふぐさんはず、 すればことごとくおうじょうるべし。

又不↠問↢具三・不具三↡、廻レバ得↢往生↡、応↠知

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅸ)迎接不同
                (a)総標大科
                (b)別分文句
                  (イ)標数

^しょうこく」 よりしもおうじょうこく」 にいたるこのかたは、 まさしく命終みょうじゅうときのぞみてしょうきたりてこうしょうしたまふどうと、 去時こじしつとをかす。 すなはちそのじゅういちあり。

↢「生彼国時」↡下至↢「往生彼国」↡已来タハ、正↧臨↢命終↡聖来迎接タマフ不同、去時遅疾トヲ↥。即↢其十一↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅸ)(b)(ロ)別列

・標所帰国

^いちには*しょくに標定ひょうじょうすることをかす。

ニハ↣標↢定コトヲ所帰之国↡。

・重顕其行

^にはかさねてそのぎょうあらわして、 けつじょう*しょうごんのものをいだすことをかす。 またこれどくごうにゃく*校量きょうりょうす。

ニハ↧重↢其↡、指↦出コトヲ決定精懃↥。亦是校↢量功徳強弱↡。

・弥陀自来

^さんには弥陀みだ*しゅしんみづかららいしたまふことをかす。

ニハ↢弥陀化主身自来赴タマフコトヲ↡。

・大衆皆従

^には 「観音かんのん」 より以下いげは、 さらにしゅ大衆だいしゅとうみな弥陀みだしたがひてぎょうじゃ来迎らいこうすることをあらわすことをかす。

ニハ↫「観音ヨリ」已下、更コトヲ↪無数大衆等皆従↢弥陀↡来↩迎コトヲ行者↨。

・宝宮随衆

^にはほうしゅうしたがふことをかす。

ニハ↢宝宮随コトヲ↟衆

・観音勢志

^ろくにはかさねて*観音かんのん*せいともに金台こんだいりて、 ぎょうじゃまえいたることをかす。

ニハ↧重観音・勢志共↢金台↡、至コトヲ↦行者↥。

・光照行者

^しちには弥陀みだひかりはなちてぎょうじゃらしたまふことをかす。

ニハ↣弥陀放↠光タマフコトヲ↢行者之身↡。

・同時接手

^はちにはぶつすでにひかりべてらし、 およびすなはちぶつとうどうみてせっしたまふことをかす。

ニハ↧仏既↠光、及与↢化仏等↡同時タマフコトヲ↞手

・同声讃勧

^にはすでにせっしてだいのぼらしめて、 観音かんのんとうどうしょうぎょうじゃしん讃勧さんかんしたまふことをかす。

ニハ↣既シメテ↠台、観音等同声讃↢勧タマフコトヲ行者之心↡。

・自見乗台

^じゅうにはみづからればだいじょうじ、 ぶつしたがふことをかす。

ニハ↢自レバ↠台コトヲ↟仏

・去時遅疾

^じゅういちにはまさしく去時こじしつかす。

十一ニハ↢去時遅疾↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅹ)無華合障

^じゅうしょうこく」 より以下いげは、 まさしく金台こんだいかしこにいたりて、 さらにごうさわりなきことをかす。

↢「生彼国」↡已下、正↣金台到↠彼、更キコトヲ↢華合之障↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅺ)到彼得益
                (a)標大科

^じゅういちけんぶつ色身しきしん」 よりしも*陀羅尼だらにもん」 にいたるこのかたは、 まさしく金台こんだいいたりてのち得益とくやくどうかす。 すなはちそのさんあり。

十一↢「見仏色身」↡下至↢「陀羅尼門」↡已来タハ、正↢金台到得益不同↡。即↢其三↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅺ)(b)釈文句

・得無生忍

^いちにははじめてみょうほうきてすなはち*しょうさとる。

者初↢妙法↡即↢無生↡。

・次第授記

^にはしゅ*りゃくしてだい*じゅせらる。

者須臾歴事次第授記ラル

・更証聞持

^さんには*本国ほんごくほうにしてさらにもん*やくしょう

者本国他方ニシテ↢聞持二益↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅱ)(ⅻ)総結

^じゅうみょう」 より以下いげは、 そうじてけっす。

十二↢「是名」↡已下、総

一 Ⅱ ⅰ b イ (一)(Ⅲ)結示

^じょうらいじゅうどうありといへども、 ひろじょうぼん上生じょうしょうしをはりぬ。

上来雖↠有↢十二句不同↡、広↢上品上生

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)上中品【上品中生釈】
            (Ⅰ)総標

【15】^つぎ*じょうぼん中生ちゅうしょうくらいのなかにつきて、 またげ、 つぎべんじ、 のちけっす。 すなはちそのはちあり。

↢上品中生↡、亦先、次、後。即↢其八↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)別釈
              (ⅰ)総標位名

^いちじょうぼん中生ちゅうしょうしゃ」 より以下いげは、 そうじてくらいぐ。 すなはちこれだいじょうぜんぼんにんなり。

↢「上品中生者」↡已下、総↢位↡。即是大乗次善凡夫人也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅱ)廻業指西

^ひつじゅ」 よりしもしょうこく」 にいたるこのかたは、 まさしく第六だいろく第七だいしち第八だいはちもんのなかの、 所修しょしゅごうして、 西方さいほうさだすことをかす。 すなはちそのあり。

↢「不必受持」↡下至↢「生彼国」↡已来タハ、正↧第六・第七・第八門↢所修↡、定↦指コトヲ西方↥。即↢其四↡。

・受法不定

^いちには受法じゅほうじょうにして、 あるいは読誦どくじゅ読誦どくじゅざることをかす。

ニハ↧受法不定ニシテ、或得↢読誦↡、不コトヲ↞得↢読誦↡。

・善解空義

^にはよくだいじょう*くうすることをかす。 あるいは諸法しょほう一切いっさいみなくうにしてしょう無為むいもまたくうなり。 *ぼんしょうみょうあんもまたくうなり。 *けん六道ろくどう*しゅっけん三賢さんげん*じっしょうとう、 もしその*たいしょうのぞむればひっきょうじて不二ふになりとちょうもんす。 このせつくといへども、 そのしん坦然たんねんとしてたいしょうぜず。

ニハ↣善コトヲ↢大乗↡。或聴↧聞諸法一切皆空ニシテ生死無為亦空ナリ凡聖明闇亦空ナリ世間六道、出世間三賢・十聖等、若レバ↢其体性↡畢竟不二ナリト↥。雖↠聞クト↢此↡、其心坦然トシテ不↠生↢疑滞↡也。

・深信因果

^さんにはふか*しゅっらくしゅいんしんじ、 これらのいんおよびもろもろのどう*ほうしょうぜざることをかす。 もしほうしょうずれば、 すなはちふくぎょうじょうぜず。 けんほうすらなほべからず、 いかにいはんやじょうしょうずることをんや。 これすなはち第三だいさんぷく (行福)だいだいさんがっす。

ニハ↧深↢世・出世苦楽二種因果↡、此等因果及道理コトヲ↞生↢疑謗↡。若レバ↢疑謗↡、即不↠成↢福行↡。世間果報尚不↠可↠得、何ムヤ↠生コトヲ↢浄土↡。此即↢第三福第二・第三↡也。

・標指所帰

^にはさき所業しょごう*して、 *しょひょうすることをかす。

ニハ↧廻↢前所業↡、標↦指コトヲ所帰↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅲ)主伴来応

^さんぎょうぎょうじゃ」 よりしもこうしょうにょ」 にいたるこのかたは、 まさしく弥陀みだ、 もろもろのしょうじゅだいして来応らいおうしたまふことをかす。 すなはちそのあり。

↢「行此行者」↡下至↢「迎接汝」↡已来タハ、正↧弥陀与↢諸聖衆↡、持↠台来応タマフコトヲ↥。即↢其五↡。

・命延不久

^いちにはぎょうじゃ*みょうえんひさしからざることをかす。

ニハ↢行者命延不コトヲ↟久カラ

・主伴自来

^には弥陀みだしゅうとみづからきたりたまふことをかす。

ニハ↢弥陀与↠衆自タマフコトヲ↡。

・持台至前

^さんにはしゃだいしてぎょうじゃまえいたることをかす。

ニハ↣侍者持↠台コトヲ↢行者↡。

・同声讃歎

^にはぶつしょうじゅどうしょう讃歎さんだんして、 ˆぎょうじゃのˇ *ほん所修しょしゅごうべたまふことをかす。

ニハ↧仏与↢聖衆↡同声讃歎、述タマフコトヲ↦本所修之業↥。

・我来迎汝

^にはぶつぎょうじゃうたがいいだくことをおそれたまふがゆゑに、 「われきたりてなんぢをむかふ」 とのたまふことをかす。

ニハ↧仏恐タマフガ↢行者コトヲ↟疑、言フコトヲ↦我来フト↞汝

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅳ)去時遅速

^せんぶつ」 よりしも七宝しっぽうちゅう」 にいたるこのかたは、 まさしくだいもんのなかの、 しゅしょう授手じゅしゅと、 去時こじしつとをかす。 すなはちそのあり。

↢「与千化仏」↡下至↢「七宝池中」↡已来タハ、正↢第九門衆聖授手、去時遅疾トヲ↡。即↢其五↡。

・報化授手

^いちには弥陀みだせんぶつどう授手じゅしゅしたまふことをかす。

ニハ↧弥陀与↢千化仏↡同時授手タマフコトヲ↥。

・自見坐台

^にはぎょうじゃすでに授手じゅしゅこうむりてすなはちみづかられば、 すでにこんだいすることをかす。

ニハ↧行者既↢授手↡即↠身、已身坐コトヲ↦紫金之台↥。

・合掌仰讃

^さんにはすでにみづからだいすることをて、 がっしょうしてあおぎて弥陀みだとうしゅうさんずることをかす。

ニハ↣既↠坐コトヲ↠台、合掌コトヲ↢弥陀等↡。

・去時遅疾

^にはまさしく去時こじしつかす。

ニハ↢正去時遅疾↡。

・住宝池内

^にはかしこにいたりてほうのうちにじゅうすることをかす。

ニハ↣到↠彼止↢住コトヲ宝池之内↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅴ)華開時節

^此紫しし金台こんだい」 より以下いげは、 まさしくだいじゅうもんのなかの、 かしこにいたりてはなひらくるせつどうかす。

↢「此紫金台」↡已下、正↢第十門↠彼華開時節不同↡。

^ぎょうこわきによるがゆゑに、 上上じょうじょうはすなはち金剛こんごうだいぎょうれつなるによるがゆゑに、 上中じょうちゅうはすなはち金台こんだいˆじょうにˇ しょうじてほうにありて宿しゅくひらくるがごとし。

ルガ↢行強キニ↡故、上上得↢金剛台↡。由ルガ↢行劣ナルニ↡故、上中得↢紫金台↡。生↢宝池↡逕↠宿↠開ルガ也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅵ)開後得益

^ろくぶつぎゅうさつ倶時くじ放光ほうこう」 よりしもとく退転たいてん」 にいたるこのかたは、 まさしくだいじゅういちもんのなかの、 かい以後いご得益とくやくどうかす。 すなはちそのあり。

↢「仏及菩薩倶時放光」↡下至↢「得不退転」↡已来タハ、正↢第十一門華開已後得益不同↡。即↢其五↡。

・仏光照身

^いちには仏光ぶっこうらすことをかす。

ニハ↢仏光照コトヲ↟身

・目即開明

^にはぎょうじゃすでにたいらすことをこうむりて、 すなはちかいみょうなることをかす。

ニハ↢行者既↠照コトヲ↠体、目即開明ナルコトヲ↡。

・所習還聞

^さんにはにんちゅうにしてならへるところ、 かしこにいたりてしゅしょうあらわすところとなり、 またそのほうくことをかす。

ニハ↣人中ニシテ所↠習、到↠彼衆声トナリ↠彰、還コトヲ↢其↡。

・開眼聞法

^にはすでにまなこひらけてほうくことをて、 すなはち金台こんだいよりり、 したしく仏辺ぶっぺんいたりて、 ようしてとくさんずることをかす。

ニハ↧既↢眼開コトヲ↟法、即↢金台ヨリ↡、親↢仏辺↡、歌揚コトヲ↞徳

・逕時得忍

^にはときること七日しちにちにして、 すなはちしょうることをかす。

ニハ↣逕コト↠時七日ニシテ、即コトヲ↢無生↡。

^七日しちにち」 といふは、 おそらくはこのけん七日しちにちなり、 かのくに七日しちにちすにあらず。 このけん七日しちにちるは、 かのところにはすなはちこれ一念いちねんしゅのあひだなり、 るべし。

↢「七日」↡者、恐七日ナリ、不↠指スニ↢彼七日↡也。此↢於七日↡者、彼ニハ是一念須臾間也、応↠知

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅶ)他方得益

^しちおう即能そくのう飛至ひし十方じっぽう」 よりしも現前げんぜんじゅ」 にいたるこのかたは、 まさしく*ほう得益とくやくかす。 すなはちそのあり。

↢「応時即能飛至十方」↡下至↢「現前授記」↡已来タハ、正↢他方得益↡。即↢其五↡。

・身至十方

^いちには十方じっぽういたることをかす。

ニハ↣身至コトヲ↢十方↡。

・歴供諸仏

^には一々いちいち諸仏しょぶつ*りゃくすることをかす。

ニハ↣一一歴↢供コトヲ諸仏↡。

・修多三昧

^さんにはおおくの*三昧さんまいしゅすることをかす。

ニハ↠修コトヲ↢多クノ三昧↡。

・延時得忍

^には*えん得忍とくにんかす。

ニハ↢延時得忍↡。

・現蒙授記

^には一々いちいち仏辺ぶっぺんにしてげんじゅこうむることをかす。

ニハ↣一一仏辺ニシテコトヲ↢授記↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅱ)(ⅷ)総結

^はちみょう」 より以下いげは、 そうじてけっす。

↢「是名」↡已下、総

一 Ⅱ ⅰ b イ (二)(Ⅲ)結示

^じょうらいはっどうありといへども、 ひろじょうぼん中生ちゅうしょうしをはりぬ。

上来雖↠有↢八句不同↡、広↢上品中生↡竟

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)上下品【上品下生釈】
            (Ⅰ)総標

【16】^つぎ*じょうぼんしょうくらいのなかにつきて、 またげ、 つぎべんじ、 のちけっす。 すなはちそのはちあり。

↢上品下生↡、亦先、次、後。即↢其八↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)(Ⅱ)別釈
              (ⅰ)総挙位名

^いちじょうぼんしょうしゃ」 より以下いげは、 そうじてくらいぐ。 すなはちこれだいじょうぜんぼんにんなり。

↢「上品下生者」↡已下、総↢位↡。即是大乗下善凡夫人也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)(Ⅱ)(ⅱ)受法不同

^亦信やくしんいん」 よりしもじょう道心どうしん」 にいたるこのかたは、 まさしく第六だいろくもんのなかの、 受法じゅほうどうかす。 すなはちそのさんあり。

↢「亦信因果」↡下至↢「無上道心」↡已来タハ、正↢第六門受法不同↡。即↢其三↡。

・因果不定

^いちには所信しょしんいんじょうなることをかす。

ニハ↢所信因果不定ナルコトヲ↡。

^あるいはしんしんぜず。 ゆゑにづけて 「やく」 となす。 あるいはまたさきˆじょうぼん中生ちゅうしょうのˇ 深信じんしんおなじかるべし。

不↠信。故↠亦。或↣亦同カル↢前深信↡也。

^またしんずといへどもふかからず。 善心ぜんしんしばしば退たいし、 悪法あくほうしばしばおこる。 これすなはちふからくいんしんぜざるによりてなり。 もしふかしょうしんずるものは、 *罪業ざいごうひっきょうじてかさねておかさず。 もしふかじょう無為むいらくしんずるものは、 善心ぜんしんひとたびおこりてなが退失たいしつすることなし。

又雖↠信ズト不↠深カラ。善心数退、悪法数。此乃↠不ルニ↣深↢苦楽因果↡也。若↢生死↡者、罪業畢竟不↢重↡。若↢浄土無為↡者、善心一タビ↢退失コト↡也。

・不謗大乗

^にはしん*間断けんだんすといへども、 一切いっさいだいじょうにおいて*ほうすることをざることをかす。 もしほうおこさば、 たとひ千仏せんぶつめぐりたまふとも、 すくふべきによしなし。

ニハ↧信雖↢間断スト↡、於↢一切大乗↡不コトヲ↞得↢疑謗コトヲ↡。若↢疑謗↡者、縦使千仏遶タマフトモ↠身、無↠由↠可キニ↠救也。

・諸善無功

^さんにはじょう諸善しょぜんまたこうなきにたることをかす。 ただ一念いちねんおこしていとひ、 諸仏しょぶつきょうがいしょうじ、 すみやかにさつだいがんぎょうてて、 しょうかえりて、 あまねくしゅじょうせんとねがふ。 ゆゑに*ほつだいしんづく。 この第三だいさんぷく (行福) のなかにすでにかしをはりぬ。

ニハ↣已上諸善似タルコトヲ↢亦無キニ↟功。唯発↢一念↡厭↠苦、楽↧生↢諸仏境界↡、速↢菩薩大悲願行↡、還↢入生死↡、普ムト↦衆生↥。故↢発菩提心↡也。此義第三福

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)(Ⅱ)(ⅲ)廻行願生

^さんに 「以此いしどく」 より以下いげは、 まさしくだい八門はちもんのなかの、 さき正行しょうぎょうして、 しょところかふことをかす。

↢「以此功徳」↡已下、正↧第八門↢前正行↡向コトヲ↦所求↥。

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)(Ⅱ)(ⅳ)聖来迎接

^ぎょうじゃみょうよくしゅう」 よりしも七宝しっぽうちゅう」 にいたるこのかたは、 まさしくだいもんのなかの、 りんじゅうしょうきたりてこうしょうしたまふと、 去時こじしつとをかす。 すなはちそのあり。

↢「行者命欲終時」↡下至↢「七宝池中」↡已来タハ、正↢第九門臨終聖来迎接タマフト、去時遅疾トヲ↡。↢其九↡。

・命延不久

^いちにはみょうえんひさしからざることをかす。

ニハ↢命延不コトヲ↟久カラ

・主伴来応

^には弥陀みだ、 もろもろのしょうじゅ*こんして来応らいおうしたまふことをかす。

ニハ↧弥陀与↢諸聖衆↡持↢金華↡来応タマフコトヲ↥。

・報化授手

^さんにはぶつどう授手じゅしゅしたまふことをかす。

ニハ↢化仏同時授手タマフコトヲ↡。

・同声等讃

^にはしょうじゅどうしょうひとしくさんずることをかす。

ニハ↢聖衆同声コトヲ↡。

・罪滅発心

^にはぎょうじゃつみめっするがゆゑに 「清浄しょうじょう」 といひ、 ˆぎょうじゃのˇ *ほん所修しょしゅぶるがゆゑに 「ほつじょう道心どうしん」 といふことをかす。

ニハ↧行者罪滅ルガ↢清浄↡、述ルガ↢本所修↡故コトヲ↦発無上道心↥。

・我来迎汝

^ろくにはぎょうじゃ*りょうるといへども、 しんありておうじょうざることをおそる。 このゆゑにしょうじゅどうしょうげて、 「われきたりてなんぢをむかふ」 といふことをかす。

ニハ↧行者雖↠覩ルト↢霊儀↡、疑心アリテ↠不コトヲ↠得↢往生↡、是聖衆同声、言コトヲ↦我来フト↞汝

・自見坐台

^しちにはすでにげをこうむり、 およびすなはちしんるに、 すでにこんうえして、 *篭々ろうろうとしてがっすることをかす。

ニハ↧既↠告、及ルニ↢自身↡、已↢金華之上↡、篭篭トシテ而合コトヲ↥。

・一念即生

^はちには仏身ぶっしんあとしたがて、 一念いちねんにすなはちしょうずることをかす。

ニハ↧随↢仏身↡、一念コトヲ↥。

・在宝池中

^にはかしこにいたりてほうのなかにあることをかす。

ニハ↣到↠彼コトヲ↢宝池↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)(Ⅱ)(ⅴ)華開不同

^一日いちにちいち」 より以下いげは、 まさしくだいじゅうもんのなかの、 かしこにいたりてはなひらくるせつどうかす。

↢「一日一夜」↡已下、正↢第十門↠彼華開時節不同↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)(Ⅱ)(ⅵ)開後得益

^ろく七日しちにちちゅう」 よりしも皆演かいえんみょうほう」 にいたるこのかたは、 まさしくだいじゅういちもんのなかの、 かい以後いご得益とくやくどうかす。

↢「七日之中」↡下至↢「皆演妙法」↡已来タハ、正↢第十一門華開已後得益不同↡。

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)(Ⅱ)(ⅶ)他方得益

^しちりゃく十方じっぽう」 よりしもじゅうかん」 にいたるこのかたは、 まさしく*ほう得益とくやくかす、 また*やくづく。

↢「遊歴十方」↡下至↢「住歓喜地」↡已来タハ、正↢他方得益↡、亦名↢後益↡也。

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)(Ⅱ)(ⅷ)総結

^はちみょう」 より以下いげは、 そうじてけっす。

↢「是名」↡已下、総

一 Ⅱ ⅰ b イ (三)(Ⅲ)結示

^じょうらいどうありといへども、 ひろじょうぼんしょうしをはりぬ。

上来雖↠有↢八句不同↡、広↢上品下生↡竟

一 Ⅱ ⅰ b 結讃【上輩総讃】
          (一)正讃

【17】^¬讃¼ にいはく (*礼讃)

じょうはい*上行じょうぎょうじょうこんひとなり。 じょうしょうずることをもとめて*貪瞋とんじんだんず。

ぎょう差別しゃべつにつきて三品さんぼんわかつ。 *もん相続そうぞくして*三因さんいんたすく。

一日いちにち七日しちにちもつぱらしょうじんして、 *ひつみょうだいじょうじて*六塵ろくじんづ。

よろこばしきかな、 ひがたくしていまふことをたり。 なが*無為むいほっしょうしんしょうせん」 と。

¬讃¼云

「上輩上行上根ナリ↠生コトヲ↢浄土↡断↢貪瞋
↢行差別↡分↢三品五門相続↢三因
一日七日専精進畢命↠台↢六塵
シキ哉難クシテ↠逢今得タリ↠遇コトヲムト↢無為法性↡」

一 Ⅱ ⅰ b ロ (二)総結

^じょうらい*さんどうありといへどもそうじてじょうはいもんしをはりぬ。

上来雖↠有↢三位不同↡、総↢上輩一門之義↡竟

一 Ⅱ 【中輩観】
      【文前料簡】

【18】^じゅう*ちゅうはいかんぎょうぜん文前もんぜんにつきて、 そうじてりょうけんしてすなはちじゅういちもんなす。

十五↢中輩観行善文前↡、総料簡↢十一門↡。

・告命

^いちにはそうじてごうみょうかす。

者総↢告命↡。

・弁定其位

^にはまさしくそのくらいべんじょうすることをかす。

者正↣弁↢定コトヲ↡。

・総挙有縁

^さんにはまさしくそうじてえんたぐいぐることをかす。

者正↣総コトヲ↢有縁之類↡。

・弁定三心

^にはまさしく三心さんしんべんじょうしてもつてしょういんとなすことをかす。

者正↧弁↢定三心↡以コトヲ↦正因↥。

・簡機堪不

^にはまさしく*かんかんとをえらぶことをかす。

者正↠簡コトヲ↣機↢不堪↡。

・受法不同

^ろくにはまさしく受法じゅほうどうかす。

者正受法不同↡。

・時節延促

^しちにはまさしく修業しゅごうせつ*延促えんそくことなることあることをかす。

者正↢修業時節延促有コトヲ↟異コト

・廻行願生

^はちにはまさしく所修しょしゅぎょうして、 弥陀みだ仏国ぶっこくしょうぜんとがんずることをかす。

者正↧廻↢所修↡、願コトヲ↞生ムト↢弥陀仏国↡。

・迎接去時

^にはまさしく命終みょうじゅうときのぞみてしょうきたりてこうしょうしたまふどうと、 去時こじしつとをかす。

者正↧臨↢命終↡聖来迎接タマフ不同、去時遅疾トヲ↥。

・華開遅疾

^じゅうにはまさしくかしこにいたりてはなひらくるしつどうかす。

者正↢到↠彼華開遅疾不同↡。

・開後得益

^じゅういちにはまさしくかい以後いご得益とくやくことなることあることをかす。

十一者正↢華開已後得益コトヲ↟異コト

^じょうらいじゅういちもんどうありといへども、 ひろちゅうはい三品さんぼんりょうけんしをはりぬ。

上来雖↠有↢十一門不同↡、広料↢簡中輩三品↡竟

一 Ⅱ ⅱ 正釈
        中上品【中品上生釈】
          (一)総標

【19】^つぎ*ちゅうぼん上生じょうしょうくらいのなかにつきて、 またげ、 つぎべんじ、 のちけっす。 すなはちそのはちあり。

↢中品上生↡、亦先、次、後。即↢其八↡。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)別釈
            (Ⅰ)告命

^いち仏告ぶつごうなん」 より以下いげは、 そうじてごうみょうかす。

↢「仏告阿難」↡已下、総↢告命↡。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)弁定其位

^ちゅうぼん上生じょうしょうしゃ」 よりは、 まさしくそのくらいべんじょうすることをかす。 すなはちこれ小乗しょうじょうこんじょうじょうぜんぼんにんなり。

↢「中品上生者」↡、正↣弁↢定コトヲ↡。即是小乗根性上善凡夫人也。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅲ)受法不同

^さんにゃくしゅじょう」 よりしもしゅげん」 にいたるこのかたは、 まさしくだい五・第六だいろくもんのなかの、 受法じゅほうどうかす。 すなはちそのあり。

↢「若有衆生」↡下至↢「無衆過患」↡已来タハ、正↢第五・第六門受法不同↡。即↢其四↡。

・簡機堪不

^いちには*かんかんとをえらぶことをかす。

ニハ↠簡コトヲ↣機↢不堪↡。

・受持小乗

^には小乗しょうじょう*斎戒さいかいとうじゅすることをかす。

ニハ↣受↢持コトヲ小乗斎戒等↡。

・小戒不消

^さんには*しょうかいりきにしてぎゃくつみさざることをかす。

ニハ↧小戒力微ニシテコトヲ↞消↢五逆之罪↡。

・余改悔

^にはしょうかいとうたもちておかすことあることをずといへども、 もし*けんあらば、 つねにすべからく*がいしてかならず清浄しょうじょうならしむべきことをかす。

ニハ↫雖↧持↢小戒等↡不↞得↠有コトヲ↠犯コトモシ↢余↡、恒キコトヲ↪改悔↩清浄ナラ↨。

^これすなはちかみ*だい二の戒善かいぜんふくがっす。 しかるに修戒しゅかいときは、 あるいはこれしゅうしん、 あるいは一年いちねん一月いちがつ一日いちにちいちいちとうなり。 このまたじょうなり。 たいはみなひつみょうとなしてぼんすることをず。

此即↢上第二戒善之福↡也。然修戒、或是終身、或一年・一月・一日・一夜・一時ナリ。此時亦不定ナリ。大意皆畢命↠期不↠得↢毀犯コトヲ↡也。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅳ)廻行願生

^以此いし善根ぜんごんこう」 より以下いげは、 まさしくだい八門はちもんのなかの、 所修しょしゅごうしてしょところかふことをかす。

↢「以此善根廻向」↡已下、正↧第八門↢所修↡、向コトヲ↦所求↥。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅴ)迎接去時

^りん命終みょうしゅう」 よりしも極楽ごくらくかい」 にいたるこのかたは、 まさしくだいもんのなかの、 じゅうしょうきたりてこうしょうしたまふどうと、 去時こじしつとをかす。 すなはちそのろくあり。

↢「臨命終時」↡下至↢「極楽世界」↡已来タハ、正↢第九門終時聖来迎接タマフ不同、去時遅疾トヲ↡。即↢其六↡。

・命延不久

^いちにはみょうえんひさしからざることをかす。

ニハ↢命延不コトヲ↟久カラ

・無有菩薩

^には弥陀みだ比丘びくしゅきたりて、 さつあることなきことをかす。 これ小乗しょうじょうこんじょうなるによりて、 またしょうこんしゅうかんぜり。

ニハ↧弥陀与↢比丘衆↡来、無キコトヲ↞有コト↢菩薩↡。由↢是小乗根性ナルニ↡、還ゼリ↢小根之衆↡也。

・光照行者

^さんにはぶつ金光こんこうはなちてぎょうじゃらしたまふことをかす。

ニハ↧仏放↢金光↡照タマフコトヲ↦行者↥。

・讃離衆苦

^にはぶつ、 ためにほうき、 またしゅっしゅ種々しゅじゅ俗縁ぞくえんごう王官おうかん*長征じょうしょう遠防おんぼうとうはなるることをさんずることをかす。 なんぢいましゅっして*はいあおがれまんうれへず。 *ぎょうねんとしてざいにして、 *じゅうさわりなし。 これがために*道業どうごうしゅすることを」 と。 このゆゑにさんじて 「しゅはなる」 とのたまふ。

ニハ↤仏為↠法、又讃コトヲ↣出家ルルコトヲ↢多衆苦、種種俗縁・家業・王官長征遠防等↡。汝今出家ガレ↢於四輩↡、万事不↠憂。迥然トシテ自在ニシテ、去住無↠障。為↠此↠修コトヲ↢道業↡。是↠離ルト↢衆苦↡也。

・自見坐台

^にはぎょうじゃすでに見聞けんもんしをはりてごんへず。 すなはちみづからればすでに*だいし、 こうべれてぶつらいすることをかす。

ニハ↧行者既見聞不↠↢欣憙レバ↠身↢華台↡、タレ↠頭コトヲ↞仏

・挙頭在彼

^ろくにはぎょうじゃこうべるることここにありて、 こうべげをはればかのくににあることをかす。

ニハ↧行者タルコト↠頭↠此、挙↠頭レバコトヲ↦彼↥也。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅵ)華開遅速

^ろくれん尋開じんかい」 よりは、 まさしくだいじゅうもんのなかの、 かしこにいたりてはなひらくるしつどうかす。

↢「蓮華尋開」↡者、正↢第十門↠彼華開遅疾不同↡。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅶ)開後得益

^しちとう敷時ふじ」 よりしもはちだつ」 にいたるこのかたは、 まさしくだいじゅういちもんのなかの、 かい以後いご得益とくやくどうかす。 すなはちそのさんあり。

↢「当華敷時」↡下至↢「八解脱」↡已来タハ、正↢第十一門華開已後得益不同↡。即↢其三↡。

・華開

^いちにはほうたちまちひらくることをかす。 これ戒行かいぎょうしょうごうなるによるがゆゑなり。

ニハ↢宝華タチマチヒラクコトヲ↡。此由ルガ↢戒行精強ナルニ↡故也。

・聞法

^には法音ほうおんおなじく*たいとくさんずることをかす。

ニハ↣法音同コトヲ↢四諦之徳↡。

・獲果

^さんにはかしこにいたりてたいくをきて、 すなはち*かんることをかす。

ニハ↧到↠彼↠説クヲ↢四諦↡、即コトヲ↦羅漢之果↥。

・釈義

^かん」 といふは、 ここにはしょうといひ、 また*じゃくといふ。 いんもうずるがゆゑにしょうなり。 そうするがゆゑにじゃくなり。

↢「羅漢」↡者、此ニハ↢無生↡、亦云↢無著↡。因亡ルガ無生ナリ。果喪ルガ無著ナリ

^さんみょう」 といふは、 宿命しゅくみょうみょう天眼てんげんみょうじんみょうなり。

↢「三明」↡者、宿命明・天眼明・漏尽明也。

^*はちだつ」 といふは、 *ないしき観色かんしきいちだつなり。 *ないしき観色かんしきだつなり。 *じょうそうさんだつなり。 *くうとおよび*滅尽めつじんそうはちじょうず。

↢「八解脱」↡者、内有色外観色解脱ナリ。内無色外観色解脱ナリ。不浄相解脱ナリ。四空滅尽↠八也。

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)(Ⅷ)総結

^はちみょう」 より以下いげは、 そうじてけっす。

↢「是名」↡已下、総

一 Ⅱ ⅱ b イ(三)結示

^じょうらいどうありといへども、 ひろちゅうぼん上生じょうしょうしをはりぬ。

上来雖↠有↢八句不同↡、広↢中品上生↡竟

一 Ⅱ ⅱ b 中中品【中品中生釈】
          (一)総標

【20】^つぎ*ちゅうぼん中生ちゅうしょうくらいのなかにつきて、 またげ、 つぎべんじ、 のちけっす。 すなはちそのしちあり。

↢中品中生↡、亦先、次、後。即↢其七↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)別釈
            (Ⅰ)弁位

^いちちゅうぼん中生ちゅうしょうしゃ」 よりは、 そうじてぎょうげてそのくらいべんじょうす。 すなはちこれ小乗しょうじょうぜんぼんにんなり。

リハ↢「中品中生者」↡、総↢行↡弁↢定↡。即是小乗下善凡夫人也。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)機法

^にゃくしゅじょう」 よりしも威儀いぎけつ」 にいたるこのかたは、 まさしくだいろく七門しちもんのなかの、 *けんぶん受法じゅほうとうどうかす。 すなはちそのさんあり。

↢「若有衆生」↡下至↢「威儀無欠」↡已来タハ、正↢第五・六・七門簡機・時分・受法等不同↡。即↢其三↡。

・持八戒斎

^いちには*はっ戒斎かいさいじゅすることをかす。

ニハ↣受↢持コトヲ八戒斎↡。

・持沙弥戒

^には*しゃかいじゅすることをかす。

ニハ↣受↢持コトヲ沙弥戒↡。

・持具足戒

^さんには*そくかいじゅすることをかす。

ニハ↣受↢持コトヲ具足戒↡。

^この三品さんぼんかいはみなおなじく一日いちにちいちなり。 清浄しょうじょうにしておかすことなく、 すなはちきょうざいいたるまでも、 ごくじゅうとがおかすがごとくし、 三業さんごう*威儀いぎしつあらしめず。 これすなはちかみだいふく (戒福)がっす、 るべし。

三品皆同一日一夜ナリ。清浄ニシテ↠犯コト、乃マデモ↢軽罪↡、如クシ↠犯スガ↢極重之過↡、三業威儀不↠令↠有↠失也。此即↢上第二↡、応↠知

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)廻向

^さん以此いしどく」 より以下いげは、 まさしく所修しょしゅごうして、 しょところかふことをかす。

↢「以此功徳」↡已下、正↧廻↢所修↡、向コトヲ↦所求↥。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)迎接

^戒香かいこう熏修くんじゅ」 よりしも七宝しっぽうちゅう」 にいたるこのかたは、 まさしくだいもんのなかの、 ぎょうじゃ*じゅうしょうきたりてこうしょうしたまふと、 去時こじしつとをかす。 すなはちそのはちあり。

↢「戒香熏修」↡下至↢「七宝池中」↡已来タハ、正↢第九門行者終時聖来迎接タマフト、去時遅疾トヲ↡。即↢其八↡。

・命延不久

^いちにはみょうえんひさしからざることをかす。

ニハ↢命延不コトヲ↟久カラ

・与諸比丘

^には弥陀みだ、 もろもろの比丘びくしゅきたりたまふことをかす。

ニハ↧弥陀与↢諸比丘衆↡来タマフコトヲ↥。

・光照行者

^さんにはぶつ金光こんこうはなちてぎょうじゃらしたまふことをかす。

ニハ↧仏放↢金光↡照タマフコトヲ↦行者↥。

・持華来現

^には比丘びくはなして来現らいげんすることをかす。

ニハ↢比丘持↠華来現コトヲ↡。

・行者聞讃

^にはぎょうじゃみづからくうしょうとうさん見聞けんもんすることをかす。

ニハ↣行者自見↢聞コトヲ空声等↡。

・深信仏語

^ろくにはぶつさんじて、 「なんぢふかぶつしんじ、 ずいじゅんしてうたがふことなし。 ゆゑにきたりてなんぢをむかふ」 とのたまふことをかす。

ニハ↧仏讃、言フコトヲ↦汝深↢仏語↡、随順↠疑コトフト↞汝

・坐華華合

^しちにはすでに仏讃ぶっさんこうむりてすなはちるに、 みづから*華座けざす。 しをはれば、 はながっすることをかす。

ニハ↧既仏讃↡即ルニ、自↢華座レバ、華合コトヲ↥。

・入西宝池

^はちにははなすでにがっしをはりて、 すなはち西方さいほうほうのうちにることをかす。

ニハ↣華既、即コトヲ↢西方宝池之内↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅴ)華開

^きょう七日しちにち」 より以下いげは、 まさしくだいじゅうもんのなかの、 かしこにいたりてはなひらくるせつどうかす。

↢「経於七日」↡已下、正↢第十門↠彼華開時節不同↡。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅵ)得益

^ろく華既けき敷已ふい」 よりしもじょうかん」 にいたるこのかたは、 まさしくだいじゅういちもんのなかの、 かい以後いご得益とくやくどうかす。 すなはちそのあり。

↢「華既敷已」↡下至↢「成羅漢」↡已来タハ、正↢第十一門華開已後得益不同↡。即↢其四↡。

・華開見仏

^いちにははなひらけてぶつたてまつることをかす。

ニハ↢華開ケテマツルコトヲ↟仏

・合掌讃仏

^にはがっしょうしてぶつさんずることをかす。

ニハ↢合掌コトヲ↟仏

・聞法得果

^さんにはほうきて*しょることをかす。

ニハ↣聞↠法コトヲ↢於初果↡。

・逕時得成

^には半劫はんこうをはりてまさに*かんとなることをかす。

ニハ↧経↢半劫↡已コトヲ↦羅漢↥。

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅶ)総結

^しちみょう」 より以下いげは、 そうじてけっす。

↢「是名」↡已下、総

一 Ⅱ ⅱ b ロ (三)結示

^じょうらいしちどうありといへども、 ひろちゅうぼん中生ちゅうしょうしをはりぬ。

上来雖↠有↢七句不同↡、広↢中品中生↡竟

一 Ⅱ ⅱ b 中下品【中品下生釈】
          (一)総標

【21】^つぎ*ちゅうぼんしょうくらいのなかにつきて、 またげ、 つぎべんじ、 のちけっす。 すなはちそのしちあり。

↢中品下生↡、亦先、次、後。即↢其七↡。

一 Ⅱ ⅱ b ハ (二)別釈
            (Ⅰ)弁位

^いちちゅうぼんしょう」 より以下いげは、 まさしくそうじてぎょうげて、 そのくらいべんじょうすることをかす。 すなはちこれ*ぜんじょうふくぼんにんなり。

↢「中品下生」↡已下、正↧総↢行↡弁↦定コトヲ↥。即是世善上福凡夫人也。

一 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)機法

^にゃく善男ぜんなん」 よりしもぎょうにん」 にいたるこのかたは、 まさしくだい第六だいろくもんのなかの、 けん受法じゅほうどうかす。 すなはちそのあり。

↢「若有善男子」↡下至↢「行世仁慈」↡已来タハ、正↢第五・第六門簡機・授法不同↡。即↢其四↡。

・簡機

^いちにはけんかす。

ニハ↢簡機↡。

・孝養奉順

^には父母ぶもきょうようし、 *六親ろくしんじゅんすることをかす。 すなはちかみ*初福しょふく (世福)第一だいいちだいがっす。

ニハ↧孝↢養父母↡、奉↦順コトヲ六親↥。即↢上初福第一・第二↡。

・性調柔善

^さんにはこのひとしょう調ととのほりにゅうぜんにして自他じたえらばず、 *ものへるをきょうおこすことをかす。

ニハ↧此人性調ホリ柔善ニシテ不↠簡↢自他↡、見↢物ルヲ↟苦コトヲ↦於慈敬↥。

・不聞仏法

^にはまさしくこのほんひとかつて仏法ぶっぽう見聞けんもんせず、 また*することをさとらず、 ただみづからきょうようぎょうずることをかす、 るべし。

ニハ↧此品之人不↣曽見↢聞仏法↡、亦不↠解↢悕求コトヲ↡、但自コトヲ↦孝養↥也、応↠知

一 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅲ)遇法

^さんにんみょうよくじゅう」 よりしもじゅうはちがん」 にいたるこのかたは、 まさしくだい八門はちもんのなかの、 りんじゅう仏法ぶっぽう遇逢せつ*分斉ぶんざいかす。

↢「此人命欲終時」↡下至↢「四十八願」↡已来タハ、正↧第八門臨終遇↢逢仏法↡時節分斉↥。

一 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅳ)得生

^もん此事しじ」 よりしも極楽ごくらくかい」 にいたるこのかたは、 まさしくだいもんのなかの、 *とくしょうやく去時こじしつとをかす。

↢「聞此事已」↡下至↢「極楽世界」↡已来タハ、正↢第九門得生之益、去時遅疾トヲ↡也。

一 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅴ)開不

^生経しょうきょう七日しちにち」 よりは、 まさしくだいじゅうもんのなかの、 かしこにいたりてはなかいかいとをとなすことをかす。

↢「生経七日」↡者、正↢第十門↠彼不開トヲスコトヲ↟異

一 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅵ)得益

^ろくかんおん」 よりしもじょうかん」 にいたるこのかたは、 まさしくだいじゅういちもんのなかの、 かい以後いご得益とくやくどうかす。 すなはちそのさんあり。

↢「遇観世音」↡下至↢「成羅漢」↡已来タハ、正↢第十一門華開已後得益不同↡。即↢其三↡。

・逕時得遇

^いちにはとき以後いご観音かんのん大勢だいせいひたてまつることをることをかす。

ニハ↢逕↠時已後、得コトヲ↟遇マツルコトヲ↢観音・大勢↡。

・逢聖聞法

^にはすでにしょう (観音・勢至)ひたてまつりて、 みょうほうくことをることをかす。

ニハ↧既マツリテ↢二聖↡、得コトヲ↞聞コトヲ↢妙法↡。

・逕時得成

^さんにはいちしょうこう以後いご、 はじめてかんさとることをかす。

ニハ↧逕↢一小劫↡已後、始コトヲ↦羅漢↥也。

一 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅶ)総結

^しちみょう」 より以下いげは、 そうじてけっす。

↢「是名」↡已下、総

一 Ⅱ ⅱ b ハ (三)結示

^じょうらいしちどうありといへども、 ひろちゅうぼんしょうしをはりぬ。

上来雖↠有↢七句不同↡、広↢中品下生↡竟

一 Ⅱ ⅱ 結讃【中輩総讃】

【22】^¬さん¼ にいはく (礼讃)

ちゅうはい*中行ちゅうぎょうちゅうこんひとなり。 一日いちにち斎戒さいかいをもつて金蓮こんれんしょす。

父母ぶもきょうようせるをおしへてこうせしめ、 ために西方さいほうらくいんく。

ぶつしょうもんしゅきたりて、 ただちに弥陀みだ華座けざほとりいたる。

ひゃっぽうはなこもりて七日しちにち三品さんぼんはちすひらけて*しょうしんしょうす」 と。

¬讃¼云

「中輩中行中根ナリ一日斎戒ヲモテ↢金蓮
孝↢養ルヲ父母↡教廻向シメ↢西方快楽
仏与↢声聞衆↡来↢弥陀華座
百宝経↢七日三品蓮開スト↢小真↡」

一 Ⅱ ⅱ 総結

^じょうらいさんどうありといへども、 そうじてちゅうはい一門いちもんしをはりぬ。

上来雖↠有↢三位不同↡、総↢中輩一門之義↡竟

一 Ⅱ 【下輩観】
      【文前料簡】

【23】^じゅうろく*はいかん善悪ぜんあくぎょう文前もんぜんにつきて、 りょうけんしてすなはちじゅういちもんとなす。

十六↢下輩観善悪二行文前↡、料簡↢十一門↡。

・告命

^いちにはそうじてごうみょうかす。

者総↢告命↡。

・弁定其位

^にはそのくらいべんじょうす。

者弁↢定↡。

・総挙有縁

^さんにはそうじてえんしょうるいぐ。

者総↢有縁生類↡。

・弁定三心

^には三心さんしんべんじょうしてもつてしょういんとなす。

者弁↢定三心↡以↢正因↡。

・簡機堪不

^には*かんかんとをえらぶ。

者簡↣機↢不堪↡。

・受法不同

^ろくにはらくほうくるどうかす。

者明↧受↢苦楽二法↡不同↥。

・時節延促

^しちには修業しゅごうせつ*延促えんそくことなることあることをかす。

者明↢修業時節延促有コトヲ↟異コト

・廻行願生

^はちには所修しょしゅぎょうして、 しょところかふことをかす。

者明↧廻↢所修↡向コトヲ↦所求↥。

・迎接去時

^にはりんじゅうときしょうきたりてこうしょうしたまふどうと、 去時こじしつとをかす。

者明↢臨終時聖来迎接タマフ、去時遅疾トヲ↡。

・華開遅疾

^じゅうにはかしこにいたりてはなひらくるしつどうかす。

者明↢到↠彼華開遅疾不同↡。

・開後得益

^じゅういちにはかい以後いご得益とくやくことなることあることをかす。

十一者明↢華開已後得益コトヲ↟異コト

^じょうらいじゅういちもんどうありといへども、 そうじてはいさんりょうけんしをはりぬ。

上来雖↠有↢十一門不同↡、総料↢簡下輩三位↡竟

一 Ⅱ ⅲ 正釈
        下上品【下品上生釈】
          (一)総標

【24】^つぎ*ぼん上生じょうしょうくらいのなかにつきて、 またげ、 つぎべんじ、 のちけっす。 すなはちそのあり。

↢下品上生↡、亦先、次、後。即↢其九↡。

一 Ⅱ ⅲ b イ (二)別釈
            (Ⅰ)告命

^いち仏告ぶつごうなん」 より以下いげは、 まさしくごうみょうかす。

↢「仏告阿難」↡已下、正↢告命↡。

一 Ⅱ ⅲ b イ (二)(Ⅱ)弁位

^ぼん上生じょうしょうしゃ」 よりは、 まさしくそのくらいべんじょうすることをかす。 すなはちこれじゅうあくつくきょうざいぼんにんなり。

リハ↢「下品上生者」↡、正↣弁↢定コトヲ↡。即是造↢十悪↡軽罪凡夫人也。

一 Ⅱ ⅲ b イ (二)(Ⅲ)簡機

^さんわくしゅじょう」 よりしも無有むうざん」 にいたるこのかたは、 まさしくだいもんのなかの、 けんに、 いっしょうらい造悪ぞうあく軽重きょうじゅうそうすいすることをかす。 すなはちそのあり。

↢「或有衆生」↡下至↢「無有慚愧」↡已来タハ、正↣第五門簡機、挙↢出コトヲ一生已来造悪軽重之相↡。即↢其五↡。

・総挙悪機

^いちにはそうじて造悪ぞうあくぐることをかす。

ニハ↣総コトヲ↢造悪之機↡。

・造作衆悪

^には衆悪しゅあくぞうすることをかす。

ニハ↣造↢作コトヲ衆悪↡。

・不謗大乗

^さんには衆罪しゅざいつくるといへども、 もろもろのだいじょうにおいてほうしょうぜざることをかす。

ニハ↧雖↠作ルト↢衆罪↡、於↢諸大乗↡不コトヲ↞生↢誹謗↡。

・重牒悪人

^にはかさねて造悪ぞうあくひと*でつして、 しゃたぐいにあらざることをかす。

ニハ↧重↢造悪之人↡、非コトヲ↦智者之類↥也。

・造悪無愧

^にはこれらのにん衆罪しゅざいつくるといへども、 そうじて*しんしょうぜざることをかす。

ニハ↧此等愚人雖↠造ルト↢衆罪↡、総コトヲ↠生↦愧心↥。

一 Ⅱ ⅲ b イ (二)(Ⅳ)遇法

^みょうよくじゅう」 よりしもしょうざい」 にいたるこのかたは、 まさしく造悪ぞうあくにんとうりんじゅうぜんひてほうくことをかす。 すなはちそのろくあり。

↢「命欲終時」↡下至↢「生死之罪」↡已来タハ、正↢造悪人等臨終↠善コトヲ↟法。即↢其六↡。

・命延不久

^いちにはみょうえんひさしからざることをかす。

ニハ↢命延不コトヲ↟久カラ

・忽遇知識

^にはたちまちに*おうじょうぜんしきふことをかす。

ニハ↣忽コトヲ↢往生善知識↡。

・為讃衆経

^さんには善人ぜんにん、 ために衆経しゅきょうさんずることをかす。

ニハ↣善人、為コトヲ↢衆経↡。

・聞経功力

^にはすでにきょうりきつみのぞくこと千劫せんごうなることをかす。

ニハ↢已↠経功力、除コト↠罪千劫ナルコトヲ↡。

・教称名号

^にはしゃきょうてんじて、 弥陀みだみな称念しょうねんせしむることをかす。

ニハ↣智者転↠教、称↢念シムルコトヲ弥陀之号↡。

・称名除罪

^ろくには弥陀みだみなしょうするをもつてのゆゑに、 つみのぞくことひゃく万劫まんごうなることをかす。

ニハ↧以↠称ルヲ↢弥陀↡故、除コト↠罪五百万劫ナルコトヲ↥。

・料簡

【25】^ひていはく、 なんがゆゑぞ、 きょうくこと*じゅうなるには、 ただつみのぞくこと千劫せんごこうぶつしょうすることいっしょうするには、 すなはちつみのぞくことひゃく万劫まんごうなるは、 なんのこころぞや。

、何、聞コト↠経十二部ナルニハ、但除コト↠罪千劫、称コト↠仏一声スルニハ、即コト↠罪五百万劫ナル者、何也。

^こたへていはく、 造罪ぞうざいひとさわりおもくして、 くわふるに死苦しくきたむるをもつてす。 善人ぜんにんきょうくといへども、 *餐受さんじゅしんさんす。 しんさんずるによるがゆゑに、 つみのぞくことややかろし。 またぶつみょうはこれいちなれば、 すなはちよくさんせっしてもつてしんとどむ。 またおしへてしょうねんしょうせしむ。 *しんおもきによるがゆゑに、 すなはちよくつみのぞくことこうなり。

、造罪之人障重クシテ、加ルニテス↢死苦ルヲ↡。善人雖↠説クト↢多経↡、餐受之心浮散。由ルガ↢心散ルニ↡故、除コト↠罪ヤヤ。又仏名是一ナレバ、即↠散↠心。復教↢正念↟名。由ルガ↢心重キニ↡故、即コト↠罪多劫也。

一 Ⅱ ⅲ b イ (二)(Ⅴ)来迎

【26】^爾時にじぶつ」 よりしもしょうほうちゅう」 にいたるこのかたは、 まさしくだいもんのなかの、 じゅう*しゅ来迎らいこうと、 去時こじしつとをかす。 すなはちそのろくあり。

↢「爾時彼仏」↡下至↢「生宝池中」↡已来タハ、正↢第九門終時化衆来迎、去時遅疾トヲ↡。即↢其六↡。

・遣化来現

^いちにはぎょうじゃまさしくみなしょうするとき、 かの弥陀みだすなはちしゅつかはしてこえおうじて来現らいげんせしめたまふことをかす。

ニハ↧行者正↠名時、彼弥陀即↢化衆↡応↠声来現シメタマフコトヲ↥。

・同讃行人

^にはしゅすでにげんじてすなはちおなじくぎょうにんさんじたまふことをかす。

ニハ↣化衆既已身現タマフコトヲ↢行人↡。

・但述称功

^さんには所聞しょもん*さん、 ただしょうぶつこうべて、 「われきたりてなんぢをむかふ」 とのたまひて*もんきょうろんぜざることをかす。

ニハ↧所聞化讃但述↢称仏之功↡、「我来フトノタマヒテ↠汝」不コトヲ↞論↢聞経之事↡。

^しかるにぶつがんのぞむれば、 ただすすめてしょうねんみなしょうせしむ。 おうじょうきこと*雑散ぞうさんごうおなじからず。 この ¬きょう¼ (観経) および*しょのなかのごとき、 処々しょしょひろたんじて、 すすめてみなしょうせしむ。 まさに*要益ようやくとなすなり、 るべし。

レバ↢仏願意↡者、唯勧正念シム↠名。往生義疾キコト不↠同カラ↢雑散之業↡。如↢此¬経¼及諸部↡、処処、勧↠称↠名。将↢要益↡也、応↠知

・光明遍室

^にはすでにしゅげをこうむり、 およびすなはちこうみょうしつへんするをることをかす。

ニハ↧既↢化衆↡、及コトヲ↦光明ルヲ↞室

・報命尋終

^にはすでに光照こうしょうこうむりて、 *ほうみょうすなはちおわることをかす。

ニハ↧既↢光照↡、報命スナハコトヲ↥。

・乗華生池

^ろくにははなじょうじ、 ぶつしたがひてほうのなかにしょうずることをかす。

ニハ↣乗↠華、従↠仏コトヲ↢宝池↡。

一 Ⅱ ⅲ b イ (二)(Ⅵ)華開

^ろくきょう七日しちにち」 より以下いげは、 まさしくだいじゅうもんのなかの、 かしこにいたりてはなひらくるしつどうかす。

↢「経七日」↡已下、正↢第十門↠彼華開遅疾不同↡。

一 Ⅱ ⅲ b イ (二)(Ⅶ)得益

^しちとう敷時ふじ」 よりしもとくにゅうしょ」 にいたるこのかたは、 まさしくだいじゅういちもんのなかの、 かい以後いご得益とくやくことなることあることをかす。 すなはちそのあり。

↢「当華敷時」↡下至↢「得入初地」↡已来タハ、正↢第十一門華開已後得益コトヲ↟異コト。即↢其五↡。

・二尊放光

^いちには観音かんのんとう*神光じんこうはなつことをかす。

ニハ↣観音等先コトヲ↢神光↡。

・聖赴華側

^には ˆ観音かんのんとうのˇ ぎょうじゃほうほとりおもむくことをかす。

ニハ↣身赴コトヲ↢行者宝華之側↡。

・為説宿教

^さんにはためにぜんしょう所聞しょもんきょうくことをかす。

ニハ↣為コトヲ↢前生所聞之教↡。

・領解発心

^にはぎょうじゃきをはりて領解りょうげ発心ほっしんすることをかす。

ニハ↢行者聞領解発心コトヲ↡。

・逕時得証

^にはとおこうて、 *ひゃっぽうくらいしょうりんすることをかす。

ニハ↧遠↢多劫↡、証↦臨コトヲ百法之位↥也。

一 Ⅱ ⅲ b イ (二)(Ⅷ)総結

^はちみょう」 より以下いげは、 そうじてけっす。

↢「是名」↡已下、総

一 Ⅱ ⅲ b イ (二)(Ⅸ)挙益

^得聞とくもんぶつみょう」 より以下いげは、 かさねてぎょうじゃやくぐ。 ただ念仏ねんぶつのみひとおうじょうるにあらず。 ほうそう通念つうねんするもまたくことを

↢「得聞仏名」↡已下、重↢行者之益↡。非↣但念仏ノミルニ↢往生↡。法・僧通念ルモ亦得↠去クコトヲ也。

一 Ⅱ ⅲ b イ (三)結示

^じょうらい九句くくどうありといへども、 ひろぼん上生じょうしょうしをはりぬ。

上来雖↠有↢九句不同↡、広↢下品上生↡竟

一 Ⅱ ⅲ b 下中品【下品中生釈】
          (一)総標

【27】^つぎ*ぼん中生ちゅうしょうくらいのなかにつきて、 またげ、 つぎべんじ、 のちけっす。 すなはちそのしちあり。

↢下品中生↡、亦先、次、後。即↢其七↡。

一 Ⅱ ⅲ b ロ (二)別釈
            (Ⅰ)総明告命

^いち仏告ぶつごうなん」 より以下いげは、 そうじてごうみょうかす。

↢「仏告阿難」↡已下、総↢告命↡。

一 Ⅱ ⅲ b ロ (二)(Ⅱ)弁定其位

^ぼん中生ちゅうしょうしゃ」 よりは、 まさしくそのくらいべんじょうすることをかす。 すなはちこれかいざいぼんにんなり。

リハ↢「下品中生者」↡、正↣弁↢定コトヲ↡。即是破戒次罪凡夫人也。

一 Ⅱ ⅲ b ロ (二)(Ⅲ)簡機

^さんわくしゅじょう」 よりしもおうごく」 にいたるこのかたは、 まさしくだい第六だいろくもんのなかの、 けん造業ぞうごうとをかす。 すなはちそのしちあり。

↢「或有衆生」↡下至↢「応堕地獄」↡已来タハ、正↢第五・第六門簡機造業トヲ↡。即↢其七↡。

・総挙悪機

^いちにはそうじて造悪ぞうあくぐることをかす。

ニハ↣総コトヲ↢造悪之機↡。

・多犯諸戒

^にはおお諸戒しょかいおかすことをかす。

ニハ↣多コトヲ↢諸戒↡。

・偸盗僧物

^さんには*僧物そうもつ*ちゅうとうすることをかす。

ニハ↣偸↢盗コトヲ僧物↡。

・邪命説法

^には*じゃみょう説法せっぽうかす。

ニハ↢邪命説法↡。

・総無愧心

^にはそうじて*しんなきことをかす。

ニハ↣総キコトヲ↢愧心↡。

・兼造衆罪

^ろくには衆罪しゅざいつくり、 うちにはしんあくおこし、 ほかにはすなはちしんあくをなすことをかす。 すでにしんぜんなれば、 またるものみなにくむ。 ゆゑに 「もろもろの悪心あくしんをもつてみづからしょうごんす」 といふ。

ニハ↧兼↢造衆罪↡、内ニハ↠悪、外ニハ身口コトヲ↞悪。既自身不善ナレバ、又見者皆憎。故↢諸悪心ヲモテ荘厳スト↡也。

・定入地獄

^しちにはこのざいじょうあきらむるに、 さだめてごくるべきことをかす。

ニハアキラムルニ↢斯罪状↡、定ベキコトヲ↦地獄↥。

一 Ⅱ ⅲ b ロ (二)(Ⅳ)善悪来迎

^みょうよくじゅう」 よりしも即得そくとくおうじょう」 にいたるこのかたは、 まさしくだいもんのなかの、 じゅう*善悪ぜんあく来迎らいこうすることをかす。 すなはちその九あり。

↢「命欲終時」↡下至↢「即得往生」↡已来タハ、正↢第九門終時善悪来迎コトヲ↡。即↢其九↡。

・命延不久

^いちには罪人ざいにんみょうえんひさしからざることをかす。

ニハ↢罪人命延不コトヲ↟久カラ

・獄火来現

^にはごく来現らいげんすることをかす。

ニハ↢獄火来現コトヲ↡。

・遇善知識

^さんにはまさしくげんずるときぜんしきふことをかす。

ニハ↣正火現ズル時、遇コトヲ↢善知識↡。

・為説弥陀

^には*善人ぜんにん、 ために弥陀みだどくくことをかす。

ニハ↣善人為コトヲ↢弥陀功徳↡。

・除罪多劫

^には罪人ざいにんすでに弥陀みだみょうごうきて、 すなはちつみのぞくことこうなることをかす。

ニハ↧罪人既↢弥陀名号↡、即コト↠罪多劫ナルコトヲ↥。

・火変為風

^ろくにはすでに罪滅ざいめつこうむりて、 へんじてかぜとなることをかす。

ニハ↧既↢罪滅↡、火変コトヲ↞風

・天華来応

^しちにはてんかぜしたがひて来応らいおうして、 まえれつすることをかす。

ニハ↣天華随↠風来応、羅↢列コトヲ↡。

・化衆来迎

^はちには*しゅ来迎らいこうすることをかす。

ニハ↢化衆来迎コトヲ↡。

・去時遅疾

^には去時こじしつかす。

ニハ↢去時遅疾↡。

一 Ⅱ ⅲ b ロ (二)(Ⅴ)華開不同

^七宝しっぽうちゅう」 よりしも六劫ろっこう」 にいたるこのかたは、 まさしくだいじゅうもんのなかの、 かしこにいたりてはなひらくるせつどうかす。

↢「七宝池中」↡下至↢「六劫」↡已来タハ↢第十門↠彼華開時節不同↡。

一 Ⅱ ⅲ b ロ (二)(Ⅵ)開後得益

^ろくれんない」 よりしもほつじょう道心どうしん」 にいたるこのかたは、 まさしくだいじゅういちもんのなかの、 かい以後いご得益とくやくことなることあることをかす。 すなはちそのさんあり。

↢「蓮華乃敷」↡下至↢「発無上道心」↡已来タハ、正↢第十一門華開已後得益コトヲ↟異コト。即↢其三↡。

・華開安慰

^いちにははなすでにひらけをはりて、 観音かんのんとう*ぼんしょうをもつてあんすることをかす。

ニハ↢華既、観音等梵声ヲモテ安慰コトヲ↡。

・為説妙典

^にはために甚深じんじんみょうでんくことをかす。

ニハ↣為コトヲ↢甚深妙典↡。

・領解発心

^さんにはぎょうじゃりょうし、 発心ほっしんすることをかす。

ニハ↢行者領解発心コトヲ↡。

一 Ⅱ ⅲ b ロ (二)(Ⅶ)総結

^しちみょう」 より以下いげは、 そうじてけっす。

↢「是名」↡已下、総

一 Ⅱ ⅲ b ロ (三)結示

^じょうらいどうありといへども、 ひろぼん中生ちゅうしょうしをはりぬ。

上来雖↠有↢七句不同↡、広↢下品中生↡竟

一 Ⅱ ⅲ b 下下品【下品下生釈】
          (一)総標

【28】^つぎ*ぼんしょうくらいのなかにつきて、 またげ、 つぎべんじ、 のちけっす。 すなはちそのしちあり。

↢下品下生↡、亦先、次、後。即↢其七↡。

一 Ⅱ ⅲ b ハ (二)別釈
            (Ⅰ)告命

^いち仏告ぶつごうなん」 より以下いげは、 そうじてごうみょうかす。

↢「仏告阿難」↡已下、総↢告命↡。

一 Ⅱ ⅲ b ハ (二)(Ⅱ)弁位

^ぼんしょうしゃ」 よりは、 まさしくそのくらいべんじょうすることをかす。 すなはちこれつぶさにぎゃくとうつくれる重罪じゅうざいぼんにんなり。

↢「下品下生者」↡、正↣弁↢定コトヲ↡。即是具レル↢五逆等↡重罪凡夫人也。

一 Ⅱ ⅲ b ハ (二)(Ⅲ)簡機造悪

^さんわくしゅじょう」 よりしもじゅぐう」 にいたるこのかたは、 まさしくだい第六だいろくもんのなかの、 けん造悪ぞうあく軽重きょうじゅうそうとをかす。 すなはちそのしちあり。

↢「或有衆生」↡下至↢「受苦無窮」↡已来タハ、正↢第五・第六門簡機造悪軽重之相トヲ↡。即↢其七↡。

・明造悪機

^いちには造悪ぞうあくかす。

ニハ↢造悪之機↡。

・挙不善名

^にはそうじてぜんぐることをかす。

ニハ↣総コトヲ↢不善之名↡。

・簡罪軽重

^さんにはつみ軽重きょうじゅうえらぶことをかす。

ニハ↠簡コトヲ↢罪軽重↡。

・総結衆悪

^にはそうじて衆悪しゅあくけっして、 にんごうにあらずといふことをかす。

ニハ↧総↢衆悪↡、非ズトイフコトヲ↦智人之業↥。

・造悪既多

^にはあくつくることすでにおおければ、 つみまたかろきにあらざることをかす。

ニハ↢造コト↠悪ケレバ、罪亦非コトヲ↟軽キニ

・果報必苦

^ろくにはごうとしてそのほうけざるはあらず、 いんとしてそのけざるはあらず。 因業いんごうすでにこれらくにあらず、 ほういづくんぞよくならざらんといふことをかす。

ニハ↧非↢業トシテルハ↟受↢其↡、非↢因トシテルハ↟受↢其因業既↢是楽↡、果報イヅクンゾラムトイフコトヲ↞苦ナラ也。

・酬報未窮

^しちには造悪ぞうあくいんすでにして、 *しゅうほうこういまだきわまらざることをかす。

ニハ↢造悪之因既、酬報之劫未ルコトヲ↟窮

料簡

【29】^ひていはく、 じゅうはちがんのなかの ˆだいじゅうはちがんのˇ ごときは、 ただぎゃく*ほうしょうぼうとをのぞきて、 おうじょうしめず。 いまこの ¬かんぎょう¼ のぼんしょうのなかには、 謗法ほうぼう*えらびてぎゃくせっせるは、 なんのこころかあるや。

、如キハ↢四十八願↡、唯除↢五逆誹謗正法トヲ↡、不↠得シメ↢往生↡。今此¬観経¼下品下生ニハ、簡↢謗法↡摂↢五逆↡者、有↢何↡也。

【抑止門釈】

^こたへていはく、 このあおぎて*おくもんのなかにつきてせん。

義仰↢抑止門↡解

・抑止門釈 ・本願

^じゅうはちがんのなかの ˆだいじゅうはちがんのˇ ごとき、 謗法ほうぼうぎゃくとをのぞくことは、 しかるにこのごうそのさわりごくじゅうなり。 しゅじょうもしつくればただちに*阿鼻あびり、 *りゃくこう周慞しゅうしょうしてづべきによしなし。 ただ如来にょらいそれこのとがつくることをおそれて、 方便ほうべんしてとどめて 「おうじょうず」 とのたまへり。 またこれせっせざるにはあらず。

↢四十八願↡、除コト↢謗法五逆トヲ↡者、然此之二業其障極重ナリ。衆生若↢阿鼻↡、歴劫周慞↠由↠可キニ↠出。但如来恐↣其コトヲ↢斯↡、方便ヘリ↠不↠得↢往生↡。亦不↢是不ルニハ↟摂也。

・抑止門釈 ・今経

^またぼんしょうのなかに、 ぎゃくりて謗法ほうぼうのぞくは、 それぎゃくはすでにつくれり、 てててんせしむべからず。 かえりてだいおこして*摂取せっしゅしておうじょうせしむ。 しかるに謗法ほうぼうつみはいまだつくらず。 またとどめて 「もし謗法ほうぼうおこさば、 すなはちしょうずることをず」 とのたまふ。 これは造業ぞうごうにつきてす。 もしつくらば、 かえりてせっしてしょうずることをしめん。

又下品下生、取↢五逆↡除↢謗法↡者、其五逆レリ不↠可↣捨テテ↢流転↡。還↢大悲↡摂取往生シム。然謗法之罪ツク。又止↧若↢謗法↡、即↞得↠生コトヲ。此↢未造業↡而解也。若、還シメム↠生コトヲ

^かしこにしょうずることをといへども、 はながっしてこう。 これらの罪人ざいにんはなのうちにあるとき三種さんしゅさわりあり。 いちにはぶつおよびもろもろのしょうじゅることをず。 にはしょうぼうちょうもんすることをず。 さんには*りゃくようすることをず。

↠得↠生コトヲ↠彼、華合逕↢於多劫↡。此等罪人在↢華↡時、有↢三種障↡。一者不↠得↠見コトヲ↢仏及聖衆↡。二者不↠得↣聴↢聞コトヲ正法↡。三者不↠得↢歴事供養コトヲ↡。

^これをのぞきて以外いげはさらにもろもろのなし。 *きょうにのたまはく、 「なほ比丘びく*三禅さんぜんれるらくのごとし」 と、 るべし。 はなのなかにありてこうひらけずといへども、 阿鼻あびごくのなかにして、 長時じょうじ永劫ようごうにもろもろのつうくるにすぐれざるべけんや。 このおくもんにつきてしをはりぬ。

↠此已外↢諸苦↡。¬経¼云、「猶如シト↧比丘レル↢三禅↡之楽↥也、」応↠知。雖↧在↢華↡多劫不↞開、可ケム↠不↠勝↣阿鼻地獄之中ニシテ、長時永劫ルニ↢諸苦痛↡也。此義就↢抑止門↡解

一 Ⅱ ⅲ b ハ (二)(Ⅳ)念仏利益

【30】^にょにん」 よりしもしょうざい」 にいたるこのかたは、 まさしくほうぶつねんじて、 *現益げんやくこうむることをることをかす。 すなはちそのじゅうあり。

↢「如此愚人」↡下至↢「生死之罪」↡已来タハ、正↢聞↠法↠仏コトヲ↟蒙コトヲ↢現益↡。即↢其十↡。

・重牒悪人

^いちにはかさねて造悪ぞうあくひとでつすることをかす。

ニハ↣重コトヲ↢造悪之人↡。

・命延不久

^にはみょうえんひさしからざることをかす。

ニハ↢命延不コトヲ↟久カラ

・遇善知識

^さんにはりんじゅうぜんしきふことをかす。

ニハ↣臨終コトヲ↢善知識↡。

・教令念仏

^には*善人ぜんにんあんしておしへてぶつねんぜしむることをかす。

ニハ↢善人安慰コトヲ↟念↠仏

・死苦来逼

^には罪人ざいにん死苦しくきためて、 ぶつみょうねんずることをるによしなきことをかす。

ニハ↢罪人死苦来、無キコトヲ↟由↠得ルニ↠念コトヲ↢仏名↡。

【転教口称】

^ろくには*ぜんくるしみて*失念しつねんすとりて、 きょうてんじてくち弥陀みだみょうごうしょうせしむることをかす。

ニハ↧善友知↢苦ミテ失念スト↡、転↠教シムルコトヲ↦弥陀名号↥。

・称名無間

^しちには念数ねんじゅしょう声々しょうしょうひまなきことをかす。

ニハ↢念数多少、声声無キコトヲヒマ

・除罪多劫

^はちにはつみのぞくことこうなることをかす。

ニハ↢除コト↠罪多劫ナルコトヲ↡。

・臨終正念

^にはりんじゅうしょうねんにしてすなはち*こん来応らいおうすることあることをかす。

ニハ↣臨終正念ニシテコトヲ↢金華来応コト↡。

・直到極楽

^じゅうには去時こじしつ、 ただちに*しょくにいたることをかす。

ニハ↣去時遅疾、直コトヲ↢所帰之国↡。

一 Ⅱ ⅲ b ハ (二)(Ⅴ)華開不同

^れんちゅうまんじゅうこう」 より以下いげは、 まさしくだいじゅうもんのなかの、 かしこにいたりてはなひらくるしつどうかす。

↢「於蓮華中満十二劫」↡已下、正↢第十門↠彼華開遅疾不同↡。

一 Ⅱ ⅲ b ハ (二)(Ⅵ)開後得益

^ろく観音かんのん大勢だいせい」 よりしもほつだいしん」 にいたるこのかたは、 まさしくだいじゅういちもんのなかの、 かい以後いご得益とくやくことなることあることをかす。 すなはちそのさんあり。

↢「観音大勢」↡下至↢「発菩提心」↡已来タハ、正↢第十一門華開已後得益コトヲ↟異コト。即↢其三↡。

・為宣妙法

^いちにはしょう (観音・勢至)、 ために甚深じんじんみょうほうべたまふことをかす。

ニハ↣二聖、為タマフコトヲ↢甚深妙法↡。

・除罪歓喜

^にはつみのぞきてかんすることをかす。

ニハ↢除↠罪歓喜コトヲ↡。

・後発勝心

^さんにはのち*しょうしんおこすことをかす。

ニハ↣後コトヲ↢勝心↡。

一 Ⅱ ⅲ b ハ (二)(Ⅶ)総結

^しちに 「みょう」 より以下いげは、 そうじてけっす。

↢「是名」↡已下、総

一 Ⅱ ⅲ b ハ (三)結示

^じょうらいしちどうありといへども、 ひろぼんしょうしをはりぬ。

上来雖↠有↢七句不同↡、広↢下品下生↡竟

一 Ⅱ ⅲ 結讃【下輩総讃】

【31】^¬さん¼ にいはく (礼讃)

はい*ぎょうこんひとなり。 じゅうあくぎゃくとう*貪瞋とんじんと、

じゅう*ちゅうそう*ほうしょうぼうと、 いまだかつてざんしてさきとがいず。

じゅうそうくものごとくにあつまり、 ごくみょう罪人ざいにんまえにあり。

たちまちに*おうじょうぜんしきの、 きゅうすすめてもつぱらかのぶつみなしょうせしむるにふ。

ぶつさつこえたずねていたりたまふ。 一念いちねんしんかたむくれば宝蓮ほうれんる。

*さんさわりおもくしてこうひらく。 ときにはじめてだいいんおこす」 と。

¬讃¼云

「下輩下行下根ナリ十悪・五逆等貪瞋
四重偸僧謗正法↣曽慚愧↢前トガ
終時苦相如クニ↠雲地獄猛火罪人ニアリ
↣往生善知識シムルニ↢彼
化仏・菩薩尋↠声タマフ一念傾レバ↠心↢宝蓮
三華障重クシテ↢多劫于↠時始スト↢菩提↡」

一 Ⅱ ⅲ 総結

^じょうらいさんどうありといへども、 そうじてはい一門いちもんしをはりぬ。

上来雖↠有↢三位不同↡、総↢下輩一門之義↡竟

並結二善

【32】^さきにはじゅうさんがんかしてもつて 「じょうぜん」 となす。 すなはちこれ*だいしょうにして、 如来にょらい (釈尊) すでにこたへたまふ。 のちには三福さんぷくぼんかして、 づけて 「散善さんぜん」 となす。 これぶつ (釈尊)せつなり。 じょうさんりょうもんありてことなることありといへども、 そうじて*正宗しょうしゅうぶんしをはりぬ。

ニハ↢十三観↡以↢定善↡。即是韋提致請ニシテ、如来已タマフ。後ニハ↢三福・九品↡、名↢散善↡。是仏自説ナリ。雖↧有↢定散両門↡有リト↞異コト、総↢正宗分↡竟

【得益分】
  総標
  別釈
    標数

【33】^さん*得益とくやくぶんのなかにつきて、 またげ、 つぎべんず。 すなはちそのしちあり。

↢得益分↡、亦先、次。即↢其七↡。

二 Ⅱ 随釈
      牒前文

^はじめに 「せつ是語ぜご」 といふは、 まさしくそうじてさきもんでつしてのち得益とくやくそうしょうずることをかす。

↢「説是語」↡者、正↢前↡生コトヲ↦後得益之相↥。

二 Ⅱ ⅱ 明能聞人

^だい」 より以下いげは、 まさしくよくほうひとかす。

↢「韋提」↡已下、正↢能↠法↡。

二 Ⅱ ⅱ 光台見土

^さんおう即見そくけん極楽ごくらく」 より以下いげは、 まさしくにんとうかみ光台こうだいのなかにおいて極楽ごくらくそうることをかす。

↢「応時即見極楽」↡已下、正↧夫人等於↢上光台↡見コトヲ↦極楽之相↥。

二 Ⅱ ⅱ 七観得益

^得見とくけん仏身ぶっしんぎゅうさつ」 より以下いげは、 まさしくにん第七だいしちかん (華座観)はじめにおいてりょう寿じゅぶつたてまつりしとき、 すなはち*しょうやくることをかす。

↢「得見仏身及二菩薩」↡已下、正↧夫人於↢第七観↡見マツリシ↢無量寿仏↡時、即コトヲ↦無生之益↥。

二 Ⅱ ⅱ 侍女発心

^にょ」 より以下いげは、 まさしくこのしょうそうて、 おのおの*じょうしんおこしてじょうしょうぜんともとむることをかす。

↢「侍女」↡已下、正↧覩↢斯勝相↡、各↢無上之心↡求コトヲ↞生ムト↢浄土↡。

二 Ⅱ ⅱ 蒙記獲定

^ろくそんしっ」 より以下いげは、 まさしくにょ*そんこうむることをて、 みなかのくにしょうじてすなはち*現前げんぜん三昧ざんまいることをかす。

↢「世尊悉記」↡已下、正↧侍女得↠蒙コトヲ↢尊記↡、皆生↢彼↡即コトヲ↦現前三昧↥。

二 Ⅱ ⅱ 諸天発心
        総標

^しちりょう諸天しょてん」 より以下いげは、 まさしくさき*えんえんのなかに、 *しゃくぼん護世ごせ諸天しょてんとうぶつ (釈尊)したがひておうにしてくうのぞみてほうくことをかす。

↢「無量諸天」↡已下、正↢前厭苦、釈・梵・護世諸天等、従↠仏王宮ニシテ↠空コトヲ↟法

二 Ⅱ ⅱ g 別釈
          (一)挙例見聞

^あるいはしゃ*毫光ごうこう転変てんぺん、 あるいは弥陀みだ金色こんじき*りょう、 あるいはぼんおうじょうしゅき、 あるいは*じょうさんりょうもんともにせっすることをき、 あるいは善悪ぜんあくぎょうひとしくすることをき、 あるいは西方さいほうじょうたいしてとおきにあらざることをき、 あるいはいっしょうせんしょうこころざしけっすればながしょうながれわかつことをく。

見↢釈迦毫光転変↡、或見↢弥陀金色霊儀↡、或↢九品往生殊異↡、或↢定散両門倶コトヲ↡、或↢善悪之行斉コトヲ↡、或↢西方浄土対↠目コトヲ↟遠キニ、或↧一生専精レバ↠志与↢生死↡分コトヲ↞流

二 Ⅱ ⅱ g ロ (二)結示得益

^これらの諸天しょてんすでに如来にょらい (釈尊)ひろ*希奇けきやくきたまふきて、 おのおの*じょうしんおこす。 これすなはちぶつはこれ聖中しょうちゅうごくなり。 ことばおこしたまへばきょうとなり、 *凡惑ぼんわくたぐい*さんこうむる。 よくこれをくものをしてやくしむ。

此等諸天既↣如来タマフヲ↢希奇之益↡、各↢無上之心↡。斯乃是聖中之極ナリ。発タマヘバ↠語↠経、凡惑之類蒙↠餐。能使↢聞クモノヲシテ↠之獲↟益

結示

^じょうらいしちどうありといへども、 ひろ得益とくやくぶんしをはりぬ。

上来雖↠有↢七句不同↡、広↢得益分↡竟

【流通分】
  弁二分開合

【34】^つぎ*通分ずうぶんかす。 なかにあり。 いちには*おうずうかす。 には*しゃずうかす。

↢流通分↡。於↠二。一ニハ↢王宮流通↡。二ニハ↢耆闍流通↡。

約開釈文

^いまおう通分ずうぶんのなかにつきてすなはちそのしちあり。

今先↢王宮流通分↡、即↢其七↡。

三 Ⅱ 請発由

^いち爾時にじなん」 より以下いげは、 まさしくしょうほつよしかす。

↢「爾時阿難」↡已下、正↢請発之由↡。

三 Ⅱ 経名得益

^仏告ぶつごうなん」 より以下いげは、 まさしく如来にょらい*しょうならひょうし、 もつてきょうて、 またよくきょうによりてぎょうおこせば、 *さんしょうくもおのづからくことをかして、 さきはじめのといの 「うんみょうきょう」 のいっこたふ。

↢「仏告阿難」↡已下、正↧如来↢標依正↡、以↢経↡、又能↠経↠行、三障之雲自コトヲ↥、答↢前「云何名此経」一句↡。

三 Ⅱ 答前後問

^さん汝当にょとうじゅ」 より以下いげは、 さきのちといの 「うんじゅ」 のいっこたふ。

↢「汝当受持」↡已下、答↢前「云何受持」一句↡。

三 Ⅱ 比挍顕勝

^ぎょう三昧さんまいしゃ」 よりしもきょう憶念おくねん」 にいたるこのかたは、 まさしく*きょうけんしょうして、 ひとすすめてぎょうせしむることをかす。 すなはちそのあり。

↢「行此三昧者」↡下至↢「何況憶念」↡已来タハ、正↢比校顕勝、勧↠人奉行シムルコトヲ↡。即↢其四↡。

・標定善

^いちにはそうじてじょうぜんひょうしてもつて三昧さんまいつることをかす。

ニハ↧総↢定善↡以コトヲ↦三昧之名↥。

・見三身

^にはかんによりてしゅぎょうして、 すなはち三身さんしんやくかす。

ニハ↧依↠観修行、即↢三身↡之益↥。

・能行機

^さんにはかさねてよくきょうぎょうずるぐることをかす。

ニハ↣重コトヲ↢能↠教之機↡。

・勧帰依

^にはまさしくきょうけんしょうして、 ただ*三身さんしんみなくすらなほこう*罪ざいけんめっす、 いかにいはんやしょうねん帰依きえしてしょうざらんやといふことをかす。

ニハ↧比校顕勝、但聞クスラ↢三身之号↡尚滅↢多劫罪↡、何正念帰依而不ラムヤトイフコトヲ↞獲↠証也。

三 Ⅱ 念仏超絶

^にゃく念仏ねんぶつしゃ」 よりしもしょう諸仏しょぶつ」 にいたるこのかたは、 まさしく念仏ねんぶつ三昧ざんまい*のうちょうぜつして、 じつ*雑善ぞうぜんをもつてるいとなすことをるにあらざることをあらわす。 すなはちそのあり。

↢「若念仏者」↡下至↢「生諸仏家」↡已来タハ、正↣念仏三昧功能超絶、実コトヲ↢雑善ヲモテルニ↟為スコトヲ↢比類↡。即↢其五↡。

・専念弥陀

^いちにはもつぱら弥陀みだぶつみなねんずることをかす。

ニハ↣専コトヲ↢弥陀仏↡。

・讃能念人

^には能念のうねんひとさんすることをかす。

ニハ↣指↢讃コトヲ能念之人↡。

・喩分陀利

^さんにはもしよく相続そうぞくして念仏ねんぶつするものは、 このひとはなはだ*希有けうなりとなす、 さらにものとしてもつてこれにならぶべきなし。 ゆゑに*ふん陀利だりきてたとへとなすことをかす。

ニハ↧若相続念仏、此人甚↢希有ナリト↡、更↣物トシテ↢以ナラ↟之↢分陀利↡為コトヲ↞喩

・喩分陀利 【五種嘉誉】

^ふん陀利だり」 といふは、 にんちゅうこうづけ、 また希有けうづけ、 またにんちゅう上上じょうじょうづけ、 またにんちゅうみょうこうづく。 このはな相伝そうでんして*さいづくるこれなり。 もし念仏ねんぶつするものは、 すなはちこれにんちゅう好人こうにんなり、 にんちゅう*みょう好人こうにんなり、 にんちゅう上上じょうじょうにんなり、 にんちゅう希有けうにんなり、 にんちゅうさいしょうにんなり。

↢「分陀利」↡者、名↢人中好華↡、亦名↢希有華↡、亦名↢人中上上華↡、亦名↢人中妙好華↡。此華相伝↢蔡華↡是ナリ。若念仏、即是人中好人ナリ、人中妙好人ナリ、人中上上人ナリ、人中希有人ナリ、人中最勝人也。

・二尊常随

^にはもつぱら弥陀みだみなねんずるものは、 すなはち観音かんのんせいつねにしたがひて*ようしたまふこと、 また*しん*しきのごとくなることをかす。

ニハ↧専↢弥陀↡者、即観音・勢至常影護タマフコト、亦如クナルコトヲ↦親友知識↥也。

・当益

^にはこんじょうにすでにこのやくこうむりて、 しゃみょうしてすなはち*諸仏しょぶついえることをかす。 すなはちじょうこれなり。 かしこにいたりて、 じょうほうき、 りゃくようして、 *いんまどかにまんず。 どうじょう、 あにはるかならんや。

ニハ↧今生↢此↡、捨命コトヲ↦諸仏之家↥。即浄土是也。到↠彼、長時↠法、歴事供養、因円カニ果満。道場之座、豈ハルカナラムヤ

三 Ⅱ 付属流通【付属釈】

^ろく仏告ぶつごうなん汝好にょこう是語ぜご」 より以下いげは、 まさしく弥陀みだみょうごうぞくして、 *だいずうせしめたまふことをかす。 じょうらいじょうさんりょうもんやくくといへども、 *ぶつ本願ほんがんのぞむるに、 こころしゅじょうをして一向いっこうにもつぱら弥陀みだぶつみなしょうせしむるにあり。

↢「仏告阿難汝好持是語」↡已下、正↧付↢属弥陀名号↡、流↦通シメタマフコトヲ於遐代↥。上来雖↠説クト↢定散両門之益↡、望ルニ↢仏本願↡、意在↣衆生ヲシテ一向シムルニ↢弥陀仏↡。

三 Ⅱ 遇餐意躍

^しち仏説ぶっせつ此語しご」 より以下いげは、 まさしく*のうしょう能伝のうでんとうの、 いまだかざるところをき、 いまだざるところを、 たまたま*かんさんして、 *やくしてもつてみづからふることなきことをかす。

↢「仏説此語時」↡已下、正↧能請能伝等、聞↠所↠未↠聞、見↠所↠未↠見、遇↢甘露↡、憙躍キコトヲ↦以タフコト↥也。

結王宮流通分

^じょうらいしちどうありといへども、 ひろおう*通分ずうぶんしをはりぬ。

上来雖↠有↢七句不同↡、広↢王宮流通分↡竟

耆闍分【耆闍会】

【35】^*しゃのなかにつきて、 またそのさんあり。

↢耆闍会↡、亦有↢其三↡。

序分

^いち爾時にじそん」 より以下いげは、 しゃ*序分じょぶんかす。

↢「爾時世尊」↡已下、明↢耆闍序分↡。

正宗分

^爾時にじなん」 より以下いげは、 しゃ正宗しょうしゅうぶんかす。

↢「爾時阿難」↡已下、明↢耆闍正宗分↡。

流通分

^さんりょう諸天しょてん」 より以下いげは、 しゃ通分ずうぶんかす。

↢「無量諸天」↡已下、明↢耆闍流通分↡。

^じょうらいさんどうありといへども、 そうじてしゃぶんかしをはりぬ。

上来雖↠有↢三義不同↡、総↢耆闍分↡竟

結科【総結】

・序分

【36】^はじめに にょもん」 よりしもうんけん極楽ごくらくかいいたるこのかたは、 序分じょぶんかす。

↢「如是我聞」↡下至↢「云何見極楽世界」↡已来タハ、明↢序分↡。

・正宗分

^日観にっかんよりしもぼんしょういたるこのかたは、 正宗しょうしゅう分をかす。

↢日観↡下至↢下品下生↡已来タハ、明↢正宗分↡。

・得益分

^さんせつ是語ぜご」 よりしも諸天しょてん発心ほっしんいたるこのかたは、 *得益とくやくぶんかす。

↢「説是語時」↡下至↢「諸天発心」↡已来タハ、明↢得益分↡。

・流通分

^爾時にじなん」 よりしもだいとうかん」 にいたるこのかたは、 おう通分ずうぶんかす。

↢「爾時阿難」↡下至↢韋提等歓喜↡已来タハ、明↢王宮流通分↡。

・耆闍分

^爾時にじそん」 よりしもらい退たいいたるこのかたは、 そうじてしゃぶんかす。

↢「爾時世尊」↡下至↢「作礼而退」↡已来タハ、総↢耆闍分↡。

^じょうらいぶんどうありといへども、 そうじて ¬かんぎょう¼ いちもんしをはりぬ。

上来↠有↢五分不同↡、総↢¬観経¼一部文義↡竟

【結嘆】

【37】^ひそかにおもんみれば、 しんしゅうひがたくじょうようひがたし。 ˆしゃくそんはˇ *しゅをしてひとしくしょうぜしめんとほっす。 ここをもつてすすめて後代こうだいかしむ。 ただ如来にょらい*神力じんりき*転変てんぺんほうなり。 *隠顕おんけんしたがひておうにひそかにす。 ここにおいてしゃしょうじゅしょううたがいいだく。 ぶつ (釈尊)のちやま (*耆闍崛山)かえりたまふに、 きょううかがはず。 ときなん、 ためにおうじょうさんりょうもんぶ。 しゅこれによりておなじくきて、 ぎょうしてちょうだいせざるはなし。

レバ、真宗叵↠遇、浄土之要難↠逢。欲↠使メムト↢五趣ヲシテ↡。是シム↢於後代↡。但如来神力転変無方ナリ。隠顕随↠機王宮。於↠是耆闍聖衆、小智懐↠疑。仏後タマフニ↠山、弗↠闚↢委況↡。於↠時阿難、為↢王宮之化、定散両門↡。異衆因↠此、莫↠不ルハ↢奉行而頂戴↡。

後序【後跋】

【38】^うやまひて一切いっさいえん*しきとうにまうす。 はすでにこれしょうぼんなり。 智慧ちえ浅短せんたんなり。 しかるにぶっきょう*ゆうなれば、 あへてたやすく異解いげしょうぜず。 つひにすなはちしんひょうがんけっして、 *霊験れいげんしょうす。 まさにしんいたすべし。 *じんくうへん法界ほうかい一切いっさい三宝さんぽうしゃ牟尼むにぶつ弥陀みだぶつ観音かんのんせい、 かののもろもろのさつだい海衆かいしゅおよび一切いっさいしょうごんそうとう南無なもみょうしたてまつる。

↢一切有縁知識等↡。餘是生死凡夫ナリ。智慧浅短ナリ。然仏教幽微ナレバ、不↣敢↢異解↡。遂↠心↠願、請↢求霊験↡。方イタ↠心。南↢無帰↣命マツル尽虚空遍法界一切三宝、釈迦牟尼仏・阿弥陀仏・観音・勢至、彼菩薩大海衆及一切荘厳相等↡。

^それがし、 いまこの ¬かんぎょう¼ のよういだして、 *こんかいじょうせんとほっす。 もしさん諸仏しょぶつしゃぶつ弥陀みだぶつとうだいがんかなはば、 ねがはくはゆめのうちにおいて、 かみ所願しょがんのごとき一切いっさいきょうがい諸相しょそうることをしめたまへ。 仏像ぶつぞうまえにおいてがんけっしをはりて、 *日別にちべつに ¬弥陀みだきょう¼ をじゅすること三遍さんべん弥陀みだぶつねんずることさん万遍まんべんしんいたして発願ほつがんす。

某今欲↧出↢此¬観経¼要義↡、楷↦定ムト古今↥。若カナハ↢三世諸仏・釈迦仏・阿弥陀仏等大悲願意↡者、願クハ↢夢↡、得シメタマヘ↠見コトヲ↧如↢上所願↡一切境界諸相↥。於↢仏像↡結↠願、日別コト↢¬阿弥陀経¼↡三遍、念コト↢阿弥陀仏↡三万遍、至シテ↠心発願

^すなはちとうにおいて西方さいほうくうちゅうに、 かみのごとき諸相しょそうきょうがいことごとくみな顕現けんげんするをる。 雑色ざっしき宝山ほうせん百重ひゃくじゅうせんじゅうなり。 種々しゅじゅこうみょうしもらすに、 金色こんじきのごとし。 なかに諸仏しょぶつさつましまして、 あるいはし、 あるいはりゅうし、 あるいはし、 あるいはもくす。 あるいは身手しんしゅどうじ、 あるいはじゅうしてどうぜざるものあり。 すでにこのそうて、 がっしょうしてちてかんず。 ややひさしくしてすなはちめぬ。 めをはりて*ごんへず。

↢当夜↡、見↢西方空中、如↠上諸相境界悉皆顕現ルヲ↡。雑色宝山百重千重ナリ。種種光明、下、照スニ↢於地↡、地如↢金色↡。中シテ↢諸仏・菩薩↡、或、或。或↢身手↡、或↠動アリ。既↢此↡合掌チテヤヤクシテ。覚不↠↢欣喜↡。

^すなはち ˆこのかんぎょうのˇ *もんじょうろくす。 これより以後いごまいゆめのうちにつねにいちそうありて、 きたりて*げんもんじゅす。 すでにおわりて、 さらにまたえず。 のちとき*脱本だっぽんしをはりて、 またさらにしんいたして七日しちにちようして、 日別にちべつに ¬弥陀みだきょう¼ をじゅすること十遍じっぺん弥陀みだぶつねんずることさん万遍まんべん*しょ後夜ごやにかのぶつこくしょうごんとうそう観想かんそうして、 じょうしんみょうすることもつぱらかみほうのごとくす。

ココ条↢録↡。自↠此已後、毎夜↢一僧↡而来指↢授玄義科文↡。既リテ、更不↢復見↡。後脱本竟已 ヲハリ 、復更シテ↠心要↢期七日↡、日別コト↢¬阿弥陀経¼↡十遍、念コト↢阿弥陀仏↡三万遍、初夜・後夜観↢想国土荘厳等↡、誠心帰命コトクス↢上↡。

^とうにすなはちらく、 *さん磑輪がいりんみちほとりひとてんず。 たちまちに一人いちにんありて、 しろらくりてまえきたりてまみえてすすむ。 「まさにつとめてけつじょうしておうじょうすべし、 退転たいてんをなすことなかれ。 このさかいあくにしておおし。 いたわしく*とんぎょうせざれ」 と。 こたへていはく、 「おおきに賢者けんじゃ*好心こうしん視誨じげこうむれり。 それがしひつみょうとなして、 あへて*まんしんしょうぜず」 と。

当夜ラク、三具磑輪、道。忽↢一人↡、乗↢白駱駝↡来↠前マミエ。師当努力ツトメテ決定往生↡、莫↠作コト↢退転↡。此穢悪ニシテ↠苦。不レトイタハシ貪楽↡。答、大レリ↢賢者好心視誨↡。某畢命↠期、不↣敢↢於懈慢之心↡。

^だいらく、 弥陀みだぶつしんしん金色こんじきにして、 七宝しっぽうじゅもとこんれんうえにましましてしたまへり。 十僧じっそうにょうして、 またおのおのいち宝樹ほうじゅもとせり。 仏樹ぶつじゅうえにすなはちてんありて、 かかめぐれり。 おもてただしくし西にしかへて、 がっしょうしてしてかんず。

第二夜ラク、阿弥陀仏真金色ニシテ、在シテ↢七宝樹下、金蓮華↡坐タマヘリ。十僧囲遶、亦各セリ↢一宝樹↡。仏樹↢天衣↡、カカレリ。正クシ↠面↠西、合掌

^第三だいさんらく、 ふたつ*幢杆どうかんきはめておおきにたかあらわれて、 はたかかりてしきなり。 どうじゅうおうにして、 ひとることさわりなし。

第三夜ラク、両幢杆極、幡懸五色ナリ。道路縦横ニシテ、人観コト↠礙。

^すでにこのそうをはりて、 すなはち休止くしして七日しちにちいたらず。

得↢此↡已、即便休止不↠至↢七日↡。

^じょうらいのあらゆる*霊相れいそうは、 本心ほんしん*もののためにしてしんのためにせず。 すでにこのそうこうむれり。 あへて*隠蔵いんぞうせず、 *つつしみてもつてのちあらわして、 くことを末代まつだいこうむらしむ。 ねがはくは*含霊がんれいのこれをくものをしてしんしょうぜしめ*しきるものをして西にしせしめん。 このどくをもつてしゅじょう*回施えせす。 ことごとく*だいしんおこして、 しんをもつてあひかひ、 仏眼ぶつげんをもつてあひだいまで眷属けんぞくとしてしんぜんしきとなりて、 おなじくじょうこくし、 ともに仏道ぶつどうじょうぜん。

上来所有霊相者、本心為ニシテ↠物不↠為ニセ↢己身↡。既レリ↢此↡。不↢敢隠蔵↡、謹ミテ↢呈↡、被シム↢聞コトヲ末代↡。願クハ使メム↢含霊クモノヲシテ↠之シメ↠信、有識ヲシテ西↡。以↢此功徳↡廻↢施衆生↡。悉↢菩提心↡、慈心ヲモテ、仏眼ヲモテ看、菩提マデ眷属トシテ↢真善知識↡、同↢浄国↡、共ゼム↢仏道↡。

^このすでにしょうひてさだめをはりぬ。 いっいちげんすべからず。 うつさんとほっするものは、 もつぱらきょうぼうのごとくすべし、 るべし。

義已↠証。一句一字不↠可↢加減↡。欲↠写ムト、一クスベシ↢経法↡、応↠知

かんぎょう散善さんぜん かんだい

 

仁義礼智信 儒教に説く五種の倫理徳目。 じょうのこと。
具受不具受 五戒のすべてを受けることと、 その一部分を受けること。
具持不具持 戒のすべてをたもつことと、 その一部分をたもつこと。
大乗心 だいじょうだいしん
機の堪と不堪とを簡ぶ 行者が行ずるにえるか堪えないかを区別するという意。
この義… 十一門の義は、 九品それぞれの文についてみると、 すべてそろっているものと、 そろっていないものとがあるということ。
隠顕 文の表に顕れたものと裏に隠れたもの。 善導ぜんどう大師の隠顕は、 ともに真実の説意で、 親鸞聖人が 「化身土文類」 でいわれるような真仮 (真実・方便) を分別する意味ではない。
先づ挙げ… まず九品各位の名を挙げ、 次にその相を述べ、 終りに文を結ぶ。善導大師は九品のすべてにこの三科があるとする。
有生の類 往生を得る機類。
発心 じょうしん深心じんしんこう発願心ほつがんしんの三心をおこすこと。
かならず…得ざれ 親鸞聖人は 「かならず真実心のうちになしたまへるをもちゐんことを明かさんとおもふ。外に賢善精進の相を現ずることを得ざれ、 内に虚仮を懐いて」 (信文類訓) と読まれた。
貪瞋邪偽奸詐百端 むさぼり、 いかり、 よこしまな心、 いつわりの心が無数にあり、 絶えず起ること。
日夜十二時 一日中。
走り 親鸞聖人は 「もとめ」 (信文類訓) と読まれた。
因中 いんの時。 法蔵ほうぞうさつであった時。
おほよそ…真実なるに 親鸞聖人は 「おほよそ施したまふところ趣求をなす。 またみな真実なり」 (信文類訓) と読み、 如来の回施えせされた真実をもちい (受領し) て、 浄土を趣求 (願生) するという意味に転じられた。
施為趣求 しゅじょうに施しを行う利他 (施為) と、 さとりを求める自利 (趣求) のこと。
制捨 とどめ捨て去ること。
毀厭 厭いきらうこと。
不善の…捨つべし 親鸞聖人は 「不善の三業はかならず真実心のうちに捨てたまへるをもちゐよ」 (信文類訓) と読まれた。
またもし善の…名づく 親鸞聖人は 「またもし善の三業を起さば、 かならず真実心のうちになしたまへるを須ゐて、 内外明闇を簡ばず、 みな真実を須ゐるがゆゑに至誠心と名づく」 (信文類訓) と読まれた。
内外明闇 内心と外相、 智明と愚闇のこと。
 てがかり。
智行 智慧ちえと修行。
学地 まだ学ぶべきことの残っている修行中の地位。 これに対して、 煩悩ぼんのうを断じて学ぶべきもののない位を無学地という。
正習の二障 しょう使じっのさわり。
果願 仏果を求める願。
平章 道理を正しく明らかにすること。
如是如是 そのとおりそのとおり。
了教 真実を完全に説きあらわしている教え。 →りょう
専注奉行 心を専一にして行 (念仏) を修すること。
不相応の教 仏の意にかなわない教え。
惑障 煩悩ぼんのうの障害。
怯退 おそれて退くこと。
処別 場所が異なっていること。
対機別 教えの対象となる人の資質や能力が異なっていること。
機に備ふ 教えの対象となる人の資質や能力にあわせる。
地前の菩薩 しょの位以前の菩薩。 菩薩五十二位の修道階位のうち十地じゅうじの階位以前の十信じっしん十住じゅうじゅう十行じゅうぎょうじゅうこうの四十位を指していう。 →さつ
初地以上十地以来 第一かん喜地ぎじから第十法雲ほううんまでの十地の菩薩。 →さつ
決了 けつじょう了解りょうげの略。 真実をはっきりと了解して不確かなことが少しもないこと。
報仏 報身ほうじんの仏。
回願 浄土を願生すること。
十行 ここでは十善じゅうぜんを修し行うことを指して十行という。
推験 おしはかること。
所化 教化されるところ。
舌相を出して 仏の説くところがもうでないというしょうじょうの意を示す。
時節の久近 時間の長短。
往生経 ¬大経¼ ¬観経¼ ¬小経¼ を指す。
二報荘厳 しょう二報にほうの荘厳相。
礼誦等 五正行ごしょうぎょうのうちの称名以外のぎょうごう読誦どくじゅかんざつ礼拝らいはい讃嘆さんだんよう助業じょごうをいう。
間断 とだえること。
世出世の善根 世間の善 (世福せふく) と出世間の善 (かいふく行福ぎょうふく) のこと。 →三福さんぷく
かならず…想をなすべし 親鸞聖人は 「かならず決定して真実心のうちに回向したまへる願をもちゐて得生の想をなせ」 (信文類訓) と読まれた。
得生の想 かならず浄土に往生できるという想い。
道より落ちて 白道より退転して。 「道に落ちて」 と読めば、 悪道に落ちるという意になる。
繋属 つなぎとめること。
稟識 心のはたらきを有するもの。 じょうしゅじょうに同じ。
載養 草木などをせて育成すること。
生潤 うるおし育てること。
成壊 ものを熟成させたり、 ほろぼしたりすること。
待対の法 相対してはたらくもの。
有縁の要行 自分の素質能力にかなった肝要な方法。
 学解のこと。 仏教の学問的理解。
凡・聖 ぼん、 聖者。
中路 途中。
空曠のはるかなる処 なにもなくてどこまでも広がっている場所。
辺畔 ほとり。 際限。
むしろ 原漢文は 「寧」 の字。 親鸞聖人は 「やすく」 (信文類訓) と読まれた。
空迥の沢 広々とした野原のこと。
瞋憎 いかりと憎しみ。
 かすか。
愛心 愛し執着する心。
瞋嫌 いかりきらう心。
妄りに…喩ふ 親鸞聖人は 「妄りに見解をもってたがひにあひ惑乱し、 およびみづから罪を造りて退失すと説くに喩ふるなり」 (信文類訓) と読まれた。
見解 自説。
みづから纏ひて 自らの業に縛りつけられて。 迷っての意。
生死に回入して 生死りんの迷いの世界にもどって。
簡ぶ 区別する。
 行善のこと。
慈下の行 しもを慈しむ行為。
小戒 小乗の戒。
大心大行 大乗の心、 大乗の行。
性習 習慣によってできた性質。
三仏 法身ほっしん報身ほうじん応身おうじんのこと。
薫成 香気を移すように、 他のものにその性質を移し付けること。
修行六念 六念ろくねんの行を修習すること。
身財 身命と財産。
前賢後聖 前世 (過去) の賢者や後世 (未来) の尊い聖者・菩薩たち。
最後身十地の菩薩 等覚とうがくの位の菩薩。
三祇の劫 三大阿僧祇劫のこと。 菩薩が修行して仏になるまでに経なければならないというきわめて長い時間をいう。
潅頂の位 菩薩の第十地の位。 菩薩が第十地に入るとき、 諸仏がその頂にかん (香水) を潅いで法王の職を授けるしるしとするところから潅頂という。
無際 無始。 その始めもわからない遠い過去。
大地微塵 大地を微塵 (物質の最小単位) にくだいたほどの数という意。
虚然 むなしくうつろであること。
重昏 暗闇。
思忖 思いはかること。
時節の延促 時間の長短。
上の二 しん不殺ふせつ読誦どくじゅだいじょう
下の二 読誦大乗と修行六念。
人の皮を着たる畜生 →補註8
所帰の国を… 帰するところの浄土を定めること。
陀羅尼門 陀羅尼は梵語ダーラニー (dhāraṇī) の音写。 総持、 能持などと漢訳する。 種々の善法を保持し、 悪法をおこさせない力のこと。 門は法門、 教えのこと。
本国他方 本国は極楽、 他方は極楽以外の世界を指す。
凡聖明闇 ぼんと聖者、 智者と愚者のこと。
体性 本性。
世出世 世間 (世俗) と出世間 (世間を超えた仏法の世界)。
疑謗 疑いそしること。
所帰 西方の浄土のこと。
本所修の業 往生する以前に修めた善根ぜんごんどく
他方の得益 極楽以外の世界で得るやくのこと。
歴供 りゃくようの略。
延時の得忍 後の時にしょう法忍ぼうにんを得ることを指す。 経の文には、 「一小劫を経て無生忍を得」 とある。
罪業 →補註6
間断 とだえること。
疑謗 疑いそしること。
本所修 本所修の業のこと。 往生する以前に修めた善根ぜんごんどく
霊儀 (仏聖者来迎の) 尊いありさま。
篭々 華の中に含まれているさま。
他方の得益 極楽以外の世界で得るやくのこと。
後益 往生後に得る利益。
上行上根の人 高度の行を修める根機のすぐれた人。 →こん
五門 念門ねんもんのこと。
六塵を出づ 迷いの境界を離れ出る。 →六塵ろくじん
無為法性の身 すべての限定を超えたさとりの身。
機の堪と不堪とを簡ぶ 行者が行ずるにえるか堪えないかを区別するという意。
延促 長短。
機の堪と不堪とを簡ぶ 行者が行ずるにえるか堪えないかを区別するという意。
小戒 小乗の戒。
余 他の罪や過ち。
改悔 悔いあらためること。
第二の戒善の福 戒福のこと。 →三福さんぷく
長征遠防 遠方へ出征することや、 遠国へ防備におもむくこと。
迥然 (俗事に) はるかに遠ざかっていること。
去住 ゆくもとどまるもの意。
道業 仏道のぎょうごう
羅漢の果 阿羅漢果のこと。 →阿羅あらかん
内有色外観色 内身のむさぼりを除くために、 外界の不浄を観じ内身の貪りの心を離れる禅定ぜんじょうはちだつの第一。
内無色外観色 内身への貪りはないが、 さらに外界の不浄を観じて、 貪りの心を捨てることを一層堅固にする禅定。 八解脱の第二。
不浄相 不浄相を除いて浄色を観じ、 貪りの心を離れる禅定で、 普通は浄解脱という。 八解脱の第三。
四空 しきかいの四種の禅定。 くう辺処へんしょじょうしき辺処へんしょじょうしょしょじょうそう非非ひひ想処そうしょじょうのこと。
滅尽 滅尽定。 心のはたらきをすべて滅し尽したぜんじょう
初果 須陀洹果 (預流果よるか) のこと。 →須陀洹しゅだおん
初福の第一第二の句 第一句は 「きょうよう父母ぶも」 第二句は 「奉事ぶじちょう」 を指す。
悕求 ねがいもとめること。
分斉 区切り。
得生の益 往生浄土を得るやく
中行中根の人 中度の行を修める根機の中程度の人。 →こん
小真 小乗のさとり。
機の堪と不堪とを簡ぶ 簡機に同じ。
延促 長短。
愧心 罪や過ちを恥じる心。
往生の善知識 往生浄土を勧める善知識。 以下の善人・智者もこれに同じ。 →ぜんしき
十二部 →じゅう二部にぶきょう
餐受の心 教えを受け入れる心。
心重きによるがゆゑに 心が落ち着き、 統一されているので。
化衆 化仏・化菩薩衆。
化讃 化仏の讃嘆さんだん
聞経 経典の名を聞くこと。
雑散の業 散乱心のままで行ずる雑行ぞうぎょうのこと。
諸部 ¬大経¼ ¬小経¼ およびその他諸々の大乗経を指す。
要益 肝要にして有益なことの意。
報命 寿命のこと。
百法の位 ひゃっぽうみょうもんの位。
僧物 出家教団に属する財物・物資。
愧心 罪や過ちを恥じる心。
善悪来迎 下品中生者は臨終に地獄の苦相が現れ、 次いで聖者の来迎があるので、 善 (楽) 悪 (苦) 来迎という。
善人 ぜんしきのこと。
化衆 化仏・化菩薩衆。
梵声 きよらかな音声。
酬報の劫… 悪業の報いを受ける時がきわまりないこと。
簡びて 区別して。
抑止門 抑止はおさえとどめること。 謗法・五逆は重罪であるから、 しゅじょうがこれを犯さないようにおさえとどめて説かれた法門。
歴劫周慞 幾劫にもわたって苦しみうろたえること。
経にのたまはく ¬悲華ひけきょう¼ ¬はんぎょう¼ ¬報恩ほうおんぎょう¼ および ¬観仏かんぶつきょう¼ からの取意の文とみられる。
三禅に入れる楽 色界しきかい第三禅天の快楽のこと。 ぎょうしゃしょうねんしょう受楽じゅらくじょうの五があるという。 この快楽は三界さんがいの中で最もすぐれているので、 浄土の楽を示す喩えとされる。
現益 現前に受けるやく
善人 ぜんしきのこと。
失念 しょうねんを失うこと。
所帰の国 西方浄土を指す。
勝心 だいしんのこと。
下行下根の人 悪を行う根機の劣った人。 →こん
偸僧 僧祇物そうぎもつ (出家教団に属する財物・物資) を盗むこと。
謗正法 →ほうしょうぼう
往生の善知識 往生浄土を勧める善知識。 →ぜんしき
韋提の致請 だい懇請こんせいのこと。
正宗分 その経の本論となる部分。
得益分 その経の教えによってやくを得ることを示す部分。
無生の益 無生法忍むしょうぼうにんの利益。
無上の心 仏果を求めるこの上ないだいしん
尊記 釈尊による往生の保証。
厭苦の縁 序文じょぶんほっじょの一段。 韋提希が苦悩の穢土えどを厭う因縁いんねん
釈梵護世の諸天 帝釈天たいしゃくてん梵天ぼんてん・護世の四天王してんのうなどをいう。
毫光 びゃくごうより放たれるこうみょう
霊儀 尊くすぐれた姿。
定散両門 じょうぜん散善さんぜんの行法。
希奇の益 すぐれたやく
無上の心 仏果を求めるこの上ないだいしん
凡惑 ぼんのこと。
餐を蒙る (教えを) 受け入れる。
王宮の流通 仏が王舎おうしゃじょうなんだいのために説法した会座での付属のこと。
耆闍の流通 阿難が耆闍崛ぎしゃくっせんの大衆のために再説した会座での付属のこと。
比校顕勝 比較してすぐれていることをあらわし示すこと。
三身の号 弥陀・観音・勢至の名のこと。
功能 作用。 はたらき。
希有 きわめてまれであること。
分陀利 →ふん陀利華だりけ
諸仏の家 阿弥陀仏の浄土のこと。
因円かに果満ず 成仏のいんが満足する。
遐代 はるか後の世。
仏の本願に望むるに意 「仏の本願の意を望まんには」 と読む説もある。 この場合の 「意」 は本願に属すが、 本文の場合は釈尊の意となる。
能請能伝 法を請うものと、 法を伝えるもの。 ここでは、 能請はだい、 能伝はなんを指す。
喜躍 踊りあがるほど喜ぶこと。
流通分 その経の教えを伝持流通することを勧める部分。
耆闍会 耆闍分。 なん闍崛山しゃくっせんの大衆のために王宮での説法を再説した会座。
得益分 その経の教えによってやくを得ることを示す部分。
五趣 悪趣あくしゅの略。
転変無方 自由自在で定まりのないこと。
隠顕 ここでは、 人に応じて仏のすがたが隠れたり現れたりするという意。
知識 ここでは同行、 法友の意。
霊験 不可思議なしるし。
古今を楷定せんと欲す 楷は手本、 基準の意。 ¬観経¼ 解釈の正しい基準を定め、 古今の諸師の ¬観経¼ に対する誤解をただそうと思う。
欣喜 深くよろこぶこと。
義門 ¬観経¼ の法義を明らかに領解りょうげするための教義の分類のこと。
玄義の科文 奥深い教義についての科文、 科段のこと。 また 「玄義・科文」 と読んで、 「玄義分」 と 「文義分」 (序分義・定善義・散善義) のこととする説もある。
脱本しをはりて 脱稿して。 書きおえて。
初夜後夜 初夜は午後八時頃、 後夜は午前四時頃。 両者をあわせて、夜を通じてというほどの意。
三具の磑輪 三つの石臼。 釈尊の転法輪てんぽうりんの相 (三転法輪)、 じょうさん・念仏・来迎らいこうさん、 弥陀の身口意しんくい三業さんごう至誠しじょうしん深心じんしんこう発願心ほつがんしんの三心などに当てる説がある。
貪楽 むさぼりねがうこと。
好心の視誨 好意のこもった教え。 好意ある教訓。
懈慢 懈怠心けだいしん (なまけ心) や憍慢心きょうまんしん (あなどり)。
幢杆 はたざお。
霊相 不思議な様相。
隠蔵 おおいかくすこと。
つつしみて… (上の霊相のことは) 謹んで ¬観経疏¼ の末尾に書き添えて、 末代の者にまで聞かせたい。
有識 心のはたらきを有するもの。 有情、 衆生に同じ。
底本は◎高田派専修寺蔵鎌倉時代刊本。 Ⓐ大谷大学蔵鎌倉時代刊本、 Ⓑ龍谷大学蔵(写字台旧蔵)室町時代刊本、 Ⓒ本派本願寺蔵版¬七祖聖教¼所収本 と対校。 ª全部対校º 辯→Ⓒ辨
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