りょう寿じゅきょう優婆うば提舎だいしゃがんしょうちゅう かん

 

解義分を釈す【解義分】
    科節

【44】 ^ろんじてはく。

 ^これはこれ*解義げぎぶんなり。 このぶんのなかに、 十重じゅうじゅうあり。 いちには*がんたいには*かんしょうしんさんには*かんぎょう体相たいそうには*浄入じょうにゅう願心がんしんには*ぜんぎょうせっろくには*だいしょうしちには*じゅんだいもんはちには*みょう摂対せったいには*がんじょうじゅじゅうには*ぎょう満足まんぞくなり。

是解義分ナリ。此、義↢十重↡。一者願偈大意、二者起観生信、三者観行体相、四者浄入願心、五者善巧摂化、六者離菩提障、七者順菩提門、八者名義摂対、九者願事成就、十者利行満足ナリ

二 Ⅱ 文釈
      標語を釈す

^ろん」 とは*なり。 いふこころは所以ゆえんするなり。 「わつ」 とはことばなり。 しもしょす。 これはしゃくすることばなり。 ゆゑに 「ろんじてはく」 といふ。

「論」者議也。言フココロハスル↢偈所以↡也。「曰」者詞也。指↢下諸句↡。是議↢釈↡詞也。故↢「論ジテ」↡。

二 Ⅱ ⅱ 正章を釈す
        願偈大意章

【45】^がんたいとは、

願偈大意者、

このがんはなんのをかかす。 かの*安楽あんらくかいかんじて*弥陀みだ如来にょらいたてまつることをげんす。 かのくにしょうぜんとがんずるがゆゑなり。

願偈↢何ヲカ↡。示↧現↢彼安楽世界↡見マツルコトヲ↦阿弥陀如来↥。願ルガ↠生ムト↢彼↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b 起観生信章
          (一)章を標し科を分つ

【46】^かんしょうしんとは、 このぶんのなかにまたじゅうあり。 いちには*念力ねんりきしめす。 には*念門ねんもんいだす。

起観生信者、此又有↢二重↡。一者示↢五念力↡。二者出↢五念門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)文を出し義を釈す
            (Ⅰ)五念力を示す

【47】^念力ねんりきしめすとは、

スト五念力↡者、

いかんがかんじ、 いかんが信心しんじんしょうずる。 もし善男ぜんなんぜん女人にょにん念門ねんもんしゅしてぎょうじょうじゅしぬれば、 *ひっきょうじて安楽あんらくこくしょうじて、 かの弥陀みだぶつたてまつることを

云何云何↢信心↡。若善男子・善女人修↢五念門↡行成就ヌレバ、畢竟得↧生↢安楽国土↡、見マツルコトヲ↦彼阿弥陀仏↥。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)五念門を出す
              (ⅰ)科目を牒し論文を出す

【48】^ねんもんいだすとは、

スト↢五念門↡者、

なんらかねんもんいちには*礼拝らいはいもんには*讃嘆さんだんもんさんには*がんもんには*観察かんざつもんには*こうもんなり。

何等五念門。一者礼拝門、二者讃嘆門、三者作願門、四者観察門、五者廻向門ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)論文を釈す
                (a)総釈

 ^もん」 とは入出にゅうしゅつなり。 ひともんればすなはち入出にゅうしゅつ*無礙むげなるがごとし。 さきねんはこれ安楽あんらくじょうもんなり。 のち一念いちねんはこれ慈悲じひ*きょうづるもんなり。

「門」者入出義也。如↢人得レバ↠門入出无ナルガ↡。前四念是入↢安楽浄土↡門ナリ。後一念是出↢慈悲教化↡門ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)随釈
                  (イ)礼拝を釈す
                    [一]行相
                      [Ⅰ]論文

【49】 ^いかんが礼拝らいはいする。 *身業しんごうをもつて弥陀みだ*如来にょらい*おう*しょうへん*礼拝らいはいしたてまつる。

云何礼拝。身業ヲモテ礼↢拝マツル阿弥陀如来・応・正遍知↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[一][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]総釈

 ^諸仏しょぶつ如来にょらいに、 とくりょうあり。 とくりょうなるがゆゑに*徳号とくごうまたりょうなり。 もしつぶさにだんぜんとほっせば、 ひつすることあたはず。 ここをもつてしょきょうに、 あるいは*十名じゅうみょうげ、 あるいは三号さんごうげたり。 けだし*しゅうぞんずるのみ。 あにここにつくさんや。 いふところの三号さんごうは、 すなはちこれ如来にょらいおうしょうへんなり。

諸仏如来徳有↢无量↡。徳无量ナルガ徳号亦无量ナリ。若↢具ムト↡紙筆不↠能↠載コト也。是諸経、或↢十名↡、或ゲタリ↢三号↡。蓋↢至宗↡而已。豈耶。所↠言三号、即此如来正遍知也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅱ]如来を釈す

^如来にょらい」 とは、 *法相ほっそうのごとくさとり、 法相ほっそうのごとくき、 諸仏しょぶつ*安穏あんのんどうよりきたるがごとく、 このぶつもまたかくのごとくきたりて、 また*後有ごうのなかにらず。 ゆゑに如来にょらいづく。

「如来」者、如↢法相サト、如↢法相↡説、如↢諸仏穏道ヨリルガ↡、此亦如↠是リテマタ不↠去↢後有↡。故↢如来↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅲ]応を釈す

^おう」 とはおうなり。 ぶつ*けっ使除尽じょじんして一切いっさい智慧ちえて、 まさ一切いっさいてん*しゅじょう*ようくべきがゆゑにおうといふなり。

「応」者応供也。仏結使除尽↢一切↡、応キガ↠受↢一切天地衆生供養↡故↠応也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅳ]正遍知を釈す

^しょうへん」 とは、 一切いっさい*諸法しょほうじつ不壊ふえそうにしてぞうげんなりとる。 いかんが不壊ふえなる。 *しんぎょう処滅しょめつし、 *ごんどうぎたり。 諸法しょほう*はんそうのごとくにしてどうなり。 ゆゑにしょうへんづく。

「正遍知」者、知↢一切諸法不壊ニシテ不増不減ナリト↡。云何不壊ナル。心行処滅、言語ギタリ。諸法シテ↢涅槃↡不動ナリ。故↢正遍知↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[一][Ⅱ][ⅴ]別号を釈す

^*無礙むげこうは、 さきのなかにするがごとし。

无光、如↢前ルガ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]弁意
                      [Ⅰ]論文

【50】 ^かのくにしょうずるこころ*なすがゆゑなり。

スガ↧生↢彼↡意↥故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ]註釈

 ^なんがゆゑぞこれをいふとなれば、 さつほうは、 つねに*ひるさんよるさんをもつて*十方じっぽう一切いっさい諸仏しょぶつらいす。 かならずしも*がんしょうこころあるにあらず。 いまつねにがんしょうこころをなすべきがゆゑに、 弥陀みだ如来にょらいらいしたてまつるなり。

フトナレバ↠此、菩薩之法、常↢昼三時夜三時↡礼↢十方一切諸仏↡。不↣必シモルニ↢願生意↡。今応キガ↣常↢願生↡故、礼マツル↢阿弥陀如来↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)讃嘆を釈す
                    [一]総示
                      [Ⅰ]論文

【51】 ^いかんがさんだんする。 *ごうをもつて*讃嘆さんだんしたてまつる。

云何讃嘆。口業ヲモテ讃嘆マツル

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[一][Ⅱ]註釈

 ^さん」 とは讃揚さんようなり。 「たん」 とはたんなり。 讃嘆さんだんくちにあらざればべず。 ゆゑに 「ごう」 といふなり。

「讃」者讃揚也。「嘆」者歌嘆也。讃嘆レバ↠口不↠宣。故↢「口業」↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]別顕
                      [Ⅰ]論文

【52】 ^*かの如来にょらいみなしょうするに、 かの如来にょらい*こうみょうそうのごとく、 かの*みょうのごとく、 *如実にょじつしゅぎょうして相応そうおうせんとほっするがゆゑなり。

ルニ↢彼如来↡、如↢彼如来光明智相↡、如↢彼名義↡、欲ルガ↢如実修行相応ムト↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]称名を釈す

 ^かの如来にょらいみなしょうす」 とは、 いはく、 無礙むげこう如来にょらいみなしょうするなり。

「称スト↢彼如来↡」者、謂↢无光如来↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]光明を釈す

^かの如来にょらいこうみょうそうのごとく」 とは、 ぶつこうみょうはこれ智慧ちえそうなり。 このこうみょう十方じっぽうかいらしたまふに*しょうあることなし。 よく十方じっぽうしゅじょうみょう黒闇こくあんのぞくこと、 にちがつ珠光しゅこうのただ空穴くうけつのなかのあんをのみするがごときにはあらず。

「如クト↢彼如来光明智相↡」者、仏光明是智相也。此光明タマフニ↢十方世界↡无↠有コト↢障↡。能コト↢十方衆生无明黒闇↡、非↠如ニハ↣日月珠光但破ルガ↢空穴ヲノミ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ]相応を釈す
                          [a]所相応を標す【名号破満

^かのみょうのごとく、 如実にょじつしゅぎょうして相応そうおうせんとほっす」 とは、 かの無礙むげこう如来にょらいみょうごうは、 よくしゅじょう一切いっさい*みょうし、 よくしゅじょう一切いっさい*がんてたまふ。

「如↢彼名義↡、欲スト↢如実修行相応ムト↡」者、彼无光如来名号、能↢衆生一切无明↡、能タマフ↢衆生一切志願↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][b]能相応を弁ず
                            [イ]不相応を簡ぶ
                              ª一º不相応行を標す

^しかるにみなしょう*憶念おくねんすれども、 みょうなほありて所願しょがんてざるものあり。 なんとなれば、 如実にょじつしゅぎょうせず、 みょう相応そうおうせざるによるがゆゑなり。

↧称↠名憶念ドモ而无明ナホ而不↠満↢所願↡者↥。何トナレバ者由↧不↢如実修行↡、与↢名義↡不ルニ↦相応↥故也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][b][イ]ª二º不相応心を弁ず
                                ªⅠº聞不具足に約す

^いかんが如実にょじつしゅぎょうせず、 みょう相応そうおうせざるとなすとならば、 いはく、 如来にょらいはこれ*実相じっそうしんなり、 これ物身もつしんなりとらざればなり。

云何トナレバ↧不↢如実修行↡、与↢名義↡不ルト↦相応↥、謂レバナリ↠知↢如来是実相身ナリ、是為物身ナリト↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][b][イ]ª二ºªⅡº信不具足に約す【三不知三不信】

^また*三種さんしゅ相応そうおうあり。 いちには*信心しんじんあつからず、 *ぞんずるがごとくもうずるがごときゆゑなり。 には信心しんじんいちならず、 けつじょうなきがゆゑなり。 さんには信心しんじん相続そうぞくせず、 ねんへだつるがゆゑなり。 このさん展転てんでんしてあひじょうず。 信心しんじんあつからざるをもつてのゆゑにけつじょうなし。 けつじょうなきがゆゑにねん相続そうぞくせず。 またねん相続そうぞくせざるがゆゑにけつじょうしんず。 けつじょうしんざるがゆゑにしんあつからざるべし。

又有↢三種不相応↡。一者信心不↠淳カラ、若↠存ズルガ↠亡ズルガナリ。二者信心不↠一ナラ、无キガ↢決定↡故ナリ。三者信心不↢相続↡、余念間ツルガナリ。此三句展転。以↢信心不ルヲ↟淳カラ↢決定↡。无キガ↢決定↡故念不↢相続↡。亦可↧念不ルガ↢相続↡故不↠得↢決定ルガ↠得↢決定↡故心不↞淳カラ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][b][ロ]能相応を明す

^これとそうせるを 如実にょじつしゅぎょう相応そうおうす」 とづく。 このゆゑに論主ろんじゅ (*天親)、 「*一心いっしん」 と建言こんごんす。

与↠此相違ルヲ↢「如実修行相応スト」↡。是論主建↢言「我一心」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][c]問答料簡【名法相即】
                            [イ]

 ^ひていはく、 をばほうゆびとなす。 ゆびをもつて*つきすがごとし。 もしぶつみょうごうしょうするにすなはちがんつることをといはば、 つきゆび、 よくあんすべし。 もしつきゆびあんすることあたはずは、 ぶつみょうごうしょうすとも、 またなんぞよくがんてんや。

、名ヲバ↢法↡。↢指ヲモテスガ。若ルニ↢仏名号便トイハバ↠満コトヲ↠願者、指之指、応↢能↟闇。若之指、不↠能↠破コト↠闇、称トモ↢仏名号↡、亦何↠願耶。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][c][ロ]

^こたへていはく、 諸法しょほう万差まんじゃなり。 一概いちがいすべからず。 *ほうそくするあり。 ほうするあり。

、諸法万差ナリ。不↠可↢一概↡。有↢名スル↟法。有↢名スル↟法

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][c][ロ]ª一º名の法に即する

^ほうそくするとは、 諸仏しょぶつさつ*みょうごう*般若はんにゃ波羅はらみつ、 および*陀羅尼だらにしょう*禁呪きんじゅおんとうこれなり。 禁腫きんじゅことばに、 「*にっしゅつ東方とうぼうしゃくおうとうをいふがごとし。 たとひ*酉亥ゆうがいきんぎょうじて、 にっしゅつあずからざれども、 しゅゆることを

ルト↠法者、諸仏菩薩名号、般若波羅蜜、及陀羅尼章句、禁音辞等是也。如↢禁腫フガ↢日出東方乍赤乍黄等↡。仮使酉亥↠禁、不ドモアヅカ↢日出↡而腫得↠イユルコトヲ

またいくさくにじんむかひてただひとたびもせっのなかに 「*りんぴょう闘者とうしゃかい陣列じんれつぜんぎょう」 とじゅするがごとし。 このじゅするに*ひょうあたらざるところなり。 ¬*抱朴ほうぼく¼ これを*要道ようどうといふものなり。

亦如↣行クニイクサ↠陣タビモルガ↢臨兵闘者皆陣列前行↡。誦ルニ↢此九字↡五兵之所ナリ↠不アタ。¬抱朴子¼謂↢之要道↡者也。

また転筋こむらがえりくるしむもの、 木瓜ぼけをもつててこれを*すにすなはちえぬ。 またひとありて、 ただ木瓜ぼけぶにまたえぬ。 わがにそのしるしるなり。 かくのごとき*ごんけんにともにれり。 いはんや*不可ふか思議しぎきょうがいなるものをや。 *滅除めつじょやくつづみたとへ、 またこれいちなり。 このたとへはすでにさきあらわすゆゑにかさねてかず。

又苦転筋コブラガヘリ↡者、以↢木↡対↠火スニ↠之エヌ復有↠人但呼ブニ↢木↡亦愈エヌ。吾↢其シルシ↡也。如↠斯近事世間レリ。況不可思議境界ナル乎。滅除薬↠鼓之喩、復是一事ナリ。此↢於前↡故不↢重↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ][c][ロ]ª二º名の法に異する

^ほうするありとは、 ゆびつきすがごときなり。

リト↢名スル者、如↢指スガ名也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ハ)作願を釈す
                    [一]論文

【53】 ^いかんががんする。 *しんにつねにがんし、 一心いっしんにもつぱらひっきょうじて安楽あんらくこく*おうじょうせんとねんず。 如実にょじつ*しゃ摩他またしゅぎょうせんとほっするがゆゑなり。

云何作願。心↠願、一心↣畢竟往↢生ムト安楽国土↡。欲ルガ↣如実修↢行ムト奢摩他↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ハ)[二]註釈
                      [Ⅰ]総釈

 ^しゃ摩他また」 をやくして 「」 といふ。 「」 とは、 しんを一しょとどめてあくをなさず。

↢「奢摩他」↡曰↠止。止者止メテ↢心一処↡不↠作↠悪也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ハ)[二][Ⅱ]別弁
                        [ⅰ]漢語の浮漫を弁ず

^このやくみょうはすなはちたいそむかざれども、 においていまだたず。 なにをもつてこれをいふとならば、 *しんたんとどむるがごときをもまたづけてとなす。 *じょうかん*とんとどめ、 *慈悲じひかん*しんとどめ、 *因縁いんねんかん*とどむ。 かくのごときをもまたづけてとなす。 ひとのまさにかんとしてかざるがごときをもまたづけてとなせばなり。 ここにりぬ、 ことば*まんにしてまさしくしゃ摩他またずと。 *椿ちんしゃりゅうのごときをみなづくといへども、 もしただといふときは、 いづくんぞりゅうんや。

訳名ドモ↠乖↢大意↡、於↠義↠満。何トナラバ↠之、如ヲモ↠止ルガ↢心鼻端↡亦名↠止。不浄観↠貪、慈悲観↠瞋、因縁観↠痴。如↠是ヲモ亦名↠止。如ヲモ↢人↠行ムトルガ↟行亦名バナリ↠止。是浮漫ニシテ↣正得↢奢摩他↡也。如キヲ↢椿柘楡柳↡雖↢皆名クト↟木、若但云トキハ↠木↢楡柳↡耶。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ハ)[二][Ⅱ][ⅱ]今論の止義を明す

^しゃ摩他また」 をといふは*ふくみてさんあり。 いちには一心いっしんにもつぱら弥陀みだ如来にょらいねんじてかのしょうぜんとがんずれば、 この如来にょらいみょうごうおよびかのこくみょうごう、 よく一切いっさいあくとどむ。 にはかの安楽あんらく*三界さんがいどうぎたり。 もしひとまたかのくにしょうずれば、 ねんしん口意くいあくとどむ。 さんには弥陀みだ如来にょらい*しょうがく*じゅうちからねん*しょうもん*びゃくぶつもとむるしんとどむ。 このさんしゅ如来にょらい*如実にょじつどくよりしょうず。 このゆゑに 「如実にょじつしゃ摩他またしゅぎょうせんとほっするがゆゑなり」 といへり。

奢摩他↠止↢三義↡。一者一心↢阿弥陀如来↡願レバ↠生ムト↢彼↡、此如来名号及国土名号能↢一切↡。二者彼安楽土タリ↢三界↡。若人亦生レバ↢彼↡、自然↢身口意↡。三者阿弥陀如来正覚住持力、自然↧求↢声聞・辟支仏↡心↥。此三種、従↢如来如実功徳↡生。是↢「欲如実修行奢摩他」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)観察を釈す
                    [一]能観を明す
                      [Ⅰ]論文

【54】 ^いかんが観察かんざつする。 智慧ちえをもつて*観察かんざつし、 しょうねんにかしこをかんず。 如実にょじつ*毘婆びばしゃしゅぎょうせんとほっするがゆゑなり。

云何観察。智ヲモテ観察、正念↠彼。欲ルガ↣如実修↢行ムト毘婆舎那↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[一][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]総じて漢語の浮漫を明す

 ^毘婆びばしゃ」 をやくして 「かん」 といふ。 ただひろかんといふには、 またいまだたず。 なにをもつてこれをいふとならば、 しん*じょう**くう*無我むが*そうとうかんずるがごときをも、 みなづけてかんとなせばなり。 またかみ椿ちんしゃざるがごとし。

↢「毘婆舎那」↡曰↠観。但汎ニハ↠観、義亦未↠満。何トナラバ↠之、如ヲモ↠観ルガ↢身无常・苦・空・无我・九想等↡、皆名バナリ↠観。亦如↢上ルガ↟得↢椿柘↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[一][Ⅱ][ⅱ]別して今論の観義を顕す

^毘婆びばしゃ」 をかんといふはまたあり。 いちには、 ここにありてそうをなしてかの三種さんしゅしょうごんどくかんずれば、 このどく如実にょじつなるがゆゑに、 しゅぎょうするものもまた如実にょじつどく如実にょじつどくとは、 けつじょうしてかのしょうずることをるなり。 には、 またかのじょうしょうずることをれば、 すなはち弥陀みだぶつたてまつり、 *しょうじょうしんさつひっきょうじて*びょうどう法身ほっしんしょうすることを*じょうしんさつ*じょうさつと、 ひっきょうじておなじく*じゃくめつびょうどうるなり。 このゆゑに 「如実にょじつ毘婆びばしゃしゅぎょうせんとほっするがゆゑなり」 といへり。

毘婆舎那↠観者亦有↢二義↡。一者在↠此↠想レバ↢彼三種荘厳功徳↡、此功徳如実ナルガ修行亦得↢如実功徳↡。如実功徳者、決定ナリ↠生コトヲ↢彼↡。二者亦得レバ↠生コトヲ↢彼浄土↡、即マツリ↢阿弥陀仏↡、未証浄心菩薩、畢竟得↠証コトヲ↢平等法身↡。与↢浄心菩薩↡与↢上地菩薩↡畢竟ナリ↢寂滅平等↡。是↢「欲如実修行毘婆奢那」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[二]所観を出す
                      [Ⅰ]論文

【55】 ^かのかんざつさんしゅあり。 なんらかさんしゅいちにはかの仏国ぶっこくしょうごんどく観察かんざつす。 には弥陀みだぶつしょうごんどく観察かんざつす。 さんにはかのしょさつしょうごんどく観察かんざつす。

観察↢三種↡。何等三種。一者観↢察仏国土荘厳功徳↡。二者観↢察阿弥陀仏荘厳功徳↡。三者観↢察諸菩薩荘厳功徳↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ニ)[二][Ⅱ]註釈

 ^しんにそのえんずるを 「かん」 といふ。 *観心かんじんぶんみょうなるを 「さつ」 といふ。

ルヲ↢其↡曰↢「観」↡、観心分明ナルヲ↢「察」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ホ)回向を釈す
                    [一]論文

【56】 ^いかんが*こうする。 一切いっさいのうしゅじょうてずして、 しんにつねにがんし、 こうしゅとなす。 だいしんじょうじゅすることを*んとするがゆゑなり。

云何廻向。不シテ↠捨↢一切苦悩衆生↡、心、廻向↠首。得ムトスルガ↣成↢就コトヲ大悲心↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ホ)[二]註釈
                      [Ⅰ]標列【往還回向

 ^こう」 にしゅそうあり。 いちには*往相おうそうには*還相げんそうなり。

「廻向」有↢二種相↡。一者往相、者還相ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ホ)[二][Ⅱ]随釈
                        [ⅰ]往相

^往相おうそう」 とは、 おのがどくをもつて*一切いっさいしゅじょう回施えせして、 ともにかの弥陀みだ如来にょらい安楽あんらくじょうおうじょうせんとがんするなり。

往相者、以↢己功徳↡廻↢施一切衆生↡、作↣願ルナリ往↢生ムト阿弥陀如来安楽浄土↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ホ)[二][Ⅱ][ⅱ]還相

^還相げんそう」 とは、 かのしょうじをはりて、 しゃ摩他また毘婆びばしゃ*方便ほうべんりきじょうじゅすれば、 *しょう*ちゅうりんにゅうして一切いっさいしゅじょうきょうして、 ともに*仏道ぶつどう*かふなり。

還相者、生↢彼↡已、得↢奢摩他・毘婆舎那↡、方便力成就レバ、廻↢入生死稠林↡教↢化一切衆生↡、共ナリ↢仏道↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ホ)[二][Ⅲ]結示

^もしはおう、 もしはげん、 みなしゅじょうきて*しょうかいんがためなり。 このゆゑに 「こうしゅとなす。 だいしんじょうじゅすることをんとするがゆゑなり」 といへり。

往若還、皆為ナリ↧抜↢衆生↡渡ムガ↦生死海↥。是↢「廻向為就大悲心」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ 観察体相章
          (一)章を標し科を分つ

【57】^*観察かんざつ体相たいそうとは、 このぶんのなかにたいあり。 いちには*たいには*しゅじょうたいなり。

観察体相者、此↢二体↡。一者器体、二者衆生体ナリ

^ぶんのなかにまたさんじゅうあり。 いちにはこく*体相たいそうには*自利じり利他りたげんす。 さんには*第一だいいちたいるなり。

又有↢三重↡。一者国土体相。二者示↢現自利利他↡。三者入ナリ第一義諦↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)文を出し義を釈す
            (Ⅰ)器体
              (ⅰ)国土体相
                (a)科目を標す

【58】^こく体相たいそうとは、

国土体相者、

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)正しく文を釈す
                  (イ)総嘆
                    [一]論文

いかんがかの仏国ぶっこくしょうごんどく観察かんざつする。 かの仏国ぶっこくしょうごんどく不可ふか思議しぎりきじょうじゅせるがゆゑなり。 かの*摩尼まににょほうしょうのごときにそう相対そうたいほうなるがゆゑなり。

云何観↢察仏国土荘厳功徳↡。彼仏国土荘厳功徳者成↢就ルガ不可思議力↡故ナリ。如↢彼摩尼如意宝↡相似相対ナルガナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(イ)[二]註釈
                      [Ⅰ]釈法

 ^不可ふか思議しぎりき」 とは、 そうじてかの仏国ぶっこくじゅうしちしゅしょうごんどくりきの、 思議しぎすることをべからざるをすなり。 しょきょうべてのたまはく、 *しゅ不可ふか思議しぎあり。 いちにはしゅじょうしょう不可ふか思議しぎには業力ごうりき不可ふか思議しぎさんにはりゅうりき不可ふか思議しぎにはぜんじょうりき不可ふか思議しぎには仏法ぶっぽうりき不可ふか思議しぎなり。

「不可思議力」者、総↢彼仏国土十七種荘厳功徳力ルヲ↟可↠得↢思議コトヲ↡也。諸経、有↢五種可思議↡。一者衆生多少不可思議、二者業力不可思議、三者竜力不可思議、四者禅定力不可思議、五者仏法力不可思議ナリ

^このなかのぶつ不可ふか思議しぎしゅりきあり。 いちには*業力ごうりき、 いはく、 *法蔵ほうぞうさつしゅっ善根ぜんごん*大願だいがん業力ごうりきしょじょうなり。 にはしょうがく*弥陀みだ法王ほうおうぜんじゅうりきしょしょうなり。 この不可ふか思議しぎしもじゅうしちしゅのごとし。 一々いちいちそうみな不可ふか思議しぎなり。 もんいたりてまさにしゃくすべし。

仏土不可思議↢二種力↡。一者業力、謂法蔵菩薩出世善根、大願業力所成ナリ。二者正覚阿弥陀法王善住持所摂ナリ。此不可思議↢下十七種↡。一一相皆不可思議ナリ。至↠文↠釈

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(イ)[二][Ⅱ]釈譬
                        [ⅰ]如彼摩尼を釈す

^かの摩尼まににょほうしょうのごときにそう相対そうたい」 といふは、 かの摩尼まににょほうしょうりて、 安楽あんらくぶつ不可ふか思議しぎしょうしめすなり。 諸仏しょぶつ*にゅうはんとき方便ほうべんりきをもつて*砕身さいしんしゃとどめてもつてしゅじょうふくす。 しゅじょうふくきぬれば、 このしゃへんじて摩尼まににょ宝珠ほうしゅとなる。 このしゅおお大海だいかいのなかにあり。 だいりゅうおう、 もつてくびかざりとなせり。 もし*転輪てんりんじょうおうづるときは、 慈悲じひ方便ほうべんをもつてよくこのしゅて、 *えんだいにおいて*だいにょうやくをなす。 もしぶく飲食おんじきとうみょうがくこころ所欲しょよくしたがひて種々しゅじゅものもちゐるときに、 おうすなはち*潔斎けっさいして、 しゅじょう竿かんはしきてがんおこしていはく、 「もしわれじつにこれ転輪てんりんのうならば、 ねがはくは宝珠ほうしゅ、 かくのごときものあめふらして、 もしはいちへんし、 もしはじゅう、 もしはひゃくに、 わが心願しんがんしたがへ」 と。 そのときにすなはち、 くうのなかにおいて種々しゅじゅものあめふらして、 みな*所須しょしゅかなひててん一切いっさいにんがん満足まんぞくせしむ。 このほうしょうちからをもつてのゆゑなり。 かの安楽あんらくぶつもまたかくのごとし。 安楽あんらくしょう種々しゅじゅじょうじゅせるをもつてのゆゑなり。

「如キニ↢彼摩尼如意宝↡相似相対トイフ」者、借↢彼摩尼如意宝↡、示↢安楽仏土可思議↡也。諸仏入涅槃時、以↢方便力↡留↢砕身舎利↡以↢衆生↡。衆生福尽ヌレバ舎利変↢摩尼如意宝珠↡。此↢大海↡。大竜王以セリ↢首↡。若転輪聖王出ルトキハ↠世、以↢慈悲方便↡能↢此↡、於↢閻浮提↡作↢大饒益↡。若↧衣服・飲食・灯明・楽具、随↢意所欲↡種種↥時、王便、置↢珠於長竿ハシ↡発↠願、若我実是転輪王ナラバ者、願クハ宝珠、雨ラシテ↢如↠此之物↡、若↢一里↡、若十里、若百里、随ヘト↢我心願↡。爾即便↢虚空↡雨ラシテ↢種種↡、皆カナヒ↢所↡満↢足シム天下一切↡。以↢此宝性↡故ナリ。彼安楽仏土亦如↠是。以↢安楽性種種成就ルヲ↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ]相似相対を釈す

^そう相対そうたい」 とは、 かの宝珠ほうしゅちからじきもとむるには、 よくじきとうものあめふらしてもとむるもののこころかなふ。 これもとめざるにはあらず。 かのぶつすなはちしからず。 しょう満足まんぞくじょうじゅせるがゆゑに、 ぼうしょうするところなし。 かのしょう片取へんしゅしてたとへとなす。 ゆゑにそう相対そうたいといへり。 またかのほうは、 ただよくしゅじょうじきとうがんあたふるも、 しゅじょう*じょうどうがんあたふることあたはず。 またかのほうは、 ただよくしゅじょう一身いっしんがんあたふるも、 しゅじょう*りょうしんがんあたふることあたはず。 かくのごときりょう差別しゃべつあるがゆゑにそうといへり。

「相似相対」者、彼宝珠力求ルニ↢衣食↡者、能ラシテ↢衣食等カナ↢求↡。非↢是不ルニハ↟求。彼仏土不↠然。性満足成就ルガ、无↠所↢乏少↡。片↢取↡為↠喩。故↢相似相対↡。又彼但能ルモ↢衆生衣食等↡、不↠能↠与コト↢衆生无上道↡。又彼但能ルモ↢衆生一身↡、不↠能↠与コト↢衆生无量身↡。有↢如↠是无量差別↡故↢相似↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)挙章【器世間】
                    [一]論文

【59】 ^かの仏国ぶっこくしょうごんどくじょうじゅ観察かんざつすとはじゅうしちしゅあり。 るべし。 なんらかじゅうしちいちにはしょうごん清浄しょうじょうどくじょうじゅにはしょうごん*りょうどくじょうじゅさんにはしょうごんしょうどくじょうじゅにはしょうごんぎょうそうどくじょうじゅにはしょうごん種々しゅじゅどくじょうじゅろくにはしょうごんみょうしきどくじょうじゅしちにはしょうごんそくどくじょうじゅはちにはしょうごん三種さんしゅどくじょうじゅにはしょうごんどくじょうじゅじゅうにはしょうごんこうみょうどくじょうじゅじゅういちにはしょうごん妙声みょうしょうどくじょうじゅじゅうにはしょうごんしゅどくじょうじゅじゅうさんにはしょうごん眷属けんぞくどくじょうじゅじゅうにはしょうごん受用じゅゆうどくじょうじゅじゅうにはしょうごん諸難しょなんどくじょうじゅじゅうろくにはしょうごんだいもんどくじょうじゅじゅうしちにはしょうごん一切いっさいしょ満足まんぞくどくじょうじゅなり。

観↢察スト仏国土荘厳功徳成就↡者、有↢十七種↡。応↠知。何等十七。一者荘厳清浄功徳成就、二者荘厳量功徳成就、三者荘厳性功徳成就、四者荘厳形相功徳成就、五者荘厳種種事功徳成就、六者荘厳妙色功徳成就、七者荘厳触功徳成就、八者荘厳三種功徳成就、九者荘厳雨功徳成就、十者荘厳光明功徳成就、十一者荘厳妙声功徳成就、十二者荘厳主功徳成就、十三者荘厳眷属功徳成就、十四者荘厳受用功徳成就、十五者荘厳无諸難功徳成就、十六者荘厳大義門功徳成就、十七者荘厳一切所求満足功徳成就ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)[二]註釈

 ^*しょうもんげ、 つぎつづきて*ていしゃくす。

↢章門↡、次提釈

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)提釈
                    [一]清浄功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【60】 ^しょうごん清浄しょうじょうどくじょうじゅとは、 に 「かんかいそう しょう三界さんがいどう」 といへるがゆゑなり。

荘厳清浄功徳成就者、偈ルガ↢「観彼世界相勝過三界道」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[一][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 *ぼんにんありて煩悩ぼんのう*じょうじゅするもまたかのじょうしょうずることをれば、 三界さんがい*ごうひっきょうじてかず。 すなはちこれ煩悩ぼんのうだんぜずして*はんぶん いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。有↢凡夫人↡煩悩成就ルモ亦得レバ↠生コトヲ↢彼浄土↡、三繋業、畢竟不↠牽是不シテ↠断↢煩悩↡得↢涅槃分↡。焉キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[二]量功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【61】 ^しょうごん*りょうどくじょうじゅとは、 に 「きょうにょくう 広大こうだい辺際へんざい」 といへるがゆゑなり。

荘厳量功徳成就者、偈ルガ↢「究竟如虚空広大无辺際」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[二][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]広狭無礙を明す

 ^これいかんが思議しぎなる。 かのくに人天にんでん、 もしこころ殿でん*楼閣ろうかく、 もしはひろいち*じゅん、 もしはひゃくじゅん、 もしはせんじゅんˆそのかずˇ 千間せんげん万間まんげんならんとほっすれば、 しんしたがひてじょうずるところなり。 ひとおのおのかくのごとし。

此云何不思議ナル。彼人天、若レバ↢宮殿楼閣、若一由旬、若百由旬、若千由旬、千間万間ナラムト↡、随↠心ナリ↠成ズル。人各↠此

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[二][Ⅱ][ⅱ]受用無尽を示す

^また十方じっぽうかいしゅじょうおうじょうがんずれば、 もしはすでにうまれ、 もしはいまうまれ、 もしはまさにうまるべし。 いち一日いちにちのあひだをも*算数さんじゅするに、 そのしょうることあたはざるところなり。 しかもかのかいつねにくうのごとし。 *迫迮はくさくそうなし。

又十方世界衆生願レバ↢往生↡者、若、若今生、若。一時一日之アヒダヲモ算数ナリ↠不↠能↠知コト↢其多少↡。而世界常↢虚空↡。无↢迫迮相↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[二][Ⅱ][ⅲ]志願広大を顕す

^かしこのなかのしゅじょう、 かくのごときりょうのなかにじゅうして、 がん広大こうだいにしてまたくうのごとくしてげんりょうあることなからん。 かのこくりょう、 よくしゅじょう*しんぎょうりょうじょうず。 なんぞ思議しぎすべきや。

衆生、住↢如↠此↡、志願広大ニシテ亦如クシテ↢虚空↡无ラム↠有コト↢限量↡。彼国土量、能↢衆生心行↡。何キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[三]性功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【62】 ^しょうごんしょうどくじょうじゅとは、 に 「しょうどうだい慈悲じひ しゅっ善根ぜんごんしょう」 といへるがゆゑなり。

荘厳性功徳成就者、偈ルガ↢「正道大慈悲出世善根生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[三][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 たとへば*迦羅から求羅くらちゅうの、 そのかたちしょうなれども、 もし大風だいふうれば大山だいせんのごとし。 かぜだいしょうしたがひておのが身相しんそうとなすがごとし。 安楽あんらくしょうずるしゅじょうもまたかくのごとし。 かの*しょうどうかいしょうずれば、 すなはち*しゅっ善根ぜんごんじょうじゅして*正定しょうじょうじゅること、 またかのかぜの、 にあらずしてなるがごとし。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。譬↧迦羅求羅虫形微小ナレドモ、若レバ↢大風↡身↢大山↢風大小↡為スガ↦己身相↥。生↢安楽↡衆生亦復如↠是。生レバ↢彼正道世界↡、即成↢就出世善根↡入コト↢正定聚↡、亦如↢彼ズシテ↠身而身ナルガ↡。焉キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[四]形相功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【63】 ^しょうごんぎょうそうどくじょうじゅとは、 に 「じょうこうみょう満足まんぞく にょきょう日月にちがつりん」 といへるがゆゑなり。

荘厳形相功徳成就者、偈ルガ↢「浄光明満足如鏡日月輪」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[四][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 それ*忍辱にんにく*たんじょう。 わがしん*影響ようこうなり。 ひとたびかしこにしょうずることをれば、 *しんにんことなりなし。 人天にんでん*色像しきぞうびょうどうみょうぜつなり。 けだしじょうこうちからなり。 かのひかりしんぎょうにあらずしてしんぎょうをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。夫忍辱得↢端正↡。我嚮也。一タビレバ↠生コトヲ↠彼、无↢瞋忍之殊ナリ↡。人天色像平等妙絶ナリ。蓋浄光之力也。彼ズシテ↢心行↡而為↢心行之事↡。焉キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[五]種々事功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【64】 ^しょうごん種々しゅじゅどくじょうじゅとは、 に 「しょ珍宝ちんぽうしょう そくみょうしょうごん」 といへるがゆゑなり。

荘厳種種事功徳成就者、偈ルガ↢「備諸珍宝性具足妙荘厳」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[五][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 かの種々しゅじゅ、 あるいは一宝いっぽう十宝じっぽうひゃく千種せんじゅほうしんしたがこころかなひてそくせざるはなし。 もしなからしめんとほっすれば、 *しゅくえんとして*もつす。 しんざいること*神通じんずうえたることあり。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。彼種種事、或一宝、十宝、百千種宝、随↠心カナヒ↠意↠不↢具足↡。若レバ↠令ムト↠无、儵焉トシテ化没。心コト↢自在↡有↠踰タルコト↢神通↡。安キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[六]妙色功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【65】 ^しょうごんみょうしきどくじょうじゅとは、 に 「無垢むく光炎こうえん 明浄みょうじょうようけん」 といへるがゆゑなり。

荘厳妙色功徳成就者、偈ルガ↢「无垢光炎熾明浄曜世間」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[六][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 そのひかり*かがやかすにすなはちひょう*映徹ようてつす。 そのひかりしんかがやかすにすなはちつひにみょうつくす。 ひかり*ぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。其光曜スニ↠事映↢徹表裏↡。其光曜スニ↠心↢无明↡。光為↢仏事↡。焉キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[七]触功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【66】 ^しょうごんそくどくじょうじゅとは、 に 「ほうしょうどくそう にゅうなん左右さうせん 触者そくしゃしょうしょうらく 旃隣せんりん」 といへるがゆゑなり。

荘厳触功徳成就者、偈ルガ↢「宝性功徳草柔軟左右旋触者生勝楽過迦旃隣陀」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[七][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]正釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 それたかられい堅強けんごうなり。 しかるにこれはにゅうなんなり。 *そくらくじゃくすべし。 しかるにこれは*どうす。 あいおなじ。 なんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。夫堅強ナリ。而柔軟ナリ。触↠著。而↠道。事↢愛作↡。何キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[七][Ⅱ][ⅱ]追釈

^さつあり、 あいなづく。 *ぎょうようたんじょうにしてひと*ぜんじゃくしょうず。 ¬きょう¼ (*大宝積経・意) にのたまはく、 「これにぜんするものは、 あるいはてんじょうしょうじ、 あるいは*だいしんおこす」 と。

↢菩薩↡、ナヅ↢愛作↡。形容端正ニシテ↢人染著↡。¬経¼言、「染スル↠之、或↢天上↡、或スト↢菩提心↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八]三種功徳を釈す
                      [Ⅰ]標列
                        [ⅰ]論文

【67】 ^しょうごん三種さんしゅどくじょうじゅとは、 さんしゅあり。 るべし。 なんらかさんしゅいちにはすいにはさんにはくうなり。

荘厳三種功徳成就者、有↢三種事↡。応↠知。何等三種。一者水、二者地、三者虚空ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅰ][ⅱ]註釈

 ^この三種さんしゅあわせていふ所以ゆえんは、 同類どうるいなるをもつてのゆゑなり。 なにをもつてかこれをいふとなれば、 いちには*六大ろくだいたぐいなり。 いはゆるくうしきすいふうとなり。 には*分別ふんべつたぐいなり。 いはゆるすいふうくうなり。 ただ三類さんるいといふは、 しき一大いちだい*しゅじょうけんぞくするがゆゑに、 一大いちだいはかしこのなかになきがゆゑに、 ふうありといへどもふうるべからざるがゆゑに、 じゅうしょなきがゆゑなり。 ここをもつて六大ろくだい*るいのなかに、 ありてしょうごんすべきをりて、 さんしゅあわせてこれをいふ。

三種所↢以并セテ↡者、以↢同類ナルヲ↡故也。何トナレバ↠之、一者六大ナリ。所謂虚空トナリ。二者无分別ナリ。所謂地・水・火・風・虚空ナリ。但言↢三類者、識一大ルガ↢衆生世間↡故、火一大キガ、雖↠有↠風風不↠可↠見、无キガ↢住処↡故ナリ。是六大五類、取而可キヲ↢荘厳↡、三種并セテ↠之

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ]随釈
                        [ⅰ]水功徳
                          [a]論文

【68】 ^しょうごんすいどくじょうじゅとは、 に 「ほう千万せんまんじゅ 弥覆みふ池流ちるせん ふうどうよう きょうさくこう乱転らんでん」 といへるがゆゑなり。

荘厳水功徳成就者、偈ルガ↢「宝花千万種弥覆池流泉微風動花葉錯光乱転」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅰ][b]註釈
                            [イ]正釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 かのじょう人天にんでん*水穀すいこくにあらず。 なんぞみずもちゐるや。 清浄しょうじょうじょうじゅしてせんじょくもちゐず。 またなんぞみずもちゐるや。 かしこのなかには*四時しじなし。 つねに*調適じょうちゃくにしてねつわずらはず。 またなんぞみずもちゐるや。 もちゐずしてなることは、 まさに所以ゆえあるべし。

此云何不思議ナル。彼浄土人天↢水穀↡。何↠水耶。清浄成就不↠須↢洗濯↡。復何↠水耶。彼ニハ↢四時↡。常調適シテ不↠煩↠熱復何↠水耶。不シテ↠須而有ナルコトハ、当↠有↢所以↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅰ][b][ロ]引経

^¬きょう¼ (大経・上) にのたまはく、 「かのもろもろのさつおよびしょうもん、 もしほうりて、 こころみずをしてあしひたさしめんとほっすれば、 みずすなはちあしひたす。 ひざいたらしめんとほっすれば、 みずすなはちひざいたる。 こしいたらしめんとほっすれば、 みずすなはちこしいたる。 くびいたらしめんとほっすれば、 みずすなはちくびいたる。 そそがしめんとほっすれば、 ねんそそぐ。 還復げんぶくせしめんとほっすれば、 みずすなはち還復げんぶくす。 *調じょうりょうなんにしてねんこころしたがひて、 *じんひらたいよろこばしむ。 *しん*蕩除とうじょし、 清明しょうみょう*ちょうけつにしてきよきことかたちなきがごとし。 ˆていのˇ 宝沙ほうしゃ*映徹ようてつしてふかきをもらさざることなし。

¬経¼言、「彼菩薩及聞、若↢宝池↡、意レバ↠令ムト↢水ヲシテヒタ↟足、水即↠足。欲レバ↠令ムト↠至↠膝、水即↠膝。欲レバ↠令ムト↠至、水即↠腰。欲レバ↠令ムト↠至↠頚水即↠頚。欲レバ↠令ムト↠潅↠身、自然↠身。欲レバ↠令ムト↢還復↡、水還復。調和冷煖ニシテ自然↠意、開↠神シム↠体。蕩↢除心垢↡、清明澄潔ニシテキコト↠无キガ↠形。宝沙映徹↢深キヲモコト↟照

*らん回流えるしてうたたあひ*かんちゅうす。 *あんじょうとして*やうやくきて、 おそからずはやからず。 なみりょうねん妙声みょうしょうぐ。 その*所応しょおうしたがひてかざるものなし。 あるいはぶつみこえき、 あるいはほうこえき、 あるいはそうこえき、 あるいは*寂静じゃくじょうこえ*くう*無我むがこえ*だい慈悲じひこえ*波羅はらみつこえき、 あるいは*じゅうりき*無畏むい*不共ふぐほうこえ*諸通しょつうこえしょこえ不起ふきめつこえ*しょうにんこえない*かんかんじょう、 もろもろの*みょうほうこえく。 かくのごときこえは、 その所聞しょもんかなひてかんりょうなり。 ˆくひとはˇ 清浄しょうじょうよくじゃくめつ真実しんじつずいじゅんし、 *三宝さんぼうˆじゅうˇ りきしょ*不共ふぐほうずいじゅんす。 つうさつしょうもんしょぎょうどうずいじゅんす。 *さんなんあることなし。 ただねんらくおんのみあり。 このゆゑにそのくにづけて安楽あんらくといふ」 と。

灡廻流潅注。安トシテ、不↠遅カラ不↠疾カラ。波↢无量自然妙声↡。随↢其所応↡莫↢不↠聞者↡。或↢仏↡、或↢法↡、或↢僧↡、或↢寂静、空无我声、大慈悲声、波羅蜜↡、或↢十力・无畏・不共法声、諸通声、无所作声、不起滅声、无生忍声、乃至甘露潅頂、衆妙法↡。如↠是カナヒ↢其所聞↡歓喜无量ナリ。随↢順清浄・離欲・寂滅・真実之義↡、随↢順三宝・力・无所畏・不共之法↡。随↢順菩薩・声聞所行之道↡。无↠有コト↢三塗苦難之名↡。但有↢自然快楽之音ノミ↡。是フト↢安楽↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅰ][b][ハ]結示

^このみずぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

水為↢仏事↡。安キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅱ]地功徳
                          [a]論文

【69】 ^しょうごんどくじょうじゅとは、 に 「殿でんしょ楼閣ろうかく かん十方じっぽう無礙むげ 雑樹ぞうじゅ光色こうしき 宝欄ほうらんへんにょう」 といへるがゆゑなり。

荘厳地功徳成就者、偈ルガ↢「宮殿諸楼閣観十方无雑樹異光色宝蘭遍囲遶」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅱ][b]註釈
                            [イ]正釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 かの種々しゅじゅ、 あるいは一宝いっぽう十宝じっぽうひゃっぽうりょうほうしんしたがこころかなひてしょうごんそくせり。 このしょうごんは、 浄明じょうみょうきょうのごとく、 十方じっぽうこくじょう諸相しょそう*善悪ぜんあく業縁ごうえん一切いっさいことごとくげんず。 かしこのなかの人天にんでん、 このるがゆゑに、 *探湯たんとうぎゅうじょうねんじょうじゅす。 またもろもろの*だいさつほっしょうとうらすたからをもつてかんとなせば、 この宝冠ほうかんのなかにみな諸仏しょぶつたてまつり、 また一切いっさい諸法しょほうしょうりょうだつするがごとし。

此云何不思議ナル。彼種種事、或一宝、十宝、百宝、无量宝、随↠心↠意荘厳具足。此荘厳↢浄明鏡↡、十方国土浄穢諸相、善悪業縁、一切悉。彼人天、見↢斯↡故湯不及之情自然成就。亦如↪諸大菩薩以↧照↢法性等↡宝↥為セバ↠冠、此宝冠皆見マツリ↢諸仏↡、又了↩達ルガ一切諸法之性↨。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅱ][b][ロ]引例

^またぶつ、 ¬*法華ほけきょう¼ をきたまひしときけんひかりはなちて東方とうぼうまん八千はっせんらすにみな金色こんじきのごとく、 *阿鼻あびごくよりかみ*ちょういたるまで、 もろもろのかいのなかの*六道ろくどうしゅじょうしょうおもむくところ、 善悪ぜんあく業縁ごうえん受報じゅほう好醜こうしゅ、 ここにことごとくるがごとし。 けだしこのたぐいなり。

又如↧仏説タマヒシ↢¬法華経¼↡時、放↢眉間↡照スニ↢于東方万八千土↡皆如↢金色↡、従↢阿鼻獄↡上マデ↢有頂↡、諸世界六道衆生生死所↠趣、善悪業縁、受報好醜、於↠此ルガ↥。蓋類也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅱ][b][ハ]結示

^この*かげぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

影為↢仏事↡。安キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅲ]虚空功徳
                          [a]論文

【70】 ^しょうごんくうどくじょうじゅとは、 に 「りょうほうきょうらく もうへんくう 種種しゅじゅりょう発響ほっこう せんみょう法音ほうおん」 といへるがゆゑなり。

荘厳虚空功徳成就者、偈ルガ↢「无量宝交絡羅網遍虚空種種鈴嚮宣吐妙法音」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅲ][b]註釈
                            [イ]引経

 ^これいかんが思議しぎなる。 ¬きょう¼ (大経・上) にのたまはく、 「りょう*宝網ほうもうぶつ*弥覆みふし、 みな*こん真珠しんじゅひゃくせん雑宝ざっぽうみょうちんなるをもつてしょうごん*きょうじきして、 めん*しゅうそうせり。 るるにほうりょうをもつてす。 光色こうしき*晃耀こうようしてことごとくきはめて厳麗ごんらいなり。

此云何不思議ナル。¬経¼言、「无量宝網、弥↢覆仏土↡、皆以↢金縷、真珠、百千雑宝奇妙珍異ナルヲ↡荘厳挍飾、周↢帀四面↡。垂ルニテス↢宝鈴↡。光色晃耀厳麗ナリ

ねん徳風とくふう*やうやくおこりてどうす。 そのかぜ調じょうにしてさむからずあつからず。 おんりょうにゅうなんにしておそからずはやからず。 もろもろの*もうおよびもろもろの宝樹ほうじゅきて、 りょう*みょう法音ほうおん演発えんぽつし、 万種まんじゅ*おん徳香とくこう流布るふす。 それぐことあるものは、 *塵労じんろうじゅうねんおこらず。 かぜそのるるにみならく」 と。

自然徳風徐微動。其風調和ニシテ不↠寒カラ不↠暑カラ。温涼柔軟ニシテ不↠遅カラ不↠疾カラ。吹↢諸羅網及宝樹↡、演↢発无量微妙法音↡、流↢布万種温雅徳香↡。其↠聞コト、塵労習自然不↠起。風触ルニ↢其↡皆得快楽↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[八][Ⅱ][ⅲ][b][ロ]結示

^このこえぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

声為↢仏事↡。焉キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[九]雨功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【71】 ^しょうごんどくじょうじゅとは、 に 「華衣けえしょうごん りょうこうくん」 といへるがゆゑなり。

荘厳雨功徳成就者、偈ルガ↢「雨花衣荘厳无量香普」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[九][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]引経

 ^これいかんが思議しぎなる。 ¬きょう¼ (大経・上) にのたまはく、 「かぜきてはならしてあまねくぶつつ。 いろだいしたがひて雑乱ぞうらんせず。 にゅうなん光沢こうたくにして*きょうこう芬烈ふんれつなり。 あしそのうえむにくだることすんあしげをはるにしたがひて、 還復げんぶくすることもとのごとし。 はなもちゐること已訖おわりぬれば、 はすなはち開裂かいれつして、 *いでをもつてもつし、 清浄しょうじょうにしてのこりなし。 そのせつしたがひて、 かぜきてはなさんずること、 かくのごとく六反ろっぺんす。

此云何不思議ナル。¬経¼言、「風吹シテ↠花↢仏土↡。随↢色次第↡而不↢雑乱↡。柔軟光沢ニシテ馨香芬烈ナリ。足履ムニ↢其コト四寸、随↢挙↠足ルニ↡、還復コトモト。花用コト已訖ヌレバ、地輒開裂、以↠次デヲ化没、清浄ニシテ↠遺。随↢其時節↡、風吹コト↠花、如↠是

また衆宝しゅほう*れんかいしゅうへんせり。 一々いちいちほうひゃく千億せんおく*ようあり。 そのようこうみょうりょうしゅいろなり。 あおいろにはあおひかりしろいろにはしろひかりげんおうしゅ光色こうしきもまたしかなり。 *よう煥爛かんらんとして日月にちがつよりも明曜みょうようなり。 一々いちいちはなのなかよりさんじゅうろっぴゃく千億せんおくひかりいだす。 一々いちいちひかりのなかよりさんじゅうろっぴゃく千億せんおくぶついだす。 いろこんにして*相好そうごう殊特しゅどくなり。 一々いちいち諸仏しょぶつまたひゃくせんこうみょうはなちて、 あまねく十方じっぽうのためにみょうほうく。 かくのごとき諸仏しょぶつ、 おのおのりょうしゅじょうぶつしょうどうあんりゅうせしめたまふ」 と。

又衆宝蓮花、周↢世界↡。一一宝花百千億アリ。其光明、无量種ナリ。青ニハ光、白ニハ光、玄黄朱紫光色亦然ナリ煒燁煥爛トシテ明↢曜ナリ日月ヨリモ↡。一一ヨリ↢三十六百千億↡。一一ヨリ↢三十六百千↡。身紫金ニシテ相好殊特ナリ。一一諸仏又放↢百千光明↡、普↢十方↡説↢微妙↡。如↠是諸仏、各各安↢立シメタマフト无量衆生於仏正道↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[九][Ⅱ][ⅱ]結示

^はなぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

花為↢仏事↡。安キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十]光明功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【72】 ^しょうごんこうみょうどくじょうじゅとは、 に 「ぶっ明浄みょうじょうにち じょ世痴せちあんみょう」 といへるがゆゑなり。

荘厳光明功徳成就者、偈ルガ↢「仏恵明浄日除世痴闇冥」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 かのこうみょうは、 如来にょらい智慧ちえほうよりおこれり。 これにるれば、 みょう黒闇こくあんつひにかならずしょうじょす。 こうみょうにあらずしてよく*ゆうをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。彼光明、従↢如来報↡起レリ。触レバ↠之者、无明黒闇終消除。光明ズシテ↡。焉キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]妙声功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【73】 ^しょうごん妙声みょうしょうどくじょうじゅとは、 に 「ぼんしょう深遠じんのん みょうもん十方じっぽう」 といへるがゆゑなり。

荘厳妙声功徳成就者、偈ルガ↢「梵声悟深遠微妙聞十方」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]引経

 ^これいかんが思議しぎなる。 *きょうにのたまはく、 「もしひと、 ただかのこく清浄しょうじょう安楽あんらくなるをきて、 *剋念こくねんしてしょうぜんとがんずれば、 またおうじょうて、 すなはち正定しょうじょうじゅる」 と。

此云何不思議ナル。¬経¼言、「若人但聞↢彼国土清浄安楽ナルヲ↡、剋念レバ↠生ムト、亦得↢往生↡、ルト↢正定聚↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ][ⅱ]結示

^これはこれこくみょうぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

是国土名字為↢仏事↡。安キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]主功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【74】 ^しょうごんしゅどくじょうじゅとは、 に 「しょうがく弥陀みだ 法王ほうおうぜんじゅう」 といへるがゆゑなり。

荘厳主功徳成就者、偈ルガ↢「正覚阿弥陀法王善住持」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]正釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 しょうがく弥陀みだ思議しぎにまします。 かの安楽あんらくじょうは、 しょうがく弥陀みだ善力ぜんりきのために*じゅうせられたり。 いかんが思議しぎすることをべきや。

此云何不思議ナル。正覚阿弥陀不思議ニマシマス。彼安楽浄土、為↢正覚阿弥陀善力↡住持ラレタリ。云何↠得↢思議コトヲ↡耶。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ][ⅱ]追釈

^じゅう」 は不異ふいめつづく。 「」 はさんしつづく。 *きゅうやくをもつてしゅりて、 みずくに*みだれず。 くにこがれず。 *因縁いんねんてすなはちしょうずるがごとし。 なにをもつてのゆゑに。 きゅうやくちからなるがゆゑなり。 もしひとひとたび安楽あんらくじょうしょうずれば、 のちときに、 こころ三界さんがいしょうじてしゅじょうきょうせんとがんじて、 じょういのちてて、 がんしたがひてしょうずることをて、 三界さんがい*ざっしょうのなかにしょうずといへども、 *じょうだいしゅひっきょうじてちず。 なにをもつてのゆゑに。 しょうがく弥陀みだ*ぜんじゅうるをもつてのゆゑなり。

「住」名↢不異不滅↡。「持」名↢不散不失↡。如↧以↢不朽薬↡塗↢種子↡、在クニ不↠、在クニ↠火不↠燋↢因縁ルガ↥。何。不朽薬ナルガナリ。若人一タビレバ↢安楽浄土↡、後↧生↢三界↡教↦化ムト衆生↥、捨テテ↢浄↡、随↠願↠生コトヲ、雖↠生ズト↢三界雑↡、无上菩提種子畢竟不↠朽。何。以↠逕ルヲ↢正覚阿弥陀善住持↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]眷属功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【75】 ^しょうごん眷属けんぞくどくじょうじゅとは、 に 「如来にょらいじょうしゅ しょうがくしょう」 といへるがゆゑなり。

荘厳眷属功徳成就者、偈ルガ↢「如来浄花衆正覚花化生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]三界雑生を明す

 ^これいかんが思議しぎなる。 おほよそこれざっしょうかいには、 *もしはたい、 もしはらん、 もしは湿しつ、 もしは*眷属けんぞくそこばくなり。 らく*万品まんぼんなり。 *雑業ぞうごうをもつてのゆゑなり。

此云何不思議ナル。凡是雑生世界ニハ、若胎、若卵、若湿、若化、眷属若干ナリ。苦楽万品ナリ。以↢雑業↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ][ⅱ]浄土化生を顕す

^かの安楽あんらくこくはこれ弥陀みだ如来にょらいしょうがくじょう*しょうするところにあらざるはなし。 *どういつ念仏ねんぶつしてべつみちなきがゆゑなり。 とおつうずるにそれ*かいのうちみなきょうだいたり。 ˆじょうのˇ *眷属けんぞくりょうなり。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

安楽国土↠非コト↣是阿弥陀如来正覚浄花之所↢化生↡。同一念仏キガ↢別道↡故ナリ。遠ルニ四海之内皆為↢兄弟↡也。眷属无量ナリ。焉キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]受用功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【76】 ^しょうごん受用じゅゆうどくじょうじゅとは、 に 「あいぎょう仏法ぶっぽう ぜん三昧ざんまいじき」 といへるがゆゑなり。

荘厳受用功徳成就者、偈ルガ↢「愛楽仏法味禅三昧為食」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 じきせずしていのちたすく。 けだしたすくるところゆえあるなり。 あにこれ如来にょらい*本願ほんがんてたまへるにあらずや。 仏願ぶつがんじょうずるをわがいのちとなす。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。不シテ↠食而資↠命。蓋所↠資クルユヱ也。豈↣是如来満タマヘルニ↢本願↡乎。乗ルヲ↢仏願↡為↢我↡。焉キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]無諸難功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【77】 ^しょうごん諸難しょなんどくじょうじゅとは、 に 「よう身心しんしんのう 受楽じゅらくじょうけん」 といへるがゆゑなり。

荘厳無諸難功徳成就者、偈ルガ↢「永離身心悩受楽常无間」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 *きょうにのたまはく、 「しん*苦器くきとなし、 しん*悩端のうたんとなす」 と。 しかるにかしこにしんありしんありて、 らくくることひまなし。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。¬経¼言、「身苦器↡、心スト↢悩端↡」。而↠身有↠心而受コト↠楽ヒマ。安キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]大義門功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文
                        [ⅰ]牒偈

【78】 ^しょうごんだいもんどくじょうじゅとは、 に 「だいじょう善根ぜんごんかい とうげんみょう *女人にょにんぎゅう根欠こんけつ じょうしゅしょう」 といへるがゆゑなり。

荘厳大義門功徳成就者、偈ルガ↢「大乗善根界等无譏嫌名女人及根欠二乗種不生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅰ][ⅱ]釈義
                          [a]総じて二過を標す

^じょうほうしゅ*譏過きかはなれたり、 るべし。 いちにはたいにはみょうなり。

浄土果報レタリ↢二種譏過↡、応↠知。一者体、二者名ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅰ][ⅱ][b]別して二過を明す
                            [イ]

^たいさんしゅあり。 いちには*じょうにんには女人にょにんさんには*諸根しょこん不具ふぐにんなり。 このさんとがなし。 ゆゑにたい*げんはなるとづく。

↢三種↡。一者二乗人、二者女人、三者諸根不具人ナリ。無↢此過↡。故↠離ルト↢体譏嫌↡↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]

^みょうにまたさんしゅあり。 たださんたいなきのみにあらず、 ないじょう女人にょにん諸根しょこん不具ふぐさんしゅみょうかず。 ゆゑにみょうげんはなるとづく。

亦三種アリ。非↣但無キノミニ↢三体↡、乃至不↠聞↢二乗女人諸根不具三種↡。故↠離ルト↢名譏嫌↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅰ][ⅱ][c]等の一字を釈す

^とう」 とは*びょうどう一相いっそうのゆゑなり。

者平等一相ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 それ*諸天しょてんうつわをともにすれども、 ぼん随福ずいふくいろあり。 *あしゆびあんずるにすなはちこんりゃくむねつまびらかにす。 しかるにおうじょうがんずるもの、 もとはすなはち*三三さんざんほんなれども、 いまはいちことなりなし。 また*じょういちなるがごとし。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。夫諸天ニスレドモ↠器↢随福之色↡。足ルニ↠地カニス↢金礫之旨↡。而↢往生↡者、本三三之品ナレドモ、今↢一二之殊ナリ↡。亦如 食陵 一味ナルガ↡。焉キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ]一切所求満足功徳を釈す
                      [Ⅰ]論文

【79】 ^しょうごん一切いっさいしょ満足まんぞくどくじょうじゅとは、 に 「しゅじょう所願しょがんぎょう 一切いっさいのう満足まんぞく」 といへるがゆゑなり。

荘厳一切所求満足功徳成就者、偈ルガ↢「衆生所願楽一切能満足」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ハ)[十 ][Ⅱ]註釈

 ^これいかんが思議しぎなる。 かのくに人天にんでん、 もしほうかいりょう*仏刹ぶっせつきて諸仏しょぶつさつようせんと欲願よくがんせんに、 *所須しょしゅようおよぶまで、 がんかなはざるはなからん。 またかしこの*寿じゅみょうててこくかひて、 しょうじて*修短しゅたんざいならんとほっせんに、 がんしたがひてみな。 いまだ*ざいくらいかなはずして、 ざいゆうおなじからん。 いづくんぞ思議しぎすべきや。

此云何不思議ナル。彼人天、若欲↧願ムニ↢他方世界无量仏刹↡供↦養ムト諸仏菩薩↥、及マデ↢所須供養之具↡、无ラム↠不コト↠称↠願。又欲ムニ↧捨テテ↢彼寿命↡向↢余国↡、生短自在ナラムト↥、随↠願皆得。未シテカナ↢自在之位↡而同カラム↢自在之用↡。焉キヤ↢思議↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)【示現二利】
                (a)科目を牒す
                (b)論文を出す

【80】^自利じり利他りたげんすとは、

示↢現スト自利利他↡者、

りゃくしてかの弥陀みだ仏国ぶっこくじゅうしちしゅしょうごんどくじょうじゅく。 如来にょらいしんやくだいどくりきじょうじゅと、 やくどくじょうじゅとをげんせんがゆゑなり。

↢彼阿弥陀仏国土十七種荘厳功徳成就↡。示↢現ムガ如来自身利益大功徳力成就利益他功徳成就トヲ↡故。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)文句を釈す

 ^りゃく」 といふは、 かのじょうどくりょうにして、 ただじゅうしちしゅのみにあらざることをあらわすなり。 それしゅ芥子けしり、 もう大海だいかいおさむ。 あに山海せんかい*じんならんや。 もうちからならんや。 能神のうじんのひとのじんなるのみ。 このゆゑにじゅうしちしゅ利他りたといふといへども、 自利じり*炳然へいねんたり、 るべし。

↠「略」者、彰↣彼浄土功徳无量ニシテコトヲ↢唯十七種ノミニ↡也。夫須弥之入↢芥子↡、毛孔之納↢大海↡。豈山海之神ナラム乎。毛芥之力ナラム乎。能神ナル之耳。是十七種↠曰フト↢利他↡、自利之義炳然タリ、可↠知

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)【入第一義諦】
                (a)科目
                (b)論文

【81】^にゅう第一だいいちたいとは、

入第一義諦者、

かのりょう寿じゅ仏国ぶつこくしょうごん*第一だいいちたいみょうきょうがいそうなり。 じゅうろっおよびいっだいしてけり、 るべし。

無量寿仏国土荘厳第一義諦妙境界相ナリ。十六句及句次第、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)註釈
                  (イ)第一義諦を釈す

 ^第一だいいちたい」 とはぶつ (阿弥陀仏)*因縁いんねんほうなり。 この 「たい」 はこれ*きょうなり。 このゆゑにしょうごんとう*じゅうろっしょうして 「みょうきょうがいそう」 となす。 このにゅう一法いっぽっもんいたりてまさにさらにしゃくすべし。

「第一義諦」者仏因縁法也。此是境ナリ。是荘厳等十六句↢「妙境界相」↡。此義至↢入一法句↡当↢更解釈↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)総別次第
                    [一]略して文意を解す

^およびいっだい」 とは、 いはく、 *じょうとうかんずるなり。 *総別そうべつじゅうしちかんぎょうだいなり。

「及句次第」者、謂ルナリ↢器浄等↡。総別十七句観行次第也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二]広く起次を弁ず
                      [Ⅰ]釈疑
                        [ⅰ]疑を出す

^いかんがつぎおこす。 *こんしょうに 「みょう無礙むげこう如来にょらいがんしょう安楽あんらくこく」 といへり。 このなかにうたがいあり。 うたがひていはく、 「しょう」 は*もと*衆累しゅるいもとたり。 しょうててしょうがんず、 しょうなんぞくべきと。

云何↠次。建章↢「帰命无光如来願生安楽国」↡。此↠疑。疑、生↢有本、衆累之元↡。棄↠生↠生、生何キト↠尽

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ]疑を釈す
                          [a]総句に依りて正しく疑を釈す
                            [イ]

^このうたがいしゃくせんがために、 このゆゑにかのじょうしょうごんどくじょうじゅかんず。

↠釈ムガ↢此↡、是↢彼浄土荘厳功徳成就↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][a][ロ]
                              ª一º総示【生即無生】

^かのじょうはこれ弥陀みだ如来にょらい清浄しょうじょう本願ほんがん*しょうしょうなり。 *さんもうしょうのごときにはあらざることをかすなり。

↢彼浄土是阿弥陀如来清浄本願无生之生ナリコトヲ↟如ニハ↢三有虚妄↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][a][ロ]ª二º別釈
                                ªⅠº正しく生の理を明す

^なにをもつてこれをいふとならば、 それ*ほっしょう清浄しょうじょうにしてひっきょう*しょうなり。 しょうといふはこれとくしょうのひとのこころなるのみ。 しょうまことにしょうなれば、 しょうなんぞくるところあらん。

トナラバ↠之、夫法性清浄ニシテ畢竟无生ナリ。言↠生者是得生者之情ナル耳。生マコト无生ナレバ、生アラム↠尽クル

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][a][ロ]ª二ºªⅡº彼の偏執を斥す

^かのしょうつくさば、 かみ*無為むいのうしんしっし、 しも*三空さんくうくうやまい はいなり。 やまいなり すいなり ひなん。 *根敗こんぱいながもうじて、 さけ*三千さんぜんふるはす。 *へんぶくここにおいてはじまねく。

サバ↢夫↡者、上↢无為能為之身↡、下ヱヒナムナリ亡善 三空不空之ヤマヒ癈也病也工路。根敗サケハス↢三千↡。无反无復於↠斯↠恥

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][a][ロ]ª二ºªⅢº今の生を結示す

^*かのしょうたいする、 これをじょうといふ。 じょうたくはいはゆるじゅうしちこれなり。

↢夫↡、謂↢之↡。浄土之宅所謂十七句是也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b]諸句に就いて起次を弁ず〔観行次第〕
                            [イ]総じて総別次第を弁ず

^じゅうしちのなかに、 総別そうべつとなす。 はじめのはこれ*総相そうそうなり。 いはゆるこれ清浄しょうじょうぶつは、 三界さんがいどうぎたり。 かしこの、 三界さんがいぐるにいかなるそうかある。 しもじゅうろくしゅしょうごんどくじょうじゅそうこれなり。

十七句、総別為↠二。初是総相ナリ。所謂是清浄仏土、過タリ↢三界↡。彼ルニ↢三界↡有↢何ナル↡。下十六種荘厳功徳成就相是也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]諸句の起次を弁ず
                              ª一º量→性

^いちにはりょうきょうしてくうのごとし。 広大こうだいにして辺際へんざいなきがゆゑなり。 すでにりょうりぬ。 このりょうなにをもつてかほんとなす。 このゆゑにしょうかんず。

者量、究竟↢虚空↡。広ニシテキガ↢辺際↡故ナリ。既↠量。此量以↠何↠本。是↠性

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª二º性→形相

^しょうはこれほんなり。 かのじょうしょうどうだい慈悲じひ*しゅっ善根ぜんごんよりしょうぜり。 すでにしゅっ善根ぜんごんといへり。 この善根ぜんごんはなんらのそうをかしょうぜる。 このゆゑにつぎしょうごんぎょうそうかんず。

是本ナリ。彼浄土↢正道大慈悲出世善根↡生。既↢出世善根↡。此善根↢何等ヲカ↡。是↢荘厳形相↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª三º形相→種々事

^すでにぎょうそうりぬ。 よろしくぎょうそうはなんらのたいなるかをるべし。 このゆゑにつぎ種々しゅじゅかんず。

↢形相↡。宜↠知↢形相何等ナルヲカ↡。是↢種種↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª四º種々事→妙色

^すでに種々しゅじゅりぬ。 よろしく種々しゅじゅみょうしきるべし。 このゆゑにつぎみょうしきかんず。

↢種種↡。宜↠知↢種種妙色↡。是↢妙色↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª五º妙色→触

^すでにみょうしきりぬ。 このしきいかなるそくかある。 このゆゑにつぎそくかんず。

↢妙色↡。此色有↢何ナル↡。是↠触

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª六º触→三種

^すでにしんそくりぬ。 眼触げんそくるべし。 このゆゑにつぎすいくうしょうごんさんかんず。

↢身↡。応↠知↢眼触↡。是↢水・地・虚空荘厳三事↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª七º三種→雨

^すでに眼触げんそくりぬ。 そくるべし。 このゆゑにつぎ香薫こうくんかんず。

↢眼触↡。応↠知↢鼻触↡。是↢衣花香薫↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª八º雨→光明

^すでにげんとうそくりぬ。 すべからくぜんはなるることをるべし。 このゆゑにつぎ*ぶっのあきらかにらすをかんず。

↢眼鼻等↡。須↠知↠離コトヲ↠染。是↢仏スヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª九º光明→妙声

^すでにこうじょうりきりぬ。 よろしく声名しょうみょう遠近おんごんるべし。 このゆゑにつぎ*ぼんしょうとおきこゆることをかんず。

恵光浄力↡。宜↠知↢声名遠近↡。是↢梵声ユルコトヲ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十º妙声→主

^すでに声名しょうみょうりぬ。 よろしくたれをかぞうじょうとなすといふことをるべし。 このゆゑにつぎしゅかんず。

↢声名↡。宜↠知↣誰ヲカトイフコトヲ↢増上↡。是↠主

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十 º主→眷属

^すでにしゅあるをりぬ。 たれをかしゅ眷属けんぞくとなす。 このゆゑにつぎ眷属けんぞくかんず。

↠有ルヲ↠主。誰ヲカ↢主眷属↡。是↢眷属↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十 º眷属→受用

^すでに眷属けんぞくりぬ。 よろしくこの眷属けんぞくはいかんが*受用じゅゆうするといふことをるべし。 このゆゑにつぎ受用じゅゆうかんず。

↢眷属↡。宜↠知↢此眷属若為 イカン 受用ルトイフコトヲ↡。是↢受用↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十 º受用→無諸難

^すでに受用じゅゆうりぬ。 よろしくこの受用じゅゆうなんなんるべし。 このゆゑにつぎ諸難しょなんかんず。

↢受用↡。宜↠知↢此受用有難无難↡。是↢无諸難↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十 º無諸難→大義門

^すでに諸難しょなんりぬ。 なんのをもつてのゆゑに諸難しょなんなき。 このゆゑにつぎだいもんかんず。

↢无諸難↡。以↢何↡故↢諸難↡。是↢大義門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]ª十 º大義門→所求満足

^すでにだいもんりぬ。 よろしくだいもんまんまんるべし。 このゆゑにつぎしょ満足まんぞくかんず。

↢大義門↡。宜↠知↢大義門満不満↡。是↢所求満足↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[二][Ⅱ]生信

^またつぎに、 このじゅうしちはただうたがいしゃくするにあらず。 このじゅうしちしゅしょうごんじょうじゅかんずれば、 よく真実しんじつ*じょうしんしょうじて、 ひつじょうしてかの安楽あんらくぶつしょうずることを

復次十七句↢但釈ルニ↟疑。観レバ↢此十七種荘厳成就↡、能↢真実浄信↡、必定得↠生コトヲ↢彼安楽仏↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[三]問答して料簡す
                      [Ⅰ]〔実生願生〕

【82】^ひていはく、 かみに、 しょうしょうなりとるといふは、 まさにこれ*じょうぼんしょうのものなるべし。 もし下下げげぼんにんの、 じゅうねんじょうじておうじょうするは、 あにじつしょうるにあらずや。 ただじつしょうらば、 すなはちしゅうしなん。 いちには、 おそらくはおうじょうざらん。 には、 おそらくはさらにしょうずとも*まどひをしょうぜん。

、上フハ↠知ルト↢生无生ナリト↡、当↢是上品生ナル↡。若下下品↢十念↡往生ルハ、豈↠取ルニ↢実↡耶。但取ラバ↢実↡、即ナム↢二執↡。一ニハクハラム↠得↢往生↡。二ニハクハトモ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[三][Ⅱ]
                        [ⅰ]能生の因に就いて論ず

^こたふ。 たとへば*じょう摩尼まにしゅを、 これをじょくすいけば、 みずすなはち清浄しょうじょうなるがごとし。 もしひとりょうしょうざいじょくにありといへども、 かの弥陀みだ如来にょらいごくしょう清浄しょうじょう宝珠ほうしゅみょうごうきて、 これをじょくしんぐれば、 念々ねんねんのうちにつみめっしてしんきよまり、 すなはちおうじょう

。譬↧浄摩尼↢之濁水↡水即清浄ナルガ↥。若人雖↠有↢无量生罪濁↡、聞↢彼阿弥陀如来至極无生清浄宝珠名号↡、投レバ↢之濁心↡、念念之中罪滅心浄マリ、即得↢往生↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[三][Ⅱ][ⅱ]所生の土に約して語る

^またこれ摩尼まにしゅ玄黄げんおうきぬをもつてつつみて、 これをみずぐれば、 みずすなはち玄黄げんおうにしてもつぱらものいろのごとくなり。 かの清浄しょうじょうぶつ弥陀みだ如来にょらい*じょう宝珠ほうしゅましますりょうしょうごんどくじょうじゅきぬをもつてつつみて、 これをおうじょうするところのひとの心水しんすいぐれば、 あに*しょうけんてんじて*しょうとなすことあたはざらんや。

是摩尼珠↢玄黄キヌツツミ、投レバ↢之於水↡、水即玄黄ニシテクナリ↢物↡。彼清浄仏土↢阿弥陀如来无上珠↡。以↢无量荘厳功徳成就↡裹、投レバ↧之於所↢往生↡者心水↥、豈ラム↠能↧転↢生見↡為スコト↦无生↥乎。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅰ)(ⅲ)(c)(ロ)[三][Ⅱ][ⅲ]能所生に通じて談ず【氷上燃火】

^また*こおりうえに、 たけければすなはちこおりく。 こおりくればすなはちめっするがごとし。 かのぼんにんほっしょうしょうらずといへども、 ただぶつみょうしょうするちからをもつておうじょうこころをなして、 かのしょうぜんとがんずるに、 かのはこれ*しょうさかいなれば、 けんしょうねんめっするなり

又如↢氷クニ↠火、火猛レバ氷解氷解レバ火滅ルガ↡。彼下品人、雖↠不↠知↢法性无生↡、但以↧称↢仏名↡力↥作↢往生↡、願ルニ↠生ムト↢彼↡、彼是无生ナレバ、見生之火、自然而滅ルナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)衆生体【衆生世間】
              (ⅰ)分科

【83】^*しゅじょうたいとは、 このぶんのなかにじゅうあり。 いちには観仏かんぶつにはかんさつなり。

衆生体者、此↢二重↡。一者観仏、二者観菩薩ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)正釈
                (a)観仏【仏】
                  (イ)科目

【84】^観仏かんぶつとは、

観仏者、

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)正文
                    [一]仏徳体相
                      [Ⅰ]標数
                        [ⅰ]論文

いかんがぶつしょうごんどくじょうじゅかんずる。 ぶつしょうごんどくじょうじゅかんずとは、 八種はっしゅあり、 るべし。

云何ズル↢仏荘厳功徳成就↡。観ズト↢仏荘厳功徳成就↡者、有↢八種↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅰ][ⅱ]註釈

 ^このかんはすでにさきあらわせり。

↢前↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅱ]列門

【85】 ^なんらか八種はっしゅいちにはしょうごんどくじょうじゅにはしょうごん身業しんごうどくじょうじゅさんにはしょうごんごうどくじょうじゅにはしょうごん心業しんごうどくじょうじゅにはしょうごん*しゅどくじょうじゅろくにはしょうごんじょうしゅどくじょうじゅしちにはしょうごんしゅどくじょうじゅはちにはしょうごん虚作こさじゅうどくじょうじゅなり。

何等八種。一者荘厳座功徳成就、二者荘厳身業功徳成就、三者荘厳口業功徳成就、四者荘厳心業功徳成就、五者荘厳衆功徳成就、六者荘厳上首功徳成就、七者荘厳主功徳成就、八者荘厳不虚作住持功徳成就ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ]提釈
                        [ⅰ]座功徳
                          [a]論文

【86】 ^なんとなればしょうごんどくじょうじゅとは、 に 「りょうだい宝王ほうおう みょうじょうだい」 といへるがゆゑなり。

トナレバ者荘厳座功徳成就トハ、偈ルガ↢「無量大宝王微妙浄花台」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅰ][b]註釈

 ^もしかんぜんとほっせば、 まさに ¬*かんりょう寿じゅきょう¼ によるべし。

セバ↠観ムト↠座、当↢¬観无量寿経¼↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅱ]身業功徳
                          [a]論文

【87】 ^なんとなればしょうごん身業しんごうどくじょうじゅとは、 に 「相好そうごうこう一尋いちじん 色像しきぞうちょうぐんじょう」 といへるがゆゑなり。

トナレバ者荘厳身業功徳成就トハ、偈ルガ↢「相好光一尋色像超群生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅱ][b]註釈

 ^もし仏身ぶっしんかんぜんとほっせば、 まさに ¬かんりょう寿じゅきょう¼ によるべし。

セバ↠観ムト↢仏身↡、当↠依↢¬観无量寿経¼↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅲ]口業功徳

^なんとなればしょうごんごうどくじょうじゅとは、 に 「如来にょらいみょうしょう 梵響ぼんこうもん十方じっぽう」 といへるがゆゑなり。

トナレバ者荘厳口業功徳成就トハ、偈ルガ↢「如来微妙声梵響聞十方」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ]心業功徳
                          [a]論文

^なんとなればしょうごん心業しんごうどくじょうじゅとは、 に 「どうすいふう くう分別ふんべつ」 といへるがゆゑなり。 「分別ふんべつ」 とは*分別ふんべつしんなきがゆゑなり。

トナレバ者荘厳心業功徳成就トハ、偈ルガ↢「同地水火風虚空无分別」↡故ナリ。无分別者無キガ↢分別心↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b]註釈
                            [イ]総じて三業の利益を明す
                              ª一º総示

 ^*ぼんしゅじょうしん口意くい*三業さんごうつみつくるをもつて、 三界さんがい輪転りんでんしてきわまりむことあることなからん。 このゆゑに諸仏しょぶつさつは、 しん口意くい三業さんごうしょうごんして、 もつてしゅじょう*おう三業さんごうするなり。

凡夫衆生身口意三業↠造ルヲ↠罪、輪↢転三界↡无ラム↠有コトムコト↡。是諸仏菩薩、荘↢厳身口意三業↡用↢衆生虚誑三業↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][イ]ª二º別釈
                                ªⅠº身業

^いかんがもつてす。 しゅじょう*身見しんけんをもつてのゆゑにさんしんせんしんしゅうしん*八難はちなんしん*てんしんく。 かくのごときしゅじょう弥陀みだ如来にょらい相好そうごうこうみょうしんたてまつれば、 かみのごとき種々しゅじゅ身業しんごう*ばく、 みな*だつて、 如来にょらいいえりてひっきょうじてびょうどう身業しんごう

云何。衆生↢身見↡故↢三塗身・卑賎身・醜陋身・八難身・流転↡。如↠是衆生、見マツレバ↢阿弥陀如来相好光明↡者、如↠上種種身業繋縛、皆得↢解脱↡、入↢如来↡畢竟得↢平等身業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][イ]ª二ºªⅡº口業

^しゅじょう*きょうまんをもつてのゆゑに、 *しょうぼうほうし、 *げんじょう*毀呰きしし、 そんちょう そんくんなり。 ちょうとくにんおよびきょうとうなり*えんす。 かくのごときひと抜舌ばつぜつおん*ごんきょうぎょう*みょうもんくべし。 かくのごとき種々しゅじゅしょしゅじょう弥陀みだ如来にょらい*とくみょうごう説法せっぽうおんじょうけば、 かみのごとき種々しゅじゅごうばく、 みなだつて、 如来にょらいいえりてひっきょうじてびょうどうごう

衆生↢憍慢↡故、誹↢謗正法↡、毀↢呰賢聖↡、捐↢尊長尊者君父師也長者有徳之人及兄党也。如↠是之人、応↠受↢抜舌苦・瘖瘂苦・言教不行苦・无名聞↡。如↠是種種諸苦衆生、聞↢阿弥陀如来至徳名号説法音声↡、如↠上種種口業繋縛、皆得↢解脱↡、入↢如来↡畢竟得↢平等口業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][イ]ª二ºªⅢº意業

^しゅじょう*邪見じゃけんをもつてのゆゑに、 しん分別ふんべつしょうず。 もしは、 もしは、 もしは、 もしは、 もしはこう、 もしはしゅう、 もしはぜん、 もしはあく、 もしは、 もしは、 かくのごとき種々しゅじゅ分別ふんべつあり。 分別ふんべつをもつてのゆゑにながさんしずみて、 種々しゅじゅ分別ふんべつ取捨しゅしゃけて、 なが*だいねて、 づるあることなし。 このしゅじょう、 もしは弥陀みだ如来にょらいびょうどうこうしょうひ、 もしは弥陀みだ如来にょらいびょうどうごうけば、 これらのしゅじょうかみのごとき種々しゅじゅごうばく、 みなだつて、 如来にょらいいえりてひっきょうじてびょうどうごうるなり。

衆生↢邪見↡故↢分別↡。若有若无、若非若是、若好若醜、若善若悪、若彼若此、有↢如↠是種種分別↡。以↢分別↡故↢三有↡、受↢種種分別苦・取捨↡、長↢大夜↡、无↠有コト↢出期↡。衆生若↢阿弥陀如来平等光照↡、若↢阿弥陀如来平等意業↡、是等衆生如↠上種種意業繋縛、皆得↢解脱↡、入↢如来↡畢竟ルナリ↢平等意業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]別して心業の無知を弁ず
                              ª一º初に仏の無知を明す
                                ªⅠº

 ^ひていはく、 しんはこれかくそうなり。 いかんがすいふうおなじく分別ふんべつなきことをべきや。

、心是覚知ナリ。云何↠得↧同↢地・水・火・風↡无キコトヲ↦分別↥耶。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]ª一ºªⅡº

^こたへていはく、 しんそうなりといへども、 *実相じっそうればすなはち*無知むちなり。 たとへばじゃしょうまがれりといへども、 たけつつればすなはちなおきがごとし。 またひとの、 もしははりし、 もしははちすにはすなはちかくあり。 もしは*いしひるみ、 もしは*甘刀かんとうくにすなはちかくなきがごとし。 かくのごとき*有知うち無知むち因縁いんねんにあり。 もし因縁いんねんにあればすなはちにあらず、 無知むちにあらず。

、心↢知ナリト↡、入レバ↢実相↡則无知也。譬↧蛇↠曲レリト、入レバ↢竹↡則キガ↥。又如↧人、若、若ニハ ↢覚知↡ 之一、若甘刀クニキガ↦覚知↥。如↠是有知・无知↢于因縁↡。若レバ↢因縁↡則↠知↢无知↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]ª二º無知而知を明す
                                ªⅠº

 ^ひていはく、 しん実相じっそうれば無知むちならしむべし。 いかんが*一切いっさいしゅあることをるや。

、心入レバ↢実相↡可↠令↢无知ナラ↡。云何↠有コトヲ↢一切種智↡耶。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]ª二ºªⅡº

^こたへていはく、 凡心ぼんしん有知うちなれば、 すなはちらざるところあり。 *しょうしん無知むちなるがゆゑにらざるところなし。 無知むちにしてなればすなはち無知むちなり。

、凡心有知ナレバ↠所↠不↠知。聖心无知ナルガ↠所↠不↠知。无知ニシテ而知ナレバ、即无知也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]ª三º無知を明す
                                ªⅠº

 ^ひていはく、 すでに無知むちなるがゆゑにらざるところなしといふ。 もしらざるところなければ、 あにこれ種々しゅじゅほうるにあらずや。 すでに種々しゅじゅほうれば、 またいかんが分別ふんべつするところなしといふや。

、既↢无知ナルガシト↟所↠不↠知レバ↠所↠不↠知者、豈↣是知ルニ↢種種↡耶。既レバ↢種種之法↡、復云何↠无シト↠所↢分別↡耶。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅳ][b][ロ]ª三ºªⅡº

^こたへていはく、 諸法しょほう種々しゅじゅそうはみな*げんのごとし。 しかるにげんぞうながくびはなあしことなることなきにあらざれども、 しゃこれをて、 あにさだめてぞう、 これを分別ふんべつすることありといはんや。

、諸法種種皆如↢幻化↡。然幻化像・馬、非ドモ↠无キニ↢長頚・鼻・手コト↡而、智者観↠之、豈↤定リト像・馬分↢別コト↡耶。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅴ]大衆功徳

【88】 ^なんとなればしょうごん大衆だいしゅどくじょうじゅとは、 に 「天人てんにんどうしゅ 清浄しょうじょうかいしょう」 といへるがゆゑなり。

トナレバ者荘厳大衆功徳成就トハ、偈ルガ↢「天人不動衆清浄智海生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅵ]上首功徳

^なんとなればしょうごんじょうしゅどくじょうじゅとは、 に 「にょしゅ山王せんのう 勝妙しょうみょう無過むかしゃ」 といへるがゆゑなり。

トナレバ者荘厳上首功徳成就トハ、偈ルガ↢「如須弥山王勝妙无過者」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅶ]主功徳

^なんとなればしょうごんしゅどくじょうじゅとは、 に 「天人てんにんじょうしゅ ぎょうにょう瞻仰せんごう」 といへるがゆゑなり。

トナレバ者荘厳主功徳成就トハ、偈ルガ↢「天人丈夫衆恭敬繞瞻仰」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ]不虚作住持功徳
                          [a]正説を釈す
                            [イ]論文

【89】 ^なんとなればしょうごん虚作こさじゅうどくじょうじゅとは、 に 「かんぶつ本願ほんがんりき ぐうくうしゃ のうりょうそく満足まんぞく どくだい宝海ほうかい」 といへるがゆゑなり。

トナレバ者荘厳不虚作住持功徳成就トハ、偈ルガ↢「観仏本願力遇无空過者能令速満足功徳大宝海」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][a][ロ]註釈
                              ª一º総示

 ^虚作こさじゅうどくじょうじゅ」 とは、 けだしこれ弥陀みだ如来にょらい*本願ほんがんりきなり。

「不虚作住持功徳成就」者、蓋是阿弥陀如来本願力也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][a][ロ]ª二º別釈
                                ªⅠº虚作を挙げて反顕す

^いままさにりゃくして虚作こさそうじゅうすることあたはざるをしめして、 もつてかの虚作こさじゅうあらわすべし。 *ひとさんとど なり めてやしなふに、 あるいはきんふねのなかにおこり、 こがねみてくらてれども、 餓死がしまぬかれざることあり。 かくのごときるるにみなこれなり。 れどもるとなすにあらず、 あれどもあるをまもるにあらず。 みなもうごうなるによりてじゅうすることあたはず。

今当↧略虚作之相ルヲ↟能↢住持コト↡、用↦彼不虚作住持之義↥。人有トドメ止也貞劣フニ↠士、或起↢舟↡、積↠金ドモ↠庫而不コト↞免↢餓死↡。如↠斯之事触ルニ↠目皆是ナリ。得ドモ↠作スニ↠得ルト、在ドモ↠守ルニ↠在ルヲ。皆由↢虚妄ナルニ↡不↠能↢住持コト↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][a][ロ]ª二ºªⅡº正しく不虚作を釈す

^いふところの 「虚作こさじゅう」 とは、 もと法蔵ほうぞうさつ*じゅうはちがんと、 今日こんにち弥陀みだ如来にょらい*ざい神力じんりきとによるなり。 がんもつてりきじょうず、 りきもつてがんく。 がん*ねんならず、 りき*せつならず。 りきがんあひかなひてひっきょうじてたがはざるがゆゑに 「じょうじゅ」 といふ。

↠言不虚作住持者、依ルナリ↢本法蔵菩薩四十八願、今日阿弥陀如来在神力トニ↡。願以↠力、力以↠願。願不↢徒然ナラ↡、力不↢虚設ナラ↡。力願相カナヒ畢竟ルガ↠差↢成就↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b]追釈を解す
                            [イ]論文

【90】 ^すなはちかのぶつたてまつれば、 *しょうじょうしんさつひっきょうじてびょうどう法身ほっしんしょうすることをて、 *じょうしんさつ*じょうのもろもろのさつひっきょうじておなじく*じゃくめつびょうどうるがゆゑなり。

マツレバ↢彼↡、未証浄心菩薩畢竟↠証コトヲ↢平等法身↡、与↢浄心菩薩↡与↢上地菩薩↡畢竟ルガ↢寂滅平等↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]註釈
                              ª一º所得の人法を顕す
                                ªⅠº人法相成を示す

 ^びょうどう法身ほっしん」 とは、 *はちじょう*ほっしょうしょうじんさつなり。 じゃくめつびょうどう」 とは、 すなはちこの法身ほっしんさつしょしょうじゃくめつびょうどうほうなり。 このじゃくめつびょうどうほうるをもつてのゆゑにづけてびょうどう法身ほっしんとなす。 びょうどう法身ほっしんさつ所得しょとくなるをもつてのゆゑにづけてじゃくめつびょうどうほうとなすなり。

「平等法身」者、八地已上法性生身菩薩也。「寂滅平等」者、即法身菩薩所証寂滅平等之法也。以↠得ルヲ↢此寂滅平等↡故↢平等法身↡。以↢平等法身菩薩所得ナルヲ↡故↢寂滅平等↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª一ºªⅡº所得の三昧を明す

^このさつ*ほうしょう三昧ざんまいて、 三昧さんまい*神力じんりきをもつて、 よく一処いっしょにして一念いちねんいち十方じっぽうかいへんして、 種々しゅじゅ一切いっさい諸仏しょぶつおよび諸仏しょぶつ*だいしゅかいようし、 よくりょうかい*仏法ぶっぽうそうなきところにおいて、 種々しゅじゅげんし、 種々しゅじゅ一切いっさいしゅじょうきょう*だつして、 つねにぶつをなせども、 はじめより往来おうらいおもいようおもいだつおもいなし。

菩薩得↢報生三昧↡、以↢三昧神力↡、能一処ニシテ一念一時↢十方世界↡、種種供↢養一切諸仏及諸仏大会衆海↡、能↧无量世界↢仏法僧↡処↥、種種示現、種種教↢化度↣脱一切衆生↡、常ドモ↢仏事↡、初ヨリ↢往来想・供養想・度脱想↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª一ºªⅢº人法不二を結す

^このゆゑに、 このしんづけてびょうどう法身ほっしんとなし、 このほうづけてじゃくめつびょうどうほうとなすなり。

↢平等法身↡、此↢寂滅平等也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª二º能得の分位を弁ず

^しょうじょうしんさつ」 とは、 *しょじょうしちげんのもろもろのさつなり。 このさつまたよくしんげんじて、 もしはひゃく、 もしはせん、 もしはまん、 もしはおく、 もしはひゃく千万せんまんおくぶつこくぶつ施作せさすれども、 かならず*しんもちゐて三昧さんまいる。 すなはちよくしんせざるにはあらず。 しんをもつてのゆゑにづけてとくじょうしんとなす。

「未証浄心」者、初地已上七地已還菩薩也。此菩薩亦能↠身、若百若千、若万若億、若百千万億无仏国土施↢作レドモ仏事↡、要↢作心↡入↢三昧↡。乃↠不ルニハ↢作心↡。以↢作↡故↢未得浄心↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三º畢竟同得を釈す
                                ªⅠº正釈
                                  ªⅰº見仏の益を明す

^このさつがんじて安楽あんらくじょうしょうずれば、 すなはち弥陀みだぶつたてまつる。 弥陀みだぶつたてまつるとき*じょうのもろもろのさつひっきょうじてしんひとしくほうひとし。

菩薩、願レバ↢安楽浄土↡即マツル↢阿弥陀仏↡。見マツル↢阿弥陀仏↡時、与↢上地菩薩↡畢竟身等法等

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅠºªⅱº願生の例を引く

^*りゅうじゅさつ*婆藪ばそばんさつ (天親)ともがら、 かしこにしょうぜんとがんずるは、 まさにこれがためなるべきのみ。

龍樹菩薩・婆藪槃頭菩薩輩、願↠生ムト↠彼者、当↠為ナル↠此耳。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡº問答
                                  ªⅰº

 ^ひていはく、 ¬*じゅうきょう¼ をあんずるに、 さつ*進趣しんしゅかいきゅう、 やうやくりょうくんありておおくの劫数こうしゅ、 しかしてのちにすなはちこれを。 いかんが弥陀みだぶつたてまつるときひっきょうじてじょうのもろもろのさつしんひとしくほうひとしきや。

、案ルニ↢¬十地経¼↡、菩薩進趣階級、漸↢无量功勲↡逕↢多クノ劫数↡、然得↠此。云何マツル↢阿弥陀仏↡時、畢竟与↢上地菩薩↡身等法等耶。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱº
                                    ªaº縦答
                                      ªイº所難を会す

^こたへていはく、 「ひっきょう」 とはいまだ即等そくとうといふにはあらず。 ひっきょうじてこのひとしきことをうしなはざるがゆゑに 「とう」 といふのみ。

、畢竟者未↠言フニハ↢即等↡也。畢竟ルガ↠失↢此キコトヲ↡故↠等耳。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªaºªロº余疑を通ず
                                        ˆ一ˇ

 ^ひていはく、 もし即等そくとうにあらずは、 またなんぞさつといふことをたん。 ただしょのぼれば、 もつてやうやく増進ぞうしんして、 ねんにまさにぶつひとしかるべし。 なんぞじょうさつひとしといふことをらん。

、若ズハ↢即等↡、復何↠言コトヲ↢菩薩↡。但登レバ↢初地↡、以増進、自然↢与↠仏等シカル↡。何↠言コトヲ↧与↢上菩薩↡等シト↥。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªaºªロºˆ二ˇ

^こたへていはく、 *さつしちのうちにおいてだいじゃくめつれば、 かみ諸仏しょぶつもとむべきをず、 しもしゅじょうすべきをず。 仏道ぶつどうてて*実際じっさいしょうせんとほっす。 そのときに、 もし十方じっぽう諸仏しょぶつ神力じんりき*かんずは、 すなはち*めつしてじょうことなることなからん。 さつもし安楽あんらくおうじょうして弥陀みだぶつたてまつれば、 すなはちこのなんなし。 このゆゑにすべからく 「ひっきょうじてびょうどうなり」 といふべし。

、菩薩於↢七地↡得レバ↢大寂滅↡、上不↠見↢諸仏キヲ↟求、下不↠見↢衆生キヲ↟度。欲↧捨テテ↢仏道↡証ムト↦於実際↥。爾↠得↢十方諸仏神力加勧↡、即便滅度与↢二乗↡无ラム↠異コト。菩薩若往↢生安楽↡見マツレバ↢阿弥陀仏↡、即↢此難↡。是↠言↢畢竟平等ナリト↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbº奪答
                                      ªイº願力を明す
                                        ˆ一ˇ願文

^またつぎに ¬りょう寿じゅきょう¼ (上) のなかに、 弥陀みだ如来にょらい本願ほんがん (第二十二願) にのたまはく、 「たとひわれぶつんに、 ほうぶつのもろもろのさつしゅ、 わがくにらいしょうせば、 きょうしてかならず*いっしょうしょいたらん。 その本願ほんがんざいせんとするところありて、 しゅじょうのためのゆゑに、 ぜいよろい*徳本とくほんしゃくるいし、 一切いっさいだつし、 諸仏しょぶつくにあそびてさつぎょうしゅし、 十方じっぽう諸仏しょぶつ如来にょらいようし、 恒沙ごうじゃりょうしゅじょうかいして、 *じょうしょうしんどうりゅうせしめんをばのぞく。 *じょうりんしょぎょう超出しょうちゅつし、 現前げんぜん*げんとくしゅじゅうせん。 もししからずは、 しょうがくらじ」 と。

復次¬无量寿経¼中、阿弥陀如来本願、「設我得ムニ↠仏、他方仏土菩薩衆、来↢生セバ↡、究竟↢一生補処↡。除↧其本願アリテ↠化ムトスル、為↢衆生↡故、被↢弘誓↡積↢累徳本↡、度↢脱一切↡、遊↢諸仏↡修↢菩薩↡、供↢養十方諸仏如来↡、開↢化恒沙无量衆生↡、使メムヲバ↞立↢无上正真之道↡。超↢出常倫諸地之行↡、現前修↢習普賢之徳↡。若↠爾者不↠取↢正覚↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbºªイºˆ二ˇ不共

^このきょうあんじてかのくにさつすいするに、 あるいはいちよりいちいたらざるべし。

↢此↡推ルニ↢彼菩薩↡、或↠不↧従↢一地↡至↦一地↥。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbºªロº権実を弁ず
                                        ˆ一ˇ権実を分別す

^*じゅうかいといふは、 これしゃ如来にょらいの、 えんだいにおけるいち*おうどうなるのみ。 ほうじょうはなんぞかならずしもかくのごとくならん。 *しゅ思議しぎのなかに仏法ぶっぽうもつとも不可ふか思議しぎなり。

↢十地階次↡者、是釈迦如来ケル↢閻浮提↡一応化道ナル耳。他方浄土シモクナラム↠此。五種不思議仏法最不可思議ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbºªロºˆ二ˇ疑を斥す
                                          ˆⅠˇ

^もしさつかならずいちよりいちいたりてちょうおつなしといはば、 いまだあへてつまびらかならず。

↧菩薩必↢一地↡至↢一地↡无シト↦超越之理↥、未↢敢カナラ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbºªロºˆ二ˇˆⅡˇ

^たとへばあり、 づけて*好堅こうけんといふ。 このしょうずるに*ひゃくすなはちせり。 一日いちにちちょうずることたか百丈ひゃくじょうなるがごとし。 日々にちにちにかくのごとし。 ひゃくさいたかさをはかるに、 あに*しゅしょうるいせんや。 まつ生長しょうちょうするをるに、 すんぎず。 かの好堅こうけんきて、 なんぞよく即日そくにちうたがはざらん。

↧有↠樹、名↢好堅樹地ズルコト囲乃一日コト百丈ナルガ↥。日日↠此。計ルニ↢百歳之サヲ↡、豈↢修松↡耶。見ルニ↢松生長ルヲ↡、日不↠過↠寸。聞↢彼好堅↡、何ラム↠疑↢即日↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[一][Ⅲ][ⅷ][b][ロ]ª三ºªⅡºªⅱºªbºªハº権に執すを斥す

^ひとありて、 しゃ如来にょらい*かんいっちょうしょうし、 *しょう終朝しゅうちょうせいするをきて、 これ*しょうゆうごんなり、 *しょうじつせつにあらずといひて、 このろんきてまたまさにしんぜざるべし。 それ*じょうことばじょうにんみみらず。 これをしからずとおもふは、 またそれ*むべなり。

↠人聞↧釈迦如来↢羅漢於一聴↡、制ルヲ↦无生終朝↥、謂↣是接誘之言ナリ、非ズト↢称実之説↡、聞↢此論事↡亦当↠不↠信。夫非常之言不↠入↢常人之耳↡。謂↢之↟然、亦其也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二]示現二利
                      [Ⅰ]論文

【91】 ^りゃくしてはっきて、 如来にょらい自利じり利他りたどくしょうごんだいじょうじゅしたまへることをげんす、 るべし。

↢八句↡、示↢現如来自利利他功徳荘厳、次第成就タマヘルコトヲ↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ]註釈
                        [ⅰ]依正の次第を明す

 ^これはいかんがだいする。 さきじゅうしちは、 これしょうごんこくどくじょうじゅなり。 すでにこくそうりぬ。 こくしゅるべし。 このゆゑにつぎぶつしょうごんどくかんず。

云何次第スル。前十七句是荘厳国土功徳成就ナリ。既↢国土↡。応↠知↢国土之主↡。是↢仏荘厳功徳↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]八句の生起を弁ず
                          [a]座→身業

^かのぶついかんがしょうごんし、 いづれのところにおいてかしたまふ。 このゆゑにかんず。 すでにりをはりぬ。 よろしくしゅるべし。 このゆゑにつぎぶつしょうごん身業しんごうかんず。

若為 イカン 荘厳、於テカ↢何↡坐タマフ。是↠座。既↠座。宜↠知↢座↡。是↢仏厳身業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][b]身業→口業

^すでに身業しんごうりぬ。 いかなる声名しょうみょうかましますとるべき。 このゆゑにつぎぶつしょうごんごうかんず。

↢身業↡。応↠知↠有スト↢何ナル声名↡。是↢仏荘厳口業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][c]口業→意業

^すでにみょうもんりぬ。 よろしくとくみょう所以ゆえんるべし。 このゆゑにつぎしょうごん心業しんごうかんず。

↢名聞↡。宜↠知↢得名所以↡。是↢荘厳心業↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][d]意業→大衆

^すでに三業さんごうそくして人天にんでんだいたるべきことをりぬ。 *くるにへたるひとはこれたれぞ。 このゆゑにつぎ大衆だいしゅどくかんず。

↢三業具足キコトヲ↟為↢人天大師↡。堪タル↠受ルニ↠化是誰↡。是↢大衆功徳↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][e]大衆→上首

^すでに大衆だいしゅりょうどくあることをりぬ。 よろしく上首じょうしゅはたれぞとるべし。 このゆゑにつぎじょうしゅかんず。 じょうしゅはこれぶつ (阿弥陀仏) なり。

↣大衆コトヲ↢无量功徳↡。宜↠知↢上首者誰ゾト↡。是↢上首↡。上首是仏ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][f]上首→主

^すでにじょうしゅりぬ。 *ちょうようどうずることをおそる。 このゆゑにつぎしゅかんず。

↢上首↡。恐↠同コトヲ↢長↡。是↠主

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ][g]主→不虚作住持

^すでにこのしゅりぬ。 しゅにいかなる*ぞうじょうかまします。 このゆゑにつぎしょうごん虚作こさじゅうかんず。 ^はっだいじょうじをはりぬ。

↢是↡。主↢何ナル増上↡。是↢荘厳不虚作住持↡。八句次第成

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)観菩薩【菩薩】
                  (イ)標章

【92】^さつかんずとは、

ズト↢菩薩↡者、

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)正釈
                    [一]総標
                      [Ⅰ]論文

いかんがさつしょうごんどくじょうじゅ観察かんざつする。 さつしょうごんどくじょうじゅ観察かんざつすとは、 かのさつかんずるに*しゅしょうしゅぎょうどくじょうじゅあり、 るべし。

云何観↢察スル菩薩荘厳功徳成就↡。観↢察スト菩薩荘厳功徳成就↡者、観ルニ↢彼菩薩↡有↢四種正修行功徳成就↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[一][Ⅱ]註釈

 ^*真如しんにょはこれ諸法しょほうしょうたいなり。 *にょたいしてぎょうずれば、 すなはちこれぎょうなり。 ぎょうにしてぎょうずるを如実にょじつしゅぎょうづく。 たいはただ*一如いちにょなれども、 をもつてわかちてとなす。 このゆゑにぎょういちしょうをもつてこれをぶ。

真如是諸法正体ナリ。体ニシテ而行レバ、則是不行ナリ。不行ニシテ而行ルヲ↢如実修行↡。体唯一如クナレドモ而義ヲモテチテ↠四。是行以↢一↡統↠之

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]別釈
                      [Ⅰ]不動而至
                        [ⅰ]論文

【93】 ^何者なにものをかとなす。 いちにはいちぶつにおいて動揺どうようせずして十方じっぽうへんして、 種々しゅじゅ*おうして如実にょじつしゅぎょうし、 つねにぶつをなす。 に 「安楽あんらくこく清浄しょうじょう じょうてん無垢むくりん ぶつさつにち にょしゅじゅう」 といへるがゆゑなり。 もろもろのしゅじょうの、 *でいひらくがゆゑなり。

何者ヲカ↠四。一者於↢一仏土↡身不シテ↢動揺↡而遍↢十方↡、種種応化シテ如実修行、常↢仏事↡。偈ルガ↢「安楽国清浄、常転无垢輪、化仏菩薩日、如須弥住持」↡故ナリ。開クガ↢諸衆生淤泥花↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ]註釈
                          [a]句義を釈す

 ^*はちじょうさつ*つねに三昧さんまいにありて、 三昧さんまいりきをもつて、 本処ほんしょどうぜずして、 よくあまねく十方じっぽういたりて諸仏しょぶつようし、 しゅじょうきょうす。

八地已上菩薩↢三昧↡、以↢三昧力↡、身シテ↠動↢本処↡而能↢十方↡供↢養諸仏↡、教↢化衆生↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b]文意を解す
                            [イ]第二句を釈す

^*無垢むくりん」 とは*ぶつどくなり。 ぶつどくは、 *じっ*煩悩ぼんのうなければなり。 ぶつ (阿弥陀仏)、 もろもろのさつのために、 つねにこの*法輪ほうりんてんず。 諸大しょだいさつもまたよくこのほうりんをもつて一切いっさい開導かいどうすること、 ざんそくすることなし。 ゆゑに 「じょうてん」 といふ。

「无垢輪」者、仏地功徳也。仏地功徳レバナリ↢習気煩悩垢↡。仏為↢諸菩薩↡、常↢此法輪↡。諸大菩薩亦能↢此法輪↡開↢導コト一切↡、无↢蹔時休息コト↡。故↢「常転」↡。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ロ]三四句を釈す

^法身ほっしんのごとくして、 *おうしんひかりもろもろのかいへんするなり。 「」 といふにはいまだもつてどうかすにらざれば、 また 「にょしゅじゅう」 といへるなり。

法身クシテ↠日而応化身光遍↢諸世界↡也。言フニハ↠「日」未レバ↠足↣以スニ↢不動↡、復言ヘル↢「如須弥住持」↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ][b][ハ]淤泥華を釈す

^でい」 といふは、 ¬きょう¼ (*維摩経) に、 「高原こうげんろくにはれんしょうぜず。 *湿しゅうでいにすなはちれんしょうず」 とのたまへり。 これはぼん煩悩ぼんのうどろのなかにありて、 さつのために開導かいどうせられて、 よくぶつしょうがくはなしょうずるにたとふ。 まことにそれ三宝さんぼう紹隆しょうりゅうしてつねにえざらしむ。

「淤泥花トイフ」者、¬経¼言↧「高原陸地ニハ不↠生↢蓮花卑湿淤泥ズト↦蓮花↥」。此↧凡夫在↢煩悩↡、為↢菩薩↡開導ラレテ、能ルニ↦仏正覚↥。諒紹↢三宝↡常使↠不↠絶

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]一念遍至
                        [ⅰ]論文

【94】 ^にはかのおうしん一切いっさいときぜんならずならず、 一心いっしん一念いちねんだいこうみょうはなちて、 ことごとくよくあまねく十方じっぽうかいいたりてしゅじょうきょうす。 種々しゅじゅ方便ほうべんしゅぎょうし、 なすところ一切いっさいしゅじょう滅除めつじょするがゆゑなり。 に 「無垢むくしょうごんこう 一念いちねんぎゅういち しょう諸仏しょぶつ やくしょぐんじょう」 といへるがゆゑなり。

者彼応化身、一切不↠前ナラ不↠後ナラ、一心一念↢大光明↡、悉↢十方世界↡教↢化衆生↡。種種方便修行、所↠作滅↢除ルガ一切衆生↡故ナリ。偈ルガ↢「无垢荘厳光、一念及一時、普照諸仏会、利益諸群生」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]註釈

 ^かみどうにしていたるといふは、 あるいはいたることぜんあるべし。 このゆゑにまた一念いちねんいちにしてぜんなしといへるなり。

フハ↢不動ニシテ而至ルト↡、容↣或コト↢前後↡。是復言↣一念一時ニシテシト↢前後↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅲ]無相供養
                        [ⅰ]論文

【95】 ^さんにはかれ一切いっさいかいにおいてあますことなく、 諸仏しょぶつ*大衆だいしゅらしあますことなく、 広大こうだいりょう諸仏しょぶつ如来にょらいどくよう*ぎょう讃嘆さんだんす。 に 「天楽てんがく華衣けえ みょう香等こうとうよう さん諸仏しょぶつどく 無有むう分別ふんべつしん」 といへるがゆゑなり。

者彼於↢一切世界↡无↠余コト、照↢諸仏大衆↡无↠余コト、広大无量供↢養恭↣敬讃↤嘆諸仏如来功徳↡。偈ルガ↢「雨天楽花衣、妙香等供養、讃諸仏功徳、无有分別心」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅲ][ⅱ]註釈

 ^あますことなく」 とは、 あまねく一切いっさいかい*一切いっさい諸仏しょぶつだいいたりて、 いちかいにもいちぶつにもいたらざることあることなきをかすなり。 じょうこう (*僧肇) のいはく (註維摩経)、 「*法身ほっしんかたちなくしてしゅぎょうならおうじ、 *いんことばなくして*玄籍げんせきひろけり。 *みょうごんはかりごとなくして、 どうじてかなふ」 と。 けだしこのこころなり。

「无クト↠余コト」者、明↧遍↢一切世界一切諸仏大会↡、无キヲ↞有コト↢一世界ニモ一仏会ニモコト↟至也。肇公、「法身クシテ↠像而殊形並、至韻クシテ↠言而玄籍弥。冥権无クシテ↠謀而動ジテ与↠事会フト」。蓋意也。

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅳ]示法如仏
                        [ⅰ]論文

【96】 ^にはかれ十方じっぽう一切いっさいかい三宝さんぼうなきところにおいて、 仏法ぶっぽう僧宝そうぼうどく大海だいかいじゅうしょうごんして、 あまねくしめして如実にょじつしゅぎょうさとらしむ。 に 「とうかい 仏法ぶっぽうどくほう がんかいおうじょう 仏法ぶっぽう如仏にょぶつ」 といへるがゆゑなり。

者彼於↧十方一切世界↢三宝↡処↥、住↢持荘↣厳仏法僧宝功徳大海↡、遍↠解↢如実修行↡。偈ルガ↢「何等世界无、仏法功徳宝、我願皆往生、示仏法如仏」↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ハ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅳ][ⅱ]註釈

 ^かみさんへんといふといへども、 みなこれぶつこくなり。 もしこのなくは、 すなはちこれ法身ほっしんほうならざるところあらん。 じょうぜんぜんならざるところあらん。 ^*かんぎょう体相たいそうおわりぬ。

三句↠言フト↢遍至↡、皆是有仏国土ナリ。若クハ↢此句↡、便是法身、有↠所↠不↠法ナラ。上善有↠所↠不↠善ナラ。観行体相竟

二 Ⅱ ⅱ b 浄入願心章
          (一)起下

【97】^以下いげはこれ解義げぎのなかのだいじゅうづけて浄入じょうにゅう願心がんしんとなす。

已下是解義第四重↢浄入願心↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (二)標章

^浄入じょうにゅう願心がんしんとは、

浄入願心者、

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)正釈
            (Ⅰ)願心荘厳を釈す
              (ⅰ)論文

またさきしょうごんぶつどくじょうじゅしょうごんぶつどくじょうじゅしょうごんさつどくじょうじゅとを観察かんざつすることをけり。 このさんしゅじょうじゅは、 *願心がんしんをもつてしょうごんせり、 るべし。

又向↣観↢察コトヲ荘厳仏土功徳成就荘厳仏功徳成就荘厳菩薩功徳成就トヲ↡。此三種成就願心ヲモテ荘厳セリ、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅰ)(ⅱ)註釈

 ^るべし」 とは、 このさんしゅしょうごんじょうじゅは、 もとじゅうはちがんとう清浄しょうじょう願心がんしんしょうごんしたまへるところなるによりて、 *いんじょうなるがゆゑにじょうなり。 *いんいんにはあらざるをるべしとなり。

「応シト↠知」者、応シト↠知↧此三種荘厳成就、由↣本四十八願等清浄願心之所ナルニ↢荘厳タマヘル↡、因浄ナルガ果浄ナリルヲ↦无因他因ニハ↥也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)広略相入を釈す
              (ⅰ)略門を明す
                (a)総じて一句を標す
                  (イ)論文

【98】 ^りゃくして*一法いっぽっることをくがゆゑなり。

クガ↠入コトヲ↢一法句↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(a)(ロ)註釈
                    [一]総標

 ^かみこくしょうごんじゅうしちと、 如来にょらいしょうごんはっと、 さつしょうごん四句しくとをこうとなす。 一法いっぽっるをりゃくとなす。

国土荘厳十七句、如来荘厳八句、菩薩荘厳四句トヲ↠広。入ルヲ↢一法句↡為↠略

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(a)(ロ)[二]別釈

^なんがゆゑぞ*こうりゃくそうにゅうげんするとなれば、 諸仏しょぶつさつしゅ法身ほっしんまします。 いちには*ほっしょう法身ほっしんには*方便ほうべん法身ほっしんなり。 ほっしょう法身ほっしんによりて方便ほうべん法身ほっしんしょうず。 方便ほうべん法身ほっしんによりてほっしょう法身ほっしんいだす。 この法身ほっしんにしてわかつべからず。 いちにしてどうずべからず。 このゆゑにこうりゃくそうにゅうして、 ぶるにほうをもつてす。

示↢現ルトナレバ広略相入↡、諸仏菩薩↢二種法身↡。一者法性法身、二者方便法身ナリ。由↢法性法身↡生↢方便法身↡。由↢方便法身↡出↢法性法身↡。此法身ニシテ而不↠可↠分。一ニシテ而不↠可↠同。是広略相入、統ブルニテス↢法↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(a)(ロ)[三]結示

^さつもしこうりゃくそうにゅうらざれば、 すなはち自利じり利他りたすることあたはざればなり。

菩薩若レバ↠知↢広略相入↡、則レバナリ↠能↢自利利他コト↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)転釈して体を顕す
                  (イ)論文

【99】 ^一法いっぽっといふはいはく、 *清浄しょうじょうなり。 清浄しょうじょうといふはいはく、 *真実しんじつ智慧ちえ無為むい法身ほっしんなるがゆゑなり。

一法句トイフ者、謂清浄句ナリ。清浄句トイフ者、謂真実智恵无為法身ナルガナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)註釈
                    [一]三句の相入を略示す

 ^この*さん*展転てんでんしてそうにゅうす。 なんのによりてか、 これをづけてほうとなす。 清浄しょうじょうをもつてのゆゑなり。 なんのによりてか、 づけて清浄しょうじょうとなす。 真実しんじつ智慧ちえ無為むい法身ほっしんなるをもつてのゆゑなり。

三句展転相入。依テカ↢何↡、名↠之↠法。以↢清浄↡故ナリ。依テカ↢何↡、↢清浄↡。以↢真実智恵无為法身ナルヲ↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二]第三の一句を広釈す
                      [Ⅰ]即空に約す
                        [ⅰ]真実智慧を釈す

^真実しんじつ智慧ちえ」 とは、 *実相じっそう智慧ちえなり。 実相じっそう*そうなるがゆゑに、 *しん無知むちなり。

「真実智」者、実相恵也。実相无相ナルガ、真智无知也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅰ][ⅱ]無為法身を釈す

^無為むい法身ほっしん」 とはほっしょうしんなり。 ほっしょうじゃくめつなるがゆゑに、 法身ほっしんそうなり。

「无為法身」者、法性身也。法性寂滅ナルガ、法身无相也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]不空に約す
                        [ⅰ]法身

^そうのゆゑによくそうならざるはなし。 このゆゑに相好そうごうしょうごんはすなはち法身ほっしんなり。

无相↠不コト↠相ナラ。是相好荘厳法身也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]真智

^無知むちのゆゑによくらざるはなし。 このゆゑに*一切いっさいしゅはすなはち真実しんじつ智慧ちえなり。

无知↠不コト↠知。是一切種真実恵也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅲ]中道に約す
                        [ⅰ]二辺を離るを明す
                          [a]真智

^真実しんじつをもつて智慧ちえなづくることは、 智慧ちえにあらず、 非作ひさにあらざることをかすなり。

↢真実↡而ナヅクコトハ↢智↡、明↣智↠作コトヲ↢非作↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅲ][ⅰ][b]法身

^無為むいをもつて法身ほっしんあらわすことは、 法身ほっしんしきにあらず、 しきにあらざることをかすなり。

↢无為↡而標コトハ↢法身↡、明↣法身↠色コトヲ↢非色↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[二][Ⅲ][ⅱ]中に着せざるを明す

^するは、 あにするのよくならんや。 けだしみする、 これをといふ。 みづからにしてたいすることなきも、 またにあらず。 にあらず、 にあらず、 *ひゃったとへざるところなり。

スル↢于非↡者、豈スル↠非之能ナラム乎。蓋ナミスル↠非↠是也。自ニシテキモ↠待コト復非ザル↠是也。非↠是、非↠非、百非之所ナリ↠不

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅰ)(b)(ロ)[三]二三の相入を結示す

^このゆゑに清浄しょうじょうといふ。 「清浄しょうじょう」 とは、 真実しんじつ智慧ちえ無為むい法身ほっしんをいふなり。

↢「清浄句」↡。清浄句者、謂↢真実智恵无為法身↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)広門を明す
                (a)標数
                  (イ)論文〔二種清浄〕

【100】 ^この清浄しょうじょうしゅあり、 るべし。

清浄↢二種↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)註釈

 ^*かみてんにゅうのなか、 一法いっぽうつうじて清浄しょうじょうり、 清浄しょうじょうつうじて法身ほっしんる。 いままさに清浄しょうじょうわかちてしゅいださんとするがゆゑに、 ことさらに、 「るべし」 といふ。

転入句中、通ジテ↢一法↡入↢清浄↡、通ジテ↢清浄↡入↢法身↡。今将ルガ↧別チテ↢清浄↡出ムト↦二種↥故ラニ↠「応シト↠知」。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)列釈
                  (イ)論文
                    [一]標列

【101】 ^なんらかしゅいちには*けん清浄しょうじょうには*しゅじょうけん清浄しょうじょうなり。

何等二種。一者器世間清浄、二者衆生世間清浄ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]器世間清浄

^けん清浄しょうじょうとは、 さきくがごときじゅうしちしゅしょうごんぶつどくじょうじゅなり。 これをけん清浄しょうじょうづく。

器世間清浄者、↢向クガ↡十七種荘厳仏土功徳成就ナリ。是↢器世間清浄↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[三]衆生世間清浄

^しゅじょうけん清浄しょうじょうとは、 さきくがごときはっしゅしょうごんぶつどくじょうじゅしゅしょうごんさつどくじょうじゅとなり。 これをしゅじょうけん清浄しょうじょうづく。

衆生世間清浄者、如↢向クガ↡八種荘厳仏功徳成就四種荘厳菩薩功徳成就トナリ。是↢衆生世間清浄↡。

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[四]摂二種

^かくのごとく一法いっぽっしゅ清浄しょうじょうせっす、 るべし。

↠是一法↢二種↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)註釈
                    [一]直釈
                      [Ⅰ]依止の一異を弁ず

 ^それしゅじょう*別報べっぽうたいとなし、 こく*共報ぐうほうゆうとなす。 たいゆういちにあらず。 ゆゑに 「るべし」 といふ。 しかるに諸法しょほうしんをもつてじょうず。 きょうがいなし。 しゅじょうおよび、 またなることをず、 いちなることをず。 いちならざればすなはちをもつてわかつ。 ならざればおなじく 「清浄しょうじょう」 なり。

衆生↢別報之体↡、国土↢共報之用↡。体用不↠一。所以「応シトイフ↠知」。然諸法ヲモテ。无↢余境界↡。衆生及器、復不↠得↠異ナルコトヲ、不↠得↠一ナルコトヲ。不レバ↠一ナラヲモテ。不レバ↠異ナラ清浄ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[一][Ⅱ]二浄の相成を明す

^」 とはゆうなり。 いはく、 かのじょうは、 これかの清浄しょうじょうしゅじょう受用じゅゆうするところなるがゆゑにけてとなす。 じょうじきじょうもちゐれば、 じょうなるをもつてのゆゑにじきまたじょうなり。 じょうじきじょうもちゐれば、 じきじょうなるがゆゑにまたじょうなるがごとし。 かならずともにきよくしてすなはちじょうしょうすることを。 ここをもつていち清浄しょうじょうにかならずしゅせっするなり。

「器」者用也。謂浄土、是彼清浄衆生之所ナルガ↢受用↡故↠器。如↧浄食レバ↢不浄↡、以↢器不浄ナルヲ↡故食亦不浄ナリ不浄レバ↢浄器↡、食不浄ナルガ器亦不浄ナルガ↥。要二倶クシテ得↠称コトヲ↠浄。是清浄ルナリ↢二種

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]問答
                      [Ⅰ]

 ^ひていはく、 しゅじょう清浄しょうじょうといふは、 すなはちこれぶつ (阿弥陀仏)ˆじょうのˇ さつとなり。 かのもろもろの人天にんでんも、 この清浄しょうじょうかずることをやいなや。

、言フハ↢衆生清浄↡、則是仏ナリ↢菩薩↡。彼人天、得↠入コトヲ↢此清浄↡不

二 Ⅱ ⅱ b ニ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]

^こたへていはく、 清浄しょうじょうづくることをれども、 じつ清浄しょうじょうにあらず。 たとへば*しゅっしょうにんは、 煩悩ぼんのうぞくころすをもつてのゆゑにづけて*比丘びくとなし、 ぼんしゅっのものの、 *かい*かいもみな比丘びくづくるがごとし。 また*かんじょうおうしょしょうときに、 *さんじゅうそうしてすなはち*七宝しっぽうぞくするところとなる。 いまだ転輪てんりんのうをなすことあたはずといへども、 また転輪てんりんのうづくるがごとし。 それかならず転輪てんりんのうとなるべきをもつてのゆゑなり。 かのもろもろの人天にんでんも、 またかくのごとし。 みなだいじょう*正定しょうじょうじゅりて、 ひっきょうじてまさに清浄しょうじょう法身ほっしんべし。 まさにべきをもつてのゆゑに清浄しょうじょうづくることをるなり。

、得ドモ↠名コトヲ↢清浄↡、非↢実清浄↡。譬↧出家聖人↠殺スヲ↢煩悩↡故↢比丘↡、凡夫出家持戒・破戒皆名ルガ↦比丘↥。又如↧潅頂王子初生之時、具↢三十二相↡即↢七宝↟属↠未↠能↠為コト↢転輪王↡、亦名ルガ↦転輪王↥。以↣其必ベキヲ↢転輪王↡故ナリ。彼人天、亦復如↠是。皆入↢大乗正定之聚↡、畢竟↠得↢清浄法身↡。以↠当キヲ↠得故ルナリ↠名コトヲ↢清浄↡。

二 Ⅱ ⅱ b 善巧摂化章
          (一)標章

【102】^ぜんぎょうせっとは、

善巧摂化者、

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)釈文
            (Ⅰ)自利の成就を明す
              (ⅰ)柔軟心を釈す
                (a)論文

かくのごとくさつは、 *しゃ摩他また*毘婆びばしゃこうりゃくしゅぎょうして*にゅうなんしんじょうじゅす。

↠是菩薩、奢摩他毘婆舎那広略修行成↢就柔軟心↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)註釈

 ^にゅうなんしん」 とは、 いはく、 こうりゃく*かん、 あひじゅんしゅぎょうして*不二ふにしんじょうずるなり。 たとへばみずをもつてかげるに、 しょうじょうとあひたすけてじょうじゅするがごとし。

「柔軟心」者、謂広略止観、相修行ズル↢不二↡也。譬↢水ヲモテルニ↠影ケテ而成就ルガ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅰ)(ⅱ)如実知を釈す
                (a)論文

【103】 ^如実にょじつこうりゃく諸法しょほうる。

如実↢広略諸法↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)註釈

 ^如実にょじつる」 とは、 実相じっそうのごとくにるなり。 こうのなかのじゅうりゃくのなかのいっ実相じっそうにあらざるはなし。

「如実ルト」者、如クニ↢実相↡而知也。広廿九句、略一句、莫↠非コト↢実相↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)利他の行相を顕す〔巧方便回向〕
              (ⅰ)
                (a)論文

【104】 ^かくのごとくして*ぎょう方便ほうべんこうじょうじゅす。

クシテ↠是成↢就巧方便廻向↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)註釈

 ^かくのごとく」 とは、 ぜんこうりゃくみな実相じっそうなるがごとくとなり。 実相じっそうるをもつてのゆゑに、 すなはち三界さんがいしゅじょうもうそうるなり。 しゅじょうもうなるをれば、 すなはち真実しんじつ*慈悲じひしょうずるなり。 真実しんじつ法身ほっしんれば、 すなはち真実しんじつ*帰依きえおこすなり。 慈悲じひ帰依きえと、 ぎょう方便ほうべんとはしもにあり。

「如クト↠是」者、如クト↢前後広略皆実相ナルガ↡也。以ルヲ↢実相↡故、則↢三界衆生虚妄↡也。知レバ↢衆生虚妄ナルヲ↡、則ズル↢真実慈悲↡也。知レバ↢真実法身↡、則↢真実帰依↡也。慈悲之与↢帰依↡、巧方便トハ↠下

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)
                (a)論文

【105】 ^何者なにものさつぎょう方便ほうべんこうさつぎょう方便ほうべんこうとは、 いはく、 ける*礼拝らいはいとうしゅしゅぎょうをもつて、 あつむるところの一切いっさい*どく*善根ぜんごんは、 しんじゅうらくもとめず、 一切いっさいしゅじょうかんとほっするがゆゑに、 一切いっさいしゅじょう*摂取せっしゅして、 ともにおなじくかの安楽あんらく仏国ぶつこくしょうぜんとがんするなり。 これをさつぎょう方便ほうべんこうじょうじゅづく。

何者菩薩巧方便廻向。菩薩巧方便廻向者、謂礼拝等五種修行ヲモテ、所↠集一切功徳善根、不↠求↢自身住持之楽↡、欲ルガ↠抜ムト↢一切衆生↡故、作↧願ルナリ摂↢取一切衆生↡共ムト↦彼安楽仏国↥。是↢菩薩巧方便廻向成就↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)註釈
                  (イ)菩提心を明す【菩提心釈】
                    [一]経を引きて正明す

 ^王舎おうしゃじょう所説しょせつの ¬りょう寿じゅきょう¼ (下)あんずるに、 三輩さんぱいしょうのなかに、 ぎょうれつありといへども、 みな*じょうだいしんおこさざるはなし。 このじょう提心だいしんとは、 すなはちこれがん仏心ぶつしんなり。 がん仏心ぶつしんとは、 すなはちこれしゅじょうしんなり。 しゅじょうしんとは、 すなはちしゅじょう摂取せっしゅしてぶつこくしょうぜしむるしんなり。 このゆゑにかの安楽あんらくじょうしょうぜんとがんずるものは、 かならずじょう提心だいしんおこすなり。

ルニ↢王舎城所説¬无量寿経¼↡、三輩生、雖↣行リト↢優劣↡、莫↠不ルハ↣皆発↢无上菩提之心↡。此无上菩提心トハ、即是願作仏心ナリ願作仏心トハ是度衆生心ナリ。度衆生心トハ、即摂↢取衆生↡生シムル↢有仏国土↡心ナリ。是ズル↠生ムト↢彼安楽浄土↡者、要↢无上菩提心↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]論を挙げて貼合す

^もしひとじょう提心だいしんおこさずして、 ただかのこくらくくることひまなきをきて、 らくのためのゆゑにしょうずることをがんずるは、 またまさにおうじょうざるべし。 このゆゑに、 「しんじゅうらくもとめず、 一切いっさいしゅじょうかんとほっするがゆゑに」 といへり。

人不シテ↠発↢无上菩提心↡、但聞↢彼国土コト↠楽キヲヒマ、為↠楽ルハ↠生コトヲ、亦当↠不↠得↢往生↡也。是↧「不↠求↢自身住持之楽↡、欲ルガ↠抜ムト↢一切衆生↡故ニト」↥。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)本論の文を釈す
                    [一]住持楽を釈す

^じゅうらく」 とは、 いはく、 かの安楽あんらくじょう弥陀みだ如来にょらい本願ほんがんりきのためにじゅうせられて、 らくくることひまなし。

「住持」者、謂安楽浄土↢阿弥陀如来本願力↡之所レテ↢住持↡、受コト↠楽↠間也。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]回向義を釈す

^おほよそ 「こう」 のみょうしゃくせば、 いはく、 おのがあつむるところの一切いっさいどくをもつて一切いっさいしゅじょう*施与せよして、 ともに仏道ぶつどうかふなり。

↢廻向名義↡、謂↢己↠集一切功徳↡施↢与一切衆生↡、共フナリ↢仏道↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[三]巧方便を釈す
                      [Ⅰ]通途に約す

^ぎょう方便ほうべん」 とは、 いはく、 さつがんずらく、 おのが智慧ちえをもつて一切いっさいしゅじょう煩悩ぼんのう草木そうもくかんに、 もしいちしゅじょうとしてじょうぶつせざることあらば、 われぶつせじと。 しかるに、 かのしゅじょういまだことごとくじょうぶつせざるに、 さつすでにみづからじょうぶつす。 たとへば*てんをして一切いっさい草木そうもくみてきてつくさしめんとほっするに、 草木そうもくいまだきざるに、 てんすでにくるがごとし。 そのあとにして、 しかもさきだつをもつてのゆゑにぎょう方便ほうべんづく。

「巧方便」者、謂菩薩願ラク、以↢己↡焼ムニ↢一切衆生煩悩草木↡、若↣一衆生トシテコト↢成仏↡、我不↢作仏↡。而衆生未ルニ↢尽成仏↡、菩薩已成仏。譬↩火ヲシテ 聴念ルニ↧摘ミテ歴反 一切草木↡焼令↦使ムト↥、草木未ルニ↠尽已ルガ↨。以↧後ニシテ↢其↡而身先ダツヲ↥故巧方便↡。

二 Ⅱ ⅱ b ホ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[三][Ⅱ]別途に約す

^このなかに 「方便ほうべん」 といふは、 いはく、 一切いっさいしゅじょう摂取せっしゅして、 ともにおなじくかの安楽あんらく仏国ぶつこくしょうぜんとがんす。 かの仏国ぶっこくはすなはちこれひっきょうじょうぶつどうじょう方便ほうべんなり。

↢方便↡者、謂作↧願摂↢取一切衆生↡、共ムト↦彼安楽仏国↥。彼仏国是畢竟成仏道路、无上方便也。

二 Ⅱ ⅱ b 離菩提障章
          (一)標章

【106】^*しょうだいもんとは、

障菩提門者、

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)釈文
            (Ⅰ)総標

さつかくのごとくよく*こうりてじょうじゅすれば、 三種さんしゅだいもんそうほうおんす。

菩薩如↠是↢廻向↡成レバ、遠↢離三種菩提門相違↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)別釈
              (ⅰ)智慧門
                (a)論文

^なんらか三種さんしゅいちには*もんによりてらくもとめず。 しんしん*とんじゃくすることをおんするがゆゑなり。

何等三種。一者依↢智恵門↡不↠求↢自楽↡。遠↣離ルガ我心ヲモテ貪↢着コトヲ自身↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)註釈

 ^*すすむをりて退しりぞくをまもるを 「」 といふ。 *くう*無我むがるを 「」 といふ。 によるがゆゑにらくもとめず。 によるがゆゑに、 しんしんとんじゃくすることをおんす。

↠進ムヲルヲ↠退クヲ↠「智」。知ルヲ↢空・无我↡曰↠「」。依↠智不↠求↢自楽↡。依遠↣離我心ヲモテ貪↢着コトヲ自身↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅱ)慈悲門
                (a)論文

【107】 ^には*もんによりて一切いっさいしゅじょうく。 しゅじょうやすんずることなきしんおんするがゆゑなり。

者依↢慈悲門↡抜↢一切衆生↡。遠↧離ルガ↠安コト↢衆生↡心↥故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)註釈

 ^くを 「」 といふ。 らくあたふるを 「」 といふ。 によるがゆゑに一切いっさいしゅじょうく。 によるがゆゑにしゅじょうやすんずることなきしんおんす。

クヲ↠苦↠「慈」。与ルヲ↠楽↠「悲」。依↠慈↢一切衆生↡。依↠悲遠↧離↠安コト↢衆生↡心↥。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅲ)方便門
                (a)論文

【108】 ^さんにはほう便べんもんによりて一切いっさいしゅじょう*憐愍れんみんするしんなり。 しんようぎょうするしんおんするがゆゑなり。

者依↢方便門↡憐↢愍一切衆生↡心ナリ。遠↧離ルガ供↢養恭↣敬自身↡心↥故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)註釈

 ^*しょうじきを 「ほう」 といふ。 *外己げこを 「便べん」 といふ。 しょうじきによるがゆゑに一切いっさいしゅじょう憐愍れんみんするしんしょうず。 外己げこによるがゆゑにしんようぎょうするしんおんす。

正直↠「方」。外己↠「便」。依↢正直↡故↧憐↢愍一切衆生↡心↥。依↢外己↡故遠↧離供↢養恭↣敬自身↡心↥。

二 Ⅱ ⅱ b ヘ (二)(Ⅲ)結示

^これをさんしゅだいもんそうほうおんすとづく。

↣遠↢離スト三種菩提門相違↡。

二 Ⅱ ⅱ b 順菩提門章
          (一)標章

【109】^じゅんだいもんとは、

順菩提門者、

二 Ⅱ ⅱ b ト (二)釈文
            (Ⅰ)総標

さつはかくのごときさんしゅだいもんそうほうおんして、 *さんしゅだいもんずいじゅんするほう満足まんぞくるがゆゑなり。 なんらかさんしゅ

菩薩遠↢離↠是三種菩提門相違↡、得ルガ↧三種随↢順菩提門↡法満足↥故ナリ。何等三種。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)別釈
              (ⅰ)無染清浄心
                (a)論文

^いちにはぜん清浄しょうじょうしんなり。 しんのために諸楽しょらくもとめざるをもつてのゆゑなり。

者无染清浄心ナリ。以↠不ルヲ↧為↢自身↡求↦諸楽↥故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)註釈

 ^だいはこれぜん清浄しょうじょうところなり。 もしのためにらくもとむれば、 すなはちだいせり。 このゆゑに 「ぜん清浄しょうじょうしん」 は、 これだいもんじゅんずるなり。

菩提是无染清浄ナリ。若↠身レバ↠楽、即セリ↢菩提↡。是「无染清浄心」是順ルナリ↢菩提門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)安清浄心
                (a)論文

【110】 ^にはあん清浄しょうじょうしんなり。 一切いっさいしゅじょうくをもつてのゆゑなり。

者安清浄心ナリ。以↠抜クヲ↢一切衆生↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)註釈

 ^だいはこれ一切いっさいしゅじょう*安穏あんのんにする清浄しょうじょうしょなり。 もししんをなして、 一切いっさいしゅじょうきてしょうはなれしめざれば、 すなはちだいせり。 このゆゑに 「一切いっさいしゅじょうく」 は、 これだいもんじゅんずるなり。

菩提是安↢穏ニスル一切衆生↡清浄処ナリ。若レバ↧作シテ↠心キテ↢一切衆生↡離シメ↦生死↥、即便セリ↢菩提↡。是「抜クハ↢一切衆生↡」是順ルナリ↢菩提門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)楽清浄心
                (a)論文

【111】 ^さんにはらく清浄しょうじょうしんなり。 一切いっさいしゅじょうをしてだいだいしむるをもつてのゆゑなり。 しゅじょう摂取せっしゅしてかのこくしょうぜしむるをもつてのゆゑなり。

者楽清浄心ナリ。以↠令ルヲ↣一切衆生ヲシテ得↢大菩提↡故ナリ。以↧摂↢取衆生↡生シムルヲ↦彼国土↥故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)(b)註釈

 ^だいはこれ*ひっきょうじょうらくところなり。 もし一切いっさいしゅじょうをしてひっきょうじょうらくしめざれば、 すなはちだいせり。 このひっきょうじょうらくはなにによりてかる。 だいじょうもんによる。 だいじょうもんといふは、 いはく、 かの安楽あんらくぶつこくこれなり。 このゆゑにまた 「しゅじょう摂取せっしゅしてかのこくしょうぜしむるをもつてのゆゑなり」 といへり。

菩提是畢竟常楽ナリ。若レバ↠令↣一切衆生ヲシテ得↢畢竟常楽↡、則セリ↢菩提↡。此畢竟常楽テカ↠何而得。依↢大乗門↡。大乗門トイフ者、謂安楽仏国土是也。是又言↩「以↧摂↢取衆生↡生シムルヲ↦彼国土↥故ナリ」↨。

二 Ⅱ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)結示

^これをさんしゅだいもんずいじゅんするほう満足まんぞくづく、 るべし。

↧三種随↢順菩提門↡法満足↥、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b 名義摂対章
          (一)標章

【112】^みょう摂対せったいとは、

名義摂対者、

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)釈文
            (Ⅰ)権実相摂を明す
              (ⅰ)論文

さき智慧ちえ慈悲じひ方便ほうべんとのさんしゅもんは、 般若はんにゃ摂取せっしゅし、 般若はんにゃ方便ほうべん摂取せっしゅす、 るべし。

慈悲方便トノ三種摂↢取般若↡、般若摂↢取方便↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅰ)(ⅱ)註釈
                (a)二智を釈す

 ^般若はんにゃ」 といふは、 *にょたっするなり。 「方便ほうべん」 といふは、 *ごんつうずるしょうなり。 にょたっすればすなはち*しんぎょうじゃくめつなり。 ごんつうずればすなはちつぶさにしゅ*かえりみる。 かえりみる、 つぶさにおうじてしかも無知むちなり。 じゃくめつ、 また無知むちにしてつぶさにかえりみる。 しかればすなはち智慧ちえ方便ほうべんとあひえんじてどうじ、 あひえんじてじょうなり。 どうじょうしっせざることは智慧ちえこうなり。 じょうどうはいせざることは方便ほうべんちからなり。 このゆゑに智慧ちえ慈悲じひ方便ほうべんとは般若はんにゃ摂取せっしゅし、 般若はんにゃ方便ほうべん摂取せっしゅす。

「般若トイフ」者、達↠如ナリ。「方便トイフ」者、通↠権之智ナリ。達レバ↠如心行寂滅ナリ。通レバ↠権ミル↢衆機↡。省ミル↠機之智、備ジテ无知ナリ。寂滅之恵、亦无知ニシテ而備ミル。然智恵方便ジテ而動、相ジテ而静ナリ。動コトハ↠失↠静智恵之功也。静コトハ↠癈↠動方便之力也。是智恵慈悲方便トハ摂↢取般若↡、般若摂↢取方便↡。

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)応知を釈す

^るべし」 といふは、 いはく、 智慧ちえ方便ほうべんとはこれさつ父母ぶもなり。 もし智慧ちえ方便ほうべんとによらずは、 さつほう、 すなはちじょうじゅせずとるべしとなり。 なにをもつてのゆゑに。 もし智慧ちえなくしてしゅじょうのためにするときは、 すなはち顛倒てんどうす。 もし方便ほうべんなくしてほっしょうかんずるときは、 すなはち実際じっさいしょうす。 このゆゑに 「るべし」 といふ。

「応シトイフ↠知」者、謂シトナリ↠知↧智恵方便トハ是菩薩父母ナリ↠依↢智恵方便トニ↡、菩薩法則↦成就↥。何。若クシテ↢智恵↡為ニスル↢衆生↡時↢顛倒↡。若クシテ↢方便↡観ズル↢法性↡時、則↢実際↡。是「応シトイフ↠知」。

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅱ)違順相対を示す
              (ⅰ)無障心を明す
                (a)論文

【113】 ^さきしんおんしてしんとんじゃくせざると、 しゅじょうやすんずることなきしんおんすると、 しんようぎょうするしんおんするとをけり。 このさんしゅほうだいふるしんおんす、 るべし。

↪遠↢離我心↡不ルト↠貪↢着自身↡、遠↧離ルト↠安コト↢衆生↡心↥、遠↩離ルトヲ供↢養恭↣敬自身↡心↨。此三種遠↧離フル↢菩提↡心↥、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅱ)(ⅰ)(b)註釈

 ^諸法しょほうにおのおの*しょうそうあり。 ふうはよくじょうへ、 はよくすいへ、 湿しつはよくふるがごとし。 *あく*じゅうあく*人天にんでんふ。 *顛倒てんどうしょうもんふ。 このなかのさんしゅおんは、 だいふるしんなり。 「るべし」 といふは、 もふることなきことをんとほっせば、 まさにこのさんしゅしょうおんすべしとなり。

諸法↢障相↡。如↢風↠静、土↠水、湿フルガ↟火。五悪・十悪↢人天↡。四顛倒↢声聞↡。此三種不遠離、障フル↢菩↡心ナリ。「応シトイフ↠知」者、若セバ↠得ムト↠无キコトヲ↠障コト、当シト↣遠↢離三種障↡也。

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅱ)(ⅱ)勝真心を明す
                (a)論文

【114】 ^さきぜん清浄しょうじょうしんあん清浄しょうじょうしんらく清浄しょうじょうしんけり。 このさんしゅしんは、 一処いっしょりゃくして*みょうらくしょうしんしん*じょうじゅす、 るべし。

↢无染清浄心・安清浄心・楽清浄心↡。此三種↢一処↡成↢就妙楽勝真心↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b チ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)註釈

 ^*らくさんしゅあり。 いちにはらく、 いはく*しきしょしょうらくなり。 には内楽ないらく、 いはく*初禅しょぜんぜん三禅さんぜんしきしょしょうらくなり。 さんには*法楽ほうがくらく、 いはく智慧ちえしょしょうらくなり。 この智慧ちえしょしょうらくは、 ぶつ (阿弥陀仏)どくあいするよりおこれり。 これしんおんすると、 あんしゅじょうしんおんすると、 ようしんおんするとなり。 このさんしゅしん清浄しょうじょうにして増進ぞうしんするを、 りゃくしてみょうらくしょうしんしんとなす。 「みょう」 のごんは、 それこうなり。 このらくぶつえんじてしょうずるをもつてのゆゑなり。 「しょう」 のごんは、 三界さんがいのなかのらく勝出しょうしゅつせり。 しん」 のごんは、 虚偽こぎならず顛倒てんどうせず。

↢三種↡。一者外楽、謂五識所生ナリ。二者内楽、謂初禅・二禅・三禅意識所生ナリ。三者法楽 五角魯各、謂恵所生ナリ。此智恵所生、従↠愛↢仏功徳↡起レリ。是遠↢離ルト我心↡、遠↢離ルト无安衆生心↡、遠↢離ルトナリ自供養心↡。是三種心、清浄ニシテ増進ルヲ↢妙楽勝真心↡。「妙」言、其好ナリ。以↢此ジテ↠仏ルヲ↡故ナリ。「勝」言、勝↢出セリ三界↡。「真」言、不↢虚偽ナラ↡不ルナリ↢顛倒↡。

二 Ⅱ ⅱ b 願事成就章
          (一)標章

【115】^がんじょうじゅとは、

願事成就者、

二 Ⅱ ⅱ b リ (二)釈文
            (Ⅰ)一心の成就を明す
              (ⅰ)論文

かくのごとくさつ智慧ちえしん方便ほうべんしんしょうしんしょうしんしんをもつて、 よく清浄しょうじょう仏国ぶっこく*しょうず、 るべし。

↠是菩薩智恵心・方便心・无障心・勝真心ヲモテ、能↢清浄仏国土↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b リ (二)(Ⅰ)(ⅱ)註釈

 ^るべし」 といふは、 いはく、 このしゅ清浄しょうじょうどくをもつて、 よくかの清浄しょうじょう仏国ぶっこくしょうずることを。 これえんをもつてしょうずるにはあらずとるべしとなり。

「応シトイフ↠知」者、謂シト↠知↧此四種清浄功徳ヲモテ、能得↠生コトヲ↢彼清浄仏国土ズト↦是他縁ヲモテ而生ルニハ↥也。

二 Ⅱ ⅱ b リ (二)(Ⅱ)五行の成就を明す
              (ⅰ)論文

【116】 ^これをさつ摩訶まかさつしゅ法門ほうもんずいじゅんし、 しょこころしたがひてざい*じょうじゅすとづく。 さき所説しょせつのごとき身業しんごうごうごうごう方便ほうべんごうは、 法門ほうもんずいじゅんするがゆゑなり。

↧菩薩摩訶薩随↢順五種法門↡、所作随↠意自在成就スト↥。如↢向↡身業・口業・意業・智業・方便智業、随↢順ルガ↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b リ (二)(Ⅱ)(ⅱ)註釈

 ^こころしたがひてざいに」 とは、 このしゅどくりきをもつて、 よく清浄しょうじょうぶつ*しょうずれば*しゅつもつざいなるをいふなり。 「しんごう」 とは礼拝らいはいなり。 「ごう」 とは讃嘆さんだんなり。 「ごう」 とはがんなり。 「ごう」 とは観察かんざつなり。 「方便ほうべんごう」 とはこうなり。 このしゅごうごうすれば、 すなはちこれおうじょうじょう法門ほうもんずいじゅんしてざいごう*じょうじゅするをいふなり。

「随↠意自在ニト」者、言↧此五種功徳力ヲモテ、能レバ↢清浄仏土↡出没自在ナルヲ↥也。「身業」者礼拝也。「口業」者讃嘆也。「意業」者作願也。「智業」者観察也。「方便智業」者廻向也。言フナリ↧此五種業和合レバ、則是随↢順往生浄土法門↡自在業成就ルヲ↥。

二 Ⅱ ⅱ b 利行満足章
          (一)標章

【117】^ぎょう満足まんぞくとは、

利行満足者、

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)釈文
            (Ⅰ)正釈論文
              (ⅰ)五門の入出を明す
                (a)標数

^またしゅもんありて、 ぜん*しゅどく*じょうじゅす、 るべし。

復有↢五種門↡漸次成↢就五種功徳↡、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)列目
                  (イ)論門

^何者なにものもんいちには*近門ごんもんには*だいしゅもんさんには*宅門たくもんには*屋門おくもんには*園林おんりん遊戯ゆげもんなり。

何者五門。一者近門、二者大会衆門、三者宅門、四者屋門、五者園林遊戯地門ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(b)(ロ)註釈

 ^このしゅは、 *入出にゅうしゅつだいそう*げんす。 にゅうそうのなかに、 はじめにじょういたは、 これごんそうなり。 いはく、 *だいじょう正定しょうじょうじゅりて、 *のく多羅たらさんみゃくさんだいちかづくなり。 じょうりをはれば、 すなはち如来にょらい (阿弥陀仏)だいしゅかずるなり。 しゅかずりをはれば、 まさにしゅぎょう安心あんじんたくいたるべし。 たくりをはれば、 まさにしゅぎょうしょ*おくいたるべし。 しゅぎょうじょうじゅしをはれば、 まさに*きょういたるべし。 きょうはすなはちこれさつ*自娯じごらくなり。 このゆゑにしゅつもん園林おんりん遊戯ゆげもんしょうす。

五種示↢現入出次第↡。入相、初ルハ↢浄土↡、是近ナリ。謂↢大乗正定聚↡、近クナリ↢阿耨多羅三藐三菩提↡。入↢浄土↡已、便ルナリ↢如来大会衆↡。入↢衆↡已、当↠至↢修行安心之宅↡。入↠宅、当↠至↢修行所居尤挙。修行成就、当↠至↢教化地↡。教化地是菩薩自娯楽ナリ。是出門↢園林遊戯地門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(c)総判
                  (イ)論文

【118】 ^このしゅもんは、 はじめのしゅもんにゅうどく*じょうじゅし、 だいもんしゅつどく*じょうじゅす。

五種、初四種成↢就功徳↡、第五門成↢就功徳↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(c)(ロ)註釈

 ^この入出にゅうしゅつどくは、 何者なにものかこれや。 しゃくしていはく、

入出功徳、何者。釈

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)別釈
                  (イ)近門
                    [一]論文

^にゅう第一だいいちもんとは、 弥陀みだぶつ礼拝らいはいし、 かのくに*しょうぜんとなすをもつてのゆゑに、 安楽あんらくかいしょうずることを*。 これをにゅう第一だいいちもんづく。

入第一門者、以↧礼↢拝阿弥陀仏↡、為スヲ↞生ムト↢彼↡故、得↠生コトヲ↢安楽世界↡。是↢入第一門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(イ)[二]註釈

 ^ぶつらいして仏国ぶっこくしょうぜんとがんず。 これはじめのどくそうなり。

↠仏↠生ムト仏国↡。是初功徳ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ロ)大会衆門
                    [一]論文

【119】 ^にゅうだいもんとは、 弥陀みだぶつ讃嘆さんだんし、 みょうずいじゅんして如来にょらいみな*しょうし、 如来にょらいこうみょうそうによりてしゅぎょうするをもつてのゆゑに、 だいしゅかずることを*。 これをにゅうだいもんづく。

入第二門者、以↧讃↢嘆阿弥陀仏↡、随↢順名義↡称↢如来↡、依↢如来光明智相↡修行ルヲ↥故、得↠入コトヲ↢大会衆↡。是↢入第二門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ロ)[二]註釈

 ^如来にょらいみょうによりて讃嘆さんだんす。 これだいどくそうなり。

↢如来名義↡讃嘆。是第二功徳相ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ハ)宅門
                    [一]論文

【120】^にゅう第三だいさんもんとは、 *一心いっしん専念せんねんにかのくにしょうぜんとがんし、 *しゃ摩他また*寂静じゃくじょう三昧ざんまいぎょうしゅするをもつてのゆゑに、 *れんぞうかいることを*。 これをにゅう第三だいさんもんづく。

入第三門者、以↧一心専念作↣願ムト↢彼↡、修ルヲ↦奢摩他寂静三昧↥故、得↠入コトヲ↢蓮花蔵世界↡。是↢入第三門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ハ)[二]註釈

 ^寂静じゃくじょうしゅせんがためのゆゑに、 一心いっしんにかのくにしょうぜんとがんず。 これ第三だいさんどくそうなり。

↠修ムガ↢寂静止↡故、一心↠生ムト↢彼↡。是第三功徳相ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ニ)屋門
                    [一]論文

【121】^にゅうだいもんとは、 *専念せんねんにかのみょうしょうごん観察かんざつし、 *毘婆びばしゃしゅするをもつてのゆゑに、 *かのところいたりて種々しゅじゅ*ほうらく受用じゅゆうすることを。 これをにゅうだいもんづく。

入第四門者、以↧専念観↢察妙荘厳↡、修ルヲ毘婆舎那↥故、得↧到↢彼受↦用コトヲ種種法味楽↥。是↢入第四門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ニ)[二]註釈

 ^種々しゅじゅほうらく」 とは、 毘婆びばしゃのなかに、 *観仏かんぶつこく清浄しょうじょう*しょうじゅしゅじょうだいじょう*ひっきょうじゅう虚作こさ*るい事起じきぎょう願取がんしゅぶつあり。 かくのごときりょうしょうごん仏道ぶつどうあるがゆゑに 「種々しゅじゅ」 といふ。 これだいもんどくそうなり。

「種種法味楽」者、毘婆舎那、有↢観仏国土清浄味・摂受衆生大乗味・畢竟住持不虚作味・類事起行願取仏土味↡。有↢如↠是无量厳仏道味↡故↢「種種」↡。是第四功徳相ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ホ)園林遊戯地門
                    [一]論文

【122】 ^しゅつだいもんとは、 だい慈悲じひをもつて一切いっさいのうしゅじょう観察かんざつして、 おうしんしめして、 しょうその煩悩ぼんのうはやしのなかににゅうして遊戯ゆげし、 神通じんずうもつてきょういたる。 *本願ほんがんりきこうをもつてのゆゑなり。 これをしゅつだいもんづく。

出第五門者、以↢大慈悲↡観↢察一切苦悩衆生↡、示↢応化身↡、廻↢入生死園、煩悩↡遊戯、神通モテ↢教化地↡。以↢本願力廻向↡故ナリ。是↢出第五門↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ホ)[二]註釈
                      [Ⅰ]示身を釈す

 ^おうしんしめして」 とは、 *¬法華ほけきょう¼ のもんげんたぐいのごとし。

「示シテト↢応化身↡」者、如↢¬法花経¼普門示現之類↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ホ)[二][Ⅱ]遊戯を釈す

^*遊戯ゆげ」 にあり。 いちにはざいなり。 さつしゅじょうすることは、 たとへば獅子しし鹿しかつがごとく、 なすところかたからざること遊戯ゆげするがごとし。 には*度無どむしょなり。 さつしゅじょうかんずるにひっきょうじてしょなし。 りょうしゅじょうすといへども、 じついちしゅじょうとしてめつるものなし。 しゅじょうするをしめすこと遊戯ゆげするがごとし。

遊戯↢二義↡。一者自在ナリ。菩薩度コトハ↢衆生↡、譬師子ウツ↟鹿、所↠為コト↠難カラ如↢似遊戯ルガ↡。二者度无所度ナリ。菩薩観ズルニ↢衆生↡畢竟↢所有↡。雖↠度スト↢无量衆生而実↧一衆生トシテ↢滅度↡者↥。示コト↠度ルヲ↢衆生↡如↢似遊戯ルガ↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅰ)(d)(ホ)[二][Ⅲ]願力を釈す

^本願ほんがんりき」 といふは、 だいさつ*法身ほっしんのなかにおいて、 つねに*三昧さんまいにましまして、 種々しゅじゅしん種々しゅじゅ神通じんずう種々しゅじゅ説法せっぽう*げんずることをしめす。 みな本願ほんがんりきをもつておこせり。 たとへば*しゅきんするものなしといへども、 いんぎょくねんなるがごとし。 これをきょうだいどくそうづく。

↢「本願力」↡者、示↧大菩薩於↢法身↡、常シテ↢三昧↡而現コトヲ↦種種身・種種神通・種種説法↥。皆以↢本願力↡起セリ。譬↧阿修羅↠无シト↢鼓者↡而音曲自然ナルガ↥。是↢教化地第五功徳相↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)行成得果を顕す
                (a)二利行成を結す
                  (イ)自利成就を結す
                    [一]論文

【123】 ^さつ*にゅうしゅもんをもつて自利じりぎょうじょうじゅす、 るべし。

菩薩四種ヲモテ自利行成就、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(イ)[二]註釈

 ^じょうじゅ」 とは、 いはく、 自利じり満足まんぞくなり。 「るべし」 といふは、 いはく、 自利じりによるがゆゑにすなはちよく利他りたす。 これ自利じりすることあたはずしてよく利他りたするにあらずとるべしとなり。

「成就」者、謂自利満足也。「応シトイフ↠知者、謂シト↠知↧由↢自利↡故利他ズト↦是不シテ↠能↢自利コト↡而能利他ルニ↥也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)利他成就を結す
                    [一]論文

【124】 ^さつ*しゅつだいもんこうをもつてやくぎょうじょうじゅす、 るべし。

菩薩第五門廻向ヲモテ利益他行成就、応↠知

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)[二]註釈

 ^じょうじゅ」 とは、 いはく、 こういんをもつてきょうしょうす。 もしはいん、 もしはいちとして利他りたすることあたはざることあることなし。 「るべし」 といふは、 いはく、 利他りたによるがゆゑにすなはちよく自利じりす。 これ利他りたすることあたはずしてよく自利じりするにはあらずとるべしとなり。

「成就」者、謂↢廻向↡証↢教化地↡。若因若果、无↠有コト↢一事トシテコト↟能↢利他↡。「応シトイフ↠知」者、謂シト↠知↧由↢利他↡故自利ズト↦是不シテ↠能↢利他コト↡而能自利ルニハ↥也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)速得菩提を明す
                  (イ)論文

【125】 ^さつはかくのごとく*念門ねんもんぎょうしゅして自利じり利他りたす。 すみやかにのく多羅たらさんみゃくさんだいじょうじゅすることを*るがゆゑなり。

菩薩↠是↢五念門↡自利利他。速↣成↢就コトヲ阿耨多羅三藐三菩提↡故ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)註釈
                    [一]総釈

 ^ぶつ所得しょとくほうづけてのく多羅たらさんみゃくさんだいとなす。 このだいるをもつてのゆゑにづけてぶつとなす。 いま 「すみやかにのく多羅たらさんみゃくさんだい」 といふは、 これはやぶつすることを*るなり。

所得↢阿耨多羅三藐三菩提↡。以↠得ルヲ↢此↡故↠仏。今言フハ↣「速↢阿耨多羅三藐三菩提↡」、是得↢早作仏コトヲ↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]別釈
                      [Ⅰ]略解

^」 はづく、 「のく多羅たら」 はじょうづく、 「さんみゃく」 はしょうづく、 「さん」 はへんづく、 「だい」 はどうづく。 べてこれをやくして、 づけて 「じょうしょうへんどう」 となす。

↠无、耨多羅↠上、三藐↠正、三↠遍、菩提↠道。統而訳↠之、名↢无上正遍道↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]広釈
                        [ⅰ]無上を釈す

^じょう」 とは、 いふこころは、 このどうは、 *きわしょうつくしてさらにぎたるひとなし。 なにをもつてかこれをいふとなれば、 「しょう」 をもつてのゆゑなり。

无上者、言フココロハ↠理↠性↢過ギタル者↡。何テカフトナレバ↠之、以↠正ナリ

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅱ]正を釈す

^しょう」 とはしょうなり。 法相ほっそうのごとくしてるがゆゑにしょうしてしょうとなす。 ほっしょうそうのゆゑにしょう無知むちなり。

者聖智也。如クシテ↢法相↡而知ルガ↢正↡。法性无相聖智无知也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅲ]遍を釈す

^へん」 にしゅあり。 いちには*しょうしんあまねく一切いっさいほうろしめす。 には法身ほっしんあまねく*法界ほうかいつ。 もしはしん、 もしはしんへんせざるはなし。

↢二種↡。一者聖心遍↢一切↡。二者法身遍↢法界↡。若身若心、无↠不コト↠遍也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ][ⅳ]道を釈す

^どう」 とは無礙むげどうなり。 ¬きょう¼ (*華厳経・意) にのたまはく、 「*十方じっぽう無礙むげにん*一道いちどうより*しょう」 と。 「一道いちどう」 とはいち無礙むげどうなり。 「無礙むげ」 とは、 いはく、 しょうすなはちこれはんるなり。 かくのごとき*にゅう不二ふに法門ほうもんは、 無礙むげそうなり。

者无道也。¬経¼言、「十方无人、一道ヨリヅト↢生死↡¼。一道者一无道也。无者、謂ルナリ↢生死即是涅槃↡。如↠是入不二法門、无相也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)問答料簡
              (ⅰ)

【126】^ひていはく、 なんの因縁いんねんありてか 「すみやかにのく多羅たらさんみゃくさんだいじょうじゅすることを」 といへる。

、有テカ↢何因縁↡言↤「速↣成↢就コトヲ阿耨多羅三藐三菩提↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)
                (a)略答
                  (イ)論文を引きて直ちに答ふ

^こたへていはく、 ¬ろん¼ (浄土論) に 「*もんぎょうしゅして、 *自利じり利他りたじょうじゅするをもつてのゆゑなり」 といへり。

、¬論¼言↧「修↢五門↡、以↢自利利他成就ルヲ↡故ナリト」↥。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)摂末帰本に約す【覈求其本

^しかるに*まこともともとむるに、 弥陀みだ如来にょらい*ぞうじょうえんとなす。

マコトルニ↢其↡、阿弥陀如来↢増上縁↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ハ)以本奪末に約す【他利利他】

^他利たり利他りたと、 だんずるに*左右さうあり。 もしぶつよりしていはば、 よろしく利他りたといふべし。 しゅじょうよりしていはば、 よろしく他利たりといふべし。 いままさに仏力ぶつりきだんぜんとす。 このゆゑに 「利他りた」 をもつてこれをいふ。 まさにこのるべし。

他利之与↢利他↡談ルニ↢左右↡。若リシテ↠仏而言、宜↠言↢利他↡。自リシテ↢衆生↡而言、宜↠言↢他利↡。今将↠談ムト↢仏力↡。是↢「利他」↡言↠之。当↠知↢此↡也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)広く如来願力を明す
                    [一]総明

^おほよそこれかのじょうしょうずると、 およびかのさつにんてんしょしょぎょうとは、 みな弥陀みだ如来にょらい本願ほんがんりきによるがゆゑなり。 なにをもつてこれをいふとなれば、 もし仏力ぶつりきにあらずは、 じゅうはちがんすなはちこれ*せつならん。

是生ルト↢彼浄土↡、及薩人天所起諸行トハ、皆縁ルガ↢阿弥陀如来本願力↡故ナリ。何フトナレバ↠之、若ズハ↢仏力↡、四十八願便是徒設ナラム

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]別顕
                      [Ⅰ]総標【三願的証】

^いま*あきらかに三願さんがんりて、 もつてこころしょうせん。

アキラカ↢三願↡、用↢義↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ]別釈
                        [ⅰ]第十八願
                          [a]引願

^がん (第十八願) にのたまはく、 「たとひわれぶつんに、 十方じっぽうしゅじょうしんいたしてしんぎょうしてわがくにしょうぜんとほっして、 すなはちじゅうねんいたるまでせん。 もししょうずることをずは、 しょうがくらじ。 ただぎゃくほうしょうぼうとをのぞく」 と。

、「設我得ムニ↠仏、十方衆生、至シテ↠心信楽↠生ムト↢我↡、乃マデセム↢十念↡。若↠得↠生コトヲ者、不↠取↢正覚↡。唯除クト↢五逆誹謗正法トヲ↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅰ][b]結証

^ぶつ願力がんりきによるがゆゑに*じゅうねん念仏ねんぶつをもつてすなはちおうじょうおうじょうるがゆゑに、 すなはち三界さんがい輪転りんでんまぬかる。 輪転りんでんなきがゆゑに、 ゆゑにすみやかなることをいちしょうなり。

ルガ↢仏願力↡故十念念仏ヲモテ便得↢往生↡。得ルガ↢往生↡故、即↢三界輪転之事↡。无キガ↢輪転↡故、所以↠速ナルコトヲ証也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ]第十一願
                          [a]引願

^がん (第十一願) にのたまはく、 「たとひわれぶつんに、 くにのうちの人天にんでん正定しょうじょうじゅじゅうしてかならずめついたらずは、 しょうがくらじ」 と。

、「設我得ムニ↠仏、国人天、不↧住↢正定聚↡必↦滅度↥者、不↠取↢正覚↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅱ][b]結証

^ぶつ願力がんりきによるがゆゑに正定しょうじょうじゅじゅうす。 正定しょうじょうじゅじゅうするがゆゑに、 かならずめついたりて、 もろもろの*ぶくなんなし。 ゆゑにすみやかなることをしょうなり。

ルガ↢仏願力↡故↢正定↡。住ルガ↢正定聚↡故、必↢滅度↡、无↢諸廻伏之難↡。所以↠速ナルコトヲ証也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅲ]第二十二願
                          [a]引願

^がん (第二十二願) にのたまはく、 「たとひわれぶつんに、 ほうぶつのもろもろの薩衆さつしゅ、 わがくにらいしょうせば、 きょうしてかならずいっしょうしょいたらん。 その本願ほんがんざいするところありて、 しゅじょうのためのゆゑに、 *ぜいよろい*徳本とくほんしゃくるいし、 一切いっさいだつし、 諸仏しょぶつくにあそびてさつぎょうしゅし、 十方じっぽう諸仏しょぶつ如来にょらいようし、 恒沙ごうじゃりょうしゅじょうかいして、 *じょうしょうしんどうりゅうせしめんをばのぞく。 *じょうりんしょぎょう超出ちょうしゅつし、 現前げんぜんげんとくしゅじゅうせん。 もししからずは、 しょうがくらじ」 と。

、「設我得ムニ↠仏、他方仏土菩薩衆、来↢生セバ↡、究竟↢一生補処↡。除↧其本願自在アリテ↠化ムトスル、為↢衆生↡故、被↢弘誓↡積↢累徳本↡、度↢脱一切↡、遊↢諸仏↡修↢菩薩↡、供↢養十方諸仏如来↡、開↢化恒沙无量衆生↡、使メムヲバ↞立↢无上正真之道↡。超↢出常倫諸地之行↡、現前修↢習普賢之徳↡。若↠爾者、不↠取↢正覚↡」。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ][ⅲ][b]結証

^ぶつ願力がんりきによるがゆゑに、 *じょうりんしょぎょう超出ちょうしゅつし、 現前げんぜんげんとくしゅじゅうせん。 じょうりんしょぎょう超出ちょうしゅつするをもつてのゆゑに、 ゆゑにすみやかなることをさんしょうなり。

ルガ↢仏願力↡故、超↢出倫諸地之行↡、現前修↢習普賢之徳↡。以↣超↢出ルヲ常倫諸地↡故、所以↠速ナルコトヲ証也。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[三]結示

^これをもつてすいするに、 *りきぞうじょうえんとなす。 しからざることをんや。

↠斯而推ルニ、他力↢増上縁↡。得↠不コトヲ↠然乎。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)二力の不同を略弁す【自力他力】
                    [一]総標

 ^まさにまたれいきて、 *りきりきそうしめすべし。

↣復引↠例↢自力他↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二]別釈
                      [Ⅰ]自力を明す

^ひとさんおそるるがゆゑに禁戒きんかいじゅす。 禁戒きんかいじゅするがゆゑによくぜんじょうしゅす。 ぜんじょうをもつてのゆゑに神通じんずうしゅじゅうす。 神通じんずうをもつてのゆゑによくてんあそぶがごとし。 かくのごときづけてりきとなす。

↧人ルガ↢三塗↡故受↢持禁戒受↢持ルガ禁戒↡故↢禅定↢禅定↡故修↢習神通↢神通↡故ブガ↦四天下↥。如↠是↢自力↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[二][Ⅱ]他力を明す

^またれっ*またがりてのぼらざれども、 転輪てんりんのうみゆきしたがひぬれば、 すなはちくうじょうじててんあそぶに、 *しょうするところなきがごとし。 かくのごときづけてりきとなす。

又如↧劣夫ドモ↠上ヌレバ↢転輪王↡、便↢虚空↡遊ブニ↢四天下↡、无キガ↞所↢障↡。如↠是↢他力↡。

二 Ⅱ ⅱ b ヌ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)[三]勧誡

^*おろかなるかな、 のち学者がくしゃりきじょうずべきことをきて、 まさに信心しんじんしょうずべし。 みづから*きょくぶんすることなかれ。

ナル哉、後之学者、聞↢他力キコトヲ↟乗、当↠生↢信心↡。勿↢自局分コト↡也。

二 Ⅱ ⅱ 結文を釈す【総結釈】
        論文

【127】 ^りょう寿じゅしゅ多羅たら優婆うば提舎だいしゃがんしょうりゃくしてしをはりぬ。

無量寿修多羅婆提舎願生偈、略↠義

二 Ⅱ ⅱ c 註釈

 ^きょうはじめに 「*にょ」 としょうするは、 しん*のうにゅうとなすことをあらわす。 すえに 「*ぎょう」 といふは、 *服膺ぶくようおわることをあらわす。 ¬ろん¼ (浄土論)はじめに 「*らい」 するは、 しゅうよしあることをかす。 おわりに 「きょう」 といふは、 所詮しょせんおわることをしめす。 *じゅつさくひとことなれども、 ここにおいてれいじょうず。

ルハ↢如是↡、彰↣信コトヲ↢能入↡。末フハ↢奉行↡、表↢服膺事已コトヲ↡。¬論¼初ルハ、明↢宗旨コトヲ↟由。終フハ↢義竟↡、示↢所詮理畢コトヲ↡。述作人殊ナレドモ、於↠茲↠例

りょう寿じゅきょう優婆うば提舎だいしゃがんしょうちゅう かん

 

解義分 ¬浄土論¼ のじょうごう の部分。
 すじ道を通して説き明かすこと。 順序だてて解釈していくこと。
五念力 ねんもんのはたらきのことで、 信を生ぜしめるはたらきのあることをいう。
礼拝したてまつる 親鸞聖人は 「礼拝したまひき」 (加点本訓) と読まれた。
十名 如来にょらいの十号のこと。
至宗 きわめて主要なもの。
後有 は迷いの生のこと。 後の世における迷いの生存。
心行処滅し 心の行処の止滅。 心で思いわけることができないという意。
言語の道過ぎたり 言葉で言い表すことができない。
なすが 親鸞聖人は 「なさせんが」 (加点本訓) と読まれた。
讃嘆したてまつる 親鸞聖人は 「讃嘆したまひき」 (加点本訓) と読まれた。
かの如来の名を… →補註5
志願 往生し成仏しようとする願い。
三種の不相応あり… →補註7
 底本には 「日」 とあるが、 異本およびこの譬喩ひゆの典拠となっている ¬だい智度ちどろん¼ 巻九等の文では、 「月」 となっているのでこれを改めた。 以下、 同じ。
名の法に即するあり 名と名によって示されるもの (法) のはたらきとが一体であるという意。
禁呪の音辞 悪やわざわいをとどめるための呪文。
日出東方… 中国に古くから伝わる呪文の一種と考えられる。
酉亥に… 酉亥は午後五時頃から午後十一時頃までのこと。 日の出とは関係のないこの時刻に 「日出…」 の呪文をとなえても、 腫物がひくという意。
臨兵闘者… ¬抱朴ほうぼく¼ に出る呪文。
五兵 五種の武器。 きゅうしゅぼうげきの五。
要道 大切な教え。
熨す 上から下へじわじわとおさえていく。
近事 身近なできごと。 手近な例。
滅除薬を鼓に塗る喩へ ¬しゅ楞厳経りょうごんぎょう¼ に出る喩え。 人が毒矢をうけても滅除薬を塗った鼓の音を聞けば、 矢は抜け毒も除かれるというもの。
心に…ゆゑなり 親鸞聖人は 「心につねに作願したまへりき。 一心に専念して畢竟じて安楽国土に往生して、 実の如く奢摩他を修行せんとおもふがゆゑにのたまへり」 (加点本訓) と読まれた。
心を鼻端に止むる 出入の息を数えて心の散乱をとどめるという数息観しゅそくかんのこと。 五停心観ごじょうしんかんの一。
不浄観 身や三界さんがいの不浄を観じて貪欲を離れる観法。 五停心観の一。
慈悲観 すべてのしゅじょうを観じて慈悲のおもいを生じ、 いかりをとどめる観法。 五停心観の一。
因縁観 すべての事物がみな因縁によって生じるという道理を観じて、 愚かさをとどめる観法。 五停心観の一。
浮漫 漠然としていて確かでないこと。
椿柘楡柳 つばき・やまぐわ・にれ・やなぎ。
 異本には 「今」 とある。
観察し 親鸞聖人は 「観察したまへりき」 (加点本訓) と読まれた。
平等法身 諸法のじゃくめつ平等をさとった八地以上の菩薩を指す。 →じゅう
上地の菩薩 九地・十地の菩薩。 →じゅう
寂滅平等 煩悩ぼんのうを離れ差別のないさとりの境地をいう。 涅槃の訳語。 →はん
観心分明 観ずるこころが明らかな状態。
回向する 親鸞聖人は 「回向したまへる」 (信文類訓) と読まれた。
得んとする 親鸞聖人は 「得たまへる」 (加点本訓) と読まれた。
一切…作願するなり 親鸞聖人は 「一切衆生に回施したまひて、 作願してともにかの阿弥陀如来の安楽浄土に往生せしめたまふなり」 (信文類訓) と読まれた。
稠林 深くしげった林。 迷いの世界を深い林に喩えていう。
向かふなり 親鸞聖人は 「向かへしむるなり」 (加点本訓)、 「かえらしめたまふなり」 (信文類訓) などと読まれた。
観察体相 観察の対象となる浄土、 仏および菩薩のしょう厳相ごんそうを明かす。
器体 器世間の体相。 ここでは浄土の荘厳のこと。 →しゅけん
衆生体 衆生世間の体相。 ここでは仏および菩薩の荘厳のこと。 →しゅけん
体相 体はものがらの意。 観の対境となる荘厳相のこと。
五種の不可思議 →五不思ごふし
阿弥陀法王善住持力 阿弥陀仏の浄土をよくささえたもつはたらき。
砕身の舎利 仏の分骨を指していう。 →しゃ
大饒益 大きなやく
潔斎 身心をつつしみきよめること。
所須に称ひて 必要に応じて。
無上道の願 この上ないさとりを求め願う心。 だいしんのこと。
無量身の願 我身だけでなく、 一切のしゅじょうを済度して浄土に往生させようと願う心。
 ¬浄土論¼ (底本) には 「無量」 とある。
章門 前に掲げた十七種の浄土のしょうごんの分類を指す。
提釈 要をとって略して解釈すること。
迫迮 迫も迮も狭いという意。
出世の善根 迷いの世間を超え出た煩悩ぼんのうのけがれのない善。
影響 うつりあらわれたすがた。
瞋忍 しん (いかり) と忍辱にんにく (たえしのぶ)。
色像 容姿。 すがたかたち。
儵焉 たちまち。 ただちに。
化没 消え去ること。
触の楽 接触による快楽。
道を増す 仏道に向かう心を増進させる。
形容端正 すがたかたちがうるわしいこと。
染着 執着のこと。 心が対象に染みついて離れないこと。
無分別の類 分別の意識のないもの。
五類 すいふうくう。 五大ともいう。
水穀の身 水を飲み穀物を食べて生きる身。
調適 気候がととのって適当であること。
調和冷煖 冷たさと暖かさがよく調和していること。
心垢 煩悩ぼんのうのけがれ。
蕩除 洗いのぞくこと。
澄潔 すみわたってきよらかなさま。
微瀾回流 微瀾はさざ波のこと。 さざ波がめぐり流れること。
潅注 そそぐこと。
安詳 ゆったりと静かなさま。
所応 おもいのぞむところ。
寂静の声 さとりの法を説く声。
諸通慧の声 さまざまなじんずう智慧ちえを説く声。
甘露潅頂 じゅうさつのこと。 仏が甘露の法水をその菩薩の頂にそそぐことからいう。
不共の法 じゅうはち不共ふぐほうのこと。
善悪の業縁 善悪の行為によって、 苦楽の果報を得ること。
探湯不及の情 悪をさけ善を求めるこころ。 悪を見れば熱湯に手を入れてすぐひっこめるようにこれをさけ、 善を見れば及ばずとも求めたいと思うこと。 もと ¬論語¼ 季氏きしへんに出る。
 極楽のしょうごんにうつしだされる十方世界のすがた。
宝網 宝珠をつらねた飾りあみ。
金縷 金の糸。
校飾 宝をまじえて飾りたてること。
周帀 めぐっていること。
晃耀して 盛んに輝いて。
温雅 おだやかで上品なこと。
馨香芬烈 香気をつよく放っていること。
次いでをもつて… 順序正しく華が消え去り。
 はなびら。
煒燁煥爛 さかんにかがやいているさま。
 引用は ¬大経¼ の第十八願成就文および ¬平等覚びょうどうがくきょう¼ ¬大阿弥陀経¼ 等の取意の文。
剋念…往生を得て 親鸞聖人は 「剋念して生ぜんと願ぜんものと、 また往生を得るものとは」 (加点本訓) と読まれ、 現生げんしょう正定聚しょうじょうじゅの意を示された。
不朽薬 ものを朽ちさせない薬。
瀾れず くさらない。
善住持 浄土をよくささえたもつはたらき。
もしは胎… →四生ししょう
万品 さまざまなありさま。 千差万別。
 引用は ¬ほっ譬喩ひゆきょう¼ ¬しゅつようきょう¼ 等の取意の文。
苦器 苦しみの容器。
悩端 悩みのはじめ、 糸口。
女人及根欠二乗種不生 →補註10
譏過 ¬浄土論¼ (底本) には 「譏嫌過」 とある。
諸天の器を… 六欲天等の天界では、 同じ器に同じ食物を盛っても、 食するものの福徳の因縁いんねんによって色が変化するという。 もと ¬ゆいぎょう¼ に出る。
足の指… 不浄な心をもつものにはれきにしか見えない世界も、 仏眼ぶつげんをもって見れば黄金の世界であることを、 釈尊が足の指で地をおさえて見せられたこと。 もと ¬ゆいぎょう¼ に出る。
所須の供養の具 供養に必要な品。
修短 長短。 ここでは寿命の長短のこと。
自在の位 さつじゅうの位のうち八地以上の位をいう。
炳然 明らかであること。
 境は対境の意。 智慧ちえによって観知される対象のこと。
十六句 第一のしょうごん清浄しょうじょう功徳をのぞく荘厳量功徳などの十六の荘厳をいう。
器浄 国土荘厳の清浄。
総別 国土荘厳十七種のうち、 第一の荘厳清浄功徳を総とし、 他の十六を別という。
建章 「願生偈」 の発端の章。
衆累 さまざまなわずらい。
無為能為の身 無為むいにしてす身。 空理に達してしかも利他を行ずる仏身。
三空不空の痼 空、 無相、 無願 (三空) の空理にとらわれることは、 真の空ではないこと (不空) をいう。 真空しんくう妙有みょううを知らない小乗を批判したもの。
根敗 大乗の無上のさとりを求める心がすたれることを、 草木の根がくさることに喩えていうもの。
三千 三千さんぜん大千だいせんかいの略。
無反無復… 思いかえしてふたたび大乗のさとりをもとめる心をおこすことがないこと。 ¬ちゅうゆいぎょう¼ に 「ぼんに反復の名あり、 二乗に根敗の恥あり」 などとあるのによるか。
かの生の理を体する 無生の生の道理を体得する境界が浄土であるという意。
総相 全体に通ずる普遍的な性質。
出世の善根 迷いの世間を超え出た煩悩ぼんのうのけがれのない善。
梵声 仏のきよらかな声。
上品生 ¬観経¼ に説かれる九品往生のうち、上品上生、上品中生、上品下生のものをいう。 →ぼん
惑ひ 実体的な消滅しょうめつがあるという惑い。
浄摩尼珠 摩尼まに宝珠ほうしゅのこと。 意のままに財宝や衣服・飲食などを出す徳をもつ宝珠。 また悪を去り、 濁水をきよらかにし、 わざわいを去る徳をもつともいう。
生見 実の生ありとする生にとらわれる心。
無生の智 不生ふしょうめつの理をさとる智慧ちえのこと。 →しょう
衆生体 衆生世間の体相。 →しゅけん
 ¬浄土論¼ (底本) には 「大衆」 とある。
凡夫の衆生は… →補註6
虚誑 うそ、 いつわり。
身見 自己を実体視する誤った見解。
流転の身 迷いの世界をめぐりつづける身。
捐庳 うとんじ、 いやしめること。
言教不行の苦 自己の主張が、 他人に受けいれられない苦。
無名聞の苦 名声があがらない苦。
至徳 最上のどく
大夜 みょうの長い夜。 迷いの世界を、 いつまでも夜が明けないことに喩えていうもの。
実相に入れば… 無相の実相じっそうにかなう心は分別ふんべつ (無知) である。
石の蛭 山蛭やまひる
甘刀 よく切れる刀。 利刀。
有知無知 知覚があるかないか。
聖心 聖者の心。 凡心 (ぼんの心) に対す。
幻化 幻術によってあらわしだされたもの。 まぼろし。
人餐を輟めて… 人が自らの食事を節約して士を養っても、舟の中でそのものに殺されるという血なまぐさいできごとが起るということ。 もと ¬えつ春秋しゅんじゅう¼ ¬春秋しゅんじゅう¼ に出る 「けいの故事」 を引いたもの。 きん (血ぬる) の俗字。
自在神力 自由自在の不思議な力。
徒然ならず いたずらごとではない。
虚設ならず むなしくもうけたものではない。
上地 九地・十地。 →じゅう
八地 菩薩の階位の第八地。 →じゅう
法性生身の菩薩 ほっしょうを証得し三界さんがいしょうの身を離れているが、 しゅじょうの教化のために生死の身をたもつ菩薩。
大会衆海 仏の説法の会座に集まっている多くの人々を海に喩えていう。
作心 意識して何事かをしようとする分別ふんべつの心。
上地 ここでは八地以上の菩薩のこと。 →じゅうさつ
進趣階級 菩薩の階位が進むこと。
菩薩七地の… さつの陥るしち沈空ちんくうなんをいう。
加勧 諸仏が神力を加えて菩薩をすすめはげますこと。
徳本を積累し 善根ぜんごんどくを積みかさね。
無上正真の道 この上ない仏のさとり。 →のく多羅たらさんみゃくさんだい
常倫…修習せん 「常倫諸地の行」 とは、 常なみの菩薩が漸次に経過するじゅうのそれぞれの修行のこと。 親鸞聖人は 「常倫に超出し、 諸地の行現前し、 普賢の徳を修習せん」 (加点本訓) と読まれた。
応化道 しゅじょう済度のてだてとして、 仏が示す化導の方法。 →応化おうげ
百囲 囲は長さの単位。 一囲は両手を広げてひと囲みの長さ。 なお、 異本には 「囲」 の字を 「歳」 とするものもある。
修松 長い松の木。
羅漢を一聴に証し 一度の説法で阿羅漢果あらかんかを得させたことをいう。 ¬大智度論¼ に出る。
無生を終朝に制する 終朝は夜明けから朝食までの間のこと。 朝のあいだにしょう法忍ぼうにんに至らせる。
接誘 誘い引き入れる方便のこと。
称実 事実のまま。 実際。
非常の言 通常でない言葉。
宜なり しかたのないことである。
 阿弥陀仏の教化。
長幼に同ずることを恐る 長幼は年長者と年少者の順序。 阿弥陀仏と聖者の関係は、 長幼の序というようなものでないことを注意したもの。
増上 すぐれたはたらき。
四種の正修行功徳成就 てんじん菩薩の ¬浄土論¼ では、 国土しょうごん十七種と仏荘厳八種については個々の荘厳の名称が付されているが、菩薩荘厳四種については名称が付されていない。 なお、 後世に付された名称として第一 「どう而至にし功徳」、 第二 「一念いちねんへん功徳」、 第三 「そうよう功徳」、 第四 「ほう如仏にょぶつ功徳」 がある。
如を体して… 真如しんにょの本体のままに行ずるので、 すでにみずから行ずるというとらわれの意識を離れた行である。
八地 菩薩のじゅうの階位の第八位。
つねに三昧にあり ねん禅定ぜんじょうが得られること。 常住三昧、 報生ほうしょう三昧ざんまいに同じ。
習気煩悩 煩悩と煩悩の潜在的余力、 なごり。
卑湿の淤泥 湿ったどろ。
一切諸仏の大会 あらゆる仏たちの説法の会座。
法身は… 無相の法身は一定のかたちにとらわれず、 あらゆる形をあらわしてすべてに応じてという意。
至韻 すぐれた音声。 仏の説法の声。
玄籍弥く布けり 玄籍は幽玄な書籍の意で、 ここでは仏教の経典のこと。 仏の教説が広く行きわたること。
冥権謀なくして… 冥権は仏・菩薩のはかりしれない権 (てだて)。 はからいをせずとも、 すべてにかなうはたらきをするということ。
観行の体相 観察かんざつの対象となる浄土、 仏および菩薩の荘厳相しょうごんそうを明かす。
無因と…あらざる 浄土は清浄しょうじょう願心によって成就したのだから無因ではなく、 願心以外に因はないから、 他因の有でもない。 願心荘厳の正縁起しょうえんぎの世界であることをあらわす。 なお親鸞聖人は 「因なくして他の因のあるにはあらざるなり」 (加点本訓) と読まれた。
三句 いっぽっ清浄しょうじょう真実しんじつ智慧ちえ無為むい法身ほっしんを指す。
真智は無知なり 真智は、 すべてのものが本来、 無差別平等であることをさとる智慧ちえ。 無知とは、 すべていんねんによって生じたものは実体がなくくうであるから、 対象的に知るということもないという意。
百非の喩へざるところ 言語で表現することができないということ。 相対的に論じられないという意。
上の転入句 上の ¬浄土論¼ の文の展転てんでん相入そうにゅうする三句 (いっぽっ清浄しょうじょうしんじつ智慧ちえ無為むい法身ほっしん) のこと。
潅頂王子 転輪てんりんのうの王子。 王子はやがて潅頂の式を受けて、 転輪王の位に昇ることに定まっているからこの名がある。
正定の聚 →正定しょうじょうじゅ
不二の心 広(有)略(くう) 不二の実相をさとる智慧ちえをいう。 それはまた観ぜられる対象である実相じっそうと、 観ずる心とが不二となった状態でもある。
巧方便回向 仏・菩薩が、 しゅじょうの素質・能力にあわせて種々の方法、 手段を巧みに用い、 自己のどくを相手に与えて救うはたらき。
礼拝等の五種の修行 ねんもんのこと。
施与…向かふなり 親鸞聖人は 「施与したまひて、ともに仏道に向かへしめたまふなり」 (信文類訓) と読まれた。
火 木の火ばし。
回向を知りて成就すれば 親鸞聖人は 「回向成就したまへるを知れば」 (証文類訓) と読まれた。
進むを知りて退くを守る 進んでしゅじょうを済度することを知り、 小乗の自利主義に退かないように身を守る。
憐愍する心なり 親鸞聖人は 「憐愍したまふ心なり」 (証文類訓) と読まれた。 憐愍はいつくしみあわれむこと。
正直 かたよりなく平等なこと。
外己 己を外にすること。 相手の立場に立つこと。
三種の…得るがゆゑなり 親鸞聖人は 「三種の随順菩提門の法満足することを得たまへるがゆゑに」 (証文類訓) と読まれた。
畢竟常楽の処 究極的な常住安楽の境地。
 仮のもの。 一時的なてだてとして設けたもの。 実に対する。
省みる 省察する。 知る。
成就す 親鸞聖人は 「成就したまへり」 (証文類訓) と読まれた。
初禅二禅三禅 色界しきかいぜんてんのうちの初めの三をいう。 このぜんじょうに入る時にはこころに楽を生ずるという。
法楽楽 法楽は法味楽の意で、 仏法を味わい楽しむこと。
生ず 親鸞聖人は 「生ぜしめたまへり」 (証文類訓) と読まれた。
成就す(し) 親鸞聖人は 「成就したまへり」 (証文類訓) と読まれた。
生ずれば 親鸞聖人は 「生ぜしめて」 (証文類訓) と読まれた。
出没自在 しゅじょうを救うために、 自由自在に十方世界へあらわれることができるということ。 また自利利他が自在であるということ。
入出 入は自利じり、 出は利他りたをあらわす。
示現す 親鸞聖人は 「示現したまふなり」 (加点本訓)、 「示現せしむ」 (証文類訓) などと読まれた。
屋宇 家。 すまい。
自娯楽の地 衆生の教化をみずからの楽しみとする地位。
生ぜんとなすを 親鸞聖人は 「生ぜしめんがためにするを」 (証文類訓) と読まれた。
 親鸞聖人は 「得しむ」 (証文類訓) と読まれた。
称し 親鸞聖人は 「称せしめ」 (証文類訓) と読まれた。
一心…修するを 親鸞聖人は 「一心に専念し作願して、 かしこに生じて奢摩他寂静三昧の行を修するを」 (証文類訓) と読まれた。
寂静三昧 ぜんじょうのこと。 しゃ摩他またに同じ。
 親鸞聖人は 「得しむ」 (証文類訓) と読まれた。
専念に…修するを 親鸞聖人は 「かの妙荘厳を専念し観察して、 毘婆舎那を修せしむるを」 (証文類訓) と読まれた。
かの処に…得 親鸞聖人は 「かの所に至ることを得て、 種々の法味の楽を受用せしむ」 (証文類訓) と読まれた。
観仏国土清浄味 ほっしょうにかなった浄土の清浄な徳 (清浄功徳) を観ずる法味。
摂受衆生大乗味 しゅじょうをおさめとって大乗のさとりを得させる徳 (大義門功徳) を観ずる法味。
畢竟住持不虚作味 浄土が仏のもうならざる力用りきゆうによって安らかに保持されている徳 (不虚作住持功徳) を観ずる法味。
類事起行願取仏土味 諸仏をようし、 衆生を化度けどし、 無仏の世界に三宝さんぼうをひろめる菩薩の徳 (菩薩四種功徳) を観ずる法味。
法華経の普門示現 ¬きょう¼ 「普門品ふもんぼん」 に観音菩薩がしゅじょうの諸難を救い、 諸願を満たすに、 三十三身等の種々の形を現して説法されるとある教説を指す。
度無所度 とらわれをはなれた菩薩は、 衆生を済度していても済度しているという思いのないことをいう。
現ずる 親鸞聖人は 「現じたまふ」 (行文類訓) と読まれた。
入の…成就す 親鸞聖人は 「四種の門に入りて自利の行成就したまへり」 (行文類訓) と読まれた。
出の…成就す 親鸞聖人は 「第五門に出でて回向利益他の行成就したまへり」 (行文類訓) と読まれた。
五念門 ¬浄土論¼ (底本) には 「五門」 とある。
得る 親鸞聖人は 「得たまへる」 (行文類訓) と読まれた。
理を窮め性を尽して ねんの理法や人間の本性を知りつくすこと。 もと ¬易経えききょう¼ のせつに出る。 ここではしんにょほっしょうの理をきわめ尽すという意。
十方の無礙人 十方世界の諸仏を指していう。
入不二の法門 相対的な対立をすべて超越した、 絶対の境地を示す教え。 ¬ゆいぎょう¼ などに説く。
五門 念門ねんもんのこと。
自利…ゆゑなり 親鸞聖人は 「もって自利利他成就したまへるがゆゑに」 (行文類訓) と読まれた。
左右 相違。 区別。
徒設 いたずらに設けられたもの。
徳本を積累し 善根ぜんごんどくを積みかさね。
無上正真の道 この上ない仏のさとり。 →のく多羅たらさん藐三菩提みゃくさんぼだい
常倫…修習せん 「常倫諸地の行」 とは、 常なみの菩薩が漸次に経過するじゅうのそれぞれの修行のこと。 親鸞聖人は 「常倫に超出し、 諸地の行現前し、 普賢の徳を修習せん」 (加点本訓) と読まれた。
 ろば。
愚かなるかな 異本には 「遇かな (まうあへるかな・さいはひなるかな)」 とある。
局分 分をかぎる。 はからうこと。
能入 信によってこそ仏法に入ることができるという意。
服膺の事已ることを表す 仏説を信受しおえたという意。
帰礼 みょう礼拝らいはい
述作の… 経を述べる人と論を作った人はことなるが、 巻首と巻末の形式が相応じていうということを示す例である。
→Ⓓ曰[已下]
 ◎Ⓒになし
→ⒷⒸ
→Ⓒ
→Ⓑ
→Ⓑ
 Ⓑになし
如指 Ⓑになし
→Ⓓ
便→Ⓑ使
→Ⓑ(呪歟と右傍註記)
→Ⓑ
→Ⓑ
→ⒸⒹ
 Ⓑになし
→Ⓑ法[異]
 Ⓑになし
→Ⓓ
→Ⓓ
如実功徳 Ⓑになし
→Ⓒ
→Ⓑ
 ◎Ⓒになし
→Ⓑ
 Ⓑになし
 Ⓑになし
→Ⓒ
竿→Ⓑ
→Ⓑ如此
→Ⓑ
 Ⓑになし
 Ⓑになし
→Ⓑ
満足 Ⓑになし
→Ⓑ不[可]
 Ⓑになし
→Ⓒ
 Ⓑになし
→Ⓓ
→ⒷⒹ
→Ⓒ
 Ⓑになし
→Ⓑ有[為]
→◎
→Ⓑ
 Ⓑになし
→Ⓒ聞[衆]
→Ⓑ
水即至頚 Ⓑになし
→◎Ⓒ
→Ⓓ
→Ⓓ
→ⒷⒹ
→ⒸⒹ
 Ⓑになし
→Ⓑ
→ⒸⒹ
→Ⓑ
→◎Ⓒ
→Ⓓ
→Ⓓ
→Ⓓ
→ⒷⒹ
→ⒸⒹ
煒燁→Ⓓ暐曄
→ⒷⒹ
→Ⓑ則[則]
→Ⓓ
→Ⓑ
→ⒷⒹ
→Ⓒ
→Ⓓ生[水]
→◎Ⓒ
→Ⓑ
 Ⓑになし
→Ⓑ→Ⓓ
→Ⓑ Ⓓと左傍註記
 Ⓓ水名と左傍註記
→◎Ⓒ食[石]
→Ⓑ
 Ⓑになし
 ◎ⒷⒸになし
→Ⓒ
→Ⓑ
→Ⓑ
 Ⓑになし
→Ⓑ
→◎Ⓒ
→ⒷⒹ
→Ⓓ死[之]
→Ⓑ如浄
→Ⓒ
→Ⓓ種[相]
→Ⓑ
→Ⓑ
→Ⓐ
 Ⓑになし
→Ⓑ
→◎ⒷⒸ
→Ⓑ
→Ⓑ是[諸]
→◎Ⓒ
 Ⓑになし
→Ⓓ
→Ⓑ
→Ⓑ
徒然 左Ⓑイタヅラ シカラシム
→Ⓓ
 Ⓑになし
 Ⓑになし
→Ⓑ心[為]
 Ⓑになし
→ⒷⒹ曰[言]
→Ⓑ地[諸]
→ⒷⒹ
→ⒷⒹ
→Ⓑ
→Ⓑ厳[身業已知]
→Ⓑ
→◎
→◎ⒶⒷⒸ
→Ⓑ名[之]
→Ⓑ
→Ⓑ
→Ⓑ
清浄句 Ⓑになし
 Ⓑになし
 ◎ⒷⒸになし
→◎
衆生世間清浄者 Ⓑになし
 Ⓑになし
→Ⓓ浄[義]
→◎Ⓒ
 Ⓑになし
得一不 Ⓑになし
持戒破戒皆→Ⓑ
→ⒷⒹ如[以]
 Ⓑになし
 Ⓑになし
願作仏心 Ⓑになし
→Ⓑ凡[夫]
 Ⓑになし
 ⒷⒹになし
→◎ⒷⒸ
→Ⓑ
 Ⓑになし
→Ⓓ就[即能]
 左Ⓓホカニス
国土 Ⓑになし
→Ⓒ
→Ⓑ→Ⓓ
→Ⓑ
 Ⓑになし
→Ⓑ而[能]
 Ⓑになし
 Ⓑになし
→◎Ⓒ
→Ⓑ
 Ⓑになし
 Ⓑになし
→◎
 Ⓑになし
 ⒷⒹになし
→Ⓓ
 Ⓑになし
者謂応知 Ⓑになし
→Ⓑ
 Ⓑになし
→Ⓑ提[是]
→Ⓒ
→Ⓑ等[二]
利他→Ⓑ他利
→Ⓑ
→Ⓓ
 Ⓑになし
来生→Ⓑ生来
 Ⓑになし
→◎Ⓒ
→Ⓑ不[不]
→Ⓒ
→ⒷⒹ
→ⒷⒹ
→Ⓑ
 ◎ⒷⒸになし
→Ⓑ