称讃浄土仏摂受経

大唐三蔵法師玄奘奉詔訳

 

【1】 かくのごとくわれきたてまつりき。 ひととき*薄伽ばがぼん*ばつにありて、 *せいりんきっどくおんじゅうしたまひて、

↠是我聞マツリキ。一時薄伽梵在↢室羅筏↡、住タマヒテ↢誓多林給孤独園↡、

だい*苾芻びっしゅしゅせんひゃくじゅうにんともなりき。

与↢大苾芻衆千二百五十人↡倶ナリキ

一切いっさいみなこれそん宿しゅく*しょうもんにして、 しゅのぞるところのだい*阿羅あらかんなり。

一切皆是尊宿声聞ニシテ、衆↠識大阿羅漢ナリ

その尊者そんじゃ*しゃ利子りし*摩訶まかもく犍連けんれん*摩訶まかしょう*ないりつといひき。 かくのごときらのもろもろのだいしょうもんもつて*じょうしゅたり。

ヒキ↢尊者舎利子・摩訶目犍連・摩訶迦葉・阿泥律陀↡。如↠是大声聞モテ↢上首↡。

またりょう*さつ*摩訶まかさつともなりき。

復与↢無量菩薩摩訶薩↡倶ナリキ

一切いっさいみな*退転たいてんじゅうして、 りょうどくしゅしょうごんせられたり。

一切皆住↢不退転位↡、無量功徳衆レタリ↢荘厳↡。

その*みょうきっしょうさつのうしょうさつじょうしょうじんさつそくさつといひき。 かくのごときらのもろもろの*だいさつもつてじょうしゅたり。

ヒキ↢妙吉祥菩薩・无能勝菩薩・常精進菩薩・不休息菩薩↡。如↠是大菩薩モテ↢上首↡。

また*たいしゃく*だい梵天ぼんてんのうなる*堪忍かんにん界主かいしゅ*護世ごせおうあり。 かくのごときじょうしゅひゃくせん*てい*那庾なゆしゅなり。

復有↢帝釈・大梵天王ナル堪忍界主・護世四王↡。如↠是上首、百千倶胝那庾多数ナリ

もろもろのてんしゅおよびけんりょうてんにん*阿素あそらくとう聞法もんぼうのためのゆゑにともらいしてせり。

天子衆及世間無量天・人・阿素洛等、為↢聞法↡故来会セリ

【2】 そのときそんしゃげたまはく、 なんぢいまるやいなや。

時世尊告タマハク↢舎利子↡、汝今知

ここより西方さいほう、 このかいることひゃくせんてい那庾なゆぶつぎてぶつかいあり、 づけて*極楽ごくらくといふ。

↠是西方、去コト↢此世界↡過↢百千倶胝那庾多仏土↡有↢仏世界↡、名↢極楽↡。

そのなかのそん*りょう寿じゅおよび*りょうこう*如来にょらい*おう*しょう等覚とうがくづく。 *じゅうごう円満えんまんして、 いまげんにかしこにましまして*安隠あんのん*じゅうし、 もろもろの*じょうのために甚深じんじんみょうほう宣説せんぜつして、 しゅしょうやく安楽あんらくとをしめたまへり。

世尊↢無量寿及无量光・如来・応・正等覚↡。十号円満、今現シテ↠彼安隠住持、為↢諸有情↡宣↢説甚深微妙之法↡、令タマヘリ↠得↢殊勝利益安楽トヲ↡。

【3】 またしゃ、 なんのいんなんのえんありてか、 かのぶつかいづけて極楽ごくらくとなすや。 しゃ利子りし、 かのかいのうちのもろもろのじょうたぐい一切いっさい身心しんしん*憂苦うくあることなく、 ただりょう清浄しょうじょう*らくのみあるによりてなり。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

又舎利子、何因何アリテカ、彼世界スヤ↢極楽↡。舎利子、由テナリ↧彼有情類、無↠有コト↢一切身心憂苦↡、唯有↦无量清浄喜楽ノミ↥。是↢極楽世界↡。

【4】 またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつのなかには、 処々しょしょにみなしちじゅう行列ごうれつせるみょうほう*らんじゅんしちじゅう行列ごうれつせるほう*多羅たらじゅあり。 およびしちじゅうみょうほう*もうありて、 しゅうそう*にょうして、 ほうをもつてしょうごんせり。 金宝こんぽう銀宝ごんぽう*ばい琉璃るりほう*ていほうをもつてみょうじきけんせり。

多羅樹 多羅は梵語ターラ (tāla) の音訳。 棕櫚に似た樹。

又舎利子、極楽世界浄仏土ニハ、処処皆有↢七重行列妙宝欄楯、七重行列宝多羅樹↡。及↢七重妙宝羅網↡、周帀囲繞、四宝ヲモテ荘厳。金宝・銀宝・吠琉璃宝・頗胝迦宝ヲモテ妙飾間綺

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。

舎利子、彼仏土ニハ↢如↠是衆妙綺飾功徳荘厳↡、甚↢愛楽↡。

このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

↢極楽世界↡。

【5】 またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつのなかには、 処々しょしょにみなしちみょうほうありて、 *はっどくすいそのなかにまんせり。 なんらをかづけてはっどくすいとなすや。 ひとつには澄浄ちょうじょうふたつには清冷しょうりょうつにはかんつにはきょうなんいつつには潤沢にんたくつにはあんななつにはときかつとうりょうげんのぞき、 つにはみをはりてさだめてよく*諸根しょこん*だいじょうようし、 種々しゅじゅしゅしょう*善根ぜんごん増益ぞうやくす。 ふくしゅじょうつねにこのみて*受用じゅゆうす。 このもろもろのほうそこには金沙こんしゃけり。

又舎利子、極楽世界浄仏土ニハ、処処皆有↢七妙宝池↡、八功徳水弥↢満↡。何等ヲカスヤ↢八功徳水↡。一者澄浄、二者清冷、三者甘美、四者軽軟、五者潤沢、六者安和、七者飲時除↢飢渇等无量過患↡、八者飲長↢養諸根四大↡、増↢益種種殊勝善根↡。多福衆生常ミテ受用。是宝池ニハ↢金沙↡。

めんしゅうそうしてつの*階道かいどうあり。 ほうをもつてしょうごんせり。 はなはだあいぎょうすべし。 もろもろのいけしゅうそうしてみょうほうじゅあり。 間飾けんじき行列ごうれつしてこう芬馥ふんふくせり。 *七宝しっぽうしょうごんはなはだあいぎょうすべし。 七宝しっぽうといふは、 ひとつにはこんふたつにはごんつにはばい琉璃るりつにはていいつつにはしゃくしんじゅつには*湿しゅけい拉婆らばほうななつには*しゃけい拉婆らばほうなり。

四面周帀↢四階道↡。四宝ヲモテ荘厳。甚↢愛楽↡。諸周帀↢妙宝樹↡。間飾行列香気芬馥セリ。七宝荘厳甚↢愛楽↡。言↢七宝↡者、一ニハ金、二ニハ銀、三ニハ琉璃、四ニハ頗胝迦、五ニハ赤真珠、六ニハ阿湿摩掲拉婆宝、七ニハ牟娑落掲拉婆宝ナリ

このもろもろのいけのなかにはつねに種々しゅじゅ雑色ざっしき*れんあり、 はかるに車輪しゃりんのごとし。 青形しょうぎょうにはしょうけんしょうこうしょうようあり、 おうぎょうには黄顕おうけん黄光おうこう黄影おうようあり、 赤形しゃくぎょうにはしゃくけんしゃくこうしゃくようあり、 白形びゃくぎょうにはびゃくけんびゃくこうびゃくようあり、 ぎょうにはけんこうようあり。

ニハ↢種種雑色蓮華↡、量ルニ↢車輪↡。青形ニハ青顕・青光・青影アリ、黄形ニハ黄顕・黄光・黄影アリ、赤形ニハ赤顕・赤光・赤影アリ、白形ニハ白顕・白光・白影アリ、四形ニハ四顕・四光・四影アリ

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

舎利子、彼仏土ニハ↢如↠是衆妙綺飾功徳荘厳↡、甚↢愛楽↡。是↢極楽世界↡。

【6】 またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつのなかには、 ねんにつねにりょうへんしゅみょう*がくあり。 いんぎょく和雅わげにしてはなはだあいぎょうすべし。 もろもろのじょうたぐいこのみょうおんきて、 もろもろのあく*煩悩ぼんのうことごとくみなしょうめつし、 りょう善法ぜんぼうぜんぞうじょうして、 すみやかに*じょうしょうとうだいしょうす。

又舎利子、極楽世界浄仏土ニハ、自然↢無量无辺衆妙伎楽↡。音曲和雅ニシテ↢愛楽↡。諸有情類聞↢斯妙音↡、諸悪煩悩悉皆消滅、無量善法漸次増長、速↢無上正等菩提↡。

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

舎利子、彼仏土ニハ↢如↠是衆妙綺飾功徳荘厳↡、甚↢愛楽↡。是↢極楽世界↡。

【7】 またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつのなかにしゅうへんせるだいは、 真金しんこんをもつてごうじょうす。 それにるるににゅうなん香潔こうけつなり。 こうみょうりょうへんにしてみょうほう間飾けんじきす。

又舎利子、極楽世界浄仏土周遍大地、真金ヲモテ合成。其ルニ柔軟香潔ナリ。光明無量无辺ニシテ妙宝間飾

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

舎利子、彼仏土ニハ↢如↠是衆妙綺飾功徳荘厳↡、甚↢愛楽↡。是↢極楽世界↡。

【8】 またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつのなかには、 ちゅう*ろくに、 つねに種々しゅじゅ上妙じょうみょうてんあめふらす。 光沢こうたく香潔こうけつにして細軟さいなん雑色ざっしきなり。 ものをして身心しんしんちゃくえつならしむといへども、 しかもとんじゃくせず、 じょうりょうしゅ*不可ふか思議しぎしゅしょうどくぞうじょうす。 かのじょうたぐいちゅうろくに、 つねにちて*りょう寿じゅぶつようしたてまつる。

又舎利子、極楽世界浄仏土ニハ、昼夜六時、常ラス↢種種上妙天華↡。光沢香潔ニシテ細軟雑色ナリ。雖↠令↢見ヲシテ身心適悦ナラ↡、而不↢貪著↡、増↢長有情無量无数不可思議殊勝功徳↡。彼有情類、昼夜六時、常供↢養マツル無量寿仏↡。

*じんじょうときごとにこのてんちて、 一食いちじきのあひだにおいてびてほうりょうかいいたり、 ひゃくせんてい諸仏しょぶつようしたてまつり、 諸仏しょぶつみもとにおいておのおのひゃくせんていじゅはなをもつてさんようして、 本処ほんじょかえいたりて、 *てんじゅうとうあそぶ。

天住 昼間の休息のこと。

↢晨朝時↡持↢此天華↡、於↢一食↡飛↢他方無量世界↡、供↢養マツリ百千倶胝諸仏↡、於↢諸仏↡各↢百千倶胝↡持散供養、還↢至本処↡、遊↢天住等↡。

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

舎利子、彼仏土ニハ↢如↠是衆妙綺飾功徳荘厳↡、甚↢愛楽↡。是↢極楽世界↡。

【9】 またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつの中には、 つねに種々しゅじゅみょうあいすべき雑色ざっしきしゅちょうあり。 いはゆるがんしゅう鴻鶴こうかくじゃくおう*羯羅からびん*命命みょうみょうちょうらなり。 かくのごときのしゅちょうちゅうろくに、 つねにともにしゅうして、 和雅わげこえいだす。 そのるいおんしたがひてみょうほうせんようす。 いはゆる甚深じんじん*ねんじゅう*しょうだん*神足じんそく*根力こんりき*かく*どうとうりょうみょうほうなり。

又舎利子、極楽世界浄仏土ニハ、常↢種種奇妙↠愛雑色衆鳥↡。所謂鵝鴈・鶖鷺・鴻鶴・孔雀・鸚鵡・羯羅頻伽・命命鳥等ナリ。如キノ↠是衆鳥、昼夜六時、恒集会、出↢和雅↡。随↢其類音↡宣↢妙法↡。所謂甚深念住・正断・神足・根力・覚・道支等無量妙法ナリ

かのしゅじょうこのこえきをはりて、 おのおのぶつねんほうねんそうねんじ、 りょうどくてそのくんじゅす。

衆生聞↢是↡已、各↢念↠仏↠法↠僧、無量功徳↡熏↢修↡。

なんぢしゃこころにおいていかん。 かのしゅちょうは、 あにこれ*ぼうしょう*悪趣あくしゅしょうならんや。 このけんをなすことなかれ。 ゆゑはいかん。 かのぶつじょうには*さん悪道まくどうなし、 なほさん悪趣まくしゅすらあることをかず、 いかにいはんやじつ罪業ざいほうしょしょうぼうしょうしゅちょうあらんや。 まさにるべし、 みなこれりょう寿じゅぶつへんしょなりと。 それをしてりょう法音ほうおんせんちょうして、 もろもろのじょうやく安楽あんらくとをなさしむ。

汝舎利子、於↠意云何。彼衆鳥、豈是傍生悪趣ナラム耶。勿↠作コト↢是↡。所以者何。彼浄土ニハ↢三悪道↡、尚不↠聞↠有コトヲ↢三悪趣スラ↡、何ラムヤ↢実罪業所招傍生衆鳥↡。当↠知、皆是無量寿仏変化所作ナリト。令↧其ヲシテ宣↢暢無量法音↡、作↦諸有情利益安楽トヲ↥。

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

舎利子、彼仏土ニハ↢如↠是衆妙綺飾功徳荘厳↡、甚↢愛楽↡。是↢極楽世界↡。

【10】またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつのなかには、 つねにみょうふうありてもろもろの宝樹ほうじゅおよびほうもうくにみょうこえいだすこと、 たとへばひゃくせんてい天楽てんがくどうにともになしてみょうこえいだすがごとし、 はなはだ愛玩あいがんすべし。 かくのごとくかのにはつねにみょうふうありてもろもろの宝樹ほうじゅおよびほうもうき、 種々しゅじゅみょうおんじょういだして種々しゅじゅほうく。

又舍利子、極楽世界浄仏土ニハ、常↢妙風↡吹↢諸宝樹及宝羅網↡出コト↢微妙↡、譬↣百千倶胝天楽同時↢微妙↡、甚↢愛玩↡。如↠是ニハ↢妙風↡吹↢衆宝樹及宝羅網↡、撃↢出種種微妙音声↡説↢種種↡。

かのしゅじょうこのこえきをはりて、 *仏法ぶっぽうそうねん作意さいとうりょうどくおこす。

衆生聞↢是↡已、起↢仏法僧念・作意等無量功徳↡。

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

舍利子、彼仏土ニハ↢如↠是衆妙綺飾功徳荘厳↡、甚↢愛楽↡。是↢極楽世界↡。

【11】またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつのなかには、 かくのごときらのりょうへん不可ふか思議しぎにして、 はなはだ希有けうなるあり。 たとひひゃくせんてい那庾なゆ*こうてそのりょうひゃくせんてい那庾なゆしたをもつて、 一々いちいちしたうえりょうこえいだして、 そのどくさんずるもまたよくくすことあたはず。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

又舎利子、極楽世界浄仏土ニハ、有↢如↠是無量无辺不可思議ニシテ、甚希有ナル事↡。仮使↢於百千倶胝那庾多劫↡以↢其無量百千倶胝那庾多↡、一一↢無量↡、讃ルモ↢其功徳↡亦不↠能↠尽コト。是↢極楽世界↡。

【12】またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつのなかのぶつを、 なんのえんありてかりょう寿じゅづくる。

又舎利子、極楽世界浄仏土、有テカ↢何縁↡名クル↢無量寿↡。

しゃ、 かの如来にょらいおよびもろもろのじょうも、 寿じゅみょうりょうしゅ大劫だいこうなるによる。 このえんによるがゆゑに、 かの如来にょらいりょう寿じゅづけたてまつるなり。

舎利子、由↢彼如来及有情、寿命無量无数大劫ナルニ↡。由↢是↡故、彼如来マツルナリ↢無量寿↡。

しゃりょう寿じゅぶつ*のく多羅たらさんみゃくさんだいしょうとくしたまひてよりこのかたじゅう大劫だいこうたり。

舎利子、无量寿仏証↢得タマヒテヨリ阿耨多羅三藐三菩提↡已来↢十大劫↡。

しゃ、 なんにりてかかのぶつりょうこうづくる。

舎利子、何リテカクル↢無量光↡。

しゃ、 かの如来にょらいつねにりょうへんみょうこうはなちて、 あまねく一切いっさい十方じっぽうぶつらし、 *ぶつ施作せさしたまふにしょうあることなきによる。 このえんによるがゆゑに、 かの如来にょらいりょうこうづけたてまつるなり。

舎利子、由↧彼如来恒↢無量無辺妙光↡、遍↢一切十方仏土↡、施↢作タマフニ仏事↡無キニ↞有コト↢障↡。由↢是↡故、彼如来マツルナリ↢無量光↡。

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

舎利子、彼浄土ニハ成↢就キノ↠是功徳荘厳↡。甚↢愛楽↡。是↢極楽世界↡。

【13】またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつのなかのりょう寿じゅぶつには、 つねにりょうしょうもん弟子でしあり。 一切いっさいみなこれだい阿羅あらかんなり。 種々しゅじゅみょうどくそくせり。 そのりょうへんへんにしてげてかぞふべからず。

又舎利子、極楽世界浄仏土無量寿仏ニハ、常↢無量声聞弟子↡。一切皆是大阿羅漢ナリ。具↢足種種微妙功徳↡。其量無辺ニシテ不↠可アゲ↡。

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

舎利子、彼浄土ニハ成↢就キノ↠是功徳荘厳↡。甚↢愛楽↡。是↢極楽世界↡。

【14】またしゃ極楽ごくらくかいじょうぶつのなかのりょう寿じゅぶつには、 つねにりょうさつ弟子でしあり。 一切いっさいみなこれいっしょうしょにして、 種々しゅじゅみょうどくそくせり。 そのりょうへんにしてげてかぞふべからず。 たとひしゅりょうこうてそのどくめんに、 つひにくすことあたはず。

又舎利子、極楽世界浄仏土無量寿仏ニハ、常↢無量菩薩弟子↡。一切皆是一生所繋ニシテ、具↢足種種微妙功徳↡。其量無辺ニシテ不↠可↢称↡。仮使↢於無数量↡讃メムニ↢其功徳↡、終不↠能↠尽コト

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

舎利子、彼仏土ニハ成↢就キノ↠是功徳荘厳↡。甚↢愛楽↡。是↢極楽世界↡。

【15】またしゃ、 もしもろもろのじょうかのしょうぜば、 みな退転たいてんにしてかならずまたもろもろのけん悪趣あくしゅへんせん*蔑戻べつらいしゃのなかにせず。 つねに諸仏しょぶつ清浄しょうじょうこくあそびて、 しゅしょうぎょうがん念々ねんねん増進ぞうしんし、 けつじょうしてまさにのく多羅たらさんみゃくさんだいしょうすべし。

蔑戻車 梵語ムレッチャ (mleccha) の音訳。 異民族、 野蛮人のこと。

又舎利子、若有情生↢彼↡者、皆不退転ニシテ不↣復堕↢諸険悪趣・辺地・下賎・蔑戻車↡。常↢諸仏清浄国土↡、殊勝行願念念増進、決定↠証↢阿耨多羅三藐三菩提↡。

しゃ、 かのぶつのなかにはかくのごときらのしゅみょうじきどくしょうごんありて、 はなはだあいぎょうすべし。 このゆゑにづけて極楽ごくらくかいとなす。

舎利子、彼仏土ニハ成↢就キノ↠是功徳荘厳↡。甚↢愛楽↡。是↢極楽世界↡。

【16】またしゃ、 もしもろもろのじょうかの西方さいほうりょう寿じゅぶつ清浄しょうじょうぶつりょうどくしゅしょうごんせらるるをかば、 みなかのぶつしょうぜんと*発願ほつがんすべし。

又舎利子、若有情聞↢彼西方無量寿仏清浄仏土無量功徳衆ルルヲ↢荘厳↡、皆応↤発↣願ムト↢彼仏土↡。

ゆゑはいかん。 もしかのしょうぜば、 かくのごときのりょうどくしゅしょうごんせらるるもろもろの*だいらと同一どういつしゅうすることを

所以者何。若↢彼↡、得↩与↧如キノ↠是無量功徳衆ルル↢荘厳↡諸大士等↥同一集会コトヲ↨。

かくのごときのりょうどくしゅしょうごんせらるる清浄しょうじょうぶつ*だいじょう*法楽ほうらく受用じゅゆうして、 つねに退転たいてんすることなく、 りょうぎょうがん念々ねんねん増進ぞうしんして、 すみやかにじょうしょうとうだいしょうするがゆゑなり。 しゃ、 かのぶつしょうずるもろもろのじょうたぐいは、 りょうへんどくじょうじゅす。

受↧用キノ↠是無量功徳衆ルル↢荘厳↡清浄仏土大乗法楽↥、常↢退転コト↡、無量行願、念念増進、速ルガ↢無上正等菩提↡故ナリ。舎利子、生↢彼仏土↡諸有情、成↢就無量无辺功徳↡。

*しょう善根ぜんごんのもろもろのじょうたぐい、 まさにりょう寿じゅぶつ極楽ごくらくかい清浄しょうじょうぶつおうじょうすることをべきにあらざるなり。

ルナリ↢少善根有情類、当キニ↟得↣往↢生コトヲ無量寿仏極楽世界清浄仏土↡。

【17】またしゃ、 もしじょうしんのもろもろの善男ぜんなんあるいはぜん女人にょにんありて、 かくのごときのりょう寿じゅぶつりょうへん不可ふか思議しぎどく*みょうごう極楽ごくらくかいどくしょうごんくことをきをはりてゆいすること、 もしは一日いちにち、 あるいは、 あるいはさん、 あるいは、 あるいは、 あるいはろく、 あるいはしちおもいけてみだれざれば、

又舎利子、若↢浄信善男子或善女人↡、得↠聞コトヲ↢如キノ↠是無量寿仏无量無辺不可思議功徳名号、極楽世界功徳荘厳↡、聞思惟コト、若一日夜、或二、或三、或四、或五、或六、或七、繋↠念レバ↠乱

この善男ぜんなんあるいはぜん女人にょにん命終みょうじゅうときのぞみて、 りょう寿じゅぶつそのりょうしょうもん弟子でしさつしゅともに、 ぜんにょうせられ、 そのまえ来住らいおうして、 慈悲じひゆうし、 こころをしてみだれざらしむ。 すでにしゃみょうしをはりて、 ぶつしゅしたがひて、 りょう寿じゅ極楽ごくらくかい清浄しょうじょうぶつしょうずべし。

善男子或善女人臨↢命終↡、無量寿仏与↢其無量声聞弟子・菩薩衆↡倶、前後囲繞ラレ、来↢住↡、慈悲加祐、令↢心ヲシテ↟乱。既捨命、随↢仏衆会↡、生ズベシ↢無量寿極楽世界清浄仏土↡。

【19】またしゃ、 われかくのごときのやく安楽あんらくとのだい因縁いんねんて、 じょうたいく。 もしじょうしんのもろもろの善男ぜんなんあるいはぜん女人にょにんありて、 かくのごときのりょう寿じゅぶつ不可ふか思議しぎどくみょうごう極楽ごくらくかいじょうぶつくことをれば、 一切いっさいみな信受しんじゅしてがんおこせつのごとくしゅぎょうしてかのぶつしょうずべし。

又舎利子、我観↢如キノ↠是利益安楽トノ大事因縁↡、説↢誠諦↡。若↢浄信善男子或善女人↡、得レバ↠聞コトヲ↢如キノ↠是無量寿仏不可思議功徳名号、極楽世界浄仏土↡者、一切皆応↣信受↠願↠説修行↢彼仏土↡。

【20】またしゃ、 われいまりょう寿じゅぶつりょうへん不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうよう讃歎さんだんするがごとく、

又舎利子、如↤我今者 イマ 称↢讃↣歎ルガ无量寿仏無量無辺不可思議ナル仏土功徳↡、

かくのごとく東方とうほうにもまた現在げんざいしてどう如来にょらい山幢せんどう如来にょらい大山だいせん如来にょらい山光せんこう如来にょらいみょうどう如来にょらいまします。 かくのごときらのぶつきょうしゃのごとく東方とうほうぶつじょうじゅうざいして、 各々おのおの*こうじょう舌相ぜっそうげんし、 あまねく*三千さんぜん大千だいせんかいかいおおひ、 しゅうそうにょうせられ、 じょうたいごんきたまふ。 なんぢらじょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもん信受しんじゅすべしと。

↠是東方ニモ亦有↢現在不動如来・山幢如来・大山如来・山光如来・妙幢如来↡。如↠是仏如↢殑伽沙↡住↢在東方自仏浄土↡、各各示↢広長舌相↡、遍↢三千大千世界↡、周帀囲繞ラレ、説タマフ↢誠諦↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受キノ↠是称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【21】またしゃ、 かくのごとく南方なんぽうにもまた現在げんざいして日月にちがっこう如来にょらい名称みょうしょうこう如来にょらいだい光蘊こううん如来にょらいめいこう如来にょらいへんしょうじん如来にょらいまします。 かくのごときらのぶつきょうしゃのごとく南方なんぽうぶつじょうじゅうざいして、 各々おのおのこうじょう舌相ぜっそうげんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせんかいおおひ、 しゅうそうにょうせられ、 じょうたいごんきたまふ。 なんぢらじょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもん信受しんじゅすべしと。

又舎利子、如↠是南方ニモ亦有↢現在日月光如来・名称光如来・大光蘊如来・迷盧光如来・無辺精進如来↡。如↠是仏如↢殑伽沙↡住↢在南方自仏浄土↡、各各示↢現広長舌相↡、遍↢三千大千世界↡、周帀囲繞ラレ、説タマフ↢誠諦↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受キノ↠是称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【22】またしゃ、 かくのごとく西方さいほうにもまた現在げんざいしてりょう寿じゅ如来にょらいりょううん如来にょらいりょうこう如来にょらいりょうどう如来にょらいだいざい如来にょらい大光だいこう如来にょらい光焔こうえん如来にょらいだい宝幢ほうどう如来にょらい放光ほうこう如来にょらいまします。 かくのごときらのぶつきょうしゃのごとく西方さいほうぶつじょうじゅうざいして、 各々おのおのこうじょう舌相ぜっそうげんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせんかいおおひ、 しゅうそうにょうせられ、 じょうたいごんきたまふ。 なんぢらじょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもん信受しんじゅすべしと。

又舎利子、如↠是西方ニモ亦有↢現在無量寿如来・無量蘊如来・無量光如来・无量幢如来・大自在如来・大光如来・光焔如来・大宝幢如来・放光如来↡。如↠是仏如↢殑伽沙↡住↢在西方自仏浄土↡、各各示↢現広長舌相↡、遍↢三千大千世界↡、周帀囲繞ラレ、説タマフ↢誠諦↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受キノ↠是称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【23】またしゃ、 かくのごとく北方ほっぽうにもまた現在げんざいしてりょう光厳こうごん通達つうだつかく如来にょらいりょうてん震大しんだいみょうおん如来にょらい大蘊だいうん如来にょらい光網こうもう如来にょらいしゃ帝王たいおう如来にょらいまします。 かくのごときらのぶつきょうしゃのごとく北方ほっぽうぶつじょうじゅうざいして、 各々おのおのこうじょう舌相ぜっそうげんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせんかいおおひ、 しゅうそうにょうせられ、 じょうたいごんきたまふ。 なんぢらじょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもん信受しんじゅすべしと。

又舎利子、如↠是北方ニモ亦有↢現在无量光厳通達覚慧如来・無量天鼓震大妙音如来・大蘊如来・光網如来・娑羅帝王如来↡。如↠是仏如↢殑伽沙↡住↢在北方自仏浄土↡、各各示↢現広長舌相↡、遍↢三千大千世界↡、周帀囲繞ラレ、説タマフ↢誠諦↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受キノ↠是称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【24】またしゃ、 かくのごとくほうにもまた現在げんざいしてげん一切いっさいみょうほうしょうじょうほうおうしょうとくこうみょう如来にょらい師子しし如来にょらい名称みょうしょう如来にょらいこう如来にょらいしょうぼう如来にょらいみょうほう如来にょらい法幢ほうどう如来にょらいどく如来にょらいどくごう如来にょらいまします。 かくのごときらのぶつきょうしゃのごとくほうぶつじょうじゅうざいして、 各々おのおのこうじょう舌相ぜっそうげんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせんかいおおひ、 しゅうそうにょうせられ、 じょうたいごんきたまふ。 なんぢらじょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもん信受しんじゅすべしと。

又舎利子、如↠是下方ニモ亦有↢現在示現一切妙法正理常放火王勝徳光明如来・師子如来・名称如来・誉光如来・正法如来・妙法如来・法幢如来・功徳友如来・功徳号如来↡。如↠是仏如↢殑伽沙↡住↢在下方自仏浄土↡、各各示↢現広長舌相↡、遍↢三千大千世界↡、周帀囲繞ラレ、説タマフ↢誠諦↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受キノ↠是称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【25】またしゃ、 かくのごとくじょうほうにもまた現在げんざいして梵音ぼんのん如来にょらい宿しゅくおう如来にょらい香光こうこう如来にょらいにょれんしょうとく如来にょらいげん一切いっさい義利ぎり如来にょらいまします。 かくのごときらのぶつきょうしゃのごとくじょうほうぶつじょうじゅうざいして、 各々おのおのこうじょう舌相ぜっそうげんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせんかいおおひ、 しゅうそうにょうせられ、 じょうたいごんきたまふ。 なんぢらじょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもん信受しんじゅすべしと。

又舎利子、如↠是上方ニモ亦有↢現在梵音如来・宿王如来・香光如来・如紅蓮華勝徳如来・示現一切義利如来↡。如↠是仏如↢殑伽沙↡住↢在上方自仏浄土↡、各各示↢現広長舌相↡、遍↢三千大千世界↡、周帀囲繞ラレ、説タマフ↢誠諦↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受キノ↠是称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【26】またしゃ、 かくのごとく東南とうなんほうにもまた現在げんざいしてさいじょう広大こうだいうん雷音らいおんおう如来にょらいまします。 かくのごときらのぶつきょうしゃのごとく東南とうなんほうぶつじょうじゅうざいして、 各々おのおのこうじょう舌相ぜっそうげんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせんかいおおひ、 しゅうそうにょうせられ、 じょうたいごんきたまふ。 なんぢらじょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもん信受しんじゅすべしと。

又舎利子、如↠是東南方ニモ亦有↢現在最上広大雲雷音王如来↡。如↠是仏如↢殑伽沙↡住↢東南方自仏浄土↡、各各示↢現広長舌相↡、遍↢三千大千世界↡、周帀囲繞ラレ、説タマフ↢誠諦↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受キノ↠是称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【27】またしゃ、 かくのごとく西南せいなんほうにもまた現在げんざいしてさいじょう日光にっこう名称みょうしょうどく如来にょらいまします。 かくのごときらのぶつきょうしゃのごとく西南せいなんほうぶつじょうじゅうざいして、 各々おのおのこうじょう舌相ぜっそうげんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせんかいおおひ、 しゅうそうにょうせられ、 じょうたいごんきたまふ。 なんぢらじょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもん信受しんじゅすべしと。

又舎利子、如↠是西南方ニモ亦有↢現在最上日光名称功徳如来↡。如↠是仏如↢殑伽沙↡住↢西南方自仏浄土↡、各各示↢現広長舌相↡、遍↢三千大千世界↡、周帀囲繞ラレ、説タマフ↢誠諦↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受キノ↠是称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【28】またしゃ、 かくのごとく西北せいほくほうにもまた現在げんざいしてりょうどくおうこうみょう如来にょらいまします。 かくのごときらのぶつきょうしゃのごとく西北せいほくほうぶつじょうじゅうざいして、 各々おのおのこうじょう舌相ぜっそうげんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせんかいおおひ、 しゅうそうにょうせられ、 じょうたいごんきたまふ。 なんぢらじょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもん信受しんじゅすべしと。

又舎利子、如是西北方ニモ亦有↢現在無量功徳火王光明如来↡。如↠是仏如↢殑伽沙↡住↢西北方自仏浄土↡、各各示↢現広長舌相↡、遍↢三千大千世界↡、周帀囲繞ラレ、説タマフ↢誠諦↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受キノ↠是称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【29】またしゃ、 かくのごとく東北とうほくほうにもまた現在げんざいしてしゅひゃくせんていこう如来にょらいまします。 かくのごときらのぶつきょうしゃのごとく東北とうほくほうぶつじょうじゅうざいして、 各々おのおのこうじょう舌相ぜっそうげんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせんかいおおひ、 しゅうそうにょうせられ、 じょうたいごんきたまふ。 なんぢらじょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもん信受しんじゅすべしと。

又舎利子、如↠是東北方ニモ亦有↢現在無数百千倶胝広慧如来↡。如↠是仏如↢殑伽沙↡住↢東北方自仏浄土↡、各各示↢現広長舌相↡、遍↢三千大千世界↡、周帀囲繞ラレ、説タマフ↢誠諦↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受キノ↠是称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【30】またしゃ、 なにによりてこのきょうづけて不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもんとなすや。

又舎利子、何スヤ↧称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

しゃ、 このきょうのなかにりょう寿じゅぶつ極楽ごくらくかい不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうよう讃歎さんだんし、 および十方じっぽうめん諸仏しょぶつそん*方便ほうべんをもつてもろもろのじょうやく安楽あんらくならしめんとほっするがためのゆゑに、 おのおのほんじゅうし、 だい神変じんぺんげんじ、 じょうたいごんきて、 もろもろのじょうにこのほう信受しんじゅせんことをすすめたまふによる。

舎利子、由↫此称↢讃↣歎無量寿仏極楽世界不可思議ナル仏土功徳↡、及十方面諸仏世尊、為↠欲ルガ↤方便ヲモテ利↢益安↣楽ナラシメムト有情↡故、各↢本土↡、現↢大神変↡、説↢誠諦↡、勧タマフニ↪諸有情信↩受ムコトヲ↨。

このゆゑにこのきょうづけて不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうさんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつしょうじゅせらるる法門ほうもんとなす。

↧称↢讃タマフ不可思議ナル仏土功徳↡一切諸仏摂受ラルル法門↥。

【31】またしゃ、 もし善男ぜんなんあるいはぜん女人にょにん、 あるいはすでにくことを、 あるいはまさにくことを、 あるいはいまくことをん。 このきょうきをはりてふかしんしょうじ、 しんしょうじをはりて、 かならずかくのごとき十方じっぽうめんじゅうしたまへるじゅうきょうしゃ諸仏しょぶつそんしょうじゅしたまふところとなる。 せつのごとくぎょうぜんものは、 一切いっさいさだめてのく多羅たらさんみゃくさんだいより退転たいてんせざることを一切いっさいさだめてりょう寿じゅぶつ極楽ごくらくかい清浄しょうじょうぶつしょうぜん。 このゆゑにしゃ、 なんぢらじょう一切いっさいみなわれおよび十方じっぽうぶつそん信受しんじゅりょうすべし。 まさにつとめてしょうじんし、 せつのごとくしゅぎょうして、 りょしょうずることなかるべし。

又舎利子、若善男子或善女人、或得↠聞コトヲ、或得↠聞コトヲ、或今得↠聞コトヲ。聞↢是↡已↢信解↡、生↢信解↡已、必↧如↠是タマヘル↢十方面↡十殑伽沙諸仏世尊之所↦摂受タマフ↥。如↠説、一切定↢阿耨多羅三藐三菩提↡得↣不コトヲ↢退転↡、一切定↢無量寿仏極楽世界清浄仏土↡。是舎利子、汝等有情、一切皆応↤信↢受領↣解我及十方仏世尊↡。当↧勤精進、如↠説修行、勿↞生コト↢疑慮↡。

【32】またしゃもし善男ぜんなんあるいはぜん女人にょにんりょう寿じゅ極楽ごくらくかい清浄しょうじょうぶつどくしょうごんにおいて、 もしはすでに発願ほつがんし、 もしはまさに発願ほつがんし、 もしはいま発願ほつがんせんに、 かならずかくのごとき十方じっぽうめんじゅうしたまへるじゅうきょうしゃ諸仏しょぶつそんしょうじゅしたまふところとなる。 せつのごとくぎょうぜんものは、 一切いっさいさだめてのく多羅たらさんみゃくさんだいより退転たいてんせざることを一切いっさいさだめてりょう寿じゅぶつ極楽ごくらくかい清浄しょうじょうぶつしょうぜん。

又舎利子、若善男子或善女人於↢無量寿極楽世界清浄仏土功徳荘厳↡、若発願、若発願、若今発願ムニ、必↧如↠是タマヘル↢十方面↡十殑伽沙諸仏世尊之所↦摂受タマフ↥。如↠説、一切定↢阿耨多羅三藐三菩提↡得↠不コトヲ↢退転↡、一切定↢無量寿仏極楽世界清浄仏土↡。

このゆゑにしゃ、 もしじょうしんのもろもろの善男ぜんなんあるいはぜん女人にょにんあらば、 一切いっさいみなりょう寿じゅ極楽ごくらくかい清浄しょうじょうぶつにおいて、 ふかこころしんし、 発願ほつがんしておうじょうし、 放逸ほういつぎょうずることなかるべし。

舎利子、若↢浄信善男子或善女人↡、一切皆応↧於↢無量寿極楽世界清浄仏土↡、深信解、発願往生、勿↞行コト↢放逸↡。

【33】またしゃ、 われいまりょう寿じゅぶつ極楽ごくらくかい不可ふか思議しぎなるぶつどくしょうよう讃歎さんだんするがごとく、

又舎利子、如↤我今者称↢讃↣歎ルガ無量寿仏極楽世界不可思議ナル仏土功徳↡、

かの十方じっぽうめん諸仏しょぶつそんもまたわが不可ふか思議しぎへんどくしょうさんして、 みなこのごんをなしたまふ。 はなはだめずらしく希有けうなり。 しゃ寂静じゃくじょうしゃ法王ほうおう如来にょらいおうしょう等覚とうがく*明行みょうぎょう円満えんまん*善逝ぜんぜい*けん*じょう*じょう調じょう*天人てんにんぶつそん、 すなはちよくこの堪忍かんにんかいにおいて*じょくあくのいはゆるこうじょく・もろもろのじょうじょく・もろもろの煩悩ぼんのうじょくけんじょく命濁みょうじょくのなかにおいて、 のく多羅たらさんみゃくさんだいしょうとくし、 方便ほうべんをもつてもろもろのじょうやく安楽あんらくならしめんとほっするがためのゆゑに、 このけんごく難信なんしんほうきたまふと。

十方面諸仏世尊亦称↢讃不可思議無辺功徳↡、皆作タマフ↢是↡。甚メヅラシ希有ナリ。釈迦寂静・釈迦法王、如来・応・正等覚・明行・円満・善逝・世間解・無上・丈夫調御士・天人師・仏・世尊、乃↢是堪忍世界↡五濁悪時所謂劫濁・諸有情濁・諸煩悩濁・見濁・命濁↠中、証↢得阿耨多羅三藐三菩提↡、為↠欲ルガ↤方便ヲモテ利↢益安↣楽ナラシメムト有情↡故、説タマフト↢是世間極難信↡。

このゆゑにしゃ、 まさに知るべし、 われいまこの雑染ぞうぜん堪忍かんにんかいじょくあくにおいて、 のく多羅たらさんみゃくさんだいしょうとくし、 方便ほうべんをもつてもろもろのじょうやく安楽あんらくならしめんとほっするがためのゆゑに、このけんごく難信なんしんほうくこと、 はなはだ希有けう不可ふか思議しぎなりとなすと。

舎利子、当↠知、我今於↢此雑染堪忍世界五濁悪時↡、証↢得阿耨多羅三藐三菩提↡、為↠欲ルガ↤方便ヲモテ利↢益安↣楽ナラシメムト有情↡故、説コト↢是世間極難信↡、甚スト↢希有不可思議ナリト↡。

またしゃこの*雑染ぞうぜん堪忍かんにんかいじょくあくにおいて、 もしじょうしんのもろもろの善男ぜんなんあるいはぜん女人にょにんありて、 かくのごときの一切いっさいけんごく難信なんしんほうきたまふをきて、 よくしんしょうじ、 じゅ演説えんぜつして、 きょうのごとくしゅぎょうせば、 まさにるべし、 このひとははなはだ希有けうなりとなす。 りょうぶつみもとにして、 かつて善根ぜんごんう。 このひと命終みょうじゅうし、 さだめて西方さいほう極楽ごくらくかいしょうじ、 種々しゅじゅどくをもつてしょうごんせらるる清浄しょうじょうぶつだいじょう法楽ほうらく受用じゅゆうし、 にちろくに、 りょう寿じゅぶつ親近しんごんようして、 十方じっぽうりゃく諸仏しょぶつようして、 諸仏しょぶつみもとにおいてほう*じゅせらる。 ふくりょう円満えんまんすることをて、 すみやかにじょうしょうとうだいしょうせんと。

又舎利子、於↢此雑染堪忍世界五濁悪時↡、若↢浄信男子或善女人↡、聞↠説タマフヲ↢如キノ↠是一切世間極難信↡、能↢信解↡、受持演説、如↠教修行セバ、当↠知、是↢希有ナリト↡。無量ニシテ、曽↢善根↡。是人命終、定↢西方極楽世界↡、受↢用種種功徳ヲモテ荘厳ラルル清浄仏土大乗法楽↡、日夜六時、親↢近供↣養無量寿仏↡、遊↢歴十方↡供↢養諸仏↡、於↢諸仏↡聞↠法受記ラル。福・慧資糧、疾↢円満コトヲ↡、速ムト↢無上正等菩提↡。

とき薄伽ばがぼんこのきょうきをはりたまふに、 尊者そんじゃしゃとうのもろもろのだいしょうもんおよびもろもろのさつ摩訶まかさつしゅりょうてんにん阿素あそらくとう一切いっさい大衆だいしゅぶつ所説しょせつきて、 みなおおきにかんし、 信受しんじゅしてぎょうしたてまつりき。

薄伽梵説↢是↡已タマフニ、尊者舎利子大声聞及菩薩摩訶薩衆、無量天・人・阿素洛等一切大衆、聞↢仏所説↡、皆大歓喜、信受奉行マツリキ

 

称讃浄土仏摂受経

 

底本は◎高麗版(再雕本)¬大蔵経¼所収本、 Ⓐ高麗版(初雕本)¬大蔵経¼所収本、 Ⓑ金版¬大蔵経¼所収本、 Ⓒ宋版(思溪版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓓ元版(善寧寺版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓔ明版(万歴版)¬大蔵経¼所収本 と対校。
 ⒸⒺになし
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 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
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→ⒶⒷⒸⒹⒺ揚[諸仏]→Ⓑ楊諸仏
世界→ⒶⒷⒸⒹⒺ界中
 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
称讃 Ⓓになし