にしゅほっしん 二種法身 法性法身と方便法身。 曇鸞は ¬論註¼ において阿弥陀仏の浄土の広略相入を明かす中で、 「諸仏・如来に二種の法身あり。 一つには法性法身、 二つには方便法身なり。 法性法身によりて方便法身を生ず。 方便法身によりて法性法身を出す。 この二の法身は、 異にして分つべからず、 一にして同じかるべからず」 (証巻引文) と述べ、 両者は、 法性法身によって方便法身を生じ、 方便法身によって法性法身をあらわすという関係であり、 また、 異なってはいるが分けることはできず、 一つではあるが同じとすることはできないという関係であることをしめしている。 親鸞は ¬唯信鈔文意¼ に、 「法身はいろもなし、 かたちもましまさず。 しかれば、 こころもおよばれず、 ことばもたえたり。 この一如よりかたちをあらはして、 方便法身と申す御すがたをしめして、 法蔵比丘となのりたまひて」 と述べ、 法性法身から、 自他を分別し執着して苦悩する衆生をよびさまし、 万物が本来平等一如であるという真如の世界にかえらしめようと、 かたちをあらわし御名を垂れ、 大悲の本願をもって救済せんとするのが方便法身すなわち阿弥陀仏であるとする。 →七補註1。