じっこうくおん 十劫久遠 阿弥陀仏成仏について、 十劫の昔であったか久遠の昔であったかを論じることをいう。 この論題が提起されたのは、 ¬大経¼ には 「仏のたまはく、 成仏よりこのかた、 おほよそ十劫を歴たまへり」 等と説かれ、 十劫の昔に成仏した阿弥陀仏が示される一方、 ¬浄土和讃¼ には 「いまに十劫とときたれど 塵点久遠劫よりも ひさしき仏とみえたまふ」 と、 阿弥陀仏は久遠の昔からすでに成仏していたとも示されていることによる。 これについて、 存覚は ¬浄土真要鈔¼ において、 ¬大経¼ に説かれる法蔵菩薩発願修行、 十劫の昔の成道の相は、 久遠の昔に成仏した阿弥陀仏の衆生を救う果後の方便であるとする。