観念かんねん阿弥陀あみだぶつ相海そうかい三昧さんまいどく法門ほうもん かん

比丘びく善導ぜんどうしゅう

◎三昧行相分

【1】 ¬*かんぎょう¼ によりて観仏かんぶつ三昧ざんまいほうかす一。

依↢¬観経¼↡明↢観仏三昧法↡一。

¬*般舟はんじゅきよう¼ によりて念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかす二。

依↢¬般舟経¼↡明↢念仏三昧法↡二。

*きょうによりてにゅう道場どうじょう念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかす三。

 ¬般舟三昧経¼ 等の諸経を指す。

依↠経明↢入道場念仏三昧法↡三。

きょうによりてどうじょうないさん発願ほつがんほうかす四。

依↠経明↢道場内懺悔発願法↡四。

◎三昧行相分 ○観仏三昧法

【2】 ¬かんぎょう¼ によりて観仏かんぶつ三昧ざんまいほうかす。 ¬かんぎょう¼・¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいかいきょう¼ にでたり。

依↠¬観経¼明↢観仏三昧法↡。出↢¬観経¼¬観仏三昧海経¼↡

 阿弥陀あみだぶつしん金色こんじきしん*円光えんこうてっしょう*たんじょう無比むひなるをかんずべし。 ぎょうじゃとう一切いっさいしょちゅうにつねにこのおもいをなし、 *行住ぎょうじゅう坐臥ざがにもまたこのおもいをなせ。 つねにこころとどめて西にしかひて、 かの*しょうじゅ一切いっさい雑宝ざっぽうしょうごんとうそうおよぶまで、 目前もくぜんたいするがごとくせよ、 るべし。

聖衆 観音・勢至等の浄土の菩薩たち。

観↢阿弥陀仏真金色身、円光徹照、端正無比↡。行者等、一切時処、昼夜常作↢此想↡、行住坐臥亦作↢此想↡。毎常住↠意向↠西、及↢彼聖衆一切雑宝荘厳等相↡、如↠対↢目前↡。応↠知。

【3】 またぎょうじゃ、 もしせんとほっせば、 づすべからく*けっ趺坐ふざすべし。 ひだりあしみぎものうえきてほかとひとしくし、 みぎあしひだりももうえきてほかとひとしくせよ。 みぎひだり手掌てのひらのなかにきて、 二だいおもてあひがっせよ。 つぎただしょうして、 くちがっし、 まなこぢよ。 ひらくにひらかず、 がっするにがっせざれ。

又行者、若欲↠坐、先須↢結跏趺坐↡、左足安↢右上↡与↠外斉、右足安↢左上↡与↠外斉。右手安↢左手掌中↡、二大指面相合。次端身正坐、合↠口閉↠眼。似↠開不↠開、似↠合不↠合。

すなはち心眼しんげんをもつて、 ぶつちょうじょう*けいよりこれをかんぜよ。 頭皮ずひ金色こんじきをなし、 かみこんじょうしきをなす。 一ほつきてじょうにあり。 こつ雪色せっしきをなしてないみょうてつす。 のう*玻瓈はりしきのごとし。

螺髻 頭髪をたばねて結んだ髪型。 形が螺 (ほらがい) の突起に似ていることからいう。 仏の三十二相の一。
玻瓈 水晶のこと。

即以↢心眼↡先従↢仏頂上蠃髻↡観↠之。頭皮作↢金色↡、髪作↢紺青色↡。一髪一蠃巻在↢頭上↡。頭骨作↢雪色↡、内外明徹。脳如↢玻瓈色↡。

つぎのうに十四のみゃくあり、 一々のみゃくに十四どうひかりあり、 髪根ほつこんあなよりほかにでて*ほつめぐること*そうして、 かえりて毛端もうたんあなのなかよりるとおもへ。

髪螺 髪のうずまき。
七帀 七周。

次想↧脳有↢十四脈↡、一一脈有↢十四道光↡、従↢髪根孔↡出↠外、繞↢髪蠃↡七帀還従↢毛端孔中↡入↥。

つぎさきひかり二のまゆ毛根もうこんあなのなかよりでてほかにかふとおもへ。

次想↧前光従↢二眉毛根孔中↡出向↞外。

つぎひたいひろくして平正びょうしょうなるそうおもへ。

次想↢額広平正相↡。

つぎまゆたかくしてながそうおもへ。 なほ*初月しょがつのごとし。

初月 三日月。

次想↢眉高而長相↡、由如↢初月↡。

つぎけん*びゃくごうそうおもへ。 きてけんにあり、 そのしろじつないにして金色こんじきひかりいだし、 毛端もうたんよりしてでてただちにしんらしきたる。 ¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ (意)きたまふがごとし。 「もしひとありて一*しゅのあひだもびゃくごうそうかんずれば、 もしは、 もしはざるも、 すなはち九十六おく*那由他なゆた*ごうしゃ*じんしゅこうしょうじゅうざいじょきゃくす」 と。 つねにこのおもいをなせば、 はなはださわりのぞつみめっす。 またりょうどくて、 諸仏しょぶつかんしたまふ。

微塵数 無数の意。 微塵は仏教でいう物質の最小単位。

次想↧眉間白毫相、巻在↢眉間↡、其毛白、外実内虚出↢金色光↡、従↢毛端↡而出直照↢自身↡来↥。如↢¬観仏三昧経¼説↡。「若有↠人一須臾頃、観↢白毫相↡、若見若不見、即除↢却九十六億那由他恒河沙微塵数劫生死重罪↡。」常作↢此想↡太除↠障滅↠罪。又得↢無量功徳↡、諸仏歓喜。

つぎに二のまなここうじょうにしてこくびゃくぶんみょうなり、 こうみょうてっしょうすとおもへ。

次想↢二眼広長、黒白分明、光明徹照↡。

つぎはなながたかなおきこと、 たる*こんじょうのごとしとおもへ。

金鋌 金ののべ棒。

次想↣鼻脩高直、如↢鋳金鋌↡。

つぎ*めんびょうまんにして*唱しょうきょうあることなしとおもへ。

面部 顔。
唱あることなし 言葉でいいあらわせないという意。

次想↢面部平満無↟有↢唱↡。

つぎ*りんすいしてあなに七もうあり、 ひかり毛内もうないよりでてあまねく仏身ぶっしんらすとおもへ。

耳輪垂して 耳たぶが垂れさがって。

次想↧耳輪垂、孔有↢七毛↡、光従↢毛内↡出徧照↦仏身↥。

つぎ唇色しんじきしゃくこうにしてこうみょう潤沢にんたくなりとおもへ。

次想↢脣色赤好光明潤沢↡。

つぎしろ斉密さいみつにして、 しろきこと*づきのごとくしてない*映徹ようてつすとおもへ。

珂月 雪のように白く光る貝。

次想↧歯白斉密白如↢珂月↡内外映徹↥。

つぎしたうすこうじょうにしてにゅうなんなりとおもへ。 舌根ぜっこんしたに二のどうあり、 津液しんえきそそぎて咽筒いんとうりてただちに*心王しんのうる。 *仏心ぶっしんれんのごとし、 かいしてかいせず、 がっしてがっせず。 八まんせん*ようあり、 葉々ようようあひかさなる。 一々のように八まんせんみゃくあり、 一々のみゃくに八まんせんひかりあり、 一々のひかりひゃっぽうれんをなす。 一々のうえに一の十さつあり、 みな金色こんじきなり、 こうして心王しんのうようし、 異口いく同音どうおん心王しんのうさんす。 ぎょうじゃとうこのおもいをなすときざいしょう除滅じょめつりょうどく諸仏しょぶつさつかんし、 天神てんじんじんかんす。

心王 心臓。
仏心 仏の心臓。
 はなびら。

次想↢舌薄広長柔輭↡。舌根下有↢二道↡、津液注入↢咽筒↡、直入↢心王↡。仏心如↢紅蓮華↡、開而不↠開、合而不↠合。有↢八万四千葉↡、葉葉相重、一一葉有↢八万四千脈↡、一一脈有↢八万四千光↡、一一光作↢百宝蓮華↡。一一華上有↢一十地菩薩↡、身皆金色、手持↢香華↡供↢養心王↡、異口同音歌↢讃心王↡。行者等、作↢此想↡時、除↢滅罪障↡、得↢無量功徳↡。諸仏・菩薩歓喜、天神・鬼神歓喜。

またしんきてうえかひて、 つぎ咽項いんこうまどかなるそう、 二のかたまどかなるそうおもへ。

又抽↠心向↠上、次想↢咽項円相、二肩円相↡。

つぎりょうひじなおまどかなるそうおもへ。

次想↢両臂円相↡。

つぎに二の手掌てのひらびょうまんにして*千輻輪せんぷくりんそうあり、 十せんじょうにしてけん*網縵もうまんそうあり、 つめしゃくどういろをなせるそうおもへ。

網縵の相 仏の手足の指の間にある鳥の水かきのようなもの。 仏の三十二相の一。

次想↧二手掌平満、千輻輪相、十指繊長、指間網縵相、甲作↢赤銅色↡相↥。

またしんきてうえかひて、 つぎぶつきょうぜんびょうまんそうおもへ。 *万徳まんどく朗然ろうねんなり。

万徳の字 卍。 きっしょうの印。

又抽↠心向↠上、次想↢仏胸前平満相↡、万徳之字朗然。

つぎ*ふくびょうげんそうおもへ。

腹平不現 腹が平らで出ていないこと。

次想↢腹平不現相↡。

つぎ*臍円ざいえんじんそうおもへ。 こうみょうないにつねにらす。

臍円孔深 へそがまるくて、 そのあなが深いこと。

次想↢臍円孔相↡、光明内外常照。

つぎ*陰蔵おんぞうそうおもへ。 びょうまんにしてなほ十五にちよるつきのごとし、 また腹背ふくはいのごとくびょうしょにしてべつなし。 ぶつのたまはく、 「もしなん女人にょにんありておおしき貪欲とんよくするもの、 すなはち如来にょらい陰蔵おんぞうそうおもへば、 欲心よくしんすなはちみて、 ざいしょう除滅じょめつりょうどく諸仏しょぶつかんし、 天神てんじんじん好心こうしんをもつて*ようして、 長命じょうみょう安楽あんらくにしてながびょうつうなし」 (*観仏三昧経・意) と。

陰蔵の相 仏の男根のこと。 馬の男根のように常に腹中に隠れていて見えないので、 おんぞうともいう。 仏の三十二相の一。

次想↢陰蔵相↡、平満由如↢十五日夜月↡、亦如↢腹背↡平処無↠別。仏言。若有↢男子・女人↡、多貪↢欲色↡者、即想↢如来陰蔵相↡者、欲心即止罪障除滅、得↢無量功徳↡、諸仏歓喜、天神・鬼神好心影護、長命安楽永無↢病痛↡。

つぎふたつももひざ膝骨しっこつ円満えんまんなりとおもへ。

次想↢両膝、膝骨円満↡。

つぎに二のすね鹿王ろくおうこぶらのごとしとおもへ。

次想↣二脛如↢鹿王膊↡。

つぎに二の*足跟そくこん象王ぞうおうはなのごとしとおもへ。

足跟 くびす。

次想↣二足跟如↢象王鼻↡。

つぎに二の*そくたかきことおうのごとしとおもへ。

足趺 足の甲。

次想↣二足趺高如↢亀王背↡。

つぎあしの十ながくしてけん網縵もうまんあり、 つめしゃくどういろをなすとおもへ。

次想↧足十指長指間有↢網縵↡甲作↦赤銅色↥。

つぎぶつ*けっ趺坐ふざそうおもへ。 ひだりあしみぎももうえきてほかとひとしくし、 みぎの足、 ひだりももうえきてほかとひとしと。

次想↢仏結跏趺坐相↡、左足安↢右上↡、与↠外斉、右足安↢左上↡与↠外斉。

つぎに二のあししたたいらかにして*千輻輪せんぷくりんそうあり、 *輻輞ふくもうそくし、 みなこうみょうありてあまねく十ぽう*せつらすとおもへ。

輻輞 車輪の部品の名。 輻は車輪と輪をつなぐ多数の棒。 輞は輪の外周をつつむたが。

次想↧二足下平有↢千輻輪↡相↥。輻輞具足皆有↢光明↡徧照↢十方刹↡。

頂上ちょうじょうよりしもあし千輻輪せんぷくりんそういたるこのかたを、 づけて 「そくしてぶつ色身しきしんしょうごんどくかんず」 となす。 これを*じゅんかんづく。

順観 仏の相好そうごうを上から下の順に観想すること。 これと反対に、 下から上の順に観想することを逆観という。

従↢頂上↡下至↢足千輻輪相↡已来、名為↣具足観↢仏色身荘厳功徳↡、是名↢順観↡。

【4】 またつぎ*華座けざほうおもへ。

華座 仏が座るれんの台座。

又次想↢華座法↡。

つぎだいそうおもへ。

次想↢華台相↡。

つぎようおもへ。 *葉々ようようあひかさなりて八まんせんじゅうなり、 一々のよううえひゃくおく宝王ほうおうありてしょうごんし、 一々のたからのなかに八まんせんこうみょうありて、 かみ仏身ぶっしんらすとおもへ。

葉々 はなびらのこと。

次想↢華葉↡。葉葉相重八万四千重。一一葉上想↧有↢百億宝王↡荘厳、一一宝中有↢八万四千光明↡、上照↧仏身↥。

つぎほうくきめんにして、 一々の方面ほうめんひゃくせん衆宝しゅぼうをもつてしょうごんし、 だいこうみょうはなちてじょうともにらすとおもへ。

次想↧宝華茎八面、一一方面百千衆宝荘厳、放↢大光明↡上下倶照↥。

つぎくきもとほうにより、 じょう衆宝しゅぼうはみな八まんせんこうみょうはなち、 一々のこうみょう仏身ぶっしんらし、 および十ぽうの六どうらすとおもへ。

次想↧華茎下依↢宝地↡、地上衆宝皆放↢八万四千光明↡、一一光明照↢仏身↡及照↦十方六道↥。

また一切いっさいこうみょうぎょうじゃしんしょうそくしてきたるとおもへ。

亦想↧一切光明、照↢触行者自身↡来↥。

このおもいをなすときざいしょう除滅じょめつりょうどく諸仏しょぶつさつかんし、 天神てんじんじんもまたよろこびて、 にちしたがひてぎょうじゃようす。 *ぎょうじゅう坐臥ざがにつねに安穏あんのん長命じょうみょうらくにしてながびょうつうなし。 ぶつおしえじゅんずれば、 じょうのなかのることを

作↢此想↡時、除↢滅罪障↡得↢無量功徳↡。 諸仏・菩薩歓喜、天神・鬼神亦喜、日夜随↠身影↢護行者↡。行住坐臥常得↢安穏↡。長命富楽永無↢病痛↡。準↢仏教↡得↠見↢浄土中事↡。

もしば、 ただみづからりてひとかひてくことをざれ。 すなはちおおきにつみありて、 よこさまあくびょうたんみょうほうまねく。 もしきょうもんじゅんずれば、 命終みょうじゅうときのぞみて阿弥陀あみだ仏国ぶっこく*じょうぼんおうじょうす。

上品往生 ¬観経¼に説く九品の往生のうちの上品上生・上品中生・上品下生の三を指す。 →ぼん

若見但自知不↠得↢向↠人説↡。即大有↠罪、横招↢悪病短命之報↡。若順↢教門↡者、臨↢命終↡時、上↢品往↣生阿弥陀仏国↡。

かくのごとくじょうさきによりて*十六ぺんかんじて、 しかしてのちしんとどめてけん*びゃくごうかひて、 きはめてすべからくしんとらへてただしからしむべし。 さらに雑乱ぞうらんすることをざれ。 すなはちじょうしんしっして三昧さんまいじょうじがたし、 るべし。

十六遍 ¬観仏三昧経¼ に順観・逆観の観想を十六遍反覆すべきことを説いているのを承けていう。

如↠是上下依↠前十六徧観、然後住↠心向↢眉間白毫↡、極須↢捉↠心令↟正。更不↠得↢雑乱↡。即失↢定心↡三昧難↠成。応↠知。

これを*観仏かんぶつ三昧ざんまい観法かんぽうづく。 一切いっさいちゅうにつねにすればじょうしょうず。 ただ ¬かんぎょう¼ の*十三がんによりて、 安心あんじんしてかならずうたがはざることをよ。

十三観 定善十三観のこと。 →じょうぜん

是名↢観仏三昧観法↡。一切時中常迴生↢浄土↡。但依↢¬観経¼十三観↡、安心必得↠不↠疑。

【5】 またまうさく、 ぎょうじゃじょうしょうぜんとほっせば、 ただすべからくかい念仏ねんぶつし、 ¬弥陀みだきょう¼ をじゅすべし。 *日別にちべつに十五へんすれば二ねんに一まん日別にちべつに三十ぺんすれば一ねんに一まんなり。 日別にちべつに一万遍まんべんぶつねんぜよ。 またすべからくときによりてじょうしょうごん*礼讃らいさんすべし。 おおきにすべからくしょうじんすべし。 あるいは三まん・六まん・十まんるものは、 みなこれじょうぼん上生じょうしょうひとなり。 自余じよどくもことごとくしておうじょうせよ、 るべし。 ぜん観仏かんぶつ三昧ざんまいほうかす。

又白。行者欲↠生↢浄土↡、唯須↣持戒念仏誦↢¬弥陀経¼↡。日別十五徧二年得↢一万↡、日別三十徧、一年一万。日別念↢一万徧仏↡、亦須↣依↠時礼↢讃浄土荘厳事↡、大須↢精進↡。或得↢三万・六万・十万↡者、皆是上品上生人。自余功徳尽迴↢往生↡。応↠知。已前明↢観仏三昧法↡。

◎三昧行相分 ○念仏三昧法

【6】 ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ の 「*しょうもんぼん(意) に、 七にちにゅうどうじょう念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかしたまふ。 ¬般舟はんじゅ三昧ざんまいきょう¼ にでたり。

請問品 現行の ¬般舟三昧経¼ (一巻本) では、 「問事品」。

¬般舟三昧経¼請問品、明↢七日七夜入道場念仏三昧法↡。出↢¬般舟三昧経¼↡

 「ぶつばつげたまはく、 ª三昧さんまいあり、 *ぽう諸仏しょぶつ悉在しつざいぜんりゅうづく。 よくこのほうぎょうぜば、 なんぢの所聞しょもんことごとくべしº と。 ばつぶつにまうさく、 ªねがはくはためにこれをきたまへ。 *過度かどするところおおくして十ぽう安穏あんのんならしめん。 もろもろのしゅじょうのために*だいみょうそうげんじたまへº と。 ぶつばつげたまはく、 ª三昧さんまいあり、 *じょうづく。 学者がくしゃつねにまさにまもりてじゅうして、 またほうしたがふことをざるべし。 どくのなかにもつともだい一なりº」 と。

十方諸仏悉在前立 十方現在の諸仏がすべて行者の面前に立ち現れるという意。 →般舟はんじゅ三昧ざんまい
過度 迷いの世界を離れて、 さとりの世界にわたること。
大明相 般舟三昧が成就したありさまを指していう。
定意 般舟三昧の異名。

「仏告↢跋陀和↡。有↢三昧↡、名↢十方諸仏悉在前立↡。能行↢是法↡、汝之所聞悉可↠得也。跋陀和白↠仏。願為説↠之。多↠所↢過度↡安↢穏十方↡。為↢諸衆生↡現↢大明相↡。仏告↢跋陀和↡。有↢三昧↡、名↢定意↡。学者常当↢守習持、不↟得↣復随↢余法↡。功徳中最第一。」

【7】 つぎに 「ぎょうぼん(般舟三昧経・意) にのたまはく、 「ぶつばつさつげたまはく、 ªくこのじょうんとほっせば、 つねに大信だいしんほうのごとくにこれをぎょうぜばすなはちべし。 そう毛髪もうはつのごときばかりもあることなかれ。 このじょうほうを、 づけて «さつ*ちょうしゅぎょう» となす。

超衆行 すべての行法に超えすぐれたもの。

「仏告↢跋陀和菩薩↡、欲↣疾得↢是定↡者、常立↢大信↡如法行↠之、則可↠得也。勿↠有↧疑相如↢毛髪↡許↥。是定意法、名為↢菩薩超衆行↡。

*ねんりゅうして        このほうしん

一念を立して 専一のおもいをおこして。 あるいは、 真実心をもって、 という意。

立↢一念↡       信↢是法↡

所聞しょもんしたがひて        *そのほうねん

その方 西方浄土。

随↢所聞↡       念↢其方↡

よろしくねんを一にして    諸想しょそうだんずべし

宜↣一念       断↢諸想↡

じょうしんりゅうして        孤疑こぎすることなかれ

立↢定信↡       勿↢孤疑↡

しょうじんぎょうじて        *だいすることなかれ

精進行        勿↢懈怠↡

そうとに       おこすことなかれ

勿↠起↢想       有与↠無

しんねんずることなかれ    退たいねんずることなかれ

勿↠念↠進       勿↠念↠退

ぜんねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠前       勿↠念↠後

ねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠左       勿↠念↠右

ねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠無       勿↠念↠有

おんねんずることなかれ    ごんねんずることなかれ

勿↠念↠遠       勿↠念↠近

つうねんずることなかれ    ようねんずることなかれ

勿↠念↠痛       勿↠念↠痒

ねんずることなかれ    かつねんずることなかれ

勿↠念↠飢       勿↠念↠渇

かんねんずることなかれ    ねつねんずることなかれ

勿↠念↠寒 勿↠念↠熱

ねんずることなかれ    らくねんずることなかれ

勿↠念↠苦       勿↠念↠楽

しょうねんずることなかれ    ろうねんずることなかれ

勿↠念↠生       勿↠念↠老

びょうねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠病       勿↠念↠死

みょうねんずることなかれ    寿じゅねんずることなかれ

勿↠念↠命       勿↠念↠寿

びんねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠貧       勿↠念↠富

ねんずることなかれ    せんねんずることなかれ

勿↠念↠貴       勿↠念↠賤

しきねんずることなかれ    よくねんずることなかれ

勿↠念↠色       勿↠念↠欲

しょうねんずることなかれ    だいねんずることなかれ

勿↠念↠小       勿↠念↠大

ちょうねんずることなかれ    たんねんずることなかれ

勿↠念↠長       勿↠念↠短

こうねんずることなかれ    しゅうねんずることなかれ

勿↠念↠好       勿↠念↠醜

あくねんずることなかれ    ぜんねんずることなかれ

勿↠念↠悪       勿↠念↠善

しんねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠瞋       勿↠念↠喜

ねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠坐       勿↠念↠起

ぎょうねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠行       勿↠念↠止

きょうねんずることなかれ    ほうねんずることなかれ

勿↠念↠経       勿↠念↠法

ねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠是       勿↠念↠非

しゃねんずることなかれ    しゅねんずることなかれ

勿↠念↠捨       勿↠念↠取

そうねんずることなかれ    しきねんずることなかれ

勿↠念↠想       勿↠念↠識

だんねんずることなかれ    じゃくねんずることなかれ

勿↠念↠断       勿↠念↠著

くうねんずることなかれ    じつねんずることなかれ

勿↠念↠空       勿↠念↠実

きょうねんずることなかれ    じゅうねんずることなかれ

勿↠念↠軽       勿↠念↠重

なんねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠難       勿↠念↠易

じんねんずることなかれ    せんねんずることなかれ

勿↠念↠深       勿↠念↠浅

こうねんずることなかれ    きょうねんずることなかれ

勿↠念↠広       勿↠念↠狭

ねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠父       勿↠念↠母

さいねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠妻       勿↠念↠子

しんねんずることなかれ    ねんずることなかれ

勿↠念↠親       勿↠念↠疎

ぞうねんずることなかれ    あいねんずることなかれ

勿↠念↠憎       勿↠念↠愛

とくねんずることなかれ    しつねんずることなかれ

勿↠念↠得       勿↠念↠失

じょうねんずることなかれ    はいねんずることなかれ

勿↠念↠成       勿↠念↠敗

しょうねんずることなかれ    じょくねんずることなかれ

勿↠念↠清       勿↠念↠濁

諸念しょねんちて        一ねん

断↢諸念↡       一期念

みだるることなかれ     つねにしょうじんにして

意勿↠乱       常精進

歳計さいけいすることなかれ     むことなかれ

勿↢歳計↡       勿↢日倦↡

*ねんりゅうして        *ちゅうこつすることなかれ

中忽 中途でやめること。

立↢一念↡       勿↢中忽↡

睡眠すいめんのぞきて        そのこころしょうにせよ

除↢睡眠↡       精↢其意↡

つねにひとしょして      *じゅすることなかれ

聚会 多くの人々と生活を共にすること。

常独処        勿↢聚会↡

悪人あくにんけ         ぜんちかづき

避↢悪人↡       近↢善友↡

*みょうしたしみて       ることぶつのごとくせよ

明師 すぐれた師。

親↢明師↡       視如↠仏

そのこころざしりて       つねに柔弱にゅうにゃくなれ

執↢其志↡       常柔弱

びょうどうを           一切いっさいかんぜよ

観↢平等       於一切↡

きょうけ         親族しんぞくとおざけ

避↢郷里↡       遠↢親族↡

愛欲あいよくてて        清浄しょうじょう

棄↢愛欲↡       履↢清浄↡

無為むいぎょうじて        諸欲しょよくだん

行↢無為↡       断↢諸欲↡

らんてて        *定行じょうぎょうなら

定行 心を一つの対象にとどめること。

捨↢乱意↡       習↢定行↡

*もんがくすること      かならずぜんのごとくせよ

文慧 経典の文を開いて生ずる智慧ちえ

学↢文慧↡       必如↢禅

*のぞき         *にゅう

三穢 とんしんの三毒のこと。 →三毒さんどく
六入 げんぜつしん六根ろっこん。 または、 しきしょうこうそくほうろっきょうのこと。 六根をないの六入といい、 六境をの六入という。

除↢三穢↡       去↢六入↡

*婬色いんじきち         衆愛しゅあいはなるべし

婬色 性欲。

絶↢婬色↡       離↢衆愛↡

ざいとんじて         おおちくしゃくすることなかれ

勿↢貪↠財       多畜積↡

*そくねんじて        あじむさぼることなかれ

知足を念じて 異本には 「食知足」 (食は足ることを知りて) とある。

食知↠足       勿↠貪↠味

しゅじょういのち          つつしみてじきすることなかれ

衆生命        慎勿↠食

ほうのごとくにして    *じきすることなかれ

綺飾 いたずらに飾りたてること。

衣如↠法       勿↢綺飾↡

*調じょうすることなかれ     きょうまんすることなかれ

調戯 他人をからかうこと。

勿↢調戯↡       勿↢驕慢↡

*だいすることなかれ     *こうすることなかれ

自大 おごりたかぶること。
貢高 おごりたかぶること。

勿↢自大↡       勿↢貢高↡

もしきょうかば       まさにほうのごとくすべし

若説↠経       当↠如↠法

もとりょうするに      なほまぼろしのごとし

了↢身本↡       由如↠幻

*受陰じゅおんすることなかれ     *にゅうかいすることなかれ

受陰 五陰を受用して、 自我にとらわれること。→おん
入界 六根ろっこんろっきょう六識ろくしきの十八界 (個人存在の構成要素) に順入して、 自我にとらわれること。

勿↠受↠陰       勿↠入↠界

*おんぞくのごとし       *四はじゃのごとし

 →おん
 →だい

陰如↠賊       四如↠蛇

じょうとなし         *怳忽こうこつとなす

怳忽 かりそめのものであること。

為↢無常↡       為↢怳忽↡

つねしゅなし         *ほんなりとりょう

本無 すべての事物事象は本来、 くうであること。

無↢常主↡       了本無

因縁いんねんをもつてし      因縁いんねんをもつてさん

因縁会        因縁散

ことごとくこれをりょうするに  ほんなりとれども

悉了是        知↢本無↡

あいを           一切いっさいくわ

加↢慈哀       於一切↡

びんほどこし         *げんを済ふ

不還 迷いのぼんの意。

施↢貧窮↡       済↢不還↡

これをじょうとなす       さつぎょう

是為↠定       菩薩行

ようなり        しゅぎょうえたりº と

至要慧        超衆行

【8】 ぶつばつげたまはく、 ªこのぎょうほうたもてばすなはち三昧さんまいて、 現在げんざい諸仏しょぶつことごとくまえにましましてちたまふ。 それ*比丘びく*比丘尼びくに*優婆うばそく*優婆夷うばいありて、 ほうのごとくしゅぎょうせんとせば、 かいまつたくし、 ひとり一しょとどまりて西方さいほう阿弥陀あみだぶつねんぜよ。 いまげんにかしこにまします。 所聞しょもんしたがひてまさにねんずべし。 ここをること十万億まんおく*仏刹ぶっせつなり、 そのくに*しゅだいづく。 一心いっしんにこれをねんずること一にち、 もしは七にちすべし。 七にちぎをはりてのちこれをたてまつらん。 たとへばひとゆめのうちにるところのごとし。 ちゅうらず、 またないらず。 くらきなかにありて*へいするところあるがゆゑにざるがごとくにはあらず。 ばつ*しゅつねにこのねんをなすとき諸仏しょぶつきょうがいのなかのもろもろの大山だいせんしゅせん、 そのあらゆる*ゆうみょうところ、 ことごとくために*かいしてへいするところなし。 この四しゅ天眼てんげんちててっするにあらず。 てんちててっちょうするにあらず、 神足じんそくちてその仏刹ぶっせついたるにあらず、 このけんにおいておわりてかのけんしょうずるにあらず、 すなはちここにおいてしてこれをるº と。

仏刹 刹は梵語クシェートラ (sşetra) の音写で、 国土のこと。 仏国土。
蔽礙 おおいかくすこと。
幽冥の処 くらやみの場所。
開避 開け放すこと。

仏告↢跋陀和↡。持↢是行法↡便得↢三昧↡、現在諸仏悉在↠前立。其有↢比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷↡、如↠法修行、持戒完具、独一処止念↢西方阿弥陀仏↡、今現在↠彼。随↢所聞↡当↠念、去↠此十万億仏刹、其国名↢須摩提↡。一心念↠之一日一夜、若七日七夜。過↢七日↡已後見↠之。譬如↪人夢中所↠見不↠知↢昼夜↡亦不↠知↢内外↡、不↩由↧在↢冥中↡有↞所↢蔽礙↡故不↝見。跋陀和、四衆常作↢是念↡時、諸仏境界中、諸大山、須弥山、其有↢幽冥↡之処、悉為開避、無↠所↢蔽礙↡。是四衆不↧持↢天眼↡徹視↥、不↧持↢天耳↡徹聴↥、不↧持↢神足↡到↦其仏刹↥、不↧於↢此間↡終生↦彼間↥、便於↠此坐見↠之。

ぶつのたまはく、 ª四しゅこのけんこくにおいて阿弥陀あみだぶつねんぜよ。 もつぱらねんずるがゆゑにこれをたてまつることを。 すなはちへ。 «いかなるほうたもちてかこのくにしょうずることをる» と。 阿弥陀あみだぶつこたへてのたまはく、 «らいしょうせんとほっせば、 まさにわがねんずべし。 そくすることあることなくは、 すなはちらいしょうすることをん» º と。

仏言。四衆於↢此間国土↡、念↢阿弥陀仏↡、専念故得↠見↠之。即問、持↢何法↡得↠生↢此国↡。阿弥陀仏報言。欲↢来生↡者、当↧念↢我名↡、莫↠有↢休息↡、即得↦来生↥。

ぶつのたまはく、 ª専念せんねんするがゆゑにおうじょう。 つねに、 仏身ぶっしんには三十二そう*八十種好しゅこうありて、 おくこうみょうてっしょうし、 *たんじょう無比むひにして、 さつそうのなかにましましてほうきたまふことをねんずべし。 しきすることなかれ。 なにをもつてのゆゑに。 しきせざるがゆゑに、 ぶつ色身しきしんねんずるによるがゆゑに、 この三昧さんまいº」 と。

八十種好 八十随形好に同じ。 →はちじゅうずいぎょうこう

仏言。専念故得↢往生↡。常念仏身三十二相・八十種好、巨億光明徹照、端正無比在↢菩薩僧中↡説法。莫↠壊↠色。何以故、不↠壊↠色故、由↠念↢仏色身↡故、得↢是三昧↡。」

じょう念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうかす。

已上明↢念仏三昧法↡。

◎三昧行相分 ○入道場法

【9】 三昧さんまいどうじょうらんとほっするときは、 もつぱらぶっきょう方法ほうほうによれ。 づすべからくどうじょう*りょうし、 尊像そんぞうあんして、 香湯こうとうをもつて*掃灑そうしゃすべし。 もし仏堂ぶつどうなきも、 じょうぼうあらばまたたり。 掃灑そうしゃすることほうのごとくし、 一の仏像ぶつぞうりて西にしかべあんせよ。

料理 ととのえること。
掃灑 拭き清めること。

欲↠入↢三昧道場↡時、一依↢仏教方法↡。先須↧料↢理道場↡、安↢置尊像↡、香湯掃灑↥。若無↢仏堂↡有↢浄房↡亦得、掃灑如↠法、取↢一仏像↡西壁安置。

ぎょうじゃとうつきの一にちより八にちいたり、 あるいは八にちより十五にちいたり、 あるいは十五にちより二十三にちいたり、 あるいは二十三にちより三十にちいたるまで、 つきを四わかつは*なり。 ぎょうじゃとうみづから*ごう軽重きょうじゅうはかり、 このときのうちにおいてじょうりてとうぎょうぜよ。 もしは一にちよりすなはち七にちいたるまで、 ことごとくじょうもちゐ、 *鞋靺かいまつもまたしんじょうなるをもちゐよ。 七にちのうちみな、 *じきじょうさいもちゐよ。 なんびょうぼんずいしょうさい*けんせつりょうすべし。

 よいこと。
家業 生活の糧を得るためのつとめ。
鞋靺 はきもの。
一食長斎 正午前に一日一回だけ食事をし、 午後は食事をとらないということ。
倹素節量 質素で、 適度の分量をこえないこと。

行者等、従↢月一日↡至↢八日↡、或従↢八日↡至↢十五日↡、或従↢十五日↡至↢二十三日↡、或従↢二十三日↡至↢三十日↡、月別四時佳。行者等、自量↢家業軽重↡、於↢此時中↡入↢浄行道↡。若一日乃至七日、尽須↢浄衣↡、鞋靺亦須↢新浄↡。七日之中皆須↢一食長斎↡。軟餅・麤飯、随時醤菜倹素節量。

どうじょうのなかにおいて、 ちゅうしんたばね、 相続そうぞくして専心せんしん阿弥陀あみだぶつねんぜよ。 しんしょう相続そうぞくして、 ただし、 ただりゅうし、 七にちのあひだ睡眠すいめんすることをざれ。 またときによりてぶつらいし、 きょうじゅすべからず。 じゅもまたるべからず。 ただがっしょうしてぶつねんずとり、 念々ねんねん見仏けんぶつおもいをなせ。 ぶつのたまはく、 「阿弥陀あみだぶつしん金色こんじきしんこうみょうてっしょうし、 たんじょう無比むひにして、 心眼しんげんまえにましますと想念そうねんせよ」 と。 まさしくぶつねんずるとき、 もしりゅうせばすなはちりゅうして一まん・二まんねんじ、 もしせばすなはちして一まん・二まんねんぜよ。 どうじょうのうちにおいては、 こうべまじへてひそかにかたることをざれ。

於↢道場中↡、昼夜束↠心、相続専心念↢阿弥陀仏↡。心与↠声相続、唯坐唯立、七日之間不↠得↢睡眠↡。亦不↠須↢依↠時礼↠仏誦↟経、数珠亦不↠須↠捉。但知↢合掌念↟仏、念念作↢見仏想↡。仏言。想↢念阿弥陀仏真金色身、光明徹照、端正無比、在↢心眼前↡。正念↠仏時、若立即立念一万・二万、若坐即坐念一万・二万。於↢道場内↡、不↠得↢交↠頭窃語↡。

【10】ちゅうあるいは*・六に、 諸仏しょぶつ一切いっさい*げんじょう*天曹てんそう*地府じふ一切いっさい*業道ごうどう表白ひょうびゃくして、 一しょうよりこのかた*しん口意くいごう所造しょぞう衆罪しゅざい*ほつさんせよ。 じつによりてさんしをはりて、 またほうによりてぶつねんぜよ。 所見しょけんきょうがいはたやすくくことをず。 ぜんならばみづからり、 あくならばさんせよ。 しゅにく*しんは、 ちかひてがんおこしてらざれ、 くちらはざれ。 もしこのせば、 すなはちしんにともに悪瘡あくそうけんとがんぜよ。

三時六時 三回あるいは六回。
業道 五道の冥官。 地獄にあって五道のしゅじょうの罪を裁く。

昼夜或三時・六時、表↢白諸仏、一切賢聖、天曹・地府、一切業道↡、発↢露懺↣悔一生已来、身口意業所造衆罪↡。事依↠実懺悔竟、還依↠法念↠仏。所見境界不↠得↢輒説↡、善者自知、悪者懺悔。酒・肉・五辛、誓発願手不↠捉、口不↠喫。若違↢此語↡即願↣身口倶著↢悪瘡↡。

あるいは ¬阿弥陀あみだきょう¼ をじゅすること十万遍まんべんたさんとがんぜよ。 *日別にちべつぶつねんずること一万遍まんべんきょうじゅすること日別にちべつに十五へん、 あるいはじゅすること二十ぺん・三十ぺんちからしょうまかすべし。 じょうしょうずることをちかひ、 ぶつ*しょうじゅがんぜよ。

或願誦↢¬阿弥陀経¼↡満↢十万徧↡、日別念↠仏一万徧。誦↠経日別十五徧、或誦二十徧・三十徧、任↢力多少↡。誓↠生↢浄土↡、願↢仏摂受↡。

◎三昧行相分 ○臨終行儀

【11】またぎょうじゃとうもしはみ、 まざるも、 命終みょうじゅうせんとほっするとき、 もつぱらかみ念仏ねんぶつ三昧ざんまいほうによりて、 身心しんしんしょうとうにして、 おもてめぐらして西にしかへて、 しんもまたせんちゅうして阿弥陀あみだぶつ観想かんそうし、 しん相応そうおうして声々しょうしょうゆることなく、 けつじょうしておうじょうおもい*だいしょうじゅきたりて*こうしょうするおもいをなせ。 びょうにんもしさききょうば、 すなはちかんびょうひとかひてけ。 すでにくをきをはらば、 すなはちせつによりてろくせよ。 またびょうにんもしかたることあたはずは、 かんびょうひとかならずすべからくしばしばびょうにんふべし、 いかなるきょうがいをかたると。 もし罪相ざいそうかば、 傍人ぼうにんすなはちために念仏ねんぶつし、 たすけておなじくさんしてかならずつみめっせしめよ。 もしつみめっすることをば、 だいしょうじゅねんおうじて現前げんぜんしたまはん。 さきじゅんじてしょうすべし。

華台の聖衆 れんの台にのった浄土の菩薩たち。

又行者等、若病不↠病、欲↢命終↡時、一依↢上念仏三昧法↡、正当↢身心↡迴↠面向↠西、心亦専注、観↢想阿弥陀仏↡、心口相応声声莫↠絶、決定作↢往生想、華台聖衆来迎接想↡。病人若見↢前境↡、即向↢看病人↡説。既聞↠説已、即依↠説録記。又病人若不↠能↠語者、看病人必須↣数数問↢病人↡、見↢何境界↡。若説↢罪相↡、傍人即為念仏、助同懺悔、必令↢罪滅↡。若得↢罪滅↡華台聖衆応↠念現前、準↠前抄記。

またぎょうじゃとう*眷属けんぞくしんもしきたりてかんびょうせば、 しゅにく*しんじきせるひとをあらしむることなかれ。 もしあらば、 かならずびょうにんへんかふことをざれ。 すなはちしょうねんうしなひ、 じんきょうらんし、 *びょうにんきょうして三悪道まくどうせん。 ねがはくはぎょうじゃとうよくみづからつつしみてぶっきょう奉持ぶじし、 おなじく見仏けんぶつ因縁いんねんをなせ。

眷属六親 父・母・兄・弟・妻・子の六種の親族やその他の親族。
病人…堕せん →補註6

又行者等眷属六親、若来看病、勿↠令↠有↧食↢酒・肉・五辛↡人↥。若有必不↠得↠向↢病人辺↡。即失↢正念↡、鬼神交乱、病人狂死堕↢三悪道↡。願行者等、好自謹慎奉↢持仏教↡、同作↢見仏因縁↡。

ぜんはこれにゅうどうじょうおよびかんびょうにん法用ほうゆうなり。

已前是入道場、及看病人法用。

◎五縁功徳分

【12】きょうによりて*しゅぞうじょうえんかす一かん

五種増上縁 念仏の行者が得る五種類のすぐれたどく因縁いんねん滅罪めつざいねんけんぶつせっしょう証生しょうしょうの五をいう。

依↠経明↢五種増上縁義↡一巻。

¬*りょう寿じゅきょう¼ による一。

依↢¬無量寿経¼↡一。

¬*十六かんぎょう¼ による二。

十六観経 ¬観無量寿経¼ のこと。 じょうぜん十三観・散善さんぜん三観を説くところからいう。

依↢¬十六観経¼↡二。

¬*阿弥陀あみだきょう¼ による三。

四紙阿弥陀経 ¬阿弥陀経¼ は四枚の料紙に書写できるのでこの称がある。

依↢¬四紙阿弥陀経¼↡三。

¬*般舟はんじゅ三昧ざんまい