ふたいてん 不退転 阿毘跋致ゆいおっなどともいう。 菩薩修道しゅどうが進んで仏になることが定まり、 再び悪趣二乗凡夫の位に退歩したり、 さとったところの菩薩の地位や法を失わないこと、 またその位をいう。 一般には、 位・行・念の三不退説、 信・位・証・行の四不退説が説かれるが、 源信は ¬往生要集¼ において、 往生の階位を論じるなか、 三不退に処不退を加え、 西方浄土を処不退 (仏道修行より退転する悪縁のないところ) としている。 親鸞は、 第十八願成就文の 「すなはち往生を得、 不退転に住せん (即得往生住不退転)」 を、 真実信心念仏者が現生において得る正定聚やくとみている。