ぜんねんみょうじゅうごねんそくしょう 前念命終後念即生 ❶善導は、 念仏の行者が命終えれば、 直ちに浄土に往生することとする。 ¬礼讃¼ には 「上一形にありては少苦に似如たれども、 前念に命終して後念にすなはちかの国に生じ (上在一形似如少苦前念命終後念即生彼国)」 とある。 この場合の前念とは命の最後の時をいい、 後念とは浄土に生まれた最初の時をいう。 ❷親鸞は、 信心獲得の時に正定聚の位に住することとする。 ¬愚禿鈔¼ には 「本願を信受するは、 前念命終なり。 すなはち正定聚の数に入ると。 文 即得往生は、 後念即生なり。 即の時必定に入ると。 文」 とある。 この場合、 前念命終とは自力心がつきて迷いを出る身となることをいい、 後念即生とは信心を獲得し往生すべき身となることをいう。