ぎょうのいちねん 行の一念 念は称念の意で、 一声の称名念仏のこと。 親鸞は ¬大経¼ 弥勒付属の文に 「かの仏の名号を聞くことを得て、 歓喜踊躍して乃至一念せんことあらん」 と説かれている 「乃至一念」 を行の一念を示す文と位置づけた。 この一念に2種の解釈がある。 ①遍数の一念。 名号が衆生の声となって活動する信心獲得後の最初の一声の称名をいう。 「行巻」 には 「行の一念といふは、 いはく、 称名の遍数について選択易行の至極を顕開す」 とある。 ②行相の一念。 ただ念仏して他の行を並べ修さないことをいう。 「行巻」 には 「専念といへるはすなはち一行なり、 二行なきことを形すなり。 いま弥勒付属の一念はすなはちこれ一声なり。 一声すなはちこれ一念なり」 とある。