冠頭讃

^*¬しょうさんじょうきょう¼ にのたまはく、 げんじょう三蔵さんぞうやくなり

^たとひひゃくせんてい那由他なゆたこうて、 それりょうひゃくせんてい由他ゆたしたをもつて、 一々いちいちしたうえりょうこえいだして、 そのどくめむに、 またくることあたはじと。」

 

じょう   さん

 

(1) 勧信

*弥陀みだみょうごうとなへつつ

信心しんじんまことにうるひとは

*憶念おくねんしんつねにして

仏恩ぶっとんほうずるおもひあり

(2) 誡疑

*誓願せいがん思議しぎをうたがひて

御名みなしょうするおうじょう

*殿でんのうちにひゃくさい

むなしくすぐとぞときたまふ

徳号列示

^¬*さん弥陀みだぶつ¼ にいはく *曇鸞どんらんぞう

^南無なも弥陀みだぶつ *しゃくして ¬りょう寿じゅぼうきょう¼ とづく、 めたてまつりてまたあんにょうといふ。

^じょうぶつよりこのかた十劫じっこうたまへり、 寿じゅみょうまさにはかりあることなし、 *法身ほっしん*光輪こうりん*法界ほうかいへんして、 *もうみょうらしたまふ、 かるがゆゑにちょうらいしたてまつる。

阿弥陀三十七号

^また **1りょうこう2真実しんじつみょうなづく、 また *3へんこう4びょうどうかくなづく、 また *5無礙むげこう6なん思議じぎなづく、 また *7たいこう8ひっきょうなづく、 また *9光炎こうえんのう10だいおうなづく、 また *11清浄しょうじょうこうなづく、 また *12かんこう13だいあんなづく、 また *14智慧ちえこうなづく、 また *15だんこうなづく、 また *16なんこうなづく、 また *17しょうこうなづく、 *18ちょう日月にちがつこうなづけたてまつる。

^19等等とうどう 20広大こうだい 21大心だいしんかい 22じょうそん 23びょうどうりき 24大心だいしんりき 25しょうぶつ 26婆伽婆ばがば 27講堂こうどう 28清浄しょうじょうだいしょうじゅ 29不可ふか思議しぎそん 30どうじょうじゅ 31しんりょう 32清浄しょうじょうがく 33本願ほんがんどくじゅ 34清浄しょうじょうくん 35どくぞう 36ごくそん 37南無なも不可ふか思議しぎこう じょう略抄りゃくしょうなり。

^¬*十住じゅうじゅう毘婆びばしゃろん¼ にいはく

*ざいにん らい *清浄しょうじょうにん みょう *りょうとく しょうさん じょう

讃弥陀偈讃

さん弥陀みだぶつさん

禿とく親鸞しんらんさく

南無なも弥陀みだぶつ

  仏の成道

(3) 十劫成道

弥陀みだじょうぶつのこのかたは

いまに*十劫じっこうをへたまへり

法身ほっしん*光輪こうりんきはもなく

*もうみょうをてらすなり

  如来の荘厳
   無量光

(4)

智慧ちえこうみょうはかりなし

*りょう諸相しょそうことごとく

*こうきょうかぶらぬものはなし

*真実しんじつみょう*みょうせよ

   無辺光

(5)

だつ光輪こうりんきはもなし

*光触こうそくかぶるものはみな

*有無うむをはなるとのべたまふ

びょうどうかくみょうせよ

   無礙光

(6)

*光雲こううん無礙むげにょくう

一切いっさい有礙うげにさはりなし

*光沢こうたくかぶらぬものぞなき

*なん思議じぎみょうせよ

   無対光

(7)

清浄しょうじょうこうみょうならびなし

*こうのゆゑなれば

一切いっさい**ごっものぞこりぬ

*ひっきょうみょうせよ

   光炎王

(8)

仏光ぶっこうしょうようさい第一だいいち

*光炎こうえんのうぶつとなづけたり

さん黒闇こくあんひらくなり

*だいおうみょうせよ

   清浄光

(9)

*道光どうこうみょうろうちょうぜつせり

*清浄しょうじょうこうぶつとまうすなり

ひとたび*こうしょうかぶるもの

*ごっをのぞきだつをう

   歓喜光

(10)

*こうはるかにかぶらしめ

ひかりのいたるところには

*ほうをうとぞのべたまふ

*だいあんみょうせよ

   智慧光

(11)

*みょうあんするゆゑ

智慧ちえこうぶつとなづけたり

一切いっさい諸仏しょぶつ*さんじょうしゅ

ともに*たんしたまへり

   不断光

(12)

こうみょうてらしてたえざれば

だんこうぶつとなづけたり

**聞光もんこうりきのゆゑなれば

*しんだんにておうじょう

   難思光

(13)

仏光ぶっこう*しきりょうなきゆゑに

なんこうぶつとなづけたり

諸仏しょぶつおうじょうたんじつつ

弥陀みだどくしょうせしむ

   無称光

(14)

*神光じんこう*そうをとかざれば

しょうこうぶつとなづけたり

*因光いんこうじょうぶつのひかりをば

諸仏しょぶつたんずるところなり

   超日月光

(15)

こうみょうつきしょうして

ちょう日月にちがつこうとなづけたり

*しゃたんじてなほつきず

*等等とうどうみょうせよ

  聖衆の荘厳
   果徳の殊勝

(16)

弥陀みだ*しょしょうじゅ

算数さんじゅのおよぶことぞなき

じょうをねがはんひとはみな

*広大こうだいみょうせよ

(17)

*安楽あんらくりょう*だいさつ

*いっしょうしょにいたるなり

*げんとくしてこそ

*こくにかならずするなれ

(18)

じっぽうしゅじょうのためにとて

如来にょらい法蔵ほうぞうあつめてぞ

本願ほんがんぜいせしむる

*だい心海しんかいみょうせよ

(19)

*観音かんのん*せいもろともに

こうかい*しょうよう

えんしてしばらくも

そくあることなかりけり

(20)

安楽あんらくじょうにいたるひと

*じょくあくにかへりては

*しゃ牟尼むにぶつのごとくにて

やくしゅじょうはきはもなし

(21)

*神力じんりきざいなることは

*しきりょうすべきことぞなき

思議しぎとくをあつめたり

じょうそんみょうせよ

(22)

*安楽あんらく*しょうもん*さつしゅ

にん*でん智慧ちえほがらかに

身相しんそうしょうごんみなおなじ

*ほうじゅんじてをつらぬ

(23)

顔容げんよう*たんじょうたぐひなし

*しょうみょう人天にんでん

*虚無こむしんごくたい

びょうどうりきみょうせよ

   因法の殊勝

(24)

安楽あんらくこくをねがふひと

*正定しょうじょうじゅにこそじゅうすなれ

*じゃじょうじょうじゅくにになし

諸仏しょぶつ讃嘆さんだんしたまへり

(25)

じっぽう*しょしゅじょう

弥陀みだとく御名みなをきき

*真実しんじつ信心しんじんいたりなば

おほきに*所聞しょもんきょうせん

(26)

*にゃくしょうじゃのちかひゆゑ

しんぎょうまことにときいたり

一念いちねん*きょうするひとは

おうじょうかならずさだまりぬ

  国土の荘厳
   国土の讃嘆

(27)

安楽あんらくぶつ*しょう

*法蔵ほうぞう願力がんりきのなせるなり

てんじょうてんにたぐひなし

*だい心力しんりき*みょうせよ

   超絶の功徳

(28)

安楽あんらくこくしょうごん

しゃ無礙むげのみことにて

とくともつきじとのべたまふ

しょうぶつみょうせよ

   往生の無数

(29)

*今当こんとうおうじょう

このしゅじょうのみならず

*じっぽうぶつよりきたる

りょうしゅ*可計かけなり

(30)

弥陀みだぶつ御名みなをきき

*かん*讃仰さんごうせしむれば

どくほうそくして

*一念いちねん*だいじょうなり

(31)

たとひ*大千だいせんかい

みてらんをもすぎゆきて

ぶつ御名みなをきくひとは

ながく*退たいにかなふなり

(32)

神力じんりきごく弥陀みだ

りょう諸仏しょぶつほめたまふ

東方とうぼう*恒沙ごうじゃ仏国ぶっこくより

しゅさつゆきたまふ

(33)

自余じよほう仏国ぶっこく

さつ*往覲おうごんみなおなじ

しゃ牟尼むに如来にょらい*をときて

りょうどくをほめたまふ

(34)

じっぽうりょうさつしゅ

徳本とくほんうゑんためにとて

ぎょうをいたしたん

みなひと*婆伽婆ばがばみょうせよ

   真化二土

(35)

*七宝しっぽう*講堂こうどう*どうじょうじゅ

*方便ほうべんしんじょうなり

じっぽうらいしょうきはもなし

講堂こうどうどうじょうらいすべし

(36)

*みょう広大こうだいちょう数限しゅげん

本願ほんがんしょうごんよりおこる

*清浄しょうじょうだいしょうじゅ

*稽首けいしゅみょうせしむべし

(37)

*自利じり利他りた円満えんまんして

*みょう方便ほうべんぎょうしょうごん

こころもことばもたえたれば

不可ふか思議しぎそんみょうせよ

(38)

*神力じんりき本願ほんがんぎゅう満足まんぞく

明了みょうりょうけん*きょうがん

*慈悲じひ*方便ほうべん思議しぎなり

しんりょうみょうせよ

   宝林の讃嘆

(39)

宝林ほうりん宝樹ほうじゅみょうおん

*ねんしょうがくにて

*哀婉あいえんりょうすぐれたり

*清浄しょうじょうがくみょうせよ

(40)

七宝しっぽう樹林じゅりんくににみつ

*光耀こうようたがひにかがやけり

ようまたおなじ

本願ほんがんどくじゅみょうせよ

(41)

しょうふう宝樹ほうじゅをふくときは

*いつつのおんじょういだしつつ

*宮商きゅうしょうしてねんなり

*清浄しょうじょうくんらいすべし

   宝蓮の讃嘆

(42)

一々いちいちのはなのなかよりは

*さんじゅうろっぴゃく千億せんおく

こうみょうてらしてほがらかに

いたらぬところはさらになし

(43)

一々いちいちのはなのなかよりは

さんじゅうろっぴゃく千億せんおく

仏身ぶっしんもひかりもひとしくて

*相好そうごう金山こんぜんのごとくなり

(44)

*相好そうごうごとにひゃくせん

ひかりをじっぽうにはなちてぞ

つねにみょうほうときひろめ

しゅじょう仏道ぶつどうにいらしむる

   宝池の讃嘆

(45)

*七宝しっぽうほういさぎよく

*はっどくすいみちみてり

*無漏むろ依果えか思議しぎなり

*どくぞうみょうせよ

(46)

*さんなんながくとぢ

*たんねんらくおん

このゆゑ*安楽あんらくとなづけたり

ごくそんみょうせよ

   弥陀功徳の結讃

(47)

じっぽう*さん*りょう

おなじく*一如いちにょじょうじてぞ

*二智にち円満えんまん*どうびょうどう

*せっ随縁ずいえん思議しぎなり

(48)

弥陀みだじょうしぬれば

すなはち諸仏しょぶつするなり

一心いっしんをもちて一仏いちぶつ

ほむるは*無礙むげにんをほむるなり

(49)

*信心しんじんかんきょう所聞しょもん

乃曁ないかい一念いちねんしんしゃ

南無なも不可ふか思議しぎこうぶつ

めんらいしたてまつれ

(50)

*ぶっどく*ほめしめて

じっぽうえんにきかしめん

信心しんじんすでにえんひとは

つねに仏恩ぶっとんほうずべし

じょうじゅう八首はっしゅ  禿とく親鸞しんらんさく

*にょらい    *かんおんさつ
*だいせいさつ

しゃ牟尼むに如来にょらい   *富楼那ふるな尊者そんじゃ
*大目だいもく犍連けんれん
*なん尊者そんじゃ

*びんしゃおう  *だいにん
*耆婆ぎば大臣だいじん
*月光がっこう大臣だいじん

*だい尊者そんじゃ    *じゃおう
 ぎょう大臣だいじん
 守門しゅもんしゃ

大経讃

じょうさん  禿とく親鸞しんらんさく

¬だいきょうの¼ こころ

じゅうしゅ

  阿難の請問

(51)

尊者そんじゃ*なんよりたち

そんこう*瞻仰せんごう

*しょう希有けうしんとおどろかし

*ぞうけんとぞあやしみし

(52)

如来にょらい*光瑞こうずい希有けうにして

なんはなはだこころよく

*にょ之義しぎととへりしに

*しゅっほんあらはせり

  釈尊の応答

(53)

*だい寂定じゃくじょうにいりたまひ

如来にょらい光顔こうげんたへにして

なん*けんをみそなはし

*もん慧義えぎとほめたまふ

(54)

如来にょらい*こうほんには

本願ほんがん真実しんじつひらきてぞ

*なん難見なんけんとときたまひ

*霊瑞れいずいとしめしける

  本願の超異

(55)

弥陀みだじょうぶつのこのかたは

いまに十劫じっこうとときたれど

*塵点じんでんおんごうよりも

ひさしきぶつとみえたまふ

(56)

南無なも不可ふか思議しぎこうぶつ

*にょうおうぶつのみもとにて

じっぽうじょうのなかよりぞ

*本願ほんがん*せんじゃく摂取せっしゅする

  弥陀真実の利益

(57)

*無礙むげこうぶつのひかりには

*清浄しょうじょう*かん*智慧ちえこう

そのとく不可ふか思議しぎにして

じっぽう*しょやくせり

(58)

*しんしんぎょうよくしょう

じっぽうしょをすすめてぞ

思議しぎ*誓願せいがんあらはして

*真実しんじつほういんとする

(59)

**真実しんじつ信心しんじんうるひとは

すなはち*じょうじゅのかずにいる

*退たいのくらゐにいりぬれば

かならず*めつにいたらしむ

(60)

*弥陀みだだいふかければ

ぶっ思議しぎをあらはして

*へんじょうなんがんをたて

女人にょにんじょうぶつちかひたり

  第十九願の意

(61)

*しん発願ほつがんよくしょう

じっぽうしゅじょう*方便ほうべん

*衆善しゅぜんもんひらきてぞ

*げん人前にんぜんがんじける

(62)

*りんじゅう現前げんぜんがんにより

しゃ諸善しょぜんをことごとく

¬*かんぎょう¼ いちにあらはして

*じょうさんしょ*をすすめけり

(63)

諸善しょぜんまんぎょうことごとく

しん発願ほつがんせるゆゑに

おうじょうじょう方便ほうべん

ぜんとならぬはなかりけり

  第二十願の意

(64)

*しんこうよくしょう

じっぽうしゅじょう*方便ほうべん

*みょうごう真門しんもんひらきてぞ

*不果遂者と願じける

(65)

*すいがんによりてこそ

しゃ*善本ぜんぽん徳本とくほん

¬*弥陀みだきょう¼ にあらはして

*いちじょうをすすめける

(66)

じょうさんりき称名しょうみょう

すいのちかひにしてこそ

をしへざれどもねん

*真如しんにょもんてんにゅうする

  疑惑の過失

(67)

安楽あんらくじょうをねがひつつ

りきしんをえぬひとは

ぶっ思議しぎをうたがひて

*へん*まんにとまるなり

  弥陀法の難信

(68)

如来にょらい*こうにあひがたく

諸仏しょぶつ*きょうどうききがたし

*さつ*しょうぼうきくことも

りょうこうにも*まれらなり

(69)

*ぜんしきにあふことも

をしふることもまたかたし

よくきくこともかたければ

しんずることもなほかたし

(70)

*一代いちだいしょきょうしんよりも

*がんしんぎょうなほかたし

なんちゅうなんとときたまひ

*無過むかなんとのべたまふ

  聖浄の二門

(71)

ねんぶつじょうぶつこれ*しんしゅう

まんぎょう諸善しょぜんこれ*もん

*権実ごんじつしんをわかずして

*ねんじょう*えぞしらぬ

(72)

しょうどうごん方便ほうべん

しゅじょうひさしくとどまりて

*しょてんとぞなる

*がんいちじょう*みょうせよ

じょう ¬だいきょうの¼ こころ

観経讃

¬かんぎょうの¼ こころ

しゅ

  韋提の別選

(73)

恩徳おんどく広大こうだいしゃ如来にょらい

*だいにんちょくしてぞ

*光台こうだい現国げんこくのそのなかに

*安楽あんらくかいをえらばしむ

  阿闍世の逆害

(74)

*びんしゃおうちょくせしめ

宿しゅくいんそのをまたずして

*仙人せんにん殺害せつがいのむくひには

*しちじゅうのむろにとぢられき

(75)

*じゃおうしんして

*我母がもぞくとしめしてぞ

どうははがいせんと

つるぎをぬきてむかひける

(76)

*耆婆ぎば*月光がっこうねんごろに

*せん陀羅だらとはぢしめて

*不宜ふぎじゅうそうしてぞ

闍王じゃおうぎゃくしんいさめける

(77)

耆婆ぎば大臣だいじんおさへてぞ

*却行きゃくぎょう退たいせしめつつ

闍王じゃおうつるぎをすてしめて

だいをみやにきんじける

  聖衆の善化

(78)

弥陀みだしゃ方便ほうべんして

なん目連もくれん富楼那ふるなだい

だっ闍王じゃおうびんしゃ

耆婆ぎば月光がっこうぎょうとう

(79)

*だいしょうおのおのもろともに

ぼん*ていのつみひとを

*ぎゃくあくもらさぬ誓願せいがん

方便ほうべんいんにゅうせしめけり

(80)

しゃだい方便ほうべんして

*じょうえんじゅくすれば

*ぎょう大臣だいじんしょうとして

闍王じゃおうぎゃくあくこうぜしむ

  廃立の経意

(81)

じょうさんしょ各別かくべつ

りき*三心さんしんひるがへし

如来にょらい*利他りた信心しんじん

つうにゅうせんとねがふべし

じょう ¬かんぎょうの¼ こころ

弥陀経讃

¬弥陀みだきょうの¼ こころ

しゅ

  弥陀の名称

(82)

*じっぽうじんかい

ねんぶつしゅじょうをみそなはし

*摂取せっしゅしてすてざれば

弥陀みだとなづけたてまつる

  諸仏の讃嘆

(83)

*恒沙ごうじゃ*塵数じんじゅ如来にょらい

*まんぎょうしょうぜんきらひつつ

みょうごう思議しぎ信心しんじん

ひとしくひとへにすすめしむ

(84)

じっぽう恒沙ごうじゃ諸仏しょぶつ

*ごく難信なんしんののりをとき

*じょくあくのためにとて

*証誠しょうじょうねんせしめたり

(85)

諸仏しょぶつねん証誠しょうじょう

*がんじょうじゅのゆゑなれば

金剛こんごうしんをえんひとは

弥陀みだ大恩だいおんほうずべし

  濁世の出要

(86)

じょくあくあくかい

じょくあく邪見じゃけんしゅじょうには

弥陀みだみょうごうあたへてぞ

恒沙ごうじゃ諸仏しょぶつすすめたる

じょう ¬弥陀みだきょうの¼ こころ

諸経讃

しょきょうのこころによりて弥陀みださん

しゅ

  仏徳の讃嘆

(87)

*みょうたいをあはれみて

*法身ほっしん*光輪こうりんきはもなく

無礙むげこうぶつとしめしてぞ

あんにょうかい*影現ようげんする

(88)

*おんじつじょう弥陀みだぶつ

*じょくぼんをあはれみて

*しゃ牟尼むにぶつとしめしてぞ

*迦耶がやじょうには*応現おうげんする

(89)

ひゃくせん*てい*こうをへて

ひゃくせんていのしたをいだし

したごとりょうのこゑをして

弥陀みだをほめんになほつきじ

  行者の証悟

(90)

*だいしょうおうとときたまふ

じょうをうたがふしゅじょうをば

*げんにんとぞなづけたる

*無耳むににんとぞのべたまふ

(91)

*じょうじょう*しんだつ

しんだつ如来にょらいなり

しんだつにいたりてぞ

*あい無疑むぎとはあらはるる

(92)

*びょうどうしんをうるときを

**いっ子地しじとなづけたり

いっ子地しじ*ぶっしょうなり

あんにょうにいたりてさとるべし

(93)

如来にょらいすなはち*はんなり

はんぶっしょうとなづけたり

*ぼんにしてはさとられず

あんにょうにいたりてしょうすべし

(94)

信心しんじんよろこぶそのひとを

*如来にょらいとひとしとときたまふ

*だい信心しんじんぶっしょうなり

ぶっしょうすなはち如来にょらいなり

(95)

しゅじょう有礙うげ*さとりにて

無礙むげぶっをうたがへば

*ぞう婆羅ばらびん陀羅だらごくにて

こうしゅにしづむなり

じょうしょきょうのこころ

現世利益讃

げんやく*さん

じゅうしゅ

  鎮護国家の益

(96)

弥陀みだ如来にょらい*らいして

*息災そくさい延命えんめいのためにとて

¬*金光こんこうみょう¼ の 「寿じゅりょうぼん

ときおきたまへるみのりなり

(97)

*さん*でんぎょうだい

こく人民にんみんをあはれみて

*七難しちなんしょうめつ*誦文じゅもんには

南無なも弥陀みだぶつをとなふべし

  罪障消滅の益

(98)

一切いっさいどくにすぐれたる

南無なも弥陀みだぶつをとなふれば

*さん重障じゅうしょうみなながら

かならずてんじて*きょうなり

(99)

南無なも弥陀みだぶつをとなふれば

このやくきはもなし

てんりんのつみきえて

*じょうごう*ちゅうようのぞこりぬ

  諸衆護念の益

(100)

南無なも弥陀みだぶつをとなふれば

*梵王ぼんてんたいしゃくきょう

諸天しょてん善神ぜんじんことごとく

よるひるつねにまもるなり

(101)

南無なも弥陀みだぶつをとなふれば

*てん大王だいおうもろともに

よるひるつねにまもりつつ

よろづのあくをちかづけず

(102)

南無なも弥陀みだぶつをとなふれば

*堅牢けんろう地祇じぎそんきょう

かげとかたちとのごとくにて

よるひるつねにまもるなり

(103)

南無なも弥陀みだぶつをとなふれば

*なん跋難ばつなんだいりゅうとう

りょうりゅうじんそんきょう

よるひるつねにまもるなり

(104)

南無なも弥陀みだぶつをとなふれば

*えん法王ほうおうそんきょう

*どうみょうかんみなともに

よるひるつねにまもるなり

(105)

南無なも弥陀みだぶつをとなふれば

*他化たけてんだいおう

しゃ牟尼むにぶつのみまへにて

まもらんとこそちかひしか

(106)

*天神てんじん地祇じぎはことごとく

ぜんじんとなづけたり

これらの善神ぜんじんみなともに

ねんぶつのひとをまもるなり

(107)

願力がんりき思議しぎ信心しんじん

だいだいしんなりければ

てんにみてる*あくじん

みなことごとくおそるなり

(108)

南無なも弥陀みだぶつをとなふれば

*観音かんのん*せいはもろともに

恒沙ごうじゃ塵数じんじゅさつ

かげのごとくににそへり

(109)

無礙むげこうぶつのひかりには

しゅ弥陀みだましまして

ぶつおのおのことごとく

真実しんじつ信心しんじんをまもるなり

(110)

南無なも弥陀みだぶつをとなふれば

じっぽうりょう諸仏しょぶつ

ひゃくじゅうせんじゅう*にょうして

よろこびまもりたまふなり

じょうげんやく

勢至讃

¬*しゅりょうごんぎょう¼ によりてだいせいさつさんしたてまつる

はっしゅ

  念仏の円通

(111)

せい*ねんぶつ円通えんずうして

*じゅうさつもろともに

すなはちよりたたしめて

*仏足ぶっそくちょうらいせしめつつ

(112)

きょうしゅそんにまうさしむ

おうじゃくごうしゃこう

ぶつにいでたまへりき

りょうこうとまうしけり

(113)

*じゅう如来にょらいあひつぎて

じゅうこうをへたまへり

さい如来にょらいをなづけてぞ

ちょう日月にちがつこうとまうしける

  念仏三昧の徳

(114)

ちょう日月にちがつこう*このには

*ねんぶつ三昧ざんまいをしへしむ

じっぽう如来にょらいしゅじょう

いっのごとく憐念れんねん

(115)

ははをおもふがごとくにて

しゅじょうぶつおくすれば

*現前げんぜん当来とうらいとほからず

如来にょらい拝見はいけんうたがはず

(116)

*染香ぜんこうにんのそのには

こうあるがごとくなり

これをすなはちなづけてぞ

*香光こうこうしょうごんとまうすなる

  自利利他の徳

(117)

われもと*いんにありしとき

ねんぶつこころをもちてこそ

*しょうにんにはいりしかば

いまこの*しゃかいにして

(118)

ねんぶつのひとを摂取せっしゅして

じょうせしむるなり

だいせいさつ

大恩だいおんふかくほうずべし

じょうだいせいさつ

*源空げんくうしょうにんほんなり。

 

称讃浄土教… この引文は註釈版にない。 聖典全書 (中段・国宝本) の原文より有国が書き下した。
弥陀の名号… 冠頭の二首の和讃は、 念仏する者の中に、 本願を信じて称える者と、 疑いながら称える者があることを示して、 信を勧め疑を誡められたものである。
誓願不思議 阿弥陀仏の誓願せいがんは人間の思慮分別や議論を超えているので不思議という。
宮殿 へん (方便化土けど) 七宝の宮殿。 本願疑惑の行者はこの宮殿に生れて五百年の間、 三宝を見聞せず、 じょうやくすることができないという。
釈して…安養といふ 通常は 「釈して無量寿と名づく。 経にへて奉讃す。 また安養ともいふ」 と読む。 ¬讃弥陀偈¼ を経典と同等とみて、 本文のように読み改めたのであろう。
世の盲冥 みょう煩悩ぼんのうしゅじょうを指す。
無量光… 以下の三十七号は阿弥陀仏の徳号。
自在人・清浄人・無量徳 「易行品」 から抄出した阿弥陀仏の徳号。
有量の諸相 「よろづのしゅじょうなり」 (左訓)
光暁 智慧ちえこうみょうが無明の闇を破るのを暁に喩える。
真実明 明とは智慧のこと、 真実の智慧で十方世界を照らす仏という意。 「真といふは偽りへつらはぬを真といふ。 実といふはかならずもののみ (実) となるをいふなり」 (異本左訓)
光触 「ひかりを身にふるるといふこころなり」 (異本左訓)
光雲無礙如虚空 「ひかり雲のごとくしてさはりなきこと虚空のごとし」 (左訓)
光沢 「ひかりにあたるゆゑに智慧の出でくるなり」 (異本左訓)
遇斯光… 「弥陀仏にまうあひぬるゆゑに」 (左訓)
業繋 「罪の縄にしばらるるなり」 (左訓)
業垢 「悪業あくごう煩悩ぼんのうなり」 (左訓)
慈光 「あはれむひかり。 慈は父の慈悲にたとふるなり」 (異本左訓)
法喜 「みのりを喜ぶなり」 (左訓)
聞光力 「弥陀のおんちかひを信じまゐらするなり」 (左訓)
心不断 「弥陀の誓願を信ぜるこころたえずして往生すとなり」 (左訓)。
因光成仏 「光きはなからんと誓ひたまひて、 無礙光仏となりておはしますとしるべし」 (左訓) 阿弥陀仏の光明にって往生人が成仏するという義、 光明無量の願を因として阿弥陀仏となったという義とがある。 左訓は後の義を示したもの。
無等等 くらべもののない絶対平等のさとりを得た仏という意。
初会 仏のじょうどう後、 初めての法座、 またはその説法。
広大会 無量のしょうじゅを集めた広大な法会の主である仏という意。
普賢の徳 「われらしゅじょう、 極楽にまゐりなば、 大慈大悲をおこして十方に至りて衆生をやくするなり。 仏の至極の慈悲を普賢とまうすなり」 (異本左訓)
大心海 海のように広大な慈悲心をもつ仏という意。
神力 はかりしれないつよいはたらき。 神通じんずうりきのこと。
他方に順じて… 他の世界になぞらえて声聞・菩薩・人・天などの名を立てているだけで実体のないこと。
精微妙躯 不可思議ですぐれた身体。
虚無之身無極体 「法身如来なり」 (左訓) 虚無・無極はともに限定をこえたはんを指す。
邪定不定聚 「邪定は万行万善自力の往生、 ¬観経¼ の説。 不定聚は ¬小経¼ のこころ、 行は不可思議なれども、 われら自力に修行するあひだ不定聚と説く」 (異本左訓)
諸有の… 「あらゆる。 諸有は二十五有のしゅじょうといふ。 われら衆生は二十五有に過ぎて生るるといふこころなり」 (異本左訓) →じゅう
真実信心… 如来こうの真実信心が到りとどいたなら。
所聞を… 「信ずることを得てよろこぶなり」 (左訓)
若不生者のちかひ 「わがちかひを信ぜんもの、 もし生れずはほとけにならじといふこころなり」 (異本左訓) 第十八願を指す。
慶喜 「信をえてのちによろこぶとなり」 (左訓)
依正 「依報はよろづの宝樹、 宝池、 よろづの飾りなり。 すべての飾りの名なり。正報はわれらが極楽にまいりなば神通自在になるをいふなり」 (古写本左訓) →しょうほう
大心力 大いなる願心の力をそなえた仏という意。
帰命 「仰せにしたがふ」 (異本左訓)
已今当の往生 「過去に生る、 今生に生る、 未来に生るるなり」 (左訓)。
不可計 「かぞふべからずとなり」 (左訓)。
歓喜讃仰 「よろこびほめ仰ぐといふ」 (左訓) 「歓は身をよろこばしむるをいふなり、 喜は心をよろこばしむるをいふなり」 (異本左訓)
讃仰せしむれば 讃仰したてまつれば。
大利 「はんに入るを大利といふなり」 (異本左訓)。
大千世界 →三千さんぜん大千だいせんかい
往覲 「往生しほとけをみたてまつる」 (左訓)
 ¬大経¼ (下) の 「往覲おうごん」 のこと。
婆伽婆 梵語バガヴァット (bhagavat) の音写。 世尊と漢訳する。 ここでは阿弥陀仏の徳号。
方便化身の浄土 「へんまんこくなり、 疑惑胎生の浄土なり」 (左訓)。
妙土広大… 浄土は広大で数量を超えている。
清浄大摂受 清浄で広く衆生をおさめ取る仏という意。
自利利他… 「自利は阿弥陀のほとけになりたまひたるこころ、 利他はしゅじょうを往生せしむるこころ、 円は善悪すべてわかず、 よきことになしてましますこころの満ちたるこころなり。 みづからもほとけになり、 衆生もほとけになることを円満すといふなり」 (異本左訓)
帰命方便… 衆生を帰命せしめる慈悲方便としてのたくみな浄土のしょうごんそう
神力本願… 不可思議の救済力をもった阿弥陀仏の本願の内容を満足、 明了、 堅固、 究竟の四つに分けて説く。
究竟願 どんな困難にもくじけることなく必ず成就する願。
自然清和 おのずから発する響きがきよらかに調和していること。
哀婉雅亮 「あはれに、 すみ、 ただしく、 さえたり」 (左訓)。
清浄楽 清浄の音楽を成就した仏という意。
いつつの音声 きゅうしょうかくの五音階。
宮商和して 宮・商などの五音がよく調和して。
清浄薫 声がきよらかににおう仏という意。 「薫」 は底本には 「勲」 とある。
三十六百千億 浄土のれんには百千億の花びらがあり、 その花びらに青・白・玄・黄・朱・紫の六光があって相互に照らし合うから六六三十六の百千億の光になる。 一即一切、 一切即一という無礙むげの相をあらわしている。
無漏の依果 煩悩ぼんのうを離れた国土。 漏は煩悩の異名。 依果はしゅじょうのよりどころとなる環境世界。
功徳蔵 あらゆる功徳をたくわえている仏という意。
但有自然快楽音 ただ自然快楽のおんじょうのみがある。
無量慧 無量の智慧ちえを有するもの。 諸仏のこと。
道平等 諸仏のさとりが平等で同一であること。 道はさとり、 菩提の意。
無礙人 しょうそくはん煩悩ぼんのうそくだいという無礙の智を得た諸仏のこと。
信心歓喜… 「信巻」 215頁12行以下の本文および脚註参照。
仏慧功徳 仏慧は仏の真実の智慧、 功徳は国土・仏・菩薩の三種荘厳のこと。 異本には 「仏功徳」 とあり、 「大慈大悲と功徳とを」 の左訓がある。
ほめしめて ほめたてまつりて。
阿弥陀如来… 以下は ¬観経¼ に出る二尊と十三の聖者 (雨行大臣は ¬涅槃経¼ に出る) を列挙したもの。
生希有心 「ありがたきこころといふ」 (左訓)
未曽見 いまだかつてみたことがない。
光瑞 光り輝くずいの相 (めでたいすがた)。
如是之義… 「かくのごときの義、 いかなるおんことと問いたてまつるにとなり」 (異本左訓)
出世の本意 釈尊がこの世に出現した本意、 真の目的。
問斯慧義 「この慧義を問ふ」 慧義はだい寂定じゃくじょうに入った釈尊の智慧のいわれ。
興世の… 「世に出でたまふこころはといふ」 (左訓)
猶霊瑞華 「なほ霊瑞華のごとし」 霊瑞華はどんに同じ。
饒王仏 →在王ざいおうぶつ
至心信楽欲生 「本願のこころ、 第十八のせんじゃく本願なり」 (頭註) 「至心に信楽してわが国に生れんとおもへ」 と願われていることをいう。
真実信心… 第十一願の意を述べた一首。
弥陀の大悲… 「三十五の願のこころなり」 (頭註)
変成男子 →補註14
至心発願… 「じゅうの願のこころ、 諸行往生なり」 (頭註)
衆善の仮門 諸善万行を修めて往生を願うごんの法門。
現其人前 臨終にその人の前に仏が現れる。 来迎らいこうの意。
臨終現前の願 第じゅう願の願名。
至心回向… 「二十の願のこころなり、 自力の念仏を願じたまへり」 (頭註)
名号の真門 名号を自己の善根ぜんごんとして称える自力念仏の法門。
不果遂者 「つひにはたしとげんとなり」 (左訓)
果遂の願 第二十願。 果遂は 「はたしとげる」 という意で、 一には仮土けど往生を、 二には第十八願 (がん) への転入をはたしとげさせるということ。
善本徳本 「いんを善本といふ。 果位を徳本といふ」 (異本左訓) 因位の万善、 果位の万徳をおさめたみょうごうのこと。
一乗の機を… 本願一乗の法を受けとることのできるものに育てたという意。
真如の門… 「法身のさとりを開く身とうつり入るとまうすなり」 (異本左訓) 第十八願の他力念仏をいう。
興世に… 「世に出でたまふこと難しとなり」 (左訓)
経道 経典に教示されただつの道。
勝法 「すぐれたる法。 勝法といふは六度波羅蜜なり」 (異本左訓)
まれらなり めったにない。
一代諸教 釈尊が一生の間に説いた教法。
弘願の信楽 第十八願の信心。
無過此難 「これに過ぎて難きことなしとなり」 (左訓)
えぞしらぬ とうてい知ることができない。
悲願の一乗 大悲の願によって成就された、 万人を平等に成仏せしめる唯一絶対の教法。
光台現国 「釈迦如来のおんひかりのなかにさまざまの国を現じたまふなり」 (異本左訓)
仙人殺害 仙人は三年後にはびんしゃおうの太子として生れかわるべく定まっていたが、 王は早く太子が欲しいばかりにその時期をまたないで仙人を殺害した。
七重のむろ 七重に囲まれ閉ざされた部屋。
我母是賊 「わが母はこれ賊なり」
旃陀羅 →補註9
不宜住此… 「ここにとどまるべからずとまうしけるなり」 (左訓)。
却行而退 「却行して退く」 あとずさりすること。
大聖 前首に列挙した人々が還相げんそうしょうじゃであることを示す。
底下 「そこ。 われらは大海の底に沈めるとなり」 (異本左訓)
逆悪 「逆といふは五逆なり、 悪は十悪なり」 (異本左訓) →ぎゃくじゅうあく
浄土の機縁 浄土教が説き明かされる機縁。 じゃの逆悪を指す。
雨行… だいだっが阿闍世に語った過去の因縁いんねんが本当であるということを雨行大臣 (第78首の行雨はその異称) が証言して、 阿闍世の逆悪が起った。 「信巻」 所引の ¬涅槃経¼ の文【117】参照。
利他の信心 「本願真実の信心なり」 (左訓)。
摂取して… 「おさめとる。 ひとたびとりて永く捨てぬなり。 摂はものの逃ぐるを追はへ取るなり。 摂はをさめとる、 取は迎へとる」 (異本左訓) →摂取せっしゅしゃ
万行の少善 念仏を善根ぜんごんどくというのに対し、 それ以外のあらゆる行 (万行) を少善とする。
極難信ののり きわめて信じ難い教法。 128頁 「難信の法」 の脚註参照。
証誠護念 念仏の法が真実であることを証明し、 念仏の行者をまもること。
悲願 第十七願を指す。
無明 「煩悩ぼんのうの王を無明といふなり」 (異本左訓)
法身 「法身はすべてこころもことばも及ばぬなり。 虚空に満ちたまへり」 (異本左訓)
迦耶城 通常は伽耶城と書く。 釈尊成道の地、 仏陀伽耶 (ブッダガヤー) のこと。 異本左訓には 「浄飯大王のわたらせたまひしところを伽耶城といふなり」 とある。 これによると、 釈迦族の都城、 カピラヴァストゥのこと。
応現 しゅじょうに応じたすがたで現れること。
大聖易往 「釈迦仏なり、 往きやすしとなり」 (左訓)
無眼人・無耳人 →補註14
無上上… 「法身を無上上ともいひ、 真解脱ともいふ」 (異本左訓)
真解脱 「まことにさとり開くなり」 (左訓)。
無愛無疑 「欲のこころなし、 疑うこころなしとなり」 (左訓)
平等心 愛情をこえた怨親おんしん平等の心をいう。
一子地 「三界の衆生をわがひとり子とおもふことを得るを一子地といふなり」 (異本左訓)
凡地 ぼんの地位、 境涯。
大信心 「われらが弥陀の本願他力を信じたるを大信心といふ。 無上菩提に至るを大信といふなり」 (異本左訓)
さとり 了見。 考え。
曽婆羅頻陀羅地獄 「無間地獄のしゅじょうをみては、 あら楽しげやとみるなり。 仏法をそしりたるもの、 この地獄にちて八万劫住す。 大苦悩を受く」 (異本左訓)
和讃 「やはらげほめ」 (異本左訓)
来化 「来りてあはれみたまふ」 (左訓)
息災延命 「七難をとどめいのちを延べたまふなり」 (左訓)
金光明 →金光こんこう明経みょうきょう
山家 「比叡の山なり」 (異本左訓)
伝教大師 →さいちょう
七難… ¬七難しちなんしょうめつこくじゅ¼ に七難等の滅除に言及して 「依正安穏にして念仏を修せん」 とある。
 「そらにうかべよむを誦といふ」 (異本左訓)
軽微 「かろくなし、 少なくなす、 うすくなす意」 (左訓)
梵王帝釈 梵天ぼんてんのうたいしゃくてんのこと。
四天大王 →天王てんのう
堅牢地祇 「この地にある神、 地より下なる神を堅牢地祇といふ」 (異本左訓)
難陀跋難 八大竜王の中の二竜王。 竜王は仏法を守護するじん
炎魔法王 炎魔は梵語ヤマ (Yama) の音写。 地獄の主。 閻魔王ともいう。
五道の冥官 地獄・餓鬼がきちくしょう・人・天の五道の罪をさばく冥界の官吏。
他化天の大魔王 欲界よくかいの最上界である他化たけざいてん (第六天) の魔王。
天神地祇 天神は梵天ぼんてんのうたいしゃくてん天王てんのうなど、 地祇は堅牢地祇 (大地の神)・八大竜王などを指す。
悪鬼神 仏道修行をさまたげ、 しゅじょうを悩害するしゃせつなどの鬼神。
五十二菩薩 勢至菩薩とともに ¬首楞厳経¼ の会座えざに列なった菩薩たち。
十二の如来 →じゅうこう
この身 勢至菩薩を指す。
現前当来 現在と未来。 この世と浄土。
染香人 「かうばしき、 身に染めるがごとしといふ」 (異本左訓) 仏の智慧ちえの香りに染まった人。 念仏の行者をいう。
香光荘厳 「念仏は智慧なり」 (異本左訓) 阿弥陀仏よりたまわった智慧の香りと光によって、 念仏者の人生が美しく飾られること。
因地 ここでは勢至菩薩がまだ無生法忍の果を得ていない時の意。
無生忍 「不退の位とまうすなり。 かならずほとけになるべき身となるとなり」 (異本左訓)
源空聖人… 法然ほうねん上人は勢至菩薩のしんと信じられていた。