じゅうにらい 十二礼◎ 龍樹の作と伝えられる。 禅那崛多訳。 龍樹が自ら西方浄土へ往生することを願って、 阿弥陀仏を礼拝讃嘆した偈頌。 初めに阿弥陀仏の徳を讃嘆し、 ついで浄土の聖衆の徳を、 さらに国土の徳をそれぞれ讃嘆する。 最後にこの法の徳を人々に伝えて、 ともに往生しようと願う回向句をもって結んでいる。 七言一句、 四句一偈で、 全部で十二偈からなる。 最後の一偈を回向で結ぶほか、 各偈の最後の一句は礼拝を示す文とされているので、 全体として 「十二礼」 と呼ばれている。 善導の ¬礼讃¼ の昼夜讃に 「龍樹菩薩の願往生礼讃の偈」 と依用され、 また迦才の ¬浄土論¼ には、 「禅那崛多三蔵別訳の龍樹の讃のごとき、 阿弥陀仏を礼する文、 十二礼あり」 とある。 なお、 昭和23年 (1948) に蓮如の450回忌の記念事業として本偈頌が訳され、 意訳勤行 「らいはいのうた」 が制定された。