しほう 四法 教・行・信・証のこと。 親鸞が ¬教行信証¼ においてあきらかにした浄土真宗の教義体系。 教とは釈尊が出世本懐として説いた ¬大経¼ であり、 これに説かれているのが行・信・証の因果である。 行とは衆生の上で念仏となってはたらく本願の名号、 信とはこの名号を領受した他力信心のこと。 証とは行信の因徳が仏果 (涅槃) としてあらわれることである。 親鸞は 「証巻」 に 「それ真実の教行信証を案ずれば、 如来の大悲回向の利益なり。 ゆゑに、 もしは因、 もしは果、 一事として阿弥陀如来の清浄願心の回向成就したまへるところにあらざることあることなし」 と述べ、 これらはすべて阿弥陀仏の本願力によって回向されるものとしている。
なお、 教・行・証の三法と教・行・信・証の四法との関係について、 三法は行の中に信を摂めたものであり、 聖道門の諸行に対して念仏の超勝性をあきらかにし、 名号の独用 (ひとりばたらき) によって衆生が往生成仏することを示したものであるとされている。 また、 四法は行から信を開いたものであり、 信心正因の義を示し、 これによって自力念仏と他力念仏との法義の相違があきらかとされる。 →五願開示、 両重因縁。