おうじょうようしゅう かんちゅう *じん第六だいろくべつ念仏ねんぶつもん

天台てんだい*しゅりょうごんいん*沙門しゃもん*源信げんしんせん

二 Ⅳ ⅱ 観察門

【42】^だい観察かんざつもんとは、 初心しょしんかんぎょう深奥じんおうへず。 ¬*十住じゅうじゅう毘婆びばしゃ¼ (意) にいふがごとし。 「*新発しんぽっさつぶつ色相しきそうねんず」 と。 また*しょきょうのなかに、 初心しょしんにんのためには、 おお*相好そうごうどくけり。 このゆゑにいままさに*色相しきそうかんしゅすべし。

第四観察門者、初心観行不↠堪↢深奥↡。如↢¬十住毘婆¼云フガ↡。「新発意菩薩ズト↢仏↡。」又諸経、為↢初心↡多↢相好功徳↡。是今当↠修↢色相↡。

^これをわかちてさんとなす。 いちには別相べっそうかんには総相そうそうかんさんにはぞうりゃくかんなり*ぎょうしたがひてこれをもちゐるべし。

チテ↠三。一ニハ別相観、二ニハ相観、三ニハ雑略観ナリ。随↢意楽↡応↠用↠之

・別相観

【43】^はじめに*別相べっそうかんとは、 またあり。

別相観者、亦有↠二。

・別相観 ・華座

^*華座けざかんず。

↢花座↡。

^¬*かんぎょう¼ にのたまはく、 「かのぶつかんぜんとおもはば、 まさに想念そうねんおこすべし。 *七宝しっぽううえにおいて*れんおもいをなし、 そのれん一々いちいちようをしてひゃっぽうしき ˆありとのおもいˇ をなさしめよ。 ˆそのようにˇ 八万はちまんせんみゃくありて、 なほてんのごとし。 みゃく八万はちまんせんひかりあり。 *了々りょうりょうぶんみょうにして、 みなることをしめよ。

¬観経¼云、「欲↠観ムト↢彼↡者、当↧起シテ↢想念↢七宝↡作↦蓮花↥。↣其蓮花一々ヲシテ↢百宝色↡。有↢八万四千脈↡、猶如↢天↡。脈↢八万四千光↡。了々分明ニシテ皆令↠得↠見コトヲ

^ようちいさきものは、 じゅうこうひゃくじゅう*じゅんなり。 かくのごときはな八万はちまんせんようあり。 一々いちいちようのあひだひゃくおく*摩尼まに珠王しゅおうありて、 もつて映飾ようじきとなせり。 一々いちいち摩尼まにしゅは、 せんこうみょうはなつ。 そのひかり ˆてんˇ がいのごとくして、 七宝しっぽうごうじょうして、 あまねくうえけり。

花葉縦広二百五十由旬ナリ。如↠是↢八万四千葉↡。一々↢百億摩尼珠王↡、以↢映飾↡。一々摩尼珠↢千光明↡。其光如クシテ↠蓋、七宝合成、遍↢地↡。

^*しゃりょうほう、 もつてそのだいとなせり。 このれんだいは、 八万はちまん金剛こんごう*けんしゅくほう*ぼん摩尼まにほうみょう真珠しんじゅもう、 もつてきょうじきとなせり。 そのだいじょうにおいて、 ねんにして*ちゅう宝幢ほうどうあり。 一々いちいち宝幢ほうどうは、 ひゃくせん万億まんおく*しゅせんのごとし。 どううえ*宝縵ほうまんは、 *夜摩やまてんのごとし。 ひゃくおくみょう宝珠ほうしゅありて、 もつて映飾ようじきとなせり。

釈迦毘楞伽宝↢其↡。此蓮花台、八万金剛・甄叔迦宝・梵摩尼宝・妙真珠網↢交飾↡。於↢其台上↡自然ニシテシテ↢四柱宝幢↡。一々宝幢クナリ↢百千万億須弥山↡。幢宝縵クナリ↢夜摩天宮↡。有↢五百億微妙宝珠↡↢映飾スルコトヲ↡。

^一々いちいち宝珠ほうしゅ八万はちまんせんひかりあり。 一々いちいちひかり八万はちまんせんしゅ金色こんじきをなす。 一々いちいち金光こんこう、 そのほうにあまねくして、 処々しょしょへんして、 おのおのそうをなす。 あるいは金剛こんごうだいとなり、 あるいは真珠しんじゅもうとなり、 あるいは*ざっうんとなる。 十方じっぽうめんにおいて、 こころしたがひて変現へんげんして*ぶつ施作せさす。 これを華座けざおもいとなす。

一々宝珠↢八万四千光↡。一々光作↢八万四千異種金色↡。一々金光遍クシテ↢其↡処処変化↢異相↡。或↢金剛台↡、或↢真珠網↡、或↢雑花雲↡。於↢十方ゴト↡随↠意変現、施↢作仏事↡。是↢花座想↡。

^かくのごときみょうは、 これもと*法蔵ほうぞう比丘びく*願力がんりきしょじょうなり。 もしかのぶつねんぜんとおもふものは、 まさにづこの華座けざおもいをなすべし。 このおもいをなすときには*雑観ざっかんすることをざれ。 みな一々いちいちにこれをかんずべし。 一々いちいちよう一々いちいちしゅ一々いちいちこう一々いちいちだい一々いちいちどう、 みなぶんみょうならしめて、 かがみのなかにみづから面像めんぞうるがごとくせよ。

↠此妙花是本法蔵比丘願力所成ナリ。若↠念ムト↢彼↡者、当↣先↢此花座↡。作サム↢此↡時ニハ↠得↢雑観スルコト↡。皆応↢一々↟之。一々葉、一々珠、一々光、一々台、一々幢、皆令↢分明ナラクセヨ↧於ルガ↦面像↥。

^このかんをなすを、 づけてしょうかんとなす。 もしかんするを、 づけ邪観じゃかんとなす」 と。 じょう、 このそうかんずるものは、 万劫まんごうしょうつみ滅除めつじょして、 ひつじょうしてまさに*極楽ごくらくかいうまるべし。

ラム↢此↡者↢正観↡。若ゼムヲバ↢邪観↡。」已上観ズル↢此↡者、滅↢除五万劫生死之罪↡、必定↠生↢極楽世界

・相好

 ^つぎにまさしく*相好そうごうかんず。 いはく、 弥陀みだぶつ*だいうえして、 相好そうごう*炳然へいねんとして、 そのしょうごんしたまへり。

ゼバ↢相好阿弥陀仏↢花台↡、相好炳然トシテ、荘↢厳タマヘリ↡。

・相好 1. 頂上肉髻

 ^いちには、 いただきうえ*肉髻にくけいはよくるものなし。 高顕こうけんしゅうえんなること、 なほ*天蓋てんがいのごとし

ニハ肉髻↢能者↡。高顕周円ナルコト猶如↢天蓋↡。

^あるいはひろかんずることをねがふものは、 つぎかんずべし。 かのいただきうえだいこうみょうあり。 せんいろそくせり。 一々いちいちいろは、 八万はちまんせんえだとなり、 一々いちいちえだのなかに八万はちまんせんぶつまします。 ぶついただきうえより、 またこのひかりはなちたまふ。 このひかりあひいで、 すなはちじょうほうりょうかいいたる。 じょうほうかいにおいても、 さつありて、 くものごとくしてくだりて諸仏しょぶつ*にょうしたてまつれり。

ハム↢広ズルコト↡者、次↠観。彼↢大光明↡。具↢足セリ↡。一々↢八万四千一々↢八万四千化仏↡。化仏ヨリ亦放タマフ↢此↡。此光相ギテ、乃上方无量世界マデニス。於↢上方界↡有↢化菩薩↡、如クシテ↠雲而下囲↢遶マツレリ諸仏↡。

^¬*大集だいじっきょう¼ にのたまはく、 「父母ぶもそうじょう*ぎょうして、 肉髻にくけいそうたり」 と云々うんぬん。 もしこのそうにおいて*ずいしょうずるものは、 千億せんおくこうごくじゅう悪業あくごうじょきゃくして、 *さんせず。

¬大集経¼云、「恭↢敬セル父母・師僧・和上↡、得タリ↢肉髻↡」云々。若↢此↡生↢随喜↡者、除↢却千億劫極重悪業↡、不↠堕↢三途

・相好 2. 頂上髪毛

 ^には、 いただきうえ八万はちまんせん髪毛ほつもうあり。 みなうえかひてなびき、 みぎめぐりてひたり。 なが*らくすることなく、 また雑乱ぞうらんせず。 こんじょうちゅうみつにして、 香潔こうけつ細軟さいなんなり。

ニハ八万四千髪毛アリ。皆上ナビキオヒタリ。永褫落スルコト亦不↢雑乱↡。紺青稠密ニシテ香潔細軟ナリ

^もしひろかんずることをねがふものは、 かんずべし。 一々いちいちもうよりめぐりてひかりをなせり。 もしこれをぶるときには、 しゅじょうにしてはかりがたし。 しゃくそんかみのごときは、 なが*尼にく楼陀るだしょうじゃよりおういたりて、 しろめぐること*七帀しちそうせり。 りょうひかりあまねくらして、 *こん琉璃るりいろをなし、 いろのなかにぶつあり、 しょうしゅすべからず。 このそうげんじをはりて、 かえりてぶついただきじゅうして、 みぎめぐりて宛転えんでんして、 すなはち*もんとなる。

モシハム↢広ズルコト↡者、応↠観。一々毛孔ヨリナセ↢五↡。若ブル↠之ニハ、修長ニシテ↠量キハ釈尊↡、長↢尼楼陀精舎↡至↢父王↡、遶コト↠城七帀セリ 無量光普↢紺琉璃↡、色化仏アリ不↠可↢称数↡。現↢此↡已↢仏↡、右宛転、即蠡文↡。

^¬大集だいじっきょう¼ にのたまはく、 「あくをもつて*しゅじょうくわへざるがゆゑに、 髪毛ほつもうこんじょうそうたり」 と。

¬大集¼云、「不ルガ↧以↢悪事↡加↦衆生↥故、得タリ↢髪毛金精↡。」

・相好 3. 髪際有光

 ^さんには、 そのかみきわせんひかりあり。 *間錯けんざくぶんみょうなり。 みなうえかひてなびきて、 もろもろのかみにょうせり。 いただきめぐることそうせり。 てん画師えししょほうのごとし。 *団円だんえんしょうとうにして、 ほそきこといっのごとし。 そのいとのあひだにもろもろのぶつしょうじ、 さつありて、 もつて眷属けんぞくたり。 一切いっさい*色像しきぞうまたなかにおいてゆ。

ニハ↢五千光↡。間錯分明ナリ。皆上ナビキ囲↢遶セリ↡。遶コト↠頂五帀セリ。如↢天画師所作画法↡。団円正等ニシテキコト↢一絲↡。於ゼリ↢諸化仏↢化菩薩↡以↢眷属↡。一切色像亦於↠中

^ひろかんずることをねがふものは、 このかんもちゐるべし。

ハム↢広ズルコト↡者、可↠用↢此

・相好 4. 広長輪埵

 ^には、 みみあつく、 ひろながくして、 *りんじょうじゅせり。

ニハ耳厚クシテ、輪埵成セリ

^あるいはひろかんずべし。 しちめぐしょうじて、 ひかりすいす。 そのひかりせんいろあり。 いろごとにせんぶつまします。 ぶつごとにせんひかりはなちて、 あまねく十方じっぽうりょうかいらしたまふ。

↢広↡。旋↢生↡、流↢出↡。其アリ。色ゴトニ化仏マシマス。仏ゴトニ↢千↡、遍タマフ↢十方无量世界↡。

^この*随好ずいこう*業因ごういんかんがふべし。 ¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ (意) にのたまはく、 「このこうかんずるものは、 八十はちじっこうしょうつみめっし、 後世ごせにはつねに*陀羅だらひと*眷属けんぞくたり」 と云々うんぬん下去げこもろもろのやく、 みなまた ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ によりてちゅうす。

随好之業因↠勘。¬観仏三昧経¼云、「観ズル↢此↡者、滅↢八十劫生死之罪後世与↢陀羅尼人↡為リト↢眷属↡」云々。下去諸利益、皆亦依↢¬観仏三昧経¼↡而

・相好 5. 額広平正

 ^には、 ひたいひろ平正びょうしょうにして、 ぎょうそうしゅみょうなり。

ニハ額広シテ平正ニシテ形相殊妙ナリ

^この*こう業因ごういんならびにやくかんがふべし。

業因并利益↠勘

・相好 6. 面輪円満

 ^ろくには、 *面輪めんりん円満えんまんにして、 *光沢こうたく熙怡きいなり。 *たんじょうきょうけつなること、 なほあきつきのごとし。 ならべるまゆ皎浄きょうじょうなること、 *天帝てんていゆみたり。 そのいろたぐいなくして、 こん琉璃るりひかりあり。

ニハ面輪円満シテ光沢熙怡ナリ。端正皎潔ナルコト猶如↢秋↡。双ベル皎浄ナルコトタリ↢天帝↡。其クシテ↠比、流璃ナリ

^きたもとむるものをかんしょうずるがゆゑに、 面輪めんりん円満えんまんなり。 このそうかんずるものは億劫おくこうしょうつみじょきゃくして、 しんしょうじょに、 まのあたり諸仏しょぶつたてまつる。

↢来↡生↢歓喜↡故、面輪円満。観ズル↢此↡者除↢却億劫生死之罪↡、後身生処マノアタリマツル↢諸仏

・相好 7. 眉間白毫

 ^しちには、 けん*びゃくごうみぎめぐりて宛転えんでんせり。 にゅうなんなること*覩羅とら綿めんのごとく、 せんびゃくなること*せつえたり。

ニハ眉間白毫右宛転セリ。柔軟ナルコト覩羅綿鮮白ナルコトタリ↢珂雪↡。

^あるいはつぎひろかんずべし。 これをぶれば、 なおくしてちょうだいなることびゃく琉璃るりつつのごとく、 はなちをはれば、 みぎめぐりて*頗梨はりしゅのごとし。 じょうろくぶつびゃくごう*じょうなり。 みぎめぐることけい一寸いっすんしゅう三寸さんすん

↢広↡。舒ブレバ↠之クシテ長大ナルコト↢白琉璃↢頗梨珠↡。丈六白毫五丈ナリ。右コト経一寸、周囲三寸

^十方じっぽうめんにおいて、 りょうひかりげんずること、 万億まんおくのごとくして、 つぶさにるべからず。 ただひかりのなかに、 もろもろのれんげんず。 かみ*りょう塵数じんじゅかいぐるまで、 華々けけあひいで、 *団円だんえんしょうとうなり。

↢十↡現コト↢无量↡如クシテ↢万億↡、不↠可↢具↡。但於↢諸蓮花↡。上グルマデ↢無量塵数世界↡、花々相ギテ、団円正等ナリ

^一々いちいちうえに、 いちぶつしたまへり。 相好そうごうしょうごんし、 *眷属けんぞく*にょうせり。 一々いちいちぶつまたりょうひかりいだし、 一々いちいちひかりのなかにまたりょうぶつまします。 このもろもろのそんは、 ぎょうずるものしゅじゅうするものしゅするものしゅするものしゅにして、 あるいはだいだいき、 あるいは*さんじゅうしちほん、 あるいは*ろっ波羅ぱらみつ、 あるいはもろもろの*不共ふぐほうく。

一々化仏坐タマヘリ。相好荘厳、眷属囲遶セリ。一々化仏復出タマフ↢无量一々亦无量化仏マシマス。是世尊、行者無数ナリ者無数ナリスル者無数ナリ者无数ナリ↢大慈大悲↢卅七品六波羅不共↡。

^もしひろかば、 一切いっさいしゅじょうよりじゅうさついたるまで、 またこれをることあたはじ。

者、一切衆生ヨリマデ↢十地菩薩↡、亦不↠能↠知コト↠之

^¬大集だいじっきょう¼ (意) にのたまはく、 「とくかくさず、 そのとく*しょうようして、 このそうたり」 と。 ¬*観仏かんぶつきょう¼ (意) にのたまはく、 「りょうこうよりちゅうしょうじんして身心しんしんおこたることなきこと、 *ねんはらふがごとくして、 *ろくさんじゅうしちほん*じゅうりき*無畏むいだいだいのもろもろのみょうどく勤修ごんしゅして、 このびゃくごうたり。 このそうかんずるものは、 じゅう六億ろくおく*那由なゆ*ごうしゃ*じんしゅこうしょうつみじょきゃくす」 と。

¬大集¼云、「不シテ↠隠↢他↡称↢揚セル↡、得タリト↢此↡。」¬観仏経¼云、「従↢无量劫↡昼夜精進身心无キコト↠懈コト、如クシテ↠救フガ↢頭↡勤↢修六度・卅七品・十力・无畏・大慈大悲、諸妙功徳↡、得タリ↢此↡。観ズル↢此↡者、除↢却スト九十六億那由他恒河沙微塵数劫生死之罪↡。」

・相好 8. 牛王眼睫

 ^はちには、 如来にょらい*げんしょうはなほおうのごとし。 こんじょうにしてひとしくととのほりて、 あひ雑乱ぞうらんせず。

ニハ如来眼睫、猶↢牛王↡。紺青ニシテヒトシホリテ不↢相雑乱↡。

^あるいはつぎひろかんずべし。 じょうにおのおのしょうじて、 ひゃくあり。 *どんひげのごとくして、 にゅうなんにしてあいぎょうすべし。 一々いちいち毛端もうたんよりいちひかりすいす。 頗梨はりいろのごとくして、 かしらめぐること一帀いっそうし、 もつぱらにみょうのもろもろのしょうれんしょうず。 一々いちいちだい*梵天ぼんてんのうありて、 しょうしき*がいれり。

↢広↡。上下↢五百毛↡。如クシテ↢優曇花↡柔軟ニシテ↢愛楽↡。一々毛端ヨリ流↢出↡。如クシテ↢頗梨↡、遶コト↠頭一帀モハラ↢微妙青蓮花↡。一々華台↢梵天王↡、執レリ↢青色↡。

^¬大集だいじっきょう¼ にのたまはく、 「しんいたして*じょうだいもとめしがゆゑに、 おうしょうそうたり」 と。 ¬だいきょう¼ (*涅槃経) にのたまはく、 「怨憎おんぞう善心ぜんしんをなすがゆゑに」 と。

¬大集¼云、「至シテ↠心ムル↢无上菩提↡故↢牛王↡。」¬大経¼云、「見↢於怨ナス↢於善心↡故ニト。」

・相好 9. 青白眼相

 ^には、 仏眼ぶつげん青白しょうびゃくにしてじょうともにまじろく。 しろきものはびゃくほうぎたり。 あおきものはしょうれんすぐれたり。

ニハ仏眼青白ニシテ上下倶マジロ。白タリ↢白宝↡。青レタリ↢青蓮花↡。

^あるいはつぎひろかんずべし。 げんよりこうみょういだしたまふに、 わかれて四支ししとなりて、 あまねく十方じっぽうりょうかいらす。 あおひかりのなかにはあおいろぶつましまし、 しろひかりのなかにはしろいろぶつまします。 この青白しょうびゃくぶつ、 またもろもろの神通じんずうげんじたまふ。

↢広↡。眼ヨリタマフニ↢光明↡、分シテ↢四支↢十方无量世界↡。於青ニハ↢青化仏↡、於白ニハ↢白化仏↡。此青白化仏復現タマフ↢諸神通↡。

^¬大集だいじっきょう¼ (意) にのたまはく、 「しんしゅじゅうし、 しゅじょうあいして、 紺色こんじきそうたり」 と云々うんぬんしょうのあひだにおいても、 このそうかんずるものは、 らいしょうじょに、 げんつねに明浄みょうじょうにして、 眼根げんこんやまいなく、 七劫しちこうしょうつみじょきゃくす。

¬大集経¼云、「修↢集慈心↡、愛↢視衆生↡、得タリ紺色↡」云々。於テモ↢小時↡、観ズル↢此↡者、未来生処、眼常明浄ニシテ、眼根↠病除↢却七劫生死之罪

・相好 10. 鼻修高直

 ^じゅうには、 はなながく、 たかなおくして、 そのあなげんぜず。 たる*こんじょうのごとく、 おうくちばしのごとし。 表裏ほかうち清浄しょうじょうにしてもろもろの*塵翳じんえいなし。 こうみょういだしてあまねく十方じっぽうらし、 へんじて種々しゅじゅりょうぶつをなす。

ニハナガクシテ、其孔不↠現。如タルガ、如↢鸚鵡↡。ホカウラ清浄ニシテ↢諸塵翳↡。出↢二光明↡遍↢十方↡、変ジテ種々无量仏事↡。

^この随好ずいこうかんずるものは千劫せんごうつみめっし、 らいしょうじょにて上妙じょうみょうこうぎ、 つねに*戒香かいこうをもつて*瓔珞ようらくとなす。

ズル↢此随好↡者↢千劫之罪↡、未来生処↢上妙↡、常↢戒香↡為↢身

・相好 11. 脣色赤好

 ^じゅういちには、 くちびるいろしゃくこうなること*びん婆菓ばかのごとし。 じょうあひかなへること、 *はかりのごとくにして厳麗ごんらいなり。

十一ニハ色赤好ナルコト↢頻婆菓↡。上下相カナヒ量厳麗ナリ

^あるいはつぎひろかんずべし。 *団円だんえんこうみょうぶつくちよりでて、 なほひゃくせんあか真珠しんじゅつらぬくがごとくして、 はな*びゃくごうかみとのあひだに入出にゅうしゅつす。 かくのごとく*展転てんでんして、 *円光えんこうのなかにる。

↢広↡。団円光明従↢仏口↡出、猶如クシテ↢百千真珠↡、入↢出於鼻白毫トノ↠是展転↢円光↡。

^このくちびる随好ずいこうごうとうかんがふべし。

随好業等↠勘

・相好 12. 歯斉浄密

 ^じゅうには、 じゅうは、 ひとしく、 きよみつにしてふかく、 しろきこと*せつえたり。 つねにこうみょうあり。 そのひかりびゃくにして、 ひと映耀ようようす。

十二ニハヒトシ、浄シゲシテ根深キコトタリ河雪↡。常↢光明↡。其光紅白ニシテ、映↢耀↡。

^¬*だいきょう¼ (涅槃経) にのたまはく、 「*りょうぜつ*あっ*しんおんして、 じゅうせんびゃく斉密ざいみつなるそうたり」 と云々うんぬん

¬大経¼云、「遠↢離両舌・悪口・恚心↡、得タリ↢歯鮮白斉密ナル↡」云々

・相好 13. 四牙鮮白

 ^じゅうさんには、 きばせんびゃく光潔こうけつにして鋒利ふりなること、 つきのはじめてづるがごとし。

十三ニハ牙鮮白光潔ニシテ鋒利ナルコト、如↢月イヅル↡。

^¬だいじゅう¼ にのたまはく、 「しん口意くいきよきがゆゑに、 四牙しげびゃくそうたり」 と云々うんぬん。 このくちびるくちそうかんずるものは、 千劫せんごうつみめっす。

¬大¼云、「身口意浄キガ、得タリ四牙白↡」云々。観ズル↢此脣・口・歯↡者、滅↢二千劫之罪

・相好 14. 広長舌相

 ^じゅうには、 そん舌相ぜっそうは、 うすきよくして、 ひろながし。 よく*面輪めんりんおおひて、 ほつきわより、 ない梵天ぼんてんいたる。 そのいろしゃくどうのごとし。

十四ニハ世尊舌相、薄クシテ。能↢面輪↡至↢耳髪、乃至梵天マデニス。其色如↢赤銅↡。

^あるいはつぎひろかんずべし。 したうえあり、 なほ*印文いんもんのごとし。 みたまふときしたうごかすに色光しきこういだし、 ぶつめぐること七帀しちそうして、 かえりていただきよりる。 あらゆる*神変じんぺんりょうへんなり。

↢広↡。舌アリ、猶如↢印文↡。笑ミタマフニハ、動スニ↠舌↢五色光↡、遶コト↠仏七帀シテ↠頂入。所有神変無量無辺ナリ

^¬だいじゅう¼ にのたまはく、 「*とがまもりて、 こうじょう舌相ぜっそうたり」 と云々うんぬん。 このそうかんずるものは、 ひゃくおく八万はちまん千劫せんごうつみのぞきて、 他世たせはちじゅうおくぶつふ。

¬大¼云、「護↢口↡得タリ↢広長↡」云々。観ズル↢此↡者、除↢百億八万四千劫↡、他世↢八十億

・相好 15. 舌下宝珠

 ^じゅうには、 したもとりょうへん宝珠ほうしゅあり。 *かんちゅうして、 舌根ぜっこんうえしたづ。 諸天しょてんにんじゅうさつもこの舌根ぜっこんなく、 またこのあじはひなし。

十五ニハ両辺↢二宝珠↡。流↢注甘露↢舌根↡。諸天・世人・十地菩薩↢此舌根↡、亦无↢此味↡。

^¬*だい般若はんにゃ¼ にせつあり。 かんがふべし。 ¬だいきょう¼ (涅槃経・意) にのたまはく、 「飲食おんじき施与せよするがゆゑに、 じょうそうたり」 と。

¬大般若¼有↢異説↡。可↠勘。¬大経¼云、「飲食施与ルガ、得タリ↢上味↡。」

・相好 16. 瑠璃咽喉

 ^じゅうろくには、 如来にょらい咽喉いんこう*瑠璃るりつつのごとし。 かたちれんかさねたるがごとし。 いだしたまふところのおんじょう*いん和雅わげにして、 ひとしくきこえずといふことなし。 そのこえおおきにふるひて、 なほてんつづみのごとく、 おこしたまふところのごんは、 *均えんきんとして*りょうびんこえのごとし。 *任運にんうんによく*大千だいせんかいへんす。 もし*作意さいしたまふときにはりょうへんなり。 しかもしゅじょうせんがために、 るいしたがひて増減ぞうげんせず。

十六ニハ如来咽喉瑠璃↠累タルガ↢蓮花↡。所音声詞韻和雅ニシテ、无↠不トイフコト↢等↡。其声洪キニ、猶如↢天均トシテ↢伽陵頻↡。任運↢大千世界↡。若作意タマフニハ无量无辺ナリ。然↠利ムガ↢衆↡、↠類不↢増減↡。

^¬だいきょう¼ (涅槃経・意) にのたまはく、 「かのたんあらそはず、 しょうぼうほうぜずして、 *ぼんおんじょうそうたり」 と。 ¬だいじゅう¼ にのたまはく、 「もろもろのしゅじょうにおいて、 つねににゅうなんかたりしがゆゑに」 云々うんぬん

¬大経¼云、「不↠訟↢彼↡、不シテ↠謗↢正法↡、得タリ↢梵音声↡」¬大¼云、「於↢諸衆生↡、常柔軟スルニト」云々

・相好 17. 頚出円光

 ^じゅうしちには、 くびより円光えんこういだしたまふ。 咽喉いんこううえ*点相てんそうありてぶんみょうなり。 一々いちいちてんのなかに一々いちいちひかりいだす。 その一々いちいちひかりさき円光えんこうめぐりて七帀しちそう満足まんぞくして、 衆画しゅかくぶんみょうなり。

十七ニハヨリタマフ↢円光↡。咽喉↢点相↡分明ナリ。一々↢一々↡。其一々光遶↢前円光↡満↢足七帀↡、衆画分明ナリ

^一々いちいちかくのあひだにみょうれんあり。 うえ七仏しちぶつまします。 一々いちいちぶつにおのおのしちさつありて、 もつてしゃとなせり。 一々いちいちさつ*にょしゅれり。 そのしゅ金光こんこうあり。 しょうおうしゃくびゃくおよび摩尼まにいろ、 みなことごとくそくして、 諸光しょこうにょうせり。 じょう左右さう、 おのおの*一尋いちじんにして、 ぶつくびにょうして、 了々りょうりょうなることのごとし。

一々↢妙蓮花。花↢七仏↡。一々化仏↢七菩薩↡以↢侍者一々菩薩執レリ↢如意珠↡。其金光アリ。青・黄・赤・白及摩尼色皆悉具足、囲↢遶セリ諸光↡。上下・左右各々一尋ニシテ、囲↢遶↡、了々ナルコト

^¬*じょうきょう¼ (意) にのたまはく、 「ぶく飲食おんじきしゃじょう臥具がぐ、 もろもろのしょうごんものかんして施与せよし、 しん金色こんじきにして、 円光えんこういちじょうなるそうたり」 と。

¬无上依経¼云、「衣服・飲食・車乗・臥具、諸荘厳歓喜シテ施与、得タリ↢身金色ニシテ円光一丈ナル↡。」

・相好 18. 頚出二光

 ^じゅうはちには、 くびよりひかりいだす。 そのひかり万色まんじきありて、 あまねく十方じっぽう一切いっさいかいらす。 このひかりふものは*びゃくぶつとなる。 このひかり、 もろもろのびゃくぶつくびらす。 このそうげんずるときぎょうじゃ、 あまねく十方じっぽう一切いっさいのもろもろのびゃくぶつの、 はちくうげてじゅうはちへんをなし、 一々いちいちあししたにみなもんありて、 その*じゅう因縁いんねん宣説せんぜつするをる。

十八ニハヨリ↢二↡。其光万色アリテ、遍↢十方一切世界↡。遇↢此↡者↢辟支仏↡。此光照↢諸辟支仏↡。此相現ズル、行者遍ルニ十方一切辟支仏、擲↢鉢虚空↡作↢十八変一々皆有↢文字↡、其字宣↢説十二因縁↡。

・相好 19. 欠瓫骨満

 ^じゅうには、 *欠瓫けつぼん骨満こつまんそうあり。 ひかり十方じっぽうらすに、 *はくいろをなす。 このひかりふものは*しょうもんこころおこす。 このもろもろのしょうもん、 このこうみょうるに、 わかれてじっとなる。 いっせんいろじっせんこうみょうあり。 ひかりごとにぶつまします。 一々いちいちぶつ比丘びくありて、 もつてしゃとなり、 一々いちいち比丘びくはみな、 **くう*じょう*無我むがく。

十九ニハ欠瓫骨満アリ。光照スニ↢十方↡作↢虎魄↡。遇↢此↡者↢声聞↡。是声聞見ルニ↢此光明↡、レテ↢十支↡。一支色、十千光明アリ。光ゴトニ↢化仏↡。一々化仏↢四比丘↡以↢侍者↡、一々比丘皆説↢苦・空・無常・無我↡。

^じょう三種さんしゅは、 ひろかんずることをねがふもの、 これをもちゐるべし。

已上三種、楽↢広ズルコト↡者、応↠用↠之

・相好 20. 肩項円満

 ^じゅうには、 そんかたうなじ円満えんまんしゅみょうなり。

廿ニハ世尊ウナジ円満殊妙ナリ

^¬*ほっもん¼ (意) にいはく、 「つねにをしてぞうじょうせしめたるがゆゑに、 このそうたり」 と。

¬法花文句¼云、「恒ムル↢施シテ増長↡故、得タリ↢此↡」

・相好 21. 腋下充実

 ^じゅういちには、 如来にょらいわきしたはことごとくみなじゅうじつなり。 紅紫ぐしひかりはなちて、 もろもろのぶつをなし、 しゅじょうやくす。

廿一ニハ如来皆充実ナリ。放↢紅紫↡作↢諸仏事↡、利↢益衆生↡。

^¬じょうきょう¼ (意) にのたまはく、 「しゅじょうのなかにおいてやくをなし、 *しょうごんしゅして、 しんおそるるところなくして、 りょうかた平整びょうしょうにして、 わきしたてるそうたり」 と。

¬无上依経¼云、「於↢衆生↡為↢利益↡、修↢四正勤↡、心クシテ↢所畏↡、得タリ↢両平整ニシテ而腋下満テル↡」

・相好 22. 臂肘明直

 ^じゅうには、 ぶつ*そうちゅう明直みょうちょくにして*円ようえんなること象王ぞうおうはなのごとく、 平立びょうりゅうせるにひざづ。

廿二ニハ臂肘、ヒカラカ円ナルコト↢象王↡、平立セルニ↠膝

^あるいはつぎひろかんずべし。 しゅしょう*千輻せんぷくあやあり。 おのおのひゃくせんひかりはなちてあまねく十方じっぽうらすに、 して金水こんすいとなる。 金水こんすいのなかにいちみょうすいあり、 すいしょういろのごとし。 *餓鬼がきねつのぞき、 *ちくしょう*宿命しゅくみょうさとり、 きょうぞうるは獅子ししおうとなり、 獅子しし*こんちょうしょりゅうもまたこんちょうおうる。 このもろもろのちくしょう、 おのおのとうとぶところとて、 しん恐怖くふしょうじて、 がっしょうぎょうす。 ぎょうするをもつてのゆゑに、 命終みょうじゅうしててんうまる。

↢広↡。手掌アヤアリ↢百千↡遍スニ↢十方↡、化↢金水↡。金水之中↢一妙水↡、如↢水精↡。餓鬼↠熱、畜生サト↢宿命者為↢師子王師子↢金翅鳥諸竜亦見↢金翅鳥王↡。是畜生各↡、心↢恐怖↡、合掌恭敬。以↢恭敬ルヲ↡故命終↠天

^¬だいじゅう¼ にのたまはく、 「怖畏ふいあるを救護くごして、 ちゅうようなることをぎょうじょせしがゆゑに、 *しゅしつそうたり」 と。

¬大¼云、「救↢護セル怖畏アルヲ↡、得↢臂肘ナルコトヲ↢他事業↡佐助、得タリ↢手摩膝↡」

・相好 23. 諸指円満

 ^じゅうさんには、 もろもろのゆび円満えんまんし、 じゅうみつせんじょうにして、 はなはだあいぎょうすべし。 一々いちいちはしに、 おのおの*まんしょうぜり。 そのつめ光潔こうけつなること、 しゃくどうのごとし。

廿三ニハ指円満充密繊長ニシテ、甚↢愛楽↡。於一々ゼリ↢万字↡。其爪光潔ナルコト↢花赤銅↡。

^¬瑜伽ゆが¼ (*瑜伽論・意) にいはく、 「もろもろのそんちょうにおいて、 ぎょうし、 礼拝らいはいし、 がっしょうし、 りゅうせしがゆゑに、 ゆびせんじょうなるそうたり」 と。

¬瑜¼云、「於↢諸尊長↡、恭敬礼拝、合掌起立スル、得タリ指繊長ナル↡」

・相好 24. 指間網

 ^じゅうには、 一々いちいちゆびのあひだは、 なほ雁王がんおうのごとく、 ことごとく*網まんもうあり。 金色こんじききょうらくして、 *もん綺画きえおなじ。 *えんごんすぐれたることひゃくせん万億まんおくなり。 そのいろみょうだつにして、 眼界げんかいぎたり。 れるときにはすなはちゆれども、 ゆびおさむればえず。

廿四ニハ一々、猶如↢雁王↡、咸↢網↡。金色交絡シテ、文同↢綺↡。勝レタルコト↢閻浮金↡百千万億ナリ。其色明達ニシテタリ↢於眼界↡。張レルニハレドモオサムレバ↠指不↠見

^¬だいきょう¼ (涅槃経・意) にのたまはく、 「*しょうほうしゅして、 しゅじょう摂取せっしゅせしがゆゑに、 このそうたり」 と。

¬大経¼云、「修↢四摂↡、摂↢取衆生↡故、得タリ↢此↡」

・相好 25. 其手柔軟

 ^じゅうには、 そのにゅうなんなること覩羅とら綿めんのごとくして、 一切いっさいしょうして、 ないにともににぎる。

廿五ニハ手柔軟ナルコトクシテ覩羅綿↡、勝↢過一切↡、内外

^¬だいきょう¼ (涅槃経・意) にのたまはく、 「父母ぶも*ちょうの、 もしびょうするに、 みづからをもつてあらのごひ、 そくし、 *あんせしがゆゑに、 手軟しゅなんそうたり」 と。

¬大経¼云、「父母・師長スルニ、自ヲモテノゴ、捉持安摩、得タリ↢手軟↡」

・相好 26. 頷臆広大

 ^じゅうろくには、 そんおとがいむね、 ならびにしんじょうはんの、 よう広大こうだいなること獅子ししおうのごとし。

廿六ニハ世尊オトガヒ・臆并上半、威容広大ナルコト↢師子王↡。

^¬瑜伽ゆが¼ (瑜伽論・意) にいはく、 「もろもろの*じょうの、 如法にょほうしょにおいてよくじょうしゅたれども、 しかも助伴じょばんとなりて*まんはなれ、 もろもろの*獷捩こうれいなかりしがゆゑに、 このそうたり」 と。

¬瑜伽¼云、「於↢諸有情如法所作↡能レドモ↢上首↡、而リテ↢助伴↡離↢於我慢↡、无↢諸捩↡故、得タリ↢此↡」

・相好 27. 胸有万字

 ^じゅうしちには、 みむねまんあり。 *実相じっそういんづけ、 だいこうみょうはなつ。

廿七ニハ↢万字↡。名実相↢大光明↡。

^あるいはつぎひろかんずべし。 ひかりのなかにりょうひゃくせんのもろもろのありて、 一々いちいちうえりょうぶつまします。 このもろもろのぶつ、 おのおのせんひかりありて、 しゅじょうやくす。 ない、 あまねく十方じっぽうぶついただきる。 ときに、 もろもろのぶつみむねよりひゃくせんひかりいだし、 一々いちいちひかりろっ波羅ぱらみつく。 一々いちいちぶついちにんの、 *たんじょうみょうにしてかたちろくのごときをつかはして、 ぎょうじゃあんせしむ。

↢広↡。光↢无量百千花↡、一々↢無量化仏↡。是化仏各↢千光↡、利↢益衆生↡。乃至遍↢十方↡。時ヨリタマフ↢百千一々光説↢六波羅蜜↡。一々化仏遣↢一化人端正微妙ニシテカタチキヲ↢弥勒↡、安↢慰シム行者↡。

^このそうひかりるものは、 じゅう億劫おくこうしょうつみのぞく。

↢此↡者、除↢十二億劫生死之罪

・相好 28. 心紅蓮華

 ^じゅうはちには、 如来にょらい*心相しんそうは、 れんのごとし。 たえなるこんひかり、 もつて*間錯けんざくをなして、 瑠璃るりつつのごとくして、 かかりてぶつみむねにあり。 あわせず、 かいせず、 *団円だんえんなること、 しんのごとし。

廿八ニハ如来心相↢紅蓮花↡。妙ナル紫金↢間錯クシテ瑠璃↡懸↢仏↡。不↠合不↠開、団円ナルコト↠心

^万億まんおくぶつぶつしんのあひだにあそぶ。 また*りょう塵数じんじゅぶつぶつしんのなかにましまして、 金剛こんごうだいして、 りょうひかりはなちたまふ。 一々いちいちひかりのなかに、 またりょう塵数じんじゅぶつましまして、 こうじょうしたいだし、 万億まんおくひかりはなちてもろもろのぶつをなしたまふ。

万億化仏遊↢仏↡。又無量塵数化仏在シテ↢仏↡、坐↢金剛台↡、放タマフ↢無量↡。一々亦有シテ↢無量塵数化仏↡、出↢広長↡、放↢万億↡作タマフ↢諸仏事↡。

^ぶつしんおもふものは、 じゅう億劫おくこうしょうつみのぞき、 生々しょうじょうりょうさつふことを云々うんぬんひろかんずることをねがふものは、 このかんをなすべし。

↢仏↡者、除↢十二億劫生死之罪生生↠値コトヲ↢无菩薩↡云々。楽ハム↢広ズルコト↡者↠作↢此

・相好 29. 身皮金色

 ^じゅうには、 そんしんかわは、 みな真金しんこんいろなり。 光潔こうけつ*晃耀こうようすること、 みょう金台こんだいのごとし。 衆宝しゅぼうをもつてしょうごんし、 しゅうんとねがふところなり。

廿九ニハ世尊皆真金ナリ。光潔晃耀コトクシテ↢妙金台衆宝ヲモテ荘厳セルガ、衆ナリ↠楽↠見ムト

^¬だいきょう¼ (涅槃経・意) にのたまはく、 「ぶく臥具がぐほどこして、 このそうたり」 と。

¬大経¼云、「施↢衣服・臥具↡、得タリ↢此↡」

・相好 30. 身光無量

 ^さんじゅうには、 *身光しんこう*任運にんうん*さん千界ぜんがいらす。 もし*作意さいしたまふときにはりょうへんなり。 しかももろもろのじょう憐愍れんみんせんがためのゆゑに、 ひかりせっしてつねにらしたまふこと、 めんごとにおのおの*一尋いちじんなり。

三十ニハ身光任運↢三千界↡。若作意タマフニハ無量無辺ナリ。然↣憐↢愍ムガ有情↡故、摂↠光タマフコトゴトニ一尋ナリ

^¬だいきょう¼ (涅槃経・意) にのたまはく、 「こうとうみょうとうをもつてひとほどこして、 このそうたり」 と云々うんぬん大光だいこうかんずるものは、 ただしんることをおこすに、 衆罪しゅざい*じょきゃくすと。

¬大経¼云、「以↢香花・灯明等↡施↠人、得タリ↢此↡」云々。ズル大光↡者、但発スニ↢心ルコト↡、除↢却スト衆罪云々

・相好 31. 身相端厳

 ^さんじゅういちには、 そん身相しんそうは、 ながひろくして端厳たんごんなり。

卅一ニハ世尊身相クシテ端厳ナリ

^¬大論だいろん¼ (*大智度論) にいはく、 「そんちょうぎょうし、 迎送こうそうし、 にょうして、 なおくしてひろそうたり」 と云々うんぬん

¬大論¼云、「恭↢敬尊長↡、迎送侍遶スル、得タリ↢身クシテ↡」云々

・相好 32. 体相円満

 ^さんじゅうには、 そん体相たいそうは、 じゅうこうりょうひとしくしてしゅうそう円満えんまんせること、 *尼にくじゅのごとし。

卅二ニハ世尊体相、縦広量等シテ周帀円満セルコト、如↢尼陀樹↡。

^¬だいじゅう¼ (意) にのたまはく、 「つねにしゅじょうすすめて、 三昧さんまいしゅせしめて、 このそうたり」 と。 ¬*報恩ほうおんぎょう¼ (意) にのたまはく、 「もししゅじょうありて、 *だい調じょうなるを、 よくりょうすることをなせしがゆゑに、 しん*方円ほうえんなるそうたり」 と。

¬大¼云、「常↢衆生↡修タル↢三昧↡、得タリ↢此↡」¬報恩経¼云、「若↢衆生↡、四大不調ナルヲ↢療治コトヲ↡故タリ↢身方円ナル↡」

・相好 33. 容儀洪満

 ^さんじゅうさんには、 そんよう洪満こうまんにして端直たんじきなり。

卅三ニハ世尊容儀洪満ニシテ端直ナリ

^¬瑜伽ゆが¼ (瑜伽論・意) にいはく、 「しつびょうのものにおいて、 くつしてせんし、 りょうやくきゅうせしがゆゑに、 しんろうきょくせざるそうたり」 と。

¬¼云、「於↢疾病↡、卑屈シテ瞻侍、給↢施良薬↡故、得タリ↧身不僂曲↡相↥↡」

・相好 34. 陰蔵平満

 ^さんじゅうには、 如来にょらい*陰蔵おんぞうたいらかなること満月まんがつのごとし。 金色こんじきひかりありて、 なほ日輪にちりんのごとく、 金剛こんごううつわのごとく、 ちゅうともにきよし。

卅四ニハ如来陰蔵ナルコト↢満月↡。有↢金色光↡、猶如↢日輪↡、如↢金剛↡、中外倶

^¬だいきょう¼ (涅槃経・意) にのたまはく、 「はだかなるをぶくほどこせしがゆゑに、 陰蔵おんぞうそうたり」 と。 ¬だいじゅう¼ にのたまはく、 「とが*ぞうせしがゆゑに」 と。 ¬大論だいろん¼ (大智度論) にいはく、 「おお*ざんしゅし、 および*邪婬じゃいんだんぜしがゆゑに」 と云々うんぬんどうぜん (*善導) のいはく (*観念法門)、 「ぶつののたまはく、 ªもし欲色よくしきとんずることおおきものは、 すなはち如来にょらいおんぞうそうおもへば、 欲心よくしんすなはちみ、 ざいしょう除滅じょめつして、 りょうどくたりº」 と。

¬大経¼云、「見↠裸ナルヲ↢衣↡故、得タリ陰蔵↡」¬大¼云、「覆↢蔵↡故ニト。」¬大論¼云、「↢慚愧↡、及↢邪婬ニト云々。道禅師、「仏、若↠貪コト↢欲色↡者、即↢如来陰蔵↡者、欲心罪障除滅、得タリ↢无量↡。」

・相好 35. 七処充満

 ^さんじゅうには、 そんりょうぞくしゅ掌中しょうちゅううなじおよびならべるかた七処しちしょじゅうまんせり。

卅五ニハ世尊両足、二手掌中、ウナジベル七処充満セリ

^¬だいきょう¼ (涅槃経・意) にのたまはく、 「ぎょうぜしときに、 所珍しょちんものをよくててりんせず、 *福田ふくでんおよび福田ふくでんざりしかば、 しち処満しょまんそうたり」 と。

¬大経¼云、「行ズル↠施之時所珍之物テテ不↠吝↢福田及非福田↡、得タリ↢七処満↡」

・相好 36. 双腨繊円

 ^さんじゅうろくには、 そん*双腨そうせんぜん繊円せんえんなること、 *翳泥えいない仙鹿せんろくおうはぎのごとし。 ひざがしらこうほねの、 盤結ばんけつせるあひだよりもろもろの金光こんこういだす。

卅六ニハ世尊双腨漸次繊円ナルコト、如↢翳泥耶仙鹿王腨膊↡。クサレ盤結セル之間ヨリ↢諸金光↡。

^¬瑜伽ゆが¼ (瑜伽論・意) にいはく、 「みづからしょうぼうにおいて、 じつのごとくしょうじゅし、 ひろにんのためにき、 およびまさしくのためによくきゅう使をなして、 翳泥えいないひざがしらそうたり」 と。

¬瑜¼云、「自↢正法↡如↠実摂受、広↢他↡説、及↠他セル↢給使↡、得タリ↢翳泥耶↡」

・相好 37. 跟趺相称

 ^さんじゅうしちには、 そん*足跟そくこんひろなが円満えんまんして、 *あなひらとあひかなひて、 もろもろのじょうすぐれたり。

卅七ニハ世尊足跟円満与↠アナヒラカナヒレタリ↢諸有情↡。

・相好 38. 足趺修高

 ^さんじゅうはちには、 そくながたかくして、 なほかめのごとし。 にゅうなんみょうこうにして、 くびすとあひかなへり。

卅八ニハ足趺ナガクシテ猶如↢亀↡。柔軟妙好ニシテ、与↠跟相

^¬瑜伽ゆが¼ (瑜伽論・意) にいはく、 「そくびょうまんと、 *千輻せんぷくりんと、 せんじょうとのさんそうかんずるごうそうじてよくこんそう感得かんとくす。 これさき三相さんそう依止えじするところなるがゆゑに」 と。

¬瑜¼云、「感↢足下平満、千輻輪、繊長指トノ↡之業、総感↢得跟趺↡是前三相ナルガ↢依止↡故。」

・相好 39. 柔潤毛相

 ^さんじゅうには、 如来にょらいしんぜん左右さうおよびいただきうえに、 おのおの八万はちまんせんりてひたり。 にゅうにんこんじょうにして、 みぎめぐりて宛転えんでんせり。 あるいはつぎひろかんずべし。

卅九ニハ如来之身前後左右及以、各↢八万四千毛↡オヒタリ。柔潤・紺青ニシテ宛転セリ

^一々いちいち毛端もうたんひゃく千万せんまん塵数じんじゅれんあり。 一々いちいちれんりょうぶつしょうじ、 一々いちいちぶつはもろもろの*じゅげんじて、 声々しょうしょうあひげること、 なほあめしただるがごとし。

↢広↡。一々毛端↢百千万塵数蓮花↡。一々蓮花ナセ↢無量化仏一々化仏タマフ↢諸偈頌声々相ゲルコト猶如↢雨シタタル↡。

^¬じょうきょう¼ (意) にのたまはく、 「もろもろのしょうぜんほうしゅして、 ちゅうぼんなく、 つねにぞうじょうせしめて、 身毛しんもううえなびき、 みぎめぐりて宛転えんでんせるそうたり」 と。 ¬*優婆うばそくかいきょう¼ にのたまはく、 「しゃ親近しんごんして、 ねがひてき、 ねがひてろんじ、 きをはりてねがひてしゅし、 ねがひてどうし、 *こくじょせるがゆゑに」 と。

¬無上依経¼云、「修セルコト↢諸勝善↡无↢中・下品↡、恒タル↢増上↡、得タリ↢身毛上、右宛転セル↡」¬優婆塞戒経¼云、親↢近智者↡、楽ヒテヒテ、聞ヒテ、楽ヒテ↢道路↡、除↢ルガ棘刺↥故ニト。」

・相好 40. 千輻輪文

 ^じゅうには、 そんみあしした*千輻せんぷくりんもんあり。 *網轂もうこく衆相しゅそう円満えんまんせざることなし。

四十ニハ世尊千輻輪アリ轂衆相無↠不コト↢円満↡。

^¬瑜伽ゆが¼ (瑜伽論) にいはく、 「その父母ぶもにおいて種々しゅじゅようし、 もろもろのじょうのもろもろののうにおいて、 種々しゅじゅ救護くごして、 往来おうらいとう動転どうてんごうによるがゆゑに、 このそうたり」 と云々うんぬん千輻せんぷくりんそうるは、 千劫せんごうごくじゅう悪業あくごうしりぞく。

¬瑜¼云、「於↢其父母↡種々供養、於↢諸有情苦悩↡種種救護、由ルガ↢往来等動転↡故、得タリ↢此↡」云々。見ルハ↢千輻輪↡、↢千劫極重悪業

・相好 41. 足下平満

 ^じゅういちには、 そんみあししたにはびょうまんそうあり。 みょうぜんあんじゅうせること、 なほ*奩底れんていのごとし。 *こうなりといへども、 あしむところにしたがひて、 みなことごとく*たつねんとして、 ひとしくれずといふことなし。

一ニハ世尊ニハ↢平満相↡。妙善安住セルコト猶如↢奩底↡。地↢高下ナリト↡、随↢足↟蹈皆悉怛然トシテ、無↠不トイフコト↢等↡。

^¬だいきょう¼ (涅槃経・意) にのたまはく、 「かいしてどうぜず、 しんうつらず、 *じつあんじゅうせるがゆゑに、 このそうり」 と云々うんぬん。 そのあしにゅうなんなり。 もろもろのゆびせんじょうなり。 *まんもうそくし、 ないにぎとうそう、 および業因ごういんは、 さき手相しゅそうおなじ。

¬大経¼、「持戒不↠動、施心不↠移、安↢住ルガ実語↡故、得タリ↢此↡」云々。其足柔軟ナリ。諸指繊長ナリ。網具足、内外相、及業因↢前手相

・相好 42. 足下一華

 ^じゅうには、 ひろきをねがふものはかんずべし。 そくおよびくびすに、 おのおのいちしょうじ、 もろもろのひかりにょうして十帀じっそう満足まんぞくす。 華々けけあひいで、 一々いちいちうえぶつまします。 一々いちいちぶつじゅうさつをもつてしゃとなして、 一々いちいちさついただき摩尼まにしゅひかりしょうず。

二ニハハム↠広キヲ↠観。足下及ナセ↢一囲↢遶↡満↢足十帀↡。花々相ギテ一々↢五化仏↡。一々化仏五十五菩薩↢侍者↡、一々菩薩↢摩尼珠↡。

^このそうげんずるときに、 ぶつのもろもろのもうより八万はちまんせんさいの少こうみょうしょうじて、 身光しんこう厳飾ごんじきして、 きはめてあいならしむ。 このひかり一尋いちじんにして、 そのそうしゅなり。 ないほうのもろもろの*だいさつ、 これをかんずるときに、 このひかりしたがひてだいなり。

相現ズル、仏毛孔ヨリ↢八万四千少光明↡、厳↢飾身光↡極↢可愛ナラ↡。此光一尋ニシテ相衆多ナリ。乃至他方大菩薩観ズル↠此之時、此光随ナリ

 ^このもろもろの相好そうごうぎょうそうやくはいりゅうとう諸文しょもんどうなり。 しかるにいまさんじゅうりゃくそうは、 おおく ¬だい般若はんにゃ¼ による。 *広相こうそう随好ずいこうとおよびもろもろのやくとは、 ¬観仏かんぶつきょう¼ による。

相好行相・利益・癈立等事、諸文不同ナリ。然今卅二略相↢¬大般若¼↡。広相随好利益トハ↢¬観仏経¼↡。

^また*相好そうごうごうに、 その総別そうべつあり。

又相好↢其総別↡。

・相好 ・総因

^総因そういんといふは、 ¬瑜伽ゆが¼ (瑜伽論)じゅうにいはく、 「*はじめ、 *清浄しょうじょうしょうぎょうより、 一切いっさいしょ*だいりょうは、 差別しゃべつすることあることなくして、 よく一切いっさいそうおよび随好ずいこうかんず」 と。

↢総因↡者、¬瑜¼九、「キハ↢清浄勝意楽地↡一切所有菩提資糧、無クシテ↠有コト↢差別コト↡、能ズト↢一切相及随好↡。」

・相好 ・別因

^別因べついんといふは、 かの ¬ろん¼ (瑜伽論)三種さんしゅあり。

↢別因↡者、彼¬論¼有↢三種↡。

^いちには*ろくじゅういん。 つぶさには ¬ろん¼ (瑜伽論)もんのごとし。

者六十二因。具↢¬論¼文↡。

^にはじょうかい。 もしもろもろのさつじょうかいぼんするは、 なほせん人身にんじんをすらることあたはず。 いかにいはんや、 よく*だいじょうそうかんぜんや。

者浄戒。若菩薩毀↢犯ルハ浄戒↡、尚不↠能↠得コト↢下賎人身スラ↡。何ムヤ↢大丈夫

^さんにはしゅ善修ぜんしゅいち善修ぜんしゅごう*ぜんぎょう方便ほうべんさん*にょうやくじょう*とうこうなり。

者四種善修。一善修事業、二善巧方便、三饒益有情、四無倒廻向ナリ

^別因べついんのなかにまたおおくの差別しゃべつあり。 いまはしばらくいんのあひじゅんぜるものをる。

別因之中亦有↢多クノ差別↡。今者 イマ ↢因果ゼル↡。

^ぜんだいは、 諸文しょもんまたどうなり。 いまはよろしきにしたがひて、 りてだいとなすなり。 *そうこう間雑けんぞうしてもつて観法かんぽうをなすこと、 またこれ ¬観仏かんぶつきょう¼ のれいなり。 じゅんかんだいは、 だいかくのごとし。 ぎゃくかんは、 これにかえして、 あしよりいただきいたる。

前後次第諸文亦不同ナリ。今者↠宜キニ、取↢次第↡也。相・好間雑コト↢観法↡、亦是¬観仏経¼之例也。順観次第大途如↠是。逆観↠之↠足至↠頂

^¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ にのたまはく、 「まなこぢてることをんには、 心想しんそうちからをもつてせよ。 *了々りょうりょうにしてぶんみょうなること、 ぶつざいのごとくせよ。 このそうかんずといへども、 しゅにすることをざれ。 いちよりおこしてまたいちおもひ、 いちおもひをはればまたいちおもへ。 逆順ぎゃくじゅん反覆ほんぷくすること、 じゅう六反ろっぺんよ。

¬観仏三昧経¼云、「閉↠眼ンニハ↠見コトヲ、以セヨ↢心想了々ニシテ分明ナルコトクセヨ↢仏在世↡。雖↠観ズト↢是↡不↠得↢衆多ニスルコトヲ↡。従↢一事↡起復想↢一事↡、↢一事↡已リテ復想↢一事↡。逆順反覆コト↢十六反↡。

^かくのごとくして、 心想しんそうきはめてみょうならしめ、 しかしてのちに、 しんとどめてねん一処いっしょけよ。 かくのごとくして、 *漸々ぜんぜんしたげてあごかへ、 したをしてまさしくじゅうせしめよ。 七日しちにちて、 しかしてのちに、 身心しんしん安穏あんのんなることをべし」 と。

↠是心想極↢明利ナラ↡、然シテセシメテ↠心ケヨ↢念一処↡。如クシテ↠是漸々↠舌アゴ、令↢舌ヲシテマサシ↡。経↢二七日↡然シテ、身心可シト↠得↢安穏ナルコトヲ↡。」

^どう和尚かしょう (善導)いはく (観念法門・意)、 「じゅう六遍ろっぺんのちには、 しんとどめて*びゃくごうそうかんぜよ。 雑乱ぞうらんすることをざれ」 と。

道和尚、「十六遍ニハ、住↠心ジテ↢白毫相レト↠得↢雑乱スルコト↡。」

・総相観

【44】^*総相そうそうかんとは、 ˆさきのごとくˇ 衆宝しゅぼうしょうごん広大こうだいれんかんじ、 つぎ弥陀みだぶつの、 だいうえしたまへるをかんぜよ。 しんいろは、 ひゃくせん万億まんおく*えん檀金だんごんのごとし。 しんたかさは、 ろくじゅう万億まんおく那由なゆごうしゃじゅんなり。

相観者、先ゼヨ↢衆宝荘厳広大蓮花ゼヨ↣阿弥陀仏タマヘルヲ↢花台↡。身↢百千万億閻浮檀金↡。身六十万億那由他恒河沙由旬ナリ

^けんびゃくごうは、 みぎめぐりて婉転えんでんせることしゅせんのごとし。 まなこ*だい海水かいすいのごとくして、 清白しょうびゃくぶんみょうなり。

眉間白毫、右婉転セルコト↢五須弥山↡。眼クシテ↢四大海水↡、清白分明ナリ

^しんのもろもろのもうよりこうみょう演出えんすいすること、 しゅせんのごとし。 *円光えんこうは、 ひゃくおく*大千だいせんかいのごとし。 ひかりのなかにりょうごうしゃぶつましまし、 一々いちいちぶつは、 しゅさつをもつてしゃとなせり。

毛孔ヨリ演↢出コト光明↡如↢須弥山↡。円光↢百億大千界↡。光↢無量恒河沙化仏↡一々化仏↢無数菩薩↡為↢侍者↡。

^かくのごとくして八万はちまんせんそうあり。 一々いちいちそうにおのおの八万はちまんせん随好ずいこうあり。 一々いちいちこうにまた八万はちまんせんこうみょうあり。 一々いちいちこうみょうあまねく十方じっぽうかい念仏ねんぶつしゅじょうらして、 *摂取せっしゅしててたまはず。 まさにるべし。

クシテ↠是↢八万四千相↡。一々↢八万四千随好↡。一々復有↢八万四千光明↡。一々光明遍↢十方世界念仏衆生↡、摂取不↠捨タマハ。当↠知

^一々いちいちそうのなかに、 おのおのしちひゃく*ていろっぴゃくまんこうみょうして、 *ねん赫奕かくやくとして*神徳じんとく巍々ぎぎたること、 金山こんぜんおう大海だいかいのなかにあるがごとし。 りょうぶつさつひかりのなかにじゅうまんして、 おのおの神通じんずうげんじて、 弥陀みだぶつ*にょうしたてまつれり。 かのぶつ、 かくのごとくりょうどく相好そうごうそくて、 さつしゅのなかにましまして、 しょうぼう演説えんぜつしたまふ。

一々↢七百五倶胝六百万光明↡、熾然赫奕トシテ神徳巍々タルコト↣金山王ルガ↢大海↡。無量仏・菩薩充↢満↡、各各現↢神通↡、囲↢遶マツレリ弥陀仏↡。彼仏如↠是具↢足無量功徳相好↡、在シテ↢於菩薩衆会之中↡、演↢説タマフ正法↡。

^ぎょうじゃ、 このときにすべて色相しきそうなく、 *しゅてっだいしょうのもろもろのやまもことごとくげんぜず、 大海だいかいこう土地とち樹林じゅりんもことごとくげんぜず。 てるものは、 ただこれ弥陀みだぶつ相好そうごうかいしゅうへんせるものは、 またこれえん檀金だんごんこうみょうなり。

行者是カツ↢余色相↡須弥・鉄囲、大小不↠現大海・江河・土地・樹林不↠現。溢テル↠目之者但是弥陀仏相好、周↢遍セル世界之者亦是閻浮檀金光明ナリ

^たとへば、 *劫水こうすいの、 かい*まんせるに、 そのなかの万物まんもつ沈没ちんもつしてげんぜず、 *滉瀁こうよう浩汗こうかんとして、 ただおおきなるみずのみをるがごとし。 かのぶつこうみょうもまたかくのごとし。 たか一切いっさいかいうえでて、 相好そうごうこうみょうしょうようせずといふことなし。 ぎょうじゃ心眼しんげんをもつておのがるに、 またかのこうみょうしょしょうのなかにあり。

↧劫水弥↢満シテ世界↡其万物沈没不↠現、滉瀁浩汗トシテ唯見ルガ↦大ナルノミ↥。彼光明亦復如↠是。高↢一切世界↡、相好光明靡↠不トイフコト↢照曜↡。行者↢心眼↡見ルニ↢於己↡、亦在於彼光明所照之中↡。

^じょう、 ¬かんぎょう¼・¬*双巻そうかんぎょう¼ (大経)・¬*般舟はんじゅきょう¼・¬大論だいろん¼ (大智度論) とうこころによる。 このかんじょうじてのちねがいしたがひてつぎかんをなせ。

已上依↢¬観経¼・¬双巻経¼・¬般舟経¼・¬大論¼等↡。此観成↠楽ヒニ↢次

 ^あるいはかんずべし。 かのぶつはこれ*三身さんしん一体いったいしんなり。

↠観。彼是三身一体之身也。

・応化身

^かの一身いっしんにおいて、 るところどうなり。 あるいは*じょうろく、 あるいははっしゃく、 あるいは広大こうだいしんなり。 所現しょげんはみな金色こんじきにして、 やくしたまふところはおのおのりょうなり。 一切いっさい諸仏しょぶつと、 その同一どういつなり。 おうしんなり。

↢彼一身↡所見不同ナリ。或丈六、或八尺、或広大ナリ。所現皆金色ナリ↢利益タマフ↡各無量ナリ。与↢一切諸仏↡其事同一ナリ応化身

・報身

^また一々いちいち相好そうごうは、 *ぼんしょうそのほとりず、 梵天ぼんてんもそのいただきず、 目連もくれんもそのこえきわめず、 ぎょう第一だいいちたいなり。 しょうごんにあらずしてしょうごんせり。 じゅうりき無畏むい*三念さんねんじゅうだい八万はちまんせん三昧さんまいもん八万はちまんせん波羅はらみつもん恒沙ごうじゃ塵数じんじゅ法門ほうもんきょう円満えんまんしたまふ。 一切いっさい諸仏しょぶつと、 そのこころ同一どういつなり。 報身ほうじん

又一々相好凡聖不↠得↢其梵天不↠見↢其目連不↠窮↢其クシテ形第一ナリ。非ズシテ↢荘厳↡荘厳セリ。十力・四無畏・三念住・大悲、八万四千三昧門、八万四千波羅蜜門、恒沙塵数法門究竟円満シタマヒテ与↢一切諸仏↡其意同一ナリ報身

・法身

^みょうじょう法身ほっしんに、 もろもろの相好そうごうそくせり。 一々いちいち相好そうごうは、 すなはちこれ実相じっそうなり。 実相じっそうは、 *法界ほうかいそくしてげんずることなし。 *しょうぜずめっせず、 らいなし。 いちにあらずにあらず、 だんじょうにあらず。 *有為うい*無為むいのもろもろのどくは、 この法身ほっしんによりてつねに清浄しょうじょうなり。 一切いっさい諸仏しょぶつと、 そのたい同一どういつなり。 法身ほっしん

微妙浄法身具↢足セリ相好↡。一々相好是実相ナリ。実相法界具足↠減コト。不↠生不↠滅、無↢去来↡。不↠一↠異、非↢断常↡。有為・無功徳、依↢此法身↡常清浄ニシテ与↢一切諸仏↡其体同一ナリ法身

^このゆゑに*さん十方じっぽう諸仏しょぶつ三身さんしん*もん塵数じんじゅりょう法門ほうもん仏衆ぶっしゅ法海ほうかい*えんにゅう万徳まんどく、 おほよそ*じん法界ほうかいは、 つぶさに弥陀みだ一身いっしんにあり。 じゅうならずおうならず、 またいちにあらず。 じつにもあらずにもあらず、 またにもあらず。 ほんしょう清浄しょうじょうにして、 *心言しんごんみちえたり。 たとへば、 にょしゅのなかに、 たからあるにもあらず、 たからなきにもあらざるがごとし。 仏身ぶっしん万徳まんどくもまたかくのごとし。

三世十方諸仏三身、普門塵数無量法門、仏衆法海円融万徳、凡無尽法界、備↢弥陀一身↡。不↠縦ナラ不↠横ナラ、亦非一異↡。非↠実↠虚、亦非↢有無↡。本性清浄ニシテ心言路絶エタリ。譬↢如意珠、非↠有ルニ↠宝ルガ↟无キニ↠宝。仏身万徳亦復如↠是

^また*おんにゅうかいそくして、 づけて如来にょらいとなすにあらず。 かのもろもろのしゅじょうは、 みなことごとくこれあるがゆゑに、 おんにゅうかいはなれて、 づけて如来にょらいとなすにもあらず。 これをはなれては、 すなはちこれ因縁いんねんほうなるがゆゑに、 そくにもあらず、 またにもあらず。 寂静じゃくじょうにしてただのみあり。

又非↧即シテ↢陰入界↡名ルニモ↦如来↥。彼衆生皆悉ルガ↠之故、非↧離↢陰入界↡名ルニ↦如来↥。離テハ↠之是無因縁ナルガ、非↠即ニモ、亦非↠離ニモ。寂静トシテ但有↠名ノミ

^このゆゑにまさるべし。 所観しょかん衆相しゅそうは、 すなはちこれ*三身さんしん即一そくいつ相好そうごうこうみょうなり、 諸仏しょぶつ同体どうたい相好そうごうこうみょうなり、 万徳まんどくえんにゅう相好そうごうこうみょうなり。 *しきすなはちこれ*くうなるがゆゑに、 これを*真如しんにょ*実相じっそうといふ。 くうすなはちこれしきなるがゆゑに、 これを相好そうごうこうみょうといふ。

↠知。所観衆相、即是三身即一之相好・光明也諸仏同体之相好・光明也万徳円融之相好・光明也。色即是空ナルガ、謂↢之真如実相↡。空即是色ナルガ、謂↢之相好・光明↡。

^*一色いっしき一香いっこう*ちゅうどうにあらずといふことなし。 *じゅそうぎょうしきもまたかくのごとし。 わがしょ*三道さんどう弥陀みだぶつ万徳まんどくと、 本来ほんらいくうじゃくにして*一体いったい無礙むげなり。 ねがはくはわれぶつて、 しょうぼうおうひとしからん。

一色・一香無ズトイフコト↢中道↡。受想行識亦復如↠是。我所有三道与↢弥陀仏万徳↡、本来空寂ニシテ一体無ナリ。願クハ我得↠仏ヒトシカラム↢聖法↡。

^じょう、 ¬かんぎょう¼・¬*しんかんぎょう¼・¬*金光こんこう明経みょうきょう¼・¬*念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう¼・¬般若はんにゃきょう¼・¬*かん¼ とうこころによる。

已上依↢¬観経¼・¬心地観経¼・¬金光明経¼・¬念仏三昧経¼・¬般若経¼・¬止観¼等

・雑略観

【45】^さん*ぞうりゃくかんとは、 かのぶつけんいちびゃくごうあり。 みぎめぐりて宛転えんでんせること、 しゅのごとし。

雑略者、彼眉間↢一白毫↡。右宛転セルコト↢五須弥↡。

^なかにおいて、 また八万はちまんせんこうあり。 一々いちいちこう八万はちまんせんひかりあり。 そのひかりみょうにして、 衆宝しゅぼういろせり。 そうじてこれをいへば、 しちひゃくていろっ百万ぴゃくまんこうみょうなり。 十方じっぽうめん*赫奕かくやくたること、 億千おくせん日月にちがつのごとし。 そのひかりのなかに一切いっさい仏身ぶっしんげんじ、 しゅさつしゅしてにょうせり。 またみょうおといだして、 もろもろの法海ほうかい*せんちょうす。

↠中復有↢八万四好↡。一々↢八万四千光↡。其光微妙ニシテセリ↢衆宝↡。総而言↠之、七百五倶胝六百万光明ナリ。十方ゴト赫奕タルコト↢億千日月↡。其一切仏身無数菩薩衆会シテ囲遶セリ。復出↢微妙↡宣↢暢法海↡。

^またかの一々いちいちこうみょう、 あまねく十方じっぽうかい念仏ねんぶつしゅじょうらして、 摂取せっしゅしててたまはず。 *われまたかの摂取せっしゅのなかにあれども、 煩悩ぼんのうまなこへて、 たてまつることあたはずといへども、 だいむことなくして、 つねにわがらしたまふ。

又彼一々光明、遍↢十方世界念仏衆生↡摂取不↠捨タマハ。我亦在↢彼摂取之中煩悩障↠眼↠不↠能↠見マツルコト、大悲無クシテ↠惓ムコトタマフ↢我↡。

^あるいはしんおこして極楽ごくらくこくしょうじて、 れんのなかに*けっ趺坐ふざし、 れんがっするおもいをなすべし。 いで、 れんひらくるときに、 尊顔そんげん*瞻仰せんごうしたてまつり、 びゃくごうそうかんず。 とき百色ひゃくしきひかりありて、 きたりてわがらすに、 すなはちりょうぶつさつの、 くうのなかにてるをたてまつる。 みずとり樹林じゅりんおよび諸仏しょぶついだしたまふところのおんじょうは、 みなみょうほうぶと。 かくのごとくそうして、 しんをして*欣悦ごんえつせしめよ。 ねがはくは、 もろもろのしゅじょうとともに安楽あんらくこく*おうじょうせん。

↧起↢自心↡生↢極楽国↡、於蓮華結跏趺坐、作↦蓮華↥。ギテ蓮華開クル、瞻↢仰マツリ尊顔↡、観↢白毫、有↢五百色光↡来スニ↢我↡、即マツル↣無量化仏・菩薩テルヲ↢虚空↡。水・鳥・樹林及与諸仏音声皆演ブト↢妙法↠是思想、令↢心シテ欣悦ゼヨ↢諸衆生↡往↦生安楽国↥。

^じょう、 ¬かんぎょう¼・¬*ごんぎょう¼ とうこころによる。 つぶさには*別巻べっかんにあり。

已上依↢¬観経¼・¬花厳経¼等↡。具ニハ↢別巻

^もし*ごくりゃくねがふものは、 おもふべし。 かのぶつけんびゃくごうそうは、 *旋転せんでんせること、 なほ*頗梨はりしゅのごとし。 こうみょうあまねくらしてわれらをおさめたまふ。 ねがはくは、 しゅじょうとともにかのくにうまれんと。

ハム↢極略↡者↠念。彼眉間白毫、旋転セルコト↢頗梨珠↡。光明遍タマフ↢我等↡。願クハ↢衆生↡生ムト↢彼↡。

^もし相好そうごう観念かんねんするにへざることあらば、 あるいは*みょうおもいにより、 あるいは*いんじょうおもいにより、 あるいは*おうじょうおもいによりて、 一心いっしんしょうねんすべし。 じょうぎょうどうなり。 ゆゑに種々しゅじゅかんかす。

↠不コト↠堪↣観↢念ルニ相好↡、或↢帰命↡、或↢引摂↡、或↢往生↡応↢一心称念↡。已上意楽不同ナリ。故↢種々

^*行住ぎょうじゅう坐臥ざがもく作々ささに、 つねにこのねんをもつてむねのなかにくこと、 してじきおもふがごとくし、 かつしてみずふがごとくせよ。 あるいはこうべげ、 あるいはこえげてしょうせよ。 *外儀げぎことなりといへども、 心念しんねんはつねにぞんぜよ。 念々ねんねん相続そうぞくして、 *寤寐ごびわするることなかれ。

行住坐臥、語黙作々、常↢此↢於胸クシ↢飢フガ↟食、如クセヨ↢渇フガ↟水。或↠頭↠手、或↠声セヨ↠名。外儀↠異リト心念ゼヨ。念々相続、寤寐↠忘コト

 ^ふ。 かのぶつ*真身しんしんは、 これぼん心力しんりきおよぶところにあらず。 ただぞうかんずべし。 なんぞ大身だいしんかんぜん。

。彼真身、非↢是凡夫心力↟及。但応↠観↠像。何ゼム↢大身↡。

^こたふ。 ¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「りょう寿じゅぶつしんりょうへんにして、 これぼん心力しんりきおよぶところにあらず。 しかもかの如来にょらい*宿しゅく願力がんりきのゆゑに、 *憶想おくそうすることあるものは、 かならずじょうじゅすることを。 ただ仏像ぶつぞうおもふすら、 りょうふく。 いはんやまたぶつそくせる身相しんそうかんぜんをや」 と。

。¬観経¼云、「無量寿仏身量無辺ニシテ↢是凡夫心力↟及。然如来宿願力、有↢憶想コト↡者得↢成コトヲ↡。但想↢仏像↡得↢無量↡。況ゼムヲヤト↢仏具足身相↡」

^あきらかにりぬ、 初心しょしんもまた*ぎょうよくしたがひて真身しんしんかんずることをるなり。

初心亦随↢楽欲↡得ルナリ↠観コトヲ↢真身↡。

 ^ふ。 いふところの弥陀みだ一身いっしんは、 すなはち一切いっさいぶつしんなりとは、 なんのしょうかある。

。所↠言弥陀一身一切ナリ者、有↢何証拠↡。

^こたふ。 天台てんだいだい (*智顗) のいはく (*十疑論)、 「弥陀みだぶつねんずるは、 すなはち一切いっさいぶつねんずるなり。 ゆゑに ¬ごんぎょう¼ にのたまはく、

^ª一切いっさい諸仏しょぶつしんは、 すなはちこれ一仏いちぶつしんなり。

一心いっしんなり、 いち智慧ちえなり。 *りき無畏むいもまたしかなりº」 と。

。天台大師、「念ルハ↢阿弥陀仏ルナリ↢一切仏↡。故¬花厳経¼云

一切諸仏是一仏ナリ
一心ナリ一智慧ナリ力・無畏亦然ナリト

^また ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ にのたまはく、 「もし一仏いちぶつゆいすれば、 すなはち一切いっさいぶつたてまつる」 と。

又¬観仏三昧経¼云、「若思↢惟レバ一仏↡即マツルト↢一切↡。」

 ^ふ。 もし諸仏しょぶつ*たいしょう無二むになるがごとく、 念者ねんじゃどくもまたべつなきや。

モシ↢諸仏体性無二ナルガ↡、念者功徳亦無↠別耶。

^こたふ。 ひとしくして差別しゃべつなし。 ゆゑに ¬*文殊もんじゅ般若はんにゃきょう¼ のかんにのたまはく、 「一仏いちぶつねんずるは、 どくりょうへんなり。 またりょう諸仏しょぶつどく無二むになり。 不思議ふしぎ仏法ぶっぽうひとしくして分別ふんべつなし。 みな*一如いちにょじょうじて*さいしょうがくじょうじ、 ことごとくりょうどくりょう弁才べんざいしたまへり。 かくのごとくして*いちぎょう三昧ざんまいるものは、 ことごとく恒沙ごうじゃ諸仏しょぶつ法界ほうかいの、 差別しゃべつそうる」 と。

。等クシテ差別ナリ。故¬文殊般若経¼下巻、「念ルハ↢一仏↡功徳無量無辺ナリ。亦与↢無量諸仏功徳↡無二ナリ不思議ナリ仏法クシテ↢分別↡。皆乗↢一如↡成タマフ↢最正覚タマヘリ↢無量功徳、無量辨才↡。如クシテ↠是↢一行三昧↡者、尽ルト↢恒沙諸仏法界無差別↡」

 ^ふ。 諸相しょそうどくは、 肉髻にくけい*梵音ぼんのんと、 これをさいしょうなりとなす。 いまおおびゃくごうすすむること、 なんのしょうかある。

。諸相功徳、肉髻梵音、是↢最勝ナリト↡。今多コト↢白毫↡有↢何証拠↡耶。

^こたふ。 そのしょうはなはだおおし。 りゃくして*いちりょういださん。 ¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「りょう寿じゅぶつかんずるものは、 いち相好そうごうよりれ。 ただけんびゃくごうかんじて、 きはめて明了みょうりょうならしめよ。 けんびゃくごうるものは、 八万はちまんせん相好そうごうねんにまさにつべし」 と。

。其証甚。略↢一両↡。¬観経¼云、「観ゼム↢無量寿仏↡者、従↢一相好↡入。但↢眉間白毫↡、極↢明了ナラ↡。見↢眉間白毫↡者、八万四千相好自然シト↠見。」

^また ¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「如来にょらいりょう相好そうごうまします。 一々いちいちそうのなかに、 八万はちまんせんのもろもろのしょう相好そうごうあり。 かくのごとき相好そうごうは、 びゃくごうしょうぶんどくおよばず。 このゆゑに今日こんにち*らいのもろもろのあくしゅじょうのために、 びゃくごうそうだいこうみょうの、 しょうあく観法かんぽうく。

又¬観仏経¼云、「如来↢無量相好↡。一々八万四千小相好アリ。如↠是相好不↠及↢白毫少分功徳↡。是今日、為↢於来世衆生↡、説↢白毫相慧光明消悪観法↡。

^もし邪見じゃけんごくじゅう悪人あくにんありて、 この観法かんぽう*そうみょうそくすときて、 瞋恨しんごんしんをなさば、 このことわりあることなからん。 たとひいかりをなすとも、 びゃくごうそうひかり、 また覆護ふごせん。

↢邪見極重悪人↡、聞観法相貌ナサ↢瞋恨↡、無↠有コト↢是コトワリ↡。縦使ナストモ↠瞋、白毫相光亦復覆護

^しばらくこのかば、 三劫さんこうつみのぞき、 しんしょうじょは、 諸仏しょぶつみまえしょうぜん。 かくのごとく、 種々しゅじゅひゃく千億せんおくしゅのもろもろの、 こうみょうみょうきょうがいは、 ことごとくくべからず。 びゃくごうおもときねんにまさにしょうずべし」 と。

↢是コト↡、除カム↢三劫後身レム↢諸仏↡。如↠是種々百千億種光明微妙境界、不↠可↢悉↡。念ハム↢白毫↡時自然↠生。」

^またのたまはく (観仏経)、 「*しんにしてぞうかんずるに、 なほかくのごときりょうどく。 いはんやまたねんけて、 ぶつけんびゃくごうそうひかりかんぜんをや」 と。

又云、「麁心ニシテズルニ↠像、尚得↢如↠是無量功徳↡。況復繋↠念ゼムヲヤト↢仏眉間白毫相↡。」

^またのたまはく (観仏経)、 「*しゃもんぶつぎょうじゃの前にげんじて、 げてのたまはく、 ªなんぢ、 観仏かんぶつ三昧ざんまいりきしゅす。 ゆゑに、 われはんそうちからをもつて、 なんぢに色身しきしんしめして、 なんぢをしてあきらかにかんぜしめん。 なんぢ、 いまぜんしておおかんずることをざれ。 なんぢ、 のちひとおおくもろもろのあくつくれり。 ただけんびゃくごうそうひかりかんぜよ。 このかんをなすときるところのきょうがいは、 かみ所説しょせつのごとしº」 と。 じょう、 これを略抄りゃくしょうす。

又云、「釈迦文仏現↢行者↡告、汝修↢観仏三昧、我以↢涅槃相↡、示↢汝色身↡、令メム↢汝ヲシテ↡。汝今坐禅↠得↢多ズルコト↡。汝後人多レリ↢諸↡。但観ゼヨ↢眉間白毫↡。作ラム↢此↡時↠見境界、如シト↢上キツル已上略↢抄

^かみ所説しょせつ」 とは、 ぶつ種々しゅじゅきょうがいるなり。 もろもろのやくは、 しもべつぎょうおよびやくもんいたりてりぬべし。

所説者、見↢仏種々境界↡也。諸利益、至↢下別時行及利益門↡応↠知

 ^ふ。 びゃくごう一相いっそうかんずるをもまた三昧さんまいづくるや。

。観ズルヲモ↢白毫一相↡亦名↢三昧↡耶。

^こたふ。 しかなり。 ゆゑに ¬観仏かんぶつきょう¼ のだいにのたまはく、 「もしよくこころけていちもうかんずる、 このひとづけて*念仏ねんぶつじょうぎょうずとなす。 ぶつねんずるをもつてのゆゑに、 十方じっぽう諸仏しょぶつ、 つねにそのまえちて、 ためにしょうぼうきたまふ。 このひと、 すなはちよくさんのもろもろの如来にょらいしょうずるしゅとなす。 いかにいはんや、 そくしてぶつ色身しきしんねんぜんをや」 と。

。爾ナリ。故¬観仏経¼第九、「若↠心ズル↢一毛孔↡、是↠行ズト↢念仏定↡。以↠念ズルヲ↠仏、十方諸仏常↢其↡、為タマフ↢正法↡。此ヲバ↧能↢三世如来↡種↥。何具足ムヲヤアト↢仏色身↡。」

 ^ふ。 なんがゆゑぞじょうしょうごんかんぜざるや。

。何↠観↢浄土荘厳耶。

^こたふ。 いまこうぎょうへざるもののために、 ただりゃくかんすすむ。 もしかんぜんとおもふものは、 ¬かんぎょう¼ をむべし。 いかにいはんやさき*十種じっしゅかしつ。 すなはちこれじょうしょうごんなり。

。今為↧不↠堪↢広行↡之者↥、唯↢略観↡。若ハム↠観ゼムト↠読↢¬観経¼↡。何シツ↢十種事↡。即是浄土荘厳也。

 ^ふ。 なんがゆゑぞ*観音かんのん*せいかんぜざるや。

。何↠観↢観音・勢至↡耶。

^こたふ。 りゃくせるがゆゑにじゅつせず。 ぶつねんじをはりてのちは、 さつかんずべし。 あるいはみょうごうしょうせよ。 しょうこころしたがへ。

。略ルガ不↠述。念↠仏已後 ノチ 、応↠観↢二菩薩↡。或↢名↡。多↠意

二 Ⅳ ⅱ 回向門

【46】^だいこうもんかすとは、 そくせるもの、 これしんこうなり。

第五スト↢廻向↡者、五義具足セルモノ、是真廻向ナリ

^いちには、 さん一切いっさい善根ぜんごんじゅしゅうすること、 ¬ごんぎょう¼ のこころ

ニハ聚↢集スルコト三世一切善根↡、¬花厳経¼意

^には、 *薩婆さはにゃしん相応そうおうすること、

ニハ薩婆若相応スルコト

^さんには、 この善根ぜんごんをもつて一切いっさいしゅじょうとともにすること、

ニハ↢此善根↡共ニスルコト↢一切衆生↡、

^には、 じょうだいこうすること、

ニハ廻↢向スルコト無上菩提↡、

^には、 *のうしょもつはみな*不可ふかとくなりとかんじて、 よく*諸法しょほう実相じっそうごうせしむることなり。 ¬大論だいろん¼ (大智度論) のこころ

ニハジテ↢能施・所施・施物皆不可得ナリト↡、能ムルコトナリ↢諸法実相和合↡。¬大論¼意

^これらのによりて、 しんおもひ、 くちにいへ。 しゅするところのどくと、 および*三際さんざい一切いっさい善根ぜんごんとを、 そのいち 自他じた法界ほうかい一切いっさいしゅじょうこうして、 びょうどうやくし、 その つみめっし、 ぜんしょうじて、 ともに極楽ごくらくしょうじて、 *げんぎょうがん速疾そくしつ円満えんまんし、 自他じたおなじくじょうだいしょうして、 *らいさいつくすまでしゅじょうやくし、 そのさん 法界ほうかい*回施えせして、 その だいだいこうするなり。 その

↢此等↡、心。所功徳及以三際一切善根トヲ 廻↢向自他法界一切衆生↡平等利益セム↠罪↠善↢極楽↡普賢行願速疾円満、自他同↢無上菩提↡、尽クスマデ未来際利↢益セム衆生↡。 廻↢施法界↡、 廻↢ルナリ大菩提

 ^ふ。 らいぜんいまだあらず。 なにをもつてかこうする。

。未来善未↠有。以テカ↠何廻向スル

^こたふ。 ¬ごんぎょう¼ に、 *だいさんこう*さつぎょうそうきてのたまはく、 「さん善根ぜんごんをもつて、 所着しょじゃくなく、 そうなくそうはなれて、 ことごとくもつてこうす」 (意) と。

。¬花厳経¼説キテ↢第三廻向行相↡云、「以↢三世善根↡、而シテ↢所著↡、無↠相離↠相、悉廻向スト。」

^¬*かんじょう¼ にしゃくあり。 いちには、 らい善根ぜんごんはいまだあらずといへども、 いまもしがんおこしつれば、 *がんくんじてしゅとなり、 しょうするちからのゆゑに、 らい所修しょしゅ*任運にんうんしゅじょうだいとにちゅうこうして、 さらにこうすることをたず。 には、 このきょうのなかによれば、 さつは、 ない一念いちねんぜんしゅするに、 ほっしょうせっするがゆゑに*九世くせへんす。 ゆゑにかの善根ぜんごんをもつてこうすと。

¬刊定記¼有↢二釈↡。一ニハ未来善根↠未↠有、今若ツレバ↠願、願薫シテ↡摂持、未来所修任運注↢向衆生菩提トニ↡、不↠待↢更廻向コトヲ↡也。二ニハ↢此菩薩、乃至修ルニ↢一念↡、摂ルガ↢法性↡故↢於九世↡。故↢彼善根↡廻向スト也。

 ^ふ。 だいに、 いかなるをや薩婆さはにゃ相応そうおうしんづくる。

。第二ナルヲヤクル↢薩婆若相応↡。

^こたふ。 ¬ろん¼ (大智度論) にいはく、 「*のくだいこころ、 すなはちこれ薩婆さはにゃおうずるしんなりと。 ªおうº といふは、 しんけて、 われまさにぶつるべしとがんずるなり」 と。

。¬論¼云、「阿耨菩提意、即是応ズル↢薩婆若↡心ナリト。応トイフ者繋↠心、願ルナリト↢我当シト↟作↠仏。」

 ^ふ。 第三だいさんだいは、 なんがゆゑぞかならず一切いっさいしゅじょうとともにし、 およびじょうだいこうする。

。第三第四、何ニシ↢一切衆生↡、及以廻↢向无上菩提↡。

^こたふ。 ¬*ろっ波羅ぱらみつきょう¼ にのたまはく、 「いかんぞしょうどくなるや。 *方便ほうべんちからをもつて、 しょうぶん*布施ふせをもつてこう発願ほつがんすらく、 ª一切いっさいしゅじょうおなじく*じょうしょうとうだいしょうせんº と。 これをもつてどくりょうへんなること、 なほしょううんの、 やうやく法界ほうかいへんするがごとし」 と。 ないいっいっをもつてするもまたしかり。 ¬大論だいろん¼ (大智度論) のこころまたこれにおなじ。

。¬六波羅蜜経¼云、「云何少施功徳多ナル耶。以↢方便↡、少分布施ヲモテ廻向発願スラク、与↢一切衆生↡同ムト↢無上正等菩提↡。以↠是功徳無量無辺ナルナリ猶如シト↣小雲ルガ↢法界↡。」乃至以↢一花・一菓↡施ルモ亦爾。¬大論¼意亦同↠之

^また ¬*ほうしゃくきょう¼ のじゅうろくにのたまはく、 「さつ*摩訶まかさつは、 しょ*しょうのもろもろのみょう善根ぜんごんを、 一切いっさいじょうだいこうして、 この善根ぜんごんをしてひっきょうじてじんならしむ。 たとへば、 しょうすい大海だいかいげつれば、 ない*こうしょうのなかにもくることあることなからんがごとし」 と。

又¬宝積経¼六、「菩薩摩訶薩、所有已生妙善根一切廻↢向無上菩提↡、令↢此善根シテ畢竟ジテ無尽ナラ↡。譬↧小水ツレバ↢于大海↡、乃至劫焼マデニシテラムガ↞有コト↠尽コト。」

^また ¬*だいしょうごんろん¼ のにいはく、

又¬大荘厳論¼偈

^ぎょうじて*みょうしきざいもとめず、 またてん人趣にんしゅかんずることをがんぜざれ、

もつぱらじょうしょうだいもとむれば、 なれどもすなはちりょうふくかんず」 と。

「行↠施不↠求↢妙色財亦不シテ↠願↠感ゼム↢天人趣
ルハ↢无上勝菩提ナレドモ便ズト↢无量↡」

^ゆゑにもろもろの善根ぜんごんをもつてことごとく仏道ぶつどうこうするなり。

↢諸善根↡尽廻↢向ルナリ仏道↡。

^また ¬大論だいろん¼ (大智度論) にいはく、 「たとへば、 *慳貪けんどんにんの、 因縁いんねんなくしては、 ない一銭いっせんをもほどこせず、 *貪慳とんけんしゃくじゅしてただぞうじょうすることをのぞむがごとく、 さつもまたかくのごとし。 福徳ふくとくの、 もしはもしはしょう余事よじにはかへず、 ただあいじゃく積集しゃくじゅうして薩婆さはにゃかふ」 と。

又¬大論¼云。「譬↧慳貪クシテハ↢因縁↡、乃至一銭ヲモ不↠施、貪慳積聚但望ムガ↦増長セムコトヲ↥、菩薩亦如↠是。福徳多若少、不↠向↢余事ニハ↡、但愛惜積集↢薩婆若↡。」

 ^ふ。 もししからば、 ただだいこうすべし。 なんがゆゑぞ、 さらにおうじょう極楽ごくらくとはいふ。

。若ラバ唯応↣廻↢向菩提↡。何↢往生極楽トハ↡。

^こたふ。 だいはこれほうなり。 極楽ごくらくはこれ*ほうなり。 もとむる人、 いかんぞせざらんや。 このゆゑに*ぼんごうにみないはく、 「こうして極楽ごくらくこくしょうぜんとがんす」 と。

。菩提是果報ナリ。極楽是花報ナリ。求↠果之人イカンラム↠期↠花耶。是九品皆云、廻向願↣求ストムト↢極楽国↡。

 ^ふ。 発願ほつがんこうとは、 なんの差別しゃべつかある。

。発願廻向トハ↢何差別↡。

^こたふ。 ちかひてもとむるところをする、 これをづけてがんとなす。 しょごうしてかしこに趣向しゅこうする、 これをこうといふ。

。誓↡、名↠之↠願。廻↢所作↡趣↢向於彼↡、謂↢之廻向↡。

 ^ふ。 薩婆さはにゃじょうだいと、 差別しゃべつなし。 なんぞわかちてとはなす。

。薩婆若↢無上菩提↡二↢差別↡。何チテ↠二トハ

^こたふ。 ¬ろん¼ (大智度論)こうかすに、 これをわかちてとなせり。 ゆゑにいまこれにじゅんず。 さらに *¬ろん¼ (同)もんかんがへよ。

。¬論¼明スニ↢廻向↡、分チテ↠之↠二。故今順↠之。更カンガヘ↢¬論¼文↡。

 ^ふ。 つぎに、 なんがゆゑぞ、 あらゆるかんじて、 ことごとくくうならしむるや。

。次ジテ↢所有↡悉↠空ナラ耶。

^こたふ。 ¬ろん¼ (大智度論) にいはく、 「*じゃくしん取相しゅそうさつしゅする福徳ふくとくは、 くさよりしょうずるの、 めっすることをべきことやすきがごとし。 もし実相じっそう体得たいとくせるさつの、 だいしんをもつてぎょうずるしゅぎょうは、 することをべきことかたきこと、 みずのなかのの、 よくめっするものなきがごとし」 と。

。¬論¼云、「著心取相菩薩福徳、如↢草ヨリキガ↟可キコト↠得↠滅コトヲ。若体↢得セル実相↡菩薩↢大悲心↡行ズル衆行、難キコト↠可キコト↠得↠破コトヲ、如シト↣水キガ↢能者↡。」

 ^ふ。 もししからば、 となへて 「くう*所得しょとく」 といふべし。 なんがゆゑぞいま 「*回施えせ法界ほうかい」 とはいふ。

。若↣唱↢空无所得↡。何今云↢廻施法界トハ↡。

^こたふ。 じつにはしかるべし。 しかれども、 いまはこく風俗ふうぞくじゅんずるがゆゑに 「法界ほうかい」 といふに、 またすることなし。 しかる所以ゆえんは、 法界ほうかいはすなはちこれ*えんにゅう無作むさ*第一だいいちくうなり。 所修しょしゅぜんをもつて*しゅし、 かの第一だいいちくう相応そうおうするを回施えせ法界ほうかいづく。

。理実ニハ↠然。然レドモルガ↢於国土風俗↡故フニ↢法界↡、理亦無↠違コト。所↢以然↡者、法界是円融无作第一義空ナリ。以↢所修↡廻趣、相↢応ルヲ第一義空↡名↢廻施法界↡。

 ^ふ。 さいに、 なんのこころとなへて 「こうだいだい」 といふや。

。最後↢廻向大菩提↡耶。

^こたふ。 これはこれ、 薩婆さはにゃ相応そうおうせしむるなり。 これまた*ふうじゅんじて、 これをまつく。 「薩婆さはにゃ」 といふは、 すなはちこれだいなり。 さきの ¬ろん¼ (大智度論)もんのごとし。

。此是令↧与↢薩婆若↡相応↥也。此亦順↢土風↡、置↢之末後↡。言フハ↢薩婆若↡即是菩提ナリ。如↢前¬論¼文↡。

 ^ふ。 *そうこうにはやくなきや。

。有相廻向↢利益↡耶。

^こたふ。 かみにしばしばろんずるがごとし。 しょうれつはありといへども、 なほやくあり。

。如↢上ルガ↡。雖↠有リト↢勝劣↡猶有巨益↡。

^¬大論だいろん¼ (大智度論)だいしちにいふがごとし。 「しょういんだいしょうえん大報だいほうあり。 仏道ぶつどうもとめていちさんじ、 ひとたび ª南無なもぶつº しょうし、 一捻いちねんこうきて、 かならずぶつることをるがごときなり。 いかにいはんや、 もんせんをや。 ª諸法しょほう実相じっそうしょうめつにして、 しょうにもあらず、 めつにもあらざれども、 しかも因縁いんねんごうぎょうずれば、 またしっせざるなりº」 と。

↢¬大論¼第七フガ↡。「有↢小因大果アル小縁大報アル↡。如キナリ↧求↢仏道↡讃↢一偈↡、一タビ↢南無仏↡、タキ↢一捻↡、必ルガ↞作コトヲ↠仏。何聞知セムヲヤ。諸法不生・不滅ニシテ、不々生・不々滅、而因縁亦不ルナリ↠失。」

^このもんじんみょうなり。 もとどりのなかのみょうしゅなり。 すなはちりぬ、 われらもぶつになることうたがいなしと。

文深妙ナリ。髻明珠ナリ。則我等ラムコト↠仏シト↠疑。

^*りゅうじゅそんみょうしたてまつる。 わが心願しんがん証明しょうみょうしたまへ。

帰↢命マツル龍樹尊↡。証↢タマヘ心願↡。

助念方法

【47】^大文だいもんだいに、 *助念じょねん方法ほうほうといふは、 *一目いちもくあみとりることあたはず、 まんじゅつをもつて観念かんねんたすけて、 おうじょうだいじょうず。 いましちをもつて、 りゃくして方法ほうほうしめさん。 いちには方処ほうしょ供具くぐにはしゅぎょうそうみょうさんには*たいだいにはあく修善しゅぜんにはさん衆罪しゅざいろくにはたい魔事まじしちには総結そうけつようぎょうなり。

大文第五助念方法イフ者、一目之アミ、不↠能↠得コト↠鳥、万術ヲモテ↢観念↡成↢往生大事↡。今以↢七事↡略↢方法↡。一ニハ方処供具、二ニハ修行相貌、三ニハ対治懈怠、ニハ止悪修善、五ニハ懴悔衆罪、六ニハ対治魔事、七ニハ総結行要ナリ

二 Ⅴ 方処供具

【48】^第一だいいち*方処ほうしょ供具くぐとは、 *ないともにきよくしていち閑処げんしょめて、 ちからしたがひてこう供具くぐべんぜよ。

第一方処供具者、内外倶クシテシメ↢一閑処↡、随↠力ゼヨ↢於香花供具↡。

^もしこうとうけっしょうせることあらば、 ただもつぱらぶつどくじんねんぜよ。

↣闕↢少セルコト花香等↡、但専ゼヨ↢仏功徳威神↡。

^もししたしく仏像ぶつぞうむかはば、 すべからくとうみょうべんずべし。

ハバ↢仏像↡、須↢灯明↡。

^もしはるかに西方さいほうかんぜば、 あるいは闇室あんしつもちゐよ。 *かんぜん (*懐感) は闇室あんしつゆるす。

ゼバ↢西方↡、或ヰヨ↢闇室↡。感禅師暗室

^もしこうするときには、 すべからく ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ のようもんこころによるべし。 そのるところのふくりょうへんなり。 煩悩ぼんのうおのづからげんしょうし、 ろくおのづから円満えんまんす。 そのもん*つう所用しょゆうことならず。 ゆゑにさらにしょうせず。

セム↢花香↡時ニハ、須↠依↢¬観仏三昧経¼供養↡。其福無量無辺ナリ。煩悩自減少、六度自円満文不↠異ナラ↢通途所用↡。故不↢更

^もし*念珠ねんじゅもちゐんときには、 じょうもとめんとおもはば、 *木槵もくげんもちゐ、 どくおもはば、 *だいない、 あるいは*すいしょうれんとうもちゐよ。 ¬*念珠ねんじゅどくきょう¼ にえたり。

ヰバ↢念珠↡、↠求ムト↢浄土↡用↢木槵子↢多功徳↡用ヰヨ↢菩提子乃至或水精・蓮子等↡。エタリ↢¬念珠功徳経¼↡

二 Ⅴ 修行相貌

【49】^だい*しゅぎょうそうみょうとは、 ¬*しょうろん¼ とうによりて*しゅそうもちゐよ。

第二修行相貌者、依↢¬摂論¼等↡用ヰヨ↢四修

^いちにはじょうしゅ

者長時修。

^¬要決ようけつ¼ (*西方要決) にいはく、 「*しょ発心ほっしんよりすなはちだいいたるまで、 つねに*じょういんをなして、 つひに退転たいてんなかれ」 と。

¬要决¼云、「従↢初発心↡乃菩提マデ、恒↢浄因↡、終レト↢退転↡。」

^善導ぜんどうぜんのいはく (*礼讃)、 「いのちふるをとなして、 ちかひてちゅうせざれ」 と。

導禅師、「畢ルヲ↠命↠期レト↢中止↡。」

^にはおんじゅうしゅ

者慇重修。

^いはく、 極楽ごくらく*仏法ぶっぽうそうぼうにおいて、 しんにつねに憶念おくねんして、 もつぱらそんじゅうをなせ。

↢極楽仏法僧宝↡心常憶念、専↢尊重↡。

^¬要決ようけつ¼ (西方要決) にいはく、 「*行住ぎょうじゅう坐臥ざがに、 西方さいほうそむかざれ。 *てい便べんは、 西方さいほうかはざれ」 と。

¬要决¼云、「行住坐臥↠背↢西方↡。啼唾便レト↠向↢西方↡。」

^どう (善導) のいはく (礼讃)、 「おもて西方さいほうかふるものはさいしょうなり。 さきよりかたむけるはたおるるに、 かならずまがれるにしたがふがごとし。 かならずさわりありて西にしかふことおよばずは、 ただ西にしかふおもいをなすにまたたり」 と。

導師、「面↢西方↡者最勝ナリ。如↢樹ルルニフガ↟曲レルニ。必↢事礙↡不レバ↠及↠向コト西者、但作スニ↢向↠西↡亦得タリ。」

^さんには間修けんしゅ

者无間修。

^¬要決ようけつ¼ (西方要決) にいはく、 「いはく、 つねにぶつねんじておうじょうしんをなせ。 一切いっさいときにおいて、 しんにつねにおもたくめ。

¬要決¼云、「謂ジテ↠仏↢往生↡。於↢一切↡心

^たとへば、 ひとありて、 *抄掠しょうりゃくせられ、 せんとなりてつぶさに*艱辛かんしんけん。 たちまちに父母ぶもおもひ、 はしりてくにかえらんとほっするに、 *行装ぎょうしょういまだべんぜずして、 なほさとにありてにちゆいし、 堪忍かんにんせず。 ときとしてしばらくもてて*じょうおもはざることなし。 はかりごとをなすことすでにじょうじて、 すなはちかえりてたっすることをて、 父母ぶも親近しんごんし、 ほしいままにかんせんがごとし。

↧有↠人被↢他抄掠↡、身為リテ↢下賎↡備↢艱辛↡、↢父母↡欲ルニ↢走ムト↟国↡、行装未ナホ↢他↡日夜思惟、苦不↢堪忍↢時トシテモテテコト↟念耶嬢↡、為スコトハカリゴトジテ、便↠達コトヲ、親↢近父母↡、縦任ホシイママ歓娯ムガ↥、

^ぎょうじゃもまたしかなり。 むかし煩悩ぼんのうによりて善心ぜんしんらんし、 *ふく珍財ちんざい、 ならびにみな散失さんしつせり。 ひさしくしょうしずみてせいすること自由じゆならず。 つねにおうのためにしかも*ぼく使となりて、 *六道ろくどう駆馳くちせられ、 身心しんしんせつす。

行者亦爾ナリムカシ↢煩悩↡壊↢乱善心↡、福智珍財并皆散失シテ↢生死↡制シテ不↢自由ナラ↡。恒↢魔王↡而リテ↢僕使↡駆↢馳シテ六道↡、苦↢切身心↡。

^いま善縁ぜんえんひて、 たちまちに弥陀みだ慈父じぶの、 がんたがはずして*ぐんじょう*済抜さいばつしたまふことをき、 にち*きょうもうし、 しんおこしてくことをねがふ。 ゆゑに*しょうごんすることまずして、 まさに仏恩ぶっとんねんじて、 *ほうくるをとなして、 しんにつねにねんすべし」 と。

今遇↢善縁↡、↧弥陀慈父シテ↠違↢弘願↡済↦抜タマフコトヲ群生↥、日夜驚忙、発↠心↠往カムコトヲ。所以精勤スルコトシテ↠倦、当シト↧念ジテ↢仏恩↡報ルヲ↠期、心計念↥。」

^どう (善導) のいはく (礼讃)、 「心々しんしん相続そうぞくしてごうをもつてまじへざれ。 また*貪瞋とんじんとうをもつてまじへざれ。 したがひておかせば、 したがひてさんせよ。 ねんへだときへだへだてしめずして、 つねに清浄しょうじょうならしめよ」 と。

導師、「心々相続↧以↢余業マジ↥。又不↧以↢貪瞋等↡間↥。随セヨ。不シテ↠令↢隔↠念↠時↟日、常ヨト↢清浄ナラ↡。」

^わたくしにいはく、 にちろく、 あるいはさん二時にじに、 かならず方法ほうほうして、 しょうごんしゅじゅうせよ。 そのしょには*威儀いぎもとめず、 方法ほうほうろんぜず、 しんはいすることなくして、 つねにぶつねんずべし。

日夜六時或三時・二時、要↢方法↡精勤修習セヨ。其時処ニハ不↠求↢威儀↡、不↠論↢方法心口クシテ↠癈コト、常↠念↠仏

^には無余むよしゅ

者無余修。

^¬要決ようけつ¼ (西方要決) にいはく、 「もつぱら極楽ごくらくもとめて弥陀みだ*礼念らいねんせよ。 ただししょごうぎょうぞうせしめざれ。 しょごうは、 *日別にちべつに、 すべからく念仏ねんぶつどくきょうしゅして、 *余課よかとどめざるべし」 と。

¬要決¼云、「専↢極楽↡礼↢念セヨ弥陀↡。但諸余業行↠令↢雑起↡。所作之業日別↢念仏・読経ラム↠留↢余↡耳。」

^どう (善導) のいはく (礼讃)、 「かのぶつみなをもつぱらしょうし、 かのぶつおよび一切いっさいしょうじゅとうをもつぱらねんじ、 もつぱらおもひ、 もつぱららいし、 もつぱらさんじて、 ごうまじへざれ」 と。

導師、「専↢称↡、専↢念↣想↤礼↯讃ゼヨ仏及一切聖衆等レト↠雑↢余業↡。」

 ^ふ。 そのごうは、 なんのしつかある。

。其事業↢何過失↡。

^こたふ。 ¬ほうしゃくきょう¼ のじゅうにのたまはく、 「もしさつありて、 ねがひて*ごうをなし、 *しゅいとなまんを、 おうぜざるところなりとなす。 われかく、 ªこのひとしょうじゅうすº」 と。

。¬宝積経¼九十二、「若↢菩薩↡楽ヒテ↢世業↡営マムヲ↢於衆務↡、為↠所ナリト↠不↠応。我説カク、是スト↢於生死↡。」

^またどうにのたまはく、

又同ジキ

^*ろんじょうろんところは、 おおくもろもろの煩悩ぼんのうおこす。

しゃおんすべきこと、 まさにひゃくじゅんるべし」 と。

「戯論諍論↢諸煩悩
智者キコト↢遠離シト ↠去↢百由旬↡」

^自余じよ方法ほうほうは、 つぶさに ¬かん¼ のごとし。

自余方法、具↢¬止観¼↡。

 ^ふ。 もししからば、 ざいにん念仏ねんぶつぎょうへがたし。

。若ラバ在家ケム↠堪↢念仏↡。

^こたふ。 もしぞくにんは、 *えんてがたくは、 ただつねにおもい西方さいほうけて、 じょうしんにしてかのぶつねんずべし。 ¬*木槵もくげんきょう¼ の*瑠璃るりおうぎょうのごとくせよ。

世俗クハ↠棄↢縁務↡、但常↢念西方↡、誠心ニシテ↠念↢彼↡。如クセヨ↢¬木槵経¼瑠璃王↡。

^また*ざいの ¬*じょうろん¼ にいはく、 「たとへば、 りゅうくに、 くもすなはちこれにしたがふがごとく、 しんもし西にしけば、 ごうまたこれにしたがふ」 と。

又迦¬浄土論¼云、「譬↢竜クニ雲即フガ↟之、心若西、業亦随フト。」

 ^ふ。 すでにりぬ、 しゅぎょうそうじて*そうありと。 そのしゅぎょうとき用心ようじんいかんぞ。

。既修行リト↢四相↡。其修行用心云何

^こたふ。 ¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「もししゅじょうありて、 かのくにうまれんとがんずるものは、 三種さんしゅしんおこして即便すなわちおうじょうす。 いちには*じょうしんには*深心じんしんさんには*こう発願ほつがんしんなり」 と。

。¬観経¼云、「若↢衆生↡願ゼム↠生ムト↢彼↡者、発↢三種↡即便往生。一ニハ至誠心、二ニハ深心、三ニハ廻向発願心ナリト。」

^善導ぜんどうぜんのいはく (礼讃)、 「いちじょうしんといふは、 いはく、 礼拝らいはい讃嘆さんだん*念観ねんかん三業さんごうはかならず真実しんじつもちゐるがゆゑなり。

善導禅師、「一至誠心トイフハ、謂礼拝・讃歎・念観三業ルガ↢真実↡故ナリ

^深心じんしんといふは、 いはく、 しんはこれ煩悩ぼんのうそくせるぼんなり。 善根ぜんごんはくしょうにして三界さんがいてんして、 いまだ*たくでずとしんし、 いま弥陀みだ*ほん誓願ぜいがんは、 みょうごうしょうすることしもじっしょういっしょうとういたるにおよぶまで、 さだめておうじょうしんして、 ない一念いちねんしんあることなきなり。

深心トイフハ、謂信↧知自身是具↢足セル煩悩↡凡夫ナリ善根薄少ニシテ流↢転三界↡、未↞出↢火宅↡、今信↧知弥陀弘誓願コト↢名号↡下至ルマデ↢十声・一声等↡、定↦往生スルコト↥、乃至一念キナリ↠有コト↢疑心↡。

^さんこう発願ほつがんしんといふは、 いはく、 しょ一切いっさい善根ぜんごんをことごとくみなこうして、 おうじょうせんとがんずるがゆゑなり。 この三心さんしんすれば、 かならずおうじょうすることを。 もし一心いっしんけぬれば、 すなはちしょうずることをず」 と。 りゃくしてこれをしょうす。 きょうもんじょうぼん上生じょうしょうにありといへども、 ぜん (善導) のしゃくのごとくは、 ぼんつうず。 余師よししゃくつぶさにすることあたはず。

廻向発願心トイフハ、謂所作一切善根皆廻向、願ルガ↢往生ムト↡故。具シテ↢此三心↡必得↢往生コトヲ↡。若カケヌレバ↢一心↡、即イヘリ↠得↠生コトヲ。」↢抄↡。経文↠在リト↢上品上生↡、如↢禅師↡者、理通↢九品↡。余師釈不↠能↠具スルコト

^¬*おんじょうおうきょう¼ にのたまはく、 「もしよくふかしんじて狐疑こぎなきものは、 かならず弥陀みだくにおうじょうすることを」 と。

¬鼓音声王経¼云、「若狐疑↡者、必↣往↢生コトヲ阿弥↡。」

^¬はんぎょう¼ にのたまはく、 「*のくだい信心しんじんいんとなす。 このだいいんまたりょうなりといへども、 もし信心しんじんきつればすなはちすでにしょうじんしつ」 と。

¬涅槃経¼云、「阿耨菩提信心↠因。是菩提因雖↢復無量ナリト↡、若ツレバ↢信心↡則摂尽シツト。」

^あきらかにりぬ、 どうしゅするにはしんをもつてはじめとなす。

ルニハ↠道↠信ハジメ

^また善導ぜんどうしょうのいはく (礼讃・意)、 「もしはにゅうかんおよびねむりのときには、 このがんおこすべし。 もしはし、 もしはちて、 一心いっしんがっしょうして、 まさしくおもて西にしかへて、 じっしょう、 ª弥陀みだぶつ観音かんのんせい・もろもろのさつ*清浄しょうじょう大海だいかいしゅº としょうしをはりて、 ぶつさつおよび極楽ごくらくかいそうたてまつらんといふがんおこせ。 すなはちこころしたがひてにゅうかんし、 およびねむりてもることをしんをばいたさざるをのぞく」 と。

又善導和尚、「若入観及リノ↠発↢此↡。ツルニ、一心合掌、正シクヘテ↠西、十声称↢阿弥陀仏、観音・勢至、諸菩薩、清浄大海衆↡竟而発↧見マツラムトイフ↢仏・菩薩及極楽界↡之願↥。即↠意入観リテモ得↠見コトヲクト↠不ルヲ↠至。」

 ^ふ。 ぎょうじゃ*じょうおうじょうねんすること、 そのそう、 なににかたる。

。行者常途計↢念セムコト往生↡、其相似タル↠何ニカ

^こたふ。 さきくところの ¬要決ようけつ¼ (西方要決) に、 本国ほんごくかえらんとおもたとへ、 これそのそうなり。

。前↠引¬要決¼、欲↠帰ムト↢本国↡之譬、是其相也。

^またしゃくしょう (道綽) の ¬*安楽あんらくしゅう¼ (上) にいはく、 「たとへば、 ひとありて*空曠くうこうのはるかなるところにして、 怨賊おんぞくの、 つるぎゆうふるひて、 ただちにきたりてころさんとほっせんに値遇ひなん。 このひとただちにはしるに、 いちかわわたらんとる。 いまだかわいたるにおよばざるに、 すなはちこのねんをなす。 ªわれかわきしいたりては、 ころもぎてやわたるとやせん、 ころもてやおよぐとやせん。 もしころもぎてわたらば、 ただおそらくはいとまなきことを。 もしころもおよがば、 またおそらくは*しゅりょうまったくすることかたしº と。 そのときに、 ただ一心いっしんかわわた方便ほうべんをなすことのみありて、 心想しんそう*間雑けんぞうすることなからんがごとし。

綽和尚¬安楽集¼云、「譬↧有↠人於↢空カナル↡、値↢遇 アヒ ナム怨賊↠剣ヒテ↠勇、直セムニ↟殺ムト、此人径シテ、観↠渡ムト↢一ルニ↠及↠到ルニ↠河、即↢此我至リテハ↢河↡、マシ↢脱ギテヤ↠衣コトヲマシ↢著テヤ↠衣オヨグコトヲ↠衣、唯恐クハカラムコトヲ↠暇↠衣オヨガ、復畏クハ首領↠全セムコト但有↣一心コトノミ↢渡ラム↠河方便↡、无ラムガ↦余心想間雑コト↥、

^ぎょうじゃまたしかり。 弥陀みだぶつねんずるときには、 またかのひとわたることをおもふがごとくして、 念々ねんねんにあひいで、 心想しんそう間雑けんぞうすることなし。 あるいはぶつ法身ほっしんおもひ、 あるいはぶつ*神力じんりきおもひ、 あるいはぶつ智慧ちえおもひ、 あるいはぶつ*毫相ごうそうおもひ、 あるいはぶつ相好そうごうおもひ、 あるいはぶつ本願ほんがんおもへ。 みなしょうすることもまたしかなり。 ただよくもつぱらいたして、 相続そうぞくしてだんぜざるは、 さだめて仏前ぶつぜんうまる」 と。

行者亦爾。念ゼム↢阿弥陀仏↡時ニハ、亦如クシテ↢彼フガ↟渡ラムコトヲ、念々ギテ↢余心想間雑コト↡。或↢仏法身↡、或↢仏神力↡、或↢仏↡、或↢仏毫相↡、或↢仏相好↡、或↢仏本願↡。称コトモ↠名亦爾ナリ。但能シテ、相続↠断、定ルト↢仏前↡。」

^*がんぎょうこれにおなじ。

元暁師同↠之

 ^ふ。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいは、 ただしんねんずとやせん、 またくちとなふとやせん。

。念仏三昧↢唯心ズトヤ↡、為↢亦口フトヤ↡。

^こたふ。 ¬かん¼ のだい(意) にいふがごとし。 「あるいは ˆしょうねんˇ ともにはこび、 あるいはねんのちとなへ、 あるいはとなのちねんじて、 しょうねんあひぎてそくするときなし。 声々しょうしょう念々ねんねんただ弥陀みだにあり」 と。

。如↢¬止観¼第二フガ↡。「、或、或、唱念相ギテ↢休息時↡。声々念々唯リト↢阿弥陀↡。」

^またかんぜん (懐感) のいはく (*群疑論)、 「¬かんぎょう¼ にのたまはく、 ªこのひとめられて念仏ねんぶついとまあらず。 *ぜん教令きょうりょうすらく、 «弥陀みだぶつしょうすべし» と。 かくのごとくしんいたして、 こえをしてえざらしむº と。

又感禅師、「¬観経¼言、是人苦レテ不↠遑アラ↢念仏↡。善友教令スラク、可シト↠称↢阿弥陀仏↡。如シテ↠是シテ、令メヨ↢声ヲシテ↟絶

^あにのうめられて念想ねんそうじょうじがたきには、 こえをしてえざらしむるに、 しんにすなはちるにあらずや。 いまこのこえいだして、 *念仏ねんぶつじょうがくすることもまたかくのごとし。 こえをしてえざらしむれば、 つひに三昧さんまいて、 ぶつしょうじゅ*きょうねんとしてまえにましますをる。

ズヤ↧苦悩↠逼念想難キニハ↠成、令ルニ↢声ヲシテ↟絶、至心便ルニ↥。今此↠声コトモ↢念仏定↡亦復如↠是。令レバ↢声ヲシテ↟絶、遂↢三昧↡、見↢仏・聖衆皎然トシテニマシマスヲ↡。

^ゆゑに *¬だいじゅう¼ の ª日蔵にちぞうぶんº にのたまはく、 ª大念だいねん大仏だいぶつる、 しょうねんしょうぶつるº と。 ª大念だいねんº とはだいしょうぶつしょうするなり。 ªしょうねんº とは小声しょうしょうぶつしょうするなり。 これすなはち聖教しょうぎょうなり。 なんのまどひかあらん。

¬大集¼「日蔵分」言、大念↢大仏↡、小念ルト↢小仏↡。大念者大声スル↠仏也。小念者小声スル↠仏也。斯即聖教ナリ。有↢何マドヒ↡哉。

^げんるにすなはちいまのもろもろの修学しゅがくしゃ、 ただすべからくこえはげましてぶつねんずべし。 三昧さんまいじょうじやすし。 小声しょうしょうぶつしょうするに、 つひに*さんおおし。 これすなはち学者がくしゃるところにして、 *にんさとるにあらず」 と。

ルニ修学者、唯須↢励シテ↠声↟仏。三昧易ケム↠成。小声ルニ↠仏、遂↢馳散↡。此乃学者ナリズト↢外人之サトル↡矣。」

^じょう、 かの ¬きょう¼ (大集経) にのたまはく、 「ただほっするはしょうほっするはしょうる」 とうと。 しかるにかん (懐感)、 すでに三昧さんまいたり。 かのしゃくするところ、 あおぎてしんずべし。 さらに諸本しょほんかんがへよ。 「しょうねんしょう大念だいねんだいる」 のもん、 ¬*日蔵にちぞうきょう¼ のだいでたり。

已上¬経¼、「但欲ルハ↠多見↠多、欲ルハ↠小↠小。然感師既タリ↢三昧↡。所↠釈スル↢仰↡。更ヘヨ↢諸本↡。「小念見↠小、大念ルノ↠大」文、出タリ↢¬日蔵経¼第九

二 Ⅴ 対治懈怠

【50】^だいさん*たいだいとは、 *ぎょうにん*ごう勇進ゆうしんすることあたはず。 あるいはしん蒙昧もうまいとなり、 あるいはしん*退屈たいくつす。 そのとき種々しゅじゅすぐれたるせてしん勧励かんれいすべし。

第三対治懈怠者、行人不↠能↢恒時勇進コト↡。或心蒙昧ナリ、或心退屈。爾↧寄↢種々レタル↡勧↦自心↥。

^あるいはさん苦果くかをもつてじょうどくくらべて、 このねんをなすべし。 「われすでに悪道あくどうにしてこうき。 *無利むりごんすら、 なほよくえたり。 小行しょうぎょうしゅぎょうしてだいんはだいなり。 退屈たいくつをなすべからず」 と。 悪趣あくしゅじょうそう一々いちいち*さきのごとし。

↢三途苦果↡比↢浄土功徳↡、応↠作↢是↡。我已悪道ニシテ↢多劫无利勤苦スラ尚能エタリ。修↢行小行↡得ムハ↢菩提↡大利ナリ。不↠応↢退屈↡。悪趣苦、浄土相、一々↠前

^あるいはおうじょうじょうしゅじょうえんじて、 このねんをなすべし。 「十方じっぽうかいのもろもろのじょう念々ねんねん安楽あんらくこくおうじょうす。 かれすでに*じょうなり。 われもまたしかなり。 みづからかろみて退屈たいくつをなすべからず」 と。 おうじょうにんしもやくもんりょうけんもんのごとし。

ジテ↢往生浄土衆生↡、応↠作↢是↡。十方世界有情、念々往↢生安楽国↡。彼既丈夫ナリ。我亦爾ナリ。不↠応↣自ミテ↢退屈↡。往生↢下利益門・料簡門

^あるいはぶつみょうどくえんずべし。

↠縁↢仏奇妙功徳↡。

 ^ふ。 なんらのどくぞ。

。何等功徳

^こたふ。 そのりょうなり。 りゃくしてそのようげん。

。其事无ナリ。略↢其↡。

・四十八願

^いちにはじゅうはち本願ほんがんねんすべし。

ニハ↣思↢念四十八大願↡。

^また *¬りょう清浄しょうじょうがくきょう¼ にのたまはく、 「弥陀みだぶつかんおん大勢だいせいと、 大願だいがんふねりてしょううみうかびて、 この*しゃかいにつきて、 しゅじょうかんして大願だいがんふねせて、 西方さいほうおくけしめたまふ。 もししゅじょうの、 あへて大願だいがんふねらば、 ならびにみなることを。 これはこれきやすきなり」 と。

又¬無量清浄覚経¼云、「阿弥陀仏与↢観世音・大勢至↡乗↢大願ウカビ↢生死↡、就↢此娑婆世界↡、呼↢喚衆生↡令タマフノセ↢大願↡送↦著西方↥。衆生↢大願↡者、並皆得↠去コトヲ。」此是易↠往也。

^¬しんかんぎょう¼ のにのたまはく、

¬心地観経¼偈

^しゅじょうしょうかい没在もつざいして、 *しゅ*りんしてづるなし。

*善逝ぜんぜいつねにみょうほうふねとなり、 よく*あいりてがんえしめたまふ」 と。

「衆生没↢在生死海輪↢廻五趣↡無↢出期↡
善逝恒↢妙法↢愛流↡超シメタマフト↢彼↡」

^おもふべし、 「われ、 いづれのときにかがんふねりてらん」 と。

↠念、我何レノニカ↢悲願↡去ムト

・名号

 ^には*みょうごうどくなり。

ニハ名号功徳ナリ

^¬*ゆいぎょう¼ にのたまふがごとし。 「諸仏しょぶつ色身しきしんそうしゅしょう*かいじょう智慧ちえだつけん*りきしょ不共ふぐほうだいだい威儀いぎしょぎょう、 およびその寿じゅみょう説法せっぽうきょうし、 しゅじょうじょうじゅし、 ぶつこくきよめ、 もろもろの仏法ぶっぽうしたまへること、 ことごとくみな同等どうとうなり。 このゆゑにづけて*さんみゃくさんぶっとなし、 づけて*多陀ただ伽度かどとなし、 づけてぶっとなす。

↢¬維摩経¼言フガ↡。「諸仏色身威相、種性、戒・定・智慧・解脱・知見・力・無所畏・不共之法、大慈大悲、威儀所行、及寿命、説法教化、成↢就衆生↡、浄↢仏国土↡、具タマヘルコト↢諸仏法↡、悉皆同等ナリ。是↢三藐三仏陀↡、名↢多陀阿伽度↡、名↢仏陀↡。

^なん、 もしわれひろくこのさんかば、 なんぢ*劫寿こうじゅをもつてすとも、 つくしてくることあたはじ。 たとひ*三千さんぜん大千だいせんかいのなかにてらんしゅじょうをして、 みななんのごとくもん第一だいいちにして*ねんそうしむとも、 このもろもろのひとも、 こう寿じゅをもつてすともまたくることあたはじ」 と。

阿難、若我広↢此三句↡、汝以テストモ↢劫寿↡不↠能↢尽コト↡。正使 タトヒ 三千大千世界↠中衆生ヲシテ、皆如↢阿難↡多聞第一ニシテタラム↢念総持人等テストモ↢劫之寿↡亦不↠能↠受コト。」

^¬要決ようけつ¼ (西方要決) にいはく、 「¬ゆい¼ にのたまはく、 ªぶつはじめの三号さんごうをば、 ぶつもしひろきたまはば、 なんこうともりょうじゅすることあたはじº と。

¬要決¼云、「¬維¼云、仏三号ヲバ、仏若タマハバ、阿難経↠劫↠能↢領受コト↡。

^¬*じょうじつろん¼ に、 ぶつごうしゃくするに、 *さきごうはみなべつしたがひ、 さきごう*みょうどくそうじて、 ぶつそんとなす。 はじめの三号さんごうかんに、 こうともきわめがたし。 なんりょうするに、 よく*つぶさにしっすることなし。 さらに六号ろくごうくわへて、 もつて仏号ぶつごうせいせりといふ。 *しょうとくすでにまどかなれば、 それをねんずるは大善だいぜんなり」 と。 じょう ¬要決ようけつ¼ (西方要決)。

¬成実論¼釈ルニ↢仏之号↡、前之九号皆従↢別義↢前九号名義功徳↡為↢仏世尊↡。説ムニ↢初三号↡、歴トモ↠劫。阿難領悟ルニ↢能スルコト↡。更↢六号↡、以セリトイフ↢仏↡。勝徳既カナレバ、念ルハ↠其大善也トイヘリ。」已上¬要決¼

^¬ごん¼ のにのたまはく、

¬花厳¼偈

^「もしもろもろのしゅじょうありて、 いまだ*提心だいしんおこさざらんに、

ひとたびもぶつみなくことをば、 けつじょうして*だい*じょうぜん」 と。

「若↢諸衆生↡ラムニ↠発↢菩提心
タビモテハ↠聞コトヲ↢仏決定ムトイヘリ↢菩↡。」

^このねんをなすべし、 「われ、 いますでにぶつ尊号そんごうくことをたり。 ねがはくは、 われまさにぶつりて十方じっぽう諸仏しょぶつのごとくあるべし」 と。

↠作↢是↡、我今既タリ↠聞コトヲ↢仏尊号↡。願クハシト↣作リテ↠仏クアル↢十方諸仏↡。

・相好

 ^さんには相好そうごうどくなり。

ニハ相好功徳ナリ

^¬ろっ波羅ぱらみつきょう¼ (意) にのたまはく、 「もろもろのけんにおいて、 あるところのさん一切いっさいしゅじょう*がくがくにん、 およびびゃくぶつ、 かくのごときじょうりょうへんしょどくを、 如来にょらいの一もうどくくらぶるに、 ひゃくせん万分まんぶんがなかにそのいちにもおよばず。 かくのごとき一々いちいち毛端もうたんは、 みな如来にょらいりょうどくより出生しゅっしょうせるところなり。

¬六波羅蜜経¼云、「於↢諸世間↡所↠有三世一切衆生、学・無学人、及辟支仏、如↠是有情無量無辺所有功徳ルニ↢於如来一毛功徳↡、百千万分不↠及↢其ニモ↡。如↠是一々毛端、皆従↢如来無量功徳↡之所ナリ↢出生セル↡。

^一切いっさい毛端もうたんのあらゆるどくをもつて、 ともにいちほつどくじょうず。 かくのごとくしてぶつみぐし八万はちまんせんなり。 一々いちいちほつのなかに、 おのおのかみのごときどくせり。

一切毛端所有功徳ヲモテ、共↢一功徳↡。如クシテ↠是八万四千ナリ。一々セリ↢如↠上功徳↡。

^かくのごとくごうじゅうして、 ともにいち*随好ずいこうどくじょうず。 一切いっさいこうどくをともにして、 いち*そうどくじょうず。 一切いっさいそうどくごうじゅうしてひゃくせんばいいたりて、 けん毫相ごうそうどくじょうず。

↠是合集↢一随好功徳↡。一功徳ニシテ↢一功徳↡。一功徳合集↢百千倍↡、成↢眉間毫相功徳↡。

^そのそう円満えんまんにして、 宛転えんでんしてみぎめぐれること、 *ていほうのごとし。 明浄みょうじょうせんびゃくにして、 あんのなかに、 なほあきらかなるほしのごとくなり。 毫相ごうそうこれをぶれば、 かみ*色界しきかい*阿迦あか膩にたてんまでにいたる。 これをけば、 もとのごとくしてまた毫相ごうそうとなりて、 けんじゅうす。 毫相ごうそうどくひゃくせんばいいたりて*肉髻にくけいそうじょうず。 かくのごとき肉髻にくけい千倍せんばいどくは、 *梵音ぼんのんじょうそうどくおよばじ」 と。

相円満シテ宛転レルコト、如↢頗胝迦宝↡。明浄鮮白ニシテ夜闇之中猶如クナリ↢明カナル↡。毫相舒ブレバ↠之↢色界阿迦膩天マデニ↡。巻ケバ↠之クシテ↠旧復為リテ毫相↡於眉間毫相功徳至↢百千倍↡成↢肉↡。如↠是肉髻千倍功徳、不イヘリ↠及↢梵音声功徳↡。」

^また ¬ほうしゃくきょう¼ にしゅ*校量きょうりょうあり。 学者がくしゃかんがふべし。

又¬宝積経¼有↢無数挍量↡。学者可↠勘

^また ¬*だいじゅう念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう¼ のだいにのたまはく、 「かくのごときかい、 および十方じっぽうりょうへんのもろもろのかいのなかのあらゆるしゅじょう、 たとひことごとくみないちぶつとなりて、 かのもろもろのそんりょうこうて、 みなかえりてぶつ一毛いちもうどくめたまふとも、 つひにまたつくさじ」 と。

又¬大集念仏三昧経¼第五、「如↠此世界及十方無量無辺世界所有衆生仮使皆一時ナム↠仏世尊経↢无量劫↡皆還メタマフトモ↢仏一毛功徳↡、終亦不↠尽。」

^¬ごん¼ のにのたまはく、

¬花¼偈

^清浄しょうじょう*もん*せつ塵数じんじゅにして、 ともに如来にょらいいちみょうそうしょうず。

一々いちいち諸相しょそう、 しからずといふことなし。 このゆゑにるもの、 *厭足えんそくすることなし」 と。

「清浄慈門刹塵数ニシテ↢如来妙相
一々諸相莫↠不トイフコト↠然者无シト↢厭足コト↡」

^このねんをなすべし、 「ねがはくは、 われまさにぶつへんどくそうたてまつるべし」 と。

↠作↢是↡、願クハ我当シト↠見マツル↢仏无辺功徳↡。

・光明威神

 ^には*こうみょうじんなり。

ニハ光明威神

^いはく、 ¬*びょう等覚どうがくきょう¼ (一) にのたまはく、 「*りょう清浄しょうじょうぶつ りょう清浄しょうじょうぶつは、 これ弥陀みだぶつなり。こうみょうは、 最尊さいそん第一だいいちにしてならびなし。 諸仏しょぶつこうみょう、 みなおよばざるところなり。

¬平等覚経¼云、「无量清浄 无量清浄仏者、是阿弥陀ナリ 光明最尊ニシテ第一ニシテ↠比。諸仏光明皆所↠不↠及也。

^あるぶついただきこうみょうしちしゃくらす。 あるぶついちらす。 あるぶつ*あるぶつじゅうじゅうはちじゅうないひゃくまん仏国ぶっこくひゃくまん仏国ぶっこくなり。 八方はっぽうじょう*央数おうしゅ諸仏しょぶついただきひかりらしたまふところ、 みなかくのごとし。 りょう清浄しょうじょうぶついただきのなかのこうみょうは、 千万せんまん仏国ぶっこく炎照えんしょうす」 と。

光明↢七尺↡。有↢一里↡。有五里、廿里、里、八十里、乃至百万仏国、二百万仏国ナリ。八方上下无央数諸仏所↠照タマフ、皆如↠是也。无量清浄仏光明炎スト↢千万仏国↡。」

^じょうしゅ。 わたくしにいはく、 ¬かんぎょう¼ にのたまはく、 「かのぶつ*円光えんこうひゃくおく*大千だいせんかいのごとし」 と。 この ¬きょう¼ (平等覚経・一) にはのたまはく、 「いただきのなかのひかり千万せんまんぶつくにらす」 と。 きょうこころおなじきのみ。

已上取。私、¬観経¼云、「彼円光シト↢百億大千界↡。」此¬経¼云、「頂光照スト↢千万仏↡。」二経意同

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経)こころ、 これにおなじ。 ¬きょう¼ (同・上) にのたまはく、 「りょう寿じゅぶつじんこうみょうは、 さいしょう第一だいいちにして、 諸仏しょぶつこうみょうおよぶことあたはざるところなり。

¬双巻経¼意同↠之。¬経¼、「无量寿仏威神光明、最勝第一ナリ諸仏光明所ナリ↠不↠能↠及コト

^あるいはぶつひかりの、 ひゃくぶつかいあるいは千仏せんぶつかいらすあり。 ようりてこれをいはば、 すなはち東方とうぼうごうしゃ*仏刹ぶっせつらす。 南西なんざい北方ほっぽう*ゆいじょうもまたかくのごとし。

↣仏↢百仏世界或千仏世界↡。取↠要↠之、乃↢東方恒河沙仏刹↡。南西北方・四維・上下亦復如↠是

^このゆゑにりょう寿じゅぶつを、 りょうこうぶつ辺光へんこうぶつ無礙むげこうぶつ対光たいこうぶつ *玄一げんいちのいはく (無量寿経記)、 ªともにひとしきものなきがゆゑにº と。

無量寿仏↢无量光仏・无辺光仏・无礙光仏・無対光仏 玄一師、无キガ↢与キモノ↡故ニト

^炎王光えんのうこうぶつ 玄一げんいちのいはく (無量寿経記)、 ªさいしょうざいなるがゆゑにº と。

炎王光仏 玄一師、最勝自在ナルガニト

^清浄しょうじょうこうぶつ いち (玄一) のいはく (無量寿経記)、 ªさんめっするがゆゑにº と。 *きょうごうのいはく (*述文賛)、 ªとん善根ぜんごんしょしょうなるがゆゑにº と。

清浄光仏 、滅ルガ↢三垢↡故ニト。憬興師、无貪善根所生ナルガニト

^かんこうぶつ いちのいはく (無量寿経記)、 ªふものえつするがゆゑにº と。 こう (憬興) のいはく (述文賛)、 ªしんしょしょうなるがゆゑにº と。

歓喜光仏 、遇者悦意ルガニト。興、无瞋所生ナルガニト

^智慧ちえこうぶつ いちのいはく (無量寿経記)、 ª智慧ちえ所発しょほつなるがゆゑにº と。 こういはく (述文賛)、 ª無痴むちしょしょうなるがゆゑにº と。

慧光仏 、智所発ナルガニト。興云、无痴所生ナルガニト

^断光だんこうぶつ いちのいはく (無量寿経記)、 ªごう相続そうぞくのゆゑにº と。

不断光仏 、恒相続ニト

^なんこうぶつしょうこうぶつ いちのいはく (無量寿経記)、 ªしょうたんして、 そのしょつくすべからざるがゆゑにº と。 自余じよみょうりぬべし。 わずらはしくせず。

難思光仏・無称光仏 、不ルガ↠可↣称嘆↢其所有↡故ニト。自余名義↠知。不↢煩

^ちょう日月にちがっこうぶつごうす。

超日月光仏↡。

^もしさんごんところにありて、 このこうみょうるに、 またのうなく、 寿いのちおわりてのちにはみなだつこうむる。 ただわれのみ、 いまそのこうみょうしょうするにあらず。 一切いっさい諸仏しょぶつまたかくのごとし。

ルニハ↢三途勤苦之処↡、見ルニ↢此光明↡、無↢復苦悩↡、寿終之後ニハ皆蒙↢解脱↡。非↣但我ノミ今称スルノミ↢其光明↡。一切諸仏亦復如↠是

^もししゅじょうありて、 そのこうみょうじんどくきて、 にち*しょうせつし、 しんいたしてえざれば、 こころ所願しょがんしたがひて、 そのくにしょうずることをん。 われ、 りょう寿じゅぶつ*こうみょうじん*巍々ぎぎとしてしゅみょうなることをかんに、 ちゅうにして一劫いっこうすとも、 なほつくすことあたはじ」 と。

↢衆生↡聞↢其光明威神功徳↡、日夜称説シテ↠心レバ↠断、随↢意所願↡得↠生コトヲ↢其↡。我説↢无量寿仏光明威神巍々トシテ殊妙ナルコトヲ↡、昼夜ニシテ一劫ストモ↠能↠尽コト。」

^じょうしゅ。 ¬びょうどうきょう¼ には、 べっして、 「いただきひかり」 とのたまひ、 ¬かんぎょう¼ には、 そうじて 「こうみょう」 とのたまふ。

已上取意。¬平等経¼別↢「頂」↡、¬観経¼総↢「光明」↡

^¬*譬喩ひゆきょう¼ のだいさんに、 *しゃもんぶつ光相こうそうかしてのたまはく、 「ぶつ (釈尊) めっしたまひて百年ひゃくねん*いくおうあり。 くにのうちの民庶みんしょぶつ遺典ゆいてんしき。 おうの、 こころしんぜずして念言ねんごんすらく、 ªぶつにいかなるとくの、 ひとえたるものありて、 しかもともにしんをもつぱらにしてそのもんじゅじゅうすらんº と。

¬譬喩経¼第三↢釈迦文仏光相↡云、「仏滅タマヒテ百年↢阿育王↡。国民庶歌シキ↢仏遺典↡。王シテ↠信念言スラク、仏↢何コエレバカ於人↡、而ニシテ↠信誦↢習ラムト↡。

^すなはち大臣だいじんはく、 ªくにのうちに、 もしぶつたるものありやº と。 こたへてまうさく、 ªくならく、 *波斯はしのくおういもうと*しゅっして*比丘びくとなれり。 ねん*西垂さいずいにありて、 いひてぶつたりといふº と。

ハク↢大臣↡、国モシヤト↢見タル↠仏者↡。答、聞ナラク、波斯匿王妹出家レリ↢比丘尼↡。年在↢西↡、云フト↠見タリト↠仏

^おうすなはちみづからでて往詣おうげいして、 ひていはく、 ª*道人どうにんぶつたりやいなやº と。 こたへてまうさく、 ªじつにしかりº と。 ひていはく、 ªなんのしゅなることかあるº と。

王即往詣、問、道人見タリヤ↠仏不耶。答、実リト。問、有ルト↢何殊異ナルコトカ↡。

^道人どうにんのいはく、 ªぶつどく巍々ぎぎとしてはかりがたし。 わがせんの、 よくこれをぶるところにあらず。 ほぼいちかば、 殊特しゅどくなることをりぬべし。

道人、仏之功徳巍々トシテ↠量。非↣我↢能↟之。粗説↢一事↡、可↠知↢殊特ナルコトヲ↡。

^われとき八歳はっさいそんきたりておうりたまひき。 すなはちすすみてみあしらいせしに、 こうべうえこがねかんざしらくしてにあり。 これをもとむるにずして、 その所以ゆえんあやしみき。 如来にょらいりたまひしみあしあとに、 *千輻せんぷくりんありて、 こうみょうげんじてかがやき、 七日しちにちありてすなはちめっしにき。 *とうには、 こがねかんざし同色どうしきなりき。 ここをもつてえざりき。 ひかりめっしてのちに、 かんざしき。

我時八歳、世尊来タマヒキ↢王宮↡。即ススミセシニ↠足、頭カムザシ堕落↠地。求ルニ↠之シテ↠得怪↢其所以↡。如来タマヘドモ↢千輻輪↡、現光明カガヤケリキ七日アリテシニキ。登時ニハカムザシ与↠地同色ナリキ。是リキ↠見。光滅カムザシ

^すなはちりき、 殊特しゅどくなることをº と。 おうきてかんして、 しんあきらかにかいしき」 と。

殊特ナリト。王聞歓喜、心アキラカ開悟シキト。」

^¬ごん¼ のにのたまはく、

¬花¼偈

^一々いちいちもう光雲こううんげんじて、 あまねくくうへんして、 大音だいおんおこす。

もろもろの*ゆうみょうところらさざるなし。 ごくしゅことごとくげんぜしむ」 と。

「一々毛孔↢光↢虚空↢大音
幽冥所靡↠不↠照地獄衆苦咸ムト

^このねんをなすべし、 「ねがはくは、 ぶつこうみょう、 われをらして、 しょう*ごうめっしたまへ」 と。

↠作↢是↡、願クハ明照↠我、滅タマヘト↢生死業苦↡。

・無能害者

 ^には*よくがいするものなし。

ニハ↢能者↡。

^¬ほうしゃくきょう¼ のさんじゅうしち (意) にのたまはく、 「*風劫ふうこうおこときには、 大風だいふうあり。 僧伽そうぎゃづく。 かのかぜ、 この三千さんぜんかい*しゅてっ、 および*だいしゅう八万はちまん小洲しょうしゅう大山だいせん大海だいかいぐること、 たかひゃく*ぜんないりょうひゃくせんぜんにして、 すでに砕末さいまつしてじんとなす。 またちて、 *えんてんめつす。 ない*へんじょうてんのあらゆる殿でんまたみな散滅さんめつす。 すなはちこかぜをもつて如来にょらいころもかんに、 いち毛端もうたんきわをも、 なほうごかすことあたはず。 いかにいはんやころもすみおよびまったころもをや」 と。

¬宝積経¼卅七、「風劫起ニハ↢大風↡。名↢僧伽多↡。彼風挙コト↢此三千世界弥・鉄囲、及四大洲、八小洲、大山・大海↡、高百踰繕那、乃至無量百千踰繕那リテシテ↠塵。又撃壊↢滅焔摩天宮↡。乃至遍浄天所有宮殿亦皆散滅。即↢此↡吹ムニ↢如来ミソ毛端、尚不↠能↠動ズルコト。何ミソ角及ミソヲヤトイヘリ者。」

^¬十住じゅうじゅうろん¼ (十住毘婆沙論) にいはく、 「諸仏しょぶつ不可ふか思議しぎなることをば、 仮喩たとえをもつてりぬべし。 たとひ一切いっさい十方じっぽうかいしゅじょうみな勢力せいりきあり、 たとひいちありてそこばくの勢力せいりきあらん。 また十方じっぽう一々いちいちしゅじょうちからをしてあくのごとくあらしめたらんに、 ともにぶつがいせんとおもはんに、 なほぶつ一毛いちもうをすらうごかすことあたはじ。 いはんやがいするものあらんや」 と。

¬十住論¼云、「諸仏不可思議ナルコトヲバ仮喩 タト ヲモテ↠知。仮使一切十方世界衆生皆有↢勢力↡、設↢一魔↡有爾所ソコバク勢力↡。復令↣十方一々衆生ヲシテクアラ↢悪魔ムニ↢共ムト↟仏、尚不↠能↠動コト↢仏一毛ヲスラ↡。況ムヤト↢害者↡。」

^ (十住毘婆娑論) にいはく、

^「もしもろもろのけんのなかに、 ぶつがいすることあらんとおもはば、

このみなじょうぜじ。 せつほうじょうじたまへるをもつてなり」 と。

「若世間↠有ムト↠害コト↠仏
事皆不↠成テナリト↠成タマヘルヲ↢不殺↡」

^このねんをなすべし、 「ねがはくは、 われまさにぶつ金剛こんごう不壊ふえしんべし」 と。

↠作↢是↡、願クハ我当シト↠得↢仏金剛不壊↡。

・飛行自在

 ^ろくにはぎょうざいなり。

ニハ飛行自在ナリ

^同論どうろんにいはく、 「ぶつくうにおいて、 みあしげ、 みあしろし、 行住ぎょうじゅう坐臥ざがしたまふこと、 みなざいたまへり。 だいしょうもんのごときは、 神通じんずうざいにして、 一日いちにちじゅう三億さんおくひゃくじゅう六万ろくまん六千ろくせん三千さんぜん大千だいせんかいぐ。 かくのごときしょうもんひゃくさいぎたるところをば、 ぶつ一念いちねんぎたまふ。

ジキ¬論¼云、「仏↢虚空↡挙↠足↠足、行住坐臥タマフコト、皆得タマヘリ↢自在↡。若大声聞神通自在ナルハ一日ルガ五十三億二百九十六万六千三千大千世界↡。如↠是声聞百歳ヲバ↠過タル、仏一念タマフ

^ないごうのなかのいさごの、 いちいさごいちかわとなして、 このもろもろのごうしゃの、 大劫だいこうぎたるところのこくを、 ぶつ一念いちねんのうちにぎたまふ。 もしたかられんみてらんとほっせば、 すなはちよくじょうべんす。 かくのごとくぎょうすること一切いっさい*無礙むげなり」 と。

乃至恒河ラム↢一恒河沙大劫↠過タル国土、仏一念タマフ。若↧蹈↢宝蓮花↡而去ムト↥、即。如↠是飛行コト一切無礙ナリトイヘリ。」

^¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「くうにおいて、 みあしげてときに、 千輻せんぷくりんそうよりみな八万はちまんせんれんあめふらす。 かくのごときもろもろの*塵数じんじゅぶつましまして、 またくうあゆむ」 と。 以上略抄

¬観仏経¼云、「↢虚空↡挙↠足、千輻輪ヨリ皆雨↢八万四千蓮花↡。如↠是シテ↢塵数仏↡、亦歩ムトイヘリ↢虚空↡。」 已上略抄

^また 「くうみてきたまへども、 しかも千輻せんぷくりん*さいげんず。 *えつみょうこう鉢特はず摩華まけねんじゅつして如来にょらいみあしく。 もしちくしょうしゅ一切いっさいじょう如来にょらいみあしのためにれらるるものは、 しちきわつるまで、 もろもろのらくけ、 命終みょうじゅうのちには、 *善趣ぜんしゅらくかいのなかにおうじょうす」 と。 ¬ほうしゃくきょう¼。

又「蹈↠空タマヘドモ、而輻輪↢於地際↡。悦意妙香鉢特摩花自然踊出↢如来↡。若畜生趣一切有情、為↢如来↡之所ルル↠触、極ツルマデ↢七夜↡受↢諸快楽命終之後ニハ往↢生スト善趣楽世界↡。」¬宝積経¼

^もしじゅうばんじゃくをもつて*しききょうてんよりくだすに、 一万いちまん八千はっせんさんびゃくはちじゅう三年さんねんて、 このいたるべし。 ただちにくだるすらなほしかり。 これをしてりぬべし、 しょうもんぎょう如来にょらいぎょうは、 展転てんでんして不可ふか思議しぎなることを。

↢里盤石↡従↢色究竟天↡下スニ、経↢一万八千三百八十三年↡、到ルベシ↢此↡。直ルスラアリ。推↠之↠知、声聞飛行、如来飛行展転不可思議ナルコトヲ

^¬ごんぎょう¼ のりんさつ讃仏さんぶつにのたまはく、

¬花厳経¼恵林菩薩讃仏

^ざい神通じんずうりきは、 りょうにして*なん思議じぎなり。

らいもなくまたもなくして、 ほうきてしゅじょうしたまふ」 と。

「自在神通無量ニシテ難思議ナリ
↠来亦無クシテ↠去↠法タマフト↢衆生↡」

^このねんをなすべし、 「ねがはくは、 われ神通じんずうて、 諸仏しょぶつ遊戯ゆげせん」 と。

↠作↢是↡、願クハ我得↢神通↡、遊↢戯ムト諸仏↡。

・神通無礙

 ^しちには*神力じんりき無礙むげなり。

ニハ力無礙ナリ

^¬十住じゅうじゅうろん¼ (十住毘婆沙論・意) にいはく、 「ぶつはよくごうしゃとうかいまっして、 *じんのごとくならしめて、 またよくかえりてがっしたまふ。 あるいはまたよくりょうへんそうかいへんじて、 みな金銀こんごんとうとなさしめたまふ。 またよくごうしゃとうかいだい海水かいすいへんじて、 みな*にゅうとうとならしめたまふ」 と。

¬十住論¼云、「仏↢恒河沙等↡、令↠如クナラ↢微塵↡、又能タマフ。或又能↢無量無辺阿僧祇世界↡、皆令タマフ↠作↢金・銀等↡。又能↢恒河沙等世界大海水↡、皆使タマフト↠為↢乳・蘇等↡。

^¬浄名じょうみょうきょう¼ (維摩経・意) に、 さつ*思議しぎだつきてのたまはく、 「三千さんぜん大千だいせんかいりて、 *とうりんのごとくして、 みぎたなごころのなかにけて、 ぐるにごうしゃかいのほかにぐしたまはん。 そのなかのしゅじょうは、 おのがしょじゅうかくせず、 せじ。 またかえりて本処ほんしょくに、 すべてひとをして往来おうらいそうあらしめじ。 しかもこのかいもとそうは、 もとのごとし。

¬浄名経¼↢菩薩不思議解脱↡云、「断↢取三千大千世界↡、如クシテ↢陶家↡、著↢右↡、ナグルニタマハム↢恒河沙世界之外↡。其衆生不↠覚↢不↠知↣己之所住↡。又復還クニ↢本処↡、都不↠使↣人ヲシテ↢往来想↡。而シテ世界モト

^またほうごうしゃとう諸仏しょぶつかいにおいて一仏いちぶつりて、 じょうほうごうしゃしゅかいくること、 *しんちていち*棗葉そうようぐるがごとくするも、 わずらはすことなし。 しゅせんをもつて芥子けしのなかにおさめ、 大海だいかいをもつて一毛いちもうるることまたかくのごとし。 そのなかのしゅじょうは、 かくせず、 せじ。 ただすべきものすなはちこれをけんす」 と。

又於↢下方過恒河沙等諸仏世界↡取↢一仏土↡、挙↢著コト上方過恒河沙无数世界↡、如クスルモ↧持↢針↡挙ルガ↦一棗葉↥而ワヅラハ。以↢須弥山↡納↢芥子↡、以↢四大海↡入ルルコト↢一毛孔↡亦復如↠是。其衆生不↠覚不↠知。唯↠度者乃知↢見スト↡。」

^さつなほしかり、 いかにいはんや仏力ぶつりきをや。 ゆゑに ¬*諸仏しょぶつきょうがいきょう¼ にのたまはく、 「よく十方じっぽうかいをして一毛いちもうれしめ、 いちじんにおいてよくりょうしゅ不可ふかせつかいげんずるに、 一切いっさいしゅじょうまた*迫迮はくさくなし。 りょうしゅ不可ふかせつこう威儀いぎほうを、 よく一念いちねんのうちにおいてげんじ、 一念いちねん威儀いぎほうを、 りょうしゅ不可ふかせつこうのうちにおいてげんず。 かくのごときしょは、 しん*ゆうなく、 ゆいをなさず」 と。

菩薩尚爾、何仏力ヲヤ。故¬度諸仏境界経¼云、「能テム↣十方世界シテ↢一毛孔 ↢一微塵↡能ルニ↢無量無数不可説世界↡、一切衆生亦無↢迫迮↡。无量无数不可説劫威儀果報↢一念↡現一念威儀果報↢無量無数不可説劫↡現。如↠是↢功用↡↠作↢思↡。」

^¬ごんぎょう¼ の真実しんじつどうさつにのたまはく、

¬花厳経¼真実幢菩薩

^一切いっさいのもろもろの如来にょらいは、 神通じんずうりきざいなり。

ことごとくさんのなかにおいて、 これをもとむるに不可ふかとくなり」 と。

「一切如来神通力自在ナリ
↢三世ルニ↠之不可得ナリト

^このねんをなすべし、 「われいままたらず、 ぶつ神力じんりきのためにてんぜられて、 いづれのぶつにかあり、 たれのもうにかあるといふことを。 われいづれのときにか、 これをかくすることをん」 と。

↠作↢是↡、我今亦不↠知、為↢仏神力↡転ラレテ、在↢何レノ仏土↡、在ラムトイフコトヲ↢誰毛孔↡。我何レノニカ、得ムト↣覚↢知コトヲ↡。

・随類化現

 ^はちには*随類ずいるいげんなり。

ニハ随類化現ナリ

^¬十住じゅうじゅうろん¼ (十住毘婆沙論・意) にいふがごとし。 「ぶつ一念いちねんのうちに、 十方じっぽうりょうへんごうしゃとうかいにおいて、 りょう仏身ぶっしんへんしたまふ。 一々いちいちぶつまたよく種々しゅじゅぶつほどこす」 と。 じょう**神境通じんきょうつうなり。

¬十住論¼云フガ。「仏一念、於↢十方无量无辺恒河沙等世界↡、変↢化タマフ無量仏身↡。一々化仏亦能スト↢種々仏事↡。」已上四事神境通

^¬諸仏しょぶつきょうがいきょう¼ にのたまはく、 「如来にょらい所現しょげんゆうなく、 ゆいなし。 しゅじょうしょうしたがひて、 おのづからることどうなり。 じゅうにちよるえんだいひとは、 おのおのつきげんじて、 そのうえにありとるが、 つき*作意さいして、 われそうえげんぜんとせざるがごとし」 と。

¬度諸仏境界経¼云、「如来所現↢異功用↡、無↢異思惟↡。随↢衆生↡自コト不同ナリ。如シト↫十五日夜、閻浮提ルガ↣月リト↢其↡、月ルガ↪作意我現ムトセ↩其↨。」

^¬ごん¼ のにのたまはく、

¬花厳¼偈

^如来にょらい広大こうだいしんは、 *法界ほうかいきょうしたまへり。

このはなれずして、 一切いっさいところへんしたまふ」 と。

「如来広大究↢竟タマヘリ於法界
シテ↠離↢於此而遍タマフト↢一切↡」

^またのたまはく (華厳経)

又云

^智慧ちえ甚深じんじんどくかい、 あまねく十方じっぽうりょうくにげんじたまふ。

もろもろのしゅじょうるべきところにしたがひて、 こうみょうあまねくらして*法輪ほうりんてんじたまふ」 と。

「智慧甚深功徳海タマフ↢十方无量
↢諸衆生↟応↠見光明遍タマフト↢法輪↡」

^このねんをなすべし、 「ねがはくは、 われまさに*へん法界ほうかいしんたてまつるべし」 と。

↠作↢是↡、願クハ我当シト↠見マツル↢遍法界↡。

・天眼明徹

 ^には*天眼てんげんみょうてつなり。

ニハ天眼明徹ナリ

^¬十住じゅうじゅうろん¼ (十住毘婆沙論) にいはく、 「大力だいりきしょうもん天眼てんげんをもつて*しょうせんこく、 またなかのしゅじょうしょう死時しじる。 しょうりきびゃくぶつじゅうしょうせんこく、 なかのしゅじょうしょう死時しじる。 ちゅうりきびゃくぶつひゃくしょうせんこく、 なかのしゅじょうしょう死時しじる。 大力だいりきびゃくぶつ三千さんぜん大千だいせんこく、 なかのしゅじょうしょう所趣しょしゅる。 諸仏しょぶつそんりょうへん不可ふか思議しぎけんそなはし、 またこのなかのしゅじょうしょう死時しじそなはす」 と。

¬十住論¼云、「大力声聞↢天眼↡見↢小千国土↡、亦見↢中衆生生時・死時↡。小力辟支仏見↢十小千国土↡、見↢中衆生生時・死時↡。中力辟支仏見↢百小千国土↡、見↢中衆生生時・死時↡。大力辟支仏見↢三千大千国土↡、見↢中衆生所趣↡。諸仏世尊ソナハシ↢无量无辺不可思議世間↡、亦見ソナハスト↢是衆生生時・死時↡。」

^¬ごんぎょう¼ のにのたまはく、

¬花厳経¼偈

^仏眼ぶつげん広大こうだいにして辺際へんざいなし。 あまねく十方じっぽうのもろもろのこくたまふ。

そのなかのしゅじょう不可ふかりょうなり。 だい神通じんずうげんじてことごとく*調伏じょうぶくしたまふ」 と。

「仏眼広大ニシテ↢辺際↡タマフ↢十方国土
衆生不可量ナリ↢大神通↡悉調伏タマフト

^このねんをなすべし、 「いま弥陀みだ如来にょらいは、 はるかにわが身業しんごうそなはすらん」 と。

↠作↢是↡、今弥陀如来ソナハスラムト↢我身業↡。

・聞声自在

 ^じゅうには*もんしょうざいなり。

ニハ聞声自在ナリ

^¬十住じゅうじゅうろん¼ (十住毘婆沙論) にいはく、 「たとひ、 ごうしゃとう三千さんぜん大千だいせんかいしゅじょういち発言はつごんし、 またいちひゃくせんじゅ*がくつくらん。 もしはとおきも、 もしはちかきも、 こころしたがひてよくきたまふ。 もしなかにおいて、 いちおんじょうかんとほっせば、 こころしたがひてくことををばかず。 またへんかいぎたるに、 最細さいさいこえをも、 みなまたくことをたまふ。 もししゅじょうをしてかしめんとほっせば、 よくくことをしめたまふ」 と。

¬十住論¼云、「仮令恒河沙等三千大千世界衆生一時発言セム又一時ラム↢百千種伎楽↡。若、随↠意タマフ。若セバ↣於↠中ムト↢一音声↡、随↠意得↠聞コトヲ、余ヲバ者不↠聞。又過ギタル↢無辺世界↡最細皆亦得タマフ↠聞コトヲ。若↠令ムト↢衆生ヲシテ↡、能タマフト↠得↠聞コトヲ。」

^¬ごんぎょう¼ の文殊もんじゅにのたまはく、

¬花厳¼文殊

^一切いっさいけんのなかのあらゆるもろもろのおんじょうを、

ぶっはみなしたがひてさとりたまふも、 また分別ふんべつあることなし」 と。

「一切世間所有音声
仏智皆随サトリタマフ亦無シト↠有コト↢分別↡」

^このねんをなすべし、 「いま弥陀みだ如来にょらいは、 さだめてわがしょごうきたまふらん」 と。

↠作↢是↡、今弥陀如来タマフラムト↢我所有語業↡。

・知他心智

 ^じゅういちには*しんなり。

十一ニハ他心ナリ

^¬十住じゅうじゅうろん¼ (十住毘婆沙論) にいはく、 「ぶつは、 よくりょうへんかい現在げんざいしゅじょうしん、 およびもろもろのぜんじょう所縁しょえんとうりたまひ、 またよく*しきしゅじょうのもろもろのしんりたまふ」 と。

¬十住論¼云、「仏タマ↢无量无辺世界現在衆生心、及染浄所縁等又能タマフト↢无色衆生↡。」

^¬ごんぎょう¼ の文殊もんじゅにのたまはく、

¬花厳¼文殊

^一切いっさいしゅじょうしん、 あまねくさんにあるを、

如来にょらい一念いちねんにおいて、 一切いっさいことごとくあきらかにたっしたまふ」 と。

「一切衆生ルヲ↢於三世
如来↢一念一切悉タマフト

^このねんをなすべし、 「いま弥陀みだ如来にょらいは、 かならずわがごうりたまふらん」 と。

↢是↡、今弥陀如来タマフラムト↢我意業↡。

・宿住随念智

 ^じゅうには*宿住しゅくじゅう随念ずいねんなり。

十二ニハ宿住随念智ナリ

^¬十住じゅうじゅうろん¼ (十住毘婆娑論) にいはく、 「ぶつもししんおよび一切いっさいしゅじょうりょうへん宿命しゅくみょう一切いっさいねんぜんとほっせば、 みなことごとくりて、 ごうしゃとうこうらずといふことあることなし。 このひとはいづれのところしょうぜりき、 姓名しょうみょうせん飲食おんじき*しょうらくしょごう所受しょじゅほうしんにはなんのしょぎょうある、 もとはいづこよりきたるといふこと、 かくのごときをすなはちよくけんしたまふ」 と。

¬十住論¼云、「仏若↠念ムト↢自身及一切衆生无量無辺宿命一切↡、皆悉、无↠有コト↠不トイフコト↠知↢過恒河沙等↡。是レノゼリキ姓名・貴賎・飲食・資生・苦楽、所作事業、所受果報、心ニハ所行アル、本イヅコレリトイフコト、如↠是知見タマフト。」

^ (十住毘婆沙論) にいはく、

¬偈¼云

^*宿命しゅくみょうりょうなり。 天眼てんげんけんへんなり。

一切いっさい人天にんでんのなかには、 よくそのかぎりをることなし」 と。

「宿命智無量ナリ天眼見无辺ナリ
一切人天ニハシト↣能コト↢其リヲ↡」

^ねんずべし、 「ねがはくはぶつ、 わが宿しゅくごうをして清浄しょうじょうならしめたまへ」 と。

↠念、願クハ仏、令タマヘ↢我宿業ヲシテ清浄ナラ↡。

・智慧無礙

 ^じゅうさんには*智慧ちえ無礙むげなり。

十三ニハ慧無礙ナリ

^¬ほうしゃくきょう¼ のさんじゅうしちにのたまはく、 「たとひひとありて、 ごうしゃとうかいのあらゆる一切いっさい草木そうもくり、 ことごとくきてすみとなし、 げてほうごうしゃとうかい大海だいかいき、 ひゃく千歳せんざいにして、 つきてもつてこれをりてことごとくすみしるとなしてん。 ぶつ大海だいかいのなかより一々いちいちすみしただりをりて、 分別ふんべつりょうしたまふ。 これはそのかいのかくのごとき草木そうもくの、 その、 そのくき、 そのおおえだ、 そのこえだ葉等ようとうとなりと。

¬宝積経¼卅七、「仮使↠人取↢恒河沙等世界所有一切草木↡、悉↠墨ナゲ↢他方恒河沙等世界大海↡、於↢百千歳↡、就↠之シテム↡。仏従↢大海中↡取↢一々↡分別了知タマフ。是世界↠是草木根、茎、オホエダ条・花・菓・葉等トナリト↡。

^またもしひとありて、 いち毛端もうたんちてみず一滴いってきうるおして、 ぶつみもとらいして、 このごんをなさく、 ªあへて滴水てきすいをもつて、 もつてあひす。 のちにもしもちゐば、 まさにわれにかえたまふべしº と。 そのときに、 如来にょらいその滴水てきすいりて、 *ごうかわのなかにきたまはんに、 かのかわろう*ぶくのために旋転せんでんせられて、 ごういんちゅうして大海だいかいいたりなん。

モシ↠人持↢一毛端↡霑↢水一滴↡、来↢至↡而シテ↢是↡、敢↢滴水↡、持用 モテ 。後ヰバ者、当シト↢還↟我。爾如来取↢其滴水↡、置タマハム↢兢シテ↢彼浪廻之所レテ↢旋転↡、和合引注リナム↢于大海↡。

^このひとひゃくねんてをはりて、 ぶつにまうしてまうさく、 ªさきせたてまつりし滴水てきすいを、 いまふ、 われにかえしたまへº と。 そのときに、 ぶつ一分いちぶん毛端もうたんをもつて、 大海だいかいのうちにけて、 もと水滴すいてきうるおして、 もつてこのひとかえしたまはん」 と。

人満↢百年↡已而白↠仏、先マツリシ滴水今請、還タマヘト↠我。爾仏以↢一分毛端↡就↢大海↡、霑↢本水滴↡、用タマハムト↢是↡。」

^また *¬ろっ波羅ぱらみつきょう¼ にのたまはく、 「りょうごうしゃ十方じっぽうかい草木そうもくを、 ことごとくきて墨灰すみはいとなして、 億載おくさいうみん。 じゅうりきじんみょうにしてしただりをりて、 *がんしょうしめして、 じつのごとく分別ふんべつして、 これ、 それのさかい樹等じゅとうなりとらしめたまへり」 と。

又¬六波羅蜜経¼云、「无量兢河沙十方界草木↢墨灰↡、億載歴↢于海↡。十力智深妙ニシテ↠滴、示↢含生↡、如↠実分別、知シメタマヘリト↢此某樹等ナリト↡。」

^またのたまはく (六波羅蜜経・意)、 「かくのごとき*しゅうおよびもろもろの山王せんのうをもつて紙素しそとなし、 はち大海だいかいみず、 もつてそのすみとなし、 一切いっさい草木そうもくをもつてそのふでとなして、 一切いっさい人天にんでん一劫いっこう書写しょしゃせらんを、 しゃほつ所得しょとく智慧ちえくらぶれば、 じゅうろくぶんがなかにそのいちにもおよばず。

、「如↠是洲及山王↢紙素↡、八大海コレヲモテ↢其↡、一切草木↢其↡、一切人天一劫書写セラムヲブレバ↢舎利弗所得↡、十六分不↠及↢其ニモ↡。

^またこの三千さんぜん大千だいせんかいにおいて、 そのなかのしゅじょうしょ智慧ちえをして、 しゃほつのごとく、 ひとしくしてことなることあることなからしめんに、 さつ*布施ふせ波羅はらみっりょうだつせるしょ智慧ちえは、 かれにぎたることひゃくばいなり。

又於↢此三千大千世界↡、其衆生所有ヲシテ、如シテ↢舎利弗↡、等クシテ↠有コト↠異ナルコト菩薩了↢達セル布施波羅蜜多↡所有、過タルコト↠彼百倍。

^またこの三千さんぜん大千だいせんかいのあらゆるしゅじょうをして、 みな布施ふせ波羅はらみっ智慧ちえせしめんに、 いちさつ所得しょとく*じょうかい波羅はらみっ智慧ちえおよばず。 ない般若はんにゃもまたかくのごとし。

又此三千大千世界所有衆生ヲシテ、皆具ラムハ↢布施波羅蜜多↡、不↠及↢一菩薩所得浄戒波羅蜜多↡。乃至般若亦復如↠是

^またこの三千さんぜん大千だいせんかいのあらゆるしゅじょうをして、 みなろっ波羅ぱらみつ智慧ちえせしめんに、 いちしょさつ智慧ちえおよばず。 ないじゅうまで*展転てんでんして、 かくのごとし。 またこのじゅうさつ智慧ちえは、 なんぢ慈氏じし (弥勒)いっしょうしょさつ智慧ちえくらぶるに、 ひゃくせんぶんがなかにそのいちにもおよばず。

又此三千大千世界所有衆生ヲシテ、皆具ラムハ↢六波羅蜜↡、不↠及↢一初地菩薩ニハ↡。乃至十地マデ展転↠是。又此十地菩薩智恵、比ブルニ↢汝慈氏、一生補処菩薩↡、百千分不↠及↢其ニモ↡。

^この三千さんぜん大千だいせんかい一切いっさいしゅじょうしょ智慧ちえをして、 みな慈氏じしのごとく、 ひとしくしてことなることあることなからしめんに、 かくのごときさつ道場どうじょうして*おん*降伏ごうぶくして、 まさにしょうがくじょうぜんとするしょ智慧ちえは、 ぶつ智慧ちえひゃくせん万分まんぶんにおいてそのいちにもおよばず」 と。

三千大千世界一切衆生所有ヲシテ皆如シテ↢慈氏↡、等クシテ↠有コト↠異ナルコト↠是菩薩坐↢於道場↡降↢伏魔怨↡、将ルニ↠成ムト↢正覚↡、所有、於↢仏百千万分↡不↠及↢其ニモ↡。」

^¬ほうしゃくきょう¼ にのたまはく、 「たとひ、 十方じっぽうりょうへん一切いっさいかいのあらゆるしゅじょうをして、 みなことごとく*ぞくいっしょうさつ智慧ちえじょうじゅせしめんに、 如来にょらいじゅうりきいち*しょしょせんとおもはんに、 ひゃくせん万分まんぶんのそのいちにもおよばず。 *烏波尼うはにしゃぶんのそのいちにもおよばず。 ない*算数さんじゅ譬喩ひゆおよぶことあたはざるところなり」 と。

¬宝積経¼云、「仮使十方無量無辺一切世界所有衆生ヲシテ、皆悉成↢ラム繋属一菩薩之智ムニ↠比ムト↢如来十力之一処非所智百千万分、不↠及ニモ↡。 烏波尼沙陀分ニシテ不↠及↢其ニモ↡。乃至算数・譬喩ナリトイヘリ↠不↠能コト。」

^¬ごんぎょう¼ のにのたまはく、

¬花厳経¼偈

^如来にょらい甚深じんじんは、 あまねく法界ほうかいりたまふ。

よくさんしたがひててんじて、 のためにみょうどうとなりたまふ」 と。

「如来甚深タマフ↢於法界
↢三世↡転↠世タマフト↢明道↡」

^どうきょうみょうさつ讃仏さんぶつにのたまはく、

ジキ¬経¼普明智菩薩讃仏

^一切いっさい諸法しょほうのなかには、 法門ほうもんへんあることなし。

*一切いっさいじょうじゅして、 じん法海ほうかいる」 と。

「一切諸法ニハ法門↠有コト↠辺
成↢就一切智ルト↢於深法海↡」

^このねんをなすべし、 「弥陀みだ如来にょらいはわが三業さんごうしょうけんしたまふらん。 ねがはくは、 そんのごとくげん第一だいいちじょうなることをん」 と。

↠作↢是↡、弥陀如来照↢見タマ三業↡。願クハムト↧如↢世尊↡恵眼第一ナルコトヲ↥。

・能調伏心

 ^じゅうには*のう調じょうぶくしんなり。

十四ニハ能調伏心ナリ

^¬十住じゅうじゅうろん¼ (十住毘婆沙論) にいはく、 「諸仏しょぶつは、 もしはじょうり、 もしはじょうりたまはずして、 しん*一縁いちえんのなかにけんとおぼせば、 こころごんしたがひてこころのごとくよくじゅうしたまふ。 このえんのなかよりさらにえんじゅうしたまふに、 こころしたがひてよくじゅうしたまふ。

¬十住論¼云、「諸仏↠定、若ルニ↠入タマハ↠定、欲↠繋ムト↢心一縁↡、随↢意久近↡如↠意タマフ。従↢此中↡更タマフニ↢余↡、随↠意タマフ

^もしぶつ常心じょうしんじゅうしたまへるに、 ひとをしてらざらしめんとおぼせば、 すなはちることあたはず。 たとひ一切いっさいしゅじょうの、 しんをして*だい梵王ぼんのうのごとくならしめ、 だいしょうもんびゃくぶつのごとく、 智慧ちえじょうじゅしてにんしんらんとも、 ぶつ常心じょうしんらんとおもはんに、 もしぶつゆるしたまはずは、 すなはちることあたはじ」 と。

仏住↢常心↡、欲↠令ムト↢人ヲシテ↟知、則不↠能↠知コト。仮使一切衆生↢他心↡智ヲシテ、如ナラシメ↢大梵王↡如シテ↢大声聞・辟支仏↡、成↢就↡知ラムトモ↢他人↡、欲ハムムト↢仏常心↡、若仏不ユルシタマハ、則イヘリ↠能↠知コト。」

^ねんずべし、 「ねがはくは、 われをして*仏覚ぶっかく三昧ざんまいしめたまへ」 と。

↠念、願クハタマヘト↣我ヲシテ得↢仏覚三昧↡。

・常在安慧

 ^じゅうには*じょうざいあんなり。

十五ニハ常在安ナリ

^同論どうろんにいはく、 「諸仏しょぶつ安穏あんのんにして、 つねにおもいうごかしたまはざれども、 つねにしんにあり。 なにをもつてのゆゑに。 *さきりてのちぎょうしょうじ、 こころ所縁しょえんのなかにしたがひて無礙むげぎょうじゅうするがゆゑに。 一切いっさい煩悩ぼんのうだんずるがゆゑに。 *どうしょうしゅっせるがゆゑに。

ジキ¬論¼云、「諸仏ニシテシテ↠動↠心。何。先シテ行生↢意所縁↡住ルガ↢无礙↡故ルガ↢一切煩悩↡故。出↢過ルガ動性↡故

^ぶつなんげたまふがごとし。 ªぶつは、 このにおいて*のくだいて、 一切いっさいけんの、 もしはてんぼん沙門しゃもん婆羅ばらもんを、 じんどうをもつてきょうすることあまねくへて*無余むよはんりたまふ。 そのちゅうげんにおいて、 ぶつ*諸受しょじゅにおいて*り、 *じゅうり、 しょうり、 めつろしめす。 *諸想しょそう諸触しょそく諸覚しょかく諸念しょねんにおいてまたり、 じゅうり、 しょうり、 めつろしめす。 あく七年しちねんちゅうまずして、 つねにぶつ*随逐ずいちくするに、 ぶつ*たんず、 ぶつねんあんにあらざるをずº」 と。

↣仏告タマフガ↢阿難↡。仏↢此夜↡得↢阿耨菩提↡、一切世間天・魔・梵・沙門・婆羅門、以↢尽苦↡教化コトヘテタマフ↢无余涅槃↡。於↢其中間↡、仏↢諸↡知↠起↠住、知↠生、知メス↠滅。諸想・諸触・諸覚・諸念ヲモ亦知↠起↠住、知↠生、知メス↠滅。悪魔七年昼夜シテ↠息、常随↢ルニ↡、不↠得↢仏↡、不↠見↢仏ルヲ↟在↢安↡。」

^ (十住毘婆沙論) にいはく、

¬偈¼云

^「そのねん大海だいかいのごとくして、 *湛然たんねんとして安穏あんのんにまします。

けんにはほうとして、 よく擾乱にょうらんするものあることなし」 と。

「其念如クシテ↢大海湛然トシテ↢安
世間シト↠有コト↢法トシテ而能擾乱者↡」

^ねんずべし、 「ねがはくはぶつ、 わが*どうなる覚観かくかんしん除滅じょめつしたまへ」 と。

↠念、願クハ仏、除↢滅タマヘト麁動ナル覚観↡。

・悲念衆生

 ^じゅうろくにはねんしゅじょうなり。

十六ニハシタマフ衆生

^¬*だい般若はんにゃきょう¼ にのたまはく、 「十方じっぽうかいには、 いちじょうとして、 如来にょらいだいらすことあたはざるところなるはなし」 と。

¬大般若経¼云、「十方世界ニハ、無シト↢一有情トシテ如来大悲ナルハ↟不↠能↠照コト。」

^¬ほうしゃくきょう¼ にのたまはく、 「たとひ、 ごうしゃとう諸仏しょぶつかいぎて、 ただいちしゅじょうも、 このぶつすべきかぎりなるには、 そのとき如来にょらいみづからそのところて、 ために*法要ほうようきて、 それをしてにゅうせしめたまふ」 と。

¬宝積経¼云、「仮使タル↢於兢伽沙等諸仏世界、唯衆生スベキナルニハ、爾如来ミヅカ↢其↡、為↢法要↡、令タマフト↢其ヲシテ↡。」

^どうきょうにのたまはく、

ジキ¬経¼偈

^いちしゅじょうせんがために、 へん劫海こうかいじゅうして、

それをして*調じょうぶくすることをしめたまふ。 だいしんかくのごとし」 と。

「為↠利ムガ↢一衆生↢无辺劫海
タマフ↣其ヲシテ得↢調伏コトヲ大悲心如シト↠是

^¬ごんぎょう¼ の文殊もんじゅ讃仏さんぶつにのたまはく、

¬花厳経¼文殊讃仏

^一々いちいちごくのなかに、 りょうこうて、

しゅじょうせんがためのゆゑに、 よくこのしのびたまふ」 と。

「一々地獄↢於无量劫
↠度ムガ↢衆生↡故シテタマフト↢是↡」

^¬だいきょう¼ (涅槃経)にのたまはく、

¬大経¼偈

^一切いっさいしゅじょうの、 くるは、 ことごとくこれ如来にょらい一人いちにんなり。

しゅじょうぶつのよくすくひたまふことをらず。 ゆゑに如来にょらいおよびほうそうほうず」 と。

「一切衆生ルハ↢異是如来一人ナリ
衆生不↠知↢仏タマフコトヲズト↢如来及法僧↡」

^¬大論だいろん¼ (大智度論) にいはく、 「ぶつ仏眼ぶつげんをもつて、 一日いちにちいち、 おのおのさん一切いっさいしゅじょうかんじたまふ、 たれかすべきものあらんと。 ときしっせしむることなし」 と。

¬大論¼云、「仏↢仏眼↡一日一夜各三時ジタマフ↢一切衆生↡、誰↠度アラン。无シト↠令コト↠失。」

^ある ¬ろん¼ (大智度論・意) にいはく、 「たとへば、 うおははもしねんぜざれば、 すなはち*らんしぬるがごとく、 しゅじょうもまたしかなり。 ぶつもしねんじたまはずは、 善根ぜんごんすなはちしなん」 と。

¬論¼云、「譬↢魚母若レバ↠念、子則爛壊シヌルガ衆生亦爾ナリ。仏若↠念タマハ、善根ナムト。」

^¬*しょうごんろん¼ のにのたまはく、

¬荘厳論¼偈

^さつしゅじょうねんじて、 これをあいすること骨髄こつずいとおり、

*ごうやくせんとおもふ。 なほいっのごときがゆゑに」 と。

「菩薩↢衆生コト↠之↢骨髄
恒時コト↢利益ムト猶如キガ↢一子↡故ニト

^これらのによりて、 ある*さんにいはく、

↢此等↡、有懴悔

^父母ぶもあり。 はじめてうまれてすなはち*盲聾もうろうなり。

慈悲じひしん*おんじゅうにして、 てずして養活ようかつす。

^父母ぶもざれども、 父母ぶもはつねにんがごとき、

諸仏しょぶつしゅじょうそなはすこと、 なほ*羅睺羅らごらのごとし。

^しゅじょうたてまつらずといへども、 じつ諸仏しょぶつみまえにあり」 と。

「如↧父母↠子便盲聾ナリ
心慇重ニシテシテ↠捨而養活
ドモ↠見↢父母父母ムガ↞子
諸仏ソナハスコト↢衆生猶如↢羅睺羅
衆生↠不↠見マツラリト↢諸仏↡」

^このねんをなすべし、 「弥陀みだ如来にょらいはつねにわがらし、 わが善根ぜんごん*ねんし、 わがえん観察かんざつしたまふ。 われもしえんじゅくせば、 ときうしなはずして*しょうこうむりなん」 と。

↠作↢是↡、弥陀如来↢我↡、護↢念善根↡、観↢察タマフ機縁↡。我若機縁熟セバ、不シテ↠失↠時ナムト↠接

・無礙弁舌

 ^じゅうしちには*無礙むげ弁説べんぜつなり。

ニハ無礙弁説ナリ

^¬十住じゅうじゅうろん¼ (十住毘婆沙論) にいふがごとし。 「もしさん千界ぜんかいのあらゆるてんのなかにてらん*塵数じんじゅ*三千さんぜん大千だいせんかいしゅじょう、 みなしゃほつのごとき、 びゃくぶつのごとき、 みなことごとく智慧ちえ*ぎょうせつじょうじゅし、 寿じゅみょうかみのごとき塵数じんじゅ大劫だいこうならんに、 このもろもろのひと*念処ねんじょせて、 その*ぎょう寿じゅつくすまで如来にょらい問難もんなんせば、 如来にょらいかえりて念処ねんじょをもつてその所問しょもんこたへたまはんに、 ごんかさならず、 ぎょうせつ*ぐうならん」 と。

¬十住論¼云フガ。「若三千界所有四天下ラム↠中微塵数三千大千界衆生、皆如↢舎利弗↡、如↢辟支仏↡、皆悉成↢慧・楽説↡、寿命↢上塵数大劫ナラム人等、因セテ↢四念処↡尽マデ↢其形寿↡問↢難如来如来還↢四念処↡答タマハムニ↢其所問↡、言義不↠重ナラ、楽説無窮ナラムト。」

^またいはく (十住毘婆沙論)、 「ぶつきたまふところあるは、 みなやくありてつひに空言くうごんならず。 これまた*希有けうなり。 もし一切いっさいしゅじょう智慧ちえ勢力せいりきびゃくぶつのごとくならんに、 このもろもろのしゅじょう、 もしぶつけずして一人いちにんせんとおぼせば、 このことわりあることなからん。 もしこのもろもろのひとときには、 ない色界しきかい*けっ使いち*ごうぶんをもつことあたはず。

又云、「仏ルハ↢所↠説タマフ↡、皆有↢利益↡終不↢空言ナラ↡。是亦希有ナリ一切衆生力如ラム↢辟支仏衆生若シテ↠承↢仏意↡欲↠度ムト↢一人↡、無↠有コト↢是コトワリ↡。若人説ニハ、乃至不↠能↠断コト↢無色界結使ヲモ↡。

^もしぶつしゅじょうせんとおぼして、 言説ごんせつしたまふところあれば、 ないどう邪見じゃけん、 もろもろのりゅうしゃとう、 およびぶつせざるものにも、 みなことごとくさとらしめたまふ。 これらもまたよくりょうしゅじょうてんす。 このゆゑに、 ぶつさいじょうどうづけたてまつる」 と。

仏欲↠度ムト↢衆生↡、有↠所↢言説タマフ↡、乃至外道・邪見、諸竜・夜叉等及↠解↢仏↡者ニモ、皆悉タマフサト。是等亦能転↢化無量衆生↡。、仏マツルト↢最上導師↡。」

^ (十住毘婆娑論) にいはく、

¬偈¼

^*問答もんどうのなかにおいて、 超絶ちょうぜつして*倫匹りんぴつなし。

しゅじょうのもろもろの問難もんなんは、 一切いっさいみなやすし。

^もしさんのうちにおいて、 もろもろの所説しょせつあるは、

ごんかならずむなしくもうけたるにあらず、 つねにだいほうあり」 と。

「於↢四超絶↢倫匹↡
衆生問難一切皆易↠得
↢三時↢所説↡者
言必↢虚ケタルニリト↢大果報↡」

^¬ごん¼ のにのたまはく、

¬花¼偈

^諸仏しょぶつ広大こうだいみこえは、 法界ほうかいきこえずといふことなし。

さつはよくりょうして、 よくおんじょうかいる」 と。

「諸仏広大法界↠不トイフコト
菩薩了知ルト↢音声海↡」

^¬浄名じょうみょうきょう¼ (維摩経)にのたまはく、

¬浄名経¼偈

^ぶつ*一音いっとんをもつてほう演説えんぜつしたまふに、 しゅじょうるいしたがひておのおの

みなおもへり、 そんはそのおなじくしたまふと。 これすなはち*神力じんりき不共ふぐほうなり」 と。

「仏↢一音↡演↢説タマフニ衆生↠類得↠解
皆謂世尊↢其神力不共ナリト

^また *¬譬喩ひゆきょう¼ のだいさんにのたまはく、 「いくおうこころぶつしんぜず。 とき海辺かいへんとりあり、 づけて随ようずいとなす。 そのこえはなはだあいにして、 すこぶる髣髴ほうふつとして、 ぶつおんじょう万分まんぶんいちたることあり。 おう、 そのこえきてかんして、 すなはち*じょうどうこころおこせり。 ちゅう*婇女さいにょおほよそ七千しちせんにんも、 またじょうどうこころおこしてき。 おうはこれよりつひに*三尊さんぞんしんぜり。 とりおんじょうにして、 するところかくのごとし。 いはんや、 しん清浄しょうじょうみょうおんのものにおいてをや」 と。 取意略抄

又¬譬喩経¼第三、「阿育王意不↠信↠仏。時海辺↠鳥、名↢随↡。其音甚哀和ニシテ、頗髣髴オボツカナクタルコト↢仏音声万分↡。王聞↢其↡歓喜、即セリ↢无上道↡。宮中婇女凡七千、復発テキ↢无上道↡。王↠是遂ゼリ三尊↡。鳥之音声ニシテ所↠度スル↠是。況テヲ↢至真清浄妙音↡乎。」取意略抄

^ねんずべし、 「われいづれのときにか、 かの弁説べんぜつくことをん」 と。

↠念、我何レノニカムト↠聞コトヲ↢彼弁説↡。

・観仏法身

 ^じゅうはちには観仏かんぶつ法身ほっしんなり。

十八ニハ仏法身

^文殊もんじゅ師利しりさつのいへるがごとし。 「われ、 如来にょらいかんずるに、 すなはち*真如しんにょそうなり。 どうなくなし。 分別ふんべつするところなく分別ふんべつことなることもなし。 *方処ほうしょそくせず方処ほうしょせず。 にあらずにあらず、 じょうにあらずだんにあらず。 さんそくせずさんせず。 しょうなくめつなく、 なくらいなく、 ぜんぜんもなく、 不二ふにもなし。 *心言しんごんみちえたり。

↢文殊師利菩薩ルガ↡。「我観ズルニ↢如来↡、即真如ナリ。無↠動無↠作。無↠所↢分別↡無↠異コトモ↢分別↡。非↠即↢方処↡非↠離↢方処↡。非↠有↠無、非↠常↠断非↠即↢三世↡非↠離↢三世↡。無↠生無↠滅、無↠去無↠来、無↢染・不染↡、无↢二・不二心言路絶エタリ

^もしこれらの真如しんにょそうをもつて如来にょらいかんずるを、 しんぶつたてまつるとづく。 または如来にょらい*らいきょうし、 親近しんごんすとづく。 じつじょうにおいてよくやくをなす」 と。 ¬だい般若はんにゃ¼。

↢此等真如之相↡観ズルヲ↢於如来↡、名↢真マツルト↟仏。亦↤礼↢敬親↣近スト如来↡。実↢有情↡能スト↢利↡。¬大般若¼

^¬*占察せんざつきょう¼ のかんぞうさつのいはく、 「*一実いちじつきょうがいとは、 いはく、 しゅじょう*心体しんたいは、 もとよりこのかた、 しょうぜずめっせず、 *しょう清浄しょうじょうにして*しょう無礙むげなること、 なほくうのごとし。 分別ふんべつはなれたるがゆゑに、 びょうどうへんしていたらざるところなく、 十方じっぽう円満えんまんす。 きょうして一相いっそうにして、 無二むにべつなり。 へんぜずせず、 ぞうなくげんなし。

¬占察経¼下巻地蔵菩薩、「一実境界者、謂衆生心体↠本已来不↠生不↠滅、自性清浄ナルナリ无障无礙ナルコト猶如↢虚空↡。離タルガ↢分別↡故、平等普遍シテ↠所↠不トイフ↠至円↢満シテ十方究竟一相ナリ无二无別ナリ。不↠変不↠異、无↠増无↠減。

^一切いっさいしゅじょうしん一切いっさいしょうもんびゃくぶつしん一切いっさいさつしん一切いっさい諸仏しょぶつしんは、 みなおなじくしょうめつ*ぜん寂静じゃくじょう真如しんにょそうなるをもつてのゆゑに。 所以ゆえんはいかん。 一切いっさいの、 しんありて分別ふんべつおこすは、 なほ*げんのごとくして、 *じょうじつあることなし。

↢一切衆生心、一切声聞・辟支仏心、一切菩薩心、一切諸仏、皆同不生・不滅ナリ、无染寂静ニシテ真如ナルヲ↡故。所以者何。一切↠心起スハ↢分別↡者、猶如クシテ幻化↡无↠有コト↢定実↡。

^一切いっさいかいしん形状ぎょうじょうもとむるに、 いっぶんとしてべきものなし。 ただしゅじょうみょうあん*くんじゅう因縁いんねんをもつて、 みだりに*きょうがいげんじて、 *ねんじゃくしょうぜしむ。 いはゆるこのしん、 みづからなりとることあたはずして、 みだりにみづからおもひて、 かくそうおこして、 *しょけいす。 しかもじつにはかくそうあることなし。 この妄心もうしんひっきょうじてたいなく、 けんならざるをもつてのゆゑに」 と。

一切世界ルニ↢心形状↡、无↢一区トシテシテ↠得者↡。但↢衆生无明痴闇勲習因縁↡、妄↢境界↡、令↠生↢念著↡。所謂心不シテ↠能↢自コト↟无ナリト、妄↠有、起↢覚知↡、計↢我・我所↡。而ニハ↠有コト↢覚知之想↡。以↣此妄心畢竟ジテ↠体不ルヲ↢可見ナラ↡故ニト。」

^ない広説こうせつしんをもつてこの観念かんねんするを、 さつ最初さいしょ根本こんぽんごうとなせり。

乃至広説。以↢信解↡観↢ルヲ↡、為↢菩薩最初根本業↡也

^この一実いちじつきょうがいは、 すなはちこれ如来にょらい法身ほっしんなり。

一実境界、即是如来ナリ

^¬ごんぎょう¼ の一切いっさいさつにのたまはく、

¬花厳経¼一切慧菩薩

^ほっしょうはもとよりくうじゃくにして、 しゅなくまたけんなし。

しょうくうなるはすなはちこれぶつなり。 りょうすることをべからず」 と。

「法性ヨリ空寂ニシテ↠取亦无↠見
性空ナル是仏ナリ↠可↠得↢思量コトヲ↡」

^ねんずべし、 「われいづれのときにか*ほんしょうあらわすことをん」 と。

↠念、我何レノニカムト↠顕コトヲ↢本有↡。

・総観仏徳

 ^じゅうには*総観そうかん仏徳ぶっとくなり。

十九ニハ総観仏徳ナリ

^げんさつのいふがごとし。 「如来にょらいどくは、 たとひ十方じっぽう一切いっさい諸仏しょぶつ不可ふかせつ*仏刹ぶっせつを、 *ごく塵数じんじゅこうて、 相続そうぞくして演説えんぜつしたまふとも、 じんすべからず」 (華厳経) と。

↢普賢菩薩フガ↡。「如来功徳、仮使十方一切諸仏、経↢不可仏刹極微塵数↡相続演説タマフトモ、不↠可↢窮尽↡。」

^また弥陀みだぶつじんごくなることは、 ¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) にのたまふがごとし。 「りょう寿じゅぶつじんきわまりなし。 十方じっぽうかいりょうへん不可ふか思議しぎ諸仏しょぶつ如来にょらい称歎しょうたんしたまはざることなし」 と。

又阿弥陀仏威神无極ナルコト、如↢¬双巻経¼云フガ↡。「无量寿仏威神无↠極。十方世无量无辺不可思議諸仏如来、莫シト↠不コト↢称歎タマハ↡。」

^りゅうじゅ (十住毘婆沙論) にいはく、

龍樹¬偈¼云

^そんのもろもろのどくは、 りょうすることをべからず。

ひとの、 *しゃくすんをもつてくうはからんに、 つくすべからざるがごとし」 と。

「世尊功徳不↠可↠得↢度量コトヲ
シト↧人↢尺寸ムニ↠空ルガ↞可↠尽

^おなじきさん弥陀みだ (*易行品) にいはく、

ジキ讃弥陀

^諸仏しょぶつりょうこうに、 そのどく讃揚さんようしたまはんに、

なほつくすことあたはじ。 清浄しょうじょうにんみょうしたてまつる」 と。

諸仏无量劫讃↢揚タマハムニ功徳
猶尚 ナホ 不↠能↠尽コト帰↢命マツルト清浄↡」

^ねんずべし、 「ねがはくは、 われぶつて、 しょうぼうおうひとしからん」 と。

↠念、願クハ我得↠仏カラムト↢正法↡。

・欣求教文

 ^じゅうにはごんきょうもんなり。

二十ニハスル

^¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「*この三昧さんまいは、 ふことをることかたし。 たとひこの三昧さんまいもとめんに、 ひゃくおくこういたり、 ただその名声みょうしょうくことをんとほっすとも、 くことをることあたはじ。 いかにいはんやがくすることをるものをや。 *うたたまたぎょうじてひとおしへんをや」 と。

¬般舟経¼云、「是三昧↠得コト↠値コトヲ正使 タトヒ ムニ↢是三昧↡、至↢百億劫↡但ストモ↠得ムト↠聞コトヲ↢其名声↡、不↠能↠得コト↠聞コトヲ。何コトヲヲヤ。転復行ムヲヤト↠人。」

^ (般舟経) にのたまはく、

^「われみづから*おうとき識念しきねんするに、 そのかずろく万歳まんざいそくするまで、

「我自識↢念ルニ往世数具↢足シテ六万歳

つねにほっしたがひてしゃせざりしに、 はじめより、 この三昧さんまいくことをざりき。

↢法師↡不リシニ↢捨離ヨリリキ↠得↠聞コトヲ↢是三昧

^ぶつましましき。 ごうをば具至ぐしじょうとまうしき。 とき比丘びくありき。 りんづけき。

シキ↠仏号ヲバシキ↢具至誠比丘アリキケキ↢和

かのぶつそん*泥洹ないおんのちに、 比丘びくつねにこの三昧さんまいたもちき。

仏世尊泥洹比丘常チキ↢是三昧

^われときおうくんしゅたりき。 ゆめのなかにこの三昧さんまいくにおよびぬ。

我時リキ↢王君子種↡オヨビ↠聞クニ↢是三昧

ªりん比丘びくこのきょうたもてりき。 おうまさにしたがひてこの*じょうくべかりきº と。

隣比丘タモテリキ↢斯王当カリキ↣従↢此定意

^ゆめよりめをはりてすなはちきてもとむるに、 すなはち比丘びく三昧さんまいたもてるをつ。

↠夢覚ルニタヤス↣比丘ルヲ↢三昧

すなはち鬚髪しゅほつのぞきて沙門しゃもんとなりにき。 がくすることはっ千歳せんざいしていちきき。

鬚髪↡作リニキ↢沙門コト八千歳シテ一時聞キキ

^そのかずはち万歳まんざいそくするまで、 この比丘びくよう*奉事ぶじしき。

数具↢足シテ八万歳供↢養奉↣事シキ比丘

とき因縁いんねんしばしばこうして、 はじめよりいまだかつて一反いっぺんすらくことをざりき。

因縁数興起ヨリリキムカシニモ得↢一反スラコトヲ

^このゆゑに比丘びく比丘尼びくに、 および*しょうしんしょう信女しんにょ

比丘・比丘尼清信士・清信女

この経法きょうぼうたもてとなんぢらにぞくす。 この三昧さんまいきては受行じゅぎょうせよ。

チテ↢是経法↡属汝等ナムダチテハ↢是三昧↡疾受行セヨ

^つねにこれをじゅうせるほっうやまひて、 一劫いっこうそくするまでおこたることをることなかれ。

↧習↢持セル↡法師具↢足シテ一劫↡无↠得コトオコタルコト

たとひ億千おくせん*じゅつこうに、 この三昧さんまいもとむるにくことをることかたし。

仮使億千那術劫ルニ↢是三昧↡難↠得コト↠聞コトヲ

^たとひかいの、 恒沙ごうじゃのごとき、 なかにてらん珍宝ちんぽうをもつて布施ふせせんも、

設令世界↢恒沙テラム珍宝布施セム

もしこのいちせつけて*きょうじゅすることあらんには、 どくかれにぎたらん」 と。

↧受↢是一偈敬↥誦コト功徳過タラムト↢於↡」

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) にのたまはく、 「たとひだいありて三千さんぜん大千だいせんかいじゅうまんせりとも、 かならずまさにこれをぎて、 このきょうぼうきて、 かんしんぎょうし、 じゅ読誦どくじゅして、 せつのごとくしゅぎょうすべし。

¬双巻経¼云、「設↢大火↡充↢満セリトモ三千大千世界↡、要↧過↠此↢是経法↡、歓喜信楽受持読誦、如↠説修行↥。

^所以ゆえんはいかん。 おおさつありてこのきょうかんとほっすとも、 しかもることあたはず。 もししゅじょうありてこのきょうくものは、 *じょうどうにおいてつひに退転たいてんせじ。 このゆゑに、 まさに専心せんしんにしてしんじ、 じゅ読誦どくじゅして、 ぎょうずべし」 と。

所以者何。多↢菩薩↡欲ストモ↠聞ムト↢此↡而不↠能↠得コト。若↢衆生↡聞カム↢此↡者、於↢无上道↡終不↢退転↡。是、応シト↢専心ニシテ受持↡。」

^このねんをなすべし、 「あるいは*大千だいせんみょうじゅぎ、 あるいは億劫おくこうとも、 ほうもとむべし。 われすでにじん三昧ざんまいぐうせり。 いかんぞ*退屈たいくつして勤修ごんしゅせざらん」 と。

↠作↡、或↢大千猛火聚↡、或↢億劫↡応↠求↠法。我既値↢遇セリ深三昧↡。如何退屈ラムト↢勤修↡。

^ぎょうじゃ、 このもろもろのにおいて、 もしはもしはしょうらくしたがひて憶念おくねんせよ。 もし憶念おくねんすることあたはずは、 すべからくかんひらきてもんむかひて、 あるいは*けっちゃくし、 あるいは誦詠じゅようし、 あるいはれんし、 あるいはきょうらいすべしちかくは*勤心ごんしん方便ほうべんとなし、 とおくは見仏けんぶつ因縁いんねんむすべ。 おほよそ三業さんごう*に、 ぶつきょうがいわするることなかれ。

行者於↢此↡、若多若少、随↠楽ヒニ憶念セヨ。若↠能↢憶念コト↡、須↢披キテ↠巻ヒテ↠文、或、或誦詠、或恋慕、或敬礼↡。近クハ↢勤心之方便↡、遠クハ↢見仏之因縁↡。凡三業・四儀↠忘コト↢仏境界↡矣。

 ^ふ。 如来にょらいのかくのごとき種々しゅじゅどく信受しんじゅし、 憶念おくねんするは、 なんの*しょうやある。

。信↢受憶↣念ルハ如来↠是種々功徳↡、有↢何勝利↡。

^こたふ。 ¬諸仏しょぶつきょうがいきょう¼ にのたまはく、 「もし十方じっぽうかい*じんとう諸仏しょぶつおよびしょうもんしゅにおいて、 ひゃく飲食おんじきみょうてんすること、 日々にちにちはいせずして恒沙ごうじゃこうてて、 かのぶつめつに、 一々いちいちぶつのために、 じっ方界ぽうかい一々いちいちかいにおいて塵数じんじゅとうて、 衆宝しゅぼうをもつてしょうごんし、 種々しゅじゅようすること、 一日いちにちさん日々にちにちはいせずして恒沙ごうじゃこうてて、 またしゅりょうしゅじょうおしへて、 もろもろのようもうけしめんに、 もし一人いちにんありて、 この如来にょらい智慧ちえどく不可ふか思議しぎきょうがいしんぜば、 所得しょとくどくはかれにすぐれたることりょうなり」 と。

。¬度諸仏境界経¼云、「若↢十方世界微塵等諸仏及声聞衆↡、施シテ↢百味飲食、微妙天衣↡、日々シテ、満テテ↢恒沙↡、彼滅後、為↢一々↡、於↢十方界一々世界↡起↢塵数↡、衆宝ヲモテ荘厳、種々供養一日三時スルコト、日々シテテテ↢恒沙↡、復教↢无数无量衆生↡設シメム↢諸供養↢一人↡信↢此如来慧功徳、不可思議境界↡所得功徳、勝レタルコト↠彼无量ナリト。」

^また ¬ごん¼ のにのたまはく、

又¬花厳¼偈

^如来にょらいざいりきは、 りょうこうにもふことかたし。

もし一念いちねんしんをなすは、 すみやかにじょうどうしょうす」 と。

「如来自在力无量↠遇コト
ナス↢一念スト↢无上↡」

^は、 しもやくもんのごとし。

↢下利益門↡。

 ^ふ。 ぼんぎょうにんは、 ものひてこころうつる。 なんぞつねに念仏ねんぶつしんおこすことをん。

。凡夫行人オヒ↠物意移。何↠起コトヲ↢念仏之心↡。

^こたふ。 かれ、 もしただちにぶつねんずることあたはずは、 事々じじせてそのしん勧発かんぽつすべし。

。彼若↠能直爾 タダチ コト↟仏、応↧寄↢事々↡勧↦発↥。

^いはく、 遊戯ゆげだんしょうときには、 極楽ごくらくかいほう宝林ほうりんのなかにして、 てんにんしょうじゅと、 かくのごとくらくすることをんとねがへ。 もし憂苦うくするときには、 もろもろのしゅじょうとともに、 はなれて極楽ごくらくしょうぜんとねがへ。 もし*尊徳そんとくむかひては、 まさに極楽ごくらくうまれて、 かくのごとくそんつかまつらんとねがふべし。 もしせんば、 まさに極楽ごくらくしょうじて、 どくたぐい*らくせんとねがふべし。

遊戯・談笑ニハ、願↧於↢極楽界宝池宝林↡、与↢天人聖衆↡如シテ↠是ムト↦娯楽コトヲ↥。若憂苦セムニハ、願↧共↢諸衆生↡離↠苦ムト↦極楽↥。若ムカヒテハ↢尊徳↡、当↠願↧生↢極楽↡如シテ↠是ツカマツラムト↦世尊↥。若テハ↢卑賎↡、当↠願↧生↢極楽↡利↦楽ムト孤独↥。

^おほよそ人畜にんちくるごとに、 つねにこのねんをなすべし、 「ねがはくは、 このしゅじょうとともに安楽あんらくこくおうじょうせん」 と。 もし飲食おんじきするときには、 まさに極楽ごくらくねんみょうじきけんとがんずべし。 ぶく臥具がぐ行住ぎょうじゅう坐臥ざが*えんじゅんえん一切いっさいなぞらへてれ。

↠見↢人畜↡、常↠作↢是↡、願クハ↢此衆生↡往↢生ムト安楽国↡。若飲食セムニハ、当↠願↠受ムト↢極楽自然微妙↡。衣服・臥具、行住坐臥、違縁・順縁、一切准

^せてがんをなすこと、 これ ¬ごんぎょう¼ とうれいなり。

↠事コト↠願、是¬花厳経¼等例也

二 Ⅴ 止悪修善

【51】^だいあく修善しゅぜんとは、 ¬観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ にのたまはく、 「この念仏ねんぶつ三昧ざんまいを、 もしじょうじゅせんには、 因縁いんねんあり。 いちには*かいぼんには*不起ふき邪見じゃけんさんには*しょうきょうまんには*不恚ふいしつには*ゆうみょうしょうじんして、 ねんはらふがごとくす。

第四止悪修善者、¬観仏三昧経¼云、「此念仏三昧スルコト者有↢五因縁↡。一者持戒不犯。ニハ不起邪見。三者不生憍慢。四者不恚不嫉。五者勇猛精進スルコトクスルナリ↠救ハム↢頭エム↡。

^このぎょうじて、 まさしく諸仏しょぶつみょう色身しきしんねんじて、 しんをして退たいせざらしめよ。 またまさにだいじょうきょうてん読誦どくじゅすべし。 このどくをもつて仏力ぶつりきねんずるがゆゑに、 疾々しつしつりょう諸仏しょぶつたてまつることを」 と。

↢此↡正↢諸仏微妙色身↡、令↢心ヲシテ↟退。亦当↣読↢誦大乗経典↡。以↢此功徳↡念ルガ↢仏力↡故疾々↠見マツルコトヲ↢无量諸仏↡。」

 ^ふ。 この*ろくしゅほうはなんのかあるや。

。此六種↢何↡耶。

・戒

^こたふ。 どうきょうにのたまはく、 じょうかいをもつてのゆゑに、 ぶつ像面ぞうめんたてまつること、 真金しんこんかがみのごとくして、 *了々りょうりょうぶんみょうなり」 と。

。同ジキ¬経¼云、「以↢浄戒↡故マツルコト↢仏像面↡、如クシテ↢真金↡了々分明ナリト。」

^また ¬大論だいろん¼ (大智度論) にいはく、 「ぶつおうのごとく、 ほうりょうやくのごとく、 そう*せんびょうにんのごとく、 かい服薬ぶくやくきんのごとし」 と。

又¬大論¼云、「仏↢医王↢良薬↢瞻病人シト↢服薬禁忌↡。」

^ゆゑにりぬ、 たとひ法薬ほうやくぶくしたりとも、 禁戒きんかいたもたずは、 煩悩ぼんのうびょうげんじょするによしなし。

、設シタリトモ↢法薬↡、不↠持↢禁戒↡、無↠由↣除↢愈ルニ煩悩病患↡。

^ゆゑに ¬般舟はんじゅきょう¼ にのたまはく、 「かいやぶること、 おおきさ毛髪もうはつのごとくにもすることをざれ」 と。 じょう戒品かいほん

¬般舟経¼云、「不レト↠得↣破コト↠戒キサクニモスルコトヲ↢毛髪↡。」已上「戒品」

・邪見憍慢

^¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「もし*邪念じゃねんおよび*こうほうおこさば、 まさにるべし、 このひとはこれ*ぞうじょうまんにして、 仏法ぶっぽうめつす。 おおしゅじょうをしてぜんしんおこさしめ、 ごうそうみだり、 あらわして、 しゅうまどはす。 これあくともなり。

¬観仏経¼云、「若↢邪貢高↡、当↠知、此是増上慢ナリ破↢滅↡。多使↣衆生ヲシテ↢不善↢和合僧↡、顕↠異マドハ。是悪魔ナリ

^かくのごとき悪人あくにんは、 またぶつねんずといへども、 かんあじはひをうしなふ。 このひとうまるるところに、 こうをもつてのゆゑに、 つねにしょうにして、 せんいえうまれ、 びん諸衰しょすいりょう悪業あくごう、 もつて*厳飾ごんじきとなす。 かくのごとき種々しゅじゅしゅあくは、 まさにみづからぼうして、 ながしょうぜざらしむべし」 と。 じょう邪見じゃけん*きょうまん

↠是悪人、雖↢復念ズト↟仏↢甘露↡。此ルル、以↢貢高↡故身恒卑小ナリ↢下賎貧窮諸衰、无量悪業↢厳飾↡。如種々衆多悪事、当シト↣自防護↢永↟生。」已上邪見・憍慢

・瞋恚

^¬ろっ波羅ぱらみつきょう¼ にのたまはく、 「りょうこうのうちにもろもろのぜんしゅぎょうすとも、 *安忍あんにんちからおよび智慧ちえまなこなければ、 一念いちねんしんしょうめつしてなし」 と。

¬六波羅蜜経¼云、「无量劫修↢行ストモ↡、无レバ↢安忍力及智慧眼↡一念瞋火焼滅シト↠余。」

^またあるところきていはく、 「よくだいそんずること、 いかりにぎたるはなし。 一念いちねん因縁いんねんことごとくてい広劫こうごう所修しょしゅぜん焚滅ぼんめつす。 このゆゑに慇懃おんごんにつねにしゃすべし」 と。

又或、「能ルコト↢大利↡莫↠過タルハ↠瞋。一念因縁悉焚↢滅倶胝広劫所修↡。是慇懃捨離スベシト。」

^また ¬*ゆいきょうぎょう¼ にのたまはく、 「どくかすむるぞくは、 しんぎたるはなし」 と。

又¬遺教経¼云、「カスム↢功徳↡賊シト↠過タルハ↢瞋↡。」

^¬だいじゅう¼ の 「月蔵がつぞうぶん(意) に、 しんどくきてのたまはく、 「つねに*げんじょうとあひして、 三昧さんまいくことを」 と。 じょうしん

¬大集¼「月蔵分」説↢无瞋功徳↡云、「常与↢賢聖↡相シテ↠著コトヲ↢於三昧↡。」已上瞋恚

・嫉妬

^¬双巻そうかんぎょう¼ (大経・下) にのたまはく、 「こんうらみのこころすこしきあひ憎嫉ぞうしつすれども、 後世ごせには*うたたはなはだしくして、 おおきなるあだとなるにいたる」 と。

¬双巻経¼云、「今世ヲモテ憎嫉スレ、後世ニハハナハダシクシテルト↠成↢大ナル↡。」

^またにん*しっする、 そのつみはなはだおもし。

又嫉↢毀他人↡、其罪甚

^また ¬ほうしゃくきょう¼ のじゅういちにのたまふがごとし。 「ぶつ*鹿園ろくおんにましましき。 ときろくじゅうさつあり。 *ごっしょうじんじゅうにして、 *諸根しょこん闇鈍あんどんなり。 *仏足ぶっそくちょうらいしてかんしてなみだながす。 みづからくることあたはず。

又如↢¬宝積経¼九十一フガ↡。「仏在シキ↢施鹿園↡。時↢六十菩薩↡。業障深重ニシテ諸根闇鈍ナリ。頂↢礼仏足↡悲感↠涙。不↠能↢自クルコト↡。

^ときぶつげてのたまはく、 ªなんぢら、 くべし。 またごうしてだい熱悩ねつのうをなすことなかれ。 なんぢ、 むかし*倶留くるそんぶつほうのなかにして、 しゅっしてどうをなせしかども、 みづからもんかい頭陀ずだしょうよく執着しゅうじゃくせりき。 とき説法せっぽう比丘びくありき。 もろもろのしんおおく、 *みょうもんようありき。 なんぢら、 しっしんをもつて妄言もうごんほうして、 かのしん・もろもろのしゅじょうをして、 ずいじゅんしんなく、 もろもろの善根ぜんごんだんぜしめき。

仏告汝等ナムダチ、応。勿↣復悲ナスコト↢大熱悩↡。汝ムカシ倶留孫仏↡出家レリキ↠道執↢著セリキ聞・持戒・頭陀・少欲↡。時リキ↢二説法比丘↡。多カリキ↢諸親友↡名聞・利養アリキ汝等ナムダチ↢嫉妬↡妄言誹謗、令メキ↧彼親友衆生ヲシテ、无↢随順心↡断↦諸善根↥。

^この悪業あくごうによりて、 ろくじゅうひゃく千歳せんざいのうちに阿鼻あびごくうまれき。 ごういまだきずして、 またじゅうひゃく千歳せんざいのうちに等活とうかつごくうまれ、 またじゅうひゃく千歳せんざいのうちにこくじょうごくうまれ、 またろくじゅうひゃく千歳せんざいのうちにしょうねつごくうまれき。

↢此悪業↡於六十百千歳レキ↢阿鼻地獄↡。余業未シテ↠尽、復於四十百千歳↢等活地獄復於二十百千歳↢黒縄地獄復於六十百千歳レキ↢焼熱地獄↡。

^かしこより歿もっしをはりて、 かえりてにんとなることをて、 ひゃくのうちに*しょうもうにしてなかりき。 在々ざいざいしょしょうしょうねん忘失もうしつ善根ぜんごん*しょうしき。 ぎょうようしゅうけつにして、 ひとんとこのまざりき。 つねにへんうまれて、 びんれつなりき。

↠彼歿↠為コトヲ↠人、五百世生盲ニシテカリキ↠目。在々所生忘↢失正念↡障↢礙シキ善根↡。形容醜欠ニシテ、人不リキコノ↠見ムト。常↢辺地↡貧窮下劣ナリキ

^ここより歿もっしをはりて、 まつひゃくさいのうちにほうめっせんとほっするときに、 かえりてへんにしてれついえうまれて、 *ぼうとうして、 しょうねん忘失もうしつせん。 たとひぜんしゅせんとほっすとも、 もろもろの*なんおおし。

↠此没、於↢後五百歳↡法欲セム↠滅ムト、還↢辺地↡下劣、匱乏飢凍シテ、忘↢失セム正念↡。設ストモ↠修ムト↠善、多ケム↢諸留難↡。

^ひゃくさいのち悪業あくごうすなはちめっして、 のち弥陀みだぶつ極楽ごくらくかいうまるることをん。 このときに、 かのぶつ、 まさになんぢらがために*のくだいさずけたまふべしº と。

五百歳悪業乃、於↠生コトヲ↢阿弥陀仏極楽世界↡。是、彼仏当シト↧為汝等ナムダチタマフ↦阿耨菩提↥。

^ときにもろもろのさつぶつ所説しょせつきて、 こぞりていよだち、 ふか憂悔うけしょうじて、 すなはちみづからなみだおさめてまうさく、 ªわれ、 今日こんにちより*らいさいいたるまで、 もし*さつじょうにんにおいてぼんあらんをて、 そのとが挙露あらわさば、 われらすなはち如来にょらい*おうしたてまつるとせん。

菩薩、聞タマヒ↢仏所説↡、コゾリイヨダ、深↢憂悔↡、便↠涙、白、我従↢今日↡至ルマデ↢未来際↡、若↢菩薩乗↡見↠有ムヲ↢違犯↡挙↢露 アラハ サバ↡、我等即ナム↣欺↢誑タテマツル如来↡。

^われ、 今日こんにちよりらいさいいたるまで、 もしざいしゅっさつじょうにんの、 欲楽よくぎょうをもつて遊戯ゆげかんするをんも、 つひにそのとがうかがもとめずして、 つねに信敬しんきょうしょうじて、 きょうおもいおこさん。

我従↢今日↡至ルマデ↢未来際↡、若↧在家・出家菩薩乗↢欲楽↡遊戯歓娯セム↥、終シテ↣伺↢求↢信敬↡、起↢教師↡。

^われ、 今日こんにちよりらいさいいたるまで、 もしよくその*摧伏さいぶくしてれつおもいをなすこと、 せん陀羅だらおよびけんのごとくせずは、 すなはち如来にょらいおうしたてまつるとせん。 もしかいもん頭陀ずだしょうよくそく一切いっさいどくにおいて、 みづから*炫曜げんようせば、 すなはち如来にょらいおうしたてまつるとせん。 所修しょしゅ*善本ぜんぽんをばみづからおごほこらじ、 所行しょぎょう*罪業ざいごうをば*ざんほつせん。 もししからずは、 すなはち如来にょらいおうしたてまつるとせんº と。

我従↢今日↡至ルマデ↢未来際↡、若善能摧↢伏↡、ナスコト↢下劣↡如クセ旃陀羅及於狗犬↥、則ナム↣欺↢誑タテマツル如来↡。若↢持戒・多聞・頭陀・少欲知足一切功徳↡身自炫曜、則ナム↣欺↢誑タテマツル如来↡。所修善本ヲバ不↢自オゴホコ↡、所行罪業ヲバ慚愧発露。若↠爾ナム↣欺↢誑タテマツル如来↡。

^ときぶつさんじてのたまはく、 ªきかな、 きかな。 かくのごときけつじょうしんをもつてせば、 一切いっさいごっしょうみなことごとくしょうめつし、 りょう善根ぜんごんはまたまさにぞうじょうすべしº」 と。

仏讃、善哉善哉。セバ↢如↠是決定心↡、一切業障皆悉、无量善根亦当シト↢増長↡。」

^このゆゑに ¬大論だいろん¼ (大智度論)にいはく、

¬大論¼偈

^ほう*愛染あいぜんするがゆゑに、 にんほう*毀訾きしするは、

かいぎょうにんなりといへども、 ごくまぬかれず」 と。 じょうしっ

「自法オイテ愛染ルガ毀↢訾ルハ他人
↢持戒行人ナリト↠脱↢地獄↡」 已上嫉妬

・精進

^同論どうろんにいはく、

ジキ¬論¼偈

^*しょう比丘びくは、 *だいにして悪道あくどうしたり。

ぶつほうくといへども、 なほまたみづからまぬかれざるをもつてなり」 と。

「馬比丘懈怠ニシテシタリ↢悪道
↢見↠仏クト↟法猶亦不ルヲモテナリト↢自マヌカ↡」

^またもししょうじんなくは、 ぎょうじょうじゅすることかたし。 ゆゑに ¬ごんぎょう¼ のにのたまはく、

^*鑚燧さんずいしてもとむるがごとし。 いまだでざるにしばしばやすめば、

せいしたがひてめつす。 だいのものまたしかなり」 と。 じょうしょうじん

又若↢精進↡行難↢成コト↡。故¬花厳¼偈

「如↧鑚ムルルニ↠出而数メバ
勢随止滅ルガ懈怠亦然ナリト已上精進

・読誦大乗

^読誦どくじゅだいじょうどくりょうなることは、 ¬*金剛こんごう般若はんにゃろん¼ のにいふがごとし。

読誦大乗功徳无量ナルコトハ、如↢¬金剛般若論¼偈フガ↡。

^ふくだいおもむかず。 *よくだいおもむく。

*じつにおいてはりょういんづく。 *においてはしょういんづく」 と。

^じょう、 ¬観仏かんぶつきょう¼ の*六種ろくしゅほうおわりぬ。 かの ¬きょう¼ (同) にしつしょうじんはつぶさにこれをかず。 ゆゑに、 もんをもつて ¬きょう¼ (同) のこころ釈成しゃくじょうす。

「福不↠趣↢菩提二能↢菩提
テハ↠実↢了因テハ↠余クト↢生因↡」
已上¬観仏経¼六種法畢。彼¬経¼嫉・恚・精進不↢具↟之。故↢余↡釈↢成¬経¼意

^¬般舟はんじゅきょう¼ にまたじゅうあり。 かの ¬きょう¼ (同) にのたまふがごとし。 「もしさつありて*この三昧さんまい学誦がくじゅせば、 じゅうあり。

¬般舟経¼亦有↢十事↡。如↢彼¬経¼フガ↡。「若↢菩薩↡学↢誦セバ三昧↡者、有↢十事↡。

^いちにはにんようしっせざれ。 にはことごとくまさにひとあいぎょうし、 ちょうろう孝順きょうじゅんすべし。 さんにはまさに報恩ほうおんおもふべし。 には*もうせずしてほうはなれよ。 にはつねに*乞食こつじきして*しょうけざれ。 ろくにはしょうじんして*経行きょうぎょうせよ。 しちにはちゅう*しゅつすることをざれ。 はちにはつねに布施ふせすることをおもひて、 つひにしみゆることなかれ。 にはふかのなかにりてじゃくするところなかれ。 じゅうにはぜんきょうすること、 ぶつのごとくせよ」 と。

ニハ↣嫉↢妬他人↡。二ニハ↧愛↢敬↡、教↦順於長老↥。三ニハ↠念↢報恩↡。四ニハシテ妄語↡、離ルル↢非法↡。五ニハ乞食↠受↠請。六ニハ精進シテ経行スル。七ニハ昼夜↠得↢臥出コトヲ↡。八ニハヒテ↢布施セムコトヲ↡、終↢惜シミユルコト↡。九ニハ↡无↢所著↡。十ニハ敬↢事コト善師↡如スル↠仏。」

 ^ふ。 ¬般舟はんじゅきょう¼ にまた四々ししじゅうろくしゅほうあり。 ¬十住じゅうじゅう毘婆びばしゃ¼ のだいひゃくじゅうしゅほうあり。 ¬念仏ねんぶつ三昧ざんまいきょう¼ に種々しゅじゅほうあり。

。¬般舟経¼亦有↢四々十六法↡。¬十住毘婆¼第九↢百余種法↡。¬念仏三昧経¼有↢種種法↡。

^また ¬ごんぎょう¼ の 「にゅう法界ほっかいぼん」 のにのたまはく、

又¬花厳経¼「入法界品」偈

^「もししんしてきょうまんはなるることあらば、 *発心ほっしんしてすなはち如来にょらいたてまつることをるも、

もし*諂誑てんおうじょうしんあらば、 億劫おくこうじんすれどもぐうすることなからん」 と。

「若↢信解、離レタルハ憍慢発心ツモ↠見マツルコトヲ↢如来
ルハ↢諂誑不浄心↡億劫尋求ドモ↢値遇コト↡。」

^¬観仏かんぶつきょう¼ にのたまはく、 「*ちゅうろく*六法ろっぽうごんぎょう*たん*しょうじゅして、 まさにしょうねがふべし。 きょう読誦どくじゅし、 ひろほうきょうぶるをのぞきては、 つひに*無義むぎ宣説せんぜつせざれ。 つねに諸仏しょぶつねんじて、 心々しんしん相続そうぞくせよ。 ない一念いちねんのあひだぶつざるときあることなし。 しんせんしょうなるがゆゑに、 *仏日ぶつにちはなれず」 と。

¬観仏経¼云、「昼夜六時勤↢行六法↡、端坐正受、当↠楽↢小語↡。キテハ↧読↢誦↡広スル法教↥、終↣宣説无義之コト↡。常↢諸仏↡心々相続セヨ。乃至、无↠有コト↢一念之間↠見↠仏時↡。心専精ルガ↠離↢仏日↡。」

^また ¬*遺日ゆいにち摩尼まにきょう¼ にかく、 「沙門しゃもんの、 牢獄ろうごくするに、 おおくのあり。 あるいはひともとめてようんとほっし、 あるいはおおはつまんとほっし、 あるいは*びゃく厚善こうぜんし、 あるいはつねに愛欲あいよくおもひ、 あるいはこのみて知友ちうきょうけつす」 と。 もんおおくのほうあり、 りゃくしてこれをしょうす。

又¬遺日摩尼経¼説カク、「沙門ルニ↢牢獄↡有↢多クノ事↡。或↠人スル↠得ムト↢供養↡、或スル衣鉢↡、或与↢白衣↡厚善ナル、或ズル↢愛欲↡、或コノミ交↢結スト知友↡。」↢多法↡、略

^なんぞいま、 かれらのほうげざるや。

今不↠挙↢彼等↡耶。

^こたふ。 もしひろくこれをいださば、 かえりてぎょうじゃをして退転たいてんしんをなさしめん。 ゆゑにりゃくしてようぐ。

。若↠之、還メム↣行者ヲシテ↢退転↡。故↠要

^もしかた*十重じゅうじゅうじゅうはちきょうかいたもたば、 かならず念仏ねんぶつ三昧ざんまいじょじょうして、 また*任運にんうんぎょうをもとくしつべし。 いはんや六法ろっぽうし、 あるいは十法じっぽうせんに、 いづれのぎょうおさまらざらん。 ゆゑにりゃくしてじゅつせず。 しかも*ごう惑業わくごうは、 ひとをして*かくりょうせしむれども、 ただ無義むぎはそのとがあらわならずして、 つねにしょうどうふ。 よくこれをすべし。

タバ↢十重・八軽戒↡、理必助↢成念仏三昧↡、亦応↣任運持↢得シツヲモ↡。況↢六法↡或ムニ↢十法↡、何ラム↠摂マラ。故不↠述。然麁強或業レドモ↢人ヲシテ学了无義コト、其シテ↠顕ナラ、恒↢正道↡。善↠治↠之

^あるいは ¬大論だいろん¼ (大智度論)もんによるべし。 いはく、 「ひとしっして、 へんにともにおこらんがごときに、 いかんぞそのうちに安処あんしょして、 せつせん。 このなかにぶつきたまはく、 ªもししょうもんびゃくぶつくすら、 なほやくごんとなす。 いかにいはんや、 をやº」 と。

↠依↢¬大論¼文↡。、「キニ↢人シテ四辺ムガ↡、云何安↢処シテ↡語↢説↡。此仏説タマハク、若クスラ↢声聞・辟支仏↡猶為↢无益之言↡。何ヲヤト。」

^ぎょうじゃつねにしゃ*しょうにおいてたくおもいしょうじて、 やくち、 相続そうぞくしてぶつねんずべし。

行者常↢娑婆依・↡生↢火宅↡、絶↢无益コト↡、相続ベシ↠仏

 ^ふ。 ¬おうじょうろん¼ (天親の浄土論)念仏ねんぶつぎょうほうきていはく、 「三種さんしゅだいもんそうほうおんせよ。 なんらか三種さんしゅいちには智慧ちえもんによりて、 らくもとめず。 しんの、 しん*とんじゃくすることをおんするがゆゑに。 には慈悲じひもんによりて、 一切いっさいしゅじょうく。 *安衆あんしゅしんおんするがゆゑに。 さんには方便ほうべんもんによりて、 一切いっさいしゅじょう憐愍れんみんするしんなり。 しんようぎょうするしんおんするがゆゑに。 これを、 三種さんしゅだいもんそうほうおんすとづくがゆゑに。

。¬往生論¼説↢念仏行法↡云、「遠↢離三種菩提門相違↡。何等三種。一者依↢智慧門↡、不↠求↢自楽遠↣離ルガ我心貪↢著コトヲ自身↡故。二者依↢慈悲門↡、抜↢一切衆生↡。遠↢離ルガ无安↡故。三者依↢方便門↡、憐↢愍一切衆生↡心ナリ。遠↧離ルガ供↢養恭↣敬自身↡心↥故。是クガ↣遠↢離スト三種菩提門相違↡故

^さつ、 かくのごとき三種さんしゅだいもんそうほうおんして、 三種さんしゅずいじゅんだいもんほう満足まんぞくすることをるがゆゑに。 なんらかさんいちにはぜん清浄しょうじょうしんのためにもろもろのらくもとめざるがゆゑに。 にはあん清浄しょうじょう心。 一切いっさいしゅじょうくがゆゑに。 さんにはらく清浄しょうじょうしん一切いっさいしゅじょうをしてだいだいしむるをもつてのゆゑに。 しゅじょう*摂取せっしゅして、 かのこくうまれしむるをもつてのゆゑに。 これを三種さんしゅずいじゅんだいもんほう満足まんぞくすとづく」 と。  このなかに、 なんがゆゑぞ、 かの ¬ろん¼ (浄土論) によらざる。

菩薩遠↢離↠是三種菩提門相違↡、得ルガ↢三種随順菩提門満足コトヲ↡故。何等三。一者无染清浄心。不ルガ↣為↠身↢諸↡故。二者安清浄心。抜クガ↢一切衆生↡故。三者楽清浄心。以↠令ルヲ↣一切衆生ヲシテ得↢大菩提↡故。以↧摂↢取衆生↡生シムルヲ↦彼国土↥故。是クト↢三種随順菩提門法満足スト↡。」 、何↠依↢彼¬論¼↡。

^こたふ。 *さき四弘しぐのなかに、 この六法ろっぽうせり。 文言もんごんことなりといへども、 そのくることなし。

。前四弘↢此六法↡。文言雖↠異リト、其↠闕コト

 ^ふ。 ぶつねんずるに、 おのづからつみめっす。 なんぞかならずしもかたかいたもつや。

。念ルニ↠仏↠罪。何シモ↠戒

^こたふ。 もし一心いっしんねんぜば、 まことにむるところのごとし。 しかも*尽日ひねもすぶつねんぜんも、 しずかにそのじつけんすれば、 じょうしんはこれ*いちりょう、 そのはみなじょくらんせり。 鹿ししつなぎがたく、 いえはおのづかられたり。 いかにいはんや、 みづからしんをほしいままにせば、 そのあくいくばくぞや。

。若一心、誠↠所↠責ムル。然尽日ヒネモスジテ↠仏レバ↢其↡、浄心是一両、其皆濁乱セリ。野鹿カセギ↠繋タリ。何↢恣ニセバ↡、其幾許イクバク乎。

^このゆゑに、 かならずまさにしょうじんして、 じょうかいたもつこと、 なほみょうしゅまもるがごとくすべし。 のちい、 なんぞおよばんや。 よくこれをねんせよ。

、要↧精進ツコト↢浄戒↡猶如クス↞護ルガ↢明珠↡。後悔何ムヤ。善思↢念↡。

 ^ふ。 まことにいふところのごとし。 善業ぜんごうはこれこん所学しょがくねがふといへども、 ややもすれば退たいす。 妄心もうしんはこれ永劫ようごうしょじゅういとふといへども、 なほおこる。 すでにしからば、 なんの方便ほうべんをもつてかこれをせん。

。誠↠所↠言。善業是今世所学、雖↠欣フトヤヤモスレ退。妄心是永所習、雖↠厭フト猶起。既ラバ↢何方便↡治セム↠之

^こたふ。 そのいちにあらず。 ¬*だい禅門ぜんもん¼ にいふがごとし。 「^いちに、 *沈惛ちんこん闇塞あんそくさわりせんには、 *応仏おうぶつ観念かんねんすべし。

。其治非↠一。如↢¬次第禅門¼云フガ↡。「一↢沈惛闇塞↡者、応↣観↢念応仏↡。

^*さんじゅうそうのなかに、 したがひていちれ。 あるいはけん毫相ごうそうりて、 ぢてかんぜよ。 もししん闇鈍あんどんにしてはるかにじょうぜんとするにじょうぜずは、 まさにいち*好厳こうごんぎょうぞうむかひて、 一心いっしんそうり、 これをえんじてじょうるべし。 もし明了みょうりょうならずは、 まなこひらきてさらにかんじ、 またさらによ。

卅二相↠一。或↢眉間毫相↡閉↠目而観ゼヨ。若心闇鈍ニシテハルカゼムトスルニ↠成、当フテ↢一好厳形像↡、一心シテ↠相ゼヨ↠之リテ↠定↢明了ナラ↡、開↠眼、復更ヂヨ↠目

^かくのごとくして一相いっそうること明了みょうりょうならば、 だいにあまねく衆相しゅそうかんじて、 心眼しんげんをしてかいみょうならしめ、 すなはち惛睡こんすい沈闇ちんあんしんせよ。 ぶつどくねんずれば、 すなはちざいしょうのぞく。

クシテ↠是コト↢一相↡明了ニシテ、次第↢衆相↡、使↢心眼ヲシテ開明ナラ↡、即セヨ↢惛睡沈闇之心↡。念功徳↢罪障↡。

^に、 *悪念あくねんゆいさわりせんには、 *報仏ほうぶつどくねんずべし。

↢悪念思惟↡者、応↠念↢報仏功徳↡。

^しょうねんのうちに、 ぶつ*じゅうりき*四無しむしょ*じゅうはち不共ふぐ*一切いっさいしゅは、 まどかに法界ほうかいらして、 常寂じょうじゃくどうにして、 あまねく色身しきしんげんじて、 一切いっさいやくしたまふどくりょうにして不可ふか思議しぎなることをえんぜよ。 なにをもつてのゆゑに。 この、 ぶつどくねんずるは、 しょう善法ぜんぽう*えんずるなかよりしょうずる*心数しんじゅなれども、 悪念あくねんゆいは、 悪法あくほうえんずるなかよりしょうずる心数しんじゅなり。 ぜんはよくあくするがゆゑに、 報仏ほうぶつねんずべし。

正念之中、縁ゼヨ↧仏十力・四无所畏・十八不共・一切種智カニ↢法界↡、常寂不動ニシテ、普↢色身↡、利↢益タマフ一切↡、功徳无量ニシテ不可思議ナルコトヲ↥。何。此ズル功徳勝善法中↡生心数ナリ悪念思惟↧縁ズル↢悪法↡中↥生心数ナリ。善ルガ↠悪↠念↢報仏↡。

^たとへば、 しゅうしょうにんの、 たんじょうだいにんのなかにありては、 すなはちみづから*鄙恥ひちするがごとく、 あくもまたかくのごとし。 善心ぜんしんのなかにありては、 すなはち恥愧ちきしておのづからむ。 ぶつどくえんずれば、 念々ねんねんのうちに一切いっさいさわりめっす。

↧醜陋少智之人テハ↢端正大智↡、即鄙恥ルガ↥、悪亦如↠是。在テハ↢善心↡、則恥愧。縁ルハ↢仏功徳↡、念々之中↢一切↡。

^さんに、 *きょうがい逼迫ひっぱくさわりせんには、 *法仏ほうぶつねんずべし。

セバ↢境界逼迫↡者、応↠念↢法仏↡。

^法仏ほうぶつとは、 すなはちこれほっしょうなり。 びょうどうにしてしょうめつなり。 ぎょうしきあることなく、 くうじゃく無為むいなり。 無為むいのなかにはすでにきょうがいなし。 何者なにものかこれ逼迫ひっぱくそうならん。 きょうがいくうなることをるがゆゑに、 すなはちこれ*たいなり。

法仏者即是法性ナリ。平等ニシテ不生不滅ナリ。无↠有コト↢形色↡、空寂无為ナリ。无為之中ニハ↢境界↡。何者是逼迫之相ナラム。知ルガ↢境界ナルコトヲ↡故、即是対治ナリ

^もしさんじゅうそうねんずれば、 すなはちたいにあらず。 なにをもつてのゆゑに。 このひといまだそうえんぜざるときに、 すでにきょうがいのために悩乱のうらんせらる。 しかるをさらにそうらば、 このじゃくによりて、 はそのしんきょうらんす。

ルハ↢卅二相↡即↢対治↡。何。是人未↠縁↠相、已↢境界悩乱セラルルヲ↠相者、因↢此↡魔狂↢乱↡。

^いまくうかんじてそうすれば、 もろもろのきょうがいのぞき、 しんきてぶつねんずれば、 どくりょうにしてすなはちじゅうざいめっす」 と。

今観ジテ↠空レバ↠相↢諸境界オキ↠心レバ↠仏功徳无量ニシテスト↢重罪↡。

^*別相べっそうもかくのごとし。 いまさん*つうくわへん。

別相↠是。今加ヘム↢三↡。

^いちには、 よく*わくおこることをしょうして、 そのしんきょうかくして、 煩悩ぼんのうしゃくすること、 悪賊あくぞくるがごとくし、 三業さんごうぼうすること、 はちささぐるがごとくせよ。

ニハ↢惑コトヲ↡、驚↢覚↡、呵↢コト煩悩↡如クシルガ↢悪賊↡、防↢護コト三業↡如クセヨササグルガ↢油鉢↡。

^¬ろっ波羅ぱらみつきょう¼ にのたまふがごとし。 「*けっ趺坐ふざしてしょうねん観察かんざつし、 だいしんをもつて屋宅おくたくとなし、 智慧ちえをもつてつづみとなし、 *かくつえをもつてこれをたたちて、 もろもろの煩悩ぼんのうげよ。 ªなんぢら、 まさにるべし、 もろもろの煩悩ぼんのうぞく妄想もうぞうよりしょうず。 わが法王ほうおういえぜんおこることあり。 なんぢがしょにあらず。 なんぢ、 よろしくすみやかにづべし。 もしときでずは、 まさになんぢがいのちつべしº と。

↢¬六波羅蜜経¼云フガ↡。「結跏趺坐シテ正念観察、以↢大悲心↡而シテ↢屋宅↡、智ヲモテ↠鼓、以↢覚悟↡而扣↡、告ゲヨ↢諸煩悩↡。汝等、当↠知、諸煩悩妄想↡生。我法王↢善事コト↡。非↢汝所為↡。汝宜↢速↡。若↢時↡当シト↠断↢汝↡。

^かくのごとくげをはるに、 もろもろの煩悩ぼんのうぞくは、 いでおのづから散滅さんめつす。 つぎしんにおいて、 よくぼうおこして、 *放逸ほういつすべからず」 と。

↠是ルニ、諸煩悩ギテ。次↢自身↡善↢防護↡不↠応↢放逸↡。」

^また ¬*さつ処胎しょたいきょう¼ のにのたまはく、

又¬菩薩処胎経¼偈

^「かの犯罪ぼんざいにんの、 満鉢まんぱちささして、

もしつること一渧いったいをもせば、 つみ*だいびゃく交入きょうにゅうせん。

^左右さうがくをなせども、 おそれて顧視こじせざるがごとし。

さつ*じょうかんしゅするには、 *しゅう金剛こんごうのごとく、

^毀誉きよおよび悩乱のうらんに、 しん*きょうどうせず。

くう本来ほんらいじょうにして、 彼此ひしちゅうげんもなしとす」 と。

「如↧彼犯罪↢持満鉢
ツルコト↠油一渧モセバ罪交↢入大僻
左右ドモ↢伎楽↠死ルガ↦顧視
菩薩シテ↢浄観執意如↢金剛
毀誉及悩乱心意不↢傾動
スト↣空本来浄ニシテシト↢彼此中間↡」

 ^には、 つうじて*四句しくもちゐて、 一切いっさい煩悩ぼんのう根源こんげんすいせよ。 いはく、 この煩悩ぼんのうは、 *しんによりてしょうずとやせん、 *えんによりてしょうずとやせん、 ともしょうずとやせん、 はなれてしょうずとやせん。

ニハ↢四句↡、推↢求セヨ一切煩悩根源↡。謂煩悩モシ↠心モシ↠縁モシモシレテ

^もししんによりてしょうぜば、 さらにえんたじ。 あるいは*もう*かくにおいても、 貪瞋とんじんしょうずべし。

↠心ゼバ者、更不↠待↠縁。或テモ↢亀毛・兎角↡応↠生↢貪瞋↡。

^もしえんによりてしょうぜば、 しんもちゐざるべし。 あるいはねむれるひとをして煩悩ぼんのうしょうぜしむべし。

↠縁ゼバ者、応↠不↠用↠心。或ベシ↣眠レルヲシテ↢於煩悩↡。

^もしともしょうずとせば、 いまだせざるとき、 おのおのなくして、 ときに、 いづくんぞあらん。 たとへばいさごがっすといへども、 なきがごとし。 あるいは*しんきょうともにがっするに、 なんぞ煩悩ぼんのうしょうぜざるときある。

ナラ者、未ルトキ↠共ニシテンゾ。譬↢二↠合ストキガ↟油トキニ心境倶ルニナン↧不↠生↢煩悩↡時↥。

^もしはなれてしょうずとせば、 すでにしんはなえんはなれたり、 なんぞたちまちに煩悩ぼんのうしょうぜん。 あるいはくうはなれたり。 つね煩悩ぼんのうしょうずべし。

ナラ者、既↠心↠縁ナンタチマチ↢煩悩↡。或虚空離タリ↠二↣常↢煩悩↡。

^種々しゅじゅ観察かんざつするに、 すでにじつしょうなし。 よりてきたるところなく、 またるところなし。 うちにあらず、 ほかにあらず、 またちゅうげんにあらず。 すべて処所しょしょなく、 みなげんのごとし。 ただ*惑心わくしんのみにあらず、 *観心かんじんもまたしかなり。 かくのごとくすいするに、 惑心わくしんおのづからめっす。

種々観察ルニ、既↢実生↡。无ケレバ↠所↢従↡亦无↠所↠去。非↠内↠外、亦非↢中間↡。都↢処所↡、皆如クシテナリ。非↢唯惑心ノミニ↡、観心亦爾ナリ。如↠是推求ルニ、惑心自

^ゆゑに ¬しんかんぎょう¼ のにのたまはく、

¬心地観経¼偈

^「かくのごとき*心法しんぽうはもとよりにあらず、 ぼんしゅうめいして非無ひむなりとおもへり。

もしよくしん*たいしょうくうなることをかんずれば、 *わくしょうしょうぜずしてすなはちだつす」 と。

「如↠是心法ヨリ↠有凡夫執迷ヘリ↢非无ナリト
ルハ↢心体性ナルコトヲ惑障不シテ↠生便スト

^また ¬*ちゅうろん¼ の第一だいいちにいはく、

又¬中論¼第一

^諸法しょほうよりしょうぜず、 またよりもしょうぜず。

ならずいんならず。 このゆゑにしょうなりといふことをりぬ」 と。

「諸法不↢自ヨリ亦不↢従リモ↠他生
不↠共ナラ不↢无因ナラヌト↢无生ナリトイフコトヲ↡」

^このによりて、 おおくの四句しくもちゐるべし。

↧依↢此↡用↦多クノ四句↥。

^さんには、 ねんずべし、 「いま、 わが惑心わくしんそくせる八万はちまんせん*塵労じんろうもんと、 かの弥陀みだぶつそくしたまへる八万はちまんせん*波羅はらみつもんとは、 本来ほんらいくうじゃくにして、 *一体いったい無礙むげなり。 貪欲とんよくはすなはちこれどうなり。 *またかくのごとし。 みずこおりとの、 しょうことなるところにあらざるがごとし。

者応↠念、今我惑心八万四千塵労門↡。弥陀仏ニハタマヘ八万四千波羅蜜門。本来空寂ニシテ一体无ナリ。貪欲是道ナリ。恚・痴亦如↠是。如クナリ氷性ルガ↢異ナル↡。

^ゆゑにきょうにのたまはく、 ª煩悩ぼんのうだいたい無二むになり。 しょうはんしょにあらずº と。

¬経¼云、「煩悩・菩提体无二ナリ。生死・涅槃ズトイヘリ↢異↡。」

^われいま、 いまだ*智火ちかぶんあらざるがゆゑに、 煩悩ぼんのうこおりきてどくみずとなすことあたはず。 ねがはくはぶつ、 われを*哀愍あいみんして、 その所得しょとくほうのごとく、 *じょうりきをもつてしょうごんし、 これをもつてだつせしめたまへ」 と。 かくのごとくねんじをはりて、 こえげてぶつねんじて、 救護くごへ。

我今未ルガ↠有↢智火分↡故、不↠能↧解↢煩悩↡成コト↦功徳↥。願クハ仏哀↢愍タマヘキハ↢其所得↡定恵力ヲモテ荘厳タマヘリ↠此タマフベシ↢解脱↡。如↠是、挙↠声↠仏而請↢救護↡。

^¬かん¼ にいふがごとし。 「ひとおもきをくに、 りきにてすすまずは、 かたわらのじょりて、 すなはちかろげらるるがごとく、 ぎょうにんもまたしかなり。 しんよわくしてさわりはらふことあたはずは、 しょうしてふに、 悪縁あくえんすることあたはず」 と。

↢¬止観¼云フガ↡。「如↧人クニ↠重キヲ自力ニテレバスス、仮↢傍救助↡、則ルルガ↦軽↥行人亦爾ナリ。心弱クシテ↠能↠排コト↠障、称↠名フニ↠護、悪縁不↠能コト。」

^もし*わくしんおおひて*通別つうべつたいしゅせんとほっせしめずは、 すべからくそのこころりて、 つねにしんとなりて、 しんとせざるべし。

惑覆↠心↠令↠欲↠修ムト↢通・別対治↡、須↧知↢其↡、常リテ↢心↡、不↞師トセ↢於心↡。

 ^ふ。 もしかいのもの、 三昧さんまいじょうぜずは、 いかんぞ、 ¬観仏かんぶつきょう¼ に、 「この観仏かんぶつ三昧ざんまいは、 これ一切いっさいしゅじょうの、 つみおかせるもののくすりかいのもののまもりなり」 とのたまへるや。

。若破戒三昧不↠成、云¬観仏経¼云ヘル↢「此観仏三昧是一切衆生↠罪薬、破戒ナリト」↡

^こたふ。 かい以後いごに、 さきつみめっせんがために一心いっしんぶつねんず。 これがためにくすりづく。 もしつねにぼんせば、 三昧さんまいじょうじがたし。

。破戒已後↠滅ムガ↢前↡一心↠仏↠此↠薬。若毀犯セバ、三昧難ケム↠成

二 Ⅴ 懴悔衆罪

【52】^だい*さん衆罪しゅざいとは、 *もし煩悩ぼんのうのためにそのしん迷乱めいらんして禁戒きんかいやぶらば、 ぐさずしてさんようしゅうすべし。

第五懴悔衆罪者、設煩悩迷↢乱スルガヤブラ↢禁戒↡者、応↣不シテ↠過グサ↠日イソギ↢懴悔↡。

^¬だいきょう¼ (涅槃経)じゅうにのたまふがごとし。 「もしつみおおへば、 つみすなはちぞうじょうす。 *ほつさんすれば、 つみすなはちしょうめつす」 と。

↢¬大経¼十九フガ↡。「若↠罪者罪則増長。発露懴悔レバ罪即消滅スト。」

^また ¬大論だいろん¼ (大智度論・意) にいはく、 「しんあくいずしてぶつんとほっせば、 このことわりあることなからん」 と。

又¬大論¼云、「身シテ↠悔↠見ムト↠仏、无ムト↠有コト↢是コトワリ↡。」

^*懴法さんぽういちにあらず。 ねがいしたがひてこれをしゅせよ。 あるいは*たいげ、 *遍身へんしんあせながして弥陀みだぶつみょうし、 けんびゃくごうそうねんじ、 ほつていきゅうして、 このねんをなすべし、 「過去かこ空王くうおうぶつけんびゃくごうそうを、 弥陀みだそん*らいきょうして、 つみめっして、 いまぶつたまへり。 われいま弥陀みだらいすることは、 またまさにまたかくのごとくなるべし」 と。

懴法非↠一。随↠楽ヒニセヨ↠之五体↠地シテ↠汗、帰↢命弥陀仏↡、念↢眉間白毫↡、発露涕泣、応↠作↡、過去空王仏眉間白毫相弥陀尊礼、滅↠罪今得タマヘリ↠仏。我今スルコト↢弥↡、亦当シト↢復如↟是

^すべからくつみそうしたがひて、 ぶつひかりあいしょうすべし。 いはく、 「*檀光だんこうはなちては*慳蔽けんぺいつみめっしたまへ。 戒光かいこうはなちてはきんつみめっしたまへ。 忍辱にんにくひかりはなちてはしんつみめっしたまへ。 しょうじんひかりはなちてはだいつみめっしたまへ。 ぜんじょうひかりはなちては散乱さんらんつみめっしたまへ。 智慧ちえひかりはなちてはわくつみめっしたまへ」 と。

↧随↢罪↡哀↦請↥。謂テハ↢檀光↡滅タマヘ↢慳↡。放テハ↢戒光↡滅タマヘ↢毀禁↡。放テハ↢忍辱↡滅タマヘ↢瞋恚↡。放テハ↢精進↡滅タマヘ↢懈↡。放テハ↢禅定↡滅タマヘ↢散乱↡。放テハ↢智↡滅タマヘト↢愚↡。

^かくのごとくして、 一日いちにちもしは七日しちにちいたらば、 ひゃくせんごう煩悩ぼんのう重障じゅうしょうのぞきてん。 あるいはしゅのあひだも、 ぜん入定にゅうじょうしてぶつびゃくごうねんじ、 しんをして*了々りょうりょうならしめ、 びゅうらんおもいなく、 ぶんみょうにまさしくじゅうしてこころけてまざれば、 じゅうろくおく那由なゆとうこうしょうつみじょきゃくす。 あるいは一心いっしんにかのぶつ*神呪じんじゅねんずること、 一返いっぺんすればよくじゅうぎゃくめっし、 七返しちへんすればよく根本こんぽんつみめっす。 ¬*儀軌ぎき¼ にづ。

クシテ一日ヨリルマデセ↢七日↡、除キテム↢百千煩悩重障↡。或須臾坐禅入定↢仏白毫↡、令↣心ヲシテ了々ニシテカラ謬乱想↡、分明ツケ↠意レバ↠息、除↢却九十六億那由他等生死之罪↡。或一心レバ↢彼神呪↡、一↢四重・五逆根本之罪↡。↢¬儀軌¼↡

^あるいはまた ¬しんかんぎょう¼ に、 *さんかしてのたまはく、

復¬心地観経¼明↢理懴悔↡云

^一切いっさいのもろもろのつみは、 しょうみな*にょなり。 顛倒てんどう因縁いんねん妄心もうしんよりおこる。

かくのごとき罪相ざいそう本来ほんらいくうなり。 さんのなかにるところなし。

^うちにあらずほかにあらずちゅうげんにあらず。 *しょうそう如々にょにょにしてともにどうなり。

真如しんにょみょう*みょうごんつ。 ただしょうのみありてよく通達つうだつす。

^にあらずにあらず有無うむにあらず。 有無うむにあらざるにあらず。 *みょうそうはなれ、

法界ほうかいしゅうへんしてしょうめつなく、 諸仏しょぶつ本来ほんらい同一どういつたいなり。

^ただねがはくは諸仏しょぶつ加護かごれて、 よく一切いっさい顛倒てんどうしんめっしたまへ。

ねがはくはわれはや*しんしょうみなもとさとりて、 すみやかに如来にょらい*じょうどうしょうせん」 と。

「一切性皆如クナリ顛倒因縁ヲモテ妄心ヨリ
↠是罪相本来モトヨリナリ三世之中↠所↠得
↠内↠外↢中間性相如々ニシテ不動ナリ
真如妙理ナリエタリ↢名言↢聖智ノミ↡能通達
↠有↠无↢有无↠不ザルニ↢有无↡離タリ↢名相
周↢遍法界↡无↢生滅↡諸仏本来モトヨリ同一体ナリ
クハ諸仏垂↢加護タマヘ↢一切顛倒
クハ我早↢真性セムトイヘリ↢如来无上道↡。」

 ^ふ。 ただにぶつ観念かんねんするに、 すでによくつみめっす。 なんがゆゑぞ、 さらにさんしゅするや。

観↢念ルニ↡、既↠罪。何↢理懴悔↡耶。

^こたふ。 たれかはいふ、 一々いちいちにこれをしゅせよとは。 ただぎょうしたがふべし。 いかにいはんや、 もろもろのざいしょうくうにしてしょなしとかんずるは、 すなはちこれ真実しんじつ念仏ねんぶつ三昧ざんまいなり。

。誰カハ、一々セヨトハ↠之。但随ベシ↢意楽↡。何、観ズルハ↣衆罪性ニシテシト↢所有↡、即是真実念仏三昧ナリ

^¬ごん¼ のにのたまふがごとし。

↢¬花厳¼偈フガ↡。

^現在げんざい*ごうにあらず。 *らいもまたしかなり。

一切いっさいほうそうなる、 これすなはちぶつ*真体しんたいなり」 と。

「現在↢和合去来亦復然ナリ
一切无相ナル是即ナリト

^また ¬*仏蔵ぶつぞうきょう¼ の 「念仏ねんぶつぼん(意) にのたまはく、 「しょなしとるをづけて念仏ねんぶつとなし、 *諸法しょほう実相じっそうるをづけて念仏ねんぶつとなす。 分別ふんべつあることなく、 しゅなくしゃなき、 これしん念仏ねんぶつなり」 と。

又¬仏蔵経¼「念仏品」云、「見ルヲ↠无シト↢所有↡名↢念仏↡、見ルヲ↢諸法実相↡名↢念仏↡。无↠有コト↢分別↡、无↠取无↠捨、是真念仏ナリト。」

^しょくうそうとうかんも、 これにじゅんじてみな念仏ねんぶつ三昧ざんまい摂入しょうにゅうすべし。

諸余空・无相等、准↠之皆応↣摂↢入念仏三昧↡。

 ^ふ。 かくのごときさんはなんの*しょうとくかある。

。如↠是懴悔勝徳↡。

^こたふ。 ¬しんかんぎょう¼ のにのたまはく、

。¬心地観経¼偈

^ざいはよく煩悩ぼんのういんまねき、 しゅっもまた清浄しょうじょうかいやぶる。

もしよくほうのごとくさんするものは、 あらゆる煩悩ぼんのうことごとくみなのぞこる。

^さんはよく三界さんがいごくで、 さんはよくだいはなひらき、

さんぶつ*大円だいえんきょうさんはよく*宝所ほうしょいたる」 と。

「在家↢煩悩出家亦破↢清浄
↠法懴悔所有煩悩悉皆除コル
懴悔↢三界懴悔↢菩提
↢仏大円鏡懴悔ルト↢於宝所↡」

 ^ふ。 このなかに何者なにものをかさいしょうなりとなすや。

。此何者ヲカ↢最勝ナリト耶。

^こたふ。 もし一人いちにんやくせば、 じゅんずるをすぐれたりとなす。 もし*ほんはんぜば、 *さんすぐれたりとなす。

。若↢一人↡順ズルヲ↠機↠勝レタリト。若汎爾ズルニハ↠勝レタリト

^ゆゑに ¬*如来にょらい密蔵みつぞうきょう¼ のかんに、 ぶつしょうげてのたまはく、 「もししょうぜんをも、 もしそれけんじゅうし、 けんしゅうし、 けんじゃくせば、 一切いっさいわれきて、 これをづけてぼんとなす。

¬如来秘密蔵経¼下巻、仏告↢迦葉↡言、「若少不善ヲモ堅住、堅執、堅著スレ、一切我説↠之↠犯

^しょう五無ごむけんつみをも、 もしけんじゅうし、 けんしゅうし、 けんじゃくしてけんをなさざるものをば、 われ、 かれをきて、 づけていひてぼんとなさず。 いはんやまた、 *しょうぜん業道ごうどうをや。

迦葉、五无間罪ヲモ↣堅住、堅執、堅著↢於見↡者ヲバ、我不↢説↠彼↟犯。況復余少不善業道ヲヤ

^しょう、 われはぜんほうをもつてだいるにあらず。 また善法ぜんぽうをもつてだいるにあらず。 煩悩ぼんのう因縁いんねんよりしょうずと解知げちするを、 だいづく。

迦葉、我↧以↢不善↡而シテルニ↦菩提↥。亦不↧以↢善↡而シテルニ↦菩提↥。 解↧知ルヲ煩悩↢因縁↡生ズト↥名↠得↢菩提↡。

^しょう、 いかなるをか、 因縁いんねんよりしょうずるところの煩悩ぼんのう解知げちすとはなす。 これ*しょうなくしておこほうは、 これしょうほうなりと解知げちす。 かくのごとく解知げちするを、 だいづく」 と。

迦葉、云何ナルヲカ↧解↦知ストハ↢因縁↡所↠生煩悩↥。解↧知ルナリ是无↢自性↡、起是无生ナリト↥。如↠是解知ルヲ、名クト↠得↢菩提↡。」

^また ¬*けつじょう毘尼びにきょう¼ (意) にのたまはく、 「だいじょうのなかにおいて*ほっしゅぎょうするに、 *初分しょぶんとき所犯しょぼんかいあるに、 ちゅうぶんにおいて一切いっさいしんはなれずは、 かくのごときさつ*戒身かいしんせず。 もしちゅうぶん所犯しょぼんかいあるに、 ぶんにおいて一切いっさいしんはなれずは、 かくのごときさつ戒身かいしんせず。

又¬決定毘尼経¼云、「於↢大乗↡発起修行ルニ、日初分ルニ↢所犯戒↡、於↢日中分↡不レバ↠離↢一切智↡、如↠是菩薩戒身不↠壊中分ルニ↢所犯戒↡、於↢日後分↡不レバ↠離↢一切智↡、如↠是菩薩戒身不↠壊

^もしぶん所犯しょぼんかいあるに、 初分しょぶんにおいて一切いっさいしんはなれずは、 かくのごときさつ戒身かいしんせず。 このをもつてのゆゑに、 *さつじょうにん*開遮かいしゃかいたもてば、 たとひ所犯しょぼんありとも、 失念しつねんしてみだりに憂悔うけしょうじて、 みづからそのしんなやますべからず。 *しょうもんじょうにおいては所犯しょぼんあるものをば、 すなはちしょうもんじょうかい破壊はえしつとなす」 と。

後分ルニ↢所犯戒↡、於↢日初分↡不レバ↠離↢一切智↡、如↠是菩薩戒身不↠壊。以↢是↡故、菩薩乗ツニ↢開遮↡、設リトモ↢所犯↡、不↠応↧失念↢憂悔↡、自↦其↥。於テハ↢声聞乗↡有↢所犯↡者ヲバ、便↣破↢壊シツト声聞浄戒↡。」

^一切いっさいしん」 とは、 しょせつなぞらへば、 これ*第一だいいちくう相応そうおうしんなり。 あるいはこれ*ぶつしゅがんするしんなるべし。

一切智者、准ヘバ↢余処↡、是第一義空相応也。或↧是願↢求種智↡心ナル↥也。

 ^ふ。 もしさんしゅするに、 よく衆罪しゅざいめっせば、 いかんぞ ¬大論だいろん¼ (大智度論)じゅうろくに、 「*戒律かいりつのなかのかいは、 またさいなりといへども、 さんすればすなはち清浄しょうじょうなり。 じゅう善戒ぜんかいおかせば、 またさんすといへども、 さん悪道まくどうつみのぞこらず」 とはいひ、 また ¬*じゅうりんぎょう¼ (意)かく、 「*じゅうあく輪罪りんざいつくれるは、 一切いっさい諸仏しょぶつすくひたまはざるところなり」 とはいへる。

。若ルニ↢懴悔↡能セバ↢衆罪↡、云何¬大論¼六ヘル↧「戒律、雖↢復細微ナリト↡、懴シツレ清浄ナリ。犯シツレ↢十善戒↡、雖↢復懴悔スト↡、三悪道罪不トハ↞除コラ又¬十輪経¼説カク、「造レルハ↢十悪輪罪↡、一切諸仏之所ナリトハイヘル↠不↠救タマハ。」

^こたふ。 ¬かんぎょう¼ には、 じゅうねんしてよくぎゃくめっし、 ¬観仏かんぶつきょう¼ には、 ぶつ一相いっそうねんずればよくじゅうあくぎゃくめっし、 ¬だいきょう¼ (涅槃経) には、 闍王じゃおうせっつみ懴除さんじょし、 ¬*般若はんにゃきょう¼ には、 読誦どくじゅせつすればよく三界さんがいしゅじょう殺害せつがいせるつみめっして、 悪趣あくしゅせず、 ¬ごんぎょう¼ には、 *げんがんじゅするに、 一念いちねんによくじゅうあくぎゃくめっすと。

。¬観経ニハ¼十念↢五逆¬観仏経ニハ¼念レバ↢仏一相↡能↢十悪・五逆¬大経ニハ¼闍王懴↢除セリ殺父之罪¬般若経ニハ¼読誦・解レバ↧殺↢害セル三界衆生↡之罪↥、不↠堕↢悪趣¬花厳経ニハ¼誦ルニ↢普賢↡一念↢十悪・五逆↡。

^あきらかにりぬ、 だいじょう実説じっせつは、 つみめっせずといふことなし。 しからば、 この ¬ろん¼ (大智度論)もんは、 あるいはこれ*てんじゅうきょうじゅにしてまつたくけざるにあらざるを、 これを 「のぞこらず」 とづけ、 あるいはこれ*随転ずいてんもんせつならん。

大乗実説↠不トイフコト↠滅↠罪。然¬論¼文、或是転重軽受シテルヲ↢全ルニ↟受、名クルナリ↢之是随転理門之説

^またかんぜん (懐感)、 ¬じゅうりんぎょう¼ をしていはく (群疑論)、 「如来にょらい*みつつみおどさしめんとおぼすなり」 といへり。

又感禅師会↢¬十輪経¼↡云、「如来密意欲スナリト↠令メムトオド」等イヘリ

^は、 しもりょうけん念仏ねんぶつ相門そうもんのごとし。 これらはみなこれ*べつさんなり。 しかもぎょうじゃはつねにまさにさんしゅすべし。 ¬大論だいろん¼ (大智度論) にいふがごとし。 「さつはかならず、 すべからくちゅうろくに、 さんずい*かんじょうさんしゅすべし」 と。

↢下料簡念仏相門↡。此等皆是別時懴悔ナリ。然行者↠修↢三事↡。如↢¬大論¼云フガ↡。「菩薩シト↣昼夜六時↢懴悔・随喜・勧請三事↡。」

^念門ねんもんのうちに、 礼拝らいはいつぎに、 このしゅすべし。

五念門、礼拝之次↠修↢此↡。

^¬*十住じゅうじゅうしゃ¼ のさんにいはく、

¬十住婆¼懴悔

^十方じっぽうりょうぶつは、 るところ、 きたまはずといふことなし。

われいまことごとくみまえにして、 もろもろの*黒悪こくあくほつす。

^三々さんさんがっしてしゅあり、 さん煩悩ぼんのうよりおこる。

今身こんじんもしは前身ぜんしんの、 このつみをことごとくさんす。

^*さん悪道まくどうのなかにして、 もし*業報ごうほうくべからんをば、

ねがはくは今身こんじんつぐなひて、 悪道あくどうりてはけじ」 と。

「十方无量知无↠不トイフコト↠尽タマハ
我今悉↠前発↢露黒悪
三々合九種アリ↢三煩悩↡起
今身若前身懴悔
↢三悪道カラムヲバ↠受↢業報
クハ↢今身ツグヒテ↧入テハ↢悪道↡受↥」

^三々さんさんがっしてしゅあり」 とは、 しん口意くいにおのおの*げんしょうごうあり。 「さん煩悩ぼんのうよりおこる」 とは、 三界さんがい煩悩ぼんのうなり。

三々合シテ九種アリ者、身口意↢現業↡。従↢三煩悩↡起ルト者、三煩悩

^かんじょう (十住毘婆沙論) にいはく、

勧請

^十方じっぽう一切いっさいぶつの、 現在げんざいぶつになりたまへるものを、

われひたてまつる。 法輪ほうりんてんじて、 もろもろのしゅじょう安楽あんらくならしめたまへと。

^十方じっぽう一切いっさいぶつ、 もし寿じゅみょうてんとほっしたまはば、

われいま*めんをもつてらいして、 かんじょうしてひさしくじゅうせしめたてまつらん」 と。

「十方一切現在タマヘル↠仏
我請マツル↢法輪安↢楽ナラシメタマヘト衆生
十方シタマハムヲ↠捨ムト↢寿命
我今頭面勧請マツラムト↢久↡」

^ずい (十住毘婆娑論) にいはく、

随喜

^「あらゆる布施ふせふくも、 かい修禅しゅぜんぎょうも、

しん口意くいよりしょうず。 *らいこんしょの、

^さんじょう習行じゅうぎょうするひとと、 さんじょうそくするものと、

一切いっさいぼんとのふくを、 みなしたがひてかんせん」 と。

「所有布施スル
↢身口意↡生ズル去来今所有
習↢行三乗↡人具↢足三乗↡者
一切凡夫皆随歓喜

^また*常行じょうぎょう三昧ざんまいほっ三昧ざんまい*真言しんごんきょうとうに、 みなおのおのもんあり。 こころしたがひてこれをもちゐよ。

又常行三昧・法花三昧・真言教等皆各↠文。随↠意↠之

^もしりゃくねがはば、 ¬*ろくさつ本願ほんがんぎょう¼ のいちによるべし。 ¬きょう¼ (同) にのたまはく、 「ぶつなんかたりたまはく、 ªろくさつもとどうもとめたまひしときに、 もくしゅそくしんみょう珍宝ちんぽうじょうおうさい、 およびこくたもちて、 布施ふせしてひとあたへ、 もつて仏道ぶつどうじょうぜしにはあらず。 ただ*善権ぜんごん安楽あんらくぎょうをもつて、 *じょうしょうしんどういたすことをたりº と。

ハバ↠略者、可↠依↢¬弥勒菩薩本願経¼一偈↡。¬経¼云、「仏語タマハク↢阿難↡、弥勒菩薩本求タマヒシ↠道、不↧持↢耳・鼻・頭・目・手・足・身命・珍宝・城邑・妻子及以国土↡、布施↠人レル↦仏道↥。但以↢善権安楽之行↡得タリト↠致コトヲ↢无上正真之↡。

^なんぶつにまうさく、 ªろくさつは、 なんの善権ぜんごんをもつてか、 仏道ぶつどういたすことをたるº と。

阿難白↠仏、弥勒菩薩テカ↢何↡得タルト↠致コトヲ↢仏道↡。

^ぶつなんかたりたまはく、 ªろくさつは、 ちゅうにおのおのたび、 *しょう束体そくたいし、 あざへ、 みぎひざけて、 十方じっぽうかひてきていはく、

仏語タマハク↢阿難↡、弥勒菩薩昼夜タビ正衣束体アザ↠手↠地、向↢於十方↡説↠偈

^«われ一切いっさいとがいて、 もろもろの*道徳どうとくかしたまへとすすめ、

みょうして諸仏しょぶつらいしたてまつる。 *じょうしめたまへ»º と。

我悔↢一切↠明タマヘト↢衆道徳
帰命マツル↢諸仏タマヘト↠得↢无上

^ぶつなんかたりたまはく、 ªろくさつは、 この善権ぜんごんをもつてじょうしょうしんの道をたりº」 と。

仏語タマハク↢阿難↡、弥勒菩薩↢是↡得タリトイヘリ↢於无上正真之道↡。」

 ^ふ。 このさん*かんじょうとうしゅするに、 いくばくのふくをかる。

。修スルニ↢此懴悔勧請等↡、得幾処イクバクヲカ↡。

^こたふ。 ¬十住じゅうじゅうろん¼ (十住毘婆沙論)にいはく、

。¬十住論¼偈

^「もしいちのうちにおいてせんに、 福徳ふくとくかたちあらば、

ごうしゃかいも、 すなはちおのづから容受ようじゅせじ」 と。

「若テセムニ↢一時福徳有↠形者
恒河沙世界↢容受↡」

二 Ⅴ 対治魔事

【53】^だいろく*たい魔事まじとは、

第六対治魔事者、

^ふ、 種々しゅじゅ魔事まじよくしょうどうふ。 あるいはびょうげんおこさしめ、 あるいは観念かんねんうしなはしめ、 あるいは邪法じゃほうしむ。

。種々魔事能↢正道↡。或↠発↢病患↡、或↠失↢観念↡、或↠得↢邪法↡。

^いはゆる、 もしは*けんもしは*けん、 もしは明了みょうりょうもしは昏闇こんあん、 もしは*じゃじょうもしは*攀縁へんえん、 もしはもしは、 もしはもしはらく、 もしはもしはふく、 もしはあくもしはぜん、 もしはひとにくみもしはれんじゃくし、 もしはこころつよくもしはこころやわらかなり。 かくのごときの、 もしはぎたる、 もしはおよばざるは、 みなこれ魔事まじなり。 ことごとくしょうどうふ。 なにをもつてかこれをたいする。

所謂