しょうぞうまつわさん 正像末和讃◎ 正法・像法・末法のすべての時代に通じる本願念仏について讃嘆した和讃。 「文明本」 によると116首を収める。 親鸞最晩年の信境の深まりがうかがわれる。 冒頭に康元2年 (1257) に親鸞が夢の告げで得た 「夢告讃」 1首を掲げ、 阿弥陀仏の本願を信じるべきことを示す。 続く 「正像末浄土和讃 (三時讃)」 58首では、 阿弥陀仏の救いが正像末三時にわたることを示す。 さらに 「誡疑讃」 23首で本願を疑う心を誡めている。 「聖徳奉讃」 11首は日本に初めて仏教をひろめた聖徳太子の徳を讃嘆するもの、 「悲嘆述懐讃」 16首は末法の世を生きる自他の姿を悲歎するものである。 終わりに如来を 「ほとけ」 と呼ぶに至った事情を歎く 「善光寺和讃」 5首、 さらに自然法爾の法語 (自然法爾章) と2首の和讃が収められている。 →三帖和讃。