たりりたのじんぎ 他利利他の深義 曇鸞が ¬論註¼ 覈求其本釈において、 他利と利他との語義の違いを示すことによって、 阿弥陀仏の他力の意義を明らかにしたこと。 他利とは衆生にとって他者である仏に利益されること、 利他とは仏にとって他者である衆生を利益することで、 仏の救済について、 利約される衆生の立場 (他利) で述べるか、 利益する仏の立場 (利他) で述べるかの違いをいう。 これを親鸞は 「証巻」 に 「宗師は大悲往還の回向を顕示して、 ねんごろに他利利他の深義を弘宣したまへり」 と示している。