下品下生 九品の一△。 下下品ともいう。 五逆・十悪など、 さまざまな悪業を犯した地獄に堕ちるべき者が、 臨終に善知識から教えられた念仏を苦に逼められて修することができなくても、 十念の念仏によって八十億劫の生死の罪が除かれて往生し、 菩提心をおこすと説かれている。 なお、 この悪人の往生と第十八願の唯除五逆誹謗正法との関係について、 曇鸞は ¬論註△¼ 八番問答において十念の意義とともに論じており、 善導も 「散善義△」 において抑止門の義を述べている。 親鸞は ¬唯信鈔文意△¼ において、 この下下品の十念を、 第十八願の乃至十念すなわち十声の称名であるとしている。 →九品唯凡。