おくしもん 抑止門 抑止とはおさえとどめるという意。 善導が 「散善義」 において、 ¬大経¼ 第十八願文および成就文に 「ただ五逆と誹謗正法とをば除く」 と説かれていることと、 ¬観経¼ 下品下生に五逆罪を犯したものでも十念の念仏によって往生できると説かれていることの矛盾を解釈する際に用いた名目。 善導は、 第十八願文で 「除く」 とあるのは、 まだ五逆や謗法を造っていない (未造業) ものに対して、 衆生がそのような重罪を犯してはならないと抑えとどめた言葉とし、 これを抑止門とした。 これに対して、 下品下生のもののようにすでに五逆を造ってしまった (已造業) のものは、 かえって阿弥陀仏の大悲によって摂取され往生できると述べている。 これを抑止門に対して摂取門という。 さらに親鸞は、 「除く」 と説かれたのは、 五逆と謗法とが極重罪であることを知らしめ、 回心せしめて、 みなもれず往生せしめようというとする意であるという。 →唯除五逆誹謗正法。