0385◎称讃浄土仏摂受経

*大唐三蔵法師玄奘奉詔訳

 

【1】 ◎かくのごとくわれ聞ききたてまつりき。 ひと時とき薄伽ばが梵ぼん室し羅ら筏ばつにありて、 誓せい多た林りん給きっ孤こ独どく園おんに住じゅうしたまひて、

◎○如ク↠是クノ我聞キタテマツリキ。一時薄伽梵在リテ↢室羅筏ニ↡、住シタマヒテ↢誓多林給孤独園ニ↡、

大だい苾芻びっしゅ衆しゅ千せん二に百ひゃく五ご十じゅう人にんと倶ともなりき。

○与↢大苾芻衆千二百五十人↡倶ナリキ。

一切いっさいみなこれ尊そん宿しゅくの声しょう聞もんにして、 衆しゅの望のぞみ識しるところの大だい阿羅あら漢かんなり。

○一切皆是尊宿ノ声聞ニシテ、衆ノ望ミ所ノ↠識ル大阿羅漢ナリ。

その名なを尊者そんじゃ*舎しゃ利子りし・*摩訶まか目もく犍連けんれん・*摩訶まか迦か葉しょう・*阿あ泥ない律りつ陀だといひき。 かくのごときらのもろもろの大だい声しょう聞もんもつて上じょう首しゅたり。

○其ノ名ヲ曰ヒキ↢尊者舎利子・摩訶目*犍連・摩訶迦葉・阿泥律陀ト↡。如キ↠是クノ等ノ諸ノ大声聞而モテ為リ↢上首↡。

また無む量りょうの菩ぼ薩さつ摩訶まか薩さつと倶ともなりき。

○復与↢無量ノ菩薩摩訶薩↡倶ナリキ。

一切いっさいみな不ふ退転たいてん位いに住じゅうして、 無む量りょうの功く徳どく衆しゅに荘しょう厳ごんせられたり。

●一切皆住シテ↢不退転位ニ↡、無量ノ功徳衆ニ所レタリ↢荘厳セ↡。

その名なを*妙みょう吉きっ祥しょう菩ぼ薩さつ・無む能のう勝しょう菩ぼ薩さつ・常じょう精しょう進じん菩ぼ薩さつ・不ふ休く息そく菩ぼ薩さつといひき。 かくのごときらのもろもろの大だい菩ぼ薩さつもつて上じょう首しゅたり。

○其ノ名ヲ曰ヒキ↢妙吉祥菩薩・无能勝菩薩・常精進菩薩・不休息菩薩ト↡。如キ↠是クノ等ノ諸ノ大菩薩而モテ為リ↢上首↡。

また帝たい釈しゃく・大だい梵天ぼんてん王のうなる堪忍かんにん界主かいしゅ・護世ごせ四し王おうあり。 かくのごとき上じょう首しゅ、 百ひゃく千せん倶く胝てい那庾なゆ多た数しゅなり。

○復有リ↢帝釈・大梵天王ナル堪忍界主・護世四王↡。如キ↠是クノ上首、百千倶胝那庾多数ナリ。

もろもろの天てん子し衆しゅおよび余よの世せ間けんの無む量りょうの天てん・人にん・阿素あそ洛らく等とう、 聞法もんぼうのためのゆゑに倶ともに来らい会えして坐ざせり。

●諸ノ天子衆及ビ余ノ世間ノ無量ノ天・人・阿素洛等、為ノ↢聞法ノ↡故ニ倶ニ来会シテ坐セリ。

【2】 その時とき世せ尊そん舎しゃ利り子しに告つげたまはく、 なんぢいま知しるやいなや。

○▼爾ノ時世尊告ゲタマハク↢舎利子ニ↡、汝今知ルヤ不ヤ。

▼ここより西方さいほう、 この世せ界かいを去さること百ひゃく千せん倶く胝てい那庾なゆ多たの仏ぶつ土どを過すぎて仏ぶつの世せ界かいあり、 名なづけて極楽ごくらくといふ。

○◆於リ↠是西方、去ルコト↢此ノ世界ヲ↡過ギテ↢百千倶胝那庾多ノ仏土ヲ↡有リ↢仏ノ世界↡、名ケテ曰フ↢極楽ト↡。

そのなかの世せ尊そんを無む量りょう寿じゅおよび無む量りょう光こう・如来にょらい・応おう・正しょう等覚とうがくと名なづく。 十じゅう号ごう円満えんまんして、 いま現げんにかしこにましまして安隠あんのんに住じゅう持じし、 もろもろの有う情じょうのために甚深じんじん微み妙みょうの法ほうを宣説せんぜつして、 殊しゅ勝しょうの利り益やくと安楽あんらくとを得えしめたまへり。

○◆其ノ中ノ世尊ヲ名ク↢無量寿及ビ无量光・如0386来・応・正等覚ト↡。十号円満シテ、今現ニ在シテ↠彼ニ安隠ニ住持シ、為ニ↢諸ノ有情ノ↡宣↢説シテ甚深微妙之法ヲ↡、令メタマヘリ↠得↢殊勝ノ利益ト安楽トヲ↡。

【3】 また舎しゃ利り子し、 なんの因いんなんの縁えんありてか、 かの仏ぶつの世せ界かいを名なづけて極楽ごくらくとなすや。 舎しゃ利子りし、 かの界かいのうちのもろもろの有う情じょうの類たぐい、 一切いっさい身心しんしんの憂苦うくあることなく、 ただ無む量りょう清浄しょうじょうの喜き楽らくのみあるによりてなり。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

○又舎利子、何ノ因何ノ縁アリテカ、彼ノ仏ノ世界ヲ名ケテ為スヤ↢極楽ト↡。舎利子、由リテナリ↧彼ノ界ノ中ノ諸ノ有情ノ類、無ク↠有ルコト↢一切身心ノ憂苦↡、唯有ルニ↦无量清浄ノ喜楽ノミ↥。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【4】 また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どのなかには、 処々しょしょにみな七しち重じゅうに行列ごうれつせる妙みょう宝ほう欄らん楯じゅん、 七しち重じゅうに行列ごうれつせる宝ほう*多羅たら樹じゅあり。 および七しち重じゅうの妙みょう宝ほう羅ら網もうありて、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうして、 四し宝ほうをもつて荘しょう厳ごんせり。 金宝こんぽう・銀宝ごんぽう・*吠ばい琉璃るり宝ほう・*頗は胝てい迦か宝ほうをもつて妙みょう飾じき間けん綺きせり。

○又舎利子、極楽世界浄仏土ノ中ニハ、処処ニ皆有リ↢七重ニ行列セル妙宝欄楯、七重ニ行列セル宝多羅樹↡。及ビ有リテ↢七重ノ妙宝羅網↡、周帀シ囲繞シテ、四宝ヲモテ荘厳セリ。金宝・銀宝・吠*琉璃宝・頗胝迦宝ヲモテ妙飾間綺セリ。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じきの功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。

●舎利子、彼ノ仏土ノ中ニハ有リテ↢如キ↠是クノ等ノ衆妙綺飾ノ功徳荘厳↡、甚ダ可シ↢愛楽ス↡。

このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

○是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【5】 また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どのなかには、 処々しょしょにみな七しち妙みょう宝ほう池ちありて、 八はっ功く徳どく水すいそのなかに弥み満まんせり。 ▼なんらをか名なづけて八はっ功く徳どく水すいとなすや。 一ひとつには澄浄ちょうじょう、 二ふたつには清冷しょうりょう、 三みつには甘かん美み、 四よつには軽きょう軟なん、 五いつつには潤沢にんたく、 六むつには安あん和わ、 七ななつには飲のむ時とき飢き渇かつ等とうの無む量りょうの過か患げんを除のぞき、 八やつには飲のみをはりてさだめてよく諸根しょこんの四し大だいを長じょう養ようし、 種々しゅじゅ殊しゅ勝しょうの善根ぜんごんを増益ぞうやくす。 多た福ふくの衆しゅ生じょうつねに楽このみて受用じゅゆうす。 このもろもろの宝ほう池ちの底そこには金沙こんしゃを布しけり。

○又舎利子、極楽世界浄仏土ノ中ニハ、処処ニ皆有リテ↢七妙宝池↡、八功徳水弥↢満セリ其ノ中ニ↡。何等ヲカ名ケテ為スヤ↢八功徳水ト↡。一ニ者澄浄、二ニ者清冷、三ニ者甘美、四ニ者軽軟、五ニ者潤沢、六ニ者安和、七ニ者飲ム時除キ↢飢渇等ノ无量ノ過患ヲ↡、八ニ者飲ミ已リテ定メテ能ク長↢養シ諸根ノ四大ヲ↡、増↢益ス種種殊勝ノ善根ヲ↡。多福ノ衆生常ニ楽ミテ受用ス。是ノ諸ノ宝池ノ底ニハ布ケリ↢金沙ヲ↡。

四し面めんに周しゅう帀そうして四よつの階道かいどうあり。 四し宝ほうをもつて荘しょう厳ごんせり。 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 もろもろの池いけを周しゅう帀そうして妙みょう宝ほう樹じゅあり。 間飾けんじき行列ごうれつして香こう気け芬馥ふんぷくせり。 七宝しっぽうの荘しょう厳ごんはなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 七宝しっぽうといふは、 一ひとつには金こん、 二ふたつには銀ごん、 三みつには吠ばい琉璃るり、 四よつには頗は胝てい迦か、 五いつつには赤しゃく真しん珠じゅ、 六むつには*阿あ湿しゅ摩ま掲けい拉婆らば宝ほう、 七ななつには*牟む娑しゃ落ら掲けい拉婆らば宝ほうなり。

○四面ニ周帀シテ有リ↢四ノ階道↡。四宝ヲモテ荘厳セリ。甚ダ可シ↢愛楽ス↡。諸ノ池0387ヲ周帀シテ有リ↢妙宝樹↡。間飾行列シテ香気芬馥セリ。七宝ノ荘厳甚ダ可シ↢愛楽ス↡。言フ↢七宝ト↡者、一ニハ金、二ニハ銀、三ニハ吠*琉璃、四ニハ頗胝迦、五ニハ赤真珠、六ニハ阿湿摩掲拉婆宝、七ニハ牟娑落掲拉婆宝ナリ。

このもろもろの池いけのなかにはつねに種々しゅじゅ雑色ざっしきの蓮れん華げあり、 量はかるに車輪しゃりんのごとし。 青形しょうぎょうには青しょう顕けん・青しょう光こう・青しょう影ようあり、 黄おう形ぎょうには黄顕おうけん・黄光おうこう・黄影おうようあり、 赤形しゃくぎょうには赤しゃく顕けん・赤しゃく光こう・赤しゃく影ようあり、 白形びゃくぎょうには白びゃく顕けん・白びゃく光こう・白びゃく影ようあり、 四し形ぎょうには四し顕けん・四し光こう・四し影ようあり。

○是ノ諸ノ池ノ中ニハ常ニ有リ↢種種雑色ノ蓮華↡、量ルニ如シ↢車輪ノ↡。青形ニハ青顕・青光・青影アリ、黄形ニハ黄顕・黄光・黄影アリ、赤形ニハ赤顕・赤光・赤影アリ、白形ニハ白顕・白光・白影アリ、四形ニハ四顕・四光・四影アリ。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じきの功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

○舎利子、彼ノ仏土ノ中ニハ有リテ↢如キ↠是クノ等ノ衆妙綺飾ノ功徳荘厳↡、甚ダ可シ↢愛楽ス↡。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【6】 また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どのなかには、 自じ然ねんにつねに無む量りょう無む辺へん衆しゅ妙みょうの伎ぎ楽がくあり。 音いん曲ぎょく和雅わげにしてはなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 もろもろの有う情じょうの類たぐいこの妙みょう音おんを聞ききて、 もろもろの悪あく煩悩ぼんのうことごとくみな消しょう滅めつし、 無む量りょうの善法ぜんぼう漸ぜん次じに増ぞう長じょうして、 すみやかに無む上じょう正しょう等とう菩ぼ提だいを証しょうす。

○又舎利子、極楽世界浄仏土ノ中ニハ、自然ニ常ニ有リ↢無量无辺衆妙ノ伎楽↡。音曲和雅ニシテ甚ダ可シ↢愛楽ス↡。諸ノ有情ノ類聞キテ↢斯ノ妙音ヲ↡、諸ノ悪煩悩悉ク皆消滅シ、無量ノ善法漸次ニ増長シテ、速ニ証ス↢無上正等菩提ヲ↡。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じき功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

●舎利子、彼ノ仏土ノ中ニハ有リテ↢如キ↠是クノ等ノ衆妙綺飾ノ功徳荘厳↡、甚ダ可シ↢愛楽ス↡。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【7】 また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どのなかに周しゅう遍へんせる大だい地じは、 真金しんこんをもつて合ごう成じょうす。 それに触ふるるに柔にゅう軟なん香潔こうけつなり。 光こう明みょう無む量りょう無む辺へんにして妙みょう宝ほう間飾けんじきす。

○又舎利子、極楽世界浄仏土ノ中ニ周遍セル大地ハ、真金ヲモテ合成ス。其ニ触ルルニ柔軟香潔ナリ。光明無量无辺ニシテ妙宝間飾ス。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じきの功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

●舎利子、彼ノ仏土ノ中ニハ有リテ↢如キ↠是クノ等ノ衆妙綺飾ノ功徳荘厳↡、甚ダ可シ↢愛楽ス↡。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【8】 また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どのなかには、 昼ちゅう夜や六ろく時じに、 つねに種々しゅじゅ上妙じょうみょうの天てん華げを雨あめふらす。 光沢こうたく香潔こうけつにして細軟さいなん雑色ざっしきなり。 見みる者ものをして身心しんしん適ちゃく悦えつならしむといへども、 しかも貪とん著じゃくせず、 有う情じょうの無む量りょう無む数しゅ不可ふか思議しぎ殊しゅ勝しょうの功く徳どくを増ぞう長じょうす。 かの有う情じょうの類たぐい、 昼ちゅう夜や六ろく時じに、 つねに持もちて無む量りょう寿じゅ仏ぶつを供く養ようしたてまつる。

○又舎利子、極楽世界浄仏土ノ中ニハ、昼夜六時ニ、常ニ雨ラス↢種種上妙ノ天華ヲ↡。光沢0388香潔ニシテ細軟雑色ナリ。雖モ↠令ムト↢見ル者ヲシテ身心適悦ナラ↡、而モ不↢貪著セ↡、増↢長ス有情ノ無量无数不可思議殊勝ノ功徳ヲ↡。彼ノ有情ノ類、昼夜六時ニ、常ニ持チテ供↢養シタテマツル無量寿仏ヲ↡。

*晨じん朝じょうの時ときごとにこの天てん華げを持もちて、 一食いちじきのあひだにおいて飛とびて他た方ほうの無む量りょう世せ界かいに至いたり、 百ひゃく千せん倶く胝ていの諸仏しょぶつを供く養ようしたてまつり、 諸仏しょぶつの所みもとにおいておのおの百ひゃく千せん倶く胝ていの樹じゅの花はなをもつて持じ散さんし供く養ようして、 本処ほんじょに還かえり至いたりて、 *天てん住じゅう等とうに遊あそぶ。

○毎ニ↢晨朝ノ時↡持チテ↢此ノ天華ヲ↡、於テ↢一食ノ頃ニ↡飛ビテ至リ↢他方ノ無量世界ニ↡、供↢養シタテマツリ百千倶胝ノ諸仏ヲ↡、於テ↢諸仏ノ所ニ↡各ノ以テ↢百千倶胝ノ樹ノ花ヲ↡持散シ供養シテ、還リ↢至リテ本処ニ↡、遊ブ↢天住等ニ↡。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じきの功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

○舎利子、彼ノ仏土ノ中ニハ有リテ↢如キ↠是クノ等ノ衆妙綺飾ノ功徳荘厳↡、甚ダ可シ↢愛楽ス↡。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【9】 また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どの中には、 つねに種々しゅじゅ奇き妙みょうの愛あいすべき雑色ざっしきの衆しゅ鳥ちょうあり。 いはゆる鵝が雁がん・鶖しゅう鷺ろ・鴻鶴こうかく・孔く雀じゃく・鸚おう鵡む・*羯羅から頻びん伽が・*命命みょうみょう鳥ちょうらなり。 かくのごときの衆しゅ鳥ちょう、 昼ちゅう夜や六ろく時じに、 つねにともに集しゅう会えして、 和雅わげの声こえを出いだす。 その類るい音おんに随したがひて妙みょう法ほうを宣せん楊ようす。 いはゆる甚深じんじんの念ねん住じゅう・正しょう断だん・神足じんそく・根力こんりき・覚かく・道どう支し等とうの無む量りょうの妙みょう法ほうなり。

○又舎利子、極楽世界浄仏土ノ中ニハ、常ニ有リ↢種種奇妙ノ可キ↠愛ス雑色ノ衆鳥↡。所謂ル鵝鴈・鶖鷺・鴻鶴・孔雀・鸚鵡・羯羅頻*伽・命命鳥等ナリ。如キノ↠是クノ衆鳥、昼夜六時ニ、恒ニ共ニ集会シテ、出ス↢和雅ノ声ヲ↡。随ヒテ↢其ノ類音ニ↡宣↢*楊ス妙法ヲ↡。所謂ル甚深ノ念住・正断・神足・根力・覚・道支等ノ無量ノ妙法ナリ。

かの土どの衆しゅ生じょうこの声こえを聞ききをはりて、 おのおの仏ぶつを念ねんじ法ほうを念ねんじ僧そうを念ねんじ、 無む量りょうの功く徳どくを得えてその身みに薫くん修じゅす。

○彼ノ土ノ衆生聞キ↢是ノ声ヲ↡已リテ、各ノ得テ↢念ジ↠仏ヲ念ジ↠法ヲ念ジ↠僧ヲ、無量ノ功徳ヲ↡熏↢修ス其ノ身ニ↡。

なんぢ舎しゃ利り子し、 意こころにおいていかん。 かの土どの衆しゅ鳥ちょうは、 あにこれ*傍ぼう生しょう悪趣あくしゅの摂しょうならんや。 この見けんをなすことなかれ。 ゆゑはいかん。 かの仏ぶつの浄じょう土どには三さん悪道まくどうなし、 なほ三さん悪趣まくしゅの名なすらあることを聞きかず、 いかにいはんや実じつの罪業ざいほう所しょ招しょうの傍ぼう生しょうの衆しゅ鳥ちょうあらんや。 まさに知しるべし、 みなこれ無む量りょう寿じゅ仏ぶつの変へん化げの所しょ作さなりと。 それをして無む量りょうの法音ほうおんを宣せん暢ちょうして、 もろもろの有う情じょうの利り益やくと安楽あんらくとをなさしむ。

○汝舎利子、於テ↠意ニ云何ン。彼ノ土ノ衆鳥ハ、豈ニ是傍生悪趣ノ摂ナラム耶。勿レ↠作スコト↢是ノ見ヲ↡。所以者何ン。彼ノ仏ノ浄土ニハ無シ↢三悪道↡、尚不↠聞カ↠有ルコトヲ↢三悪趣ノ名スラ↡、何ニ況ヤ有ラムヤ↢実ノ罪業所招ノ傍生ノ衆鳥↡。当ニシ↠知ル、皆是無量寿仏ノ変化ノ所作ナリト。令ム↧其ヲシテ宣↢暢シテ無量ノ法音ヲ↡、作サ↦諸ノ有情ノ利益ト安楽トヲ↥。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じきの功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

●舎利子、彼ノ仏0389土ノ中ニハ有リテ↢如キ↠是クノ等ノ衆妙綺飾ノ功徳荘厳↡、甚ダ可シ↢愛楽ス↡。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【10】また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どのなかには、 つねに妙みょう風ふうありてもろもろの宝樹ほうじゅおよび宝ほう羅ら網もうを吹ふくに微み妙みょうの音こえを出いだすこと、 たとへば百ひゃく千せん倶く胝ていの天楽てんがくの同どう時じにともになして微み妙みょうの声こえを出いだすがごとし、 はなはだ愛玩あいがんすべし。 かくのごとくかの土どにはつねに妙みょう風ふうありてもろもろの宝樹ほうじゅおよび宝ほう羅ら網もうを吹ふき、 種々しゅじゅ微み妙みょうの音おん声じょうを撃うち出いだして種々しゅじゅの法ほうを説とく。

○又舍利子、極楽世界浄仏土ノ中ニハ、常ニ有リテ↢妙風↡吹クニ↢諸ノ宝樹及ビ宝羅網ヲ↡出スコト↢微妙ノ音ヲ↡、譬ヘバ如シ↣百千倶胝ノ天楽ノ同時ニ倶ニ作シテ出スガ↢微妙ノ声ヲ↡、甚ダ可シ↢愛玩ス↡。如ク↠是クノ彼ノ土ニハ常ニ有リテ↢妙風↡吹キ↢衆ノ宝樹及ビ宝羅網ヲ↡、撃チ↢出シテ種種微妙ノ音声ヲ↡説ク↢種種ノ法ヲ↡。

かの土どの衆しゅ生じょうこの声こえを聞ききをはりて、 仏法ぶっぽう僧そうの念ねん・作意さい等とうの無む量りょうの功く徳どくを起おこす。

○彼ノ土ノ衆生聞キ↢是ノ声ヲ↡已リテ、起ス↢仏法僧ノ念・作意等ノ無量ノ功徳ヲ↡。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じきの功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

○舍利子、彼ノ仏土ノ中ニハ有リテ↢如キ↠是クノ等ノ衆妙綺飾ノ功徳荘厳↡、甚ダ可シ↢愛楽ス↡。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【11】また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どのなかには、 かくのごときらの無む量りょう無む辺へんの不可ふか思議しぎにして、 はなはだ希有けうなる事じあり。 ▼たとひ百ひゃく千せん倶く胝てい那庾なゆ多た劫こうを経へてその無む量りょう百ひゃく千せん倶く胝てい那庾なゆ多たの舌したをもつて、 一々いちいちの舌したの上うえに無む量りょうの声こえを出いだして、 その功く徳どくを讃さんずるもまたよく尽つくすことあたはず。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

●▲又舎利子、極楽世界浄仏土ノ中ニハ、有リ↢如キ↠是クノ等ノ無量无辺ノ不可思議ニシテ、甚ダ希有ナル事↡。▼仮使 タトヒ 経テ↢於百千倶胝那庾多劫ヲ↡以テ↢其ノ無量百千倶胝那庾多ノ舌ヲ↡、一一ノ舌ノ上ニ出シテ↢無量ノ声ヲ↡、讃ズルモ↢其ノ功徳ヲ↡亦不↠能ハ↠尽スコト。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【12】また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どのなかの仏ぶつを、 なんの縁えんありてか無む量りょう寿じゅと名なづくる。

○又舎利子、極楽世界浄仏土ノ中ノ仏ヲ、有リテカ↢何ノ縁↡名クル↢無量寿ト↡。

舎しゃ利り子し、 かの如来にょらいおよびもろもろの有う情じょうも、 寿じゅ命みょう無む量りょう無む数しゅ大劫だいこうなるによる。 この縁えんによるがゆゑに、 かの土どの如来にょらいを無む量りょう寿じゅと名なづけたてまつるなり。

○舎利子、由ル↢彼ノ如来及ビ諸ノ有情モ、寿命無量无数大劫ナルニ↡。由ルガ↢是ノ縁ニ↡故ニ、彼ノ土ノ如来ヲ名ケタテマツルナリ↢無量0390寿ト↡。

舎しゃ利り子し、 無む量りょう寿じゅ仏ぶつ阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを証しょう得とくしたまひてよりこのかた▼十じゅう大劫だいこうを経へたり。

○舎利子、无量寿仏証↢得シタマヒテヨリ阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡已来タ▲経タリ↢▼十大劫ヲ↡。

舎しゃ利り子し、 なんに縁よりてかかの仏ぶつを無む量りょう光こうと名なづくる。

○舎利子、何ニ縁リテカ彼ノ仏ヲ名クル↢無量光ト↡。

舎しゃ利り子し、 かの如来にょらいつねに無む量りょう無む辺へんの妙みょう光こうを放はなちて、 あまねく一切いっさい十方じっぽうの仏ぶつ土どを照てらし、 仏ぶつ事じを施作せさしたまふに障しょう礙げあることなきによる。 この縁えんによるがゆゑに、 かの土どの如来にょらいを無む量りょう光こうと名なづけたてまつるなり。

○舎利子、由ル↧彼ノ如来恒ニ放チテ↢無量無辺ノ妙光ヲ↡、遍ク照シ↢一切十方ノ仏土ヲ↡、施↢作シタマフニ仏事ヲ↡無キニ↞有ルコト↢障↡。由ルガ↢是ノ縁ニ↡故ニ、彼ノ土ノ如来ヲ名ケタテマツルナリ↢無量光ト↡。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じきの功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

●舎利子、彼ノ仏ノ浄土ニハ成↢就ス如キノ↠是クノ功徳荘厳ヲ↡。甚ダ可シ↢愛楽ス↡。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【13】また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どのなかの無む量りょう寿じゅ仏ぶつには、 つねに無む量りょうの声しょう聞もんの弟子でしあり。 一切いっさいみなこれ大だい阿羅あら漢かんなり。 種々しゅじゅ微み妙みょうの功く徳どくを具ぐ足そくせり。 その量りょう無む辺へんにして称あげて数かぞふべからず。

○又舎利子、極楽世界浄仏土ノ中ノ無量寿仏ニハ、常ニ有リ↢無量ノ声聞ノ弟子↡。一切皆是大阿羅漢ナリ。具↢足セリ種種微妙ノ功徳ヲ↡。其ノ量無辺ニシテ不↠可カラ↢称アゲテ数フ↡。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じきの功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

●舎利子、彼ノ仏ノ浄土ニハ成↢就ス如キノ↠是クノ功徳荘厳ヲ↡。甚ダ可シ↢愛楽ス↡。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【14】また舎しゃ利り子し、 極楽ごくらく世せ界かい浄じょう仏ぶつ土どのなかの無む量りょう寿じゅ仏ぶつには、 つねに無む量りょうの菩ぼ薩さつの弟子でしあり。 一切いっさいみなこれ一いっ生しょう所しょ繋けにして、 種々しゅじゅ微み妙みょうの功く徳どくを具ぐ足そくせり。 その量りょう無む辺へんにして称あげて数かぞふべからず。 たとひ無む数しゅ量りょうの劫こうを経へてその功く徳どくを讃ほめんに、 つひに尽つくすことあたはず。

○又舎利子、極楽世界浄仏土ノ中ノ無量寿仏ニハ、常ニ有リ↢無量ノ菩薩ノ弟子↡。一切皆是一生所繋ニシテ、具↢足セリ種種微妙ノ功徳ヲ↡。其ノ量無辺ニシテ不↠可カラ↢称アゲテ数フ↡。仮使 タトヒ 経テ↢於無数量ノ劫ヲ↡讃メムニ↢其ノ功徳ヲ↡、終ニ不↠能ハ↠尽スコト。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じきの功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

○舎利子、彼ノ仏土ノ中ニハ成↢就ス如キノ↠是クノ功徳荘厳ヲ↡。甚ダ可シ↢愛楽ス↡。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【15】また舎しゃ利り子し、 もしもろもろの有う情じょうかの土どに生しょうぜば、 みな不ふ退転たいてんにしてかならずまたもろもろの険けん悪趣あくしゅ・辺へん地じ・下げ賎せん・*蔑戻べつらい車しゃのなかに堕だせず。 つねに諸仏しょぶつの清浄しょうじょう国こく土どに遊あそびて、 殊しゅ勝しょうの行ぎょう願がん念々ねんねんに増進ぞうしんし、 決けつ定じょうしてまさに阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを証しょうすべし。

○又舎利子、若シ諸ノ有情生ゼバ↢彼ノ土ニ↡者、皆不退転ニシテ必ズ不↣復堕セ↢諸ノ険悪趣・辺地・下賎・蔑戻車ノ中ニ↡。常ニ遊ビテ↢諸仏ノ清浄国土ニ↡、殊勝ノ行願念念ニ増進シ、決定シテ当0391ニシ↠証ス↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どのなかにはかくのごときらの衆しゅ妙みょう綺き飾じきの功く徳どく荘しょう厳ごんありて、 はなはだ愛あい楽ぎょうすべし。 このゆゑに名なづけて極楽ごくらく世せ界かいとなす。

●舎利子、彼ノ仏土ノ中ニハ成↢就ス如キノ↠是クノ功徳荘厳ヲ↡。甚ダ可シ↢愛楽ス↡。是ノ故ニ名ケテ為ス↢極楽世界ト↡。

【16】また舎しゃ利り子し、 もしもろもろの有う情じょうかの西方さいほう無む量りょう寿じゅ仏ぶつの清浄しょうじょう仏ぶつ土どの無む量りょうの功く徳どく衆しゅに荘しょう厳ごんせらるるを聞きかば、 みなかの仏ぶつ土どに生しょうぜんと発願ほつがんすべし。

○又舎利子、若シ諸ノ有情聞カバ↢彼ノ西方無量寿仏ノ清浄仏土ノ無量ノ功徳衆ニ所ルルヲ↢荘厳セ↡、皆応シ↤発↣願ス生ゼムト↢彼ノ仏土ニ↡。

ゆゑはいかん。 もしかの土どに生しょうぜば、 かくのごときの無む量りょうの功く徳どく衆しゅに荘しょう厳ごんせらるるもろもろの大だい士じらと同一どういつに集しゅう会えすることを得う。

○所以者何ン。若シ生ゼバ↢彼ノ土ニ↡、得↩与↧如キノ↠是クノ無量ノ功徳衆ニ所ルル↢荘厳セ↡諸ノ大士等↥同一ニ集会スルコトヲ↨。

かくのごときの無む量りょうの功く徳どく衆しゅに荘しょう厳ごんせらるる清浄しょうじょう仏ぶつ土どの大だい乗じょうの法楽ほうらくを受用じゅゆうして、 つねに退転たいてんすることなく、 無む量りょうの行ぎょう願がん、 念々ねんねんに増進ぞうしんして、 すみやかに無む上じょう正しょう等とう菩ぼ提だいを証しょうするがゆゑなり。 舎しゃ利り子し、 かの仏ぶつ土どに生しょうずるもろもろの有う情じょうの類たぐいは、 無む量りょう無む辺へんの功く徳どくを成じょう就じゅす。

●受↧用シテ如キノ↠是クノ無量ノ功徳衆ニ所ルル↢荘厳セ↡清浄仏土ノ大乗ノ法楽ヲ↥、常ニ無ク↢退転スルコト↡、無量ノ行願、念念ニ増進シテ、速ニ証スルガ↢無上正等菩提ヲ↡故ナリ。舎利子、▲生ズル↢彼ノ仏土ニ↡諸ノ有情ノ類ハ、成↢就ス無量无辺ノ功徳ヲ↡。

少しょう善根ぜんごんのもろもろの有う情じょうの類たぐい、 まさに無む量りょう寿じゅ仏ぶつの極楽ごくらく世せ界かい清浄しょうじょう仏ぶつ土どに往おう生じょうすることを得うべきにあらざるなり。

○非ザルナリ↢少善根ノ諸ノ有情ノ類、当ニキニ↟得↣往↢生スルコトヲ無量寿仏ノ極楽世界清浄仏土ニ↡。

【17】また舎しゃ利り子し、 もし浄じょう信しんのもろもろの善男ぜんなん子しあるいは善ぜん女人にょにんありて、 かくのごときの無む量りょう寿じゅ仏ぶつの無む量りょう無む辺へん不可ふか思議しぎの功く徳どくの名みょう号ごう、 極楽ごくらく世せ界かいの功く徳どく荘しょう厳ごんを聞きくことを得え、 聞ききをはりて思し惟ゆいすること、 もしは一日いちにち夜や、 あるいは二に、 あるいは三さん、 あるいは四し、 あるいは五ご、 あるいは六ろく、 あるいは七しち、 念おもいを繋かけて乱みだれざれば、

○又舎利子、若シ有リテ↢浄信ノ諸ノ善男子或イハ善女人↡、得↠聞クコトヲ↢如キノ↠是クノ無量寿仏ノ无量無辺不可思議ノ功徳ノ名号、極楽世界ノ功徳荘厳ヲ↡、聞キ已リテ思惟スルコト△、若ハ一日夜、或イハ二、或イハ三、或イハ四、或イハ五、或イハ六、或イハ七、繋ケテ↠念ヲ不レバ↠乱レ、

この善男ぜんなん子しあるいは善ぜん女人にょにん命終みょうじゅうの時ときに臨のぞみて、 無む量りょう寿じゅ仏ぶつその無む量りょうの声しょう聞もんの弟子でし・菩ぼ薩さつ衆しゅと倶ともに、 前ぜん後ごに囲い繞にょうせられ、 その前まえに来らい住じゅうして、 ▼慈悲じひ加か祐ゆうし、 心こころをして乱みだれざらしむ。 すでに捨しゃ命みょうしをはりて、 仏ぶつの衆しゅ会えに随したがひて、 無む量りょう寿じゅの極楽ごくらく世せ界かい清浄しょうじょう仏ぶつ土どに生しょうずべし。

○是ノ善男子或イハ善女人▼臨ミテ↢命終ノ時ニ↡、無量寿仏与↢其ノ無量ノ声聞ノ弟子・菩薩衆↡倶ニ、前後ニ囲繞セラレ、来↢住シテ其ノ前ニ↡、慈悲加祐シ、令ム↢心ヲシテ不ラ↟乱レ。既ニ捨命シ已リテ、随ミテ↢仏ノ衆会ニ↡、生ズベシ↢無量寿ノ極楽世界清浄仏土ニ↡。

【18】▼また舎しゃ利り子し、 われかくのごときの利り益やくと安楽あんらくとの大だい事じ因縁いんねんを観みて、 誠じょう諦たいの語ごを説とく。 もし浄じょう信しんのもろもろの善男ぜんなん子しあるいは善ぜん女人にょにんありて、 かくのごときの無む量りょう寿じゅ仏ぶつの不可ふか思議しぎ功く徳どくの名みょう号ごう、 極楽ごくらく世せ界かいの浄じょう仏ぶつ土どを聞きくことを得うれば、 一切いっさいみな信受しんじゅして願がんを発おこし説せつのごとく修しゅ行ぎょうしてかの仏ぶつ土どに生しょうずべし。

○▼又0392舎利子、我観テ↢如キノ↠是クノ利益ト安楽トノ大事因縁ヲ↡、説ク↢誠諦ノ語ヲ↡。若シ有リテ↢浄信ノ諸ノ善男子或イハ善女人↡、得レバ↠聞クコトヲ↢如キノ↠是クノ無量寿仏ノ不可思議功徳ノ名号、極楽世界ノ浄仏土ヲ↡者、一切皆応シ↣信受シテ発シ↠願ヲ如ク↠説ノ修行シテ生ズ↢彼ノ仏土ニ↡。

【19】また舎しゃ利り子し、 われいま無む量りょう寿じゅ仏ぶつの無む量りょう無む辺へん不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう楊ようし讃歎さんだんするがごとく、

○又舎利子、如ク↤我今者 イマ 称↢*楊シ讃↣歎スルガ无量寿仏ノ無量無辺不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡、

かくのごとく東方とうほうにもまた現在げんざいして不ふ動どう如来にょらい・山幢せんどう如来にょらい・大山だいせん如来にょらい・山光せんこう如来にょらい・妙みょう幢どう如来にょらいまします。 かくのごときらの仏ぶつ、 殑きょう伽か沙しゃのごとく東方とうほう自じ仏ぶつの浄じょう土どに住じゅう在ざいして、 各々おのおの広こう長じょうの舌相ぜっそうを示じ現げんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせん世せ界かい世せ界かいを覆おおひ、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうせられ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときたまふ。 なんぢら有う情じょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんを信受しんじゅすべしと。

○如ク↠是クノ東方ニモ亦有ス↢現在シテ不動如来・山幢如来・大山如来・山光如来・妙幢如来↡。如キ↠是クノ等ノ仏如ク↢殑伽沙ノ↡住↢在シテ東方自仏ノ浄土ニ↡、各各ニ示↢*現シ広長ノ舌相ヲ↡、遍ク覆ヒ↢三千大千世界ヲ↡、周帀シ囲繞セラレ、説キタマフ↢誠諦ノ言ヲ↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受ス如キノ↠是クノ称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ヲ↥。

【20】また舎しゃ利り子し、 かくのごとく南方なんぽうにもまた現在げんざいして日月にちがっ光こう如来にょらい・名称みょうしょう光こう如来にょらい・大だい光蘊こううん如来にょらい・迷めい盧る光こう如来にょらい・無む辺へん精しょう進じん如来にょらいまします。 かくのごときらの仏ぶつ、 殑きょう伽か沙しゃのごとく南方なんぽう自じ仏ぶつの浄じょう土どに住じゅう在ざいして、 各々おのおの広こう長じょうの舌相ぜっそうを示じ現げんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせん世せ界かいを覆おおひ、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうせられ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときたまふ。 なんぢら有う情じょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんを信受しんじゅすべしと。

○又舎利子、如ク↠是クノ南方ニモ亦有ス↢現在シテ日月光如来・名称光如来・大光蘊如来・迷盧光如来・無辺精進如来↡。如キ↠是クノ等ノ仏如ク↢殑伽沙ノ↡住↢在シテ南方自仏ノ浄土ニ↡、各各ニ示↢現シ広長ノ舌相ヲ↡、遍ク覆ヒ↢三千大千世界ヲ↡、周帀シ囲繞セラレ、説キタマフ↢誠諦ノ言ヲ↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受ス如キノ↠是クノ称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ヲ↥。

【21】また舎しゃ利り子し、 かくのごとく西方さいほうにもまた現在げんざいして無む量りょう寿じゅ如来にょらい・無む量りょう蘊うん如来にょらい・無む量りょう光こう如来にょらい・無む量りょう幢どう如来にょらい・大だい自じ在ざい如来にょらい・大光だいこう如来にょらい・光焔こうえん如来にょらい・大だい宝幢ほうどう如来にょらい・放光ほうこう如来にょらいまします。 かくのごときらの仏ぶつ、 殑きょう伽か沙しゃのごとく西方さいほう自じ仏ぶつの浄じょう土どに住じゅう在ざいして、 各々おのおの広こう長じょうの舌相ぜっそうを示じ現げんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせん世せ界かいを覆おおひ、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうせられ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときたまふ。 なんぢら有う情じょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんを信受しんじゅすべしと。

○又舎利子、如ク↠是クノ西方ニモ*亦有ス↢現在シテ無量寿如来・無量蘊如来・無量光如0393来・无量幢如来・大自在如来・大光如来・光焔如来・大宝幢如来・放光如来↡。如キ↠是クノ等ノ仏如ク↢殑伽沙ノ↡住↢在シテ西方自仏ノ浄土ニ↡、各各ニ示↢現シ広長ノ舌相ヲ↡、遍ク覆ヒ↢三千大千世界ヲ↡、周帀シ囲繞セラレ、説キタマフ↢誠諦ノ言ヲ↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受ス如キノ↠是クノ称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ヲ↥。

【22】また舎しゃ利り子し、 かくのごとく北方ほっぽうにもまた現在げんざいして無む量りょう光厳こうごん通達つうだつ覚かく慧え如来にょらい・無む量りょう天てん鼓く震大しんだい妙みょう音おん如来にょらい・大蘊だいうん如来にょらい・光網こうもう如来にょらい・娑しゃ羅ら帝王たいおう如来にょらいまします。 かくのごときらの仏ぶつ、 殑きょう伽か沙しゃのごとく北方ほっぽう自じ仏ぶつの浄じょう土どに住じゅう在ざいして、 各々おのおの広こう長じょうの舌相ぜっそうを示じ現げんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせん世せ界かいを覆おおひ、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうせられ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときたまふ。 なんぢら有う情じょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんを信受しんじゅすべしと。

○又舎利子、如ク↠是クノ北方ニモ亦有ス↢現在シテ无量光厳通達覚慧如来・無量天鼓*震大妙音如来・大蘊如来・光網如来・娑羅帝王如来↡。如キ↠是クノ等ノ仏如ク↢殑伽沙ノ↡住↢在シテ北方自仏ノ浄土ニ↡、各各ニ示↢現シ広長ノ舌相ヲ↡、遍ク覆ヒ↢三千大千世界ヲ↡、周帀シ囲繞セラレ、説キタマフ↢誠諦ノ言ヲ↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受ス如キノ↠是クノ称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ヲ↥。

【23】また舎しゃ利り子し、 かくのごとく下げ方ほうにもまた現在げんざいして示じ現げん一切いっさい妙みょう法ほう正しょう理り常じょう放ほう火か王おう勝しょう徳とく光こう明みょう如来にょらい・師子しし如来にょらい・名称みょうしょう如来にょらい・誉よ光こう如来にょらい・正しょう法ぼう如来にょらい・妙みょう法ほう如来にょらい・法幢ほうどう如来にょらい・功く徳どく友う如来にょらい・功く徳どく号ごう如来にょらいまします。 かくのごときらの仏ぶつ、 殑きょう伽か沙しゃのごとく下げ方ほう自じ仏ぶつの浄じょう土どに住じゅう在ざいして、 各々おのおの広こう長じょうの舌相ぜっそうを示じ現げんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせん世せ界かいを覆おおひ、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうせられ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときたまふ。 なんぢら有う情じょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんを信受しんじゅすべしと。

○又舎利子、如ク↠是クノ下方ニモ亦有ス↢現在シテ示現一切妙法正理常放火王勝徳光明如来・師子如来・名称如来・誉光如来・正法如来・妙法如来・法幢如来・功徳友如来・功徳号如来↡。如キ↠是クノ等ノ仏如ク↢殑伽沙ノ↡住↢在シテ下方自仏ノ浄土ニ↡、各各ニ示↢現シ広長ノ舌相ヲ↡、遍ク覆ヒ↢三千大千世界ヲ↡、周帀シ囲繞セラレ、説キタマフ↢誠諦ノ言ヲ↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受ス如キノ↠是クノ称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切0394諸仏ノ摂受セラルル法門ヲ↥。

【24】また舎しゃ利り子し、 かくのごとく上じょう方ほうにもまた現在げんざいして梵音ぼんのん如来にょらい・宿しゅく王おう如来にょらい・香光こうこう如来にょらい・如にょ紅ぐ蓮れん華げ勝しょう徳とく如来にょらい・示じ現げん一切いっさい義利ぎり如来にょらいまします。 かくのごときらの仏ぶつ、 殑きょう伽か沙しゃのごとく上じょう方ほう自じ仏ぶつの浄じょう土どに住じゅう在ざいして、 各々おのおの広こう長じょうの舌相ぜっそうを示じ現げんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせん世せ界かいを覆おおひ、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうせられ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときたまふ。 なんぢら有う情じょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんを信受しんじゅすべしと。

○又舎利子、如ク↠是クノ上方ニモ亦有ス↢現在シテ梵音如来・宿王如来・香光如来・如紅蓮華勝徳如来・示現一切義利如来↡。如キ↠是クノ等ノ仏如ク↢殑伽沙ノ↡住↢在シテ上方自仏ノ浄土ニ↡、各各ニ示↢現シ広長ノ舌相ヲ↡、遍ク覆ヒ↢三千大千世界ヲ↡、周帀シ囲繞セラレ、説キタマフ↢誠諦ノ言ヲ↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受ス如キノ↠是クノ称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ヲ↥。

【25】また舎しゃ利り子し、 かくのごとく東南とうなん方ほうにもまた現在げんざいして最さい上じょう広大こうだい雲うん雷音らいおん王おう如来にょらいまします。 かくのごときらの仏ぶつ、 殑きょう伽か沙しゃのごとく東南とうなん方ほう自じ仏ぶつの浄じょう土どに住じゅう在ざいして、 各々おのおの広こう長じょうの舌相ぜっそうを示じ現げんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせん世せ界かいを覆おおひ、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうせられ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときたまふ。 なんぢら有う情じょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんを信受しんじゅすべしと。

●又舎利子、如ク↠是クノ東南方ニモ亦有ス↢現在シテ最上広大雲雷音王如来↡。如キ↠是クノ等ノ仏如↢殑伽沙↡住↢東南方自仏ノ浄土ニ↡、各各ニ示↢現シ広長ノ舌相ヲ↡、遍ク覆ヒ↢三千大千世界ヲ↡、周帀シ囲繞セラレ、説キタマフ↢誠諦ノ言ヲ↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受ス如キノ↠是クノ称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ヲ↥。

【26】また舎しゃ利り子し、 かくのごとく西南せいなん方ほうにもまた現在げんざいして最さい上じょう日光にっこう名称みょうしょう功く徳どく如来にょらいまします。 かくのごときらの仏ぶつ、 殑きょう伽か沙しゃのごとく西南せいなん方ほう自じ仏ぶつの浄じょう土どに住じゅう在ざいして、 各々おのおの広こう長じょうの舌相ぜっそうを示じ現げんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせん世せ界かいを覆おおひ、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうせられ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときたまふ。 なんぢら有う情じょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんを信受しんじゅすべしと。

●又舎利子、如ク↠是クノ西南方ニモ亦有ス↢現在シテ最上日光名称功徳如来↡。如キ↠是クノ等ノ仏如↢殑伽沙↡住↢西南方自仏ノ浄土ニ↡、各各ニ示↢現シ広長ノ舌相ヲ↡、遍ク覆ヒ↢三千大千世界ヲ↡、周帀シ囲繞セラレ、説キタマフ↢誠諦ノ言ヲ↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受ス如キノ↠是クノ称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ヲ↥。

【27】また舎しゃ利り子し、 かくのごとく西北せいほく方ほうにもまた現在げんざいして無む量りょう功く徳どく火か王おう光こう明みょう如来にょらいまします。 かくのごときらの仏ぶつ、 殑きょう伽か沙しゃのごとく西北せいほく方ほう自じ仏ぶつの浄じょう土どに住じゅう在ざいして、 各々おのおの広こう長じょうの舌相ぜっそうを示じ現げんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせん世せ界かいを覆おおひ、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうせられ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときたまふ。 なんぢら有う情じょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんを信受しんじゅすべしと。

●又0395舎利子、如是西北方ニモ亦有ス↢現在シテ無量功徳火王光明如来↡。如キ↠是クノ等ノ仏如↢殑伽沙↡住↢西北方自仏ノ浄土ニ↡、各各ニ示↢現シ広長ノ舌相ヲ↡、遍ク覆ヒ↢三千大千世界ヲ↡、周帀シ囲繞セラレ、説キタマフ↢誠諦ノ言ヲ↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受ス如キノ↠是クノ称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ヲ↥。

【28】また舎しゃ利り子し、 かくのごとく東北とうほく方ほうにもまた現在げんざいして無む数しゅ百ひゃく千せん倶く胝てい広こう慧え如来にょらいまします。 かくのごときらの仏ぶつ、 殑きょう伽か沙しゃのごとく東北とうほく方ほう自じ仏ぶつの浄じょう土どに住じゅう在ざいして、 各々おのおの広こう長じょうの舌相ぜっそうを示じ現げんし、 あまねく三千さんぜん大千だいせん世せ界かいを覆おおひ、 周しゅう帀そうし囲い繞にょうせられ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときたまふ。 なんぢら有う情じょう、 みなかくのごときの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんを信受しんじゅすべしと。

●又舎利子、如↠是東北方ニモ亦有ス↢現在シテ無数百千倶胝広慧如来↡。如キ↠是クノ等ノ仏如↢殑伽沙↡住↢東北方自仏ノ浄土ニ↡、各各ニ示↢現シ広長ノ舌相ヲ↡、遍ク覆ヒ↢三千大千世界ヲ↡、周帀シ囲繞セラレ、説キタマフ↢誠諦ノ言ヲ↡。汝等有情、皆応シト↧信↦受ス如キノ↠是クノ称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ヲ↥。

【29】また舎しゃ利り子し、 なにによりてこの経きょうを名なづけて不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんとなすや。

○▲又舎利子、何ニ縁リテ此ノ経ヲ名ケテ為スヤ↧称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ト↥。

舎しゃ利り子し、 この経きょうのなかに無む量りょう寿じゅ仏ぶつの極楽ごくらく世せ界かいの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう楊ようし讃歎さんだんし、 および十方じっぽう面めんの諸仏しょぶつ世せ尊そん、 方便ほうべんをもつてもろもろの有う情じょうを利り益やくし安楽あんらくならしめんと欲ほっするがためのゆゑに、 おのおの本ほん土どに住じゅうし、 大だい神変じんぺんを現げんじ、 誠じょう諦たいの言ごんを説ときて、 もろもろの有う情じょうにこの法ほうを信受しんじゅせんことを勧すすめたまふによる。

○舎利子、由ル↫此ノ経ノ中ニ称↢*楊シ讃↣歎シ無量寿仏ノ極楽世界ノ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡、及ビ▼十方面ノ諸仏世尊、為ノ↠欲スルガ↤方便ヲモテ利↢益シ安↣楽ナラシメムト諸ノ有情ヲ↡故ニ、各ノ住シ↢本土ニ↡、現ジ↢大神変ヲ↡、説キテ↢誠諦ノ言ヲ↡、勧メタマフニ↪諸ノ有情ニ信↩受セムコトヲ此ノ法ヲ↨。

このゆゑにこの経きょうを名なづけて不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土どの功く徳どくを称しょう讃さんしたまふ一切いっさい諸仏しょぶつの摂しょう受じゅせらるる法門ほうもんとなす。

○是ノ故ニ此ノ経ヲ名ケテ為ス↧称↢讃シタマフ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡一切諸仏ノ摂受セラルル法門ト↥。△

【30】また舎しゃ利り子し、 もし善男ぜんなん子しあるいは善ぜん女人にょにん、 あるいはすでに聞きくことを得え、 あるいはまさに聞きくことを得え、 あるいはいま聞きくことを得えん。 この経きょうを聞ききをはりて深ふかく信しん解げを生しょうじ、 信しん解げを生しょうじをはりて、 かならずかくのごとき十方じっぽう面めんに住じゅうしたまへる十じゅう殑きょう伽か沙しゃの諸仏しょぶつ世せ尊そんの摂しょう受じゅしたまふところとなる。 説せつのごとく行ぎょうぜん者ものは、 一切いっさいさだめて阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいより退転たいてんせざることを得え、 一切いっさいさだめて無む量りょう寿じゅ仏ぶつの極楽ごくらく世せ界かい清浄しょうじょう仏ぶつ土どに生しょうぜん。 このゆゑに舎しゃ利り子し、 なんぢら有う情じょう、 一切いっさいみなわれおよび十方じっぽうの仏ぶつ世せ尊そんの語ごを信受しんじゅし領りょう解げすべし。 まさにつとめて精しょう進じんし、 説せつのごとく修しゅ行ぎょうして、 疑ぎ慮りょを生しょうずることなかるべし。

●▲又舎利子、若シ善男子或イハ善女人、或イハ已ニ得↠聞クコトヲ、或イハ当ニ得↠聞クコトヲ、或イハ今得ム↠聞クコトヲ。聞0396キ↢是ノ経ヲ↡已リテ深ク生ジ↢信解ヲ↡、生ジ↢信解ヲ↡已リテ、必ズ為ル↧如キ↠是クノ住シタマヘル↢十方面ニ↡十殑伽沙ノ諸仏世尊之所ト↦摂受シタマフ↥。如ク↠説ノ行ゼム者ハ、一切定メテ於リ↢阿耨多羅三藐三菩提↡得↣不ルコトヲ↢退転セ↡、一切定メテ生ゼム↢無量寿仏ノ極楽世界清浄仏土ニ↡。是ノ故ニ舎利子、汝等有情、一切皆応シ↤信↢受シ領↣解ス我及ビ十方ノ仏世尊ノ語ヲ↡。当ニシ↧勤メテ精進シ、如ク↠説ノ修行シテ、勿ル↞生ズルコト↢疑慮ヲ↡。

【31】また舎しゃ利り子し、 ▼もし善男ぜんなん子しあるいは善ぜん女人にょにん無む量りょう寿じゅの極楽ごくらく世せ界かい清浄しょうじょう仏ぶつ土どの功く徳どく荘しょう厳ごんにおいて、 もしはすでに発願ほつがんし、 もしはまさに発願ほつがんし、 もしはいま発願ほつがんせんに、 かならずかくのごとき▼十方じっぽう面めんに住じゅうしたまへる十じゅう殑きょう伽か沙しゃの諸仏しょぶつ世せ尊そんの摂しょう受じゅしたまふところとなる。 説せつのごとく行ぎょうぜん者ものは、 一切いっさいさだめて阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいより退転たいてんせざることを得え、 一切いっさいさだめて無む量りょう寿じゅ仏ぶつの極楽ごくらく世せ界かい清浄しょうじょう仏ぶつ土どに生しょうぜん。

○又舎利子、若シ善男子或イハ善女人▲於テ↢無量寿ノ極楽世界清浄仏土ノ功徳荘厳ニ↡、若シハ已ニ発願シ、若シハ当ニ発願シ、若シハ今発願セムニ、必ズ為ル↧如キ↠是クノ住シタマヘル↢十方面ニ↡十殑伽沙ノ諸仏世尊之所ト↦摂受シタマフ↥。如ク↠説ノ行ゼム者ハ、一切定メテ於リ↢阿耨多羅三藐三菩提↡得↠不ルコトヲ↢退転セ↡、一切定メテ生ゼム↢無量寿仏ノ極楽世界清浄仏土ニ↡。

このゆゑに舎しゃ利り子し、 もし浄じょう信しんのもろもろの善男ぜんなん子しあるいは善ぜん女人にょにんあらば、 一切いっさいみな無む量りょう寿じゅの極楽ごくらく世せ界かい清浄しょうじょう仏ぶつ土どにおいて、 深ふかく心こころに信しん解げし、 発願ほつがんして往おう生じょうし、 放逸ほういつを行ぎょうずることなかるべし。

○是ノ故ニ舎利子、若シ有ラバ↢浄信ノ諸ノ善男子或イハ善女人↡、一切皆応シ↧於テ↢無量寿ノ極楽世界清浄仏土ニ↡、深ク心ニ信解シ、発願シテ往生シ、勿ル↞行ズルコト↢放逸ヲ↡。△

【32】また舎しゃ利り子し、 われいま無む量りょう寿じゅ仏ぶつの極楽ごくらく世せ界かいの不可ふか思議しぎなる仏ぶつ土ど功く徳どくを称しょう楊ようし讃歎さんだんするがごとく、

○又舎利子、如ク↤我今者称↢*揚シ讃↣歎スルガ無量寿仏ノ極楽世界ノ不可思議ナル仏土ノ功徳ヲ↡、

かの十方じっぽう面めんの諸仏しょぶつ世せ尊そんもまたわが不可ふか思議しぎ無む辺へんの功く徳どくを称しょう讃さんして、 みなこの言ごんをなしたまふ。 はなはだ奇めずらしく希有けうなり。 釈しゃ迦か寂静じゃくじょう・釈しゃ迦か法王ほうおう、 如来にょらい・応おう・正しょう等覚とうがく・明行みょうぎょう・円満えんまん・善逝ぜんぜい・世せ間けん解げ・無む上じょう・丈じょう夫ぶ調じょう御ご士し・天人てんにん師し・仏ぶつ・世せ尊そん、 すなはちよくこの堪忍かんにん世せ界かいにおいて五ご濁じょく悪あく時じのいはゆる劫こう濁じょく・もろもろの有う情じょう濁じょく・もろもろの煩悩ぼんのう濁じょく・見けん濁じょく・命濁みょうじょくのなかにおいて、 阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを証しょう得とくし、 方便ほうべんをもつてもろもろの有う情じょうを利り益やくし安楽あんらくならしめんと欲ほっするがためのゆゑに、 この世せ間けん極ごく難信なんしんの法ほうを説ときたまふと。

○▲彼ノ十方面ノ諸仏世尊モ亦称↢讃シテ我ガ不可思議無辺ノ功徳ヲ↡、皆作シタマフ↢是ノ言ヲ↡。甚ダ奇メヅラシク希有ナリ。釈迦寂静・釈迦法王、如来・応・正等覚・明行円満・善逝0397・世間解・無上・丈夫調御士・天人師・仏・世尊、乃チ能ク於テ↢是ノ堪忍世界ニ↡五濁悪時ノ所謂ル劫濁・諸ノ有情濁・諸ノ煩悩濁・見濁・命濁ノ於テ↠中ニ、証↢得シ阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡、為ノ↠欲スルガ↤方便ヲモテ利↢益シ安↣楽ナラシメムト諸ノ有情ヲ↡故ニ、説キタマフト↢是ノ世間極難信ノ法ヲ↡。

このゆゑに舎しゃ利り子し、 まさに知るべし、 われいまこの雑染ぞうぜんの堪忍かんにん世せ界かいの五ご濁じょく悪あく時じにおいて、 阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを証しょう得とくし、 方便ほうべんをもつてもろもろの有う情じょうを利り益やくし安楽あんらくならしめんと欲ほっするがためのゆゑに、この世せ間けん極ごく難信なんしんの法ほうを説とくこと、 はなはだ希有けう不可ふか思議しぎなりとなすと。

○是ノ故ニ舎利子、当ニシ↠知ル、我今於テ↢此ノ雑染ノ堪忍世界ノ五濁悪時ニ↡、証↢得シ阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡、為ノ↠欲スルガ↤方便ヲモテ利↢益シ安↣楽ナラシメムト諸ノ有情ヲ↡故ニ、説クコト↢是ノ世間極難信ノ法ヲ↡、甚ダ為スト↢希有不可思議ナリト↡。

また舎しゃ利り子し、 ▼この雑染ぞうぜんの堪忍かんにん世せ界かいの五ご濁じょく悪あく時じにおいて、 もし浄じょう信しんのもろもろの善男ぜんなん子しあるいは善ぜん女人にょにんありて、 かくのごときの一切いっさい世せ間けん極ごく難信なんしんの法ほうを説ときたまふを聞ききて、 よく信しん解げを生しょうじ、 受じゅ持じし演説えんぜつして、 教きょうのごとく修しゅ行ぎょうせば、 まさに知しるべし、 この人ひとははなはだ希有けうなりとなす。 無む量りょうの仏ぶつの所みもとにして、 かつて善根ぜんごんを種うう。 この人ひと命終みょうじゅうし、 さだめて西方さいほう極楽ごくらく世せ界かいに生しょうじ、 種々しゅじゅの功く徳どくをもつて荘しょう厳ごんせらるる清浄しょうじょう仏ぶつ土どの大だい乗じょうの法楽ほうらくを受用じゅゆうし、 日にち夜や六ろく時じに、 無む量りょう寿じゅ仏ぶつに親近しんごんし供く養ようして、 十方じっぽうに遊ゆ歴りゃくし諸仏しょぶつを供く養ようして、 諸仏しょぶつの所みもとにおいて法ほうを聞きき受じゅ記きせらる。 福ふく・慧えの資し糧りょう、 疾とく円満えんまんすることを得えて、 すみやかに無む上じょう正しょう等とう菩ぼ提だいを証しょうせんと。

●又舎利子、於テ↢此ノ雑染ノ堪忍*世界ノ五濁悪時ニ↡、若シ有リテ↢浄信ノ諸ノ善男子或イハ善女人↡、聞キテ↠説キタマフヲ↢如キノ↠是クノ▼一切世間▼極難信ノ法ヲ↡、能ク生ジ↢信解ヲ↡、受持シ演説シテ、如ク↠教ノ修行セバ、当ニシ↠知ル、是ノ人ハ甚ダ為ス↢希有ナリト↡。無量ノ仏ノ所ニシテ、曽テ種ウ↢善根ヲ↡。是ノ人命終シ、定メテ生ジ↢西方極楽世界ニ↡、受↢用シ種種ノ功徳ヲモテ荘厳セラルル清浄仏土ノ大乗ノ法楽ヲ↡、日夜六時ニ、親↢近シ供↣養シテ無量寿仏ニ↡、遊↢歴シ十方ニ↡供↢養シテ諸仏ヲ↡、於テ↢諸仏ノ所ニ↡聞キ↠法ヲ受記セラル。福・慧ノ資糧、疾ク得テ↢円満スルコトヲ↡、速ニ証セムト↢無上正等菩提ヲ↡。△

時ときに薄伽ばが梵ぼんこの経きょうを説ときをはりたまふに、 尊者そんじゃ舎しゃ利り子し等とうのもろもろの大だい声しょう聞もんおよびもろもろの菩ぼ薩さつ摩訶まか薩さつ衆しゅ、 無む量りょうの天てん・人にん・阿素あそ洛らく等とう一切いっさいの大衆だいしゅ、 仏ぶつの所説しょせつを聞ききて、 みなおほきに歓かん喜ぎし、 信受しんじゅして奉ぶ行ぎょうしたてまつりき。

○時ニ薄伽梵説キ↢是ノ経ヲ↡已リタマフニ、尊者舎利子*等ノ諸ノ大声聞及ビ諸ノ菩薩摩訶薩衆、無量ノ天・人・阿素洛等一切ノ大衆、聞キテ↢仏ノ所説ヲ↡、皆大ニ歓喜シ、信受シテ奉行シタテマツリキ。

 

*称0398讃浄土仏摂受経

 

延書は底本の訓点に従って有国が行った(固有名詞の訓は保証できない)。
底本は◎高麗版(再雕本)¬大蔵経¼所収本。 Ⓐ高麗版(再雕本)¬大蔵経¼所収本、 Ⓑ金版¬大蔵経¼所収本、 Ⓒ宋版(思溪版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓓ元版(普寧寺版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓔ明版(万歴版)¬大蔵経¼所収本 と対校。
大 ⒸⒺになし
犍→ⒸⒹ揵
琉→ⒸⒹⒺ瑠
琉→Ⓔ瑠
伽→ⒸⒹⒺ迦
楊→ⒶⒷⒸⒹⒺ揚
現→Ⓔ視
亦 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
震→ⒸⒹⒺ振
揚→ⒶⒷⒸⒹⒺ揚[諸仏]→Ⓑ楊諸仏
世界→ⒶⒷⒸⒹⒺ界中
等 ⒶⒷⒸⒹⒺになし
称讃 Ⓓになし