ここんかいじょう 古今楷定 「古今」 とは、 善導の当時やそれ以前の聖道門の諸師のことで、 特に浄影寺慧遠・嘉祥時吉蔵・天台大師智顗や摂論宗の学徒などを指す。 「楷定」 とは、 手本・基準を確定するという意。 善導が、 古今の諸師の ¬観経¼ に対する見解の誤りをあらためて、 軌範とすべき正しい解釈を確定したことをいう。 また、 その功績を指す。 「散善義」 に 「某、 いまこの ¬観経¼ の要義を出して、 古今を楷定せんと欲す」 とある。 ¬観経¼ について諸師が聖道門の立場から聖者のために説かれた教典としたことに対して、 善導は浄土門の立場から 「阿弥陀仏の大願業力によって程度の低い凡夫が報土というすぐれた浄土に往生できる」 (凡夫入報) という凡夫の救いが説かれた教典とした。 →九品唯凡、 十六観、 是報非化、 念観両宗、 別時意会通。