えこうほつがんしん 回向発願心 ¬観経¼ に説く三心の一。 自己の善根をふりむけて浄土へ往生しようと願う心。 「散善義」 に 「過去および今生の身口意業所修の世・出世の善根と、 および他の一切凡聖の身口意業所修の世・出世の善根を随喜せると、 この自他の所修の善根をもつて、 ことごとくみな真実の深信の心中に回向して、 かの国に生ぜんと願ず」 とある。 なお、 親鸞は ¬観経¼ に隠顕を見て、 顕説では自力心、 隠彰では阿弥陀仏より回向された功徳を得て、 必ず往生できることをよろこぶ心とする。 「信巻」 に引用される 「散善義」 の文には 「また回向発願して生ずるものは、 かならず決定して真実心のうちに回向したまへる願を須ゐて得生の想をなせ」 とある。 →七補註7。