かんぎょうとうみょう般舟はんじゅ三昧ざんまいぎょうどうおうじょうさん

比丘びくそう善導ぜんどうせん

◎序分

【1】 うやまひて*一切いっさいおうじょうしきとうにまうす。 おおききにすべからくざんすべし。 しゃ如来にょらいじつにこれ慈悲じひ父母ぶもなり。 種々しゅじゅ方便ほうべんをもつてわれらがじょう信心しんじんほっせしめたまふ。 また種々しゅじゅ方便ほうべんきてきょうもん一にあらざることは、 ただわれら*倒見とうけんぼんのためなり。 もしよくきょうによりてしゅぎょうすれば、 すなはち門々もんもんぶつじょうしょうずることを

一切往生の知識等 往生を願うすべてのどうぎょうたち。 ここでの知識は同行、 法友の意。
倒見 真理にそむいた謝った見解。

敬白↢一切往生知識等↡。大須↢慚愧↡。釈迦如来実是慈悲父母。種種方便、発↢起我等無上信心↡。又説↢種種方便↡、教門非↠一、但為↢我等倒見凡夫↡。若能依↠教修行者、則門門見↠仏、得↠生↢浄土↡。

もしひとありてぜんぎょうずるを見聞けんもんせば、 すなはちぜんをもつてこれをたすけよ。 もしひとありてきょうぎょうずるを見聞けんもんせば、 これをめよ。 もしひとありてぎょうくをかば、 すなはちぎょうによりてこれにしたがへ。 もしひとありてさとることあるをかば、 すなはちさとりによりてこれをよろこべ。

若見↢聞有↠人行↟善者即以↠善助↠之、若見↢聞有↠人行↟教讃↠之、若聞↢人説↟行即依↠行順↠之、若聞↢人有↟悟即依↠悟喜↠之。

なんのこころぞしかるとならば、 おなじく諸仏しょぶつをもつてとなし、 *ほうをもつてははとなして*しょうようし、 ともにおなじくこころしたしみてうときにあらざればなり。 *えん教行きょうぎょうきょうし、 *えん要法ようぼうさんずることをざれ。 すなはちこれみづから諸仏しょぶつ*法眼ほうげんをあひ破壊はえするなり。 法眼ほうげんすでにめっしなば、 だいしょうどう*そくするによしなし。 じょうもん、 なんぞよくることをん。 しょうたんしていはく、

 仏法。 仏の教法。
生養 育て養うこと。
他の… 他人に縁のある教えや修行を軽視しそしる。
自の… 自分に縁のある肝要な教えだけをほめたたえてはならない。
履足 ふみ歩むこと。

何意然者、同以↢諸仏↡為↠師、以↠法為↠母生養、共同情親非↠外。不↠得↧軽↢毀他有縁之教行↡、讃↦自有縁之要法↥。即是自相↢破↣壊諸仏法眼↡。法眼既滅、菩提正道、履足無↠由。浄土之門、何能得↠入。傷歎曰。

*しょうもうにしてごうまかせてく、 ごうしたがへば*じんきょうす。

生盲 →補註10
深坑 深いあな。

生盲信↠業走、  随↠業堕↢阬↡。

この*貪瞋とんじんをほしいままにすれば、 そんにんそんじ、

縦↢此貪瞋火↡、 自損損↢他人↡、

ながみょううみもっして、 *ふことながえんなし。

木に遇ふ 盲亀浮木の喩えをうけていう。 大海中に住む盲目の亀が、 百年に一度、 海上に顔を出し、 そこに流れてきた板のあなに出遇うことが極めて困難であるように、 仏法に遇うこともきわめて難しい。

長没↢無明海↡、 遇↠木永無↠縁。

 ぎょうじゃとうかならずすべからく一切いっさい*ぼんしょうきょううえにおいて、 つねに*さんじゅんしんおこして、 *是非ぜひ慊恨けんごんしょうずることなかるべし。 なんがゆゑぞしかるとならば、 みづから*しん口意くいごうふせがんがためなり。 おそらくはぜんごうおこらば、 またこれてんすることさきことなることなからん。 もし自他じたきょううえに三ごうまもてよく清浄しょうじょうならしむれば、 すなはちこれ仏国ぶっこくしょうずるしょういんなり。

讃順の心 讃嘆さんだんし信順する心。
是非慊恨 よしあしを論じたり、 嫌い恨んだりする心。

行者等必須↧於↢一切凡聖境上↡、常起↢讃順之心↡、莫↞生↢是非慊恨↡也。何故然者、為↣自防↢身口意業↡。恐不善業起、復是流転与↠前無↠異。若自他境上護↢得三業↡、能令↢清浄↡者、即是生↢仏国↡之正因。

 ひていはく、 すでに三ごう清浄しょうじょうなる、 これじょうしょうずるしょういんなりといはば、 いかんがごうして清浄しょうじょうと名づくることをる。

問曰。既道↧三業清浄、是生↢浄土↡正因↥者、云何作業得↠名↢清浄↡。

こたへていはく、 一切いっさいぜんほう自他じたしん口意くいにすべてだんじてぎょうぜざる、 これを清浄しょうじょうづく。 また自他じたしん口意くい相応そうおうぜんにはすなはち上々じょうじょう*ずいしんおこす。 もろもろのぶつさつしょずいのごとく、 われもまたかくのごとくずいす。 この善根ぜんごんをもつて*してじょうしょうず。 ゆゑにづけてしょういんとなす。 またじょうしょうぜんとほっせば、 かならずすべからくみづからすすすすめてひろじょう*しょうほうしょうごんさんずべし。 またすべからく*じょうえん*しゃづる本末ほんまつるべし。 もろもろの有智うちのもの、 るべし。

随喜 善事をよろこぶ心。
浄土に入る縁儀 浄土に往生する縁由、 いわれ。
娑婆を出づる本末 迷いの世界である娑婆を離れ出る次第。

答曰。一切不善之法、自他身口意総断不↠行、是名↢清浄↡。又自他身口意相応善、即起↢上上随喜心↡、如↢諸仏菩薩所作随喜↡、我亦如↠是随喜。以↢此善根↡迴生↢浄土↡。故名為↢正因↡也。又欲↠生↢浄土↡、必須↣自勧勧↠他広讃↢浄土依正二報荘厳事↡。亦須↠知↧入↢浄土↡之縁起、出↢娑婆↡之本末↥。諸有智者、応↠知。

【2】 またひていはく、 「般舟はんじゅ三昧ざんまいらく」 とは、 これなんのぞや。

又問曰。般舟三昧楽者、是何義也。

こたへていはく、 *ぼんには 「般舟はんじゅ」 とづく、 ここ (中国) には*ほんじて 「じょうぎょうどう」 とづく。 あるいは七にち、 九十にちぎょうじて*けんなり、 そうじては三ごうけんづく。 ゆゑに般舟はんじゅづく。 また 「三昧さんまい」 といふは、 またこれ*西国さいこく (印度)、 ここにはほんじてづけて 「じょう」 となす。 さきの三ごうけんによりて、 しんいたりてかんずるところすなはち*ぶっきょう現前げんぜんす。 まさしくきょうげんずるときすなはち*身心しんしん内悦ないえつす。 ゆゑにづけてらくとなす。 また*りゅうじょうけん諸仏しょぶつづく、 るべし。

梵語 サンスクリット語のこと。 インドの古典語。
翻じて 翻訳して。
西国の語 梵語 (サンスクリット) のこと。
仏境現前す 仏の境界が行者の面前に現れる。
身心内悦す 身も心もよろこびにみたされる。
立定見諸仏 定に入って諸仏を見ること。 「立常見諸仏」 とする異本もある。

答曰。梵語名↢般舟↡、此翻名↢常行道↡。或七日・九・十日、身行無間総名↢三業無間↡、故名↢般舟↡也。又言↢三昧↡者、亦是西国語、此翻名為↠定。由↢前三業無間↡、心至所↠感、即仏境現前。正境現時、即身心内悦。故名為↠楽、亦名↢立定見諸仏↡也。応↠知。

◎正讃

【3】  般舟はんじゅ三昧ざんまいらく がんおうじょう

般舟三昧楽     願往生

*がい*どうにしてとどまりがたし りょうらく

三界六道苦難↠停   無量楽

*曠劫こうごうよりこのかたつねに*没々もつもつたり がんおうじょう

没々 深く沈んでいるさま。

曠劫已来常没没   願往生

いたるところただしょうこえのみをく りょうらく

到処唯聞↢生死声↡  無量楽

しゃ如来にょらいしんほうは がんおうじょう

釈迦如来真報土   願往生

清浄しょうじょうしょうごん*しょうこれなり りょうらく

無勝 しょうしょうごんこくのこと。 無勝土ともいう。 西方四十二ごうしゃの諸仏の国土の彼方にある釈迦仏の浄土。 北本 ¬はんぎょう¼ 巻二十四に説かれる。

清浄荘厳無勝是   無量楽

しゃせんがために*わかちてり がんおうじょう

 釈迦仏の化身のこと。

為↠度↢娑婆↡分化入  願往生

*そうじょうぶつしてしゅじょうしたまふ りょうらく

八相成仏 →八相はっそう

八相成仏度↢衆生↡  無量楽

あるいはにんてん・二じょうほうき がんおうじょう

或説↢人・天・二乗法↡ 願往生

あるいはさつはんいんき りょうらく

或説↢菩薩涅槃因↡  無量楽

あるいはぜんあるいはとん*くうかして がんおうじょう

空有 空の立場と有の立場。

或漸或頓明↢空有↡  願往生

*人法にんぽうしょうならべてのぞかしめたまふ りょうらく

人法二障 人・法二つの我見のさわり。 人について実態的な自我があると執着するさわりと、 すべての存在 (法) について固定的な実体があると執着するさわり。

人・法二障遣↢双除↡  無量楽

*こんじょうなるものはみなやくこうむる がんおうじょう

根性利者皆蒙↠益   願往生

鈍根どんこん無智むちかいしがたし りょうらく

鈍根無智難↢開悟↡  無量楽

¬*瓔珞ようらくきょう¼ のなかには*ぜんぎょう がんおうじょう

¬瓔珞経¼中説↢漸教↡ 願往生

万劫まんごうしゅ退たいしょう りょうらく

万劫修↠功証↢不退↡  無量楽

¬かんぎょう¼・¬弥陀みだきょう¼ とうせつ がんおうじょう

¬観経¼「弥陀経¼等説 願往生

すなはちこれ*とんぎょう*だいぞうなり りょうらく

菩提蔵 仏のさとりに至らせる教え。 「菩薩蔵」 とする異本もある。

即是頓教菩提蔵   無量楽

にちにちもつぱらぶつしょうすれば がんおうじょう

一日七日専称↠仏   願往生

いのちえてしゅ安楽あんらくしょうず りょうらく

命断須臾生↢安楽↡  無量楽

一たび*弥陀みだはんこくりぬれば がんおうじょう

弥陀涅槃国 阿弥陀仏の浄土が涅槃のさとりの世界であることを示す。 →はん

一入↢弥陀涅槃国↡  願往生

すなはち退たい*しょうしょうす りょうらく

無生 ここでは無生法忍のこと。 →しょう法忍ぼうにん

即得↢不退↡証↢無生↡ 無量楽

万劫まんごうしゅじつつづきがたし がんおうじょう

万劫修↠功実難↠続  願往生

煩悩ぼんのうももたびたびまじはる りょうらく

一時煩悩百千間   無量楽

もししゃにして*法忍ほうにんしょうすることをたば がんおうじょう

法忍 無生法忍のこと。 →しょう法忍ぼうにん

若待↣娑婆証↢法忍↡  願往生

どうにして恒沙ごうじゃこうにもいまだあらず りょうらく

六道恒沙劫未↠期   無量楽

*貪瞋とんじんはすなはちこれりんごうなり がんおうじょう

貪瞋即是輪迴業   願往生

煩悩ぼんのうあにこれしょういんならんや りょうらく

煩悩豈是無生因   無量楽

この貪瞋とんじんしょうあきらむるに がんおうじょう

験↢此貪瞋火焼苦↡  願往生

きて弥陀みだこくるにしかず りょうらく

不↠如走入↢弥陀国↡  無量楽

【4】  弥陀みだ*いんにして*発心ほっしんとき がんおうじょう

因地 仏のさとりを得るための修行の段階。 いんともいう。

弥陀因地発心時   願往生

たちまちにおうててだいもとめたまふ りょうらく

頓捨↢王位↡求↢菩提↡ 無量楽

*にょうおうぶつみもとにして鬚髪しゅほつおとし がんおうじょう

饒王仏 法蔵菩薩の師仏。 →ざいおうぶつ

饒王仏所落↢鬚髪↡  願往生

しゅっ修道しゅどうするを*法蔵ほうぞうづく りょうらく

法蔵 →法蔵ほうぞうさつ

出家修↠道名↢法蔵↡  無量楽

四十八がんこれによりておこす がんおうじょう

四十八願因↠茲発   願往生

一々の誓願せいがんしゅじょうのためなり りょうらく

一一誓願為↢衆生↡  無量楽

衆宝しゅぼうをもつてしょうごんして極楽ごくらくづく がんおうじょう

衆宝荘厳名↢極楽↡  願往生

広大こうだい*かんぴょうにしてげんりょうなし りょうらく

広大寛平無↢限量↡  無量楽

われだい*しんかなひてし がんおうじょう

心に当然ひて坐し 浄土の中央に座り。 ここでの心は中心、 中央の意。

我得↢菩提↡当心坐  願往生

*さいてつしてしゅじょうせん りょうらく

後際を徹窮して 未来際を尽して。 未来永劫に。

徹↢窮後際↡度↢衆生↡ 無量楽

身相しんそうこうみょう法界ほうかいらす がんおうじょう

身相光明照↢法界↡  願往生

ひかりおよぶところのところみなやくこうむる りょうらく

光所↠及処皆蒙↠益  無量楽

一々のこうみょうは相続してらし がんおうじょう

一一光明相続照   願往生

念仏ねんぶつおうじょうの人をらし*もとむ りょうらく

覓む 「覓」 はさがしもとめるの意。

照↢覓念仏往生人↡  無量楽

ぽう諸仏しょぶつくにせんとほっするに がんおうじょう

欲↠比↢十方諸仏国↡  願往生

極楽ごくらくやすんずるにじつにこれ*しょうなり りょうらく

極楽安↠身実是精   無量楽

【5】  般舟はんじゅ三昧ざんまいらく がんおうじょう

般舟三昧楽     願往生

しゃ如来にょらい*悲意ひいふかくまします りょうらく

悲意 しゅじょうをあわれむ大悲の心。

釈迦如来悲意   無量楽

*ほんしゃ*ぎょうしゅして がんおうじょう

本師 根本の師。
普行 あらゆる善行。

本師釈迦修↢普行↡  願往生

*じょうじょうごうしゅじょうしたまふ りょうらく

長時長劫 限りなく長い時間。

長時長劫度↢衆生↡  無量楽

一切いっさい如来にょらい方便ほうべんもうけたまふこと がんおうじょう

一切如来設↢方便↡  願往生

また今日こんにちしゃそんおなじ りょうらく

亦同↢今日釈迦尊↡  無量楽

したがひてほうくにみなやくこうむる がんおうじょう

随↠機説↠法皆蒙↠益  願往生

おのおの悟解ごげ*真門しんもんる りょうらく

真門 真実の法門。 仏のさとりに至る門。

各得↢悟解↡入↢真門↡ 無量楽

門々もんもんどうにして*まん四なるは がんおうじょう

八万四 八万四千の略。 多数の意。 仏の説かれた教法が多数であることを示す。

門門不同八万四   願往生

みょう**業因ごういんとをめっせんがためなり りょうらく

 ここではしょうの苦果のこと。
業因 ここでは生死の苦果をまねく原因となる行為のこと。

為↠滅↢無明果業因↡  無量楽

*けんはすなはちこれ弥陀みだみななり がんおうじょう

利剣 するどいつるぎ。

利剣即是弥陀号   願往生

しょうしょうねんすればつみみなのぞこる りょうらく

一声称念罪皆除   無量楽

【6】  しゃ如来にょらいいんとき がんおうじょう

釈迦如来因地時   願往生

たちまちに*身財しんざいててみょうほうもとめ りょうらく

身財 身命と財産。

頓捨↢身財↡求↢妙法↡ 無量楽

しょうこう大劫だいこうじょうこう がんおうじょう

小劫・大劫・長時劫  願往生

ぶつずいじゅんしてちかひてしゅぎょうす りょうらく

随↢順仏語↡誓修行  無量楽

念々ねんねんちゅうに六ぎょうじ がんおうじょう

念念時中行↢六度↡  願往生

*慈悲じひしゃしてしゅじょうしたまふ りょうらく

慈悲喜捨 →りょうしん

慈悲喜捨化↢衆生↡  無量楽

ごうにもつぱら*けんごうしゅして がんおうじょう

無間業 絶え間のないぎょうごう

三業専修↢無間業↡  願往生

ちかひて*だいじょうそんとなりたまふ りょうらく

菩提無常の尊 この上ないさとりをひらかれた方。 仏のこと。

誓作↢菩提無上尊↡  無量楽

だいじょうしょうとくして がんおうじょう

証↢得菩提無上果↡  願往生

ひゃくおくわかちてしゅじょうしたまふ りょうらく

分↢身百億↡度↢衆生↡ 無量楽

*とんをもつて演説えんぜつしたまふにしたがひてさとり がんおうじょう

一音を… 仏の教えは本来ただ一つであるのに、 しゅじょうはそれぞれの素質能力に応じてさとるという意。 ¬ゆいぎょう¼ 「仏国品」 等に出る。

一音演説随↠機悟   願往生

おのおのさとりしたがひて*真元しんげんいたる りょうらく

真元 真如の根源。 →真如しんにょ

各各随↠悟到↢真元↡  無量楽

般舟はんじゅ三昧ざんまいらく がんおうじょう

般舟三昧楽     願往生

しゃ如来にょらいきょうずいじゅんすべし りょうらく

随↢順釈迦如来教↡  無量楽

【7】  ぶっきょうもんにして*まん四なるは がんおうじょう

仏教多門八万四   願往生

まさしくしゅじょうどうなるがためなり りょうらく

正為↢衆生機不同↡  無量楽

やすんずる*常住じょうじゅうところ*もとめんとほっせば がんおうじょう

常住の処 しょうめつ変化を離れたはんのさとりの世界。

欲↠覓↢安身常住処↡  願往生

*ようぎょうもとめて*真門しんもんれ りょうらく

要行 肝要な行業。

先求↢要行↡入↢真門↡ 無量楽

門々もんもんどうなるをぜんぎょうづく がんおうじょう

門門不同名↢漸教↡  願往生

万劫まんごうぎょうしてしょうしょう りょうらく

万劫苦行証↢無生↡  無量楽

*ひつみょうとなしてもつぱら念仏ねんぶつすれば がんおうじょう

畢命を期となして 命が終る時を限りとして。

畢命為↠期専念仏   願往生

しゅいのちえてぶつむかたまふ りょうらく

須臾命断仏迎将   無量楽

*じきときなほまじはることあり がんおうじょう

一食の… 一度の食事をする僅かの間にも煩悩ぼんのうがまじわるという意。

一食之時尚有↠間   願往生

いかんが万劫まんごう*貪瞋とんじんせざらん りょうらく

如何万劫不↢貪瞋↡  無量楽

貪瞋とんじん人天にんでんくるみちへて がんおうじょう

貪瞋障↧受↢人天↡路↥ 願往生

*まく・四しゅのうちにやすく りょうらく

三悪四趣 三悪は疑獄・ちくしょうの三悪趣、 四趣はこれにしゅを加えた四悪趣のこと。 →悪趣あくしゅ

三悪・四趣内安↠身  無量楽

弥陀みだあんにょうこくいたらんとほっせば がんおうじょう

欲↠到↢弥陀安養国↡  願往生

念仏ねんぶつかいぎょうかならずすべからく*すべし りょうらく

念仏戒行必須↠迴   無量楽

かいぎょうせんしょうなれば諸仏しょぶつめたまひ がんおうじょう

戒行専精諸仏讃   願往生

りんじゅう*華座けざおのづから来迎らいこうす りょうらく

臨終華座自来迎   無量楽

ねんのあひだに*ぶつりて がんおうじょう

一念之間入↢仏会↡  願往生

がい・六どうながのぞく りょうらく

三界六道永除↠名   無量楽

*みょうつうみなざいなり がんおうじょう

三明六通皆自在   願往生

ひつみょうすれば退たいにして無為むいしょうす りょうらく

畢竟不退証↢無為↡  無量楽

*しゅ威儀いぎにつねにぶつたてまつる がんおうじょう

四種威儀常見↠仏   願往生

こうりてつねにようしたてまつる りょうらく

手執↢香華↡常供養  無量楽

ねんしゅうしたがひてき がんおうじょう

一念一時随↠衆聴   願往生

ひゃくせん三昧さんまいねんじょうず りょうらく

百千三昧自然成   無量楽

一切いっさいちゅうにつねにじょうる がんおうじょう

一切時中常入↠定   願往生

*じょうもんきょうみなとくす りょうらく

定理聞経みな得悟す ぜんじょうの中にあって教えを聞き、 すべてみなさとりを得る。

定理聞経皆得悟   無量楽

ひゃっぽうしょうごんねんしたがひてげんじ がんおうじょう

百宝荘厳随↠念現   願往生

*じょうごうようして*おんほうず りょうらく

長劫供養報↢慈恩↡  無量楽

*じんごうしたがひてめっ がんおうじょう

微塵の…滅し 無始以来の多くの悪業は智慧ちえによって滅尽しの意。 親鸞聖人は 「微塵の故業と随智と滅す」 (信文類訓) と読まれた。 この場合の随智は自力の智慧の意か。

微塵故業随智滅   願往生

*かくてんじて真如しんにょもんれば りょうらく

不覚転じて…入れば 迷いを転じて真如しんにょの門に入ればの意。 親鸞聖人は 「おしへざるに真如の門に転入す」 (行文類訓) と読まれた。

不↠覚転↢入真如門↡  無量楽

だいしょうそう恒沙ごうじゃこうも がんおうじょう

大小僧祇恒沙劫   願往生

また*だんしゅのあひだのごとし りょうらく

弾指須臾のあひだ 指をはじくほどの短い時間。

亦如↢弾指須臾間↡  無量楽

かくのごとくらくところ*しょうようす がんおうじょう

如↠此逍遥快楽処   願往生

さらに何事なにごとむさぼりてかしょうずることをもとめざらん りょうらく

更貪↢何事↡不↠求↠生 無量楽

たとひ千年せんねんよくくとも がんおうじょう

縦使千年受↢五欲↡  願往生

ごく因縁いんねんぞうじょうせん りょうらく

増↢長地獄苦因縁↡  無量楽

*貪瞋とんじんあく相続そうぞくしておこる がんおうじょう

貪瞋十悪相続起   願往生

あにこれだつはんいんならんや りょうらく

豈是解脱涅槃因   無量楽

おそれずして衆罪しゅざいつくり がんおうじょう

不↠畏↢三塗↡造↢衆罪↡ 願往生

ぼうめつしてなが*沈淪ちんりんす りょうらく

破↢滅三宝↡永沈淪  無量楽

父母ぶもきょうせず眷属けんぞくののしりて がんおうじょう

不↠孝↢父母↡罵↢眷属↡ 願往生

ごくづるなし りょうらく

地獄安↠身無↢出期↡  無量楽

*曠劫こうごうよりこのかたかいしずみて がんおうじょう

曠劫已来沈↢苦海↡  願往生

*西方さいほう要法ようぼういまだかつてかず りょうらく

西方の要法 西方浄土に往生するという肝要な教え。

西方要法未↢曾聞↡  無量楽

人身にんじんたりといへどもおおさわりあり がんおうじょう

雖得↢人身↡多有↠障  願往生

*ぶっけずしてかへりてうたがいしょうず りょうらく

仏化 仏の教化。

不↠受↢仏化↡反生↠疑 無量楽

ぽう如来にょらい慈悲じひきわまり がんおうじょう

六方如来慈悲極   願往生

同心どうしんおなじくすすめて西方さいほうかしめたまふ りょうらく

同心同勧往↢西方↡  無量楽

長病じょうびょう*おんぎょうにはかぞへず がんおうじょう

遠行 遠方にでかけること。

長病遠行不↠計↠日  願往生

*念仏ねんぶつにはすなはち功夫くふなしといふ りょうらく

念仏には… 念仏をつとめるいとまがないという。 功夫はつとめる、 実践するの意。

念仏即道↠無↢功夫↡  無量楽

かくのごときひと*化度けどしがたし がんおうじょう

如↠此之人難↢化度↡  願往生

みょうとどめられてかつながねむる りょうらく

無明被↠底且長眠   無量楽

【8】  もつぱら ¬弥陀みだ¼・¬かんぎょう¼ のほうむべし がんおうじょう

専読↢¬弥陀¼¬観経¼法↡ 願往生

文々もんもん句々くく西方さいほうく りょうらく

文文句句説↢西方↡  無量楽

地下じげ*宝幢ほうどうおくしゅなり がんおうじょう

地下宝幢無億数   願往生

*ほうりょうそくしてことごとくひかりかがやかす りょうらく

方楞具足して 方は側面、 楞は角の意。 ¬観経¼ に 「八方八楞具足」 とあるのをうける。 法幢が八角柱の形をなしているということ。

方楞具足尽輝↠光   無量楽

万億まんおく宝珠ほうしゅあひ*映飾ようじきして がんおうじょう

万億宝珠相映飾   願往生

おのおの*希奇けき変現へんげんす りょうらく

希奇の事 すぐれたありさま。

各各変↢現希奇事↡  無量楽

かみ衆宝しゅぼうしょうごんらして がんおうじょう

照↢上衆宝荘厳地↡  願往生

雑色ざっしきひゃくせんよりもぎたり りょうらく

雑色過↢於百千日↡  無量楽

しんこうみょう金色こんじきなり がんおうじょう

自身光明紫金色   願往生

あしほうみて徐々じょじょとしてく りょうらく

足践↢宝地↡徐徐行  無量楽

このしょう宝国ほうこくるは がんおうじょう

得↢此無生宝国地↡  願往生

みなこれ弥陀みだ願力がんりきおんなり りょうらく

皆是弥陀願力恩   無量楽

一切いっさいちゅうみょうほうく がんおうじょう

一切時中聞↢妙法↡  願往生

煩悩ぼんのうざいしょうおこるによしなし りょうらく

煩悩罪障無↠由↠起  無量楽

さつ*しき同学どうがくとなり がんおうじょう

菩薩知識為↢同学↡  願往生

たずさへあひ*宝堂ほうどうらしむ りょうらく

携↠手相将入↢宝堂↡  無量楽

念々ねんねんのうちに法楽ほうらくけ がんおうじょう

念念之中受↢法楽↡  願往生

しゅひゃくせんもんとくす りょうらく

須臾悟↢得百千門↡  無量楽

*大衆だいしゅ同心どうしん*このさかいいとへ がんおうじょう

大衆 同じく往生を願う者を指していう。
この界 しゃ世界を指す。

大衆同心厭↢此界↡  願往生

ぶつ願力がんりきじょうずれば弥陀みだたてまつる りょうらく

乗↢仏願力↡見↢弥陀↡ 無量楽

たちまちにりょうすれば心髄しんずいいたむ がんおうじょう

忽爾思量心髄痛   願往生

*ぐうこうにもいたづらにろうせり りょうらく

無窮の劫 はかりしれないほどの長い時間。

無窮之劫枉疲労   無量楽

みづから今身こんじんじょうくことをよろこぶ がんおうじょう

自慶↣今身聞↢浄土↡  願往生

しんみょうしまずして西方さいほうかん りょうらく

不↠惜↢身命↡往↢西方↡ 無量楽

西方さいほうらく無為むいところなり がんおうじょう

西方快楽無為処   願往生

*てんじょう人間にんげん*りょうなし りょうらく

天上人間 天の世界と人間の世界。
比量なし たぐいない。

天上・人間無↢比量↡  無量楽

*てんあひ勝るること億万倍なるも がんおうじょう

六天 欲界よくかいの第六天、 他化自在天のこと。 →他化たけざいてん

六天相勝億万倍   願往生

西方さいほうひとの一そうにもおよばず りょうらく

不↠及↢西方人一相↡  無量楽

三十二そうありて*つうざいなり がんおうじょう

三十二相通自在   願往生

身光しんこうあまねく十ぽうかいらす りょうらく

身光徧照↢十方界↡  無量楽

帝王たいおうより六てんいたるまで がんおうじょう

従↢世帝王↡至↢六天↡ 願往生

音楽おんがくあひすぐるること億万おくまんじゅうなり りょうらく

音楽相勝億万重   無量楽

仏国ぶっこく宝林ほうりんえだあひるるに がんおうじょう

仏国宝林枝相触   願往生

*てん音楽おんがくは一にもしかず りょうらく

六天音楽不↠如↠一  無量楽

ときによりてよう香風こうふうおこり がんおうじょう

依↠時供養香風起   願往生

じゅはらへばはなびてほうつ りょうらく

払↠樹華飛落↢宝池↡  無量楽

宝樹ほうじゅ飛華ひけ*徳水とくすいうかぶ がんおうじょう

徳水 浄土の宝池の八功徳水。 →はっどくすい

宝樹飛華汎↢徳水↡  願往生

どう*捉取そくしゅしをはりてふねとなす りょうらく

捉取 つかみとること。

童子捉取已為↠船   無量楽

ふねりてただちに*れんる がんおうじょう

蓮華会 宝池の中にある蓮華の会座。

乗↠船直入↢蓮華会↡  願往生

ぶつさつあたへてしめたまふ りょうらく

化仏・菩薩与↠衣被  無量楽

おのおのこうりて仏前ぶつぜんりゅうし がんおうじょう

各執↢香華↡仏前立  願往生

徐々じょじょとしてはるかにさんずればへんじてくもとなる りょうらく

徐徐遥散変成↠雲   無量楽

宝雲ほううんしょうごんはすなはちこれ*がいなり がんおうじょう

宝雲荘厳即是蓋   願往生

すなはち*ほうあたへておしへてじきせしむ りょうらく

宝果 宝樹にみのる果実。

即与↢宝果↡教令↠食  無量楽

*おうじょうぜんしき遇値ひて がんおうじょう

往生の善知識 往生浄土を勧める善知識。 →ぜんしき

遇↢値往生善知識↡  願往生

じょう弥陀みだみなくことをたり りょうらく

得↠聞↢浄土弥陀名↡  無量楽

ぶつ願力がんりきによりてきたりてあひまみゆ がんおうじょう

因↢仏願力↡来相見  願往生

つねに*このくにじゅうして*かえるをもちゐず りょうらく

この国 西方浄土。
還るを須ゐず 迷いの世界に帰る必要はないという意。

常住↢此国↡不↠須↠還 無量楽

*法侶ほうりょたずさはやしりてれば がんおうじょう

法侶携将入↠林看   願往生

そくこう日月にちがつえたり りょうらく

足下輝光超↢日月↡  無量楽

さつしゅじんすることなし がんおうじょう

菩薩衆会無↢窮尽↡  願往生

おのおのの身光しんこうたがひにあひらす りょうらく

各各身光互相照   無量楽

*新往しんおうしょう金色こんじきなり がんおうじょう

新往の化生 新たに浄土に往生した者。

新往化生紫金色   願往生

もろもろの*大衆だいしゅ*しゅなし りょうらく

大衆 浄土の聖者を指していう。
殊異なし 異なるところがない。

与↢諸大衆↡無↢殊異↡ 無量楽

あるいは宝楼ほうろうりてしゅちゅうす がんおうじょう

或入↢宝楼↡衆中坐  願往生

大衆だいしゅるものみなかんす りょうらく

大衆見者皆歓喜   無量楽

種々しゅじゅしょうごんるべからず がんおうじょう

種種荘厳不↠可↠識  願往生

ないあひるに*しょうなし りょうらく

内外相看無↢障礙↡  無量楽

あしとどむればしゅ法楽ほうらくく がんおうじょう

佇↠足須臾受↢法楽↡  願往生

三昧さんまい*しょうねんさとる りょうらく

無生 ここでは無生法忍のこと。 →しょう法忍ぼうにん

三昧無生自然悟   無量楽

【9】  じょうしょうごん衆宝しゅぼうまじはる がんおうじょう

地上荘厳衆宝間   願往生

雑色ざっしきあひまじはりてひゃくせんまんなり りょうらく

雑色相参百千万   無量楽

ほう*だい処々しょしょてり がんおうじょう

宝座・華台処処満   願往生

しんしたがひて受用じゅゆうするにひかりきたりてらす りょうらく

随↠心受用光来照   無量楽

ひゃくせんどうさつしゅ がんおうじょう

百千童子菩薩衆   願往生

おのおのこうささげていけのぞみてる りょうらく

各捧↢香華↡臨↠池看  無量楽

あるいはしあるいはりゅうして*池渠ちこきしにあり がんおうじょう

或坐或立池渠岸   願往生

あるいは*はしたずねてほうるものあり りょうらく

 階段。

或有↣尋↠階入↢宝池↡ 無量楽

あるいはいさごちあるいはひざいたり がんおうじょう

或立↢于沙↡或至↠膝  願往生

あるいはようもっしあるいはそそぐ りょうらく

或没↢腰頭↡或懸注  無量楽

あるいは*こんひゃっぽうようりて がんおうじょう

或取↢金華百宝葉↡  願往生

がんじょうにしていけひとじゅす りょうらく

授↢与岸上看↠池人↡  無量楽

こう受得じゅとくすること千万せんまんじゅなり がんおうじょう

受↢得香華↡千万種  願往生

すなはち*弥陀みだだいうえさんず りょうらく

弥陀大会 阿弥陀仏の説法の会座。

即散↢弥陀大会上↡  無量楽

所散しょさんはなへんじて*がいとなる がんおうじょう

所↠散之華変成↠蓋  願往生

ねん音楽おんがくめぐることせんじゅうなり りょうらく

自然音楽繞千重   無量楽

*ほうちょうこえつらねててんがくそうす がんおうじょう

宝鳥 阿弥陀仏のへんであるところの宝の鳥。 ¬観経¼ に 「百宝色の鳥」 とあるのをうけている。

宝鳥連↠声奏↢天楽↡  願往生

一切いっさいるもの*しんおこす りょうらく

悲心 慈悲の心。

一切見者起↢悲心↡  無量楽

われいまここにいたることはぶつ願力がんりきなり がんおうじょう

我今到↠此仏願力   願往生

*同縁どうえんどうぎょういづれのときにかきたる りょうらく

同縁同行 同じ