おうじょうようしゅう かん

天台てんだい*しゅりょうごんいん*沙門しゃもん*源信げんしんせん

念仏利益

【58】^大文だいもんだいしちに、 念仏ねんぶつやくかさば、 おおきにわかちてしちあり。 いちには滅罪めつざいしょうぜんにはみょうとく護持ごじさんには現身げんしん見仏けんぶつには当来とうらいしょうには弥陀みだ別益べつやくろくには引例いんれい勧信かんしんしちには悪趣あくしゅやくなり。 そのもんおのおのおおし、 いまりゃくしてようぐ。

大文第七明↢念仏利益↡者、大分有↠七。一滅罪生善二冥護持↡。三現身タテマツル四当来勝利五弥陀別益六引キテ勧信スル七悪趣利益ナリ其文各多、今略挙↠要。

二 Ⅶ 滅罪生善

【59】^第一だいいち滅罪めつざいしょうぜんといふは、

第一滅罪生善者、

・滅罪

^¬*観仏かんぶつきょう¼ のだいにのたまはく、 「いちのなかにおいてわかちてしょうぶんとなして、 しょうぶんのなかによく*しゅのあひだもぶつ*びゃくごうねんじて、 しんをして*了々りょうりょうならしめ、 びゅうらんおもいなく、 ぶんみょう*正住しょうじゅうにして、 こころくることまずしてびゃくごうねんずるものは、 もしは*相好そうごう、 もしはることをずとも、 かくのごときひとは、 じゅうろくおく*那由なゆ*ごうしゃ*塵数じんしゅ*こう*しょう*つみじょきゃくせん。 たとひまたひとありて、 ただびゃくごうきてこころきょうせず、 かん信受しんじゅせん。 このひともまたはちじゅう億劫おくこうしょうつみけん」 と。

¬観仏経¼第二云、「於↢一時中↡分為↢少分↡、少分之中能須臾間念↢仏白毫↡、令↢心了了↡、無↢謬乱想↡、分明正住、注ルコト↠意不↠息念↢白毫↡者、若見↢相好↡、若不↠得↠見、如↠是等人、除↢却九十六億那由他恒河沙微塵数劫生死之罪↡。設復有↠人、但聞↢白毫↡心不↢驚疑↡、歓喜信受。此人亦却↢八十億劫生死之罪↡。」

^またのたまはく (観仏経)ぶつりたまひてのち三昧さんまいしょうじゅしてぶつ*ぎょうおもふものは、 また千劫せんごうごくじゅう悪業あくごうのぞかん」 と。 ぶつぎょうそうは、 *かみ助念じょねん方法ほうほうもんのごとし。

又云、「仏去↠世後、三昧正受ハム↢仏行↡者、亦除↢千劫極重悪業↡。」仏行歩相、如↢上助念方法門↡

^またのたまはく (観仏経)、 「ぶつ*なんげたまはく、 ªなんぢ、 今日こんにちより如来にょらいたもちて、 あまねく弟子でしげよ。 ぶつめつのちに、 ぎょうぞうつくりて、 身相しんそうをしてそくせしめ、 またりょうぶつ色像しきぞうおよび*通身つうしんしきつくり、 および*仏跡ぶっせきえがき、 みょういとおよび*頗梨はりしゅをもつてびゃくごうところきて、 もろもろの*しゅじょうをしてこのそうることをしめよ。 ただこのそうしんかんをなさば、 このひとひゃくおく那由なゆごうしゃこうしょうつみじょきゃくせんº」 と。

又云、「仏告↢阿難↡、汝従↢今日↡持↢如来語↡、遍告↢弟子↡。仏滅度後、造↢好形像↡、令↢身相具足↡、亦作↢无量化仏色像及通身色↡、及画↢仏跡↡、以↢微妙絲及頗梨珠↡安↢白毫処↡、令↢諸衆生得↟見↢是相↡。但見↢此相↡心生↢歓喜↡、此人除↢却百億那由他恒河沙劫生死之罪↡。」

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→Ⓐ
→ⒹⒺ罪[優填王作仏形像経云作仏形像功徳无量世々所生不堕悪道後皆得生无量寿仏国作菩薩当得成仏云々略抄]

^またのたまはく (観仏経)、 「老女ろうにょの、 ぶつて、 *邪見じゃけんにしてしんぜざるすら、 なほよくはちじゅう万億まんおくこうしょうつみじょきゃくしき。 いはんや、 またこころをもつてぎょう礼拝らいはいせんをや」 と。 *須達しゅだついえ老女ろうにょ因縁いんねんは、 かの ¬きょう¼ (同) にひろくがごとし。

又云、「老女見↠仏、邪見不↠信、猶能除↢却八十万億劫生死之罪↡。況復善意恭敬礼拝。」須達家老女因縁、如↢彼¬経¼広説↡

→Ⓓ
→Ⓓ
 Ⓓになし

^またのたまはく (観仏経)、 「もろもろの*ぼんおよび*四部しぶ弟子でし*方等ほうどうきょうそしり、 *ぎゃくざいつくり、 *じゅうきんおかし、 *そうもつぬすみ、 *比丘びくいんし、 *はっ戒斎かいさいやぶり、 もろもろのあくをなし、 種々しゅじゅ邪見じゃけんあらん。 かくのごときひと、 もしよくしんいたして一日いちにちいちねん在前ざいぜんして、 ぶつ如来にょらいいち相好そうごうかんぜば、 もろもろのあくざいしょうも、 みなことごとく尽滅じんめつしなん」 と。

又云、「諸凡夫及四部弟子、謗↢方等経↡、作↢五逆罪↡、犯↢四重禁↡、偸↢僧祇物↡、婬↢比丘尼↡、破↢八戒斎↡、作↢諸悪事↡、種々邪見。如↠是等人、若能至↠心一日一夜繋念在前、観↢仏如来一相好↡者、諸悪・罪障、皆悉尽滅。」

^またのたまはく (観仏経)、 「もしはぶつそん*帰依きえすることあるもの、 もしはみなしょうするものは、 ひゃくせんごう*煩悩ぼんのう重障じゅうしょうのぞく。 いかにいはんや、 しょうしん*念仏ねんぶつじょうしゅせんをや」 と。

又云、「若有↣帰↢依仏世尊↡者、若称↠名者、除↢百千劫煩悩重障↡。何況正心修セムヲヤトイヘリ↢念仏定↡。」

^¬*ほうしゃくきょう¼ のだいにのたまはく、 「宝珠ほうしゅあり、 種々しゅじゅしきづく。 大海だいかいのなかにあり、 りょうしゅはやながれありて大海だいかいるといへども、 しゅちからをもつてみずをしてしょうめつせしめて、 盈溢よういつせざらしむるがごとく、 かくのごとく如来にょらい*おう*しょう等覚とうがくだいしょうしをはりて、 智火ちかちからによりて、 よくしゅじょう煩悩ぼんのうをしてしょうめつせしめたまふことも、 またかくのごとし。 もしまたひとありて、 日々にちにちのうちにおいて如来にょらい*みょうごう*どく*しょうせつせば、 このもろもろのしゅじょうはよく黒闇こくあんはなれて、 ぜんにまさにもろもろの煩悩ぼんのうくことをべし。 かくのごとくして ª南無なもぶつº としょうねんするもの、 *ごうむなしからじ。 かくのごときごうを、 *だいりてよく煩悩ぼんのうくとづく」 と。

¬宝積経¼第五云、「如↪有↢宝珠↡、名↢種々色↡在↢大海中↡、雖↧有↢無量衆多駃流↡入↦於大海↥、以↢珠火力↡令↢水銷滅↡、而不↩盈溢↨、如↠是如来・応・正等覚証↢菩提↡已、由↢智火力↡能令↢衆生煩悩消滅↡、亦復如↠是。 若復有↠人、於↢日々中↡称↢説如来名号功徳↡、是諸衆生能離↢黒闇↡、漸次当↠得↠焼↢諸煩悩↡。如↠是称↢念南無仏↡者、語業不↠空。如↠是語業、名↧執↢大炬↡能焼↦煩悩↥。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓐ

^¬*遺日ゆいにち摩尼まにきょう¼ にのたまはく、 「さつは、 また数千しゅせん億万おくまんごう*愛欲あいよくのなかにありてつみのためにおおはれたりといへども、 もしぶっきょうきて一反いっぺんぜんねんずれば、 つみすなはちしょうじんす」 と。 じょうのもろもろのもん滅罪めつざいなり。

¬遺日摩尼経¼云、「菩薩雖↧復数千巨億万劫在↢愛欲中↡為↠罪所↞覆マヘ、若聞↢仏経↡一反念↠善、罪即消尽。」已上諸文滅罪

 ⒹⒺになし
→Ⓓ
→Ⓐ

・生善

^¬*だいきょう¼ のだいにのたまはく、 「もし*三千さんぜん大千だいせんかいのなかにてらん*しゅおん*斯陀しだごん*阿那あなごん*阿羅あらかんを、 もし善男ぜんなんぜんにょにんありて、 もしは一劫いっこう、 もしは*げん一劫いっこう、 もろもろの種々しゅじゅ*しょう一切いっさいらくをもつて、 *ぎょうそんじゅう*けんしてようせん。 もしまたひとありて、 諸仏しょぶつみもとにして、 ただひとたびたなごころあわせ、 ひとたびみなしょうせん。 かくのごとき*福徳ふくとくを、 さき福徳ふくとくくらぶるに、 ひゃくぶんにしていちにもおよばず。 ひゃく千億せんおくぶんにしていちにもおよばず。 *迦羅からぶんにしていちにもおよばず。 なにをもつてのゆゑに。 ぶつ如来にょらいはもろもろの*福田ふくでんのなかにさいじょうたるをもつてなり。 このゆゑにぶつするはだいどくじょうず」 と。 りゃくしてしょうす。 *三千さんぜんかいてるびゃくぶつをもつて*校量きょうりょうすることまたしかり。

¬大悲経¼第二云、「若三千大千世界満↠中須陀洹・斯陀含・阿那含・阿羅漢、若有↢善男子・善女人↡、若一劫、若減一劫、以↢諸種々称意一切楽具↡恭敬尊重謙下供養。若復有↠人、於↢諸仏所↡但一合↠掌、一称↠名。如↠是福徳比↢前福徳↡、百分不↠及↠一。百千億分不↠及↠一。迦羅分不↠及↠一。何以故。以↣仏如来諸福田中マシマ↢最无上↡。是故施↠仏成↢大功徳↡。」略抄。以↧満↢三千世界↡辟支仏↥挍量亦爾

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^¬*ようきょう¼ のにのたまはく、

一切いっさいしゅじょうの、 *縁覚えんがくとならんに、 もしようすること億数おくしゅこうにして、

飲食おんじきぶくじょう臥具がぐ*梼香とうこう雑香ざっこうおよび名華みょうけをもつてすることあらんも、

もししんいちにしてじゅうゆびあざへ、 しんをもつぱらにしてみづからいち如来にょらいしたてまつり、

くちにみづからごんおこして ª南無なもぶつº といふことあらば、 このどくふくをばさいじょうなりとなす」 と。

¬普曜経¼偈云、「一切衆生成レラムヲ↢縁覚↡、若ラム↢供養億数劫、飲食衣服床臥具、梼香雑香及名華↡↧一↠心叉↢十指↡、専↠心自帰↢一如来↡、口自発↠言南無仏↥是功徳福為↢最上↡。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^¬*般舟はんじゅきょう¼ に*念仏ねんぶつ三昧ざんまいにのたまはく、

「たとひ一切いっさいみなぶつとなりて、 しょう清浄しょうじょうにして第一だいいちならん。

みな億劫おくこうよりそのしゅぐすまで、 いちどく講説こうせつし、

*泥洹ないおんいたるまで*ふく誦詠じゅようし、 しゅ億劫おくこうにことごとく嘆誦たんじゅすとも、

そのどくきわつくすことあたはじ。 この三昧さんまいいちにおいてするを、

一切いっさい仏国ぶっこくのあらゆるほうぐうおよびじょうの、

なかにてらん珍宝ちんぽうをもつて布施ふせし、 もちゐてぶつ*てんちゅうてんようせんも、

もしこの三昧さんまいくことあるものは、 その*福祐ふくゆうること、 かれにぎたらん。

*安諦あんたい*じゅ説講せっこうするものは、 たとへをくともどくたとふべからず」 と。 *一仏いちぶつせつして*じんとなして、 一々いちいちじんりて、 またくだくこと、 いち仏刹ぶっせつ塵数じんじゅにおいてするがごとくして、 このいちじんをもつていち仏刹ぶっせつとなして、 そこばくの仏刹ぶっせつの、 なかにてらん珍宝ちんぽう諸仏しょぶつようせん。 これをもつてとなせり。 じょうしょうぜん

¬般舟経¼説↢念仏三昧↡偈云。「仮使一切皆為↠仏、聖智清浄慧第一。皆於↢億劫↡過グスマデ↢其数↡、講↢説スルコト一偈↡之功徳、至ルマデ↢於泥洹↡誦↢詠福↡、無数億劫悉嘆誦、不↠能↣究↢尽其功徳↡。於↢是三昧一偈事↡、一切仏国所有地、四方四隅及上下、満↠中珍宝以布施トシテ、用供↢養セム仏天中天↡若有ラム↠聞↢是三昧↡者、得↢其福祐↡過↢於彼↡。安諦諷誦説講セム者、引↠譬功徳不↠可↠喩。」破↢一仏刹↡為↠塵取↢一々塵↡、亦砕、如↢一仏刹塵数↡、以↢此一塵↡為↢一仏刹↡、若干仏刹、満↠中珍宝供↢養諸仏↡。以↠之為↠比也。已上生善

・滅罪生善

^¬*諸仏しょぶつきょうがいきょう¼ にかく、 「もしもろもろのしゅじょうの、 如来にょらいえんじて、 もろもろのぎょうしょうずるものは、 しゅこう*ごく*ちくしょう*餓鬼がき*えんおうしょうだんず。 もししゅじょうありて、 一念いちねん*作意さいして如来にょらいえんずるものは、 所得しょとくどく限極げんごくあることなし。 *称量しょうりょうすべからず。 ひゃくせん万億まんおく那由なゆのもろもろの*だいさつの、 ことごとく不可ふか思議しぎだつじょうんも、 *きょうしてその辺際へんざいることあたはじ」 と。

¬度諸仏境界経¼説、「若諸衆生縁↢於如来↡生↢諸行↡者、断↢無数劫地獄・畜生・餓鬼・閻魔王生↡。若有↢衆生↡、一念作意縁↢如来↡者、所得功徳無↠有↢限極↡。不↠可↢称量↡。百千万億那由他諸大菩薩、悉得タル↢不可思議解脱定↡、不↠能↣計挍知↢其辺際↡。」

→ⒶⒹⒺ

^¬観仏かんぶつきょう¼ に、 「ぶつなんげたまはく、 ªわれ*はんしなんのちに、 諸天しょてんにん、 もしわがしょうし、 および «南無なも諸仏しょぶつ» としょうせば、 るところの福徳ふくとくりょうへんならん。 いはんやまた*ねんして諸仏しょぶつねんずるものは、 しかももろもろの*しょう滅除めつじょせざらんやº」 と。 じょう滅罪めつざいしょうぜん。 その*かみしょうしゅ念仏ねんぶつもんのごとし。

¬観仏経¼、「仏告↢阿難↡、我涅槃後、諸天・世人、若称↢我名↡、及称ムハ↢南無諸仏↡、所↠獲福徳無量无辺。況復繋念念ゼム↢諸仏↡者、而不↣滅↢除諸障↡耶。」已上滅罪生善。其余如↢上正修念仏門↡

→Ⓔ経[説]
 Ⓐになし

二 Ⅶ 冥得護持

【60】^だい*みょうとく護持ごじといふは、

第二冥護持¼者、

^¬*身呪しんじゅきょう¼ (意) にのたまはく、 「*さんじゅうろく神王しんのうに、 万億まんおく恒沙ごうじゃじんありて*眷属けんぞくとなして、 *さんけたるものをまもる」 と。

¬護身呪経¼云、「六部神王有↢万億恒沙鬼神↡為↢眷属↡、護↧受↢三帰↡者↥。」

^¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「*こうしょうするときに、 この三昧さんまいたもてるさつは、 たとひこののなかにつとも、 すなはちためにめっしなんこと、 たとへば、 おおきなる*もたいみずの、 しょうめっするがごとし。 ぶつばつ陀和だわげたまはく、 ªわがかたるところはあることなし。 このさつは、 この三昧さんまいたもてるに、 もしは帝王たいおう、 もしはぞく、 もしは、 もしはすい、 もしはりゅう、 もしはじゃ、 もしは*閲叉えつしゃじん、 もしは猛獣みょうじゅう もしはひとぜんやぶり、 ひとねんうばふものも、 たとひこのさつやぶらんとほっせば、 つひにやぶることあたはじº と。 ぶつののたまはく、 ªわがかたるところのごときはあることなし。 その*宿命しゅくみょうをばのぞきて、 そのはよくやぶるものあることなしº」 と。

¬般舟経¼云、「劫尽壊焼セム時、持タム↢是三昧↡菩薩者、正使堕↢是火中↡、火即為滅シナムコト譬如↣大甖水滅↢小火↡。仏告↢跋陀和↡、我所語無↠有↠異。是菩薩者、持タバ↢是三昧↡、若帝王、若賊、若火、若水、若竜、若蛇、若閲叉・鬼神、若猛獣、 若壊↢人禅↡奪フモノ↢人念↡、設欲↠中↢是菩薩↡者、終不↠能↠中。仏言、如↢我所語↡無↠有↠異。除↢其宿命↡、其余無↠有↢能中者↡。」

使→Ⓔ
→ⒶⒹ
閲叉→Ⓔ𨵃又

^ (般舟経) にのたまはく、

*じん*けんともにようし、 諸天しょてん人民にんみんもまたかくのごとくせん。

ならびに*須輪しゅりん摩睺まごろくも、 この三昧さんまいぎょうぜば、 かくのごときことをん。

諸天しょてんことごとくともにそのとくめ、 てんにん竜神りゅうじん*けん陀羅だら

諸仏しょぶつも、 *嗟嘆しゃたんしてがんのごとくならしめたまはん。 きょう*じゅきてひとのためにせんがゆゑなり。

国々くにぐにあひちてたみ荒乱こうらんし、 きんしきりにいたりて苦窮くぐいだくとも、

つひにそのいのち*中夭ちゅうようせじ。 よくこのきょうじゅしてひとするものは、

ゆうみょうにしてもろもろの魔事まじ*降伏ごうぶくし、 しんおそるるところなくいよだたじ。

そのどくぎょう不可ふかならん。 この三昧さんまいぎょうずるものは、 かくのごときことをん」 と。 ¬*十住じゅうじゅうしゃ¼ に、 これらのもんきをはりていはく、 「ただ*業報ごうほうかならずくべきものをばのぞく」 と、 云々うんぬん

偈曰、「鬼神乾陀共擁護セム諸天人民亦如↠是。アハセテ阿須摩睺勒セム行↢此三昧↡得↠如↠是。諸天悉共頌セム↢其徳↡天人竜神甄陀羅、諸仏嗟嘆令↠如↠願。諷↢誦説↣経↡為↠人故。国々相伐民荒乱、飢饉荐臻懐↢苦窮↡、終不↣於夭↢其命↡。能誦↢此経↡化セム↠人者、勇猛降↢伏セム諸魔事↡心無↢所畏↡毛不↠竪。其功徳行不可議。行ゼバ↢此三昧↡得↠如↠是。」¬十住婆娑¼引↢此等文↡已云、「唯除↢業報必応↠受者↡」云々

→ⒷⒸⒹⒺ
→Ⓐ
→ⒷⒸ
→Ⓔ
→Ⓒ
→Ⓐ[注□]十
→ⒷⒸ
云々 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^¬*じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

「もしひとぶつみなたもてば、 しゅおよび*じゅん

*行住ぎょうじゅう坐臥ざがところに、 その便たよりをることあたはじ」 と。

¬十二仏名経¼偈云、「若人持↢仏名↡、衆魔及波旬、行住坐臥処、不↠能↠得↢其便↡。」

二 Ⅶ 現身見仏

【61】^だいさん現身げんしん見仏けんぶつといふは、

第三現身タテマツル者、

^¬*文殊もんじゅ般若はんにゃきょう¼ のかんにのたまはく、 「ぶつののたまはく、 ªもし善男ぜんなんぜん女人にょにん*いちぎょう三昧ざんまいらんとおもはば、 *空閑くうげんしょしてもろもろのらんて、 *そうみょうらずして、 しん一仏いちぶつけて、 もつぱらみょうしょうすべし。 ぶつ*方所ほうしょしたがひてなおくしてただしくかひて、 よく一仏いちぶつにおいて念々ねんねん相続そうぞくせよ。 すなはちねんのうちにおいて、 よく過去かこらい現在げんざい諸仏しょぶつたてまつらんº」 と。

¬文殊般若経¼下巻云、「仏言、若善男子・善女人欲↠入↢一行三昧↡、応↧処↢空閑↡捨↢諸乱意↡、不↠取↢相貌↡繋↢心一仏↡、専称↦名字↥。随↢仏方所↡端↠身正シクシテ向、能於↢一仏↡念々相続。即於↢念中↡、能見タテマツラムトイヘリ↢過去・未来・現在諸仏↡。」

→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒹⒺ

^どうぜん (*善導) しゃくしていはく (礼讃・意)、 「しゅじょうさわりおもくして、 かんじょうじゅしがたし。 ここをもつてだいしょう (釈尊) れんして、 ただもつぱらみょうしょうせよとすすめたまふ」 と。

導禅師釈云、「衆生障重、観難↢成就↡。是以大聖悲憐、直勧↣専称↢名字↡。」

→ⒶⒹ

^¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「さきかざるところのきょうかんを、 このさつ、 この三昧さんまいたもてるじんをもつて、 ゆめのうちにことごとくみづからそのきょうかんて、 おのおのことごとく、 ことごとくきょうかん。 もしちゅうじつずは、 もしはよるゆめのうちにしてことごとくぶつたてまつることをん。 ぶつばつ陀和だわげたまはく、 ªもしは一劫いっこう、 もしは一劫いっこうぎて、 われ、 このさつの、 この三昧さんまいたもてるものをき、 そのどくかんに、 つくしをはるべからず。 いかにいはんや、 よくこの三昧さんまいもとたるものをやº」 と。

¬般舟経¼云、「前所↠不↠聞経巻、是菩薩持↢是三昧↡威神、夢中悉自得↢其経巻↡、各々悉見、悉聞↢経声↡。若昼日不↠得者、若夜於↢夢中↡悉得↠見↠仏。仏告↢跋陀和↡、若一劫、若過↢一劫↡、我説↧是菩薩持タム↢三昧↡者↥、説↢其功徳↡、不↠可↢尽竟↡。何況能求ムト↢是三昧↡者。」

^またどうきょうにのたまはく、

*弥陀みだくにさつの、 *央数おうしゅひゃくせんぶつたてまつるがごとく、

この三昧さんまいたるさつもしかなり。 まさにしゅひゃくせんぶつたてまつるべし。

それこの三昧さんまい誦受じゅじゅすることあらば、 すでにまのあたりひゃくせんぶつたてまつるとなす。

たとひさいだい恐懼くくにおいても、 この三昧さんまいたもたばおそるるところなからん」 と。

又同ジキ¬経¼偈云、「如↣阿弥陀国菩薩見↢无央数百千仏↡、得↢是三昧↡菩薩然。当↠見↢無数百千仏↡。 其有ラム↣誦↢受是三昧↡已為面見タテマツラム↢百千仏↡。仮使最後大恐懼、持↢此三昧↡無↠所↠畏。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^¬*念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう¼ のだいにのたまはく、

「もしはことごとく一切いっさいぶつ現在げんざいらいおよび十方じっぽうんとほっし、

あるいはまた*みょう法輪ほうりんてんずることをもとめんには、 またづこの三昧さんまいしゅじゅうせよ」 と。

¬念仏三昧経¼第九偈云、「若セバ↧尽見タテマツリ↢一切仏、現在・未来及十方↡、或復求メムゼムコトヲ↢妙法輪↡、亦先修↢習此三昧↡。」

^¬じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

「もしひとよくしんいたして、 七日しちにちぶつじゅせば、

清浄しょうじょうまなこて、 よくりょうぶつたてまつらん」 と。

¬十二仏名経¼偈云、「若人能至↠心、七日誦↢仏名↡、得↢於清浄眼↡、能見↢無量仏↡。」

二 Ⅶ 当来勝利

【62】^だい*当来とうらいしょうといふは、

第四当来勝利者、

・離悪趣

^¬*ごん¼ のにのたまはく、

「もし如来にょらいしょうどくをもねんじ、 ない一念いちねんしんにも専仰せんごうしたてまつらば、

もろもろの*悪道あくどうおそれ、 ことごとくながのぞこり、 げんはここにおいてよくふかさとれり」 と。 げん天王てんのうじゅなり。

¬華厳¼偈云、「若念↢如来小功徳↡、乃至一念心専仰セムハ、諸悪道怖悉永除コリナム智眼於↠此能深悟。」智眼天王頌ナリ

^¬般舟はんじゅきょう¼ のにのたまはく、

「そのひとつひにごくせじ。 餓鬼がきどうおよびちくしょうはなれん。

世々せせうまるるところにて*宿命しゅくみょうらん。 この三昧さんまいがくせば、 かくのごときことをてん」 と。

¬般舟経¼偈云、「其人終不↠堕↢地獄↡。離↢餓鬼道及畜生↡。世々所↠生レム識↢宿命↡。学↢是三昧↡得↠如↠是。」

→Ⓐ

^¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「もししゅじょうありて、 ひとたびも仏身ぶっしんの、 かみのごときどく相好そうごうこうみょうかば、 億々おくおくせんこうにも悪道あくどうちず、 邪見じゃけんぞうところうまれず、 つねにしょうけんて、 勤修ごんしゅすることまざらん。 ただぶつみなくに、 かくのごときふく。 いかにいはんや、 ねん*観仏かんぶつ三昧ざんまいけんをや」 と。

¬観仏経¼云、「若有↢衆生↡一聞↢仏身如↠上功徳・相好・光明↡、億々千劫不↠堕↢悪道↡不↠生↢邪見・雑穢之処↡常得↢正見↡、勤修シテラム↠息。但聞↢仏名↡、獲↢如↠是福↡。何況繋念観ズル昧。」

→ⒷⒸ昧[已上]

^¬*安楽あんらくしゅう¼ (上) にいはく、 「¬*大集だいじっきょう¼ にのたまはく、 ª諸仏しょぶつでたまふに、 しゅほうありて、 しゅじょうしたまふ。 なんらをかとなす。

¬安楽集¼云、「¬大集経¼云、諸仏出↠世、有↢四種法↡度↢衆生↡。何等為↠四。

いちには、 くち*じゅうきょうきたまふ。 すなはちこれ、 *ほうをもつてしゅじょうしたまふなり。

一者口説↢十二部経↡。即是法施度↢衆生↡。

は、 諸仏しょぶつ如来にょらいにはりょう*こうみょう相好そうごうまします。 一切いっさいしゅじょう、 ただよくしんけて観察かんざつすれば、 やくずといふことなし。 すなはちこれ、 身業しんごうをもつてしゅじょうするなり。

二者諸仏如来有↢無量光明・相好↡。一切衆生、但能繋↠心観察、无↠不↠獲↠益。即是身業度↢衆生↡。

さんには、 りょう徳用とくゆう神通じんずう道力どうりき種々しゅじゅ*神変じんぺんまします。 すなはちこれ、 神通じんずう道力どうりきをもつてしゅじょうするなり。

三者有↢無量徳用・神通道力・種々神変↡。即是神通道力度↢衆生↡。

には、 諸仏しょぶつ如来にょらいにはりょうみょうごうまします。 もしは*そう、 もしは*べつなり。 それしゅじょうありて、 しんけてしょうねんすれば、 さわりのぞき、 やくて、 みな仏前ぶつぜんうまれずといふことなし。 すなはちこれ、 みょうごうをもつてしゅじょうするなりº」 と。

四者諸仏如来有↢無量名号↡。若総若別。其有↢衆生↡繋↠心称念、莫↠不↣除↠障獲↠益皆生↢仏前↡。即是名号度↢衆生↡。」

安楽集云 ⒶⒷⒸになし
→Ⓔ

^*あるがいはく、 「¬*しょうぼうねんぎょう¼ にこのもんあり」 と。

有云、「¬正法念経¼有↢此文↡。」

有云 ⒷⒸになし
→ⒷⒸ文[云云]

^¬じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

「もしひとぶつみなたもてば、 *こうにゃくしんしょうぜず、

智慧ちえありて*諂曲てんごくなきは、 つねに諸仏しょぶつまえにあり。

もしひとぶつみなたもてば、 *七宝しっぽうはなのなかにしょうず。

そのはな千億せんおくようにして、 こうそうそくせり」 と。 じょう諸文しょもんなが*悪趣あくしゅはなれてじょうおうじょうするなり。

¬十二仏名経¼偈云、「若人持↢仏名↡、不↠生↢怯弱心↡、智慧無↢諂曲↡、常在↢諸仏前↡。若人持↢仏名↡、七宝華中生。其華千億葉、威光相具足。」已上諸文、永離↢悪趣↡往↢生ルナリ浄土↡

→Ⓐ

・得菩提

^¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「もしよくしんいたして、 ねんうちにあり、 *たん*しょうじゅしてぶつ色身しきしんかんぜば、 まさにるべし、 このひとしんぶつしんのごとくにして、 ぶつことなることなからん。 煩悩ぼんのうありといへども、 もろもろのあくのために*へいせられじ。 らい大法だいほうあめあめふらさん」 と。

¬観仏経¼云、「若能至↠心、繋念在↠内、端坐正受観ムハ↢仏色身↡、当↠知、是人心如↢仏心↡与↠仏無↠異。雖↠在↢煩悩↡不↧為↢諸悪↡之所↦覆蔽↥。於↢未来世↡雨ムト↢大法雨↡。」

^¬*だいじゅう念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう¼ のだいしちにのたまはく、 「まさにるべし、 かくのごとき念仏ねんぶつ三昧ざんまいは、 すなはち一切いっさい諸法しょほうそうしょうすることをなす。 このゆゑに、 かの*しょうもん*縁覚えんがくじょうきょうがいにあらず。 もしひと、 しばらくもこのほうくをかば、 このひと*当来とうらいけつじょうしてぶつになることうたがいあることなからん」 と。

¬大集念仏三昧経¼第七云、「当↠知、如↠是念仏三昧、則為↣総↢摂一切諸法↡。是故非↢彼声聞・縁覚、二乗境界↡。若人暫聞カム↠説カム↢此法↡者、是人当来決定成ラムコト↠仏無ムト↠有↠疑也。」

^だいにのたまはく (大集経)、 「ただよくみみにこの三昧さんまいかば、 たとひどくせずじゅせず、 じゅせずせず、 しゅせずじゅうせず、 のためにてんぜず、 のためにかず、 またひろ分別ふんべつしゃくすることあたはずとも、 しかもかのもろもろの善男ぜんなんぜん女人にょにん、 みなまさにだい*のくだいじょうじゅすべし」 と。

第九云、「但能耳聞キテ↢此三昧名↡、仮令不↠読不↠誦、不↠受不↠持、不↠修不↠習、不↢為↠他転↡、不↢為↠他説↡、亦復不↠能↢広分別釈↡、然彼諸善男子・善女人、皆当↣次第成↢就阿耨菩提↡。」

→ⒹⒺ[同経]第
→Ⓐ

^どうにのたまはく、

「もしもろもろのみょうそう円満えんまんし、 もろもろのこうじょうしょうごんそくせんとおもひ、

および清浄しょうじょうところ*てんしょうすることをもとめんものは、 かならずづこの三昧さんまいじゅせよ」 と。

ジキ偈云、「若欲ハバ円↢満諸妙相↡、具↢足好上荘厳↡、及求メム転↩生清浄処↨、必先受↢持此三昧↡。」

→ⒷⒸⒺ同[経]
 ⒹⒺになし
→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^またある ¬きょう¼ (*倶舎論) にのたまはく、

「もしぶつ福田ふくでんにおいて、 よくしょうぶんぜんゑつれば、

はじめには*しょう善趣ぜんしゅのちにはかならず*はん」 と。

又有¬経¼言、「若於↢仏福田↡、能殖↢少分善↡、初獲↢勝善趣↡、後必得↢涅槃↡。」

^¬*だい般若はんにゃきょう¼ にのたまはく、 「ぶつうやまおもふによりて、 かならずしょうでてはんいたる。 これをきて、 ないぶつようせんがために、 いっをもつてくうさんずるもまたかくのごとし。 またこれをきて、 もし善男ぜんなんぜん女人にょにんとうしもひとたび ª南無なもぶっだい慈悲じひしゃº としょうするにいたらば、 この善男ぜんなんぜん女人にょにんとうは、 しょうきわきわむるまで*善根ぜんごんくることなくして、 てんにんのなかにしてつねにらくけ、 ないさいには*はつはんん」 と。 りゃくしてしょうす。 ¬だいきょう¼ のだい、 これにおなじ。 ¬ほうしゃくきょう¼ 以下いげなり。

¬大般若経¼云、「依スルニ↠仏、必出↢生死↡至↢涅槃↡置↠此、乃至為↣供↢養仏↡以↢一華↡散↢虚空↡亦如↠是。又置↠此若善男子・善女人等、下至ルマデセム↣一称↢南謨仏陀大慈悲者↡是善男子・善女人等、窮↢生死際↡善根無↠尽、於↢天人中↡恒受↢富楽↡、乃至最後得↢般涅槃↡。」略抄。¬大悲経¼第二、同↠之。¬宝積経¼已下麁

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ
宝積経已下麁也 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ◎「注不可書之」と下に註記あり

^¬ほうしゃくきょう¼ にのたまはく、 「もししゅじょうありて、 如来にょらいみもとにしてぜんおこさば、 *さいつくすまで*ひっきょうじてせず」 と。

¬宝積経¼云、「若有↢衆生↡於↢如来所↡起↢微善↡者、尽↢於苦際↡畢竟不↠壊。」

 ⒹⒺになし

^またのたまはく (宝積経)、 「もしさつありて、 *しょうぎょうをもつてよくわがところにおいてちちおもいおこさば、 かのひとはまさに如来にょらいかずることをて、 わがごとくにしてことなることなからん」 と。

又云、「若有↢菩薩↡、以↢勝意楽↡能於↢我所↡↢父想↡、彼人当↠得↠入↢如来数↡如↠我無ムト↠異。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ起[於]

^¬じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

「もしひとぶつみなたもたば、 世々せせしょしょうところに、

*身通しんつうをもつてくうあそび、 よくへん*せついたりて、

まのあたり諸仏しょぶつたてまつりて、 よく甚深じんじんふ。

ために*みょうほうきて、 かれに*だいさずけたまふ」 と。

¬十二仏名経¼偈云、「若人持ムハ↢仏名↡、世々所生処、身通遊↢虚空↡、能至↢無辺刹↡、面覩↢於諸仏↡、能問↢甚深義↡。 為説↢微妙法↡、授↢彼菩提記↡。」

^¬*法華ほけきょう¼ のにのたまはく、

「もしひと散乱さんらんしんにして、 *とうびょうのなかにり、

ひとたび ª南無なもぶつº としょうすれば、 みなすでに仏道ぶつどうじょうず」 と。

¬法華経¼偈云、「若人散乱心、入↢於塔廟中↡、一称セシ↢南無仏↡、皆已成リニキ↢仏道↡。」

^¬だいきょう¼ のだいさんに、 「ぶつなんげたまはく、 ªもししゅじょうありて、 ぶつみなかば、 われかく、 «この人は*畢定ひつじょうしてまさにはつはんることをべし»º」 と。

¬大悲経¼第三、「仏告↢阿難↡、若有↢衆生↡聞↢仏名↡者、我説、是人畢定当↠得↠入↢般涅槃↡。」

^¬ごんぎょう¼ の法幢ほうどうさつにのたまはく、

「もしもろもろのしゅじょうありて、 いまだ*提心だいしんおこさざらんも、

ひとたびぶつみなくことをば、 けつじょうしてだいじょうぜん」 と。 じょうのもろもろのもんだいることなり。

¬華厳経¼法幢菩薩偈云、「若有↢諸衆生↡、未↠発↢菩提心↡一得↠聞↢仏名↡、決定成ラム↢菩提↡。」已上諸文、得ルコトナリ↢菩提↡

^ただみょうごうくすら、 *しょうかくのごとし。 いはんやしばらくも相好そうごうどく観念かんねんし、 あるいはまたいっいっこうようせんをや。 いはんやいっしょう勤修ごんしゅするどく、 つひにむなしからじ。 すなはちりぬ、 仏法ぶっぽうひ、 仏号ぶつごうくことは、 これしょうえんにあらず。

但聞スラ↢名号↡勝利如↠是。況暫観↢念相好・功徳↡、或復供↢養一華・一香↡。況一生勤修セム功徳、終不↠虚。則知、値↢仏法↡、聞↢仏号↡、非↢是少縁↡。

^このゆゑに ¬ごんぎょう¼ の真実しんじつさつにのたまはく、

「むしろごくくとも、 諸仏しょぶつみなくことをよ。

りょうらくくとも、 ぶつみなかざることなかれ」 と。

是故¬華厳経¼真実慧菩薩偈云、「寧受ケテ↢地獄苦↡、得↠聞↢諸仏名↡。不↧受ケテ↢無量楽↡而不ハアラ↞聞↢仏名↡。」

^じょう*もんは、 そうじて諸仏しょぶつねんずるやくかす。 そのなかに、 ¬観仏かんぶつきょう¼ にはしゃをもつてはじめとなす。 ¬般舟はんじゅきょう¼ はおお弥陀みだをもつてはじめとなす。 じつにはともに一切いっさい諸仏しょぶつつうず。 ¬*念仏ねんぶつきょう¼ は*さん諸仏しょぶつつうず。

已上四門、総明↧念↢諸仏↡之利益↥。其中¬観仏経¼以↢釈迦↡為↠首。¬般舟経¼多以↢弥陀↡為↠首。理実倶通↢一切諸仏↡。¬念仏経¼通↢三世諸仏↡。

 ⒷⒸⒹⒺになし

 ^ふ。 ¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「このひとしんは、 ぶつしんのごとくにして、 ぶつことなることなし」 と。 また ¬*かんぎょう¼ にのたまはく、 「ぶつなんげたまはく、 ª諸仏しょぶつはこれ*法界ほうかいしんなり、 一切いっさいしゅじょう心想しんそうのうちにりたまふ。 このゆゑに、 なんぢらしんぶつおもとき、 このしんすなはちこれ*さんじゅうそう*はちじゅうずいぎょうこうなり。 しんぶつる。 しんこれぶつなり。 *諸仏しょぶつしょうへんかいは、 心想しんそうよりしょうじたまふº」 と。 このいかん。

問。¬観仏経¼云、「是人心如↠仏心与↠仏無↠異ルコト。」又¬観経¼云、「仏告↢阿難↡、諸仏是法界身、入↢一切衆生心想之中↡。是故汝等心想↠仏時、是心即是二相・八十随形好。是心作↠仏。是心是仏。諸仏正遍知海、従↢心想↡生ジタマフトイヘリ。」 此義云何。

→Ⓔ仏[如来]

^こたふ。 ¬おうじょうろん¼ (天親の浄土論)*こうの ¬しょ¼ にこのもんしゃくしていはく、 「しゅじょうしんぶつおもときあたりて、 ぶつ身相しんそうみなしゅじょうしんのなかに顕現けんげんす。 たとへば、 みずきよければすなはち色像しきぞうげんず。 しかもみずぞうとは、 いちならずならざるがごとし。 ゆゑにいふ、 ぶつ相好そうごうしんは、 すなはちこれ心想しんそうなりと。 ªしんぶつº とは、 しんよくぶつるなり。 ªしんぶつº とは、 しんがほかにぶつなきなり。 たとへば、 よりづれども、 はなるることをず、 はなれざるをもつてのゆゑに、 すなはちよくきてとなる。 けば、 すなはちこれたるがごとし」 と。

答。¬往生論¼智光¬疏¼釈↢此文↡云、「当↢衆生心想↠仏時↡、仏相皆顕↢現衆生心中↡。譬如↢水清即色像現而水与↠像不↠一不↟異。故言、仏相好身、即是心相。是心作仏者心能作↠仏。是心是仏者心外無↠仏。譬如↢火従↠木出不↠得↠離↠木、以↠不↠離↠木故、即能焼↠木為↠火キツルハ↠木、即是火ルガ↡。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^またしゃくあり。 学者がくしゃさらにかんがへよ。

亦有↢余釈↡。学者更勘。

^わたくしにいはく、 ¬大集だいじつきょう¼ の 「日蔵にちぞうぶん(意) にのたまはく、 「ぎょうじゃ、 このねんをなさく、 これらの諸仏しょぶつりてきたるところなし。 りていたるところなし。 ただわがしんなり。 *三界さんがいのなかにおいて、 このしん因縁いんねんなり。 ただこれしんなり。 われ、 *覚観かくかんしたがひて、 ほっすればしょうほっすればしょうる。 諸仏しょぶつ如来にょらいは、 すなはちこれわがしんなり。 なにをもつてのゆゑに。 しんしたがひてるがゆゑに。 しん、 すなはちわがしんなり。 すなはちこれくうなり。 われ、 覚観かくかんによりてりょうぶつたてまつる。 われ、 覚心かくしんをもつてぶつたてまつり、 ぶつる。 しんしんず、 しんしんらず。 われ、 法界ほうかいかんずるに、 しょうろうなることなし。 一切いっさい諸仏しょぶつはみな覚観かくかん因縁いんねんよりうまれたまふ。 このゆゑに、 *ほっしょうはすなはちこれくうなり、 くうしょうもまたこれくうなり」 と。

私云、¬大集経¼「日蔵分」云、「行者作↢是念↡、是等諸仏無↠所↢従来↡。去無↠所↠至。唯我心作。於↢三界中↡、是身因縁唯是心作。我随↢覚観↡欲↠多見↠多、欲↠少見↠少。諸仏如来即是我心。何以故。随↠心見故。心即我身。即是虚空。我因↢覚観↡見↢無量仏↡。我以↢覚心↡、見↠仏知↠仏。心不↠見↠心、心不↠知↠心。我観↢法界↡、性無↢牢固↡。一切諸仏皆従↢覚観因縁↡而生。是故法性即是虚空、虚空之性亦復是空。」

このもんこころ ¬かんぎょう¼ におなじ。 こう (智光)しゃくまたたがふことなし。

此文意同↢¬観経¼↡。光師釈亦無↠違。

 ^ふ。 しんぶつることをるに、 なんの*しょうかある。

問。知↢心作↟仏、有↢何勝利↡。

^こたふ。 もしこのかんずれば、 よくさん一切いっさい仏法ぶっぽうりょうす。 ないひとたびもかば、 すなはち*さんなんだつすることを

答。若観↢此理↡、能了↢三世一切仏法↡。乃至一聞クニ、即得↣解↢脱三途苦難↡。

^¬ごんぎょう¼ の如来にょらいりんさつにのたまふがごとし。

「もしひとさん一切いっさいぶつらんとよくせば、

まさにかくのごとくかんずべし。 しんもろもろの如来にょらいつくる」 と。

如↢¬華厳経¼如来林菩薩偈云↡。「若人欲↣求知↢三世一切仏↡、応当↢如↠是観↡。心造↢諸如来↡。」

^¬*ごんでん¼ にいはく、 「*文明ぶんめい元年がんねんに、 *けいにんしょうおう、 そのしっせり。 すでに*かいぎょうなく、 かつてぜんしゅせず。 やまいによりていたす。 にんかれてごくもんまえいたりぬ。 ればいちそうあり。 これ*ぞうさつなりといふ。 すなはちおうおしへて、 *このいちじゅせしむ。 これにかたらひていはく、 ªこのじゅては、 よくごくはらひてんº と。 おうつひにりて*えんおうまみゆ。 おう、 このひとふ、 ªどくありやº と。 こたへていはく、 ªただいち四句しくじゅせりº と。 つぶさにかみくがごとし。 ˆえんˇ おう、 つひに ˆおうをˇ *放勉ゆるしつ。 このじゅするときあたりて、 こえおよぶところのじゅにんはみなだつすることをつ。 おうさんにちありてはじめてよみがえりぬ。

¬華厳伝¼曰、「文明元年、京師人、姓王、失↢其名↡。既無↢戒行↡曽不↠修↠善。因↠患致↠死。被↢二人引↡至↢地獄門前↡。見有↢一僧↡。云↢是地蔵菩薩ナリ↡。乃教↢王氏↡、誦↢此一偈↡。謂↠之曰、誦↢得此偈↡能排↢地獄↡。王氏遂入見↢閻羅王↡。王問↢此人↡、有↢功徳↡。答云、唯受↢持一四句偈↡。具如↢上説↡。王遂ナホ放勉マノカレヌ。当↧誦↢此偈↡時↥、声所↠及受↠苦之人皆得↢解脱↡。王氏、三日始蘇。

この*おくして、 もろもろの沙門しゃもんかひてこれをく。 もんげんするに、 まさにりぬ、 これ ¬ごんぎょう¼ のだいじゅうかんの ª夜摩やまてんりょうしょさつうんじゅう説法せっぽうぼんº なり。 おうみづから、 空観くうかんそうじょうほっかひて、 きてしかりといふ」 と。

憶↢持此偈↡、向↢諸沙門↡説キテ↠之示↠験偈文方知、是¬華厳経¼第十二巻夜摩天宮無量諸菩薩雲集説法品。王氏自向↢空観寺僧定法師↡、説云↠然也。」

→ⒶⒷⒸ唯[我]
 ◎「故字イ本无」と上欄註記 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ及[処]

二 Ⅶ 弥陀別益

【63】^だい弥陀みだねんずる別益べつやくをいはば、

第五念↢弥陀↡別益者、

 ⒹⒺになし

^ぎょうじゃをしてそのしんけつじょうせしめんがためのゆゑに、 べつにこれをかす。 滅罪めつざいしょうぜんみょうとく護持ごじ現身げんしん見仏けんぶつしょうらいしょうとは、 いでのごとし。

為↠令↢行者其心決定↡故、別明↠之。滅罪生善冥得護持現身見仏将来勝利如↠次

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

・滅罪生善

^¬かんぎょう¼ の*像想ぞうそうかんきてのたまはく、 「このかんをなすものは、 りょう億劫おくこうしょうつみのぞきて、 現身げんしんのなかに念仏ねんぶつ三昧ざんまい」 と。

¬観経¼説↢像想観↡云、「作↢是観↡者、除↢無量億劫生死之罪↡、於↢現身中↡得↢念仏三昧↡。」

 ⒹⒺになし

^またのたまはく (観経)、 「ただぶつ (阿弥陀仏)みなさつ (観音・勢至)みなくに、 りょうこうしょうつみのぞく。 いかにいはんや憶念おくねんせんをや」 と。

又云、「但聞↢仏名二菩薩名↡、除↢無量劫生死之罪↡。何況憶念。」

「又…念」22字 ⒷⒸになし

^またのたまはく (観経)、 「ただ仏像ぶつぞうおもふに、 りょうふく。 いはんやまたぶつそくせる身相しんそうかんぜんをや」 と。

又云、「但想↢仏像↡得↢無量福↡。況復観↢仏具足身相↡。」

^¬*弥陀みだゆいきょう¼ にのたまはく、 「もし*転輪てんりんのう千万せんまんざいのうちに*てんてる七宝しっぽうをもつて十方じっぽう諸仏しょぶつ布施ふせせんも、 *苾蒭びっしゅ苾蒭びっしゅ*優婆うばそく*優婆うばとうの、 ひとたび*だんするあひだもぜんして、 びょうどうしんをもつて一切いっさいしゅじょう憐愍れんみんして、 弥陀みだぶつねんずるどくにはしかじ」 と。 じょう滅罪めつざいしょうぜん

¬阿弥陀思惟経¼云、「若転輪王、千万歳中満↢四天下↡七宝布↢施シタテマツラムハ十方諸仏↡、不↠如↧苾蒭・苾蒭尼・優婆塞・優婆夷等、一弾指セム坐禅、以↢平等心↡憐↢愍一切衆生↡、念ゼム↢阿弥陀仏↡功徳↥。」已上滅罪生善

→ⒶⒷ

・冥得護持

^¬*しょうさんじょうきょう¼ にのたまはく、 「あるいは善男ぜんなん、 あるいはぜん女人にょにんりょう寿じゅ極楽ごくらくかい清浄しょうじょうぶつどくしょうごんにおいて、 もしはすでにがんおこし、 もしはまさにがんおこすべく、 もしはいまがんおこすは、 かならずかくのごとく、 十方じっぽうめんじゅうしたまへるじゅうごうしゃ諸仏しょぶつそんの、 *しょうじゅしたまふところたらん。 せつのごとくぎょうずるものは、 一切いっさいさだめてのくだいにおいて退転たいてんせざることを一切いっさいさだめてりょう寿じゅぶつ極楽ごくらくかいうまれん」 と。

¬称讃浄土経¼云、「或善男子或善女人於↢無量寿極楽世界清浄仏土功徳荘厳↡、若已発↠願、若当↠発↠願、若今発↠願、必為↧如↠是住↢十方面↡十兢伽沙諸仏世尊之所↦摂受↥。如↠説行者、一切定於↢阿耨菩提↡得↠不↢退転↡。一切定生↢無量寿仏極楽世界↡。」

→ⒷⒸ

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「こうみょうあまねく十方じっぽうかい念仏ねんぶつしゅじょうらして、 *摂取せっしゅしててたまはず」 と。

¬観経¼云、「光明遍照↢十方世界念仏衆生↡、摂取不↠捨。」

^またのたまはく (観経)、 「りょう寿じゅぶつしんしゅにして、 かんおん大勢だいせいと、 つねにこのぎょうにんところらいしたまふ」 と。

又云、「無量寿仏化身無数、与↢観世音・大勢至↡常来↢至此行人之所↡。」

^¬*じゅうおうじょうきょう¼ (意) に、 しゃくそん弥陀みだぶつどくこくしょうごんとうきをはりてのたまはく、 「*しょうしんしょう信女しんにょ、 このきょう読誦どくじゅし、 このきょう流布るふし、 このきょうぎょうし、 このきょうほうぜず、 このきょうしんぎょうし、 このきょうようせん。 かくのごときひとともがらは、 このしんきょうによりて、 われ、 今日こんにちよりつねにさき*じゅうさつをしてこのひと護持ごじせしめ、 つねにこのひとをしてやまいなくなやみなく、 あく悪神あくじん、 またちゅうがいせず。 またこれをなやまさず、 また便たよりをざらしめん」 と。 じょうない*すい行住ぎょうじゅうしょところ、 みなことごとく安穏あんのんならしめん、 云々うんぬん

¬十往生経¼釈尊説↢阿弥陀仏功徳・国土荘厳等↡已云、「清信士・清信女、読↢誦是経↡、流↢布是経↡、恭↢敬是経↡、不↠謗↢是経↡、信↢楽是経↡、供↢養是経↡如↠是人輩、縁↢是信敬↡、我従↢今日↡常使↣前廿五菩薩護↢持是人↡常使↢是人無↠病無カラ悪鬼・悪神、亦不↢中害↡。亦不↠悩↠之、亦不↠得↠便。」已上乃至睡寤・行住・所至之処、皆悉安穏ナラシ、云々

^*とう (中国)しょのいはく、 「じゅうさつ弥陀みだぶつねんじ、 おうじょうねがふものをようせん」 と。

唐土諸師云、廿五菩薩擁↧護セムトイヘリ念↢阿弥陀仏↡、願↢往生↡者↥。

これまたかの ¬きょう¼ (十往生経)こころたがはず。 じゅうさつとは、 かんおんさつ大勢だいせいさつ薬王やくおうさつやくじょうさつげんさつほうざいさつ師子ししさつ陀羅だらさつくうぞうさつ徳蔵とくぞうさつ宝蔵ほうぞうさつ金蔵こんぞうさつ金剛こんごうぞうさつこうみょうおうさつ山海さんかいさつごんおうさつ衆宝しゅぼうおうさつ月光がっこうおうさつにっしょうおうさつ三昧さんまいおうさつじょうざいおうさつだいざいおうさつびゃく象王ぞうおうさつだいとくおうさつ辺身へんしんさつなり。

此亦不↠違↢彼¬経¼意↡也。廿五菩薩者、観世音菩薩・大勢至菩薩・薬王菩薩・薬上菩薩・普賢菩薩・法自在菩薩・師子吼菩薩・陀羅尼菩薩・虚空蔵菩薩・徳蔵菩薩・宝蔵菩薩・金蔵菩薩・金剛蔵菩薩・光明王菩薩・山海慧菩薩・華厳王菩薩・衆宝王菩薩・月光王菩薩・日照王菩薩・三昧王菩薩・定自在王菩薩・大自在王菩薩・白象王菩薩・大威徳王菩薩・无辺身菩薩也

云々 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
菩薩 ⒷⒸⒹⒺになし
→ⒹⒺ
金蔵菩薩 ◎になし(「金蔵菩薩落[歟]」と下欄註記)
→ⒹⒺ金[光]
 Ⓐになし

^¬*双巻そうかんぎょう¼ (大経・上) に、 かのぶつ本願ほんがん (第三十七願) にのたまはく、 「諸天しょてん人民にんみん、 わがみょうきて、 *たいげて、 *稽首けいしゅらいをなして、 かんしんぎょうして、 さつぎょうしゅせば、 諸天しょてんにんきょういたさずといふことなからん。 もししからずは、 しょうがくらじ」 と。 じょうみょうとく護持ごじ

¬双巻経¼彼仏本願云、「諸天・人民、聞↢我名字↡、五体投↠地、稽首作↠礼、歓喜信楽、修↢菩薩行↡、諸天・世人、莫↠不↠致↠敬。若不↠爾者、不↠取↢正覚↡。」已上冥得護持

・見仏

^*¬大集だいじつきょう¼ の 「げんぶん」 にのたまはく、 「善男ぜんなんぜん女人にょにん*たんねんし、 しんをもつぱらにして、 かの弥陀みだ如来にょらいおう*とうしょうがくおもひ、 かくのごとき相好そうごう、 かくのごとき*威儀いぎ、 かくのごとき大衆だいしゅ、 かくのごとき説法せっぽうを、 くがごとくねんし、 一心いっしん相続そうぞくしてだいみだれず、 あるいは一日いちにち、 あるいはまたいちせん。 かくのごとくして、 あるいは七日しちにちいたるまで、 わが所聞しょもんのごとくそくしてねんぜんがゆゑに、 このひと、 かならず弥陀みだ如来にょらいおうとうしょうがくたてまつらん。 もしひるときたてまつることあたはずは、 もしはぶんにおいて、 あるいはゆめのうちに、 弥陀みだぶつはかならずまさにげんじたまふべし」 と

¬大集経¼「賢護分」云、「善男子・善女人、端坐繋念専↠心想↢彼阿弥陀如来・応供・等覚、如↠是相好、如↠是威儀、如↠是大衆、如↠是説法、如シテ↠聞繋念一心相続次第不↠乱、或経↢一日↡、或復一夜如↠是或至ルマデ↢七日七夜↡、如↢我所聞↡具足念故、是人、必覩↢阿弥陀如来・応供・等正覚↡。若於昼時不↠能↠見者、若於↢夜分↡、或夢中マレ、阿弥陀仏必当↠現也。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ等[正]
→ⒷⒸ也[已上]

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「けんびゃくごうるものは、 八万はちまんせん相好そうごうねんにまさにつべし。 りょう寿じゅぶつるものは、 すなはち十方じっぽうりょう諸仏しょぶつたてまつるなり。 十方じっぽうりょう諸仏しょぶつたてまつることをるがゆゑに、 諸仏しょぶつ現前げんぜん*じゅせん。 これをあまねく一切いっさい色相しきそうかんずとなす」 と。 じょう見仏けんぶつ

¬観経¼云、「見↢眉間白毫↡者、八万四千相好、自然当↠見。見↢無量寿仏↡者、即見↢十方無量諸仏↡。得↠見↢十方無量諸仏↡故、諸仏現前授記。是為↣遍観↢一切色相↡。」已上見仏

十方 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

・将来勝利

^¬*おんじょうおうきょう¼ にのたまはく、 「じゅうにちじゅう*ろくねんをもつぱらにし、 たいげてかのぶつ*らいきょうし、 けんしょうねんにしてことごとく散乱さんらんのぞき、 もしはよくしんねんじ、 念々ねんねんえずは、 じゅうにちのうちにかならずかの弥陀みだぶつたてまつることを、 ならびに十方じっぽうかい如来にょらいおよびしょじゅうところたてまつらん。 ただ*重障じゅうしょう鈍根どんこんひとをばのぞく。 いまのしょうにおいてたてまつることあたはざるところなり。 一切いっさいのもろもろのぜんをみなことごとくこうして、 安楽あんらくかいおうじょうすることをんとがんぜば、 おわらんとするに、 弥陀みだぶつ、 もろもろの大衆だいしゅとそのひとまえげんじて、 *あん*しょうぜんしたまはん。 このひと、 すなはちのときにはなはだきょうえつをなさん。 この因縁いんねんをもつて、 その所願しょがんのごとく、 すなはちおうじょうすることをん」 と。

¬鼓音声王経¼云、「十日十夜、六時専↠念、五体投↠地礼↢敬彼仏↡、堅固正念悉除↢散乱↡、若能念念々不↠絶、十日之中必得テム見↢彼阿弥陀仏↡、アハセテルコトヲ十方世界如来及所住処↥。唯除↢重障・鈍根之人↡。於↢今少時↡所ナリトモ↠不↠能↠覩一切諸善皆悉廻向、願↠得↣往↢生安楽世界↡、↠終之日、阿弥陀仏与↢諸大衆↡現↢其人前↡、安喩称善。是人即時甚生↢慶悦↡。以↢是因縁↡、如↢其所願↡、即得↢往生↡。」

→ⒷⒸ

^¬*びょう等覚どうがくきょう¼ (三) にのたまはく、 「ぶつののたまはく、 ªかならずまさに斎戒さいかいして、 一心いっしん清浄しょうじょうにしてちゅうにつねにねんじ、 *りょう清浄しょうじょうぶつくにうまれんとおもひて、 じゅうにちじゅう断絶だんぜつせざるべし。 われ、 みなこれ*みんして、 ことごとくりょう清浄しょうじょうぶつくにしょうぜしめんº」 と。 ない一日いちにちいちもまたかくのごとし。 あるいは、 このもんをもつて*しもしょぎょうもんのなかにくべし。

¬平等覚経¼云、「仏言、要当↧斎戒一心清浄昼夜常念、欲↠生↢無量清浄仏国↡、十日十夜不↦断絶↥。我皆慈↢愍之↡、悉令↠生↢無量清浄仏国↡。」乃至一日一夜亦如↠是。或、可↧以↢此文↡置↦下諸行門中↥

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)にのたまはく、

そのぶつ*本願ほんがんりきありて、 みなきておうじょうせんとおもへば、

みなことごとくかのくにいたりて、 おのづから*退転たいてんいたる」 と。

¬双巻経¼偈云、「其仏本願力、聞↠名欲フハ↢往生↡、皆悉到↢彼国↡、自致↢不退転↡。」

^¬かんぎょう¼ のぼん上生じょうしょうにんは、 命終みょうじゅうときのぞみて、 *たなごころあわあざへて 「南無なも弥陀みだぶつ」 としょうすれば、 ぶつみなしょうするがゆゑに、 じゅう億劫おくこうしょうつみのぞき、 ぶつしりえしたがひて、 ほうのなかにうまる。

¬観経¼下品上生人、臨↢命終時↡、合↠掌叉↠手称↢南無阿弥陀仏↡、称↢仏名↡故、除↢五十億劫生死之罪↡、従↢化仏後↡、生↢宝池中↡。

^おなじきほん中生ちゅうしょうにんは、 命終みょうじゅうときのぞみて、 ごくみょういちにともにいたらんに、 弥陀みだぶつ*じゅうりきとく*こうみょう神力じんりき*かいじょうだつけんけば、 はちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞき、 ごくみょうして清涼しょうりょうかぜとなりて、 もろもろのてんはなく。 はなうえにみなぶつさつましまして、 このひと*こうしょうして、 すなはちおうじょうすることをしめたまふ。

ジキ中生人、臨命終時、地獄猛火一時倶至キテ↢弥陀仏十力威徳、光明神力、戒・定・慧・解脱・知見↡、除↢八十億劫生死之罪↡、地獄猛火化為↢清涼風↡、吹↢諸天華↡。華上皆有↢化仏・菩薩↡、迎↢接此人↡、即得↢往生↡。

→ⒶⒹⒺ

^おなじきほんしょうにんは、 命終みょうじゅうときのぞみて、 められてぶつねんずることあたはず。 *ぜんおしえしたがひて、 ただしんいたしてこえをしてえざらしめ、 *じゅうねんそくして 「南無なもりょう寿じゅぶつ」 としょうすれば、 ぶつみなしょうするがゆゑに、 念々ねんねんのうちにはちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞき、 *一念いちねんのあひだのごときにすなはちおうじょうすることを

同品下生人、臨↢命終時↡、苦逼レテ不↠能↠念ズル↠仏。随↢善友教↡、但至↠心令↢声不↟絶、具↢足十念↡称↢南無無量寿仏↡、称↢仏名↡故、於↢念々中↡除↢八十億劫生死之罪↡、如↢一念項↡即得↢往生↡。

→◎量[量]
→ⒸⒹⒺ

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・上) に、 かのぶつ本願ほんがんにのたまはく、 「ª諸仏しょぶつかいしゅじょうたぐい、 わがみょうきて、 さつ*しょう法忍ぼうにん、 もろもろの*深総じんそうずといはば、 しょうがくらじº (第三十四願) と。 ªほうこくのもろもろのさつしゅ、 わがみょうきて、 すなはち退転たいてんいたることをずといはば、 しょうがくらじº (第四十七願)」 と。

¬双巻経¼、彼仏本願云、「諸仏世界衆生之類、聞↢我名字↡、不↠得↢菩薩無生法忍、諸深総持↡者、不↠取↢正覚↡。他方国土諸菩薩衆、聞↢我名字↡、不↢即得↟至↢不退転↡者、不↠取↢正覚↡。」

即得→Ⓐ得即

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「もしぶつねんずるものは、 まさにるべし、 このひとはこれにんちゅう*ふん陀利だりなり。 *かんおんさつ*大勢だいせいさつ、 その*しょうとならん。 まさに*どうじょうし、 *諸仏しょぶついえうまるべし」 と。 じょうしょうらいしょうなり。 かみべつ念仏ねんぶつもんのごとし。

¬観経¼云、「若念↠仏者、当↠知、此人是人中分陀利華。観世音菩薩・大勢菩薩、為↢其勝友↡。当↧坐↢道場↡、生↦諸仏家↥。」已上将来勝利。余如↢上別時念仏門↡

→ⒶⒷⒸⒹⒺ勢[至]

二 Ⅶ 引例勧信

【64】^だいろく*引例いんれい勧信かんしんといふは、

第六引例勧信者、

^¬観仏かんぶつきょう¼ のだい(意) に、 ぶつ、 もろもろの*しゃくげてのたまはく、 「*毘婆尸びばしぶつ*像法ぞうぼうのうちにいちちょうじゃありき、 づけて月徳がっとくといひき。 ひゃくありき、 おなじくおもやまいへり。 ちちまえいたりて涕涙ているいがっしょうして、 もろもろのかたらひていはく、 ªなんぢら、 邪見じゃけんにして*しょうぼうしんぜず。 いまじょうかたな、 なんぢがむとも、 なんのたのむところありとかせん。 ぶつそんまします、 毘婆尸びばしづく。 なんぢ、 ぶつしょうすべしº と。

¬観仏経¼第三、仏告↢諸釈子↡言、「毘婆尸仏像法中有↢一長者↡、名曰↢月徳↡。有↢五百子↡、同遇↢重病↡。父致↢子前↡涕涙合掌、語↢諸子↡言ヒシ、汝等邪見不↠信↢正法↡。今無常刀截↢切トモ汝身↡為↢何所↟怙。有↢仏世尊↡、名↢毘婆尸↡。汝可↠称↠仏。

もろもろのきをはりて、 そのちちうやまふがゆゑに ª南無なもぶつº としょうしき。 ちちまたげていはく、 ªなんぢ、 ほうしょうすべし、 なんぢ、 そうしょうすべしº と。 いまだたびしょうするにおよばずして、 その命終みょうじゅうしき。 ぶつしょうせしをもつてのゆゑに*天王てんのうところうまれき。 てんじょう寿じゅきて、 さき邪見じゃけんごうをもつてだいごくちき。 獄率ごくそつせつ熱鉄ねつてつひしをもつてそのまなこやぶりき。 このけしときに、 ちちちょうじゃきょうせしところのおくして、 ぶつねんぜしをもつてのゆゑに、 かえりてにんちゅうしょうじき。

諸子聞已、敬↢其父↡故称↢南無仏↡。父復告言、汝可↠称↠法、汝可↠称↠僧。未↠及↢三称↡、其子命終。以↠称↠仏故生↢四天王所↡。天上寿尽、前邪見業堕↢大地獄↡。獄卒羅刹以↢熱鉄扠↡刺↢壊其眼↡。受↢是苦↡時、憶↧父長者所↢教誨↡事↥、以↠念↠仏故、還生↢人中↡。

*尸棄しきぶつでたまへりしに、 ただぶつみなきて、 ぶつかたちたてまつらざりき。 ない*しょうぶつときにもまたそのみなきき。 六仏ろくぶつみなきし因縁いんねんをもつてのゆゑに、 われ (釈尊)おなじくしょうぜり。 このもろもろの比丘びくぜんときに、 悪心あくしんをもつてのゆゑにぶつしょうぼうほうぜしも、 ただちちのためのゆゑに ª南無なもぶつº としょうせしをもつて、 生々しょうじょうにつねに諸仏しょぶつみなくことをないこんにわがでたるにぐうして、 もろもろのさわりのぞこるがゆゑに*阿羅あらかんとなれり」 と。

尸棄仏出、但聞↢仏名↡、不↠覩↢仏形↡。乃至迦葉仏時亦聞↢其名↡。以↧聞↢六仏名↡因縁↥故、与↠我同生。是諸比丘、前世之時、以↢悪心↡故謗ジキ↢仏正法↡但為↠父故称↢南無仏↡、生々常得↠聞↢諸仏名↡、乃至今世値↢遇我出↡、諸障除故成↢阿羅漢↡。」

→ⒷⒸ
→Ⓔ

^またのたまはく (観仏経・意)、 「*燃灯ねんとうぶつ末法まっぽうのうちにいちかんありき。 そのせん弟子でしかんせつきて、 しん瞋恨しんごんしょうじき。 寿じゅ*修短しゅたんしたがひておのおの命終みょうじゅうせんとほっせしに、 かんおしへて ª南無なも諸仏しょぶつº としょうせしめき。 すでにぶつしょうしをはりて*とうてんしょうずることをてき。 らいにまさにぶつることをべし、 南無なもこうしょうごうせん」 と。

又云、「燃灯仏末法之中有↢一羅漢↡。其千弟子聞↢羅漢説↡、心生↢瞋恨↡。随↢寿修短↡各欲↢命終↡、羅漢教称↢南無諸仏↡。既称↠仏已得↠生↢忉利天↡。 於↢未来世↡当↠得↠作↠仏、号↢南無光照↡。」

→Ⓐ

^だい七巻しちかん (観仏経・意) に、 文殊もんじゅみづからけり、 過去かこほうとくぶつぐう礼拝らいはいせしことを。 「そのときに、 *しゃもんぶつさんじてのたまはく、 ªきかな、 きかな。 *文殊もんじゅ師利しり、 すなはちむかしときひとたびぶつらいせしがゆゑに、 そこばくのしゅ諸仏しょぶつふことをてき。 いかにいはんや、 らいにわがもろもろの弟子でしの、 つとめてぶつかんずるものをやº と。 ぶつなんちょくしたまはく、 ªなんぢ、 文殊もんじゅ師利しりたもちて、 あまねく大衆だいしゅおよびらいしゅじょうげよ。 もしはよく礼拝らいはいするもの、 もしはよくぶつねんずるもの、 もしはよくぶつかんずるもの、 まさにるべし、 このひとは、 文殊もんじゅ師利しりひとしくしてことなることあることなからん。 てて、 他世たせに、 文殊もんじゅ師利しりとうのもろもろのだいさつ、 その和上わじょうとなりたまはんº」 と。

第七巻、文殊自説カク於値↢遇礼↣拝シキ過去宝威徳仏↡。「爾時、釈迦文仏讃言、善哉善哉。文殊師利、乃於↢昔時↡一礼↠仏故スラ、得↠値↢爾許無数諸仏↡。何況未来我諸弟子、勤観↠仏者。仏勅↢阿難↡、汝持↢文殊師利コト↡、遍告↢大衆及未来世衆生↡。若能礼拝者、若能念↠仏者、若能観↠仏者、当↠知、此人与↢文殊師利↡等無↠有↠異。捨↠身他世文殊師利等諸大菩薩、為↢其和上↡。」

 ⒹⒺになし
若能観仏者 Ⓐになし

^またのたまはく (観仏経・意)、 「ときに、 十方じっぽうぶつきたりて*跏趺かふしてしたまへり。 東方とうぼう善徳ぜんとくぶつ大衆だいしゅげてのたまはく、 ªわれ、 過去かこりょうときおもへば、 ぶつの、 でたまへることありき。 ほうとく上王じょうおうぶつごうしき。 とき比丘びくありき。 弟子でし*仏塔ぶっとう往詣おうげいして、 仏像ぶつぞう礼拝らいはいしき。 いち宝像ほうぞう厳顕ごんけんにしてかんじつべきをて、 らいしをはりて、 あきらかにて、 きて讃嘆さんだんしき。 のちとき命終みょうじゅうして、 ことごとく東方とうぼうほうとく上王じょうおうぶつくにうまれて、 だいれんのなかに*けっ趺坐ふざして、 忽然こつねんとして化生けしょうしき。

又云、「時十方仏来跏趺坐。東方善徳仏告↢大衆↡言、我念↢過去無量世時↡、有↢仏出↟世。号↢宝威徳上王仏↡。時有↢比丘↡。与↢九弟子↡往↢詣仏塔↡、礼↢拝仏像↡。見↢一宝像厳顕可↟観、礼已諦視、説↠偈讃嘆。後時命終、悉生↢東方宝威徳上王仏国↡、大蓮華中シテ結跏趺坐、忽然化生。

これより以後のち、 つねにぶつふことを諸仏しょぶつみもとにしてきよ*梵行ぼんぎょうしゅし、 念仏ねんぶつ三昧ざんまいてき。 三昧さんまいをはりしかば、 ぶつ、 ためにじゅしたまひき。 «十方じっぽうめんにおのおのぶつになることをん» と。 東方とうぼう善徳ぜんとくぶつはすなはちわがこれなり。 東南方とうなんぽう無憂むうとくぶつ南方なんぽう栴檀せんだんとくぶつ西南方さいなんぽうほうぶつ西方さいほうりょうみょうぶつ西北方さいほっぽうとくぶつ北方ほっぽう相徳そうとくぶつ東北方とうほっぽうさん乗行じょうぎょうぶつじょうほう広衆徳こうしゅとくぶつほう明徳みょうとくぶつ、 かくのごときじゅうぶつは、 過去かことうらいし、 ぞうかんじ、 一をもつて讃嘆さんだんせるによりて、 いま十方じっぽうにしておのおのぶつになることをたるなりº と。 このきをはりて、 しゃもんぶつ問訊もんじんしたまふ。 すでに問訊もんじんしをはりて、 だいこうみょうはなちて、 おのおの本国ほんごくかえりたまひぬ」 と。

従↠此已後、恒得↠値↠仏、於↢諸仏所↡浄修↢梵行↡、得↢念仏三昧↡。得↢三昧↡已、仏為授記。於↢十方面↡各得↠成↠仏。東方善徳仏者則我身是。東南方無憂徳仏、南方旃檀徳仏、西南方宝施仏、西方無量明仏、西北方華徳仏、北方相徳仏、東北方三乗行仏、上方広衆徳仏、下方明徳仏ナリ如↠是十仏、由↢過去礼↠塔、観↠像、一偈讃嘆↡、今於↢十方↡各得↠成↠仏。説↢是コト↡已、問↢訊釈迦文仏↡。既問訊已、放↢大光明↡、各還↢本国↡。」

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
仏於諸仏→Ⓐ諸仏於
→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^またのたまはく (観仏経)、 「*ぶつそんそらよりくだりてしゃもんぶつゆかして、 さんじてのたまはく、 ªきかな、 きかな。 すなはちよくらいとき濁悪じょくあくしゅじょうのために、 さんぶつびゃくごうこうみょうきて、 もろもろのしゅじょうをしてざいめっすることをしめたまふ。

又云、「四仏世尊従↠空而下坐↢釈迦文仏床↡、讃言、善哉善哉。乃能為↢於未来之時濁悪衆生↡、説↢三世仏白毫光明↡、令↢諸衆生得↟滅↢罪咎↡。

所以ゆえんはいかん。 われ昔曽むかしをおもんみれば、 空王くうおうぶつみもとにしてしゅっしてどうがくしき。 とき比丘びくあり。 ともに同学どうがくとなりて、 ぶつしょうぼうならひき。 煩悩ぼんのうしんおおひて、 かた仏法ぶっぽう宝蔵ほうぞうたもつことあたはず、 ぜんごうおおくして、 まさに悪道あくどうつべし。 くうちゅうこえありて、 比丘びくかたりていはく、 «空王くうおう如来にょらいはまた*はんしたまひにき。 なんぢが所犯しょぼんすくふものなしとおもへりといへども、 なんぢら、 いまとうりてぞうかんずべし。 ぶつざいひとしくしてあることなからん» と。

所以者何。念↢我昔ムカシ空王仏所出家学↠道。時四比丘アリ共為↢同学↡、習↢仏正法↡。煩悩覆↠心、不シテ↠能↣堅持↢仏法宝蔵↡、多↢不善業↡、当↠堕↢悪道↡。空中有↠声、語↢比丘↡言、空王如来雖↢復涅槃汝之所犯謂↟無↢救者↡、汝等今可↢入↠塔観↟像。与↢仏在世↡等無↠有↠異。

われ、 そらこえしたがひてとうり、 ぞうけんびゃくごうかんじて、 すなはちこのねんをなさく、 «如来にょらいざいこうみょう色身しきしんは、 これとなんぞことならん。 ぶつ大人相だいにんそうねがはくはわがつみのぞきたまへ» と。 このをなしをはりて、 大山だいせんくずるるがごとくにしてたいげて、 もろもろのつみ*さんしき。 これより以後のちはちじゅうおくそうこう悪道あくどうちず、 生々しょうじょうにつねに十方じっぽう諸仏しょぶつたてまつり、 諸仏しょぶつみもとにして甚深じんじん念仏ねんぶつ三昧ざんまいじゅしき。 三昧さんまいをはりて、 諸仏しょぶつ現前げんぜんして、 われに*べつさずけたまひき。

我従↢空声↡入↠塔、観↢像眉間白毫↡、即作↢是念↡、如来在世光明色身、与↠此何異。仏大人相、願除↢我罪↡。作↢是コト↡已、如↢大山崩↡五体投↠地、懴↢悔諸罪↡。従↠是已後、八十億阿僧祇劫不リキ↠堕↢悪道↡、生々常見タテマツリ↢十方諸仏↡於↢諸仏所↡受↢持甚深念仏三昧↡。得↢三昧↡已、諸仏現前、授↢我記別↡。

東方とうぼうみょうこくしゅくぶつは、 すなはち第一だいいち比丘びくこれなり。 南方なんぽうかんこく宝相ほうそうぶつは、 すなはちだい比丘びくこれなり。 西方さいほう極楽ごくらくこくりょう寿じゅぶつは、 だいさん比丘びくこれなり。 北方ほっぽうれんしょうごんこくみょうしょうぶつは、 だい比丘びくこれなりº と。 ときに、 如来にょらいおのおのみぎみてべて、 なんいただきで、 てのたまはく、 ªなんぢ、 ぶつたもちて、 ひろらいのもろもろのしゅじょうのためにけº と。 たびこれをきをはりて、 おのおのこうみょうはなちて、 本国ほんごくげんしたまひにき」 と。

東方妙喜国阿閦仏、即第一比丘是。南方歓喜国宝相仏、即第二比丘是。西方極楽国無量寿仏、第三比丘是。北方蓮華荘厳国微妙声仏、第四比丘是。時四如来各申↢右手↡、摩↢阿難頂↡、告言、汝持↢仏語↡、広為↢未来諸衆生↡説。三説↠此已、各放↢光明↡、還↢帰本国↡。」

 ⒷⒸになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓔ

^またのたまはく (観仏経)、 「財首ざいしゅさつぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 われ過去かこりょうときおもへば、 ぶつそんましましき、 またしゃ牟尼むにづけたてまつりき。 かのぶつめついちおうありき、 づけて金幢こんどうといひき。 *きょうまん邪見じゃけんにしてしょうぼうしんぜざりき。 *しき比丘びくありき、 じょうざいづくるもの、 おうげていはく、 «仏像ぶつぞうまします、 衆宝しゅぼうをもつて*厳飾ごんじきせり。 しばらくとうりて、 ぶつぎょうぞうかんずべし» と。

又云、「財首菩薩白↠仏言、世尊、我念↢過去無量世、時有↢仏世尊↡、亦名↢釈迦牟尼↡。彼仏滅後有↢一王子↡、名曰↢金幢↡。憍慢邪見不↠信↢正法↡。知識比丘アリキクルモノ↢定自在↡、告↢王子↡言ヒシ、世有↢仏像↡、衆宝ヲモテ厳飾。可↣暫入↠塔観↢仏形像↡。

ときにかのおうぜんしたがひて、 とうりてぞうかんじき。 ぞう相好そうごうて、 比丘びくにまうさく、 «仏像ぶつぞう端厳たんごんなること、 なほかくのごとし。 いはんやぶつ真身しんしんをや» と。 比丘びくげていはく、 «なんぢ、 いまぞうるに、 らいすることあたはずは、 まさに "南無なもぶつ" としょうすべし» と。 このときに、 おうがっしょうぎょうして、 "南無なもぶつ" としょうしき。 かえりて、 ねんけてとうのなかのぞうねんずるに、 すなはち*後夜ごやゆめ仏像ぶつぞうき。 仏像ぶつぞうしがゆゑに、 しんおおきにかんし、 邪見じゃけんしゃして、 三宝さんぼう帰依きえしき。

時彼王子随↢善友コト↡、入↠塔観↠像。見↢像相好↡、白言、比丘、仏像端厳猶尚如↠此。況仏真身。比丘告言ヒシ、汝今見↠像、不↠能↠礼者、当↠称↢南無仏↡。是時、王子合掌恭敬称↢南無仏↡。還↠宮、繋↠念念↢塔中像↡、即於↢後夜↡夢見↢仏像↡。見↢仏像↡故、心大歓喜、捨↢離邪見↡、帰↢依三宝↡。

寿じゅみょうおわるにしたがひて、 さきとうりて "南無なもぶつ" としょうせし因縁いんねんどくによりて、 ひゃく万億まんおく那由なゆぶつひて、 甚深じんじん念仏ねんぶつ三昧ざんまい*逮得たいとくせり。 三昧さんまいりきのゆゑに、 諸仏しょぶつ現前げんぜんして、 それがためにさずけたまひき。 これよりこのかた百万ひゃくまんそうこう悪道あくどうせざりき。 ない今日こんにち甚深じんじん*しゅりょうごん三昧ざんまい獲得ぎゃくとくせり。 そのときおうは、 いまのわれ、 財首ざいしゅこれなりº」 と。

随↢寿命終↡、由↧前入↠塔称↢南無仏↡因縁功徳↥、値↢九百万億那由他仏↡、逮↢得甚深念仏三昧↡。三昧力故、諸仏現前為↠其授↠記。従↠是已来百万阿僧祇劫、不↠堕↢悪道↡。乃至今日、獲↢得甚深首楞厳三昧↡。爾時王子、今我、財首是也。」

 ⒶⒷⒸⒹになし
→Ⓐ尼[仏]
→Ⓔ
→ⒹⒺ礼[念]
百万→Ⓐ

^またのたまはく (観仏経)、 「ぶつののたまはく、 ªわれ、 *賢劫げんごうのもろもろのさつと、 むかし過去かこ栴檀窟せんだんくつぶつみもとにして、 この諸仏しょぶつ色身しきしんへん観仏かんぶつ三昧ざんまいかいけり。 この因縁いんねんどくりきをもつてのゆゑに、 ひゃく万億まんおくそうこうしょうつみ超越ちょうおつして、 この賢劫げんごうにしてだいぶつになる。 かくのごとく、 十方じっぽうりょう諸仏しょぶつもみなこのほうによりて*さんだいじょうじたまふº」 と。

又云、「仏言、我与↢賢劫諸菩薩↡、曽於↢過去旃檀窟仏所↡、聞キテ↢是諸仏色身・変化、観仏三昧海↡以↢是因縁功徳力↡故、超↢越九百万億阿僧祇劫生死之罪↡、於↢此賢劫↡次第成↠仏。 如↠是、十方無量諸仏皆由↢此法↡成↢三菩提↡。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓒ

^¬*しょうきょう¼ (意) にのたまはく、 「むかし過去かこおんそうこうに、 ぶつでたまへることありき。 ごうしてこうみょうとまうしき。 *にゅうはんのちに、 いちさつありき。 だいしょうじんづけき。 としはじめてじゅうろくにして、 *婆羅ばらもんしゅなり。 *たんじょうなることならびなし。 いち比丘びくありて、 白畳びゃくじょううえぶつぎょうぞうえがきて、 たもちてしょうじんあたへき。 しょうじんそうて、 しんおおきにかんして、 かくのごときごんをなさく、 ª如来にょらいぎょうぞうすら妙好みょうこうなること、 なほしかり。 いはんやまたぶつしんをや。 ねがはくは、 われ、 らいにまたかくのごとき妙身みょうしんじょうじゅすることをんº と。

¬迦葉経¼云、「昔過去久遠阿僧祇劫、有↢仏出↟世。号曰↢光明↡。入涅槃後、有↢一菩薩↡。名↢大精進↡。年始十六、婆羅門種トシテ端正無↠比。有↢一比丘↡、於↢白畳上↡画↢仏形像↡、持与↢精進↡。精進見↠像心大歓喜、作↢如↠是コト↡、如来形像スラ妙好乃爾。況復仏身。願我、未来亦得↣成↢就如↠是妙身↡。

いひをはりてねんすらく、 ªわれもしいえにあらば、 このることかたしº と。 すなはち父母ぶもにまうして、 あわれみをもとめ、 しゅっせんとせしに、 父母ぶもこたへていはく、 ªわれいまとしいたり、 ただなんぢいっあるのみ。 なんぢもししゅっしなば、 われらまさにぬべしº と。 父母ぶもにまうさく、 ªもしわれをゆるしたまはずは、 われ今日こんにちよりおんせじ、 じきせじ、 じょうのぼらじ、 また言説ごんせつせじº と。 このちかいをなしをはりて、 一日いちにちじきせずして、 すなはち六日ろくにちいたる。 父母ぶも*しき八万はちまんせんのもろもろの*婇女さいにょとうどうきゅうして、 だいしょうじんらいして、 いでしゅっゆるしき。

言已思念セシ、我若在↠家、此身叵ケム↠得。即啓↢父母↡、求シキ出家セムコトヲ↡。父母答言、我今年老、唯汝一子ノミアリ。汝若出家、我等当↠死。子白↢父母↡、若不↠聴↠我者、我従↢今日↡不↠飲、不↠食、不↠昇↢床座↡、亦不↢言説↡。作↢是誓↡已、一日不シテ↠食、乃六日マデニス。父母・知識・八万四千諸婇女等、同時悲泣、礼↢大精進↡、尋ギテ聴↢出家↡。

すでにしゅっすることをぞうしてやまり、 くさりてとなし、 ぞうまえにありてけっ趺坐ふざし、 一心いっしんにあきらかにかんぜり。 ªこのぞう如来にょらいことならず。 ぞうかくにあらず、 にあらず。 一切いっさい諸法しょほうもまたかくのごとし。 そうなく、 そうはなれたり。 たいしょうくうじゃくなりº と。 このかんをなしをはりてにちて、 *つうじょうじゅし、 *りょうそくし、 *無礙むげべん*こう三昧ざんまいて、 だいこうみょうせり。

既得↢出家↡、持↠像入↠山取↠草為↠座、在↢画像前↡結跏趺坐、一心諦、観ジキ此画像ルコトヲ↟異↢如来↡。像者非↠覚、非↠知。一切諸法亦復如↠是。无↠相、離↠相。体性空寂。作↢是観↡已経↢於日夜↡、成↢就五通↡、具↢足无量↡、得↢无礙弁↡、得↢普光三昧↡、具↢大光明↡

じょう天眼てんげんをもつて東方とうぼうそうぶつたてまつり、 じょうてんをもつてぶつ所説しょせつきて、 ことごとくよくちょうじゅしき。 七月しちがつ満足まんぞくするまで、 をもつてじきとなしき。 一切いっさい諸天しょてんはなさんじてようしき。 やまよりでて村落そんらくらいして、 ひとのためにほうくに、 まんしゅじょう提心だいしんおこし、 りょうそうにんは、 しょうもん縁覚えんがくどくじゅうし、 父母ぶも親眷しんけんもみな、 *退たいじょうだいじゅうしき。

以↢浄天眼↡見↢於東方阿僧祇仏↡、以↢浄天耳↡聞↢仏所説↡、悉能聴受。満↢足スルマデ七月↡、以↠智為↠食。一切諸天散↠華供養。従↠山而出来↢至村落↡、為↠人説↠法、二万衆生発↢菩提心↡、无量阿僧祇人↢於声聞・縁覚功徳↡父母・親眷、皆住↢不退無上菩提↡。

ぶつしょうげたまはく、 ªむかしだいしょうじんは、 いまのわがこれなり。 このぞうかんぜしによりて、 いまぶつになることをたり。 もしひとありて、 よくかくのごときかんがくせば、 らいにかならずまさに*じょうどうじょうずべしº」 と。

仏告↢迦葉↡、昔大精進、今我身是。由↢此観↟像、今得↠成↠仏。若有↠人能学↢如↠此観↡、未来必当↠成↢无上道↡。」

名大精進 ⒹⒺになし
 Ⓓになし
→Ⓔ
→ⒸⒺ足[四]
→ⒶⒹ→Ⓔ

^¬*譬喩ひゆきょう¼ のだいにのたまはく、 「むかし比丘びくありき。 そのははせんとほっせしに、 ははすでにみょうしぬ。 すなはち*道眼どうげんをもつててんじょうにんちゅう*擒狩きんしゅ*薜茘へいれいのなかにしゃくするに、 つひにこれをず。 *ないかんずるに、 ははがなかにあるをて、 すなはち*懊惋おうえんあいして、 ひろ方便ほうべんもとめて、 そのだっせんとおもひき。

¬譬喩経¼第二云、「昔有↢比丘↡。欲シキ↠度↢其母↡母已命過。便以↢道眼↡天上・人中・擒狩・薜茘中求索、了不↠見↠之。観ジテ↢於泥梨↡、見↢母在↟中、便懊惋悲哀、広求↢方便↡、欲↠脱↢其苦↡。

ときへんきょうおうありき。 ちちがいしてくにうばひてき。 比丘びく、 このおういのちあま七日しちにちありて、 つみくるところは、 比丘びくははおなじく一処いっしょにあらんとりて、 よる*安靖あんせいときに、 おうねむれるところいたりて、 かべ穿うがちて半身はんしんげんず。 おうぢてかたなきてかしらる。 かしらすなはちちぬれども、 そのところもとのごとし。 これをること数反しゅへんするに、 *かしらつれども、 比丘びくうごかず。

時辺境有↠王。害↠父奪↠国。比丘知↧此王命↢七日↡、受↠罪之地与↢比丘母↡同在↦一処↥、夜安靖時、到↢王寝処↡、穿↠壁現↢半身↡。王怖抜↠ツルギ斫↠頭。頭即落チヌレドモ↠地其処如↠故。斫↠之数反、化頭満チヌ↠地比丘不↠動。

おうこころにすなはちさとりて、 その*じょうなることをりぬ。 *こうべたたきてとがしゃす。 比丘びくのいはく、 ªおそるることなかれ、 づることなかれ。 あひんとほっするのみ。 なんぢ、 ちちがいしてくにうばへりやいなやº と。 こたへていはく、 ªじつにしかり。 ねがはくは慈救じくせられよº と。 比丘びくのいはく、 ªだいどくをなすとも、 おそらくはあひおよばざらんか。 おう、 まさに南無なもぶつしょうすべし。 七日しちにちえずは、 すなはちつみまぬかるることをてんº と。 かさねて、 これにげていはく、 ªつつしみてこのほうわするることなかれº と。 すなはちびてりぬ。

王意乃解、知↢其非常↡。叩↠頭謝↠過。比丘言ヒシ莫↠恐、莫↠怖。欲フラク↢相度↡耳。汝害↠父奪↠国不耶。対曰、実爾。願見↢慈救↡。比丘曰、作↢大功徳↡、恐不↢相及↡。王当↧称シテ↢南無仏↡七日不↠絶、便得↞免↠罪。重告↠之曰、慎莫↠忘ベキコト↢此法↡。即便飛去。

おうすなはち*あざへて一心いっしんに ª南無なもぶつº としょうせつすること、 ちゅうおこたらず、 七日しちにちありて命終みょうじゅうして、 ˆおうのˇ *魂神ごんじんないもんかひて ª南無なもぶつº としょうす。 ないのなかのひとぶつといふおんじょうきて、 みないちに ª南無なもぶつº といひしかば、 ないすなはちめにき。 比丘びく、 ためにほうきしかば、 比丘びくははおう、 およびないのなかのひと、 みなだつき。 のちおおきにしょうじんして、 しゅおんどうき」 と。 じょう諸文しょもんりゃくしてしょうす。

王便叉↠手一心シテ称↢シテ南無仏↡、昼夜不シテ↠懈、七日命終、魂神向↢泥梨門↡称↢南無仏↡。泥梨中人聞↢仏音声↡皆一時言↢南無仏↡、泥梨即冷。比丘為説↠法、比丘母・王及泥梨中人、皆得↢度脱↡。後大精進、得↢須陀洹道↡。」已上諸文、略抄

→ⒶⒷⒸⒹⒺ𤢌
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
便 ⒷⒸになし
→ⒹⒺ寝[殿]
→ⒹⒺ
莫恐 Ⓐになし
→ⒶⒹⒺ
→Ⓐ
→◎
→Ⓐ

^*¬*優婆うばそくかいきょう¼ にのたまはく、 「善男ぜんなん、 われもとむかし邪見じゃけんいえちたりき、 *惑網わくもうおのづからわれをおおへり。 われ、 そのときこうといへり。 つまみょうにょにして、 *しょうじんゆうみょうだつすることりょうにして、 *じゅうぜんをもつてどうしき。 われそのときに、 しん殺猟せつりょうをなしき。 酒肉しゅにくとんし、 *らんだいにして、 しょうじんすることあたはざりき。 つまときにわれにかたらはく、 ªそのりょうせつとどめ、 いまし酒肉しゅにくち、 つとめてしょうじんくわへて、 ごくのううれひをだっして、 てん上生じょうしょうして、 一処いっしょくみすることをよº と。

¬優婆塞戒経¼云、「善男子、我本往ムカシ堕↢邪見家↡、セラレタリキ自我ミヅカラ。我ヲバ↢爾時↡名ケテ↢広利↡ヲバケキ女精進↡。勇猛ナリキ、度脱スルコト無量ナリキ。十善化導。我於↢爾時↡心生↢殺猟↡。貪↢嗜酒肉↡、懶堕懈怠不↠能↢精進↡。妻時語↠我、止↢其猟殺↡戒テト↢酒肉↡、勤加↢精進↡、得↧脱↢地獄苦悩之患↡、上↢生天宮↡与↦一処↥。

われそのときにおいても殺心せっしんまず、 酒肉しゅにく美味びみをも割捨かっしゃすることあたはず、 しょうじんしんらんにしてすすまず、 てんのぞみをめ、 ごくぶんけたり。 われそのとき*聚落じゅらくのうちにし、 *そう伽藍ぎゃらんちかくして、 しばしばかねつをきき。 つまわれにかたりていはく、 ª事々じじあたはずは、 *けんしょうこえくとき、 たびだんしてひとたびぶつしょうせよ。 おさめてみづからかしこまり、 きょうまんしょうずることなかれ。 そのはんのごときも、 このほうはいすることなかれº と。

我於↢爾時↡殺心不↠止、酒肉美味不↠能↢割捨↡、精進之心懶堕不↠前、天宮息↠意、地獄分受。我於↢爾時↡居↢聚落内↡、近ヅケリキ↢僧伽藍↡数聞↠槌↠鍾。妻語↠我言ヒシ、事々不↠能コト鍾声↡、三弾指一称↠仏。斂↠身自恭マリ、莫↠生↢憍慢↡。如↢其夜半↡此法莫↠癈。

われすなはちこれをもちゐて、 また捨失しゃしつすることなかりき。 じゅうねんて、 そのつま命終みょうじゅうして、 とうてんうまれき。 かへりてのちさんねんありて、 われまた寿じゅきて、 *だんきょうせしに、 われをはんじてつみれて、 ごくもんかへき。 もんときあたりて、 かねさんしょうきしに、 われすなはち住立じゅうりゅうして、 しんかんをなし、 あいぎょうしていとはず。 ほうのごとくたびだんして、 ながこえをもつてぶつとなへき。 こえごとにみな慈悲じひありて、 *梵音ぼんのんほがらかにとおれりき。 *しゅきをはりて、 しんはなはだ*かんすらく、 ªこれしんさつなりけり。 いかんぞあやまりてはんぜるº と。 すなはち*遣追けんつい還送げんそうして、 てんじょうかしめき。

我即用↠之、無↢復捨失↡。経↢十二年↡其妻命終、生↢忉利天↡。却後三年、我亦寿尽経↢至断事↡、判↠我入↠罪、向↢地獄門↡。当↢入↠門時↡声↢三声↡、我即住立、心生↢歓喜↡、愛楽不シテ↠厭如↠法三弾指、長声唱↠仏。声皆慈悲ニシテ梵音朗徹。主事聞已、心甚愧感セシ、此真菩薩。云何錯判。即遣追シテシテ、往↢天上↡。

すでにき、 いたりをはりて、 たいげて、 わがつまらいきょうして、 まうさく、 ªだいさいわひにして大恩だいおんけて、 いま済抜さいばつせらる。 すなはちだいいたるまで教勅きょうちょくたがはじº」 と。

既往到已、五体投↠地、礼↢敬我妻↡白シテイヒシ、大師、幸シテクシテ大恩モテレタリ↢済抜↡。乃ルマデ菩提マデニ不↠違↢教勅↡。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓔ
→ⒶⒷⒸⒹ
→ⒷⒸ
→ⒷⒸⒹ→Ⓔ
→Ⓔ
 Ⓐになし
 Ⓐになし
→ⒹⒺ
→ⒷⒸⒺ
 Ⓐになし

^また震旦しんたん (中国) には、 *東晋とうしんよりこのかた*とうちょういたるまで、 弥陀みだぶつねんじてじょうおうじょうせるもの、 *道俗どうぞく男女なんにょあわせてじゅうにんなり。 そうじゅうさんにんろくにんしゃにんざい男女なんにょあわせてじゅうにん。 ¬じょうろん¼ ならびに ¬*瑞応伝ずいおうでん¼ にでたり。 わがちょうおうじょうせるもの、 またそのかずあり。 つぶさには*けいの ¬*ほんおうじょう¼ にあり。 いかにいはんや、 ちょうにありてとくかくし、 山林せんりんのがれたるもの、 ひとしゅしてひとる、 たれかることをんや。

又震ニハ、東晋已来至↢于唐朝↡、念↢阿弥陀仏↡往↢生浄土↡者、道俗・男女、合五十余人。僧廿三人、尼六人、沙弥二人、在家男女合廿四人。出↢¬浄土論¼并¬瑞応伝¼↡。我朝往生者亦有↢其数↡。具在↢慶氏¬日本往生記¼↡。何況朝市アリテ隠↠徳山林逃↠名之者、独修独去、誰得↠知耶。

→Ⓔ旦[国]
「僧…人」19字 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒷⒸ伝[僧廿三人尼六人沙弥二人在家男女合二十四人]

 ^*ふ。 下下げげぼんにんひゃくしゃくとは、 りんじゅうおなじくねんじたるに、 しょうちんなんぞべつなる。

問。下下品人、五百釈子トハ、臨終同念ゼリ昇沈何コトナル

^こたふ。 ¬*ぐんろん¼ にしていはく、 「ひゃくしゃくは、 ただちちおしえによりてひとたびぶつねんぜしかども、 しかも提心だいしんおこじょううまるることをもとめて、 慇懃おんごん*ざんせざりき。 またかれはしんいたさず、 またただ一念いちねんにしてじゅうねんせざるがゆゑなり」 と。

ラク¬群疑論¼会云、「五百釈子、但依↢父教↡一念↠仏、而不↧発↢菩提心↡求↠生レムコトヲ↢浄土↡慇懃慚愧↥。又彼不↠至↠心、復唯一念不↠具↢十念↡故ナリトイヘリ。」

→Ⓓ

二 Ⅶ 悪趣利益

【65】^だいしち*悪趣あくしゅやくかさば、

第七明↢悪趣利益↡者、

^¬だいきょう¼ のだいにのたまはく、 「もしまたひとありて、 ただしんぶつねんじてひとたびもきょうしんをなさば、 われかく、 このひとはまさにはんて、 はんきわつくすべし。 なん、 しばらくにんちゅう念仏ねんぶつどくをばきて、 もしちくしょうありて、 ぶつそんにおいてよくねんをなすものをば、 われまたかく、 その善根ぜんごん福報ふくほう、 まさにはんべし」 と。

¬大悲経¼第二云、「若復有↠人、心念↠仏一生↢敬信↡、我説、是人当↧得↢涅槃果↡、尽↦涅槃際↥。阿難、且置↢人中念仏功徳↡、若有↢畜生↡於↢仏世尊↡能生サム↠念者、我亦説、其善根福報、当↠得↢涅槃↡。」

→Ⓐ但[]

 ^ふ。 なんらかこれなるや。

問。何等是ナル耶。

^こたふ。 どうきょうだいさんに、 ぶつなんげたまはく、 「過去かこだいしょうしゅありき。 もろもろの商人あきびと大海だいかいりしに、 そのふね、 にはかに*かつ大魚たいぎょのために、 きたりてらはれんとす。 そのときに、 しょうしゅおよびもろもろの商人あきびとしんおどろいよだちて、 おのおのみなかなしみきて、 *嗚呼おこす。 ªあやしきかな、 かの*えんだいはかくのごとくたのしむべく、 かくのごとく*希有けうなり。 けん人身にんじん、 かくのごとくがたし。 われいままさに父母ぶもべつしぬ。 まい婦児ふにしんしゃくぼうにもべつして、 われさらにざるべし。 またぶつほう衆僧しゅそうをもたてまつることをまじくなりぬº と。 きはめておおきにこくしき。

答。同ジキ¬経¼第三、仏告↢阿難↡、「過去有↢大商主↡。将↢諸商人↡於入↢大海↡其船卒為↢摩竭大魚↡欲シキ↢来呑噬↡爾時、商主及諸商人、心驚毛竪、各皆悲泣、嗚呼。奇哉、彼閻浮提如↠是可↠楽、如↠是希有。世間人身如↠是難↠得。我今当↧与↢父母↡離別姉妹・婦児・親戚・朋友別離、我更不↞見。亦不↠得↠見↢仏・法・衆僧↡。極大悲哭。

そのときに、 しょうしゅ*ひとへにみぎかたあらわし、 みぎひざけて、 ふねうえじゅうして、 一心いっしんぶつねんじ、 たなごころあわせて礼拝らいはいして、 こえたかくしてとなへていはく、 ª南無なも諸仏しょぶつ*得大とくだい無畏むいしゃだい慈悲じひしゃ*憐愍れんみん一切いっさいしゅじょうしゃº と。 かくのごとくたびしょうするときに、 もろもろの商人あきびと、 またどうにかくのごとくたびしょうしき。 とき竭魚かつぎょぶつみょうごう礼拝らいはいおんじょうきて、 だい愛敬あいぎょうをなし、 きてすなはちくちぢてき。 そのときに、 しょうしゅおよびもろもろの商人あきびと、 みなことごとく安穏あんのんにして、 うおなんまぬかるることをてき。

爾時、商主偏袒↢右肩↡、右膝著↠地、住↢於船上↡、一心シテ念↠仏、合↠掌礼拝、高↠声唱言、南無諸仏、得大無畏者、大慈悲者、憐愍一切衆生者。如↠是三称時、諸商人、亦復同時如↠是三称。時摩竭魚聞↢仏名号、礼拝音声↡、生↢大愛敬↡、聞即閉↠口。爾時、商主及諸商人皆悉安穏、得↠免↢魚難↡。

とき竭魚かつぎょぶつおんじょうきて、 しんらくをなし、 さらにのもろもろのしゅじょうをも食噉じきだんせざりき。 これによりて命終みょうじゅうしてにんちゅううまるることをてき。 そのぶつみもとにして、 ほうき、 しゅっして、 ぜんしきちかづきて、 阿羅あらかんてき。 なん、 なんぢ、 かのうおの、 ちくしょうどううまれて、 ぶつみなくことをぶつみなきをはりて、 ないはんせることをかんぜよ。 いかにいはんや、 ひとありて、 ぶつみなくことをしょうぼうちょうもんせんをや」 と。

時摩渇魚聞↢仏音声↡心生↢喜楽↡、更不↣食↢余諸衆生↡。因↠是命終得↠生↢人中↡。於↢其仏所↡聞↠法、出家近↢善知識↡、得↢阿羅漢↡。阿難、汝観↧彼魚生↢畜生道↡、得↠聞↢仏名↡、クコト↢仏名↡已、乃至涅槃↥。何況有↠人得↠聞↢仏名↡、聴↢聞正法↡。

於入→ⒶⒷⒸⒹⒺ入於
→Ⓔ
→◎
→Ⓐ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒷⒸⒹⒺ
聞仏名 ⒷⒸになし

^また ¬*さつ処胎しょたいきょう¼ の 「はち斎品さいぼん」 にのたまはく、 「りゅう*こんちょうのために、 *じゅきていはく、

ªせつはこれぜんぎょうなり。 寿じゅみょうげんじて*ちゅうようあり。

は、 *ちょうむしの、 ひかりてすなはち命終みょうじゅうするがごとし。

かいたもぶつほうずれば、 ちょう寿じゅてんうまるることをて、

*累劫るいこう福徳ふくとくみて、 ちくしょうどうちず。

いまのりゅうしんたれども、 戒徳かいとく清明しょうみょうにしてぎょうず。

*六畜ろくちくのなかにせりといへども、 かならずみづからさいすることをのぞまんº と。

このときに、 りゅう、 このじゅときに、 りゅうりゅうにょしんかいして、 寿じゅおわりてのちに、 みなまさに弥陀みだぶつくにうまるべし」 と。 じょう*はっ斎戒さいかいりゅうなり。

又¬菩薩処胎経¼「八斎品」云、「竜子与↢金翅鳥↡而説↠頌曰、殺是不善行。減↢寿命↡中夭。身如↢朝露虫見↠光則命終↡。持↠戒タモ↢仏語↡、得↠生↢長寿天↡、累劫積↢福徳↡、不↠堕↢畜生道↡。今身↢竜身↡、戒徳清明行。雖↠堕↢六畜中↡、必望↢自済度セムコトヲ↡。是時竜子説↢此頌↡時、竜子・竜女、心意開解寿終之後、皆当↠生↢阿弥陀仏国↡。」已上八斎戒竜子也

→ⒸⒺ

^*しゅの、 ぶつしんじてじょううまるること、 これになぞらへよ。 ごくやくは、 さき国王こくおう因縁いんねん、 ならびにしもしん妙果みょうかのごとし。

余趣信↢仏語↡生↢浄土↡、准↠之。地獄利益如↢前国王因縁、アハセテ下麁心妙果↡。

^しょやくは、 しも念仏ねんぶつのうのごとし。

諸余利益如↢下念仏能↡。

→ⒹⒺ

念仏証拠

【66】^大文だいもんだいはちに、 *念仏ねんぶつしょうといふは、

大文第八念仏証拠者、

^ふ、 一切いっさい善業ぜんごうはおのおのやくあり、 おのおのおうじょうすることをてん。 なんがゆゑぞ、 ただ念仏ねんぶつ一門もんすすむる。

一切善業各有↢利益↡、各得↢往生↡。何故唯勧↢念仏一門↡。

^こたふ。 いま念仏ねんぶつすすむることは、 これ種々しゅじゅ妙行みょうぎょう*しゃするにはあらず。 ただこれ、 男女なんにょせん行住ぎょうじゅう坐臥ざが*えらばず、 *しょ諸縁しょえんろんぜずして、 これをしゅするにかたからず、 ないりんじゅうおうじょうがんするに、 その便びんたるは念仏ねんぶつにはしかじ。

答。今勧↢念仏↡、非↣是遮↢余種々妙行↡。只是、男女・貴賎、不↠簡↢行住坐臥↡、不↠論↢時処諸縁↡、修↠之不↠難、乃至臨終願↢求往生↡、得↢其便宜↡不↠如↢念仏↡。

^ゆゑに ¬*木槵もくげんきょう¼ にのたまはく、 「なんこく波瑠璃はるりおう使つかひをつかはして、 ぶつにまうしてまうさく、 ªただねがはくは、 そん、 ことに*みんれて、 われに*要法ようぼうたまひて、 われをしてにちしゅぎょうすることをやすく、 らいのうちにもろもろのおんせしめたまへº と。

故¬木槵経¼云、「難陀国波瑠璃王マダシテ↠使白↠仏言、唯願世尊、特垂↢慈愍↡、賜↢我要法↡、使↧我日夜易得↢修行↡、未来世中遠↦離衆苦↥。

ぶつげてのたまはく、 ª大王だいおう、 もし*煩悩ぼんのうしょうほうしょうめっせんとおもはば、 まさに*木槵もくげんいっぴゃくはちつらぬきて、 もつてつねにみづからしたがへて、 もしはぎょう、 もしは、 もしはに、 つねにまさにしんいたして分散ふんさんこころなくして、 *ぶっだつさんしょうしては、 すなはちいち木槵もくげんぐすべし。 かくのごとくして、 もしはじゅう、 もしはじゅう、 もしはひゃく、 もしはせんないひゃく千万せんまんせよ。 もしよくじゅう万遍まんべんてんに、 身心しんしんみだれず、 もろもろの*諂曲てんごくなくは、 いのちてて*だいさんえんてんうまるることをて、 じきねんにして、 つねに安楽あんらくなることをけん。 もしまたよくいっぴゃく万遍まんべんたさば、 まさにひゃくはち*結業けつごう除断じょだんすることをて、 しょうながれそむきて、 はんどうおもむき、 じょうべしº」 と。

仏告言、大王、若欲↠滅↢煩悩障・報障↡者、当貫↢木槵子一百八↡、以常自随、若行、若坐、若臥、恒当↧至↠心無↢分散意↡、称↢仏陀・達摩・僧伽名↡、乃過↦一木槵子↥。如↠是、若十、若廿、若百、若千、乃至百千万。若能満↢廿万遍↡、身心不↠乱無↢諸諂曲↡者、捨↠命得↠生↢第三炎摩天↡、衣食自然、常受↢安楽↡。若復能満テテハ↢一百万遍↡者、当↧得↣除↢断百八結業↡、背↢生死流↡、趣↢涅槃道↡、獲↦无上果↥。」

 ◎になし(「王」と下欄註記)
→ⒷⒸ
→ⒷⒸ
→ⒷⒸ抄[感禅師亦同之]

^いはんやまた、 もろもろの聖教しょうぎょうのなかに、 おお念仏ねんぶつをもつておうじょうごうとなせり。 そのもん、 はなはだおおし。 りゃくしてじゅうもんいださん。

況復諸聖教中、多以↢念仏↡為↢往生業↡。其文甚多。略出↢十文↡。

^いちには、 ¬*占察せんざつきょう¼ のかんにのたまはく、 「もしひとほう現在げんざい浄国じょうこくうまれんとおもはば、 まさにかのかいぶつみょうしたがひて、 こころをもつぱらにして誦念じゅねんすべし。 一心いっしんみだれずしてかみのごとく観察かんざつせば、 けつじょうしてかのぶつ浄国じょうこくうまるることを善根ぜんごんぞうじょうして、 すみやかに退たいじょうぜん」 と。 かみのごとき観察かんざつ」 とは、 ぞうさつ*法身ほっしんおよび諸仏しょぶつ法身ほっしんと、 おのがしんと、 びょうどう無二むににして、 しょうめつなり、 じょうらく我浄がじょうなり、 どく円満えんまんせりとかんずるなり。 またしんじょうなること、 まぼろしのごとし、 いとふべしとかんずるなり。

一¬占察経¼下巻云、「若人欲↠生↢他方現在浄国↡者、応当↧随↢彼世界仏之名字↡、専↠意誦念↥。一心不↠乱如↠上観察者、決定得テム↠生↢彼仏浄国↡善根増長、速成ムト↢不退↡。」如↠上観察者、観↧於地蔵菩薩法身及諸仏法身、与↢己自身↡平等无二、不生不滅、常楽我浄、功徳円満↥。又観↢己身无常如↠幻、可↟厭等也

→Ⓐ

^には、 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)さんぱいごう浅深せんじんありといへども、 しかもつうじてみな 「*一向いっこうにもつぱらりょう寿じゅぶつねんじたてまつれ」 とのたまへり。

二¬双巻経¼三輩之業雖↠有↢浅深↡、然通皆云↣「一向専念↢无量寿仏↡。」

^さんには、 じゅうはちがんのなかに、 念仏ねんぶつもんにおいてべついちがんおこしてのたまはく (大経・上意)、 「ないじゅうねんせん。 もししょうぜずは、 しょうがくらじ」 (第十八願) と。

三八願中於↢念仏門↡別発↢一願↡云、「乃至十念セン若不↠生者、不↠取↢正覚↡。」

^には、 ¬かんぎょう¼ (意) に、 「ごくじゅう悪人あくにんは、 方便ほうべんなし。 ただぶつしょうねんして、 極楽ごくらくしょうずることを」 と。

四¬観経¼、「極重悪人クシテ↢他方便↡唯称↢念仏↡得↠生↢極楽↡。」

→ⒹⒺ経[云]

^には、 どうきょうにのたまはく、 「もししんいたして西方さいほううまれんとおもはば、 づまさにいち*じょうろくぞうの、 いけみずうえにましますとかんずべし」 と。

五同ジキ¬経¼云、「若欲↣至↠心生↢西方↡者、先当↠観↣於一丈六像在↢池水上↡。」

 ⒹⒺになし

^ろくには、 どうきょうにのたまはく、 「こうみょうあまねく十方じっぽうかい念仏ねんぶつしゅじょうらして、 *摂取せっしゅしててたまはず」 と。

六同ジキ¬経¼云、「光明遍照↢十方世界念仏衆生↡、摂取不↠捨。」

^しちには、 ¬*弥陀みだきょう¼ にのたまはく、 「善根ぜんごん福徳ふくとく因縁いんねんをもつて、 かのくにしょうずることをべからず。 もし善男ぜんなんぜん女人にょにんありて、 弥陀みだぶつくをきて、 みょうごう*執持しゅうじして、 もしは一日いちにち もしは七日しちにちすること、 一心いっしんみだれずは、 そのひと命終みょうじゅうときのぞみて、 弥陀みだぶつ、 もろもろのしょうじゅげんじて、 そのまえにましまさん。 このひとおわときに、 しん顛倒てんどうせずしてすなはちおうじょうすることをてん」 と。

七¬阿弥陀経¼云、「不↠可↧以↢少善根福徳因縁↡、得↞生↢彼国↡。若有↢善男子・善女人↡、聞↠説↢阿弥陀仏↡、執↢持名号↡、若一日 若七日一心シテ不↠乱、其人臨命終、阿弥陀仏与↢諸聖衆↡現在シテ↢其前↡是人終ラム時、心不↢顛倒↡即得↢往生↡。」

^はちには、 ¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「弥陀みだぶつののたまはく、 ªわがくに来生らいしょうせんとおもはば、 つねにわれをねんぜよ。 しばしば、 つねにおもいをもつぱらにしてそくあることなかれ。 かくのごとくせば、 わがくに来生らいしょうすることをんº」 と。

八¬般舟経¼云、「阿弥陀仏言、欲↣来↢生我国↡者、常念↠我。数数常専↠念莫↠有↢休息↡。如↠是、得↣来↢生我国↡。」

→ⒹⒺ
→ⒶⒷⒺ常[当]→ⒷⒸ

^には、 ¬*おんじょうきょう¼ にのたまはく、 「もししゅありて、 よくまさしくかのぶつみょうごうじゅせば、 このどくをもつて、 おわらんとほっするときのぞみて、 弥陀みだ、 すなはち大衆だいしゅとこのひとところきて、 それをしてることをしめ、 をはりていでしょうぜん」 と。

九¬鼓音声経¼云、「若有↢四衆↡能正受↢持彼仏名号↡、以↢此功徳↡、臨↢欲セム↠終時↡、阿弥陀即与↢大衆↡往↢此人所↡、令↢其得↟見、見已尋ギテ生。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ陀[仏]

^じゅうには、 ¬おうじょうろん¼ (天親の浄土論・意) に、 「かのぶつ*しょうどく観念かんねんするをもつて、 おうじょうごうとなせり」 と。

十¬往生論¼、「以↣観↢念彼仏依正功徳↡為↢往生業↡。」

^このなかに、 ¬かんぎょう¼ の下下げげぼん・¬弥陀みだきょう¼・¬おんじょうきょう¼ は、 ただみょうごうねんずるをもつておうじょうごうとなせり。 いかにいはんや、 相好そうごうどく観念かんねんせんをや。

此中、¬観経¼下下品・¬阿弥陀経¼・¬鼓音声経¼、但以↠念↢名号↡為↢往生業↡。何況観↢念相好・功徳↡耶。

 ^ふ。 ぎょうに、 いづくんぞ勧信かんしんもんなからんや。

問。余行寧無↢勧信文↡耶。

^こたふ。 そのぎょうほうは、 ちなみにかのほう種々しゅじゅ*のうかす。 そのなかにおのづからおうじょうくなり。 ただちにおうじょうようべんずるに、 おおく 「念仏ねんぶつ」 といふがごとくにあらず。 いかにいはんや、 ぶつみづからすでにのたまへり、 「まさにわれをねんずべし」 と。 またぶつこうみょうぎょうにん*摂取せっしゅすとはいはず。

答。其余行法、因明↢彼法種々功能↡。其中自説↢往生事↡。不↠如↧直弁↢往生之要↡、多云↦念仏↥。何況仏自既言、当↠念↠我乎。亦不↠云↣仏光明摂↢取余行人↡。

→ⒶⒷⒸⒹⒺ生[之]
→ⒷⒺ→Ⓒ

^これらのもんぶんみょうなり。 なんぞかさねてうたがいをなさんや。

此等文分明。何重生↠疑耶。

 ^ふ。 しょきょう所説しょせつは、 したがひて*万品まんぼんなり。 なんぞ*管見かんけんをもつていちもんしゅうせんや。

問。諸経所説随↠機万品。何以↢管見↡執↢一文↡耶。

^こたふ。 *馬鳴めみょうさつの ¬*だいじょうしんろん¼ (意) にいはく、 「またつぎに、 しゅじょうはじめてこのほうがくせんに、 そのしん怯弱こうにゃくにして、 信心しんじんじょうじゅすべきことかたきことを*懼畏くいして、 こころに、 退たいしなんとほっせば、 まさにるべし、 如来にょらい*しょう方便ほうべんましまして、 信心しんじんしょうしたまふ。 したがひてしんをもつぱらにしてぶつねんずる因縁いんねんをもつて、 がんしたがひて、 ほうぶつおうじょうすることをるなり。 *しゅ多羅たらくがごとし。 ªもしひともつぱらにして西方さいほう弥陀みだぶつねんじて、 しょ善業ぜんごうをもつてこうして、 かのかいうまれんとがんすれば、 すなはちおうじょうすることをº」 と。

答。馬鳴菩薩¬大乗起信論¼云、「復次、衆生初学↢是法↡、其心怯弱懼↢畏信心難↟可↢成就↡、意欲↠退者、当↠知、如来有↢勝方便↡摂↢護信心↡。随以↢専↠心念↠仏因縁↡、随↠願得↣往↢生他方仏土↡。如↢修多羅説↡。若人専念↢西方阿弥陀仏↡、所作善業廻向、願↣求生↢彼世界↡、即得↢往生↡。

→ⒶⒹ
→Ⓐ随[謂]→ⒷⒸ

^あきらかにりぬ、 *かいきょうに、 おお念仏ねんぶつをもつておうじょうようとなせり。 もししからずは、 *さつはすなはち*じんにあらじ。

明知契経多以↢念仏↡為↢往生要↡。若不↠爾者、四依菩薩即非↢理尽↡。

往生諸行

【67】^大文だいもんだいに、 *おうじょうしょぎょうかさば、 いはく、 極楽ごくらくもとむるものは、 かならずしももつぱらぶつねんぜず。 すべからくぎょうかしておのおのの*ぎょうよくまかすべし。 これにまたあり。 はじめには、 べっしてしょきょうもんかす。 つぎには、 そうじて諸業しょごうけっす。

大文第九明↢往生諸行↡者、謂求↢極楽↡者不↢必専念↟仏。須↧明↢余行↡任↦各楽欲↥。此亦有↠二。初別明↢諸経文↡。次総結↢諸業↡。

二 Ⅸ 明諸経

【68】^第一だいいちしょきょうかすといふは、 *¬じゅうごんぎょう¼ のげんがん、 ¬*三千さんぜんぶつみょうきょう¼・¬*無字むじほうきょうきょう¼・¬法華ほけきょう¼ とうしょだいじょうきょう、 ¬*ずい¼・¬*そんしょう¼・¬*無垢むくじょうこう¼・¬*にょりん¼・¬*阿嚕あろりき¼・¬*くうけんじゃく¼・¬*こうみょう¼・¬*弥陀みだ¼、 および*りゅうじゅ所感しょかんおうじょうじょうとうしゅなり。 これらの*顕密けんみつしょだいじょうのなかに、 みなじゅ読誦どくじゅとうをもつて、 おうじょう極楽ごくらくごうとなせり。

第一明↢諸経↡者、¬華厳経¼普賢願・¬三千仏名経¼・¬無字宝篋経¼・¬法華経¼等諸大乗経、¬随求¼・¬尊勝¼・¬無垢浄光¼・¬如意輪¼・¬阿嚕力迦¼・¬不空羂索¼・¬光明¼・¬阿弥陀¼、及龍樹所感往生浄土等呪ナリ此等顕密諸大乗中、皆以↢受持・読誦等↡為↢往生極楽業↡也。

→Ⓒ
 Ⓐになし

^¬*だい弥陀みだきょう¼ (下) にのたまはく、 「まさに斎戒さいかいし、 一心いっしん清浄しょうじょうにして、 ちゅうにまさにねんじて弥陀みだぶつくにうまれんとほっすべし。 じゅうにちじゅう断絶だんぜつせずは、 われみなこれを*みんしてことごとく弥陀みだぶつくにおうじょうせしめん。 たとひしかするにあたはずは、 みづからゆいし、 よく*きょうせよ。 *だつせんとほっするものは、 まさにねんつべからず。 あいりて、 家事けじおもふことなかれ。 にょゆかおなじくすることなかれ。 みづから身心しんしんなおただしくして、 愛欲あいよくだんじて、 一心いっしん斎戒さいかい清浄しょうじょうにして、 せん弥陀みだ仏国ぶっこくうまれんとねんじて、 一日いちにちいち断絶だんぜつせずは、 寿じゅじゅうしてみなそのくにおうじょうして、 七宝しっぽうよくれんのなかにありてしょうせん」 と。 この ¬きょう¼ (大阿弥陀経) はかいをもつてしゅとなせり。

¬大阿弥陀経¼云、「当斎戒、一心清浄、昼夜当↢念欲↟生↢阿弥陀仏国↡。十日十夜不↢断絶↡、我皆慈↢愍之↡悉令↣往↢生阿弥陀仏国↡。殊使不↠能↠爾、自思惟熟校計シテセム↣度↢脱身↡者、不↠当↠絶↠念。去↠愛、勿↠念↢家事↡。莫↧与↢婦女↡同↞床。自端↢正身心↡、断↢於愛欲↡、一心斎戒清浄、至シテラヲゼムレムトシテ↢阿弥陀仏国↡一日一夜不↢断絶↡者、寿終皆往↢生其国↡、在↢七宝浴池蓮華中↡化生。」此¬経¼以↢持戒↡為↠首

→ⒹⒺ
 Ⓐになし

^¬*じゅうおうじょう弥陀みだ仏国ぶっこくきょう¼ (意) にのたまはく、 「われいま、 なんぢがためにく、 じゅうおうじょうあり。 いかなるかじゅうおうじょう

¬十往生弥陀仏国経¼云、「吾今為↠汝説、有↢十往生↡。云何十往生。

いちにはかんじてしょうねんにして、 つねにかんいだきて、 飲食おんじきぶくをもつてぶつおよびそうほどこせば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者観↠身正念常懐↢歓喜↡、以↢飲食・衣服↡施↢仏及僧↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

にはしょうねんにして、 みょうりょうやくをもつていちびょう比丘びくおよび一切いっさいしゅじょうほどこせば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

二者正念、世妙良薬施↢一病比丘及以一切衆生↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

さんにはしょうねんにして、 いち生命しょうみょうをもがいせず、 一切いっさい慈悲じひすれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

三者正念、不↠害↢一生命↡慈↢悲於一切↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

にはしょうねんにして、 ところしたがひてかいけ、 *じょうをもつて*ぼんぎょうしゅし、 しんにつねによろこびをいだけば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

四者正念、従ケタルアリテ修↢梵行↡、心常懐↠喜、往↢生阿弥陀仏国↡。

にはしょうねんにして、 父母ぶも孝順きょうじゅん*ちょう敬重きょうじゅうし、 きょうまんしんいだかざれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

五者正念、孝↢順於父母↡敬↢重於師長↡、不↠懐↢憍慢心↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

ろくにはしょうねんにして、 僧房そうぼう往詣おうげいとうぎょうし、 ほうきていちをもさとれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

六者正念、往↢詣於僧房↡恭↢敬於塔寺↡、聞↠法解↢一義↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

しちにはしょうねんにして、 *一日いちにちいっ宿しゅくのうちに*はっ戒斎かいさいじゅし、 一日いちにちいっ宿しゅくのうちにじゅしていちやぶらざれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

七者正念、一日一宿中受↢持八戒斎↡、一日一宿中受持不↠破↠一、往↢生阿弥陀仏国↡。

はちにはしょうねんにして、 もしよく斎月さいがつ斎日さいにちのうちに房舎ぼうしゃおんしてつねにぜんいたれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

八者正念、若能斎月・斎日中遠↢離於房舎↡常詣↢於善師↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

にはしょうねんにして、 つねによくじょうかいたもち、 勤修ごんしゅしてぜんじょうねがひ、 ほうまもあっせず、 もしよくかくのごとくぎょうずれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

九者正念、常能持↢浄戒↡、勤修楽↢禅定↡、護↠法不↢悪口↡、若能如↠是行、往↢生阿弥陀仏国↡。

じゅうにはしょうねんにして、 もし*じょうどうにおいてほうしんおこさず、 しょうじんしてじょうかいたもちて、 またのものをおしへてこのきょうぼう流布るふし、 りょうしゅうきょうす。 かくのごときもろもろのひと、 ことごとくみな弥陀みだぶつくにおうじょうすることを」 と。

十者正念、若於↢無上道↡不↠起↢誹謗心↡、精進持↢浄戒↡、復教↢無智者↡流↢布是経法↡教↢化無量衆↡如↠是諸人等、悉皆得↣往↢生阿弥陀仏国↡。」

→ⒶⒹⒺ生[阿]
→ⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓔ衆[生]
悉皆→ⒹⒺ皆悉
已上 ⒷⒸⒹⒺになし

^¬*ろくもんきょう¼ にのたまはく、 「ぶつきたまへるところのごとく、 弥陀みだぶつどくやくがんじて、 もしよくじゅうねん相続そうぞくして、 だんぶつねんずるものは、 すなはちおうじょうすることを。 まさにいかんがねんずべし。 ぶつののたまはく、 ªおほよそじゅうねんあり。 なんらをかじゅうとなす。

¬弥勒問経¼云、「如↢仏所↟説、願↢阿弥陀仏功徳・利益↡、若能十念相続不、念↠仏者、即得↢往生↡。当↢云何念↡。仏言、凡有↢十念↡。何等為↠十。

いちには、 もろもろのしゅじょうにおいて、 つねにしんしょうじてそのぎょうやぶらざること、 もしそのぎょうやぶればつひにおうじょうせず。

一者於↢諸衆生↡常生↢慈心↡不コト↠毀↢其行↡、若毀↢其行↡終不↢往生↡。

には、 もろもろのしゅじょうにおいて、 つねにしんおこして残害ざんがいこころのぞくこと、

二者於↢諸衆生↡常起↢悲心↡除コト↢残害意↡

さんには、 法心ほうしんおこしてしんみょうしまざること、 一切いっさいほうにおいてほうをなさざること、

三者発↢護法心↡不ルコト↠惜↢身命↡、於↢一切法↡不コト↠生↢誹謗↡、

には、 忍辱にんにくのなかにおいてけつじょうしんしょうずること、

四者於↢忍辱中↡生ズルコト↢決定心↡、

には、 深心じんしん清浄しょうじょうにして*ようぜんせざること、

五者深心清浄不コト↠染↢利養↡、

ろくには、 *一切いっさいしんおこして日々にちにちにつねにねんじて、 廃忘はいもうあることなきこと、

六者発↢一切智心↡日々常念無コト↠有↢癈忘↡、

しちには、 もろもろのしゅじょうにおいて、 そんじゅうしんおこし、 *まんしんのぞき、 *けんして言説ごんせつすること、

七者於↢諸衆生↡起↢尊重心↡、除↢我慢心↡、謙下言説スルコト

はちには、 *談話たんかいにおいてじゃくをなさざること、

八者於↢世談話↡不コト↠生↢味著↡、

には、 かくちかづき、 ふか種々しゅじゅ善根ぜんごん因縁いんねんおこし、 *かいにょう散乱さんらんしんおんすること、

九者近ヅキ↢於覚ヲモテ深起↢種々善根因縁↡、遠↢離スルコト憒鬧・散乱之心↡、

じゅうには、 しょうねんにしてぶつかんじて諸想しょそうじょすることなりº」 と。

十者正念観↠仏除↢去スルコトナリト諸想↡。」

→Ⓔ
→ⒷⒸⒹⒺ

^¬ほうしゃくきょう¼ のだいじゅうに、 ぶつまたこのじっしんをもつてろくといこたへたまへり。 そのなかのだいろくしんにいはく、 「*ぶつしゅもとめて、 一切いっさいときにおいて忘失もうしつするしんなし」 と。 そのしゅは、 もんすこことなりといへども、 こころさきの ¬きょう¼ (弥勒問経)おなじ。 ただ ¬きょう¼ (宝積経)もんにのたまはく、 「もしひと、 このじっしゅしんのうちにおいて、 したがひて一心いっしんじょうじて、 かのぶつかいおうじょうせんと*ぎょうよくせんに、 もししょうずることをずといはば、 このことわりあることなからん」 と。 あきらけし、 かならずしもじゅうしておうじょうごうとなすにはあらざるなり。

¬宝積経¼第九十二、仏亦以↢此十心↡答↢弥勒問↡。其中第六心云、「求↢仏種智↡、於↢一切時↡無シトイヘリ↣忘スルコト。」其余九種、文雖↢少異↡、意同↢前¬経¼↡。但¬経¼文云、「若人於↢此十種心中↡、随成↢一心↡楽↣欲往↢生彼仏世界↡、若不↠得↠生、無ムトイヘリ↠有↢是処↡。」 明非↣必具↠十為ニハ↢往生業↡也。

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「かのくにうまれんとおもはば、 まさに*さんぷくしゅすべし。 いちには父母ぶもきょうようし、 *ちょう*奉事ぶじし、 しんをもつてせっせず、 *じゅう善業ぜんごうしゅすること、 には*さんじゅし、 *衆戒しゅかいそくし、 威儀いぎぼんせざること、 さんには提心だいしんおこし、 ふかいんしんじ、 だいじょう読誦どくじゅし、 ぎょうじゃ*勧進かんじんすることなり。 かくのごときさんづけて*じょうごうとなす。 ぶつだいげたまはく、 ªなんぢいまるやいなや。 この三種さんしゅごうは、 過去かこらい現在げんざいさん諸仏しょぶつ浄業じょうごうしょういんなりº」 と。

¬観経¼云、「欲↠生↢彼国↡者、当↠修↢三福↡。一者孝↢養父母↡、奉↢事師長↡、慈心不↠殺、修スルコト↢十善業↡、二者受↢持三帰↡、具↢足衆戒↡、不コト↠犯↢威儀↡、三者発↢菩提心↡、深信↢因果↡、読↢誦大乗↡、勧↢進スルコト行者↡、如↠此三事名為↢浄業↡。仏告↢韋提希↡、汝今知不。此三種業過去・未来・現在三世諸仏浄業正因。」

^またのたまはく (観経・意)、 「じょうぼん上生じょうしょうといふは、 もししゅじょうありて、 かのくにしょうぜんとがんぜば、 三種さんしゅしんおこして即便すなわちおうじょうす。 なんらをかさんとなす。 いちには*じょうしんには*深心じんしんさんには*こう発願心ほつがんしんなり。 さんしんせるものはかならずかのくにうまる。

又云、「上品上生者、若有↢衆生↡願↠生↢彼国↡者、発↢三種心↡即便往生。何等為↠三。一者至誠心、二者深心、三者廻向発願心。具↢三心↡者必生↢彼国↡。

^また三種さんしゅしゅじょうありて、 まさにおうじょうすることをべし。 なんらをかさんとなす。 いちにはしんにしてせっせず、 もろもろのかいぎょうすること、 には*だいじょう*方等ほうどうきょうてん読誦どくじゅすること、 さんには*六念ろくねんしゅぎょうして、 こう発願ほつがんしてかのくにうまれんとがんずることなり。 このどくすること、 一日いちにちない七日しちにちにして、 すなはちおうじょうすることを

復有↢三種衆生↡、当↠得↢往生↡。何等為↠三。一者慈心不↠殺、具ルコト↢諸戒行↡、二者読↢誦スルコト大乗方等経典↡、三者修↢行六念↡、廻向発願願ズルコトナリ↠生↢彼国↡。具↢此功徳↡一日乃至七日スルハ即得↢往生↡。

^じょうぼん中生ちゅうしょうといふは、 かならずしも方等ほうどうきょうてんじゅせざれども、 よくしゅさとりて、 *第一だいいちにおいてしんきょうどうせず、 ふかいんしんだいじょうほうぜず。 このどくをもつて、 こうして極楽ごくらくこくうまれんとがんするなり。

上品中生者、不ズシテ↣必受↢持方等経典↡、善解↢義趣↡、於↢第一義↡心不↢驚動↡、深信↢因果↡不シテ↠謗↢大乗↡以↢此功徳↡廻向願↣求生↢極楽国↡。

^じょうぼんしょうといふは、 またいんしんだいじょうほうぜず。 ただ*じょうどうしんおこして、 このどくをもつて、 こうして極楽ごくらくうまれんとがんするなり。

上品下生者、亦信↢因果↡不シテ↠謗↢大乗↡但発↢无上道心↡、以↢此功徳↡廻向願↣求生↢極楽↡。

^ちゅうぼん上生じょうしょうといふは、 もししゅじょうありて、 *かいじゅし、 *はっ戒斎かいさいたもち、 もろもろのかいしゅぎょうして*ぎゃくつくらず、 もろもろの*げんなからん。 この善根ぜんごんをもつて、 こうしてがんするなり。

中品上生者、若有↢衆生↡受↢持五戒↡、持↢八戒斎↡、修↢行諸戒↡、不↠造↢五逆↡、无クシテ諸過患↡以↢此善根↡廻向願求。

→Ⓔ
→ⒶⒷⒸⒹ

^ちゅうぼん中生ちゅうしょうといふは、 もししゅじょうありて、 もしは一日いちにちいちはっ戒斎かいさいけ、 もしは一日いちにちいち*しゃかいたもち、 一日いちにちいち*そくかいたもち、 威儀いぎくることなし。 このどくをもつて、 こうしてがんするなり。

中品中生者、若有↢衆生↡若一日一夜受↢八戒斎↡、若一日一夜持↢沙弥戒↡、一日一夜持↢具足戒↡、威儀无クシテ↠欠、以↢此功徳↡廻向願求。

 Ⓓになし
→Ⓔ戒[若]

^ちゅうぼんしょうといふは、 もし善男ぜんなんぜん女人にょにんありて、 父母ぶもきょうようし、 にんぎょうずるなり。

中品下生者、若有↢善男子・善女人↡孝↢養父母↡、行↢世仁慈↡。

^ぼん上生じょうしょうといふは、 あるいはしゅじょうありて、 もろもろの悪業あくごうつくらん。 方等ほうどうきょうてんほうせずといへども、 かくのごときにんおおくもろもろの悪法あくほうつくりてざんあることなからん。 おわりにのぞみて*じゅうきょう*首題しゅだいみょうき、 およびがっしょうして ª南無なも弥陀みだぶつº としょうするなり。

下品上生者、或有↢衆生↡作↢衆悪業↡雖↠不↣誹↢謗方等経典↡、如↠此愚人、多造↢衆悪法↡無↠有↢慚愧↡。臨↠終聞↢十二部経首題名字↡、及合掌称↢南無阿弥陀仏↡。

^ぼん中生ちゅうしょうといふは、 あるいはしゅじょうありて、 かいはっかいおよびそくかいぼんせらん。 かくのごときにんいのちおわらんとほっするときに、 ごくしゅいちにともにいたらん。 ぜんしきの、 だい慈悲じひをもつて、 ために弥陀みだぶつ*じゅうりきとくき、 ひろくかのぶつ*こうみょう神力じんりきき、 また*かいじょうだつけんさんずるにはん。 このひときをはりてはちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞくなり。

下品中生者、或有↢衆生↡毀↢犯五戒・八戒及具足戒↡。如↠此愚人、命欲セム↠終時、地獄衆火一時倶至。遇ヒテ↧善知識以↢大慈悲↡為説↢阿弥陀仏十力威徳↡、広説↢彼仏光明神力↡、亦讃↦戒・定・恵・解脱・知見↥此人聞已除↢八十億劫生死之罪↡。

→ⒷⒸⒹⒺ

^ぼんしょうといふは、 あるいはしゅじょうありて、 善業ぜんごうたる*ぎゃく*じゅうあくつくり、 もろもろのぜんせん。 かくのごときにん悪業あくごうをもつてのゆゑに悪道あくどうつべからん。 命終みょうじゅうときのぞみて、 ぜんしきひて、 ぶつねんずることあたはずといへども、 ただしんいたしてこえをしてえざらしめて、 じゅうねんそくして ª南無なもりょう寿じゅぶつº としょうせん。 ぶつみなしょうせんがゆゑに、 念々ねんねんのうちにはちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞくなり」 と。

下品下生者、或有↢衆生↡作↢不善業タル・五逆・十悪↡、具↢諸不善↡。如↠此愚人、以↢悪業↡故応↠堕↢悪道↡。臨マム↢命終時遇↢善知識↡、雖↠不↠能↠念↠仏、但至↠心令↢声不↟絶、具↢足十念↡称↢南無無量寿仏↡。称↢仏名↡故、於↢念々中↡除↢八十億劫生死之罪↡。」

 ⒹⒺになし

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)*さんぱいごうもまたこれをでず。

¬双巻経¼三輩業亦不↠出↠此。

^¬かんぎょう¼ には、 *じゅうろっかんをもつておうじょういんとなせり。

¬観経¼以↢十六観↡為↢往生因↡。

→ⒶⒷⒸ[又]観

^¬ほうしゃくきょう¼ にかく、 仏前ぶつぜんれんしょうするに、 因縁いんねんありと。 (同) にのたまはく、

こうをもつてぶつおよび*だいさんずると、 がいせざると、 ならびにぞうつくると、

だいだいにおいてふかしんするとは、 れんしょして仏前ぶつぜんうまるることを」 と。

¬宝積経¼説、仏前ニシテ蓮華ヨリ化生有↢四因縁↡。偈云、「華香散ジテ↢仏及支提↡、不↠害↢於他↡并造↠像、於↢大菩提↡深信解スルト、得イヘリ↧処↢蓮華↡生↦仏前↥。」

^しげいださず。

余不↢出↡。

→Ⓐ繁[不]
→Ⓔ出[私云支提者塔廟異名也]

二 Ⅸ 総結諸業

【69】^だいそうじて諸業しょごうけっすといふは、 ˆじょうようˇ *おんほっじょう因要いんよういだせるに、 あり。 「いちにはかんしゅしておうじょうすること、 じゅうろっかんのごときなり。 にはごうしゅしておうじょうすること、 *さん福業ぷくごうのごときなり。 さんにはしんしゅしておうじょうすること、 じょうとうさんしんなり。 にはこうしておうじょうする、 じょうきてこうし、 しょうねんし、 讃嘆さんだんすることなり」 (観経義疏・意) と。

第二総結↢諸業↡者、恵遠法師出↢浄土因有↠四。「一修↠観往生スルコト、如↢十六観↡。二修↠業往生スルコト、如↢三福業↡。三修↠心往生スルコト、至誠等三心。四帰向往生、聞↢浄土事↡帰向、称念、讃嘆スルコト等也。」

→ⒶⒷⒸ

^いまわたくしにいはく、 しょきょうぎょうごうそうじてこれをいへば、 *¬梵網ぼんもう¼ 戒品かいぼんでず。 べっしてこれをろんずれば、 *ろくでず。 くわしくそのそうかせば、 そのじゅうさんあり。 いちには*ざいほうとうには*さん*かい*はっかい*じっかいとうしょうかいぎょうさんには*忍辱にんにくには*しょうじんには*ぜんじょうろくには*般若はんにゃ第一だいいちしんずることこれなり。 しちには提心だいしんおこすこと、 はちには六念ろくねんしゅぎょうすること、 ぶつぽうそうかいてん、 これを六念ろくねんといふ。 じゅうろく想観そうかんはまたこれをでず。 にはだいじょう読誦どくじゅすること、 じゅうには仏法ぶっぽうしゅすること、 じゅういちには父母ぶも孝順きょうじゅん*ちょう奉事ぶじすること、 じゅうにはきょうまんをなさざること、 じゅうさんには*ようぜんせざることなり。

今私云、諸経行業、総而言↠之、不↠出↢¬梵網¼「戒品」↡。別而論↠之、不↠出↢六度↡。細明↢其相↡、有↢其十三↡。一者財・法等施二者三帰・五戒・八戒・十戒等多少戒行三者忍四精進五禅定六般若信↢第一義↡等是也。七発コト↢菩提心↡八修↢行スルコト六念↡、仏・法・僧・戒・施・天、謂↢之六念↡。十六想観亦不↠出↠之 九読↢誦スルコト大乗↡十守↢護コト仏法↡十一孝↢順父母↡奉↢事スルコト師長↡十二不コト↠生↢憍慢↡。十三不コト↠染↢利養↡也。

 ⒶⒹⒺになし
→ⒹⒺ四[者]
→ⒷⒸⒺ[念]仏
戒施→ⒶⒷⒸ施戒

^*¬だいじゅう¼ の 「月蔵がつぞうぶん」 のにのたまはく、

このみしげければ、 すみやかにみづからがいするがごとし。 ちくむすぶもまたかくのごとし。

*にんかいすれば、 しんほろぼすがごとし。 無智むちにしてもとむるもまたしかり。

もし比丘びくありて、 ようよう楽求ぎょうぐかたじゃくするものは、

においてさらにかくのごときあくはなし。 ゆゑにだつどうざらしむ。

かくのごとくしてようとんするものは、 すでにどうをはりぬれども、 かえりてまたうしなふ」 と。

¬大集¼「月蔵分」偈云、「如↢樹菓繁レバ速自害↡。竹籚結↠実亦如↠是。如↣任騾ハラメル、喪↢自身↡。無智求↠利亦復然。若有↢比丘↡得↢供養↡、楽↢求利養↡堅著者、於↠世更无↢如↠此悪↡。故令↠不↠得↢解脱道↡。如↠是貪↢求利養↡者、既得↠道已還復失。」

→Ⓔ
→Ⓔ

^また ¬*仏蔵ぶつぞうきょう¼ に、 *しょうぶつしてのたまはく、 「*しゃ牟尼むにぶつおおようけたまはんがゆゑに、 ほうまさにめっすべし」 と。

又¬仏蔵経¼、迦葉仏記云、「釈迦牟尼仏多受↢供養↡故、法当↢疾滅↡。」

 ⒶⒷⒺになし

^如来にょらいなほしかり。 いかにいはんやぼんをや。 大象だいぞうまどづるに、 つひにいちのためにへらる。 ぎょうにんいえでたれども、 つひに*みょうのためにばくせらる。 すなはちりぬ、 しゅつさいあだは、 みょうよりだいなるものはなし。 ただ浄名じょうみょうだい (維摩詰) は、 いえにあれどもしんいえで、 *薬王やくおうほんは、 *塵寰じんかんりて*雪山せっせんせり。 いまのぎょうにんもまたかくのごとくすべし。 みづから*こんじょうはかりて、 これをしんせよ。 もしそのしんせいすることあたはずは、 なほすべからくそのるべし。 *あさのなかのよもぎ*へんうまやこういづれにかよれるや。 ¬仏蔵ぶつぞうきょう¼ を是非ぜひるべし。

如来尚爾。何況凡夫。大象出↠窓、遂為↢一尾↡所↠礙。行人出↠家、遂為↢名利↡所↠縛。則知出離最後之怨莫↧大↢名利↡者↥也。但浄名大士、身在リテ↠家心出タリ↠家薬王、本事避↢塵寰↡居↢雪山↡。今世行人亦応↠如↠是。自料↢根性↡而シテ進↢止之↡。若不↠能↠制↢其心↡、猶須↠避↢於其地↡。麻中之蓬、屠辺之廏、好悪由↠何乎。可↧見↢¬仏蔵経¼↡知↦是非↥

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒷⒸ非[之]→ⒹⒺ非[也]

問答料簡

【70】^大文だいもんだいじゅうに、 *問答もんどうりょうけんといふは、 りゃくしてじゅうあり。 いちには極楽ごくらくしょうにはおうじょうかいさんにはおうじょうしょうにはじんじょう念相ねんそうにはりんじゅう念相ねんそうろくにはしんみょうしちにはしょぎょうしょうれつはちにはしん因縁いんねんには助道じょどうえんじゅうには助道じょどう人法にんぼうなり。

大文第十、問答料簡セバ者、略有↢十事↡。一極楽依正二往生階位三往生多少四尋常念相五臨終念相六麁心妙果七諸行勝劣八信毀因縁九助道資縁十助道人法。

二 Ⅹ 極楽依正

【71】^第一だいいち極楽ごくらく*しょうといふは、

第一極楽依正者、

^ふ、 弥陀みだぶつ極楽ごくらくじょうは、 これいづれの、 いづれのぞや。

阿弥陀仏極楽浄土是何身何土耶。

^こたふ。 天台てんだい (*智顗) のいはく (観経天台疏・意)、 「*応身おうじんぶつ*どうなり」 と。

答。天臺云、「応身仏、同居土。」

^*おんほっ (浄影寺*慧遠) のいはく、 「これ応身おうじんおうり」 と。

遠法師云、「是応身応土。」

^しゃくほっ (*道綽) のいはく、 「これ*報仏ほうぶつ*ほうなり。 きゅう、 あひつたへて、 みな ª*化土けど*しんなりº といふ。 これをおおきにしっせりとなす。 ¬*だいじょうどうしょうきょう¼ によりていはく、 ªじょうのなかにしてじょうぶつするものは、 ことごとくこれ*報身ほうじんなり。 穢土えどのなかにしてじょうぶつするものは、 ことごとくこれしんなりº と。 またかの ¬きょう¼ (大乗同性経) にのたまはく、 ª弥陀みだ如来にょらいれんかいしょうおう如来にょらいりゅうしゅ如来にょらい宝徳ほうとく如来にょらいとうの、 もろもろの如来にょらい清浄しょうじょう*仏刹ぶっせつにして、 げん得道とくどうするもの、 まさに得道とくどうすべきもの、 かくのごとき一切いっさいはみなこれ報身ほうじんぶつなり。 何者なにもの如来にょらいしんとならば、 なほ今日こんにち踊歩ゆぶごん如来にょらい恐怖くふ如来にょらいとうのごときなりº」 と。 じょう ¬安楽あんらくしゅう¼ (上・意)。

綽法師云、「是報仏報土。古旧等相伝、皆云↢化土化身↡。此為↢大失↡。依↢¬大乗同性経¼↡云、浄土中成仏者悉是報身。穢土中成仏者悉是化身。又彼¬経¼云、阿弥陀如来・蓮花開敷星王如来・竜主如来・宝徳如来等、諸如来清浄仏刹現得道者、当↢得道シタマフ↡者、如↠是一切皆是報身仏也。何者如来化身、由如↢今日踊歩健如来・魔恐怖如来等↡。」已上¬安楽集¼

 ^ふ。 かのぶつじょうどうしたまひて、 すでに久如いくひさしとかせん。

問。彼仏成道、為↢已久如↡。

^こたふ。 *しょきょうに 「じっこう」 とのたまひ、 ¬だい弥陀みだきょう¼ (上) には 「じっしょうこう」 とのたまひ、 ¬びょう等覚どうがくきょう¼ (一) には 「じゅうはちこう」 とのたまひ、 ¬しょうさんじょうきょう¼ には 「じゅう大劫だいこう」 とのたまへり。 じゃしょうりがたし。 ただ ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経)*きょうごうの ¬しょ¼ (*述文賛) に、 ¬びょうどうきょう¼ をしていはく、 「じゅうはちこうとは、 それしょうの、 そのなかのてんけっせるなり」 と。

答。諸経云ヘリ↢十劫↡¬大阿弥陀経¼云ヘリ↢「十小劫」↡¬平等覚経¼云ヘリ↢「十八劫」↡¬称讃浄土経¼云↢「十大劫」↡。邪正難↠知。但¬双巻経¼憬興師¬疏¼、会↢¬平等経¼↡云、「十八劫者、其小字闕セルナリトイヘリ↢其中点↡矣。」

→ⒶⒷⒸ経[多]
→ⒶⒷⒸⒹⒺ

 ^ふ。 らい寿じゅはいくばくぞ。

問。未来寿幾何。

^こたふ。 ¬*小経しょうきょう¼ に、 「りょうへんそうこう」 とのたまへり。

答。¬小経¼云↢「无量无辺阿僧祇劫」↡。

^¬*観音かんのんじゅきょう¼ (意) にのたまへり、 「弥陀みだぶつ寿じゅみょうりょうひゃく千億せんおくこうにして、 まさにしゅうごくあるべし。 ぶつ*はんのちに、 しょうぼうじゅうすること、 ぶつ寿じゅみょうひとしからん。 善男ぜんなん弥陀みだぶつしょうぼうめっしてのちに、 *ちゅうぶんぐしてみょうそうづるときに、 かんおんさつだいじゅにしてとうしょうがくじょうじ、 こうどく山王せんのう如来にょらいごうせん。 そのぶつこくには、 しょうもん縁覚えんがくあることなからん。 そのぶつこくを、 衆宝しゅぼうじゅうしょうごんごうせん。 こうどく如来にょらいはんしたまひて、 しょうぼうめっしてのちに、 大勢だいせいさつ、 すなはちそのくににしてじょうぶつし、 ぜんじゅうどく宝王ほうおう如来にょらいごうせん。 こくこうみょう寿じゅみょうないほうじゅうすること、 ひとしくしてことなることあることなからん」 と。

¬観音授記経¼云ハク、「阿弥陀仏寿命無量百千億劫、当↠有↢終極↡。仏涅槃後正法セムコト↠世、等↢仏寿命↡。善男子、阿弥陀仏正法滅シテ後、過↢中夜分↡明相デム時、観世音菩薩於↢菩提樹下↡成ラム↢等正覚↡号↢普光功徳山王如来↡。其仏国土、無↠有↢声聞・縁覚之名↡。其仏国土号↢衆宝普集荘厳↡。普光功徳如来涅槃、正法滅後、大勢至菩薩即於↢其国↡成ラム号↢善住功徳宝王如来↡。国土・光明・寿命、乃至法住セムコト、等無ムト↠有↠異。」

 Ⓓになし

 ^ふ。 ¬*どう性経しょうきょう¼ には 「報身ほうじん」 とのたまひ、 ¬*じゅきょう¼ には 「にゅうめつ」 とのたまふ。 きょうそうしょいかんが*する。

問。¬同性経¼云↢「報身」↡¬授記経¼云↢「入滅」↡。二経相違諸師何会。

^こたふ。 しゃくぜん (道綽)¬じゅきょう¼ をしていはく (安楽集・上)、 「これはこれ報身ほうじんの、 *隠没おんもつそうげんずるなり。 *めつにはあらず」 と。

答。綽禅師会↢¬授記経¼↡云、「此是報身現↢隠没相↡。非↢滅度↡也。」

^*ざい¬どう性経しょうきょう¼ をしていはく (浄土論)、 「じょうのなかにしてぶつになるをはんじてほうとなすことは、 これ*受用じゅゆうしんなり。 じつ報身ほうじんにはあらず」 と。

迦才会↢¬同性経¼↡云、「浄土中成↠仏判為コト↠報者、是受用事身。非↢実報身↡也。」

 ^ふ。 何者なにものをかしょうとなすや。

問。何者為↠正耶。

^こたふ。 ざいのいはく (浄土論)、 「しゅじょうぎょうにすでに*せんじゅあれば、 おうじょうしてることまた万別まんべつあるなり。 もしこのつくらば、 しょきょうろんのなかに、 あるいははんじてほうとなし、 あるいははんじてとなすこと、 みな妨難ぼうなんなし。 ただ諸仏しょぶつしゅぎょう、 つぶさにほうかんずることをれ。 ^¬*しょうろん¼ のごときには ª*ぎょうかんず、 しょうたいほうかんずº といへり。 *もしはほう、 もしは、 みなしゅじょうじょうじゅせんとほっすなり。 これすなはち、 むなしくもうけず、 ぎょうむなしくしゅせず。 ただぶつしんじて、 きょうによりてせんにしてねんずれば、 すなはちおうじょうすることを。 またすべからくほうとを図度はかるべからず」 と。

答。迦才云、「衆生起行既有↢千殊↡、往生見↠土亦有↢万別↡也。若作↢此解↡者、諸経論中或判為↠報、或判為コト↠化、皆無↢妨難↡也。但知↣諸仏修行具感↢報・化二土↡也。如↢¬摂論¼↡加行感↠化、正体感↠報。若報若化、皆欲↣成↢就衆生↡。此則土不↢虚設↡、行不↢空修↡。但信↢仏語↡依↠経専スルニ、即得↢往生↡。亦不↠須↣図↢度報之与↟化也。」

→ⒶⒷⒺ

^このしゃくし。 すべからくもつぱらにしてしょうねんすべし。 いたわしく分別ふんべつすることなかれ。

此釈善矣。須↢専称念↡。勿↢労分別↡。

 ^ふ。 かのぶつ相好そうごう、 なにをもつてかどうなる。

問。彼仏相好何以不同。

^こたふ。 ¬観仏かんぶつきょう¼ に、 諸仏しょぶつ相好そうごうきてのたまはく、 「にんそうどうずるがゆゑに*さんじゅうき、 もろもろのてんすぐれたるがゆゑに*はちじゅうこうく。 もろもろのさつのためには、 八万はちまんせんのもろもろのみょう相好そうごうく」 と。 かのぶつこれになぞらへよ。

答。¬観仏経¼説↢諸仏相好↡云、「同↢人相↡故説↢二↡勝↢諸天↡故説↢八十好↡。為↢諸菩薩↡説↢八万四千諸妙相好↡。」 彼仏准↠之。

 Ⓓになし
→Ⓔ十[種]

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・上) にのたまはく、 「かのぶつ*道樹どうじゅたかひゃくまんなり」 と。 *¬ほうしゃくきょう¼ にのたまはく、 「道樹どうじゅたかじゅうろくおくじゅんなり」 と。 ¬じゅうおうじょうきょう¼ にのたまはく、 「道樹どうじゅたかじゅうまんじゅんなり。 じゅ獅子ししあり、 たかひゃくじゅんなり」 と。 ¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「ぶつ身量しんりょうろくじゅう万億まんおく那由なゆごうしゃじゅんなり」 と。 *じゅ仏身ぶっしんと、 なんぞあひかなはざる。

問。¬双巻経¼云、「彼仏道樹高四百万里ナリ。」¬宝積経¼云、「道樹高十六億由旬ナリ。」¬十往生経¼云、「道樹高万由旬。樹下有↢師子座↡、高五百由旬。」¬観経¼云、「仏量六十万億那由他恒河沙由旬。」 樹座仏身何不↢相称↡。

^こたふ。 異解いげどうなり。 あるいはしゃくすらく、 「*ぶつきょうがいだいしょうあひへず」 と。 あるいはしゃくすらく、 「*応仏おうぶつせてじゅりょうき、 真仏しんぶつせてしんりょうく」 と。 またおおくのしゃくあり。 つぶさにぶべからずと。

答。異解不同。或釈、仏境界大小不↢相礙↡。或釈、寄↢応仏↡説↢樹量↡寄↢真仏↡説↢身量↡。又有↢多釈↡。不↠可↢具述↡。

 ^ふ。 ¬ごんぎょう¼ (意) にのたまはく、 「*しゃかい一劫いっこう極楽ごくらくこく一日いちにちいちとなす」 といへり。 これによりてまさにるべし、 じょうぼん中生ちゅうしょうの、 *宿しゅくはなひらくるは、 このけん半劫はんこうあたれり。 ない下下げげしょうじゅうこうは、 このけん*ごうしゃ塵数じんじゅこうあたれり。 なんぞ極楽ごくらくづけん。

問。¬華厳経¼云、「娑婆世界一劫為↢極楽国一日一夜↡」等。 由↠此当↠知、上品中生逕↠宿華開、当↢此間半劫↡。乃至下々生十二劫、当↢此間恒河沙塵数劫↡。何名↢極楽↡。

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^こたふ。 たとひ恒沙ごうじゃこうれんひらけずとも、 すでにすこしきなし、 あに極楽ごくらくにあらずや。

答。設経↢恒沙劫↡蓮花不↠開、既无↢微苦↡、豈非↢極楽↡。

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) にのたまふがごとし、 「その*たいしょうのもののところするところの殿でんは、 あるいはひゃくじゅん、 あるいはひゃくじゅんなり。 おのおのそのなかにしてもろもろのらくくること、 とうてんのごとし」 と。

如↢¬双巻経¼云↡、「其胎生者所↠処宮殿、或百由旬、或五百由旬。各於↢其中↡受↢諸快楽↡如↢忉利天↡。」

^あるのいはく、 「*たいしょうは、 これ*ちゅうぼんぼん」 と。

有師云、「胎生是中品下。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^あるはいはく、 「*ぼんせっせざるところなり」 と。

有師云、「九品所↠不↠摂。」

^せつありといへどもらくべつならず。 いかにいはんや、 かのぼんるところのにちはんずること、 しょどうなるをや。 かんきょうとうしょは、 かのこくにち劫数ごうしゅなりとゆるすは、 まことにむるところにあたれり。 あるのいはく、 「*ぶつ、 このにちをもつて、 これをきて、 しゅじょうをしてらしめたまふ」 と。

雖↠有↢異説↡快楽不↠別。何況判↢彼九品所逕日時↡、諸師不同ナリ。懐感・智憬等諸師、許↢彼国土日夜劫数↡誠当↠所↠責。有師云、「仏以↢此土日夜↡説↠之、令↢衆生知↡。」

→Ⓒ

^いまいはく、 のちしゃくとがなし。 しばらくれいをもつて*じょじょうせん。

今謂、後釈無↠失。且以↢四例↡助成。

^いちには、 かのぶつしんりょう、 そこばくじゅんといふは、 かのぶつぶんをもつて、 かさねてかのじゅんとなせるにあらず。 もししからずは、 しゅせんのごときちょうだいにんの、 いち毛端もうたんをもつて、 そのゆびふしとなさんにたるべし。 ゆゑにりぬ、 ぶつゆびりょうをもつて仏身ぶっしんちょうたんかずといふことを。 なんぞかならずしも、 じょう*こくをもつてはなひらくるそくかんや。

一者彼仏身量若干由旬、不↧以↢彼仏指分↡畳ムデ↦彼由旬↥也。若不↠爾者、応↠似↧如↢須弥山↡長大之人以↢一毛端↡為↦其指節↥。故知不↧以↢仏指量↡説↦仏身長短↥。何必以↢浄土時剋↡説↢華開遅速↡耶。

 Ⓐになし

^には、 ¬*そんしょう陀羅だらきょう¼ にくがごとし。 「とうてんじょうぜんじゅうてんそらこえぐるをくに、 ªなんぢ、 まさに七日しちにちありてぬべしº と。 とき*てんたいしゃくぶつ教勅きょうちょくけて、 かのてんをして七日しちにち勤修ごんしゅせしむ。 七日しちにちぎてのちに、 寿じゅみょうぶることをたり」 と。

二者如↢¬尊勝陀羅尼経¼説↡。「忉利天上善住天子、聞↢空声告↡、汝当↢七日死↡。時天帝釈、承↢仏教勅↡、令↢彼天子七日勤修↡。過↢七日↡後寿命得↠延。」

^これはこれ、 にんちゅうにちをもつてけるなり。 もしてんじょう七日しちにちによらば、 にんちゅうしちひゃくさいあたれり。 *ぶつはちじゅうねんのうちに、 そのけつりょうすべきにあらず。 ぼんにちもまたこれにおなじかるべし。

此是人中日夜而説。若拠↢天上七日↡、当↢於人中七百歳↡。不↠応↣仏世八十年中、決↢了其事↡。九品日夜亦応↠同↠之。

→ⒶⒷⒸⒹⒺ日[者]

^さんには、 *ほう所訳しょやくの ¬きょう¼ にのたまはく、 「たいしょうにんは、 ひゃくさいぎてぶつたてまつることを」 と。 ¬びょう等覚どうがくきょう¼ (三) にのたまはく、 「れんのなかに*しょうして、 しろのなかにあり。 このけんひゃくさいにして、 づることをることあたはず」 と。 きょうごうとう、 このもんをもつて、 このほうひゃくさいなりといふことをしょうす。 いまいはく、 かのたいしょう歳数さいしゅ、 すでにこのけんによりてく。 ぼんこく、 なんのべつありてか、 かれにおなじからざらんや。

三者法護所訳¬経¼云、「胎生之人過↢五百歳↡得↠見↢於仏↡。」¬平等覚経¼云、「於↢蓮華中↡化生、在↢城中↡於↢是間五百歳↡不↠能↠得↠出。」 憬興等師以↢此文↡証↢此方五百歳↡也。今云、彼胎生歳数既依↢此間↡説。九品時剋有↢何別義↡不↠同↠彼耶。

 Ⓓになし

^には、 もしかのさかいによりてぼんけりとせば、 じょうぼん中生ちゅうしょう*いっ宿しゅくじょうぼんしょう一日いちにちいちは、 すなはちこのさかい半劫はんこう一劫いっこうあたれり。 もししかなりとゆるさば、 たいしょうしんのものすら、 なほしゃひゃくさいて、 すみやかにぶつたてまつることをるに、 じょうぼんしんぎょうのもの、 あに半劫はんこう一劫いっこうぎて、 おそれんひらかんや。 このことわりあるがゆゑに、 のちしゃくとがなし。

四者若拠↢彼界↡説↢九品↡者、上品中生一宿、上品下生一日一夜、即当↢此界半劫・一劫↡。若許↠爾ナリト者、胎生疑心者尚逕↢娑婆五百歳↡而速得ルニ↠見↠仏上品信行者豈過↢半劫・一劫↡而遅開↢蓮華↡耶。有↢此理↡故後釈无↠失。

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

 ^ふ。 もしこのさかいにちこくをもつてかのそうかば、 かの上上じょうじょうぼんは、 かのくにうまれをはりて、 すなはち*しょう法忍ぼうにんさとるべからず。 しかる所以ゆえんは、 こさかい少時しょうじしゅぎょうをばすぐれたりとなし、 かのくに多時たじ善根ぜんごんをばれつなりとなす。 すでにしからば、 上上じょうじょうぼんにんは、 このかいにして、 一日いちにちより七日しちにちいたるまで、 *さん福業ぷくごうそくするに、 なほしょう法忍ぼうにんしょうすることあたはざりき。 いかんぞ、 かしこにうまれて、 ほうきてすなはちさとらんや。 ゆゑにりぬ、 かのこくじょうおん*こくて、 しょうにんさとるなり。 しかも、 かしこにやくして、 すなはちさとるとづくるも、 ここにのぞむれば、 すなはち億千おくせんざいなり。 あるいは上上じょうじょうにんは、 かならずこれ*方便ほうべんしんぎょう円満えんまんせるものなるべし。 もししからずは、 諸文しょもん*じゅんせん。

問。若以↢此界日夜時剋↡説↢彼相↡者、彼上々品、生↢彼国↡已、不↠応↣即悟↢无生法忍↡。所↢以然↡者、此界少時修行為↠勝彼国多時善根為↠劣。既爾、上々品人、於↢此世界↡一日至↢七日↡具↢足三福業↡、尚不↠能↠証↢無生法忍↡。云何生↠彼聞↠法即悟。故知経↢彼国土長遠時剋↡、悟↢無生忍↡。然約↠彼名クルナリ↢即悟↡望↠此即億千歳。或可↢上々人必是方便後心行円満者↡。若不↠爾者、諸文桙楯ナリ

 ⒹⒺになし
→Ⓐ生[法]
 ⒹⒺになし

^こたふ。 いまだ、 かのくにぜんれつなり、 このさかいしょうぜんすぐれたりといふことをらず。

答。未↠知↢彼国多善劣、此界少善勝↡。

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)かく、 「ここにして*ひろ徳本とくほんゑ、 おんほどこし、 *道禁どうきんぼんすることなく、 忍辱にんにくし、 しょうじんし、 一心いっしんし、 智慧ちえありて、 うたたあひきょうして、 ぜんりゅうし、 こころただしくし、 斎戒さいかい清浄しょうじょうにして一日いちにちいちすれば、 りょう寿じゅぶつくににありて、 ぜんをなすことひゃくさいするにすぐれたり。 所以ゆえんはいかん。 かのぶっこく無為むいねんにして、 みなもろもろのぜんみて毛髪もうはつあくもなし。 ここにしてぜんしゅすることじゅうにちじゅうすれば、 ほう諸仏しょぶつくにのなかにしてぜんなすこと千歳せんざいするにすぐれたり」 と。 これそのしょうれつなり。

問。¬双巻経¼説、「於↠是広殖↢徳本↡、敷↠恩施↠恵、勿↠犯↢道禁↡、忍辱精進一心智恵、転相教化、立↠善正↠意、斎戒清浄一日一夜、勝↧在↢无量寿仏国↡ツクコト↠善百歳↥。所以者何。彼仏国土無為自然、皆積↢衆善↡无↢毛髪之悪↡。於↠此修コト↠善十日十夜、勝↧於↢他方諸仏国中↡為↠善千歳↥。」 是其勝劣。

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒷⒸ
→ⒷⒸⒹⒺ
 ⒹⒺになし
→ⒹⒺ歳[等]

^こたふ。 かい善根ぜんごん*剋対こくたいするにはしかるべし。 しかも、 ぶつえんすぐれたれば、 すみやかにさとるにとがなし。 あるいはこの ¬きょう¼ (大経・下) は、 ただしゅぎょうなんあらわし、 善根ぜんごんしょうれつあらわすにはあらず。 たとへば、 貧賎びんせんなるものの一銭いっせんするをば、 しょうすべしといへども、 しかもしゅべんぜず、 富貴ふき千金せんきんつるはしょうすべからずといへども、 しかもよくまんべんずるがごとし。 かいしゅぎょうもまたかくのごとし。

答。二界善根剋対可↠爾。然値仏縁勝、速悟無↠失。或此¬経¼但顕スナリ↢修行難易↡非↠顕↢善根勝劣↡。譬如↧貧賎施↢一銭↡雖↠可↢称美↡、而不↠弁↢衆事↡、富貴捨↢千金↡雖↠不↠可↠称、而能弁↦万事↥。二界修行亦復如↠是。

→Ⓒ

^¬*金剛こんごう般若はんにゃきょう¼ (意) にのたまへるがごとし。 「*ぶっにしてしんするをば、 いまだすぐれたりとなすにらず。 めつをばすぐれたりとなす」 と。

如↢¬金剛般若経¼云↡。「仏世信解未↠足↠為↠勝。滅後ヲバ為↠勝。」

^あるいはあり。 *きょくすることあたはず。

或有↢余義↡。不↠能↢委曲↡。

 ^ふ。 しゃぎょういんしたがひて、 極楽ごくらくかいべつあるがごとく、 所感しょかん福報ふくほうもまたべつありや。

問。如↧随↢娑婆行因↡極楽階位有↞別、所感福報亦有↠別耶。

^こたふ。 *たいべつなきも、 *細分さいぶんしゃあり。

答。大都無↠別細分有ナム↠差。

^¬*陀羅尼だらにじっきょう¼ のだいにのたまふがごとし。 「もしひとこうじきとうをもつてようせざるものは、 かのじょううまれたりといへども、 しかもこうじきとう種々しゅじゅようほうず」 と。 このもんは、 *かのぶつ本願ほんがんたがへり。 さらにこれをしゃくせよ。

如↢¬陀羅尼集経¼第二云↡。「若人不↧以↢香花・衣食等↡供養↥者、雖↠生↢彼浄土↡、而不イヘリ↠得↢香花・衣食等種々供養之報↡。」此文違↢彼仏本願↡。更思↢釈之↡。

 ◎「11字注也」と上欄註記
→ⒷⒸ違[於]
→ⒶⒷⒸ

^*玄一げんいち*いんほっおなじくいはく、 「*じつやくしてろんずれば、 またしょうれつあり。 しかもそのかたちそうせるがゆゑ好醜こうしゅなしとく」 と。

玄一師・因法師同云、「約↠実而論、亦有↢勝劣↡。然其状相似故説↠無↢好醜↡。」

→ⒷⒸ[又]玄

 ^ふ。 極楽ごくらくかいは、 ここをることいくばくぞ。

問。極楽世界去↠此幾処。

^こたふ。 ¬*きょう¼ にのたまはく、 「ここより西方さいほうに、 じゅう万億まんおくぶつぎて極楽ごくらくかいあり」 と。

答。¬経¼云、「従↠此西方過↢十万億仏土↡有↢極楽世界↡。」

^ある ¬きょう¼ (称讃浄土経) にのたまはく、 「これより西方さいほうに、 このかいることひゃくせんてい那由なゆぶつぎてぶつかいあり。 づけて極楽ごくらくといへり」 と。

有¬経¼云、「於↠是西方去↢此世界↡過↢百千倶胝那庾多仏土↡有↢仏世界↡。名曰↢極楽↡。」

 ^ふ。 きょう、 なんがゆゑぞどうなる。

問。二経何故不同。

^こたふ。 ¬ろん¼ (浄土論)*こうの ¬しょ¼こころにいはく、 「*ていといふは、 ここにはおくとなす。 那由なゆといふは、 このけんがいかずあたれり。 ぞくにいはく、 じゅうせんまんといひ、 じゅうまんおくといひ、 じゅうおくちょうといひ、 じっちょうけいといひ、 じっけいがいといふ。 がいはなほこれ大数だいしゅなり。 ひゃくせんていはすなはちじゅう万億まんおくなり。 おくくらいあり。 いちにはじゅうまんには百万ひゃくまんさんには千万せんまんには万万まんまんなり。 いまおくといふはすなはちこれ万万まんまんなり。 このあらわさんがために那由なゆぐ」 と。 このしゃくおもふべし。

答。¬論¼智光¬疏¼意云、「言↢倶胝↡者、此為↠億也。那庾多者、当↢此間欬数↡也。世俗言、十千曰↠万十万曰↠億十億曰↠兆十兆曰経曰↠欬。欬猶是大数也。百千倶胝即十万億。億有↢四位↡。一者十万、二者百万、三者千万、四者万々。今言↠億者即是万々。為↠顕↢此義↡挙↢那庾多↡。」 此釈可↠思。

→Ⓔ
→ⒷⒸ
→Ⓐ
→ⒷⒸ Ⓐ「庾」と右傍註記

 ^ふ。 かのぶつ*しょはただ極楽ごくらくとやせん、 またありとやせん。

問。彼仏所化為↢唯極楽↡、為↢亦有↟余。

^こたふ。 ¬大論だいろん¼ (*大智度論) にいはく、 「弥陀みだぶつにもまたごんじょうごんじょうあること、 *しゃもんのごとし」 と。

答。¬大論¼云、「阿弥陀仏亦有↢厳浄・不厳浄土↡如↢釈迦文↡。」

→ⒷⒸ牟尼

 ^ふ。 なんらかこれなるや。

問。何等是ナル耶。

^こたふ。 極楽ごくらくかいはすなはちこれじょうなり。 しかも、 その ˆ弥陀みだぶつのˇ 穢土えどはいまだいづれのところなるかをらず。 ただしどうしゃくとうしょ、 ¬おんじょうきょう¼ の所説しょせつこくをもつてかの穢土えどとなす。

答。極楽世界即是浄土。然其穢土未↠知↢何処↡。但道綽等諸師以↢¬鼓音声経¼所説国土↡為↢彼穢土↡。

かの ¬きょう¼ (鼓音声経) にのたまふがごとし。 「弥陀みだぶつしょうもんとともなり。 そのくにごうしてしょうたいといふ。 じょうおうむところなり。 そのしろ*じゅうこうじゅうせんじゅんなり。 なかにおいて*せつしゅじゅうまんせり。 弥陀みだぶつ如来にょらいおうしょうへんちち月上がつじょう転輪てんりんじょうおうづく。 そのははづけてしゅしょうみょうげんといふ。 *がつみょうづく。 *奉事ぶじ弟子でし無垢むくしょうづく。 *智慧ちえ弟子でしづけて攬光らんこうといふ。 *神足じんそく精勤しょうごんのものをづけてだいといふ。 そのときおうづけてしょうといふ。 だいだっあり、 づけてじゃくといふ。 弥陀みだぶつだい比丘びく六万ろくまんひととともなり」 と。

如↢彼¬経¼云↡。「阿弥陀仏与↢声聞↡倶。其国号曰↢清泰↡。聖王所住。其城縦広十千由旬。於↠中充↢満シメタ刹利之種↡。阿弥陀仏・如来・応・正遍知父名↢月上転輪聖王↡。其母名曰↢殊勝妙顔↡。子名↢月明↡。奉事弟子名↢無垢称↡。智慧弟子名曰↢攬光↡。神足精勤ノモノヲ名曰↢大化↡。爾時魔王名曰↢無勝↡。有↢提婆達多↡、名曰↢寂↡。阿弥陀仏与↢大比丘六万人↡ナリトイヘリ。」

→Ⓔ
 ⒷⒸⒹⒺになし
 ⒹⒺになし
→Ⓔ寂[静]
→ⒷⒸⒺ倶[已上]

 ^ふ。 かのぶつしょは、 ただ極楽ごくらくしょうたいとのくにとのみやせん。

問。彼仏所化、為↢唯極楽・清泰二国↡。

^こたふ。 きょうもんは、 えんしたがひてしばらく一隅いちぐうぐ。 その実処じっしょろんずれば不可ふか思議しぎなり。

答。教文随↠縁且挙↢一隅↡。論↢其実処↡不可思議。

 Ⓐ「求」と右傍註記

^¬ごんぎょう¼ のにのたまふがごとし。

さつもろもろの願海がんかいしゅぎょうして、 あまねくしゅじょうしん所欲しょよくしたがふ。

しゅじょう*しんぎょうひろくしてへんなれば、 さつこく十方じっぽうへんせり」 と。

如↢¬華厳経¼偈云↡。「菩薩修↢行諸願海↡、普随↢衆生心所欲↡。衆生心行広無辺、菩薩国土遍↢十方↡。」

^またのたまはく (華厳経)

如来にょらいしゅつげんしたまひて十方じっぽうへんし、 一々いちいちじんのなかにりょうあり。

そのなかのきょうがいまたりょうなるに、 ことごとくへんじんこうじゅうしたまふ」 と。

又云、「如来出現、遍タマフ↢十方一々塵中無量土其中境界亦無量、悉住↢無辺无尽劫↡。」

 Ⓐになし
→Ⓐ

 ^ふ。 如来にょらい*施化せけは、 ひとおこりたまはず。 かならずえんたいす。 なんぞ十方じっぽうへんする。

問。如来施化、事不↢孤起↡。要対↢機縁↡。何遍↢十方↡。

^こたふ。 広劫こうごうしゅぎょうしてりょうしゅうじょうじゅしたまへり。 ゆゑにかのえん、 また十方じっぽうさかいへんせり。

答。広劫修行成↢就無量衆↡。故彼機縁、亦遍↢十方界↡。

→ⒶⒹⒺ

^¬ごん¼ のにのたまふがごとし。

おうじゃく勤修ごんしゅしたまふこと劫海こうかいにして、 よくしゅじょうじんじゅうさわりてんじたまへり。

ゆゑによくわかつこと十方じっぽうへんして、 ことごとくだい樹王じゅおうもとげんじたまふ」 と。

如↢¬華厳¼偈云↡。「往昔勤修多劫海、能転↢衆生深重障↡。故能分ツコト遍↢十方↡、悉現↢菩提樹王下↡。」

二 Ⅹ 往生階位

【72】^だいおうじょうかいといふは、

第二往生階位者、

^ふ、 ¬*瑜伽ゆがろん¼ (意) にいはく、 「*さんさつ、 まさにじょううまる」 と。 いま*ぜんぼんしょうもんすすむるに、 なんのこころかある。

¬瑜伽論¼云、「三地菩薩方生↢浄土↡。」今勧↢地前凡夫・声聞↡有↢何意↡。

^こたふ。 じょう差別しゃべつあるがゆゑにとがあることなし。

答。浄土差別故無↠有↠過。

^かん (懐感)しゃく (群疑論・意) にいふがごとし。 「もろもろのきょうろんもんに、 じょうしょうずることをに、 おのおのいちによれり。 じょうすでにみょうしょうれつあれば、 しょうずることをることもまたじょう階降かいごうあり」 と。

如↢感師釈云↡。「諸経論文説↠生↢浄土↡、各拠↢一義↡。浄土既有↢麁妙・勝劣↡、得↠生亦有↢上下階降↡。」

→ⒶⒷⒸ降[已上]

^また*道宣どうせんりっのいはく、 「さんさつ、 はじめて*報仏ほうぶつじょうる」 と。

又道宣律師云、「三地菩薩始見↢報仏浄土↡。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

 ^ふ。 たとひほうにあらずとも、 *惑業わくごうおもきもの、 あにじょうんや。

問。設非↢報土↡、惑業重者豈得↢浄土↡。

^こたふ。 天台てんだい (智顗) ののたまはく (維摩経略疏・意)、 「りょう寿じゅくにほうしゅしょうなりといへども、 りんじゅうときさん念仏ねんぶつすれば、 *ごっしょうすなはちてんじて、 すなはちおうじょう惑染わくぜんせりといへども、 願力がんりきをもつてしんたもちて、 また ˆじょうにˇ することを」 と。

答。天臺云、「無量寿国雖↢果報殊勝↡、臨終之時懴悔念仏、業障便転即得↢往生↡。雖↠具↢惑染↡、願力ヲモテ持↠心亦得↠居也。」

寿→ⒷⒸ寿[仏]

 ^ふ。 もしぼんまたおうじょうすることをゆるさば、 ¬ろくもんきょう¼ をいかんがつうせん。 ¬*きょう¼ (同) にのたまはく、 「ぶつねんずるはぼんねんにあらず。 *けっ使ぞうせずして、 弥陀みだ仏国ぶっこくうまるることを」 と。

問。若許↣凡夫亦得↢往生↡、¬弥勒問経¼如何通会。¬経¼云、「念↠仏者非↢凡愚念↡。不↠雑↢結使↡、得↠生↢弥陀仏国↡。」

→ⒷⒸ国[已上]

^こたふ。 ¬*西方さいほう要決ようけつ¼ にしゃくしていはく、 「しゃなりとりてなが*染界ぜんかいするは、 すなはち*薄浅はくせんはんにあらず。 *当来とうらいぶつつくりて、 こころもつぱらひろく、 法界ほうかいしゅじょうせんとす。 このしょうあるがゆゑにならず。 しょうねんするときけっ使*眠伏めんぶくす。 ゆゑにけっ使ねんまじへずといふ」 と。 こころのいはく、 ぼんぎょうにんの、 このとくせるなり。

答。¬西方要決¼釈云、「知↢娑婆苦↡永辞レバ↢染界↡、即非↢薄浅汎↡。当来作ラムトイヒ↠仏、意ヲモテニス、広度セムトイフ↢法界衆生↡有↢此勝解↡故非↠愚也。正念時結使眠伏。故言↢不結使念↡也。」 意云、凡夫行人具↢此徳↡也。

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒷⒸ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓐ[功]徳

 ^ふ。 かのくにしゅじょうはみな退転たいてんなり。 あきらかにりぬ、 これぼん生処しょうじょにあらずといふことを。

問。彼国衆生皆不退転。明知非↢是凡夫生処↡。

^こたふ。 いふところの退たいとは、 かならずしもこれしょうとくにあらじ。

答。所↠言不退者非↢必是聖徳↡。

^¬要決ようけつ¼ (西方要決) にいふがごとし。 「いま退たいかすに、 そのしゅあり。 ¬*十住じゅうじゅう毘婆びばしゃ¼ にいはく、

如↢¬要決¼云↡。「今明↢不退↡、有↢其四種↡。¬十住毘婆娑¼云、

→ⒷⒸ

^ªいちには退たい、 すなはちいんしゅすること万劫まんごうありて、 また、 *悪律あくりつぎょう退たいしょうてんせざるなり。

一位不退、即修↠因万劫、不↧復退↢堕悪律儀行↡流↦転生死↥。

^にはぎょう退たい、 すでに*しょて、 利他りたぎょう退たいせざるなり。

二行不退、已得↢初地↡利他行不↠退。

^さんにはねん退たい*はち以去いこゆうにして、 こころざいるがゆゑに。

三念不退、八地已去無功用意得↢自在↡故。

^にはしょ退たいもんしょうなしといへども、 やくしてもつてじょうず。 いかんとならば、 てんのなかにれば、 すなはち退たいるがごとく、 じょうまたしかなり。 いのちながくしてやまいなく、 すぐれたるとも提携ていけいし、 純正じゅんしょうにしてじゃなく、 ただじょうにしてぜんなく、 つねにしょうそんつかへまつる、 このえんによりてそのところ退しりぞくことなしº」 と。 以上略抄

四処不退、雖↠無↢文証↡、約↠理以成。何者、如↢天レバ↠果、即得↟不ルコトヲ退、浄土亦爾。命長無↠病、勝レタル提携、純正无↠邪、唯浄無↠染、恒事↢聖尊↡、由↢此五縁↡其処無↠退クコト。」已上略抄

 ^ふ。 ぼんかい異解いげどうなり。

問。九品階位、異解不同。

^*おんほっ (浄影寺慧遠) のいふがごとし。 「じょう上生じょうしょう*ろくなり。 じょう中生ちゅうしょう*しょさんなり。 じょうしょう*ぜんさんじっしんなり」 と。

如↢遠法師云↡。「上上生四・五・六地。上中生初・二・三地。上下生地前心也。」

*りきほっのいはく、 「上上じょうじょう*ぎょうこうなり、 上中じょうちゅう*じゅうなり、 じょう*じっしんなり」

力法師云、「上上行・向、上中十解、上下十信。」

と。 *基師きしのいはく、 「上上じょうじょう*じゅうこう上中じょうちゅう*ぎょうり、 じょうじっしんなり」 と。

基師云、「上上十廻向、上中解・行、上下十信。」

あるがいはく、 「上上じょうじょう十住じゅうじゅう初心しょしんなり、 上中じょうちゅうじっしんしんなり、 じょうじっしんしょなり」 と。

有云、「上々十住初心、上中十信後心、上下十信初位。」

あるがいはく、 「上上じょうじょうじっしんおよびぜんの、 よくさんしんおこして、 よく*さんぎょうしゅするものなり。 上中じょうちゅうじょうは、 ただじっしんぜんの、 提心だいしんおこして、 ぜんしゅするぼんる。 ぎょう浅深せんじんにより、 もつてほんわかつ」 と。

有云、「上々十信及以前能発↢三心↡、能修↢三行↡者也。上中・上下、唯取↧十信以前発↢菩提心↡修↠善凡夫↥。起行浅深ヨリ以分↢二品↡也。」

→Ⓐ
→ⒹⒺ

^しょ所判しょはんどうなる所以ゆえんは、 *しょうにんくらいどうなるをもつてのゆゑなりと。 *¬*仁王にんのうきょう¼ には、 しょうにんしちはちにあり。 諸論しょろんには、 しょにあるいは*にんにあり。 ¬*本業ほんごう瓔珞ようらくきょう¼ には、 十住じゅうじゅうにあり。 ¬ごんぎょう¼ には、 じっしんにあり。 ¬占察せんざつきょう¼ には、 *いちぎょう三昧ざんまいしゅしてそうしょう法忍ぼうにんるものをけり。 ゆゑにしょおのおのいちによるなり。

所↢以諸師所判不同↡者、以↢無生忍位不同↡故。¬仁王経¼无生忍在↢七・八・九地↡。諸論在↢初地或忍位↡。¬本業瓔珞経¼在↢十住↡。¬花厳経¼在↢十信↡。¬占察経¼説↧修↢一行三昧↡得↢相似無生法忍↡者↥也。故諸師各拠↢一義↡也。

^ちゅうぼんさんしょうは、 おん (浄影寺慧遠) のいはく、 「中上ちゅうじょうはこれ*ぜんさんなり、 中中ちゅうちゅうはこれ*しち方便ほうべんなり、 ちゅうはこれ*だつぶんぜんゑたるひとなり」 と。 りきほっこれにおなじ。 ほっのいはく、 「中上ちゅうじょう*善根ぜんごん中中ちゅうちゅう*さんげんちゅう*方便ほうべんまえひとなり」 と。 あるがいはく、 「いでのごとく、 *にんちょうなんなり」 と。 あるがいはく、 「*さんしょうはならびにこれだつぶん善根ぜんごんゑたるひとなり」 と。 じょう六品ろくほんにまたしゃくあり。 かんぜん (懐感) の ¬ろん¼ (群疑論)、 龍興りゅうこうの ¬¼ (観無量寿経記) とうえたり。

中品三生、遠云、「中上是前三果、中々是七方便、中下是種↢解脱分善↡人。」力法師同↠之。基法師云、「中上四善根、中々三賢、中下方便前人。」有云、「如↠次忍・頂・煖。」有云、「三生並是種↢解脱分善根↡人也。」已上六品亦有↢余釈↡。見↢感禅師¬論¼、龍興¬記¼等↡

法師 ⒷⒸⒹⒺになし
→Ⓔ
→Ⓐ

^ぼんさんしょうべつかいなし。 ただこれ*ばく造悪ぞうあくにんなり。

下品三生无↢別階位↡。但是具縛造悪人也。

^あきらけし、 おうじょうにんはそのくらいかぎりあり。 いかんぞ、 なほこれわれらがぶんなりとはるや。

明、往生人其位有↠限。寧知↢猶是我等分↡耶。

→ⒶⒹⒺ[問]明

^こたふ。 じょうぼんにんかいたとひふかくとも、 ぼんさんしょう、 あにわれらがぶんにあらざらんや。 いはんや、 *かののちしゃくに、 すでにじっしんぜんぼんりてじょうぼんさんとなせるをや。

答。上品之人階位設深、下品三生豈非↢我等分↡耶。況彼後釈、既取↢十信以前凡夫↡為ルヲヤ↢上品三↡。

 ⒹⒺになし

^また ¬かんぎょう¼ の善導ぜんどうぜんの 「げん(*玄義分) に、 だい小乗しょうじょう*方便ほうべんぜんぼんをもつてぼんくらいはんじて、 しょ所判しょはん深高じんこうなることをゆるさず。 またきょうろんは、 おおもんによりてはんず。 いまの ¬きょう¼ (観経)所説しょせつじょうさんぼんごうを、 なんぞかならずしもしゅうしてじんぎょうとなさんや。

又¬観経¼善導禅師「玄義」、以↢大小乗方便以前凡夫↡判↢九品位↡、不↠許↢諸師所判深高↡。又経論多依↠文判↠義。今¬経¼所説上三品業、何必執為ムヤ↢深位行↡耶。

→Ⓐ
 Ⓐになし

 ^ふ。 もししからば、 かしこにしょうじて、 はやしょう法忍ぼうにんさとるべからず。

問。若爾生↠彼不↠応↣早悟↢無生法忍↡。

^こたふ。 天台てんだいにはしょうにんくらいあり。 もし*べっきょうにんならば、 *りゃくこうしゅぎょうしてしょうにんさとり、 もし*えんぎょうにんならば、 ない悪趣あくしゅしんにしてまたとんしょうするものあり。 穢土えどなほしかなり、 いかにいはんやじょうをや。 かのしょをば、 しょれいすることなかれ。 いづれのところにか、 一切いっさいぼん、 いまだそのくらいいたらざるに、 つひに退たいすることなく、 いづれのところにか、 一切いっさいぼん、 ことごとく*神通じんずう*みょうゆう無礙むげならんや。 しょうそくれいしてまたしかるべし。

答。天臺有↢二無生忍位↡。若別教人歴劫修行悟↢无生忍↡円教人、乃至悪趣身亦有↢頓証者↡。穢土尚爾。何況浄土。彼土諸事莫↠例↢余処↡。何処一切凡夫、未↠至↢其位↡、終無キヤ↢退堕スルコト何処一切凡夫、悉得↢五神通↡妙用无礙耶。証果遅速、例亦可↠然。

→Ⓐ[三]悪

 ^ふ。 じょうぼんしょうにんの、 得益とくやく*早晩そうばん一向いっこうにしかるか。

問。上品生人得益早晩、一向爾耶。

^こたふ。 ¬きょう¼ (観経) のなかにはしばらく一類いちるいぐるなり。

答。¬経¼中且挙↢一類↡。

^ゆゑに ˆじょうようˇ おんしょうの ¬かんぎょう義記ぎき¼ (観経義疏) にいはく、 「ぼんにんの、 かのくにうまれをはりて、 やく劫数こうしゅは、 すぐれたるによりてく。 またこれにぎたるものもあるべし」 と。

恵遠和尚¬観経義記¼云、「九品人生↢彼国↡已得↠益之劫数、依↠勝而説。理亦有↢過↠之者↡。」

→ⒶⒹⒺ
→Ⓓ

^いまいはく、 ひろくぼんろんぜば、 あるいはまたしょうぶんこれよりすみやかなるものもあるべし。

今謂汎論↢九品↡、或復可↠有↧少分速↢於此↡者↥。

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経) のなかに、 またろくとうのごとき、 もろもろのだいさつの、 まさに極楽ごくらくしょうずべきあり。 ゆゑにりぬ、 ¬きょう¼ (観経) のなかのぼん得益とくやくれつなるによりてしかもけるなり。 いかんぞ 「すぐれたるによる」 とはいふや。

問。¬双巻経¼中、亦有↧如↢弥勒等↡諸大菩薩当↞生↢極楽↡。故知¬経¼中九品得益依↠劣而説。何言↠依ルトハ↠勝耶。

^こたふ。 かのくにうまれてはじめてしょうさとる、 ぜん早晩そうばんやくして、 これを 「すぐれたるによる」 といふなり。 さらにかのじょう*だいをばろんぜず。 しかも、 かのだいぼんのなかにおいてしょう不摂ふしょうとを、 べつちゃくすべし。

答。約↧生↢彼国↡始悟↢無生↡前後早晩↥、謂↢之依↟勝。更不↠論↢彼上位大士↡。然彼大士於↢九品中↡摂与↢不摂↡別応↢思択↡。

→ⒹⒺ

 ^ふ。 もしぼんやからもまたおうじょうすることをば、 いかんぞ、 近代ごんだい、 かのこくにおいてもとむるものは千万せんまんなるも、 ることはいちもなきや。

問。若凡下輩亦得↢往生↡云何、近代於↢彼国土↡求者千万ナリ得無↢一二↡。

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) のいはく (安楽集・上意)、 「信心しんじんふかからずして、 *ぞんぜるがごとく、 もうるがごときゆゑに。 信心しんじんいちならずして、 けつじょうせざるがゆゑに。 信心しんじん相続そうぞくせずして、 ねんへだつるがゆゑに。 このさん相応そうおうせざるものは、 おうじょうすることあたはざるなり。 もしさんしんしておうじょうせずといはば、 このことわりあることなからん」 と。

答。綽和尚云、「信心不↠深、若↠存若↠亡故。信心不↠一、不↢決定↡故。信心不↢相続↡、余念マジハレル故。此三不↢相応↡者不↠能↢往生↡。若具↢三心↡不↢往生↡者、无ムト↠有↢是処↡。」

^どうしょう (善導) のいはく (礼讃)、 「もしよくかみのごとく念々ねんねん相続そうぞくしていのちふるをとなすものは、 じゅうはすなはちじゅうしょうじ、 ひゃくはすなはちひゃくしょうず。 もしせんてて雑業ぞうごうしゅせんとほっするものは、 ひゃくにしてときまれいちせんにしてときまれさん」 と。 かみのごとく」 といふは、 らいさんとう念門ねんもんじょうとうさんしんじょうとうしゅすなり。

導和尚云、「若能如↠上念々相続畢↠命↠期者、十即十生、百即百生。若欲セム↣捨↠専スルコト修↢雑業↡者、百時希得↢一二↡千時希得↢三五↡。」言↢如上↡者指↢礼・讃等五念門、至誠等三心、長時等四修↡也

 ^ふ。 もしかならずいのちふるをとなさば、 いかんぞ、 かんしょう (懐感) の、 「じょうたんしゅしょうしゅ、 みなおうじょうすることを(群疑論) といへるや。

問。若必畢スル↠命為↠期者、如何感和尚云↣「長時・短時、多修・少修、皆得↢往生↡」耶。

→ⒹⒺ

^こたふ。 *業類ごうるいいちにあらざるがゆゑに、 ともにとがなし。 しかも、 いのちふるをとなして、 勤修ごんしゅしておこたることなくは、 ごうをしてけつじょうせしむるに、 これを*ちょうほんとなす。

答。業類非↠一故二師倶無↠過。然畢↠命為↠期、勤修シテシテ↠怠スルコト、令ムル↢業決定↡、是為↢張本↡。

 ^ふ。 *¬*さつ処胎しょたいきょう¼ のだいかく、 「西方さいほうにこの*えんだいることじゅうおく那由なゆして*まんがいあり。 こくらくにして、 *しょうがくつくり、 衣被えび服飾ぶくじきこうをもつてしょうごんせり。 七宝しっぽう転開てんかいゆかあり。 げてひがしれば、 ほうじょうしたがひててんず。 きた西にしみなみるにもまたかくのごとくてんず。 ぜんこころおこせるしゅじょうの、 弥陀みだ仏国ぶっこくうまれんとほっするもの、 みなふかまんこくじゃくして、 前進ぜんしんして、 弥陀みだこくうまるることあたはず。 おく千万せんまんしゅうとき一人いちにんありてよく弥陀みだぶつくにしょうず」 と。

問。¬菩薩処胎経¼第二説、「西方去ルコト↢此閻浮提↡十二億那由他有↢懈慢界↡。国土快楽ナリ作↢倡妓楽↡、衣被・服飾・香花ヲモテ荘厳。七宝転開床。挙↠目東視、宝床随転。北視西視南視亦如↠是転。前後発↠意衆生欲↠生↢阿弥陀仏国↡者、皆深著↢懈慢国土↡、不↠能↣前進生↢阿弥陀国↡。億千万衆、時有↢一人↡能生↢阿弥陀仏国↡。」

→Ⓓ
→ⒷⒸⒺ陀[仏]

^この ¬きょう¼ (菩薩処胎経) をもつてじゅんずるに、 しょうずることをべきことかたし。

以↢此¬経¼↡准、難↠可↠得↠生。

→Ⓓ

^こたふ。 ¬ぐんろん¼ に、 善導ぜんどうしょうさきもんきて、 このなんしゃくして、 またみづから*じょじょうしていはく、 「この ¬きょう¼ (菩薩処胎経)しももんにのたまはく、 ªなにをもつてのゆゑに。 みな*まんによりて*しゅうしんろうならずº と。 ここをもつてりぬ、 *雑修ざっしゅのものはしゅうしんろうにんとなすなり。 ゆゑにまんこくしょうず。 もし雑修ざっしゅせずして、 もつぱらにしてこのごうぎょうぜば、 これすなはちしゅうしんろうにして、 さだめて極楽ごくらくこくしょうぜん。 また*ほうじょううまるるものはきはめてすくなし。 じょうのなかにうまるるものすくなからず。 ゆゑにきょうべつけり。 じつにはそうせず」 と。

答。¬群疑論¼、引↢善導和尚前文↡而釈セリ↢此難↡又自助成云、「此¬経¼下文云、何以故。皆由ルナリ懈慢シテ執心不ルニ↢牢固↡。是知雑修之者ナリ↢執心不牢之人↡。故生↢懈慢国↡也。若不↢雑修↡専行ズルハ↢此業↡、此即執心牢固ナルナリ、定生↢極楽国↡。 又報浄土生者極少。化浄土中生者不↠少。故経別説。実不↢相違↡也。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓓ

 ^ふ。 たとひさんしんせずといへども、 いのちふることをせずといへども、 かのひとたびみなくすら、 なほぶつになることを。 いはんやしばらくもしょうねんる、 なんぞ*唐捐とうえんならんや。

問。設雖↠不↠具↢三心↡、雖↠不↠期↠畢↠命、彼一聞スラ↠名、尚得↠成↠仏。況暫称念、何唐捐耶。

^こたふ。 しばらくは唐捐とうえんなるにたれども、 つひには*せつならず。

答。暫似↢唐捐↡、終非↢虚設↡。

^¬ごん¼ のに、 きょうくものの、 てんしょうやくきてのたまふがごとし。

「もしひとくに堪任かんにんせるものは、 大海だいかいおよび、

*劫尽こうじんのなかにありといへども、 かならずこのきょうくことをん」 と。 大海だいかい」 とは、 これりゅうかいなり。

如↧¬花厳¼偈、説↢聞経者転生時益↡云↥。「若人堪↢任セルモノ聞↡、雖↠在↢於大海及劫尽火中↡、必得↠聞↢此経↡。」大海者是竜界

^しゃくしていはく (*探玄記・意)、 「ごうによるがゆゑにかの難処なんしょうまる。 *さきしんによるがゆゑにこの*こんじょうぜり」 と。

釈云、「由↢余業↡故生↢彼難処↡。由↢前信↡故成↢此根器↡。」

^¬ごん¼ をしんずるもの、 すでにかくのごとし。 念仏ねんぶつしんずるもの、 あにこのやくなからんや。 かのいっしょう悪業あくごうつくりて、 りんじゅうぜんひて、 わづかにたびぶつねんじて、 すなはちおうじょうすることを。 かくのごときたぐいは、 おおくこれぜんに、 じょうごんしてかのぶつねんぜるものの、 *宿しゅくぜんうちにじゅくしていま開発かいほつするのみ。

信↢¬花厳¼↡者既而如↠是。信ゼム↢念仏↡者豈無↢此益↡。彼一生作↢悪業↡、臨終遇↢善友↡、纔十念↠仏、即得↢往生↡如↠是等類、多是前世欣↢求浄土↡念↢彼仏↡者、宿善内熟今開発耳。

^ゆゑに ¬*じゅう¼ にいはく、 「りんじゅうぜんしきひてじゅうねんじょうじゅするものは、 *ならびにこれ宿しゅくぜんこわくして、 ぜんしきじゅうねんじょうじゅするなり」 と。

故¬十疑¼云、「臨終遇↢善知識↡十念成就者、並是宿善強、得↢善知識↡十念成スルナリトイヘリ。」

→ⒶⒹ

^かん (懐感)こころもまたこれにおなじ。

感師意亦同↠之。

 ^ふ。 下下げげぼんにん、 もし宿しゅくぜんによらば、 じゅうねんしょう本願ほんがん (第十八願)、 すなはちありてじつなからん。

問。下々品人若依↢宿善↡、十念生本願即有↠名無↠実。

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^こたふ。 たとひ宿しゅくぜんありとも、 もしじゅうねんなくは、 さだめて*けんち、 じゅきわまりなからん。 あきらけし、 りんじゅうじゅうねんこれおうじょうしょうえんなり。

答。設有レド↢宿善↡、若无↢十念↡、定堕↢無間↡受苦无↠窮。明、臨終十念是往生勝縁。

二 Ⅹ 往生多少

【73】^だいさん*おうじょうしょうといふは、

第三往生多少者、

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下意) にのたまはく、 「ぶつ*ろくげたまはく、 ªこのかいより、 ろくじゅうしちおく退たいさつありて、 かのくにおうじょうす。 一々いちいちさつは、 すでにかつてしゅ諸仏しょぶつようして、 いでろくのごとし。 もろもろの*小行しょうぎょうさつおよびしょうどくしゅせるものも、 しょうすべからず。 みなまさにおうじょうすべし。

¬双巻経¼云、「仏告↢弥勒↡、於↢此世界↡六十七億不退菩薩アリテ往↢生彼国↡。一々菩薩、已ムカシ供↢養無数諸仏↡、次ギテキナリ↢弥勒↡。諸小行菩薩及修↢少功徳↡者、不↠可↢称計↡皆当↢往生↡。

ほうぶつもまたかくのごとし。 そのおんしょう仏国ぶっこくひゃくはちじゅうおくさつ宝蔵ほうぞう仏国ぶっこくじゅうおくさつりょう仏国ぶっこくひゃくじゅうおくさつかん露味ろみ仏国ぶっこくひゃくじゅうおくさつ竜勝りゅうしょう仏国ぶっこくじゅうおくさつしょうりき仏国ぶっこくまんせんさつ師子しし仏国ぶっこくひゃくさつ離垢りくこう仏国ぶっこくはちじゅうおくさつ徳首とくしゅ仏国ぶっこくろくじゅうおくさつみょう徳山とくせん仏国ぶっこくろくじゅうおくさつ人王にんのう仏国ぶっこくじゅうおくさつじょう仏国ぶっこくしゅ*不可ふかしょう退たいのもろもろのさつ智慧ちえゆうみょうにして、 すでにかつてりょう諸仏しょぶつようしたてまつり、 七日しちにちのうちに、 すなはちよくひゃく千億せんおくこうだい所修しょしゅけんほう摂取せっしゅす。 無畏むい仏国ぶっこくしちひゃくじゅうおくだいさつしゅ、 もろもろの*しょうさつおよび比丘びくとうは、 しょうすべからず。 みなまさにおうじょうすべし。

他方仏土亦復如↠是。其遠照仏国百八十億菩薩、宝蔵仏国九十億菩薩、无量意仏国二百廿億菩薩、甘露味仏国二百五十億菩薩、竜勝仏国十四億菩薩、勝力仏国万四千菩薩、師子仏国五百菩薩、離垢光仏国八十億菩薩、徳首仏国六十億菩薩、妙徳山仏国六十億菩薩、人王仏国十億菩薩、無上華仏国无数不可称計不退諸菩薩、智慧勇猛、已ムカシ供↢養无量諸仏↡、於↢七日中↡即能摂↢取百千億劫大士所修堅固之法↡。無畏仏国七百九十億大菩薩衆、諸小菩薩及比丘等、不↠可↢称計↡皆当↢往生↡。

ただこのじゅうぶつくになかのもろもろのさつとうの、 まさにおうじょうすべきのみにあらず。 十方じっぽうかいりょう仏国ぶっこくより、 そのおうじょうするものもまたかくのごとく、 はなはだおおくしてしゅなり。 われ、 ただ十方じっぽう諸仏しょぶつみょうごうおよびさつ比丘びくのかのくにうまるるものをかば、 ちゅうにして一劫いっこうすともなほいまだおわることあたはじº」 と。

不↣但此十四仏国中諸菩薩等ノミ当↢往生↡也。十方世界无量仏国其往生者亦復如↠是甚多无数。我但説↧十方諸仏名号及菩薩・比丘生↢彼国↡者↥、昼夜一劫尚未↠能↠竟。」

→Ⓔ
 Ⓐになし
→ⒶⒹ
 ⒹⒺになし
 Ⓐになし
→ⒶⒷⒸ上[略抄]

^この諸仏しょぶつのなかに、 いまのしゃかいしょうぜんしゅして、 まさにおうじょうすべきものあり。 われら、 いまさいわひにしゃくそん遺法ゆいほうひて、 億劫おくこうときひとたびたまたましょうぜんおうじょうながれあずかれり。 いそぎて勤修ごんしゅすべし。 ときうしなふことなかれ。

此諸仏土中、今娑婆世界有↧修↢少善↡当↢往生↡者↥。我等今幸遇↢釈尊遺法↡、億劫時一適預↢少善往生トモ↡。応↢務勤修↡。莫↠失↠時焉。

 ⒶⒷⒸになし
 ◎「述」と上欄註記
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

 ^ふ。 もししょう善根ぜんごんまたおうじょうすることをば、 いかんぞ、 ¬きょう¼ (小経) に 「しょう善根ぜんごん福徳ふくとく因縁いんねんをもつて、 かのくにうまるることをべからず」 とはのたまへる。

問。若少善根亦得↢往生↡、如何¬経¼云↠「不↠可↧以↢少善根・福徳因縁↡得↞生↢彼国↡。」

^こたふ。 これに異解いげあり、 しげいだすことあたはず。 いまわたくしにあんじていはく、 だいしょうさだまれることなし。 相待そうたいしてだいさつのぞむれば、 これをしょうぜんづくと。 りんごうのぞむれば、 これをづけてだいとなす。 このゆゑに、 *きょうがいせず。

答。此有↢異解↡、不↠能↢繁出↡。今私案云、大小无↠定。相待得↠名。望メテ↢大菩薩↡名↢之少善↡。望↢輪廻業↡名↠之為↠大。是故二経義不↢違害↡。

二 Ⅹ 尋常念相

【74】^だい*じんじょう念相ねんそうかさば、 これにしゅあり。 おおきにわかちてとなす。 いちには*じょうごう、 いはく、 ぜん入定にゅうじょうしてぶつかんずるなり。 には*散業さんごう、 いはく、 行住ぎょうじゅう坐臥ざがに、 散心さんしんぶつねんずるなり。 さんには*そうごう、 いはく、 あるいは相好そうごうかんじ、 あるいはみょうごうねんじて、 ひとへに穢土えどいとひて、 もつぱらにしてじょうもとむるなり。 には*そうごう、 いはく、 ぶつしょうねんじょうごんすといへども、 しかもしんすなはちひっきょうくうにして、 まぼろしのごとくゆめのごとし、 たいそくしてくうなり、 くうなりといへどもなり、 非有ひうくうなりとかんじて、 この無二むに通達つうだつして、 しん第一だいいちるなり。 これをそうごうづく。 これさいじょう三昧さんまいなり。

第四明↢尋常念相↡者、此有↢多種↡。大分為↠四。一定業、謂坐禅入定観ズルナリ↠仏。二散業、謂行住坐臥散心念ズルナリ↠仏。三有相業、謂或観↢相好↡或念↢名号↡、偏厭↢穢土↡、専求↢浄土↡。四无相業、謂雖↧称↢念仏↡欣↦求浄土↥、而観↢身土即畢竟空ナリ、如↠幻如↠夢、即↠体而空、雖↠空而有、非有非空↡、通↢達此无二↡、真入ナリ↢第一義↡是名↢無相業↡。是最上三昧。

^ゆゑに ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) に、 弥陀みだぶつののたまはく、

諸法しょほうしょうは、 一切いっさい*くう*無我むがなりと通達つうだつすれども、

もつぱらじょうぶつもとめて、 かならずかくのごとき*せつじょうぜん」 と。

故¬双巻経¼阿弥陀仏言、「通↢達シテ諸法性、一切空无我↡、専求ムル↢浄仏土↡、必成↢如↠是刹↡。」

^また *¬かん¼ の常行じょうぎょう三昧ざんまいのなかに、 さんだんもんあり。 つぶさにはかみべつぎょうのなかにくがごとし。

又¬止観¼常行三昧中有↢三段文↡。具如↢上別行中引↡。

 ^ふ。 じょうさん念仏ねんぶつは、 ともにおうじょうするや。

問。定散念仏倶往生耶。

^こたふ。 *おんじゅうしんをもつてねんずれば、 おうじょうせずといふことなし。

答。慇重心念ルハ、無↠不↢往生↡。

^ゆゑにかん (懐感)念仏ねんぶつ差別しゃべつきていはく (群疑論・意)、 「あるいはじん、 あるいはせんじょうつうさんつうず。 じょうといふはすなはちぼんよりじゅうおわる。 *善財ぜんざいどうの、 *どくうん比丘びくところにして念仏ねんぶつ三昧ざんまいまなびしごとき、 これすなはち甚深じんじんほうなり。 さんといふはすなはち一切いっさいしゅじょうの、 もしはぎょう、 もしは一切いっさいしょにみなぶつねんずることをて、 しょさまたげず、 ない命終みょうじゅうにまたそのぎょうじょうずるなり」 と。

故感師説↢念仏差別↡云、「或深或浅、通↠定通↠散。定即於凡夫終↢于十地↡。如↧善財童子於↢功徳雲比丘所↡請↦学念仏三昧↥、此即甚深法也。散即一切衆生、若行若坐、一切時処皆得↠念↠仏不↠妨↢諸務↡、乃至命終亦成↢其行↡。

 ^ふ。 そうそうごうは、 ともにおうじょうすることをるや。

問。有相无相業倶得↢往生↡耶。

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) のいはく (安楽集・上)、 「もしがくのものは、 いまだそうすることあたはず、 ただよくそうによりてせんせば、 おうじょうせずといふことなし。 うたがふべからず」 と。

答。綽和尚云、「若始学者未↠能↠破↠相、但能依↠相専至スルニ無↠不↢往生↡。不↠須↠疑也。」

→ⒹⒺ
 Ⓐになし

^またかんしょう (懐感) のいはく (群疑論)、 「おうじょうすでに*品類ほんるい差殊しゃしゅなれば、 修因しゅいんまた浅深せんじんありて各別かくべつなり。 ただいふべからず、 ただ*所得しょとくしゅしておうじょうすることを所得しょとくしんしょうずることをず」 と。

又感和尚云、「往生既品類差殊、修因亦有↢浅深各別ナルコト。不↠可↢但言↡、唯修↢無所得↡而シテ得↢往生↡、有所得心不↠得↠生也。」

 Ⓐになし

 ^ふ。 もししからば、 いかんぞ *¬仏蔵ぶつぞうきょう¼ (意)かく、 「もし比丘びくありて、 比丘びくおしへて、 ªなんぢまさに*ぶつねんじ、 ほうねんじ、 そうねんじ、 かいねんじ、 ねんじ、 てんねんずべし。 かくのごときゆいをもつて、 はん安楽あんらくじゃくめつなることをかんじ、 ただはんひっきょう清浄しょうじょうなることをあいせよº と。 かくのごとくおしふるものをづけてじゃきょうとなし、 *あくしきづく。 このひとづけて、 われをほうしてどうたすくとなす。 かくのごとき悪人あくにんは、 われすなはち一飲いちおんみずをもくることをゆるさず」

問。若爾、如何¬仏蔵経¼説、「若有↢比丘↡教マク↢余比丘↡、汝当↢念↠仏念↠法念↠僧念↠戒念↠施念↟天。如↠是等思惟観↢涅槃安楽寂滅↡、唯愛↢涅槃畢竟清浄↡。如↠是教者名為↢邪教↡名↢悪知識↡。是人名為↧誹↢謗於我↡助↦於外道↥。如↠是悪人、我乃不↠聴↠受ケムコトヲ↢一飲水↡。」

と。 またのたまはく (仏蔵経)、 「むしろぎゃくじゅうあくじょうじゅすとも、 *けんしゅじょうけん寿見じゅけんみょうけんおんにゅうかいけんとうをばじょうじゅせざれ」 と。 以上略抄

又言、「寧成↢就五逆重悪↡、不↣成↢就我見・衆生見・寿見・命見・陰入界見等↡」耶。已上略抄

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ

^こたふ。 かん (懐感) しゃくしていはく (群疑論・意)、 「ある聖教しょうぎょう (*無上依経) にまたのたまはく、 ªむしろ*けんおこすことしゅせんのごとくにすとも、 *空見くうけんおこすこと芥子けしばかりのごとくもせざれº と。 かくのごときしょだいじょうきょうに、 *くうし、 *だいさん*しょうさんずること、 ならびにすなはち*とうじてどうなり。

答。感師釈云、「有聖教復言ヘルコト、寧起サムコト↢我見↡如↢須弥山↡、不↧起↢空見↡如↦芥子許↥。如↠是等諸大乗経、訶↠有訶↠空、讃↠大讃↠小、並乃逗↠機不同ナルナリ

^またある ¬きょう¼ (大集経) にのたまはく、 ªいま弥陀みだ如来にょらいおう*しょう等覚とうがくは、 つぶさにかくのごとき*さんじゅうそう*はちじゅうずいぎょうこうまします。 身色しんじきこうみょう聚金じゅこんけたるがごとし。 かくのごとくおもひて、 ない、 かの如来にょらいねんぜず。 またかの如来にょらいざれ、 すでにかくのごとくしてだいくう三昧ざんまいº と。

又有¬経¼言、今者阿弥陀如来・応・正等覚、具有↢如↠是二相・八十随形好↡。身色光明如↠聚メタルガ金融。如↠是、乃至不↠念↢彼如来↡。亦不ルコト↠得↢彼如来↡已リテシテ↠是次第得イヘリ↢空三昧↡。

^また ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ にのたまはく、 ª如来にょらいにまた法身ほっしんじゅうりき無畏むい三昧さんまいだつ、 もろもろの神通じんずうまします。 かくのごときみょうしょは、 なんぢぼんさとるところのきょうがいにあらず。 ただまさに深心じんしんにしてずいおもいおこすべし。 このおもいおこしをはりて、 まさにまたねんけてぶつどくねんずべしº と。

又¬観仏三昧経¼云、如来亦有↢法身・十力・無畏・三昧・解脱、諸神通事↡。如↠此妙処、非↢汝凡夫所↠覚境界↡。但当↣深心起↢随喜想↡。起↢是想↡已、当↣復繋↠念念↢仏功徳↡。

^ゆゑにりぬ、 初学しょがくともがらはかの色身しきしんかんじ、 がくともがら法身ほっしんねんずるなり。 ゆゑに、 ªかくのごとくしてだいくう三昧ざんまいº といへり。 まさにすべからくよくきょうこころすべし、 さんしんをなすことなかれ。 たえる、 だいしょう (釈尊)たくみにこんとうじたまへることを」 と。 じょう、 ¬観仏かんぶつきょう¼ のだいに、 ぶつの一もうかんじ、 ないそく色身しきしんかんずることをきをはりて、 くところのじゅうりき無畏むい三昧さんまいとうもんあり。

故知初学之輩観↢彼色身↡、後学之徒念↢法身↡也。故言↣如↠是次第得↢空三昧↡。当↣須善会↢経意↡、勿↠生↢毀讃之心↡。妙知大聖巧逗タマヘル↢根機↡者。」已上¬観仏経¼第九説カク、観↢仏一毛↡、乃至観↢具足色身↡已、有↢所↠引之十力・无畏・三昧等文↡

→ⒹⒺ文[也]

 ^ふ。 念仏ねんぶつぎょうは、 ぼんのなかにおいては、 これいづれのほんしょうぞ。

問。念仏之行於↢九品中↡、是何品摂。

^こたふ。 もしせつのごとくぎょうずるは、 *上上じょうじょうあたれり。 かくのごとくして、 そのしょうれつしたがひてぼんわかつべし。 しかも ¬きょう¼ (観経)所説しょせつぼんぎょうごうは、 これ一端いったんしめすなり。 じつにはりょうなり。

答。若如↠説行、理当↢上々↡。如↠是随↢其勝劣↡応↠分↢九品↡。然¬経¼所説九品行業、是示↢一端↡。理実無量。

上々→ⒹⒺ上々[品]

 ^ふ。 もしじょうさんともにおうじょうすることをるがごとく、 また現身げんしんにともにぶつたてまつるとせんや。

問。為如↣定散倶得↢往生↡、亦モシ現身倶見↠仏耶。

^こたふ。 *きょうろんおおく、 「三昧さんまいじょうじゅして、 すなはちぶつたてまつることを」 とけり。 あきらかにりぬ、 散業さんごうたてまつることをべからずといふことを。 ただ別縁べつえんをばのぞく。

答。経論多説ケリ、三昧成就、即得↠見↠仏。明知散業不↠可↠得↠見。唯↢別縁↡。

→ⒶⒹⒺ

 ^ふ。 *そうそうかん、 ともにぶつたてまつることをるや。

問。有相・无相観、倶得↠見↠仏耶。

^こたふ。 そうの、 ぶつたてまつることは、 うたがはざるにあり。 そのそうかんも、 あるいはまたぶつたてまつる。 ゆゑに ¬かんぎょう¼ とう色相しきそうかんずることをすすめたり。

答。無相見タテマツルコト↠仏、理在↠不↠疑。其有相観、或亦見↠仏。故¬観経¼等勧↠観↢色相↡。

→ⒹⒺ

 ^ふ。 もしそうかんまたぶつたてまつらば、 いかんぞ ¬ごんぎょう¼ のに、

ぼん諸法しょほうること、 ただそうしたがひててんず。

ほうそうりょうせず、 これをもつてぶつたてまつらざるなり。

ることあるをばすなはち*となす。 これはすなはちいまだるとなさず。

諸見しょけんおんし、 かくのごとくしてすなはちぶつたてまつる」

とのたまひ、

問。若有相観亦見タテマツラ↠仏者、云何¬花厳経¼偈云ヘリ、「凡夫見↢諸法↡、但随↢於相↡転。不↠了↢法无相↡、以↠是不タテマツラザルナリ↠見↠仏。有↠見則為↠垢。此則未↠為↠見。遠↢離セル於諸見↡、如↠是乃見↞仏。」

また (華厳経)

一切いっさいほう*自性じしょうしょなりと了知りょうちする、

かくのごとくほっしょうすれば、 すなはち*しゃたてまつる」

とのたまひ、

又云「了↢知一切法自性无所有↡、如↠是解スル↢法性↡、即見↢盧舎那↡。」

また ¬*金剛こんごうきょう¼ に、

「もししきをもつてわれをおんじょうをもつてわれをもとむるは、

このひと邪道じゃどうぎょうじて、 如来にょらいたてまつることあたはず」

とのたまへるや。

又¬金剛経¼云、「若以↠色見↠我、以↢音声↡求↠我、是人行↢邪道↡、不↠能↠見タテマツルコト↢如来↡。」

→ⒶⒷⒸ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^こたふ。 ¬要決ようけつ¼ (西方要決)つうじていはく、 「だい (釈尊) の、 きょうきたまふことは、 もんあり。 おのおの時機じきかなひ、 ひとしくしてしゃなし。 ª般若はんにゃきょうº はおのづからこれ一門もんなり。

答。¬要決¼通云、「大師キタマフコト↠教義有↢多門↡。各称フコト↢時機↡等無↢差異↡。般若経自是一門。

*¬弥陀みだ¼ とうきょうもまたいちなりとなす。 なんとならば、 一切いっさい諸仏しょぶつ*ならびにさんしんまします。 *法仏ほうぶつにはぎょうたいなく、 しきしょうなし。 まことにじょうおよび*しょうさつの、 さんしん不異ふいなりときたまふをきて、 すなはちおなじくしきしょうありとおもひて、 ただしん色相しきそうて、 つひに法身ほっしんもまたしかなりとしゅうするがためのゆゑに、 きてじゃとなす。

¬弥陀¼等経復為↢一理↡。何者一切諸仏並有↢三身↡。法仏無↠形体非↢色声↡。良為↧二乗及少菩薩聞↠説↢三身不異↡、即謂↣同有↢色声↡、但見↢化身色相↡遂執↦法身亦爾↥故、説為↠邪。

¬弥陀みだきょう¼ とうに、 ぶつみなねんじ、 そうかんじ、 じょううまるることをもとめよとすすめたることは、 ただぼんさわりおもくして、 法身ほっしんゆうにして、 *法体ほったいえんずることかたきをもつて、 しばらくぶつねんじ、 かたちかんじ、 *礼讃らいさんせよとおしへたまふなり」 と。

¬弥陀経¼等、勧メタルコト↧念↢仏名↡観↠相、求↞生レヨト↢浄土↡者、但以↢凡夫障重、法身幽微、法体難↟縁、且教↢念↠仏観↠形礼讃↡。」

 ^ふ。 ぼんぎょうじゃは、 つとめてしゅじゅうすといへども、 しん純浄じゅんじょうならず。 なんぞたやすくぶつん。

問。凡夫行者、雖↢勤修習↡心不↢純浄↡。何輒見↠仏。

^こたふ。 衆縁しゅえんがっしてるなり。 ただりきのみにはあらじ。 ¬般舟はんじゅきょう¼ に*さんえんあり。 かみじゅうにちぎょうくところの ¬*かん¼ のもんのごとし。

答。衆縁合見。非↢唯自力ノミニハ↡。¬般舟経¼有↢三縁↡。如↢上九十日行所↠引¬止観¼文↡。

→Ⓔ

 ^ふ。 いくばくの因縁いんねんをもつてか、 かのくにうまるることをる。

問。以↢幾因縁↡得↠生↢彼国↡。

→Ⓓ

^こたふ。 きょうによりてこれをあんずるに、 因縁いんねんす。 いち善根ぜんごん因力いんりきがん因力いんりきさん弥陀みだ本願ほんがんえん衆聖しゅしょう助念じょねんえんなり。 しゃじょは ¬びょう等覚どうがくきょう¼ にでたり。 六方ろっぽうぶつねんは ¬しょうきょう¼ にでたり。 山海さんかいさつとう護持ごじは ¬じゅうおうじょうきょう¼ にでたり。

答。依↠経案↠之、具↢四因縁↡。一自善根因力、二自願求因力、三阿弥陀本願縁、四衆聖助念縁。釈迦護助出↢¬平等覚経¼↡。六方仏護念出↢¬小経¼↡。山海恵菩薩等護持出↢¬十往生経¼↡

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒷⒸ経[云云]→ⒹⒺ経[云]

二 Ⅹ 臨終念相

【75】^だいりんじゅう念相ねんそうかさば、

第五明↢臨終念相↡、

^ふ、 下下げげぼんにんりんじゅうじゅうねんして、 すなはちおうじょうすることを。 いふところのじゅうねんは、 なんらのねんぞや。

下々品人、臨終十念即得↢往生↡。所↠言十念何等念耶。

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) のいはく (安楽集・上)、 「ただ弥陀みだぶつの、 もしは*総相そうそう、 もしは*別相べっそう憶念おくねんして、 所縁しょえんしたがひてかんじ、 じゅうねん念想ねんそう*間雑けんぞうすることなき、 これをじゅうねんづく。 またじゅうねん相続そうぞくといふは、 これしょうじゃいちかずのみ。 ただよくねんみ、 おもいらして、 えんぜざれば、 すなはち*業道ごうどうじょうべんす。 またいまだわずらはしくこれが*しゅをしもせず。 またいはく、 もしぎょうにんねんは、 おおくこれによるべし。 もしぎょうにんねんは、 かずするもまたし。 これまた聖教しょうぎょうによれり」 と。

答。綽和尚云、「但憶↢念阿弥陀仏若総想若別相↡、随縁観スル、逕↢於十念↡无↢他念間雑↡、是名↢十念↡。又云、十念相続スル者、是聖者一数之名耳。但能積↠念、凝↠思、不シテ↠縁↢他事↡、便業道成辨。亦未↣イタハシク記↢之頭数↡也。又云、若久行人念、多応↠依↠此。若始行人念者、記↠数亦好。此亦依↢聖教↡。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓑ

^*あるがいはく、 「一心いっしんに ª南無なも弥陀みだぶつº としょうねんして、 このろくるあひだを一念いちねんづく」 と。

有云、「一心称↢念南無阿弥陀仏↡、逕↢此六字↡之項名↢一念↡也。」

→Ⓒ
→ⒸⒺ
→ⒷⒸ也[云云]

 ^ふ。 ¬*ろく所問しょもんぎょう¼ のじゅうねんおうじょうは、 かの一々いちいちねん深広じんこうなり。 いかんぞ、 いまじっしょうぶつねんじておうじょうといふや。

問。¬弥勒所問経¼十念往生、彼一々念深広。如何今云↣十声念↠仏得↢往生↡耶。

^こたふ。 しょしょしゃくどうなり。

答。諸師所釈不同。

^*じゃくほっ (義寂) のいはく、 「これは、 しんをもつぱらにしてぶつみなしょうするときに、 ねんかくのごときじゅうそくすとくなり。 かならずしも一々いちいちに、 べつとうえんずるにはあらず。 またかのとうかぞへてじゅうとなすにはあらず。 いかんぞ、 べつえんぜざるに、 しかもじゅうそくするとならば、 かいけんとほっして*さんしょうするときに、 べつせつとうえんぜずといへども、 しかもよくつぶさに*せつとうかいるがごとし。 まさにるべし、 このなかのどうもまたしかなり。 またじゅうねんそくして ª南無なも弥陀みだぶつº としょうすべしといふは、 いはく、 よくとうじゅうねんそくして ª南無なもぶつº としょうするなり。 もしよくかくのごとくすれば、 しょうねんするところにしたがひて、 もしはいっしょう、 もしはしょう、 みなおうじょうすることを」 と。

寂法師云、「此説↧専↠心称↢仏名↡時、自然具↦足如↠是十↥。非↣必一々別縁↢慈等↡。亦非↧数↢彼慈等↡為ニハ↞十。云何不↢別縁↡而具↢足十↡、如↧欲↠受↠戒称↢三帰↡時、雖↠不↣別縁↢離殺等事↡、而能具得↦離殺等戒↥当↠知、此中道理亦爾。又イフベ、具↢足十念↡トイフ↢南无阿弥陀仏↡者、謂能具↢足慈等十念↡称↢南無仏↡。若能如↠是、随↠所↢称念↡、若一称、若多称ニマレ、皆得↢往生↡。」

→Ⓔ
→ⒹⒺ称[念]
 Ⓐになし

^かんほっ (懐感) のいはく (群疑論)、 「おのおのこれ聖教しょうぎょうにして、 たがひにおうじょうじょう法門ほうもんけば、 みな*浄業じょうごうじょうず。 なにによりてか、 かれをもつてとなし、 これをしりぞけてといはん。 ただしみづからきょうさとらず、 またすなはちもろもろの学者がくしゃまどはす」 と。

感法師云、「各是聖教シテ互説ルナリ↢往生浄土法門↡皆成↢浄業↡。何因、将↠彼為↠是、キラヒテ↠此言↠非。但自不↠解↠経、亦乃惑↢諸学者↡。」

^ざいのいはく (浄土論)、 「このじゅうねんは、 現在げんざいときになすなり。 *¬かんぎょう¼ のなかのじゅうねんは、 命終みょうじゅうときのぞみてなすなり」 と。 こころかん (懐感)おなじ。

迦才師云、「此之十念現在時作。¬観経¼中十念臨命終時作。」 意同↢感師↡。

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下意) にのたまはく、 「ない一念いちねんするに、 おうじょうすることを」 と。 これじゅうねんと、 いかんが*かくせる。

問。¬双巻経¼、「乃至一念得↢往生↡。」此与↢十念↡云何乖角。

^こたふ。 かんのいはく (群疑論・意)、 「極悪ごくあくごうのものはじゅうててしょうずることをのものは、 ない一念いちねんしてもまたしょうず」 と。

答。感師云、「極悪業者満↠十得↠生、余者乃至一念亦生。」

 ^ふ。 うまれてよりこのかた、 もろもろのあくつくりて一善いちぜんをもしゅせざるもの、 命終みょうじゅうときのぞみてわづかにじっしょうねんずるに、 なんぞよくつみめっして、 なが三界さんがいでて、 すなはちじょううまれん。

問。生来作↢諸悪↡不↠修↢一善↡者、臨命終時纔十声念、何能滅↠罪、永出↢三界↡、即生↢浄土↡。

→ⒹⒺ悪[業]

^こたふ。 ¬*せん比丘びく問仏もんぶつきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「とき*らんおうありて、 かん*せん比丘びくひていはく、 ªひとけんにありてあくることひゃくさいいたるまです。 ときのぞみてぶつねんぜば、 してのちてんうまるとは、 われこのせつしんぜずº と。 またいはく、 ªいち生命しょうみょうころさば、 して*ないのなかにるとは、 われまたしんぜずº と。

答。如↢¬那先比丘問仏経¼言↡。「時有↢弥蘭王↡問↢羅漢那先比丘↡言、人在↢世間↡作↠悪至↢百歳↡。臨時念ズレ↠仏、死後生↠天我不↠信↢是説↡。復言、殺シテ↢一生命↡、死入ルト↢泥梨中↡我亦不↠信也。

比丘びくおうはく、 ªもしひとちいさきいしちて、 みずのなかに置在かば、 いしうかぶやしずむやº と。 おうのいはく、 ªいししずむº と。 せんのいはく、 ªもしいま、 百丈ひゃくじょうおおきなるいしちて、 ふねうえ置在かば、 もっしなんやいなやº と。 おうのいはく、 ªしずまじº と。

比丘問↠王、如人持↢小石↡置↦在スルガ水中、石浮耶没耶。王言、石没也。那先言、如今持↢百丈大石↡置↦在スルガ船上、没不。王言、不↠没。

せんのいはく、 ªふねのなかの百丈ひゃくじょうおおきなるいしは、 ふねによりてもっすることをず。 ひともとあくありといへども、 いちぶつねんずれば、 ないもっせずしてすなはちてんじょううまるること、 なんぞしんぜざらんや。 そのちいさきいしもっするといふは、 ひとあくつくり、 きょうぼうらずして、 してのちにすなはちないるがごとし。 なんぞしんぜざらんやº と。 おうのいはく、 ªきかな、 きかなº と。

那先言、船中百丈大石、因↠船不↠得↠没。人雖↠有↢本悪↡、一時念↠仏、不↠没↢泥梨↡便生↢天上↡、何不↠信耶。其小石没者、如↧人作↠悪不↠知↢経法↡、死後便入↦泥梨↥。何不↠信耶。王言、善哉善哉。

比丘びくのいはく、 ªふたりひとともにして、 一人いちにん*だいしち梵天ぼんてんうまれ、 一人いちにん*罽賓国けいひんこくうまるるがごとき、 このにんは、 遠近おんごんことなりといへども、 すればすなはちいちいたる。 ひとつがいちょうありて、 いちたかうえにしてとまり、 いちみじかうえとまらんに、 ふたつとりいちにともにぶに、 そのかげともにいたるがごときのみ。 にんのごときはあくつくりてつみることだいなり、 にんあくつくりてもつみることしょうなるがごとし。 けたるてつけるを、 一人いちにんけたりとれり、 一人いちにんらずして、 ふたりひとともにるに、 しかもらざるものはただるることだいにして、 れるものはすこやぶるるがごとし。 あくつくることもまたしかなり。 しゃはみづからゆることあたはざるがゆゑに、 つみることだいなり。 しゃあくつくれどもとうなりとるがゆゑに、 日々にちにちにみづからゆることをなせば、 そのつみしょうなりº」 と。

比丘言、如↧両人倶死、一人生↢第七梵天↡、一人生↦罽賓国↥、此二人、遠近雖↠異、死則一時到。如↧有↢一双飛鳥↡、一於↢高樹上↡、一於↢卑樹上↡、両鳥一時倶飛、其影倶到↥耳。如↢愚人↡作↠悪得↠殃大智人作リテ↠悪得↠殃スクナ。如↢焼キテ鉄在↠地、一人知↠焼、一人不↠知、両人倶取、然不↠知者手爛コトナリ、知者少壊↡作↠悪亦爾。愚者不ルガ↠能↢自悔↡故得↠殃大。智者作↠悪知↢不当↡故、為↢日々自悔↡、其罪スクナ。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ死[即]
→ⒶⒷⒸ
→Ⓓ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸ悔[故]

^じゅうねんにもろもろのつみめっして、 ぶつがんふねりて、 しゅおうじょうすることをることも、 そのまたしかるべし。

十念滅↢衆罪↡、乗↢仏悲願船↡、須臾得↢往生↡、其理亦可↠然。

^また ¬*じゅう¼ にしゃくしていはく、 「^いま三種さんしゅどうをもつて*校量きょうりょうするに、 軽重きょうじゅうじょうなり。 せつごんしょうにはらず。 いかなるをかさんとなす。 いちにはしんり、 にはえんり、 さんにはけつじょうるなり。

又¬十疑¼釈云、「今以↢三種道理↡校量、軽重不定。不↠在↢時節久近・多少↡。云何為↠三。一者在↠心、二者在↠縁、三者在↢決定↡。

^ªしんりº といふは、 つみつくときはみづからの*もう顛倒てんどうしんよりしょうずるも、 念仏ねんぶつしんは、 ぜんしきしたがひて弥陀みだぶつ真実しんじつどくみょうごうくをしんよりしょうず。 いちいちじつなり。 あにあひくらぶることをんや。 たとへば、 万年まんねんくらしつひかりしばらくもいたりぬれば、 しかもやみたちまちにのぞこるがごとし。 あにひさしきよりこのかたのやみといひて、 あへてめっせざることあらんや。

在↠心者、造↠罪之時従↢自虚妄顛倒心↡生ルモ念仏心者、従↢善知識↡聞↠説↢阿弥陀仏真実功徳名号↡心生。一虚、一実。豈得↢相比↡。譬如キハ↢万年暗室日光暫至、而暗頓除↡豈有リテヨリ来之暗トイラム↢肯滅↡耶。

^ªえんりº といふは、 つみつくときには、 もうあんしんの、 もうきょうがいえんずる顛倒てんどうしんよりしょうずるも、 念仏ねんぶつしんは、 ぶつ清浄しょうじょう真実しんじつどくみょうごうきて、 *じょうだいえんずるしんよりしょうず。 いちしんいちなり。 あにあひくらぶることをんや。 たとへば、 ひとありてどくてられて、 ふかく、 どくいたましくて、 はだやぶり、 ほねいたるときに、 ひとたび*滅除めつじょやくつづみこえけば、 すなはちどくのぞこるがごとし。 あに深毒じんどくなるをもつてあへてでざらんや。

在↠縁者、造↠罪之時、従ヒテ虚妄痴暗心縁↢虚妄境界↡顛倒心生ルモ念仏之心従ヒテクニ↢仏清浄真実功徳名号↡縁↢无上菩提↡心生。一真一偽。豈得↢相比↡。譬如↧有↠人被↢毒箭ヤブ↡、箭深毒、傷↠肌致↠骨、一聞↢滅除薬鼓声↡、即毒箭除↥。豈以↢深毒↡不↢肯出↡也。

^ªけつじょうりº といふは、 つみつくとき*間心けんしん有後うごしんをもつてす。 ぶつねんずるときけんしん無後むごしんをもつてし、 つひにすなはちいのちつるまで善心ぜんしんみょうなり。 ここをもつてすなはちしょうず。

在↢決定↡者、造↠罪之時↢有間心後心↡也。念↠仏之時テシ↢无間クシテ後心↡、遂即捨ツル↠命善心猛利。是以即生。

たとへば*じゅうなわせんせいせざれども、 どうけんふるひてしゅりょうだんするがごとし。 また千年せんねんめるくさに、 おおきさまめばかりのをもつてこれをくに、 しょうにすなはちくるがごとし。 またひとありて、 いっしょうよりこのかた、 *じゅう善業ぜんごうしゅしててんうまるることをべきに、 りんじゅうとき一念いちねんけつじょう邪見じゃけんおこさば、 すなはち*阿鼻あびごくするがごとし。 悪業あくごうもうなるすらみょうなるをもつてのゆゑに、 なほよくいっしょう善業ぜんごうはらひて悪道あくどうせしむ。 あにいはんや、 りんじゅうみょうしんぶつねんずる、 真実しんじつけん善業ぜんごうをや。 無始むし悪業あくごうはらふことあたはずして、 じょううまるることをずといはば、 このことわりあることなからん」 と。

譬如↢十囲之索千夫シテ、童子揮↠剣須臾両段↡。又如↧千年積草、以↢大豆火↡焚↠之、小時即尽↥。又如↧有↠人一生已来修↢十善業↡応↠得↠生↠天、臨終之時起↢一念決定邪見↡、即堕↦阿鼻地獄↥。悪業虚妄以↢猛利↡故、尚能排↢一生善業↡令↠堕↢悪道↡。豈況臨終猛利心念↠仏真実無間善業ヲヤ不↠能↠排↢無始悪業↡不↠得↠生↢浄土↡者、无ムト↠有↢是処↡。」

 ⒶⒹⒺになし
→Ⓔ
→Ⓐ
 ⒹⒺになし

^また ¬安楽あんらくしゅう¼ (上) に、 しちたとへをもつてこのあらわせり。

又¬安楽集¼以↢七喩↡顕↢此義↡。

^いちにはしょうたとへ、 さきのごとし。

「一少火喩如↠前。

^には、 *あしなえなるものもふねさいすれば、 風帆ふうはんいきおひによりて一日いちにちせんいたる。

躄者ヤド↢載リテ他船↡、因↢風帆勢↡一日至↢千里↡。

→ⒹⒺ

^さんには、 貧人びんにん一端いったんものてもつておうたてまつるに、 おうよろこびておもしょうするに、 しばらくのあひだに、 富貴ふきのぞみにつ。

三貧人獲↢一端物↡而シテ以貢↠王王慶重賞、斯須之項富貴盈↠望。

→Ⓔ
→ⒸⒺ

^には、 れっも、 もし*輪王りんのうみゆきしたがへば、 すなはちくうじょうじて、 とうざいなり。

四劣夫若従ヒヌレ↢輪王行↡、便ノボ↢虚空↡飛騰自在。

^にはじゅうなわたとへ、 さきのごとし。

五十囲索喩如↠前。

^ろくには、 *鴆鳥ちんちょうみずれば*魚蚌ぎょぼうことごとくぬ。 みな*犀角さいかくをもつてこれにるれば、 したるものかえりてよみがえる。

鴆鳥入↠水魚蚌斯斃。皆犀角触↢諸死者還活。

→Ⓓ
→Ⓔ皆[死]

^しちには、 *黄鵠こうこく、 ªあんあんº とべば、 かえりてよみがえる。 あにふん千齢せんれいさだめてよみがえるべきことなしといふことをべけんや。

七黄鵠喚↢子安子安↡還活。豈可↠得↠言↢墳下千齢決无↟可↠甦也。

→ⒷⒸⒹ安[子]

^一切いっさい万法まんぽうにみなりきりき*自摂じしょう他摂たしょうありて、 千開せんかい万閉まんぺいりょうへんなり。 あに*有礙うげしきをもつて、 か*無礙むげほううたがふことをんや。 また*不思議ふしぎのなかには仏法ぶっぽうもつとも不可ふか思議しぎなり。 あに三界さんがい*ごうをもつておもしとなし、 かの少時しょうじ念法ねんぽううたがひてかろしとなさんや」 と。 以上略抄

一切万法皆↢自力・他力、自摂・他摂↡千開万閉、無量无辺。豈得↧以↢有礙之識↡疑↦彼无礙之法↥乎。又五不思議中仏法最不可思議。豈以↢三界業↡為↠重、疑↢彼少時念法↡為ムヤト軽。」已上略抄

 ⒹⒺになし
 Ⓓになし

^いまこれにくわへていはく、 いちには、 *栴檀せんだん出成しゅつじょうするときに、 よくじゅうじゅん*らんはやしへんじて、 あまねくみなこうならしむ。

今加↠之云、一旃檀樹出成時、能変↢由旬伊蘭林↡普皆香美。

→ⒷⒸⒹⒺ

^には、 獅子ししすじもちゐて、 もつてことげんとなせば、 おんじょうひとたびそうするに、 一切いっさいげん、 ことごとくみなだんしぬ。

二用↢師子筋↡以為↢琴絃↡、音声一奏、一切余絃悉皆断壊。

^さんには、 一斤いっこん*石汁しゃくじゅう、 よく千斤せんこんあかがねへんじてこがねとなす。

三一斤石汁能変↢千斤銅↡為↠金。

^には、 金剛こんごうけんなりといへども、 *羖羊こうようつのをもつてこれをたたけば、 すなはち灌然かんねんとしてこおりのごとくけぬ。 じょう滅罪めつざいたとへ。

四金剛雖↢堅固↡、以↢羖羊角↡扣↠之、則潅然氷泮。已上滅罪

→ⒹⒺ
→Ⓐ

^には、 *雪山せっせんくさあり、 づけて忍辱にんにくとなす。 うしもしじきすれば、 すなはち*だい

五雪山有↠草、名為↢忍辱↡。牛若食者即得↢醍醐↡。

 Ⓐになし

^ろくには、 *しゃ訶陀かだやくにおいて、 ただることあるものは、 寿じゅることりょうなり。 ないねんずるものは*宿命しゅくみょう

六於↢沙訶陀薬↡但有↠見者、得↠寿无量。乃至念者得↢宿命智↡。

 ⒷⒸⒹⒺになし
无量 Ⓐになし

^しちには、 孔雀くじゃくいかずちこえきてすなはち*しんあることを

七孔雀聞↢雷声↡即得↠有↠身。

^はちには、 *尸利しりしゃ*昴星ぼうせいてすなはちじつ出生しゅっしょうす。 じょうしょうぜんたとへ。

八尸利沙見↢昴星↡則出↢生菓実↡。已上生善

^には、 *住水じゅうすいほうをもつてその瓔珞ようらくとすれば、 ふかみずのなかにれども、 しかもしずにゃくせず。

九以↢住水宝↡瓔↢珞其身↡入↢深水中↡而不↢没弱↡。

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^じゅうには、 *沙礫しゃりゃくすくなしといへども、 なほうかぶことあたはず。 *磐石ばんじゃくだいなりといへども、 ふねすればよくうかぶ。 じょうそうたとへ。

十沙礫雖↠少尚不↠能↠浮。磐石雖↠大寄↠船能浮。已上総譬

→ⒶⒸⒹⒺ

^諸法しょほう力用りきゆうおもひがたきことかくのごとし。 念仏ねんぶつりき、 これになぞらへてうたがふことなかれ。

諸法力用、難↠思如↠是。念仏功力、准↠之莫↠疑。

→Ⓐ徳

 ^ふ。 りんじゅう心念しんねんは、 そのりきいくばくなればか、 よくだいじょうずる。

問。臨終心念、其力幾許イクラバカリアレバカ、能成↢大事↡。

^こたふ。 そのりきひゃくねんごうすぐれたり。

答。其力勝↢百年業↡。

^ゆゑに ¬大論だいろん¼ (大智度論) にいはく、 「このしんときのあひだすくなしといへども、 しかも心力しんりきみょうなること、 のごとくどくのごとくなれば、 すくなしといへどもよくだいじょうず。 これなんとするときしんも、 けつじょうして勇健ゆうごんなるがゆゑに、 ひゃくさいぎょうりきすぐれたり。 このしんづけて*大心だいしんとなす。 しんおよびもろもろのこんつるをもつて、 こときゅうなるがゆゑに。 ひとの、 じんるにしんみょうしまざるを、 づけてごんとなすがごとし。 阿羅あらかんのこのじゃくつるがゆゑに阿羅あらかんどうるがごとし」 と。

故¬大論¼云、「是心雖↢時項少↡、而心力猛利如↠火如↠毒。雖↠少能成↢大事↡。是垂↠死時心、決定シテ勇健故勝↢百歳行力↡。是後心名為↢大心↡。以↠捨↢身及諸根↡事急故。如↧人入↠陣不↠惜↢身命↡名↞健。如↧阿羅漢捨↢是身著↡故得↦阿羅漢道↥。」

→ⒸⒺ
→Ⓓ猛[力]
→Ⓓ
→Ⓐ
→ⒷⒸ為[勇]

^これによりて ¬安楽あんらくしゅう¼ (上) にいはく、 「一切いっさいしゅじょうりんじゅうときには、 *刀風とうふうかたちき、 死苦しくきたむるに、 だい怖畏ふいしょうじて、 ない、 すなはちおうじょうすることを」 と。

由↠此¬安楽集¼云、「一切衆生臨終之時、刀風解↠形、死苦来逼、生↢大怖畏↡、乃至便得↢往生↡。」

 ^ふ。 ふか観念かんねんちからつみめっすることはしかるべし。 いかんぞ、 仏号ぶつごうしょうねんするにりょうつみめっする。 もししからば、 ゆびをもつてつきすに、 このゆびよくやみすべし。

問。深観念力滅↠罪可↠然。云何称↢念仏号↡滅↢无量罪↡。若爾、以↠指指↠月、此指応↢能破闇↡。

 ⒹⒺになし

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) しゃくしていはく (安楽集・上意)、 「諸法しょほう万差まんじゃなり。 一概いちがいすべからず。 おのづから*ほうそくするあり。 おのづからほうするあり。

答。綽和尚釈云、「諸法万差。不↠可↢一概↡。自有↢名即ナル↡。自有↢名異↡。

^ほうそくするといふは、 諸仏しょぶつさつみょうごう*禁呪きんじゅおん*しゅ多羅たら章句しょうくとうのごとき、 これなり。 禁呪きんじゅに、 ª*にっしゅつ東方とうぼうしゃくおうº といはんに、 たとひ*酉亥ゆうがいきんぎょうずるも、 わずらへるものまたゆるがごとし。

名即法者、如↢諸仏・菩薩名号、禁呪音辞、修多羅章句等↡是也。如禁呪辞曰フガ、日出デヌレバ東方タチマチタチマチナリト仮令酉亥行↠禁患者亦愈ルガ

^またひとありて、 いぬはるることをこうむるに、 とらほねあぶりてこれをせば、 わずらへるものすなはちゆるがごとし。 もしときほねなくは、 よくたなごころひろげてこれをりて、 くちのなかにびて、 ªらいらいº といへば、 わずらへるものまたえぬ。

又如↧有↠人被↢狗所↟噛、炙↢虎骨↡熨↠之、患即愈↥。或時无↠骨、好↠掌磨↠之、口中喚言↢虎来虎来↡、患者亦愈。

→Ⓔ
→Ⓒ
 ⒹⒺになし
→Ⓐ→ⒷⒸ𣙙

^あるいはまたひとありて、 脚転筋こむらがえりわずらはんに、 木瓜ぼけつえあぶりてこれをせば、 わずらへるものすなはちえぬ。 もし木瓜ぼけなければ、 あぶりてこれをり、 くちに ª木瓜ぼけº とべば、 わずらへるものまたえぬ。

復有↠人、患スル脚転筋↡、炙↢木瓜杖↡熨↠之、患者即愈。或无↢木瓜↡、炙↠手磨↠之、口喚↢木瓜↡、患者亦愈也。

→Ⓔ
→ⒹⒺ

^ほうするといふは、 ゆびをもつてつきすがごとき、 これなり」 と。

名異↠法者、如↢以↠指指↞月是。」

^¬要決ようけつ¼ (西方要決) にいはく、 「諸仏しょぶつは、 がんぎょうをもつてこのみょうじょうずれば、 ただよくごうねんずるに、 つぶさに衆徳しゅとくねたり。 ゆゑに大善だいぜんじょうず」 と。 じょう、 かのもんに ¬浄名じょうみょう¼ (*維摩経)・¬*じょうじつ¼ のもんけり。 つぶさには*かみ助念じょねん方法ほうほうのごとし。

¬要決¼云、「諸仏願行成↢此果名↡、但能念↠号具苞↢衆徳↡。故成↢大善↡。」已上彼文引↢¬浄名¼・¬成実¼文↡。具如↢上助念方法↡

→Ⓔ

 ^ふ。 もし下下げげぼんぎゃくざいつくれるもの、 たびぶつねんずるによりておうじょうすることをといはば、 いかんぞ、 *¬仏蔵ぶつぞうきょう¼ のだいさんにのたまはく、 「だいしょうごんぶつめつあく比丘びくありき。 *第一だいいち*しょ*ひっきょうくうほうてて、 *どう*けんろん*とんぎょうしき。

問。若下々品造↢五逆罪↡、由↢十念↟仏得↢往生↡者、云何¬仏蔵経¼第三云、「大荘厳仏滅後有↢四悪比丘↡。捨↢第一義・无所有・畢竟空法↡、貪↢楽外道尼健子論↡。

このひと命終みょうじゅうして阿鼻あびごくちて、 あおぎてし、 うつぶきてし、 きょうにしてし、 きょうにしてすこと、 おのおのひゃくまん億歳おくさい熱鉄ねつてつうえにしてかれ、 がれただれき。 しをはりて、 さらにごくだいごく等活とうかつごくこくじょうごくうまれて、 みなかみのごとき歳数さいしゅく。 こくじょうよりしてはかえりて*阿鼻あびごくうまる。 かの、 しゅっにして親近しんごんせしもの、 ならびにもろもろの*檀越だんおつ、 おほよそろっひゃく万億まんおくにん、 このとともにしょうじともにして、 だいごくにありてもろもろのしょうしょけき。 こうきてはほうごくてんしょうし、 こうじょうじてはかえりてこのけんごくうまる。

是人命終堕↢阿鼻地獄↡、仰臥、伏臥、左脇シテ臥、右脇臥シテ、各九百万億歳於↢熱鉄上↡焼燃爛。死已更生↢灰地獄・大灰地獄・等活地獄・黒縄地獄↡、皆如クシテ↢上歳数受↠苦。於↢黒縄↡死還生↢阿鼻獄↡。彼家・出家親近并諸檀越、凡六百四万億人、与↢此四師↡倶生倶死、在↢大地獄↡受↢諸焼煮↡。劫尽転↢生他方地獄↡、劫成ジテ還生↢此間地獄↡。

久々くくにしてごくまぬかれてにんちゅううまれては、 *ひゃくうまれてよりめしいなり。 のち一切いっさいみょうおうぶつひてしゅっして、 じゅう万億まんおくさい勤修ごんしゅしょうじんすること*ねんはらふがごとくせしかども、 *じゅんにんすらざりき。 いはんや、 *どうんや。 命終みょうじゅうしてはかえりて阿鼻あびごくうまれにき。

久々免↢地獄↡生↢人中↡、五百世従シテ↠生而盲。後値↢一切明王仏↡出家、十万億歳勤修精進如↠救↢頭燃↡、不↠得↢順忍ヲダモ↡。況得↢道果↡。命終還生↢阿鼻地獄↡。

のちじゅうおくぶつひても、 じゅんにんすらざりき。 なにをもつてのゆゑに。 ぶつの、 深法じんぽうきたまひしに、 このひとしんぜずして、 破壊はえぎゃくし、 *げんじょうかい比丘びく破毀はきして、 そのあくいだせるほう因縁いんねんもつて、 ほうとしてまさにしかるべし」 と。 じょうりゃくしてしょうす。 「比丘びく」 とはがん比丘びくさつ和多わた比丘びくしょう比丘びく跋難ばつなん比丘びくなり。

↠後値↢九十九億仏↡、不↠得↢順忍ヲダニモ↡。何以故。仏説↢深法↡、是人不↠信、破壊違逆破↤毀賢聖・持戒比丘↡、出↢其過悪↡破法因縁ヲモテトシテ応当↠爾。」已上略抄。四比丘者苦岸比丘・薩和多比丘・将去比丘・跋難陀比丘

 ⒹⒺになし
→ⒷⒸⒹ→Ⓔ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→Ⓑ
 ⒷⒸⒹⒺになし
 ⒹⒺになし

^じゅう万億まんおくさいねんはらふがごとくせしも、 なほつみめっせずして、 かえりてごくしょうじき。 いかんぞ、 ぶつねんずることいっしょうじっしょうしてすなはちつみめっして、 じょうおうじょうすることをるや。

十万億歳如クセシ↠救↢頭燃↡、尚不↠滅↠罪、還生↢地獄↡。如何念↠仏一声・十声即得滅↠罪往↢生スルコトヲ浄土↡耶。

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^こたふ。 かん (懐感) しゃくしていはく (群疑論)、 「ぶつねんずるは、 えんによるがゆゑにつみめっす。 いちには、 だいじょうしんおこえんには、 じょうしょうぜんとがんずるえん小乗しょうじょうにんは、 十方じっぽうぶつましますとしんぜざるがゆゑに。 さんには、 弥陀みだぶつ本願ほんがんえんには、 念仏ねんぶつどくえん。 かの比丘びくは、 ただ*念処ねんじょかんをなせしがゆゑに。 には、 ぶつりきをもつて加持かじしたまふえんなり。 このゆゑに、 つみめっしてじょうしょうずることを。 かの小乗しょうじょうにんは、 しからざりき。 ゆゑにつみめっすることあたはず」 と。

答。感師釈云、「念↠仏由↢五縁↡故滅↠罪。一発↢大乗心↡縁。二願↠生↢浄土↡縁。小乗人不↠信↠有↢十方仏↡故。三阿弥陀仏本願縁。四念仏功徳縁。彼比丘但作↢四念処観↡故。五仏威力ヲモテ加持縁。是故滅↠罪得↠生↢浄土↡。彼小乗人不↠爾。故不↠能↠滅↠罪。」

 ^ふ。 もししからば、 いかんぞ、 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・上)じゅうねんおうじょうきて、 「ただ*ぎゃく*ほうしょうぼうをばのぞく」 とのたまへる。

問。若爾云何¬双巻経¼説↢十念往生↡、云↣「唯除↢五逆・誹謗正法↡。」

^こたふ。 *きょうとうしょのいはく、 「もしただぎゃくつくれるものは、 じゅうねんによるがゆゑにしょうずることを。 もしぎゃくざいをもつくり、 またほうをもそしれるものは、 おうじょうすることをず」 と。

答。智憬等諸師云、「若唯造↢五逆↡者、由↢十念↡故得↠生。若造↢逆罪↡亦謗↠法者、不↠得↢往生↡。」

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^*あるがいはく、 「ぎゃく*じょうごうつくれるものはおうじょうすることをるも、 ぎゃく*じょうごうつくるものはおうじょうせず」 と。

有云、「造↢五逆不定業↡得ルモ↢往生↡レルモノ↢五逆定業↡不↢往生↡。」

^かくのごとくじゅうしゃくあり。 かんほっ (懐感)しょしゃくもちゐずして、 みづからいはく (群疑論)、 「もしぎゃくつくらざるひとは、 ねんしょうろんずるにあらず、 いっしょうじっしょうともにじょううまる。 もしぎゃくつくれるひとは、 かならずすべからくじゅうつべし。 いちをもけつればしょうぜず。 ゆゑに ªのぞくº といふなり」 と。

如↠是有↢十五家釈↡。感法師不↠用↢諸師釈↡自云、「若不↠造↠逆人不論↢念之多少↡。一声・十声倶生↢浄土↡。若造↠逆人必須↠満↠十。闕↠一不↠生。故言↠除也。」

 ⒷⒸⒹⒺになし
 ⒹⒺになし

^いまこころみにしゃくくわへば、 *しょにはあまねくおうじょう種類しゅるいあらわすも、 本願ほんがんにはただ*定生じょうしょうにんのみをぐ。 ゆゑにいへり、 「しからずは、 しょうがくらじ」 と。

今試加ムノ↠釈余処遍顕↢往生種類↡本願唯挙↢定生之人ノミ↡。故云、「不↠爾不↠取↢正覚↡。」

*にんじゅうねんはさだめておうじょうすることをぎゃくしゃ一念いちねんはさだめてしょうずることあたはず。 ぎゃくじゅういちとは、 みなこれじょうなり。 ゆゑに、 がん (第十八願) にはただにんじゅうねんげて、 しょには、 ねてぎゃくじゅういちとをれり。 このいまだけっせず。 べつちゃくすべし。

余人十念定得↢往生↡、逆者一念定不↠能↠生。逆十余一皆是不定。故願唯挙↢余人十念↡、余処兼取↢逆十余一↡。此義未↠決。別応↢思択↡。

→ⒹⒺ

 ^ふ。 ぎゃくしゃじゅうねん、 なんがゆゑぞじょうなる。

問。逆者十念何故不定。

^こたふ。 宿しゅくぜん有無うむによりて念力ねんりきべつなるがゆゑに。 またりんじゅう*じんじょうと、 ねんずるときべつなるがゆゑに。

答。由↢宿善有无↡念力別故。又臨終尋常念時別故。

 ^ふ。 ぎゃくはこれ*順生じゅんしょうごうなり。 ほうともにさだまれり。 いかんぞめっすることをん。

問。五逆是順生業。報・時倶定。云何得↠滅。

^こたふ。 かん (懐感)、 これをしゃくしていはく (群疑論)、 「*九部くぶ*りょうきょうのなかには、 もろもろの*しんごうぼんのために、 *みつをもつてきて ªじょうほうごうありº といふ。 もろもろのだいじょう*りょうきょうのなかには、 ª一切いっさいごうことごとくみなじょうなりº ときたまふ。

答。感師釈↠之云、「九部不了教中、為↢諸不信業果凡夫↡、密意説言↠有↢定報業↡。於↢諸大乗了義教中↡、説↢一切業悉皆不定↡。

^¬*はんぎょう¼ の*だいじゅうはっかんにのたまふがごとし。 *耆婆ぎば*じゃおうのためにさんほうくに、 ªつみめっすることをたりº と。

如↢¬涅槃経¼第十八巻云↡。耆婆為↢阿闍世王↡説↢懴悔法↡、罪得↠滅。

またのたまはく (涅槃経)、 ªしんぶつせつくに、 «いち善心ぜんしんしゅすればひゃくしゅあくす» と。 すこしき毒薬どくやくのよくしゅじょうがいするがごとし。 しょうぜんもまたしかり。 よく大悪だいあくすº と。

又云、臣聞キタマフシテ↢一善心↡破ルコトノ↢百種悪↡、如↣少毒薬能害↢衆生↡少善亦爾能破↦大悪↥。

またさんじゅういちにのたまはく (涅槃経)、 ª善男ぜんなん、 もろもろのしゅじょうありて、 *業縁ごうえんのなかにおいてしんかろんじてしんぜず。 かれをせんがためのゆゑにかくのごときせつをなしたまふ。 善男ぜんなん一切いっさいごうきょうありじゅうあり。 軽重きょうじゅうごうにまたおのおのあり。 いちにはけつじょうにはけつじょうなりº と。

一云、善男子、有↢諸衆生↡於↢業縁中↡心軽不↠信。為↠度↠彼故作↢如↠是説↡。善男子、一切作業有↠軽有↠重。軽重二業復各有↠二。一決定、二不決定。

またのたまはく (涅槃経)、 ªあるいはじゅうごうの、 きょうとなしべきことあり。 あるいはきょうごうの、 じゅうとなしべきことあり。 にんは、 智慧ちえちからをもつて、 よくごくごくじゅうごうをしてげんかろじゅせしむるも、 愚痴ぐちにんは、 げんきょうごうごくおもくº と。 じゃおうつみさんしをはりてごくらず。 *鴦掘おうくつ摩羅まら阿羅あらかんたり。

又言、或有↢重業可↟得↠作ルコトヲ↠軽。或有↢軽業可↟得↠作ルコトヲ↠重。有智之人、以↢智恵力↡能令ルモ↢地獄極重之業現世軽受↡愚痴之人現世軽業シテ地獄シテシテ受。阿闍世王懴↢悔罪↡已不↠入↢地獄↡。鴦掘摩羅得↢阿羅漢↡。

→Ⓓ
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸ
→Ⓐ
 Ⓐになし

^*¬瑜伽ゆがろん¼ にかく、 ªいまだだつざるを、 けつじょうごうき、 すでにだつたるを、 じょうごうづくº と。 かくのごときのもろもろのだいじょうきょうろんには、 ぎゃくざいとうきてみなじょうづけて、 ことごとくしょうめつすることを」 と。 転重てんじゅうきょうじゅそうは、 つぶさに ¬*放鉢ほうはつきょう¼ にでたり。

¬瑜伽論¼説、未↠得↢解脱↡↢決定業↡已得ツレバ↢解脱↡名クトイヘリ↢不定業↡。如↠是等諸大乗経論、説↢五逆罪等↡皆名↢不定↡、悉得イフ↢消滅↡。」転重軽受相、具出↢¬放鉢経¼↡

→ⒹⒺ[如]瑜
→Ⓔ説[名]

 ^ふ。 くところのもんにのたまはく、 「しゃおもきをてんじてかろくしてじゅす」 と。 *ぼんしょうにんは、 ただじゅうねんしをはりてすなはちじょううまるるは、 いづれのところにしてかきょうじゅする。

問。所↠引文云、智者転↠重軽受。下品生人但十念已即生ルハ↢浄土↡、何処軽受。

^こたふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) に、 かの*たいしょうのものをきてのたまはく、 「ひゃくさいのうちに*三宝さんぼうたてまつらず、 ようしたてまつりて、 もろもろの*善本ぜんぽんしゅすることをず。 しかもこれをもつてとなす。 らくありといへども、 なほかのところをばねがはず」 と。

答。¬双巻経¼説↢彼土胎生者↡云、「五百歳中不↠見↢三宝↡、不↠得↤供養修↣諸善本↡。而以↠此為↠苦。雖↠有↢余楽↡猶不↠楽↢彼処↡。」

^これにじゅんずるに、 *しち七日しちにち六劫ろっこうじゅうこうぶつず、 ほうかざるをもつて、 きょうじゅとなすべきのみ。

准↠之、↧以↢七々日・六劫・十二劫、不↠見↠仏不↠聞↠法等↡為↦軽受苦↥耳。

→Ⓔ応[知]

 ^ふ。 もしりんじゅうひとたびぶつみなねんずるに、 よくはちじゅう億劫おくこうのもろもろのつみめっするがごとし、 *じんじょうぎょうじゃもまたしかるべきや。

問。為如↧臨終一念↢仏名↡能滅↦八十億劫衆罪↥、尋常行者亦可↠然耶。

^こたふ。 りんじゅうしんりきこわくしてよくりょうつみめっす。 じんじょうみなしょうするは、 かれがごとくなるべからず。 しかも、 もし観念かんねんじょうずれば、 またりょうつみめっす。 もしただみなしょうするのみならば、 しん浅深せんじんしたがひてそのやくること、 差別しゃべつあるべし。 つぶさには*さきやくもんのごとし。

答。臨終心力強能滅↢无量罪↡。尋常称↠名不↠応↠如↠彼。然若観念成亦滅↢无量罪↡。若但称スル↠名、随↢心浅深↡得↢其利益↡応↠有↢差別↡。具如↢前利益門↡。

 ^ふ。 なにをもつてか、 浅心せんしん念仏ねんぶつもまたやくありとはることをる。

問。何以得↠知↣浅心念仏亦有↢利益↡。

^こたふ。 ¬*しゅりょうごん三昧ざんまいきょう¼ にのたまはく、 「だい薬王やくおうあり、 滅除めつじょといふ。 もし闘戦とうせんときに、 もつてつづみりつれば、 もろもろの、 られかたなほこやぶられたるもの、 つづみこえくことをつれば、 でてどくのぞこるがごとし。 かくのごとく、 さつ*しゅりょうごん三昧ざんまいじゅうするときには、 みなくことあるものは、 *とんねんでて、 もろもろの邪見じゃけんどくみなことごとく除滅じょめつし、 一切いっさい煩悩ぼんのうまた発動ほつどうせず」 と。 じょう諸法しょほう*真如しんにょ*実相じっそうかんじ、 ぼんほう仏法ぶっぽう不二ふになりとる、 これをしゅりょうごん三昧ざんまいしゅじゅうすとづく。

答。¬首楞厳三昧経¼云、「↧大薬王、名曰↢滅除↡若闘戦時以用塗↠鼓、諸被↢箭射↡刀・矛所↠傷、得↠聞↢鼓声↡箭出毒除↥↠是菩薩住↢首楞厳三昧↡時、有↠聞↠名者、貪・恚・痴箭自然抜出、諸邪見毒皆悉除滅、一切煩悩不↢復発動↡。」已上観↢諸法真如・実相↡、見↢凡夫法仏法不二↡、是名↣修↢習首楞厳三昧↡

 Ⓓになし
→ⒷⒸ如[有]
発動→ⒶⒷⒸⒹⒺ動発
 Ⓐ「經曰」と左傍註記
→ⒶⒷⒸⒹⒺ観[見]

^さつすでにしかり、 いかにいはんやぶつをや。 みなく、 すでにしかり、 いかにいはんやねんずるをや。 これによりてりぬべし、 たとひ浅心せんしんねんやくむなしからず。

菩薩既爾、何況仏。聞↠名既爾、何況念。由↠此応↠知、設浅心念利益不↠虚。

由此 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ益[亦]

二 Ⅹ 粗心妙果

【76】^だいろく*しんみょうといふは、

第六麁心妙果者、

^ふ、 もしだいのために、 ぶつにおいてぜんをなすは、 みょうしょうとくすといふこと、 かならずしかるべし。 もし人天にんでんのために善根ぜんごんしゅせば、 いかんぞ。

若為↢菩提↡於↠仏作↠善、証↢得妙果↡理必可↠然。若為↢人天果↡修スルハ↢善根↡云何。

→Ⓐ

^こたふ。 あるいは*ぜん、 あるいは*じょうぶつにおいてぜんしゅせば、 *遠近おんごんありといへどもかならずはんいたる。

答。或染或浄、於↠仏修スルハ↠善雖↠有↢遠近↡必至↢涅槃↡。

^ゆゑに ¬だいきょう¼ のだいさんに、 ぶつなんげてのたまはく、 「もししゅじょうありて、 しょう*さんあい楽着ぎょうじゃくして、 ぶつ福田ふくでんにおいて善根ぜんごんうるもの、 かくのごときごんをなさく、 ªこの善根ぜんごんをもつて、 ねがはくはわれ*はつはんすることなからんº と。 なん、 このひともしはんせずといはば、 このことわりあることなからん。 なん、 このひとはんぎょうせずといへども、 しかも仏所ぶっしょにしてもろもろの善根ぜんごんゑたれば、 われく、 このひとはかならずはんん」 と。

故¬大悲経¼第三、仏告↢阿難↡言、「若有↢衆生↡楽↢著生死三有愛果↡、於↢仏福田↡種↢善根↡者、作ラマ↢如↠是言↡、以↢此善根↡願我莫ムト↢般涅槃↡。阿難、是人若不↢涅槃↡、无↠有↢是処↡。阿難、是人雖↠不↣楽↢求涅槃↡、然於↢仏所↡種↢諸善根↡、我説、是人必得↢涅槃↡。」

 ^ふ。 しょごうがんしたがひてかんず。 なんぞ、 *ほうねがふに*しゅっん。

問。所作之業随↠願感ベシ↠果。何楽↢世報↡得↢出世果↡。

^こたふ。 *ごうは、 かならずしも一同いちどうならず。 もろもろの善業ぜんごうをもつて仏道ぶつどうこうするは、 これすなはちごうなれば、 しんしたがひててんず。 *けいごうをもつててんらくぎょうするは、 これすなはち悪見あくけんなれば、 ごうをしててんぜしめず。 このゆゑに、 ぶつにおいてもろもろの善業ぜんごうしゅせば、 *ぎょうことなりといへどもかならずはんいたる。

答。業果之理不↢必一同↡。以↢諸善業↡廻↢向仏道↡、是即作リテ随↠心而転。以↢鶏狗業↡楽↢求天楽↡、是即悪見不↠令↢業転↡。是故於↠仏修スルハ↢諸善業↡、意楽雖↠異必至↢涅槃↡。

^ゆゑにかの ¬きょう¼ (大悲経)たとへをげてのたまはく、 「たとへば、 ちょうじゃの、 ときによりてたねりょうでんのなかにくだし、 ときしたがひてそそそそぎて、 つねによく護持ごじせん。 もしこのちょうじゃときのうちに、 かの田所でんしょいたりてかくのごときごんをなさく、 ª*とつなるかな、 しゅ。 なんぢたねとなることなかれ、 しょうずることなかれ、 ちょうずることなかれº と。 しかも、 かれ、 たねゑつれば、 かならずをなすべし、 じつなきにあらざらんがごとし」 と。 取意略抄

故彼¬経¼挙↠譬言、「譬如↧長者依↠時下↢種於良田中↡、随↠時漑潅、常善護持若是長者於↢余時中↡、到↢彼田所↡作ラマ↢如↠是言↡、咄哉ヤア種子、汝莫↠作↠種、莫↠生、莫↠長↡然彼種↠種必応↠作↠果、非↞无↢果実↡。」取意略抄

→Ⓔ
 ⒹⒺになし

 ^ふ。 かれ、 いづれのときにおいてかはつはんん。

問。彼於↢何時↡得↢般涅槃↡。

^こたふ。 たとひ、 久々くくしょうりんすといへども、 善根ぜんごんもうぜずしてかならずはつはん

答。設雖↣久々輪↢廻生死↡、善根不↠忘必得般涅槃↡

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^ゆゑにかの ¬きょう¼ (大悲経) にのたまはく、 「ぶつなんげたまはく、 ªぎょうおんがためのゆゑに、 おおきなるいけみずにありて、 こうあんして、 うおをしてはしめつ。 うお呑食どんじきしをはりて、 いけのなかにありといへども、 ひさしからずしてまさにづべきがごとし。 なん一切いっさいしゅじょう諸仏しょぶつみもとにしてきょうしんしょうずることを、 もろもろの善根ぜんごんゑ、 布施ふせしゅぎょうし、 ないしんおこして、 一念いちねんしんをもれば、 またあく善業ぜんごうのためにしょうせられて、 ごくちくしょう餓鬼がきざいすといへども、 諸仏しょぶつそん仏眼ぶつげんをもつてこのしゅじょう*発心ほっしんすぐれたるを観見かんけんしたまふがゆゑに、 ごくよりこれをきていださしむ。 すでにいだしをはりて、 はんきしきたまふº」 と。

故、彼¬経¼云、「仏告↢阿難↡、如↧捕魚師為↠得↠魚故、在↢大池水↡安↢置鉤餌↡、令↢魚呑食↡魚呑食已、雖↠在↢池中↡、不↠久当↞出。 阿難、一切衆生、於↢諸仏所↡得↠生↢敬信↡、種↢諸善根↡、修↢行布施↡、乃至発↠心得↢一念信↡、雖↧復為↢余悪・不善業↡之所↢覆障↡、堕↦在地獄・畜生・餓鬼↥、 諸仏世尊以↢仏眼↡観↢見此衆生発心勝↡故、従↢於地獄↡抜↠之令↠出。既抜出已、置↢涅槃岸↡。」

→Ⓐ
 ⒹⒺになし

 ^ふ。 かくのごとき ¬きょう¼ (大悲経)こころは、 きょうしんせるをもつてのゆゑに、 つひにはんるなり。 もししからば、 ただひとたびくは、 はんいんにあらざるべし。 すでにしからば、 いかんぞ ¬ごん¼ のにのたまふ、

「もしもろもろのしゅじょうありて、 いまだ提心だいしんおこさざれども、

ひとたびぶつみなくことをれば、 けつじょうしてだいじょうず」 と。

問。如↠此¬経¼意、以↢敬信↡故遂得↢涅槃↡。若爾但一聞応↠非↢涅槃因↡。既爾云何¬華厳¼偈云、「若有↢諸衆生↡、未↠発↢菩提心↡、一得↠聞↢仏名↡、決定成↢菩提↡。」

→ⒶⒹⒺ
聞仏名→ⒹⒺ仏名聞

^こたふ。 諸法しょほう因縁いんねん不可ふか思議しぎなり。 たとへば、 じゃくの、 雷震らいしんこえきてすなはち*あることを、 また*尸利しりしゃの、 さきよりぎょうぜつなけれども、 *昴星ぼうせいときに、 このみすなはち出生しゅっしょうして、 ながすんるがごとし。 ぶつみょうごうによりて、 すなはち*仏因ぶついんむすぶことまたかくのごとし。 このいんよりつひにだいあらわす。 かの*尼陀にくだじゅの、 芥子けしばかりのたねよりようしょうじて、 あまねく百両ひゃくりょうくるまおおふがごとし。 浅近せんごんほうすらなほ思議しぎしがたし。 いかにいはんや、 しゅっ甚深じんじんいんをや。 ただ信仰しんごうすべし。 ねんすべからず。

答。諸法因縁不可思議。譬如↧孔雀聞↢雷震声↡即得↠有↠身、又尸利沙果先无↢形質↡、見↢昴星↡時、果則出生足↦長五寸↥。依↢仏名号↡即結↢仏因↡亦復如↠是。従↢此微因↡遂著↢大果↡。如↧彼尼陀樹従↢芥子許種↡生↢枝葉↡遍覆↦五百両車↥。浅近世法スラ猶難↢思議↡。何況出世甚深因果。唯応↢信仰↡。不↠可↢疑念↡。

→Ⓓ→Ⓔ

 ^ふ。 *染心ぜんしんをもつて如来にょらいえんずるものもまたやくありや。

問。以↢染心↡縁↢於如来↡者亦有↠利益耶。

 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^こたふ。 ¬ほうしゃくきょう¼ のだいはちに、 *みつしゃくりきじゃくさつげていはく、 「*いきおう、 もろもろのくすりごうじゅうして、 もつて薬草やくそうりてどうかたちつくる。 *たんじょうしゅみょうにして、 希有けうなり。 *しょ安諦あんたいにして、 しょきょうし、 しゅなることならびなし。 往来おうらいし、 しゅうせんし、 住立じゅうりゅうし、 あんし、 *臥寐がびし、 *経行きょうぎょうするに、 けつするところなく、 顕変けんぺんするところのごうあり。

答。¬宝積経¼第八、密迹力士告↢寂意菩薩↡云、「耆域医王合↢集諸薬↡、以取↢薬草↡作↢童子形↡。端正殊妙世之希有。所作安諦ナリ、所有究竟セリ、殊異无↠比。往来周旋住立安坐臥寐経行、无↠所↣漏所ズル

あるいは大豪だいごう国王こくおうたい大臣だいじんひゃくかんしょうちょうじゃありて、 いきおうみもと来到らいとうするに、 くすりどうて、 ともにうたたわむれて、 その顔色げんしきるに、 やまいみなのぞこることをて、 すなはち安穏あんのん寂静じゃくじょうにして、 よくなることをいたす。 じゃく、 しばらく、 そのいきおうの、 けんりょうするに、 その医師いしおよぶことあたはざるところをかんぜよ。 かくのごとく、 じゃく、 もしさつ*法身ほっしんぎょうすれば、 たとひしゅじょうの、 *いんさかりにして、 男女なんにょだいしょう欲想よくそうをもつてぎょうし、 すなはちともにあひらくすれども、 貪欲とんよく*塵労じんろうはことごとくそくすることを」 と。 *陰種おんしゅしょにゅうなしとしん観察かんざつするを、 すなはち 「ぎょう法身ほっしん」 とづく。

或有↢大豪国王・太子・大臣・百官・貴性・長者↡、来↢到耆域医王所↡、視↢薬童子↡、与共歌戯、相↢其顔色↡病皆得↠除、便致↢安ニシテ寂静ニシテ无欲↡。寂意且観↧其耆域医王療↢治世間↡、其余医師所↞不↠能↠及也。如↠是寂意、若菩薩奉↢行法身↡、仮使衆生婬・怒・痴盛男女・大小、欲慕楽即共相娯楽、貪欲塵労悉得↢休息↡。」信↢解観↣察无シト陰種諸入↡、則名↢奉行法身↡也

→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒹⒺ
→Ⓔ
→ⒷⒸⒺ
→Ⓔ
→ⒶⒷⒸ相[見]
→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^ぎょう法身ほっしんさつすらなほしかり、 いかにいはんや*法身ほっしんしょうとくせるぶつをや。

奉行法身菩薩尚爾、何況証得法身仏耶。

 ^ふ。 欲想よくそうをもつてえんずるに、 このやくあるがごとく、 ほう悪厭あくえんするもまたやくありや。

問。如↣欲想縁有↢此利益↡、誹謗悪厭亦有↠益耶。

^こたふ。 すでにいんといへり。 あきらけし、 ただ欲想よくそうのみにはあらず。

答。既云↢婬・怒・痴↡。明非↢唯欲想↡。

→Ⓐ

^また ¬*如来にょらい密蔵みつぞうきょう¼ のかんにのたまはく、 「むしろ如来にょらいにおいて善業ぜんごうをばおこすとも、 どう邪見じゃけんのもののところにおいてよう施作せさせざれ。 なにをもつてのゆゑに。 もし如来にょらいみもとにおいて善業ぜんごうおこさば、 まさにゆるしんありて、 きょうしてかならずはんいたることをべし。 どうけんしたがふは、 まさにごく餓鬼がきちくしょうつべし」 と。

又¬如来秘密蔵経¼下巻云、「寧於↢如来↡起↢不善業↡、非↧於↢外道・邪見者所↡施↦作供養↥。何以故。若於↢如来所↡起スハ↢不善業↡、当↧有↢悔心↡、究竟必得↞至↢於涅槃↡。随↢外道見↡、当↠堕↢地獄・餓鬼・畜生↡。」

 ^ふ。 このもんは、 すなはちいんどうせり。 またしゅじょう妄心もうしんす。 いかんぞ、 悪心あくしんをもつて*だいはんらくんや。

問。此文便違↢因果道理↡。亦復増↢於衆生妄心↡。如何以↢悪心↡得↢大涅槃楽↡耶。

^こたふ。 悪心あくしんをもつてのゆゑに*さん悪道まくどうつ。 ひとたび如来にょらいえんずるをもつてのゆゑにかならずはんいたる。 このゆゑにいんどうせず。

答。以↢悪心↡故堕↢三悪道↡。以↣一縁↢如来↡故必至↢涅槃↡。是故不↠違↢因果道理↡。

^いはく、 「かのしゅじょうごくするときに、 ぶつにおいてしんしょうじ、 ついしんしょうず。 これによりて、 展転てんでんしてかならずはんいたる」 と。 ¬だいきょう¼ (意) に見えたり。

謂「彼衆生堕↢地獄↡時、於↠仏生↠信、生↢追悔心↡。由↠此展転必至↢涅槃↡。」見↢¬大悲経¼↡

^*染心ぜんしん如来にょらいえんずるやくすらなほかくのごとし。 いかにいはんや、 じょうしんにしてひとたびもしょうせんをや。 ぶつだい恩徳おんどく、 これをもつてりぬべし。

染心縁ズルスラ↢如来↡利益尚如↠是。何況浄心一称。仏大恩徳、以↠之可↠知。

→ⒶⒷⒸⒹⒺ心[一念]

 ^ふ。 諸文しょもんくところのだいはんは、 *さんじょうのなかにおいて、 これいづれのぞ。

問。諸文所↠説菩提・涅槃、於↢三乗中↡是何果耶。

^こたふ。 はじめにはしたがひてさんじょうといへども、 きょうしてはかならずじょうぶっいたる。

答。初雖↣随↠機得↢三乗果↡、究竟必至↢无上仏果↡。

^¬法華ほけきょう¼ にのたまふがごとし。

十方じっぽうぶつのなかには、 ただ*いちじょうほうのみあり。

*もなくまた*さんもなし。 ぶつ方便ほうべんせつをばのぞく」 と。

如↢¬法花経¼云↡。「十方仏土中、唯有↢一乗法↡。無↠二亦無↠三。除↢仏方便説↡。」

^また ¬だいきょう¼ (涅槃経) に、 如来にょらいけつじょうせつかしてのたまはく、 「いっさいしゅじょうはことごとく*ぶっしょうあり。 如来にょらい*常住じょうじゅうにして*変易へんやくあることなし」 と。

又¬大経¼明↢如来決定義↡云、「一切衆生悉有↢仏性↡。如来常住无↠有↢変易↡。」

^またのたまはく (涅槃経)、 「一切いっさいしゅじょうは、 さだめて*のくだいるがゆゑに、 このゆゑに、 われ、 一切いっさいしゅじょうはことごとくぶっしょうありとく」 と。

又云、「一切衆生定得↢阿耨菩提↡故、是故我説↣一切衆生悉有↢仏性↡。」

 ⒹⒺになし
→Ⓓ衆[定]

^またのたまはく (涅槃経)、 「一切いっさいしゅじょうはことごとくみなしんあり。 おほよそしんあるものは、 さだめてまさにのくだいじょうずることをべし」 と。

又云、「一切衆生悉皆有↠心。凡有↠心者定当↠得↠成コトヲ↢阿耨菩提↡。」

 ^ふ。 なんがゆゑぞ、 諸文しょもん所説しょせつどうなる。 あるいは 「ひとたびぶつみなかば、 さだめてだいじょうず」 とく。 あるいは 「勤修ごんしゅすること、 ねんはらふがごとくすべし」 とく。 また ¬ごんぎょう¼ のにのたまはく、

ひとの、 たからかぞふるに、 みづから半銭はんせんぶんなきがごとく、

ほうにおいてしゅぎょうせざるは、 おおくともまたかくのごとし」 と。

問。何故諸文所説不同。或説↧一聞↢仏名↡定成↦菩提↥。或説↠応↢勤修如↟救↢頭燃↡。又¬花厳経¼偈云、「如↧人数↢他宝↡、自无↦半銭分↥、於↠法不↢修行↡、多聞亦如↠是。」

 ⒷⒸⒹⒺになし
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし

^こたふ。 もしすみやかにだつせんとおもはば、 つとめずはぶんなきがごとし。 もし永劫ようごういんせば、 ひとたびくともまたむなしからず。 このゆゑに、 諸文しょもんは、 そうせず。

答。若欲フハ↢速解脱↡、不↠勤如↠无↠分。若期スルニハ↢永劫因↡、一聞亦不↠虚。是故諸文、理不↢相違↡。

二 Ⅹ 諸行勝劣

【77】^だいしち*しょぎょうしょうれつといふは、

第七諸行勝劣者、

^ふ、 おうじょうごうのなかには念仏ねんぶつさいとなすも、 ごうのなかにおいてもまたさいとなすや。

往生業中念仏為スモ↠最於↢余業中↡亦為↠最耶。

^こたふ。 ぎょうほうのなかにおいても、 これまたさいしょうなり。

答。於↢余行法中↡此亦最勝。

 ⒷⒸⒹⒺになし

^ゆゑに ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ に六種ろくしゅたとへあり。

故¬観仏三昧経¼有↢六種譬↡。

^いちにはいはく、 ªぶつなんげたまはく、 «たとへば、 ちょうじゃの、 まさになんとすることひさしからずして、 もろもろのぞうをもつてその委付いふす。 そのをはりて、 こころしたがひて遊戯ゆげす。 たちまちにいちに、 おうなんあるにひて、 りょう衆賊しゅぞくくらものきおる。 ただいちこんあり。 すなはちこれ*えんだんこんにして、 おも*じゅうろくりょうなり。 *こんじょうちょうたんまたじゅうろくすんなり。 このこんいちりょうは、 たからひゃく千万せんまんりょうあたる。 すなはちけがらはしきものをもつて真金しんこんまつつつみて、 泥団でいだんのなかにきつ。 もろもろのぞくをはりて、 これこんらずして、 あしをもつてみてしかもりぬ。 ぞくりてのちに、 財主ざいしゅこんて、 しんおおきにかんせんがごとし。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいもまたかくのごとし。 まさにこれを密蔵みつぞうすべし»º と。

一云、「仏告↢阿難↡、譬如↧長者将↠死不↠久、以↢諸庫蔵↡委↢付其子↡其子得已随↠意遊戯忽於↢一時↡値↠有↢王難↡、無量衆賊競↢取蔵物↡有↢一金↡乃是閻浮檀那紫金ナリ重十六両ナリ鋌長短亦十六寸ナリ此金一両、価直↢余宝百千万両↡即以↢穢物↡纏↢裹真金↡、置↢泥団中↡衆賊見已、不↠識↢是金↡脚践而去賊去之後財主得↠金、心大歓喜↥。念仏三昧亦復如↠是。当↣密↢蔵之↡。

 Ⓐ「打」と右傍註記

^にはいはく、 ªたとへば、 貧人びんにんおう宝印ほういんりて、 はしりてのぼりぬ。 *ろくひょうこれをふに、 貧人びんにんをはりてすなはち宝印ほういんみつ。 ひょうしゅいたりて、 をしてとうびゃくせしむ。 貧人びんにんちて、 身体しんたいさんしぬれども、 ただ金印きんいんはあるがごとく、 念仏ねんぶつ心印しんいんやぶれざること、 またかくのごとしº と。

二云、譬如↧貧人執↢王宝印↡逃走上↠樹六兵追↠之、貧人見已即呑↢宝印↡兵衆疾至令↢樹倒僻↡貧人落↠地、身体散壊シヌレドモ、唯金印在↥、念仏心印不↠壊亦如↠是。

→ⒶⒷⒸⒹⒺ亦[復]

^さんにはいはく、 ªたとへば、 ちょうじゃの、 まさになんとすることひさしからずして、 いちにょぐらく、 «われいまたからあり。 たからのなかにすぐれたるものなり。 なんぢ、 このたからて、 密蔵みつぞうしてかたからしめよ。 おうをしてらしむることなかれ» と。 おんなちちちょくけて、 *摩尼まにしゅおよびもろもろの珍宝ちんぽうちて、 これをふんかくす。 しつだいしょう、 みなまたらず。 きんひて、 *にょしゅちて、 したがひて、 すなはちひゃく飲食おんじきあめふらす。 かくのごとくして、 種々しゅじゅこころしたがひてたからるがごとし。 念仏ねんぶつ三昧ざんまい堅心けんしんどうなることまたかくのごとしº と。

三云、譬如↧長者将↠死不↠久、告↢一女子↡、我今有↠宝宝中上者汝得↢此宝↡カク令↠堅莫↠令↢王知↡女受↢父勅↡持↢摩尼珠及諸珍宝↡蔵↢之糞穢↡室家大小皆亦不↠知値↢世飢饉↡、持↢如意珠↡随↠語即雨↢百味飲食↡如↠是種々随↠意得↞宝。念仏三昧堅心ニシテラムコト亦復如↠是。

→Ⓐ随[其]→Ⓔ随[意]
Ⓐ「其」の右傍に「意」とあり
→ⒷⒸ

^にはいはく、 ªたとへば、 おおきにひでりしてあめることあたはず。 いち仙人せんにんありてしゅじゅす。 神通じんずうりきのゆゑに、 てんより*かんらし、 よりせんいだすがごとし。 念仏ねんぶつたるものは善呪ぜんじゅにんのごとしº と。

四云、譬如↧大旱不↠能↠得↠雨有↢一仙人↡誦↠呪神通力故天降↢甘雨↡、地出↦涌泉↥。得↢念仏↡者如↢善呪人↡。

→ⒶⒹⒺ

^にはいはく、 ªたとへば、 りき、 しばしば王法おうぼうおかして*囹圄れいぎょ幽閉ゆうへいせらるるに、 げて海辺かいへんいたり、 もとどりみょうしゅきて、 ちてせんやとひ、 かのきしいたりて、 安穏あんのんにしておそれなきがごとし。 念仏ねんぶつぎょうずるものは大力だいりきのごとし。 心王しんのうくさりまぬかれて、 かのきしいたるº と。

五云、譬如↧力士数犯↢王法↡幽↢閉セラレテ囹圄↡、逃到↢海辺↡、解↢髻明珠↡、持雇↢船師↡、到↢於彼岸↡、安穏無↞懼行↢念仏↡者如↢大力士↡。挽↢心王鎖↡、到↢恵岸↡。

→Ⓐ
→ⒶⒹ
→Ⓓ
→ⒷⒸⒹⒺ

^ろくにはいはく、 ªたとへば、 こうきてだい*洞然どうねんするに、 ただ金剛こんごうせんのみ*さいすべからずして、 かえりて*本際ほんざいじゅうするがごとく、 念仏ねんぶつ三昧ざんまいもまたかくのごとし。 このじょうぎょうずるものは、 過去かこぶつ*実際じっさいうみのなかにじゅうº」 と。 以上略抄

六云、譬如↧劫尽大地洞燃ニシテ、唯金剛山不↠可↢摧破↡、還住↦本際↥、念仏三昧亦復如↠是。行↢是定↡者、住↢過去仏実際海中↡。」已上略抄

^また ¬般舟はんじゅきょう¼ の 「もんぼん」 に念仏ねんぶつ三昧ざんまいきてのたまはく、 「つねにまさにじゅうし、 つねにまさにまもりて、 またほうしたがはざるべし。 もろもろのどくのなかに最尊さいそん第一だいいちなり」 と。

又¬般舟経¼「問事品」説↢念仏三昧↡云、「常当習持、常当↤守不↣復随↢余法↡。諸功徳中最尊第一。」

^また退転たいてんくらいいたるに、 なんどうあり。 *ぎょうどうといふはすなはちこれ念仏ねんぶつなり。 ゆゑに *¬十住じゅうじゅうしゃ¼ のだいさんにいはく、 「けんどうなんありあり。 *陸道ろくどうぎょうはすなはちくるしく、 *水道すいどうじょうせんはすなはちたのしきがごとし。 だいどうもまたかくのごとし。 あるいはごんぎょうしょうじんのものあり、 あるいは*しん方便ほうべんぎょうをもつて、 *惟越ゆいおっいたるものあり。 弥陀みだとうぶつおよびしょだいさつみなしょうして一心いっしんねんずれば、 また退転たいてん」 と。

又至↢不退転位↡有↢難易二道↡。言↢易行道↡即是念仏。故¬十住娑¼第三云、「如↢世間道有↠難有↠易カチヨリキテ則苦、水道リテ則楽↡。菩提道亦如↠是。或有↢勤行精進スル↡、或有↧以信方便クシテ疾至↦阿惟越致↥。 阿弥陀等仏及諸大菩薩称↠名一心念、亦得イヘリ↢不退転↡。」

→Ⓓ
→ⒷⒸⒺ
→Ⓔ
 ◎「薩」と上欄註記
→Ⓐ亦[復]
 Ⓐになし

^もんのなかに、 過去かこ現在げんざいいっひゃくぶつろく金剛こんごうぞう浄名じょうみょうじんばつ陀婆だば文殊もんじゅみょうおん師子しし香象こうぞう常精じょうしょうじんかんおんせいとういっひゃくだいさつげたり。 そのなかにひろ弥陀みだぶつさんぜり。 もろもろのぎょうのなかにおいて、 ただ念仏ねんぶつぎょうのみしゅしやすくして、 じょうしょうす。 りぬ、 これさいしょうぎょうなりといふことを。

文中挙↢過去・現在一百余仏、弥勒・金剛蔵・浄名・无尽意・跋陀婆羅・文殊・妙音・師子孔・香象・常精進・観世音・勢至等一百余大菩薩↡。其中広讃↢弥陀仏↡也。於↢諸行中↡、唯念仏行ノミ易↠修証↢上位↡。知是最勝行。

→ⒷⒸⒹⒺ
 ⒷⒸになし

^また ¬ほうしゃくきょう¼ のじゅうにのたまはく、 「もしさつありて、 おおしゅいとなみ、 七宝しっぽうとうつくること、 三千さんぜん大千だいせんかい*遍満へんまんせんに、 かくのごときさつは、 われをしてかんをなさしむることあたはず。 またわれをようぎょうるにもあらず。 もしさつありて、 波羅はらみつ相応そうおうほうにおいて、 ないいちじゅし、 読誦どくじゅし、 しゅぎょうして、 ひとのために演説えんぜつせん。 このひとは、 すなはちわれをようしつとなす。 なにをもつてのゆゑに。 もろもろのぶつ*だいは、 もんよりしょうず。 しゅよりはしかもしょうずることをず。

又¬宝積経¼九十二云、「若有↢菩薩↡多営↢衆務↡、造↢七宝塔↡遍↢満セム三千大千世界↡如↠是菩薩、不↠能↠令↣我而生↢歓喜↡。亦非↤供↢養恭↣敬スルニ於我↡。若有↢菩薩↡、於↢波羅蜜相応之法↡、乃至受↢持一四句偈↡、読誦修行為↠人演説。是人乃為↣供↢養於我↡。何以故。諸仏・菩薩従↢多聞↡生。不↧従↢衆務↡而得↞生也。

もしいちえんだいの、 ようさつは、 いち読誦どくじゅしゅぎょう演説えんぜつさつところにおいて、 まさに親近しんごんよう*じょうすべし。 もしいちえんだいの、 読誦どくじゅしゅぎょう演説えんぜつのもろもろのさつとうは、 いち勤修ごんしゅぜんじょうさつにおいて、 またまさに親近しんごんようじょうすべし。 かくのごとき善業ぜんごうをば、 如来にょらいずいし、 如来にょらいえっしたまふ。 もし勤修ごんしゅ智慧ちえさつにおいてじょうようせば、 まさにりょう福徳ふくとくじゅべし。 なにをもつてのゆゑに。 智慧ちえごうじょうさいしょうにして、 一切いっさい三界さんがいしょぎょうしゅっすればなり」 と。

若一閻浮提営事菩薩、於↢一読誦・修行・演説菩薩之所↡応当↢親近供養承事↡。若一閻浮提読誦・修行・演説諸菩薩等、於↢一勤修禅定菩薩↡亦当↢親近供養承事↡。如↠是善業、如来随喜、如来悦可。若於↢勤修智恵菩薩↡承事供養スルハ、当↠獲↢无量福徳之聚↡。何以故。智恵之業无上最勝、出↢過一切三界所行↡。」

→Ⓓ
→Ⓔ
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 Ⓐ「永」と右傍註記
→ⒷⒸⒹⒺ
→ⒶⒷⒸ慧
云々 ⒷⒸⒹⒺになし

^¬だいじゅう¼ の 「月蔵がつぞうぶん」 のにのたまはく、

「もしひとひゃくおく諸仏しょぶつみもとにして、 おおくの歳数さいしゅにおいてつねにようせんに、

もしよく七日しちにち*闌若らんにゃにありて、 *こんせっしてじょうば、 ふくかれよりもおおし。

げんじょう無為むいなるはぶつきょうがいなり。 かしこにおいてよくじょうだい

もしひと、 かのじゅうぜんのものをそしらば、 これをもろもろの如来にょらいほうすとづく。

もしひととうやぶることひゃくせん、 およびひゃくせんてらぼんじょうせんに、

もしじゅうぜんのものをほうすることあらば、 そのつみはなはだおおきこと、 かれよりぎたり。

もしじゅうぜんのものに、 飲食おんじきぶくおよび湯薬とうやくようすることあらば、 このひとりょうつみしょうめつして、 またさん悪道まくどうせじ。

このゆゑにわれいまあまねくなんぢにぐ、 仏道ぶつどうじょうぜんとおもはばつねにぜんにあれ。

もし*蘭若らんにゃじゅうすることあたはずは、 まさにかのひとようすべし」 と。

¬大集¼「月蔵分」偈云、「若人百億諸仏所、於↢多歳数↡常供養シタテマツラム若能七日在↢闌若↡、摂↠根得↠定福多ケム↠彼。 閑静无為仏境界。於↠彼能得↢浄菩提↡。若人謗ルハ↢彼住禅者↡、是名↣毀↢謗諸如来↡。若人破↠塔多百千ナラム及以焚↢焼セム百千寺↡若有ラムハ↣毀↢謗住禅者↡、其罪甚多過↢於彼↡。若有↣供↢養住禅者飲食・衣服及湯薬↡、是人消↢滅无量罪↡、亦不↠堕↢於三悪道↡。是故我今普告↠汝、欲↠成ムト↢仏道↡常在↠禅。若不↠能↠住↢阿蘭若↡、応当シトイヘリ↣供↢養於彼人↡。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^*はんぜんじょうすら、 なほすでにかくのごとし。 いはんや、 念仏ねんぶつ三昧ざんまいはこれ*おう三昧ざんまいなるをや。

汎爾オホヨソ禅定尚既如↠是。況念仏三昧是王三昧耶。

 ^ふ。 もしぜんじょうごう読誦どくじゅ解義げぎとうすぐれたらば、 いかんぞ、 ¬法華ほけきょう¼ の 「分別ふんべつどくぼん」 に、 はちじゅう万億まんおく那由なゆこう所修しょしゅ*ぜん波羅はらみつどくをもつて、 ¬法華ほけきょう¼ をきて一念いちねんしんするどく*校量きょうりょうして、 ひゃくせん万億まんおくぶんの一ぶんなりとする。 いかにいはんや、 ひろのためにかんをや。

問。若禅定業勝↢読誦・解義等↡、云何¬法花経¼「分別功徳品」、以↢八十万億那由他劫所修前五波羅蜜功徳↡、挍↧量セル聞↢¬法花経¼↡一念信解功徳百千万億分之一分。何況広為↠他説耶。

→Ⓒ

^こたふ。 これらのもろもろのぎょうに、 おのおの浅深せんじんあり。 いはく、 *偏円へんえんきょう差別しゃべつあるがゆゑに。 もし*とうきょうにてろんぜば、 しょうれつさきのごとし。 もししょきょう相対そうたいせば、 へんぎょうぜんじょうえんぎょう読誦どくじゅごうおよばず。 ¬だいじゅう¼ と ¬ほうしゃく¼ とはいっきょうやくしてろんじ、 ¬ほっ¼ の校量きょうりょう偏円へんえん相望そうもうす。 このゆゑに諸文しょもんそうせず。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいもまたかくのごとし。 へんぎょう三昧さんまいとうきょうすぐれたりとなす。 *円人えんにん三昧さんまいはあまねくしょぎょうすぐれたり。

答。此等諸行各有↢浅深↡。謂偏円教有↢差別↡故。若当教勝劣如↠前。若相↢対諸教↡、偏教禅定不↠及↢円教読誦事業↡。¬大集¼¬宝積¼約↢一教↡論¬法華¼挍量偏円相望。是故諸文義不↢相違↡。念仏三昧亦復如↠是。偏教三昧当教為↠勝。円人三昧普勝↢諸行↡。

相対諸教→ⒶⒷⒸⒹⒺ諸教相対

^またじょうあり。 いち*相応そうおうじょう。 これをさいしょうなりとなす。 *暗禅あんぜん。 いまだすぐれたりとなすべからず。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいはこれはじめのしょうなるべし。

又定有↠二。一者恵相応定。是為↢最勝↡。二者暗禅。未↠可↠為↠勝。念仏三昧応↢是初摂↡。

→ⒶⒷⒸ

二 Ⅹ 信毀因縁

【78】^だいはち*しん因縁いんねんといふは、

第八信毀因縁者、

^¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「ひと一仏いちぶつみもとにしてどくつくるのみにあらず。 もしは、 もしはさん、 もしはじゅうにおいてせるにもあらず。 ことごとくひゃくぶつみもとにしてこの三昧さんまいき、 かへりて後世ごせときにこの三昧さんまいくものなり。 きょうかん書学しょがくじゅして、 さいまもること一日いちにちいちすれば、 そのふくはかるべからず。 おのづから惟越ゆいおっいたり、 がんずるところのものをん」 と。

¬般舟経¼云、「不↧独於↢一仏所↡作↦功徳↥。不↠於テセルニ若二若三若十↡。悉於↢百仏所↡聞カム↢是三昧↡、却後世時聞カム↢是三昧↡者。書↢学誦↣持経巻↡、最後守一日一夜スレバ、其福不ニシテ、自致↢阿惟越致↡、所↠願ゼム者得。」

 ⒷⒸⒹになし

 ^ふ。 もししからば、 くものはけつじょうしてしんずべし。 なんがゆゑぞ、 くといへども、 しんしんぜざるものある。

問。若爾聞カム者決定応↠信。何故雖↠聞有↢信不↟信。

→Ⓒ

^こたふ。 ¬*りょう清浄しょうじょうがくきょう¼ (四) にのたまはく、 「善男ぜんなんぜん女人にょにんありて、 りょう清浄しょうじょうぶつみなきて、 かんやくして、 いよだつことをなし、 づるがごとくなるものは、 みなことごとく*宿しゅく宿命しゅくみょうに、 すでに*ぶつをなせるなり。 それ人民にんみんありて、 うたがひてしんぜざるものは、 みな悪道あくどうのなかよりきたりて、 殃悪おうあくいまだきざるなり。 これいまだだつざるなり」 と。

答。¬無量清浄覚経¼云、「善男子・善女人アリテ聞↢无量清浄仏名↡、歓喜踊躍、身毛為ルコト↠起如セム↢抜↡者、皆悉宿世宿命已作↢仏事↡。其有↢人民↡疑不ラム↠信者、皆従↢悪道中↡来、殃悪未↠尽。此未↠得↢解脱↡也。」

宿世 ⒷⒸになし
 Ⓐになし

^また ¬大集だいじつきょう¼ の*だいしちにのたまはく、 「もししゅじょうありて、 すでにりょうへんぶつみもとにしてもろもろの*徳本とくほんゑたるものは、 すなはちこの如来にょらい*じゅうりき*しょ*不共ふぐほう*さんじゅうそうくことをん。 れつにんは、 かくのごときしょうぼうくことをることあたはじ。 たとひくことをとも、 いまだかならずしもよくしんぜず」 と。

又¬大集経¼第七云、「若有↢衆生↡已於↢無量无辺仏所↡殖ヱタルモノハ↢衆徳本↡、乃得↠聞↢是如来十力・四无所畏・不共之法・二相↡。 下劣之人不↠能↠得↠聞↢如↠是正法↡。仮使得↠聞、未↢必能信↡。」

^まさにるべし、 しょう因縁いんねん不可ふか思議しぎなり。 薄徳はくとくのものの、 くことをるも、 そのえんりがたし。 *烏豆うずじゅいちあおまめあらんがごとし。 ただしかれくといへどもしかもしんせず。 これはすなはち薄徳はくとくいたすところなるのみ。

当↠知、生死因縁不可思議。薄徳ノモノコト↠聞、難↠知↢其縁↡。如↣烏豆聚有↢一緑豆↡。但彼雖↠聞而不↢信解↡。是即薄徳之所ナル↠致耳。

 ⒹⒺになし

 ^ふ。 ぶつおうじゃくに、 つぶさに*しょしゅしたまひしに、 なほはち万歳まんざいにこのほうきたまふことあたはざりき。 いかんぞ、 薄徳はくとくのたやすくちょうもんすることをる。 たとひ希有けうなりとゆるせども、 なほどうせり。

問。仏於↢往昔↡具修シタマヒシ↢諸度↡、尚於↢八万歳↡不↠能↠聞↢此法↡。云何薄徳輒得↢聴聞↡。設許↢希有ナリ↡猶違↢道理↡。

→Ⓐ

^こたふ。 このりがたし。 こころみにこれをあんじていはく、 しゅじょう善悪ぜんあくくらいべつあり。

答。此義難↠知。試案↠之云、衆生善悪有↢四位別↡。

^いちには、 *悪用あくゆう偏増へんぞうなり。 このくらいにはほうくことなし。 ¬ほっ¼ (意) にのたまふがごとし、 「*ぞうじょうまんひとひゃく億劫おくこうつねにほうかず」 と。

一悪用偏増。此位無↠聞↠法。如↢¬法華¼云↡、「増上慢人二百億劫常不↠聞↠法。」

^には、 善用ぜんゆう偏増へんぞうなり。 このくらいにはつねにほうく。 *じゅうじょうだいさつとうのごときなり。

二善用偏増セル此位常聞↠法。如↢地・住以上大菩薩等↡。

^さんには、 *善悪ぜんあくきょうさい。 いはく、 ぼんててしょうらんとするときなり。 このくらいのなかには、 一類いちるいひとありてほうくことはなはだかたし。 たまたまきつればすなはちさとる。 *じょうたいさつ*須達しゅだつ老女ろうにょとうのごとし。 あるいはのためにへられ、 あるいはみづからのまどひのためにへられて、 聞見もんけんへだつといへども、 ひさしからずしてすなはちさとる。

三善悪交際。謂垂↢捨↠凡入↟聖之時。此位中有↢一類之人聞↠法甚難↡。適聞即悟。如↢常啼菩薩、須達老女等↡。或為↠魔所↠障、或為↢自或↡障、雖↠隔↢聞見↡不↠久即悟。

→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^には、 *善悪ぜんあくようなり。 このくらいには、 善悪ぜんあくおなじくこれしょうてんほうなるがゆゑに、 おおほうくことかたし。 悪増あくぞうにあらざるがゆゑに、 一向いっこうもんなるにあらず。 きょうさいするにあらざるがゆゑに、 くといへどもやくなし。 *六趣ろくしゅ*しょう*蠢々しゅんしゅんたるたぐい、 これなり。 ゆゑにじょうにんのなかにもまたくことかたきものあり、 ぼんのなかにもまたくものあり。

四善悪容預此位善悪同是生死流転法故、多難↠聞↠法。非↢悪増↡故非↢一向无聞↡。非↢交際↡故雖↠聞無↢巨益↡。六趣・四生蠢々類是。故上人中亦有↠難↠聞、凡愚之中亦有↢聞者↡。

 Ⓐ「順」と右傍註記

^これまたいまだけっせず。 *げん取捨しゅしゃせよ。

未↠決。後賢取捨。

 Ⓔになし
 Ⓓになし
→ⒹⒺ賢[人]

 ^ふ。 しんのもの、 なんの罪報ざいほうをかる。

問。不信之者得↢何罪報↡。

^こたふ。 ¬*しょうよう諸仏しょぶつどくきょう¼ のかんにのたまはく、 「それ、 弥陀みだぶつみょうごうどく讃嘆さんだん*しょうようするをしんぜざることありて、 *ほうするものは、 こうのうちに、 まさにごくして、 つぶさにもろもろのくべし」 と。

答。¬称揚諸仏功徳経¼下巻云、「其有↠不↠信↤讃↢嘆称↣揚阿弥陀仏名号功徳↡、而シテ謗毀セム者、五劫之中当↧堕↢地獄↡、具受↦衆苦↥。」

 ^ふ。 もし深信じんしんなくしてねんをなすものは、 つひにおうじょうせざるや。

問。若无↢深信↡生↢疑念↡者終不↢往生↡。

^こたふ。 まつたくしんぜず、 かのごうしゅせず、 がんせざるものは、 としてうまるべからず。 もしぶっうたがふといへども、 しかもなほかのねがひ、 かのごうしゅするものは、 またおうじょうすることを

答。全不↠信、不↠修↢彼業↡、不↢願求↡者、理トシテ不↠応↠生。若雖↠疑↢仏智↡、而猶願↢彼土↡修セム↢彼業↡者、亦得↢往生↡。

→ⒶⒷⒸⒹⒺ[若]全

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) にのたまふがごとし、 「もししゅじょうありて、 わくしんをもつてもろもろのどくしゅして、 かのくにうまれんとがんじて、 *ぶっ思議しぎ不可ふかしょうだいじょうこうとうりんさいじょうしょうりょうせず、 このもろもろのにおいてわくしてしんぜず、 しかもなほ罪福ざいふくしんじ、 善本ぜんぽんしゅじゅうして、 そのくにしょうぜんとがんぜん。 このもろもろのしゅじょうは、 かの殿でんしょうじて、 寿じゅひゃくさい、 つねにぶつたてまつらず、 きょうぼうかず、 さつしょうもんしゅうたてまつらず、 このゆゑにかのこくにおいては、 これを*たいしょうといふ」 と。

キナリ↢¬双巻経¼云↡「若有↢衆生↡以↢疑或心↡修↢諸功徳↡、願↠生↢彼国↡、不↠了↢仏智・不思議智・不可称智・大乗広智・无等无倫最上勝智↡、於↢此諸智↡疑惑不↠信、然猶信↢罪福↡、修↢習善本↡、願ズル↠生↢其国↡此諸衆生生↢彼宮殿↡寿五百歳マデニ常不↠見↠仏、不↠聞↢経法↡、不↠見タテマツラ↢菩薩・声聞之衆↡、是故於↢彼国土↡謂↢之胎生↡。」

→ⒶⒷⒸⒹⒺ
 ⒹⒺになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ
→Ⓔ

^ぶつ智慧ちえうたがふは、 つみ悪道あくどうあたれり。 しかもねがいしたがひておうじょうするは、 これぶつがんりきなり。

疑↢仏智恵↡、罪当↢悪道↡。然随↠願往生、是仏悲願力。

→ⒶⒷⒸⒺ

^¬清浄しょうじょうがくきょう¼ (平等覚経・三) に、 このたいしょうをもつてちゅうはいはいにんとなせり。 しかもしょしょしゃくしげいだすことあたはず。

¬清浄覚経¼以↢此胎生↡為↢中輩・下輩人↡。然諸師所釈不↠能↢ワヅラハシキニ出↡。

 ^ふ。 ぶっいふは、 そのそういかんぞ。

問。言↢仏智等↡其相云何。

^こたふ。 *きょうごうは、 ¬*ぶつきょう¼ のほうをもつて、 いま*づけたり。 いはく、 清浄しょうじょう法界ほうかいぶっづけ、 *大円だいえんきょうとうをもつて、 いでのごとく思議しぎとうつるなり。 *玄一げんいちは、 ぶっさきのごとくなるも、 のちをもつて、 ぎゃく*じょう事智じちとうたいするなり。 異解いげあるも、 これをわずらはしくすべからず。

答。憬興師以↢¬仏地経¼五法↡、今名↢五智↡。謂清浄法界名↢仏智↡、以↢大円鏡等四↡如↠次当ベシトイフ↢不思議等四↡也。玄一師、仏智如ナルモ↠前、以↢後四智↡逆対↢成事智等四↡也。有↢余異解↡不↠可↠煩↠之。

二 Ⅹ 助道資縁

【79】^だい*助道じょどうえんといふは、

第九助道資縁者、

^ふ、 ぼんぎょうにんはかならずじきもちゐる。 これしょうえんなりといへども、 よくだいべんず。 *にしてやすからずは、 *道法どうぼういづくんぞあらん。

凡夫行人要須↢衣食↡此雖↢小縁↡、能辨↢大事↡。裸ヱテ不↠安、道法焉在。

→Ⓑ

^こたふ。 ぎょうじゃあり。 いはく、 しゅっとなり。

答。行者有↠二。謂家出家。

 ◎「在」と上欄註記
→ⒷⒸⒹⒺ[在]家

^その*ざいにんは、 ごう自由じゆにして、 餐飯さんぼんぶくあり。 なんぞ念仏ねんぶつさまたげん。 ¬木槵もくげんきょう¼ の*瑠璃るりおうぎょうのごとし。

其在家人、家業自由ナリ餐飯・衣服アリ何妨↢念仏↡。如↢¬木槵経¼瑠璃王行↡。

^その*しゅっひとにまたさんるいあり。 もし*じょうこんのものは、 そう鹿ろく一菜いっさいいっなり。 *雪山せっせんだいのごとき、 これなり。 もし*ちゅうこんのものは、 つねに*乞食こつじき*糞掃ふんぞうなり。 もし*こんのものは、 檀越だんおつ*しんなり。 ただすこるところあれば、 すなはちるをる。 つぶさには ¬かん¼ のだいのごとし。 いはんやまた、 もしぶつ弟子でしにして、 もつぱらしょうどうしゅして、 とんするところなきものは、 ねんえんす。

其出家人亦有↢三類↡。若上根者草座・鹿皮、一菜・一菓ナリ如↢雪山大士↡是也。若中根者常乞食・糞掃衣。若下根者檀越親施。但リテハ↠所↠得即便知↠足リヌト。具如↢¬止観¼第四↡。況復若仏弟子ニシテ専修↢正道↡无↠所↢貪求↡者、自然具↢資縁↡。

→ⒶⒷⒸ→ⒹⒺ
→ⒹⒺ有[少有]

^¬大論だいろん¼ (大智度論) にいふがごとし。 「たとへば、 比丘びくとんするものはようず、 とんするところなきはすなはちともしくすくなきところなきがごとく、 しんもまたかくのごとし。 もし分別ふんべつしてそうれば、 すなはち実法じっぽうず」 と。

如↢¬大論¼云↡。「譬如↧比丘貪求者不↠得↢供養↡、無↠所↢貪求↡則无↞所↢乏短↡、心亦如↠是。若分別シテスレバ則不↠得↢実法↡。」

^また ¬だいじゅう¼ の 「月蔵がつぞうぶん」 のなかに、 *欲界よくかい*六天ろくてん日月にちがつ星宿しょうしゅく*てんりゅうはち、 おのおの仏前ぶつぜんにして誓願せいがんおこしてのたまはく、 「もしぶつしょうもん弟子でしにして、 ほうじゅうし、 ほうじゅんじ、 三業さんごう相応そうおうしてしゅぎょうするものをば、 われらみなともに護持ごじ養育よういくし、 *所須しょしゅきゅうして、 ともしきところなからしめん。 もしまたそんしょうもん弟子でしにして、 *しゃくじゅするところなからんをば護持ごじ養育よういくせん」 と。

又¬大集¼「月蔵分」中、欲界六天・日月星宿・天竜八部各於↢仏前↡発↢誓願↡云、「若仏声聞弟子、住↠法順↠法、三業相応而修行セム、我等皆共護持養育、供↢給所須↡令↠無↠所↠乏。若復世尊声聞弟子、无カラムヲ↠所↢積聚↡護持養育。」

 Ⓐになし
→ⒶⒷⒸⒹⒺ

^またのたまはく