しょうじょうごう 正定業 正しく衆生の往生が決定する行業、 業因の意。 五正行の中の称名のことをいい、 称名以外の四行を助業とする。 称名が正定業であるのは、 第十八願文に往生行として誓われているからである。 そのことを善導は、 「散善義」 に 「かの仏願に順ずるがゆゑに」 (信巻引文) といい、 法然は、 ¬選択集¼ に 「仏の本願によるがゆゑに」 (行巻引文) という。 親鸞には、 称名以外に名号・信心を正定業という場合がある。 「正信偈」 に 「本願の名号は正定の業なり」 とあるのは名号正定業、 ¬一多文意¼ に 「是名正定之業順彼仏願故といふは、 弘誓を信ずるを、 報土の業因と定まるを、 正定の業となづくといふ、 仏の願にしたがふがゆゑにと申す文なり」 とあるのは信心正定業を指す。 このように称名・名号・信心が同じく正定業と述べられるのは、 名号とは阿弥陀仏のはたらきそのもののことであり、 信心と称名とはその名号が衆生のところではたらいているすがたであって、 これら三者が別個のものではなく、 本質としては同一のものと理解されているからである。 →大行、 正雑二行、 補註10、 七補註5。