じゅうらい

・略讃

【1】 ^*てんにんぎょうせられたまふ、 弥陀みだせん*りょうぞくそん*稽首けいしゅしたてまつる。

稽↧首マツル天・人レタマフ↢恭敬阿弥陀仙両足尊

かのみょう安楽あんらくこくにましまして、 りょう*ぶっしゅ*にょうせられたまへり。

シテ↢彼微妙安楽国無量仏子衆囲遶ラレタマヘリ

・広讃 ・正報 ・両足尊 ・智定悲智を嘆じて礼す

【2】 ^金色こんじききよくして、 *山王せんのうのごとし。 *しゃ摩他またぎょうは、 ぞうあゆむがごとし。

金色身浄クシテ↢山王奢摩他↢象ムガ

りょうもくきよきこと、 しょうれんのごとし。 ゆゑにわれ、 弥陀みだそんちょうらいしたてまつる。

両目キコト↢青蓮華我頂↢礼マツル弥陀尊

【3】 ^おもてよく*えんじょうなること満月まんがつのごとし。 こうはなほせん日月にちがつのごとし。

面善円浄ナルコト↢満月威光猶如↢千日月

みこえ*てん*倶翅羅くしらのごとし。 ゆゑにわれ、 弥陀みだそんちょうらいしたてまつる。

↢天鼓倶翅羅我頂↢礼マツル弥陀尊

・広讃 ・正報 ・両足尊 ・内外伏摂に就いて礼す ・外相の折伏に就いて礼す

【4】 ^*観音かんのんちょうだいかんちゅうじゅうしたまふ。 種々しゅじゅみょうそうたからをもつてしょうごんせり。

観音頂戴冠中タマフ種種妙相宝ヲモテ荘厳

よく*どうとのきょうまんぶくす。 ゆゑにわれ、 弥陀みだそんちょうらいしたてまつる。

↢外道トノ憍慢我頂↢礼マツル弥陀尊

・広讃 ・正報 ・両足尊 ・内外伏摂に就いて礼す ・内徳の摂受に約して礼す

【5】 ^*無比むひ無垢むくにして、 ひろ清浄しょうじょうなり。 *衆徳しゅとくきょうけつなることくうのごとし。

無比・無垢ニシテ清浄ナリ衆徳皎潔ナルコト↢虚空

しょやくざいたまへり。 ゆゑにわれ、 弥陀みだそんちょうらいしたてまつる。

所作利益タマヘリ↢自在我頂↢礼マツル弥陀尊

・広讃 ・正報 ・仏住在 ・仏の在由をもって礼す

【6】 ^十方じっぽう*きこゆるさつしゅりょうしょ、 つねに讃歎さんだんす。

十方ユル菩薩衆無量諸魔常讃歎

もろもろのしゅじょうのために、 願力がんりきをもつてじゅうしたまふ。 ゆゑにわれ、 弥陀みだそんちょうらいしたてまつる。

↢諸衆生↡願力ヲモテタマフ我頂↢礼マツル弥陀尊

・広讃 ・正報 ・仏住在 ・仏の在相を嘆じて礼す

【7】 ^こがねそことし、 たからまじへたるいけしょうぜるはな善根ぜんごんじょうぜるところの*みょうだいあり。

トシマジハリタルゼル善根↠成ゼル妙台座

かのうえにして山王せんのうのごとし。 ゆゑにわれ、 弥陀みだそんちょうらいしたてまつる。

↢彼↡如↢山王我頂↢礼マツル弥陀尊

・広讃 ・正報 ・衆生囲繞 ・繞敬相を叙して礼す

【8】 ^十方じっぽうよりきたれるところのもろもろのぶっ神通じんずう顕現けんげんして安楽あんらくいたり、

十方ヨリ↠来レル仏子顕↢現神通↡至↢安楽

尊顔そんげん*瞻仰せんごうしてつねに*ぎょうす。 ゆゑにわれ、 弥陀みだそんちょうらいしたてまつる。

瞻↢仰尊顔↡常恭敬我頂↢礼マツル弥陀尊

・広讃 ・正報 ・衆生囲繞 ・その所以を示して礼す

【9】 ^*しょじょう無我むがとうなり。 また*水月すいがついなずまかげつゆのごとし。

所有無常・無我等ナリ亦如↢水月・電影・露

しゅうのためにほうくに*みょうなし。 ゆゑにわれ、 弥陀みだそんちょうらいしたてまつる。

↠衆タマフキコトヲ↢名字↡我頂↢礼マツル弥陀尊

・広讃 ・依報 ・国土の安楽を讃じて礼す

【10】^かのそん*仏刹ぶっせつにはあくなし。 また、 *女人にょにん悪道あくどうとのおそれなし。

仏刹ニハ↢悪名↡亦無↢女人悪道トノ

衆人しゅにんこころいたしてかのそんうやまふ。 ゆゑにわれ、 弥陀みだそんちょうらいしたてまつる。

衆人至↠心マツル↢彼我頂↢礼マツル弥陀尊

・広讃 ・依報 ・国土の微妙を嘆じて礼す

【11】^かのそん*りょう方便ほうべんさかいには、 *諸趣しょしゅ*あくしきあることなし。

無量方便ニハ↠有コト↢諸趣悪知識

おうじょうすれば、 退たいせずしてだいいたる。 ゆゑにわれ、 弥陀みだそんちょうらいしたてまつる。

往生レバシテ↠退↢菩提我頂↢礼マツル弥陀尊

・回向

【12】^われ、 かのそんどくくに、 衆善しゅぜんへんにして海水かいすいのごとし。

我説↢彼功徳衆善無辺ニシテ↢海水

るところの善根ぜんごん清浄しょうじょうなれば、 しゅじょう*回施えせしてかのくにしょうぜしめん。

↠獲善根清浄廻↢施衆生↡生シメ↢彼

 

天人 浄土のしょうじゅを他方世界に順じて、 天とか人と呼ぶのみで、 実の天でも人でもない。
両足尊 人のなかにあって最もすぐれたものの意で、 阿弥陀仏をたたえた呼び方。
仏子衆 仏弟子たち。 ここでは浄土の菩薩衆のこと。
山王 しゅせんのこと。
円浄 浄く円満なこと。
天鼓 天界上にある太鼓。 打たなくてもおのずと鳴って、 美しい響きを聞かせるという。
倶翅羅 梵語コーキラ (kokila) の音写。 好声鳥と漢訳する。 声の美しい鳥の名。
観音頂戴の冠中に 観世音菩薩の頭上の冠の中に。
無比無垢 比較するものもなく、 けがれもなく。
衆徳皎潔 いろいろのすぐれた性質やはたらきが、 清らかに澄みわたること。
名の聞ゆる 名声が伝わっている。
妙台座 すぐれてたくみな台座。
諸有 あらゆるもの。
水月 水にうつる月影。
名字なし すべては因縁いんねんによって生起して仮に存在するもので、 概念的にとらえられたような実体はないという空の道理のこと。
仏刹 仏の国。 →じょう
女人と悪道… →補註14
無量方便の境 阿弥陀仏の浄土のこと。 阿弥陀仏の量り知れない慈悲のてだてによって仕上げられた世界。
諸趣 いろいろな迷いの境界。 →六道ろくどう