標挙

*こうみょうりょうがん

 寿じゅみょうりょうがん

 

題号

けんじょうしんぶつ文類もんるい 五

*禿とくしゃく*親鸞しんらんしゅう

正釈【真仏土釈】
  直明【仏土出願】
    仏土を明かす

【1】 ^つつしんで*しんぶつあんずれば、 ぶつはすなはちこれ*不可ふか思議しぎこう如来にょらいなり、 はまたこれ*りょうこうみょうなり

↢真仏土、仏者則是不可思議光如来ナリ、土者亦是无量光明土也。

一 Ⅰ 法義を示す

^しかればすなはち、 だい*誓願せいがん*しゅうほうするがゆゑに、 しんほうぶつといふなり。

酬↢報ルガ大悲誓願↡故、曰ナリ↢真報仏土↡。

一 Ⅰ 因願を指す

^すでにしてがんいます、 すなはちこうみょう寿じゅみょうがん (第十二・十三願) これなり。

シテイマ↠願、即光明・寿命之願是也。

引文
    経説
      本経
        正依
          (一)因願
            (Ⅰ)¬大経¼二文

・第十二願

【2】 ^¬*だいきょう¼ (上) にのたまはく、

¬大経¼言

^たとひわれぶつたらんに、 *こうみょうよくげんりょうありて、 しもひゃくせんおく*那由他なゆた諸仏しょぶつくにらさざるにいたらば、 *しょうがくらじ」 と。

我得タラムニ↠仏、光明有↢能限量↡、下至↠不ルニ↠照↢百千億那由他諸仏、不↠取↢正覚↡。」

・第十三願

【3】 ^またがん (第十三願) にのたまはく (大経・上)

又願

^「たとひわれぶつたらんに、 *寿じゅみょうよくげんりょうありて、 しもひゃくせんおく那由他なゆた*こういたらば、 しょうがくらじ」 と。

我得タラムニ↠仏、寿命有↢能限量↡、下至↢百千億那由他、不↠取↢正覚↡。」

一 Ⅱ ⅰ a イ (二)成就
            (Ⅰ)¬大経¼

・第十二願

【4】 ^がん (第十二・十三願) じょうじゅもんにのたまはく (大経・上)

願成就

^ぶつ*なんげたまはく、 ª*りょう寿じゅぶつ*じんこうみょう最尊さいそん第一だいいちにして、 諸仏しょぶつこうみょうおよぶことあたはざるところなり。

仏告タマハク↢阿難↡、无量寿仏威神光明、最尊第一ニシテ、諸仏光明ナリ↠不↠能↠及コト

^このゆゑにりょう寿じゅぶつをば*りょう光仏こうぶつへん光仏こうぶつ無礙むげこうぶつたい光仏こうぶつ炎王えんのう光仏こうぶつ清浄しょうじょう光仏こうぶつかん光仏こうぶつ智慧ちえ光仏こうぶつだん光仏こうぶつなん光仏こうぶつしょう光仏こうぶつちょう日月にちがっ光仏こうぶつごうす。

无量寿仏↢无量光仏・无辺光仏・无光仏・无対光仏・炎王光仏・清浄光仏・歓喜光仏・智慧光仏・不断光仏・難思光仏・无称光仏・超日月光仏↡。

^それ*しゅじょうありて、 このひかりもうあふものは、 *さんしょうめつし、 しん*にゅうなんなり。 *かんやく善心ぜんしんしょうず。 もし*さんごんところにありて、 このこうみょうれば、 みなそくてまたのうなけん。 寿いのちへてののち、 みな*だつかぶる。

↢衆生↡、遇↢斯↡者、三垢消滅身意柔軟ナリ。歓喜踊躍善心生焉。若↢三塗懃苦之処↡、見レバ↢此光明↡、皆得↢休息↡無ケム↢復苦悩↡。寿終ヘテ之後、皆蒙↢解脱↡。

^りょう寿じゅぶつこうみょう*顕赫けんかくにして、 十方じっぽう諸仏しょぶつこく*しょう耀ようして*きこえざることなし。 ただわれいまそのこうみょうしょうするのみにあらず、 一切いっさい諸仏しょぶつ*しょうもん*縁覚えんがく・もろもろの*さつしゅ、 ことごとくともに*たんすること、 またまたかくのごとし。

无量寿仏光明顕赫ニシテカゞヤク 、照↢耀カゞヤク十方諸仏国土↡莫↠不コト↠聞焉。不↣但我今称ノミ↢其光明↡、一切諸仏・声聞・縁覚・諸菩薩衆、咸嘆誉コト、亦復如↠是

^もししゅじょうありて、 そのこうみょうじんどくきて、 にちしょうせつし、 こころいたしてえざれば、 こころ所願しょがんしたがひて、 そのくにしょうずることをて、 もろもろのさつしょうもん大衆だいしゅのために、 ともにそのどくたんしょうせられん。 それしかうしてのち*仏道ぶつどうときいたりて、 あまねく十方じっぽう諸仏しょぶつさつのために、 そのこうみょうたんぜられんこと、 またいまのごときならんº と。

↢衆生↡、聞↢其光明威神功徳↡、日夜称説、至↠心レバ↠断、随↢意所願↡、得↠生コト↢其↡、為↢諸菩薩・声聞大衆↡、所レム↤共嘆↢誉↣其功徳↡。至↧其後得↢仏道↡時↥、普↢十方諸仏・菩薩↡、嘆ラレムコト↢其光明↡、亦如キナラムト↠今也。

^ぶつののたまはく、 ªわれりょう寿じゅぶつこうみょうじん*巍々ぎぎしゅみょうなるをかんに、 ちゅう一劫いっこうすともなほいまだつくすことあたはじº と

、我説ムニ↢无量寿仏光明威神、巍巍殊妙ナルヲ↡、昼夜一劫ストモ尚未↠能↠尽コト

・第十三願

 ^ぶつなんかたりたまはく、 ªりょう寿じゅぶつは、 寿じゅみょうじょうにして*しょうすべからず。 なんぢむしろらんや。 たとひ十方じっぽうかいりょうしゅじょう、 みな人身にんじんて、 ことごとくしょうもん縁覚えんがくじょうじゅせしめて、 すべてともにしゅうして、 おもいをもつぱらにしこころひとつにして、 そのりきつくして、 ひゃくせん万劫まんごうにおいてことごとくともに推算すいさんして、 その寿じゅみょうじょうおんかずかぞへんに、 じんしてその限極げんごくることあたはじº」 と。

仏語タマハク↢阿難↡、无量寿仏、寿命長久ニシテ不↠可↢勝計↡。汝寧。仮使十方世界无量衆生、皆得↢人身↡、悉↣成↢就声聞・縁覚↡、都集会モハラニシ↠思ニシテ↠心↢其智力↡、於↢百千万劫↡悉推算カゾヘムニ↢其寿命長遠之数↡、不↠能↣窮尽コト↢其限極↡。」

一 Ⅱ ⅰ a 異訳
          (一)¬如来会¼(不可思議光の名を出す)

【5】 ^¬*りょう寿じゅ如来にょらい¼ (上) にのたまはく、

¬无量寿如来会¼言

^なん、 このをもつてのゆゑに、 りょう寿じゅぶつにまたみょうまします。 いはく、 *りょうこうへんこうじゃくこう無礙むげこうこうしょうおう端厳たんごんこうあいこうこうかんこう不可ふか思議しぎこうとうこう不可ふかしょうりょうこう*暎蔽えいへい日光にっこう暎蔽えいへい月光がっこう*掩奪あんだつ日月にちがっこうなり。 かのこうみょう清浄しょうじょう広大こうだいにして、 あまねくしゅじょうをして身心しんしん悦楽えつらくせしむ。 また一切いっさい*仏刹ぶっせつのうちの*てんりゅうしゃしゅとうみな歓悦かんえつしむ」 と。

「阿難、以↢是↡故无量寿仏復有↢異名↡。謂无量光・无辺光・无著光・无光・光照王・端厳光・愛光・喜光・可観光・不可思議光・无等・不可称量光・映蔽日光・映蔽月光・掩奪日月光ナリ。彼之光明清浄広大ニシテ、普↢衆生ヲシテ身心悦楽↡。復令ムト↣一切余仏刹天・竜・夜叉・阿修羅等皆得↢歓悦↡。」

一 Ⅱ ⅰ a ロ (二)¬平等覚経¼(無量光明土の名を出す)

【6】 ^¬*りょう清浄しょうじょうびょうどうがくきょう¼ (二) *帛延はくえんやく にのたまはく、

¬无量清浄平等覚経¼ 帛延

^速疾そくしつえて、 すなはち*安楽あんらくこくかいいたるべし。 *りょうこうみょういたりて、 しゅぶつようす」 と。

「速疾 便↠到安楽国之世界
↢无量光明土供↢養スト於无数↡」

一 Ⅱ ⅰ a ロ (三)¬大阿弥陀経¼(諸仏に超過するの義を説く)

【7】 ^¬*仏説ぶっせつ*諸仏しょぶつ弥陀みださん三仏さんぶつ薩楼さるぶつだん過度かど人道にんどうきょう¼ (上) *けんやく にのたまはく、

¬仏説諸仏阿弥陀三那三仏薩楼仏檀過度人道経¼ ケン

^ぶつののたまはく、 ª*弥陀みだぶつこうみょう最尊さいそん第一だいいちにしてならびなし。 諸仏しょぶつこうみょうみなおよばざるところなり。 八方はっぽうじょう*おうしゅ諸仏しょぶつのなかに、 ぶつ頂中ちょうちゅうこうみょうしちじょうらすあり。 ぶつ頂中ちょうちゅうこうみょういちらすあり。 ぶつ頂中ちょうちゅうこうみょうひゃくまん仏国ぶっこくらすありº と。

「仏、阿弥陀仏光明最尊第一ニシテナラビ。諸仏光明皆所↠不↠及也。八方上下无央数諸仏、有↣仏頂中光明照↢七↡。有↣仏頂中光明照↢一里↡。 ↣仏頂中光明照↢二百万仏国↡。

^ぶつののたまはく、 ªもろもろの八方はっぽうじょうおうしゅぶつ頂中ちょうちゅうこうみょうえんしょうするところ、 みなかくのごとくなり。 弥陀みだぶつ頂中ちょうちゅうこうみょうえんしょうするところ、 千万せんまん仏国ぶっこくなり。 諸仏しょぶつこうみょうらすところに近遠ごんおんあるゆゑはいかんとなれば、 もとそれ*ぜん宿命しゅくみょうに、 *どうもとめてさつたりしとき所願しょがんどくおのおのおのづからだいしょうあり。 それしかうしてのちぶつになるときいたりて、 おのおのみづからこれをたり。

、諸八方上下无央数頂中光明所↢炎照↡、皆如↠是也。阿弥陀仏頂中光明所↢炎照↡、千万仏国ナリ所↣以 ユヘ 諸仏光明↠照↢近遠↡ントナラバ本其前世宿命↠道リシ↢菩薩↡所願功徳各↢大小↡。至↢其後作↠仏↡、各↠之

^このゆゑにこうみょううたた同等どうとうならざらしむ。 諸仏しょぶつじん同等どうとうなるならくのみと。 *ざいこころ所欲しょよく作為さいしてあらかじめはからず。 弥陀みだぶつこうみょうらすところ最大さいだいなり。 諸仏しょぶつこうみょうみなおよぶことあたはざるところなりº と。

↣光明転↢同等ナラ↡。諸仏威神同等ナル。自在所欲、作為不↢予↡。阿弥陀仏光明所↠照最大ナリ。諸仏光明皆所↠不↠能↠及コト

^ぶつ弥陀みだぶつこうみょう極善ごくぜんなることを*しょうしたまふ。 ª弥陀みだぶつこうみょう極善ごくぜんにして、 ぜんのなかのみょうこうなり。 それこころよきことならびなし、 *絶殊ぜっしゅごくなり。 弥陀みだぶつこうみょうしょうけつにして*瑕穢かえなく欠減けつげんなきなり。 弥陀みだぶつこうみょう殊好しゅこうなること、 日月にちがつみょうよりもすぐれたることひゃくせんおくまんばいなり。 諸仏しょぶつこうみょうのなかのごくみょうなり、 こうみょうのなかの極好ごくこうなり、 こうみょうのなかのごく雄傑おうけつなり、 こうみょうのなかのぜんなり、 諸仏しょぶつのなかのおうなり、 こうみょうのなかの極尊ごくそんなり、 こうみょうのなかのさいみょうごくなり。

仏称↢誉タマフ阿弥陀仏光明極善ナルコトヲ↡。阿弥陀仏光明極善ニシテ、善明好ナリ。其キコトナラビ、絶殊无極也。阿弥陀仏光明清潔ニシテ↢瑕穢↡无↢欠咸↡也。阿弥陀仏光明殊好ナルコト、勝タルコトリモ↢日月之明↡百千億万倍ナリ。諸仏光明中之極明也、光明中之極好也、光明中之極雄傑也、光明中之快善也、諸仏中之王也、光明中之極尊也、光明中之最明无極也。

^もろもろのしゅてん*ゆうみょうところえんしょうするに、 みなつねにだいみょうなり。 しょ人民にんみん*けん*蠕動ねんどうたぐい弥陀みだぶつこうみょうざることなきなり。 たてまつるもの、 しんかんせざるものなけん。

炎↢照ルニ无数天下幽冥之処↡、皆常大明ナリ。諸有人民、蜎飛蠕動之類、莫↠不コト↠見↢阿弥陀仏光明↡也。見マツルケム↧不↢慈心歓喜↡者↥。

^けんしょ*いんいつ*しん愚痴ぐちのもの、 弥陀みだぶつこうみょうたてまつりて、 ぜんをなさざるはなきなり。 もろもろの*ない*きんしゅ*辟茘へきれい*こうりょうごんところにありて、 弥陀みだぶつこうみょうたてまつれば、 いたりてみな休止くしして、 またすることをざれども、 してのち憂苦うくだつすることをざるものはなきなり。

世間諸有婬泆・瞋怒・愚痴者、見マツリテ↢阿弥陀仏光明↡、莫↠不ルハ↠作↠善也。諸↢泥梨・狩・辟茘、考掠勤苦之処↡、見マツレバ↢阿弥陀仏光明↡、至皆休止ドモ↠得↢復治コトヲ↡、死後莫↧不↠得↣解↢脱コトヲ憂苦↡者↥也。

^弥陀みだぶつこうみょうみなとは、 八方はっぽうじょうぐうごくおうしゅ諸仏しょぶつくにかしめたまふ。 諸天しょてん人民にんみんもんせざることなし。 もんせんもの、 *だつせざるはなきなりº と。

阿弥陀仏光明ミナトハ、聞シメタマフ↢八方上下无窮无極无央数諸仏↡。諸天・人民莫↠不↢聞知↡。聞知者、莫↠不ルハ↢度脱↡也

^ぶつののたまはく、 ªひとりわれ、 弥陀みだぶつこうみょうしょうするのみにあらざるなり。 八方はっぽうじょうおうしゅぶつ*びゃくぶつさつ*阿羅あらかんしょうするところみなかくのごとしº と。

、不↣独我称↢誉阿弥陀仏光明↡也。八方上下无央数仏・辟支仏・菩薩・阿羅漢、所↢称誉↡皆如↠是

^ぶつののたまはく、 ªそれ人民にんみん善男ぜんなんぜん女人にょにんありて弥陀みだぶつみなきて、 こうみょうしょうして、 ちょうにつねにその*光好こうごうしょうして、 こころいたして断絶だんぜつせざれば、 こころ所願しょがんにありて、 弥陀みだ仏国ぶっこくおうじょうº」 と。

、其↢人民、善男子・善女人↡聞↢阿弥陀仏ミナ↡、称↢誉光明↡、朝暮称↢誉光好↡、至↠心レバ↢断絶↡、在↢心所願↡、往↢生スト阿弥陀仏国↡。」

一 Ⅱ ⅰ 末経
        ¬不空羂索神変真言行¼(報土の義を顕す)

【8】 ^¬*くうけんじゃく神変じんぺん真言しんごんぎょう¼ にのたまはく、

¬不空羂索神変真言経¼言

^「なんぢ*とうしょうところは、 これ弥陀みだぶつ清浄しょうじょう*ほうなり。 *れんより*しょうして、 つねに諸仏しょぶつたてまつる。 もろもろの*法忍ほうにんしょうせん。 寿じゅみょうりょうひゃくせん劫数こうしゅならん。 ただちに*のく多羅たらさんみゃくさんだいいたる、 また退転たいてんせず。 われつねに*ゆうす」 と。

「汝当生、是阿弥陀仏清浄報土ナリ。蓮華ヨリ化生、常マツル↢諸仏↡。証↢諸法忍↡。寿命无量百千劫数ナラム。直↢阿耨多羅三藐三菩提↡、不↢復退転↡。我常祐護スト。」

一 Ⅱ ⅰ b ¬涅槃経¼(真報土は即ち涅槃界なることを顕し往生する者は悉く性を見ることを示す)
          (一)「四相品」

【9】 ^¬*はんぎょう¼ (*四相品) にのたまはく、

¬涅槃経¼言

^「ªまただつづけて*虚無こむといふ。 虚無こむはすなはちこれだつなり、 だつはすなはちこれ*如来にょらいなり、 如来にょらいはすなはちこれ虚無こむなり、 *非作ひさしょなり。

「又解脱者名↢虚无↡。虚无是解脱ナリ、解脱是如来ナリ、如来是虚无ナリ非作所作ナリ

^*しんだつ*しょうめつなり、 このゆゑにだつはすなはちこれ如来にょらいなり。 如来にょらいまたしかなり。 しょうめつろう不死ふし不破ふは不壊ふえにして*有為ういほうにあらず。 このをもつてのゆゑに、 づけて如来にょらいにゅうだいはんといふ。

真解脱者不生不滅ナリ、是解脱是如来ナリ。如来亦爾ナリ。不生不滅、不老不死、不破不壊ニシテ、非↢有為↡。以↢是↡故↢如来入大涅槃↡。

^まただつ*じょうじょうづく じょうじょうはすなはちしんだつなり、 しんだつはすなはちこれ如来にょらいなり。

又解脱者名↢无上上↡。 无上上者即真解脱ナリ、真解脱者即是如来ナリ

^もしのく多羅たらさんみゃくさんだいじょうずることををはりて、 *あい無疑むぎなり。 あい無疑むぎはすなはちしんだつなりしんだつはすなはちこれ如来にょらいなり。

得↠成コトヲ↢於阿耨多羅三藐三菩提↡已、无愛无疑ナリ。无愛无疑真解脱ナリ、真解脱者即是如来ナリ

^如来にょらいはすなはちこれ*はんなり、 はんはすなはちこじんなり、 じんはすなはちこれ*ぶっしょうなり、 ぶっしょうはすなはちこれ*けつじょうなり、 けつじょうはすなはちこれのく多羅たらさんみゃくさんだいなりº と。

如来者即是涅槃ナリ、涅槃者即是无尽ナリ、无尽者即是仏性ナリ、仏性者即是決定ナリ、決定者即是阿耨多羅三藐三菩提ナリト

 ^*しょうさつぶつにまうしてまうさく、 ª*そん、 もしはんぶっしょうけつじょう如来にょらいと、 これ*いちみょうならば、 いかんぞきて*さん帰依きえありとのたまへるやº と。

迦葉菩薩白↠仏サク、世尊、若涅槃仏性決定如来、是一義名ナラバ、云何ルヤト↠有リト↢三帰依↡。

^ぶつしょうげたまはく、 ª善男ぜんなん一切いっさいしゅじょう*しょう*怖畏ふいするがゆゑにさんもとむ。 さんをもつてのゆゑに、 すなはちぶっしょうけつじょうはんとをるなり。 善男ぜんなんほう*みょういちなるあり、 ほう*みょう倶異ぐいなるあり。

仏告タマハク迦葉↡、善男子、一切衆生怖↢畏ルガ生死↡故↢三帰↡。以↢三帰↡故ナリ↢仏性決定涅槃トヲ↡。善男子、有↢法名一義異ナル↡、有↢法名義倶異ナル↡。

^みょういちとは、 *ぶつじょう*ほうじょう*比丘びくそうじょうなり。 はん*くうみなまたこれじょうなり。 これをみょういちづく。

名一義異者、仏常法常比丘僧トハナリ。涅槃・虚空皆亦是常ナリ。是↢名一義異↡。

^みょう倶異ぐいとは、 ぶつづけて*かくとす、 ほう*かくづく、 そうごうづく、 はんだつづく、 くう*ぜんづく、 また無礙むげづく。 これをみょう倶異ぐいとす。 善男ぜんなんさん帰依きえとはまたまたかくのごとしº」 と。

名義倶異者、仏為↠覚、法↢不覚↡、僧↢和合↡、涅槃↢解脱↡、虚空↢非善↡、亦名↢无↡。是為↢名義倶異↡。善男子、三帰依者亦復如シト↠是。」

一 Ⅱ ⅰ b ロ (二)「四依品」

【10】^またのたまはく (涅槃経・*四依品)

又言

^こうみょう*羸劣るいれつづく。 羸劣るいれつとはづけて如来にょらいといふ。 またこうみょうづけて智慧ちえとす」 と。

「光明者名↢不羸劣↡。不羸劣者名↢如来↡。又光明者名↢智慧↡。」

一 Ⅱ ⅰ b ロ (三)「聖行品」

【11】^またのたまはく (涅槃経・*聖行品)

又言

^善男ぜんなん一切いっさい有為ういはみなこれ*じょうなり。 くう*無為むいなり、 このゆゑにじょうとす。 ぶっしょう無為むいなり、 このゆゑにじょうとす。 くうはすなはちこれぶっしょうなり、 ぶっしょうはすなはちこれ如来にょらいなり、 如来にょらいはすなはちこれ無為むいなり、 無為むいはすなはちこれじょうなり、 じょうはすなはちこれほうなり、 ほうはすなはちこれそうなり、 そうはすなはち無為むいなり、 無為むいはすなはちこれじょうなり」 と。

「善男子、一切有為皆是无常ナリ。虚空无為ナリ、是為↠常。仏性无為ナリ、是為↠常。虚空者即是仏性ナリ、仏性者即是如来ナリ、如来者即是无為ナリ、无為者即是常ナリ、常者即是法ナリ、法者即是僧ナリ、僧无為ナリ、无為者即是常ナリ

 ^善男ぜんなんたとへばうしより*にゅういだす、 にゅうより*らくいだす、 らくより*しょういだす、 しょうより*じゅくいだす、 じゅくより*だいいだす。 *だいさいじょうなり。 もしぶくすることあるものは、 しゅびょうみなのぞこる。 しょのもろもろのくすり、 ことごとくそのなかにるがごとし。

善男子、譬↧従↠牛出↠乳、従↠乳出↠酪、従↠酪出↢生蘇↡、従↢生蘇↡出↢熟蘇↡、従↢熟蘇↡出↢醍醐醍醐最上ナリ↠服コト、衆病皆除コル所有薬、悉ルガ↦其↥。

^善男ぜんなんぶつもまたかくのごとし。 ぶつより*じゅうきょういだす、 じゅうきょうより*しゅ多羅たらいだす、 しゅ多羅たらより*ほうどうきょういだす、 方等ほうどうきょうより般若はんにゃ波羅はらみついだす、 般若はんにゃ波羅はらみつよりだいはんいだす。 なほしだいのごとし。 だいといふはぶっしょうたとふ、 ぶっしょうはすなはちこれ如来にょらいなり。 善男ぜんなん、 かくのごときののゆゑに、 きて ª如来にょらいしょどくりょうへん*しょうº とのたまへり」 と。

善男子、仏亦如↠是。従↠仏出↢十二部経↡、従↢十二部経↡出↢修多羅↡、従↢修多羅↡出↢方等経↡、従↢方等経↡出↢般若波羅蜜↡、従↢般若波羅蜜↡出↢大涅槃↡。猶↢醍醐↡。言↢醍醐↢於仏性↡、仏性者即是如来ナリ。善男子、如キノ↠是リト↢如来所有功徳、无量无辺不可称計↡。」

一 Ⅱ ⅰ b ロ (四)「梵行品」

【12】^またのたまはく (涅槃経・*梵行品)

又言

^善男ぜんなんどうしゅあり。 ひとつにはじょうふたつにはじょうなり。 *だいそうにまたしゅあり。 ひとつにはじょうふたつにはじょうなり。 はんもまたしかなり。 *どうどうづけてじょうとす、 *内道ないどうどうはこれをづけてじょうとす。 しょうもん縁覚えんがくしょだいづけてじょうとす、 さつ諸仏しょぶつしょだい、 これをづけてじょうとす。 だつづけてじょうとす、 ないだつはこれをづけてじょうとすと。

「善男子、道↢二種↡。一者常、二者无常ナリ。菩薩之相亦有↢二種↡。一者常、二者无常ナリ。涅槃亦爾ナリ。外道為↢无常↡、内道道者名↠之為↠常。声聞・縁覚所有菩提為↢无常↡、菩薩・諸仏所有菩提、名↠之為↠常。外解脱者名為↢无常↡、内解脱者名↠之↠常

^善男ぜんなんどうだいおよびはんと、 ことごとくづけてじょうとす。 一切いっさいしゅじょうは、 つねにりょう*煩悩ぼんのうのためにおおはれて*げんなきがゆゑに、 ることをることあたはず。 しかしてもろもろのしゅじょうんとおもふがために*かいじょうしゅす。 しゅぎょうをもつてのゆゑに、 どうだいとおよびはんとをる。 これを*さつ得道とくどうだいはんづく。 どう*しょうそうじつしょうめつなり。 このをもつてのゆゑにそくすべからず。

善男子、道↢菩提及以涅槃↡、悉為↠常。一切衆生、常↢无量煩悩↡所↠覆キガ↢慧眼↡故不↠能↠得コト↠見コトシテ、諸衆生、為↠欲フガ↠見ムト↢戒・定・慧↢修行↡故↢道菩提及以涅槃トヲ↡。是↢菩薩得道菩提涅槃↡。道之性相、実不生滅ナリ。以↢是↡故不↠可トウトル↡。

^*どう*色像しきぞうなしといへどもつべし、 *称量しょうりょうしてんぬべし、 しかるにじつ*ゆうありと。 しゅじょうしんのごときは、 これしきにあらず、 ちょうにあらずたんにあらず、 にあらずさいにあらず、 ばくにあらずにあらず、 けんにあらずといへども、 ほうとしてまたこれなり」 と。

道者雖↠无シト↢色像↡可↠見、称量↠知、而リト↠用。 キハ↢衆生↡、雖↧非↢是色↡、非↠長↠短、非↠麁↠細、非↠縛↠解、非ズト↞見、法トシテ亦是有ナリト。」

一 Ⅱ ⅰ b ロ (五)「徳王品」三文

【13】^またのたまはく (涅槃経・*徳王品)

又言

^善男ぜんなん*大楽だいらくあるがゆゑにだいはんづく。 はん*らくなり。 *らくをもつてのゆゑにだいはんづく。 なんらをかつとする。

「善男子、有ルガ↢大楽↡故↢大涅槃↡。涅槃无楽ナリ。以↢四楽↡故↢大涅槃↡。何等ヲカ↠四

^ひとつには*諸楽しょらくだんずるがゆゑに。 らくだんぜざるは、 すなはちづけてとす。 もしあらば大楽だいらくづけず。 らくだんずるをもつてのゆゑに、 すなはちあることなけん。 無苦むくらくをいまし大楽だいらくづく。 はんしょう無苦むくらくなり。 このゆゑにはんづけて大楽だいらくとす。 このをもつてのゆゑに、 だいはんづく。

者断ルガ↢諸楽↡故。不↠断↠楽為↠苦。若↠苦不↠名↢大楽↡。以↠断ルヲ↠楽ケム↠有コト↠苦。无苦无楽↢大楽↡。涅槃之性无苦无楽ナリ。是涅槃為↢大楽↡。以↢是↡故↢大涅槃↡。

^またつぎ善男ぜんなんらくしゅあり、 ひとつにはぼんふたつには諸仏しょぶつなり。 ぼんらく*じょうはいなり、 このゆゑにらくなり。 諸仏しょぶつじょうらくなり、 *変易へんやくあることなきがゆゑに大楽だいらくづく。

復次善男子、楽↢二種↡、一者凡夫、二者諸仏ナリ。凡夫之楽无常敗壊ナリ、是无楽ナリ。諸仏常楽ナリ、无キガ↠有コト↢変易↡故↢大楽↡。

^またつぎ善男ぜんなん三種さんしゅ*じゅあり。 ひとつにはじゅふたつには楽受らくじゅつには不苦ふくらくじゅなり。 不苦ふくらくこれまたとす。 はん不苦ふくらくおなじといへども、 しかるに大楽だいらくづく。 大楽だいらくをもつてのゆゑにだいはんづく。

復次善男子、有↢三種受↡。一者苦受、二者楽受、三者不苦不楽受ナリ。不苦不楽是亦為↠苦。涅槃↠同ジト↢不苦不楽↡、然↢大楽↡。以↢大楽↡故↢大涅槃↡。

^ふたつには*だい寂静じゃくじょうのゆゑにづけて大楽だいらくとす。 はんしょうこれだい寂静じゃくじょうなり。 なにをもつてのゆゑに、 一切いっさい*かいにょうほうおんせるゆゑに。 だいじゃくをもつてのゆゑにだいはんづく。

者大寂静為↢大楽↡。涅槃之性是大寂静ナリ。何。遠↢離一切憒鬧↡故。以↢大寂↡故↢大涅槃↡。

^つには*一切いっさいのゆゑにづけて大楽だいらくとす。 一切いっさいにあらざるをば大楽だいらくづけず。 諸仏しょぶつ如来にょらいは、 一切いっさいのゆゑにづけて大楽だいらくとす。 大楽だいらくをもつてのゆゑにだいはんづく。

者一切智為↢大楽↡。非ルヲバ↢一切智↡不↠名↢大楽↡。諸仏如来、一切智為↢大楽↡。以↢大楽↡故↢大涅槃↡。

^つにはしん不壊ふえのゆゑにづけて大楽だいらくとす。 しんもしすべきは、 すなはちらくづけず。 如来にょらいしん金剛こんごうにしてなし。 煩悩ぼんのうしんじょうしんにあらざるがゆゑに大楽だいらくづく。 大楽だいらくをもつてのゆゑにだいはんづく」 と。

者身不壊為↢大楽↡。身若キハ↠壊不↠名↠楽。如来之身金剛ニシテ↠壊。非↢煩悩身、无常之身↡故↢大楽↡。以↢大楽↡故↢大涅槃↡。」

【14】^またのたまはく (涅槃経・徳王品)

又言

^不可ふか称量しょうりょう不可ふか思議しぎなるがゆゑに、 づけて*大般だいはつはんとすることを純浄じゅんじょうをもつてのゆゑにだいはんづく。 いかんが純浄じゅんじょうなる。 じょうしゅあり。 なんらをかつとする。

「不可称量不可思議ナルガ得↣名コトヲ↢大般涅槃↡。以↢純浄↡故↢大涅槃↡。云何純浄ナル。浄↢四種↡。何等ヲカ↠四

^ひとつには*じゅうづけてじょうとす。 よくながだんずるがゆゑに、 づけてじょうとすることをじょうはすなはちはんなり。 *かくのごときのはん、 またにしてこれはんづくることをじつにこれにあらず。 諸仏しょぶつ如来にょらいぞくしたがふがゆゑにはんなりときたまへり。

者二十五有為↢不浄↡。能ルガ得↢名コトヲ↟浄。浄涅槃ナリ。如キノ↠是涅槃、亦得↠名コトヲ↢有シテ是涅槃↡。実↢是有↡。諸仏如来、随フガ↢世俗↡故タマヘリ↢涅槃有ナリト↡。

^たとへばにんの、 ちちにあらざるをちちといひ、 ははにあらざるをははといふ、 じつ父母ぶもにあらずして父母ぶもといふがごとし。 はんもまたしかなり。 ぞくしたがふがゆゑに、 *きて諸仏しょぶつにしてだいはんなりとのたまへり。

↧世人ルヲ↠父↠父、非ルヲ↠母↠母、実↢父母シテフガ↦父母↥。涅槃亦爾ナリ。随フガ↢世俗↡故↢諸仏有ニシテ大涅槃ナリト↡。

^ふたつには*ごう清浄しょうじょうのゆゑに。 一切いっさいぼんごうは、 清浄しょうじょうのゆゑにはんなし。 諸仏しょぶつ如来にょらいごう清浄しょうじょうのゆゑに、 ゆゑにだいじょうづく。 だいじょうをもつてのゆゑにだいはんづく。

者業清浄。一切凡夫、不清浄↢涅槃↡。諸仏如来業清浄、故↢大浄↡。以↢大浄↡故↢大涅槃↡。

^つにはしん清浄しょうじょうのゆゑに。 しんもしじょうなるをすなはちじょうづく。 如来にょらいしんじょうなるがゆゑにだいじょうづく。 だいじょうをもつてのゆゑにだいはんづく。

者身清浄。身若无常ナルヲ↢不浄↡。如来ナルガ↢大浄↡。以↢大浄↡故↢大涅槃↡。

^つにはしん清浄しょうじょうのゆゑに。 心もし有漏うろなるをづけてじょうといふ。 仏心ぶっしん無漏むろなるがゆゑにだいじょうづく。 だいじょうをもつてのゆゑにだいはんづく。 善男ぜんなん*これを善男ぜんなんぜん女人にょにんづく」 と。

者心清浄。心若有漏ナルヲ↢不浄↡。仏心无漏ナルガ↢大浄↡。以↢大浄↡故↢大涅槃↡。善男子、是クト↢善男子・善女人↡。」

【15】^またのたまはく (涅槃経・徳王品)

又言

^善男ぜんなん諸仏しょぶつ如来にょらい煩悩ぼんのうおこらず、 これをはんづく。 しょ智慧ちえほうにおいて無礙むげなり、 これを如来にょらいとす。 *如来にょらいはこれ*ぼん*しょうもん*縁覚えんがく*さつにあらず、 これを*ぶっしょうづく。 如来にょらい身心しんしん智慧ちえりょうへんそう遍満へんまんしたまふに、 しょうするところなし、 これを*くうづく。 如来にょらい常住じょうじゅうにして*変易へんやくあることなければ、 づけて*実相じっそうといふ。 このをもつてのゆゑに、 如来にょらいじつ*ひっきょうはんにあらざる、 *これをさつづく」 と。

「善男子、諸仏如来煩悩不↠起、是↢涅槃↡。所有智慧於↠法无ナリ、是為↢如来↡。如来↢是凡夫・声聞・縁覚・菩薩↡、是↢仏性↡。如来身心智慧、徧↢満タマフニ无量无辺阿僧祇↡、无↠所↢障↡、是↢虚空↡。如来常住ニシテレバ↠有コト↢変易↡、名↢実相↡。以↢是↡故如来↢畢竟涅槃↡、是クト↢菩薩↡。」

一 Ⅱ ⅰ b ロ (六)「迦葉品」二文

【16】^またのたまはく (涅槃経・*迦葉品)

又言

^しょうさつまうさく、 ªそんぶっしょうじょうなり、 なほくうのごとし、 なんがゆゑぞ如来にょらいきてらいとのたまふやと。 如来にょらい、 もし*一闡いっせんだいともがら*善法ぜんぼうなしとのたまはば、 一闡いっせんだいともがらそれ同学どうがくどう父母ぶも親族しんぞくさいにおいて、 あにまさに*愛念あいねんしんしょうぜざるべきや。 もしそれしょうぜば、 これぜんにあらずやº と。

「迦葉菩薩言、世尊、仏性者常ナリ、猶如↢虚空↡、何如来説フヤト↢未来↡。如来若↣一闡提輩无シト↢善法↡、一闡提輩、於↢其同学・同師・父母・親族・妻子↡、豈↠不↠生↢愛念モシ、非↢是善

^ぶつののたまはく、 ªいかないかな、 善男ぜんなんこころよくこのといほっせり。 ぶっしょうはなほくうのごとし、 過去かこにあらず、 らいにあらず、 現在げんざいにあらず。 一切いっさいしゅじょう三種さんしゅしんあり、 いはゆる過去かこらい現在げんざいなり。 しゅじょうらいしょうごん清浄しょうじょうしんそくして、 ぶっしょうることをん。 このゆゑにわれぶっしょうらいといへり。

、善哉善哉、善男子、快↢斯↡。仏性者猶如↢虚空↡、非↢過去↡、非↢未来↡、非↢現在↡。一切衆生↢三種身↡、所↠謂過去・未来・現在ナリ。衆生、未来具↢足荘厳清浄之身↠見コトヲ↢仏性↡。是我言↢仏性未来↡。

^善男ぜんなん、 あるいはしゅじょうのために、 あるときいんきてとす、 あるとききていんとす。 このゆゑにきょうのなかに*みょうきてじきとす、 *しきそくづく。 らいしんじょうなるがゆゑにぶっしょうくº と。

善男子、或↢衆生↡、或時↠因為↠果、或時↠果為↠因。是↠命為↠食、見↠色↠触。未来身浄ナルガ↢仏性↡。

^ªそんぶつ所説しょせつのごとし。 かくのごときのもの、 なんがゆゑぞきて*一切いっさいしゅじょうしつぶっしょうとのたまへるやº と。

世尊、如↢仏所説↡。如キノ↠是者、何ルヤト↢一切衆生悉有仏性↡。

^ª善男ぜんなんしゅじょうぶっしょう現在げんざいなりといへども、 といふべからず。 くうのごとし。 しょうなりといへども、 現在げんざいといふことをず。 一切いっさいしゅじょうまたじょうなりといへども、 しかもこれぶっしょう常住じょうじゅうにしてへんなし。

善男子、衆生仏性↢現在ナリト↡、不↠可↠言↠无。如↢虚空↡。性↠无ナリト、現在不↠得↠言コトヲ↠无。一切衆生雖↢復无常ナリト↡、而是仏性常住ニシテ↠変。

^このゆゑにわれこのきょうのなかにおいて、 «*しゅじょうぶっしょうない非外ひげにして、 なほくうのごとし» とく。 ない非外ひげにして、 それくうのごとくしてなり。 ないくうなれども、 づけていちとし、 じょうとせず。 また一切いっさいしょといふことをず。 くうはまたない非外ひげなりといへども、 しかれどももろもろのしゅじょうことごとくみなこれあり。 しゅじょうぶっしょうもまたまたかくのごとし。

我於↢此↡、説タマフ↣衆生仏性非内非外ニシテ、猶如シト↢虚空↡。非内非外ニシテ、如クシテ↢其虚空↡有ナリ。内外者虚空ナレドモ、不↢名為↠一為↟常。亦不↠得↠言コトヲ↢一切処有↡。虚空↢復非内非外ナリト↡、而ドモ衆生悉皆有↠之。衆生仏性亦復如↠是

^なんぢいふところの一闡いっせんだいともがらのごとし、 もし*身業しんごう*ごう*ごう*取業しゅごう*ごう*ごう*ごう、 かくのごときらのごうあれども、 ことごとくこれ邪業じゃごうなり。 なにをもつてのゆゑに、 *いんもとめざるがゆゑなり。 善男ぜんなん*訶梨かりろくこんきょうようじつ、 ことごとくにがきがごとし。 一闡いっせんだいごうもまたまたかくのごとしº」 と。

↢汝所↠言一闡提↡、若ドモ↢身業・口業・意業・取業・求業・後業・解業、如↠是業↡、悉是邪業ナリ。何。不ルガ↠求↢因果↡故ナリ。善男子、如↢訶梨勒果、根・茎・枝・葉・華・実悉ニガキ↡。一闡提亦復如↠是。」

【17】^またのたまはく (涅槃経・迦葉品)

又言

^「ª善男ぜんなん如来にょらい*諸根しょこんりきそくしたまへり。 このゆゑによくしゅじょうじょうちゅうこんさと分別ふんべつして、 よくこのひとろしめしててんじてちゅうとなす、 よくこのひとろしめしてちゅうてんじてじょうとなす、 よくこのひとろしめしてじょうてんじてちゅうとなす、 よくこのひとろしめしてちゅうてんじてとなす。

「善男子、如来具↢足タマヘリ知諸根力↡。是↢分↣別衆生上・中・下↡、能シテ↢是↡転↠下↠中、能シテ↢是↡転↠中↠上、能シテ↢是↡転↠上↠中、能シテ↢是↡転↠中↠下

^このゆゑにまさにるべし、 しゅじょう*こんじょうけつじょうあることなし。 じょうなきをもつてのゆゑに、 あるいは善根ぜんごんだんず、 だんじをはりてかえりてしょうず。 もしもろもろのしゅじょうこんじょうじょうならば、 つひにさきだんじて、 だんじをはりてまたしょうぜざらん。 また一闡いっせんだいともがらごくして寿じゅみょう一劫いっこうなりとくべからず。 善男ぜんなん、 このゆゑに如来にょらい一切いっさいほう*じょうそうあることなしときたまへりº と。

↠知衆生根性↠有コト↢決定↡。以↠无キヲ↠定故↢善根↡、断。若衆生根性定ナラ、終ラム↢先復生↡。亦不↠応↠説↧一闡提輩、↢於地獄↡寿命一劫ナリト↥。善男子、是如来説タマヘリ↢一切シト↟有コト↢定相↡。

^しょうさつぶつにまうしてまうさく、 ªそん如来にょらい諸根しょこんりきそくして、 さだめて*ぜんしょうまさに善根ぜんごんだんずべしとろしめさん。 なんの因縁いんねんをもつてそのしゅっゆるしたまふº と。

迦葉菩薩白↠仏、世尊、如来具↢足知諸根力↡、定サム↢善星当シト↠断↢善根↡。以↢何因縁↡聴シタマフト↢其出家↡。

^ぶつののたまはく、 ª善男ぜんなん、 われおうじゃくそのかみにおいてしゅっとき、 わがおとうと*なん従弟いとこ*なん*だいだっ*睺羅ごら、 かくのごときらのともがら、 みなことごとくわれにしたがひていえどうしゅしき。 われもしぜんしょうしゅっゆるさずは、 そのひとつぎにまさにおうぐことをべし。 そのちからざいにして、 まさに仏法ぶっぽうすべし。 この因縁いんねんをもつて、 われすなはちそのしゅっ修道しゅどうゆるす。

、善男子、我於↢往昔ソノカミ↡出家時、吾弟難陀、従弟阿難・提婆達多、子羅睺羅、如↠是輩、皆悉↠我↠家↠道。我若↠聴↢善星出家↡、其人次↠得↠紹コトヲ↢王位↡。其力自在ニシテ、当↠壊↢仏法↡。以↢是因縁↡、我便↢其コトヲ↡。

^善男ぜんなんぜんしょう比丘びくもししゅっせずは、 また善根ぜんごんだんぜん。 りょうにおいてすべてやくなけん。 いましゅっしをはりて善根ぜんごんだんずといへども、 よく*かいじゅして*きゅう長宿ちょうしゅくとくひとよう*ぎょうせん、 初禅しょぜんないぜんしゅじゅうせん。 これを善因ぜんいんづく。 かくのごときの善因ぜんいん、 よく善法ぜんぽうむ。 善法ぜんぽうすでにしょうぜば、 よくどうしゅじゅうせん。 すでにどうしゅじゅうせば、 まさにのく多羅たらさんみゃくさんだいべし。 このゆゑにわれぜんしょうしゅっゆるせり。

善男子、善星比丘若↢出家↡、亦断↢善根↡。於↢无量世↡都ケム↢利益↡。今出家↠断ズト↢善根↡、能受↢持↡供↢養恭↣敬耆旧・長宿・有徳之人↡、修↢習初禅乃至四禅↡。是↢善因↡。如キノ↠是善因、能↢善法↡。善法既、能修↢習↡。既修↢習↡、当↠得↢阿耨多羅三藐三菩提↡。是我聴↢善星出家↡。

^善男ぜんなん、 もしわれぜんしょう比丘びくしゅっゆるかいけしめずは、 すなはちわれをしょうして如来にょらいそく*じゅうりきとすることをざらんと。 善男ぜんなん如来にょらいよくしゅじょうのかくのごときじょうちゅうこんろしめす。 このゆゑにぶつ根力こんりきしょうせしむº と。

善男子、若我不↧聴↢善星比丘出家↡受シメ↞戒、則ラムト↠得↣称↠我コトヲ↢如来具足十力↡。 善男子、如来善メス↢衆生上・中・下↡。是↢仏具知根力↡。

^しょうさつぶつにまうしてまうさく、 ªそん如来にょらいはこの根力こんりきそくしたまへり。 このゆゑによく一切いっさいしゅじょうじょうちゅうこんどん差別しゃべつろしめして、 *人にしたがひ、 こころしたがひ、 ときしたがふがゆゑに、 如来にょらい諸根しょこんりきづけたてまつると。 あるいはきてぼん*じゅうきん*ぎゃくざい*一闡いっせんだいとう、 みなぶっしょうありといふことありº と。

迦葉菩薩白↠仏、世尊、如来具↢足タマヘリ知根力↡。是シテ↢一切衆生上・中・下根、利鈍差別↡、随↠人↠意フガ↠時マツル↢如来知諸根力↡。 リト↤説コト↣犯四重禁、作五逆罪、一闡提等、皆有リト↢仏性↡。

 ^ª如来にょらいそんこくのためのゆゑに、 せつのためのゆゑに、 *他語たごのためのゆゑに、 ひとのためのゆゑに、 *衆根しゅこんのためのゆゑに、 一法いっぽうのなかにおいてしゅせつをなす。 いちみょうほうにおいてりょうく、 いちのなかにおいてりょうく、 りょうにおいてりょうく。

如来世尊、為↢国土↡故、為↢時節↡故、為↢他語↡故、為↠人、為↢衆根↡故、於↢一法↡作↢二種↡。於↢一名↡説↢无量↡、於↢一義↡説↢无量↡、於↢无量↡説↢无量↡。

^いかんがいちみょうりょうくや。 なほしはんのごとし。

云何一名クヤ↢无量↡。猶↢涅槃↡。

^また*はんづく、 また*しょうづく、 また*しゅつづく、 また*無作むさづく、 また*無為むいづく、 また*帰依きえづく、 また*窟宅くったくづく、 また*だつづく、 また*こうみょうづく、 またとうみょうづく、 また*がんづく、 また*無畏むいづく、 また*退たいづく、 また安処あんしょづく、 また*寂静じゃくじょうづく、 また*そうづく、 また無二むにづく、 また*いちぎょうづく、 また清涼しょうりょうづく、 またあんづく、 また無礙むげづく、 またじょうづく、 またじょくづく、 また広大こうだいづく、 また*かんづく、 また*きっしょうづく。 これをいちみょうりょうつくるとづく。

亦名↢涅槃↡、亦名↢无生↡、亦名↢无出↡、亦名↢无作↡、亦名↢无為↡、亦名↢帰依↡、亦名↢窟宅↡、亦名↢解脱↡、亦名↢光明↡、亦名↢灯明↡、亦名↢彼岸↡、亦名↢无畏↡、亦名↢无退↡、亦名↢安処↡、亦名↢寂静↡、亦名↢无相↡、亦名↢无二↡、亦名↢一行↡、亦名↢清涼↡、亦名↢无闇↡、亦名↢无↡、亦名↢无静↡、亦名↢无濁↡、亦名↢広大↡、亦名↢甘露↡、亦名↢吉祥↡。↣一名ルト↢无量↡。

^いかんがいちりょうくや。 なほし*たいしゃくのごとし。

云何一義クヤ↢无量↡。猶↢帝釈↡。

^いかんがりょうにおいてりょうくやと。 ぶつ如来にょらいみなのごとし。

云何↢无量↡説クヤト↢无量↡。如↢仏・如来ミナ↡。

^*如来にょらいみょうとす、 また*阿羅あらづく、 みょうなり。 また*さんみゃくさんぶっづく、 みょうなり。

為↢如来義異名異↡、亦名↢阿羅呵↡、義異名異ナリ。亦名↢三藐三仏陀↡、義異名異ナリ

^またせんづく、 また*どうづく、 また*しょうがくづく、 また*明行みょうぎょうそくづく、 また*だいおうづく、 また*沙門しゃもんづく、 また*婆羅ばらもんづく、 また寂静じゃくじょうづく、 またしゅづく、 またとうがんづく、 また*だいおうづく、 また*大象だいぞうおうづく、 また*だいりゅうおうづく、 また*げんづく、 また*だいりきづく、 まただい無畏むいづく、 また*宝聚ほうじゅづく、 また*しょうしゅづく、 またとくだつづく、 まただいじょうづく、 また*天人てんにんづく、 また*だいふん陀利だりづく、 また*どく等侶とうりょづく、 まただい*福田ふくでんづく、 まただいかいづく、 またそうづく、 また*そくはっづく

亦名↢船師↡、亦名↢導師↡、亦名↢正覚↡、亦名↢明行足↡、亦名↢大師子王↡、亦名↢沙門↡、亦名↢婆羅門↡、亦名↢寂静↡、亦名↢施主↡、亦名↢到彼岸↡、亦名↢大医王↡、亦名↢大象王↡、亦名↢大竜王↡、亦名↢施眼↡、亦名↢大力士↡、亦名↢大无畏↡、亦名↢宝聚↡、亦名↢商主↡、亦名↢得解脱↡、亦名↢大丈夫↡、亦名↢天人師↡、亦名↢大分陀利↡、亦名↢独无等侶↡、亦名↢大福田↡、亦名↢大智海↡、亦名↢无相↡、亦名↢具足八智↡。

^かくのごとき一切いっさいみょうなり。 善男ぜんなん、 これをりょうのなかにりょうくとづく。

↠是一切、義異名異ナリ。善男子、是↣无量義クト↢无量↡。

^またいちりょうくことあり。 いはゆる*おんのごとし。

復有↣一義コト↢无量↡。所↠謂↠陰

^またづけておんとす、 また顛倒てんどうづく、 またづけて*たいとす、 またづけて*ねんじょとす、 また*じきづく、 また*しきじゅうしょづく、 またづけてとす、 またづけてどうとす、 またづけて*とす、 またづけて*しゅじょうとす、 またづけて*とす、 また*第一だいいちづく、 また*三修さんしゅづく、 いはくしんかいしんなり。 また*いんづく、 また煩悩ぼんのうづく、 まだつづく、 また*じゅう因縁いんねんづく、 また*しょうもんびゃくぶつづく、 ぶつをまた*ごく*餓鬼がき*ちくしょうにん*てんづく、 また過去かこ現在げんざいらいづく。 これをいちりょうくとづく。

亦名為↠陰、亦名↢顛倒↡、亦名為↠諦、亦名為↢四念処↡、亦名↢四食↡、亦名↢四識住処↡、亦名為↠有、亦名為↠道、亦名為↠時、亦名為↢衆生↡、亦名為↠世、亦名↢第一義↡、亦名↢三修↡、謂身・戒・心ナリ。亦名↢因果↡、亦名↢煩悩↡、亦名↢解脱↡、亦名↢十二因縁↡、亦名↢声聞・辟支仏↡、仏亦名↢地獄・餓鬼・畜生・人・天↡、亦名↢過去・現在・未来↡。是↣一義クト↢无量↡。

^善男ぜんなん如来にょらいそんしゅじょうのためのゆゑに、 こうのなかにりゃくく、 りゃくのなかにこうく。 *第一だいいちたいきて*たいとす、 たいほうきて第一だいいちたいとすº」 と。

善男子、如来世尊、為↢衆生↡故↠略、略↠広。第一義諦為↢世諦↡、説↢世諦↡為↢第一義諦↡。」

一 Ⅱ ⅰ b ロ (七)「梵行品」

【18】^またのたまはく (涅槃経・梵行品)

又言

^しょうまたまうさく、 ªそん第一だいいちたいをまたづけてどうとす、 まただいづく、 またはんづくº」 と。

「迦葉復言、世尊、第一義諦亦名為↠道、亦名↢菩提↡、亦名クト↢涅槃↡。」

一 Ⅱ ⅰ b ロ (八)「迦葉品」二文

【19】^またのたまはく (涅槃経・迦葉品)

又言

^善男ぜんなん、 われきょうのなかに如来にょらいしんくに、 おほよそしゅあり。 ひとつには*しょうじんふたつには*法身ほっしんなり。

「善男子、我以経↢如来↡、凡↢二種↡。一者生身、二者法身ナリ

^しょうじんといふは、 すなはちこれ*方便ほうべん*おうしんなり。 かくのごときのしんは、 これしょうろうびょうちょうたんこくびゃく是此ぜし是彼ぜひ*がくがくといふことをべし。 わがもろもろの弟子でし、 このせつきをはりて、 わがこころさとらざれば、 となへていはく、 ª如来にょらいさだめて仏身ぶっしんはこれ有為ういほうなりとかんº と。

↢生身↡者、即是方便応化之身ナリ。如キノ↠是身者、可↠得↠言コトヲ↢是生老病死、長短黒白、是此是彼、是学无学↡。我弟子、聞↢是↡已レバ↠解↢我↡、唱、如来定ムト↢仏身是有為ナリト↡。

^法身ほっしんはすなはちこれ*じょうらくじょうなり。 なが*一切いっさいしょうろうびょうびゃくこくちょうたん非此ひし非彼ひひがくがくはなれたまへれば、 もしぶつしゅっおよびしゅっに、 つねにどうぜずして変易へんやくあることなけん。 ぜんなん、 わがもろもろの弟子でし、 このせつきをはりて、 わがこころさとらざれば、 となへていはく、 ª如来にょらいさだめて仏身ぶっしんはこれ無為むいほうなりときたまへりº」 と。

法身是常楽我浄ナリ。永タマヘレバ↢一切生老病死、非白非黒、非長非短、非此非彼、非学非无学↡、若出世及不出世、常シテ↠動ケム↠有コト↢変易↡。善男子、我弟子、聞↢是↡已レバ↠解↢我↡、唱、如来定タマヘリト↢仏身是无為ナリト↡。」

【20】^またのたまはく (涅槃経・迦葉品)

又言

^わが所説しょせつ*じゅうきょうのごとし、 あるいは*ずい自意じいせつ、 あるいは*ずい他意たいせつ、 あるいは*ずい自他じたせつなり。

「如↢我所説十二部経↡、或随自意説、或随他意説、或随自他意説ナリ

^善男ぜんなん、 わが所説しょせつのごとき、 *十住じゅうじゅうさつすこしきぶっしょうる、 これをずい他意たいせつづく。 なにをもつてのゆゑに*しょうけんづくるや。 十住じゅうじゅうさつ*しゅりょうごんとう三昧さんまい*三千さんぜん法門ほうもんたり。 このゆゑに了々りょうりょうとしてみづから*のく多羅たらさんみゃくさんだいべきことをるも、 一切いっさいしゅじょうさだめてのく多羅たらさんみゃくさんだいんことをず。 このゆゑにわれ十住じゅうじゅうさつしょうぶんぶっしょうるとくなり。

善男子、如↢我所説↡、十住菩薩少↢仏性↡、是↢随他意説↡。何クルヤ↢少見↡。十住菩薩タリ↢首楞厳等三昧、三千法門↡。是声聞クト↠得↢阿耨多羅三藐三菩提↡、不↠見↣一切衆生定ムコトヲ↢阿耨多羅三藐三菩提↡。是我説ナリ↣十住菩薩、少分見ルト↢仏性↡。

^善男ぜんなん、 つねに一切いっさいしゅじょうしつぶっしょう宣説せんぜつする、 これをずい自意じいせつづく。 一切いっさいしゅじょうだんめつにして、 ないのく多羅たらさんみゃくさんだいる、 これをずい自意じいせつづく。 一切いっさいしゅじょうはことごとくぶっしょうあれども、 煩悩ぼんのうおおへるがゆゑにることをることあたはずと。

善男子、宣↢説スル一切衆生悉有仏性↡、是↢随自意説↡。一切衆生不断不滅ニシテ、乃至得↢阿耨多羅三藐三菩提↡、是↢随自意説↡。一切衆生ドモ↢仏性↡、煩悩覆ルガ↠能↠得コト↠見コトヲ

^わがせつかくのごとし、 なんぢがせつまたしかなりと。 これをずい自他じたせつづく。 善男ぜんなん如来にょらいあるときは一法いっぽうのためのゆゑにりょうほうく」 と。

説如↠是、汝説亦爾ナリト。是↢随自他意説↡。善男子、如来或時↢一法↡故クト↢无量↡。」

一 Ⅱ ⅰ b ロ (九)「獅子吼品」

【21】^またのたまはく (涅槃経・*師子吼品)

又言

^「ª一切いっさいかくしゃづけてぶっしょうとす。 じゅうじゅうさつづけて一切いっさいかくとすることをざるがゆゑに、 このゆゑにるといへども明了みょうりょうならず。 善男ぜんなんけんしゅあり。 ひとつには*眼見げんけんふたつには*聞見もんけんなり。

「一切覚者為↢仏性↡。十住菩薩ルガ↠得↣名コトヲ↢一切覚↡故↠見而不↢明了ナラ↡。善男子、見↢二種↡。一者眼見、二者聞見ナリ

^諸仏しょぶつそんまなこぶっしょうそなはす、 たなごころのうちにおいて*阿摩あまろくかんずるがごとし。 十住じゅうじゅうさつぶっしょう聞見もんけんすれども、 ことさらに了々りょうりょうならず。 十住じゅうじゅうさつ、 ただよくみづからさだめてのく多羅たらさんみゃくさんだいることをりて、 一切いっさいしゅじょうはことごとくぶっしょうありとることあたはず。

諸仏世尊↢仏性↡、如↧於↢掌↡観ズルガ↦阿摩勒菓↥。十住菩薩、聞↢見ドモ仏性↡、コトサラ不↢了了ナラ↡。十住菩薩、唯能↣定コトヲ↢阿耨多羅三藐三菩提不↠能↠知コト↣一切衆生リト↢仏性↡。

^善男ぜんなん、 また眼見げんけんあり。 *諸仏しょぶつ如来にょらいなり。 十住じゅうじゅうさつは、 ぶっしょう眼見げんけんし、 また聞見もんけんすることあり。 一切いっさいしゅじょうない*九地くじまでに、 ぶっしょう聞見もんけんす。 さつ、 もし一切いっさいしゅじょうことごとくぶっしょうありとけども、 こころしんしょうぜざれば、 聞見もんけんづけずº と。

善男子、復有↢眼見↡。諸仏如来ナリ。十住菩薩、眼↢見仏性↡、復有↢聞見コト↡。一切衆生、乃至九地マデニ、聞↢見仏性↡。菩薩若ドモ↣一切衆生悉リト↢仏性↡、心レバ↠生↠信、不↠名↢聞見↡。

^*師子ししさつ摩訶まかさつまうさく、 ªそん一切いっさいしゅじょう如来にょらい心相しんそうることをることあたはず。 まさにいかんがかんじてることをべきやº と。

師子吼菩薩摩訶薩言サク、世尊、一切衆生不↠能↠得コト↠知コトヲ↢如来心相↡。当↢云何得↟知コトヲ

^ª善男ぜんなん一切いっさいしゅじょうじつ如来にょらい心相しんそうることあたはず。 もし観察かんざつしてることをんとおもはば、 ふたつの因縁いんねんあり。 ひとつには眼見げんけんふたつには聞見もんけんなり。

善男子、一切衆生不↠能↠知コト↢如来心相↡。若↢観察ムト↟知コトヲ、有↢二因縁↡。一者眼見、二者聞見ナリ

^もし如来にょらいしょ身業しんごうたてまつらんは、 まさにるべし、 これすなはち如来にょらいとするなり。 これを眼見げんけんづく。 もし如来にょらいしょごうかんぜん、 まさにるべし、 これすなはち如来にょらいとするなり。 これを聞見もんけんづく。

マツラムハ↢如来所有身業↡、当↠知是則↢如来↡也。是↢眼見↡。若ゼム↢如来所有口業↡、当↠知是則↢如来↡也。是↢聞見↡。

^もし*しきみょうたてまつること、 一切いっさいしゅじょうのともにひとしきものなけん、 まさにるべし、 これすなはち如来にょらいとするなり。 これを眼見げんけんづく。 もしおんじょうみょうさいしょうなるをかん、 しゅじょうしょおんじょうにはおなじからじ、 まさにるべし、 これすなはち如来にょらいとするなり。 これを聞見もんけんづく。

マツルコト↢色貌↡、一切衆生ケムトモ↡、当↠知是則↢如来↡也。是↢眼見↡。若↢音声微妙最勝ナルヲ↡、↠同カラ↢衆生所有音声ニハ↡、当↠知是則↢如来↡也。是↢聞見↡。

^もし如来にょらいしょ神通じんずうたてまつらんに、 しゅじょうのためとやせん、 *ようのためとやせん。 もししゅじょうのためにしてようのためにせず、 まさにるべし、 これすなはち如来にょらいとするなり。 これを眼見げんけんづく。 もし如来にょらいかんずるに、 *しんをもつてしゅじょうそなはすときようのためにき、 しゅじょうのためにかん。 もししゅじょうのためにしてようのためにせざらん、 まさにるべし、 これすなはち如来にょらいとするなり。 これを聞見もんけんづくº」 と。

マツラムニ↢如来所作神通↡、為タメトヤ↢衆生↡、為↠為トヤ↢利養↡。若ニシテ↢衆生↡不↠為ニセ↢利養↡、当↠知是則↢如来↡也。是↢眼見↡。若ズルニ↢如来↡、以↢他心智ミソナハ↢衆生↡時、為↢利養↡説、為↢衆生↡説。若ニシテ↢衆生↡不ラム↠為ニセ↢利養↡、当↠知是則↢如来↡也。是↢聞見↡。」

一 Ⅱ 師釈
      北天(¬浄土論¼)

【22】^¬*じょうろん¼ にいはく、

¬浄土論¼曰

^そん、 われ一心いっしん*じん十方じっぽう無礙むげこう如来にょらい*みょうしたてまつりて、 安楽あんらくこくしょうぜんとがんず。

「世尊 我一心帰↢命マツリテ尽十方
无光如来↠生ムト↢安楽国

^かのかいそうかんずるに、 *三界さんがいどうしょうせり。 きょうしてくうのごとし、 広大こうだいにして辺際へんざいなし」 とのたまへり。

ズルニ↢彼世界勝↢過三界
究竟↢虚空広大ニシテシトノタマヘリ↢辺際↡」

一 Ⅱ ⅱ 雁門(¬論註¼六文、¬讃弥陀偈¼、計七文)
        真土を証す
          (一)清浄功徳釈文

【23】^¬ちゅうろん¼ (*論註・下) にいはく、

¬註論¼曰

^ªしょうごん*清浄しょうじょうどくじょうじゅとは、 に、 «^*かんかいそう しょう三界さんがいどう» といへるがゆゑにº (浄土論) と。

「荘厳清浄功徳成就者、偈↢観彼世界相勝過三界道故

^これいかんが思議しぎなるや。 ぼんにん煩悩ぼんのうじょうじゅせるありて、 またかのじょうしょうずることをるに、 三界さんがい*ごうひっきょうじてかず。 すなはちこれ煩悩ぼんのうだんぜずして*はんぶん。 いづくんぞ思議しぎすべきや」 と。

此云何不思議ナルヤ。有↢凡夫人煩悩成就セル↡、亦得ルニ↠生コト↢彼浄土↡、三界繋業畢竟不↠牽。則是不シテ↠断↢煩悩↡得↢涅槃分↡。焉ヤト↢思議↡。」

一 Ⅱ ⅱ b イ (二)性功徳釈文

【24】^またいはく (論註・上)

^ª*しょうどうだい慈悲じひは、 しゅっ善根ぜんごんよりしょうずº (浄土論) とのたまへり。

「正道大慈悲、出世善根ヨリズトノタマヘリ

^この二句にくは、 しょうごん*しょうどくじょうじゅづく。

二句、名↢荘厳性功徳成就↡。

^*しょうはこれほんなり。 いふこころは、 これじょう*ほっしょうずいじゅんして*法本ほうほんそむかず。 こと、 ¬*ごんぎょう¼ の*宝王ほうおう如来にょらいしょうおな

是本ナリイフコヽロ浄土随↢順法性↡不↠乖↢法本↡。事、同↢¬華厳経¼宝王如来性起↡。

^またいふこころは、 積習しゃくじゅうしてしょうじょうず。 *法蔵ほうぞうさつす、 もろもろの*波羅はらみつあつめて積習しゃくじゅうしてじょうぜるところなり。

イフコヽロ、積習↠性。指↢法蔵菩薩↡、集↢諸波羅蜜↡積習ナリ↠成ゼル

^またしょうといふは、 これ*しょうしゅしょうなり。 はじめに法蔵ほうぞうさつ*ざいおうぶつみもとにして*しょうにんさとる。 そのときのくらいしょうしゅしょうづく。 このしょうのなかにおいてじゅうはち大願だいがんおこして、 この*しゅしたまへり。 すなはち安楽あんらくじょうといふ。 これかのいん所得しょとくなり。 のなかにいんく、 ゆゑにづけてしょうとす。

亦言↠性者是聖種性ナリハジメ法蔵菩薩、↢世自在王仏ミモト↡悟↢无生忍↡。爾↢聖種性↡。於↢是↡発↢四十八大願↡、修↢起タマヘリ↡。即↢安楽浄土↡。是彼所得ナリ。果↠因、故為↠性

^またしょうといふは、 これ*必然ひつねんなり、 *がいなり。 うみしょう*いちにしてしゅりゅうるものかならずいちとなつて、 うみあじはひ、 かれにしたがひてあらたまらざるがごとしとなり。

又言↠性者是必然ナリ、不改ナリ。如シト↧海性、一味ニシテ衆流入者必↢一味↡、海味不ルガ↦随↠彼↥也。

^また人身にんじんしょうじょうなるがゆゑに、 種々しゅじゅみょう好色こうしきこう美味みみりぬれば、 みなじょうとなるがごとし。 安楽あんらくじょうはもろもろのおうじょうのひと、 じょうしきなし、 じょうしんなし、 ひっきょうじてみな*清浄しょうじょうびょうどう無為むい法身ほっしんしむ。 安楽あんらくこく清浄しょうじょうしょうじょうじゅしたまへるをもつてのゆゑなり。

又如↣人身性不浄ナルガ、種種妙好色・香・美味、入ヌレバ↠身皆為ルガ↢不浄↡。安楽浄土往生ヒト↢不浄色↡、无↢不浄心↡、畢竟皆得シム↢清浄平等无為法身↡。以↢安楽国土清浄性成就タマヘルヲ↡故ナリ

^ªしょうどうだい慈悲じひは、 しゅっ善根ぜんごんよりしょうずº といふは、 びょうどう*大道だいどうなり。 びょうどうどうづけて*しょうどうとするゆゑは、 びょうどうはこれ諸法しょほう*体相たいそうなり。 諸法しょほうびょうどうなるをもつてのゆゑに*発心ほっしんひとし、 発心ほっしんひとしきがゆゑに*どうひとし、 どうひとしきがゆゑにだい慈悲じひひとし。 だい慈悲じひはこれ*仏道ぶつどうしょういんなるがゆゑに、 ªしょうどうだい慈悲じひº とのたまへり。

正道大道大慈悲出世善根ヨリトイフ、平等大道也。平等所↣以 ユヘ ↢正道、平等是諸法体相ナリ。以↢諸法平等ナルヲ↡故発心等、発心等キガ道等、道等キガ大慈悲等。大慈悲是仏道正因ナルガ↢正道大慈悲↡。

^慈悲じひ*三縁さんえんあり。 ひとつにはしゅじょうえん、 これしょうなり。 ふたつには法縁ほうえん、 これちゅうなり。 つにはえん、 これだいなり。 だいはすなはちこれしゅっぜんなり。 安楽あんらくじょうはこのだいよりしょうぜるがゆゑなればなり。 ゆゑにこのだいをいひてじょう*こんとす。 ゆゑに ªしゅっ善根ぜんごんしょうº といふなり」 と。

慈悲↢三縁↡。一者衆生縁、是小悲ナリ。二法縁、是中悲ナリ。三者无縁、是大悲ナリ。大悲是出世善也。安楽浄土↢此大悲↡生ゼルガナレバナリ。故↢此大悲↡為↢浄土之根↡。故ナリト↢出世善根生↡。」

一 Ⅱ ⅱ b イ (三)大義門功徳釈文

【25】^またいはく (論註・上)

又云

^うていはく、 法蔵ほうぞうさつ本願ほんがん (第十四願)、 およびりゅうじゅさつ所讃しょさん (易行品)たずぬるに、 みなかのくにしょうもんしゅなるをもつて*とするにたり。 これなんのかあるやと。

「問、尋ルニ↢法蔵菩薩本願、及龍樹菩薩所讃↡、皆似↧以↢彼声聞衆多ナルヲ↡為ルニ↞奇。此有ルヤ↢何義↡。

^こたへていはく、 しょうもん*実際じっさいをもつてしょうとすはかるにさらによく仏道ぶつどうこんしょうずべからず。 しかるをぶつ本願ほんがん不可ふか思議しぎ神力じんりきをもつて、 せっしてかしこにしょうぜしむるに、 かならずまさにまた神力じんりきをもつて、 それをして*じょう道心どうしんしょうぜしむべし。

、声聞↢実際↡為↠証。計ルニ不↠応↣更↢仏道根芽↡。而ルヲ仏以↢本願不可思議神力↡、摂ルニ↠生、必↧復以↢神力↡、生シム↦其ヲシテ无上道心↥。

^たとへば*ちんちょうみずれば*魚蜯ぎょぼうことごとくす、 さいぎゅうこれにるればするものみなよみがえるがごとし。 かくのごときしょうずべからずしてしょうぜしむ、 このゆゑにとすべし。 しかるに*思議しぎのなかに、 仏法ぶっぽうもつとも不可ふか思議しぎなり。 ぶつよくしょうもんをしてまたじょう道心どうしんしょうぜしめたまふ。 まことに不可ふか思議しぎいたりなり」 と。

↢鴆鳥入↠水魚蚌咸、犀牛触レバ↠之スルヨミガヘル↡。如↠此不↠応↠生シテシム所以コノユヘニ↠奇トス。然五不思議、仏法最不可思議ナリ。仏能使タマフ↣声聞ヲシテ復生↢无上道心↡。真不可思議之至也。」

一 Ⅱ ⅱ b イ (四)成就不可思議力釈文

【26】^またいはく (論註・下)

又云

^ª不可ふか思議しぎりきº とは、 すべてかのぶっこく*じゅうしちしゅしょうごんどくりき不可ふかとく思議しぎなることをすなり。 しょきょうきてのたまはく、 しゅ不可ふか思議しぎあり。 ひとつにはしゅじょうしょう不可ふか思議しぎふたつには業力ごうりき不可ふか思議しぎつにはりゅうりき不可ふか思議しぎつにはぜんじょうりき不可ふか思議しぎいつつには仏法ぶっぽうりき不可ふか思議しぎなり。

「不可思議力者、総↢彼仏国土十七種荘厳功徳力不可得思議ナルコトヲ↡也。諸経、有↢五種不可思議↡。一者衆生多少不可思議、二者業力不可思議、三者竜力不可思議、四者禅定力不可思議、五者仏法力不可思議ナリ

^このなかにぶつ不可ふか思議しぎしゅちからあり。 ひとつには業力ごうりき、 いはく法蔵ほうぞうさつしゅっ善根ぜんごん*大願だいがん業力ごうりきしょじょうなり。 ふたつにはしょうがく弥陀みだ法王ほうおうのよく*じゅうりきをしてせっしたまふところなり」 と。

仏土不可思議↢二種力↡。一者業力、謂法蔵菩薩出世善根大願業力所成ナリ。二者正覚阿弥陀法王住持力ヲシテナリ↠摂タマフ。」

一 Ⅱ ⅱ b イ (五)示現自利利他釈文

【27】^またいはく (論註・下)

又云

^*自利じり利他りたげんすといふは、 ª^りゃくしてかの弥陀みだぶつこくじゅうしちしゅしょうごんどくじょうじゅきつ、 如来にょらいしんやくだいどくりきじょうじゅやくどくじょうじゅとをげんしたまへるがゆゑにº (浄土論) とのたまへり。

「示↢現ストイフ自利利他、略↢彼阿弥陀仏国土十七種荘厳功徳成就↡、示↢現タマヘルガ如来自身利益大功徳力成就利益他功徳成就トヲ↡故ニトノタマヘリ

^ªりゃくº といふは、 かのじょうどくりょうにして、 ただじゅうしちしゅのみにあらざることをあらわすなり。 それしゅ芥子けしれ、 もう大海だいかいおさむ、 あに山海さんかいじんならんや、 もうちからならんや、 *能神のうじんのひとの*じんならくのみ」 と。

↠略者、彰↣彼浄土功徳无量ニシテ、非コトヲ↢唯十七種ノミニ↡也。夫須弥↢芥子↡、毛孔↢大海↡、豈山海之神ナラム、毛芥之力ナラム、能神ヒト神之。」

一 Ⅱ ⅱ b 真仏を証す
          (一)不虚作住持功徳釈文

【28】^またいはく (論註・下)

又云

^ªなにものかしょうごん*虚作こさじゅうどくじょうじゅ、 ¬¼ に、 «^ぶつ*本願ほんがんりきかんずるに、 もうおうてむなしくぐるものなし。 よくすみやかにどくだい宝海ほうかい満足まんぞくせしむ» といへるがゆゑにº (浄土論) と。

「何者荘厳不虚作住持功徳成就、偈ヘリ↧観↢仏本願力↡、遇↢空者↡ルガ↣速満↢足功徳大宝海↡故

^ª虚作こさじゅうどくじょうじゅº とは、 けだしこれ弥陀みだ如来にょらい本願ほんがんりきなり。

不虚作住持功徳成就者、蓋是阿弥陀如来本願力也。

^いふところの ª虚作こさじゅうº は、 もと法蔵ほうぞうさつ*じゅうはちがんと、 今日こんにち弥陀みだ如来にょらいざい神力じんりきとによりてなり。 *がんもつてりきじょうず、 りきもつてがんく。 がん*ねんならず、 りき*せつならず。 力願りきがんあひかのうて、 ひっきょうじてたがはず。 ゆゑにじょうじゅといふ」 と。

↠言不虚作住持者、依テナリ↢本法蔵菩薩四十八願、今日阿弥陀如来自在神力トニ↡。願以↠力、力以↠願。願不↢徒然ナラ↡、力不↢虚設ナラ↡。力願相カナフ、畢竟不↠タガ。故フト↢成就↡。」

一 Ⅱ ⅱ b ロ (二)¬讃弥陀偈¼

【29】^¬*さん弥陀みだぶつ¼ にいはく、 *曇鸞どんらんしょうぞう

¬讃阿弥陀仏偈¼曰曇鸞和尚

^南無なも弥陀みだぶつ *しゃくして ¬りょう寿じゅぼうきょう¼ とづく、 めたてまつりてまた*あんにょうといふ。

南无阿弥陀仏 ↢¬无量寿傍経¼↡、奉マツリテ↠賛亦曰↢安養↡。

^じょうぶつよりこのかた*十劫じっこうたまへり。 寿じゅみょうまさにはかりあることなけん。

法身ほっしん光輪こうりん法界ほうかいへんして、 *もうみょうらす、 ゆゑにちょうらいしたてまつる。

成仏ヨリ已来タマヘリ↢十劫寿命方将ケム↠有コト↠量
法身光輪徧↢法界↢世盲冥↡故頂礼マツル

^智慧ちえこうみょうはかべからず、 ゆゑにぶつをまた*りょうこうごうす。

*りょう諸相しょそう*こうきょうかぶ、 このゆゑに*真実しんじつみょう*稽首けいしゅしたてまつる。

智慧光明不↠可↠量又号↢无量光
有量諸相蒙↢光暁稽↢首マツル真実明

^だつ光輪こうりん限斉げんさいなし、 ゆゑにぶつをまた*へんこうごうす。

*光触こうそくかぶるもの*有無うむはな、 このゆゑに*びょう等覚どうがく稽首けいしゅしたてまつる。

解脱光輪无↢限斉↡又号↢无辺光
↢光触↢有無稽↢首マツル平等覚

^ひかりくものごとくにして*無礙むげなることくうのごとし、 ゆゑにぶつをまた*無礙むげこうごうす。

一切いっさい有礙うげ*光沢こうたくかぶ、 このゆゑに*なん思議じぎちょうらいしたてまつる。

光雲ノゴトクニシテ无ナルコト↢虚空又号↢无光
一切有蒙↢光沢頂↢礼マツル難思議

^清浄しょうじょうこうみょうたいあることなし、 ゆゑにぶつをまた*たいこうごうす。

このひかりもうあふものは*ごうのぞこる、 このゆゑに*ひっきょう稽首けいしゅしたてまつる。

清浄光明无↠有コト↠対又号↢无対光
↢斯↡者業繋除コル稽↢首マツル畢竟依

^仏光ぶっこうしょう耀ようしてさい第一だいいちなり、 ゆゑにぶつをまた*光炎こうえんおうごうす。

*さん黒闇こくあん*光啓こうけいかぶる、 このゆゑに*だいおうちょうらいしたてまつる。

仏光照耀最第一ナリ又号↢光炎王
三塗黒闇蒙↢光啓頂↢礼マツル大応供

^*どうこうみょうろうにして、 しきちょうぜつしたまへり。 ゆゑにぶつをまた*清浄しょうじょうこうごうす。

ひとたび*こうしょうかぶるにざいのぞこり、 みなだつしむ、 ゆゑにちょうらいしたてまつる。

道光明朗ニシテ色超絶タマヘリ又号↢清浄光
タビ↢光↡罪垢除皆得シム↢解脱↡故頂礼マツル

^こうはるかにかぶらしめ安楽あんらくほどこす、 ゆゑにぶつをまた*かんこうごうす。

ひかりいたるところのところ*ほうしむ*だいあん稽首けいしゅちょうらいしたてまつる。

慈光遐シメ↢安楽又号↢歓喜光
↠至シム↢法喜↡っd稽↢首頂↣礼マツル大安慰

^仏光ぶっこうよくみょうあんす、 ゆゑにぶつをまた*智慧ちえこうごうす。

一切いっさい諸仏しょぶつ*さんじょうしゅことごとくともにたんす、 ゆゑに稽首けいしゅしたてまつる。

仏光能↢无明又号↢智慧光
一切諸仏・三乗衆嘆誉稽首マツル

^こうみょう一切いっさいときにあまねくらす、 ゆゑにぶつをまた*だんこうごうす。

*聞光もんこうりきのゆゑに、 しんずしてみなおうじょうしむ、 ゆゑにちょうらいしたてまつる。

光明一切又号↢不断光
聞光力心不シテ↠断皆得シム↢往生↡故頂礼マツル

^そのひかりぶつのぞきてはよくはかることなけん、 ゆゑにぶつをまた*なんこうごうす。

十方じっぽう諸仏しょぶつおうじょうたんじ、 そのどくしょうせしむ、 ゆゑに稽首けいしゅしたてまつる。

光除テハ↠仏ケム↢能コト又号↢難思光
十方諸仏嘆↢往生シム↢其功徳↡故稽首マツル

^*神光じんこう*そうはなれたることづくべからず、 ゆゑにぶつをまた*しょうこうごうす。

ひかりによりてじょうぶつしたまふ、 ひかり*赫然かくねんたり、 諸仏しょぶつたんじたまふところなり、 ゆゑにちょうらいしたてまつる。

神光タルコト↠相不↠可↠名又号↢无称光
↠光成仏タマフ光赫然ナリ諸仏ナリ↠嘆タマフ頂礼マツル

^こうみょうしょうようして日月にちがつぎたり、 ゆゑにぶつ*ちょう日月にちがっこうごうす。

しゃぶつたんじたまふことなほきず、 ゆゑにわれ*等等とうどう稽首けいしゅしたてまつると。

光明照曜タリ↢日月↢超日月光
釈迦仏嘆タマフコト尚不↠尽我稽↢首マツルト无等等

 ^*ほんりゅうじゅ摩訶まかさつ*かたちぞうたんじて、 *頽綱たいこう (たいたおるるなり、 なり、 おつるなり、 まつわるるなり)ことわる。

*邪扇じゃせん関閉かんぺいしてしょうてつ (てつかようなり、 くるまなり、 あとなり)ひらく。 これ*えんだい一切いっさいまなこなり。

本師龍樹摩訶薩形像頽綱
関↢閉邪扇↡開↢正是閻浮提一切ナリ

^*そんぶくじょうして*かんにして、 弥陀みだして安楽あんらくしょうぜしむ。

伏↢承尊語↡歓喜地ニシテ↢阿弥陀↡生シム↢安楽

^われ*無始むしより三界さんがいめぐりて、 *もうりんのためにてんせらる。

一念いちねんいちつくるところのごうあし*六道ろくどうつながれさんとどまる。

我従↢无始↡循↢三界↢虚妄輪↡所↢回転
一念一時↠造足繋↢六道↡滞↢三塗

^やや、 ねがはくはこう、 われをねんして、 われをしてだいしんしっせざらしめたまへ。

ヤヽクハ慈光護↢念タマヘ↢我ヲシテ↟失↢菩提心

^われぶっどくこえさんず。 ねがはくは十方じっぽうのもろもろのえんかしめて、

安楽あんらくおうじょうんとおもはんもの、 あまねくみなこころのごとくしてしょうなからしめん。

我讃↢仏恵功徳クハシメ↢十方有縁
ハム↠得ムト↣往↢生安楽皆如クシテ↠意ラシメム↢障↡

^あらゆるどく、 もしはだいしょう一切いっさい*回施えせして、 ともにおうじょうせしめん。

不可ふか思議しぎこう南無なもし、 一心いっしんみょう稽首けいしゅらいしたてまつる。

↠有功徳若大小回↢施一切↡共往生シメム
南↢无不可思議光一心ヨルオホセ稽首マツル

^十方じっぽうさん*りょうおなじく*一如いちにょじょうじてしょうがくごうす。

*二智にち円満えんまんして*どうびょうどうなり。 せっすることえんしたが、 まことに*そこばくならん。

十方三世无量慧↢一如↡号↢正覚
二智円満シテ道平等ナリ摂化コト↠縁マコト若干ソコバクナラム

^われ弥陀みだじょうするは、 すなはちこれ諸仏しょぶつくにみょうするなり。

われ一心いっしんをもつて一仏いちぶつさんず、 ねがはくは十方じっぽう*無礙むげにんへんせん。

我帰ルハ↢阿弥陀浄土是帰↢命ルナリ諸仏
我以↢一心↡賛↢一仏クハ↢十方无人

^かくのごとき十方じっぽうりょうぶつ、 ことごとくおのおのこころいたしてめんらいしたてまつるなり」 と。 以上抄出

↠是十方无量仏↠心頭面マツルナリト已上抄出

一 Ⅱ ⅱ 終南(¬観経疏¼三文、¬法事讃¼三文、計六文)
        報身土を証す
          (一)「玄義分」

【30】^こうみょうしょう (*善導) いはく (*玄義分)

光明寺和尚云

^うていはく、 弥陀みだじょうこくは、 はたこれ*ほうなりや、 これ*なりとやせんと

「問、弥陀浄国ハタ是報ナルヤ、是化ナリト

^こたへていはく、 これほうにしてにあらず。

、是報ニシテ↠化

^いかんがることをる。 ¬*だいじょうどうしょうきょう¼ にくがごとし。 ª^西方さいほう安楽あんらく弥陀みだぶつは、 これ*報仏ほうぶつ*ほうなりº (意) と。

云何↠知コトヲ。如↢¬大乗同性経¼説クガ↡。西方安楽阿弥陀仏、是報仏・報土ナリト

^また ¬りょう寿じゅきょう¼ (上) にのたまはく、 ª^法蔵ほうぞう比丘びく*にょうおうぶつみもとにましまして、 さつどうぎょうじたまひしときじゅうはちがんおこして、 一々いちいちがんにのたまはく、 «^もしわれぶつたらんに、 十方じっぽうしゅじょうわがみょうごうしょうして、 わがくにしょうぜんとがんぜん。 しもじゅうねんいたるまで、 もししょうぜずは、 しょうがくらじ»º と。

又¬无量寿経¼云、法蔵比丘在↢世饒王仏↡、行タマヒシ↢菩薩↡時、発↢四十八願↡、一一、若我得タラムニ↠仏、十方衆生、称↢我名号↡、願↠生ムト↢我↡。下至マデ↢十↡、若不↠生者、不↠取↢正覚↡。

^いますでにじょうぶつしたまへり、 すなはちこれ*しゅういんしんなり。

今既成仏タマヘリ、即是酬因之身也。

^また ¬かんぎょう¼ のなかに、 *じょうはい三人さんにん命終みょうじゅうときのぞんで、 みな ª弥陀みだぶつおよびぶつともに、 このひと来迎らいこうすº (意) とのたまへり。 しかるに報身ほうじんねてともにきたりてみてさずくと。 ゆゑにづけて ªº とす。 このもんしょうをもつてのゆゑに、 んぬ、 これほうなりと。

又¬観経¼中、上輩三人臨↢命終↡、皆言↧阿弥陀仏及トモ↢化仏↡、来↦迎スト↥。然報身兼↠化クト↠手。故為↠与。以↢此文証↡故、是報ナリト

 ^しかるに報応ほうおうしんとは、 *眼目げんもくみょうなり。 *さきにはほうほんじておうとなす、 のちにはおうほんじてほうとなす。 おほよそほうといふは、 *いんぎょうむなしからず、 さだめてらいまねく、 をもつていんおうず、 ゆゑにづけてほうとす。 また*三大さんだいそう所修しょしゅまんぎょうひつじょうしてだいべし。 いますでにどうじょうぜり、 すなはちこれ*応身おうじんなり。

報応二身者、眼目之異名ナリ。前ニハ↠報↠応、後ニハ↠応↠報。凡↠報者、因行不↠虚カラ、定↢来果↡、以↠果↠因、故為↠報。又三大僧祇所修万行、必定↠得↢菩提↡。今既道成ゼリ、即是応身ナリ

^これすなはち*げん諸仏しょぶつ*三身さんしんべんりゅうす。 これをのぞきて以外いげはさらにべつたいましまさず。 たとひ*ぐう八相はっそうみょうごう*塵沙じんじゃなりとも、 たいこくしてろんぜば、 すべてしてせっす。 いまかの弥陀みだげんにこれほうなりと。

斯乃過現諸仏、弁↢立三身↡。除↠斯已外サズ↢別体↡。縦使无窮八相、名号塵沙ナリトモ、剋↠体シテ、衆↠化。今彼弥陀、現是報也

 ^うていはく、 すでにほうといふは、 報身ほうじん常住じょうじゅうにしてながしょうめつなし。 なんがゆゑぞ ¬*観音かんのんじゅきょう¼ にかく、 ª弥陀みだぶつまた*にゅうはんときありº と。 このいちいかんがつうしゃくせんやと。

、既↠報者、報身常住ニシテ↢生滅↡。何¬観音授記経¼説カク、阿弥陀仏亦有リト↢入涅槃時↡。此之一義若為通釈ムヤ

 ^こたへていはく、 にゅうにゅうは、 ただこれ諸仏しょぶつきょうがいなり。 なほ*さんじょうせんうかがふところにあらず。 あにいはんや、 *しょうぼんたやすくよくらんや。

、入・不入義者、唯是諸仏境界ナリ。尚非↢三乗浅智↟闚。豈小凡輒

^しかりといへども、 かならずらんとおもはば、 あへてぶっきょうきてもつて明証みょうしょうとせん。

↠然リト↠知ムト、敢↢仏経↡以↢明証↡。

^いかんとならば ¬*大品だいぼんぎょう¼ の ª*はん非化ひけぼんº のなかにきていふがごとし。

何者イカントナラバ↢¬大品経¼涅槃非化品フガ↡。

^ªぶつ*しゅだいげたまはく、 «なんぢがこころにおいていかん。 もし*にんありてにんをなす。 このすこぶるじつありやいなや。 むなしきものなりやいなや» と。

仏告タマハク↢須菩提↡、於↢汝↡云何。若↢化人↡作↢化人化頗リヤ↢実事↡不ナリヤ

^しゅだいのまうさく、 «いななり、 そん» と。

須菩提、不、世尊

^ぶつしゅだいげたまはく、 «*しきすなはちこれなり、 *じゅそうぎょうしきすなはちこれなり、 ない*一切いっさいしゅすなはちこれなり» と。

仏告タマハク↢須菩提↡、色即是化ナリ、受・想・行・識即是化ナリ、乃至一切種智即是化ナリ

^しゅだいぶつにまうしてまうさく、 «そん、 もしけんほうこれなりや、 しゅっけんほうまたこれなりや。 いはゆる*ねんじょ*しょうごん*にょそく*こん*りき*七覚しちかくぶん*はっしょうどうぶん*さんだつもんぶつ*じゅうりき*しょ*無礙むげ*じゅうはち不共ふぐほう、 ならびに諸法しょほうおよび*げんじょうにん、 いはゆる*しゅおん*斯陀しだごん*阿那あなごん*阿羅あらかん*びゃくぶつさつ*摩訶まかさつ諸仏しょぶつそん、 このほうまたこれなりやいなや» と。

須菩提白↠仏、世尊、若世間法是化ナリヤ、出世間法亦是化ナリヤ。所↠謂四念処・四正勤・四如意足・五根・五力・七覚分・八聖道分・三解脱門、仏十力・四无所畏・四无智・十八不共法、并諸法果及賢聖人、所↠謂須陀洹・斯陀含・阿那含・阿羅漢・辟支仏・菩薩摩訶薩・諸仏世尊、是法亦是化ナリヤヤト

^ぶつしゅだいげたまはく、 «一切いっさいほうはみなこれなり。 このほうのなかにおいて、 しょうもんほうへんあり、 びゃくぶつほうへんあり、 さつほうへんあり、 諸仏しょぶつほうへんあり、 煩悩ぼんのうほうへんあり、 ごう因縁いんねんほうへんあり。 この因縁いんねんをもつてのゆゑに、 しゅだい一切いっさいほうみなこれなり» とのたまへり。

仏告タマハク↢須菩提↡、一切皆是化ナリ。於↢是↡、有↢声聞変化↡、有↢辟支仏変化↡、有↢菩薩変化↡、有↢諸仏変化↡、有↢煩悩変化↡、有↢業因縁変化↡。以↢是因縁↡故、須菩提、一切法皆是化ナリトノタマヘリ

^しゅだいぶつにまうしてまうさく、 «そん、 このもろもろの*煩悩ぼんのうだんは、 いはゆるしゅおん斯陀しだごん阿那あなごん阿羅あらかんびゃく仏道ぶつどうは、 もろもろの煩悩ぼんのう*じゅうだんず。 みなこれへんなりやいなや» と。

須菩提白↠仏、世尊、是煩悩断、所↠謂須陀洹果・斯陀含果・阿那含果・阿羅漢果・辟支仏道、断↢諸煩悩↡。皆是変化ナリヤヤト

^ぶつしゅだいげたまはく、 «もしほうしょうめつそうあるは、 みなこれへんなり» とのたまへり。

仏告タマハク↢須菩提↡、若↢法生滅相↡、皆是変化ナリトノタマヘリ

^しゅだいまうさく、 «そん、 なんらのほうへんにあらざる» と。

須菩提言、世尊、何等ルト↢変化↡。

^ぶつののたまはく、 «もしほうしょうめつなる、 これへんにあらず» と。

、若无生无滅ナル、是非ズト↢変化↡。

^しゅだいまうさく、 «なんらかこれしょうめつにしてへんにあらざる» と。

^ぶつののたまはく、 «*誑相おうそうなきはん、 このほうへんにあらず» と。

須菩提言、何等是不生不滅ニシテルト↢変化↡。仏、无↢誑相↡涅槃、是法非ズト↢変化↡。

^«そんぶつみづからきたまふがごとき、 諸法しょほうびょうどうにしてしょうもんにあらず、 びゃくぶつにあらず、 もろもろのさつ摩訶まかさつにあらず、 諸仏しょぶつにあらず。 ぶつぶつ諸法しょほう*しょうつねにくうなり。 しょうくうなる、 すなはちこれはんなり。 *いかなるかはん一法いっぽうのごとくにあらざる» と。

世尊、如↢仏タマフガ↡、諸法平等ニシテ↢声聞↡、非↢辟支仏↡、非↢諸菩薩摩訶薩↡、非↢諸仏↡。有仏・无仏、諸法性常ナリ。性空ナル是涅槃ナリ。云何涅槃一法、非ルト↠如クニ↠化

^ぶつしゅだいげたまはく、 «かくのごとし、 かくのごとし。 諸法しょほうびょうどうにしてしょうもんしょにあらず、 ないしょうくうなればすなはちこれはんなり。 もし*しんぽっさつ、 この一切いっさいほうみなひっきょうじてしょうくうなり、 ないはんもまたみなのごとしとかば、 心すなはちきょうしなん。 このしんぽっさつのために、 ことさらにしょうめつのものはのごとし、 しょうめつのものはのごときにあらざるを分別ふんべつするをや»º と。

仏告タマハク↢須菩提↡、如↠是↠是。諸法平等ニシテ↢声聞所作↡、乃至性空ナレバ是涅槃ナリ。若新発意菩薩、聞↢是一切法皆畢竟性空ナリ、乃至涅槃亦皆如シト↟化、心則驚怖シナム。為↢是新発意菩薩↡、コトサラ分↢別ルヲ生滅↠化、不生不滅ルヲ↟如クニ↠化

^いますでにこの聖教しょうぎょうをもつて、 あきらかにんぬ、 弥陀みだはさだめてこれほうなり。 たとひのちはんらん、 そのさまたげなけん。 もろもろの*有智うちのもの、 るべしと。

今既↢斯聖教↡、アキラカ、弥陀是報也。縦使↢涅槃↡、其義无ケム↠妨。諸有智者、応シト↠知

 ^うていはく、 かのぶつおよび、 すでにほうといはば、 *報法ほうほうこうみょうにして*小聖しょうしょうかなひがたし。 *しょうぼん、 いかんがることをんやと。

、彼仏及土、既↠報、報法高妙ニシテ小聖難↠階。垢障凡夫、云何ムヤ↠入コトヲ

^こたへていはく、 もししゅじょうしょうろんぜば、 じつ*欣趣ごんしゅしがたし。 まさしく仏願ぶつがんたくするによりて、 もつて*強縁ごうえんとなりて、 *じょうひとしくらしむることをいた」 と。

、若↢衆生垢障↡、実↢忻趣↡。正↠託ルニ↢仏願↡、以↢強縁↡、致スト↠使コトヲ↢五乗斉↡。」

一 Ⅱ ⅱ c イ (二)「序分義」

【31】^またいはく (*序分義)

又云

^ªこん楽生ぎょうしょう弥陀みだº より以下いげは、 まさしくにん (*韋提希) *べっしてしょえらぶことをかす。

「従↢我今楽生弥陀↡已下、正↣夫人別コトヲ↢所求↡。

^これは弥陀みだ本国ほんごくじゅうはちがんなることをかす。 願々がんがんみな*ぞうじょうしょういんほっせり、 いんによりて*勝行しょうぎょうおこせり、 ぎょうによりて*しょうかんず、 によりて*しょうほうかんじょうせり、 ほうによりて極楽ごくらくかんじょうせり、 らくによりて*悲化ひけ顕通けんつうす、 悲化ひけによりて智慧ちえもん顕開けんかいせり。

↢弥陀本国、四十八願ナルコトヲ↡。願願皆発↢増上勝因↡、依↠因セリ↢於勝行↡、依↠行↢於勝果↡、依↠果感↢成セリ勝報↡、依↠報感↢成セリ極楽↡、依↠楽顕↢通悲化↡、依↢於悲化↡顕↢開セリ智慧之門↡。

^しかるにしんじんにして、 またぐうなり。 悲智ひちならぎょうじて、 すなはちひろ*かんひらけり。 これによりて*法潤ほうにんあまねく*ぐんじょうせっしたまふなり。

悲心无尽ニシテ、智亦无窮ナリ。悲智双、即↢甘露↡。因↠茲法潤普タマフ↢群生↡也。

^しょきょうでんすすむるところひろおおし。 *しゅしょうこころひとしくして、 みなおなじくさんしたまふ。

諸余経典処弥。衆聖斉クシテ↠心、皆同指讃タマフ

^この因縁いんねんありて、 如来にょらいひそかににん (韋提希)つかはして、 べっしてえらばしめたまふことをいたすなり」 と。

↢此因縁↡、致↠使タマフコトヲ↧如来密↢夫人↡、別↥也。」

一 Ⅱ ⅱ c 報身土の真義を明かす
          (一)「定善義」

【32】^またいはく (*定善義)

又云

^西方さいほう*寂静じゃくじょう無為むいみやこは、 ひっきょう*しょうようして有無うむはなれたり。

だいこころくんじて*法界ほうかいあそぶ。 *分身ぶんしんしてものすることひとしくしてことなることなし。

「西方寂静无為ミヤコ畢竟逍遥タリ↢有无
大悲薫↠心↢法界分身シテコト↠物クシテ↠殊コト

^帰去来いざいなん*きょうにはとどまるべからず。

*曠劫こうごうよりこのかた六道ろくどう*てんして、 ことごとくみなたり。

^いたところたのしみなし。 ただしゅうたんこえく。

この*生平しょうびょうへてのち、 かのはんみやこらん」 と。

帰去来 イザイナム 魔郷ニハ不↠可↠停
曠劫ヨリ流↢転六道↡尽皆逕タリ
↢余楽↡唯聞愁嘆
↢此生平↡後ムト↢彼涅槃↡」

一 Ⅱ ⅱ c ロ (二)¬法事讃¼三文

【33】^またいはく (*法事讃・下)

又云

^極楽ごくらく無為むいはんかいなり。 *随縁ずいえん雑善ぞうぜんおそらくはしょうじがたし。 ゆゑに如来にょらい (釈尊) *要法ようぼうえらびて、 おしへて弥陀みだねんぜしめてもつぱらにしてまたもつぱらならしめたまへり」 と。

「極楽无為涅槃ナリ随縁雑善恐クハ↠生
使タマヘリ↧如来選↢要法シメテ↢弥陀↡専ニシテ復専ナラ↥」

【34】^またいはく (法事讃・下)

又云

^ぶつしたがひてしょうようしてねんす。 ねんはすなはちこれ弥陀みだくになり。 無漏むろしょうかえりてすなはちしんなり。 ぎょうらいしんにつねにぶつしたがひて、 *無為むいほっしょうしんしょうとくす」 と。

↠仏逍遥↢自然
自然是弥陀ナリ无漏无生還ナリ
行来進止↠仏証↢得スト无為法性身↡」

【35】^またいはく (法事讃・下)

又云

^弥陀みだ*みょうをば、 ごうしてじょうはんといふ」 と。 以上抄出

「弥陀妙果ヲバ、号フト↢无上涅槃↡。」 已上抄出

一 Ⅱ ⅱ 憬興(¬述文賛¼)

【36】^*きょうごうのいはく (*述文賛)

憬興師

^りょうこうぶつ 算数さんじゅにあらざるがゆゑに。

「无量光仏 ルガ↢算数↡故

^へんこうぶつ えんとしてらさざることなきがゆゑに。

无辺光仏 キガ↢縁トシテコト↟照

^無礙むげこうぶつ *人法にんぼうとしてよくふることあることなきがゆゑに。

无光仏 キガ↠有コト↢人法シテコト↡故

^たいこうぶつ もろもろのさつおよぶところにあらざるがゆゑに。

无対光仏 ルガ↢諸菩薩之所↟及

^光炎こうえんのうぶつ こうみょうざいにしてさらにじょうとなすことなきがゆゑに。

光炎王仏 光明自在ニシテキガ↠為コト↠上

^清浄しょうじょうこうぶつ とん善根ぜんごんよりしてげんずるがゆゑに、 またしゅじょうとんじょくこころのぞくなり。 とんじょくこころなきがゆゑに清浄しょうじょうといふ。

清浄光仏 ↢无貪善根↡シテルガ、亦除↢衆生貪濁之心↡也。无キガ↢貪濁之心↡故↢清浄↡。

^かんこうぶつ しん善根ぜんごんよりしてしょうずるがゆゑに、 よくしゅじょうしんじょうしんのぞくがゆゑに。

歓喜光仏 ↢无瞋善根↡シテルガ、能クガ↢衆生瞋恚盛心↡故

^智慧ちえこうぶつ 無痴むち善根ぜんごんしんよりおこれり。 またしゅじょう*みょう品心ぼんしんのぞくがゆゑに。

智慧光仏 ↢无痴善根心↡起復除↢衆生无明品心↡故

^だんこうぶつ ぶつじょうこうつねにしょうやくをなすがゆゑに。

不断光仏 仏之常光恒スガ↢照益↡故

^なんこうぶつ もろもろのじょう*測度しきたくするところにあらざるがゆゑに。

難思光仏 ルガ↣諸二乗↢惻度↡故

^しょうこうぶつ また*じょうとうくことふるところにあらざるがゆゑに。

无称光仏 亦非ルガ↢余乗等所↟堪↠説コト

^ちょう日月にちがっこうぶつ *おうじてつねにらすことあまねからず、 *しゃ一耀いちようひかりなるがゆゑに。

超日月光仏 コト不↠周カラ、娑婆一耀之光ナルガ

^みなこれ*光触こうそくかぶるものは*身心しんしんにゅうなんがん (第三十三願)いたすところなり」 と。 以上抄要

皆是蒙↢光触身心柔軟願之所↠致已上抄要

結成【真仏土結釈】
    正しく所明を結す

【37】^しかれば、 如来にょらい真説しんせつしゅうしゃく、 あきらかにんぬ、 あんにょう*じょうせつしんほうなることをあらわす。

如来真説、宗師釈義、明↢安養浄刹報土ナルコトヲ↡。

一 Ⅲ 対弁して徳を顕す

^*惑染わくぜんしゅじょう、 ここにして*しょうることあたはず、 煩悩ぼんのうおおはるるがゆゑに。 ¬きょう¼ (涅槃経・迦葉品) には、 「われ*十住じゅうじゅうさつしょうぶんぶっしょうるとく」 とのたまへり。 ゆゑにんぬ、 安楽あんらく仏国ぶっこくいたれば、 すなはちかならずぶっしょうあらわす。 *本願ほんがんりきこうによるがゆゑに。 また ¬きょう¼ (涅槃経・迦葉品) には 「しゅじょうらい清浄しょうじょうしんそくしょうごんして、 ぶっしょうることを」 とのたまへり。

惑染衆生コヽ不↠能↠見コト↠性、所ルガ↠覆↢煩悩↡故。¬経ニハ¼言↤「我説クト↣十住菩薩、少分見ルト↢仏性↡。」故レバ↢安楽仏国↡、即↢仏性↡。由ルガ↢本願力回向↡故。亦¬経ニハ¼言↧「衆生未来具↢足荘↣厳清浄之身↞見コトヲ↢仏性↡。」

一 Ⅲ 引文・勧進
      馬鳴¬起信論¼

【38】^¬*しんろん¼ にいはく、

¬起信論¼曰

^「ªもしくといへども、 *能説のうせつのありてくべきもなく、 また能念のうねんねんずべきもなしとるを、 づけてずいじゅんとす。 もしねんはなるるをづけてとくにゅうとすº と。

「若ルヲ↪雖↠説クト↧有↢能説↡可キモ↞説、亦无シト↩能念キモ↝念、名為↢随順↡。若ルヽヲ↢於念↡名為↢得入↡。

^とくにゅうとは*真如しんにょ三昧ざんまいなり。 いかにいはんや、 ねんくらい*みょうがくにあり、 *けだしもつてりょうしんしょしょうそうなり。 しかも初相しょそうるといふは、 いはゆるねんさつじゅうるところにあらず。 しかるにいまひと、 なほいまだ*十信じっしんかなはず、 すなはち*みょうだいによらざらんや。 ªせつよりせつり、 ねんよりねんるº とのたまへり」 と。

得入者真如三昧也。況乎イカニイハンヤ无念之位↢妙覚↡、蓋了心初生之相也。而↠知ルト↢初相、所↠謂无念↢菩薩十地↟知。而今之人、尚未↠階↢十信↡、即ラムヤ↠依↢馬鳴大士↡。従↠説入↢无説↡、従↠念入ルトノタマヘリ↢於无念↡。」

対弁【真仮対弁】
  真仮を対弁す
    先づ報の義を明かす

【39】^それほうあんずれば、 如来にょらい*願海がんかいによりてじょうしゅうほうせり。 ゆゑにほうといふなり。

↠報、由↢如来願海↡酬↢報果成↡。故↠報也。

二 Ⅰ 正しく真仮を弁ず

^しかるに願海がんかいについてしんありあり。 ここをもつてまぶつについてしんありあり。

↢願海↡有↠真有↠仮。是復就↢仏土↡有↠真有↠仮。

 ^*せんじゃく本願ほんがんしょういんによりて、 *しんぶつじょうじゅせり。

↢選択本願之正因↡、成↢就真仏土↡。

^真仏しんぶつといふは、 ¬だいきょう¼ (上) には 「へん光仏こうぶつ無礙むげこうぶつ」 とのたまへり、 また 「諸仏しょぶつちゅうおうなり、 こうみょうちゅう極尊ごくそんなり」 (*大阿弥陀経・上) とのたまへり。 ^¬ろん¼ (浄土論) には 「みょうじん十方じっぽう無礙むげこう如来にょらい」 といへり。

↢真仏↡者、¬大経ニハ¼言↢「无辺光仏・无光仏」↡、又言↢「諸仏中之王也、光明中之極尊也」↡。 ¬論ニハ¼曰↢「帰命尽十方无光如来」↡也。

^しんといふは、 ¬だいきょう¼ には 「りょうこうみょう(*平等覚経・二) とのたまへり、 あるいは 「*しょ(*如来会・下) とのたまへり ^¬ろん¼ (浄土論) には 「きょうしてくうのごとし、 広大こうだいにして辺際へんざいなし」 といふなり。

↢真土↡者、¬大経ニハ¼言↢「无量光明土」↡↢「諸智土」↡。 ¬論ニハ¼曰↧「究竟↢虚空↡、広大ニシテシト↦辺際↥」也。

^おうじょうといふは、 ¬だいきょう¼ (上) には 「*かいじゅねん虚無こむしんごくたい」 とのたまへり。 ^¬ろん¼ (浄土論) には 「*如来にょらいじょうしゅ しょうがくしょう」 といへり。 また 「*同一どういつ念仏ねんぶつ別道べつどう(論註・下) といへり。 ^また 「*なん思議じぎおうじょう(法事讃・上) といへるこれなり。

↢往生↡者、¬大経ニハ¼言↢「皆受自然虚无之身无極之体」↡。 ¬論ニハ¼曰↢「如来浄華衆正覚華化生」↡。又↧「同一念仏シテ无別道故」↥。 又云↢「難思議往生」↡是也。

 ^ぶつとは、 *しもにありてるべし。

仮之仏土者、在↠下↠知

^すでにもつてしんみなこれだい願海がんかいしゅうほうせり。 ゆゑにんぬ、 ほうぶつなりといふことを。 まことにぶつ業因ごういん千差せんじゃなれば、 もまた千差せんじゃなるべし。 これを方便ほうべんしん化土けどづく。

真仮皆是酬↢報大悲願海↡。故報仏土也トイフコトヲ。良仏土業因千差ナレバ、土復応↢千差ナル↡。是↢方便化身・化土↡。

一篇の製意を述ぶ

^しんらざるによりて、 如来にょらい広大こうだい*恩徳おんどく迷失めいしつす。 ^これによりて、 いま真仏しんぶつしんあらわす。 これすなはちしんしゅうしょうなり。 *きょう*ろんしょうせつじょう*しゅう解義げぎあおいできょうしんすべし。 ことに奉持ぶじすべきなり。 るべしとなり。

↠不ルニ↠知↢真仮↡、迷↢失如来広大恩徳↡。因↠茲今顕↢真仏・真土↡。斯乃真宗之正意也。経家・論家之正説、浄土宗師之解義、仰↢敬信↢奉持↡也。可シトナリ↠知

けんじょうしんぶつ文類もんるい 五

 

光明無量の願… →補註1
酬報 因にむくいること。
無量光仏…超日月光仏 阿弥陀仏の十二種の異名。 →じゅうこう
柔軟 やわらかでおだやかなこと。
顕赫 盛んに輝くさま。
照耀 照り輝くこと。
聞え 聞はこうみょうやくがそのままみょうごうどくであることを示す。
巍々殊妙 気高くすぐれていること。
勝計 数え尽すこと。
無量光…掩奪日月光 阿弥陀仏の異名である十五光。 ¬大教¼ に説かれる十二光に対応している。
暎蔽日光・暎蔽月光 日光・月光を照らしておおいかくすという意。
掩奪日月光 日月の光をおおいかくしてうばうという意。
天竜夜叉阿修羅等 仏教を護持する八部衆のうち、 代表的なものをあげる。 →はちじん
諸仏 ¬開元かいげんろく¼ 巻三に示された経名にはこの二字がある。 ¬浄土和讃¼ (六〇) の異本左訓には、 ¬諸仏阿弥陀…¼ の経名を釈して 「弥陀を諸仏とまうす。 過度人道 (経) のこころなり」 とある。
前世の宿命 過去世の境涯。
自在の意の所欲 諸仏それぞれの心のままの願。
称誉 ほめたたえること。
絶殊無極 すぐれて極まりないこと。
瑕穢 きずとけがれ。
婬泆 みだらな欲望。 貪欲とんよくのこと。
瞋怒 しんのこと。
狩 獣のこと。 →ちくしょう
考掠 打ち奪いとること。
光好 こうみょうのすばらしさ。
当生の処 未来に生れるべきところ。
法忍 忍は認可けつじょうの意で、 真理をはっきりと確かめて受け入れること。
祐護 たすけまもること。
虚無 はんの異名。 とらわれるべき実体のない無のこと。 絶対平等無差別のさとりの境地。
非作の所作 人間の分別を離れ、 あるがままにおのずとなされたはたらき。
決定 絶対究極の安定。
一義名 同じ意味をあらわす言葉。
怖畏 おそれること。
名一義異 言葉は同じであっても、 その意味が異なること。
名義倶異 言葉もその意味もともに異なること。
仏の常 仏は常住じょうじゅうで、 しょうめつ変化しないという意。
法の常 真理は永遠であるという意。
比丘僧の常 教団が永続するという意。
 覚者の意。
不覚 真理はさとるものではなく、 さとられるものであるので不覚という。
非善 善悪という相対的なものを超えているという意。
不羸劣 疲れず衰えないという意で、 阿弥陀仏の徳をあらわす。
乳・酪・生蘇・熟蘇・醍醐 五味ごみのこと。 牛乳より最上の美味である醍醐をつくる精製の順序。 ¬はんぎょう¼ では醍醐味は涅槃に比定される。 天台てんだいしゅうでは五味を順に五時に配当し、 教判として用いる。
不可称計 思いはかることができないという意。
内道 仏教のこと。
菩薩の得道菩提涅槃と名づく 菩薩が道と菩提と涅槃とを得るという意。
道は色像…知んぬべし 通常は 「道は色像の見るべく、 称量して知るべきなしといへども」 と読む。
色像 すがたかたち。
大楽 普遍絶対なる大安楽。
無楽 ぼんの苦楽を超えた無苦無楽の境地。
四楽 断受楽、 寂静じゃくじょう楽、 覚知楽、 不壊楽の四をいう。
諸楽 世間のさまざまな楽。
無常敗壊 常住じょうじゅうでなく、 こわれるもの。
変易 変化すること。
大寂静 煩悩ぼんのうを消滅して得られる絶対の平安の境地。
憒鬧の法 身心を乱し、 悩ませ、 苦しませる悪しきもの。 煩悩のさわぎ。
かくのごときの涅槃…有にあらず 通常は 「かくのごとく涅槃もまた有と名づくることを得れども、 しかもこの涅槃は実にこれ有にあらず」 と読む。
説きて諸仏…とのたまへり 通常は 「説きて諸仏に大涅槃有りといふ」 と読む。
業清浄 仏のはたらきには少しも煩悩ぼんのうがまじらないから清浄であること。
これを善男子… ¬はんぎょう¼ の原文には 「これを善男子善女人かくのごとく大涅槃経を修業して初分のどくを具足し成就すと名づく」 とあるが、 語を省略することによって、 大涅槃を得るものを善男子、 善女人と名づくというように転意したのである。
畢竟涅槃にあらざる 如来は絶えずしょうの迷いの世界で活動するから、 涅槃にとどまらないという意。
これを菩薩と名づく ¬はんぎょう¼ の原文には 「これを菩薩、 大涅槃微妙の経典を修して、 第七どくを具足し成就すと名づく」 とあるが、 語を省略することによって、 従果降因の還相げんそうの徳をあらわそうとしたのであろう。
愛念の心 愛する心。
命を説きて食とす 食することによって生命を維持するから、 食が因、 生命は果であるが、 「食物が生命」 と語るように果の生命を因の食といいあらわす。
色を見て触と名づく 色 (物質) は触 (根・境・識の三者の接触によって感覚や知覚の認識作用が生ずること) によって存在を認められるから、 触が因で色が果であるが、 物質を 「触れるもの」 と語るように果の色を因の触といいあらわす。
衆生の仏性…常とせず 通常は 「衆生の仏性は非内非外にして、 なほし虚空の非内非外なるがごとしと説く。 もしそれ虚空に内外あらば、 虚空を名づけて一とし、 常とせず」 と読む。
取業 執着する心のはたらき。 欲のこと。
求業 求める心のはたらき。 願望のこと。
施業 ほどこそうとする心のはたらき。
知諸根力 しゅじょうの能力や性質の優劣を知る力。 こんじょうりきともいう。 じゅうりきの一。
定相 常住じょうじゅうへんの相。
耆旧長宿 経験を積み、 徳望の高い先輩、 長老。
人に随ひ…たてまつると この文は ¬はんぎょう¼ の原文では、【17】の末尾の 「世諦の法を説きて第一義諦とす」 から百三十七字 (原漢文の字数) をへだてた後にある。
他語のため 教えを受ける人の使用している言葉に応じるため。
衆根のため 教えを受ける人々各自の性質や能力に応じるため。
無出 再び迷いの世界に出ることがない。
無退 再び迷いの世界に退転しない。
三藐三仏陀 梵語サムヤック・サンブッダ (samyak-saſbuddha) の音写。 とうしょうがくしょうへんと漢訳する。 正しいさとりを得た者。 如来にょらい十号の一。
大師子王 百獣を畏伏させる獅子のような方。
大医王 すべての煩悩ぼんのうの病をなおす医師のような方。
大象王 群獣を圧する威力をもつ象のような方。
大竜王 神変不思議の威徳をもつ竜のような方。
施眼 しゅじょう智慧ちえの眼を施す方。
大力士 すぐれた力をもつ力士のような方。
宝聚 どくの宝を集めた方。
商主 人々を安穏に目的地に導く隊商の長のような方。
大分陀利 大いなるびゃくれんのような方。 →ふん陀利だり
独無等侶 世に並ぶものがないほど尊い方。
具足八智 はっをそなえている方。
 五陰のこと。 新訳ではうんという。
 有漏うろ (煩悩ぼんのうのある状態) の五陰は苦諦・集諦に関わり、 無漏むろ (煩悩のない状態) の五陰は道諦に関わることよりいう。 →たい
 五陰には時間的変化があるからこのようにいう。
衆生 衆生は五陰が仮に和合したものであることよりいう。
 現象のすがたはすべて五陰が仮に和合したものであることよりいう。
声聞辟支仏と名づく仏をまた 通常は 「声聞・辟支仏・仏と名づく、 また」 と読む。 迷悟不二・しつぶっしょうの意を強調するために、 本文のように読み改めたのであろう。
世諦 ぞくたい、 俗諦のこと。 第一義諦、 真諦しんたいの対。
是学無学 なお学ぶべき余地を残す有学と、 もはや学ぶべきことのない無学。
一切生老病死…離れたまへれば 通常は 「一切生老病死を離れ、 非白非黒…」 と読む。
十住の菩薩 第じゅう (法雲地) の菩薩のこと。 ¬はんぎょう¼ では菩薩の修行の階位を五十位に分け、 第四十一位より五十位までを十住とする。 この十住は ¬瓔珞ようらくきょう¼ 五十二位説の十地にあたる。 →さつ
少見 実際に見たところが少ないこと。
首楞厳経等の三昧 首楞厳は梵語シューランガマ (śūraṃgama) の音写で、 ごんそうごんぎょうなどと漢訳する。 ゆうみょうで堅固な三昧 (深い精神統一の境地) の名。
三千の法門 一切の法門という意。
諸仏如来なり…聞見することあり 通常は 「諸仏如来と十住の菩薩は仏性を眼見す。 また聞見あり…」 と読む。
九地 じゅう (十住) の中の第九地 (ぜん) のことであろう。 →さつ
師子吼菩薩摩訶薩 ¬はんぎょう¼ に対告衆 (仏の説法の相手) として出る菩薩。 ぶっしょう、 中道の問題などについて仏と問答を重ねる。
色貌 すがたかたち。
荘厳清浄功徳成就 国土荘厳十七種の第一荘厳。 浄土は三界さんがいを超越した清浄の世界であり、 煩悩ぼんのうじゃくめつしたはんの世界であって、 そこに往生すればねんにさとりの智慧ちえが得られることを示す。 二十九種荘厳のすべてに通じる功徳とされる。
観彼世界… 「かの世界の相を観ずるに、 三界の道に勝過せり」
正道…生ず 通常は 「(浄土は) 正道の大慈悲、 出世の善根より生ず」 と読む。 正道は平等の大道、 一如いちにょ平等のさとりのこと。
法本 ほっしょうの異名。 一切法の本体であるということ。
宝王如来の性起の義 ¬ごんぎょう¼ 「宝王如来性起品」 (晋訳巻三十四) に、 如来のしん口意くいのはたらきはすべてほっしょうの顕現にほかならないと説いていること。 →性起
法蔵菩薩…ところなり 通常は 「法蔵菩薩、 諸波羅蜜を集めて積習して成ぜるところを指す」 と読む。 →法蔵ほうぞうさつ
必然の義 必ずそうあること。 ここでは他をして必ず自身に同化させるいわれ。
不改の義 自身の本質は変らないという意味。
清浄平等無為法身 煩悩ぼんのうのけがれがなく完全に清浄で、 無差別平等のしょうめつの真理そのものである仏身ぶっしん
体相 本体。 本質的なすがた。
発心 法蔵ほうぞう菩薩のおこした願心。
 行の意。
仏道の正因 仏果 (仏のさとり) を得る決定的な因。
 不思議であること。
魚蜯 魚介類。 蜯は、 どぶ貝、 またははまぐり。
十七種荘厳 三厳さんごんじゅうしゅ荘厳のうちの国土十七種荘厳。 →三種さんしゅしょうごん
住持力 よく支えたもつ力。 大願業力が因力であるのに対して、 阿弥陀仏の果力のことをいう。
能神のひと 神通じんずうりきをもつ人。 阿弥陀仏のこと。
願もつて… いんの願は果上の力を成就し、 かつ果上の力は因位の願のままにはたらくという意。
徒然 いたずらであること。 むだであること。
虚設 むなしくもうけること。 空転すること。
釈して…安養といふ 通常は 「釈して無量寿と名づく。 経にへて奉讃す。 また安養ともいふ」 と読む。 ¬讃弥陀偈¼ を経典と同等とみて、 本文のように読み改めたのであろう。
世の盲冥 みょう煩悩ぼんのうしゅじょうを指す。
光啓 三途の黒闇をひらく光明のはたらき。
道光 さとりの智慧ちえ (道) から放たれるこうみょう
相を離れたる 仏の光明は分別的な差別の相を絶していること。
赫然 盛んに輝くさま。
本師 本宗の祖師。
形を像始に誕じて 像法ぞうぼうの始めに生れて。
頽綱を理る 頽はくずれる、 おとろえる。 綱は綱要。 理はおさめる、 ただす。 すなわち、 おとろえた仏法の綱要をただしたという意。
邪扇を関閉して正轍を開く よこしまな教えを閉ざして、 正しい仏法の道を明らかにしたという意。
尊語を伏承して 釈尊のお言葉をうけたまわって。
無始 永遠の昔。
虚妄輪 煩悩ぼんのうもうの業を果てしなく回転する車輪に喩える。
道平等 諸仏のさとりが平等で同一であること。 道はさとり、 菩提の意。
そこばく 相当の数量。
 報土のこと。 →さん
酬因の身 四十八願をそうしょうした第十八願にむくいてあらわれた仏身ぶっしん
上輩の三人 ぼんのうちの上品上生・上品中生・上品下生のこと。
眼目の異名 同一物の異なった名称の意。
前には… ¬しょうだいじょうろん¼ の真諦しんだい訳 (前訳) で三身中第二身を応身と訳しているのを、 だつぎゅう訳 (後訳) では報身と訳したことを指すものか。
因行 仏果 (仏のさとり) を得るための因となる行。
三大僧祇 三大阿僧祇劫の略。 →そうこう
過現 過去・現在。
無窮の八相 十方世界にくまなく八相成道のすがたを示現するという意。 →八相はっそう
小凡 愚かな凡夫。 →ぼん
涅槃非化品 現行の ¬大品だいぼん般若はんにゃきょう¼ には 「如化品」 とある。
化人 まぼろしの人。
色・受想行識 うんのこと。
賢聖人 聖はすでに無漏むろ (煩悩ぼんのうのけがれのない智慧) を得て見道けんどう以上に達した人。 賢は未だ無漏智を得ず、 見道には至らないがすでに悪をはなれた人のことをいう。
煩悩断 煩悩を断ずること。
 じっのこと。 煩悩の体が断ぜられても習慣性となって残る煩悩の気分のこと。
誑相 いつわりのすがた。
 本質。 本性。
いかなるか…あらざる 通常は 「いかんが涅槃の一法のみ化のごとくにあらざる」 と読む。
新発意の菩薩 新たにだいしんを発した大乗の修道しゅどう者。 十信じっしんの菩薩のこと。 →さつ
有智のもの りょうする智慧ちえをもったもの。
報法高妙 報身ほうじんほうのものがらは、 非常に高くすぐれている。
小聖 地前三賢さんげん位の菩薩 (じっしん・十行・十こう) および小乗のさとりを得たしょうじゃ。 →さつ
垢障の凡夫 煩悩ぼんのう悪業の障りをもったぼん
欣趣 欣求趣入。 浄土を願い往生すること。
別して所求を選ぶ →別選べっせんしょ
増上の勝因 この上なくすぐれた原因。
勝行 すぐれた修行。
勝果 すぐれた結果。
勝報 いんの願に報いた、 すぐれたはんの徳相。
悲化 大悲の利他教化のはたらき。
法潤 仏法による潤い。
衆聖 数多くの聖者たち。 ここでは諸仏のこと。
寂静無為の楽 煩悩を滅し尽したしょうめつ変化のない絶対のさとりの世界。 じょうのこと。
分身して 仮に身を分ちすがたを変えて。
無為法性身 →無為むい法身ほっしん
妙果 仏のさとりのこと。
人法 人はじょう (感情や意識を有するもの。 衆生)、 法は非情 (感情や意識のないもの。 草木・山河・大地など) を指す。
無明品心 一切衆生の愚痴ぐちみょうの品類に属する心。
測度 はかりしること。
日応じて…ゆゑに ¬じゅつもんさん¼ の原文は 「日夜恒に照らすこと、 娑婆二曜の輝きに同じからざるゆゑに」 となっている。 二曜とは太陽と月のこと。
惑染 煩悩ぼんのう (惑) によってけがされていること。
 ぶっしょうのこと。
起信論にいはく… しゃくの ¬念仏ねんぶつ三昧ざんまい宝王ほうおうろん¼ よりの引用。 「もし…得入とす」 が ¬しんろん¼ の文で、 「得入とは…」 以下は、 その文に対する飛錫の解説。
能説の…知るを 原文には 「亦」 (また) の上に 「雖念」 (念ずといへども) の字があり、 「能説可説あることなく、 念ずといへども、 また能念可念なしと知るを」 と読む。
けだし…無念は 通常は 「けだし心の初生の相を了するをもってなり。 しかも初相を知るといふは、 いわゆる無念なり」 と読む。 初生の相は、 無始むしみょうの初起、 忽然こつねんとして無明が起り、 しんにょが妄想へ初めて動きだした相をいう。 無念は、 妄想分別を離れ、 真如になりきることをいう。
諸智土 阿弥陀仏の真実しんじつほう高麗こうらい版大蔵経等は 「諸智士」 となっている。 この場合は諸菩薩を意味する。
皆受自然… 「みな自然虚無の身、 無極の体を受けたるなり」 自然・虚無・無極ははんの異名。 浄土における身体は涅槃の徳にかない、 あらゆる限定を超えているという意。 分別的な限定を超えた無為むい自然の浄土に生れたものは、 色もなく形もない絶対無限のさとりの身となることをいう。
如来浄華… 「如来浄華の衆は、 正覚の華より化生す」
同一念仏… 「同一に念仏して別の道なきがゆゑに」 (行巻訓)
 次の 「仮身土巻」 のこと。
 Ⓐ「十二光明无量之願」と右傍註記
 Ⓐ「十三寿命无量之願」と右傍註記
 Ⓐ「光明无量之願成就文土」と左傍にあり
 Ⓑ「十二願成就」と右傍註記
 Ⓑ「三十三願成就」と左傍註記
 Ⓑ「十三願成就」と右傍註記
 Ⓐ「成就土」と左傍にあり
 Ⓐ「願成就土」と左傍にあり
帛延訳 ◎Ⓐ上欄註記 Ⓑに無し
→Ⓑ
 Ⓐ「成就土」と左傍にあり
 Ⓐ「成就土」と左傍にあり
 ◎「」を「」と上書訂記
→Ⓑ
→Ⓑ
→Ⓐ(「像歟」と下欄註記)
 Ⓑに無し
→Ⓒ
→Ⓒ(「是」と右傍に貼紙)
 ◎「」を「」と上欄訂記
→Ⓑ
」26字 ◎上欄に貼紙
以経クニ↢如来→Ⓑ↢経↡如来身
→ⒸⒹ[我]常
 Ⓐ「成就土」と左傍にあり
 Ⓐ「成就土」と左傍にあり
→Ⓑ
→Ⓑ
 Ⓑに無し
法縁 ◎右傍註記→Ⓐ有縁 Ⓑ「或本ニアル本ナルベシ」と右下註記
 Ⓐ「成就土」と左下にあり
」25字 ◎に無し  Ⓐ「成就土」と左傍にあり
 Ⓑに無し
→Ⓐ照[耀]
→Ⓒ
 ◎頽字崩也破也落也纏也と上欄註記
 ◎轍字直刹反通也車也跡也と上欄註記
 Ⓐ「成就土」と左傍にあり
 Ⓐ「成就土」と左傍にあり
 ◎「」を「」と上書訂記
→Ⓒ
 Ⓐ「成就土」と左傍にあり
 Ⓐ「成就土」と左傍にあり
→Ⓑ
→Ⓑ
16字→Ⓑ分↢別スル生滅↠化、不生不滅アラザル↠如キニ↠化
愁嘆 ◎「或本生死也」と上欄註記→ⒶⒷⒹ生死
13字→Ⓒニツ↢恒コトアマネカラ娑婆一耀之カヾヤク↡故
抄要→Ⓑ抄出→Ⓒ要要
 Ⓐ「成就土」と左傍にあり
 Ⓑ「光明中之王也」と上欄註記