標挙

*りょう寿じゅぶつかんぎょうこころなり

*しん発願ほつがんがん *じゃじょうじゅ *双樹そうじゅりんおうじょう

*弥陀みだきょうこころなり

*しんこうがん *じょうじゅ *なんおうじょう

 

題号

けんじょう方便ほうべんしん文類もんるい 六

*禿とくしゃく*親鸞しんらんしゅう

門内の方便を明かす
  正しく方便を明かす
    総じて身土を指す【総釈】
     

【1】 ^つつしんで*しんあらわさば、

↢化身土

一 Ⅰ ⅰ
        仏を指す

^ぶつは ¬りょう寿じゅぶつかんぎょう¼ のせつのごとし*真身しんしんかんぶつこれなり。

仏者如↢¬无量寿仏観経¼説↡、真身観仏是也。

一 Ⅰ ⅰ b 土を指す

^*¬*かんぎょう¼ のじょうこれなり。 また ¬*さつ処胎しょたいきょう¼ とうせつのごとし、 すなはち*まんがいこれなり。 また ¬*だいりょう寿じゅきょう¼ のせつのごとし、 すなはち*じょうたいこれなり

土者¬観経¼浄土是也。復如↢¬菩薩処胎経¼等↡、即オコタリ アナドル界是也。亦如↢¬大无量寿経¼説↡、即疑城胎宮是也。

一 Ⅰ 別して二願を釈す
      第十九願を釈す【要門釈】
        直明【説意出願】
          (一)施権の意を明かす
            (Ⅰ)所被を明かす

【2】 ^しかるに*じょく*群萌ぐんもう*あく含識がんしきいまし*じゅうしゅ邪道じゃどうでて、 *半満はんまん権実ごんじつ法門ほうもんるといへどもしんなるものははなはだもつてかたく、 じつなるものははなはだもつてまれなり。 *なるものははなはだもつておおく、 なるものははなはだもつてしげし。

濁世群萌、穢悪含識、乃↢九十五種之邪道↡、雖↠入ルト↢半満・権実之法門↡、真ナル、実ナルナリ。偽ナル、虚ナル

一 Ⅰ ⅱ a イ (一)(Ⅱ)正しく施権を明かす

^ここをもつて*しゃ牟尼むにぶつ*福徳ふくとくぞう顕説けんぜつして*ぐんじょうかい誘引ゆういん*弥陀みだ如来にょらいもと*誓願せいがんおこしてあまねく*しょかいしたまふ。

釈迦牟尼仏、顕↢説福徳蔵↡誘↢引群生海↡、阿弥陀如来、本発↢誓願↡普タマフ↢諸有海↡。

一 Ⅰ ⅱ a イ (二)悲願の目を示す
            (Ⅰ)行に約す

^すでにして*がんいます。 *しゅしょどくがん (第十九願)づく、

シテイマ↢悲願↡。名↢修諸功徳之願↡、

一 Ⅰ ⅱ a イ (二)(Ⅱ)行信の益を明かす

^またりんじゅう現前げんぜんがんづく、 また現前げんぜんどうしょうがんづく、 また来迎らいこういんじょうがんづく

復名↢臨終現前之願↡、復名↢現前導生之願↡、復名↢来迎引接之願↡、

一 Ⅰ ⅱ a イ (二)(Ⅲ)信に約す

^また*しん発願ほつがんがんづくべきなり。

亦可↠名↢至心発願之願↡也。

一 Ⅰ ⅱ a 引文
          (一)直ちに諸行往生を顕して誘引の願意を示す
            (Ⅰ)能入の因を明かす
              (ⅰ)因願を出す
                (a)¬大経¼

【3】 ^ここをもつて ¬*だいきょう¼ (上)がん (第十九願) にのたまはく、

¬大経¼願

^たとひわれぶつたらんに、 *十方じっぽう*しゅじょう*だいしんおこし、 *もろもろのどくしゅし、 こころいた*発願ほつがんしてわがくにしょうぜんとおもはん。 寿じゅじゅうときのぞんで、 たとひ大衆だいしゅ*にょうしてそのひとまえげんぜずは、 *しょうがくらじ」 と。

我得タラムニ↠仏、十方衆生、発↢菩提心↡、修↢諸功徳↡、至↠心発願ハム↠生ゼムト↢我↡。臨↢寿終↡、仮令不↧↢大衆↡囲遶↦其↥者、不↠取↢正覚↡。」

一 Ⅰ ⅱ a ロ (一)(Ⅰ)(ⅰ)(b)¬悲華経¼

【4】 ^¬*悲華ひけきょう¼ の 「*だいぼん」 にのたまはく、

¬悲華経¼大施品

^ねがはくは、 われ*のく多羅たらさんみゃくさんだいりをはらんに、 そのりょうへん*そう諸仏しょぶつかいしょしゅじょう、 もし*のく多羅たらさんみゃくさんだいしんおこし、 もろもろの*善根ぜんごんしゅして、 わがかいしょうぜんとおもはんもの、 *りんじゅうとき、 われまさに大衆だいしゅにょうして、 そのひとまえげんずべし。 そのひと、 われをて、 すなはちわがまえにしてこころかんん。 われをるをもつてのゆゑに、 もろもろのしょうはなれてすなはちててわがかいらいしょうせしめん」 と。

「願クハ我成↢阿耨多羅三藐三菩提↡已ムニ、其无量无辺阿僧祇諸仏世界所有衆生、若↢阿耨多羅三藐三菩提心↡、修↢諸善根↡、欲ハム↠生ゼムト↢我、臨終之時、我当↢大衆↡囲繞↦其↥。其人見↠我、即↢我↡得↢心歓喜↡。以↠見ルヲ↠我、離↢諸障閡↡、即便テヽ↠身来↢生シメムト↡。」

一 Ⅰ ⅱ a ロ (一)(Ⅰ)(ⅱ)成就を指す

【5】 ^このがん (第十九願) じょうじゅもんは、 すなはち*三輩さんぱいもんこれなり、 ¬かんぎょう¼ の*じょうさん*ぼんもんこれなり。

願成就文者、即三輩文是也、¬観経¼定散九品之文是也。

一 Ⅰ ⅱ a ロ (一)(Ⅱ)所入の土を明かす
              (ⅰ)¬大経¼

【6】 ^また ¬だいきょう¼ (上) にのたまはく、

又¬大経¼言

^また*りょう寿じゅぶつのその*どうじょうじゅは、 たかひゃくまんなり、 そのもとしゅうじゅう*じゅんなり、 ようよもきてじゅうまんなり。 一切いっさい衆宝しゅぼうねんごうじょうせり。 *月光がっこう摩尼まに*かい輪宝りんぼう衆宝しゅほうおうたるをもつて、 これをしょうごんせり。

「又无量寿仏道場樹、高四百万里ナリ、其本周囲五十由旬ナリ、枝葉ヨモ二十万里ナリ。一切衆宝自然合成セリ。以↢月光摩尼・持海輪宝衆宝之王タルヲ↡而荘↢厳↡。

^*なん、 もしかのくに*人天にんでん、 このるものは*さん法忍ぼうにんん。 ひとつには*音響おんこうにんふたつには*柔順にゅうじゅんにんつには*しょう法忍ぼうにんなり。 これみなりょう寿じゅぶつ*じんりきのゆゑに、 *本願ほんがんりきのゆゑに、 *満足まんぞくがんのゆゑに、 *明了みょうりょうがんのゆゑに、 *けんがんのゆゑに、 *きょうがんのゆゑなりと。

阿難、若人天見↢此↡者三法忍↡。一者音響忍、二者柔順忍、三者无生法忍ナリ。此皆无量寿仏威神力、本願力、満足願、明了願、堅固願、究竟願ナリト

^また*講堂こうどう*しょうじゃ*殿でん楼観ろうかん、 みな*七宝しっぽうをもつて*しょうごんし、 ねんじょうせり。 また真珠しんじゅ*みょうがつ摩尼まに衆宝しゅぼうをもつて、 もつて*きょうとす、 そのうえがいせり。

又講堂・精舎・宮殿・楼観、皆七宝ヲモテ荘厳、自然化成セリ。復以↢真珠・明月摩尼衆宝↡、以為↢交露↡、覆↢蓋セリ↡。

^ない左右さうにもろもろのよくあり。 じゅうじゅん、 あるいはじゅうさんじゅうないひゃくせんじゅんなり。 *じゅうこう深浅じんせんおのおのみな*一等いっとうなり。 *はっどくすい*湛然たんねんとして盈満ようまんせり、 清浄しょうじょう香潔こうけつにしてあじはひ*かんのごとし」 と。

内外左右↢諸浴池↡。十由旬、或二十、三十、乃至百千由旬ナリ。縦広深浅、各皆一等ナリ。八功徳水、湛然トシテ盈満セリ、清浄香潔ニシテ味如シト↢甘露↡。」

一 Ⅰ ⅱ a ロ (二)真仮の得失を対弁して廃立の仏意を示す
            (Ⅰ)経説
              (ⅰ)¬大経¼

【7】 ^またのたまはく (大経・下)

^「ªそれ*たいしょうのものは、 しょするところの殿でんあるいはひゃくじゅん、 あるいはひゃくじゅんなり。 おのおのそのなかにして、 もろもろのらくくること*とうてんじょうのごとし。 またみなねんなりº と。

「其胎生、所↠処宮殿、或百由旬、或五百由旬ナリ。各↢其↡、受コト↢諸快楽↡如↢忉利天上↡。亦皆自然ナリ

^そのときに、 慈氏じしさつ (*ろく)ぶつにまうしてまうさく、 ª*そん、 なんのいんなんのえんあつてか、 かのくに人民にんみんたいしょう*しょうなるº と。

慈氏菩薩白↠仏、世尊、何因何アテカ人民、胎生・化生ナルト

^ぶつ慈氏じしげたまはく、 ªもししゅじょうありて、 わくしんをもつてもろもろのどくしゅして、 かのくにしょうぜんとがんぜん。 *ぶっ思議しぎ不可ふかしょうだいじょうこうとうりんさいじょうしょうさとらずして、 このしょにおいてわくしてしんぜず。 しかも、 なほ*罪福ざいふくしんじて、 *善本ぜんぽんしゅじゅうして、 そのくにしょうぜんとがんぜん。

仏告タマハク↢慈氏↡、若↢衆生↡、以↢疑惑↡修↢諸功徳↡、願↠生ムト↢彼↡。不シテ↠了↢仏智・不思議智・不可称智・大乗広智・无等无倫最上勝智↡、於↢此諸智↡疑惑不↠信。然猶信↢罪福↡、修↢習善本↡、願↠生ムト↢其↡。

^このもろもろのしゅじょう、 かの殿でんしょうじて、 寿いのちひゃくさい、 つねにぶつたてまつらず、 きょうぼうかず、 *さつ*しょうもんしょうじゅず。 このゆゑにかのこくにはこれをたいしょうといふ。

衆生、生↢彼宮殿↡、寿五百歳、常不↠見マツラ↠仏、不↠聞↢経法↡、不↠見↢菩薩・声聞聖衆↡。是国土ニハ ↢之胎生↡。

^ろくまさにるべし、 かのしょうのものは智慧ちえすぐれたるがゆゑに。 そのたいしょうのものはみな智慧ちえなきなりº と。

弥勒当↠知、彼化生智慧勝タルガ。其胎生皆无キナリ↢智慧↡。

^ぶつろくげたまはく、 ªたとへば*転輪てんりんじょうおうのごとし。 七宝しっぽう牢獄ろうごくあり。 種々しゅじゅしょうごん*床帳じょうちょうちょうせつし、 もろもろの*繒幡ぞうばんけたらん。 もしもろもろのしょうおうつみおうたらん、 すなはちかのごくのうちにれて、 つなぐに*こんをもつてせんº と。

仏告タマハク↢弥勒↡、譬↢転輪聖王↡。有↢七宝牢獄↡。種種荘厳張↢設床帳↡、懸タラム↢諸繒幡↡。若小王子、得タラム↢罪於王↡、輒↢彼↡、繋グニテセム↢金鎖↡。

^ぶつろくげたまはく、 ªこのもろもろのしゅじょう、 またまたかくのごとし。 ぶっわくするをもつてのゆゑに、 かのたいうまれん。

仏告タマハク↢弥勒↡、此衆生、亦復如↠是。以↣疑↢惑ルヲ仏智↡故↢彼胎宮↡。

^もしこのしゅじょう、 その*もとつみりて、 ふかくみづから*しゃくしてかのところはなるることをもとめん。

衆生、識↢其↡、深悔責↠離コトヲ↢彼↡。

^ろくまさにるべし、 それさつありてわくしょうぜば、 だいしっすとすº」 と。 以上抄出

弥勒当↠知、其↢菩薩↡生↢疑惑、為↠失スト↢大利↡。」 已上抄出

一 Ⅰ ⅱ a ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)¬如来会¼

【8】 ^¬*如来にょらい¼ (下) にのたまはく、

¬如来会¼言

^ぶつろくげたまはく、 ªもししゅじょうありて、 *疑悔ぎけしたがひて善根ぜんごん積集しゃくじゅうして、 ぶっ*へん思議しぎ*とう*とく*広大こうだい希求けぐせん。 みづからの善根ぜんごんにおいてしんしょうずることあたはず。 この因縁いんねんをもつて、 ひゃくさいにおいて殿でんのうちにじゅうせん。

「仏告タマハク↢弥勒↡、若↢衆生↡、随↢於疑悔↡積↢集善根↡、希↢求仏智・普徧智・不思議智・无等智・威徳智・広大智↡。於善根↡不↠能↠生コト↠信。以↢此因縁↡、於五百歳↢宮殿↡。

^いっ (弥勒)なんぢ*しゅしょうのものをかんずるに、 かれはこうちからによるがゆゑに、 *かのれんのなかにしょうすることをけて*けっ趺坐ふざせん。 なんぢ*れつともがらかんずるに、 もろもろのどくしゅじゅうすることあたはず。 ゆゑに*いんなくしてりょう寿じゅぶつ奉事ぶじせん。 このもろもろのひとは、 みなむかしえん疑悔ぎけをなしていたすところなればなりº と。

阿逸多、汝観ズルニ↢殊勝智↡、彼↢広慧↡故、受↣彼化↢生コトヲ↡結跏趺座セム。汝観ズルニ↢下劣之輩↡、 不↠能↣修↢習コト功徳↡。故シテ↠因奉↢事无量寿仏↡。是人等、皆ナシ↢昔縁疑悔↡所ナレバナリト↠致

^ぶつろくげたまはく、 ªかくのごとし、 かくのごとし。 もし疑悔ぎけしたがひて、 もろもろの善根ぜんごんゑて、 ぶっない広大こうだい希求けぐすることあらん。 みづからの善根ぜんごんにおいてしんしょうずることあたはず。 ぶつみなくによりて*信心しんじんおこすがゆゑに、 かのくにしょうずといへども、 れんのうちにしてしゅつげんすることをず。 かれらのしゅじょう*たいのうちにしょすること、 なほ園苑おんえん殿でんおもいのごとしº」 と。

仏告タマハク↢弥勒↡、如↠是↠是。若↧随↢於疑悔↡、種↢諸善根↡、希↦求コト仏智乃至広大智↥。於善根↡不↠能↠生コト↠信。由↠聞クニ↢仏ミナ↡起スガ↢信心↡故↠生ズト↢彼↡、↢蓮華↡不↠得↢出現コトヲ↡。彼等衆生処コト↢華胎↡、猶如シト↢園苑宮殿之想↡。」

一 Ⅰ ⅱ a ロ (二)(Ⅰ)(ⅲ)¬大経¼

【9】 ^¬だいきょう¼ (下) にのたまはく、

¬大経¼言

^もろもろの*小行しょうぎょうさつ、 および*しょうどくしゅじゅうするもの、 *しょうすべからず。 みなまさにおうじょうすべし」 と。

「諸少行菩薩、及修↢習少功徳↡者、不↠可↢称計↡。皆当シト↢往生↡。」

一 Ⅰ ⅱ a ロ (二)(Ⅰ)(ⅳ)¬如来会¼

【10】^またのたまはく (如来会・下)

^「いはんや、 さつしょう善根ぜんごんによりて、 かのくにしょうずるもの、 しょうすべからず」 と。

「況菩薩、由↢少善根↡、生↢彼、不↠可↢称計↡。」

一 Ⅰ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)師釈
              (ⅰ)終南
                (a)「定善義」(正しく終南を引く)

【11】^こうみょう (*善導)しゃく (*定善義) にいはく、

光明寺

^はなふくみていまだでず。 あるいは*辺界へんがいしょうじ、 あるいは*たいせん」 と。

「含↠華↠出。或↢辺界↡、或ムト↢宮胎↡。」

一 Ⅰ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)憬興¬述文賛¼(更に他師を挙げて助証す)

【12】^*きょうごうのいはく (*述文賛)

憬興師

^ぶっうたがふによりて、 かのくにうまれて、 *へんにありといへども、 *しょうかぶらず。 もしたいしょうせば、 よろしくこれをおもつべし」 と。

「由↠疑フニ↢仏智↡、雖↧生↢彼リト↦辺地↥、不↠被↢聖化↡。若胎生セバ、宜シト↢之↡。」

一 Ⅰ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)横川
                (a)¬往生要集¼

【13】^しゅりょうごんいん (*源信) の ¬*ようしゅう¼ (下) に、 かんぜん (*懐感)しゃく (*群疑論)きていはく、

首楞厳院¬要集¼引↢感禅師↡云

^ふ。 ¬*さつ処胎しょたいきょう¼ の*だいかく、 ª^西方さいほうこの*えんだいることじゅうおく*那由なゆまんがいあり。 こころおこせるしゅじょう*弥陀みだ仏国ぶっこくしょうぜんとおもふもの、 みなふかまんこくじゃくして、 前進すすんで弥陀みだ仏国ぶっこくしょうずることあたはず。 おく千万せんまんしゅうとき一人いちにんありて、 よく弥陀みだ仏国ぶっこくしょうずº と云々うんぬん^この ¬きょう¼ をもつて*じゅんなんするに、 しょうずることをべしやと。

「問。¬菩薩処胎経¼第二カク、西方去コト↢此閻浮提↡十二億那由他↢懈慢界↡。 セル↠意衆生欲↠生ムト↢阿弥陀仏国、皆深↢懈慢国土↡、不↠能前進 スヽム コト↢阿弥陀仏国↡。億千万衆、時↢一人↡、能ズト↢阿弥陀仏国↡云云。以↢此¬経¼↡准難ルニ、可シヤ↠得↠生コト

^こたふ。 ¬ぐんろん¼ に善導ぜんどうしょう*さきもんきて、 このなんしゃくして、 またみづから*じょじょうしていはく、 ª^この ¬きょう¼ のしももんにいはく、 «なにをもつてのゆゑに、 みなまんによりて*しゅうしんろうならず» と。

。¬群疑論¼引↢善導和尚↢此↡、又助成、此¬経¼下、何皆由↢懈慢↡執心不↢牢固ナラ↡。

^ここにんぬ、 *雑修ざっしゅのものはしゅうしんろうひととす。 ゆゑにまんこくしょうず。 もし雑修ざっしゅせずして、 もつぱらこのごうぎょうぜば、 これすなはちしゅうしんろうにして、 さだめて*極楽ごくらくこくしょうぜん。

、雑修之者為↢執心不牢之人↡。故↢懈慢国也。若シテ↢雑修↡専↢此↡、此即執心牢固ニシテ、定↢極楽国↡。

^また*ほうじょうしょうずるものはきはめてすくなし。 *じょうのなかにしょうずるものはすくなからず。 ゆゑに ¬きょう¼ の別説べっせつじつそうせざるなりº」 と。 以上略抄

又報浄土。化浄土不↠少カラ。故別説、実↢相違↡也。」 已上略抄

一 Ⅰ ⅱ a 勧誡

【14】^しかれば、 それりょうごんしょう (源信)解義げぎあんずるに、 *念仏ねんぶつしょうもん (往生要集・下) のなかに、 だいじゅうはちがん*別願べつがんのなかの別願べつがんなりと顕開けんかいしたまへり。 ¬かんぎょう¼ のじょうさんしょは、 ごくじゅう悪人あくにん、 ただ弥陀みだしょうせよと勧励かんれいしたまへるなり。 じょく*道俗どうぞく、 よくみづからおのれが*のうりょうせよとなり、 るべし。

ルニ↢楞厳和尚解義↡、念仏証拠門第十八顕↢開タマヘリ別願中之別願ナリト↡。¬観経¼定散諸機勧↢励タマヘル極重悪人、唯称ヨト弥陀↡也。濁世道俗、善思↢量ヨト↡也、応↠知

一 Ⅰ ⅱ 二経の隠顕を釈す
        観経の三心を釈す【観経隠顕】
          (一)

【15】^ふ。 ¬*大本だいほん¼ (大経)*三心さんしんと ¬かんぎょう¼ の*三心さんしんいちいかんぞや。

。¬大本¼三心↢¬観経¼三心↡一異云何ゾヤ

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)
            (Ⅰ)正釈
              (ⅰ)例を作りて略釈す
                (a)立例
                  (イ)標挙

^こたふ。 しゃく (善導)によりて ¬りょう寿じゅぶつかんぎょう¼ をあんずれば、 *けんしょう隠密おんみつあり。

。依↢釈家之意↡按↢¬无量寿仏観経¼↡↢顕彰隠カクスカクス義↡

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(a)(ロ)解釈
                    [一]顕を釈す

^けんといふは、 すなはちじょうさん諸善しょぜんあらわし、 *三輩さんぱい三心さんしんひらく。 しかるに*ぜん*三福さんぷく*ほう真因しんいんにあらず。 しょ三心さんしんは、 *自利じり各別かくべつにして*利他りた*一心いっしんにあらず。 如来にょらい*方便ほうべん*ごんじょう善根ぜんごんなり。 これはこのきょう (観経)なり。 すなはちこれけんなり。

↠顕者、即↢定散諸善↡開↢三輩・三心↡。然二善・三福↢報土真因↡。諸機三心、自利各別シテ↢利他一心↡。如来方便、忻ネガヒ シタフ浄土善根ナリ。是¬経¼之意ナリ。即是顕義也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(a)(ロ)[二]彰を釈す

^しょうといふは、 如来にょらい*がんあらわし、 利他りたつうにゅう一心いっしん*えんちょうす。 だっ (*提婆達多)じゃ (*阿闍世)あくぎゃくによりて、 *しゃしょうかいあらわす。 *だい別選べっせんしょうによりて、 弥陀みだだい本願ほんがん開闡かいせんす。 これすなはちこのきょう (観経)おんしょうなり。

↠彰アラハス者、彰↢如来弘願↡演ノベ↢暢ノブ利他通入一心↡。縁↢達多・闍世悪逆↡、彰↢釈迦微スコシキヱムモトオモヒ↡。因↢韋提別選正意↡、開↢闡ヒラク弥陀大悲本願↡。斯乃¬経¼隠カクス義也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(a)(ハ)釈例(¬観経¼「序分」九文、「正宗分」四文、計十三文)

 ^ここをもつて ¬きょう¼ (観経) には、 「きょうかん清浄しょうじょうごっしょ」 といへり。 *清浄しょうじょうごっしょ」 といふは、 すなはちこれ*本願ほんがんじょうじゅほうなり

¬経ニハ¼言↢「教我観於清浄業処」↡。言↢清浄業処↡者、則是本願成就報土也。

^きょう*ゆい」 といふは、 すなはち*方便ほうべんなり。

↢教我思惟オモフ↡者、即方便也。

^きょう*しょうじゅ」 といふは、 すなはち*金剛こんごう*真心しんしんなり。

↢教我正受↡者、即金剛真心也。

^諦観たいかんこく*じょうごうじょうしゃ」 といへり、 本願ほんがんじょうじゅ*じん十方じっぽう無礙むげこう如来にょらいかんすべしとなり。

↢「諦観彼国浄業成者」↡、応シト↣観↢知本願成就尽十方无光如来↡也。

^広説こうせつしゅ」 といへり、 すなはちじゅうさんがんこれなり。

↢「広説衆譬」↡、則十三観是也。

^にょ*ぼん心想しんそう羸劣るいれつ」 といへり、 すなはちこれ悪人あくにん*おうじょう*たることをあらわすなり。

↢「汝是凡夫心想羸オトリ」↡、則是彰コトヲ↢悪人往生機↡也。

^諸仏しょぶつ如来にょらい方便ほうべん」 といへり、 すなはちこれじょうさん諸善しょぜん方便ほうべんきょうたることをあらわすなり。

↢「諸仏如来有異方便」↡、則是定散諸善↠為コトヲ↢方便之教↡也。

^仏力ぶつりきけんこく」 といへり、 これすなはち*りきあらわすなり。

↢「以仏力故見彼国土」↡、斯乃↢他力之意↡也。

^にゃく仏滅ぶつめつしょしゅじょうとう」 といへり、 すなはちこれらいしゅじょうおうじょう*しょうたることをあらわすなり。

↢「若仏滅後諸衆生等」↡、即是未来衆生、顕↠為コトヲ↢往生正機↡也。

^にゃく合者がっしゃみょうそう」 といへり、 これじょうかんじょうじがたきことをあらわすなり。

↢「若有合者名為麁想」↡、是顕↢定観難キコトヲ↟成也。

^現身げんしんちゅうとく念仏ねんぶつ三昧ざんまい」 といへり、 すなはちこれじょうかんじょうじゅやくは、 *念仏ねんぶつ三昧ざんまいるをもつてかんやくすることをあらわす。 すなはち*観門かんもんをもつて方便ほうべんきょうとせるなり。

↢「於現身中得念仏三昧」↡、即是顕↧定観成就之益 タスク 、以↠獲ルヲ↢念仏三昧コトヲ↦観↥。即↢観門↡為↢方便之教↡也。

^ほつ三種さんしゅしん即便そくべんおうじょう」 といへり。 また 「復有ぶう三種さんしゅしゅじょう当得とうとくおうじょう」 といへり。 これらのもんによるに、 三輩さんぱいについて、 *三種さんしゅ三心さんしんあり、 また*しゅおうじょうあり

↢「発三種心即便往生」↡。又言↢「復有三種衆生当得往生」↡。依ルニ↢此等↡、就↢三輩↡有↢三種三心↡、復有↢二種往生↡。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(a)(ニ)結成

 ^まことにんぬ、 これいましこの ¬きょう¼ (観経)けんしょう隠密おんみつあることを。

此乃¬経¼有コトヲ↢顕彰隠蜜之義↡。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)正答

^きょう (大経・観経) 三心さんしん、 まさにいちだんぜんとす、 よくりょうすべきなり。 ¬だいきょう¼・¬かんぎょう¼、 けんによればなり、 しょうによればいちなりるべし。

二経三心、将↠談ムト↢一異↡、応↢善思量↡也。¬大経¼・¬観経¼依↢顕↡異ナリ、依↢彰↡一也、可↠知

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)釈を挙げて広弁す
                (a)引文
                  (イ)「玄義分」二文

・序題門

【16】^しかれば、 こうみょうしょう (善導) のいはく (*玄義分)

光明寺和尚

^しかるに*しゃ*しゅ (釈尊)、 そのしょうによるがゆゑに、 すなはちひろじょう*要門ようもんひらく。 *安楽あんらく能人のうにん (阿弥陀仏)*べっ*がんけんしょうす。

「然娑婆化主、因ルガ↢其↡故、即↢浄土之要門↡。安楽能人顕↢彰別意之弘願↡。

^その要門ようもんとはすなはちこの ¬かんぎょう¼ のじょうさんもんこれなり。 じょうはすなはち*おもんぱかりをめてもつてこころらす。 さんはすなはちあくはいしてもつてぜんしゅす。 このぎょうしておうじょうがんせよとなり。

要門者即¬観経¼定散二門是也。定↠慮↠心。散↠悪↠善。回↢此二行↡求↢願ヨト往生↡也。

^がんといふは ¬だいきょう¼ のせつのごとし」 といへり。

↢弘願↡者如シトイヘリ↢¬大経¼説↡。」

・宗旨門

【17】^またいはく (玄義分)

又云

^いまこの ¬かんぎょう¼ はすなはち*観仏かんぶつ三昧ざんまいをもつて*しゅうとす、 また*念仏ねんぶつ三昧ざんまいをもつてしゅうとす。 一心いっしん*がんしてじょうおうじょうするたいとす。

「今此¬観経¼即↢観仏三昧↡為↠宗、亦以↢念仏三昧↡為↠宗。一心回願往↢生ルヲ浄土↡為↠体

^きょう*だいしょうといふは、 うていはく、 このきょう*ぞうのなかには、 いづれのぞうにかせっする、 *きょうのなかには、 いづれのきょうにかおさむるやと。

↢教之大少↡者、問、此¬経¼二蔵之中ニハニカ、二教之中ニハニカルヤ

^こたへていはく、 いまこの ¬かんぎょう¼ は*さつぞうおさむ。 *とんぎょうしょうなり」 と。

、今此¬観経¼菩薩蔵。頓教ナリト。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)「序分義」二文

・証信序

【18】^またいはく (*序分義)

又云

^また ª*にょº といふは、 すなはちこれはほうす、 *じょうさんりょうもんなり。 ªº はすなはちさだむることばなり。 ぎょうずればかならずやくす。 これは如来にょらい所説しょせつみこと*錯謬しゃくみょうなきことをかす。 ゆゑににょづく。

「又言↢如是↡者、即↠法、定散両門也。是コトバナリ。機、行レバ。此↣如来所説ミコトコトヲ↢錯謬↡。故↢如是↡。

^また ªにょº といふはしゅじょうのごとしとなり。 こころ*しょぎょうしたがひてぶつすなはちこれをしたまふ。 *きょう相応そうおうせるをまたしょうして ªº とす。 ゆゑににょといふ。

又言↠如者如シト↢衆生↡也。随↢心所楽↡仏即タマフ↠之。機教相応ルヲ復称為↠是。故↢如是↡。

^またにょといふは、 如来にょらい所説しょせつかさんとほっす。 *ぜんくことはぜんのごとし、 *とんくことはとんのごとし。 *そうくことはそうのごとし、 *くうくことはくうのごとし。

又言↢如是↡者、欲↠明ムト↢如来所説↡。説コトハ↠漸↠漸、説コトハ↠頓↠頓。説コト↠相↠相、説コト↠空↠空

^*人法にんぼうくこと人法にんぼうのごとし*天法てんぼうくこと天法てんぼうのごとし。 *しょうくことしょうのごとし、 *だいくことだいのごとし。

コト↢人法↡如↢人法↡、説コト↢天法↡如↢天法↡。説コト↠小↠小、説コト↠大↠大

^ぼんくことぼんのごとし、 しょうくことしょうのごとし。 *いんくこといんのごとし、 *くことのごとし。

コト↠凡↠凡、説コト↠聖↠聖。説コト↠因↠因、説コト↠果↠果

^*くことのごとし、 *らくくことらくのごとし。 おんくことおんのごとし、 ごんくことごんのごとし。

コト↠苦↠苦、説コト↠楽↠楽。説コト↠遠↠遠、説コト↠近↠近

^どうくことどうのごとし、 べつくことべつのごとし。 じょうくことじょうのごとし、 くことのごとし。

コト↠同↠同、説コト↠別↠別。説コト↠浄↠浄、説コト↠穢↠穢

^一切いっさいほうくこと千差せんじゃ万別まんべつなり。 如来にょらいかん*歴々れきれきりょうねんとして、 こころしたがひてぎょうおこして、 おのおのやくすることおなじからず。 *ごう法然ほうねんとしてすべてしゃくしつなし、 またしょうして ªº とす。 ゆゑににょといふ」 と。

コト↢一切↡千差万別ナリ。如来観知、歴歴了然トシテ、随↠心↠行、各コト不↠同カラ。業果法然トシテ↢錯失↡、又称為↠是。故↢如是↡。」

・散善顕行縁

【19】^またいはく (序分義)

又云

^ªよくしょうこくしゃº よりしも ªみょうじょうごうº にいたるまでこのかたは、 まさしく*三福さんぷくぎょう勧修かんしゅすることをかす。

「従↢欲生彼国者↡下至マデ↢名為浄業↡已来タハ↣勧↢修コトヲ三福之行↡。

^これは一切いっさいしゅじょうしゅあることをかす。 ひとつにはじょうふたつにはさんなり。 もし定行じょうぎょうによれば、 すなはちしょうせっするにきず。 これをもつて如来にょらい方便ほうべんして三福さんぷく顕開けんかいして、 もつて散動さんどうこんおうじたまへり」 と。

↣一切衆生コトヲ↢二種↡。一者定、二者散ナリ。若↢定行↡、即ルニ↠生不↠尽。是如来方便顕↢開三福↡、以タマヘリト↢散動根機↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ハ)「散善義」

・上上品釈

【20】^またいはく (*散善義)

又云

^また真実しんじつしゅあり。 ひとつには*自利じり真実しんじつふたつには*利他りた真実しんじつなり。

「又真実↢二種↡。一者自利真実、二者利他真実ナリ

^自利じり真実しんじつといふは、 またしゅあり。

↢自利真実↡者、復有↢二種↡。

^ひとつには、 *真実しんじつしんのうちに自他じた諸悪しょあくおよびこくとう制捨せいしゃして、 *行住ぎょうじゅう坐臥ざがに、 一切いっさいさつ諸悪しょあく制捨せいしゃするにおなじく、 われもまたかくのごとくせんとおもふ。

者真実心制↢自他諸悪及穢国等↡、行住坐臥、想↧同↣一切菩薩制↢捨ルニ諸悪↡、我亦如クセムト↞是也。

^ふたつには、 真実しんじつしんのうちに自他じた*ぼんしょうとうぜん勤修ごんしゅす。

者真実心懃↢修自他凡聖等↡。

^真実しんじつしんのうちの*ごうに、 かの弥陀みだぶつおよび*しょうほう讃嘆さんだんす。 また真実しんじつしんのうちのごうに、 *三界さんがい*六道ろくどうとう自他じた*しょうほうあくえんす。 また一切いっさいしゅじょう三業さんごうしょぜん讃嘆さんだんす。 もし善業ぜんごうにあらずは、 つつしんでこれをとおざかれ、 また*ずいせざれとなり。

真実心口業讃↢嘆阿弥陀仏及依正二報↡。又真実心口業毀↢厭三界六道等自他依正二報苦悪之事↡。亦讃↢嘆一切衆生三業所為↡。若↢善業↡者、敬カレ↠之、亦不レト↢随喜↡也。

^また真実しんじつしんのうちの*身業しんごうに、 がっしょうらいきょうし、 *四事しじとうをもつてかの弥陀みだぶつおよびしょうほうようす。 また真実しんじつしんのうちの身業しんごうに、 この*しょう三界さんがいとう自他じたしょうほうきょうまん厭捨えんしゃす。

又真実心身業、合掌礼敬、四事等ヲモテ供↢養阿弥陀仏及依正二報↡。又真実心身業軽↢慢厭↣捨生死三界等自他依正二報↡。

^また真実しんじつしんのうちの*ごうに、 かの弥陀みだぶつおよびしょうほうそう観察かんざつ憶念おくねんして、 まえげんぜるがごとくす。 また真実しんじつしんのうちのごうに、 このしょう三界さんがいとう自他じたしょうほうきょうせん厭捨えんしゃすと。

又真実心意業思↢想観↣察憶↤念阿弥陀仏及依正二報↡、如クス↠現ゼルガ↢目↡。又真実心意業軽↢賎厭↣捨スト生死三界等自他依正二報↡。

 ^またけつじょうして、 しゃぶつ、 この ¬かんぎょう¼ に*三福さんぷく*ぼん*じょうさんぜんきて、 かのぶつしょうほうしょうさんしてひとをしてごんせしむと深信じんしんと。

又決定深↧信スト釈迦仏説↢此¬観経¼三福九品・定散二善↡、証↢賛依正二報↡使ムト↦人ヲシテ忻慕↥。

^*また深心じんしん深信じんしんとは、 けつじょうして*しんこんりゅうして、 きょうじゅんじてしゅぎょうし、 なが*しゃくのぞきて、 一切いっさい*べつべつぎょう*がくけんしゅうのために*退失たいしつきょうどうせられざるなりと。

又深心深信者、決定建↢立自心↡、順↠教修行、永↢疑錯↡、不↧為↢一切別解・別行・異学・異見・異執之↡所↦退失傾動↥也

 ^つぎ*ぎょうについてしんてば、 しかるにぎょうしゅあり。 ひとつには*正行しょうぎょうふたつには*ぞうぎょうなり。

↠行↠信、然↢二種↡。一者正行、二者雑行ナリ

^正行しょうぎょうといふは、 もつぱらおうじょうきょうぎょうによりてぎょうずるものは、 これを正行しょうぎょうづく。

↢正行↡者、専↢往生経↡行、是↢正行↡。

^なにものかこれや。 一心いっしんにもつぱらこの ¬かんぎょう¼・¬*弥陀みだきょう¼・¬*りょう寿じゅきょう¼ とう読誦どくじゅする。 一心いっしんにかのくに*ほうしょうごんせんちゅうそう観察かんざつ憶念おくねんする。 もしらいせばすなはち一心いっしんにもつぱらかのぶつらいする。 もしくちしょうせばすなはち一心いっしんにもつぱらかのぶつしょうせよ。 もし讃嘆さんだんようせばすなはち一心いっしんにもつぱら讃嘆さんだんようする。 これをづけてしょうとす。

何者是也。一心読↢誦¬観経¼・¬弥陀経¼・¬无量寿経¼等↡。一心専↢注思↣想観↤察憶↯念二報荘厳↡。若一心スル↢彼↡。若一心↢彼↡。若讃嘆供養一心讃嘆供養スル。是↠正

^またこのしょうのなかについて、 またしゅあり。

又就↢此↡、復有↢二種↡。

^ひとつには、 一心いっしん弥陀みだ*みょうごう専念せんねんて、 行住ぎょうじゅう坐臥ざがせつごんはず、 念々ねんねんてざるものは、 これを*正定しょうじょうごうづく、 かの仏願ぶつがんじゅんずるがゆゑに。

者一心専↢念弥陀名号↡、行住坐臥不↠問↢時節久近↡、念念↠捨、是↢正定之業↡、順ルガ↢彼仏願↡故

^もし礼誦らいじゅとうによるは、 すなはちづけて*助業じょごうとす。

↢礼誦等↡、即為↢助業↡。

^このしょうじょぎょうのぞきて以外いげ自余じよ諸善しょぜんは、 ことごとく*ぞうぎょうづく。 ^もしさきしょうじょぎょうしゅするは、 こころつねに親近しんごんし、 憶念おくねんえず、 づけてけんとす。 もしのちぞうぎょうぎょうずるは、 すなはちこころつねに間断けんだんす。 こうしてしょうずることをべしといへども、 すべて*ぞうぎょうづくるなり。

↢此正助二行↡已外自余諸善、悉↢雑行↡。若ルハ↢前正助二行↡、心常親近、憶念不↠断、名為↢无間↡也。若ルハ↢後雑行↡、即心常間断。雖↠可シト↢回向得↟生コト、衆クル↢疎雑之行↡也。

^ゆゑに*深心じんしんづく。

↢深心↡。

 ^つには*こう発願ほつがんしん

者回向発願心。

^こう発願ほつがんしんといふは、 過去かこおよびこんじょうしん口意くいごうしゅするところの*しゅっ善根ぜんごん、 および一切いっさいぼんしょうしん口意くいごうしゅするところのしゅっ善根ぜんごんずいして、 この自他じた所修しょしゅ善根ぜんごんをもつて、 ことごとくみな真実しんじつ深信じんしんしんのうちにこうして、 かのくにしょうぜんとがんず。 ゆゑにこう発願ほつがんしんづくるなり」 と。

↢回向発願心↡者、過去及以今生身口意業↠修世・出世善根、及随↢喜一切凡聖身口意業↠修世・出世善根↡、以↢此自他所修善根↡、悉皆真実深信回向、願↠生ムト↢彼↡。故クル↢回向発願心↡也。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ニ)「序分義」二文

・定善

【21】^またいはく (序分義)

又云

^*じょうぜん*かんしめえんなり」 と。

「定善↠観ナリト。」

・散善

【22】^またいはく (序分義)

又云

^*散善さんぜん*ぎょうあらわえんなり」 と。

「散善↠行ナリト。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ホ)「散善義」

・結嘆

【23】^またいはく (散善義)

又云

^じょうようひがたし」 と。 文 抄

「浄土之要難シト↠逢文 抄

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ヘ)¬礼讃¼二文

・前序

【24】^またいはく (*礼讃)

又云

^¬かんぎょう¼ のせつのごとし。 まづ三心さんしんしてかならずおうじょう。 なんらをかつとする。

「如↢¬観経¼説↡。先↢三心↡必得↢往生↡。何等ヲカ↠三

^ひとつには*じょうしん。 いはゆる身業しんごうにかのぶつ礼拝らいはいす、 ごうにかのぶつ讃嘆さんだん*しょうようす、 ごうにかのぶつ専念せんねん観察かんざつす。 おほよそ三業さんごうおこすに、 かならず真実しんじつもちゐるがゆゑにじょうしんづく。

者至誠心。所↠謂身業礼↢拝↡、口業讃↢嘆称↣揚↡、意業専↢念観↣察↡。凡スニ↢三業↡、必モチヰルガ↢真実↡故↢至誠心↡。

^つにはこう発願ほつがんしんしょ一切いっさい善根ぜんごん、 ことごとくみなしておうじょうがんず、 ゆゑにこう発願ほつがんしんづく。

者回向発願心。所作一切善根、悉皆回↢往生↡、故↢回向発願心↡。

^この三心さんしんしてかならずしょうずることをるなり。 もし一心いっしんけぬればすなはちしょうずることをず。 ¬かんぎょう¼ につぶさにくがごとし、 るべしと。

↢此三心↡必↠生コト也。若カケヌレバ↢一心↡即不↠得↠生コト。如↢¬観経¼具クガ↡、応シト↠知

 ^またさつすでにしょうまぬかれて、 しょ善法ぜんぽうして*ぶっもとむ、 すなはちこれ自利じりなり。 しゅじょうきょうして*らいさいつくす、 すなはちこれ利他りたなり。 しかるにいまときしゅじょう、 ことごとく*煩悩ぼんのうのために*ばくせられて、 いまだ*悪道あくどうしょうとうまぬかれず。 えんしたがひてぎょうおこして、 一切いっさい善根ぜんごんつぶさにすみやかにて、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうせんとがんぜん。 かのくにいたりをはりて、 さらにおそるるところなけん。 かみのごときの*しゅ*ねん任運にんうんにして、 自利じり利他りたそくせざることなしと、 るべし」 と。

又菩薩↢生死↡、所作善法回↢仏果↡、即是自利ナリ。教↢化衆生↡尽↢未来際↡、即是利他ナリ。然衆生、悉↢煩悩↡繋縛ラレテ、未↠勉↢悪道生死等↡。随↠縁↠行、一切善根具、願ゼム↣往↢生ムト阿弥陀仏国↡。到↢彼↡已、更ケム↠所↠畏ルヽ。如キノ↠上四修、自然任運ニシテ、自利利他无シト↠不コト↢具足↡、応シト↠知。」

・前序

【25】^またいはく (礼讃)

又云

^もし*せんてて*雑業ぞうごうしゅせんとするものはひゃくときまれいちせんときまれさん

「若↣捨テヽ↠専ムト↢雑業↡者、百得↢一二↡、千得↢五三↡。

^なにをもつてのゆゑに、 いまし*雑縁ぞうえん乱動らんどうす、 しょうねんしっするによるがゆゑに、 ぶつ本願ほんがん相応そうおうせざるがゆゑに、 きょうそうせるがゆゑに、 ぶつじゅんぜざるがゆゑに、 *ねん相続そうぞくせざるがゆゑに*憶想おくそう間断けんだんするがゆゑに、 がんいんじゅう真実しんじつならざるがゆゑに、 *とんしん諸見しょけん煩悩ぼんのうきた間断けんだんするがゆゑに、 *ざん*さんこころあることなきがゆゑに。

。乃ルガ↣雑縁乱動、失ルニ↢正念↡故↢仏本願↡不ルガ↢相応↡故↠教相違ルガ、不ルガ↠順↢仏語↡故、係念不ルガ↢相続↡故、憶想間断ルガ、回願不ルガ↢慇重真実ナラ↡故、貪・瞋・諸見煩悩来間断ルガ、無キガ↠有コト↢慚愧・懴悔心↡故

^さん三品さんぼんあり。

懴悔↢三品↡。

 ^じょうちゅうなり。

上・中・下ナリ

^じょうぼんさんとは、 もうのうちよりながし、 まなこのうちよりいだすをばじょうぼんさんづく。

上品懴悔者、身毛孔ヨリ、眼ヨリ血出スヲ↢上品懴悔↡。

^ちゅうぼんさんとは、 *遍身へんしんあつあせもうよりづ、 まなこのうちよりながるるをばちゅうぼんさんづく。

中品懴悔者、徧身汗従↢毛孔↡出、眼ヨリルヽ↢中品懴悔↡。

^ぼんさんとは、 遍身へんしんとおあつく、 まなこのうちよりなみだづるをばぼんさんづく。

下品懴悔者、徧身徹、眼ヨリ涙出ルヲ↢下品懴悔↡。

^これらの三品さんぼん差別しゃべつありといへども、 これひさしく*だつぶん善根ぜんごんゑたるひとなり。 こんじょうほううやまひ、 ひとおもくし、 *しんみょうしまずないしょうざいももしさんすれば、 すなはちよく心髄しんずいとおりて、 よくかくのごとくさんすれば、 ごんはず、 しょ重障じゅうしょうみなたちまちに滅尽めつじんせしむることをいたす。

此等三品、雖↠有リト↢差別↡、是久タル↢解脱分善根↡人ナリ。致↠使コトヲ↧今生↠法クシ↠人、不↠惜↢身命↡、乃至小罪レバ↢心髄↡、能↠此、不↠問↢久近↡、所有重障皆タチマチ滅尽↥。

^もしかくのごとくせざれば、 たとひにちじゅうきゅうもとむれども、 つひにこれやくなし。 *たごうてなさざるものはんぬべし。 るいけつとうにあたはずといへども、 ただよく*真心しんしん徹到てっとうするものは、 すなはちかみおなじ」 と。

レバ↠如クセ↠此、縦使日夜十二時、急モトムレドモ是無↠益。タガフ↠作↠知。雖↠不↠能↢流涙・流血等↡、但能真心徹到、即↠上同ジト。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ト)¬観念法門¼

・護念縁

【26】^またいはく (*観念法門)

又云

^すべて*雑業ぞうごうぎょうじゃ照摂しょうしょうすとろんぜず」 と。

「総↠論↣照↢摂スト雑業行者↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(チ)¬法事讃¼

・転経分

【27】^またいはく (*法事讃・下)

又云

^如来にょらい*じょくしゅつげんして、 よろしきにしたがひて方便ほうべんして*群萌ぐんもうしたまふ。 あるいは*もんにして*とくすとき、 あるいはすこしきさとりて*さんみょうしょうすとく。

「如来出↢現於五濁↠宜キニ方便タマフ↢群萌
↢多聞シテ得度スト↣少スト↢三明

^あるいは*ふくならべてさわりのぞくとおしへ、 あるいは*禅念ぜんねんしてしてりょうせよとおしふ。 種々しゅじゅ法門ほうもんみな*だつす」 と。

↢福恵双クト↟障↢禅念思量ヨト
種種法門皆解脱スト

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(リ)¬般舟讃¼二文

・正讃

【28】^またいはく (*般舟讃)

又云

^万劫まんごうこうしゅせんことまことにつづきがたし。 いち煩悩ぼんのうももたびたびまじはる。

もししゃにして*法忍ほうにんしょうせんことをたば、 六道ろくどうにして*恒沙ごうじゃこうにもいまだあらじ。

「万劫修ムコト↠功↠続一時煩悩百タビタビマジハ
↣娑婆ニシテムコトヲ↢法忍六道ニシテ恒沙ニモ↠期アラ

^門々もんもんどうなるをぜんぎょうづく。 万劫まんごうぎょうしてしょうしょうす。

*ひつみょうとしてもつぱら念仏ねんぶつすべし。 *しゅいのちゆれば、 ほとけむかてまします。

門門不同ナルヲ↢漸教万劫苦行↢无生
畢命↠期念仏ベシ須臾命断レバ、仏迎テマシマス

^*一食いちじきときなほひまあり、 いかんが万劫まんごう貪瞋とんじんせざらん。

貪瞋とんじん人天にんでんくるみちふ。 *三悪さんまくしゅのうちにやすんず」 と。

一食之時尚有ヒマ如何万劫不ラム↢貪瞋
貪瞋↧受↢人天↡路三悪・四趣ズト↠身

・定散倶回

【29】^またいはく (般舟讃)

又云

^*じょうさんともにして*宝国ほうこくれ。 すなはちこれ如来にょらい方便ほうべんなり。

*だいはすなはちこれ女人にょにんそう*貪瞋とんじんそく*ぼんくらいなり」 と。

「定散倶↢宝国是如来方便ナリ
韋提是女人貪瞋具足凡夫ナリト

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ヌ)¬論註¼

・真実功徳釈

【30】^¬*ろんちゅう¼ (上) にいはく、

¬論¼曰

^しゅどくそうあり。 ひとつには*有漏うろしんよりしょうじて*ほっしょうじゅんぜず。 いはゆるぼん人天にんでん諸善しょぜん人天にんでんほう、 もしはいん、 もしは、 みなこれ*顛倒てんどうす、 みなこれ虚偽こぎなり。 ゆゑにじつどくづく」 と。

「有↢二種功徳相↡。一者従↢有漏心↡生不↠順↢法性↡。所↠謂凡夫、人天諸善、人天果報、若因若果、皆是顛倒、皆是虚偽ナリ。故クト↢不実功徳↡。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ル)¬安楽集¼二文

・化前の経意

【31】^¬*安楽あんらくしゅう¼ (上) にいはく、

¬安楽集¼云

^¬*大集だいじっきょう¼ の ª月蔵がつぞうぶんº をきていはく、 ª^わが*末法まっぽうときのなかに、 億々おくおくしゅじょうぎょうおこどうしゅせんに、 いまだ一人いちにんるものあらじº と。

「引↢¬大集経¼月蔵分↡言、我末法億億衆生、起↠行セムニ↠道、未↠有↢一人者↡。

^当今とうこん末法まっぽうなり。 このじょくあくには、 ただじょう一門いちもんありて、 つうにゅうすべきみちなり」 と。

当今末法ナリ。是五濁悪世ニハ、唯有↢浄土一門↡可↢通入↡路ナリト。」

・末法

【32】^またいはく (安楽集・下)

又云

^いまだ一万いちまんごうたざるこのかたは、 つねにいまだ*たくまぬかれず、 顛倒てんどうついするがゆゑに。 おのおのこうもちゐることはいたりておもく、 ほうなり」 と。

「未↠満↢一万劫↡已来タハ↠勉↢火宅↡、顛倒墜堕ルガ。各偽也。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)釈義
                  (イ)通じて三経を判ず

【33】^しかるに、 いま ¬大本だいほん¼ (大経) によるに、 真実しんじつ方便ほうべん*がんちょうほつす。 また ¬かんぎょう¼ には、 方便ほうべん真実しんじつ*きょうけんしょうす。 ¬しょうほん¼ (小経) には、 ただ*真門しんもんひらきて方便ほうべんぜんなし。 ここをもつて*さんぎょう*真実しんじつは、 *せんじゃく本願ほんがんしゅうとするなり。 またさんぎょう方便ほうべんは、 すなはちこれもろもろの善根ぜんごんしゅするをようとするなり。

今拠ルニ↢¬大本¼↡、超↢発真実・方便之願↡。亦¬観経ニハ¼顕↢方便・真実之教↡。¬小本ニハ¼唯開↢真門↡無↢方便之善↡。是三経真実、選択本願↠宗也。復三経方便、即是修ルヲ↢諸善根↡為↠要也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)別して観経を釈す
                    [一]今経に就きて釈す
                      [Ⅰ]仏願を挙げて法義を標す

 ^これによりて方便ほうべんがん (第十九願)あんずるに、 *あり*しんあり、 またぎょうありしんあり。 がんとはすなはちこれ*りんじゅう現前げんぜんがんなり。 ぎょうとはすなはちこれしゅしょどくぜんなり。 しんとはすなはちこれしん発願ほつがんよくしょうしんなり。

↠此ルニ↢方便之願↡、有↠仮有↠真、亦有↠行有↠信。願者即是臨終現前之願也。行者即是修諸功徳之善也。信者即是至心・発願・欲生之心也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[一][Ⅱ]開説に真仮有るを示す
                        [ⅰ]方便を明かす

^このがんぎょうしんによりて、 じょう要門ようもん方便ほうべん*ごん顕開けんかいす。

↢此願之行信↡、顕↢開浄土之要門、方便権仮↡。

^この要門ようもんより*しょうじょぞうさんぎょういだせり。 このしょうじょのなかについて、 *専修せんじゅあり*雑修ざっしゅあり。 についてしゅあり。 ひとつには*じょうふたつには*さんなり。

↢此要門↡出セリ↢正・助・ タスク 三行↡。就↢此正助↡、有↢専修↡有↢雑修↡。就↠機ハタモノ↢二種↡。一者定機、二者散機也。

^また*しゅ三心さんしんあり。 また*しゅおうじょうあり。

又有↢二種三心↡。亦有↢二種往生↡。

^しゅ三心さんしんとは、 ひとつにはじょう三心さんしんふたつにはさん三心さんしんなり。 じょうさんしんはすなはち自利じり各別かくべつしんなり。

二種三心者、一者定三心、二者散三心ナリ。定散心者即自利各別心也。

^しゅおうじょうとは、 ひとつには*そくおうじょうふたつには*便べんおうじょうなり。 便べんおうじょうとはすなはちこれ*たいしょうへん*双樹そうじゅりんおうじょうなり。 そくおうじょうとはすなはちこれほうしょうなり。

二種往生者、一者即往生、二者便タヨリ往生ナリ。便往生者即是胎生辺地、双ナラブ樹林下往生也。即往生者即是報土化生也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[一][Ⅱ][ⅱ]真実を明かす

^またこの ¬きょう¼ (観経)真実しんじつあり。 これすなはち金剛こんごう真心しんしんひらきて、 *摂取せっしゅしゃあらわさんとほっす。 しかれば、 じょく*のうしゃ*善逝ぜんぜいしんしんぎょう願心がんしん宣説せんぜつしたまふ。 ほう真因しんいん*しんぎょうしょうとするがゆゑなり。

亦此¬経¼有↢真実↡。斯乃↢金剛真心↡、欲↠顕ムト↢摂取不捨↡。然濁世能化釈迦善逝、ユク サルノベ↢説タマフ至心信楽コノミネガフ之願心↡。報土真因信楽ルガ↠正故也。

^ここをもつて ¬だいきょう¼ には 「しんぎょう」 とのたまへり、 如来にょらい誓願せいがんがいまじはることなきがゆゑにしんとのたまへるなり。 ¬かんぎょう¼ には 「深心じんしん」 とけり、 しょ浅信せんしんたいせるがゆゑにじんとのたまへるなり。 ¬*しょうほん¼ (小経) には 「一心いっしん」 とのたまへり、 ぎょうまじはることなきがゆゑにいちとのたまへるなり。 また一心いっしんについてじんありせんあり。 じんとは利他りた真実しんじつしんこれなり、 せんとはじょうさん自利じりしんこれなり。

¬大経ニハ¼言↢「信楽」↡、如来誓願、疑蓋フタキガ↠雑コト↠信也。¬観経ニハ¼説↢「深心」↡、対ルガムカフ ↢諸機浅信↡故↠深也。¬小本ニハ¼言↢「一心」↡、二行無キガ↠雑コト↠一也。復就↢一心↡有↠深有↠浅。深者利他真実之心是也、浅者定散自利之心是也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]一代に就きて釈す
                      [Ⅰ]釈を挙げて意を述ぶ
                        [ⅰ]引文

【34】^しゅう (善導)によるに、 「^こころによりて勝行しょうぎょうおこせり。 もん八万はちまんせんあまれり。 *漸頓ぜんとんすなはちおのおのしょかなへり。 えんしたがふものすなはちみなだつかぶる」 (玄義分) といへり。

ルニ↢宗師↡、云↧「依↠心セリ↢於勝行門余レリ↢八万四千漸頓則カナヒテ↢所宜ヨロシ↠縁皆蒙ルト↦解脱↥。」

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ]難易・権実の意を述ぶ

^しかるにじょうもつ*ぼん*じょうしんしゅしがたし、 *息慮そくりょぎょうしんのゆゑに。 *散心さんしんぎょうじがたし、 *廃悪はいあく修善しゅぜんのゆゑに。 ここをもつて*立相りっそうじゅうしんなほじょうじがたきがゆゑに、 「^たとひ千年せんねん寿じゅつくすとも、 *法眼ほうげんいまだかつてひらけず」 (定善義) といへり。

常没凡愚、定心難↠修、息ヤメテ オモンパカリコラス。散心難↠行、廃ステヽ悪修善。是立相住心尚難キガ↠成↧「縦トモ↢千年寿↡、法眼未↦曽↥。」

^いかにいはんや、 *そうねんまことにがたし。 ゆゑに、 「^如来にょらいはるかに*末代まつだいざいじょくぼんろしめして、 そうしんじゅうすとも、 なほることあたはじと。 いかにいはんや、 そうはなれてもとめば、 *じゅつつうなきひとくうしゃてんがごときなり」 (定善義) といへり。

无相離念誠↠獲。故↩「如来ハルカ↢末代罪濁凡夫↡、立相住心、尚不↠能↠得コト↠相↠事如↧似 ゴトキ ↢術通↡人↠空ムガ↞舎イヱ。」↨

・門釈

^もん」 といふは、 「もん」 はすなはち八万はちまんせん*もんなり、 「」 はすなはち本願ほんがん*いちじょうかいなり。

↢門余↡者、門者即八万四千仮門也、余者則本願一乗海也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]詳らかに法相を判ず
                        [ⅰ]聖道門を明かす

【35】^おほよそ*一代いちだいきょうについて、 このかいのうちにして*にっしょうとくするを*しょうどうもんづく、 *なんぎょうどうといへり。 このもんのなかについて、 *だいしょう*ぜんとん*いちじょう*じょう*さんじょう*ごんじつ*けんみつ*しゅしゅつ*しゅちょうあり。 すなはちこれ*りき*利他りたきょう方便ほうべん権門ごんもんどうなり。

↢一代↡、↢此↡入聖得果ルヲ↢聖道門↡、云↢難行道↡。就↢此↡、有↢大・小、漸・頓、一乗・二乗・三乗、権・実、顕・密、竪タトサマ出・竪超↡。則是自力利他教化地、方便権門之道路也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]浄土門を明かす

^*あんにょう*じょうせつにして*にっしょうしょうするを*じょうもんづく、 *ぎょうどうといへり。 このもんのなかについて、 *おうしゅつ*おうちょう**しん*ぜんとん*じょしょう*ぞうぎょう*雑修ざっしゅ*専修せんじゅあるなり。

↢安養浄刹↡入聖証果ルヲ↢浄土門↡、云↢易行道↡。就↢此↡、有↢横出・横超、仮・真、漸・頓、助正・雑行、雑修・専修↡也。

・正助雑釈

^しょうとは*しゅ正行しょうぎょうなり。 じょとはみょうごうのぞきて以外いげ*しゅこれなり。 ぞうぎょうとは、 しょうじょのぞきて以外いげをことごとくぞうぎょうづく。 これすなはちおうしゅつぜんぎょうじょうさん三福さんぷく三輩さんぱいぼんりきもんなり。

者五種正行也。助者除↢名号↡已外五種是也。雑行者、除↢正助↡已外↢雑行↡。此乃横出・漸教、定散・三福、三輩・九品、自力仮門也。

・横超釈

^おうちょうとは、 本願ほんがん*憶念おくねんしてりきしんはなる、 これをおうちょうりきづくるなり。 これすなはちせんのなかのせんとんのなかのとんしんのなかのしんじょうのなかのいちじょうなり。 これすなはち*しんしゅうなり。 すでに真実しんじつぎょうのなかにあらわしをはんぬ。

横超者、憶↢念本願↡離↢自力之心↡、クル↢横超他力↡也。斯即中之専、頓中之頓、真中之真、乗中之一乗ナリ。斯乃真宗也。已↢真実行之中↡畢

・雑行釈

【36】^それ*ぞうぎょう*雑修ざっしゅ、 そのことばひとつにして、 そのこころこれことなり。 ぞうごんにおいてまんぎょう摂入しょうにゅうす。 *正行しょうぎょうたいしてしゅぞうぎょうあり。 ぞうごんは、 にんてんさつとう*ぎょうぞうせるがゆゑにぞうといへり。 もとよりおうじょう因種いんしゅにあらず、 *しんこうぜんなり。 ゆゑにじょうぞうぎょうといふなり。

夫雑行雑修、其シテコレナリ。於↢雑之言↡摂↢入万行↡。対五正行↡有↢五種雑行↡。雑、人・天・菩薩等解行、雑セルガ↠雑。自↠本非↢往生因種↡、廻心回向之善ナリ。故↢浄土之雑行↡也。

^またぞうぎょうについて、 せんぎょうあり専心せんしんあり、 またぞうぎょうあり*雑心ざっしんあり。

復就↢雑行↡、有↢専行↡有↢専心↡、復有↢雑行↡有↢雑心↡。

・専

^せんぎょうとはもつぱら一善いちぜんしゅす、 ゆゑにせんぎょうといふ。 専心せんしんとはこうをもつぱらにするがゆゑに専心せんしんといへり。

専行者専↢一善↡、故↢専行↡。専心者専ニスルガ↢回向↡故↢専心↡。

・雑

^ぞうぎょう雑心ざっしんとは、 諸善しょぜんけんぎょうするがゆゑにぞうぎょうといふ、 *じょうさんしんぞうするがゆゑに雑心ざっしんといふなり

雑行雑心者諸善兼カネテルガ↢雑行↡、定散心雑ルガ↢雑心↡也。

・正助釈

^またしょうじょについて専修せんじゅあり雑修ざっしゅあり。 この雑修ざっしゅについて専心せんしんあり雑心ざっしんあり。

亦就↢正・助↡有↢専修↡有↢雑修↡。就↢此雑修↡有↢専心↡有↢雑心↡。

^専修せんじゅについてしゅあり。 ひとつにはただぶつみょうしょうす、 ふたつにはせんあり。 このぎょうごうについて専心せんしんあり雑心ざっしんあり。 せんとは、 ひとつには専礼せんらいふたつには専読せんどくつには専観せんかんつにはせんしょういつつにはせん讃嘆さんだんなり。 これを専修せんじゅづく。 専修せんじゅ、 そのことばひとつにして、 そのこころこれことなり。 すなはちこれじょう専修せんじゅなり、 またさん専修せんじゅなり。

↢専修↡有↢二種↡。一者唯称↢仏名↡、二者有↢五専↡。就↢此行業↡有↢専心↡有↢雑心↡。五専者、一ニハ専礼、二ニハ専読、三ニハ専観、四ニハ、五ニハ専讃嘆ナリ。是↢五専修↡。専修其シテコレナリ。即是定専修ナリ、復散専修也。

^専心せんしんとは、 正行しょうぎょうをもつぱらにして、 しんなきがゆゑに専心せんしんといふ。 すなはちこれじょう専心せんしんなり、 またこれさん専心せんしんなり。

専心者、専↢五正行シテキガ↢二心↡故↢専心↡。即是定専心ナリ、復是散専心也。

^雑修ざっしゅとは、 じょしょうけんぎょうするがゆゑに雑修ざっしゅといふ。

雑修者、助正兼行ルガ↢雑修↡。

^雑心ざっしんとは、 じょうさんしんぞうするがゆゑに雑心ざっしんといふなり、 るべし。

雑心者、定散心雑ルガ↢雑心↡也、応↠知

・諸師釈

 ^おほよそじょう一切いっさいしょぎょうにおいて、 しゃくしょう (*道綽) は 「まんぎょう(安楽集・下) といひ、 どうしょう (善導) は 「ぞうぎょう(散善義)しょうす。 かんぜん (懐感) は 「しょぎょう(群疑論) といへり。 しんしょう (源信)かんにより、 くうしょうにん (源空)どうしょうによりたまふ。

↢浄土一切諸行↡、綽和尚↢「万行」↡、導和尚↢「雑行」↡。感禅師↢「諸行」↡。信和尚↢感師↡。空聖人タマフ↢導和尚↡也。

^*きょうによりてしゃくひらくにぞうぎょうのなかのぞうぎょう雑心ざっしんぞうぎょう専心せんしんせんぎょう雑心ざっしんあり。 また正行しょうぎょうのなかの専修せんじゅ専心せんしん専修せんじゅ雑心ざっしん雑修ざっしゅ雑心ざっしんは、 これみな*へん*たい*まんがい業因ごういんなり。 ゆゑに極楽ごくらくしょうずといへども*三宝さんぼうたてまつらず。 *仏心ぶっしんこうみょう雑業ぞうごうぎょうじゃ照摂しょうしょうせざるなり。

↢経家↡披クニ↢師釈↡、雑行之中雑行雑心・雑行専心・専行雑心。亦正行之中専修専心・専修雑心・雑修雑心、此皆辺地・胎宮・懈慢界業因ナリ。故↠生ズト↢極楽↡不↠見マツラ↢三宝↡。仏心光明、不↣照↢摂雑業行者↡也。

^*りょう誓願せいがん (第十九願) まことにゆえあるかな。 *もんきょう*ごんしゃく、 これいよいよあきらかなり。

仮令之誓願良↠由カナ。仮門之教、忻ネガイ シタフ之釈、是弥也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)正答

 ^きょう三心さんしんけんによればなり、 しょうによればいちなり。

二経之三心、依↢顕之義↡異也、依↢彰内ニアラハス之義↡一也。

一 Ⅰ ⅱ b イ (二)(Ⅱ)結答

^三心さんしんいちこたへをはんぬ。

三心一異之義、答

一 Ⅰ ⅱ b 小経の一心を釈す【小経隠顕】
          (一)

【37】^またふ。 ¬大本だいほん¼ (大経) と ¬かんぎょう¼ の*三心さんしんと、 ¬しょうほん¼ (小経)*一心いっしんと、 いちいかんぞや。

又問。¬大本¼¬観経¼三心↢¬小本¼一心↡、一異云何ゾヤ

一 Ⅰ ⅱ b ロ (二)
            (Ⅰ)正釈
              (ⅰ)正弁
                (a)隠顕有ることを明かす

 ^こたふ。 いま方便ほうべん*真門しんもん誓願せいがんについて、 ぎょうありしんあり。 また*真実しんじつあり*方便ほうべんあり。

。今就↢方便真門誓願↡、有↠行有↠信。亦有↢真実↡有↢方便↡。

^がんとはすなはち*じきしょ徳本とくほんがんこれなり。 ぎょうとはこれにしゅあり。 ひとつには*善本ぜんぽんふたつには*徳本とくほんなり。

者即ウヽル諸徳本之願是也。行者此↢二種↡。一者善本、二者徳本也。

^しんとはすなはちしんこうよくしょうしんこれなり。 じゅうがんなり ^についてじょうありさんあり。

者即至心・回向・欲生之心是也。廿願也↠機有↠定有↠散。

^おうじょうとはこれ*なんおうじょうこれなり。 ^ぶつとはすなはち*しんなり。 ^とはすなはち*じょうたいこれなり。

往生者此難思往生是也。仏者即化身ナリ。土者即疑城ミヤコ胎宮是也。

・標挙

^¬かんぎょう¼ に*じゅんするに、 この ¬きょう¼ (小経) にまた*けんしょう隠密おんみつあるべし。

准↢ナズラウルニ¬観経¼↡、此¬経¼亦応↠有↢顕彰隠密之義↡。

・顕義

^けんといふは、 *きょう一切いっさいしょぎょうしょうぜん*嫌貶けんべんして善本ぜんぽん徳本とくほん真門しんもんかいし、 自利じり一心いっしんはげましてなんおうじょうすすむ。

↠顕者、経家嫌↢キラフ オトシム一切諸行少善↡、開↢示善本徳本真門↡、励シテ↢自利一心↡勧↢難思往生↡。

^ここをもつて ¬きょう¼ (小経) には 「*善根ぜんごんどく福徳ふくとく因縁いんねん」 とき、 しゃく (法事讃・下) には 「^ぼんともにして*退たいよ」 といへり。 あるいは 「*無過むか念仏ねんぶつおう*西方さいほう三念さんねんねんぶつ*来迎らいこう(法事讃・意) といへり。

¬経ニハ¼説↢「多善根・多功徳・多福徳因縁」↡、¬釈ニハ¼云↣「九品倶ヨト↢不退↡。」或

「無過念仏往西方三念五念仏来迎」↡

^これはこれ、 この ¬きょう¼ (小経)けんしめすなり。 これすなはち真門しんもんのなかの方便ほうべんなり。

是此¬経¼示↢顕↡也。此乃真門中之方便也。

・彰義

^しょうといふは、 真実しんじつ*難信なんしんほうあらわす。 これすなはち*不可ふか思議しぎ*願海がんかい*光闡こうせんして、 *無礙むげ*だい信心しんじんかいせしめんとおぼす。

↠彰者彰↢真実難信之法↡。斯乃光↢闡ヒラク不可思議願海↡、欲↠令ムト↠帰无大信心海↡。

^まことにすすめ、 すでに恒沙ごうじゃすすめなれば、 しんもまた*恒沙ごうじゃしんなり。 ゆゑに甚難じんなんといへるなり。 しゃく (法事讃・下) に、 「^ただちに弥陀みだ*ぜいかさなれるをもつて、 ぼんねんずればすなはちしょうぜしむることをいたす」 といへり。

恒沙メナレバ、信亦恒沙ナリ。故↢甚ハナハダ↡也。¬釈¼云

「直↢弥陀弘誓重レルスト↞使コトヲ↢凡夫念レバ↡」

^これはこれ、 *おんしょうひらくなり。

是開↢隠彰↡也。

一 Ⅰ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)別して実義を弁ず

・執持一心釈

^¬きょう¼ (小経) に 「しゅう」 とのたまへり。 また 「一心いっしん」 とのたまへり。 ^しゅう」 のごんしん*堅牢けんろうにしててんせざることをあらわすなり。 」 のごんさんしつづくるなり。 ^いち」 のごん無二むにづくるのみことなり。 「しん」 のごん真実しんじつづくるなり。

¬経¼言↢「執持」↡。亦言↢「一心」↡。執↣心堅牢カタクカタシシテコトヲ↢移転ウツリウツル↡也。持クル↢不散不失↡也。一之言者名クル↢无二↡之ミコト也。心之言者名クル↢真実↡也。

・無問自説経

^この ¬きょう¼ (小経)だいじょう*しゅ多羅たらのなかの*もんせつきょうなり。 しかれば如来にょらいこうしゅつしたまふゆゑは、 恒沙ごうじゃ諸仏しょぶつしょうしょうただこれにあるなり

¬経¼大乗修多羅中之无問自説経也。爾如来所↣以興↢出タマフ於世↡、恒沙諸仏証護マモル正意、唯在↠斯也。

・列祖弘伝

^ここをもつて*四依しえきょうだい*さんちょうじょうしゅうしんしゅう念仏ねんぶつひらきて、 じょくじゃみちびく。

四依弘経大士、三朝浄土宗師、開↢真宗念仏↡導↢濁世邪偽↡。

・三経大綱

^さんぎょう大綱たいこうけんしょう隠密おんみつありといへども、 信心しんじんあらわしてのうにゅうとす。 ゆゑにきょうのはじめに 「*にょ」 としょうす。

三経大綱ツナ、雖↠有リト↢顕彰隠蜜之義↡、彰↢信心↡為↢能入↡。故↢「如是」↡。

^にょ」 のはすなはちよくしんずるそうなり。 いまさんぎょうあんずるに、 みなもつて金剛こんごう真心しんしん最要さいようとせり。 真心しんしんはすなはちこれだい信心しんじんなり。 だい信心しんじん希有けうさいしょうしんみょう清浄しょうじょうなり。 なにをもつてのゆゑに、 だい信心しんじんかいははなはだもつてりがたし、 仏力ぶつりきよりほっするがゆゑに。 真実しんじつ*楽邦らくほうはなはだもつてやすし、 願力がんりきによりてすなはちしょうずるがゆゑなり。

如是之義相也。今按ルニ↢三経↡、皆以金剛真心↢最要↡。真心是大信心ナリ。大信心希有・最勝・真妙・清浄ナリ。何。大信心海ハ反↠入、従↢仏力↡発起ルガ。真実楽邦クニ↠往、籍↢願力↡即ズルガナリ

一 Ⅰ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)結成

^いままさに一心いっしんいちだんぜんとす、 まさにこのなるべしと。

今将↠談ムト↢一心一異↡、当シトナル↡也。

一 Ⅰ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)結答

^さんぎょう一心いっしんこたへをはんぬ。

三経一心之義、答

一 Ⅰ ⅱ 第二十願を釈す【真門釈】
        略して勧発す【説意出願】

【38】^それじょく*道俗どうぞく、 すみやかに円修えんしゅとく*真門しんもんりて、 *なんおうじょうねがふべし。

濁世道俗、応↧速↢円修至徳真門↡、願↦難思往生↥。

一 Ⅰ ⅱ c 正しく義を明かす
          (一)直釈

・真門行信

^真門しんもん方便ほうべんにつきて、 *善本ぜんぽんあり*徳本とくほんあり。 またじょう専心せんしんあり、 またさん専心せんしんあり、 またじょうさん雑心ざっしんあり。

↢真門之方便↡、有↢善本↡有↢徳本↡。復有↢定専心↡、復有↢散専心↡、復有↢定散雑心↡。

^雑心ざっしんとは、 だいしょうぼんしょう一切いっさい善悪ぜんあくおのおの*じょしょう間雑けんぞうしんをもつてみょうごうしょうねんす。 まことに*きょうとんにしてこんぜんなり。 ぎょうせんにしてしん間雑けんぞうす。 ゆゑに雑心ざっしんといふなり

雑心者、大小・凡聖・一切善悪、各↢助正間雑↡称↢念名号↡。良シテ漸機ナリ。行者専シテ心者間雑。故↢雑心↡也。

^じょうさん専心せんしんとは、 *罪福ざいふくしんずるしんをもつて*本願ほんがんりきがんす、 これをりき専心せんしんづくるなり。

定散之専心者、以↧信↢罪福↡心↥願↢求本願力↡、是クル↢自力之専心↡也。

^善本ぜんぽんとは如来にょらい*みょうなり。 このみょう万善まんぜんえんせり一切いっさい善法ぜんぽうもとなり。 ゆゑに善本ぜんぽんといふなり。

善本者如来ヨシナリ。此嘉名者万善円備セリソナハル ツブサナリ一切善法之本ナリ。故↢善本↡也。

^徳本とくほんとは如来にょらい*徳号とくごうなり。 この徳号とくごう*いっしょうしょうねんするに、 とくじょうまんしゅみなてん十方じっぽうさん徳号とくごうもとなり ゆゑに徳本とくほんといふなり。

徳本者如来徳号ナリ。此徳号者一声称念ルニ、至徳成満衆 禍ワザワイ皆転、十方三世徳号之本ナリ。故↢徳本↡也。

・二尊能化

^しかればすなはち、 *しゃ牟尼むにぶつは、 *どくぞう開演かいえんして十方じっぽうじょくかんしたまふ弥陀みだ如来にょらいはもと*すいちかい このすいがんとはじゅうがんなりおこして、 *しょぐんじょうかいいんしたまへり。

釈迦牟尼仏、開↢演功徳蔵↡、勧↢化タマフメグム  十方濁世↡。阿弥陀如来本発↢果遂ハタシトゲム之誓果遂之願者廿願也 悲↢引タマヘリ諸有群生海↡。

・出願

^すでにしてがんいます。 じきしょ徳本とくほんがんづく、 またねん定生じょうしょうがんづく、 また不果ふか遂者すいしゃがんづく、 また*しんこうがんづくべきなり。

シテイマ↢悲願↡。名↢植ウヽル諸徳本之願↡、復名↢係カク念定生之願↡、復名↢不果遂者之願↡、亦可↠名↢至心回向之願↡也。

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)引文
            (Ⅰ)通じて上釈を成ず
              (ⅰ)正証
                (a)引経
                  (イ)因願成就を示す
                    [一]¬大経¼三文

・第二十願文

【39】^ここをもつて ¬だいきょう¼ (上)がん (第二十願) にのたまはく、

¬大経¼願

^たとひわれぶつたらんに、 十方じっぽうしゅじょうわがみょうごうきて、 ねんをわがくにけて、 *もろもろの徳本とくほんゑて、 しんいたこうしてわがくにしょうぜんとおもはん。 *すいせずはしょうがくらじ」 と。

我得タラムニ↠仏、十方衆生、聞↢我名号↡、係↢念↡、↢諸徳本↡、至↠心回向ハム↠生ムト↢我↡。不↢果遂ハタシトゲ ↡者不↠取↢正覚↡。」

・胎生得失

【40】^またのたまはく (大経・下)

又言

^この*しょにおいてわくしてしんぜず、 しかるになほ罪福ざいふくしんじて、 善本ぜんぽんしゅじゅうして、 そのくにしょうぜんとがんぜん。 このもろもろのしゅじょう、 かの殿でんしょうず」 と。

「於↢此諸智↡疑惑不↠信、然猶信↢罪福↡、修↢習善本↡、願↠生ムト↢其↡。此衆生、生ズト↢彼宮殿↡。」

・果遂の益

【41】^またのたまはく (大経・下)

又言

^もしひと善本ぜんぽんなければ、 このきょうくことをず。 清浄しょうじょう*かいたもてるもの、 いまし*しょうぼうくことをん」 と。

「若人无レバ↢善本↡不↠得↠聞コトヲ↢此
清浄タモテ↠戒ムト↠聞コトヲ↢正法↡」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(a)(イ)[二]¬如来会¼

【42】^¬*りょう寿じゅ如来にょらい¼ (上) にのたまはく、

¬無量寿如来会¼言

^もしわれじょうぶつせんに、 りょうこくのなかのしょしゅじょう、 わがかんをきて、 もつておのれが善根ぜんごんとして極楽ごくらくこうせん。 もしうまれずは、 *だいらじ」 と。

我成仏ムニ、无量国所有衆生、聞↠説ムヲ↢我↡、以善根トシテ回↢向極楽↡。若不↠生者、不↠取↢菩提↡。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(a)(イ)[三]¬平等覚経¼

【43】^¬*びょうどうがくきょう¼ (二) にのたまはく、

¬平等覚経¼言

^このどくあるにあらざるひとは、 このきょうくことをず。 ただ清浄しょうじょうかいたもてるもの、 いましかえりてこのしょうぼうく。

「非↠有ルニ↢是功徳↡人不↠得↠聞コトヲ↢是
タモテ↢清浄↢斯正法

^あく*きょうまん*へい*だいとは、 もつて*このほうしんずることかたし。 *宿しゅくときぶつたてまつれるもの、 このみてそんおしえ*ちょうもんせん。

オゴルアナドルオホフ オコタトハオコタル↣以コト↢於此
宿世マツレル↠仏聴↢ユリテキク信ジテキク世尊

^ひといのちまれべし。 ぶつにましませどもはなはだもうあひがたし。 *しんありていたるべからず。 もし*聞見もんけんせばしょうじんしてもとめよ」 と。

人之命希↠得セドモ↠世↠値
↢信慧↡不↠可聞見セバ精進モンハラコノムヨト

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(a)(ロ)随自真実を示す
                    [一]¬観経¼

【44】^¬かんぎょう¼ にのたまはく、

¬観経¼言

^ぶつなんげたまはく、 ª*なんぢよくこのことばたもて。 このことばたもてといふは、 すなはちこれりょう寿じゅぶつみなたもてとなりº」 と。

「仏告タマハク↢阿難↡、汝好↢是↡。持テトイフ↢是、即是持テトナリト↢无量寿仏↡。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(a)(ハ)真門の教相を示す
                    [一]¬小経¼

【45】^¬弥陀みだきょう¼ にのたまはく、

¬阿弥陀経¼言

^*しょう善根ぜんごん福徳ふくとく因縁いんねんをもつて、 かのくにしょうずることをべからず。 弥陀みだぶつくをきて、 *みょうごうしゅうせよ」 と。

「不↠可↧以↢少善根福徳因縁↡、得↞生コト↢彼↡。聞↠説クヲ↢阿弥陀仏↡執トリヨト名号。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)引釈
                  (イ)「定善義」

【46】^こうみょうしょう (善導) のいはく (定善義)

光明寺和尚

^自余じよしゅぎょう、 これぜんづくといへども、 もし念仏ねんぶつたくらぶれば、 まつたく*きょうにあらざるなり。 このゆゑに、 しょきょうのなかに処々しょしょひろ念仏ねんぶつ*のうめたり。

「自余衆行雖↠名クト↢是善↡、若タクラブ↢念仏、全↢比ナラブタクラブ也。是諸経処処タリ↢念仏功能↡。

^¬りょう寿じゅきょう¼ のじゅうはちがんのなかのごとき、 ただ弥陀みだみょうごう専念せんねんしてしょうずることをかす。

↢¬无量寿経¼四十八願↡、唯明↧専↢念弥陀名号↡得↞生コト

^また ¬弥陀みだきょう¼ のなかのごとし、 一日いちにち七日しちにち弥陀みだみょうごう専念せんねんしてしょうることをと。 ^また十方じっぽう恒沙ごうじゃ諸仏しょぶつ*証誠しょうじょうむなしからざるなり。

又如↢¬弥陀経¼中↡、一日七日専↢念弥陀名号↡得↠生コト。又十方恒沙諸仏証成不↠虚カラ也。

^またこの ¬きょう¼ (観経)じょうさんもんのなかに、 ただみょうごう専念せんねんしてしょうずることをあらわす。

又此¬経¼定散、唯アラハ↧専↢念名号↡得↞生コト

^このれいひとつにあらざるなり。 ひろ念仏ねんぶつ三昧ざんまいあらわしをはんぬ」 と。

例非↠一也。広↢念仏三昧↡竟ヌト。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)「散善義」三文

【47】^またいはく (散善義)

又云

^またけつじょうして、 ¬弥陀みだきょう¼ のなかに、 十方じっぽう恒沙ごうじゃ諸仏しょぶつ一切いっさいぼんしょうかんして、 けつじょうしてしょうずることを深信じんしんせよと。

「又決定深↧信¬弥陀経¼中、十方恒沙諸仏、証↢勧一切凡夫↡、決定↞生コト

^諸仏しょぶつごんぎょうあひしつしたまはず。 たとひしゃ一切いっさいぼんかんして、 この一身いっしんつくして専念せんねん専修せんじゅして、 しゃみょう以後いごさだめてかのくにうまるるといふは、 すなはち十方じっぽう諸仏しょぶつことごとくみなおなじくめ、 おなじくすすめ、 おなじくしょうしたまふ。 なにをもつてのゆゑに、 *同体どうたいだいのゆゑに。 いちぶつしょはすなはちこれ一切いっさいぶつなり、 一切いっさいぶつはすなはちこれいちぶつしょなり。

諸仏言行不↢相違失タマハ↡。縦令釈迦オシヘ↢一切凡夫↡、尽↢此一身↡専念専修、捨命已後定ルヽトイフ↢彼、即十方諸仏悉皆同タマフ。何。同体大悲。一仏所化是一切仏ナリ、一切仏是一仏所化ナリ

^すなはち ¬弥陀みだきょう¼ のなかにかく、 ªまた一切いっさいぼんすすめて、 一日いちにち七日しちにち一心いっしんにして弥陀みだみょうごう専念せんねんすれば、 さだめておうじょうんº と。

¬弥陀経¼中カク 又勧↢一切凡夫↡、一日七日、一心ニシテ専↢念レバ弥陀名号↡、定ムト↢往生↡。

^次下つぎしももん (小経・意) にいはく、 ª^十方じっぽうにおのおのごうしゃとう諸仏しょぶつましまして、 おなじくしゃめたまはく、 よくじょくあくあくかい*あくしゅじょうあく煩悩ぼんのう悪邪あくじゃしんさかんなるときにおいて、 弥陀みだみょうごうさんしてしゅじょう勧励かんれいしてしょうねんせしむれば、 かならずおうじょうº と。 ^すなはちそのしょうなり。

次下、十方シテ↢恒河沙等諸仏↡、同タマハク↢釈迦↡、能↢五濁悪時・悪世界・悪衆生・悪煩悩・悪邪无信ナル↡、指↢賛弥陀名号↡勧↢励衆生↡称念シムレバ↢往生↡。即証也。

^また十方じっぽうぶつとうしゅじょうしゃ一仏いちぶつ所説しょせつしんぜざらんことを恐畏おそれて、 すなはちともに同心どうしんどうにおのおの*舌相ぜっそういだして、 あまねく*三千さんぜんかいおおひてじょうじつごんきたまはく、 ª^なんだちしゅじょう、 みなこのしゃ所説しょせつ所讃しょさんしょしょうしんずべし。 一切いっさいぼん罪福ざいふくしょうせつごんはず、 ただよくかみひゃくねんつくし、 しも一日いちにち七日しちにちいたるまで、 一心いっしん弥陀みだみょうごう専念せんねんすれば、 さだめておうじょうること、 かならずうたがいなきなりº と。

又十方仏等、恐↢畏 オソレ 衆生ラムコトヲ↟信↢釈迦一仏所説↡、即同心同時↢舌相↡、徧↢三千世界↡説タマハク↢誠実↡、汝等ナンダチ衆生、皆応↠信↢是釈迦所説・所讃・所証↡。一切凡夫、不↠問↢罪福多少、時節久近↡、但能上尽↢百年↡、下至マデ↢一日七日↡、一心専↢念レバ弥陀名号↡、定コト↢往生↡必↠疑也

^このゆゑに一仏いちぶつ所説しょせつは、 一切いっさいぶつおなじくその証誠しょうじょうしたまふなり。 これを*にんいてしんつとづくるなり」 と。

一仏所説、一切仏同証↢成タマフ↡也。此クル↢就↠人ツト↟信

【48】^またいはく (散善義)

又云

^しかるに仏願ぶつがんのぞむには、 ただ*しょうねんすすめ、 みなしょうせしむ。 おうじょうきことは、 *雑散ぞうさんごうにはおなじからず。 このきょうおよびしょのなかに処々しょしょひろたんずるがごときは、 すすめてみなしょうせしむるを、 まさに*要益ようやくとせんとするなり、 るべし」 と。

「然↢仏願、唯勧↢正念↡称シム↠名。往生義疾コトハ不↠同カラ↢雑散之業ニハ↡。如キハ↢此経及諸部処処ルガ↡、勧ルヲ↠称↠名↠為ムト↢要益↡也、応シト↠知。」

【49】^またいはく (散善義)

又云

^ª*仏告ぶつごうなん汝好にょこう是語ぜごº より以下いげは、 まさしく弥陀みだみょうごう*ぞくして、 *だい*ずうすることをかすかみよりこのかたじょうさんりょうもんやくくといへども、 ぶつ本願ほんがんのぞまんには、 しゅじょうをして一向いっこうにもつぱら弥陀みだぶつみなしょうするにあり」 と。

「従↢仏告阿難汝好持是語↡已下、正↧付↢嘱弥陀名号↡、流↦通コトヲ於遐代↥。上ヨリ↠説クト↢定散両門之益↡、望マムニハ↢仏本願↡、在リト↣衆生ヲシテ一向ルニ↢弥陀仏↡。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)¬法事讃¼三文

【50】^またいはく (法事讃・下)

又云

^極楽ごくらく*無為むいはんかいなり。 *随縁ずいえん雑善ぞうぜんおそらくはしょうじがたし。 ゆゑに如来にょらい (釈尊) *要法ようぼうえらびて、 おしへて弥陀みだねんぜしめてもつぱらにしてまたもつぱらならしめたまへり」 と。

「極楽无為涅槃ナリ随縁雑善恐クハ↠生
使タマヘリト↧如来選↢要法シメテ↢弥陀↡専ラニシテ復専ナラ↥」

【51】^またいはく (法事讃・下)

又云

^*こうきなんとほっするときじょくさかんなり。 しゅじょう*邪見じゃけんにしてはなはだしんじがたし。 もつぱらにしてもつぱらなれとじゅして*西さいせしめしにのために破壊はえせられてかえりてもとのごとし。

「劫欲↠尽ムト時五濁盛ナリ衆生邪見ニシテ↠信
ニシテナレト指授シメシニ↢西路↠他破壊レテモト

^*曠劫こうごうよりこのかたつねにかくのごとし。 これこんじょうにはじめてみづからさとるにあらず。 まさしくよき*強縁ごうえんはざるによりて、 *りんしてとくしがたからしむることをいたす」 と。

曠劫ヨリ已来↠此↢是今生ルニ
↠不ルニ↠遇↢好強縁スト↠使コトヲ↣輪回カラ↢得度↡」

【52】^またいはく (法事讃・下)

又云

^種々しゅじゅ法門ほうもんみなだつすれども、 念仏ねんぶつして西方さいほうくにぎたるはなし。 かみ*いちぎょうつくし、 *じゅうねん三念さんねんねんいたるまで、 ぶつ*来迎らいこうしたまふ。 ただちに弥陀みだぜいかさなれるをもつて、 ぼんねんずればすなはちしょうぜしむることをいたす」 と。

「種種法門皆解脱レドモ↠過タルハ↣念仏シテクニ↢西方
上尽↢一形↡至マデ↢十念・三念・五念↡仏来迎タマフ
↢弥陀弘誓重レルヲスト↠使コトヲ↢凡夫念レバ↡」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ニ)¬般舟讃¼

【53】^またいはく (般舟讃)

又云

^一切いっさい如来にょらい方便ほうべんもうけたまふこと、 また今日こんにちしゃそんおなじ。 したがひてほうくにみなやくかぶる。 おのおの悟解ごげしんもんれと。

「一切如来設タマフコト↢方便亦同↢今日釈迦尊
↠機クニ↠法皆蒙↠益↢悟解↡入レト↢真門

^ぶっきょうもんにして*八万はちまんなり。 まさしくしゅじょうどうなるがためなり。 安身あんしん常住じょうじゅうところもとめんとおもはば、 まづようぎょうもとめて真門しんもんれ」 と。

仏教多門ニシテ八万四ナリナリ↢衆生機不同ナルガ
ハバ↠覓ムト↢安身常住↢要行↡入レト↢真門↡」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ホ)¬礼讃¼

【54】^またいはく、 *しょうの ¬*礼懴らいさん¼ のもんにいはく、 こうみょう(善導) の ¬礼讃らいさん¼ なり

又云 智昇師¬礼懴儀¼文、光明寺¬礼賛¼也

^それこのごろ、 みづから諸方しょほう道俗どうぞく見聞けんもんするに、 *ぎょうどうにして*専雑せんぞうあり。 ただこころをもつぱらにしてなさしむれば、 じゅうはすなはちじゅうながらしょうず。 ぞうしゅするはしんならざれば、 *せんがなかにひとりもなし」 と。

比日コノゴロ見↢聞ルニ諸方道俗↡、解行不同ニシテ↠異。但使ムレ↢専ニシテ↠意、十ナガラ。修ルハ↠雑↢至心ナラ、千シト。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)追釈
                (a)元照¬阿弥陀経義疏¼

【55】^*がんじょうりっの ¬*弥陀みだきょうしょ¼ にいはく、

元照律師¬弥陀経義疏¼云

^如来にょらいみょうこうすぐれたることをかさんとほっす。 まづぜんへんして*しょう善根ぜんごんとす。 いはゆる*布施ふせ*かいりゅう造像ぞうぞう*礼誦らいじゅぜん*懴念さんねんぎょう一切いっさい福業ふくごう、 もししょうしんなければ、 こうがんするにみなしょうぜんとす。 おうじょういんにあらず。 もしこのきょうによりてみょうごうしゅうせば、 けつじょうしておうじょうせん。 すなはちんぬ、 称名しょうみょうはこれ善根ぜんごん福徳ふくとくなりと。

「如来欲↠明ムト↢持名功勝レタルコトヲ↡。先↢余善↡為↢少善根↡。所↠謂布施・持戒・立寺・造像・礼誦・座禅・懴念・苦行、一切福業、若レバ↢正信↡、回向願求ルニ皆為↢少善↡。非↢往生↡。若↢此↡執↢持名号↡、決定往生。即、称名是多善根・多福徳也

^むかしこのをなしし、 ひとなほ遅疑ちぎしき。 ちか*じょうようせききょう本文ほんもんて、 みょうせり。 はじめて深信じんしんいだく。 かれにいはく、 ª善男ぜんなんぜん女人にょにん弥陀みだぶつくをきて、 一心いっしんにしてみだれず、 みょうごうせんしょうせよ。 称名しょうみょうをもつてのゆゑに、 諸罪しょざいしょうめつす。 すなはちこれ^どく善根ぜんごん福徳ふくとく因縁いんねんなりº」 と。

昔作シヽ↢此↡、人尚遅疑シキ。近↢襄陽石碑本文↡、理冥符セリ。始↢深信↡。彼、善男子・善女人、聞↠説クヲ↢阿弥陀仏↡、一心ニシテ不↠乱、専↢称名号↡。以↢称名↡故諸罪消滅。即多功徳・多善根・多福徳因縁ナリト。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)孤山¬阿弥陀経義疏¼

【56】^*ざんの ¬しょ¼ (*阿弥陀経義疏) にいはく、

孤山¬疏¼云

^ªしゅうみょうごうº とは、 ªしゅうº はいはくしゅうじゅなり、 ªº はいはくじゅうなり。 信力しんりきのゆゑにしゅうじゅこころにあり、 念力ねんりきのゆゑにじゅうしてわすれず」 と。

「執持名号者、執執受ナリ、持住持ナリ。信力執受在↠心、念力住持↠忘。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)別して真実を詳らかにす
              (ⅰ)経説
                (a)¬大経¼

【57】^¬大本だいほん¼ (大経・下) にのたまはく、

¬大本¼言

^如来にょらい*こうもうあひがたくたてまつりがたし。 諸仏しょぶつ*きょうどうがたくきがたし。 さつ*しょうぼうしょ*波羅はらみつくことをることまたかたし。 *ぜんしきひ、 ほうきよくぎょうずること、 これまたかたしとす。 もしこのきょうきてしんぎょうじゅすること、 なんのなかのなん、 これにぎてかたきはなけん。

「如来興世、難↠値↠見マツリ。諸仏経道、難↠得難↠聞。菩薩勝法、諸波羅蜜、得コト↠聞コトヲ亦難↢善知識↡、聞↠法コト、此亦為↠難シト。若↡信楽受持コト、難中之難无ケム↢過↠此キハ↡。

^このゆゑにわがほうかくのごとくなしき、 かくのごとくく、 かくのごとくおしふ。 まさにしんじゅんしてほうのごとくしゅぎょうすべし」 と。

法如↠是シキ、如↠是、如↠是。応シト↢当信順↠法修行↡。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)¬涅槃経¼(正因の義を詳らかにす)

・迦葉品(1)

【58】^¬*はんぎょう¼ (*迦葉品) にのたまはく、

¬涅槃経¼言

^きょうのなかにくがごとし。 一切いっさい*ぼんぎょういんぜんしきなり。 一切いっさいぼんぎょういんりょうなりといへども、 ぜんしきけばすなはちすでに*しょうじんしぬ。 わが所説しょせつのごとし、 一切いっさいあくぎょう邪見じゃけんなり。 一切いっさいあくぎょういんりょうなりといへども、 もし邪見じゃけんけばすなはちすでにしょうじんしぬ。 あるいはかく、 *のく多羅たらさんみゃくさんだい*信心しんじんいんとす。 これだいいんまたりょうなりといへども、 もし信心しんじんけばすなはちすでにしょうじんしぬ」 と。

「如↢経クガ↡。一切梵行善知識ナリ。一切梵行因雖↢无量ナリト↡、説↢善知識↡則摂尽。如↢我所説↡、一切悪行邪見ナリ。一切悪行因雖↢无量ナリト↡、若↢邪見↡則摂尽。或カク、阿耨多羅三藐三菩提信心為↠因。是菩提因雖↢復无量ナリト↡、若↢信心↡則摂尽ヌト。」

・迦葉品(2)

【59】^またのたまはく (涅槃経・迦葉品)

又言

^善男ぜんなんしんしゅあり。 ひとつには*しんふたつには*なり。 かくのごときのひと、 またしんありといへども、 すいにあたはざる、 このゆゑにづけて*しんそくとす。

「善男子、信↢二種↡。一者信、二者求ナリ。如キノ↠是之人、雖↢復有リト↟信不↠能↢推求↡、是為↢信不具足↡。

^しんにまたしゅあり。 ひとつには*もんよりしょうず、 ふたつには*よりしょうず。 このひと信心しんじんもんよりしてしょうじてよりしょうぜざる、 このゆゑにづけてしんそくとす。

復有↢二種↡。一↠聞生、二ニハ↠思生。是信心、従↠聞シテ↢従↠思生↡、是為↢信不具足↡。

^またしゅあり。 ひとつには*どうあることをしんず、 ふたつには*得者とくしゃしんず。 このひと信心しんじん、 ただどうあることをしんじて、 すべて得道とくどうひとあることをしんぜず、 これをづけてしんそくとす。

復有↢二種↡。一ニハ↠有コトヲ↠道、二↢得者↡。是信心、唯信↠有コトヲ↠道、都不↠信↠有コトヲ↢得道之人↡、是為↢信不具足↡。

^またしゅあり。 ひとつにはしんしょうふたつには信邪しんじゃなり。 *いんあり、 *仏法ぶっぽうそうありといはん、 これをしんしょうづく。 いんなく、 *三宝さんぼうしょうことなりといひて、 もろもろのじゃ*らんとうしんずる、 これを信邪しんじゃづく。 このひと仏法ぶっぽう僧宝そうぼうしんずといへども、 *三宝さんぼう同一どういつしょうそうしんぜず。 いんしんずといへども得者とくしゃしんぜず。 このゆゑにづけてしんそくとす。 このひとそくしんじょうじゅすと。

復有↢二種↡。一者信正、二者信邪ナリ。言↧有↢因果↡有リト↦仏法僧↥、是↢信正↡。言シト↢因果三宝性異リト、信↢諸邪語、富闌那等↡、是↢信邪↡。是人雖↠信ズト↢仏法僧宝↡、不↠信↢三宝同一性相↡。雖↠信ズト↢因果↡不↠信↢得者↡。是為↢信不具足↡。是人成↢就スト不具足信↡。

^善男ぜんなんつのぜんあり、 あくぎゃくとくせん。 なんらをかつとする。

善男子、有↢四善事↡、獲↢得悪果↡。何等ヲカ↠四

^ひとつには*しょうのためのゆゑにきょうてん読誦どくじゅす。

者為↢勝他↡故読↢誦経典↡。

^ふたつには*ようのためのゆゑに禁戒きんかいじゅせん。

者為↢利↡故受↢持禁戒↡。

^つには*ぞくのためのゆゑにして布施ふせぎょうぜん。

者為↢他属↡故シテ↢布施↡。

^つには*そう非非ひひ想処そうしょのためのゆゑに*ねんゆいせん。

者為↢非想非非想処↡故繋念思惟

^このつのぜんあくほうん。 もしひとかくのごときの四事しじしゅじゅうせん、 これを、 もっしてもっしをはりてかえりてづ、 でをはりてかえりてもっすとづく。 なんがゆゑぞもつづくる、 *さんねがふがゆゑに。 なんがゆゑぞしゅつづくる、 *みょうるをもつてのゆゑに。 みょうはすなはちこれ*かいじょうくなり。 なにをもつてのゆゑにかえりてしゅつもつするや。 邪見じゃけんぞうじょうきょうまんしょうずるがゆゑに。

善事得↢悪果報↡。若人修↢習キノ↠是四事↡、是↢没、出スト↡。何クル↠没、楽フガ↢三有↡故。何クル↠出、以↠見ルヲ↠明。明者即是聞クナリ↢戒・施・定↡。何出没ルヤ増↢長邪見↡生ルガ↢憍慢↡故

^このゆゑに、 われきょうのなかにおいて*かく、

我於↢経↡説カク↠偈

^ªもししゅじょうありて、 しょこのんで、 のために善悪ぜんあくごうぞうする。 このひとはんどう迷失めいしつするなり。 これを*ざんしゅつげんもつづく。

↢衆生↡楽↢諸有↠有造↢作善悪
迷↢失ルナリ涅槃道↢蹔出還復没

^黒闇こくあんしょうかいぎょうじて、 だつといへども、 煩悩ぼんのうぞうするは、 このひとかえりてあくほうく。 これをざんしゅつげんもつづくº と。

ジテ↢於黒闇生死海↠得↢解脱↡雑ルハ↢煩悩
人還↢悪果報クト↢蹔出還復没

 ^如来にょらいにすなはちしゅ*はんあり。 ひとつには*有為ういふたつには*無為むいなり。 有為ういはん*じょうらくじょうなし、 無為むいはんじょうらくじょうあり。

如来↢二種涅槃↡。一者有為、二者无為ナリ。有為涅槃ナリ楽我浄无為涅槃ナリ有↢常楽我浄↡

^このひとふかくこの*しゅかいともにぜんありとしんず。 このゆゑにづけてかいそくとなす。 このひとしんかい二事にじせず、 所修しょしゅもんもまたそくなり。

↢常人↡深↣是二種戒倶リト果↡↠戒戒不具足、是不↠具↢信・戒二事↡、所多聞ニシテ亦不具足ナリ

^いかなるをかづけて*もんそくとする。 如来にょらい所説しょせつ*じゅうきょうなり、 ただろくしんじていまだろくしんぜず。 このゆゑにづけてもんそくとす。

云何ヲカ↢聞不具足↡。如来所説十二部経ナリ、唯信↢六部↡未↠信↢六部↡。是為↢聞不具足↡。

^またこのろくきょうじゅすといへども、 *読誦どくじゅにあたはずしてのためにせつするは、 やくするところなけん。 このゆゑにづけてもんそくとす。

↣復受↢持スト六部↡、不シテ↠能↢読誦↡為↠他ルハ、无ケム↠所↢利益↡。是為↢聞不具足↡。

^またこのろくきょうけをはりて、 ろんのためのゆゑに、 しょうのためのゆゑに、 ようのためのゆゑに、 *しょのためのゆゑに、 *どくじゅせつせん。 このゆゑにづけてもんそくとす」 と。

又復受↢是六部↡已、為↢論議↡故、為↢勝他↡故、為↢利養↡故、為↢諸有↡故、持読誦説。是↢聞不具足↡。」

・徳王品

【60】^またのたまはく (涅槃経・*徳王品)

又言

^善男ぜんなん第一だいいち真実しんじつぜんしきは、 いはゆるさつ諸仏しょぶつなり。 ^そん、 なにをもつてのゆゑに、 ^つねに三種さんしゅ*ぜん調じょうをもつてのゆゑなり。 なんらをかつとする。 ひとつには*ひっきょうなんふたつには*ひっきょうしゃくつには*なんしゃくなり。 このをもつてのゆゑに、 さつ諸仏しょぶつはすなはちこれ真実しんじつぜんしきなり。

「善男子、第一真実善知識、所↠謂菩薩・諸仏ナリ。世尊、何↢三種善調御↡故ナリ。何等ヲカ↠三。一者畢竟軟語、二者畢竟呵責、三者軟語呵責ナリ。以↢是↡故菩薩・諸仏是真実善知識也。

^またつぎ善男ぜんなんぶつおよびさつだいとするがゆゑに、 ぜんしきづく。 なにをもつてのゆゑに、 やまいりてくすりる、 やまいおうじてくすりさずくるがゆゑに。 たとへばりょう*八種はっしゅじゅつのごとし。 まづびょうそうかんず。 そう三種さんしゅあり。 なんらをかつとする。 いはくふうねつすいなり。 *ふうびょうひとにはこれに*蘇油そゆさずく。 *ねつびょうひとにはこれに*しゃくみつさずく。 *すいびょうひとにはこれに*きょうとうさずく。 びょうこんるをもつてくすりさずくるに、 ゆることを。 ゆゑにりょうづく。

復次善男子、仏及菩薩ルガ↢大医↡故↢善知識↡。何↠病↠薬、応↠病ルガ↠薬。譬↢良医八種↡。先↢病相↡。相↢三種↡。何等ヲカ↠三。謂風・熱・水ナリ。風病之人ニハ↢之蘇油↡。熱病之人ニハ↢之石蜜↡。水病之人ニハ↢之薑湯↡。以↠知ルヲ↢病根↡授ルニ↠薬、得↠シャルコトヲ。故↢良医↡。

^ぶつおよびさつもまたまたかくのごとし。 もろもろのぼんやまいるに三種さんしゅあり。 ひとつには*貪欲とんよくふたつには*しんつには*愚痴ぐちなり。 貪欲とんよくやまいにはおしへて*骨相こっそうかんぜしむ。 しんやまいには慈悲じひそうかんぜしむ。 愚痴ぐちやまいには*じゅう縁相えんそうかんぜしむ。 このをもつてのゆゑに諸仏しょぶつさつぜんしきづく。

仏及菩薩亦復如↠是。知ルニ↢諸凡夫↡有↢三種↡。一者貪欲、二者瞋恚、三者愚痴ナリ。貪欲シム↢骨相↡。瞋恚者観シム↢慈悲↡。愚痴者観シム↢十二縁相↡。以↢是↡故諸仏・菩薩↢善知識↡。

^善男ぜんなん、 たとへばせんのよくひとするがゆゑにだいせんづくるがごとし。 諸仏しょぶつさつもまたまたかくのごとし。 もろもろのしゅじょうをしてしょう大海だいかいす。 このをもつてのゆゑにぜんしきづく」 と。

善男子、譬↣船師↠人クルガ↢大船師↡。諸仏・菩薩亦復如↠是。度↢諸衆生ヲシテ生死大海↡。以↢是↡故クト↢善知識↡。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(c)¬華厳経¼(前を結び後を生ず)

・入法界品(1)

【61】^¬*ごんぎょう¼ (*入法界品・唐訳) にのたまはく、

¬華厳経¼言

^なんぢぜんしきねんずるに、 われをめる、 父母ぶものごとし。 われをやしなふ、 にゅうのごとし。 *だいぶんぞうじょうす、

「汝念ルニ↢善知識↠我↢父母
↠我↢乳母増↢長提分

^しゅうしつりょうするがごとし。 てんかんそそぐがごとし。 しょうどうしめすがごとし。 つきじょうりんてんずるがごとし」 と。

↣医↢療ルガ↣天グガ↢甘露
↣日スガ↢正道↣月ルガ↢浄輪↡」

・入法界品(2)

【62】^またのたまはく (華厳経・入法界品・唐訳)

又言

^如来にょらいだい慈悲じひけんしゅつげんして、 あまねくもろもろのしゅじょうのために、 *じょう法輪ほうりんてんじたまふ。

「如来大慈悲出↢現於世間
↢諸衆生タマフ↢无上法輪

^如来にょらいしゅこうごんせしことはしゅじょうのためなり。 いかんぞもろもろのけん、 よくだいおんほうぜん」 と。

如来无数劫勤苦セシコトハナリ↢衆生
云何世間ムト↢大師↡」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)師釈(仏恩を明かして報謝を勧む)
                (a)¬般舟讃¼

【63】^こうみょうしょう (善導) のいはく (般舟讃)

光明寺和尚

^ただうらむらくは、 しゅじょううたがふまじきをうたがふことを。 じょう対面たいめんしてあひたがはず。 弥陀みだしょうしょうとをろんずることなかれ。 こころ専心せんしんにしてするとせざるとにあり。

「唯恨ラクハ衆生コトヲマジキヲ↠疑浄土対面シテ不↢相タガ
↠論コト↢弥陀不摂トヲ意在↢専心ニシテスルトルトニ↟回

^あるいはいはく、 きょうよりぶっいたるまで、 じょうごうぶつめておんほうぜん。 弥陀みだぜいちからかぶらずは、 いづれのときいづれのこうにかしゃでん、

ケフマデ↢仏果長劫↠仏↢慈恩
↠蒙↢弥陀弘誓時何ニカ↢娑婆

^いかんしてか今日こんにち*宝国ほうこくいたることをせん。 まことにこれ*しゃほんちからなり。 もし*ほんしきすすめにあらずは、 弥陀みだじょういかんしてからん。

イカンシテカセム↣今日至コトヲ↢宝国是娑婆本師ナリ
ズハ↢本師知識メニ弥陀浄土云何シテカ

^じょうしょうずることをおんほうぜよ」 と。

↠生コト↢浄土↡報ヨト↢慈恩↡」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)¬礼讃¼

【64】^またいはく (礼讃)

又云

^ぶつみよにはなはだもうあひがたし。 ひとしんあることかたし。 たまたま希有けうほうくこと、 これまたもつともかたしとす。

「仏ニハ↠値人有コト↢信慧↡難
コト↢希有此復最為↠難シト

^*みづからしんじ、 ひとおしへてしんぜしむること、 かたきなかにうたたまたかたし。 だいひろ*しょうほっの ¬*さん¼ のもんなり あまねくするは、 まことに仏恩ぶっとんほうずるになる」 と。

↠人シムルコトマタ
大悲弘ルハルト↠報ルニ↢仏恩↡」
字 知昇法師¬懴儀¼文也

一 Ⅰ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(c)¬法事讃¼二文

【65】^またいはく (法事讃・下)

又云

^*帰去来いざいなん*きょうにはとどまるべからず。 ぶつしたがひて*ほんせよ。 *本国ほんごくかえりぬれば、 一切いっさい*ぎょうがんねんじょうず。

帰去来 イザイナム 他郷ニハ不↠可↠停
↠仏↢本家↡還ヌレバ↢本国一切行願自然

^悲喜ひきまじはりながる。 ふかくみづからはかるに、 しゃぶつかいによらずは、 弥陀みだ*みょうがんづれのときにかかんぶつおんなひても、 じつほうじがたし」 と。

悲喜交ルニ↠因↢釈迦仏開悟
弥陀名願何ニカヒテモ↢仏慈恩↡実シト↠報

【66】^またいはく (法事讃・下)

又云

^*十方じっぽう*六道ろくどうおなじくこれ*りんしてきわなし、 *循々しゅんじゅんとして*あいしずみてかいしずむ。 仏道ぶつどう人身にんじんがたくしていますでにたり。 じょうきがたくしていますでにけり。 信心しんじんおこしがたくしていますでにおこせり」 と。

「十方六道、同此輪回↠際、循循トシテ↢愛波↢苦海↡。仏道人身難クシテ↠得今已タリ。浄土難クシテ↠聞今已。信心難クシテ↠発今已セリト。」

一 Ⅰ ⅱ c ロ (三)結誡

・真門四失

【67】^まことにんぬ、 専修せんじゅにして*雑心ざっしんなるものは*だいきょうしんず。 ゆゑにしゅう (善導) は、 「^かの仏恩ぶっとん念報ねんぽうすることなし。 *ごうぎょうをなすといへどもこころ*きょうまんしょうず。 つねに*みょう相応そうおうするがゆゑに、 *にんおのづからおおひて*どうぎょう*ぜんしき親近しんごんせざるがゆゑに、 このみて雑縁ぞうえんちかづきておうじょう正行しょうぎょう*しょうしょうするがゆゑに(礼讃) といへり。

専修シテ雑心ナル不↠獲↢大慶喜心↡。故宗師↧「無↣念↢報コト仏恩↠作スト↢業行↡心↢軽慢↢名利↡相応ルガ、人我ルガ↣親↢近同行・善知識↡故コノミキテ↢雑縁↡自↢障障↣他スルガ往生正行↡故ニト」↥。

・悲嘆述懐

 ^かなしきかな、 *しょうぼん*さいよりこのかたじょしょう間雑けんぞうじょうさんしんぞうするがゆゑに、 しゅっそのなし。 みづからてんりんはかるに、 *じんごうちょうすれども、 仏願ぶつがんりきしがたく、 大信だいしんかいりがたし。 まことに*しょうすべし、 ふかたんすべし。

哉、垢障凡愚、自↢従无際↡已来助正間雑、定散心雑ルガ出離无↢其期↡。ハカルニ↢流転輪回↡、超↢過ドモ微塵劫↡、叵↠帰↢仏願力↡、叵↠入大信海↡。良↢傷嗟ナゲキナゲク↡、深↢悲歎ナゲク↡。

・自力念仏の失

^おほよそ*だいしょうしょうにん一切いっさい善人ぜんにん本願ほんがんごうをもつておのれが善根ぜんごんとするがゆゑに しんしょうずることあたはずぶっさとず。 *かのいんこんりゅうせることをりょうすることあたはざるゆゑに、 *ほうることなきなり。

大小聖人・一切善人、以↢本願ヨシ↡為ルガ↢己善根↡故不↠能↠生コト↠信、不↠了↢仏智↡。不↠能↤了↣知コト建↢立セルコトヲ↡故↠入コト↢報土↡也。

自喜を申べて結す
    所得の法を明かす【三願転入】

【68】^ここをもつて禿とくしゃくらん*論主ろんじゅ解義げぎあおぎ、 *しゅうかんによりて、 ひさしく*まんぎょう諸善しょぜんもんでて、 なが*双樹そうじゅりんおうじょうはな*善本ぜんぽん徳本とくほん真門しんもんにゅうして、 ひとへに*なんおうじょうしんおこしき。

愚禿釈鸞、仰↢論主解義↡、依↢宗師勧化↡、久↢万行諸善之仮門↡、永↢双樹林下之往生↡。回↢入善本徳本真門↡、偏シキ↢難思往生之心↡。

^しかるにいまことに方便ほうべん真門しんもんでて、 *せんじゃく願海がんかい*てんにゅうせり。 すみやかになんおうじょうしんはなれて、 *なん思議じぎおうじょうげんとほっす。 *すいちかい (第二十願)、 まことにゆえあるかな。

コトヒトリ↢方便真門↡転↢入セリ選択願海↡。速↢難思往生↡欲↠遂ムト↢難思 議ハカラフ往生↡。果遂之誓、良↠由哉。

一 Ⅱ 所得を伝ふることを明かす

^ここにひさしく願海がんかいりて、 ふか仏恩ぶっとんれり。 とく報謝ほうしゃせんがために、 しんしゅう簡要かんようひろうて、 ごうじょう不可ふか思議しぎ徳海とくかいしょうねんす。 いよいよこれをあいし、 ことにこれをちょうだいするなり。

↢願海↡深レリ↢仏恩↡。為↣報↢謝ムクフ至徳↡、ヒロフ↢真宗簡要↡恒常称↢念不可思議徳海↡。弥喜↢愛↡、コト頂↢戴↡也。

一 Ⅱ 去就の所を示す【結説総勧】
      法義の通塞を明かす

【69】^まことにんぬ、 しょうどうしょきょうは、 *ざいしょうぼうのためにして、 まつたく*像末ぞうまつ*法滅ほうめつ時機じきにあらず。 すでにときしっそむけるなり。

聖道諸教、為↢在世・正法シテ↢像末・法滅之時機↡。已↠時ケル↠機也。

^*じょうしんしゅうは、 ざいしょうぼう像末ぞうまつ法滅ほうめつじょくあく群萌ぐんもうひとしくいんしたまふをや。

浄土真宗者、在世・正法、像末・法滅、濁悪群萌、斉悲引タマフヲ

一 Ⅱ ⅲ 説人の是非を明かす

【70】^ここをもつてきょうによりてしゃくひらきたるに、 「説人せつにん差別しゃべつべんぜば、 おほよそしょきょうせつしゅぎず。 ひとつには仏説ぶっせつふたつには*しょうせつつには*天仙てんせんせつつには*じんせついつつには*へんせつなり」 (玄義分) と。 しかれば、 しゅ所説しょせつ信用しんようにたらず。 このさんぎょうはすなはちだいしょう (釈尊)せつなり。

↢経家↡披タルニ↢師釈↡、「ワキマウ↢説人差別、凡諸経起説不↠過↢五種↡。一者仏説、二者聖弟子説、三者天仙説、四者鬼神説、五者変化説ナリ。」爾四種所説不↠足↢信用↡。斯三経者則大聖自説也。

一 Ⅱ ⅲ 所依の正不を明かす(¬大智度論¼)

【71】^¬大論だいろん¼ (*大智度論)*四依しえしゃくしていはく、

¬大論¼釈↢四依↡云

^*はんりなんとせしとき、 もろもろの比丘びくかたりたまはく、 ª今日こんにちより*ほうりて*にんらざるべし、 *りて*らざるべし、 *りて*しきらざるべし*りょうきょうりて*りょうらざるべし。

↠入ナムト↢涅槃↡時、語タマハク↢諸比丘↡、従↢今日↡応↢依↠法↟依↠人、応↢依↠義↟依↠語、応↢依↠智↟依↠識、応↧依↢了義経↡不↞依↢不了義↡。

^ほうるとは、 ほう*じゅう二部にぶあり、 このほうしたがふべし、 にんしたがふべからず。

↠法者、法↢十二部↡、応↠随↢此↡、不↠応↠随↠人

^るとは、 のなかに好悪こうあく罪福ざいふくじつあらそふことなし、 ゆゑにはすでにたり、 にあらざるなり。 ひと*ゆびをもつて*つきおしふ、 もつてわれをきょうす、 ゆびかんしてつきざるがごとし。 ひとかたりていはん、 «われゆびをもつてつきおしふ、 なんぢをしてこれをらしむ、 なんぢなんぞゆびて、 しかうしてつきざるや» と。 これまたかくのごとし。 ゆびとす、 にあらざるなり。 これをもつてのゆゑに、 るべからず。

者、義↠諍コト↢好悪・罪福・虚実↡、故タリ↠義、義↠語也。如↧人以↠指オシ↠月示↢教↡、看↢視ルガ↞視↠月。人語、我以↠指↠月↢汝ヲシテ↟之、汝何↠指ルヤト視↠月。此亦如↠是。語為↢義↡、語↠義也。以↠此、不↠応↠依↠語

^るとは、 はよく善悪ぜんあく*籌量ちゅうりょう分別ふんべつす。 しきはつねにらくもとむ、 *しょうように入らず。 このゆゑにしきるべからずといへり。

者、智籌↢量分↣別善悪↡。識↠楽、不↠入↢正要↡。是↢不↡。

^りょうきょうるとは、 一切いっさいにんいます、 ぶつ第一だいいちなり。 一切いっさいしょきょうしょのなかに仏法ぶっぽう第一だいいちなり。 一切いっさいしゅのなかに*比丘びくそう第一だいいちなりº と。

了義経者、イマ↢一切智人↡仏第一ナリ。一切諸経書仏法第一ナリ。一切衆比丘僧第一ナリ

^ぶっしゅじょうを、 ぶつこれをじゅうざいとしたまへり、 見仏けんぶつ善根ぜんごんゑざるひとなり」 と。

无仏世衆生、仏為タマヘリ↢此重罪↡、不↠種↢見仏善根↡人ナリト。」

【72】^しかれば、 *末代まつだい道俗どうぞく、 よく四依しえりてほうしゅすべきなりと。

末代道俗、善↧知リテ↢四依↡修↞法

門外の仮偽を簡ぶ
  総標

【73】^しかるにしょうしんきょうによつて*とく伝説でんせつひらく。 しょうどうじょうしん顕開けんかいして、 じゃ*しゅうきょうきょうかい

↢正真教意↡披↢古徳ツタウ↡。顕↢開聖道・浄土真仮↡、教↢誡イマシム邪 偽イツワル異執外教↡。

別弁
    真仮を弁ず【聖道釈】
      聖浄二門の通塞を分別す【二門通塞】
        略示

^如来にょらいはんだい*勘決かんけつしてしょうぞう末法まっぽう*さいかいす。

勘↢カンガフサダム如来涅槃之時代↡開↢示正像末法ムネキワ↡。

二 Ⅱ ⅰ a 引文
          (一)¬安楽集¼四文

・第五大門

【74】^ここをもつて*げんちゅうしゃくしょう (道綽) のいはく (安楽集・下)

玄忠寺綽和尚

^しかるに*修道しゅどうしん相続そうぞくしてえずして、 一万いちまんごうてはじめて*退たいくらいしょうす。 当今とうこんぼんげん*信想しんそうきょうもうづく、 また*みょうといへり、 また*じょうじゅづく、 また*ぼんづく。 いまだ*たくでず。

「然修道之身、相続シテ↠絶、逕↢一万劫↡始↢不退↡。当今凡夫↢信想軽毛亦曰↢仮名↡、亦名↢不定聚↡、亦名↢外凡夫↡。未↠出↢火宅↡。

^なにをもつてることをんと、 ¬*さつ瓔珞ようらくきょう¼ によりて、 つぶさに*にゅうどうぎょうべんずるに、 *ほうなるがゆゑになんぎょうどうづく」 と。

ムト↠知コトヲ、拠↢¬菩薩瓔珞経¼↡、具ルニ↢入道行位↡、法爾ナルガクト↢難行道↡。」

・第一大門

【75】^またいはく (安楽集・上)

又云

^*きょうこうしょかして、 *やくかぶらしめてじょうかんすることあらば、 もしきょうそむけば、 しゅしがたくりがたし。

「有↧明↢教興所由↡、約↠時シメテ↠機勧↦帰コト浄土、若、難↠修↠入

^¬*しょうぼうねんぎょう¼ にいはく、

¬正法念経¼云

^ªぎょうじゃ一心いっしんどうもとめんとき、 つねにまさにとき方便ほうべんとを観察かんざつすべし。 もしときざれば方便ほうべんなし。 これをづけてしつとす、 づけず。

行者一心メム↠道↣観↢察方便トヲ
レバ↠得↠時↢方便↡為↠失不↠名↠利

^いかんとならば、

トナラ

湿うるおへるりてもつてもとめんに、 べからず、 ときにあらざるがゆゑに。 もしれたるたきぎりてもつてみずもとめんに、 みずべからず、 なきがごときのゆゑにº と。

キノ↧攅↢湿ヘル↡以メムニ↠火火不↠可↠得非ルガ↠時
↢乾タル↡以メムニ↠水水不↠可↠得無キガ↞智故ニト

^¬*だいじゅう月蔵がつぞうきょう¼ にのたまはく (大集経)、 ª^ぶつ*めつのち第一だいいちひゃくねんには、 わがもろもろの弟子でし*まなぶことけんなることをん。 だいひゃくねんには*じょうまなぶことけんなることをん。 第三だいさんひゃくねんには*もん*読誦どくじゅまなぶことけんなることをん。 だいひゃくねんにはとうぞうりゅうし、 ふくしゅし、 *さんすることけんなることをん。 だいひゃくねんには*びゃくほう隠滞おんたいしておお*じょうじゅあらん、 すこしき*善法ぜんぼうありてけんなることをんº と。

¬大集月蔵経¼云、仏滅度第一五百年ニハ弟子、学コト↠慧↢堅固ナルコト↡。第二五百年ニハコト↠定↢堅固ナルコト↡。第三五百年ニハコト↢多聞・読誦↡得↢堅固ナルコト↡。第四五百年ニハ造↢立塔寺↡修↠福、懴悔コト↢堅固ナルコト↡。第五五百年ニハ白法隠滞↢諍訟↡、微↢善法↡得↢堅固ナルコト↡。

^いまときしゅじょうはかるに、 すなはちぶつりたまひてのちだいひゃくねんあたれり。 まさしくこれさんし、 ふくしゅし、 ぶつみょうごうしょうすべきときのものなり。 一念いちねん弥陀みだぶつしょうするに、 すなはちよくはちじゅうおくこうしょうつみじょきゃくせん。 一念いちねんすでにしかなり。 いはんやじょうねんしゅするは、 すなはちこれつねにさんするひとなり」 と。

ルニ↢今衆生↡、即レリ↢仏去タマヒテ↠世第四五百年↡。正是懴悔↠福、応↠称↢仏名号↡時ナリ。一念称ルニ↢阿弥陀仏↡、即除↢却八十億劫生死之罪↡。一念既ナリ。況ルハ↢常念↡、即是恒懴悔人也。」

・第六大門

【76】^またいはく (安楽集・下)

又云

^きょう*じゅうめつべんぜば、 いはく、 *しゃ牟尼むにぶつ一代いちだい*しょうぼうひゃくねん*像法ぞうぼういっ千年せんねん*末法まっぽう一万いちまんねんには、 しゅじょうげんき、 しょきょうことごとくめっせん。 如来にょらいつうしょうしゅじょうあいして、 *こときょうとどめてじゅうせんことひゃくねんならん」 と。

↢経住滅、謂釈迦牟尼仏一代、正法五百年、像法一千年、末法一万年ニハ、衆生減、諸経悉。如来悲↢哀痛焼衆生↡、特↢此↡止住ムコト百年ナラムト。」

・第三大門

【77】^またいはく (安楽集・上)

又云

^¬大集だいじっきょう¼ にのたまはく、 ª^わが末法まっぽうときのなかの億々おくおくしゅじょうぎょうおこどうしゅせんに、 いまだ一人いちにんるものあらじº と。

「¬大集経¼云、我末法億億衆生、起↠行ムニ↠道、未↠有↢一人↡。

^当今とうこん末法まっぽうにしてこれ*じょくあくなり。 ただじょう一門いちもんのみありてつうにゅうすべきみちなり」 と。

当今末法ニシテ是五濁悪世ナリ。唯有↢浄土一門ノミ↡可↢通入↡路ナリト。」

二 Ⅱ ⅰ 末法弘化の宗軌を顕示す【三時開遮】
        上を承けて道俗を誡む

【78】^しかれば、 あくじょくぐんじょう末代まつだいさいらず、 そう威儀いぎそしいまとき*道俗どうぞく、 おのれがぶんりょうせよ。

穢悪濁世群生、不↠知↢末代旨際↡、毀↢僧尼威儀↡。今道俗思↢量↡。

二 Ⅱ ⅰ b 弘化の宗軌を顕す
          (一)先づ末法の年時を定む

【79】^*さんきょうあんずれば、 *如来にょらいはつはんだいかんがふるに、 *しゅうだいしゅ*ぼくおう*じゅう三年さんねんみずのえさるあたれり。 そのみずのえさるよりわが*元仁げんにん元年がんねん 元仁げんにんとは*堀川ほりかわいんいみな茂仁もちひと聖代せいだいなり きのえさるいたるまで、 *せんいっぴゃくしちじゅう三歳さんさいなり。 また ¬*賢劫げんごうきょう¼・¬*仁王にんのうぎょう¼・¬*はん¼ とうせつによるに、 すでにもつて末法まっぽうりて*ろっぴゃくしちじゅう三歳さんさいなり

↢三時、勘カンガフ↢如来般涅槃時代↡、当レリ↢周第五主穆王五十一年壬申↡。従↢其壬申↡至マデ↢我元仁元年 元仁者後堀河院茂仁聖代也 甲申↡、二千一百八十三歳也。又依ルニ↢¬賢劫経¼・¬仁王経¼・¬涅槃¼等↡、已↢末法↡六百八十三歳也。

二 Ⅱ ⅰ b ロ (二)¬末法燈明記¼を引きて正しく顕す

【80】^¬*末法まっぽうとうみょう¼ *さいちょう製作せいさくえつするにいはく、

披↢閲ルニ¬末法灯明記¼↡ 最澄製作

^「それ*一如いちにょ範衛はんえいしてもつてながすものは*法王ほうおう^*かい光宅こうたくしてもつてふうるるものは*仁王にんのうなり。 ^しかればすなはち、 仁王にんのう法王ほうおう、 たがひにあらわれて*ものかいし、 *真諦しんたい俗諦ぞくたいたがひによりてきょうひろむ。 このゆゑに*玄籍げんせき*だいち、 *ゆうてんてり。

「夫範↢衛一如↡以↠化法王、光↢宅四海↡以↠風仁王ナリ。然仁王・法王互↠物、真諦・俗諦遞↠教所以コノユヱニ玄籍盈↢宇内↡、嘉猶溢↢天下↡。

^ここにそうそっして*天網てんもうり、 して*げんあおぐ。 いまだ*寧処ねいしょいとまあらず。

愚僧等率↢天網↡、俯↢厳科↡。未↠遑アラ↢寧処↡。

^しかるにほうさんあり、 ひとまた*三品さんぼんなり。 *せいむねときによりて興替こうたいす。 さんもんひとしたがつて取捨しゅしゃす。 それ*さんうん*減衰げんすいおなじからず。 *後五ごご慧悟えごまたことなり。 あにいちによつてすくはんや、 いちについてたださんや。

↢三時↡、人亦三品ナリ。化制之旨依↠時。毀讃之文シタガ↠人取捨。夫三之運、減衰不↠同カラ。後五之機、慧悟又異ナリ。豈↢一途↡済ムヤ、就↢一理タダサ

^ゆゑにしょう像末ぞうまつさいつまびらかにして、 こころみに*破持はじそうあらわさん。 なかにおいてさんあり。 はじめにはしょう像末ぞうまつけっす。 つぎ破持はじそうさだむ。 のちきょうげてれいす。

ニシテ↢正像末之旨際↡、試↢破持僧之事↡。於↠中↠三。初ニハ正像末↡。次↢破持僧↡。後↠教比例

 ^はじめにしょう像末ぞうまつけっするに、 諸説しょせついだすことおなじからず。 しばらく一説いっせつじゅっせん。

ルニ↢正像末↡、出コト↢諸説↡不↠同カラ。且セム↢一説↡。

^だいじょう*、 ¬賢劫げんごうきょう¼ をきていはく、 ª^ぶつはんのちしょうぼうひゃくねん像法ぞうぼういっ千年せんねんならん。 このせんひゃくねんのちしゃほう滅尽めつじんせんº と。 ^末法まっぽうをいはず。 所説しょせつなずらふるに、 *はっきょうしたがはずしてだいなるがゆゑに、 ほうきょうぞうせず。 ゆゑにかれによらず。

大乗基、引↢¬賢劫経¼↡言、仏涅槃後、正法五百年、像法一千年ナラム。此千五百年後、釈迦法滅尽ムト。不↠言↢末法↡。准フルニ↢余所説↡、尼不↠順↢八敬シテ懈怠ナルガ法不↢更増↡。故不↠依↠彼

^また ¬はんぎょう¼ に、 ª^末法まっぽうのなかにおいてじゅうまん*だいさつしゅましまして、 ほうたもちてめっせずº と。 ^これはじょうによるがゆゑにまたおなじからず。

又¬涅槃経¼、於↢末法↡有シテ↢十二万大菩薩衆↡、持↠法↠滅。此ルガ↢上位↡故亦不↠同カラ

 ^ふ。 もししからば、 せんひゃくねんのうちのぎょういかんぞや。

。若千五百年之内行事云何ゾヤ

 ^こたふ。 ¬*だいじゅつきょう¼ によるに、 ª^ぶつはんのちはじめのひゃくねんには、 *だいしょうとう*しちげんじょうそうだいしょうぼうたもちてめっせず、 ひゃくねんのちしょうぼう滅尽めつじんせんと。

。依ルニ↢¬大術経¼↡、仏涅槃五百年ニハ、大迦葉等七賢聖僧、次第↢正法↡不↠滅、五百年後、正法滅尽ムト

^ろっぴゃくねんいたりてのち*じゅうしゅどうきおおこらん。 *みょうでてもろもろのどうぶくせん。

↢六百年↡後、九十五種外道競馬鳴出↠世↢諸外道↡。

^しちひゃくねんのうちに、 *りゅうじゅでて邪見じゃけんはたぼこくだかん。

七百年、龍樹出↠世↢邪見↡。

^はっぴゃくねんにおいて、 比丘びく*じゅういつにして、 わづかにいち*どうるものあらん。

↢八百年↡、比丘縦逸ニシテ、僅一二有↠得モノ↢道果↡。

^ひゃくねんいたりて、 比丘びくとし、 とせん。

↢九百年↡、奴為↢比丘↡、婢↠尼

^いっ千年せんねんのうちに、 *じょうかんかん、 しんしてほっせじ。

一千年↢不浄観↡、瞋恚不↠欲

^せんいっぴゃくねんに、 *そうじゅせん、 そう*毘尼びにほうせん。

千一百年、僧尼 嫁ムコトリ ヨメトリ、毀↢謗僧毘尼↡。

^せんひゃくねんに、 しょそうとうともにそくあらん。

千二百年、諸僧尼等倶↢子息↡。

^せんさんびゃくねんに、 *袈裟けさへんじてしろからん。

千三百年、袈裟変カラム

^せんひゃくねんに、 *四部しぶ弟子でしみなりょうのごとし、 三宝さんぼうもつらん。

千四百年、四部弟子皆如↢猟師↡、売↢三宝物↡。

^ここにいはく、 せんひゃくねん*せんこくにふたりのそうありて、 たがひに是非ぜひおこしてつひに殺害せつがいせん、 よつてきょうぼうりゅうぐうおさまるなりº と。

、千五百年睒弥国↢二僧↡、互↢是非↡遂殺害教法オサマ↢於竜宮↡也

^¬はん¼ のじゅうはちおよび ¬仁王にんのう¼ とうにまたこのもんあり。

¬涅槃¼十八及¬仁王¼等復有↢此文↡。

^これらのきょうもんなずらふるに、 せんひゃくねんのち*かい*じょう*あることなきなり。

フルニ↢此等経文↡、千五百年後、無↠有コト↢戒・定・慧↡也。

^ゆゑに ¬大集だいじっきょう¼ のじゅういちにいはく、 ª^わがめつのちはじめのひゃくねんには、 もろもろの比丘びくとうわがしょうぼうにおいて*だつけんならん。 はじめにしょうるをづけてだつとす。 つぎひゃくねんには、 *ぜんじょうけんならん。 つぎひゃくねんには、 *もんけんならん。 つぎひゃくねんには、 *ぞうけんならん。 のちひゃくねんには、 *とうじょうけんならん、 *びゃくほう隠没おんもつせんº と云々うんぬん

¬大集経¼五十一、我滅度後、初五百年ニハ、諸比丘等於↢我正法↡解脱堅固ナラムルヲ↢聖果↡名為↢解脱↡。五百年ニハ、禅定堅固ナラム。次五百年ニハ、多聞堅固ナラム。次五百年ニハ、造寺堅固ナラム。後五百年ニハ、闘諍堅固ナラム。白法隠没ムト云云。

^このはじめの三分さんぶんひゃくねんは、 いでのごとくかいじょう三法さんぽうけんじゅうすることをん。 すなはちかみくところのしょうぼうひゃくねん像法ぞうぼう一千いっせん二時にじこれなり。 ^ぞう以後いごは、 ならびにこれ末法まっぽうなり。

意、初五百年、如デノ戒・定・慧三法、堅固↠住コトヲ。即↠引正法五百年、像法一千二時是也。造寺已後、並是末法ナリ

^ゆゑにの ¬*般若はんにゃしゃく¼ にいはく、 ª^しょうぼうひゃくねん像法ぞうぼういっ千年せんねん、 このせんひゃくねんのちしょうぼう滅尽めつじんせんº と。 ^ゆゑにんぬ、 以後いごはこれ末法まっぽうぞくす。

¬般若会¼云、正法五百年、像法一千年、此千五百年後之正法滅尽ムト。故已後是属↢末法↡。

 ^ふ。 もししからば、 いまは、 まさしくいづれのときにかあたれるや。

。若、正ルヤ↢何ニカ↡。

 ^こたふ。 めつ年代ねんだいせつありといへども、 しばらくりょうせつぐ。

。滅後年代雖↠有リト↢多説↡、且↢両説↡。

^ひとつには*ほうじょうとう、 ¬*しゅう¼ のせつによりていはく、 ^ぶつだいしゅ*ぼくおうまんじゅう三年さんねんみずのえさるあたりてにゅうめつしたまふと。 ^もしこのせつによらば、 そのみずのえさるよりわが*えんりゃくじゅうねんかのとのみいたるまで、 一千いっせんしちひゃくじっさいなり。

ニハ法上師等、依↢¬周異¼説↡言、仏当第五主穆王満五十一年壬申↡入滅タマフト。若↢此↡、従↢其壬申↡至マデ↢我延暦二十年辛巳↡、一千七百五十歳ナリ

^ふたつには*ちょうぼうとうの ¬*春秋しゅんじゅう¼ によらば、 ^ぶつしゅうだいじゅうしゅ*きょうおうはんねんみずのえあたりてにゅうめつしたまふ。 ^もしこのせつによらば、 そのみずのえよりわがえんりゃくじゅうねんかのとのいたるまで、 一千いっせんひゃく十歳じっさいなり。

ニハ費長房等、依↢魯¬春秋¼↡、仏当↢周第二十主匡王班四年壬子↡入滅タマフ。若↢此↡、従↢其壬子↡至マデ↢我延暦二十年辛巳↡、一千四百十歳ナリ

^ゆゑにいまときのごときは、 これ像法ぞうぼう最末さいまつときなり。 かのときぎょうすでに末法まっぽうどうぜり。

キハ↢今↡、像法最末時也。彼行事既ゼリ↢末法↡。

^しかればすなはち、 末法まっぽうのなかにおいては、 ただごんきょうのみありて行証ぎょうしょうなけん。 もし戒法かいほうあらばかいあるべし。 すでに戒法かいほうなし、 いづれのかいせんによりてかかいあらんや。 かいなほなし。 いかにいはんやかいをや。 ゆゑに ¬だいじゅう¼ にいはく、 ª^ぶつはんのちかいくにたんº と云々うんぬん

テハ↢末法↡、但有↢言教ノミケム↢行証↡。若戒法↡可↠有↢破戒↡。既↢戒法↡、由テカ↠破ムニ↢何↡而有ムヤ↢破戒↡。破戒尚無。何持戒ヲヤ。故¬大集¼云、仏涅槃後、無戒満ムトクニ云云。

 ^ふ。 しょきょうりつのなかに、 ひろかいせいしてしゅうることをゆるさず。 かいなほしかなり。 いかにいはんやかいをや。 しかるにいまかさねて末法まっぽうろんずるに、 かいなし。 あにかさなくして、 みづからもつていたまんや。

。諸経律、広↢破戒↡不↠聴↠入コトヲ↠衆。破戒尚爾ナリ。何無戒ヲヤ。而今重ルニ↢末法↡、無↠戒。豈クシテ↠瘡自

 ^こたふ。 このしからず。 しょうぞう末法まっぽうしょぎょうひろしょきょうせたり。 ない道俗どうぞくたれか*ふうせざらん。 あにしん*邪活じゃかつとんして、 こくしょうぼう隠蔽おんぺいせんや。

。此理不↠然。正像末法所有行事、広タリ↢諸経↡。内外道俗誰ラム↢披諷↡。豈貪↢求自身邪活↡、隠↢蔽持国之正法

^ただし、 いまろんずるところの末法まっぽうには、 ただ*みょう比丘びくのみあらん。 このみょう真宝しんぽうとせん。 *福田ふくでんなからんや。 たとひ末法まっぽうのなかにかいあらば、 すでにこれ怪異けいなり、 いちとらあらんがごとし。 これたれかしんずべきや。

今所↠論末法ニハ、唯有↢名字比丘ノミ↡。此名字↢世↡。無ラムヤ↢福田↡。設末法↢持戒↡、既是怪異ナリ、如↢市ムガ↟虎。此誰キヤ↠信

 ^ふ。 しょう像末ぞうまつ、 すでにしゅきょうえたり。 末法まっぽうみょう真宝しんぽうとせんことは、 しょうてんでたりや。

。正像末事、已タリ↢衆経↡。末法名字ムコトハ↢世真宝↡、出タリヤ↢聖典↡。

 ^こたふ。 ¬だいじゅう¼ のだいにいはく、 ª^たとへば真金しんこん*無価むげたからとするがごとし。 もし真金しんこんなくは、 しろがね無価むげたからとす。 もししろがねなくは、 鍮石ちゅうしゃくほう無価むげとす。 もしほうなくは、 赤白しゃくびゃくどうてつびゃくろうえんしゃく無価むげとす。

。¬大集¼第九、譬↣真金ルガ↢無価↡。若↢真金↡、銀為↢無価↡。若↠銀者、鍮石・偽宝為↢無価↡。若クハ↢偽宝↡、赤白銅・鉄・白ロウ・鉛・錫為↢無価↡。

^かくのごとき一切いっさいけんたからなれども、 仏法ぶっぽう無価むげなり。 もし仏宝ぶっぽうましまさずは、 *縁覚えんがくじょうなり。 もし縁覚えんがくなくは、 *かんじょうなり。 もしかんなくは、 げんじょうしゅもつてじょうなり。

↠是一切世間ナレドモ仏法無価ナリ。若サズ↢仏宝↡、縁覚無上ナリ。若クハ↢縁覚↡、羅漢無上ナリ。若クハ↢羅漢↡、余賢聖衆以無上ナリ

^もしげんじょうしゅなくは、 *とくじょうぼんもつてじょうとす。 もしとくじょうぼんなくは、 じょうかいをもつてじょうとす。 もしじょうかいなくは、 *かい比丘びくをもつてじょうとす。

クハ↢余賢聖衆↡、得定凡夫以為↢無上↡。若クハ↢得定凡夫↡、浄持戒為↢無上↡。若クハ↢浄持戒↡、漏戒比丘為↢無上↡。

^もしかいなくは、 *剃除たいじょ鬚髪しゅほつして袈裟けさたるみょう比丘びくじょうたからとす。

クハ↢漏戒↡、剃除鬚髪タル↢袈裟↡名字比丘為↢無上↡。

^*じゅうしゅどうするに、 もつとも第一だいいちとす。 くべし、 もののためのはじめの福田ふくでんなり。 なにをもつてのゆゑに、 よくしんやぶしゅじょう怖畏ふいするところなるがゆゑに。 *護持ごじ養育よういくして、 このひとあんすることあらんは、 ひさしからずして*にんんº と。 以上経文

スルニ↢余九十五種異道↡、最為↢第一↡。応↠受↢世↡、為↠物福田ナリ。何↢能↡衆生、所ナルガ↢怖畏↡故。有ムハ↣護持養育安↢置コト↡不シテ↠久カラムト↢忍地↡。 已上経文

^このもんのなかにはちじゅう無価むげあり。 いはゆる如来にょらい縁覚えんがくしょうもんおよび*ぜんさんとくじょうぼんかいかいかいみょう、 それいでのごとし、 づけてしょう像末ぞうまつとき無価むげたからとするなり。 はじめのつはしょうぼうつぎつは像法ぞうぼうのちひとつは末法まっぽうなり。 これによりてあきらかにんぬ、 かいかいことごとくこれ真宝しんぽうなり。

↢八重無価↡。所↠謂如来、縁覚・声聞及前三果、得定凡夫、持戒・破戒・無戒名字、如↢其デノ↡、名↢正像末之時無価↡也。初正法時、次像法時、後末法時ナリ。由↠此破戒・無戒咸是真宝ナリ

 ^ふ。 してさきもんるに、 かいみょう真宝しんぽうならざることなし。 なんがゆゑぞ ¬はん¼ と ¬大集だいじっきょう¼ に、 ª^国王こくおう大臣だいじんかいそうすれば、 くに*三災さんさいおこり、 つひに*ごくしょうずº と。 ^かいなほしかなり。 いかにいはんやかいをや。 しかるに如来にょらいひとつのかいにおいて、 あるいはそしり、 あるいはむ。 あにいっしょうせつ*りょうはんとがあるをや。

。伏ルニ↢前↡、破戒名字、莫↠不コト↢真宝ナラ↡。何¬涅槃¼¬大集経¼、国王・大臣、供レバ↢破戒↡、国↢三災↡、遂ズト↢地獄↡。破戒尚爾ナリ。何無戒ヲヤ。而爾如来於↢一破戒↡、或。豈一聖之説ルヲヤ↢両判之失↡。

 ^こたふ。 このしからず。 ¬はん¼ とうきょうに、 しばらくしょうぼうかいせいす、 ぞう末代まつだい比丘びくにはあらず。 そのおなじといへども、 ときあり。 ときしたがひて*せいす。 これだいしょう (釈尊)むねなり。 ゆゑにそんにおいてりょうはんとがましまさず。

。此理不↠然。¬涅槃¼等、且↢正法之破戒↡、非↢像・末代之比丘ニハ↡。其名雖↠同ジト、而時↠異。随↠時制許。是大聖ナリ。於↢世尊↡無サズ↢両判失↡。

 ^ふ。 もししからばなにをもつてからん、 ¬はん¼ とうきょうは、 ただしょうぼうしょかいせいして、 像末ぞうまつそうにあらずとは。

。若ラバ↠何、¬涅槃¼等、但制↢止正法所有破戒↡、非ズトハ↢像末↡。

 ^こたふ。 くところの ¬だいじゅう¼ 所説しょせつ*はちじゅう真宝しんぽうのごとし、 これそのしょうなり。 みなときあたりて無価むげとなすゆゑに。

。如↢所↠引¬大集¼所説八重真宝↡、是其証也。皆為↢当↠時無価↡故

^ただししょうぼうの時のかい比丘びくは、 清浄しょうじょうしゅけがす。 ゆゑにぶつかた禁制きんぜいしてしゅうれず。

正法破戒比丘、穢↢清浄衆↡。故仏固禁制不↠入↠衆

^しかるゆゑは、 ¬はん¼ の第三だいさんにのたまはく、 ª^如来にょらいいまじょうしょうぼうをもつて、 諸王しょおう大臣だいじんさいしょう比丘びく比丘びくぞくしたまへり。 かいあつてしょうぼうそしるものは、 おうおよび大臣だいじん*四部しぶしゅう、 まさに*苦治くちすべし。 かくのごときの王臣おうしんとうりょうどくん。 これわが弟子でしなり、 しんしょうもんなり。 ふくることりょうならんº と。

所↢以 ユヱ ↡者、¬涅槃¼第三、如来今以↢无上正法↡、付↢嘱タマヘリ諸王・大臣・宰相・比丘・比丘尼↡。 ↢破戒↡毀↢正法、王及大臣、四部衆、応↢当苦治↡。如キノ↠是王臣等、得↢无量功徳↡。 是我弟子ナリ、真声聞也。得コト↠福无量ナラム

^かくのごときの制文せいもんほう往々おうおうしゅなり。 みなこれしょうぼうかすところの制文せいもんなり。 像末ぞうまつきょうにあらず。

キノ↠是制文法、往往衆多ナリ。皆是正法所↠明之制文ナリ。非↢像末↡。

^しかるゆゑは、 ぞう末法まっぽうにはしょうぼうぎょうぜざれば、 ほうとしてそしるべきなし。 なにをかほうづけん。 かいとしてすべきなし。 たれをかかいづけん。 またそのとき大王だいおうぎょうとしてまもるべきなし。 なにによりてか三災さんさいいだし、 およびかいしっせんや。 また像末ぞうまつにはしょうひとなし。 いかんぞ*しょうちょうせらるることをかさん。

所↢以然↡者、像季・末法ニハレバ↠行↢正法↡、無↢法トシテ↟毀。何ヲカ↢毀法↡。無↢戒トシテ↟破。誰ヲカ↢破戒↡。又其時大王無↢行シテ↟護。由テカ↠何↢三災↡、及於失ムヤ↢戒慧↡。又像末ニハ↢証果人↡。如何↠被コトヲ↣聴↢護二聖↡。

^ゆゑにんぬ、 かみ所説しょせつはみなしょうぼうかいあるときにやくして、 かいあるがゆゑなり。

所説皆約↧正法↢持戒↡時↥、有ルガ↢破戒↡故ナリ

 ^つぎ像法ぞうぼう千年せんねんのうちに、 はじめのひゃくねんにはかいやうやくげんじ、 かいやうやくぞうせん。 かいぎょうありといへどもしょうなし。

像法千年、初五百年ニハ持戒漸、破戒漸セム。雖↠有リト↢戒行↡而無↢証果↡。

^ゆゑに ¬はん¼ のしちにのたまはく、 ª^*しょうさつぶつにまうしてまうさく、 «そんぶつ所説しょせつのごときは*しゅあり。 もし所説しょせつおよびぶつ所説しょせつ、 われまさにいかんしてか分別ふんべつすることをべき。 もろもろのしゅじょうありてぎょう随逐ずいちくせん。 また仏説ぶっせつずいじゅんすることあらば、 かくのごときらのともがら、 またいかんがらん» と。

¬涅槃¼七、迦葉菩薩白↠仏、世尊、如キハ↢仏所説↡有↢四種魔↡。若所説及所説、我当↣云何シテ得↢分別コトヲ↡。有↢諸衆生↡随↢逐魔行↡。復有↣随↢順コト仏説、如↠是輩復云何ンガムト

^ぶつしょうげたまはく、 «われはんしてしちひゃくさいのちに、 これ*じゅんやうやくおこりて、 まさにしきりにわがしょうぼうすべし。 たとへばりょうほうぶくせんがごとし。 じゅんもまたまたかくのごとし。 比丘びくぞう比丘びくぞう*優婆うばそく*優婆夷うばいぞうとならんこと、 またまたかくのごとしと。

仏告タマハク↢迦葉↡、我涅槃七百歳、是魔波旬漸、当↣頻↢我之正法↡。譬↣猟師ムガ↢法衣↡。魔波旬亦復如↠是。作ムコト↢比丘像・比丘尼像・優婆塞・優婆夷像↡、亦復如シト↠是

^"もろもろの比丘びく奴婢ぬひぼく使ようぞうない銅鉄どうてつふくだいしょう銅盤どうばん所須しょしゅのものを受畜じゅちくし、 耕田こうでん種植しゅじき販売はんばいやくして、 穀米こくまいもうくることをゆるすと。 かくのごときのしゅぶつだいのゆゑにしゅじょう憐愍れんみんしてみなたくわふることをゆるさん" と。 かくのごときのきょうりつは、 ことごとくこれせつなり»º と云々うんぬん

スト↧諸比丘、受↢畜・僕使、牛・羊・象・馬、乃至銅鉄釜、大小銅盤、所須之物↡、耕田・種、販売・市易、儲コトヲ↦穀米↥。如キノ↠是衆事、仏大悲憐↢愍衆生↡皆聴サム↠畜コトヲ。如キノ↠是経律、悉是魔説ナリト云云。

^すでに ªしちひゃくさいのちじゅんやうやくおこらんº といへり。 ゆゑにんぬ、 かのとき比丘びく、 やうやく*はちじょうもつ貪畜とんちくせんと。 この妄説もうせつをなさん、 すなはちこれともがらなり。 これらのきょうのなかにあきらかに年代ねんだいして、 つぶさにぎょうけり。 さらにうたがふべからず。 それ一文いちもんぐ、 みなじゅんせよ。

↢七百歳波旬漸ムト↡。故比丘、漸貪↢畜八不浄物↡。作↢此妄説↡、即是魔トモガラ也。此等↢年代↡、具↢行事↡。不↠可↢更↡。其↢一文↡、余皆準知

 ^つぎ像法ぞうぼうのちなかばはかいげんしょうし、 かい巨多こたならん。 ゆゑに ¬はん¼ のろくのたまはく、

像法ナカバ持戒減少、破戒巨多ナラム。故¬涅槃¼六

^また ¬*じゅうりん¼ にのたまはく、 ª^もしわがほうによりてしゅっしてあくぎょうぞうせん。 これ*沙門しゃもんにあらずしてみづから沙門しゃもんしょうし、 また*ぼんぎょうにあらずしてみづからぼんぎょうしょうせん。

又¬十輪¼言、若↢我↡出家造↢作悪行↡。此非ズシテ↢沙門↡自↢沙門↡、亦非ズシテ↢梵行↡自↢梵行↡。

^かくのごときの比丘びく、 よく一切いっさいてんりゅう*しゃ一切いっさい善法ぜんぽうどく*伏蔵ぶくぞうかいして、 しゅじょうぜんしきとならん。 しょうよくそくならずといへども、 剃除たいじょ鬚髪しゅほつして、 法服ほうぶくじゃくせん。 この因縁いんねんをもつてのゆゑに、 よくしゅじょうのために善根ぜんごんぞうじょうせん。 もろもろのてんにんにおいて*善道ぜんどうかいせん。 ない

キノ↠是比丘、能開↢示一切天・竜・夜叉、一切善法功徳伏蔵↡、為ラム↢衆生善知識↡。雖↠不↢少欲知足ナラ↡、剃除鬚髪、被↢著法服↡。以↢是因縁↡故↢衆生↡増↢長善根↡。於↢諸天・人↡開↢示善道↡。乃至

^かい比丘びく、 これせるひとなりといへども、 しかもかいさい*おうのごとし。 これするものといへども、 ひとことさらにこれをる。 また*麝香じゃこうのち*ゆうあるがごとしº と云々うんぬん

破戒比丘雖↢是死セルナリト↡、而余才如↢牛黄↡。此雖↠死ルモノト、而人コトサラ↠之。亦如↢麝香ルガ↟用云云。

^すでに ª*迦羅からりんのなかにひとつの*ちん頭迦ずかじゅありº といへり。 これは像運ぞううんすでにおとろへて、 かいじょくにわづかにいちかい比丘びくあらんにたとふるなり。

↣迦羅林リト↢一鎮頭迦樹↡。此ルナリ↣像運已、破戒濁世僅ムニ↢一二持戒比丘↡。

^またいはく、 ªかい比丘びく、 これせるひとなりといへども、 なほ麝香じゃこうしてゆうあるがごとし、 しゅじょうぜんしきとなるº と。 あきらかにんぬ、 このときやうやくかいゆるして福田ふくでんとす。 さきの ¬だいじゅう¼ におなじ。

又云、破戒比丘、雖↢是死セルナリト↡、猶如↢麝香ルガ↟用、為ルト↢衆生善知識↡。明時漸↢破戒↡為↢世福田↡。同↢前¬大集¼↡。

 ^つぎぞうのちは、 まつたくこれかいなし。 ぶつうんろしめして、 末俗まつぞくすくはんがためにみょうそうめて福田ふくでんとしたまへり。

像季、全是無↠戒。仏知シテ↢時運↡、為↠済ムガ↢末俗↡讃↢名字↡為タマヘリ↢世福田↡。

^また ¬だいじゅう¼ のじゅうにのたまはく、 ª^もしのちまっに、 わがほうのなかにおいて鬚髪しゅほつ剃除たいじょし、 袈裟けさたらんみょう比丘びく、 もし*檀越だんおつありてしゃようをせば、 りょうふくんº と。

又¬大集¼五十二、若末世、於↢我↡剃除鬚髪、身タラム↢袈裟↡名字比丘、若↢壇越↡捨↢於供養、得ムト↢無量↡。

^また ¬*げんきょう¼ にのたまはく、 ª^もし檀越だんおつしょうらいまっほうきんとせんになんなんとして、 まさしくつまたくわへ、 わきばさましめんにんじょうみょう僧衆そうしゅ、 まさにらいきょうせんこと、 *しゃほつ*だい目連もくれんとうのごとくすべしº と。

又¬賢愚経¼言、若壇越、将来末世ムニ↠尽ムト、正使メム↢蓄↠妻ワキバサ↟子四人以上名字僧衆、応シト↣当礼敬ムコトクス↢舎利弗・大目連等↡。

^*またのたまはく、 ª^もしかいちょうし、 袈裟けさたるをることなからん、 つみ万億まんおく仏身ぶっしんよりいだすにおなじからん。 もししゅじょうありて、 わがほうのために剃除たいじょ鬚髪しゅほつ袈裟けさぶくせんは、 たとひかいたもたずとも、 かれらはことごとくすでに*はんいんのためにいんせらるるなりº と。

又云、若打↢罵破戒↡、無ラム↠知コト↣身タルヲ↢袈裟↡、罪カラム↠出スニ↢万億仏身ヨリ↡。若↢衆生↡、為↢我↡剃除鬚髪、被↢服ムハ袈裟↡、設トモ↠持↠戒、彼等涅槃↢印之↡所↠印

^¬*だいきょう¼ にのたまはく、 ª^ぶつなんげたまはく、 «しょうらいにおいてほう滅尽めつじんせんとほっせんとき、 まさに比丘びく比丘びくありて、 わがほうのなかにおいてしゅったらんもの、 おのれがひじきて、 ともにぎょうしてかのしゅよりしゅいたらん。 わがほうのなかにおいて*ぼんぎょうをなさん。 かれらさけ因縁いんねんたりといへども、 この*賢劫げんごうのなかにおいて、 まさに千仏せんぶつましましてこうしゅつしたまはんに、 わが弟子でしとなるべし。

¬大悲経¼云、仏告タマハク↢阿難↡、於↢将来世↡法欲セム↢滅尽ムト↡時、当↢比丘・比丘尼↡、於↢我↡得タラムモノ↢出家↡、己↢児遊行酒家ヨリ↢酒家↡。於↢我↡作サム↢非梵行↡。彼等雖リト↢酒因縁↡、於↢此賢劫↡、当↧有シテ↢千仏↡興出タマハムニ、我↦弟子↥。

^つぎのち*ろくまさにわがところぐべし。 ないさい*盧至るし如来にょらいまで、 かくのごときだいになんぢまさにるべし、

弥勒当↢我↡。乃至最後盧至如来マデ、如↠是次第汝応↢当↡、

^なんわがほうのなかにおいて、 ただしょうのみこれ沙門しゃもんにして沙門しゃもんぎょうけがし、 みづから沙門しゃもんしょうせん、 かたち沙門しゃもんひさしく袈裟けさじゃくすることあらしめんは、 賢劫げんごうにおいてろくしゅとしてない盧至るし如来にょらいまで、 かのもろもろの沙門しゃもん、 かくのごときのぶつみもとにして、 *無余むよはんにおいてだいはんることをん。 ゆいあることなけん。

阿難、於↢我↡、但使メム↫性是沙門汚↢沙門ニシテ↢沙門↡、形↢沙門ヒサシ↪被↩著コト袈裟、於↢賢劫↡弥勒↠首乃至盧至如来マデ、彼沙門、如キノ↠是ミモトニシテ、於↢无余涅槃↡次第↠入コトヲ↢涅槃↡。無ケム↠有コト↢遺余↡。

^なにをもつてのゆゑに、 かくのごとき一切いっさい沙門しゃもんのなかに、 ないひとたびぶつみなしょうし、 ひとたびしんしょうぜんもの、 しょどくつひにせつならじ。 われぶっをもつて法界ほうかいしきするがゆゑなり»º と云々うんぬん

。如来一切沙門、乃至一タビ↢仏ミナ↡、一タビ↠信、所作功徳終不↢虚設ナラ↡。我以↢仏智↡惻↢知ルガ法界↡故ナリト云云。

^これらのしょきょうに、 みな年代ねんだいしてしょうらいまっみょう比丘びくそんとす。 もししょうぼうとき制文せいもんをもつて、 末法まっぽうみょうそうせいせんは、 きょうあひそむき、 *人法にんぼうがっせず。 これによりて ¬*りつ¼ にいはく、 ª^せいせいするは、 すなはち*さんみょうだんず。 せつするところこれつみありº と。

此等諸経、皆指↢年代↡将来末世名字比丘↢世尊師↡。若↢正法制文↡、而制↢末法世名字、教機相、人法不↠合。由↠此¬律¼云、制↢非制、則↢三明↡。所↢記説↡是有リト↠罪。

^このかみきょうきて配当しをはんぬ。

↠経配当已訖

 ^のちきょうげてれいせば、 末法まっぽうほうとしてしょうぼう毀壊きえし、 *三業さんごうしるしなし。 *四儀しぎそむくことあらん。 しばらく ¬*像法ぞうぼうけつきょう¼ にのたまふがごとし。 ^また ¬*ゆいきょうぎょう¼ にのたまはく、 ^また ¬*ほうぎょうきょう¼ にのたまはく、 ^¬*鹿ろく子母しもきょう¼ にのたまはく、 ^また ¬*仁王にんのうぎょう¼ にのたまはく、 」 と。 以上略抄

↠教比例、末法法爾トシテ正法毀壊、三業無シルシ。四儀有↠乖コト。且↢¬像法決疑経¼云フガ 又¬遺教経¼云 又¬法行経¼云 ¬鹿子母経¼云 又¬仁王経¼云フガ已上

 

顕浄土方便化身土文類六 愚禿釈親鸞集

二 Ⅱ 真偽を弁ず【外教釈】
      標牒【勘決邪偽】

【81】^それもろもろのしゅ多羅たらによつて、 しん*勘決かんけつして、 きょうじゃしゅうきょうかいせば、

↢諸修多羅↡、勘↢決真偽↡、教↢誡外教邪偽異執

二 Ⅱ ⅱ 引文
       
          (一)¬涅槃経¼(仏に帰依する者は余の諸天神に帰依せざることを明かす)

【82】^¬はんぎょう¼ (如来性品) にのたまはく、

¬涅槃経¼言

^ぶつ*帰依きえせば、 つひにまたそののもろもろの天神てんじん帰依きえせざれ」 と。

「帰↢依↟仏、終レトマタ帰↢依天神↡。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (二)¬般舟三昧経¼(涅槃に入れば則ち密に弥陀の三昧を結して以て一代の真正と為すことを成ず)

【83】^¬*般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ にのたまはく、

¬般舟三昧経¼言

^*優婆夷うばい、 この三昧さんまいきてまなばんとほっせんものは、 みづからぶつ*みょうし、 ほうみょうし、 *比丘びくそうみょうせよ。 どうつかふることをざれ、 てんはいすることをざれ、 *じんまつることをざれ、 きちりょうにちることをざれ」 となり。

「優婆夷聞↢是三昧↡欲↠学ムト帰↢命↡、帰↢命↡帰↢命比丘僧↡。不↠得↠事コトヲ↢余道↡、不↠得↠拝コトヲ↠天、不↠得↠祠コトヲ↢鬼神↡、不レトナリ↠得↠視コトヲ↢吉良日↡。」

【84】^またのたまはく (般舟三昧経)

又言

^優婆夷うばい三昧さんまいまなばんとほっせば、 てんはいじん祠祀ししすることをざれ」 となり。

「優婆夷欲↠学ムト↢三昧レトナリ↠得↣拝↠天祠↢祀コトヲ↡。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)¬大集経¼
            (Ⅰ)日蔵
              (ⅰ)「魔王波旬星宿品」(総じて天等の体を示す)

【85】^¬*だいじょうだい方等ほうどう日蔵にちぞうきょう¼ かん第八だいはちおうじゅん星宿しょうしゅくぼん第八だいはちにのたまはく (大集経)

¬大乗大方等日蔵経¼巻第八「魔王波旬星宿品」第八之二

^ªそのときに、 *佉盧かるしっ天衆てんしゅげていはまく、 «このもろもろのがつとう、 おのおの*しゅとうあり。 なんぢしゅしゅじょうさいすべし。 なにものをかつとする。 じょうにんしょりゅう*しゃない*かつとうたすく。 かくのごときのたぐい、 みなことごとくこれをたすけん。 われもろもろのしゅじょう安楽あんらくするをもつてのゆゑに、 *星宿しょうしゅく布置ふちす。 おのおの*ぶんない*摸呼羅まこらとうあり。 またみなつぶさにかん。 そのこく方面ほうめんところしたがひて、 しょごうずいじゅんぞうじょうせん» と。

「爾佉盧虱告↢天衆↡言、是月等、各↢主↡。汝可↣救↢済四種衆生↡。何者ヲカ為↠四タスケム↢地上人・諸竜・夜叉乃至蝎等↡。如↠斯之類、皆悉ケム↠之。我以↣安↢楽ルヲ衆生↡故、布↢置星宿↡。各↢分部乃至マク呼羅コラ時等↡。亦皆具。随↢其国土方面之処↡、所作事業、随順増長

^佉盧かるしっ大衆だいしゅまえにしてたなごころあわせてきていはまく、 «かくのごとき日月にちがつねんだいしょう星宿しょうしゅくあんす。 なにものをかづけてろくありとするや。 しょうがつがつ暄暖けんだんづく。 三月さんがつがつしゅづく。 がつ六月ろくがつこうなり。 七月しちがつ八月はちがつ物欲もつよくじゅくなり。 がつじゅうがつ寒涼かんれいなり。 じゅうゆう一月いちがつがっしてじゅうがつ大雪だいせつなり。 これじゅうがつわかつてろくとす。

佉盧虱↢大衆↡合↠掌マク、如↠是安↢置日月・年時、大小星宿↡。何者ヲカユウ六時。正月・二月暖時↡。三月・四月↢種作時↡。五月・六月求降雨時ナリ。七月・八月物欲熟時ナリ。九月・十月涼之時ナリ。十有一月、合十二月大雪之時ナリ。是十二月為↢六時↡。

^まただい星宿しょうしゅくそのかずつあり。 いはゆる*さいしょう*けいこく*ちんしょう*太白たいはく*しんしょうにちがつ*荷羅睺からごしょうなり。 また*しょう星宿しょうしゅくじゅうはちあり。 いはゆるぼうよりいたるまでのしょ宿しゅくこれなり。 われかくのごときだいあんをなす、 そのほうきをはんぬ。 なんだち、 みなすべからくまた、 またくべし。 一切いっさい大衆だいしゅこころにおいていかん。 わがくところのほう、 そのなりやいなや。 じゅうはち宿しゅくおよび*はちだいしょうしょぎょう諸業しょごう、 なんぢらくするやいなや。 とやせん、 とやせん。 よろしくおのおの宣説せんぜつすべし» と。

又大星宿其数有↠八。所↠謂歳星・熒惑・鎮星・太白・辰星・日・月・荷羅睺星ナリ。又小星宿有↢二十八↡。所↠謂↠昴至マデノ↠胃諸宿是也。我作↢如↠是次第安置↡、説↢其↡已汝等ナンダチ皆須↢亦見亦聞↡。一切大衆於↠意云何。我↠置法、其事是アラ二十八宿及八大星所行諸業、汝喜楽ニセ↢各宣説↡。

^そのとき一切いっさい天人てんにん仙人せんにんしゅりゅうおよび*きん那羅ならとう、 みなことごとくたなごころあわせて、 ことごとくこのごんをなさく、 «いま大仙だいせんのごときは、 天人てんにんのあひだにおいてもつともそんじゅうとす。 ないしょりゅうおよびしゅ、 よくすぐれたるものなけん。 智慧ちえ慈悲じひもつとも第一だいいちとす。 りょうこうにおいてわすれず、 一切いっさいしゅじょう憐愍れんみんするがゆゑに、 福報ふくほう誓願せいがんちをはりてどくうみのごとし。 よく過去かこ現在げんざい当来とうらい一切いっさいしょ天人てんにんのあひだをるに、 かくのごときの智慧ちえのものあることなし。 かくのごときの*法用ほうゆうにちせつおよび*迦羅からだいしょう星宿しょうしゅく*月半がつはん*月満がつまん*年満ねんまん法用ほうゆう、 さらにしゅじょうよくこのほうをなすことなけん。 みなことごとくずいしわれらを安楽あんらくにす。 いかな大徳だいとくしゅじょう安穏あんのんす» と。

一切天人・仙人・阿修羅・竜及緊那羅等、皆悉↠掌、咸↢是↡、如キハ↢今大仙↡、於↢天人↡最為↢尊重↡。乃至諸竜及阿修羅、無ケム↢能タル↡。智慧・慈悲最為↢第一↡。於↢無量劫↡不↠忘、憐↢愍ルガ一切衆生↡故獲↢福報↡、誓願満功徳如↠海。能ルニ↢過去・現在・当来一切諸事、天人之間↡、無↠有コト↢如キノ↠是智慧之者↡。如キノ↠是法用、日夜・刹那及迦羅時、大小星宿、月半・月満・年満法用、更ケム↣衆生能コト↢是↡。皆悉随喜安楽ナラム我等哉大徳、安↢衆生↡。

^このとき佉盧かるしっ仙人せんにん、 またこのごんをなさく、 «このじゅうがつ一年いちねんじゅう、 かくのごとく方便ほうべんす。 だいしょうしょうとうせつほう、 みなすでにきをはんぬ。

時佉盧虱仙人、復作↢是↡、此十二月一年始終、如↠此方便。大小星等、刹那時法、皆已

^またまた*てん大王だいおう*しゅせん方面ほうめんしょあんす、 おのおの一王いちおうく。 このもろもろの方所ほうしょにして、 おのおのしゅじょうりょうす。 北方ほっぽう天王てんのう*沙門しゃもんづく。 これそのかいのうちにおお*しゃあり。 南方なんぽう天王てんのう*毘留びる荼倶だくづく。 これそのかいのうちにおお*はんあり。 西方さいほう天王てんのう*毘留びる博叉はくしゃづく。 これそのかいのうちにおおしょ*りゅうあり。 東方とうぼう天王てんのう*だい頭隷ずらづく。 これそのかいのうちに*乾闥けんだつおおし。

又復安↣置四天大王↢須弥山四方面所↡、各↢一王↡。是方所ニシテ、各↢衆生↡。北方天王↢毘沙門↡。是其↢夜叉↡。南方天王↢毘留荼↡。是其↢鳩槃荼↡。西方天王↢毘留博叉↡。是其↢諸竜↡。東方天王↢題頭隷↡。是其↢乾闥婆↡。

^*ほうゆいみなことごとく一切いっさい*しょおよびもろもろの*じょうおうようす。 またじんいてこれをしゅせしむ» と。

四方四維皆悉擁↢護一切洲渚及城邑↡。亦置↢鬼神守↢護シム↡。

^そのときに、 *佉盧かるしっ仙人せんにん諸天しょてんりゅうしゃしゅきん那羅なら*摩睺まご羅伽らがにん*にんとう一切いっさい大衆だいしゅにおいて、 みな «いかな» としょうして、 かんりょうなることをなす。 このときに、 てんりゅうしゃしゅとうにち佉盧かるしっようす。

佉盧虱仙人、為↧於↢諸天・竜・夜叉・阿修羅・緊那羅・摩睺羅伽・人・非人等一切大衆↡、皆称歓喜無量ナルコトヲ↥。天・竜・夜叉・阿修羅等、日夜供↢養佉盧虱↡。

^つぎにまたのちりょうぎて、 また仙人せんにんあらん、 りきづく。 しゅつげんして、 またさらにべっして、 もろもろの星宿しょうしゅくしょう大月だいがつほうせつようりゃくかんº と。

↠後過↢無量世↡、マタ↢仙人↡、名ケム↢伽力↡。出↢現於世↡、復更、説↢置星宿、小大月法、時節要略↡。

^そのときに、 しょりゅう*佉羅から氐山ていせんしょうにんじゅうしょにありて、 *こう仙人せんにんそんじゅう*ぎょうせん、 そのりゅうりきつくしてこれをようせん」 と。 以上抄出

諸竜、在↢佉羅坻山聖人住処↡、尊↢重恭↣敬光味仙人↡、尽↢其竜力供↢養ムト↡。」 已上抄出

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)(Ⅰ)(ⅱ)「念仏三昧品」(一心に帰仏して天神等を拝せざるの相を顕し、魔の害を加へざるはただこの行者のみなることを示す)

【86】^¬*日蔵にちぞうきょう¼ かんだい念仏ねんぶつ三昧ざんまいぼんだいじゅうにのたまはく (大集経)

¬日蔵経¼巻第九「念仏三昧品」第十

^そのときに、 *じゅん、 このきをはるに、 かのしゅうのなかにひとりのにょあり、 づけて*あんとす。 このにょは、 むかし過去かこにおいてもろもろの徳本とくほんゑたりき。

「爾波旬説↢是↡已ルニ、彼衆之中↢一魔女↡、名為↢離暗↡。此魔女ムカシ↢過去↡植タリキ↢衆徳本↡。

^このせつをなしていはまく、 ª沙門しゃもん*どんづけて福徳ふくとくしょうす。 もししゅじょうありて、 ぶつみなくことを一心いっしん帰依きえせん、 一切いっさいしょ、 かのしゅじょうにおいてあくくわふることあたはず。 いかにいはんやぶつたてまつり、 まのあたほうかんひと種々しゅじゅ方便ほうべん慧解えげ深広じんこうならん。 たとひ千万せんまんおく一切いっさいぐん、 つひにしゅがいをなすことをることあたはず。 如来にょらいいまはんどうひらきたまへり。 にょ、 かしこにきてぶつ帰依きえせんとほっすº と。

↢是↡言マク、沙門瞿曇↢福徳↡。若↢衆生↡、得↠聞コトヲ↢仏↡一心帰依、一切諸魔、於↢彼衆生↡不↠能↠加コト↠悪。何マツリ↠仏マノアタリ↠法人、種種方便慧解深広ナラム千万億一切魔軍、終不↠能↠得コト↢須臾スコトヲ↟害。如来今者 イマ タマヘリ↢涅槃道↡。女欲↣往↠彼帰↢依ムト↟仏。

^すなはちそのちちのためにしてきていはまく、 ª^さん諸仏しょぶつほう修学しゅがくして、 一切いっさいしゅじょう*だつせん。 よく諸法しょほうにおいてざい当来とうらいねがはくはわれかえりてぶつのごとくならんº と。

↢其シテ↠偈マク

修↢学三世諸仏度↢脱一切衆生
↢諸法↡得↢自在当来クハ我還クナラムト↠仏

 ^そのときに、 あん、 このきをはるに、 ちちおうのうちのひゃくにょまい眷属けんぞく一切いっさいみなだいしんほっせしむ。

離暗説↢是↡已ルニ、父王宮五百魔女、姉妹眷属、一切皆発シム↢菩提之心↡。

^このときに、 おう、 そのみやのうちのひゃく諸女しょにょ、 みなぶつしてだいしんほっせしむるをるに、 おおきに瞋忿しんふん怖畏ふいしゅうすと。

魔王見ルニ↧其五百諸女、皆帰↢於仏↡発シムルヲ↦菩提心↥、益スト↢大瞋忿・怖畏・憂愁↡。

^このときに、 ひゃくのもろもろのにょとう、 またじゅんのためにしてきていはまく、

五百魔女等、マタ↢波旬シテ↠偈マク

^ªもししゅじょうありて、 ぶつすれば、 かのひとせんおくおそれず。 いかにいはんやしょうながれせんとおもふ。 *無為むいはんきしいたらん。

↢衆生↡帰スレ↠仏人不↠畏↢千億
↠度ムト↢生死↢無為涅槃岸↡

^もしよくいちこうをもつて、 三宝さんぼう仏法ぶっぽうそうさんすることありて、 けんゆうみょうしんおこさん。 一切いっさいしゅすることあたはじ。

↧能↢一香華持↦散コト三宝仏法僧
↢於堅固勇猛一切衆魔↠能↠壊コト

^われら過去かこりょうあく一切いっさいまためっしてあることなけん。 じょう専心せんしんぶつしたてまつりをはらば、 さだめて*のくだいんº と。

我等過去無量一切亦滅ケム↠有コト↠余
至誠専心マツリ↠仏サダメムト↢阿耨菩提

 ^そのときに、 おう、 このきをはりて、 おおきにしん怖畏ふいして、 こころがし、 しょうすいしゅうして、 ひとみやのうちにす。

魔王聞↢是↡已マシ↢大瞋恚・怖畏↡、コガ↠心憔悴憂愁、独↢宮↡。

^このときに、 *こうさつ摩訶まかさつぶつ説法せっぽうきて、 一切いっさいしゅじょうことごとく*攀縁へんえんはなれ、 *ぼんぎょうしむと。

光味菩薩摩訶薩、聞↢仏説法↡、一切衆生尽↢攀縁↡、得シムト↢四梵行↡。

^ªきよ洗浴せんよくし、 *鮮潔せんけつころもて、 菜食さいじき*ちょうさいして、 からくさきものを*だんすることなかるべし。 寂静じゃくじょうしょにして、 どうじょうしょうごんしてしょうねんけっし、 あるいはぎょうじ、 あるいはして、 ぶつ身相しんそうねんじて乱心らんしんせしむることなかれ。 さらにえんし、 そのねんずることなかれ。 あるいは一日いちにち、 あるいは七日しちにちごうをなさざれ。 しん念仏ねんぶつすれば、 ないぶつたてまつる。 しょうねんしょうたてまつり、 大念だいねんだいたてまつる。 ないりょうねんぶつ色身しきしんりょうへんなるをたてまつらんº」 と。

↧浄洗浴、著↢鮮潔↡、菜食長斉、勿↞噉コト↢辛キモノヲ↡。↢寂静処↡、荘↢厳道場↡正念結跏、或、念↢仏身相↡無↠使コト↢乱心↡。更↣他縁コト↢其↡。或一日夜、或七日夜、不↠作↢余↡。至心念仏レバ、乃至見マツル↠仏。小念マツリ↠小、大念マツル↠大。乃至無量マツラムト↢仏色身無量無辺ナルヲ↡。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)(Ⅰ)(ⅲ)「護塔品」(魔王と諸眷属との仏法に帰することを明かす)

【87】^¬日蔵にちぞうきょう¼ のかんだいじゅうとうぼんだいじゅうさんにのたまはく (大集経)

¬日蔵経¼巻第十「護塔品」第十三

^とき*じゅん、 その眷属けんぞくはちじゅうおくしゅと、 ぜん*にょうして仏所ぶっしょおうせしむ。 いたりをはりて、 *接足せっそくしてそんちょうらいしたてまつる。

「時魔波旬↢其眷属八十億衆↡、前後囲遶往↢至シム仏所↡。到接足頂↢礼マツル世尊↡。

^かくのごときのかく、

カク↢如キノ↠是↡、

^ªさん諸仏しょぶつだい慈悲じひ、 わがらいけたまへ、 一切いっさいつみさんせしむ。 ほうそうほうもまたまたしかなり。 しん帰依きえしたてまつるにあることなし。

三世諸仏大慈悲タマヘ↢我↡懴シム↢一切ツミ
法・僧二宝亦復然ナリ至心帰依タマヘルニ↠有コト↠異

^ねがはくは、 われ今日こんにち*どうようぎょうそんじゅうしたてまつるところなり。 もろもろのあくながつくしてまたしょうぜじ。 寿いのちつくすまで如来にょらいほう帰依きえせんº と。

クハ我今日所ナリ↯供↢養恭↣敬尊↤重タマヘ導師
シテ↢復生マデ↠寿帰↢依ムト如来

 ^ときじゅん、 このきをはりて、 ぶつにまうしてまうさく、 ªそん如来にょらいわれおよびもろもろのしゅじょうにおいて、 びょうどう無二むにしんにしてつねにかんし、 慈悲じひ*含忍がんにんせんº と。

魔波旬、説↢是↡已、白↠仏、世尊、如来於↢我及衆生↡、平等無二ニシテ歓喜、慈悲含忍ムト

^ぶつののたまはく、 ªかくのごとしº と。

、如↠是

^ときじゅんおおきにかんしょうじて、 清浄しょうじょうしんおこす。 かさねて仏前ぶつぜんにして接足せっそくちょうらいし、 *みぎめぐることさんぞうしてぎょうがっしょうして、 しりぞきて一面いちめんじゅうして、 そん*瞻仰せんごうしたてまつるに、 こころ*厭足えんそくなし」 と。 以上抄出

魔波旬生↢大歓喜↡、発↢清浄↡。重↢仏前↡接足頂礼、右コト三帀恭敬合掌、却↢一面↡、瞻↢仰マツルニ世尊↡、心シト↢厭足↡。」 已上抄出

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)(Ⅱ)月藏
              
(ⅰ)「諸悪鬼神得敬信品」(人の仏に帰して益を得ることを説きて、鬼神をして之を聞きて帰仏得益せしむ)

【88】^¬*だい方等ほうどうだいじゅう月蔵がつぞうきょう¼ かんだい諸悪しょあくじんとくきょうしんぼん第八だいはちじょうにのたまはく (大集経)

¬大方等大集月蔵経¼巻第五「諸悪鬼神得敬信品」第八

^もろもろの*仁者にんしゃ、 かの邪見じゃけんおんする因縁いんねんにおいて、 十種じっしゅどくん。 なんらをかじゅうとする。

「諸仁者、於↧彼遠↢離邪見↡因縁↥、獲↢十種功徳↡。何等ヲカ↠十

^ひとつにはしんしょうにゅうぜんにして伴侶はんりょけんりょうならん。

者心性ニシテ伴侶賢良ナラム

^ふたつには*業報ごうほうないだつみょうあることをしんじて、 もろもろのあくおこさず。

者信↠有コトヲ↢業報乃至奪命↡、不↠起↢諸↡。

^つには三宝さんぼうきょうして天神てんじんしんぜず。

者帰↢敬三宝↡不↠信↢天神↡。

^つには*しょうけんさい日月にちがつきっきょうえらばず。

者得↢於正見↡不↠択↢歳次日月吉凶↡。

^いつつにはつねに人天にんでんしょうじてもろもろの悪道あくどうはなる。

者常↢人天↡離↢諸悪道↡。

^つには賢善けんぜんしんあきらかなることをひとさんせしむ。

者得↢賢善心明ナルコトヲ↡人讃誉シム

^ななつにはぞくててつねに*しょうどうもとめん。

者棄テヽ↢世俗↡常メム↢聖道↡。

^つには*だんじょうけんはなれて*因縁いんねんほうしんず。

者離↢断・常見↡信↢因縁↡。

^ここのつにはつねにしょうしん正行しょうぎょうしょう発心ほっしんひととともにあひあつまりはん。

者常↢正信・正行・正発心人↡共アツマ

^とおには善道ぜんどうしょうずることをしむ。

者得シム↠生コトヲ↢善道↡。

^この邪見じゃけんおんする善根ぜんごんをもつて、 *のく多羅たらさんみゃくさんだいこうせん、 このひとすみやかに*ろっ波羅ぱらみつまんぜん、 ぜんじょうぶつにしてしょうがくらん。 だいをはりて、 かのぶつにして、 どく智慧ちえ一切いっさい善根ぜんごんしゅじょうしょうごんせん。 そのくにらいしょうして天神てんじんしんぜず、 悪道あくどうおそれをはなれて、 かしこにして命終みょうじゅうしてかえりて善道ぜんどうしょうぜん」 と。

↧是遠↢離邪見↡善根↥、廻↢向阿耨多羅三藐三菩提↡、是人速↢六波羅蜜↡、↢善浄仏土↡シテ↢正覚↡。得↢菩提↡已↢彼仏土↡、功徳・智慧・一切善根、荘↢厳衆生↡。来↢生↡不↠信↢天神↡、離↢悪道↡、命終ムト↢善道↡。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)(Ⅱ)(ⅱ)「諸悪鬼神得敬信品」(邪悪を信ずる者は悪報を得ることを明かす)

【89】^¬月蔵がつぞうきょう¼ かん第六だいろく諸悪しょあくじんとくきょうしんぼん第八だいはちにのたまはく (大集経)

¬月蔵経¼巻第六「諸悪鬼神得敬信品」第八

^ぶつしゅっはなはだかたし。 ほうそうもまたまたかたし。 しゅじょうじょうしんかたし。 諸難しょなんはなるることまたかたし。

「仏出世甚法・僧亦復難
衆生浄信難コト↢諸難↡亦難

^しゅじょう*哀愍あいみんすることかたし。 *そく第一だいいちかたし。 しょうぼうくことをることかたし。 よくしゅすること第一だいいちかたし。

哀↢愍コト衆生↡難知足第一
コト↠聞コトヲ↢正法↡難コト第一

^かたきをることをびょうどうなれば、 においてつねにらくく。 この*じゅうびょうどうしょは、 しゃつねにすみやかにらん。

↠知コトヲ↠難キヲ平等ナレバ↠世↠楽
十平等処智者常

 ^そのときに、 そん、 かのもろもろのあくじんしゅのなかにしてほうきたまふときに、 ªかのもろもろのあくじんしゅのなかにして、 かのあくじんは、 むかし仏法ぶっぽうにおいてけつじょうしんをなせりしかども、 かれのちときにおいて*あくしきちかづきてこころとがる。 この因縁いんねんをもつてあくじんうまるº」 と。

世尊↢彼悪鬼神衆↡説タマフ↠法↢彼悪鬼神衆↡、彼悪鬼神、昔於↢仏法↡作セリシカドモ↢決定↡、彼於↢後↡近↢悪知識↡心↢他↡。以↢是因縁↡生ルト↢悪鬼神↡。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)(Ⅱ)(ⅲ)「諸天王護持品」(諸天神等に帰依せずと雖も自ら擁護有ることを顕すに在り)

【90】^¬だい方等ほうどう大集だいじっきょう¼ かん第六だいろく月蔵がつぞうぶん」 のなかに 「諸天しょてんのう護持ごじぼんだいにのたまはく (大集経)

¬大方等大集経¼巻第六「月蔵分」中「諸天王護持品」第九

^そのときに、 そんけんしめすがゆゑに、 *しゃかいしゅ*だい梵天ぼんてんのううてのたまはく、 ªこの*てんに、 これたれかよく護持ごじ養育よういくをなすº と。

「爾世尊示スガ↢世間↡故↢娑婆世界主大梵天王↡言、此四天下、是誰スト↢護持養育↡。

 ^ときしゃかいしゅだい梵天ぼんてんのうかくのごときのごんをなさく、 ª*大徳だいとく婆伽ばが*そつ天王てんのうりょうひゃくせんそつてんとともに*ほく鬱単うったんおつ護持ごじ養育よういくせしむ。

娑婆世界主大梵天王作↢如キノ↠是↡、大徳婆伽婆、兜率陀天王、共↢無量百千兜率陀天子↡護↢持養↣育シム北鬱単越↡。

^*他化たけざい天王てんのうりょうひゃくせん他化たけざいてんとともに*とうほつだい護持ごじ養育よういくせしむ。

他化自在天王、共↢無量百千他化自在天子↡護↢持養↣育シム東弗婆提↡。

^*らく天王てんのうりょうひゃくせんらくてんとともに*なんえんだい護持ごじ養育よういくせしむ。

化楽天王、共↢無量百千化楽天子↡護↢持養↣育シム南閻浮提↡。

^*しゅ夜摩やま天王てんのうりょうひゃくせんしゅ夜摩やまてんとともに*西さい瞿陀尼くだに護持ごじ養育よういくせしむ。

須夜摩天王、共↢無量百千須夜摩天子↡護↢持養↣育シム西瞿陀尼↡。

 ^大徳だいとく婆伽ばが*沙門しゃもん天王てんのうりょうひゃくせんしょ*しゃしゅとともにほく鬱単うったんおつ護持ごじ養育よういくせしむ。

大徳婆伽婆、毘沙門天王、共↢無量百千諸夜叉衆↡護↢持養↣育シム北鬱単越↡。

^*だい頭頼ずら天王てんのうりょうひゃくせん*乾闥けんだつしゅとともにとうほつだい護持ごじ養育よういくせしむ。

提頭頼天王、共↢無量百千乾闥婆衆↡護↢持養↣育シム東弗婆提↡。

^*毘楼びるろく天王てんのうりょうひゃくせん*はんしゅとともになんえんだい護持ごじ養育よういくせしむ。

毘楼勒天王、共↢無量百千鳩槃荼衆↡護↢持養↣育シム南閻浮提↡。

^*毘楼びる博叉はくしゃ天王てんのうりょうひゃくせんりゅうしゅとともに西さい瞿陀尼くだに護持ごじ養育よういくせしむ。

毘楼博叉天王、共↢無量百千竜衆↡護↢持養↣育シム西瞿陀尼↡。

 ^大徳だいとく婆伽ばが*天仙てんせんしち宿しゅく*三曜さんよう*三天さんてん童女どうにょほく鬱単うったんおつ護持ごじ養育よういくせしむ。 かの天仙てんせんしち宿しゅくきょしつへきけいろうなり。 三曜さんよう*ちんしょう*さいしょう*熒惑けいこくしょうなり。 三天さんてん童女どうにょはん弥那みな迷沙めいしゃなり。

大徳婆伽婆、天仙七宿・三曜・三天童女、護↢持養↣育シム北鬱単越↡。彼天仙七宿虚・危・室・壁・奎・婁・胃ナリ。三曜者鎮星・歳星・熒惑星ナリ。三天童女者鳩槃・弥那・迷沙ナリ

^大徳だいとく婆伽ばが、 かの天仙てんせんしち宿しゅくのなかにきょしつさん宿しゅくはこれちんしょう*きょうなり、 はんはこれ*しんなり。 へきけい宿しゅくはこれさいしょうきょうなり、 弥那みなはこれしんなり。 ろう宿しゅくはこれ熒惑けいこくきょうなり、 迷沙めいしゃはこれしんなり。

大徳婆伽婆、彼天仙七宿虚・危・室三宿是鎮星土境ナリ、鳩槃是辰ナリ。壁・奎二宿是歳星土境ナリ、弥那是辰ナリ。婁・胃二宿是熒惑土境ナリ、迷沙是辰ナリ

^大徳だいとく婆伽ばが、 かくのごとき天仙てんせんしち宿しゅく三曜さんよう三天さんてん童女どうにょほく鬱単うったんおつ護持ごじ養育よういくせしむ。

大徳婆伽婆、如↠是天仙七宿・三曜・三天童女、護↢持養↣育シム北鬱単越↡。

 ^大徳だいとく婆伽ばが天仙てんせんしち宿しゅく三曜さんよう三天さんてん童女どうにょとうほつだい護持ごじ養育よういくせしむ。 かの天仙てんせんしち宿しゅくぼうひつしんせいりゅうなり。 三曜さんよう*太白たいはくしょう*さいしょうがつなり。 三天さんてん童女どうにょ毘利びりしゃちゅうかつ迦かたなり。

大徳婆伽婆、天仙七宿・三曜・三天童女、護↢持養↣育シム東弗婆提↡。彼天仙七宿者昴・畢・觜・参・井・鬼・柳ナリ。三曜者太白星・歳星・月ナリ。三天童女者毘利沙・弥偸那・羯迦迦ナリ

^大徳だいとく婆伽ばが、 かの天仙てんせんしち宿しゅくのなかに、 ぼうひつ宿しゅくはこれ太白たいはくきょうなり、 毘利びりしゃはこれしんなり。 しんせいさん宿しゅくはこれさいしょうきょうなり、 ちゅうはこれしんなり。 りゅう宿しゅくはこれがつきょうなり、 かつ迦かたはこれしんなり。

大徳婆伽婆、彼天仙七宿、昴・畢二宿是太白土境ナリ、毘利沙是辰ナリ。觜・参・井三宿是歳星土境ナリ、弥偸那是辰ナリ。鬼・柳二宿是月土境ナリ、羯迦迦是辰ナリ

^大徳だいとく婆伽ばが、 かくのごとき天仙てんせんしち宿しゅく三曜さんよう三天さんてん童女どうにょとうほつだい護持ごじ養育よういくせしむ。

大徳婆伽婆、如↠是天仙七宿・三曜・三天童女、護↢持養↣育シム東弗婆提↡。

 ^大徳だいとく婆伽ばが天仙てんせんしち宿しゅく三曜さんよう三天さんてん童女どうにょなんえんだい護持ごじ養育よういくせしむ。 かの天仙てんせんしち宿しゅくせいちょうよくしんかくこうていなり。 三曜さんようにち*しんしょう*太白たいはくしょうり。 三天さんてん童女どうにょしゃくにゃ兜羅とらなり。

大徳婆伽婆、天仙七宿・三曜・三天童女、護↢持養↣育シム南閻浮提↡。彼天仙七宿者星・張・翼・軫・角・亢・氐ナリ。三曜者日・辰星・太白星ナリ。三天童女者訶・迦若・兜羅ナリ

^大徳だいとく婆伽ばが、 かの天仙てんせんしち宿しゅくのなかに、 せいちょうよくはこれにちきょうなり、 しゃくはこれしんなり。 しんかく宿しゅくはこれしんしょうきょうなり、 にゃはこれしんなり。 こうてい宿しゅくはこれ太白たいはくきょうなり、 兜羅とらはこれしんなり。

大徳婆伽婆、彼天仙七宿、星・張・翼是日土境、訶是辰ナリ。軫・角二宿是辰星土境ナリ、迦若是辰ナリ。亢・氐二宿是太白土境ナリ、兜羅是辰ナリ

^大徳だいとく婆伽ばが、 かくのごとき天仙てんせんしち宿しゅく三曜さんよう三天さんてん童女どうにょなんえんだい護持ごじ養育よういくせしむ。

大徳婆伽婆、如↠是天仙七宿・三曜・三天童女、護↢持養↣育シム南閻浮提↡。

 ^大徳だいとく婆伽ばが、 かの天仙てんせんしち宿しゅく三曜さんよう三天さんてん童女どうにょ西さい瞿陀尼くだに護持ごじ養育よういくせしむ。 かの天仙てんせんしち宿しゅくぼうしんぎゅうじょなり。 三曜さんよう*熒惑けいこくしょう*さいしょう*ちんしょうなり。 三天さんてん童女どうにょ毘離びり支迦しかだん伽羅からなり。

大徳婆伽婆、彼天仙七宿・三曜・三天童女、護↢持養↣育シム西瞿陀尼↡。彼天仙七宿者房・心・尾・箕・斗・牛・女ナリ。三曜者熒惑星・歳星・鎮星ナリ。三天童女者毘離支迦・檀婆・摩伽羅ナリ

^大徳だいとく婆伽ばが、 かの天仙てんせんしち宿しゅくのなかに、 ぼうしん宿しゅくはこれ熒惑けいこくきょうなり、 毘離びり支迦しかはこれしんなり。 さん宿しゅくはこれさいしょうきょうなり、 だんはこれしんなり。 ぎゅうじょ宿しゅくはこれちんしょうきょうなり、 伽羅からはこれしんなり。

大徳婆伽婆、彼天仙七宿、房・心二宿是熒惑土境ナリ、毘利支迦是辰ナリ。尾・箕・斗三宿是歳星土境ナリ檀是辰ナリ。牛・女二宿是鎮星土境ナリ、摩伽羅是辰ナリ

^大徳だいとく婆伽ばが、 かくのごときの天仙てんせんしち宿しゅく三曜さんよう三天さんてん童女どうにょ西さい瞿陀尼くだに護持ごじ養育よういくせしむ。

大徳婆伽婆、如↠是天仙七宿・三曜・三天童女、護↢持養↣育シム西瞿陀尼↡。

 ^大徳だいとく婆伽ばが、 この*てんなんえんだいはもつともしゅしょうなりとす。 なにをもつてのゆゑに、 えんだいひと勇健ゆうごんそうにして、 *ぼんぎょうぶつ相応そうおうす。 婆伽ばが、 なかにおいて*しゅっしたまふ。 このゆゑに*だい天王てんのう、 ここに倍増ばいぞうしてこのえんだい護持ごじ養育よういくせしむ。

大徳婆伽婆、此四天下南閻浮提為↢殊勝ナリト↡。何。閻浮提勇健聡慧ニシテ、梵行相↢応↡。婆伽婆於↠中出世タマフ。是四大天王、倍増護↢持養↣育シム閻浮提↡。

^*じゅうろく大国だいこくあり。 いはく、 おう伽摩かま伽陀かだこくぼう伽摩かま伽陀かだこくはんこくだいこくなり。 このつの大国だいこくは、 沙門しゃもん天王てんのうしゃしゅにょうして護持ごじ養育よういくせしむ。

↢十六大国↡。謂、鴦伽摩伽陀国・傍伽摩伽陀国・阿槃多国・支提国ナリ。此大国、毘沙門天王、↢夜叉衆↡囲遶護持養育シム

^迦尸かしこく都薩羅とさらこくしゃこく摩羅まらこく、 このつの大国だいこくは、 だい頭頼ずら天王てんのう乾闥けんだつしゅにょうして護持ごじ養育よういくせしむ。

迦尸国・都薩羅国・婆蹉国・摩羅国、此大国、提頭頼天王、↢乾闥婆衆↡囲遶護持養育シム

^鳩羅婆くらばこく毘時びじこく槃遮はんしゃこく疎那そなこく、 このつの大国だいこくは、 毘楼びる勒叉ろくしゃ天王てんのうはんしゅにょうして護持ごじ養育よういくせしむ。

鳩羅婆国・毘時国・槃遮羅国・疎那国、此大国、毘楼勒叉天王、↢鳩槃荼衆↡囲遶護持養育シム

^湿しゅうこく蘇摩そまこく蘇羅そらたこく甘満かんまん闍国しゃこく、 このつの大国だいこくは、 毘楼びる博叉はくしゃ天王てんのう、 もろもろのりゅうしゅにょうして護持ごじ養育よういくせしむ。

阿湿婆国・蘇摩国・蘇羅国・甘満闍国、此大国、毘楼博叉天王、↢諸竜衆↡囲遶護持養育シム

 ^大徳だいとく婆伽ばが過去かこ天仙てんせんこのてん護持ごじ養育よういくせしがゆゑに、 またみなかくのごときぶんあんせしむ。

大徳婆伽婆、過去天仙護↢持養↣育シガ四天下↡故、亦皆如↠是分布安置シム

^のちにおいてそのこくじょうおう村落そんらくとう園林おんりんじゅ*塚間ちょけん山谷せんこくこうせん*はくないかいちゅうほう*てんしたがひて、 かの*らんしょうたいしょう湿しっしょうしょうにおいて、 もろもろの*りゅう*しゃ*せつ*餓鬼がき*舎遮しゃしゃ*たん*迦かたたんとう、 かのなかにしょうじて、 かのところげんじゅうして、 ぞくするところなし、 おしえけず。

↠後↢其国土、城邑・村落・塔寺・園林・樹下・塚間・山谷・曠野・河泉・陂泊、乃至、海中宝洲・天祠↡、於↢彼卵生・胎生・湿生・化生↡、諸竜・夜叉・羅刹・餓鬼・毘舎遮・富単那・迦富単那等、生↢彼中↡、還↢↡、無↠所↢繋属↡、不↠受↡。

^このゆゑにねがはくはぶつ、 このえんだい一切いっさいこくにおいて、 かのもろもろのじんぶんあんしたまへ。 護持ごじのためのゆゑに、 一切いっさいのもろもろのしゅじょうまもらんがためのゆゑに。 われらこのせつにおいてずいせんとおもふº と。

クハ仏、於↢此閻浮提一切国土↡、彼鬼神、分布安置↢護持↡故↠護ムガ↢一切衆生↡故。我等於↢此↡欲フト↢随喜ムト↡。

 ^ぶつののたまはく、 ªかくのごとし、 *大梵だいぼん、 なんぢが所説しょせつのごとしº と。 ^そのときに、 そんかさねてこのかさんとおぼしめして、 きてのたまはく、

、如↠是大梵、如シト↢汝所説↡。爾世尊欲シメ↣重ムト↢此シテ↠偈

^ªけんげんするがゆゑに、 どう梵王ぼんのうはまく、 «このてんにおいて、 たれか護持ごじ養育よういくせん» と。 ^かくのごとき*てんぼん、 «諸天しょてんのうしゅとして、 *そつ*他化たけてん*らく*しゅ夜摩やま

示↢現ルガ世間↡故導師問マク↢梵王
↢此四天下護持養育ムト
↠是天師梵諸天王↠首
兜率・他化天化楽・須夜摩

^よくかくのごときてんを、 護持ごじ養育よういくせしむ。 おうおよび眷属けんぞく、 またまたよく護持ごじせしむ。 ^じゅうはっ宿しゅくとう、 およびじゅうしんじゅうてん童女どうにょてん護持ごじせしむ» と。

護↢持養↣育シム↠此四天下
四王及眷属亦復能護持シム
二十八宿等及以十二辰
十二天童女護↢持シム四天下

^そのしょしょうところしたがひて、 りゅうせつとうおしえけずは、 かしこにおいてかえつてをなさしむ。 ^天神てんじんとう差別しゃべつして、 ねがはくはぶつぶんせしめたまへ。 しゅじょう憐愍れんみんせんがゆゑに、 しょうぼうともしび*ねんならしむº と。

↢其所生竜・鬼・羅刹等
不↠受↢他↠於シム↠護
天神等差別ジテ仏令タマヘ↢分布
憐↢愍ムガ衆生↡故熾↢然ナラシム正法

 ^そのときに、 ぶつ*月蔵がつぞうさつ摩訶まかさつげてのたまはく、 ª*りょう清浄しょうじょうよ、 この*賢劫げんごうはじ人寿にんじゅ万歳まんざいとき*鳩留くるそんぶつしゅっこうしたまひき。 かのぶつりょう*そうおく*那由他なゆたひゃくせんしゅじょうのために*しょうして、 *しょうぼうりん輪転りんでんせしむ。 うて悪道あくどうして、 善道ぜんどうおよびだつあんせしむ。

仏告↢月蔵菩薩摩訶薩↡言ルニ清浄、此賢劫人寿四万歳時、鳩留孫仏出↢興タマヒキ於世↡。彼仏為↢無量阿僧祇億那由他百千↡廻↢生死↡、輪↢転シム正法輪↡。追↢悪道↡、安↢置シム善道及解脱↡。

^かのぶつ、 このだいてんをもつて、 しゃかいしゅ大梵だいぼん天王てんのう他化たけざい天王てんのうらく天王てんのうそつ天王てんのうしゅ夜摩やま天王てんのうとうぞくせしむ。 護持ごじのゆゑに、 養育よういくのゆゑに、 しゅじょう憐愍れんみんするがゆゑに、 三宝さんぼうしゅをして断絶だんぜつせざらしめんがゆゑに、 ねんならんがゆゑに、 *しょう*しゅじょうしょう*しょうぼうしょうひさしくじゅうせしめぞうじょうせんがゆゑに、 もろもろのしゅじょうをして*さん悪道まくどうそくせしめんがゆゑに、 *さん善道ぜんどう趣向しゅこうせんがゆゑに、 てんをもつて大梵だいぼんおよびもろもろの天王てんのうぞくせしむ。

仏以↢此四大天下↡、付↢嘱シム娑婆世界主大梵天王・他化自在天王・化楽天王・兜率陀天王・須夜摩天王等↡。護持、養育ムガ衆生↡故、令ムガ↣三宝ヲシテ↢断絶↡故、熾然ナラムガ、地精気、衆生精気、正法精気、久シメ増長ムガ、令ムガ↣諸衆生ヲシテ休↢息三悪道↡故、趣↢向ムガ三善道↡故、以↢四天下↡付↢嘱シム大梵及天王↡。

 ^かくのごときぜん*こうき、 もろもろの天人てんにんき、 一切いっさい善業ぜんごう*びゃくほう尽滅じんめつして、 大悪だいあくもろもろの煩悩ぼんのうにゃくぞうじょうせん。

↠是漸次劫尽、諸天人尽、一切善業白法尽滅、増↢長大悪諸煩悩溺↡。

^人寿にんじゅさん万歳まんざいとき*拘那くなごん牟尼むにぶつしゅっこうしたまはん。 かのぶつ、 このだいてんをもつて、 しゃかいしゅ大梵だいぼん天王てんのう他化たけざい天王てんのうないだい天王てんのう、 およびもろもろの眷属けんぞくぞくしたまふ。 護持ごじ養育よういくのゆゑに、 ない一切いっさいしゅじょうをしてさん悪道まくどうそくしてさん善道ぜんどう趣向しゅこうせしめんがゆゑに、 このてんをもつて大梵だいぼんおよび諸天しょてんおうぞくしたまへり。

人寿三万歳時、拘那含牟尼仏、出↢興タマハム↟世。彼仏以↢此四大天下↡、付↢嘱タマフ娑婆世界主大梵天王・他化自在天王乃至四大天王、及眷属↡。護持養育乃至令ムガ↧一切衆生ヲシテ休↢息三悪道↡趣↦向三善道↥故、以↢此四天下↡付↢嘱タマ大梵及諸天王↡。

 ^かくのごときだいこうき、 もろもろの天人てんにんき、 びゃくほうまたきて、 大悪だいあくもろもろの煩悩ぼんのうにゃくぞうじょうせん。

↠是次第劫尽、諸天人尽、白法亦尽、増↢長大悪諸煩悩溺↡。

^人寿にんじゅ万歳まんざいとき*しょう如来にょらいしゅっこうしたまふ。 かのぶつ、 このだいてんをもつて、 しゃかいしゅ大梵だいぼん天王てんのう他化たけざい天王てんのうらく天王てんのうそつ天王てんのうしゅ夜摩やま天王てんのう*きょう尸迦しかたいしゃく天王てんのうとう、 およびもろもろの眷属けんぞくぞくしたまへり。 護持ごじ養育よういくのゆゑに、 ない一切いっさいしゅじょうをしてさん悪道まくどうそくせしめ、 さん善道ぜんどう趣向しゅこうせしめんがゆゑに。 かのしょうぶつ、 このてんをもつて、 大梵だいぼん天王てんのうとうぞくし、 およびもろもろの天仙てんせんしゅ七曜しちようじゅうてん童女どうにょじゅうはち宿とうしたまへり。 護持ごじのゆゑに、 養育よういくのゆゑに。

人寿二万歳時、迦葉如来出↢興タマフ於世↡。彼仏以↢此四大天下↡、付↢嘱タマヘリ娑婆世界主大梵天王・他化自在天王・化楽天王・兜率陀天王・須夜摩天王・憍尸迦帝釈・四天王等、及眷属↡。護持養育、乃至令ムガ↧一切衆生ヲシテ休↢息シメ三悪道↡趣↦向三善道↥故。彼迦葉仏以↢此四天下↡、付↢嘱大梵・四天王等↡、及タマヘリ↢諸天仙衆・七曜・十二天童女・二十八宿等↡。護持、養育

 ^りょう清浄しょうじょうよ、 かくのごときだいに、 いまこうじょく煩悩ぼんのうじょくしゅじょうじょく大悪だいあく煩悩ぼんのうじょくとうじょうあくとき人寿にんじゅひゃくさいいたりて、 一切いっさいびゃくほうき、 一切いっさい諸悪しょあく闇翳あんえいならん。 けんはたとへば海水かいすいいちにして*大鹹だいかんなるがごとし、 だい煩悩ぼんのうあじはひ遍満へんまんせん。 しゅう悪党あくとうどくり、 をそのたなごころらん、 ともにあひ殺害せつがいせん。

ルニ清浄、如↠是次第、至マデ↢今劫濁・煩悩濁・衆生濁・大悪煩悩濁・闘諍悪世時、人寿百歳↡、一切白法尽、一切諸悪闇翳ナラム。世間↢海水一味ニシテ大鹹ナルガ↡、大煩悩味遍↢満於世↡。集会悪党、手↢髑髏↡、血↢其↡、共殺害

^かくのごときのあくしゅじょうのなかに、 われいま*だいじゅしゅっしてはじめてしょうがくれり。 *だい波利はりもろもろのしょうにんじきけて、 かれらがためのゆゑに、 このえんだいをもつててんりゅう乾闥けんだつはんしゃとうぶんせしむ。 護持ごじ養育よういくのゆゑに。

キノ↠是衆生、我今出↢世菩提樹下↡初レリ↢正覚↡。提謂ヒトナリ波利ヒトナリ商人↡為↢彼等↡故↢此閻浮提↡分↢布シム天・竜・乾闥婆・鳩槃荼・夜叉等↡。護持養育

 ^これをもつてだいじゅう十方じっぽうしょぶつ一切いっさい無余むよさつ摩訶まかさつとう、 ことごとくここにらいじゅうせん。 ないこのしゃぶつにおいて、 そのところひゃくおく日月にちがつひゃくおくてんひゃくおく大海だいかいひゃくおく*てっせんだいてっせんひゃくおく*しゅせんひゃくおく*しゅじょうひゃくおくだい天王てんのうひゃくおく*さんじゅうさんてんないひゃくおく*そう非非ひひ想処そうしょ、 かくのごときのかずりゃくせり。 しゃぶつ、 われこのところにしてぶつをなす。

↠是大集十方所有仏土、一切無余菩薩摩訶薩等、悉来↢集↡。乃至於↢此娑婆仏土↡、其百億日月、百億四天下、百億四大海、百億鉄囲山・大鉄囲山、百億須弥山、百億四阿修羅城、百億四大天王、百億三十三天、乃至百億非想非非想処、如↠是セリ↠数。娑婆仏土、我↢是処↡シテ↢仏事↡。

^ないしゃぶつしょのもろもろのぼん天王てんのうおよびもろもろの眷属けんぞく天王てんのう他化たけざい天王てんのうらく天王てんのうそつ天王てんのうしゅ夜摩やま天王てんのうたいしゃく天王てんのうだい天王てんのうしゅおうりゅうおうしゃおうせつおう*乾闥けんだつおうきん那羅ならおう迦楼羅かるらおう摩睺まご羅伽らがおうはんおう餓鬼がきおう舎遮しゃしゃおうたんおう迦かたたんおうとうにおいて、 ことごとくまさに眷属けんぞくとしてここにだいじゅうせり。 ほうかんためのゆゑに。

乃至於↢娑婆仏土所有梵天王及眷属、魔天王・他化自在天王・化楽天王・兜率陀天王・須夜摩天王・帝釈天王・四大天王・阿修羅王・竜王・夜叉王・羅刹王・乾闥婆王・緊那羅王・迦楼羅王・摩睺羅伽王・鳩槃荼王・餓鬼王・毘舎遮王・富単那王・迦富単那王等↡、悉↢眷属大集セリ。為↠聞↠法

^ないここにしゃぶつしょのもろもろのさつ摩訶まかさつとうおよびもろもろのしょうもん一切いっさいなく、 ことごとくここにらいじゅうせり。 聞法もんぼうのためのゆゑに。 われいまこのしょしゅう大衆だいしゅのために甚深じんじん仏法ぶっぽうけんせしむ。 またけんまもらんがためのゆゑに、 このえんだいしょしゅうじんをもつてぶんあんす。 護持ごじ養育よういくすべしº と。

乃至娑婆仏土所有菩薩摩訶薩等及声聞、一切無↠余悉来↢集セリ↡。為↢聞法↡故。我今為↢此所集大衆↡顕↢示シム甚深仏法↡。復為↠護ムガ↢世間↡故↢此閻浮提所集鬼神↡分布安置。護持養育スベシト

 ^そのときに、 そん、 またしゃかいしゅ大梵だいぼん天王てんのううてのたまはく、 ª過去かこ諸仏しょぶつ、 このだいてんをもつて、 かつてたれにぞくして護持ごじ養育よういくをなさしめたまふぞº と。

世尊復問↢娑婆世界主大梵天王↡言、過去諸仏、以↢此四大天下↡、曽付↢嘱↡令タマフゾト↠作↢護持養育↡。

^ときしゃかいしゅ大梵だいぼん天王てんのうまうさく、 ª過去かこ諸仏しょぶつ、 このてんをもつて、 かつてわれおよび*きょう尸迦しかぞくしたまへりき。 護持ごじすることをなさしめたまふ。 しかるにわれとがありて、 おのれがおよびたいしゃくあらわさず、 ただしょ天王てんのうおよび宿しゅくようしんしょうせしむ、 護持ごじ養育よういくすべしº と。

娑婆世界主大梵天王言、過去諸仏、以↢此四天下↡、曽付↢嘱タマヘリキ我及憍尸迦↡。令タマフ↠作↢護持コトヲ我有↠失不↢己名及帝釈↡、但称シム↢諸余天王及宿・曜・辰↡、護持養育スベシト

^そのときに、 しゃかいしゅ大梵だいぼん天王てんのうおよびきょう尸迦しかたいしゃく*仏足ぶっそくちょうらいしてこのごんをなさく、 ª大徳だいとく婆伽ばが*大徳だいとくしゅ伽陀がた、 われいまとがしゃすべし。 われしょうのごとくして愚痴ぐち無智むちにして、 如来にょらいみまえにして*みづから称名しょうみょうせざらんや。

娑婆世界主大梵天王及憍尸迦帝釈、頂↢礼仏足↢是↡、大徳婆伽婆、大徳修伽陀、我今謝ベシ↠過。我如クシテ↢小児↡愚痴無智ニシテ↢如来ミマエ↡不ラムヤ称名↡。

^大徳だいとく婆伽ばが、 ややねがはくは*容恕ようじょしたまへ。 大徳だいとくしゅ伽陀がた、 ややねがはくは容恕ようじょしたまへ。 諸来しょらい大衆だいしゅ、 またねがはくは容恕ようじょしたまへ。

大徳婆伽婆、ヤヽクハ容恕タマヘ。大徳修伽陀、唯願クハ容恕タマヘ。諸来大衆、亦願クハ容恕タマヘ

^われきょうがいにおいて言説ごんせつ教令きょうりょうす。 ざいところ護持ごじ養育よういくすべし。 ないもろもろのしゅじょうをして善道ぜんどうおもむかしめんがゆゑに。

我於↢境界↡言説教令。得↢自在↡護持養育スベシ。乃至令メムガ↣諸衆生ヲシテ↢善道↡故

^われらむかし鳩留くるそんぶつのみもとにして、 すでに教勅きょうちょくけたまはりて、 ない三宝さんぼうしゅをしてすでにねんならしむ。

我等ムカシ↢鳩留孫仏ノミモトニ↡、已タマハリテ↢教勅↡、乃至令↣三宝ヲシテ↢熾然↡。

拘那くなごん牟尼むにぶつしょうぶつみもとにして、 われ教勅きょうちょくけたまはりしこと、 またかくのごとし。 三宝さんぼうしゅにおいてすでにねんごろにしてねんならしむ。 ^しょうしゅじょうしょう*しょうぼうあじはひだいしょうひさしくじゅうしてぞうじょうせしむるがゆゑに。

拘那含牟尼仏・迦葉仏ニシテ、我受タマハリシコト↢教勅↡、亦如↠是。於↢三宝↡已ニシテ熾然ナラシム。地精気、衆生精気、正法味醍醐精気、久増長シムルガ

またわがごときも、 いまそんみもとにして、 教勅きょうちょくちょうじゅし、 おのれがきょうがいにおいて、 言説ごんせつ教令きょうりょうす。

亦如キモ↠我↢世尊↡、頂↢受教勅境界↡、言説教令

^ざいところて、 一切いっさいとうじょうごんそくせしめ、 ない三宝さんぼうしゅ断絶だんぜつせざらしむるがゆゑに、 三種さんしゅしょうひさしくじゅうしてぞうじょうせしむるがゆゑに、 あくぎょうしゅじょう*しゃしょうしてぎょうほうしゅじょうようするがゆゑに、 しゅじょうをしてさん悪道まくどうそくせしめ、 さん善道ぜんどう趣向しゅこうするがゆゑに、 仏法ぶっぽうをしてひさしくじゅうせんことをしめんがためのゆゑに、 ねんごろに護持ごじをなすº と。

↢自在↡、休↢息シメ一切闘諍・飢饉↡、乃至令ルガ↣三宝種不↢断絶↡故、三種精気久増長シムルガ、遮↣障悪行衆生↡護↢養ルガ行法衆生↡故、休↢息シメ衆生ヲシテ三悪道↡、趣↢向ルガ三善道↡故、為↠令メムガ↣仏法ヲシテ得↢久ムコトヲ↡故ネンゴロスト↢護持↡。

 ^ぶつののたまはく、 ªいかないかな、 *みょうじょう、 なんぢかくのごとくなるべしº と。

、善哉善哉、妙丈夫、汝応シト↠如クナル↠是

^そのときに、 ぶつひゃくおく大梵だいぼん天王てんのうげてのたまはく、 ªしょぎょうほうほうじゅうほうじゅんじてあく厭捨えんしゃせんものは、 いまことごとくなんだちがのうちにぞくす。 なんだち*賢首けんじゅひゃくおくてん各々かくかくきょうがいにおいて言説ごんせつ教令きょうりょうす。

仏告↢百億大梵天王↡言、所有行法住↠法↠法厭↢捨↡者今悉付↢嘱汝等ナンダチ↡。汝等賢首、於↢百億四天下各各境界↡言説教令

^ざいところて、 しょしゅじょう弊悪へいあく*こう悩害のうがいにおいて*みんあることなし。 後世ごせおそれをかんぜずして、 *せつしんおよび婆羅ばらもんしゃしゅこころ触悩そくのうせん、 ないちくしょうこころ触悩そくのうせん。 かくのごときせっしょうをなす因縁いんねんない邪見じゃけんをなす因縁いんねん、 そのしょしたがひて非時ひじふうあらん。 ないしょうしゅじょうしょうしょうぼうしょう損減そんげん因縁いんねんをなさしめば、 なんぢ*しゃして善法ぜんぽうじゅうせしむべし。

↢自在↡、所有衆生、弊悪・麁獷・悩害、於↠他↠有コト↢慈愍↡。不シテ↠観↢後世↡、触↢悩刹利心及婆羅門・毘舎・首陀↡、乃至触↢悩畜生↡。如↠是↢殺生↡因縁乃至作↢邪見↡因縁、随↢其所作↡非時風雨アラム乃至令↣地精気、衆生精気、正法精気、作↢損減因縁、汝応↢遮止↟住↢善法↡。

^もししゅじょうありて、 ぜんんとおもはんもの、 ほうんとおもはんもの、 しょうがんせんとおもはんもの、 *だん婆羅ばらみつしゅぎょうすることあらんところのもの、 ない般若はんにゃ波羅はらみつしゅぎょうせんもの、 しょぎょうほうほうじゅうせんしゅじょう、 およびぎょうほうのためにいとなまんもの、 かのもろもろのしゅじょう、 なんだちまさに護持ごじ養育よういくすべし。

↢衆生↡、欲ハム↠得ムト↠善、欲ハム↠得ムト↠法者、欲ハム↠度ムト↢生死彼岸↡者、所↠有↣修↢行コト檀波羅蜜↡者、乃至修↢行般若波羅蜜↡者、所有行法住↠法衆生、及↢行法↡営マム↠事者、彼衆生、汝等ナンダチ↢当護持養育↡。

^もししゅじょうありて、 じゅ読誦どくじゅして、 のために演説えんぜつし、 種々しゅじゅきょうろんせつせん。 なんだちまさに*かのもろもろのしゅじょう*ねん方便ほうべんして*けんりきべし。 所聞しょもんりてわすれず、 諸法しょほうそうしんしてしょうはなれしめ、 *はっしょうどうしゅして*三昧さんまいこん相応そうおうせん。

↢衆生↡、受持読誦、為↠他演説、種種解↢説経論↡。汝等当↢彼衆生↡念持方便得↦堅固力↥。入↢所聞↡不↠忘、智↢信諸法↡令↠離↢生死↡、修↢八聖道↡三昧根相応

^もししゅじょうありて、 なんぢがきょうがいにおいてほうじゅうせん。 *しゃ摩他また*毘婆びばしゃだい方便ほうべんしてもろもろの*三昧さんまい相応そうおうして、 ねんごろに*三種さんしゅだいしゅじゅうせんともとめんもの、 なんだちまさに*しゃしょうじゅして、 ねんごろに*しゃをなして、 ぼうしょうせしむることなかるべし。

↢衆生↡、於↢汝境界↡住↠法、奢摩他・毘婆舎那、次第方便↢諸三昧↡相応、勤メム↣修↢習ムト三種菩提、汝等応↧当遮護摂受、勤↢捨施↡、勿↞令コト↢乏少↡。

^もししゅじょうありて、 その飲食おんじきぶく臥具がぐほどこし、 びょうげん因縁いんねん湯薬とうやくせんもの、 なんだちまさにかのしゅをして五利ごりぞうじょうせしむべし。 なんらをかいつつとする。 ひとつには寿じゅぞうじょうせん、 ふたつにはざいぞうじょうせん、 つにはらくぞうじょうせん、 つにはぜんぎょうぞうじょうせん、 いつつにはぞうじょうするなり。

↢衆生↡、施↢其飲食・衣服・臥具↡、病患因縁↢湯薬↡者、汝等応↣当↢彼施主ヲシテ五利増長↡。何等ヲカ↠五。一者寿増長、二者財増長、三者楽増長、四者善行増長、五者慧増長ルナリ

^なんだちじょうやく安楽あんらくん。 この因縁いんねんをもつて、 なんだちよくろっ波羅ぱらみつてん、 ひさしからずして*一切いっさいしゅじょうずることをんº と。

汝等長夜↢利益安楽↡。以↢是因縁↡、汝等能↢六波羅蜜↡、不シテ↠久カラ↠成コトヲ↢一切種智↡。

 ^ときしゃかいしゅ大梵だいぼん天王てんのうしゅとして、 ひゃくおくのもろもろのぼん天王てんのうとともに、 ことごとくこのごんをなさく、 ªかくのごとし、 かくのごとし。 大徳だいとく婆伽ばが、 われらおのおのにおのれがきょうがい弊悪へいあく*こう悩害のうがいにおいて、 においてみんこころなく、 後世ごせおそれをかんぜざらん。 ないわれまさにしゃしょうし、 かのしゅのために*五事ごじぞうじょうすべしº と。

娑婆世界主大梵天王↠首、共↢百億梵天王↡、咸↢是↡、如↠是↠是。大徳婆伽婆、我等各各↢己境界、弊悪・麁獷・悩害↡、於↠他↢慈愍心↡、不ラム↠観↢後世↡、乃至我当シト↧遮障↢彼施主↡増↦長五事↥。

^ぶつののたまはく、 ªいかないかな、 なんぢかくのごとくなるべしº と。

、善哉善哉、汝応↠如クナル↠是

^そのときに、 また一切いっさいさつ摩訶まかさつ一切いっさいしょだいしょうもん一切いっさいてんりゅう竜、 ない一切いっさいにんにんとうありて、 めてまうさく、 ªいかないかな、 *だいおうみょう、 なんだちかくのごときほうひさしくじゅうすることを、 もろもろのしゅじょうをして悪道あくどうはなるることを、 すみやかに善道ぜんどうおもむかしめんº と。

復有↢一切菩薩摩訶薩、一切諸大声聞、一切天・竜、乃至一切人・非人等↡、讃、善哉善哉、大雄猛士、汝ダチ↠是法得↢久コトヲ↡、令メムト↧諸衆生ヲシテ得↠離コトヲ↢悪道↡、速↦善道↥。

 ^そのときに、 そんかさねてこのかさんとおぼしめして、 きてのたまはく、

世尊欲シメシ↣重カナラムト↢此↠偈

^ªわれ、 月蔵がつぞうげていはく、 この賢劫げんごうはじめにりて、 *鳩留くるぶつぼんとうてんぞくしたまふ。

我告↢月蔵↡言↢此賢劫
留仏付↢嘱タマフ梵等四天下

^諸悪しょあくしゃしょうするがゆゑに、 しょうぼうまなこねんならしむ。 もろもろのあくしゃし、 ぎょうほうのものを護持ごじし、

遮↢障ルガ諸悪↡故熾↢然ナラシム正法
捨↢離悪事護↢持行法

^三宝さんぼうしゅたず、 *さんしょうぞうじょう、 もろもろの*悪趣あくしゅそくし、 もろもろの善道ぜんどうかへしむ。

不↠断↢三宝増↢長三精気
休↢息悪趣↠向↢諸善道

^拘那くなごん牟尼むに、 まただい梵王ぼんのう他化たけらくてんない天王てんのうぞくしたまふ。

拘那含牟尼復嘱タマフ↢大梵王
他化・化楽天乃至四天王

^つぎのちしょうぶつまたぼん天王てんのうらくとうてんたいしゃく*護世ごせおう

次後迦葉仏復嘱タマフ↢梵天王
化楽等四天帝釈・護世王

^過去かこのもろもろの天仙てんせんぞくしたまふ。 もろもろのけんのためのゆゑに、 もろもろの*よう宿しゅくあんして、 護持ごじ養育よういくせしめたまへり。

過去天仙↢諸世間↡故
安↢置曜宿タマヘリ↢護持養育

^じょくあくいたりて、 びゃくほう尽滅じんめつせんとき、 われ*独覚どっかくじょうにして、 人民にんみんあんまもらん。

↢濁悪世↡白法尽滅
我独覚無上ニシテ安↢置↣人民

^いま大衆だいしゅまえにして、 しばしばわれを悩乱のうらんせん。 まさに説法せっぽう*つべし。 われをたもつて護持ごじせしめよ。

↢大衆シバシバ悩↢乱
↣当↢説法↠我↢護持

^十方じっぽうのもろもろのさつ一切いっさいことごとくらいじゅうせん。 天王てんのうもまたこのしゃぶっこくきたらしめん。

十方菩薩一切悉来集
天王亦来シメム↢此娑婆仏国土

^われだい梵王ぼんのうはく、 «たれかむかし護持ごじせしもの» と。 たいしゃく大梵だいぼんてん天王てんのう指示しじす。

我問↢大梵王昔護持
帝釈・大梵天指↢示天王

^ときしゃく梵王ぼんのうとがどうしゃしていはまく、 «われらおうところところとして、 一切いっさいあくしゃしょう

於時釈・梵王↢過導師↡言マク
我等所シテ↢王遮↢障一切

^三宝さんぼうしゅねんならしめ、 さんしょうぞうじょうせん。 諸悪しょあくともしゃしょうして、 ぜん朋党ほうとう護持ごじせしむ»º」 と。 以上抄出

熾↢然ナラシメ三宝増↢長三精気
遮↢障諸悪護↢持シムト朋党↡」 已上抄出

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)(Ⅱ)(ⅳ)「諸魔得敬信品」(護持の誓いを発すべきを明かす)

【91】^¬月蔵がつぞうきょう¼ かん第七だいしちしょとくきょうしんぼんだいじゅうにのたまはく (大集経)

¬月蔵経¼巻第七「諸魔得敬信品」第十

^そのときに、 またひゃくおくしょあり。 ともにどうよりしてちて、 がっしょうしてぶつかひたてまつりて、 仏足ぶっそくちょうらいしてぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 われらまたまさにだいゆうみょうおこしてぶつしょうぼう護持ごじ養育よういくして、 三宝さんぼうしゅねんならしめて、 ひさしくけんじゅうせしむ。 いましょうしゅじょうしょうほうしょうみなことごとくぞうじょうせしむべし。 もしそんしょうもん弟子でしありて、 ほうじゅうほうじゅんじて三業さんごう相応そうおうしてしゅぎょうせば、 われらみなことごとく護持ごじ養育よういくして、 一切いっさい*所須しょしゅとぼしきところなからしめんº と。

「爾復有↢百億諸魔↡。倶共同時↠座シテ、合掌マツリテ↠仏、頂↢礼仏足↠仏、世尊、我等亦当↧発↢大勇猛↡護↢持養↣育仏之正法↡、熾↢ナラシメテ三宝↡、久シム↢於世間今地精気タマシイ、衆生精気、法精気、皆悉増長シム↥。若↢世尊、声聞弟子↡、住↠法↠法三業相応修行、我等皆悉護持養育、一切所須令メムト↠无↠所↠乏

 ^ªこのしゃかいにして、 はじ賢劫げんごうりしとき*拘楼くるそん如来にょらい、 すでにてん^たいしゃくぼん天王てんのうそくせしめて、 護持ごじ養育よういくせしむ。 三宝さんぼうしゅねんならしめ、 さんしょうぞうじょうせしめたまひき。

↢此娑婆界↢賢劫↡時
拘楼孫如来シメテ↢於四
帝釈・梵天王護持↢養育
熾↢燃ナラシメ三宝増↢長シメタマヒキ三精気

^拘那くなごん牟尼むに、 またてんぼんしゃく諸天しょてんのうぞくして、 護持ごじ養育よういくせしむ。 ^しょうもまたかくのごとし、 すでにてんぼんしゃく護世ごせおうぞくして、 ぎょうほうのひとを護持ごじせしめき。

拘那含牟尼亦嘱↢四天下
梵・釈・諸天王護持↢養育
迦葉亦如↠是↢四天下
梵・釈・護世王護↢持シメキ行法ヒト

^過去かこしょ仙衆せんしゅ、 およびしょ天仙てんせんしょうしんもろもろの宿しゅくよう、 またぞくぶんせしめき。 ^われじょくでて、 もろもろのあだ降伏ごうぶくして、 だいしゅうをなして、 ぶつしょうぼう顕現けんげんせしむ。

過去諸仙衆及以諸天仙
星辰諸宿曜亦嘱↢分布
我出↢五濁世降↢伏
↢大集会顕↢現シム正法

^一切いっさい諸天しょてんしゅ、 ことごとくともにぶつにまうしてまうさく、 «われらおうところところにして、 みなしょうぼう護持ごじし、 ^三宝さんぼうしゅねんならしめ、 さんしょうぞうじょうせしめん。 もろもろのびょうやくごんおよびとうじょうめしめん»º」 と。 乃至略出

一切諸天衆↠仏
我等所ニシテ↢王皆護↢持正法
熾↢燃ナラシメ三宝増↢長シメム三精気
メムト↠息↢諸病疫飢饉及闘諍↡」 乃至

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)(Ⅱ)(ⅴ)「提頭頼大王護持品」(四王の護持を誓ふことを明かす)

【92】^だい頭頼ずら天王てんのう護持ごじぼん」 にのたまはく (大集経)

「提頭頼天王護持品」云

^ぶつののたまはく、 ª*にってん*がってん、 なんぢわがほうにおいて護持ごじ養育よういくせば、 なんぢちょう寿じゅにしてもろもろの衰患すいげんなからしめんº と。

「仏日天子・月天子、汝於↢我↡護持養育、令メムト↣汝長寿ニシテ↢諸衰患↡。

^そのときに、 またひゃくおくだい頭頼ずら天王てんのうひゃくおく毘楼びる勒叉ろくしゃ天王てんのうひゃくおく毘楼びる博叉はくしゃ天王てんのうひゃくおく沙門しゃもん天王てんのうあり。 かれらどうに、 および眷属けんぞくよりしてちて、 ぶくしょうし、 がっしょうきょうらいして、 かくのごときのごんをなさく、 ª大徳だいとく婆伽ばが、 われらおのおのおのれがてんにして、 ねんごろに仏法ぶっぽう護持ごじ養育よういくすることをなさん。 三宝さんぼうしゅねんとしてひさしくじゅうし、 三種さんしゅしょうみなことごとくぞうじょうせしめんº と。

復有↢百億提頭頼天王、百億毘楼勒叉天王、百億毘楼博叉天王、百億毘沙門天王↡。彼等同時、及↢眷属↡従↠座シテ、整↢ツクロフ ツクロフ衣服↡、合掌敬礼、作↢如キノ↠是↡、大徳婆伽婆、我等各各↢己天下↡、懃↤護↢持養↣育コトヲ仏法↡。令メムト↢三宝タネトシテ、三種精気皆悉増長↡。

^ªわれいままたじょうしゅ沙門しゃもん天王てんのう同心どうしんに、 このえんだい北方ほっぽうとの諸仏しょぶつほう護持ごじすº」 と。 以上略出

我今亦↢上首毘沙門天王↡同心護↢持スト閻浮提北方諸仏↡。 已上略出

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)(Ⅱ)(ⅵ)「忍辱品」(仏法を護持せば福報無量なることを明かし、帰仏者を損悩せば則ち堕獄の重罪を得ることを明かす)

【93】^¬月蔵がつぞうきょう¼ かん第八だいはち忍辱にんにくぼんだいじゅうろくにのたまはく (大集経)

¬月蔵経¼巻第八「忍辱品」第十六

^ぶつののたまはく、 ªかくのごとし、 かくのごとし。 なんぢがいふところのごとし。

「仏、如↠是↠是。如↢汝↟言

^*もしおのれがいとらくもとむるをあいすることあらん、 まさに諸仏しょぶつしょうぼう護持ごじすべし。 これよりまさにりょう福報ふくとくべし。

↠愛コト↢己↠苦ルヲ↟楽、応↣当護↢持諸仏正法↡。従↠此当↠得↢無量福報↡。

^もししゅじょうありて、 わがためにしゅっし、 鬚髪しゅほつ剃除たいじょして袈裟けさぶくせん。 たとひかいたもたざらん、 かれらことごとくすでにはんいんのためにいんせらるるなり。

↢衆生↡、為↠我出家、剃↢除鬚髪↡被↢服袈裟↡。設ラム↠持↠戒、彼等悉↢涅槃印之↡所ルヽ↠印也。

^もしまたしゅっしてかいたもたざらんもの、 ほうをもつてして悩乱のうらんをなし、 *にく*毀呰きしせん、 *をもつてとうじょう*ちょうばくし、 *しゃくせつすることあらん。

復出家ラム↠持↠戒、有↧以↢非法シテ↢悩乱↡、罵辱毀呰、以↠手刀杖打縛斫截コト↥。

^もしはつうばひ、 および種々しゅじゅ*しょううばはんもの、 このひとすなはちさん諸仏しょぶつ真実しんじつ*報身ほうじんするなり。 すなはち一切いっさい天人てんにん眼目げんもくはらふなり。 このひと諸仏しょぶつしょしょうぼう三宝さんぼうしゅ隠没おんもつせんとおもふがためのゆゑに、 *もろもろの天人てんにんをしてやくざらしむ。 ごくせんゆゑに、 さん悪道まくどうぞうじょう盈満ようまんをなすなりº」 と。

↢衣鉢↡、及↢種種資生、是ルナリ↢三世諸仏真実報身↡。則フナリ↢一切天人眼目↡。是人為↠欲フガ↣隠↢没ムト諸仏所有正法三宝↡故、令↢諸天人ヲシテ↟得↢利益↡。堕↢地獄↡故、為スナリト↢三悪道増長盈満↡。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (三)(Ⅱ)(ⅶ)「忍辱品」(諸天善鬼神の仏弟子を擁護することを明かす)

 ^(大集経) ^「そのときに、 また一切いっさいてんりゅうない一切いっさい迦かたたんにんにんとうありて、 みなことごとくがっしょうしてかくのごときのごんをなさく、 ªわれら、 ぶつ一切いっさいしょうもん弟子でしないもしまた禁戒きんかいたもたざれども、 鬚髪しゅほつ剃除たいじょ袈裟けさかたんものにおいて、 ちょうおもいをなさん。 護持ごじ養育よういくしてもろもろの所須しょしゅあたへてぼうしょうなからしめん。

又言「爾復有↢一切天・竜、乃至一切迦富単那・人・非人等↡、皆悉合掌↢如キノ↠是↡、我等於↧仏一切声聞弟子、乃至若復不ドモ↠持↢禁戒↡、剃↢除鬚髪↡著↢袈裟カタ↡者↥、作↢師長↡。護持養育↢諸所須↡令メム↠無↢乏少↡。

^もしてんりゅうない迦かたたんとう、 その悩乱のうらんをなし、 ない悪心あくしんをしてまなこをもつてこれをば、 われらことごとくともに、 かのてんりゅうたんとうしょ諸相しょそう欠減けつげんしゅうならしめん。 かれをしてまたわれらとともにじゅうし、 ともにじきあたふることをざらしめん。 またまた同処どうしょにしてしょうじ。 かくのごとく*擯罰ひんばつせんº」 と。

天・竜乃至迦富単那等、作↢其悩乱↡、乃至悪心ヲシテ↠眼↠之、我等悉メム↢彼天・竜・富単那等、所有諸相欠減醜陋ナラ↡。令メム↣彼ヲシテ↢復得↟アタフルコトヲ↢我等↡。亦復↠得↢同処ニシテ戯笑↡。如↠是擯罰セムト。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (四)¬華厳経¼(諸文を総括して非法の行を誡む)

【94】^またのたまはく (華厳経・十地品・晋訳)

又言

^占相せんそうはなれてしょうけんしゅじゅうせしめ、 けつじょうしてふか罪福ざいふく*因縁いんねんしんずべし」 と。

「離↢占相↡修↢習シメ正見↡、決定ベシト↢罪福因縁↡。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (五)¬首楞厳経¼(鬼神に近づくべからざることを示す)

【95】^¬*しゅりょうごんぎょう¼ にのたまはく、

¬首楞厳経¼言

^「かれらの*しょ、 かのもろもろの*じん、 かれらの*群邪ぐんじゃ、 またしゅありて、 *おのおのみづからいはん。 じょうどうりて、 わがめつのち末法まっぽうのなかに、 このみんおおからん、 このじんおおからん、 この妖邪ようじゃおおからん。 けんじょうにして、 ぜんしきとなつてもろもろのしゅじょうをして*愛見あいけんあなおとさしめん。 だいみちしっし、 *詃惑げんわくしきにして、 おそらくはこころしっせしめん。 *しょところに、 そのいえ耗散もうさんして、 愛見あいけんとなりて如来にょらいしゅしっせん」 と。

「彼等諸魔、彼鬼神、彼等群邪、亦有↢徒衆↡、各各。成↢无上道↡、我滅度後末法之中、多ラム↢此魔民↡、多ラム↢此鬼神↡、多ラム↢此妖邪↡。熾↢盛ニシテ世間↡、↢善知識↡令メム↣諸衆生ヲシテ↢愛見↡。失↢菩提↡、詃惑無識ニシテ、恐クハメム↠失↠心。所過之処、其耗散、成↢愛見↡失ムト↢如来↡。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (六)¬潅頂経¼(三十六神の守護を明かして鬼神を祀ることの非なるを示す)

【96】^¬*かんじょうぎょう¼ にのたまはく、

¬潅頂経¼言

^*さんじゅうろく神王しんのうまんおく恒沙ごうじゃじん眷属けんぞくとして、 そうかく*ばんかわりて、 *さんくるひとをまも」 と。

「三十六部神王、万億恒沙鬼神↢眷属↡、陰↠相、護ルト↧受↢三帰ヒト↥。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (七)¬地蔵十輪経¼二文(外道に帰することを遠離すべきことを明かし、邪神を祭る者は罪を得ることを明かす)

【97】^¬*ぞうじゅうりんぎょう¼ にのたまはく、

¬地蔵十輪経¼言

^「つぶさにまさしく帰依きえして、 一切いっさい*もうしゅうきっきょうおんせんものは、 つひに邪神じゃしんどう帰依きえせざれ」 と。

「具帰依、遠↢離ムモノハ一切妄執吉凶↡、終レト↣帰↢依邪神・外↡。」

【98】^またのたまはく (十輪経)

又言

^「あるいは種々しゅじゅに、 もしはしょうもしはきっきょうそうしゅうして、 じんまつりて、 ごくじゅう大罪だいざい悪業あくごうしょうじ、 *けんざいちかづく。 かくのごときのひと、 もしいまだかくのごときの大罪だいざい悪業あくごうさん除滅じょめつせずは、 しゅっしておよび*かいけしめざらんも、 もしはしゅっしてあるいはかいけしめんも、 すなはちつみん」 と。

「或↢種種少若多、吉凶之相↡、祭↢鬼神↡、 而生↢極重大罪悪業↡、近ヅク↢无間罪↡。如↠是之人、若↤懴↢悔除↣滅キノ↠是大罪悪業↡、不ラムモ↠令↣出家↢具戒↡、若メムモ↣出家↢具戒↡、即便ムト↠罪。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (八)¬福徳三昧経¼・¬薬師経¼初文(余道・余天を拝せざることを記す)

【99】^¬*じゅう一切いっさい福徳ふくとく三昧ざんまいきょう¼ のなかにのたまはく、

¬集一切福徳三昧経¼中

^*じょうかはざれ、 てんらいせざれ」 と。

「不↠向↢余乗↡不レト↠礼↢余天↡。」

【100】^¬*本願ほんがんやくきょう¼ にのたまはく、

¬本願薬師経¼言

^もしじょうしん善男ぜんなんぜん女人にょにんとうありて、 ない*じんぎょうまでにてんつかへざれ」 と。

「若↢浄信善男子・善女人等↡、乃至尽形マデニレト↠事↢余天↡。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (九)¬薬師経¼(外道の妄説を信ずれば現当の重罪を得ることを明かす)

【101】^またのたまはく (本願薬師経)

又言

^またけんじゃどう*妖ようげつ妄説もうせつしんじて、 ふくすなはちしょうぜん。 おそらくはややもすればこころみづからただしからず、 卜問ぼくもんしてわざわいもとめ、 種々しゅじゅしゅじょうころさん。 神明しんめいそうし、 もろもろの*もうりょうばうて、 福祐ふくゆうしょうこつし、 延年えんねんねがはんとするに、 つひにることあたはず。 愚痴ぐち迷惑めいわくしてじゃしんじ、 倒見とうけんしてつひにおうせしめ、 ごくりてしゅつあることなけん。

「又信↢世間邪魔・外道・妖之師妄説↡、禍福便。恐クハヤヽモスレ心不↢カラ↡、卜問↠禍、殺↢種種衆生↡。解↢奏神明↡、呼フテ↢諸魍魎↡、請↢乞福祐↡、ルニ↠冀ムト↢延年↡、終不↠能↠得コト。愚痴迷惑↠邪、倒見↢横死↡、入↢於地獄↡無ケム↠有コト↢出期↡。

^つには、 よこさま毒薬どくやく*厭祷えんとう呪咀じゅしょし、 *起屍きしとうのためにちゅうがいせらる」 と。 以上抄出

者横↢毒薬・厭祷・呪咀、起屍鬼等之↡所ルト↢中害↡。」 抄出已上

二 Ⅱ ⅱ b イ (十)¬菩薩戒経¼(鬼神を礼すべからざるの意を彰す)

【102】^¬*さつかいきょう¼ にのたまはく、

¬菩薩戒経¼言

^しゅっひとほうは、 国王こくおうかひて礼拝らいはいせず、 父母ぶもかひて礼拝らいはいせず、 *六親ろくしんつかへず、 じんらいせず」 と。

「出家、不↧向↢国王↡礼拝↥、不↧向↢父母↡礼拝↥、六親不↠ツカ、鬼神↠礼。」

二 Ⅱ ⅱ b イ (士)¬仏本行集経¼(捨邪帰正はすべからく三迦葉の如くなるべきことを示す)

【103】^¬*ぶつほんぎょうじっきょう¼ *じゃくっやくだいじゅうかん優婆うば斯那しなぼん」 にのたまはく、

¬仏本行集経¼ 闍那崛多 第四十二巻「優婆斯那品

^「そのときに、 かの*さんしょうきょうだいにひとりの*外甥がいせい*けいぼんあり。 そのぼん優婆うば斯那しなづく。

「爾三迦葉兄弟↢一外甥 甥字 螺髻梵志↡。其梵志↢優婆斯那↡。

^つねにひゃくじゅうけいぼん弟子でしとともに仙道せんどう修学しゅがくしき。 かれその*きゅうしょう三人さんにんくに、 もろもろの弟子でし、 かの*だい沙門しゃもんへん往詣おうげいして、 きゅう鬚髪しゅほつ剃除たいじょし、 袈裟けさると。 をはりて、 きゅうかひてきていはく、

↢二百五十螺髻梵志弟子↡修↢学仙道↡。彼聞クニ↢其舅字 迦葉三人↡、諸弟子、往↢詣於彼大沙門↡、阿舅剃↢除鬚髪↡、著ルト↢袈裟衣↡。見已↠舅↠偈

^ªきゅうとうむなしくまつることひゃくねん、 またまたむなしくかのぎょうしゅしき。 今日こんにちおなじくこのほうつること、 なほじゃふるかわぐがごとくするをやº と。

舅等虚コト↠火百年亦復空↢彼苦行
今日同コト↢於此猶如クスルヲヤ↣蛇グガ↢於フル

 ^そのときに、 かのきゅうしょう三人さんにんおなじくともにをもつて、 その外甥がいせい優婆うば斯那しなほうじてかくのごときのごんをなさく、

舅迦葉三人、同↠偈、報↢其外甥優婆斯那↡作↢如キノ↠是↡、

^ªわれらむかしむなしくじんまつりて、 またまたいたづらにぎょうしゅしき。 われら今日こんにちこのほうつること、 まことにじゃふるかわぐがごとくすº」 と。

我等昔空↢火神亦復徒↢於苦行
我等今日捨コト↢此クスト↣蛇グガ↢於故↡」

二 Ⅱ ⅱ b
          (一)馬鳴¬起信論¼(他の緇徒の魔の為に誑惑せられて出離を失することを誡む)

【104】^¬*信論しんろん¼ にいはく、

¬起信論¼曰

^「あるいはしゅじょうありて、 善根ぜんごんりきなければ、 すなはちしょどうじんのために*誑惑おうわくせらる。 もしはちゅうにしてかたちげんじて恐怖くふせしむ、 あるいはたんじょう男女なんにょとうそうげんず。 まさに唯心ゆいしんきょうがいねんずべし、 すなはちめっしてつひにのうをなさず。

「或↢衆生↡、無レバ↢善根力↡、則↢諸魔・外道・鬼神↡所↢誑惑↡。若↢座中↡現↠形恐怖シム、或↢端正男女等↡。当↠念↢唯心境界↡、則不↠為↠悩

^あるいは天像てんぞうさつぞうげんじ、 また如来にょらいぞう相好そうごうそくせるをなして、 もしは*陀羅尼だらにき、 もしは布施ふせかい忍辱にんにくしょうじんぜんじょう智慧ちえき、 あるいはびょうどうくうそうがんおんしんいん無果むかひっきょうくうじゃく、 これしんはんなりとかん。

↢天像・菩薩像↡、亦作↢如来像相好具足セルヲ↡、若↢陀羅尼↡、若↢布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧↡、或↢平等、空・无相・無願、無怨無親、無因無果、畢竟空寂、是真涅槃ナリト↡。

^あるいはひとをして宿命しゅくみょう過去かこらしめ、 またらいる。 *しん弁才べんざい無礙むげならしむ。 よくしゅじょうをしてけん*みょうとんじゃくせしむ。

↣人ヲシテ↢宿命過去之事↡、亦知↢未来之事↡。得↢他心智↡、弁才無ナラシム。能↣衆生ヲシテ貪↢著世間名利之事↡。

^またひとをしてしばしばいかり、 しばしばよろこばしめ、 *しょうじょうならひならしむ。 あるいはおおあいし、 おおねむり、 宿やどることおおく、 おおやまいす、 そのこころだいなり。

又令↧使↢人ヲシテ↡、性无常ナラヒナラ↥。或慈愛、多、多宿、多。其心懈怠ナリ

^あるいはにはかにしょうじんおこして、 のちにはすなはちはいす。 しんしょうじてうたがいおおく、 おもんぱかおおし。

ニハカ↢精進↡、後ニハ便休廃。生↢於不信↡多↠疑多↠慮。

^あるいはもとの勝行しょうぎょうてて、 さらに雑業ぞうごうしゅせしめ、 もしは世事せじじゃくせしめ、 種々しゅじゅ*牽纏けんでんせらる。

↢本勝行↡、更シメ↢雑業↡、若シメ↢世事↡、種種牽纏ラル

^またよくひとをしてもろもろの三昧さんまいしょうぶんそうせるをしむ。 みなこれどう所得しょとくなり、 しん三昧さんまいにあらず。

亦能使↣人ヲシテ得↢諸三昧少分相似セルヲ↡。皆是外道所得ナリ、非↢真三昧↡。

^あるいはまたひとをして、 もしは一日いちにち、 もしはにち、 もしは三日さんにちない七日しちにち定中じょうちゅうじゅうしてねんこう飲食おんじきしむ。 *身心しんしんちゃくえつして、 ゑずかわかず、 ひとをして*あいじゃくせしむ。

復令↧人ヲシテ一日、若二日、若三日、乃至七日、住↢於定中↡得↦自然香美飲食↥。身心適悦、不↠飢不↠渇、使↢人ヲシテ愛著↡。

^あるいはまたひとをしてじき*分斉ぶんざいなからしむ、 たちまちおおく、 たちまちすくなくして、 顔色げんしきへんす。

亦令↣人ヲシテ↢分斉↡。乍クシテ、顔色変異

^このをもつてのゆゑに、 ぎょうじゃつねに智慧ちえをして観察かんざつして、 このこころをして邪網じゃもうせしむることなかるべし。 まさにつとめてしょうねんにして、 らずじゃくせずして、 すなはちよくこのもろもろのごっしょうおんすべし。 るべし、 どうしょ三昧さんまいは、 みな*見愛けんあいまんこころはなれずけん*みょうぎょうとんじゃくするがゆゑなり」 と。

↢是↡故行者常↢智慧ヲシテ観察、勿↟令コト↣此ヲシテ↢於邪網↡。当↣勤正念ニシテ、不↠取シテ↠著、則遠↢離業障↡。応↠知外道所有三昧、皆不↠離↢見愛我慢之心↡。貪↢著ルガ世間名利恭敬↡故ナリト。」

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)法琳¬弁正論¼一三文(一を以て諸を例し人をして自余の道は此に類することを知らしむ)

【105】^¬*べんしょうろん¼ *法琳ほうりんせん にいはく、

¬弁正論¼ 法琳

^*じゅうきゅうしんへんとうす、 *どうじゅうきゅうめい

十喩九箴篇、答李道士十異九

 ^*いちにいはく、 ª^*たいじょう老君ろうくんは、 *しん*げんびょうぎょくじょたくして、 えきひらきてうまれたり。 しゃ牟尼むには、 たい*摩耶まやにんせて、 きょうひらきてでたりº と。

一異

老君↢神玄妙玉女↡、ヒラ↢左腋タリ

釈迦牟尼、寄↢胎邪夫人↡、開↢右脇タリト

 ^*ないいちにいはく、 ª老君ろうくんじょうたがひ、 牧女ぼくじょたくしてひだりよりづ。 そんしたがひて、 せいによりてみぎよりでたまふº と。

一喩

老君↠常↢牧女ヨリ

世尊↠化、因セイヨリタマフト

 ^*かいのいはく、 ªりょ景裕けいゆう戴詵たいしん処玄しょげん*かい千文せんぶん、 およびりょう元帝げんていしゅう弘政こうせい*こうるいあんずるにいはく、 たいじょうつあり、 いはく*三皇さんこうおよび*ぎょうしゅんこれなり。

開士、案ルニ↢慮景裕・戴詵・韋処玄等カイ五千文、及元帝・周コウ政等義類↡云、太上↠四、謂三皇及尭・舜是也。

^いふこころは、 じょうにこの大徳だいとくくんあり、 万民ばんみんかみのぞめり。 ゆゑにたいじょうといふなり。 *郭荘かくそうがいはく、 «ときにこれをけんとするところのものをくんとす。 *ざいしょうせられざるものをしんとす» と。

イフコヽロ上古↢此大徳之君↡、臨↢万民↡。故↢太上↡也。郭荘、時↠賢トスル為↠君。材不↠称セラレ↠世↠臣

^ろうていにあらず、 こうにあらず、 しゅかぎりにあらず。 いづれの典拠てんきょありてか、 たやすくたいじょうしょうするや。

老子非↠帝↠皇、不↠在↢四種之限↡。有テカ↢何典拠↡、輒↢太上

^どうが ¬*げんびょう¼ および ¬ちゅうたい¼・¬朱韜しゅとうぎょくさつ¼ とうけい、 ならびに ¬しゅっさい¼ かんがふるにいはく、 ろうはこれ李母りぼめるところ、 げんびょうぎょくじょありといはず。 すでに正説せいせつにあらず、 もつともかりびゅうだんなり。

ルニ↢道家¬玄妙¼及¬中胎¼・¬朱韜王礼¼等ケイ、并¬出塞記¼↡云、老是李母所↠生、不↠云↠有リト↢玄妙玉女↡。既セイ↡、尤謬談也。

^¬*仙人せんにんぎょくろく¼ にいはく、 «^仙人せんにんさいなし、 ぎょくじょなし。 女形じょけいけたりといへども、 つひにさんせず» と。 ^もしこのずいあらば、 まことにとすべしといふ。 いづれぞせん、 ¬*史記しき¼ にもぶんなし、 ¬*しゅうしょ¼ にせず。 きょもとめてじつめば、 きょうぼうのもののことばしんずるならくのみと。

¬仙人玉録¼云、仙人↠妻、玉女↠夫。雖↠受タリト↢女ケイ↡、畢竟 ツヒ 不↠産。若↢茲瑞↡、誠↠可シト↠嘉トスイヅレ、¬史記ニモ¼無↠文、¬周書¼不↠載。求↠虚↠実、信キョウボウ者之言

^¬*らい¼ にいはく、 «^かん退しりぞきてくらいなきものはせんす» と。

¬礼¼云、退↠官↠位左遷

^¬*ろん¼ にいはく、 «^*じんれいにあらざるなり» と。

¬論語¼云、左衽者非↠礼

^もしひだりをもつてみぎすぐるとせんは、 どう行道こうどうするに、 なんぞひだりめぐらずしてみぎかえつてめぐるや。 くにしょうしょにみないはく、 «みぎのごとし» と。 ならびにてんじょうしたがふなり。 º と。

↠左トセム↠右、道行道ルニ、何不↢左シテ↠右メグ。国之詔書皆云、如↠右。並↢天之常↡也

 ^四異しいにいはく、 ª^老君ろうくん*文王ぶんのう*隆周りゅうしゅうそうたり。 しゃ*荘王そうおうとき*罽賓けいひんきょうしゅたりº と。

四異

老君文王之日、↢隆周之宗師↡。

釈迦荘王之時、為↢罽賓之教主↡。

 ^ない四喩しゆにいはく、 ª*伯陽はくようしょくしょうしんり、 かたじけなく*ぞうあたれり。 文王ぶんのうにあらず、 また隆周りゅうしゅうにあらず。 牟尼むには、 くらいたいして、 特尊どくそんしょうしたまへり。 *しょうおう盛年せいねんあたれり、 えんきょうしゅたりº と。

四喩

伯楊シヨク↢小臣↡、カタジケナアタレリ↢蔵吏↡。不↠↢文王之↡、亦非↢隆周之師↡。

牟尼位居↢太子↡、身証タマヘリ↢特尊↡。当レリ昭王之盛年↡、為リト↢閻浮教主↡。

 ^ろくにいはく、 ª^老君ろうくんこうして、 はじ*しゅうぶんより*こうきゅうときおわり。 しゃははじめて*じょうぼんいえせいして、 わが荘王そうおうあたれりº と。

六異

老君シテ↠世、始↢周文之日↡訖レリ↢于孔丘之時↡。

釈迦↢生於浄飯之家↡、当レリ↢我荘王之世↡。

 ^ないろくにいはく、 ª*しょう*桓王かんのう丁卯ていぼうとしうまれて、 *景王けいおうじんとしおわる。 こうきゅうときふといへども、 *しょうでず。 *調じょう*しょうおう甲寅こういんとしたんじて、 **穆王ぼくおう壬申じんしんとしおわる。 これじょうぼん*いんたり。 もと荘王そうおうさきでたまへりº と。

六喩

迦葉↢桓王丁卯之歳↡、終↢景王壬午之年↡。雖↠訖フト↢孔丘之時↡、不↠出↢姫昌之世↡。

調御ジテ↢昭王甲寅之年↡、終↢穆王壬申之歳↡。是為↢浄飯之胤↡。本出タマヘリ↢荘王之前↡。

 ^かいのいはく、 ªこうしゅういたりて、 *ろうたんれいふ。 ここに ¬史記しき¼ につぶさにあらわる。 文王ぶんのうたること、 すなはちてんしょうなし。 しゅうすえでたり、 そのことたずぬべし。 しゅうはじめにありしごときはぶんせずº と。

開士コウ子至↠周、見↢老耼↠礼コヽ¬史記¼具。為ルコト↢文王師↡、則↢典証↡。出タリ↢於周↡、其事可↠尋↡。ブン不↠載

 ^しちにいはく、 ª^老君ろうくんはじめてしゅうだいうまれて、 のち*りゅうく。 じゅうはからず、 方所ほうしょることなし。 しゃ西国さいこく (印度)しょうじて、 かの*だいおわりぬ。 弟子でしむねち、 *ぐんおおきにさけぶº と。

七異

老君初↢周↡、クマリユウ↡。不↠測↢始終↡、莫↠知コト↢方所↡。

釈迦ジテ↢於西国↡、終リヌ↢彼提河↡。弟子捉 タヽク ↠胸、群胡大

 ^ないしちにいはく、 ªろう頼郷らいけいうまれて、 かいほうむらる。 *秦佚しんいつちょうつまびらかにす。 *遁天とんてんけいにあり。 *どんはかのおうでて、 この*鵠樹こくじゅかくれたまふ。 *漢明かんめいつたはりて、 ひそかに*蘭台らんだいしょにましますº と。

七喩

老子↢於ケイ↡、葬ラル↢於槐里↡。詳ニス↢秦佚之弔↡。セメ↢遁天之ケイ↡。

瞿曇↢彼王宮↡、隠タマフ↢慈鵠樹↡。伝リテ↢乎漢明之世↡、秘↢蘭台之書↡。

 ^かいのいはく、 ª¬*そう¼ の内篇ないへんにいはく、 «^老耼ろうたんして秦佚しんいつとむらふ。 ここにたびさけんでづ。 弟子でしあやしんでふ。 "*ふうともがらにあらざるか" と。 ^秦佚しんいついはく、 "さきにわれりておさなきものをるに、 これをこくす、 そのちちこくするがごとく、 老者ろうしゃこれをこくす、 そのこくするがごとし。 いにしえはこれを遁天とんてんけいといふ。 はじめはおもへらく、 そのひとなりと、 しかるにいまなり"» と。

開士、¬荘子¼内篇、老耼死秦佚弔