標挙

ひっめつがん

*なん思議じぎおうじょう

 

けんじょう真実しんじつしょう文類もんるい 四

禿とくしゃく親鸞しんらんしゅう

真実証釈  直釈

1.果体出願 定果体

【1】 つつしんで*真実しんじつしょうあらわさば、 すなはちこれ*利他りた円満えんまんみょう*じょうはんごくなり

真実の証 →補註2
利他円満の妙位 他力より与えられたどくの欠けめのないすぐれた仏の位。
無上涅槃の極果 この上ない仏のさとりの果。

謹顕↢真実証↡者、則是利他円満之妙位、无上涅槃之極果也。

1.果体出願 指出拠

すなはちこれひっめつがん (第十一願) よりでたり。 またしょうだいはんがんづくるなり

即是出↠於↢必至滅度之願↡、亦名↢証大涅槃之願↡也。

2.証果徳相 挙因弁果

しかるに*煩悩ぼんのうじょうじゅぼんしょうざいじょく群萌ぐんもう*往相おうそうこうしんぎょうれば、 そくのときに*だいじょう*正定しょうじょうじゅかずるなり。 正定しょうじょうじゅじゅうするがゆゑに、 かならず*めついた

煩悩成就 あらゆる煩悩を欠くことなくそなえていること。
往相回向の心行 仏より回向された信心と称名のこと。

然煩悩成就凡夫、生死罪濁羣萌、獲↢往相回向心行↡、即時入↢大乗正定聚之数↡。住↢正定聚↡故、必至↢滅度↡。

2.証果徳相 転釈滅度

かならずめついたるはすなはちこれ*じょうらくなり。 じょうらくはすなはちこれ*ひっきょうじゃくめつなり。 じゃくめつはすなはちこれ*じょうはんなり。 じょうはんはすなはちこれ*無為むい法身ほっしんなり。 無為むい法身ほっしんはすなはちこれ*実相じっそうなり。 実相じっそうはすなはちこれ*ほっしょうなり。 ほっしょうはすなはちこれ*真如しんにょなり。 真如しんにょはすなはちこれ*一如いちにょなり

常楽 常楽我常のこと。 常住じょうじゅうにして移り変りなく、 安らかで楽しみが充ち足り、 自在で他に縛られず、 煩悩ぼんのうのけがれがないこと。 涅槃にそなわる四種の徳。 →とく
畢竟寂滅 煩悩を滅した究極的なさとりの境地。

必至↢滅度↡即是常楽、常楽即是畢竟寂滅、寂滅即是无上涅槃、无上涅槃即是无為法身、无為法身即是実相、実相即是法性、法性即是真如、真如即是一如。

2.証果徳相 主伴同証

しかれば弥陀みだ如来にょらい*にょよりらいしょうして、 *ほうおう種々しゅじゅしんしめげんじたまふなり

 一如いちにょのこと。
報応化 報身ほうじん応身おうじんしん❶のこと。

然者弥陀如来従↠如来生、示↢現報・応・化種種身↡也。

○真実証釈  引文  経説

1.因願  大経

【2】 ひっめつ願文がんもん、 ¬*だいきょう¼ (上) にのたまはく、 「たとひわれぶつたらんに、 くにのうちの*人天にんでん*じょうじゅじゅうし、 かならずめついたらずは、 しょうがくらじ」 と

人天 人間と天人。 ここでは浄土の往生人のこと。
定聚 正定しょうじょうじゅのこと。

必至滅度願文、¬大経¼言。「設我得↠仏、国中人天、不↧住↢定聚↡必至↦滅度↥者、不↠取↢正覚↡。」

1.因願  如来会

【3】 ¬*りょう寿じゅ如来にょらい会¼ (上) にのたまはく、 「もしわれじょうぶつせんに、 くにのうちのじょう、 もしけつじょうして*とうしょうがくり、 だいはんしょうせずは、 だいらじ」 と

等正覚 →とうしょうがく

¬无量寿如来会¼言。「若我成仏、国中有情、若不↧決定成↢等正覚↡証↦大涅槃↥者、不↠取↢菩提↡。」

2.成就文  大経1

【4】 願 (第十一願) じょうじゅもん、 ¬きょう¼ (*大経・下) にのたまはく、 「それしゅじょうありて、 かのくにうまるれば、 みなことごとく正定しょうじょうじゅじゅうす。 ゆゑはいかん。 かの仏国ぶっこくのうちにはもろもろの*じゃじゅおよび*じょうじゅなければなり」 と

邪聚 じゃじょうじゅのこと。

願成就文、¬経¼言。「其有↢衆生↡、生↢彼国↡者、皆悉住↢於正定之聚↡。所以者何。彼仏国中、无↢諸邪聚及不定聚↡。」

2.成就文  大経2

【5】 またのたまはく (*同・上)、 「かの仏こくは、 清浄しょうじょう安穏あんのんにしてみょうらくなり。 *無為むい*ないおんどうちかし。 それもろもろのしょうもんさつてんにん智慧ちえこうみょうにして、 神通じんずう*洞達どうだつせり。 ことごとくおなじく一類いちるいにして、 かたちじょうなし。 *ただほういんじゅんするがゆゑに、 人天にんでんあり。 げんみょうたんじょうにしてえて希有けうなり。 容色ようしきみょうにして、 てんにあらずにんにあらず。 みな*ねん虚無こむしんごくたいけたるなり」 と

洞達 深く熟達していること。
ただ余方に… 浄土のしょうじゃを他方世界に順じて天とか人とか呼ぶのみで実の天でも人でもないという意。
自然虚無の身無極の体 自然・虚無・無極は涅槃の異名。 浄土における身体は、 涅槃のさとりにかない、 一切の限定を超えた絶対の自由をもつものであるという意。

又言。「彼仏国土、清浄安穏微妙快楽、次↢於无為泥洹之道↡。其諸声聞・菩薩・天・人、智慧高朙、神通洞達。咸同一類、形无↢異状↡。但因↢順余方↡故、有↢人天之名↡。顔貌端政超↠世希有。容色微妙、非↠天非↠人。皆受↢自然虚无之身、无極之体↡。」

2.成就文  大経3

【6】 またのたまはく (*如来会・下)、 「かのくにしゅじょう、 もしまさにうまれんもの、 みなことごとくじょうだいきょうし、 はんところいたらしめん。 なにをもつてのゆゑに。 もしじゃじょうじゅおよびじょうじゅは、 *かのいんこんりゅうせることをりょうすることあたはざるがゆゑなり」 と 以上抄要

かの因を… 阿弥陀仏が浄土往生の因をたてたことを明らかに信知することができないからという意。

又言。「彼国衆生、若当生者、皆悉究↢竟无上菩提↡、到↢涅槃処↡。何以故。若邪定聚及不定聚、不↠能↤了↣知建↢立彼因↡故。」已上抄要

○真実証釈 2 引文  師釈

1.曇鸞  論註1 妙声功徳(正定現益)

【7】 ¬じょうろん¼ (*論註・下) にいはく、 「ª*しょうごん妙声みょうしょうどくじょうじゅとは、 ¬¼ に、 «*ぼんしょう深遠じんのん みょうもん十方じっぽう» といへるがゆゑにº (浄土論) と。 これいかんぞ思議しぎなるや。 ¬きょう¼ にのたまはく、 ªもしひとただかのこく清浄しょうじょう安楽あんらくなるをきて、 *剋念こくねんしてしょうぜんとがんぜんものと、 またおうじょうるものとは、 すなはち*正定しょうじょうじゅるº と。 これはこれ、 *こくみょうぶつをなす。 いづくんぞ思議しぎすべきやと

荘厳妙声功徳成就 国土荘厳十七種の第十一荘厳。
梵声悟深… 「梵声の悟深遠にして微妙なり。 十方に聞ゆ」 梵声は清浄な仏の声のこと。
剋念して…入る ¬論註¼ の当分では 「剋念して生ぜんと願ずれば、 また往生を得て、 すなはち正定聚に入る」 と読む。 剋念願生する者が浄土に往生して正定聚に入る義であるが、 親鸞聖人は原文を読みかえて、 剋念往生する者 (此土) と浄土に往生した者 (彼土) との二種の正定聚があることを示した。 剋念は心を専注して一心になること。 ここは信心の異名。
国土の名字… 浄土の名がしゅじょうやくのはたらきをするということ。

¬浄土論¼曰。「荘厳妙声功徳成就者偈言↢梵声悟深遠微妙聞十方故↡。此云何不思議。経言。若人但聞↢彼国土清浄安楽↡、剋念願↠生、亦得↢往生↡、即入↢正定聚。此是国土名字為↢仏事↡、安可↢思議↡。

1.曇鸞 一 論註1 主功徳(滅度当益・果相)

 ª*しょうごんしゅどくじょうじゅとは、 ¬¼ に、 «*しょうがく弥陀みだ 法王ほうおうぜんじゅう» といへるがゆゑにº (浄土論) と。 これいかんが思議しぎなるや。 しょうがく弥陀みだ不可ふか思議しぎにまします。 かの安楽あんらくじょうしょうがく弥陀みだ善力ぜんりきのためにじゅうせられたり。 いかんが思議しぎすることをべきや。 ªじゅうº は不異ふいめつづく、 ªº はさんしつづく。 *きゅうやくをもつてしゅりて、 みずくにみだれず、 くにこがれず。 因縁いんねんてすなはちしょうずるがごとし。 なにをもつてのゆゑに。 きゅうやくちからなるがゆゑなり。 もしひとひとたび安楽あんらくじょうしょうずれば、 のちときこころ三界さんがいうまれてしゅじょうきょうせんとがんじて、 じょういのちててがんしたがひてしょうて、 三界さんがい*ざっしょうのなかにうまるといへども、 じょうだいしゅひっきょうじてちず。 なにをもつてのゆゑに。 しょうがく弥陀みだのよくじゅうるをもつてのゆゑにと

荘厳主功徳成就 国土荘厳十七種の第十二荘厳。
正覚阿弥… 「正覚の阿弥陀法王、 よく住持したまへり」 住持はとどめたもち、 ささえること。
不朽薬 ちることをなくするはたらきをもつ薬。
雑生 有漏うろの善悪の雑業により胎・卵・湿・化のしょうを受けること。 迷いのきょうがいに生れること。

荘厳主功徳成就者、偈言↢正覚阿弥陀法王善住持故↡。此云何不思議。正覚阿弥陀不可思議。彼安楽浄土、為↢正覚阿弥陀善力↡住持、云何可↠得↢思議↡邪。住名↢不異不滅↡、持名↢不散不失↡。如↧以↢不朽薬↡塗↢種子↡、在↠水不↠蘭、在↠火不↠燋、得↢因縁↡即生↥。何以故、不朽薬力故。若人一生↢安楽浄土↡、後時意願↧生↢三界↡教↦化衆生↥、捨↢浄土命↡随↠願得↠生、雖↠生↢三界雑生火中↡、无上菩提種子、畢竟不↠朽。何以故、以↠逕↢正覚阿弥陀善住持↡故。

1.曇鸞 一 論註1 眷属功徳(滅度当益・果相)

 ª*しょうごん眷属けんぞくどくじょうじゅとは、 ¬¼ に、 «*如来にょらいじょうしゅ しょうがくしょう» といへるがゆゑにº (浄土論) と。 これいかんぞ思議しぎなるや。 おほよそこれざっしょうかいには、 もしはたいもしはらんもしは湿しつもしは眷属けんぞく*そこばくなり。 *らく万品まんぼんなり。 雑業ぞうごうをもつてのゆゑに。 かの安楽あんらくこくはこれ弥陀みだ如来にょらい*しょうがくじょうしょうするところにあらざることなし。 同一どういつ念仏ねんぶつしてべつどうなきがゆゑに。 とおつうずるに、 それ*かいのうちみなきょうだいとするなり。 眷属けんぞくりょうなり。 いづくんぞ思議しぎすべきや」 と

荘厳眷属功徳成就 国土荘厳十七種の第十三荘厳。
如来浄華… 「如来浄華の衆は、 正覚の華より化生す」
そこばく 相等の数量。
苦楽万品 苦も楽も千差万別であること。
正覚浄華の化生 阿弥陀仏と同体のさとりをひらくこと。 浄華とは仏の座のことで、 如来正覚の仏座に化生するという意。
四海 しゅせんをとりまく四方の海。 全世界をいう。 転じて世界の人々を指す。

荘厳眷属功徳成就者偈言↢如来浄華衆正覚華化生故↡。此云何不思議。凡是雑生世界、若胎若卵、若湿若化、眷属若干、苦楽万品、以↢雑業↡故。彼安楽国土、莫↠非↣是阿弥陀如来正覚浄華之所↢化生↡。同一念仏无↢別道↡故遠通夫四海之内皆為↢兄弟↡也。眷属无量、焉可↢思議↡。」

1.曇鸞  論註2(滅度当益・果相)

【8】 またいはく (*論註・下)、 「おうじょうねがふもの、 もとはすなはち三三さんざんほんなれども、 いまはいちしゅなし。 また*じょういちなるがごとし。 いづくんぞ思議しぎすべきや」 と

淄澠の一味なるがごとし せいの国 (現在の中国山東さんとう省) にあったすいじょうすいという二河の名。 二河の水の味は異なるが海に入れば同じ塩からい水になるように、 往生の機に九品の別があっても、 同じ念仏の一道によって往生すれば平等の果を得るという意。

又言。「願↢往生↡者、本則三三之品、今无↢一二之殊↡、亦如↢溜澠 食陵反 一味↡、焉可↢思議↡。」

1.曇鸞  論註3(滅度当益・結)

【9】 また ¬ろん¼ (*同・下) にいはく、 「ª*しょうごん清浄しょうじょうどくじょうじゅとは、 ¬¼ に、 «*かんかいそう しょう三界さんがいどう» といへるがゆゑにº (浄土論) と。 これいかんぞ思議しぎなるや。 ぼんにん煩悩ぼんのうじょうじゅせるありて、 またかのじょうしょうずることをれば、 三界さんがい*ごうひっきょうじてかず。 すなはちこれ煩悩ぼんのうだんぜずして*はんぶん。 いづくんぞ思議しぎすべきや」 と 以上抄要

荘厳清浄功徳成就 国土荘厳十七種の第一荘厳。
観彼世界… 「かの世界の相を観ずるに、 三界の道に勝過せり」
繋業 しゅじょうを迷いの世界につなぎとめる煩悩ぼんのうのまじった行為。
涅槃分 涅槃の分斉。 涅槃の分斉ぶんざい。 涅槃のさとりそのもの。

又¬論¼曰。「荘厳清浄功徳成就者、偈言↢観彼世界相勝過三界道故↡。此云何不思議。有↢凡夫人煩悩成就↡、亦得↠生↢彼浄土↡、三界繋業畢竟不↠牽。則是不↠断↢煩悩↡得↢涅槃分↡、焉可↢思議↡。」已上抄要

2.道綽(仏徳平等力)

【10】¬*安楽あんらくしゅう¼ (下) にいはく、 「しかるに*ぶつ*神力じんりきまた斉等さいとうなるべし。 ただししゃ如来にょらいおのれがのうべずして、 ことさらにかのちょうぜるをあらわしたまふことは、 一切いっさいしゅじょうをしてひとしくせざることなからしめんとおぼしてなり。 このゆゑに、 しゃ処々しょしょたんせしめたまへり。 すべからくこのこころるべしとなり。 このゆゑに、 曇鸞どんらんほっしょう西にしするがゆゑに、 ¬だいきょう¼ にへてさんしていはく (讃阿弥陀仏偈)、 ª安楽あんらくしょうもんさつしゅにんてん智慧ちえことごとく洞達どうだつせり。 身相しんそうしょうごんしゅなし。 ただほうじゅんずるがゆゑにつらぬ。 顔容げんようたんじょうにしてくらぶべきなし。 *しょうみょうにしてにんてんにあらず。 虚無こむしんごくたいなり。 このゆゑに*びょうどうりきちょうらいしたてまつるº」 と

二仏 釈尊と阿弥陀仏。
精微妙躯 不可思議ですぐれた身体。
平等力 阿弥陀仏の三十七号 (¬讃弥陀偈¼ に示される三十七種の徳号) の一。 往生人に平等のさとりを得させる力のある仏という意。

¬安楽集¼云。「然二仏神力、応↢亦斉等↡。但釈迦如来不↠申↢己能↡、故顕↢彼長↡、欲↠使↢一切衆生莫↟不↢斉帰↡。是故釈迦処処嘆帰、須↠知↢此意↡也。是故曇鸞法師正意、帰↠西故、傍↢大経↡奉讃曰。安楽声聞菩薩衆 人天、智慧咸洞達、 身相荘厳无↢殊異↡、 但順↢他方↡故列↠名。 顔容端政无↠可↠比、 精微妙躯非↢人天↡、 虚无之身无極体、 是故頂↢平等力↡。」

3.善導  玄義分(往生即成仏)

【11】こうみょう (善導) の ¬しょ¼ (*玄義分) にいはく、 「がんといふは、 ¬だいきょう¼ のせつのごとし。 一切いっさい善悪ぜんあくぼんしょうずることをるは、 みな弥陀みだぶつ*大願だいがん業力ごうりきじょうじて*ぞうじょうえんとせざることなしとなり。 またぶつみつじんなれば、 きょうもんをしてさとりがたし。 *三賢さんげん*じっしょうはかりてうかがふところにあらず。 いはんやわれ*しんきょうもうなり。 あへてしゅらんや。 あおいでおもんみれば、 しゃはこのほうより*発遣はっけんし、 弥陀みだはすなはちかのくにより*来迎らいこうす。 かしこにびここにつかはす。 あにかざるべけんや。 ただねんごろにほうつかへて、 ひつみょうとして、 この*しんてて、 すなはちかのほっしょうじょうらくしょうすべし」 と

信外の軽毛 信は十信じっしんのこと。 十信の位にも入ることのできない、 風に吹かれれば飛ぶ軽い毛のようなぼんをいう。 →さつ
穢身 煩悩や罪悪によごれ、 けがれた身体・肉体。

光朙寺疏云。「言↢弘願↡者、如↢大経説↡。一切善悪凡夫、得↠生者、莫↠不↧皆乗↢阿弥陀仏大願業力↡為↦増上縁↥也。又仏蜜意弘深、教門難↠暁、三賢・十聖弗↢惻所↟闚況我信外軽毛、敢知↢旨趣↡。仰惟、釈迦此方発遣、弥陀即彼国来迎。彼喚此遣、豈容↠不↠去也。唯可↧懃奉↠法畢命為↠期、捨↢此穢身↡即証↦彼法性之常楽↥。」

3.善導  定善義(果徳具用)

【12】またいはく (*定善義)、 「西方さいほう*寂静じゃくじょう無為むいみやこには、 ひっきょう*しょうようして有無うむはなれたり。 だいこころくんじて法界ほうかいあそぶ。 *分身ぶんしんして*ものすること、 ひとしくしてことなることなし。 あるいは*神通じんずうげんじてほうき、 あるいは*相好そうごうげんじて*無余むよる。 変現へんげんしょうごんこころしたがひてづ。 ぐんじょうるものつみみなのぞこると。 またさんじていはく、 *きょらい*きょうにはとどまるべからず。 曠劫こうごうよりこのかた六道ろくどうてんして、 ことごとくみなたり。 いたるところにたのしみなし。 ただしゅうたんこえく。 この*生平しょうびょうへてのち、 かのはんみやこらん」 と

寂静無為の楽 煩悩を滅し尽したしょうめつ変化のない絶対のさとりの世界。 じょうのこと。
逍遥して 何ものにもとらわれず、 あるがままにあること。
分身して 仮に身を分ちすがたを変えて。
帰去来 さあ帰ろう。 陶淵とうえんめい (365-427) の 「きょらいのじ」 の中の言葉。 故郷に帰る決意を述べたものであるが、 ここでは浄土に生れたいという意をあらわす。
魔郷 しょうの迷いの世界。

又云。「西方寂静无為楽、 畢竟逍遥離↢有无↡、 大悲熏↠心遊↢法界↡、 分身利↠物等无↠殊。 或現↢神通↡而説↠法、 或現↢相好↡入↢无余↡、 変現荘厳随↠意出、 群生見者罪皆除。 又賛云。帰去来、 魔郷不↠可↠停。 曠劫来流↢転 六道↡、尽皆逕、 到処无↢余楽↡、 唯聞↢嘆愁生死声↡。 畢↢此生平↡後、 入↢彼涅槃城↡。」

○真実証釈  四法結釈

【13】それ*しんしゅうきょうぎょうしんしょうあんずれば、 如来にょらいだいこうやくなり。 ゆゑに、 もしはいん、 もしはいちとして弥陀みだ如来にょらい清浄しょうじょう願心がんしんこうじょうじゅしたまへるところにあらざることあることなし。 いんじょうなるがゆゑに、 またじょうなり。 るべしとなり

夫案↢真宗教・行・信・証↡者、如来大悲回向之利益。故若因若果、无↠有↤一事非↣阿弥陀如来清浄願心之所↢回向成就↡。因浄故、果亦浄也。応↠知。

還相回向釈  直釈

1.定還相体

【14】ふたつに*還相げんそうこうといふは、 すなはちこれ*利他りたきょうやくなり

還相の回向 →還相げんそうこう
利他教化地の益 他の衆生を救済するはたらき。

二言↢還相回向↡者、則是利他教化地益也。

2.明所出願

すなはちこれひっしょがん (第二十二願) よりでたり。 またいっしょうしょがんづく。 また還相げんそうこうがんづくべきなり

則是出↠於↢必至補処之願↡。亦名↢一生補処之願↡、亦可↠名↢還相回向之願↡也。

○還相回向釈  引文  経証

¬ちゅうろん¼ (論註) あらわれたり。 ゆゑに願文がんもんいださず。 ¬ろんちゅう¼ をひらくべし

顕↢¬註論¼↡故不↠出↢願文↡、可↠披↢¬論註¼↡。

○還相回向釈 2 引文  師釈

1.天親(園林遊戯地門)

【15】 ¬*じょうろん¼ にいはく、 「*しゅつだいもんとは、 だい慈悲じひをもつて一切いっさいのうしゅじょう観察かんざつして、 *おうしんしめす。 しょうその煩悩ぼんのうはやしのなかににゅうして、 神通じんずう遊戯ゆげしてきょういたる。 *本願ほんがんりきこうをもつてのゆゑに。 これをしゅつだいもんづく」 と

出第五門 出は利他教化に出ること。 第五門は五功徳門の中の園林おんりん遊戯地ゆげじもんのこと。 さとりの世界より迷いの世界にたちかえって、 自由自在にしゅじょうを救済するのを楽しみとすることを出第五門という。 →しゅどく

¬浄土論¼曰。「出第五門者、以↢大慈悲↡観↢察一切苦悩衆生↡、示↢応化身↡回↢入生死薗、煩悩林中↡、遊↢戯神通↡至↢教化地↡。以↢本願力回向↡故、是名↢出第五門↡。」

2.曇鸞  論註1(略明)

【16】 ¬*論註¼ (下) にいはく、 「*還相げんそうとは、 かのしょうじをはりて、 *しゃ摩他また*毘婆びばしゃ方便ほうべんりきじょうじゅすることをて、 *しょうちゅうりんにゅうして、 一切いっさいしゅじょうきょうして、 ともに仏道ぶつどう*かへしむるなり。 もしはおう、 もしはげん、 みなしゅじょういてしょうかいせんがためなり。 このゆゑに、 ªこうしゅとしてだいしんじょうじゅすることを*たまへるがゆゑにº (浄土論) とのたまへり」 と

生死の稠林 迷いの世界を密林に喩えていう。
向かへしむる・得たまへる 通常は 「向かふ」 「得んとする」 と読む。

¬論註¼曰。「還相者生↢彼土↡已、得↢奢摩他婆舎那方便力成就↡、回↢入生死稠林↡、教↢化一切衆生↡、共向↢仏道↡。若往若還、皆為↧抜↢衆生↡渡↦生死海↥。是故、言↧回向為↠首得↣成↢就大悲心↡故↥。」

2.曇鸞  論註2(広顕・等証寂滅)

【17】またいはく (*同・下)、 「ªすなはちかのぶつたてまつれば、 *しょうじょうしんさつひっきょうじて*びょうどう法身ほっしんとくしょうす。 *じょうしんさつと、 *じょうのもろもろのさつと、 ひっきょうじておなじくじゃくめつびょうどうるがゆゑにº (浄土論) とのたまへり

未証浄心の菩薩 十地のうちのしょから七地までの菩薩のこと。 この位の菩薩は、 まだ自他へのとらわれが残っているので、 自利利他するのにしん (強い意志力) を必要とする。 しかし八地以上の菩薩は、 一切のとらわれを離れ、 作心をもちいず自在無碍むげのはたらきをするから浄心の菩薩という。 →じゅう
平等法身 諸仏のじゃくめつ平等をさとった八地以上の菩薩の身。
浄心の菩薩 八地の菩薩。 →じゅう
上地のもろもろの菩薩 九地・十地の菩薩。 →じゅう

又言。「即見↢彼仏↡、未証浄心菩薩、畢竟得↢証平等法身↡。与↢浄心菩薩↡、与↢上地諸菩薩↡、畢竟同得↢寂滅平等↡故。

ªびょうどう法身ほっしんº とは、 はちじょう*ほっしょうしょうじんさつなり。 ªじゃくめつびょうどうº とは、 すなはちこの法身ほっしんさつしょしょうじゃくめつびょうどうほうなり。 このじゃくめつびょうどうほうるをもつてのゆゑに、 づけてびょうどう法身ほっしんとす。 びょうどう法身ほっしんさつ所得しょとくなるをもつてのゆゑに、 づけてじゃくめつびょうどうほうとするなり。 このさつ*ほうしょう三昧ざんまい三昧さんまい神力じんりきをもつて、 よく一処いっしょ一念いちねんいちに、 十方じっぽうかいへんして、 種々しゅじゅ一切いっさい諸仏しょぶつおよび諸仏しょぶつだいしゅかいようす。 よくりょうかいぶっぽうそうましまさぬところにして、 種々しゅじゅげんし、 種々しゅじゅ一切いっさいしゅじょうきょうだつして、 つねに*ぶつをなす。 *はじめに往来おうらい*おもいようおもいだつおもいなし。 このゆゑにこのしんづけてびょうどう法身ほっしんとす。 このほうづけてじゃくめつびょうどうほうとす

法性生身の菩薩 法性真如しんにょから生じた身をもっている菩薩。
報生三昧 八地以上の菩薩がほうとしてねんに得るじゃくめつの境地。 この三昧を得れば、 意志をはたらかさなくてもおのずから種々の身を示現してしゅじょうを救済し、 仏をようすることができるという。
初めに 通常は 「初めより」 と読む。
 とらわれ心。

平等法身者、八地已上法性生身菩薩也。寂滅平等之法也。以↠得↢此寂滅平等法↡故、名為↢平等法身↡。以↢平等法身菩薩所得↡故、名為↢寂滅平等法↡也。此菩薩得↢報生三昧↡。以↢三昧神力↡、能一処・一念・一時、徧↢十方世界↡、種種供↢養一切諸仏及諸仏大会衆海↡。能於↧无量世界无↢仏・法・僧↡処↥、種種示現、種種教↢化度↣脱一切衆生↡、常作↢仏事↡。初无↢往来想・供養想・度脱想↡。是故此身名為↢平等法身↡、此法名為↢寂滅平等法↡。

ªしょうじょうしんさつº とは、 しょじょうしちげんのもろもろのさつなり。 このさつ、 またよくげんずること、 もしはひゃくもしはせん、 もしはまんもしはおく、 もしはひゃくせんまんおくぶつこくにしてぶつ施作せさす。 かならずこころをなして三昧さんまいりて、 いましよく*しんせざるにあらず。 しんをもつてのゆゑに、 づけてしょうじょうしんとす。 このさつ安楽あんらくじょうしょうじてすなはち弥陀みだぶつんとがんず。 弥陀みだぶつとき*じょうのもろもろのさつと、 ひっきょうじてしんひとしくほうひとしと。 *りゅうじゅさつ*ばんさつ (天親) ともがら、 かしこにしょうぜんとがんずるは、 まさにこのためなるべしならくのみと

作心 心 (意志力) をはたらかして努力すること。
上地 ここでは八地以上の菩薩のこと。 →じゅう

未証浄心菩薩者、初地已上七地以還諸菩薩也。此菩薩、亦能現↠身、若百若千、若万若億、若百千万億、无仏国土施↢作仏事↡。要作↠心入↢三昧↡、乃能非↠不↢作心↡。以↢作心↡故、名為↢未証浄心↡。此菩薩、願↧生↢安楽浄土↡即見↦阿弥陀仏↥。見↢阿弥陀仏↡時、与↢上地諸菩薩↡、畢竟身等法等。龍樹菩薩・婆藪槃頭菩薩輩、願↠生↠彼者、当↠為↠此耳。

 うていはく、 ¬*じゅうきょう¼ をあんずるに、 さつ*進趣しんしゅかいきゅう、 やうやくりょうくんあり。 おおくの劫数こうしゅ。 しかうしてのち、 いましこれを。 いかんぞ弥陀みだぶつたてまつるときひっきょうじてじょうのもろもろのさつと、 しんひとしくほうひとしきやと

進趣階級 菩薩の階級が進むこと。

問曰。案↢十地経↡、菩薩進趣階級、漸有↢无量功勲↡、逕↢多劫数↡、然後乃得↠此。云何見↢阿弥陀仏↡時、畢竟与↢上地諸菩薩↡、身等法等邪。

 こたへていはく、 ª*ひっきょうº はいまだすなはちひとしといふにはあらずとなりと。 ひっきょうじてこのひとしきことをしっせざるがゆゑに、 ªひとしº といふならくのみと

畢竟 ここではついには、 最終的にはの意。

答曰。畢竟者、未↠言↢即等↡也、畢竟不↠失↢此等↡故、言↠等耳。

 うていはく、 もしすなはちひとしからずは、 またなんぞさつといふことをん。 ただしょのぼれば、 もつてやうやく増進ぞうしんして、 ねんにまさにぶつひとしかるべし。 なんぞかりじょうさつひとしといふやと

問曰。若不↢即等↡、復何得↠言↢菩薩↡。但登↢初地↡、以漸増進、自然当↢与↠仏等↡、何仮言↧与↢上地菩薩↡等↥。

 こたへていはく、 *さつしちのなかにして*だいじゃくめつれば、 かみ諸仏しょぶつもとむべきをず、 しもしゅじょうすべきをず。 仏道ぶつどうてて*実際じっさいしょうせんとほっす。 そのときに、 もし十方じっぽう諸仏しょぶつ*神力じんりきかんずは、 すなはちめつして*じょうなけん。 さつもし安楽あんらくおうじょうして弥陀みだぶつたてまつるに、 すなはちこの*なんなけん。 このゆゑにすべからく ªひっきょうびょうどうº といふべし

菩薩七地… 菩薩の陥るしち沈空ちんくうの難をいう。
大寂滅 一切の法は本来くうじゃくであるという空理。
実際 真実の際限の意ではんの異名。 ここでは身心ともに完全に無に帰する小乗の無余むよ涅槃のこと。
神力加勧 諸仏が不可思議な力を加えて菩薩をすすめはげますこと。
 七地沈空の難のこと。

答曰。菩薩於↢七地中↡得↢大寂滅↡、上不↠見↢諸仏可↟求、下不↠見↢衆生可↟度、欲↧捨↢仏道↡証↦於実際↥。爾時若不↠得↢十方諸仏神力加勧↡、即便滅度与↢二乗↡无↠異。菩薩若往↢生安楽↡見↢阿弥陀仏↡、即无↢此難↡。是故須↠言↢畢竟平等↡。

またつぎに ¬りょう寿じゅきょう¼ (上) のなかに、 弥陀みだ如来にょらい本願ほんがん (第二十二願) にのたまはく、 ªたとひわれぶつたらんに、 ほうぶつのもろもろのさつしゅ、 わがくにらいしょうして、 きょうしてかならず*いっしょうしょいたらん。 その本願ほんがんざいしょしゅじょうのためのゆゑに、 *ぜいよろいて、 徳本とくほんしゃくるいし、 一切いっさいだつせしめ、 諸仏しょぶつくにあそびて、 さつぎょうしゅし、 十方じっぽう諸仏しょぶつ如来にょらいようし、 恒沙ごうじゃりょうしゅじょうかいして*じょうしょうしんどうりゅうせしめんをばのぞく。 *じょうりん超出ちょうしゅつし、 *しょぎょう現前げんぜんし、 *げんとくしゅじゅうせん。 もししからずは、 しょうがくらじº と

弘誓の鎧 しゅじょうさいせいがんが堅固なことをよろいに喩える。
無上正真の道 阿耨多羅三藐三菩提のこと。 →のくさんみゃくさんだい
常倫に…現前し 通常は 「常倫諸地の行を超出し、 現前に」 と読む。 常倫はつねなみ、 普通一般の意。
諸地の行 じゅうの菩薩が行う自利利他の行。

復次无量寿経中、阿弥陀如来本願言。設我得↠仏、他方仏土諸菩薩衆、来↢生我国↡、究竟必至↢一生補処↡。除↧其本願自在所化、為↢衆生↡故、被↢弘誓鎧↡、積↢累徳本↡、度↢脱一切↡、遊↢諸仏国↡修↢菩薩行↡、供↢養十方諸仏如来↡、開↢化恒砂无量衆生↡、使↞立↢无上正真之道↡。超↢出常倫↡、諸地之行現前、修↢習普賢之徳↡。若不↠爾者、不↠取↢正覚↡。

この ¬きょう¼ をあんじて、 かのくにさつすいするに、 あるいはいちよりいちいたらざるべし。 じゅうかいといふは、 これしゃ如来にょらい*えんだいにしてひとつの*おうどうならくのみと。 ほうじょうは、 なんぞかならずしもかくのごとくせん。 *しゅ思議しぎのなかに、 仏法ぶっぽうもつとも不可ふか思議しぎなり。 もしさつかならずいちよりいちいたりて、 ちょうおつなしといはば、 いまだあへてつまびらかならざるなり

応化道 説法の対象に適応した教え方。

按↢此経↡推↢彼国菩薩↡、或可↠不↧従↢一地↡至↦一地↥。言↢十地階次↡者、是釈迦如来於↢閻浮提↡一応化道耳。他方浄土、何必如↠此。五種不思議中、仏法最不可思議。若言↧菩薩必従↢一地↡至↢一地↡、无↦超越之理↥、未↢敢詳↡也。

たとへばあり、 づけて*好堅こうけんといふ。 この*よりしょうじてひゃくさいならん。 いましつぶさに一日いちにちたけたかくなることひゃくじょうなるがごとし。 日々にちにちにかくのごとし。 ひゃくさいたけはかるに、 あに*しゅしょうるいせんや。 まつ生長しょうちょうするをるに、 すんぎず。 かの好堅こうけんきて、 なんぞよく即日そくじつうたがはざらん。 ひとありて、 しゃ如来にょらい*かんいっちょうしょうし、 *しょう終朝しゅうちょうせいすとのたまへるをきて、 これ*しょうゆうみことにして*しょうじつせつにあらずとおもへり。 このろんきて、 またまさにしんぜざるべし。 それ*じょうことばは、 じょうにんみみらず。 これをしからずとおもへり。 またそれよろしかるべきなりと

好堅 一日に百丈ずつ成長するという樹の名。 ¬だいろん¼ 巻十に出る。
地より…高くなること 通常は 「地に生ずるに百歳 (百囲) すなはち具せり。 一日に長ずること高さ」 と読む。
修松 高い松の木。
羅漢を… 一度の説法でたちまち阿羅あらかんの果を得させたことをいう。 ¬だい智度ちどろん¼ 巻八十八に出る。
無生を… 終朝は夜明けから朝食までの時間のこと。 朝食前のひとときに無生法忍に至らせる。
接誘の言 誘引の言葉、 すなわち方便説。
称実の説 実際の話。
非常の言 つねなみを離れた言葉。 普通でない言葉。

譬如↧有↠樹名曰↢好堅↡、是樹地生百歳、乃具一日長高百丈↥。日日如↠此、計↢百歳之長↡、豈類↢循松↡邪。見↢松生長↡、日不↠過↠寸、聞↢彼好堅↡何能不↠疑↢即日↡。有↠人、聞↫釈迦如来証↣羅漢於↢一聴↡、制↪无生於↩終朝↨、謂↣是接誘之言非↢称実之説↡。聞↢此論事↡、亦当↠不↠信。夫非常之言、不↠入↢常人之耳↡、謂↢之不↟然、亦可↢其宜↡也。

2.曇鸞 二 論註2(広顕・主伴差別

 ª略して*八句をきて、 如来にょらい自利じり利他りたどくしょうごんだいじょうじゅしたまへるをげんしたまへるなりと、 るべしº (浄土論) と。 これはいかんがだいなるとならば、 さきじゅうしちは、 これしょうごんこくどくじょうじゅなり。 すでにこくそうんぬ、 *こくしゅるべし。 このゆゑにつぎぶつしょうごんどくかんず。 かのぶつもししょうごんをなして、 いづれのところにしてかすると。 このゆゑにまづかんずべし。 すでにんぬ、 すでによろしくしゅるべし。 このゆゑにつぎぶつ身業しんごうしょうごんしたまへるをかんず。 すでに身業しんごうんぬ、 いかなる声名しょうみょうかましますとるべし。 このゆゑにつぎぶつごうしょうごんしたまへるをかんず。 すでに*みょうもんんぬ、 よろしくとくみょうのゆゑをるべし。 このゆゑにつぎぶつ心業しんごうしょうごんしたまへるをかんず。 すでに三業さんごうそくしたまへるをんぬ、 人天にんでんだいとなつてくるにへたるひとは、 これたれぞとるべし。 このゆゑにつぎ大衆だいしゅどくかんず。 すでに大衆だいしゅりょうどくいますことをんぬ、 よろしくじょうしゅはたれぞとるべし。 このゆゑにつぎじょうしゅかんず。 じょうしゅはこれぶつなり。 すでにじょうしゅんぬ、 おそらくは*ちょうようおなじことを。 このゆゑにつぎしゅかんず。 すでにこのしゅんぬ、 しゅいかなるぞうじょうかましますと。 このゆゑにつぎしょうごん虚作こさじゅうかんず。 はっだいじょうぜるなり

八句  ¬浄土論¼ に浄土の荘厳どくについて、 三厳さんごんじゅうしゅ荘厳を説く中の仏八種荘厳のこと。 →しょうごん
国土の主 浄土の主人、 阿弥陀仏のこと。
名聞 みょうごうのいわれがあらゆるところに聞えること。
おそらくは長幼に… 仏を上首としただけでは、 仏とだいしゅの関係が長幼の序 (年長者と年少者の順序) と混同される恐れがあるので、 次に主功徳をあらわして仏が主、 大衆が伴 (付き従う者) であることを示す。

略説↢八句↡、示↢現如来自利利他功徳荘厳次第成就↡、応↠知。此云何次第、前十七句是荘厳国土功徳成就。既知↢国土相↡、応↠知↢国土之主↡、是故次観↢仏荘厳功徳↡。彼仏若為↢荘厳↡、於↢何処↡座、是故先観↠座。既知↠座、已宜↠知↢座主↡、是故次観↣仏荘↢厳身業↡。既知↢身業↡、応↠知↠有↢何声名↡、是故次観↣仏荘↢厳口業↡。既知↢名聞↡、宜↠知↢得名所以↡、是故次観↣仏荘↢厳心業↡。既知↢三業具足↡、応↠知↧為↢人天大師↡堪↠受↠化者是誰↥、是故次観↢大衆功徳↡。既知↣大衆有↢无量功徳↡、宜↠知↢上首者誰↡、是故次観↢上首↡。上首是仏。既知↣上首恐同↢長劫↡、是故次観↠主。既知↢是主↡、主有↢何増上↡、是故次観↢荘厳不虚作住持↡。八句次第成也。

 さつかんぜば、 ªいかんがさつしょうごんどくじょうじゅ観察かんざつする。 さつしょうごんどくじょうじゅ観察かんざつせば、 かのさつかんずるに、 しゅしょうしゅぎょうどくじょうじゅしたまへることありと、 るべしº (浄土論) と。 *真如しんにょはこれ諸法しょほうしょうたいなり。 *たいにょにしてぎょうずればすなはちこれ*ぎょうなり。 ぎょうにしてぎょうずるを如実にょじつしゅぎょうづく。 たいはただ*一如いちにょにしてをしてわかちてつとす。 このゆゑにぎょう*いちをもつてまさしくこれを

体如にして 通常は 「如を体して」 と読む。
不行 とらわれを離れた修業。
一を…統ぬ 通常は 「一の正をもってこれをぶ」 と読む。

観↢菩薩↡者、云何観↢察菩薩荘厳功徳成就↡。観↢察菩薩荘厳功徳成就↡者、観↢彼菩薩↡、有↢四種正修行功徳成就↡。応↠知。真如是諸法正体。体如而行則是不行。不行而行、名↢如実修行↡。体唯一如而義分為↠四。是故四行以↠一正統↠之。

 ªなにものをかつとする。 ひとつには、 いち