ぜんらん 善鸞 (生没年未詳) 親鸞の息男、 慈信のこと。 長男とも次男ともいわれる。 建長のはじめ頃、 親鸞門弟の間で法義理解の混乱が生じると、 親鸞の使いとして関東に下ったが、 かえって異義をとなえ、 親鸞の直弟であるしょうしんを鎌倉幕府に訴えたりしたので、 建長8年 (1256)、 親鸞は書状をもって義絶した (¬御消息¼ 第9通。 第8通、 第17通、 第28通、 第33通にも名前が見える)。 その後、 巫女の集団に交わったともいわれ、 正応3年 (1290) には、 関東の親鸞遺跡を巡拝中の覚如に相模国余綾山中 (あるいは常陸国小柿山中) で面会し、 覚如に病気治療の護符を渡している。 また、 親鸞から与えられた 「無礙光如来」 の名号を首にかけ、 移動中の馬上で念仏している姿を目撃されるなどしている。