(958)、起請没後二箇条事

しやう もちでうこと

一 さう追善ついぜんこと

みぎさうだい、 すこぶるそのさいあり。 篭居ろうきよこゝろざしあらむ遺弟ゆいてい同法どうほふ、 またく一所ゐちしよぐんすべからざるものなり。 そのゆへいかんとならば、 またがふするにたりといゑども、 あつまればすなわちとうじやうおこす。 このことばまことなるかな、 はなはだつゝしつゝしむべし。 もししからばわが同法どうほふ、 わがもちにおいて各住かくぢゆかくしてはざるにはしかじ。 とうじやうもとゐなるゆへは、 しふのゆへなり。 ねがはくはわが弟子でし同法どうほふ、 おのおのしづか本在ほんざい草庵さうあむぢゆし、 ねむごろにわがしんしやう蓮台れんだいいのるべしと。 ゆめゆめ一所ゐちしよ群居ぐんきよすとも、 じやうろんいた忿怨ふんゑんおこすことなかれ。 おんしることあらむひとは、 毫末がうまちすべからざるものなり。

右葬家之次第、 頗有↢其採旨↡。 有↢篭居之志↡遺弟・同法等、 全不↠可↣群↢会一所↡者也。 其故何者、 雖↣復似↢和合↡、 集則起↢闘諍↡。 此言誠哉、 甚可↢謹慎↡。 若然者我同法等、 於↢我没後↡各住各居不↠如↠不↠会。 闘諍之基由、 集会之故也。 羨我弟子・同法等、 各閑住↢本在之草庵↡、 苦可↠祈↢我新生之蓮台↡。 努々群↢居一所↡、 莫↧致↢諍論↡起↦忿怨↥。 有↠知↢恩志↡之人、 毫末不↠可↠違者也。

かねてはまた追善ついぜんだい、 またふかぞんするむねあり。 ぶちしやきやうとうぜん浴室よくしちだんとうぎやう一向ゐちかうにこれをしゆすべからず。 もし追善ついぜん報恩ほうおんこゝろざしあらむひとは、 たゞ一向ゐちかう念仏ねむぶちぎやうしゆすべし。 平生へいぜいとき、 すでにぎやうくゑについて、 たゞ念仏ねむぶちゐちぎやうかぎる。 歿没ざんもちのち、 あに報恩ほうおん追修ついしゆために、 むしろ自余じよ衆善しゆぜんまじえむや。 たゞ念仏ねむぶちぎやうにおいてな0959用心ようじむあるべし。

兼又追善之次第、 亦深有↢存旨↡。 図仏・写経等善、 浴室・檀施等行、 一向不↠可↠修↠之。 若有↢追善報恩之志↡人、 唯一向可↠修↢念仏之行↡。 平生之時、 既付↢自行化他↡、 唯局↢念仏之一行↡。 歿没之後、 豈為↢報恩追修↡、 寧雑↢自余之衆善↡哉。 但於↢念仏行↡尚可↠有↢用心↡。

あるいはまなことぢてののちゐちちうそくよりこれをはじめよ。 じやうしんへうしておのおの念仏ねむぶちすべし。 中陰ちういむあひだ念仏ねむぶちゝざれ。 やゝもすればくゑんしやうじて、 おのおのかへりしんぎやうゝむ。 おほよそもちだい、 みな真実しんじちしむをもて虚仮こけぎやうつべし。 こゝろざしあらむともがら遺言ゆいごんそむくことなかれならくのみ。

或眼閉之後、 一昼夜自↢即時↡始↠之。 標↢誠至心↡各可↢念仏↡。 中陰之間、 不↠断↢念仏↡。 動生↢懈惓↡、 各還闕↢勇進之行↡。 凡没後之次第、 皆用↢真実心↡可↠棄↢虚仮行↡。 有↠志之倫、 勿↠乖↢遺言↡而已。