安楽あんらくしゅう かん

しゃく*どうしゃくせん

【第四大門】
    標列

【28】^だい大門だいもんのなかに三番さんばん*りょうけんあり。 だいいちちゅうごく (印度)*三蔵さんぞうほっならびに此土しど (中国)*大徳だいとくとうみなともに*聖教しょうぎょうじょうしんし、 たんじて*じょうするにより、 いまもつてすすめてよらしむ。 だいこの ¬きょう¼ (観経)*しゅうおよび*だいじょうしょによるに、 *ぼんしょうしゅにゅうおお*念仏ねんぶつ三昧ざんまいかして、 もつて*要門ようもんとなす。 だいさん問答もんどうしゃくして、 念仏ねんぶつしゃ種々しゅじゅ*のう*やくること*不可ふか思議しぎなることをあらわす。

第四大門↢三番料簡↡。第一↧中国三蔵法師并大徳等皆共詳↢審聖教↡、歎ルニ↦浄土↥、今以シム。第二ルニ↢此¬経¼宗及大乗諸部↡、凡聖修入多↢念仏三昧↡、以↢要門↡。第三問答解釈、顕↧念仏者コト↢種種功能利益↡不可思議ナルコトヲ↥。

二 Ⅳ 解釈
      師承念仏要門【念仏大徳所行】
       

【29】^だいいち中国ちゅうごくおよび此土しど大徳だいとく所行しょぎょうによるとは、

第一ルト↢中国及以此土大徳所行↡者、

二 Ⅳ ⅱ a
          (一)師承を挙げて意を叙す

^ (道綽)*えいにしてめんしょうなり。 あにいづくんぞみづからたやすくせんや。 ただおもんみればりゃくひらかんがふるに、 うやまふに*じょうあり。

五翳ニシテ面牆ナリ。豈タヤスクセムヤ。但以レバ遊歴ルニ、敬フニ↢師承↡。

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)正挙
            (Ⅰ)六師の名徳を列嘆す
              (ⅰ)別嘆

^なんとなれば、 いはく、 ちゅうごくだいじょうほっ流支るし三蔵さんぞう (*菩提流支) あり。 つぎ大徳だいとく*みょう*呵避かひするあり、 すなはち*ちょうほっあり。 つぎ大徳だいとくじんじょう*えんするごとにしょうそうらいちょうかんずるあり、 すなはち*どうじょうほっあり。 つぎ大徳だいとくひかりやわらげてひとみて、 こく (梁・魏) こうするあり、 すなはち*曇鸞どんらんほっあり。 つぎ大徳だいとく禅観ぜんかんひとひいでたるあり、 すなはち*大海だいかいぜんあり。 つぎ大徳だいとくそうにしてかいまもるあり、 すなはち*せいちょうじょうとうあり。

トナレバ者謂中国大乗法師流支三アリ。次↣大徳呵↢避名利↡、則↢恵寵法師↡。次↢大徳尋常敷演ズル↢聖僧来聴↡、則↢道場法師↡。次↢大徳ゲテ↠光二国慕仰↡、則↢曇鸞法師↡。次↢大徳禅観デタル↡、則↢大海禅師↡。次↢大徳聡恵ニシテ↟戒、則↢斉朝統↡。

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)総嘆
                (a)嘆人

^しかるにさきろく大徳だいとくは、 *ならびにこれ*たいじんきょう、 これすなはち仏法ぶっぽう綱維こうゆいなり。 ぎょうりんことにしてこんじつまれなり。

六大徳是二諦神鏡、斯乃仏法綱維ナリ。志行、殊ニシテ↠倫古今ナリ

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)嘆法

^みなともにだいじょうじょうしんし、 たんじてじょうす。 すなはちこれじょう要門ようもんなり。

皆共詳↢審大乗↡、歎↢浄土↡。乃是无上要門也。

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)且に終端に就きて徳を顕す
              (ⅰ)

 ^ひていはく、 すでにたんじてじょうす、 すなはちこれ要門ようもんなりといはば、 いまだらず、 これらの諸徳しょとく*りんじゅうとき、 みな*霊験れいげんありやいなや。

、既↧歎↢浄土↡、乃是要門ナリト↥者、未↠知、此等諸徳臨終時、皆有リヤ霊験↡已不 イナ 

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)
                (a)総じて不虚を略答す

^こたへていはく、 みなあり、 むなしからず。

、皆有、不↠虚カラ

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)別して鸞祖の徳を略明す
                  (イ)先づ平生の徳化を明す
                    [一]自行

^曇鸞どんらんほっのごときは、 *康存こうぞんつねにじょうしゅす。

キハ↢曇鸞法師↡、康存之日常↢浄土↡。

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二]化他
                      [Ⅰ]断疑徳
                        [ⅰ]君子の疑を決す
                          [a]

^またつねに*ぞくくんありて、 きたりてほっしていはく、 「十方じっぽう仏国ぶっこくみなじょうたり、 ほっなんぞすなはちひとこころ西にしとどむる。 あに偏見へんけんしょうにあらずや」 と。

亦毎↢世俗君子↡、来↢法師↡曰、十方仏国皆為↢浄土↡、法師何トドム↠西。豈↢偏見↡也

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅰ][ⅰ][b]

^ほっこたへていはく、 「われすでに*ぼんにして、 智慧ちえ浅短せんたんなり。 いまだ*地位じいらざれば、 念力ねんりきすべからくひとしくすべけんや。 くさきてうしくに、 つねにすべからくしん*そうりゃくつなぐべきがごとし。 あにほしいままにして、 まつたくするところなきことをんや」 と。

法師対、吾既凡夫ニシテ、智恵浅短ナリ。未レバ↠入↢地位↡、念力須ケムヤクス。如↢似↠草クニ↠牛、恒キガ↟繋↢心槽櫪↡。豈ムヤト縦放ホシイママニシテ、全キコトヲ↟所↠帰スル

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅰ][ⅱ]衆人の疑を決す

^また*難者なんじゃ紛紜ふんうんたりといへども、 ほっひとけっせり。

↢復難者紛紜タリト↡而法師独セリ

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(イ)[二][Ⅱ]生信徳

^ここをもつて一切いっさい*道俗どうぞくふことなく、 ただほっ一面いちめんあひふものは、 もしいまだしょうしんしょうぜざるには、 すすめてしんしょうぜしめ、 もしすでにしょうしんしょうぜるものには、 みなすすめてじょうこくせしむ。

↠問コト↢一切道俗↡、但与↢法師↡一面相遇、若ルニハ↠生↢正信↡、勧↠生↠信、若↢正信↡者ニハ、皆勧シム↢浄国↡。

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)(ロ)正しく終時の霊験を明す

^このゆゑにほっ命終みょうじゅうときのぞみて、 てらかたわらの左右さう道俗どうぞく、 みな*ばんいんようずるを、 ことごとく*こう音楽おんがくこうしょうして*おうじょうげたまへるをく。

法師臨↢命終↡、寺左右道俗、皆見↢幡花ズルヲ↟院、尽↣異香・音楽迎接タマヘルヲ↢往生↡也。

二 Ⅳ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(c)総じて余師の終端を結す

^*大徳だいとく命終みょうじゅうときのぞみて、 みな*徴祥ちょうしょうあり。 もしつぶさにおうじょうそうだんぜんとほっせば、 ならびに不可ふか思議しぎなり。

余之大徳臨↢命終↡、皆有↢徴祥↡。若セバ↣具ムト↢往生之相↡、並不可思議也。

二 Ⅳ ⅱ 諸経念仏要門【諸経所明念仏】
        標章

【30】^だい*此彼しひしょきょうおお念仏ねんぶつ三昧ざんまいかしてしゅうとなすことをかすとは、

第二スト↧此彼諸経↢念仏三昧↡為コトヲ↞宗者、

二 Ⅳ ⅱ b 引釈
          (一)列分

^なかにつきて八番はちばんあり。 はじめの一相いっそう三昧ざんまいかし、 のちろくえんにつきそうによりて念仏ねんぶつ三昧ざんまいかす。

↠中↢八番↡。初↢一相三昧↡、後↠縁↠相↢念仏三昧↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)正引
            (Ⅰ)観仏三昧を明す文
              (ⅰ)二種を標す

 ^だいいちに ¬*しゅきょう¼ (意) によるに、 「ぶつけんさつげたまはく、 ª三昧さんまいしゅあり。 いちには一相いっそう三昧ざんまいあり、 には衆相しゅそう三昧ざんまいあり。

第一ルニ↢¬花首経¼↡「仏告タマハク↢堅意菩薩↡、三昧↢二種↡。一者有↢一相三昧↡、二者有↢衆相三昧↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)正しく一相を明す
                (a)修勧相
                  (イ)所観境

^一相いっそう三昧ざんまいとは、 さつあり、 そのかいにその如来にょらいましましてげんにましましてほうきたまふとき、 さつこのぶつそうるに、 もつてげんじてまえにまします。 もしはどうじょうし、 もしは*法輪ほうりんてんじ、 大衆だいしゅ*にょうす。

一相三昧者、有↢菩薩↡、聞世界シテ如来↡現シテタマフト↞法、菩薩取ルニ↢是↡、以↠前。若↢道場↡、若↢法輪↡、大衆囲遶

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(a)(ロ)能観相

^かくのごときそうる。 *諸根しょこん収摂しゅうしょうしてしん*さんせず、 もつぱら一仏いちぶつねんじてこのえんてず。 かくのごときさつは、 如来にょらいそうおよびかいそうにおいて*そうりょうだつし、 つねにかくのごとくかんじ、 かくのごとくぎょうじて、 このえんはなれず。

↢如↠是↡。収↢摂諸根↡心不↢馳散↡、専↢一仏↡不↠捨↢是↡。如↠是菩薩、於↢如来相及世界↡了↢達无相↡、常↠是、如↠是、不↠離↢是↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)観成益
                  (イ)定中益

^このとき仏像ぶつぞうすなはちげんじてまえにましまして、 ためにほうきたまふ。 さつそのときふか*ぎょうしょうじて、 このほうちょうじゅし、 もしはじん、 もしはせん*うたたそんじゅうくわふ。 さつこの三昧さんまいじゅうして、 諸法しょほうはみな*可壊かえそうなりとくをく。 きをはりてじゅして、

仏像即シテ↠前而為タマフ↠法。菩薩爾時深↢恭敬↡、聴↢受↡、若深若浅、転↢尊重↡。菩薩住↢是三昧↡、聞↠説クヲ↢諸法皆可壊ナリト↡。聞受持

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(b)(ロ)定起益

^三昧さんまいよりちてよく*しゅのためにこのほう演説えんぜつすº と。

↢三昧↡起↢四衆↡演↢説↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)(ⅱ)(c)

^ぶつけんげたまはく、 ªこれをさつ一相いっそう三昧ざんまいもんるとづくº」 と。

仏告タマハク↢堅意↡、是クト↣菩薩ルト↢一相三昧門↡。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)念仏三昧を明す文
              (ⅰ)

 ^だいに ¬*文殊もんじゅ般若はんにゃ¼ (意) によりて*いちぎょう三昧ざんまいかさば、

第二↢¬文殊般若¼↡明サバ↢一行三昧↡者、

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)
                (a)

^とき*文殊もんじゅ師利しりぶつにまうしてまうさく、 ª*そんいかなるをかづけていちぎょう三昧ざんまいとなすº と。

文殊師利白↠仏、世尊、云何ナルヲカ↢一行三昧↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)

^ぶつのたまはく、 ªいちぎょう三昧ざんまいとは、 もし善男ぜんなんぜん女人にょにん*空閑くうげんところにありて、 もろもろのらんて、 ぶつ*方所ほうしょしたがひて端身たんじんしょうこうにして、 *そうみょうらず、 しん一仏いちぶつけてもつぱらみょうしょうしてねんずることそくなくは、 すなはちこのねんのうちによくげんらいさん諸仏しょぶつたてまつるべし。 なにをもつてのゆゑに。 一仏いちぶつねんずるどくりょうへんにして、 すなはちりょう諸仏しょぶつどく無二むになればなり。 これをさついちぎょう三昧ざんまいづくº」 と。

仏言、一行三昧者若善男子・善女人応↧在↢空↡、捨↢諸乱意↡、随↢仏方所↡端身正向ニシテ、不↠取↢相貌↡、繋↢心一仏↡専↢名字↡念コトヲクハ↢休息↡、即マツル↦過・現・未来三世諸仏↥。何。念一仏↡功徳无量无辺ニシテ、即与↢无量諸仏功徳↡无二ナレバナリ。是クト↢菩薩一行三昧↡。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)念仏冥益の文
              (ⅰ)文を括りて示す

 ^だいさん¬*はんぎょう¼ によるに、 ぶつのたまはく、 「もしひとただよくしんいたしてつねに念仏ねんぶつ三昧ざんまいしゅすれば、 十方じっぽう諸仏しょぶつつねにこのひとそなはすこと、 げんまえにましますがごとし」 と。

第三ルニ↢¬涅槃経¼↡、仏言、若人但能↠心レバ↢念仏三昧↡者、十方諸仏恒スコト↢此↡如シト↢現スガ↟前

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅲ)(ⅱ)正しく文を引く

^このゆゑに ¬はんぎょう¼ (意) にのたまはく、 「ぶつ*しょうさつげたまはく、 ªもし善男ぜんなんぜん女人にょにんありてつねによくしんいたしもつぱら念仏ねんぶつするものは、 もしは山林せんりんにもあれ、 もしは*聚落じゅらくにもあれ、 もしはちゅう、 もしは、 もしは、 もしはに、 諸仏しょぶつそんつねにこのひとそなはすこと、 まえげんずるがごとし。 つねにこのひとじゅうしてけたまふº」 と。

¬涅槃経¼云、「仏告タマハク↢迦葉菩薩↡、若↢善男子・善女人↡常↠心念仏、若↢山林ニモ↡若↢聚落ニモ↡、若昼若夜、若臥、諸仏世尊常スコト↢此↡如↠現ルガ↡。恒与↢此人↡而タマフト↠施。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)諸行念仏の得失を明す文
              (ⅰ)並べて二行を挙ぐ
                (a)万行の回生を明す

 ^だいに ¬*かんぎょう¼ およびしょによるに、 所修しょしゅまんぎょうただよく*がんしてみなしょうぜざるはなし。

第四ルニ↢¬観経¼及諸部↡、所修万行但能廻願↠不ルハ↢皆生↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)(ⅰ)(b)念仏の為要を示す

^しかるに念仏ねんぶつ一門いちもん、 もつてようとなす。

念仏門、将↢要路↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)(ⅱ)特に念仏の得を明す
                (a)両益を標す

^なんとなれば、 聖教しょうぎょう*しんりょうするに*じゅうりょうやくあればなり。 もしぜんしょうぎょうおこさんとほっすれば、 すなはちあまねく*しょぬ。 もしあくめっしてわざわいしょうすれば、 すなはちそうじて諸障しょしょうす。

トナレバ者審↢量ルニ聖教↡有レバナリ↢始終両益↡。若レバ↢生↠善ムト↟行、則↢諸度↡。若↠悪レバ↠災、則↢諸障↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)
                  (イ)始益

ゆゑにしもに ¬きょう¼ (観経・意) にのたまはく、 念仏ねんぶつしゅじょう*摂取せっしゅしててたまはず、 寿いのちきてかならずしょうず」 と。 これを*やくづく。

¬経¼云、「念仏衆生摂取不↠捨タマハ、寿尽ズト。」此↢始益↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)(ⅱ)(b)(ロ)終益

^*じゅうやくといふは、 ¬*観音かんのんじゅきょう¼ (意) によるにのたまはく、 「弥陀みだぶつじゅうしたまふことじょうにして*ちょうさい永劫ようごうなるも、 また*めつしたまふことあり。 *はつはんときただ*観音かんのん*せいのみありて、 *安楽あんらく*じゅうして*十方じっぽうしょういんしたまふ。 そのぶつめつまたじゅうせつ等同とうどうなり。 しかるにかのくにしゅじょう一切いっさいぶつ*けんしたてまつるものあることなし。 ただ*一向いっこうにもつぱら弥陀みだぶつねんじておうじょうするもののみありて、 つねに弥陀みだげんにましましてめっしたまはざるをる」 と。 これすなはちこれその*じゅうやくなり。

↢終益↡者、依ルニ↢¬観音授記経¼↡云、「阿弥陀仏住タマフコト↠世長久ニシテ兆載永劫ナルモ、亦有↢滅度タマフコト↡。般涅槃時、唯有↢観音・勢至ノミ↡、住↢持安楽↡接↢引タマフ十方↡。其滅度亦与↢住世時節↡等同ナリ。然衆生一切无↠有コト↧覩↢見マツル↡者↥。唯有↧一向↢阿弥陀仏↡往生ノミ↥、常ルト↢弥陀現シテルヲ↟滅タマハ。」此即是其終時益也。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)(ⅲ)万行の失を決す

^しゅするところの*ぎょう*こうしてみなしょうずるも、 そんめつるとざるとあり。

↠修余行、廻向皆生ルモ、世尊滅度↢覩ルトルト覩。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅳ)(ⅳ)結勧

^後代こうだいすすめてしんりょうして遠益おんやくうるおさしむ。

↢後代↡審量使↢遠益↡也。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅴ)念仏正因を決する文
              (ⅰ)修相

 ^だいに ¬*般舟はんじゅきょう¼ (意) によるにのたまはく、 「ときばつ陀和だわさつあり、 このこく弥陀みだぶつましますときて、 しばしばねんく。

第五ルニ↢¬般舟経¼↡云、「時↢跋陀和菩薩↡、於国土↠有スト↢阿弥陀仏↡、数数係↠念

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅴ)(ⅱ)行益
                (a)仏を見て咨嗟す

^このねんによるがゆゑに弥陀みだぶつたてまつる。 すでにぶつたてまつりをはりて、 すなはちしたがひて啓問けいもんすらく、 ªまさにいかなるほうぎょうじてか、 かのくにしょうずることをべきº と。

ルガ↢是↡故マツル↢阿弥陀仏↡。既マツリ↠仏、即啓問ラク、当↧行テカ↢何ナル↡得↞生コトヲ↢彼↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅴ)(ⅱ)(b)仏生因を決す

^そのとき弥陀みだぶつ、 このさつかたりてのたまはく、 ªわがくにらいしょうせんとほっせば、 つねにわがねんじてそくあることなかれ。 かくのごとくして、 わがこくらいしょうすることをん。

時阿弥陀仏語↢是菩薩↡言、欲↣来↢生ムト↡者、常↢我↡莫↠有コト↢休息↡。如クシテ↠是、得↣来↢生コトヲ国土↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅴ)(ⅲ)重ねて方便を教ふ

^まさに仏身ぶっしん*さんじゅうそうことごとくみなそくして、 こうみょうてっしょう*たんじょう無比むひなるをねんずべしº」 と。

シト↠念↢仏身三十二相悉皆具足、光明徹照端正无比ナルヲ↡。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅵ)得を具す故須く常念すべきを明す文
              (ⅰ)

 ^第六だいろく¬*だい智度ちどろん¼ (意) によるに三番さんばんしゃくあり。

第六ルニ↢¬大智度論¼↡有↢三番解釈↡。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅵ)(ⅱ)
                (a)無上法王

^だいいちぶつはこれじょう*ほうおうにして、 さつ法臣ほうしんたり。 とうとぶところおもくするところはただぶつそんなり。 このゆゑにまさにつねに念仏ねんぶつすべし。

「第一是无上法王ニシテ、菩薩↢法臣↡。所↠尊↠重クスル唯仏世尊ナリ。是↢常念仏↡也。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅵ)(ⅱ)(b)報恩

^だいにもろもろのさつありてみづからいはく、 ªわれ*曠劫こうごうよりこのかた、 そんちょうようこうむることをたり。 われらが*法身ほっしん*しん*だい慈悲じひしん*ぜんじょう*智慧ちえりょう*ぎょうがんぶつによりてじょうずることをたり。 *報恩ほうおんのためのゆゑに、 つねにぶつちかづかんとがんず。 また大臣だいじんおうおんちょうこうむりて、 つねにそのあるじおもふがごとしº と。

第二↢諸菩薩↡自、我従↢曠劫↡以来、得タリ↠蒙コトヲ↢世尊長養↡。我等法身・智身・大慈悲身、禅定・智慧、无量行願、由↠仏タリ↠成コトヲ。為↢報恩↡故、常↠近カムト↠仏。亦如シト↧大臣蒙↢王恩寵↡、常フガ↦其↥。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅵ)(ⅱ)(c)念仏三昧徳

^だいさんにもろもろのさつありてまたこのごんをなさく、 ªわれ*いんにおいて、 *あくしきひて*般若はんにゃほうして悪道あくどうして、 りょう*こうたり。 ぎょうしゅすといへども、 いまだづることをることあたはず。 のちいち*ぜんしきへんによるに、 われをおしへて念仏ねんぶつ三昧ざんまいぎょうぜしむ。 そのときにすなはちよくしょしょう*あわり、 まさにだつたり。 この大益だいやくあるがゆゑに、 がんじてぶつはなれずº」 と。

第三↢諸菩薩↡復作↢是↡、我於↢因地↡、遇↢悪知識↡誹↢謗般若↢於悪道↡、経タリ↢无量劫↡。雖↠修スト↢余行↡、未↠能↠得コト↠出コトヲ。後↢一時↡依ルニ↢善知識↡、教↠我シム↢念仏三昧↡。其↢遣諸障↡、方タリ↢解脱↡。有ルガ↢斯大益↡故↠離↠仏。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅶ)見仏に勝益有るを示す文
              (ⅰ)平生堅誓相

 ^第七だいしちに ¬*ごんぎょう¼ によるにのたまはく、

「むしろりょうこうにおいて、 つぶさに一切いっさいくとも、

つひに、 如来にょらいとおざかりてざいりきたてまつらざることなからん」 と。

第七ルニ↢¬花厳経¼↡云

「寧↢无量劫トモ↢一切
カラムト↧遠カリテ↢如来コト↞覩マツラ↢自在力↡。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅶ)(ⅱ)臨終必見益

^またのたまはく (華厳経)

念仏ねんぶつ三昧ざんまいはかならずぶつたてまつり、 命終みょうじゅうのち仏前ぶつぜんしょうず。

かのりんじゅうては念仏ねんぶつすすめ、 また尊像そんぞうしめして*せんぎょうせしめよ」 と。

又云

「念仏三昧マツリ↠仏命終之後↢仏前
テハ↢彼臨終↡勧↢念仏又示↢尊像↡令ヨト↢瞻敬↡。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅶ)(ⅲ)深契離倒益

^また (華厳経・意)*善財ぜんざいどうぜんしきもとめて*徳雲どくうん*比丘びくところいたりてまうさく、 ªだいいかんがさつどうしゅして*げんぎょうするやº と。

又善財童子求↢善知識イタリ↢功徳雲比丘↡白、「大師云何↢菩薩↡帰スル↢普賢↡也

^このとき比丘びく善財ぜんざいげていはく、 ªわれそん智慧ちえかいのなかにおいてただ一法いっぽうる。 いはく念仏ねんぶつ三昧ざんまいもんなり。 なんとなれば、 この三昧さんまいもんのなかにおいて、 ことごとくよく一切いっさい諸仏しょぶつおよびその*眷属けんぞくごんじょう*仏刹ぶっせつ*けんして、 よくしゅじょうをして*顛倒てんどうおんせしむ。 念仏ねんぶつ三昧ざんまいもんは、 さいきょうがいのなかにおいて一切いっさいぶつざいきょうがい*諸劫しょこう顛倒てんどう念仏ねんぶつ三昧ざんまいもんはよく一切いっさい仏刹ぶっせつおこすに、 よくするものなし。 あまねく諸仏しょぶつたてまつりて、 *さん顛倒てんどうº と。

時比丘告↢善財↡曰、我於↢世尊慧海↡唯知↢一法↡。謂念仏三昧門ナリ。何トナレバ者於↢此三昧門↡、悉覩↢見一切諸仏及眷属、厳浄仏刹↡、能↣衆生ヲシテ遠↢離顛倒↡。念仏三昧門者、於↢微細境界見↢一切自在境界↡、得↢諸劫不顛倒↡。念仏三昧門者、能スニ↢一切仏刹↡、无↢能者↡。普マツリテ↢諸仏↡、得↢三世不顛倒↡。

^とき徳雲どくうん比丘びく善財ぜんざいげていはく、 ª仏法ぶっぽう深海じんかい広大こうだいへんなり。 わがるところは、 ただこのいち念仏ねんぶつ三昧ざんまいもんたるのみ。 みょうきょうがいしゅりょうしゅっして、 われいまだらざるところなりº」 と。

功徳雲比丘告↢善財↡言、仏法深海広大无辺ナリ。我所↠知者、唯得タルノミ↢此念仏三昧門↡。余妙境界出↢過数量↡、我所↠未↠知。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅷ)見仏諸国を明す文
              (ⅰ)八法を標す
                (a)正しく標す

 ^第八だいはちに ¬*かいりゅうおうきょう¼ (意) によるに、 「ときかいりゅうおうぶつにまうしてまうさく、 ªそん弟子でし弥陀みだ仏国ぶっこくしょうぜんともとむ。 まさにいかなるぎょうしゅしてか、 かしょうずることをべきº と。 ぶつりゅうおうげたまはく、 ªもしかのくにしょうぜんとほっせば、 まさに*八法はっぽうぎょうずべし。 なんらをかはちとなす。 いちにはつねに諸仏しょぶつねんず。 には如来にょらいようす。 さんにはそん*しゃす。 にはぶつぎょうぞうつくりてもろもろのどくしゅす。 にはしておうじょうがんず。 ろくにはしん*こうにゃくならず。 しちには一心いっしんしょうじんす。 はちにはぶつ*しょうもとむº と。 ぶつりゅうおうげたまはく、 ª一切いっさいしゅじょうこの八法はっぽうすれば、 つねにぶつはなれずº」 と。

第八ルニ↢¬海竜王経¼↡、「時海竜王白↠仏、世尊、弟子求↠生ムト↢阿弥陀仏国↡。当↧修テカ↢何ナル↡得↞生コトヲ↢彼↡。仏告タマハク↢竜王↡、若↠生ムト↢彼↡者、当↠行↢八法↡。何等ヲカ↠八。一者常↢諸仏↡。二者供↢養如来↡。三者咨↢嗟世尊↡。四者作↢仏形像↡修↢諸功徳↡。五者廻↢往生↡。六者心不↢怯弱ナラ↡。七者一心精進。八者求ムト↢仏↡。仏告タマハク↢竜王↡、一切衆生具レバ↢斯八法↡、常↠離↠仏也。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅷ)(ⅰ)(b)具欠を分別す

 ^ひていはく、 八法はっぽうせずとも、 仏前ぶつぜんしょうぶつはなれざることをやいなや。

、不トモ↠具↢八法↡、得↧生↢仏前↡不コトヲ↞離↠仏

^こたへていはく、 しょうずることをることうたがはず。 なにをもつてかることをる。 ぶつ、 ¬*宝雲ほううんぎょう¼ をきたまひしときのごとし。 また十行じゅうぎょうそくしてじょうしょうずることをて、 つねにぶつはなれざることをかしたまへり。 「とき除蓋じょがいしょうさつありてぶつにまうさく、 ª十行じゅうぎょうせずしてしょうずることをやいなやº と。 ぶつのたまはく、 ªしょうずることを。 ただよく十行じゅうぎょうのなかにいちぎょうそくしてくることなければ、 ぎょうもことごとく清浄しょうじょうづく。 うたがいいたすことなかれº」 (意) と。

、得コト↠生コトヲ不↠疑。何↠知コトヲ。如↧仏説タマヒシ↢¬宝雲経¼↡時↥。亦明タマヘリ↧十行具足↠生コトヲ↢浄土↡、常コトヲ↞離↠仏。「時↢除蓋障菩薩↡白↠仏、不シテ↠具↢十行↡得↠生コトヲ已不。仏言、得↠生コトヲ。但能十行之中一行具足レバ↠闕コト、余之九行↢清浄↡。勿レト↠致コト↠疑也。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅷ)(ⅱ)類を引く
                (a)汎く四法を明す

^また ¬*大樹だいじゅきん陀羅だらおうきょう¼ (意) にのたまはく、 「さつしゅほうぎょうじてつねに仏前ぶつぜんはなれず。 なんらをかとなす。 いちにはみづから善法ぜんぽうしゅねてしゅじょうすすめて、 みなおうじょうして如来にょらいたてまつるこころをなさしむ。 にはみづからすすすすめて*しょうぼうくことをねがはしむ。 さんにはみづからすすすすめて*だいしんおこさしむ。 には*一向いっこうこころざしをもつぱらにして念仏ねんぶつ三昧ざんまいぎょうず。 このぎょうすれば、 一切いっさいしょうじょつねに仏前ぶつぜんにありて諸仏しょぶつはなれず」 と。

又¬大樹陀羅王経¼云、「菩薩↢四種↡常不↠離↢仏前↡。何等ヲカ↠四。一者自↢善法↡兼↢衆生↡、皆作シム↧往生マツル↢如来↡意↥。二者自↠他ハシム↠聞コトヲ↢正法↡。三者自↠他シム↢菩提心↡。四者一向ニシテ↠志↢念仏三昧↡。具レバ↢此↡、一切生処常↢仏前↡不↠離↢諸仏↡。」

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅷ)(ⅱ)(b)偏に第四を証す

^また ¬きょう¼ (大樹緊陀羅王経・意) にのたまはく、 「ぶつさつぎょうほうきたまふに、 さんじゅううつわあり。 なんとなれば、 *布施ふせはこれだいうつわ*忍辱にんにくはこれたんじょううつわ*かいはこれしょうしんうつわ*ぎゃくきょうはこれ*刀山とうせん剣樹けんじゅ鑊湯かくとううつわ*ほつだいしんはこれ*じょうぶつうつわ、 つねによく念仏ねんぶつしてじょうおうじょうするはこれ見仏けんぶつうつわなり」 と。 りゃくしてろくもんげてべず。 聖教しょうぎょうすでにしかり。 ぎょうじゃしょうぜんとがんぜば、 なんぞつねに念仏ねんぶつせざらんや。

又¬経¼云、「仏説タマフニ↢菩薩行法↡、有↢三十二器↡。何トナレバ者布施是大富器、忍辱是端政器、持戒是聖身器、五逆不孝是刀山・剣樹・鑊湯器、発菩提心是成仏器、常念仏往↢生ルハ浄土↡是見仏ナリト。」略↢六門↡余者不↠述。聖教既。行者願↠生ムト、何ラム↢常念仏↡也。

二 Ⅳ ⅱ b ロ (二)(Ⅷ)(ⅲ)念仏に結帰す

^また ¬*月灯がっとう三昧さんまいきょう¼ によるにのたまはく、

ぶつ*相好そうごうおよびとくぎょうねんじ、 よく諸根しょこんをして乱動らんどうせざらしめ、

しん迷惑めいわくなくほうがっして、 くことをれば、 ること大海だいかいのごとし。

しゃこの三昧さんまいじゅうして、 ねんせっしてぎょうずれば、 *経行きょうぎょうのところにおいて、

よく千億せんおくのもろもろの如来にょらいたてまつり、 またりょう恒沙ごうじゃぶつひたてまつる」 と。

又依ルニ↢¬月灯三昧経¼↡云

「念↢仏相好及徳行使↣諸根ヲシテ↢乱動
↢迷惑↡与↠法合レバ↠聞コトヲ、得コト↠智↢大海
智者住↢於是三昧↠念レバ、於↢経行
マツリ↢千億如来亦値マツルト↢无量恒沙↡」

二 Ⅳ ⅱ 念仏の徳益を釈顕す【念仏三昧利益】
       

【31】^だいさん問答もんどうしゃくして、 念仏ねんぶつ三昧ざんまい種々しゅじゅやくあることをあらわすに、 そのばんあり。

第三問答解釈、顕スニ↣念仏三昧コトヲ↢種種利益↡、有↢其五番↡。

二 Ⅳ ⅱ c 問答
          (一)一番問答
            (Ⅰ)

 ^だいいちひていはく、 いまつねに念仏ねんぶつ三昧ざんまいしゅすといはば、 なほ三昧さんまいぎょうぜざるや。

第一、今云↣常スト↢念仏三昧↡、ナホ↠行↢余三昧↡也。

二 Ⅳ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)

^こたへていはく、 いまじょうねんといへども、 また三昧さんまいぎょうぜずとはいはず。 ただ念仏ねんぶつ三昧ざんまいぎょうずることおおきがゆゑなり。 ゆゑにじょうねんといふ。 まつたく三昧さんまいぎょうぜずといふにはあらず。

、今言ドモ↢常念↡、亦不↠言↠不トハ↠行↢余三昧↡。但行コト↢念仏三昧↡多キガナリ。故↢常念↡。非↠謂フニハ↢全↟行↢余三昧↡也。

二 Ⅳ ⅱ c ロ (二)二番問答
            (Ⅰ)

 ^だいひていはく、 もしつねに念仏ねんぶつ三昧ざんまいしゅすることをすすめば、 三昧さんまいとよく*階降かいごうありやいなや。

第二、若↣常コトヲ↢念仏三昧↡、与↢余三昧↡能リヤ↢階降↡以不

二 Ⅳ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)

^こたへていはく、 念仏ねんぶつ三昧ざんまい*しょうそう不可ふか思議しぎなり。 これいかんがる。 ¬*摩訶まかえん¼ のなかにきていふがごとし。 「もろもろの三昧さんまい三昧さんまいならざるにはあらず。 なにをもつてのゆゑに。 あるいは三昧さんまいあり、 ただよく*とんのぞきて*しん*のぞくことあたはず。 あるいは三昧さんまいあり、 ただよくしんのぞきてとんのぞくことあたはず。 あるいは三昧さんまいあり、 ただよくのぞきて貪瞋とんしんのぞくことあたはず。 あるいは三昧さんまいあり、 ただよく現在げんざいさわりのぞきて過去かこらい一切いっさいしょしょうのぞくことあたはず。 もしよくつねに念仏ねんぶつ三昧ざんまいしゅすれば、 現在げんざい過去かこらいふことなく一切いっさい諸障しょしょうことごとくみなのぞこる」 と。

、念仏三昧勝相不可思議ナリ。此云何。如↢¬摩訶衍¼中フガ↡。「諸三昧、非↠不ルニハ↢三昧ナラ↡。何↢三昧↡、但能↠貪不↠能↠除コト↢瞋痴↡。或↢三昧↡、但↠瞋不↠能↠除コト↢痴貪↡。或↢三昧↡、但能↠痴不↠能↠除コト↢貪瞋↡。或↢三昧↡、但能↢現在↡不↠能↠除コト↢過去・未来一切諸障↡。若レバ↢念仏三昧↡、无↠問コト↢現在・過去・未来↡一切諸障悉皆除ルト也。」

二 Ⅳ ⅱ c ロ (三)三番問答
            (Ⅰ)

 ^だいさんひていはく、 念仏ねんぶつ三昧ざんまいすでによくさわりのぞふくること*功利くりだいならば、 いぶかし、 またよくぎょうじゃ*やくしてとし寿じゅやくせしむやいなや。

第三、念仏三昧既↠障コト↠福功利大ナラバ者、未審イブカシ、亦能資↢益行者↡使ムヤ↢延↠年↟寿以不

二 Ⅳ ⅱ c ロ (三)(Ⅱ)
              (ⅰ)直答

^こたへていはく、 かならずるなり。

ルナリ

二 Ⅳ ⅱ c ロ (三)(Ⅱ)(ⅱ)引証
                (イ)惟無三昧経

^なんとなれば、 ¬*ゆい三昧さんまいきょう¼ にのたまふがごとし。 「きょうだいにんあり。 あに*いんしんず。 おとうと信心しんじんなし、 しかもよく*相法そうほうさとれり。 ちなみにそのかがみのなかにみづからめんじょうるに、 そうすでにげんじて七日しちにちぐさじ。 ときしゃありてきてぶつはしむ。 ぶつときこたへてのたまはく、 ª七日しちにちといふはならず。 もしよく一心いっしん念仏ねんぶつかいしゅせば、 あるいはなんすることをんº と。 すなはちきょうによりて*ねんす。 とき六日ろくにちいたりてすなはち二鬼にきあり、 きたりてみみにその念仏ねんぶつこえきてつひによく前進すすむことなし。 かえりて*えんおうぐ。 えんおうふだもとむ。 ふだすでにしるしていはく、 ªかい念仏ねんぶつどくによりて*第三だいさん炎天えんでんしょうずº」 と。

トナレバ者如↢¬惟无三昧経¼云フガ↡。「有↢兄弟二人↡。兄↢因果↡。弟↢信心↡、而能善レリ↢相法↡。因ルニ↢面上↡、死相已不↠過グサ↢七日↡。時↢智者↡往シム↠仏。仏時、七日トイフハ不↠虚カラ。若一心念仏↠戒、或ムト↠度コトヲ↠難。尋即↠教繋念。時↢六日↡即↢二鬼↡、来↢其念仏之声↡竟↢能前進ムコト↡。還↢閻羅王↡。閻羅王索符已シルシ、由↢持戒・念仏功徳↡生ズト↢第三炎天↡。」

二 Ⅳ ⅱ c ロ (三)(Ⅱ)(ⅱ)(ロ)譬喩経

^また ¬*譬喩ひゆきょう¼ のなかに、 「いちちょうじゃあり、 罪福ざいふくしんぜず、 としすでにじゅう、 たちまちによるゆめらく、 *せっふだもときたりて、 これをらんとほっしてじゅうにちぐさじと。

又¬譬喩経¼中、「有↢一長者↡、不↠信罪福↡、年已五十、忽夜夢殺鬼↠符、欲↠取ムト↠之↠過グサ↢十日↡。

そのひとねむめて*こうすることつねにあらず。 あけいたりて*そう求覓もとめてゆめうらなはしむ。 *ちょうつくりていはく、 ªせっあり、 かならずあひがいせんとほっす、 じゅうにちぐさじº と。 そのひとこうることつねにばいす。 ぶついたりてしょうす。 ぶつときこたへてのたまはく、 ªもしこれをはらはんとほっせば、 いまより以去いここころをもつぱらにして念仏ねんぶつし、 かいたもち、 こうき、 ともしびともし、 *繒幡ぞうばんがいけ、 *三宝さんぼう*信向しんこうせば、 このまぬかるべしº と。

人眠惶怖コト↠常。至↠明求↢覓 モトメ 相師↡占シム↠夢。師作↢卦兆↡云、有殺鬼↡、必↢相ムト↡、不↠過グサ↢十日↡。其人惶怖コト↠常イタリ↠仏求請。仏時、若セバ↠攘ムト↠此、従↠今已去専ニシテ↠意念仏、持、焼↠香、然↠灯、懸↢繒幡蓋↡、信↢向三宝↡、可シト↢此↡。

すなはちこのほうによりて専心せんしん信向しんこうす。 せっもんいたりてどくしゅするを、 つひにがいすることあたはず。 すなはちれり。 そのひとこのどくによりて寿いのちひゃくねんてて、 しててんしょうずることをたり。

↢此↡専心信向殺鬼到↠門見↠修ルヲ↢功徳↡、遂不↠能↠害コト鬼即レリ。其人縁リテ↢斯↡寿満↢百年↡、死タリ↠生コトヲ↠天

またいち長者ちょうじゃあり、 づけてしゅうといふ。 かい退たいしてぶつかえし、 げんあっのこれをつをこうむる」 と。

復有↢一長者↡、名↢執持↡。退↠戒↠仏、現ルト↢悪鬼ツヲ↟之。」

二 Ⅳ ⅱ c ロ (四)四番問答
            (Ⅰ)

 ^だいひていはく、 この念仏ねんぶつ三昧ざんまいはただよくしょしょう*たいし、 ただ*ほうのみをまねくや、 またよくとお*しゅっ*じょうだいかんずやいなや。

第四、此念仏三昧但能対↢治諸障↡、唯招クヤ↢世報ノミヲ↡、亦能ズヤ↢出世无上菩提↡以不

二 Ⅳ ⅱ c ロ (四)(Ⅱ)

^こたへていはく、 るなり。 なんとなれば、 ¬ごんぎょう¼ の 「じゅうぼん」 にのたまふがごとし。 はじ*しょよりすなはちじゅういたるまで一々いちいちのなかにおいて、 みな*にゅうぎょうどう*まんどく*已不いふじゅうどうとをきをはりて、 すなはちみなけっしてのたまはく、 「このもろもろのさつぎょうしゅすといへども、 みな念仏ねんぶつ念法ねんぽう念僧ねんそうはなれず。 *上妙じょうみょうがくをもつて三宝さんぼうようす」 (意) と。

、得ルナリ。何トナレバ者如↢¬花厳経¼「十地品」云フガ↡。始↢初地↡乃マデ↢十地↡於↢一一↡、皆説↢入地加行道地満功徳利已不住道トヲ↡訖、即皆結、「是菩薩雖↠修スト↢余行↡、皆不↠離↢念仏・念法・念僧↡上妙楽具ヲモテ供↢養スト三宝↡。」

このもんしょうをもつてることを。 もろもろのさつとう、 すなはち*じょういたるまで、 つねに念仏ねんぶつ念法ねんぽう念僧ねんそうがくて、 まさによくりょうぎょうがんじょうじゅしてどくかいつ。 いかにいはんやじょうぼんじょうしょうぜんともとめて念仏ねんぶつがくせざらんや。 なにをもつてのゆゑに。 この念仏ねんぶつ三昧ざんまいはすなはち一切いっさい*しょう*ろくする*つうぎょう*つうばんなるがゆゑなり。

↢斯文証↡得↠知コトヲ。諸菩薩等、乃マデ↢上地↡、↢念仏・念法・念僧↡、方成↢就无量行願↡満↢功徳海↡。何二乗・凡夫求↠生ムト↢浄土↡不ラム↢念仏↡也。何。此念仏三昧↢一切四摂・六度↡通行、ナルガナリ

二 Ⅳ ⅱ c ロ (五)五番問答
            (Ⅰ)

 ^だいひていはく、 しょじょうさつは、 ぶつおなじく*真如しんにょしょうするをもつてぶっしょうずとづく。 みづからよくぶつりてしゅじょう*済運さいうんす。 なんぞさらに念仏ねんぶつ三昧ざんまいがくしてぶつたてまつらんとがんずるをもちゐんや。

第五、初地已上菩薩、与↠仏同ルヲモテ↢真如之理↡名↠生ズト↢仏家↡。自↠仏済↢運衆生↡。何↧更↢念仏三昧↡願ルヲ↞見マツラムト↠仏也。

二 Ⅳ ⅱ c ロ (五)(Ⅱ)

^こたへていはく、 その真如しんにょろんずるに、 広大こうだいへんにしてくうひとし。 そのりょうりがたし。 たとへばいちおおきなる闇室あんしつに、 もし一灯いっとうとうともせば、 そのみょうあまねしといへども、 なほやみとなすがごとし。 やうやくとういたれば、 だいみょうづくといへども、 あに日光にっこうおよばんや。 さつしょしょうは、 *地々じじあひのぞむるにおのづから*階降かいごうありといへども、 あにぶつあきらかなるがごとくなるにくらぶることをんや。

、論ルニ↢其真如↡、広大无辺ニシテ与↢虚空↡等。其量難↠知。譬↧一ナル闇室、若セバ↢一灯・二灯↡、其明雖↠遍シト、猶為スガ↞闇也。漸レバ↢多灯↡、雖↠名クト↢大明↡、豈バムヤ↢日光↡。菩薩所証↣地地相望ルニリト↢階降↡、豈↠比コトヲ↣仏クナルニ↢日ナルガ↡也。

【第五大門】
    標列

【32】^だい大門だいもんのなかにばんりょうけんあり。 だいいちあまねく修道しゅどう*延促えんそくかして、 すみやかに*退たいしめんとほっす。 だい*此彼しひ禅観ぜんかん*きょうして*おうすすむ。 だいさん此彼しひじょうきょう、 また*無漏むろづけてきょうす。 だい聖教しょうぎょうきて*証成しょうじょうし、 後代こうだいすすめてしんしょうくことをもとめしむ。

第五大門↢四番料簡↡。第一↢修道延促↡、欲↠令メムト↣速獲↢不退↡。第二此彼禅観比。第三此彼浄穢二境、亦名↢漏・无漏↡比挍。第四↢聖教↡証成、勧↢後代↡生↠信シム↠往コトヲ

二 Ⅴ 解釈
      【修道延促】
       

【33】^だいいちあまねく修道しゅどう延促えんそくかすとは、 なかにつきてあり。 いちには修道しゅどう延促えんそくかし、 には問答もんどうしゃくす。

第一スト↢修道延促↡者、就↠中↠二。一ニハ↢修道延促↡、二ニハ問答解釈

二 Ⅴ ⅱ a
          (一)延促を明す
            (Ⅰ)歎身
              (ⅰ)

^いち延促えんそくかすとは、 ただ一切いっさいしゅじょう*いとひて*らくもとめ、 *ばくおそれて*もとめざるはなし。 みなはやじょうだいしょうせんとほっせば、 づすべからくだいしんおこすをしゅとなすべし。 このしんりがたく、 おこしがたし。 たとひこのしん発得ほっとくすとも、 *きょうによるに、 つひに、 すべからくじっしゅぎょう、 いはゆる*しん*しん*ねん*かい*じょう**しゃ*ほう*発願ほつがん*こうしゅして、 だい進詣しんげいすべし

スト↢延促↡者、但一切衆生莫↠不ルハ↢厭↠苦↠楽、畏↠縛↟解。皆欲↣早ムト↢无上菩提↡者、先↧発スヲ↢菩提心↡為↞首。此心難↠識↠起。縦令発↢得ストモ↡、依ルニ↠経↧修↢十種行、謂ハユル信・進・念・戒・定・恵・捨・護法・発願・廻向↡進↦詣菩提↥。

二 Ⅴ ⅱ a ロ (一)(Ⅰ)(ⅱ)不堪

^しかるに修道しゅどう相続そうぞくしてえずして、 いち万劫まんごうてはじめて退たいくらいしょうす。 当今とうこんぼんげん*信想しんそうきょうもうづけ、 または*みょうといひ、 または*じょうじゅづけ、 または*ぼんづく。 いまだ*たくでず。

修道之身相続シテ↠絶、逕↢一万劫↡始↢不退↡。当今凡夫↢信想軽毛↡、亦↢仮名↡、亦↢不定聚↡、亦↢外凡夫↡。未↠出↢火宅↡。

二 Ⅴ ⅱ a ロ (一)(Ⅱ)経証
              (ⅰ)菩薩瓔珞経

^なにをもつてかることをる。 ¬*さつ瓔珞ようらくきょう¼ によりてつぶさに*にゅうどうぎょうべんずるに、 *ほうなるがゆゑに*なんぎょうどうづく。 またただおもんみれば一劫いっこうのうちの受身じゅしんしょうすらなほかぞるべからず、 いはんやいち万劫まんごうのうちにいたづらにつうしょうくるをや。 もしよくあきらかにぶっきょうしんじてじょうしょうぜんとがんずれば、 寿いのちちょうたんしたがひて、 *いちぎょうにすなはちいたりてくらい退たいかなふ。 この修道しゅどういち万劫まんごうこうひとしくす。 もろもろのぶっとう、 なんぞりょうせずしてなんててもとめざらんや。

↠知コトヲ。拠↢¬菩薩瓔珞経¼↡具ルニ↢入道行位↡、法爾ナルガ↢難行道↡。又但以レバ一劫之中受身生死スラ尚不↠可↢数一万劫ルヲヤ↢痛焼↡。若↢仏経↡願レバ↠生ムト↢浄土↡、随↢寿長短↡、一形カナ↢不退↡。与↢此修道一万劫↡斉クス↠功。諸仏子等、何シテ↢思量↡不ラム↢捨テテ↠難↟易也。

二 Ⅴ ⅱ a ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)倶舎論

^¬*しゃろん¼ のなかにまたなんぎょうぎょうしゅどうかすがごとし。 なんぎょうとは、 ¬ろん¼ (同・意)きていふがごとし。 「三大さんだい*そうこうにおいて、 一々いちいちこうのうちに、 みな*ふくりょうろっ波羅ぱらみつ一切いっさいしょぎょう一々いちいち*ぎょうごうにみなひゃくまんなんぎょうどうありて、 はじめていちつ」 と。 これなんぎょうどうなり。 ぎょうどうとは、 すなはちかの ¬ろん¼ (同・意) にいはく、 「もしべつ*方便ほうべんあるによりてだつすることあるをぎょうどうづく」 と。

↣¬倶舎論¼中亦明スガ↢難行・易二種之道↡。難行者、如↢¬論¼説フガ↡。「於↢三大阿僧祇劫↡、一一、皆具↢福智資糧六波羅蜜一切諸行↡。一一行業皆有↢百万難行之道↡、始ツト↢一位↡。」是難行道也。易行道者、即¬論¼云、「若↣別ルニ↢方便↡有ルヲ↢解脱コト↡者名クト↢易行道↡也。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (一)(Ⅲ)結勧

^いますでにすすめて*極楽ごくらくせしむ。 一切いっさいぎょうごうことごとくかしこにこうして、 ただよくせんなれば、 寿いのちきてかならずしょうず。 かのくにしょうずることをれば、 すなはちきょうして清涼しょうりょうなり。 あにぎょうどうづけざるべけんや。 すべからくこのこころるべし。

今既シム↢極楽↡。一切行業悉廻↢向↡、但能専至ナレバ、寿尽。得↠生コトヲ↢彼↡、即究竟清涼ナリ。豈ケムヤ↠不↠名↢易行之道↡。須↠知↢此↡也。

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)問答
            (Ⅰ)

 ^ひていはく、 すでにじょうおうじょうせんとがんずれば、 この寿いのちくるにしたがひてすなはちおうじょうといふは、 聖教しょうぎょうしょうありやいなや。

、既↧願レバ↣往↢生ムト浄土↡、随↢此寿尽ルニ↡即↦往生↥者、有リヤ↢聖教証↡不

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)
              (ⅰ)

^こたへていはく、 しちばんあり。 みなきょうろんきて証成しょうじょうせん。

、有↢七番↡。皆引↢経論↡証成

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)引経
                (a)大経
                  (イ)正引

^いちには ¬*だいきょう¼ (下・意) によるにのたまはく、 「ぶつなんげたまはく、 ªそれしゅじょうありて、 こんにおいてりょう寿仏じゅぶつたてまつらんとほっせば、 じょうだいしんおこどくしゅぎょうしてかのくにしょうぜんとがんずべし。 すなはちおうじょうるがゆゑなりº」 と。

ニハルニ↢¬大経¼↡云、「仏告タマハク↢阿難↡、其有↢衆生↡、欲↧於↢今世↡見マツラムト↦无量寿仏↥者、応↧発↢无上菩提之心↡修↢行功徳↡願↞生ムト↢彼↡。即ルガ↢往生↡故ナリト。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(a)(ロ)釈引

^¬だいきょうさん¼ にいはく (*讃阿弥陀仏偈)

もし弥陀みだ*徳号とくごうきて、 *かん*讃仰さんごうし、 しん*帰依きえすれば、

しも一念いちねんいたるまでだい。 すなはちどくほうそくすとなす。

たとひ*大千だいせんかいてらんをも、 またただちにぎてぶつくべし。

弥陀みだけば、 また*退しりぞかず。 このゆゑにしんいたして*稽首けいしゅらいしたてまつる」 と。

¬大経¼云

「若↢阿弥歓喜讃仰心帰依レバ
下至マデ↢一念↡得↢大利↣具↢足スト功徳
ラム↢大千世界↡火ヲモ亦応↣直↢仏
↢阿弥陀↡、不↢復退↠心稽首マツルト

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(b)観経

^には ¬かんぎょう¼ (意) によるに、 *ぼんのうちにみなのたまはく、 「臨終りんじゅう正念しょうねんにしてすなはちおうじょう」 と。

ニハ↢¬観経¼↡、九品之内皆言、「臨終正念ニシテ↢往生↡。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(c)起信論

^さんには ¬*しんろん¼ (意) によるにいはく、 「もろもろのしゅじょうおしへて*真如しんにょ*びょうどう*一実いちじつかんぜよとすすむ。 また*ほっさつあり、 そのしんなんにゃくにして、 みづからつねに諸仏しょぶつひたてまつりて*しんじょうようすることあたはずとおもひ、 こころ退たいせんとほっするものには、 まさにるべし、 如来にょらい*しょう方便ほうべんましまして信心しんじんしょうしたまふ。 いはく、 こころをもつぱらにしてぶつねんずる因縁いんねんをもつて、 がんしたがひておうじょうす。 つねにぶつたてまつるをもつてのゆゑに、 なが悪道あくどうはなる」 と。

ニハ↢¬起信論¼↡云、「教↢諸衆生↡勧↠観ヨト↢真如平等一実↡。亦↢始発意菩薩↡、其心軟弱ニシテ、自↠不↠能↧常マツリテ↢諸仏↡親承供養コト↥、意欲↠退ムトニハ、当↠知、如来シテ↢勝方便↡摂↢護タマフ信心↡。謂↢専ニシテ↠意因縁↡、随↠願往生。以↢常マツルヲ↟仏ルト↢悪道↡。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(d)鼓音陀羅尼経

^には ¬*おん陀羅尼だらにきょう¼ (意) によるにのたまはく、 「そのときそん、 もろもろの比丘びくげたまはく、 ªわれまさになんぢがために演説えんぜつすべし。 西方さいほう安楽あんらくかいにいまげんぶつまします。 弥陀みだなづけたてまつる。 もし*しゅありて、 よくまさしくかのぶつ*みょうごうじゅし、 そのしんけんにして*憶念おくねんしてわすれざることじゅうにちじゅう散乱さんらん除捨じょしゃして*しょうごんして念仏ねんぶつ三昧ざんまいしゅじゅうし、 もしよく念々ねんねんえざらしむれば、 じゅうにちのうちにかならずかの弥陀みだぶつたてまつることをて、 みなおうじょうº」 と。

ニハ↢¬鼓音陀羅尼経¼↡云、「爾時世尊告タマハク↢諸比丘↡、我当↢為↠汝演説↡。西方安楽世界今現↠仏。ナヅケタテマツル↢阿弥陀↡。若↢四衆↡、能受↢持名号↡、堅↢固ニシテ↡憶念コト十日十夜、除↢散乱↡精懃修↢習念仏三昧↡、若レバ↢念念↟絶、十日之中↠見マツルコトヲ↢彼阿弥陀仏↡、皆得↢往生↡。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(e)法鼓経

^には ¬*ほっきょう¼ によるにのたまはく、 「もしひとりんじゅうときねんをなすことあたはざれども、 ただかのほうぶつましますとりておうじょうこころをなせば、 またおうじょう」 と。

ニハ↢¬法鼓経¼↡云、「若人臨終之時ドモ↠能↠作コト↠念、但知↢彼スト↟仏作↢往生↡、亦得↢往生↡。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(f)十方随願往生経

^六には ¬*十方じっぽう随願ずいがんおうじょうきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「もしおわりにのぞおよびて*ごくすることあらんに、 いえのうちの眷属けんぞくその*亡者もうじゃのために念仏ねんぶつしおよび*転誦てんじゅ*斎福さいふくすれば、 亡者もうじゃすなはちごくよりでてじょうおうじょう。 いはんやその現在げんざいにみづからよく修念しゅねんせば、 なにをもつてかおうじょうすることをざるものあらんや」 と。 このゆゑにかの ¬きょう¼ (十方随願往生経・意) にのたまはく、 「現在げんざい眷属けんぞく亡者もうじゃのために*追福ついふくすれば、 遠人おんにんかれいするにさだめてじきるがごとし」 と。

ニハ↢¬十方随願往生経¼云フガ↡。「若ムニ↣臨↠終↠死コト↢地獄↡、家眷属為↢其亡者↡念仏転誦斎福レバ、亡者則↢地獄↡往↢生浄土↡。況現在修念、何↠得↢往生コトヲ↡者アラム也。」是¬経¼云、「現在眷属為↢亡者↡追福レバ、如シトカレイスルニ↢遠人↡定ルガ↞食也。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(g)諸経
                  (イ)大法鼓経

^だいしちにはひろしょきょうきて証成しょうじょうす。 ^¬*だいほっきょう¼ にきたまふがごとし。 「もし善男ぜんなんぜん女人にょにんつねによくこころけて諸仏しょぶつみょうごうしょうねんすれば、 十方じっぽう諸仏しょぶつ一切いっさい*げんじょうつねにこのひとることまえげんずるがごとし。 このゆゑにこのきょうだいほっづく。 まさにるべし、 このひと十方じっぽうじょうがんしたがひておうじょうす」 と。

第七ニハ↢諸経↡証成。如↢¬大法鼓経¼説タマフガ↡。「若善男子・善女人常↠意称↢念レバ諸仏名号↡者、十方諸仏・一切賢聖常コト↢此↡如↠現ルガ↡。是↢大法鼓↡。当↠知、此十方浄土↠願往生スト。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(g)(ロ)大悲経

^また ¬*だいきょう¼ (意) にのたまはく、 「なにをかづけてだいとなす。 もしもつぱら念仏ねんぶつ相続そうぞくしてえざるものは、 その命終みょうじゅうしたがひてさだめて安楽あんらくしょうず。 もしよく*展転てんでんしてあひすすめて念仏ねんぶつぎょうずるものは、 まさにるべし、 これらをことごとくだいぎょうずるひとづく」 と。

又¬大悲経¼云、「何ヲカ↢大悲↡。若念仏相続↠断、随↢其命終↡定↢安楽↡。展転↢念仏↡者、当↠知、此等クト↧行↢大悲↡人↥也。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(g)(ハ)涅槃経

^このゆゑに ¬はんぎょう¼ (意) にのたまはく、 「ぶつ大王だいおうげたまはく、 ªたとひだいぞうひらきて一月ひとつきのうちに一切いっさいしゅじょう布施ふせすとも、 所得しょとくどくひとありてぶつしょうするいっどくにしかず。 まえぎたること*校量きょうりょうすべからずº」 と。

¬涅槃経¼云、「仏告タマハク↢大王↡、仮令↢大庫蔵↡一月之中布↢施トモ一切衆生↡、所得功徳、不↠如↢有↠人称一口功徳↡。過タルコト↠前↠可↢挍量↡。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(g)(ニ)増一阿含経

^また ¬*増一ぞういつごんぎょう¼ (意) にのたまはく、 「ぶつなんげたまはく、 ªそれしゅじょうありて、 いち*えんだいひとぶく飲食おんじき臥具がぐ湯薬とうやくようせんに、 所得しょとくどく、 むしろおおしとなすやいなやº と。 なんぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 はなはだおおしはなはだおおし、 かぞはかるべからずº と。 ぶつなんげたまはく、 ªもししゅじょうありて善心ぜんしん相続そうぞくしてぶつみょうごうしょうすること、 ひとたびにゅうしぼるあひだのごとくせんに、 所得しょとくどくうえぎたることはかるべからず。 よくはかるものあることなしº」 と。

又¬増一阿含経¼云、「仏告タマハク↢阿難↡其有↢衆生↡、供↢養ムニ一閻浮提衣服・飲食・臥具・湯薬↡、所得功徳、寧スヤ↠多シト。阿難白↠仏、世尊、甚、不↠可↢数↡。仏告タマハク↢阿難↡、若↢衆生↡善心相続コト↢仏名号↡、如クセムニ↧一タビシボ↢牛乳アヒダ↥、所功徳過タルコト↠上不↠可↠量。无シト↠有コト↢能者↡。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)(g)(ホ)大品経

^¬*大品だいぼんぎょう¼ (意) にのたまはく、 「もしひと*散心さんしん念仏ねんぶつすれば、 すなはちおわるにいたるまでそのふくきず。 もしひとさん念仏ねんぶつすれば、 すなはちおわるにいたるまでそのふくきず」 と。

¬大品経¼云、「若人散心念仏レバ、乃マデ↠畢ルニ↠苦福不↠尽。若人散花念仏レバ、乃マデ↠畢ルニ↠苦福不↠尽。」

二 Ⅴ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)

^ゆゑにりぬ、 念仏ねんぶつだいなること不可ふか思議しぎなり。 ¬*じゅうおう生経じょうきょう¼、 しょだいじょうきょうとう、 ならびにもんしょうあり、 つぶさにくべからず。

念仏利大ナルコト不可思議也。¬十往生経¼、諸大乗経等、並↢文証↡、不↠可↢具↡也。

二 Ⅴ ⅱ 【禅観難易】
       

【34】^だいつぎ此彼しひ禅観ぜんかんきょうしておうじょうすすむることをかすとは、

第二スト↣此彼禅観比挍コトヲ↢往生↡者、

二 Ⅴ ⅱ b
          (一)穢境禅定の劣
            (Ⅰ)乱想

^ただこのほうきょうにして、 乱想らんそうありてりがたし。

但此穢境ニシテ、乱想アリテ↠入

二 Ⅴ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)味染

^たとひ修得しゅとくするも、 ただ*じょうおお*ぜんよろこぶ。

就令修得ルモ、唯獲↢事定↡多↢味染↡。

二 Ⅴ ⅱ b ロ (一)(Ⅲ)退転

^またただよく*業報ごうほうしょうぶくし、 *じょうかい寿いのちきぬればおお退たいす。

又復但能↢業報↡、上界寿尽ヌレバ退

二 Ⅴ ⅱ b ロ (一)(Ⅳ)引論

^このゆゑに ¬智度ちどろん¼ にいはく、

*もんかいぜんとは、 いまだ*無漏むろほうざれば、

このどくありといへども、 このいまだたのむべからず」 と。

¬智度論¼云

「多聞持戒トハレバ↠得↢无漏法
↠有↢此功徳↡事未↠可タノ

二 Ⅴ ⅱ b ロ (二)西方定観の勝

^もし西にしかひてしゅじゅうせんとほっせば、 *きょうこうじょうにして、 *じょうかんじょうじやすし。 つみのぞくことこうにして、 ながさだまりすみやかにすすみて*きょうして清涼しょうりょうなり。 ¬だいきょう¼ にひろきたまふがごとし。

↢向↠西修習ムト↡、事境光浄ニシテ定観易↠成。除コト↠罪多劫ニシテ、永清涼ナリ。如↢¬大経¼広タマフガ↡。

二 Ⅴ ⅱ b ロ (三)此界色天との比校
            (Ⅰ)

 ^ひていはく、 もし西方さいほうきょうがいしょうにしてぜんじょうをなしてかんずべくは、 このさかい*色天しきてんよわくしてぜんじょうをなしてまねくべからざるや。

、若西方境界勝ニシテクハ↧為↢禅定↡感↥、此色天クシテルヤ↠応↧為↢禅定↡招↥。

二 Ⅴ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)
              (ⅰ)因の該通

^こたへていはく、 もししゅじょういんろんぜば、 *彼此ひし該通がいつうす。

、若↢修定↡、該↢通於彼此↡。

二 Ⅴ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)西方果の勝

^しかるにかのさかいくらいこれ退たいにして、 ならびにりきたもつあり。 このゆゑにきてしょうとなす。

位是不退ニシテ↢他力↡。是↠勝

二 Ⅴ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)色天果の劣

^このところはまたじょうしゅするにこくすといへども、 ただ*ぶんいんのみありて、 けてりきせっすることなし。 ごうくれば、 退たいすることをまぬかれず。 これにつきてしかずとく。

↢復修ルニ↠定スト↡、但有↢自分ノミ↡、闕↢他力コト↡。業尽レバ、不↠↠退コトヲ。就↠此↠不↠如

二 Ⅴ ⅱ 【此彼浄穢】
       

【35】^だいさん此彼しひじょうきょうをまた無漏むろづくるによるとは、

第三ルト↣此彼浄穢二境亦名ルニ↢漏・无漏↡者、

二 Ⅴ ⅱ c
          (一)此土有漏相

^もしこのところきょうがいろんずれば、 ただ*さんきょう*山澗せんけんしゃ*こく*水旱すいがん暴風ぼうふう*悪触あくそく雷電らいでん*礰へきれきろうどくじゅう悪賊あくぞくあく荒乱こうらんさん*三災さんさいはいあり。 *しょうぼうかたろんずれば、 *三毒さんどく*八倒はっとう憂悲うひしっびょうたんみょうかつ寒熱かんねつあり。 つねに*みょうがい追逐ついちくするところとなる。 ふかあくすべし。 つぶさにくべからず。 ゆゑに有漏うろづく。 ふかいとふべし。

レバ↢此境界↡、唯有↢三塗・丘坑・山澗・沙鹵・蕀刺・水旱・暴風・悪触・雷電・礰・虎狼・毒獣・悪賊・悪子・荒乱・破散・三災・敗壊↡。語↢論レバ正報↡、三毒・八倒・憂悲・嫉妬・多病・短命・飢渇・寒熱アリ。常伺命害鬼之所↢追逐↡。深↢穢悪↡。不↠可↢具↡。故↢有漏↡。深↠厭也。

二 Ⅴ ⅱ c ロ (二)彼土無漏相
            (Ⅰ)総讃

^かのくにおうじょうするはしょうなりとは、 ¬だいきょう¼ (意) によるにのたまはく、 「十方じっぽう人天にんでんただかのくにしょうずれば、 みな種々しゅじゅやくざるはなし」 と。

往↢生ルハ↡勝ナリト者、拠↢¬大経¼↡云、「十方人天但生レバ↢彼↡者、莫シト↠不ルハ↣皆獲↢種種利益↡也。」

二 Ⅴ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)受楽

^なんとなれば、 ひとたびかのくにしょうずれば、 けばすなはち金蓮こんれんあしささげ、 すればすなはちほうけ、 づればすなはち*たいしゃくまえにあり、 ればすなはち*梵王ぼんのうしりえしたがふ。 一切いっさいしょうじゅはわれと親朋しんぼうなり。 弥陀みだぶつはわがだいたり。 宝樹ほうじゅ宝林ほうりんしたにはこころまかせて*こうしょうし、 *はっとくいけなかには*じんあそばせあしそそぐ。 かたちはすなはち金色こんじきおなじく、 寿いのちはすなはちいのちぶつひとし。

トナレバ者一タビレバ↢彼↡者、行金蓮捧↠足、坐宝座承↠躯、出レバ帝釈在↠前、入梵王従↠後。一切聖衆与↠我親朋ナリ。阿弥陀仏↢我大師↡。宝樹・宝林之下ニハ↠意翺翔、八徳ニハバセ↠神↠足。形身同↢金色↡、寿命与↠仏斉

二 Ⅴ ⅱ c ロ (二)(Ⅲ)行楽

^がくすればすなはち衆門しゅもんならすすみ、 とどまればすなはち*たいゆうす。 十方じっぽう*済運さいうんすればすなはちだい神通じんずうじょうじ、 *えんあんすればざんにすなはち*さん空門くうもんす。 あそべばすなはち*はっしょうり、 いたればすなはち*だいはんいたる。

レバ衆門、止レバ二諦虚融。十方済運レバ↢大神通↡、晏安レバ暫時↢三空門↡。遊↢八正之路↡、至↢大涅↡。

二 Ⅴ ⅱ c ロ (二)(Ⅳ)結勧

^一切いっさいしゅじょうただかのくにいたれば、 みなこのやくしょうす。 なんぞりょうせずしてすみやかにかざらんや。

一切衆生但至↢彼↡者、皆証↢此↡。何シテ↢思量↡不ラム↢速↡也。

二 Ⅴ ⅱ 【引証勧信】
       

【36】^だい聖教しょうぎょうきて証成しょうじょうし、 後代こうだいすすめてしんしょうくことをがんせしむとは、

第四↢聖教↡証成、勧↢後代↡生↠信求↢願シムトコトヲ↡者、

二 Ⅴ ⅱ d
          (一)生信

^¬*観仏かんぶつ三昧ざんまいきょう¼ (意) によるにのたまはく、 「そのとき*ちゅう十方じっぽう諸仏しょぶつましまして、 おのおの*だいのなかにおいて*けっ趺坐ふざしてくうちゅうげんじたまふ。 東方とうぼう善徳ぜんとく如来にょらいしゅとなして、 大衆だいしゅげてのたまはく、 ªなんぢらまさにるべし、 われ過去かこりょうときおもふに、 ぶつましましき、 ほうとくじょうおうづけたてまつる。 かのぶつでたまふとき、 また今日こんにちのごとく*さんじょうほうきたまふ。

↢¬観仏三昧経¼↡云、「爾時会中シテ↢十方諸仏↡、各↢花台↡結跏趺坐空中タマフ。東方善徳如来↠首、告↢大衆↡言、汝等当↠知、我念フニ↢過去无量世↡、有シキ↠仏名マツル↢宝威徳上王↡。彼仏出タマフ時、亦如↢今日↡説タマフ↢三乗↡。

かのぶつめつまつのなかにいち比丘びくありて、 弟子でしにん*仏塔ぶっとう往詣おうげいして仏像ぶつぞう礼拝らいはいするに、 いち宝像ほうぞう厳顕ごんけんにしてかんずべきをる。 かんじをはりてきょうらいして、 にあきらかにこれをかんず。 おのおのいちきて、 もつて讃歎さんだんをなす。 寿いのち*修短しゅたんしたがひてかく命終みょうじゅうす。 すでに命終みょうじゅうしをはりてすなはち仏前ぶつぜんしょうず。

滅後末世之中↢一比丘↡、↢弟子九人↡往↢詣仏塔↡礼↢拝ルニ仏像↡、見↢一宝像厳顕ニシテキヲ↟観。観敬礼、目↠之。各↢一偈↡、用↢讃歎↡。随↢寿修短↡各自命終命終↢仏前↡。

これより以後いごつねにりょう諸仏しょぶつぐうすることをて、 諸仏しょぶつみもとにおいてひろ*ぼんぎょうしゅして念仏ねんぶつ三昧ざんまいかい。 すでにこれををはりて諸仏しょぶつ現前げんぜんにすなはち*じゅあたへたまふ。 十方じっぽうめんにおいてこころしたがひてぶつる。 東方とうぼう善徳ぜんとくぶつとはすなはちわがこれなり。 *自余じよほう諸仏しょぶつはすなはちこれ本昔むかし弟子でしにんこれなり。 じゅうぶつそんとうらいし、 いちをもつてさんずるによるがゆゑにぶつとなることをたり。 あに異人ことひとならんや、 われら十方じっぽうぶつこれなりº と。

↠此已後恒↣値↢遇コトヲ无量諸仏↡、於↢諸仏↡広↢梵行↡得↢念仏三昧海↡。得↠此諸仏現前タマフ↢授記↡。↢十方↡随↠意↠仏。東方善徳仏者即身是ナリ。自余九方諸仏者即是本昔弟子九人是ナリ十仏世尊因↢由ルガ↠塔一偈ヲモテルニ↡故タリ↣成↢為コトヲ↡。豈異人ナラム乎、我等十方仏是ナリト

二 Ⅴ ⅱ d ロ (二)願往(念仏三昧を勧む)

^このとき十方じっぽう諸仏しょぶつくうよりくだりてせんこうみょうはなち、 色身しきしん*びゃく毫相ごうそうひかり顕現けんげんして、 おのおのみなしゃぶつゆかす。 なんげてのたまはく、 ªなんぢるや、 *しゃもんぶつしゅしょうじんひゃくせんぎょうをもつてぶつ智慧ちえもとめてこの報得ほうとくしたまへり。 いまなんぢがためにきたまふ。 なんぢぶつたもちて、 らいてんりゅう大衆だいしゅ*弟子でしのために、 観仏かんぶつ相好そうごうおよび念仏ねんぶつ三昧ざんまいくべしº と。 ^このきをはりて、 しかるのちしゃもんぶつ問訊もんじんす。 問訊もんじんしをはりておのおの本国ほんごくかえりたまへり」 と。

時十方諸仏従↠空而下↢千光明↡、顕↢現色身白豪相↡、各各皆坐↢釈迦仏↡。告↢阿難↡言汝知、釈迦文仏无数精進、百千苦行ヲモテ↢仏↡報↢得タマヘリ↡。今為↠汝タマフ。汝持↢仏語↡、為↢未来世天・竜・大衆・四部弟子↡、説ベシト↢観仏相好及念仏三昧↡。説↢是↡已、然問↢訊釈迦文仏↡。問訊訖已タマフト↢本国↡。」

【第六大門】
    標列

【37】^だいろく大門だいもんのなかに三番さんばんりょうけんあり。 だいいち十方じっぽうじょうともにきたしてきょうす。 だい*すいす。 だいさんきょうじゅうめつべんず。

第六大門↢三番料簡↡。第一十方浄土共比挍。第二義推。第三↢経住滅↡。

二 Ⅵ 解釈
      【十方西方比校】
       

【38】^だいいち十方じっぽうじょうともにきたしてきょうすとは、 その三番さんばんあり。

第一十方浄土共シテ比挍スト者、有↢其三番↡。

二 Ⅵ ⅱ a
          (一)娑婆有縁

^いちには ¬*随願ずいがんおうじょうきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「十方じっぽう仏国ぶっこくみなことごとくごんじょうなり。 がんしたがひてならびにおうじょう。 しかりといへども、 ことごとく西方さいほうりょう寿じゅこくにはしかず。 なんのこころをもつてか、 かくのごとくなる。 ただ弥陀みだぶつ観音かんのん大勢だいせいさき*発心ほっしんしたまひしとき*このさかいよりりたまへり。 このしゅじょうにおいてひとへにこれえんあり。 このゆゑにしゃ処々しょしょ*たんしたまふ」 と。

ニハ↢¬随願往生経¼云フガ↡。「十方仏国皆悉厳浄ナリ↠願得↢往生↡。雖↠然不↠如↢西方无量寿国ニハ↡。何ヲモテカクナル↠此。但阿弥陀仏与↢観音・大勢至↡先発心タマヒシ時、従↢此界↡去タマヘリ。於↢此衆生↡偏是有↠縁。是釈迦処処歎帰タマフト。」

二 Ⅵ ⅱ a ロ (二)法蔵願取

^には ¬だいきょう¼ (上・意) によるに、 「*法蔵ほうぞうさつ*いんちゅう*にょうおうぶつみもとにおいて、 つぶさに*がんおこしてもろもろのじょうりたまふときぶつ、 ためにひゃくいちじゅうおく諸仏しょぶつ*せつてんにん善悪ぜんあくこく*しょうきて、 ことごとくげんじてこれをあたへたまふ。 とき法蔵ほうぞうさつがんじて西方さいほうりてじょうぶつしたまひ、 いまげんにかしこにまします」 と。 これしょうなり。

ニハ↢¬大経¼↡、「法蔵菩薩因中↢世饒王仏↡、具↢弘願↡取タマフ↢諸浄土↡。時仏為↢二百一十億諸仏刹土天・人善悪、国土精麁↡、悉タマフ↠之。於法蔵菩薩願↢西方↡成仏タマヒ今現スト↠彼。」是二証也。

二 Ⅵ ⅱ a ロ (三)偉大請楽

^さんにはこの ¬かんぎょう¼ (意) のなかによるに、 「*だいにんまたじょうふ。 如来にょらい (釈尊) 光台こうだいにために十方じっぽう一切いっさいじょうげんじたまふ。 だいにんぶつにまうしてまうさく、 ªこの諸仏しょぶつまた清浄しょうじょうにしてみなこうみょうありといへども、 われいま極楽ごくらくかい弥陀みだぶつみもとしょうぜんとねがふº」 と。 これそのさんしょうなり。

ニハ¬観経¼中↡、「韋提夫人復↢浄土↡。如来光タマフ↢十方一切浄土↡。韋提夫人白↠仏、此諸仏土雖↣復清浄ニシテ皆有↢光明↡、我今楽フト↠生ムト↢極楽世界阿弥陀仏↡。」是其ナリ

二 Ⅵ ⅱ a

^ゆゑにりぬ、 もろもろのじょうのなかに安楽あんらくかいさいしょうなり。

浄土安楽世界最勝也。

二 Ⅵ ⅱ 【義推】
       

【39】^だいすいすとは、

第二義推スト者、

二 Ⅵ ⅱ b 問答
          (一)

^ひていはく、 なんがゆゑぞかならずおもて西にしかへてして*らいねんかんするをもちゐる。

、何↢面ヘテ↠西礼念観ルヲ↡者。

二 Ⅵ ⅱ b ロ (二)
            (Ⅰ)正答

^こたへていはく、 えんだいには、 づるところしょうづけ、 もっするところづくといふをもつて、 死地しじによるに*じんみょうしゅにゅうそのそう*助便じょべんなり。 このゆゑに法蔵ほうぞうさつがんじてじょうぶつし、 西にしにありてしゅじょう*しょうしたまふ。 してかんらいねんとうによるに、 おもてぶつかふるはこれれいしたがふ。 もしこれしょうにんならば、 ほうざいなることを*方所ほうしょべんぜず。 ただぼんひと身心しんしんあひしたがふ。 もしほうかはば、 西にしくことかならずかたからん。

、以↣閻浮提ニハフヲ↢日↠生、没クト↟死、藉ルニ↢於死地↡神明趣入相助便ナリ。是法蔵菩薩願成仏、在↠西悲↢接タマフ衆生↡。由ルニ観礼念等↡、面↠仏者是随↢世礼儀↡。若是聖人ナラバ、得↢飛報自在ナルコトヲ↡不↠辨↢方所↡。但凡夫之人身心相。若↢余方↡、西コトカラム

二 Ⅵ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)引証
              (ⅰ)智度論

^このゆゑに ¬智度ちどろん¼ (意) にいはく、 「いち比丘びくあり、 *康存こうぞん ¬*弥陀みだきょう¼ をじゅし、 および*般若はんにゃ波羅はらみつねんじ、 命終みょうじゅうのぞみて弟子でしげていはく、 ª弥陀みだぶつ、 もろもろのしょうじゅといまわがまえにましますº と。 *がっしょう帰依きえして*しゅしゃみょうす。 ここにおいて弟子でしそうほうによりてをもつてかばねくに、 一切いっさいくれども、 ただ舌根ぜっこん一種いっしゅありてもとせず。 つひにすなはちおさりてとうててようす」 と。

¬智度論¼云、「有↢一比丘↡、康存之日誦↢¬阿弥陀経¼↡、及↢般若波羅蜜↡、臨↢命↡告↢弟子↡言、阿弥陀仏与↢諸聖衆↡今在スト↢我↡。合掌帰依須臾捨命。於↠是弟子依↢火葬↡以↠火クニ↠屍、一切焼レドモ、唯有↢舌根一種↡与↠本不↠異。遂↠塔供養スト。」

^*りゅうじゅさつしゃくしていはく (大智度論・意)、 「¬弥陀みだきょう¼ をじゅするがゆゑに、 ここをもつておわりになんなんとするに、 ぶつみづから*来迎らいこうし、 般若はんにゃ波羅はらみつねんずるがゆゑに、 ゆゑに舌根ぜっこんきず」 と。 このもんをもつてしょうす。 ゆゑにりぬ、 一切いっさいぎょうごうただよくこうするにかざるはなし。

龍樹菩薩釈、「誦ルガ↢¬阿弥陀経¼↡故、是ナンナムトスルニ↠終、仏自来迎ルガ↢般若波羅蜜↡故、所以舌根不↠尽。」以↢斯↡証。故一切行業但能廻向ルニ↠不ルハ↠往也。

二 Ⅵ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)須弥四域経

^ゆゑに ¬*しゅいききょう¼ にのたまはく、 「てんはじめてひらくるとき、 いまだにちがつしょうしんあらず。 たとひ天人てんにんらいすることあれども、 ただうなじひかりをもつてしょうようす。 そのとき人民にんみんおおのうしょうず。 ここにおいて弥陀みだぶつさつつかはす。 いち宝応ほうおうしょうづけ、 宝吉ほうきっしょうづく。 すなはち*ぶく*じょこれなり。 このさつともにあひ*ちゅうして*だいしち梵天ぼんてんうえかひて、 その*七宝しっぽうりてこのさかいらいして、 にちがつしょうしん*じゅうはっ宿しゅくつくり、 もつててんらしてその四時しじ春秋しゅんじゅうとうさだむ。

¬須弥四域経¼云、「天地初之時、未↠有↢日月・星辰↡。縦ドモ↢天人来下コト↡、但用↢ウナジ↡照用。爾時人民多↢苦悩↡。於↠是阿弥陀仏遣↢二菩薩↡。一↢宝応声↡、二↢宝吉祥↡。即羲・女媧是ナリ。此二菩薩共↢第七梵天↡、取↢其七宝↡来↢至↡、造↢日月・星辰二十八宿↡、以↢天下↡定↢其四時春秋冬夏↡。

ときさつともにあひいひていはく、 ªにちがつしょうしんじゅうはっ宿しゅく西にし所以ゆえんは、 一切いっさい諸天しょてん人民にんみんことごとくともに弥陀みだぶつ稽首けいしゅしたてまつれº となり。 ここをもつてにちがつしょうしんみなことごとくしんかたむけてかしこにかふ。 ゆゑに西にしながる」 と。

二菩薩共、所↢以日月・星辰二十八宿西↡者、一切諸天人民尽稽↢首マツレトナリ阿弥陀仏↡。是日月・星辰皆悉↠心↠彼。故西也。」

二 Ⅵ ⅱ 【経教住滅】
        引経

【40】^だいさんきょうじゅうめつべんずとは、 いはく、 「*しゃ牟尼むにぶつ一代いちだい*しょうぼうひゃくねん*像法ぞうぼういっ千年せんねん*末法まっぽういち万年まんねんには、 しゅじょうげんき、 しょきょうことごとくめっす。 如来にょらいつうしょうしゅじょうあいして、 *ことにこのきょうとどめてじゅうすることひゃくねんならん」 (大経・下意) と。

第三ズト↢経住滅↡者、謂「釈迦牟尼仏一代、正法五百年、像法一千年、末法一万年ニハ、衆生、諸経悉。如来悲↢哀痛焼衆生↡特↢此↡止住コト百年ナラムト。」

二 Ⅵ ⅱ c 釈成

^このもんをもつてしょうす。 ゆゑにりぬ、 かのくにはこれじょうなりといへども、 しかも*たいじょうつうず。 *そうそうるはまさにじょうしょうずべし。 ぼんたくにして一向いっこうそうじょうじておうじょうするなり。

↢斯↡証。故↢是浄土ナリト↡、然体通↢上下↡。知ルハ↢相无相↡当↠生↢上位↡。凡夫火宅ニシテ一向↠相往生也。

【第七大門】
    標列

【41】^だいしち大門だいもんのなかに両番りょうばんりょうけんあり。 第一だいいちもんのなかに*此彼しひ取相しゅそう*ばく*だつりょうけんす。 だいつぎ此彼しひ修道しゅどうこうもちゐるに軽重きょうじゅうありて、 ほうるにしんあることをかし、 ことさらにすすめてかしこにかはしむ。

第七大門↢両番料簡↡。第一門此彼取相料↢簡縛・脱↡。第二↢此彼修道ルニ↠功軽重アリテ而獲ルニ↠報真偽アルコトヲ↡、故ラニシム↠彼

二 Ⅶ 解釈
      【此彼取相縛脱】
       

【42】^だいいち此彼しひ取相しゅそうばくだつりょうけんすとは、

第一此彼取相料↢簡スト縛・脱↡者、

二 Ⅶ ⅱ a
          (一)総釈

^もし西方さいほうじょうそうらば、 だつ、 もつぱら極楽ごくらくけて、 げんひらけてほがらかなり。 もしこのほうそうらば、 ただもうぎょうもう厄縛やくばく憂怖うふのみあり。

↢西方浄相↡、疾得↢解脱↡、純↢極楽↡、智眼開カナリ。若↢此穢相↡、唯有妄楽・痴盲・厄縛・憂怖ノミ↡。

二 Ⅶ ⅱ a ロ (二)別釈
            (Ⅰ)出難

 ^ひていはく、 だいじょうしょきょうによるに、 みな 「そうはすなはちこれしゅつ要道ようどうなり、 そうしゅう*拘礙くげするは*塵累じんるいまぬかれず」 といへり。 いましゅじょうすすめてじょうねがはしむ、 このいかん。

、依ルニ↢大乗諸経↡、皆云↢「无相是出離要道ナリ、執↠相拘礙ルハ↢塵↡。」今勧↢衆生↡捨↠穢シム↠浄、是義云何

二 Ⅶ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)正答

^こたへていはく、 このるいせず。 なんとなれば、 おほよそそうしゅあり。 いちには*じんよくきょうにおいて妄愛もうあい貪染とんぜんしてきょうしたがひて執着しゅうじゃくす。 これらのこのそう、 これをづけてばくとなす。 にはぶつどくあいしてじょうしょうぜんとがんず。 これそうなりといふといへども、 づけてだつとなす。

、此義不↠類。何トナレバ者凡↢二種↡。一者於五塵欲境↡妄愛貪染↠境執着。此等相、名↠之↠縛。二者愛↢仏功徳↡願↠生ムト↢浄土↡。雖↠言フト↢是相ナリト↡、名↢解脱↡。

二 Ⅶ ⅱ a ロ (二)(Ⅲ)引証
              (ⅰ)十地経

^なにをもつてかることをる。 ¬*じゅうきょう¼ (意) にのたまふがごとし。 「しょさつ、 なほみづから*たい別観べっかんしてしんはげまして作意さいす。 さきにはそうによりてもとめ、 おわりにはすなはちそうなり。 もつてやうやく増進ぞうしんしてだいだいたいす。 *しちじゅうしんつくして*相心そうしんはじめてむ。 その*はちりてそうぜっす。 まさにゆうづく」 と。

テカ↠知コトヲ。如↢¬十地経¼云フガ↡。「初地菩薩、尚自別↢観二諦↡厲↠心作意。先ニハ↠相、終ニハ无相ナリ。以増進↢大菩提↡。尽↢七地終心↡相心始。入↢其八地↡絶↢於相求↡。方クト↢无功用↡也。」

^このゆゑに ¬ろん¼ (*十地経論・意) にいはく、 「しちげん悪貪あくとんさわりとなし、 *善貪ぜんとんとなす。 はちじょう善貪ぜんとんさわりとなし、 とんとなす」 と。 いはんやいまじょうしょうぜんとがんずるは、 げんにこれ*ぼんなり。 所修しょしゅ善根ぜんごんみなぶつどくあいするよりしょうず。 あにこればくならんや。

¬論¼云、「七地已還悪貪↠障、善貪↠治。八地已上善貪↠障、无貪スト↠治。」況今願ルハ↠生ムト↢浄土↡、現是外凡ナリ。所修善根皆従↠愛↢仏功徳↡生。豈是縛ナラム也。

二 Ⅶ ⅱ a ロ (二)(Ⅲ)(ⅱ)涅槃経

^ゆゑに ¬はんぎょう¼ (意) にのたまはく、 「一切いっさいしゅじょうしゅあいあり。 いちには善愛ぜんあいには善愛ぜんあいなり。 善愛ぜんあいはただのみこれをもとめ、 善法ぜんぽうあいしょさつこれをもとむ」 と。

¬涅槃経¼云、「一切衆生↢二種愛↡。一者善愛、二者不善愛ナリ。不善愛者唯愚ノミ↠之、善法愛者諸菩薩求ムト↠是。」

二 Ⅶ ⅱ a ロ (二)(Ⅲ)(ⅲ)論註

^ゆゑに ¬じょうろん¼ (*論註・下意) にいはく、 「*観仏かんぶつこく清浄しょうじょう*しょうじゅしゅじょうだいじょう*るいぎょう願取がんしゅぶつ土味どみ*ひっきょうじゅう不虚作ふこさ、 かくのごときりょう仏道ぶつどうあり」 と。

¬浄土論¼云、「観仏国土清浄味・摂受衆生大乗味・類事起行願取仏土味・畢竟住持不虚作味、有↢如↠是无量仏道味↡。」

二 Ⅶ ⅱ a ロ (二)(Ⅳ)結成

^ゆゑにこれそうるといへども、 しゅうばくあたるにあらず。 またかのじょうにいふところのそうとは、 すなはちこれ無漏むろそう*実相じっそうそうなり。

↢是取ルト↟相、非↠当ルニ↢執縛↡也。又彼浄土↠言者、即是无漏相、実相相也。

二 Ⅶ ⅱ 【此彼修道】
       

【43】^だいだんのなかに此彼しひ修道しゅどうこうもちゐるに軽重きょうじゅうありて、 ほうるにしんあることをかすとは、

第二段スト↢此彼修道ルニ↠功軽重アリテ而獲ルニ↠報真偽アルコトヲ↡者、

二 Ⅶ ⅱ b
          (一)総釈

^もし発心ほっしんして西にしせんとほっするものは、 ひとへにしょう*らいかんねんとうをもつて、 寿いのちちょうたんしたがひて、 命終みょうじゅうときのぞめば*光台こうだいこうしょうして、 くかのほういたりてくらい退たいかなふ。

↢発心ムト西、単少時礼観念等↡、随↢寿長短↡、臨↢命終↡光台迎接、迅↢彼カナ↢不退↡。

二 Ⅶ ⅱ b ロ (二)別釈
            (Ⅰ)不退転

^このゆゑに ¬だいきょう¼ (上・意) にのたまはく、 「十方じっぽう人天にんでん、 わがくにらいしょうして、 もしつひにめついたらずしてさらに退転たいてんあらば、 しょうがくらじ」 (第十一願) と。 このほう多時たじにつぶさに*かいにんしんじょうしゅして、 いまだいち万劫まんごうたざるよりこのかたは、 つねにいまだたくまぬかれず、 顛倒てんどうついす。 ゆゑにこうもちゐることはいたりておもく、 ほうることはなりとづく。

¬大経¼云、「十方人天来↢生↡、若シテ↣畢↢滅度↡更↢退転↡者、不↠取↢正覚↡。」此多時↢施・戒・忍・進・定・恵↡、未ルヨリ↠満↢一万劫↡已来タハ、恒↠免↢火宅↡、顛倒。故↢用コトハ↠功、獲コトハ↠報ナリト也↡。

二 Ⅶ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)横截

^¬だいきょう¼ (下・意) にまたのたまはく、 「わがくにしょうずるものはよこさま悪趣あくしゅる」 と。 いまこれは弥陀みだじょうせつ約対やくたいして、 *しゃ*どうひとしく悪趣あくしゅづく。 *ごく*餓鬼がき*ちくしょうじゅんあくしょなれば、 づけて悪趣あくしゅとなす。 しゃ*人天にんでん*雑業ぞうごう所向しょこうなれば、 また悪趣あくしゅづく。 もしこのほう*しゅ断除だんじょによらば、 *見惑けんわくだんじてさんいんはなれ、 さんめっす。 のち*修惑しゅわくだんじて人天にんでんいんはなれ、 人天にんでんつ。 これみなぜん断除だんじょすれば、 *横截おうぜつづけず。 もし弥陀みだじょうこくおうじょうすることをれば、 しゃどういちにたちまちにつ。

¬大経¼復云、「生↢我↡者ルト↢五悪趣↡。」今此約↢対弥陀浄刹↡、娑婆五道↢悪趣↡。地獄・餓鬼・畜生純悪所帰ナレバ、名↢悪趣↡。娑婆人天雑業所向ナレバ、亦名↢悪趣↡。若↢此修治断除↡、先↢見惑↡離↢三塗↡、滅↢三塗↡。後↢修惑↡離↢人天↡、絶↢人天↡。此皆漸次断除レバ、不↠名↢横截↡。若レバ↣往↢生コトヲ弥陀浄国↡、娑婆五道一時チニ

ゆゑに 「横截おうぜつ悪趣あくしゅ」 とづくるはそのるなり。 悪趣あくしゅ然閉ねんぺい(同・下) とはそのいんづるなり。 これしょかす。 「しょうどう窮極ぐうごく(同・下) とはその所得しょとくあらわすなり。 もしよく作意さい*がんして西にしかへば、 かみいちぎょうつくしもじゅうねんいたるまで、 みなかざるはなし。 ひとたびかのくにいたればすなはち正定しょうじょうじゅりて、 ここにしてどうしゅするいち万劫まんごうこうひとしくす。

↢「横截五悪趣」↡者截↢其↡也。「悪趣自然閉」者閉↢其↡也。此明↢所離↡。「昇道无窮極」者彰ナリ↢其所得↡。若作意廻願↠西、上尽↢一形↡下至マデ↢十念↡无↠不ルハ↢皆往↡。一タビ↢彼↡即↢正定聚↡、与↢此ニシテ↠道一万劫↡斉クス↠功也。

【第八大門】
    標列

【44】^第八だいはち大門だいもんのなかに三番さんばんりょうけんあり。 だいいちりゃくしてしょきょうげてきたしょうして、 すすめてここをててかしこをねがはしむ。 だい弥陀みだしゃぶつきょうす。 だいさんおうじょうこころしゃくす。

第八大門↢三番料簡↡。第一↢諸経↡来↠此シム↠彼。第二弥陀・釈迦二仏比挍。第三↢往生↡。

二 Ⅷ 解釈
      【経論勧説】
       

【45】^だいいちりゃくしてもろもろのだいじょうきょうげてきたしょうして、 みなすすめてここをててかしこをねがはしむとは、

第一↢諸大乗経↡来皆勧↠此シムト↠彼者、

二 Ⅷ ⅱa
          (一)大経

^いちにはいはく*しゃ崛山くっせんせつ、 ¬だいきょう¼ かん

ニハ耆闍崛山説、¬大経¼二巻。

二 Ⅷ ⅱa ロ (二)観経

^には ¬かんぎょう¼ いち*おうしゃりょうしょうせつなり。

ニハ¬観経¼一部、王宮・耆闍両会正説ナリ

二 Ⅷ ⅱa ロ (三)小経

^さんには ¬しょうかんりょう寿じゅきょう¼ (*小経)*しゃ一説いっせつ

ニハ¬少巻无量寿経¼、舎衛一説。

二 Ⅷ ⅱa ロ (四)十方随願往生経

^にはまた ¬十方じっぽう随願ずいがんおうじょうきょう¼ の明証みょうしょうあり。

ニハ復有↢¬十方随願往生経¼明証↡。

二 Ⅷ ⅱa ロ (五)無量清浄覚経

^にはまた ¬*りょう清浄しょうじょうがくきょう¼ かんいちしょうせつあり。

ニハ復有↢¬无量清浄覚経¼二巻一会正説↡。

二 Ⅷ ⅱa ロ (六)十往生経

^ろくにはさらに ¬じゅうおうじょうきょう¼ 一巻いっかんあり。

ニハ↢¬十往生経¼一巻↡。

二 Ⅷ ⅱa

^しょだいじょうきょうろん*さんするところおおし。 ¬*しょう観音かんのん¼・¬大品だいぼんぎょう¼ とうのごとし。 また*りゅうじゅ天親てんじんとうろんのごとし。 *歎勧たんかんいちにあらず。 ほうじょうはみなかくのごとく丁寧ていねいならず。

諸余大乗経論指讃処多。如↢¬請観音¼・¬大品経¼等↡。又如↢龍樹・天親↡。歎勧非↠一。余方浄土皆不↢如↠此丁寧ナラ↡。

二 Ⅷ ⅱ 【二尊比校】
       

【46】^だい弥陀みだしゃぶつきょうすとは、

第二弥陀・釈迦二仏比挍スト者、

二 Ⅷ ⅱ b
          (一)釈迦仮相
            (Ⅰ)住世の短

^いはく、 このぶつしゃ如来にょらいはちじゅうねんとどまりてしばらくげんじてすなはちりたまひ、 りてかえりたまはず。 *とう諸天しょてんするに、 一日いちにちにもいたらず。

仏釈迦如来、八十年住マリテ↠世タマヒ、去而不↠返タマハ。比ルニ↢於忉利諸天↡、不↠至↢一日ニモ↡。

二 Ⅷ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)救縁の弱

^またしゃざいえんまたよわし。

又釈迦在時救縁亦弱

二 Ⅷ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅰ)例証

^しゃこくにしてひと現患げんげんすくひたまへるとうのごとし。 なんとなれば、 ときしゃこく人民にんみんしゅあくびょうへり。 いちにはまなこあかきことのごとし。 にはりょうみみよりうみいだす。 さんにははなのなかよりながす。 にはしたつぐみてこえなし。 にはらふところのものしてじゅうとなる。 六識ろくしき閉塞へいそくせることなほ酔人すいにんのごとし。

キナリ↧毘舎離国ニシテタマヘル↢人現患↡等↥。何トナレバ者時毘舎離国人民遭↢五種悪病↡。一者眼赤キコト↠血。二者両ヨリ↠膿。三者鼻ヨリ↠血。四者舌噤↠声。五者所↠食之物化↢麁渋↡。六識閉塞セルコト猶如↢酔人↡。

^*しゃあり、 あるいはこつ拏迦羅なからづく。 おもてくろきことすみのごとくしてげんあり、 狗牙くげうえでてひとしょうふ。 りょう*耆婆ぎばそのどうじゅつつくすも、 すくふことあたはざるところなり。

↢五野叉↡、↢訖拏迦羅↡。面キコトクシテ↠墨而有↢五眼↡、狗牙上↢人精気↡。良医耆婆尽スモ↢其道術↡、ナリ↠不↠能↠救コト

^とき月蓋がつがいちょうじゃあり。 しゅとなりて病人びょうにん*りょうし、 みなきたりてぶつして*こうべたたきてあわれみをもとむ。 そのときそんりょう*みんおこして、 びょうにんげてのたまはく、 「西方さいほう弥陀みだぶつかんおんだいせいさつまします。 なんぢら一心いっしんがっしょうしてたてまつらんともとめよ」 と。 ここにおいて大衆だいしゅみなぶつすすめにしたがひて、 がっしょうしてあわれみをもとむ。 そのときかのぶつだいこうみょうはなちて、 観音かんのん大勢だいせいいちにともにいたりて*だい神呪じんじゅきたまふに、 一切いっさいびょうみなことごとくしょうじょして、 びょうふくすることもとのごとし。

↢月蓋長者↡。為↠首部↢領病人↡、皆来↠仏↠頭↠哀ミヲ。爾時世尊起↢无量悲愍↡、告↢病人↡曰、西方↢阿弥陀仏・観世音・大勢至菩薩↡。汝等一心合掌ヨト↠見マツラムト。於↠是大衆皆従↢仏↡、合掌↠哀ミヲ時彼仏放↢大光明↡、観音・大勢一時タマフニ↢大神呪↡、一切病苦皆悉消除、平復コトモト

二 Ⅷ ⅱ b ロ (二)釈迦真意

^しかるにぶつ (阿弥陀仏・釈尊)*神力じんりきまた斉等ざいとうなるべし。 ただしゃ如来にょらいおのがのうべたまはずして、 ことさらにかの ˆ弥陀みだぶつのˇ ちょうあらわして、 一切いっさいしゅじょうをしてひとしくせざるはなからしめんとほっす。 このゆゑにしゃ処々しょしょˆ阿弥陀だみだぶつをˇ たんじてせしめたまへり。 すべからくこのこころるべし。

二仏神力応↢亦斉等ナル↡。但釈迦如来不シテ↠申タマハ↢己↡、故ラニ↢彼↡、欲↠使メムト↢一切衆生ヲシテ↟不ルハ↢斉↡。是釈迦処処シメタマフ。須↠知↢此↡也。

二 Ⅷ ⅱ b ロ (二)(Ⅰ)鸞師領解

^このゆゑに曇鸞どんらんほっこころただして西にしす。 ゆゑに ¬だいきょう¼ にへてさんしていはく (讃阿弥陀仏偈)

安楽あんらくしょうもんさつしゅ人天にんでん智慧ちえことごとく*洞達どうだつせり。

身相しんそうしょうごん*しゅなし。 ただ*ほうじゅんずるがゆゑにわかつ。

顔容げんよう*たんじょうにしてくらぶべきなし。 *しょうみょうにして人天にんでんにあらず。

*虚無こむしんごくたいなり。 このゆゑにびょう等力どうりき*ちょうらいしたてまつる」 と。

鸞法師正↠意↠西。故↢¬大¼↡奉

「安楽声聞・菩薩衆・人・天、智恵洞達セリ
身相荘厳无↢殊異↡但順ルガ↢他方↡故↠名
顔容端正ニシテ↠可↠比精微妙躯ニシテ↢人天
虚无之身无極ナリ頂↢礼マツルト平等力↡」

二 Ⅷ ⅱ 【往生意趣】
       

【47】^だいさんおうじょうこころしゃくすとは、 なかにつきてあり。 いちにはおうじょうこころしゃくし、 には問答もんどうしゃくす。

第三スト↢往生↡者、就↠中↠二。一ニハ↢往生↡、二ニハ問答解釈

二 Ⅷ ⅱ c
          (一)往生の意
            (Ⅰ)

 ^だいいちひていはく、 いまじょうしょうぜんとがんず、 いまだらず、 なんのこころをかなすや。

第一、今願↠生ムト↢浄土↡、未↠知、作スヤ↢何ヲカ↡也。

二 Ⅷ ⅱ c ロ (一)(Ⅱ)

^こたへていはく、 ただ*自利じり利他りたじょうじ、 *もつ深広じんこうならんとほっ*十信じっしん*三賢さんげんよりしょうぼう*しょうじゅして、 不二ふにかいし、 *ぶっしょうけんしょうし、 あきらかに実相じっそうさとる。 *かんしょうしん有無うむたいいんせんじゅうれつ*三忍さんにん三道さんどう*金剛こんごう無礙むげ*だいはんしょうす。 だいじょうひろはこびてげんときじゅうせんとほっす。 へん*しょうかいつくさんがためのゆゑなり。

、只欲↧疾↢自利・利他↡、利物深広ナラムト↥。十信・三賢ヨリ摂↢受正法↡、契↢会不二↡、見↢証仏性↡、明サト↢実相↡。観照暉心、有无二諦、因果先後、十地優劣、三忍三道、金剛无礙ニシテ↢大涅槃↡。大乗寛↢无限ムト↡。為↠尽ムガ无辺生死海↡故ナリ

二 Ⅷ ⅱ c ロ (二)問答解釈

 ^とい三番さんばんあり。

↢三番↡。

二 Ⅷ ⅱ c ロ (二)(Ⅰ)

^ひていはく、 じょうしょうぜんとがんずるは、 *もつほっするにすとは、 もししからば、 *所抜しょばつしゅじょうはいまげんにここにあり、 すでによくこのしん発得ほっとくすれば、 ただここにありてしゅじょうくべし。 なにによりてかこのしんをはりて、 じょうしょうぜんとがんずる。 しゅじょうててみづからだいらくもとむるに似如たり。

、願ルハ↠生ムト↢浄土↡、擬スト↠欲ルニ↢利物↡者、若、所抜衆生今現↠此、已発↢得レバ↡、只応↣在↠此↢苦衆生↡。何テカ得↢此↡竟、先↠生ムト↢浄土↡。似↧如タリ↢衆生↡自ルニ菩提↥也。

二 Ⅷ ⅱ c ロ (二)(Ⅱ)答1

^こたへていはく、 このるいせず。 なんとなれば、 ¬智度ちどろん¼ (意) にいふがごとし。 「たとへばにんともに父母ぶも眷属けんぞく深淵じんえん没在もつざいするをるに、 一人いちにんはただちにきてちからつくしてこれをすくふ。 ちからおよばざるところなればあひともにもっす。 一人いちにんははるかにはしりていち舟船しゅせんおもむき、 きたりてさいしょうするに、 *ならびになんづることをるがごとし。 さつもまたしかなり。 もしいまだ発心ほっしんせざるときは、 しょうてんすることしゅじょうべつなり。 ただすでにだいしんおこときは、 がんじてじょうおうじょうし、 だいふねりて*無礙むげ弁才べんざいじょうじてしょううみり、 しゅじょう済運さいうんす」 と。

、此義不↠類。何トナレバ者如↢¬智度論¼云フガ↡。「譬↧二人ルニ↣父母眷属没↢在ルヲ深淵↡、一人↠力↠之ナレバ↠不与倶一人↢一舟船↡、乗済接ルニ、並ルガ↞出コトヲ↠難。菩薩亦爾ナリ。若↢発心↡時、生死流転コト与↢衆生↡无別ナリ。但已↢菩提心↡時、先往↢生浄土↡、取↢大悲↡乗↢无礙↡入↢生死↡、済↢運スト衆生↡。」

二 Ⅷ ⅱ c ロ (二)(Ⅲ)答2

^に ¬大論だいろん¼ (大智度論・意) にまたいはく、 「さつじょうしょうじてだい神通じんずうし、 弁才べんざい無礙むげにしてしゅじょうきょうするときも、 なほしゅじょうをしてぜんしょうあくめっし、 *どうくらいすすめて、 さつこころかなはしむることあたはず。 もしすなはち穢土えどにありて抜済ばっさいするものは、 けてこのやくなし。 にわとりめてみずるるがごとし。 あによく湿うるおはざらんや」 と。

¬大論¼復云、「菩薩生↢浄土↡具↢大神通↡、弁才无ニシテ教↢化衆生↡時、尚不↠能↠令コト↣衆生ヲシテ↠善↠悪、増↠道↠位、称↢菩薩↡。若↢穢土↡抜済、闕↢此益↡。如↢似↠鶏ルガ↟水。豈ラム↠湿。」

二 Ⅷ ⅱ c ロ (二)(Ⅳ)答3

^さんに ¬だいきょうさん¼ にいはく(讃阿弥陀仏偈・意)

安楽あんらく仏国ぶつこくのもろもろのさつ、 それ宣説せんぜつすべきことは智慧ちえしたがふ。

おのが万物まんもつにおいて*しょもうず。 きよきことれんちりけざるがごとし。

往来おうらいしんうかべるふねのごとし。 *あんつとめとなして*ちゃくまくつ。

かれもおのれもくうのごとくして*そうだんず。 智慧ちえともしびともして*じょうらす。

*さんみょう六通ろくつうみなすでにれり。 さつまんぎょう心眼しんげんかんず。

かくのごときどく辺量へんりょうなし。 このゆゑにしんいたしてかしこにしょうぜんとがんず」 と。

¬大¼云

「安楽仏国菩薩キコトハ↢宣説↡随↢智
↢己万物↢我所キコト↢蓮花ルガ↟受↠塵
往来進止若ウカベ利安↠務↢適莫
クシテ↠空↢二想↢智↡昭↢長夜
三明六通皆已レリ菩薩万行観↢心眼
↠是功徳无↢辺量↡↠心ズト↠生ムト↠彼

【第九大門】
    標列

【48】^だい大門だいもんのなかにりょうばんりょうけんあり。 だいいちらく善悪ぜんあく相対そうたいす。 だい*彼此ひし寿じゅみょうちょうたんかして*きょうす。

第九大門↢両番料簡↡。第一苦楽善悪相対。第二↢彼此寿命長短↡比挍

二 Ⅸ 解釈
      【苦楽善悪】
       

【49】^初段しょだんのなかにつきてあり。 いちにはらく善悪ぜんあく相対そうたいす。 には ¬だいきょう¼ をきてしょうとなす。

↢初段↡有↠二。一ニハ苦楽善悪相対。二ニハ↢¬大経¼↡為↠証

二 Ⅸ ⅱ a
          (一)苦楽善悪相対

^はじめにらく善悪ぜんあく相対そうたいすといふは、 このしゃかいにありてはらくほうありといへども、 つねにもつてらくすくなくおおし。 おもきはすなはちさんにしてつうしょうし、 かろきはすなはち人天にんでんにしてとうひょうしつびょうあひつづきてつらなりそそぎ、 *遠劫おんごうよりこのかたゆるときあることなし。 たとひ人天にんでんしょうらくありとも、 なほ泡沫ほうまつ電光でんこうのすみやかにおこりすみやかにめっするがごとし。 このゆゑにづけてゆい唯悪ゆいあくとなす。 弥陀みだじょうこくすいちょう樹林じゅりんつねに法音ほうおんきて、 あきらかに*どうきょうぶ。 *清白しょうびゃくそくしてよくにゅうせしむ。

↢苦楽善悪相対スト↡者、在テハ↢此娑婆世界↡雖↠有↢苦楽二報↡、恒。重キハ三塗ニシテ痛焼、軽キハ人天ニシテ刀兵・疾病相ナリ、遠劫ヨリ已来↠有コト↢断ユル時↡。縦トモ↢人天少楽↡、猶如↢泡沫・電光ルガ↡。是↢唯苦唯悪↡。弥陀浄国水・鳥・樹林常↢法音↡、明↢道教↡。具↢足清白↡能↢悟入↡。

二 Ⅸ ⅱ a ロ (二)引証

^聖教しょうぎょうきてしょうとなすとは、

↢聖教↡為スト↠証者、

二 Ⅸ ⅱ a ロ (二)(Ⅰ)浄土論

^¬*じょうろん¼ (意) にいはく、 「十方じっぽう人天にんでん、 かのくにしょうずるものは、 すなはち*じょうしんさつ無二むになり。 じょうしんさつ、 すなはち*じょうさつ*ひっきょうじておなじく*じゃく滅忍めつにん。 ゆゑにさらに退転たいてんせず」 と。

¬浄土論¼云、「十方人天生↢彼↡者、即与↢浄心菩薩↡无二ナリ。浄心菩薩即与↢上地菩薩↡畢竟得↢寂滅忍↡。故↢退転↡。」

二 Ⅸ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)大経

^また ¬だいきょう¼ のじゅうはちがんくなかにばん大益だいやくあり。

又引↢¬大経¼四十八願↡中↢五番大益↡。

二 Ⅸ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅰ)第三願

^だいいちに ¬だいきょう¼ (上・意) にのたまはく、 「十方じっぽう人天にんでん、 わがくにらいしょうすることあらんに、 ことごとくしん金色こんじきならずは、 しょうがくらじ」 (第三願) と。

第一¬大経¼云、「有ムニ↣十方人天来↢生コト↡、不↢悉真金色ナラ↡者不↠取↢正覚↡。」

二 Ⅸ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)第四願

^にのたまはく (大経・上意)、 「十方じっぽう人天にんでん、 わがくにらいしょうして、 もしぎょうしきどうにして好醜こうしゅあらば、 しょうがくらじ」 (第四願) と。

、「十方人天来↢生↡、若形色不同ニシテ↢好醜↡者不↠取↢正覚↡。」

二 Ⅸ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)第五願

^さんにのたまはく (大経・上意)、 「十方じっぽう人天にんでん、 わがくにらいしょうして*宿命しゅくみょうず、 しもひゃくせんおく*那由他なゆた諸劫しょこうらざるにいたらば、 しょうがくらじ」 (第五願) と。

、「十方人天来↢生↡不↠得↢宿命智↡、下至↠不ルニ↠知↢百千億那由他諸劫↡者不↠取↢正覚↡。」

二 Ⅸ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅳ)第七願

^にのたまはく (大経・上意)、 「十方じっぽう人天にんでん、 わがくにらいしょうして*てんつうず、 しもひゃくせんおく那由他なゆた諸仏しょぶつ所説しょせつかず、 ことごとくじゅせざるにいたらば、 しょうがくらじ」 (第七願) と。

、「十方人天来↢生↡不↠得↢天耳通↡、下至↧不↠聞↢百千億那由他諸仏所説↡、不ルニ↦悉受持↥者不↠取↢正覚↡。」

二 Ⅸ ⅱ a ロ (二)(Ⅱ)(ⅴ)第八願

^にのたまはく (大経・上意)、 「十方じっぽう人天にんでん、 わがくにらいしょうして*しんず、 しもひゃくせんおく那由他なゆたしょ仏国ぶっこくのうちのしゅじょう心念しんねんらざるにいたらば、 しょうがくらじ」 (第八願) と。

、「十方人天来↢生↡不↠得↢他心智↡、下至↠不ルニ↠知↢百千億那由他諸仏国衆生心念↡者不↠取↢正覚↡。」

二 Ⅸ ⅱ a

^かのくにやくろんぜんとほっするに、 つぶさにぶべきことかたし。 ただまさにしょうぜんとがんずべし。 かならず不可ふか思議しぎなり。 このゆゑにかのほう唯善ゆいぜん唯楽ゆいらくにして、 なくあくなし。

ルニ↠論ムト↢彼利益之事↡、難↠可キコト↢具↡。但当↠願↠生ムト。必不可思議ナリ。是唯善唯楽ニシテ↠苦无↠悪也。

二 Ⅸ ⅱ 【寿命長短】
       

【50】^だい寿じゅみょうちょうたんかすとは、

第二スト↢寿命長短↡者、

二 Ⅸ ⅱ b
          (一)此方寿命の短促
            (Ⅰ)正釈

^このほう寿じゅみょうだいひゃくねんぎず。 ひゃくねんのうちすこしきはづるも、 おおくはげんず。 あるいはしょうねん夭喪ようそうし、 ないどうにしてもうず。 あるいはまた*胞胎ほうたいにしてしょうす。 なんのこころかしかるとならば、 まことにしゅじょういんつくときぞうなるによる。 ここをもつてほうくることまた斉同ざいどうなることをず。

寿命大期不↠過↢百年↡。百年之内少ルモ、多クハ。或生年夭喪、乃至童子ニシテ身亡。或胞胎ニシテ傷堕。何ルトナラバ者、良↢衆生作↠因時雑ナルニ↡。是コト↠報亦不↠得↢斉同ナルコトヲ↡也。

二 Ⅸ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)引証
              (ⅰ)涅槃経

^このゆゑに ¬はんぎょう¼ (意) にのたまはく、 「*ごうとき*こくなればほうまたこくなり。 ごうとき*びゃくなればほうまたびゃくなり。 *じょうぞうまたしかなり」 と。

¬涅槃経¼云、「作業時黒ナレバ果報亦黒ナリ。作業時白ナレバ果報亦白ナリ。浄雑亦爾ナリト。」

二 Ⅸ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅱ)浄度菩薩経1

^また ¬*じょうさつきょう¼ によるにのたまはく、 「人寿にんじゅひゃくさいなるも、 よるそのなかばをす。 すなはちこれじゅうねんげんきゃくす。 じゅうねんのうちにつきて、 じゅうらいはいまだ善悪ぜんあくらず、 はちじゅう以去いこ昏耄こんもうれつなり、 ゆゑにろうく。 おのづからこのほかはただじゅうねんあり。 うちにありて、 ほかにはすなはち王官おうかん逼迫ひっぱくして*長征じょうしょう遠防おんぼうし、 あるいはつながれて牢獄ろうごくにあり、 うちはすなはちもんきっきょうしゅまとはれ、 *煢々けいげい忪々しゅじゅとしてつねにもとむるにらず。 かくのごとく推計すいけいするに、 いくばくのときありてか*道業どうごうしゅすることをべけんや。 かくのごとくりょうするに、 あにかなしまざらんや。 なんぞいとはざることをんや」 と。

又拠ルニ↢¬浄度菩薩経¼↡云、「人寿百歳ナルモ夜消↢其↡。即是減↢五十年↡也。就↢五十年↡、十五已来↠知↢善悪↡、八十已去昏耄虚劣ナリ、故↢老苦↡。自此之外唯有↢十五年↡。在↢於中↡、外ニハ王官逼迫長征遠防、或レテ↢牢獄↡、内門戸吉凶衆事ハレ、煢煢忪忪トシテルニ不↠足。如↠斯推計ルニ、可ケムヤ↧有テカ↢幾時↡得↞修コトヲ↢道業↡。↠此思量ルニ、豈ラム↠哀シマ哉。何ムヤト↠不コトヲ↠厭。」

二 Ⅸ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)(ⅲ)浄度菩薩経2

^またかの ¬きょう¼ (浄度菩薩経) にのたまはく、 「ひとけんしょうじておほよそ一日いちにちいちるに、 八億はちおく千万せんまんねんあり。 *一念いちねんあくおこせばいち悪身あくしんけ、 じゅうねんあくおもへばじっしょう悪身あくしんひゃくねんあくおもへばいっぴゃく悪身あくしんく。 いちしゅじょういちぎょうのうちをはかるに、 ひゃくねんあくおもへば、 あくすなはち*三千さんぜんこく*遍満へんまんしてその悪身あくしんく。 悪法あくほうすでにしかり。 善法ぜんぽうもまたしかなり。 一念いちねんぜんおこせばいち善身ぜんしんけ、 ひゃくねんぜんおもへばいっぴゃく善身ぜんしんく。 いちしゅじょういちぎょうのうちをはかるに、 ひゃくねんぜんおもへば、 三千さんぜんこく善身ぜんしんまたつ。 もじゅうねんねん弥陀みだぶつねんじ、 あるいはねんいたることをれば、 のちりょう寿じゅこくうまれ、 すなはちじょう法身ほっしんくること恒沙ごうじゃじんにして不可ふか思議しぎなり」 と。

又彼¬経¼云、「人生↢世間↡凡ルニ↢一日一夜↡、有↢八億四千万念↡。一念起↠悪↢一悪身↡、十念念↠悪得↢十生悪身↡、百念念↠悪↢一百悪身↡。計ルニ↢一衆生一形之中↡、百年念↠悪、悪即遍↢満三千国土↡受↢其悪身↡。悪法既。善法亦然ナリ。一念起↠善↢一善身↡、百念念↠善↢一百善身↡。計ルニ↢一衆生一形之中↡、百年念↠善三千国土善身亦満。若レバ↧十年・五年念↢阿弥陀仏↡、或コトヲ↦多年↥、後↢无量寿国↡、即コト↢浄土法身↡恒沙无尽ニシテ不可思議也。」

二 Ⅸ ⅱ b ロ (二)浄国寿命の長遠
            (Ⅰ)正釈

^いますでに穢土えど短促たんそくにして、 みょうほうとおからず。 もし弥陀みだ浄国じょうこくしょうずれば、 寿じゅみょうじょうおんにして不可ふか思議しぎなり。

今既穢土短促ニシテ、命報不↠遠カラ。若↢阿弥陀浄国↡、寿命長遠ニシテ不可思議ナリ

二 Ⅸ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)引証
              (ⅰ)小経

^このゆゑに ¬*りょう寿じゅきょう¼ にのたまはく、 「ぶつ*しゃほつげたまはく、 ªかのぶつをなんがゆゑぞ弥陀みだなづくる。 しゃほつ十方じっぽう人天にんでん、 かのくにおうじょうするものは、 寿じゅみょうじょうおんにしておくひゃくせんこうなり。 ぶつ同等どうとうなるがゆゑに弥陀みだなづくº」 と。 おのおのよろしくこのだいなることをはかりて、 みなかんとがんずべし。

¬无量寿経¼云、「仏告タマハク↢舎利弗↡、彼ナヅク↢阿弥陀↡。舎利弗、十方人天往↢生↡者、寿命長遠ニシテ億百千劫ナリ。与↠仏同等ナルガナヅク↢阿弥陀↡。各↧量↢此ナルコトヲ↡、皆願ムト也。」

二 Ⅸ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅱ)善王皇帝尊経

^また ¬*善王ぜんのう皇帝こうていそんぎょう¼ にのたまはく、 「それひとありて、 どうがくして西方さいほう弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうせんと念欲ねんよくするものは、 憶念おくねんすることちゅう一日いちにち、 もしはにち、 あるいは三日さんにち、 もしはにち、 もしはにち六日ろくにち七日しちにちいたるべし。 もしまたなかにおいてげんせんとほっするものは、 われこの善王ぜんのうどくくをくべし。 いのちきんとほっするときはちさつありて、 みなことごとくきたりてこのひとむかり、 西方さいほう弥陀みだ仏国ぶっこくのうちにいたりて、 つひにとどまることをざらん」 と。

又¬善王皇帝尊経¼云、「其↠人、↠道念↣欲往↢生ムト西方阿弥陀仏国↡者、憶念コト昼夜一日、若二日、或三日、若四日、若五日、至ベシ↢六日・七日↡。若復於↠中↢還悔ムト↡者、聞ベシ↣我説クヲ↢是善王功徳↡。命欲↠尽ムト時、有↢八菩薩↡、皆悉↢取↡、到↢西方阿弥陀仏国↡、終ラムト↠得↠止コトヲ。」

二 Ⅸ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)(ⅲ)讃弥陀偈

^これより以下いげ、 また ¬だいきょう¼ (讃阿弥陀仏偈)きてしょうとなす。 ¬さん¼ にいはく (同・意)

それしゅじょうありて安楽あんらくしょうずれば、 ことごとく*さんじゅうそうす。

智慧ちえ満足まんぞくして深法じんぼうる。 *道要どうようちょうして*しょうなし。

*こんどんしたがひてにんじょうじゅす。 *三忍さんにんない不可ふかせつなり。

*宿命しゅくみょうつうつねにざいにして、 ぶついたるまで*雑悪趣ぞうあくしゅかえらず。

ほう*じょくしょうじて、 げんしておなじくだい牟尼むに (釈尊) のごとくなるをのぞく。

安楽国あんらくこくしょうじてだいじょうず。 このゆゑにしんいたしてかしこにしょうぜんとがんず」 と。

↠此已下、又引↢¬大経¼↡為↠証。¬讃¼云

「其↢衆生↡生レバ↢安楽↢三十有二相
慧満足↢深法究↢暢道要↡无↢障礙↡
↢根利鈍↡成↢就三忍乃至不可説ナリ
宿命五通常自在ニシテマデ↠仏不↠更↢雑悪趣
↧生↢他方五濁示現クナルヲ↦大牟尼
↢安楽国↡成↢大利↠心ズト↠生ムト↠彼

【第十大門】
    標列

【51】^だいじゅう大門だいもんのなかにりょうばんりょうけんあり。 だいいち¬だいきょう¼ によりてるいきて証誠しょうじょうす。 だいこうしゃくす。

第十大門↢両番料簡↡。第一↢¬大経¼↡引↠類。第二↢廻向↡。

二 Ⅹ 解釈
      【引類証誠】
       

【52】^だいいち¬だいきょう¼ によりてるいきて証誠しょうじょうすとは、

第一↢¬大経¼↡引↠類スト者、

二 Ⅹ ⅱ a
          (一)正釈

^十方じっぽう諸仏しょぶつ西方さいほうすることをすすめたまはざるはなく、 十方じっぽうさつおなじくしょうぜざるはなし。 十方じっぽう人天にんでんこころあるはひとしくす。 ゆゑにりぬ、 不可ふか思議しぎなり。

十方諸仏无↠不ルハ↣勧タマハコトヲ↢西方↡、十方菩薩无↠不ルハ↢同↡。十方人天、有ルハ↠意斉。故不可思議事也。

二 Ⅹ ⅱ a ロ (二)引証

^このゆゑに ¬だいきょうさん¼ にいはく (讃阿弥陀仏偈)

*神力じんりきごく弥陀みだは、 十方じっぽうりょうぶつさんじたまふところなり。

東方とうぼう恒沙ごうじゃ諸仏しょぶつくにさつしゅにしてことごとく*往覲おうごんす。

また安楽国あんらくこくさつしょうもん・もろもろの大衆だいしゅようし、

*きょうぼうちょうじゅして*どうぶ。 *自余じよほうもまたかくのごとし」 と。

¬大経¼云

「神力无極阿弥陀十方无量ナリ↠讃タマフ
東方恒沙諸仏菩薩无数ニシテ往覲
亦復供↢養安楽国菩薩・声聞・諸大衆
聴↢受経法↡宣↢道化自余九方亦如シト↠是

二 Ⅹ ⅱ 【回向釈義】
       

【53】^だい*こうしゃくすとは、

第二スト↢廻向↡者、

二 Ⅹ ⅱ b
          (一)正釈
            (Ⅰ)回向の意

^ただ一切いっさいしゅじょうすでにぶっしょうあるをもつて、 人々にんにんみなじょうぶつねがしんあり。 しかれども所修しょしゅぎょうごういまだいち万劫まんごうたざるよりこのかたは、 なほいまだかいでざるによりて、 *りんまぬかれず。 このゆゑにしょうじゃこのじょうあわれみて西にしこうするをすすむるは、 大益だいやくじょうぜしめんがためなり。

但以↣一切衆生既ルヲ↢仏性↡、人人皆有↧願↢成仏↡心↥。然ドモ↧所修行業未ルヨリ↠満↢一万劫↡已来タハ猶未ルニ↞出↢火界↡、不↠免↢輪廻↡。是聖者愍ミテ↢斯長苦↡勧ルハ↣廻↢ルヲ西↡、為ナリ↠成シメムガ↢大益↡。

二 Ⅹ ⅱ b ロ (一)(Ⅱ)回向の功

^しかるにこうこうろくえず。 なんらをかろくとなす。 いちには所修しょしゅ諸業しょごうをもつて弥陀みだこうすれば、 すでにかのくにいたりて、 かえりて*六通ろくつうしゅじょう済運さいうんす。 これすなはち*どうじゅうせざるなり。 にはいん*してかふ。 さんには*してじょうかふ。 にはしてそくかふ。 これすなはちけんじゅうせざるなり。 にはしゅじょう回施えせして、 ねんしてぜんかはしむ。 ろくには*にゅうして*分別ふんべつしんきゃくす。 こうこうただこのろくじょうず。

廻向之功不↠↢於六↡。何等ヲカ↠六。一者将↢所修諸業↡廻↢向レバ弥陀↡、既↢彼↡、還↢六通↡済↢運衆生↡。此即↠住↠道也。二ニハ↠因↠果。三ニハ↠下↠上。四ニハ↠遅↠速。此即ナリ↠住↢世↡。五ニハ廻↢施衆生↡、悲念シム↠善。六ニハ廻入去↢却分別之心↡。廻向之功只成↢斯↡。

二 Ⅹ ⅱ b ロ (二)引証
            (Ⅰ)大経

^このゆゑに ¬だいきょう¼ (上・意) にのたまはく、 「それしゅじょうありて、 わがくにしょうずるものはねんしょうしんして、 *じょうりんしょぎょう超出ちょうしゅつして、 仏道ぶつどうじょうずるにいたるまでさらに*ぶくなんなし」 (第二十二願) と。

¬大経¼云、「其↢衆生↡、生↢我↡者自然勝進、超↢出常倫諸地之行↡、至マデ↠成ルニ↢仏道↡更シト↢廻復之難↡。」

二 Ⅹ ⅱ b ロ (二)(Ⅱ)讃弥陀偈

^ゆゑに ¬だいきょうさん¼ にいはく (讃阿弥陀仏偈)

安楽あんらくさつしょうもんともがら、 このかいにおいてほうなし。

しゃ*無礙むげだい弁才べんざいをもつて、 もろもろの仮令たとえもうけてしょうぶんしめし、

*最賎さいせん乞人こつにん帝王たいおうならべ、 帝王たいおうをまた*金輪こんりんのうくらぶ。

かくのごとく展転てんでんして*六天ろくてんいたる。 だいしてあひるいすることみなはじめのごとし。

*てん色像しきぞうをもつてかれにたとふるに、 千万せんまんおくばいすともそのたぐいにあらず。

みなこれ*法蔵ほうぞう願力がんりきのなせるなり。 *大心だいしんりき稽首けいしゅちょうらいしたてまつる」 と。

¬大経¼云

「安楽菩薩・声聞↢此世界↡无↢比方↡
釈迦无大弁才ヲモテ↢諸仮令タトヘ↡示↢少分
最賎乞人↢帝王帝王復比↢金輪王
↠是展転↢六天次第コト皆如↠始
↢天色像↡喩ルニ↢於彼千万億倍ストモ↢其
皆是法蔵願力セルナリ稽↢首頂↣礼マツルト大心力↡」

【第十一大門】
    標列

【54】^だい十一大門だいもんのなかにりゃくしてりょうばんりょうけんをなす。 だいいち一切いっさいしゅじょうすすめてぜんしきたくして西にしかふこころをなさしむ。 だい死後しごしょうえんしょうれつあることをべんず。

第十一大門↢両番料簡↡。第一↢一切衆生↡託↢善知識↡作シム↢向↠西↡。第二死後↢生縁勝劣アルコトヲ↡。

二 Ⅺ 解釈
      【勧託善知識】
       

【55】^だいいちすすめて*ぜんしきたくすとは、

第一スト↢善知↡者、

二 Ⅺ ⅱ a
          (一)善知識の意

^¬*ほっきょう¼ によるに、 しゅじょうのためにぜんしきとなる。 「ほうみょうさつあり。 ぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 いかんがづけてぜんしきとなすやº と。

↢¬法句経¼↡、与↢衆生↡作↢善知識↡。「有↢宝明菩薩↡。白↠仏、世尊、云何↢善知識↡也

ぶつのたまはく、 ªぜんしきはよく深法じんぽうく。 いはく*くうそうがんとなり。 諸法しょほうびょうどうにしてごうなくほうなく、 いんなくなし。 *きょうにょにょにして*実際じっさいじゅうす。 しかるに*ひっきょうくうのなかにおいて、 ねんとして一切いっさい諸法しょほうこんりゅうす。 これをぜんしきとなす。 ぜんしきはこれなんぢが父母ぶもなり、 なんぢらがだいしん養育よういくするがゆゑなり。 ぜんしきはこれなんぢが眼目げんもくなり、 よく一切いっさい善悪ぜんあくどうるがゆゑなり。 ぜんしきはこれなんぢが大船だいせんなり、 なんぢらを*うんしてしょうかいいだすがゆゑなり。 ぜんしきはこれなんぢが*こうじょうなり、 よくなんぢらをきてしょういだすがゆゑなりº」 と。

仏言、善知識者能↢深法↡。謂无相无願トナリ。諸法平等ニシテ↠業无↠報、无↠因无↠果。究竟如如ニシテ↢於実際↡。然↢畢竟空↡、熾然トシテ建↢立一切諸法↡。是↢善知識↡。善知識者是汝父母ナリ、養↢育ルガ汝等↡故ナリ。善知識者是汝眼目ナリ、能ルガ↢一切善悪↡故ナリ。善知識者是汝大船ナリ、運↢度汝等↡出スガ↢生死海↡故ナリ。善知識者是汝絚縄ナリ、能↢抜汝等↡出スガ↢生死↡故也。」

二 Ⅺ ⅱ a ロ (二)勧帰西方

^またすすむ。 しゅじょうのためにぜんしきとなるといへども、 かならずすべからく西にしすべし。 なにをもつてのゆゑに。 このかいとどまれば、 *じゅんきょう多々たたにして退没たいもつありてづることかたきによるがゆゑなり。 このゆゑに*しゃほつここにおいて発心ほっしんしてさつぎょうしゅすること、 すでに六十ろくじっこうたり。 *あくしき*乞眼こつげん因縁いんねんひて、 つひにすなはち退転たいてんす。 ゆゑにりぬ、 かいにしてどうしゅすることははなはだかたし。 ゆゑにすすめて西方さいほうせしむ。 ひとたびおうじょうれば、 *三学さんがくねんしょうしんし、 まんぎょうあまねくそなはる。

又勧。雖↧与↢衆生↡作ルト↦善知識↥、必↠帰↠西。何。由ルガ↧住レバ↢斯火界↡、違順境多多ニシテ、有↢退没↡難キニ↞出コト故也。是舎利弗於↠此発心コト↢菩薩↡、已タリ↢六十劫↡。逢↢悪知識乞眼因縁↡、遂退転。故火界ニシテコトハ↠道。故シム↢西方↡。一タビ↢往生↡、三学自然勝進、万行普

二 Ⅺ ⅱ a ロ (三)引証

^ゆゑに ¬だいきょう¼ (下・意) にのたまはく、 「弥陀みだじょうこく造悪ぞうあくところ毛髪もうはつばかりのごときもなし」 と。

¬大経¼云、「弥陀浄国シト↣造悪之地如キモ↢毛髪バカリ↡也。」

二 Ⅺ ⅱ 【死後受生勝劣】
       

【56】^だいつぎしゅじょう死後しごじゅしょうしょうれつあることをべんずとは、

第二ズト↢衆生死後受生勝劣アルコトヲ↡者、

二 Ⅺ ⅱ b
          (一)勝劣1

^*このさかいしゅじょう寿いのちいのちおわりて、 みな善悪ぜんあくごうじょうぜざるはなし。 つねに*みょう獄率ごくそつ妄愛もうあい煩悩ぼんのうのためにあひともにしょうく。 すなはちしゅこうよりこのかた、 いまだめんすることあたはず。 もしよくしんしょうじてじょうこうこころはげましてせんしょうなれば、 いのちおわらんとほっするとき弥陀みだぶつ観音かんのんしょうじゅ光台こうだいをもつてぎょうじゃ*こうしょうしたまふ。 かんずいじゅうがっしょうしてうてなじょうじ、 しゅにすなはちいたりてらくならざるはなく、 すなはちじょうぶついたる。

衆生寿尽命終、莫↠不ルハ↣皆乗↢善悪二業↡。恒伺命獄率↡相↠生。乃↢无数劫↡来、未↠能↢免離コト↡。若↠信帰↢向浄土ハゲマシ↠意専精ナレバ、命欲↠終ムト時、阿弥陀仏与↢観音聖衆↡光台ヲモテ迎↢接タマフ行者↡。歓喜随従合掌↠台、須臾↠不ルハ↢快楽ナラ↡、乃↢成仏↡。

二 Ⅺ ⅱ b ロ (二)勝劣2

^また一切いっさいしゅじょうごうつくることどうにして、 その三種さんしゅあり。 いはくじょうちゅうなり。 みな*えんいたりてはんらざるはなし。 もしよく*信仏しんぶつ因縁いんねんをもつてじょうしょうぜんとがんじて、 所修しょしゅぎょうごうならびにみなこうすれば、 いのちおわらんとほっするときぶつみづから来迎らいこうして*おうおかされず。

又復一切衆生造コト↠業不同ニシテ、有↢其三種↡。謂上・中・下ナリ。莫↠不ルハ↧皆イタリ↢閻羅↡取。若信仏因縁ヲモテ↠生ムト↢浄土↡、所修行業並皆廻向レバ、命欲↠終ムト時、仏自来迎不↠オカサ↢死王↡也。

【第十二大門】
    標列

【57】^だいじゅう大門だいもんのなかに一番いちばんあり。 ¬じゅうおうじょうきょう¼ につきてしょうとなしておうじょうすすむ。

第十二大門↢一番↡。就↢¬十往生経¼↡為↠証↢往生↡也。

二 Ⅻ 解釈
      【総結勧信】
        総勧

^ぶつ (釈尊)弥陀みだ仏国ぶっこくしょうずることをくに、 もろもろの大衆だいしゅのために観身かんじんしょうねんだつきたまふがごとし。

↧仏説クニ↠生コトヲ↢阿弥陀仏国↡、為↢諸大衆↡説タマフガ↦観身正念解脱↥。

二 Ⅻ ⅱ a 引証

^¬じゅうおうじょうきょう¼ (意) にのたまはく、 「なんぶつにまうしてまうさく、 ªそん一切いっさいしゅじょう観身かんじんほうはそのいかん。 ただねがはくはこれをきたまへº と。

¬十往生経¼云、「阿難白↠仏、世尊、一切衆生観身之法事云何。唯願クハタマヘト↠之

^ぶつなんげたまはく、 ªそれ観身かんじんほう東西とうざいかんぜず、 南北なんぼくかんぜず、 *ゆいじょうかんぜず、 くうかんぜず、 *えんかんぜず、 *内縁ないえんかんぜず、 *身色しんじきかんぜず、 *しきしょうかんぜず、 *色像しきぞうかんぜず、 ただ*えんかんず。 これをしょうしん観身かんじんほうとなす。 この観身かんじんのぞきて十方じっぽうにあきらかにもとむること在々ざいざい処々しょしょなるも、 さらに別法べっぽうにしてだつることなしº と。

仏告タマハク↢阿難↡、夫観身之法者不↠観↢東西↡、不↠観↢南北↡、不↠観↢四維・上下↡、不↠観↢虚空↡、不↠観↢外↡、不↠観↢内縁↡、不↠観↢身色↡、不↠観↢色声↡、不↠観↢色像↡、唯観↢无縁↡。是↢正真観身之法↡。除↢是観身↡十方コト在在処処ナルヲ、更シト↣別法ニシテ而得コト↢解脱↡。

^ぶつまたなんげたまはく、 ªただみづからかんずるに善力ぜんりきねんなり、 しょうねんねんなり、 だつねんなり。 なにをもつてのゆゑに。 たとへばひとありてしょうじん*直心じきしんにしてしょうだつるがごとし。 かくのごときひとだつもとめざるに、 だつおのづからいたるº と。

仏復告タマハク↢阿難↡、但自ズルニ↠身善力自然ナリ、正念自然ナリ、解脱自然ナリ。何。譬↣有↠人精進直心ニシテルガ↢正解脱↡。如↠是之人ルニ↠求↢解脱↡、解脱自ルト

^なんまたぶつにまうしてまうさく、 ªそんけんしゅじょうもしかくのごときしょうねんだつあらば、 一切いっさいごく餓鬼がきちくしょうさん悪道まくどうなかるべしº と。

阿難復白↠仏、世尊、世間衆生若↢如↠是正念解脱↡、応シト↠无カル↢一切地獄・餓鬼・畜生三悪道↡也。

^ぶつなんげたまはく、 ªけんしゅじょうだつず。 なにをもつてのゆゑに。 一切いっさいしゅじょうはみなおおじつすくなきによりて、 いちとしてしょうねんなし。 この因縁いんねんをもつてごくのものはおおく、 だつのものはすくなし。 たとへばひとありて、 みづからの父母ぶもおよびそうにおいて、 ほかには孝順きょうじゅんげんうちにはきょういだくがごとく、 ほかにはしょうじんげんうちにはじついだく。 かくのごとき悪人あくにんほういまだいたらずといへども、 さんとおからず、 しょうねんあることなし、 だつずº と。

仏告タマハク↢阿難↡、世間衆生不↠得↢解脱↡。何。一切衆生皆由↢多↠虚少キニ↟実、无↢一トシテ正念↡。以↢是因縁↡地獄、解脱。譬↧有↠人、於↢自父母及以師僧↡、外ニハ↢孝順↡内ニハクガ↢不孝↥、外ニハ↢精進↡内ニハ↢不実↡。如↠是悪人報雖↠未、三塗不↠遠カラ、无↠有コト↢正念↡、不↠得↢解脱↡。

^なんまたぶつにまうしてまうさく、 ªもしかくのごときものは、 さらになんの善根ぜんごんしゅしてかしょうだつるº と。

阿難復白↠仏、若↠是、更テカ↢何善根↡得ルト↢正解脱↡。

^ぶつなんげたまはく、 ªなんぢいまよくけ。 われいまなんぢがためにかん。 じゅうおうじょうほうありてだつべし。 いかんがじゅうとなす。

仏告タマハク↢阿難↡、汝今善。吾今為↠汝。有↢十往生法↡可↠得↢解脱↡。云何↠十

^いちには観身かんじんしょうねんにしてつねにかんいだき、 飲食おんじきぶくをもつてぶつおよびそうほどこせば、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうす。

者観身正念ニシテ↢歓喜↡、以↢飲食・衣服↡施↢仏及↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

^にはしょうねんにしてかんみょうりょうやくをもつていちびょう比丘びくおよび一切いっさいしゅじょうほどこせば、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうす。

者正念ニシテ↢甘妙良薬↡施↢一病比丘及一切衆生↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

^さんにはしょうねんにしていち生命しょうみょうをもがいせずして一切いっさい慈悲じひすれば、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうす。

者正念ニシテシテ↠害↢一生命ヲモ↡慈↢悲レバ於一切↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

^にはしょうねんにしてところしたがひてかいけ、 *じょうをもつてぼんぎょうしゅし、 しんにつねにかんいだけば、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうす。

者正念ニシテ↢師↡受↠戒、浄恵ヲモテ梵行↡、心常↢歓喜↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

^にはしょうねんにして父母ぶも孝順きょうじゅんし、 *ちょうきょうして*きょうまんしんおこさざれば、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうす。

者正念ニシテ孝↢順於父母↡、敬↢奉於師長↡不レバ↠起↢憍慢↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

^ろくにはしょうねんにして僧房そうぼう往詣おうげいし、 とうぎょうし、 ほうきていちさとれば、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうす。

者正念ニシテ往↢詣於僧房↡、恭↢敬於塔寺↡、聞↠法サトレ↢一義↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

^しちにはしょうねんにして一日いちにちいちのうちに*はっ戒斎かいさいじゅしていちをもやぶらざれば、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうす。

者正念ニシテ一日一夜受↢持八戒↡不レバ↠破↠一ヲモ、往↢生阿弥陀仏国↡。

^はちにはしょうねんにしてもしよく斎月さいがつ斎日さいにちのうちに房舎ぼうしゃおんしてつねにぜんいたれば、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうす。

者正念ニシテ斎月・斎日遠↢離於房舎↡常イタレ↢於善師↡、往↢生阿弥陀仏国↡。

^にはしょうねんにしてつねによくじょうかいたもちてぜんじょう勤修ごんしゅし、 ほうまもりて*あっせず。 もしよくかくのごとくぎょうずれば、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうす。

者正念ニシテ↢浄戒↡懃↢修於禅定↡、護↠法不↢悪口↡。若↠是レバ、往↢生阿弥陀仏国↡。

^じゅうにはしょうねんにして、 もし*じょうどうにおいてほうしんおこさず、 しょうじんにしてじょうかいたもち、 また無智むちのものをおしへてこのきょうぼう流布るふし、 りょうしゅじょうきょうす。 かくのごときもろもろのひとは、 ことごとくみなおうじょうº と。

者正念ニシテ、若↢无上道↡不↠起↢誹謗↡、精進ニシテ↢浄戒↡、復教↢无智↡流↢布経法↡、教↢化无量↡。如↠是人等皆得↢往生↡。

^そのとき*ちゅういちさつあり、 山海さんかいづく。 ぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 かの弥陀みだこくになんのみょうらくしょうありてか一切いっさいしゅじょうみなかしこにおうじょうせんとがんずるº と。

時会中↢一菩薩↡、名↢山海恵↡。白↠仏、世尊、彼阿弥陀国テカ↢何妙楽勝事↡一切衆生皆願ルト↣往↢生ムト↡。

^仏、 山海さんかいさつげたまはく、 ªなんぢいままさにりゅうがっしょうしてただしくし、 西にしかひてしょうねんにして弥陀みだ仏国ぶっこくかんじ、 弥陀みだぶつたてまつらんとがんずべしº と。

仏告タマハク↢山海恵菩薩↡、汝今応シト↧起立合掌クシ↠身↠西正念ニシテ↢阿弥陀仏国↡、願↞見マツラムト↢阿弥陀仏↡。

^そのとき一切いっさい大衆だいしゅまたみなりゅうがっしょうしてともに弥陀みだぶつかんじたてまつる。 そのとき弥陀みだぶつだい神通じんずうげんじて大光だいこうみょうはなち、 山海さんかいさつしんらしたまふ。 そのとき山海さんかいさつとう、 すなはち弥陀みだぶつこくのあらゆるしょうごんみょうこうたてまつるに、 みなことごとく七宝しっぽうなり。 七宝しっぽうやま七宝しっぽうこくあり。 すいちょう樹林じゅりんつねに法音ほうおんき、 かのくにには日々にちにちにつねに法輪ほうりんてんず。 かのくに人民にんみん*外事げじならはず、 まさしく*ないならふ。 くち*方等ほうどうき、 みみ方等ほうどうこえき、 しん方等ほうどうさとる。

時一切大衆亦皆起立合掌マツル↢阿弥陀仏↡。爾時阿弥陀仏現↢大神通↡放↢大光明↡、照タマフ↢山海恵菩薩↡。爾時山海恵菩薩等即マツルニ↢阿弥陀仏国土所有荘厳妙好之事↡、皆悉七宝ナリ。七宝山、七宝国土アリ。水・鳥・樹林常↢法音↡、彼ニハ↢法輪↡。彼人民不↠習↢外事↡、正↢内事↡。口↢方等↡、耳↢方等↡、心↢方等↡。

^そのとき山海さんかいさつぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 われらいまかのくに*けんするに、 勝妙しょうみょうやく不可ふか思議しぎなり。 われいまねがはくは一切いっさいしゅじょうことごとくみなおうじょうせんことを。 しかしてのちわれらもまたねがはくはかのくにしょうぜんº と。

時山海恵菩薩、白↠仏、世尊、我等今者 イマ 覩↢見ルニ↡、勝妙利益不可思議ナリ。我今願クハ一切衆生悉皆往生ムコトヲ。然我等亦願クハムト↢彼↡。

^ぶつこれをしてのたまはく、 ªしょうかんしょうねんせばしょうだつて、 みなことごとくかしこにしょうぜん。 もしぜんなんぜん女人にょにんありてこのきょうしょうしんし、 このきょう*あいぎょうしてしゅじょう勧導かんどうせば、 説者せっしゃちょうしゃもことごとくみな弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうせん。 もしかくのごときひとあらば、 われ今日こんにちよりつねに*じゅうさつをしてこのひと護持ごじせしめ、 つねにこのひとをしてびょうなくのうなからしめん。 もしは*にん、 もしは*にん、 その便べんず、 *行住ぎょうじゅう坐臥ざがちゅうふことなく、 つねに安穏あんのんなることをんº と。

仏記↠之、正観正念セバ↢正解脱↡、皆悉↠彼。若↢善男子・善女人↡正↢信↡、愛↢楽↡勧↢導セバ衆生↡、説者聴者皆往↢生阿弥陀仏国↡。若↢如↠是人↡、我従↢今日↡常使↣二十五菩薩ヲシテ護↢持↡、常メム↢是ヲシテ↠病无↡悩。人、若非人、不↠得↢其便↡、行住坐臥↠問コト↢昼夜↡、常ムト↢安ナルコトヲ↡。

^山海さんかいさつぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 われいまそんきょうちょうじゅしてあへてうたがふことあらず。 しかるにしゅじょうあり、 おおほうしてこのきょうしんぜざることあらん。 かくのごときひとは、 のちにおいていかんº と。

山海恵菩薩白↠仏、世尊、我今頂↢受尊教↡不↢敢↟疑コト。然↢衆生↡、多↢誹謗コト↟信↢是↡。如↠是之人、於↠後云何

^ぶつ山海さんかいさつげたまはく、 ªのちにおいてえんだいに、 あるいは比丘びく比丘びくありて、 このきょう読誦どくじゅすることあるものをて、 あるいはあひしんしんほういだかん。 この*ほうしょうぼうによるがゆゑに、 このひと現身げんしんのなかに諸悪しょあく重病じゅうびょう*身根しんこん不具ふぐ聾盲ろうもうおん水腫すいしゅ鬼魅きみらいして、 坐臥ざがやすからず、 しょうもとむるにず、 もとむるにず。 あるいはすなはちするにいたりてごくし、 八万劫まんごうのうちにだいのうく。 ひゃくせんまんにいまだかつて水食すいじきかず。 ひさしくしてのちづることをれども、 ちょようにありてひとのためにころされてだいごくく。 のちひととなることをれども、 つねにしょうまれ、 ひゃくせんまんにもざいず。 なが三宝さんぼうみょうかず。 このゆゑに無智むちしんひとのなかにして、 このきょうくことなかれº」 と。

仏告タマハク↢山海恵菩薩↡、於↠後閻浮提、或↢比丘・比丘尼↡、見↧有↣読↢誦コト↡者↥、或瞋恚↢誹謗↡。由ルガ↢是謗正法↡故、是人現身之中来↢致諸悪・重病・身根不具・聾盲・瘖瘂・水腫・鬼魅↡、坐臥不↠安カラ、求ルニ↠生不↠得、求ルニ↠死不↠得。或↠死ルニ↢於地獄↡、八万劫↢大苦悩↡。百千万世↣曽↢水食之名↡。久クシテドモ↠出コトヲ、在↢牛・馬・猪・羊↡為↠人↠殺↢大極苦↡。後ドモ↠為コトヲ↠人、常↢下処↡、百千万世ニモ不↠得↢自在↡。永不↠聞↢三宝名字↡。是无智无信ニシテ、莫レト↠説コト↢是↡也。」

流通

【58】 ^*せんじゅうずうとく、 あまねく一切いっさいほどこして、

だいしんおこし、 おなじくじょうこくこうして、

みなともに仏道ぶつどうじょうぜん。

撰集流通↢於一切
↢菩提心帰↢向浄国
皆共↢仏道

安楽あんらくしゅう かん

 

 このしゅういち*現行げんこうぼんにつきてかいちょう刻印こくいんせり。 ただ浄教じょうきょうつうぜしめ、 *そうしょううるおさんがためなり。 ただ*とうびゅうぎょつまびらかにしがたし。 しょうほんでんせば、 *後昆こうこん*さんじょうせよ。 ねがはくは、 ない一聞いちもんたぐいをしておなじくぼんえんむすばしめんのみ。

斯集一部、就↢現行本↡開彫刻印。唯為↧通↢浄教↡、沾↦蒼生↥也。但虎唐之謬、魚魯難↠詳正本流伝、後昆刪定。庶使↣乃至一聞之類同結↢九品之縁↡而已。

 *寛元かんげん三年さんねん きのとの *仲秋ちゅうしゅう

*願主がんしゅ比丘びく*往成おうじょう

寛元三年仲秋日

願主比丘往成

 

大徳 大いなるとくぎょうのある者。 高僧。
五翳にして面牆なり 五翳は日月の光をおおいかくす五種のもの。 煙・雲・塵・霧・羅睺らごしゅおう (日食・月食を起す阿修羅王)。 面牆は顔をかきねに向けていること。 ともに無知の身という意。 どうしゃくぜんが自らをへりくだっていった言葉。
師承 師より教えを相承すること。
呵避 しりぞけさけること。
斉朝の上統 統は大統 (僧官の名)。 北斉ほくせいの大統の地位にあったほうじょう法師のことか。
霊験 不可思議な現象。 めでたいしるし。
康存の日 存命の日々。 生前。
世俗の君子 とう孝静こうせい帝 (在位534-550) か。
地位 しょの位。
槽櫪 飼葉おけ。
難者紛紜たり 論難する者がさまざまにあったという意。
幡華 幢幡どうばん (はたぼこ) と天華。
異香 きわめて珍しいたえなる香り。
大徳 大いなる徳行とくぎょうのある者。 高僧。
徴祥 めでたいしるし。
此彼の諸経 ¬観経¼ および他の諸大乗経。
馳散 散乱すること。
可壊の相 無常のありさま。
聚落 集落。
回願 こう発願ほつがん善根ぜんごんをふりむけて往生を願うこと。
審量 詳しく調べること。
諸度を該ぬ 六度 (ろっ波羅ぱらみつ) 万行を摂めている。
摂取して… →摂取せっしゅしゃ
始益 現生のやく
終益 当来の利益。
般涅槃 仏の入滅のこと。
十方を接引したまふ 十方のしゅじょうを導かれる。
終時の益 終益に同じ。
余行 念仏以外のさまざまな行業ぎょうごう
智身 智慧ちえを体得した身。
大慈悲身 大慈悲を行ずる身。
般若 ここでは仏法の意。
併せ遣り すべて除き。
瞻敬 仰ぎみて敬うこと。
功徳雲比丘 ¬華厳経¼ 「入法界品」 に説かれる五十三人の善知識の第二。
普賢の行に帰す ここでの帰は帰入するの意。 →げん
諸劫(三世)の不顛倒 常住 (消滅しょうめつ変化がなく永久に存在すること) の意。
正慧 正しい智慧ちえ
刀山剣樹鑊湯 刀の山、剣の樹、熱鉄の湯。 地獄を指していう。
経行 歩み行くこと。
階降 優劣。
勝相 すぐれたありさま。
摩訶衍 引用は ¬だい智度ちどろん¼ 取意の文。
功利 どくやく
資益 たすけ利益すること。
相法 人相を占う法。
殺鬼 人の命を奪う悪鬼。
卦兆を作り 八卦などをたてて占うこと。
繒幡蓋 絹で作られたはたぼこと天蓋てんがい (かさ)。
信向 信じ帰依きえすること。
世報 世間の果報。 世俗的な利益。
入地の加行道 じゅうのそれぞれの位に入るための行。
地満の功徳利 十地のそれぞれの位を満たした時に得るどくやく
已不住道 しょから二地、 二地から三地へと進むありさま。
上妙の楽具 すぐれてたえなる楽器。
上地 じゅうのうちの八地以上。
通の行 ぼんも聖者もすべてみな通じるところの行。
通の伴 いかなる行にも通じて伴う行。 四摂であれ六度であれ、 一切の行は、 念仏を離れてはないという意。
地々 じゅうの各地。
階降 優劣。
此彼 此土 (穢土えど) と彼土 (浄土)。
 往生浄土。
 だつのこと。
 ¬さつ瓔珞ようらくきょう¼ および ¬仁王にんのうきょう¼ に十種の行が説かれている。
 精進のこと。 →精進しょうじん
 心に保持して忘れないこと。
 施捨。 布施のこと。 →布施ふせ
信想軽毛 信心が薄いことは、 そよ風にも飛ぶ軽い毛のようなものであるという意。
仮名 名ばかりの菩薩。 菩薩の位の最初、 十信位を指す。
外の凡夫 少分の煩悩をも断じていないもの。 また十信位の菩薩 (外凡の位) とする説もある。 →十信じっしん
入道行位 さとりに到達するまでの修行の階梯。
法爾 法のごとくあること。 ここでは修行によって一段一段と菩薩の階位を昇らなければならないことを指す。
福智の資糧 福徳と智慧ちえぜんごん。 福徳は六波羅蜜のうちの布施ふせかい忍辱にんにくしょうじんぜんじょうの五をいい、 智慧は第六の般若はんにゃを指す。 →ろっ波羅ぱらみつ
退かず →退たいてん
始発意の菩薩 はじめて提心だいしんをおこした菩薩。
親承供養 親しく仕えてこう等をささげること。
勝方便 すぐれた方法。
法鼓経によるに… ¬ほっきょう¼ の処々の文の意を取ったものとみられる。
転誦 経典を読誦どくじゅすること。
斎福 僧尼に食事を施すこと。
追福 善事を修して、 死者の冥福を祈ること。
大法鼓経に説きたまふ… ¬ほっきょう¼ の処々の文の意を取ったものとみられる。
散心念仏 散乱した心のままで念仏すること。 ¬大品だいぼん般若はんにゃきょう¼ の原文では、 「散」 の字は 「敬」 となっている。
事定 三界さんがいのうちのしきかいに生ずる煩悩ぼんのうに染ったぜんじょう
味染 禅定の味に染まって執着すること。
業報の生を伏し 煩悩に染った禅定の力で欲界よくかいの業報があらわれないようにおさえているという意。
上界 三界のうちの色界しきかい・無色界。
事境 じょうぜんによる所観の境界。
定観 じょうぜん観法。
究竟 きわめ尽すの意。
色天 三界のうちの色界の諸天。
彼此 彼は西方の浄土、 此は諸天を指す。
自分の因 自己のなした業因。
山澗 山岳や谷間。
蕀刺 いばら・とげ。
水旱 水害やひでり。
悪触 身に接触すると有害なもの。
礰 雷鳴。
三災 火災・水災・風災。
八倒 ぼん顛倒てんどうおよびしょうもん縁覚えんがくの無常・無楽・無我・不浄。
伺命 司命。 人の生命を司る神。
翺翔 高く飛びまわること。
八徳の池 はっどくすいの浴池。
二諦虚融 真諦しんたい俗諦ぞくたいの二諦が対立を離れて不二であること。 →真俗しんぞくたい
晏安 安らかにおちついていること。
三空門 →さんだつもん
八正の路 八正道分はっしょうどうぶんのこと。
大涅槃 大いなる仏のさとり。
会中 説法の会座の中。
仏塔 塔は梵語ストゥーパ (stūpa) の音写の略。 仏の遺骨等を安置し供養する築造物。
修短 長短。
自余の九方 東方以外の南西北・ゆい・上下のこと。
四部の弟子 しゅのこと。
義推 意義の上から推しはかること。
この界 しゃ世界を指す。
歎帰 讃嘆さんだんして帰依きえを勧めること。
因中 いんの時。 仏果 (仏のさとり) に至るまでの修行中の期間。
精粗 すぐれたところと粗末なところ。
礼念観 礼拝らいはい念仏ねんぶつ観察かんざつすること。
助便 都合がよい。
悲接 大悲をもって浄土に導くこと。
方所 方角。
康存の日 存命の日々。 生前。
伏羲 中国古伝説の帝王の名。 三皇の一。 蛇身人首で、 人々に狩猟や牧畜を教え、 はじめて文字を作ったという。
女媧 伏羲の妹。 蛇身人首。 五色の石を練って、 天の裂け目を補修し、 大亀の足を切って天柱にしたという。
籌議 相談すること。
第七の梵天 梵天の住する色界しきかい初禅天しょぜんてん。 六欲天の上にあるので第七天という。
体上下に通ず 往生者の上根・下根すべてかねおさめる。
相無相 相即無相。 すべての事物には固定的なすがたがないという意。
此彼の取相 此土 (穢土えど) の相を取ることと、 彼土 (浄土) の相を取ること。
 だつのこと。
拘礙 こだわりかかわること。
塵累 煩悩 (塵) に束縛された迷いの境界。
五塵の欲境 よくの境界。
二諦を別観して 真諦しんたいぞくたいを別々に観じて。 →真俗しんぞくたい
七地の終心 七地の最後心。 →じゅう
相心 相求の心。 相によってさとりを求める心。
八地 菩薩の十地の階位の第八地。 →じゅう
善貪 仏のさとりを求めるような善き貪愛とんない
観仏国土清浄味 ほっしょうにかなった浄土の清浄な徳 (清浄功徳) を観ずる法味。
摂受衆生大乗味 衆生をおさめとって大乗のさとりを得させる徳 (大義門功徳) を観ずる法味。
類事起行願取仏土味 諸仏をようし、 衆生を化度し、 無仏の世界に三宝さんぼうをひろめる菩薩の徳 (菩薩四種功徳) を観ずる法味。
畢竟住持不虚作味 浄土が仏のもうならざる力用りきゆうによって安らかに保持されている徳 (不虚作ふこさ住持じゅうじどく) を観ずる法味。
礼観念 礼拝らいはい観察かんざつ・念仏。
光台迎接して 光輝く蓮華の台座に迎えとられて。
施戒… →ろっ波羅ぱらみつ
雑業 さまざまな悪業。
修治断除 修行によってぼんのうを対治し、排除すること。
回願 浄土を願生すること。
王宮耆闍両会の正説 仏が王舎おうしゃじょうなんだいのために説法したおう宮会ぐえと、阿難がしゃ崛山くっせんの大衆のために王宮会での仏の説法を再説した耆闍会。
指讃 阿弥陀仏の浄土を指し示してほめたたえること。
請観音 →しょう観音かんのんぎょう
龍樹天親等の論 龍樹菩薩の ¬十住じゅうじゅう毘婆びば娑論しゃろん¼ ¬だいろん¼、天親菩薩の ¬浄土論¼ などを指す。
歎勧 讃嘆さんだんして勧めること。
忉利 とうてんのこと。
部領 引率すること。
頭を叩きて 頭を地につけてという意。
悲愍 あわれみの心。
大神呪 不思議な呪文。
洞達 深く熟達していること。
殊異なし 異なるところがない。
他方に… 他の世界になぞらえて、 しょうもん・菩薩・人天の名を立てているだけで、 実体のないこと。
精微妙躯 不可思議ですぐれた身体。
観照の暉心 智慧ちえの光で真実の道理を照らしみる心。
三忍三道 三忍は音響忍おんこうにん従順忍にゅうじゅんにん無生法忍むしょうぼうにんの三法忍のこと。 三道は見道けんどうしゅどう学道がくどうのこと。 →三法さんぼうにん
金剛無礙 とうしょうがくの位を指す。
大涅槃 大いなる仏のさとり。
利物 物はしゅじょうの意。 衆生をやくすること。
所抜の衆生 救われるところの衆生。
無礙の弁才 自由自在なる弁説の才能。
我所を亡ず 我執がしゅうの思いを滅ぼし尽している。
利安 しゅじょうやくして安らぎを与えること。
二想 他者・自己の二にとらわれる思い。
彼此 彼土 (浄土) と此土 (穢土えど)。
遠劫 遠く久しい昔。
清白 煩悩ぼんのうのけがれを離れた清浄しょうじょう善根ぜんごん
上地の菩薩 九地・十地の菩薩。 →じゅう
寂滅忍 じゃくめつの境地。
胞胎 胎児をつつむ膜 (えな)。 母胎。
作業の時… →補註6
 悪。
 善。
浄雑 浄は煩悩ぼんのうのけがれのないこと。 雑は善悪の業がまじっていること。
長征遠防 遠方へ出征することや、 遠国へ防備におもむくこと。
煢々忪々 孤独で頼るものがなく、 恐れて心が乱れ動くこと。
一念悪を起せば… →補註6
三千国土 三千さんぜん大千だいせんかいのこと。
無量寿経 引用は ¬小経¼ の取意の文。
三十有二相 →さんじゅうそう
道要を究暢して さとりの道をもとめて。
根の利鈍 素質能力のすぐれていることと劣っていること。
三忍 音響おんこうにん柔順にゅうじゅんにんしょう法忍ぼうにん三宝忍さんぼうにんのこと。
宿命五通 宿命通をはじめとする五神通。 五神通は六神通ろくじんずうのうち尽通じんずう以外の五のこと。
雑悪趣 種々無量の悪がまじる境界。 地獄・餓鬼がきちくしょうさん悪趣まくしゅのこと。
神力無極 不可思議な力がきわまりないこと。
経法 (阿弥陀仏の説く) 教法。
道化を宣ぶ (阿弥陀仏の教えを十方世界のしゅじょうに) 説いて教化する。
自余の九方 東方以外の南西北・ゆい・上下の諸仏の国。
道に住せざる さとりの世界にとどまらない。
回して ふり向けて。
回して ひるがえし捨てて。 次下の 「回して」 も同意。
常倫諸地の行 菩薩の通常の十地の修行。 →じゅう
無礙の大弁才 自由自在なる弁説の才能。
最賎の乞人… →補註8
金輪王 金銀銅鉄の四種の転輪王の一。 四天下のすべてを治めるもっともすぐれた転輪王てんりんのう
天の色像 第六天のすがたかたち。
法蔵願力 法蔵菩薩の本願力。
空・無相・無願 さん脱門だつもんのこと。
究竟如々 如々はしんにょに同じ。 この上ない真如。
畢竟空 究極絶対のくう
緪縄 太い綱。
舎利弗… ¬だい智度ちどろん¼ 巻十二に説かれる舎利弗の前生。
この界 しゃ世界を指す。
伺命 司命。 人の生命を司る神。
死王 えんおうのこと。
外縁 しきしょうこうそくほう六境ろっきょうのこと。
内縁 げんぜつしん六識ろくしき六根ろっこんのこと。
身色 身体。
色声 声。
色像 すがたかたち。
無縁 くうそうに同じ。 すべては空であって差別相を離れているということ。
直心 二心なく純粋な心。
浄慧 煩悩ぼんのうのけがれのない清浄しょうじょう智慧ちえ
会中 釈尊の説法の会座の中。
外事・内事 文脈からみて、 内事は下の 「方等」、 外事はそれ以外の法のこと。
方等 大いに増広発展させられたの意。 ここでは大乗の法を指す。
人・非人 人間と人間以外の天・竜・しゃなどの鬼神をいう。 →補註8
謗正法 →ほうしょうぼう
身根不具聾盲瘖瘂 →補註10
撰集流通 ¬安楽集¼ を撰述して、 世にひろめるという意。
現行本 現在、世に流布している本。
蒼生 しゅじょうのこと。
虎唐の謬魚魯 文字の誤りの意。 虎と唐、 魚と魯は文字がよく似ていて誤りやすいところからいう。
後昆 後世の人。
刪定 (本文を) 改め確定すること。
寛元三年 1245年。
仲秋 八月のこと。
往成 往成はこの ¬安楽集¼ のほか、 ほう二年 (1248) に ¬おうじょう拾因じゅういん¼、 建長けんちょう二年 (1250) に ¬ぐんろん¼ を版行している。
→Ⓐ
→Ⓐ
 Ⓑ「ト云者アリ」と右傍註記
 Ⓑ「ト云者アリ」と右傍註記
→Ⓐ
→Ⓑ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
左右→Ⓐ右方
→Ⓐ
→Ⓐ[亦]菩
→Ⓐ
 Ⓐになし
→Ⓒ
 Ⓐになし
→Ⓒ
 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓒ
→Ⓐ
→Ⓐ
→◎Ⓑ
→ⒶⒷ
→Ⓐ
 Ⓐになし
願不→Ⓐ不願
→Ⓐ
→ⒶⒷ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ爾[時]
→Ⓐ
 Ⓐになし
 Ⓐになし
 Ⓐになし
 Ⓐになし
 Ⓐになし
→ⒶⒸ者[教]
→Ⓐ
 Ⓐになし
→Ⓐ簿
→Ⓐ簿 Ⓑになし
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
 Ⓐになし
→Ⓒ
→Ⓐ
→Ⓒ
 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ往[生]
→Ⓐ又[来]
→Ⓐ陀[号]
 Ⓐになし
 Ⓐになし
→Ⓐ仏[修]
→◎Ⓑ
 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓑ
亡者→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓒ
→◎Ⓑ
 Ⓐ久也と左傍註記
→Ⓐ
→Ⓒ
→Ⓒ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓒ
→Ⓐ
→Ⓐ槃[城]
→Ⓑ
→Ⓒ
→Ⓐ[即]既
 Ⓐになし
→Ⓒ十[方] Ⓑと右傍註記
→Ⓒ
→Ⓐ汝[師]
→ⒶⒷ
→ⒶⒷ[経云]随
 Ⓐになし
 Ⓐになし
→Ⓑ
 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓐ
一切 Ⓐになし
世界 Ⓐになし
其相→Ⓐ甚想
 Ⓐになし
→Ⓐ陀[佛]
→ⒶⒸ終[時]
→Ⓑ
→Ⓐ无[上]
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ→Ⓒ
→Ⓒ
料簡 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
 Ⓐになし
 Ⓐになし
西→Ⓐ西[方]
→Ⓐ
→Ⓐ
墜堕→Ⓐ堕墜
→Ⓑ
 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓐ[皆]勧
→Ⓐ等[得]
 Ⓐになし
→Ⓒ
14字 Ⓐになし
所不能→Ⓐ不能所
→Ⓑ
→Ⓐ
→Ⓐ
 Ⓐ讀歟と右傍註記
→◎
→ⒶⒸ
→Ⓐ
无辺 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ才[口]
 Ⓐになし
 Ⓐになし
→ⒶⒷ
→Ⓑ
 Ⓐになし
 Ⓐになし
諸劫→Ⓐ劫諸
 Ⓐになし
→Ⓐ
 Ⓐになし
→Ⓐ
 Ⓑになし
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ
 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓐ
一形之中 Ⓐになし
 Ⓐになし
→ⒶⒸ往[生]
→Ⓐ(立也と右傍註記)
→Ⓑ
→Ⓐ
→ⒶⒷ
 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓒ間[也]
以天→Ⓐ天以
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓐ(提歟と右傍註記)
→Ⓒ
→Ⓑ
→◎ Ⓑと右傍註記
→Ⓐ
 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓐ至[毎皆前相]
→Ⓐ以[世]
 Ⓐになし
→Ⓐ斎[一日一夜中受持]
 Ⓐになし
 Ⓐになし
 Ⓐになし
→Ⓐ
→Ⓐ
→Ⓑ
→Ⓐ聞[有]
→Ⓐ(と右傍註記)