さんぎょうおんけん 三経隠顕 浄土三部経の説相を隠顕を通して解釈すること。 親鸞は三経について一致 (隠) と差別 (顕) の両様の見方を示している。 顕 (顕説) の立場からいえば、 ¬大経¼ は第十八願他力念仏の法、 ¬観経¼ は第十九願自力諸行の法、 ¬小経¼ は第二十願自力念仏の法を開説した経典であり (三経差別)、 隠 (隠彰) の立場からいえば、 ¬観経¼ ¬小経¼ の本意は ¬大経¼ と同じく他力念仏の法を説くことにあるとする (三経一致)。 「化身土巻」 には 「問ふ。 ¬大本¼ の三心と ¬観経¼ の三心と一異いかんぞや。 答ふ。 釈家の意によりて ¬無量寿仏観経¼ を案ずれば、 顕彰隠密の義あり」 とあり、 善導の釈意によって ¬観経¼ に隠顕があることが示されている。 さらに 「¬観経¼ に准知するに、 この ¬経¼ にまた顕彰隠密の義あるべし」 と、 ¬観経¼ に準じて ¬小経¼ にも隠顕があるとしている。 →顕彰隠密、 三輩隠顕。