ぐがん 弘願 広弘の誓願の意。 一般には四弘誓願のこととされ、 ¬往生要集¼ には 「一には縁事の四弘願なり」 とある。 浄土教では、 もとは ¬安楽集¼ に 「つぶさに弘願を発してもろもろの浄土を取りたまふ」 とあるように阿弥陀仏の四十八願を表す語であったが、 善導は 「玄義分」 に 「安楽の能人は別意の弘願を顕彰す」 (化身土巻引文) と述べ、 四十八願のうち、 特に第十八願を指す語とした。 親鸞も第十八願の意とし、 第十九・二十願の教えである要門・真門に対して他力念仏の法門を顕す語として用いた。 「化身土巻」 には 「彰といふは、 如来の弘願を彰し、 利他通入の一心を演暢す」、 ¬浄土和讃¼ には 「一代諸教の信よりも 弘願の信楽なほかたし」 等とある。