題目

けんじょう真実しんじつ教行証きょうぎょうしょう文類もんるい じょ

法義を讃嘆す

1.他力真宗総標(大経)

 ^*ひそかにおもんみれば、 *なんぜい*なんかいする大船だいせん無礙むげ*こうみょう*みょうあんする*にちなり。

ひそかにおもんみれば 仏意に対して、 へりくだる意をあらわす。
難思の弘誓 思いはかることのできない広大な誓願せいがん
難度海 渡ることが難しい迷いの海。
恵日 智恵 (智慧) の輝きを太陽に喩えた語。

窃以、難思弘誓度↢難度海↡大船、无光明破↢无明闇↡恵日。

底本は◎真宗大谷派蔵親鸞聖人真筆本。 Ⓐ本派本願寺蔵鎌倉時代写本、 Ⓑ高田派専修寺蔵真仏上人書写本、 Ⓒ本派本願寺蔵存如上人授与本、 Ⓓ本派本願寺蔵版 と対校。
総序は底本を欠く。 Ⓐによる。

2.教興の因縁と諸聖の大悲(観経)

^しかればすなはち、 *じょうほうえんじゅくして、 調じょうだつ (*提婆達多)じゃ (*阿闍世) をしてぎゃくがいこうぜしむ。 *じょうごう*あらわれて、 しゃ*だいをして*あんにょうえらばしめたまへり。 これすなはち*ごんにんひとしくのう*群萌ぐんもうさいし、 *おうまさしく*ぎゃくほう*闡提せんだいめぐまんとおぼす。

彰れて Ⓐ「彰して」
浄邦縁熟して 釈尊が浄土の教えを説き明かす機縁が熟して。
浄業機彰れて 浄土往生の行業 (念仏) を修するにふさわしい機類があらわれて。

然則、浄クニ縁熟、調達闍世興↢逆害↡、浄業機彰、釈迦韋提選↢安養↡。斯乃、権化仁、斉タスケスクフ苦悩群萌↡、世雄悲、正欲↠恵↢逆謗闡 ↡。

3.行信の勝徳(小経)

^ゆゑにんぬ、 *えんにゅうとくごうあくてんじてとくしょう*難信なんしん金剛こんごう*しんぎょううたがいのぞさとりしむるしんなりと。

円融至徳の嘉号 万物一如いちにょという完全にして最高の徳をそなえた阿弥陀仏のみょうごう
難信金剛の信楽 自力の心では得ることのできない堅固な信心。

故知、円トオル至徳ヨシミナ、転↠悪成↠徳正智、難信金剛信楽、除↠疑獲↠証真理 

有縁を勧誡す

4.易修に約して勧信

 ^しかれば、 *ぼんしょうしゅやすしんきょうどんやす*捷径せつけいなり。 **だいしょう一代いちだいきょう、 この徳海とくかい*しくなし。

凡小 愚かなぼん
捷径 近道。
大聖 Ⓐ「大聖の」
大聖一代の教 釈尊が一生の間に説いた教法。
しくなし 及ぶものはない。

爾者、凡小易↠修真教、愚鈍易↠往トシスグヂ。大聖一代教、無↠如↢是之徳 ↡。

^じょうねがひ、 ぎょうまどしんまどひ、 こころくらさとりすくなく、 あくおもさわりおおきもの、 ことに如来にょらい (釈尊) *発遣はっけんあおぎ、 かならずさいしょう直道じきどうして、 もつぱらこのぎょうつかへ、 ただこのしんあがめよ。

捨↠穢忻↠浄、迷↠行惑↠信、心昏識寡、悪重障多、特仰↢如来発ツカハス↡、必帰↢モトモスグレ直道↡、専奉↢斯行↡、唯崇↢斯信↡。

5.聞法の因縁と疑慮の大過

^ああ、 ぜい強縁ごうえん*しょうにももうあひがたく、 真実しんじつじょうしん*億劫おくこうにもがたし。 たまたまぎょうしんば、 とお*宿しゅくえんよろこべ。

多生にも値ひがたく いくたび生を重ねても容易にあえるものではなく。
億劫 限りなく長い時間。 →こう

ナゲク、弘誓強縁多生叵↠値、真実浄信億劫叵↠獲。遇獲↢行信↡遠慶↢宿 ↡。

^もしまたこのたび*もうへいせられば、 かへつてまた*曠劫こうごう*経歴きょうりゃくせん。 まことなるかな、 *摂取せっしゅしゃ真言しんごんちょう希有けうしょうぼう*もんしてりょすることなかれ。

疑網に覆蔽せられば 疑いの網におおわれたなら。
経歴 ここではてんをくり返すこと。
聞思して… 本願のいわれを聞きひらき、 疑いためらってはならない。

若也、此覆↢蔽オホワル疑網↡、更復逕↢歴曠劫↡。誠哉、摂取不捨真言、超世希有正法、聞思莫↢オソクオモパカリ↡。

→Ⓑ

造書の意を述ぶ

6.七祖の師訓と選集の意楽

 ^ここに*禿とくしゃく親鸞しんらんよろこばしいかな、 *西蕃せいばんげっしょうてんとう (中国)日域じちいき (日本) しゃくに、 ひがたくしていまふことをたり、 きがたくしてすでにくことをたり。 *しんしゅう教行証きょうぎょうしょうきょうしんして、 ことに如来にょらい恩徳おんどく*ふかきことをんぬ。 ここをもつてくところをよろこび、 るところをたんずるなりと。

西蕃月支 月支 (月氏) は中央アジアの民族名であるが、 ここでは西蕃も月支もともにインドを指す。
 Ⓐ-

爰愚禿釈親鸞、慶哉、西サカイ・月支聖典、東夏・日域師釈、難↠遇今得↠遇、難↠聞已得↠ 。敬↢信真宗教行証↡、特知↢如来恩徳深↡。斯以、慶↠所↠聞、ホム↠所↠獲矣。

Ⓐイヒオハルコトバナリ Ⓑイヒオハルコヽロナリ

標挙

だいりょう寿じゅきょう *真実しんじつきょう *じょうしんしゅう

真実の教 →補註8

標列

真実しんじつきょうあらわす 一

 真実しんじつぎょうあらわす 二

 真実しんじつしんあらわす 三

 真実しんじつしょうあらわす 四

 しんぶつあらわす  五

 しんあらわす  六

 

題号

けんじょう真実しんじつきょう文類もんるい 

禿とくしゃく親鸞しんらんしゅう

先づ法門を開拓す【真宗大綱】

【1】 ^つつしんで*じょうしんしゅうあんずるに、 しゅ*こうあり。 一つには*往相おうそう、 二つには*還相げんそうなり。 往相おうそうこうについて真実しんじつきょうぎょうしんしょうあり。

回向 →補註12

按↢浄土真宗↡有↢二種廻向↡。一者往相、二者還相。就↢往相廻向↡有↢真実教行信証↡。

→Ⓑ
この段は底本を欠く。 Ⓐによる。

正しく真実教を明かす
  教体を指定す【指定教体】

【2】 ^それ真実しんじつきょうあらわさば、 すなはち ¬*だいりょう寿じゅきょう¼ これなり。

夫顕↢真実教↡者、則¬大无量寿経¼是也。

大意を顕示す【大経大意】
    正しく大意を明かす

^このきょうたいは、 弥陀みだちかいちょうほつして、 ひろ*法蔵ほうぞうひらきて、 ぼんしょうあわれんでえらんで*どくほうすることをいたす。 しゃしゅっこうして、 *どうきょう*光闡こうせんして、 *群萌ぐんもうすくめぐむに*真実しんじつをもつてせんとおぼすなり。

経大意者、弥陀超↢発於↟誓、広開↢法蔵↡、致↧哀↢凡小↡選施↦功徳之宝↥。釈迦出↢興於↟世、ヒロシヒラク道教↡、欲↧拯↢群萌↡恵以↦真実之 ↥。

 Ⓐ「オモテナリイ本」と左傍註記

二 Ⅱ 宗体を結示す

^ここをもつて如来にょらい*本願ほんがんきてきょう*しゅうとす、 すなはちぶつ*みょうごうをもつてきょう*たいとするなり。

法蔵 法門の蔵。 真理をおさめた蔵。
功徳の宝 阿弥陀仏のみょうごうのこと。
道教 釈尊一代の教説のこと。
真実の利 真実のやく。 阿弥陀仏の本願名号によって得る利益をいう。
宗致 経典に説かれた法義の最も肝要なことがら。

是以説↢如来本願↡為↢経宗ムネト↡、即以↢仏名号↡為↢経体↡也。

真実を証誠す【出世本懐】
   
徴起

 ^なにをもつてか*しゅっだいなりとることをるとならば、

出世の大事 釈尊がこの世に出現した本意、 真の目的。

何以得↠知↢出世大事↡、

二 Ⅲ 出文
      経文
        ¬大経¼

【3】 ^¬*だいりょう寿じゅきょう¼ (上) にのたまはく、

¬大无量寿経¼言、

1.阿難請問 ・ 未曾瞻覩

^ª今日こんにち*そん*諸根しょこんえつ姿しき清浄しょうじょうにして、 *光顔こうげん巍々ぎぎとましますこと、 あきらかなるかがみきよかげひょうとおるがごとし。 *よう顕曜けんようにしてちょうぜつしたまへることりょうなり。 いまだかつて*せんせず、 しゅみょうなることきょうのごとくましますをば。

諸根悦予 諸根は眼・耳・鼻・舌・身の五根 (五種の感覚器官)、 悦予はよろこぶこと。 全身によろこびがあふれている相をあらわした言葉。
光顔巍々 光り輝く顔が気高くすぐれているさま。
威容顕曜 姿がおごそかで、 光り輝いていること。
瞻覩 仰ぎみること。

「今日世尊、諸根ヨロコビヨロコブ姿スガタ色清浄、光カオバセスガタ巍、如↣明鏡浄影、暢↢オモテウラ↡。威スガタカヾヤクタエタリ无量。未↢曾瞻覩ミタテマツラ↡、スグレ妙如↠今。

1.阿難請問 ・ 五徳瑞現

^*やや、 しかなり。 だいしょう、 わがこころ念言ねんごんすらく 今日こんにち*そん*どくほうじゅうしたまへり 今日こんにち*おう*ぶつしょじゅうじゅうしたまへり 今日こんにち*げん*どうぎょうじゅうしたまへり 今日こんにち*よう*さいしょうどうじゅうしたまへり 今日こんにち*天尊てんそん*如来にょらいとくぎょうじたまへり。

ややしかなり 相手にきょうじゅんの意を示しつつ応諾する語。 「はい、 そうです」 と仏のしょうに随順するという意。

唯然。大聖、我心念言、今日世尊、住↢奇特法↡。今日世雄ヨニスグレタリト、住↢仏所住↡。今日世眼、住↢導師 ↡。今日世英、住↢最勝道↡。今日天尊、行↢如来 ↡。

 Ⓐ「道アル本ニコノ字」と下欄註記

1.阿難請問 ・ 仏仏相念

^*らいげんぶつぶつぶつとあひねんじたまへり。 いまのぶつ諸仏しょぶつねんじたまふことなきことをんや。 なんがゆゑぞ*じんひかりひかりいまししかるº と。

去来現 過去・未来・現在。

去来現仏、仏仏相念。得↠无↣今仏念↢諸仏↡邪。何故威神光光乃爾。

2.如来審問

^ここにそん*なんげてのたまはく、 ª諸天しょてんのなんぢをおしへてきたしてぶつはしむるや、 みづからけんをもつてげんへるやº と。

於↠是世尊告↢阿難↡曰、諸天教↠汝来問↠仏邪、自以↢慧見↡問↢威顔カヲバセ↡乎。

3.阿難実答

^なんぶつにまうさく、 ª諸天しょてんきたりてわれをおしふるものあることなけん。 みづから所見しょけんをもつてこのひたてまつるならくのみº と。

阿難白↠仏、無↠有↢諸天来教↠我者↡。自以↢所見↡問↢斯義↡耳。

4.如来正答 ・ 先歎所問

 ^ぶつののたまはく、 ªいかななんへるところはなはだこころよし。 ふか智慧ちえ*しんみょう弁才べんざいおこして、 しゅじょう*愍念みんねんせんとして、 この*慧義えぎへり。

真妙の弁才 真実で巧妙な弁舌の才能。
慧義 智慧によってのみ知ることができる意義。 すなわち、 仏の五徳瑞現の理由。

仏言、善哉阿難、所↠問甚快。発↢深智慧、真妙ワキマフ才↡、愍↢念衆生↡、問↢斯慧 ↡。

4.如来正答 ・ 正顕本懐 ・ 正明

^如来にょらい*がいだいをもつて*三界さんがい*矜哀こうあいしたまふ。 しゅっこうするゆゑは、 どうきょう*光闡こうせんして、 群萌ぐんもうすくめぐむに真実しんじつをもつてせんとおぼしてなり。

無蓋の大悲 いかなるものにもおおい隠されることのない大慈悲心。 この上ない大慈悲心。

如来以↢无オホフ大悲↡矜↢哀オホキニアハレム三界↡。所↣以出↢興於↟世、光↢闡道教↡、欲↧拯↢群萌↡恵以↦真実之 ↥。

4.如来正答 ・ 正顕本懐 ・ 示難

^りょうおくこうもうあひがたくたてまつりがたきこと、 なほし*霊瑞れいずいときありてときにいましづるがごとし。

无量億劫難↠値難↠見、猶↢霊瑞華時時乃出↡。

4.如来正答 ・ 正顕本懐 ・ 問益

^いまへるところは*にょうやくするところおおし、 一切いっさい諸天しょてん人民にんみんかいす。

今所↠問者多↠所↢饒益↡、開↢化一切諸天・人民↡。

4.如来正答 ・ 述成所問

^なんまさにるべし、 如来にょらい**しょうがくは、 そのはかりがたくして、 どうしたまふところおおし。 *けん無礙むげにしてよく*遏絶あつぜつすることなしº」 と。

 Ⓐ-
饒益 他をやくすること。
慧見無碍 仏の智慧ちえが自在であること。
遏絶 さえぎりとどめること。

阿難当↠知、如来正覚、其智難↠量、多↠所↢導御↡。慧見无无↢能トヾム絶↡。」

二 Ⅲ ⅱ a ¬如来会¼

【4】 ^¬*りょう寿じゅ如来にょらい¼ (上) にのたまはく、 ^なんぶつにまうしてまうさく、 ªそん、 われ如来にょらい*光瑞こうずい希有けうなるをたてまつるがゆゑにこのねんおこせり。 てんとうによるにあらずº と。

光瑞 光り輝くずいの相 (めでたいすがた)。

¬无量寿如来会¼言、「阿難白↠仏言、世尊、我見↢如来光瑞希有↡故発↢斯念↡。非↠因↢天等↡。

^ぶつなんげたまはく、 ªいかないかな、 なんぢいまこころよへり。 よくみょう弁才べんざい観察かんざつして、 よく如来にょらいにょひたてまつれり。 なんぢ一切いっさい*如来にょらい*おう*しょう等覚とうがくおよびだいあんじゅうしてぐんじょうやくせんがために、 *どん希有けうなるがごとくして*だいけんしゅつげんしたまへり。 ゆゑにこのひたてまつる。 またもろもろの*じょう*哀愍あいみん*らくせんがためのゆゑに、 よく如来にょらいにょひたてまつれりº」 と。

大士 一般には菩薩のこと。 ここでは釈尊を指す。
利楽 利益し安楽にさせること。

仏告↢阿難↡、善哉善哉、汝今快問。善能観↢察ミソナハシクカヾミテ微妙弁才ワキマヘシル↡、能問↢如来如是之義↡。汝為↧一切如来・応・正等覚 安↢住大悲↡利↦益群生↥、如↢優曇華希有↡大士出↢現世間↡。故問↢斯 ↡。又為↤哀↢愍利↣楽諸有情↡故、能問↢如来如是之 ↡。」

→Ⓒ
有情→Ⓑ衆生

二 Ⅲ ⅱ a ¬平等覚経¼

【5】 ^¬*びょうどうがくきょう¼ (一) にのたまはく、 ^ぶつなんげたまはく、 ªけん*どんじゅあり、 ただありてはなあることなし。 てんぶつまします、 いましはなづるがごとくならくのみ。 けんぶつましませども、 はなはだもうあふことをることかたし。 いまわれぶつになりててんでたり。 *なんぢ大徳だいとくありて、 そうみょう善心ぜんしんにして、 あらかじめぶつる。 なんぢわすれずして仏辺ぶっぺんにありてぶつつかへたてまつるなり。 なんぢいまへるところ、 よくき、 あきらかにけº」 と。

優曇鉢樹 どんのこと。
なんぢ…聴け 底本には 「もし大徳ありて、 聡明善心にして、 仏意を知るによって、 もし忘れずは、 仏辺にありて仏に侍へたまふなり。 もしいま問へるところ、 あまねく聴き、 あきらかに聴け」 とある。

¬ 等覚経¼言、「仏告↢阿難↡、如↧世間有↢優曇鉢樹↡、但有↠実无↠有↠華、天下有↠仏、乃華出↥耳。世間有↠仏、甚難↠得↠ 。今我作↠仏出↠於↢天下↡。若有↢大徳↡、トク明善心、縁↠知↢仏意↡、若不↠ワスレ在↢仏辺↡侍↠仏也。若今所↠問、普聴、諦 。」

二 Ⅲ ⅱ 師釈
        憬興¬述文賛¼

【6】 ^*きょうごうのいはく (*述文賛)^ª今日こんにちそんじゅうどくほうº といふは、 *神通じんずうりんによりてげんじたまふところのそうなり。 ただつねにことなるのみにあらず。 またひとしき*ものなきがゆゑに。 ª今日こんにちおうじゅうぶつしょじゅうº といふは、 *とう三昧ざんまいじゅうして、 *よくしゅ雄健おうごんてんせいするがゆゑに。 ª今日こんにちげんじゅうどうぎょうº といふは、 *げんどうぎょうづく。 しゅじょう引導いんどうするにじょうなきがゆゑに。 ª今日こんにちようじゅうさいしょうどうº といふは、 ぶつ*四智しちじゅうしたまふ。 ひとひいでたまへること、 ひとしきことなきがゆゑに。 ª今日こんにち天尊てんそんぎょう如来にょらいとくº といふは、 すなはち*だいいちてんなり。 *ぶっしょうくうをもつてのゆゑに。 ªなんとう如来にょらいしょうがくº といふは、 すなはちどくほうなり。 ªけん無礙むげº といふは、 さいしょうどうじゅつするなり。 ªのう遏絶あつぜつº といふは、 すなはち如来にょらいとくなり」 と。

もの 底本では 「ものと」。
神通輪 三輪の一。 →三輪さんりん
よく衆魔雄健天を制するがゆゑに 雄健天を天魔 (第六天の魔王) と解するものか。 通常は 「よく衆魔を制す。 雄健天 (世雄。 仏のこと) なるがゆゑに」 と読む。
第一義天 仏のこと。 五天、 すなわち世天 (世間の人王)、 生天 (天界の神々)、 浄天 (しょうもん縁覚えんがく)、 義天 (菩薩)、 第一義天 (仏) の一。 仏が第一義 (真如しんにょぶっしょう) をさとるゆえにいう。
仏性不空 仏性は無量の徳用をもち常住じょうじゅうであることをいう。

 興師云、「今日世尊住奇特法、依↢神通輪↡所↠現之相。非↢唯異↟常。亦无↢等者↡故。 日世雄住仏所住、住↢普等三昧↡、能制↢衆魔雄健天↡故。今日世眼住導師行、五眼名↢導師行↡、引↢導衆生↡无↢過上↡故。今日世スグル住最勝道、仏住↢四智↡。独秀无↠匹故。今日天尊行如来徳、即第一義天。以↢仏性不空義↡故。 難当知如来正覚、即奇特之法。 慧見无、述↢最勝之道↡。 无能タヘタフル即如来之徳。

二 Ⅲ 結示

【7】 ^しかればすなはち、 これ*真実しんじつきょうあらわ明証みょうしょうなり。

真実…明証 底本では 「顕真実教の明証」

爾者則此顕真実教明証也。

 ◎「是」「此」と上書訂記 →Ⓑ

結嘆【六句歎釈】

^まことにこれ、 如来にょらいこうしょうせつどくさいしょうみょうでん*いちじょうきょう極説ごくせつ速疾そくしつえんにゅう金言きんげん十方じっぽうしょうさんじょうごん時機じき純熟じゅんじゅくしんきょうなりと、 るべしと。

一乗究竟の極説 一切しゅじょうをことごとく仏のさとりに至らせる一乗教の究極を説きあらわした最高の教え。

誠是如来興世之正説、奇特最勝之妙典、一乗究竟之極説、速疾円融之金言、十方称讃之誠言、時機純熟之真教也、応↠知。

けんじょう真実しんじつきょう文類もんるい 一