ごねんもん 五念門 阿弥陀仏の浄土に往生するための行として、 天親の『浄土論』に示された5種の行。 礼拝門・讃嘆門・作願門・観察門・回向門の五。 この五念門行を修する結果として得られる徳が五種の功徳 (五功徳門・五果門) である。 天親においては、 奢摩他・毘婆舎那の行としての作願・観察を中心とした高度な修行法であったが、 曇鸞は讃嘆門に示された称名に注目し、 これを凡夫相応の往生行とした。 善導は ¬礼讃△¼ において五念門の次第順序を変更し、 身業礼拝門・口業讃嘆門・意業憶念観察門・作願門・回向門として示し、 源信は ¬往生要集△¼ の正修念仏門において、 作願を発菩提心の意とするなど独自の理解を示している。 親鸞は、 ¬論註¼ を通して、 それまでは往生人の所修とされていた五念門を法蔵菩薩の所修の行とし、 阿弥陀仏の名号には五念門の功徳がそなわっていると説いた。 ¬二門偈¼ には 「願力成就を五念と名づく」 とある。 →七補註5。