二六(1043)、熊谷入道への御返事

おむふみくはしくうけたまはりさふらひぬ。 かやうにまめやかに、 だいにおぼしめしさふらふ返々かへすがへすありがたくさふらふ。 まことにこのたび、 かまへてわうじやうしなむと、 おぼしめしきるべくさふらふ

うけがたき人身にんじんすでにうけたり、 あひがたき念仏ねむぶちわうじやう法門ほふもんにあひたり。 しやをいとふこゝろあり、 極楽ごくらくをねがふこゝろおこりたり。 弥陀みだほんぐわんふかし、 わうじやうはたゞおむこゝろにあるたびなり。 ゆめゆめおむ念仏ねむぶちおこたらず、 決定くゑちぢやうわうじやうのよしをぞんぜさせたまふべくさふらふ。 なにごともとゞめさふらひぬ。

ぐわち十六じふろくにち

ぐゑん