いっしん 一心 ❶本願を信じて、 二心 (疑心) のないこと。 →七補註7。 ❷天親の ¬浄土論¼ に 「世尊、 われ一心に尽十方無礙光如来に帰命したてまつる」とある一心のこと。 天親が自らの信心の相をあきらかに述べたもので、 「信巻」 ではこの一心と ¬大経¼ 第十八願文に説かれる至心・信楽・欲生の三心との関係を論じて、 「三心即一心」であるとする。 →三一問答、 三心一心。 ❸ ¬論註△¼ (信巻引文) や ¬安楽集△¼ に説かれる信心の三相の一。 →三不三信。 ❹ ¬小経¼ には 「一心にして乱れざれば」 とあり、 親鸞はこの一心を 「化身土巻」 に 「¬小本¼ には一心とのたまへり、 二行雑はることなきがゆゑに一とのたまへるなり。 また一心について深あり浅あり。 深とは利他真実の心これなり、 浅とは定散自利の心これなり」 と解釈している。