さんがんてきしょう 三願的証 的取三願ともいう。 曇鸞が、 阿弥陀仏本願力他力をあきらかにするにあたり第十一・十八・二十二の三願をあげ、 衆生往生の因果を証明したこと。 ¬浄土論¼ に 「速やかに阿耨多羅三藐三菩提を成就することを得るゆゑなり」 と説かれている理由について、 曇鸞は ¬論註¼ 覈求其本釈に 「しかるに覈に其の本を求むるに、 阿弥陀如来を増上縁となす」 と述べ、 さらに 「おほよそこれかの浄土に生ずると、 およびかの菩薩・人・天の所起の諸行とは、 みな阿弥陀仏の本願力によるがゆゑなり。 なにをもつてこれをいふとなれば、 もし仏力にあらずは、 四十八願すなはちこれ徒設ならん。 いま的らかに三願を取りて、 もつて義の意を証せん」 と述べている。 そして第十八願力によって往生の因であるところの十念念仏成就せしめられ、 往生すれば第十一願力によって必ず滅度に至ることのできる正定聚に住せしめられ、 さらにこの正定聚の菩薩は第二十二願力によって諸地の階位を超越して一生補処に至らしめられ、 普賢の行 (園林おんりん遊戯ゆげもん) を修習するとし、 このように第十一・十八・二十二願力を増上縁とするのであるから、 願生行者は速やかに無上菩提 (仏果) を成就することができるとしている。 衆生の往生成仏因果からいえば、 四十八願はこの三願に帰結するものであるということをあきらかにしている。