こう そう  さん

こうそうのさん

禿とく親鸞しんらんさく

龍樹讃

*りゅうじゅさつ  *しゃくもんけて じっしゅ

釈文に付けて 高僧の著作によって。

(1)

*ほんりゅうじゅさつ

¬*智度ちど¼ ¬*十住じゅうじゅう毘婆びばしゃ¼ とう

つくりておほく*西にしをほめ

すすめて念仏ねんぶつせしめたり

本師 本宗の祖師。
智度 ¬だい智度ちどろん¼ のこと。
十住毘婆沙 ¬十住じゅうじゅう毘婆びばしゃろん¼ のこと。
西 西方浄土。

(2)

*なん天竺てんじく*比丘びくあらん

りゅうじゅさつとなづくべし

*有無うむ邪見じゃけんすべしと

*世尊はかねてときたまふ

南天竺 南インド。りゅうじゅ菩薩は南インドに出生した。
有無の邪見 有見・無見の誤った見解。 →有無うむ
世尊は… 釈尊は (¬りょうきょう¼ に) 予言しておられる。

(3)

ほんりゅうじゅさつ

*だいじょうじょうほうをとき

**かんしょうしてぞ

ひとへに念仏ねんぶつすすめける

歓喜地 「歓喜地は正定しょうじょうじゅの位なり。 身によろこぶを歓といふ、 こころによろこぶを喜といふ。 得べきものを得てんずとおもひてよろこぶを歓喜といふ」 (異本左訓)

(4)

りゅうじゅ*だいにいでて

*なんぎょう*ぎょうのみちをしへ

てん*りんのわれらをば

*ぜいのふねにのせたまふ

大士 すぐれた人。 さつ。 「大きなる人といふなり」 (異本左訓)+
弘誓のふね 阿弥陀仏の本願を、 迷いの海をわたってさとりの彼岸に至らせる船に喩える。

(5)

ほんりゅうじゅさつ

 しへをつたへきかんひと

*本願ほんがんこころに*かけしめて

つねに弥陀みだしょうすべし

かけしめて かけたてまつりて。

(6)

*退たいのくらゐすみやかに

 んとおもはんひとはみな

*ぎょうしん*しゅうして

弥陀みだ*みょうごうしょうすべし

恭敬の心 つつしみ敬う心。 ここでは他力の信心のこと。
執持 「こころにとりたもつといふ」 (左訓)

(7)

*しょうかいほとりなし

 さしくしづめるわれらをば

弥陀みだぜいのふねのみぞ

 せてかならずわたしける

(8)

¬智度ちどろん¼ にのたまはく

如来にょらいじょう法皇ほうおうなり

さつ法臣ほっしんとしたまひて

そんじゅうすべきはそんなり

(9)

一切いっさいさつののたまはく

われら*いんにありしとき

りょう*こうをへめぐりて

万善まんぜんしょぎょう*しゅせしかど

因地 「ぼんにてありしときといふ」 (異本左訓)
修せしかど 修めたけれども。

(10)

*恩愛おんないはなはだたちがたく

しょうはなはだつきがたし

*念仏ねんぶつ三昧ざんまいぎょうじてぞ

ざいしょうめっ*だつせし

恩愛 父母妻子等に対する世俗的な情愛。 てんしょうの因となる。

じょうりゅうじゅさつ

天親讃

*天親てんじんさつ  しゃくもんけて じっしゅ

(11)

*しゃきょうぼうおほけれど

天親さつはねんごろに

*煩悩ぼんのうじょうじゅのわれらには

弥陀みだ*ぜいをすすめしむ

煩悩成就 あらゆる煩悩ぼんのうを欠くことなくそなえていること。

(12)

*あんにょうじょう*しょうごん

*唯仏ゆいぶつぶつけんなり

*きょうせること*くうにして

広大こうだいにして*辺際なし

唯仏与仏の知見 ただ仏と仏とのみが知りうることがら。
究竟せること その大きさが、 至りきわまっていること。
辺際なし 「ほとりきはなしとなり」 (左訓)

(13)

*本願ほんがんりきにあひぬれば

 なしくすぐるひとぞなき

*どく宝海ほうかいみちみちて

煩悩ぼんのうじょくすいへだてなし

(14)

如来にょらい*じょうしょうじゅ

*しょうがくのはなより*しょうして

*しゅじょう*がんぎょうことごとく

すみやかにとく満足まんぞく

浄華の聖衆 「浄華といふは、 阿弥陀のほとけになりたまひしときの華なり。 この華に生ずるしゅじょうは、 同一に念仏して別の道なしといふなり」 (異本左訓)
願楽 ねがい。

(15)

*てんにんどうしょうじゅ

*ぜいかいよりしょう

*心業しんごうどく清浄しょうじょうにて

くうのごとく差別しゃべつなし

天人不動の聖衆 天上界・人間界から浄土に生れたしょうじゃたち。 大乗の善根ぜんごんを成就して動揺することがないから不動という。
弘誓の智海 本願によって成じた広大な仏の智慧ちえを海に喩える。
心業 心のはたらき。

(16)

天親てんじん論主ろんじゅ*一心いっしん

無礙むげこう*みょう

*本願ほんがんりきじょうずれば

*ほうにいたるとのべたまふ

(17)

*じん十方じっぽう無礙むげこうぶつ

一心いっしんみょうするをこそ

天親てんじん論主ろんじゅのみことには

*がんぶつしんとのべたまへ

願作仏心 「ほとけにならんと願ふこころなり」 (左訓)

(18)

がんぶつしんはこれ

*しゅじょうのこころなり

しゅじょうしんはこれ

*利他りた真実しんじつ信心しんじんなり

度衆生のこころ 「衆生をわたすこころなり」 (左訓)

(19)

信心しんじんすなはち*一心いっしんなり

一心いっしんすなはち*金剛こんごうしん

金剛こんごうしん*だいしん

このしんすなはち*りきなり

(20)

*がんにいたればすみやかに

*じょうはんしょうしてぞ

すなはちだいをおこすなり

これを*こうとなづけたり

願土 「願土は弥陀の本誓悲願の土なり」 (異本左訓) 阿弥陀仏の本願によって成就された国土。

じょう天親てんじんさつ

曇鸞讃

*曇鸞どんらんしょう  しゃくもんけて さんじゅうしゅ

(21)

ほん曇鸞どんらんしょう

*だい流支るしのをしへにて

*せんぎょうながくやきすてて

じょうにふかくせしめき

仙経 長生不死の神仙術を説く道教の書。

(22)

*ろん講説こうせつさしおきて

本願ほんがんりきをときたまひ

*ばく凡衆ぼんしゅをみちびきて

*涅槃のかどにぞいらしめし

具縛 「具縛といふは煩悩ぼんのう具足のぼんといふなり」 (異本左訓)
涅槃のかど 涅槃に至る門。

(23)

*ぞくくん*幸臨こうりん

ちょくして*じょうのゆゑをとふ

*十方じっぽう仏国ぶっこくじょうなり

なにによりてか西にしにある

世俗の君子 とう孝静こうせいていであろう。 以下の魏の主、 魏の天子、 君子も同じ。
幸臨 ご来訪になること。
浄土… 西方浄土のみ願生する理由を問う。

(24)

らんこたへてのたまはく

わが智慧ちえあさくして

いまだ*地位ちいにいらざれば

*念力ねんりきひとしくおよばれず

地位… 「不退の位に至らずとなり」 (左訓) しょ (かん) 以上の菩薩の位。
念力… 「おもふ力、 余の浄土にはかなはずとなり」 (異本左訓) 十方の浄土を平等に念ずる力がないということ。

(25)

一切いっさい*道俗どうぞくもろともに

すべきところぞさらになき

*安楽あんらくかんのこころざし

らんひとりさだめたり

安楽勧帰 安楽浄土への往生を勧め、 自他ともに阿弥陀仏に帰依きえすること。

(26)

*しゅちょくして*へいしゅう

*大巌だいがんにぞおはしける

 うやくをはりにのぞみては

*ふんしゅうにうつりたまひにき

州 現在の山西さんせい太原たいげん
大巌寺 「曇鸞どんらんの造らせたまひたるおん寺なり」 (異本左訓)
汾州 現在の山西省汾陽ふんよう

(27)

*てんはたふとみて

*神鸞じんらんとこそごうせしか

おはせしところのそのをば

鸞公らんこうがんとぞなづけたる

神鸞 不思議な徳を持っている曇鸞大師の意。 「ほめまいらするこころなり。 すべてめでたうましますといふこころなり」 (異本左訓)+

(28)

*じょうごうさかりにすすめつつ

*げんちゅうにぞおはしける

*こうねん

*遙山ようさんにこそうつりしか

浄業 念仏のこと。
玄中寺 「曇鸞の造らせたまひたるおん寺なり。 どうしゃくは鸞師のおん弟子なり。 この寺に道綽はつぎておはしましけり」 (異本左訓)
魏の興和四年 542年。
遙山寺 平遙へいようさんの寺。

(29)

ろくじゅうゆうしちときいたり

じょう*おうじょうとげたまふ

そのとき*霊瑞れいずい思議しぎにて

一切いっさい道俗どうぞくきょうしき

霊瑞 「霊瑞はやうやうのめでたきことの現じ、 ほとけもみえなんどしたまふほどのことなり」 (異本左訓)

(30)

*くんひとへにおもくして

ちょくせんくだしてたちまちに

*ふんしゅう汾西ふんせい*しんりょう

*しょうれいびょうたてたまふ

汾州汾西 現在の山西省平遙。
秦陵 大陵の誤伝。
勝地に…+ 「すぐれたるところに、 どむらんのみはかをたてたり」 (異本左訓)

(31)

*天親てんじんさつのみことをも

らんときのべたまはずは

りき広大こうだいとく

*しんぎょういかでかさとらまし

天親菩薩のみこと 天親菩薩の ¬浄土論¼ をいう。
心行…+ 「心おも行おも、 いかでか知らまじとなり」 (異本左訓) ここでの心行は、 ¬浄土論¼ の一心と五念門の行のことか。

(32)

本願ほんがん*円頓えんどん*いちじょう

*ぎゃくあくせっすとしんして

*煩悩ぼんのうだいたい無二むに

 みやかにとくさとらしむ

円頓 「八万聖教のすべて少しも欠くることなきを円頓と申すなり」 (異本左訓)
逆悪 →ぎゃくじゅうあく
煩悩菩提体無二 煩悩と菩提とが本来一つであること。

(33)

*いつつの思議しぎをとくなかに

仏法ぶっぽう思議しぎにしくぞなき

仏法ぶっぽう思議しぎといふことは

弥陀みだ*ぜいになづけたり

いつつの不思議 思議しぎのこと。

(34)

弥陀みだこうじょうじゅして

*往相おうそう還相げんそうふたつなり

これらのこうによりてこそ

しんぎょうともにえしむなれ

往相還相 「往相はこれより往生せさせんとおぼしめす回向なり。 還相は浄土にまゐり、 果ては普賢のふるまひをせさせて衆生利益せさせんと回向したまへるなり」 (異本左訓)

(35)

往相おうそうこうととくことは

弥陀みだ*方便ほうべん*ときいたり

がんしんぎょうえしむれば

しょうすなはちはんなり

ときいたり 時節が到来し。

(36)

還相げんそうこうととくことは

利他りたきょうをえしめ

すなはち*しょ*にゅうして

**げんとくしゅするなり

諸有 「十方のよろづの衆生なり」 (異本左訓)
回入 めぐり入ること。
普賢 「普賢といふはほとけの慈悲の極まりなり」 (異本左訓)

(37)

*論主ろんじゅ*一心いっしんととけるをば

曇鸞どんらんだいのみことには

煩悩ぼんのうじょうじゅのわれらが

りきしんとのべたまふ

(38)

じん十方じっぽう無礙むげこう

*みょうのやみをてらしつつ

*一念いちねんかんするひとを

かならず*めつにいたらしむ

一念歓喜するひと 疑いなく、 往生せしめられることをよろこぶひと。

(39)

無礙むげこうやくより

とく広大こうだいしんをえて

かならず煩悩ぼんのうのこほりとけ

すなはちだいのみづとなる

(40)

*ざいしょうどくたいとなる

 ほりとみづのごとくにて

 ほりおほきにみづおほし

*さはりおほきにとくおほし

罪障功徳の体となる 体は本体。 罪障がそのまま功徳になる。
さはり… 「悪業あくごうおほければ功徳のおほきなり」 (左訓)

(41)

みょうごう思議しぎ海水かいすい

*ぎゃくほうがいもとどまらず

*衆悪しゅあく万川ばんせんしぬれば

*どくのうしほに*いちなり

逆謗… 五逆・謗法の者は仏道の死骸のようなものであるのでこのようにいう。
衆悪の万川 「よろづの悪をよろづの川にたとへたり」 (左訓)
功徳のうしほに… 万川が海に入れば同一の塩味となるように、 五逆・謗法の者も他力の信心を獲れば、 一切の悪業を転じて仏の功徳と一味となる。
一味 「ひとつあぢはひとなるなり」 (左訓)

(42)

じん十方じっぽう無礙むげこう

だい大願だいがん海水かいすい

煩悩ぼんのうしゅりゅうしぬれば

智慧ちえのうしほにいちなり

(43)

安楽あんらく仏国ぶっこくしょうずるは

*ひっきょうじょうぶつどうにて

じょう方便ほうべんなりければ

諸仏しょぶつじょうをすすめけり

畢竟成仏… 究極においては仏になること。 ここでは転じて究極無上の成仏道の意味とする。

(44)

諸仏しょぶつ*三業さんごうしょうごんして

ひっきょう*びょうどうなることは

しゅじょう*おうしん口意くい

*せんがためとのべたまふ

平等 「平等はすべてものにおいてへだてなきこころなり」 (異本左訓)
虚誑 「悪業あくごう煩悩ぼんのうのこころなり」 (異本左訓)いつわり。
治せん 「たすくるこころなり」 (異本左訓)

(45)

安楽あんらく仏国ぶっこくにいたるには

*じょう宝珠ほうしゅみょうごう

*真実しんじつ信心しんじんひとつにて

*別道べつどうとときたまふ

無上宝珠 「如意宝珠のたまなり。 この宝珠は濁れる水に入るれば、 水はすめども身さびゐず。 水晶は濁り水に入るれば、 身さびゐる。 かるがゆゑに水晶をば万行万善にたとへ、 宝珠をばみょうごうにたとふ」 (異本左訓)
無別道故 「別の道なきがゆゑに」

(46)

如来にょらい清浄しょうじょう本願ほんがん

*しょうしょうなりければ

*本則ほんそく三三さんざんほんなれど

いちもかはることぞなき

無生の生 「六道の生を離れたる生なり。 六道四生に生るること、 真実信心のひとはなきゆゑに無生といふ」 (異本左訓)
本則三三の… 「もとはここのしなの衆生の報土に生れぬれば、 ひともかはることなしとなり」 (左訓)

(47)

無礙むげこう如来にょらいみょうごう

かの*こうみょうそうとは

みょうじょうあん

しゅじょうがんをみてたまふ

光明智相 光明の本質は智慧ちえであり、 智慧のすがたは光明であることをいったもの。

(48)

*如実にょじつしゅぎょうといへること

らんしゃくしてのたまはく

一者いっしゃ信心しんじんあつからず

*にゃくぞんにゃくもうするゆゑに

不如実修行 「をしへのごとくならずといふこころなり」 (左訓)
若存若亡 「あるときには往生してんずとおもひ、 あるときには往生はえせじとおもふを若存若亡といふなり」 (異本左訓)

(49)

しゃ信心しんじんいちならず

けつじょうなきゆゑなれば

三者さんじゃ信心しんじん相続そうぞくせず

*ねんけんとのべたまふ

余念間故 「まじへるがゆゑに信なしといふなり」 (左訓) 疑いがまじわるので。

(50)

*三信さんしん展転てんでんそうじょう

ぎょうじゃこころをとどむべし

信心しんじんあつからざるゆゑに

けつじょうしんなかりけり

三信展転… 淳心・一心・相続心の三信が相関連して一つの信心の内容が明らかになる。 →三信さんしん

(51)

けつじょうしんなきゆゑに

ねん相続そうぞくせざるなり

ねん相続そうぞくせざるゆゑ

けつじょうしんをえざるなり

(52)

けつじょうしんをえざるゆゑ

信心しんじんじゅんとのべたまふ

*如実にょじつしゅぎょう相応そうおう

信心しんじんひとつにさだめたり

如実修行相応 「をしへのごとく信ずるこころなり」 (左訓)

(53)

まんぎょう諸善しょぜんしょうより

*本願ほんがん一実いちじつ大道だいどう

にゅうしぬればはん

さとりはすなはちひらくなり

本願一実の大道 本願の念仏は、 すべての人の往生の道であるから大道という。

(54)

ほん曇鸞どんらんだいをば

*りょうてん蕭王そうおう

おはせしかたにつねにむき

らんさつとぞらいしける

梁の天子蕭王 南朝梁の武帝 (464―549) のこと。 仏教を深く信奉した。 蕭王は通常 「しょうおう」 と読むが、 当派依用音によって 「そうおう」 と振る。

じょう曇鸞どんらんしょう

道綽讃

*どうしゃくぜん  しゃくもんけて しちしゅ

(55)

ほんどうしゃくぜん

*しょうどうまんぎょうさしおきて

*ゆいじょう一門いちもん

つうにゅうすべきみちととく

聖道万行 聖道門の教えによって修める自力諸善の行。
唯有浄土一門… 「ただ浄土の門のみ入るべきみちといふ」 (異本左訓)

(56)

ほんどうしゃくだい

*はん広業こうごうさしおきて

本願ほんがんりきをたのみつつ

*じょくぐんじょうすすめしむ

涅槃の広業 ¬涅槃経¼ を講ずる広大な事業。

(57)

末法まっぽうじょくしゅじょう

しょうどう*しゅぎょうせしむとも

ひとりもしょうをえじとこそ

きょうしゅそんはときたまへ

修行せしむとも 修行したてまつったとしても。

(58)

らんのをしへをうけつたへ

しゃくしょうはもろともに

*ざいしん立行りゅうぎょう

*此是しぜりきとさだめたり

在此起心立行 「娑婆世界にて菩提心を起し行を立つるはみな自力なりとしるべし」 (左訓)
此是自力 「これはこれ自力なりといふ」 (左訓)

(59)

*じょく*あく造罪ぞうざい

*暴風ぼうふう駛雨しうにことならず

諸仏しょぶつこれらをあはれみて

すすめてじょうせしめり

濁世 五濁の世。 →じょく
起悪造罪…ことならず 「悪を起し罪を造ることの多きことをいふ」 (左訓)
暴風駛雨 「あらき風、 とき雨のごとしとなり」 (異本左訓)

(60)

*いちぎょうあくをつくれども

*せんしょうにこころをかけしめて

つねに*念仏ねんぶつせしむれば

しょしょうねんにのぞこりぬ

専精 「もっぱらこのみてといふ」 (左訓)
念仏せしむれば 念仏したてまつれば。

(61)

*縦令じゅうりょういっしょう造悪ぞうあく

しゅじょう*いんじょうのためにとて

*しょうみょうがんじつつ

にゃくしょうじゃとちかひたり

縦令一生… 「たとひ一期悪を造るものなりとも、 弥陀のちかひをたのみまゐらせて往生すべしとなり」 (左訓)
引接 「導きとる。 とるといふは手にとるこころなり」 (異本左訓)
称我名字… 「わが名を称へよと願じたまへり」 (左訓)

じょうどうしゃくだい

善導讃

*善導ぜんどうだい  しゃくもんけて じゅうろくしゅ

(62)

*大心だいしんかいよりしてこそ

善導ぜんどうしょうとおはしけれ

*末代まつだいじょくのためにとて

*十方じっぽう諸仏しょぶつしょうをこふ

大心海 海のように広大な慈悲心をもつ仏という意。
十方諸仏… 「観経疏つくらんとて十方諸仏に証を請ひたまひたり」 (異本左訓)

(63)

世々よよ善導ぜんどういでたまひ

*ほっしょう*しょうこうとしめしつつ

*どくぞうをひらきてぞ

諸仏しょぶつほんとげたまふ

功徳蔵 「みょうごうを功徳蔵とまうすなり。 よろづの善根ぜんごんを集めたるによりてなり」 (異本左訓)

(64)

弥陀みだみょうがんによらざれば

ひゃく千万せんまんごうすぐれども

* つつのさはりはなれねば

女身にょしんをいかでかてんずべき

いつつのさはり →しょうさんしょう、 →補註14

(65)

しゃ*要門ようもんひらきつつ

*じょうさんしょ*こしらへて

*しょうぞうぎょう方便ほうべん

ひとへに*専修せんじゅをすすめしむ

こしらへて 誘い導いて。

(66)

*じょしょうならべてしゅするをば

すなはち*雑修ざっしゅとなづけたり

一心いっしんをえざるひとなれば

仏恩ぶっとんほうずるこころなし

雑修 →雑修ざっしゅ

(67)

仏号ぶつごうむねとしゅすれども

げんをいのるぎょうじゃをば

これも雑修ざっしゅとなづけてぞ

*せんちゅういちときらはるる

千中無一 「千がなかにひとも生れずとなり。 かん禅師の釈には万不一生と釈せられたり」 (異本左訓)

(68)

 ころはひとつにあらねども

ぞうぎょう雑修ざっしゅこれにたり

*じょうぎょうにあらぬをば

ひとへにぞうぎょうとなづけたり

浄土の行 →正行しょうぎょう

(69)

善導ぜんどうだいしょうをこひ

じょうさんしんをひるがへし

*貪瞋とんじん*譬喩ひゆをとき

*がん信心しんじんしゅせしむ

(70)

*きょうどう滅尽めつじんときいたり

如来にょらいしゅっほんなる

*がんしんしゅうにあひぬれば

ぼんねんじてさとるなり

経道滅尽 末法まっぽうの時代 (教のみがあって行・証のない時代) が一万年続いた後、 自力成仏の道を説いた聖道門の経典がすべてこの世界から消え失せることをいう。
弘願真宗 本願念仏を説き顕した真実の教え。

(71)

仏法ぶっぽうりき思議しぎには

諸邪しょじゃごうさはらねば

弥陀みだほんぜい願を

*ぞうじょうえんとなづけたり

(72)

願力がんりきじょうじゅ*ほうには

りきしんぎょういたらねば

*だいしょうしょうにんみなながら

如来にょらいぜいじょうずなり

大小聖人 「大乗の聖人、 小乗の聖人」 (異本左訓)

(73)

煩悩ぼんのうそくしんして

本願ほんがんりきじょうずれば

すなはちしんすてはてて

ほっしょうじょうらくしょうせしむ

(74)

*しゃ弥陀みだ慈悲じひ父母ぶも

種々しゅじゅぜんぎょう方便ほうべん

われらが*じょう信心しんじん

*ほっせしめたまひけり

釈迦弥陀… 「釈迦は父なり、 弥陀は母なりとたとへたまへり」 (左訓)
無上の信心 阿弥陀仏のこの上ない智慧ちえをたまわった信心。 他力の信心のこと。
発起 「むかしよりありしことをおこすを発といふ。 いまはじめておこすを起といふ」 (異本左訓)

(75)

真心しんしん*徹到てっとうするひとは

*金剛こんごうしんなりければ

*三品さんぼんさんするひとと

ひとしとしゅうはのたまへり

徹到 「とほりいたる。 髄に到り徹る」 (異本左訓)
金剛心 「まことの信心なり」 (異本左訓)
三品の懺悔 「上品はまなこより血を流し身より血を出す。 中品はまなこより血を流し身より汗を流す。 下品は涙を流し髄にこころが徹るをいふ」 (異本左訓)

(76)

じょくあくのわれらこそ

金剛こんごう信心しんじんばかりにて

ながくしょうをすてはてて

ねんじょうにいたるなれ

(77)

金剛こんごう*けん信心しんじん

 だまるときをまちえてぞ

弥陀みだ*心光しんこうしょうして

ながくしょうをへだてける

堅固 「しんのかたきを堅といふ。 こころのかたきを固といふなり」 (異本左訓)
心光 念仏の衆生をおさめとる摂取の光明のこと。

(78)

真実しんじつ信心しんじんえざるをば

一心いっしんかけぬとをしへたり

一心いっしんかけたるひとはみな

*三信さんしんせずとおもふべし

三信 「本願の信心をいふなり」 (左訓)

(79)

利他りたしんぎょううるひとは

*がん相応そうおうするゆゑに

*きょうぶつにしたがへば

*雑縁ぞうえんさらになし

願に相応する 信心を得ることは阿弥陀仏の本願の趣旨にかなっている。
教と仏語 釈尊の教えと諸仏の言葉。
外の雑縁 外からのさまざまなさまたげ。

(80)

しんしゅう念仏ねんぶつききえつつ

*一念いちねん無疑むぎなるをこそ

*希有けうさいしょうにんとほめ

*しょうねんをうとはさだめたれ

一念無疑 阿弥陀仏の本願をふたごころなく信じること。
希有最勝人 「ありがたく勝れたるよきひととほむるこころなり」 (異本左訓)
正念をう 「往生の信心あるを正念を得とはいふ」 (異本左訓)

(81)

本願ほんがん相応そうおうせざるゆゑ

雑縁ぞうえんきたりみだるなり

信心しんじん乱失らんしつするをこそ

しょうねんうすとはのべたまへ

(82)

*しんがんよりしょうずれば

念仏ねんぶつじょうぶつねんなり

ねんはすなはちほうなり

しょうだいはんうたがはず

信は願より… 「われら衆生の信は弥陀の願より起るなり」 (異本左訓)

(83)

じょくぞうのときいたり

*ぎゃくほうのともがらおほくして

道俗どうぞくともにあひきらひ

しゅするをみては*あだをなす

疑謗のともがら 「弥陀のちかひを疑ふもの、 そしるものなり」 (左訓)
あだ 害。

(84)

本願ほんがん*めつのともがらは

*しょうもう**闡提せんだいとなづけたり

*だいじんごうをへて

ながく*さんにしづむなり

毀滅 「そしるにとりても、 わがする法は勝り、 また人のする法はいやしといふを毀滅といふなり」 (異本左訓)
生盲 →補註14
闡提 「仏法にすべて信なきを闡提といふなり」 (異本左訓)
大地微塵劫 三千世界の大地を砕いて微塵にし、 その一微塵を一劫とし、 その微塵の総教を微塵劫という。

(85)

*西さい*じゅせしかども

*しょうしょうせしほどに

曠劫こうごうらいもいたづらに

 なしくこそはすぎにけれ

西路 西方浄土へ往生する道。
自障障他 「わが身を障へひとを障へ乱るなり」 (左訓)

(86)

ぜいのちからをかぶらずは

いづれのときにか*しゃをいでん

仏恩ぶっとんふかくおもひつつ

つねに弥陀みだねんずべし

(87)

しゃ永劫ようごうをすてて

じょう無為むい*すること

ほんしゃのちからなり

じょうおんほうずべし

期すること 心に待ちもうけること。 期待すること。

じょう善導ぜんどうだい

源信讃

*源信げんしんだい  しゃくもんけて じっしゅ

(88)

源信げんしんしょうののたまはく

われこれ*ぶつとあらはれて

*えんすでにつきぬれば

*ほんにかへるとしめしけり

故仏と… 「もとのほとけとまうすことなり」 (左訓) 元来、 仏であったが、 しゅじょう済度のためにこの世に現れたという伝承を指す。 ¬げんしんそうぎょうじつ』にみえる。
化縁 しゅじょう教化の機縁。
本土 本国である浄土。

(89)

ほん源信げんしんねんごろに

*一代いちだいぶっきょうのそのなかに

念仏ねんぶつ一門いちもんひらきてぞ

*じょく末代まつだいをしへける

一代仏教 釈尊が一生の間に説いた教法。

(90)

*りょうぜんちょうじゅとおはしける

源信げんしんそうのをしへには

*ほう二土にどををしへてぞ

*専雑せんぞう得失とくしつさだめたる

霊山聴衆 インドの霊鷲山で釈尊の説法を聞いた人々。
報化二土 →ほう化土けど
専雑の得失 専修せんじゅの得とざっしゅの失。

(91)

ほん源信げんしんしょう

**かんぜんしゃくにより

¬*処胎しょたいきょう¼ をひらきてぞ

*まんがいをばあらはせる

懐感禅師の釈 「懐感禅師の群疑論によりて諸行往生のやうをあらはせり」 (異本左訓)
処胎経 ¬さつ処胎しょたいきょう¼ のこと。

(92)

専修せんじゅのひとをほむるには

*せん一失いっしつとをしへたり

雑修ざっしゅのひとをきらふには

*まんいっしょうとのべたまふ

千無一失 「千に一つのとがなしとなり」 (左訓) 千人の中に一人の例外もなく往生する。
万不一生 「万にひとも報土に生れずとなり」 (左訓)

(93)

ほうじょうおうじょう

おほからずとぞあらはせる

*化土けどにうまるるしゅじょうをば

 くなからずとをしへたり

(94)

男女なんにょせんことごとく

弥陀みだみょうごうしょうするに

*行住ぎょうじゅう座臥ざがもえらばれず

*しょ諸縁しょえんもさはりなし

行住座臥 「あるく、 とどまる、 ゐる、 ふすなり」 (左訓)
時処諸縁 「とき、 ところ、 よろづのことなり」 (左訓)

(95)

煩悩ぼんのうにまなこ*さへられて

摂取せっしゅこうみょうみざれども

だい*ものうきことなくて

つねにわがをてらすなり

さへられて さえぎられて。
ものうきことなく 「ものうきこと (なし) といふは怠り捨つるこころなしとなり」 (異本左訓)

(96)

弥陀みだ*ほうをねがふひと

*外儀げぎのすがたはことなりと

本願ほんがんみょうごう信受しんじゅして

*寤寐ごびにわするることなかれ

外儀のすがた 「ほかのすがた、 身のふるまひ」 (異本左訓)
寤寐 「ねてもさめてもといふなり」 (左訓)

(97)

極悪ごくあくじんじゅうしゅじょう

*方便ほうべんさらになし

ひとへに弥陀みだしょうしてぞ

じょうにうまるとのべたまふ

他の方便 「余の善、 余の仏・菩薩の方便にてはしょう出でがたしとなり」 (異本左訓)

じょう源信げんしんだい

源空讃

*源空げんくうしょうにん  しゃくもんけて じっしゅ

(98)

ほん源空げんくうにいでて

*がんいちじょうひろめつつ

日本にっぽんいっしゅうことごとく

*じょうえんあらはれぬ

弘願の一乗 万人を平等に救って成仏させる最もすぐれた第十八願の念仏往生の教え。
浄土の機縁 浄土教を信受する機縁。

(99)

*智慧ちえこうのちからより

ほん源空げんくうあらはれて

*じょうしんしゅうをひらきつつ

*せんじゃく本願ほんがんのべたまふ

智慧光のちから せいさつのこと。

(100)

*善導ぜんどう*源信げんしんすすむとも

ほん源空げんくうひろめずは

*へんしゅうじょくのともがらは

いかでかしんしゅうをさとらまし

片州 日本のこと。

(101)

*曠劫こうごうしょうのあひだにも

*しゅつ強縁ごうえんしらざりき

ほん源空げんくういまさずは

 のたびむなしくすぎなまし

出離の強縁 迷いの世界を離れ出るための因縁いんねん。 阿弥陀仏の本願力のこと。

(102)

源空げんくう*さんのよはひにて

*じょうのことわりさとりつつ

*えんかいをあらはして

*だいのみちにぞいらしめし

三五のよはひ 十五歳。 ほうねん上人は十五歳で出家受戒した。
厭離の素懐 この世を厭い離れたいというかねてからの願い。

(103)

源空げんくう*ぎょうとくには

しょうどうしょしゅう*しゅ

みなもろともにせしめて

*一心いっしん金剛こんごうかいとす

智行の至徳 「智慧ちえも行も至りたまふひとなりといふ」 (左訓)
師主 「聖人の聖道のおん、 のちには皆 (聖人に) 帰したてまつるなり」 (異本左訓)
一心金剛の戒師 天台てんだいしゅうに相伝する菩薩戒 (円頓えんどんかい) を授ける師。

(104)

源空げんくう存在ぞんざいせしときに

金色こんじきこうみょうはなたしむ

*ぜんじょう博陸はくりくまのあたり

拝見はいけんせしめたまひけり

(105)

ほん源空げんくう*ほんをば

ぞくのひとびとあひつたへ

*しゃくしょう*しょうせしめ

あるいは善導ぜんどうとしめしけり

綽和尚 どうしゃくぜんのこと。
称せしめ 称したてまつり。

(106)

源空げんくうせいげん

あるいは弥陀みだ顕現けんげん

じょうこう群臣ぐんしんそんきょう

*きょう庶民しょみん欽仰きんごう

京夷… 「みやこ、 ゐなか、 よろづのたみ、 敬ひ仰ぎたてまつる」 (左訓)

(107)

*承久じょうきゅうだいじょう法皇ほうおう

ほん源空げんくうきょうしき

*しゃくもん儒林じゅりんみなともに

ひとしくしんしゅうにゅうせり

承久の太上法皇 高倉たかくら院 (1179-1223) のこと。 高倉天皇の第二皇子、 守貞もりさだ親王。 承久の乱の後、 子の茂仁ゆたひと親王 (後堀河天皇) が即位し、 太上天皇の号を授けた。
釈門儒林 「僧なり、 ぞくがくしょうなり」 (左訓)

(108)

*諸仏しょぶつ方便ほうべんときいたり

源空げんくうひじりとしめしつつ

じょう信心しんじんをしへてぞ

*はんのかどをばひらきける

諸仏方便… 諸仏がしゅじょうを救うためにぜんぎょう方便ほうべんする時節が到来して。

(109)

しん*しきにあふことは

かたきがなかになほかたし

てんりんのきはなきは

*じょうのさはりにしくぞなき

疑情 阿弥陀仏の本願を疑いはからう心。

(110)

源空げんくうこうみょうはなたしめ

もんにつねにみせしめき

*賢哲げんてつ愚夫ぐふもえらばれず

*ごうせんもへだてなし

賢哲愚夫 賢者と愚者。
豪貴鄙賤 身分の高い者と低い者。

(111)

命終みょうじゅうそのちかづきて

ほん源空げんくうのたまはく

*おうじょうみたびになりぬるに

 のたびことにとげやすし

往生みたびに… インドではしょうもん僧、 中国では善導ぜんどうとして往生し、 いま日本の源空げんくうとして三たび往生することをいう。

(112)

源空げんくうみづからのたまはく

*りょうぜんじょうにありしとき

*しょうもんそうにまじはりて

*頭陀ずだぎょうじて*化度けどせしむ

霊山会上 釈尊がしばしば説法したりょうじゅせん (しゃくっせん) の会座えざ
声聞僧 釈尊の直弟子。 ほうねん上人はsyarihotuであったといわれる。
頭陀 梵語ドゥータ(dhūta)の音写。 衣食住に関するむさぼりを払いのける修行。
化度 しゅじょうを教化して救うこと。

(113)

*粟散ぞくさんへんしゅうたんじょうして

念仏ねんぶつしゅうをひろめしむ

しゅじょう化度けどのためにとて

このにたびたびきたらしむ

粟散片州 日本のこと。

(114)

弥陀みだ如来にょらいしてこそ

ほん源空げんくうとしめしけれ

えんすでにつきぬれば

じょうにかへりたまひにき

(115)

ほん源空げんくうのをはりには

こうみょううんのごとくなり

音楽おんがく*哀婉あいえんりょうにて

*きょうみぎりに映芳えいほう

哀婉雅亮 「あはれみすめるこころなり」 (左訓)
異香みぎりに… おりからたえなる香りがあたりにただよった。

(116)

道俗どうぞく男女なんにょ*さん

*けいしょう雲客うんかくくんじゅう

*ほく面西めんさいきょうにて

如来にょらいはんをまもる

預参し あらかじめ参集して。
卿上雲客 卿上は卿相のことで、 参議および三位以上の上級官人。 雲客は清涼殿の殿上の間に昇ることを許された者 (殿でんじょうびと)。
頭北面西… 頭を北にし、 顔を西に向けて、 右脇を下にし横たわること。 釈尊がにゅうめつした時の姿。

(117)

ほん源空げんくう命終みょうじゅう

*けんりゃくだい壬申にんしんさい

しょしゅんじゅんだいにち

じょうげんせしめけり

建暦第二壬申歳… 1212年一月二十五日 (初春は陰暦正月の別称)。

じょう源空げんくうしょうにん

 

じょうしち高僧こうそうさん いっぴゃくじゅうしちしゅ

 

結讃

(118)

*じょくあくしゅじょう

*せんじゃく本願ほんがんしんずれば

*不可ふかしょう不可ふかせつ不可ふか思議しぎ

どくぎょうじゃにみてり

 

*てん じく   りゅうじゅさつ
天親てんじんさつ

*しん たん   曇鸞どんらんしょう
どうしゃくぜん
善導ぜんどうぜん

震旦 中国。 古代インド人が中国をチーナ・スターナ (Cīna-sthāna) と呼んだのにもとづくといわれる。

* ちょう   源信げんしんしょう
源空げんくうしょうにん

和朝 日本。

じょう七人しちにん

*しょうとくたい*敏達びんだつ天皇てんのう元年がんねん
 しょうがつ一日ついたちたんじょうしたまふ。

敏達天皇元年 572年。 ¬しょうとくたいでんりゃく¼ などでは、 太子の生誕をこの年とするが、 574年が正しい。

 

仏滅ぶつめつ一千いっせんひゃくじゅう一年いちねんあたれり。

 

(119)

南無なも弥陀みだぶつをとけるには

衆善しゅぜん海水かいすいのごとくなり

かの清浄しょうじょうぜんにえたり

ひとしくしゅじょう*こうせん