0123◎仏ぶっ*説せつ阿弥陀あみだ*三さん*耶や三仏さんぶつ薩楼さる仏ぶつ檀だん過度かど人道にんどう経きょう *巻かん上じょう

呉ご月がっ*支し*国こく*居士こじ*支し謙けん訳やく

 

一 序分
  Ⅰ 証信序
    ⅰ 六事成就

【1】 ◎仏ぶつ、 *羅ら閲えつ祇ぎ*耆ぎ闍しゃ崛山くっせんのうちにましましき。

◎○仏在シキ↢羅閲祇耆闍崛山ノ中ニ↡。

時ときに摩訶まか比丘びく僧そう万まん二に千人せんにんありて、 みな浄じょう潔けつ一いち種類しゅるいにしてみな阿羅あら漢かんなり。

○時ニ有リテ↢摩訶比丘*僧万二千人↡、皆浄潔一種類ニシテ皆阿羅漢ナリ。

賢者けんじゃ*拘く隣りん・賢者けんじゃ*抜ばっ智致ちち・賢者けんじゃ*摩訶まか那弥なみ・賢者けんじゃ合ごう尸し・賢者けんじゃ須しゅ満まん日にち・賢者けんじゃ*維ゆい末ま抵たい・賢者けんじゃ不ふ迺ない・賢者けんじゃ迦為かい抜抵ばったい・賢者けんじゃ*憂為うい迦か葉しょう・賢者けんじゃ*那履なり迦か葉しょう・賢者けんじゃ*那な翼よく迦か葉しょう・賢者けんじゃ*舎しゃ利り弗ほつ・賢者けんじゃ*摩訶まか目もく揵連けんれん・賢者けんじゃ*摩訶まか迦か葉しょう・賢者けんじゃ*摩訶まか迦か旃延せんえん・賢者けんじゃ摩訶まか掲けい質しつ・賢者けんじゃ*摩訶まか拘私くし・賢者けんじゃ摩訶まか梵提ぼんだい・賢者けんじゃ邠提ふんだい文もん陀だ弗ほつ・賢者けんじゃ*阿あ難なん律りつ・賢者けんじゃ難提なんだい・賢者けんじゃけん脾び抵たい・賢者けんじゃ須楓しゅふう・賢者けんじゃ蠡ら越おつ・賢者けんじゃ*摩訶まか羅ら倪げい・賢者けんじゃ摩訶まか波羅はら延えん・賢者けんじゃ*波鳩はく蠡ら・賢者けんじゃ難なん持じ・賢者けんじゃ満まん楓ふう蠡ら・賢者けんじゃ蔡さい掲けい・賢者けんじゃ厲越らいおつ、 かくのごときのもろもろの比丘びく僧そう、 はなはだ衆しゅ多たにして数しゅ千億せんおく万人まんにんなり。 ことごとくこれ菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんなり。 無む央数おうしゅにしてまた計かぞふべからず、 すべてともに大だい会えして坐ざす。 みな賢者けんじゃなりき。

○賢者拘隣・賢者抜智致・賢者摩訶那弥・賢者*合尸・賢者須満日・賢者維末*抵・賢者不*迺・賢者迦為*抜*抵・賢者憂為迦葉・賢者那履迦葉・賢者那翼迦葉・賢者舎利弗・賢者摩訶目揵連・賢者摩訶迦葉・賢者摩訶迦*旃延・賢者摩訶掲質・賢者摩訶拘私・賢者摩訶梵提・賢者邠提文陀弗・賢者阿難律・賢者難提・賢者*脾*抵・賢者須楓・賢者*蠡越・賢者摩訶羅倪・賢者摩訶波羅延・賢者波鳩*蠡・賢者難*持・賢者満楓*蠡・賢者蔡掲・賢者*厲越、如キノ↠是クノ諸ノ比丘僧、甚ダ衆多ニシテ数千億万人ナリ。悉ク諸コレ菩薩・阿羅*漢ナリ。無央数ニシテ不↠可カラ↢復計フ↡、都テ共ニ大会シテ坐ス。皆賢者也キ。

一 Ⅱ 発起序

時ときに仏ぶつ、 坐ざ息そくして正しょう道どうを思し念ねんしたまふに、 面おもてに九く色しきの光ひかりありて数しゅ千せん百ひゃっ変ぺんす。 光色こうじきはなはだ大だい明みょうなり。

○時ニ仏坐息シテ思↢念シタマフニ正道ヲ↡、面ニ有リテ↢九色ノ光↡数千百変ス。光色0124甚ダ大明ナリ。

阿あ難なんすなはち起たちてあらためて袈裟けさを被おおひ、 前すすみて頭ず面めんをもつて仏足ぶっそくに著つけて、 すなはち長じょう跪き叉手しゃしゅして、 仏ぶつに問とひたてまつりてまうさく、

○阿難即チ起チテ更メテ被ヒ↢袈裟ヲ↡、前ミテ以テ↢頭面ヲ↡著ケテ↢仏足ニ↡、*即チ長跪叉手シテ、問ヒタテマツリテ↠仏ニ言ク、

今日こんにち仏ぶつの面おもての光色こうじき、 なにをもつてか時々じじに更きょう変へんしてあきらかなることすなはちしかるや。 いま仏ぶつの面おもての光こう精しょう、 数しゅ千せん百ひゃく色じきにして上じょう下げ明みょう好こうなることいましかくのごとくなる。 われ仏ぶつに侍つかへたてまつりてよりこのかた、 いまだかつて仏ぶつの面おもての今日こんにちの色しきのごとくなるものあることを見みたてまつらず。 われいまだかつて三さん耶や三仏さんぶつの光こう明みょう威い神じんのすなはちしかるを見みたてまつらず。

○今日仏ノ面ノ光色、何ヲ以テカ時時ニ更変シテ明カナルコト乃チ爾ル乎。今仏ノ面ノ光精、数千百色ニシテ上下明好ナルコト乃シ如クナル↠是クノ。我侍ヘタテマツリテヨリ↠仏ニ已来タ、未ダ↫曽テ見タテマツラ↪仏ノ面ノ有ルコトヲ↩如クナル↢今日ノ色ノ↡者↨。我未ダ↣曽テ見タテマツラ↢三*耶三仏ノ光明威神ノ乃チ爾ルヲ↡。

独ひとりまさに意こころあるべし。 願ねがはくはこれを聞きかんと欲ほっすと。

○独リ当ニシ↠有ル↠意。願クハ欲スト↠聞カムト↠之ヲ。

仏ぶつのたまはく、 賢者けんじゃ阿あ難なん、 もろもろの天神てんじんありてなんぢに教おしふるや、 もしは諸仏しょぶつのなんぢに教おしへていまわれに問とはしむるものなるや。 なんぢみづから善ぜん意いより出いでて仏ぶつに問とふやと。

○仏言ク、賢者阿難、有リテ↢諸ノ天神↡教フルヤ↠汝ニ、若シハ諸仏ノ教ヘテ↠汝ニ今問ハシムル↠我ニ者ナル耶。汝自ラ従リ↢善意↡出デテ問フ↠仏ニ耶ト。

阿あ難なん仏ぶつにまうしてまうさく、 もろもろの天神てんじんありてわれに教おしふることなく、 また諸仏しょぶつのわれに教おしへて仏ぶつに問とはしむることもなし。 われみづから善心ぜんしんによりて仏ぶつ意いを知しりて仏ぶつに問といたてまつるのみ。

○阿難白シテ↠仏ニ言ク、無ク↧有リテ↢諸ノ天神↡教フルコト↞我ニ、亦無シ↢諸仏ノ教ヘテ↠我ニ*令ムルコトモ↟問ハ↠仏ニ也。我自ラ従リテ↢善心ニ↡知リテ↢仏意ヲ↡問ヒタテマツル↠仏ニ*爾。

仏ぶつの坐起ざき・行ぎょう来らい・出入しゅつにゅうごとに、 至し到とうせんと欲ほっするところ、 まさに作為さいするところ、 もろもろの教勅きょうちょくするところのものは、 われすなはち仏ぶつ意いのごとし。

●毎ニ↢仏ノ坐起・行来・出入↡、所↠欲スル↢至*到セムト↡、当ニ所↢作為スル↡、諸ノ所ノ↢教勅スル↡者ハ、我輒チ*如シ↢仏意ノ↡。

いま仏ぶつ独ひとりまさにもろもろの已い過去かこの仏ぶつ・もろもろの当来とうらいの仏ぶつ・もしは他た方ほう仏国ぶっこくのいま現在げんざいの仏ぶつを念ねんじ、 独ひとり展転てんでんしてあひ思し念ねんしたまふべし。 ゆゑに仏ぶつの面色めんじき光こう明みょうすなはちしかるのみと。

○今仏独リ当ニシ↧念ジ↢諸ノ已過去ノ仏・諸ノ当来ノ仏・若シハ他方仏国ノ今現在ノ仏ヲ↡、独リ展転シテ相思念シタマフ↥。故ニ仏ノ面色光明乃チ爾ル耳ト。

仏ぶつのたまはく、 善よいかな善よいかな、 賢者けんじゃ阿あ難なん、 なんぢが問とへるところのものは、 甚深じんじんにしておほきに快こころよく度ど脱だつするところ多おおし。 なんぢが仏ぶつに問とへるものは、 一いち天てん下げの阿羅あら漢かん・辟びゃく支し仏ぶつを供く養ようし諸天しょてん・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいに布施ふせして劫こうを累かさぬるに勝すぐるること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなりと。

○仏言ク、善哉善哉、賢者阿難、汝ガ所ノ↠問ヘル者ハ、甚深ニシテ大ニ快ク多シ↠所↢度脱スル↡。若ガ問ヘル↠仏ニ者ハ、勝ルルコト↧於供↢養シ一天下ノ阿羅漢・辟*支仏ヲ↡布↢施シテ諸天・人民及ビ蜎飛蠕動之類ニ↡累ヌルニ↞劫ヲ百千億万倍也ト。

仏ぶつのたまはく、 阿あ難なん、 いま諸天しょてん・世せ間けんの帝王たいおう・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐい、 なんぢみなこれを度ど脱だつすと。

○仏言ク、阿難、今諸天・世間ノ帝王・人民及ビ蜎飛蠕動之類、汝皆度↢脱スト之ヲ↡。

仏ぶつのたまはく、 仏ぶつは威い神じんはなはだ重おもくして当あたりがたし。 なんぢが問とえるところのものは甚深じんじんなり。 なんぢすなはち仏所ぶっしょに慈じ心しんありて、 諸天しょてん・帝王たいおう・人民にんみんもしは比丘びく僧そう・比丘びく尼に・優婆うば塞そく・優婆うば夷いを哀あわれむことおほきに善よし。 まさになんぢみなこれを過度かどすべしと。

○仏言ク、仏ハ威神甚ダ重クシテ難シ↠当リ也。汝ガ所ノ↠問ヘル者ハ甚深ナリ。汝乃チ慈↢心アリテ於仏所ニ↡、哀ムコト↢諸天・帝王・人民若シハ比丘僧・比丘尼0125・優婆塞・優婆夷ヲ↡*大ニ善シ。当ニシト↣爾皆過↢度ス之ヲ↡。

仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 世せ間けんに優う曇どん樹じゅあり、 ただ実みのみありて華はなあることなし、 天てん下げに仏ぶつましますは、 すなはち華はなありて出いづるがごときのみ。 世せ間けんに仏ぶつましますははなはだ値あふことを得えがたし。 いまわれ天てん下げに出いでて仏ぶつとなれり。

○仏語リタマハク↢阿難ニ↡、如キ↧世間ニ有リ↢優曇樹↡、但有リテ↠実ノミ無シ↠有ルコト↠華也、天下ニ有スハ↠仏、乃チ有リテ↠華出ヅルガ↥耳。世間ニ有スハ↠仏甚ダ難シ↠得↠値フコトヲ也。今我出デテ↢於天下ニ↡作レリ↠仏ト。

なんぢ大徳だいとくありて聖明しょうみょう善心ぜんしんにしてあらかじめ仏ぶつ意いを知しるに、 なんぢみだりに仏辺ぶっぺんにありて仏ぶつに侍つかへずと。

●若有リテ↢大徳↡聖明善心ニシテ予メ知ルニ↢仏意ヲ↡、若不ト↧妄ニ在リテ↢仏辺ニ↡侍ヘ↞仏ニ也。

二 正宗分
  Ⅰ 菩薩発願
    ⅰ 三十四仏

【2】 仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 前さきの已い過去かこの事じ、 摩訶まか僧そう祇ぎよりこのかたその劫こう無む央数おうしゅにしてまた計かぞふべからず、 そなはちその時とき過去かこの仏ぶつましましき、 提だい和わ竭がつ羅らと名なづく。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、前ノ*已過去ノ事、摩訶僧祇ヨリ已来タ其ノ劫無央数ニシテ不↠可カラ↢復計フ↡、乃チ爾ノ時有シキ↢過去ノ仏↡、名ク↢提和竭羅ト↡。

次つぎにまた仏ぶつまします、 旃せん陀倚だいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 須しゅ摩ま扶ふ劫こう波は薩さっ多たと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 維ゆい末楼まると名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 阿あ難なん那利なりと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。

○次ニ復有ス↠仏、名ク↢*旃陀倚ト↡。*已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢須摩扶劫波薩多ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢維末楼ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢阿難那利ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。

次つぎにまた仏ぶつまします、 那な竭かつ脾ひと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 者しゃ梨倶りく遰てい波羅はら夜や蔡さいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 弥離みり倶く楼ると名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 軷ばつ陀尼だにと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 朱蹄しゅだい波はと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。

~次ニ復有ス↠仏、名ク↢那竭脾ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク*者梨倶*遰波羅夜蔡ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢弥離倶楼ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢軷陀尼ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢朱蹄波ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。

次つぎにまた仏ぶつまします、 凡ぼん扶ふ抵たいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 堕だ楼る勒ろく耶やと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 旃せん陀だ扈斯こしと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 須しゅ耶や惟ゆい于う沙しゃと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 拘く還げん弥み鉢は摩ま耆ぎと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。

~次ニ復有ス↠仏、名ク↢凡扶*抵ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢堕楼勒*耶ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢*旃陀扈斯ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢須*耶惟于沙ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢拘還弥鉢摩耆ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。

次つぎにまた仏ぶつまします、 屍利しり滑こつ攱きと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 摩訶まか那な提だいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 耆頭ぎず摩ま提だいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 羅ら隣りん祇離ぎりと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 兪ゆ楼る倶路くろ蔡さいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。

~次ニ復有ス↠仏、名ク↢*屍利*滑攱ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢摩訶那提ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢耆頭摩提ト↡。已ニ過0126ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢羅隣祇離ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢兪楼倶路蔡ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。

次つぎにまた仏ぶつまします、 満まん呼こ群ぐん尼に鉢は賓ひん䫛こうと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 旃せん陀だ遬そく臾ゆ抜ばつ和わ沙しゃと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 旃せん陀だ蔡さい拘く岑じんと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 潘はん波は蠡ら頻びん尼にと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 軷はつ波は惒わ斯しと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。

~次ニ復有ス↠仏、名ク↢満呼群尼鉢賓䫛ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢*旃陀遬臾*抜和沙ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢*旃陀蔡拘岑ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢潘波*蠡頻尼ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢軷波惒斯ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。

次つぎにまた仏ぶつまします、 阿あ術じゅつ祇陀ぎだ掲けい蠡らと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 勿もつ署提しょだいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 質しつ夜や蔡さいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 曇どん摩和まわ提だいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 篩耶しや維ゆい䫛質こうしつと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。

~次ニ復有ス↠仏、名ク阿術祇陀掲*蠡ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢勿*署提ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢質夜蔡ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢曇摩和提ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢篩*耶維䫛質ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。

次つぎにまた仏ぶつまします、 楼る耶や帯たいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 僧そう迦か羅弥らみ楼る迦か帯たいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。 次つぎにまた仏ぶつまします、 曇昧どんまい摩ま提だい阿あ維ゆい難提なんだいと名なづく。 すでに過すぎ去さりたまひき。

~次ニ復有ス↠仏、名ク↢楼*耶帯ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢僧迦羅弥楼迦帯ト↡。已ニ過ギ去リタマヒキ。次ニ復有ス↠仏、名ク↢曇昧摩提阿維難提ト↡。○已ニ過ギ去リタマヒキ。

仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 次つぎにまた仏ぶつましましき、 楼夷るい亘こう羅らと名なづく。 世せ間けんにましまして教きょう授じゅしたまふ。 寿いのち四し十じゅう二に劫こうなり。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、次ニ復有シキ↠仏、名ク↢楼夷亘羅ト↡。○在シテ↢世間ニ↡教授シタマフ。寿四十二劫ナリ。

二 Ⅰ ⅱ 菩薩選択

すなはちその時とき世よに大だい国王こくおうあり。 王おう、 仏ぶつの経きょう道どうを聞きき心こころすなはち歓かん喜ぎし開かい解げして、 すなはち国くにを棄すて王おうを捐すてて、 行ぎょうじて沙門しゃもんとなり、 曇どん摩迦まかと字なづく。 菩ぼ薩さつ道どうをなして人ひととなり高才こうざい、 智慧ちえ勇ゆう猛みょうにして、 世よの人ひとと絶ぜつ異いせり。

○乃チ爾ノ時世ニ有リ↢大国王↡。王聞キ↢仏ノ経道ヲ↡心即チ歓喜シ開解シテ、便チ棄テ↠国ヲ捐テテ↠王ヲ、行ジテ作リ↢沙門ト↡、字ナヅク↢曇摩迦ト↡。作シテ↢菩薩道ヲ↡為リ↠人ト高才、智慧勇猛ニシテ、与↢世ノ人↡絶異セリ。

往ゆきて楼夷るい亘こう羅ら仏ぶつのみもとに到いたりて、 前すすみて仏ぶつのために礼らいをなし、 却しりぞきて長じょう跪き叉手しゃしゅし、

○往キテ到リテ↢楼夷亘羅仏ノ所ニ↡、前ミテ為ニ↠仏ノ作シ↠礼ヲ、*却キテ長跪叉手シ、

仏ぶつにまうしてまうさく、 われ仏ぶつを求もとめんと欲ほっして菩ぼ薩さつ道どうをなさん。

○白シテ↠仏ニ言ク、我欲シテ↠求メムト↠仏ヲ為サム↢菩薩道ヲ↡。

われ後のちに作さ仏ぶつせしめん時とき、 八方はっぽう上じょう下げのもろもろの無む央数おうしゅの仏ぶつのなかにおいて最尊さいそん智慧ちえ勇ゆう猛みょうにして、

○令メム↢我後ニ作仏セ↡時、於テ↢八方上下ノ諸ノ無央数ノ仏ノ中ニ↡最尊智慧勇猛ニシテ、

▼頭ず中ちゅうの光こう明みょうは仏ぶつの光こう明みょうのごとく焔えん照しょうするところ極きわまりなく、

○頭中ノ光明ハ如ク↢仏ノ光明ノ↡所↢*焔照スル↡無ク↠極リ、

所しょ居ごの国こく土どは自じ然ねんの七宝しっぽう極きわめておのづから軟好なんこうならん。

○所居ノ国土ハ自然ノ七宝極0127テ自ラ*軟好ナラム。

われ後のちに作さ仏ぶつせしめん時とき、 名みょう字じを教きょう授じゅして、 みな八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏国ぶっこくに聞きこえて、 わが名みょう字じを聞もん知ちせざるものなからん。

○令メム↢我後ニ作仏セ↡時、教↢授シテ名字ヲ↡、皆聞エテ↢八方上下ノ无央数ノ仏国ニ↡、莫ラム↧不ル↣聞↢知セ我ガ名字ヲ↡者↥。

もろもろの無む央数おうしゅの天てん・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐい、 もろもろのわが国くにに来らい生しょうするもの、 ことごとくみな菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんにならしむること無む央数おうしゅにして、 すべて諸仏しょぶつの国くにに勝すぐれん。

○諸ノ無央数ノ天・人民及ビ蜎飛蠕動之類、諸ノ来↢生スル我ガ国ニ↡者、悉ク皆令ムルコト↠作ラ↢菩薩・阿羅漢ニ↡无央数ニシテ、都テ勝レム↢諸仏ノ国ニ↡。

かくのごときものはむしろ得うべけんやいなやと。

○如キ↠是クノ者ハ寧ロ可ケムヤ↠得不ヤト。

仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 その楼夷るい亘こう羅ら仏ぶつその高こう明みょうの所願しょがんの快け善ぜんなるを知しりて、 すなはち曇どん摩迦まか菩ぼ薩さつのために経きょうを説ときてのたまはく、

○仏語リタマハク↢阿難ニ↡、其ノ楼夷亘羅仏知リテ↢其ノ高明ノ所願ノ快善ナルヲ↡、即チ為ニ↢曇摩迦菩薩ノ↡説キテ↠経ヲ言ク、

たとへば天てん下げ大海だいかいの水みず、 一人いちにんにしてこれを斗と量りょうせんに、 一劫いっこうにして止やまずは、 なほ枯こ尽じんして空むなしからしめその底埿たいでいを得うべきがごとし。 人ひと至し心しんに道どうを求もとめんに、 いかんがまさに得うべからざらん。 求ぐ索しゃくし精しょう進じんして休止くしせざれば、 かならずまさに心しん中ちゅう所欲しょよくの願がんを得うべきのみと。

○譬ヘバ如シ↫天下大海ノ水、一人ニシテ*斗↢量セムニ之ヲ↡、一劫ニシテ不ハ↠止マ、尚可キガ↪枯尽シテ令メ↠空シカラ得↩其ノ底埿ヲ↨。人至心ニ求メムニ↠道ヲ、可如ガ当ニ不ラム↠可カラ↠得乎。求索シ精進シテ不レバ↢休止セ↡、会ズ当ニキ↠得↢心中所欲ノ願ヲ↡*爾ト。

曇どん摩迦まか菩ぼ薩さつ、 楼夷るい亘こう羅ら仏ぶつの経きょうを説ときたまふことかくのごとくなるを聞ききて、 すなはちおほきに歓かん喜ぎし踊ゆ躍やくす。

●曇摩迦菩薩聞キテ↢楼夷亘羅仏ノ説キタマフコト↠経ヲ如クナルヲ↟是クノ、即チ大ニ歓喜シ踊躍ス。

▼その仏ぶつすなはち二に百ひゃく一いち十じゅう億おくの仏国ぶっこく土どのなかの諸天しょてん・人民にんみんの善悪ぜんあく、 国こく土どの好こう醜しゅを選せん択じゃくして、 ために心しん中ちゅう所欲しょよくの願がんを選せん択じゃくせしむ。

○其ノ仏即チ選↢択シテ二百一十億ノ仏国土ノ中ノ諸天・人民之善悪、国土之好醜ヲ↡、為ニ▼選↢択セシム心中所欲ノ願ヲ↡。

◆楼夷るい亘こう羅ら仏ぶつ、 経きょうを説ときたまふことをはりて、 曇どん摩迦まかすなはちその心こころを一いつにして、 すなはち天眼てんげんを得えて徹てっ視ししてことごとくみづから二に百ひゃく一いち十じゅう億おくの諸しょ仏国ぶっこくのなかの諸天しょてん・人民にんみんの善悪ぜんあく、 国こく土どの好こう醜しゅを見みて、

○*夷亘羅仏説キタマフコト↠経ヲ竟リテ、曇摩迦便チ一ニシテ↢其ノ心ヲ↡、即チ得テ↢天眼ヲ↡徹視シテ悉ク自ラ見テ↢二百一十億ノ諸仏国ノ中ノ諸天・人民之善悪、国土之好醜ヲ↡、

◆すなはち心しん中ちゅうの所願しょがんを選せん択じゃくして、 すなはちこの二に十じゅう四し願がん経きょうを結得けっとくし、

○即チ選↢択シテ心中ノ所願ヲ↡、便チ*結↢得シ是ノ二十四願*経ヲ↡、

すなはちこれを奉ぶ行ぎょうすること精しょう進じん勇ゆう猛みょうにして、 勤ごん苦くし求ぐ索しゃくす。

○則チ奉↢行スルコト之ヲ↡精進勇猛ニシテ、勤苦シ求索ス。

かくのごとくなること無む央数おうしゅ劫こうなり。

○如クナルコト↠是クノ無央数劫ナリ。

師事しじし供く養ようするところのもろもろの已い過去かこの仏ぶつもまた無む央数おうしゅなり。

●所ノ↢師事シ供養スル↡*諸ノ*已過去ノ仏モ亦无央数ナリ。

その曇どん摩迦まか菩ぼ薩さつそのしかうして後のちに至いたりてみづから致いたして作さ仏ぶつするを得えて、 阿あ弥陀みだ仏ぶつと名なづく。 最尊さいそん智慧ちえ勇ゆう猛みょうにして光こう明みょう比ならびなし。 いま現在げんざいの所しょ居ごの国こく土どはなはだ快け善ぜんなり。 他た方ほうの異い仏国ぶっこくにありて、 八方はっぽう上じょう下げのもろもろの無む央数おうしゅの天てん・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいを教きょう授じゅするに、 憂苦うくを過度かどし解げ脱だつするを得えざるはなしと。

●其ノ曇摩迦菩薩至リテ↢其ノ然シテ後ニ↡自ラ致シテ得テ↢作仏スルヲ↡、名ク↢阿弥陀仏ト↡。最尊智慧勇猛ニシテ光明無シ↠比。今現在ノ所居ノ国土甚ダ快善ナリ。在リテ↢他0128方ノ異仏国ニ↡、教↢授スルニ八方上下ノ諸ノ無央数ノ天・人民及ビ蜎飛蠕動之類ヲ↡、莫シト↠不ルハ↠得↤過↢度シ解↣脱スルヲ憂苦ヲ↡。

二 Ⅰ ⅲ 二十四願

【3】 仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 阿あ弥陀みだ仏ぶつ菩ぼ薩さつたりし時とき、 つねにこの二に十じゅう四し願がんを奉ぶ行ぎょうして、 珍宝ちんぽうのごとく愛あい重じゅうし保持ほじし恭く慎しんし、 精しょう禅ぜんにしてこれに従したがふ。 衆しゅと超ちょう絶ぜつし卓然たくねんとして異いあり。 みなよく及およぶものあることなしと。

●仏語リタマハク↢阿難ニ↡、阿弥陀仏為リシ↢菩薩↡時、常ニ奉↢行シテ是ノ二十四願ヲ↡、珍宝ノゴトク愛重シ保持シ恭慎シ、精禅ニシテ*従フ↠之ニ。与↠衆超絶シ卓然トシテ有リ↠異。皆無シト↠有ルコト↢能ク及ブ者↡。

仏ぶつのたまはく、 なにをか二に十じゅう四し願がんとなすと。

●仏言ク、*何ヲカ為スト↢二十四願ト↡。

第一だいいちに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうに泥ない犁り・禽きん獣じゅう・薜荔へいれい・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいあることなからしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第一ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↢我ガ国中ニ无カラ↟有ルコト↢泥*犁・禽獣・薜荔・蜎飛蠕動之類↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい二にに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうに婦ふ人にんあることなからしめん。 女人にょにんありてわが国こく中ちゅうに来らい生しょうせんと欲ほっせば、 すなはち男なん子しとならん。 もろもろの無む央数おうしゅの天てん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐい、 わが国くにに来らい生しょうせんものは、 みな七宝しっぽう水すい池ちの蓮れん華げのうちより化け生しょうし、 長ちょう大だいしてみな菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんにならんもの、 すべて無む央数おうしゅならん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第二ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↢我ガ国中ニ无カラ↟有ルコト↢婦人↡。女人アリテ欲セバ↣来↢生セムト我ガ国中ニ↡者、即チ作ラム↢男子ト↡。諸ノ無央数ノ天・人民・蜎飛蠕動之類、来↢生セム我ガ国ニ↡者ハ、皆於リ↢七宝水池ノ蓮華ノ中↡化生シ、長大シテ皆作ラムモノ↢菩薩・阿羅漢ニ↡、都テ无央数ナラム。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第三だいさんに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく土どをして自じ然ねんの七宝しっぽう広こう縦じゅうにして甚大じんだい、 曠蕩こうとうにして極きわまりなく、 おのづから軟好なんこうに、 所しょ居ごの舎宅しゃたく・被ひ服ぶく・飲食おんじきはすべてみな自じ然ねんにして、 たとへば第六だいろく天王てんのうの所しょ居ごの処ところのごとくならしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第三ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↣我ガ国土ヲシテ自然ノ七宝広縦ニシテ甚大、曠蕩ニシテ無ク↠極リ、*自ラ軟好ニ、所居ノ舎宅・被服・飲食ハ都テ皆自然ニシテ、*比ヘバ如クナラ↢第六天王ノ所居ノ処ノ↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

▼第だい四しに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが名みょう字じをしてみな八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏国ぶっこくに聞きこえしめん。 みな諸仏しょぶつをしておのおの比丘びく僧そうの大だい坐ざのなかにおいて、 わが功く徳どく・国こく土どの善ぜんを説とかしめん。 諸天しょてん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐい、 わが名みょう字じを聞ききて慈じ心しんをもつて歓かん喜ぎし踊ゆ躍やくせざるものなく、 みなわが国くにに来らい生しょうせしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第0129四ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↣我ガ名字ヲシテ皆聞エ↢八方上下ノ無央数ノ仏国ニ↡。皆令メム↧諸仏ヲシテ各ノ於テ↢比丘僧ノ大坐ノ中ニ↡、説カ↦我ガ功徳・国土之善ヲ↥。諸天・人民・蜎飛蠕動之類、聞テ↢我ガ名字ヲ↡莫ク↧不ル↢慈心ヲモテ歓喜シ踊躍セ↡者↥、皆令メム↣来↢生セ我ガ国ニ↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい五ごに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 八方はっぽう上じょう下げのもろもろの無む央数おうしゅの天てん・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいをして、 もし前ぜん世せに悪あくをなすに、 わが名みょう字じを聞ききてわが国くにに来らい生しょうせんと欲ほっせば、 すなはち反ほん政しょうし、 みづから悔過けかして、 道どうのために善ぜんをなし、 すなはち経きょう戒かいを持じして、 願がんじてわが国くにに生うまれんと欲ほっして断絶だんぜつせざらしめむ。 寿いのち終おわりてみな泥ない犁り・禽きん獣じゅう・薜荔へいれいに復かえらずして、 すなはちわが国くにに生うまれて心こころの所願しょがんにあらしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第五ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↧八方上下ノ諸ノ無央数ノ天・人民*及ビ蜎飛蠕動之類ヲシテ、若シ前世ニ作スニ↠悪ヲ、聞キテ↢我ガ名字ヲ↡欲セバ↣来↢生セムト我ガ国ニ↡者、即便チ*反*政シ、自ラ悔過シテ、為ニ↠道ノ作シ↠善ヲ、便チ持シテ↢経戒ヲ↡、願ジテ欲シテ↠生レムト↢我ガ国ニ↡不ラ↦断絶セ↥。寿終リテ皆令メム↧不シテ↠復ラ↢泥*犁・禽獣・薜荔ニ↡、即チ生レテ↢我ガ国ニ↡在ラ↦心ノ所願ニ↥。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第六だいろくに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏国ぶっこくの諸天しょてん・人民にんみん、 もしは善男ぜんなん子し・善ぜん女人にょにんをして、 わが国くにに来らい生しょうせんと欲ほっせば、 われを用もちふるがゆゑにますます善ぜんをなし、 もしは分檀ぶんだん布施ふせし、 塔とうを遶めぐりて香こうを焼たき、 花はなを散さんじ灯ともしびを然ともし、 雑ざつ繒綵ぞうさいを懸かけ沙門しゃもんに飯食ぼんじきせしめ、 塔とうを起たて寺てらを作つくり、 愛欲あいよくを断だんじて、 斎戒さいかい清浄しょうじょうにして、 一心いっしんにわれを念ねんじ、 昼ちゅう夜や一日いちにち断絶だんぜつせざれば、 みなわが国くにに来らい生しょうせしめ菩ぼ薩さつとならしめむ。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

●第六ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↧八方上下ノ無央数ノ仏国ノ諸天・人民、若シハ善男子・善女人ヲシテ、欲セバ↣来↢生セムト我ガ国ニ↡、用フルガ↠我ヲ故ニ益マス作シ↠善ヲ、若シハ分檀布施シ、遶リテ↠塔ヲ焼キ↠香ヲ、散ジ↠花ヲ然トモシ↠灯ヲ、懸ケ↢雑繒綵ヲ↡飯↢食セシメ沙門ニ↡、起テ↠塔ヲ作リ↠寺ヲ、断ジテ↢愛欲ヲ↡、*斎戒清浄ニシテ、一心ニ念ジ↠我ヲ、昼夜一日不レバ↢断絶セ↡、皆令メ↣来↢生セ我ガ国ニ↡作ラ↦菩薩ト↥。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第七だいしちに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏国ぶっこくの諸天しょてん・人民にんみん、 もしは善男ぜんなん子し・善ぜん女人にょにんをして、 菩ぼ薩さつ道どうをなすことありて六ろっ波羅ぱら蜜みつ経きょうを奉ぶ行ぎょうし、 もしは沙門しゃもんとなりて経きょう戒かいを毀やぶらず、 愛欲あいよくを断だんじ斎戒さいかい清浄しょうじょうにして、 一心いっしんに念ねんじてわが国くにに生うまれんと欲ほっし昼ちゅう夜やに断絶だんぜつせざらんに、 もしその人ひと寿いのち終おわらんと欲ほっする時とき、 われすなはちもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんとともに飛ひ行ぎょうしてこれを迎むかへて、 すなはちわが国くにに来らい生しょうし、 すなはち阿あ惟ゆい越おっ致ちの菩ぼ薩さつとなりて智慧ちえ勇ゆう猛みょうならしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第七ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↧八方上下ノ無央数ノ仏国ノ諸天・人民、若シハ善男子0130・善女人ヲシテ、有リテ↠作スコト↢菩薩道ヲ↡奉↢行シ六波羅蜜経ヲ↡、若シハ作リテ↢沙門ト↡不↠毀ラ↢経戒ヲ↡、断ジ↢愛欲ヲ↡斎戒清浄ニシテ、一心ニ念ジテ欲シ↠生レムト↢我ガ国ニ↡昼夜ニ不ラムニ↢断絶セ↡、若シ其ノ人寿欲スル↠終ラムト時、▼我即チ与↢諸ノ菩薩・阿羅漢↡共ニ飛行シテ迎ヘテ↠之ヲ、即チ来↢生シ我ガ国ニ↡、則チ作リテ↢阿惟越致ノ菩薩ト↡智慧勇猛ナラ↥。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第八だいはちに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ、 他た方ほう仏国ぶっこくに到いたりて生しょうぜんと欲ほっせしめば、 みな泥ない犁り・禽きん獣じゅう・薜荔へいれいに更かえらざらしめて、 みな仏道ぶつどうを得えしめむ。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第八ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メバ↧我ガ国中ノ諸ノ菩薩、欲セ↦到リテ↢他方仏国ニ↡*生ゼムト↥、皆令メテ↠不ラ↠更ラ↢泥*犁・禽獣・薜荔ニ↡、皆▼令メム↠得↢仏道ヲ↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい九くに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんをして、 面目めんもくみな端たん正じょうに浄じょう潔けつ姝好しゅこうにして、 ことごとく同一どういつの色しきに、 すべて一いち種類しゅるいなることみな第六だいろく天人てんにんのごとくならしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第九ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↣我ガ国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲシテ、面目皆端正ニ浄潔*姝好ニシテ、悉ク同一ノ色ニ、都テ一種類ナルコト*皆如クナラ↢第六天人ノ↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい十じゅうに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんをして、 みな同一どういつの心しんに、 所念しょねん所欲しょよくの言ごんはあらかじめ意こころをあひ知しらしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第十ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↣我ガ国*中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲシテ、皆同一ノ心ニ、所念*所欲ノ言者*予メ相↢知ラ意ヲ↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい十じゅう一いちに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんをして、 みな淫泆いんいつの心しんあることなく、 つひに婦ふ女にょを念ねんずる意こころなく、 つひに瞋しん怒ぬ・愚痴ぐちのものあることなからしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第十一ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↩我ガ国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲシテ、皆無ク↠有ルコト↢淫泆之心↡、終ニ无ク↧念ズル↢婦女ヲ↡意↥、終ニ無カラ↝有ルコト↢瞋怒・*愚痴ノ者↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終0131ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい十じゅう二にに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんをして、 みな心こころにあひ敬きょう愛あいせしめて、 つひにあひ嫉ねたみ憎にくむものなからしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

●第十二ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↧我ガ国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲシテ、皆令メテ↢心ニ相敬愛セ↡、終ニ无カラ↦相嫉ミ憎ム者↥。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい十じゅう三さんに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつをして、 ともに八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの諸仏しょぶつを供く養ようせんと欲ほっするに、 みな飛ひ行ぎょうしてすなはち到いたり、 自じ然ねん万種まんじゅのものを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにありて、 持じ用ゆうして諸仏しょぶつを供く養ようせしめ、 ことごとくみな遍へんして以後いご、 日ひいまだ中ちゅうならざる時とき、 すなはち飛ひ行ぎょうしてわが国くにに還かえらしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第十三ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↪我ガ国中ノ諸ノ菩薩ヲシテ、欲スルニ↣共ニ供↢養セムト八方上下ノ無央数ノ諸仏ヲ↡、皆令メ↧飛行シテ即チ到リ、欲セバ↠得ムト↢自然万種之物ヲ↡、即チ皆在リテ↠前ニ持用シテ供↦養セ諸仏ヲ↥、悉ク皆遍シテ已後、日未ダル↠中ナラ時、即チ飛行シテ還ラ↩我ガ国ニ↨。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい十じゅう四しに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かん、 飯ぼんせんと欲ほっする時とき、 すなはちみな自じ然ねんの七宝しっぽうの鉢はちのなかに自じ然ねんの百ひゃく味みの飯食ぼんじきありて前まえにあり、 食じきしをはらば自じ然ねんに去さらしめむ。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

●第十四ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↧我ガ国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢、欲スル↠飯セムト時、即チ皆自然ノ七宝ノ鉢ノ中ニ有リテ↢自然ノ百味ノ飯食↡在リ↠前ニ、食シ已ラバ自然ニ去ラ↥。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい十じゅう五ごに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつの身しんをして、 みな紫磨しま金色こんじき・三さん十じゅう二に相そう・八はち十じゅう種好しゅこうならしめ、 みな仏ぶつのごとくならしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第十五ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メ↢我ガ国中ノ諸ノ菩薩ノ身ヲシテ、皆紫磨金色・三十二相・八十種好ナラ↡、皆令メム↠如クナラ↠仏ノ。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい十じゅう六ろくに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんをして、 語ごは三さん百びゃくの鍾かねの声こえのごとく、 経きょうを説とき道どうを行ぎょうずることもみな仏ぶつのごとくならしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第十六ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↧我ガ国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲシテ、語者如ク↢三百ノ鍾ノ声ノ↡、説キ↠経ヲ行ズルコトモ↠道ヲ皆如クナラ↞仏ノ。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい十じゅう七しちに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 われあきらかに視みあきらかに聴ききて、 飛ひ行ぎょうすること十じゅう倍ばい諸仏しょぶつに勝すぐれしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第0132十七ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↣我洞アキラカニ視徹アキラカニ聴キテ、飛行スルコト十倍勝レ↢於諸仏ニ↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい十じゅう八はちに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが智慧ちえをして経きょうを説とき道どうを行ぎょうずること、 諸仏しょぶつに十じゅう倍ばいならしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

●第十八ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↣我ガ智慧ヲシテ説キ↠経ヲ行ズルコト↠道ヲ、十↢*倍ナラ於諸仏ニ↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい十じゅう九くに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏国ぶっこくの諸天しょてん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいをして、 みな人道にんどうを得えてことごとく辟びゃく支し仏ぶつ・阿羅あら漢かんとならしめて、 みな坐ざ禅ぜん一心いっしんに、 ともに計はかり数かぞへてわが年寿ねんじゅ幾千いくせん億万おくまん劫こう歳数さいしゅなるを知しらんと欲ほっするに、 みなよく極きわめて寿じゅを知しるものあることなからしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第十九ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令テ↢八方上下ノ無央数ノ仏国ノ諸天・人民・蜎飛蠕動之類ヲ↡、皆令メテ↧得テ↢人道ヲ↡悉ク作ラ↦辟*支仏・阿羅漢ト↥、皆坐禅一心ニ、共ニ欲スルニ↣計リ数ヘテ知ラムト↢我ガ年寿幾千億万劫歳数ナルヲ↡、皆令メム↠無カラ↠有ルコト↢能ク極テ知ル↠寿ヲ者↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい二に十じゅうに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 八方はっぽう上じょう下げのおのおの千億せんおく仏国ぶっこくのなかの諸天しょてん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいをして、 みな辟びゃく支し仏ぶつ・阿羅あら漢かんとならしめて、 みな坐ざ禅ぜん一心いっしんに、 ともにわが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんを計はかり数かぞへて幾千いくせん億万おくまん人にんあることを知しらんと欲ほっするに、 みなよく数かずを知しるものあることなからしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第二十ニ願ズラク者、使メム↢某作仏セ↡時、令テ↢八方上下ノ各ノ千億仏国ノ中ノ諸天・人民・蜎飛蠕動之類ヲ↡、皆令メテ↠作ラ↢辟*支仏・阿羅漢ト↡、皆坐禅一心ニ、共ニ欲スルニ↧計リ↢数ヘテ我ガ国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲ↡知ラムト↞有ルコトヲ↢幾千億万人↡、皆令メム↠无カラ↠有ルコト↢能ク知ル↠数ヲ者↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい二に十じゅう一いちに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんをして、 寿じゅ命みょう無む央数おうしゅ劫こうならしめん。この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第二十一ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↢我ガ国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲシテ、寿命無央数劫ナラ↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい二に十じゅう二にに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんをして、 みな智慧ちえ勇ゆう猛みょうにして、 みづから前ぜん世せの億万おくまん劫こうの時ときを知しり、 宿命しゅくみょうに作なすところの善悪ぜんあく、 かへりて極きわまりなきことを知しり、 みな十方じっぽう、 去こ・来らい・現在げんざいの事じを洞どう視しし徹てっ知ちせしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第0133二十二ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↫我ガ国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲシテ、皆智慧勇猛ニシテ、自ラ知リ↢前世ノ億万劫ノ時ヲ↡、宿命ニ所ノ↠作ス善悪、却テ知リ↠無キコトヲ↠極リ、皆洞↩視シ*徹↪知セ十方、去・来・現在之事ヲ↨。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい二に十じゅう三さんに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが国こく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんをして、 みな智慧ちえ勇ゆう猛みょうにして、 頂中ちょうちゅうにみな光こう明みょうあらしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第二十三ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メム↣我ガ国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲシテ、皆智慧勇猛ニシテ、頂中ニ皆有ラ↢光明↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

第だい二に十じゅう四しに願がんずらく、 それがし作さ仏ぶつせしめん時とき、 わが頂中ちょうちゅうの光こう明みょう絶好ぜっこうにして、 日月にちがつの明みょうに勝すぐるること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいならしめ、 諸仏しょぶつの光こう明みょうに絶ぜっ勝しょうし、 もろもろの無む央数おうしゅの天てん下げ幽ゆう冥みょうの処ところを焔えん照しょうして、 みなまさに大だい明みょうなるべし。 諸天しょてん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐい、 わが光こう明みょうを見みて慈じ心しんをもつて善ぜんをなさざるものなく、 みなわが国くにに来らい生しょうせしめん。 この願がんを得えばすなはち作さ仏ぶつせん。 この願がんを得えずはつひに作さ仏ぶつせじと。

○第二十四ニ願ズラク、使メム↢某作仏セ↡時、令メ↧我ガ頂中ノ光明絶好ニシテ、勝ルルコト↢於日月之明ニ↡百千億万倍ナラ↥、絶↢勝シ諸仏ノ光明ニ↡、焔↢照シテ諸ノ无央数ノ天下幽冥之処ヲ↡、皆当ニシ↢大明ナル↡。諸天・人民・蜎飛蠕動之類、▼見テ↢我ガ光明ヲ↡莫ク↧不ル↢慈心ヲモテ作サ↟善ヲ者↥、皆令メム↣来↢生セ我ガ国ニ↡。得バ↢是ノ願ヲ↡乃チ作仏セム。不ハ↠得↢是ノ願ヲ↡終ニ不ト↢作仏セ↡。

二 Ⅱ 菩薩修行

【4】 仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 阿あ弥陀みだの菩ぼ薩さつたりし時とき、 つねにこの二に十じゅう四し願がんを奉ぶ行ぎょうし、

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、阿弥陀ノ為リシ↢菩薩↡時、常ニ奉↢行シ是ノ二十四願ヲ↡、

分檀ぶんだん布施ふせして道禁どうきんを犯おかさず、 忍辱にんにく・精しょう進じん・一心いっしん・智慧ちえをもつて志し願がんつねに勇ゆう猛みょうに、 経きょう法ぼうを毀そしらず求ぐ索しゃくして懈おこたらず、

○分檀布施シテ不↠犯サ↢道*禁ヲ↡、忍辱・精進・一心・智慧ヲモテ志願常ニ勇猛ニ、不↠毀ラ↢経法ヲ↡求索シテ不↠懈ラ、

つねに独ひとりにして国くにを棄すて王おうを捐すてて、 財色ざいしきを絶ぜっ去こし、 精明しょうみょうに求ぐ願がんして適ちゃく莫まくするところなく、

○毎ニ独リニシテ棄テ↠国ヲ捐テテ↠王ヲ、絶↢去シ財色ヲ↡、精明ニ求願シテ無ク↠所↢適莫スル↡、

功こうを積つみ徳とくを累かさぬること無む央数おうしゅ劫こうにして、 いまみづから作さ仏ぶつを致いたし、 ことごとくみなこれを得えてその功こうを亡うしなはずと。

○積ミ↠功ヲ累ヌルコト↠徳ヲ無央数劫ニシテ、今自ラ致シ↢作仏ヲ↡、悉ク皆得テ↠之ヲ不ト↠亡ハ↢其ノ功ヲ↡也。

二 Ⅲ 弥陀果徳
    ⅰ 光明無量

▼仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうは最尊さいそん第一だいいちにして比ならびなし。 諸仏しょぶつの光こう明みょうのみな及およばざるところなり。

○仏言ク、阿弥陀仏ノ光明ハ最尊第一ニシテ無シ↠比。諸仏ノ光明ノ皆所↠不ル↠及バ也。

◆八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの諸仏しょぶつのなかに、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう七しち丈じょうを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう一いち里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう二に里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう五里ごりを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう十じゅう里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう二に十じゅう里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう四し十じゅう里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう八はち十じゅう里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう百ひゃく六ろく十じゅう里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう三さん百びゃく二に十じゅう里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう六ろっ百ぴゃく四し十じゅう里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう千せん三さん百びゃく里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう二に千せん六ろっ百ぴゃく里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう五ご千せん二に百ひゃく里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう万まん四し百ひゃく里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう二に万まん一千いっせん里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう四し万まん二に千せん里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう八万はちまん四し千せん里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう十じゅう七しち万まん里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう三さん十じゅう五ご万まん里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう七しち十じゅう万まん里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう百ひゃく五ご十じゅう万まん里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう三さん百びゃく万まん里りを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう六ろっ百ぴゃく万まん里りを照てらすあり、

○八方上下ノ無央数ノ諸仏ノ中ニ、有リ↣仏ノ頂中ノ光0134明照ス↢七*丈ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢一里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢二里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢五里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢十里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢二十里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢四十里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢八十里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢百六十里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢三百二十里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢六百四十里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢千三百里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢*二千六百里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢*五千二百里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢*万四百里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢二万一千里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢四万二千里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢八万四千里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢十七万里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢三十五万里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢七十万里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢百五十万里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢三百万里ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢六百万里ヲ↡、

仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう一いち仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう両りょう仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう四し仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう八はち仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう十じゅう五ご仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう三さん十じゅう仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう六ろく十じゅう仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう百ひゃく二に十じゅう仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう二に百ひゃく四し十じゅう仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう五ご百ひゃく仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう千せん仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう二に千せん仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう四し千せん仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう八千はっせん仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう万まん六千ろくせん仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう三万さんまん二に千せん仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう六万ろくまん四し千せん仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう十じゅう三万さんまん仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう二に十じゅう六万ろくまん仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう五ご十じゅう万まん仏国ぶっこくを照てらすあり、 仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう百ひゃく万まん仏国ぶっこくを照てらすあり、 ▼仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょう二に百ひゃく万まん仏国ぶっこくを照てらすありと。

~有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢一仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢両仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢四仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢八仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢十五仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢三十仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢六十仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢百二十仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢二百四0135十仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢五百仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢千仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢二千仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢四千仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢八千仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢万六千仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢三万二千仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢六万四千仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢十三万仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢二十六万仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢五十万仏国ヲ↡、有リ↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢百万仏国ヲ↡、有リト↣仏ノ頂中ノ光明照ス↢二百万仏国ヲ↡。

◆仏ぶつのたまはく、 もろもろの八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょうの焔えん照しょうするところみなかくのごとし。 阿あ弥陀みだ仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょうの焔えん照しょうするところ千万せんまん仏国ぶっこくなり。

●仏言ク、諸ノ八方上下ノ無央数ノ仏ノ頂中ノ光明ノ所↢*焔照スル↡皆如シ↠是クノ也。阿弥陀仏ノ頂中ノ光明ノ所↢*焔照スル↡千万仏国ナリ。

◆諸仏しょぶつの光こう明みょうの照てらすところに近遠ごんおんあるゆゑはいかんとなれば、 もとそれ前ぜん世せ宿命しゅくみょうに、 道どうを求もとめて菩ぼ薩さつたりし時とき、 所願しょがんの功く徳どくおのおのおのづから大だい小しょうあり、 それしかうして後のちに至いたりて作さ仏ぶつせん時とき、 おのおのおのづからこれを得えたり。

●所↣以諸仏ノ光明ノ所ニ↠照ス有ル↢近遠↡者何トナレバ、本其レ前世宿命ニ、求メテ↠道ヲ為リシ↢菩薩↡時、所願ノ功徳各ノ自ラ有リ↢大小↡、至リテ↢其レ然シテ後ニ↡作仏セム時、各ノ自ラ得タリ↠之ヲ。

◆このゆゑに光こう明みょうをしてうたた同等どうとうならざらしむ。 諸仏しょぶつの威い神じん同等どうとうなるのみ。 自じ在ざいに意こころの所欲しょよくのごとく作為さいして、 あらかじめ計はからず。 阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうの照てらすところ最大さいだいなり。 諸仏しょぶつの光こう明みょうみな及およぶことあたはざるところなり。

●是ノ故ニ令ム↣光明ヲシテ転タ不ラ↢同等ナラ↡。諸仏ノ威神同等ナル*爾。自在ニ意ノ所欲ノゴトク作為シテ、不↢*予メ計ラ↡。阿弥陀仏ノ光明ノ所↠照ス最大ナリ。諸仏ノ光明皆所↠不ル↠能ハ↠及ブコト也。

【5】 ◆仏ぶつ、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうの極善ごくぜんなることを称しょう誉よしたまふ。 阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうは極善ごくぜんにして善ぜんのなかの明みょう好こうなり。 はなはだ快こころよきこと比ならびなく絶殊ぜっしゅ無む極ごくなり。 阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうは清しょう潔けつにして、 瑕穢かえなく欠減けつげんなし。 阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうは姝好しゅこうにして日月にちがつの明みょうに勝すぐるること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。 諸仏しょぶつの光こう明みょうのなかの極ごく明みょうなり。 光こう明みょうのなかの極好ごくこうなり。 光こう明みょうのなかの極ごく雄傑おうけつなり。 光こう明みょうのなかの快け善ぜんなり。 諸仏しょぶつのなかの王おうなり。 光こう明みょうのなかの極尊ごくそんなり。 光こう明みょうのなかの最さい明みょう無む極ごくなり。

○仏称↢誉シタマフ阿弥陀仏ノ光明ノ極善ナルコトヲ↡。阿弥陀仏ノ光明ハ極善ニシテ善ノ中ノ明好ナリ。甚ダ快キコト無ク↠比絶殊无極也。阿弥陀仏ノ光明ハ清*潔ニシテ、無ク↢瑕穢↡無シ↢欠減↡也。阿弥陀仏0136ノ光明ハ*姝好ニシテ勝ルルコト↢於日月之明ニ↡百千億万倍ナリ。諸仏ノ光明ノ中之極明也。光明ノ中之極好也。光明ノ中之極雄*傑也。光明ノ中之快善也。諸仏ノ中之王也。光明ノ中之極尊也。光明ノ中之最明無極也。

◆もろもろの無む数しゅ天てん下げの幽ゆう冥みょうの処ところを焔えん照しょうするに、 みなつねに大だい明みょうなり。 諸しょ有うの人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐい、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうを見みざることなし。 見みたてまつれば慈じ心しんをもつて歓かん喜ぎせざるものなし。

○焔↢照スルニ諸ノ無数天下ノ幽冥之処ヲ↡、皆常ニ大明ナリ。諸有ノ人民・蜎飛蠕*動之類、莫シ↠不ルコト↠見↢阿弥陀仏ノ光明ヲ↡也。見タテマツレバ者莫シ↧不ル↢慈心ヲモテ歓喜セ↡者↥。

◆世せ間けん諸しょ有うの淫泆いんいつ・瞋しん怒ぬ・愚痴ぐちのもの、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうを見みたてまつりて善ぜんをなさざるはなし。 もろもろの泥ない犁り・禽きん獣じゅう・薜荔へいれき、 考こう掠りょう勤ごん苦くの処ところにありて、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうの至いたれるを見みたてまつれば、 みな休止くししまた治じせずして死しして後のちに憂苦うくを解げ脱だつすることを得えざるものなし。

○世間諸有ノ淫泆・瞋怒・愚痴ノ者、見タテマツリテ↢阿弥陀仏ノ光明ヲ↡莫シ↠不ルハ↠作サ↠善ヲ也。諸ノ在リテ↢泥*犁・禽獣・薜荔、*考掠勤苦之処ニ↡、見タテマツレバ↢阿弥陀仏ノ光明ノ至レルヲ↡、皆休止シ不シテ↢復治セ↡死シテ後ニ莫シ↧不ル↠得↣解↢脱スルコトヲ憂苦ヲ↡者↥也。

▼阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうの名みなは八方はっぽう上じょう下げ無む窮ぐう無む極ごく無む央数おうしゅの諸仏しょぶつの国くにに聞きかしめたまふ。 諸天しょてん・人民にんみん聞もん知ちせざることなし。 聞もん知ちせんもの度ど脱だつせざるはなしと。

○阿弥陀仏ノ光明ノ名ハ聞カシメタマフ↢八方上下無窮无極無央数ノ諸仏ノ国ニ↡。諸天・人民莫シ↠不ルコト↢聞知セ↡。聞知セム者莫シト↠不ルハ↢度脱セ↡也。

◆仏ぶつのたまはく、 独ひとりわれのみ阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうを称しょう誉よするにあらず。 八方はっぽう上じょう下げ無む央数おうしゅの仏ぶつ・辟びゃく支し仏ぶつ・菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの称しょう誉よするところ、 みなかくのごとしと。

○仏言ク、不ズ↣独リ我ノミ称↢誉スルニ阿弥陀仏ノ光明ヲ↡也。八方上下無央数ノ仏・辟*支仏・菩薩・阿羅漢ノ所↢称誉スル↡、皆如シト↠是クノ。

◆仏ぶつのたまはく、 ▼それ人民にんみん、 善男ぜんなん子し・善ぜん女人にょにんありて阿あ弥陀みだ仏ぶつの声みなを聞ききて、 光こう明みょうを称しょう誉よして朝ちょう暮ぼにつねにその光こう明みょうの好うるわしきを称しょう誉よして、 至し心しんにして断絶だんぜつせざれば、 心こころの所願しょがんのごとくにありて、 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくに往おう生じょうして、もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのために尊そん敬きょうせらるることを得うべし。

○仏言ク、其レ有リテ↢人民、善男子・善女人↡聞キテ↢阿弥陀仏ノ声ヲ↡、称↢誉シテ光明ヲ↡朝暮ニ常ニ称↢誉シテ其ノ光明ノ好マシキヲ↡、至心ニシテ不レバ↢断絶セ↡、在リテ↢心ノ所願ノゴトクニ↡、往↢生シテ阿弥陀仏国ニ↡、可シ↠得↧為ニ↢衆ノ菩薩・阿羅漢ノ↡所ルルコトヲ↦尊敬セ↥。

もしそれしかうして後のち作さ仏ぶつせば、 またまさにまた八方はっぽう上じょう下げのもろもろの無む央数おうしゅの仏ぶつ・辟びゃく支し仏ぶつ・菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのために光こう明みょうを称しょう誉よせらるることかくのごとくなるべし。 すなはちもろもろの比丘びく僧そうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かん、 もろもろの天てん・帝王たいおう・人民にんみん、 これを聞ききてみな歓かん喜ぎし踊ゆ躍やくして、 讃歎さんだんせざるものなからんと。

○若シ其レ然シテ後作仏セバ者、亦当ニシ↧復為ニ↢八方上下ノ諸ノ無央数ノ仏・辟*支仏・菩薩・阿羅漢ノ↡所ルルコト↣称↢誉セ光明ヲ↡如クナル↞是ノ也。即チ衆ノ比丘僧ノ諸ノ菩0137薩・阿羅漢、諸ノ天・帝王・人民、聞キテ↠之ヲ皆歓喜シ踊躍シテ、莫カラムト↧不ル↢讃歎セ↡者↥。

仏ぶつのたまはく、 われ阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうの姝好しゅこう巍巍ぎぎなるをいひ、 快け善ぜんなることを称しょう誉よすること昼ちゅう夜や一劫いっこうすれどもなほいまだ竟おわらず。 われただなんぢらがためにすこしくこれを説とくのみと。

○仏言ク、我道イヒ↢阿弥陀仏ノ光明ノ*姝好巍巍ナルヲ↡、称↢誉スルコト快善ナルコトヲ↡昼夜一劫スレドモ尚未ダ↠竟ラ也。我但為ニ↢若ナンヂ曹ラガ↡小シク説ク↠之ヲ耳ト。

二 Ⅲ ⅱ 阿闍世聞願利益

【6】 仏ぶつ、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの菩ぼ薩さつたりしとき求ぐ索しゃくしてこの二に十じゅう四し願がんを得えたまふことを説ときたまふ。 時ときに阿あ闇じゃ世せ王おう太たい子し五ご百ひゃくの長ちょう者じゃ迦羅から越おつの子ことおのおの一ひとつの金こん華け蓋がいを持もちて、 ともに仏所ぶっしょに到いたり、 前すすみてために仏ぶつに礼らいをなす。 頭ず面めんをもつて仏足ぶっそくに著つけて、 みな金こん華け蓋がいを持もちて前すすみて仏ぶつにたてまつりをはりて、 ことごとく却しりぞき一面いちめんに坐ざして経きょうを聴きけり。

●仏説キタマフ↧阿弥陀仏ノ為リシトキ↢菩薩↡求索シテ得タマフコトヲ↦是ノ二十四願ヲ↥。時ニ阿闇世王太子与↢五百ノ長者迦羅越ノ子↡各ノ持チテ↢一ノ金華蓋ヲ↡、倶ニ到リ↢仏所ニ↡、前ミテ為ニ*作ス↠礼ヲ↠仏ニ。以テ↢頭面ヲ↡著ケテ↢仏足ニ↡、皆持チテ↢金華蓋ヲ↡前ミテ上タテマツリ↠仏ニ已リテ、悉ク却キ坐シテ↢一面ニ↡聴ケリ↠経ヲ。

阿あ闇じゃ世せ王おう太たい子しおよび五ご百ひゃくの長ちょう者じゃ子し、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの二に十じゅう四し願がんを聞ききて、 みなおほきに歓かん喜ぎし踊ゆ躍やくして、 心しん中ちゅうにともに願がんじていはく、 われら後のち作さ仏ぶつせん時とき、 みな阿あ弥陀みだ仏ぶつのごとくならしむと。

●阿闇世王太子及ビ五百ノ長者子、聞キテ↢阿弥陀仏ノ二十四願ヲ↡、皆大ニ歓喜シ踊躍シテ、心中ニ倶ニ願ジテ言ク、令ムト↣我等後作仏セム時、皆如クナラ↢阿弥陀仏ノ↡。

仏ぶつすなはちこれを知しろしめして、 もろもろの比丘びく僧そうに告つげたまはく、 この阿あ闇じゃ世せ王おう太たい子しおよび五ご百ひゃくの長ちょう者じゃ子し、 あと無む数しゅ劫こうを却さりて、 みなまさに作さ仏ぶつして阿あ弥陀みだ仏ぶつのごとくなるべしと。

●仏即チ知ロシメシテ↠之ヲ、告ゲタマハク↢諸ノ比丘僧ニ↡、是ノ阿闍世王太子及ビ五百ノ長者子、却リテ↢後无数劫ヲ↡、皆当ニシト↣作仏シテ如クナル↢阿弥陀仏ノ↡。

仏ぶつのたまはく、 この阿あ闇じゃ世せ王おう太たい子しおよび五ご百ひゃくの長ちょう者じゃ子し、 菩ぼ薩さつ道どうに住じゅうしてよりこのかた、 無む央数おうしゅ劫こうにみなおのおの四し百ひゃく億おく仏ぶつを供く養ようしをはりて、 いままた来きたりてわれを供く養ようせり。 阿あ闇じゃ世せ王おう太たい子しおよび五ご百ひゃくの長ちょう者じゃ子し、 皆みな前ぜん世せに迦か葉しょう仏ぶつの時とき、 わがために弟子でしとなれり。 いまみなまたここに会えしてともにあひ値あへるなりと。 すなはちもろもろの比丘びく僧そう仏ぶつの言ことばを聞ききてみな踊ゆ躍やくしてかはるがはる歓かん喜ぎせざるものなからんと。

●仏言ク、是ノ阿闍世王太子及ビ五百ノ長者子、住シテヨリ↢菩薩道ニ↡已来タ、無央数劫ニ皆各ノ供↢養シ四百億仏ヲ↡已リテ、今復来リテ供↢養セリ我ヲ↡。阿闍世王太子及ビ五百ノ長者*子、皆前世ニ迦葉仏ノ時、為ニ↠我ガ作レリ↢弟子ト↡。今皆復会シテ↠是ニ共ニ相値ヘル也ト。*則チ諸ノ比丘僧聞キテ↢仏ノ言ヲ↡皆踊躍シテ莫カラムト↧不ル↢代カハルガハル之歓喜セ↡者↥。

二 Ⅲ ⅲ 十劫成道

【7】 仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 阿あ弥陀みだ作さ仏ぶつしてよりこのかた、 およそ▼十じゅう小しょう劫こうなり。

○▼仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、阿弥陀作仏シテヨリ已来タ、凡ソ▼十小劫ナリ。

二 Ⅲ ⅳ 国土功徳

所しょ居ごの国こく土どを*須しゅ摩ま題だいと名なづく。 まさしく西方さいほうにあり。 この閻えん浮ぶ提だいの地じ界かいを去さること千億せんおく万まん須しゅ弥み山せん仏国ぶっこくなり。

○◆所居ノ国土ヲ名ク↢須摩題ト↡。正シク在リ↢西0138方ニ↡。去ルコト↢是ノ閻浮提ノ地界ヲ↡千億万須弥山仏国ナリ。

その国くにの地じはみな自じ然ねんの七宝しっぽうなり。 その一宝いっぽうは白びゃく銀ごん、 二に宝ほうは黄金おうごん、 三宝さんぼうは水すい精しょう、 四し宝ほうは琉璃るり、 五ご宝ほうは珊さん瑚ご、 六宝ろっぽうは琥こ珀はく、 七宝しちほうは車しゃこなり。 これを七宝しっぽうとなす。 みなもつておのづからともに地じとなり、 曠蕩こうとうにして甚大じんだい無む極ごくなり。

○◆其ノ国ノ地ハ皆自然ノ七宝ナリ。其ノ一宝者白銀、二宝者黄金、三宝者水精、四宝者琉璃、五宝者珊瑚、六宝者*琥珀、七宝者*車*ナリ。是ヲ為ス↢七宝ト↡。皆以テ自ラ共ニ為リ↠地ト、曠蕩ニシテ甚大無極ナリ。

みなおのづからあひ参まじわりてうたたあひ入中にゅうちゅうす。 おのおのおのづから焜煌こんこうとして明みょうを参まじへ、 極きわめておのづから軟好なんこうにしてはなはだ姝うるわしきこと比ならびなし。 その七宝しっぽうの地じはもろもろの八方はっぽう上じょう下げの衆宝しゅほうのなかの精しょう味み、 自じ然ねんの合ごう会えにしてその化け生しょうなるのみ。 その宝たからはみなたとへば第六だいろく天てん上じょうの七宝しっぽうのごとし。

○皆自ラ相参リテ転タ相入中ス。各ノ自ラ焜煌トシテ参ヘ↠明ヲ、極テ自ラ軟好ニシテ甚ダ姝シキコト無シ↠比。其ノ七宝ノ地ハ諸ノ八方上下ノ衆宝ノ中ノ精味、自然ノ合会ニシテ其ノ化生ナル耳。其ノ宝ハ皆比タトヘバ第六天上之七宝ノゴトシ也。

その国こく中ちゅうには須しゅ弥み山せんあることなく、 その日月にちがつ・星しょう辰しん、 第一だいいち四し天王てんのう・第だい二に忉とう利り天てん、 みな虚こ空くうのなかにあり。 その国こく土どには大海だいかいあることなく、 また小しょう海水かいすいもあることなく、 また江こう河が・恒水ごうすいもなし。 また山林せんりん・渓谷けいこくもあることなく、 幽ゆう冥みょうの処ところもあることなし。 その国くにの七宝しっぽうの地じはみな平正びょうしょうなり。

○其ノ国中ニハ無ク↠有ルコト↢須弥山↡、其ノ日月・星辰、第一四天王・第二忉利天、皆在リ↢虚空ノ中ニ↡。其ノ国土ニハ無ク↠有ルコト↢大海↡、亦无ク↠有ルコト↢小海水モ↡、亦無シ↢江河・恒水モ↡也。亦無ク↠有ルコト↢山林・渓谷モ↡、無シ↠有ルコト↢幽冥之処モ↡。其ノ国ノ七宝ノ地ハ皆平正ナリ。

泥ない犁り・禽きん獣じゅう・薜茘へいれい・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいあることなく、 *阿あ須倫しゅりん・もろもろの竜りゅう・鬼き神じんあることなし。

○無ク↠有ルコト↢泥*犁・禽獣・薜茘・蜎飛蠕動之類↡、無シ↠有ルコト↢阿須*倫・諸ノ竜・鬼神↡。

つひに天てん雨うの時ときなく、 また春しゅん夏か秋しゅう冬とうあることなく、 また大寒だいかんなくまた大熱だいねつなし。 つねに和わ調じょう中適ちゅうちゃくにしてはなはだ快け善ぜんなること比ならびなし。

○終ニ无ク↢天雨ノ時↡、▼亦无ク↠有ルコト↢春夏秋冬↡、亦無ク↢大寒↡亦無シ↢大熱↡。常ニ和調中適ニシテ甚ダ快善ナルコト無シ↠比。

みな自じ然ねん万種まんじゅの物ものあり、 百ひゃく味みの飯食おんじき、 意こころに得うるところあらんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねんに前まえにあり。 用もちひざるところのものはすなはち自じ然ねんに去さる。 たとへば第六だいろく天てん上じょうの自じ然ねんの物もののごとし。 ほしいままに自じ然ねんにすなはちみな意こころに随したがふ。

○皆有リ↢自然万種之物、百味ノ飯食↡、意ニ欲セバ↠有ラムト↠所↠得ル、即チ自然ニ在リ↠前ニ。所ノ↠不ル↠用ヒ者ハ即チ自然ニ去ル。比タトヘバ如シ↢第六天上ノ自然之物ノ↡。恣若ホシイママニ自然ニ即チ皆随フ↠意ニ。

その国くにのうちにはことごとくもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのみにして婦ふ女にょあることなし。 寿じゅ命みょうも無む央数おうしゅ劫こうなり。 女人にょにん往おう生じょうすればすなはち化けして男なん子しとなる。 ただもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのみありて無む央数おうしゅなり。

●其ノ国ノ*中ニハ悉ク諸ノ菩薩・阿羅漢ノミニシテ無シ↠有ルコト↢婦女↡。寿命モ无央数劫ナリ。女人往生スレバ即チ化シテ*作ル↢男子ト↡。但有リテ↢諸ノ菩薩・阿羅漢ノミ↡無央数ナリ。

ことごとくみなあきらかに視みあきらかに聴きき、 ことごとくはるかにあひ見み、 はるかにあひ瞻望せんもうし、 はるかにあひ語ご声しょうを聞きく。 ことごとくみな道どうの善ぜんなるものを求もとむ。

○悉ク皆洞アキラカニ視徹アキラカニ聴キ、悉ク遥0139ニ相見、遥ニ相瞻望シ、遥ニ相聞ク↢語声ヲ↡。悉ク皆求ム↢道ノ善ナル者ヲ↡。

同一どういつ種類しゅるいにして、 異い人にんあることなし。 そのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの面目めんもくはみな端たん正じょうにして浄じょう潔けつ絶好ぜっこうなり。 ことごとく同一どういつの色しきにして、 ひとへに醜しゅう悪あくなるものあることなし。

○同一種類ニシテ、無シ↠有ルコト↢異人↡。其ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ面目ハ皆端正ニシテ浄潔絶好ナリ。悉ク同一ノ色ニシテ、無シ↠有ルコト↢偏ニ醜悪ナル者↡也。

もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんはみな才さい猛みょう黠がち慧えなり。 みな自じ然ねんの衣ころもを衣きる。 心しん中ちゅうに念ねんずるところは道徳どうとくなり。 その語かたり言いはんと欲ほっするに、 みなあらかじめ意こころに念言ねんごんするところをあひ知しる。 つねに正しょう事じを説とき、 語かたるところはすなはち経きょう道どうを説ときて他余たよの悪あくを説とかず。 その語ご言ごんの音響おんこう三さん百びゃくの鍾かねの声こえのごとし。

○諸ノ菩薩・阿羅漢ハ皆才猛黠慧ナリ。皆衣キル↢自然之衣ヲ↡。心中ニ所ハ↠念ズル道徳ナリ。其ノ欲スルニ↢語リ言ハムト↡、皆*予メ相↣知ル意ニ所ヲ↢念言スル↡。常ニ説キ↢正事ヲ↡、所ハ↠語ル輒チ説キテ↢経道ヲ↡*不↠説カ↢他余之悪ヲ↡。其ノ語言ノ音響如シ↢三百ノ鍾ノ声ノ↡。

みなあひ敬きょう愛あいしてあひ嫉憎しつぞうするものなし。 みな長ちょう幼よう・上じょう下げ・先せん後ごをもつてこれをいふ。 義ぎをもつてし礼れいにかなひて、 うたたあひ敬きょう事じすること兄あにのごとく弟おとうとのごとし。 仁にんをもつてし義ぎを履ふみみだりに動どう作させず。 言ごん語ご誡かいにかなひて、 うたたあひ教令きょうりょうしてあひ違い戻らいせず、 うたたあひ承じょう受じゅして、 みな心こころ浄じょう潔けつにして貪とん慕ぼするところなく、 つひに瞋しん怒ぬ・淫泆いんいつの心しん、 愚痴ぐちの態たいなく、 邪心じゃしんにして婦ふ女にょを念おもふ意こころあることなし。

○皆相敬愛シテ無シ↢相嫉憎スル者↡。皆以テ↢長幼・上下・先後ヲ↡言フ↠之ヲ。以テシ↠義ヲ如カナヒテ↠礼ニ、転タ相敬事スルコト如ク↠兄ノ如シ↠弟ノ。以テシ↠仁ヲ履ミ↠義ヲ不↢妄ニ動作セ↡。言語如カナヒテ↠*誡ニ、転タ相教令シテ不↢相違戻セ↡、転タ相承受シテ、皆心浄潔ニシテ无ク↠所↢貪慕スル↡、終ニ*無ク↢瞋怒・淫泆之心、愚痴之*態↡、无シ↠有ルコト↧邪心ニシテ念フ↢婦女ヲ↡意↥。

ことごとくみな智慧ちえ勇ゆう猛みょうに和わ心しん歓楽かんらくして経きょう道どうを好喜このみ、 みづから前ぜん世せより従じゅう来らいするところの生しょう、 億万おくまん劫こうの時ときの宿命しゅくみょうの善悪ぜんあく・存亡ぞんもうを知しり、 現在げんざいもかへりて知しること極きわまりなし。

●悉ク皆智慧勇猛ニ和心歓*楽シテ好コ↢*喜ノミ経道ヲ↡、自ラ知リ↧前世ヨリ所ノ↢従来スル↡生、億万劫ノ時ノ宿命ノ善悪・存亡ヲ↥、現在モ却テ知ルコト無シ↠極リ。

二 Ⅲ ⅴ 講堂宝池荘厳

阿あ弥陀みだ仏ぶつの教きょう授じゅしたまふべきところの講堂こうどう・精しょう舎じゃ、 みなまた自じ然ねんの七宝しっぽうなり。 金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・白びゃく玉ごく・虎こ珀はく・車しゃこ、 おのづからともにあひ成じょうず。 はなはだ姝しゅ明みょう好絶こうぜつにして比ならびなし。

○阿弥陀仏ノ所ノ↠可キ↢教授シタマフ↡講堂・精舎、皆復自然ノ七宝ナリ。金・銀・水精・琉璃・白玉・*虎*珀・*車、自ラ共ニ相成ズ。甚ダ姝明好絶ニシテ無シ↠比。

また作つくるものなく従じゅう来らいするところを知しらず。 持もち来きたるものなくまた従じゅう去こするところもなし。 阿あ弥陀みだ仏ぶつの願がんじたまふところの徳とく重おもければなり。 その人ひと善ぜんをなすゆゑに経きょうを論ろんじ義ぎを語かたり経きょうを説とき道どうを行ぎょうずるに、 講こう会えそのなかに自じ然ねんに化け生しょうするのみ。

●亦無ク↢作ル者↡不↠知ラ↠所ヲ↢従来スル↡。亦無ク↢持チ来ル者↡亦无シ↠所モ↢従去スル↡。阿弥陀仏ノ所ノ↠願ジタマフ徳重ケレバナリ。其ノ人作ス↠善ヲ故ニ論ジ↠経ヲ語リ↠義ヲ説キ↠経ヲ行ズルニ↠道ヲ、*講会其ノ中ニ自然ニ化生スル*爾。

その講堂こうどう・精しょう舎じゃにはみなまた七宝しっぽうの楼観ろうかん・欄らん楯じゅんあり。 また金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・白びゃく玉ごく・虎こ珀はく・車しゃこをもつて瓔珞ようらくとなし、 また白びゃく珠じゅ・明みょう月珠がつしゅ・摩尼まに珠しゅをもつて交きょう露ろとなしてその上うえに覆ふ蓋がいす。 みなおのづから五いつつの音おん声じょうをなす。 はなはだ好うるわしきこと比ならびなし。

●其ノ講堂・精舎ニハ皆復有リ↢七宝ノ楼観・欄楯↡。復以テ↢金・銀・水精・琉璃・白玉・*虎*珀0140・*車ヲ↡為シ↢*瓔珞ト↡、○復以テ↢白珠・明月珠・摩尼珠ヲ↡為シテ↢交露ト↡覆↢蓋ス其ノ上ニ↡。皆自ラ作ス↢五ノ音声ヲ↡。甚ダ好シキコト無シ↠比。

もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの所しょ居ごの舎宅しゃたくみなまた七宝しっぽうをもつてす。 金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・珊さん瑚ご・虎こ珀はく・車しゃこ・馬め瑙のう化け生しょうしうたたともにあひ成じょうず。 その舎宅しゃたくにことごとくおのおの七宝しっぽうの楼観ろうかん・欄らん楯じゅんあり。 また金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・白びゃく玉ごく・虎こ珀はく・車しゃこをもつて瓔珞ようらくとなし、 また白びゃく珠じゅ・明みょう月珠がつしゅ・摩尼まに珠しゅをもつて交きょう露ろとなしてその上うえに覆ふ蓋がいす。 みなおのおのまたおのづから五いつつの音おん声じょうをなせり。

●諸ノ菩薩・阿羅漢ノ所居ノ舎宅皆復以テス↢七宝ヲ↡。金・銀・水精・琉璃・珊瑚・*虎*珀・*車・*馬*瑙化生シ転タ共ニ相成ズ。其ノ舎宅ニ悉ク各ノ有リ↢七宝ノ楼観・欄楯↡。復以テ↢金・銀・水精・琉璃・白玉・*虎*珀・*車ヲ↡為シ↢*瓔珞ト↡、復以テ↢白珠・明月珠・摩尼珠ヲ↡為シテ↢交露ト↡覆↢蓋ス其ノ上ニ↡。皆各ノ復自ラ作セリ↢五ノ音声ヲ↡。

阿あ弥陀みだ仏ぶつの講堂こうどう・精しょう舎じゃおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの所しょ居ごの舎宅しゃたくのうち、 内ない外げ処々しょしょに、 みなまた自じ然ねんの流る泉せん・浴よく池ちあり。

○阿弥陀仏ノ講堂・精舎及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ所居ノ舎宅ノ中、▼内外処処ニ、皆復有リ↢自然ノ流泉・浴池↡。

みな自じ然ねんの七宝しっぽうとともに生しょうじて、 金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・虎こ珀はく・車しゃこ、 うたたともにあひ成じょうず。 淳じゅん金こんの池いけにはその水底すいたいの沙すなは白びゃく銀ごんなり。 淳じゅん白びゃく銀ごんの池いけにはその水底すいたいの沙すなは黄金おうごんなり。 淳じゅん水すい精しょうの池いけにはその水底すいたいの沙すなは琉璃るりなり。 淳じゅん琉璃るりの池いけにはその水底すいたいの沙すなは水すい精しょうなり。 淳じゅん珊さん瑚ごの池いけにはその水底すいたいの沙すなは虎こ珀はくなり。 淳じゅん虎こ珀はくの池いけにはその水底すいたいの沙すなは珊さん瑚ごなり。 淳じゅん車しゃこの池いけにはその水底すいたいの沙すなは馬め瑙のうなり。 淳じゅん馬め瑙のうの池いけにはその水底すいたいの沙すなは車しゃこなり。 淳じゅん白びゃく玉ごくの池いけにはその水底すいたいの沙すなは紫磨しま金こんなり。 淳じゅん紫磨しま金こんの池いけにはその水底すいたいの沙すなは<白びゃく玉ごくなり。

○皆与↢自然ノ七宝↡倶ニ生ジテ、金・銀・水精・琉璃・*虎*珀・*車、転タ共ニ相成ズ。淳金ノ池ニ者其ノ水底ノ沙ハ白銀也。淳白銀ノ池ニ者其ノ水底ノ沙ハ黄金也。淳水精ノ池ニ者其ノ水底ノ沙ハ琉璃也。淳琉璃ノ池ニ者其ノ水底ノ沙ハ水精也。淳珊瑚ノ池ニ者其ノ水底ノ沙ハ*虎*珀也。淳*虎*珀ノ池ニ者其ノ水底ノ沙ハ珊瑚也。淳*車ノ池ニ者其ノ水底ノ沙ハ*馬*瑙也。淳*馬*瑙ノ池ニ者其ノ水底ノ沙ハ*車也。淳白玉ノ池ニ者其ノ水底ノ沙ハ紫磨金也。淳紫磨金ノ池ニ者其ノ水底ノ沙ハ白玉也。

なかにまた両りょう宝ほうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙すなは金こん・銀ごんなり。

○中ニ復有リ↧両宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙ハ金・銀也。

なかにまた三宝さんぽうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙すなは金こん・銀ごん・水すい精しょうなり。

○中ニ復有リ↧三宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙ハ金・銀・水精也。

なかにまた四し宝ほうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙すなは金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るりなり。

●中ニ復有リ↧四宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙ハ金・銀・水0141精・琉璃也。

なかに五ご宝ほうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙すなは金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・珊さん瑚ごなり。

●中ニ有リ↧五宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙ハ金・銀・水精・琉璃・珊瑚也。

なかに六宝ろっぽうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙すなは金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・珊さん瑚ご・虎こ珀はくなり。

●中ニ有リ↧六宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙ハ金・銀・水精・琉璃・珊瑚・*虎*珀也。

なかに七宝しっぽうのともに一いっ池ちをなすものあり。 その水底すいたいの沙すなは金こん・銀ごん・水すい精しょう・琉璃るり・珊さん瑚ご・虎こ珀はく・車しゃこなり。

○中ニ有リ↧七宝ノ共ニ作ス↢一池ヲ↡者↥。其ノ水底ノ沙ハ金・銀・水精・琉璃・珊瑚・*虎*珀・*車也。

なかに浴よく池ちの長ながさ四し十じゅう里りなるものあり、 長ながさ八はち十じゅう里りなるものあり、 長ながさ百ひゃく六ろく十じゅう里りなるものあり、 長ながさ三さn百びゃく二に十じゅう里りなるものあり、 長ながさ六ろっ百ぴゃく四し十じゅう里りなるものあり、 長ながさ千せん二に百ひゃく八はち十じゅう里りなるものあり、 長ながさ二に千せん五ご百ひゃく六ろく十じゅう里りなるものあり、 長ながさ五ご千せん一いっ百ぴゃく二に十じゅう里りなるものあり、 長ながさ万まん二に百ひゃく四し十じゅう里りなるものあり、 長ながさ二に万まん四し百ひゃく八はち十じゅう里りなるものあり。

○中ニ有リ↢浴池ノ長サ四十里ナル者↡、有リ↢長サ八十里ナル者↡、有リ↢長サ百六十里ナル者↡、有リ↢長サ三百二十里ナル者↡、有リ↢長サ六百四十里ナル者↡、有リ↢長サ千二百八十里ナル者↡、有リ↢長サ二千五百六十里ナル者↡、有リ↢長サ五千一百二十里ナル者↡、有リ↢長サ万二百四十里ナル者↡、有リ↢長サ二万四百八十里ナル者↡。

その池いけの縦じゅう広こうまさに等ひとし。 この池いけはみなもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのつねに浴よくすべきところの池いけなりと。

○其ノ池ノ縦広適ニ等シ。●是ノ池者皆諸ノ菩薩・阿羅漢ノ常ニ所ノ↠可キ↠浴ス池ナリト。

仏ぶつのたまはく、 弥陀みだ仏ぶつの浴よく池ちの長ながさは四し万まん八千はっせん里り、 広ひろさもまた四し万まん八千はっせん里りなり。 その池いけはみな七宝しっぽうをもつてうたたともにあひ成じょうず。 その水底すいたいの沙すなは白びゃく珠じゅ・明みょう月珠がつしゅ・摩尼まに珠しゅなり。

●仏言ク、*弥陀仏ノ浴池ノ長サハ四万八千里、広サモ亦四万八千里ナリ。其ノ池ハ皆以テ↢七宝ヲ↡転タ共ニ相成ズ。其ノ水底ノ沙ハ白珠・明月珠・摩尼珠也。

阿あ弥陀みだ仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの浴よく池ちのなかの水みずはみな清きよらかにして香潔こうけつなり。

○阿弥陀仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ浴池ノ中ノ水ハ皆*清ラカニシテ香潔ナリ。

池いけのなかにはみな香こう華げありてことごとく自じ然ねんに生しょうず。 百ひゃく種しゅの華はな種々しゅじゅに色いろを異ことにして、 色しき異いの香こう華げ、 枝えだみな千葉せんようなり。 はなはだ香かぐわしきこと比ならびなし。 香かいふべからず。 その華はなはまた世せ間けんの華はなにあらず、 また天てん上じょうの華はなにもあらず。 この華け香こうはすべて八方はっぽう上じょう下げのもろもろの華け香こうのなかの精しょうなり。 自じ然ねんに化け生しょうするのみ。 その池ち中ちゅうの水みず流る行ぎょうしてうたたあひ潅かん注ちゅうす。 その水みずの流る行ぎょうもまた遅おそからず駃はやからず、 みなまた五いつつの音おん声じょうをなせりと。

○*池ノ中ニハ皆有リテ↢香華↡悉ク自然ニ生ズ。百種ノ華種種異ニシテ↠色ヲ、色異ノ香華、枝皆千*葉ナリ。甚ダ香シキコト無シ↠比也。香不↠可カラ↠言フ。其ノ華者亦非ズ↢世間之華ニ↡、復非ズ↢天上之*華ニモ↡。此ノ華香ハ都テ八方上下ノ衆ノ華香ノ中ノ精也。自然ニ化生スル耳。其ノ池中ノ水流行シテ転タ相潅注ス。其ノ水ノ流行モ亦不↠遅カラ不↠*駃カラ、皆復作セリト↢五ノ音声ヲ↡。

二 Ⅲ ⅵ 眷属荘厳

【8】 仏ぶつのたまはく、 八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏国ぶっこくの諸天しょてん・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいにして、 もろもろの阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくに生しょうずるものは、 みな七宝しっぽうの水すい池ちの蓮れん華げのなかより化け生しょうし、 すなはち自じ然ねんに長ちょう大だいす。 また乳にゅう養ようのものなく、 みな自じ然ねんの飲食おんじきを食じきす。

○仏0142言ク、八方上下ノ無央数ノ仏国ノ諸天・人民及ビ蜎飛蠕動之類ニシテ、諸ノ生ズル↢阿弥陀仏国ニ↡者ハ、皆於リ↢七宝ノ水池ノ蓮華ノ中↡化生シ、便チ自然ニ長大ス。亦無ク↢乳養之者↡、皆食ス↢自然之飲食ヲ↡。

その身体しんたいもまた世せ間けんの人にんの身体しんたいにあらず、 また天てん上じょうの人にんの身体しんたいにもあらず、 みな衆善しゅぜんの徳とくを積つみてことごとく自じ然ねん虚無こむの身しん・無む極ごくの体たいを受うけ、 はなはだ姝好しゅこうにして比ならびなしと。

○其ノ身体モ亦非ズ↢世間ノ人之身体ニ↡、亦非ズ↢天上ノ人之身体ニモ↡、皆*積ミテ↢衆善之徳ヲ↡悉ク受ケ↢自然虚無之身・無極之体ヲ↡、甚ダ姝好ニシテ無シト↠比。

仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 世せ間けんの貧びん窮ぐ・乞丐こつがい人にんのごときは、 帝王たいおうの辺ほとりにありて住じゅうせしめば、 その面目めんもく・形状ぎょうじょう、 なんぞ帝王たいおうの面目めんもく・形ぎょう類るい・顔色げんしきに類るいするやいなやと。

○仏語リタマハク↢阿難ニ↡、如キハ↢世間ノ貧窮・乞丐人ノ↡、令メバ↧在リテ↢帝王ノ辺ニ↡住セ↥者、其ノ面目・形状、寧ゾ類スルヤ↢帝王ノ面目・形*類・顔色ニ↡不ヤト。

阿あ難なんまうさく、 たとひ王おう子じをして帝王たいおうの辺ほとりにありて住じゅうせしめば、 その面目めんもく・形状ぎょうじょうはなはだ醜しゅう悪あくにして好うるわしからずして、 帝王たいおうにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。

○阿難言ク、仮使 タトヒ *王子ヲシテ在リテ↢帝王ノ辺ニ↡住セシメバ者、其ノ面目・形状甚ダ醜悪ニシテ不シテ↠好シカラ、不ルコト↠如カ↢帝王ニ↡百千億万*倍也。

ゆゑはいかん。 乞人こつにんは貧びん窮ぐ困極こんごくにして飲食おんじきつねに悪あしく、 いまだつねに美み食じきあらず。 時ときにすでに悪食あくじきすら飽食ほうじきを得うることあたはず。 食じきわづかに命いのちを支ささへ、 骨節こっせつあひ撐とう拄ちゅうしてもつてみづから給きゅうすることなし。 つねに乏とぼしくして儲たくわえあることなし。 飢餓きが寒凍かんとう、 怔しょう忪じゅ愁しゅう苦くせり。

○所以者何ン。乞人ハ貧窮困極ニシテ飲食常ニ悪シク、未ダ↣*常ニ有ラ↢美食↡。時ニ既ニ悪*食スラ不↠能ハ↠得ルコト↢飽食ヲ↡。食纔ワヅカニ*支ヘ↠命ヲ、骨節相撐拄シテ無シ↢以テ自ラ給スルコト↡。常ニ乏シクシテ無シ↠有ルコト↠儲。飢餓寒凍、*怔忪愁苦セリ。

ただ前ぜん世せに人ひととなりしとき愚痴ぐち・無智むちなるにより、 慳貪けんどんにして慈じ哀あいして善ぜんをなしひろく愛あいして施与せよすることを肯がえんぜず、 ただいたづらに得えんことを欲ほっして、 飲食おんじきを貪とん惜じゃくし独ひとり嗜美じみを食じきし、 施せ貸たいして後のちに報ほう償しょうを得うることを信しんぜず、 また善ぜんをなして後世ごせにまさにその福ふくを得うべきことを信しんぜず。 蒙悾もうくう抵佷たいごうにしてますます衆悪しゅあくをなす。

○但坐ヨリ↢前世ニ為リシトキ↠人ト愚痴・無智ナルニ↡、慳貪ニシテ不↠肯ゼ↢慈哀シテ為シ↠善ヲ博ク愛シテ施与スルコトヲ↡、但欲シテ↢唐イタヅラニ得ムコトヲ↡、貪↢惜シ飲食ヲ↡独リ食シ↢嗜美ヲ↡、不↠信ゼ↣施貸シテ後ニ得ルコトヲ↢報償ヲ↡、復不↠信ゼ↢作シテ↠善ヲ後世ニ当ニキコトヲ↟得↢其ノ福ヲ↡。蒙*悾*抵佷ニシテ益マス作ス↢衆悪ヲ↡。

かくのごとくして寿いのち終おわり財物ざいもつ尽じん索しゃくす。 もとより恩徳おんどくなく恃怙じこするところなし。 悪道あくどうのうちに入いりてこれによりて苦くに適かなふ。 しかうして後のちに出いでて解げ脱だつすることを得えて、 今こん生じょうに人ひととなり、 下げ賎せんとなりて、 貧びん家けのために子ことなり、 しひて人ひとの形かたちに像にたれども状じょう類るいはなはだ醜みにくく、 衣被えび弊へい壊えして、 ひとりむなしく独どく立りゅうして形ぎょう体たいを蔽おおはず、 乞丐こつがいして生いくるのみ。 飢き寒かん困こん苦くし、 面目めんもく羸劣るいれつにして人ひとの色しきに類るいせず。 その前ぜん世せの身みのなすところによりてその殃罰おうばつを受うけ、 衆しゅに示しめしてこれを見みしむるに、 たれも哀あわれむものなし。 市じ道どうに棄き捐えんせられ暴ぼく露ろ痟しょう痩しゅし、 黒醜こくしゅ悪極あくごくにして人ひとに及およばざるのみ。

○如クシテ↠是クノ寿終リ財物尽索ス。*素ヨリ無ク↢恩徳↡无シ↠所↢恃怙スル↡。入リテ↢悪道ノ中ニ↡坐ヨリテ↠之ニ適フ↠苦ニ。然シテ後ニ得テ↢出デテ解脱スルコトヲ↡、今生ニ為リ↠人ト、作リテ↢於下賎ト↡、為ニ↢貧家ノ↡作リ↠子ト、強ヒテ像ニタレドモ↢人ノ形ニ↡状類甚ダ醜ク、衣被弊壊シテ、単リ空シク独立シテ不↠蔽ハ↢形体ヲ↡、乞丐シテ生クル耳0143。飢寒困苦シ、面目羸劣ニシテ不↠類セ↢人ノ色ニ↡。坐ヨリテ↢其ノ前世ノ身之所ニ↟作ス受ケ↢其ノ殃罰ヲ↡、示シテ↠衆ニ見シムルニ↠之ヲ、莫シ↢*誰モ哀ム者↡。棄↢捐セラレ市道ニ↡暴露*痟痩シ、黒醜悪極ニシテ不ル↠及バ↠人ニ耳。

帝王たいおうの人にん中ちゅうの独尊どくそんにして最好さいこうなるゆゑはいかん。 みなその前ぜん世せに人ひととなりし時とき、 善ぜんをなし経きょう道どうを信受しんじゅし恩おんを布しき徳とくを施ほどこし、 ひろく愛あいして義ぎに順したがひ慈じ仁にんにして憙よろこびて与あたへ、 飲食おんじきを貪むさぼらず、 衆しゅとこれを共ともにして、 遣けん惜じゃくするところなくすべて違い争しょうなし。

○所↢以帝王ノ人中ノ独尊ニシテ最好ナル↡者何ン。皆其ノ前世ニ為リシ↠人ト時、作シ↠善ヲ信↢受シ経道ヲ↡布キ↠恩ヲ施シ↠徳ヲ、博ク愛シテ順ヒ↠義ニ慈仁ニシテ憙ビテ与ヘ、不↠貪ラ↢飲食ヲ↡、与↠衆共ニシテ↠之ヲ、無ク↠所↢*遣惜スル↡都テ無シ↢違争↡。

その善福ぜんぷくを得えて寿いのち終おわりて徳とく随したがひて悪道あくどうに更かえらず、 今こん生じょうに人ひととなり王おう家けに生しょうずることを得う。 自じ然ねんに尊そん貴きにして独ひとり王おうとなり、 人民にんみんを典主てんしゅし攬制らんせいしその雄傑おうけつとなる。

○得テ↢其ノ善福ヲ↡寿終リテ徳随ヒテ不↠更ラ↢悪道ニ↡、今生ニ為リ↠人ト得↠生ズルコトヲ↢王家ニ↡。自然ニ尊貴ニシテ独リ王トナリ、典↢主シ攬↣制シ人民ヲ↡為ル↢其ノ雄*傑ト↡。

面目めんもく潔けつ白びゃくに和わ顔げん好色こうじきにして身体しんたい端たん正じょうなり。 衆しゅにともに敬きょう事じせられ、 美み食じき・好こう衣え心こころに随したがひ意こころにほしいままにして、 楽ねがひの所欲しょよくのごとく、 自じ然ねんに前まえにありてすべて違い争しょうなし。 人にん中ちゅうにおいて姝好しゅこうにして憂うれひなく、 快け楽らくにして面目めんもく光沢こうたくなり。 ゆゑにすなはちしかるのみと。

○面目潔白ニ和顔好色ニシテ身体端正ナリ。衆ニ共ニ敬事セラレ、美食・好衣随ヒ↠心ニ恣ニシテ↠意ニ、若ク↢楽ヒノ所欲ノ↡、自然ニ在リテ↠前ニ都テ無シ↢違争↡。於テ↢人中ニ↡姝好ニシテ無ク↟憂、快楽ニシテ面目光沢ナリ。故ニ乃チ爾ル耳ト。

仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 なんぢが言ことば是ぜなり。 帝王たいおうは人にん中ちゅうにおいて好うるわしく比ひすべきものなしといへども、 まさに*遮しゃ迦か越おつ王おうの辺ほとりにありて住じゅうせしめば、 その面めん形ぎょう類るいはなはだ醜しゅう悪あくにして好うるわしからざること、 たとへば乞人こつにんの帝王たいおうの辺ほとりにありて住じゅうするがごとくなるべきのみ。 その帝王たいおうの面目めんもくなほまた遮しゃ迦か越おつ王おうの面色めんしきの姝好しゅこうなるにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、若ガ言是也。帝王ハ雖モ↧於テ↢人中ニ↡好シク無シト↦比スベキ者↥、当ニ令メバ↧在リテ↢遮迦越王ノ辺ニ↡住セ↥者、其ノ面形類甚ダ醜悪ニシテ不ルコト↠好シカラ、比タトヘバ如クナルベキ↧乞人ノ在リテ↢帝王ノ辺ニ↡住スルガ↥耳。其ノ帝王ノ面目尚復不ルコト↠如カ↢遮迦越王ノ面色ノ姝好ナルニ↡百千*億万倍ナリ。

遮しゃ迦か越おつ王おうのごときは天てん下げにおいて絶たへて好うるわしきこと比ならびなきも、 まさに第だい二に天王てんのうの辺ほとりにありて住じゅうせしめば、 その面おもてはなはだ醜みにくくして好うるわしからざること、 なほまた帝たい釈しゃくの面類めんるい端たん正じょうにして姝好しゅこうなるにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。

○如キハ↢遮迦越王ノ↡於テ↢天下ニ↡絶エテ好シキコト無キモ↠比、当ニ令メバ↧在リテ↢第二天王ノ辺ニ↡住セ↥者、其ノ面甚ダ醜クシテ不ルコト↠好シカラ、尚復不ルコト↠如カ↢帝釈ノ面類端正ニシテ姝好ナルニ↡百千億万倍ナリ。

天てん帝たい釈しゃくのごときも第六だいろく天王てんのうの辺ほとりにありて住じゅうせしめば、 その面類めんるいはなはだ醜みにくくして好うるわしからざること、 なほまた第六だいろく天王てんのうの面類めんるい端たん正じょうにして姝好しゅこうなるにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。

○如キモ↢天帝釈ノ↡令メバ↧在リテ↢第六天王ノ辺ニ↡住セ↥者、其ノ面類甚ダ醜クシテ不ルコト↠好シカラ、尚復不ルコト↠如カ↢第六天王ノ面類端正ニシテ姝好ナルニ↡百千億万倍ナリ。

第六だいろく天王てんのうのごときも阿あ弥陀みだ仏国ぶっこく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの辺ほとりにありて住じゅうせしめば、 その面おもてはなはだ醜みにくくしてなほまた阿あ弥陀みだ仏国ぶっこく中ちゅうの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの面類めんるい端たん正じょうにして姝好しゅこうなるにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなりと。

○如キモ↢第六*天王ノ↡令0144メバ↧在リテ↢阿弥陀仏国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ辺ニ↡住セ↥者、其ノ面甚ダ醜クシテ尚復不ルコト↠如カ↢阿弥陀仏国中ノ菩薩・阿羅漢ノ面類端正ニシテ姝好ナルニ↡百千億万倍ナリト。

仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの面類めんるいはことごとくみな端たん正じょうにして絶たえて好うるわしきこと比ならびなし。 泥洹ないおんの道どうに次ちかし。

●仏言ク、阿弥陀仏国ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ面類ハ悉ク皆端正ニシテ絶エテ好シキコト無シ↠比。○次チカシ↢於泥洹之道ニ↡。

二 Ⅲ ⅶ 宝樹荘厳

阿あ弥陀みだ仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの講堂こうどう・精しょう舎じゃ、 所しょ居ごの処ところの舎宅しゃたくのうち、 内ない外げの浴よく池ちの上ほとりにみな七宝しっぽう樹じゅあり。 なかに淳じゅん金樹こんじゅ・淳じゅん銀樹ごんじゅ・淳じゅん水すい精しょう樹じゅ・淳じゅん琉璃るり樹じゅ・淳じゅん白びゃく玉ごく樹じゅ・淳じゅん珊さん瑚ご樹じゅ・淳じゅん虎こ珀はく樹じゅ・淳じゅん車しゃこ樹じゅありて、 種々しゅじゅにおのおのおのづから異い行ごうするなり。

○阿弥陀仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ講堂・精舎、所居ノ処ノ舎宅ノ中、内外ノ浴池ノ上ニ皆有リ↢七宝樹↡。中ニ有リテ↢淳金樹・淳銀樹・淳水精樹・淳琉璃樹・淳白玉樹・淳珊瑚樹・淳*琥*珀樹・淳*車樹↡、種種ニ各ノ自ラ異行スルナリ。

なかに両りょう宝ほうのともに一樹いちじゅとなるものあり。

○中ニ有リ↧両宝ノ共ニ作ル↢一樹ト↡者↥。

銀樹ごんじゅには銀根ごんこん・金こん茎きょう・銀ごん枝し・金葉こんよう・銀ごん華け・金実こんじつあり。 金樹こんじゅには金根こんこん・銀ごん茎きょう・金こん枝し・銀ごん葉よう・金こん華け・銀ごん実じつあり。

○銀樹ニハ銀根・金茎・銀枝・金葉・銀華・金実アリ。金樹ニ者金根・銀茎・金枝・銀葉・金華・銀実アリ。

水すい精しょう樹じゅには水すい精しょう根こん・琉璃るり茎きょう・水すい精しょう枝し・琉璃るり葉よう・水すい精しょう華け・琉璃るり実じつあり。 琉璃るり樹じゅには琉璃るり根こん・水すい精しょう茎きょう・琉璃るり枝し・水すい精しょう葉よう・琉璃るり華け・水すい精しょう実じつあり。 この二に宝ほうともに一樹いちじゅとなるなり。

○水精樹ニ者水精根・琉璃茎・水精枝・琉璃葉・水精華・琉璃実アリ。琉璃樹ニ者琉璃根・水精茎・琉璃枝・水精葉・琉璃華・水精実アリ。是ノ二宝共ニ作ルナリ↢一樹ト↡。

なかにまた四し宝ほうのともに一樹いちじゅとなるものあり。 水すい精しょう樹じゅには水すい精しょう根こん・琉璃るり茎きょう・金こん枝し・銀ごん葉よう・水すい精しょう華け・琉璃るり実じつあり。 琉璃るり樹じゅには琉璃るり根こん・水すい精しょう茎きょう・金こん枝し・銀ごん葉よう・水すい精しょう華け・琉璃るり実じつあり。 この四し宝ほう樹じゅうたたともにあひ成じょうじておのおのおのづから異い行ごうするなり。

●中ニ復有リ↧四宝ノ共ニ作ル↢一樹ト↡者↥。水精樹ニハ水精根・琉璃茎・金枝・銀葉・水精華・琉璃実アリ。琉璃樹ニ者琉璃根・水精茎・金枝・銀葉・水精華・琉璃実アリ。是ノ四宝樹転タ共ニ相成ジテ各ノ自ラ異行スルナリ。

なかにまた五ご宝ほうのともに一樹いちじゅとなるものあり。 銀樹ごんじゅには銀ごん根こん・金こん茎きょう・水すい精しょう枝し・琉璃るり葉よう・銀ごん華け・金こん実じつあり。 金樹こんじゅには金こん根こん・銀ごん茎きょう・水すい精しょう枝し・琉璃るり葉よう・珊さん瑚ご華け・銀ごん実じつあり。 水すい精しょう樹じゅには水すい精しょう根こん・琉璃るり茎きょう・珊さん瑚ご枝し・銀ごん葉よう・金こん華け・琉璃るり実じつあり。 琉璃るり樹じゅには琉璃るり根こん・珊さん瑚ご茎きょう・水すい精しょう枝し・金こん葉よう・銀ごん華け・珊さん瑚ご実じつあり。 珊さん瑚ご樹じゅには珊さん瑚ご根こん・琉璃るり茎きょう・水すい精しょう枝し・金こん葉よう・銀ごん華け・琉璃るり実じつあり。 この五ご宝ほうともに一樹いちじゅとなる。 おのおのおのづから異い行ごうするなり。

●中ニ復有リ↧五宝ノ共ニ作ル↢一樹ト↡者↥。*銀樹ニハ銀根・金茎・水精枝・琉璃葉・銀華・金実アリ。金樹ニ者金根・銀茎・水精枝・琉璃葉・珊瑚華・銀実アリ。水精樹ニ者水精根・琉璃茎・珊瑚0145枝・銀葉・金華・琉璃実アリ。琉璃樹ニ者琉璃根・珊瑚茎・水精枝・金葉・銀華・珊瑚実アリ。珊瑚樹ニ者珊瑚根・琉璃茎・水精枝・金葉・銀華・琉璃実アリ。是ノ五宝共ニ作ル↢一樹ト↡。各ノ自ラ異行スルナリ。

なかに六宝ろっぽうのともに一樹いちじゅとなるものあり。 銀樹ごんじゅには銀ごん根こん・金こん茎きょう・水すい精しょう枝し・琉璃るり葉よう・珊さん瑚ご華け・虎こ珀はく実じつあり。 金樹こんじゅには金こん根こん・銀ごん茎きょう・水すい精しょう枝し・琉璃るり葉よう・虎こ珀はく華け・珊さん瑚ご実じつあり。 水すい精しょう樹じゅには水すい精しょう根こん・琉璃るり茎きょう・珊さん瑚ご枝し・虎こ珀はく葉よう・銀ごん華け・金こん実じつあり。 琉璃るり樹じゅには琉璃るり根こん・珊さん瑚ご茎きょう・虎こ珀はく枝し・水すい精しょう葉よう・金こん華け・銀ごん実じつあり。 この六宝ろっぽう樹じゅうたたともにあひ成じょうじて、 おのおのおのづから異い行ごうするなり。

●*中ニ有リ↧六宝ノ共ニ作ル↢一樹ト↡者↥。銀樹ニハ銀根・金茎・水精枝・琉璃葉・珊瑚華・*虎*珀実アリ。金樹ニ者金根・銀茎・水精枝・琉璃葉・*虎*珀華・珊瑚実アリ。水精樹ニ者水精根・琉璃茎・珊瑚枝・*虎*珀葉・銀華・金実アリ。琉璃樹ニ者琉璃根・珊瑚茎・*虎*珀枝・水精葉・金華・銀実アリ。是ノ六宝樹*転タ共ニ相成ジテ、各ノ自ラ異行スルナリ。

なかにまた七宝しっぽうのともに一樹いちじゅとなるものあり。

●中ニ復有リ↧七宝ノ共ニ作ル↢一樹ト↡者↥。

銀樹ごんじゅには銀ごん根こん・金こん茎きょう・水すい精しょう枝し・琉璃るり葉よう・珊さん瑚ご華け・虎こ珀はく実じつあり。

○銀樹ニハ銀根・金茎・水精枝・琉璃葉・珊瑚華・*虎*珀実アリ。

金樹こんじゅには金こん根こん・水すい精しょう茎きょう・琉璃るり枝し・珊さん瑚ご葉よう・虎こ珀はく華け・銀ごん実じつあり。

○金樹ニ者金根・水精茎・琉璃枝・珊瑚葉・*虎*珀華・銀実アリ。

水すい精しょう樹じゅには水すい精しょう根こん・琉璃るり茎きょう・珊さん瑚ご枝し・虎こ珀はく葉よう・車しゃこ華け・白びゃく玉ごく実じつあり。

○水精樹ニ者水精根・琉璃茎・珊瑚枝・*虎*珀葉・*車華・白玉実アリ。

珊さん瑚ご樹じゅには珊さん瑚ご根こん・虎こ珀はく茎きょう・白びゃく玉ごく枝し・琉璃るり葉よう・車しゃこ華け・明みょう月珠がつしゅ実じつあり。

○珊瑚樹ニ者珊瑚根・*虎*珀茎・白玉枝・琉璃葉・*車華・明月珠実アリ。

虎こ珀はく樹じゅには虎こ珀はく根こん・白びゃく玉ごく茎きょう・珊さん瑚ご枝し・琉璃るり葉よう・水すい精しょう華け・金こん実じつあり。

○*虎*珀樹ニ者*虎*珀根・白玉茎・珊瑚枝・琉璃葉・水精華・金実アリ。

白びゃく玉ごく樹じゅには白びゃく玉ごく根こん・車しゃこ茎きょう・珊さん瑚ご枝し・虎こ珀はく葉よう・金こん華け・摩尼まに殊しゅ実じつあり。

○白玉樹ニ者白玉根・*車茎・珊瑚枝・*虎*珀葉・金華・摩尼殊実アリ。

この七宝しっぽう樹じゅうたたともにあひ成じょうじて、 種々しゅじゅにおのおのおのづから異い行ごうするなり。 行々ごうごうあひ値あひ、 茎々きょうきょうおのづからあひ准じゅんじ、 枝々ししおのづからあひ値あひ、 葉々ようようおのづからあひ向むかひ、 華々けけおのづからあひ望のぞみ、 実々じつじつおのづからあひ当あたれりと。

○是ノ七宝樹転タ共ニ相成ジテ、種種ニ各ノ自ラ異*行ルナリ。行行相値ヒ、茎茎自ラ相准ジ、枝枝自ラ相値ヒ、葉葉自ラ相向ヒ、華華自ラ相望ミ、実実*自ラ相当レリト。

仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの当とうの講堂こうどう・精しょう舎じゃのうち、 内ない外げの七宝しっぽうの浴よく池ちの辺へん上じょうを繞めぐれるもろもろの七宝しっぽう樹じゅ、 およびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの七宝しっぽうの舎宅しゃたくのうち、 内ない外げの七宝しっぽうの浴よく池ちの池ち辺へんを繞めぐれるもろもろの七宝しっぽう樹じゅ、 数しゅ千せん百ひゃく重じゅうに行ならぶ。 みなおのおのかくのごとし。

●仏言ク、阿弥陀仏ノ当ノ講堂・精舎ノ中、内外ノ七宝ノ浴池ノ繞レル↢辺上ヲ↡諸ノ七宝樹、及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ七宝ノ舎宅ノ中、内外ノ七0146宝ノ浴池ノ繞レル↢池辺ヲ↡諸ノ七宝樹、数千百*重ニ行ナラブ。皆各ノ如シ↠是クノ。

おのおのおのづから五いつつの音おん声じょうをなす。 音おん声じょうのはなはだ好うるわしきこと比ならびなしと。

○各ノ自ラ作ス↢五ノ音声ヲ↡。音声ノ甚ダ好シキコト无シト↠比*也。

二 Ⅲ ⅷ 楽音荘厳

【9】 仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 世せ間けんの帝王たいおうの百ひゃく種しゅの伎ぎ楽がくの音おん声じょうあるがごときは、 遮しゃ迦か越おつ王おうのもろもろの伎ぎ楽がくの音おん声じょうの好うるわしきにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。 遮しゃ迦か越おつ王おうの万種まんじゅの伎ぎ楽がくの音おん声じょうのごときも、 なほまた第だい二に忉とう利り天てん上じょうのもろもろの伎ぎ楽がくの一ひとつの音おん声じょうにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。 忉とう利り天てん上じょうの万種まんじゅの伎ぎ楽がくの声こえのごときも、 なほまた第六だいろく天てん上じょうの一ひとつの音おん声じょうの好うるわしきにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。 第六だいろく天てん上じょうの万種まんじゅの音楽おんがくの声こえのごときも、 なほまた阿あ弥陀みだ仏国ぶっこく中ちゅうの七宝しっぽう樹じゅの一ひとつの音おん声じょうの好うるわしきにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、如キハ↣世間ノ帝王ノ有ルガ↢百種ノ伎楽ノ音声↡、不ルコト↠如カ↢遮迦越王ノ諸ノ伎楽ノ音声ノ好シキニ↡百千億万倍ナリ。如キモ↢遮迦越王ノ万種ノ伎楽ノ音声ノ↡、尚復不ルコト↠如カ↢第二忉利天上ノ諸ノ伎楽ノ一ノ音声ニ↡百千億万倍ナリ。如キモ↢忉利天上ノ万種ノ伎楽之声ノ↡、尚復不ルコト↠如カ↢第六天上ノ一ノ音声ノ好シキニ↡百千億万倍ナリ。如キモ↢第六天上ノ万種ノ音楽之声ノ↡、尚復不ルコト↠如カ↢阿弥陀仏国中ノ七宝樹ノ一ノ音声ノ好シキニ↡百千億万倍ナリ。

阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくのなかにまた万種まんじゅ自じ然ねんの伎ぎ楽がくあり、 はなはだ楽たのしきこと極きわまりなし。

○阿弥陀仏国ノ中ニ亦有リ↢万種自然ノ伎楽↡、甚ダ楽シキコト無シ↠極リ。

阿あ弥陀みだ仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かん、 浴よくせんと欲ほっする時ときには、 すなはちおのおのみづからその七宝しっぽう池ちのなかに入いりて浴よくすべし。 もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かん、 意こころに水みずをして足あしを没ひたさしめんと欲ほっせば、 水みずすなはち足あしを没ひたす。 意こころに水みずをして膝ひざに至いたらしめんと欲ほっせば、 水みずすなはち膝ひざに至いたる。 意こころに水みずをして腰こしに至いたらしめんと欲ほっせば、 水みずすなはち腰こしに至いたる。 意こころに水みずをして腋わきに至いたらしめんと欲ほっせば、 水みずすなはち腋わきに至いたる。 意こころに水みずをして頚くびに至いたらしめんと欲ほっせば、 水みずすなはち頚くびに至いたる。 意こころに水みずをしておのづから身みの上うえに潅そそがしめんと欲ほっせば、 水みずすなはちおのづから身みの上うえに潅そそぐ。 意こころに水みずをして還復げんぶくすることもとのごとくならしめんと欲ほっせば、 水みずすなはち還かえりてまたもとのごとし。 ほしいままに意こころの所欲しょよく好こう喜きに随したがふと。

○阿弥陀仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢、欲スル↠浴セムト時ニハ、便チ各ノ自ラ可シ↧入リテ↢其ノ七宝池ノ中ニ↡浴ス↥。諸ノ菩薩・阿羅漢、意ニ欲セバ↠令メムト↢水ヲシテ没ヒタサ↟足ヲ、水即チ没ヒタス↠足ヲ。意ニ欲セバ↠令メムト↢水ヲシテ至ラ↟膝ニ、水即チ至ル↠膝ニ。意ニ欲セバ↠令メムト↢水ヲシテ至ラ↟腰ニ、水即チ至ル↠腰ニ。意ニ欲セバ↠令メムト↢水ヲシテ至ラ↟*腋ニ、水即チ至ル↠*腋ニ。意ニ欲セバ↠令メムト↢水ヲシテ至ラ↟頚ニ、水即チ至ル↠頚ニ。意ニ欲セバ↠令メムト↣水ヲシテ自ラ潅ガ↢身ノ上ニ↡、水即チ自ラ潅グ↢身ノ上ニ↡。意ニ欲セバ↠令メムト↢水ヲシテ還復スルコト如クナラ↟故モトノ、水即チ還リテ復如シ↠故モトノ。恣若ホシイママニ随フト↢意ノ所欲好喜ニ↡。

仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かん、 みな浴よくしをはりて、 ことごとくみづから一ひとつの大だい蓮れん華げの上うえにおいて坐ざすればすなはち四し方ほうより自じ然ねんの乱風らんぷう起おこる。 その乱風らんぷうはまた世せ間けんの風かぜにあらず、 また天てん上じょうの風かぜにもあらず。 すべて八方はっぽう上じょう下げの衆風しゅふうのなかの精しょう、 自じ然ねんに合ごう会えして化け生しょうするのみ。 寒さむからず熱あつからず、 つねに和わ調じょう中適ちゅうちゃくなり。 はなはだ清涼しょうりょうにして好うるわしきこと比ならびなし。 おもむろに起おこりて遅おそからず駃はやからず、 まさに中ちゅう宜ぎを得えたり。

○仏言ク、阿弥陀及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢、皆浴シ已0147リテ、悉ク自ラ於テ↢一ノ大蓮華ノ上ニ↡坐スレバ即チ四方ヨリ自然ノ乱風起ル。其ノ乱風者亦非ズ↢世間之風ニ↡、亦非ズ↢天上之風ニモ↡。都テ八方上下ノ衆風ノ中ノ精、自然ニ合会シテ化生スル耳。不↠寒カラ不↠熱カラ、常ニ和調中適ナリ。甚ダ清涼ニシテ好シキコト無シ↠比也。徐ニ起リテ不↠遅カラ不↠*駃カラ、適ニ得タリ↢中宜ヲ↡。

七宝しっぽう樹じゅを吹ふくにみな五いつつの音おん声じょうをなす。

○吹ニ↢七宝樹ヲ↡皆作ス↢五ノ音声ヲ↡。

七宝しっぽう樹じゅの華はなをもつてことごとくその国こく中ちゅうに覆おおへり。 みな仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 華はな随したがひて地じに堕おつるにみな厚あつさ四し寸すんなり。 極きわめておのづから軟好なんこうなること比ならびなし。

○以テ↢七宝樹ノ華ヲ↡悉ク覆ヘリ↢其ノ国中ニ↡。皆散ズ↢仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。華随ヒテ*堕ツルニ↠地ニ皆厚サ四寸ナリ。極テ自ラ軟好ナルコト無シ↠比。

すなはち自じ然ねんの乱風らんぷう吹ふきて、 萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。 すなはちまた四し方ほうより自じ然ねんの乱風らんぷう七宝しっぽう樹じゅを吹ふけば、 樹きみなまた五いつつの音おん声じょうをなして、 樹きの華はなみな自じ然ねんに仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 華はな小すこしく萎しぼみて地じに堕おつればすなはち自じ然ねんに去さる。 すなはちまた四し方ほうより乱風らんぷう起おこりて七宝しっぽう樹じゅを吹ふきかくのごとくすること四し反へんなり。

○即チ自然ノ乱風吹キテ、萎メル華悉ク自然ニ去ル。即チ復四方ヨリ自然ノ乱風吹ケバ↢七宝樹ヲ↡、樹皆復作シテ↢五ノ音声ヲ↡、樹ノ華皆自然ニ散ズ↢仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。華小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ即チ自然ニ去ル。即チ復四方ヨリ乱風起リテ吹キ↢七宝樹ヲ↡如クスルコト↠是クノ四*反ナリ。

もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのなかに、 ただ経きょうを聞きかんと欲ほっするものあり、 なかにただ音楽おんがくを聞きかんと欲ほっするものあり、 なかにただ華け香こうを聞かがんと欲ほっするものあり、 経きょうを聞きくことを欲ほっせざるものあり、 音楽おんがくの声こえを聞きくことを欲ほっせざるものあり、 華け香こうを聞かぐことを欲ほっせざるものあり。 その聞きかんと欲ほっするところのものはすなはち独ひとりこれを聞きき、 聞きくことを欲ほっせざるものはすなはち独ひとり聞きかず。 意こころの欲ほっするところに随したがひて喜き楽らくしその願がんに違たがはざるなり。

●諸ノ菩薩・阿羅漢ノ中ニ、有リ↢但欲スル↠聞カムト↠経ヲ者↡、中ニ有リ↧但欲スル↠聞カムト↢音楽ヲ↡者↥、中ニ有リ↧但欲スル↠聞カガムト↢華香ヲ↡者↥、有リ↢不ル↠欲セ↠聞クコトヲ↠経ヲ者↡、有リ↧不ル↠欲セ↠聞クコトヲ↢音楽ノ声ヲ↡者↥、有リ↧不ル↠欲セ↠聞カグコトヲ↢華香ヲ↡者↥。其ノ所ノ↠欲スル↠聞カムト者ハ輒即チ独リ聞キ↠之ヲ、不ル↠欲セ↠聞クコトヲ者ハ則チ独リ不↠聞カ。随ヒテ↢*意ノ所ニ↟欲スル喜楽シ不ル↠違ハ↢其ノ願ニ↡也。

浴よくしをはればおのおのみづから去さる。

●浴シ訖レバ各ノ自ラ去ル。

行ぎょう道どうするなかに地じにありて経きょうを講こうずるもの、 経きょうを誦じゅするもの、 経きょうを説とくもの、 経きょうを口く受じゅするもの、 経きょうを聴きくもの、 経きょうを念ねんずるもの、 道どうを思おもふもの、 坐ざ禅ぜんするもの、 経行きょうぎょうするものあり。

●行道スル中ニ有リ↧在リテ↠地ニ講ズル↠経ヲ者、誦スル↠経ヲ者、説ク↠経ヲ者、口↢受スル経ヲ↡者、聴ク↠経ヲ者、念ズル↠経ヲ者、思フ↠道ヲ者、坐禅スル者、経行スル者↥。

なかに虚こ空くうのなかにありて経きょうを講こうずるもの、 経きょうを誦じゅするもの、 経きょうを説とくもの、 経きょうを口く受じゅするもの、 経きょうを聴きくもの、 経きょうを念ねんずるもの、 道どうを思おもふもの、 坐ざ禅ぜん一心いっしんなるもの、 経行きょうぎょうするものあり。

●中ニ有リ↧在リテ↢虚空ノ中ニ↡講ズル↠経ヲ者、誦スル↠経ヲ者、説ク↠経ヲ者、口↢受スル経ヲ↡者、聴ク↠経ヲ者、念ズル↠経ヲ者、思フ↠道ヲ者、坐禅一心ナル者、経行スル者↥。

いまだ須しゅ陀だ洹おん道どうを得えざるものはすなはち須しゅ陀だ洹おん道どうを得え、 いまだ斯陀しだ含ごん道どうを得えざるものはすなはち斯陀しだ含ごん道どうを得え、 いまだ阿那あな含ごん道どうを得えざるものはすなはち阿那あな含ごん道どうを得え、 いまだ阿羅あら漢かん道どうを得えざるものはすなはち阿羅あら漢かん道どうを得え、 いまだ阿あ惟ゆい越おっ致ちの菩ぼ薩さつを得えざるものはすなはち阿あ惟ゆい越おっ致ちを得うるなり。

●未ダル↠得↢須陀洹道0148ヲ↡者ハ即チ得↢須陀洹道ヲ↡、未ダル↠得↢斯陀含道ヲ↡者ハ即チ得↢斯陀含道ヲ↡、未ダル↠得↢阿那含道ヲ↡者ハ即チ得↢阿那含道ヲ↡、未ダル↠得↢阿羅漢道ヲ↡者ハ即チ得↢阿羅漢道ヲ↡、未ダル↠得↢阿惟越致ノ菩薩ヲ↡者ハ即チ得ルナリ↢阿惟越致ヲ↡。

おのおのみづから経きょうを説とき道どうを行ぎょうじて、 ことごとくみな道どうを得えて、 歓かん喜ぎし踊ゆ躍やくせざるものなし。

●各ノ自ラ説キ↠経ヲ行ジテ↠道ヲ、悉ク皆得テ↠道ヲ、莫シ↧不ル↢歓喜シ踊躍セ↡者↥也。

二 Ⅲ ⅸ 供養諸仏

もろもろの菩ぼ薩さつのなかに、 意こころに八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの諸仏しょぶつを供く養ようせんと欲ほっするものあらば、 すなはちみなともに前すすみて仏ぶつのために礼らいをなし仏ぶつにまうさく、 辞じし行ゆきて八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏ぶつを供く養ようしたまはんと。 仏ぶつすなはちこれを然ねん可かしてすなはち行ゆかしめたまふ。 もろもろの菩ぼ薩さつのみなおほきに歓かん喜ぎするもの、 数しゅ千億せんおく万人まんにん無む央数おうしゅにしてまた計かぞふべからず。 みなまさに智慧ちえ勇ゆう猛みょうにして、 おのおのみづから幡輩ほんぱいして飛とび、 あひ追おひてともに散ちり飛とびて、 すなはち八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの諸仏しょぶつの所みもとに到いたり、 みな前すすみて諸仏しょぶつのために礼らいをなして、 すなはち供く養ようすべし。

○諸ノ菩薩ノ中ニ、有ラバ↤意ニ欲スルモノ↣供↢養セムト八方上下ノ無央数ノ諸仏ヲ↡、即チ皆倶ニ前ミテ為ニ↠仏ノ作シ↠礼ヲ白サク↠仏ニ、辞シ行キテ供↢養シタマハムト八方上下ノ無央数ノ仏ヲ↡。仏即チ然↢可シテ之ヲ↡即チ使メタマフ↠行カ。諸ノ菩薩ノ皆大ニ歓喜スルモノ、数千億万人無央数ニシテ不↠可カラ↢復計フ↡。皆当ニシ↧智慧勇猛ニシテ、各ノ自ラ*幡輩シテ飛ビ、相追ヒテ倶共 トモ ニ散リ飛ビテ、則チ到リ↢八方上下ノ無*央数ノ諸仏ノ所ニ↡、皆前ミテ為ニ↢諸仏ノ↡作シテ↠礼ヲ、即便チ供養ス↥。

意こころに万種まんじゅ自じ然ねんのものの前まえにあるを得えんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねん百ひゃく種しゅの雑色ざっしきの華はな・百ひゃく種しゅの雑ざつ繒綵ぞうさい・百ひゃく種しゅの*劫こう波は育いく衣え・七宝しっぽうの灯とう火か・万種まんじゅの伎ぎ楽がくことごとくみな前まえにあり。

○意ニ欲セバ↠得ムト↢万種自然之物ノ在ルヲ↟前ニ、即チ自然百種ノ雑色ノ華・百種ノ雑繒綵・百種ノ劫波育衣・七宝ノ灯火・万種ノ伎楽悉ク皆在リ↠前ニ。

その華け香こうの万種まんじゅ自じ然ねんのものは、 また世せ間けんのものにあらず、 また天てん上じょうのものにあらず。 この万種まんじゅのものはすべて八方はっぽう上じょう下げの衆しゅ、 自じ然ねんに合ごう会えして化け生しょうするのみ。 意こころに得えんと欲ほっせばすなはち自じ然ねんに化け生しょうし、 意こころに用もちゐざらんとせばすなはち化去けこす。 もろもろの菩ぼ薩さつすなはちともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんを供く養ようす。 辺傍へんぼう・前ぜん後ご廻え繞にょうし周しゅう帀そうす。 意こころの所欲しょよくのごとくありてすなはちみな至いたる。 この時ときに当あたりて快け楽らくいふべからず。

○其ノ華香ノ万種自然之物ハ、亦非ズ↢世間之物ニ↡、亦非ズ↢天上之物ニ↡也。是ノ万種ノ物ハ都テ八方上下ノ衆、自然ニ合会シテ化生スル耳。意ニ欲セバ↠得ムト者即チ自然ニ化生シ、意ニ不ラムトセバ↠用ヰ者即チ化去ス。諸ノ菩薩便チ共ニ持シテ供↢養ス諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲ↡。辺*傍・前後廻繞シ*周帀ス。在リテ↢意ノ所欲ノゴトク↡即輒スナハチ皆至ル。当リテ↢是之時ニ↡快楽不↠可カラ↠言フ也。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおの四し十じゅう里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねんに前まえにあり。 すなはち虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよび菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 華はなはなはだ香かぐはしく好うるわし。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 すなはち自じ然ねんの乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ欲セバ↠得ムト↢四十里ノ華ヲ↡、即チ自然ニ在リ↠前ニ。便チ於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持0149シテ散ズ↢諸仏及ビ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。華甚ダ香シク好シ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、即チ自然ノ乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ、 意こころにおのおのまた八はち十じゅう里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねんに前まえにあり。 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 華はなみなまた虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 すなはち自じ然ねんの乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩、意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢八十里ノ華ヲ↡、即チ自然ニ在リ↠前ニ。共ニ持シテ散ズ↢諸ノ仏及ビ諸菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。華皆復在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、即チ自然ノ乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた百ひゃく六ろく十じゅう里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねんに前まえにあり。 すなはち虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 華はなみなまた虚こ空くうのなかにおいて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 すなはち自じ然ねんの乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢百六十里ノ華ヲ↡、即チ自然ニ在リ↠前ニ。便チ於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。華皆復於テ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、即チ自然ノ乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた三さん百びゃく二に十じゅう里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねんに前まえにあり。 また虚こ空くうのなかにおいて、 持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 華はな虚こ空くうのなかにおいて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 すなはち自じ然ねんの乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢三百二十里ノ華ヲ↡、即チ自然ニ在リ↠前ニ。復於テ↢虚空ノ中ニ↡、持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。華於テ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、即チ自然ノ乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた六ろっ百ぴゃく四し十じゅう里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねんに前まえにあり。 またもつて諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう自じ然ねんに吹ふきて萎しぼめる華はな去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢六百四十里ノ華ヲ↡、即チ自然ニ在リ↠前ニ。復以テ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風自然ニ吹キテ萎メル華去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた千せん二に百ひゃく八はち十じゅう里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねんに前まえにあり。 また虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう自じ然ねんに吹萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢千二百八十里ノ華ヲ↡、即チ自然ニ在リ↠前ニ。復於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風自然ニ吹キテ萎メル華悉ク自*然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた二に千せん五ご百ひゃく六ろく十じゅう里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねんに前まえにあり。 また虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢二千五百六十里ノ華ヲ↡、即チ自然ニ在リ↠前ニ。復於テ↢虚空ノ中ニ↡、共0150ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた五ご千せん一いっ百ぴゃく二に十じゅう里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはち自じ然ねんに前まえにあり。 また虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢五千一百二十里ノ華ヲ↡、即チ自然ニ在リ↠前ニ。復於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた万まん二に百ひゃく四し十じゅう里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな自じ然ねんに前まえにあり。 また虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢万二百四十里ノ華ヲ↡、即チ皆自然ニ在リ↠前ニ。復於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた二に万まん四し百ひゃく八はち十じゅう里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにあり。 また虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢二万四百八十里ノ華ヲ↡、即チ皆在リ↠前ニ。復於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた五ご万まん里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにあり。 また虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢五万里ノ華ヲ↡、即チ皆在リ↠前ニ。復於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた十じゅう万まん里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにあり。 もろもろの菩ぼ薩さつまた虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢十万里ノ華ヲ↡、即チ皆在リ↠前ニ。諸ノ菩薩復於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた二に十じゅう万まん里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにあり。 また虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢二十万里ノ華ヲ↡、即チ皆在リ↠前ニ。復於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。小シク萎ミテ堕0151レバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた四し十じゅう万まん里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにあり。 また虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢四十万里ノ華ヲ↡、即チ皆在リ↠前ニ。復於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおのまた八はち十じゅう万まん里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにあり。 また虚こ空くうのなかにおいて、 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ復欲セバ↠得ムト↢八十万里ノ華ヲ↡、即チ皆在リ↠前ニ。復於テ↢虚空ノ中ニ↡、共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおの百ひゃく六ろく十じゅう万まん里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにあり。 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はなことごとく自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ欲セバ↠得ムト↢百六十万里ノ華ヲ↡、即チ皆在リ↠前ニ。共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル華悉ク自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおの三さん百びゃく万まん里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにあり。 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 小すこしく萎しぼみて地じに堕おつれば、 乱風らんぷう吹ふきて萎華自じ然ねんに去さる。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ欲セバ↠得ムト↢三百万里ノ華ヲ↡、即チ皆在リ↠前ニ。共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。小シク萎ミテ堕ツレバ↠地ニ、乱風吹キテ萎メル*華自然ニ去ル。

もろもろの菩ぼ薩さつ意こころにおのおの六ろっ百ぴゃく万まん里りの華はなを得えんと欲ほっせば、 すなはちみな前まえにあり。 ともに持じして諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。

●諸ノ菩薩意ニ各ノ欲セバ↠得ムト↢六百万里ノ華ヲ↡、即チ皆在リ↠前ニ。共ニ持シテ散ズ↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。

華はなすべて自じ然ねんに合がっして一いっ華けとなる。 華はな正しょう端たんにしてまどかに周しゅう帀そうし、 おのおのまさに等ひとし。 華はなうたた前さきに倍ばいして、 華はな極きわめておのづから軟好なんこうにして、 前さきの華はなに勝すぐるること数しゅ千せん百ひゃく倍ばいなり。 色々しきじきの異い香こう、 香かぐはしきこといふべからず。

○*華都テ自然ニ合シテ為ル↢一華ト↡。華正端ニシテ円カニ周帀シ、*各ノ適ニ等シ。華転タ倍シテ↠前ニ、華極テ自ラ軟好ニシテ、勝ルルコト↢於前ノ華ニ↡数千百倍ナリ。色色ノ異香、香シキコト不↠可カラ↠言フ。

もろもろの菩ぼ薩さつみなおほきに歓かん喜ぎして、 ともに虚こ空くうのなかにおいておほきにともに衆音しゅおん自じ然ねんの伎ぎ楽がくをなして、 諸仏しょぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんを楽たのしましむ。 この時ときに当あたりて快け楽らくいふべからず。 もろもろの菩ぼ薩さつみなことごとく却しりぞき坐ざして経きょうを聴きく。 経きょうを聴ききをはりてすなはちことごとく諷ふ誦じゅして通つうじ重かさねて経きょう道どうを知しり、 ますます智慧ちえあきらかなり。

○諸ノ菩薩皆大ニ歓喜シテ、倶ニ於テ↢虚空ノ中ニ↡大ニ共ニ作シテ↢衆音自然ノ伎楽ヲ↡、楽マシム↢諸仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲ↡。当リテ↢此之時ニ↡快楽不↠可カラ↠言フ。諸ノ菩薩皆悉ク却キ坐シテ聴ク↠経ヲ。聴キ↠経ヲ竟リテ即チ悉ク諷誦シテ通ジ*重ネテ知リ↢経道ヲ↡、益マス明カナリ↢智慧↡。

すなはちもろもろの仏国ぶっこくのなかに第一だいいち四し天てん上じょうより三さん十じゅう三天さんてん上じょうに至いたるまでのもろもろの天人てんにん、 みなともに天てん上じょう万種まんじゅ自じ然ねんのものを持じして、 来きたり下くだりてもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんを供く養ようす。 天人てんにんみなまた虚こ空くうのなかにおいておほきにともに衆音しゅおんの伎ぎ楽がくをなせり。

●即チ諸ノ仏国ノ中ニ従リ↢第一四天0152上↡至ルマデノ↢三十三天上ニ↡諸ノ天人、皆共ニ持シテ↢天上万種自然之物ヲ↡、来リ下リテ供↢養ス諸ノ菩薩・阿羅漢ヲ↡。天人皆復於テ↢虚空ノ中ニ↡大ニ共ニ作セリ↢衆音ノ伎楽ヲ↡。

もろもろの天人てんにんの前さきに来きたれるもの、 うたた去さりて後のちに来きたるものを避さく。 後のちに来きたれるものうたたまた供く養ようすること前さきのごとくして、 たがひに開かい避ひす。

●諸ノ天人ノ前ニ来レル者、転タ去リテ避ク↢後ニ来ル者ヲ↡。後ニ来レル者転タ復供養スルコト如クシテ↠前ノ、更相 タガヒ ニ開避ス。

もろもろの天人てんにん歓かん喜ぎし経きょうを聴ききておほきにともに音楽おんがくをなす。 この時ときに当あたりて快け楽らく極きわまりなし。

●諸ノ天人歓喜シ聴キテ↠経ヲ大ニ共ニ作ス↢音楽ヲ↡。当リテ↢是ノ時ニ↡快楽無シ↠極リ。

もろもろの菩ぼ薩さつ供く養ようし経きょうを聴ききをはりて、 すなはちみな起たちて仏ぶつのために礼らいをなして去さる。 すなはちまた八方はっぽう上じょう下げ無む央数おうしゅの諸仏しょぶつの所みもとに飛とび到いたり、 供く養ようして経きょうを聴きくこと、 みなおのおの前さきのごとし。

●諸ノ菩薩供養シ聴キ↠経ヲ訖竟 ヲハ リテ、便チ皆起チテ為ニ↠仏ノ作シテ↠礼ヲ而去ル。即チ復飛ビ↢到リ八方上下ノ無央数ノ諸仏ノ所ニ↡、供養シテ聴クコト↠経ヲ、皆各ノ如シ↠前ノ。

ことごとく遍へんして以後いご、 日ひのいまだ中ちゅうならざる時とき、 おのおの飛とびてその国くにに還かえり、 阿あ弥陀みだ仏ぶつのために礼らいをなして、 みな却しりぞき坐ざして経きょうを聴ききをはりておほきに歓かん喜きす。

○悉ク遍シテ已後、日ノ未ダル↠中ナラ時、各ノ飛ビテ還リ↢其ノ国ニ↡、為ニ↢阿弥陀仏ノ↡作シテ↠礼ヲ、皆却キ坐シテ聴キ↠経ヲ竟リテ大ニ歓喜ス。

仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かん、 食じきせんと欲ほっする時ときはすなはち自じ然ねんの七宝しっぽうの机つくえ・劫こう波は育いく・罽けい畳じょう、 もつて座ざとなる。 仏ぶつおよび菩ぼ薩さつみな坐ざせば、 前まえにことごとく自じ然ねん七宝しっぽうの鉢はちあり。 なかに百ひゃく味みの飲食おんじきあり。 飲食おんじきまた世せ間けんに類るいせず、 また天てん上じょうのものにもあらず。 この百ひゃく味みの飲食おんじきは八方はっぽう上じょう下げのもろもろの自じ然ねんの飲食おんじきのなかの精しょう味みにして、 はなはだ香こう美みにして比ならびなし。 自じ然ねんに化け生しょうするのみ。 甜酢てんさくを得えんと欲ほっせば所欲しょよくのごとくありて得う。

○仏言ク、阿弥陀仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢、欲スル↠食セムト時ハ即チ自然ノ七宝ノ*机・劫波育・罽畳、以テ為ル↠座ト。仏及ビ菩薩皆坐セバ、前ニ悉ク有リ↢自然七宝ノ鉢↡。*中ニ有リ↢百味ノ飲食↡。飲食者亦不↠類セ↢世間ニ↡、亦非ズ↢天上ノモノニモ↡。此ノ百味ノ飲食ハ八方上下ノ衆ノ自然ノ飲食ノ中ノ精味ニシテ、甚ダ香美ニシテ無シ↠比。自然ニ化生スル耳。欲セバ↠得ムト↢甜*酢ヲ↡在リテ↢所欲ノゴトク↡得。

もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのなかに、 金鉢こんぱちを得えんと欲ほっするものあり、 銀鉢ごんぱちを得えんと欲ほっするものあり、 水すい精しょう鉢はちを得えんと欲ほっするものあり、 珊さん瑚ご鉢はちを得えんと欲ほっするものあり、 虎こ珀はく鉢はちを得えんと欲ほっするものあり、 白びゃく玉ごく車しゃこ鉢はちを得えんと欲ほっするものあり、 馬め瑙のう鉢はちを得えんと欲ほっするものあり、 明みょう月がつ珠はちを得えんと欲ほっするものあり、 摩尼まに珠しゅ鉢はちを得えんと欲ほっするものあり、 紫磨しま金こん鉢はちを得えんと欲ほっするものあり、 意こころに随したがひてすなはち至いたる。 また従じゅう来らいするところもなく、 また供く養ようするものもなし。 自じ然ねんに化け生しょうするのみ。

○諸ノ菩薩・阿羅漢ノ中ニ、有リ↧欲スル↠得ムト↢金鉢ヲ↡者↥、有リ↧欲スル↠得ムト↢銀鉢ヲ↡者↥、有リ↧欲スル↠得ムト↢水精鉢ヲ↡者↥、有リ↧欲スル↠得ムト↢珊瑚鉢ヲ↡者↥、有リ↧欲スル↠得ムト↢*虎珀鉢ヲ↡者↥、有リ↧欲スル↠得ムト↢白玉鉢ヲ↡者↥、有リ↧欲スル↠得ムト↢*車鉢ヲ↡者↥、有リ↧欲スル↠得ムト↢*馬瑙鉢ヲ↡者↥、有リ↧欲スル↠得ムト↢明月珠鉢ヲ↡者↥、有リ↧欲スル↠得ムト↢摩尼珠鉢ヲ↡者↥、有リ↧欲スル↠得ムト↢紫磨金鉢ヲ↡者↥、随ヒテ↠意ニ即チ至ル。亦無ク↠所モ↢従来0153スル↡、亦無シ↢供養スル者モ↡。自然ニ化生スル耳。

もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんみな食じきするに、 食じきもまた多おおからずまた少すくなからずことごとく平びょう等どうなり。 また美み悪あくをいはず、 また美うまきをもつてのゆゑに喜よろこばず。 食じきしをはればもろもろの飯ぼん具ぐ・鉢はち・机つくえ・座ざ、 みな自じ然ねんに化け去こし、 食じきせんと欲ほっする時ときはすなはちまた化け生しょうするのみ。 もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんみな心こころ浄じょう潔けつにして、 飲食おんじきするところはただもつて気け力りきをなすのみ。 みな自じ然ねんに消しょう散さんし摩ま尽じんして化去けこすと。

○諸ノ菩薩・阿羅漢皆食スルニ、食モ亦不↠多カラ亦不↠少カラ悉ク平等ナリ。亦不↠言ハ↢美悪ヲ↡、亦不↢以テノ↠美ヲ故ニ喜バ↡。食シ訖レバ諸ノ飯具・鉢・*机・座、*皆自然ニ化去シ、欲スル↠食セムト*時ハ乃チ復化生スル*爾。諸ノ菩薩・阿羅漢皆心浄潔ニシテ、所ハ↢*飲食スル↡但用テ作ス↢気力ヲ↡*爾。皆自然ニ消散シ*摩尽シテ化去スト。

二 Ⅲ ⅹ 聖衆無量

【10】仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 阿あ弥陀みだ仏ぶつもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのために経きょうを説ときたまふ時とき、 すべてことごとくおほきに講堂こうどうの上うえに会えす。 もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんおよび諸天しょてん・人民にんみん無む央数おうしゅにして、 すべてまた計かぞふべからず、 みな阿あ弥陀みだ仏ぶつの所みもとに飛とび到いたりて仏ぶつのために礼らいをなし、 却しりぞき坐ざして経きょうを聴きく。 その仏ぶつ広ひろく道どう智ち大だい経きょうを説ときたまふ。 みなことごとく聞もん知ちして歓かん喜ぎし踊ゆ躍やくして心こころ開かい解げせざるものなし。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、阿弥陀仏為ニ↢諸ノ菩薩・阿羅漢ノ↡説キタマフ↠経ヲ時、都テ悉ク大ニ会ス↢講堂ノ上ニ↡。諸ノ菩薩・阿羅漢及ビ諸天・人民無央数ニシテ、都テ不↠可カラ↢復計フ↡、皆飛ビ↢到リテ阿弥陀仏ノ所ニ↡為ニ↠仏ノ作シ↠礼ヲ、却キ坐シテ聴ク↠経ヲ。其ノ仏広ク説キタマフ↢道智大経ヲ↡。皆悉ク聞知シテ莫シ↧不ル↢歓喜シ踊躍シテ心*開解セ↡者↥。

すなはち四し方ほうより自じ然ねんの乱風らんぷう起おこりて七宝しっぽう樹じゅを吹ふくに、 みな五いつつの音おん声じょうをなせり。 七宝しっぽう樹じゅの華はなその国くにに覆ふ蓋がいし、 みな虚こ空くうのなかにありて下くだり向むかふ。 その華はなの香か一国いっこくのうちに遍へんして、 みな阿あ弥陀みだ仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの上うえに散さんず。 華はな地じに堕おちてみな厚あつさ四し寸すんなり。 小すこしく萎しぼめばすなはち乱風らんぷう吹ふきて萎しぼめる華はな自じ然ねんに去さる。 四し方ほうの乱風らんぷう七宝しっぽう樹じゅの華はなを吹ふくことかくのごとく四し反へんす。

○即チ四方ヨリ自然ノ乱風起リテ吹クニ↢七宝樹ヲ↡、皆作セリ↢五ノ音声ヲ↡。七宝樹ノ華覆↢蓋シ其ノ国ニ↡、皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡下リ向フ。其ノ華之香遍シテ↢一国ノ中ニ↡、皆散ズ↢阿弥陀仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ上ニ↡。華堕チテ↠地ニ皆厚サ四寸ナリ。小クク萎メバ即チ乱風吹キテ萎メル華自然ニ去ル。四方ノ乱風吹クコト↢七宝樹ノ華ヲ↡如ク↠是クノ四*反ス。

すなはち第一だいいち四し天王てんのう・第だい二に忉とう利り天てん上じょうより三さん十じゅう三天さんてん上じょうに至いたるまでの、 もろもろの天人てんにんみな天てん上じょうの万種まんじゅ自じ然ねんの物もの・百ひゃく種しゅの雑色ざっしき華け・百ひゃく種しゅの雑香ざっこう・百ひゃく種しゅの雑ざつ繒綵ぞうさい・百ひゃく種しゅの劫こう波は育いく畳じょう衣え・万種まんじゅの伎ぎ楽がくのうたた倍ばいして好うるわしくあひ勝すぐるるを持もち、 おのおの持もちて来きたり下くだり、 阿あ弥陀みだ仏ぶつのために礼らいをなして、 仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんを供く養ようす。 もろもろの天人てんにんみなまたおほきに伎ぎ楽がくをなして、 阿あ弥陀みだ仏ぶつおよびもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんを楽たのしましむ。この時ときに当あたりて快け楽らくいふべからず。 諸天しょてんたがひに開かい避ひす。 後のちに来きたるものうたたまた供く養ようすること前さきのごとし。

○即チ第一四天王・第二忉利天上ヨリ至ルマデノ↢三十*三天上ニ↡、諸ノ天人皆持チ↢天上ノ万種自然之物・百種ノ雑色華・百種ノ雑香・百種ノ雑繒綵・百種ノ劫波育畳衣・万種ノ伎楽ノ転タ倍シテ好シク相勝ルルヲ↡、各ノ持チテ来リ下リ、為ニ↢阿弥陀仏ノ↡作シテ↠礼ヲ、供↢養ス仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲ↡。諸ノ天0154人皆復大ニ作シテ↢伎楽ヲ↡、楽マシム↢阿弥陀仏及ビ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲ↡。当リテ↢是ノ時ニ↡快楽不↠可カラ↠言フ。諸天更相 タガヒ ニ開避ス。後ニ来ル者転タ復供養スルコト如シ↠前ノ。

すなはち東方とうぼう無む央数おうしゅの仏国ぶっこく、 その数かずまた計かぞふべからず、 恒水ごうすいの辺ほとりの流る沙しゃの一いっ沙しゃを一仏いちぶつとするがごとし。 その数かずかくのごとき諸仏しょぶつ、 おのおのもろもろの菩ぼ薩さつの無む央数おうしゅにしてまた計かぞふべからざるを遣つかはすに、 みな阿あ弥陀みだ仏ぶつの所みもとに飛とび到いたり、 礼らいをなし経きょうを聴きき、 みなおほきに歓かん喜ぎし、 ことごとく起たちてために礼らいをなして如ゆき去さる。

○即チ東方無央数ノ仏国、其ノ数不↠可カラ↢復計フ↡、如シ↢恒水ノ辺ノ流沙ノ一沙ヲ一仏トスルガ↡。其ノ数如キ↠是クノ諸仏、各ノ遣スニ↢諸ノ菩薩ノ无央数ニシテ不ルヲ↟可カラ↢復計フ↡、皆飛ビ↢到リ阿弥陀仏ノ所ニ↡、作シ↠礼ヲ聴キ↠経ヲ、皆大ニ歓喜シ、悉ク起チテ為ニ作シテ↠礼ヲ*如ユキ去ル。

西方さいほう・北方ほっぽう・南方なんぽう・四し角かくの諸仏しょぶつ、 その数かずおのおの恒水ごうすいの辺ほとりの流る沙しゃのごとし。 おのおのもろもろの菩ぼ薩さつの無む央数おうしゅなるを遣つかすに、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの所みもとに飛とび到いたり、 礼らいをなし経きょうを聴きくことまたまたかくのごとし。

○西方・○北方・○南方・○四角ノ諸仏、其ノ数各ノ如シ↢恒水ノ辺ノ流沙ノ↡。各ノ遣スニ↢諸ノ菩薩ノ無央数ナルヲ↡、飛ビ↢到リ阿弥陀仏ノ所ニ↡、作シ↠礼ヲ聴クコト↠経ヲ亦復如シ↠是クノ。

すなはち下げ方ほう・上じょう方ほうの諸仏しょぶつ、 その数かずおのおの恒水ごうすいの辺ほとりの流る沙しゃのごとし。 みなもろもろの菩ぼ薩さつのすべてまた計かぞふべからざるを遣つかはすに、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの所みもとに飛とび到いたり、 礼らいをなし経きょうを聴きき、 たがひに開かい避ひす。 かくのごとくしてつひに休く絶ぜつする時ときなしと。

○即チ下方・上方ノ諸仏、其ノ数各ノ如シ↢恒水ノ辺ノ流沙ノ↡。皆遣スニ↢諸ノ菩薩ノ都テ不ルヲ↟可カラ↢復計フ↡、飛ビ↢到リ阿弥陀仏ノ所ニ↡、作シ↠礼ヲ聴キ↠経ヲ、更相 タガヒ ニ開避ス。如クシテ↠是クノ終ニ无シト↢休絶スル時↡也。

仏ぶつのたまはく、 諸仏しょぶつ恒水ごうすいの辺ほとりの流る沙しゃをもつて数かずとなすゆゑは、 八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏ぶつ、 甚大じんだい衆しゅ多たにして、 すべておのおのまた計かぞふべからざるがゆゑに、 恒水ごうすいの辺ほとりの流る沙しゃをもつて数かずとなすのみと。

●仏言ク、所↧以諸仏以テ↢恒水ノ辺ノ流沙ヲ↡為ス↞数ト者、八方上下ノ無央数ノ仏、甚大衆多ニシテ、都テ各ノ不ルガ↠*可カラ↢復計フ↡故ニ、以テ↢恒水ノ辺ノ流沙ヲ↡為ス↠数ト耳ト。

【11】仏ぶつ、 阿あ難なんに語かたりたまはく、 阿あ弥陀みだ仏ぶつもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのために経きょうを説ときをはるに、 諸天しょてん・人民にんみんのなかに、 いまだ道どうを得えざるものあればすなはち道どうを得え、 いまだ須しゅ陀だ洹おんを得えざるものはすなはち須しゅ陀だ洹おんを得え、 いまだ斯陀しだ含ごんを得えざるものはすなはち斯陀しだ含ごんを得え、 いまだ阿那あな含ごんを得えざるものはすなはち阿那あな含ごんを得え、 いまだ阿羅あら漢かんを得えざるものはすなはち阿羅あら漢かんを得え、 いまだ阿あ惟ゆい越おっ致ちの菩ぼ薩さつを得えざるものはすなはち阿あ惟ゆい越おっ致ちの菩ぼ薩さつを得う。

●仏語リタマハク↢阿難ニ↡、阿弥陀仏為ニ↢諸ノ菩薩・阿羅漢ノ↡説キ↠経ヲ竟ルニ、諸天・人民ノ中ニ、有レバ↢未ダル↠得↠道ヲ者↡即チ得↠道ヲ、未ダル↠得↢須陀洹ヲ↡者ハ即チ得↢須陀洹ヲ↡、未ダル↠得↢斯陀含ヲ↡者ハ即チ得↢斯陀含ヲ↡、未ダル↠得↢阿那含ヲ↡者ハ即チ得↢阿那含ヲ↡、未ダル↠得↢阿羅漢ヲ↡者ハ即チ得↢阿羅漢ヲ↡、未ダル↠得↢阿惟越致ノ菩薩ヲ↡者ハ即チ得↢阿惟越致ノ菩薩ヲ↡。

阿あ弥陀みだ仏ぶつすなはちその宿命しゅくみょうの時ときに道どうを求もとむる心こころの憙き願がんするところの大だい小しょうに随したがひ、 随ずい意いにために経きょうを説ときてこれに授じゅ与よして、 すなはち疾とく開かい解げしみなことごとく明みょう慧えを得えしむ。 おのおのみづから願ねがふところの経きょう道どうを好こう喜きし、 喜き楽らくせざるはなし。 これを誦じゅ習じゅうするものは、 みづから諷ふ誦じゅし通つう利りして、 無む厭えん無む極ごくなり。

●阿弥陀仏輒チ随ヒ↧其ノ宿命0155ノ時ニ求ムル↠道ヲ心ノ所ノ↢憙願スル↡大小ニ↥、随意ニ為ニ説キテ↠*経ヲ授↢与シテ之ニ↡、即チ令ム↣疾ク開解シ得↢皆悉ク明慧ヲ↡。各ノ自ラ好↢喜シ所ノ↠願フ経道ヲ↡、莫シ↠不ルハ↢喜楽セ↡。誦↢習スル之ヲ↡者ハ、自ラ諷誦シ*通利シテ、无厭無極ナリ。

もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのなかに経きょうを誦じゅするものあり、 その音こえ三さん百びゃくの鐘かねの声こえのごとし。 なかに経きょうを説とくものあり、 疾風しっぷう暴雨ぼうの時ときのごとし。 かくのごとく一劫いっこうを尽つくすともつひに懈おこたり倦うむ時ときなし。 みなことごとく智慧ちえ勇ゆう猛みょうに、 身体しんたい軽きょう便べんにして、 つひに痛痒つうよう極きわまる時ときなし。 行ぎょう歩ぶ坐起ざき、 ことごとくみな才健さいごん勇ゆう猛みょうなり。

●諸ノ菩薩・阿羅漢ノ中ニ有リ↢誦スル↠経ヲ者↡、其ノ音如シ↢三百ノ鐘ノ声ノ↡。中ニ有リ↢説ク↠経ヲ者↡、如シ↢疾風暴雨ノ時ノ↡。如ク↠是クノ尽ストモ↢一*劫ヲ↡竟終 ツヒ ニ无シ↢懈リ倦ム時↡。皆悉ク智慧勇猛ニ、身体軽便ニシテ、終ニ无シ↢痛痒極ル時↡。行歩坐起、悉ク皆才健勇猛ナリ。

師子しし中ちゅうの王おうのごときは深山じんせんのなかにありて趣向しゅこうするところある時とき、 あへて当あたるものあることなし。 疑ぎ難なんの意こころあることなく、 心こころの作為さいするところのごとくにありてあらかじめ計はかるべからざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。 この猛みょう師子しし中ちゅうの王おう、 百ひゃく千億せんおく万倍まんばいすとも、 なほまたわが第だい二にの弟子でし摩訶まか目もく揵連けんれんの勇ゆう猛みょうなるにしかざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。

●如キハ↢師子中ノ王ノ↡在リテ↢深山ノ中ニ↡有ル↠所↢趣向スル↡時、無シ↠有ルコト↢敢テ当ル者↡。無ク↠有ルコト↢疑難之意↡、在リテ↣心ノ所ノゴトクニ↢作為スル↡不ルコト↠可カラ↢*予メ計ル↡百千億万倍ナリ。是ノ猛師子中ノ王、百千億万倍ストモ、尚復不ルコト↠如カ↢我ガ第二ノ弟子摩訶目*揵連ノ勇猛ナルニ↡百千億万倍ナリ。

摩訶まか目もく揵連けんれんのごときは諸国しょこくの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんのなかにおいてもつとも比ならびなしとなす。 飛ひ行ぎょう進しん止し智慧ちえ勇ゆう猛みょうに、 あきらかに視みあきらかに聴きき、 八方はっぽう上じょう下げ、 去こ・来らい・現在げんざいの事じを知しること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなるを、 ともに合がっして一いち智慧ちえとなして、 まさに阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくのなかのもろもろの羅ら漢かんの辺ほとりにあらしめんに、 その徳とくなほまた及およばざること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなるべしと。

●如キハ↢摩訶目*揵連ノ↡於テ↢諸国ノ菩薩・阿羅漢ノ中ニ↡最モ為ス↠无シト↠比。飛行進止智慧勇猛ニ、洞アキラカニ視徹アキラカニ聴キ、知ルコト↢八方上下、去・来・現在之事ヲ↡百千億万倍ナルヲ、共ニ合シテ為シテ↢一智慧ト↡、当ニシト↧令メムニ↠在ラ↢阿弥陀仏国ノ中ノ諸ノ羅漢ノ辺ニ↡、其ノ徳尚復不ルコト↠及バ百千億万倍ナル↥。

阿あ逸いつ菩ぼ薩さつすなはち起たちて前すすみて長じょう跪き叉手しゃしゅし、 仏ぶつに問とひたてまつりてまうさく、 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくのなかのもろもろの阿羅あら漢かん、 むしろすこぶる般はつ泥洹ないおんし去さるものありやなしや。 願ねがはくはこれを聞きかんと欲ほっすと。 仏ぶつのたまはく、 もし知しらんと欲ほっせば、 かくのごとき四し天てん下げの星ほし、 なんぢこれを見みるやいなやと。 阿あ逸いつ菩ぼ薩さつまうさく、 ややしかなり、 これを見みると。 仏ぶつのたまはく、 わが第だい二にの弟子でし摩訶まか目もく揵連けんれんのごとき、 天てん上じょうに飛とび上のぼり一いっ昼ちゅう一いち夜やあまねく数かぞへて星ほし幾枚いくまいかあるを知しらんとするも、 この四し天てん下げの星ほしはなはだ衆しゅ多たにして、 計かぞふることを得うべからざること、 なほまた百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなるはこれ星ほしなり。

○阿逸菩薩即チ起チテ前ミテ長跪叉手シ、問ヒタテマツリテ↠仏ニ言ク、阿弥陀仏国ノ中ノ諸ノ阿羅漢、寧ロ頗ル有リヤ↢般泥洹シ去ル者↡無シヤ。願クハ欲スト↠聞カムト↠之ヲ。仏言ク、若シ欲セバ↠知ラムト者、如キ↠是クノ四天下ノ星、若見ルヤ↠之ヲ不ヤト。阿逸菩薩言ク、唯然ナリ、見ルト↠之ヲ。仏言ク、如キ↢我ガ第二ノ弟子摩訶目*揵連ノ↡、飛ビ↢上リ天上ニ↡一昼一夜0156遍ク数ヘテ知ラムトスルモ↣星有ルヲ↢幾枚カ↡、此ノ四天下ノ星甚ダ衆多ニシテ、不ルモノ↠可カラ↠得↠計フルコトヲ、尚復百千億万倍ナルハ是星*也。

天てん下げの大海だいかいの水みずのごときは一渧いったいを減げんじ去さらば、 むしろよく海水かいすいために減げんじて少しょうなりと知しらしむるやいなやと。 対こたへてまうさく、 百ひゃく千億せんおく万まん斗と石こくを減げんじ去さるとも、 なほ減げんじて少しょうなりと知しらしむることあたはずと。

○如キハ↢天下ノ大海ノ水ノ↡減ジ↢去ラバ一*渧ヲ↡、寧ロ能ク令ムルヤ↢海水為ニ減ジテ知ラ↟少ナリト不耶ト。対ヘテ曰ク、減ジ↢去ルトモ百千億万斗石ヲ↡、尚不ト↠能ハ↠令ムルコト↢減ジテ知ラ↟少ナリト也。

仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくのもろもろの阿羅あら漢かんのなかに、 般はつ泥洹ないおんし去さるものありといへども、 大海だいかいの一いち渧水たいすいを減げんずるがごときのみ。 在ざいするもろもろの阿羅あら漢かんために減げんじて少しょうなりと知しらしむることあたはずと。

●仏言ク、阿弥陀仏国ノ諸ノ阿羅漢ノ中ニ、雖モ↠有リト↢般泥洹シ去ル者↡、如キ↣大海ノ減ズルガ↢一*渧水ヲ↡*爾。不ト↠能ハ↠令ムルコト↢在スル諸ノ阿羅漢為ニ減ジテ知ラ↟少ナリト也。

仏ぶつのたまはく、 大海だいかい一いち渓水けいすいを減げんじ去さらば、 むしろ減げんじて少しょうならしむるやいなやと。 対こたへてまうさく、 百ひゃく千億せんおく万まんの渓水けいすいを減げんじ去さるとも、 なほ減げんじて少しょうなりと知しることあたはずと。

●仏言ク、大海減ジ↢去ラバ一渓水ヲ↡、寧ロ令ムルヤ↢減ジテ少ナラ↡不ヤト。対ヘテ曰ク、減ジ↢去ルトモ百千億万ノ渓水ヲ↡、尚不ト↠能ハ↢減ジテ知ルコト↟少ナリト也。

仏ぶつのたまはく、 大海だいかいの一いち恒水ごうすいを減げんぜば、 むしろよく減げんじて少しょうなりと知しらしむるやいなやと。 対こたへてまうさく、 百ひゃく千億せんおく万まんの恒水ごうすいを減げんじ去さるとも、 減げんじて少しょうなりと知しらしむることあたはずと。

●仏言ク、減ゼバ↢大海ノ一恒水ヲ↡、寧ロ能ク令ムルヤ↢減ジテ知ラ↟少ナリト不ヤト。対ヘテ曰ク、減ジ↢去ルトモ百千億万ノ恒水ヲ↡、不ト↠能ハ↠令ムルコト↢減ジテ知ラ↟少ナリト也。

仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくのもろもろの阿羅あら漢かん、 般はつ泥洹ないおんし去さるものも無む央数おうしゅなり。 その在あるものの新あらたに道どうを得うるものもまた無む央数おうしゅなり。 すべて増減ぞうげんをなさずと。

●仏言ク、阿弥陀仏国ノ諸ノ阿羅漢、般泥洹シ去ル者モ無央数ナリ。其ノ在ル者ノ新ニ得ル↠道ヲ者モ亦無央数ナリ。都テ不ト↠為サ↢増減ヲ↡也。

仏ぶつのたまはく、 天てん下げの諸水しょすいをしてすべて大だい海水かいすいのなかに流る入にゅうせしめんに、 むしろよく海水かいすいをして増ぞう多たならしむるやいなやと。 対こたへてまうさく、 増ぞう多たならしむることあたはず。 ゆゑはいかん。 この大海だいかいは天てん下げの諸水しょすい衆善しゅぜんのなかの王おうなり。 ゆゑによくしかるのみと。

●仏言ク、令メムニ↣天下ノ諸水ヲシテ都テ流↢入セ大海水ノ中ニ↡、寧ロ能ク令ムルヤ↢海水ヲシテ増多ナラ↡不ヤト。対ヘテ曰ク、不↠能ハ↠令ムルコト↢増多ナラ↡也。所以者何ン。是ノ大海ハ為リ↢天下ノ諸水*衆善ノ中ノ王↡。故ニ能ク爾ル耳ト。

仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくもまたかくのごとし。 ことごとく八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏国ぶっこくのもろもろの無む央数おうしゅの天てん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいをしてすべて往おう生じょうせしめんに、 甚大じんだい衆しゅ多たにしてまた計かぞふべからざれども、 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かん、 もろもろの比丘びく僧そう、 ことさらに常つねのごとく一法いっぽうにしてことに増ぞう多たをなさず。

●仏言ク、阿弥陀仏国モ亦如シ↠是クノ。悉ク令メムニ↢八方上下ノ無央数ノ仏国ノ諸ノ無央数ノ天・人民・蜎飛蠕動之類ヲシテ都テ往生セ↡、甚大衆多ニシテ不レドモ↠可カラ↢復計フ↡、阿弥陀仏国ノ諸ノ菩薩・阿羅漢、衆ノ比丘僧、故ラニ如ク↠常ノ一法ニシテ不↣*異ニ為サ↢増多ヲ↡。

ゆゑはいかん。 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくは最さい快けにして八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅのもろもろの仏国ぶっこくのなかの衆善しゅぜんの王おうなり、 諸しょ仏国ぶっこく中ちゅうの雄おうなり、 諸しょ仏国ぶっこく中ちゅうの宝たからなり、 諸しょ仏国ぶっこく中ちゅうの寿いのちの極ごく長じょう久くなり、 諸しょ仏国ぶっこく中ちゅうの衆傑しゅけつなり、 諸しょ仏国ぶっこく中ちゅうの広大こうだいなり、 諸しょ仏国ぶっこく中ちゅうの都みやこなればなり、 自じ然ねんの無為むいにして、 最さい快け明みょう好こう、 甚楽じんらくの無む極ごくなり。

●所以者何ン。阿弥陀仏国ハ為レバナリ↢最快ニシテ八方上下ノ無央数ノ諸ノ仏国ノ中0157ノ衆善之王ナリ、諸仏国中之雄ナリ、諸仏国中之*宝ナリ、諸仏国中ノ寿之極長久也、諸仏国中之衆*傑也、諸仏国中之広大也、諸仏国中之都↡、自然之無為ニシテ、最快明好、甚楽之無極ナリ。

ゆゑはいかん。 阿あ弥陀みだ仏ぶつ、 もと菩ぼ薩さつたりし時とき、 所願しょがん勇ゆう猛みょう精しょう進じんにして懈おこたらず徳とくを累かさねて致いたすところなるがゆゑによくしかるのみと。

●所以者何ン。阿弥陀仏、本為リシ↢菩薩↡時、所願勇猛精進ニシテ不↠*懈ラ累ネテ↠徳ヲ所ナルガ↠致ス故ニ能ク爾ル耳ト。

阿あ逸いつ菩ぼ薩さつすなはちおほきに歓かん喜ぎし長じょう跪き叉手しゃしゅしてまうさく、 仏ぶつ、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの国こく土どの快け善ぜん明みょう好こう最姝さいしゅ無比むひなるを説ときたまふこと、 すなはち独ひとりしかるやと。

●阿逸菩薩即チ大ニ歓喜シ長跪叉手シテ言ク、仏説キタマフコト↢阿弥陀仏ノ国土ノ快善明好最姝無比ナルヲ↡、乃チ独リ爾ル乎ト。

仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの所しょ居ごの七宝しっぽうの舎宅しゃたくのなかに、 虚こ空くうのなかにあるものあり、 地じにあるものあり。 なかに舎宅しゃたくをしてもつとも高たかからしめんと欲ほっするものあらば、 舎宅しゃたくすなはち高たかし。 なかに舎宅しゃたくをしてもつとも大だいならしめんと欲ほっするものあらば、 舎宅しゃたくすなはち大だいなり。 なかに舎宅しゃたくをして虚こ空くうのなかにあらしめんと欲ほっするものあらば、 舎宅しゃたくすなはち虚こ空くうのなかにあり。 みな自じ然ねんに意こころに随したがひ作為さいするところのごとくにあり。

●仏言ク、阿弥陀仏国ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ノ所居ノ七宝ノ舎宅ノ中ニ、有リ↧在ル↢虚空ノ中ニ↡者↥、有リ↢在ル↠地ニ者↡。中ニ有ラバ↧欲スル↠令メムト↢舎宅ヲシテ最モ高カラ↡者↥、舎宅即チ高シ。中ニ有ラバ↧欲スル↠令メムト↢舎宅ヲシテ最モ大ナラ↡者↥、舎宅即チ大ナリ。中ニ有ラバ↧欲スル↠令メムト↣舎宅ヲシテ在ラ↢虚空ノ中ニ↡者↥、舎宅即チ在リ↢虚空ノ中ニ↡。皆自然ニ随ヒ↠意ニ在リ↠所ノゴトクニ↢作為スル↡。

なかにことに舎宅しゃたくをして意こころに随したがはしむることあたはざるものあり。 ゆゑはいかん。 なかによく舎宅しゃたくをして意こころに随したがはしむることあるものは、 みなこれ前ぜん世せ宿命しゅくみょうに道どうを求もとむる時とき、 慈じ心しんをもつて精しょう進じんしますますもろもろの善ぜんをなして徳とく重おもきが致いたすところなり。 なかにことにあたはざるものは、 みなこれ前ぜん世せ宿命しゅくみょうに道どうを求もとむる時とき、 慈じ心しんをもつて精しょう進じんしますますもろもろの善ぜんをなさず徳とく薄うすきが致いたすところなり。

●中ニ有リ↧殊ニ不ル↠能ハ↠令ムルコト↢舎宅ヲシテ随ハ↟意ニ者↥。所以者何ン。中ニ有ル↣能ク令ムルコト↢舎宅ヲシテ随ハ↟意ニ者ハ、皆是前世宿命ニ求ムル↠道ヲ時、慈心ヲモテ精進シ益マス作シテ↢諸ノ善ヲ↡徳重キガ所ナリ↠致ス。中ニ有ルハ↢殊ニ不ル↠能ハ者↡、皆是前世宿命ニ求ムル↠道ヲ時、不↣慈心ヲモテ精進シ益マス作サ↢諸ノ善ヲ↡徳薄キガ所ナリ↠致ス。

その衣被えびし飯食おんじきするところはともに自じ然ねんに平びょう等どうなれども、 徳とくに大だい小しょうあれば、 その勇ゆう猛みょうなるものを別べっ知ちし、 衆しゅをしてこれを見みしむるのみと。

●其ノ所ハ↢衣被シ*飯食スル↡倶ニ自然平等ナレドモ、徳ニ有レバ↢*大小↡、別↢知シ其ノ勇猛ナルモノヲ↡、令ムル↢衆ヲシテ見↟之ヲ耳ト。

仏ぶつのたまはく、 もし第六だいろく天王てんのうの所しょ居ごの処ところを見みるやいなやと。 ややしかなり、 これを見みると。

●仏言ク、若見ルヤ↢第六天王ノ所居ノ処ヲ↡不ヤト。唯然ナリ、見ルト↠之ヲ。

仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくの講堂こうどう・舎宅しゃたく、 すべてまた第六だいろく天王てんのうの所しょ居ごの処ところに勝すぐるること百ひゃく千億せんおく万倍まんばいなり。

●仏言ク、阿弥陀仏国ノ講堂・舎宅、都テ復勝ルルコト↢第六天王ノ所居ノ処ニ↡百千億万倍ナリ。

もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かん、 ことごとくみなあきらかに視みあきらかに聴きき、 八方はっぽう上じょう下げ、 去こ・来らい・現在げんざいの事じ、 また無む数しゅの天てん上じょう・天てん下げの人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐい、 心しん意いに念ねんずるところの善悪ぜんあく、 口くちにいはんと欲ほっするところを見けん知ちす。 みないづれの歳としいづれの劫こうに度ど脱だつを得え人道にんどうを得え、 阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくに往おう生じょうすべきことを知しり、 菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんになるべきことを知しり、 みなあらかじめこれを知しれり。

●諸ノ菩薩0158・阿羅漢、悉ク皆洞アキラカニ視徹アキラカニ聴キ、見↢知ス八方上下、去・来・現在之事、復無数ノ天上・天下ノ人民及ビ蜎飛蠕動之類、心意ニ所ノ↠念ズル善悪、口ニ所ヲ↟欲スル↠言ハムト。皆知リ↠当キコトヲ↧何ノ歳何ノ劫ニ得↢度脱ヲ↡得↢人道ヲ↡、往↦生ス阿弥陀仏国ニ↥、知リ↠当キコトヲ↠作ル↢菩薩・阿羅漢ニ↡、皆*予メ知レリ↠之ヲ。

もろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんの頂中ちょうちゅうに、 みなことごとくおのづから光こう明みょうありて照てらすところ大だい小しょうあり。

○諸ノ菩薩・阿羅漢ノ頂中ニ、皆*悉ク自ラ有リテ↢光明↡所↠照ス有リ↢大小↡。

もろもろの菩ぼ薩さつのなかに、 最尊さいそんの両りょう菩ぼ薩さつありて、 つねに仏ぶつの左右さうにありて坐侍ざじして正しょう論ろんし、 仏ぶつつねにこの両りょう菩ぼ薩さつとともに対たい坐ざして、 八方はっぽう上じょう下げ、 去こ・来らい・現在げんざいの事じを議ぎしたまふ。 もしこの両りょう菩ぼ薩さつをして八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの諸仏しょぶつの所みもとに到いたらしめんと欲ほっせば、 すなはち飛ひ行ぎょうして心こころの所欲しょよくに随したがひて至到いたる。 飛ひ行ぎょうの駛はやく疾ときこと仏ぶつのごとく、 勇ゆう猛みょうなること比ならびなし。

○諸ノ菩薩ノ中ニ、有リテ↢最尊ノ両菩薩↡、●常ニ在リテ↢仏ノ左右ニ↡坐侍シテ正論シ、仏常ニ与↢是ノ両菩薩↡共ニ対坐シテ、議シタマフ↢八方上下、去・来・現在之事ヲ↡。若シ欲セバ↠使メムト↣是ノ両菩薩ヲシテ到ラ↢八方上下ノ無央数ノ諸仏ノ所ニ↡、即便チ飛行シテ随ヒテ↢心ノ所欲ニ↡至到 イタ ル。飛行ノ*駛ク疾キコト如ク↠仏ノ、勇猛ナルコト無シ↠比。

そのひとりの菩ぼ薩さつをば*あう楼ら亘こうと名なづけ、 そのひとりの菩ぼ薩さつをば*摩訶まか那な鉢はつと名なづく。 光こう明みょう・智慧ちえもつとも第一だいいちなり。 頂中ちょうちゅうの光こう明みょうはおのおの他た方ほう千せん須しゅ弥み山せんの仏国ぶっこくのうちを焔えん照しょうして、 つねに大だい明みょうなり。 そのもろもろの菩ぼ薩さつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょうはおのおの千億せんおく万まん里りを照てらし、 もろもろの阿羅あら漢かんの頂中ちょうちゅうの光こう明みょうは、 おのおの七しち丈じょうを照てらすと。

○其ノ一ノ菩薩ヲバ名ケ↢*楼亘ト↡、其ノ一ノ菩薩ヲバ名ク↢摩訶那鉢ト↡。光明・智慧最モ第一ナリ。頂中ノ光明ハ各ノ*焔↢照シテ他方千須弥山ノ仏国ノ中ヲ↡、常ニ大明ナリ。其ノ諸ノ菩薩ノ頂中ノ光明ハ各ノ照シ↢*千億万里ヲ↡、諸ノ阿羅漢ノ頂中ノ光明ハ、各ノ照スト↢七*丈ヲ↡。

仏ぶつのたまはく、 世せ間けんの人民にんみんもしは善男ぜんなん子し・善ぜん女人にょにん、 もし急きゅうに県官けんかんの事じを恐怖くふするものあらば、 ただみづからこのあう楼ら亘こう菩ぼ薩さつ・摩訶まか那な鉢はつ菩ぼ薩さつの所みもとに帰き命みょうせよ。 解げ脱だつを得えざるものなからんと。

●仏言ク、世間ノ人民若シハ善男子・善女人、若シ有ラバ↧急ニ恐↢怖スル*県官ノ事ヲ↡者↥、但自ラ帰↢命セヨ是ノ*楼亘菩薩・摩訶那鉢菩薩ノ所ニ↡。無カラムト↧不ル↠得↢解脱ヲ↡者↥。

二 Ⅲ ⅺ 光寿無量

【12】仏ぶつ、 阿あ逸いつ菩ぼ薩さつに告つげたまはく、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの頂中ちょうちゅうの光こう明みょうは極きわめて大だい光こう明みょうなり。 その日月にちがつ星しょう辰しんはみな虚こ空くうのなかにありて住じゅう止しすれども、 また廻え転てん運うん行ぎょうすべからず。 また精しょう光こうあることなく、 その明みょうみな蔽おおはれてまた見あらわれず。 仏ぶつの光こう明みょうは国こく中ちゅうを照てらし、 および他た方ほう仏国ぶっこくを焔えん照しょうして、 つねに大だい明みょうにしてつひに冥みょうする時ときあることなし。

●▼仏告ゲタマハク↢阿逸菩薩ニ↡、阿弥陀仏ノ頂中ノ光明ハ極テ大*光明ナリ。其ノ日月星辰ハ皆在リテ↢虚空ノ中ニ↡住止スレドモ、不↠可カラ↢復廻転運行ス↡。亦無ク↠有ルコト↢精光↡、其ノ明皆蔽ハレテ不↢復見アラハレ↡。仏ノ光0159明ハ照シ↢国中ヲ↡、及ビ*焔↢照シテ他方仏国ヲ↡、常ニ大明ニシテ終ニ無シ↠有ルコト↢冥スル時↡。

その国くに一日いちにち・二に日にちもあることなく、 また五ご日にち・十じゅう日にちもなく、 また十じゅう五ご日にち・一月いちがつもなく、 また五ご月がつ・十じゅう月がつ・五ご歳さい・十歳じっさいもなく、 また百ひゃく歳さい・千歳せんざいもなく、 また万歳まんざい・億万おくまん歳ざいもなく、 百ひゃく千億せんおく万歳まんざいもなく、 一劫いっこう・十劫じっこう・百ひゃく劫こう・千劫せんごうもあることなく、 万劫まんごう・百ひゃく万劫まんごうもなく、 千万せんまん劫ごう・百ひゃく億万おくまん劫ごうもなし。

●◆其ノ国無ク↠有ルコト↢一日・二日モ↡、亦無ク↢五日・十日モ↡、亦無ク↢十五日・一月モ↡、亦無ク↢五月・十月・五歳・十歳モ↡、亦無ク↢百歳・千歳モ↡、亦無ク↢万歳・億万歳モ↡、無ク↢百千億万歳モ↡、無ク↠有ルコト↢一劫・十劫・百劫・千劫モ↡、無ク↢万劫・百万劫モ↡、無シ↢千万劫・百億万劫モ↡。

阿あ弥陀みだ仏ぶつの光こう明みょうはあきらかなること極きわまりあることなし。 却きゃく後ご無む数しゅ劫こうの無む数しゅ劫こう、 重かさねてまた無む数しゅ劫こうの無む数しゅ劫こう、 無む央数おうしゅにもつひにまさに冥みょうすべき時ときあることなく、 国こく土どおよび諸天しょてんもつひに壊え敗はいする時ときなし。 ゆゑはいかん。 阿あ弥陀みだ仏ぶつは寿じゅ命みょう極きわめて長ながく、 国こく土どもはなはだ好よし。 ゆゑによくしかるのみ。 その仏ぶつの尊寿そんじゅは、 却きゃく後ご無む数しゅ劫こうにも、 重かさねてまた無む数しゅ劫こうにも、 なほいまだ般はつ泥洹ないおんを央もとめず。

●◆阿弥陀仏ノ光明ハ明カナルコト無シ↠有ルコト↠極リ。*却後無数劫ノ无数劫、重ネテ復無数劫ノ无数劫、無央数ニモ終ニ無ク↠有ルコト↢当ニキ↠冥ス時↡、国土及ビ諸天モ終ニ無シ↢壊敗スル時↡。所以者何ン。阿弥陀仏ハ寿命極テ長ク、国土モ甚ダ好シ。故ニ能ク爾ル耳。其ノ仏ノ尊寿ハ、*却後无数劫ニモ、重ネテ復無数劫ニモ、尚未ダ↠*央モトメ↢般泥洹ヲ↡也。

世せ間けんにおいて教きょう授じゅし、 意こころに八方はっぽう上じょう下げのもろもろの無む央数おうしゅの仏国ぶっこくの諸天しょてん・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいを過度かどせんと欲ほっし、 みなその国くにに往おう生じょうせしめ、 ことごとく泥洹ないおんの道どうを得えしめんと欲ほっす。 その菩ぼ薩さつとなるものは、 みなことごとく作さ仏ぶつせしめんと欲ほっし、 作さ仏ぶつしをはりてうたたまた八方はっぽう上じょう下げの諸天しょてん・人民にんみんおよび蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいを教きょう授じゅせしめ、 みなまた作さ仏ぶつせしめんと欲ほっす。

●於テ↢世間ニ↡教授シ、意ニ欲シ↣過↢度セムト八方上下ノ諸ノ無央数ノ仏国ノ諸天・人民及ビ蜎飛蠕動之類ヲ↡、皆欲ス↧使メ↣往↢生セ其ノ国ニ↡、悉ク令メムト↞得↢泥洹之道ヲ↡。其ノ作ル↢菩薩ト↡者ハ、皆欲シ↠令メムト↢悉ク作仏セ↡、作仏シ已リテ転タ復教↢授セシメ八方上下ノ諸天・人民及ビ蜎飛蠕動之類ヲ↡、皆復欲ス↠令メムト↢作仏セ↡。

作さ仏ぶつしをはりてまたもろもろの無む央数おうしゅの天てん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいを教きょう授じゅして、 みな泥洹ないおんの道どうを得えて去さらしむ。 もろもろの教きょう授じゅすべき弟子でしを展転てんでんしてまたあひ教きょう授じゅし、 うたたあひ度ど脱だつして須しゅ陀だ洹おん・斯陀しだ含ごん・阿那あな含ごん・阿羅あら漢かん・辟びゃく支し仏道ぶつどうを得えしむるに至いたる。

●作仏シ*已リテ復教↢授シテ諸ノ无央数ノ天・人民・蜎飛蠕動之類ヲ↡、皆令ム↧得テ↢泥洹ノ道ヲ↡去ラ↥。諸ノ可キ↢教授ス↡弟子ヲ者展転シテ復相教授シ、転タ相度脱シテ至ル↠令ムルニ↠得↢須陀洹・斯陀含・阿那含・阿羅漢・辟支仏道ヲ↡。

うたたあひ度ど脱だつしてみな泥洹ないおんの道どうを得うることことごとくかくのごとくなれども、 なほいまだ般はつ泥洹ないおんを欲ほっしたまはず。 阿あ弥陀みだ仏ぶつの度ど脱だつしたまふところ展転てんでんしてかくのごとし。 また住じゅう止しすること無む数しゅ劫こうの無む数しゅ劫こう、 不可ふか復計ぶけ劫こうにもつひに般はつ泥洹ないおんの時ときなし。

●転タ相度脱シテ皆得ルコト↢泥洹之道ヲ↡悉ク如クナレドモ↠是クノ、尚未ダ↠欲シタマハ↢般泥洹ヲ↡。阿弥陀仏ノ所↢度0160脱シタマフ↡展転シテ如シ↠是クノ。復住止スルコト無数劫ノ无数劫、不可復計劫ニモ終ニ無シ↢般泥洹ノ時↡。

八方はっぽう上じょう下げのもろもろの無む央数おうしゅの天てん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐい、 その阿あ弥陀みだ仏国ぶっこくに生しょうじてまさに作さ仏ぶつすべきもの、 またあげて数かぞふべからず。 もろもろの阿羅あら漢かんとなりて泥洹ないおんの道どうを得うるものもまた無む央数おうしゅにして、 すべてまた計かぞふべからず。

●八方上下ノ諸ノ無央数ノ天・人民・蜎飛蠕動之類、其ノ生ジテ↢阿弥陀仏国ニ↡当ニキ↢作仏ス↡者、不↠可カラ↢復勝ゲテ数フ↡。諸ノ作リテ↢阿羅漢ト↡得ル↢泥洹ノ道ヲ↡者モ亦无央数ニシテ、都テ不↠可カラ↢復計フ↡。

阿あ弥陀みだ仏ぶつの恩徳おんどく、 もろもろの布施ふせしたまふところ、 八方はっぽう上じょう下げ無む窮ぐう無む極ごく、 甚深じんじん無む量りょうにして快け善ぜんなることいふべからず。 その智慧ちえ教きょう授じゅ、 出いだしたまふところの経きょう道どう、 八方はっぽう上じょう下げのもろもろの無む央数おうしゅの天てん上じょう・天てん下げに布ふ告こくすること、 はなはだ原だずねず。 その経きょう巻かんの数かずはなはだ衆しゅ多たにして、 また計かぞふべからず。 すべて極きわまりあることなしと。

●阿弥陀仏ノ恩徳、諸ノ所↢布施シタマフ↡、八方上下無窮无極、甚深無量ニシテ快善ナルコト不↠可カラ↠言フ。其ノ智慧教授、所ノ↠出シタマフ経道、布↢告スルコト八方上下ノ諸ノ無央数ノ天上・天下ニ↡、甚ダ不↠原タヅネ也。其ノ経巻ノ数甚ダ衆多ニシテ、不↠可カラ↢復計フ↡。都テ无シト↠有ルコト↠極リ。

仏ぶつ、 阿あ逸いつ菩ぼ薩さつに告つげたまはく、 なんぢ阿あ弥陀みだ仏ぶつの寿じゅ命みょう無む極ごくの時ときを知しらんと欲ほっするやいなやと。 対こたへてまうさく、 願ねがはくはみなこれを聞もん知ちせんと欲ほっすと。

○仏告ゲタマハク↢阿逸菩薩ニ↡、若欲スルヤ↠知ラムト↢阿弥陀仏ノ寿命無極ノ時ヲ↡不ヤト。対ヘテ曰ク、願クハ皆欲スト↣聞↢知セムト之ヲ↡。

仏ぶつのたまはく、 あきらかに聴きけ、 ことごとく八方はっぽう上じょう下げのもろもろの無む央数おうしゅの仏国ぶっこくのなかの諸天しょてん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいをしてみな人道にんどうを得えしめ、 ことごとく辟びゃく支し仏ぶつ・阿羅あら漢かんとならしめて、 ともに坐ざ禅ぜん一心いっしんにすべてその智慧ちえを合がっして一ひとつとなし、 勇ゆう猛みょうにともに阿あ弥陀みだ仏ぶつの寿じゅ命みょう幾千いくせん億万おくまん劫こうの歳数さいしゅを計かぞへ知しらんと欲ほっすとも、 みなよく計かぞへ知しるものあることなし。

○仏言ク、明カニ聴ケ、悉ク令テ↢八方上下ノ諸ノ無央数ノ仏国ノ中ノ諸天・人民・蜎飛蠕動之類ヲ↡皆使メ↠得↢*人道ヲ↡、悉ク令メテ↠作ラ↢辟支仏・阿羅漢ト↡、共ニ坐禅一心ニ都テ合シテ↢其ノ智慧ヲ↡為シ↠一ト、勇猛ニ共ニ欲ストモ↣計ヘ↢知ラムト阿弥陀仏ノ寿命幾千億万劫ノ歳数ヲ↡、皆無シ↠有ルコト↢能ク計ヘ知ル者↡。

また他た方面ほうめんのおのおの千せんの須しゅ弥み山せんの仏国ぶっこくのなかの諸天しょてん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいをして、 みなまた人道にんどうを得えしめ、 ことごとく辟びゃく支し仏ぶつ・阿羅あら漢かんとならしめ、 みな坐ざ禅ぜん一心いっしんならしめその智慧ちえを合がっして一ひとつとなし、 勇ゆう猛みょうにともに阿あ弥陀みだ仏国ぶっこく中ちゅうのもろもろの菩ぼ薩さつ・阿羅あら漢かんを数かぞへて幾千いくせん億万おくまん人にんかあるを知しらんと欲ほっすとも、 みなよく数かずを知しるものあることなからん。

○復令テ↢他方面ノ各ノ千須弥山ノ仏国ノ中ノ諸天・人民・蜎飛蠕動之類ヲ↡、皆復使メ↠得↢*人道ヲ↡、悉ク令メ↠作ラ↢辟支仏・阿羅漢ト↡、皆令メ↢坐禅一心ナラ↡合シテ↢其ノ智慧ヲ↡為シ↠一ト、勇猛ニ共ニ欲ストモ↧数ヘテ↢阿弥陀仏国中ノ諸ノ菩薩・阿羅漢ヲ↡知ラムト↞有ルヲ↢幾千億万人カ↡、皆無カラム↠有ルコト↢能ク知ル↠数ヲ者↡。

阿あ弥陀みだの年寿ねんじゅははなはだ長じょう久くなり。 浩々こうこう照々しょうしょうとしてあきらかに善よく、 甚深じんじんにして極きわまりなく底そこなし。 たれかまさによくそれを知ち信しんすべけんもの。 独ひとり仏ぶつのみづから信しん知ちしたまふのみと。

○阿弥*陀ノ年寿ハ甚ダ長久ナリ。浩*浩照照トシテ明カニ善ク、甚深ニシテ无0161ク↠極リ無シ↠底。*誰カ当ニケム↣能ク知↢信ス其ヲ↡者。独リ仏ノ自ラ信知シタマフ*爾ト。

阿あ逸いつ菩ぼ薩さつ、 仏ぶつの言ことばを聞ききておほきに歓かん喜ぎし、 長じょう跪き叉手しゃしゅしてまうさく、 仏ぶつ、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの寿じゅ命みょうの甚じん長じょう、 威い神じんの尊大そんだい、 智慧ちえ光こう明みょうの巍巍ぎぎとして快け善ぜんなることを説ときたまふことすなはち独ひとりかくのごときやと。

●阿逸菩薩聞キテ↢仏ノ言ヲ↡大ニ歓喜シ、長跪叉手シテ言ク、仏説キタマフコト↢阿弥陀仏ノ寿命ノ甚長、威神ノ尊大、智慧光明ノ巍巍トシテ快善ナルコトヲ↡乃チ独リ如ヤト↠是クノ。

仏ぶつのたまはく、 阿あ弥陀みだ仏ぶつそのしかうして後のちに至いたりて般はつ泥洹ないおんしたまはば、 そのあう楼ら亘こう菩ぼ薩さつすなはちまさに作さ仏ぶつして道どう智ち典主てんしゅを総そう領りょうし、 世せ間けんおよび八方はっぽう上じょう下げに過度かどせんとするところの諸天しょてん・人民にんみん・蜎けん飛ぴ蠕動ねんどうの類たぐいを教きょう授じゅして、 みな仏ぶつ泥洹ないおんの道どうを得えしむ。 その善ぜん福徳ふくとくまさにまた大だい師し阿あ弥陀みだ仏ぶつのごとくなるべし。 住じゅう止しすること無む央数おうしゅ劫こうの無む央数おうしゅ劫こう、 不可ふか復計ぶけ劫こうなり。 大だい師しに准じゅん法ぽうして、 しかうしてすなはち般はつ泥洹ないおんす。

●仏言ク、阿弥陀仏至リテ↢其ノ然シテ後ニ↡般泥洹シタマハバ者、其ノ*楼亘菩薩便チ当ニ作仏シテ総↢領シ道智典主ヲ↡、教↧授シテ世間及ビ八方上下ニ所ノ↢過度セムトスル↡諸天・人民・蜎飛蠕動之類ヲ↥、皆令ム↠得↢仏泥洹之道ヲ↡。其ノ善福徳当ニシ↣復如クナル↢大師阿弥陀仏ノ↡。住止スルコト無央数劫ノ無央*数劫、不可復計劫ナリ。*准↢法シテ大師ニ↡、爾シテ乃チ般泥洹ス。

その次つぎに摩訶まか那な鉢はつ菩ぼ薩さつまさにまた作さ仏ぶつして智慧ちえを典主てんしゅし、 教きょう授じゅを総そう領りょうして、 過度かどするところ福徳ふくとくもまさにまた大だい師し阿あ弥陀みだ仏ぶつのごとくなるべし。 止し住じゅうすること無む央数おうしゅ劫こうにして、 なほまた般はつ泥洹ないおんせず。 展転てんでん相そう承じょうして経きょう道どうを受うくることはなはだあきらかにして、 国こく土ど極善ごくぜんなり。 その法ほうかくのごとくにして、 つひに断絶だんぜつあることなく、 極きわむべからずと。

●其ノ次ニ摩訶那鉢菩薩当ニ復作仏シテ典↢主シ智慧ヲ↡、総↢領シテ教授ヲ↡、所↢過度スル↡福徳モ当ニシ↣復如クナル↢大師阿弥陀仏ノ↡。止住スルコト無央数劫ニシテ、尚復不↢般泥洹セ↡。展転相承シテ受クルコト↢経道ヲ↡甚ダ明カニシテ、国土極善ナリ。其ノ法如クニシテ↠是クノ、終ニ無ク↠有ルコト↢断絶↡、不ト↠可カラ↠極ム也。

二 Ⅲ ⅻ 国土殊妙

【13】阿あ難なん長じょう跪き叉手しゃしゅして仏ぶつに問とひたてまつりてまうさく、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの国こく中ちゅうには須しゅ弥み山せんあることなくは、 その第一だいいち四し天てん・第だい二に忉とう利り天てん、 みななんらによりて住じゅう止しするや。 願ねがはくはこれを聞きかんと欲ほっすと。

○阿難長跪叉手シテ問ヒタテマツリテ↠仏ニ言ク、阿弥陀仏ノ国中ニハ無クハ↠有ルコト↢須弥山↡、其ノ第一四天・第二忉利天、皆依↢因 ヨリ テ何等ニ↡住止スルヤ。願クハ欲スト↠聞カムト↠之ヲ。

仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 なんぢ仏所ぶっしょに疑意ぎいありや。 八方はっぽう上じょう下げ無む窮ぐう無む極ごく無む辺へん無む量りょうのもろもろの天てん下げの大海だいかいの水みず、 一人いちにんにしてこれを斗と量りょうせんになほ枯こ尽じんしてその底泥たいでいを得うべし。 仏ぶっ智ちはかくのごとくならずと。

●仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、若有リ↣疑↢意於仏所ニ↡耶。八方上下無窮无極無辺无*量ノ諸ノ天下ノ大海ノ水、一人ニシテ*斗↢量セムニ之ヲ↡尚可シ↣枯尽シテ得↢*其ノ底泥ヲ↡。仏智ハ*不ト↠如クナラ↠是クノ。

仏ぶつのたまはく、 わが見けん知ちするところのもろもろの已い過去かこの仏ぶつ、 わが名みょう字じ釈しゃ迦か文仏もんぶつのごときもの、 また恒水ごうすいの辺ほとりの流る沙しゃの一いっ沙しゃを一仏いちぶつとするがごとし。 もろもろの当来とうらいの仏ぶつ、 わが名みょう字じのごときもまた恒水ごうすいの辺ほとりの流る沙しゃのごとし。 はじめて作さ仏ぶつを求もとめんと欲ほっするもの、 わが名みょう字じのごときもまた恒水ごうすいの辺ほとりの流る沙しゃのごとし。

●仏言ク、我ガ所ノ↢見知スル↡諸ノ已過去ノ仏0162、如キ↢我ガ名字釈迦文仏ノ↡者、復如シ↢恒水ノ辺ノ流沙ノ一沙ヲ一仏トスルガ↡。諸ノ当来ノ仏、如キモ↢我ガ名字ノ↡亦如シ↢恒水ノ辺ノ流沙ノ↡。甫ハジ*始メテ欲スル↠求メムト↢作仏ヲ↡者、如キモ↢我ガ名字ノ↡亦如シ↢恒水ノ辺ノ流沙ノ↡。

仏ぶつ、 正しょう坐ざしてじきに南みなみに向むかひ南方なんぽうを視し見けんしたまふに、 いま現在げんざいの仏ぶつ、 わが名みょう字じのごときものもまた恒水ごうすいの辺ほとりの流る沙しゃのごとし。 八方はっぽう上じょう下げ、 去こ・来らい・現在げんざいの諸仏しょぶつ、 わが名みょう字じのごときものも、 おのおの十じゅう恒水ごうすいの辺ほとりの流る沙しゃの一沙いっしゃを一仏いちぶつとするがごとし。 その数かずかくのごとし。 仏ぶつみなことごとくあらかじめこれを見けん知ちしたまふと。

●仏正坐シテ直ニ南ニ向ヒ視↢見シタマフニ南方ヲ↡、今現在ノ仏、如キ↢我ガ名字ノ↡者モ復如シ↢恒水ノ辺ノ流沙ノ↡。八方上下、去・来・現在ノ諸仏、如キ↢我ガ名字ノ↡者モ、各ノ如シ↢十恒水ノ辺ノ流沙ノ一沙ヲ一仏トスルガ↡。其ノ数如シ↠是クノ。仏皆悉ク*予メ見↢知シタマフト之ヲ↡。

仏ぶつのたまはく、 往おう昔じゃく過去かこ無む数しゅ劫こうよりこのかた、 一劫いっこう・十劫じっこう・百ひゃく劫こう・千劫せんごう・万劫まんごう・億劫おくこう・億万おくまん億劫おくこうのなかに仏ぶつまします。 もろもろの已い過去かこの仏ぶつ、 一仏いちぶつ・十じゅう仏ぶつ・百ひゃく仏ぶつ・千仏せんぶつ・万仏まんぶつ・億仏おくぶつ・億万おくまん億仏おくぶつなり。 おのおのみづから名みょう字じありて同おなじからず、 わが名みょう字じのごとくなるものあることなし。 はじめて当来とうらいする劫こうの、 一劫いっこう・十劫じっこう・百ひゃく劫こう・千劫せんごう・万劫まんごう・億劫おくこう・億万おくまん億劫おくこうのなかに仏ぶつまします。 一仏いちぶつ・十じゅう仏ぶつ・百ひゃく仏ぶつ・千仏せんぶつ・万仏まんぶつ・億仏おくぶつ・億万おくまん億仏おくぶつなり。 おのおのみづから名みょう字じありて同おなじからず。 時々じじにすなはち一仏いちぶつのわが名みょう字じのごとくなるものあるのみ。

●仏言ク、往昔過*去無数劫ヨリ已来タ、一劫・十劫・百劫・千劫・万劫・億劫・億万億*劫ノ中ニ有ス↠仏。諸ノ已過去ノ仏、一仏・十仏・百仏・千仏・万仏・億仏・億万*億仏ナリ。*各ノ自ラ有リテ↢名字↡不↠同ジカラ、無シ↠有ルコト↧如クナル↢我ガ名字ノ↡者↥。甫始 ハジメ テ当来スル劫ノ、一劫・十劫・百劫・千劫・万劫・億劫・億万*億劫*劫ノ中ニ有ス↠仏。一仏・十仏・百仏・千仏・万仏・億仏・億万億仏ナリ。各各自ラ有リテ↢名字↡不↠同ジカラ。時時ニ乃チ有ル↣一仏ノ如クナルモノ↢我ガ名字ノ↡耳。

もろもろの八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの仏国ぶっこく、 いま現在げんざいの仏ぶつ、 次つぎに他た方ほう異い国こくの一いち仏国ぶっこく・十じゅう仏国ぶっこく・百ひゃく仏国ぶっこく・千せん仏国ぶっこく・万まん仏国ぶっこく・億おく仏国ぶっこく・億万おくまん億おく仏国ぶっこくのなかに仏ぶつまします。 おのおのみづから名みょう字じありて多々たたにしてまた同おなじからず。 わが名みょう字じのごとくなるものなし。 八方はっぽう上じょう下げの無む央数おうしゅの諸仏しょぶつのなかに、 時々じじにすなはちわが名みょう字じのごとくなるものあるのみ。

●諸ノ八方上下ノ無央数ノ仏国、今現在ノ仏、次ニ他方*異国ノ一仏国・十仏国・百仏国・千仏国・万仏国・億仏国・億万億仏国ノ中ニ有ス↠仏。*各ノ自ラ有リテ↢名字↡*多多ニシテ復不↠同ジカラ。無シ↧如クナル↢我ガ名字ノ↡者↥。八方上下ノ無央数ノ諸仏ノ中ニ、時時ニ乃チ有ル↠如クナルモノ↢我ガ名字ノ↡*爾。

八方はっぽう上じょう下げ、 去こ・来らい・現在げんざい、 その中ちゅう間げん曠絶こうぜつ甚遠じんおんにして、 悠々ゆうゆう迢々じょうじょうとして、 無む窮ぐう無む極ごくなり。 仏ぶっ智ち亘然こうねんとしてはなはだあきらかに、 古いにしえを探さぐりいまを知しり、 前さきに無む窮ぐうを知しり却しりえに未み然ねんを覩みる。 あらかじめ知しること極きわまりなく、 すべてまた計かぞふべからず。 はなはだ無む央数おうしゅなり。 仏ぶつの威い神じん尊そん明みょうにしてみなことごとくこれを知しろしめす。 仏ぶつの智慧ちえは道徳どうとくと合ごう明みょうし、 すべてよく仏ぶつの経きょう道どうを問とひて窮きわめ極きわむるものなし。 仏ぶつの智慧ちえはつひに称量しょうりょうし尽つくすべからずと。

●八方上下、去・来・現在、其ノ中間曠絶甚遠ニシテ、悠悠*迢迢トシテ、无窮無極ナリ。仏智亘然0163トシテ甚ダ明カニ、探リ↠古ヲ知リ↠今ヲ、前ニ知リ↢無窮ヲ↡却シリヘニ覩ル↢未然ヲ↡。*予メ知ルコト無ク↠極リ、都テ不↠可カラ↢復計フ↡。甚ダ无央数ナリ。仏ノ威神尊明ニシテ皆悉ク知ロシメス↠之ヲ。仏ノ智慧ハ道徳ト合明シ、都テ无シ↧能ク問ヒテ↢仏ノ経*道ヲ↡窮メ極ムル者↥。仏ノ智慧ハ終ニ不ト↠可カラ↢称量シ尽ス↡也。

阿あ難なん仏ぶつの言ことばを聞ききてすなはちおほきに恐怖くふし衣え毛もうみな起たちて、 仏ぶつにまうしてまうさく、 われあへて仏所ぶっしょに疑意ぎいあるにあらず。

○阿難聞キテ↢仏ノ言ヲ↡即チ大ニ恐怖シ衣毛皆起チテ、白シテ↠仏ニ言ク、我不ズ↤敢テ有ルニ↣疑↢意於仏所ニ↡。

仏ぶつに問とひたてまつるゆゑは、 他た方ほう仏国ぶっこくにみな須しゅ弥み山せんあり、 第一だいいち四し天てん・第だい二に忉とう利り天てん、 みなこれによりて住じゅう止しす。 われ恐おそらくは仏ぶつ般はつ泥洹ないおんの後のち、 もし諸天しょてん・人民にんみん、 もしは比丘びく僧そう・比丘びく尼に・優婆うば塞そく・優婆うば夷いありて、 来きたりてわれに問とはん、 阿あ弥陀みだ仏ぶつの国くにはなにをもつてか独ひとり須しゅ弥み山せんあることなきや、 その第一だいいち四し天てん・第だい二に忉とう利り天てん、 みななんらによりて住じゅう止しするやと、 われまさにこれに答こたふべし。

●所↢以問ヒタテマツル↟仏ニ者、他方*仏*国ニ皆有リ↢須弥山↡、第一四天・第二忉利天、皆依↢因 ヨリ テ之ニ↡住止ス。我恐クハ仏般泥洹ノ後、儻モシ有リテ↢諸天・人民、若シハ比丘僧・比丘尼・優婆塞・優婆夷↡、来リテ問ハム↠我ニ、阿弥陀仏ノ国ハ何ヲ以テカ独リ無キヤ↠有ルコト↢須弥山↡、其ノ第一四天王・第二忉利天、皆依↢因 ヨリ テ何等ニ↡住止スルヤト、我当ニ応シ↠答フ↠之ニ。

いま仏ぶつに問とひたてまつらずは、 仏ぶつ去さりたまひて後のち、 まさになんらの語ことばを持もちてこれに報答ほうとうすべき。 独ひとり仏ぶつのみづからこれを知しりたまふのみ。 余よの人にんはよくわがために解とくものあることなからん。 これをもつてのゆゑに仏ぶつに問とひたてまつるのみと。

○今不ハ↠問ヒタテマツラ↠仏ニ者、仏去リタマヒテ後、当ニキ↧持チテ↢何等ノ語ヲ↡報↦答ス之ニ↥。独リ仏ノ自ラ知リタマフ↠之ヲ*爾。*余ノ人ハ無カラム↠有ルコト↢能ク為ニ↠我ガ解ク者↡。以テノ↠是ヲ故ニ問ヒタテマツル↠仏ニ耳ト。

仏ぶつのたまはく、 阿あ難なん、 この第三だいさん焔天えんでん・第だい四し兜と術じゅつ天てん上じょうより第七だいしち梵天ぼんてんに至いたるまで、 みななんらによりて住じゅう止しするやと。

○仏言ク、阿難、是ノ第三*焔天・第四兜術天上ヨリ至ルマデ↢第七梵天ニ↡、皆依↢因 ヨリ テ何等ニ↡住止スル乎ト。

阿あ難なんまうさく、 この諸天しょてんはみな自じ然ねんに虚こ空くうのなかにありて住じゅうす。 虚こ空くうのなかにありて住じゅう止しするによるところなし。

○阿難言ク、是ノ諸天ハ皆自然ニ在リテ↢虚空ノ中ニ↡住ス。在リテ↢虚空ノ中ニ↡住止スルニ無シ↠所↢依因ヨル↡。

仏ぶつの威い神じんはなはだ重おもし。 自じ然ねんに所欲しょよくのごとく作為さいし、 意こころに作為さいするところあらんと欲ほっすること、 あらかじめ計はからず。 この諸天しょてんすらみななほ虚こ空くうのなかにありて住じゅう止しす。 いかにいはんや仏ぶつの威い神じん尊そん重じゅうにして、 作為さいするところあらんと欲ほっするをやと。

○仏ノ威神甚ダ重シ。自然ニ所欲ノゴトク作為シ、意ニ欲スルコト↠有ラムト↠所↢作為スル↡、不↢*予メ計ラ↡。是ノ諸天スラ皆尚在リテ↢虚空ノ中ニ↡住止ス。何ニ況ヤ仏ノ威神尊重ニシテ、欲スルヲ↠有ラムト↠所↢作為スル↡耶ト。

阿あ難なん仏ぶつの言ことばを聞ききてすなはちおほきに歓かん喜ぎし、 長じょう跪き叉手しゃしゅしてまうさく、 仏ぶつの智慧ちえは八方はっぽう上じょう下げ、 去こ・来らい・現在げんざいの事じを知しりたまふこと、 無む窮ぐう無む極ごくにして辺幅へんぷくあることなし。 はなはだ高大こうだい妙みょう絶ぜつ、 快け善ぜん極ごく明みょうにして好甚こうじんなること比ならびなし。 威い神じん尊そん重じゅうにして当あたるべからずと。

●阿難聞キテ↢仏ノ言ヲ↡即チ大ニ歓喜シ、長跪叉手シテ言ク、仏ノ智慧ハ知リタマフコト↢八方上下、去・来・現在之事ヲ↡、無窮无0164極ニシテ無シ↠*有ルコト↢辺幅↡。甚ダ高大妙絶、快善極明ニシテ好甚ナルコト無シ↠比。威神尊重ニシテ不ト↠可カラ↠*当ル。

 

*阿弥陀あみだ経きょう 巻かん上じょう

 

延書は底本の訓点に従って有国が行った(固有名詞の訓は保証できない)。
底本は◎高麗版(再雕本)¬大蔵経¼所収本。 Ⓐ宋版(思溪版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓑ元版(普寧寺版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓒ明版(万歴版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓓ正倉院聖語藏本、 Ⓔ高田派専修寺蔵顕智上人書写本 と対校。 ª全部対校º 琉→ⒶⒷⒸⒹⒺ瑠 孤→Ⓔ狐
説→Ⓓ説[諸仏]
三…道12字 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
耶→Ⓓ邪
巻 Ⓓになし
支→Ⓔ友
国 ⒶⒷⒸⒺになし
居士→Ⓒ優婆塞 ⒶⒷⒺになし
僧→ⒶⒷⒸⒺ僧[等]
合尸→Ⓓ舎屍
合→ⒶⒷⒸⒺ含
抵→ⒶⒸ坻→Ⓓ丘
迺→Ⓒ乃
抜→Ⓓ者
旃→Ⓓ栴
→Ⓓ甄
蠡→ⒶⒷⒸⒺ螺→Ⓓ黎
蠡→ⒶⒷⒸⒹⒺ螺
持→ⒷⒸ待
厲→Ⓓ属
漢 Ⓓになし
即→ⒶⒷⒸⒹⒺ却
令→ⒷⒸⒹ今
爾→ⒶⒷⒸⒹⒺ耳
到→Ⓓ致
如→ⒷⒸ知
大→Ⓔ太
已→Ⓓ以
者梨→Ⓔ耆黎
者→ⒶⒷⒸ耆
遰→ⒶⒷⒸⒹⒺ遮
抵→Ⓒ坻
屍→ⒶⒷⒸⒺ尸
滑→ⒶⒷⒸⒺ禍
抜→ⒷⒸ軷
署→ⒹⒺ暑
却→ⒶⒷⒸⒹⒺ却[住]
焔→Ⓓ炎
軟→Ⓔ煖
斗→Ⓔ升
夷→ⒶⒷⒸⒹ[楼]夷
結→ⒶⒺ経→Ⓓ径
経→Ⓓ径
諸→Ⓔ已(諸イ本と左傍註記)
已→Ⓔ諸(已イ本と左傍註記)
従→ⒶⒷⒸⒹⒺ行
何→ⒶⒷⒸⒹⒺ何[等]
犁→Ⓓ黎
自→ⒶⒷⒸⒹⒺ[極]自
比→◎皆
及 Ⓔになし
反→ⒶⒷⒸⒺ返
政→ⒶⒷⒸⒹⒺ正
犁→ⒶⒷⒹⒺ黎
斎…令17字 ◎Ⓔになし
生→ⒶⒷⒸⒹⒺ生[者]
姝→Ⓔ殊(姝と左傍註記)
皆→ⒶⒷⒸⒹⒺ比
中 Ⓔになし
所欲→Ⓓ欲所
予→ⒶⒷⒸⒺ預
愚痴→Ⓔ痴愚
倍→ⒷⒸ倍[勝]
徹→ⒷⒸ徹[聴]
禁→ⒶⒷⒸⒹ業
丈→Ⓔ尺(「本には丈」と左傍註記)
二→ⒶⒺ三
五→Ⓔ「七歟」と右傍註記
万→Ⓓ方
焔 ⒶⒷⒸⒺになし
焔→Ⓓ炎
ⒶⒷⒸⒺになし
潔→ⒶⒷⒸⒺ浄
姝→Ⓔ殊と上欄註記
傑→ⒶⒹⒺ桀
動→Ⓐ対
考→ⒶⒷⒸⒺ拷
支→Ⓔ友(支歟と右傍註記)
姝→Ⓔ殊
作礼仏→ⒶⒷⒸⒹⒺ礼仏作
子→ⒶⒷⒸⒹⒺ子[等]
則→ⒶⒷⒸⒹⒺ時
琥珀→Ⓓ虎魄
車→ⒷⒸ硨
→ⒶⒷⒸⒺ磲
倫→ⒶⒷⒸⒹⒺ輪
中 Ⓓになし
作→Ⓓ成
不→ⒶⒷⒸⒹⒺ[終]不
誡→ⒶⒷⒸⒺ誠
無→ⒶⒷⒸ無[有]
態 「ワザ災イ」と左傍註記
楽→ⒶⒺ喜
喜→ⒶⒺ楽
虎→ⒶⒷⒸⒹⒺ琥
珀→Ⓓ魄
車→ⒶⒷⒸⒺ硨磲
講→ⒶⒷⒸⒺ論
瓔珞→Ⓐ纓絡
瓔→Ⓓ絡
馬→ⒶⒷⒸⒺ碼
瑙→ⒶⒷⒸⒹⒺ碯
瓔珞→ⒶⒹ纓絡
馬→ⒶⒷⒺ碼→Ⓒ瑪
瑙→ⒶⒷⒹⒺ碯
弥→ⒶⒷⒸⒺ[阿]弥
清→ⒶⒷⒸⒺ清[浄]
池→Ⓓ浄
葉→ⒶⒷⒸ華
華→Ⓓ華[香]
駃→ⒷⒸ駛
積→ⒶⒷⒸⒺ積[聚]
類→ⒶⒷⒸⒺ状
王 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
倍→Ⓓ億
常→ⒶⒷⒸⒺ嘗
食 Ⓓになし
怔忪→Ⓐ征彸→Ⓓ佂伀
悾→ⒶⒺ控
抵→ⒷⒸ牴
素→Ⓔ索
誰→ⒶⒷⒸⒺ垂
痟→Ⓓ省
遣→◎匱
億万倍→Ⓓ万億
億 ⒶⒷⒸⒹになし
天 ⒶⒷⒹⒺになし
銀樹 ◎Ⓓになし
中→ⒶⒷⒸⒺ中[復]
虎→ⒶⒸⒺ琥
転→Ⓓになし
車→ⒶⒷⒸ硨磲→Ⓔ硨璖
異 ◎Ⓓになし
自 Ⓓになし
重→Ⓐ種
也 ⒶⒷⒸⒺになし
腋→Ⓓ掖
堕→Ⓔ随
反→ⒶⒷⒸⒺ返
意→Ⓔ音
幡→ⒶⒷⒸⒹⒺ翻
央→Ⓓ殃
傍→Ⓓ旁
周帀→Ⓓ用所
然 Ⓓになし
華→ⒶⒷⒸⒺ華[悉]
華 ⒶⒷⒸⒺになし
各 Ⓓになし
重→Ⓒ利
机→ⒶⒷⒸⒺ几
中→ⒶⒷⒸⒺ[鉢]中
酢→ⒶⒷⒸ醋
馬瑙→ⒶⒷⒸⒺ碼碯
皆→ⒶⒷⒸⒺになし
時 Ⓓになし
飲→Ⓔ飯
摩→ⒷⒸ靡
開→Ⓓ聞
反→ⒶⒷⒸⒺ返
三→◎二
如→ⒶⒷⒸⒺ而
可復→ⒶⒷⒸⒹⒺ復可
経→ⒶⒷⒸⒺ経[典]
通 Ⓓになし
劫→Ⓓ切
揵→Ⓒ犍
揵→ⒶⒸ犍
也 Ⓔになし
渧→ⒶⒷⒸⒺ滴
衆善 ⒶⒷⒸⒺになし
異→Ⓓ暴
宝→Ⓓ実
懈→Ⓓ息
飯→ⒶⒷⒸⒹⒺ飲
大→Ⓓ太
悉自→ⒶⒷⒸⒹⒺ自悉
駛→◎Ⓓ使→ⒶⒷ駚
→◎Ⓓ蓋
千→Ⓓ十
丈 Ⓔ尺歟と左傍註記
県 Ⓔ懸歟と左傍註記
光 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
却→ⒷⒸⒺ劫
却→Ⓓ劫
央→ⒷⒸ欲
已→Ⓓ以
人→◎入
陀→ⒶⒷⒸⒺ陀[仏]
浩→ⒶⒷⒸⒹⒺ浩[皓皓]
誰当→Ⓒ無有
数 Ⓔになし(数歟と左傍註記)
准→ⒶⒷⒸⒺ惟→Ⓓ唯
量→ⒶⒷⒸⒹⒺ幅
斗→ⒹⒺ升
其→ⒶⒷⒸⒹⒺ見
不→ⒶⒷⒸⒺ亦
始→Ⓓ如
去 Ⓓになし
劫→ⒶⒷⒸ劫[劫]→Ⓔ劫[億](億に之歟と左傍註記)
億→Ⓓ仏
各→ⒶⒷⒸⒺ各[各]
億 Ⓓになし
劫 Ⓓになし Ⓔ之歟と左傍註記
異→ⒶⒷⒸⒺ異[仏]
多→ⒶⒷⒸⒺ甚
迢迢→Ⓓ苔苔
道→Ⓓ窮
仏→Ⓓ他
国→ⒶⒷⒹⒺ国[中]
余→ⒶⒷⒸⒹⒺ[其]余
有 Ⓓになし
当→ⒶⒷⒸⒺ当[也]
阿→Ⓒ[仏説]阿