おうじょうようしゅう かん

天台てんだい*しゅりょうごんいん*沙門しゃもん*源信げんしんせん

念仏利益

【58】^大文だいもんだいしちに、 念仏ねんぶつやくかさば、 おおきにわかちてしちあり。 いちには滅罪めつざいしょうぜんにはみょうとく護持ごじさんには現身げんしん見仏けんぶつには当来とうらいしょうには弥陀みだ別益べつやくろくには引例いんれい勧信かんしんしちには悪趣あくしゅやくなり。 そのもんおのおのおおし、 いまりゃくしてようぐ。

大文第七サバ↢念仏利益↡者、大チテ↠七。一ニハ滅罪生善ニハ護持↡。ニハ現身タテマツルニハ当来勝利ニハ弥陀別益ニハキテ勧信スルニハ悪趣利益ナリ文各、今略↠要

二 Ⅶ 滅罪生善

【59】^第一だいいち滅罪めつざいしょうぜんといふは、

第一滅罪生善トイフ者、

・滅罪

^¬*観仏かんぶつきょう¼ のだいにのたまはく、 「いちのなかにおいてわかちてしょうぶんとなして、 しょうぶんのなかによく*しゅのあひだもぶつ*びゃくごうねんじて、 しんをして*了々りょうりょうならしめ、 びゅうらんおもいなく、 ぶんみょう*正住しょうじゅうにして、 こころくることまずしてびゃくごうねんずるものは、 もしは*相好そうごう、 もしはることをずとも、 かくのごときひとは、 じゅうろくおく*那由なゆ*ごうしゃ*塵数じんしゅ*こう*しょう*つみじょきゃくせん。 たとひまたひとありて、 ただびゃくごうきてこころきょうせず、 かん信受しんじゅせん。 このひともまたはちじゅう億劫おくこうしょうつみけん」 と。

¬観仏経¼第二、「於↢一時↡分チテ↢少分↡、少分之中須臾↢仏白毫↡、令↢心ヲシテ了了ナラ↡、無↢謬乱想↡、分明正住ニシテツグコト↠意シテ↠息↢白毫↡者、若見↢相好↡、若トモ↠得↠見コトヲ、如↠是、除↢却九十六億那由他恒河沙微塵数劫生死之罪↡。設復有↠人、但聞↢白毫↡心不↢驚疑↡、歓喜信受。此サケムト↢八十億劫生死之罪↡。」

^またのたまはく (観仏経)ぶつりたまひてのち三昧さんまいしょうじゅしてぶつ*ぎょうおもふものは、 また千劫せんごうごくじゅう悪業あくごうのぞかん」 と。 ぶつぎょうそうは、 *かみ助念じょねん方法ほうほうもんのごとし。

又云、「仏去タマヒテ↠世後、三昧正受ハム↢仏↡者、亦除ムト↢千劫極重悪業↡。」行歩、如↢上助念方法門

^またのたまはく (観仏経)、 「ぶつ*なんげたまはく、 ªなんぢ、 今日こんにちより如来にょらいたもちて、 あまねく弟子でしげよ。 ぶつめつのちに、 ぎょうぞうつくりて、 身相しんそうをしてそくせしめ、 またりょうぶつ色像しきぞうおよび*通身つうしんしきつくり、 および*仏跡ぶっせきえがき、 みょういとおよび*頗梨はりしゅをもつてびゃくごうところきて、 もろもろの*しゅじょうをしてこのそうることをしめよ。 ただこのそうしんかんをなさば、 このひとひゃくおく那由なゆごうしゃこうしょうつみじょきゃくせんº」 と。

又云、「仏告タマハク↢阿難↡、汝従↢今日↡持↢如来↡、遍↢弟子↡。仏滅度、造↢好形像↡、↢身相ヲシテ具足↡、亦作↢无量化仏色像及通身↡、及↢仏跡↡、以↢微妙絲及頗梨珠オキ↢白毫↡、令↢諸衆生ヲシテ得↟見コトヲ↡。但見↢此↡心ナサ↢歓喜↡、此除↢却ムト百億那由他恒河沙劫生死之↡。」

^またのたまはく (観仏経)、 「老女ろうにょの、 ぶつて、 *邪見じゃけんにしてしんぜざるすら、 なほよくはちじゅう万億まんおくこうしょうつみじょきゃくしき。 いはんや、 またこころをもつてぎょう礼拝らいはいせんをや」 と。 *須達しゅだついえ老女ろうにょ因縁いんねんは、 かの ¬きょう¼ (同) にひろくがごとし。

又云、「老女↠仏、邪見ニシテルスラ↠信、猶能除↢却シキ八十万億劫生死之罪↡。況復善ヲモテ恭敬礼拝ムヲヤト。」須達老女因縁、如¬経¼広クガ

^またのたまはく (観仏経)、 「もろもろの*ぼんおよび*四部しぶ弟子でし*方等ほうどうきょうそしり、 *ぎゃくざいつくり、 *じゅうきんおかし、 *そうもつぬすみ、 *比丘びくいんし、 *はっ戒斎かいさいやぶり、 もろもろのあくをなし、 種々しゅじゅ邪見じゃけんあらん。 かくのごときひと、 もしよくしんいたして一日いちにちいちねん在前ざいぜんして、 ぶつ如来にょらいいち相好そうごうかんぜば、 もろもろのあくざいしょうも、 みなことごとく尽滅じんめつしなん」 と。

又云、「諸凡夫及四部弟子、謗↢方等経↡、作↢五逆罪↡、犯↢四重禁↡、偸↢僧祇物↡、婬↢比丘尼↡、破↢八戒斎↡、作↢諸悪事↡、種々邪見アラム。如↠是人、若シテ↠心一日一夜繋念在前、観ゼバ↢仏如来相好↡者、諸悪・罪障、皆悉尽滅ナムト。」

^またのたまはく (観仏経)、 「もしはぶつそん*帰依きえすることあるもの、 もしはみなしょうするものは、 ひゃくせんごう*煩悩ぼんのう重障じゅうしょうのぞく。 いかにいはんや、 しょうしん*念仏ねんぶつじょうしゅせんをや」 と。

又云、「若↣帰↢依コト仏世尊↡者、若↠名、除↢百千劫煩悩重障↡。何正心セムヲヤトイヘリ↢念仏定↡。」

^¬*ほうしゃくきょう¼ のだいにのたまはく、 「宝珠ほうしゅあり、 種々しゅじゅしきづく。 大海だいかいのなかにあり、 りょうしゅはやながれありて大海だいかいるといへども、 しゅちからをもつてみずをしてしょうめつせしめて、 盈溢よういつせざらしむるがごとく、 かくのごとく如来にょらい*おう*しょう等覚とうがくだいしょうしをはりて、 智火ちかちからによりて、 よくしゅじょう煩悩ぼんのうをしてしょうめつせしめたまふことも、 またかくのごとし。 もしまたひとありて、 日々にちにちのうちにおいて如来にょらい*みょうごう*どく*しょうせつせば、 このもろもろのしゅじょうはよく黒闇こくあんはなれて、 ぜんにまさにもろもろの煩悩ぼんのうくことをべし。 かくのごとくして ª南無なもぶつº としょうねんするもの、 *ごうむなしからじ。 かくのごときごうを、 *だいりてよく煩悩ぼんのうくとづく」 と。

¬宝積経¼第五、「如↪有↢宝珠↡、名↢種々色↢大海↡、雖↧有↢無量衆多ハヤ流↡入ルト↦於大海↥、以↢珠火↡令↢水ヲシテ銷滅↡、而シテルガ↩盈溢↨、如↠是如来・応・正等覚↢菩提↡已、由↢智↡能タマフコトモ↢衆生煩悩ヲシテ消滅↡、亦復如↠是復有↠人、於↢日々↡称↢説セバ如来名号功徳↡、是衆生↢黒闇↡、漸次↠得↠焼コトヲ↢諸煩悩↡。如クシテ↠是称↢念南無仏↡者、語業不↠空カラ。如↠是語業、名クト↧執大炬↡能クト↦煩悩↥。」

^¬*遺日ゆいにち摩尼まにきょう¼ にのたまはく、 「さつは、 また数千しゅせん億万おくまんごう*愛欲あいよくのなかにありてつみのためにおおはれたりといへども、 もしぶっきょうきて一反いっぺんぜんねんずれば、 つみすなはちしょうじんす」 と。 じょうのもろもろのもん滅罪めつざいなり。

¬遺日摩尼¼云、「菩薩↧復数千巨億万劫在↢愛欲↡為↠罪マヘリト↞覆、若↢仏経↡一反レバ↠善、罪即スト。」已上滅罪ナリ

・生善

^¬*だいきょう¼ のだいにのたまはく、 「もし*三千さんぜん大千だいせんかいのなかにてらん*しゅおん*斯陀しだごん*阿那あなごん*阿羅あらかんを、 もし善男ぜんなんぜんにょにんありて、 もしは一劫いっこう、 もしは*げん一劫いっこう、 もろもろの種々しゅじゅ*しょう一切いっさいらくをもつて、 *ぎょうそんじゅう*けんしてようせん。 もしまたひとありて、 諸仏しょぶつみもとにして、 ただひとたびたなごころあわせ、 ひとたびみなしょうせん。 かくのごとき*福徳ふくとくを、 さき福徳ふくとくくらぶるに、 ひゃくぶんにしていちにもおよばず。 ひゃく千億せんおくぶんにしていちにもおよばず。 *迦羅からぶんにしていちにもおよばず。 なにをもつてのゆゑに。 ぶつ如来にょらいはもろもろの*福田ふくでんのなかにさいじょうたるをもつてなり。 このゆゑにぶつするはだいどくじょうず」 と。 りゃくしてしょうす。 *三千さんぜんかいてるびゃくぶつをもつて*校量きょうりょうすることまたしかり。

¬大悲経¼第二、「若三千大千世界ラム↠中須陀洹・斯陀含・阿那含・阿羅漢、若↢善男子・善女人↡、若一劫、若減一劫、以↢諸種々称意一切楽具↡恭敬尊重謙下供養。若復有↠人、於↢諸仏↡但タビ↠掌、一タビ↠名。如↠是福徳ルニ↢前福徳↡、百分ニシテ不↠及↠一ニモ。百千億分ニシテ不↠及↠一ニモ。迦羅分ニシテ不↠及↠一ニモ。何。以テナリ↣仏如来福田マシマ↢最无上↡。是ルハ↠仏ズト↢大功徳↡。」。以↧満テル↢三千世界↡辟支仏↥挍量コト亦爾

^¬*ようきょう¼ のにのたまはく、

一切いっさいしゅじょうの、 *縁覚えんがくとならんに、 もしようすること億数おくしゅこうにして、

飲食おんじきぶくじょう臥具がぐ*梼香とうこう雑香ざっこうおよび名華みょうけをもつてすることあらんも、

もししんいちにしてじゅうゆびあざへ、 しんをもつぱらにしてみづからいち如来にょらいしたてまつり、

くちにみづからごんおこして ª南無なもぶつº といふことあらば、 このどくふくをばさいじょうなりとなす」 と。

¬普曜経¼偈

「一切衆生レラムヲ↢縁覚ラム↢供養コト億数劫ニシテ
飲食衣服床臥具梼香雑香及名華ヲモテスルコト
↧一ニシテ↠心アザ↢十ニシテ↠心マツリ↢一如来
↠言南無仏トイフコト功徳ヲバ↢最上ナリト↡」

^¬*般舟はんじゅきょう¼ に*念仏ねんぶつ三昧ざんまいにのたまはく、

「たとひ一切いっさいみなぶつとなりて、 しょう清浄しょうじょうにして第一だいいちならん。

みな億劫おくこうよりそのしゅぐすまで、 いちどく講説こうせつし、

*泥洹ないおんいたるまで*ふく誦詠じゅようし、 しゅ億劫おくこうにことごとく嘆誦たんじゅすとも、

そのどくきわつくすことあたはじ。 この三昧さんまいいちにおいてするを、

一切いっさい仏国ぶっこくのあらゆるほうぐうおよびじょうの、

なかにてらん珍宝ちんぽうをもつて布施ふせし、 もちゐてぶつ*てんちゅうてんようせんも、

もしこの三昧さんまいくことあるものは、 その*福祐ふくゆうること、 かれにぎたらん。

*安諦あんたい*じゅ説講せっこうするものは、 たとへをくともどくたとふべからず」 と。

*一仏いちぶつせつして*じんとなして、 一々いちいちじんりて、 またくだくこと、 いち仏刹ぶっせつ塵数じんじゅにおいてするがごとくして、 このいちじんをもつていち仏刹ぶっせつとなして、 そこばくの仏刹ぶっせつの、 なかにてらん珍宝ちんぽう諸仏しょぶつようせん。 これをもつてとなせり。 じょうしょうぜん

¬般舟経¼説↢念仏三昧↡偈

「仮使一切皆為↠仏聖智清浄ニシテ慧第一ナラム
皆於↢億劫↡過グスマデ↢其講↢説スルコト一偈↡之功徳
ルマデ↢於泥洹↡誦↢詠無数億劫嘆誦ストモ
不↠能↣究↢尽コト功徳↢是三昧一偈
一切仏国所有四方四隅及上下
ラム↠中珍宝布施トシテヰテ供↢養セム仏天中
ラム↠聞コト↢是三昧↡者コト↢其福祐↡過タラム↢於彼
安諦諷誦説講セムトモ↠譬功徳不↠可↠喩
↢一仏↡為↠塵↢一々↡、亦砕クト、如クシテ↢一仏刹塵数ニオイテスルガ↡、以↢此一塵↡為↢一仏刹↡、若干ソコバク仏刹、満ラム↠中珍宝供↢養諸仏↡。以↠之↠比也。已上生善

・滅罪生善

^¬*諸仏しょぶつきょうがいきょう¼ にかく、 「もしもろもろのしゅじょうの、 如来にょらいえんじて、 もろもろのぎょうしょうずるものは、 しゅこう*ごく*ちくしょう*餓鬼がき*えんおうしょうだんず。 もししゅじょうありて、 一念いちねん*作意さいして如来にょらいえんずるものは、 所得しょとくどく限極げんごくあることなし。 *称量しょうりょうすべからず。 ひゃくせん万億まんおく那由なゆのもろもろの*だいさつの、 ことごとく不可ふか思議しぎだつじょうんも、 *きょうしてその辺際へんざいることあたはじ」 と。

¬度諸仏境界経¼説カク、「若衆生ジテ↢於如来↡生↢諸↡者、断↢無数劫地獄・畜生・餓鬼・閻魔王↡。若↢衆生↡、一念作意ズル↢如来↡者、所得功徳無↠有コト↢限極↡。不↠可↢称量↡。百千万億那由他大菩薩、悉タル↢不可思議解脱定↡、不↠能↣計挍コト↢其辺際↡。」

^¬観仏かんぶつきょう¼ に、 「ぶつなんげたまはく、 ªわれ*はんしなんのちに、 諸天しょてんにん、 もしわがしょうし、 および «南無なも諸仏しょぶつ» としょうせば、 るところの福徳ふくとくりょうへんならん。 いはんやまた*ねんして諸仏しょぶつねんずるものは、 しかももろもろの*しょう滅除めつじょせざらんやº」 と。 じょう滅罪めつざいしょうぜん。 その*かみしょうしゅ念仏ねんぶつもんのごとし。

¬観仏¼、「仏告タマハク↢阿難↡、我涅槃ナム、諸天・世人、若↢我↡、ムハ↢南無諸仏↡、所↠獲福徳無量无辺ナラム。況復繋念ゼム↢諸仏↡者、而ラム↣滅↢除障礙↡耶。」已上滅罪生善。其↢上正修念仏門

二 Ⅶ 冥得護持

【60】^だい*みょうとく護持ごじといふは、

第二トイフ護持者、

^¬*身呪しんじゅきょう¼ (意) にのたまはく、 「*さんじゅうろく神王しんのうに、 万億まんおく恒沙ごうじゃじんありて*眷属けんぞくとなして、 *さんけたるものをまもる」 と。

¬護身呪経¼云、「卅六部神王↢万億恒沙鬼神↡為↢眷属↡、護ルト↧受タル↢三帰↡者↥。」

^¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「*こうしょうするときに、 この三昧さんまいたもてるさつは、 たとひこののなかにつとも、 すなはちためにめっしなんこと、 たとへば、 おおきなる*もたいみずの、 しょうめっするがごとし。 ぶつばつ陀和だわげたまはく、 ªわがかたるところはあることなし。 このさつは、 この三昧さんまいたもてるに、 もしは帝王たいおう、 もしはぞく、 もしは、 もしはすい、 もしはりゅう、 もしはじゃ、 もしは*閲叉えつしゃじん、 もしは猛獣みょうじゅう もしはひとぜんやぶり、 ひとねんうばふものも、 たとひこのさつやぶらんとほっせば、 つひにやぶることあたはじº と。 ぶつののたまはく、 ªわがかたるところのごときはあることなし。 その*宿命しゅくみょうをばのぞきて、 そのはよくやぶるものあることなしº」 と。

¬般舟経¼云、「劫尽壊焼セム、持タム↢是三昧↡菩薩者、正使ツトモ↢是↡、火即シナムコト↣大ナルモタヒルガ↢小火↡。仏告タマハク↢跋陀和↡、我↠有コト↠異。是菩薩者、持タバ↢是三昧↡、若帝王、若賊、若火、若水、若竜、若蛇、若閲叉・鬼神、若猛獣、ヤブ↢人↡奪フモノ↢人↡、設セバヤブラムト↢是菩薩↡者、終↠能ヤブラムコト。仏、如キハ↢我↡無↠有コト↠異。除↢其宿命ヲバ↡、其シト↠有コト↢能ヤブ者↡。」

^ (般舟経) にのたまはく、

*じん*けんともにようし、 諸天しょてん人民にんみんもまたかくのごとくせん。

ならびに*須輪しゅりん摩睺まごろくも、 この三昧さんまいぎょうぜば、 かくのごときことをん。

諸天しょてんことごとくともにそのとくめ、 てんにん竜神りゅうじん*けん陀羅だら

諸仏しょぶつも、 *嗟嘆しゃたんしてがんのごとくならしめたまはん。 きょう*じゅきてひとのためにせんがゆゑなり。

国々くにぐにあひちてたみ荒乱こうらんし、 きんしきりにいたりて苦窮くぐいだくとも、

つひにそのいのち*中夭ちゅうようせじ。 よくこのきょうじゅしてひとするものは、

ゆうみょうにしてもろもろの魔事まじ*降伏ごうぶくし、 しんおそるるところなくいよだたじ。

そのどくぎょう不可ふかならん。 この三昧さんまいぎょうずるものは、 かくのごときことをん」 と。

¬*十住じゅうじゅうしゃ¼ に、 これらのもんきをはりていはく、 「ただ*業報ごうほうかならずくべきものをばのぞく」 と、 云々うんぬん

「鬼神乾陀共擁護セム諸天人民亦如クセム↠是
アハセテ阿須摩睺勒セムゼバ↢此三昧↡得↠如キコトヲ↠是
諸天悉セム↢其天人竜神甄陀羅
諸仏嗟嘆タマハム↠如クナラ↠願諷↢誦↣経↡為ニセムガ↠人ナリ
国々相民荒乱飢饉シキリイタクトモ↢苦窮
不↣於↢其↡化セム↠人
勇猛ニシテ降↢伏セム魔事↢所畏↡毛不↠竪
功徳行不可議ナラムゼバ↢此三昧↡得ムト↠如キコトヲ↠是
¬十住婆¼引↢此等↡已、「唯除クト↢業報必↠受ヲバ↡」云々

^¬*じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

「もしひとぶつみなたもてば、 しゅおよび*じゅん

*行住ぎょうじゅう坐臥ざがところに、 その便たよりをることあたはじ」 と。

¬十二仏名経¼偈

「若人持↢仏衆魔及波旬
行住坐臥↠能↠得コト↢其便↡」

二 Ⅶ 現身見仏

【61】^だいさん現身げんしん見仏けんぶつといふは、

第三現身マツルトイフ者、

^¬*文殊もんじゅ般若はんにゃきょう¼ のかんにのたまはく、 「ぶつののたまはく、 ªもし善男ぜんなんぜん女人にょにん*いちぎょう三昧ざんまいらんとおもはば、 *空閑くうげんしょしてもろもろのらんて、 *そうみょうらずして、 しん一仏いちぶつけて、 もつぱらみょうしょうすべし。 ぶつ*方所ほうしょしたがひてなおくしてただしくかひて、 よく一仏いちぶつにおいて念々ねんねん相続そうぞくせよ。 すなはちねんのうちにおいて、 よく過去かこらい現在げんざい諸仏しょぶつたてまつらんº」 と。

¬文殊般若経¼下巻、「仏、若善男子・善女人欲↠入ムト↢一行三昧↡、応↧処空閑↡捨↢諸乱意↡、不シテ↠取↢相貌↡繋↢心一仏↡、専↦名字↥。随↢仏方所ナホクシテ↠身シテ、能↢一仏↡念々相続。即↡、能マツラムトイヘリ↢過去・未来・現在諸仏↡。」

^どうぜん (*善導) しゃくしていはく (礼讃・意)、 「しゅじょうさわりおもくして、 かんじょうじゅしがたし。 ここをもつてだいしょう (釈尊) れんして、 ただもつぱらみょうしょうせよとすすめたまふ」 と。

導禅師釈、「衆生障重クシテ、観難↢成↡。是大聖悲憐、直タマフト↣専セヨト↢名字↡。」

^¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「さきかざるところのきょうかんを、 このさつ、 この三昧さんまいたもてるじんをもつて、 ゆめのうちにことごとくみづからそのきょうかんて、 おのおのことごとく、 ことごとくきょうかん。 もしちゅうじつずは、 もしはよるゆめのうちにしてことごとくぶつたてまつることをん。 ぶつばつ陀和だわげたまはく、 ªもしは一劫いっこう、 もしは一劫いっこうぎて、 われ、 このさつの、 この三昧さんまいたもてるものをき、 そのどくかんに、 つくしをはるべからず。 いかにいはんや、 よくこの三昧さんまいもとたるものをやº」 と。

¬般舟経¼云、「前↠不↠聞経巻、是菩薩持↢是三昧↡威神、夢↢其経巻↡、各々悉見、悉↢経↡。若昼日↠得者、若夜於↢夢↡悉↠見マツルコトヲ↠仏。仏告タマハク↢跋陀和↡、若一劫、若↢一劫↡、我説↧是菩薩タム↢是三昧↡者↥、説ムニ↢其功徳↡、不↠可↢尽↡。何ムト↢是↡者ヲヤト。」

^またどうきょうにのたまはく、

*弥陀みだくにさつの、 *央数おうしゅひゃくせんぶつたてまつるがごとく、

この三昧さんまいたるさつもしかなり。 まさにしゅひゃくせんぶつたてまつるべし。

それこの三昧さんまい誦受じゅじゅすることあらば、 すでにまのあたりひゃくせんぶつたてまつるとなす。

たとひさいだい恐懼くくにおいても、 この三昧さんまいたもたばおそるるところなからん」 と。

又同ジキ¬経¼偈

「如↣阿弥陀菩薩マツルガ↢无央数百千
タル↢是三昧↡菩薩ナリ↠見マツル↢無数百千
ラム↣誦↢受コト三昧マノアタマツラム↢百千
仮使最後大恐懼ニオイテモタバ↢此三昧↡無ムト↠所↠畏ルル

^¬*念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう¼ のだいにのたまはく、

「もしはことごとく一切いっさいぶつ現在げんざいらいおよび十方じっぽうんとほっし、

あるいはまた*みょう法輪ほうりんてんずることをもとめんには、 またづこの三昧さんまいしゅじゅうせよ」 と。

¬念仏三昧経¼第九

「若セバ↧尽マツリ↢一切現在・未来及十方
復求メムゼムコトヲ↢妙法輪亦先修↢習ヨト三昧↡」

^¬じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

「もしひとよくしんいたして、 七日しちにちぶつじゅせば、

清浄しょうじょうまなこて、 よくりょうぶつたてまつらん」 と。

¬十二仏名経¼偈

「若人能シテ↠心七日誦↢仏
↢於清浄マツラムト↢無量↡」

二 Ⅶ 当来勝利

【62】^だい*当来とうらいしょうといふは、

第四当来勝利トイフ者、

・離悪趣

^¬*ごん¼ のにのたまはく、

「もし如来にょらいしょうどくをもねんじ、 ない一念いちねんしんにも専仰せんごうしたてまつらば、

もろもろの*悪道あくどうおそれ、 ことごとくながのぞこり、 げんはここにおいてよくふかさとれり」 と。 げん天王てんのうじゅなり。

¬華厳¼偈

「若↢如来功徳乃至一念ニモ専仰セムハ
悪道コリナム智眼↠此レリト
智眼天王ナリ

^¬般舟はんじゅきょう¼ のにのたまはく、

「そのひとつひにごくせじ。 餓鬼がきどうおよびちくしょうはなれん。

世々せせうまるるところにて*宿命しゅくみょうらん。 この三昧さんまいがくせば、 かくのごときことをてん」 と。

¬般舟経¼偈

「其人終不↠堕↢地獄↢餓鬼道及畜生
世々↠生レム↢宿命セバ三昧↡得テムト↠如キコトヲ↠是

^¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「もししゅじょうありて、 ひとたびも仏身ぶっしんの、 かみのごときどく相好そうごうこうみょうかば、 億々おくおくせんこうにも悪道あくどうちず、 邪見じゃけんぞうところうまれず、 つねにしょうけんて、 勤修ごんしゅすることまざらん。 ただぶつみなくに、 かくのごときふく。 いかにいはんや、 ねん*観仏かんぶつ三昧ざんまいけんをや」 と。

¬観仏経¼云、「若↢衆生↡一タビモ↢仏身↠上功徳・相好・光明↡、億々千劫不↠堕↢悪道不↠生↢邪見・雑穢之処↢正見↡、勤修シテラム↠息。但聞クニ↢仏↡、獲↢如↠是↡。何ズルヲヤト。」

^¬*安楽あんらくしゅう¼ (上) にいはく、 「¬*大集だいじっきょう¼ にのたまはく、 ª諸仏しょぶつでたまふに、 しゅほうありて、 しゅじょうしたまふ。 なんらをかとなす。

¬安楽集¼云、「¬大集経¼云、諸仏出タマフニ↠世、有↢四種法↡度タマフ↢衆生↡。何等ヲカ↠四

いちには、 くち*じゅうきょうきたまふ。 すなはちこれ、 *ほうをもつてしゅじょうしたまふなり。

者口タマフ↢十二部経↡。即是法施ヲモテタマフナリ↢衆生↡。

は、 諸仏しょぶつ如来にょらいにはりょう*こうみょう相好そうごうまします。 一切いっさいしゅじょう、 ただよくしんけて観察かんざつすれば、 やくずといふことなし。 すなはちこれ、 身業しんごうをもつてしゅじょうするなり。

者諸仏如来↢無量光明・相好↡。一切生、但能↠心観察レバ、无↠不トイフコト獲↠益。即是身業ヲモテルナリ↢衆生↡。

さんには、 りょう徳用とくゆう神通じんずう道力どうりき種々しゅじゅ*神変じんぺんまします。 すなはちこれ、 神通じんずう道力どうりきをもつてしゅじょうするなり。

者有↢無量徳用・神通道力・種々神変↡。即是神通道力ヲモテルナリ↢衆生↡。

には、 諸仏しょぶつ如来にょらいにはりょうみょうごうまします。 もしは*そう、 もしは*べつなり。 それしゅじょうありて、 しんけてしょうねんすれば、 さわりのぞき、 やくて、 みな仏前ぶつぜんうまれずといふことなし。 すなはちこれ、 みょうごうをもつてしゅじょうするなりº」 と。

者諸仏如来↢無量名号↡。若総若ナリ。其↢衆生↡繋↠心称念、莫↠不トイフコト↣除↠障↠益皆生↢仏前↡。即是名号ヲモテルナリ↢衆生↡。」

^*あるがいはく、 「¬*しょうぼうねんぎょう¼ にこのもんあり」 と。

ルガ、「¬正法念経¼有リト↢此文↡。」

^¬じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

「もしひとぶつみなたもてば、 *こうにゃくしんしょうぜず、

智慧ちえありて*諂曲てんごくなきは、 つねに諸仏しょぶつまえにあり。

もしひとぶつみなたもてば、 *七宝しっぽうはなのなかにしょうず。

そのはな千億せんおくようにして、 こうそうそくせり」 と。

じょう諸文しょもんなが*悪趣あくしゅはなれてじょうおうじょうするなり。

¬十二仏名経¼偈

「若人持↢仏不↠生↢怯弱
アリテ↢諂曲↡↢諸仏
人持↢仏七宝
華千億ニシテアリテ威光相具足セリト
已上諸文、永↢悪趣↡往↢生ルナリ浄土

・得菩提

^¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「もしよくしんいたして、 ねんうちにあり、 *たん*しょうじゅしてぶつ色身しきしんかんぜば、 まさにるべし、 このひとしんぶつしんのごとくにして、 ぶつことなることなからん。 煩悩ぼんのうありといへども、 もろもろのあくのために*へいせられじ。 らい大法だいほうあめあめふらさん」 と。

¬観仏経¼云、「若シテ↠心、繋念在↠内、端坐正受シテムハ↢仏色身↡、当↠知、是↢仏与↠仏無↠異ナルコト。雖↠在リト↢煩悩↡不↧為↢諸↡之所↦覆蔽↥。於未来世ムト↢大法↡。」

^¬*だいじゅう念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう¼ のだいしちにのたまはく、 「まさにるべし、 かくのごとき念仏ねんぶつ三昧ざんまいは、 すなはち一切いっさい諸法しょほうそうしょうすることをなす。 このゆゑに、 かの*しょうもん*縁覚えんがくじょうきょうがいにあらず。 もしひと、 しばらくもこのほうくをかば、 このひと*当来とうらいけつじょうしてぶつになることうたがいあることなからん」 と。

¬大集念仏三昧経¼第七、「当↠知、如↠是念仏三昧、則↣総↢摂コトヲ一切諸法↡。是↢彼声聞・縁覚、二乗境界↡。若人暫カム↠説カム↢此↡者、是当来決定ラムコト↠仏ムト↠有コト↠疑也。」

^だいにのたまはく (大集経)、 「ただよくみみにこの三昧さんまいかば、 たとひどくせずじゅせず、 じゅせずせず、 しゅせずじゅうせず、 のためにてんぜず、 のためにかず、 またひろ分別ふんべつしゃくすることあたはずとも、 しかもかのもろもろの善男ぜんなんぜん女人にょにん、 みなまさにだい*のくだいじょうじゅすべし」 と。

第九、「但能キテ↢此三昧↡、仮令不↠読不↠誦、不↠受不↠持、不↠修不↠習、不↢為↠他↡、不↢為↠他↡、亦復不トモ↠能↢広分別コト↡、然善男子・善女人、皆当シト↣次第成↢阿耨菩提↡。」

^どうにのたまはく、

「もしもろもろのみょうそう円満えんまんし、 もろもろのこうじょうしょうごんそくせんとおもひ、

および清浄しょうじょうところ*てんしょうすることをもとめんものは、 かならずづこの三昧さんまいじゅせよ」 と。

ジキ

ハバ円↢満妙相具↢足好上荘厳
メム転↩生コトヲ清浄受↢持セヨト三昧↡」

^またある ¬きょう¼ (*倶舎論) にのたまはく、

「もしぶつ福田ふくでんにおいて、 よくしょうぶんぜんゑつれば、

はじめには*しょう善趣ぜんしゅのちにはかならず*はん」 と。

又有¬経¼言

「若↢仏福田ツレバ↢少分
ニハ獲↢勝善趣ニハ↢涅槃↡」

^¬*だい般若はんにゃきょう¼ にのたまはく、 「ぶつうやまおもふによりて、 かならずしょうでてはんいたる。 これをきて、 ないぶつようせんがために、 いっをもつてくうさんずるもまたかくのごとし。 またこれをきて、 もし善男ぜんなんぜん女人にょにんとうしもひとたび ª南無なもぶっだい慈悲じひしゃº としょうするにいたらば、 この善男ぜんなんぜん女人にょにんとうは、 しょうきわきわむるまで*善根ぜんごんくることなくして、 てんにんのなかにしてつねにらくけ、 ないさいには*はつはんん」 と。 りゃくしてしょうす。 ¬だいきょう¼ のだい、 これにおなじ。 ¬ほうしゃくきょう¼ 以下いげなり。

¬大般若経¼云、「依スルニ↠仏、必↢生死↡至↢涅槃↠此、乃至為↣供↢養ムガ↡以↢一華↡散ズルモ↢虚空↡亦如↠是。又置↠此善男子・善女人等、下至ルマデセム↣一タビルニ↢南謨仏陀大慈悲者善男子・善女人等、窮ルマデ↢生死↡善根無クシテ↠尽コト、於↢天人↡恒↢富楽↡、乃至最後ニハムト↢般涅槃↡。」。¬大悲経¼第二、同↠之。¬宝積経¼已下麁

^¬ほうしゃくきょう¼ にのたまはく、 「もししゅじょうありて、 如来にょらいみもとにしてぜんおこさば、 *さいつくすまで*ひっきょうじてせず」 と。

¬宝積経¼云、「↢衆生↡於↢如来↡起↢微善↡者、尽マデ↢於苦際↡畢竟↠壊。」

^またのたまはく (宝積経)、 「もしさつありて、 *しょうぎょうをもつてよくわがところにおいてちちおもいおこさば、 かのひとはまさに如来にょらいかずることをて、 わがごとくにしてことなることなからん」 と。

又云、「若↢菩薩↡、以↢勝意楽↡能↢我↢父↡、彼↠入コトヲ↢如来クシテ↠我ムト↠異ナルコト。」

^¬じゅうぶつみょうきょう¼ のにのたまはく、

「もしひとぶつみなたもたば、 世々せせしょしょうところに、

*身通しんつうをもつてくうあそび、 よくへん*せついたりて、

まのあたり諸仏しょぶつたてまつりて、 よく甚深じんじんふ。

ために*みょうほうきて、 かれに*だいさずけたまふ」 と。

¬十二仏名経¼偈

「若人持ムハ↢仏世々所生
身通ヲモテ↢虚空↢無辺
マノアタマツリテ↢於諸仏↢甚深
↢微妙タマフト↢彼菩提↡」

^¬*法華ほけきょう¼ のにのたまはく、

「もしひと散乱さんらんしんにして、 *とうびょうのなかにり、

ひとたび ª南無なもぶつº としょうすれば、 みなすでに仏道ぶつどうじょうず」 と。

¬法華経¼偈

「若人散乱ニシテ↢於塔廟
タビセシ↢南無仏皆已リニキ↢仏道↡」

^¬だいきょう¼ のだいさんに、 「ぶつなんげたまはく、 ªもししゅじょうありて、 ぶつみなかば、 われかく、 «この人は*畢定ひつじょうしてまさにはつはんることをべし»º」 と。

¬大悲経¼第三、「仏告タマハク↢阿難↡、若↢衆生↡聞↢仏↡者、我説カク、是畢定シト↠得↠入コトヲ↢般涅槃↡。」

^¬ごんぎょう¼ の法幢ほうどうさつにのたまはく、

「もしもろもろのしゅじょうありて、 いまだ*提心だいしんおこさざらんも、

ひとたびぶつみなくことをば、 けつじょうしてだいじょうぜん」 と。

じょうのもろもろのもんだいることなり。

¬華厳経¼法幢菩薩

「若↢諸衆生↡ラム↠発↢菩提心
タビ↠聞コトヲ↢仏決定ムト↢菩提↡」
已上文、得コトナリ↢菩提

^ただみょうごうくすら、 *しょうかくのごとし。 いはんやしばらくも相好そうごうどく観念かんねんし、 あるいはまたいっいっこうようせんをや。 いはんやいっしょう勤修ごんしゅするどく、 つひにむなしからじ。 すなはちりぬ、 仏法ぶっぽうひ、 仏号ぶつごうくことは、 これしょうえんにあらず。

但聞スラ↢名号↡勝利如↠是観↢念相好・功徳↡、或復供↢養ムヲヤ一華・一香↡。況一生勤修セム功徳、終不↠虚カラ。則、値↢仏法↡、聞コトハ↢仏号↡、非↢是少縁↡。

^このゆゑに ¬ごんぎょう¼ の真実しんじつさつにのたまはく、

「むしろごくくとも、 諸仏しょぶつみなくことをよ。

りょうらくくとも、 ぶつみなかざることなかれ」 と。

¬華厳経¼真実慧菩薩

「寧ケテ↢地獄↠聞コトヲ↢諸仏
↧受ケテ↢無量而不ハアラ↞聞↢仏↡」

^じょう*もんは、 そうじて諸仏しょぶつねんずるやくかす。 そのなかに、 ¬観仏かんぶつきょう¼ にはしゃをもつてはじめとなす。 ¬般舟はんじゅきょう¼ はおお弥陀みだをもつてはじめとなす。 じつにはともに一切いっさい諸仏しょぶつつうず。 ¬*念仏ねんぶつきょう¼ は*さん諸仏しょぶつつうず。

已上、総↧念↢諸仏↡之利益↥。其¬観仏経ニハ¼以↢釈迦↡為ハジメ。¬般舟経¼多↢弥陀↡為↠首。理実ニハ↢一切諸仏↡。¬念仏経¼通↢三世諸仏↡。

 ^ふ。 ¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「このひとしんは、 ぶつしんのごとくにして、 ぶつことなることなし」 と。 また ¬*かんぎょう¼ にのたまはく、 「ぶつなんげたまはく、 ª諸仏しょぶつはこれ*法界ほうかいしんなり、 一切いっさいしゅじょう心想しんそうのうちにりたまふ。 このゆゑに、 なんぢらしんぶつおもとき、 このしんすなはちこれ*さんじゅうそう*はちじゅうずいぎょうこうなり。 しんぶつる。 しんこれぶつなり。 *諸仏しょぶつしょうへんかいは、 心想しんそうよりしょうじたまふº」 と。 このいかん。

。¬観仏経¼云、「是↠仏与↠仏無シト↠異ナルコト。」又¬観経¼云、「仏告タマハク↢阿難↡、諸是法界ナリ、入タマフ↢一切衆生心想之中↡。是汝等ナムダチ↠仏時、是心即是卅二相・八十随形好ナリ。是心作↠仏。是心是仏ナリ。諸仏正遍知海、従↢心想↡生タマフトイヘリ。」 義云何

^こたふ。 ¬おうじょうろん¼ (天親の浄土論)*こうの ¬しょ¼ にこのもんしゃくしていはく、 「しゅじょうしんぶつおもときあたりて、 ぶつ身相しんそうみなしゅじょうしんのなかに顕現けんげんす。 たとへば、 みずきよければすなはち色像しきぞうげんず。 しかもみずぞうとは、 いちならずならざるがごとし。 ゆゑにいふ、 ぶつ相好そうごうしんは、 すなはちこれ心想しんそうなりと。 ªしんぶつº とは、 しんよくぶつるなり。 ªしんぶつº とは、 しんがほかにぶつなきなり。 たとへば、 よりづれども、 はなるることをず、 はなれざるをもつてのゆゑに、 すなはちよくきてとなる。 けば、 すなはちこれたるがごとし」 と。

。¬往生論¼智光¬疏¼釈↢此↡云、「当↢衆生↠仏↡、仏相皆顕↢現衆生↡。譬↢水清レバ色像現↠像不↠一ナラルガ↟異ナラ。故、仏相好、即是心ナリト。是心作仏者心能ルナリ↠仏。是心是仏者心キナリ↠仏。譬シト↢火↠木出ドモ不↠得↠離コトヲ↠木、以↠不ルヲ↠離↠木、即↠木↠火キツルハ↠木、即是火ルガ↡。」

^またしゃくあり。 学者がくしゃさらにかんがへよ。

亦有↢余釈↡。学者更ヘヨ

^わたくしにいはく、 ¬大集だいじつきょう¼ の 「日蔵にちぞうぶん(意) にのたまはく、 「ぎょうじゃ、 このねんをなさく、 これらの諸仏しょぶつりてきたるところなし。 りていたるところなし。 ただわがしんなり。 *三界さんがいのなかにおいて、 このしん因縁いんねんなり。 ただこれしんなり。 われ、 *覚観かくかんしたがひて、 ほっすればしょうほっすればしょうる。 諸仏しょぶつ如来にょらいは、 すなはちこれわがしんなり。 なにをもつてのゆゑに。 しんしたがひてるがゆゑに。 しん、 すなはちわがしんなり。 すなはちこれくうなり。 われ、 覚観かくかんによりてりょうぶつたてまつる。 われ、 覚心かくしんをもつてぶつたてまつり、 ぶつる。 しんしんず、 しんしんらず。 われ、 法界ほうかいかんずるに、 しょうろうなることなし。 一切いっさい諸仏しょぶつはみな覚観かくかん因縁いんねんよりうまれたまふ。 このゆゑに、 *ほっしょうはすなはちこれくうなり、 くうしょうもまたこれくうなり」 と。

、¬大集経¼「日蔵分」云、「行者作↢是↡、是等諸仏↠所↢従↡。去↠所↠至唯我ナリ。於↢三界↡、是因縁唯是心ナリ。我随↢覚観↡欲レバ↠多見↠多、欲レバ↠少↠少。諸仏如来是我ナリ。何。随↠心ルガ。心即ナリ。即是虚空ナリ。我因↢覚観↡見マツル↢無量↡。我以↢覚心↡、見マツリ↠仏↠仏。心不↠見↠心、心不↠知↠心。我観ズルニ↢法界↡、性無↢牢固ナルコト↡。一切諸仏皆従↢覚観因縁↡而生タマフ。是法性是虚空ナリ、虚空之性亦復是空ナリト。」

このもんこころ ¬かんぎょう¼ におなじ。 こう (智光)しゃくまたたがふことなし。

意同↢¬観経¼↡。光師釈亦無↠違フコト

 ^ふ。 しんぶつることをるに、 なんの*しょうかある。

。知ルニ↢心作コトヲ↟仏、有↢何勝利↡。

^こたふ。 もしこのかんずれば、 よくさん一切いっさい仏法ぶっぽうりょうす。 ないひとたびもかば、 すなはち*さんなんだつすることを

。若ズレバ↢此↡、能↢三世一切仏法↡。乃至一タビモクニ、即得↣解↢脱コトヲ三途苦難↡。

^¬ごんぎょう¼ の如来にょらいりんさつにのたまふがごとし。

「もしひとさん一切いっさいぶつらんとよくせば、

まさにかくのごとくかんずべし。 しんもろもろの如来にょらいつくる」 と。

↢¬華厳経¼如来林菩薩フガ↡。

「若人欲↣求セバムト三世一切
↢如↠是心造ルト↢諸如来↡」

^¬*ごんでん¼ にいはく、 「*文明ぶんめい元年がんねんに、 *けいにんしょうおう、 そのしっせり。 すでに*かいぎょうなく、 かつてぜんしゅせず。 やまいによりていたす。 にんかれてごくもんまえいたりぬ。 ればいちそうあり。 これ*ぞうさつなりといふ。 すなはちおうおしへて、 *このいちじゅせしむ。 これにかたらひていはく、 ªこのじゅては、 よくごくはらひてんº と。 おうつひにりて*えんおうまみゆ。 おう、 このひとふ、 ªどくありやº と。 こたへていはく、 ªただいち四句しくじゅせりº と。 つぶさにかみくがごとし。 ˆえんˇ おう、 つひに ˆおうをˇ *放勉ゆるしつ。 このじゅするときあたりて、 こえおよぶところのじゅにんはみなだつすることをつ。 おうさんにちありてはじめてよみがえりぬ。

¬華厳¼曰、「文明元年、京師人、姓王、失セリ↢其↡。既↢戒行↡不↠修↠善。因ヤマヒ↠死。被↢二人↡至↢地獄↡。見レバ↢一僧↡。云↢是地蔵菩薩ナリ↡。乃↢王氏↡、誦シム↢此↡。カタラヒ↠之、誦↢得テハ↡能ヒテムト↢地獄↡。王氏遂マミ↢閻羅王↡。王問↢此↡、有ヤト↢功徳↡。答唯受↢持セリト四句↡。具↢上クガ↡。王遂ナホ放勉マノカレ。当↧誦↢此↡時↥、声受苦之人皆得↢解脱コトヲ↡。王氏、三日アリテリヌ

この*おくして、 もろもろの沙門しゃもんかひてこれをく。 もんげんするに、 まさにりぬ、 これ ¬ごんぎょう¼ のだいじゅうかんの ª夜摩やまてんりょうしょさつうんじゅう説法せっぽうぼんº なり。 おうみづから、 空観くうかんそうじょうほっかひて、 きてしかりといふ」 と。

憶↢持↡、向↢諸沙門↡説キテ↠之、是¬華厳経¼第十二巻夜摩天宮無量諸菩薩雲集説法品ナリ。王氏自↢空観寺僧定法師↡、説フト↠然リト也。」

二 Ⅶ 弥陀別益

【63】^だい弥陀みだねんずる別益べつやくをいはば、

第五↢弥陀↡別ヲイハバ者、

^ぎょうじゃをしてそのしんけつじょうせしめんがためのゆゑに、 べつにこれをかす。 滅罪めつざいしょうぜんみょうとく護持ごじ現身げんしん見仏けんぶつしょうらいしょうとは、 いでのごとし。

↠令メムガ↢行者ヲシテ心決定↡故、別↠之滅罪生善冥得護現身見仏将来勝利↠次デノ

・滅罪生善

^¬かんぎょう¼ の*像想ぞうそうかんきてのたまはく、 「このかんをなすものは、 りょう億劫おくこうしょうつみのぞきて、 現身げんしんのなかに念仏ねんぶつ三昧ざんまい」 と。

¬観経¼↢像想観↡云、「作↢是↡者、除↢無量億劫生死之罪↡、於現身↢念仏三昧↡。」

^またのたまはく (観経)、 「ただぶつ (阿弥陀仏)みなさつ (観音・勢至)みなくに、 りょうこうしょうつみのぞく。 いかにいはんや憶念おくねんせんをや」 と。

又云、「但聞クニ↢仏名二菩薩↡、除↢無量劫生死之罪↡。何憶念ムヲヤト。」

^またのたまはく (観経)、 「ただ仏像ぶつぞうおもふに、 りょうふく。 いはんやまたぶつそくせる身相しんそうかんぜんをや」 と。

又云、「但想フニ↢仏像↡得↢無量↡。況復観ゼムヲヤト↢仏具足身相↡。」

^¬*弥陀みだゆいきょう¼ にのたまはく、 「もし*転輪てんりんのう千万せんまんざいのうちに*てんてる七宝しっぽうをもつて十方じっぽう諸仏しょぶつ布施ふせせんも、 *苾蒭びっしゅ苾蒭びっしゅ*優婆うばそく*優婆うばとうの、 ひとたび*だんするあひだもぜんして、 びょうどうしんをもつて一切いっさいしゅじょう憐愍れんみんして、 弥陀みだぶつねんずるどくにはしかじ」 と。 じょう滅罪めつざいしょうぜん

¬阿弥陀思惟経¼云、「若転輪王、千万歳↢四天下↡七宝ヲモテ布↢施マツラムハ十方諸仏↡、不↠如↧苾蒭・苾蒭尼・優婆塞・優婆夷等、一タビ弾指セム坐禅、以↢平等心↡憐↢愍一切衆生↡、念ゼム↢阿弥陀仏↡功徳ニハ↥。」已上滅罪生善

・冥得護持

^¬*しょうさんじょうきょう¼ にのたまはく、 「あるいは善男ぜんなん、 あるいはぜん女人にょにんりょう寿じゅ極楽ごくらくかい清浄しょうじょうぶつどくしょうごんにおいて、 もしはすでにがんおこし、 もしはまさにがんおこすべく、 もしはいまがんおこすは、 かならずかくのごとく、 十方じっぽうめんじゅうしたまへるじゅうごうしゃ諸仏しょぶつそんの、 *しょうじゅしたまふところたらん。 せつのごとくぎょうずるものは、 一切いっさいさだめてのくだいにおいて退転たいてんせざることを一切いっさいさだめてりょう寿じゅぶつ極楽ごくらくかいうまれん」 と。

¬称讃浄土経¼云、「或善男子或善女人於↢無量寿極楽世界清浄仏土功徳荘厳↡、若↠願、若↠発↠願、若今発スハ↠願、必ラム↧如↠是タマヘル↢十方↡十兢伽沙諸仏世尊之所↦摂受タマフ↥。如↠説、一切定↢阿耨菩提↡得↠不コトヲ↢退転↡。一切定ムト↢無量寿仏極楽世界↡。」

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「こうみょうあまねく十方じっぽうかい念仏ねんぶつしゅじょうらして、 *摂取せっしゅしててたまはず」 と。

¬観経¼云、「光明遍↢十方世界念仏衆生↡、摂取↠捨タマハ。」

^またのたまはく (観経)、 「りょう寿じゅぶつしんしゅにして、 かんおん大勢だいせいと、 つねにこのぎょうにんところらいしたまふ」 と。

又云、「無量寿仏化身無数ニシテ、与↢観世音・大勢至↡常来↢至タマフト行人之所↡。」

^¬*じゅうおうじょうきょう¼ (意) に、 しゃくそん弥陀みだぶつどくこくしょうごんとうきをはりてのたまはく、 「*しょうしんしょう信女しんにょ、 このきょう読誦どくじゅし、 このきょう流布るふし、 このきょうぎょうし、 このきょうほうぜず、 このきょうしんぎょうし、 このきょうようせん。 かくのごときひとともがらは、 このしんきょうによりて、 われ、 今日こんにちよりつねにさき*じゅうさつをしてこのひと護持ごじせしめ、 つねにこのひとをしてやまいなくなやみなく、 あく悪神あくじん、 またちゅうがいせず。 またこれをなやまさず、 また便たよりをざらしめん」 と。 じょうない*すい行住ぎょうじゅうしょところ、 みなことごとく安穏あんのんならしめん、 云々うんぬん

¬十往生経¼釈尊説↢阿弥陀仏功徳・国荘厳等↡已、「清信士・清信女、読↢誦↡、流↢布↡、恭↢敬↡、不↠謗↢是↡、信↢楽↡、供↢養↠是、縁↢是信敬↡、我従↢今日↡常使↣前廿五菩薩ヲシテ護↢持使メムヲシテ↠病無カラ悪鬼・悪神、亦不↢中害↡。亦不↠悩マサ↠之、亦不↠得↠便。」已上乃至睡寤・行住・所至之処、皆悉安穏ナラ、云々

^*とう (中国)しょのいはく、 「じゅうさつ弥陀みだぶつねんじ、 おうじょうねがふものをようせん」 と。 これまたかの ¬きょう¼ (十往生経)こころたがはず。

唐土諸師、廿五菩薩擁↧護セムトイヘリ↢阿弥陀仏↡、願↢往生↡者↥。 此亦不↠違↢彼¬経¼意↡也。

じゅうさつとは、 かんおんさつ大勢だいせいさつ薬王やくおうさつやくじょうさつげんさつほうざいさつ師子ししさつ陀羅だらさつくうぞうさつ徳蔵とくぞうさつ宝蔵ほうぞうさつ金蔵こんぞうさつ金剛こんごうぞうさつこうみょうおうさつ山海さんかいさつごんおうさつ衆宝しゅぼうおうさつ月光がっこうおうさつにっしょうおうさつ三昧さんまいおうさつじょうざいおうさつだいざいおうさつびゃく象王ぞうおうさつだいとくおうさつ辺身へんしんさつなり。

廿五菩薩者、観世音菩薩・大勢至菩薩・薬王菩薩・薬上菩薩・普賢菩薩・法自在菩薩・師子吼菩薩・陀羅尼菩薩・虚空蔵菩薩・徳蔵菩薩・宝蔵菩薩・金蔵菩薩・金剛蔵菩薩・光明王菩薩・山海慧菩薩・華厳王菩薩・衆宝王菩薩・月光王菩薩・日照王菩薩・三昧王菩薩・定自在王菩薩・大自在王菩薩・白象王菩薩・大威徳王菩薩・无辺身菩薩也

^¬*双巻そうかんぎょう¼ (大経・上) に、 かのぶつ本願ほんがん (第三十七願) にのたまはく、 「諸天しょてん人民にんみん、 わがみょうきて、 *たいげて、 *稽首けいしゅらいをなして、 かんしんぎょうして、 さつぎょうしゅせば、 諸天しょてんにんきょういたさずといふことなからん。 もししからずは、 しょうがくらじ」 と。 じょうみょうとく護持ごじ

¬双巻経¼彼本願、「諸天・人民、聞↢我名字↡、五体↠地、稽首↠礼、歓喜信楽、修↢菩薩↡、諸天・世人、莫↠不トイフコト↠致↠敬。若↠爾者、不↠取↢正覚↡。」已上冥得護持

・見仏

^*¬大集だいじつきょう¼ の 「げんぶん」 にのたまはく、 「善男ぜんなんぜん女人にょにん*たんねんし、 しんをもつぱらにして、 かの弥陀みだ如来にょらいおう*とうしょうがくおもひ、 かくのごとき相好そうごう、 かくのごとき*威儀いぎ、 かくのごとき大衆だいしゅ、 かくのごとき説法せっぽうを、 くがごとくねんし、 一心いっしん相続そうぞくしてだいみだれず、 あるいは一日いちにち、 あるいはまたいちせん。 かくのごとくして、 あるいは七日しちにちいたるまで、 わが所聞しょもんのごとくそくしてねんぜんがゆゑに、 このひと、 かならず弥陀みだ如来にょらいおうとうしょうがくたてまつらん。 もしひるときたてまつることあたはずは、 もしはぶんにおいて、 あるいはゆめのうちに、 弥陀みだぶつはかならずまさにげんじたまふべし」 と

¬大集経¼「賢護分」云、「善男子・善女人、端坐繋念ニシテ↠心↢彼阿弥陀如来・応供・、如↠是相好、如↠是威儀、如↠是大衆、如↠是説法、如シテ↠聞クガ繋念一心相続次第不↠乱、或経↢一日↡、或復一夜クシテ↠是ルマデ↢七日七夜↡、如↢我所聞↡具足ムガ、是人、必マツラム↢阿弥陀如来・応供・等正覚↡。若於昼↠能↠見マツルコト者、若↢夜分↡、或マレ、阿弥陀仏シト↠現タマフ也。」

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「けんびゃくごうるものは、 八万はちまんせん相好そうごうねんにまさにつべし。 りょう寿じゅぶつるものは、 すなはち十方じっぽうりょう諸仏しょぶつたてまつるなり。 十方じっぽうりょう諸仏しょぶつたてまつることをるがゆゑに、 諸仏しょぶつ現前げんぜん*じゅせん。 これをあまねく一切いっさい色相しきそうかんずとなす」 と。 じょう見仏けんぶつ

¬観経¼云、「見↢眉間白毫↡者、八万四千相好、自然。見↢無量寿仏↡者、即マツルナリ↢十方無量諸仏↡。得ルガ↠見マツルコトヲ十方無量諸仏↡故、諸仏現前授記セム。是↣遍ズト↢一切色相↡。」已上見仏

・将来勝利

^¬*おんじょうおうきょう¼ にのたまはく、 「じゅうにちじゅう*ろくねんをもつぱらにし、 たいげてかのぶつ*らいきょうし、 けんしょうねんにしてことごとく散乱さんらんのぞき、 もしはよくしんねんじ、 念々ねんねんえずは、 じゅうにちのうちにかならずかの弥陀みだぶつたてまつることを、 ならびに十方じっぽうかい如来にょらいおよびしょじゅうところたてまつらん。 ただ*重障じゅうしょう鈍根どんこんひとをばのぞく。 いまのしょうにおいてたてまつることあたはざるところなり。 一切いっさいのもろもろのぜんをみなことごとくこうして、 安楽あんらくかいおうじょうすることをんとがんぜば、 おわらんとするに、 弥陀みだぶつ、 もろもろの大衆だいしゅとそのひとまえげんじて、 *あん*しょうぜんしたまはん。 このひと、 すなはちのときにはなはだきょうえつをなさん。 この因縁いんねんをもつて、 その所願しょがんのごとく、 すなはちおうじょうすることをん」 と。

¬鼓音声王経¼云、「十日十夜、六時ニシ↠念、五体↠地礼↢敬↡、堅固正念ニシテ↢散乱↡、若念々↠絶、十日之中テムマツルコトヲ↢彼阿弥陀仏↡、アハセコトヲ十方世界如来及所住↥。唯↢重障・鈍根之人ヲバ↡。於↢今少時↡所ナリトモ↠不↠能↠覩マツルコト一切皆悉廻向、願↠得ムト↣往↢生コトヲ安楽世界↡、↠終ムト之日、阿弥陀仏与↢諸大衆↡現↢其↡、安称善タマハム。是人即チノナサ↢慶悦↡。以↢是因縁↡、如↢其所願↡、即ムト↢往生コトヲ↡。」

^¬*びょう等覚どうがくきょう¼ (三) にのたまはく、 「ぶつののたまはく、 ªかならずまさに斎戒さいかいして、 一心いっしん清浄しょうじょうにしてちゅうにつねにねんじ、 *りょう清浄しょうじょうぶつくにうまれんとおもひて、 じゅうにちじゅう断絶だんぜつせざるべし。 われ、 みなこれ*みんして、 ことごとくりょう清浄しょうじょうぶつくにしょうぜしめんº」 と。 ない一日いちにちいちもまたかくのごとし。 あるいは、 このもんをもつて*しもしょぎょうもんのなかにくべし。

¬平等覚経¼云、「仏、要↧斎戒一心清浄ニシテ昼夜、欲↠生ムト↢無量清浄仏↡、十日十夜不↦断絶↥。我皆慈↢愍↡、悉メムト↠生↢無量清浄仏↡。」乃至一日一夜亦如↠是。或、可↧以↢此↡置↦下諸行門

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)にのたまはく、

そのぶつ*本願ほんがんりきありて、 みなきておうじょうせんとおもへば、

みなことごとくかのくにいたりて、 おのづから*退転たいてんいたる」 と。

¬双巻経¼偈

「其本願力アリテ↠名フハ↢往生ムト
皆悉↢彼ルト↢不退転↡」

^¬かんぎょう¼ のぼん上生じょうしょうにんは、 命終みょうじゅうときのぞみて、 *たなごころあわあざへて 「南無なも弥陀みだぶつ」 としょうすれば、 ぶつみなしょうするがゆゑに、 じゅう億劫おくこうしょうつみのぞき、 ぶつしりえしたがひて、 ほうのなかにうまる。

¬観経¼下品上生、臨↢命終↡、合↠掌アザヘ↠手レバ↢南無阿弥陀仏↡、称ルガ↢仏↡故、除↢五十億劫生死之↡、従↢化仏↡、生↢宝池↡。

^おなじきほん中生ちゅうしょうにんは、 命終みょうじゅうときのぞみて、 ごくみょういちにともにいたらんに、 弥陀みだぶつ*じゅうりきとく*こうみょう神力じんりき*かいじょうだつけんけば、 はちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞき、 ごくみょうして清涼しょうりょうかぜとなりて、 もろもろのてんはなく。 はなうえにみなぶつさつましまして、 このひと*こうしょうして、 すなはちおうじょうすることをしめたまふ。

ジキ中生、臨命終、地獄猛火一時キテ↢弥陀仏十力威徳、光明神力、戒・定・慧・解脱・知見↡、除↢八十億劫生死之罪↡、地獄猛火化リテ↢清涼↡、吹↢諸↡。華皆有シテ↢化仏・菩薩↡、迎↢接↡、即シメタマフ↢往生コトヲ↡。

^おなじきほんしょうにんは、 命終みょうじゅうときのぞみて、 められてぶつねんずることあたはず。 *ぜんおしえしたがひて、 ただしんいたしてこえをしてえざらしめ、 *じゅうねんそくして 「南無なもりょう寿じゅぶつ」 としょうすれば、 ぶつみなしょうするがゆゑに、 念々ねんねんのうちにはちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞき、 *一念いちねんのあひだのごときにすなはちおうじょうすることを

ジキ下生、臨↢命終↡、苦レテ不↠能↠念ズル↠仏。随↢善友↡、但シテ↠心↢声ヲシテ↟絶、具↢足十念↡称レバ↢南無無量寿仏↡、称ルガ↢仏↡故、於↢念々↡除↢八十億劫生死之罪↡、如キニ↢一念アヒダ↡即↢往生コトヲ↡。

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・上) に、 かのぶつ本願ほんがんにのたまはく、 「ª諸仏しょぶつかいしゅじょうたぐい、 わがみょうきて、 さつ*しょう法忍ぼうにん、 もろもろの*深総じんそうずといはば、 しょうがくらじº (第三十四願) と。 ªほうこくのもろもろのさつしゅ、 わがみょうきて、 すなはち退転たいてんいたることをずといはば、 しょうがくらじº (第四十七願)」 と。

¬双巻経¼、彼本願、「諸仏世界衆生之類、聞↢我名字↡、不トイハバ↠得↢菩薩無生法忍、諸深総持↡者、不↠取↢正覚↡。他方国土菩薩衆、聞↢我名字↡、不トイハバ得↟至コトヲ↢不退転↡者、不↠取↢正覚↡。」

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「もしぶつねんずるものは、 まさにるべし、 このひとはこれにんちゅう*ふん陀利だりなり。 *かんおんさつ*大勢だいせいさつ、 その*しょうとならん。 まさに*どうじょうし、 *諸仏しょぶついえうまるべし」 と。 じょうしょうらいしょうなり。 かみべつ念仏ねんぶつもんのごとし。

¬観経¼云、「若ズル↠仏、当↠知、此是人中分陀利華ナリ。観世音菩薩・大菩薩、為ラム↢其勝友↡。当シト↧坐↢道場↡、生↦諸仏↥。」已上将来勝利ナリ。余↢上別時念仏門

二 Ⅶ 引例勧信

【64】^だいろく*引例いんれい勧信かんしんといふは、

第六引例勧信トイフ者、

^¬観仏かんぶつきょう¼ のだい(意) に、 ぶつ、 もろもろの*しゃくげてのたまはく、 「*毘婆尸びばしぶつ*像法ぞうぼうのうちにいちちょうじゃありき、 づけて月徳がっとくといひき。 ひゃくありき、 おなじくおもやまいへり。 ちちまえいたりて涕涙ているいがっしょうして、 もろもろのかたらひていはく、 ªなんぢら、 邪見じゃけんにして*しょうぼうしんぜず。 いまじょうかたな、 なんぢがむとも、 なんのたのむところありとかせん。 ぶつそんまします、 毘婆尸びばしづく。 なんぢ、 ぶつしょうすべしº と。

¬観仏経¼第三、仏告↢諸釈子↡言フハ、「毘婆尸仏像法↢一長者↡、名ヒキ↢月徳↡。有↢五百子↡、同↢重↡。父↢子↡涕涙合掌、語ラヒテ↢諸↡言ヒシ、汝等邪見ニシテ不↠信↢正法↡。今無常刀截トモ↢何アリトカタノ。有↢仏世尊↡、名↢毘婆尸↡。汝可シト↠称↠仏

もろもろのきをはりて、 そのちちうやまふがゆゑに ª南無なもぶつº としょうしき。 ちちまたげていはく、 ªなんぢ、 ほうしょうすべし、 なんぢ、 そうしょうすべしº と。 いまだたびしょうするにおよばずして、 その命終みょうじゅうしき。 ぶつしょうせしをもつてのゆゑに*天王てんのうところうまれき。 てんじょう寿じゅきて、 さき邪見じゃけんごうをもつてだいごくちき。 獄率ごくそつせつ熱鉄ねつてつひしをもつてそのまなこやぶりき。 このけしときに、 ちちちょうじゃきょうせしところのおくして、 ぶつねんぜしをもつてのゆゑに、 かえりてにんちゅうしょうじき。

子聞、敬フガ↢其↡故シキ↢南無仏↡。父復告、汝可↠称↠法、汝可シト↠称↠僧。未シテ↠及↢三タビルニ↡、其子命終シキ。以↠称セシヲ↠仏レキ四天王↡。天上寿尽、前邪見ヲモテチキ↢大地獄↡。獄卒羅刹以↢熱鉄ヒシ↡刺ヤブリ↡。受ケシ↢是↡時、憶シテ↧父長者↢教誨セシ↡事↥、以↠念ゼシヲ↠仏、還ジキ↢人中↡。

*尸棄しきぶつでたまへりしに、 ただぶつみなきて、 ぶつかたちたてまつらざりき。 ない*しょうぶつときにもまたそのみなきき。 六仏ろくぶつみなきし因縁いんねんをもつてのゆゑに、 われ (釈尊)おなじくしょうぜり。 このもろもろの比丘びくぜんときに、 悪心あくしんをもつてのゆゑにぶつしょうぼうほうぜしも、 ただちちのためのゆゑに ª南無なもぶつº としょうせしをもつて、 生々しょうじょうにつねに諸仏しょぶつみなくことをないこんにわがでたるにぐうして、 もろもろのさわりのぞこるがゆゑに*阿羅あらかんとなれり」 と。

尸棄仏タマヘリシニ、但聞↢仏↡、不リキ↠覩マツラ↢仏↡。乃至迦葉仏ニモ亦聞キキ↢其↡。以↧聞キシ↢六仏↡因縁↥故、与↠我同ゼリ。是比丘、前世之時、以↢悪心↡故ジキ↢仏正法但為↠父セシヲモテ↢南無仏↡、生々得↠聞コトヲ↢諸仏↡、乃至今世値↢遇タルニ↡、諸障除コルガレリト↢阿羅漢↡。」

^またのたまはく (観仏経・意)、 「*燃灯ねんとうぶつ末法まっぽうのうちにいちかんありき。 そのせん弟子でしかんせつきて、 しん瞋恨しんごんしょうじき。 寿じゅ*修短しゅたんしたがひておのおの命終みょうじゅうせんとほっせしに、 かんおしへて ª南無なも諸仏しょぶつº としょうせしめき。 すでにぶつしょうしをはりて*とうてんしょうずることをてき。 らいにまさにぶつることをべし、 南無なもこうしょうごうせん」 と。

又云、「燃灯仏末法之中リキ↢一羅漢↡。其弟子聞↢羅漢↡、心ジキ↢瞋恨↡。随↢寿修短↡各セシニ↢命終ムト↡、羅漢教シメキ↢南無諸仏↡。既↠仏テキ↠生コトヲ↢忉利天↡。↢未来世↡当↠得↠作コトヲ↠仏ムト↢南無光照↡。」

^だい七巻しちかん (観仏経・意) に、 文殊もんじゅみづからけり、 過去かこほうとくぶつぐう礼拝らいはいせしことを。 「そのときに、 *しゃもんぶつさんじてのたまはく、 ªきかな、 きかな。 *文殊もんじゅ師利しり、 すなはちむかしときひとたびぶつらいせしがゆゑに、 そこばくのしゅ諸仏しょぶつふことをてき。 いかにいはんや、 らいにわがもろもろの弟子でしの、 つとめてぶつかんずるものをやº と。 ぶつなんちょくしたまはく、 ªなんぢ、 文殊もんじゅ師利しりたもちて、 あまねく大衆だいしゅおよびらいしゅじょうげよ。 もしはよく礼拝らいはいするもの、 もしはよくぶつねんずるもの、 もしはよくぶつかんずるもの、 まさにるべし、 このひとは、 文殊もんじゅ師利しりひとしくしてことなることあることなからん。 てて、 他世たせに、 文殊もんじゅ師利しりとうのもろもろのだいさつ、 その和上わじょうとなりたまはんº」 と。

第七巻、文殊自カク於値↢遇礼↣拝シキ過去宝威徳仏↡。「爾、釈迦文仏讃、善哉善哉。文殊師利、乃タビセシガ↠仏スラ、得テキ↠値コトヲ爾許ソコバク無数諸仏↡。何未来弟子、勤ゼム↠仏ヲヤト。仏勅タマハク↢阿難↡、汝持↢文殊師利コト↡、遍↢大衆及未来世衆生↡。若礼拝者、若ズル↠仏者、ズル↠仏者、当↠知、此与↢文殊師利↡等クシテ↠有コト↠異ナルコト。捨テテ↠身他世文殊師利等大菩薩、為タマハムト↢其和上↡。」

^またのたまはく (観仏経・意)、 「ときに、 十方じっぽうぶつきたりて*跏趺かふしてしたまへり。 東方とうぼう善徳ぜんとくぶつ大衆だいしゅげてのたまはく、 ªわれ、 過去かこりょうときおもへば、 ぶつの、 でたまへることありき。 ほうとく上王じょうおうぶつごうしき。 とき比丘びくありき。 弟子でし*仏塔ぶっとう往詣おうげいして、 仏像ぶつぞう礼拝らいはいしき。 いち宝像ほうぞう厳顕ごんけんにしてかんじつべきをて、 らいしをはりて、 あきらかにて、 きて讃嘆さんだんしき。 のちとき命終みょうじゅうして、 ことごとく東方とうぼうほうとく上王じょうおうぶつくにうまれて、 だいれんのなかに*けっ趺坐ふざして、 忽然こつねんとして化生けしょうしき。

又云、「時十方仏来跏趺タマヘリ。東方善徳仏告大衆↡言、我念↢過去無量世↡、有リキ↢仏タマヘルコト↟世。号シキ↢宝威徳上王↡。時リキ↢比丘↡。与↢九弟子↡往↢詣仏塔↡、礼↢拝シキ仏像↡。見↢一宝像厳顕ニシテキヲ↟観ジツ、礼、説↠偈讃嘆シキ。後命終、悉↢東方宝威徳上王仏↡、大蓮華シテ結跏趺坐、忽然化生シキ

これより以後のち、 つねにぶつふことを諸仏しょぶつみもとにしてきよ*梵行ぼんぎょうしゅし、 念仏ねんぶつ三昧ざんまいてき。 三昧さんまいをはりしかば、 ぶつ、 ためにじゅしたまひき。 «十方じっぽうめんにおのおのぶつになることをん» と。 東方とうぼう善徳ぜんとくぶつはすなはちわがこれなり。 東南方とうなんぽう無憂むうとくぶつ南方なんぽう栴檀せんだんとくぶつ西南方さいなんぽうほうぶつ西方さいほうりょうみょうぶつ西北方さいほっぽうとくぶつ北方ほっぽう相徳そうとくぶつ東北方とうほっぽうさん乗行じょうぎょうぶつじょうほう広衆徳こうしゅとくぶつほう明徳みょうとくぶつ、 かくのごときじゅうぶつは、 過去かことうらいし、 ぞうかんじ、 一をもつて讃嘆さんだんせるによりて、 いま十方じっぽうにしておのおのぶつになることをたるなりº と。 このきをはりて、 しゃもんぶつ問訊もんじんしたまふ。 すでに問訊もんじんしをはりて、 だいこうみょうはなちて、 おのおの本国ほんごくかえりたまひぬ」 と。

↠此已後、恒↠値コトヲ、於↢諸仏↡浄↢梵行↡、得テキ↢念仏三昧↡。得↢三昧↡已シカバ、仏為授記タマヒキ。於十方ムト↠成コトヲ↠仏。東方善徳仏者則身是ナリ。東南方憂徳仏、南方旃檀徳仏、西南方宝施仏、西方無量明仏、西北方華徳仏、北方相徳仏、東北方三乗行仏、上方広衆徳仏、下方明徳仏ナリ↠是十仏、由↢過去↠塔、観↠像、一偈ヲモテ讃嘆セルニ↡、今於↢十方↡各タルナリト↠成コトヲ↠仏。説↢是コト↡已、問↢訊タマフ釈迦文仏↡。既問訊、放↢大光明↡、各タマヒヌト↢本国↡。」

^またのたまはく (観仏経)、 「*ぶつそんそらよりくだりてしゃもんぶつゆかして、 さんじてのたまはく、 ªきかな、 きかな。 すなはちよくらいとき濁悪じょくあくしゅじょうのために、 さんぶつびゃくごうこうみょうきて、 もろもろのしゅじょうをしてざいめっすることをしめたまふ。

又云、「四仏世尊従↠空而下↢釈迦文仏↡、讃、善哉善哉。乃↢於未来之時濁悪衆生↡、説↢三世白毫↡、令タマフ↢諸衆生ヲシテ得↟滅コトヲ↢罪咎↡。

所以ゆえんはいかん。 われ昔曽むかしをおもんみれば、 空王くうおうぶつみもとにしてしゅっしてどうがくしき。 とき比丘びくあり。 ともに同学どうがくとなりて、 ぶつしょうぼうならひき。 煩悩ぼんのうしんおおひて、 かた仏法ぶっぽう宝蔵ほうぞうたもつことあたはず、 ぜんごうおおくして、 まさに悪道あくどうつべし。 くうちゅうこえありて、 比丘びくかたりていはく、 «空王くうおう如来にょらいはまた*はんしたまひにき。 なんぢが所犯しょぼんすくふものなしとおもへりといへども、 なんぢら、 いまとうりてぞうかんずべし。 ぶつざいひとしくしてあることなからん» と。

所以者何オモンミレ↢我昔ムカシ空王仏ニシテ出家シキ↠道。時比丘アリ↢同学↡、習ヒキ↢仏正法↡。煩悩覆↠心、不シテ↠能↣堅コト↢仏法宝蔵↡、多クシテ↢不善業↡、当カリ↢悪道↡。空↠声、語↢比丘↡言、空王如来↢復涅槃タマヒニキ所犯ヘリト↟無シト↢救者↡、汝等今可↢入↠塔↟像。与↢仏在世↡等クシテムト↠有コト↠異。

われ、 そらこえしたがひてとうり、 ぞうけんびゃくごうかんじて、 すなはちこのねんをなさく、 «如来にょらいざいこうみょう色身しきしんは、 これとなんぞことならん。 ぶつ大人相だいにんそうねがはくはわがつみのぞきたまへ» と。 このをなしをはりて、 大山だいせんくずるるがごとくにしてたいげて、 もろもろのつみ*さんしき。 これより以後のちはちじゅうおくそうこう悪道あくどうちず、 生々しょうじょうにつねに十方じっぽう諸仏しょぶつたてまつり、 諸仏しょぶつみもとにして甚深じんじん念仏ねんぶつ三昧ざんまいじゅしき。 三昧さんまいをはりて、 諸仏しょぶつ現前げんぜんして、 われに*べつさずけたまひき。

我従↢空↡入↠塔、観ジテ↢像眉間白毫↡、即↢是↡、如来在世光明色身、与↠此何ナラム。仏大人相、願クハタマヘト↢我↡。作↢是コト↡已、如クニシテ↢大山ルルガ↡五体↠地、懴↢悔シキ↡。従↠是已後、八十億阿僧祇劫リキ↠堕↢悪道↡、生々マツリ↢十方諸仏↢諸仏↡受↢持シキ甚深念仏三昧↡。得↢三昧↡已、諸仏現前、授タマヒキ↢我記別↡。

東方とうぼうみょうこくしゅくぶつは、 すなはち第一だいいち比丘びくこれなり。 南方なんぽうかんこく宝相ほうそうぶつは、 すなはちだい比丘びくこれなり。 西方さいほう極楽ごくらくこくりょう寿じゅぶつは、 だいさん比丘びくこれなり。 北方ほっぽうれんしょうごんこくみょうしょうぶつは、 だい比丘びくこれなりº と。 ときに、 如来にょらいおのおのみぎみてべて、 なんいただきで、 てのたまはく、 ªなんぢ、 ぶつたもちて、 ひろらいのもろもろのしゅじょうのためにけº と。 たびこれをきをはりて、 おのおのこうみょうはなちて、 本国ほんごくげんしたまひにき」 と。

東方妙喜国阿閦仏、即第一比丘是ナリ。南方歓喜国宝相仏、即第二比丘是ナリ。西方極楽国無量寿仏、第三比丘是ナリ。北方蓮華荘厳国微妙声仏、第四比丘是ナリ。時如来各↢右↡、↢阿難↡、告、汝持↢仏語↡、広↢未来衆生↡説ケト。三タビタマフコト↠此、各↢光明↡、還↢帰タマヒニキト本国↡。」

^またのたまはく (観仏経)、 「財首ざいしゅさつぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 われ過去かこりょうときおもへば、 ぶつそんましましき、 またしゃ牟尼むにづけたてまつりき。 かのぶつめついちおうありき、 づけて金幢こんどうといひき。 *きょうまん邪見じゃけんにしてしょうぼうしんぜざりき。 *しき比丘びくありき、 じょうざいづくるもの、 おうげていはく、 «仏像ぶつぞうまします、 衆宝しゅぼうをもつて*厳飾ごんじきせり。 しばらくとうりて、 ぶつぎょうぞうかんずべし» と。

又云、「財首菩薩白、世尊、我念ハバ↢過去無量世、時シキ↢仏世尊↡、亦名マツリキ↢釈迦牟↡。彼滅後↢一王子↡、名ヒキ↢金幢↡。憍慢邪見ニシテリキ↠信↢正法↡。知識比丘クルモノ↢定自在↡、告↢王子↡言ヒシ、世↢仏像↡、衆宝ヲモテ厳飾セリ。可シト↣暫↠塔↢仏形像↡。

ときにかのおうぜんしたがひて、 とうりてぞうかんじき。 ぞう相好そうごうて、 比丘びくにまうさく、 «仏像ぶつぞう端厳たんごんなること、 なほかくのごとし。 いはんやぶつ真身しんしんをや» と。 比丘びくげていはく、 «なんぢ、 いまぞうるに、 らいすることあたはずは、 まさに "南無なもぶつ" としょうすべし» と。 このときに、 おうがっしょうぎょうして、 "南無なもぶつ" としょうしき。 かえりて、 ねんけてとうのなかのぞうねんずるに、 すなはち*後夜ごやゆめ仏像ぶつぞうき。 仏像ぶつぞうしがゆゑに、 しんおおきにかんし、 邪見じゃけんしゃして、 三宝さんぼう帰依きえしき。

王子随↢善友コト↡、入↠塔ジキ↠像。見↢像相好↡、白、比丘、仏像端厳ナルコト猶尚如↠此。況真身ヲヤト。比丘告ヒシ、汝今見ルニ↠像、不↠能コト者、当シト ↠称↢南無↡。是、王子合掌恭敬シキ↢南無仏↡。還↠宮、繋↠念ルニ↢塔↡、即於後夜↢仏像↡。見シガ↢仏像↡故、心大歓喜、捨↢離邪見↡、帰↢依シキ三宝↡。

寿じゅみょうおわるにしたがひて、 さきとうりて "南無なもぶつ" としょうせし因縁いんねんどくによりて、 ひゃく万億まんおく那由なゆぶつひて、 甚深じんじん念仏ねんぶつ三昧ざんまい*逮得たいとくせり。 三昧さんまいりきのゆゑに、 諸仏しょぶつ現前げんぜんして、 それがためにさずけたまひき。 これよりこのかた百万ひゃくまんそうこう悪道あくどうせざりき。 ない今日こんにち甚深じんじん*しゅりょうごん三昧ざんまい獲得ぎゃくとくせり。 そのときおうは、 いまのわれ、 財首ざいしゅこれなりº」 と。

↢寿命終ルニ↡、由↧前↠塔セシ↢南無仏↡因縁功徳↥、値↢九百万億那由他↡、逮↢得セリ甚深念仏三昧↡。三昧力、諸仏現前シテ↠其タマヒキ↠記。従↠是已来百万阿僧祇劫、不リキ↠堕↢悪道↡。乃至今日、獲↢得セリ甚深首楞厳三昧↡。爾王子、今我、財首是也。」

^またのたまはく (観仏経)、 「ぶつののたまはく、 ªわれ、 *賢劫げんごうのもろもろのさつと、 むかし過去かこ栴檀窟せんだんくつぶつみもとにして、 この諸仏しょぶつ色身しきしんへん観仏かんぶつ三昧ざんまいかいけり。 この因縁いんねんどくりきをもつてのゆゑに、 ひゃく万億まんおくそうこうしょうつみ超越ちょうおつして、 この賢劫げんごうにしてだいぶつになる。 かくのごとく、 十方じっぽうりょう諸仏しょぶつもみなこのほうによりて*さんだいじょうじたまふº」 と。

又云、「仏、我与↢賢劫菩薩↡、ムカシ↢過去旃檀窟仏↡、聞キテ↢是諸仏色身・変化、観仏三昧海↢是因縁功徳力↡故、超↢越九百万億阿僧祇劫生死之罪↡、於↢此賢劫↡次第↠仏↠是、十方無量諸仏皆由↢此↡成タマフト↢三菩提↡。」

^¬*しょうきょう¼ (意) にのたまはく、 「むかし過去かこおんそうこうに、 ぶつでたまへることありき。 ごうしてこうみょうとまうしき。 *にゅうはんのちに、 いちさつありき。 だいしょうじんづけき。 としはじめてじゅうろくにして、 *婆羅ばらもんしゅなり。 *たんじょうなることならびなし。 いち比丘びくありて、 白畳びゃくじょううえぶつぎょうぞうえがきて、 たもちてしょうじんあたへき。 しょうじんそうて、 しんおおきにかんして、 かくのごときごんをなさく、 ª如来にょらいぎょうぞうすら妙好みょうこうなること、 なほしかり。 いはんやまたぶつしんをや。 ねがはくは、 われ、 らいにまたかくのごとき妙身みょうしんじょうじゅすることをんº と。

¬迦葉経¼云、「昔過去久遠阿僧祇劫、有リキ↢仏出タマヘルコト↟世。号シキ↢光明↡。入涅槃、有リキ↢一菩薩↡。ケキ↢大精進↡。年始メテ十六ニシテ、婆羅門種トシテ端正ナルコトナラビ。有↢一比丘↡、於白畳↢仏形像↡、持ヘキ↢精進↡。精進見↠像心大歓喜、作↢如↠是コト↡、如来形像スラ妙好ナルコトナホ。況復仏ヲヤ。願クハ我、未来亦得ムト↣成↢就コトヲ↠是妙身↡。

いひをはりてねんすらく、 ªわれもしいえにあらば、 このることかたしº と。 すなはち父母ぶもにまうして、 あわれみをもとめ、 しゅっせんとせしに、 父母ぶもこたへていはく、 ªわれいまとしいたり、 ただなんぢいっあるのみ。 なんぢもししゅっしなば、 われらまさにぬべしº と。 父母ぶもにまうさく、 ªもしわれをゆるしたまはずは、 われ今日こんにちよりおんせじ、 じきせじ、 じょうのぼらじ、 また言説ごんせつせじº と。 このちかいをなしをはりて、 一日いちにちじきせずして、 すなはち六日ろくにちいたる。 父母ぶも*しき八万はちまんせんのもろもろの*婇女さいにょとうどうきゅうして、 だいしょうじんらいして、 いでしゅっゆるしき。

思念セシ、我若↠家、此カタケム↠得コト。即マウシ↢父母↡、求シキ出家セムコトヲ↡。父母答、我今年老タリ、唯汝一子アルノミナリ。汝若出家シナバ我等当シト↠死。子白↢父母↡、若ユルシタマハ↠我者、我従↢今日↡不↠飲、不↠食、不↠昇↢床座↡、亦不↢言説↡。作↢是↡已、一日不シテ↠食、乃六日マデニス。父母・知識・八万四千婇女等、同時悲泣、礼↢大精進↡、ギテユルシ↢出家↡。

すでにしゅっすることをぞうしてやまり、 くさりてとなし、 ぞうまえにありてけっ趺坐ふざし、 一心いっしんにあきらかにかんぜり。 ªこのぞう如来にょらいことならず。 ぞうかくにあらず、 にあらず。 一切いっさい諸法しょほうもまたかくのごとし。 そうなく、 そうはなれたり。 たいしょうくうじゃくなりº と。 このかんをなしをはりてにちて、 *つうじょうじゅし、 *りょうそくし、 *無礙むげべん*こう三昧ざんまいて、 だいこうみょうせり。

↢出家コトヲ↡、持シテ↠像↠山↠草↠座、在↢画像↡結跏趺坐、一心、観ジキ画像コトヲナラ↢如来↡。像者↠覚、非↠知。一切諸法亦復如↠是。无↠相、離タリ↠相。体性空寂ナリト。作↢是↡已↢於日夜↡、成↢就五通↡、具↢无量↡、得↢无礙↡、得↢普光三昧↡、具↢大光明

じょう天眼てんげんをもつて東方とうぼうそうぶつたてまつり、 じょうてんをもつてぶつ所説しょせつきて、 ことごとくよくちょうじゅしき。 七月しちがつ満足まんぞくするまで、 をもつてじきとなしき。 一切いっさい諸天しょてんはなさんじてようしき。 やまよりでて村落そんらくらいして、 ひとのためにほうくに、 まんしゅじょう提心だいしんおこし、 りょうそうにんは、 しょうもん縁覚えんがくどくじゅうし、 父母ぶも親眷しんけんもみな、 *退たいじょうだいじゅうしき。

↢浄天眼↡見マツリ↢於東方阿僧祇↡、以↢浄天耳↡聞↢仏所説↡、悉聴受シキ。満↢足スルマデ七月↡、以↠智↠食。一切諸天散↠華供養シキ。従シテ↠山而出来↢至村落↡、為↠人↠法、二万衆生発↢菩提心↡、无量阿僧祇↢於声聞・縁覚功徳父母・親眷、皆住シキ↢不退無上菩提↡。

ぶつしょうげたまはく、 ªむかしだいしょうじんは、 いまのわがこれなり。 このぞうかんぜしによりて、 いまぶつになることをたり。 もしひとありて、 よくかくのごときかんがくせば、 らいにかならずまさに*じょうどうじょうずべしº」 と。

仏告タマハク↢迦葉↡、昔大精進、今身是ナリ。由↢此ゼシニ↟像、今得タリ↠成コトヲ↠仏。若↠人能セバ↢如↠此↡、未来シトイヘリ↠成↢无上道↡。」

^¬*譬喩ひゆきょう¼ のだいにのたまはく、 「むかし比丘びくありき。 そのははせんとほっせしに、 ははすでにみょうしぬ。 すなはち*道眼どうげんをもつててんじょうにんちゅう*擒狩きんしゅ*薜茘へいれいのなかにしゃくするに、 つひにこれをず。 *ないかんずるに、 ははがなかにあるをて、 すなはち*懊惋おうえんあいして、 ひろ方便ほうべんもとめて、 そのだっせんとおもひき。

¬譬喩経¼第二、「昔有リキ↢比丘↡。欲シキ↠度ムト↢其母已命過シヌ。便↢道眼↡天上・人中・擒狩・薜茘求索ルニツヒ不↠見↠之。観ジテ↢於泥↡、見↢母ルヲ↟中便懊惋悲哀、広↢方便↡、欲ヒキ↠脱ムト↢其↡。

ときへんきょうおうありき。 ちちがいしてくにうばひてき。 比丘びく、 このおういのちあま七日しちにちありて、 つみくるところは、 比丘びくははおなじく一処いっしょにあらんとりて、 よる*安靖あんせいときに、 おうねむれるところいたりて、 かべ穿うがちて半身はんしんげんず。 おうぢてかたなきてかしらる。 かしらすなはちちぬれども、 そのところもとのごとし。 これをること数反しゅへんするに、 *かしらつれども、 比丘びくうごかず。

辺境リキ↠王。害↠父ヒテキ↠国。比丘知↧此↢七日↡、受クル↠罪トコロ与↢比丘母↡同ムト↦一処↥、夜安靖、到↢王レル↡、穿↠壁↢半身↡。王オヂツルギ↠頭。頭即チヌレドモ↠地モト。斫コト↠之数反スルニ、化頭満チヌ↠地比丘不↠動

おうこころにすなはちさとりて、 その*じょうなることをりぬ。 *こうべたたきてとがしゃす。 比丘びくのいはく、 ªおそるることなかれ、 づることなかれ。 あひんとほっするのみ。 なんぢ、 ちちがいしてくにうばへりやいなやº と。 こたへていはく、 ªじつにしかり。 ねがはくは慈救じくせられよº と。 比丘びくのいはく、 ªだいどくをなすとも、 おそらくはあひおよばざらんか。 おう、 まさに南無なもぶつしょうすべし。 七日しちにちえずは、 すなはちつみまぬかるることをてんº と。 かさねて、 これにげていはく、 ªつつしみてこのほうわするることなかれº と。 すなはちびてりぬ。

王意サトリ、知↢其非常ナルコトヲ↡。叩↠頭↠過。比丘ヒシ↠恐ルルコト、莫↠怖ヅルコト。欲フラク↢相ムト↡耳。汝害↠父ヘリヤ↠国不耶。対、実。願クハラレヨト↢慈救↡。比丘、作ストモ↢大功徳↡、恐ラムカ↢相↡。王当シトシテ↢南無仏七日不↠絶、便テムルルコトヲ↠罪。重↠之、慎レト↠忘ベキコト↢此↡。即便

おうすなはち*あざへて一心いっしんに ª南無なもぶつº としょうせつすること、 ちゅうおこたらず、 七日しちにちありて命終みょうじゅうして、 ˆおうのˇ *魂神ごんじんないもんかひて ª南無なもぶつº としょうす。 ないのなかのひとぶつといふおんじょうきて、 みないちに ª南無なもぶつº といひしかば、 ないすなはちめにき。 比丘びく、 ためにほうきしかば、 比丘びくははおう、 およびないのなかのひと、 みなだつき。 のちおおきにしょうじんして、 しゅおんどうき」 と。 じょう諸文しょもんりゃくしてしょうす。

王便アザヘ↠手一心シテ称↢シテ南無仏↡、昼夜シテオコタ、七日アリテ命終、魂神向↢泥↡称↢南無仏↡。泥人聞↢仏トイフ音声↡皆一時ヒシカバ↢南無仏↡、泥梨即メニキ。比丘為キシカバ↠法、比丘母・王及人、皆得↢度脱↡。後精進、得キト↢須陀洹道↡。」已上諸文、

^*¬*優婆うばそくかいきょう¼ にのたまはく、 「善男ぜんなん、 われもとむかし邪見じゃけんいえちたりき、 *惑網わくもうおのづからわれをおおへり。 われ、 そのときこうといへり。 つまみょうにょにして、 *しょうじんゆうみょうだつすることりょうにして、 *じゅうぜんをもつてどうしき。 われそのときに、 しん殺猟せつりょうをなしき。 酒肉しゅにくとんし、 *らんだいにして、 しょうじんすることあたはざりき。 つまときにわれにかたらはく、 ªそのりょうせつとどめ、 いまし酒肉しゅにくち、 つとめてしょうじんくわへて、 ごくのううれひをだっして、 てん上生じょうしょうして、 一処いっしょくみすることをよº と。

¬優婆塞戒経¼云、「善男子、我本往ムカシタリキ↢邪見↡、セラレタリキ自我ミヅカラ。我ヲバ↢爾↡名ケテ↢広利ヲバケキ女精進↡。勇猛ナリキ、度脱スルコト無量ナリキ。十善ヲモテ化導シキ。我於ナシ↢殺猟↡。貪↢嗜酒肉↡、懶堕懈怠ニシテリキ↠能↢精進コト↡。妻時ラクハ↠我、止↢其猟殺↡戒テト↢酒肉↡、勤↢精進↡、得ヨト↧脱↢地獄苦悩之ウレヒ↡、上↢生天宮↡与スルコトヲ↦一処↥。

われそのときにおいても殺心せっしんまず、 酒肉しゅにく美味びみをも割捨かっしゃすることあたはず、 しょうじんしんらんにしてすすまず、 てんのぞみをめ、 ごくぶんけたり。 われそのとき*聚落じゅらくのうちにし、 *そう伽藍ぎゃらんちかくして、 しばしばかねつをきき。 つまわれにかたりていはく、 ª事々じじあたはずは、 *けんしょうこえくとき、 たびだんしてひとたびぶつしょうせよ。 おさめてみづからかしこまり、 きょうまんしょうずることなかれ。 そのはんのごときも、 このほうはいすることなかれº と。

我於↢爾↡殺心不↠止、酒肉美味ヲモ不↠能↢割捨コト↡、精進之心ニシテ不↠スス、天↠意、地獄タリ。我於↢聚落↡、近ヅケリキ↢僧伽藍キキツヲ。妻語↠我ヒシ、事々↠能コト↡、三タビ弾指タビセヨ↠仏↠身カシコマリ、莫↠生コト↢憍↡。如↢其夜半↡此法莫レト↠癈コト

われすなはちこれをもちゐて、 また捨失しゃしつすることなかりき。 じゅうねんて、 そのつま命終みょうじゅうして、 とうてんうまれき。 かへりてのちさんねんありて、 われまた寿じゅきて、 *だんきょうせしに、 われをはんじてつみれて、 ごくもんかへき。 もんときあたりて、 かねさんしょうきしに、 われすなはち住立じゅうりゅうして、 しんかんをなし、 あいぎょうしていとはず。 ほうのごとくたびだんして、 ながこえをもつてぶつとなへき。 こえごとにみな慈悲じひありて、 *梵音ぼんのんほがらかにとおれりき。 *しゅきをはりて、 しんはなはだ*かんすらく、 ªこれしんさつなりけり。 いかんぞあやまりてはんぜるº と。 すなはち*遣追けんつい還送げんそうして、 てんじょうかしめき。

我即↠之、無カリキ↢復捨失コト↡。経↢十二年↡其妻命終、生レキ↢忉利天↡。却後三年アリテ、我亦寿尽経↢セシニ断事↡、判↠我↠罪、向ヘキ↢地獄↡。当↢入↠門キキシニ三声↡、我即住立、心ナシ↢歓喜↡、愛楽シテ↠厭↠法タビ弾指、長ヲモテヘキ↠仏。声ゴトニ皆慈悲ニシテ梵音朗カニレリキ。主事聞、心甚愧感セシ、此真菩薩ナリケリ。云何ゼルト。即遣追シテシテ、往カシメキ↢天上↡。

すでにき、 いたりをはりて、 たいげて、 わがつまらいきょうして、 まうさく、 ªだいさいわひにして大恩だいおんけて、 いま済抜さいばつせらる。 すなはちだいいたるまで教勅きょうちょくたがはじº」 と。

、五体↠地、礼↢敬↡白シテイヒシ、大師、幸シテヨクシテ大恩モテレタリ↢済抜↡。乃ルマデ菩提マデニ↠違↢教勅↡。」

^また震旦しんたん (中国) には、 *東晋とうしんよりこのかた*とうちょういたるまで、 弥陀みだぶつねんじてじょうおうじょうせるもの、 *道俗どうぞく男女なんにょあわせてじゅうにんなり。 そうじゅうさんにんろくにんしゃにんざい男女なんにょあわせてじゅうにん。 ¬じょうろん¼ ならびに ¬*瑞応伝ずいおうでん¼ にでたり。 わがちょうおうじょうせるもの、 またそのかずあり。 つぶさには*けいの ¬*ほんおうじょう¼ にあり。 いかにいはんや、 ちょうにありてとくかくし、 山林せんりんのがれたるもの、 ひとしゅしてひとる、 たれかることをんや。

又震ニハ、東晋ヨリ已来マデ↢于唐朝↡、念↢阿弥陀仏↡往↢生セル浄土↡者、道俗・男女、合五十余人ナリ僧廿三人、尼六人、沙弥二人、在家男女合廿四人。出セリ↢¬浄土論¼并¬瑞応¼↡。我往生セル者亦有↢其数↡。具ニハ↢慶氏¬日本往生¼↡。何朝市アリテ↠徳山林タル↠名之者、独、誰↠知コトヲ耶。

 ^*ふ。 下下げげぼんにんひゃくしゃくとは、 りんじゅうおなじくねんじたるに、 しょうちんなんぞべつなる。

。下下品、五百釈子トハ、臨終ゼリ昇沈何コトナル

^こたふ。 ¬*ぐんろん¼ にしていはく、 「ひゃくしゃくは、 ただちちおしえによりてひとたびぶつねんぜしかども、 しかも提心だいしんおこじょううまるることをもとめて、 慇懃おんごん*ざんせざりき。 またかれはしんいたさず、 またただ一念いちねんにしてじゅうねんせざるがゆゑなり」 と。

ラク¬群疑論¼会、「五百釈子、但依↡一タビゼシカドモ↠仏、而リキ↧発↢菩提心↡求↠生レムコトヲ↢浄土↡慇懃慚愧↥。又彼不↠至↠心、復唯一念ニシテルガ↠具↢十念↡故ナリトイヘリ。」

二 Ⅶ 悪趣利益

【65】^だいしち*悪趣あくしゅやくかさば、

第七サバ↢悪趣利益↡者、

^¬だいきょう¼ のだいにのたまはく、 「もしまたひとありて、 ただしんぶつねんじてひとたびもきょうしんをなさば、 われかく、 このひとはまさにはんて、 はんきわつくすべし。 なん、 しばらくにんちゅう念仏ねんぶつどくをばきて、 もしちくしょうありて、 ぶつそんにおいてよくねんをなすものをば、 われまたかく、 その善根ぜんごん福報ふくほう、 まさにはんべし」 と。

¬大悲経¼第二、「若復有↠人、↠仏タビモナサ↢敬信↡、我説カク、是↧得↢涅槃↡、尽↦涅槃↥。阿難、且↢人中念仏功徳ヲバ↡、若↢畜生↡於↢仏世尊↡能サム↠念ヲバ、我亦説カク、其善根福報、当シト↠得↢涅槃↡。」

 ^ふ。 なんらかこれなるや。

。何等ナル耶。

^こたふ。 どうきょうだいさんに、 ぶつなんげたまはく、 「過去かこだいしょうしゅありき。 もろもろの商人あきびと大海だいかいりしに、 そのふね、 にはかに*かつ大魚たいぎょのために、 きたりてらはれんとす。 そのときに、 しょうしゅおよびもろもろの商人あきびとしんおどろいよだちて、 おのおのみなかなしみきて、 *嗚呼おこす。 ªあやしきかな、 かの*えんだいはかくのごとくたのしむべく、 かくのごとく*希有けうなり。 けん人身にんじん、 かくのごとくがたし。 われいままさに父母ぶもべつしぬ。 まい婦児ふにしんしゃくぼうにもべつして、 われさらにざるべし。 またぶつほう衆僧しゅそうをもたてまつることをまじくなりぬº と。 きはめておおきにこくしき。

。同ジキ¬経¼第三、仏告タマハク↢阿難↡、「過去リキ↢大商主↡。↢諸商人於入↢大海ニハカ↢摩竭大魚↡欲シキ↢来クラハレムト、商主及商人、心驚イヨダチ、各皆悲、嗚呼アヤシ哉、彼閻浮提↠是↠楽、如↠是希有ナリ。世間人身如↠是↠得。我今当↧与↢父母↡離別シヌ姉妹・婦児・親戚・朋友ニモ別離、我更↞見。亦不クナリヌト↠得↠見マツルコトヲ↢仏・法・衆僧ヲモ↡。極悲哭シキ

そのときに、 しょうしゅ*ひとへにみぎかたあらわし、 みぎひざけて、 ふねうえじゅうして、 一心いっしんぶつねんじ、 たなごころあわせて礼拝らいはいして、 こえたかくしてとなへていはく、 ª南無なも諸仏しょぶつ*得大とくだい無畏むいしゃだい慈悲じひしゃ*憐愍れんみん一切いっさいしゅじょうしゃº と。 かくのごとくたびしょうするときに、 もろもろの商人あきびと、 またどうにかくのごとくたびしょうしき。 とき竭魚かつぎょぶつみょうごう礼拝らいはいおんじょうきて、 だい愛敬あいぎょうをなし、 きてすなはちくちぢてき。 そのときに、 しょうしゅおよびもろもろの商人あきびと、 みなことごとく安穏あんのんにして、 うおなんまぬかるることをてき。

、商主偏アラハ↢右↡、右↠地、住↢於船↡、一心シテ↠仏、合↠掌礼拝、高クシテ↠声、南無諸仏、得大無畏者、大慈悲者、憐愍一切衆生者。如↠是タビ、諸商人、亦復同時↠是タビシキ。時摩竭魚聞↢仏名号、礼拝音声↡、ナシ↢大愛敬↡、聞テキ↠口。爾、商主及商人皆悉ニシテ、得テキ↠免ルルコトヲ↢魚↡。

とき竭魚かつぎょぶつおんじょうきて、 しんらくをなし、 さらにのもろもろのしゅじょうをも食噉じきだんせざりき。 これによりて命終みょうじゅうしてにんちゅううまるることをてき。 そのぶつみもとにして、 ほうき、 しゅっして、 ぜんしきちかづきて、 阿羅あらかんてき。 なん、 なんぢ、 かのうおの、 ちくしょうどううまれて、 ぶつみなくことをぶつみなきをはりて、 ないはんせることをかんぜよ。 いかにいはんや、 ひとありて、 ぶつみなくことをしょうぼうちょうもんせんをや」 と。

渇魚聞↢仏音声↡心ナシ↢喜楽↡、更リキ↣食↢衆生ヲモ↡。因↠是命終テキ↠生コトヲ↢人中↡。於↢其↡聞↠法、出家キテ↢善知識↡、得テキ↢阿羅漢↡。阿難、汝観ゼヨ↧彼↢畜生道↡、得↠聞コトヲ↡、クコト↢仏↡已、乃至涅槃セルコトヲ↥。何↠人得↠聞コトヲ↢仏↡、聴↢聞ムヲヤト正法↡。

^また ¬*さつ処胎しょたいきょう¼ の 「はち斎品さいぼん」 にのたまはく、 「りゅう*こんちょうのために、 *じゅきていはく、

ªせつはこれぜんぎょうなり。 寿じゅみょうげんじて*ちゅうようあり。

は、 *ちょうむしの、 ひかりてすなはち命終みょうじゅうするがごとし。

かいたもぶつほうずれば、 ちょう寿じゅてんうまるることをて、

*累劫るいこう福徳ふくとくみて、 ちくしょうどうちず。

いまのりゅうしんたれども、 戒徳かいとく清明しょうみょうにしてぎょうず。

*六畜ろくちくのなかにせりといへども、 かならずみづからさいすることをのぞまんº と。

このときに、 りゅう、 このじゅときに、 りゅうりゅうにょしんかいして、 寿じゅおわりてのちに、 みなまさに弥陀みだぶつくにうまるべし」 と。 じょう*はっ斎戒さいかいりゅうなり。

又¬菩薩処胎経¼「八斎品」云、「竜子与↢金翅鳥↡而説↠頌

是不善ナリ↢寿命↡中夭アリ
↢朝露↠光命終ルガ
↠戒タモテ↢仏語↠生コトヲ↢長寿天
累劫↢福徳不↠堕↢畜生道
↢竜身戒徳清明ニシテ
↠堕セリト↢六畜ムト↢自済度セムコトヲ
子説↢此↡時、竜子・竜女、心意開解寿終之後、皆当シト↠生↢阿弥陀仏↡。」已上八斎戒子也

^*しゅの、 ぶつしんじてじょううまるること、 これになぞらへよ。 ごくやくは、 さき国王こくおう因縁いんねん、 ならびにしもしん妙果みょうかのごとし。

余趣↢仏語↡生コト↢浄土↡、准ヘヨ↠之。地獄利益↢前国王因縁、アハセ麁心妙果↡。

^しょやくは、 しも念仏ねんぶつのうのごとし。

諸余利益↢下念仏↡。

念仏証拠

【66】^大文だいもんだいはちに、 *念仏ねんぶつしょうといふは、

大文第八念仏証拠トイフ者、

^ふ、 一切いっさい善業ぜんごうはおのおのやくあり、 おのおのおうじょうすることをてん。 なんがゆゑぞ、 ただ念仏ねんぶつ一門もんすすむる。

一切善業↢利益↡、各テム↢往生コトヲ↡。何唯勧ムル↢念仏一門↡。

^こたふ。 いま念仏ねんぶつすすむることは、 これ種々しゅじゅ妙行みょうぎょう*しゃするにはあらず。 ただこれ、 男女なんにょせん行住ぎょうじゅう坐臥ざが*えらばず、 *しょ諸縁しょえんろんぜずして、 これをしゅするにかたからず、 ないりんじゅうおうじょうがんするに、 その便びんたるは念仏ねんぶつにはしかじ。

。今勧コトハ↢念仏↡、非↣是遮ルニハ↢余種々妙行↡。只是、男女・貴賎、不↠簡↢行住坐臥↡、不シテ↠論↢時処諸縁↡、修ルニ↠之不↠難カラ、乃至臨終願↢求ルニ往生↡、得タルハ↢其便宜↡不↠如↢念仏ニハ↡。

^ゆゑに ¬*木槵もくげんきょう¼ にのたまはく、 「なんこく波瑠璃はるりおう使つかひをつかはして、 ぶつにまうしてまうさく、 ªただねがはくは、 そん、 ことに*みんれて、 われに*要法ようぼうたまひて、 われをしてにちしゅぎょうすることをやすく、 らいのうちにもろもろのおんせしめたまへº と。

¬木槵経¼云、「難陀国波瑠璃王マダシテ↠使↠仏、唯願クハ世尊、特↢慈愍↡、賜↢我要法↡、使タマヘト↧我ヲシテ日夜得↢修行コトヲ↡、未来世遠↦離↥。

ぶつげてのたまはく、 ª大王だいおう、 もし*煩悩ぼんのうしょうほうしょうめっせんとおもはば、 まさに*木槵もくげんいっぴゃくはちつらぬきて、 もつてつねにみづからしたがへて、 もしはぎょう、 もしは、 もしはに、 つねにまさにしんいたして分散ふんさんこころなくして、 *ぶっだつさんしょうしては、 すなはちいち木槵もくげんぐすべし。 かくのごとくして、 もしはじゅう、 もしはじゅう、 もしはひゃく、 もしはせんないひゃく千万せんまんせよ。 もしよくじゅう万遍まんべんてんに、 身心しんしんみだれず、 もろもろの*諂曲てんごくなくは、 いのちてて*だいさんえんてんうまるることをて、 じきねんにして、 つねに安楽あんらくなることをけん。 もしまたよくいっぴゃく万遍まんべんたさば、 まさにひゃくはち*結業けつごう除断じょだんすることをて、 しょうながれそむきて、 はんどうおもむき、 じょうべしº」 と。

仏告、大王、若↠滅ムト↢煩悩障・報障↡者、当↢木槵子一百八↡、以、若行、若坐、若、恒↧至シテ↠心クシテ↢分散意↡、称テハ↢仏陀・達摩・僧伽↡、乃グス↦一木槵子↥。如クシテ↠是、若十、若廿、若百、若千、乃至百千万セヨ。若ムニ↢廿万遍↡、身心不↠乱クハ↢諸諂曲↡者、捨テテ↠命↠生コトヲ↢第三摩天↡、衣食自然ニシテ、常↢安楽ナルコトヲ↡。若復能テテハ↢一百万遍↡者、当シト↧得↣除↢断コトヲ百八結業↡、背キテ↢生死↡、趣↢涅槃↡、獲↦无上↥。」

^いはんやまた、 もろもろの聖教しょうぎょうのなかに、 おお念仏ねんぶつをもつておうじょうごうとなせり。 そのもん、 はなはだおおし。 りゃくしてじゅうもんいださん。

復諸聖教、多↢念仏↡為↢往生↡。其文甚。略↢十↡。

^いちには、 ¬*占察せんざつきょう¼ のかんにのたまはく、 「もしひとほう現在げんざい浄国じょうこくうまれんとおもはば、 まさにかのかいぶつみょうしたがひて、 こころをもつぱらにして誦念じゅねんすべし。 一心いっしんみだれずしてかみのごとく観察かんざつせば、 けつじょうしてかのぶつ浄国じょうこくうまるることを善根ぜんごんぞうじょうして、 すみやかに退たいじょうぜん」 と。 かみのごとき観察かんざつ」 とは、 ぞうさつ*法身ほっしんおよび諸仏しょぶつ法身ほっしんと、 おのがしんと、 びょうどう無二むににして、 しょうめつなり、 じょうらく我浄がじょうなり、 どく円満えんまんせりとかんずるなり。 またしんじょうなること、 まぼろしのごとし、 いとふべしとかんずるなり。

ニハ¬占察経¼下巻、「若人欲↠生ムト↢他方現在浄国↡者、応↧随↢彼世界仏之名字↡、専ニシテ↠意誦念↥。一心シテ↠乱↠上観察セバ者、決定テム↠生コトヲ↢彼浄国善根増長、速ムト↢不退↡。」↠上観察者、観ズルナリ↧於地蔵菩薩法身及諸仏法身、与↢己自身↡平等无二ニシテ、不生不滅ナリ、常楽我浄ナリ、功徳円満セリト↥。又観ズル↢己身无常ナルコト↠幻、可シト↟厭等也

^には、 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)さんぱいごう浅深せんじんありといへども、 しかもつうじてみな 「*一向いっこうにもつぱらりょう寿じゅぶつねんじたてまつれ」 とのたまへり。

ニハ¬双巻経¼三輩之業雖↠有↢浅深↡、然皆云ヘリ↣「一向マツレト↢无量寿仏↡。」

^さんには、 じゅうはちがんのなかに、 念仏ねんぶつもんにおいてべついちがんおこしてのたまはく (大経・上意)、 「ないじゅうねんせん。 もししょうぜずは、 しょうがくらじ」 (第十八願) と。

ニハ八願↢念仏門↡別↢一↡云、「乃至十念セン↠生者、不↠取↢正覚↡。」

^には、 ¬かんぎょう¼ (意) に、 「ごくじゅう悪人あくにんは、 方便ほうべんなし。 ただぶつしょうねんして、 極楽ごくらくしょうずることを」 と。

ニハ¬観¼、「極重悪人クシテ↢他方便↡唯称↢念↡得↠生コトヲ↢極楽↡。」

^には、 どうきょうにのたまはく、 「もししんいたして西方さいほううまれんとおもはば、 づまさにいち*じょうろくぞうの、 いけみずうえにましますとかんずべし」 と。

ニハジキ¬経¼云、「若↣至シテ↠心ムト↢西方者、先シト↠観↣於一丈六スト↢池↡。」

^ろくには、 どうきょうにのたまはく、 「こうみょうあまねく十方じっぽうかい念仏ねんぶつしゅじょうらして、 *摂取せっしゅしててたまはず」 と。

ニハジキ¬経¼云、「光明遍↢十方世界念仏衆生↡、摂取↠捨タマハ。」

^しちには、 ¬*弥陀みだきょう¼ にのたまはく、 「しょう善根ぜんごん福徳ふくとく因縁いんねんをもつて、 かのくにしょうずることをべからず。 もし善男ぜんなんぜん女人にょにんありて、 弥陀みだぶつくをきて、 みょうごう*執持しゅうじして、 もしは一日いちにち もしは七日しちにちすること、 一心いっしんみだれずは、 そのひと命終みょうじゅうときのぞみて、 弥陀みだぶつ、 もろもろのしょうじゅげんじて、 そのまえにましまさん。 このひとおわときに、 しん顛倒てんどうせずしてすなはちおうじょうすることをてん」 と。

ニハ¬阿弥陀経¼云、「不↠可↧以↢少善根福徳因縁↡、得↞生コトヲ↢彼↡。若↢善男子・善女人↡、聞↠説クヲ↢阿弥陀仏↡、執↢持名号↡、若一日 七日スルコト一心シテ↠乱、其人臨命終、阿弥陀仏与↢諸聖衆↡現シテ↢其人終ラム、心不シテ↢顛倒↡即テムト↢往生コトヲ↡。」

^はちには、 ¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「弥陀みだぶつののたまはく、 ªわがくに来生らいしょうせんとおもはば、 つねにわれをねんぜよ。 しばしば、 つねにおもいをもつぱらにしてそくあることなかれ。 かくのごとくせば、 わがくに来生らいしょうすることをんº」 と。

ニハ¬般舟経¼云、「阿弥陀仏、欲↣来↢生ムト↡者、ゼヨ↠我。数数ニシテ↠念↠有コト↢休息↡。如クセバ↠是、得ムト↣来↢生コトヲ↡。」

^には、 ¬*おんじょうきょう¼ にのたまはく、 「もししゅありて、 よくまさしくかのぶつみょうごうじゅせば、 このどくをもつて、 おわらんとほっするときのぞみて、 弥陀みだ、 すなはち大衆だいしゅとこのひとところきて、 それをしてることをしめ、 をはりていでしょうぜん」 と。

ニハ¬鼓音声経¼云、「若↢四衆↡能受↢持セバ名号↡、以↢此功徳↡、臨↢欲セム↠終ムト↡、阿弥陀即与↢大衆↡往↢此↡、令↢其ヲシテ得↟見コトヲ、見已ギテムト。」

^じゅうには、 ¬おうじょうろん¼ (天親の浄土論・意) に、 「かのぶつ*しょうどく観念かんねんするをもつて、 おうじょうごうとなせり」 と。

ニハ¬往生論¼、「以↣観↢念ルヲ依正功徳↡為リト↢往生↡。」

^このなかに、 ¬かんぎょう¼ の下下げげぼん・¬弥陀みだきょう¼・¬おんじょうきょう¼ は、 ただみょうごうねんずるをもつておうじょうごうとなせり。 いかにいはんや、 相好そうごうどく観念かんねんせんをや。

、¬観経¼下下品・¬阿弥陀経¼・¬鼓音声経¼、但↠念ルヲ↢名号↡為↢往生↡。何観↢念ムヲ相好・功徳↡耶。

 ^ふ。 ぎょうに、 いづくんぞ勧信かんしんもんなからんや。

。余ラム↢勧信文↡耶。

^こたふ。 そのぎょうほうは、 ちなみにかのほう種々しゅじゅ*のうかす。 そのなかにおのづからおうじょうくなり。 ただちにおうじょうようべんずるに、 おおく 「念仏ねんぶつ」 といふがごとくにあらず。 いかにいはんや、 ぶつみづからすでにのたまへり、 「まさにわれをねんずべし」 と。 またぶつこうみょうぎょうにん*摂取せっしゅすとはいはず。

。其行法、因↢彼種々功能↡。其クナリ↢往↡。不↠如クニ↧直ルニ↢往生之要↡、多フガ↦念仏↥。何仏自、当シト↠念↠我乎。亦不↠云↣仏光明摂↢取ストハ行人↡。

^これらのもんぶんみょうなり。 なんぞかさねてうたがいをなさんや。

此等文分明ナリ。何ナサ↠疑耶。

 ^ふ。 しょきょう所説しょせつは、 したがひて*万品まんぼんなり。 なんぞ*管見かんけんをもつていちもんしゅうせんや。

。諸経所説↠機万品ナリ。何↢管見↡執セム↢一↡耶。

^こたふ。 *馬鳴めみょうさつの ¬*だいじょうしんろん¼ (意) にいはく、 「またつぎに、 しゅじょうはじめてこのほうがくせんに、 そのしんこうにゃくにして、 信心しんじんじょうじゅすべきことかたきことを*懼畏くいして、 こころに、 退たいしなんとほっせば、 まさにるべし、 如来にょらい*しょう方便ほうべんましまして、 信心しんじんしょうしたまふ。 したがひてしんをもつぱらにしてぶつねんずる因縁いんねんをもつて、 がんしたがひて、 ほうぶつおうじょうすることをるなり。 *しゅ多羅たらくがごとし。 ªもしひともつぱらにして西方さいほう弥陀みだぶつねんじて、 しょ善業ぜんごうをもつてこうして、 かのかいうまれんとがんすれば、 すなはちおうじょうすることをº」 と。

。馬鳴菩薩¬大乗起信論¼云、「復次、衆生初ムニ↢是↡、其心怯ニシテ懼↢畏シテ信心難キコトヲ↟可キコト↢成↡、意↠退ナムト者、当↠知、如来シテ↢勝方便↡摂↢護タマフ信心↡。↢専ニシテ↠心↠仏因縁↡、随↠願ナリ↣往↢生コトヲ他方仏土↡。如↢修多羅クガ↡。若人専ニシテ↢西方阿弥陀仏↡、所作善業ヲモテシテ、願↣求ムト↢彼世界↡、即テム↢往生コトヲ↡。

^あきらかにりぬ、 *かいきょうに、 おお念仏ねんぶつをもつておうじょうようとなせり。 もししからずは、 *さつはすなはち*じんにあらじ。

契経↢念仏↡為↢往生↡。若↠爾者、四依菩薩↢理尽↡。

往生諸行

【67】^大文だいもんだいに、 *おうじょうしょぎょうかさば、 いはく、 極楽ごくらくもとむるものは、 かならずしももつぱらぶつねんぜず。 すべからくぎょうかしておのおのの*ぎょうよくまかすべし。 これにまたあり。 はじめには、 べっしてしょきょうもんかす。 つぎには、 そうじて諸業しょごうけっす。

大文第九サバ↢往生諸行↡者、謂↢極楽↡者不↢必シモ↟仏。須↧明↢余↡任↦各楽欲↥。此亦有↠二。初ニハ↢諸経↡。次ニハ↢諸業↡。

二 Ⅸ 明諸経

【68】^第一だいいちしょきょうかすといふは、 *¬じゅうごんぎょう¼ のげんがん、 ¬*三千さんぜんぶつみょうきょう¼・¬*無字むじほうきょうきょう¼・¬法華ほけきょう¼ とうしょだいじょうきょう、 ¬*ずい¼・¬*そんしょう¼・¬*無垢むくじょうこう¼・¬*にょりん¼・¬*阿嚕あろりき¼・¬*くうけんじゃく¼・¬*こうみょう¼・¬*弥陀みだ¼、 および*りゅうじゅ所感しょかんおうじょうじょうとうしゅなり。 これらの*顕密けんみつしょだいじょうのなかに、 みなじゅ読誦どくじゅとうをもつて、 おうじょう極楽ごくらくごうとなせり。

第一ストイフ↢諸経↡者、¬華厳経¼普賢願・¬三千仏名経¼・¬無字宝篋経¼・¬法華経¼等諸大乗経、¬随求¼・¬尊勝¼・¬無垢浄光¼・¬如意輪¼・¬阿嚕力迦¼・¬不空羂索¼・¬光明¼・¬阿弥陀¼、及龍樹所感往生浄土等ナリ此等顕密諸大乗、皆以↢受持・読誦等↡為↢往生極↡也。

^¬*だい弥陀みだきょう¼ (下) にのたまはく、 「まさに斎戒さいかいし、 一心いっしん清浄しょうじょうにして、 ちゅうにまさにねんじて弥陀みだぶつくにうまれんとほっすべし。 じゅうにちじゅう断絶だんぜつせずは、 われみなこれを*みんしてことごとく弥陀みだぶつくにおうじょうせしめん。 たとひしかするにあたはずは、 みづからゆいし、 よく*きょうせよ。 *だつせんとほっするものは、 まさにねんつべからず。 あいりて、 家事けじおもふことなかれ。 にょゆかおなじくすることなかれ。 みづから身心しんしんなおただしくして、 愛欲あいよくだんじて、 一心いっしん斎戒さいかい清浄しょうじょうにして、 せん弥陀みだ仏国ぶっこくうまれんとねんじて、 一日いちにちいち断絶だんぜつせずは、 寿じゅじゅうしてみなそのくにおうじょうして、 七宝しっぽうよくれんのなかにありてしょうせん」 と。 この ¬きょう¼ (大阿弥陀経) はかいをもつてしゅとなせり。

¬大阿弥陀経¼云、「当斎戒、一心清浄ニシテ、昼夜↢念↟生ムト↢阿弥陀仏↡。十日十夜不↢断絶↡、我皆慈↢愍↡悉メム↣往↢生阿弥陀仏↡。殊使 タトヒ ↠能↠爾スル、自思惟校計シテセム↣度↢脱ムト↡者、不↠当カラ↠絶↠念。去↠愛、勿↠念フコト↢家事↡。莫↧与↢婦女↡同クスルコト↞床。自ナホ↢正クシテ身心↡、断↢於愛欲↡、一心斎戒清浄ニシテ、至シテラヲゼムレムトシテ↢阿弥陀仏国↡一日一夜不↢断絶↡者、寿終皆往↢生↡、在↢七宝浴池蓮華↡化生セムト。」¬経¼以↢持戒↡為↠首

^¬*じゅうおうじょう弥陀みだ仏国ぶっこくきょう¼ (意) にのたまはく、 「われいま、 なんぢがためにく、 じゅうおうじょうあり。 いかなるかじゅうおうじょう

¬十往生弥陀仏国経¼云、「吾今為↠汝、有↢十往生↡。云何ナルガ往生。

いちにはかんじてしょうねんにして、 つねにかんいだきて、 飲食おんじきぶくをもつてぶつおよびそうほどこせば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者観ジテ↠身正念ニシテ↢歓喜↡、以↢飲食・衣服↡施↢仏及↡、往↢生阿弥陀仏↡。

にはしょうねんにして、 みょうりょうやくをもつていちびょう比丘びくおよび一切いっさいしゅじょうほどこせば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、世妙良薬ヲモテ↢一病比丘及以一切衆生↡、往↢生阿弥陀仏↡。

さんにはしょうねんにして、 いち生命しょうみょうをもがいせず、 一切いっさい慈悲じひすれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、不↠害↢一生命ヲモ↡慈↢悲於一切↡、往↢生阿弥陀仏↡。

にはしょうねんにして、 ところしたがひてかいけ、 *じょうをもつて*ぼんぎょうしゅし、 しんにつねによろこびをいだけば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、従ケタルアリテ↢梵行↡、心↠喜、往↢生阿弥陀仏↡。

にはしょうねんにして、 父母ぶも孝順きょうじゅん*ちょう敬重きょうじゅうし、 きょうまんしんいだかざれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、孝↢順於父母↡敬↢重於師長↡、不↠懐↢憍慢↡、往↢生阿弥陀仏↡。

ろくにはしょうねんにして、 僧房そうぼう往詣おうげいとうぎょうし、 ほうきていちをもさとれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、往↢詣於僧↡恭↢敬於塔寺↡、聞↠法サト↢一義ヲモ↡、往↢生阿弥陀仏↡。

しちにはしょうねんにして、 *一日いちにちいっ宿しゅくのうちに*はっ戒斎かいさいじゅし、 一日いちにちいっ宿しゅくのうちにじゅしていちやぶらざれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、一日一宿受↢持八戒斎↡、一日一宿受持↠破↠一、往↢生阿弥陀仏↡。

はちにはしょうねんにして、 もしよく斎月さいがつ斎日さいにちのうちに房舎ぼうしゃおんしてつねにぜんいたれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、若斎月・斎日遠↢離於房舎↡常↢於善師↡、往↢生阿弥陀仏↡。

にはしょうねんにして、 つねによくじょうかいたもち、 勤修ごんしゅしてぜんじょうねがひ、 ほうまもあっせず、 もしよくかくのごとくぎょうずれば、 弥陀みだぶつくにおうじょうす。

者正念ニシテ、常↢浄戒↡、勤修↢禅定↡、護↠法不↢悪口↡、若↠是、往↢生阿弥陀仏↡。

じゅうにはしょうねんにして、 もし*じょうどうにおいてほうしんおこさず、 しょうじんしてじょうかいたもちて、 またのものをおしへてこのきょうぼう流布るふし、 りょうしゅうきょうす。 かくのごときもろもろのひと、 ことごとくみな弥陀みだぶつくにおうじょうすることを」 と。

者正念ニシテ、若↢無上道↡不↠起↢誹謗↡、精進↢浄戒↡、復教↢無智↡流↢布経法↡教↢化無量↠是人等、皆得トイヘリ↣往↢生コトヲ阿弥陀仏↡。」

^¬*ろくもんきょう¼ にのたまはく、 「ぶつきたまへるところのごとく、 弥陀みだぶつどくやくがんじて、 もしよくじゅうねん相続そうぞくして、 だんぶつねんずるものは、 すなはちおうじょうすることを。 まさにいかんがねんずべし。 ぶつののたまはく、 ªおほよそじゅうねんあり。 なんらをかじゅうとなす。

¬弥勒問経¼云、「如↢仏↟説タマヘル、願↢阿弥陀仏功徳・利益↡、若十念相続↠仏、即↢往生コトヲ↡。当↢云何↡。仏、凡↢十念↡。何等ヲカ↠十

いちには、 もろもろのしゅじょうにおいて、 つねにしんしょうじてそのぎょうやぶらざること、 もしそのぎょうやぶればつひにおうじょうせず。

者於↢諸衆生↡常↢慈心↡不コトヤブ↡、若ヤブレ↢其↡終不↢往生↡。

には、 もろもろのしゅじょうにおいて、 つねにしんおこして残害ざんがいこころのぞくこと、

者於↢諸衆生↡常↢悲心↡除コト↢残害

さんには、 法心ほうしんおこしてしんみょうしまざること、 一切いっさいほうにおいてほうをなさざること、

者発↢護法心↡不ルコト↠惜↢身命↡、於↢一切↡不コト↢誹謗↡、

には、 忍辱にんにくのなかにおいてけつじょうしんしょうずること、

者於↢忍辱↡生ズルコト↢決定心↡、

には、 深心じんしん清浄しょうじょうにして*ようぜんせざること、

者深心清浄ニシテコト↠染↢利養↡、

ろくには、 *一切いっさいしんおこして日々にちにちにつねにねんじて、 廃忘はいもうあることなきこと、

者発↢一切智↡日々コト↠有コト癈忘↡、

しちには、 もろもろのしゅじょうにおいて、 そんじゅうしんおこし、 *まんしんのぞき、 *けんして言説ごんせつすること、

者於↢諸衆生↡起↢尊重↡、除↢我慢↡、謙下言説スルコト

はちには、 *談話たんかいにおいてじゃくをなさざること、

者於↢世談話↡不コト↢味著↡、

には、 かくちかづき、 ふか種々しゅじゅ善根ぜんごん因縁いんねんおこし、 *かいにょう散乱さんらんしんおんすること、

者近ヅキ↢於覚ヲモテ↢種々善根因縁↡、遠↢離スルコト憒鬧・散乱之心↡、

じゅうには、 しょうねんにしてぶつかんじて諸想しょそうじょすることなりº」 と。

者正念ニシテジテ↠仏除↢去スルコトナリト諸想↡。」

^¬ほうしゃくきょう¼ のだいじゅうに、 ぶつまたこのじっしんをもつてろくといこたへたまへり。 そのなかのだいろくしんにいはく、 「*ぶつしゅもとめて、 一切いっさいときにおいて忘失もうしつするしんなし」 と。 そのしゅは、 もんすこことなりといへども、 こころさきの ¬きょう¼ (弥勒問経)おなじ。 ただ ¬きょう¼ (宝積経)もんにのたまはく、 「もしひと、 このじっしゅしんのうちにおいて、 したがひて一心いっしんじょうじて、 かのぶつかいおうじょうせんと*ぎょうよくせんに、 もししょうずることをずといはば、 このことわりあることなからん」 と。 あきらけし、 かならずしもじゅうしておうじょうごうとなすにはあらざるなり。

¬宝積経¼第九十二、仏亦以↢此十心↡答タマヘリ↢弥勒↡。其第六、「求↢仏種智↡、於↢一切↡無シトイヘリ↣忘スルコト。」其九種、文雖↢少リト↡、意↢前¬経¼↡。但¬¼文、「若人於↢此十種↡、随↢一心↡楽↣欲ムニ往↢生ムト世界↡、若トイハバ↠得↠生コトヲ、無ムトイヘリ↠有コト↢是コトワリ↡。」ケシ↣必シモ↠十ニハ↢往生↡也。

^¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「かのくにうまれんとおもはば、 まさに*さんぷくしゅすべし。 いちには父母ぶもきょうようし、 *ちょう*奉事ぶじし、 しんをもつてせっせず、 *じゅう善業ぜんごうしゅすること、 には*さんじゅし、 *衆戒しゅかいそくし、 威儀いぎぼんせざること、 さんには提心だいしんおこし、 ふかいんしんじ、 だいじょう読誦どくじゅし、 ぎょうじゃ*勧進かんじんすることなり。 かくのごときさんづけて*じょうごうとなす。 ぶつだいげたまはく、 ªなんぢいまるやいなや。 この三種さんしゅごうは、 過去かこらい現在げんざいさん諸仏しょぶつ浄業じょうごうしょういんなりº」 と。

¬観経¼云、「欲↠生ムト↢彼↡者、当↠修↢三↡。一者孝↢養父母↡、奉↢事師長↡、慈心ヲモテ不↠殺、修スルコト↢十善業↡、二者受↢持三帰↡、具↢足衆戒↡、不コト↠犯↢威儀↡、三者発↢菩提心↡、深↢因果↡、読↢誦大乗↡、勧↢進スルコトナリ行者↠此三事↢浄業↡。仏告タマハク↢韋提希↡、汝今知ルヤ。此三種過去・未来・現在三世諸仏浄業正因ナリト。」

^またのたまはく (観経・意)、 「じょうぼん上生じょうしょうといふは、 もししゅじょうありて、 かのくにしょうぜんとがんぜば、 三種さんしゅしんおこして即便すなわちおうじょうす。 なんらをかさんとなす。 いちには*じょうしんには*深心じんしんさんには*こう発願心ほつがんしんなり。 さんしんせるものはかならずかのくにうまる。

又云、「上品上生トイフ者、若↢衆生↡願↠生ムト↢彼者、発↢三種↡即便往生。何等ヲカ↠三。一者至誠心、二者深心、三者廻向発願心ナリ。具セル↢三心↡者↢彼↡。

^また三種さんしゅしゅじょうありて、 まさにおうじょうすることをべし。 なんらをかさんとなす。 いちにはしんにしてせっせず、 もろもろのかいぎょうすること、 には*だいじょう*方等ほうどうきょうてん読誦どくじゅすること、 さんには*六念ろくねんしゅぎょうして、 こう発願ほつがんしてかのくにうまれんとがんずることなり。 このどくすること、 一日いちにちない七日しちにちにして、 すなはちおうじょうすることを

復有↢三種衆生↡、当↠得↢往生コトヲ↡。何等ヲカ↠三。一者慈心ニシテ不↠殺、具ルコト↢諸戒行↡、二者読↢誦スルコト大乗方等経典↡、三者修↢行六念↡、廻向発願ズルコトナリ↠生ムト↢彼↡。具コト↢此功徳↡一日乃至七日スルハ↢往生コトヲ↡。

^じょうぼん中生ちゅうしょうといふは、 かならずしも方等ほうどうきょうてんじゅせざれども、 よくしゅさとりて、 *第一だいいちにおいてしんきょうどうせず、 ふかいんしんだいじょうほうぜず。 このどくをもつて、 こうして極楽ごくらくこくうまれんとがんするなり。

上品中生トイフ者、不シテ↣必シモ受↢持方等経典↡、善サトリ↢義趣↡、於↢第一義↡心不↢驚動↡、深↢因果↡不シテ↠謗↢大乗↢此功徳↡廻向願↣求ルナリムト↢極楽国↡。

^じょうぼんしょうといふは、 またいんしんだいじょうほうぜず。 ただ*じょうどうしんおこして、 このどくをもつて、 こうして極楽ごくらくうまれんとがんするなり。

上品下生トイフ者、亦信↢因果↡不シテ↠謗↢大乗但発↢无上道↡、以↢此功徳↡廻向願↣求ルナリムト↢極楽↡。

^ちゅうぼん上生じょうしょうといふは、 もししゅじょうありて、 *かいじゅし、 *はっ戒斎かいさいたもち、 もろもろのかいしゅぎょうして*ぎゃくつくらず、 もろもろの*げんなからん。 この善根ぜんごんをもつて、 こうしてがんするなり。

中品上生トイフ者、若↢衆生↡受↢持五戒↡、持↢八戒斎↡、修↢行↡、不↠造↢五逆↡、无クシテ患↡↢此善根↡廻向願求ルナリ

^ちゅうぼん中生ちゅうしょうといふは、 もししゅじょうありて、 もしは一日いちにちいちはっ戒斎かいさいけ、 もしは一日いちにちいち*しゃかいたもち、 一日いちにちいち*そくかいたもち、 威儀いぎくることなし。 このどくをもつて、 こうしてがんするなり。

中品中生トイフ者、若↢衆生↡若一日一夜受↢八戒斎↡、若一日一夜持沙弥↡、一日一夜持↢具足戒↡、威儀无クシテ↠欠コト↢此功徳↡廻向願求ルナリ

^ちゅうぼんしょうといふは、 もし善男ぜんなんぜん女人にょにんありて、 父母ぶもきょうようし、 にんぎょうずるなり。

中品下生トイフ者、若↢善男子・善女人↡孝↢養父母↡、行ルナリ↢世仁慈↡。

^ぼん上生じょうしょうといふは、 あるいはしゅじょうありて、 もろもろの悪業あくごうつくらん。 方等ほうどうきょうてんほうせずといへども、 かくのごときにんおおくもろもろの悪法あくほうつくりてざんあることなからん。 おわりにのぞみて*じゅうきょう*首題しゅだいみょうき、 およびがっしょうして ª南無なも弥陀みだぶつº としょうするなり。

下品上生トイフ者、或↢衆生↡作↢衆悪業↠不↣誹↢謗方等経典↡、如↠此愚人、多↢衆悪法↡無ラム↠有コト↢慚愧↡。臨↠終↢十二部経首題名字↡、及合掌ルナリ↢南無阿弥陀仏↡。

^ぼん中生ちゅうしょうといふは、 あるいはしゅじょうありて、 かいはっかいおよびそくかいぼんせらん。 かくのごときにんいのちおわらんとほっするときに、 ごくしゅいちにともにいたらん。 ぜんしきの、 だい慈悲じひをもつて、 ために弥陀みだぶつ*じゅうりきとくき、 ひろくかのぶつ*こうみょう神力じんりきき、 また*かいじょうだつけんさんずるにはん。 このひときをはりてはちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞくなり。

下品中生トイフ者、或↢衆生↡毀↢犯セラム五戒・八戒具足戒↡。如↠此愚人、命欲セム↠終ムト、地獄衆火一時。遇ヒテ↧善知識↢大慈悲↡為↢阿弥陀仏十力威徳↡、広↢彼光明神力↡、亦讃ルニ↦戒・定・恵・解脱・知見人聞ナリ↢八十億劫生死之罪↡。

^ぼんしょうといふは、 あるいはしゅじょうありて、 善業ぜんごうたる*ぎゃく*じゅうあくつくり、 もろもろのぜんせん。 かくのごときにん悪業あくごうをもつてのゆゑに悪道あくどうつべからん。 命終みょうじゅうときのぞみて、 ぜんしきひて、 ぶつねんずることあたはずといへども、 ただしんいたしてこえをしてえざらしめて、 じゅうねんそくして ª南無なもりょう寿じゅぶつº としょうせん。 ぶつみなしょうせんがゆゑに、 念々ねんねんのうちにはちじゅう億劫おくこうしょうつみのぞくなり」 と。

下品下生トイフ者、或↢衆生↡作↢不善業タル・五逆・十悪↡、具↢諸不善↡。如↠此愚人、以↢悪業↡故カラム↠堕↢悪道↡。臨↢命終↢善知識↡、雖↠不↠念コト↠仏、但至シテ↠心↢声ヲシテ↟絶、具↢足十念↡称↢南無無量寿仏↡。称ルガ↢仏↡故、於↢念々↡除ナリト↢八十億劫生死之罪↡。」

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)*さんぱいごうもまたこれをでず。

¬双巻経¼三輩亦不↠出↠此

^¬かんぎょう¼ には、 *じゅうろっかんをもつておうじょういんとなせり。

¬観経ニハ¼以↢十六観↡為↢往生↡。

^¬ほうしゃくきょう¼ にかく、 仏前ぶつぜんれんしょうするに、 因縁いんねんありと。 (同) にのたまはく、

こうをもつてぶつおよび*だいさんずると、 がいせざると、 ならびにぞうつくると、

だいだいにおいてふかしんするとは、 れんしょして仏前ぶつぜんうまるることを」 と。

¬宝積経¼説カク、仏前ニシテ蓮華ヨリ化生ルニリト↢四因縁↡。偈

「華香ヲモテジテ↢仏及支提ルト↠害↢於他↡并ルト↠像
↢大菩提↡深信解スルトイヘリ↧処↢蓮華↡生コトヲ↦仏前↥」

^しげいださず。

不↢↡。

二 Ⅸ 総結諸業

【69】^だいそうじて諸業しょごうけっすといふは、 ˆじょうようˇ *おんほっじょう因要いんよういだせるに、 あり。 「いちにはかんしゅしておうじょうすること、 じゅうろっかんのごときなり。 にはごうしゅしておうじょうすること、 *さん福業ぷくごうのごときなり。 さんにはしんしゅしておうじょうすること、 じょうとうさんしんなり。 にはこうしておうじょうする、 じょうきてこうし、 しょうねんし、 讃嘆さんだんすることなり」 (観経義疏・意) と。

第二ストイフ↢諸業↡者、恵遠法師出↢浄土↠四。「一ニハ↠観往生スルコト、如キナリ↢十六観↡。二ニハ↠業往生スルコト、如キナリ↢三福業↡。三ニハ↠心往生スルコト、至誠等ナリ。四ニハ帰向往生スル、聞↢浄土↡帰向、称念、讃嘆スルコト等也イヘリ。」

^いまわたくしにいはく、 しょきょうぎょうごうそうじてこれをいへば、 *¬梵網ぼんもう¼ 戒品かいぼんでず。 べっしてこれをろんずれば、 *ろくでず。 くわしくそのそうかせば、 そのじゅうさんあり。 いちには*ざいほうとうには*さん*かい*はっかい*じっかいとうしょうかいぎょうさんには*忍辱にんにくには*しょうじんには*ぜんじょうろくには*般若はんにゃ第一だいいちしんずることこれなり。 しちには提心だいしんおこすこと、 はちには六念ろくねんしゅぎょうすること、 ぶつぽうそうかいてん、 これを六念ろくねんといふ。 じゅうろく想観そうかんはまたこれをでず。 にはだいじょう読誦どくじゅすること、 じゅうには仏法ぶっぽうしゅすること、 じゅういちには父母ぶも孝順きょうじゅん*ちょう奉事ぶじすること、 じゅうにはきょうまんをなさざること、 じゅうさんには*ようぜんせざることなり。

今私、諸経行業、総而言↠之、不↠出↢¬梵網¼「戒品」↡。別而論レバ↠之、不↠出↢六度↡。クハシ↢其↡、有↢其十三↡。一者財・法等者三帰・五戒・八戒・十戒多少戒行者忍ニハ精進ニハ禅定ニハ般若ズルコト↢第一義↡等是也。七ニハコト↢菩提心ニハ修↢行スルコト六念↡、仏・法・僧・戒・施・天、謂↢之六念↡。十六想観亦不↠出↠之ニハ読↢誦スルコト大乗↡ニハ守↢護スルコト仏法十一ニハ孝↢順父母↡奉↢事スルコト師長十二ニハコト↢憍慢↡。十三ニハコト↠染↢利養↡也。

^*¬だいじゅう¼ の 「月蔵がつぞうぶん」 のにのたまはく、

このみしげければ、 すみやかにみづからがいするがごとし。 ちくむすぶもまたかくのごとし。

*にんかいすれば、 しんほろぼすがごとし。 無智むちにしてもとむるもまたしかり。

もし比丘びくありて、 ようよう楽求ぎょうぐかたじゃくするものは、

においてさらにかくのごときあくはなし。 ゆゑにだつどうざらしむ。

かくのごとくしてようとんするものは、 すでにどうをはりぬれども、 かえりてまたうしなふ」 と。

¬大集¼「月蔵分」偈

「如↢樹菓繁レバルガブモ↠実亦如↠是
↣任騾ハラメボスガ↢自身無智ニシテルモ↠利亦復然
↢比丘↡得↢供養楽↢求利養↡堅
↠世↢如↠此↠不↠得↢解脱
クシテ↠是貪↢求利養↡者得↠道ヌレドモ復失フト

^また ¬*仏蔵ぶつぞうきょう¼ に、 *しょうぶつしてのたまはく、 「*しゃ牟尼むにぶつおおようけたまはんがゆゑに、 ほうまさにめっすべし」 と。

又¬仏蔵経¼、迦葉仏記、「釈迦牟尼仏タマハムガ↢供養↡故、法当シト↢疾↡。」

^如来にょらいなほしかり。 いかにいはんやぼんをや。 大象だいぞうまどづるに、 つひにいちのためにへらる。 ぎょうにんいえでたれども、 つひに*みょうのためにばくせらる。 すなはちりぬ、 しゅつさいあだは、 みょうよりだいなるものはなし。 ただ浄名じょうみょうだい (維摩詰) は、 いえにあれどもしんいえで、 *薬王やくおうほんは、 *塵寰じんかんりて*雪山せっせんせり。 いまのぎょうにんもまたかくのごとくすべし。 みづから*こんじょうはかりて、 これをしんせよ。 もしそのしんせいすることあたはずは、 なほすべからくそのるべし。 *あさのなかのよもぎ*へんうまやこういづれにかよれるや。 ¬仏蔵ぶつぞうきょう¼ を是非ぜひるべし。

如来尚爾。何凡夫ヲヤ。大象出ルニ↠窓、遂↢一↡所↠礙。行人出タレドモ↠家、遂↢名利↡所↠縛。則出離最後之怨↧大ナル↢名利ヨリ↡者↥也。但浄名大士、身リテ↠家タリ↠家薬王、本事サリ↢塵寰↡居セリ雪山↡。今行人亦応↠如クス↠是。自ハカリ↢根性↡而シテ進↢止セヨ↡。若↠能↠制コト↢其↡、猶須↢於其↡。麻中之蓬、屠辺之キサヤ、好悪由レル↠何レニカ乎。↧見↢¬仏蔵経¼↡知↦是

問答料簡

【70】^大文だいもんだいじゅうに、 *問答もんどうりょうけんといふは、 りゃくしてじゅうあり。 いちには極楽ごくらくしょうにはおうじょうかいさんにはおうじょうしょうにはじんじょう念相ねんそうにはりんじゅう念相ねんそうろくにはしんみょうしちにはしょぎょうしょうれつはちにはしん因縁いんねんには助道じょどうえんじゅうには助道じょどう人法にんぼうなり。

大文第十、問答料簡セバ者、略↢十事↡。一ニハ極楽依正ニハ往生階位ニハ往生多少ニハ尋常念相ニハ臨終ニハ念相ニハ麁心妙果ニハ諸行勝劣ニハ因縁ニハ助道資縁ニハ助道人法ナリ

二 Ⅹ 極楽依正

【71】^第一だいいち極楽ごくらく*しょうといふは、

第一極楽依正トイフ者、

^ふ、 弥陀みだぶつ極楽ごくらくじょうは、 これいづれの、 いづれのぞや。

阿弥陀仏極楽浄土是何レノ身何レノ耶。

^こたふ。 天台てんだい (*智顗) のいはく (観経天台疏・意)、 「*応身おうじんぶつ*どうなり」 と。

。天臺、「応身仏、同居ナリト。」

^*おんほっ (浄影寺*慧遠) のいはく、 「これ応身おうじんおうり」 と。

遠法師、「是応身応土ナリト。」

^しゃくほっ (*道綽) のいはく、 「これ*報仏ほうぶつ*ほうなり。 きゅう、 あひつたへて、 みな ª*化土けど*しんなりº といふ。 これをおおきにしっせりとなす。 ¬*だいじょうどうしょうきょう¼ によりていはく、 ªじょうのなかにしてじょうぶつするものは、 ことごとくこれ*報身ほうじんなり。 穢土えどのなかにしてじょうぶつするものは、 ことごとくこれしんなりº と。 またかの ¬きょう¼ (大乗同性経) にのたまはく、 ª弥陀みだ如来にょらいれんかいしょうおう如来にょらいりゅうしゅ如来にょらい宝徳ほうとく如来にょらいとうの、 もろもろの如来にょらい清浄しょうじょう*仏刹ぶっせつにして、 げん得道とくどうするもの、 まさに得道とくどうすべきもの、 かくのごとき一切いっさいはみなこれ報身ほうじんぶつなり。 何者なにもの如来にょらいしんとならば、 なほ今日こんにち踊歩ゆぶごん如来にょらい恐怖くふ如来にょらいとうのごときなりº」 と。 じょう ¬安楽あんらくしゅう¼ (上・意)。

綽法師、「是報仏報土ナリ。古旧等相、皆云↢化土化身ナリ↡。此↢大セリト↡。依↢¬大乗同性経¼↡云、浄土ニシテ成仏是報身ナリ。穢土ニシテ成仏是化身ナリト。又彼¬経¼云、阿弥陀如来・蓮花開敷星王如来・竜主如来・宝徳如来等、諸如来清浄仏刹ニシテ得道者、当↢得道シタマフ↡者、如↠是一切皆是報身仏也。何者如来化身トナラバナホキナリト↢今日踊歩健如来・魔恐怖如来等↡。」已上¬安楽集¼

 ^ふ。 かのぶつじょうどうしたまひて、 すでに久如いくひさしとかせん。

。彼仏成道タマヒテ、為↢已久如イクヒサシトカ↡。

^こたふ。 *しょきょうに 「じっこう」 とのたまひ、 ¬だい弥陀みだきょう¼ (上) には 「じっしょうこう」 とのたまひ、 ¬びょう等覚どうがくきょう¼ (一) には 「じゅうはちこう」 とのたまひ、 ¬しょうさんじょうきょう¼ には 「じゅう大劫だいこう」 とのたまへり。 じゃしょうりがたし。 ただ ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経)*きょうごうの ¬しょ¼ (*述文賛) に、 ¬びょうどうきょう¼ をしていはく、 「じゅうはちこうとは、 それしょうの、 そのなかのてんけっせるなり」 と。

。諸ヘリ↢十劫¬大阿弥陀経ニハ¼云ヘリ↢「十小劫」↡¬平等覚経¼云ヘリ↢「十八劫」↡¬称讃浄土経¼云ヘリ↢「十大劫」↡。邪正難↠知。但¬双巻経¼憬興師¬疏¼、会↢¬平等経¼↡云、「十八劫者、其セルナリトイヘリ↢其↡矣。」

 ^ふ。 らい寿じゅはいくばくぞ。

。未来寿幾何イクバク

^こたふ。 ¬*小経しょうきょう¼ に、 「りょうへんそうこう」 とのたまへり。

。¬小経¼云↢「无量无辺阿僧祇劫」↡。

^¬*観音かんのんじゅきょう¼ (意) にのたまへり、 「弥陀みだぶつ寿じゅみょうりょうひゃく千億せんおくこうにして、 まさにしゅうごくあるべし。 ぶつ*はんのちに、 しょうぼうじゅうすること、 ぶつ寿じゅみょうひとしからん。 善男ぜんなん弥陀みだぶつしょうぼうめっしてのちに、 *ちゅうぶんぐしてみょうそうづるときに、 かんおんさつだいじゅにしてとうしょうがくじょうじ、 こうどく山王せんのう如来にょらいごうせん。 そのぶつこくには、 しょうもん縁覚えんがくあることなからん。 そのぶつこくを、 衆宝しゅぼうじゅうしょうごんごうせん。 こうどく如来にょらいはんしたまひて、 しょうぼうめっしてのちに、 大勢だいせいさつ、 すなはちそのくににしてじょうぶつし、 ぜんじゅうどく宝王ほうおう如来にょらいごうせん。 こくこうみょう寿じゅみょうないほうじゅうすること、 ひとしくしてことなることあることなからん」 と。

¬観音授記経¼云ハク、「阿弥陀仏寿命無量百千億劫ニシテ、当↠有↢終極↡。仏涅槃正法セムコト↠世、等シカラム↢仏寿命↡。善男子、阿弥陀仏正法シテ、過グシテ↢中夜↡明相デム、観世音菩薩於↢菩提樹下↡成ラム↢等正覚セム↢普光功徳山王如来↡。其国土ニハ、無↠有コト↢声聞・縁覚之名↡。其国土セム↢衆宝普集荘厳↡。普光功徳如来涅槃タマヒテ、正法滅、大勢至菩薩即↢其↡成ラムセム↢善住功徳宝王如来↡。国土・光明・寿命、乃至法セムコト、等クシテムト↠有コト↠異ナルコト。」

 ^ふ。 ¬*どう性経しょうきょう¼ には 「報身ほうじん」 とのたまひ、 ¬*じゅきょう¼ には 「にゅうめつ」 とのたまふ。 きょうそうしょいかんが*する。

。¬同性経ニハ¼云↢「報身」↡¬授記経ニハ¼云↢「入滅」↡。二相違諸師何スル

^こたふ。 しゃくぜん (道綽)¬じゅきょう¼ をしていはく (安楽集・上)、 「これはこれ報身ほうじんの、 *隠没おんもつそうげんずるなり。 *めつにはあらず」 と。

綽禅師会↢¬授記経¼↡云、「此是報身ズルナリ↢隠没↡。非↢滅度ニハ↡也。」

^*ざい¬どう性経しょうきょう¼ をしていはく (浄土論)、 「じょうのなかにしてぶつになるをはんじてほうとなすことは、 これ*受用じゅゆうしんなり。 じつ報身ほうじんにはあらず」 と。

迦才会↢¬同性経¼↡云、「浄土ニシテルヲ↠仏コト↠報者、是受用事身ナリ。非ズト↢実報身ニハ↡也。」

 ^ふ。 何者なにものをかしょうとなすや。

。何者ヲカ↠正耶。

^こたふ。 ざいのいはく (浄土論)、 「しゅじょうぎょうにすでに*せんじゅあれば、 おうじょうしてることまた万別まんべつあるなり。 もしこのつくらば、 しょきょうろんのなかに、 あるいははんじてほうとなし、 あるいははんじてとなすこと、 みな妨難ぼうなんなし。 ただ諸仏しょぶつしゅぎょう、 つぶさにほうかんずることをれ。 ^¬*しょうろん¼ のごときには ª*ぎょうかんず、 しょうたいほうかんずº といへり。 *もしはほう、 もしは、 みなしゅじょうじょうじゅせんとほっすなり。 これすなはち、 むなしくもうけず、 ぎょうむなしくしゅせず。 ただぶつしんじて、 きょうによりてせんにしてねんずれば、 すなはちおうじょうすることを。 またすべからくほうとを図度はかるべからず」 と。

。迦才、「衆生起行↢千殊↡、往生コト↠土亦有↢万別↡也。若ラバ↢此↡者、諸経論↠報、或コト↠化、皆無↢妨難↡也。但知↣諸仏修行具コトヲ↢報・化↡也。如キニハ↢¬摂論¼↡加行↠化、正体ズトイヘリ↠報。若報若化、皆欲ナリ↣成↢ムト衆生↡。此則不↢虚↡、行不↢空↡。但信↢仏語↡依↠経スルニ、即得↢往生コトヲ↡。亦不↠須カラ図↢度  ハカ  之与↟化也。」

^このしゃくし。 すべからくもつぱらにしてしょうねんすべし。 いたわしく分別ふんべつすることなかれ。

釈善矣。須↢専ニシテ称念↡。勿イタハシ分別コト↡。

 ^ふ。 かのぶつ相好そうごう、 なにをもつてかどうなる。

。彼相好何不同ナル

^こたふ。 ¬観仏かんぶつきょう¼ に、 諸仏しょぶつ相好そうごうきてのたまはく、 「にんそうどうずるがゆゑに*さんじゅうき、 もろもろのてんすぐれたるがゆゑに*はちじゅうこうく。 もろもろのさつのためには、 八万はちまんせんのもろもろのみょう相好そうごうく」 と。 かのぶつこれになぞらへよ。

。¬観仏経¼↢諸仏相好↡云、「同ルガ↢人↡故↢卅二レタルガ↢諸↡故↢八↡。為ニハ↢諸菩薩↡説クトイヘリ↢八万四千妙相好↡。」 仏准ヘヨ↠之

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・上) にのたまはく、 「かのぶつ*道樹どうじゅたかひゃくまんなり」 と。 *¬ほうしゃくきょう¼ にのたまはく、 「道樹どうじゅたかじゅうろくおくじゅんなり」 と。 ¬じゅうおうじょうきょう¼ にのたまはく、 「道樹どうじゅたかじゅうまんじゅんなり。 じゅ獅子ししあり、 たかひゃくじゅんなり」 と。 ¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「ぶつ身量しんりょうろくじゅう万億まんおく那由なゆごうしゃじゅんなり」 と。 *じゅ仏身ぶっしんと、 なんぞあひかなはざる。

。¬双巻経¼云、「彼道樹四百万里ナリ。」¬宝積経¼云、「道樹十六億由旬ナリ。」¬十往生経¼云、「道樹万由旬ナリ。樹下↢師子座↡、高五百由旬ナリト。」¬観経¼云、「仏量六十万億那由他恒河沙由旬ナリト。」仏身↢相カナ↡。

^こたふ。 異解いげどうなり。 あるいはしゃくすらく、 「*ぶつきょうがいだいしょうあひへず」 と。 あるいはしゃくすらく、 「*応仏おうぶつせてじゅりょうき、 真仏しんぶつせてしんりょうく」 と。 またおおくのしゃくあり。 つぶさにぶべからずと。

。異解不同ナリ。或スラク、仏境界大小不↢相↡。或スラク、寄↢応仏↡説↢樹量↢真仏↡説クト↢身量↡。又有↢多クノ釈↡。不↠可↢具↡。

 ^ふ。 ¬ごんぎょう¼ (意) にのたまはく、 「*しゃかい一劫いっこう極楽ごくらくこく一日いちにちいちとなす」 といへり。 これによりてまさにるべし、 じょうぼん中生ちゅうしょうの、 *宿しゅくはなひらくるは、 このけん半劫はんこうあたれり。 ない下下げげしょうじゅうこうは、 このけん*ごうしゃ塵数じんじゅこうあたれり。 なんぞ極楽ごくらくづけん。

。¬華厳経¼云、「娑婆世界一劫↢極楽国一日一夜↡」等イヘリ↠此↠知、上品中生↠宿華開クルハ、当レリ↢此半劫↡。乃至下々生十二劫、当レリ↢此河沙塵数↡。何↢極楽↡。

^こたふ。 たとひ恒沙ごうじゃこうれんひらけずとも、 すでにすこしきなし、 あに極楽ごくらくにあらずや。

。設↢恒沙劫↡蓮花不トモ↠開、既↢微苦↡、豈ズヤ↢極楽↡。

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) にのたまふがごとし、 「その*たいしょうのもののところするところの殿でんは、 あるいはひゃくじゅん、 あるいはひゃくじゅんなり。 おのおのそのなかにしてもろもろのらくくること、 とうてんのごとし」 と。

↢¬双巻経¼云フガ↡、「其胎生↠処宮殿、或百由旬、或五百由旬ナリ。各↢其↡受コト↢諸快楽↡如シト↢忉利天↡。」

^あるのいはく、 「*たいしょうは、 これ*ちゅうぼんぼん」 と。

、「胎生是中品下ナリト。」

^あるはいはく、 「*ぼんせっせざるところなり」 と。

、「九品ナリト↠不↠摂。」

^せつありといへどもらくべつならず。 いかにいはんや、 かのぼんるところのにちはんずること、 しょどうなるをや。 かんきょうとうしょは、 かのこくにち劫数ごうしゅなりとゆるすは、 まことにむるところにあたれり。 あるのいはく、 「*ぶつ、 このにちをもつて、 これをきて、 しゅじょうをしてらしめたまふ」 と。

↠有↢異説↡快楽不↠別ナラ。何コト↢彼九品日時↡、諸師不同ナリ。懐感・智憬等諸師、許↢彼国土日夜劫数ナリトレリ↠所↠責。有、「仏以日夜↡説↠之、令タマフト↢衆生ヲシテ↡。」

^いまいはく、 のちしゃくとがなし。 しばらくれいをもつて*じょじょうせん。

今謂、後釈無↠失。且↢四↡助成セム

^いちには、 かのぶつしんりょう、 そこばくじゅんといふは、 かのぶつぶんをもつて、 かさねてかのじゅんとなせるにあらず。 もししからずは、 しゅせんのごときちょうだいにんの、 いち毛端もうたんをもつて、 そのゆびふしとなさんにたるべし。 ゆゑにりぬ、 ぶつゆびりょうをもつて仏身ぶっしんちょうたんかずといふことを。 なんぞかならずしも、 じょう*こくをもつてはなひらくるそくかんや。

者彼身量若干ソコバク由旬、不↧以↢彼↡畳ムデ↦彼由旬↥也。若↠爾者、応↠似タル↧如↢須弥山↡長大之人↢一毛端↡為ムニ↦其↥。故トイフコトヲ↧以↢仏↡説↦仏身長短↥。何シモ↢浄土時剋↡説↢華クル遅速↡耶。

^には、 ¬*そんしょう陀羅だらきょう¼ にくがごとし。 「とうてんじょうぜんじゅうてんそらこえぐるをくに、 ªなんぢ、 まさに七日しちにちありてぬべしº と。 とき*てんたいしゃくぶつ教勅きょうちょくけて、 かのてんをして七日しちにち勤修ごんしゅせしむ。 七日しちにちぎてのちに、 寿じゅみょうぶることをたり」 と。

者如↢¬尊勝陀羅尼経¼説クガ↡。「忉利天上善住天子、聞↢空ルヲ↡、汝当シト↢七日アリテ↡。時天帝釈、承↢仏教勅↡、令↢彼天子ヲシテ七日勤修↡。過↢七日↡後寿命得タリト↠延コトヲ。」

^これはこれ、 にんちゅうにちをもつてけるなり。 もしてんじょう七日しちにちによらば、 にんちゅうしちひゃくさいあたれり。 *ぶつはちじゅうねんのうちに、 そのけつりょうすべきにあらず。 ぼんにちもまたこれにおなじかるべし。

是人中日夜ヲモテ而説ルナリ。若↢天上↡、当レリ↢於人中七百歳↡。不↠応キニ↣仏世八十年、決↢了↡。九品日夜亦応↠同カル↠之

^さんには、 *ほう所訳しょやくの ¬きょう¼ にのたまはく、 「たいしょうにんは、 ひゃくさいぎてぶつたてまつることを」 と。 ¬びょう等覚どうがくきょう¼ (三) にのたまはく、 「れんのなかに*しょうして、 しろのなかにあり。 このけんひゃくさいにして、 づることをることあたはず」 と。 きょうごうとう、 このもんをもつて、 このほうひゃくさいなりといふことをしょうす。 いまいはく、 かのたいしょう歳数さいしゅ、 すでにこのけんによりてく。 ぼんこく、 なんのべつありてか、 かれにおなじからざらんや。

者法護所訳¬経¼云、「胎生之人↢五百歳↡得↠見マツルコトヲ↢於仏↡。」¬平等覚経¼云、「於↢蓮華中↡化生、在↢城↢是五百歳↡不↠能↠得コト↠出コトヲ。」 憬興等師以↢此↡証↢此五百歳ナリトイフコトヲ↡也。今云、彼胎生歳数既↢此↡説。九品時剋有テカ↢何別義↡不ラム↠同カラ↠彼耶。

^には、 もしかのさかいによりてぼんけりとせば、 じょうぼん中生ちゅうしょう*いっ宿しゅくじょうぼんしょう一日いちにちいちは、 すなはちこのさかい半劫はんこう一劫いっこうあたれり。 もししかなりとゆるさば、 たいしょうしんのものすら、 なほしゃひゃくさいて、 すみやかにぶつたてまつることをるに、 じょうぼんしんぎょうのもの、 あに半劫はんこう一劫いっこうぎて、 おそれんひらかんや。 このことわりあるがゆゑに、 のちしゃくとがなし。

者若↢彼↡説↢九品↡者、上品中生一宿、上品下生一日一夜、即レリ↢此半劫・一劫↡。若↠爾ナリト者、胎生疑心スラ↢娑婆五百歳↡而速ルニ↠見マツルコトヲ↠仏上品信行者豈↢半劫・一劫↡而遅↢蓮華↡耶。有ルガ↢此理↡故↠失。

 ^ふ。 もしこのさかいにちこくをもつてかのそうかば、 かの上上じょうじょうぼんは、 かのくにうまれをはりて、 すなはち*しょう法忍ぼうにんさとるべからず。 しかる所以ゆえんは、 こさかい少時しょうじしゅぎょうをばすぐれたりとなし、 かのくに多時たじ善根ぜんごんをばれつなりとなす。 すでにしからば、 上上じょうじょうぼんにんは、 このかいにして、 一日いちにちより七日しちにちいたるまで、 *さん福業ぷくごうそくするに、 なほしょう法忍ぼうにんしょうすることあたはざりき。 いかんぞ、 かしこにうまれて、 ほうきてすなはちさとらんや。 ゆゑにりぬ、 かのこくじょうおん*こくて、 しょうにんさとるなり。 しかも、 かしこにやくして、 すなはちさとるとづくるも、 ここにのぞむれば、 すなはち億千おくせんざいなり。 あるいは上上じょうじょうにんは、 かならずこれ*方便ほうべんしんぎょう円満えんまんせるものなるべし。 もししからずは、 諸文しょもん*じゅんせん。

。若↢此日夜時剋↡説↢彼↡者、彼上々品、生↢彼↡已、不↠応↣即↢无生法忍↡。所↢以然↡者、此少時修行ヲバ↠勝レタリト多時善根ヲバ↠劣ナリト。既ラバ、上々品、於↢此世界↡一日ヨリマデニ↢七日↡具↢足ルニ三福業↡、尚不リキ↠能↠証コト↢無生法忍↡。云何↠彼↠法ムヤ。故↢彼国土長遠時剋↡、悟ルナリ↢無生忍↡。然↠彼クルナリ↢即ルトレバ↠此億千歳ナリ。或↢上々是方便後心行円満ナル↡。若↠爾者、諸文桙楯ナリ

^こたふ。 いまだ、 かのくにぜんれつなり、 このさかいしょうぜんすぐれたりといふことをらず。

。未↠知↢彼多善ナリ、此少善レタリトイフコトヲ↡。

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下)かく、 「ここにして*ひろ徳本とくほんゑ、 おんほどこし、 *道禁どうきんぼんすることなく、 忍辱にんにくし、 しょうじんし、 一心いっしんし、 智慧ちえありて、 うたたあひきょうして、 ぜんりゅうし、 こころただしくし、 斎戒さいかい清浄しょうじょうにして一日いちにちいちすれば、 りょう寿じゅぶつくににありて、 ぜんをなすことひゃくさいするにすぐれたり。 所以ゆえんはいかん。 かのぶっこく無為むいねんにして、 みなもろもろのぜんみて毛髪もうはつあくもなし。 ここにしてぜんしゅすることじゅうにちじゅうすれば、 ほう諸仏しょぶつくにのなかにしてぜんなすこと千歳せんざいするにすぐれたり」 と。 これそのしょうれつなり。

。¬双巻経¼説カク、「於↠是↢徳↡、↠恩、勿↠犯スルコト↢道禁↡、忍辱精進一心アリテ、転教化、立↠善クシ↠意、斎戒清浄ニシテ一日一夜、勝レタリ↧在↢无量寿仏ツクルコト↠善百歳スルニ↥。所以者何。彼仏国土無為自然ニシテ、皆積↢衆↡无↢毛髪之悪↡。於↠此コト↠善十日十夜ルハ、勝レタリト↧於↢他方諸仏↡為コト↠善スルニ↥。」 是其勝劣ナリ

^こたふ。 かい善根ぜんごん*剋対こくたいするにはしかるべし。 しかも、 ぶつえんすぐれたれば、 すみやかにさとるにとがなし。 あるいはこの ¬きょう¼ (大経・下) は、 ただしゅぎょうなんあらわし、 善根ぜんごんしょうれつあらわすにはあらず。 たとへば、 貧賎びんせんなるものの一銭いっせんするをば、 しょうすべしといへども、 しかもしゅべんぜず、 富貴ふき千金せんきんつるはしょうすべからずといへども、 しかもよくまんべんずるがごとし。 かいしゅぎょうもまたかくのごとし。

。二界善根剋対スルニハ↠爾。然値仏縁勝レタレバ、速ルニ↠失。或¬経¼但顕スナリ↢修行難易↠顕スニハ↢善根勝劣↡。譬↧貧賎ナルモノルヲバ↢一銭↡雖↠可シト↢称美↡、而不↠↢衆事↡、富貴ツルハ↢千金↡雖↠不↠可↠称、而ズルガ↦万事↥。二界修行亦復如↠是

^¬*金剛こんごう般若はんにゃきょう¼ (意) にのたまへるがごとし。 「*ぶっにしてしんするをば、 いまだすぐれたりとなすにらず。 めつをばすぐれたりとなす」 と。

↢¬金剛般若経¼云ヘルガ↡。「仏世ニシテ信解ルヲバ↠足↠為↠勝レタリト。滅後ヲバ↠勝レタリト。」

^あるいはあり。 *きょくすることあたはず。

↢余義↡。不↠能↢委曲↡。

 ^ふ。 しゃぎょういんしたがひて、 極楽ごくらくかいべつあるがごとく、 所感しょかん福報ふくほうもまたべつありや。

。如↧随↢娑婆行因↡極楽階位ルガ↞別、所感福報亦有↠別耶。

^こたふ。 *たいべつなきも、 *細分さいぶんしゃあり。

。大都↠別細分ナム↠差。

^¬*陀羅尼だらにじっきょう¼ のだいにのたまふがごとし。 「もしひとこうじきとうをもつてようせざるものは、 かのじょううまれたりといへども、 しかもこうじきとう種々しゅじゅようほうず」 と。 このもんは、 *かのぶつ本願ほんがんたがへり。 さらにこれをしゃくせよ。

↢¬陀羅尼集経¼第二フガ↡。「若人不↧以↢香花・衣食等↡供養↥者、雖↠生タリト↢彼浄土↡、而イヘリ↠得↢香花・衣食等種々供養之報↡。」ヘリ↢彼本願↡。更思↢↡。

^*玄一げんいち*いんほっおなじくいはく、 「*じつやくしてろんずれば、 またしょうれつあり。 しかもそのかたちそうせるがゆゑ好醜こうしゅなしとく」 と。

玄一師・因法師同、「約↠実レバ、亦有↢勝劣↡。然状相似ルガクト↠無シト↢好醜↡。」

 ^ふ。 極楽ごくらくかいは、 ここをることいくばくぞ。

。極楽世界コト↠此幾処イクバク

^こたふ。 ¬*きょう¼ にのたまはく、 「ここより西方さいほうに、 じゅう万億まんおくぶつぎて極楽ごくらくかいあり」 と。

。¬経¼云、「従↠此西方↢十万億仏土↡有リト↢極楽世界↡。」

^ある ¬きょう¼ (称讃浄土経) にのたまはく、 「これより西方さいほうに、 このかいることひゃくせんてい那由なゆぶつぎてぶつかいあり。 づけて極楽ごくらくといへり」 と。

¬経¼云、「於↠是西方コト↢此世界↡過↢百千倶胝那庾多仏土↡有↢仏世界↡。名リト↢極楽↡。」

 ^ふ。 きょう、 なんがゆゑぞどうなる。

。二経何不同ナル

^こたふ。 ¬ろん¼ (浄土論)*こうの ¬しょ¼こころにいはく、 「*ていといふは、 ここにはおくとなす。 那由なゆといふは、 このけんがいかずあたれり。 ぞくにいはく、 じゅうせんまんといひ、 じゅうまんおくといひ、 じゅうおくちょうといひ、 じっちょうけいといひ、 じっけいがいといふ。 がいはなほこれ大数だいしゅなり。 ひゃくせんていはすなはちじゅう万億まんおくなり。 おくくらいあり。 いちにはじゅうまんには百万ひゃくまんさんには千万せんまんには万万まんまんなり。 いまおくといふはすなはちこれ万万まんまんなり。 このあらわさんがために那由なゆぐ」 と。 このしゃくおもふべし。

。¬論¼智光¬疏¼意、「言↢倶胝↡者、此ニハ↠億也。那庾多トイフ者、当レリ↢此↡也。世俗、十↠万十万↠億十億↠兆十兆猶是大数也。百千倶胝十万億ナリ。億↢四位↡。一者十万、二者百万、三者千万、四者万々ナリ。今言↠億者即是万々ナリ。為↠顕ムガ↢此↡挙グト↢那庾多↡。」 釈可↠思

 ^ふ。 かのぶつ*しょはただ極楽ごくらくとやせん、 またありとやせん。

。彼所化↢唯極楽トヤ↡、為↢亦有リトヤ↟余。

^こたふ。 ¬大論だいろん¼ (*大智度論) にいはく、 「弥陀みだぶつにもまたごんじょうごんじょうあること、 *しゃもんのごとし」 と。

。¬大論¼云、「阿弥陀仏ニモ亦有コト↢厳浄・不厳浄土↡如シト↢釈迦↡。」

 ^ふ。 なんらかこれなるや。

。何等ナル耶。

^こたふ。 極楽ごくらくかいはすなはちこれじょうなり。 しかも、 その ˆ弥陀みだぶつのˇ 穢土えどはいまだいづれのところなるかをらず。 ただしどうしゃくとうしょ、 ¬おんじょうきょう¼ の所説しょせつこくをもつてかの穢土えどとなす。

。極楽世界是浄土ナリ。然穢土↠知↢何レノ↡。但道綽等諸師以↢¬鼓音声経¼所説国土↡為↢彼穢土↡。

かの ¬きょう¼ (鼓音声経) にのたまふがごとし。 「弥陀みだぶつしょうもんとともなり。 そのくにごうしてしょうたいといふ。 じょうおうむところなり。 そのしろ*じゅうこうじゅうせんじゅんなり。 なかにおいて*せつしゅじゅうまんせり。 弥陀みだぶつ如来にょらいおうしょうへんちち月上がつじょう転輪てんりんじょうおうづく。 そのははづけてしゅしょうみょうげんといふ。 *がつみょうづく。 *奉事ぶじ弟子でし無垢むくしょうづく。 *智慧ちえ弟子でしづけて攬光らんこうといふ。 *神足じんそく精勤しょうごんのものをづけてだいといふ。 そのときおうづけてしょうといふ。 だいだっあり、 づけてじゃくといふ。 弥陀みだぶつだい比丘びく六万ろくまんひととともなり」 と。

↢彼¬経¼フガ↡。「阿弥陀仏与↢声聞↡倶ナリ。其↢清泰↡。聖王ナリ。其広十千由旬ナリ。於↠中充↢満シメタ刹利之種↡。阿弥陀仏・如来・応・正遍知↢月上転輪聖王↡。其↢殊勝妙顔↡。子↢月明↡。奉事弟子↢無垢称↡。智慧弟子↢攬光↡。神足精勤ノモノヲ↢大化↡。爾魔王↢無勝↡。有↢提婆達多↡、名↡。阿弥陀仏与↢大比丘六万人↡ナリトイヘリ。」

 ^ふ。 かのぶつしょは、 ただ極楽ごくらくしょうたいとのくにとのみやせん。

。彼所化、為↢唯極楽・清泰トノトノミヤ↡。

^こたふ。 きょうもんは、 えんしたがひてしばらく一隅いちぐうぐ。 その実処じっしょろんずれば不可ふか思議しぎなり。

。教文↠縁↢一↡。論レバ↢其実処↡不可思議ナリ

^¬ごんぎょう¼ のにのたまふがごとし。

さつもろもろの願海がんかいしゅぎょうして、 あまねくしゅじょうしん所欲しょよくしたがふ。

しゅじょう*しんぎょうひろくしてへんなれば、 さつこく十方じっぽうへんせり」 と。

↢¬華厳経¼偈フガ↡。

「菩薩修↢行願海↢衆生所欲
衆生心行広クシテ無辺ナレバ菩薩国土セリト↢十方↡」

^またのたまはく (華厳経)

如来にょらいしゅつげんしたまひて十方じっぽうへんし、 一々いちいちじんのなかにりょうあり。

そのなかのきょうがいまたりょうなるに、 ことごとくへんじんこうじゅうしたまふ」 と。

「如来出現タマヒテタマフ↢十方一々無量
境界亦無量ナルニタマフト↢無辺无尽↡」

 ^ふ。 如来にょらい*施化せけは、 ひとおこりたまはず。 かならずえんたいす。 なんぞ十方じっぽうへんする。

。如来施化、事不↢ヒトリタマハ↡。要↢機縁↡。何スル↢十方↡。

^こたふ。 広劫こうごうしゅぎょうしてりょうしゅうじょうじゅしたまへり。 ゆゑにかのえん、 また十方じっぽうさかいへんせり。

。広劫修行成↢タマヘリ無量↡。故機縁、亦遍セリ↢十方↡。

^¬ごん¼ のにのたまふがごとし。

おうじゃく勤修ごんしゅしたまふこと劫海こうかいにして、 よくしゅじょうじんじゅうさわりてんじたまへり。

ゆゑによくわかつこと十方じっぽうへんして、 ことごとくだい樹王じゅおうもとげんじたまふ」 と。

↢¬華厳¼偈フガ↡。

「往昔勤修タマフコト多劫海ニシテタマヘリ↢衆生深重
ツコト↢十方タマフト↢菩提樹王↡」

二 Ⅹ 往生階位

【72】^だいおうじょうかいといふは、

第二往生階位トイフ者、

^ふ、 ¬*瑜伽ゆがろん¼ (意) にいはく、 「*さんさつ、 まさにじょううまる」 と。 いま*ぜんぼんしょうもんすすむるに、 なんのこころかある。

¬瑜伽論¼云、「三地菩薩方ルト↢浄土↡。」今勧ルニ↢地前凡夫・声聞↡有↢何↡。

^こたふ。 じょう差別しゃべつあるがゆゑにとがあることなし。

。浄土差別アルガ↠有コト↠過。

^かん (懐感)しゃく (群疑論・意) にいふがごとし。 「もろもろのきょうろんもんに、 じょうしょうずることをに、 おのおのいちによれり。 じょうすでにみょうしょうれつあれば、 しょうずることをることもまたじょう階降かいごうあり」 と。

↢感師フガ↡。「諸経論クニ↠生コトヲ↢浄土↡、各レリ↢一義↡。浄土既↢麁妙・勝劣↡、得コトモ↠生コトヲ亦有リト↢上下階降↡。」

^また*道宣どうせんりっのいはく、 「さんさつ、 はじめて*報仏ほうぶつじょうる」 と。

又道宣律、「三地菩薩始ルト↢報仏浄土↡。」

 ^ふ。 たとひほうにあらずとも、 *惑業わくごうおもきもの、 あにじょうんや。

。設ズトモ↢報土↡、惑業重者豈ムヤ↢浄土↡。

^こたふ。 天台てんだい (智顗) ののたまはく (維摩経略疏・意)、 「りょう寿じゅくにほうしゅしょうなりといへども、 りんじゅうときさん念仏ねんぶつすれば、 *ごっしょうすなはちてんじて、 すなはちおうじょう惑染わくぜんせりといへども、 願力がんりきをもつてしんたもちて、 また ˆじょうにˇ することを」 と。

。天臺、「無量寿↢果報殊勝ナリト↡、臨終之時懴悔念仏レバ、業障便得↢往生↡。雖↠具リト↢惑染↡、願力ヲモテ↠心亦得↠居コトヲ也。」

 ^ふ。 もしぼんまたおうじょうすることをゆるさば、 ¬ろくもんきょう¼ をいかんがつうせん。 ¬*きょう¼ (同) にのたまはく、 「ぶつねんずるはぼんねんにあらず。 *けっ使ぞうせずして、 弥陀みだ仏国ぶっこくうまるることを」 と。

。若↣凡夫亦得↢往生コトヲ↡、¬弥勒問経¼如何通会セム。¬経¼云、「念↠仏者非↢凡愚↡。不シテ↠雑↢結使↡、得↠生コトヲ↢弥陀仏↡。」

^こたふ。 ¬*西方さいほう要決ようけつ¼ にしゃくしていはく、 「しゃなりとりてなが*染界ぜんかいするは、 すなはち*薄浅はくせんはんにあらず。 *当来とうらいぶつつくりて、 こころもつぱらひろく、 法界ほうかいしゅじょうせんとす。 このしょうあるがゆゑにならず。 しょうねんするときけっ使*眠伏めんぶくす。 ゆゑにけっ使ねんまじへずといふ」 と。 こころのいはく、 ぼんぎょうにんの、 このとくせるなり。

。¬西方要決¼釈、「知↢娑婆ナリト↡永レバ↢染界↡、↢薄浅↡。当来ラムトイヒ↠仏、意ヲモテニスセムトイフ↢法界衆生ルガ勝解↡故非↠愚ナラ也。正念結使眠伏。故フト↢不結使↡也。」、凡夫行人セル↢此↡也。

 ^ふ。 かのくにしゅじょうはみな退転たいてんなり。 あきらかにりぬ、 これぼん生処しょうじょにあらずといふことを。

。彼衆生皆不退転ナリ。明ズトイフコトヲ↢是凡夫生処↡。

^こたふ。 いふところの退たいとは、 かならずしもこれしょうとくにあらじ。

。所↠言不退者非↢必シモ是聖↡。

^¬要決ようけつ¼ (西方要決) にいふがごとし。 「いま退たいかすに、 そのしゅあり。 ¬*十住じゅうじゅう毘婆びばしゃ¼ にいはく、

↢¬要決¼云フガ↡。「今明スニ↢不退↡、有↢其四種↡。¬十住毘婆¼云

^ªいちには退たい、 すなはちいんしゅすること万劫まんごうありて、 また、 *悪律あくりつぎょう退たいしょうてんせざるなり。

ニハ位不退、即コト↠因万劫アリテ、不ルナリ↧復退↢堕悪律儀↡流↦転生死↥。

^にはぎょう退たい、 すでに*しょて、 利他りたぎょう退たいせざるなり。

ニハ行不退、已↢初地↡利他行不ルナリ↠退

^さんにはねん退たい*はち以去いこゆうにして、 こころざいるがゆゑに。

ニハ念不退、八地已去無功用タルガ↢自在↡故

^にはしょ退たいもんしょうなしといへども、 やくしてもつてじょうず。 いかんとならば、 てんのなかにれば、 すなはち退たいるがごとく、 じょうまたしかなり。 いのちながくしてやまいなく、 すぐれたるとも提携ていけいし、 純正じゅんしょうにしてじゃなく、 ただじょうにしてぜんなく、 つねにしょうそんつかへまつる、 このえんによりてそのところ退しりぞくことなしº」 と。 以上略抄

ニハ処不退、雖↠無シト↢文証↡、約↠理。何トナラバ者、如↢天レバ↠果、即ルガ↟不コトヲ退、浄土亦爾ナリ。命長クシテ↠病、勝レタル提携純正ニシテ↠邪、唯浄ニシテ↠染、恒ツカヘマツル↢聖尊↡、由↢此↡其シト↠退クコト。」 已上略抄

 ^ふ。 ぼんかい異解いげどうなり。

。九品階位、異解不同ナリ

^*おんほっ (浄影寺慧遠) のいふがごとし。 「じょう上生じょうしょう*ろくなり。 じょう中生ちゅうしょう*しょさんなり。 じょうしょう*ぜんさんじっしんなり」 と。

↢遠法師フガ↡。「上上生四・五・六地ナリ。上中生初・二・三地ナリ。上下生地前卅心也。」

*りきほっのいはく、 「上上じょうじょう*ぎょうこうなり、 上中じょうちゅう*じゅうなり、 じょう*じっしんなり」 と。

力法師、「上々行・向ナリ、上中十解ナリ、上下十信ナリト。」

*基師きしのいはく、 「上上じょうじょう*じゅうこう上中じょうちゅう*ぎょうり、 じょうじっしんなり」 と。

基師、「上々十廻向、上中解・行ナリ、上下十信ナリト。」

あるがいはく、 「上上じょうじょう十住じゅうじゅう初心しょしんなり、 上中じょうちゅうじっしんしんなり、 じょうじっしんしょなり」 と。

ルガ、「上々十住初心ナリ、上中十信後心ナリ、上下十信初位ナリト。」

あるがいはく、 「上上じょうじょうじっしんおよびぜんの、 よくさんしんおこして、 よく*さんぎょうしゅするものなり。 上中じょうちゅうじょうは、 ただじっしんぜんの、 提心だいしんおこして、 ぜんしゅするぼんる。 ぎょう浅深せんじんにより、 もつてほんわかつ」 と。

ルガ、「上々十信及以前↢三↡、能↢三行↡者也。上中・上下、唯取↧十信以前↢菩提心↡修↠善凡夫↥。起行浅深ヨリツト二品↡也。」

^しょ所判しょはんどうなる所以ゆえんは、 *しょうにんくらいどうなるをもつてのゆゑなりと。 *¬*仁王にんのうきょう¼ には、 しょうにんしちはちにあり。 諸論しょろんには、 しょにあるいは*にんにあり。 ¬*本業ほんごう瓔珞ようらくきょう¼ には、 十住じゅうじゅうにあり。 ¬ごんぎょう¼ には、 じっしんにあり。 ¬占察せんざつきょう¼ には、 *いちぎょう三昧ざんまいしゅしてそうしょう法忍ぼうにんるものをけり。 ゆゑにしょおのおのいちによるなり。

所↢以諸師所判不同ナル↡者、以テノ↢無生忍不同ナルヲ↡故ナリ。¬仁王経ニハ¼无生忍↢七・八・九地↡。諸論ニハ↢初地忍位↡。¬本業瓔珞経ニハ¼在↢十住↡。¬花厳経ニハ¼在↢十信↡。¬占察経ニハ¼説ケリ↧修↢一行三昧↡得↢相似無生法忍↡者↥也。故諸師各↢一↡也。

^ちゅうぼんさんしょうは、 おん (浄影寺慧遠) のいはく、 「中上ちゅうじょうはこれ*ぜんさんなり、 中中ちゅうちゅうはこれ*しち方便ほうべんなり、 ちゅうはこれ*だつぶんぜんゑたるひとなり」 と。 りきほっこれにおなじ。 ほっのいはく、 「中上ちゅうじょう*善根ぜんごん中中ちゅうちゅう*さんげんちゅう*方便ほうべんまえひとなり」 と。 あるがいはく、 「いでのごとく、 *にんちょうなんなり」 と。 あるがいはく、 「*さんしょうはならびにこれだつぶん善根ぜんごんゑたるひとなり」 と。 じょう六品ろくほんにまたしゃくあり。 かんぜん (懐感) の ¬ろん¼ (群疑論)、 龍興りゅうこうの ¬¼ (観無量寿経記) とうえたり。

中品三生、遠、「中上是前三果ナリ、中々是七方便ナリ、中下是種タル↢解脱分↡人ナリト。」力法師同↠之。基法師、「中上四善根、中々三賢、中下方便ナリト。」有ルガ、「如↠次デノ忍・頂・ナリト。」有ルガ、「三生是種タル↢解脱分善根↡人也。」已上六品亦有↢余釈↡。見エタリ感禅師¬論¼、龍興¬記¼等

^ぼんさんしょうべつかいなし。 ただこれ*ばく造悪ぞうあくにんなり。

下品三生↢別階位↡。但是具縛造悪人也。

^あきらけし、 おうじょうにんはそのくらいかぎりあり。 いかんぞ、 なほこれわれらがぶんなりとはるや。

ケシ、往生位有↠限イカン↢猶是我等ナリ↡耶。

^こたふ。 じょうぼんにんかいたとひふかくとも、 ぼんさんしょう、 あにわれらがぶんにあらざらんや。 いはんや、 *かののちしゃくに、 すでにじっしんぜんぼんりてじょうぼんさんとなせるをや。

。上品之人階位設クトモ、下品三生豈ザラム↢我等↡耶。況、既↢十信以前凡夫↡為ルヲヤ↢上品↡。

^また ¬かんぎょう¼ の善導ぜんどうぜんの 「げん(*玄義分) に、 だい小乗しょうじょう*方便ほうべんぜんぼんをもつてぼんくらいはんじて、 しょ所判しょはん深高じんこうなることをゆるさず。 またきょうろんは、 おおもんによりてはんず。 いまの ¬きょう¼ (観経)所説しょせつじょうさんぼんごうを、 なんぞかならずしもしゅうしてじんぎょうとなさんや。

又¬観経¼善導禅師「玄義」、以↢大小乗方便以前凡夫↡判↢九品↡、不↠許↢諸師所判深高ナルコトヲ↡。又経論↠文↠義。今¬経¼所説三品、何シモ↢深位↡耶。

 ^ふ。 もししからば、 かしこにしょうじて、 はやしょう法忍ぼうにんさとるべからず。

。若ラバ↠彼不↠応↣早↢無生法忍↡。

^こたふ。 天台てんだいにはしょうにんくらいあり。 もし*べっきょうにんならば、 *りゃくこうしゅぎょうしてしょうにんさとり、 もし*えんぎょうにんならば、 ない悪趣あくしゅしんにしてまたとんしょうするものあり。 穢土えどなほしかなり、 いかにいはんやじょうをや。 かのしょをば、 しょれいすることなかれ。 いづれのところにか、 一切いっさいぼん、 いまだそのくらいいたらざるに、 つひに退たいすることなく、 いづれのところにか、 一切いっさいぼん、 ことごとく*神通じんずう*みょうゆう無礙むげならんや。 しょうそくれいしてまたしかるべし。

。天臺ニハ↢二無生忍位↡。若別教歴劫修行↢无生忍円教、乃至悪趣ニシテ亦有↢頓スル者↡。穢土尚ナリ浄土ヲヤ。彼諸事ヲバ↠例コト↢余処↡。何レノ一切凡夫、未ルニ↠至↢其↡、終キヤ↢退堕スルコトレノ一切凡夫、悉↢五神通↡妙用无礙耶。証果遅速、例シテ亦可↠然

 ^ふ。 じょうぼんしょうにんの、 得益とくやく*早晩そうばん一向いっこうにしかるか。

。上品生得益早晩、一向耶。

^こたふ。 ¬きょう¼ (観経) のなかにはしばらく一類いちるいぐるなり。

。¬経¼中ニハルナリ↢一類↡。

^ゆゑに ˆじょうようˇ おんしょうの ¬かんぎょう義記ぎき¼ (観経義疏) にいはく、 「ぼんにんの、 かのくにうまれをはりて、 やく劫数こうしゅは、 すぐれたるによりてく。 またこれにぎたるものもあるべし」 と。

恵遠和尚¬観経義記¼云、「九品↢彼↡已↠益之劫数、依↠勝レタルニ而説。理亦有ルベシト↢過タル↠之↡。」

^いまいはく、 ひろくぼんろんぜば、 あるいはまたしょうぶんこれよりすみやかなるものもあるべし。

今謂ゼバ↢九品↡、或復可↠有↧少分速ナル↢於此ヨリ↡者↥。

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経) のなかに、 またろくとうのごとき、 もろもろのだいさつの、 まさに極楽ごくらくしょうずべきあり。 ゆゑにりぬ、 ¬きょう¼ (観経) のなかのぼん得益とくやくれつなるによりてしかもけるなり。 いかんぞ 「すぐれたるによる」 とはいふや。

。¬双巻経¼中、亦有↧如↢弥勒等↡諸大菩薩↞生↢極楽↡。故¬経¼中九品得益↠劣ナルニケルナリ。何↠依ルトハ↠勝レタルニ耶。

^こたふ。 かのくにうまれてはじめてしょうさとる、 ぜん早晩そうばんやくして、 これを 「すぐれたるによる」 といふなり。 さらにかのじょう*だいをばろんぜず。 しかも、 かのだいぼんのなかにおいてしょう不摂ふしょうとを、 べつちゃくすべし。

↧生↢彼↡始↢無生↡前後早晩↥、謂フナリ↢之ルト↟勝レタルニ。更不↠論↢彼上位大士ヲバ↡。然大士於↢九品↡摂↢不摂↡別↢思択↡。

 ^ふ。 もしぼんやからもまたおうじょうすることをば、 いかんぞ、 近代ごんだい、 かのこくにおいてもとむるものは千万せんまんなるも、 ることはいちもなきや。

。若凡下亦得↢往コトヲ云何、近代於↢彼国土↡求ムル千万ナリコトハ↢一二↡。

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) のいはく (安楽集・上意)、 「信心しんじんふかからずして、 *ぞんぜるがごとく、 もうるがごときゆゑに。 信心しんじんいちならずして、 けつじょうせざるがゆゑに。 信心しんじん相続そうぞくせずして、 ねんへだつるがゆゑに。 このさん相応そうおうせざるものは、 おうじょうすることあたはざるなり。 もしさんしんしておうじょうせずといはば、 このことわりあることなからん」 と。

。綽和尚、「信心不シテ↠深カラ、若↠存ゼルガ↠亡ゼルガ。信心不シテ↠一ナラ、不ルガ↢決定↡故。信心不シテ↢相続↡、余念マジハルガ。此三不↢相応↡者ルナリ↠能↢往生コト↡。若↢三心↡不トイハバ↢往生↡者、无ムト↠有コト↢是コトワリ↡。」

^どうしょう (善導) のいはく (礼讃)、 「もしよくかみのごとく念々ねんねん相続そうぞくしていのちふるをとなすものは、 じゅうはすなはちじゅうしょうじ、 ひゃくはすなはちひゃくしょうず。 もしせんてて雑業ぞうごうしゅせんとほっするものは、 ひゃくにしてときまれいちせんにしてときまれさん」 と。 かみのごとく」 といふは、 らいさんとう念門ねんもんじょうとうさんしんじょうとうしゅすなり。

導和尚、「若↠上念々相続フルヲ↠命↠期、十十生、百百生。若セム↣捨テテ↠専スルコトムト↢雑業↡者、百ニシテ↢一二ニシテ↢三五↡。」↢如↡者指↢礼・讃等五念門、至誠等三心、長時等四修↡也

 ^ふ。 もしかならずいのちふるをとなさば、 いかんぞ、 かんしょう (懐感) の、 「じょうたんしゅしょうしゅ、 みなおうじょうすることを(群疑論) といへるや。

。若スル↠命↠期者、如何感和尚ヘル↣「長時・短時、多修・少修、皆得↢往生コトヲ↡」耶。

^こたふ。 *業類ごうるいいちにあらざるがゆゑに、 ともにとがなし。 しかも、 いのちふるをとなして、 勤修ごんしゅしておこたることなくは、 ごうをしてけつじょうせしむるに、 これを*ちょうほんとなす。

。業類非ルガ↠一師倶↠過。然フルヲ↠命↠期、勤修シテシテ↠怠スルコト、令ムル↢業ヲシテ決定↡、是↢張本↡。

 ^ふ。 *¬*さつ処胎しょたいきょう¼ のだいかく、 「西方さいほうにこの*えんだいることじゅうおく那由なゆして*まんがいあり。 こくらくにして、 *しょうがくつくり、 衣被えび服飾ぶくじきこうをもつてしょうごんせり。 七宝しっぽう転開てんかいゆかあり。 げてひがしれば、 ほうじょうしたがひててんず。 きた西にしみなみるにもまたかくのごとくてんず。 ぜんこころおこせるしゅじょうの、 弥陀みだ仏国ぶっこくうまれんとほっするもの、 みなふかまんこくじゃくして、 前進ぜんしんして、 弥陀みだこくうまるることあたはず。 おく千万せんまんしゅうとき一人いちにんありてよく弥陀みだぶつくにしょうず」 と。

。¬菩薩処胎経¼第二カク、「西方ルコト↢此閻浮提↡十二億那由他シテ↢懈慢界↡。国土快楽ナリ倡妓楽↡、衣被・服飾・香花ヲモテ荘厳セリ。七宝転開アリ。挙↠目レバ、宝床随。北視西視南ルニモ亦如↠是。前後セル↠意衆生↠生ムト↢阿弥陀仏国↡者、皆深シテ↢懈慢国土↡、不↠能↣前進コト↢阿弥陀国↡。億千万衆、時↢一人↡能ズト↢阿弥陀仏↡。」

^この ¬きょう¼ (菩薩処胎経) をもつてじゅんずるに、 しょうずることをべきことかたし。

↢此¬経¼↡ズルニ、難↠可キコト↠得↠生コトヲ

^こたふ。 ¬ぐんろん¼ に、 善導ぜんどうしょうさきもんきて、 このなんしゃくして、 またみづから*じょじょうしていはく、 「この ¬きょう¼ (菩薩処胎経)しももんにのたまはく、 ªなにをもつてのゆゑに。 みな*まんによりて*しゅうしんろうならずº と。 ここをもつてりぬ、 *雑修ざっしゅのものはしゅうしんろうにんとなすなり。 ゆゑにまんこくしょうず。 もし雑修ざっしゅせずして、 もつぱらにしてこのごうぎょうぜば、 これすなはちしゅうしんろうにして、 さだめて極楽ごくらくこくしょうぜん。 また*ほうじょううまるるものはきはめてすくなし。 じょうのなかにうまるるものすくなからず。 ゆゑにきょうべつけり。 じつにはそうせず」 と。

。¬群疑論¼、引↢善導和尚↡而釈セリ↢此又自助成、「此¬経¼下、何。皆由ルナリト懈慢シテ執心不ルニ↢牢ナラ↡。是ヲモテ修之者ナリ↢執心不牢之人↡。故↢懈慢国↡也。若シテ↢雑修↡専ニシテズルハ↢此↡、此即執心牢固ナルナリ、定↢極楽国↡。 又報浄土ルル。化浄土ルル者不↠少カラ。故ケリ。実ニハ↢相違↡也。」

 ^ふ。 たとひさんしんせずといへども、 いのちふることをせずといへども、 かのひとたびみなくすら、 なほぶつになることを。 いはんやしばらくもしょうねんる、 なんぞ*唐捐とうえんならんや。

。設↠不↠具↢三心↡、雖↠不↠期↠畢コトヲ↠命、彼タビスラ↠名、尚得↠成コトヲ↠仏。況称念スル、何唐捐ナラム耶。

^こたふ。 しばらくは唐捐とうえんなるにたれども、 つひには*せつならず。

。暫タレドモ↢唐捐ナルニ↡、終非↢虚設ナラ↡。

^¬ごん¼ のに、 きょうくものの、 てんしょうやくきてのたまふがごとし。

「もしひとくに堪任かんにんせるものは、 大海だいかいおよび、

*劫尽こうじんのなかにありといへども、 かならずこのきょうくことをん」 と。 大海だいかい」 とは、 これりゅうかいなり。

↧¬花厳¼偈、説↢聞経者転生↡云フガ↥。

「若人堪↢任セルモノクニ↠在リト↢於大海
劫尽↠聞コトヲ↢此↡」 大海者是竜界ナリ

^しゃくしていはく (*探玄記・意)、 「ごうによるがゆゑにかの難処なんしょうまる。 *さきしんによるがゆゑにこの*こんじょうぜり」 と。

、「由↢余↡故↢彼難処↡。由↢前↡故ゼリト↢此根器↡。」

^¬ごん¼ をしんずるもの、 すでにかくのごとし。 念仏ねんぶつしんずるもの、 あにこのやくなからんや。 かのいっしょう悪業あくごうつくりて、 りんじゅうぜんひて、 わづかにたびぶつねんじて、 すなはちおうじょうすることを。 かくのごときたぐいは、 おおくこれぜんに、 じょうごんしてかのぶつねんぜるものの、 *宿しゅくぜんうちにじゅくしていま開発かいほつするのみ。

ズル↢¬花厳¼↡者既而如↠是。信ゼム↢念仏↡者豈ラムヤ↢此益↡。彼一生↢悪業↡、臨終↢善友↡、纔タビ↠仏、即↢往生コトヲ↠是、多是前世欣↢求浄土↡念ゼル↢彼↡者、宿善内今開発スル耳。

^ゆゑに ¬*じゅう¼ にいはく、 「りんじゅうぜんしきひてじゅうねんじょうじゅするものは、 *ならびにこれ宿しゅくぜんこわくして、 ぜんしきじゅうねんじょうじゅするなり」 と。

¬十疑¼云、「臨終↢善知識↡十念成スル、並是宿善コハクシテ、得↢善知識↡十念成スルナリトイヘリ。」

^かん (懐感)こころもまたこれにおなじ。

感師亦同↠之

 ^ふ。 下下げげぼんにん、 もし宿しゅくぜんによらば、 じゅうねんしょう本願ほんがん (第十八願)、 すなはちありてじつなからん。

。下々品人若↢宿善↡、十念生本願即↠名無↠実。

^こたふ。 たとひ宿しゅくぜんありとも、 もしじゅうねんなくは、 さだめて*けんち、 じゅきわまりなからん。 あきらけし、 りんじゅうじゅうねんこれおうじょうしょうえんなり。

。設レド↢宿善↡、若クハ↢十念↡、定↢無間↡受苦无↠窮。明ケシ、臨終十念是往生勝縁ナリ

二 Ⅹ 往生多少

【73】^だいさん*おうじょうしょうといふは、

往生多少トイフ者、

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下意) にのたまはく、 「ぶつ*ろくげたまはく、 ªこのかいより、 ろくじゅうしちおく退たいさつありて、 かのくにおうじょうす。 一々いちいちさつは、 すでにかつてしゅ諸仏しょぶつようして、 いでろくのごとし。 もろもろの*小行しょうぎょうさつおよびしょうどくしゅせるものも、 しょうすべからず。 みなまさにおうじょうすべし。

¬双巻経¼云、「仏告タマハク↢弥勒↡、於↢此世界↡六十七不退菩薩アリテ往↢生↡。一々菩薩、已ムカシ供↢養無数諸仏↡、次ギテキナリ↢弥勒↡。諸小行菩薩及セル↢少功徳↡者、不↠可↢称計皆当↢往生↡。

ほうぶつもまたかくのごとし。 そのおんしょう仏国ぶっこくひゃくはちじゅうおくさつ宝蔵ほうぞう仏国ぶっこくじゅうおくさつりょう仏国ぶっこくひゃくじゅうおくさつかん露味ろみ仏国ぶっこくひゃくじゅうおくさつ竜勝りゅうしょう仏国ぶっこくじゅうおくさつしょうりき仏国ぶっこくまんせんさつ師子しし仏国ぶっこくひゃくさつ離垢りくこう仏国ぶっこくはちじゅうおくさつ徳首とくしゅ仏国ぶっこくろくじゅうおくさつみょう徳山とくせん仏国ぶっこくろくじゅうおくさつ人王にんのう仏国ぶっこくじゅうおくさつじょう仏国ぶっこくしゅ*不可ふかしょう退たいのもろもろのさつ智慧ちえゆうみょうにして、 すでにかつてりょう諸仏しょぶつようしたてまつり、 七日しちにちのうちに、 すなはちよくひゃく千億せんおくこうだい所修しょしゅけんほう摂取せっしゅす。 無畏むい仏国ぶっこくしちひゃくじゅうおくだいさつしゅ、 もろもろの*しょうさつおよび比丘びくとうは、 しょうすべからず。 みなまさにおうじょうすべし。

他方仏土亦復如↠是。其遠照仏国百八十億菩薩、宝蔵仏国九十億菩薩、无量意仏国二百廿億菩薩、甘露味仏国二百五十億菩薩、竜勝仏国十四億菩薩、勝力仏国万四千菩薩、師子仏国五百菩薩、離垢光仏国八十億菩薩、徳首仏国六十億菩薩、妙徳山仏国六十億菩薩、人王仏国十億菩薩、無上華仏国无数不可称計不退菩薩、智慧勇猛ニシテ、已ムカシ供↢養マツリ无量諸仏↡、於七日摂↢取百千億劫大士所修堅固之法↡。無畏仏国七百九十億大菩薩衆、諸小菩薩及比丘等、不↠可↢称計皆当↢往生↡。

ただこのじゅうぶつくになかのもろもろのさつとうの、 まさにおうじょうすべきのみにあらず。 十方じっぽうかいりょう仏国ぶっこくより、 そのおうじょうするものもまたかくのごとく、 はなはだおおくしてしゅなり。 われ、 ただ十方じっぽう諸仏しょぶつみょうごうおよびさつ比丘びくのかのくにうまるるものをかば、 ちゅうにして一劫いっこうすともなほいまだおわることあたはじº」 と。

↣但此十四仏菩薩等ノミキノミニ↢往生↡也。十方世界无量仏国ヨリ往生亦復如↠是クシテ无数ナリ。我但↧十方諸仏名号及菩薩・比丘ルル↢彼↡者↥、昼夜ニシテ一劫ストモ尚未↠能↠竟コト。」

^この諸仏しょぶつのなかに、 いまのしゃかいしょうぜんしゅして、 まさにおうじょうすべきものあり。 われら、 いまさいわひにしゃくそん遺法ゆいほうひて、 億劫おくこうときひとたびたまたましょうぜんおうじょうながれあずかれり。 いそぎて勤修ごんしゅすべし。 ときうしなふことなかれ。

諸仏、今娑婆世界↧修↢少善↡当↢往生↡者↥。我等今幸↢釈尊遺法↡、億劫タビレリ↢少善往生トモ↡。応イソギ勤修↡。莫↠失フコト↠時焉。

 ^ふ。 もししょう善根ぜんごんまたおうじょうすることをば、 いかんぞ、 ¬きょう¼ (小経) に 「しょう善根ぜんごん福徳ふくとく因縁いんねんをもつて、 かのくにうまるることをべからず」 とはのたまへる。

。若少善根亦得↢往生コトヲ↡、如何¬経¼云ヘル↠「不トハ↠可↧以↢少善根・福徳因縁↡得↞生コトヲ↢彼↡。」

^こたふ。 これに異解いげあり、 しげいだすことあたはず。 いまわたくしにあんじていはく、 だいしょうさだまれることなし。 相待そうたいしてだいさつのぞむれば、 これをしょうぜんづくと。 りんごうのぞむれば、 これをづけてだいとなす。 このゆゑに、 *きょうがいせず。

。此↢異解↡、不↠能↢繁コト↡。今私、大少↠定マレルコト。相待得↠名。望メテ↢大菩薩↡名クト↢之少善↡。望レバ↢輪廻↡名↠之↠大。是二経義不↢違害↡。

二 Ⅹ 尋常念相

【74】^だい*じんじょう念相ねんそうかさば、 これにしゅあり。 おおきにわかちてとなす。 いちには*じょうごう、 いはく、 ぜん入定にゅうじょうしてぶつかんずるなり。 には*散業さんごう、 いはく、 行住ぎょうじゅう坐臥ざがに、 散心さんしんぶつねんずるなり。 さんには*そうごう、 いはく、 あるいは相好そうごうかんじ、 あるいはみょうごうねんじて、 ひとへに穢土えどいとひて、 もつぱらにしてじょうもとむるなり。 には*そうごう、 いはく、 ぶつしょうねんじょうごんすといへども、 しかもしんすなはちひっきょうくうにして、 まぼろしのごとくゆめのごとし、 たいそくしてくうなり、 くうなりといへどもなり、 非有ひうくうなりとかんじて、 この無二むに通達つうだつして、 しん第一だいいちるなり。 これをそうごうづく。 これさいじょう三昧さんまいなり。

第四↢尋常念相↡者、此↢多種↡。大チテ↠四。一ニハ定業、謂坐禅入定ズルナリ↠仏。二ニハ散業、謂行住坐臥散心ズルナリ↠仏。三ニハ有相業、謂↢相好↡或↢名号↡、偏↢穢土↡、専ニシテルナリ↢浄土↡。四ニハ无相業、謂↧称↢念↡欣↦求スト浄土↥、而ジテ↢身土即畢竟空ナリ、如↠幻↠夢、即↠体而空ナリ、雖↠空ナリト而有ナリ、非有非空ナリト↡、通↢達无二↡、真ナリ↢第一義↢無相↡。是最上三昧ナリ

^ゆゑに ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) に、 弥陀みだぶつののたまはく、

諸法しょほうしょうは、 一切いっさい*くう*無我むがなりと通達つうだつすれども、

もつぱらじょうぶつもとめて、 かならずかくのごとき*せつじょうぜん」 と。

¬双巻経¼阿弥陀仏

「通↢達シテ諸法一切空无我ナリト
ムル↢浄仏土↢如↠是↡」

^また *¬かん¼ の常行じょうぎょう三昧ざんまいのなかに、 さんだんもんあり。 つぶさにはかみべつぎょうのなかにくがごとし。

又¬止観¼常行三昧↢三段文↡。具ニハ↢上別行クガ↡。

 ^ふ。 じょうさん念仏ねんぶつは、 ともにおうじょうするや。

。定散念仏往生耶。

^こたふ。 *おんじゅうしんをもつてねんずれば、 おうじょうせずといふことなし。

。慇重ヲモテルハ、無↠不トイフコト↢往生↡。

^ゆゑにかん (懐感)念仏ねんぶつ差別しゃべつきていはく (群疑論・意)、 「あるいはじん、 あるいはせんじょうつうさんつうず。 じょうといふはすなはちぼんよりじゅうおわる。 *善財ぜんざいどうの、 *どくうん比丘びくところにして念仏ねんぶつ三昧ざんまいまなびしごとき、 これすなはち甚深じんじんほうなり。 さんといふはすなはち一切いっさいしゅじょうの、 もしはぎょう、 もしは一切いっさいしょにみなぶつねんずることをて、 しょさまたげず、 ない命終みょうじゅうにまたそのぎょうじょうずるなり」 と。

感師説↢念仏差別↡云、「或深或浅、通↠定↠散。定トイフハ於凡夫ヨリ↢于十地↡。如↧善財童子↢功徳雲比丘↡請↦学念仏三昧↥、此即甚深法也。散トイフハ一切衆生、若行若坐、一切時処皆得↠念コトヲ↠仏不↠妨↢諸務↡、乃至命終亦成ズルナリ↢其↡。

 ^ふ。 そうそうごうは、 ともにおうじょうすることをるや。

。有相・无↢往生コトヲ↡耶。

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) のいはく (安楽集・上)、 「もしがくのものは、 いまだそうすることあたはず、 ただよくそうによりてせんせば、 おうじょうせずといふことなし。 うたがふべからず」 と。

。綽和尚、「若シテ↠能↠破コト↠相、但能↠相専至スルニ↠不トイフコト↢往生↡。不↠須↠疑也。」

^またかんしょう (懐感) のいはく (群疑論)、 「おうじょうすでに*品類ほんるい差殊しゃしゅなれば、 修因しゅいんまた浅深せんじんありて各別かくべつなり。 ただいふべからず、 ただ*所得しょとくしゅしておうじょうすることを所得しょとくしんしょうずることをず」 と。

又感和尚、「往生既品類差殊ナレバ、修因亦有↢浅深各別ナルコト。不↠可↢但言↡、唯↢無所得↡而シテ得↢往生コトヲ↡、有所得↠得↠生コトヲ也。」

 ^ふ。 もししからば、 いかんぞ *¬仏蔵ぶつぞうきょう¼ (意)かく、 「もし比丘びくありて、 比丘びくおしへて、 ªなんぢまさに*ぶつねんじ、 ほうねんじ、 そうねんじ、 かいねんじ、 ねんじ、 てんねんずべし。 かくのごときゆいをもつて、 はん安楽あんらくじゃくめつなることをかんじ、 ただはんひっきょう清浄しょうじょうなることをあいせよº と。 かくのごとくおしふるものをづけてじゃきょうとなし、 *あくしきづく。 このひとづけて、 われをほうしてどうたすくとなす。 かくのごとき悪人あくにんは、 われすなはち一飲いちおんみずをもくることをゆるさず」 と。

。若ラバ、如何¬仏蔵経¼説カク、「若↢比丘↡教マク↢余比丘↡、汝当↢念↠仏↠法↠僧↠戒↠施↟天。如↠是思惟ヲモテ↢涅槃安楽寂滅ナルコトヲ↡、唯愛セヨト↢涅槃畢竟清浄ナルコトヲ↡。如↠是フル↢邪教↢悪知識↡。是↧誹↢謗於我↡助クト↦於外道↥。如↠是悪人、我乃ユル↠受ケムコトヲ↢一飲↡。」

またのたまはく (仏蔵経)、 「むしろぎゃくじゅうあくじょうじゅすとも、 *けんしゅじょうけん寿見じゅけんみょうけんおんにゅうかいけんとうをばじょうじゅせざれ」 と。 以上略抄

又言、「寧成↢ストモ五逆重悪↡、不レト↣成↢我見・衆生見・寿見・命見・陰入界見等ヲバ↡」耶。 已上略抄

^こたふ。 かん (懐感) しゃくしていはく (群疑論・意)、 「ある聖教しょうぎょう (*無上依経) にまたのたまはく、 ªむしろ*けんおこすことしゅせんのごとくにすとも、 *空見くうけんおこすこと芥子けしばかりのごとくもせざれº と。 かくのごときしょだいじょうきょうに、 *くうし、 *だいさん*しょうさんずること、 ならびにすなはち*とうじてどうなり。

。感師釈、「有聖教復言ヘルコト、寧サムコト↢我見↡如クニストモ↢須弥山↡、不レト↧起コト↢空見↡如クモセ↦芥子バカリ↥。如↠是諸大乗経、訶↠有↠空、讃↠大コト↠小、並↠機不同ナルナリ

^またある ¬きょう¼ (大集経) にのたまはく、 ªいま弥陀みだ如来にょらいおう*しょう等覚とうがくは、 つぶさにかくのごとき*さんじゅうそう*はちじゅうずいぎょうこうまします。 身色しんじきこうみょう聚金じゅこんけたるがごとし。 かくのごとくおもひて、 ない、 かの如来にょらいねんぜず。 またかの如来にょらいざれ、 すでにかくのごとくしてだいくう三昧ざんまいº と。

又有¬経¼言今者 イマ 阿弥陀如来・応・正等覚、具↢如↠是卅二相・八十随形好↡。身色光明アツメタルガ金融。如クオモヒテ↠是、乃至不↠念↢彼如来↡。亦不ルコト↠得↢彼如来↡已リテシテ↠是次第イヘリ↢空三昧↡。

^また ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ にのたまはく、 ª如来にょらいにまた法身ほっしんじゅうりき無畏むい三昧さんまいだつ、 もろもろの神通じんずうまします。 かくのごときみょうしょは、 なんぢぼんさとるところのきょうがいにあらず。 ただまさに深心じんしんにしてずいおもいおこすべし。 このおもいおこしをはりて、 まさにまたねんけてぶつどくねんずべしº と。

又¬観仏三昧経¼云、如来亦有↢法身・十力・無畏・三昧・解脱、諸神通事↡。如↠此妙処、非↢汝凡夫↠覚境界↡。但当深心ニシテ↢随喜↡。起↢是↡已、当シトイヘリ↣復繋↠念↢仏功徳↡。

^ゆゑにりぬ、 初学しょがくともがらはかの色身しきしんかんじ、 がくともがら法身ほっしんねんずるなり。 ゆゑに、 ªかくのごとくしてだいくう三昧ざんまいº といへり。 まさにすべからくよくきょうこころすべし、 さんしんをなすことなかれ。 たえる、 だいしょう (釈尊)たくみにこんとうじたまへることを」 と。 じょう、 ¬観仏かんぶつきょう¼ のだいに、 ぶつの一もうかんじ、 ないそく色身しきしんかんずることをきをはりて、 くところのじゅうりき無畏むい三昧さんまいとうもんあり。

初学之輩↢彼色身↡、後学之徒↢法身↡也。故↣如クシテ↠是次第↢空三昧↡。当↣須↢経↡、勿ナスコト↢毀讃之心↡。妙レト大聖タマヘル↢根機↡者。」已上¬観仏経¼第九カク、観↢仏一毛↡、乃至観ズルコト↢具足色身↡已、有↢所↠引之十力・无畏・三昧等文↡

 ^ふ。 念仏ねんぶつぎょうは、 ぼんのなかにおいては、 これいづれのほんしょうぞ。

。念仏之行テハ↢九品↡、是何レノ

^こたふ。 もしせつのごとくぎょうずるは、 *上上じょうじょうあたれり。 かくのごとくして、 そのしょうれつしたがひてぼんわかつべし。 しかも ¬きょう¼ (観経)所説しょせつぼんぎょうごうは、 これ一端いったんしめすなり。 じつにはりょうなり。

。若↠説ルハ、理当レリ上々↡。如クシテ↠是↢其勝劣↡応↠分↢九品↡。然¬経¼所説九品行業、是示スナリ↢一端↡。理実無量ナリ

 ^ふ。 もしじょうさんともにおうじょうすることをるがごとく、 また現身げんしんにともにぶつたてまつるとせんや。

モシ↣定散倶ルガ↢往生コトヲ↡、亦モシ現身↠仏耶。

^こたふ。 *きょうろんおおく、 「三昧さんまいじょうじゅして、 すなはちぶつたてまつることを」 とけり。 あきらかにりぬ、 散業さんごうたてまつることをべからずといふことを。 ただ別縁べつえんをばのぞく。

。経論ケリ三昧成、即↠見マツルコトヲ↠仏。明散業トイフコトヲ↠可↠得↠見マツルコトヲ。唯↢別縁ヲバ↡。

 ^ふ。 *そうそうかん、 ともにぶつたてまつることをるや。

。有相・无相観、倶↠見マツルコトヲ↠仏耶。

^こたふ。 そうの、 ぶつたてまつることは、 うたがはざるにあり。 そのそうかんも、 あるいはまたぶつたてまつる。 ゆゑに ¬かんぎょう¼ とう色相しきそうかんずることをすすめたり。

。無タテマツルコト↠仏、理在↠不ルニ↠疑。其有相、或亦見マツル↠仏。故¬観経¼等メタリ↠観ズルコトヲ↢色相↡。

 ^ふ。 もしそうかんまたぶつたてまつらば、 いかんぞ ¬ごんぎょう¼ のに、

ぼん諸法しょほうること、 ただそうしたがひててんず。

ほうそうりょうせず、 これをもつてぶつたてまつらざるなり。

ることあるをばすなはち*となす。 これはすなはちいまだるとなさず。

諸見しょけんおんし、 かくのごとくしてすなはちぶつたてまつる」

とのたまひ、

。若有相観亦見タテマツラ↠仏者、云何¬花厳経¼偈ヘリ

「凡夫コト↢諸法但随↢於相↡転
不↠了↢法无相↠是ルナリ↠見マツラ↠仏
ルヲバ↠見コト↠垢↠為↠見ルト
遠↢離セル於諸見クシテ↠是マツルト↞仏

また (華厳経)

一切いっさいほう*自性じしょうしょなりと了知りょうちする、

かくのごとくほっしょうすれば、 すなはち*しゃたてまつる」

とのたまひ、

又云

「了↢知スル一切自性无所有ナリト
↠是スル↢法性マツルト↢盧舎那↡」

また ¬*金剛こんごうきょう¼ に、

「もししきをもつてわれをおんじょうをもつてわれをもとむるは、

このひと邪道じゃどうぎょうじて、 如来にょらいたてまつることあたはず」

とのたまへるや。

又¬金剛経¼云

「若↠色見↠我↢音声↡求ルハ↠我
↢邪道↠能↠見マツルコト↢如来↡」

^こたふ。 ¬要決ようけつ¼ (西方要決)つうじていはく、 「だい (釈尊) の、 きょうきたまふことは、 もんあり。 おのおの時機じきかなひ、 ひとしくしてしゃなし。 ª般若はんにゃきょうº はおのづからこれ一門もんなり。

。¬要決¼通、「大師キタマフコト↠教↢多門↡。各カナフコト↢時↡等クシテ差異↡。般若経是一門ナリ

*¬弥陀みだ¼ とうきょうもまたいちなりとなす。 なんとならば、 一切いっさい諸仏しょぶつ*ならびにさんしんまします。 *法仏ほうぶつにはぎょうたいなく、 しきしょうなし。 まことにじょうおよび*しょうさつの、 さんしん不異ふいなりときたまふをきて、 すなはちおなじくしきしょうありとおもひて、 ただしん色相しきそうて、 つひに法身ほっしんもまたしかなりとしゅうするがためのゆゑに、 きてじゃとなす。

¬弥陀¼等復為↢一理ナリト↡。何トナラバ者一切諸仏↢三身↡。法仏↠形体非↢色声↡。マコト↧二乗及少菩薩↠説タマフヲ↢三身不異リト↡、即ヒテ↣同リト↢色声↡、但↢化身色相↡遂スルガ↦法身亦爾ナリト↥故、説↠邪

¬弥陀みだきょう¼ とうに、 ぶつみなねんじ、 そうかんじ、 じょううまるることをもとめよとすすめたることは、 ただぼんさわりおもくして、 法身ほっしんゆうにして、 *法体ほったいえんずることかたきをもつて、 しばらくぶつねんじ、 かたちかんじ、 *礼讃らいさんせよとおしへたまふなり」 と。

¬弥陀経¼等、勧タルコト↧念↢仏↡観↠相、求ヨト↞生ヨト↢浄土↡者、但↢凡夫障重クシテ、法身幽微ニシテ、法体難キヲ↟縁ズルコト、且タマフナリ↢念↠仏↠形礼讃セヨト↡。」

 ^ふ。 ぼんぎょうじゃは、 つとめてしゅじゅうすといへども、 しん純浄じゅんじょうならず。 なんぞたやすくぶつん。

。凡夫行者、雖↢勤修習スト↡心不↢純浄ナラ↡。何タヤス↠仏

^こたふ。 衆縁しゅえんがっしてるなり。 ただりきのみにはあらじ。 ¬般舟はんじゅきょう¼ に*さんえんあり。 かみじゅうにちぎょうくところの ¬*かん¼ のもんのごとし。

。衆縁合ルナリ。非↢唯自力ノミニハ↡。¬般舟経¼有↢三縁↡。如↢上九十日↠引¬止観¼文↡。

 ^ふ。 いくばくの因縁いんねんをもつてか、 かのくにうまるることをる。

。以テカ↢幾クノ因縁↡得コトヲ↢彼↡。

^こたふ。 きょうによりてこれをあんずるに、 因縁いんねんす。 いち善根ぜんごん因力いんりきがん因力いんりきさん弥陀みだ本願ほんがんえん衆聖しゅしょう助念じょねんえんなり。 しゃじょは ¬びょう等覚どうがくきょう¼ にでたり。 六方ろっぽうぶつねんは ¬しょうきょう¼ にでたり。 山海さんかいさつとう護持ごじは ¬じゅうおうじょうきょう¼ にでたり。

。依↠経ズルニ↠之、具↢四因縁↡。一自善根因力、二自願求因力、三阿弥陀本願縁、四衆聖助念ナリ釈迦護助タリ↢¬平等覚経¼↡。六方護念タリ↢¬小経¼↡。山海恵菩薩等護持タリ↢¬十往生¼↡

二 Ⅹ 臨終念相

【75】^だいりんじゅう念相ねんそうかさば、

第五サバ↢臨終念相↡、

^ふ、 下下げげぼんにんりんじゅうじゅうねんして、 すなはちおうじょうすることを。 いふところのじゅうねんは、 なんらのねんぞや。

下々品人、臨終十念得↢往生コトヲ↡。所↠言十念何等耶。

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) のいはく (安楽集・上)、 「ただ弥陀みだぶつの、 もしは*総相そうそう、 もしは*別相べっそう憶念おくねんして、 所縁しょえんしたがひてかんじ、 じゅうねん念想ねんそう*間雑けんぞうすることなき、 これをじゅうねんづく。 またじゅうねん相続そうぞくといふは、 これしょうじゃいちかずのみ。 ただよくねんみ、 おもいらして、 えんぜざれば、 すなはち*業道ごうどうじょうべんす。 またいまだわずらはしくこれが*しゅをしもせず。 またいはく、 もしぎょうにんねんは、 おおくこれによるべし。 もしぎょうにんねんは、 かずするもまたし。 これまた聖教しょうぎょうによれり」 と。

。綽和尚、「但憶↢念阿弥陀仏想若別相↡、随縁観スル、逕↢於十念↡无↢他相間雑コト↡、是↢十念↡。又云十念相続スル者、是聖者数之名耳。但能↠念、凝↠思、不シテ↠縁↢他↡、便業道成。亦未イタハシク↢之頭数ヲシモ↡也。又云、若久行、多↠依↠此。若始行念者、記スルモ↠数亦好。此亦依レリト↢聖教↡。」

^*あるがいはく、 「一心いっしんに ª南無なも弥陀みだぶつº としょうねんして、 このろくるあひだを一念いちねんづく」 と。

ルガ、「一心称↢念南無阿弥陀仏↡、逕↢此六字↡之アヒダクト↢一念也。」

 ^ふ。 ¬*ろく所問しょもんぎょう¼ のじゅうねんおうじょうは、 かの一々いちいちねん深広じんこうなり。 いかんぞ、 いまじっしょうぶつねんじておうじょうといふや。

。¬弥勒所問経¼十念往生、彼一々念深広ナリ。如何今云↣十声念↠仏↢往生↡耶。

^こたふ。 しょしょしゃくどうなり。

。諸師所釈不同ナリ

^*じゃくほっ (義寂) のいはく、 「これは、 しんをもつぱらにしてぶつみなしょうするときに、 ねんかくのごときじゅうそくすとくなり。 かならずしも一々いちいちに、 べつとうえんずるにはあらず。 またかのとうかぞへてじゅうとなすにはあらず。 いかんぞ、 べつえんぜざるに、 しかもじゅうそくするとならば、 かいけんとほっして*さんしょうするときに、 べつせつとうえんぜずといへども、 しかもよくつぶさに*せつとうかいるがごとし。 まさにるべし、 このなかのどうもまたしかなり。 またじゅうねんそくして ª南無なも弥陀みだぶつº としょうすべしといふは、 いはく、 よくとうじゅうねんそくして ª南無なもぶつº としょうするなり。 もしよくかくのごとくすれば、 しょうねんするところにしたがひて、 もしはいっしょう、 もしはしょう、 みなおうじょうすることを」 と。

寂法師、「此クナリ↧専ニシテ↠心↢仏↡時、自然具↦足スト↠是↥。非↣必シモ一々ズルニハ↢慈等↡。亦非↧数ヘテ↢彼慈等↡為ニハ↞十。云何ルニ↢別↡而具↢足ルトナラバ↡、如↧欲↠受ムト↠戒↢三帰↡時、雖↠不↣別↢離殺等↡、而ルガ↦離殺等↠知、此道理亦爾ナリ。又イフベ具↢足十念トイフ↢南无阿弥陀仏↡者、謂具↢足慈等十念↡称ルナリ↢南無仏↡。若クスレバ↠是、随↠所↢称念↡、若一称ニマレ多称ニマレ、皆得↢往生コトヲ↡。」

^かんほっ (懐感) のいはく (群疑論)、 「おのおのこれ聖教しょうぎょうにして、 たがひにおうじょうじょう法門ほうもんけば、 みな*浄業じょうごうじょうず。 なにによりてか、 かれをもつてとなし、 これをしりぞけてといはん。 ただしみづからきょうさとらず、 またすなはちもろもろの学者がくしゃまどはす」 と。

感法師、「各是聖教シテルナリ↢往生浄土法門皆成↢浄業↡。何テカモテ↠彼↠是キラヒ↠此↠非。但不↠サト↠経、亦乃スト↢諸学者↡。」

^ざいのいはく (浄土論)、 「このじゅうねんは、 現在げんざいときになすなり。 *¬かんぎょう¼ のなかのじゅうねんは、 命終みょうじゅうときのぞみてなすなり」 と。 こころかん (懐感)おなじ。

迦才師、「此之十念現在スナリ。¬観経¼中十念命終スナリト。」 意同↢感師↡。

 ^ふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下意) にのたまはく、 「ない一念いちねんするに、 おうじょうすることを」 と。 これじゅうねんと、 いかんが*かくせる。

。¬双巻経¼云、「乃至一念↢往生コトヲ↡。」此与↢十念↡云何乖角セル

^こたふ。 かんのいはく (群疑論・意)、 「極悪ごくあくごうのものはじゅうててしょうずることをのものは、 ない一念いちねんしてもまたしょうず」 と。

。感師、「極悪業テテ↠十得↠生コトヲ、余乃至一念シテモ亦生ズト。」

 ^ふ。 うまれてよりこのかた、 もろもろのあくつくりて一善いちぜんをもしゅせざるもの、 命終みょうじゅうときのぞみてわづかにじっしょうねんずるに、 なんぞよくつみめっして、 なが三界さんがいでて、 すなはちじょううまれん。

。生テヨリ↢諸↡不↠修↢一善↡者、臨命終十声念ルニ、何↠罪、永↢三界↡、即↢浄土↡。

^こたふ。 ¬*せん比丘びく問仏もんぶつきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「とき*らんおうありて、 かん*せん比丘びくひていはく、 ªひとけんにありてあくることひゃくさいいたるまです。 ときのぞみてぶつねんぜば、 してのちてんうまるとは、 われこのせつしんぜずº と。 またいはく、 ªいち生命しょうみょうころさば、 して*ないのなかにるとは、 われまたしんぜずº と。

。如↢¬那先比丘問仏経¼言フガ↡。「時↢弥蘭王↡問↢羅漢那先比丘↡言、人在↢世間↡作コト↠悪ルマデニス↢百歳↡。臨ズレ↠仏、死トハ↠天我不↠信↢是↡。復言、殺シテ↢一生命↡、ルト↢泥我亦不↠信也。

比丘びくおうはく、 ªもしひとちいさきいしちて、 みずのなかに置在かば、 いしうかぶやしずむやº と。 おうのいはく、 ªいししずむº と。 せんのいはく、 ªもしいま、 百丈ひゃくじょうおおきなるいしちて、 ふねうえ置在かば、 もっしなんやいなやº と。 おうのいはく、 ªしずまじº と。

比丘問ハク↠王、如↢小↡置↦在スルガ、石耶没耶。王、石没ムト也。那、如今持↢百丈ナル↡置↦在スルガ、没シナムヤ。王、不↠没

せんのいはく、 ªふねのなかの百丈ひゃくじょうおおきなるいしは、 ふねによりてもっすることをず。 ひともとあくありといへども、 いちぶつねんずれば、 ないもっせずしてすなはちてんじょううまるること、 なんぞしんぜざらんや。 そのちいさきいしもっするといふは、 ひとあくつくり、 きょうぼうらずして、 してのちにすなはちないるがごとし。 なんぞしんぜざらんやº と。 おうのいはく、 ªきかな、 きかなº と。

那先、船百丈ナル、因↠船不↠得↠没コトヲ。人雖↠有リト↢本悪↡、一時レバ↠仏、不シテ↠没↢泥↡便コト↢天上↡、何ラム↠信耶。其ルトイフ者、如↧人↠悪シテ↠知↢経法↡、死便ルガ↦泥↥。何ラム↠信耶。王、善哉善

比丘びくのいはく、 ªふたりひとともにして、 一人いちにん*だいしち梵天ぼんてんうまれ、 一人いちにん*罽賓国けいひんこくうまるるがごとき、 このにんは、 遠近おんごんことなりといへども、 すればすなはちいちいたる。 ひとつがいちょうありて、 いちたかうえにしてとまり、 いちみじかうえとまらんに、 ふたつとりいちにともにぶに、 そのかげともにいたるがごときのみ。 にんのごときはあくつくりてつみることだいなり、 にんあくつくりてもつみることしょうなるがごとし。 けたるてつけるを、 一人いちにんけたりとれり、 一人いちにんらずして、 ふたりひとともにるに、 しかもらざるものはただるることだいにして、 れるものはすこやぶるるがごとし。 あくつくることもまたしかなり。 しゃはみづからゆることあたはざるがゆゑに、 つみることだいなり。 しゃあくつくれどもとうなりとるがゆゑに、 日々にちにちにみづからゆることをなせば、 そのつみしょうなりº」 と。

比丘、如↧両人倶、一人↢第七梵天↡、一人ルルガ↦罽賓国↥、此二人、遠近雖↠異リト、死レバ一時。如↧有一双ヒトツガヒ飛鳥↡、一↢高、一ミジカ、両鳥一時ブニ、其ルガ↥耳。如キハ↢愚人↡作↠悪コトツミナリ智人↠悪コトツミスクナ。如↢焼オケルヲ↠地、一人レリ↠焼タリト、一人シテ↠知、両人倶ルニ、然↠知タダコトナリ、知レルヤブルルガコトモ↠悪亦爾ナリ。愚者ルガ↠能↢自コトコト↠殃ナリ。智者ドモ↠悪ルガ↢不当ナリト↡故、為↢日コトヲ↡、其スクナ。」

^じゅうねんにもろもろのつみめっして、 ぶつがんふねりて、 しゅおうじょうすることをることも、 そのまたしかるべし。

十念↢衆↡、乗↢仏悲願↡、須臾コトモ↢往生コトヲ↡、其理亦可↠然

^また ¬*じゅう¼ にしゃくしていはく、 「^いま三種さんしゅどうをもつて*校量きょうりょうするに、 軽重きょうじゅうじょうなり。 せつごんしょうにはらず。 いかなるをかさんとなす。 いちにはしんり、 にはえんり、 さんにはけつじょうるなり。

又¬十疑¼釈、「今以↢三種道理↡校量ルニ、軽重不定ナリ。不↠在↢時節近・多ニハ↡。云何ナルヲカ↠三。一者在↠心、二者在↠縁、三者在ルナリ↢決定↡。

^ªしんりº といふは、 つみつくときはみづからの*もう顛倒てんどうしんよりしょうずるも、 念仏ねんぶつしんは、 ぜんしきしたがひて弥陀みだぶつ真実しんじつどくみょうごうくをしんよりしょうず。 いちいちじつなり。 あにあひくらぶることをんや。 たとへば、 万年まんねんくらしつひかりしばらくもいたりぬれば、 しかもやみたちまちにのぞこるがごとし。 あにひさしきよりこのかたのやみといひて、 あへてめっせざることあらんや。

リトイフ↠心者、造↠罪之時↢自ラノ妄顛倒心↡生ルモ念仏心者、従↢善知識↡聞↠説クヲ↢阿弥陀仏真実功徳名号↡心ヨリ。一虚、一ナリ。豈ムヤ↢相コトヲ↡。譬キハ↢万年光暫ヌレバ、而暗頓コルガリテヨリ之暗トイラムアヘ↡耶。

^ªえんりº といふは、 つみつくときには、 もうあんしんの、 もうきょうがいえんずる顛倒てんどうしんよりしょうずるも、 念仏ねんぶつしんは、 ぶつ清浄しょうじょう真実しんじつどくみょうごうきて、 *じょうだいえんずるしんよりしょうず。 いちしんいちなり。 あにあひくらぶることをんや。 たとへば、 ひとありてどくてられて、 ふかく、 どくいたましくて、 はだやぶり、 ほねいたるときに、 ひとたび*滅除めつじょやくつづみこえけば、 すなはちどくのぞこるがごとし。 あに深毒じんどくなるをもつてあへてでざらんや。

リトイフ↠縁者、造↠罪之時ニハ、従ヒテ虚妄痴暗ズル↢虚妄境界↡顛倒ヨリルモ念仏之心ヒテクニ↢仏清浄真実功徳名号↡縁ズル↢无上菩提↡心ヨリ。一真一ナリ。豈ムヤ↢相コトヲ↡。譬↧有↠人被↢毒カブ↡、箭深イタマシクテヤブカハベトキニ↠骨、一タビ↢滅除薬↡、即箭除コリヌルガ↥。豈↢深毒ナルヲ↡不ラムアヘ↡也。

^ªけつじょうりº といふは、 つみつくとき*間心けんしん有後うごしんをもつてす。 ぶつねんずるときけんしん無後むごしんをもつてし、 つひにすなはちいのちつるまで善心ぜんしんみょうなり。 ここをもつてすなはちしょうず。

リトイフ↢決定↡者、造↠罪之時↢有間心後心↡也。念↠仏之時テシ↢无間クシテ後心↡、遂ツル↠命善心猛利ナリ。是

たとへば*じゅうなわせんせいせざれども、 どうけんふるひてしゅりょうだんするがごとし。 また千年せんねんめるくさに、 おおきさまめばかりのをもつてこれをくに、 しょうにすなはちくるがごとし。 またひとありて、 いっしょうよりこのかた、 *じゅう善業ぜんごうしゅしててんうまるることをべきに、 りんじゅうとき一念いちねんけつじょう邪見じゃけんおこさば、 すなはち*阿鼻あびごくするがごとし。 悪業あくごうもうなるすらみょうなるをもつてのゆゑに、 なほよくいっしょう善業ぜんごうはらひて悪道あくどうせしむ。 あにいはんや、 りんじゅうみょうしんぶつねんずる、 真実しんじつけん善業ぜんごうをや。 無始むし悪業あくごうはらふことあたはずして、 じょううまるることをずといはば、 このことわりあることなからん」 と。

↢十囲之ナハ千夫シテ、童子フルヒ↠剣須臾両段ルガ↡。又如↧千年積メル、以↢大キサバカリノ↡焚クニ↠之、小時クルガ↥。又如↧有↠人一生ヨリ已来↢十善↡応↠得↠生コトヲ↠天、臨終之時↢一念決定邪見↡、即ルガ↦阿鼻地獄↥。悪業虚妄ナルスラテノ↢猛利ナルヲ↡故、尚能ヒテ↢一生↡令↠堕↢悪道↡。豈臨終猛利↠仏真実無間善業ヲヤシテ↠能↠排フコト↢無始悪業↡不トイハバ↠得↠生コトヲ↢浄土↡者、无ムト↠有コト↢是コトワリ↡。」

^また ¬安楽あんらくしゅう¼ (上) に、 しちたとへをもつてこのあらわせり。

又¬安楽集¼以↢七↡顕セリ↢此↡。

^いちにはしょうたとへ、 さきのごとし。

「一ニハ少火喩如↠前

^には、 *あしなえなるものもふねさいすれば、 風帆ふうはんいきおひによりて一日いちにちせんいたる。

ニハアシナヘナルヤド↢載リテ↡、因↢風帆↡一日↢千里↡。

^さんには、 貧人びんにん一端いったんものてもつておうたてまつるに、 おうよろこびておもしょうするに、 しばらくのあひだに、 富貴ふきのぞみにつ。

ニハ貧人獲↢一↡而シテ↠王王慶ルニ斯須シバラクアヒダ富貴↠望

^には、 れっも、 もし*輪王りんのうみゆきしたがへば、 すなはちくうじょうじて、 とうざいなり。

ニハ劣夫ヒヌレ↢輪王↡、便ノボ↢虚空↡飛騰自在ナリ

^にはじゅうなわたとへ、 さきのごとし。

ニハ十囲ナハ喩如↠前

^ろくには、 *鴆鳥ちんちょうみずれば*魚蚌ぎょぼうことごとくぬ。 みな*犀角さいかくをもつてこれにるれば、 したるものかえりてよみがえる。

ニハ鴆鳥入↠水魚蚌コトゴト皆犀角ヲモテルレバタルヨミガヘ

^しちには、 *黄鵠こうこく、 ªあんあんº とべば、 かえりてよみがえる。 あにふん千齢せんれいさだめてよみがえるべきことなしといふことをべけんや。

ニハ黄鵠喚ベバ↢子安子↡還ヨミガヘ。豈ケム↠得↠言コトヲ↢墳千齢サダメシト↟可キコト↠甦也。

^一切いっさい万法まんぽうにみなりきりき*自摂じしょう他摂たしょうありて、 千開せんかい万閉まんぺいりょうへんなり。 あに*有礙うげしきをもつて、 か*無礙むげほううたがふことをんや。 また*不思議ふしぎのなかには仏法ぶっぽうもつとも不可ふか思議しぎなり。 あに三界さんがい*ごうをもつておもしとなし、 かの少時しょうじ念法ねんぽううたがひてかろしとなさんや」 と。 以上略抄

一切万法↢自力・他力、自摂・他摂↡千開万閉、無量无辺ナリ。豈↧以↢有礙之識↡疑コトヲ↦彼无礙之法↥乎。又五不思議ニハ仏法最不可思議ナリ。豈↢三界↡為↠重シト、疑↢彼少時念法↡為ムヤトシト。」 已上略抄

^いまこれにくわへていはく、 いちには、 *栴檀せんだん出成しゅつじょうするときに、 よくじゅうじゅん*らんはやしへんじて、 あまねくみなこうならしむ。

今加↠之、一ニハ旃檀樹出成スル、能ジテ↢由旬伊蘭↡普皆香美ナリ

^には、 獅子ししすじもちゐて、 もつてことげんとなせば、 おんじょうひとたびそうするに、 一切いっさいげん、 ことごとくみなだんしぬ。

ニハ↢師子↡以↢琴↡、音声一タビスルニ、一切皆断壊シヌ

^さんには、 一斤いっこん*石汁しゃくじゅう、 よく千斤せんこんあかがねへんじてこがねとなす。

ニハ一斤汁能↢千斤↡為↠金

^には、 金剛こんごうけんなりといへども、 *羖羊こうようつのをもつてこれをたたけば、 すなはち潅然かんねんとしてこおりのごとくけぬ。 じょう滅罪めつざいたとへ。

ニハ金剛雖↢堅固ナリト↡、以↢羖羊タタケ↠之、則潅然トシテノゴトクトケ已上滅罪

^には、 *雪山せっせんくさあり、 づけて忍辱にんにくとなす。 うしもしじきすれば、 すなはち*だい

ニハ雪山↠草、名↢忍辱↡。牛若レバ者即得↢醍醐↡。

^ろくには、 *しゃ訶陀かだやくにおいて、 ただることあるものは、 寿じゅることりょうなり。 ないねんずるものは*宿命しゅくみょう

ニハ↢沙訶陀薬↡但有↠見コト者、得コト↠寿无量ナリ。乃至念得↢宿命智↡。

^しちには、 孔雀くじゃくいかずちこえきてすなはち*しんあることを

ニハ孔雀聞↢雷↡即得↠有コトヲ↠身。

^はちには、 *尸利しりしゃ*昴星ぼうせいてすなはちじつ出生しゅっしょうす。 じょうしょうぜんたとへ。

ニハ尸利沙見↢昴星↡則出↢生菓実↡。已上生善

^には、 *住水じゅうすいほうをもつてその瓔珞ようらくとすれば、 ふかみずのなかにれども、 しかもしずにゃくせず。

ニハ↢住水宝↡瓔↢珞トスレバ↡入ドモ↢深↡而不↢没↡。

^じゅうには、 *沙礫しゃりゃくすくなしといへども、 なほうかぶことあたはず。 *ばんじゃくだいなりといへども、 ふねすればよくうかぶ。 じょうそうたとへ。

ニハ沙礫雖↠少シト尚不↠能↠浮ブコト磐石雖↠大ナリトスレバ↠船已上総

^諸法しょほう力用りきゆうおもひがたきことかくのごとし。 念仏ねんぶつりき、 これになぞらへてうたがふことなかれ。

諸法力用、難キコト↠思↠是。念仏力、准ヘテ↠之↠疑コト

 ^ふ。 りんじゅう心念しんねんは、 そのりきいくばくなればか、 よくだいじょうずる。

。臨終心念、其幾許イクラバカリアレバカ、能ズル↢大事↡。

^こたふ。 そのりきひゃくねんごうすぐれたり。

。其力勝レタリ↢百年↡。

^ゆゑに ¬大論だいろん¼ (大智度論) にいはく、 「このしんときのあひだすくなしといへども、 しかも心力しんりきみょうなること、 のごとくどくのごとくなれば、 すくなしといへどもよくだいじょうず。 これなんとするときしんも、 けつじょうして勇健ゆうごんなるがゆゑに、 ひゃくさいぎょうりきすぐれたり。 このしんづけて*大心だいしんとなす。 しんおよびもろもろのこんつるをもつて、 こときゅうなるがゆゑに。 ひとの、 じんるにしんみょうしまざるを、 づけてごんとなすがごとし。 阿羅あらかんのこのじゃくつるがゆゑに阿羅あらかんどうるがごとし」 と。

¬大論¼云、「是↢時アヒダシト↡、而心力猛利ナルコト↠火↠毒↠少シト↢大事↡。是↠死ムト、決定シテ勇健ナルガレタリ↢百歳行力↡。是後心↢大心↡。以↠捨ツルヲ↢身及↡事ナルガ。如↧人ルニ↠陳ルヲ↠惜↢身命↡名↞健。如シト↧阿羅漢ツルガ↢是↡故ルガ↦阿羅漢↥。」

^これによりて ¬安楽あんらくしゅう¼ (上) にいはく、 「一切いっさいしゅじょうりんじゅうときには、 *刀風とうふうかたちき、 死苦しくきたむるに、 だい怖畏ふいしょうじて、 ない、 すなはちおうじょうすることを」 と。

↠此¬安楽集¼云、「一切衆生臨終之時ニハ、刀風解↠形、死苦来ルニ、生↢大怖畏↡、乃至便↢往生コトヲ↡。」

 ^ふ。 ふか観念かんねんちからつみめっすることはしかるべし。 いかんぞ、 仏号ぶつごうしょうねんするにりょうつみめっする。 もししからば、 ゆびをもつてつきすに、 このゆびよくやみすべし。

。深観念力滅コトハ↠罪↠然。云何称↢念ルニ仏号↡滅↢无量↡。若ラバ、以↠指スニ↠月、此指応↢能↟闇

^こたふ。 しゃくしょう (道綽) しゃくしていはく (安楽集・上意)、 「諸法しょほう万差まんじゃなり。 一概いちがいすべからず。 おのづから*ほうそくするあり。 おのづからほうするあり。

。綽和尚釈、「諸法万差ナリ。不↠可↢一概↡。自↢名即ナル↡。自↢名異↡。

^ほうそくするといふは、 諸仏しょぶつさつみょうごう*禁呪きんじゅおん*しゅ多羅たら章句しょうくとうのごとき、 これなり。 禁呪きんじゅに、 ª*にっしゅつ東方とうぼうしゃくおうº といはんに、 たとひ*酉亥ゆうがいきんぎょうずるも、 わずらへるものまたゆるがごとし。

名即トイフ者、如↢諸仏・菩薩名号、禁呪音辞、修多羅章句等↡是也。如禁呪フガ、日出デヌレバ東方タチマチタチマチナリト仮令酉亥↠禁者亦愈

^またひとありて、 いぬはるることをこうむるに、 とらほねあぶりてこれをせば、 わずらへるものすなはちゆるがごとし。 もしときほねなくは、 よくたなごころひろげてこれをりて、 くちのなかにびて、 ªらいらいº といへば、 わずらへるものまたえぬ。

又如↧有↠人被ルニ↢狗コトヲ、炙↢虎↠之、患ユルガ↥。モシクバ↠骨、好ヒロゲ↠掌↠之、口↢虎来虎来↡、患者亦愈

^あるいはまたひとありて、 脚転筋こむらがえりわずらはんに、 木瓜ぼけつえあぶりてこれをせば、 わずらへるものすなはちえぬ。 もし木瓜ぼけなければ、 あぶりてこれをり、 くちに ª木瓜ぼけº とべば、 わずらへるものまたえぬ。

復有↠人、患スル脚転筋↡、炙↢木瓜↠之、患者即モシレバ↢木瓜↡、炙↠手↠之、口↢木瓜↡、患者亦愈也。

^ほうするといふは、 ゆびをもつてつきすがごとき、 これなり」 と。

ルトイフ↠法者、如↢以↠指スガ↞月ナリト。」

^¬要決ようけつ¼ (西方要決) にいはく、 「諸仏しょぶつは、 がんぎょうをもつてこのみょうじょうずれば、 ただよくごうねんずるに、 つぶさに衆徳しゅとくねたり。 ゆゑに大善だいぜんじょうず」 と。 じょう、 かのもんに ¬浄名じょうみょう¼ (*維摩経)・¬*じょうじつ¼ のもんけり。 つぶさには*かみ助念じょねん方法ほうほうのごとし。

¬要¼云、「諸仏願行ヲモテズレバ↢此↡、但能ルニ↠号カネタリ↢衆徳↡。故ズト↢大善↡。」已上彼↢¬浄名¼・¬成実¼文↡。具ニハ↢上助念方法

 ^ふ。 もし下下げげぼんぎゃくざいつくれるもの、 たびぶつねんずるによりておうじょうすることをといはば、 いかんぞ、 *¬仏蔵ぶつぞうきょう¼ のだいさんにのたまはく、 「だいしょうごんぶつめつあく比丘びくありき。 *第一だいいち*しょ*ひっきょうくうほうてて、 *どう*けんろん*とんぎょうしき。

。若下々品レルモノ↢五逆罪↡、由↢十タビルニ↟仏トイハバ↢往生コトヲ↡者、云何¬仏蔵経¼第三、「大荘厳仏滅後↢四悪比丘↡。捨テテ↢第一義・无所有・畢竟空↡、貪↢楽シキ外道尼健子↡。

このひと命終みょうじゅうして阿鼻あびごくちて、 あおぎてし、 うつぶきてし、 きょうにしてし、 きょうにしてすこと、 おのおのひゃくまん億歳おくさい熱鉄ねつてつうえにしてかれ、 がれただれき。 しをはりて、 さらにごくだいごく等活とうかつごくこくじょうごくうまれて、 みなかみのごとき歳数さいしゅく。 こくじょうよりしてはかえりて*阿鼻あびごくうまる。 かの、 しゅっにして親近しんごんせしもの、 ならびにもろもろの*檀越だんおつ、 おほよそろっひゃく万億まんおくにん、 このとともにしょうじともにして、 だいごくにありてもろもろのしょうしょけき。 こうきてはほうごくてんしょうし、 こうじょうじてはかえりてこのけんごくうまる。

人命終↢阿鼻地獄↡、仰ウツブキ、左脇シテ、右脇ニシテシテ、各九百万億歳於↢熱鉄↡焼カレガレタダレ。死↢灰地獄・大灰地獄・等活地獄・黒縄地獄↡、皆如クシテ↢上歳数↠苦。於↢黒縄↡死テハ↢阿鼻獄↡。彼・出家親近セシモノ檀越、凡六百四万億人、与↢此師↡倶、在↢大地獄↡受ケキ↢諸焼煮↡。劫尽テハ転↢生他方地獄↡、劫成ジテ↢此地獄↡。

久々くくにしてごくまぬかれてにんちゅううまれては、 *ひゃくうまれてよりめしいなり。 のち一切いっさいみょうおうぶつひてしゅっして、 じゅう万億まんおくさい勤修ごんしゅしょうじんすること*ねんはらふがごとくせしかども、 *じゅんにんすらざりき。 いはんや、 *どうんや。 命終みょうじゅうしてはかえりて阿鼻あびごくうまれにき。

久々ニシテ↢地獄↡生テハ↢人中↡、五百世従シテ↠生而盲ナリ。後↢一切明王仏↡出家、十万億歳勤修精進コトクセシカドモ↠救フガ↢頭燃↡、不リキ↠得↢順忍ヲダモ↡。況ムヤ↢道果↡。命終シテハレニキ↢阿鼻地獄↡。

のちじゅうおくぶつひても、 じゅんにんすらざりき。 なにをもつてのゆゑに。 ぶつの、 深法じんぽうきたまひしに、 このひとしんぜずして、 破壊はえぎゃくし、 *げんじょうかい比丘びく破毀はきして、 そのあくいだせるほう因縁いんねんもつて、 ほうとしてまさにしかるべし」 と。 じょうりゃくしてしょうす。 「比丘びく」 とはがん比丘びくさつ和多わた比丘びくしょう比丘びく跋難ばつなん比丘びくなり。

↠後テモ↢九十九億↡、不リキ↠得↢順忍ヲダニモ↡。何。仏タマヒシ↢深法↡、是人不シテ↠信、破破↤毀賢聖・持戒比丘↡、出セル↢其過悪↡破法因縁ヲモテトシテシト↠爾。」已上略。四比丘者苦岸比丘・薩和多比丘・将去比丘・跋難陀比丘ナリ

^じゅう万億まんおくさいねんはらふがごとくせしも、 なほつみめっせずして、 かえりてごくしょうじき。 いかんぞ、 ぶつねんずることいっしょうじっしょうしてすなはちつみめっして、 じょうおうじょうすることをるや。

十万億歳如クセシ↠救フガ↢頭燃↡、尚不シテ↠滅↠罪、還ジキ↢地獄↡。如何コト↠仏一声・十声シテルコトヲ↠罪往↢生スルコトヲ浄土耶。

^こたふ。 かん (懐感) しゃくしていはく (群疑論)、 「ぶつねんずるは、 えんによるがゆゑにつみめっす。 いちには、 だいじょうしんおこえんには、 じょうしょうぜんとがんずるえん小乗しょうじょうにんは、 十方じっぽうぶつましますとしんぜざるがゆゑに。 さんには、 弥陀みだぶつ本願ほんがんえんには、 念仏ねんぶつどくえん。 かの比丘びくは、 ただ*念処ねんじょかんをなせしがゆゑに。 には、 ぶつりきをもつて加持かじしたまふえんなり。 このゆゑに、 つみめっしてじょうしょうずることを。 かの小乗しょうじょうにんは、 しからざりき。 ゆゑにつみめっすることあたはず」 と。

。感師釈、「念ルハ↠仏ルガ↢五↡故↠罪。一ニハ↢大乗↡縁。二ニハズル↠生ムト↢浄土↡縁。小乗ルガ↠信↠有スト↢十方仏↡故。三ニハ阿弥陀仏本願縁。四ニハ念仏功徳縁。彼比丘セシガ↢四念処↡故。五ニハ威力ヲモテ加持ナリ。是↠罪得↠生コトヲ↢浄土↡。彼小乗リキ↠爾。故↠能↠滅コト↠罪。」

 ^ふ。 もししからば、 いかんぞ、 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・上)じゅうねんおうじょうきて、 「ただ*ぎゃく*ほうしょうぼうをばのぞく」 とのたまへる。

。若ラバ云何¬双巻経¼説↢十念往生↡、云ヘル↣「唯除クト↢五逆・誹謗正法ヲバ↡。」

^こたふ。 *きょうとうしょのいはく、 「もしただぎゃくつくれるものは、 じゅうねんによるがゆゑにしょうずることを。 もしぎゃくざいをもつくり、 またほうをもそしれるものは、 おうじょうすることをず」 と。

。智憬等諸師、「若唯造レル五逆↡者、由↢十念↡故得↠生コトヲ。若↢逆罪ヲモ↡亦謗レル↠法ヲモ、不↠得↢往生コトヲ↡。」

^*あるがいはく、 「ぎゃく*じょうごうつくれるものはおうじょうすることをるも、 ぎゃく*じょうごうつくるものはおうじょうせず」 と。

ルガ、「造レルモノハ↢五逆不定業↡得ルモ↢往生コトヲレルモノ↢五逆定業↡不↢往生↡。」

^かくのごとくじゅうしゃくあり。 かんほっ (懐感)しょしゃくもちゐずして、 みづからいはく (群疑論)、 「もしぎゃくつくらざるひとは、 ねんしょうろんずるにあらず、 いっしょうじっしょうともにじょううまる。 もしぎゃくつくれるひとは、 かならずすべからくじゅうつべし。 いちをもけつればしょうぜず。 ゆゑに ªのぞくº といふなり」 と。

シテ↠是↢十五家釈↡。感法師不シテ↠用↢諸師↡自、「若↠造↠逆↠論ズルニ↢念之多少↡。一声・十声倶↢浄土↡。レル↠逆↠満↠十。闕ケツレバ↠一ヲモ不↠生。故↠除クト。」

^いまこころみにしゃくくわへば、 *しょにはあまねくおうじょう種類しゅるいあらわすも、 本願ほんがんにはただ*定生じょうしょうにんのみをぐ。 ゆゑにいへり、 「しからずは、 しょうがくらじ」 と。

今試↠釈余処ニハ↢往生種類本願ニハ唯挙↢定生之人ノミ↡。故ヘリ、「不↠爾↠取↢正覚↡。」

*にんじゅうねんはさだめておうじょうすることをぎゃくしゃ一念いちねんはさだめてしょうずることあたはず。 ぎゃくじゅういちとは、 みなこれじょうなり。 ゆゑに、 がん (第十八願) にはただにんじゅうねんげて、 しょには、 ねてぎゃくじゅういちとをれり。 このいまだけっせず。 べつちゃくすべし。

余人十念得↢往生コトヲ↡、逆者一念不↠能↠生コト。逆トハ皆是不定ナリ。故ニハ唯挙↢余人十念↡、余処ニハレリ↢逆↡。此義未↠決。別↢思↡。

 ^ふ。 ぎゃくしゃじゅうねん、 なんがゆゑぞじょうなる。

。逆者十念何不定ナル

^こたふ。 宿しゅくぜん有無うむによりて念力ねんりきべつなるがゆゑに。 またりんじゅう*じんじょうと、 ねんずるときべつなるがゆゑに。

。由↢宿善有无↡念力別ナルガ。又臨終尋常ズル時別ナルガ

 ^ふ。 ぎゃくはこれ*順生じゅんしょうごうなり。 ほうともにさだまれり。 いかんぞめっすることをん。

。五逆是順生ナリ。報・時倶レリ。云何↠滅コトヲ

^こたふ。 かん (懐感)、 これをしゃくしていはく (群疑論)、 「*九部くぶ*りょうきょうのなかには、 もろもろの*しんごうぼんのために、 *みつをもつてきて ªじょうほうごうありº といふ。 もろもろのだいじょう*りょうきょうのなかには、 ª一切いっさいごうことごとくみなじょうなりº ときたまふ。

。感師釈↠之、「九部不了ニハ、為↢諸不信業果凡夫↡、密意ヲモテ↠有リト↢定報業↡。於大乗了義、説タマフ↢一切業悉皆不定ナリト↡。

^¬*はんぎょう¼ の*だいじゅうはっかんにのたまふがごとし。 *耆婆ぎば*じゃおうのためにさんほうくに、 ªつみめっすることをたりº と。

↢¬涅槃経¼第十八巻フガ↡。耆婆為↢阿闍世王↡説クニ↢懴悔↡、罪得タリト↠滅コトヲ

またのたまはく (涅槃経)、 ªしんぶつせつくに、 «いち善心ぜんしんしゅすればひゃくしゅあくす» と。 すこしき毒薬どくやくのよくしゅじょうがいするがごとし。 しょうぜんもまたしかり。 よく大悪だいあくすº と。

又云、臣聞キタマフシテ↢一善心↡破スルコト↢百種↡、如↣少毒薬ルガ↢衆生少善亦爾スト↦大悪↥。

またさんじゅういちにのたまはく (涅槃経)、 ª善男ぜんなん、 もろもろのしゅじょうありて、 *業縁ごうえんのなかにおいてしんかろんじてしんぜず。 かれをせんがためのゆゑにかくのごときせつをなしたまふ。 善男ぜんなん一切いっさいごうきょうありじゅうあり。 軽重きょうじゅうごうにまたおのおのあり。 いちにはけつじょうにはけつじょうなりº と。

卅一、善男子、有↢諸衆生↡於↢業縁↡心軽ジテ不↠信。為↠度ムガ↠彼タマフ↢如↠是↡。善男子、一切作業↠軽有↠重。軽重二業復各↠二。一ニハ決定、二ニハ不決定ナリト

またのたまはく (涅槃経)、 ªあるいはじゅうごうの、 きょうとなしべきことあり。 あるいはきょうごうの、 じゅうとなしべきことあり。 にんは、 智慧ちえちからをもつて、 よくごくごくじゅうごうをしてげんかろじゅせしむるも、 愚痴ぐちにんは、 げんきょうごうごくおもくº と。 じゃおうつみさんしをはりてごくらず。 *鴦掘おうくつ摩羅まら阿羅あらかんたり。

又言、或↢重業コト↟得↠作ルコトヲ↠軽。或↢軽業コト↟得↠作ルコトヲ↠重。有智之人、以↢智↡能ルモ↢地獄極重之業ヲシテ現世愚痴之人現世軽業シテ地獄シテシテクト。阿闍世王懴↢悔↡已不↠入↢地獄↡。鴦掘摩羅タリ↢阿羅漢↡。

^*¬瑜伽ゆがろん¼ にかく、 ªいまだだつざるを、 けつじょうごうき、 すでにだつたるを、 じょうごうづくº と。 かくのごときのもろもろのだいじょうきょうろんには、 ぎゃくざいとうきてみなじょうづけて、 ことごとくしょうめつすることを」 と。 転重てんじゅうきょうじゅそうは、 つぶさに ¬*放鉢ほうはつきょう¼ にでたり。

¬瑜伽論¼説カク、未↠得↢解脱↢決定業ツレバ↢解脱↡名クトイヘリ↢不定業↡。如↠是大乗経論ニハ、説↢五逆罪等↡皆名↢不定↡、悉イフ↢消滅コトヲ↡。」転重軽受、具タリ↢¬放鉢経¼↡

 ^ふ。 くところのもんにのたまはく、 「しゃおもきをてんじてかろくしてじゅす」 と。 *ぼんしょうにんは、 ただじゅうねんしをはりてすなはちじょううまるるは、 いづれのところにしてかきょうじゅする。

。所↠引、智者↠重キヲクシテスト。下品生十念ルハ↢浄土↡、何レノニシテカ軽受スル

^こたふ。 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) に、 かの*たいしょうのものをきてのたまはく、 「ひゃくさいのうちに*三宝さんぼうたてまつらず、 ようしたてまつりて、 もろもろの*善本ぜんぽんしゅすることをず。 しかもこれをもつてとなす。 らくありといへども、 なほかのところをばねがはず」 と。

。¬双巻経¼説↢彼胎生↡云、「五百歳不↠見マツラ↢三宝↡、不↠得↤供タテマツリテコトヲ善本↡。而↠此↠苦。雖↠有リト↢余楽↡猶不↠楽↢彼ヲバ↡。」

^これにじゅんずるに、 *しち七日しちにち六劫ろっこうじゅうこうぶつず、 ほうかざるをもつて、 きょうじゅとなすべきのみ。

ルニ↠之↧以↢七々日・六劫・十二劫、不↠見↠仏↠聞↠法↡為↦軽受↥耳。

 ^ふ。 もしりんじゅうひとたびぶつみなねんずるに、 よくはちじゅう億劫おくこうのもろもろのつみめっするがごとし、 *じんじょうぎょうじゃもまたしかるべきや。

モシ↧臨終タビルニ↢仏↡能ルガ↦八十億劫↥、尋常行者亦可↠然耶。

^こたふ。 りんじゅうしんりきこわくしてよくりょうつみめっす。 じんじょうみなしょうするは、 かれがごとくなるべからず。 しかも、 もし観念かんねんじょうずれば、 またりょうつみめっす。 もしただみなしょうするのみならば、 しん浅深せんじんしたがひてそのやくること、 差別しゃべつあるべし。 つぶさには*さきやくもんのごとし。

。臨終クハクシテ↢无量↡。尋常ルハ↠名不↠応↠如クナル↠彼。然観念成亦滅↢无量↡。若但称スル↠名、随↢心浅深↡得コト↢其利益↡応↠有↢差別↡。具ニハ↢前利益門↡。

 ^ふ。 なにをもつてか、 浅心せんしん念仏ねんぶつもまたやくありとはることをる。

。何↠知コトヲ↣浅心念仏亦有リトハ↢利益↡。

^こたふ。 ¬*しゅりょうごん三昧ざんまいきょう¼ にのたまはく、 「だい薬王やくおうあり、 滅除めつじょといふ。 もし闘戦とうせんときに、 もつてつづみりつれば、 もろもろの、 られかたなほこやぶられたるもの、 つづみこえくことをつれば、 でてどくのぞこるがごとし。 かくのごとく、 さつ*しゅりょうごん三昧ざんまいじゅうするときには、 みなくことあるものは、 *とんねんでて、 もろもろの邪見じゃけんどくみなことごとく除滅じょめつし、 一切いっさい煩悩ぼんのうまた発動ほつどうせず」 と。 じょう諸法しょほう*真如しんにょ*実相じっそうかんじ、 ぼんほう仏法ぶっぽう不二ふになりとる、 これをしゅりょうごん三昧ざんまいしゅじゅうすとづく。

。¬首楞厳三昧経¼云、「↧大薬王アリ、名↢滅除闘戦以用ツレバ↠鼓、諸↢箭射↡刀・矛タルモノヤブ、得ツレバ↠聞コトヲ↢鼓↡箭出毒除コルガ↠是菩薩スル↢首楞厳三昧↡時ニハ、有↠聞コト↠名、貪・恚・痴箭自然、諸邪見毒皆悉除滅、一切煩悩不↢復発動↡。」已上↢諸法真如・実相↡、見↢凡夫仏法不二ナリト↡、是↣修↢習スト首楞厳三昧

^さつすでにしかり、 いかにいはんやぶつをや。 みなく、 すでにしかり、 いかにいはんやねんずるをや。 これによりてりぬべし、 たとひ浅心せんしんねんやくむなしからず。

菩薩既、何ヲヤ。聞↠名、何ルヲヤ↠此↠知浅心益不↠虚カラ

二 Ⅹ 粗心妙果

【76】^だいろく*しんみょうといふは、

第六麁心妙果トイフ者、

^ふ、 もしだいのために、 ぶつにおいてぜんをなすは、 みょうしょうとくすといふこと、 かならずしかるべし。 もし人天にんでんのために善根ぜんごんしゅせば、 いかんぞ。

↢菩↡於↠仏スハ↠善、証↢得ストイフコト妙果↡理必↠然。若↢人天↡修スルハ↢善根↡云何

^こたふ。 あるいは*ぜん、 あるいは*じょうぶつにおいてぜんしゅせば、 *遠近おんごんありといへどもかならずはんいたる。

。或染或浄、於↠仏スルハ↠善↠有リト↢遠近↡必↢涅槃↡。

^ゆゑに ¬だいきょう¼ のだいさんに、 ぶつなんげてのたまはく、 「もししゅじょうありて、 しょう*さんあい楽着ぎょうじゃくして、 ぶつ福田ふくでんにおいて善根ぜんごんうるもの、 かくのごときごんをなさく、 ªこの善根ぜんごんをもつて、 ねがはくはわれ*はつはんすることなからんº と。 なん、 このひともしはんせずといはば、 このことわりあることなからん。 なん、 このひとはんぎょうせずといへども、 しかも仏所ぶっしょにしてもろもろの善根ぜんごんゑたれば、 われく、 このひとはかならずはんん」 と。

¬大悲経¼第三、仏告↢阿難↡言、「若↢衆生↡楽↢著生死三有愛果↡、於↢仏福田↡種↢善根↡者、作ラマ↢如↠是↡、以↢此善根↡願クハ我莫ムト↢般涅槃コト↡。阿難、是人若トイハバ↢涅槃↡、无↠有コト↢是コトワリ↡。阿難、是人雖↠不↣楽↢求涅槃↡、然↢仏所タレバ↢諸善根↡、我説、是ムト↢涅槃↡。」

 ^ふ。 しょごうがんしたがひてかんず。 なんぞ、 *ほうねがふに*しゅっん。

。所作之業↠願ベシ↠果。何フニ↢世報↡得↢出世↡。

^こたふ。 *ごうは、 かならずしも一同いちどうならず。 もろもろの善業ぜんごうをもつて仏道ぶつどうこうするは、 これすなはちごうなれば、 しんしたがひててんず。 *けいごうをもつててんらくぎょうするは、 これすなはち悪見あくけんなれば、 ごうをしててんぜしめず。 このゆゑに、 ぶつにおいてもろもろの善業ぜんごうしゅせば、 *ぎょうことなりといへどもかならずはんいたる。

。業果之理不↢必シモ一同ナラ↡。以↢諸善業↡廻↢向レバ仏道↡、是即リテ↠心而転。以↢鶏狗↡楽↢求ルハ↡、是即悪見不↠令↢業ヲシテ↡。是↠仏スルハ↢諸善業↡、意楽↠異リト↢涅槃↡。

^ゆゑにかの ¬きょう¼ (大悲経)たとへをげてのたまはく、 「たとへば、 ちょうじゃの、 ときによりてたねりょうでんのなかにくだし、 ときしたがひてそそそそぎて、 つねによく護持ごじせん。 もしこのちょうじゃときのうちに、 かの田所でんしょいたりてかくのごときごんをなさく、 ª*とつなるかな、 しゅ。 なんぢたねとなることなかれ、 しょうずることなかれ、 ちょうずることなかれº と。 しかも、 かれ、 たねゑつれば、 かならずをなすべし、 じつなきにあらざらんがごとし」 と。 取意略抄

¬経¼挙↠譬、「譬シト↧長者↠時↢種於良田↡、随↠時ギテ、常護持長者於↢余↡、到↢彼田所↡作↢如↠是↡、咄哉ヤア種子汝莫↠作コト↠種、莫レト↠生コトレト↠長コトツレバ↠種↠作↠果、非ザラムガ↞无キニ↢果実↡。」取意略抄

 ^ふ。 かれ、 いづれのときにおいてかはつはんん。

。彼於テカ↢何レノ↡得↢般涅槃↡。

^こたふ。 たとひ、 久々くくしょうりんすといへども、 善根ぜんごんもうぜずしてかならずはつはん

。設↣久々輪↢廻スト生死↡、善根不シテ般涅槃

^ゆゑにかの ¬きょう¼ (大悲経) にのたまはく、 「ぶつなんげたまはく、 ªぎょうおんがためのゆゑに、 おおきなるいけみずにありて、 こうあんして、 うおをしてはしめつ。 うお呑食どんじきしをはりて、 いけのなかにありといへども、 ひさしからずしてまさにづべきがごとし。 なん一切いっさいしゅじょう諸仏しょぶつみもとにしてきょうしんしょうずることを、 もろもろの善根ぜんごんゑ、 布施ふせしゅぎょうし、 ないしんおこして、 一念いちねんしんをもれば、 また