ぞうじょうえん 増上縁 となってを引かせるはたらき。 またが果になることをさまたげないこと。 浄土教では阿弥陀仏のすぐれた力を指していう。 衆生名号を称えると、 多劫の罪が除かれ、 命終わる時に仏やしょうじゅ来迎らいこうを受けて、 往生することができるという関係にあること。 曇鸞は ¬論註¼ (行巻引文) において、 衆生往生の因果は阿弥陀仏の本願力を増上縁として成立することを証明 (三願的証) し、 また善導は 「玄義分」 に 「一切善悪の凡夫、 生ずることを得るは、 みな阿弥陀仏の大願業力に乗じて増上縁とせざることなし」 (証巻引文) と述べ、 ¬観念法門¼ には、 念仏者にすぐれたやくをもたらす五種増上縁が説かれている。 →三縁さんえん七補註9