さんがんてんにゅう 三願転入 三願とは阿弥陀仏四十八願の中、 第十九・二十・十八の三願のことで、 第十九願 (自力諸行往生要門)・第二十願 (自力念仏往生真門) の方便の教えを経て、 第十八願 (他力念仏往生弘願) の真実の教えへと導かれていった親鸞の求道の課程のこと。 親鸞は 「化身土巻」 に 「ここをもつて愚禿釈の鸞、 論主の解義を仰ぎ、 宗師の勧化によりて、 久しく万行諸善の仮門を出でて、 永く双樹林下の往生を離る。 善本徳本の真門に回入して、 ひとへに難思往生の心を発しき。 しかるにいまことに方便の真門を出でて、 選択の願海に転入せり。 すみやかに難思往生の心を離れて、 難思議往生を遂げんと欲す。 果遂の誓、 まことに由あるかな」 と述べ、 ここでは特に第二十願を 「果遂の誓」 と呼んで、 真実へと導かんとする阿弥陀仏の方便のはたらきを讃嘆している。 これによって方便の教えを捨てて、 弘願真実の教えに帰入すべきことが明らかにされる。